(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016127
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】半導体産業におけるウェハ幾何学形状測定のためのツールアーキテクチャ
(51)【国際特許分類】
G01B 11/30 20060101AFI20240130BHJP
G01B 11/24 20060101ALI20240130BHJP
G01B 5/00 20060101ALI20240130BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20240130BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
G01B11/30 101
G01B11/24 A
G01B5/00 L
H01L21/68 N
H01L21/66 L
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023186720
(22)【出願日】2023-10-31
(62)【分割の表示】P 2021541581の分割
【原出願日】2020-09-02
(31)【優先権主張番号】62/953,696
(32)【優先日】2019-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521315939
【氏名又は名称】ナンジン リアン セミコンダクター リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100126354
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 尚
(72)【発明者】
【氏名】ゼン,アン,アンドリュー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】半導体産業におけるウェハ幾何学形状測定のためのツールアーキテクチャを提供する。
【解決手段】ウェハ114の形状および平坦度の測定のための半導体装置アーキテクチャのウェハ幾何学形状ツール100が開示される。幾何学形状ツールは、反射型エアベアリングチャック116およびハイブリッドウェハ厚さ計を含む。アーキテクチャの、エアベアリングチャック、およびハイブリッドウェハ厚さ計を使用したウェハの形状および平坦度の測定に対応した方法も開示される。
【選択図】
図1C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大口径干渉計と、
空気圧ノズルまたは交互の真空および圧力ノズルのいずれかを有する反射型エアベアリ
ングチャックとを備え、
前記大開口干渉計が単一のフィゾー干渉計、格子型シアリング干渉計、およびマイケル
ソン干渉計のうちの1つである、ウェハの形状および平坦度の測定装置。
【請求項2】
前記交互の真空ノズルおよび圧力ノズルがデカルト座標または極座標のうちの1つに配
置される、請求項1に記載のウェハの形状および平坦度の測定装置。
【請求項3】
前記交互の真空ノズルおよび圧力ノズルが複数の同心環に配置され、隣接する真空ノズ
ルと圧力ノズルとの間の距離が各同心ノズル環上で実質的に均一である、請求項1に記載
のウェハの形状および平坦度の測定装置。
【請求項4】
前記ノズルが前記ウェハの縁部付近の約2~5mmまで前記ウェハを支持するように構
成される、請求項1に記載のウェハの形状および平坦度の測定装置。
【請求項5】
前記反射型エアベアリングチャックが、単一の干渉計を用いてウェハの平坦度の測定を
行うために、ウェハを支持しウェハの裏側を平坦にするための5~30umの浮上高さを
有する、請求項1に記載のウェハの形状および平坦度の測定装置。
【請求項6】
前記反射型エアベアリングチャックが、前記単一の干渉計を用いたウェハ形状測定にお
いて、ウェハの元の形状を維持しながらウェハを支持するために、60~350umの浮
上高さを有する、請求項5に記載のウェハの形状および平坦度の測定装置。
【請求項7】
前記反射型エアベアリングチャックが、アルミニウム、セラミック、または剛性が高く
鏡面状仕上げで研磨できる他の材料で作られており、前記研磨された表面が干渉縞を示す
のに十分に平坦である、請求項1に記載のウェハの形状および平坦度の測定装置。
【請求項8】
前記エアベアリングチャックおよび前記透過フラットが、較正を実行することが可能な
光学キャビティを形成する、請求項1に記載のウェハの形状および平坦度の測定装置。
【請求項9】
前記較正が、前記透過フラットおよび前記エアベアリングチャックの平坦度の不完全さ
を取り除くことを含む、請求項8に記載のウェハの形状および平坦度の測定装置。
【請求項10】
前記エアベアリングチャックの直径が、前記ウェハの直径よりもわずかに大きい、請求
項1に記載のウェハの形状および平坦度の測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、半導体産業におけるウェハ幾何学形状(geometry)測定のためのツ
ールアーキテクチャに関し、より詳細には、ウェハ形状(shape)および平坦度(flatnes
s)測定のために反射型エアベアリングチャックおよび干渉計(例えば、フィゾー干渉計
、格子型シアリング干渉計、または他のタイプの干渉計)を使用する半導体装置アーキテ
クチャのウェハ幾何学形状ツールに関する。
【発明の概要】
【0002】
本開示の一態様では、ウェハの形状および平坦度の測定のために反射型エアベアリング
チャックおよび単一の干渉計を使用する半導体装置アーキテクチャのウェハ幾何学形状ツ
ール(WGT)が開示される。本開示の他の態様では、WGTツールアーキテクチャのサ
ブシステム、すなわち反射型エアベアリングチャックおよびハイブリッドウェハ厚さ計が
開示される。本明細書に開示されるアーキテクチャおよびサブシステムを使用したウェハ
の形状および平坦度の測定に対応する方法も開示される。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図1A】ウェハ幾何学形状測定ならびにパターン化ウェハ幾何学形状測定のために300mmファブで現在使用されている二重フィゾー干渉計アーキテクチャを示す。
【0004】
【
図1B】パターン化ウェハ幾何学形状測定に使用されている別のPWGツールである。
【0005】
【
図1C】本開示の一実施形態による、単一のフィゾー干渉計のウェハ幾何学形状ツール(WGT)のアーキテクチャを示す。
【0006】
【
図1D】本開示の一実施形態による、最適な動作角度におけるバイセル位置センサの拡大図である。
【0007】
【
図1E】本開示の一実施形態による、バイセル位置センサの較正(calibration)を示す。
【0008】
【
図1F】本開示の一実施形態による、バイセル位置センサの較正におけるステップを実行することにより得られたデータを示す。
【0009】
【
図2A】ウェハが真空チャック上で真空吸引された際のチャックマーク/アーティファクトの例を示す。
【0010】
【
図2B】チャックマークが見られなかったエアベアリングチャック上を浮上する(flying above)ウェハを示す。
【0011】
【
図3A】本開示の一実施形態による、実際のウェハ表面のフィーチャとチャックマーク/アーティファクトとを区別するための方法を示す。
【
図3B】本開示の一実施形態による、実際のウェハ表面のフィーチャとチャックマーク/アーティファクトとを区別するための方法を示す。
【
図3C】本開示の一実施形態による、実際のウェハ表面のフィーチャとチャックマーク/アーティファクトとを区別するための方法を示す。
【0012】
【
図4A】本開示の実施形態による、ウェハをエアクッション上に保持するための真空および圧力ノズルを有する例示的なエアベアリングチャックを示す。
【
図4B】本開示の実施形態による、ウェハをエアクッション上に保持するための真空および圧力ノズルを有する例示的なエアベアリングチャックを示す。
