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特開2024-161336カテーテルのロボット操縦におけるシャトリングの表示
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161336
(43)【公開日】2024-11-19
(54)【発明の名称】カテーテルのロボット操縦におけるシャトリングの表示
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/082 20060101AFI20241112BHJP
   A61B 34/20 20160101ALI20241112BHJP
   A61B 8/12 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
A61M25/082 500
A61B34/20
A61B8/12
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024060746
(22)【出願日】2024-04-04
(31)【優先権主張番号】18/310,004
(32)【優先日】2023-05-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】593063105
【氏名又は名称】シーメンス メディカル ソリューションズ ユーエスエー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Siemens Medical Solutions USA,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110003317
【氏名又は名称】弁理士法人山口・竹本知的財産事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100169627
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 美奈
(72)【発明者】
【氏名】ジャロッド コリンズ
(72)【発明者】
【氏名】ヨン-ホ キム
(72)【発明者】
【氏名】トマゾ マンシ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】カテーテルをロボットで操作するための方法、システム、およびロボットを提供する。
【解決手段】カテーテルをロボット操作するために、ロボットカテーテルシステムは、軌道に沿ってナビゲーションを制御する。軌道は移動を規定し、ロボットカテーテルシステムがユーザの介入をより少なくしてまたは全く行わずに、カテーテルをナビゲートすることを可能にする。カテーテルは、停留または後退を避けたり制限したりして、操作者がカテーテルにあまり集中することがないように、制御される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像カテーテルをロボット制御する方法であって:
患者内でのカテーテルの移動の軌道を取得すること、
ロボットカテーテルシステムによって前記撮像カテーテルを、前記軌道に沿って移動させること、
前記撮像カテーテルからの画像であって、前記撮像カテーテルが前記軌道上にある間の患者の画像を表示すること、
を含む、方法。
【請求項2】
前記取得することは、前記ロボットカテーテルシステムを用いて前記軌道に沿って前記撮像カテーテルをナビゲートする操作者から、開始点の入力と終了点の入力とを受け付けることを含み、
前記移動させることは、前記操作者がナビゲートすることなく、前記開始点と前記終了点との間の前記軌道に沿って前記撮像カテーテルのナビゲーションを繰り返すことを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記取得することは、前記ロボットカテーテルシステムの操作者による手動制御中に、前記軌道を記憶することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記記憶することは、前記軌道をモーター位置または撮像カテーテル位置として記憶することを含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記取得することは、前記軌道のユーザ指定を受信することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ユーザ指定を受信することは、グラフィックスユーザインタフェース上の境界内のウェイポイントのユーザ入力を受信することを含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記移動させることは、ユーザによるそれぞれのウェイポイントのアクティブ化、操作者により入力されたウェイポイントの間隔、に応答して、前記軌道上の前記ウェイポイントに前記撮像カテーテルを移動させることを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ウェイポイントは、他の前記ウェイポイントから補間された1以上のウェイポイントを含む、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記移動させることは、前記軌道上で前記撮像カテーテルの移動を複数回繰り返すことを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記移動させることは、操作者の入力に応じて前記軌道に沿って、反転するかまたは進行することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記反転することは、操作者によって指示された視野を有する軌道に沿った地点に向けて反転することを含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記移動させることは、心臓の動きに同期して前記ロボットカテーテルシステムを移動させることを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項13】
軌道のライブラリから前記軌道のユーザ選択を受信することをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記移動させることは、ウェイポイント間の間隔で撮像カテーテルを移動させることを含み、前記間隔は、操作者によって入力される、
請求項1に記載の方法。
【請求項15】
操縦可能なカテーテルの制御システムであって、
操縦可能カテーテルを操作するためのロボットシステムと、
前記ロボットシステムが前記操縦可能なカテーテルをナビゲートする軌道を記憶するように構成されたメモリと、
前記ロボットシステムに前記軌道に沿って前記操縦可能カテーテルを引き戻しでナビゲートするように構成されたプロセッサと、
を備える、制御システム。
【請求項16】
