(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161367
(43)【公開日】2024-11-19
(54)【発明の名称】デバイス識別方法
(51)【国際特許分類】
H04M 1/72412 20210101AFI20241112BHJP
H04M 1/72469 20210101ALI20241112BHJP
A24F 40/65 20200101ALI20241112BHJP
H04W 84/18 20090101ALN20241112BHJP
H04W 84/10 20090101ALN20241112BHJP
【FI】
H04M1/72412
H04M1/72469
A24F40/65
H04W84/18
H04W84/10 110
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024113879
(22)【出願日】2024-07-17
(62)【分割の表示】P 2022175567の分割
【原出願日】2018-12-21
(31)【優先権主張番号】1722278.7
(32)【優先日】2017-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ベーカー, ダリル
(72)【発明者】
【氏名】カーシー, ロバート
(72)【発明者】
【氏名】モロニー, パトリック
(57)【要約】 (修正有)
【課題】エアロゾル供給デバイスと携帯電子デバイスとの間で情報を交換する方法及び該携帯電子デバイス提供する。
【解決手段】方法は、ペアドインタラクションをサポートする無線通信インターフェースを介して、無線通信ネットワークを通じてエアロゾル供給デバイスからデータパケットを受信するステップを含む。データパケットは、エアロゾル供給デバイスの少なくとも1つの物理的特性に関する情報を含む。方法はまた、エアロゾル供給デバイスのアイデンティティを、エアロゾル供給デバイスの少なくとも1つの物理的特性に少なくとも部分的に基づいて決定するステップと、ユーザインターフェースの態様を、エアロゾル供給デバイスの決定したアイデンティティに基づいて変更するステップと、を含む。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載された方法。
【発明の詳細な説明】
【分野及び背景】
【0001】
[0001]本開示は方法及び携帯電子デバイスに関する。
【0002】
[0002]Bluetooth(登録商標)及びBluetooth Low Energy(Bluetooth Smart Technologyとしても知られている)などの従来の無線通信方式では、個々のデバイスは特定の通信関係でマスター又はスレーブの役割を果たすノードして動作することができる。したがって、各ノードはマスターの役割かスレーブの役割かを引き受ける。したがって、ある通信ペアでは、一方のノードがマスターとして動作し、他方がスレーブとして動作する。Bluetooth Low Energyの文脈では、マスターはセントラルと呼ばれ、スレーブはペリフェラルと呼ばれることがある。1つのマスター(又はセントラル)ノードは、いくつかのスレーブ(正確な数は、個別のチップセットの実施態様によって制限されることが多い)に対するマスターになることができ、また、あるノードは、複数のマスターに対してスレーブ(又はペリフェラル)として登録することができるが、一度に1つのマスターに対するスレーブとしてのみ動作することができる。
【0003】
[0003]Bluetooth及びBluetooth Low Energyは、共にIEEE802.15.4無線プロトコルに基づいているZigbee(登録商標)及びThread(登録商標)などの他の低速無線パーソナルエリアネットワーク(LR-WPAN:Low-rate wireless personal area network)とは根本的に動作が異なっている。
【0004】
[0004]国際公開第2017/020188号及び米国特許出願公開第2014/0107815号には、エアロゾル供給デバイスと別の電子デバイスとの間で情報を交換する例が記載されている。
【概要】
【0005】
[0005]いくつかの特定の態様及び実施形態が、添付の特許請求の範囲に記載されている。
【0006】
[0006]第1の態様によれば、ペアリングされた相互作用(paired interaction、ペアドインタラクション)をサポートすることができる無線通信インターフェースを介して、無線通信ネットワークを通じてエアロゾル供給デバイスからデータパケットを受信するステップであって、データパケットが、エアロゾル供給デバイスの少なくとも1つの物理的特性に関する情報を含む、ステップと、エアロゾル供給デバイスの少なくとも1つの物理的特性に少なくとも部分的に基づいて、エアロゾル供給デバイスの識別情報(identity、アイデンティティ)を決定するステップと、エアロゾル供給デバイスの決定されたアイデンティティに基づいてユーザインターフェースの態様(aspect、アスペクト)を変更するステップとを含む方法が提供される。
【0007】
[0007]別の態様によれば、少なくとも1つのプロセッサと、ディスプレイと、ペアドインタラクションをサポートすることができる無線通信インターフェースと、命令を含むメモリであり、命令が、少なくとも1つのプロセッサによって実行されるとき、少なくとも1つのプロセッサに、Bluetooth low energy通信インターフェースを介してエアロゾル供給デバイスからデータパケットを受信することであって、データパケットが、エアロゾル供給デバイスの少なくとも1つの物理的特性に関する情報を含む、受信することと、エアロゾル供給デバイスの少なくとも1つの物理的特性に少なくとも部分的に基づいてエアロゾル供給デバイスのアイデンティティを決定することと、エアロゾル供給デバイスの決定されたアイデンティティに基づいて変更されるように、ディスプレイに表示されるユーザインターフェースの態様を変更することとを行わせる、メモリとを備える携帯電子デバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
[0008]次に、本教示の実施形態を、単なる例として、添付の図面を参照して説明する。
【0009】
【
図1】[0009]
図1は、アドバタイジングプロトコルを概略的に示す図である。
【0010】
【
図2】[0010]
図2は、例示的なデバイス環境を概略的に示す図である。
【0011】
【
図3】[0011]
図3は、エアロゾル供給デバイスの機能構成要素を概略的に示す図である。
【0012】
【
図4】[0012]
図4は、プロトコルスタックを概略的に示す図である。
【0013】
【
図5】[0013]
図5は、スキャン応答タイミングを概略的に示す図である。
【0014】
【
図6】[0014]
図6は、モードスケジューリングを概略的に示す図である。
【0015】
【
図7】[0015]
図7は、ノードのメッシュを概略的に示す図である。
【0016】
【
図8】[0016]
図8は、 ノードのメッシュを概略的に示す図である。
【0017】
【
図9】[0017]
図9は、例示的なBLEアドバタイジングパケットを概略的に示す図である。
【0018】
【
図10】[0018]
図10は、例示的なBLEアドバタイジングパケットのPDUを概略的に示す図である。
【0019】
【
図11】[0019]
図11は、携帯電子デバイスの機能構成要素を概略的に示す図である。
【0020】
【
図12】[0020]
図12は、携帯電子デバイスのディスプレイのユーザインターフェースを概略的に示す図である。
【0021】
【
図13】[0021]
図13は、携帯電子デバイスのディスプレイのユーザインターフェースを概略的に示す図である。
【0022】
【
図14】[0022]
図14は、携帯電子デバイスのディスプレイのユーザインターフェースを概略的に示す図である。
【0023】
【
図15】[0023]
図15は、携帯電子デバイスのための方法の示す図である。
【0024】
【
図16】[0024]
図16は、携帯電子デバイスのためのさらなる方法の示す図である。
【詳細な説明】
【0025】
[0025]ここで説明する方式は様々な改変及び代替形態が可能であるが、図には一例として特定の実施形態を示し、本明細書ではそれを詳細に説明する。しかしながら、図及び詳細な説明は、その範囲を、開示される特定の形態に限定することを意図するものではなく、むしろ反対に、その範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定されるような趣旨及び範囲内にある全ての改変物、均等物、及び代替物を包含するものであることを理解すべきである。
【0026】
[0026]本開示は、無線通信の挙動の改変された形態に関する。本教示によれば、デバイスは、Bluetooth又はBluetoothに似た通信プロトコルを使用するようにデバイスを構成することができ、また、そのデバイスと通信するための通信プロトコルを用いて他のデバイスに対して透過的にあり得る様相で、時分割をベースとして同時に異なる通信関係で、マスター/セントラル及びスレーブ/ペリフェラルの両方として動作することができる。
【0027】
[0027]いくつかの例では、これらのデバイスは、他の通信デバイスと通信することを可能にする電子機器を備えた、時には電子ニコチン送出デバイス(END(Electronic Nicotine Delivery)デバイス)としても知られる、いわゆる「Eシガレット」などのエアロゾル供給デバイスのことがある。本明細書では、用語「エアロゾル供給デバイス」は、エアロゾル原料物質を含むデバイス(例えば、エアロゾル原料物質を含むデバイス部分及び使い捨て可能なカトマイザー部分)、及び/又は、エアロゾル原料物質を含まないデバイス(例えば、前述の例のデバイス部分だけ)のどちらも指す。
【0028】
