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特開2024-161319計測支援断層撮影システム及び使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161319
(43)【公開日】2024-11-18
(54)【発明の名称】計測支援断層撮影システム及び使用方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 23/046 20180101AFI20241111BHJP
   B64F 5/60 20170101ALN20241111BHJP
【FI】
G01N23/046
B64F5/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024022836
(22)【出願日】2024-02-19
(31)【優先権主張番号】18/313,322
(32)【優先日】2023-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】523043898
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】リカルド・アンドレイアス・フリッツケ
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・ロバート・ブラウン
(72)【発明者】
【氏名】ホン・フェ・タット
(72)【発明者】
【氏名】クリスティーナ・イッサ・フレイジ
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・ジェイ・スミス
(72)【発明者】
【氏名】カール・ジェイソン・フランクリン
(72)【発明者】
【氏名】タイラー・ミョ・へイン・ホ
(72)【発明者】
【氏名】シェーン・エドワード・アーサー
【テーマコード(参考)】
2G001
【Fターム(参考)】
2G001AA01
2G001BA11
2G001CA01
2G001DA09
2G001HA14
2G001JA01
2G001JA06
2G001JA11
2G001SA29
(57)【要約】
【課題】本発明は、計測支援断層撮影システム及び使用方法を提供する。
【解決手段】計測支援断層撮影システム及び使用方法が提示される。計測支援断層撮影システムは、放射線源及び放射線検出器を備える撮像システムと、放射線源に接続された第1の追跡対象及び放射線検出器に接続された第2の追跡対象を備える独立追跡システムと、独立追跡システムによって決定された第1の追跡対象及び第2の追跡対象の位置と組み合わせて撮像システムからのデータを利用して三次元再構成を作成する断層撮影計算プログラムとを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の移動システム(228)に接続された放射線源(210)と、
前記放射線源(210)に接続された第1の追跡対象(250)と、
第2の移動システム(230)に接続された放射線検出器(212)と、
前記放射線検出器(212)に接続された第2の追跡対象(258)と、
前記第1の追跡対象(250)及び前記第2の追跡対象(258)の位置(268)を追跡する独立追跡システム(206)と
を備える、計測支援断層撮影システム(202)。
【請求項2】
前記放射線検出器(212)からのデータ(216)を含む三次元再構成(278)の形成中に前記独立追跡システム(206)によって追跡される前記位置(268)を利用する断層撮影計算プログラム(208)
をさらに備える、請求項1に記載の計測支援断層撮影システム(202)。
【請求項3】
前記放射線源(210)はX線源(226)である、請求項1に記載の計測支援断層撮影システム(202)。
【請求項4】
前記第1の追跡対象(250)は反射器(256)である、請求項1に記載の計測支援断層撮影システム(202)。
【請求項5】
前記独立追跡システム(206)は、レーザ追跡システム(248)である、請求項1に記載の計測支援断層撮影システム(202)。
【請求項6】
前記独立追跡システム(206)は光学追跡システム(246)である、請求項1に記載の計測支援断層撮影システム(202)。
【請求項7】
前記第1の追跡対象(250)及び前記第2の追跡対象(258)は両方とも受動的(254、262)である、請求項1に記載の計測支援断層撮影システム(202)。
【請求項8】
前記独立追跡システム(206)は、前記第1の移動システム(228)及び前記第2の移動システム(230)のそれぞれの位置特定システム(234、240)よりも高い精度(244)を有する、請求項1に記載の計測支援断層撮影システム(202)。
【請求項9】
放射線源(210)及び放射線検出器(212)を備える撮像システム(204)と、
前記放射線源(210)に接続された第1の追跡対象(250)及び前記放射線検出器(212)に接続された第2の追跡対象(258)を備える独立追跡システム(206)と、
前記独立追跡システム(206)によって決定された前記第1の追跡対象(250)及び前記第2の追跡対象(258)の位置と組み合わせて前記撮像システム(204)からのデータ(216)を利用して三次元再構成(278)を作成する断層撮影計算プログラム(208)と
を備える、計測支援断層撮影システム(202)。
【請求項10】
前記放射線源(210)に接続された第1の移動システム(228)と、
前記放射線検出器(212)に接続された第2の移動システム(230)と
をさらに備える、請求項9に記載の計測支援断層撮影システム(202)。
【請求項11】
前記独立追跡システム(206)の精度(244)は、前記第1の移動システム(228)及び前記第2の移動システム(230)の位置特定システムの精度(236、242)よりも高い、請求項10に記載の計測支援断層撮影システム(202)。
【請求項12】
前記独立追跡システム(206)は、レーザ追跡システム(248)である、請求項9に記載の計測支援断層撮影システム(202)。
【請求項13】
前記撮像システム(204)はX線撮像システム(204)である、請求項9に記載の計測支援断層撮影システム(202)。
【請求項14】
前記第1の追跡対象(250)及び前記第2の追跡対象(258)は能動的(252、260)である、請求項9に記載の計測支援断層撮影システム(202)。
【請求項15】
ワークピース(218)を検査する方法(600)であって、
放射線源(210)及び放射線検出器(212)を備える撮像システム(204)を使用して前記ワークピース(218)の複数の画像(214)を生成するステップ(602)と、
