(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161385
(43)【公開日】2024-11-19
(54)【発明の名称】直列接続可能な薬剤モジュールの代替流体経路
(51)【国際特許分類】
A61J 1/20 20060101AFI20241112BHJP
【FI】
A61J1/20 314B
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024116660
(22)【出願日】2024-07-22
(62)【分割の表示】P 2022526163の分割
【原出願日】2020-11-09
(31)【優先権主張番号】62/932,993
(32)【優先日】2019-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】391015708
【氏名又は名称】ブリストル-マイヤーズ スクイブ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL-MYERS SQUIBB COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(72)【発明者】
【氏名】マクローリン,マーティン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ジーミンスキー,スティーブン ローレンス
(72)【発明者】
【氏名】ハワンスキー,マーク スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】ベラルドッコ,フランク
(57)【要約】 (修正有)
【課題】組み合わせ薬剤送達装置で使用するモジュールを提供する。
【解決手段】モジュール10は、液体で満たされた薬剤バイアル18の内部容積16内に延びるバイアル隔壁14を貫通するために使用されるバイアルスパイク12を設けられ得る。バイアルスパイク12の遠位端20は、バイアル隔壁14の貫通を容易にするために鋭利であってもよい。バイアルスパイク12は、内部容積16にアクセスする際に隔壁14を完全に貫通するのに十分な長さを備えていなければならない。バイアルスパイク12は、モジュール流体装置を別個の回路、流入経路22および排出経路24、に分割する2つの内腔(ルーメン)を含む。バイアルスパイク12が隔壁を貫通することにより、流入経路22および排出経路24は、バイアルスパイク12の遠位端20に形成された開口部を介して、薬剤バイアル18の内部容積16と接続している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組み合わせ薬剤送達装置で使用するモジュールであって、前記モジュールは、隔壁によってシールされた薬剤バイアルを収容するように形成され、前記モジュールは、
前記モジュールによって収容された前記薬剤バイアルの前記隔壁を貫通するように形成されたバイアルスパイクであって、前記薬剤バイアルは、流入経路および別個の排出経路を含む、バイアルスパイクと、
第1シールポートと、
前記流入経路を前記第1シールポートと接続する第1流体ラインと、
前記第1流体ラインから延在し、前記第1流体ラインと接続する第1分岐ラインであって、前記第1分岐ラインは、露出管部分を含む、第1分岐ラインと、
第2シールポートと、
第3シールポートと、
前記第2シールポートを前記第3シールポートと接続する第2流体ラインであって、前記第1分岐ラインは、前記第2流体ラインへと延在し、前記第2流体ラインと接続する、第2流体ラインと、
第4シールポートと、
前記排出経路を前記第4シールポートと接続する第3流体ラインと、
前記モジュールに直接接続された、同様に形成されたモジュールの前記露出管部分に対して押し込んで係合するように形成された雄ピンと、
を備える、モジュール。
【請求項2】
前記第1流体ライン、前記第2流体ライン、および前記第3流体ラインのうちの1つ以上と接続する、少なくとも1つの折りたたみ可能なガスチャンバをさらに備える、請求項1に記載のモジュール。
【請求項3】
組み合わせ薬剤送達装置であって、
請求項1に基づいて形成された複数のモジュールであって、前記モジュールの組み合わせを形成するように直列に接続され、前記モジュールのうちの第1モジュールが前記組み合わせの終端を定める、複数のモジュールと、
前記第1モジュールと接続されたポンプモジュールと、を備え、前記ポンプモジュールは、前記第1モジュールの前記第4シールポートと結合する第1流入シールポート、前記第1モジュールの前記第3シールポートと結合する第2流入シールポート、第1排出ポート、およびポンプを含み、排出通路は、前記第1流入シールポートと前記第1排出ポートとの間に定められ、前記ポンプは、液体薬剤を前記排出通路に引き込むように、および引き込まれた液体薬剤を前記第1排出ポートから押し出すように構成される、
組み合わせ薬剤送達装置。
【請求項4】
前記ポンプモジュールは、前記第2流入シールポートと接続する通気通路を含む、請求項3に記載の組み合わせ薬剤送達装置。
【請求項5】
前記ポンプモジュールは、前記第2流入シールポートと接続する少なくとも1つの折りたたみ可能なガスチャンバを含む、請求項3に記載の組み合わせ薬剤送達装置。
【請求項6】
組み合わせ薬剤送達装置で使用するモジュールであって、前記モジュールは、隔壁によってシールされた薬剤バイアルを収容するように形成され、前記モジュールは、
前記モジュールによって収容された前記薬剤バイアルの前記隔壁を貫通するように形成されたバイアルスパイクであって、前記バイアルスパイクは、流入経路および別個の排出経路を含む、バイアルスパイクと、
第1シールポートと、
第1露出管部分を含み、前記流入経路を前記第1シールポートと接続する第1流体ラインと、
第2シールポートと、
前記第1流体ラインから延在し、前記第1流体ラインと接続する第1分岐ラインであって、前記第1分岐ラインは、前記第2シールポートへと延在し、前記第1分岐ラインは、第2露出管部分を含む、第1分岐ラインと、
