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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161281
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】帳票作成装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/02 20230101AFI20241108BHJP
【FI】
G06Q40/02
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024155101
(22)【出願日】2024-09-09
(62)【分割の表示】P 2020169280の分割
【原出願日】2020-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100169063
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100212026
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真生
(72)【発明者】
【氏名】福元 英司
(57)【要約】
【課題】誤入力等のリスクが低減された帳票を作成可能とする帳票作成装置。
【解決手段】金融機関での取引に使用する帳票に係る印刷用帳票情報を作成する帳票作成装置であって、帳票において入力する入力情報をユーザ端末から取得するための入力フォームをユーザ端末に対して提示する入力フォーム提示部13と、ユーザ端末から取得された入力情報に基づいた二次元コードを生成する二次元コード生成部16と、入力情報および二次元コードを含む印刷用帳票情報を作成する印刷用帳票情報作成部17と、印刷用帳票情報をユーザ端末に対して送信する印刷用帳票情報出力部19と、を有し、入力フォーム提示部13は、金融機関において取引が行われる可能性がある金融機関に係る情報を保持すると共に定期的に情報が更新される金融機関情報サーバから、金融機関に係る情報を取得して入力フォームに含めてユーザ端末に対して提示する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金融機関での取引に使用する帳票に係る印刷用帳票情報を作成する帳票作成装置であって、
前記帳票作成装置との間で通信ネットワークを介した通信を行うことが可能なユーザ端末から前記帳票において入力する入力情報を取得するための入力フォームを前記ユーザ端末に対して提示する入力フォーム提示部と、
前記ユーザ端末から取得された前記入力情報に基づいた二次元コードを生成する二次元コード生成部と、
前記入力情報および前記二次元コードを含む印刷用帳票情報を作成する印刷用帳票情報作成部と、
前記印刷用帳票情報を前記ユーザ端末に対して送信する印刷用帳票情報出力部と、
を有し、
前記ユーザ端末からの情報のアップロードに基づいて、前記入力フォームに情報を入力するように構成されており、
前記入力フォーム提示部は、前記金融機関において取引が行われる可能性がある金融機関に係る情報を保持すると共に定期的に情報が更新される金融機関情報サーバから、前記金融機関に係る情報を取得して前記入力フォームに含めて前記ユーザ端末に対して提示する、帳票作成装置。
【請求項2】
前記ユーザ端末から取得した前記入力情報を、前記印刷用帳票情報の作成後に自装置から消去する、請求項1に記載の帳票作成装置。
【請求項3】
前記入力情報を含む前記帳票の作成に関連する情報である関連情報を前記ユーザ端末に対して送信する、請求項1または2に記載の帳票作成装置。
【請求項4】
前記関連情報は複数の前記帳票の作成に関連する情報を含む、請求項3に記載の帳票作成装置。
【請求項5】
前記入力情報は、取引金額に係る情報を含み、
前記印刷用帳票情報作成部は、前記入力情報に含まれる前記取引金額に対応して算出される手数料情報を含む前記印刷用帳票情報を作成する、請求項1~4のいずれか一項に記載の帳票作成装置。
【請求項6】
前記入力情報は、取引先の金融機関を特定する情報を含み、
前記印刷用帳票情報作成部は、前記入力情報に含まれる前記取引先の金融機関を特定する情報に基づいて、自行宛取引か他行宛取引かを特定する情報を含む前記印刷用帳票情報を作成する、請求項1~5のいずれか一項に記載の帳票作成装置。
【請求項7】
金融機関での取引に使用する帳票に係る印刷用帳票情報を作成する帳票作成装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記帳票作成装置との間で通信ネットワークを介した通信を行うことが可能なユーザ端末から前記帳票において入力する入力情報を取得するための入力フォームを前記ユーザ端末に対して提示するステップと、