複数の前記画像(214)の各々が生成されるときに、前記放射線源(210)の線源位置及び前記放射線検出器(212)の検出器位置を決定するステップ(604)と、
前記撮像システム(204)からの複数の前記画像(214)、前記線源位置(274)、及び前記検出器位置(272)を利用して三次元再構成(278)を作成するステップ(606)と
を含む、方法(600)。
【請求項16】
前記ワークピース(218)内の間隙(224)を識別するために前記三次元再構成(278)内の不整合(284)を位置特定するステップ(624)
をさらに含む、請求項15に記載の方法(600)。
【請求項17】
前記ワークピース(218)に対してある経路で前記放射線源(210)を移動させるステップ(608)と、
前記放射線源(210)からの放射線を受けるように前記ワークピース(218)に対して前記放射線検出器(212)を移動させるステップ(610)と
をさらに含む、請求項15に記載の方法(600)。
【請求項18】
前記ワークピース(218)に対してある経路で前記放射線源(210)を移動させる前記ステップは、前記ワークピース(218)の周りで前記放射線源(210)を最大120度移動させるステップを含む(612)、請求項17に記載の方法(600)。
【請求項19】
前記ワークピース(218)に対してある経路で前記放射線源(210)を移動させる前記ステップは、前記放射線源(210)が前記ワークピース(218)の平面と交差しない経路で前記放射線源(210)を移動させるステップを含む(613)、請求項17に記載の方法(600)。
【請求項20】
前記線源位置(274)及び前記検出器位置(272)を決定するために前記放射線源(210)及び前記放射線検出器(212)のレーザ追跡を実行するステップ(614)
をさらに含む、請求項15に記載の方法(600)。
【請求項21】
前記レーザ追跡を実行する前記ステップは、
レーザエネルギ源からレーザエネルギを送出するステップ(616)と、
第1の追跡対象(250)から前記レーザエネルギを反射させて前記レーザエネルギ源に戻すステップ(618)であって、前記第1の追跡対象(250)は前記放射線源(210)に接続されている、ステップ(618)と、
第2の追跡対象(258)から前記レーザエネルギを反射させて前記レーザエネルギ源に戻すステップ(620)であって、前記第2の追跡対象(258)は前記放射線検出器(212)に接続されている、ステップ(620)と
を含む、請求項20に記載の方法(600)。
【請求項22】
放射線源(210)及び放射線検出器(212)を備える撮像システム(204)を使用して前記ワークピース(218)の複数の画像(214)を生成する前記ステップは、前記ワークピース(218)に対して前記撮像システム(204)の複数の位置で前記ワークピース(218)のX線撮像を実行するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に検査に関し、より具体的には、大きなワークピースのコンピュータ断層撮影スキャンに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ断層撮影スキャンは、非破壊検査を提供するために使用される。コンピュータ断層撮影スキャンを実行する際に、ワークピースの複数のビューからの撮像データは、三次元ビューを作成するために組み合わされる。複数のビューから撮像データを生成するために、撮像システム又はワークピースの一方が移動される。
【0003】
従来のCTスキャンシステムの1つの形態は、制限された容積部の周囲を回転する撮像システムを含む。制限された容積部の境界に起因して、ワークピースのサイズは制限される。制限された容積部に対して大きすぎるワークピースは検査することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、上記で述べられた問題の少なくとも一部及び他の可能性のある問題を考慮に入れた方法及び装置を有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施形態は、計測支援断層撮影システムを提供する。計測支援断層撮影システムは、第1の移動システムに接続された放射線源と、放射線源に接続された第1の追跡対象と、第2の移動システムに接続された放射線検出器と、放射線検出器に接続された第2の追跡対象と、第1の追跡対象及び第2の追跡対象の位置を追跡する独立追跡システムとを備える。
【0006】
本開示の別の実施形態は、計測支援断層撮影システムを提供する。計測支援断層撮影システムは、放射線源及び放射線検出器を備える撮像システムと、放射線源に接続された第1の追跡対象及び放射線検出器に接続された第2の追跡対象を備える独立追跡システムと、独立追跡システムによって決定された第1の追跡対象及び第2の追跡対象の位置と組み合わせて撮像システムからのデータを利用して三次元再構成を作成する断層撮影計算プログラムとを備える。
【0007】
本開示のさらに別の実施形態は、ワークピースを検査する方法を提供する。ワークピースの複数の画像は、放射線源及び放射線検出器を備える撮像システムを使用して生成される。放射線源の線源位置及び放射線検出器の検出器位置は、複数の画像の各々が生成されるときに決定される。三次元再構成は、撮像システムからの複数の画像、線源位置、及び検出器位置を利用して作成される。
【0008】
特徴及び機能は、本開示の様々な実施形態において単独で達成することができるし、さらに他の実施形態において組み合わされ得る。さらなる詳細は、以下の説明及び図面を参照して理解することができる。
【0009】
例示的な実施形態の特性と考えられる新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に記載されている。しかしながら、例示的な実施形態並びにその好ましい使用態様、さらなる目的、及び特徴は、添付の図面と併せて、本開示の例示的な実施形態に関する以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】例示的な実施形態による航空機の図である。
図2】例示的な実施形態による製造環境のブロック図である。
図3】例示的な実施形態による計測支援断層撮影システムの図である。
図4】例示的な実施形態による計測支援断層撮影システムの撮像システムの一連の位置の図である。
図5】例示的な実施形態による計測支援断層撮影システム及びワークピースの図である。
図6】例示的な実施形態による、ワークピースを検査する方法のフローチャートである。
図7】例示的な実施形態による、ブロック図の形態の航空機の製造及び保守点検方法の図である。
図8】例示的な実施形態が実施され得るブロック図の形態の航空機の図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