前記プロセッサは、ステップ単位で前記軌道に沿ったナビゲーションを行わせるように構成されており、
ステップサイズは、操作者からの入力によって構成され、
各ステップのナビゲーションはユーザのアクティブ化に応答して行うる、
請求項15に記載の制御システム。
【請求項17】
前記操縦可能カテーテルは、前記ロボットシステムが撮像カテーテルを前記軌道に沿ってナビゲートする際に一連の画像が生成される撮像カテーテルを備え、
前記プロセッサは、前記ロボットシステムに、前記一連の画像のうちの1つの画像に関連する前記軌道に沿った地点に前記撮像カテーテルをナビゲートするように構成されている、
請求項15に記載の制御システム。
【請求項18】
前記プロセッサは、操作者が前記ロボットシステムを制御する際に、前記軌道を前記メモリ内に記憶させるように構成されている、
請求項15に記載の制御システム。
【請求項19】
前記プロセッサは、前記軌道を前記メモリ内に記憶するように構成されており、
前記軌道は、境界内のウェイポイントの入力を受け付けるユーザインタフェースで作成される、
請求項15に記載の制御システム。
【請求項20】
命令を記憶するように構成されたメモリと、
前記命令によってカテーテルロボットを制御して、心腔内エコー検査カテーテルを予め設定された軌道に沿って移動させるように構成されているプロセッサと、
を備えるカテーテル制御システム。
【請求項21】
前記プロセッサは、前記カテーテルロボットを制御して、前の視野への引き
戻しとして、前記軌道に沿って逆方向に前記心腔内エコー検査カテーテルを移動させるように構成されている、
請求項20に記載のカテーテル制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、医療カテーテルのロボット制御に関する。
【背景技術】
【0002】
医療カテーテルの一例として、心腔内エコー検査(intracardiac echocardiography:ICE)カテーテルがあり、これは心臓インターベンション治療や心臓診断手順における画像形成に使用されている。ICEは、外科的処置の間に、解剖学的構造およびツールの忠実なフィードバックを提供することができる。他のカテーテルには、アブレーション、光学イメージング、ガイド、ステント留置、ニードル、または治療が含まれる。
【0003】
ICEカテーテルにおいて、所望の心臓解剖学的視野を得るための操縦および操作を習得するにはかなりの訓練を必要とする。同様に、インターベンショニスト(カテーテル操作者)は、一般的に、処置の全体を通して複数のカテーテル(例えば、治療装置、センサ、およびICE撮像)を操作している。多くのインターベンショニストが、治療中にICE撮像カテーテルを後退させたり停滞させる習慣を採用している。これはICEの可能性を十分に活用していない。生命を脅かす合併症の早期発見は、心臓全体の標準的な視野から観察できる。しかしながら、ICEカテーテルを後退または停滞させることによって、合併症やその他の活動的プロセスを監視するためのICEの能力は自己制限されてしまう。
【0004】
ロボット工学は、操作者を支援することができる。ロボットカテーテルシステムの単純な手動の、ただし遠隔からの操作は、制御するために追加の人が採用されない限り、非ロボット操作と同様の問題を被る可能性がある。ロボットを介した手動操作では、撮像の再現性が低い可能性がある。ロボット工学は、ICEカテーテルのナビゲーションを補助する閉ループ制御のために、カテーテル内の電磁(EM)場センシングに依存することがある。しかし、制御がいつどこでナビゲートするかについては依然としてインターベンショニスト次第である。多くのICEカテーテルには、必要なEMセンサーが搭載されていない。
【発明の概要】
【0005】
はじめに、以下に説明する好ましい実施形態は、カテーテルをロボットで操作するための方法、システム、およびロボットを含む。ロボットカテーテルシステムは、軌道に沿ってナビゲーションを制御する。軌道は、移動を規定し、ユーザの介入が少ないか、あるいは全くない状態で、ロボットカテーテルシステムがカテーテルをナビゲーションすることを可能にする。カテーテルは、操作者がカテーテルにさほど集中しなくてもよいように、停滞や後退を回避または制限して制御される。
【0006】
第1の態様では、撮像カテーテルをロボットで制御するための方法が提供される。患者内におけるカテーテルの移動の軌道が取得される。ロボットカテーテルシステムは、カテーテルを軌道に沿って移動させる。撮像カテーテルが軌道上にある間、撮像カテーテルからの患者の画像が表示される。
【0007】
一実施形態によれば、軌道は、ロボットカテーテルシステムによって、軌道に沿って撮像カテーテルを移動させる操作者から、開始点の入力および終了点の入力を受けつけることによって取得される。その後、操作者がナビゲーションを実行することなく、開始点と終了点との間で、軌道に沿って撮像カテーテルを移動させるためのナビゲーションを繰り返すことができる。
【0008】
別の実施形態では、ロボットカテーテルシステムの操作者による手動制御中に、軌道が記憶される。例えば、軌道は、手動制御中に、モーター位置または撮像カテーテル位置として記憶される。
【0009】
さらに別の実装では、軌道のユーザ指定が受信される。例えば、境界内のウェイポイントのユーザ入力は、グラフィックスユーザインタフェース上で受信される。
【0010】
別の実施態様として、ユーザによるウェイポイントのそれぞれに対するアクティブ化(activation、起動)に応答して、撮像カテーテルが軌道上のウェイポイントに移動される。ウェイポイントの間隔は、操作者によって入力される。さらなる一実施形態では、1つ以上のウェイポイントが、ウェイポイントの他のものから補間される。
【0011】
一実施形態によれば、ロボットカテーテルシステムは、撮像カテーテルを軌道上を複数回移動させる。他の実装では、撮像カテーテルの移動は、操作者の入力に応答して、軌道に沿って逆行または順行することを含む。例えば、移動は、操作者によって指示された視野を有する軌道に沿った点に逆戻りする。
【0012】
一実施形態では、ロボットカテーテルシステムは、心臓の動きと同期してカテーテルを移動させる。
【0013】
別の実施態様として、ユーザは、軌道のライブラリから軌道を選択する。
【0014】
第2の態様では、操縦可能カテーテル用の制御システムが提供される。操縦可能なカテーテルを操作するためのロボットシステムが提供される。メモリは、軌道を格納するように構成され、これに沿ってロボットシステムが操縦可能カテーテルをナビゲートする。プロセッサは、ロボットシステムに、操縦可能カテーテルを、軌道に沿って巻き戻すようにナビゲートさせるように構成されている。
【0015】
一実施形態では、プロセッサは、軌道に沿ってステップで(段階的に)ナビゲーションをさせるように構成されている。ステップサイズは、操作者からの入力によって設定され、各ステップのナビゲーションは、ユーザのアクティブ化に応答して行われる。
【0016】