前記ユーザ端末から取得された前記入力情報に基づいた二次元コードを生成するステップと、
前記入力情報および前記二次元コードを含む印刷用帳票情報を作成するステップと、
前記印刷用帳票情報を前記ユーザ端末に対して送信するステップと、
前記ユーザ端末からの情報のアップロードに基づいて、前記入力フォームに情報を入力するステップと、
をコンピュータに実行させ、
前記入力フォームを前記ユーザ端末に対して提示するステップでは、前記金融機関において取引が行われる可能性がある金融機関に係る情報を保持すると共に定期的に情報が更新される金融機関情報サーバから、前記金融機関に係る情報が取得されて前記入力フォームに含めて前記ユーザ端末に対して提示される、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帳票作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
事務手続きにおいて用いられる書面をコンピュータ等で作成する際に、二次元コードを組み合わせる手法が検討されている。
【0003】
特許文献1には、偽造・変造等を検出することを目的として、特定の内容を文字にて表示するための部分と、特定の内容に対応する情報を二次元コードにて表示する部分とを、有する印刷物を作成する手法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-18895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、銀行における出金等に利用する帳票についてもコンピュータ等を用いて作成する方法が検討されている。しかしながら、特許文献1に記載の手法を適用した場合、銀行情報等を作成者が入力することになるため、例えば、誤入力に由来する情報が含まれる帳票が作成されてしまう可能性がある。
【0006】
本開示は上記を鑑みてなされたものであり、誤入力等のリスクが低減された帳票を作成可能な帳票作成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本開示の一形態に係る帳票作成装置は、金融機関での取引に使用する帳票に係る印刷用帳票情報を作成する帳票作成装置であって、前記帳票において入力する入力情報をユーザ端末から取得するための入力フォームを前記ユーザ端末に対して提示する入力フォーム提示部と、前記ユーザ端末から取得された前記入力情報に基づいた二次元コードを生成する二次元コード生成部と、前記入力情報および前記二次元コードを含む印刷用帳票情報を作成する印刷用帳票情報作成部と、前記印刷用帳票情報を前記ユーザ端末に対して送信する印刷用帳票情報出力部と、を有し、前記入力フォーム提示部は、前記金融機関において取引が行われる可能性がある金融機関に係る情報を保持すると共に定期的に情報が更新される金融機関情報サーバから、前記金融機関に係る情報を取得して前記入力フォームに含めて前記ユーザ端末に対して提示する。
【0008】
上記の帳票作成装置によれば、印刷用帳票情報には、ユーザ端末から取得された入力情報に基づいた二次元コードが含まれるため、印刷後の帳票を使用する金融機関では二次元コードを利用して入力情報の読み込み等を行うことができる。したがって、金融機関において帳票に記載された情報の誤入力を減らすことができる。また、上記の帳票作成装置では、金融機関において取引が行われる可能性がある金融機関に係る情報を保持すると共に定期的に情報が更新される金融機関情報サーバから金融機関に係る情報を取得して、入力フォームにおいてユーザ端末に対して提示する。そのため、取引先となり得る金融機関に係る情報について、より正確な情報を取り扱うことができることから、誤入力等のリスクがさらに低減される。
【0009】
前記ユーザ端末から取得した前記入力情報を、前記印刷用帳票情報の作成後に自装置から消去する態様としてもよい。
【0010】
上記の構成とすることで、印刷用帳票情報の作成後には個人情報等を含む入力情報が帳票作成装置から消去されるため、セキュリティが高められた状態で印刷用帳票情報の作成を行うことができる。
【0011】
前記入力情報を含む前記帳票の作成に関連する情報である関連情報を前記ユーザ端末に対して送信する態様としてもよい。
【0012】
上記の構成とすることで、ユーザ端末では、入力情報を含む帳票の作成に関連する関連情報を取得することができる。したがって、再度同じ情報を含む帳票を作成する際に再度情報を入力する負担を減らすことができると共に、再度の入力する際の誤入力を防ぐことも可能となる。
【0013】