【0013】
【
図4C】本開示の一実施形態による、エアベアリングチャックの圧力および真空ノズルの接続層を示す。
【0014】
【
図4D】本開示の一実施形態による、エアベアリングチャックの圧力および真空ノズル層の構成を示す。
【0015】
【
図4E】本開示の実施形態による、エアベアリングチャックの別の例示的な積層構造を示す。
【0016】
【
図4F】本開示の一実施形態による、
図4Eの積層構造のトッププレートの例示的な上面を示す。
【0017】
【
図4G】本開示の一実施形態による、
図4Eの積層構造のトッププレートの例示的な底面を示す。
【0018】
【
図4H】本開示の一実施形態による、
図4Eの積層構造の例示的なマニホールドプレートの上面図である。
【0019】
【
図4I】本開示の一実施形態による、
図4Eの積層構造の例示的なマニホールドプレートの底面図である。
【0020】
【
図4J】本開示の一実施形態による、
図4Eの積層構造のバックカバープレートの上面図である。
【0021】
【
図4K】本開示の一実施形態による、
図4Eの積層構造のバックカバープレートの底面図である。
【0022】
【
図5A】本開示の一実施形態による、
図1CのWGTツールアーキテクチャを使用して較正データおよび補正データからTTVを計算する方法を示す。
【
図5B】本開示の一実施形態による、
図1CのWGTツールアーキテクチャを使用して較正データおよび補正データからTTVを計算する方法を示す。
【0023】
【
図6A】本開示の一実施形態による、
図1CのWGTツールアーキテクチャを使用した形状測定のための光学キャビティの較正の方法を示す。
【
図6B】本開示の一実施形態による、
図1CのWGTツールアーキテクチャを使用した形状測定のための光学キャビティの較正の方法を示す。
【0024】
【
図7】垂直位置のウェハが、ウェハを傾けると形状変化しやすいことを示す。
【0025】
【
図8】本開示の一実施形態による、パターン化ウェハの傾斜ステージ用の例示的な測角クレドール(goniometry cradle)を示す。
【0026】
【
図9A】本開示の一実施形態による、例示的なプレナムマニホールド設計を示す。
【
図9B】本開示の一実施形態による、例示的なプレナムマニホールド設計を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
好ましい実施形態の以下の説明では、本明細書の一部を形成し、実施することができる
特定の実施形態の例示として示す添付図面を参照する。本開示の実施形態の範囲から逸脱
することなく、他の実施形態を使用することができ、構造的変更を行うことができること
を理解されたい。例えば、単一のフィゾー干渉計が本出願の
図1Cに示されているが、こ
のツールアーキテクチャの様々な実施形態において、シアリング干渉計などの他のタイプ
の干渉計もまた、フィゾー干渉計の代わりに使用することができる。
【0028】
本明細書では、「ウェハ幾何学形状」は、ウェハ形状、ならびにローカルフラットネス
パラメータ(例えば、サイトフラットネスSFQR、およびSBIR)、およびグローバ
ルフラットネス(GBIR)を指すことができる。ウェハ平坦度(または全厚変動(TT
V))は、SFQR、GBIR、および多くの他の関連パラメータを導出するために使用
することができる高密度生データ(4Mpixels/ウェハ以上)を参照することがで
きる。フラットネスデータは、通常、前面情報と裏面情報の両方に関連付けられる。ウェ
ハ形状パラメータは、単一の表面高さマップから導出することができる。それは、ウェハ
の前面または裏面、または2つの表面の中間のいずれかでよい(ウェハ形状のSEMI定
義)。先端の300mmウェハについては、表側と裏側形状の中間値と前面のみまたは裏
面のみとの差は、非常に小さい。これは、ウェハ形状が数ミクロン~数百ミクロン程度で
あるのに対して、TTVまたはGBIRが数十または数百ナノメートル程度であるためで
ある。パターンウェハ幾何学形状ツールでは、ツールの供給元に応じて、前面または裏面
のいずれかからウェハ形状を計算することができる。WaferSight PWG(商
標)は、ウェハの裏側からウェハ形状を計算するが、SuperFastのツール(Ul
tratechで作り出され、Veecoによって取得され、現在はKLAに売却されて
いるウェハ形状測定ツール)は、ウェハの表側を測定する単一のシアリング干渉計である
。
【0029】
ウェハ幾何学形状ツール(「WGT」)は、ウェハ平坦度、ナノトポグラフィおよび形
状(湾曲および反り)の特性を表すためにSiウェハ製造ファブで使用することができる
測定ツールである。それはまた、ガラスウェハファブで使用することもできる。通常、各
ウェハは、顧客に出荷する前にWGTタイプのツールによって認証される必要がある。こ
の目的に役立ついくつかの既存のツールがある。例えば、ADEの静電容量センサベース
のウェハ幾何学形状ツールは、200mmウェハファブで広く使用されている。KLAに
は、
図1Aに示すように、二重フィゾー干渉計法に基づく、300mmウェハのウェハ幾
何学形状を測定するためのより高度なツールがある。干渉計ベースのウェハ幾何学形状ツ
ールには、精度とスループットの両方に利点がある。その精度は、300mmウェハが2
00mmウェハのそれよりも振動に対してより影響を受けやすいという事実にもかかわら
ず、静電容量センサベースのツールの精度よりも約1~2桁優れている。しかし、干渉計
ベースの200mmウェハ幾何学形状ツールは市販されていない。静電容量センサのウェ
ハ幾何学形状ツールは、250nm、180nm、および130nmのノードプロセス用
に設計された。静電容量センサツールは、90nm未満の設計ノードの精度およびスルー
プット要求に追従することができない。
【0030】
図1Bは、パターンウェハ幾何学形状測定に使用されている別のPWGツールを示す。
(米国特許第7369251号を参照されたい。)
図1BのPWGツールは、透過格子型
シアリング干渉計である。ウェハを3ピンで支持した状態で、ウェハの形状を測定する。
測定された形状は、重力下でのウェハ変形を含み、アルゴリズムによって較正される必要
がある。
【0031】
300mmファブでは、300mmツールの二重フィゾー干渉計アーキテクチャが使用
されている。しかし、200mmウェハは片面研磨されるため、それは200mmウェハ
などの小型ファブには使用することができない。ウェハの裏側は光を反射しない。単一の
干渉計を有するウェハ幾何学形状ツール(「WGT」)、というそうしたツール、すなわ
ち、200mmウェハハウス用の正確で費用対効果の高いツールまたはメモリおよびロジ
ック製造プラント(「ファブ」)用の費用対効果が高く高スループットのパターンウェハ
幾何学形状ツールに対する市場ニーズがあるにもかかわらず、そのツールが存在していな
い。WGTが存在しない理由は少なくともいくつかある。第1に、ウェハの平坦度または
全厚変動(TTV)をウェハの一方の側から測定することは、他方の側の情報なしには困
難である。TTVを測定する1つの方法は、真空チャックを使用することであるが、その
場合ウェハの裏側が真空吸引され、チャック上で平坦化される。その結果、ウェハのTT
Vが表側に現れる可能性があり、これによりリソグラフィプロセスでデフォーカスエラー
が起こり、歩留り損失をもたらす可能性がある。
【0032】
WGTアーキテクチャ
【0033】
一態様では、本開示は、200mmウェハなどの様々なタイプのウェハのためのウェハ
の形状および平坦度の測定用の半導体装置アーキテクチャのWGTに関する。WGTは、
静電容量センサまたは光センサベースの走査ツールよりも良好な精度およびスループット
を有することができる。本明細書に開示するWGTの実施形態は、300mmおよび45
0mmのウェハ幾何学形状ツールにも使用することができる。ファブ内の現行300mm
ツールに対して300mmウェハ用WGTを使用する利点には、良好なウェハ形状測定の
精度および正確度、低所有経費(「COO」)、スループット、占有面積、ならびに保守
