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特開2024-161424パターン化されたリチウム系遷移金属酸化物を有するディスプレイデバイスを加工する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161424
(43)【公開日】2024-11-19
(54)【発明の名称】パターン化されたリチウム系遷移金属酸化物を有するディスプレイデバイスを加工する方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/18 20060101AFI20241112BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20241112BHJP
   G02B 27/02 20060101ALI20241112BHJP
   C03C 15/00 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
G02B5/18
G09F9/00 361
G09F9/00 338
G09F9/00 357
G02B27/02 Z
C03C15/00 A
C03C15/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024127729
(22)【出願日】2024-08-02
(62)【分割の表示】P 2021552593の分割
【原出願日】2020-03-11
(31)【優先権主張番号】62/817,393
(32)【優先日】2019-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 W SUNRISE BLVD,PLANTATION,FL 33322 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】マウロ メッリ
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ ぺロス
(72)【発明者】
【氏名】メラニー マプトル ウエスト
(57)【要約】
【課題】好適なパターン化されたリチウム系遷移金属酸化物を有するディスプレイデバイスを加工する方法を提供すること。
【解決手段】本開示は、概して、ディスプレイシステムに関し、より具体的には、拡張現実ディスプレイシステムおよびそれを加工する方法に関する。ディスプレイデバイスを加工する方法は、リチウム(Li)系酸化物を含む、基板を提供するステップと、エッチングマスクパターンを形成し、基板の領域を暴露するステップとを含む。本方法は、加えて、CHFを含むガス混合物を使用して、基板の暴露された領域をプラズマエッチングし、回折光学要素を形成するステップと含み、回折光学要素は、その上に入射する可視光を回折するように構成される、Li系酸化物特徴を備える。
【選択図】図10B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、その内容が参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2019年3月12日に出願され、「METHOD OF FABRICATING DISPLAY DEVICE HAVING PATTERNED LITHIUM-BASED TRANSITION METAL OXIDE」と題された、米国仮特許出願第62/817,393号の優先権の利益を主張する。
【0002】
(参照による組み込み)
本願は、参照することによって、以下の特許出願、すなわち、2014年11月27日に出願され、2015年7月23日に米国特許公開第2015/0205126号として公開された、米国特許出願第14/555,585号、2015年4月18日に出願され、2015年10月22日に米国特許公開第2015/0302652号として公開された、米国特許出願第14/690,401号、2014年3月14日に出願され、現米国特許第9,417,452号である、2016年8月16日に発行された、米国特許出願第14/212,961号、2014年7月14日に出願され、2015年10月29日に米国特許公開第2015/0309263号として公開された、米国特許出願第14/331,218号のそれぞれの全体を組み込む。
【0003】
(分野)
本開示は、ディスプレイシステムに関し、より具体的には、拡張および仮想現実ディスプレイシステムに関する。
【背景技術】
【0004】
(関連技術の説明)
現代のコンピューティングおよびディスプレイ技術は、いわゆる「仮想現実」または「拡張現実」体験のためのシステムの開発を促進しており、デジタル的に再現された画像またはその一部が、現実であるように見える、またはそのように知覚され得る様式で、ユーザに提示される。仮想現実、すなわち、「VR」シナリオは、典型的には、他の実際の実世界の視覚的入力に対する透過性を伴わずに、デジタルまたは仮想画像情報の提示を伴い、拡張現実、すなわち、「AR」シナリオは、典型的には、ユーザの周囲の実際の世界の可視化に対する拡張としてのデジタルまたは仮想画像情報の提示を伴う。複合現実または「MR」シナリオは、一種のARシナリオであって、典型的には、自然世界の中に統合され、それに応答する、仮想オブジェクトを伴う。例えば、MRシナリオでは、AR画像コンテンツは、実世界内のオブジェクトによって遮断されて見える、または別様にそれと相互作用するように知覚される。
【0005】
図1を参照すると、拡張現実場面10が、描写され、AR技術のユーザには、人々、木々、背景における建物、コンクリートプラットフォーム30を特徴とする、実世界公園状設定20が見える。これらのアイテムに加え、AR技術のユーザはまた、これらの要素40、50が実世界には存在しないにもかかわらず、実世界プラットフォーム30上に立っているロボット像40と、マルハナバチの擬人化のように見える、飛んでいる漫画のようなアバタキャラクタ50等の「仮想コンテンツ」が「見える」と知覚する。ヒトの視知覚系は、複雑であって、他の仮想または実世界画像要素の中で仮想画像要素の快適で、自然な感覚で、かつ豊かな提示を促進する、AR技術を生成することは、困難である。
【0006】
本明細書に開示されるシステムおよび方法は、ARまたはVR技術に関連する種々の課題に対処する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
故に、本明細書に開示される多数のデバイス、システム、構造、および方法は、概して、ディスプレイシステム、より具体的には、拡張現実ディスプレイシステムおよびそれを加工する方法を対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
例えば、例示的ディスプレイデバイスを加工する方法は、リチウム(Li)系酸化物を含む基板を提供するステップと、エッチングマスクパターンを形成し、基板の領域を暴露するステップとを含む。本方法は、加えて、CHFを含むガス混合物を使用して、基板の暴露された領域をプラズマエッチングし、回折光学要素を形成するステップを含み、回折光学要素は、その上に入射する可視光を回折するように構成される、Li系酸化物特徴を備える。
【0009】
ディスプレイデバイスを加工する別の例示的方法は、リチウム(Li)系酸化物を含む基板を提供するステップと、基板の暴露された領域を備える、エッチングマスクパターンを形成するステップとを含む。本方法は、加えて、CHFおよびHを含むガス混合物を使用して、基板の暴露された領域をプラズマエッチングし、パターン化されたLi系酸化物構造を形成するステップを含む。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
ディスプレイデバイスを加工する方法であって、前記方法は、
リチウム(Li)系酸化物を含む基板を提供することと、
エッチングマスクパターンを形成し、前記基板の領域を暴露することと、
CHFを含むガス混合物を使用して、前記基板の暴露された領域をプラズマエッチングし、回折光学要素を形成することと
を含み、
前記回折光学要素は、その上に入射する可視光を回折するように構成されるLi系酸化物特徴を備える、方法。
(項目2)
前記回折光学要素は、回折格子を備える、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記エッチングマスクパターンは、前記Li系酸化物特徴が側方方向に周期的に繰り返されるように、周期的に前記基板を暴露する、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記ガス混合物はさらに、Hおよび不活性ガスを含む、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記ガス混合物中のCHF対Hの体積の比は、10:1~1:10の範囲内である、項目4に記載の方法。
(項目6)
前記ガス混合物中の不活性ガスは、前記ガス混合物の総体積に基づく10%~90%の範囲内である、項目4に記載の方法。
(項目7)
前記ガス混合物は、H、CHF、およびArから本質的に成る、項目4に記載の方法。
(項目8)
前記プラズマエッチングすることは、1nm/分~30nm/分のレートでエッチングすることを含む、項目1に記載の方法。
(項目9)
前記プラズマエッチングすることは、二重RF周波数によって生成されたプラズマを使用してエッチングすることを含む、項目1に記載の方法。
(項目10)
前記プラズマエッチングすることは、50W~500Wの範囲内のRF電力によって生成されたプラズマを使用してエッチングすることを含む、項目1に記載の方法。
(項目11)
前記プラズマエッチングすることは、10mTorr~50mTorrの圧力で反応チャンバ内でエッチングすることを含む、項目1に記載の方法。
(項目12)
前記プラズマエッチングすることは、1:0.1~1:5のエッチングレート選択性比率で前記基板を前記エッチングマスクパターンに対して選択的にエッチングすることを含む、項目1に記載の方法。
(項目13)
前記エッチングマスクパターンを形成することは、リソグラフィ技法を使用して形成することを含む、項目1-12のいずれか1項に記載の方法。
(項目14)
前記エッチングマスクパターンを形成することは、ナノインプリント技法を使用して形成することを含む、項目1-12のいずれか1項に記載の方法。
(項目15)
前記エッチングマスクパターンは、フォトレジスト、誘電材料、金属、または合成材料から形成される、項目1-12のいずれか1項に記載の方法。
(項目16)
前記エッチングマスクパターンは、金属または金属合金から形成される、項目1-12のいずれか1項に記載の方法。
(項目17)
水酸化アンモニウム、過酸化水素、および水を含む溶液中において、プラズマエッチングに続いて、前記基板を湿式洗浄することをさらに含む、項目1-12のいずれか1項に記載の方法。
(項目18)
前記Li系酸化物特徴は、2.0を上回る屈折率を有する、項目1-12のいずれか1項に記載の方法。
(項目19)
前記Li系酸化物特徴は、ニオブ酸リチウムまたはタンタル酸リチウムを含む、項目1-12のいずれか1項に記載の方法。
(項目20)
前記Li系酸化物特徴は、10nm~200nmの高さを有する、項目1-12のいずれか1項に記載の方法。
(項目21)
前記Li系酸化物特徴は、200nm~1μmの範囲内のピッチで周期的に繰り返される、項目1-12のいずれか1項に記載の方法。
(項目22)
前記Li系酸化物特徴は、0.1~0.9のデューティサイクルを有する、項目1-12のいずれか1項に記載の方法。
(項目23)
前記回折光学要素を形成することは、可視光を前記可視光の方向に交差する側方方向に誘導するように構成される導波管上に形成することを含む、項目1-12のいずれか1項に記載の方法。
(項目24)
前記回折光学要素を形成することは、前記Li系酸化物を含む導波管上に形成することを含む、項目1-12のいずれか1項に記載の方法。
(項目25)
前記回折光学要素は、導波管を備える前記基板上に形成され、前記導波管は、モノリシックに統合された構造として、前記回折光学要素と統合される、項目1-12のいずれか1項に記載の方法。
(項目26)
前記回折光学要素は、導波管上に形成され、前記導波管は、前記Li系酸化物と異なる材料を含む、項目1-12のいずれか1項に記載の方法。
(項目27)
前記回折光学要素は、光を導波管の中に結合するための導波管としての役割を果たす前記基板上に形成される内部結合光学要素としての役割を果たす、項目1-12のいずれか1項に記載の方法。
(項目28)
前記回折光学要素は、光を前記導波管から外に結合するための導波管としての役割を果たす前記基板上に形成される外部結合光学要素としての役割を果たす、項目1-12のいずれか1項に記載の方法。
(項目29)
前記回折光学要素は、前記回折光学要素によって内部結合または外部結合される可視スペクトル内の任意の波長を有する可視光を誘導するように構成される導波管を備える前記基板上に形成される、項目1-12のいずれか1項に記載の方法。
(項目30)
前記回折光学要素は、全内部反射を介して、前記回折光学要素によって内部結合されるかまたはそれを通して外部結合される可視光を誘導するように構成される導波管を備える前記基板上に形成される、項目1-12のいずれか1項に記載の方法。
(項目31)
ディスプレイデバイスを加工する方法であって、前記方法は、
リチウム(Li)系酸化物を含む基板を提供することと、
前記基板の暴露された領域を備えるエッチングマスクパターンを形成することと、
CHFおよびHを含むガス混合物を使用して、前記基板の暴露された領域をプラズマエッチングし、パターン化されたLi系酸化物構造を形成することと
を含む、方法。
(項目32)
前記ガス混合物中のCHF対Hの比は、10:1~1:10の範囲内である、項目31に記載の方法。
(項目33)
前記ガス混合物の総体積の10%~90%の範囲内の不活性ガスを前記ガス混合物中にさらに含む、項目31に記載の方法。
(項目34)
前記プラズマエッチングすることは、1nm/分~30nm/分のレートでエッチングすることを含む、項目31に記載の方法。
(項目35)
前記プラズマエッチングすることは、誘導結合プラズマ反応器内でエッチングすることを含む、項目31に記載の方法。
(項目36)
前記プラズマエッチングすることは、50W~500Wの範囲内の誘導RF電力によって生成されたプラズマを印加することを含む、項目31に記載の方法。
(項目37)
前記プラズマエッチングすることはさらに、50W~500Wの範囲内のRF電力を前記基板に印加することを含む、項目31に記載の方法。
(項目38)
前記プラズマエッチングすることは、10mTorr~50mTorrの範囲内の圧力で反応チャンバ内でエッチングすることを含む、項目31に記載の方法。
(項目39)
前記プラズマエッチングすることは、1:0.1~0.1:1の範囲内のエッチングレート選択性比率で前記エッチングマスクパターンに対して前記基板を選択的にエッチングすることを含む、項目31に記載の方法。
(項目40)
前記エッチングマスクパターンは、前記プラズマエッチングすることが側方方向に周期的に繰り返されるLi系酸化物特徴を備える回折格子を形成するように、前記基板の領域を周期的に暴露する、項目31に記載の方法。
(項目41)
前記回折格子は、導波管を備える前記基板上に形成され、前記導波管は、モノリシック構造として、前記回折格子と統合される、項目40に記載の方法。
(項目42)
前記回折格子は、導波管上に形成され、前記導波管は、前記Li系酸化物と異なる材料を含む、項目40-42のいずれか1項に記載の方法。
(項目43)
前記回折格子は、導波管を備える前記基板上に形成される内部結合光学要素または外部結合光学要素を備える、項目40-42のいずれか1項に記載の方法。
(項目44)
前記回折格子は、前記回折格子によって内部結合または外部結合される可視スペクトル内の波長を有する可視光を誘導するように構成される導波管を備える前記基板上に形成される、項目40-42のいずれか1項に記載の方法。
(項目45)
前記回折格子は、全内部反射を介して前記回折格子によって内部結合されるまたはそれを通して外部結合される可視光を誘導するように構成される導波管を備える前記基板上に形成される、項目40-42のいずれか1項に記載の方法。
(項目46)
前記パターン化されたLi系酸化物構造は、基点マーカ、縁特徴、接着コーティング、およびスペーサのうちの1つ以上のものを備える、項目31に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、ARデバイスを通した拡張現実(AR)のユーザのビューを図示する。
【0011】
図2図2は、ユーザのための3次元画像をシミュレートするための従来のディスプレイシステムを図示する。
【0012】
図3図3A-3Cは、曲率半径と焦点半径との間の関係を図示する。
【0013】
図4A図4Aは、ヒト視覚系の遠近調節(accommodation)-輻輳・開散運動(vergence)応答の表現を図示する。
【0014】
図4B図4Bは、一対のユーザの眼の異なる遠近調節状態および輻輳・開散運動状態の実施例を図示する。
【0015】
図4C図4Cは、ディスプレイシステムを介してコンテンツを視認しているユーザの上下図の表現の実施例を図示する。
【0016】
図4D図4Dは、ディスプレイシステムを介してコンテンツを視認しているユーザの上下図の表現の別の実施例を図示する。
【0017】
図5図5は、波面発散を修正することによって3次元画像をシミュレートするためのアプローチの側面を図示する。
【0018】
図6図6は、画像情報をユーザに出力するための導波管スタックの実施例を図示する。
【0019】
図7図7は、導波管によって出力された出射ビームの実施例を図示する。
