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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161283
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】無料設備管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0207 20230101AFI20241108BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20241108BHJP
【FI】
G06Q30/0207
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024155199
(22)【出願日】2024-09-09
(62)【分割の表示】P 2020064864の分割
【原出願日】2020-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】504385339
【氏名又は名称】山本 和浩
(72)【発明者】
【氏名】山本 和浩
(57)【要約】
【課題】無料駐車場をより効率良く管理する。
【解決手段】無料駐車場管理システム100は、無料駐車場2の駐車位置3a~3dに入出庫する車両Cを撮像する外部カメラ10と、外部カメラ10で撮像された撮像情報を処理するコンピュータ20、40と、を備える。コンピュータ20、40は、外部カメラ10で撮像された撮像情報に基づき、車両Cを識別する車両識別情報と、該車両識別情報に紐付けされた当該車両Cの入庫時間情報および出庫時間情報とを生成するとともに、当該車両識別情報に対応する車両の駐車時間と所定の管理時間とを比較して、対応する車両Cの駐車時間が、所定の管理時間未満であれば褒賞情報を生成し、当該車両Cに対応する利用者に、褒賞情報に応じた褒賞ポイントを付与する処理を実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無料駐車場の駐車位置に入出庫する車両を撮像する撮像部と、該撮像部で撮像された撮像情報が入力される情報処理部と、を備え、
前記情報処理部は、前記撮像情報に基づいて、車両を識別する車両識別情報と、該車両識別情報に紐付けされた当該車両の入庫時間情報および出庫時間情報と、を生成するとともに、当該車両識別情報に対応する車両の駐車時間と所定の管理時間とを比較して、当該車両の駐車時間が、所定の管理時間未満であれば褒賞情報を生成し、当該車両に対応する利用者に、褒賞情報に応じた利益を付与することを特徴とする無料駐車場管理システム。
【請求項2】
前記無料駐車場は、施設に付随して設けられたものであり、
前記利用者が前記施設を利用したか否かを判定し、前記施設を利用した場合に限っ
て前記利益は付与される請求項1に記載の無料駐車場管理システム。
【請求項3】
前記利益は、前記施設の利用の程度に応じ、利用の程度が大きいほどより多くが付与される請求項2に記載の無料駐車場管理システム。
【請求項4】
前記利益は、前記所定の管理時間よりも前記駐車時間が短いほどより多くが付与される請求項1~3のいずれか一項に記載の無料駐車場管理システム。
【請求項5】
前記利益の大きさは、利用者が引いたくじ引きの結果または乱数に応じて決まる請求項1~4のいずれか一項に記載の無料駐車場管理システム。
【請求項6】
無料設備の利用主体を特定する情報である対象特定情報を取得する情報取得部と、該情報取得部で取得された前記対象特定情報が入力される情報処理部と、を備え、
前記情報処理部は、前記対象特定情報に基づいて、利用主体を識別する利用主体識別情報と、該利用主体識別情報に紐付けされた当該利用主体の無料設備利用開始時間情報および無料設備利用終了時間情報と、を生成するとともに、当該利用主体識別情報に対応する利用主体の利用時間と所定の管理時間とを比較して、当該利用主体の利用時間が、所定の管理時間未満であれば褒賞情報を生成し、当該利用主体若しくは利用主体の所有者に、褒賞情報に応じた利益を付与することを特徴とする無料設備管理システム。
【請求項7】
前記無料設備は、施設に付随して設けられたものであり、
前記利用者が前記施設を利用したか否かを判定し、前記施設を利用した場合に限っ
て前記利益は付与される請求項6に記載の無料設備管理システム。
【請求項8】
前記利益は、前記施設の利用の程度に応じ、利用の程度が大きいほどより多くが付与される請求項7に記載の無料設備管理システム。
【請求項9】
前記利益は、前記所定の管理時間よりも前記利用時間が短いほどより多くが付与される請求項6~8のいずれか一項に記載の無料設備管理システム。
【請求項10】
前記利益の大きさは、利用者が引いたくじ引きの結果または乱数に応じて決まる請求項6~9のいずれか一項に記載の無料設備管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無料駐車場などの無料で使える設備を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
有料駐車場を管理する技術は種々提案されている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1記載の技術は、無人の有料駐車場において、車両の入出庫の画像情報に基づき、その車両の入庫から出庫までの時間に応じた料金データを算出して課金する。
また、飲食店では、注文、会計、集計、顧客管理などができるPOSシステムが導入されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3222136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、無料駐車場にあっては課金という概念自体が存在しない。そのため、長時間の迷惑駐車がなされて混雑を招いているとしても、これを咎めることが難しいという問題がある。
【0005】
また、例えばコンビニエンスストアなどの施設では駐車場が無料であるところ、施設を利用しない、あるいは施設の利用の程度を超えた長時間の迷惑駐車に対して、別途に課金や罰金を定めることが必ずしも得策とはいえない場合もある。このように、有料駐車場とは異なり、無料駐車場では、その混雑状況を緩和して、より効率良く管理する上で未だ解決すべき課題がある。
また、飲食店では、席の専有時間、店内での滞留時間に応じて、飲食の料金とは別に課金することは難しい。
【0006】
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、無料駐車場の混雑状況を緩和し得る無料駐車場管理システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る無料駐車場管理システムは、無料駐車場の駐車位置に入出庫する車両を撮像する撮像部と、該撮像部で撮像された撮像情報が入力される情報処理部と、を備え、前記情報処理部は、前記撮像情報に基づいて、車両を識別する車両識別情報と、該車両識別情報に紐付けされた当該車両の入庫時間情報および出庫時間情報と、を生成するとともに、当該車両識別情報に対応する車両の駐車時間と所定の管理時間とを比較して、当該車両の駐車時間が、所定の管理時間未満であれば褒賞情報を生成し、当該車両に対応する利用者に、褒賞情報に応じた利益を付与することを特徴とする。
【0008】
本発明の一態様に係る無料駐車場管理システムによれば、車両の駐車時間が、所定の管理時間未満であれば褒賞情報を生成し、当該車両に対応する利用者に、褒賞情報に応じた利益を付与することができる。
そのため、長時間の駐車に対して、別途に課金や罰金を定めるのではなく、例えば所用を済ませて早期に出庫した利用者に対し、利益を与えることができる。これにより、車両に対応する利用者に、無料駐車場からの早期出庫を促すことができるので、無料駐車場の混雑状況を緩和して、稼働効率を向上させることができる。よって、無料駐車場をより効率良く管理できる。
また、本発明に係る無料設備管理システムを飲食店に適用した場合、早く食べ終わって店を出た客に対し、利益を与えることができる。これにより、回転率を高めることができる。
【発明の効果】
【0009】
上述のように、本発明によれば、無料駐車場等の混雑状況の緩和に貢献し、無料駐車場等をより効率良く管理できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一態様に係る無料駐車場管理システムを備えるコンビニエンスストアを示す模式的平面図である。
図2図1の無料駐車場管理システムで実行される無料駐車場管理処理のフローチャートである。
図3図2の無料駐車場管理処理での一実施態様を説明する図である。
図4】本発明の一態様に係る「飲食店用短時間利用褒賞システム」を備えるセルフサービス式の飲食店を示す模式的平面図であり、この図には、このシステムで扱われる「商品飲食標準時間数テーブル」と「褒賞管理テーブル」のイメージ例を含む。
図5図4の「飲食店用短時間利用褒賞システム」で扱われる「利用者選択商品一覧」テーブル型データのイメージ例である。