および製造の容易さが含まれる。ウェハ幾何学形状ツールに加えて、開示したアーキテク
チャは、ウェハ形状測定を行うためのパターン化ウェハ幾何学形状(PWG)ツールにも
使用することができる。エアベアリングチャックは、ウェハ形状測定中にエアクッション
でウェハを支持する。チャックのエアベアリング膜またはクッションの剛性は、非常に低
い。ウェハを支持するのに十分な力を及ぼすが、ウェハを変形させない。これは、ウェハ
形状測定には理想的な条件である。
【0034】
図1Cは、二重フィゾーツールと同じ測定であるがその費用の一部分で実行することが
できる、例示的なツールのWGTアーキテクチャを示す。ウェハ形状測定の場合、このア
ーキテクチャは既存の二重フィゾーツールよりも大きな利点を有する。
図1Cに示すよう
に、WGT 100は、カメラ102、リレーレンズ104、PBSC 106、光源(
例えば、照明光)108、コリメータ110、およびテストフラット(TF)112を含
む単一のフィゾー干渉計を含むことができ、これらはすべて図示のように互いに光通信す
る。フィゾー干渉計の動作は周知であるため、本明細書では詳細に説明しない。このアー
キテクチャでは、ウェハ114の形状を測定するために単一のフィゾー干渉計が設置され
る。このアーキテクチャはフィゾー干渉計に限定されることなく、シアリング干渉計など
の他の干渉計タイプもまた、ウェハの形状および平坦度の測定用にこのアーキテクチャの
恩恵を受けることができる。
【0035】
図1Cに示すように、ウェハを、エアベアリングチャック116の上面に生成されたエ
アクッション上に水平に置くことができる。エアベアリングチャック116は、エアベア
リングチャック116の上面にエアクッションを生成し維持するための複数の交互の(al
ternating)圧力および真空チャネル130,132を含むことができる。エアベアリン
グチャック116はまた、エアベアリングチャック116を傾けるおよび/または倒すこ
とができるZ先端・傾斜(Z-tip-tilt)ステージ118を含むことができる。エアベアリ
ングチャック116の表面からウェハを持ち上げるために、複数のリフトピン120を、
設けることができる。エアベアリングチャックの構造については、
図4A~
図4Dを参照
して以下でさらに詳細に説明する。
【0036】
再び
図1Cを参照すると、(エアベアリングチャック116に組み込まれて)ウェハ1
14の底部にある静電容量センサ122と、ウェハの上部にレーザ124と共にある1つ
または複数の光位置センサ(バイセル、または位置検知検出器)126との組み合わせを
WGTアーキテクチャ100に組み込んで、ウェハ114の厚さを測定することができる
。バイセルの読み取り値を、公知の厚さを有するウェハを使用することによって較正する
ことができる。バイセルの位置を、ウェハ上面高さと関連付けることができる。静電容量
センサ122は、ウェハ底面位置を測定することができる。上面位置と底面位置とを組み
合わせた情報を、ウェハ114の厚さを正確に決定するために使用することができる。
【0037】
ウェハ114の上部のバイセル位置センサには追加の利点がある。バイセルの読み取り
値を、ウェハ厚さに直接関連付けることができる。バイセルの読み取り値はまた、ウェハ
114とTF112との間の相対運動/振動を伝えることができる。ウェハ振動をエアベ
アリングチャック/フランジ/支持機構によって発生させることができるが、静電容量セ
ンサ122はウェハ114およびエアベアリングチャック116を含むユニットと共に動
くため、静電容量センサ122では、捉えることができない。
【0038】
ツールの干渉計を使用して、静電容量センサおよびバイセルまたはPSDを較正するこ
とができる。このアーキテクチャは、干渉計の精度および広範囲の他のセンサを活用する
、最先端のウェハ厚さ測定ツールを可能にする。静電容量センサ122と光(バイセル、
またはPSD)位置センサ126の両方とも、エアベアリングの安定性の問題を捉えるこ
とができるが、光(バイセル、またはPSD)センサのみがチャックアセンブリの振動を
捉えることができる。これは、振動源を分離する必要がある場合に役立ち得る。
【0039】
全ウェハ形状およびウェハ厚さばらつき(別名平坦度)を含む、ウェハ幾何学形状測定
のための
図1Cのこのアーキテクチャが、フィゾー干渉計に限定されないことを理解され
たい。シアリング干渉計などの他の干渉計も、反射型エアベアリングチャックを使用する
開示されたアーキテクチャで使用することができる。
【0040】
一実施形態では、レーザおよび/またはバイセル位置センサが配置される最適角度を決
定する方法が開示される。
図1Dを参照すると、最良のZ軸分解能のためには、バイセル
位置センサ126は、TF 112からセンササイズが許容する最大角度βで配置される
ことが好ましい。ΔhがZ方向分解能(またはz感度)である場合には、ベータ角によっ
て支配される。
【0041】
Δh=ΔL*Cosβ/(2Cos(alpha))
【0042】
ここで、ΔLは、バイセル位置センサ126によって検出可能な最小変位であり、特定
の市販センサでは約0.75umでよい。
【0043】
Δh=ΔL/M
【0044】
ここで、M=[cosβ/(2Cos(α))]^-1
【0045】
グレージング角入射のために、Cos(α)は約1であり、αは光源(例えば、レーザ
(
図1Dには図示せず)とTF112との間の角度であり、通常10~15度に設定され
る。βが増加するにつれて、Mも上記の式に基づいて増加するが、これはバイセル位置セ
ンサ126の感度も増加することを意味する。しかしながら、検出器上のスポットサイズ
に対する拡大効果の可能性(例えば、スポットは検出器が検出することができるサイズよ
りも大きいサイズを有することができない)のために、βを大きくしすぎることはできな
い。バイセルセンサを装置内でどの程度離して配置することができるかについての物理的
な制限もあり得る。例えば、グレージング角では、センサ表面上のレーザスポットサイズ
は、1/Sin(90-β)=1/Sin30=2だけ増加することができる。2×2m
mのSitek PSDのような小さなセンサ領域では、傾斜する余地はあまりない。位
置合わせを容易にするために、250nmの解像度の10×10mmのセンサを使用する
ことができる。以下の表1は、様々なαおよびβの角度に基づいたnm単位の様々なPS
D分解能を列挙している。
【0046】
【0047】
図1Eに示すように、バイセル位置センサ126を較正するために、TF112を様々
な位置で上下に調整することができる。この例では、較正ウェハ厚さT0を725umに
設定することができる。ただし、各ウェハはわずかに異なり得る。その厚さは、CMMま
たは他の厚さツールによって測定することができる。位置188でのゼロ浮上高さを、ク
リーンウェハを使用しエアベアリングチャック上のウェハを真空吸引することによって設
定することができ、またCPに対してゼロと設定することができる静電容量センサの読み
取り値CP0として読み出すことができる。バイセル位置センサ126からの位置センサ
読み取り値(V0(+-10V))を次いで読み取ることができる。次いで、静電容量セ
ンサの読み取り値がCP1-CP0=20um(または約20um)である位置190に
ウェハが浮上するように、真空および圧力を調整することができる。CP2-CP0の位
置センサの読み取り値V1を記録することができる。
【0048】
次に、静電容量センサの読み取り値(CP2-CP0)が約30umになるまで、真空
および圧力を再び調整することができる。位置センサの読み取り値V2を記録することが
できる。上記のステップは、それぞれ40um、50um、60um...での静電容量
センサの読み取り値CP3、CP4、CP5...に対して繰り返すことができる。次に
、Δ(CPn-CP0)、例えばCP1-CP0、CP2-CP0、...を計算するこ
とができる。計算結果の例を表2に示す。
【0049】
【0050】
上記のデータを用いて、hx対Vxをプロットし、線形フィッティングして傾きS u