前記関連情報は複数の前記帳票の作成に関連する情報を含む態様としてもよい。
【0014】
上記の構成とすることで、ユーザ端末において複数の帳票を連続して作成する際に関連情報の取り扱い性が向上し得る。
【0015】
前記入力情報は、取引金額に係る情報を含み、前記印刷用帳票情報作成部は、前記入力情報に含まれる前記取引金額に対応して算出される手数料情報を含む前記印刷用帳票情報を作成する態様としてもよい。
【0016】
上記の構成とすることで、入力情報に含まれる取引金額に対応して算出される手数料情報が含まれた状態で印刷用帳票情報が作成されるため、印刷後の帳票を使用する金融機関において、手数料の確認作業等を効率よく行うことができる。
【0017】
前記入力情報は、取引先の金融機関を特定する情報を含み、前記印刷用帳票情報作成部は、前記入力情報に含まれる前記取引先の金融機関を特定する情報に基づいて、自行宛取引か他行宛取引かを特定する情報を含む前記印刷用帳票情報を作成する態様としてもよい。
【0018】
上記の構成とすることで、自行宛取引か他行宛取引かを特定する情報を含む状態で印刷用帳票情報が作成されるため、印刷後の帳票を使用する金融機関において、取引先の金融機関に応じた作業を効率よく行うことができる。
【発明の効果】
【0019】
本開示によれば、誤入力等のリスクが低減された帳票を作成可能な帳票作成装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、一形態に係る帳票作成装置である銀行帳票作成サーバの動作環境の一例を説明する図である。
図2図2は、銀行帳票作成サーバの機能構成の一例を示す図である。
図3図3は、銀行帳票作成サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図4図4は、銀行帳票作成サーバを利用して作成される帳票の一例を示す図である。
図5図5は、銀行帳票作成サーバを利用した帳票作成の手順の一例を示すシーケンス図である。
図6図6は、二次元コードの作成手順の一例を示すフロー図である。
図7図7は、印刷用の帳票情報の作成手順の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して、本開示を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0022】
[銀行帳票作成サーバ]
図1は、本開示の一形態に係る銀行帳票作成サーバ1(帳票作成装置)の動作環境を説明する図である。
【0023】
銀行帳票作成サーバ1は、銀行等の金融機関で使用される帳票を作成する装置である。本実施形態では「銀行帳票作成サーバ1」として説明するが、出金・入金を含む取引を行う金融機関で使用する帳票を作成し得る。以下の実施形態においても「銀行」という表現を使用する場合があるが、銀行を含む金融機関全般を想定している。
【0024】
銀行帳票作成サーバ1は、例えば、コンピュータ等によって構成される。銀行帳票作成サーバ1における帳票の作成を指示するのは、ユーザが使用するユーザ端末2である。ユーザ端末2は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末等であり、ユーザが情報を入力可能な端末装置である。また、ユーザ端末2と銀行帳票作成サーバ1との間で通信ネットワークNWを介した通信を行うことが可能な端末である。
【0025】
銀行帳票作成サーバ1は、例えば、ユーザ端末2から閲覧・アクセス可能なWebページ等を提示することで、ユーザ端末2との間で情報の受け渡しを行うこととしてもよい。ユーザは、ユーザ端末2を操作することで、銀行帳票作成サーバ1において銀行帳票データを作成する。ユーザ端末2から送信されたユーザの入力情報に基づいて作成された銀行帳票データは、銀行帳票作成サーバ1からユーザ端末2に対して送信されて、ユーザ端末2側(例えば、ユーザ端末2に接続されるプリンタ21)によって紙媒体で出力される。紙媒体で出力された帳票Dは、ユーザによって銀行3に持参されて使用される。
【0026】
銀行帳票作成サーバ1において作成可能な帳票の種類は特に限定されないが、一例として「出金帳票」「入金帳票」「振込依頼書」等が挙げられる。帳票の種類によって、帳票に含めるべき情報の種類が異なるので、作成する帳票の種類に応じて銀行帳票作成サーバ1はユーザ端末2から必要な情報を取得する。そして、取得した情報に基づいて、銀行帳票作成サーバ1は帳票Dに対応する帳票データを作成する。
【0027】
