(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161400
(43)【公開日】2024-11-19
(54)【発明の名称】外科用構成要素の結合に使用する滅菌バリア組立体を備えた実装システム
(51)【国際特許分類】
A61B 34/30 20160101AFI20241112BHJP
【FI】
A61B34/30
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024121236
(22)【出願日】2024-07-26
(62)【分割の表示】P 2021532032の分割
【原出願日】2019-12-04
(31)【優先権主張番号】62/775,126
(32)【優先日】2018-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/937,529
(32)【優先日】2019-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/934,771
(32)【優先日】2019-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】507280594
【氏名又は名称】マコ サージカル コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【弁理士】
【氏名又は名称】網屋 美湖
(72)【発明者】
【氏名】フラット,ジェイムス・イー.
(72)【発明者】
【氏名】ダッジ,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ボイヤー,ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】オクル,ラリー・ダグラス
(72)【発明者】
【氏名】ソト,ヴィクター
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ,クリストファー・ダブリュー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】外科用構成要素の結合に使用する滅菌バリア組立体を備えた改良された手術ロボット用実装システムを提供する。
【解決手段】実装システム20は、第1の外科用構成要素に関連する第1の実装部分と、第2の外科用構成要素に関連し、第1の位置および第2の位置間で移動可能なテンショナを含む第2の実装部分と、滅菌バリア組立体とを含む。滅菌バリア組立体22は、第2の実装部分のテンショナが第1の位置にあるときに、第1の実装部分に解除可能に固定され第2の実装部分を解除可能に受容するように構成された結合部と、実装部分に係合するように構成され、第2の実装部分のテンショナが第2の位置にあるときに、前記外科用構成要素間の運動の6つの自由度を制約するために、滅菌バリア組立体を通して実装部分間に運動学的結合を提供するように配置された複数の運動学的カプラとを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1および第2の外科用構成要素を結合するための実装システムであって、
前記第1の外科用構成要素に接続される第1の実装部分と、
前記第2の外科用構成要素に接続され、第1の位置および第2の位置間で移動可能なテ
ンショナを含む第2の実装部分と、
滅菌バリア組立体と
を含み、
前記滅菌バリア組立体は、
前記第2の実装部分の前記テンショナが前記第1の位置にあるときに、前記第1の実
装部分に解除可能に固定され、前記第2の実装部分を解除可能に受容するように構成され
た結合部と、
前記実装部分に係合するように構成され、前記第2の実装部分の前記テンショナが前
記第2の位置にあるときに、前記外科用構成要素間の運動の6つの自由度を制約するため
に、前記滅菌バリア組立体を通して前記実装部分間に運動学的結合を提供するように配置
された複数の運動学的カプラと
を含む、実装システム。
【請求項2】
前記第1の実装部分は、前記滅菌バリア組立体が前記第1の実装部分に固定され前記第
2の実装部分が前記滅菌バリア組立体に固定されているときに、前記第1の位置から前記
第2の位置に向けた前記テンショナの移動に応じて、前記第1の外科用構成要素に対して
前記第2の実装部分および前記滅菌バリア組立体の少なくとも一方を付勢するように構成
された負荷機構を更に含む、請求項1に記載の実装システム。
【請求項3】
前記第1の実装部分の前記負荷機構は、前記第2の位置に向けた前記テンショナの移動
に応じて、前記滅菌バリア組立体の前記複数の運動学的カプラに対して前記第2の実装部
分を付勢する、請求項2に記載の実装システム。
【請求項4】
前記滅菌バリア組立体の前記結合部は、前記テンショナおよび前記負荷機構間に力変換
可能に介在する、請求項2に記載の実装システム。
【請求項5】
前記第1の実装部分は、
前記第1の外科用構成要素に取り付けるように適合された第1の実装板と、
前記滅菌バリア組立体の前記結合部に解除可能に固定するように構成された第1のボー
ルサブ組立体とを更に含む、請求項2に記載の実装システム。
【請求項6】
前記負荷機構は、前記第2の位置に向けた前記テンショナの移動に応じて、前記第1の
ボールサブ組立体を軸方向に移動するように構成される、請求項5に記載の実装システム
。
【請求項7】
前記負荷機構は、前記第1のボールサブ組立体に動作可能に取り付けられた駆動部を含
み、
前記駆動部は、前記滅菌バリア組立体の前記結合部と回転係合して配置されるように構
成される、請求項5に記載の実装システム。
【請求項8】
前記駆動部は、前記第2の位置に向けた前記テンショナの移動に応じて、前記駆動部の
回転が前記第1のボールサブ組立体を軸方向に移動し、前記第1の実装部分と前記第2の
実装部分との間にプリロード力を付与するように配置される、請求項7に記載の実装シス
テム。
【請求項9】
前記負荷機構は、前記第2の位置に向けた前記テンショナの移動に応じて、前記第1の
ボールサブ組立体を軸方向に移動するように構成された負荷アクチュエータを含む、請求
項8に記載の実装システム。
【請求項10】
前記負荷アクチュエータは、
前記第1のボールサブ組立体に動作可能に取り付けられた第1のハブと、
前記第1の実装板に動作可能に取り付けられた第2のハブと、
前記ハブ間に配置された複数のボールベアリングと、
前記第2の位置に向けた前記テンショナの移動に応じて前記ボールベアリングが沿って
転動する前記ハブのうちの1つまたは複数に画定されたランプとを含む、請求項9に記載
の実装システム。
【請求項11】
前記第2のハブに対する前記第1のハブの回転を検知するためのセンサを含む、請求項
10に記載の実装システム。
【請求項12】
前記負荷機構は、2ミリメートル以下の軸方向圧縮に対してプリロード力が10%以下
変化するような力対圧縮の関係で前記第2のハブと前記第1の実装板との間に作用するよ
うに配置および形状付けされた円錐形ばね座金を含む、請求項10に記載の実装システム
。
【請求項13】
前記第2のハブおよび前記第1の実装板の各々は、円錐面を含み、
前記円錐形ばね座金は、前記円錐面に当接する内側および外側の側面を有する、請求項
10に記載の実装システム。
【請求項14】
前記第2の実装部分は、前記滅菌バリア組立体の前記結合部に解除可能に固定されるよ
うに構成された第2のボールサブ組立体を含み、
前記テンショナは、前記結合部が前記第2の実装部分に解除可能に固定されているとき
に、前記滅菌バリア組立体の前記結合部と回転係合するように配置されたアクティベータ
を含む、請求項8に記載の実装システム。
【請求項15】
前記第2の実装部分は、第2の実装板を含み、
前記アクティベータは、前記第2の実装板に対して前記アクティベータが回転を抑制さ
れるロック位置と、前記第2の実装板に対して前記アクティベータが回転できるロック解
除位置と、の間で移動可能である、請求項14に記載の実装システム。
【請求項16】
前記ロック位置に向けて前記アクティベータを付勢する付勢要素を含み、
前記アクティベータは、前記結合部が前記アクティベータを前記ロック解除位置に付勢
するように、前記滅菌バリア組立体に前記第2の実装部分を固定するときに前記結合部に
係合するように配置される、請求項15に記載の実装システム。
【請求項17】
前記アクティベータは、前記アクティベータ、前記結合部、および前記駆動部が前記プ
リロード力を付与するために前記第1の実装板に対して同時に回転するように、前記第2
の位置に向けた前記テンショナの移動に応じて回転するように構成される、請求項14に
記載の実装システム。
【請求項18】
前記テンショナは、レバーと、前記レバーおよび前記アクティベータ間に力変換可能に
介在されたアクティベータリンクとを更に含み、前記第2の実装部分が前記結合部に解除
可能に固定されているときに、前記プリロード力を付与するために、前記第2の位置への
前記テンショナの移動によって前記アクティベータを回転させて、前記結合部および前記
駆動部を同時回転させる、請求項17に記載の実装システム。
【請求項19】
前記第2の実装部分は、第2の実装板を含み、
前記レバーは、前記第1の位置で前記第2の実装板から外方に延び、前記第2の位置で
前記第2の実装板にはまり込む、請求項18に記載の実装システム。
【請求項20】
前記テンショナが前記第2の位置にあるときに前記レバーをロックするために前記レバ
ーに動作可能に結合されるレバーロックを含む、請求項18に記載の実装システム。
【請求項21】
前記第1の実装部分に前記結合部を解除可能に固定するために、前記第1の実装部分と
前記滅菌バリア組立体の前記結合部との間に介在するように構成された第1のロック組立
体と、
前記テンショナが前記第1の位置にあるときに、前記結合部に前記第2の実装部分を解
除可能に固定するために、前記結合部と前記第2の実装部分との間に介在するように構成
された第2のロック組立体と、
を更に含む、請求項1に記載の実装システム。
【請求項22】
前記ロック組立体の各々は、
前記結合部および対応する前記実装部分の一方に動作可能に取り付けられたボールサブ
組立体と、
前記ボールサブ組立体を受容するように形状付けされた、前記結合部および対応する前
記実装部分の他方に画定されたボール戻り止めとを含む、請求項21に記載の実装システ
ム。
【請求項23】
前記結合部は、前記滅菌バリア組立体が前記第1の実装部分に固定され、前記第2の実
装部分が前記滅菌バリア組立体に固定されているときに、前記ボールサブ組立体の各々と
連通して配設されるように構成される、請求項22に記載の実装システム。
【請求項24】
前記ロック組立体の前記ボール戻り止めの各々は、前記滅菌バリア組立体の前記結合部
に画定される、請求項22に記載の実装システム。
【請求項25】
前記ロック組立体の各々は、1つの前記ボール戻り止めに受容された1つの前記ボール
サブ組立体を固定するように配置された解除カラーを更に含む、請求項22に記載の実装
システム。
【請求項26】
前記ロック組立体の前記解除カラーの各々は、前記滅菌バリア組立体に動作可能に取り
付けられている、請求項25に記載の実装システム。
【請求項27】
前記ロック組立体の前記解除カラーは、互いに遠ざかるように軸方向に付勢される、請
求項25に記載の実装システム。
【請求項28】
前記滅菌バリア組立体は、前記解除カラーを互いに遠ざかるように軸方向に付勢するた
めに前記結合部および前記解除カラー間に力変換可能に介在されるカラー付勢要素を更に
含む、請求項27に記載の実装システム。
【請求項29】
前記第2の実装部分は、前記第2の実装部分を前記結合部から解除するために1つの前
記解除カラーを移動させるように動作可能である解除機構を含む、請求項27に記載の実
装システム。
【請求項30】
前記解除機構は、解除アクチュエータと、前記第2の実装部分が前記滅菌バリア組立体
に解除可能に取り付けられているときに前記解除アクチュエータと前記1つの解除カラー
との間に配置されるように構成された1つまたは複数の解除要素とを含み、前記解除アク
チュエータの作動により、前記1つまたは複数の解除要素を移動させて、前記1つの解除
カラーを変位させ、1つの前記ボールサブ組立体が1つの前記ボール戻り止めから取り外
されるのを許容する、請求項29に記載の実装システム。
【請求項31】
前記テンショナは、前記第1および第2の位置間を移動可能なレバーを含み、
前記解除アクチュエータは、前記第2の位置への前記レバーの移動が少なくとも部分的
に前記解除アクチュエータをカバーするように位置する、請求項30に記載の実装システ
ム。
【請求項32】
前記第2の実装部分は、第2の実装板を含み、
前記解除機構は、前記解除アクチュエータと前記1つまたは複数の解除要素との間に力
変換可能に介在される解除リンクを含み、前記1つまたは複数の解除要素を前記第2の実
装板に対して休止位置から解除位置に移動させる、請求項30に記載の実装システム。
【請求項33】
前記解除リンクは、前記解除アクチュエータの作動に応じて前記1つまたは複数の解除
要素を前記解除位置に移動させるように、前記1つまたは複数の解除要素に係合するよう
に構成される、請求項32に記載の実装システム。
【請求項34】
前記滅菌バリア組立体は、インターフェースと、前記インターフェースに動作可能に取
り付けられるドレープとを更に含む、請求項1に記載の実装システム。
【請求項35】
前記結合部および前記運動学的カプラは、前記インターフェースに動作可能に取り付け
られる、請求項34に記載の実装システム。
【請求項36】
前記滅菌バリア組立体は、割出しフィンガを更に含み、
前記実装部分の少なくとも1つは、前記運動学的カプラを前記実装部分の少なくとも1
つに対して整列させるために前記割出しフィンガを受容するように形状付けされた割出し
凹部を画定する、請求項1に記載の実装システム。
【請求項37】
前記複数の運動学的カプラは、複数のボールとして更に画定される、請求項1に記載の
実装システム。
【請求項38】
前記複数のボールは、前記外科用構成要素間の運動の前記6つの自由度を制約するよう
に構成された3つのボールとして更に画定される、請求項37に記載の実装システム。
【請求項39】
前記第1の実装部分は、前記複数の運動学的カプラに係合するための第1の複数の接触
面を含み、
前記第2の実装部分は、前記複数の運動学的カプラに係合するための第2の複数の接触
面を含み、
前記接触面は、前記外科用構成要素間の運動の前記6つの自由度を制約するために、前
記複数の運動学的カプラと協働するように形状付けされる、請求項38に記載の実装シス
テム。
【請求項40】
前記第1の実装部分は、前記第1の複数の接触面を有する第1の複数の受容器を含み、
前記第2の実装部分は、前記第2の複数の接触面を有する第2の複数の受容器を含む、
請求項39に記載の実装システム。
【請求項41】
前記第2の複数の接触面は、前記複数の運動学的カプラとの接触点を6つのみ提供する
ように構成される、請求項39に記載の実装システム。
【請求項42】
結合部と複数の運動学的カプラとを有する滅菌バリア組立体を介して外科用ロボットの
第1の実装部分に解除可能に取り付けられるエンドエフェクタであって、
エネルギアプリケータを支持するためのハウジングと、
前記ハウジングに取り付けられ、第1の位置および第2の位置間で移動可能なテンショ
ナを含む第2の実装部分とを含み、
前記第2の実装部分は、前記第2の実装部分の前記テンショナが前記第1の位置にある
ときに、前記滅菌バリア組立体の前記結合部に解除可能に結合するように構成され、
前記第2の実装部分は、前記滅菌バリア組立体の前記複数の運動学的カプラに係合する
ための複数の接触面を含む、エンドエフェクタ。
【請求項43】
前記第2の実装部分は、前記滅菌バリア組立体の前記結合部に解除可能に固定するよう
に構成されたボールサブ組立体を含み、
前記テンショナは、前記第2の実装部分が前記結合部に解除可能に固定されているとき
に、前記滅菌バリア組立体の前記結合部と回転係合するように配置されたアクティベータ
を含む、請求項42に記載のエンドエフェクタ。
【請求項44】
前記第2の実装部分は、第2の実装板を含み、
前記アクティベータは、前記第2の実装板に対して前記アクティベータが回転を抑制さ
れるロック位置と、前記第2の実装板に対して前記アクティベータが回転できるロック解
除位置と、の間で移動可能である、請求項43に記載のエンドエフェクタ。
【請求項45】
前記ロック位置に向けて前記アクティベータを付勢する付勢要素を含み、
前記アクティベータは、前記結合部が前記アクティベータを前記ロック解除位置に付勢
するように、前記滅菌バリア組立体に前記第2の実装部分を固定するときに前記結合部に
係合するように配置される、請求項44に記載のエンドエフェクタ。
【請求項46】
前記アクティベータは、前記第2の位置に向けた前記テンショナの移動に応答して回転
するように構成される、請求項43に記載のエンドエフェクタ。
【請求項47】
前記テンショナは、レバーと、前記レバーおよび前記アクティベータ間に力変換可能に
介在されるアクティベータリンクとを更に含む、請求項46に記載のエンドエフェクタ。
【請求項48】
前記第2の実装部分は、第2の実装板を含み、
前記レバーは、前記第1の位置で前記第2の実装板から外方に延び、前記第2の位置で
前記第2の実装板にはまり込む、請求項47に記載のエンドエフェクタ。
【請求項49】
前記テンショナが前記第2の位置にあるときに前記レバーをロックするために前記レバ
ーに動作可能に結合されるレバーロックを含む、請求項47に記載のエンドエフェクタ。
【請求項50】
前記第2の実装部分は、前記第2の実装部分を前記結合部から解除するように動作可能
である解除機構を含む、請求項42に記載のエンドエフェクタ。
【請求項51】
前記解除機構は、解除アクチュエータと、1つまたは複数の解除要素とを含む、請求項
50に記載のエンドエフェクタ。
【請求項52】
前記テンショナは、前記第1および第2の位置間を移動可能なレバーを含み、
前記解除アクチュエータは、前記第2の位置への前記レバーの移動が少なくとも部分的
に前記解除アクチュエータをカバーするように設置されている、請求項51に記載のエン
ドエフェクタ。
【請求項53】
前記第2の実装部分は、第2の実装板を含み、
前記解除機構は、前記解除アクチュエータと前記1つまたは複数の解除要素との間に力
変換可能に介在される解除リンクを含み、前記1つまたは複数の解除要素を前記第2の実
装板に対して休止位置から解除位置に移動させる、請求項51に記載のエンドエフェクタ
。
【請求項54】
前記解除リンクは、前記解除アクチュエータの作動に応じて前記1つまたは複数の解除
要素を前記解除位置に移動させるように、前記1つまたは複数の解除要素に係合するよう
に構成される、請求項53に記載のエンドエフェクタ。
【請求項55】
前記第2の実装部分は、前記運動学的カプラを前記第2の実装部分に対して整列させる
ために前記滅菌バリア組立体の割出しフィンガを受容するように形状付けされた割出し凹
部を画定する、請求項42に記載のエンドエフェクタ。
【請求項56】
前記第2の実装部分は、前記複数の運動学的カプラに係合するための前記複数の接触面
を有する複数の受容器を含み、
前記複数の接触面は、前記複数の運動学的カプラと協働するように形状付けされる、請
求項42に記載のエンドエフェクタ。
【請求項57】
前記複数の接触面は、前記複数の運動学的カプラとの接触点を6つのみ提供するように
構成される、請求項42に記載のエンドエフェクタ。
【請求項58】
第1の外科用構成要素の第1の実装部分、および、テンショナを有する第2の外科用構
成要素の第2の実装部分に、解除可能に取り付けられる滅菌バリア組立体であって、
ドレープを受容するように構成されたインターフェースと、
前記インターフェースに動作可能に取り付けられ、前記第2の実装部分の前記テンショ
ナが第1の位置にあるときに、前記第1の実装部分に解除可能に固定され前記第2の実装
部分を解除可能に受容するように構成された結合部と、
前記インターフェースによって支持されて前記実装部分に係合するように構成され、前
記第2の実装部分の前記テンショナが第2の位置にあるときに、前記外科用構成要素間の
運動の6つの自由度を制約するように前記実装部分間に運動学的結合を提供するように配
置された複数の運動学的カプラと
を含む、滅菌バリア組立体。
【請求項59】
前記結合部は、
前記第1の実装部分に解除可能に取り付けるための、第1のボールサブ組立体および第
1のボール戻り止めの一方と、
前記第2の実装部分に解除可能に取り付けるための、第2のボールサブ組立体および第
2のボール戻り止めの一方と
を含む、請求項58に記載の滅菌バリア組立体。
【請求項60】
前記結合部は、前記第1のボール戻り止めおよび前記第2のボール戻り止めを含む、請
求項59に記載の滅菌バリア組立体。
【請求項61】
前記結合部のまわりに配置される解除カラーを含む、請求項60に記載の滅菌バリア組
立体。
【請求項62】
前記解除カラーを軸方向に互いに遠ざかるように付勢するためのカラー付勢要素を含む
、請求項61に記載の滅菌バリア組立体。
【請求項63】
前記実装部分の割出し凹部と嵌合するための、前記インターフェースから延びる割出し