m/Vを得ることができる(
図1F参照)。次いで、1)傾き、S um/V、2)ウェ
ハ厚さT0=725um、3)高さゼロレベル(ground level)のPSDの読み取り値:
V0、および4)高さゼロレベル(ground level)の静電容量センサの読み取り値:CP
0を含む較正データを、保存することができ、較正のソフトウェア実装を以下の式を用い
て実行することができる。
【0051】
T_wafer=T0+(CP0-CP)+S*(V-V0)、
【0052】
ここで、CPは、ウェハ浮上高さの静電容量センサの読み取り値である。
【0053】
CP0は、ウェハがチャック上で真空吸引される場合の静電容量センサの読み取り値で
ある。
【0054】
Vは、バイセル位置センサのボルトでの読み取り値である。
【0055】
静電容量センサのumの読み取り値は、工場較正定数C=Δh/ΔV、um/ボルトか
ら計算することができる。静電容量センサのumの読み取り値は、CP=C*ΔVcp。
静電容量センサは、現場で較正することもできる。
【0056】
図1CのWGTアーキテクチャ100を使用してウェハ形状および厚さを測定する例示
的な方法の詳細を、
図5A、
図5B、
図6A、および
図6Bを参照して以下に提供する。
【0057】
エアベアリングチャックおよび単一の干渉計をウェハ幾何学形状測定に使用するこの方
法には、いくつかの利点がある。例えば、エアベアリングチャックは、チャック上のウェ
ハに効果的な空気減衰を与えることができる。空気減衰効果により、正確な干渉計測定が
可能となるだけでなく、高価なアクティブ分離システムおよびヘビーデューティな音響分
離器を必要としないため、低コストも可能となる。この方法はまた、単純化されたウェハ
装填プロセス、例えば、単一の干渉計の下での水平ウェハ装填によりツール内のウェハ搬
送のコストを節約し、二重フィゾーアーキテクチャと比較して、単一の干渉計アーキテク
チャは、1つの干渉計および関連する光学系を省くことによってコストを節約している。
また、二重フィゾーアーキテクチャで必要とされる水平から垂直までウェハを90度回転
させるための機構も必要とされない。このWGTアーキテクチャツールの利点は、300
mmおよび450mmウェハの振動がノイズの主な原因となり、平坦度測定での高精度を
達成することが困難となる可能性がある300mmまたは450mmウェハの場合にはさ
らに大きい。300mmおよび450mmツールの場合、光学部品のコリメータ、透過フ
ラット(transmission flats)、および折り返しミラーはすべて大型で高価である。1つ
の干渉計、1つのウェハ垂直装填システム、音響分離箱、およびデータ収集システムの1
つのチャネルを省くことにより、相手先商標製造業者(OEM)ならびにその顧客までの
コストを大幅に削減することができる。さらに、エアベアリングチャックの実施形態は、
振動ダンパとして機能することができるエアクッションを提供することができる。アーキ
テクチャの開示された実施形態のこの振動の影響を受けない特性は、ローエンドとハイエ
ンドの半導体測定ツールの両方に役に立つことができる。
【0058】
TTVの測定方法
【0059】
ウェハの厚さまたはTTVを測定する例示的なステップを
図5Aおよび
図5Bに示す。
図5Aを参照すると、まず、TF502および反射型エアベアリングチャック504によ
って形成された光学キャビティ(optical cavity)を測定する。すなわち、TF502と
エアベアリングチャック504の対向面との間の距離変動を測定する。TF502は、重
力により半ばでたわむことがある。エアベアリングチャック504の表面は、
図5に示す
ように、完全には平坦でない可能性がある。こうした不完全さにより、ウェハの正確な平
坦度測定を行うためには較正する必要がある。光学キャビティの較正は、光学キャビティ
の厚さの変動を測定することである。数学的には、これは、透過フラット面S
TF(x、
y)とチャック面S
CK(x、y)との間の差であり、ΔS
Cavity=S
TF-S
C
K。このステップでは、チャック上にウェハは存在しない。
【0060】
図5Bを参照すると、較正後に、ウェハ506がエアベアリングチャック504の表面
に配置されている。ウェハ506の平坦度を測定するために、ウェハは、エアベアリング
チャック504によって生成された小さな空隙(例えば、5um~30um)で、エアベ
アリングチャック504の表面の上を浮上している。これらの小さな隙間では、エアベア
リングチャックは、ウェハの裏側を平坦化するように、またはウェハ508の裏側をチャ
ック表面510と一致させるように大きな吸引力を有するように設計されている。その場
合、ウェハの上面(S
WFR)507は、チャック表面510とウェハの全厚変動との単
純な加算、S
wfr=S
CK+TTVである。しかし、ウェハ508の裏側は、実際には
チャック表面510と完全には一致していない。ウェハ上面507を正確に決定するため
に、不一致項(S
N.C.)を追加する必要があり、S
wfr=(S
CK+TTV+S
N
.C.)。
【0061】
干渉計の測定では、ウェハ506と透過フラットとの間の距離を測定することができ、
それは、ΔSWFR=(STF-Swfr)=(STF-SCK-TTV-SN.C.)
である。
【0062】
次に、光学キャビティとウェハ表面の測定値との差(ΔS
Cavity-ΔS
WFR)
をとることによってTTVを計算することができる。全厚変動は、以下のように計算する
ことができ、TTV
actual=(ΔS
Cavity-ΔS
WFR-S
N.C.)、こ
こでΔS
CavityおよびΔS
WFRは、
図1Cに示すWGTアーキテクチャのフィゾ
ー干渉計によって測定することができる。S
N.C.は、較正より得ることができる。S
N.C.は、+-25umまたは25/775=3%で変化し得るウェハ厚さの関数でよ
い。ウェハ厚さを測定し、必要に応じて不一致誤差のさらなる補正用にウェハ厚さ情報を
使用することができる。S
N.C.は、公知のTTVを有するウェハ(例えば、両面研磨
された200mmウェハ)を使用することに次のようにして得ることができる。S
N.C
.=(ΔS
Cavity-ΔS
WFR-TTV
known)。
【0063】
SN.C.は、経時的にドリフトする場合があり、時々較正を必要とする。SN.C.
は、ウェハ厚さ、温度、FH、およびチャック平坦度の関数である。これらのパラメータ
はすべて、干渉計のデータと同時に測定することができる。これらは、2次補正に使用す
ることができる。
【0064】
形状測定方法
【0065】
図6Aおよび
図6Bは、本開示の一実施形態による、
図1Cに示すWGTアーキテクチ
ャを使用する形状測定方法の例示的なステップを示す。
図6Aを参照すると、形状を測定
するために、まず、基準TF602をエアベアリングチャック604の表面に配置して、
ツール内のTF600を較正する。Cal=S
TF-S
TF-refである。基準TFの
平坦度(nm)は、ウェハ形状(um)よりもはるかに良好としてよい。したがって、S
TF-
refはピストン項であり、省略することができる。TF600が厚く、最小のT
Fのたわみである場合、光学キャビティの較正ステップも省略することができる。このス
テップでは、チャック上にウェハは存在しない。この較正は、工場で行うことができる。
TFの形状が変化しないと仮定して、測定時に傾き補正のみを行ってもよい。
【0066】
図6Bを参照すると、次のステップでは、ウェハ606がエアベアリングチャック60
4の上面に配置される。形状を測定するために、ウェハ606は大きな空隙(例えば、6
0um~300um)で浮上している。チャックは、圧力が重力と釣り合い、付加力がウ
ェハを変形させないような形で設計および操作される。結果として、これらの大きな空隙
で、ウェハ606は、エアクッションによって支持されながらその自然な形状をとる。
【0067】
SWFR=(STF-Swfr)
【0068】
次に、Calとウェハ表面の測定との差を求めて、ウェハ形状を以下のように算出する
