(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161348
(43)【公開日】2024-11-19
(54)【発明の名称】腔内圧を制御するための流体管理システム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 1/015 20060101AFI20241112BHJP
A61B 1/12 20060101ALI20241112BHJP
A61B 1/045 20060101ALI20241112BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20241112BHJP
A61M 5/142 20060101ALN20241112BHJP
【FI】
A61B1/015 513
A61B1/12 521
A61B1/045 640
A61B1/00 550
A61M5/142 530
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024109609
(22)【出願日】2024-07-08
(62)【分割の表示】P 2022544757の分割
【原出願日】2020-12-17
(31)【優先権主張番号】62/967,806
(32)【優先日】2020-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】ファニング リー
(72)【発明者】
【氏名】バーン ポール
(72)【発明者】
【氏名】ラウニヤール ニラジ プラサド
(72)【発明者】
【氏名】ギレンホール エヴァン
(72)【発明者】
【氏名】シャー ヴィヴェク
(72)【発明者】
【氏名】カタール ニシャント
(72)【発明者】
【氏名】スミス ノエル
(57)【要約】
【課題】流体管理システムを提供する。
【解決手段】システムは、ある流量で流体供給源から患者内の治療部位まで流体をポンピングするように構成された流入ポンプと、流量制御モードにおいてターゲット流量で作動するように構成されたコントローラとを含むことができる。流量制御モードでは、コントローラは、圧力センサからコントローラに通信される測定圧力をモニタしながらターゲット流量を維持するように構成することができる。測定圧力が事前設定圧力閾値に達した時に、コントローラは、流量制御モードからコントローラが流量をターゲット流量よりも下に自動的に低減して測定圧力を事前設定圧力閾値に又はそれよりも下に戻す圧力優先モードに自動的に切り換わるように構成することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体管理システムであって、
ある流量で流体供給源から患者内の治療部位まで流体をポンピングするように構成された流入ポンプと、
流量制御モードにおいてターゲット流量で作動するように構成されたコントローラと、
を備え、
前記流量制御モードでは、前記コントローラは、圧力センサから該コントローラに通信される測定圧力をモニタしながら前記ターゲット流量を維持するように構成され、
前記測定圧力が事前設定圧力閾値に達した時に、前記コントローラは、前記流量制御モードから、該コントローラが前記流量を前記ターゲット流量よりも下に自動的に低減して該測定圧力を該事前設定圧力閾値に又はそれよりも下に戻す圧力優先モードに自動的に切り換わるように構成されている、流体管理システム。
【請求項2】
前記コントローラは、前記測定圧力が前記事前設定圧力閾値よりも下に低下した時に前記圧力優先モードから前記流量制御モードに切り換わって戻るように構成されている、請求項1に記載の流体管理システム。
【請求項3】
前記コントローラは、前記測定圧力が前記事前設定圧力閾値よりも下に低下した時にユーザが前記流量制御モードに切り換えて戻すことを望むかを尋ねるプロンプトをディスプレイ上に表示するように構成されている、請求項2に記載の流体管理システム。
【請求項4】
前記コントローラは、前記測定圧力が前記事前設定圧力閾値よりも下に低下した時にディスプレイ上に通知を表示して前記圧力優先モードから前記流量制御モードに自動的に切り換わって戻るように構成されている、請求項2に記載の流体管理システム。
【請求項5】
前記コントローラは、前記測定圧力が前記事前設定圧力閾値よりも下に低下した時に前記圧力優先モードから調節流量制御モードに切り換わるように構成されている、請求項1に記載の流体管理システム。
【請求項6】
前記コントローラは、前記調節流量制御モードにある時に前記圧力優先モードの低減した流量で作動するように構成されている、請求項5に記載の流体管理システム。
【請求項7】
前記コントローラは、前記測定圧力が前記事前設定圧力閾値よりも下に低下した時にユーザが前記調節流量制御モードに切り換えることを望むかを尋ねるプロンプトをディスプレイ上に表示するように構成されている、請求項5に記載の流体管理システム。
【請求項8】
前記コントローラは、前記測定圧力が前記事前設定圧力閾値よりも下に低下した時にディスプレイ上に通知を表示して前記圧力優先モードから前記調節流量制御モードに自動的に切り換わるように構成されている、請求項5に記載の流体管理システム。
【請求項9】
前記測定圧力は、前記治療部位内で測定された腔内圧であり、前記事前設定圧力閾値は、腔内圧限界値である、請求項1~8のいずれか1項に記載の流体管理システム。
【請求項10】
前記測定圧力は、流体管理システム内で測定されたシステム圧力であり、前記事前設定圧力閾値は、システム圧力限界値である、請求項1~8のいずれか1項に記載の流体管理システム。
【請求項11】
流体管理システムであって、
ある流量で流体供給源から患者内の治療部位まで流体をポンピングするように構成された流入ポンプと、
流量制御モードにおいてターゲット流量で作動するように構成されたコントローラと、
を備え、
前記流量制御モードでは、前記コントローラは、圧力センサから該コントローラに通信される測定圧力をモニタしながら前記ターゲット流量を維持するように構成され、
前記測定圧力が事前設定圧力閾値に達した時に、前記コントローラは、前記流量制御モードから、該コントローラが前記流量を前記ターゲット流量よりも下に自動的に低減して該測定圧力を該事前設定圧力閾値に又はそれよりも下に戻す圧力優先モードに自動的に切り換わるように構成され、
前記コントローラは、前記測定圧力が前記事前設定圧力閾値よりも下に低下した時にユーザが前記圧力優先モードを解除することを望むかを尋ねるプロンプトをディスプレイ上に表示するように構成されている、流体管理システム。
【請求項12】
前記コントローラは、前記測定圧力が前記事前設定圧力閾値よりも下に低下した時に前記圧力優先モードから前記流量制御モードに切り換わって戻るように構成されている、請求項11に記載の流体管理システム。
【請求項13】
前記コントローラは、前記測定圧力が前記事前設定圧力閾値よりも下に低下した時に前記圧力優先モードから調節流量制御モードに切り換わるように構成されている、請求項11に記載の流体管理システム。
【請求項14】
前記プロンプトは、前記ユーザが前記流量制御モードに又は調節流量制御モードに切り換えて戻すことを望むかを尋ねる、請求項11に記載の流体管理システム。
【請求項15】
ある流量で流体供給源から患者内の治療部位まで流体をポンピングするように構成された流入ポンプと流量制御モードにおいてターゲット流量で作動するように構成されたコントローラとを備える流体管理システム内の流体流れを制御する方法であって、
前記ターゲット流量と事前設定圧力閾値とを含むパラメータを前記コントローラ内に設定する段階と、
圧力センサから前記コントローラに通信される測定圧力をモニタしながら前記ターゲット流量を維持する前記流量制御モードで該コントローラを作動させる段階と、
前記測定圧力が前記事前設定圧力閾値に達した時に、前記コントローラを前記流量制御モードから、該コントローラが流量を前記ターゲット流量よりも下に自動的に低減して該測定圧力を該事前設定圧力閾値に又はそれよりも下に戻す圧力優先モードに自動的に切り換える段階と、
前記測定圧力が前記事前設定圧力閾値よりも下に低下した時にユーザが前記圧力優先モードを解除することを望むかを尋ねるプロンプトをディスプレイ上に表示する段階と、
を備えることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
本出願は、引用によって本明細書にその開示が組み込まれている2020年1月30日出願の米国仮特許出願第62/967,806号の利益及びそれに対する優先権を主張するものである。
【0002】
本発明の開示は、流体管理システムに関する。より具体的には、本発明の開示は、腔内圧を制御する流体管理システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
軟性尿管鏡検査(fURS)、婦人科、及び他の内視鏡手順は、いくつかの理由から流体の循環を必要とする。今日の外科医は、例えば、流体バッグを吊り下げて重力を用いて流体を送出すること、シリンジに流体を充填して手動でそれを注入すること、又は蠕動ポンプを用いて流体管理システムを通じて固定圧力又は流量でリザーバから流体を送出することによるような様々な方法で流体を送出する。流体管理システムは、流体がリザーバから送出される時の流量及び/又は圧力を以下に限定されるものではないが内視鏡及び/又は流体管理システムのような手順デバイスから収集されたデータに基づいて調節することができる。公知の医療デバイス、システム、及び方法のものでは、各々が、ある一定の利点と欠点を有する。代替医療デバイス及び流体送出システムを提供する継続的な必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2018/0361055号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一例では、流体管理システムは、ある流量で流体供給源から患者内の治療部位まで流体をポンピングするように構成された流入ポンプと、流量制御モードにおいてターゲット流量で作動するように構成されたコントローラとを備えることができる。流量制御モードでは、コントローラは、圧力センサからコントローラに通信される測定圧力をモニタしながらターゲット流量を維持するように構成することができる。測定圧力が事前設定圧力閾値に達した時に、コントローラは、流量制御モードからコントローラが測定圧力を事前設定圧力閾値に又はそれよりも下に戻すために流量をターゲット流量よりも下に自動的に低減する圧力優先モードに自動的に切り換わるように構成することができる。
【0006】
本明細書に開示するいずれかの例に加えて又はその代わりに、コントローラは、測定圧力が事前設定圧力閾値よりも下に低下した時に圧力優先モードから流量制御モードに切り換わって戻るように構成される。
【0007】
本明細書に開示するいずれかの例に加えて又はその代わりに、コントローラは、測定圧力が事前設定圧力閾値よりも下に低下した時にユーザが流量制御モードに切り換えて戻すことを望むかを尋ねるプロンプトをディスプレイ上に表示するように構成される。
【0008】
本明細書に開示するいずれかの例に加えて又はその代わりに、コントローラは、測定圧力が事前設定圧力閾値よりも下に低下した時にディスプレイ上に通知を表示して圧力優先モードから流量制御モードに自動的に切り換わって戻るように構成される。
【0009】
本明細書に開示するいずれかの例に加えて又はその代わりに、コントローラは、測定圧力が事前設定圧力閾値よりも下に低下した時に圧力優先モードから調節流量制御モードに切り換わるように構成される。
【0010】
本明細書に開示するいずれかの例に加えて又はその代わりに、コントローラは、調節流量制御モードにある時に圧力優先モードの低減した流量で作動するように構成される。
【0011】
本明細書に開示するいずれかの例に加えて又はその代わりに、コントローラは、測定圧力が事前設定圧力閾値よりも下に低下した時にユーザが調節流量制御モードに切り換えることを望むかを尋ねるプロンプトをディスプレイ上に表示するように構成される。
【0012】
本明細書に開示するいずれかの例に加えて又はその代わりに、コントローラは、測定圧力が事前設定圧力閾値よりも下に低下した時にディスプレイ上に通知を表示して圧力優先モードから調節流量制御モードに自動的に切り換わるように構成される。
【0013】
本明細書に開示するいずれかの例に加えて又はその代わりに、測定圧力は、治療部位内で測定された腔内圧である。
【0014】
本明細書に開示するいずれかの例に加えて又はその代わりに、事前設定圧力閾値は、腔内圧限界値である。
【0015】
本明細書に開示するいずれかの例に加えて又はその代わりに、測定圧力は、流体管理システム内で測定されたシステム圧力である。
【0016】
本明細書に開示するいずれかの例に加えて又はその代わりに、事前設定圧力閾値は、システム圧力限界値である。
【0017】
本明細書に開示するいずれかの例に加えて又はその代わりに、流体管理システムは、ある流量で流体供給源から患者内の治療部位まで流体をポンピングするように構成された流入ポンプと、流量制御モードにおいてターゲット流量で作動するように構成されたコントローラとを備えることができる。流量制御モードでは、コントローラは、圧力センサからコントローラに通信される測定圧力をモニタしながらターゲット流量を維持するように構成することができる。測定圧力が事前設定圧力閾値に達した時に、コントローラは、流量制御モードからコントローラが流量をターゲット流量よりも下に自動的に低減して測定圧力を事前設定圧力閾値に又はそれよりも下に戻す圧力優先モードに自動的に切り換わるように構成することができる。コントローラは、測定圧力が事前設定圧力閾値よりも下に低下した時にユーザが圧力優先モードから切り換える又は解除することを望むかを尋ねるプロンプトをディスプレイ上に表示するように構成することができる。
【0018】
本明細書に開示するいずれかの例に加えて又はその代わりに、コントローラは、測定圧力が事前設定圧力閾値よりも下に低下した時に圧力優先モードから流量制御モードに切り換わって戻るように構成される。
【0019】
本明細書に開示するいずれかの例に加えて又はその代わりに、コントローラは、測定圧力が事前設定圧力閾値よりも下に低下した時に圧力優先モードから調節流量制御モードに切り換わるように構成される。
【0020】
本明細書に開示するいずれかの例に加えて又はその代わりに、調節流量制御モードでは、流量は、その後は圧力優先モードに関連付けられた低減した流量に維持される。
【0021】
本明細書に開示するいずれかの例に加えて又はその代わりに、プロンプトは、ユーザが流量制御モードに又は調節流量制御モードに切り換えて戻すことを望むかを尋ねる。
【0022】