フィンガを含む、請求項58に記載の滅菌バリア組立体。
【請求項64】
前記複数の運動学的カプラは、複数のボールとして更に画定される、請求項58に記載
の滅菌バリア組立体。
【請求項65】
前記複数のボールは、前記外科用構成要素間の運動の6つの自由度を制約するように構
成された3つのボールとして更に画定される、請求項64に記載の滅菌バリア組立体。
【請求項66】
結合部と複数の運動学的カプラとを有する滅菌バリア組立体を介してエンドエフェクタ
の第2の実装部分を解除可能に受容する外科用ロボットであって、前記第2の実装部分は
、第1の位置から第2の位置に移動可能なテンショナを有し、
前記外科用ロボットは、
前記滅菌バリア組立体を介して前記エンドエフェクタの前記第2の実装部分を解除可能
に受容するように構成された第1の実装部分を有するロボットアームを含み、
前記第1の実装部分は、前記滅菌バリア組立体の前記複数の運動学的カプラに係合する
ための複数の接触面を含み、
前記第1の実装部分は、前記第1の位置から前記第2の位置への前記テンショナの移動
時に、前記滅菌バリア組立体を通して前記第2の実装部分にプリロード力を付与するよう
に構成された負荷機構を更に含む、外科用ロボット。
【請求項67】
前記負荷機構は、前記第2の位置に向けた前記テンショナの移動に応じて、前記第1の
実装部分に対して前記第2の実装部分を付勢するように構成される、請求項66に記載の
外科用ロボット。
【請求項68】
前記第1の実装部分は、前記滅菌バリア組立体の前記結合部に解除可能に固定するよう
に構成された第1の実装板および第1のボールサブ組立体を更に含む、請求項66に記載
の外科用ロボット。
【請求項69】
前記負荷機構は、前記第2の位置に向けた前記テンショナの移動に応じて、前記第1の
ボールサブ組立体を軸方向に移動させるように構成される、請求項68に記載の外科用ロ
ボット。
【請求項70】
前記負荷機構は、前記第1のボールサブ組立体に動作可能に取り付けられた駆動部を含
み、
前記駆動部は、前記滅菌バリア組立体が前記第1の実装部分に結合されているときに前
記滅菌バリア組立体の前記結合部と回転係合して配置されるように構成される、請求項6
9に記載の外科用ロボット。
【請求項71】
前記駆動部は、前記第2の位置への前記テンショナの移動に応じて、前記駆動部の回転
によって前記第1のボールサブ組立体を軸方向に移動させ、前記第1の実装部分と前記第
2の実装部分との間に前記プリロード力を付与するように配置される、請求項70に記載
の外科用ロボット。
【請求項72】
前記負荷機構は、前記第2の位置に向けた前記テンショナの移動に応じて、前記第1の
ボールサブ組立体を軸方向に移動させるように構成された負荷アクチュエータを含む、請
求項69に記載の外科用ロボット。
【請求項73】
前記負荷アクチュエータは、
前記第1のボールサブ組立体に動作可能に取り付けられた第1のハブと、
前記第1の実装板に動作可能に取り付けられた第2のハブと、
前記ハブ間に配置された複数のボールベアリングと、
前記第2の位置に向けた前記テンショナの移動に応じて前記ボールベアリングが沿って
転動する前記ハブのうちの1つまたは複数に画定されたランプとを含む、請求項72に記
載の外科用ロボット。
【請求項74】
前記負荷機構は、前記第2のハブと前記第1の実装板との間に作用するように配置され
た付勢要素を含む、請求項73に記載の外科用ロボット。
【請求項75】
前記付勢要素は、円錐形ばね座金を含む、請求項74に記載の外科用ロボット。
【請求項76】
前記円錐形ばね座金は、2ミリメートル以下の圧縮に対して力の変化が10%以下とな
るような力対圧縮の関係を有するように配置および形状付けされる、請求項75に記載の
外科用ロボット。
【請求項77】
前記第2のハブに対する前記第1のハブの回転を検知するためのセンサを含む、請求項
73に記載の外科用ロボット。
【請求項78】
前記第1の実装部分は、前記複数の運動学的カプラに係合するために前記複数の接触面
を有する第1の複数の受容器を含む、請求項66に記載の外科用ロボット。
【請求項79】
外科用構成要素に接続される第2の実装部分と、
滅菌バリア組立体と、
前記滅菌バリア組立体を介して前記滅菌バリア組立体および第1の実装部分を解除可能
に受容するように構成された第1の実装部分を有するロボットアームを含む外科用ロボッ
トと、
前記ロボットアームに結合された照明デバイスと、
1つまたは複数のセンサに結合された1つまたは複数の制御器と
を含み、前記制御器は、
前記1つまたは複数のセンサからの測定値を用いて、前記第1の実装部分への前記滅
菌バリア組立体および前記第2の実装部分のうちの1つまたは複数の設置に関連する状態
を検出し、
前記状態を使用者に表示するために前記照明デバイスを制御する
ように構成されている、
外科用システム。
【請求項80】
前記外科用構成要素は、エンドエフェクタとして更に画定され、
前記エンドエフェクタは、
エネルギアプリケータを支持するためのハウジングと、
前記ハウジングに取り付けられた前記第2の実装部分と
を含む、請求項79に記載の外科用システム。
【請求項81】
前記第2の実装部分は、第1の位置から第2の位置に移動可能なテンショナを含み、前
記第2の位置に向けた前記テンショナの移動に応じて、前記第1の実装部分に対して前記
第2の実装部分を付勢し、
前記1つまたは複数の制御器は、前記1つまたは複数のセンサからの測定値を用いて、
前記第1の実装部分への前記第2の実装部分の設置に関連する前記状態を検出し、更に、
前記テンショナが前記第1の位置にあるという第1の状態を検出し、
前記第1の状態を前記使用者に表示するために、前記照明デバイスを第1の態様に制
御し、
前記テンショナが前記第2の位置にあるという第2の状態を検出し、
前記第2の状態を前記使用者に表示するために、前記照明デバイスを第2の態様に制
御する
ように構成されている、請求項79に記載の外科用システム。
【請求項82】
前記滅菌バリア組立体は、結合部と複数の運動学的カプラとを更に含み、
前記第1の実装部分は、
前記滅菌バリア組立体の前記複数の運動学的カプラに係合するための複数の接触面と
、
前記第1の位置から前記第2の位置への前記テンショナの移動時に前記滅菌バリア組
立体を通して前記第2の実装部分にプリロード力を付与するように構成された負荷機構と
、
前記滅菌バリア組立体の前記結合部に解除可能に固定するように構成された第1の実
装板および第1のボールサブ組立体とを含み、
前記負荷機構は、前記第2の位置に向けた前記テンショナの移動に応じて、前記第1の
ボールサブ組立体を軸方向に移動させるように構成された負荷アクチュエータを含み、
前記負荷アクチュエータは、
前記第1のボールサブ組立体に動作可能に取り付けられた第1のハブと、
前記第1の実装板に動作可能に取り付けられた第2のハブと、
前記ハブ間に配置された複数のボールベアリングと、
前記第2の位置に向けた前記テンショナの移動に応じて前記ボールベアリングが沿っ
て転動する前記ハブのうちの1つまたは複数に画定されたランプとを含み、
前記1つまたは複数の制御器は、
前記第2のハブに対する前記第1のハブの第1の位置または回転量を、前記1つまた
は複数のセンサからの測定値を用いて更に検出することによって、前記テンショナが前記
第1の位置にあるという前記第1の状態を検出し、
前記第2のハブに対する前記第1のハブの第2の位置または回転量を、前記1つまた
は複数のセンサからの測定値を用いて更に検出することによって、前記テンショナが前記
第2の位置にあるという前記第2の状態を検出する
ように構成される、請求項81に記載の外科用システム。
【請求項83】
前記1つまたは複数の制御器は、
前記テンショナの第1の位置または移動を、前記1つまたは複数のセンサからの測定値
を用いて更に検出することによって、前記テンショナが前記第1の位置にあるという前記
第1の状態を検出し、
前記テンショナの第2の位置または移動を、前記1つまたは複数のセンサからの測定値
を用いて更に検出することによって、前記テンショナが前記第2の位置にあるという前記
第2の状態を検出する
ように構成される、請求項81に記載の外科用システム。
【請求項84】
前記照明デバイスは、前記第1の態様において第1の色を射出し、
前記照明デバイスは、前記第2の態様において前記第1の色とは異なる第2の色を射出
する、請求項81に記載の外科用システム。
【請求項85】
前記照明デバイスは、前記第1の態様において不作動であるように制御され、
前記照明デバイスは、前記第2の態様において作動して光を射出するように制御される
、請求項81に記載の外科用システム。
【請求項86】
前記照明デバイスは、前記第1の実装部分に隣接して前記ロボットアームに配設される
、請求項79に記載の外科用システム。
【請求項87】
前記照明デバイスは、前記ロボットアームの外面を取り囲む環状構成を有する、請求項
79に記載の外科用システム。
【請求項88】
前記滅菌バリア組立体は、前記第1の実装部分に解除可能に固定するように構成された
結合部を有し、
前記1つまたは複数の制御器は、前記1つまたは複数のセンサからの測定値を用いて、
前記第1の実装部分への前記滅菌バリア組立体の設置に関連する前記状態を検出し、更に
、
前記滅菌バリア組立体の前記結合部が前記第1の実装部分に固定されるという第1の
状態を検出し、
前記第1の状態を前記使用者に表示するために、前記照明デバイスを第1の態様に制
御し、
前記滅菌バリア組立体の前記結合部が前記第1の実装部分に非固定であるという第2
の状態を検出し、
前記第2の条件を前記使用者に表示するために、前記照明デバイスを第2の態様に制
御する
ように構成されている、請求項79に記載の外科用システム。
【請求項89】
外科用構成要素に関連する第2の実装部分と、
滅菌バリア組立体と、
前記滅菌バリア組立体を介して前記滅菌バリア組立体および第1の実装部分を解除可能
に受容するように構成された第1の実装部分を有するロボットアームを含む外科用ロボッ
トと、
前記ロボットアームに結合された照明デバイスと、
1つまたは複数のセンサに結合された1つまたは複数の制御器と
を含む外科用システムを動作させる方法であって、
前記方法は、前記1つまたは複数の制御器を含み、
前記1つまたは複数のセンサからの測定値を用いて、前記第1の実装部分への前記滅菌
バリア組立体および前記第2の実装部分のうちの1つまたは複数の設置に関連する状態を
検出することと、
前記状態を使用者に表示するために前記照明デバイスを制御することと、を含む方法。
【請求項90】
前記第2の実装部分は、第1の位置から第2の位置に移動可能なテンショナを含み、前
記第2の位置に向けた前記テンショナの移動に応じて、前記第1の実装部分に対して前記
第2の実装部分を付勢し、
前記方法は、前記1つまたは複数の制御器を含み、更に、
前記1つまたは複数のセンサからの測定値を用いて、前記第1の実装部分への前記第2
の実装部分の設置に関連する前記状態を検出することを含み、これは、
前記テンショナが前記第1の位置にあるという第1の状態を検出することと、
前記第1の状態を前記使用者に表示するために、前記照明デバイスを第1の態様に制
御することと、
前記テンショナが前記第2の位置にあるという第2の状態を検出することと、
前記第2の状態を前記使用者に表示するために、前記照明デバイスを第2の態様に制
御することと
を含む、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記滅菌バリア組立体は、結合部と複数の運動学的カプラとを更に含み、
第1の実装部分は、
前記滅菌バリア組立体の前記複数の運動学的カプラに係合するための複数の接触面と
、
前記第1の位置から前記第2の位置への前記テンショナの移動時に前記滅菌バリア組
立体を通して前記第2の実装部分にプリロード力を付与するように構成された負荷機構と
、
前記滅菌バリア組立体の前記結合部に解除可能に固定するように構成された第1の実
装板および第1のボールサブ組立体とを含み、
前記負荷機構は、前記第2の位置に向けた前記テンショナの移動に応じて、前記第1の
ボールサブ組立体を軸方向に移動させるように構成された負荷アクチュエータを含み、
前記負荷アクチュエータは、
前記第1のボールサブ組立体に動作可能に取り付けられた第1のハブと、
前記第1の実装板に動作可能に取り付けられた第2のハブと、
前記ハブ間に配置された複数のボールベアリングと、
前記第2の位置に向けた前記テンショナの移動に応じて前記ボールベアリングが沿っ
て転動する前記ハブのうちの1つまたは複数に画定されたランプとを含み、
前記方法は、前記1つまたは複数の制御器を含み、更に、
前記第2のハブに対する前記第1のハブの第1の位置または回転量を、前記1つまたは
複数のセンサからの測定値を用いて更に検出することによって、前記テンショナが前記第
1の位置にあるという前記第1の状態を検出することと、
前記第2のハブに対する前記第1のハブの第2の位置または回転量を、前記1つまたは
複数のセンサからの測定値を用いて更に検出することによって、前記テンショナが前記第
2の位置にあるという前記第2の状態を検出することと
を含む、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記1つまたは複数の制御器を含み、更に、
前記テンショナの第1の位置または移動を、前記1つまたは複数のセンサからの測定値
を用いて更に検出することによって、前記テンショナが前記第1の位置にあるという前記
第1の状態を検出することと、
前記テンショナの第2の位置または移動を、前記1つまたは複数のセンサからの測定値
を用いて更に検出することによって、前記テンショナが前記第2の位置にあるという前記
第2の状態を検出することと
を含む、請求項90に記載の方法。
【請求項93】
前記1つまたは複数の制御器を含み、更に、
第1の色を射出するように前記照明デバイスを前記第1の態様に制御することと、
前記第1の色とは異なる第2の色を射出するように前記照明デバイスを前記第2の態様
に制御することと
を含む、請求項90に記載の方法。
【請求項94】
前記1つまたは複数の制御器を含み、更に、
前記照明デバイスを前記第1の態様において不作動であるように制御することと、
前記照明デバイスを前記第2の態様において作動して光を射出するように制御すること
と
を含む、請求項90に記載の方法。
【請求項95】
前記滅菌バリア組立体は、前記第1の実装部分に解除可能に固定するように構成された
結合部を有し、
前記方法は、前記1つまたは複数の制御器を含み、更に、
前記1つまたは複数のセンサからの測定値を用いて、前記第1の実装部分への前記滅菌
バリア組立体の設置に関連する前記状態を検出することを含み、これは、
前記滅菌バリア組立体の前記結合部が前記第1の実装部分に固定されているという第
1の条件を検出することと、
前記第1の条件を前記使用者に表示するために、前記照明デバイスを第1の態様に制
御することと、
前記滅菌バリア組立体の前記結合部が前記第1の実装部分に非固定であるという第2
の状態を検出することと、
前記第2の条件を前記使用者に表示するために、前記照明デバイスを第2の態様に制
御することと
を含む、請求項89に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2018年12月4日に出願された米国仮特許出願第62/775,126
号、2019年11月13日に出願された米国仮特許出願第62/934,771号、お
よび、2019年11月19日に出願された米国仮特許出願第62/937,529号に
ついての優先権と利益とを主張し、各々の内容は全体が本明細書に参照によって組み込ま
れる。
【0002】
本開示は、一般に、外科用構成要素のための実装システムに関し、より詳細には、外科
用構成要素の結合に使用する滅菌バリア組立体を備えた実装システムに関する。
【背景技術】
【0003】
外科用ドレープなどの滅菌バリア組立体は、手術中に外科用構成要素間にバリアを確立
することが知られている。例えば、外科用ドレープは、ロボットアームとロボットアーム
に取り付けられたエンドエフェクタとの間にバリアを提供するために使用されることがあ
る。手術では、ロボットアームは、非滅菌として処置され、他方、エンドエフェクタは、
滅菌されている。外科用ドレープは、エンドエフェクタが動作している滅菌野の汚染を防
止するために、ロボットアームおよびエンドエフェクタ間にバリアを作り出す。
【0004】
典型的には、ロボットアームおよびエンドエフェクタ間に置かれた外科用ドレープは、
穿孔または他の開口を有しており、それを通して、機械的な接続および/または電気的な
接続などの種々の接続を、ロボットアームおよびエンドエフェクタ間で行うことができる
。そういった穿孔は、手術中にカバーされる限り容認できる。エンドエフェクタが手術中
に故障して交換を必要とし、あるいは、異なるエンドエフェクタが要望され、穿孔がカバ
ーされなくなる場合、標準的な手術室の滅菌プロトコルは、異なるエンドエフェクタの設
置前に外科用ドレープの交換を必要とする、と指示することがある。外科用ドレープの除
去と新しい外科用ドレープの設置は、貴重な時間を費やすため、交換は望ましくない。
【0005】
他の外科用ドレープは、意図的には開口されていないが、その代わりに、ロボットアー
ムおよびエンドエフェクタ間で圧縮される。外科用ドレープが薄いプラスチックで形成さ
れている場合、圧縮されるときに意図しないほころびや引き裂きが生じることがある。外
科用ドレープが無傷のままであっても、ロボットアーム上のエンドエフェクタの位置決め
は、外科用ドレープの圧縮性によって不正確である。例えば、外科用ドレープは、不均等
に圧縮することがある。更に、従来のドレープ材料から作られた厚いドレープは、通常の
エンドエフェクタの負荷の下でずれる場合がある。小さなずれは、エンドエフェクタのツ
ール中心点(TCP)において拡大され、TCPの位置決め精度の誤差に起因して許容で
きなくなる場合がある。
【0006】
それ故に、当技術分野においては、1つまたは複数のこれら欠点に対処することが必要
とされている。
【発明の概要】
【0007】
実装システムは、第1および第2の外科用構成要素を結合するために設けられる。実装
システムは、第1の外科用構成要素に接続される第1の実装部分と、第2の外科用構成要
素に接続される第2の実装部分とを含む。第2の実装部分は、第1の位置および第2の位
置間で移動可能なテンショナを含む。実装システムは、滅菌バリア組立体を更に含む。滅
菌バリア組立体は、第2の実装部分のテンショナが第1の位置にあるときに、第1の実装
部分に解除可能に固定され第2の実装部分を解除可能に受容するように構成された結合部
を含む。複数の運動学的カプラは、実装部分に係合するように構成され、第2の実装部分
のテンショナが第2の位置にあるときに、外科用構成要素間の運動の6つの自由度を制約
するために、滅菌バリア組立体を通して実装部分間に運動学的結合を提供するように配置
される。
【0008】
エンドエフェクタは、結合部と複数の運動学的カプラとを有する滅菌バリア組立体を通
して外科用ロボットの第1の実装部分に解除可能に取り付けるために設けられる。エンド
エフェクタは、エネルギアプリケータを支持するためのハウジングと、ハウジングに取り
付けられた第2の実装部分とを含む。第2の実装部分は、第1の位置および第2の位置間
で移動可能なテンショナを含む。第2の実装部分は、第2の実装部分のテンショナが第1
の位置にあるときに、滅菌バリア組立体の結合部に解除可能に結合するように構成される
。第2の実装部分は、滅菌バリア組立体の複数の運動学的カプラに係合するための複数の
接触面を含む。
【0009】
滅菌バリア組立体は、第1の外科用構成要素の第1の実装部分に、および、テンショナ
を有する第2の外科用構成要素の第2の実装部分に、解除可能に取り付けるために設けら
れる。滅菌バリア組立体は、ドレープを受容するように構成されたインターフェースと、
インターフェースに動作可能に取り付けられ、第2の実装部分のテンショナが第1の位置
にあるときに、第1の実装部分に解除可能に固定され第2の実装部分を解除可能に受容す
るように構成された結合部とを含む。複数の運動学的カプラは、インターフェースによっ
て支持されて、実装部分に係合するように構成される。複数の運動学的カプラは、第2の
実装部分のテンショナが第2の位置にあるときに、外科用構成要素間の運動の6つの自由
度を制約するために、実装部分間に運動学的結合を提供するように配置される。
【0010】
外科用ロボットは、結合部と複数の運動学的カプラとを有する滅菌バリア組立体を介し
てエンドエフェクタの第2の実装部分を解除可能に受容するように設けられる。第2の実
装部分は、第1の位置から第2の位置に移動可能なテンショナを有する。外科用ロボット
は、滅菌バリア組立体を介してエンドエフェクタの第2の実装部分を解除可能に受容する
ように構成された第1の実装部分を有するロボットアームを含む。第1の実装部分は、滅
菌バリア組立体の複数の運動学的カプラに係合するために複数の接触面を含む。第1の実
装部分は、第1の位置から第2の位置へのテンショナの移動時に滅菌バリア組立体を通し