。
【0069】
形状=Cal-SWFR=(STF-STF-ref.)-(STF-Swfr)=S
wfr-STF-ref.=Swfr
【0070】
上記のステップによって行われる形状測定は正確であり、空隙が適切に設定されている
限り補正を必要としない。これは、パターン化ウェハ幾何学形状(PWG)ツールのため
の理想的なツールアーキテクチャであり得る。これは、二重フィゾー干渉計アーキテクチ
ャよりも良好な精度、整合性、および低コスト性を有することができる。格子型シアリン
グ干渉計は、3つの支持ピンをエアベアリングチャックに置き換えることによって、この
ツールアーキテクチャから大きな恩恵を受けることができ、これにより、測定精度が向上
し、ウェハを傾斜させることによってその反りダイナミックレンジが増加する。
【0071】
大きく反った(large warp)ウェハの場合、2D傾斜ステーションを使用して、
図1C
に示すWGTアーキテクチャにおける干渉計のダイナミックレンジ制限を解決することが
できる。水平位置では、傾斜している間も、同じウェハ706’が垂直位置にある場合よ
り、その場合
図7に示すようにウェハ706’が完全には垂直でなければ重力がウェハ7
06’の形状を変化させる可能性があり、ウェハ706の形状をさらに良好に維持するこ
とができる。
【0072】
具体的には、
図7は、垂直位置にあるウェハ706’が傾斜した場合に形状変化を受け
やすいことを示している。これは、垂直に保持されたウェハ706’が傾けられと、ウェ
ハ706’にトルクが加わるためである。このトルクにより、ウェハ形状は変化する。こ
れにより、従来の二重フィゾー干渉計ツールの測定精度が制限される。それと比較すると
、本明細書で開示したWGTアーキテクチャは、
図7の水平設定で示すように、ウェハ7
06が小さな傾斜角(通常はコンマ何分の1度未満)にある場合でもウェハ706の自然
な形状を維持するのに役立つ薄いエアクッション上にウェハ706を支持する。
【0073】
ウェハが、非常に薄くて垂直位置に置くことができないか、または薄すぎてウェハが垂
直位置で傾けられている間にその形状を不変に保つことができない場合にも、WGTを使
用してその薄いウェハの反りを測定することができる。薄いウェハのなかには、ウェハエ
ッジの2点で支持するには薄すぎる場合がある。WGTでは、ウェハは水平位置にあり、
エアクッションによって支持される。非常に小さな半径方向の力をウェハに印加してウェ
ハを傾斜させながらウェハ位置を維持する。適切な浮上高さおよび真空/圧力設定で、薄
いウェハの反りを測定することができる。
【0074】
したがって、上述の方法を使用するウェハ幾何学形状ツールおよびパターンウェハ幾何
学形状ツールは、高精度および高スループットを有することができるが、二重フィゾーア
ーキテクチャと比較して約半分の価格である。任意のサイズのウェハ例えば200mm、
300mm、および450mmウェハのウェハ平坦度、ナノトポグラフィ、および形状測
定ツールのための費用対効果が高く高精度の解決策である。
【0075】
図8は、本開示の一実施形態による、パターン化ウェハの傾斜ステージ用の例示的な測
角クレドール(goniometry cradle)800を示す。図示の構成は、ウェハ反りのダイナ
ミックレンジおよびスループットを向上させるために使用される、積層された2つの測角
クレドール(goniometry cradle)800を含む。ウェハが傾斜している間、ウェハを焦
点が合った状態に維持することが可能である。X、Yステージ802,804は90度で
交差しているが、共通の回転中心を容易に示すように1つの面内に描かれていることに留
意されたい。
【0076】
実際のウェハ表面のフィーチャとチャックマーク/アーティファクトを区別する方法
【0077】
図1Cに示すWGTアーキテクチャ100の実施形態は、全厚変動測定およびウェハ形
状測定の両方のために、垂直に取り付けられた1つのフィゾー干渉計を利用する。しかし
、実際には、この方法には多くの課題がある。エアベアリングチャック自体が平坦でない
可能性があり、エアベアリングチャックの表面に粒子などのアーティファクトが存在し得
る。ウェハがエアベアリングチャック上で真空吸引されると、ウェハの上面にアーティフ
ァクトが現れる可能性がある。例えば、大きな粒子202が、
図2に示すように、エアベ
アリングチャック200の上面204に膨らみとして現れることある。これらのタイプの
アーティファクトは、本開示の別の実施形態に従って、本明細書に開示された方法を使用
することによって較正することができる。
図2Bは、チャックマークが見られなかったエ
アベアリングチャック200’の上を浮上するウェハ204’を示す。
【0078】
図3A~
図3Cは、ウェハ310の表面上の実際のフィーチャ304をアーティファク
ト306から区別する方法を示す。
図3Aは、干渉計測定において実際のフィーチャ30
4がチャックマーク306と混在したS1表面の測定を示す。
図3Bは、S1表面の測定
のためにチャックをその元の位置から180度回転させたS2表面の測定を示す。チャッ
クマーク306がチャック300と共に180度回転する一方、実際のフィーチャ304
は同じ位置に留まる。このように、(
図3Bに示すように)ウェハ310を180°回転
させ、表面302を0°の表面300(
図3Aに示すような)と比較することによって、
実際のウェハフィーチャ304(回転前後でウェハ座標系において同じ位置に留まるもの
)を識別することができる。対照的に、ウェハ310が180°回転すると、アーティフ
ァクト306の位置は180°ずれる。
【0079】
図3Cは、チャックアーティファクトを双極対316,320として示すS1およびS
2の差分マップである。これらのチャックマークは、チャック上で移動しない場合に較正
することができる。それらはまた、チャックが清浄であり、チャックマークが分離されて
いる場合は、アルゴリズムによって除去することが可能となる特定の特徴を有する。ウェ
ハまたは真空チャック回転方法は、チャックおよび/またはウェハの裏側に限られたアー
ティファクトがある場合に機能することができる。チャックの表面を清浄に保つことが非
常に重要である。そうでなければ、測定値はアーティファクトによって悪影響を及ぼされ
る可能性がある。
【0080】
エアベアリングチャック
【0081】
図1Cに示すWGTアーキテクチャ100の実施形態は、アーティファクトのない測定
を実現することができる。このアーキテクチャ100では、被試験ウェハ114をハンド
ラエンドエフェクタから直接測定チャンバに装填することができる。本開示の別の態様で
は、エアベアリングチャックが開示される。
図4Aに示すように、エアベアリングチャッ
ク401は、チャック表面に圧力ノズルおよび真空ノズルのアレイを有し、交互の(alte
rnating)圧力ノズル402と真空ノズル404が、それぞれ等間隔の同心環で配置され
ている。
【0082】
真空吸引力および圧力支持力により、ウェハ400をエアベアリングチャック401上
で数ミクロン~数百ミクロンのエアクッション上に浮上させ続けることができる。エアク
ッションが薄いほど、エアベアリングは硬くなる。真空および圧力の適切な流量で、エア
ベアリングは非常に硬くすることができ(>1N/um、20um程度の空隙の場合)、
かなりのウェハ平坦化力も有する。しかし、100um厚のエアベアリングの剛性は、1
N/umの1/10と低くすることができ、ウェハ形状を変形させる力はほとんどない。
【0083】
ウェハの表側からウェハ平坦度またはTTVを測定するために、ウェハ400の裏側を
エアベアリングチャック404によって平坦化し、チャック表面に一致させるようにする
ことができる。エアベアリングの隙間が適切な高さ(例えば、15um~20um)に設
定されると、アーティファクトはエアベアリングチャック401上に検出されない。ウェ
ハの形状を測定するために、ウェハは、隙間を約60um~300umに設定して、エア
ベアリングチャック401の表面に浮上させるが、ウェハ400は、エアベアリングチャ