本明細書に開示するいずれかの例に加えて又はその代わりに、ある流量で流体供給源から患者内の治療部位まで流体をポンピングするように構成された流入ポンプと流量制御モードにおいてターゲット流量で作動するように構成されたコントローラとを備える流体管理システム内の流体流れを制御する方法は、ターゲット流量と事前設定圧力閾値とを含むパラメータをコントローラ内に設定する段階と、コントローラが圧力センサからコントローラに通信される測定圧力をモニタしながらターゲット流量を維持する流量制御モードでコントローラを作動させる段階と、測定圧力が事前設定圧力閾値に達した時に、流量制御モードからコントローラが流量をターゲット流量よりも下に自動的に低減して測定圧力を事前設定圧力閾値に又はそれよりも下に戻す圧力優先モードにコントローラを自動的に切り換える段階と、測定圧力が事前設定圧力閾値よりも下に低下した時にユーザが圧力優先モードから切り換える又は解除することを望むかを尋ねるプロンプトをディスプレイ上に表示する段階とを備える。
【0023】
本明細書に開示するいずれかの例に加えて又はその代わりに、事前設定圧力閾値は、腔内圧限界値である。
【0024】
本明細書に開示するいずれかの例に加えて又はその代わりに、事前設定圧力閾値は、システム圧力限界値である。
【0025】
一部の実施形態、態様、及び/又は実施例の以上の要約は、本発明の開示の各実施形態又は全ての実施を説明するように意図していない。図及び以下の詳細説明は、これらの実施形態をより具体的に例証するものである。
【0026】
本発明は、添付図面に関連付けて以下の詳細説明を考察することでより完全に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】流体管理システムの選ばれた態様の概略図である。
【
図2】
図1のシステムの医療デバイス及びワークステーションの選ばれた態様を示す図である。
【
図3】
図2の医療デバイスの選ばれた態様を示す図である。
【
図4】原位置での
図2の医療デバイスの概略図である。
【
図5】
図1のシステムの加熱器アセンブリ及びカセットの選ばれた態様を示す部分斜視図である。
【
図6A】流体管理システムの異なる作動モード間の相互作用を示す流れ図である。
【
図6B】流体管理システムの異なる作動モード間の相互作用を示す流れ図である。
【
図6C】流体管理システムの異なる作動モード間の相互作用を示す流れ図である。
【
図7】流体管理システムの異なる作動モード間の相互作用を示すグラフである。
【
図8】流体管理システムの異なる作動モード間の相互作用を示すグラフである。
【
図9】流体管理システムの異なる作動モード間の相互作用を示すグラフである。
【
図10】流体管理システムの異なる作動モード間の相互作用を示すグラフである。
【
図11】流体管理システムの腔圧優先モードの態様を示す流れ図である。
【
図12】流体管理システムのシステム圧力優先モードの態様を示す流れ図である。
【0028】
本発明は、様々な修正及び代替形態の余地を有するが、その詳細は、図面に例示的に示して詳細に以下に説明する。しかし、意図するところは、説明する特定の実施形態に本発明の態様を限定することではないことを理解しなければならない。逆に、その意図は、本発明の精神及び範囲に収まる全ての修正物、均等物、及び代替物を網羅することである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下の説明は、必ずしも正確な縮尺のものではなく、いくつかの図を通して類似の参照番号が類似の要素を示す図面を参照して読まれなければならない。これらの詳細説明及び図面は、主張する本発明を限定することではなく例示するように意図している。当業者は、説明及び/又は図示する様々な要素を本発明の開示の範囲から逸脱することなく様々な組合せ及び構成に配置することができることを認識するであろう。これらの詳細説明及び図面は、主張する本発明の例示的実施形態を具体的に示している。しかし、明瞭化目的及び理解を容易にするために、各図面内に全ての特徴及び/又は要素を示すわけではないが、それにも関わらず、他に指定しない限り、これらの特徴及び/又は要素が存在すると理解することができる。
【0030】
以下で定める用語に関して、特許請求の範囲又は本明細書の他の箇所で異なる定義を提示しない限り、これらの定義を適用することとする。
【0031】
本明細書では、明示的に指定するか否かに関わらず、全ての数値は、用語「約」によって修飾されると仮定する。数値の状況での用語「約」は、当業者が、列挙する値と同等である(例えば、同じ機能又は結果を有する)と見なすと考えられる数字範囲を一般的に意味する。多くの事例では、用語「約」は、最も近い有効数字に丸められた数字を備えることができる。用語「約」の他の使用(例えば、数値以外の状況での)は、他に指定しない限り、本明細書の関連から理解され、それと矛盾しないこの用語の通常及び通例の定義を有すると仮定することができる。
【0032】
端点による数字範囲の列挙は、端点を含む当該範囲にある全ての数字を含む(例えば、1から5までは、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む)。
【0033】
様々な構成要素、特徴、及び/又は仕様に関する一部の適した寸法、範囲、及び/又は値を開示するが、本発明の開示によって喚起される当業者は、望ましい寸法、範囲、及び/又は値が明示的に開示するものから外れる可能性があることを理解するであろう。
【0034】
本明細書及び特許請求の範囲に使用する場合に、単数形態「a」、「an」、及び「the」は、状況が他に明確に定めない限り、複数の指示物を含む。本明細書及び特許請求の範囲に使用する場合に、用語「又は」は、状況が他に明確に定めない限り、一般的に「及び/又は」を含む意味に使用される。理解を容易にするために、本発明の開示のある一定の特徴は単数で説明することができるが、これらの特徴は、本発明の開示の実施形態内で複数であるか又は繰り返される場合があることに注意されたい。これらの特徴の各事例は、反意を明示しない限り、単数での開示を含む及び/又はそれによって包含される場合がある。簡略化及び明瞭化の目的で、必ずしも本発明の開示の発明の全ての要素を各図に示して下記で詳細に議論するとは限らない。しかし、1よりも多い構成要素が存在する場合に関して、反意を明示しない限り、以下の議論は、これらの構成要素のうちのいずれか及び/又は全てに同等に適用される場合があることは理解されるであろう。これに加えて、明瞭化の目的で、一部の要素又は特徴の全ての事例が各図に示されるわけではない場合がある。
【0035】
「近位」、「遠位」、「前進」、「後退」、及びこれらの変形などのような相対用語は、一般的にデバイスのユーザ/オペレータ/操作者に対する様々な要素の位置決め、方向、及び/又は作動に関して決定することができ、「近位」及び「後退」は、ユーザに近い又は向うことを示し又は意味し、「遠位」及び「前進」は、ユーザから遠い又は離れることを示す又は意味する。一部の事例では、本発明の開示の理解を容易にする試みで用語「近位」及び「遠位」を任意的に割り当てる場合があるが、そのような事例は、当業者には直ちに明らかであろう。「上流」、「下流」、「流入」、及び「流出」のような他の相対用語は、体管腔、血管のような管腔内又はデバイス内の流体流れの方向を意味する。
【0036】
本明細書での「実施形態」、「一部の実施形態」、「他の実施形態」などへの参照は、説明する実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を備えることができるが、全ての実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を必ずしも含むとは限らない場合があることを示すことに注意される。更に、そのような語句は、必ずしも同じ実施形態を参照するとは限らない。更に、特定の特徴、構造、又は特性を実施形態に関して説明する時に、明示的に説明するか否かに関わらず、反意を明示しない限り、他の実施形態に関してこれらの特定の特徴、構造、又は特性を達成することは当業者の知識内であろう。すなわち、当業者に理解されるように、下記で説明する様々な個々の要素は、特定の組合せで指定しない場合であっても、他の追加の実施形態を形成するために又は説明する実施形態を相補及び/又は拡張するために互いに組合せ可能又は配置可能であるように依然として考えられる。
【0037】
明瞭化の目的で、説明及び/又は主張する様々な特徴を命名するために及び/又はこれらの特徴の間で区別するために、本説明及び/又は特許請求の範囲を通してある一定の識別数字命名法(例えば、第1、第2、第3、第4など)を使用することができる。この数字命名法は、限定的であるように意図したものではなく、単に例示的であることは理解されるものとする。一部の実施形態では、簡潔化及び明瞭化の目的で、以前に用いた数字命名法の変更及びそれからの逸脱を行う場合がある。すなわち、「第1」の要素と示した特徴を後で「第2」の要素、「第3」の要素などと呼ぶ場合があり、又は完全に除外する場合があり、及び/又は異なる特徴を「第1」の要素と呼ぶ場合がある。各事例での意味及び/又は表示は、当業者には明らかであろう。
【0038】
軟性尿管鏡検査(fURS)手順(例えば、尿管鏡検査、経皮的腎切石術(PCNL)、良性前立腺肥大症(BPH)、経尿道的前立腺切除術(TURP)など)、婦人科内視鏡手順、及び他の内視鏡手順で使用するための一部の流体管理システムは、LithoVue(登録商標)スコープデバイスのような内視鏡デバイスなどであるがこれに限定されない内視鏡デバイスと併用される時にそのような内視鏡又は他の内視鏡デバイスからの圧力データ及び/又は温度データを用いて体腔圧を調節することができる。fURS手順中に、ターゲットを位置付けることを容易にするために体腔を拡張することができる。一部の手順では、内視鏡デバイスを通じた画像品質に悪影響を及ぼす場合がある血液及び/又はデブリが体腔に存在する場合がある。画像品質を改善するために、内視鏡デバイスを通る流体流れ(例えば、潅注)を用いて体腔を洗い流すことができる。一部の手順では、体腔が比較的小さい場合があり、更に潅注流体が絶え間なく流れる場合があり、それによって腔内流体圧力及び/又はシステム圧力(例えば、流体管理システム自体内の流体圧力)が増大する可能性がある。高い腔内流体圧力及び/又はシステム圧力は、一部の状況下で患者に対してリスクを課す場合がある。従って、良好な可視化を維持し、同時に腔内流体圧力及び/又はシステム圧力を制限及び/又は低減するために体腔内への流体流れ(例えば、潅注)を維持する必要性が存在する。
【0039】
図1は、fURS手順のような内視鏡手順で使用することができる流体管理システム10の概略図である。流体管理システム10は、流体流れが中を貫流することを可能にする医療デバイス20に結合することができる。一部の実施形態では、流体管理システム10及び/又は医療デバイス20は、圧力センサを含むことができる。一部の実施形態では、医療デバイス20は、LithoVue(登録商標)スコープデバイス又は他の内視鏡とすることができる。例示的実施形態では、医療デバイス20は、流体管理システム10に腔内温度フィードバックを供給する温度センサ、流体管理システム10に腔内圧フィードバックを供給する圧力センサ、及び/又は流体管理システム10に視覚フィードバックを供給するカメラを含むことができる。
図1に示す流体管理システム10及び/又は医療デバイス20の一部の特定及び/又は追加の特徴は、
図1に関して具体的に言及しない場合があるが、下記で及び/又は他の図に関して議論する。
図1にはそのような特徴を関連性に関して示している。
【0040】
簡潔に説明すると、流体管理システム10は、流体を流体供給源34(例えば、流体バッグなど)から医療デバイス20及び/又は患者内の治療部位まである流体流量でポンピング及び/又は搬送するように構成された流入ポンプ50を含むことができる。一部の場合に、流体は、医療デバイス20に流入する前に流体加温システム60を通過することができる。流体流量、流体圧力、流体温度、及び他の作動パラメータは、コントローラ48によって制御するか又は少なくとも部分的に制御することができる。コントローラ48は、医療デバイス20、流入ポンプ50、及び/又は流体加温システム60との電子通信(例えば、有線又は無線の)状態にして制御指令を供給すること、及び/又はコントローラ48とそれらの間でデータを伝達又は受信することができる。例えば、コントローラ48は、圧力データ及び温度データなどであるがこれらに限定されないデータを医療デバイス20から受信することができる。次いで、コントローラ48は、医療デバイス20から受信したデータを用いて流入ポンプ50及び/又は流体加温システム60の作動パラメータを制御することができる。
【0041】
一部の実施形態では、コントローラ48は、流量制御モードにおいてターゲット流体流量で作動するように構成することができる。一部の実施形態では、流量制御モードでは、コントローラ48は、圧力センサからコントローラ48に通信される測定圧力をモニタしながらシステム作動パラメータセットに基づいてターゲット流体流量を維持するために流入ポンプ50を制御するように構成することができる。一部の実施形態では、測定圧力が事前設定圧力閾値に達した時に、コントローラ48は、流量制御モードからコントローラ48が流体流量をターゲット流体流量よりも下に自動的に低減して測定圧力を事前設定圧力閾値に又はそれよりも下に戻す圧力優先モードに自動的に切り換えるように構成することができる。一部の実施形態では、コントローラ48は、システム作動パラメータセットに基づいて治療部位での望ましい腔内流体圧力及び/又はターゲット流量を維持するために流入ポンプ50を制御するように構成することができる。
【0042】
流体管理システム10はまた、流体管理ユニットを含む。例示的流体管理ユニットは、1又は2以上の流体供給源34(例えば、1又は2以上の流体バッグ)を各々が支持する1又は2以上の流体容器支持体、例えば、流体供給源ハンガー32を含むことができる。一部の実施形態では、各流体供給源ハンガー32及び/又は流体容器支持体に関連付けられた及び/又は作動的に結合されたリモートセンサ及び/又は供給ロードセル94を用いて、流体供給源34(例えば、流体バッグ)の配置及び/又は重量を検出することができる。コントローラ48は、供給ロードセル94と電子通信することができる。流体供給源ハンガー32は、例えば、1リットル(L)から5Lまでの流体供給源(例えば、流体バッグ)のような様々なサイズの流体供給源34を受け入れることができる。あらゆる個数の流体供給源34を使用することができることは理解されるであろう。更に、手順に依存してあらゆるサイズの流体供給源34を使用することができる。一部の実施形態では、流体管理ユニットは、支柱36及び/又は台座38を含むことができるローリングスタンドに装着することができる。台座38は、使用時に流体管理ユニットの簡易移動を容易にする複数の車輪を含むことができる。しかし、診療上のプリファレンスに依存して流体供給源34を天井又は他の場所から吊り下げることができることは理解されるであろう。流体供給源ハンガー32は、支柱36及び/又はコントローラ48から延びることができ、かつ1又は2以上の流体供給源34を懸架することができる1又は2以上のフックを含むことができる。一部の実施形態では、流体管理ユニットに使用される流体は、0.9%生理食塩水とすることができる。しかし、手順に依存して様々な粘性の様々な他の流体を使用することができることは理解されるであろう。