て第2の実装部分にプリロード力(preload force)を付与するように構成
された負荷機構を更に含む。
【0011】
外科用システムは、以下を含むように設けられている。すなわち、外科用構成要素に接
続される第2の実装部分と、滅菌バリア組立体と、滅菌バリア組立体を介して滅菌バリア
組立体および第1の実装部分を解除可能に受容するように構成された第1の実装部分を有
するロボットアームを含む外科用ロボットと、ロボットアームに結合された照明デバイス
と、1つまたは複数のセンサに結合され、1つまたは複数のセンサからの測定値を用いて
、第1の実装部分への滅菌バリア組立体および第2の実装部分のうちの1つまたは複数の
設置に関連する状態を検出し、状態を使用者に表示するために照明デバイスを制御するよ
うに構成されている、1つまたは複数の制御器とを含む。
【0012】
外科用システムを動作させる方法が設けられ、外科用システムは、外科用構成要素に接
続される第2の実装部分と、滅菌バリア組立体と、滅菌バリア組立体を介して滅菌バリア
組立体および第1の実装部分を解除可能に受容するように構成された第1の実装部分を有
するロボットアームを含む外科用ロボットと、ロボットアームに結合された照明デバイス
と、1つまたは複数のセンサに結合された1つまたは複数の制御器とを含み、1つまたは
複数の制御器を含む方法は、1つまたは複数のセンサからの測定値を用いて、第1の実装
部分への滅菌バリア組立体および第2の実装部分のうちの1つまたは複数の設置に関連す
る状態を検出することと、状態を使用者に表示するために照明デバイスを制御することと
を含む。
【0013】
本開示の利点は、添付の図面に関連して考察される以下の詳細な説明を参照することに
よって、より良く理解され、容易に把握されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】ロボットアームおよびエンドエフェクタ間に介在する実装システムを含むロボット外科用システムの斜視図である。
【
図2】ロボットアームに取り付けられた第1の実装部分、エンドエフェクタに取り付けられた第2の実装部分、および、実装部分を相互連結するための滅菌バリア組立体が示された実装システムの部分分解斜視図である。
【
図3】装着構成で配置された第1、第2の実装部分および滅菌バリア組立体が示された
図1の実装システムの斜視図である。
【
図4】互いに離隔配置された第1の実装部分、第2の実装部分、および、滅菌バリア組立体が示された
図3の実装システムの部分分解斜視図である。
【
図5】
図3の実装システムの別の部分分解斜視図である。
【
図5A】滅菌バリア組立体のインターフェース内部に包含された運動学的カプラを例証している部分分解断面図である。
【
図5D】
図5Cの5D-5D線に概ね沿って切り取られた、コネクタのうちの1つの断面図である。
【
図6】
図4の第1の実装部分の第1の組の構成要素の分解斜視図である。
【
図7】
図4の第1の実装部分の第1の組の構成要素の別の分解斜視図である。
【
図8】
図4の第1の実装部分の第2の組の構成要素の分解斜視図である。
【
図9】
図4の第1の実装部分の第2の組の構成要素の別の分解斜視図である。
【
図10】
図4の滅菌バリア組立体の分解斜視図である。
【
図11】
図4の滅菌バリア組立体の別の分解斜視図である。
【
図12】
図4の第2の実装部分の分解斜視図である(保持板は省略)。
【
図13】
図4の第2の実装部分の別の分解斜視図である(保持板は省略)。
【
図14A】
図4の14-14線に概ね沿って切り取られた、第1の実装部分への滅菌バリア組立体の連結を例証する斜視的断面図である。
【
図14B】
図4の14-14線に概ね沿って切り取られた、第1の実装部分への滅菌バリア組立体の連結を例証する斜視的断面図である。
【
図14C】
図4の14-14線に概ね沿って切り取られた、第1の実装部分への滅菌バリア組立体の連結を例証する斜視的断面図である。
【
図15A】
図4の15A-15A線に概ね沿って切り取られた、第2の実装部分、第1実装部分、および、第1の実装部分に連結した状態が示されている滅菌バリア組立体を例証する斜視的断面図である。
【
図15B】
図4の15B-15B線に概ね沿って切り取られた、滅菌バリア組立体への第2の実装部分の連結を例証する別の斜視的断面図である。
【
図16A】第1の実装部分に向けて第2の実装部分を引きつけるために実装システムに付与されるプリロード力を示すために多数の構成要素が省略されていることを除いて、
図4の15B-15B線に概ね沿って切り取られた断面図である。
【
図16B】第1の実装部分に向けて第2の実装部分を引きつけるために実装システムに付与されるプリロード力を示すために多数の構成要素が省略されていることを除いて、
図4の15B-15B線に概ね沿って切り取られた断面図であり、プリロード力の負荷経路も示されている。
【
図17】負荷アクチュエータを例証する部分斜視的断面図である。
【
図21A】第1の開位置のレバーおよびアクティベータリンクを含むテンショナを例証する第2の実装部分の平面図である。
【
図21B】第2の閉位置のテンショナを例証する第2の実装部分の平面図である。
【
図22】第2の実装部分の解除機構の分解斜視図である。
【
図24A】第1の位置から第2の位置に移動する解除機構の解除アクチュエータを例証する第2の実装部分の斜視図である。
【
図24B】第1の位置から第2の位置に移動する解除機構の解除アクチュエータを例証する第2の実装部分の斜視図である。
【
図25A】第2の実装部分が滅菌バリア組立体から取り外しできるように、解除リンクおよび解除要素を移動させるために第1の位置から第2の位置に移動する解除機構の解除アクチュエータを例証する斜視図である。
【
図25B】第2の実装部分が滅菌バリア組立体から取り外しできるように、解除リンクおよび解除要素を移動させるために第1の位置から第2の位置に移動する解除機構の解除アクチュエータを例証する斜視図である。
【
図25C】解除要素のうちの1つの作動を例証する部分斜視的断面図である。
【
図26】実装システムを有するロボット外科用システムの部分分解斜視図であり、照明デバイスを示す。
【
図27】照明デバイスを示す
図26のロボット外科用システムの斜視図である。
【
図28】第1の照明態様の照明デバイスを示す
図26のロボット外科用システムの斜視図である。
【
図29】第2の照明態様の照明デバイスを示す
図26のロボット外科用システムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ここで
図1から
図3を参照すると、実装システム20が示されており、これは滅菌バリ
ア組立体22を用いて第1および第2の外科用構成要素を運動学的に結合するためのもの
である。本明細書で説明される例では、第1の外科用構成要素は、ロボットアームRを有
する外科用ロボットであり、第2の外科用構成要素は、ロボットアームRに取り付けられ
るエンドエフェクタEEである。ロボットアームRおよびエンドエフェクタEEは、20
17年10月20日に出願された「Systems and Tools for us
e with Surgical Robotic Manipulators」という
名称の米国特許出願公開第2018/0110572号で説明されたものと同様にしても
よく、それの開示全体は、ここに参照によって本明細書に組み込まれる。理解されるべき
ことは、実装システム20が、滅菌バリア組立体22を用いて任意の外科用構成要素を運
動学的に結合するために採用できるということである。
【0016】
図2および
図3を参照すると、ロボットアームRは、第1の実装部分24を含み、エン
ドエフェクタEEは、第2の実装部分26を含む。滅菌バリア組立体22は、手術中にロ
ボットアームRおよびエンドエフェクタEE間にバリアを確立するために第1および第2
の実装部分24、26間に位置する。このバリアは、エンドエフェクタEEの動作する滅
菌野SからロボットアームRを分離する。手術中、ロボットアームRは、非滅菌であると
考えられ、バリアは、ロボットアームRから滅菌野Sの中への汚染物質の移動の可能性を
低下させる。
【0017】
ロボットアームRに対する滅菌バリア組立体22およびエンドエフェクタEEの解除可
能な取付けを容易にするために、第2の実装部分26は、以下でより詳細に説明されるよ
うに、第1の位置28Fと第2の位置28Sとの間で移動可能であるテンショナ28を具
備し、滅菌バリア組立体22は、結合部30と複数の運動学的カプラ32とを具備する。
【0018】
結合部30は、第2の実装部分26のテンショナ28が第1の位置28Fにあるときに
、第1の実装部分24に解除可能に固定され、第2の実装部分26を解除可能に受容する
ように構成される。運動学的カプラ32は、実装部分24、26に係合するように構成さ
れており、第2の実装部分26のテンショナ28が第2の位置28Sにあるときに、外科
用構成要素間の運動の6つの自由度を制約するために、滅菌バリア組立体22を通して実
装部分24、26間に運動学的結合を提供するように配置される。
【0019】
上述したように、実装部分24、26は、滅菌バリア組立体22によって解除可能に運
動学的に結合するように構成される。運動学的結合は、実装部分24、26間の位置決め
が確定的で反復可能であり得るように、実装部分24、26間に強固な連結を提供する。
この強固な、確定的で反復可能な連結の結果として、エンドエフェクタおよびロボットア
ーム間のより柔軟な連結に関係し得るエンドエフェクタEEの位置決めにおけるエラーを
低下させることができる。運動学的結合は、制約されるべきである数の自由度をまさに制
約する、即ち、自由度は、過剰に制約されない。例えば、本明細書で例証される代表例で
は、実装部分24、26間に6つの自由度(3つの並進および3つの回転)が存在する。
したがって、運動学的結合は、エンドエフェクタEEに関するそれらの6つの自由度をま
さに制約する。
【0020】
或る種の例では、異なるエンドエフェクタEEは、異なる目的のために使用できる。例
えば、異なるエネルギアプリケータEA(例えば、バー、ドリル、リーマ、鋸、超音波チ
ップ、衝撃器等)を各々が備えた複数のエンドエフェクタは、同一のロボットアームRと
共に使用でき、外科的な手順の間に様々な機能、例えば、バーリング、ドリル加工、リー
マ加工、鋸引き、アブレーション、衝撃等を実行し、エンドエフェクタの全ては、本明細
書で説明されるように、同じ第2の実装部分26を有し、第1の実装部分24に解除可能
に取り付けられる。図示された形態では、第2の実装部分26は、エンドエフェクタEE
のハウジング27に取り付けられるか、あるいは一体化される。エネルギアプリケータE
Aは、ハウジング27によって支持および担持され、外科的な手順中にその機能を実行す
る。
【0021】
図4および
図5を参照すると、滅菌バリア組立体22は、実装部分24、26を運動学
的に結合するために、複数の運動学的カプラ32を採用する。本明細書で例証される代表
例では、運動学的カプラ32は、外科的構成要素間の運動の6つの自由度を制約するよう
に構成された3つの球状ボールとして実現される。一例では、ボールは、研摩された耐食
性の表面を有し、したがって、或る種の負荷下で、実装部分24、26を位置決めさせる
ときのサブミクロンの再現性を達成できる。ボールは、セラミック、ステンレス鋼、また
は他の適切な材料で形成できる。非限定的な例として、ボールは、炭化ケイ素または炭化
タングステンで形成されてもよい。ボールは、例えば、1インチの5000万分の1未満
の非常に厳しい公差まで精密機械加工され得る。使用中に、ボールは、第1および第2の
実装部分24、26のそれぞれの第1および第2の複数の受容器34、36に着座する。
受容器34、36は、ボール32を受容するために、サイズ決めおよび形状付けされる。
【0022】
図示された例では、第1の実装部分24は、第1の実装板38と、第1の実装板38に
固定されたハブマウント40とを含む。ハブマウント40は、1つまたは複数の締結体も
しくはボルト(図示せず)などを介したロボットアームRへの取付けのために適合される
。ここで、第1の複数の受容器34は、第1の実装板38に動作可能に取付け(例えば、
締結体、溶接、または圧入等により第1の実装板38に固定)される。第2の実装部分2
6は、カバー41を有する第2の実装板42(
図5参照)を同様に含み、1つまたは複数
の締結体もしくはボルト(図示せず)などを介したエンドエフェクタEEへの取付けのた
めに適合される。ここで、第2の複数の受容器36は、第2の実装板42に動作可能に取
付け(例えば、締結体、溶接、または圧入等により第2の実装板42に固定)される。第
1の実装部分24は、複数の運動学的カプラ32に係合するために第1の複数の受容器3
4によって画定される第1の複数の接触面を含む。同様に、第2の実装部分26は、複数
の運動学的カプラ32に係合するために第2の複数の受容器36によって画定される第2
の複数の接触面を含む。接触面は、エンドエフェクタEEおよびロボットアームR間の運
動の6つの自由度を制約するために、運動学的カプラ32と協働するように形状付けされ
る。1つの形態では、第2の複数の接触面は、複数の運動学的カプラ32との6つの接触
点のみを提供するように構成される。
【0023】
第1の実装部分24の第1の複数の受容器34は、円錐形の構成を備えた接触面を各々
が有する(円錐受容器とも呼ばれる)。第2の実装部分26の第2の複数の受容器36は
、概ねV形状の溝を備えた接触面を各々が有する(V溝付き受容器とも呼ばれる)。より
具体的には、これらのV溝付き受容器36の接触面は、ゴシックアーチの形状である。接
触面は、上述された運動学的結合のための制約面として作用する。理解されるであろうこ
とは、受容器34、36の異なったタイプ、配置、および構成が、実装部分24、26間
の運動学的結合をもたらすように採用できるということである。非限定的な例として、平
坦または平面の受容器を或る種の用途のために利用できる。
【0024】
本明細書で例証される代表例は、3つの円錐受容器を備えた第1の実装部分24と、3
つのV溝付き受容器を備えた第2の実装部分26とを示しているが、理解されるであろう
ことは、各実装部分24、26が、異なった方法で配置された異なったタイプの受容器3
4、36を利用できるということである。非限定的な例として、第1の実装部分24が、
2つのV溝付き受容器と、1つの円錐受容器とを採用することも想定できる。第1の実装
部分24は、3つのV溝付き受容器を採用することもできる。同様に、理解されるであろ
うことは、第2の実装部分26が、運動学的カプラ32に関する6つの自由度を確実に制
約するために十分な任意の方法で構成された受容器を採用できるということである。非限
定的な例として、第2の実装部分26は、合計6つの自由度の制約のために、3つの自由
度を制約するための1つの円錐受容器と、2つの自由度を制約するための1つのV溝付き
受容器と、1つの自由度を制約するための1つの平坦受容器とを採用できる。
【0025】
受容器34、36は、鋼または他の適切な剛性材料で形成でき、また、実装部分24、
26に強固に連結された別個の構成要素として形成でき、あるいは、実装部分24、26
と一体にすることができ、そのケースでは、受容器34、36は、ボールを固定するため
に実装部分24、26と一体の制約面を単に含む。受容器34、36は、多数の構造、配
置、または構成を介して多数の方法で実装部分24、26に取り付けることができる。実
装部分24、26が、
図3に示されたように、滅菌バリア組立体22をそれらの間に配置
させた状態でほぼ最終的な配向に合体されると、滅菌バリア組立体22の運動学的カプラ
32、例えば、ボールは、受容器34、36の中に自ずから着座する。運動学的カプラ3
2、受容器34、36、およびそれらの配置は、2016年2月19日に出願された「S
terile Barrier Assembly, Mounting System
, and Method for Coupling Surgical Compo
nents」という名称の米国特許出願公開第2016/0242861号で説明された
ものと同様にしてもよく、ここに参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0026】
本明細書で例証される代表例では、滅菌バリア組立体22は、インターフェース48と
、インターフェース48に動作可能に取り付けられたドレープ50とを含む。
図1から図
3に示されたドレープ50は、それらの間にドレープ50を保持するように締結体によっ
て相互に固定されるインターフェース48の第1および第2のインターフェース板52、
54間に固定でき、あるいは、ドレープ50は、インターフェース板52、54の一方に
、例えば、その側面または外面に取り付けることができる。追加または代替として、ドレ
ープ50は、リング組立体49(
図2参照)などの、外科的な手順の前にインターフェー
ス48に解除可能に取り付けられる別個の構成要素に取り付けてもよい。リング組立体4
9の1つの例は、2018年10月4日に出願された「Sterile Drape A
ssembly for Surgical Robot」という名称の米国特許出願第
16/151,439号に示されて説明されており、ここに参照によってその全体が本明
細書に組み込まれる。理解されるであろうことは、インターフェース板52、54が、溶
接によるなど、任意の適切な方法で、相互に動作可能に取付けできるということである。
【0027】
ドレープ50は、内部面と外部面を有する。内部面は、手術中にロボットアームRに隣
接して置かれる。
図1に示された例では、ドレープ50は、ロボットアームRを概ね包囲
するためにロボットアームRに取り付けられる。ドレープ50は、ポリエチレン、ポリウ
レタン、およびポリカーボネートのうちの少なくとも1つで形成される。ドレープ50は
、超音波溶接、テープ、または接着剤等によって、インターフェース48に取り付けるこ
とができ、あるいは、ドレープ50は、インターフェース48に取り外し可能に結合され
るリング組立体49に取り付けることができる。ドレープ50は、穿孔が存在しない、即
ち、ドレープがインターフェース48と共に連続的なバリアを形成するように、インター
フェース48に取り付けられる。ドレープ50は、他の構成要素をより良く説明するため
に、幾つかの図面では図示されていない。
【0028】
運動学的カプラ32は、インターフェース板52、54間に包含される。このため、滅
菌バリア組立体22を介して互いに固定された実装部分24、26を示す
図5Aを参照す
ると、滅菌バリア組立体22は、運動学的カプラ32の各々(
図5Aには1つが示されて
いる)に関連するシール58を具備する。インターフェース板52、54の各々は、ポケ
ット60と、ポケット60に隣接して配置されてインターフェース板52、54によって
画定されたボールアパーチャ62と、を具備する。運動学的カプラ32は、ボールアパー
チャ62を通って突出し、ボールアパーチャ62は、インターフェース板52、54間に
運動学的カプラ32を保持するために、シール58と協働する。運動学的カプラ32は、
インターフェース48を通した汚染物質の移動についての可能性を低下させるために、イ
ンターフェース板52、54、シール58、および運動学的カプラ32間のバリアが破壊
されないまま維持されるように配置される。このように、ドレープ50およびインターフ
ェース48は、ロボットアームRから滅菌野Sの中への汚染物質の移動に対する連続的な
バリアを提供する。
【0029】
図4および
図5に最も良く例証されているように、1つの例では、滅菌バリア組立体2
2は、1つまたは複数の割出しフィンガ(indexing fingers)64を含
み、実装部分24、26の少なくとも一方は、実装部分24、26のうちの少なくとも一
方と関連する受容器34、36とに対して運動学的カプラ32を整列させるために、割出
しフィンガ64を受容するように形成された1つまたは複数の割出し凹部(indexi
ng recesses)66を画定する。本明細書で例証される代表例では、滅菌バリ
ア組立体22は、合計6つの割出しフィンガ64を具備し、それらのうちの3つは、第2
の実装部分26の第2の実装板42に形成された割出し凹部66に対応し、他の3つは、
第1の実装部分24の第1の実装板38に形成された割出し凹部66に対応する。
【0030】
理解されるであろうことは、割出しフィンガ64および/または割出し凹部66が、滅
菌バリア組立体22および実装部分24、26の適切な配向を促進するために十分な任意
の適切な形状、配置、または構成を有することができるということである。例えば、割出
しフィンガ64を実装部分24、26に設け、対応する割出し凹部66を滅菌バリア組立
体22に形成することができる。例証された形態では、割出しフィンガ64のうちの1つ
は、他の割出しフィンガ64とは異なるサイズおよび/または形状を有し、実装部分24
、26の割出し凹部66は、対応してサイズ決め/形状付けされており、したがって、滅
菌バリア組立体22は、実装部分24、26に対して1つの配向だけに整列できる。
【0031】
更に、
図4および