図6図4の「飲食店用短時間利用褒賞システム」で扱われるデータベースのデータテーブルの構造(レコード,フィルド)のイメージである。
図7図4の「飲食店用短時間利用褒賞システム」において、{「褒賞ポイント」を照会するという場面}での「会計レジ機」と「管理データベース」の役割を説明する図である。
図8図4の「飲食店用短時間利用褒賞システム」において、{「褒賞ポイント」で会計するという場面}での「会計レジ機」と「管理データベース」の役割を説明する図である。
図9図4の「飲食店用短時間利用褒賞システム」において、{商品を受け渡すという場面}での「受渡当番機」と「管理データベース」の役割を説明する図である。
図10図4の「飲食店用短時間利用褒賞システム」において、{「褒賞ポイント」を付与するという場面}での「クーポン発券機」と「管理データベース」の役割を説明する図である。
図11図4の「飲食店用短時間利用褒賞システム」において、「管理データベース」が「合計商品飲食標準時間数」と「店内利用時間数」から「今回付与褒賞ポイント数」を求めるために使う「平面的換算表」のイメージ例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。なお、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。
【0012】
図1に示すように、本実施形態は、施設として、コンビニエンスストア1の無料駐車場2の管理に、本発明に係る無料駐車場管理システム100を適用した例である。このコンビニエンスストア1は、敷地内に無料駐車場2を有する。無料駐車場2には、車両4台分の駐車位置3a~3dが設定されている。
【0013】
本実施形態の無料駐車場管理システム100は、同図に示すように、コンビニエンスストア1側に設けられた、外部カメラ10、内部カメラ30およびコンピュータ20と、管理本部に設けられた管理コンピュータ40と、データベースサーバ50と、を備えて構成される。管理コンピュータ40は、データベースサーバ50との間で情報の授受が可能に接続されている。
【0014】
外部カメラ10は、無料駐車場2に入出庫する車両を撮像可能に敷地内に設置されている。内部カメラ20は、コンビニエンスストア1のレジカウンタの利用者を撮像可能にレジカウンタ近傍に設置されている。
コンピュータ20は、コンビニエンスストア1の施設内の、例えばバックヤードに設けられている。コンピュータ20は、管理コンピュータ40との間で必要な情報の授受が可能に接続されている。外部カメラ10および内部カメラ20で取得される撮像情報は、施設側のコンピュータ20に入力される。
【0015】
コンピュータ20は、情報処理部として、無料駐車場管理処理の従のプログラムを実行する。本実施形態の例では、コンピュータ20は、外部カメラ10で取得される、無料駐車場2に入出庫する車両の撮像情報に基づき、画像処理を行って、いずれかの駐車位置3a~3dに駐車した車両を識別する車両識別情報およびこれに乗車している人物を識別する人物識別情報を生成し、その識別情報を入庫した時刻(入庫時間情報)とともに管理コンピュータ40に送信する処理を実行する。
【0016】
また、コンピュータ20は、同様に画像処理を行って、内部カメラ30で取得される、レジカウンタの利用者の撮像情報に基づき、利用した人物を識別可能な人物識別情報を生成し、その人物識別情報を利用時刻とともに利用情報として管理コンピュータ40に送信する処理を実行する。
【0017】
さらに、コンピュータ20は、同様に画像処理を行って、外部カメラ10で取得される、いずれかの駐車位置3a~3dから出庫した車両を識別する車両識別情報を生成し、その車両識別情報を出庫した時刻(出庫時間情報)とともに管理コンピュータ40に送信する処理を実行する。
【0018】
そして、本実施形態の管理コンピュータ40は、情報処理部として、無料駐車場管理処理の主のプログラムを実行する。管理コンピュータ40では、無料駐車場管理処理の主のプログラムが実行されると、図2に示すように、ステップS1に移行して、施設側のコンピュータ20で入庫時間情報が取得されたか否か監視する。
入庫時間情報が取得されればステップS2に移行し、そうでなければステップS1で待機する。ステップS2では、一次識別情報を生成してステップS3に移行する。本実施形態の例では、一次識別情報は、無料駐車場2に入庫時(入庫時間情報)における車両Cを識別する車両識別情報およびこれに乗車している人物を識別した人物識別情報の組である。
【0019】
ステップS3では、施設側のコンピュータ20で施設の利用情報が取得されたか否か監視する。利用情報が取得されればステップS4に移行し、そうでなければステップS3で待機する。
ステップS4では、利用情報に基づき、付加識別情報を生成して、ステップS5に移行する。本実施形態の例では、付加識別情報は、コンビニエンスストア1における購買額等の購買情報とそれの支払い時刻(利用時間情報)並びにその支払いを行った人物を識別した人物識別情報の組である。なお、購買情報については、レジスタを管理するシステム側から管理コンピュータ40に渡されるようになっている。
【0020】
ステップS5では、施設側のコンピュータ20で出庫時間情報が取得されたか否か監視する。出庫時間情報が取得されればステップS6に移行し、そうでなければステップS5で待機する。ステップS6では、二次識別情報を生成してステップS7に移行する。
本実施形態の例では、二次識別情報は、無料駐車場2に出庫時(出庫時間情報)における車両を識別する車両識別情報およびこれに乗車している人物を識別した人物識別情報の組である。なお、当該車両に乗車している人物との紐付けは、一次識別情報を参照して行うことができる。
【0021】
ステップS7では、褒賞条件を充足した否かが判定される。ここで、本実施形態の褒賞条件とは、車両識別情報と、この車両識別情報に紐付けされた入庫時間情報および出庫時間情報とに基づいて、当該車両識別情報に対応する車両の駐車時間と所定の管理時間とを比較し、当該車両識別情報に対応する車両の駐車時間が、所定の管理時間未満であれば、褒賞条件が充足されていると判定する。
【0022】
これにより、管理コンピュータ40は、褒賞条件が充足されていれば、ステップS8に移行して所定の褒賞ポイント付与処理を行い、そうでなければ処理を戻す。所定の褒賞ポイント付与処理としては、褒賞情報に応じた利益を付与するものであれば、後述するように種々の方法を設定できる。
【0023】
例えば、早期出庫に応じた時間的な価値の重み付けを判断し、その価値に応じた褒賞ポイントを、当該車両識別情報に対応する利用者に付与する。優良な利用者は、褒賞ポイントに応じたサービスを、当該コンビニエンスストア1やグループのコンビニエンスストア等の施設で受けることができる。
【0024】
また、本実施形態のように、無料駐車場が施設に付随して設けられたものであれば、褒賞ポイント付与処理において、上記付加識別情報を更に用いることができる。例えば、褒賞情報は、利用者が施設を利用したか否かを判定し、利用した場合に限って生成されるようにすることができる。そしてまた、褒賞ポイントは、施設の利用の程度に応じて利用の程度が大きいほどより多くが付与されるようにすることができる。
【0025】
次に、無料駐車場管理処理の実施例について図3を参照してより詳しく説明する。
無料駐車場管理システム100で無料駐車場管理処理が実行されると、コンビニエンスストア1では、外部カメラ10が、常時、駐車場2を撮像する(図3に示すステップA1)。
コンビニエンスストア1のコンピュータ20は、外部カメラ10の撮像情報から、駐車場に入場した車両Cが、複数の駐車位置3a~3dのうち、いずれかの駐車位置内に駐車されたことを画像処理により確認したら、その車両Cのナンバープレートから取得されたナンバーを主なキー又は主キー(データベースでの)として車両識別情報を生成するとともに、その駐車位置の番号とそのときの時刻とを入場情報に紐づけた一次識別情報として管理コンピュータ40に送信する。管理コンピュータ40は、一次識別情報をデータベースサーバ50のデータベースに記録する(図3に示すステップA2)。
【0026】
また、本実施形態では、コンビニエンスストア1のコンピュータ20は、さらに、外部カメラ10の撮像情報から、その車両Cから降りてきた人(一人または複数)の顔と服装から、それぞれの人物の人物識別情報を生成し、管理コンピュータ40に送信する。管理コンピュータ40は、各人物の人物識別情報を、対応する車両Cの一次識別情報と紐付けしてデータベースサーバ50のデータベースに記録する(図3に示すステップA3)。
【0027】
さらに、コンビニエンスストア1では、レジカウンタの近傍に設置された内部カメラ30により、支払いを行った人の顔と服装を撮像し、コンビニエンスストア1のコンピュータ20は、内部カメラ30の撮像情報から、利用した人物を識別する人物識別情報を生成し、その人物識別情報を利用情報および利用時刻の情報とともに付加識別情報として管理コンピュータ40に送信する。
【0028】