別の実施形態では、操縦可能カテーテルは、撮像カテーテルであり、ロボットシステムが撮像カテーテルを軌道に沿ってナビゲートするときに、一連の画像(画像シーケンス)が生成される。プロセッサは、ロボットシステムが、シーケンス内の画像の1つに関連付けられた軌道に沿った点まで撮像カテーテルをナビゲートするように構成されている。
【0017】
一実施形態として、プロセッサは、操作者がロボットシステムを制御する際に軌道をメモリに格納するように構成されている。別の実施態様として、境界内のウェイポイントの入力を受信するユーザインタフェースを用いて軌道が作成される場合に、プロセッサは、軌道をメモリ内に記憶するように構成されている。
【0018】
第3の態様では、カテーテル制御システムが提供される。メモリは、命令を記憶するように構成されている。プロセッサは、命令によって、以前に確立された軌道に沿って心腔内エコー検査カテーテルを移動させるように、カテーテルロボットを制御するように構成されている。
【0019】
一実施形態では、プロセッサは、カテーテルロボットを制御して、前の視野(view)への引き戻しとして、心腔内エコー検査カテーテルを軌道に沿って逆方向に移動させるように構成されている。
【0020】
本発明は、以下の請求の範囲によって定義され、この欄のいかなる内容も、これらの請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。ある側面の特徴またはクレームの種類(例えば、方法またはシステム)は、他の側面またはクレームの種類で使用することができる。本発明のさらなる態様及び利点は、好ましい実施形態と関連して以下において説明され、これらを独立して又は組合せてクレーム請求することができる。
【0021】
構成要素及び図面は、必ずしも縮尺通りではなく、その代わりに、本発明の原理を説明することに重点が置かれている。さらに、図面に関し、同一の参照符号は、異なる図全体にわたり対応の部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、一実施形態に係る、軌道に沿ってシャトリング(shuttling)しながらカテーテルをロボット操作する方法のフローチャート図である。
図2図2は、ロボットカテーテルシステムの手動操作による様々な軌道例を示す図である。
図3図3は、境界内のウェイポイントのユーザ入力による軌道例を示す図である。
図4図4は、ロボットカテーテルシステムのシャトル制御のためのシステムの一実施形態のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
ICEまたは他の撮像カテーテルの操作のようなロボットカテーテル操作のために、局所ビューシャトル(local view shuttling)が提供される。撮像カテーテルに3D画像特徴を横断して調査(survey)させるロボット制御入力の軌道が作成され、これは、反復されるか、または、ナビゲーションに使用されてもよい。自動または半自動の操縦プロトコルは、軌道の先験的なモータ構成の知識に基づいて、局所ビューシャトルを提供する。ICE臨床ワークフローのために予め定義された撮像軌道に沿った反復可能な動きを提供するために、ロボット制御履歴が適用される。経路の生成及び/又は運動制御の自動化は、解剖学的構造の調査のために提供される。
【0024】
離散的なコマンドは、(1)その軌道内で前方または後方にステップバイステップで進むか、または、(2)定義された間隔で軌道を自動的に循環するように与えられ得る。補助ロボット制御装置は、手動入力または半自動のいずれかによりICEカテーテルを保持及び/又は能動的に操作し、治療中のインターベンショニストの作業負荷を軽減し、複雑な処置にICEを使用することを可能にする。
【0025】
補助ICEロボット制御装置は、予め定義された撮像軌道に沿った反復移動のための自動化または半自動化を提供する。例えば、医師は通常、ICEを用いて解剖学的構造を調査して、装置がどのように相互作用するか、または、領域上にどのように配置されているかを見る。この調査は、ICEを操作して調査することと、ICEのフィードバックに基づいて装置を調整することと、の間を連続的に行ったり来たりしながら、複数回実行されることがある。最初の調査における動作は、操作者が完全に制御することなく再現され、解剖学的構造および装置展開のハンズフリー繰り返し撮像調査を可能にする。別の例として、医師は治療タスクを実行する前に、停滞させるために好ましい視野を決定するために解剖学的構造を調査する。この調査中に、ユーザは所望の視野を通過することができる。手動制御またはマニュアル制御では、希望の視野に戻るのが難しい場合がある。最適ではない視野で妥協するのではなく、軌道を使用し、好ましい視野まで調査を巻き戻すことができる。さらに別の例として、特定の技術(すなわち、マッピング)を用いて、手順のガイダンス用に心腔の3Dマップを生成する。これらのマッピング技術は、心臓の動きに対するサンプリングレートに応じて、エラーを発生し得る。軌道は、マッピングプロセスをより正確に実行し、心臓の動きをより適切に考慮するために使用される(例えば、心周期と同期した移動と画像のゲーティング、及び/又は心周期に基づく変形補正)。
【0026】
図1は、撮像カテーテル(例えば、ICEカテーテル)などのカテーテルのロボット制御の方法の一実施形態のフローチャート図である。軌道が取得され、ロボットカテーテルシステムのプロセッサベースの制御に使用される。カテーテルは、ループ調査や引き戻しなど、軌道に沿ってナビゲートされる。カテーテルは軌道に沿ってシャトル移動(往復)するため、操作者は処置の他の作業に専念できる。
【0027】
この方法は、図4のシステム及び/又はロボットシステム、あるいは別のシステムによって実施される。プロセッサは、選択を受信し、軌道を取得し、その軌道を用いてカテーテルの移動を引き起こす。ロボットカテーテルシステムは、カテーテルを移動させる。撮像システムは、カテーテル上のアレイまたは他のセンサを使用して、患者の画像を生成して、表示する。
【0028】
追加の、異なる又はより少ない動作を提供することができる。例えば、動作100及び/又は動作130は提供されない。別の例として、カテーテル治療のワークフローのための動作が提供される。さらに別の例では、術前計画のための動作、及び/又は、術前、術中、及び/又は術後画像のための動作、が提供される。別の例として、アブレーション、ステント留置、または別のカテーテル機能のための動作が提供される。
【0029】
動作は、示された順番(上から下、または数順)または異なる順番で実行される。例えば、動作130は、動作120の間に(例えば、同時に、またはリアルタイムで)発生する。
【0030】
動作100では、ユーザインタフェース及び/又はプロセッサが、軌道のライブラリから軌道についてのユーザ選択を受信する。選択は、デフォルト選択が実行されるような場所である、メモリから受け取ることができる。他の供給源及び/又は受信デバイスが設けられてもよい。