[0028]この例では、デバイスはBluetooth Low Energy(「BTLE」)を使用しているが、他のBluetoothプロトコル又はBluetoothに似たプロトコルが本教示を利用することができる。Bluetoothは、適切に有効にされたデバイス間での短距離通信のための無線技術標準である。BTLEは、バッテリー寿命の延長及び/又は小型バッテリー用途のための、使用時に電力消費が少なくなるように設計された、オリジナルのBluetoothシステムの変形である。Bluetooth及びBTLEは両方とも、2.4~2.485GHzのUHF無線産業科学医療用(ISM:industrial, scientific and medical)帯域で動作し、短距離でデバイス同士を相互接続するための、いわゆる無線パーソナルエリアネットワーク(PAN:personal area network)を生成するように設計されている。BTLEは、通信用のBluetoothスタックの修正版を使用しており、その結果、BTLEデバイスと従来のBluetoothデバイスとは、一方のデバイスが両方のプロトコルを実装していない限り直接的には互換性がない。Bluetooth標準及びBTLE標準は両方とも、Bluetooth Special Interest Group(SIG)によって維持管理されている。本開示は、BTLEに関連するBluetooth v4仕様の部分を用いたBTLEの実施態様という文脈で提供される。しかしながら、当業者であれば、本教示を、Bluetooth v4仕様にも記載されている、いわゆるClassic Bluetooth定義などの他のBluetooth方式に適用することができることは理解されよう。Bluetooth仕様全体には準拠していないがそれでもなおBluetoothに似た様相で振る舞う技術に本教示を適用することができることはさらに理解されよう。
【0029】
[0029]例えば、Bluetooth Low Energy汎用アクセスプロファイル(GAP:Generic Access Profile)に基づくアドバタイジング構成をやはり使用し、したがって、
図1に示すようなアドバタイジング構造を実質的に有する、非Bluetoothシステムは、本教示の技術を利用することができる。
図1は、アドバタイジング構造を示しており、この構造によれば、ペリフェラル(又はスレーブ又はリモート又は2次)デバイスは、アドバタイズメント間隔だけ離れたアドバタイズメント期間の間、ペリフェラル(又はスレーブ又はリモート又は2次)デバイスとして利用することができることをアドバタイズする。このアドバタイズメントは、送信用のデータを含んでもよく、又は送信用のデータが存在することを示してもよく、又はデータ参照が全くなくてもよい。アドバタイズメントを受信するために、セントラル(又は1次又は制御)デバイスは、スキャンウィンドウの期間中にアドバタイズメントを探してスキャンする。複数のスキャンウィンドウが、スキャン間隔だけ離れている。スキャン間隔とアドバタイズメント間隔の相対的な持続期間は、一方のデバイスのタイプでの間隔を一定にして他方を変化させると決定することによって、又は両方とも変化させると決定することによって変更され、その決定は、アドバタイジングプロトコルを実装するための標準又は規則の集合によって設定することができる。スキャン間隔及びアドバタイズメント間隔をこのように相対的に変動させることによって、最初のアドバタイズメント期間が最初のスキャンウィンドウと重ならない場合であっても、いくつかのアドバタイズメント間隔及びスキャン間隔の後で、スキャンウィンドウと重なるアドバタイズメント期間が生じ、その結果、セントラルデバイスとペリフェラルデバイスとの間で接続を開始することができる。
【0030】
[0030]本教示を利用することができるデバイス環境1の第1の例が
図2に示されている。この例では、デバイス環境1中に、いくつかのエアロゾル供給デバイス2a~2eが存在する。様々なエアロゾル供給デバイス2が、点線4によって示された無線リンクを介して相互接続されている。しかしながら、全てのエアロゾル供給デバイス2が互いのエアロゾル供給デバイスと直接的に相互接続されているわけではない。むしろ、エアロゾル供給デバイス2はスキャッタネットデータフローを伴うメッシュ状のパターンで相互接続されている。したがって、メッセージがエアロゾル供給デバイス2aからエアロゾル供給デバイス2dに渡される場合、そのメッセージはエアロゾル供給デバイス2dに到達するために、エアロゾル供給デバイス2b及び2cを(及び、任意選択で2eも)介して渡されることが分かるであろう。いくつかの観点から、メッシュ化又はメッシュ状相互作用の説明を用いる代わりにピコネットとしてのこれらの相互作用を説明することが適切であると考えることができる。読みやすくするために、この明細書では全体を通してメッシュという用語を用いる。
【0031】
[0031]そのようなメッシュ型通信構造を達成するために、本教示と整合性のあるデバイスは、2つ以上のペルソナを引き受けることができ、したがって、2つ以上のBTLE通信関係に属することができ、さらには、デバイスは1つのBTLE通信関係の中でセントラル又はペリフェラルとして動作することができ、且つ、別のBTLE通信関係の中でペリフェラルとして動作することができる。これらの異なるペルソナの同時性を管理するために、本教示のデバイスは、一度に1つのペルソナのみを採用するように、2つのペルソナの間で切り換わるように動作することができる。ペルソナ間の切り換えは、通信関係を形成するデバイスが、そのデバイスが利用不可能になったと結論付けてそれらの通信関係を閉じてしまうことなく、各通信関係が維持される程度に頻繁に行われる。
【0032】
[0032]所与のデバイス内のペルソナ間の切り換えは、そのデバイスに対する特定のアプリケーションからの要求に合致する時間尺度で発生する。上の
図1に関して示したように、この切り換えにはランダムな要素が存在する。しかしながら、このランダムな要素が動作することができる時間範囲は、アプリケーションの要求に従って設定される。例えば、デバイスのメッシュを介して高速のデータ送信を提供するためには、ペルソナの切り換えは比較的に高頻度で行われる。例えば、一過性の位置にいるユーザと関連付けられたデバイスによる相互作用に基づく実施態様(デバイスが社交場にあるENDデバイスの場合など)では、各デバイスは数秒毎に役割を切り換えるように構成されることがある。他方、より高い電力効率のためには、またメッシュを通じたデータ送信速度があまり重要ではない場合には、比較的低頻度のペルソナ切り換えを使用することができ、ことによると一時間に1度か2度だけ役割を切り換えるのに適切な状況になる。また、ペリフェラル及びセントラルの役割の相対的な持続時間は、実施態様の環境に当てはまる要因に従って、変更することができる。したがって、ペリフェラルペルソナがアクティブである間は、デバイスはアドバタイジングパケットの一部としてデータを送信し、セントラルペルソナがアクティブである間は、デバイスは他のデバイスがデータパケットをアドバタイズするのを待ち受ける。
【0033】
[0033]さらに、本教示によるデバイスは、複数のセントラルペルソナを有することができ、この複数のセントラルペルソナを使用して、異なるメッシュで通信することができ、又はペリフェラルの総数を増やすことができ、本教示のデバイスはこれらのペリフェラルと、用いられている特定のBluetoothチップセットによって課される制限を超えて一度に複数の結合関係を保持することができる。これらの複数のセントラルペルソナは、上記で概略を説明したペルソナ切り換え方式を用いて、又は複数のBTLE MCUを実装して、実行することができる。
【0034】
[0034]そのような技術を使用することにより、例えば、エアロゾル供給デバイス2間の相互接続は、第1のBTLE関係でエアロゾル供給デバイス2aがセントラルとして動作し、エアロゾル供給デバイス2bがペリフェラルとして動作する形態で行うことができる。エアロゾル供給デバイス2bはまた、エアロゾル供給デバイス2cをペリフェラルとして働かせる第2のBTLE関係で、セントラルとして動作することができる。次いで、エアロゾル供給デバイス2cは、エアロゾル供給デバイス2d及び2eをペリフェラルとして含む第3のBTLE関係で、セントラルになることができる。さらに、エアロゾル供給デバイス2dはまた、エアロゾル供給デバイス2eをペリフェラルとして含む第4のBTLE関係で、セントラルになることができる。理解されるように、様々な可能なエアロゾル供給デバイス関係で、エアロゾル供給デバイスがセントラル及びペリフェラルとして機能する他の順序付けを実施することができる。例えば、
図1に示す接続性は、エアロゾル供給デバイス2a及び2cがペリフェラルであるBTLE関係の中でエアロゾル供給デバイス2bをセントラルとして機能させ、エアロゾル供給デバイス2cがペリフェラルである関係の中でエアロゾル供給デバイス2dをセントラルとして機能させ、エアロゾル供給デバイス2c及び2dがペリフェラルである関係の中でエアロゾル供給デバイス2eをセントラルとして機能させることで、代替的に実現することができる。以下の考察から分かるように、メッシュを構成するための関係の配置は、関係確立処理の結果として、どのエアロゾル供給デバイスがセントラルになるかに応じてアドホックベースで決定することができる。
【0035】
[0035]本開示で説明するメッシュ方式は、エアロゾル供給デバイス間に完全なBTLE結合関係を確立する必要なく、エアロゾル供給デバイス間で小さなデータパケット又はトークンをやり取りするのを可能にする。したがって、そのようなトークンは、ペリフェラル対セントラルの関係がトークンを送受信するのに十分な長さの間だけ続く、一過性の又は非永続的なエアロゾル供給デバイス対エアロゾル供給デバイスの関係に基づいて、任意の2つ以上のエアロゾル供給デバイスからなるメッシュ内に氾濫することがある。この方式は、メッシュ内のエアロゾル供給デバイスの一部又は全部が結合関係を確立する(ペアリングとしても知られる)のを妨げない。そのような結合に基づく方式は、例えば、トークンを使用して収容することができるデータ量よりも大きなデータ量をメッシュ内のエアロゾル供給デバイス間で送信する必要がある状況で、使用することができる。
【0036】
[0036]また、
図2に示すように、追加のデバイス6を設けてもよい。デバイス6は、エアロゾル供給デバイス2のメッシュ化可能な相互接続性に関する知識又は能力を有する必要はなく、その代わり、従来方式での通信プロトコルを実行する。例えば、デバイス6は従来のBTLEインターフェースを実装し、したがって、デバイス6がセントラルとして動作しエアロゾル供給デバイス2がペリフェラルとして動作するように、メッシュ化可能なエアロゾル供給デバイス2のうちの1つと接続6を確立することができる。或いは、本デバイスは、エアロゾル供給デバイス2のうちの1つ又は複数と通信するために、同じメッシュ化可能な相互接続性を利用してもよい。
【0037】
[0037]したがって、本教示の方式は、星型の接続形態のためのコアノードを提供する制御デバイス無しに、Bluetooth又はBTLEベースのメッシュを確立することを可能にすることが分かる。メッシュは、メッシュ型ではないデバイスと相互作用(interact、インタラクト)することができるが、この相互作用は連続的であることも又は断続的であることもあり、メッシュ型ではないデバイスは、メッシュを確立、制御、又は設定するどのような役割も有する必要はない。
【0038】