【0043】
一部の実施形態では、流体管理ユニットは、真空ポンプ24と、回収ドレープ28と流体連通している回収容器26とを含むことができる。一部の実施形態では、真空ポンプ24は、複数の真空ポンプを含むことができる。一部の実施形態では、回収容器26は、互いに及び/又は真空ポンプ24に流体接続することができる複数の容器、キャニスタ、及び/又は他のレセプタクルを含むことができる。一部の実施形態では、回収ドレープ28は、複数の回収ドレープを含むことができる。真空ポンプ24は、コントローラ48と作動的に及び/又は電子的に接続することができる。一部の実施形態では、
図1に示すように、真空ポンプ24は、回収容器26に隣接するように及び/又はその近くに配置することができる。一部の実施形態では、真空ポンプ24は、流体管理システム10内に配置することができる。他の構成も考えられる。一部の実施形態では、回収容器26の配置及び/又は重量を検出するために、回収容器26を回収ロードセル25と作動的に結合することができる。複数の容器、キャニスタ、及び/又は他のレセプタクルを有する実施形態では、各容器、キャニスタ、及び/又は他のレセプタクルは、対応する回収ロードセル25と作動的に結合することができる。コントローラ48は、回収ロードセル25と電子連通することができる。
【0044】
流体管理システム10はまた、タッチ画面インタフェース42のような1又は2以上のユーザインタフェース構成要素を含むことができる。タッチ画面インタフェース42は、ディスプレイ44を含み、かつタッチ機能に加えてスイッチ又はノブを含むことができる。一部の実施形態では、コントローラ48は、タッチ画面インタフェース42及び/又はディスプレイ44を含むことができる。タッチ画面インタフェース42は、ユーザが、例えば、流量、圧力、又は温度のような流体管理システム10の様々な関数を入力/調節することを可能にする。ユーザはまた、パラメータ及び警報(腔内圧限界値、システム圧力限界値などであるがこれに限定されない)、表示される情報、及び手順モードを構成することができる。タッチ画面インタフェース42は、ユーザが、流体管理システム10内で様々なモジュール式システムの使用を追加すること、切り換えること、及び/又は中断することを可能にする。タッチ画面インタフェース42は、様々な手順に向けて流体管理システム10を自動モードと手動モードの間で切り換えるのに使用することができる。タッチ画面インタフェース42の代わりとして又はこれに加えて、ユーザ入力を受け入れるように構成された他のシステムを使用することができると考えられる。
【0045】
当業者によって理解されるように、タッチ画面インタフェース42は、ボタンのような選択可能区域を含むように構成することができ、及び/又は物理的ボタンと類似の機能を提供することができる。ディスプレイ44は、流体管理システム10に含まれるモジュール式システム及びデバイスに関連するアイコンを示すように構成することができる。更に、ディスプレイ44は流量表示を含むことができる。流量表示は、手順の前にユーザによって設定された流量に対する望ましい閾値又は公知の一般的な値などに基づいて決定することができる。一部の実施形態では、作動パラメータは、タッチ画面インタフェース42の対応する部分をタッチすることによって調節することができる。タッチ画面インタフェース42は、パラメータ(例えば、流量、圧力、温度など)が、予め決められた閾値及び/又は範囲を上回った又は下回った場合に、視覚警告及び/又は聴覚警報を提供することができる。タッチ画面インタフェース42は、流体供給源34内に残っている流体の量、及び/又は手順中にユーザが有利と決定する可能性があるいずれかの他の情報を表示するように構成することができる。一部の実施形態では、流体管理システム10はまた、任意的な足踏みペダル46、加熱器ユーザインタフェース、流体制御インタフェース、又は様々なモジュール式システムを手動で制御するための他のデバイスのような更に別のユーザインタフェース構成要素を含むことができる。例えば、任意的な足踏みペダル46を用いて、流量を手動で制御することができる。一部の例示的ディスプレイ及び他のユーザインタフェース構成要素は、本発明の出願人に譲渡された「AUTOMATED FLUID MANAGEMENT SYSTEM(自動流体管理システム)」という名称の米国特許出願公開第2018/0361055号明細書に説明されており、この文献の全開示内容は、引用によって本明細書に組み込まれている。
【0046】
タッチ画面インタフェース42は、コントローラ48と作動的に接続することができ、又はその一部とすることができる。コントローラ48は、コンピュータ、タブレットコンピュータ、又は他の処理デバイスとすることができる。コントローラ48は、例えば、流入ポンプ50、流体加温システム60、流体損失管理システムのような1又は2以上のシステム構成要素と作動的に接続することができる。一部の実施形態では、これらの機能は、単一ユニットの中に統合することができる。コントローラ48は、計算、制御、演算、表示のような様々な機能を実施することができ、かつそのように構成される。コントローラ48は、流体管理システム10及びその各構成要素の作動に関するデータを追跡及び格納する機能も有する。例示的実施形態では、コントローラ48は、それ自体を例えばローカルエリアネットワークに接続することを可能にするイーサネット又はWi-Fiのような有線及び/又は無線のネットワーク通信機能を含む。コントローラ48は、流体管理システム10の複数のセンサのうちの1又は2以上から信号を受信することができる。一部の実施形態では、コントローラ48は、最良の診療提案及び患者記録の維持の目的でデータベースと通信することができ、これらは、ディスプレイ44上でユーザに対して表示することができる。
【0047】
流体管理システム10は、手順、患者特性などに基づいて異なるモード間でユーザ選択可能とすることができる。例えば、異なるモードは、制限モード、通知モードなどを含むことができるがこれらに限定されない。ユーザによってモードが選択された状態で、ターゲット流体流量、腔内流体圧力限界値、システム流体圧力限界値、流体損失、及び/又は温度のような選択システムパラメータをタッチ画面インタフェース42及び/又はディスプレイ44を通してユーザに対して提供する及び/又はユーザによって入力することができる。特定のモードの例示的パラメータを予め決定し、例えば、ソフトウエアを用いてコントローラ48上にロードすることができる。従って、ユーザがタッチ画面インタフェース42のディスプレイ44上の初期表示から手順を選択した時に、これらの既知のパラメータは、コントローラ48から、例えば、流入ポンプ50、流体加温システム60、流体損失管理システムなどであるがこれらに限定されない流体管理システム10の様々な構成要素にロードすることができる。流体管理システム10は、自動制御と手動制御の間でユーザ選択可能とすることができる。例えば、ある一定の手順では、ユーザは、流体流量、流体圧力、及び/又は他のパラメータを手動で調節することを望む場合がある。ユーザが、例えば、タッチ画面インタフェース42上で手動制御を選択した状態で、ユーザは、例えば、任意的な足踏みペダル46のような他の手動インタフェースを通して流体流量又は流体圧力を調節することができる。ユーザが自動制御を選択した場合に、流体管理システム10の制御を容易にするためにどのデータ及び/又はパラメータを使用すべきかをコントローラ48が決定することができるように、ユーザにタッチ画面インタフェース42を通してどの医療デバイス20を用いているかを選択又は入力するように促すことができる。一部の実施形態では、流体管理システム10は、選択された医療デバイス20が実際に使用されることを検証するように構成することができる。
【0048】
一部の実施形態では、流体管理システム10は、視覚ソフトウエア又は画像認識及び解析ソフトウエアを含むことができる。例えば、医療デバイス20は、カメラ70(例えば、
図2及び
図4)を含むことができる。一部の実施形態では、コントローラ48は、輝度(例えば、光モニタ)、コントラスト、又はカラーピクシレーションの変化に基づいて視覚ノイズを検出することができる視覚ソフトウエア/画像認識ソフトウエアを含むように構成することができる。コントローラ48に供給される画像が十分に明瞭又は鮮明ではないと決定された場合に、流体管理システム10は、治療部位からデブリを洗い流して画像を鮮明化/明瞭化するために流体流量又は流体圧力を一時的に増大することができる。流体流量又は流体圧力は、一時的な時間(例えば、予め決められた期間)にわたって又は視野が十分に明瞭であると見なされるまで手動又は自動で増大させることができる。この一時的な増加は、腔内圧が安全限界値を超えないことを保証するように流体流量又は流体圧力を増大させる時間が制限されることを保証する。
【0049】
例えば、流体管理システム10は、潅注内の赤色相(血液の兆候)を認識し、血液が視野から取り除かれるまでターゲット流体流量よりも大きくなるまで流体流量を増大するように流入ポンプ50に信号伝達することができる。これに代えて、コントローラ48は、医師又は看護師に対して曇った視界が検出されたという視覚警告をディスプレイ44上に提供すること、又は可聴警告を提供することができ、次いで、ユーザは、流体流量を手動で調節することができる。別の例では、かなりの量のデブリが存在する事例では、デブリから反射された光が画像の輝度を実質的に高める場合がある。この関連では、コントローラ48は、この過度の輝度を検出してデブリを洗い流すために及び/又は除去するために流体流量を増大するように流入ポンプ50に信号伝達する。デブリが映像システムの視野から洗い流されて取り除かれる時に反射光が低減すると、流体流量を低減するように流入ポンプ50がコントローラ48によって制御される。一部の場合に、医師は、視野を明瞭化する流体流れを起こした方が良いと思うベースライン可視性レベルを生成し、手順の前にこれらのパラメータを流体管理システム10の中にタッチ画面インタフェース42を通して入力することができる。ベースラインが生成されると、流体管理システム10は、映像の変化に関して視覚フィードをモニタして流体流量を必要に応じて自動的に調節することができる。
【0050】
流体管理システム10によって流体流量又は流体圧力を調節するために、流体管理ユニットは、流入ポンプ50のような1又は2以上の加圧デバイス又は流れ発生デバイスを含むことができる。一部の実施形態では、流入ポンプ50は、蠕動ポンプとすることができる。一部の実施形態では、流入ポンプ50は、複数のポンプ又は1よりも多いポンプを含むことができる。流入ポンプ50は、電気的に駆動することができ、壁コンセントのような電力線電源、使い捨てバッテリ又は再充電可能バッテリのような外部又は内部の蓄電デバイス、及び/又は内部電源から受電することができる。流入ポンプ50は、流体を例えば5mmHgから50mmHgまでのようなターゲット圧力及び/又はターゲット流体流量で送出するほど十分なあらゆる望ましい速度で作動させることができる。本明細書で特筆するように、流入ポンプ50は、例えば、治療部位内の腔内圧及び/又は温度の読取値及び/又は医療デバイス20からの視覚フィードバックに基づいて自動的に調節することができる。流入ポンプ50は、例えば、任意的な足踏みペダル46、タッチ画面インタフェース42、又は別個の流体コントローラを通して手動で調節することができる。明示的に示していないが、流体コントローラは、ユーザが流入ポンプ50の速度及び/又は出力を増大又は低減することを可能にするボタンを含む別個のユーザインタフェースとすることができる。これに代えて、流体コントローラは、主処理デバイスの中に組み込むことができ、タッチ画面インタフェース42を通して入力を受け入れることができる。一部の実施形態では、流体管理システム10は、異なる流量機能を有する複数のポンプを含むことができる。一部の実施形態では、実際の流体流量を測定するために、流入ポンプ50の前及び/又は後に流量センサ77(例えば、
図5)を位置付けることができる。流量センサ77は、コントローラ48と作動的に接続することができ、流量センサ77からのデータをコントローラ48によって用いて選択システムパラメータを変更することができる。
【0051】
いずれかの変化に対する手術室(OR)の可視性を与えるために、いずれか所与の時間での流体の流体流量及び/又は流体圧力をディスプレイ44上に表示することができる。OR職員が、過度に高いか又は過度に低いかのいずれかの流体流量又は流体圧力の変化に気付いた場合に、ユーザは、好ましいレベルに戻るように流体流量又は流体圧力を手動で調節することができる。これは、例えば、医師がツールを医療デバイス20の作業チャネルの中に挿入する時又はそこから除去する時に起こる場合がある。流体管理システム10は、本明細書で議論するように、流体流量又は流体圧力をモニタして予め設定されたパラメータに基づいてこれらを自動的に調節することができる。この特徴は、流体流れが手動で供給される時に、例えば、助手がシリンジによって潅注を注入する時に有益とすることができる。
【0052】
一部の実施形態では、流体管理システム10は、測定腔内温度及び/又は測定圧力に基づいて、例えば、測定圧力が事前設定圧力閾値に到達した時に流体流量又は流体圧力を自動的に調節することができる。一部の実施形態では、測定圧力は、治療部位内で測定された腔内圧とすることができ、事前設定圧力閾値は、腔内圧限界値とすることができる。腔内温度及び/又は腔内圧は、医療デバイス20上に装着された温度センサ72及び/又は圧力センサ74(例えば、
図2)を流体管理システム10と併用して原位置で測定することができる。一部の実施形態では、測定圧力は、流体管理システム10内で測定されたシステム圧力とすることができ、事前設定圧力閾値は、システム圧力限界値とすることができる。システム圧力は、流体管理システム10内に配置された圧力センサ67(例えば、