ック401によって生成されたエアクッションによって支持され、大きな空隙では吸引力
が非常に小さいためにその元の形状を維持する。
【0084】
ウェハ平坦度および形状測定のためのWGT要件を満たすために、エアベアリングチャ
ック404は、
図4Aに示すように以下の特徴を有することができる。
【0085】
(1)同心環に配置された軸対称の交互の圧力および真空ノズル402,404。
【0086】
(2)ウェハ基準面を超えるアクティブノズルがない。ノズルは、ウェハ400を支持
するためにおよそ半径の最後の2~5mmまでずっと延在する。200mmチャックの場
合、ノズルは、ノズルの最後のセットの中心が直径198mmまたは195mmに位置す
るように半径方向に延在する。この実施形態では、エアベアリングチャック401の表面
は、エアベアリングチャック401の縁部を超えるウェハの突出がないように、好ましく
はウェハ400よりも大きい。
【0087】
(3)半径が増加するときにノズル間の接線方向の間隔を一定に保つために、以下の式
N=m*nに記載されるように、環当たり偶数のノズルで増加することが好ましい。ここ
で、mはノズル数の増加(m=4,6,8,10...)、nは同心環のn番目の数であ
り、Nは環当たりのノズル数であり、n=0はウェハ400の中心の最初の「環」である
。数「6」は、半径方向および接線方向の両方においてノズル間でほぼ同じ変位を実現す
るため好ましい。
【0088】
(4)WGT200のチャック平坦度は、好ましくは1.5umである。WGT300
は、先端のウェハ平坦度用途のために0.5um以下であることが好ましい。
【0089】
(5)チャック表面は、ISO規格に従って、>N4の鏡面状仕上げである必要がある
。
【0090】
(6)チャック404は、好ましくはウェハ400よりも直径が10mm大きく、ウェ
ハよりも大きいチャックのこの領域は、ウェハのこの部分が測定中にウェハによって遮ら
れないため、ウェハ測定中に較正に使用することができる。
【0091】
(7)3つのウェハグリッパ408は、2つが固定され(90度離れている)、1つが
作動するウェハ中央のグリッパである。ウェハ400への力は調整可能である。
【0092】
(8)チャック404から円滑にウェハ400を持ち上げることができる4つのリフト
ピン410。
【0093】
図4Bは、図に示すように真空および圧力ノズルが別のΔR、ΔTで配置された例示的
なエアベアリングチャック421を示す。
【0094】
真空ノズル404および圧力ノズル402の接続は、
図4Cおよび
図4Dに示されてい
る。
図4Cは、エアベアリングチャック431の積層の上面図である。積層は、真空マニ
ホールド層432、圧力マニホールド層433、および上部チャック層434を含む。真
空マニホールド層432は、すべての真空チャネル435と真空供給源とを接続する。圧
力マニホールド層433は、すべての圧力チャネル436と圧力供給源とを接続する。上
部チャック層434は、真空マニホールド層432内の真空チャネル435を上部チャッ
ク層434の上面の真空ノズルに接続する複数の貫通孔を含む。上部チャック層434は
また、圧力マニホールド層433内の圧力チャネル436を上部チャック層434の上面
の圧力ノズルに接続する追加の貫通孔を含む。真空および圧力用の貫通孔は、
図4Aおよ
び
図4Bに示す真空および圧力ノズルの配置に対応して交互に配置される。
【0095】
図4Dは、上部チャック層434’、真空マニホールド層432’、および圧力マニホ
ールド層433’を含むエアベアリングチャック431’の上述の積層構造の側面図であ
る。真空チャネル435’および圧力チャネル436’をそれぞれエアベアリングチャッ
ク431’の上面の真空ノズルおよび圧力ノズルに接続する交互の貫通孔440,442
がある。
図4Dのエアベアリングチャックの側面図に示すように、交互の真空ノズルと圧
力ノズルとの間の間隔ΔTは、実質的に等しくてもよい。
【0096】
図4Eは、エアベアリングチャック461の積層構造の別の実施形態の側面図である。
この実施形態では、積層構造は、トッププレート490、バックカバープレート492、
およびトッププレート490とバックカバープレート492との間に挟まれたマニホール
ドプレート494を含むことができる。トッププレート490は、10~60mmの好ま
しい厚さを有するアルミニウムまたはセラミックでよい。
図4Dの実施形態と同様に、ウ
ェハ(
図4Dには図示せず)をエアクッション上に浮上させ続けるために、真空吸引力お
よび圧力支持力をそれぞれ供給するための交互の貫通孔480,482がトッププレート
490に存在する。貫通孔480,482は、1.25~1.5mmの直径を有すること
ができる。
【0097】
マニホールドプレート494の上面および底面はそれぞれ、真空チャネルおよび圧力チ
ャネル496,498がそれぞれ位置することができる1つまたは複数の溝を有すること
ができる。
図4Eに示す例では、マニホールドプレート494の上面の溝は、積層構造の
トッププレート490上の真空ノズルを貫通孔480を介して積層構造のボトムプレート
上の真空出口497に接続する埋め込み真空チャネル496を有することができる。同様
に、マニホールドプレート494の底面上の溝は、積層構造のトッププレート490上の
圧力ノズルを貫通孔482を介して積層構造のボトムプレート上の圧力出口に接続する埋
め込み圧力チャネル498を有することができる。マニホールドプレートの上面および底
面の両方の溝は、幅が数ミリメートル、深さが数ミリメートルでよい。
【0098】
図4Fは、
図4Eの積層構造のトッププレート490の例示的な上面802を示す。上
面は、例えば5~25mmの半径方向および接線方向の間隔を有する等間隔(または不等
間隔)の交互の真空および圧力ノズル(または孔)804,806を含む。真空孔804
は、直径数ミリメートル、例えば1.5mmでよい。圧力孔806は、直径1.25mm
でよい。
【0099】
図4Gは、真空および圧力ノズル804’806’の同じパターンを示す、トッププレ
ートの例示的な底面810を示す。底面810はまた、積層構造のプレートを共にしっか
り留めるためのM3.5またはM4ネジ穴812を含み、真空チャネルおよび圧力チャネ
ルを密封することができる。あるいは、接着剤を使用してプレートを共に保持することが
でき、その結果、上面の平坦性を改善することができる。接着剤が使用される場合、プレ
ート上にM3.5またはM4または任意の他のネジ穴の必要はない。
【0100】
図4Hは、
図4Eの積層構造の例示的なマニホールドプレート494の上面図である。
トッププレート(
図4Hには示されていない)からのすべての真空孔は、マニホールドプ
レート494の上面818の溝内の真空チャネル820のうちの1つに接続する。対照的
に、トッププレート(
図4Hには示されていない)からのすべての圧力孔は、マニホール
ドプレート494の対応する圧力孔822に接続し、トッププレートからマニホールドプ
レート494を下方に貫通する直線孔を形成し(
図4Eに示すように)、それによってト
ッププレートの圧力ノズルをマニホールドプレート494の底部の溝に埋め込まれた圧力
チャネルに接続する(
図4Iに示すように)。一実施形態では、マニホールドプレート4
94の上面の真空チャネル820は、
図4Hに示すパターンとすることができる。チャネ
ルは、トッププレート上の真空ノズルと整列し、マニホールドプレート494の縁部に沿
った外側円形チャネル824によって接続されている。
図4Hはまた、積層構造のプレー
トを共にしっかり留めるためのM3.5またはM4ネジ穴812’を示す。
【0101】
図4Iは、マニホールドプレート494の底面図を示す。この実施形態では、圧力チャ
ネル/溝830は、マニホールドプレート494を貫通する圧力孔を接続する内側環状パ
ターン(「圧力供給環」)とすることができる。圧力供給環は、断面積が増大するため、
抵抗を小さくすることができる。
図4Iの底面図はまた、
図4Hの上面図で見えるM3.