管理コンピュータ40は、取得された各情報をデータベースサーバ50のデータベースに記録し、いずれの駐車スペース内に駐車された車両から降りた人か否かを判定する。そして、データベースサーバ50のデータベースの記録を参照して、車両Cから降りた人であって無料駐車場管理サービスに同意した対象者であれば、その人の電子マネーのIDを記録する(図3に示すステップB1)。
【0029】
コンビニエンスストア1のコンピュータ20は、外部カメラ10の撮像情報から、車両Cが、いずれかの駐車位置3a~3dから出場したことを確認したら、その車両Cのナンバープレートから取得されたナンバーを主なキーとして車両識別情報を生成し、管理コンピュータ40に送信する。
管理コンピュータ40は、この例であれば、上記生成された一次識別情報の対象車両と出場情報の対象車両とが一致することから、当該一次識別情報に紐づけた出場情報としてそのときの時刻とともに二次識別情報としてこれをデータベースサーバ50のデータベースに記録する(図3に示すステップC1)。
【0030】
次いで、管理コンピュータ40は、データベースサーバ50のデータベースに登録された褒賞判定テーブルを参照して、褒賞条件を充足するか否かを判定する。そして、褒賞条件を充足する場合には、その対象車両の利用者の電子マネーのIDに、褒賞ポイントを付与する処理を実行する。褒賞判定テーブルには、駐車時間に応じて所定の範囲が設定されており、対応する条件が適宜参照されるようになっている。
本実施形態では、当該出場した車両Cの駐車時間が、所定の範囲以内だった場合には、対応する車両Cの利用者の電子マネーに対して褒賞情報に応じた褒賞ポイントを付与する。ここで、褒賞判定テーブルの参照による、褒賞ポイント付与処理での褒賞ポイントの付与の方法は種々採用できる。
【0031】
例えば、対応する車両の運転者に限って褒賞ポイントを付与したり(ステップC2のcase1)、対応する車両の利用者全員に対して褒賞ポイントを付与したり(ステップC2のcase2)、対応する車両の利用者に例えば電子サイコロを利用したくじ引きに参加してもらい、電子サイコロを振って対応したその一の利用者を限って褒賞ポイントを付与したり(ステップC2のcase3)することができる。くじ引きを利用した場合、くじ引きの結果に応じて褒賞ポイントの程度(利益の大きさ)を決めるようにしてもよい(くじ引きの結果が良い結果なら大きな利益とする等)。
【0032】
また、褒賞ポイントを付与する程度についても種々採用できる。
例えば、付加識別情報を用い、レジでの支払額に応じて、支払額が大きいほど褒賞ポイントをより大きく付与するようにすることができる(ステップC3のcase1)。
また、所定の時間よりもどれだけ早く車両を移動したかを評価して、所定の時間よりも早く車両を移動した時間が多いほど、褒賞ポイントをより大きく付与するようにすることができる(ステップC3のcase2)。
【0033】
以上説明したように、この無料駐車場管理システムによれば、車両Cの駐車時間が、所定の管理時間未満であれば褒賞情報を生成し、当該車両Cに対応する利用者に、褒賞情報に応じた褒賞ポイントを利益として付与することができる。そのため、車両Cに対応する利用者に、無料駐車場からの早期出庫を促すことができるので、無料駐車場の混雑状況の緩和に貢献し、無料駐車場をより効率良く管理できる。
【0034】
なお、本発明に係る無料駐車場管理システムは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能であることは勿論である。
例えば、上記実施形態では、無料駐車場が、施設(コンビニエンスストア)に付随して設けられたものを例に説明したが、これに限定されず、施設に付随しない無料駐車場であっても適用できる。この場合、施設に付随する付加識別情報は生成されないため、これを用いないで処理する。
ただし、無料駐車場が施設に付随して設けられたものであるときは、上述したような付加識別情報を生成するとともにこれを用いて、例えば、褒賞情報を、利用者が施設を利用したか否かを判定し、利用した場合に限って生成されるようにすることができる。また、この場合に、褒賞ポイントを、施設の利用の程度に応じて付与することができる。
【0035】
以下、汎用性を考慮した他の実施形態を説明する。
【0036】
<「飲食店用短時間利用褒賞システム」>
図4は、セルフサービス式の飲食店において、本発明にかかわる「飲食店用短時間利用褒賞システム」201を適用した例である。
特に、セルフサービス式の飲食店においては、同じ価格で商品を購入したにもかかわらず、一方の利用者は飲食を終了させ直ちに店を出るのに対し、他方の利用者は読書を開始して座席を占有したままとなり、その他の利用者たちに迷惑を被らせ、また、店内設備の回転率を悪化させている。
【0037】
しかし、こうした状況に対して、この「飲食店用短時間利用褒賞システム」201は、短い利用時間で店を出た利用者へ「褒賞ポイント」を付与することで、利用者への利便性と公平性を確保することを目的とし、また、店舗側の利益を増すことも目的としたシステムである。
【0038】
ここで述べる「褒賞ポイント」とは、利用者が店内の利用を短い時間で済ませたことによって発生した店舗側にとっての利益の一部分を、その利用者へ還元するために、次回以降、その利用者による商品購入時の会計処理において、値引き価格で購入できることを約束する「店舗が発行する証票(トークン)」である。
【0039】
まず、「飲食店用短時間利用褒賞システム」201の構成を説明する。
「飲食店用短時間利用褒賞システム」201は、主として、「管理データベース」202、「会計レジ機」203、「受渡当番機」204、「クーポン発券機」205と、それらを接続する「通信ネットワーク」206から構成される。
「飲食店用短時間利用褒賞システム」201では、「カード」211、「レシート」212、「褒賞クーポン券」213(213a,213b)が「利用者識別番号」の媒体として扱われる。
【0040】
<「会計カウンタ」>
「会計カウンタ」215は、利用者が商品を選んだ後、会計を行うための場所(卓)である。「会計カウンタ」215は、店内の入口の近くに設置され、調理を必要としない商品は、ここから利用者へ渡される。「会計カウンタ」215の上には、「会計レジ機」203が設置される。
【0041】
<「受渡カウンタ」>
「受渡カウンタ」216は、会計処理の後、調理を終えた商品を利用者へ渡すための場所(卓)である。「受渡カウンタ」216は、「店内の調理場の近くに設置されるが、場合によっては、「会計カウンタ」215と同一の場所へ設置されることも考えられる。「受渡カウンタ」216の上には、「受渡当番機」204が設置さる。
【0042】
<「返却カウンタ」>
「返却カウンタ」217は、飲食を終えた利用者が、使用済みトレイなどを返却するため場所(卓)である。「返却カウンタ」217は、店内の出口の近くに設置される。「返却カウンタ」217の上には、「クーポン発券機」205が設置される。
【0043】
<「会計レジ機」>
「会計レジ機」203は、利用者が購入する商品に対して一般的な会計を処理することに合せ、その利用者が保有している「褒賞ポイント」を照会したり、会計の支払いに「褒賞ポイント」を使用したり、利用者の店内利用の開始を管理したり、という処理をする。
「会計レジ機」203は、「カード」211や「前回発行された褒賞クーポン券」213aがかざされると、「利用者識別番号」を読み取り、それ以降は、その利用者のための処理として進めていく。
「会計レジ機」203は、処理の結果を、備えられた「表示器」223へ掲示すると同時に、それら結果を記載した「レシート」212を発行する。
このような処理は、「会計レジ機」203が「管理データベース」202へ処理を要求し、「管理データベース」202から返信されて来た結果によって実現する。
「会計レジ機」203は、一連の会計処理の結果を「売上管理システム」(図なし)へ送信する。
【0044】
<「受渡当番機」>
「受渡当番機」204は、利用者へ商品が渡されたことを管理する。
調理が完了した商品が利用者へ渡され、利用者が持っている「レシート」212を「受渡当番機」204へかざすと、「利用者識別番号」を読み取り、その利用者のための処理を進め、備えられた「ランプ」224を点燈させて、処理の完了を知らせる。
このような処理は、「受渡当番機」204が「管理データベース」202へ処理を要求し、「管理データベース」202から返信されて来た結果によって実現する。
【0045】
<「クーポン発券機」>
「クーポン発券機」205は、利用者が店内の利用を終えて店を出る直前に「レシート」212をかざすと、「利用者識別番号」を読み取り、その利用者の「店内利用時間数」などの状況に応じて「褒賞ポイント」を付与する処理を行い、その結果を記載した「今回発行された褒賞クーポン券」213bを発行する。
このような処理は、「クーポン発券機」205が「管理データベース」202へ処理を要求し、「管理データベース」202から返信されて来た結果によって実現する。
【0046】
<「通信ネットワーク」>
「通信ネットワーク」206は、「管理データベース」202が構築されたサーバ機と、「会計レジ機」203、「受渡当番機」204、「クーポン発券機」205との間でテータ通信を行うものであり、「ネットワークケーブル」218や「ネットワーク機器」219で構成されている。また、場合により「無線通信」を使用することも考えられる。