[0038]したがって、そのようなメッシュネットワークを確立することで、様々なエアロゾル供給デバイス2が互いに通信することができ、またBTLEなどの既存の通信プロトコルを用いる範囲内にある他のデバイスへ情報を渡すことができる。しかしながら、本考察から分かるように、デバイスは、このアドホックのメッシュ化可能な挙動を達成するために、汎用属性プロファイル(GATT:Generic Attribute Profile)Notificationを有するBluetoothハードウェア実施態様の修正形態を使用する。本教示から分かるように、この修正は、例えば、標準通信プロトコルに多くの点で準拠するが、例えば本明細書に記載するデバイス間相互作用を達成するためのスクリプトを用いてもたらされる追加の機能性も含むコントローラ回路の実装により、プロトコルの修正ハードウェア、ファームウェア、又はソフトウェア実装を行うことによって、達成することができる。追加の機能性は、修正ハードウェアを用いて導入することができ、これは、非標準のハードウェアを用いることを必要とするのであるが、この修正ハードウェアは、ペルソナを時分割方式で共有する必要無しに、両方のモードを全時間方式で提供できるようにする。コントローラ回路は、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)などの、その構成によって提供される機能性を有するハードウェア回路であってもよく、又は、ファームウェア及び/若しくはソフトウェアの制御下で動作するプログラム可能なマイクロプロセッサ(μP:microprocessor)若しくはマイクロコントローラ(MCU:microcontroller)であってもよい。
【0039】
[0039]
図3は、各エアロゾル供給デバイス2の機能構成要素を概略的に示す。各エアロゾル供給デバイス2は、BTLE信号を送受信するためのアンテナ10を有する。アンテナ10は、無線通信インターフェース12、例えば、BTLE MCUなどのBTLE制御回路12に接続されている。無線通信インターフェース12は、デバイスコア機能プロセッサ14から送信用データを受け取り、デバイスコア機能プロセッサ14に受信データを提供し、デバイスコア機能プロセッサ14は、例えばメモリ16及び/又はI/O素子18と共に動作して、エアロゾル供給デバイス2のコア計算機能を実行する。
図3では、エアロゾル供給デバイス2の機能構成要素は直接リンクベースで相互作用することが示されているが、
図3は本質的に概略であるので、この説明はまた、例えばバスによる相互接続ベースでの機能構成要素の代替的配置も含むことは理解されよう。図示された機能構成要素の1つ又は複数は単一の物理的構成要素によってもたらされることがあり、また、1つの機能構成要素が複数の物理的構成要素によってもたらされることもあることは、また理解されよう。
【0040】
[0040]エアロゾル供給デバイス2のコア計算機能に関連する機能構成要素に関して、これらの構成要素の性質及び用途は、デバイス自体の性質に応じて異なることがあることは理解されよう。エアロゾル供給デバイス2の例では、コア計算機能は、エアロゾル供給デバイス間での情報トークンのやり取り、デバイスの充電レベル及び/又はニコチン流体レベルの監視及び報告、紛失及び発見の相互作用、並びに使用記録を含むことがある。したがって、コア計算機能が、ユーザが知覚するデバイスのコア機能とは異なっていることがあることはまた理解されよう。例えば、エアロゾル供給デバイスの場合では、ユーザが知覚するコア機能とは、ニコチンを送出するためのエアロゾル生成機能であると思われ、計算機能は、ユーザが知覚するそのコア機能に対して追加的、補足的、又は2次的である。
【0041】
[0041]次いで、
図4は、各エアロゾル供給デバイス2の無線通信インターフェース12によって実装されるプロトコル構造を概略的に示す。
図4に示されたプロトコル構造は、Bluetoothスタックに対応しており、このBluetoothスタックはGATT(generic attribute protocol)、GAP(generic access protocol)、SM(service manager protocol)、GATT/ATT(low energy attribute protocol)、L2CAP(logical link control and adaptation layer)及びリンク層を含む。この例では、リンク層はLERF(low energy radio frequency)ベースで動作する。
図4に示すように、このプロトコルスタックは、いわゆるホスト層とコントローラ層との間で概念的に分割することができる。コントローラ部分は、物理層パケット及び関連するタイミングのために必要とされる下位層を構成する。スタックのコントローラ部分は、統合されたBluetooth無線を有するSoC(system-on-a-chip)パッケージなどの集積回路の形態で実装することができる。
【0042】
[0042]本教示を理解するのに関連性のある層の実装には、リンク層、L2CAP、GAP、及びlow energy attribute protocolが含まれる。
【0043】
[0043]リンク層コントローラは、物理インターフェースを介した低レベルの通信を担当する。リンク層コントローラは、送受信フレームのシーケンス及びタイミングを管理し、リンク層プロトコルを用いて、接続パラメータ及びデータフロー制御に関して他のデバイスと通信を行う。リンク層コントローラはまた、デバイスがアドバタイジングモード又はスキャナーモードにある間に送受信されたフレームを処理する。リンク層コントローラはまた、露出及び他のデバイスとのデータ交換を制限するために、ゲートキーピング機能を提供する。フィルタリングが設定されている場合には、リンク層コントローラは、許可されたデバイスの「ホワイトリスト」を維持管理し、他のデバイスからのデータ交換又はアドバタイジング情報に対する要求全部を無視する。セキュリティ機能を提供するのに加えて、これは電力消費を管理するのにも役立つことができる。リンク層コントローラは、層の実装が同じ場所に配置されていない場合には、ホストコントローラインターフェース(HCI:host controller interface)を使用してスタックの上位層と通信する。
【0044】
[0044]logical link control and adaptation layer protocol(L2CAP)構成要素は、セキュリティマネジャープロトコル及び属性プロトコルのような上位層プロトコルにデータサービスを提供する。L2CAP構成要素は、プロトコルを多重化し、データをリンク層コントローラのために十分に小さいパケットに分割し、さらに、反対に逆多重化及び再構築動作を行うプロトコルを担当する。L2CAPは、GAP用のバックエンドインターフェースを有しており、このバックエンドインターフェースは、BTLEデバイスの発見と他のBTLEデバイスとの接続のリンク管理様相とに関連した包括的な手順を規定する。GAPは、アドバタイジング又はスキャニングなどの異なる動作モードを設定し有効にするために、また、他のデバイスとの接続を開始、確立、及び管理するために、アプリケーション用のインターフェースを提供する。したがって、GAPは、Bluetoothでの接続及びアドバタイジングを制御するために使用される。GAPは、デバイスの可視性を制御し、2つのデバイスが互いに相互作用できる(又はできない)方法を決定する。
【0045】
[0045]low energy attribute protocol(ATT)は、Bluetooth low energyで用いられる小さなパケットサイズに対して最適化されており、属性サーバが属性クライアントに対して属性及び属性に関連付けられた値の集合を公開することが可能になる。これらの属性は、接続先デバイス(peer device)によって発見、読み出し、及び書き込みを行うことができる。GATTは、ATTを使用するためのフレームワークを提供する。
【0046】
[0046]上記の考察から明らかなように、本教示により、アドバタイジング処理を使用して複数のデバイスのメッシュ型相互作用が容易になり、例えば、距離及び時間を越えてデータを行き渡らせる目的のために、無制限の数のデバイス間で情報の拡散が可能となる。
【0047】
[0047]この例の文脈では、本明細書に記載するメッシュ型構造を介して通信するデバイスで動作しているアプリケーションは、そのデバイスによって送信されたスキャン応答に応答する、特定のスキャン応答ペイロードを要求するか又は待ち受けることができる。この方式は、従来のBluetooth実施態様で使用されて、デバイス名及び他の識別情報の詳細を送信する。しかしながら、本方式では、このスキャン応答は、31バイトのデータパケットとして定義され、トークンとも呼ばれるものであるが、このスキャン応答は、アプリケーションによって読み込まれると特定の応答又は動作をトリガーする変数に関連したID情報を共有するために使用される。そのような要求のタイミングを
図5に示す。この図から分かるように、スキャン応答要求がアドバタイジング間隔の期間中にセントラルデバイスによって送信され、スキャン応答データが次のアドバタイジング間隔が開始する前にペリフェラルによって提供される。
【0048】
[0048]本教示の方式を実行することで、物理層を介してやり取りされるデータは、そのレベルでは通常のBTLEトラフィックと区別がつかなくなる。また、デバイスのメッシュ化可能なこの相互作用を受け入れるためにより上位の層が修正されるが、非メッシュ型が有効になっているアプリケーションは、本教示に合致するデバイスを用いて、BTLEを介して通信することができる。
【0049】
[0049]また、従来のBTLEスタックのみを利用するデバイス(上記の
図2に示したデバイス6など)は、本教示のメッシュ化可能方式を使用するエアロゾル供給デバイス2と通信することができる。このとき、従来のBTLEデバイスは、従来のBTLEデバイス内のBTLEスタックがエアロゾル供給デバイス2のメッシュ型相互作用について何ら知識を有することなく、メッシュ化可能なエアロゾル供給デバイス2からデータを受信することができる。従来のBTLEデバイスが受信するデータは、直接的に接続されたエアロゾル供給デバイス2から送信された可能性があり、又は直接的に接続されたエアロゾル供給デバイス2にメッシュを介して以前に接続されていたエアロゾル供給デバイスから送信された可能性があり、そのデータは、メッシュ化可能なエアロゾル供給デバイス2に保存されていたか又はキャッシュされていたものである。そのようなメッシュ転送データの出所は、別のメッシュ型エアロゾル供給デバイス2であることがあり、又は、メッシュ型エアロゾル供給デバイスに接続されている若しくは接続されていた別の従来のBTLEデバイスであることがある。
【0050】
[0050]