第3シールポートと、
前記排出経路を前記第3シールポートと接続する第2流体ラインと、
第4シールポートと、
前記第2流体ラインから延在し、前記第2流体ラインと接続する第2分岐ラインであって、前記第2分岐ラインは、前記第4シールポートへと延在する、第2分岐ラインと、
前記モジュールに直接接続された、同様に形成されたモジュールの前記第2露出管部分に対して押し込んで係合するように形成された雄ピンと、
を備える、モジュール。
【請求項7】
請求項6に記載のモジュールと、
ベーストレイであって、前記モジュールが前記ベーストレイに直接接続されると前記第1露出管部分に対して押し込んで係合するように形成された第2雄ピンを含む、ベーストレイと、
を備える、組み合わせ。
【請求項8】
組み合わせ薬剤送達装置で使用するモジュールであって、前記モジュールは、隔壁によってシールされた薬剤バイアルを収容するように形成され、前記モジュールは、
前記モジュールによって収容された前記薬剤バイアルの前記隔壁を貫通するように形成されたバイアルスパイクであって、前記バイアルスパイクは、流入経路および別個の排出経路を含む、バイアルスパイクと、
第1シールポートと、
前記流入経路を前記第1シールポートと接続する第1流体ラインと、
第2シールポートと、
前記排出経路を前記第2シールポートと接続する第2流体ラインと、を含み、
前記第1シールポートと前記第2シールポートとは、前記モジュールの反対側の面に配置され、反対方向を向いている、
モジュールと、
前記モジュールに取り付け可能なアダプタであって、前記アダプタは、
第1内部ポートと、
第2内部ポートと、
第1排出ポートと、
前記第1内部ポートを前記第1排出ポートと接続する第1の二次流体ラインと、
第2排出ポートと、
前記第2内部ポートを前記第2排出ポートと接続する第2の二次流体ラインと、
を含む、アダプタと、
を備え、
前記第1排出ポートおよび前記第2排出ポートは、前記アダプタの共通の面に配置され、同一の共通方向に面し、
前記アダプタが前記モジュールに取り付けられると、前記第1内部ポートは、前記第1シールポートと整列し、前記第2内部ポートは、前記第2シールポートと整列し、前記第1排出ポートおよび前記第2排出ポートの前記共通方向は、前記第1シールポートおよび前記第2シールポートの方向に対して横向きである、
組み合わせ。
【請求項9】
前記アダプタは、複数の部品から形成される、請求項8に記載の組み合わせ。
【請求項10】
前記アダプタは、前記複数の部品を結合することで前記モジュールに取り付けられる、請求項9に記載の組み合わせ。
【請求項11】
前記複数の部品の第1部品は、前記第1内部ポート、前記第1の二次流体ライン、および前記第1排出ポートを含み、前記複数の部品の第2部品は、前記第2内部ポート、前記第2の二次流体ライン、および前記第2排出ポートを含む、請求項9に記載の組み合わせ。
【請求項12】
共通の排出部に接続された複数の流入ポート、および前記流入ポートのそれぞれへと延在するように形成される少なくとも1つのウェルを有するベーストレイと、
複数のモジュールであって、前記複数のモジュールのそれぞれは薬剤バイアル、前記薬剤バイアルから薬剤を放出する排出ポート、および少なくとも1つの突出する固定部分を包含し、前記モジュールのそれぞれは、前記流入ポートの1つと対応する、複数のモジュールと、
を備え、
前記モジュールのそれぞれで、固定部分の数は、対応する流入ポートに関連付けられた前記ウェルの数と対応し、
前記モジュールは、それぞれの少なくとも1つの固定部分が対応する少なくとも1つのウェルで受けられると、前記対応する流入ポートと結合される、
組み合わせ薬剤送達装置。
【請求項13】
前記モジュールのそれぞれで、前記それぞれの少なくとも1つの固定部分は、前記対応する少なくとも1つのウェルと嵌合する断面を有する、請求項12に記載の組み合わせ薬剤送達装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、特に静脈内注入および患者への直接注入のための液体薬剤の配合および調製である。より具体的には、本発明は、2つ以上の薬剤の組み合わせの調製および配合のための装置の利用を可能にするであろう流体回路および接続のための解決策に関する。
【背景技術】
【0002】
薬局環境内で調合される薬剤の静脈内注入による薬剤の投与では一般的な慣行である。このような薬剤は、通常、ガラスバイアルで無菌状態で供給され、固体または水溶液の形で供給され得る。固形で供給される場合、薬剤は注入バッグに移す前に滅菌水性希釈剤で調製する必要がある。当業者は、そのような薬剤製剤が、典型的には、いくつかの賦形剤、例えば、緩衝剤、pH調整剤、張性調整剤、安定剤などを含むことを理解する。通常、静脈内注入用の液体薬剤は、患者への注入のために移す前に、薬局環境で注入バッグで調合される。薬剤の無菌性を維持する必要があるため、調剤の間、調剤手順は通常、無菌調剤室(フード)で行われる。典型的には、薬剤師または薬局技師(実務者)は、個々の患者の処方箋に従って薬剤を準備する。
【0003】
フード内にすべての物がないことを確認した後、実務者は処方箋に従って必要な薬剤のバイアルを薬局の在庫から取り出し、それらが同一であることおよび含量を確認する。確認プロセスは、バーコードスキャナまたはその他の識別技術によって支援される。実務者はまた、注入バッグ自体、注射器、針、移注セット、手袋、鋭利物廃棄容器などを含む、注入用の薬剤を安全に準備するために必要な他のすべての必要な機器を在庫から取り出す。必要なすべての機器が集められると、実務者は、希釈剤の添加による固形薬剤の調製、個々のバイアルから移注口を介して点滴静注(IV)バッグへ液体薬剤を順番に取り出すことを含む、薬剤の調製のための手順に従う。典型的には、この手順は手動で実行され、複数の針を使用する。実務者へ針が刺さることによる損傷の危険性は、薬剤の調合を行うために必要な針毎に増加する。化学療法用の細胞毒性薬などの高い効力または毒性のある薬剤の場合、実務者にとってかなりの曝露の危険性がある。