図5を参照すると、滅菌バリア組立体22および実装部分24、26
の整列および配向は、両者間への取付け前、またはそれと同時に、エンドエフェクタEE
およびロボットアームR間の通信を容易にするために採用される1つまたは複数の通信イ
ンターフェースの対応する整列を促進するように有利に実施できる。ここで、第1の実装
部分24、第2の実装部分26、および滅菌バリア組立体22はそれぞれ、使用中にロボ
ットアームRおよびエンドエフェクタEE間の通信を容易にするために、第1の実装部分
24および第2の実装部分26間の電気的接続を提供するように適合された、シールされ
た電気コネクタなどの1つまたは複数のコネクタを採用できる。図示された形態では、第
1、第2、および第3のコネクタC1、C2、C3が採用される。コネクタC1、C2、
C3を通した異なったタイプの通信は、限定ではないが、電気式、気圧式、光学式、およ
び液圧式等を含むと企図され、それらは、ロボットアームRおよびエンドエフェクタEE
間で伝達される信号、電力、データおよび/または他のタイプの情報を含むか、表すか、
または、それらから構成できる。理解されるであろうことは、滅菌バリア組立体22の結
合部30および実装部分24、26に例えば一体化され得るシールされたコネクタの使用
により、滅菌バリア組立体22からエンドエフェクタEEが除去されるときに滅菌野Sに
汚染物質が進入しないことを保証するということである。
【0032】
例証された形態では、第3のコネクタC3は、滅菌バリア組立体22によって支持され
、また、実装部分24、26および滅菌バリア組立体22を通って画定される長手方向軸
線L1まわりをインターフェース48に対して回転するように結合部30の内部に回転可
能に支持される。第1および第2のコネクタC1、C2の一方または双方は、それらの対
応する実装部分24、26で、回転しないように固定され、または、回転しないように少
なくとも部分的に制限される。
図5Bおよび
図5Cを参照すると、コネクタC1、C2、
C3は、嵌合式の城郭状(castellated)の突起67を有し、第3のコネクタ
C3の回転可能な特性のおかげで、滅菌バリア組立体22を第1の実装部分24に取り付
けるときに、少なくとも第3のコネクタC3を第1のコネクタC1と自己整列させること
ができる。換言すると、第3のコネクタC3が結合部30で自由に回転するので、滅菌バ
リア組立体22が第1の実装部分24に取り付けられているときに、突起67は、第1の
コネクタC1に対して、複数の離散位置のうちの1つに、例えば、4つの離散位置のうち
の1つに、第3のコネクタC3を適切に合わせる(clock)。この目的のため、
図5
Dに示されたように、第3のコネクタC3は、第3のコネクタC3を通る中央面CPに関
して、対称的な配置のピンを有することができる。
【0033】
図2および
図3に戻って簡単に参照すると、使用中、第1の実装部分24は、ロボット
アームRの概ね永続的な固定具にすることができる。医療関係者が外科的な手順のための
準備を開始するとき、滅菌バリア組立体22は、先ず第1の実装部分24に取り付けられ
、ロボットアームRは、滅菌バリア組立体22のドレープ50でカバーされる。実装シス
テム20は、第1の実装部分24への滅菌バリア組立体22の解除可能な取付け、ならび
に、滅菌バリア組立体22への第2の実装部分26の解除可能な取付け、を容易にするよ
うに構成され、その目的は、滅菌バリア組立体22によって与えられるロボットアームR
を包囲する滅菌野Sを崩壊させることなく、エンドエフェクタEE(および/または手順
中の他のエンドエフェクタEE)の反復可能で確定的な運動学的結合を保証することであ
る。追加として、テンショナ28を第1の位置28F(
図2)から第2の位置28S(図
3)に回転させることによって、滅菌バリア組立体22を介して第2の実装部分26を第
1の実装部分24に固定するためにプリロード力(preload force)が付与
される。
図6から
図13は、第1の実装部分24、滅菌バリア組立体22、および第2の
実装部分26の分解図であり、幾つかの構成要素は、明瞭性のために省略されている。第
1の実装部分24、滅菌バリア組立体22、および第2の実装部分26の構成要素は、後
述するように、第1の実装部分24への滅菌バリア組立体22の結合および装着と、滅菌
バリア組立体22への第2の実装部分26の結合および装着とを容易にするものである。
【0034】
図14Aから
図15Bを参照すると、第1および第2のロック組立体は、滅菌バリア組
立体22を第1の実装部分24に解除可能にロックし(
図14Aから
図14Cへの進行を
参照)、その後に、第2の実装部分26を滅菌バリア組立体22に解除可能にロックする
(
図15Aから
図15Bへの進行を参照)ために設けられている。ロック組立体は、第2
の位置28Sにテンショナ28が移動したときに得られる運動学的結合がない場合に、滅
菌バリア組立体22および実装部分24、26間の解除可能な連結を容易にするのに役立
つ。この構成は、プリロード力を付与するための第2の位置28Sへのテンショナ28の
移動に先立って、滅菌バリア組立体22が第1の実装部分24に固定できて第2の実装部
分26が滅菌バリア組立体22に固定できる、という点で使い勝手の良さに貢献しており
、それは、一人で取り扱うにはエンドエフェクタEEが比較的重い、または扱いにくいな
どの或る種の適用において望ましいことがある。
【0035】
第1および第2のロック組立体は、第1および第2のボールサブ組立体74、76、お
よび、第1および第2のボール戻り止め78、80を含む(
図14Aおよび
図15A、そ
して
図6、
図11、
図12も参照)。第1のロック組立体は、結合部30を第1の実装部
分24に解除可能に固定するために、第1の実装部分24と滅菌バリア組立体22の結合
部30との間に介在される。同様に、第2のロック組立体は、テンショナ28が第1の位
置28Fにあるときに、第2の実装部分26を結合部30に解除可能に固定するために、
結合部30および第2の実装部分26間に介在される。図示された形態では、ボールサブ
組立体74、76は、実装部分24、26に動作可能に取り付けられ、ボール戻り止め7
8、80は、ボールサブ組立体74、76を受容するために結合部30に画定される。こ
のように、結合部30は、滅菌バリア組立体22が第1の実装部分24に固定され、第2
の実装部分26が滅菌バリア組立体22に固定されているときに、ボールサブ組立体74
、76の各々と連通して配設されるように構成される。理解されるであろうことは、この
構成を逆にして、ボールサブ組立体74、76の一方または双方を結合部30に紐づけ、
ボール戻り止め78、80を実装部分24、26に紐づけることができるということであ
る。
【0036】
ロック組立体の各々は、ボール戻り止め78、80の一方に受容されるボールサブ組立
体74、76の一方を固定するように配置された解除カラー84、86(
図14A参照)
を更に含む。解除カラー84、86は、滅菌バリア組立体22に各々が動作可能に取り付
けられ、また、互いに遠ざかるように軸方向に付勢される。この目的のため、概して参照
符号88および89で示された1つまたは複数の付勢要素は、結合部30および解除カラ
ー84、86間に力変換可能に介在するように設けられる。本明細書で例証される代表例
では、付勢要素88、89は、積層された波形座金として形成される。任意の適切なタイ
プ、構成、または配置からなる任意の適切な数の付勢要素88、89が利用できる。
【0037】
滅菌バリア組立体22の組立てを容易にする目的で、解除カラー84、86の各々は、
概して参照符号90で示されたカラーボディと、概して参照符号92で示されたカラーキ
ーパと、を有し、カラーキーパは、タブアンドポケット配置構成を介してカラーボディ9
0と係合して共に回転するように形状付けされる(
図10および
図11参照)。カラーキ
ーパ92は、それぞれのカラーボディ90と同心状に配置され、カラー付勢要素88が、
カラーボディ90の各々に当接して、軸方向に互いに遠ざかりインターフェース板52、
54に当接するようにカラーボディ90を付勢し、キーパ付勢要素89が、カラーキーパ
92の各々に当接して、軸方向に互いに遠ざかり対応するリング94に当接する。ここで
、リング94は、結合部30と一体であるか、または結合部30に形成されたそれぞれの
溝に着座し、結合部30をインターフェース板52、54に対して軸方向に付勢して保持
するように作用する。理解されるであろうことは、この配置構成が、インターフェース板
52、54に対して結合部30が回転するのを可能にするということである。その上、こ
の配置構成は、インターフェース板52、54および/または結合部30に対する解除カ
ラー84、86の軸方向移動を可能にし、それは、上述したように、そして、以下でより
詳細に説明されるように、実装部分24、26に対する滅菌バリア組立体22の解除可能
な取付け/取外しを容易にする。図示されたような幾つかの例では、滅菌バリア組立体2
2のいずれの側も、第1の実装部分24に結合でき、即ち、滅菌バリア組立体22は、図
14Aに示された配向から反転されても、依然としてうまく第1の実装部分24に取り付
けることができる。
【0038】
図14Aから
図14Cに示された進展を参照すると、第1の実装部分24に対して滅菌
バリア組立体22を取り付けるとき、結合部30の一端は、先ず第1のボールサブ組立体
74と接触し、より具体的には、第1のボールサブ組立体74のボール75と接触する。
これが起こると、
図14Bに示されたように、ボール75は、それらのキャリア内で半径
方向外向きに付勢される。結果として、ボール75は、カラーボディ90の一方の端部と
係合し、使用者がインターフェース48により多くの力を加えると、対応するカラーボデ
ィ90は、カラー付勢要素88の付勢力に抗して圧縮する(
図14Aを
図14Bと比較)
。使用者がインターフェース48に力を加え続けるとき、ここで
図14Cを参照すると、
第1のボール戻り止め78(例えば、結合部30に形成された溝)は、ボール75と整列
し、したがって、ボール75は、第1のボール戻り止め78に嵌合し、カラーボディ90
は、その後に、ボール78の後方の位置まで軸方向に移動して、ボール75を第1のボー
ル戻り止め78内に保持する。滅菌バリア組立体22は、これで第1の実装部分24に解
除可能に取り付けられた。
図15Aを参照すると、同様の作用が起こり、第2の実装部分
26を滅菌バリア組立体22に、他方の解除カラー86とボール77を含む第2のボール
サブ組立体76とを介してロックする。
【0039】
ここで
図15Bから
図21Bを参照すると、滅菌バリア組立体22が第1の実装部分2
4に固定されて、第2の実装部分26が滅菌バリア組立体22に固定されると、第1の位
置28F(
図2参照)から第2の位置28S(
図3参照)に向けたテンショナ28の移動
は、運動学的カプラ32を介して、また、実装部分24、26に加えられるプリロード力
を介して、ロボットアームRに対してエンドエフェクタEEを運動学的に結合し、実装部
分24、26をそれらの運動学的結合配置で互いに固定して保持する。この目的のため、
1つの例では、第1の実装部分24は、プリロード力の付与をアシストするための、概し
て参照符号98で示された負荷機構(loading mechanism)(
図15B
、
図16Aおよび
図16B参照)を含む。作動時に、負荷機構98は、第2の位置28S
に向けたテンショナ28の移動に応じて、第2の実装部分26および滅菌バリア組立体2
2の少なくとも一方をロボットアームRに向けて軸方向に付勢する。
【0040】
滅菌バリア組立体22の結合部30は、テンショナ28および負荷機構98間に力変換
可能に介在され、したがって、第1の位置28Fから第2の位置28Sに向けたテンショ
ナ28の作動は、回転力を結合部30を通して負荷機構98に加え、それにより、結合部
30を通してプリロード力を付与して第2の実装部分26を第1の実装部分24に向けて
軸方向に並進させ、運動学的カプラ32を介して第2の実装部分26を第1の実装部分2
4に、運動学的に結合された配置で固定して保持する。
【0041】
図示された例では、負荷機構98は、第2の位置28Sに向けたテンショナ28の移動
に応じて、第1のボールサブ組立体74を第1の実装板38に対して軸方向に移動させる
ように構成され(
図16Aを
図16Bと比較)、第2の実装部分26は、第1の実装部分
24に向けて付勢される。したがって、第1のボールサブ組立体74に軸方向にロックさ
れた結合部30は、第1のボールサブ組立体74と共に軸方向に同じく移動する。同時に
、結合部30に軸方向に同じくロックされた第2のボールサブ組立体76は、第1のボー
ルサブ組立体74および結合部30と共に軸方向に同じく移動する。第2のボールサブ組
立体76は、負荷機構98の作動が第2の実装板42を第1の実装板38に向けて引きつ
けるように、負荷リング(loading ring)97を介して第2の実装板42に
よって軸方向に支えられるようにサイズ決めされたフランジを有する。
【0042】
負荷機構98は、駆動部102および負荷アクチュエータ(load actuato
r)104を含む。駆動部102は、第1のボールサブ組立体74に動作可能に取り付け
られる。図示された例では、駆動部102は、圧入、または溶接等により、第1のボール
サブ組立体74に固定される。駆動部102は、第1のボールサブ組立体74と一体的に
形成することによって、第1のボールサブ組立体74に動作可能に取り付けることもでき
る。駆動部102は、滅菌バリア組立体22が第1の実装部分24に解除可能に取り付け
られているときに、滅菌バリア組立体22の結合部30と回転係合して配置されるように
構成される。図示された形態では、駆動部102および結合部30は、使用時に長手方向
軸線L1のまわりの同時回転を容易にするように構成された、概して参照符号82で示さ
れた対応するスプライン構造を有する。具体的には、結合部30は、駆動部102の対応
する端部スプラインまたは歯と係合する端部スプラインまたは歯を有する。結合部30お
よび駆動部102間の回転伝達を容易にするために、任意の適切なタイプの回転係合を採
用できる。駆動部102は、第2の位置28Sに向けたテンショナ28の移動に応じて、
長手方向軸線L1まわりの駆動部102の回転が、第1の実装部分24および第2の実装
部分26間にプリロード力を付加して、第1のボールサブ組立体74を長手方向軸線L1
に沿って軸方向に移動させるように配置される。
【0043】
図16Aから
図20Bを参照すると、負荷アクチュエータ104は、第1のハブ106
と、第1のハブ106に対向する第2のハブ108と、を含む。第1のハブ106は、第
1のボールサブ組立体74に動作可能に取り付けられる。幾つかの例では、第1のハブ1
06は、第1のボールサブ組立体74と一体的に形成されることによって、第1のボール
サブ組立体74に動作可能に取り付けられる。第2のハブ108は、第1の実装板38に
動作可能に取り付けられる。より具体的には、第2のハブ108および第1の実装板38
は、対応する幾何学的形状(例えば、
図6および
図7に示された対応する平坦部101、
103)を有しており、第2のハブ108および第1の実装板38間の相対的な回転を抑
制するが、第2のハブ108および第1の実装板38間のわずかな軸方向移動を許容する
。許容される軸方向移動量は、保持リング105の位置する第1の実装板38および第2
のハブ108の溝のサイズによって制限される。保持リング105は、第2のハブ108
を第1の実装板38に結合する。
【0044】
負荷アクチュエータ104は、第1のハブ106および第2のハブ108間に配置され
た複数のボールベアリング110を更に含む。ランプ(ramps)112は、第1のハ
ブ106および第2のハブ108のうちの1つまたは複数に画定される。図示された例で
は、第1の組のランプ112は、第1のハブ106に画定され、第2の組のランプ112
は、第2のハブ108に画定され、後述するように、(1組のランプだけの使用と比較し
て)作動中のハブ106、108間の軸方向行程を効果的に2倍にする。勿論、ランプを
1組とすることもできる。ボールベアリング110は、第2の位置28Sに向けたテンシ
ョナ28の移動に応じて、ランプ112に沿って転動する。より具体的には、
図17から
図19に示された形態では、ボールベアリング110(6つ示されている)は、ハブ10
6、108内に形成された対向する第1の組および第2の組のランプ112(各組に6つ
示されている)に配設されている。幾つかの形態では、ランプ112は、線形ランプ斜面
を有するが、ランプ112は、非線形ランプ斜面あるいは線形および非線形ランプ斜面の
組合せを有することもできる。非線形ランプ斜面は、例えば、積み上げられた公差に対す
る負荷機構98の感度を低下させるために有利であり得る。
【0045】
ボールベアリング110およびランプ112は、ハブ106、108間の相対回転によ
って、ボールベアリング110がランプ112に沿って転動するようにサイズ決めおよび
形状付けされ、これにより、一方向の回転によってハブ106、108を互いに軸方向に
分離させ、他方、反対方向の回転によってハブ106、108を互いに軸方向に接近移動
させる(
図20Aおよび
図20Bを比較)。復帰ばね114(例えば、1つまたは複数の
波形座金)は、テンショナ28が第1の位置28Fに戻るときに、ハブ106、108を
互いに接近移動させるために、第1のハブ106およびハブマウント40間に作用する(
図15B参照)。より具体的には、復帰ばね114は、ハブマウント40およびローラベ
アリング組立体115間に作用し、第2のハブ108に対する第1のハブ106の円滑な
回転を容易にし、したがって、復帰ばね114は、第1のハブ106を通常の非作動位置
により容易に復帰させることができる。
【0046】
図16Aおよび
図16Bに戻って参照すると、駆動部102が第1のハブ106に固定
されているので、第1の実装板38に対する駆動部102の回転は、第1の実装板38に
対する長手方向軸線L1まわりの第1のハブ106の回転を引き起こす。同様に、第2の
ハブ108が第1の実装板38に対して回転を抑制されているので、第1の実装板38に
対する駆動部102の回転は、第2のハブ108に対する第1のハブ106の回転でもあ
る。この相対的な回転運動は、ボールベアリング110が対応するランプ112に沿って
転動することにより、長手方向軸線L1に沿ったハブ106、108間の相対的な軸方向
運動を引き起こし、即ち、ハブ106、108は、ボールベアリング110がランプ11
2を上に転動すると、軸方向に離隔移動し、ハブ106、108は、ボールベアリング1
10がランプ112を下に転動すると、軸方向に接近するように移動する(
図16Aおよ
び
図16Bを比較)。ボールベアリング110は、テンショナ28が第1の位置28Fに
あるときに、ランプ112の最深端部に休止している。負荷アクチュエータ104は、第
2の位置28Sに向けたテンショナ28の移動に応じて、ハブ106、108が互いに遠
ざかるように軸方向に移動するように配置および構成される。
【0047】
負荷機構98は、第2のハブ108および第1の実装板38間に作用するように配置さ
れた付勢要素116を更に含む。付勢要素116は、図示された例では、円錐形ばね座金
(ベルビルワッシャ/スプリングとも呼ばれる)を含む。
図16Cに示されたように、1
つの例では、付勢要素116は、内側および外側の環状側面116a、116bを含む。
内側の側面116aは、第2のハブ108の傾斜付き環状面108aに当接している。外
側の側面116bは、第1の実装板38の傾斜付き環状面38aに当接している。側面1
16a、116bは、正方形、面取り、または丸み付け等された断面プロファイルを有す
ることができる(
図16Cの丸いプロファイルを参照)。環状面38a、108aは、形
状を円錐形にすることができる。環状面38a、108aは、平坦、凹状、または凸状等
の断面プロファイルを有することができる(
図16Cの平坦なプロファイルを参照)。環
状面38a、108aは、長手方向軸線L1に対して、5度から85度、10度から80
度、30度から70度、または40度から70度等、に角度付けされる。環状面38a、
108aは、長手方向軸線L1に対して、同じ鋭角または異なった鋭角で配置できる。環
状面38a、108a間の当接および圧縮を含む付勢要素116の配置により、線形負荷
対偏向関係を通常呈するように設計された付勢要素に、非線形負荷対偏向関係を呈するよ
うにさせることができる。
【0048】
付勢要素116は、第2の実装部分26を第1の実装部分24に適切に固定するのに要
するプリロード力を提供するために、任意の適切な弾性要素またはばねを含むことができ
る。幾つかの例では、付勢要素116は、1つまたは複数のダイアフラムばね、または座
屈ばね等を含むことができる。追加として、幾つかの形態では、付勢要素116は、スロ
ット付けすることができ、あるいは、内周および外周間に1つまたは複数の開口を有する
ことができる。
【0049】
使用中、負荷機構98が作動されると、第1のハブ106は、実装板38、42間の弛