例示的な例は、1つ以上の異なる考慮事項を認識し、考慮に入れている。例えば、例示的な例は、航空機構造の現在の組立において、大きな構造では間隙検査の選択肢が限られていることを認識し、考慮に入れている。
【0012】
例示的な例は、現在、大きな構造の潜在的な間隙が、予測シミング、隙間ゲージ、又は貫通孔レーザ測定システムのうちの少なくとも1つによって対処されていることを認識し、考慮している。予測シミングは、組立前の部品の測定に基づいて間隙を予測する。組立において生じる部品の形状変化は、予測シミングを使用して測定されない。
【0013】
例示的な例は、隙間ゲージが、サイズが増大するシムをパネルの界面及び孔に挿入する手作業のプロセスであることを認識し、考慮している。隙間ゲージを使用するプロセスは時間がかかり、アクセス可能な位置でのみ情報を提供する。隙間ゲージを使用した手作業の測定は、部品の縁部及び孔の位置などのアクセス可能な領域でのみ行うことができる。隙間ゲージは、パネル間の間隙に関する限られた情報しか提供することができない。
【0014】
例示的な例は、貫通孔レーザ測定システムが自動又は手動であることができ、隙間ゲージを使用するよりも迅速であることを認識し、考慮している。しかしながら、貫通孔レーザ測定システムは、孔の位置の間隙を測定することしかできない。
【0015】
例示的な例は、大きなワークピースを検査するために使用することができる計測支援断層撮影システムを提供する。計測支援断層撮影システムは、従来のCTスキャンシステムの制限された容積部内に収まることができない過大サイズのワークピースを検査するために使用することができる。
【0016】
検査機器の位置データを提供するために計測追跡システムを利用することにより、完全な360度の回転なしに大きなワークピースの断層撮影スキャンが可能になる。検査機器の位置データを提供するために計測追跡システムを利用することにより、180度未満のスキャン角度で大きなワークピースの断層撮影スキャンが可能になる。
【0017】
ここで図1を参照すると、例示的な実施形態による航空機の図が示されている。航空機100は、本体106に取り付けられた翼102及び翼104を有する。航空機100は、翼102に取り付けられたエンジン108と、翼104に取り付けられたエンジン110とを含む。
【0018】
本体106は尾部112を有する。水平安定板114、水平安定板116、及び垂直安定板118は、本体106の尾部112に取り付けられている。
【0019】
航空機100は、計測支援断層撮影システムを使用して検査される部分を有し得る航空機の一例である。例えば、翼104又は翼102の一部は、計測支援断層撮影システムを使用して検査することができる。
【0020】
ここで図2を参照すると、例示的な実施形態による製造環境のブロック図が示されている。航空機100の一部は、製造環境200で製造することができる。ワークピース218は、図1の翼102、翼104、又は本体106のうちの少なくとも1つの一部とすることができる。
【0021】
計測支援断層撮影システム202は、ワークピース218を検査するために製造環境200に存在する。ワークピース218は、従来のCTスキャナでワークピース218を検査することを禁止する寸法222を有する。ワークピース218は、寸法222が大きすぎて、制限された容積部の周囲で動作するように構成された従来のCTスキャナ内に収まることができないか、又は寸法222が大きすぎて、放射線源210及び放射線検出器212がワークピース218の周りを360度回転することができないかの少なくとも一方に起因して、過大サイズ220と呼ばれる。計測支援断層撮影システム202は、ワークピース218の間隙224を検出し位置特定するために使用することができる。計測支援断層撮影システム202は、典型的な手動測定に比べて、ワークピース218の間隙224の位置、深さ、及び幾何学的形状に関してより多くの情報を提供する。
【0022】
計測支援断層撮影システム202は、撮像システム204と、独立追跡システム206と、断層撮影計算プログラム208とを備える。撮像システム204は、放射線源210及び放射線検出器212を備える。独立追跡システム206は、放射線源210に接続された第1の追跡対象250と、放射線検出器212に接続された第2の追跡対象258とを備える。断層撮影計算プログラム208は、独立追跡システム206によって決定された第1の追跡対象250及び第2の追跡対象258の複数の位置268と組み合わせて、撮像システム204からのデータ216を利用して三次元再構成278を作成するように構成される。断層撮影計算プログラム208は、放射線検出器212からのデータを含む三次元再構成278の形成中に独立追跡システム206によって追跡される位置を利用するように構成される。
【0023】
図示のように、製造環境内のコンピュータシステム280は、断層撮影計算プログラム208を使用して三次元再構成278を作成する。コンピュータシステム280は、有線通信又は無線通信などの任意の望ましい方法で、撮像システム204及び独立追跡システム206と通信することができる。一部の例示的な例では、コンピュータシステム280は、三次元再構成278を作成するためにデータ216を受信する無線通信デバイス(図示せず)を備える。
【0024】
三次元再構成278は、CT画像又は三次元画像と呼ぶこともできる。三次元再構成278は、計測システムからの位置情報を有するデータにフィルタ補正逆投影などの断層撮影アルゴリズムを適用した結果である。
【0025】
三次元再構成278を生成するために、撮像システム204の幾何学的形状の正確な知識が使用される。アルゴリズムは、独立追跡システム206から決定された幾何学的形状と複数の画像214とを組み合わせるために使用される。
【0026】
放射線源210は、ワークピース218を検査するのに十分に強力な放射線源である。例えば、ワークピース218が航空機の翼の一部であるとき、放射線源210は、翼の一部内の接合部を検査するのに十分に強力である。
【0027】
一部の例示的な例では、ワークピース218を検査するのに十分な能力を有する放射線源210のサイズ及び重量に起因して、第1の移動システム228は、従来の検査システムで使用されるものよりも大きく、より堅牢な移動システムである。一部の例示的な例では、第1の移動システム228は、放射線源210を支持して移動させるために、より大きなジョイント、より強いモーター、又は任意の他の望ましい補強材のうちの少なくとも1つを有する。
【0028】
一部の例示的な例では、第1の移動システム228は、ワークピース218の寸法222に起因して、従来の検査システムで使用されるものよりも大きく、より堅牢な移動システムである。一部の例示的な例では、第1の移動システム228は、ワークピース218のサイズに起因して、より大きく、より堅牢な移動システムである。