【0047】
<「カード」>
「カード」211は、希望する利用者へ配布される。「カード」211には「利用者識別番号」が記載されている。「会計カウンタ」215では、利用者が会計スタッフへ「カード」211を提示すると、前回来店時までに付与された「褒賞ポイント」が、今回の会計の支払いに使用できる。ただし、「カード」211を提示しなくても商品の購入は可能である。
【0048】
<「レシート」>
「レシート」212は、「会計レジ機」203により印字・発行され、利用者へ渡され、ここには、一般的な会計の結果が記載されている他に、「褒賞ポイント」に関係した処理の結果が記載されているが、特に、「利用者識別番号」も記載されている。
利用者が「レシート」212を「受渡当番機」204や「クーポン発券機」205へかざすことで、「褒賞ポイント」に関係した処理の場面が進められていく。
【0049】
<「褒賞クーポン券」>
「褒賞クーポン券」213は、「クーポン発券機」205によって印字・発行され、利用者に渡される。ここには、「褒賞ポイント」に関係した処理の結果が記載されているが、特に、「利用者識別番号」も記載されている。
「褒賞クーポン券」213は、おかれた処理の場面によって、「前回発行された褒賞クーポン券」213aや「今回発行された褒賞クーポン券」213bということになる。
利用者が来店時に会計スタッフへ「前回発行された褒賞クーポン券」213aを提示すると、前回来店時までに付与された「褒賞ポイント」が、今回の会計の支払いに使用できる。
【0050】
<「管理データベース」>
「管理データベース」202は、サーバ機ストレージへ構築されたデータベースアプリケーションであり、このサーバ機は、個人店等小規模ならスタッフルーム等の一画に設置され、チェーン店等大規模ならデータセンタ等に設置される。
「管理データベース」202には、データテーブルとして「商品飲食標準時間数テーブル」235、「褒賞管理テーブル」236がある。
また、これらが持っているデータを処理するタスクとして「照会用処理」241、「会計用処理」242、「受渡用処理」243、「付与用処理」244、「定期用処理」245がある。
【0051】
<データテーブルの構造>
図6は、「管理データベース」202のデータテーブルの構造のイメージである。
これは、各レコード(帯として描かれた)の上に、各フィルド(箱として描かれた)が置かれているイメージである。ひとつのフィルドにはあらかじめ定められた目的に則って、ひとつのデータ(数値や日時)が記録される。図4図5へ描かれたデータテーブルにおいては、横軸方向がレコードであり、縦軸方向がそのレコード上に置かれたフィルドというイメージである。
【0052】
<「商品飲食標準時間数テーブル」>
「商品飲食標準時間数テーブル」235は、店舗で扱う各商品について、飲食に費やすであろう標準的な時間数が記録されており、ひとつの商品ごとに、ひとつのレコードが設けられる。これら記録は、あらかじめ店舗側で入力してある。
「商品飲食標準時間数テーブル」235には、次のフィルドがある。「商品コード」フィルド251fは、その商品について、「商品コード」を記録する。「飲食標準時間数」フィルド252fは、その商品について、飲食に費やすであろう標準的な時間数を記録する。
【0053】
<「褒賞管理テーブル」>
「褒賞管理テーブル」236は、「褒賞ポイント」に関係した事柄が記録されており、ひとりの利用者の、一回の利用(会計~褒賞クーポン発券)ごとに、ひとつのレコードが設けられる。
「褒賞管理テーブル」236には、次のフィルドがある。「利用者識別番号」フィルド270fは、その利用者の「利用者識別番号」を記録する。「合計購入金額」フィルド271fは、その利用者が今回購入した商品の合計金額を記録する。「合計購入点数」フィルド272fは、その利用者が今回購入した商品の合計点数を記録する。「合計商品飲食標準時間数」フィルド273fは、その利用者が購入したすべての商品について、それら商品の飲食に費やすであろう標準的な時間数の合計を記録する。「店内利用開始日時」フィルド274fは、その利用者が最初に会計を済ませた日時を記録する。「商品受渡日時」フィルド275fは、その利用者が「受渡カウンタ」216にて最初に商品を受け取ったであろう日時を記録する。「店内利用時間数」フィルド276fは、「店内利用開始日時」から「褒賞ポイント付与日時」までの時間数、つまり、その利用者が実際に飲食に費やしたであろう時間数を記録する。「褒賞ポイント付与日時」フィルド277fは、その利用者に対し「褒賞ポイント」を付与した日時を記録する。「褒賞ポイント使用期限日時」フィルド278fは、今回付与した「褒賞ポイント」にいて使用期限日時を記録する。「残高褒賞ポイント数」フィルド279fは、今回付与した「褒賞ポイント」についての残高数を記録する。この「褒賞ポイント数」が数回に亘って消費された際、この数値がゼロになるまで都度に減じられる。
【0054】
<「管理データベース」の処理タスク>
「管理データベース」202には、データテーブルのデータを処理するために、次の処理タスクがある。「照会用処理」241は、その利用者が保有している「褒賞ポイント数」を集計する処理を行う。「会計用処理」242は、その利用者が保有している「褒賞ポイント数」から、その会計で使用する「褒賞ポイント数」を消却する処理を行う。「受渡用処理」243は、利用者が商品を受け取り、飲食を開始したと見なす日時をマークする処理を行う。「付与用処理」244は、店内を利用した時間数と、購入した商品とから、今回付与すべき「褒賞ポイント数」を求め、利用者へ「褒賞ポイント」を付与する処理を行う。「定期用処理」245は、データベースの性能を維持するために、過去のものとなり使用されないことが確定したレコードを削除する処理を定期的(夜間など閉店時)に行う。
【0055】
<「利用者識別番号」>
「利用者識別番号」は、その利用者に関係したレコードへアクセスするために使用するものであり、独特な番号が割り振られている。
【0056】
<「カード」を提示できる場合>
以下、「利用者識別番号」について、利用者が「カード」211を提示できる場合である。「カード」211は、希望する利用者へ発行される。「カード」211には、「カード」211ごとに独特な番号の「利用者識別番号」が割り振られ、記載される。また、この「カード」211を使った会計において発行された「レシート」212、「今回発行された褒賞クーポン券」213bには、その「カード」211と同じ「利用者識別番号」が記載されることになる。
前回来店時の会計時に「カード」211を提示した利用者においては、前回来店時に付与された「褒賞ポイント」が、その「カード」211に記載された「利用者識別番号」に紐付けられているため、今回来店では、その「カード」211を提示することで、前回来店時に付与された「褒賞ポイント」を、今回来店の会計支払に利用できる。
【0057】
<いずれも提示できない場合>
以下、「利用者識別番号」について、利用者がいずれも提示できない場合である。会計処理において、「カード」211や「前回発行された褒賞クーポン券」213aを提示できない利用者には、その会計の際に、独特な番号の「利用者識別番号」が割り振られ、発行される「レシート」212、「今回発行された褒賞クーポン券」213bへ記載されることになる。
この利用者においては、前回来店時に付与された「褒賞ポイント」が、その時に割り振られた「利用者識別番号」に紐付けられているため、今回来店では、「前回発行された褒賞クーポン券」213aを提示することで、前回来店時に付与された「褒賞ポイント」を、今回来店の会計支払に利用できる。
【0058】
<実施例>
ここまで、実施形態について説明してきたが、次に、「飲食店用短時間利用褒賞システム」201による実施例について、より詳しく説明する。
【0059】
<店内における利用者の行動>
まず、「飲食店用短時間利用褒賞システム」201の処理に影響を与えるだろう店内における利用者の都合や行動を整理する。まず、商品を眺める利用者の都合は、{いま来店したところ}、{追加で購入したい}が考えられ、会計で利用者が提示する物は、{「カード」211を提示}、{「前回発行された褒賞クーポン券」213aを提示}、{提示物なし」}が考えられ、商品を受け取る場所は、{「会計カウンタ」215から}、{「受渡カウンタ」216から}が考えられ、飲食後のトレイ始末の際は、{「クーポン発券機」205を使用する}、{「クーポン発券機」205を使用しない}が考えられ、トレイ始末の後の都合は、{そのまま店を出る}、{追加で購入したい}が考えられる。
以上を踏まえ、以下に、利用者が店内に入り、選んだ商品を会計、飲食し、店を出るまでの間、「飲食店用短時間利用褒賞システム」201がどのように機能しているかを詳しく説明したい。
【0060】
<照会:まず「会計レジ機」から>
以下、{「褒賞ポイント」を照会するという場面}における「会計レジ機」203の役割である。(図7