図6は、セントラル及びペリフェラルの両方として接続を確立するために各エアロゾル供給デバイス2の二重ペルソナの性質を管理することに関連した、各エアロゾル供給デバイス2の挙動を概略的に示す。BTLEは、プレゼンテーション層において2つの動作モードを提供するので、1つ動作モードはセントラル及びペリフェラルの役割のうちのそれぞれに対応するのであるが、この例のエアロゾル供給デバイス2は、これらの2つのモードの間で交互になり、ペリフェラルとしてその能力をアドバタイズするためにブロードキャストするアドバタイザーと、デバイスがセントラルとして接続することができる、他のペリフェラルになり得るエアロゾル供給デバイスを探すためのオブサーバ活動との両方を実現する。オブサーバとして動作する間、エアロゾル供給デバイスは、受信したブロードキャスターのアドバタイズメントに基づいて動作して、例えばBTLE Generic Access Profile(GAP)に記載されているように、通常のBTLEの行為に従って、セントラルとして接続を確立することができる。アドバタイザーのブロードキャスティングを実施する間、エアロゾル供給デバイスは、セントラルになるために応答する観測エアロゾル供給デバイスと、ペリフェラルとして接続を確立することができる。上記で考察したように、セントラルとペリフェラルのペルソナ間でのこの時分割は、デバイス間の接続が確立された後に続けられる。これにより、単一のデバイスが、デバイス内の単一のBTLE MCUに基づいて、時間多重化されているにもかかわらず、継続ベースで両方のモードで動作することができるようになる。
【0051】
[0051]したがって、この例のメッシュ化可能な相互作用を提供するように構成されるエアロゾル供給デバイスは、修正されたGAPと組み合わせて標準的なBTLE GATT(Generic Attribute profile)仕様を用いて、エアロゾル供給デバイスの二重ペルソナ性質に関連した2つの動作モードを採用する。以下に考察するように、このエアロゾル供給デバイスは、セントラルモード及びペリフェラルモードの両方で他のエアロゾル供給デバイスと容易に接続できるように、ペリフェラルとしてアドバタイズすることとセントラルとして待ち受けることとの間で交互に換わる。通常、デバイスは、デバイスが参加を意図している特定のデバイスメッシュ(BTLE用語では「サービス」という)に紐づけられた特定のUUIDを使用するように、予めプログラムされていることがあるという点で、メッシュのアイデンティティを既に示している。例えば、特定のブランド、種類、又は製造業者からの全てのENDデバイスが、同じUUIDを使用するようにプログラムされてもよい。この文脈の中で、アクティブなペルソナ又はモードを識別するために、エアロゾル供給デバイスは、メッシュ内のエアロゾル供給デバイスを一意に識別するIDコードを使用する。ID及びUUID(実質的にはメッシュID又はグループID)コードは、デバイスのファームウェア内に保持されており、トークンを構成するデータと共にアドバタイジングパケットに挿入され、また、デバイスとの及びデバイス間のGAP相互作用の下でアドバタイジングの一部として、スキャン応答要求及びスキャン応答メッセージ中で参照されることもある。
【0052】
[0052]セントラルとして動作する間、エアロゾル供給デバイスはスキャナー、イニシエイター、及びマスターの状態を採用することができ、ペリフェラルとして動作する間、エアロゾル供給デバイスはアドバタイザー及びスレーブの状態を採用することができる。
【0053】
[0053]
図6は、複数のエアロゾル供給デバイスの相対的なアドバタイジング時間及び観測時間も示している。図示した方式は、互いの範囲内にある複数のエアロゾル供給デバイスが同時にブロードキャストするのを回避させる(但し、必ずしも排除するものではない)傾向がある。この例では、観測持続時間は0.01ms~5sの範囲内になるように制御され、アドバタイジング期間は、0.5s~10sの範囲内とすることができる固定された持続時間になる。他の例では、アドバタイジング持続時間は可変でもよく、観測持続時間は、上記で与えられた例示的な範囲と異なる範囲、重複する範囲、又は部分集合の中に収まってもよい。そのような時間のオフセットは、エアロゾル供給デバイス間の調整によって、又は各エアロゾル供給デバイスが、各モード遷移の間に不規則な時間間隔を設けるなどのために間隔の長さの調節を行うことによって、などのいくつかの方法で達成することができる。そのような間隔の長さの調節は、間隔毎にいくつかの可能な間隔長さのうちの1つを選択するか、何らかの形態の間隔持続時間乱数発生器を用いて行うことができる。
【0054】
[0054]エアロゾル供給デバイスが、メッシュ内でセントラルとしての役割を確立することを目的として観測している場合、このエアロゾル供給デバイスは、潜在的なペリフェラルエアロゾル供給デバイスからのアドバタイズメントを待ち受けている場合のメッシュ化能力のないエアロゾル供給デバイスと全く同様に動作する。したがって、このモードで動作しているエアロゾル供給デバイスは、本教示のメッシュ化能力のない従来のBTLEデバイスに対してセントラルになることもできる。
【0055】
[0055]エアロゾル供給デバイスがメッシュ内でペリフェラルとしての役割を確立することを目的としてアドバタイズしている場合、このエアロゾル供給デバイスはBTLE GAPデータに基づく構造を使用してアドバタイズする。しかしながら、BTLE GAP構造は、アドバタイズメントを受信するメッシュ化可能なデバイスによって認識することができるメッシュ固有の情報を含むように修正されている。メッシュ固有の情報は、以下のようなフィールドを含むことができる。
・アドバタイジングエアロゾル供給デバイスのID。
・そのエアロゾル供給デバイスからの送信を待っているパケットのパケットシーケンス番号。これは、アプリケーションに応じて、複製を避けるために使用される。これは、単純に、そのエアロゾル供給デバイスから送信されるパケットのパケットシーケンスであり得る(例えば、アドバタイジングエアロゾル供給デバイスからのペイロード又はトークンを複数の他のエアロゾル供給デバイスに氾濫させることだけをアプリケーションが要求する場合)が、アプリケーションの要件に従って、所与のメッシュ(グループID)、時間ウィンドウ、及び/又は他の独自性範囲に対して、一意であることがある。
・そのパケットシーケンス番号を有するパケットのソースエアロゾル供給デバイス識別子。現在渡されているトークンが、現在それを渡しているエアロゾル供給デバイスとは異なるエアロゾル供給デバイスから送信された可能性があることを反映するため。
・そのパケットシーケンス番号を有するパケットに対する宛先エアロゾル供給デバイス識別子。実施態様に応じて、これは単一エアロゾル供給デバイスである(何らかの形態の経路指定された動作に対応する)か、又は「全ての」エアロゾル供給デバイスである(氾濫タイプの動作に対応する)ことがある。
・そのシーケンス番号を有するパケットに対するソースエアロゾル供給デバイスのグループID。これは、複数のメッシュネットワークが同一の物理的空間内に共存することを可能にするために用いられる(上述のように、このグループIDは通常はBTLE UUIDを使用するが、必要に応じて別のグループIDフィールドを定義して用いることができる)。
・そのシーケンス番号を有するパケットの存続期間又は満了時間。
・ペイロード。特定のアプリケーションに固有のデータ-例えば、ENDデバイスアプリケーションに関係するデータ。
【0056】
[0056]BTLEデータ処理方式に従って、所与のアプリケーションペイロード項目が単一のパケットとするには大きすぎる場合、そのペイロード項目は分割されて複数のパケット内に分配され、その後、(各)宛先エアロゾル供給デバイスにおいて再構築される。そのようなアプリケーションでは、この大きなデータ量に対するより多い送信管理を提供するために、エアロゾル供給デバイス間に結合を確立してもよい。
【0057】
[0057]
図7は、いくつかのエアロゾル供給デバイスN1、N2、N3、及びN4間の接続性パターンを概略的に示す。この図では、エアロゾル供給デバイスN1は、エアロゾル供給デバイスN4との直接通信の範囲外である。エアロゾル供給デバイスの異なる動作モードは、エアロゾル供給デバイスN1~N4のそれぞれの素子の制御チップ(CC:control chip)22及びメッシュチップ(MC:mesh chip)24によって表される。制御チップは、
図2に示すデバイス6などの従来のBTLEデバイスと通信するように動作するエアロゾル供給デバイスMCUを表す。メッシュチップは、メッシュを通じて通信するためにセントラルモード及びペリフェラルモードの両方で動作するエアロゾル供給デバイスMCUを表す。
【0058】
[0058]
図7の例では、エアロゾル供給デバイスN1は、このエアロゾル供給デバイスが送信すべきデータを有していることを示すアドバタイズメントデータフィールド内のビット集合を有する。各エアロゾル供給デバイスでのアドバタイジング及び観測のスケジュールにより、エアロゾル供給デバイスN2が、N1との直接通信範囲にある第1のエアロゾル供給デバイスになって、アドバタイズメントデータフィールドセットを有するエアロゾル供給デバイスN1に追従するセントラルとして待ち受ける。したがって、エアロゾル供給デバイスN2は、セントラルモードにある場合、N1がペリフェラルモードにある間にアドバタイズしているアドバタイジングデータを受信する。N2によって受信されるこのアドバタイジングデータは、N2上で動作するかさもなければN2に関連したアプリケーションと関連して、N2によって使用されることがある。これに加えて、又はこれに代えて、エアロゾル供給デバイスN2は、アドバタイジングデータをキャッシュして、エアロゾル供給デバイスN2がペリフェラルペルソナを採用する今後の機会にアドバタイジングデータとして前方へ送信するのに備えることができる。それによって、N1から送信されたアドバタイジングデータは、N2からアドバタイジングデータとして前方に渡すことができ、次いでそのアドバタイジングデータは、N2がペリフェラルとしてアドバタイズしN3がセントラルとして待ち受けているときに、エアロゾル供給デバイスN3によって受信される。次いで、N1から送信されたアドバタイジングデータは、N3によって使用する及び/又は渡すことができ、最終的に同じ方法によってN4に到達する。
【0059】
[0059]この実施態様では、アドバタイジングデータはメッシュ全体に効果的に氾濫することを留意すべきである。したがって、N2がペリフェラルとしてアドバタイズしているのと同時にN1が偶然にセントラルとして待ち受ける場合、アドバタイジングデータはN1に戻り、加えてメッシュを通じてN3へと前方に渡される。この状況では、エアロゾル供給デバイスN1か、又はN1上で動作するか若しくはN1に関連した何らかのアプリケーションのいずれかは、戻ってきたアドバタイジングデータを単純に破棄してもよい。いくつかの実施態様では、エアロゾル供給デバイス又はアプリケーションは、戻って来たアドバタイジングデータを何らかの方法で利用することがあり、例えば、何らかの形態のランダムな間隔生成器として送信と受信との間の時間を使用したり、或いはメッシュ診断をしたりする。