なお、詳細は後述するが、帳票Dには記入された情報に係る二次元コードCが含まれる。銀行3の窓口では、二次元コードCを読み取るためのバーコードリーダ等を使用して、帳票Dに係る情報を読み取る。一例として、銀行3においてバーコードリーダ等を使用して読み取られた情報は、銀行3で使用する取引用のシステムに直接取り込まれる構成であってもよい。帳票Dに入力された情報を含む二次元コードCが帳票Dに印字されていることによって、帳票Dに含まれる情報を銀行3において速やかに取り扱うことができる。
【0028】
銀行帳票作成サーバ1における帳票データの作成の際には、帳票基本情報サーバ91および銀行情報サーバ92(金融機関情報サーバ)のそれぞれから情報を取得して、利用する。この点については後述する。
【0029】
帳票基本情報サーバ91は、銀行帳票作成サーバ1を使用して帳票を作成するために必要な帳票に関する情報を保持している。帳票基本情報サーバ91では、例えば、帳票を特定する識別情報(ID等)と、各識別情報に対応付けて、それぞれの帳票に必要となる情報を特定する情報(例えば、「依頼者の氏名」、「銀行番号」、「支店番号」、「口座番号」、「出金(入金)金額」等)、帳票Dを出力する際の各情報のレイアウトを指定する情報を保持している。銀行帳票作成サーバ1から帳票を特定した状態で帳票基本情報の提供が要求されると、帳票基本情報サーバ91では、特定された帳票に対応付けて保持されている上記の情報を銀行帳票作成サーバ1に対して送信する。
【0030】
銀行情報サーバ92は、銀行帳票作成サーバ1を使用して帳票を作成するために必要な金融機関に関する情報を保持している。銀行情報サーバ92では、例えば、取り扱い可能な金融機関を特定する番号およびその識別情報(ID等)と、各識別情報に対応付けて、それぞれの金融機関の支店を特定する情報およびその支店番号を保持している。銀行帳票作成サーバ1から金融機関の情報の提供が要求されると、銀行情報サーバ92では、入力フォームにおいて金融機関に関する情報を提示するために必要な情報を銀行帳票作成サーバ1に対して送信する。各金融機関では、支店の新規開設・統廃合等によって支店が変更される場合がある。さらに大きな変更として、金融機関自体も新規作成・変更が生じ得る。そのため、銀行情報サーバ92が最新の情報を銀行帳票作成サーバ1に対して提供しないと、帳票を利用した取引を適切に行うことができない可能性がある。そこで、銀行情報サーバ92は定期的(例えば、1週間~数か月毎)に最新の金融機関情報を含むように、情報の更新が行われる。
【0031】
図2は、銀行帳票作成サーバ1の機能構成を説明する図である。図2に示すように、銀行帳票作成サーバ1は、作成要求取得部11、帳票基本情報取得部12、入力フォーム提示部13、入力情報取得部15、二次元コード生成部16、印刷用帳票情報作成部17、関連情報出力部18、および印刷用帳票情報出力部19を含んで構成される。なお、入力フォーム提示部13は、銀行支店情報提示部14を含む。
【0032】
図3は、銀行帳票作成サーバ1に用いられるコンピュータ110のハードウェア構成の一例を示す図である。例えば、コンピュータ110は制御回路100を有する。一例では、制御回路100は、一つまたは複数のプロセッサ101と、メモリ102と、ストレージ103と、通信ポート104と、入出力ポート105とを有する。プロセッサ101はオペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを実行する。ストレージ103はハードディスク、不揮発性の半導体メモリ、または取り出し可能な媒体(例えば、磁気ディスク、光ディスクなど)の記憶媒体で構成され、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを記憶する。メモリ102は、ストレージ103からロードされたプログラム、またはプロセッサ101による演算結果を一時的に記憶する。プロセッサ101は、メモリ102と協働してプログラムを実行することで、個々の機能モジュールとして機能する。通信ポート104は、プロセッサ101からの指令に従って、通信ネットワークNWを介して他の装置との間でデータ通信を行う。入出力ポート105は、プロセッサ101からの指令に従って、キーボード、マウス、モニタ、タッチパネルなどの入出力装置(ユーザインタフェース)との間で電気信号の入出力を実行する。
【0033】
なお、銀行帳票作成サーバ1は、複数のコンピュータ110によって構成されていてもよい。また、銀行帳票作成サーバ1が複数のコンピュータ110から構成されている場合、複数のコンピュータ110は、分散配置していてもよく、これらが相互に通信ネットワークNWを介して接続されていてもよい。
【0034】
図2に戻り、銀行帳票作成サーバ1の各部について説明する。
【0035】