利用者が来店すると、まず、利用者は、多分、複数の商品を選び、選んだ商品を「会計カウンタ」215へ運ぶ。「会計カウンタ」215では、会計スタッフが利用者から商品を受け取る。この時、利用者が「カード」211や「前回発行された褒賞クーポン券」213aを提示する場合があり、提示があった場合、この利用者が保有しているであろう「褒賞ポイント数」について調査を開始するため、会計スタッフは「カード」211や「前回発行された褒賞クーポン券」213aを「会計レジ機」203へかざす。
「会計レジ機」203は、「カード」211に記載された「利用者識別番号」270a、または、「前回発行された褒賞クーポン券」213aに記載された「利用者識別番号」270bを読み取り、この値を送信に使う「利用者識別番号」270sとする。(311)
「会計レジ機」203は、「管理データベース」202に対して、「照会用処理」241のリクエスト401sを送信するとともに、「利用者識別番号」270sを送信する。
【0061】
<照会:「管理データベース」では>
以下、{「褒賞ポイント」を照会するという場面}における「管理データベース」202の役割である。(図7
「管理データベース」202では、「照会用処理」241が開始され、「利用者識別番号」270sを受信する。
<「利用可能褒賞ポイント数」を算出>
下記は、{「利用可能褒賞ポイント数」を算出する処理}である。「利用可能褒賞ポイント数」とは、「管理データベース」202の中に保有しているその利用者の「褒賞ポイント数」である。これを算出するためには、複数におよぶであろう対象レコードの「残高褒賞ポイント数」フィルド279fの数値を累計する。
この処理の詳細は、受信した「利用者識別番号」270sに紐付いた「褒賞管理テーブル」236のレコードにおいて、「褒賞ポイント使用期限日時」フィルド278fの日時が期限切れではなく、かつ、「残高褒賞ポイント数」フィルド279fの数値がゼロでない、という条件に合致する複数におよぶであろうレコードの「残高褒賞ポイント数」フィルド279fの数値を累計していくことにより、返答に使う「利用可能褒賞ポイント数」406rを算出する。(313)
<返答>
「管理データベース」202は「会計レジ機」203への返答として、「利用可能褒賞ポイント数」406rを返信する。
【0062】
<照会:再び「会計レジ機」では>
以下、再び、{「褒賞ポイント」を照会するという場面}における「会計レジ機」203の役割である。(図7
「会計レジ機」203は、「利用可能褒賞ポイント数」406rを受信し、これを「表示器」223へ掲示する。(315)
利用者はこの掲示をこの後の会計で参考とするだろう。
【0063】
<会計:まず「会計レジ機」から>
以下、{「褒賞ポイント」で会計するという場面}における「会計レジ機」203の役割である。(図8
「会計カウンタ」215では、利用者が選んだ複数であろう商品について、会計スタッフが会計作業を進める。「会計レジ機」203には、利用者が購入する複数であろう商品の「商品コード」425と「購入数」426とが入力され(321)、その後、「会計レジ機」203は、商品の合計金額を算出し、税金を算出する(322)。これは、一般的な会計処理である。
【0064】
「会計レジ機」203は、この時入力された複数であろう「商品コード」425と「購入数」426から、送信に使う「利用者選択商品一覧」208s(図5)を作成する。(323)
この「利用者選択商品一覧」208sは、利用者が購入する複数であろう商品の「商品コード」425と「購入数」426を、「購入商品コード」フィルド225fと「購入数」フィルド226fで構成した複数であろうレコードへ記録したテーブル型のデータである。
この他に、「会計レジ機」203は、さきほど算出した利用者が購入する複数であろう商品の合計金額を、送信に使う「合計購入金額」271sとし、また、それら商品の合計点数を、送信に使う「合計購入点数」272sとする。
【0065】
会計スタッフは、さきほど「表示器」223へ掲示された「利用可能褒賞ポイント数」406rの数を利用者へ知らせ、その後、どれくらいの「褒賞ポイント数」を使用したいかを問い、その数を「会計レジ機」203へ入力する。「会計レジ機」203は、この数値を、送信に使う「使用希望褒賞ポイント数」411sとする。(324)
【0066】
「会計レジ機」203は、「管理データベース」202に対して、「会計用処理」242のリクエスト402sを送信するとともに、「利用者識別番号」270s、「使用希望褒賞ポイント数」411s、「利用者選択商品一覧」208s、「合計購入金額」271s、「合計購入点数」272sを送信する。この時、もし、「カード」211や「前回発行された褒賞クーポン券」213aを持たない利用者だった場合、「利用者識別番号」270sの値は未定となる。
【0067】
<会計:「管理データベース」では>
以下、{「褒賞ポイント」で会計するという場面}における「管理データベース」202の役割である。(図8
「管理データベース」202では、「会計用処理」242が開始され、「利用者識別番号」270s、「使用希望褒賞ポイント数」411s、「利用者選択商品一覧」208s、「合計購入金額」271s、「合計購入点数」272sを受信する。もし、ここで受信した「利用者識別番号」270sの値が未定であった場合、「管理データベース」202は、この後、{「利用者識別番号」を新規生成する処理}までは何もしない。
【0068】
<「使用希望褒賞ポイント数」で消却処理>
下記は、{「使用希望褒賞ポイント数」で消却処理}、つまり、会計処理において支払いに使用する「褒賞ポイント数」を消却する処理である。この処理は、「褒賞ポイント使用期限日時」フィルド278fの日時が古い順で、複数におよぶであろう対象レコードの「残高褒賞ポイント数」フィルド279fの数値を、「使用希望褒賞ポイント数」411sの数値分、減算していく。
【0069】
この処理の詳細は、受信した「利用者識別番号」270sに紐付いた「褒賞管理テーブル」236のレコードにおいて、「褒賞ポイント使用期限日時」フィルド278fの日時が期限切れではなく、「残高褒賞ポイント数」フィルド279fの数値がゼロでないレコードのうち、「褒賞ポイント使用期限日時」フィルド278fの日時が最も古い、という条件に合致するレコードにおいて、その「残高褒賞ポイント数」フィルド279fの数値を、受信した「使用希望褒賞ポイント数」411sの数値で減算し、もし、その減算で「残高褒賞ポイント数」フィルド279fの数値に「不足」が発生したら、「褒賞ポイント使用期限日時」フィルド278fの日時がその次に古い、という条件に合致するレコードにおいて、その「残高褒賞ポイント数」フィルド279fの数値から、さきほど発生した「不足」を減算し、というように、「使用希望褒賞ポイント数」411sの数値分を、複数におよぶであろうレコードの「残高褒賞ポイント数」フィルド279fの数値から減算し終えるまで、この減算処理を繰り返し、この処理において、実際に減算できた数を、返答に使う「消却した褒賞ポイント数」414rとする。(331)
【0070】
<消却処理後の「利用可能褒賞ポイント数」を算出>
下記は、{消却処理後の「利用可能褒賞ポイント数」を算出}、つまり、「褒賞ポイント」を消却処理した直後であり、更新されたであろう「利用可能褒賞ポイント数」を算出する。
この処理の詳細は、受信した「利用者識別番号」270sに紐付いた「褒賞管理テーブル」236のレコードにおいて、「褒賞ポイント使用期限日時」フィルド278fの日時が期限切れではなく、かつ、「残高褒賞ポイント数」フィルド279fの数値がゼロでない、という条件に合致する複数におよぶであろうレコードの「残高褒賞ポイント数」フィルド279fの数値を累計していくことにより、返答に使う「利用可能褒賞ポイント数」407rを算出する。(332)
【0071】
<店内利用開始に関する処理>
下記は、{店内利用開始に関する処理}であるが、この処理は、「初回の処理」か「2回目以降の処理」かで分岐する。「初回の処理」とは、{その日において、初回の会計処理であるか、または、同日中において、「褒賞ポイント」を付与した処理の直後での再度の会計処理である場合}であり、「2回目以降の処理」とは、{同日中において、「褒賞ポイント」の付与の処理をしないままで、2回目以降の会計処理をする場合}である。
【0072】
<店内利用開始:初回の処理>
下記は、{店内利用開始に関する「初回の処理」}である。
この条件の詳細は、{受信した「利用者識別番号」270sが未定である場合}、または、{「褒賞管理テーブル」236に「利用者識別番号」270sと紐付いたレコードがない場合}、または、{「利用者識別番号」270sに紐付いた「褒賞管理テーブル」236のレコードのうちで、「店内利用開始日時」フィルド274fの日時がその日の日時となったレコードがない場合}は、「初回の処理」として、以下に続く{「利用者識別番号」を新規生成する処理}、{新規レコードを生成する処理}、{「店内利用開始日時」をマークする処理}を行う。
【0073】
<「利用者識別番号」を新規生成>
下記は、{「利用者識別番号」を新規生成する処理}である。
この処理の詳細は、受信した「利用者識別番号」270sの値が未定である場合、「管理データベース」202は、新規に独特な値を発生させ、これ以降、この値を、受信した「利用者識別番号」270sとして使用し、また、この値を、返答に使う「利用者識別番号」270rとする。