【0060】
[0060]上記で説明したように、メッシュを介した送信は、エアロゾル供給デバイス間に確立された結合を用いて、より構造化された形式とすることが可能である。そのような状況では、エアロゾル供給デバイスの各ペアは、確立された結合を介して相互作用し、各エアロゾル供給デバイスでのペルソナ切り換えは、一方のペルソナがメンバーである結合において受信されたデータを、他方のペルソナがメンバーである結合を使用して、前方に送信することができるようにする。
【0061】
[0061]データが全てのエアロゾル供給デバイスに送信される(氾濫)か、又はデータは選択されたエアロゾル供給デバイスにのみ送信される(経路指定)かの制御は、いくつかの態様で達成することができる。データが無制限に全てのエアロゾル供給デバイスに自動的に伝達されることになっている場合は、これはエアロゾル供給デバイスに設定されたデフォルトの状態であり得る。データがメッシュ内で現在アクティブであるエアロゾル供給デバイスにのみ送信されることになっている場合は、これは、エアロゾル供給デバイスでのデフォルトの挙動設定として、又は、アプリケーション固有の設定のいずれかとして達成することができ、アプリケーション固有の設定では、アプリケーションはメッシュを認識していて、通信スタックに制御情報を提供してデータの送信範囲を示す。データが特定のエアロゾル供給デバイスにのみ送信されることになっている場合は、これは、アプリケーション固有の設定で達成することができ、アプリケーション固有の設定では、アプリケーションはメッシュを認識していて、通信スタックに制御情報を提供してデータの送信範囲を示す。この例は、データが全ての現在メッシュ化されたデバイスに自動的に転送されるように、氾濫方式に基づいて動作するように構成されている。
【0062】
[0062]
図8は、エアロゾル供給デバイス間のメッシュ化挙動のさらなる説明を提供する。この例では、多数のエアロゾル供給デバイスN11~N19がある。
図8の図は、時間的な所与のスナップショットを表しており、これらのエアロゾル供給デバイスのうちの異なるデバイスが、それぞれのペリフェラルペルソナ及びセントラルペルソナのうちの異なるペルソナを現在採用しているものとして示されている。
図8に示した時点では、3つのエアロゾル供給デバイスがセントラルモードになるように構成されており、これらはエアロゾル供給デバイスN12、N16、及びN19であり、残りのエアロゾル供給デバイスはペリフェラルモードになるように構成されている。上記の考察から分かるように、同じエアロゾル供給デバイスの任意の所与のインスタンスが同じ位置に存在する場合、セントラルモードになるように構成されるエアロゾル供給デバイスの正確な数及びアイデンティティは、各エアロゾル供給デバイスによるそのアドバタイジング/観測期間のスケジューリング、及びセントラルモード又はペリフェラルモードのいずれかとして既に構成されている任意の他のエアロゾル供給デバイスと比較した各エアロゾル供給デバイスの相対的な位置、などの要因に依存する。データトークンのやり取りは、図ではフラグの存在で示されており、フラグは、このデータトークンをアドバタイジングデータ中に含めて送信するN11からそのアドバタイジングデータを受信することになるセントラルモードで待ち受けているN12に渡される。このトークンは、追ってN12がペリフェラルペルソナを採用すると、N12からのアドバタイジングデータ中に含まれることになる。それによって、トークンは、メッシュを通じて前方に渡され、最終的に少なくとも一度はメッシュ内の各エアロゾル供給デバイスに到達することができる。
【0063】
[0063]上記の考察から分かるように、メッシュは、メッシュ内のエアロゾル供給デバイスの数及び位置の変化に基づいて、動的に変化することができる。例えば、いくつかのエアロゾル供給デバイスがメッシュの残りのデバイスから離れるように移動すると、結果的にそれらのデバイスはメッシュ内の全てのエアロゾル供給デバイスとの交信を失い、メッシュを去ることになる。同様に、アクティブではない、又は省電力非無線モードに入っているエアロゾル供給デバイスは、メッシュ内の他のエアロゾル供給デバイスとの交信を失い、メッシュを去ることになる。さらに、以前はメッシュの一部ではなかった新しいエアロゾル供給デバイスが、メッシュ内のエアロゾル供給デバイスの範囲内に入って来たとき、又はメッシュ内のエアロゾル供給デバイスの範囲内で電源が入れられたとき、メッシュに加わることができる。また、上記のペルソナ切り換えの考察から分かるように、既にメッシュ内にあり、メッシュ内でペリフェラルとして動作するエアロゾル供給デバイスは、異なる時点で、メッシュ内でセントラルとしても動作する。特定のエアロゾル供給デバイスが、いくつかの結合においてセントラルとして定義された役割を有し、他の結合においてペリフェラルの役割を有するように、メッシュが結合関係を採用している実施態様においては、あるエアロゾル供給デバイスがメッシュ内のエアロゾル供給デバイスに対して位置を変えた場合、全ての確立された結合が、新たな位置に対する範囲の動作を停止することがあるので、そのエアロゾル供給デバイスは、実質的にメッシュを去ることがある。次いで、そのようなエアロゾル供給デバイスは、結合で結びついたメッシュの他のエアロゾル供給デバイスとの1つ又は複数の新しい結合関係を確立するまで、観測及びアドバタイジングの両方を試みることを再開する。
【0064】
[0064]当業者であれば分かるように、Bluetooth及びBTLEは、ノード間通信結合の安全性を提供する。これは、アドバタイジングデータの形態での純粋にアドバタイジングベースのトークンの送信に対しては、トークンのそのような送信が結合関係の確立につながらない限りは、当てはまらない。この例では、結合関係が使用される場合であっても、エアロゾル供給デバイスは、異なるエアロゾル供給デバイス間又は他のデバイス間の信頼性を確認するためにユーザ入力を要求することなく、そのような結合を確立するように構成することができる。むしろ、この例では、特定のタイプのエアロゾル供給デバイスは、その特定のタイプの全ての他のエアロゾル供給デバイスを予め信頼するように構成することができる。例えば、各エアロゾル供給デバイスは、所与の製造業者、製造業者のグループ、ブランド、ブランドのグループ、モデル、モデルのグループからのエアロゾル供給デバイスとして識別される、又は所与のエアロゾル供給デバイス標準若しくは標準のグループに準拠しているものとして識別される、全ての他のデバイスを信頼するように構成することができる。
【0065】
[0065]そのような信頼のパターンは、デバイスが保存する/送信が許可されている個人データの量に対する固有の制御で補うことができる。例えば、エアロゾル供給デバイスは、所有者を特定するいかなる情報も保持しないように、又は情報を共有することを防止するように、所有者によって設定することができる。これは、ENDデバイスが他のENDデバイスと相互作用して、紛失/発見機能のために使用することができる情報をやり取りするのを妨げることはせず、また、ENDデバイスがそのENDデバイス自体の情報をやり取りして、例えば以下に考察するような、同じブランド又はモデルのENDデバイス間でのグループ相互作用を実現するのを妨げることはしない。
【0066】
[0066]他の例では、信頼は、ユーザにとって明示的な機能であってもよく、ユーザは、別のエアロゾル供給デバイスと通信結合を確立することを能動的に受け入れるか又は要求することを求められてもよい。
【0067】
[0067]例えば、スマートフォン、ファブレット、又はタブレットデバイスなどの、ユーザの従来のBTLEデバイスと通信するために、特定のエアロゾル供給デバイス又は他のデバイスがユーザによって設定される場合、ユーザのメッシュ化可能なデバイスと従来のBTLEデバイスとの間の信頼関係は、他の従来のBTLEペアリングと同じ態様でセキュリティ保護されて通信結合を確立することができる。
【0068】
[0068]したがって、本教示の方式を使用することで、二重ペルソナ構造を採用することにより、他の類似のデバイスとメッシュ型の相互作用をすることができるデバイスを提供することができ、この二重ペルソナ構造では、デバイスは、他の類似のデバイスと通信するためにマスター(セントラル)及びスレーブ(ペリフェラル)の両方として時分割ベースで動作することができ、一方、二重ペルソナ能力のない従来のデバイスに対してはスレーブ/ペリフェラルとして動作することもできることは理解されよう。
【0069】
[0069]この方式を使用して、ある範囲の目的のために、ある範囲のデバイス同士のデバイス間相互作用を容易にすることができる。上述したように、上記の例のメッシュ型即ちピコネット接続形態方式を使用した、そのようなデバイス間相互作用を備えることができるデバイスの例としては、電子ニコチン送出デバイス(ENDデバイス)が挙げられる。
【0070】
[0070]上記のようなエアロゾル供給デバイス2Aの1つ又は複数の他のデバイスとのメッシュ化可能な相互接続性は、コネクションレス状態の相互作用を考えることができ、コネクションレス状態のパケットは、
図1~
図8を参照して上述した例に従って、各デバイスによって生成、送信、及び受信される。
【0071】
[0071]この例では、エアロゾル供給デバイス2aの無線通信インターフェース12は、エアロゾル供給デバイス2aの少なくとも1つの物理的特性に関する情報を含むコネクションレス状態のアドバタイジングパケットを生成するために使用される。この少なくとも1つの物理的特性は、エアロゾル供給デバイス2aの色を含んでもよい。この少なくとも1つの物理的特性はまた、エアロゾル供給デバイス2aの形状、エアロゾル供給デバイス2aの大きさ、及びエアロゾル供給デバイス2aのタイプなどの他の物理的特性を含んでもよい。例えば、エアロゾル供給デバイス2aの少なくとも1つの物理的特性は、エアロゾル供給デバイス2aの長さ、幅、及び厚さ、並びに/或いは、エアロゾル供給デバイス2aが実質的に円筒状、小石状、卵形、又は別の幾何形状であることを示すものを含んでもよい。
【0072】