みを取ることによって、初めに運動学的カプラ32を実装板38、42の受容器34、3
6とより良く接触するように配置するために、第2のハブ108から遠ざかるように軸方
向に移動する(
図16Aおよび
図16Bを比較)。いったん運動学的カプラ32が受容器
34、36に固定されて、受容器34、36の面との所望の接触を得ると、実装板38、
42は、それらの所望の相対位置にあり、金属で形成され得る運動学的カプラ32および
実装板38、42に強固に固定された受容器34、36の剛性により互いにさらに引き付
けられることがない。結果として、負荷機構98の更なる作動、即ち、駆動部102の更
なる回転は、ここでは第2のハブ108を第1のハブ106から遠ざかるように軸方向に
移動させる。これは、実装板38、42がもはや互いに向けて軸方向に移動せず、第1の
ハブ106の軸方向の移動が固定されていることによる結果である。したがって、第2の
ハブ108が付勢要素116と接触しているため、負荷機構98の更なる作動は、付勢要
素116の圧縮を引き起こす。結果として、付勢要素116は、実装部分24、26を共
に保持するプリロード力またはプリロード力の少なくとも一部を画定する抵抗を提供する
。付勢要素116は、第2のハブ108および第1の実装板38間に作用し、テンショナ
28の移動を通じて、第2のハブ108と第1の実装板38とに連続的に係合する。
【0050】
1つの例では、円錐形ばね座金は、200lbsから500lbsのプリロード力、3
50lbsから450lbsのプリロード力、または、約400lbsのプリロード力を
提供する。円錐形ばね座金は、2ミリメートル以下の円錐形ばね座金の軸方向圧縮に対す
るプリロード力の変化が約+/-10%だけとなり得るように、プリロード力に対する圧
縮距離の非線形関係を有することができる。結果として、負荷機構98または他の構成要
素の組立てにおける公差に関係なく、一貫したプリロード力を付加でき、使用のたびに使
用者は一貫したプリロード力を期待できる。
【0051】
図21Aおよび
図21Bを参照すると、テンショナ28は、レバー118(ハンドルと
も呼ばれる)と、アクティベータ120と、レバー118およびアクティベータ120間
に力変換可能に介在されるアクティベータリンク122と、を含み、第2の実装部分26
が結合部30(結合部30は
図21A、21Bに示されていない)に解除可能に固定され
ているときに、第1の位置28F(
図21A)から第2の位置28S(
図21B)へのテ
ンショナ28の移動は、長手方向軸線L1まわりにアクティベータ120を回転させて長
手方向軸線L1まわりの結合部30および駆動部102の同時回転を引き起こし、プリロ
ード力を付加する。
【0052】
レバー118は、第1の位置(
図21A)で第2の実装板42から外方に延び、第2の
位置(
図21B)で第2の実装板42にはまり込む。レバー118は、第1の旋回ジョイ
ントP1で、第2の実装板42に垂直な第1の旋回軸線まわりに旋回するように、第2の
実装板42に旋回可能に連結される。レバー118は、更に、第2の旋回ジョイントP2
で、第1の旋回軸線に平行な第2の旋回軸線まわりに旋回するように、アクティベータリ
ンク122に旋回可能に連結される。アクティベータリンク122は、第3の旋回ジョイ
ントP3で、第1および第2の旋回軸線に平行な第3の旋回軸線まわりに旋回するために
、アクティベータ120に旋回可能に連結される。
【0053】
レバー118が、第1の旋回軸線まわりに第1の位置28Fから第2の位置28Sに回
転/旋回されると、アクティベータリンク122は、(例えば、
図21A、21Bに示さ
れた平面図で反時計方向に)回転するように付勢され、それによって、アクティベータ1
20を(ここでも、反時計方向に)回転させる。レバー118および第2の実装板42間
、レバー118およびアクティベータリンク122間、および、アクティベータリンク1
22およびアクティベータ120間の旋回ジョイントP1、P2、P3の配置は、機械的
利点をテンショナ28に与える。旋回ジョイントP1、P2、P3は、連結ピン、および
シャフト等によって形成できる。負荷機構98およびテンショナ28は、使用者がレバー
118にかけることを要求される比較的高い力を制限するように、また、比較的低い力の
間にレバー118の行程を最大化するように構成できる。
【0054】
圧縮ばねなどの付勢要素124は、第2の実装板42に固定されたばねブロック126
とアクティベータ120との間に作用して、テンショナ28を第1の位置28Fに向けて
付勢し、それは、テンショナ28がその後に、エンドエフェクタEEの運動学的結合をも
たらすように第2の位置28Sに移動するまで続く。レバーロック128は、レバー11
8に動作可能に(例えば、旋回連結部を介して)結合されており、テンショナ28が第2
の位置28S(
図21B参照)にあるときに、レバー118を第2の実装部分26にロッ
クする。
【0055】
図15Aおよび
図15Bに戻って簡単に参照すると、アクティベータ120は、第2の
実装板42の内部に選択的な回転動作のために着座する。より具体的には、アクティベー
タ120は、センタリング部材130(例えば、センタリング板)と回転ロック板132
との間に配設される。センタリング部材130およびロック板132は、アクティベータ
120がレバー118を介して回転のために作動されると、アクティベータ120がセン
タリング部材130およびロック板132に対して長手方向軸線L1まわりに回転するよ
うに、第2の実装板42に固定される。
【0056】
ロック板132は、アクティベータ120が、第2の実装部分26が滅菌バリア組立体
22から連結解除されると、回転できないように配置および構成される。換言すると、い
ったんレバー118が第1の位置28Fに戻され、第2の実装部分26が滅菌バリア組立
体22から取り外されると、レバー118は、アクティベータ120およびロック板13
2間の干渉のために、第2の位置28Sまで回転できない。これは、例えば、レバー11
8を開いたままにすること、および第2の実装部分26の内部構成要素の中に洗剤(例え
ば、蒸気)が浸透するのを可能にすることによって、オートクレーブによる第2の実装部
分26の掃除を容易にする。追加として、レバー118が閉じた第2の位置28Sにある
状態で使用者が第2の実装部分26を滅菌バリア組立体22に設置しようとすること(こ
れは不可能であり、使用者を戸惑わせ、いらつかせることもある)を防ぐ。
【0057】
アクティベータ120は、回転ロック位置(
図12および
図15A参照)でアクティベ
ータ120の平坦部136と軸方向に整列されているロック板132の平坦部134によ
って、ロック板132および第2の実装板42に対して回転を抑制される。平坦部134
は、ロック板132のフランジ135に位置し、平坦部136は、アクティベータ120
のフランジ137に位置する。ロック解除位置では、アクティベータ120は、軸方向に
オフセットしている平坦部134、136によって、ロック板132および第2の実装板
42に対して回転できる。付勢要素138(例えば、波形ばね)は、アクティベータ12
0をロック位置に向けて付勢する。
【0058】
アクティベータ120は、第2の実装部分26を滅菌バリア組立体22に固定するとき
に、結合部30に係合するように配置され、したがって、結合部30は、滅菌バリア組立
体22および第2の実装部分26間の連結が第2のロック組立体を介して行われるとき、
アクティベータ120をロック解除位置に付勢する。特に、結合部30は、アクティベー
タ120に軸方向に係合し、アクティベータ120のフランジ137は、ロック板132
のフランジ135の下まで軸方向に移動し、したがって、平坦部134、136は、もは
や当接および干渉しない(
図15Aを
図15Bと比較)。いったんロック解除されると、
アクティベータ120は、第2の位置28Sに向けたテンショナ28の移動に応じて回転
でき、アクティベータ120、結合部30、駆動部102、および第1のハブ106が、
プリロード力を付加するために実装板38、42に対して同時に回転する。
【0059】
アクティベータ120は、第2の実装部分26が結合部30に解除可能に固定されてい
るときに、滅菌バリア組立体22の結合部30と回転係合して配置されるように構成され
る。このため、結合部30およびアクティベータ104は、概して参照符号82で示され
た対応するスプライン構造を有し(
図15A参照)、それらは、使用時に長手方向軸線L
1まわりの同時回転を容易にするように構成される。具体的には、結合部30は、端部ス
プラインまたは歯を有し、それらは、アクティベータ120の対応する端部スプラインま
たは歯に係合する。しかしながら、結合部30およびアクティベータ120間の回転伝達
を容易にするために、任意の適切なタイプの回転係合を採用できる。
【0060】
第1の実装部分24は、外科用構成要素の或る種の機能を実行するために要する電子機
器を含むことができる。1つの形態では、
図7および
図8を参照すると、ホール効果セン
サ140(
図8参照)が、実装ハブ40に固定されたプリント回路基板PCBによって支
持され得る。対応する磁石142(
図7参照)は、第1のハブ106と共に回転するよう
に第1のハブ106によって支持される。代替として、センサは、プリント回路基板PC
Bに固定された磁石に対して移動するように第1のハブ106によって支持され得る。セ
ンサ140は、制御器144に結合され、制御器は、プリント回路基板PCB上に位置す
るかまたはセンサ140から適切な信号を受信するために他の場所に位置できる。センサ
140は、ハブマウント40および第1の実装板38に対する第1のハブ106の回転量
を示す信号を生成するために、磁石142と協働するように配置される。これは、第2の
実装部分26が第1の実装部分24に適切に固定されているか否かに関する情報を制御器
144に提供する。1つの例では、制御器144は、センサ140を介して回転を監視し
て、第1のハブ106が、例えば少なくとも10度、少なくとも20度、または少なくと
も30度など、少なくとも所定量回転したかどうかを判断する。1つまたは複数の窓また
は溝146(
図8参照)を、底壁を通してセンサ140を介した磁石142の移動の読み
込みを容易にするために、ハブマウント140の底壁に形成できる。
【0061】
図22から
図25Bを参照すると、第2の実装部分26は、テンショナ28のレバー1
18が第1の位置28Fまで開かれた後、結合部30から第2の実装部分26を解除する
ために、解除カラー84、86(
図15B参照)のうちの1つまたは複数を移動させるよ
うに動作可能な解除機構148を含む。解除機構148は、解除アクチュエータ150、
解除リンク152、付勢要素154(例えば、圧縮ばね)、および、1つまたは複数の解
除要素156を含む。1つまたは複数の解除要素156は、解除アクチュエータ150の
作動が、解除リンク152を付勢要素154の付勢に抗して移動させ、解除カラー84、
86のうちの1つまたは複数を変位させると共にボールサブ組立体74、76のうちの1
つまたは複数がボール戻り止め78、80のうちの1つまたは複数から解放されるように
、解除アクチュエータ150と1つまたは複数の解除カラー84、86との間に動作可能
に配置される。図示された形態では、解除機構148は、第2のボールサブ組立体76を
第2のボール戻り止め80から解除するために、第2の解除カラー86を移動させるよう
に動作する。
【0062】
図24Aおよび
図24Bを参照すると、解除アクチュエータ150は、第2の位置28
Sへのレバー118の移動によって、解除アクチュエータ150が少なくとも部分的にカ
バーされ、レバー118が第2の位置28Sにあるときに、解除アクチュエータ150が
通常は使用者にとってアクセス可能でないように位置する。レバー118が第1の位置2
8Fまで開かれると、解除アクチュエータ150は、アクセス可能であり、使用者によっ
て作動可能である。図示された形態では、解除アクチュエータ150は、第2の実装部分
26を滅菌バリア組立体22から解除するために使用者によって押し下げられるように構
成される押ボタンアクチュエータの形式であるが、任意の適切な形式のアクチュエータが
採用できる。この形態では、解除アクチュエータ150が押下(
図24Aを
図24Bと比
較)されると、1つまたは複数の解除要素156は、第2の実装板42に固定された保持
板158を通って突出して、第2の解除カラー86に係合すると共に第2の解除カラー8
6を移動させ、したがって、第2の実装部分26を滅菌バリア組立体22から取り外すこ
とができる。解除アクチュエータ150が押下解除されていると、1つまたは複数の解除
要素156は、それら自体の付勢要素160(例えば、
図22に示されたトーションばね
)を介して付勢され、保持板158の下に戻る。このように、解除要素156は、第1の
非突出位置および第2の突出位置間の第2の実装板42および保持板158に対して移動
するように配置される。
【0063】
図25Aから
図25C(明瞭化のためにレバーが除去)に示されたように、解除リンク
152は、解除アクチュエータ150の作動に応じて、1つまたは複数の解除要素156
をそれらの第2の位置に移動させるために、1つまたは複数の解除要素156に係合する
ように構成される。より具体的には、解除リンク152は1対の解除アーム162を含み
、解除アーム各々がカム係合端164を有する。カム係合端164が第2の実装部分42
に対して摺動すると、カム係合端164は、解除要素156に係合する(
図25C参照)
。この形態では、解除要素156は、偏心軸線A1まわりに回転するために保持板158
に偏心して取り付けられるカムディスクの形式である。カム係合端164は、偏心軸線A
1およびカムディスクに対して隔置され、カム係合端164がカムディスクに当接すると
、カムディスクは、偏心軸線A1まわりに回転し、保持板158のスロットを通って突出
し、保持板158を越えて飛び出て第2の解除カラー86、即ち、そのカラーボディに係
合して、第2のボールサブ組立体76のボール77が戻り止めポケット80から引き出さ
れるまでカラーボディ90を持ち上げる(保持板158上に載置されたカラーボディ90
を示す
図15Bと比較)。
【0064】
或る種の状況では、レバー118が第2の位置28S(例えば、閉じている)にある場
合に解除アクチュエータ150を作動させることが必要であり得る。これが要望され得る
のは、例えば、レバー118が第2の位置28Sにはまり込んでいるときであり、これは
、滅菌バリア組立体22を第1の実装部分24に結合する前に、第2の実装部分26が滅
菌バリア組立体22に取り付けられているときに起き得る。このため、レバーロック12
8は、細長いツール(ねじ回し等)によってレバーロック128をてこ上げし、レバーロ
ック128を旋回させて、レバーロック128の後方部分を解除アクチュエータ150に
係合させて、上述したように第2の解除カラー86を移動させるように配置される。
図2
4Aは、この作用を可能にする解除アクチュエータ150に対するレバーロック128の
後方部分の近傍を示す。上で説明されたようなレバーロック128のてこ上げは、第2の
解除カラー86を解除して、第2の実装部分26が滅菌バリア組立体22から解除される
のを可能にし、それによって、レバー118が第1の位置28F(例えば、開位置)に戻
ることを可能にする。別の選択肢としては、第2の実装部分26において細長いツールを
第2の解除カラー86に方向付けする貫通孔を含み、第2の解除カラー86を、細長いツ
ールと共に手動で移動して、滅菌バリア組立体22を第2の実装部分26から解除する。
【0065】
使用時に、滅菌バリア組立体22は、先ず、ロボットアームRに接続された第1の実装
部分24に固定される。このため、ロボットアームRに向けたカプラ30の軸方向移動に
よって、第1のボール戻り止め78を第1のボールサブ組立体74のボール75との係合
に導き、したがって、第1のロック組立体は、滅菌バリア組立体22を第1の実装部分2
4上に保持し、運動学的カプラ32は、第1の複数の受容器34に緩く着座する。次に、
ドレープ50は、その後の滅菌野S内での動作を容易にするために、ロボットアームRま
わりに配置できる。次に、固定された滅菌バリア組立体22に向けた第2の実装部分26
およびそれに接続されたエンドエフェクタEEの軸方向移動により、第2のボール戻り止
め80を第2のボールサブ組立体76のボール77と係合させ、したがって、第2のロッ
ク組立体は、第2の実装部分26を滅菌バリア組立体22上に保持し、第2の複数の受容
器36は、運動学的カプラ32に緩く着座する。
【0066】
第2の実装部分26のテンショナ28は、付勢要素124によって、第1の位置28F
に向けて付勢され、それは、テンショナ28がその後に、ロボットアームRに対するエン
ドエフェクタEEの運動学的結合をもたらすように、第2の位置28Sに移動するまで続
く。テンショナ28が第2の位置28Sに向かって移動すると、アクティベータ120は
、結合部30を回転させ、それはスプライン配置82を介して駆動部102を回転させる
。この回転は、負荷機構98を作動させてハブ106、108を軸方向に分離し、第1お
よび第2の実装部分24、26を互いに引きつけ、テンショナ28が第2の位置28Sに
進入すると、運動学的結合を引き起こす。ここで、エンドエフェクタEEは、ロボットア
ームRに運動学的に結合され、滅菌野S内で使用できる。
【0067】
エンドエフェクタEEが手順中に滅菌野S内で取替えまたは交換されることを要する場
合、汚染物質がロボットアームRからまたはそれに向けて滅菌バリア組立体22を越えて
通過するのを許容することなく、第2の実装部分26は、滅菌バリア組立体22から取り
外すことができる。ここで、第2の実装部分26を取り外すために、テンショナ28は第
2の位置28Sから移出して、運動学的結合を解除できる。テンショナ28が第1の位置
28Fに戻されている間、第2のロック組立体は、滅菌バリア組立体22に固定された第
2の実装部分26を保持し、滅菌バリア組立体22は、第1のロック組立体によって第1
の実装部分24に固定されたままである。第2の実装部分26を滅菌バリア組立体22か
ら解除するために、テンショナ28は、第1の位置28Fから移動して、解除アクチュエ
ータ150を露出させることができ、解除アクチュエータ150は、押し下げられて、第
2のロック組立体を解除する第2の解除カラー86に解除要素156を係合させ、したが
って、第2のボールサブ組立体76のボール77は、結合部30の第2のボール戻り止め
80から退避することができる。より具体的には、解除要素156によって付加される軸
方向の力は、第2の解除カラー86を第2のボールサブ組立体76から軸方向に遠ざかる
ように押すが、それは、第2の解除カラー86が第2のボール戻り止め80における第2
のボールサブ組立体76のボール77をもはや制約しなくなるまで続く。この時点で、第
2の実装部分26とそれが連結されているエンドエフェクタEEとは、取り外すことがで
き、異なった第2の実装部分および第2のエンドエフェクタは、その後に滅菌バリア組立
体22に再固定できる。
【0068】
手術が完了した後などに、滅菌バリア組立体22を第1の実装部分24から取り外すた
めに、先ず第2の実装部分26および接続されたエンドエフェクタEEが、上で説明され
たように、滅菌バリア組立体22から取り外される。次に、滅菌バリア組立体22を第1
の実装部分24から取り外すために、インターフェース48は使用者によって第1の実装
部分24から遠ざかるように軸方向に引っぱられ、第1のロック組立体が係合解除される
。ここで、インターフェース48に付与される軸方向の力は、第1の解除カラー84を付
勢要素88、89の付勢に逆らって結合部30に対して軸方向に移動させて第1のロック
組立体を解除し、したがって、結合部30の第1のボール戻り止め78は、第1の実装部
分24の第1のボールサブ組立体74から退避する。より具体的には、使用者は、インタ
ーフェース48の周囲あたりを把持することによって軸方向の力を付与し、これによって
、第1の解除カラー84が第1のボール戻り止め78において第1のボールサブ組立体7
4のボール75をもはや制約しなくなるまで、第1の解除カラー84(カラーボディ90
およびカラーキーパ92の両方)を第1のボールサブ組立体74から遠ざかるように軸方
向に引っぱる。
【0069】
I.実装システムのための照明
図26から
図29を参照すると、ロボットアームRおよびエンドエフェクタEEを含む
ロボット外科用システム200は、使用者が本明細書で説明された実装システムの1つま
たは複数の部品を適切に実装するのに役立つ照明システムと共に利用される。より具体的
には、ロボット外科用システム200は、照明デバイス202を含むことができ、それは
、光を射出して、少なくとも第1の照明態様(state)S1(
図28参照)と第2の
照明態様(state)S2(
図29参照)との間で発光を変化させるように構成される
。
【0070】
図26から
図29に示された例では、照明デバイス202は、ロボットアームRに結合