【0004】
危険な薬剤への曝露を含む手動調製に関連する危険性および投薬ミスの危険性のいくつかを排除するために、薬剤の調製および調合に含まれる多くのステップを自動化する薬剤調合機が当業者に知られている。典型的には、このような機械は複雑な電気機械システムであり、液体薬剤を正確に調製するための高度な精密調剤機構を実装している。それらのコスト、大きさ、および複雑さは別として、当技術で説明されるそのような機械の設計の多くは、在庫貯蔵庫から液体薬剤を取り出し、容器内の薬剤の一部のみを使用する。無菌性を維持する必要があるため、未使用の薬液は典型的には廃棄される必要があり、無駄になる。一部の薬剤、特に生物学的薬剤のコストが非常に高いため、この廃棄は非常に望ましくないコストである。浪費された薬剤が細胞毒性剤である場合、それらの処分は重大な環境および安全上の危険を生み出す。
【0005】
医学、特に癌の治療における最近の進歩により、治療的に有益な効果が2つ以上の薬剤の相乗的な組み合わせによって達成され得ることが示されてきた。
【0006】
たとえば、最近の臨床研究では、抗PD-1チェックポイント阻害薬とCTLA4チェックポイント阻害薬の併用により、いくつかの腫瘍タイプで有益な相乗効果が得られ、それぞれの薬剤の個々の投与で達成できるよりも優れた臨床転帰につながり得ることが示されている。典型的には、そのようなチェックポイント阻害薬は、バイオテクノロジ由来のモノクローナル抗体または免疫グロブリンタイプのフラグメントである。状況によっては、そのような生物学的薬剤を細胞毒性薬などの従来の化学療法剤と組み合わせることが有益な場合がある。
【0007】
出願人は、ここでの同じ譲受人の2018年5月11日に出願された米国仮特許出願第62/670,266号、2019年5月10日に出願されたPCT出願のPCT/US2019/031727号、2019年5月10日に出願されたPCT出願のPCT/US2019/031762、および2019年5月10日に出願されたPCT出願のPCT/US2019/031791に記載され、本件明細書の一部を構成するものとしてその開示全体を本件明細書に援用する組み合わせ(コンビナトリアル)の原理は、静脈内注入のための薬剤の調製および調合で遭遇するいくつかの課題に対処でき、薬局での手続きの簡素化、投薬ミスの危険性の低減、非常に強力または毒性の高い薬剤からの実務者の封じ込めおよび保護、針で刺すことによる損傷の危険性の低減、薬剤の浪費の低減または撲滅、複雑で高価な薬剤調剤機の必要性の回避を含むがこれらに限定されないいくつかの利点を提供できる。実施形態におけるこれらの利点の結果として、本発明は、薬局から離れた場所で、および非専門家による、例えば、患者の家で適切に訓練された技術者または看護師による、静脈内(IV)注入用の薬剤の調製および配合をさらに可能にし得る。この可能性は、本明細書で説明されるシステムの本質的な運搬性によって高められる。
【発明の概要】
【0008】
本発明によれば、複数の薬剤モジュールであって、それぞれが薬剤で満たされたバイアルを受けるためのチャンバを定める薬剤モジュールが提供される。実施形態では、スペーサアダプタが提供され得るか、またはバイアル保持寸法が変更され得、異なる大きさのバイアルを受けることが可能となる。モジュールは、消毒のためにバイアル隔壁へアクセスできるようにする変位可能なバイアル固定器具と、バイアル固定器具の変位時にバイアル隔壁を破るように配置されたカニューレと、カニューレから、隣接するモジュールの滅菌流体経路と接続する流入ポートおよび排出ポートへの滅菌流体経路を定める滅菌チューブと、をさらに備え得る。モジュールは、同じ設計の任意の数のモジュールが「スタック(並べ連ねて)」で互いに接続できるように、オスとメスの嵌合機構を備えることができる。さらに、嵌合機構およびポートは、モジュールがそれぞれの嵌合機構を通じて互いに直列に接続されたとき、モジュール間の流体接続が自動的に為されるように配置され得る。各モジュールは、滅菌微粒子フィルタによって終端された通気口を含む通気口を設けられ得、これにより、バイアルから液体薬剤を除去する際にバイアル内の圧力を均一化できると同時に、汚染物質が流体経路に混入するのを防ぐ。通気口は、別のモジュールがモジュールの通気口側に隣接して嵌合されると、その通気口を塞ぐ、シールが形成されるように配置され得る。このようにして、スタック上の終端モジュールのみが大気と通気できる。
【0009】
実施形態では、システムは、大気の代わりに使用されるであろう滅菌空気リザーバを装備できる。この機構により、システムを制御の少ない環境、特に患者の自宅環境で使用できるようになる。
【0010】
スタック内の第1モジュールは、モジュールに設けられている雄ポートと同様の雄ポートを備えたハウジングに接続され得る。ハウジングは、滅菌チューブをさらに備え、目金チューブは、ハウジングから延在してもよく、滅菌中空針によって終端され得、滅菌中空針は、注入バッグまたは他の容器の滅菌ポートを破り、バッグまたは他の容器に液体薬剤をポンプで移すために使用され得、または患者への直接の薬剤投与に使用され得る。複数のバイアル内の液体薬剤に十分に接続されたときに、それぞれのバイアルから針に1つとしてポンプで送られるように、さらなるポンプ手段が設けられ得る。
【0011】
実施形態では、そのようなポンプ手段は、ハウジングに一体であってもよく、またはハウジングの外部にあってもよい。ポンプ手段は、滅菌され、流体経路の構成要素を形成してもよく、または蠕動ポンプなどの非接触型のものであってもよい。当業者は、記載された方法での液体薬剤のポンプ輸送での使用に適したいくつかのポンプ技術に精通しているであろう。
【0012】
この送達システムの実施形態では、モジュールが互いに接続するだけでなく、共通のベーストレイで構成できるようにすることで、システムにさらなる柔軟性がもたらされる。ベーストレイを使用すると、より複雑な電子エラー防止システムに依存することなく、モジュールの順序とアセンブリを低コストの代替手段で制御でき、これは、モジュールを純粋にスタック可能なアーキテクチャで構成する場合に必要となるであろう。