作成要求取得部11は、ユーザからの帳票の作成要求を取得する機能を有する。ユーザは、ユーザ端末2を操作することによって、銀行帳票作成サーバ1に対して帳票の作成を要求してもよい。このときに、ユーザ端末2からは作成する銀行帳票の種類を特定したうえで銀行帳票作成サーバ1に対して帳票の作成を要求してもよい。また、銀行帳票作成サーバ1は、ユーザからの帳票の作成要求を受け付けるための入力フォームをユーザに対して提示することとしてもよい。
【0036】
帳票基本情報取得部12は、ユーザからの要求に基づいて帳票基本情報サーバ91に保持されている情報から、帳票の作成に必要な情報を取得する。上述のように帳票の種類に応じて必要な情報が異なる。そこで、帳票基本情報取得部12は帳票基本情報サーバ91からユーザの要求に応じて帳票作成に必要な情報を取得する。なお、帳票基本情報サーバ91では、作成する可能性がある帳票毎に、帳票の種類を特定する情報と、帳票毎のユーザから取得するべき情報の種類(例えば、取り扱い対象の講座を特定する情報、出金/入金額等)と、が対応付けられて保持されていてもよい。
【0037】
入力フォーム提示部13は、帳票基本情報取得部12が帳票基本情報サーバ91から取得した情報に基づいて、ユーザ端末2から情報を取得可能なようにユーザに対する入力フォームを提示する機能を有する。帳票基本情報サーバ91から取得した情報に基づいて、ユーザから取得すべき情報は決まるので、入力フォームは、帳票の種類毎に予め定められていてもよい。なお、入力フォームは、例えば、Webページとしてユーザ端末2に対して提示されてもよい。すなわち、ユーザ端末2へ入力フォームを構成するWebページのURLを送信し、ユーザ端末2は当該URLで指定されるWebページに対してアクセスすることで入力フォームに係る情報を取得し、ユーザ端末2において入力フォームに対して入力が可能となる。
【0038】
なお、帳票の種類にもよるが、取引を行う対象となる銀行口座を指定する必要がある場合がある。例えば、既定の口座との間で入金/出金を行う場合には、当該口座を特定する必要がある。また口座の特定をする際には、当該口座が作成されている銀行、支店を特定する必要がある。
【0039】
そのため、入力フォーム提示部13は、銀行支店情報提示部14を利用して銀行情報サーバ92から金融機関に係る情報を取得し、ユーザに対して取引先となる金融機関の選択肢を提示する。ユーザは、入力フォーム中に示される金融機関の中から、取引先の金融機関および支店を選択する。
【0040】
入力情報取得部15は、ユーザが入力した情報を取得する機能を有する。取得した情報は、二次元コードの生成と、帳票の作成とに使用され得る。なお、入力情報取得部15は、ユーザが入力フォームを利用して入力した情報を入力情報として取得してもよいが、その他の方法を用いてもよい。一例として、後述の関連情報出力部18が作成したユーザ端末2に対して送信した情報を、ユーザ端末2が銀行帳票作成サーバ1に対してアップロードすることによって、ユーザが入力した情報に相当する情報を取得する構成としてもよい。なお、銀行帳票作成サーバ1では、ユーザから入力した情報は自サーバでは長期的な保存はせず、後述の帳票の作成に係る一連の処理が終了したら破棄される。
【0041】
二次元コード生成部16は、入力情報取得部15において取得した情報等に基づいて二次元コードを生成する機能を有する。二次元コードの種類は特に限定されず、金融機関で読み取り可能なコードであればよい。一例として、二次元コードとして、JIS X 0510:2004において規格化されている二次元コードを用いることができる。なお、金融機関で二次元コードを読み取るための装置の種類に応じて、採用する二次元コードの種類が選定され得る。
【0042】
二次元コードに含まれる情報は、のほか、例えば、帳票基本情報サーバ91から取得した帳票の作成に使用する情報等が入力情報取得部15において取得した情報含まれてもよい。また、入力情報取得部15において取得した情報に関連する情報等が二次元コードに含まれていてもよい。二次元コードに含めるべき情報は、帳票を使用する金融機関(すなわち、二次元コードを読み取る金融機関)に応じて変化し得る。したがって、金融機関からの要請に応じて二次元コードに含めるべき情報等が設定され得る。
【0043】
印刷用帳票情報作成部17は、入力情報取得部15が取得した情報と、二次元コード生成部16と、に基づいてユーザが印刷して使用するための帳票情報を作成する機能を有する。帳票基本情報サーバ91から取得した情報には、印刷用の帳票のレイアウトを特定する情報が含まれている。そのため、印刷用帳票情報作成部17では、当該レイアウトに基づいて印刷用の帳票を作成する。
【0044】