【0074】
<新規レコードを生成>
下記は、「褒賞管理テーブル」236において、{新規レコードを生成する処理}である。
この処理の詳細は、「管理データベース」202は、「褒賞管理テーブル」236において、受信した「利用者識別番号」270sに紐付いた新規レコードを生成する。また、この処理の後に続く処理においても、この新規レコードが「処理対象レコード」である。
【0075】
<「店内利用開始日時」をマーク>
下記は、{「店内利用開始日時」をマークする処理}である。「店内利用開始日時」とは、その利用者のその日初回の会計処理の日時である。
この処理の詳細は、「処理対象レコード」の「店内利用開始日時」フィルド274fへ、その時点の日時を記録し、また、この日時を、返答に使う「店内利用開始日時」274rとする。
上記までが、{店内利用開始に関する「初回の処理」}であった。(333)
【0076】
<店内利用開始:2回目以降の処理>
下記は、{店内利用開始に関する「2回目以降の処理」}である。
この条件の詳細は、{受信した「利用者識別番号」270sに紐付いた「褒賞管理テーブル」236のレコードのうちで、「店内利用開始日時」フィルド274fの日時がその日の日時で、「褒賞ポイント付与日時」フィルド277fの日時が未定}という条件に合致するレコードがあれば、「2回目以降の処理」として、以下に続く{「店内利用開始日時」を取得する処理}、{「商品受渡日時」を調整する処理}を行う。また、これらの処理や、それらの後に続く処理においても、上記の条件に合致したレコードが「処理対象レコード」である。
【0077】
<「店内利用開始日時」を取得>
下記は、{「店内利用開始日時」を取得する処理}である。「店内利用開始日時」とは、その利用者のその日初回の会計処理の日時である。
この処理の詳細は、「処理対象レコード」の「店内利用開始日時」フィルド274fから日時を取り出し、これを返答に使う「店内利用開始日時」274rとする。
【0078】
<「商品受渡日時」を調整>
下記は、{「商品受渡日時」を調整する処理}である。「商品受渡日時」とは、「受渡カウンタ」216から利用者へ商品を渡した初回の日時であり、その利用者が飲食を開始した日時と見なしているが、その日の2回目以降の会計の処理で「商品受渡日時」が未定であった場合、初回の会計では商品を「会計カウンタ」215から渡していることになり、この「商品受渡日時」を調整する必要がある。
この処理の詳細は、「処理対象レコード」において、「商品受渡日時」フィルド275fの日時が未定であった場合、「店内利用開始日時」フィルド274fの日時を、「商品受渡日時」フィルド275fへ記録する。
上記までが、{店内利用開始に関する「2回目以降の処理」}であった。(334)
分岐していた処理は、これ以降、合流する。
【0079】
<「合計商品飲食標準時間数」を算出>
下記は、{「合計商品飲食標準時間数」を算出する処理}である。「合計商品飲食標準時間数」とは、利用者が購入する複数であろう商品を飲食するために費やすであろう標準的な時間数である。これは、「利用者選択商品一覧」208sと「商品飲食標準時間数テーブル」235とを突き合わせながら算出する。
この処理の詳細は、受信した「利用者選択商品一覧」208s(図5)の「購入商品コード」フィルド255fと「商品飲食標準時間数テーブル」235の「商品コード」フィルド251fとを紐付けながら、「利用者選択商品一覧」208sの「購入数」フィルド256fの数値と、「商品飲食標準時間数テーブル」235の「飲食標準時間数」フィルド252fの秒数とを積算し、これを累計していくことにより求めた数値を、「処理対象レコード」における「合計商品飲食標準時間数」フィルド273fから取り出した数値(「初回の処理」ではゼロ)と加算し、この加算結果の数値を元の「合計商品飲食標準時間数」フィルド273fへ記録し、また、この加算結果の数値を、返答に使う「合計商品飲食標準時間数」273rとする。(336)
【0080】
<その他>
その他の処理として、「合計購入金額」271sの数値を「合計購入金額」フィルド271fへ記録し、また、「合計購入点数」272sの数値を「合計購入点数」フィルド272fへ記録する。
<返答>
「管理データベース」202は「会計レジ機」203へ返答として、「利用者識別番号」270r、「店内利用開始日時」274r、「消却した褒賞ポイント数」414r、「利用可能褒賞ポイント数」407r、「合計商品飲食標準時間数」273rを返信する。
【0081】
<会計:再び「会計レジ機」では>
以下、再び、{「褒賞ポイント」で会計するという場面}における「会計レジ機」203の役割である。(図8
「会計レジ機」203は、「利用者識別番号」270r、「店内利用開始日時」274r、「消却した褒賞ポイント数」414r、「利用可能褒賞ポイント数」407r、「合計商品飲食標準時間数」273rを受信する。
「会計レジ機」203は、受信した「消却した褒賞ポイント数」414rの数値の整合性を検証し、その後、この数値の金額を店舗側が支払うかたちで、最終的に利用者が支払うべき金額を計算し(341)、その結果を「表示器」223へ掲示する(342)。
利用者は、その掲示を見て、請求金額を支払う。会計スタッフは、その支払を確認すると、この会計処理を完了へ進める。
「会計レジ機」203は、この会計処理の結果を「売上管理システム」(図なし)へ送信する。(343)
「会計レジ機」203は、一般的な会計処理の結果の他に、「利用者識別番号」270r、「店内利用開始日時」274r、「消却した褒賞ポイント数」414r、「利用可能褒賞ポイント数」407r、「合計商品飲食標準時間数」273rを、「表示器」223へ掲示すると同時に、これらを記載した「レシート」212を印字・発行する。(344)
利用者は、発行された「レシート」212を受け取る。その後、利用者へ即座に渡すことが可能な商品は「会計カウンタ」215から渡され、調理が必要な商品は調理場の近くにある「受渡カウンタ」216から渡される。
【0082】
<受渡:まず「受渡当番機」から>
以下、{商品を受け渡すという場面}における「受渡当番機」204の役割である。(図9
調理が必要な商品の受け渡し準備が整うと、利用者へアナウンスがある。「受渡カウンタ」216では、利用者が調理済みの商品を受け取り、「受渡当番機」204へ「レシート」212をかざす。
「受渡当番機」204は、「レシート」212に記載された「利用者識別番号」270rを読み取り、この値を送信に使う「利用者識別番号」270sとする。(351)
「受渡当番機」204は、「管理データベース」202に対して、「受渡用処理」243のリクエスト403sを送信するとともに、「利用者識別番号」270sを送信する。
【0083】
<受渡:「管理データベース」では>
以下、{商品を受け渡すという場面}における「管理データベース」202の役割である。(図9
「管理データベース」202では、「受渡用処理」243が開始され、「利用者識別番号」270sを受信する。
<「商品受渡日時」をマーク>
下記は、{「商品受渡日時」をマークする処理}である。この処理では、最初の受渡の場合だけ、その時点の日時でマークする。「商品受渡日時」とは、「受渡カウンタ」216から利用者へ商品を渡したその日の初回の日時である。そして、この日時を利用者が飲食を開始した日時と見なす。
この処理の詳細は、「管理データベース」202は、受信した「利用者識別番号」270sに紐付いた「褒賞管理テーブル」236のレコードのうちで、「店内利用開始日時」フィルド274fの日時がその日の日時で、「褒賞ポイント付与日時」フィルド277fの日時が未定、という条件に合致するレコードにおいて(つまり、その日に生成されたレコードのうち、まだ、「褒賞ポイント」の付与の処理がなされていないレコードにおいて)、次の処理を行う。もし、「商品受渡日時」フィルド275fの日時が未定であった場合(最初の受渡の場合)、「商品受渡日時」フィルド275fへ、その時点の日時を記録し、また、この日時を、返答に使う「商品受渡日時」275rとする。また、もし、「商品受渡日時」フィルド275fに日時あった場合(2回目以降の受渡の場合)、この「商品受渡日時」フィルド275fの日時を、返答に使う「商品受渡日時」275rとする。(353)
<返答>
「管理データベース」202は「受渡当番機」204へ返答として、「商品受渡日時」275rを返信する。
【0084】
<受渡:再び「受渡当番機」では>
以下、再び、{商品を受け渡すという場面}における「受渡当番機」204の役割である。(図9
「受渡当番機」204では、「商品受渡日時」275rを受信する。
「受渡当番機」204は、「ランプ」224を点燈させる。(355)
利用者は商品を受け取り、座席に着き、飲食を始める。
【0085】
<付与:まず「クーポン発券機」から>
以下、{「褒賞ポイント」を付与するという場面}における「クーポン発券機」205の役割である。(図10
飲食を終えた利用者は、使用済みトレイと「レシート」212を持って「返却カウンタ」217へ向かう。「返却カウンタ」217では、利用者は使用済みトレイを始末し、「クーポン発券機」205に「レシート」212をかざす。