5またはM4ネジ穴812’’を示す。底面図はまた、重ね合わされた真空チャネル82
0’を示しているが、これは例示のみを目的としており、実際の真空チャネル820’は
、
図4Hに示すようにマニホールドプレート494の上面の溝内に位置していることを理
解されたい。
【0102】
図4Jは、
図4Eの積層構造のバックカバープレート492の上面図である。
図4Iに
示すように、圧力溝が埋め込まれたマニホールド底面を封止するために、バックカバープ
レート492の上面を研磨することができる。この実施形態では、マニホールドプレート
492の底面から圧力継手(
図4Jには示されていない)に圧力チャネルを接続するため
の3つの開口部842がある。さらに、マニホールドプレートの上面から真空継手(
図4
Jには示されていない)に真空チャネルを接続するための他の3つの開口部840がある
。
図4Kのバックカバープレート492の底面図にも、同じ圧力開口部および真空開口部
842’、840’が示されている。バックカバープレート492の上面図の
図4Jと底
面図の
図4Kはともに、バックカバープレートを積層構造内の他のプレートとしっかり留
めるためのM3.5またはM4ネジ穴812’’’も示している。
【0103】
図4E~
図4Kは、マニホールド層の底面および上面の溝にそれぞれ位置する圧力チャ
ネルおよび真空チャネルを有するエアベアリングチャックの積層構造を示しているが、こ
れらのチャネルは他の層の溝に埋め込むこともできることを理解されたい。例えば、真空
チャネルは、トッププレートの底部層に形成された溝に位置してもよく、圧力チャネルは
、ボトムカバープレートの上部層に形成された溝に位置してもよい。さらに、他の実施形
態では、真空チャネルと圧力チャネルの配置を切り替えることができることを理解された
い。様々な実施形態では、異なる数の真空および/または圧力ノズルを含めることができ
る。真空および圧力チャネルのルーティングは、ノズルの数および位置に応じて調整する
ことができる。積層構造の底部にある真空および圧力継手の数も、それぞれ3と異なって
もよい。
【0104】
チャック全体にわたって均一な圧力および真空を実現するために、
図9Aおよび
図9B
に示すように圧力ノズルから真空ノズルを分離するようにプレナムマニホールド900を
使用することができるが、ここで、すべての真空ノズルは真空マニホールドプレナム90
2に接続されるが、すべての圧力ノズルは真空マニホールドプレナム902を真っ直ぐに
通過し、真空プレナムの真下にある圧力マニホールドプレナム904に到達する。CFD
シミュレーションは、プレナム手法が真空ノズルおよび圧力ノズルの均一性を大幅に改善
することを示した。プレナムマニホールドは、均一に加圧された空気量を供給し、チャネ
ルサイズの増加を可能な限り最大に最適化することができる。さらに、光学キャビティの
高さを、オリフィス流の変動を最小限に抑えるように調整することができる。
【0105】
ウェハを支持するエアクッションはまた、地震および音響振動を効果的に分離する空気
減衰効果を有し、音響分離箱および能動的振動分離システムの必要性をなくすかまたは低
減する。
【0106】
上記の実施形態で開示したエアベアリングチャックの使用にはさらなる利点がある。例
えば、ウェハ上に塗布されたマスク層の厚さ測定の精度を向上させることができる。3D
NANDプロセスでは、従来の光学的方法が不透明膜では十分に機能しないため、きわ
めて不透明なハードマスクの膜厚を測定する必要性が満たされていない。WGTのウェハ
厚さ測定機能は、ハードマスクの膜厚の測定に使用することができる。2回のウェハ厚さ
の測定、例えば、1回の「マスク前」(Tpre)厚さ測定、1回の「マスク後」(Tp
ost)厚さ測定を行った。ここで、
【0107】
Tpre=T0+E_RTE_pre
【0108】
Tpost=T1+E_RTE-post
【0109】
T0およびT1は、それぞれマスク成膜前後の厚さ測定値である。E_RTE_pre
およびE_RTE-postは、マスク前後のウェハのそれぞれのレイトレース誤差(R
TE)である。
【0110】
したがって、マスクの厚さは、ΔT=Tpost-Tpre=(T1-T0)+(E_
RTE-post-E_RTE_pre)
【0111】
マスクが塗布された後にウェハが劇的に反る可能性があるため、RTE(すなわち、E
_RTE-post-E_RTE_pre)は、TpreおよびTpost測定値に大き
く影響し、ΔTの計算に大きな誤差をもたらす可能性がある。本明細書で開示する実施形
態によれば、エアベアリングチャックによって生成された吸引力により、マスクがウェハ
の表面に塗布された後にウェハは実質的に平坦化され、その結果、マスク前後のウェハ形
状が実質的に同じとなり、それによってRTEを最小化し(すなわち、E_RTE-po
st-E_RTE_pre~0)、厚さ測定の精度を高めることができる。
【0112】
エアベアリングチャックを使用して、高度に反った(highly warped)ウェハをチャッ
ク表面に一致させることによって干渉計のレイトレース誤差を低減または相殺する、すな
わち成膜後のウェハ反りを削減し、その結果成膜後の形状が成膜前の形状と同等になり、
それにより、成膜後のウェハ厚さを成膜前のものから差し引くことによって膜厚の差を計
算するときにレイトレース誤差を相殺することになる。高度に反ったウェハに起因するレ
イトレース誤差が大幅に低減されるこの方法は、不透明ハードマスク層の厚さ測定に適用
される。
【0113】
本開示の一態様では、ウェハの形状および平坦度の測定装置が開示される。本装置は、
透過フラット、光源、PBSC、コリメータ、リレーレンズ、およびカメラを備える単一
のフィゾー干渉計と、エアベアリングチャックとを含み、上記エアベアリングチャックが
その表面から所定の距離にウェハを保持するためのエアクッションを形成するように構成
され、上記エアベアリングチャックが交互の真空ノズルおよび圧力ノズルを備える。
【0114】
いくつかの実施形態では、交互の真空ノズルおよび圧力ノズルは、デカルト座標または
極座標のうちの1つに配置される。
【0115】
いくつかの実施形態では、交互の真空ノズルおよび圧力ノズルは、複数の同心環に配置
され、隣接する真空ノズルと圧力ノズルとの間の距離は、各同心ノズル環上で実質的に均
一である。
【0116】
いくつかの実施形態では、ノズルは、ウェハの縁部付近の約2~5mmまでウェハを支
持するように構成される。
【0117】
いくつかの実施形態では、エアベアリングチャックは、単一の干渉計を使用したウェハ
平坦度測定のために、ウェハを支持し、ウェハの裏面を平坦にするために、5~30um
の浮上高さを有する。
【0118】
いくつかの実施形態では、エアベアリングチャックは、単一の干渉計を使用したウェハ
形状測定のために、ウェハの元の形状を維持しながらウェハを支持するために、60~3
50umの浮上高さを有する。
【0119】
いくつかの実施形態では、エアベアリングチャックは、アルミニウムまたは剛性があり
鏡のような仕上げで研磨することができる他の材料で作られた反射チャックであり、鏡面
状仕上げで研磨された表面は、干渉縞を示すのに十分に平坦である。
【0120】
いくつかの実施形態では、エアベアリングチャックと透過フラットは、較正の実行を可
能にする光学キャビティを形成する。
【0121】
いくつかの実施形態では、較正は、透過フラットおよびエアベアリングチャックの平坦
度の不完全さを取り除くことを含む。
【0122】
いくつかの実施形態では、エアベアリングチャックの直径は、ウェハの直径よりもわず
かに大きい。
【0123】
いくつかの実施形態では、ウェハの直径は200MMであり、チャックの直径は210
~2020MMである。
【0124】
いくつかの実施形態では、ウェハの直径は300MMであり、チャックの直径は310
~330MMである。
【0125】
いくつかの実施形態では、エアクッションは約5~30umである。
【0126】
いくつかの実施態様において、空気軸受チャックは、ISO規格の鏡面仕上げ表面>=
N4を有する。
【0127】
いくつかの実施形態では、エアベアリングチャックは、1つまたは複数のチャック表面
の光学キャビティデータを使用することによって較正される。
【0128】
いくつかの実施形態では、機械的位相シフトまたは波長位相シフトまたはPL位相シフ
トが利用され、任意に、ウェハを透過フラットに近づけることによって非共通経路を最小
化する。
【0129】
いくつかの実施形態では、エアベアリングチャックにより高空気流を供給してエアベア
リングの高い剛性を実現する。
【0130】
いくつかの実施形態では、エアクッションは、ウェハ平坦度測定のため5~30umの
浮上高さを有する。
【0131】
いくつかの実施形態では、エアクッションは、60~300umの空隙を含むことでウ
ェハ傾斜およびウェハ熱膨張によるウェハ形状変化を低減する。
【0132】
いくつかの実施形態では、交互の真空ノズルおよび圧力ノズルは、軸対称のパターンで
配置され、交互の真空ノズルおよび圧力ノズルは、チャック全体にわたって等間隔に配置
されている。
【0133】