図5)を用いて流体管理システム10内で測定することができる。一部の実施形態では、流体管理システム10は、治療部位まで送出される流体の圧力をターゲット圧力及び/又は予め決められた圧力範囲に維持するために流体管理システム10によって流入ポンプ50を自動的に始動、停止、及び/又は速度調節するようにユーザが構成することができるような圧力モニタソフトウエアを含むことができる。例えば、圧力センサ74は、治療部位(例えば、腎臓又は子宮)内の腔内圧を検出して測定腔内圧(例えば、腎内又は子宮内)に基づいて流体管理システム10内の流体流量又は流体圧力を自動的に変更することができる。腔内圧が過度に高い場合に、流体管理システム10は、流体流量又は流体圧力を低減することができ、腔内圧が過度に低い場合に、流体流量又は流体圧力を増大することができる。
【0053】
図2~
図4は、流体管理システム10と併用することができる医療デバイス20の態様を示している。図示の実施形態では、医療デバイス20は、LithoVue(登録商標)スコープのような尿管鏡とすることができる。しかし、尿管鏡に加えて又はその代わりに、別の内視鏡のような他の医療デバイスを使用することができる。医療デバイス20は、患者内の治療部位にアクセスするように構成された細長シャフト76によって流体を流体管理システム10から治療部位まで送出するように構成することができる。一部の実施形態では、流入ポンプ50は、細長シャフト76と流体連通することができる。細長シャフト76は、流体流れを受け入れるための1又は2以上の作業管腔又はそれを通る他の医療デバイスを含むことができる。医療デバイス20は、例えば、
図1及び
図4に見られるように1又は2以上の供給ライン78(例えば、チューブ)を通して流体管理システム10に接続される。
【0054】
一部の実施形態では、医療デバイス20は、有線接続部79を通してワークステーション81と電子的に連通することができる。ワークステーション81は、機能の中でも取りわけ、タッチパネルコンピュータ83と、有線接続部79を受け入れるためのインタフェースボックス85と、カート87と、電源89とを含むことができる。一部の実施形態では、インタフェースボックス85は、流体管理システム10のコントローラ48との有線又は無線の通信接続部91を有するように構成することができる。タッチパネルコンピュータ83は、少なくとも表示画面と、画像処理プロセッサとを含むことができる。一部の実施形態では、ワークステーション81は、多用途構成要素(例えば、1よりも多い手順に使用される)とすることができ、それに対して医療デバイス20は単一用途デバイスとすることができるが、これは必須ではない。一部の実施形態では、ワークステーション81は除外することができ、医療デバイス20は、流体管理システム10のコントローラ48に電子的に直接に結合することができる。
【0055】
一部の実施形態では、流体管理システム10から医療デバイス20への1又は2以上の供給ライン78は、流入ポンプ50によって達成される蠕動運動を減衰させることを助ける材料で形成することができる。一部の実施形態では、供給ライン78は、直径が1/16インチ(1.5875ミリメートル)よりも小さいか又はそれに等しい小径配管から形成することができる。しかし、配管サイズは、用途に基づいて異なる場合があることは理解されるであろう。供給ライン78及び/又は配管は、使い捨て用品とし、無菌かつ直ぐに使用可能な状態で与えることができる。流体管理システム10内の様々な機能に対して異なるタイプの配管を使用することができる。例えば、1つのタイプの配管を医療デバイス20への流体の加熱及び流体流れの制御に使用することができ、それに対して別のタイプの配管を身体内及び/又は治療部位内の潅注に使用することができる。
【0056】
図2に見られるように、医療デバイス20は、細長シャフト76の遠位端80に近い1又は2以上のセンサを含むことができる。例えば、医療デバイス20は、治療部位内の腔内圧を測定するための圧力センサ74を細長シャフト76の遠位先端に含むことができる。医療デバイス20はまた、例えば、温度センサ72、応力を検出するためのファイバブラッグ回折格子光ファイバ75、及び/又はアンテナ又は電磁センサ93(例えば、位置センサ)のような他のセンサを含むことができる。例示的実施形態では、医療デバイス20の遠位端80はまた、タッチパネルコンピュータ83の表示画面上でユーザに対して視覚フィードを提供するために少なくとも1つのカメラ70を含むことができる。別の実施形態では、医療デバイス20は、各カメラ70によって異なる情報をユーザに伝えることができるように異なる通信要件又はプロトコルを有する2つのカメラ70を含むことができる。そのように設けられた時に、ユーザは、タッチ画面インタフェース42及び/又はタッチパネルコンピュータ83を通してこれらのカメラ70の間で任意に切り換えを行うことができる。明示的に示していないが、細長シャフト76は、流体及び/又は他の医療デバイスを受け入れるための1又は2以上の作業管腔を含むことができる。
【0057】
一部の実施形態では、使用中に細長シャフト76の遠位端80の場所を追跡することができる。例えば、マッピング及びナビゲーションシステムは、既知の幾何学形状の磁場を発生させるための電磁発生器として機能するか又は機能するように構成された手術台(又は他の手順又は検査の台又は椅子など)を含むことができる。これに代えて又はこれに加えて、手術台とは別個の電磁発生器を設けることができる。手術台及び/又は電磁発生器は、機能の中でも取りわけ、プロセッサ、メモリ、ディスプレイ、及び入力手段を含むことができる制御ユニットに結合することができる。位置センサ(例えば、電磁センサ93など)又は他のアンテナは、医療デバイス20の細長シャフト76の遠位端80の中に組み込むことができる。位置センサは、マッピング及びナビゲーションシステムの磁場内の位置センサの場所を感知する使用に向けて構成することができる。一部の実施形態では、位置センサは、ワークステーション81に電子的に結合することができる。位置センサが磁場内である時に、電磁場発生源(例えば、手術台及び/又は電磁発生器)に対する位置センサの場所は、数学的に決定することができる。ワークステーション81と制御ユニットは、患者に対する位置センサの位置を決定するために通信することができる。
【0058】
医療デバイス20は、細長シャフト76の近位端に結合されたハンドル82を含む。ハンドル82は、流体がいつ医療デバイス20を通って治療部位の中に流れ込むかをユーザが制御することを可能にする流体流れオン/オフスイッチ84を有することができる。ハンドル82はまた、他の様々な機能を実施する他のボタン86を含むことができる。例えば、一部の実施形態では、ハンドル82は、流体の温度を制御するためのボタンを含むことができる。この例示的実施形態は、尿管鏡を説明しているが、上記で詳述した特徴は、膀胱鏡、内視鏡、子宮鏡、又は撮像機能を有する事実上あらゆるデバイスの中に直接統合することができることは理解されるであろう。一部の実施形態では、医療デバイス20はまた、排液システムに接続することができる排液ポート88を含むことができる。一部の例示的排液システムは、本発明の出願人に譲渡された「AUTOMATED FLUID MANAGEMENT SYSTEM(自動流体管理システム)」という名称の米国特許出願公開第2018/0361055号明細書に説明されており、この文献の開示内容は引用によって本明細書に組み込まれている。
【0059】
一部の実施形態では、コントローラ48は、細長シャフト76の遠位端80が患者内に配置されている時に、手順中に失われた流体を表す流体損失、患者によって吸収された流体損失、及び/又は他に不明な流体損失を計算するように構成することができる。一部の実施形態では、コントローラ48は、合計流体損失が事前設定流体損失限界値に達する時をユーザに通知するように構成することができる。一部の実施形態では、コントローラ48は、合計流体損失が事前設定流体損失限界値に達した時に流入ポンプ50及び/又は真空ポンプ24を停止するように構成することができる。一部の実施形態では、コントローラ48は、注入流体の全体量が事前設定流体注入限界値に達する時にユーザに通知するように構成することができる。一部の実施形態では、コントローラ48は、注入流体の全体量が事前設定流体注入限界値に達した時に流入ポンプ50及び/又は真空ポンプ24を停止するように構成することができる。
【0060】
一部の実施形態では、コントローラ48は、例えば、供給ロードセル94、スケール、又は他の適した手段を用いて重量を通して流体供給源34内の流体量をモニタするように構成することができる。供給ロードセル94は、流体供給源ハンガー32に取り付けられた流体供給源34の重量を決定して流体供給源34内の初期流体量を流体供給源34内に残っている現在流体量と比較するためにコントローラ48によって使用することができる。供給ロードセル94の読取値は、ディスプレイ44上でユーザに対して示すことができる。手順が進行する時に、供給ロードセル94の読取値を実時間で更新し、流体供給源34内にどれほどの量の流体が残されているかを医師に警告することができ、次いで、この量を用いてどれほどの量の流体が患者の中に注入されたかを決定することができる。一部の実施形態では、流体供給源34内に残っている流体量を示すことができる。例えば、流体供給源34内に10%の流体しか残っていない時に、警告をディスプレイ44上に可聴信号と共に示すことができる。一部の実施形態では、供給ロードセル94は、無線(例えば、WiFi)信号を通してディスプレイ44に接続することができる。一部の実施形態では、供給ロードセル94は、配線接続を通してディスプレイ44に接続することができる。手順中に流体供給源34が空になった場合に、それを満杯又は未使用流体供給源34と交換することができる。
【0061】
同様に、コントローラ48は、例えば、回収ロードセル25、スケール、又は他の適した手段を用いて重量を通して回収容器26内の流体量をモニタするように構成することができる。回収ロードセル25は、回収容器26の重量を決定して回収容器26内の初期流体量を回収容器26内の現在流体量と比較するためにコントローラ48によって使用することができる。回収ロードセル25の読取値は、ディスプレイ44上でユーザに対して示すことができる。手順が進行する時に、回収ロードセル25の読取値を実時間で更新し、回収容器26内にどれほどの量の流体が存在するかを医師に警告することができ、次いで、この量を用いてどれほどの量の流体が患者及び/又は回収ドレープ28から回収されたかを決定することができる。一部の実施形態では、回収容器26内の流体量を示すことができる。例えば、回収容器26内に初期空容積の10%しか残っていない時に、警告をディスプレイ44上に可聴信号と共に示すことができる。一部の実施形態では、回収ロードセル25は、無線(例えば、WiFi)信号を通してディスプレイ44に接続することができる。一部の実施形態では、回収ロードセル25は、配線接続を通してディスプレイ44に接続することができる。手順中に回収容器26が満杯になった場合に、それを空にして使用状態に戻すことができ、又は空の回収容器と交換することができる。
【0062】
一部の実施形態では、流体管理システム10は、
図5に示すように、患者に送出されることになる流体を加熱するための流体加温システム60を含むことができる。流体加温システム60は、加熱器62と加熱器カセット64とを含むことができる。加熱器カセット64は、単一用途加熱器カセット64であるように構成することができ、それに対して加熱器62は、複数の手順に向けて再使用することができる。例えば、加熱器カセット64は、加熱器62を最小限の保守しか伴わずに再使用することができるように流体流れを隔離することができる。加熱器カセット64は、例えば、ポリカーボネート又はいずれかの高熱定格生体適合プラスチックで形成することができ、単一単体及びモノリシック部品又は互いに恒久結合された複数の部品として形成される。一部の実施形態では、加熱器カセット64は、その側面に位置付けられた流体入口ポート61と流体出口ポート63とを含むことができる。流体入口ポート61及び流体出口ポート63は、各々が流体管理システム10の供給ライン78に結合するように構成することができる。例えば、流体入口ポート61は、流体供給源34と流体加温システム60とを結合することができ(流入ポンプ50を通して)、それに対して流体出口ポート63は、流体加温システム60を医療デバイス20と結合することができ、各結合は、供給ライン78を通じたものである。
【0063】
一部の実施形態では、加熱器カセット64は、流体が流体入口ポート61から流体出口ポート63に貫流することを可能にするチャネルに沿って内部流れ経路を含むことができる。加熱器カセット64は、1又は複数の流体経路を含むことができる。一部の実施形態では、チャネルは、誘導加熱によって流体を加熱することを可能にすることができるサセプタ66を通過することができる。加熱器カセット64が加熱器62と結合される時に、サセプタ66は、誘導コイル68内に配置されるように構成することができる。必要に応じて、他の流体加温システム構成及び方法を使用することができる。例えば、加熱器62は、例えば電気エネルギを使用するプラテンシステム又は直列コイルのような1又は2以上の熱源を供給ライン78内に含むことができる。加熱は、流体管理システム10の特定の用途で必要とされる流量に合わせて特別に設計され、かつそのように適応させることができる。一部の例示的流体加温システムは、本発明の出願人に譲渡された「AUTOMATED FLUID MANAGEMENT SYSTEM(自動流体管理システム)」という名称の米国特許出願公開第2018/0361055号明細書に説明されており、この文献の全開示内容が引用によって本明細書に組み込まれている。
【0064】
明示的に示していないが、流体加温システム60は、タッチ画面インタフェース42とは別個の加熱器ユーザインタフェースを含むことができる。加熱器ユーザインタフェースは、単純に、加熱器62の内部温度のデジタル表示を提供する表示画面とすることができる。別の実施形態では、このユーザインタフェースはまた、加熱器62の温度を上昇又は低下させるための温度調節ボタンを含むことができる。この実施形態では、加熱器ユーザインタフェース及び/又は表示画面は、加熱器62の現在温度、並びに到達されるターゲット温度を示すことができる。加熱器ユーザインタフェースが必要でないように、流体加温システム60から出力される全ての情報は、ディスプレイ44に直接伝達することができることに注意されたい。
【0065】