[0072]エアロゾル供給デバイス2aの色は、デバイスの実際の色を近似する16進コード、又は色特性を非常に一般的に示すコードのどちらかである16進カラーコードとして移送することができる。例えば、エアロゾル供給デバイス2aが赤色のデバイスの場合、「赤色」の一般的な近似は、16進カラーコードFF0000によって表すことができ、一方、実際の色に対する固有の16進コードは、デバイスのパントン又は他の色識別子に対応することができる(一例として、Pantone2347Uの色が付いたデバイスは、16進コードE74536によって表され、又は、ディスプレイデバイスで簡単に色を表すために、いわゆるWebセーフカラーFF3333に近似させることができる)。黄色のデバイスの例では、「黄色」の一般的な近似は、16進カラーコードFFFF00によって表すことができ、一方、例えば、Pantone114Cに対応する実際の色に対する固有の16進コードは、16進コードFBDD40によって表される(又は、ディスプレイデバイスで簡単に色を表すために、いわゆるWebセーフカラーFFCC33に近似させることができる)。16進カラーコードとしてエアロゾル供給デバイス2aの色を移送することによって、RGBカラーモデルの色のいずれも3バイトを使ってアドバタイジングパケットに移送することができる。或いは、エアロゾル供給デバイス2aの色は、所定のコードを使って移送することができる。例えば、特定のタイプのエアロゾル供給デバイス2aが、様々な色のうちの有限数、例えば8色だけで製造された場合、赤色に対して001、黄色に対して010、青色に対して011など、利用可能な色の範囲でデバイスの色を移送するためにコードが使用される。このように、エアロゾル供給デバイス2aの色を移送するためには、アドバタイジングパケットの単一のバイトの中の3ビットしか必要とせず、それによって、アドバタイジングパケットのスペースが節約される。
【0073】
[0073]この例では、エアロゾル供給デバイス2aの無線通信インターフェース12によって生成されるアドバタイジングパケットは、任意選択で、エアロゾル供給デバイス2aのバッチ番号(バッチID)、エアロゾル供給デバイス2aのシリアル番号、及び/又はエアロゾル供給デバイス2aの製品識別番号(製品ID)などのエアロゾル供給デバイス2aについての追加の情報を含む。例えば、アドバタイジングパケットは、エアロゾル供給デバイス2aに対応するUUIDを含んでもよい。
【0074】
[0074]エアロゾル供給デバイス2aの無線通信インターフェース12は、Bluetooth low energy(BLE)通信インターフェースであってもよい。
図9は、最大47バイトのサイズの例示的なBLEアドバタイジングパケット100を概略的に示す。このようなアドバタイジングパケットは、エアロゾル供給デバイス2aのBLE通信インターフェース12によって生成される。
【0075】
[0075]
図9に示したアドバタイジングパケット100は、1バイトのプリアンブル110と、アドバタイジングパケット100を送信するために使用されるRFチャネル番号に対応する4バイトのアクセスアドレス120とで始まる。プリアンブル110及びアクセスアドレス120部分に続いて、使用されるアドバタイジングタイプに応じてサイズを2~39バイトにすることができるパケットデータユニット(PDU:Packet Data Unit)130がある。次いで、アドバタイジングパケット100は、3バイトの巡回冗長検査(CRC:Cyclic Redundancy Check)140で終わる。プリアンブル110、アクセスアドレス120、及びCRC130部分の内容と形式は、各アドバタイジングパケット100にわたり標準化することができるが、PDU130の長さ及び内容は各アドバタイジングパケット100で異なっていてもよい。PDU130の長さは通常、アドバタイジングパケット100の送信時間を短縮するために必要な情報を移送するのに必要な最小限に保たれる。
【0076】
[0076]
図10は、例示的なBLEアドバタイジングパケット100、例えば、
図9に示したBLEアドバタイジングパケット100のPDU130を概略的に示す。この例では、PDU130の最初の16バイトは、エアロゾル供給デバイス2aの128ビットのUUID132を含む。PDU130の次の2バイトは、エアロゾル供給デバイス2aの製品ID134を含む。次の3バイトは、エアロゾル供給デバイス2aの色に対応する16進カラーコード136を含む。残りのバイト138は割り当てられていないが、エアロゾル供給デバイス2aの形状、エアロゾル供給デバイス2aの大きさ、及び/又はエアロゾル供給デバイス2aのタイプなどの追加の情報を移送するために使用することができる。エアロゾル供給デバイス2aのバッチIDは製品ID134の代わりに含まれてもよく、又はバッチIDはPDU130の割り当てられていない部分138に含まれてもよい。或いは、色情報に対するスペースは、エアロゾル供給デバイス2aの色が所定のコードを用いて移送される例に対しては、単一のバイトを割り当てることができる。
【0077】
[0077]次いで、エアロゾル供給デバイス2aの無線通信インターフェース12を使って、生成されたアドバタイジングパケットを、無線通信ネットワークを通じて送信する。例えば、無線通信インターフェース12がBLE通信インターフェースの場合、アドバタイジングパケット100は、
図9及び
図10に示した形式とすることができる。次いで、アドバタイジングパケット100は、上記のように、メッシュネットワーク内のアドバタイジングパケットを待ち受けているデバイス6によって受信される。
【0078】
[0078]
図11は、携帯電子デバイス6の機能構成要素を概略的に示す。携帯電子デバイス6は、移動体電話機又はスマートフォン、或いはラップトップ、スマートウォッチ、タブレット又はファブレットデバイスなどの携帯コンピューティングデバイスなどの移動体通信デバイスであってもよい。各携帯電子デバイス6は、BLE信号などの無線通信信号を送受信するためのアンテナ60を有する。アンテナ60は、ペアドインタラクションをサポートすることができる無線通信インターフェース62、例えば、BLE MCUなどのBLE制御回路62に接続されている。BLEの文脈の中で、ペアドインタラクションは、ペアリングと結合(ボンディング)の両方を意味するように理解される。無線通信インターフェース62は、デバイスコア機能プロセッサ64から送信用データを受け取り、デバイスコア機能プロセッサ64に受信データを提供する。このデバイスコア機能プロセッサ64は、例えばメモリ66、I/O素子68、及び/又はディスプレイ65と共に動作して、携帯電子デバイス6のコア計算機能を実行する。ディスプレイ65は、携帯電子デバイス6のユーザに、グラフィカルユーザインターフェース(GUI:graphical user interface)などのユーザインターフェースを表示するように構成される。ディスプレイ65は、ユーザが、指、スタイラス、又は他の適切なものでディスプレイ65に触れることによってディスプレイ65に表示されたユーザインターフェースと相互作用することができるタッチスクリーンディスプレイであってもよい。或いは、ディスプレイ65は、ユーザと相互作用するために、携帯電子デバイス6に配置又は取り付けられた、或いは携帯電子デバイス6と通信する1つ又は複数のボタン、スイッチ、又は他の入力要素68を含むユーザインターフェースを有する従来の表示画面であってもよい。例えば、ユーザは、携帯電子デバイスに配置されたボタン、マウスなどの有線ポインティングデバイス、或いは無線キーボード、無線リモートコントロール、又はスマートウォッチなどの無線デバイスを用いて、或いは音声認識又はジェスチャ認識によってユーザインターフェースと相互作用することができる。
図6に、携帯電子デバイス6の機能構成要素が直接リンクベースで相互作用することを示したが、
図6は本質的に概略であるので、この説明はまた、例えばバスによる相互接続ベースでの機能構成要素の代替的配置も含むことは理解されよう。図示された機能構成要素の1つ又は複数が単一の物理的構成要素によってもたらされることがあり、また、1つの機能構成要素が複数の物理的構成要素によってもたらされることもあることは、また理解されよう。
【0079】
[0079]この例では、携帯電子デバイス6は、無線通信ネットワークを通じてエアロゾル供給デバイス2aから無線通信インターフェース62を介してデータパケットを受信する。データパケットは、エアロゾル供給デバイス2aの少なくとも1つの物理的特性に関する情報、例えば、
図9及び
図10に関して上記したようなアドバタイジングパケット100を含むことができる。
【0080】
[0080]エアロゾル供給デバイス2aからデータパケットを受信したことに応答して、携帯電子デバイス6のプロセッサ64は、エアロゾル供給デバイス2aの少なくとも1つの物理的特性に少なくとも部分的に基づいて、エアロゾル供給デバイス2aのアイデンティティを決定するように構成される。例えば、携帯電子デバイス6のプロセッサ64は、データパケットを読み込んでエアロゾル供給デバイス2aの色を取り出すことができる。データパケットが、
図9及び
図10に関して上記のようなアドバタイジングパケット100である例では、プロセッサ64は、エアロゾル供給デバイス2aの16進カラーコード136として移送された色、UUID132、及び製品ID134など、エアロゾル供給デバイス2aの少なくとも1つの物理的特性に関する情報を取り出すために、アドバタイジングパケット100のPDU130を読み込みように構成される。
【0081】
[0081]携帯電子デバイス6のメモリ66は、知られているエアロゾル供給デバイスの物理的特性のデータベースを含んでもよい。エアロゾル供給デバイス2aのアイデンティティの決定の一部として、携帯電子デバイス6のプロセッサ64は、電子ニコチン送出デバイス2aの少なくとも1つの物理的特性に関する情報、及び受信したデータパケットに含まれる情報を、携帯電子デバイス6のメモリ66に保存されたデータベースに含まれている情報と比較することができる。例えば、データパケットの少なくとも1つの物理的特性がエアロゾル供給デバイス2aの形状及び/又は大きさを含む場合、データパケットの送り元のエアロゾル供給デバイスのタイプを決定するために、この情報は、データベースの情報と対応付けることができる。これに代えて、又はこれに加えて、エアロゾル供給デバイス2aの色が、所定のコードを使ってデータパケットに移送されている場合、プロセッサ64は、データベースの情報を用いて、データパケットに送られたコードをエアロゾル供給デバイス2aの色に翻訳することができる。
【0082】
[0082]この例では、携帯電子デバイス6のプロセッサ64は、エアロゾル供給デバイス2aの決定されたアイデンティティに基づいてユーザインターフェースの態様を変更するように構成される。これによって、ユーザは、初めて携帯電子デバイスを使って通信するとき、エアロゾル供給デバイスを容易に識別することができる。例えば、プロセッサ64は、ユーザインターフェースにエアロゾル供給デバイス2aを示す画像描写又は図形描写を提示するように構成することができる。ここで、図形描写は、エアロゾル供給デバイス2aの決定されたアイデンティティに基づく。
図12及び
図13は、携帯電子デバイス6のプロセッサ64によって行われる、ユーザインターフェースの態様の変更に対応する、携帯電子デバイス6のディスプレイ65のユーザインターフェースを概略的に示す。
図12及び
図13に示す例では、エアロゾル供給デバイス2aを示す図形描写67がディスプレイ65の一部分65aに与えられている。
【0083】