【0013】
ベーストレイを使用するこのシステムの現在の実施形態では、薬剤モジュールは、設けられた共通のベーストレイ内に挿入され、機械的に固定され、これにより、挿入されたすべてのモジュールを流体接続し、すべてのモジュールの内容物を送達する。ベーストレイは、モジュールのヒンジ付きキャップ形状を受け入れるように設計された、いくつかの事前に配置されたウェルで構成される。各ウェル内には、モジュールバイアルスパイクプレートの入力ポートと出力ポートに結合する2つの逆止弁形式の流体接続ポートがある。バイアルスパイクプレートをベーストレイのバルブに十分に押し込むことで、バイアルスパイクプレートを介してベーストレイバルブ間で流体接続が行われる。内部的には、滅菌チューブを使用して、隣接するウェルの単一の逆止弁を流体接続して流体回路を作成する。これは、ベーストレイのすべてのウェルが特定のモジュールで埋められると完了する。ベーストレイには、内部流体回路の一端を終端するエアフィルタおよび/または通気口が含まれる。ベーストレイの流体回路は、モジュールからの薬剤製品をベーストレイからの滅菌済みメイン出力ラインに流し出します。メイン出力ラインの一方向弁は、薬剤製品がベーストレイに逆流するのを防ぐ。
【0014】
ベーストレイウェルの内壁とモジュールのヒンジ付きキャップの外面の両方に存在する協働する機械的な鍵特徴は、モジュールがベーストレイの所定のウェルにのみ挿入されることを保証するポカヨケ機構を作成する。
【0015】
ベーストレイからのメイン出力ラインは、無菌中空針によって終端され、無菌中空針は、注入バッグまたは他の容器の滅菌ポートを破り、液体薬剤を容器にポンプで移すために使用され得、または患者への直接の薬剤投与に使用され得る。さらに、ポンプは、完全に接続されたときに、バイアル内の液体薬剤が、それぞれのバイアルからバッグ、容器、または患者への1つの集合的な出力としてポンプで送られるように設けられ得る。
【0016】
ポンプは、ベーストレイに統合されてもよく、ベーストレイの外部にあってもよい。ポンプは滅菌されて、流体経路の構成要素を形成してもよく、または蠕動ポンプなどの非接触型のものであってもよい。当業者は、記載された方法での液体薬剤のポンプ輸送での使用に適したいくつかのポンプ技術に精通しているであろう。
【0017】
モジュールまたはトレイの流体アーキテクチャのいずれかに変更が現在の記載されたシステムに対して加えられ得る。これにより、モジュールをスタック可能な配置で構成したり、ベーストレイ内にネストしたりできるようになる。これらのシステムの構成は、構成部品の組み立ての時点で、サプライチェーンの中で、または治療現場のユーザによって、ケースバイケースで為されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図4】滅菌エアリザーバを備えた二重回路モジュール
【発明を実施するための形態】
【0019】
組み合わせ薬剤送達装置で使用可能なモジュールに関連する様々な実施形態が本明細書に記載され、当該実施形態は(例えば、スタックを形成するように)複数のモジュールを直列に接続することによって形成される装置、およびモジュールを流体的に接続するベーストレイまたは他の支持構造にモジュールを取り付けることによって形成される装置を含み、これにより、モジュールを流体的に接続する。実施形態の特徴は、明示的に開示されていなくても、様々な組み合わせで組み合わせることができる。特定の特徴、例えば、スパイクプレート、スパイクプレートと取り付けられたバイアルとの相互作用、通気口などの説明は、特定の実施形態で提供され、当業者によって理解されるように、他の実施形態にも同様に適用可能である。
【0020】
第1の実施形態では、
図1~4に示されるように、モジュール10は、液体で満たされた薬剤バイアル18の内部容積16内に延びるバイアル隔壁14を貫通するために使用されるバイアルスパイク12を設けられ得る。バイアルスパイク12の遠位端20は、バイアル隔壁14の貫通を容易にするために鋭利であってもよい。バイアルスパイク12は、内部容積16にアクセスする際に隔壁14を完全に貫通するのに十分な長さを備えていなければならない。バイアルスパイク12は、モジュール流体装置を別個の回路、流入経路22および排出経路24、に分割する2つの内腔(ルーメン)を含む。バイアルスパイク12が隔壁を貫通することにより、流入経路22および排出経路24は、バイアルスパイク12の遠位端20に形成された開口部を介して、薬剤バイアル18の内部容積16と接続している。
【0021】
第1流体ライン26は、流入経路22からモジュール10の背面30に位置する第1シールポート28まで延在し、薬剤バイアル18の内部容積16を第1シールポート28に接続する。第1分岐ライン32は、第1流体ライン26から延在し、第1流体ライン26と接続している。第1分岐ライン32は、露出管部分34を含み、露出管部分34は、モジュール10の背面30を通じて露出される。露出管部分34は、可撓性の管によって形成されることが好ましい。第2シールポート36は、モジュール10の背面30に配置され、第2流体ライン42によって、モジュール10の前面40に配置された第3シールポート38に接続されている。第1分岐ライン32は、第2流体ライン42まで延在し、第2流体ライン42と接続している。第4シールポート44は、前面40に配置され、第3流体ライン46によって排出経路24に接続されている。雄ピン48は、前面40から突出し、以下で説明するように、モジュール10に接続された同様に形成されたモジュールの露出管部分34を押し込みながら係合するように構成される。ポートまたは開口50は、露出管部分34を露出させ、雄ピン48を受けるように形成された裏面30に形成され得る。
【0022】
図2から