される。より具体的には、ロボットアームR、さらに具体的には、ロボットジョイント間
に配設されたアームの任意のリンクは、外面206を有し、照明デバイス202は、外面
206上または外面内に配設される。照明デバイス202は、外面206を取り囲む環状
の構成を有することができる。換言すると、照明デバイス202は、外面206に巻き付
けられてロボットジョイント軸線と同軸であるリングのように構成され、アームRの任意
の姿勢で使用者には容易に認識できる。図に示されたように、照明デバイス202は、外
面206と面一(または一体)にできる。しかしながら、照明デバイス202は、ロボッ
トアームRの外面206の上に突出または下に延在していてもよい。
【0071】
図26から
図29に示された例では、照明デバイス202は、ロボットアームRの遠位
端の近くで、第1の実装部分24に隣接し、したがって、照明デバイス202は、エンド
エフェクタEEを操作する使用者には容易に認識される。しかしながら、照明デバイス2
02は、第2の実装部分26を含むロボットアームRに沿った任意の場所に配設できる。
更に、他の例が企図され、照明デバイス202は、ロボット外科用システム200のエン
ドエフェクタEE、滅菌バリア組立体22、または、任意の他の適切な部分に結合される
。その上、照明デバイス202は、ロボットアームR、エンドエフェクタEE、および滅
菌バリア組立体22から離隔できる。換言すると、照明デバイス202は、ロボット外科
用システム200の使用中に使用者の視野内にある別個の構成要素にすることができる。
更に、任意の数の照明デバイス202を利用でき、それらは相互に同じか、または異なっ
た形状または構成を有することができる。例えば、種々の照明デバイス202は、ロボッ
トアームRの異なったジョイントに配置できる。
【0072】
照明デバイス202は、使用者に認識できる光を射出するために任意の適切な光源を含
むことができる。例えば、照明デバイス202は、LEDまたはOLEDのアレイ、表示
デバイス(例えば、LCDスクリーン)を含むことができ、それらの表示内容は、ソフト
ウエア、光ファイバ、または任意の他のタイプの適切な技術によって制御される。LED
またはOLEDは、全可視範囲内で、または、赤外または可視波長範囲の組合せで、光を
射出でき、可視範囲内の任意の色を作り出すことができる。
【0073】
ロボット外科用システム200は、照明デバイス202と通信するか、または結合され
た1つまたは複数の制御器204(本明細書では平易化のために制御器204と呼ぶ)を
更に含み、照明デバイス202をどのように制御するかを判断するために、他の電子・電
気構成要素またはセンサから信号を受信するように(後述するように)構成される。制御
器204は、信号の変動に応じて、第1および第2の照明態様S1、S2間で変化させる
ために、照明デバイス202を制御するように構成される。制御器204またはその任意
の補助的な構成要素は、エンドエフェクタEE、ロボットアーム、ロボットベース、第1
および第2の実装部分24、26や滅菌バリア組立体22を含む実装システム20の任意
の構成要素のうちの任意の1つまたは複数に結合でき、あるいは、照明デバイス202に
統合できる。1つの例では、制御器204は、上で説明されたように、第1の実装部分2
4内に位置する制御器144を包含するか、それと同一か、またはそれと通信できるよう
にしてもよい。
【0074】
制御器204は、照明デバイス202に加えて外科用システムの任意の部分を含むかそ
うでなければ通信でき、任意の部分はロボット制御システム、ナビゲーションシステム、
およびツール制御システムのうちの任意の1つまたは複数を含み、それらは、ロボットシ
ステムのアームRを介して、ロボット外科用システム200の標的部位および他の部分に
対して、エンドエフェクタEEを位置決め、移動、および/または駆動するのを容易にす
るために協働する。制御器204は、「Robotic System and Met
hod for Backdriving the Same」という名称の米国特許第
10,327,849号で説明されたものと同様にでき、それの開示内容は、ここに参照
によってその全体が組み込まれる。制御器204は、コンピュータ、プロセッサ、および
制御ユニット等といった様々な構成として、またはそれを備えて実現でき、また、個別の
構成要素を含むか、あるいは、これらを一体化できる(例えば、ハードウエア、ソフトウ
エア、入力、および出力等を共有する)。更に、制御器204は、プロセッサ(例えば、
中央処理ユニット)および/または他のプロセッサ、メモリ、および/または、記憶装置
(図示せず)を備えたコンピュータを含む任意の適切なハードウエアで実現でき、また、
以下でより詳細に説明されるように機能できるソフトウエアをローディングできる。プロ
セッサは、ロボット、ナビゲーションシステム、または、エンドエフェクタEEの動作を
制御するための1つまたは複数のプロセッサを含むことができる。プロセッサは、任意の
タイプのマイクロプロセッサ、マルチプロセッサ、および/または、マルチコア処理シス
テムとすることができる。制御器204は、追加または代替として、1つまたは複数のマ
イクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、システム・オン・チップ
、ディスクリート回路、ならびに/あるいは、本明細書で説明される機能を実行できる他
の適切なハードウエア、ソフトウエア、および/または、ファームウエアを含むことがで
きる。用語「プロセッサ」は、任意の実施形態を単一のプロセッサに限定することを意図
するものではない。制御器204は、また、1つまたは複数の出力デバイス(例えばスク
リーン、ディスプレイ、およびステータスインジケータ等)および/または入力デバイス
(例えば、プッシュボタン、キーボード、マウス、マイクロフォン、音声操作デバイス、
ジェスチャ制御デバイス、タッチスクリーン、フットペダル、およびペンダント等)を備
えたユーザインターフェースを含むかそれを画定するかそうでなければそれを採用できる
。他の構成も企図される。
【0075】
図27から
図29に示されるように、照明デバイス202は、少なくとも第1および第
2の照明態様S1、S2間で発光を変化させるために、制御器204と通信する。照明態
様は、視覚フィードバックを使用者に提供してロボット外科用システム200の状態を使
用者に通知する。使用者は、発光を解釈し、それに応じて反応する(例えば、実装システ
ムに不適切に設置された構成要素を再設置するなど)。
【0076】
照明デバイス202の動作は、以下で説明されるように、実装システムに関連する状態
(conditions)の間で変化し得る。1つの例では、照明態様S1、S2の一方
は、エラー状態を表示し、別の態様S1、S2は、システム構成要素等の正確な設置など
の適切な状態または肯定的な状況を表示する。ここにおける説明は、必ずしも、第1また
は第2の態様S1、S2のいずれかを、指定されたエラー状況状態に限定するものではな
く、それ故に、用語「第1」および「第2」は、入れ替えることが可能である。態様S1
、S2は、エラーの有無に関係のない状態を表示することもある。例えば、状態(con
dition)は、使用者に情報(例えば、使用者の動作の前または後の確認)を伝達す
るものであってもよい。1つの例では、第1および第2の照明態様S1、S2は、「on
/off」状態であり、照明デバイス202は、第1および第2の照明態様S1、S2の
一方で光を射出し、第1および第2の照明態様S1、S2の他方では光を射出しない。別
の例では、照明デバイス202は、第1および第2の照明態様S1、S2の一方または両
方でフラッシュしてもよい。その上、照明デバイス202が第1および第2の照明態様S
1、S2の一方または両方でフラッシュするとき、照明デバイス202のフラッシュする
速度は、状態間で差別化するために、第1および第2の照明態様S1、S2間で変化させ
てもよい。別の例では、照明デバイス202は、第1の照明態様S1において、可視色ス
ペクトルの第1の色を有する光を射出し、第2の照明態様S2において、可視色スペクト
ルの、第1の色とは異なった第2の色を有する光を射出する。別の例では、第1および第
2の照明状態S1、S2で発出された光は、第1および第2の照明態様S1、S2間で差
別化するために、明るさを変化させてもよい。
【0077】
以上で提示した例は、互いに排他的ではなく、任意の適切な構成で相互に関連して利用
できる(例えば、照明デバイス202は、第1の照明態様S1で第1の輝度を有する第1
の色をフラッシュし、他方、照明デバイス202は、第2の照明態様S2で第2の輝度(
第2の輝度とは異なる)を有する第2の色の安定した光を射出できる)。その上、照明デ
バイス202は、第1および第2の照明態様S1、S2だけに留まらずに光を射出するよ
うに構成できる。実際、照明デバイス202は、ロボット外科用システム200の多くの
異なった状態を使用者に警告するために、多数の照明態様で光を射出するように構成でき
る。
【0078】
1つの例では、照明デバイス202は、エンドエフェクタEEがロボットアームRと結
合されているときに、第1の照明態様S1にあるように制御され、また、エンドエフェク
タEEがロボットアームRと結合されていないかまたは不適切に結合されているときに、
第2の照明態様S2にあるように制御される。これにより、第2の照明態様S2の照明デ
バイス202は、エンドエフェクタEEがロボットアームRに適切に結合されて動作可能
な状態にあることを使用者に伝達する。他方、第1の照明態様S1の照明デバイス202
が使用者に伝達することは、エンドエフェクタEEが、ロボットアームRに適切に結合さ
れていないかまたは不適切に結合されており、エンドエフェクタEEをロボットアームR
と結合するために、例えば、エンドエフェクタEEおよび/またはロボットアームRの操
作不能または損傷を防止するために、エンドエフェクタEEおよびロボットアームRの更
なる操作が必要であること、である。幾つかの例では、制御器204は、照明デバイス2
02が第1の照明態様S1にある間において、エンドエフェクタEEの動作を追加で許容
でき、制御器204は、照明デバイス202が第2の照明態様S2にある間において、エ
ンドエフェクタEEの動作を抑制できる。
【0079】
エンドエフェクタEEおよびロボットアームR間の結合を検出する目的で、制御器20
4は、第1の実装部分24の電子機器と通信できる。以上で説明されたように、それに限
定されないが、ホール効果センサなどのセンサ140(
図8参照)は、実装ハブ40に固
定されたプリント回路基板PCBによって支持され得る。対応する磁石142(
図7参照
)は、第1のハブ106と共に回転するために、第1のハブ106によって支持され得る
。代替として、センサ140は、プリント回路基板PCB上に固定された磁石に対して移
動するように、第1のハブ106によって支持されてもよい。上述されたように、センサ
140は、ハブマウント40および第1の実装板38に対する第1のハブ106の回転量
を表示する信号を生成するために、磁石142と協働するように配置される。これは、第
2の実装部分26が第1の実装部分24に適切に固定(即ち、ロボットアームRとエンド
エフェクタEEの適切な結合を保証)されているか否かに関する情報を制御器204(潜
在的に制御器144を含む)に提供する。これにより、制御器204は、ロボットアーム
RとエンドエフェクタEEの結合を無線で検出する。エンドエフェクタEE間の結合を無
線で検出する制御器204の他の例は、それに限定されないが、誘導検知および容量検知
を含む。
【0080】
センサ140の信号(第1のハブ106の回転を示す)に基づいて、制御器204は、
制御器204が、第2の実装部分26が第1の実装部分24に適切に固定されている、と
判断したとき、照明デバイス202を第1の態様S1に制御できる。他方、制御器204
、144は、制御器204、144が、第2の実装部分26が第1の実装部分24に適切
に固定されていない、と判断したとき、照明デバイス202を第2の態様S2に制御でき
る。
【0081】
別の例では、センサデータは、第2の実装部分26および第1の実装部分24間の接近
をより一般的に検出できる。制御器204、144は、制御器204、144が、第2の
実装部分26が第1の実装部分24に近接した閾値内にないと判断したとき、照明デバイ
ス202を第1の態様S1に制御でき、また、制御器204、144は、制御器204、
144が、第2の実装部分26が第1の実装部分24に近接した閾値内にある、と判断し
たとき、照明デバイス202を第2の態様S2に制御できる。
【0082】
代替として、エンドエフェクタEEおよびロボットアームR間の結合は、エンドエフェ
クタEEおよびロボットアームR間の直接の電気的(有線)接続を通して検出できる。例
えば、上で説明されたように、第1の実装部分24、第2の実装部分26、および滅菌バ
リア組立体22は、ロボットアームRおよびエンドエフェクタEE間の通信を容易にする
ために、第1の実装部分24および第2の実装部分26間の電気的接続を提供するように
適合されたシールされた電気コネクタなどの1つまたは複数のコネクタを各々が採用でき
る。
図5Bおよび5Cに示された形態では、第1、第2、および第3のコネクタC1、C
2、C3が採用されている。しかしながら、コネクタC1、C2、C3を通した異なった
タイプの通信も、制限なく企図される。更に、他の例では、エンドエフェクタEEおよび
ロボットアームR間の電気的接続は、滅菌バリア組立体22に関係なく達成できる。
【0083】
実装部分24、26の電気構成要素間の直接有線接続の存在は、実装部分24、26間
の適切な連結を表することができ、それに対して、直接有線接続の不存在は、実装部分2
4、26間の不適切な連結を表すことができる。制御器204は、制御器204が実装部
分24、26の電気構成要素間の直接有線接続の不存在を判断したとき、照明デバイス2
02を第1の態様S1に制御でき、また、制御器204が実装部分24、26の電気構成
要素間の直接有線接続の存在を判断したとき、照明デバイス202を第2の態様S2に制
御できる。
【0084】
代替として、実装部分24、26間の有線接続は、適切もしくは不適切な設置状態の双
方を示し得るが、制御器204および/または制御器の採用する任意の他のセンサは、適
切と不適切の設置を差別化するために、電気的条件(例えば、電流、電圧、信号周波数/
位相/振幅、キャパシタンス、インピーダンス等)を検出できる。制御器204は、この
ような場合、照明デバイス202をそれに応じて制御できる。
【0085】
図28および
図29に戻って、更に別の例では、エンドエフェクタEEおよびロボット
アームR間の結合は、制御器204と電子的に通信するスイッチ、ボタン、トリガ、また
はプランジャなどの機械的構成要素の作動を介して検出できる。例えば、上で説明された
ように、第2の実装部分26のテンショナ28は、(
図2および
図3に示されたように)
第1の位置28Fおよび第2の位置28S間で移動可能である。滅菌バリア組立体22の
結合部30は、第1の実装部分24に解除可能に固定され、第2の実装部分26のテンシ
ョナ28が第1の位置28Fにあるときに第2の実装部分26を解除可能に受容するよう
に構成される。運動学的カプラ32は、実装部分24、26に係合するように構成されて
おり、第2の実装部分26のテンショナ28が第2の位置28Sにあるときに、外科用構
成要素間の運動の6つの自由度を制約するために、滅菌バリア組立体22を通して実装部
分24、26間に運動学的結合を提供するように配置される。ここで、テンショナ28の
位置は、制御器204に結合された任意のセンサ(例えば、位置センサ、近接センサ、ス
イッチセンサ)によって検出できる。第2の実装部分26が滅菌バリア組立体22に実装
されている間において、制御器204が、テンショナ28が第1の位置28Fにある、と
判断したとき、制御器204は照明デバイス202を第1の態様S1に制御でき、また、
制御器204が、テンショナ28が第2の位置28Sにあると判断したとき、制御器20
4は照明デバイス202を第2の態様S1に制御できる。
【0086】
関連する例では、照明デバイス202は、第1または第2の実装部分24、26に対す
る滅菌バリア組立体22の設置状態(status)を示すように制御できる。1つの例
では、制御器204は、センサ(例えば、近接センサ、位置センサ、慣性センサ、または
力センサ)を、第1の実装部分24に対する滅菌バリア組立体22の位置または接近を判
断するために採用できる。センサは、滅菌バリア組立体および第1の実装部分24のうち
の1つまたは複数に結合できる。センサから、制御器204は、滅菌バリア組立体22の
結合部30が(第2の実装部分26に関係してまたは関係なく)第1の実装部分24に適
切に固定されているときを判断できる。また、制御器204は、センサから、滅菌バリア
組立体22の結合部30が第1の実装部分24に適切に固定されていない(または、全く
固定されていない)ときを判断できる。このような場合、制御器204は、滅菌バリア組
立体22が第1の実装部分24に適切に固定されているときに、照明デバイス202を第
1の態様S1に制御でき、また、滅菌バリア組立体22が第1の実装部分24に不適切に
固定されるかまたは固定されないときに、照明デバイス202を第2の態様S2に制御で
きる。
【0087】
実装システムに係る照明デバイス202を制御することに関係する上述した任意の例に
関して、照明デバイス202は、手術前、手術中、または手術後のエンドエフェクタEE
および/またはロボットアームRの状態を表示するために、任意の他の照明態様に更に制
御され得る。例えば、照明デバイス202は、エンドエフェクタEEおよび/またはロボ
ットアームRが適切にまたは適切な状態の範囲内で動作しているときに、別の照明態様で
光を射出できる。他方、照明デバイス202は、エンドエフェクタEEおよび/またはロ
ボットアームRが適切に動作していないかまたは不適切な状態(例えば、精度の損失、潜
在的な衝突状態、等)の範囲内で動作しているときに、別の照明態様で光を射出できる。
エンドエフェクタEEおよび/またはロボットアームRの任意の他の適切な状態またはエ
ラー状態は、照明デバイス202によって表示できる。
【0088】
以上では、照明デバイス202の制御を容易にするロボット外科用システム200の状
態を説明する多くの例を提示しているが、リストは、確定したものではなく、多くの他の
状態も存在し得、これに対して照明デバイス202によって射出される光を入れ替えるこ
とができる。
【0089】
前述の説明において幾つかの例を議論した。しかしながら、本明細書で議論された例は
、網羅的であることや本発明を任意の特定の形態に限定することを意図していない。使用
された用語は、限定的ではなくて説明的であるという単語の本質を意図している。多くの
修正および変形は、上の教示に鑑みて可能であり、本発明は、具体的に説明されたものと
は別の手法でも実施し得る。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用構成要素に接続される第2の実装部分と、
滅菌バリア組立体と、
前記滅菌バリア組立体を介して前記滅菌バリア組立体および前記第2の実装部分を解除可能に受容するように構成された第1の実装部分を有するロボットアームを含む外科用ロボットと、
前記ロボットアームに結合された照明デバイスと、
1つまたは複数のセンサに結合された1つまたは複数の制御器と
を含み、前記制御器は、
前記1つまたは複数のセンサからの測定値を用いて、前記第1の実装部分への前記滅菌バリア組立体および前記第2の実装部分のうちの1つまたは複数の設置に関連する状態を検出し、
前記状態を使用者に表示するために前記照明デバイスを制御する
ように構成されている、
外科用システム。
【請求項2】
前記外科用構成要素は、エンドエフェクタとして更に画定され、
前記エンドエフェクタは、
エネルギアプリケータを支持するためのハウジングと、
前記ハウジングに取り付けられた前記第2の実装部分と
を含む、請求項1に記載の外科用システム。
【請求項3】
前記第2の実装部分は、第1の位置から第2の位置に移動可能なテンショナを含み、前記第2の位置に向けた前記テンショナの移動に応じて、前記第1の実装部分に対して前記第2の実装部分を付勢し、
前記1つまたは複数の制御器は、前記1つまたは複数のセンサからの測定値を用いて、前記第1の実装部分への前記第2の実装部分の設置に関連する前記状態を検出し、更に、
前記テンショナが前記第1の位置にあるという第1の状態を検出し、
前記第1の状態を前記使用者に表示するために、前記照明デバイスを第1の態様に制御し、
前記テンショナが前記第2の位置にあるという第2の状態を検出し、
前記第2の状態を前記使用者に表示するために、前記照明デバイスを第2の態様に制御する
ように構成されている、請求項1に記載の外科用システム。
【請求項4】
前記滅菌バリア組立体は、結合部と複数の運動学的カプラとを更に含み、
前記第1の実装部分は、
前記滅菌バリア組立体の前記複数の運動学的カプラに係合するための複数の接触面と、