【0031】
軌道は、カテーテルの自由度に応じた移動経路である。例えば、カテーテルの長手軸に沿った並進、長手軸周りの回転、前後方向の屈曲、左右方向の屈曲、の4つの自由度が提供される。他の例では、患者中心空間における6つの自由度が提供される。軌道経路は、連続的か、または一連の2つ以上のサンプルまたはポイントである。軌道は始点と終点を有し、その間に1つ、2つ、またはそれ以上のウェイポイントまたはサンプルはない。軌道は、回転、平行移動、ある平面における屈曲、別の平面における屈曲、またはそれらの組み合わせなど、自由度内の任意の動きに関して定義することができる。例えば、軌道は、パスまたは曲線に沿った異なる点またはサンプルにおいて、異なるまたは同一の回転及び/又は曲げを伴う3次元の曲線に沿った並進を有する。直線軌道又は並進のない軌道(例えば、回転及び/又は屈曲のみ)を提供してもよい。
【0032】
軌道のライブラリが提供されてもよい。ライブラリは、1つまたは複数の軌道のセットである。軌道は、様々な目的(例えば、アブレーションモニタリング、ステント留置モニタリング、他の治療モニタリング、マッピング、又は調査)、患者の特性(例えば、心室のサイズ又は形状)、及び/又はカテーテルの特性(例えば、カテーテルの目的、可撓性、自由度、又は長さ)に応じて提供される。ユーザの好みを反映するように、操作者(インターベンショニスト)によって異なる軌道が提供されてもよい。ユーザは、ライブラリから適切な軌道を選択することができる。ユーザインタフェースは、選択用のリストを提供する。あるいは、分岐メニューが提供される(例えば、ユーザ、目的、患者、およびカテーテルを任意の順番で個別に選択する)。軌道を選択するための他のメニューが提供されてもよい。あるいは、デフォルトの軌道が使用される。所与の軌道は、異なる軌道を有するのではなく、患者、ユーザ、及び/又はカテーテルの使用を考慮するために、異なる設定を有することができる。
【0033】
別のアプローチでは、選択は行われない。その代わりに、患者に関するロボットカテーテルシステムの使用は、監視または記録され、軌道が規定される。あるいは、単一の軌道が使用される。
【0034】
一実施形態では、探査段階で軌道tのライブラリSが構築されるか又はアクセスされた後に、ユーザは、シャトリングのステージを開始する。ユーザは、ライブラリ「S」から特定の軌道「t」を識別する。ユーザは、ステップサイズ(例えば、間隔「I」のサイズ(すなわち、サブミリメートルまでの単一ステップサイズ運動のスケール))を示すなど、選択された軌道「t」に対する1つ以上の特性を識別することができる。他の実施態様では、軌道は、ステップまたはインターバルのない連続的なものである。軌道の他の特性を選択または設定してもよい。
【0035】
動作110において、プロセッサ(例えば、ロボットカテーテルシステム制御装置)は、患者内でのカテーテルの移動の軌道を取得する。選択された軌道は、メモリからロードされ、ユーザインタフェースで受信され、及び/又は、モニタリングによって取得される。一般に、軌道は、患者内での使用中のロボットカテーテルシステムの操作、及び/又は、一般的な軌道、ユーザ作成の軌道、及び/又は以前に使用した軌道のロード、に基づいて取得される。
【0036】
現在の患者に対する操作からの取得の場合、軌道は、ロボットカテーテルシステムの操作者による手動制御中に軌道を記憶することによって取得される。例えば、操作者は、ロボットカテーテルシステムを制御してカテーテルを経路上で移動させることにより、患者内の解剖学的構造及び/又は他の装置を調査する。この経路は軌道として記録される。
【0037】
一実施形態では、ユーザは、軌道をより具体的に指示する。ユーザは、前の経路から軌道を切り取ったり(クリップ)、または指定することができる。あるいは、ユーザは、ロボットカテーテルシステムを操作しながら軌道を指定する。例えば、プロセッサは、開始点を指定する入力(例えば、軌道の開始時にカテーテルを使って開始キーをアクティブにする)および終了点の入力(例えば、軌道の終了時にカテーテルを使って終了キーをアクティブにする)を受信する。操作者が、指示された開始点から指示される終了点までカテーテル(例えば、撮像カテーテル)をナビゲートすると、経路に沿ったカテーテルの移動及び/又は位置が監視され、軌道として記録される。軌道は、ロボットカテーテルシステムで操作者が撮像カテーテルを軌道に沿ってナビゲーションすることから形成される。ユーザは、時間的及び/又は位置的にユーザが定義した間隔で経路に沿ったサンプル点として軌道を形成するように、記録のための間隔を指示定することができる。開始、終了、及び/又はインターバルを指定するために、ボタン、グラフィックユーザ入力、及び/又は記録機能のような任意のユーザ入力を使用することができる。
【0038】
一例として、ユーザはICEカテーテルで解剖学的構造領域を調査し、後の時点でこの調査を再現したいと考えている。ICEカテーテルは、心臓の解剖学的構造内のある位置Aから開始する。ユーザは、ソフトウェアアプリケーションを呼び出して、その動作(例えば、カテーテル及び/又はロボットカテーテルシステムの動作など)の記録を開始する。アプリケーションは、現在の位置Aに関連付けられたロボットモータの構成を、軌道の開始点としてラベル付けする。次に、ユーザは、ロボット制御装置に(例えば、ジョイスティックを介して)手動入力を行い、ICEカテーテルを移動させ、関心解剖学的な関心領域を横切って調査する。ユーザがロボット制御装置に与えるそれぞれの入力は記録される。調査が終了すると、ICEカテーテルは新たな点Bで終了し、ユーザは、調査が完了したことを(例えば、ジョイスティック、音声、ボタンなどによって)アプリケーションに入力する。
【0039】
軌道に沿ったカテーテルについてのこの調査または初回の使用は、探査段階である。ユーザは、ユーザインタフェース(例えば、ジョイスティック、キーボード、または音声)を用いてロボットを制御する。ロボットカテーテルシステムは、運動学に基づいて、ロボット構成状態、3DoF(3自由度)の位置、および3DoF(3自由度)の方向を含むトポロジカルグラフを連続的または周期的に構築する。ロボットカテーテルシステムは、このマッピング内で軌道をインデックスする。探査段階では、軌道を保存するために2つの入力を与える。軌道は、追加の分岐のない逐次グラフである。したがって、ユーザは、「開始」および「終了」入力を与えて1つの軌道を保存する。分岐している軌道とこれに対応する入力を使用してもよい。
【0040】
軌道の間隔は、ロボットの仕様(メモリ、モーター分解能など)によって異なる。しかしながら、軌道は、サブミリメートル間隔まで補間方法を用いて拡張できる。軌道はウェイポイントで定義される。補間によって、より小さな間隔で追加のウェイポイントを作成してもよい。
【0041】
その後、軌道は自動または半自動で使用するために保存される。軌道は、後の使用または異なる患者との使用のために、一組の軌道内の1つの軌道として指標化されてもよい。トラジェクトリーがライブラリに追加される。または、現在の患者に軌道を使用する。