いくつかの実施形態では、ウェハの形状および平坦度の測定装置は、空隙モニタリング
および不適合誤差の補正のために、エアベアリングチャックの中央に静電容量センサをさ
らに含むことができる。
【0134】
いくつかの実施形態では、静電容量センサは、SWがリセットされる必要があるとき、
または電力損失後のウェハ回収のためのウェハ存在センサとして機能するようにさらに構
成される。
【0135】
いくつかの実施形態では、ウェハの形状および平坦度の測定装置は、ウェハの上部に位
置センサ、およびウェハの下部に静電容量センサをさらに含むことができ、位置センサお
よび静電容量センサはハイブリッド厚さ測定ゲージを形成する。
【0136】
いくつかの実施形態では、ウェハの形状および平坦度の測定装置は、チャック位置合わ
せおよび機械的位相シフトのためのZ先端・傾斜ステージ(Z-tip-and-tilt stage)をさ
らに含むことができる。
【0137】
いくつかの実施形態では、Z先端・傾斜ステージは、パターンウェハ幾何学形状用途用
に高度に反った(high warp)ウェハを測定するようにさらに構成される。
【0138】
いくつかの実施形態では、SN.C.は、公知のTTVを有するウェハを使用すること
によって得ることができ、SN.C.は、ウェハ厚さ、温度、FH、およびチャック平坦
度の関数であり、ウェハ厚さ、温度、FH、およびチャック平坦度は、測定中に収集され
、続いて較正補正に使用される。
【0139】
いくつかの実施形態では、Z先端・傾斜ステージは、厚さが300um程度の高度に反
った薄いウェハを測定するようにさらに構成される。
【0140】
本開示の別の態様では、エアベアリングチャック上のウェハ高さを調整し、その高さ変
化の正確な測定のためにツールアーキテクチャのフィゾー干渉計を使用することにより静
電容量センサおよびPSDを較正することが開示される。
【0141】
いくつかの実施形態では、エアベアリングチャックを使用して、ウェハ厚さまたは膜厚
測定における干渉計のレイトレース誤差を低減または相殺することができる。
【0142】
いくつかの実施形態では、エアベアリング位相シフトという、エアベアリングの圧力ま
たは真空を調整することによって位相シフトを生成する新規の方法が開示される。ウェハ
浮上高さを変更する。適切な真空、圧力および空気流量では、線形位相シフトが可能であ
る。これには、機械的位相シフタをほぼゼロコストで置き換える可能性がある。
【0143】
いくつかの実施形態では、干渉計で支援されたウェハ厚さ測定が開示され、静電容量セ
ンサとPSDの両方が現場で較正され、より正確なウェハおよび膜厚測定がもたらされる
。干渉計と厚さ計を組み合わせると、膜測定の精度を10nm未満に改善するのに役立つ
。
【0144】
いくつかの実施形態では、真空ノズルを必要とせず、空気圧ノズルのみを用いてチャッ
ク上でウェハ形状測定を行うことができる。圧力ノズルは、エアベアリングチャック上の
ウェハの重量を支持する。
【0145】
いくつかの実施形態では、ウェハの裏側形状が被試験ウェハを反転させることによって
測定される、ウェハ平坦度測定のための代替方法が開示される。TTVマップは、表側と
裏側のウェハ中心およびノッチ位置を合わせることによってまとめられる。ウェハ中心の
厚さは現場の厚さ計によって測定される。
【0146】
いくつかの実施形態では、WGTのTTV測定は、従来の方法よりも正確である。WG
Tは、リソグラフィチャック上のウェハの実際の使用例とよく似ており、その場合ウェハ
の裏側は、リソグラフィチャックによって平坦化される。WGTにより測定されたTTV
は、リソグラフィツールが見るものと一致する可能性が高い。
【0147】
いくつかの実施形態では、パターン化ウェハ形状測定のために、2つの積層測角クレド
ール(goniometry cradle)を使用して、ウェハ反りのダイナミックレンジおよびスルー
プットを向上させる。ウェハが傾斜している間、ウェハを焦点が合った状態に維持するこ
とが可能である。
【0148】
いくつかの実施形態では、真空ノズルおよび圧力ノズルの均一性を大幅に改善するため
に、プレナム真空(または圧力)マニホールドが提案される。
【0149】
いくつかの実施形態では、チャックのエアクッションは、地震および音響振動を効果的
に分離する空気減衰を提供する。
【0150】
添付図面を参照して本開示の実施形態を十分に説明したが、当業者には様々な変更およ
び修正が明らかになることを理解すべきである。そのような変更および修正は、添付の特
許請求の範囲によって定義される本開示の実施形態の範囲内に含まれると理解されるべき
である。
【符号の説明】
【0151】
102 カメラ
104 リレーレンズ
108 照明光
110 コリメータ
124 レーザ
126 バイセル位置センサ
116 チャック
120,410 リフトピン
118 Z先端・傾斜ステージ
122 静電容量センサ
200,300,401,421,431,461,504,604 エアベアリングチ
ャック
304 実際のフィーチャ
306 チャックマーク
400 200mmウェハ
404,804 真空ノズル
402,806 圧力ノズル
408 ウェハフィンガ
435,496,820 真空層チャネル
436,498,830 圧力層チャネル
432 真空マニホールド層
433 圧力マニホールド層
490 トッププレート
492 バックカバープレート
494 マニホールドプレート
812 ネジ穴
902 真空マニホールドプレナム
904 圧力マニホールドプレナム
【手続補正書】
【提出日】2023-11-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力ノズルのアレイ、真空ノズルのアレイを備えるエアベアリングチャックであって、前記圧力ノズルのアレイと真空ノズルのアレイとが、軸対称かつ交互に配置され、前記配置が複数の同心環を形成している、エアベアリングチャック。
【請求項2】
前記エアベアリングチャックが、200mmチャックである、請求項1に記載のエアベアリングチャック。
【請求項3】
前記複数の同心環の各々における前記圧力ノズルと真空ノズルとの間の接線方向の間隔が一定に保たれている、請求項1に記載のエアベアリングチャック。
【請求項4】
前記複数の同心環の各々におけるノズルの数が、前記エアベアリングチャックの端部に向かって偶数個増加している、請求項1に記載のエアベアリングチャック。
【請求項5】
ノズルの前記偶数個が6のオーダーである、請求項4記載のエアベアリングチャック。
【請求項6】
前記エアベアリングチャックの平坦度が1.5μmである、請求項11に記載のエアベアリングチャック。
【請求項7】
鏡面仕上げを有する表面をさらに備える、請求項11に記載のエアベアリングチャック。
【請求項8】
さらに3個のウェーハグリッパーを含み、そのうちの2個は90度離れて固定されている、請求項11に記載のエアベアリングチャック。
【請求項9】
前記同心環の各々における隣接する圧力ノズルと真空ノズルの各対の間の距離が9.0mmであり、半径方向における隣接する圧力ノズルと真空ノズルの各対の間の距離が11mmである、請求項11に記載のエアベアリングチャック。
【請求項10】
真空マニホールド層と、圧力マニホールド層と、真空マニホールド層と圧力マニホールド層の両方の上にある上部チャック層とを含む積層層をさらに含み、前記上部チャック層は真空ノズルのアレイと圧力ノズルのアレイを備える、請求項1に記載のエアベアリングチャック。
【請求項11】
前記真空マニホールド層が複数の真空チャンネルを含み、前記上部チャック層が真空チャンネルを真空ノズルに接続する複数の真空貫通孔を含む、請求項10記載のエアベアリングチャック。
【請求項12】
前記圧力マニホールド層が複数の圧力チャンネルを含み、前記上部チャック層が前記圧力チャンネルを前記圧力ノズルに接続する複数の圧力貫通孔を含む、請求項10記載のエアベアリングチャック。
【請求項13】
前記複数の圧力チャネルを1つまたは複数の圧力継手に接続するための、前記エアベアリングチャックの底部に設けられた1つまたは複数の開口部をさらに備える、請求項10に記載のエアベアリングチャック。
【請求項14】
前記複数の真空貫通孔が真空排出口に接続されている、請求項10に記載のエアベアリングチャック。
【請求項15】
前記真空排出口が前記積層層の底部にある、請求項14に記載のエアベアリングチャック。
【請求項16】
前記複数の圧力貫通孔が圧力出口に接続されている、請求項10に記載のエアベアリングチャック。
【請求項17】
前記圧力出口が積層された層の底部にある、請求項16に記載のエアベアリングチャック。
【請求項18】
前記積層された層の底面が、前記真空マニホールド層、圧力マニホールド層、および上部チャック層を一緒に固定するための1つまたは複数のねじ穴を含んでいる、請求項10に記載のエアベアリングチャック。
【請求項19】
前記積層層が、バックカバープレートをさらに備える、請求項10に記載のエアベアリングチャック。
【請求項20】
前記交互に配置された真空ノズルおよび圧力ノズルが、半径方向および接線方向に5mm~25mmの間隔で配置されている、請求項11に記載のエアベアリングチャック。