図4は、直列に接続された2つのモジュール10を示す。当業者によって理解されるように、任意の数量のモジュール10が直列接続に利用され得る。これにより、モジュール10の薬剤バイアル18は、順番に引き出され、組み合わせて投与され得る異なる薬剤(タイプ、濃度)を含むことができる。説明の目的で、モジュール10の第2モジュールは、薬剤モジュール10で使用されるのと同じ参照符号で示されているが、さらに文字「a」が付けられている。
図2に示すように、モジュール10、10aが接続されると、モジュール10の背面30上の第1シールポート28および第2シールポート36は、第2モジュール10aの第3シールポート38aおよび第4シールポート44aと結合し、モジュール10、10aの一次回路と二次回路の間で流体接続を形成する。第2モジュール10aの雄ピン48aは、ポート50に受けられて、露出管部分34と結合し、具体的には、露出管部分34をその可撓性チューブを挟んで閉じて押し込みながら係合し、それにより、直列のモジュール10、10aの一次流入回路および二次流入回路を最後のモジュール10aまで接続する。具体的には、流体チェーンがモジュール10、10aの間に作られ、一次流入回路および二次流入回路は、そこを通って流れるように開いている露出管部分34aを備える第1分岐ライン32aによってブリッジされることで、接続している。この配置は、流体回路を閉じるために流れることが許容される最終的なモジュール10aを除いて、モジュール10の第1分岐ライン32をシールすることを可能にする。したがって、流体経路は、第1モジュール10の第3シールポート38で始まり、各モジュール10、10aの第2流体ライン42を通って、チェーンの最後のモジュール10aの第1分岐ライン32aを通って延びることができ、そして、各モジュール10、10aの薬剤バイアル18、18aを通って、第1モジュール10の前面40上の第4シールポート44に戻る。
【0023】
当業者によって理解されるように、モジュール10、10aを通る流体経路は、任意の既知の方法で通気され得る。例えば、第1シールポート28および第2シールポート36の一方または両方は、空気の流れは通すが、微生物の通過を制限する抗菌フィルタを設けられ得る。さらに、または代わりに、
図4に示すように、1つまたは複数の折りたたみ可能なガスチャンバ52が、例えば、滅菌ガス(例えば、滅菌空気)または安定ガス(例えば、アルゴン)を収容するように、第1流体ライン26、第2流体ライン42、および第3流体ライン46を含む任意の流体ラインと接続して設けられ得る。さらに、流体ライン(第1流体ライン26、第1分岐ライン32、第2流体ライン42、第3流体ライン46)は、可撓性チューブを含む管によって全体的または部分的に形成され得る。さらに、または代わりに、流体ライン(第1流体ライン26、第1分岐ライン32、第2流体ライン42、第3流体ライン46)は、モジュール10で形成された通路によって全体的または部分的に形成され得る。上記したように、露出管部分34は、隣接する接続されたモジュール10の雄ピン48による押し付け係合に応答して挟むことが可能であるように可撓性チューブによって形成されることが好ましい。
【0024】
さらに、モジュール10は、例えば、対向する面で協働する固定要素を含む、任意の既知の方法で接続できる。隣接するモジュール10間のポート50と雄ピン48との相互係合を利用して、それらの間に接続を形成できる。
【0025】
流体接続で直列に接続されたすべてのモジュール10を用いて、薬剤送達デバイス54を形成するために、ポンプモジュール56をチェーンの第1モジュール10の前面40に配置して、モジュールチェーンの流入ポートおよび排出ポートとして第3シールポート38および第4シールポート44と結合させることができる。ポンプモジュール56は、第1モジュール10の第4シールポート44と相互係合するように形成された第1流入シールポート58と、第1モジュール10の第3シールポート38と相互係合するように形成された第2流入シールポート60と、第1排出ポート62、およびポンプ64を含む。排出通路66は、第1流入シールポート58と第1排出ポート62との間に定められ、ポンプ64は、第4シールポート44/第1流入シールポート58インタフェースを介して、液体薬剤を排出通路66に引き込むように、および引き出された液体薬剤を第1排出ポート62から押し出すように構成される。排出通路66は、そこを通過する液体薬剤の無菌性を維持するように、ポンプ64が蠕動運動して排出通路66に作用する、閉鎖通路であり得る。
【0026】
通気通路68は、第2流入シールポート60と接続して設けられ、第3シールポート38を介してモジュール10、10aの流体回路への通気を提供できる。通気通路68は、一方向空気通気口70で終端し得る。
図4に示すように、一方向空気通気口70は、例えば滅菌ガス(例えば、滅菌空気)または安定ガス(例えば、アルゴン)を含む、1つまたは複数の折りたたみ可能なガスチャンバ52で置き換えられ得る。これにより、装置54は、空気濾過を伴う制御された環境へのアクセスが利用できない可能性がある在宅ケア環境で利用され得る。
【0027】
薬剤送達装置54は、様々な用途で利用され得る。薬剤送達装置54は、家庭での使用に特に適しており、組み合わせ薬剤療法を提供するために自己完結型である。第1排出ポート62は、可撓性チューブ72に接続され、患者への直接薬剤投与のための薬剤送達針(図示せず)に接続されるか、または薬剤がその後の投与のために集められ得る、IVバッグ74などの容器に接続される。使用中、
図3および
図4に示すように、ポンプ64を作動させて、薬剤バイアル18、18aから液体薬剤を引き出し、第1排出ポート62を介して送達でき、折りたたみ可能なガスチャンバ52および/または通気通路68の1つ以上によって通気が提供され得る。
【0028】
モジュール流体装置の代替の実施形態は、構成可能なモジュールを使用して、ともに直列に接続できるようにするか、あるいは、ベーストレイまたは「ポカよけ」トレイなどの他の支持構造に取り付けるように構成できるようにするのに望ましい場合がある。
図5Aおよび