【0042】
作成及び/又は使用された軌道は、モーター位置及び/又は撮像カテーテル位置を示す。運動学的情報または他の情報を使用して、ロボットカテーテルシステムのモータ位置は、カテーテルの実空間位置または患者中心位置に関連づけられる。軌道は空間または別の領域のいずれかで定義される。
【0043】
図2は、カテーテルによって取得またはナビゲーション可能ないくつかの経路200を示す。図は、簡略化のために2次元であるが、経路200は3次元である。経路200の異なる分岐に沿った、3つの異なる可能なまたは使用される軌道202、204、および206が示されている。軌道202、204、および206は、開始点(三角形)および終了点(正方形)で指定されている。開始点と終了点の間には、任意の数の点(円)を取得することができる。点の間隔は距離で定義される。経路202は、1mm等のより小さな間隔を有する。経路204は、5mmの間隔を有する。経路206は、10mmの間隔を有する。他の間隔を用いてもよいし、連続軌道を用いてもよい。
【0044】
軌道は、各点で矢印で表されるビューベクトルを含む。各位置における回転及び/又は屈曲は、軌道を形成するために、ビューベクトルの代わりに、またはビューベクトルとともに使用することができる。
【0045】
他の実施形態では、取得された軌道は、少なくとも軌道の一部について、カテーテルの調査または位置を記録することなく作成されたものである。プロセッサは、ユーザインタフェース上で、軌道のユーザ指定を受信する。ユーザは、開始点または初期点、および、終了点または最終点を含むウェイポイントを入力する。3次元レンダリングを使用して、ユーザは、ユーザインタフェース(例えば、ディスプレイ)上で、シミュレートまたはモデル化されたような、3次元空間におけるウェイポイントを入力する。
【0046】
1つのアプローチにおいて、患者の解剖学的構造の表現が表示される。この表現は境界を含む。境界は、心臓壁などの解剖学的境界、ロボットカテーテルシステムの動作領域の制限、またはその両方の組み合わせであってもよい。ユーザは、境界内のウェイポイントを入力する。ウェイポイントの順序は、入力の順序などによって示される。グラフィックスユーザインタフェースへの入力により、ユーザは軌道を作成する。軌道は、事前計画の一部として、及び/又は、手順中に作成されてもよい。あるいは、軌道は、特定の患者を参照することなく作成される。軌道は、入力されたウェイポイントを使用した始点から終点までの可能な安全経路として、ユーザインタフェース上に作成される。
【0047】
一実施形態では、解剖学的構造は能動的にマッピングされる。撮像用カテーテルは、心室などの解剖学的構造を撮像する。その後、このマッピングに関連して軌道が作成または定義される。マップは、ユーザに対して6自由度(DOF)(3dof位置、3dof方向)である。図3は、ロボットカテーテルシステムの制御下で撮像カテーテルを使用して取得された画像を備えたロボットカテーテルシステムからの運動学が、境界302または到達可能領域を定義する例を示す。ユーザは、視覚化マップ(すなわち、ユーザインタフェース)上の「開始」位置と「終了」位置を選んで軌道300を定義する。次に、ユーザの入力の前のトレースによって構築された、境界運動学(bounded kinematics)内の入力に基づいて、ウェイポイントが6DOFで補間される。基本概念は、運動学を用いてロボット構成の3次元境界302上に3次元凸包を構築することである。ユーザは、追加のウェイポイントを追加することができる。「開始」と「終了」の間に新しい軌道が作成される。これは、シャトリング動作のための新しい軌道としてラベル付けすることができる。
【0048】
軌道は、ランドマーク、位置検知(例えば、電磁位置検知またはX線撮像)、またはカテーテルからの撮像を使用して、患者に位置合わせされてもよい。あるいは、この軌道は、患者を調査または監視するために、カテーテルの使用及び/又はロボットカテーテルシステムの動作を監視して取得されるため、その使用に基づく位置合わせが行われる。
【0049】
図1の動作120では、プロセッサがカテーテルを移動させる。プロセッサは、ロボット式カテーテルシステムを制御してカテーテルを移動させる。例えば、プロセッサは、カテーテルの一部が患者内にある間に、ロボットカテーテルシステムにカテーテルを平行移動、回転、及び/又は屈曲させる。
【0050】
移動は、軌道に沿って行われる。軌道は、平行移動、回転、及び/又は屈曲を定義する。プロセッサは、ロボットカテーテルシステムにカテーテルを平行移動、回転、及び/又は屈曲させて、カテーテルを軌道に沿って移動させる。
【0051】
移動は自動または半自動である。ユーザは、選択された軌道に沿って自動的に追従する(例えば、連続的にループする)ようにロボットカテーテルシステムを設定することも、あるいは、段階的に半自動的に移動することによって、より多くの詳細制御を行うこともできる(例えば、一度に1回ボタンを押すか、またはアクティブ化させることにより、ロボットカテーテルシステムは、カテーテルを軌道の次のウェイポイントにまたは軌道の次の間隔(インターバル)を移動させる)。各アクティブ化の後、ロボットカテーテルシステムは、軌道に沿ったウェイポイント又は間隔で移動を一時停止する。
【0052】
一実施形態では、プロセッサは、ロボットカテーテルシステムに、撮像カテーテルの移動を軌道上で複数回繰り返しさせる。撮像カテーテルを使用する定期的または連続的なモニタリングのために、終端から始端への往復、およびその逆が行われる。開始点と終了点の間の軌道に沿った撮像カテーテルのナビゲーションは、操作者がナビゲーションを行うことなく実行される。ユーザは、ループを開始したり、作動したりすることができるが、ロボットカテーテルシステムは、ウェイポイントでの休止の有無に関わらず、ユーザによるさらなる入力や制御なしに、軌道に沿ってカテーテルをナビゲートする。
【0053】
医師は通常、ICEを使って解剖学的構造を調査し、デバイスがどのように相互作用するか、または、領域上にどのように配置されているかを見る。この調査は、医師が、ICEを操作して調査することと、ICEのフィードバックに基づいて観察された装置を調整すること、との間を連続的に行ったり来たりしながら、複数回実施されることがある。軌道に沿ってロボットカテーテルシステムを用いて最初の調査の動作を再現することにより、解剖学的および装置展開のハンズフリー繰り返し撮像測量が提供される。ユーザは、画像や他の装置の制御により集中することができる。この解剖学的調査は、運動形態のこの軌道内を走査することで再現される。
【0054】
可能であれば、ロボットカテーテルシステムは、患者内の任意の位置から、カテーテルを軌道の開始点又は終了点に移動させることができる。例えば、オープンループ制御を使用して、定義された位置に移動させる。その後、この軌道を、カテーテルの制御に使用することができる。初期化に続いて、カテーテルは自動的に軌道に移動し、次いで、ロボットカテーテルシステムが、この軌道に沿ってカテーテルを移動(シャトル)することを可能にする。あるいは、ユーザが、ロボットカテーテルシステムに、そのカテーテルを軌道に沿って(例えば、端点のうちの1つに)位置決めさせ、次に、その軌道に沿って移動させる。