【0020】
図8図8は、スタックされた導波管アセンブリの実施例を図示し、各深度平面は、複数の異なる原色を使用して形成される画像を含む。
【0021】
図9A図9Aは、それぞれ、内部結合光学要素を含む、スタックされた導波管のセットの実施例の断面側面図を図示する。
【0022】
図9B図9Bは、図9Aの複数のスタックされた導波管の実施例の斜視図を図示する。
【0023】
図9C図9Cは、図9Aおよび9Bの複数のスタックされた導波管の実施例の上下平面図を図示する。
【0024】
図9D図9Dは、ウェアラブルディスプレイシステムの実施例を図示する。
【0025】
図10A図10Aは、導波管の視野(FOV)Δαを示す、その上に配置される回折格子を有する、導波管の断面図を図示する。
【0026】
図10B図10Bは、Li系酸化物を含むその上に配置される回折格子を有する、導波管の一部の断面図を図式的に図示する。
【0027】
図10C図10Cは、Li系酸化物を含むその上に配置される回折格子を有する、導波管の一部の断面図を図式的に図示する。
【0028】
図11図11は、周期的に繰り返されるLi系酸化物構造を加工する方法を図式的に図示する。
【0029】
図12図12A-12Cは、周期的に繰り返されるLi系酸化物構造を加工するために、フォトリソグラフィプロセスを使用してエッチングマスクパターンを形成する種々の段階における中間構造の断面図である。
【0030】
図13図13A-13Cは、周期的に繰り返されるLi系酸化物構造を加工するために、ナノインプリントプロセスを使用してエッチングマスクパターンを形成する種々の段階における中間構造の断面図である。
【0031】
図14図14は、周期的に繰り返されるLi系酸化物構造を加工するために構成される、プラズマ反応器を図式的に図示する。
【0032】
図15図15は、図12A-12Cまたは図13A-13Cに図示される方法に従って形成されるエッチングマスクを使用して、Li系酸化物基板をエッチングし、Li系酸化物特徴を形成した後の中間構造の断面図である。
【0033】
図16図16A-16Dは、CHFを含むプラズマを使用して、エッチングマスクパターンを形成し、Li系酸化物基板をエッチングした後の中間構造の断面走査電子顕微鏡写真である。
【0034】
図17図17は、HおよびCHFを含むプラズマを使用して、エッチングマスクパターンを形成し、Li系酸化物基板をエッチングした後の中間構造の断面走査電子顕微鏡写真である。
【0035】
図18図18は、HおよびCHFを含むプラズマを使用して、エッチングマスクパターンを形成し、Li系酸化物基板をエッチングした後の中間構造の断面走査電子顕微鏡写真である。
【0036】
図19A図19Aは、HおよびCHFを含むプラズマを使用して、エッチングマスクパターンを形成し、Li系酸化物基板をエッチングした後の中間構造の断面走査電子顕微鏡写真である。
【0037】
図19B図19Bは、ドライエッチングされた状態のままにおける、図19Aに示される中間構造の平面走査電子顕微鏡写真である。
【0038】
図19C図19Cは、湿式洗浄後の、図19Bに示される中間構造の平面走査電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図面全体を通して、参照番号は、参照される要素間の対応を示すために再使用され得る。図面は、本明細書に説明される例示的実施形態を図示するために提供され、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【0040】
ARシステムは、依然として、ユーザに彼らの周囲の世界が見えることを可能にしながら、仮想コンテンツをユーザまたは視認者に表示し得る。好ましくは、本コンテンツは、例えば、画像情報をユーザの眼に投影する、アイウェアの一部としての頭部搭載型ディスプレイ上に表示される。加えて、ディスプレイはまた、周囲環境からの光をユーザの眼に透過させ、その周囲環境のビューを可能にしてもよい。本明細書で使用されるように、「頭部搭載型」または「頭部搭載可能である」ディスプレイは、視認者またはユーザの頭部上に搭載され得る、ディスプレイであることを理解されたい。
【0041】
いくつかのARシステムでは、比較的に高視野(FOV)を有する、仮想/拡張/複合ディスプレイは、視認体験を向上させ得る。ディスプレイのFOVは、それを通して視認者にその眼の中に投影された画像が見える、接眼レンズの導波管によって出力された光の角度に依存する。比較的に高屈折率、例えば、2.0以上の屈折率を有する、導波管は、比較的に高FOVを提供することができる。しかしながら、光を高屈折率導波管の中に効率的に結合するために、回折光学結合要素もまた、対応して、高屈折率を有するべきである。本目標を達成するために、利点の中でもとりわけ、本明細書に説明される実施形態による、ARシステムのためのいくつかのディスプレイは、比較的に高屈折率(例えば、2.0を上回るまたはそれに等しい)材料を含む導波管を含み、導波管は、対応して高屈折率を伴う、その上に形成される回折格子を有し、例えば、回折格子は、Li系酸化物から形成される。例えば、回折格子は、Li系酸化物から形成される導波管の表面部分をパターン化することによって、直接、Li系酸化物導波管上に形成されてもよい。
【0042】
有利なこととして、そのような回折格子を加工するために、Li系酸化物を含む回折格子を加工する方法は、エッチングマスクパターンを使用して、Li系酸化物を含む下層基板を周期的に暴露し、基板の暴露された領域が、表面に形成されるLi系酸化物特徴を有する、パターン化されたLi系酸化物構造を形成するようにエッチングされるように、プラズマエッチング条件下、CHFを含むガス混合物中でプラズマエッチングするステップを含む。種々の実施形態によると、パターン化されたLi系酸化物特徴は、結果として生じる構造が、その上に入射する光を比較的に広FOVで回折することによって、光を内部結合または外部結合し得る、回折格子として構成され得るように、空間によって分離され、側方方向に周期的に繰り返される、ラインを含むことができる。
【0043】
ここで、図を参照するが、同様の参照番号は、全体を通して同様の部分を指す。別様に示されない限り、図面は、概略であって、必ずしも、正確な縮尺で描かれていない。
【0044】
図2は、ユーザのための3次元画像をシミュレートするための従来のディスプレイシステムを図示する。ユーザの眼は、離間されており、空間内の実オブジェクトを見ているとき、各眼は、オブジェクトの若干異なるビューを有し、オブジェクトの画像を各眼の網膜上の異なる場所に形成し得ることを理解されたい。これは、両眼視差と称され得、ヒト視覚系によって、深度の知覚を提供するために利用され得る。従来のディスプレイシステムは、仮想オブジェクトが所望の深度における実オブジェクトであるように各眼によって見えるであろう仮想オブジェクトのビューに対応する、眼210、220毎に1つの同一仮想オブジェクトの若干異なるビューを伴う2つの明確に異なる画像190、200を提示することによって、両眼視差をシミュレートする。これらの画像は、ユーザの視覚系が深度の知覚を導出するために解釈し得る、両眼キューを提供する。
【0045】
図2を継続して参照すると、画像190、200は、z-軸上で距離230だけ眼210、220から離間される。z-軸は、その眼が視認者の直前の光学無限遠におけるオブジェクトを固視している状態の視認者の光学軸と平行である。画像190、200は、平坦であって、眼210、220から固定距離にある。それぞれ、眼210、220に提示される画像内の仮想オブジェクトの若干異なるビューに基づいて、眼は、必然的に、オブジェクトの画像が眼のそれぞれの網膜上の対応する点に来て、単一両眼視を維持するように回転し得る。本回転は、眼210、220のそれぞれの視線を仮想オブジェクトが存在するように知覚される空間内の点上に収束させ得る。その結果、3次元画像の提供は、従来、ユーザの眼210、220の輻輳・開散運動を操作し得、ヒト視覚系が深度の知覚を提供するように解釈する、両眼キューを提供することを伴う。
【0046】
しかしながら、深度の現実的かつ快適な知覚の生成は、困難である。眼からの異なる距離におけるオブジェクトからの光は、異なる発散量を伴う波面を有することを理解されたい。図3A-3Cは、距離と光線の発散との間の関係を図示する。オブジェクトと眼210との間の距離は、減少距離R1、R2、およびR3の順序で表される。図3A-3Cに示されるように、光線は、オブジェクトまでの距離が減少するにつれてより発散する。逆に言えば、距離が増加するにつれて、光線は、よりコリメートされる。換言すると、点(オブジェクトまたはオブジェクトの一部)によって生成されるライトフィールドは、点がユーザの眼から離れている距離の関数である、球状波面曲率を有すると言え得る。曲率が増加すると、オブジェクトと眼210の間の距離が減少する。単眼210のみが、例証を明確にするために、図3A-3Cおよび本明細書の種々の他の図に図示されるが、眼210に関する議論は、視認者の両眼210および220に適用され得る。
【0047】
図3A-3Cを継続して参照すると、視認者の眼が固視しているオブジェクトからの光は、異なる波面発散度を有し得る。異なる波面発散量に起因して、光は、眼の水晶体によって異なるように集束され得、これは、ひいては、水晶体に、異なる形状をとり、集束された画像を眼の網膜上に形成することを要求し得る。集束された画像が、網膜上に形成されない場合、結果として生じる網膜ぼけは、集束された画像が網膜上に形成されるまで、眼の水晶体の形状に変化を生じさせる、遠近調節のためのキューとして作用する。例えば、遠近調節のためのキューは、眼の水晶体を囲繞する毛様筋の弛緩または収縮を誘起し、それによって、レンズを保持する提靭帯に印加される力を変調し、したがって、固視されているオブジェクトの網膜ぼけが排除または最小限にされるまで、眼の水晶体の形状を変化させ、それによって、固視されているオブジェクトの集束された画像を眼の網膜(例えば、中心窩)上に形成し得る。眼の水晶体が形状を変化させるプロセスは、遠近調節と称され得、固視されているオブジェクトの集束された画像を眼の網膜(例えば、中心窩)上に形成するために要求される眼の水晶体の形状は、遠近調節状態と称され得る。
【0048】
ここで図4Aを参照すると、ヒト視覚系の遠近調節-輻輳・開散運動応答の表現が、図示される。オブジェクトを固視するための眼の移動は、眼にオブジェクトからの光を受け取らせ、光は、画像を眼の網膜のそれぞれ上に形成する。網膜上に形成される画像内の網膜ぼけの存在は、遠近調節のためのキューを提供し得、網膜上の画像の相対的場所は、輻輳・開散運動のためのキューを提供し得る。遠近調節するためのキューは、遠近調節を生じさせ、眼の水晶体がオブジェクトの集束された画像を眼の網膜(例えば、中心窩)上に形成する特定の遠近調節状態をとる結果をもたらす。一方、輻輳・開散運動のためのキューは、各眼の各網膜上に形成される画像が単一両眼視を維持する対応する網膜点にあるように、輻輳・開散運動移動(眼の回転)を生じさせる。これらの位置では、眼は、特定の輻輳・開散運動状態をとっていると言え得る。図4Aを継続して参照すると、遠近調節は、眼が特定の遠近調節状態を達成するプロセスであると理解され得、輻輳・開散運動は、眼が特定の輻輳・開散運動状態を達成するプロセスであると理解され得る。図4Aに示されるように、眼の遠近調節および輻輳・開散運動状態は、ユーザが別のオブジェクトを固視する場合、変化し得る。例えば、遠近調節された状態は、ユーザがz-軸上の異なる深度における新しいオブジェクトを固視する場合、変化し得る。
【0049】
理論によって限定されるわけではないが、オブジェクトの視認者は、輻輳・開散運動と遠近調節の組み合わせに起因して、オブジェクトを「3次元」であると知覚し得ると考えられる。上記に記載されるように、2つの眼の相互に対する輻輳・開散運動移動(例えば、瞳孔が相互に向かって、またはそこから移動し、眼の視線を収束させ、オブジェクトを固視するような眼の回転)は、眼の水晶体の遠近調節と密接に関連付けられる。正常条件下では、眼の水晶体の形状を変化させ、1つのオブジェクトから異なる距離における別のオブジェクトに焦点を変化させることは、自動的に、「遠近調節-輻輳・開散運動反射」として知られる関係下、同一距離への輻輳・開散運動の合致する変化を生じさせるであろう。同様に、輻輳・開散運動の変化は、通常条件下、水晶体形状における合致する変化を誘起するであろう。
【0050】
ここで図4Bを参照すると、眼の異なる遠近調節および輻輳・開散運動状態の実施例が、図示される。対の眼222aは、光学無限遠におけるオブジェクトを固視する一方、対の眼222bは、光学無限遠未満におけるオブジェクト221を固視する。着目すべきこととして、各対の眼の輻輳・開散運動状態は、異なり、対の眼222aは、まっすぐ指向される一方、対の眼222は、オブジェクト221上に収束する。各対の眼222aおよび222bを形成する眼の遠近調節状態もまた、水晶体210a、220aの異なる形状によって表されるように異なる。
【0051】
望ましくないことに、従来の「3-D」ディスプレイシステムの多くのユーザは、これらのディスプレイにおける遠近調節と輻輳・開散運動状態との間の不整合に起因して、そのような従来のシステムを不快であると見出す、または奥行感を全く知覚しない場合がある。上記に記載されるように、多くの立体視または「3-D」ディスプレイシステムは、若干異なる画像を各眼に提供することによって、場面を表示する。そのようなシステムは、それらが、とりわけ、単に、場面の異なる提示を提供し、眼の輻輳・開散運動状態に変化を生じさせるが、それらの眼の遠近調節状態に対応する変化を伴わないため、多くの視認者にとって不快である。むしろ、画像は、眼が全ての画像情報を単一遠近調節状態において視認するように、ディスプレイによって眼から固定距離に示される。そのような配列は、遠近調節状態における整合する変化を伴わずに輻輳・開散運動状態に変化を生じさせることによって、「遠近調節-輻輳・開散運動反射」に逆らう。本不整合は、視認者不快感を生じさせると考えられる。遠近調節と輻輳・開散運動との間のより良好な合致を提供する、ディスプレイシステムが、3次元画像のより現実的かつ快適なシミュレーションを形成し得る。
【0052】
理論によって限定されるわけではないが、ヒトの眼は、典型的には、有限数の深度平面を解釈し、深度知覚を提供することができると考えられる。その結果、知覚された深度の高度に真実味のあるシミュレーションが、眼にこれらの限定数の深度平面のそれぞれに対応する画像の異なる提示を提供することによって達成され得る。いくつかの実施形態では、異なる提示は、輻輳・開散運動のためのキューおよび遠近調節するための整合するキューの両方を提供し、それによって、生理学的に正しい遠近調節-輻輳・開散運動整合を提供してもよい。
【0053】
図4Bを継続して参照すると、眼210、220からの空間内の異なる距離に対応する、2つの深度平面240が、図示される。所与の深度平面240に関して、輻輳・開散運動キューが、眼210、220毎に適切に異なる視点の画像を表示することによって提供されてもよい。加えて、所与の深度平面240に関して、各眼210、220に提供される画像を形成する光は、その深度平面240の距離におけるある点によって生成されたライトフィールドに対応する波面発散を有してもよい。
【0054】
図示される実施形態では、点221を含有する、深度平面240のz-軸に沿った距離は、1mである。本明細書で使用されるように、z-軸に沿った距離または深度は、ユーザの眼の射出瞳に位置するゼロ点を用いて測定されてもよい。したがって、1mの深度に位置する深度平面240は、眼が光学無限遠に向かって指向された状態でそれらの眼の光学軸上のユーザの眼の射出瞳から1m離れた距離に対応する。近似値として、z-軸に沿った深度または距離は、ユーザの眼の正面のディスプレイ(例えば、導波管の表面)から測定され、デバイスとユーザの眼の射出瞳との間の距離に関する値が加えられてもよい。その値は、瞳距離と呼ばれ、ユーザの眼の射出瞳と眼の正面のユーザによって装着されるディスプレイとの間の距離に対応し得る。実際は、瞳距離に関する値は、概して、全ての視認者に関して使用される、正規化された値であってもよい。例えば、瞳距離は、20mmであると仮定され得、1mの深度における深度平面は、ディスプレイの正面の980mmの距離にあり得る。
【0055】
ここで図4Cおよび4Dを参照すると、整合遠近調節-輻輳・開散運動距離および不整合遠近調節-輻輳・開散運動距離の実施例が、それぞれ、図示される。図4Cに図示されるように、ディスプレイシステムは、仮想オブジェクトの画像を各眼210、220に提供してもよい。画像は、眼210、220に、眼が深度平面240上の点15上に収束する、輻輳・開散運動状態をとらせ得る。加えて、画像は、その深度平面240における実オブジェクトに対応する波面曲率を有する光によって形成され得る。その結果、眼210、220は、画像がそれらの眼の網膜上に合焦する、遠近調節状態をとる。したがって、ユーザは、仮想オブジェクトを深度平面240上の点15にあるように知覚し得る。
【0056】
眼210、220の遠近調節および輻輳・開散運動状態はそれぞれ、z-軸上の特定の距離と関連付けられることを理解されたい。例えば、眼210、220からの特定の距離におけるオブジェクトは、それらの眼に、オブジェクトの距離に基づいて、特定の遠近調節状態をとらせる。特定の遠近調節状態と関連付けられた距離は、遠近調節距離Aと称され得る。同様に、特定の輻輳・開散運動状態における眼と関連付けられた特定の輻輳・開散運動距離Vまたは相互に対する位置が、存在する。遠近調節距離および輻輳・開散運動距離が整合する場合、遠近調節と輻輳・開散運動との間の関係は、生理学的に正しいと言える。これは、視認者に最も快適なシナリオであると見なされる。