[0083]これに代えて、又はこれに加えて、プロセッサ64は、動画又は映像を再生すること、音を再生すること、ユーザインターフェースの輝度、コントラスト、又は解像度などのユーザインターフェースの表示設定を変更すること、或いはユーザインターフェースに表示される1つ又は複数の色を変更することなどのユーザインターフェースの別の態様を変更することができる。エアロゾル供給デバイスの決定されたアイデンティティに基づいてユーザインターフェースの態様を変更することによって、ユーザは、データの送り元のエアロゾル供給デバイス2aのアイデンティティについて知ることになる。これによって、ユーザは、いかなる行為をとるか決めることができる、例えば、携帯電子デバイス6とエアロゾル供給デバイス2aとの間のペアリングプロセスの開始を要求する、又はエアロゾル供給デバイス2aの携帯電子デバイス6とのさらなる通信を遮ることを決めることができる。
【0084】
[0084]エアロゾル供給デバイス2aのアイデンティティは、エアロゾル供給デバイス2aの色に基づいて決定することができ、プロセッサ64は、エアロゾル供給デバイス2aの色に合わせるようにユーザインターフェースの少なくとも一部分の色を変更するように構成される。例えば、エアロゾル供給デバイス2aの色が16進カラーコードとして移送される場合、プロセッサ64は、ユーザインターフェースの少なくとも一部分の色をその16進カラーコードに対応するRGBカラーに変更するように構成される。或いは、プロセッサ64は、エアロゾル供給デバイス2aを識別するために使用される物理的特性を、テキスト形式などでユーザインターフェースに提示するように構成されてもよい。
図12に示した例では、図形描写67は、濃淡を付けてエアロゾル供給デバイス2aの色を表しているが、
図13に示した例では、図形描写67は、エアロゾル供給デバイス2aの色に合わせるようには色付けされていない。
【0085】
[0085]エアロゾル供給デバイス2aのアイデンティティはまた、エアロゾル供給デバイス2aのUUID、製品ID、及びバッチIDのうちの1つ又は複数に基づいて決定することができ、プロセッサ64は、この情報を、例えば、テキストとして又は1つ又は複数の画像でユーザインターフェースに表示するように構成される。エアロゾル供給デバイス2aのアイデンティティがまた、エアロゾル供給デバイス2aの色に基づいて決定される場合、プロセッサ64は、エアロゾル供給デバイス2aの色に合わせるようにユーザインターフェースの少なくとも一部分の色を変更し、UUID、製品ID、及び/又はバッチIDなどの追加の情報を、色を変更したユーザインターフェースの部分に又はその近くに、テキスト形式で表示するように構成されてもよい。
図12に示した例では、ディスプレイ65の部分65aはまた、図形描写67のそばに、エアロゾル供給デバイス2aの製品ID及びUUIDを含むテキスト69を含む。
図13に示した例では、エアロゾル供給デバイス2aの色を表すように形作られた図形描写67の代わりに、ディスプレイ65の部分65aはまた、図形描写67のそばに、エアロゾル供給デバイス2aの色及びエアロゾル供給デバイス2aの大きさを含むテキスト69を含む。
【0086】
[0086]エアロゾル供給デバイス2aのアイデンティティはまた、エアロゾル供給デバイス2aの形状、大きさ、及びタイプのうちの1つ又は複数に基づいて決定することができる。このような例では、ユーザインターフェースにこの情報をテキスト形式で表示することに加えて、又はそれに代えて、プロセッサ64はエアロゾル供給デバイス2aの画像描写を表示するように構成されてもよい。この場合、画像描写の形状及び大きさは、エアロゾル供給デバイスのアイデンティティを決定するために用いられたエアロゾル供給デバイス2aの形状、大きさ、及びタイプに基づく。例えば、エアロゾル供給デバイス2aから受信したデータパケットが、エアロゾル供給デバイス2aの形状が実質的に円筒状であることを示す場合、プロセッサ64は、ユーザインターフェースの一部分に円筒を、例えば、2Dの平面図、或いは正投影図又は等角投影図として表示するように構成される。
図12に示した例では、図形描写67の形状は、エアロゾル供給デバイス2aの形状に合わせるように円筒形状である。エアロゾル供給デバイス2aから受信したデータパケットがエアロゾル供給デバイス2aの大きさを示す場合、プロセッサ64は、エアロゾル供給デバイス2aを示す図形描写を表示するように構成される。この場合、図形描写の寸法は、データパケットに収められたエアロゾル供給デバイス2aの大きさを比例拡大/縮小したものである。
図13に示した例では、図形描写67は、エアロゾル供給デバイス2aの形状に合わせるように小石状又は卵形であり、図形描写67はまた、エアロゾル供給デバイス2aの大きさに合わせるように比例拡大/縮小したものである。
【0087】
[0087]携帯電子デバイス6のメモリ66は任意選択で、知られているエアロゾル供給デバイスの物理的特性のデータベースを含む。データベースの各項目は、対応するエアロゾル供給デバイスを示す画像描写又は図形描写を含んでもよい。したがって、データパケットの送信元のエアロゾル供給デバイスのアイデンティティは、携帯電子デバイス6のメモリ66に保存されたデータベースの項目との比較に基づいて決定された場合、プロセッサ64は、ユーザインターフェースの一部分にエアロゾル供給デバイス2aのアイデンティティに対応するデータベースの項目を示す画像描写又は図形描写を表示することによって、ユーザインターフェースの態様を変更するように構成されてもよい。
【0088】
[0088]上記のユーザインターフェースの態様の変更を任意に組み合わせてもよい。例えば、プロセッサ64は、エアロゾル供給デバイス2aを示す図形描写を、ユーザインターフェースの少なくとも一部分に表示するように構成されてもよい。この場合、図形描写の形状及び大きさは、受信したデータパケット内の形状情報及び大きさ情報に基づき、図形描写の色は、受信したデータパケット内の色情報に基づき、エアロゾル供給デバイスのUUID、製品ID、及びバッチIDなどの受信したデータパケット内の任意の追加の情報は、図形描写のそばにテキスト形式で表示され、又は図形描写の一部として、例えば、図形描写のエアロゾル供給デバイスの本体上にテキストとして表示される。
【0089】
[0089]携帯電子デバイス6は任意選択で、無線通信ネットワークを通じて第2のエアロゾル供給デバイス2bから無線通信インターフェース62を介してデータパケットを受信する。データパケットは、第2のエアロゾル供給デバイス2bの少なくとも1つの物理的特性に関する情報、例えば、
図9及び
図10に関して上記したようなアドバタイジングパケット100を含むことができる。データパケットに含まれる第2のエアロゾル供給デバイス2bの少なくとも1つの物理的特性は、第1のエアロゾル供給デバイス2aから受信するデータパケットと同じ特性の組であってもよいし、異なる特性の組、又は重複した特性の組であってもよい。例えば、第1のエアロゾル供給デバイス2aから受信するデータパケットは、第1のエアロゾル供給デバイス2aの色に関する情報、第1のエアロゾル供給デバイス2aのUUID及び製品IDを含んでもよいが、第2のエアロゾル供給デバイス2bから受信するデータパケットは、第2のエアロゾル供給デバイス2bの色に関する情報、第2のエアロゾル供給デバイス2bの大きさに関する情報、及び第2のエアロゾル供給デバイス2bの形状に関する情報を含んでもよい。
【0090】
[0090]第2のエアロゾル供給デバイス2bからデータパケットを受信したことに応答して、携帯電子デバイス6のプロセッサ64は、第1のエアロゾル供給デバイス2aのアイデンティティの決定に関して上記したように、エアロゾル供給デバイス2bの少なくとも1つの物理的特性に少なくとも部分的に基づいて、第2のエアロゾル供給デバイス2bのアイデンティティを決定するように構成される。
【0091】
[0091]次いで、プロセッサ64は、第1のエアロゾル供給デバイス2a及び第2のエアロゾル供給デバイス2bの決定されたアイデンティティに基づいて、ユーザインターフェースの態様を変更するように構成され、例えば、ユーザが第1のエアロゾル供給デバイス2a又は第2のエアロゾル供給デバイス2bのうちの1つを選択することを可能にする。例えば、プロセッサ64は、第1のエアロゾル供給デバイス2aのアイデンティティに関する情報をユーザインターフェースの第1の部分に表示し、第2のエアロゾル供給デバイス2bのアイデンティティに関する情報をユーザインターフェースの第2の部分に表示するように構成されてもよい。次いで、ユーザは、例えば、ユーザインターフェースの第1の部分かユーザインターフェースの第2の部分かどちらかに対応するタッチスクリーンディスプレイの部分を触れることによって、或いは、ポインティングデバイスを使ってポインターをユーザインターフェースの第1の部分かユーザインターフェースの第2の部分かに置いて選択することによって、或いは、ボタン又は他の入力要素を押すことによって、或いは、言葉を発する又はジェスチャをすることによって、第1のエアロゾル供給デバイス2aか第2のエアロゾル供給デバイス2bかのどちらかを選択することができる。
【0092】
[0092]
図14は、携帯電子デバイス6のプロセッサ64によって行われるユーザインターフェースの態様の変更に対応する携帯電子デバイス6のディスプレイ65のユーザインターフェースを概略的に示す。図示の例では、第1のエアロゾル供給デバイス2aを示す第1の図形描写67aが、ディスプレイ65の第1の部分65aに与えられ、第2のエアロゾル供給デバイス2bを示す第2の図形描写67bが、ディスプレイ65の第2の部分65bに与えられている。第1の図形描写67aは、第1のエアロゾル供給デバイス2aの形状に合うように円筒形状であり、第2の図形描写67bは、第2のエアロゾル供給デバイス2bの形状に合うように円筒形状である。第1の図形描写67aは、濃淡を付けて第1のエアロゾル供給デバイス2aの色を表しているが、第2の図形描写67bは、濃淡を付けずに第2のエアロゾル供給デバイス2bが白色であることを表している。ディスプレイ65の第1の部分65aはまた、第1の図形描写67aのそばに第1のテキスト69aを含み、第1のテキスト69aは、第1のエアロゾル供給デバイス2aの製品ID及びUUIDを含む。ディスプレイ65の第2の部分65bはまた、第2の図形描写67bのそばに第2のテキスト69bを含み、第2のテキスト69bは、第2のエアロゾル供給デバイス2bの製品ID及びUUIDを含む。次いで、ユーザは、例えば、ディスプレイ65の第1の部分65aかディスプレイ65の第2の部分65bかどちらかを指、スタイラス、又は他の適切なデバイスで触れることによって、或いは、ボタン68を押すことによって、或いは、上記のような別の選択手段によって、第1のエアロゾル供給デバイス2aか第2のエアロゾル供給デバイス2bかを選択することができる。
【0093】
[0093]
