(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161253
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】発光玩具
(51)【国際特許分類】
A63H 33/26 20060101AFI20241108BHJP
A63H 33/22 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
A63H33/26 A
A63H33/22 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024153520
(22)【出願日】2024-09-05
(62)【分割の表示】P 2022140403の分割
【原出願日】2022-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】青木 武
(72)【発明者】
【氏名】丸山 洋平
(72)【発明者】
【氏名】森實 千賀
(57)【要約】
【課題】構造が簡単で効果的な装飾が可能な発光玩具を提供する。
【解決手段】発光玩具1は、発光部8と、発光部8と対向する第1の面11を有し、所定の形象物を模した光透過性を有する第1部材10と、を備え、第1部材10は、第1の面11に形象物の装飾を表す凸部15が設けられる。そして、形象物の装飾を形象物の第1の面11に設けられていることで、発光していない状態では第1の面11とは反対側である外表面12から装飾を見えないようにできる一方、発光部8が発光したときは、凸部15によって装飾が第1の面11とは反対側において顕在化させることができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光部と、
前記発光部と対向する第1の面を有し、所定の形象物を模した光透過性を有する第1部材と、を備え、
前記第1部材は、前記第1の面に前記形象物の装飾を表す凸部が設けられる、
発光玩具。
【請求項2】
請求項1に記載の発光玩具であって、
前記発光部からの光によって前記第1の面に形成される前記凸部の影により、前記装飾が前記第1部材の前記第1の面とは反対の第2の面に顕在化する、
発光玩具。
【請求項3】
請求項2に記載の発光玩具であって、
前記凸部は、突出高さの異なる複数種の凸部を含む、
発光玩具。
【請求項4】
請求項3に記載の発光玩具であって、
隣接する異種の前記凸部は、前記発光部に近いものの方が、突出高さが高く形成されている、
発光玩具。
【請求項5】
請求項1に記載の発光玩具であって、
前記凸部の突出高さは、前記第1部材の当該凸部が形成されている領域と異なる領域の厚みよりも小さい、
発光玩具。
【請求項6】
請求項1に記載の発光玩具であって、
前記第1部材側に膨らむ湾曲面部を有する第2部材を備え、
前記湾曲面部は、前記発光部を被覆する、
発光玩具。
【請求項7】
請求項6に記載の発光玩具であって、
前記第2部材は、前記第1部材よりも光透過性が高い、
発光玩具。
【請求項8】
請求項6に記載の発光玩具であって、
前記第2部材の厚みは、前記第1部材の厚みよりも小さい、
発光玩具。
【請求項9】
請求項6に記載の発光玩具であって、
前記発光部から発生した光は、前記湾曲面部を介して前記凸部を照射する、
発光玩具。
【請求項10】
請求項6に記載の発光玩具であって、
前記第2部材は、前記湾曲面部が半球状に構成され、前記湾曲面部の基端部から前記発光部から離れる方向に張り出す平板部を備えている、
発光玩具。
【請求項11】
請求項10に記載の発光玩具であって、
前記第1部材は、その外縁部に前記平板部に向って突出する突出縁部が設けられ、前記第1の面側に発光空間を形成する、
発光玩具。
【請求項12】
請求項11に記載の発光玩具であって、
前記第1部材は、前記第2部材に重なる第1部分と、前記第1部分とは異なる第2部分とを有し、
前記第1部分に形成される前記発光空間と前記第2部分に形成される前記発光空間は、空間連通部により繋がっている、
発光玩具。
【請求項13】
請求項11に記載の発光玩具であって、
前記平板部は、その外周端部が前記第1部材に向って突出した凹状に構成され、
前記第1部材は、前記突出縁部が前記外周端部の内側に嵌るように設けられている、
発光玩具。
【請求項14】
請求項11に記載の発光玩具であって、
前記第1部材の周囲には、前記第1部材の前記第2の面側から見た状態において、前記突出縁部を囲むように、前記第1部材とは色若しくは光透過性の異なる第3部材が設けられている、
発光玩具。
【請求項15】
請求項14に記載の発光玩具であって、
前記第3部材は、前記第1部材より光透過性が低い、
発光玩具。
【請求項16】
請求項14に記載の発光玩具であって、
前記第3部材は、前記第1部材を囲む内周縁の少なくとも一部が前記平板部に向って突出する内縁突出部を有し、