【0029】
図示のように、放射線源210は、第1の移動システム228に接続される。放射線源210に接続された第1の移動システム228は、任意の望ましい形態をとる。一部の例示的な例では、第1の移動システム228はロボット232の形態をとる。一部の例示的な例では、第1の移動システム228はロボットアームである。
【0030】
第1の移動システム228は、第1の移動システム228が製造環境200内の第1の移動システム228の位置を追跡する際に使用する位置特定システム234を有する。一部の例示的な例では、第1の移動システム228の位置特定システム234は、製造環境200における第1の移動システム228の移動を追跡する。
【0031】
一部の例示的な例では、位置特定システム234は位置センサーを備える。一部の例示的な例では、位置特定システム234は、第1の移動システム228を駆動するために使用されるモーターの移動を追跡するためのエンコーダーを備える。位置特定システム234は、移動を追跡するためのエンコーダーの使用に基づく予測位置を使用するものとして説明することができる。
【0032】
独立追跡システム206の精度は、第1の移動システム228及び第2の移動システム230のそれぞれの位置特定システムの精度よりも高い。位置特定システム234の精度236は、寸法222を有するワークピース218に対してコンピュータ断層撮影(CT:computed tomography)スキャン276を実行するには不十分である。位置特定システム234の精度236は、間隙224を位置特定するためにコンピュータ断層撮影(CT)スキャン276を実行するには不十分である。位置特定システム234の精度236は、所望の不整合を測定するために断層撮影計算プログラム208を実行するには不十分である。三次元再構成を形成するために位置特定システム234を利用すると、三次元再構成がぼやけすぎて所望のサイズの不整合を決定することができない。位置特定システム234の精度236は、不整合284を測定するために断層撮影計算プログラム208を実行するには不十分である。
【0033】
位置特定システム234の精度236は、放射線源210を位置特定するのに十分である。位置特定システム234は、移動266中に第1の移動システム228によって利用される。
【0034】
図示のように、放射線検出器212は、第2の移動システム230に接続される。放射線検出器212に接続された第2の移動システム230は、任意の望ましい形態をとる。一部の例示的な例では、第2の移動システム230はロボット238の形態をとる。一部の例示的な例では、第2の移動システム230はロボットアームである。
【0035】
第2の移動システム230は、第2の移動システム230が製造環境200内の第2の移動システム230の位置を追跡する際に使用する位置特定システム240を有する。一部の例示的な例では、第2の移動システム230の位置特定システム240は、製造環境200における第2の移動システム230の移動を追跡する。
【0036】
一部の例示的な例では、位置特定システム240は位置センサーを備える。一部の例示的な例では、位置特定システム240は、第2の移動システム230を駆動するために使用されるモーターの移動を追跡するためのエンコーダーを備える。位置特定システム240は、移動を追跡するためのエンコーダーの使用に基づく予測位置を使用するものとして説明することができる。
【0037】
位置特定システム240の精度242は、寸法222を有するワークピース218に対してコンピュータ断層撮影(CT)スキャン276を実行するには不十分である。位置特定システム240の精度242は、180度未満のスキャン角度270で断層撮影計算プログラム208を実行するには不十分である。位置特定システム240の精度242は、間隙224を位置特定するためにコンピュータ断層撮影(CT)スキャン276を実行するには不十分である。位置特定システム240の精度242は、所望の不整合を測定するために断層撮影計算プログラム208を実行するには不十分である。三次元再構成を形成するために位置特定システム240を利用すると、三次元再構成がぼやけすぎて所望のサイズの不整合を決定することができない。位置特定システム240の精度242は、不整合284を測定するために断層撮影計算プログラム208を実行するには不十分である。
【0038】
位置特定システム240の精度242は、放射線検出器212を位置特定するのに十分である。位置特定システム240は、移動266中に第2の移動システム230によって利用される。
【0039】
計測支援断層撮影システム202を使用して間隙224に関してワークピース218を検査するために、撮像システム204は、複数の画像214を生成するためにワークピース218に対して移動される。撮像システム204の構成要素は、データ216を生成するためにワークピース218に対して移動266を受ける。移動266は、直線移動又は回転の少なくとも一方を含む。より具体的には、撮像システム204の放射線源210及び放射線検出器212は、スキャン角度270にわたってワークピース218の周囲の移動266を受ける。一部の例示的な例では、撮像システム204の放射線源210及び放射線検出器212の各々は、180度未満にわたってワークピース218の周囲の移動266を受ける。
【0040】
撮像システム204は、放射線源210を有する任意の望ましい種類の撮像システムである。一部の例示的な例では、撮像システム204は中性子断層撮影用の中性子撮像システムである。一部の例示的な例では、撮像システム204はX線撮像システムであり、放射線源210はX線源226である。放射線源210は、ワークピース218に対してある経路を移動され、一方、放射線検出器212は、放射線源210からの放射線を受けるようにワークピース218に対して移動される。この経路は、任意の望ましい形状をとることができる。一部の例示的な例、一部の例示的な例の経路では、放射線源210は、ワークピース218に対して円弧状に移動され、一方、放射線検出器212は、放射線源210からの放射線を受けるようにワークピース218に対して移動される。
【0041】
一部の例示的な例では、ある経路で放射線源210を移動させることは、最大120度のスキャン角度270にわたって放射線源210を移動させることを含む。一部の例示的な例では、ある経路で放射線源210を移動させることは、最大180度のスキャン角度270にわたって放射線源210を移動させることを含む。
【0042】