関連情報出力部18は、入力情報取得部15が取得した情報、印刷用帳票情報作成部17において利用された情報等を、ユーザ(ユーザ端末2)からの要求に応じて、「関連情報」としてユーザ端末2に対して送信する機能を有する。この際、関連情報出力部18から出力される関連情報は、例えば、銀行帳票作成サーバ1でしか使用できない状態(例えば、特定のロジックを使用しないと解読できない状態とする、特定のロジックを用いて暗号化処理を行う、等)に加工し、加工後のデータファイルをユーザ端末2に対して送信する仕様としてもよい。
【0045】
なお、関連情報出力部18は、入力情報取得部15が取得した情報、印刷用帳票情報作成部17において利用された情報等を関連情報として出力する際に、例えば、複数の帳票の作成に利用した情報をまとめて関連情報として出力してもよい。一例として、ユーザ端末2が複数の同種の帳票を繰り返し作成しようとしたとする。この場合、複数の帳票に係る印刷用の帳票情報の作成が全て終わった後に、これらの帳票情報の作成の際にユーザ端末2から取得した情報をまとめたリストを関連情報出力部18において作成する構成としてもよい。また、複数件の関連情報についてそれぞれ個別のファイルを生成し、複数件のデータファイルを一度に送信する構成としてもよい。
【0046】
印刷用帳票情報出力部19は、印刷用帳票情報作成部17において作成した帳票情報をユーザ端末2に対して送信する機能を有する。印刷用帳票情報出力部19から送信された帳票情報は、ユーザ端末2において受信された後、例えば、プリンタ21で印刷されることによってユーザが持ち運び可能な紙の帳票となる。
【0047】
銀行帳票作成サーバ1によって作成される銀行帳票の例を図4に示す。図4は銀行帳票の一例である他行への振込依頼書D1を示している。振込依頼書D1には、銀行名D11、支店名D12、預金種目および口座番号D13、口座名義D14、振込金額D15、手数料D16、依頼人情報(連絡先)D17が含まれる。このうち、手数料D16は、ユーザが入力した振込金額に応じて算出され得る。手数料の算出方法は、一例として、帳票基本情報サーバ91から取得した振込依頼書に係る基本情報に含まれる。
【0048】
また、振込依頼書D1では、振込先の銀行名D11に記載された銀行の情報に基づいて、振込先が「自行」「他行」のいずれであるかを特定し、これを表示してもよい。図4に示す振込依頼書D1では他行宛ての振込みを依頼する依頼書であることを示す「他行宛て」という表示D18が含まれている。
【0049】
このように、帳票Dの種類に応じて表示する内容は変更され得る。
【0050】
[帳票の作成方法]
次に、図5を参照しながら、銀行帳票作成サーバ1による銀行帳票の作成方法について説明する。
【0051】
まず、ステップS01では、ユーザがユーザ端末2を操作することによって作成する帳票を特定した状態で帳票の作成を要求する。
【0052】
ステップS02では、ユーザ端末2から銀行帳票作成サーバ1に対して帳票の作成要求が送信される。銀行帳票作成サーバ1では、作成要求取得部11においてユーザ端末2からの要求を取得する。
【0053】
ステップS03では、銀行帳票作成サーバ1の帳票基本情報取得部12は、帳票基本情報サーバ91から、ユーザ端末2から要求された帳票の作成に必要な情報(帳票基本情報)を取得する。
【0054】
ステップS04では、銀行帳票作成サーバ1の入力フォーム提示部13は、帳票基本情報取得部12が取得した帳票に係る情報(帳票基本情報)に基づいて、ユーザが情報を入力可能となるように入力フォームを提示する。
【0055】
ステップS05では、入力フォームに対してユーザ端末2によって情報の入力が行われる。この動作の中で、ユーザ端末2では取引に関する金融機関を選択する。その際に、銀行帳票作成サーバ1の銀行支店情報提示部14では、ステップS06として、銀行情報サーバ92から金融機関に係る情報(例えば、銀行および支店に関する情報)を取得し、入力フォーム中でユーザ(ユーザ端末2)に対して提示する。ステップS05,S06によって、ユーザ端末2から帳票の作成に必要な情報が入力される。なお、上述のように、入力フォームを利用した情報の入力に代えて、ユーザ端末2から入力フォームに入力する情報に対応する情報がアップロードされてもよい。また、情報のアップロードを利用して、入力フォームに情報が入力される構成としてもよい。
【0056】
ステップS07では、銀行帳票作成サーバ1の入力情報取得部15は、ユーザが入力した情報を取得する。
【0057】
ステップS08では、銀行帳票作成サーバ1の二次元コード生成部16は、ユーザが入力した情報等に基づいて二次元コードを生成する。
【0058】
図6では、二次元コードを生成する手順を示している。図6に示すように、まず、ステップS21として、二次元コード生成部16は、帳票情報から二次元コードに含める情報の種類を特定する情報を取得する。次に、ステップS22として、二次元コード生成部16は、入力情報(ユーザ端末2から取得した情報)から、二次元コードに含める情報を選択する。その後、ステップS23として、二次元コード生成部16は、選択した情報に対応するに二次元コードを作成する。これにより、帳票情報において指定された二次元コードが生成される。