流体加温システム60は、その中を貫流する流体をモニタするように構成された1又は2以上のセンサを含むことができる。例えば、加熱器カセット64の中を貫流する流体の温度を検出するために、温度センサ65を流体加温システム60内に装着することができる。温度センサ65は、流体入口ポート61及び/又は流体出口ポート63又はその近くに位置付けることができる。一部の実施形態では、温度センサ65は、流体がサセプタ66に流入する前及び流体がサセプタ66を流出した後に加熱器カセット64を貫流する流体の温度を検出するように装着することができる。一部の実施形態では、加熱器カセット64内の流体の温度上昇の推移を検出するために、サセプタ66の中間部分に追加のセンサを位置付けることができる。温度センサ65は、いずれの情報もディスプレイ44にリモート送信することができ、又は加熱器ユーザインタフェース及び/又はその表示画面がそのように設けられた場合にこれらに情報を送信することができる。別の実施形態では、温度センサ65は、加熱器ユーザインタフェース(設けられる場合)と配線することができ、この場合に、加熱器ユーザインタフェースは、望ましい情報をディスプレイ44にリモート伝達することができる。これに代えて又はこれに加えて、温度センサ65は、コントローラ48に及び/又はと配線することができる。
【0066】
加熱器62は、システム圧力をモニタするように構成された圧力センサ67、及び/又はシステムを貫流する流体を気泡に関してモニタするように構成された気泡センサ69を更に含むことができる。加熱器カセット64は、それが流体加温システム60と結合されている時に圧力センサ67及び気泡センサ69それぞれが加熱器カセット64の中を貫流する流体をモニタすることを可能にする対応する圧力センサインタフェース71及び気泡センサインタフェース73を含むことができる。圧力センサ67及び/又は気泡センサ69は、いずれの情報もコントローラ48、ディスプレイ44にリモート送信することができ、及び/又は加熱器ユーザインタフェース及び/又はその表示画面がそのように設けられる場合にこれらに情報を送信することができる。別の実施形態では、圧力センサ67及び/又は気泡センサ69は、加熱器ユーザインタフェース(設けられる場合)と配線することができ、この場合に、加熱器ユーザインタフェースは、望ましい情報をディスプレイ44にリモート伝達することができる。これに代えて又はこれに加えて、圧力センサ67及び/又は気泡センサ69は、コントローラ48に及び/又はと配線することができる。
【0067】
図6A~
図6Cは、流体管理システム10に関連付けられた相互作用、判断、及び/又は方法を示す流れ図を示している。この例では、コントローラ48は、流量制御モードにおいてターゲット流量で作動するように構成される。一部の状況では、医師は、明瞭な視野を維持するために、可能な限り常にターゲット流量を維持することを有益と見出す場合がある。流量制御モードでは、コントローラ48は、ある一定の予め決められた条件が満たされるまで又は満たされない限り他の因子又は設定に関わらずターゲット流量を維持しようと試ることができる。例えば、流量制御モードでは、コントローラ48は、ターゲット流量を維持するために他の手段及び/又は特性を「犠牲にする」ように構成することができる。
【0068】
最初に、流体管理システム10を初期化及び/又はオンにすることができる。これを
図6A上に参照番号100に示している。次いで、コントローラ48は、どのタイプの内視鏡及び/又は医療デバイス20が流体管理システム10に接続されているかを決定するために検査を行うことができる。流体管理システム10は、圧力センサ74を用いて腔内圧をモニタするように構成された医療デバイス20と併用することができる。医療デバイス20がそのように構成される場合に、コントローラ48は、
図6Aに示すように腔内圧及びシステム圧力をモニタすること及び/又はそれらを流体管理システム10の制御に影響を及ぼすのに使用することができるモードで作動させることができる。従って、この場合に、コントローラ48は、ターゲット流量、圧力限界値(例えば、腔内圧限界値及び/又はシステム圧力限界値)、及び/又はどの制御モジュールで作動させるべきかのような選択作動パラメータ及び/又は選択システムパラメータを参照番号104でユーザが設定することを可能にする。一部の実施形態では、作動パラメータ及び/又はシステムパラメータのうちの1又は2以上は、コントローラ48の中に事前設定、事前ロード、及び/又はハードコード化することができ、従って、これらのパラメータは、手動の選択又は入力が利用することができない。ユーザ選択のための他の作動パラメータ及び/又はシステムパラメータも考えられる。
【0069】
参照番号110では、コントローラ48は、参照番号104で入力された作動パラメータ及び/又はシステムパラメータを問い合わせして制限モード112又は通知モード114のいずれで作動させるべきかを決定するように構成することができる。制限モード112では、コントローラ48は、デフォルトで流量制御モードにおいてターゲット流量を維持するように構成することができ、コントローラ48は、圧力センサ74及び/又は圧力センサ67からコントローラ48に通信される測定圧力(例えば、腔内圧及び/又はシステム圧力)をモニタしながら可能な限り常にターゲット流量を維持しようと試みることになる。測定圧力が事前設定圧力閾値に達した時に、コントローラ48は、流量制御モードからコントローラ48が流量をターゲット流量よりも下に自動的に低減して測定圧力を事前設定圧力閾値に又はそれよりも下に戻す圧力優先モードに自動的に切り換わるように構成することができる。一部の実施形態では、コントローラ48は、測定圧力が事前設定圧力閾値に達した時及び/又はそれを上回って増大した時にコントローラ48が流量制御モードから圧力優先モードに切り換わったことをユーザに通知する通知をディスプレイ44上に表示するように構成することができる。一部の実施形態では、測定圧力は、治療部位内で測定された腔内圧である。少なくとも一部の実施形態では、腔内圧は、圧力センサ74を用いて測定することができる。測定圧力が腔内圧である一部の実施形態では、事前設定圧力閾値は、参照番号104で設定される腔内圧限界値とすることができる。一部の実施形態では、測定圧力は、流体管理システム10内で測定されたシステム圧力である。少なくとも一部の実施形態では、システム圧力は、圧力センサ67を用いて測定することができる。測定圧力がシステム圧力である一部の実施形態では、事前設定圧力閾値は、参照番号104で設定されるシステム圧力限界値とすることができる。
【0070】
一部の実施形態では、コントローラ48は、測定圧力が事前設定圧力閾値に達した時及び/又はそれを上回って増大した時にコントローラ48が流量制御モードから圧力優先モードに切り換わったことをユーザに通知し、事前設定圧力閾値をオーバーライド及び/又は無視し、それによってコントローラ48を流量制御モードに戻して測定圧力が事前設定圧力閾値を上回って増大し続けること及び/又はそれを上回ったまま留まることを許すというオプションをユーザに与えるプロンプトをディスプレイ44上に表示するように構成することができる。コントローラ48は、ユーザが事前設定圧力閾値をオーバーライド及び/又は無視するというオプションを明示的に肯定しない限り、及び/又はコントローラ48に流量制御モードに戻るように明示的に指示しない限り、流量制御モードから圧力優先モードに自動的に切り換わるように構成することができる。
【0071】
制限モード112内の参照番号118では、コントローラ48は、測定圧力(例えば、腔内圧)に事前設定許容範囲(例えば、5%、10%、15%、25%など)を加えたものを参照番号104で設定された腔内圧限界値と比較することができる。腔内圧に事前設定許容範囲を加えたものが参照番号104で設定された腔内圧限界値よりも低い場合に、コントローラ48は、参照番号122に進行し、次いで、システム圧力を参照番号104で設定されたシステム圧力限界値と比較することができる。コントローラ48は、システム圧力がシステム圧力限界値よりも低い場合に、流量制御モード140で作動し続けることができ、又は測定圧力(例えば、腔内圧及び/又はシステム圧力)が事前設定圧力閾値よりも下に低下した時に圧力優先モード(本明細書で議論する)から流量制御モード140に戻るように自動的に切り換わるように構成することができる。圧力優先モードでは、コントローラ48は、ターゲット流量、実際の流量、及び/又は事前設定圧力閾値に対する測定圧力に依存する低減流量を計算し、次いで、この低減流量で作動して測定圧力をモニタし続けながら測定圧力を事前設定圧力閾値に又はそれよりも下に戻すように構成することができる。
【0072】
測定圧力(例えば、腔内圧)に事前設定許容範囲を加えたものが、参照番号104で設定された腔内圧限界値よりも高い(例えば、超えた)場合に、コントローラ48は参照番号120に進行し、次いで、システム圧力を参照番号104で設定されたシステム圧力限界値と比較することができる。システム圧力がシステム圧力限界値よりも低い場合に、コントローラ48は、腔圧優先モード160に自動的に切り換わるように構成することができ、コントローラは、流量をターゲット流量よりも下に自動的に低減して腔内圧を腔内圧限界値に又はそれよりも下に戻す。一部の実施形態では、コントローラ48は、腔内圧が腔内圧限界値に達した及び/又はそれを上回って増大した時にコントローラ48が流量制御モードから腔圧優先モードに切り換わったことをユーザに通知する通知をディスプレイ44上に表示するように構成することができる。一部の実施形態では、コントローラ48は、腔内圧が腔内圧限界値に達した及び/又はそれを上回って増大した時にコントローラ48が流量制御モードから腔圧優先モードに切り換わったことをユーザに通知し、腔内圧限界値をオーバーライド及び/又は無視し、それによってコントローラ48を流量制御モードに戻して腔内圧が腔内圧限界値を上回って増大し続けること及び/又はそれを上回ったまま留まることを許すというオプションをユーザに与えるプロンプトをディスプレイ44上に表示するように構成することができる。コントローラ48は、ユーザが腔内圧限界値をオーバーライド及び/又は無視するというオプションを明示的に肯定しない限り、及び/又はコントローラ48に流量制御モードに戻るように明示的に指示しない限り、流量制御モードから腔圧優先モードに自動的に切り換わるように構成することができる。次いで、コントローラ48は、参照番号118に戻り、再度問い合わせを始めることができる。
【0073】
システム圧力が、参照番号104で設定されたシステム圧力限界値よりも高い(例えば、超えた)場合に、コントローラ48は、システム圧力優先モード150に自動的に切り換わるように構成することができ、コントローラは、流量をターゲット流量よりも下に自動的に低減してシステム圧力をシステム圧力限界値に又はそれよりも下に戻す。一部の実施形態では、コントローラ48は、システム圧力がシステム圧力限界値に達した及び/又はそれを上回って増大した時にコントローラ48が流量制御モードからシステム圧力優先モードに切り換わったことをユーザに通知する通知をディスプレイ44上に表示するように構成することができる。一部の実施形態では、コントローラ48は、システム圧力がシステム圧力限界値に達した及び/又はそれを上回って増大した時にコントローラ48が流量制御モードからシステム圧力優先モードに切り換わったことをユーザに通知し、システム圧力限界値をオーバーライド及び/又は無視し、それによってコントローラ48を流量制御モードに戻してシステム圧力がシステム圧力限界値を上回って増大し続けること及び/又はそれを上回ったまま留まることを許すというオプションをユーザに与えるプロンプトをディスプレイ44上に表示するように構成することができる。コントローラ48は、ユーザがシステム圧力限界値をオーバーライド及び/又は無視するというオプションを明示的に肯定しない限り、及び/又はコントローラ48に流量制御モードに戻るように明示的に指示しない限り、流量制御モードからシステム圧力優先モードに自動的に切り換わるように構成することができる。コントローラ48は、システム圧力優先モード150の低減流量を腔圧優先モード160の低減流量と比較し、次いで、これらの低減流量のうちの低い方で作動するように構成することができる。次いで、コントローラ48は、参照番号118に戻り、再度問い合わせを始めることができる。
【0074】
参照番号110に戻ると、コントローラ48は、制限モード112又は通知モード114のいずれで作動されるかを決定するために参照番号104で入力された作動パラメータ及び/又はシステムパラメータを問い合わせするように構成することができる。
図6Bに示す通知モード114では、コントローラ48は、デフォルトで流量制御モードにおいてターゲット流量を維持するように構成することができ、コントローラ48は、圧力センサ74及び/又は圧力センサ67からコントローラ48に通信される測定圧力(例えば、腔内圧及び/又はシステム圧力)をモニタしながら可能な限り常にターゲット流量を維持しようと試みることになる。
【0075】
通知モード114内の参照番号124では、コントローラ48は、測定圧力(例えば、腔内圧)に事前設定許容範囲(例えば、5%、10%、15%、25%など)を加えたものを参照番号104で設定された腔内圧限界値と比較することができる。しかし、制限モード112とは対照的に、測定圧力(例えば、腔内圧)に事前設定許容範囲を加えたものが、参照番号104で設定された腔内圧限界値よりも高い(例えば、超えた)場合に、コントローラ48は、腔限界値通知/警告126をディスプレイ44上に表示するように構成することができる。一部の実施形態では、腔限界値通知/警告126に可聴警告を同時送信することができる。これらは、流量へのいずれの変更も加えることなくユーザにこの状態を通知することになる。例えば、コントローラ48は、依然としてターゲット流量を維持し続けることになる。
【0076】
次いで又は腔内圧に事前設定許容範囲を加えたものが参照番号104で設定された腔内圧限界値よりも低い場合に、コントローラ48は参照番号128に進行し、次いで、システム圧力を参照番号104で設定されたシステム圧力限界値と比較することができる。システム圧力がシステム圧力限界値よりも低い場合に、コントローラ48は、流量制御モード140で作動し続けることができる。システム圧力が、参照番号104で設定されたシステム圧力限界値よりも高い(例えば、超えた)場合に、コントローラ48は、システム圧力優先モード150に自動的に切り換わるように構成することができ、コントローラは、流量をターゲット流量よりも下に自動的に低減してシステム圧力をシステム圧力限界値に又はそれよりも下に戻す。一部の実施形態では、コントローラ48は、システム圧力がシステム圧力限界値に達した及び/又はそれを上回って増大した時にコントローラ48が流量制御モード140からシステム圧力優先モード150に切り換わったことをユーザに通知する通知をディスプレイ44上に表示するように構成することができる。一部の実施形態では、コントローラ48は、システム圧力がシステム圧力限界値に達した及び/又はそれを上回って増大した時にコントローラ48が流量制御モード140からシステム圧力優先モード150に切り換わったことをユーザに通知し、システム圧力限界値をオーバーライド及び/又は無視し、それによってコントローラ48を流量制御モード140に戻してシステム圧力がシステム圧力限界値を上回って増大し続けること及び/又はそれを上回ったまま留まることを許すというオプションをユーザに与えるプロンプトをディスプレイ44上に表示するように構成することができる。コントローラ48は、ユーザがシステム圧力限界値をオーバーライド及び/又は無視するというオプションを明示的に肯定しない限り、及び/又はコントローラ48に流量制御モード140に戻るように明示的に指示しない限り、流量制御モード140からシステム圧力優先モード150に自動的に切り換わるように構成することができる。次いで、コントローラ48は、参照番号124に戻り、再度問い合わせを始めることができる。