【0057】
しかしながら、立体視ディスプレイでは、遠近調節距離および輻輳・開散運動距離は、常時、整合しない場合がある。例えば、図4Dに図示されるように、眼210、220に表示される画像は、深度平面240に対応する波面発散を伴って表示され得、眼210、220は、その深度平面上の点15a、15bが合焦する、特定の遠近調節状態をとり得る。しかしながら、眼210、220に表示される画像は、眼210、220を深度平面240上に位置しない点15上に収束させる、輻輳・開散運動のためのキューを提供し得る。その結果、遠近調節距離は、いくつかの実施形態では、眼210、220の射出瞳から深度平面240の距離に対応する一方、輻輳・開散運動距離は、眼210、220の射出瞳から点15までのより大きい距離に対応する。遠近調節距離は、輻輳・開散運動距離と異なる。その結果、遠近調節-輻輳・開散運動不整合が存在する。そのような不整合は、望ましくないと見なされ、不快感をユーザに生じさせ得る。不整合は、距離(例えば、V-A)に対応し、ジオプタを使用して特性評価され得ることを理解されたい。
【0058】
いくつかの実施形態では、眼210、220の射出瞳以外の参照点も、同一参照点が遠近調節距離および輻輳・開散運動距離のために利用される限り、遠近調節-輻輳・開散運動不整合を決定するための距離を決定するために利用されてもよいことを理解されたい。例えば、距離は、角膜から深度平面、網膜から深度平面、接眼レンズ(例えば、ディスプレイデバイスの導波管)から深度平面等まで測定され得る。
【0059】
理論によって限定されるわけではないが、ユーザは、不整合自体が有意な不快感を生じさせずに、依然として、最大約0.25ジオプタ、最大約0.33ジオプタ、および最大約0.5ジオプタの遠近調節-輻輳・開散運動不整合を生理学的に正しいと知覚し得ると考えられる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるディスプレイシステム(例えば、ディスプレイシステム250、図6)は、約0.5ジオプタまたはそれ未満の遠近調節-輻輳・開散運動不整合を有する、画像を視認者に提示する。いくつかの他の実施形態では、ディスプレイシステムによって提供される画像の遠近調節-輻輳・開散運動不整合は、約0.33ジオプタまたはそれ未満である。さらに他の実施形態では、ディスプレイシステムによって提供される画像の遠近調節-輻輳・開散運動不整合は、約0.1ジオプタまたはそれ未満を含む、約0.25ジオプタまたはそれ未満である。
【0060】
図5は、波面発散を修正することによって、3次元画像をシミュレートするためのアプローチの側面を図示する。ディスプレイシステムは、画像情報でエンコードされた光770を受け取り、その光をユーザの眼210に出力するように構成される、導波管270を含む。導波管270は、所望の深度平面240上のある点によって生成されたライトフィールドの波面発散に対応する定義された波面発散量を伴って光650を出力してもよい。いくつかの実施形態では、同一量の波面発散が、その深度平面上に提示される全てのオブジェクトのために提供される。加えて、ユーザの他方の眼は、類似導波管からの画像情報を提供され得るように図示されるであろう。
【0061】
いくつかの実施形態では、単一導波管が、単一または限定数の深度平面に対応する設定された波面発散量を伴う光を出力するように構成されてもよく、および/または導波管は、限定された範囲の波長の光を出力するように構成されてもよい。その結果、いくつかの実施形態では、複数またはスタックの導波管が、異なる深度平面のための異なる波面発散量を提供し、および/または異なる範囲の波長の光を出力するために利用されてもよい。本明細書で使用されるように、深度平面は、平面であってもよい、または湾曲表面の輪郭に追従してもよいことを理解されたい。
【0062】
図6は、画像情報をユーザに出力するための導波管スタックの実施例を図示する。ディスプレイシステム250は、複数の導波管270、280、290、300、310を使用して3次元知覚を眼/脳に提供するために利用され得る、導波管のスタックまたはスタックされた導波管アセンブリ260を含む。ディスプレイシステム250は、いくつかの実施形態では、ライトフィールドディスプレイと見なされてもよいことを理解されたい。加えて、導波管アセンブリ260はまた、接眼レンズとも称され得る。
【0063】
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム250は、輻輳・開散運動するための実質的に連続キューおよび遠近調節するための複数の離散キューを提供するように構成されてもよい。輻輳・開散運動のためのキューは、異なる画像をユーザの眼のそれぞれに表示することによって提供されてもよく、遠近調節のためのキューは、選択可能な離散量の波面発散を伴う画像を形成する光を出力することによって提供されてもよい。換言すると、ディスプレイシステム250は、可変レベルの波面発散を伴う光を出力するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、波面発散の各離散レベルは、特定の深度平面に対応し、導波管270、280、290、300、310のうちの特定の1つによって提供されてもよい。
【0064】
図6を継続して参照すると、導波管アセンブリ260はまた、複数の特徴320、330、340、350を導波管の間に含んでもよい。いくつかの実施形態では、特徴320、330、340、350は、1つ以上のレンズであってもよい。導波管270、280、290、300、310および/または複数のレンズ320、330、340、350は、種々のレベルの波面曲率または光線発散を用いて、画像情報を眼に送信するように構成されてもよい。各導波管レベルは、特定の深度平面と関連付けられてもよく、その深度平面に対応する画像情報を出力するように構成されてもよい。画像投入デバイス360、370、380、390、400は、導波管のための光源として機能してもよく、画像情報を導波管270、280、290、300、310の中に投入するために利用されてもよく、それぞれ、本明細書に説明されるように、眼210に向かって出力するために、各個別の導波管を横断して入射光を分散させるように構成されてもよい。光は、画像投入デバイス360、370、380、390、400の出力表面410、420、430、440、450から出射し、導波管270、280、290、300、310の対応する入力表面460、470、480、490、500の中に投入される。いくつかの実施形態では、入力表面460、470、480、490、500はそれぞれ、対応する導波管の縁であってもよい、または対応する導波管の主要表面の一部(すなわち、世界510または視認者の眼210に直接面する導波管表面のうちの1つ)であってもよい。いくつかの実施形態では、光の単一ビーム(例えば、コリメートされたビーム)が、各導波管の中に投入され、クローン化されるコリメートされたビームの全体場を出力してもよく、これは、特定の導波管と関連付けられた深度平面に対応する特定の角度(および発散量)において眼210に向かって指向される。いくつかの実施形態では、画像投入デバイス360、370、380、390、400のうちの単一の1つは、複数(例えば、3つ)の導波管270、280、290、300、310と関連付けられ、その中に光を投入してもよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、画像投入デバイス360、370、380、390、400はそれぞれ、対応する導波管270、280、290、300、310の中への投入のために画像情報をそれぞれ生成する、離散ディスプレイである。いくつかの他の実施形態では、画像投入デバイス360、370、380、390、400は、例えば、1つ以上の光学導管(光ファイバケーブル等)を介して、画像情報を画像投入デバイス360、370、380、390、400のそれぞれに送り得る、単一の多重化されたディスプレイの出力端である。画像投入デバイス360、370、380、390、400によって提供される画像情報は、異なる波長または色(例えば、本明細書に議論されるように、異なる原色)の光を含んでもよいことを理解されたい。
【0066】
いくつかの実施形態では、導波管270、280、290、300、310の中に投入される光は、光プロジェクタシステム520によって提供され、これは、光モジュール530を備え、これは、発光ダイオード(LED)等の光エミッタを含んでもよい。光モジュール530からの光は、ビームスプリッタ550を介して、光変調器540、例えば、空間光変調器によって指向および修正されてもよい。光変調器540は、導波管270、280、290、300、310の中に投入される光の知覚される強度を変化させ、光を画像情報でエンコードするように構成されてもよい。空間光変調器の実施例は、シリコン上液晶(LCOS)ディスプレイを含む、液晶ディスプレイ(LCD)を含む。画像投入デバイス360、370、380、390、400は、図式的に図示され、いくつかの実施形態では、これらの画像投入デバイスは、光を導波管270、280、290、300、310の関連付けられたものの中に出力するように構成される、共通投影システム内のなる光経路および場所を表し得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、導波管アセンブリ260の導波管は、導波管の中に投入された光をユーザの眼に中継しながら、理想的レンズとして機能し得る。本概念では、オブジェクトは、空間光変調器540であってもよく、画像は、深度平面上の画像であってもよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム250は、光を種々のパターン(例えば、ラスタ走査、螺旋走査、リサジューパターン等)で1つ以上の導波管270、280、290、300、310の中に、最終的には、視認者の眼210に投影するように構成される、1つ以上の走査ファイバを備える、走査ファイバディスプレイであってもよい。いくつかの実施形態では、図示される画像投入デバイス360、370、380、390、400は、光を1つまたは複数の導波管270、280、290、300、310の中に投入するように構成される、単一走査ファイバまたは走査ファイバの束を図式的に表し得る。いくつかの他の実施形態では、図示される画像投入デバイス360、370、380、390、400は、複数の走査ファイバまたは走査ファイバの複数の束を図式的に表し得、それぞれ、光を導波管270、280、290、300、310のうちの関連付けられた1つの中に投入するように構成される。1つ以上の光ファイバは、光を光モジュール530から1つ以上の導波管270、280、290、300、310に透過するように構成されてもよいことを理解されたい。1つ以上の介在光学構造が、走査ファイバまたは複数のファイバと、1つ以上の導波管270、280、290、300、310との間に提供され、例えば、走査ファイバから出射する光を1つ以上の導波管270、280、290、300、310の中に再指向してもよいことを理解されたい。
【0068】
コントローラ560は、画像投入デバイス360、370、380、390、400、光源530、および光変調器540の動作を含む、スタックされた導波管アセンブリ260のうちの1つ以上のものの動作を制御する。いくつかの実施形態では、コントローラ560は、ローカルデータ処理モジュール140の一部である。コントローラ560は、例えば、本明細書に開示される種々のスキームのいずれかに従って、導波管270、280、290、300、310への画像情報のタイミングおよびプロビジョニングを調整する、プログラミング(例えば、非一過性媒体内の命令)を含む。いくつかの実施形態では、コントローラは、単一一体型デバイスまたは有線または無線通信チャネルによって接続される分散型システムであってもよい。コントローラ560は、いくつかの実施形態では、処理モジュール140または150(図9D)の一部であってもよい。
【0069】
図6を継続して参照すると、導波管270、280、290、300、310は、全内部反射(TIR)によって各個別の導波管内で光を伝搬するように構成されてもよい。導波管270、280、290、300、310はそれぞれ、主要上部表面および底部表面およびそれらの主要上部表面と底部表面との間に延在する縁を伴う、平面である、または別の形状(例えば、湾曲)を有してもよい。図示される構成では、導波管270、280、290、300、310はそれぞれ、各個別の導波管内で伝搬する光を導波管から外に再指向し、画像情報を眼210に出力することによって、光を導波管から抽出するように構成される、外部結合光学要素570、580、590、600、610を含んでもよい。抽出された光はまた、外部結合光と称され得、外部結合光学要素光はまた、光抽出光学要素と称され得る。抽出された光のビームは、導波管によって、導波管内で伝搬する光が光抽出光学要素に衝打する場所において出力され得る。外部結合光学要素570、580、590、600、610は、例えば、本明細書にさらに議論されるような回折光学特徴を含む、格子であってもよい。説明の容易性および図面の明確性のために、導波管270、280、290、300、310の底部主要表面に配置されて図示されるが、いくつかの実施形態では、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、本明細書にさらに議論されるように、上部および/または底部主要表面に配置されてもよく、および/または導波管270、280、290、300、310の容積内に直接配置されてもよい。いくつかの実施形態では、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、透明基板に取り付けられ、導波管270、280、290、300、310を形成する、材料の層内に形成されてもよい。いくつかの他の実施形態では、導波管270、280、290、300、310は、材料のモノリシック片であってもよく、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、その材料片の表面上および/または内部に形成されてもよい。
【0070】
図6を継続して参照すると、本明細書に議論されるように、各導波管270、280、290、300、310は、光を出力し、特定の深度平面に対応する画像を形成するように構成される。例えば、眼の最近傍の導波管270は、眼210にコリメートされた光(そのような導波管270の中に投入された)を送達するように構成されてもよい。コリメートされた光は、光学無限遠焦点面を表し得る。次の上方の導波管280は、眼210に到達し得る前に、第1のレンズ350(例えば、負のレンズ)を通して通過する、コリメートされた光を送出するように構成されてもよい。そのような第1のレンズ350は、眼/脳が、その次の上方の導波管280から生じる光を光学無限遠から眼210に向かって内向きにより近い第1の焦点面から生じるものとして解釈するように、若干の凸面波面曲率を生成するように構成されてもよい。同様に、第3の上方の導波管290は、眼210に到達する前に、その出力光を第1のレンズ350および第2のレンズ340の両方を通して通過させる。第1のレンズ350および第2のレンズ340の組み合わせられた屈折力は、眼/脳が、第3の導波管290から生じる光が次の上方の導波管280からの光であった光学無限遠から人物に向かって内向きにさらに近い第2の焦点面から生じるものとして解釈するように、別の漸増量の波面曲率を生成するように構成されてもよい。
【0071】
他の導波管層300、310およびレンズ330、320も同様に構成され、スタック内の最高導波管310が、人物に最も近い焦点面を表す集約焦点力のために、その出力をそれと眼との間のレンズの全てを通して送出する。スタックされた導波管アセンブリ260の他側の世界510から生じる光を視認/解釈するとき、レンズ320、330、340、350のスタックを補償するために、補償レンズ層620が、スタックの上部に配置され、下方のレンズスタック320、330、340、350の集約力を補償してもよい。そのような構成は、利用可能な導波管/レンズ対と同じ数の知覚される焦点面を提供する。導波管の外部結合光学要素およびレンズの集束側面は両方とも、静的であってもよい(すなわち、動的または電気活性ではない)。いくつかの代替実施形態では、一方または両方とも、電気活性特徴を使用して動的であってもよい。
【0072】
いくつかの実施形態では、導波管270、280、290、300、310のうちの2つ以上のものは、同一の関連付けられた深度平面を有してもよい。例えば、複数の導波管270、280、290、300、310が、同一深度平面に設定される画像を出力するように構成されてもよい、または導波管270、280、290、300、310の複数のサブセットが、深度平面毎に1つのセットを伴う、同一の複数の深度平面に設定される画像を出力するように構成されてもよい。これは、それらの深度平面において拡張された視野を提供するようにタイル化された画像を形成する利点を提供し得る。
【0073】
図6を継続して参照すると、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、導波管と関連付けられる特定の深度平面のために、光をそれらの個別の導波管から再指向し、かつ本光を適切な量の発散またはコリメーションを伴って出力するように構成されてもよい。その結果、異なる関連付けられる深度平面を有する導波管は、関連付けられる深度平面に応じて、異なる量の発散を伴って光を出力する、異なる構成の外部結合光学要素570、580、590、600、610を有してもよい。いくつかの実施形態では、光抽出光学要素570、580、590、600、610は、光を具体的角度で出力するように構成され得る、立体または表面特徴であってもよい。例えば、光抽出光学要素570、580、590、600、610は、立体ホログラム、表面ホログラム、および/または回折格子であってもよい。いくつかの実施形態では、特徴320、330、340、350は、レンズではなくてもよい。むしろ、それらは、単に、スペーサ(例えば、空隙を形成するためのクラッディング層および/または構造)であってもよい。