前記内縁突出部は、前記平板部の外周端部に突き合せるように接続されている、
発光玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、特許文献1には、玩具本体部分である第一主玩具体と、第一主玩具体に対して開閉可能な蓋部材の第二主玩具体と、を有し、更に、第一主玩具体に設けられた、副玩具体が装着される副玩具体装着部と、演出出力部と、を備えており、副玩具体を、副玩具体装着部に装着し且つ回転することで、第二主玩具体が閉状態から開状態に変化可能に構成された演出出力玩具、が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された演出出力玩具は、その演出においては、音声や音楽による音演出、及び光による発光演出が行われ、興趣性の高い玩具が提供されている。この種の玩具では、例えば光演出等において、更に興趣性を高める工夫を考慮した場合、多くの場合、電子制御による発光制御(発光の変化)が考えられる。しかし、電子制御を用いた発光の制御の場合には、玩具自体が複雑化し、コストが嵩むという問題を抱えてるのが現状である。
【0005】
本発明は、構造が簡単で効果的な装飾が可能な発光玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の発光玩具は、
発光部と、
前記発光部と対向する第1の面を有し、所定の形象物を模した光透過性を有する第1部材と、を備え、
前記第1部材は、前記第1の面に前記形象物の装飾を表す凸部が設けられる、
ものである。
【0007】
本発明の一態様の発光玩具であって、
前記発光部からの光によって前記第1の面に形成される前記凸部の影により、前記装飾が前記第1部材の前記第1の面とは反対の第2の面に顕在化する、
ものである。
【0008】
本発明の一態様の発光玩具であって、
前記凸部は、突出高さの異なる複数種の凸部を含む、ものである。
【0009】
本発明の一態様の発光玩具であって、
隣接する異種の前記凸部は、前記発光部に近いものの方が、突出高さが高く形成されている、ものである。
【0010】
本発明の一態様の発光玩具であって、
前記凸部の突出高さは、前記第1部材の当該凸部が形成されている領域と異なる領域の厚みよりも小さい、ものである。
【0011】
本発明の一態様の発光玩具であって、
前記第1部材側に膨らむ湾曲面部を有する第2部材を備え、
前記湾曲面部は、前記発光部を被覆する、ものである。
【0012】
本発明の一態様の発光玩具であって、
前記第2部材は、前記第1部材よりも光透過性が高い、ものである。
【0013】
本発明の一態様の発光玩具であって、
前記第2部材の厚みは、前記第1部材の厚みよりも小さい、ものである。
【0014】
本発明の一態様の発光玩具であって、
前記発光部から発生した光は、前記湾曲面部を介して前記凸部を照射する、ものである。
【0015】
本発明の一態様の発光玩具であって、
前記第2部材は、前記湾曲面部が半球状に構成され、前記湾曲面部の基端部から前記発光部から離れる方向に張り出す平板部を備えている、ものである。
【0016】
本発明の一態様の発光玩具であって、
前記第1部材は、その外縁部に前記平板部に向って突出する突出縁部が設けられ、前記第1の面側に発光空間を形成する、ものである。
【0017】
本発明の一態様の発光玩具であって、
前記第1部材は、前記第2部材に重なる第1部分と、前記第1部分とは異なる第2部分とを有し、
前記第1部分に形成される前記発光空間と前記第2部分に形成される前記発光空間は、空間連通部により繋がっている、ものである。
【0018】
本発明の一態様の発光玩具であって、
前記平板部は、その外周端部が前記第1部材に向って突出した凹状に構成され、
前記第1部材は、前記突出縁部が前記外周端部の内側に嵌るように設けられている、ものである。
【0019】
本発明の一態様の発光玩具であって、
前記第1部材の周囲には、前記第1部材の前記第2の面側から見た状態において、前記突出縁部を囲むように、前記第1部材とは色若しくは光透過性の異なる第3部材が設けられている、ものである。
【0020】
本発明の一態様の発光玩具であって、
前記第3部材は、前記第1部材より光透過性が低い、ものである。
【0021】
本発明の一態様の発光玩具であって、
前記第3部材は、前記第1部材を囲む内周縁の少なくとも一部が前記平板部に向って突出する内縁突出部を有し、
前記内縁突出部は、前記平板部の外周端部に突き合せるように接続されている、ものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、構造が簡単で効果的な装飾が可能な発光玩具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】発明の一態様の発光玩具を示す斜視図であって、(a)は、外観を示す斜視図であり、(b)は、発光玩具の蓋部を開いた状態の斜視図である。
【
図5】