【0077】
同じく、流体管理システム10は、それに関連付けられた腔内圧を検出するように構成された圧力センサを持たない医療デバイス20と併用することができる。医療デバイス20がそのように構成される場合に、
図6Cに示すように、コントローラ48は、システム圧力しかモニタすることができない及び/又は流体管理システム10の制御に影響を及ぼすのに使用することができないモードに限定することができる。参照番号106では、コントローラ48は、ユーザが、ターゲット流量及びシステム圧力限界値のような、参照番号104での選択作動パラメータ及び/又は選択システムパラメータを設定することを可能にすることができる。一部の実施形態では、作動パラメータ及び/又はシステムパラメータのうちの1又は2以上は、コントローラ48の中に事前設定、事前ロード、及び/又はハードコード化することができ、従って、これらのパラメータは、手動の選択又は入力に利用することができない。ユーザ選択のための他の作動パラメータ及び/又はシステムパラメータも考えられる。
【0078】
コントローラ48は、デフォルトで流量制御モードにおいてターゲット流量を維持するように構成することができ、圧力センサ67からコントローラ48に通信される測定圧力(例えば、システム圧力)をモニタしながら可能な限り常にターゲット流量を維持しようと試みることになる。参照番号116では、コントローラ48は、測定圧力(例えば、システム圧力)に事前設定許容範囲(例えば、5%、10%、15%、25%など)を加えたものを参照番号106で設定されたシステム圧力限界値と比較することができる。測定圧力がシステム圧力限界値よりも低い場合に、コントローラ48は、流量制御モード140で作動し続けることができる。測定圧力が、参照番号106で設定されたシステム圧力限界値よりも高い(例えば、超えた)場合に、コントローラ48は、システム圧力優先モード150に自動的に切り換わるように構成することができ、コントローラは、流量をターゲット流量よりも下に自動的に低減してシステム圧力をシステム圧力限界値に又はそれよりも下に戻す。一部の実施形態では、コントローラ48は、システム圧力がシステム圧力限界値に達した及び/又はそれを上回って増大した時にコントローラ48が流量制御モード140からシステム圧力優先モード150に切り換わったことをユーザに通知する通知をディスプレイ44上に表示するように構成することができる。一部の実施形態では、コントローラ48は、システム圧力がシステム圧力限界値に達した及び/又はそれを上回って増大した時にコントローラ48が流量制御モード140からシステム圧力優先モード150に切り換わったことをユーザに通知し、システム圧力限界値をオーバーライド及び/又は無視し、それによってコントローラ48を流量制御モード140に戻してシステム圧力がシステム圧力限界値を上回って増大し続けること及び/又はそれを上回ったまま留まることを許すというオプションをユーザに与えるプロンプトをディスプレイ44上に表示するように構成することができる。コントローラ48は、ユーザがシステム圧力限界値をオーバーライド及び/又は無視するというオプションを明示的に肯定しない限り、及び/又はコントローラ48に流量制御モード140に戻るように明示的に指示しない限り、流量制御モード140からシステム圧力優先モード150に自動的に切り換わるように構成することができる。次いで、コントローラ48は、参照番号116に戻り、再度問い合わせを始めることができる。
【0079】
図7及び
図8は、腔圧優先モード160の内外に切り換わるコントローラ48の態様を示している。これらのグラフは、垂直軸上に圧力を水平軸上に時間を示している。最初に、流体管理システム10がオンにされた時に、測定圧力(例えば、腔内圧162)は、ゼロ又はそれに非常に近いとすることができる。ほぼ垂直軸と一致する及び/又は水平軸に沿ってゼロの点と一致する参照番号104(例えば、
図6A)では、ターゲット流量142及び/又は腔内圧限界値168は、ユーザがコントローラ48の中に入力することができる。流体管理システム10及び/又はコントローラがターゲット流量142で作動する時に、腔内圧162は増大する場合がある。この増大は、実施されている手順、手順中に達成される処置、状態の変化などに依存して線形である、指数関数的である、放物状である、及び/又は経時的な増大及び降下を用いて不規則である場合がある。
【0080】
何らかの時点で、測定腔内圧162は、グラフ上の参照番号164に示すように腔内圧限界値168を上回って増大する場合がある。測定腔内圧162が、参照番号104で設定された腔内圧限界値168を上回って増大した後、及び/又は腔内圧限界値168にそれに対する事前設定許容範囲(例えば、5%、10%、15%、25%など)を加えたものを上回って増大した後に、コントローラ48は、参照番号144(例えば、低減流量)に示すようにターゲット流量142よりも下に流量をコントローラ48が自動的に低減する腔圧優先モード160に切り換わって測定圧力(例えば、腔内圧162)を事前設定圧力閾値(例えば、腔内圧限界値168)に又はそれよりも下に戻すように構成することができる。一部の実施形態では、コントローラ48は、測定腔内圧162が腔内圧限界値168に達した及び/又はそれを上回って増大した時にコントローラ48が流量制御モード140から腔圧優先モード160に切り換わったことをユーザに通知する通知をディスプレイ44上に表示するように構成することができる。一部の実施形態では、コントローラ48は、測定腔内圧162が腔内圧限界値168に達した及び/又はそれを上回って増大した時にコントローラ48が流量制御モード140から腔圧優先モード160に切り換わったことをユーザに通知し、腔内圧限界値168をオーバーライド及び/又は無視し、それによってコントローラ48を流量制御モード140に戻して測定腔内圧162が腔内圧限界値168を上回って増大し続けること及び/又はそれを上回ったまま留まることを許すというオプションをユーザに与えるプロンプトをディスプレイ44上に表示するように構成することができる。コントローラ48は、ユーザが腔内圧限界値168をオーバーライド及び/又は無視するというオプションを明示的に肯定しない限り、及び/又はコントローラ48に流量制御モード140に戻るように明示的に指示しない限り、流量制御モード140から腔圧優先モード160に自動的に切り換わるように構成することができる。
【0081】
一部の実施形態では、参照番号166に示すように、測定圧力(例えば、腔内圧162)が軽減された及び/又は事前設定圧力閾値(例えば、腔内圧限界値168)よりも下に低下した時に、コントローラ48は、腔圧優先モード160から流量制御モード140に切り換わって戻るように構成することができる。一部の実施形態では、コントローラ48は、測定圧力が軽減された及び/又は事前設定圧力閾値よりも下に低下した時に、ユーザが腔圧優先モード160から切り換えることを望むかを尋ねるプロンプトをディスプレイ44上に表示するように構成することができる。一部の実施形態では、このプロンプトは、ユーザが腔圧優先モード160から流量制御モード140又は調節流量制御モード141のいずれに切り換えて戻すことを望むかを尋ねることができる。少なくとも一部の実施形態では、流量制御モード140に切り換えて戻す時に、流量は、
図7の参照番号146に示すように流量制御モード140によって構成された及び/又はそれに関連付けられたターゲット流量142に戻ることができる。一部の実施形態では、コントローラ48は、測定圧力(例えば、腔内圧162)が事前設定圧力閾値よりも下に低下した時に、ユーザが流量制御モード140に切り換えて戻すことを望むかを尋ねるプロンプトをディスプレイ44上に表示するように構成することができる。一部の実施形態では、コントローラ48は、測定圧力(例えば、腔内圧162)が事前設定圧力閾値よりも下に低下した時に、ディスプレイ44上に通知を表示し、腔圧優先モード160から流量制御モード140に自動的に切り換わって戻るように構成することができる。
【0082】
一部の実施形態では、参照番号166に示すように、測定圧力(例えば、腔内圧162)が軽減された及び/又は事前設定圧力閾値(例えば、腔内圧限界値168)よりも下に低下した時に、コントローラ48は、腔圧優先モード160から調節流量制御モード141に切り換わるように構成することができる。
図8の参照番号148に示すように、コントローラ48は、調節流量制御モード141にある時に腔圧優先モード160の低減流量で作動するように構成することができる。例えば、調節流量制御モード141では、その後に、流量は、腔圧優先モード160に関連付けられた低減流量に維持することができる。一部の実施形態では、コントローラ48は、測定圧力(例えば、腔内圧162)が事前設定圧力閾値よりも下に低下した時に、ユーザが調節流量制御モード141に切り換えることを望むかを尋ねるプロンプトをディスプレイ44上に表示するように構成することができる。一部の実施形態では、コントローラ48は、測定圧力(例えば、腔内圧162)が事前設定圧力閾値よりも下に低下した時に、ディスプレイ44上に通知を表示し、腔圧優先モード160から調節流量制御モード141に自動的に切り換わるように構成することができる。
【0083】
図9及び
図10は、システム圧力優先モード150の内外に切り換わるコントローラ48の態様を示している。これらのグラフは、垂直軸上に圧力を水平軸上に時間を例示する。最初に、流体管理システム10がオンにされた時に、測定圧力(例えば、システム圧力152)をゼロ又はそれに非常に近いとすることができる。ほぼ垂直軸と一致する及び/又は水平軸に沿ってゼロの点と一致する参照番号104(例えば、
図6A)又は参照番号106(例えば、
図6C)では、ターゲット流量142及び/又はシステム圧力限界値158をユーザがコントローラ48の中に入力することができる。流体管理システム10及び/又はコントローラがターゲット流量142で作動する時に、システム圧力152は増大する場合がある。この増大は、実施されている手順、手順中に達成される処置、状態の変化などに依存して線形である、指数関数的である、放物状であり、及び/又は経時的な増大及び降下を用いて不規則である場合がある。
【0084】
何らかの時点で、測定システム圧力152は、グラフ上の参照番号154に示すように、システム圧力限界値158を上回って増大する場合がある。測定システム圧力152が、参照番号104/106で設定されたシステム圧力限界値158を上回って増大した後、及び/又はシステム圧力限界値158にそれに対する事前設定許容範囲(例えば、5%、10%、15%、25%など)を加えたものを上回って増大した後に、コントローラ48は、参照番号144(例えば、低減流量)に示すようにターゲット流量142よりも下に流量をコントローラ48が自動的に低減するためのシステム圧力優先モード150に切り換わって測定圧力(例えば、システム圧力152)を事前設定圧力閾値(例えば、システム圧力限界値158)に又はそれよりも下に戻すように構成することができる。一部の実施形態では、コントローラ48は、測定システム圧力152がシステム圧力限界値158に達した及び/又はそれを上回って増大した時にコントローラ48が流量制御モード140からシステム圧力優先モード150に切り換わったことをユーザに通知する通知をディスプレイ44上に表示するように構成することができる。一部の実施形態では、コントローラ48は、測定システム圧力152がシステム圧力限界値158に達した及び/又はそれを上回って増大した時にコントローラ48が流量制御モード140からシステム圧力優先モード150に切り換わったことをユーザに通知し、システム圧力限界値158をオーバーライド及び/又は無視し、それによってコントローラ48を流量制御モード140に戻して測定システム圧力152がシステム圧力限界値158を上回って増大し続けること及び/又はそれを上回ったまま留まることを許すというオプションをユーザに与えるプロンプトをディスプレイ44上に表示するように構成することができる。コントローラ48は、ユーザがシステム圧力限界値158をオーバーライド及び/又は無視するというオプションを明示的に肯定しない限り、及び/又はコントローラ48に流量制御モード140に戻るように明示的に指示しない限り、流量制御モード140からシステム圧力優先モード150に自動的に切り換わるように構成することができる。
【0085】
一部の実施形態では、参照番号156に示すように、測定圧力(例えば、システム圧力152)が軽減された及び/又は事前設定圧力閾値(例えば、システム圧力限界値158)よりも下に低下した時に、コントローラ48は、システム圧力優先モード150から流量制御モード140に切り換わって戻るように構成することができる。一部の実施形態では、コントローラ48は、測定圧力が軽減された及び/又は事前設定圧力閾値よりも下に低下した時に、ユーザがシステム圧力優先モード150から切り換えることを望むかを尋ねるプロンプトをディスプレイ44上に表示するように構成することができる。一部の実施形態では、このプロンプトは、ユーザがシステム圧力優先モード150から流量制御モード140又は調節流量制御モード141のいずれに切り換えて戻すことを望むかを尋ねることができる。少なくとも一部の実施形態では、流量制御モード140に切り換えて戻す時に、流量は、
図9の参照番号146に示すように、流量制御モード140によって構成された及び/又はそれに関連付けられたターゲット流量142に戻ることができる。一部の実施形態では、コントローラ48は、測定圧力(例えば、システム圧力152)が事前設定圧力閾値よりも下に低下した時に、ユーザが流量制御モード140に切り換えて戻すことを望むかを尋ねるプロンプトをディスプレイ44上に表示するように構成することができる。一部の実施形態では、コントローラ48は、測定圧力(例えば、システム圧力152)が事前設定圧力閾値よりも下に低下した時に、ディスプレイ44上に通知を表示し、システム圧力優先モード150から流量制御モード140に自動的に切り換わって戻るように構成することができる。