放射線源210が製造環境200内で移動されるとき、放射線源210に接続された第1の追跡対象250も製造環境200内で移動する。一部の例示的な例では、第1の追跡対象250は放射線源210に直接接続される。他の例示的な例では、第1の追跡対象250は、放射線源210に間接的に接続される。第1の追跡対象250が放射線源210に間接的に接続されるとき、第1の追跡対象250は、任意の望ましい数量の物品を介して放射線源210に接続される。放射線源210は、第1の追跡対象250の移動が製造環境200内での放射線源210の移動と同じになるように、第1の追跡対象250に接続される。
【0043】
放射線検出器212が製造環境200内で移動されるとき、放射線源210に接続された第2の追跡対象258も製造環境200内で移動する。一部の例示的な例では、第2の追跡対象258は、放射線検出器212に直接接続される。他の例示的な例では、第2の追跡対象258は、放射線検出器212に間接的に接続される。第2の追跡対象258が放射線検出器212に間接的に接続されるとき、第2の追跡対象258は、任意の望ましい数量の物品を介して放射線検出器212に接続される。放射線検出器212は、第2の追跡対象258の移動が製造環境200内での放射線検出器212の移動と同じになるように、第2の追跡対象258に接続される。
【0044】
製造環境200内の第1の追跡対象250の位置を識別することによって、製造環境200内の放射線源210の位置を決定することができる。製造環境200内の第2の追跡対象258の位置を識別することによって、製造環境200内の放射線検出器212の位置を決定することができる。
【0045】
独立追跡システム206は、コントローラ243と、第1の追跡対象250と、第2の追跡対象258とを備える。第1の追跡対象250は受動的254又は能動的252とすることができる。第1の追跡対象250が受動的254であるとき、第1の追跡対象250は情報を送信しない。第1の追跡対象250が能動的252であるとき、第1の追跡対象250はデータを送信する。第1の追跡対象250は、光学ターゲット、RFIDタグ、Wi-Fi送信機、反射器256、又は任意の他の望ましい種類のターゲットなど、任意の形態をとることができる。
【0046】
第2の追跡対象258は受動的262又は能動的260とすることができる。第2の追跡対象258が受動的262であるとき、第2の追跡対象258は情報を送信しない。第2の追跡対象258が能動的260であるとき、第1の追跡対象250はデータを送信する。第2の追跡対象258は、光学ターゲット、RFIDタグ、Wi-Fi送信機、反射器256、又は任意の他の望ましい種類のターゲットなど、任意の形態をとることができる。
【0047】
第1の追跡対象250の種類及び第2の追跡対象258の種類は、独立追跡システム206の種類に基づいて選択される。ある種の独立追跡システム206は、データ216を使用して断層撮影計算プログラム208を実行するのに十分な精度244を提供するように選択される。
【0048】
一部の例示的な例では、独立追跡システム206は、光学追跡システム246の形態をとる。一部の例示的な例では、独立追跡システム206は、レーザ追跡システム248の形態をとる。一部の例示的な例では、独立追跡システム206はレーザ追跡システム248の形態をとり、第1の追跡対象250は反射器256を備え、第2の追跡対象258は反射器264を備える。
【0049】
コントローラ243は、送信機及び受信機など、第1の追跡対象250及び第2の追跡対象258を追跡するための任意の望ましいハードウェアを含む。一部の例示的な例では、コントローラ243は、レーザエネルギ源を備える。これらの例示的な例では、第1の追跡対象250は、レーザエネルギをコントローラ243に反射して戻す。これらの例示的な例では、第2の追跡対象258は、レーザエネルギをコントローラ243に反射して戻す。
【0050】
独立追跡システム206は、第1の追跡対象250及び第2の追跡対象258の複数の位置268を決定する。一部の例示的な例では、複数の位置268は、ワークピース218の検査中に放射線検出器212の検出器位置272を決定するために使用することができる。一部の例示的な例では、複数の位置268は、ワークピース218の検査中に放射線源210の線源位置274を決定するために使用することができる。
【0051】
断層撮影計算プログラム208は、三次元再構成278と呼ばれる三次元画像を形成するために、撮像システム204からのデータ216を組み合わせる際に独立追跡システム206からのデータを利用する。一部の例示的な例では、独立追跡システム206から決定された検出器位置272及び線源位置274は、撮像システム204からのデータ216から三次元再構成278を構築する際に利用される。
【0052】
一部の例示的な例では、スキャン角度270が360度未満のデータ216を使用して三次元再構成278を生成するために、三次元再構成278においてワークピース218の他の材料からの間隙224の区別を強調するためにフィルタリング282が実行される。一部の例示的な例では、スキャン角度270が360度未満のデータ216を使用して三次元再構成278を生成するために、ノイズを低減するためにフィルタリング282が実行される。一部の例示的な例では、フィルタリング282は、エッジ強調フィルタを適用することを含む。
【0053】
三次元再構成278内の不整合284は、ワークピース218の間隙224などの不整合を表す。一部の例示的な例では、不整合284は、接合部内の材料に関する予想画素値からの画素の色又は強度の差の少なくとも一方を含む。三次元再構成278は、不整合284を位置特定するために解析される。三次元再構成278内の不整合284の位置特定は、ワークピース218の間隙224を識別するために実行される。
【0054】
図2の製造環境200の図は、例示的な実施形態が実施され得る方法に対する物理的又は構造的な制限を含意するものではない。図示の構成要素に加えて、又は図示の構成要素の代わりに他の構成要素が使用されてもよい。一部の構成要素は不要であり得る。また、ブロックは、一部の機能的構成要素を示すために提示されている。これらのブロックのうちの1つ以上は、例示的な実施形態で実施されるときに異なるブロックに組み合わされてもよいし、分割されてもよいし、又は組み合わされ分割されてもよい。
【0055】
例えば、一部の例示的な例では、独立追跡システム206は、十分な精度を有する任意の望ましい追跡システムの形態をとることができる。一部の例示的な例では、独立追跡システム206は、RFIDシステムの形態をとることができる。
【0056】