【0055】
ICEカテーテルの手動制御は、手間であり、インターベンショニストがICE撮像を制御するために治療や装置のカテーテルの取り扱いを停止しなければならないことを考えると、時間がかかる可能性がある。ユーザは、事前のステップのトレースまたは経路に基づいて、関心のある軌道のライブラリを手動で構築することができる。次に、ユーザは、軌道に沿ったプロセッサベースの制御により、少ない相互作用で、これらの軌道に沿った視野または調査を自動的に再現できる。
【0056】
ユーザは、軌道で使用される間隔を、設定または変更することができる。軌道が連続している場合、ロボットカテーテルシステムは、カテーテルを連続的に移動させる。ウェイポイントが含まれる場合、ロボットカテーテルシステムは、ウェイポイントを連続的に移動するか、または、各ウェイポイントもしくは指定されたウェイポイントで一時停止する。間隔は、ステップサイズを変更することで調整できる。指定された軌道の細かいステップ(例えば、AからBへステップサイズnで移動することで、mステップサイズの軌道が与えられる、ここでn<mである)を生成するために、補間を実施してもよい。その後、ユーザは、ロボットを初期化して、停止コマンドが与えられるまでこの軌道を連続的にループさせることができる。
【0057】
他の実施形態では、移動は段階的に実行される。ロボットカテーテルシステムは、カテーテルを軌道に沿ったウェイポイントに段階的に移動させる。各ウェイポイントでは、さらに移動が起動されるか、(心臓の動きに基づいて)トリガーが発生するか、及び/又は設定された周期が経過するまで一時停止する。ウェイポイント間の距離は、軌道の一部であり、及び/又はユーザが設定することができる。例えば、ユーザは、軌道に沿ったウェイポイント間の距離について、1、2、5、10、または他のミリメートル数を入力する。ユーザがICE調査中に視野の微妙な変化を見ることができるように、サブミリメートルの移動を含めてもよい。ユーザは、軌道のステップを微調整することで、ユーザが希望する視野、または欠落した視野を容易に見つけることができるようにする。ステップサイズまたは間隔を小さく設定することで、視野の粗さや大きなジャンプを回避または制限することができる。代替的に、ウェイポイントは、軌道に沿って異なる間隔を有し、例えば、ユーザは、解剖学的構造または他の装置の位置に基づいてウェイポイントを割り当てる。
【0058】
ユーザによるアクティブ化(例えば、ユーザが矢印または他のボタンを押す)に応答してウェイポイント間を移動することによって、所望の視野を見つけることができる。たとえば、より正確なICE視野を見出だすことができる。ロボット制御装置又はプロセッサは、ユーザがカテーテルを手動で制御して所望の視野に向かって操舵しようとするのではなく、ウェイポイント又は軌道に沿ってインクリメント(段階的に増加)することによって所望の視野を見つけることができる。あるアプローチでは、操作者は、軌道に沿って撮像された一連の画像を見て、所望の視野を選択する。その後、プロセッサがロボットカテーテルシステムを制御して、所望の視野でさらなる画像を生成するために、その視野を撮像するために使用される位置(並進、回転、および屈曲)まで、軌道に沿って移動する。この視野のシャトリング(往復)により、ユーザは、治療デリバリまたは他のカテーテル操作のために必要とされる最適な撮像視野を達成するようにインクリメントを繰り返すことができる。
【0059】
このシャトリングにより、軌道に沿って反転(終点から始点方向)または進行(始点から終点方向)することができる。操作者の入力に応答して、プロセッサは、ロボットカテーテルシステムに、カテーテルを軌道に沿って移動させる。操作者は、操作者によって指示された視野を有する軌道に沿った点にまで後退することができる。ユーザは、その軌道内で前進または後退することができ、指定された軌道に沿ってロボットの現在の状態をインクリメントまたはデクリメントする。例えば、医師は、治療タスクを実行する前に、ICEカテーテルを停留させるのに好ましい視野を決定するために、ロボットカテーテルシステムを手動で制御することによって解剖学的構造を調査する。この調査中に、ユーザは理想的な視野を通過し、手動でその視野に戻すことができなくなる場合がある。最終的には最適でない視野に妥協する。その代わりに、調査の経路が軌道として特定または作成される。次いで、ユーザは、所望の視野を再び見つけるための半自動操作のために、逆方向など、軌道に沿ってインクリメントすることができ、及び/又は、ロボットカテーテルシステムが自動的に撮像カテーテルを視野のための位置に戻すように、画像から所望の視野を選択することができる。いずれの場合も、プロセッサは、即座に再生するために、好ましい視野にまで調査を戻す。
【0060】
別のアプローチでは、プロセッサは、ロボットカテーテルシステムに、心臓の動きと同期してカテーテルを移動させる。ECGまたは画像処理を使用して、心周期またはトレースがプロセッサまたはトリガ装置に入力される。ロボットカテーテルシステムは、心周期の特定の点または部分においてカテーテルを移動させ、及び/又は心周期の特定の点または部分において撮像または治療のためにカテーテルを移動させる。例えば、特定の技術(例えば、マッピング)を用いて、手技ガイダンスのために心室の3Dマップを生成する。これらのマッピング技術は、心臓の動きと比較して、サンプリングレートに依存する誤差を有し得る。ロボットカテーテルシステムは、心臓の動きを考慮しながら、マッピングにおける間隔(インターバル)またはウェイポイントを通過(step through)する。撮像は、軌道に沿った撮像の間に心周期にゲーティングされ、及び/又は変形補正が、変形の量及び/又は形状が心周期および軌道に沿った位置に基づいている撮像またはマッピングに適用される。
【0061】
移動に関して、プロセッサが、ロボットカテーテルシステムのモーターを制御する。ロボットカテーテルシステムは、モータの作動によってカテーテルを操作する。この動作は、操縦(例えば、1つ以上の平面での屈曲)、グローバル回転(例えば、ハンドルおよび対応するカテーテルの回転)、グローバル並進(例えば、カテーテルを患者からさらに引き出したり、患者内にさらに押し込んだりする)、撮像、アブレーション、穿刺、膨張、縫合、クランプ、切断、薬剤堆積、ステント拡張、バルーン膨張、ステント解放、及び/又は別の動作を含むことができる。ロボットは、プロセッサの制御下で、カテーテルを操作する。同様に、ロボットカテーテルシステムのユーザインタフェース(例えば、表示装置および入力装置)は、ロボットカテーテルシステムの手動制御を提供する。プロセッサは、ユーザインタフェースの入力を受信し及び/又は出力を生成し、モーターに制御を提供することができる。プロセッサは、自動操作または半自動操作のためのプログラミングに基づいて、モータのための制御を生成することができる。