【0074】
いくつかの実施形態では、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、回折パターンを形成する回折特徴または「回折光学要素」(また、本明細書では、「DOE」とも称される)である。好ましくは、DOEは、ビームの光の一部のみがDOEの各交差部で眼210に向かって偏向される一方、残りがTIRを介して、導波管を通して移動し続けるように、十分に低回折効率を有する。画像情報を搬送する光は、したがって、様々な場所において導波管から出射する、いくつかの関連出射ビームに分割され、その結果、導波管内でバウンスする本特定のコリメートされたビームに関して、眼210に向かって非常に均一パターンの出射放出となる。
【0075】
いくつかの実施形態では、1つ以上のDOEは、それらが能動的に回折する「オン」状態と有意に回折しない「オフ」状態との間で切替可能であり得る。例えば、切替可能なDOEは、微小液滴がホスト媒体中に回折パターンを備える、ポリマー分散液晶の層を備えてもよく、微小液滴の屈折率は、ホスト材料の屈折率に実質的に合致するように切り替えられてもよい(その場合、パターンは、入射光を著しく回折させない)、または微小液滴は、ホスト媒体のものに合致しない屈折率に切り替えられてもよい(その場合、パターンは、入射光を能動的に回折させる)。
【0076】
いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ630(例えば、可視光および赤外線光カメラを含む、デジタルカメラ)が、眼210および/または眼210の周囲の組織の画像を捕捉し、例えば、ユーザ入力を検出する、および/またはユーザの生理学的状態を監視するために提供されてもよい。本明細書で使用されるように、カメラは、任意の画像捕捉デバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ630は、画像捕捉デバイスと、光(例えば、赤外線光)を眼に投影し、次いで、眼によって反射され、画像捕捉デバイスによって検出され得る、光源とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ630は、フレーム80(図9D)に取り付けられてもよく、カメラアセンブリ630からの画像情報を処理し得る、処理モジュール140および/または150と電気通信してもよい。いくつかの実施形態では、1つのカメラアセンブリ630が、眼毎に利用され、各眼を別個に監視してもよい。
【0077】
ここで図7を参照すると、導波管によって出力された出射ビームの実施例が、示される。1つの導波管が図示されるが、導波管アセンブリ260(図6)内の他の導波管も同様に機能し得、導波管アセンブリ260は、複数の導波管を含むことを理解されたい。光640が、導波管270の入力表面460において導波管270の中に投入され、TIRによって導波管270内を伝搬する。光640がDOE570上に衝突する点では、光の一部は、導波管から出射ビーム650として出射する。出射ビーム650は、略平行として図示されるが、本明細書に議論されるように、また、導波管270と関連付けられた深度平面に応じて、ある角度において眼210に伝搬する(例えば、発散出射ビームを形成する)ように再指向されてもよい。略平行出射ビームは、眼210からの遠距離(例えば、光学無限遠)における深度平面に設定されるように現れる画像を形成するように光を外部結合する、外部結合光学要素を伴う導波管を示し得ることを理解されたい。他の導波管または他の外部結合光学要素のセットが、より発散する、出射ビームパターンを出力してもよく、これは、眼210がより近い距離に遠近調節し、網膜上に合焦させることを要求し、光学無限遠より眼210に近い距離からの光として脳によって解釈されるであろう。
【0078】
いくつかの実施形態では、フルカラー画像が、原色、例えば、3つ以上の原色のそれぞれに画像をオーバーレイすることによって、各深度平面において形成されてもよい。図8は、スタックされた導波管アセンブリの実施例を図示し、各深度平面は、複数の異なる原色を使用して形成される画像を含む。図示される実施形態は、深度平面240a-240fを示すが、より多いまたはより少ない深度もまた、検討される。各深度平面は、第1の色Gの第1の画像、第2の色Rの第2の画像、および第3の色Bの第3の画像を含む、それと関連付けられた3つ以上の原色画像を有してもよい。異なる深度平面は、文字G、R、およびBに続くジオプタ(dpt)に関する異なる数字によって図に示される。単なる実施例として、これらの文字のそれぞれに続く数字は、ジオプタ(1/m)、すなわち、視認者からの深度平面の逆距離を示し、図中の各ボックスは、個々の原色画像を表す。いくつかの実施形態では、異なる波長の光の眼の集束における差異を考慮するために、異なる原色に関する深度平面の正確な場所は、変動してもよい。例えば、所与の深度平面に関する異なる原色画像は、ユーザからの異なる距離に対応する深度平面上に設置されてもよい。そのような配列は、視力およびユーザ快適性を増加させ得、および/または色収差を減少させ得る。
【0079】
いくつかの実施形態では、各原色の光は、単一専用導波管によって出力されてもよく、その結果、各深度平面は、それと関連付けられた複数の導波管を有してもよい。そのような実施形態では、文字G、R、またはBを含む、図中の各ボックスは、個々の導波管を表すものと理解され得、3つの導波管は、深度平面毎に提供されてもよく、3つの原色画像が、深度平面毎に提供される。各深度平面と関連付けられた導波管は、本図面では、説明を容易にするために相互に隣接して示されるが、物理的デバイスでは、導波管は全て、レベル毎に1つの導波管を伴うスタックで配列されてもよいことを理解されたい。いくつかの他の実施形態では、複数の原色が、例えば、単一導波管のみが深度平面毎に提供され得るように、同一導波管によって出力されてもよい。
【0080】
図8を継続して参照すると、いくつかの実施形態では、Gは、緑色であって、Rは、赤色であって、Bは、青色である。いくつかの他の実施形態では、マゼンタ色およびシアン色を含む、光の他の波長と関連付けられた他の色も、赤色、緑色、または青色のうちの1つ以上のものに加えて使用されてもよい、またはそれらに取って代わってもよい。
【0081】
本開示全体を通した所与の光の色の言及は、視認者によってその所与の色であるように知覚される、光の波長の範囲内の1つ以上の波長の光を包含するものと理解されるであろうことを理解されたい。例えば、赤色光は、約620~780nmの範囲内の1つ以上の波長の光を含んでもよく、緑色光は、約492~577nmの範囲内の1つ以上の波長の光を含んでもよく、青色光は、約435~493nmの範囲内の1つ以上の波長の光を含んでもよい。
【0082】
いくつかの実施形態では、光源530(図6)は、視認者の視覚的知覚範囲外の1つ以上の波長、例えば、赤外線および/または紫外線波長の光を放出するように構成されてもよい。加えて、ディスプレイ250の導波管の内部結合、外部結合、および他の光再指向構造は、例えば、結像および/またはユーザ刺激用途のために、本光をディスプレイからユーザの眼210に向かって指向および放出するように構成されてもよい。
【0083】
ここで図9Aを参照すると、いくつかの実施形態では、導波管に衝突する光は、その光を導波管の中に内部結合するために再指向される必要があり得る。内部結合光学要素が、光をその対応する導波管の中に再指向および内部結合するために使用されてもよい。図9Aは、それぞれ、内部結合光学要素を含む、複数またはセット660のスタックされた導波管の実施例の断面側面図を図示する。導波管はそれぞれ、1つ以上の異なる波長または1つ以上の異なる波長範囲の光を出力するように構成されてもよい。スタック660は、スタック260(図6)に対応し得、スタック660の図示される導波管は、複数の導波管270、280、290、300、310の一部に対応してもよいが、画像投入デバイス360、370、380、390、400のうちの1つ以上のものからの光が、光が内部結合のために再指向されることを要求する位置から導波管の中に投入されることを理解されたい。
【0084】
スタックされた導波管の図示されるセット660は、導波管670、680、および690を含む。各導波管は、関連付けられた内部結合光学要素(導波管上の光入力面積とも称され得る)を含み、例えば、内部結合光学要素700は、導波管670の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置され、内部結合光学要素710は、導波管680の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置され、内部結合光学要素720は、導波管690の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置される。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素700、710、720のうちの1つ以上のものは、個別の導波管670、680、690の底部主要表面上に配置されてもよい(特に、1つ以上の内部結合光学要素は、反射性偏向光学要素である)。図示されるように、内部結合光学要素700、710、720は、その個別の導波管670、680、690の上側主要表面(または次の下側導波管の上部)上に配置されてもよく、特に、それらの内部結合光学要素は、透過性偏向光学要素である。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素700、710、720は、個別の導波管670、680、690の本体内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に議論されるように、内部結合光学要素700、710、720は、他の光の波長を透過しながら、1つ以上の光の波長を選択的に再指向するような波長選択的である。その個別の導波管670、680、690の片側または角に図示されるが、内部結合光学要素700、710、720は、いくつかの実施形態では、その個別の導波管670、680、690の他の面積内に配置されてもよいことを理解されたい。
【0085】
図示されるように、内部結合光学要素700、710、720は、相互から側方にオフセットされてもよい。いくつかの実施形態では、各内部結合光学要素は、その光が別の内部結合光学要素を通して通過せずに、光を受け取るようにオフセットされてもよい。例えば、各内部結合光学要素700、710、720は、図6に示されるように、光を異なる画像投入デバイス360、370、380、390、および400から受け取るように構成されてもよく、光を内部結合光学要素700、710、720の他のものから実質的に受け取らないように、他の内部結合光学要素700、710、720から分離されてもよい(例えば、側方に離間される)。
【0086】
各導波管はまた、関連付けられた光分散要素を含み、例えば、光分散要素730は、導波管670の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置され、光分散要素740は、導波管680の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置され、光分散要素750は、導波管690の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置される。いくつかの他の実施形態では、光分散要素730、740、750は、それぞれ、関連付けられた導波管670、680、690の底部主要表面上に配置されてもよい。いくつかの他の実施形態では、光分散要素730、740、750は、それぞれ、関連付けられた導波管670、680、690の上部および底部両方の主要表面上に配置されてもよい、または光分散要素730、740、750は、それぞれ、異なる関連付けられた導波管670、680、690内の上部および底部主要表面の異なるもの上に配置されてもよい。
【0087】
導波管670、680、690は、例えば、材料のガス、液体、および/または固体層によって離間および分離されてもよい。例えば、図示されるように、層760aは、導波管670および680を分離してもよく、層760bは、導波管680および690を分離してもよい。いくつかの実施形態では、層760aおよび760bは、低屈折率材料(すなわち、導波管670、680、690の直近のものを形成する材料より低い屈折率を有する材料)から形成される。好ましくは、層760a、760bを形成する材料の屈折率は、導波管670、680、690を形成する材料の屈折率に対して0.05以上または0.10以下である。有利なこととして、より低い屈折率層760a、760bは、導波管670、680、690を通して光の全内部反射(TIR)(例えば、各導波管の上部および底部主要表面間のTIR)を促進する、クラッディング層として機能してもよい。いくつかの実施形態では、層760a、760bは、空気から形成される。図示されないが、導波管の図示されるセット660の上部および底部は、直近クラッディング層を含んでもよいことを理解されたい。
【0088】
好ましくは、製造および他の考慮点を容易にするために、導波管670、680、690を形成する材料は、類似または同一であって、層760a、760bを形成する材料は、類似または同一である。いくつかの実施形態では、導波管670、680、690を形成する材料は、1つ以上の導波管間で異なってもよい、および/または層760a、760bを形成する材料は、依然として、前述の種々の屈折率関係を保持しながら、異なってもよい。
【0089】
図9Aを継続して参照すると、光線770、780、790が、導波管のセット660に入射する。光線770、780、790は、1つ以上の画像投入デバイス360、370、380、390、400(図6)によって導波管670、680、690の中に投入されてもよいことを理解されたい。
【0090】
いくつかの実施形態では、光線770、780、790は、異なる色に対応し得る、異なる性質、例えば、異なる波長または異なる波長範囲を有する。内部結合光学要素700、710、720はそれぞれ、光が、TIRによって、導波管670、680、690のうちの個別の1つを通して伝搬するように、入射光を偏向させる。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素700、710、720はそれぞれ、他の波長を下層導波管および関連付けられた内部結合光学要素に透過させながら、1つ以上の特定の光の波長を選択的に偏向させる。
【0091】
例えば、内部結合光学要素700は、それぞれ、異なる第2および第3の波長または波長範囲を有する、光線780および790を透過させながら、第1の波長または波長範囲を有する、光線770を偏向させるように構成されてもよい。透過された光線780は、第2の波長または波長範囲の光を偏向させるように構成される、内部結合光学要素710に衝突し、それによって偏向される。光線790は、第3の波長または波長範囲の光を選択的に偏向させるように構成される、内部結合光学要素720によって偏向される。
【0092】
図9Aを継続して参照すると、偏向された光線770、780、790は、対応する導波管670、680、690を通して伝搬するように偏向される。すなわち、各導波管の内部結合光学要素700、710、720は、光をその対応する導波管670、680、690の中に偏向させ、光を対応する導波管の中に内部結合する。光線770、780、790は、光をTIRによって個別の導波管670、680、690を通して伝搬させる角度で偏向される。光線770、780、790は、導波管の対応する光分散要素730、740、750に衝突するまで、TIRによって個別の導波管670、680、690を通して伝搬する。
【0093】
ここで図9Bを参照すると、図9Aの複数のスタックされた導波管の実施例の斜視図が、図示される。上記に記載されるように、内部結合された光線770、780、790は、それぞれ、内部結合光学要素700、710、720によって偏向され、次いで、それぞれ、導波管670、680、690内でTIRによって伝搬する。光線770、780、790は、次いで、それぞれ、光分散要素730、740、750に衝突する。光分散要素730、740、750は、それぞれ、外部結合光学要素800、810、820に向かって伝搬するように、光線770、780、790を偏向させる。
【0094】