ここで図3を参照すると、例示的な実施形態による計測支援断層撮影システムの図が示されている。製造環境300は、計測支援断層撮影システム302を含む。計測支援断層撮影システム302は、放射線源304及び放射線検出器306を備える。放射線源304は、第1の移動システム308に接続されている。この例示的な例では、第1の移動システム308はロボットアームの形態をとっている。放射線検出器306は、第2の移動システム310に接続されている。この例示的な例では、第2の移動システム310はロボットアームの形態をとっている。第1の移動システム308及び第2の移動システム310の各々はそれぞれ、製造環境300内のそれぞれの移動システムの位置を追跡するためのそれぞれの位置特定システムを含むが、第1の移動システム308及び第2の移動システム310の位置特定システムからのデータは、計測支援断層撮影システム302を使用してコンピュータ断層撮影スキャンを実行するために使用されない。
【0057】
例えば、第1の移動システム308は、製造環境300内の第1の移動システム308の位置を決定するために第1の移動システム308の移動を追跡するための位置特定システム(図示せず)を有するが、この位置特定システムは、計測支援断層撮影システム302を使用してコンピュータ断層撮影スキャンを実行するために使用されない。第1の移動システム308の位置特定システムは、放射線源304を使用する検査中に第1の移動システム308を駆動及び追跡するために使用される。しかしながら、コンピュータ断層撮影スキャンを使用する検査のための放射線源304の位置は、第1の移動システム308の位置特定システムとは無関係に決定される。
【0058】
独立追跡システム311は、製造環境300内の放射線源304及び放射線検出器306の位置を決定するために使用される。独立追跡システム311からのデータは、コンピュータ断層撮影スキャンのための三次元再構成を生成するための位置データを決定するために使用される。独立追跡システム311は、放射線源304に接続された第1の追跡対象312と、放射線検出器306に接続された第2の追跡対象314と、コントローラ316とを備える。
【0059】
一部の例示的な例では、独立追跡システム311はレーザ追跡システムである。一部の例示的な例では、独立追跡システム311がレーザ追跡システムであるとき、コントローラ316はレーザ源及びレーザ検出器の形態をとる。一部の例示的な例では、独立追跡システム311は光学追跡システムである。一部の例示的な例では、独立追跡システム311が光学追跡システムであるとき、コントローラ316は方向性カメラの形態をとる。
【0060】
ここで図4を参照すると、例示的な実施形態による計測支援断層撮影システムの撮像システムの一連の位置の図が示されている。ビュー400は、位置402及びスキャン角度404のビューである。位置402は、異なるスキャン角度に対する放射線源及び放射線検出器の一連の位置を示す。初期線源位置406は、ワークピースの検査を実行するために経路412を移動する前の放射線源の最初の位置である。初期検出器位置408は、初期線源位置406の放射線源からの放射線を受けるように配置される。次に、放射線検出器は、ワークピースの検査を実行するために方向410に移動される。放射線検出器は、最終位置422で停止し、120度のスキャン角度度を完了する。
【0061】
位置402は、異なるスキャン角度に対する放射線源の一連の位置を示す。線源位置414は、25度のスキャン角度に対する放射線源の最終位置を示す。線源位置416は、60度のスキャン角度に対する放射線源の最終位置を示す。線源位置418は、90度のスキャン角度に対する放射線源の最終位置を示す。線源位置420は、120度のスキャン角度に対する放射線源の最終位置を示す。
【0062】
ここで図5を参照すると、例示的な実施形態による計測支援断層撮影システム及びワークピースの図が示されている。製造環境500は、計測支援断層撮影システム502を含む。計測支援断層撮影システム502は、撮像システム503及び独立追跡システム507を備える。撮像システム503は、放射線源504及び放射線検出器506を備える。例示を容易にするために図示されていないが、放射線源504及び放射線検出器506の各々は、それぞれの移動システムに接続される。
【0063】
独立追跡システム507は、ワークピース514の検査中に放射線源504及び放射線検出器506の位置を決定する。独立追跡システム507は、所望の不整合を測定するために360度未満のスキャン角度を使用してコンピュータ断層撮影スキャンを実行するのに十分な精度を位置データに与える。ワークピース514の間隙は、移動システムの位置特定システムがぼやけた再構成を生成する程度に十分に小さい。独立追跡システム507は、ワークピース514の間隙を表す不整合を位置特定することができる三次元再構成を作成するのに十分な精度を位置データに与える。
【0064】
ワークピース514は過大サイズである。この例示的な例では、ワークピースの全周囲で検査システムを移動させることによってワークピース514を検査することができないため、ワークピース514は過大サイズである。ワークピース514の寸法又は設計の少なくとも一方が、従来のX線CTがワークピース514に対して実行されるのを妨げる。
【0065】
独立追跡システム507は、製造環境500内の放射線源504及び放射線検出器506の位置を決定するために使用される。独立追跡システム507からのデータは、コンピュータ断層撮影スキャンのための三次元再構成を生成するための位置データを決定するために使用される。独立追跡システム507は、放射線源504に接続された第1の追跡対象508と、放射線検出器506に接続された第2の追跡対象510と、コントローラ512とを備える。
【0066】
この例示的な例では、放射線源504及び放射線検出器506は、図5に示されているY軸又はZ軸のいずれかを中心に回転させることができる。
【0067】
ここで図6を参照すると、例示的な実施形態による、ワークピースを検査する方法のフローチャートが示されている。方法600は、製造中に図1の航空機100の部分を検査するために実行することができる。方法600は、計測支援断層撮影システム202を使用して、図2のワークピース218の間隙224などの不整合を検査するために実行することができる。方法600は、図3の計測支援断層撮影システム302によって実行することができる。方法600は、図4のスキャン角度404のいずれかで複数の画像を生成することによって実行することができる。方法600は、計測支援断層撮影システム502を使用してワークピース514を検査するために使用することができる。
【0068】
方法600は、放射線源及び放射線検出器を備える撮像システムを使用してワークピースの複数の画像を生成する(工程602)。
【0069】