前記第1の位置から前記第2の位置への前記テンショナの移動時に前記滅菌バリア組立体を通して前記第2の実装部分にプリロード力を付与するように構成された負荷機構と、
前記滅菌バリア組立体の前記結合部に解除可能に固定するように構成された第1の実装板および第1のボールサブ組立体とを含み、
前記負荷機構は、前記第2の位置に向けた前記テンショナの移動に応じて、前記第1のボールサブ組立体を軸方向に移動させるように構成された負荷アクチュエータを含み、
前記負荷アクチュエータは、
前記第1のボールサブ組立体に動作可能に取り付けられた第1のハブと、
前記第1の実装板に動作可能に取り付けられた第2のハブと、
前記ハブ間に配置された複数のボールベアリングと、
前記第2の位置に向けた前記テンショナの移動に応じて前記ボールベアリングが沿って転動する前記ハブのうちの1つまたは複数に画定されたランプとを含み、
前記1つまたは複数の制御器は、
前記第2のハブに対する前記第1のハブの第1の位置または回転量を、前記1つまたは複数のセンサからの測定値を用いて更に検出することによって、前記テンショナが前記第1の位置にあるという前記第1の状態を検出し、
前記第2のハブに対する前記第1のハブの第2の位置または回転量を、前記1つまたは複数のセンサからの測定値を用いて更に検出することによって、前記テンショナが前記第2の位置にあるという前記第2の状態を検出する
ように構成される、請求項3に記載の外科用システム。
【請求項5】
前記1つまたは複数の制御器は、
前記テンショナの第1の位置または移動を、前記1つまたは複数のセンサからの測定値を用いて更に検出することによって、前記テンショナが前記第1の位置にあるという前記第1の状態を検出し、
前記テンショナの第2の位置または移動を、前記1つまたは複数のセンサからの測定値を用いて更に検出することによって、前記テンショナが前記第2の位置にあるという前記第2の状態を検出する
ように構成される、請求項3に記載の外科用システム。
【請求項6】
前記照明デバイスは、前記第1の態様において第1の色を射出し、
前記照明デバイスは、前記第2の態様において前記第1の色とは異なる第2の色を射出する、請求項3に記載の外科用システム。
【請求項7】
前記照明デバイスは、前記第1の態様において不作動であるように制御され、
前記照明デバイスは、前記第2の態様において作動して光を射出するように制御される、請求項3に記載の外科用システム。
【請求項8】
前記照明デバイスは、前記第1の実装部分に隣接して前記ロボットアームに配設される、請求項1に記載の外科用システム。
【請求項9】
前記照明デバイスは、前記ロボットアームの外面を取り囲む環状構成を有する、請求項1に記載の外科用システム。
【請求項10】
前記滅菌バリア組立体は、前記第1の実装部分に解除可能に固定するように構成された結合部を有し、
前記1つまたは複数の制御器は、前記1つまたは複数のセンサからの測定値を用いて、前記第1の実装部分への前記滅菌バリア組立体の設置に関連する前記状態を検出し、更に、
前記滅菌バリア組立体の前記結合部が前記第1の実装部分に固定されるという第1の状態を検出し、
前記第1の状態を前記使用者に表示するために、前記照明デバイスを第1の態様に制御し、
前記滅菌バリア組立体の前記結合部が前記第1の実装部分に非固定であるという第2の状態を検出し、
前記第2の条件を前記使用者に表示するために、前記照明デバイスを第2の態様に制御する
ように構成されている、請求項1に記載の外科用システム。
【請求項11】
外科用構成要素に関連する第2の実装部分と、
滅菌バリア組立体と、
前記滅菌バリア組立体を介して前記滅菌バリア組立体および前記第2の実装部分を解除可能に受容するように構成された第1の実装部分を有するロボットアームを含む外科用ロボットと、
前記ロボットアームに結合された照明デバイスと、
1つまたは複数のセンサに結合された1つまたは複数の制御器と
を含む外科用システムを動作させる方法であって、
前記方法は、前記1つまたは複数の制御器を含み、
前記1つまたは複数のセンサからの測定値を用いて、前記第1の実装部分への前記滅菌バリア組立体および前記第2の実装部分のうちの1つまたは複数の設置に関連する状態を検出することと、
前記状態を使用者に表示するために前記照明デバイスを制御することと、を含む方法。
【請求項12】
前記第2の実装部分は、第1の位置から第2の位置に移動可能なテンショナを含み、前記第2の位置に向けた前記テンショナの移動に応じて、前記第1の実装部分に対して前記第2の実装部分を付勢し、
前記方法は、前記1つまたは複数の制御器を含み、更に、
前記1つまたは複数のセンサからの測定値を用いて、前記第1の実装部分への前記第2の実装部分の設置に関連する前記状態を検出することを含み、これは、
前記テンショナが前記第1の位置にあるという第1の状態を検出することと、
前記第1の状態を前記使用者に表示するために、前記照明デバイスを第1の態様に制御することと、
前記テンショナが前記第2の位置にあるという第2の状態を検出することと、
前記第2の状態を前記使用者に表示するために、前記照明デバイスを第2の態様に制御することと
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記滅菌バリア組立体は、結合部と複数の運動学的カプラとを更に含み、
第1の実装部分は、
前記滅菌バリア組立体の前記複数の運動学的カプラに係合するための複数の接触面と、
前記第1の位置から前記第2の位置への前記テンショナの移動時に前記滅菌バリア組立体を通して前記第2の実装部分にプリロード力を付与するように構成された負荷機構と、
前記滅菌バリア組立体の前記結合部に解除可能に固定するように構成された第1の実装板および第1のボールサブ組立体とを含み、
前記負荷機構は、前記第2の位置に向けた前記テンショナの移動に応じて、前記第1のボールサブ組立体を軸方向に移動させるように構成された負荷アクチュエータを含み、
前記負荷アクチュエータは、
前記第1のボールサブ組立体に動作可能に取り付けられた第1のハブと、
前記第1の実装板に動作可能に取り付けられた第2のハブと、
前記ハブ間に配置された複数のボールベアリングと、
前記第2の位置に向けた前記テンショナの移動に応じて前記ボールベアリングが沿って転動する前記ハブのうちの1つまたは複数に画定されたランプとを含み、
前記方法は、前記1つまたは複数の制御器を含み、更に、
前記第2のハブに対する前記第1のハブの第1の位置または回転量を、前記1つまたは複数のセンサからの測定値を用いて更に検出することによって、前記テンショナが前記第1の位置にあるという前記第1の状態を検出することと、
前記第2のハブに対する前記第1のハブの第2の位置または回転量を、前記1つまたは複数のセンサからの測定値を用いて更に検出することによって、前記テンショナが前記第2の位置にあるという前記第2の状態を検出することと
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記1つまたは複数の制御器を含み、更に、
前記テンショナの第1の位置または移動を、前記1つまたは複数のセンサからの測定値を用いて更に検出することによって、前記テンショナが前記第1の位置にあるという前記第1の状態を検出することと、
前記テンショナの第2の位置または移動を、前記1つまたは複数のセンサからの測定値を用いて更に検出することによって、前記テンショナが前記第2の位置にあるという前記第2の状態を検出することと
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記1つまたは複数の制御器を含み、更に、
第1の色を射出するように前記照明デバイスを前記第1の態様に制御することと、
前記第1の色とは異なる第2の色を射出するように前記照明デバイスを前記第2の態様に制御することと
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記1つまたは複数の制御器を含み、更に、
前記照明デバイスを前記第1の態様において不作動であるように制御することと、
前記照明デバイスを前記第2の態様において作動して光を射出するように制御することと
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記滅菌バリア組立体は、前記第1の実装部分に解除可能に固定するように構成された結合部を有し、
前記方法は、前記1つまたは複数の制御器を含み、更に、
前記1つまたは複数のセンサからの測定値を用いて、前記第1の実装部分への前記滅菌バリア組立体の設置に関連する前記状態を検出することを含み、これは、
前記滅菌バリア組立体の前記結合部が前記第1の実装部分に固定されているという第1の条件を検出することと、
前記第1の条件を前記使用者に表示するために、前記照明デバイスを第1の態様に制御することと、
前記滅菌バリア組立体の前記結合部が前記第1の実装部分に非固定であるという第2の状態を検出することと、
前記第2の条件を前記使用者に表示するために、前記照明デバイスを第2の態様に制御することと
を含む、請求項14に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0089
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0089】
前述の説明において幾つかの例を議論した。しかしながら、本明細書で議論された例は、網羅的であることや本発明を任意の特定の形態に限定することを意図していない。使用された用語は、限定的ではなくて説明的であるという単語の本質を意図している。多くの修正および変形は、上の教示に鑑みて可能であり、本発明は、具体的に説明されたものとは別の手法でも実施し得る。
出願時の特許請求の範囲は以下の通り。
[請求項1]
第1および第2の外科用構成要素を結合するための実装システムであって、
前記第1の外科用構成要素に接続される第1の実装部分と、
前記第2の外科用構成要素に接続され、第1の位置および第2の位置間で移動可能なテンショナを含む第2の実装部分と、
滅菌バリア組立体と
を含み、
前記滅菌バリア組立体は、
前記第2の実装部分の前記テンショナが前記第1の位置にあるときに、前記第1の実装部分に解除可能に固定され、前記第2の実装部分を解除可能に受容するように構成された結合部と、
前記実装部分に係合するように構成され、前記第2の実装部分の前記テンショナが前記第2の位置にあるときに、前記外科用構成要素間の運動の6つの自由度を制約するために、前記滅菌バリア組立体を通して前記実装部分間に運動学的結合を提供するように配置された複数の運動学的カプラと
を含む、実装システム。
[請求項2]
前記第1の実装部分は、前記滅菌バリア組立体が前記第1の実装部分に固定され前記第2の実装部分が前記滅菌バリア組立体に固定されているときに、前記第1の位置から前記第2の位置に向けた前記テンショナの移動に応じて、前記第1の外科用構成要素に対して前記第2の実装部分および前記滅菌バリア組立体の少なくとも一方を付勢するように構成された負荷機構を更に含む、請求項1に記載の実装システム。
[請求項3]
前記第1の実装部分の前記負荷機構は、前記第2の位置に向けた前記テンショナの移動に応じて、前記滅菌バリア組立体の前記複数の運動学的カプラに対して前記第2の実装部分を付勢する、請求項2に記載の実装システム。
[請求項4]
前記滅菌バリア組立体の前記結合部は、前記テンショナおよび前記負荷機構間に力変換可能に介在する、請求項2に記載の実装システム。
[請求項5]
前記第1の実装部分は、
前記第1の外科用構成要素に取り付けるように適合された第1の実装板と、
前記滅菌バリア組立体の前記結合部に解除可能に固定するように構成された第1のボールサブ組立体とを更に含む、請求項2に記載の実装システム。
[請求項6]
前記負荷機構は、前記第2の位置に向けた前記テンショナの移動に応じて、前記第1のボールサブ組立体を軸方向に移動するように構成される、請求項5に記載の実装システム。
[請求項7]
前記負荷機構は、前記第1のボールサブ組立体に動作可能に取り付けられた駆動部を含み、
前記駆動部は、前記滅菌バリア組立体の前記結合部と回転係合して配置されるように構成される、請求項5に記載の実装システム。
[請求項8]
前記駆動部は、前記第2の位置に向けた前記テンショナの移動に応じて、前記駆動部の回転が前記第1のボールサブ組立体を軸方向に移動し、前記第1の実装部分と前記第2の実装部分との間にプリロード力を付与するように配置される、請求項7に記載の実装システム。
[請求項9]
前記負荷機構は、前記第2の位置に向けた前記テンショナの移動に応じて、前記第1のボールサブ組立体を軸方向に移動するように構成された負荷アクチュエータを含む、請求項8に記載の実装システム。
[請求項10]
前記負荷アクチュエータは、
前記第1のボールサブ組立体に動作可能に取り付けられた第1のハブと、
前記第1の実装板に動作可能に取り付けられた第2のハブと、
前記ハブ間に配置された複数のボールベアリングと、
前記第2の位置に向けた前記テンショナの移動に応じて前記ボールベアリングが沿って転動する前記ハブのうちの1つまたは複数に画定されたランプとを含む、請求項9に記載の実装システム。
[請求項11]
前記第2のハブに対する前記第1のハブの回転を検知するためのセンサを含む、請求項10に記載の実装システム。
[請求項12]
前記負荷機構は、2ミリメートル以下の軸方向圧縮に対してプリロード力が10%以下変化するような力対圧縮の関係で前記第2のハブと前記第1の実装板との間に作用するように配置および形状付けされた円錐形ばね座金を含む、請求項10に記載の実装システム。
[請求項13]
前記第2のハブおよび前記第1の実装板の各々は、円錐面を含み、
前記円錐形ばね座金は、前記円錐面に当接する内側および外側の側面を有する、請求項10に記載の実装システム。
[請求項14]
前記第2の実装部分は、前記滅菌バリア組立体の前記結合部に解除可能に固定されるように構成された第2のボールサブ組立体を含み、
前記テンショナは、前記結合部が前記第2の実装部分に解除可能に固定されているときに、前記滅菌バリア組立体の前記結合部と回転係合するように配置されたアクティベータを含む、請求項8に記載の実装システム。
[請求項15]
前記第2の実装部分は、第2の実装板を含み、
前記アクティベータは、前記第2の実装板に対して前記アクティベータが回転を抑制されるロック位置と、前記第2の実装板に対して前記アクティベータが回転できるロック解除位置と、の間で移動可能である、請求項14に記載の実装システム。
[請求項16]
前記ロック位置に向けて前記アクティベータを付勢する付勢要素を含み、
前記アクティベータは、前記結合部が前記アクティベータを前記ロック解除位置に付勢するように、前記滅菌バリア組立体に前記第2の実装部分を固定するときに前記結合部に係合するように配置される、請求項15に記載の実装システム。
[請求項17]
前記アクティベータは、前記アクティベータ、前記結合部、および前記駆動部が前記プリロード力を付与するために前記第1の実装板に対して同時に回転するように、前記第2の位置に向けた前記テンショナの移動に応じて回転するように構成される、請求項14に記載の実装システム。
[請求項18]
前記テンショナは、レバーと、前記レバーおよび前記アクティベータ間に力変換可能に介在されたアクティベータリンクとを更に含み、前記第2の実装部分が前記結合部に解除可能に固定されているときに、前記プリロード力を付与するために、前記第2の位置への前記テンショナの移動によって前記アクティベータを回転させて、前記結合部および前記駆動部を同時回転させる、請求項17に記載の実装システム。
[請求項19]
前記第2の実装部分は、第2の実装板を含み、
前記レバーは、前記第1の位置で前記第2の実装板から外方に延び、前記第2の位置で前記第2の実装板にはまり込む、請求項18に記載の実装システム。
[請求項20]
前記テンショナが前記第2の位置にあるときに前記レバーをロックするために前記レバーに動作可能に結合されるレバーロックを含む、請求項18に記載の実装システム。
[請求項21]
前記第1の実装部分に前記結合部を解除可能に固定するために、前記第1の実装部分と前記滅菌バリア組立体の前記結合部との間に介在するように構成された第1のロック組立体と、
前記テンショナが前記第1の位置にあるときに、前記結合部に前記第2の実装部分を解除可能に固定するために、前記結合部と前記第2の実装部分との間に介在するように構成された第2のロック組立体と、
を更に含む、請求項1に記載の実装システム。
[請求項22]
前記ロック組立体の各々は、
前記結合部および対応する前記実装部分の一方に動作可能に取り付けられたボールサブ組立体と、
前記ボールサブ組立体を受容するように形状付けされた、前記結合部および対応する前記実装部分の他方に画定されたボール戻り止めとを含む、請求項21に記載の実装システム。
[請求項23]
前記結合部は、前記滅菌バリア組立体が前記第1の実装部分に固定され、前記第2の実装部分が前記滅菌バリア組立体に固定されているときに、前記ボールサブ組立体の各々と連通して配設されるように構成される、請求項22に記載の実装システム。
[請求項24]
前記ロック組立体の前記ボール戻り止めの各々は、前記滅菌バリア組立体の前記結合部に画定される、請求項22に記載の実装システム。
[請求項25]
前記ロック組立体の各々は、1つの前記ボール戻り止めに受容された1つの前記ボールサブ組立体を固定するように配置された解除カラーを更に含む、請求項22に記載の実装システム。
[請求項26]
前記ロック組立体の前記解除カラーの各々は、前記滅菌バリア組立体に動作可能に取り付けられている、請求項25に記載の実装システム。
[請求項27]
前記ロック組立体の前記解除カラーは、互いに遠ざかるように軸方向に付勢される、請求項25に記載の実装システム。
[請求項28]
前記滅菌バリア組立体は、前記解除カラーを互いに遠ざかるように軸方向に付勢するために前記結合部および前記解除カラー間に力変換可能に介在されるカラー付勢要素を更に含む、請求項27に記載の実装システム。
[請求項29]
前記第2の実装部分は、前記第2の実装部分を前記結合部から解除するために1つの前記解除カラーを移動させるように動作可能である解除機構を含む、請求項27に記載の実装システム。
[請求項30]
前記解除機構は、解除アクチュエータと、前記第2の実装部分が前記滅菌バリア組立体に解除可能に取り付けられているときに前記解除アクチュエータと前記1つの解除カラーとの間に配置されるように構成された1つまたは複数の解除要素とを含み、前記解除アクチュエータの作動により、前記1つまたは複数の解除要素を移動させて、前記1つの解除カラーを変位させ、1つの前記ボールサブ組立体が1つの前記ボール戻り止めから取り外されるのを許容する、請求項29に記載の実装システム。
[請求項31]
前記テンショナは、前記第1および第2の位置間を移動可能なレバーを含み、
前記解除アクチュエータは、前記第2の位置への前記レバーの移動が少なくとも部分的に前記解除アクチュエータをカバーするように位置する、請求項30に記載の実装システム。
[請求項32]
前記第2の実装部分は、第2の実装板を含み、
前記解除機構は、前記解除アクチュエータと前記1つまたは複数の解除要素との間に力変換可能に介在される解除リンクを含み、前記1つまたは複数の解除要素を前記第2の実装板に対して休止位置から解除位置に移動させる、請求項30に記載の実装システム。
[請求項33]
前記解除リンクは、前記解除アクチュエータの作動に応じて前記1つまたは複数の解除要素を前記解除位置に移動させるように、前記1つまたは複数の解除要素に係合するように構成される、請求項32に記載の実装システム。
[請求項34]
前記滅菌バリア組立体は、インターフェースと、前記インターフェースに動作可能に取り付けられるドレープとを更に含む、請求項1に記載の実装システム。
[請求項35]
前記結合部および前記運動学的カプラは、前記インターフェースに動作可能に取り付けられる、請求項34に記載の実装システム。
[請求項36]
前記滅菌バリア組立体は、割出しフィンガを更に含み、
前記実装部分の少なくとも1つは、前記運動学的カプラを前記実装部分の少なくとも1つに対して整列させるために前記割出しフィンガを受容するように形状付けされた割出し凹部を画定する、請求項1に記載の実装システム。
[請求項37]
前記複数の運動学的カプラは、複数のボールとして更に画定される、請求項1に記載の実装システム。
[請求項38]
前記複数のボールは、前記外科用構成要素間の運動の前記6つの自由度を制約するように構成された3つのボールとして更に画定される、請求項37に記載の実装システム。
[請求項39]
前記第1の実装部分は、前記複数の運動学的カプラに係合するための第1の複数の接触面を含み、
前記第2の実装部分は、前記複数の運動学的カプラに係合するための第2の複数の接触面を含み、
前記接触面は、前記外科用構成要素間の運動の前記6つの自由度を制約するために、前記複数の運動学的カプラと協働するように形状付けされる、請求項38に記載の実装システム。
[請求項40]
前記第1の実装部分は、前記第1の複数の接触面を有する第1の複数の受容器を含み、