「クーポン発券機」205は、「レシート」212に記載された「利用者識別番号」270rを読み取り、この値を送信に使う「利用者識別番号」270sとする。(361)
「クーポン発券機」205は、「管理データベース」202に対して、「付与用処理」244のリクエスト404sを送信するとともに、「利用者識別番号」270sを送信する。
【0086】
<付与:「管理データベース」では>
以下、{「褒賞ポイント」を付与するという場面}における「管理データベース」202の役割である。(図10
「管理データベース」202では、「付与用処理」244が開始され、「利用者識別番号」270sを受信する。
【0087】
<「褒賞ポイント」を付与>
下記は、その利用者へ{「褒賞ポイント」を付与する一連の処理}である。この一連の処理は、「褒賞ポイント付与日時」をマークし、「店内利用時間数」を算出し、「今回付与褒賞ポイント数」を求め、「褒賞ポイント使用期限日時」を求める、という複数の処理から成る。
また、それら処理における「褒賞管理テーブル」236での「処理対象レコード」は、その日に生成されたレコードのうち、まだ「褒賞ポイント」の付与の処理がなされていないレコードである。
これの詳細は、受信した「利用者識別番号」270sに紐付いた「褒賞管理テーブル」236のレコードのうちで、「店内利用開始日時」フィルド274fの日時がその日の日時で、「褒賞ポイント付与日時」フィルド277fの日時が未定、という条件に合致するレコードが「処理対象レコード」である。
【0088】
<「褒賞ポイント付与日時」をマーク>
下記は、{「褒賞ポイント付与日時」をマークする処理}である。「褒賞ポイント付与日時」とは、その利用者へ「褒賞ポイント」を付与した日時である。
この処理の詳細は、「褒賞ポイント付与日時」フィルド277fへ、その時点の日時を記録し、また、この日時を、返答に使う「褒賞ポイント付与日時」277rとする。(363)
【0089】
<「店内利用時間数」を算出>
下記は、{「店内利用時間数」を算出する処理}である。「店内利用時間数」とは、その利用者が実際に飲食に費やしたとする時間数である。
この処理の詳細であるが、まず、「店内利用時間数」の算出の方法は、利用者が商品を受け取った場所によって異なる。もし、商品の受け取りが「会計カウンタ」215から行われていた場合、「商品受渡日時」フィルド275fの日時が未定であり、この場合は、「店内利用開始日時」フィルド274fの日時から「褒賞ポイント付与日時」フィルド277fの日時までの経過秒数を算出し、これを「店内利用時間数」フィルド276fへ記録し、また、返答に使う「店内利用時間数」276rとする。もし、商品の受け取りが「受渡カウンタ」216から行われていた場合、「商品受渡日時」フィルド275fに日時があり、この場合は、「商品受渡日時」フィルド275fの日時から「褒賞ポイント付与日時」フィルド277fの日時までの経過秒数を算出し、これを「店内利用時間数」フィルド276fへ記録し、また、返答に使う「店内利用時間数」276rとする。(364)
【0090】
<「今回付与褒賞ポイント数」を求める>
下記は、{「今回付与褒賞ポイント数」を求める処理}である。「今回付与褒賞ポイント数」とは、その利用者へ今回付与する「褒賞ポイント数」である。
この処理の詳細は、今回の店内での飲食において、この利用者が購入した商品から導き出されたこの利用者が今回の飲食に費やすであろうとした標準的な時間数「合計商品飲食標準時間数」を基準に、この利用者が実際に飲食に費やした時間数「店内利用時間数」を評価して、「店内利用時間数」がより短いほど、より多くの「褒賞ポイント数」が付与されるように仕組まれ、さらに、「カード」211を提示した利用者に対して、より多くの「褒賞ポイント数」が付与されるように仕組まれた処理である。これには、少なくとも次の2つの方法が考えられる。
【0091】
ひとつ目の方法の詳細は、「合計商品飲食標準時間数」フィルド273fの数値から「店内利用時間数」フィルド276fの数値を減算し、その減算結果がゼロより大きければ、その減算結果の数値に「用途A係数」を乗算し、この乗算結果を、「今回付与褒賞ポイント数」として、これを「残高褒賞ポイント数」フィルド279fへ記録し、また、返答に使う「今回付与褒賞ポイント数」416rとする。また、「用途A係数」の設定値については、「カード」211を提示した利用者のための「用途A係数」の数値を、「カード」211を提示しない利用者のための「用途A係数」の数値と比べて、より大きな数値に設定する。「用途A係数」は、時間数から「褒賞ポイント数」へ変換するために最適な数値が設定されている。
【0092】
ふたつ目の方法の詳細は、あらかじめ「平面的換算表」(図11)を作成しておき、これは、一方の軸側の升目には「合計商品飲食標準時間数」フィルド273fのために各升目に割り当てた範囲を表す数値が置かれ、他方の軸側の升目には「店内利用時間数」フィルド276fのために各升目に割り当てた範囲を表す数値が置かれ、ふたつの軸が交差する各升目の内には、「今回付与褒賞ポイント数」の候補とする数値が置かれた「平面的換算表」であり、実際に発生した「合計商品飲食標準時間数」フィルド273fの数値と「店内利用時間数」フィルド276fの数値とが指し示した升目の内に置かれた数値を取り出すことによって、「今回付与褒賞ポイント数」が求められる仕組みであり、さらに、このような「平面的換算表」をふたつ用意して、一方の、「カード」211を提示した利用者のための「平面的換算表」は、他方の、「カード」211を提示しない利用者のための「平面的換算表」と比べ、各升目の内には大きな数値が置かれるよう設定する。ここから得られた「今回付与褒賞ポイント数」を「残高褒賞ポイント数」フィルド279fへ記録し、また、返答に使う「今回付与褒賞ポイント数」416rとする。
上記が、「今回付与褒賞ポイント数」を求める2つの方法である。
【0093】
<この他の求め方>
さらに、この他の求め方として、上記で述べた「今回付与褒賞ポイント数」を求める処理においては、「合計商品飲食標準時間数」を基準に「店内利用時間数」を評価して「今回付与褒賞ポイント数」を求めていたが、「合計商品飲食標準時間数」を基準とする代わりに、「合計購入金額」フィルド271fの数値と「用途B係数」とを乗算した結果の数値を基準に、「店内利用時間数」を評価して、「今回付与褒賞ポイント数」を求めることも考えられる。「用途B係数」は、「合計購入金額」から時間数へ変換するために最適な数値が設定されている。
【0094】
また、あるいは、「合計商品飲食標準時間数」を基準とする代わりに、「合計購入点数」フィルド272fの数値と「用途C係数」とを乗算した結果の数値を基準に、「店内利用時間数」を評価して、「今回付与褒賞ポイント数」を求めることもできる。「用途C係数」は、「合計購入点数」から時間数へ変換するために最適な数値が設定されている。
上記が、{「今回付与褒賞ポイント数」を求める方法}についてであった。(365)
【0095】
<「褒賞ポイント使用期限日時」を求める>
下記は、{「褒賞ポイント使用期限日時」を求める処理}である。「褒賞ポイント使用期限日時」とは、「今回付与褒賞ポイント数」に対する使用期限日時である。これは、「今回付与褒賞ポイント数」がより大きいほど、より多くの有効期間日時数が与えられるよう、さらに、「カード」211を提示した利用者に対して、より多くの有効期間日時数が与えられるように仕組まれ「褒賞ポイント使用期限日時」を算出する。
【0096】
この処理の詳細は、「今回付与褒賞ポイント数」416rの数値と「用途D係数」とを乗算し、この乗算結果を有効期間日時数とし、これと、その時点の日時とを加算し、この加算結果を「褒賞ポイント使用期限日時」フィルド278fへ記録し、また、返信に使う「褒賞ポイント使用期限日時」278rとする。また、「用途D係数」の設定値については、「カード」211を提示した利用者のための「用途D係数」の数値を、「カード」211を提示しない利用者のための「用途D係数」の数値と比べて、より大きな数値に設定する。「用途D係数」は、「褒賞ポイント数」から有効期間日時数へ変換するために最適な数値が設定されている。
【0097】
また、上記の考え方とは異なり、まったく単純に、ひとつの有効期間日時数を定めて、「褒賞ポイント使用期限日時」278rを算出する方法も考えられる。
この処理の詳細は、一定の値に設定された有効期間日時数と、その時点の日時とを加算し、この加算結果を「褒賞ポイント使用期限日時」フィルド278fへ記録し、また、返信に使う「褒賞ポイント使用期限日時」278rとする。
上記が、{「褒賞ポイント使用期限日時」を求める処理}である。(366)
上記までが、「褒賞ポイント付与日時」をマークし、「店内利用時間数」を算出し、「今回付与褒賞ポイント数」を求め、「褒賞ポイント使用期限日時」を求める、という複数の処理から成る{「褒賞ポイント」を付与する一連の処理}であった。
【0098】
<付与処理後の「利用可能褒賞ポイント数」を算出>
下記は、{付与処理後の「利用可能褒賞ポイント数」を算出}、つまり、「褒賞ポイント」を付与処理した直後であり、更新されたであろう「利用可能褒賞ポイント数」を算出する。