方法600は、複数の画像の各々が生成されるときに、放射線源の線源位置及び放射線検出器の検出器位置を決定する(工程604)。方法600は、撮像システムからの複数の画像、線源位置、及び検出器位置を利用して三次元再構成を作成する(工程606)。三次元再構成は、撮像システムからの複数の画像を結合することによって形成される三次元再構成である。その後、方法600は終了する。
【0070】
一部の例示的な例では、方法600は、ワークピースに対してある経路で放射線源を移動させる(工程608)。一部の例示的な例では、方法600は、放射線源からの放射線を受けるようにワークピースに対して放射線検出器を移動させる(工程610)。一部の例示的な例では、方法600は、放射線源及び放射線検出器を非従来的な経路で移動させる。
【0071】
一部の例示的な例では、放射線源を移動させることは、ワークピースの周りで360度未満の角度で行われる。一部の例示的な例では、放射線源を移動させることは、ワークピースの周りで最大180度の角度で行われる。一部の例示的な例では、ワークピースに対してある経路で放射線源を移動させることは、ワークピースの周りで放射線源を最大180度移動させることを含む(工程612)。一部の例示的な例では、ワークピースに対してある経路で放射線源を移動させることは、ワークピースの周りで放射線源を最大120度移動させることを含む。
【0072】
一部の例示的な例では、ワークピースに対してある経路で放射線源を移動させることは、放射線源がワークピースの平面と交差しない経路で放射線源を移動させることを含む(工程613)。これらの例示的な例では、放射線源及び放射線検出器は、それらが配置されるワークピースの側を「交替し」ない。これらの例示的な例では、放射線源及び放射線検出器の各々は、平面のそれぞれの「側」に留まる。
【0073】
一部の例示的な例では、方法600は、線源位置及び検出器位置を決定するために放射線源及び放射線検出器のレーザ追跡を実行する(工程614)。一部の例示的な例では、レーザ追跡を実行することは、レーザエネルギ源からレーザエネルギを送出すること(工程616)と、放射線源に接続された第1の追跡対象からレーザエネルギを反射させてレーザエネルギ源に戻すこと(工程618)と、放射線検出器に接続された第2の追跡対象からレーザエネルギを反射させてレーザエネルギ源に戻すこと(工程620)とを含む。
【0074】
一部の例示的な例では、放射線源及び放射線検出器を備える撮像システムを使用してワークピースの複数の画像を生成することは、ワークピースに対して撮像システムの複数の位置でワークピースのX線撮像を実行することを含む(工程622)。これらの例示的な例では、放射線源はX線源である。
【0075】
一部の例示的な例では、方法600は、ワークピース内の間隙を識別するために三次元再構成内の不整合を位置特定する(工程624)。一部の例示的な例では、不整合は、予想画素値外の色又は強度の少なくとも一方を有する画素を含む。
【0076】
本明細書で使用されるとき、「のうちの少なくとも1つ(at least one of)」という語句は、項目のリストと共に使用されるとき、リストされた項目のうちの1つ以上の様々な組合せが使用されてもよく、リスト内の各項目のうちの1つのみが必要であり得ることを意味する。例えば、「項目A、項目B、又は項目Cのうちの少なくとも1つ」は、項目A、項目A及び項目B、又は項目Bを含み得るが、これらに限定されない。また、この例は、項目A、項目B、及び項目C又は項目B及び項目Cを含み得る。もちろん、これらの項目の任意の組合せがあり得る。他の例では、「のうちの少なくとも1つ」は、例えば、2つの項目A、1つの項目B、及び10の項目C、4つの項目B及び7つの項目C、又は他の適切な組合せであり得るが、これらに限定されない。項目は、特定の物体、物、又はカテゴリーであってもよい。言い換えれば、のうちの少なくとも1つは、任意の組合せの項目及び複数の項目がリストから使用され得るが、リスト内の項目のすべてが必要なわけではないことを意味する。
【0077】
本明細書で使用されるとき、「複数の(a number of)」は、項目を参照して使用されるとき、1つ以上の項目を意味する。
【0078】
図示の様々な実施形態におけるフローチャート及びブロック図は、例示的な実施形態における装置及び方法の一部の可能な実施態様のアーキテクチャ、機能、及び工程を示している。これに関して、フローチャート又はブロック図における各ブロックは、モジュール、セグメント、機能、又は工程若しくはステップの一部のうちの少なくとも1つを表し得る。
【0079】
例示的な実施形態の一部の代替的な実施態様では、ブロックに記載されている機能又は複数の機能は、図に記載されている順序から外れて実行されてもよい。例えば、一部のケースでは、連続して示されている2つのブロックは、関連する機能に応じて、実質的に同時に実行されてもよいし、場合によっては逆の順序で実行されてもよい。また、フローチャート又はブロック図の図示のブロックに加えて、他のブロックが追加されてもよい。一部のブロックは任意選択であってもよい。例えば、工程608~工程622は任意選択であってもよい。
【0080】
本開示の例示的な実施形態は、図7に示すような航空機の製造及び保守点検方法700並びに図8に示すような航空機800との関連で説明され得る。最初に図7を参照すると、例示的な実施形態による、ブロック図の形態の航空機の製造及び保守点検方法の図が示されている。試作中に、航空機の製造及び保守点検方法700は、図8の航空機800の仕様及び設計702並びに材料調達704を含み得る。
【0081】
生産中に、航空機800の構成要素及び部分組立品の製造706並びにシステム統合708が行われる。その後、航空機800は、就航712させるために認証及び搬送710を経得る。顧客による就航中712に、航空機800は、改修、再構成、改造、又は他の整備及び保守点検を含み得る定期的な整備及び保守点検714を予定される。
【0082】
航空機の製造及び保守点検方法700の各プロセスは、システムインテグレータ、第三者、及び/又はオペレータによって実行又は遂行されてもよい。これらの例では、オペレータは顧客であってもよい。この説明のために、システムインテグレータは、任意の数の航空機の製造業者及び主システムの下請業者を含んでもよいが、これらに限定されず、第三者は、任意の数のベンダ、下請業者、及び供給業者を含んでもよいが、これらに限定されず、オペレータは、航空会社、リース会社、軍隊、及び保守点検業者などであってもよい。
【0083】
ここで図8を参照すると、例示的な実施形態が実施され得るブロック図の形態の航空機の図が示されている。この例では、航空機800は、図7の航空機の製造及び保守点検方法700によって生産され、複数のシステム804及び内部806と共に機体802を含み得る。システム804の例は、推進システム808、電気システム810、油圧システム812、及び環境システム814のうちの1つ以上を含む。任意の数の他のシステムが含まれてもよい。