図5Bに示すように、モジュール本体ハウジング100の断面が、流体経路サブアセンブリの異なる構成要素を固定するための切り欠き102とともに示されている。ハウジング100の上面104は、上記と同様の方法で薬剤バイアルから薬剤にアクセスするために形成されたスパイクプレート106用の切り欠き102aを有し、一方、前面108および背面110はそれぞれ、シールポート112の固定のための切り欠き102b、102cを有し、底面114は、2つのシールポート112のための切り欠き102d、102eを有する。スパイクプレート106は2つの内腔のスパイクプレートであり、各内腔は、シールポート112で終端する可撓性チューブ116の一部に続く。モジュールのアセンブリの時点で、スパイクプレート106は、上部カットアウト102aに組み付けられ、シールポート112が、直列のスタック構成のためにモジュールハウジング100の対向する前面108および背面110のいずれか(
図5A)に、またはモジュール100とベーストレイ若しくは他の支持構造との相互作用を可能とするように底面114(
図5B)に配置されることによって、流体経路の流入および排出として配置され得る。
【0029】
この構想のさらなる実施形態は、治療現場(ポイントオブケア)でのスタック可能なまたはトレイ構成のためのモジュールを構成することを含み得る。可撓性チューブを備えた構成可能なサブアセンブリを使用することにより、入力シールポート202および出力シールポート204がヒンジによってモジュール本体200に取り付けられたポートハウジング206内に保持されつつ、アセンブリ中、流体経路は、固体モジュール本体200内に恒久的に含まれ得る。モジュール本体200に対するポートハウジング206のヒンジにより、流体経路の入力シールポート202および出力シールポート204を、
図6Aに示すようにベーストレイ取り付け、または
図6Bに示すように直列接続のいずれかのために向けることができる。
【0030】
代替モジュール流体装置解決策では、いずれの構成でも使用できるように冗長的な流体装置を利用して、使用時には使われていない回路を閉じることで、代替ベーストレイ取り付けおよび直列接続でのモジュールの使用をできるようにする。
図7に示すように、各モジュール300は、液体で満たされた薬剤バイアルの内部容積内に延在するようにバイアル隔壁を貫通してその中の薬剤にアクセスするために使用されるバイアルスパイク302を含む。バイアルスパイク302は、内部容積にアクセスする際に隔壁を完全に貫通するのに十分な長さを備えている必要がある。バイアルスパイク302は、モジュール流体装置を別個の回路、流入経路304、および排出経路306に分割する2つの内腔を含む。バイアルスパイクが隔壁を貫通することにより、流入経路304および排出経路306は、バイアルスパイク12に関連して上記で説明したのと同様の方法で、バイアルスパイク302の遠位端308に形成された開口を介して薬剤バイアルの内部容積と接続する。
【0031】
第1流体ライン310は、流入経路304から、モジュール300の背面314に配置された第1シールポート312まで延在し、薬剤バイアルの内部容積を第1シールポート312と接続する。第1流体ライン310は、第1露出管部分316を含み、第1露出管部分316は、モジュール300の底面318を通じて露出される。第1分岐ライン320は、第1流体ライン310から延在し、第1流体ライン310と接続している。第1分岐ライン320は、第2露出管部分322を含み、第2露出管部分322は、背面314を通じて露出され、第2シールポート324へと延びる。第3シールポート326は、モジュール10の前面328に配置されている。第2流体ライン330は、排出経路306を第3シールポート326に接続する。第4シールポート332は、底面318に配置され、第2分岐ライン334がそこから第2流体ライン330まで延び、第4シールポート332と第2分岐ライン334とを接続する。第1雄ピン336は、前面328から突出し、以下で説明するように、モジュール300に接続された、同様に形成されたモジュールの第2露出管部分322に対して押し込みながら係合するように構成される。第1ポートまたは開口338は、裏面314に形成され得、第2露出管部分322を露出し、第1雄ピン336を受けるように形成される。示されるように、モジュール300、300aの2つが直列に接続されている状態で、第2モジュール300aの第1雄ピン336aは、隣接するモジュール300の第1ポート338に受けられて、第2露出管部分322を押し込んで遮断する。このようにして、モジュール300のすべての薬剤バイアルにまたがる連続的な流路を、第2シールポート324および第4シールポート332の外側に形成できる。
【0032】
モジュール300は、ベーストレイ340と一緒に利用でき、モジュール300がベーストレイ340に直接接続されると、第1露出管部分316に押し込みながら係合するように構成された第2雄ピン342がベーストレイ340から突出する。第2ポートまたは開口部344は、モジュール300の底面318に形成され得、第1露出管部分316を露出し、第2雄ピン342を受けるように形成される。ベーストレイ340は、モジュール300を挿入的に受けられるように形成されたネスト346を含み得る。モジュール300がネスト346に受けられていると、ネスト346のベース352に設けられた第1排出シールポート348および第2排出シールポート350は、モジュール300の第2シールポート324および第4シールポート332とそれぞれ相互結合し、第2雄ピン342は、第2ポート344に受けられて第1露出管部分316を押し込んで遮断する。このようにして、第1シールポート312および第3シールポート326を迂回して、ベーストレイ340に出入りする流路が形成され得る。
【0033】