前記第2の実装部分は、前記第2の複数の接触面を有する第2の複数の受容器を含む、請求項39に記載の実装システム。
[請求項41]
前記第2の複数の接触面は、前記複数の運動学的カプラとの接触点を6つのみ提供するように構成される、請求項39に記載の実装システム。
[請求項42]
結合部と複数の運動学的カプラとを有する滅菌バリア組立体を介して外科用ロボットの第1の実装部分に解除可能に取り付けられるエンドエフェクタであって、
エネルギアプリケータを支持するためのハウジングと、
前記ハウジングに取り付けられ、第1の位置および第2の位置間で移動可能なテンショナを含む第2の実装部分とを含み、
前記第2の実装部分は、前記第2の実装部分の前記テンショナが前記第1の位置にあるときに、前記滅菌バリア組立体の前記結合部に解除可能に結合するように構成され、
前記第2の実装部分は、前記滅菌バリア組立体の前記複数の運動学的カプラに係合するための複数の接触面を含む、エンドエフェクタ。
[請求項43]
前記第2の実装部分は、前記滅菌バリア組立体の前記結合部に解除可能に固定するように構成されたボールサブ組立体を含み、
前記テンショナは、前記第2の実装部分が前記結合部に解除可能に固定されているときに、前記滅菌バリア組立体の前記結合部と回転係合するように配置されたアクティベータを含む、請求項42に記載のエンドエフェクタ。
[請求項44]
前記第2の実装部分は、第2の実装板を含み、
前記アクティベータは、前記第2の実装板に対して前記アクティベータが回転を抑制されるロック位置と、前記第2の実装板に対して前記アクティベータが回転できるロック解除位置と、の間で移動可能である、請求項43に記載のエンドエフェクタ。
[請求項45]
前記ロック位置に向けて前記アクティベータを付勢する付勢要素を含み、
前記アクティベータは、前記結合部が前記アクティベータを前記ロック解除位置に付勢するように、前記滅菌バリア組立体に前記第2の実装部分を固定するときに前記結合部に係合するように配置される、請求項44に記載のエンドエフェクタ。
[請求項46]
前記アクティベータは、前記第2の位置に向けた前記テンショナの移動に応答して回転するように構成される、請求項43に記載のエンドエフェクタ。
[請求項47]
前記テンショナは、レバーと、前記レバーおよび前記アクティベータ間に力変換可能に介在されるアクティベータリンクとを更に含む、請求項46に記載のエンドエフェクタ。
[請求項48]
前記第2の実装部分は、第2の実装板を含み、
前記レバーは、前記第1の位置で前記第2の実装板から外方に延び、前記第2の位置で前記第2の実装板にはまり込む、請求項47に記載のエンドエフェクタ。
[請求項49]
前記テンショナが前記第2の位置にあるときに前記レバーをロックするために前記レバーに動作可能に結合されるレバーロックを含む、請求項47に記載のエンドエフェクタ。
[請求項50]
前記第2の実装部分は、前記第2の実装部分を前記結合部から解除するように動作可能である解除機構を含む、請求項42に記載のエンドエフェクタ。
[請求項51]
前記解除機構は、解除アクチュエータと、1つまたは複数の解除要素とを含む、請求項50に記載のエンドエフェクタ。
[請求項52]
前記テンショナは、前記第1および第2の位置間を移動可能なレバーを含み、
前記解除アクチュエータは、前記第2の位置への前記レバーの移動が少なくとも部分的に前記解除アクチュエータをカバーするように設置されている、請求項51に記載のエンドエフェクタ。
[請求項53]
前記第2の実装部分は、第2の実装板を含み、
前記解除機構は、前記解除アクチュエータと前記1つまたは複数の解除要素との間に力変換可能に介在される解除リンクを含み、前記1つまたは複数の解除要素を前記第2の実装板に対して休止位置から解除位置に移動させる、請求項51に記載のエンドエフェクタ。
[請求項54]
前記解除リンクは、前記解除アクチュエータの作動に応じて前記1つまたは複数の解除要素を前記解除位置に移動させるように、前記1つまたは複数の解除要素に係合するように構成される、請求項53に記載のエンドエフェクタ。
[請求項55]
前記第2の実装部分は、前記運動学的カプラを前記第2の実装部分に対して整列させるために前記滅菌バリア組立体の割出しフィンガを受容するように形状付けされた割出し凹部を画定する、請求項42に記載のエンドエフェクタ。
[請求項56]
前記第2の実装部分は、前記複数の運動学的カプラに係合するための前記複数の接触面を有する複数の受容器を含み、
前記複数の接触面は、前記複数の運動学的カプラと協働するように形状付けされる、請求項42に記載のエンドエフェクタ。
[請求項57]
前記複数の接触面は、前記複数の運動学的カプラとの接触点を6つのみ提供するように構成される、請求項42に記載のエンドエフェクタ。
[請求項58]
第1の外科用構成要素の第1の実装部分、および、テンショナを有する第2の外科用構成要素の第2の実装部分に、解除可能に取り付けられる滅菌バリア組立体であって、
ドレープを受容するように構成されたインターフェースと、
前記インターフェースに動作可能に取り付けられ、前記第2の実装部分の前記テンショナが第1の位置にあるときに、前記第1の実装部分に解除可能に固定され前記第2の実装部分を解除可能に受容するように構成された結合部と、
前記インターフェースによって支持されて前記実装部分に係合するように構成され、前記第2の実装部分の前記テンショナが第2の位置にあるときに、前記外科用構成要素間の運動の6つの自由度を制約するように前記実装部分間に運動学的結合を提供するように配置された複数の運動学的カプラと
を含む、滅菌バリア組立体。
[請求項59]
前記結合部は、
前記第1の実装部分に解除可能に取り付けるための、第1のボールサブ組立体および第1のボール戻り止めの一方と、
前記第2の実装部分に解除可能に取り付けるための、第2のボールサブ組立体および第2のボール戻り止めの一方と
を含む、請求項58に記載の滅菌バリア組立体。
[請求項60]
前記結合部は、前記第1のボール戻り止めおよび前記第2のボール戻り止めを含む、請求項59に記載の滅菌バリア組立体。
[請求項61]
前記結合部のまわりに配置される解除カラーを含む、請求項60に記載の滅菌バリア組立体。
[請求項62]
前記解除カラーを軸方向に互いに遠ざかるように付勢するためのカラー付勢要素を含む、請求項61に記載の滅菌バリア組立体。
[請求項63]
前記実装部分の割出し凹部と嵌合するための、前記インターフェースから延びる割出しフィンガを含む、請求項58に記載の滅菌バリア組立体。
[請求項64]
前記複数の運動学的カプラは、複数のボールとして更に画定される、請求項58に記載の滅菌バリア組立体。
[請求項65]
前記複数のボールは、前記外科用構成要素間の運動の6つの自由度を制約するように構成された3つのボールとして更に画定される、請求項64に記載の滅菌バリア組立体。
[請求項66]
結合部と複数の運動学的カプラとを有する滅菌バリア組立体を介してエンドエフェクタの第2の実装部分を解除可能に受容する外科用ロボットであって、前記第2の実装部分は、第1の位置から第2の位置に移動可能なテンショナを有し、
前記外科用ロボットは、
前記滅菌バリア組立体を介して前記エンドエフェクタの前記第2の実装部分を解除可能に受容するように構成された第1の実装部分を有するロボットアームを含み、
前記第1の実装部分は、前記滅菌バリア組立体の前記複数の運動学的カプラに係合するための複数の接触面を含み、
前記第1の実装部分は、前記第1の位置から前記第2の位置への前記テンショナの移動時に、前記滅菌バリア組立体を通して前記第2の実装部分にプリロード力を付与するように構成された負荷機構を更に含む、外科用ロボット。
[請求項67]
前記負荷機構は、前記第2の位置に向けた前記テンショナの移動に応じて、前記第1の実装部分に対して前記第2の実装部分を付勢するように構成される、請求項66に記載の外科用ロボット。
[請求項68]
前記第1の実装部分は、前記滅菌バリア組立体の前記結合部に解除可能に固定するように構成された第1の実装板および第1のボールサブ組立体を更に含む、請求項66に記載の外科用ロボット。
[請求項69]
前記負荷機構は、前記第2の位置に向けた前記テンショナの移動に応じて、前記第1のボールサブ組立体を軸方向に移動させるように構成される、請求項68に記載の外科用ロボット。
[請求項70]
前記負荷機構は、前記第1のボールサブ組立体に動作可能に取り付けられた駆動部を含み、
前記駆動部は、前記滅菌バリア組立体が前記第1の実装部分に結合されているときに前記滅菌バリア組立体の前記結合部と回転係合して配置されるように構成される、請求項69に記載の外科用ロボット。
[請求項71]
前記駆動部は、前記第2の位置への前記テンショナの移動に応じて、前記駆動部の回転によって前記第1のボールサブ組立体を軸方向に移動させ、前記第1の実装部分と前記第2の実装部分との間に前記プリロード力を付与するように配置される、請求項70に記載の外科用ロボット。
[請求項72]
前記負荷機構は、前記第2の位置に向けた前記テンショナの移動に応じて、前記第1のボールサブ組立体を軸方向に移動させるように構成された負荷アクチュエータを含む、請求項69に記載の外科用ロボット。
[請求項73]
前記負荷アクチュエータは、
前記第1のボールサブ組立体に動作可能に取り付けられた第1のハブと、
前記第1の実装板に動作可能に取り付けられた第2のハブと、
前記ハブ間に配置された複数のボールベアリングと、
前記第2の位置に向けた前記テンショナの移動に応じて前記ボールベアリングが沿って転動する前記ハブのうちの1つまたは複数に画定されたランプとを含む、請求項72に記載の外科用ロボット。
[請求項74]
前記負荷機構は、前記第2のハブと前記第1の実装板との間に作用するように配置された付勢要素を含む、請求項73に記載の外科用ロボット。
[請求項75]
前記付勢要素は、円錐形ばね座金を含む、請求項74に記載の外科用ロボット。
[請求項76]
前記円錐形ばね座金は、2ミリメートル以下の圧縮に対して力の変化が10%以下となるような力対圧縮の関係を有するように配置および形状付けされる、請求項75に記載の外科用ロボット。
[請求項77]
前記第2のハブに対する前記第1のハブの回転を検知するためのセンサを含む、請求項73に記載の外科用ロボット。
[請求項78]
前記第1の実装部分は、前記複数の運動学的カプラに係合するために前記複数の接触面を有する第1の複数の受容器を含む、請求項66に記載の外科用ロボット。
[請求項79]
外科用構成要素に接続される第2の実装部分と、
滅菌バリア組立体と、
前記滅菌バリア組立体を介して前記滅菌バリア組立体および第1の実装部分を解除可能に受容するように構成された第1の実装部分を有するロボットアームを含む外科用ロボットと、
前記ロボットアームに結合された照明デバイスと、
1つまたは複数のセンサに結合された1つまたは複数の制御器と
を含み、前記制御器は、
前記1つまたは複数のセンサからの測定値を用いて、前記第1の実装部分への前記滅菌バリア組立体および前記第2の実装部分のうちの1つまたは複数の設置に関連する状態を検出し、
前記状態を使用者に表示するために前記照明デバイスを制御する
ように構成されている、
外科用システム。
[請求項80]
前記外科用構成要素は、エンドエフェクタとして更に画定され、
前記エンドエフェクタは、
エネルギアプリケータを支持するためのハウジングと、
前記ハウジングに取り付けられた前記第2の実装部分と
を含む、請求項79に記載の外科用システム。
[請求項81]
前記第2の実装部分は、第1の位置から第2の位置に移動可能なテンショナを含み、前記第2の位置に向けた前記テンショナの移動に応じて、前記第1の実装部分に対して前記第2の実装部分を付勢し、
前記1つまたは複数の制御器は、前記1つまたは複数のセンサからの測定値を用いて、前記第1の実装部分への前記第2の実装部分の設置に関連する前記状態を検出し、更に、
前記テンショナが前記第1の位置にあるという第1の状態を検出し、
前記第1の状態を前記使用者に表示するために、前記照明デバイスを第1の態様に制御し、
前記テンショナが前記第2の位置にあるという第2の状態を検出し、
前記第2の状態を前記使用者に表示するために、前記照明デバイスを第2の態様に制御する
ように構成されている、請求項79に記載の外科用システム。
[請求項82]
前記滅菌バリア組立体は、結合部と複数の運動学的カプラとを更に含み、
前記第1の実装部分は、
前記滅菌バリア組立体の前記複数の運動学的カプラに係合するための複数の接触面と、
前記第1の位置から前記第2の位置への前記テンショナの移動時に前記滅菌バリア組立体を通して前記第2の実装部分にプリロード力を付与するように構成された負荷機構と、
前記滅菌バリア組立体の前記結合部に解除可能に固定するように構成された第1の実装板および第1のボールサブ組立体とを含み、
前記負荷機構は、前記第2の位置に向けた前記テンショナの移動に応じて、前記第1のボールサブ組立体を軸方向に移動させるように構成された負荷アクチュエータを含み、
前記負荷アクチュエータは、
前記第1のボールサブ組立体に動作可能に取り付けられた第1のハブと、
前記第1の実装板に動作可能に取り付けられた第2のハブと、
前記ハブ間に配置された複数のボールベアリングと、
前記第2の位置に向けた前記テンショナの移動に応じて前記ボールベアリングが沿って転動する前記ハブのうちの1つまたは複数に画定されたランプとを含み、
前記1つまたは複数の制御器は、
前記第2のハブに対する前記第1のハブの第1の位置または回転量を、前記1つまたは複数のセンサからの測定値を用いて更に検出することによって、前記テンショナが前記第1の位置にあるという前記第1の状態を検出し、
前記第2のハブに対する前記第1のハブの第2の位置または回転量を、前記1つまたは複数のセンサからの測定値を用いて更に検出することによって、前記テンショナが前記第2の位置にあるという前記第2の状態を検出する
ように構成される、請求項81に記載の外科用システム。
[請求項83]
前記1つまたは複数の制御器は、
前記テンショナの第1の位置または移動を、前記1つまたは複数のセンサからの測定値を用いて更に検出することによって、前記テンショナが前記第1の位置にあるという前記第1の状態を検出し、
前記テンショナの第2の位置または移動を、前記1つまたは複数のセンサからの測定値を用いて更に検出することによって、前記テンショナが前記第2の位置にあるという前記第2の状態を検出する
ように構成される、請求項81に記載の外科用システム。
[請求項84]
前記照明デバイスは、前記第1の態様において第1の色を射出し、
前記照明デバイスは、前記第2の態様において前記第1の色とは異なる第2の色を射出する、請求項81に記載の外科用システム。
[請求項85]
前記照明デバイスは、前記第1の態様において不作動であるように制御され、
前記照明デバイスは、前記第2の態様において作動して光を射出するように制御される、請求項81に記載の外科用システム。
[請求項86]
前記照明デバイスは、前記第1の実装部分に隣接して前記ロボットアームに配設される、請求項79に記載の外科用システム。
[請求項87]
前記照明デバイスは、前記ロボットアームの外面を取り囲む環状構成を有する、請求項79に記載の外科用システム。
[請求項88]
前記滅菌バリア組立体は、前記第1の実装部分に解除可能に固定するように構成された結合部を有し、
前記1つまたは複数の制御器は、前記1つまたは複数のセンサからの測定値を用いて、前記第1の実装部分への前記滅菌バリア組立体の設置に関連する前記状態を検出し、更に、
前記滅菌バリア組立体の前記結合部が前記第1の実装部分に固定されるという第1の状態を検出し、
前記第1の状態を前記使用者に表示するために、前記照明デバイスを第1の態様に制御し、
前記滅菌バリア組立体の前記結合部が前記第1の実装部分に非固定であるという第2の状態を検出し、
前記第2の条件を前記使用者に表示するために、前記照明デバイスを第2の態様に制御する
ように構成されている、請求項79に記載の外科用システム。
[請求項89]
外科用構成要素に関連する第2の実装部分と、
滅菌バリア組立体と、
前記滅菌バリア組立体を介して前記滅菌バリア組立体および第1の実装部分を解除可能に受容するように構成された第1の実装部分を有するロボットアームを含む外科用ロボットと、
前記ロボットアームに結合された照明デバイスと、
1つまたは複数のセンサに結合された1つまたは複数の制御器と
を含む外科用システムを動作させる方法であって、
前記方法は、前記1つまたは複数の制御器を含み、
前記1つまたは複数のセンサからの測定値を用いて、前記第1の実装部分への前記滅菌バリア組立体および前記第2の実装部分のうちの1つまたは複数の設置に関連する状態を検出することと、
前記状態を使用者に表示するために前記照明デバイスを制御することと、を含む方法。
[請求項90]
前記第2の実装部分は、第1の位置から第2の位置に移動可能なテンショナを含み、前記第2の位置に向けた前記テンショナの移動に応じて、前記第1の実装部分に対して前記第2の実装部分を付勢し、
前記方法は、前記1つまたは複数の制御器を含み、更に、
前記1つまたは複数のセンサからの測定値を用いて、前記第1の実装部分への前記第2の実装部分の設置に関連する前記状態を検出することを含み、これは、
前記テンショナが前記第1の位置にあるという第1の状態を検出することと、
前記第1の状態を前記使用者に表示するために、前記照明デバイスを第1の態様に制御することと、
前記テンショナが前記第2の位置にあるという第2の状態を検出することと、
前記第2の状態を前記使用者に表示するために、前記照明デバイスを第2の態様に制御することと
を含む、請求項89に記載の方法。
[請求項91]
前記滅菌バリア組立体は、結合部と複数の運動学的カプラとを更に含み、
第1の実装部分は、
前記滅菌バリア組立体の前記複数の運動学的カプラに係合するための複数の接触面と、
前記第1の位置から前記第2の位置への前記テンショナの移動時に前記滅菌バリア組立体を通して前記第2の実装部分にプリロード力を付与するように構成された負荷機構と、
前記滅菌バリア組立体の前記結合部に解除可能に固定するように構成された第1の実装板および第1のボールサブ組立体とを含み、
前記負荷機構は、前記第2の位置に向けた前記テンショナの移動に応じて、前記第1のボールサブ組立体を軸方向に移動させるように構成された負荷アクチュエータを含み、
前記負荷アクチュエータは、
前記第1のボールサブ組立体に動作可能に取り付けられた第1のハブと、
前記第1の実装板に動作可能に取り付けられた第2のハブと、
前記ハブ間に配置された複数のボールベアリングと、
前記第2の位置に向けた前記テンショナの移動に応じて前記ボールベアリングが沿って転動する前記ハブのうちの1つまたは複数に画定されたランプとを含み、
前記方法は、前記1つまたは複数の制御器を含み、更に、
前記第2のハブに対する前記第1のハブの第1の位置または回転量を、前記1つまたは複数のセンサからの測定値を用いて更に検出することによって、前記テンショナが前記第1の位置にあるという前記第1の状態を検出することと、
前記第2のハブに対する前記第1のハブの第2の位置または回転量を、前記1つまたは複数のセンサからの測定値を用いて更に検出することによって、前記テンショナが前記第2の位置にあるという前記第2の状態を検出することと
を含む、請求項90に記載の方法。
[請求項92]
前記1つまたは複数の制御器を含み、更に、
前記テンショナの第1の位置または移動を、前記1つまたは複数のセンサからの測定値を用いて更に検出することによって、前記テンショナが前記第1の位置にあるという前記第1の状態を検出することと、
前記テンショナの第2の位置または移動を、前記1つまたは複数のセンサからの測定値を用いて更に検出することによって、前記テンショナが前記第2の位置にあるという前記第2の状態を検出することと
を含む、請求項90に記載の方法。
[請求項93]
前記1つまたは複数の制御器を含み、更に、
第1の色を射出するように前記照明デバイスを前記第1の態様に制御することと、
前記第1の色とは異なる第2の色を射出するように前記照明デバイスを前記第2の態様に制御することと
を含む、請求項90に記載の方法。
[請求項94]
前記1つまたは複数の制御器を含み、更に、
前記照明デバイスを前記第1の態様において不作動であるように制御することと、
前記照明デバイスを前記第2の態様において作動して光を射出するように制御することと
を含む、請求項90に記載の方法。
[請求項95]
前記滅菌バリア組立体は、前記第1の実装部分に解除可能に固定するように構成された結合部を有し、
前記方法は、前記1つまたは複数の制御器を含み、更に、
前記1つまたは複数のセンサからの測定値を用いて、前記第1の実装部分への前記滅菌バリア組立体の設置に関連する前記状態を検出することを含み、これは、
前記滅菌バリア組立体の前記結合部が前記第1の実装部分に固定されているという第1の条件を検出することと、
前記第1の条件を前記使用者に表示するために、前記照明デバイスを第1の態様に制御することと、
前記滅菌バリア組立体の前記結合部が前記第1の実装部分に非固定であるという第2の状態を検出することと、
前記第2の条件を前記使用者に表示するために、前記照明デバイスを第2の態様に制御することと
を含む、請求項89に記載の方法。
【外国語明細書】