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特開2024-161425金属化ポリエチレンフィルムおよび関連する構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161425
(43)【公開日】2024-11-19
(54)【発明の名称】金属化ポリエチレンフィルムおよび関連する構造
(51)【国際特許分類】
   B32B 15/085 20060101AFI20241112BHJP
   B32B 27/32 20060101ALI20241112BHJP
   B65D 65/40 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
B32B15/085 A
B32B27/32 Z
B65D65/40 D
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024127881
(22)【出願日】2024-08-02
(62)【分割の表示】P 2021542151の分割
【原出願日】2019-11-19
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2019/074583
(32)【優先日】2019-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128484
【弁理士】
【氏名又は名称】井口 司
(72)【発明者】
【氏名】ドゥ、チョー
(72)【発明者】
【氏名】パン、チエンピン
(72)【発明者】
【氏名】ユン、シアオピン
(72)【発明者】
【氏名】ウェン、シールン
(72)【発明者】
【氏名】グプテ、カウストゥブ
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ホンユウ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】金属化された表面への他の材料の良好な接着を示す、包装用途のための金属化ポリエチレンフィルムを提供する。
【解決手段】ポリエチレンを含む少なくとも1つの層と、金属層と、を備えるフィルムであって、前記フィルムは、前記フィルムの総重量に基づいて、300ppm以下のステアリン酸金属および50ppm以下のステアリン酸を有する、フィルムである。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエチレンを含む少なくとも1つの層と、金属層と、を備えるフィルムであって、
前記フィルムは、前記フィルムの総重量に基づいて、300ppm以下のステアリン酸金
属および50ppm以下のステアリン酸を有する、フィルム。
【請求項2】
前記フィルムは多層フィルムであり、第1の層が線状低密度ポリエチレンを含む、請
求項1に記載のフィルム。
【請求項3】
前記第1の層は、さらに最大40重量パーセントまでの低密度ポリエチレンを含む、
請求項2に記載のフィルム。
【請求項4】
前記第1の層は、酸化防止剤、抗ブロック剤、または加工助剤のうちの1つまたは複
数をさらに含む、請求項2または3に記載のフィルム。
【請求項5】
前記第1の層における前記金属層とは反対側で、前記第1の層に隣接するコア層をさ
らに含む、請求項2から4のいずれか1つに記載のフィルム。
【請求項6】
前記コア層は、密度が0.935から0.970g/cmまたはそれらの組み合わ
せを有するポリエチレンと、0から40重量パーセントの低密度ポリエチレンを含む、請
求項5に記載のフィルム。
【請求項7】
前記コア層は、酸化防止剤および非ステアリン酸触媒中和剤のうちの1つまたは複数
をさらに含む、請求項6に記載のフィルム。
【請求項8】
前記フィルムにおける前記金属層とは反対側にあり、前記フィルムの外面であるシー
ラント層をさらに含む、請求項2から7のいずれか1つに記載のフィルム。
【請求項9】
前記シーラント層は、線状低密度ポリエチレンおよび0から40重量パーセントの低
密度ポリエチレンを含む、請求項8に記載のフィルム。
【請求項10】
前記少なくとも1つの層は、金属化の前に表面処理されて前記金属層を形成する、請
求項1から9のいずれか1つに記載のフィルム。
【請求項11】
前記少なくとも1つの層は、キャストフィルム、共押出しされたブローフィルム、ま
たは配向フィルムである、請求項1から10のいずれか1つに記載のフィルム。
【請求項12】
10から100ミクロンの厚さ、2.0から2.8の光学密度を有する、請求項1か
ら11のいずれか1つに記載のフィルム。
【請求項13】
ポリエチレンを含む前記少なくとも1つの層は、少なくとも300MPaの機械方向
の係数を有する、請求項1から12のいずれか1つに記載のフィルム。
【請求項14】
金属化の1週間後に少なくとも38ダイン/cmの前記金属層の表面の表面エネルギ
ーを有する、請求項1から13のいずれか1つに記載のフィルム。
【請求項15】
基材に積層された請求項1から14のいずれか1つに記載のフィルムを備える物品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、包装用途のための金属化ポリエチレンフィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
一部の用途では、包装フィルムは、包装の内容物を保護するために、湿気および/ま
たは酸素に対して優れたバリア特性を示さなければならない。プラスチック包装材料は、
ガラスや金属では対応できない靭性、軽量、設計の柔軟性を備えているが、特にポリオレ
フィンを含むほとんどのプラスチックは、酸素や水蒸気を透過するため、包装フィルムと
してはそれ自体では受け入れられない。ポリオレフィンベースのフィルム構造に対するバ