所望の流体回路の形成を容易にするために、1つまたは複数の一方向逆止弁354が設けられ、流れを一方向に制限し、それによって、使用されていない流体ラインを遮断できる。例えば、逆止弁354の1つは、第4シールポート332からの流れのみを許容するように置かれて第2分岐ライン334に沿って配置され得る。これにより、モジュール300が直列に接続された状態で、第4シールポート332への不要な流れが制限される。さらに、または代わりに、逆止弁354の1つは、第3シールポート326からの流れのみを許容するように、第2流体ライン330に沿って配置され得る。これにより、モジュール300がベーストレイ340に取り付けられた状態で、第3シールポート326への不要な流れを制限する。
【0034】
当業者によって理解されるように、モジュール300を通る流体経路は、任意の既知の方法のように通気され得る。例えば、第1シールポート312および第2シールポート324の一方または両方は、そこを通る空気の流れを許容するが、そこを通る微生物の通過を制限する抗菌フィルタを備え得る。さらに、または代わりに、流体ライン(第1流体ライン310、第1分岐ライン320、第2流体ライン330、第2分岐ライン334)は、モジュール300で形成される通路によって全体的または部分的に形成され得る。第1露出管部分316および第2露出管部分322は、それぞれ、第1雄ピン336および第2雄ピン342による押し込み係合に応答して挟むことが可能であるように、可撓性チューブによってそれぞれ形成されることが好ましい。
【0035】
さらに、モジュール300は、例えば、対向する面で協働する固定要素を含む、任意の既知の方法で接続され得る。隣接するモジュール300間の第1雄ピン336と第1ポート338との相互係合を利用して、それらの間に接続を形成できる。
【0036】
代替の流体装置の実施形態では、薬剤送達装置を形成する際に、モジュールは、ベーストレイへの変更を通じてベーストレイの流体装置と結合できる。
図8に示すように、ベーストレイ400のウェル402は、水平に構成され得、モジュール404のトレイ400への横方向の装着を可能にする。モジュール404は直列に接続されていないので、モジュール404の排出ポート406のそれぞれをトレイ400の対応する流入ポート408に接続するために必要な流体継手は1つだけである。トレイ400の流入ポート408は、例えば、トレイ400内でマニホールド化されることによって、共通の排出部410に接続され得る。共通排出部410は、針413またはIVバッグなどの容器に送達するために、可撓性チューブ412に排出できる。負圧が、例えば、可撓性チューブ412を介して、共通排出部410に加えられ得る。例えば、蠕動ポンプを可撓性チューブ412に適用して、出力をIVバッグに送達できる。
【0037】
モジュール404は、大気と通気され得、したがって、流体がモジュール404から引き出されると、空気は、それぞれのバイアルに自動的に引き込まれ得、移注中に流体と置き換わる。モジュール404が空になり始めると、それらの流体経路は、大気から真っ直ぐに引かれるのを防ぐために閉じられ得る。非限定的な例として、モジュール404の薬剤バイアル418は、
図9に示すように、それぞれがフロートバルブ414を含むように変更され得る。フロートバルブ414は、液体薬剤製品420の上に浮かぶ、それぞれの薬剤バイアル418の内部に保持された貫通可能な低密度材料の一部であり得る。医薬品420がバイアル418の底部からバイアルスパイク422を介して引っ張られると、医薬品420の水位が低下し、最終的には、バイアル418が空になり、フロート414がバルブ内に残っているすべてとなったとき、スパイク422からの真空が、フロート414をスパイク422に引っ張り、スパイク44を、具体的には流入内腔および排出内腔をバイアルおよび任意の通気経路から遮断する。
【0038】
さらに、ウェル402は、モジュール404のうちの1つの底部426から突出する対応する固定部分424の断面と一致する断面でそれぞれ形成され得る。これは、排出ポート406が流入ポート408と結合するためのスライド誘導を提供する。さらに、ウェル402は、非長方形の断面、例えば、台形の断面を有し得、固定部分424が、一致する断面を有し、それらの間の相互係合により、ウェル402からのモジュール404の除去が制限される。さらに、ウェル402の数量は、固定部分424の対応する数量で変更できる。これにより、所望の順序でモジュール404の制御された順次配置が可能になる。ウェル402/固定部分424の断面はまた、および/または代わりに、モジュール404の所望の順序を指定するように変更され得る。
【0039】
トレイ500の制御を介して現在のモジュールの配置を管理できるさらなる実施形態が
図10に示されている。トレイ500は、伸縮レール504によってともに結合された個々のポカよけプラットフォーム502からなる。プラットフォーム502は、それらの上面に鍵(キーイング)特徴を有し、当該特徴はモジュール506の下側の特徴に対応する。アセンブリ中、モジュール506は、トレイ500の正しい一致するプラットフォーム502に取り付けられる。ユーザがトレイ500の端部をともに押すと、トレイ500は伸縮レール504に沿って折りたたむことができ、モジュール506が互いに接続できるようにし、流体的に接続されたモジュール506のスタックを作成する。そして、チューブセット508を前部モジュール506に配置して、モジュール506の内容物を、IVバッグなどの針または容器に移すことができる。
【0040】
モジュールがベーストレイと結合し、直列的に接続することの両方ができる、どちらの設計も変更しない、さらなる解決策は、
図11に示すように、モジュール602の周りに組み付けられ、流体流入ポートおよび流体排出ポートの位置を変更するアダプタ構成部品600を使用することによって実現され得る。モジュール602は、上記のスパイクプレート12と同様の方法で形成された、流入経路606および排出経路608を備えたスパイクプレート604を含む。モジュール602はさらに、第1流体ライン612によって流入経路606に接続される第1シールポート610と、第2流体ライン616によって排出経路608に接続される第2シールポート614とを含む。第1シールポート610は、モジュール602の背面618に沿って配置され、一方、第2シールポート614は、モジュール602の前面620に沿って配置される。この構成では、第1シールポート610および第2シールポート614は、モジュール602の対向する面に反対方向に配置される。この構成により、組み合わせ薬剤送達装置を形成する際に、モジュール604を、同様に形成されたモジュール604に直列に接続することができる。