【0086】
一部の実施形態では、参照番号156に示すように、測定圧力(例えば、システム圧力152)が軽減された及び/又は事前設定圧力閾値(例えば、システム圧力限界値158)よりも下に低下した時に、コントローラ48は、システム圧力優先モード150から調節流量制御モード141に切り換わるように構成することができる。
図10の参照番号148に示すように、コントローラ48は、調節流量制御モード141にある時にシステム圧力優先モード150の低減流量で作動するように構成することができる。例えば、調節流量制御モード141では、その後に、流量は、システム圧力優先モード150に関連付けられた低減流量に維持することができる。一部の実施形態では、コントローラ48は、測定圧力(例えば、システム圧力152)が事前設定圧力閾値よりも下に低下した時に、ユーザが調節流量制御モード141に切り換えることを望むかを尋ねるプロンプトをディスプレイ44上に表示するように構成することができる。一部の実施形態では、コントローラ48は、測定圧力(例えば、システム圧力152)が事前設定圧力閾値よりも下に低下した時に、ディスプレイ44上に通知を表示し、システム圧力優先モード150から調節流量制御モード141に自動的に切り換わるように構成することができる。
【0087】
図11は、腔圧優先モード160の態様を示す流れ図である。コントローラ48は、本明細書で議論する腔圧優先モード160に切り換わった時に、参照番号180に示すように、ターゲット流量142、実際の流量、及び/又は事前設定圧力閾値(例えば、腔内圧限界値168)に対する測定腔内圧162に依存する調節流量又は低減流量を計算するように構成することができる。次いで、参照番号182に見られるように、コントローラ48は、測定圧力(例えば、腔内圧162)に事前設定許容範囲(例えば、5%、10%、15%、25%など)を加えたものを参照番号104で設定された腔内圧限界値168と比較することができる。一部の実施形態では、測定腔内圧162に事前設定許容範囲を加えたものが、参照番号104で設定された腔内圧限界値168よりも高い(例えば、超えた)場合に、コントローラ48は、システム圧力を本明細書で議論するシステム圧力限界値と比較する段階に進行することができる。測定腔内圧162に事前設定許容範囲を加えたものが、参照番号104で設定された腔内圧限界値168よりも高い場合に、コントローラ48は、腔圧優先モード160で測定腔内圧162をモニタし続けながら低減流量で作動して測定腔内圧162を腔内圧限界値168に又はそれよりも下に戻す段階に進行することができる。次いで、コントローラ48は、再度問い合わせを始める段階に進行することができる。
【0088】
一部の実施形態では、測定腔内圧162に事前設定許容範囲を加えたものが、参照番号104で設定された腔内圧限界値168よりも低い場合に、コントローラ48は、参照番号184に見られるように、ユーザが腔圧優先モード160から切り換える(例えば、離れる)と望むかを尋ねるプロンプトをディスプレイ44上に表示するように構成することができる。ユーザが「ノー」で応答した場合又は一部の実施形態では全く応答し損なった場合に、コントローラ48は、腔圧優先モード160で測定腔内圧162をモニタしながら低減流量で作動し続けることができる。次いで、コントローラ48は、再度問い合わせを始める段階に進行することができる。ユーザが「イエス」と応答した場合に、参照番号186に示すように、コントローラ48は、ユーザがターゲット流量142を使用する流量制御モード140に戻ろうと望むか否か又は低減流量を用い続けることによって調節流量制御モード141に切り換えることを望むかを尋ねる第2のプロンプトをディスプレイ44上に表示することができる。次いで、コントローラ48は、ユーザ選択に従って流量制御モード140又は調節流量制御モード141で作動するように進行することができる。
【0089】
図12は、システム圧力優先モード150の態様を示す流れ図である。コントローラ48は、本明細書で議論するシステム圧力優先モード150に切り換わった時に、参照番号190に示すように、ターゲット流量142、実際の流量、及び/又は事前設定圧力閾値(例えば、システム圧力限界値158)に対する測定システム圧力152に依存する調節流量又は低減流量を計算するように構成することができる。次いで、参照番号192に見られるように、コントローラ48は、測定圧力(例えば、システム圧力152)に事前設定許容範囲(例えば、5%、10%、15%、25%など)を加えたものを参照番号104/106で設定されたシステム圧力限界値158と比較することができる。一部の実施形態では、測定システム圧力152に事前設定許容範囲を加えたものが、参照番号104/106で設定されたシステム圧力限界値158よりも高い(例えば、超えた)場合に、コントローラ48は、システム圧力優先モード150で測定システム圧力152をモニタし続けながら低減流量で作動して測定システム圧力152をシステム圧力限界値158に又はそれよりも下に戻す段階に進行することができる。次いで、コントローラ48は、再度問い合わせを始める段階に進行することができる。
【0090】
一部の実施形態では、測定システム圧力152に事前設定許容範囲を加えたものが、参照番号104/106で設定されたシステム圧力限界値158よりも低い場合に、コントローラ48は、参照番号194に見られるように、ユーザがシステム圧力優先モード150から切り換える(例えば、離れる)と望むかを尋ねるプロンプトをディスプレイ44上に表示するように構成することができる。ユーザが「ノー」で応答した場合又は一部の実施形態では全く応答し損なった場合に、コントローラ48は、システム圧力優先モード150で測定システム圧力152をモニタしながら低減流量で作動し続けることができる。次いで、コントローラ48は、再度問い合わせを始める段階に進行することができる。ユーザが「イエス」と応答した場合に、参照番号196に示すように、コントローラ48は、ユーザがターゲット流量142を使用する流量制御モード140に戻ろうと望むか又は低減流量を用い続けることによって調節流量制御モード141に切り換えることを望むかを尋ねる第2のプロンプトをディスプレイ44上に表示することができる。次いで、コントローラ48は、ユーザ選択に従って流量制御モード140又は調節流量制御モード141で作動するように進行することができる。
【0091】
一部の実施形態では、ある流量で流体供給源34から患者内の治療部位まで流体をポンピングするように構成された流入ポンプ50と流量制御モード140においてターゲット流量142で作動するように構成されたコントローラ48とを含む流体管理システム10内の流体流れを制御する方法は、ターゲット流量142と事前設定圧力閾値とを含むパラメータをコントローラ48の中に設定する段階を含むことができる。一部の実施形態では、事前設定圧力閾値は、腔内圧限界値168である。一部の実施形態では、事前設定圧力閾値は、システム圧力限界値158である。
【0092】
一部の実施形態では、本方法は、コントローラ48を流量制御モード140で作動させる段階を含むことができ、コントローラ48は、圧力センサからコントローラ48に通信される測定圧力をモニタしながらターゲット流量142を維持する。一部の実施形態では、測定圧力は、腔内圧162とすることができる。一部の実施形態では、腔内圧162は、圧力センサ74からコントローラ48に通信することができる。他の構成も考えられる。一部の実施形態では、測定圧力は、システム圧力152とすることができる。一部の実施形態では、システム圧力152は、圧力センサ67からコントローラ48に通信することができる。他の構成も考えられる。
【0093】
一部の実施形態では、本方法は、測定圧力が事前設定圧力閾値に達した時に、コントローラ48を流量制御モード140からコントローラ48がターゲット流量142よりも下に流量を自動的に低減して測定圧力を事前設定圧力閾値に又はそれよりも下に戻す圧力優先モードに自動的に切り換える段階を含むことができる。一部の実施形態では、本方法は、コントローラ48を流量制御モード140からコントローラ48がターゲット流量142よりも下に流量を自動的に低減して測定腔内圧162を腔内圧限界値168に又はそれよりも下に戻す腔圧優先モード160に自動的に切り換える段階を含むことができる。一部の実施形態では、コントローラ48は、測定腔内圧162が腔内圧限界値168に達した及び/又はそれを上回って増大した時にコントローラ48が流量制御モード140から腔圧優先モード160に切り換わったことをユーザに通知する通知をディスプレイ44上に表示するように構成することができる。一部の実施形態では、コントローラ48は、測定腔内圧162が腔内圧限界値168に達した及び/又はそれを上回って増大した時にコントローラ48が流量制御モード140から腔圧優先モード160に切り換わったことをユーザに通知し、腔内圧限界値168をオーバーライド及び/又は無視し、それによってコントローラ48を流量制御モード140に戻して測定腔内圧162が腔内圧限界値168を上回って増大し続けること及び/又はそれを上回ったまま留まることを許すというオプションをユーザに与えるプロンプトをディスプレイ44上に表示するように構成することができる。コントローラ48は、ユーザが腔内圧限界値168をオーバーライド及び/又は無視するというオプションを明示的に肯定しない限り、及び/又はコントローラ48に流量制御モード140に戻るように明示的に指示しない限り、流量制御モード140から腔圧優先モード160に自動的に切り換わるように構成することができる。
【0094】
一部の実施形態では、本方法は、コントローラ48を流量制御モード140からコントローラ48がターゲット流量142よりも下に流量を自動的に低減して測定システム圧力152をシステム圧力限界値158に又はそれよりも下に戻すシステム圧力優先モード150に自動的に切り換える段階を含むことができる。一部の実施形態では、コントローラ48は、測定システム圧力152がシステム圧力限界値158に達した及び/又はそれを上回って増大した時にコントローラ48が流量制御モード140からシステム圧力優先モード150に切り換わったことをユーザに通知する通知をディスプレイ44上に表示するように構成することができる。一部の実施形態では、コントローラ48は、測定システム圧力152がシステム圧力限界値158に達した及び/又はそれを上回って増大した時にコントローラ48が流量制御モード140からシステム圧力優先モード150に切り換わったことをユーザに通知し、システム圧力限界値158をオーバーライド及び/又は無視し、それによってコントローラ48を流量制御モード140に戻して測定システム圧力152がシステム圧力限界値158を上回って増大し続けること及び/又はそれを上回ったまま留まることを許すというオプションをユーザに与えるプロンプトをディスプレイ44上に表示するように構成することができる。コントローラ48は、ユーザがシステム圧力限界値158をオーバーライド及び/又は無視するというオプションを明示的に肯定しない限り、及び/又はコントローラ48に流量制御モード140に戻るように明示的に指示しない限り、流量制御モード140からシステム圧力優先モード150に自動的に切り換わるように構成することができる。
【0095】
一部の実施形態では、本方法は、測定圧力(例えば、腔内圧162及び/又はシステム圧力152それぞれ)が事前設定圧力閾値(例えば、腔内圧限界値168及び/又はシステム圧力限界値158それぞれ)よりも下に低下した時に、ユーザが圧力優先モード(例えば、腔圧優先モード160及び/又はシステム圧力優先モード150)から切り換えることを望むかを尋ねるプロンプトをディスプレイ44上に表示する段階を含むことができる。一部の実施形態では、本方法は、測定圧力が事前設定圧力閾値よりも下に低下した時点でユーザが圧力優先モードから切り換える又は解除することを望むかを尋ねるプロンプトをディスプレイ44上に表示する段階を含むことができる。従って、少なくとも一部の実施形態では、プロンプトを表示する段階は、測定圧力が事前設定圧力閾値よりも下に低下するタイミングと相関する。
【0096】
一部の実施形態では、本方法は、ユーザが圧力優先モードから切り換える又は解除することを確認した場合に、ユーザが流量制御モード140及びターゲット流量142に戻ろうと望むか又は調節流量制御モード141に切り換えて圧力優先モード(例えば、腔圧優先モード160及び/又はシステム圧力優先モード150)に関連付けられた低減流量を使用する段階を続けることを望むかを尋ねるプロンプトをディスプレイ44上に表示する段階を更に含むことができる。
【0097】
一部の実施形態では、腔内圧限界値168及び/又はシステム圧力限界値158は、-600mmHgから+600mmHg、-300mmHgから+300mmHg、0mmHgから+300mmHg、+25mmHgから+250mmHg、+50mmHgから+150mmHgの範囲、又は別の適した範囲にあることが可能である。一部の実施形態では、腔内圧限界値168及び/又はシステム圧力限界値158は、圧力センサ67及び/又は圧力センサ74の機能に少なくとも部分的に基づいて選択及び/又は決定することができる。一部の実施形態では、腔内圧限界値168及び/又はシステム圧力限界値158に対する事前設定許容範囲は、±5%、±10%、±15%、±20%、±25%、±30%、又は別の適した範囲又は値とすることができる。一部の実施形態では、腔内圧限界値168及び/又はシステム圧力限界値158に対する事前設定許容範囲は、±2mmHg、±5mmHg、±10mmHg、±15mmHg、又は別の範囲とすることができる。
【0098】
当業者は、本発明を本明細書に説明し、かつ考えられた特定の実施形態以外の様々な形態に実施することができることを認識するであろう。従って、特許請求の範囲に言及する本発明の範囲及び精神から逸脱することなく形態及び詳細の変更を行うことができる。
【0099】
本明細書に開示するシステム及びその様々な要素の様々な構成要素に使用することができる材料は、一般的に、医療デバイスに関連付けられたものを含むことができる。簡略化の目的で、以下の議論はシステムに関するものである。しかし、この議論は、流体管理システム、医療デバイス、細長シャフト、流入ポンプ、流体加温システム、コントローラ、供給ライン、ロードセル、ハンドル、ワークステーション、表示画面、流体供給源、回収容器、及び/又はこれらの要素又は構成要素などであるがこれらに限定されない本明細書に開示する他の要素、部材、構成要素、又はデバイスに当て嵌めることができるので、上述の関連性は、本明細書に説明するデバイス及び方法を限定するように意図したものではない。