図2に示した第1部材の第1の面を示す斜視図である。
【
図7】
図1に示した発光玩具の本体部の平面図であって、(a)は、発光部が発光する前の状態を示す平面図であり、(b)は、発光部が発光したときの状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の発光玩具の一態様について、図を参照して説明する。
図1は、発明の一態様の発光玩具を示す斜視図であって、(a)は、外観を示す斜視図であり、(b)は、発光玩具の蓋部を開いた状態の斜視図である。
【0025】
図1に示す発光玩具1は、例えばその外観は、
図1の(a)に示すように、平面視で円形であると共に側面視で略楕円形の形状した容器型玩具である。そして、玩具筐体は、下側の本体部2と、外面に装飾が施されて本体部2を覆う蓋部3と、を備えている。
【0026】
蓋部3は、
図1の(b)に示すように、本体部2の一端側に設けられたヒンジ部4を支点にして開閉可能に構成されている。蓋部3は、例えば、ヒンジ部4に設けられたトーションばね(不図示)によりその開方向に付勢されており、ヒンジ部4とは反対側に設けられた係止片5が、本体部2に設けられた係止孔6に係合して閉じ状態が維持される構成となっている。また、本体部2は、例えば、マニュキュア用の瓶を模した形象物の第1部材10を略中央に配置し、その周りを囲むように星模様等の図柄模様が有する第3部材30が設けられている。
【0027】
図2は、
図1に示す本体部2の分解斜視図である。
図2に示すように、本体部2は、その構成を大別すると、本体ケース2aと、光透過性の素材にて形成された第1部材10と、第1部材10に比べて光透過性が低い第3部材30と、を備えている。第1部材10は、瓶の下側(底側)の部分を模した大径の第1部分10aと、第1部分10aから突出したネック部の第2部分10bと、を有している。また、第1部材10の外周部分は、当該第1部材10の厚み方向に突出する突出縁部10e(
図3及び
図5参照)を有して実際の瓶を縦に二分したような形状に構成されている。
【0028】
本体ケース2aには、発光部8が設けられ、この発光部8を覆う半球状の湾曲面部21を有する第2部材20が設けられている。また、第2部材20に隣接した位置(
図2において右上側)には電池などの電源を備える電源部40が設けられている。第3部材30は、第1部材10をその中央の領域に嵌め込み可能に当該第1部材10の形状に合わせた開口した取付開口30hを備えている。したがって、第1部材10を本体ケース2aに固定する際は、例えば、本体ケース2a上に設けられた第2部材20に第1部分10aを対応させて配置し、また、その上から第3部材30を被せるように組合せることで本体部2に組み込むことができる。
【0029】
図3は、
図1に示すA-A断面斜視図である。
第1部材10は、例えば、
図2に示すように、外周部分が厚み方向(第2部材20)に向って突出した前掲の突出縁部10eを備えている。また、第2部材20は、湾曲面部21の基端部21bから発光部8に対して離れる方向に張り出す平板部22を備えている。この平板部22は、その外周端部22eが第1部材10の第1部分10aに対応して当該第1部材10側に向って突出した凹形状に構成されている。そして、この外周端部22eの内側に、第1部材10の突出縁部10eが嵌るように構成されている。
【0030】
発光部8は、例えば、基板7上に設けられたLEDにより構成されている。そして、この発光部8は、第1部材10側に膨らむドーム型(半球状)の前掲の光透過性の湾曲面部21にて覆われている。したがって、第1部材10と下部側の第2部材20とにより画成された空間は、発光部8からの光が発光空間SP内に拡散されて広がる発光空間SPとして機能する。すなわち、第1部材10は、その第1の面である内表面11側が発光空間SPを介して照らされる。
【0031】
また、発光部8の光が照射する内表面11には、第1部材10の厚み方向に突出する凸部15が設けられている。この凸部15は、第1部材10を装飾可能な模様として形成されている。この凸部15が形成する模様は、後述するように、発光部8の発光に応じて、第1部材10がその第2の面である外表面12側から当該模様が見えるように構成されている。
【0032】
また、第1部材10の周囲には、前掲の如く突出縁部10eを囲むように、第1部材10とは色若しくは光透過性の異なる第3部材30が設けられている。この第3部材30は、第1部材10を囲む内周縁に、平板部22の外周端部22eの先端部分と突き合せるように接続される内縁突出部30eが設けられている。このような構成の場合、第3部材30は、前掲の如く第1部材10よりも光透過性の低い部材にて構成されてはいるが、内縁突出部30e及びその周辺が少し光るようにできる。これは、例えば、平板部22内を通った発光部8の光は、外周端部22eから内縁突出部30eを介して若干漏れるようにでき、これによって、内縁突出部30eが少し明るくなるように照らされる。