図15は携帯電子デバイス6のための方法を示す。ステップ15-1において、エアロゾル供給デバイスの少なくとも1つの物理的特性に関する情報を含むデータパケットをエアロゾル供給デバイスから無線通信ネットワークを通じて受信する。ステップ15-2において、エアロゾル供給デバイスの少なくとも1つの物理的特性に少なくとも部分的に基づいてエアロゾル供給デバイスのアイデンティティを決定する。ステップ15-3において、エアロゾル供給デバイスの決定されたアイデンティティに基づいてユーザインターフェースの態様を変更する。
【0094】
[0094]
図16は、携帯電子デバイス6のためのさらなる方法を示す。ステップ16-1において、第1のエアロゾル供給デバイスの少なくとも1つの物理的特性に関する情報を含むデータパケットを第1のエアロゾル供給デバイスから無線通信ネットワークを通じて受信する。ステップ16-2において、第2のエアロゾル供給デバイスの少なくとも1つの物理的特性に関する情報を含むデータパケットを第2のエアロゾル供給デバイスから無線通信ネットワークを通じて受信する。ステップ16-3において、第1のエアロゾル供給デバイスの少なくとも1つの物理的特性に少なくとも部分的に基づいて第1の第2エアロゾル供給デバイスのアイデンティティを決定する。ステップ16-4において、第2のエアロゾル供給デバイスの少なくとも1つの物理的特性に少なくとも部分的に基づいて第2のエアロゾル供給デバイスのアイデンティティを決定する。ステップ16-5において、第1及び第2のエアロゾル供給デバイスの決定されたアイデンティティに基づいて、例えば、ユーザが第1のエアロゾル供給デバイスか第2のエアロゾル供給デバイスか一方を選択することができるようにユーザインターフェースの態様を変更する。これは、はじめにエアロゾル供給デバイスと通信したときにエアロゾル供給デバイスを識別する簡単な手段を提供する。
【0095】
[0095]
図16に示した方法のステップの順序は本方法を示すことのためだけのものであり、これらのステップは異なる順序で実行されてもよい。例えば、ステップ16-3での第1のエアロゾル供給デバイスのアイデンティティを決定するステップは、ステップ16-2での第2のエアロゾル供給デバイスからデータパケットを受信するステップの前に起こってもよい。
図16に示した方法はまた、2つより多いエアロゾル供給デバイス、例えば3、5、10以上のエアロゾル供給デバイスを含むように拡張されてもよい。
【0096】
[0096]2つのデバイスに対する描写及び/又は関連したテキストを表示することによって、
図15及び
図16に関して上述したように、複数のエアロゾル供給デバイスの1つとペアリングする前にそれらのデバイスから1つを識別することを可能にする情報がユーザに与えられる直感的な方式が提供される。アイデンティティの曖昧性除去のためのこのような方式によって、ペアリングするデバイスの選択のエラー率を低減することができ、及び/又はペアリングを成功させるために費やす時間を低減することができるシステムが提供される。ユーザは、携帯電子デバイス6のプロセッサ64がユーザインターフェースの態様をどのように変更するか、又は、プロセッサ64がエアロゾル供給デバイスの決定されたアイデンティティに基づいてユーザインターフェースのどの態様を変更するかをカスタマイズすることができる。例えば、ユーザは、エアロゾル供給デバイスの形状のみを図形描写に移送して、色、UUID、及び製品IDなどの残りの情報は図形描写の近くでテキストとして表示させることを指定することができる。これは、ユーザが色盲である場合、又はエアロゾル供給デバイスを示す図形描写と物理的なエアロゾル供給デバイスとを色だけで区別できない場合に特に適用可能となることがある。
【0097】
[0097]したがって、1つの観点から、方法及び携帯電子デバイスが説明された。本方法は、ペアドインタラクションをサポートすることができる無線通信インターフェースを介して、無線通信ネットワークを通じてエアロゾル供給デバイスからデータパケットを受信するステップを含む。このデータパケットは、エアロゾル供給デバイスの少なくとも1つの物理的特性に関する情報を含む。エアロゾル供給デバイスのアイデンティティは、エアロゾル供給デバイスの少なくとも1つの物理的特性に少なくとも部分的に基づいて決定され、ユーザインターフェースの態様は、エアロゾル供給デバイスの決定されたアイデンティティに基づいて変更される。
【0098】
[0098]上記の実施形態は、主に、Bluetooth LEを使用する無線通信インターフェースに関して説明したが、本開示の原理は、特定の無線通信インターフェースを使用することに限定されるものではないことを理解すべきである。例えば、他の実施態様は、Wi-Fi直接通信インターフェース、又は任意の他の無線通信インターフェースに基づいてもよい。
【0099】
[0099]本明細書で説明した様々な実施形態は、特徴請求される特徴の理解と教示を助けるためだけに提示されている。これらの実施形態は、単に、実施形態の代表的な例として供され、全てを網羅するものでもなければ、他を排除するものでもない。本明細書で説明した利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求の範囲によって規定されたように本開示の範囲を限定するもの、或いは特許請求の範囲に対する均等物を制限するものと考えるべきではなく、本特許請求の範囲及び/又は趣旨から逸脱することなく他の実施形態を利用し、修正を施すことができることを理解されたい。
【0100】
[00100]本教示と合致するさらなる例を、以下の番号付きの条項で説明する。
[条項1] ペアドインタラクションをサポートすることができる無線通信インターフェースを介して、無線通信ネットワークを通じてエアロゾル供給デバイスからデータパケットを受信するステップであって、前記データパケットが、前記エアロゾル供給デバイスの少なくとも1つの物理的特性に関する情報を含む、ステップと、
前記エアロゾル供給デバイスの前記少なくとも1つの物理的特性に少なくとも部分的に基づいて前記エアロゾル供給デバイスのアイデンティティを決定するステップと、
前記エアロゾル供給デバイスの前記決定されたアイデンティティに基づいてユーザインターフェースの態様を変更するステップと
を含む方法。
[条項2] 前記無線通信インターフェースがBluetooth low energy通信インターフェースである、条項1に記載の方法。
[条項3] 前記データパケットがBluetooth low energyデータパケットであり、第1のエアロゾル供給デバイス及び第2のエアロゾル供給デバイスの少なくとも1つの物理的特性に関する前記情報が、前記Bluetooth low energyデータパケットのpacket data unit内に含まれる、条項2に記載の方法。
[条項4] 前記少なくとも1つの物理的特性が前記エアロゾル供給デバイスの色を含む、条項1~3のいずれか一項に記載の方法。
[条項5] 前記エアロゾル供給デバイスの色が16進カラーコードとして移送される、条項4に記載の方法。
[条項6] 前記エアロゾル供給デバイスの色が所定のコードとして移送される、条項4に記載の方法。
[条項7] 前記エアロゾル供給デバイスの前記アイデンティティを決定するステップが、メモリのデータベースに保存された情報を使用して、前記データパケットに収められた前記所定のコードを前記エアロゾル供給デバイスの色に翻訳することを含む、条項6に記載の方法。
[条項8] 前記少なくとも1つの物理的特性が、前記エアロゾル供給デバイスの形状、前記エアロゾル供給デバイスの大きさ、及び前記エアロゾル供給デバイスのタイプのうちの1つ又は複数を含む、条項1~7のいずれか一項に記載の方法。
[条項9] 前記エアロゾル供給デバイスから受信した前記データパケットが、前記エアロゾル供給デバイスのバッチ番号、シリアル番号、及び製品識別番号のうちの少なくとも1つを含む、条項1~8のいずれか一項に記載の方法。
[条項10] 前記エアロゾル供給デバイスの前記アイデンティティを決定するステップが、前記エアロゾル供給デバイスの前記少なくとも1つの物理的特性を、メモリに保存されたエアロゾル供給デバイスの物理的特性のデータベースと比較することを含む、条項1~9のいずれか一項に記載の方法。
[条項11] 前記ユーザインターフェースの態様を変更するステップが、前記ユーザインターフェースに前記エアロゾル供給デバイスの図形描写を表示すること、映像を再生すること、音を再生すること、前記ユーザインターフェースの1つ又は複数の表示設定を変更すること、及び前記ユーザインターフェースに表示される1つ又は複数の色を変更することのうちの1つ又は複数を含む、条項1~10のいずれか一項に記載の方法。
[条項12] 前記無線通信インターフェースを介して、前記無線通信ネットワークを通じて第2のエアロゾル供給デバイスからデータパケットを受信するステップであって、前記データパケットが、前記第2のエアロゾル供給デバイスの少なくとも1つの物理的特性に関する情報を含む、ステップと、
前記第2のエアロゾル供給デバイスの前記少なくとも1つの物理的特性に少なくとも部分的に基づいて、前記第2のエアロゾル供給デバイスの前記アイデンティティを決定するステップと、
前記第1のエアロゾル供給デバイス及び前記第2のエアロゾル供給デバイスの前記決定されたアイデンティティに基づいて、ユーザが前記第1のエアロゾル供給デバイスか前記第2のエアロゾル供給デバイスか一方を選択することができるようにユーザインターフェースの態様を変更するステップと
をさらに含む、条項1~11のいずれか一項に記載の方法。
[条項13] 前記ユーザインターフェースの態様を変更するステップが、前記第1のエアロゾル供給デバイスを示す第1の図形描写を前記ユーザインターフェースの第1の部分に表示し、前記第2のエアロゾル供給デバイスを示す第2の図形描写を前記ユーザインターフェースの第2の部分に表示することを含む、条項12に記載の方法。
[条項14] 少なくとも1つのプロセッサと、
ペアドインタラクションをサポートすることができる無線通信インターフェースと、
命令を含むメモリであり、前記命令が、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されるとき、前記少なくとも1つのプロセッサに条項1~13のいずれか一項に記載の方法を実行させる、メモリと
を備える携帯電子デバイス。
【0101】
[00101]特許請求される範囲の様々な実施形態は、本明細書で詳細に説明されたもの以外の、開示される要素、構成要素、特徴、部品、ステップ、手段などの適切な組合せを適切に含む、それらのみから構成され、或いは実質的にそれらから構成されてもよい。さらに、本開示は、今回は特許請求されていないが、将来、今回特許請求される特徴と組み合わせて、又は今回特許請求される特徴とは別個に特許請求される可能性のある他の概念を含むことができる。
【外国語明細書】