【0059】
図5に戻り、ステップS09では、銀行帳票作成サーバ1の印刷用帳票情報作成部17は、ユーザ端末2に対して送信するための印刷用の帳票情報を作成する。
【0060】
ステップS10では、銀行帳票作成サーバ1の印刷用帳票情報出力部19は、ステップS09で作成した印刷用の帳票情報をユーザ端末2に対して送信する。
【0061】
図7では、印刷用の帳票情報を作成する手順を示している。図7に示すように、まず、ステップS31として、印刷用帳票情報作成部17は、帳票基本情報に基づいて、印刷用の帳票情報において指定されている入力情報および二次元コードの表示位置(データ内でのレイアウト)に対して入力情報・二次元コード等を配置する。次に、ステップS32として、印刷用帳票情報作成部17は、手数料情報、銀行番号等を指定位置に配置する。手数料情報、銀行番号等は、ユーザ端末2から取得した情報ではなく、自サーバ内または他のサーバ(銀行情報サーバ92等)から取得する情報である。印刷用の帳票情報にこれらの情報を含める場合、印刷用帳票情報作成部17において必要に応じて計算・情報の送受信等を行ってもよい。
【0062】
次に、ステップS33として、印刷用帳票情報作成部17は、帳票に記載する取引先の金融機関に応じて「自行」「他行」の記載を変更する。一例として、図4に示す振込依頼書を金融機関で取り扱う場合、自行の口座あての振込処理と他行の口座あての振込処理とでは事務作業の内容が変更する場合がある。したがって、金融機関内で印刷された帳票を取り扱う際にも、自行に係る帳票か、他行に係る帳票のいずれであるかを簡単に見分けることができるようにしておくと、利便性が高められる。そのため、印刷用帳票情報作成部17では、帳票に記載する取引先の金融機関を考慮して、印刷した際に「自行」「他行」が明確に区別されるように記載内容を変更する構成としてもよい。なお、「自行」「他行」を区別する方法として、ここでは、印字内容を変更しているが、例えば、帳票のレイアウトを変更する、印刷する際の帳票の色を変更する等の手法を選択してもよい。このように、「自行」「他行」を区別する手法は特に限定されない。
【0063】
上記の一連の処理によって印刷用の帳票情報が作成される。その後、ステップS34として、印刷用の帳票情報が出力される(ステップS10に相当する)。
【0064】
5に戻り、ステップS11では、銀行帳票作成サーバ1の関連情報出力部18は、ユーザ端末2からの要求に応じて、入力フォームを利用してユーザ端末2が入力した情報等を含む関連情報をユーザ端末2に対して送信する。このステップS11は、ユーザ端末2からの要求で行われてもよい。また、銀行帳票作成サーバ1はこのステップS11を行わない構成としてもよい。なお、ステップS10,S11の順序は変更してもよい。
【0065】
また、複数の印刷用の帳票情報を出力した後に、複数の帳票に係る関連情報を出力する場合、例えば、ステップS01~S10の処理を繰り返した後で、ステップS11の処理を行うことになる。このような処理を実現するために、例えば、関連情報の出力はまとめて行いたい旨の指示をユーザ端末2から受け付けるためのボタン等を入力フォームに設けておく構成としてもよい。
【0066】
ステップS12では、ユーザ端末2をユーザが操作することによって、例えば、ユーザ端末2に接続されたプリンタ21において銀行帳票作成サーバ1から取得された情報が印刷される。これによりユーザは紙の帳票を取り扱うことが可能となる。
【0067】
ステップS13では、銀行帳票作成サーバ1では、ユーザ端末2から取得した情報が消去される。ユーザ端末2から取得した情報は、少なからず個人情報等が含まれ得る。したがって、銀行帳票作成サーバ1ではセキュリティを高めるためにユーザ端末2から取得した情報を保持せず、一連の処理が終了したことを契機として消去する。消去する契機は、例えば、ユーザ端末2において帳票の作成に係るWebページの閲覧が終了したタイミングとしてもよい。また、ユーザに対する印刷用帳票情報の提供(ステップS10)、入力情報の提供(ステップS11)等の特定の処理を契機として入力された情報を消去する構成としてもよい。
【0068】
[作用]