いくつかの実施形態では、光分散要素730、740、750は、直交瞳エクスパンダ(OPE)である。いくつかの実施形態では、OPEは、光を外部結合光学要素800、810、820に偏向または分散し、いくつかの実施形態では、また、外部結合光学要素に伝搬するにつれて、本光のビームまたはスポットサイズを増加させ得る。いくつかの実施形態では、光分散要素730、740、750は、省略されてもよく、内部結合光学要素700、710、720は、光を直接外部結合光学要素800、810、820に偏向させるように構成されてもよい。例えば、図9Aを参照すると、光分散要素730、740、750は、それぞれ、外部結合光学要素800、810、820と置換されてもよい。いくつかの実施形態では、外部結合光学要素800、810、820は、光を視認者の眼210(図7)に指向させる、射出瞳(EP)または射出瞳エクスパンダ(EPE)である。OPEは、少なくとも1つの軸においてアイボックスの寸法を増加させるように構成されてもよく、EPEは、OPEの軸と交差する、例えば、直交する軸においてアイボックスを増加させてもよいことを理解されたい。例えば、各OPEは、光の残りの部分が導波管を辿って伝搬し続けることを可能にしながら、OPEに衝打する光の一部を同一導波管のEPEに再指向するように構成されてもよい。OPEへの衝突に応じて、再び、残りの光の別の部分は、EPEに再指向され、その部分の残りの部分は、導波管等を辿ってさらに伝搬し続ける。同様に、EPEへの衝打に応じて、衝突光の一部は、導波管からユーザに向かって指向され、その光の残りの部分は、EPに再び衝打するまで、導波管を通して伝搬し続け、その時点で、衝突する光の別の部分は、導波管から指向される等となる。その結果、内部結合された光の単一ビームは、その光の一部がOPEまたはEPEによって再指向される度に、「複製」され、それによって、図6に示されるように、クローン化された光のビーム野を形成し得る。いくつかの実施形態では、OPEおよび/またはEPEは、光のビームのサイズを修正するように構成されてもよい。
【0095】
故に、図9Aおよび9Bを参照すると、いくつかの実施形態では、導波管のセット660は、原色毎に、導波管670、680、690と、内部結合光学要素700、710、720と、光分散要素(例えば、OPE)730、740、750と、外部結合光学要素(例えば、EP)800、810、820とを含む。導波管670、680、690は、各1つの間に空隙/クラッディング層を伴ってスタックされてもよい。内部結合光学要素700、710、720は、(異なる波長の光を受け取る異なる内部結合光学要素を用いて)入射光をその導波管の中に再指向または偏向させる。光は、次いで、個別の導波管670、680、690内にTIRをもたらすであろう角度で伝搬する。示される実施例では、光線770(例えば、青色光)は、前述の様式において、第1の内部結合光学要素700によって偏光され、次いで、導波管を辿ってバウンスし続け、光分散要素(例えば、OPE)730、次いで、外部結合光学要素(例えば、EP)800と相互作用する。光線780および790(例えば、それぞれ、緑色および赤色光)は、導波管670を通して通過し、光線780は、内部結合光学要素710上に衝突し、それによって偏向される。光線780は、次いで、TIRを介して、導波管680を辿ってバウンスし、その光分散要素(例えば、OPE)740、次いで、外部結合光学要素(例えば、EP)810に進むであろう。最後に、光線790(例えば、赤色光)は、導波管690を通して通過し、導波管690の光内部結合光学要素720に衝突する。光内部結合光学要素720は、光線が、TIRによって、光分散要素(例えば、OPE)750、次いで、TIRによって、外部結合光学要素(例えば、EP)820に伝搬するように、光線790を偏向させる。外部結合光学要素820は、次いで、最後に、光線790を視認者に外部結合し、視認者はまた、他の導波管670、680からの外部結合した光も受け取る。
【0096】
図9Cは、図9Aおよび9Bの複数のスタックされた導波管の実施例の上下平面図を図示する。図示されるように、導波管670、680、690は、各導波管の関連付けられた光分散要素730、740、750および関連付けられた外部結合光学要素800、810、820とともに、垂直に整合されてもよい。しかしながら、本明細書に議論されるように、内部結合光学要素700、710、720は、垂直に整合されない。むしろ、内部結合光学要素は、好ましくは、非重複する(例えば、上下図に見られるように、側方に離間される)。本明細書でさらに議論されるように、本非重複空間配列は、1対1ベースで異なるリソースから異なる導波管の中への光の投入を促進し、それによって、具体的光源が具体的導波管に一意に結合されることを可能にする。いくつかの実施形態では、非重複の空間的に分離される内部結合光学要素を含む、配列は、偏移瞳システムと称され得、これらの配列内の内部結合光学要素は、サブ瞳に対応し得る。
【0097】
図9Dは、本明細書に開示される種々の導波管および関連システムが統合され得る、ウェアラブルディスプレイシステム60の実施例を図示する。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム60は、図6のシステム250であって、図6は、そのシステム60のいくつかの部分をより詳細に図式的に示す。例えば、図6の導波管アセンブリ260は、ディスプレイ70の一部であってもよい。
【0098】
図9Dを継続して参照すると、ディスプレイシステム60は、ディスプレイ70と、そのディスプレイ70の機能をサポートするための種々の機械的および電子的モジュールおよびシステムとを含む。ディスプレイ70は、フレーム80に結合されてもよく、これは、ディスプレイシステムユーザまたは視認者90によって装着可能であって、ディスプレイ70をユーザ90の眼の正面に位置付けるように構成される。ディスプレイ70は、いくつかの実施形態では、接眼レンズと見なされ得る。いくつかの実施形態では、スピーカ100が、フレーム80に結合され、ユーザ90の外耳道に隣接して位置付けられるように構成される(いくつかの実施形態では、示されない別のスピーカが、随意に、ユーザの他方の外耳道に隣接して位置付けられ、ステレオ/成形可能音制御を提供してもよい)。ディスプレイシステム60はまた、1つ以上のマイクロホン110または他のデバイスを含み、音を検出してもよい。いくつかの実施形態では、マイクロホンは、ユーザが入力またはコマンドをシステム60に提供することを可能にするように構成され(例えば、音声メニューコマンドの選択、自然言語質問等)、および/または他の人物(例えば、類似ディスプレイシステムの他のユーザ)とのオーディオ通信を可能にしてもよい。マイクロホンはさらに、周辺センサとして構成され、オーディオデータ(例えば、ユーザおよび/または環境からの音)を収集してもよい。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムはまた、周辺センサ120aを含んでもよく、これは、フレーム80と別個であって、ユーザ90の身体(例えば、ユーザ90の頭部、胴体、四肢等)上に取り付けられてもよい。周辺センサ120aは、いくつかの実施形態では、ユーザ90の生理学的状態を特徴付けるデータを入手するように構成されてもよい。例えば、センサ120aは、電極であってもよい。
【0099】
図9Dを継続して参照すると、ディスプレイ70は、有線導線または無線コネクティビティ等の通信リンク130によって、ローカルデータ処理モジュール140に動作可能に結合され、これは、フレーム80に固定して取り付けられる、ユーザによって装着されるヘルメットまたは帽子に固定して取り付けられる、ヘッドホンに内蔵される、または別様にユーザ90に除去可能に取り付けられる(例えば、リュック式構成において、ベルト結合式構成において)等、種々の構成において搭載されてもよい。同様に、センサ120aは、通信リンク120b、例えば、有線導線または無線コネクティビティによって、ローカルプロセッサおよびデータモジュール140に動作可能に結合されてもよい。ローカル処理およびデータモジュール140は、ハードウェアプロセッサおよび不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリまたはハードディスクドライブ)等のデジタルメモリを備えてもよく、その両方とも、データの処理、キャッシュ、および記憶を補助するために利用されてもよい。随意に、ローカル処理およびデータモジュール140は、1つ以上の中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、専用処理ハードウェア等を含んでもよい。データは、a)センサ(画像捕捉デバイス(カメラ等)、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、ジャイロスコープ、および/または本明細書に開示される他のセンサ(例えば、フレーム80に動作可能に結合され得る、または別様にユーザ90に取り付けられ得る))から捕捉されるデータ、および/またはb)可能性として、処理または読出後にディスプレイ70への通過のために、遠隔処理モジュール150および/または遠隔データリポジトリ160(仮想コンテンツに関連するデータを含む)を使用して入手および/または処理されたデータを含んでもよい。ローカル処理およびデータモジュール140は、これらの遠隔モジュール150、160が相互に動作可能に結合され、ローカル処理およびデータモジュール140に対するリソースとして利用可能であるように、有線または無線通信リンク等を介して、通信リンク170、180によって、遠隔処理モジュール150および遠隔データリポジトリ160に動作可能に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、ローカル処理およびデータモジュール140は、画像捕捉デバイス、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、および/またはジャイロスコープのうちの1つ以上のものを含んでもよい。いくつかの他の実施形態では、これらのセンサのうちの1つ以上のものは、フレーム80に取り付けられてもよい、または有線または無線通信経路によってローカル処理およびデータモジュール140と通信する、独立構造であってもよい。
【0100】
図9Dを継続して参照すると、いくつかの実施形態では、遠隔処理モジュール150は、データおよび/または画像情報を分析および処理するように構成される、1つ以上のプロセッサを備えてもよく、例えば、1つ以上の中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、専用処理ハードウェア等を含んでもよい。いくつかの実施形態では、遠隔データリポジトリ160は、デジタルデータ記憶設備を備えてもよく、これは、インターネットまたは「クラウド」リソース構成における他のネットワーキング構成を通して利用可能であってもよい。いくつかの実施形態では、遠隔データリポジトリ160は、1つ以上の遠隔サーバを含んでもよく、これは、情報、例えば、拡張現実コンテンツをローカル処理およびデータモジュール140および/または遠隔処理モジュール150に生成するための情報を提供する。いくつかの実施形態では、全てのデータが、記憶され、全ての計算は、ローカル処理およびデータモジュールにおいて実施され、遠隔モジュールからの完全に自律的使用を可能にする。随意に、CPU、GPU等を含む、外部システム(例えば、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のコンピュータのシステム)が、処理(例えば、画像情報を生成する、データを処理する)の少なくとも一部を実施し、例えば、無線または有線接続を介して、情報をモジュール140、150、160に提供し、情報をそこから受信してもよい。
(広視野のために適合されるティスプレイのための高屈折率導波管および光学要素)
【0101】
没入型の体験を、導波管系ディスプレイシステム、例えば、上記に説明される仮想/拡張/複合ディスプレイ用途のために構成される、種々の半透明または透明ディスプレイシステムのユーザに提供することは、とりわけ、本明細書に説明されるディスプレイシステムの導波管の中への光結合の種々の特性に依存する。例えば、比較的に高視野(FOV)を有する、仮想/拡張/複合ディスプレイは、視認体験を向上させ得る。ディスプレイのFOVは、それを通して視認者にその眼の中に投影された画像が見える、接眼レンズの導波管によって出力された光の角度に依存する。導波管から出力された光の角度は、ひいては、少なくとも部分的に、導波管によって支持され得る、角度の範囲に依存し得る。上記に議論されるように、内部結合回折格子等の内部結合光学要素が、光が、全内部反射によって、導波管内で伝搬し得るように、光が進行する方向を改変することによって、光を導波管の中に結合するために採用されてもよい。概して、角度の有限範囲内の光は、格子等の内部結合光学要素を通して、導波管の中に結合されることができる。角度の限定された範囲は、臨界角によって定義されることができ、これは、とりわけ、基板材料の屈折率に依存し得る。概して、より高い屈折率は、より大きいFOVを引き起こし得る。導波管によるより小さい光の受光角もまた、導波管によって装着者の眼の中に出力される角度の範囲を限定し、したがって、潜在的に、装着者のためのFOVを低減させ得る。比較的に高屈折率、例えば、2.0以上の屈折率を有する、導波管は、比較的に高FOVを提供することができる。
【0102】
回折格子は、導波管の中への光の結合の効率を決定することができる。しかしながら、低屈折率回折格子は、かすめ入射角では、低効率を有し得、それにより、有効FOVとなり得る。したがって、光を高屈折率導波管の中に効率的に結合するために、回折光学結合要素もまた、対応して高屈折率を有するべきである。以下では、Li系酸化物に基づく回折格子等、比較的に高(例えば、>2.0)屈折率を有する、回折格子、およびその製造方法が、説明され、これは、比較的に広視野(FOV)を有効にし得る。
【0103】
例えば、図6および7を参照して、上記に説明されるように、本明細書に説明される種々の実施形態による、ディスプレイシステムは、光学要素、例えば、回折格子を含み得る、内部結合光学要素、外部結合光学要素、および光分散要素を含んでもよい。例えば、図7を参照して上記に説明されるように、導波管270の入力表面460において導波管270の中に投入される、光640は、全内部反射(TIR)によって、導波管270内を伝搬する。光640が外部結合光学要素570上に衝突する、点では、光の一部が、ビームレット650として、導波管から出射する。いくつかの実装では、光学要素570、580、590、600、610のいずれかは、回折格子として構成されることができる。
【0104】
導波管270、280、290、300、310の中への光の内部結合(またはそこからの光の外部結合)の望ましい特性を達成するために、回折格子として構成される、光学要素570、580、590、600、610は、基板と統合されたフォトレジストまたは格子パターン等の好適な材料から形成され、回折性質を含む、種々の光学性質を制御するための好適な構造を有することができる。望ましい回折性質は、性質の中でもとりわけ、スペクトル選択性、角度選択性、偏光選択性、高スペクトル帯域幅および高または段階的な回折効率、および広視野(FOV)を含む。
【0105】
比較的に高FOVを含む、これらおよび他の利点のうちの1つ以上のものを達成するために、本明細書に説明される種々の実施例は、Li系酸化物等の比較的に高屈折率(例えば、2.0を上回るまたはそれに等しい)材料を含み、そのようなLi系酸化物と対応して高屈折率を伴う、その上に形成される個別の回折格子を有する、導波管を含む。例えば、回折格子は、Li系酸化物から形成される導波管上の表面部分をパターン化することによって、直接、Li系酸化物導波管上に形成されてもよい。
【0106】
回折格子は、導波管の中に回折される光が、例えば、全内部反射(TIR)によって、導波管のそれぞれ内を伝搬するように、その上に入射する可視および/または赤外線光を個別の導波管の中に回折するように構成される。回折格子は、光が角度の個別の範囲内でその上に入射すると、光を個別の導波管の中に回折するように構成される。
【0107】
図10Aは、いくつかの実施形態による、導波管1004上に形成される、Li系酸化物を含む高屈折率導波管1004と、高屈折率回折格子1008とを備える、ディスプレイデバイス1000の一部の断面図を図示する。回折格子1008は、光が、TIRによって、導波管1004内で誘導されるように、光を回折するように構成される。導波管1004は、例えば、図9A-9Cに関して上記に説明される、導波管670、680、690のうちの1つに対応し得る。回折格子1008は、例えば、内部結合光学要素(700、710、720、図9A-9C)に対応し得る。ディスプレイデバイス1000は、加えて、例えば、光分散要素730、740、750(図9A-9C参照)、または、例えば、外部結合光学要素(800、810、820、図9A-9C参照)のうちの1つ等の光学要素を含む。
【0108】
動作時、入射光ビーム1016、例えば、可視光が、y-x平面に延在する表面1008Sに対して法線または直交する、平面法線1002に対して測定された入射角αにおいて、Li系酸化物を含む回折格子1008上に入射すると、Li系酸化物を含む回折格子1008は、少なくとも部分的に、回折される光ビーム1024として、平面法線1002に対して測定された回折角度θにおいて、入射光ビーム1016を回折する一方、少なくとも部分的に、透過される光ビーム1020として、入射光を透過させる。本明細書に説明されるように、図示される実施形態におけるように、平面法線1002に対して時計回り(すなわち、平面法線1002の右側)方向にある角度で入射する、光ビームは、負のα(α<0)を有すると称される一方、平面法線1002に対して反時計回り方向(すなわち、平面法線の左側)にある角度で入射する、光ビームは、正のα(α>0)を有すると称される。回折される光ビーム1024が、導波管1004内での全内部反射の発生のために、臨界角θTIRを超える、回折角度θで回折されると、回折される光ビーム1024は、回折される光ビーム1024が、例えば、光分散要素730、740、750のうちの1つ、または、例えば、外部結合光学要素(800、810、820、図9A-9C)のうちの1つに到達するまで、全内部反射(TIR)を介して、x-軸に沿って、導波管1004内を伝搬する。
【0109】