【0062】
動作130において、ディスプレイは、撮像カテーテルからの1つ以上の画像を表示する。ICEの場合、画像は超音波である。光学カメラ付きの内視鏡またはカテーテルの場合、画像は光学式である。画像は、センサ(例えば、トランスデューサアレイ)が軌道に沿って配置されている間の解剖学的構造及び/又は他の装置の画像である。ある位置からの、または軌道に沿った異なる位置からの、一連の画像を生成することができる。
【0063】
非撮像カテーテルの場合、カテーテルは、治療(例えば、アブレーション、ステント留置、縫合、切断、製薬塗布、またはその他)または補助(例えば、クランプ、組織移動、またはその他)を適用するために使用される。
【0064】
図4は、カテーテル制御システムの一実施形態のブロック図である。ロボットカテーテルシステム400を使用する制御システムが、操縦可能なカテーテル450用に提供される。制御システムは、ロボットカテーテルシステム400によるカテーテル450の自動または半自動移動のための軌道を使用し、ユーザが、カテーテル450のナビゲーションよりも、自由に撮像情報及び/又は他の操作に集中することを可能にする。
【0065】
制御システムは、ベース440およびアダプタ442によって形成されたロボットカテーテルシステム400を備える。プロセッサ410、メモリ420、及び/又はディスプレイ430は、別個のコンピュータ、ワークステーション、又はサーバの一部であり、及び/又はロボットカテーテルシステム400の一部である。追加の、異なる、またはより少ない構成要素が提供されてもよい。例えば、ベース440およびアダプタ442は、カテーテル450を操作するためのモータおよびクランプのための1つのハウジングとなるように組み合わされる。
【0066】
ロボットカテーテルシステム400は、カテーテル450をロボット制御するように構成されている。本明細書で使用される一例において、ロボットカテーテルシステム400は、ICEカテーテル450を制御するように構成されている。アブレーションカテーテルまたは別の撮像カテーテルの制御など、他の種類の操縦可能カテーテルを使用してもよい。他のカテーテル状装置(例えば、光ファイバ内視鏡またはニードル)を制御してもよい。これらの異なるカテーテルは、制御ノブ、ステアリング、自由度、及び/又は操作が同一または異なる構成を有することができるので、ロボットカテーテルシステム400は、使用されるカテーテル450の構成を操作または制御するように構成される。異なるカテーテルシステムは、異なるタイプのカテーテルで動作するように構成することができ、他のタイプでは動作しないように構成されてもよい。
【0067】
ロボットカテーテルシステム400のあらゆる種類またはデザインのものを使用することができる。本明細書の例では、ロボットカテーテルシステム400は、ベース440とアダプタ442とを備える。ベース440は、カテーテル450を操縦及び/又は操作するためのモーターを含み、アダプタ442は、カテーテル450と嵌合し、カテーテル450を保持、及び/又は操作するように構成されている。例えば、アダプタ442によって、ロボットカテーテルシステム400は、医師が手動で制御するように設計された操縦可能なICEカテーテル450を操作することができる。米国特許第11,590号、319号は、そのようなロボットカテーテルシステムの様々な実施形態を開示し、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。ロボット用に特別に設計されたカテーテルをロボット制御するように設計されたロボットカテーテルシステム、またはロボットと嵌合しロボットによって制御されるように設計されたロボットカテーテルシステムなど、他の設計も使用可能である(例えば、アダプタ442なし)。
【0068】
ベース440は、操縦可能なカテーテル450を任意の数の自由度で、例えば4自由度以上の(例えば、グローバル並進、グローバル回転、および2以上の方向または平面におけるカテーテル450の曲げまたは操縦)等で操作するためのモーターを含む。歯車、モータ、グリッパ(クランプ)、コネクタ、及び/又は他のロボット部品が、カテーテル450を操作する力を発生させ、伝達させるために、ベース440に備えられる。ロボットカテーテルシステム400は、押圧力及び/又は引張力を操縦ワイヤ456、458(例えば、カテーテル450ごとに3本または4本のステアリングワイヤ)に加えて、カテーテル450を操作する。先端は、カテーテル操作のために操縦される。電気信号、並進力、及び/又は回転力は、ベース440内に発生させることができる。カテーテル450のハンドル等を介して、グローバル並進及び/又は回転力を同様に加えることができる。
【0069】
アダプタ442は、ベース440に接続または差し込み接続し、カテーテル450を操作する。一実施形態では、アダプタ442は、クランプシェルまたは、ハウジング、ギア、コネクタ、クランプ、及び/又は他のロボット部品の他の構成であり、ベース440からカテーテル450に力を伝達して、カテーテル450を操縦及び/又は他の方法で操作する。一手法では、アダプタ442は、カテーテル450のアクチュエーター(例えば、ノブ)、例えばICEカテーテルのAP/LRノブ、及び/又はカテーテル450のハンドル(例えば、アブレーションカテーテルのプッシュプルノブなど)を操作することを可能にするために、カテーテル450のハンドル及び/又は本体の周りに適合する。他の自由度(例えば、2、3、4またはそれ以上)をサポートする他のアダプタ442を、ニードルカテーテルまたはアブレーションカテーテルの制御用などに使用してもよい。
【0070】
操縦可能カテーテル450がICEカテーテルである場合、ロボットカテーテルシステム400は、撮像を含むICEカテーテルを制御するように構成することができる。素子のアレイ452は、超音波画像を生成するためのビーム成形を通じて制御される。視野454、撮像の種類、及び/又は他の撮像制御が提供されてもよい。操縦可能カテーテル450がアブレーションまたは他の治療カテーテルである場合、ロボットカテーテルシステム400は、アブレーションカテーテルまたは治療カテーテルを制御するように構成することができる。例えば、接触感知及び/又は電極または別のアブレーションアプリケータを制御して、アブレーションまたは治療を行う。アブレーション制御は、ロボットカテーテルシステム400及び/又はプロセッサ410によって実行されてもよい。
【0071】