リアを改良するための1つの手法は、そのフィルムの表面に薄い金属化層を提供すること
であった。薄い金属化層は、フィルムに酸素と水蒸気に対する大幅に強化したバリア特性
を提供し、透過中の主要な物質移動抵抗に寄与する。
【0003】
金属化は様々な方法で行うことができ、そのうち、蒸着法は十分に確立され、商業化
されている。このプロセスでは、金属(Al、Cuなど)が真空室内の加熱ボートを通っ
て蒸発し、プラスチックフィルムなどの基材の表面に堆積する。一般的に使用されるポリ
マーフィルムは、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(BOPET)、二軸延伸ポリプ
ロピレン(BOPP)、およびキャストポリプロピレン(CPP)である。例えば、金属
化フィルムは、外側に印刷されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムおよび
内側のポリエチレンシーラントフィルムと積層することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
金属化フィルムは、一部の用途において、金属化フィルムの金属化表面への良好な接
着を必要とする。例えば、金属化フィルムの金属化された面は、他の層に印刷されてもよ
く、または他の層に積層する必要がある場合がある。しかしながら、金属化ポリエチレン
フィルムへの接着は、市場でのそのようなフィルムの使用を制限するという問題があった
。したがって、金属化された表面への他の材料の良好な接着を示す金属化されたポリエチ
レン包装フィルムの必要性が残っている。
【0005】
本開示は、ステアリン酸金属および/またはその副産物であるステアリン酸が、金属
化ポリエチレンフィルムの金属化表面への不十分な接着の原因であるという発見を反映し
ている。ステアリン酸金属(通常はステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸亜鉛)は
、多くの市販のLLDPEおよびHDPE材料を含む、チーグラー・ナッタ触媒を使用し
たポリエチレンの製造における中和剤として一般的に使用されている。特に、これらのス
テアリン酸塩および/またはステアリン酸分子は、表面に迅速に移動し、金属化された表
面の表面エネルギーを大きく引き下げることが見出された。これは、金属化フィルムがロ
ールに巻かれていることから、どちらかの表面への移行が金属表面を汚染する可能性があ
るため、特に問題となる。
【0006】
したがって、本明細書に開示されるのは、ポリエチレンを含む少なくとも1つの層と
、金属層と、を備えるフィルムであり、このフィルムは、フィルムの総重量に基づいて、
100万分の300重量部(ppm)以下のステアリン酸金属および50ppm以下のス
テアリン酸を有する。また、本明細書に開示されるのは、ポリエチレンを含む少なくとも
1つの層と、金属化の1週間後に少なくとも38ダイン/cmの金属層を含む金属層と、
を備えるそのようなフィルムである。さらに、本明細書に開示されるのは、基材に積層さ
れたそのようなフィルムを備える物品である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書に開示されるのは、少なくとも1つのポリエチレン含有層および金属層を備
えるフィルム、ならびにそのようなフィルムを備える積層体または包装などの物品である
。これらの層は接着して接触している可能性がある。
【0008】
ポリエチレン含有フィルム層
本明細書に開示されるフィルムは、ポリエチレンを含む少なくとも1つの層を有する
。ポリエチレンを含む1つの層が設けられ得る。あるいは、ポリエチレンを含む2つ以上
の層が設けられ得る。これらの層は接着して接触している可能性がある。ポリエチレンを
含む3つ(または3つ以上)の層が設けられ得る。ポリエチレンを含む3つ(または3つ
以上)の層が設けられる場合、金属層に隣接する層は本明細書では第1層と呼ばれ、フィ
ルムの外側の金属層と反対側の層はシーラント層と呼ばれ、第1の層とシーラント層との
間の1つまたは複数の層は、1つまたは複数のコア層である。ポリエチレンを含む層が1
つしか設けられていない場合、本明細書で第1の層、コア層、またはシーラント層として
説明したポリエチレン組成物のいずれかを使用することができる。ポリエチレンを含む層
が2つしか設けられていない場合、第1層とコア層、第1層とシーラント層、またはコア
層とシーラント層の任意の組み合わせを使用することができる。2つ以上のポリエチレン
含有層が設けられる場合、各ポリエチレン含有層は、少なくとも1つの他のポリエチレン
含有層に直接隣接する場合があり、または接着剤層または他の中間層を2つ以上のポリエ
チレン含有層の間に使用することができる。
【0009】
フィルムおよびフィルム中にポリエチレンを含む各層は、ステアリン酸金属(例えば
、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸亜鉛)およびステアリン酸が存在しない(
0ppm)または実質的に存在しないことを特徴とすることができる。具体的には、フィ
ルム中のステアリン酸金属(例えば、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸亜鉛)
の量は、フィルムの総重量に基づいて、300ppm以下、250ppm以下、200p
pm以下、100ppm以下、または50ppm以下であり得る。フィルム中のポリエチ
レン層中のステアリン酸金属(例えば、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸亜鉛
)の量は、そのポリエチレン層の重量に基づいて、300ppm以下、250ppm以下
、200ppm以下、100ppm以下、または50ppm以下であり得る。本発明者ら