上記実施形態で説明したように、帳票作成装置としての銀行帳票作成サーバ1によれば、ユーザ端末から取得された入力情報に基づいた二次元コードを生成されて、印刷用帳票情報に含まれる。そのため、ユーザが印刷した後の帳票を実際に取り扱う金融機関では、二次元コードを利用して入力情報の読み込み等を行うことができる。したがって、金融機関において帳票に記載された情報の誤入力を減らすことができる。また、上記の銀行帳票作成サーバ1では、金融機関において取引が行われる可能性がある金融機関に係る情報を保持すると共に定期的に情報が更新される金融機関情報サーバとしての銀行情報サーバ92から金融機関に係る情報を取得して、入力フォームを利用してユーザ端末に対して提示する。そのため、取引先となり得る金融機関に係る情報について、より正確な情報を取り扱うことができることから、誤入力等のリスクがさらに低減される。
【0069】
また、銀行帳票作成サーバ1では、ユーザ端末2から取得した入力情報を、印刷用帳票情報の作成後に自装置から消去する。このような構成とすることで、印刷用帳票情報の作成後には個人情報等の機密情報を含む入力情報が銀行帳票作成サーバ1から消去されるため、セキュリティが高められた状態で印刷用帳票情報の作成を行うことができる。また、銀行帳票作成サーバ1自体での入力情報の管理が不要となることから、装置の新規設置が簡単であると共に装置における情報管理レベルを高めることが不要となる。
【0070】
また、銀行帳票作成サーバ1では、入力情報を含む前記帳票の作成に関連する情報である関連情報をユーザ端末2に対して送信可能とされている。このような構成とすることで、ユーザ端末2では、入力情報を含む帳票の作成に関連する関連情報を取得し、次回の帳票作成に利用することができる。そのため、ユーザ端末2における入力作業等の負担を減らすことができる。また、ユーザ端末2における入力作業を減らすことで、帳票における誤入力を防ぐことも可能となる。
【0071】
関連情報は複数の帳票の作成に関連する情報を含んでいてもよい。このような構成とした場合、ユーザ端末2において複数の帳票を連続して作成する際に関連情報の取り扱い性が向上し得る。具体的には、例えば、複数の帳票の関連情報を個別に生成する場合、複数のファイルがユーザ端末2で存在し、取り扱いが煩雑となる可能性がある。これに対して複数の帳票の関連情報を取りまとめる構成とすることで、ユーザ端末2における管理がしやすくなる。
【0072】
入力情報は、取引金額に係る情報を含み、印刷用帳票情報作成部17は、入力情報に含まれる取引金額に対応して算出される手数料情報を含む印刷用帳票情報を作成してもよい。このような構成とすることで、入力情報に含まれる取引金額に対応して算出される手数料情報が含まれた状態で印刷用帳票情報が作成される。そのため、印刷後の帳票を使用する金融機関において、手数料の確認作業等を効率よく行うことができる。
【0073】
また、入力情報は、取引先の金融機関を特定する情報を含み、印刷用帳票情報作成部17は、入力情報に含まれる取引先の金融機関を特定する情報に基づいて、自行宛取引か他行宛取引かを特定する情報を含む印刷用帳票情報を作成してもよい。このような構成とすることで、自行宛取引か他行宛取引かを特定する情報を含む状態で印刷用帳票情報が作成される。そのため、印刷後の帳票を使用する金融機関において、取引先の金融機関に応じた作業を効率よく行うことができる。
【0074】
[変形例]
以上、本開示は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0075】
例えば、上記の銀行帳票作成サーバ1と帳票基本情報サーバ91とが別の装置である場合について説明したが、帳票基本情報サーバ91が保持する情報を銀行帳票作成サーバ1において管理する構成としてもよい。同様に、銀行情報サーバ92が保持する情報を銀行帳票作成サーバ1において保持する構成としてもよい。
【0076】
また、銀行帳票作成サーバ1がプリンタと接続していて、銀行帳票作成サーバ1側で印刷用帳票情報を印刷可能な構成とされていてもよい。また、印刷用帳票情報を印刷するプリンタは、例えば、銀行帳票作成サーバ1およびユーザ端末2とは異なる装置に接続されていてもよい。
【0077】
また、帳票Dに含める情報は上記実施形態で説明したものには限定されず、種々の情報を組み合わせることができる。また、帳票Dの種類も適宜変更され得る。さらに、銀行帳票作成サーバ1では、上記の手数料の計算、自行・他行宛の表示の変更のほかにも、種々の処理を行った上で帳票Dに含める情報を生成してもよい。
【符号の説明】
【0078】
1…銀行帳票作成サーバ、2…ユーザ端末、3…銀行、11…作成要求取得部、12…帳票基本情報取得部、13…入力フォーム提示部、14…銀行支店情報提示部、15…入力情報取得部、16…二次元コード生成部、17…印刷用帳票情報作成部、18…関連情報出力部、19…印刷用帳票情報出力部、21…プリンタ、91…帳票基本情報サーバ、92…銀行情報サーバ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7