メモリ420は、取り外し可能な記憶媒体、ランダム・アクセス・メモリ、リード・オンリー・メモリ、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイのメモリ、キャッシュ、及び/又は他のメモリなどの非一時的メモリである。メモリ420は、プロセッサ410等のプロセッサによって構成され、軌道、画像、ウェイポイント、制御信号、情報、制御ソフトウェア、プロセッサ410によって実行可能な命令、ロボットカテーテルシステム400によって実行可能な命令、インターフェースソフトウェア、及び/又は他の情報を記憶するように構成される。一実施形態では、メモリ420は、開始位置A、終了位置B、および軌道の作成中に記録された介在位置を含む経路に沿った異なる位置におけるモータ構成のシーケンスとして軌道を記憶する。軌道のライブラリが格納されていてもよい。
【0072】
ディスプレイ/ユーザインタフェース430は、液晶ディスプレイまたはモニタなどの表示画面、およびキーボード、ノブ、スライダ、タッチパッド、マウス、及び/又はトラックパッドなどのユーザ入力である。ディスプレイ/ユーザインタフェース430は、ユーザの対話(選択、アクティブ化、及び/又は出力)のために、オペレーティングシステムまたはアプリケーションからのアイコン、グラフィックス、または他の画像等を含むことができる。
【0073】
プロセッサ410は、一般的なプロセッサ、特定用途向け集積回路、集積回路、デジタル信号プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、人工知能プロセッサ、テンソルプロセッサ、及び/又はロボットカテーテルシステム400、ユーザインタフェース/ディスプレイ430、及び/又はカテーテル450と連動又は制御するための別の制御装置である。プロセッサ410は、設計、ハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアによって構成されて、ユーザとロボットカテーテルシステム400との間をインターフェースし、及び/又はロボットカテーテルシステム400を制御する。プロセッサ410として、順次及び/又は並列処理のために複数のプロセッサを使用することができる。メモリ420からの命令は、プロセッサ410によって実行されるとき、プロセッサ410に、ロボットカテーテルシステム400及び/又は操縦可能カテーテル450を動作させ、様々な構成要素間及び/又はユーザまたは操作者との間のインターフェースをとらせる。
【0074】
プロセッサ410は、ロボットカテーテルシステム400と同じ部屋にある。例えば、コンピュータ又はワークステーションは、ロボットカテーテルシステム400と相互作用するために、有線で又は無線で接続される。一実施形態では、プロセッサ410は、ロボットカテーテルシステム400のプロセッサである。あるいは、プロセッサ410は、同じ建物、異なる建物、異なる施設、または異なる領域の部屋など、ロボットカテーテルシステム400とは異なる部屋にある。コンピュータネットワーク通信は、プロセッサ410とロボットカテーテルシステム400との間で使用される。ロボットカテーテルシステム400のためのプロセッサ410を介した制御により、プロセッサ410がカテーテル450をロボットで操作するために提供するため、プロセッサ410は、処置、患者、及び/又はロボットカテーテルシステム400から完全に離れることが可能になる。
【0075】
軌道はメモリ420に記憶される。操作者がロボットシステム400を制御して、カテーテル450を移動させ、及び/又は、ユーザインタフェース430がウェイポイントを入力すると、軌道が作成され、メモリ420に記憶される。軌道は、ロボットシステム400の手動操作を追跡または記憶することによって、解剖学的構造のモデルにおける軌道設計(例えば、調査から患者の境界内のウェイポイントの入力を受信するユーザインタフェースによって作成される)、及び/又は別のプロセスによって作成される。
【0076】
プロセッサ410は、ロボットシステム400に、軌道を使用して、操縦可能なカテーテル450をナビゲートさせるように構成されている。軌道は、ロボットシステム400がカテーテル450をナビゲートする経路及び/又は点を定義する。
【0077】
一実施形態では、プロセッサ410は、ロボットシステム400がカテーテル450を軌道に沿って引き戻し動作するように構成されている。例えば、ロボットシステム400(カテーテルロボット)は、ICEカテーテル450を、患者のために以前に確立された軌道に沿って、以前に使用された場所まで移動させる。
【0078】
あるアプローチでは、軌道に沿った移動または引き起こされたナビゲーションは、ステップ単位で実行される。ステップサイズは、軌道内のウェイポイント、及び/又は操作の確立または入力間隔(例えば、1、5、または10mm)に基づく。ロボットシステム400は、プロセッサ410の制御下で、トリガに応答してカテーテル450に次のステップを移動させる。トリガは、心周期、呼吸サイクル、画像内の識別または検出、別の装置の追跡、及び/又はユーザのアクティブ化に由来するものである。例えば、ユーザが戻りの矢印を押すと、引き戻しにおける終点から始点の方向への軌道に沿って1ステップずつインクリメントする。前進の矢印を押すと、始点から終点の方向への軌道に沿って、1ステップずつ進行する。引き戻しでは、カテーテル450は軌道に沿って逆方向に移動する。引き戻しは、軌道に沿った一連の画像から、関心があるとして選択された以前の視野への引き戻しのように、一ステップずつ及び/又は所望の視野まで、とすることができる。ロボットシステム400が撮像カテーテル450を軌道に沿ってナビゲートする際に画像シーケンスが生成される場合、プロセッサ410は、ロボットシステム400に撮像カテーテル450をシーケンス内の画像の1つに関連する軌道に沿った地点までナビゲートさせるように構成されている。
【0079】
別の実施態様では、プロセッサ410は、一時停止の有無にかかわらず、軌道の一部または全部に沿ってカテーテル450を移動させるように構成されている。移動と、軌道からの撮像と、が繰り返される。軌道に沿って前後にループするなど、複数の反復が提供されてもよい。別のアプローチでは、ロボットシステム400は、カテーテル450を軌道の終端から、軌道とは異なる経路に沿って始点に移動させる。
【0080】
さらに別の実施態様において、プロセッサ410は、心臓、呼吸、または他の生理学的サイクルに同期してカテーテル450の移動を引き起こすように構成されている。例えば、ECG信号または他の周期的信号を受信または作成する。プロセッサ410は、周期的信号を受信するか、または使用して、移動を制御する。動きは、周期のある部分で起こり、他では起こらない。これに代えて、またはこれに加えて、プロセッサ410は、周期に基づいて、ロボットシステム400によるカテーテルの動作(例えば、ゲーティング撮像)を制御する。
【0081】
本発明を種々の実施形態を参照して上述したが、本発明の範囲から逸脱することなく、多くの変更及び改造を実施できることは理解されるべきである。したがって、上記詳細な説明は、本発明を限定するものではなく例示として解されるものであり、本発明の精神及び範囲を定めるのは、全ての均等物を含む特許請求の範囲の記載に基づくものであることは理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】