本明細書のいずれかにさらに説明されるように、高屈折率材料と回折格子1008の構造の好適な組み合わせが、本明細書では、受光角または視野(FOV)の範囲と称される、入射角αのある特定の範囲(Δα)が、取得されるように選択されてもよい。種々の実施形態によると、Li系酸化物を含む回折格子1008および導波管1004は、Δαが、40度(例えば、+/-20度)、60度(例えば、+/-30度)、80度(例えば、+/-40度)、または100度(例えば、+/-50度)を超える、または、例えば、0度における、平面法線1002を中心とした対称および非対称範囲を含む、これらの値のいずれかによって定義された角度の範囲内にあるように配列される。本明細書に説明されるように、所望の範囲Δαは、αの負および/または正の値に及ぶ角度の範囲によって説明され得、その範囲外では、回折効率は、α=0における回折効率に対して、10%超、25%超、50%超、または75%超降下する。回折効率が比較的に高くかつ一定である、範囲内のΔαを有することが、例えば、回折される光の均一強度がΔα内で所望される場合、望ましくあり得る。したがって、Δαは、Δα内の入射光ビーム1016が、表面法線1002(例えば、y-z平面)に対して、θTIRを超える、回折角度θで、回折格子1008によって効率的に回折され、回折される光が、全内部反射(TIR)下で、導波管1004内を伝搬するように、回折格子1008の角度帯域幅と関連付けられる。本明細書に説明されるようなΔαは、全内部反射下での導波管1004内の反射の角度、最終的に、導波管から外に結合される角度、故に、ユーザによって被られる視野(FOV)に変換されることを理解されたい。
【0110】
以下では、種々の実施形態において、回折格子1008は、例えば、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6を上回る、またはこれらの値のいずれかによって定義された任意の範囲内であり得る、比較的に高屈折率(n)を備える、Li系酸化物から形成される。種々の実施形態によると、nは、導波管1004の屈折率nを上回る、それに等しい、またはそれ未満であってもよく、これは、例えば、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、またはこれらの値のいずれかによって定義された範囲内、例えば、n≧nであることができる。いくつかの実施形態では、導波管1004は、例えば、導波管310、300、290、280、270(図6)、および/または、例えば、導波管670、680、および690(図9A-9C)に対応し得る。
【0111】
図10Bおよび10Cは、それぞれ、Li系酸化物を含む、その上に配置される回折格子1008(図10A)を有する、導波管の一部を表し得る、パターン化されたLi系酸化物構造1000Aおよび1000Bの断面図を図式的に図示する。
【0112】
図10Bを参照すると、いくつかの実施形態では、パターン化されたLi系酸化物構造1000Aは、Li系酸化物特徴1008Aと異なる材料から形成される、基板1004A上に形成される、ライン等のLi系酸化物特徴1008Aを含む。例えば、基板1004Aは、シリカガラス(例えば、ドープされたシリカガラス)、酸窒化ケイ素、遷移金属酸化物(例えば、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、ニオブ酸リチウム、酸化アルミニウム(例えば、サファイア))、プラスチック、ポリマーに基づく、またはLi系酸化物特徴1008Aの材料と異なる、例えば、上記に説明されるような好適な屈折率を有する、可視光に対して他の実質的に光学的に透過性である、材料を含むことができる。
【0113】
図10Cに戻って参照すると、いくつかの他の実施形態では、パターン化されたLi系酸化物構造1000Bは、その両方とも、Li系酸化物を含むLi系酸化物特徴1008Bと、基板1004Bとを含む。いくつかの実施形態では、Li系酸化物構造1000Bは、Li系酸化物特徴1008Bおよび基板1004Bが、単一部品を含む物品またはモノリシックに統合された構造を形成するように、直接、基板1004Bの中にパターン化される、Li系酸化物特徴1008Bを含む。これらの実施形態では、Li系酸化物構造1000Bは、バルクLi系酸化物材料が、表面領域にパターン化され、回折格子を形成し得る一方、回折格子の下方のLi系酸化物材料が、導波管を形成し得るように構成されてもよい。さらにいくつかの他の実施形態では、Li系酸化物特徴1008Bを形成するようにパターン化されたバルクまたは基板領域および表面領域は、異なるLi系酸化物を含む。例えば、Li系酸化物特徴1008Bを形成するために表面領域にパターン化されたバルクLi系酸化物材料は、第1のLi系酸化物材料から形成されてもよい一方、基板1004Bまたは基板領域を形成する、Li系酸化物特徴1008Bの下方のLi系酸化物材料は、第1のLi系酸化物材料と異なる、第2のLi系酸化物材料から形成されてもよい。
【0114】
図10Bおよび10Cを参照すると、種々の実施形態によると、Li系酸化物特徴1008Aおよび1008Bは、回折格子として構成されるとき、種々の寸法を有する。例えば、Li系酸化物特徴1008A、1008Bは、実施形態によると、5nm~10nm、10nm~50nm、50nm~100nm、100nm~150nm、150nm~200nm、200nm~250nmの高さ(H)、またはこれらの値のいずれかによって定義された範囲内の高さを有する。Li系酸化物特徴1008A、1008Bは、種々の実施形態によると、100nm~200nm、200nm~300nm、300nm~400nm、400nm~500nm、500nm~600nm、600nm~700nm、700nm~800nm、800nm~900nm、900nm~1μmのピッチ、またはこれらの値のいずれかによって定義された任意の範囲内のピッチにおいて周期的に繰り返される。Li系酸化物特徴1008A、1008Bは、実施形態によると、幅(W)を有し、それらが、0.1~0.2、0.2~0.3、0.3~0.4、0.4~0.5、0.5~0.6、0.6~0.7、0.7~0.8、0.8~0.9、またはこれらの値のいずれかによって定義された任意の範囲内の値のデューティサイクルを伴って周期的に繰り返されるように、間隔1012によって分離される。Li系酸化物特徴1008A、10008Bは、約70°、75°、80°、85°、89°、またはこれらの値によって定義された範囲内の任意の値の側壁角度を有する。これらの範囲外の値もまた、可能性として考えられる。
【0115】
種々の実施形態によると、内部結合光学要素または内部結合回折格子として構成されると、Li系酸化物特徴1008A、1008Bは、入射光を、上記に説明されるような導波管であり得る、基板1004A、1004Bの中に回折結合し得る。他方では、外部結合光学要素として構成されると、Li系酸化物特徴1008A、1008Bは、上記に説明されるような導波管であり得る、基板1004からの光を回折結合し得、ユーザのために増加された視野を提供し得る。
【0116】
Li系酸化物特徴1008A、1008Bは、いくつか実施例を挙げると、基点マーカ、縁特徴、接着コーティング、およびスペーサを含む、種々の他の構造のうちの1つとして構成されることができることを理解されたい。
(リチウム系酸化物をパターン化する方法)
【0117】
上記に議論されるように、高屈折率を有する、回折格子1008および導波管1004は、広視野(FOV)を伴うディスプレイデバイスを有効にし得る。特に、好適な材料は、Li系酸化物、例えば、LiNbOである。しかしながら、Li系酸化物をパターン化し、周期的構造を加工することは、いくつかのLi系酸化物、例えば、LiNbOが、比較的に不活性であって、エッチング、例えば、プラズマエッチングによる従来的パターン化が、困難であるため、課題である。結果として、Li系酸化物をパターン化するための技法は、多くの場合、実装するには低速かつ高価であり得る、複雑なプロセスを伴っている。揮発性フッ化ニオブ種を形成するためのフッ素含有プラズマを使用したLi系酸化物のためのいくつかのエッチングプロセスが、開発されているが、エッチングの間のリチウムフッ化物(LiF)の形成および再蒸着は、低減されたエッチングレート、非垂直側壁プロファイル、およびエッチングされる構造の高側壁粗度を含む、種々の問題をもたらし得る。加えて、以前のパターン化技法は、低特徴密度を有する、比較的に大特徴サイズおよび/または構造を形成することに限定されている。さらに、LiF再蒸着と関連付けられる問題は、回折格子として構成され得る、パターン化された周期的に繰り返されるLi系酸化物構造等、比較的に小特徴サイズ、例えば、1μm未満、および/または比較的に高特徴密度を有する、構造を加工するとき、さらにより顕著となる。これは、隣接する特徴間の間隔が減少し、および/または空間のアスペクト比が増加するにつれて、LiFの再蒸着の負の影響が、とりわけ、LiF分子が進入および逃散するためのライン・オブ・サイトの減少に起因して、より顕著になるためである。結果として、エッチングされる構造、例えば、ラインの結果として生じるプロファイルは、小寸法および/またはより高い特徴密度では、ますます不規則的となる。小および/または高密度Li系酸化物特徴をパターン化することと関連付けられる、これらおよび他の問題を認識した上で、本発明者らは、比較的に小特徴サイズおよび周期性を伴う、周期的に繰り返されるパターン化されたリチウム(Li)系酸化物構造、例えば、回折格子構造を形成するために特に好適である、種々の実施形態による、方法を開発した。
【0118】
図11は、パターン化されたLi系酸化物構造1000A、1000Bを加工する方法1100の概要を図示する。図11を参照すると、パターン化されたLi系酸化物構造1000A、1000Bを加工する方法1100は、リチウム系酸化物を含む、基板を提供するステップ1104を含む。本方法は、加えて、基板上に、基板の領域を暴露する、エッチングマスクパターンを形成するステップ1108を含む。エッチングマスクパターンが、回折格子等の光学要素を形成するために使用されるとき、エッチングマスクパターンは、下層基板を周期的に暴露することができる。本方法はさらに、1つ以上のエッチング液に対して、基板の暴露された領域、例えば、基板の周期的に暴露された領域をプラズマエッチングするステップ1112を含む。基板を1つ以上のエッチング液に暴露するステップは、基板の暴露された領域が、エッチングされ、パターン化されたLi系酸化物構造を形成するように、プラズマエッチング条件下、CHFを含むガス混合物を使用して生成される、プラズマ内で実施される。したがって、パターン化されたLi系酸化物構造は、側方方向に周期的に繰り返される、Li系酸化物ラインを備えることができる。種々の実施形態によると、パターン化されたLi系酸化物特徴は、結果として生じる構造が、その上に入射する光を回折することによって、光を導波管の中に内部結合する、またはそこから外に外部結合し得る、回折格子として構成され得るように、空間1012(図10B、10C)によって分離され、側方方向(例えば、x-方向)に周期的に繰り返される、ライン1008A(図10B)、1008B(図10C)を含むことができる。いくつかの実施形態では、Li系酸化物特徴は、2つの方向(例えば、x-方向およびy-方向)に周期的である、パターンを含むことができる。さらなる実施形態は、導波管上の種々の場所における回折効率を調整するために、徐々に増加または減少する間隔、高さ、ライン幅、および形状を伴う、特徴を伴う、パターンを含むことができる。
【0119】
以下では、Li系酸化物構造1000A(図10B)、1000B(図10C)を加工する方法1100(図11)の側面が、詳細に説明される。いくつかの実施形態によると、Li系酸化物特徴1008A、1008Bおよび/または基板1004A、1004BのLi系酸化物は、ニオブ酸リチウム(LiNbO)系酸化物であることができる。本明細書に説明されるように、LiNbO系酸化物は、結果として生じる構造が、本明細書に開示されるように、回折格子および/または導波管としての役割を果たし得る限り、正確な化学量論的値から逸脱する、化学量論を有することができることを理解されたい。例えば、本明細書に説明されるように、LiNbO系酸化物は、45%~55%、47%~53%、49%~51%、49.5%~50.5%のLi/(Li+Nb)比、またはこれらの値のいずれかによって定義された任意の範囲内の比率を有することができる。これらの範囲外の値もまた、可能性として考えられる。例えば、化学量論的組成を有する、LiNbOは、不調和溶融する一方、LiNbOは、約48.6%の非化学量論的組成Li/(Li+Nb)に関して調和溶融するため、成長されるにつれて、Czochralski(Cz)技法等の溶融成長方法を使用して成長される、ニオブ酸リチウムの単結晶は、上記に説明されるLi/(Li+Nb)比内のリチウム欠損非化学量論的組成を有し得る。
【0120】
加えて、本明細書に説明されるように、LiNbO系酸化物は、空孔またはドーパント等の不純物であり得る、Li、Nb、またはOと関連付けられる、意図的または非意図的欠陥を有し得る。例えば、LiNbO系酸化物は、MgOによってドープされることができ、これは、光学損傷へのその抵抗を増加させることができる。LiNbO系酸化物がドープされ得る、他の不純物は、いくつか挙げると、Fe、Zn、Hf、Cu、Gd、Er、Y、Mn、およびBを含む。
【0121】
いくつかの他の実施形態によると、Li系酸化物特徴1008A、1008Bおよび/または基板1004A、1004BのLi系酸化物は、タンタル酸リチウム(LiTaO)系酸化物であることができる。本明細書に説明されるように、LiTaO系酸化物は、結果として生じる構造が、本明細書に開示されるように、回折格子および/または導波管としての役割を果たし得る限り、正確な化学量論的値から逸脱する、化学量論を有することができることを理解されたい。例えば、本明細書に説明されるように、LiTaO系酸化物は、45%~55%、47%~53%、49%~51%。49.5%~50.5%のLi/(Li+Ta)比、またはこれらの値のいずれかによって定義された範囲内の比率を有することができる。これらの範囲外の値もまた、可能性として考えられる。加えて、実施形態による、LiTaO系酸化物は、LiNbOに関して上記に説明されるものと類似元素でドープされることができる。
【0122】
図12A-12Cおよび13A-13Cは、エッチングし、上記に説明されるLi系酸化物構造を形成するための、エッチングマスクパターン1220を形成するステップを図示する。ライン1220a、1220bと、その間の暴露される基板領域とを含み得る、エッチングマスクパターン1220は、下記に説明されるように、リソグラフィプロセス(図12A-12C)およびナノインプリントプロセス(図13A-13C)を含む、好適なプロセスを使用して形成されることができる。いくつかの実施形態では、図12A-12Cに関して説明されるように、エッチングマスクパターン1220を形成するステップは、好適なブランケットエッチングマスク層材料を堆積させ、その後、リソグラフィおよびエッチングプロセスを使用して、エッチングマスク層をパターン化するステップが続くことによって実施されてもよい。いくつかの他の実施形態では、図13A-13Cに関して説明されるように、エッチングマスクパターン1220を形成するステップは、好適なブランケットインプリントマスク層を堆積させ、その後、ナノインプリント技法を使用して、インプリントマスク層をパターン化するステップが続くことによって実施されてもよい。
【0123】
図12A-12Cは、それぞれ、実施形態による、リソグラフィプロセスを使用してエッチングマスクパターン1220を形成する種々の段階における、中間構造1200A-1200Cの断面図を図示する。図12Aの中間構造1200Aを参照すると、本方法は、上記に説明されるように、基板1004を提供するステップを含む。本方法は、加えて、基板1004上に、ブランケットエッチングマスク層1208を形成するステップを含む。ブランケットエッチングマスク層1208は、パターン化されると、図10Bおよび10Cを参照して上記に説明されるように、Li系酸化物構造をパターン化するために使用され得る、エッチングマスクとしての役割を果たすように適合される。
【0124】
いくつかの実施形態では、ブランケットエッチングマスク層1208は、Li系酸化物特徴1008A、1008B(図10B、10C)を形成するためのエッチングマスクとしての役割を果たす、好適な材料から形成されてもよい。多くの要因が、エッチングマスク層1208の材料の好適性を決定することができるが、1つのそのような要因は、基板1004に対するブランケットエッチングマスク層1208の材料のエッチング選択性である。基板1004に対するブランケットエッチングマスク層1208のエッチング選択性は、ブランケットエッチングマスク層1208の好適な厚さのために、エッチングマスク層1208のうちの少なくとも一部が、パターン化後、マスクされた領域内において基板1004の上方に留まるようにされてもよい。エッチング選択性が、好適に高く、および/またはエッチングの深度が、比較的に小さいとき、ブランケットエッチングマスク層1208は、ポリマー系フォトレジストから形成されてもよい。ブランケットエッチングマスク層1208が、フォトレジスト層から形成されるとき、これは、スピンコーティングによって堆積され、その後、後焼成が続いてもよい。しかしながら、実施形態は、そのように限定されない。いくつかの状況下では、フォトレジスト単独から形成される、ブランケットエッチングマスク層1208は、十分な選択性を基板1004に提供し得ない。例えば、パターン化されるべき特徴の深度が、比較的に厚いとき、エッチングマスク層1208は、エッチングされる特徴の所望の深度が達成されるまで、実質的に除去されてもよい。これらの状況では、フォトレジストとハードマスク層の組み合わせが、ブランケットエッチングマスク層1208として使用されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、直接、エッチングマスクパターン1220として使用される、フォトレジストの単一層の代わりに、ブランケットエッチングマスク層1208は、基板1004上に形成される、ハードマスク層と、ハードマスク層上に形成される、フォトレジスト層とを含む、層のスタックとして形成されてもよい。好適なハードマスク層は、フォトレジストと比較して、より低いエッチングレートを有し、それによって、ハードマスクに対する基板1004のより高いエッチング選択性を提供し得る。いくつかの実施形態では、好適なハードマスク層は、いくつか実施例を挙げると、SiO、TiOSiN、およびAlO等の無機誘電材料を含む。いくつかの他の実施形態では、好適なハードマスク層は、例えば、式[RSiO3/2(Rは、いくつか挙げると、水素、アルキル、ハロゲン化物、またはアルコキシド等の有機または無機基を含む)を有するシルセスキオキサン等の有機/無機合成誘電材料を含む。さらにいくつかの他の実施形態では、好適なハードマスク層は、いくつか挙げると、クロム、ニッケル、および銅を含む、金属または合金を含む。