【0100】
一部の実施形態では、システム及び/又はその構成要素は、金属、金属合金、ポリマー(一部の例を下記で開示する)、金属-ポリマー複合物、セラミック、及びこれらの組合せなど、又は他の適した材料から製造することができる。
【0101】
適したポリマーの一部の例は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリオキシメチレン(POM、例えば、DuPontから利用可能なDELRIN(登録商標))、ポリエーテルブロックエステル、ポリウレタン(例えば、Polyurethane85A)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエーテルエステル(例えば、DSM Engineering Plasticsから利用可能なARNITEL(登録商標))、エーテル系又はエステル系のコポリマー(例えば、ブチレン/ポリ(アルキレンエーテル)フタラート及び/又は他のポリエステルエラストマー、例えば、DuPontから利用可能なHYTREL(登録商標))、ポリアミド(例えば、Bayerから利用可能なDURETHAN(登録商標)又はElf Atochemから利用可能なCRISTAMID(登録商標))、エラストマーポリアミド、ブロックポリアミド/エーテル、ポリエーテルブロックアミド(PEBA、例えば、PEBAX(登録商標)という商品名の下で利用可能なもの)、エチレンビニルアセタートコポリマー(EVA)、シリコーン、ポリエチレン(PE)、MARLEX(登録商標)高密度ポリエチレン、MARLEX(登録商標)低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(例えば、REXELL(登録商標))、ポリエステル、ポリブチレンテレフタラート(PBT)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリトリメチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタラート(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(例えば、KEVLAR(登録商標))、ポリスルホン、ナイロン、ナイロン12(EMS American Grilonから利用可能なGRILAMID(登録商標)など)、ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PFA)、エチレンビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリスチレン、エポキシ、ポリビニリデンクロリド(PVdC)、ポリ(スチレン-b-イソブチレン-b-スチレン)(例えば、SIBS及び/又はSIBS 50A)、ポリカーボネート、ポリウレタンシリコーンコポリマー(例えば、Aortech BiomaterialsからのElastEon(登録商標)又はAdvanSource BiomaterialsからのChronoSil(登録商標))、生体適合性ポリマー、他の適した材料、又は混合物、組合せ、そのコポリマー、及びポリマー/金属複合物などを含むことができる。一部の実施形態では、シースは、液晶ポリマー(LCP)と配合することができる。例えば、この混合物は、約6パーセントまでのLCPを含有することができる。
【0102】
適した金属及び金属合金の一部の例は、ステンレス鋼、例えば、304V、304L、及び316LVのステンレス鋼、軟鋼、ニッケル-チタン合金、例えば、線形弾性及び/又は超弾性のニチノール、他のニッケル合金、例えば、ニッケル-クロム-モリブデン合金(例えば、UNS:N06625、例えば、INCONEL(登録商標)625、UNS:N06022、例えば、HASTELLOY(登録商標)C-22(登録商標)、UNS:N10276、例えば、HASTELLOY(登録商標)C276(登録商標)及び他のHASTELLOY(登録商標)合金など)、ニッケル-銅合金(例えば、UNS:N04400、例えば、MONEL(登録商標)400、NICKELVAC(登録商標)400、及びNICORROS(登録商標)400など)、ニッケル-コバルト-クロム-モリブデン合金(例えば、UNS:R30035、例えば、MP35-N(登録商標)など)、ニッケル-モリブデン合金(例えば、UNS:N10665、例えば、HASTELLOY(登録商標)ALLOY B2(登録商標))、他のニッケル-クロム合金、他のニッケル-モリブデン合金、他のニッケル-コバルト合金、他のニッケル-鉄合金、他のニッケル-銅合金、及び他のニッケル-タングステン合金又はタングステン合金など、コバルト-クロム合金、コバルト-クロム-モリブデン合金(例えば、UNS:R30003、例えば、ELGILOY(登録商標)及びPHYNOX(登録商標)など)、プラチナ富化ステンレス鋼、チタン、プラチナ、パラジウム、金、これらの組合せ、又はいずれかの他の適した材料を含む。
【0103】
少なくとも一部の実施形態では、システム及び/又はその構成要素の各部分又は全ては、放射線不透過性材料でドーピングする、それで製造するか、又はこれらの一部分又は全ては、放射線不透過性材料を他に含むことができる。放射線不透過性材料は、医療手順中に蛍光透視画面上に比較的高い輝度の画像を生成する機能又は別の画像生成技術の機能を有する材料であると理解される。この比較的高輝度の画像は、システムのユーザがその場所を決定することを支援する。放射線不透過性材料の一部の例は、金、プラチナ、パラジウム、タンタル、タングステン合金、及び放射線不透過性充填剤が充填されたポリマー材料などを含むことができるがこれらに限定されない。これに加えて、同じ結果を達成するのに、他の放射線不透過性マーカのバンド及び/又はコイルをシステム設計の中に組み込むことができる。
【0104】
一部の実施形態では、本明細書に開示するシステム及び/又は他の要素の中にある程度の核磁気共鳴撮像(MRI)適合性が付与される。例えば、システム及び/又はその構成要素又は各部分は、画像を実質的にひずませて実質的な歪像(すなわち、画像内のギャップ)を発生させることのない材料で製造することができる。ある一定の強磁性材料は、例えば、MRI画像内に歪像を発生させる可能性があることで適切ではない場合がある。システム又はその各部分はまた、MRI機械が撮像することができる材料から製造することができる。これらの特性を提供する一部の材料は、例えば、タングステン、コバルト-クロム-モリブデン合金(例えば、UNS:R30003、例えば、ELGILOY(登録商標)及びPHYNOX(登録商標)など)、ニッケル-コバルト-クロム-モリブデン合金(例えば、UNS:R30035、例えば、MP35-N(登録商標)など)、及びニチノールなど、及びその他を含む。
【0105】
一部の実施形態では、本明細書に開示するシステム及び/又は他の要素は、適した治療薬を含む及び/又はそれを用いて治療することができる。適した治療薬の一部の例は、抗血栓形成薬(ヘパリン、ヘパリン誘導体、ウロキナーゼ、及びPPack(デキストロフェニルアラニンプロリンアルギニンクロロメチルケトン)のような)、抗増殖薬(エノキサパリン、アンジオペプチン、順調な筋細胞増殖を阻害する機能を有するモノクローナル抗体、ヒルジン、及びアセチルサリチル酸のような)、抗炎症薬(デキサメタゾン、プレドニゾロン、コルチコステロン、ブデソニド、エストロゲン、スルファサラジン、及びメサラミンのような)、抗腫瘍/抗増殖/抗有糸分裂薬(パクリタキセル、5-フルオロウラシル、シスプラチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エポチロン、エンドスタチン、アンジオスタチン、及びチミジンキナーゼ阻害剤のような)、麻酔薬(リドカイン、ブピバカイン、及びロピバカインのような)、抗凝血剤(D-Phe-Pro-Argクロロメチルケトン、RGDペプチド含有化合物、ヘパリン、抗トロンビン化合物、血小板受容体拮抗剤、抗トロンビン抗体、抗血小板受容体抗体、アスピリン、プロスタグランジン阻害剤、血小板阻害剤、及びチック抗血小板ペプチドのような)、血管細胞増殖促進剤(増殖因子阻害剤、増殖因子受容体拮抗剤、転写活性化因子、及び翻訳促進剤のような)、血管細胞増殖阻害剤(増殖因子阻害剤、増殖因子受容体拮抗剤、転写抑制因子、翻訳抑制因子、複製阻害剤、阻害性抗体、増殖因子に対する抗体、増殖因子と細胞毒とで構成される二官能性分子、抗体と細胞毒とで構成される二官能性分子のような)コレステロール降下薬、血管拡張薬、及び内因性血管作用機構を妨害する薬を含むことができる。
【0106】
この開示は、多くの点に関して単に例示的であることを理解しなければならない。変更は、本発明の範囲を越えることなく、詳細に関して、特に形状、サイズ、及び段階の配置に関して加えることができる。これは、それが適切である限り、他の実施形態に使用されている1つの例示的実施形態の特徴のうちのいずれかの使用を含むことができる。本発明の範囲は、当然ながら、添付の特許請求の範囲が表現される文言で定められる。
【符号の説明】
【0107】
10 流体管理システム
20 医療デバイス
34 流体供給源
50 流入ポンプ
94 供給ロードセル
【手続補正書】
【提出日】2024-08-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体管理システムであって、
ある流量で流体供給源から患者内の治療部位まで流体をポンピングするように構成された流入ポンプと、
流量制御モードにおいてターゲット流量で作動するように構成されたコントローラと、
を備え、
前記流量制御モードでは、前記コントローラは、圧力センサから該コントローラに通信される測定圧力をモニタしながら前記ターゲット流量を維持するように構成され、前記圧力センサは、(1)前記流体管理システムに設けられてシステム圧力を測定し、又は、(2)内視鏡に設けられて腔内圧を測定し、
前記圧力センサが内視鏡に設けられるとき、前記コントローラは、前記腔内圧が前記流体管理システムを制御するために用いられるモードで作動し、
前記圧力センサが前記流体管理システムに設けられるとき、前記コントローラは、前記システム圧力が前記流体管理システムを制御するために用いられるモードで作動する、流体管理システム。
【請求項2】
前記腔内圧が前記流体管理システムを制御するために用いられるモードにおいて、前記コントローラは、事前設定許容範囲を加えた測定腔内圧を設定された腔内圧限界値と比較するように構成されている、請求項1に記載の流体管理システム。
【請求項3】
前記事前設定許容範囲は±15mmHgである、請求項2に記載の流体管理システム。
【請求項4】
前記事前設定許容範囲は±10mmHgである、請求項2に記載の流体管理システム。
【請求項5】
前記事前設定許容範囲は±5mmHgである、請求項2に記載の流体管理システム。
【請求項6】
前記コントローラは、前記測定腔内圧が前記腔内圧限界値に達したとき、前記流量制御モードから圧力優先モードへ自動的に切り換わるように構成されている、請求項2に記載の流体管理システム。
【請求項7】
前記コントローラは、前記測定腔内圧が前記腔内圧限界値よりも下に低下したときにユーザが前記流量制御モードに切り換えて戻すことを望むかを尋ねるプロンプトをディスプレイ上に表示するように構成されている、請求項6に記載の流体管理システム。
【請求項8】
前記コントローラは、前記測定腔内圧が前記腔内圧限界値に達したとき、ディスプレイ上に通知を表示する、請求項2に記載の流体管理システム。
【請求項9】
前記システム圧力が前記流体管理システムを制御するために用いられるモードにおいて、前記コントローラは、事前設定許容範囲を加えた測定システム圧力を設定されたシステム圧力限界値と比較するように構成されている、請求項1に記載の流体管理システム。
【請求項10】
前記事前設定許容範囲は±15mmHgである、請求項9に記載の流体管理システム。
【請求項11】
前記事前設定許容範囲は±10mmHgである、請求項9に記載の流体管理システム。
【請求項12】
前記事前設定許容範囲は±5mmHgである、請求項9に記載の流体管理システム。
【請求項13】
前記コントローラは、前記測定システム圧力が前記システム圧力限界値に達したとき、前記流量制御モードから圧力優先モードへ自動的に切り換わるように構成されている、請求項9に記載の流体管理システム。
【請求項14】
前記コントローラは、前記測定システム圧力が前記システム圧力限界値よりも下に低下したときにユーザが前記流量制御モードに切り換えて戻すことを望むかを尋ねるプロンプトをディスプレイ上に表示するように構成されている、請求項13に記載の流体管理システム。
【請求項15】
前記コントローラは、前記流体管理システムに接続されている内視鏡のタイプを決定するための検査を行うように構成されている、請求項1~14のいずれか1項に記載の流体管理システム。
【請求項16】
流体管理システムであって、
ある流量で流体供給源から患者内の治療部位まで流体をポンピングするように構成された流入ポンプと、
流量制御モードにおいてターゲット流量で作動するように構成されたコントローラと、
を備え、
前記流量制御モードでは、前記コントローラは、圧力センサから該コントローラに通信される測定圧力をモニタしながら前記ターゲット流量を維持するように構成され、前記圧力センサは、(1)前記流体管理システムに設けられてシステム圧力を測定し、又は、(2)内視鏡に設けられて腔内圧を測定し、
前記コントローラは、事前設定許容範囲を加えた測定圧力を設定された圧力限界値と比較するように設定されている、流体管理システム。
【請求項17】
前記測定圧力が設定された圧力限界値に達したとき、前記コントローラは、前記流量制御モードから、該コントローラが前記流量を前記ターゲット流量よりも下に自動的に低減する圧力優先モードに自動的に切り換わるように構成されている、請求項16に記載の流体管理システム。
【請求項18】
前記コントローラは、前記測定圧力が設定された前記圧力限界値よりも下に低下したときに前記圧力優先モードから前記流量制御モードに切り換わって戻るように構成されている、請求項17に記載の流体管理システム。
【請求項19】
前記コントローラは、前記測定圧力が設定された前記圧力限界値よりも下に低下したときに前記圧力優先モードから調節流量制御モードに切り換わるように構成されている、請求項17に記載の流体管理システム。
【請求項20】
前記測定圧力が前記治療部位での内視鏡の圧力センサにより測定された腔内圧であって、設定された前記圧力限界値が腔内圧限界値であり、又は、
前記測定圧力が前記流体管理システム内で測定されたシステム圧力であって、設定された前記圧力限界値がシステム圧力限界値である、
請求項16~19のいずれか1項に記載の流体管理システム。
【外国語明細書】