この処理の詳細は、受信した「利用者識別番号」270sに紐付いた「褒賞管理テーブル」236のレコードにおいて、「褒賞ポイント使用期限日時」フィルド278fの日時が期限切れではなく、かつ、「残高褒賞ポイント数」フィルド279fの数値がゼロでない、という条件に合致する複数におよぶであろうレコードの「残高褒賞ポイント数」フィルド279fの数値を累計していくことにより、返答に使う「利用可能褒賞ポイント数」408rを算出する。(367)
【0099】
<返答>
「管理データベース」202は「クーポン発券機」205への返答として、「褒賞ポイント付与日時」277r、「店内利用時間数」276r、「今回付与褒賞ポイント数」416r、「褒賞ポイント使用期限日時」278r、「利用可能褒賞ポイント数」408rを返信する。
【0100】
<付与:再び「クーポン発券機」では>
以下、再び、{「褒賞ポイント」を付与するという場面}における「クーポン発券機」205の役割である。(図10
「クーポン発券機」205では、「褒賞ポイント付与日時」277r、「店内利用時間数」276r、「今回付与褒賞ポイント数」416r、「褒賞ポイント使用期限日時」278、「利用可能褒賞ポイント数」408を受信する。
「クーポン発券機」205は、「利用者識別番号」270r、「褒賞ポイント付与日時」277r、「店内利用時間数」276r、「今回付与褒賞ポイント数」416r、「褒賞ポイント使用期限日時」278r、「利用可能褒賞ポイント数」408rを記載した「今回発行された褒賞クーポン券」213bを印字・発行する。(369)
利用者は、これを受け取り店を出る。この「今回発行された褒賞クーポン券」213bは、次回来店時に会計の支払で使用することができる。
【0101】
<まとめ>
以上、利用者が店内に入り、選んだ商品を会計、飲食し、店を出るまでの間、「飲食店用短時間利用褒賞システム」201がどのように機能しているかを詳しく説明してきた。特に、この利用者が受け取った「今回発行された褒賞クーポン券」213bには、「今回付与褒賞ポイント数」416rが記載されており、この数値は、今回の店内での飲食において、この利用者が購入した商品から導き出されたこの利用者が今回の飲食に費やすであろうとした標準的な時間数「合計商品飲食標準時間数」を基準に、この利用者が実際に飲食に費やした時間数「店内利用時間数」を評価して、「店内利用時間数」がより短いほど、より多くの「褒賞ポイント数」が付与される仕組みから算出された数値である。「今回付与褒賞ポイント数」は、この利用者が次回来店時に会計の支払で使用することができる「証票(トークン)」に記載された金額である。
【0102】
ここにおいて、この利用者がより短時間で店内の利用を済ませたのであれば、この利用者が購入した商品にかけられていた店内設備に関する経費については店舗側の利益となり、また、その一部分をこの利用者へ「褒賞ポイント数」として還元することで、この利用者に対してはより公平な金額で商品を提供することができたことになり、このことは、この利用者の店内利用に対する意識を高めることが期待でき、それゆえ、この利用者の店舗利用の機会が増すことが期待でき、同時に、この利用者の「店内利用時間数」が短くなることが期待でき、それは、混雑しがちな飲食スペースの回転率を高めることを期待でき、他の利用者も飲食スペースを利用できる機会が増して、他の利用者も店舗利用の回数が増えることが期待でき、この店舗の売り上げを増すことが期待でき、つまり、本発明にかかわる「飲食店用短時間利用褒賞システム」201は、店舗側にも、この利用者にも、他の利用者にも、利益や利便性をもたらすことが期待できる画期的なシステムである。
<変形例>
本発明の実施形態は上記に限定されるものではなく、本発明の本質を損なわない範囲で種々の変形例が提供される。
例えば、駅や空港などに設置された有料(400円/日のような料金設定)のコインロッカーや、ゲームセンター等の遊技施設や日帰り温泉等の入浴施設に設置された無料のコインロッカーに対して本システムを適用し、コインロッカーの利用時間がそれら施設を利用する上で通常の利用時間(例えば、3時間)内であれば、利用者に施設で使えるポイント等の利益を付与するよう褒賞情報を生成するようにしてもよい。
また、市中の飲食店において、ランチタイムのような時間帯では、店舗にとって望ましい回転率が得られる理想的な滞在時間(例えば、15分)で飲食を終えて帰る利用者に対して、例えば次回の来店時には一品無料で提供する等のサービスを付与するように褒賞情報を付与するようにしてもよい。この場合、飲食店で提供しているのは飲食であってその対価を払ってもらうというビジネスであるため、座席自体は無料で提供されるものであると考えることができるため、上記無料駐車場に関するシステムを同様に適用することができる。
さらに、終日いつでも入場できる一年間有効な遊技施設用のチケット(いわゆる年間パスポート)を有している利用者が、午後から入場した場合、つまり、午前中も入場できた権利を行使しなかった場合には、何らかの利益を与える(例えば、キャラクタが印刷されたバッジをプレゼントする)という褒賞情報を付与するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0103】
1 コンビニエンスストア(施設)
2 無料駐車場
3a~3d 駐車位置
10 外部カメラ(撮像部)
20 施設のコンピュータ(情報処理部)
30 内部カメラ(撮像部)
40 管理コンピュータ(情報処理部)
50 データベースサーバ
100 無料駐車場管理システム
C 車両
201 「飲食店用短時間利用褒賞システム」
202 「管理データベース」
203 「会計レジ機」
204 「受渡当番機」
205 「クーポン発券機」
206 「通信ネットワーク」
208s 「利用者選択商品一覧」
211 「カード」
212 「レシート」
213a 「前回発行された褒賞クーポン券」
213b 「今回発行された褒賞クーポン券」
215 「会計カウンタ」
216 「受渡カウンタ」
217 「返却カウンタ」
218 「ネットワークケーブル」
219 「ネットワーク機器」
223 「表示器」
224 「ランプ」
235 「商品飲食標準時間数テーブル」
236 「褒賞管理テーブル」
241 「照会用処理」
242 「会計用処理」
243 「受渡用処理」
244 「付与用処理」
245 「定期用処理」
251f 「商品コード」フィルド
252f 「飲食標準時間数」フィルド
270a 「利用者識別番号」
270b 「利用者識別番号」
270f 「利用者識別番号」フィルド
270r 「利用者識別番号」
270s 「利用者識別番号」
271f 「合計購入金額」フィルド
271s 「合計購入金額」
272f 「合計購入点数」フィルド
272s 「合計購入点数」
273f 「合計商品飲食標準時間数」フィルド
273r 「合計商品飲食標準時間数」
274f 「店内利用開始日時」フィルド
274r 「店内利用開始日時」
275f 「商品受渡日時」フィルド
275r 「商品受渡日時」
276f 「店内利用時間数」フィルド
276r 「店内利用時間数」
277f 「褒賞ポイント付与日時」フィルド
277r 「褒賞ポイント付与日時」
278f 「褒賞ポイント使用期限日時」フィルド
278r 「褒賞ポイント使用期限日時」
279f 「残高褒賞ポイント数」フィルド
311 「利用者識別番号」を入力
313 「利用可能褒賞ポイント数」を算出
315 照会処理の結果を処理
321 利用者が選択した商品の情報を入力
322 商品の合計金額と税金額を算出
323 「利用者選択商品一覧」を作成
324 「使用希望褒賞ポイント数」を入力
331 「使用希望褒賞ポイント数」で消却処理
332 消却処理後の「利用可能褒賞ポイント数」を算出
333 店内利用開始に関する「初回の処理」
334 店内利用開始に関する「2回目以降の処理」
336 「合計商品飲食標準時間数」を算出
341 「消却した褒賞ポイント数」を含めたかたちの会計処理
342 支払金額の計算結果を出力
343 会計処理の結果を「売上管理システム」へ送信
344 一般的な会計結果と「褒賞ポイント」の結果を出力
351 「利用者識別番号」を入力
353 「商品受渡日時」をマーク
355 受渡処理の結果を出力
361 「利用者識別番号」を入力
363 「褒賞ポイント付与日時」をマーク
364 「店内利用時間数」を算出
365 「今回付与褒賞ポイント数」を求める
366 「褒賞ポイント使用期限日時」を求める
367 付与処理後の「利用可能褒賞ポイント数」を算出
369 付与処理の結果を出力
401s 「照会用処理」のリクエスト
402s 「会計用処理」のリクエスト
403s 「受渡用処理」のリクエスト
404s 「付与用処理」のリクエスト
406r 「利用可能褒賞ポイント数」
407r 「利用可能褒賞ポイント数」
408r 「利用可能褒賞ポイント数」
411s 「使用希望褒賞ポイント数」
414r 「消却した褒賞ポイント数」
416r 「今回付与褒賞ポイント数」
425 「商品コード」
426 「購入数」
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11