【0125】
図12Bの中間構造1200Bを参照すると、上記に説明されるように、単一層または層のスタックを含み得る、ブランケットエッチングマスク層1208の堆積および堆積後焼成後、本方法は、ブランケットエッチングマスク層1208の一部を、フォトマスク1216によって生産された光のパターンに選択的に暴露するステップに進む。図示されるように、フォトマスク1216は、ポジ型フォトレジストのために適合される、ポジ型フォトマスクであることができ、基部ポリマー層1208が留まるべき領域内で光を通過させるように構成されることができる。フォトマスク1216が、ネガ型フォトレジストのために適合される、ネガ型フォトマスクであるとき、フォトマスクは、反対に、基部ポリマー層1208が除去されるべき領域内で光を通過させるように構成され得る。
【0126】
光1212、例えば、コヒーレントUV光、または電子ビームへの暴露は、化学変化、例えば、ポリマー架橋結合を、ブランケットエッチングマスク層1208、例えば、ブランケットエッチングマスク層1208のフォトレジスト内に引き起こす。化学変化は、ひいては、ブランケットエッチングマスク層1208の暴露される部分が、ポジ型フォトレジストを含む、またはそれとしての役割を果たす、ブランケットエッチングマスク層1208のために、現像溶液を使用して選択的に除去されることを可能にする、またはエッチングマスク層1208の暴露されない部分が、ネガ型のフォトレジストを含む、またはそれとしての役割を果たす、ブランケットエッチングマスク層1208のために、現像溶液を使用して選択的に除去されることを可能にする。
【0127】
図12Cの中間構造1200Cを参照すると、ブランケットエッチングマスク層1208の一部を選択的に除去することに応じて、結果として生じるエッチングマスクパターン1220は、基板1004上に留まり、それによって、基板1004の表面領域の後続パターン化のためのテンプレートとしての役割を果たす。エッチングマスクパターン1220は、エッチングマスクライン1220aのセットを含んでもよく、これは、第1の側方方向、例えば、x-方向に周期的に繰り返されてもよく、第2の側方方向、例えば、y-方向に伸長される。代替として、または加えて、エッチングマスクパターン1220は、エッチングマスクライン1220bのセットを含んでもよく、これは、第2の側方方向、例えば、y-方向に周期的に繰り返されてもよく、第2の方向、例えば、x-方向に伸長される。他の方向に伸長されるエッチングマスクラインも、可能性として考えられる。
【0128】
図13A-13Cは、それぞれ、ナノインプリントプロセスを使用してエッチングマスクパターン1220を形成する種々の段階における、中間構造1300A-1300Cの断面図を図示する。図示される実施例では、中間構造1300Aを形成する方法は、図12Aの中間構造1200Aを形成する方法に類似する。しかしながら、それぞれ、図13Bおよび13Cの中間構造1300Bおよび1300Cを形成する方法は、それぞれ、図12Bおよび12Cの中間構造1200Bおよび1200Cを形成する方法と異なり、その差異は、下記に説明される。
【0129】
図13Bの中間構造1300Bを参照すると、図12Bを参照して上記に説明される方法と異なり、光または電子ビームおよび現像溶液を使用して、選択的に暴露させ、その一部を除去することによって、ブランケットエッチングマスク層1208をパターン化する代わりに、図示される実施例では、エッチングマスクパターン1220の形成に従って所定のトポロジパターンを有する、ナノインプリントテンプレート1316またはナノインプリント金型が、ブランケットエッチングマスク層1208と接触させられる。続いて、テンプレート1316は、ブランケットエッチングマスク層1208の中に押下され、これは、例えば、ブランケットエッチングマスク層1208のガラス遷移温度を上回るある温度下で熱可塑性のポリマーを含むことができ、それによって、テンプレート1316のパターンを軟化されたブランケットエッチングマスク層1208の中に転写し、それによって、エッチングマスクパターン1220を形成する。冷却された後、テンプレート1316は、エッチングマスクパターン1220から分離され、ライン1220a、1220b等のエッチングマスク特徴が、基板1004上に残される。ある他のアプローチでは、基部ポリマー層1208の中に押下された後、エッチングマスクパターン1208は、UV光下で架橋結合によって固化される。
【0130】
エッチングマスクパターン1220を形成後、中間構造1200C(図12C)、1300C(図13C)は、実施形態によると、気相プラズマ処理のために構成される、プラズマ反応器1400内に設置される。プラズマ反応器1400は、エネルギーを中間構造1200C、1300Cの表面の上方の気相原子または分子に付与し、プラズマを生成するように励起され得る、少なくとも1つの電極を備える。
【0131】
図示されるプラズマ反応器1400は、誘導結合プラズマ(ICP)反応性イオンエッチング(RIE)反応器であることができ、これは、RFアンテナ1404またはコイルからのプラズマ生成ICP電力を反応器1400の内側のガスの体積に誘導結合することによって、高密度プラズマを生成するように構成される。プラズマ生成領域に隣接して位置する、RFアンテナ1404は、交流RF磁場を作成し、RF電場を誘発し、これは、低圧におけるガス分子および原子のイオン化に関わる、電子を励起する。別個のイオンバイアスRF電源1408も、カソードまたは基板に接続され、DCバイアスを生成し、イオンを基板に誘引することができる。構成されるように、基板に印加されるイオン電流およびイオンエネルギーを分断することが可能である。したがって、中間構造1200C、1300Cの表面領域は、潜在的に、イオン誘発エッチングと組み合わせられる、低圧条件下、化学的に反応性プラズマの使用を用いてエッチングされる。
【0132】
反応器1400は、気相プラズマを生成するために、反応器1400に接続されるガス入口1412のうちの1つ以上のものを通して、少なくとも1つのガス種を受容するように構成される。反応器はまた、真空ポンプに接続され、反応器の内側の圧力を制御することができる。特に、反応器は、反応器の内側の圧力を制御し、全てのガス種の好適な部分的圧力を維持するように構成される。例えば、反応器は、例えば、好適な圧力を制御および維持することによって、プラズマを低大気圧および大気圧条件下で生成および維持するように構成されてもよい。ガス入口1412のうちの少なくとも1つを通して、少なくとも1つのガス種を受容後、ICP電力が、RFアンテナによって、基板の表面の上方のガスの体積に印加され、それによって、プラズマ1416を生成する。
【0133】
図示される反応器1400は、ICP RIE反応器として構成されるが、実施形態は、そのように限定されず、他のタイプのプラズマ生成も、採用されることができる。いくつかの実施形態では、プラズマ反応器1400は、容量結合プラズマ(CCP)反応器であることができ、これは、その中でDC電力またはAC電力が、それぞれ、2つの電極間に印加され、容量結合プラズマ放電を形成する、DCまたはACプラズマ反応器であり得る。プラズマ反応器がDCプラズマ反応器である、実施形態では、プラズマ反応器は、その中でDC電力がパルス状形態で印加され得る、パルス状DCプラズマ反応器として構成されてもよい。パルス状DC電圧は、バイポーラまたはユニポーラであることができる。バイポーラであるとき、DC電圧は、対向極性における振幅において対称または非対称であることができる。DCまたはAC電力は、2つの電極の一方または両方を通して印加されることができ、これは、同一または異なる電力供給源によって駆動されることができる。いくつかの実施形態では、電極はそれぞれ、電力供給源に接続される一方、いくつかの他の実施形態では、2つの電極のうちの一方のみが、「作動中」であり得る一方、他方は、電気的に接地または浮動される。いくつかの他の実施形態では、2つの電極のうちの一方が、「作動中」であって、パルス状DCまたはAC電力を受容すると、他方の電極は、荷電種が基板に向かって加速し得るように、バイアス、例えば、DCバイアス下に設置されることができる。さらに他の実施形態では、電極は、二重周波数を用いて駆動されることができ、電極のうちの一方は、電力を電子に供給し、プラズマ密度を制御するために、より高いRF周波数で駆動される一方、電極の他方は、基板へのイオン衝突を制御するために、より低いRF周波数で駆動される。
【0134】
但し、その中でエネルギーが、いくつかの状況下では、プラズマの密度を向上させ得る、時変磁場によって生産された電気電流によって供給される、電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマ反応器等の他のタイプのプラズマ反応器も、可能性として考えられる。
【0135】
したがって、中間構造1200C、1300Cの暴露された基板領域は、上記に説明されるプラズマ反応器構成のうちの任意の1つにおいて、または他の構成を使用して、エッチングされる。エッチングパラメータの詳細は、エッチングの間の中間構造1500を図示する、図15に関して下記に説明される。以下では、実施形態による、種々のエッチング条件が、説明される。
【0136】
いくつかの実施形態では、プラズマ1416を衝打または生成するステップに先立って、プラズマ反応器1400内のガスの組成が、1つ以上のガスを、プラズマ反応器1400の中に、1つ以上のガス入口1412を通して、導入することによって調節される。種々の実施形態では、生成されたプラズマ1416内のガスの混合物は、CHFおよび分子水素(H)を含むフッ化炭素ガスを含む。いくつかの実施形態では、ガスの体積は、加えて、He、Ar、Ne、およびXe、またはその混合物等の不活性ガスを含むことができる。いくつかの実施形態では、ガスの混合物は、H、CHF、およびArから本質的に成る。種々の実施形態では、ガス混合物中のCHF対Hの比は、10:1、10:3、10:5、10:7、10:10、7:10、5:10、3:10、および1:10(これらの比率を含む)のうちの任意の2つによって定義された範囲内である。種々の実施形態では、ガスの混合物内の不活性ガスは、10%、30%、50%、70%、および90%(これらのパーセンテージを含む)のうちの任意の2つによって定義された範囲内である。これらの範囲外の値も、可能性として考えられる。任意の理論に拘束されるわけではないが、ガスの混合物は、空間1012によって分離される、ライン1008を含む、結果として生じるパターン化されたLi系酸化物特徴が、その上に入射する光を回折することによって内部結合または外部結合し得る、回折格子として好適であるように、溝の底部および側壁表面を含む、暴露された表面上での不揮発性LiFの生成または再蒸着または両方を低減させる際に効果的であり得る。
【0137】
いくつかの実施形態では、エッチングの間、反応器1400は、一定圧力に維持されることができる。任意の理論に拘束されるわけではないが、比較的に低い圧力は、平均自由行程を増加させることによって、イオンの比較的に高い指向性を提供することができ、これは、より急峻な側壁プロファイルにつながり得る。他方では、比較的に高い圧力は、反応物の部分的圧力および濃度を増加させることができ、これは、増加されたエッチングレートにつながり得る。本発明者らは、好適な平衡が、所望のエッチングレートおよびプロファイルを取得するためにイオンの平均自由行程と反応物の可用性との間に達成され得ることを決定した。具体的プロセスに応じて、種々の実施形態によると、反応器1400は、1mTorr、10mTorr、20mTorr、30mTorr、40mTorr、50mTorr、60mTorr、70mTorr、80mTorr、90mTorr、および100mTorr(これらの圧力を含む)のうちの任意の2つによって定義された範囲内の一定圧力に維持されることができる。これらの範囲外の値も、可能性として考えられる。
【0138】
十分なRF電力が、反応器1400内で印加され、とりわけ、好適なプラズマ密度を提供する。種々の実施形態によると、例えば、図14に図示されるICP RFアンテナ1404またはコイル1404によって、基板の上方のガスの体積に送達される、プラズマ生成ICP RF電力は、50W、100W、200W、300W、400W、500W、600W、700W、800W、900W、および1000W(これらの電力を含む)のうちの任意の2つによって定義された範囲内にある。これらの範囲外の値も、可能性として考えられる。上記に議論されるように、プラズマ生成ICP RF電力は、とりわけ、プラズマ密度を制御することができる。種々の実施形態によると、プラズマ生成ICP RF電力に加え、50W、100W、200W、300W、400W、500W、600W、700W、800W、900W、および1000W(これらの電力を含む)のうちの任意の2つによって定義された範囲内のイオンバイアスRF電力も、例えば、カソードRF電源1408(図14)によって、カソードに送達されてもよい。これらの範囲外の値も、可能性として考えられる。上記に議論されるように、イオンバイアスRF電力は、とりわけ、基板に衝突するイオンのエネルギーを制御することができる。ICP RF電力およびカソードRF電力の周波数は、例えば、13.56MHzの調整されたRF周波数、または2.45GHzの調整されたマイクロ波周波数、または他の周波数であることができる。プラズマ生成RF電力およびイオンバイアスRF電力は、個々に、または組み合わせて、エッチングレートを変化させることができる。いくつかの状況下では、より高いエッチングレートは、エッチングマスク層に対するより低いエッチング選択性につながり得ることを理解されたい。
【0139】
本発明者らは、圧力、RF電力、およびガス流量/比率等の種々の反応器パラメータを制御することによって、LiF生成および/または再蒸着レートを制御するための種々のエッチングパラメータ、および結果として生じるエッチングプロファイルが、制御されることができることを見出している。例えば、上記に議論されるように、種々のプロセスパラメータは、エッチングレートに影響を及ぼし得る。これらのパラメータのうちの1つ以上のものを制御することによって、エッチングレートは、実施形態によると、1nm/分、5nm/分、10nm/分、15nm/分、20nm/分、25nm/分、および30nm/分(これらのレートを含む)のうちの任意の2つによって定義された範囲内のレートに制御される。これらの範囲外の値も、可能性として考えられる。加えて、Li系酸化物の除去レート:エッチングマスク層の除去レートによって定義されるエッチング選択性も、実施形態によると、10:1、5:1、2:1、1:1、1:2、1:5、および1:10(これらの比率を含む)のうちの任意の2つによって定義された範囲内の比率に制御されることができる。これらの範囲外の値も、可能性として考えられる。
【0140】
結果として生じる中間構造1500は、図15に図示される。中間構造1500は、エッチングマスク特徴1220を使用してパターン化される、Li系酸化物特徴1008A、1008Bを含む。したがって、加工されるLi系酸化物特徴1008a、1008Bは、図10Bおよび10Cに関して上記に説明されるように、種々の寸法を有する。続いて、エッチングマスク特徴1220は、好適な乾式および/または湿式プロセスを使用して除去されてもよい。例えば、エッチングマスク特徴1220が、フォトレジストから形成されるとき、エッチングマスク特徴1220は、反応性酸素またはフッ素種、例えば、酸素またはフッ素自由ラジカル等の酸化反応性種が、揮発性ガスを形成するために使用され、圧送される、レジストストリップピングまたはアッシングプロセスによって除去されてもよい。いくつかの実施形態では、アッシングまたはストリップピングプロセスは、フォトレジストのバルクを除去するために比較的に高温で実施され、その後、溝内の残差フォトレジストを除去するために使用される、デスカムプロセスが続く。
【0141】
いくつかの実施形態では、エッチングマスク特徴1220は、反応器1400(図14)内で生成されたプラズマによって、原位置で除去される。いくつかの他の実施形態では、エッチングマスク特徴1220は、例えば、その中で反応性酸素またはフッ素種等の酸化種が、遠隔または下流プラズマ生成器を使用して形成され得る、別個のツール内で除去される。
【0142】
エッチングマスク特徴1220が、フォトレジスト下にハードマスクを含む、実施形態では、フォトレジストが除去された後、残りのハードマスク層は、ハードマスクの材料に応じて、好適な乾式または湿式除去プロセスを使用して除去されてもよい。