【0033】
なお、第1部材10と第2部材20との光透過性の違いについては、例えば、第2部材20の方が第1部材10よりも光透過率の良い素材にて構成されてれば良いが、その他の場合、例えば、両部材が同じ素材にて構成されている場合であっても、第2部材20の方が薄く構成されている場合であっても良い。
【0034】
図4は、
図1に示すB-B断面斜視図である。
図4に示すように、第1部材10においては、第2部材20に重なる第1部分10aにより第1発光空間SP1が形成され、第1部分10aから突出した第2部分10bにより第2発光空間SP2が形成されている。この2つの発光空間SPは、空間連通部Csにより繋がっている。例えば、第2部材20の外周端部22eに切欠き部23が形成されていることで、空間連通部Csが構成されている。この空間連通部Csが形成されていることで、発光部8の光が第2発光空間SP2へ入ることができる。これにより、第2発光空間SP2は、発光部が設けられていなくても発光空間として機能する。したがって、第2発光空間SP2側においても、第1部材10の内表面11には、凸部15による装飾(
図5参照)が施されている。
【0035】
図5は、
図2に示した第1部材10の内表面11側を示す斜視図である。
図5に示すように、第1部材10の内表面11には、前掲の如く、第1部分10a、及び第2部分10bの双方に所定の模様を象った凸部15が設けられている。なお、第1部分10a側の略中央の領域は、全体が略円形の厚肉部分として他の部分よりの少し厚く構成されて凸部15が設けられている(
図3及び
図6参照)。
【0036】
また、第1部分10aの略中央部分、すなわち、発光部8に対して対面する位置には、第1部分10aの肉厚を薄くするように窪む窪み部16が形成されている。この窪み部16は、例えば、その表面が多数の平面を有する、所謂ダイヤモンドカットの形状に構成っされている。
【0037】
また、第2部分10bには、突出縁部10eの先端部分から第1部材10の外側方向(内表面11と略平行な方向)に広がる鍔部10fが設けられている。この鍔部10fは、第1部材10の組み込み状態において、第3部材30の内側に位置される。また、鍔部10fに設けられた固定部17は、例えば、本体部2の底面側から貫通される図示しない固定用ビス等によって固定される。
【0038】
図6は、
図5の示すC-C断面図である。
図6に示すように、凸部15は、その突出側壁15wが内表面11に対して略直角となるように構成されている。また、凸部15の突出高さ(h1,h2,h3)は、発光部8との位置関係によって異なる複数種の高さを有している。発光部8は、前掲したように窪み部16に対面した位置に設けられている。例えば、凸部15において、発光部8に近いものの方が、突出高さが高く(h1>h2>h3)なるように形成されている。また、凸部15の突出高さ(h1,h2,h3)は、第1部材10の凸部15が形成されていない領域Fの厚み(d)よりも小さく構成されている。
【0039】
ここで、凸部15の装飾が外表面12側に形成される原理について説明する。
先ず、第1部材10は、前掲のように光透過性の部材として構成されてはいるものの、略完全な透明な部材ではなく所定の色彩を発するように適宜色が付けられている。このように、第1部材10が光透過性であるが無色透明な部材にて構成されていないことで、発光部8が発光していないときは、第1部材10の外表面12側からは凸部15の映りが見えない。
【0040】
一方、発光部8が発光したときは、
図6に示すように、発光部8からの光Lが湾曲面部21を介して凸部15を照射する。この照射によって、凸部15は、内表面11に影Sを形成する。この影Sによって内表面11上の明暗が形成され、これによって、凸部15による装飾形状が外表面12に映し出されて顕在化する。
なお、窪み部16は、発光部8に最も近い部分であって光量が多く、かつ他の部分よりも薄く構成されていることで、他の部分よりも明るく輝く構成となっている。
【0041】
図7は、本体部2の平面図であって、(a)は、発光部8が発光する前の状態を示す平面図であり、(b)は、発光部8が発光したときの平面図である。
前掲のように、発光部8が消えているときには、
図7(a)に示すように、第1部材10は、第3部材30と共に光っておらず、その元の色として示される。しかし、発光部8が点灯したときには、
図7(b)に示すように、第1部材10は、その周りに配置された第3部材30に比べて明るく光る。そして、第1部材10は、凸部15によって影絵装飾15a,15b,16aとして外表面12上に顕在化する。
【0042】
また、第1部分10aは、その直下に発光部8が位置しているので最も明るく光る。しかし、第2部分10bには発光部8がないことで、第1部分10aに比べて少し暗い光り方となる。また、その第2部分10bの光り方は、先端側(図中において上側)に行くのにしたがって徐々に暗くなるように演出される。
【0043】