【0041】
アダプタ600は、入力側および出力側を表す、場合によっては2つの半分部分を含む、複数の部品600a、600bから作成される。アダプタ600は、部品600a、600bを結合することでモジュール602に取り付けられ得る。例えば、アダプタ600の半分部分600a、600bは、モジュール602の周りに配置され、ともに押すことで、モジュール602の周りのプラスチックスナップ機構と恒久的に結合することができる。
【0042】
アダプタ600は、第1内部ポート622および第2内部ポート624を含む。アダプタ600がモジュール602に取り付けられると、第1内部ポート622は、第1シールポート610と整列するように配置され、第2内部ポート624は、第2シールポート614と整列するように配置される。第1の二次流体ライン626は、第1内部ポート622を第1排出ポート628に接続する。第2の二次流体ライン630は、第2内部ポート632を第2排出ポート634に接続する。第1排出ポート628および第2排出ポート634は、アダプタ600の共通の面636に配置され、第1シールポート610および第2シールポート614の向きの方向に対して横向きの、共通の方向を向く。この配置により、モジュール602をアダプタ600でベーストレイに流体的に接続できる。したがって、モジュール602は、アダプタ600なしの場合、直列に接続でき、アダプタ600ありの場合、ベーストレイと共に使用できる。
【0043】
アダプタ600の構成要素は、均等に分割されることを含めて、部品600a、600bの間で分割され得る。例えば、第1内部ポート622、第1の二次流体ライン626、および第1排出ポート628は、部品600aの1つに配置され得、第2内部ポート624、第2の二次流体ライン630、および第2排出ポート634は、第2部品600bに配置され得る。これにより、流体経路は、それらを中断することなく、部品600a、600bのそれぞれに完全に含まれることが可能になる。さらに、アダプタ600およびモジュール602に1つまたは複数の嵌合部品を形成して、それらの間の接続を強化できる。例えば、1つまたは複数の突起638が、アダプタ600および/またはモジュール602上に形成され得、アダプタ600および/またはモジュール602に形成された対応するくぼみ640に入れ子のように受けられるように形成される。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組み合わせ薬剤送達装置で使用するモジュールであって、前記モジュールは、隔壁によってシールされた薬剤バイアルを収容するように形成され、前記モジュールは、
前記モジュールによって収容された前記薬剤バイアルの前記隔壁を貫通するように形成されたバイアルスパイクであって、前記バイアルスパイクは、流入経路および別個の排出経路を含む、バイアルスパイクと、
第1シールポートと、
前記流入経路を前記第1シールポートと接続する第1流体ラインと、
第2シールポートと、
前記排出経路を前記第2シールポートと接続する第2流体ラインと、を含み、
前記第1シールポートと前記第2シールポートとは、前記モジュールの反対側の面に配置され、反対方向を向いている、
モジュールと、
前記モジュールに取り付け可能なアダプタであって、前記アダプタは、
第1内部ポートと、
第2内部ポートと、
第1排出ポートと、
前記第1内部ポートを前記第1排出ポートと接続する第1の二次流体ラインと、
第2排出ポートと、
前記第2内部ポートを前記第2排出ポートと接続する第2の二次流体ラインと、
を含む、アダプタと、
を備え、
前記第1排出ポートおよび前記第2排出ポートは、前記アダプタの共通の面に配置され、同一の共通方向に面し、
前記アダプタが前記モジュールに取り付けられると、前記第1内部ポートは、前記第1シールポートと整列し、前記第2内部ポートは、前記第2シールポートと整列し、前記第1排出ポートおよび前記第2排出ポートの前記共通方向は、前記第1シールポートおよび前記第2シールポートの方向に対して横向きである、
組み合わせ。
【請求項2】
前記アダプタは、複数の部品から形成される、請求項1に記載の組み合わせ。
【請求項3】
前記アダプタは、前記複数の部品を結合することで前記モジュールに取り付けられる、請求項2に記載の組み合わせ。
【請求項4】
前記複数の部品の第1部品は、前記第1内部ポート、前記第1の二次流体ライン、および前記第1排出ポートを含み、前記複数の部品の第2部品は、前記第2内部ポート、前記第2の二次流体ライン、および前記第2排出ポートを含む、請求項2に記載の組み合わせ。
【請求項5】
共通の排出部に接続された複数の流入ポート、および前記流入ポートのそれぞれへと延在するように形成される少なくとも1つのウェルを有するベーストレイと、
複数のモジュールであって、前記複数のモジュールのそれぞれは薬剤バイアル、前記薬剤バイアルから薬剤を放出する排出ポート、および少なくとも1つの突出する固定部分を包含し、前記モジュールのそれぞれは、前記流入ポートの1つと対応する、複数のモジュールと、
を備え、
前記モジュールのそれぞれで、固定部分の数は、対応する流入ポートに関連付けられた前記ウェルの数と対応し、
前記モジュールは、それぞれの少なくとも1つの固定部分が対応する少なくとも1つのウェルで受けられると、前記対応する流入ポートと結合される、
組み合わせ薬剤送達装置。
【請求項6】
前記モジュールのそれぞれで、前記それぞれの少なくとも1つの固定部分は、前記対応する少なくとも1つのウェルと嵌合する断面を有する、請求項5に記載の組み合わせ薬剤送達装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【外国語明細書】