【0143】
エッチングマスク特徴1220を除去後、中間構造1500は、好適な湿式洗浄溶液中で洗浄されてもよい。例えば、中間構造1500は、15分~240分またはより長い時間にわたって、室温で、2:2:1の比率で、水酸化アンモニウム、過酸化水素、および水の混合物を含むベースピラニア溶液中に浸漬させることによって、湿式洗浄されてもよい。
(例示的プロセス条件)
【0144】
下記の表1に要約される実験的エッチング行列が、種々のプロセスパラメータの効果を例証するために実施された。
【表1】
【0145】
図16A-16Dは、それぞれ、エッチングプロセスの間、CFHおよびArが、チャンバの中に流動されたが、Hは、流動されなかった、表1内の実施例4-7に従うプロセスレシピを使用して、LiNbO基板をエッチングすることによって取得されるエッチングプロファイルを図示する、断面走査電子顕微鏡写真である。対照的に、図17、18、および19Aは、それぞれ、エッチングプロセスの間、CFH、Ar、およびHが、チャンバの中に流動された、表1内の実施例1-3に従うプロセスレシピを使用してLiNbO基板をエッチングすることによって取得される断面エッチングプロファイルを図示する。断面エッチングプロファイルによって図示されるように、CFHおよびHの共存は、向上されたエッチングレートおよび選択性をもたらす。
【0146】
図19Bおよび19Cは、ベースピラニア溶液中でのエッチングされる状態のままのサンプルを湿式洗浄する効果を例証する、上下走査電子顕微鏡写真を図示する。図19Bは、洗浄前の図19Aに示されるサンプルの平面走査電子顕微鏡写真を図示し、19Cは、洗浄後の図19Bに示されるサンプルの平面走査電子顕微鏡写真を図示する。図19Bにおいて可視の白色残留物の除去は、ベースピラニア溶液を使用した湿式洗浄プロセスの有効性を示す。
(付加的実施例)
(実施例1)
ディスプレイデバイスを加工する方法であって、
リチウム(Li)系酸化物を含む基板を提供することと、
エッチングマスクパターンを形成し、基板の領域を暴露することと、
CHFを含むガス混合物を使用して、基板の暴露された領域をプラズマエッチングし、回折光学要素を形成することと、
を含み、
回折光学要素は、その上に入射する可視光を回折するように構成される、Li系酸化物特徴を備える、方法。
(実施例2)
回折光学要素は、回折格子を備える、実施例1に記載の方法。
(実施例3)
エッチングマスクパターンは、Li系酸化物特徴が側方方向に周期的に繰り返されるように、周期的に基板を暴露する、実施例1または2に記載の方法。
(実施例4)
ガス混合物はさらに、Hおよび不活性ガスを含む、上記実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例5)
ガス混合物中のCHF対Hの比は、10:1~1:10の範囲内である、上記実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例6)
ガス混合物中の不活性ガスは、ガス混合物の総体積に基づく、10%~90%の範囲内である、上記実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例7)
ガス混合物は、H、CHF、およびArから本質的に成る、上記実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例8)
プラズマエッチングすることは、1nm/分~30nm/分の範囲内のレートでエッチングすることを含む、上記実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例9)
プラズマエッチングすることは、二重RF周波数によって生成されたプラズマを使用してエッチングすることを含む、上記実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例10)
プラズマエッチングすることは、50W~500Wの範囲内のRF電力によって生成されたプラズマを使用してエッチングすることを含む、上記実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例11)
プラズマエッチングすることは、10mTorr~50mTorrの範囲内の圧力で反応チャンバ内でエッチングすることを含む、上記実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例12)
プラズマエッチングすることは、1:0.1~1:5の範囲内のエッチングレート選択性比率でエッチングマスクパターンに対して基板を選択的にエッチングすることを含む、上記実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例13)
エッチングマスクパターンを形成することは、リソグラフィ技法を使用して形成することを含む、上記実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例14)
エッチングマスクパターンを形成することは、ナノインプリント技法を使用して形成することを含む、上記実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例15)
エッチングマスクパターンは、フォトレジスト、誘電材料、金属、または合成材料から形成される、上記実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例16)
エッチングマスクパターンは、金属または金属合金から形成される、上記実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例17)
水酸化アンモニウム、過酸化水素、および水を含む溶液中において、プラズマエッチングに続いて、基板を湿式洗浄することをさらに含む、上記実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例18)
Li系酸化物特徴は、2.0を上回る屈折率を有する、上記実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例19)
Li系酸化物特徴は、ニオブ酸リチウムまたはタンタル酸リチウムを含む、上記実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例20)
Li系酸化物特徴は、10nm~200nmの範囲内の高さを有する、上記実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例21)
Li系酸化物特徴は、200nm~1μmの範囲内のピッチで周期的に繰り返される、上記実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例22)
Li系酸化物特徴は、0.1~0.9の範囲内のデューティサイクルを有する、上記実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例23)
回折光学要素を形成することは、可視光を側方方向に誘導するように構成される、導波管上に形成することを含む、上記実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例24)
回折光学要素を形成することは、Li系酸化物を含む導波管上に形成することを含む、上記実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例25)
回折光学要素は、導波管を備える、基板上に形成され、導波管は、モノリシックに統合された構造として、回折光学要素と統合される、上記実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例26)
回折光学要素は、導波管上に形成され、導波管は、Li系酸化物と異なる材料を含む上記実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例27)
回折光学要素は、光を導波管の中に結合する導波管としての役割を果たす、基板上に形成される、内部結合要素としての役割を果たす、上記実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例28)
回折光学要素は、光を導波管から外に結合するための導波管としての役割を果たす、基板上に形成される、外部結合要素としての役割を果たす、上記実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例29)
回折光学要素は、回折光学要素によって内部結合または外部結合される、可視スペクトル内の任意の波長を有する、可視光を誘導するように構成される、導波管を備える、基板上に形成される、上記実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例30)
回折光学要素は、全内部反射を介して、回折光学要素によって内部結合される、またはそれを通して外部結合される、可視光を誘導するように構成される、導波管を備える、基板上に形成される、上記実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例31)
ディスプレイデバイスを加工する方法であって、
リチウム(Li)系酸化物を含む基板を提供することと、
基板の暴露された領域を備える、エッチングマスクパターンを形成することと、
CHFおよびHを含むガス混合物を使用して、基板の暴露された領域をプラズマエッチングし、パターン化されたLi系酸化物構造を形成することと、
を含む、方法。
(実施例32)
ガス混合物中のCHF対Hの比は、10:1~1:10の範囲内である、実施例31に記載の方法。
(実施例33)
ガス混合物の総体積の10%~90%の範囲内の不活性ガスをガス混合物中にさらに含む、実施例31または32に記載の方法。
(実施例34)
プラズマエッチングすることは、1nm/分~30nm/分のレートでエッチングすることを含む、実施例31-33のいずれか1項に記載の方法。
(実施例35)
プラズマエッチングすることは、誘導結合プラズマ反応器内でエッチングすることを含む、実施例31-34のいずれか1項に記載の方法。
(実施例36)
プラズマエッチングすることは、50W~500Wの範囲内の誘導RF電力によって生成されたプラズマを印加することを含む、実施例31-35のいずれか1項に記載の方法。
(実施例37)
プラズマエッチングすることはさらに、50W~500Wの範囲内のRF電力を基板に印加することを含む、実施例31-36のいずれか1項に記載の方法。
(実施例38)
プラズマエッチングすることは、10mTorr~50mTorrの範囲内の圧力で反応チャンバ内でエッチングすることを含む、実施例31-37のいずれか1項に記載の方法。
(実施例39)
プラズマエッチングすることは、1:0.1~0.1:1の範囲内のエッチングレート選択性比率でエッチングマスクパターンに対して基板を選択的にエッチングすることを含む、実施例31-38のいずれか1項に記載の方法。
(実施例40)
エッチングマスクパターンは、プラズマエッチングすることが、側方方向に周期的に繰り返される、Li系酸化物特徴を備える、回折格子を形成するように、基板の領域を周期的に暴露する、実施例31-39のいずれか1項に記載の方法。
(実施例41)
回折格子は、導波管を備える、基板上に形成され、導波管は、モノリシック構造として、回折格子と統合される、実施例40に記載の方法。
(実施例42)
回折格子は、導波管上に形成され、導波管は、Li系酸化物と異なる材料を含む、実施例40-42のいずれか1項に記載の方法。
(実施例43)
回折格子は、導波管を備える、基板上に形成される、内部結合要素または外部結合要素を備える、実施例40-42のいずれか1項に記載の方法。
(実施例44)
回折格子は、回折格子によって内部結合または外部結合される、可視スペクトル内の波長を有する、可視光を誘導するように構成される、導波管を備える、基板上に形成される、実施例40-43のいずれか1項に記載の方法。
(実施例45)
回折格子は、全内部反射を介して、回折格子によって内部結合される、またはそれを通して外部結合される、可視光を誘導するように構成される、導波管を備える、基板上に形成される、実施例40-44のいずれか1項に記載の方法。
(実施例46)
パターン化されたLi系酸化物構造は、基点マーカ、縁特徴、接着コーティング、およびスペーサのうちの1つ以上のものを備える、実施例31-39のいずれか1項に記載の方法。
(付加的考慮点)
【0147】
前述の明細書では、本発明は、その具体的実施形態を参照して説明された。しかしながら、種々の修正および変更が、本発明のより広義の精神および範囲から逸脱することなくそこに行われ得ることが明白となるであろう。明細書および図面は、故に、限定的意味ではなく、例証と見なされるべきである。
【0148】
実際、本開示のシステムおよび方法は、それぞれ、いくつかの革新的側面を有し、そのうちのいかなるものも、本明細書に開示される望ましい属性に単独で関与しない、またはそのために要求されないことを理解されたい。上記に説明される種々の特徴およびプロセスは、相互に独立して使用され得る、または種々の方法で組み合わせられ得る。全ての可能な組み合わせおよび副次的組み合わせが、本開示の範囲内に該当することが意図される。
【0149】
別個の実施形態の文脈において本明細書に説明されるある特徴はまた、単一の実施形態における組み合わせにおいて実装されてもよい。逆に、単一の実施形態の文脈において説明される種々の特徴もまた、複数の実施形態において別個に、または任意の好適な副次的組み合わせにおいて実装されてもよい。さらに、特徴がある組み合わせにおいて作用するものとして上記に説明され、さらに、そのようなものとして最初に請求され得るが、請求される組み合わせからの1つ以上の特徴は、いくつかの場合では、組み合わせから削除されてもよく、請求される組み合わせは、副次的組み合わせまたは副次的組み合わせの変形例を対象とし得る。いかなる単一の特徴または特徴のグループも、あらゆる実施形態に必要または必須ではない。
【0150】
とりわけ、「~できる(can)」、「~し得る(could)」、「~し得る(might)」、「~し得る(may)」、「例えば(e.g.)」、および同等物等、本明細書で使用される条件文は、別様に具体的に記載されない限り、または使用されるような文脈内で別様に理解されない限り、概して、ある実施形態がある特徴、要素、および/またはステップを含む一方、他の実施形態がそれらを含まないことを伝えることが意図されることを理解されたい。したがって、そのような条件文は、概して、特徴、要素、および/またはステップが、1つ以上の実施形態に対していかようにも要求されること、または1つ以上の実施形態が、著者の入力または促しの有無を問わず、これらの特徴、要素、および/またはステップが任意の特定の実施形態において含まれる、または実施されるべきかどうかを決定するための論理を必然的に含むことを合意することを意図されない。用語「~を備える(comprising)」、「~を含む(including)」、「~を有する(having)」、および同等物は、同義語であり、非限定的方式で包括的に使用され、付加的要素、特徴、行為、動作等を除外しない。また、用語「または」は、その包括的意味において使用され(およびその排他的意味において使用されず)、したがって、例えば、要素のリストを接続するために使用されると、用語「または」は、リスト内の要素のうちの1つ、いくつか、または全てを意味する。加えて、本願および添付される請求項で使用されるような冠詞「a」、「an」、および「the」は、別様に規定されない限り、「1つ以上の」または「少なくとも1つ」を意味するように解釈されるべきである。同様に、動作は、特定の順序で図面に描写され得るが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示される特定の順序で、または連続的順序で実施される、または全ての図示される動作が実施される必要はないと認識されるべきである。さらに、図面は、フローチャートの形態で1つ以上の例示的プロセスを図式的に描写し得る。しかしながら、描写されない他の動作も、図式的に図示される例示的方法およびプロセス内に組み込まれ得る。例えば、1つ以上の付加的動作が、図示される動作のいずれかの前に、その後に、それと同時に、またはその間に実施され得る。加えて、動作は、他の実施形態において再配列される、または再順序付けられ得る。ある状況では、マルチタスクおよび並列処理が、有利であり得る。さらに、上記に説明される実施形態における種々のシステムコンポーネントの分離は、全ての実施形態におけるそのような分離を要求するものとして理解されるべきではなく、説明されるプログラムコンポーネントおよびシステムは、概して、単一のソフトウェア製品においてともに統合される、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。加えて、他の実装も、以下の請求項の範囲内である。いくつかの場合では、請求項に列挙されるアクションは、異なる順序で実施され、依然として、望ましい結果を達成することができる。
【0151】
故に、請求項は、本明細書に示される実施形態に限定されることを意図されず、本明細書に開示される本開示、原理、および新規の特徴と一貫する最も広い範囲を与えられるべきである。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図10A
図10B
図10C
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19A
図19B
図19C
【外国語明細書】