【0084】
本明細書で具体化されている装置及び方法は、航空機の製造及び保守点検方法700のうちの少なくとも1つの段階中に用いられ得る。図7の構成要素及び部分組立品の製造706、システム統合708、就航中712、又は整備及び保守点検714のうちの少なくとも1つの最中に、1つ以上の例示的な実施形態が製造又は使用され得る。
【0085】
例示的な例は、ワークピースを検査するためにロボット駆動撮像システムを利用する計測支援断層撮影システムを提示する。一部の例示的な例では、撮像システムはX線システムであり、計測支援断層撮影システムは、航空宇宙構造などの大きなワークピースの間隙及び他の異常を測定するためにロボット駆動X線システムを利用する計測支援汎用断層撮影X線システムである。2つのロボットが、放射線源及び検出器パネルをワークピースの周囲に配置するために同期して移動する。計測システムは、放射線源及び検出器パネルの位置を測定して、画像の3D再構成のためのより正確な位置値を提供するために使用される。一部の例示的な例では、計測システムはレーザ追跡システムである。
【0086】
三次元画像は、取得された画像測定値及びシステム構成要素の幾何学的形状情報から再構成される。従来のCTは360度の回転を必要とするが、これは大きな航空宇宙構造にはしばしば不可能である。例示的な例は、独立追跡システムを使用する望ましく正確な追跡の使用によって360度の制限を克服する。
【0087】
放射線源及び検出器パネルを配置するために、2つのロボットが移動される。計測システムは、ロボットによって提供される予測位置に依拠するのではなく、これらの構成要素の実際の位置を決定するために使用される。ロボットの予測位置は、大きなワークピースの検査又は非従来的な軌道に沿った検査のための正確な画像を再構成するのに十分に正確ではない。一部の例示的な例では、計測システムはレーザトラッカ計測システムである。この計測システムは、望ましく正確な位置データが画像再構成に利用可能であることを保証し、これは、ワークピースの寸法又は形状の少なくとも一方に起因して限られた角度の画像のみが利用可能であるため、特に重要であり得る。
【0088】
放射線源及び放射線検出器の配置は、非従来的な軌道をとることができ、ロボットのワークピースへの衝突をもたらす軌道を防ぐことによってのみ制限される。典型的な軌道は、円形、螺旋状、又は平面運動である。
【0089】
一部の例示的な例では、より大きな航空宇宙構造を検査するために、大きくて強力な放射線源が使用される。例示的な例は、大きなワークピースを収容するように構成された移動システムを利用する。一部の例示的な例では、大きなワークピースを収容するために大きな産業用ロボットが使用される。一部の例示的な例では、移動システムはまた、大きくて強力な放射線源を収容するように構成される。さらに、例示的な例は計測システムで較正され、従来のCTスキャンは、X線撮像ソフトウェアの較正アーチファクトを使用することができる。
【0090】
例示的な例は、非従来的なX線軌道から三次元再構成を生成する能力を提供する。これらの三次元再構成を生成する能力は、計測データからの改善された位置データによって部分的に可能にされる。
【0091】
例示的な例は、大きなワークピース及び非従来的な経路を使用するワークピースを検査するために使用することができる。例示的な例は、翼及び胴体の大きな接合部間の間隙、並びにより小さな接合領域を検査するために使用することができる。それはまた、手作業の目視検査のためにアクセスできないより小さな翼ボックスを検査するために使用されてもよい。
【0092】
異なる例示的な実施形態の説明は、例示及び説明のために提示されたものであり、網羅的であること又は開示された形態の実施形態に限定されることを意図するものではない。当業者には多くの修正及び変形は明らかであろう。さらに、異なる例示的な実施形態は、他の例示的な実施形態と比較して異なる特徴を提供し得る。選択された実施形態又は複数の実施形態は、実施形態の原理、実際の適用を最もよく説明するために、また、考えられる特定の使用に適した様々な修正を伴う様々な実施形態の開示を他の当業者が理解できるようにするために選択され説明されている。
【符号の説明】
【0093】
102 翼、104 翼、106 本体、108 エンジン、110 エンジン、112 尾部、114 水平安定板、116 水平安定板、118 垂直安定板、200 製造環境、202 計測支援断層撮影システム、204 撮像システム、206 独立追跡システム、208 断層撮影計算プログラム、210 放射線源、212 放射線検出器、214 複数の画像、216 データ、218 ワークピース、220 過大サイズ、222 寸法、224 間隙、226 X線源、228 第1の移動システム、230 第2の移動システム、232 ロボット、234 位置特定システム、236 精度、238 ロボット、240 位置特定システム、242 精度、243 コントローラ、244 精度、246 光学追跡システム、248 レーザ追跡システム、250 第1の追跡対象、252 能動的、254 受動的、256 反射器、258 第2の追跡対象、260 能動的、262 受動的、264 反射器、266 移動、268 複数の位置、270 スキャン角度、272 検出器位置、274 線源位置、276 コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、278 三次元再構成、280 コンピュータシステム、282 フィルタリング、284 不整合、300 製造環境、302 計測支援断層撮影システム、304 放射線源、306 放射線検出器、308 第1の移動システム、310 第2の移動システム、311 独立追跡システム、312 第1の追跡対象、314 第2の追跡対象、316 コントローラ、400 ビュー、402 位置、404 スキャン角度、406 初期線源位、408 初期検出器位置、410 方向、412 経路、414 線源位置、416 線源位置、418 線源位置、420 線源位置、422 最終位置、500 製造環境、502 計測支援断層撮影システム、503 撮像システム、504 放射線源、506 放射線検出器、507 独立追跡システム、508 第1の追跡対象、510 第2の追跡対象、512 コントローラ、514 ワークピース、800 航空機、802 機体、804 複数のシステム、806 内部、808 推進システム、810 電気システム、812 油圧システム、814 環境システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【外国語明細書】