また、第3部材30は、発光部8の光がほとんど届かないためにその殆どが元の色のままである。しかし、第2部材20の光透過性の調整具合によっては、第2部材20の平板部22から漏れる光により少し明るくすることができる。また、前掲の如く、第2部材20の外周端部22eから内縁突出部30eに光が入射することで、第1部分10aの周囲を少し明るく演出することができる。
【0044】
以上述べたように、本態様の発光玩具1は、形象物の装飾を形象物の内表面11に設けられていることで、発光部8が発光していない状態では内表面11とは反対側である外表面12から装飾を見えないようにできる一方、発光部8が発光したときは、凸部15によって装飾が外表面12において顕在化させることができる。この結果、外表面12から見た形象物にギミック性を付与することができる。また、装飾は、第1部材10の内表面11に設ける構成であるので、第1部材10と一体形成することが可能であり、装飾の形成が容易である。
【0045】
本態様の発光玩具1の凸部15は、突出高さの異なる複数種の凸部15を有するので、影の幅を異にした装飾を形成でる。また、凸部15は、発光部8からの距離が近い方の突出高さが高く形成されていることで、発光部8の光による影の形成が確実にできる。
【0046】
本態様の発光玩具1においては、凸部15の突出高さは、第1部材10の当該凸部15が形成されていない領域Fの厚みよりも小さく構成されていることで、第1部材10の厚み変化を小さく抑えることができる。
【0047】
本態様の発光玩具1は、第1部材10側に膨らむ第2部材20の湾曲面部21にて発光部8を覆うことで、発光部8の光りを第1部材10に向って分散させることができる。また、第2部材20による光の拡散によって、光の偏りを少なくできる。また、湾曲面部21の形状によって光の拡散方向を調整することが可能になる。
【0048】
本態様の発光玩具1の第2部材20は、湾曲面部21が半球状に構成されているので、発光部8の光は、湾曲面部21の外方に向って略均等に拡散される。また、湾曲面部21の基端部21bから発光部8から離れる方向に張り出す平板部22を備えていることで、光の一部を、平板部22内を通して導光することもでき、これによって、平板部22から漏れる光を利用した光演出が可能になる。
【0049】
本態様の発光玩具1は、第2部材20が第1部材10よりも光透過性が高く構成されていることで、発光部8の光を無駄なく第1部材10に照射することができる。また、第2部材20の光透過性を良くする構成としては、例えば、第2部材20の厚みを第1部材10の厚みよりも小さくすることで、第1部材10と同じ素材を使用しても第2部材20の光透過率を良くすることができる。
【0050】
本態様の発光玩具1は、複数設けられた発光空間SPが空間連通部Csにより連通されていることで、発光部8の無い第2発光空間SP2に光を供給できる。また、空間連通部Csの開口の大きさによって光量を調節可能である。
【0051】
本態様の発光玩具1は、第1部材10の外縁部には平板部22に向って突出する突出縁部10eが設けられ、また、平板部22の外周端部22eが第1部材10に向って突出した凹状に構成されていることで、第1部材10との間で閉じた発光空間SPを構成することができる。また、第1部材10の突出縁部10eが外周端部22eの内側に嵌る構成となっていることで、第1部材10の装着時の位置決めができるだけでなく、発光空間SPの外縁部分が厚肉構造となり、突出縁部10eにて形象物の輪郭形状を強調する演出ができる。
【0052】
また、平板部22の外周端部22eは、第3部材30の内縁突出部30eの一部に突き合わさるように接続されているので、平板部22により導光された光を、第3部材30の内縁突出部30eに入射させることができる。これにより、形象物の輪郭部分の少なくとも一部を第3部材30の色や光によって演出が可能になる。
【0053】
本態様の発光玩具1は、第1部材10の周囲に突出縁部10e(形象物の輪郭部)を囲むように、第1部材10とは色若しくは光透過性の異なる、例えば第1部材10より光透過性が低い第3部材30が設けられているので、形象物を光によって浮き上がらせる効果的な演出ができる。
【0054】
以上、本発明の一態様について説明したが、本発明はその技術思想の範囲で適宜変更することができる。例えば、上記態様においては、発光部8を1つとする構成としたが、この構成に限るものではなく、複数設けた構成であっても良い。また、形象物については、図示のものに何ら限定されるものではない。
【符号の説明】
【0055】
1 発光玩具
8 発光部
10 第1部材
10e 突出縁部
11 内表面(第1の面)
12 外表面(第2の面)
15 凸部
20 第2部材
21 湾曲面部
21b 基端部
22 平板部
30 第3部材
30e 内縁突出部
Cs 空間連通部
SP 発光空間
SP1 発光部を有する発光空間(発光空間)
SP2 発光部を有しない発光空間(発光空間)