は、ステアリン酸金属の量が、上記の制限よりも少量で許容できることを見出した。した
がって、ポリエチレン層には、層の総重量に基づいて、0.01ppm以上、0.1pp
m以上、または1ppm以上の量のステアリン酸金属(例えば、ステアリン酸カルシウム
またはステアリン酸亜鉛)が見出され得る。同様に、フィルム中には、フィルムの総重量
に基づいて、0.01ppm以上、0.1ppm以上、または1ppm以上の量のステア
リン酸金属(例えば、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸亜鉛)が見出され得る
。そのような量は、金属化後、最大1、最大2、最大3、または最大4週間の金属層の表
面エネルギーの実質的な劣化を引き起こさない。フィルム中のステアリン酸の量は、フィ
ルムの総重量に基づいて、50ppm以下、40ppm以下、または30ppm以下であ
り得る。フィルムのポリエチレン層中のステアリン酸の量は、ポリエチレン層の総重量に
基づいて、50ppm以下、40ppm以下、または30ppm以下であり得る。本発明
者らは、ステアリン酸の量が少量で許容できることを見出した。したがって、ポリエチレ
ン層中には、層の総重量に基づいて、0.01ppm以上、0.1ppm以上、または1
ppm以上の量のステアリン酸が見出され得る。同様に、フィルム中には、フィルムの総
重量に基づいて、0.01ppm以上、0.1ppm以上、または1ppm以上の量のス
テアリン酸金属(例えば、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸亜鉛)が見出され
得る。
【0010】
ステアリン酸塩は避けるべきものであるが、層は、ハイドロタルサイト(例えば、K
isuma製のDHT4V/DHT4A)などの、少量(例えば、層の総重量に基づいて
、1000ppm未満、800ppm未満、600ppm未満、500ppm未満、また
は400ppm未満)の非ステアリン酸触媒中和剤を含むことができる。
【0011】
第1の層は、ポリエチレンを含むことができる。第1層のポリエチレンは、線状低密
度ポリエチレン(LLDPE)であり得る。このLLDPEは、シングルサイト触媒され
たポリエチレン(m-LLDPEなどであるが、これには限定されない)であり得る。第
1の層は、低密度ポリエチレン(LDPE)などの1つまたは複数の追加のポリエチレン
をさらに含むことができる。追加のポリエチレンは、第1の層の総重量に基づいて、0重
量パーセントから、1重量パーセントから、5重量パーセントから、または10重量パー
セントから、最大約40重量パーセントまで、最大30重量パーセントまで、または最大
20重量パーセントまでの量で存在することができる。第1の層は、例えば、酸化防止剤
、紫外線安定剤、熱安定剤、滑り剤、抗ブロック剤、顔料または着色剤、加工助剤、架橋
触媒、難燃剤、充填剤および発泡剤などの添加剤をさらに含むことができる。コア層また
はシーラント層などの第2のポリエチレン含有層と組み合わせて使用される場合、第1の
層は、金属化され、その場合、有利には滑り剤を含まないが、抗ブロック剤(例えば、タ
ルク、二酸化ケイ素など)、酸化防止剤、および加工助剤(例えば、AVI Polym
ers製のPEA-3S)を含み得る層である。例えば、抗ブロック剤は、少なくとも1
000ppmまたは1500ppmから5000ppmの量で第1の層に存在することが
できる。添加剤の合計量は、第1の層の総重量に基づいて、10重量パーセント未満、ま
たは5重量パーセント未満であり得る。
【0012】
ポリエチレン含有層は、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(H
DPE)、またはそれらの組み合わせを含むことができる。この層はコア層にすることが
できる。この層は、層の総重量に基づいて、0重量パーセントから、1重量パーセントか
ら、または5重量パーセントから、最大40重量パーセントまで、最大30重量パーセン
トまで、または最大20重量パーセント重量パーセントの量の、1つまたは複数の追加の
ポリエチレン(LDPEなど)をさらに含むことができる。この構成は、特にコア層とし
て有用である可能性がある。この層はまた、第1の層について記載された量の、特に酸化
防止剤を含む、第1の層について述べられた添加剤を含むことができる。添加剤の合計量
は、この層の総重量に基づいて、10重量パーセント未満、または5重量パーセント未満
であり得る。
【0013】
内部層またはコア層として使用される場合、滑り剤や抗ブロック剤などの添加剤は通
常使用されない。この層は、第1の層における金属層とは反対側で、第1の層に隣接する
ことができる。
【0014】
中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、またはそれら
の組み合わせを含む層は、ASTM D882に準拠した引張機(Type5943、I
NSTRONなど)で測定した、機械方向に少なくとも200MPa、少なくとも250
MPa、少なくとも300MPa、少なくとも350MPa、または少なくとも400M
Paの引張係数を有することができる。
【0015】
ポリエチレンを含む層は、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)を含むことができ
る。LLDPEは、シングルサイト触媒されたポリエチレン(mLLDPEなど)であり
得る。この層は、低密度ポリエチレン(LDPE)などの1つまたは複数の追加のポリエ
チレンをさらに含むことができる。追加のポリエチレンは、この層の総重量に基づいて、
0重量パーセントから、1重量パーセントから、5重量パーセントから、または10重量
パーセントから、最大約40重量パーセントまで、最大30重量パーセントまで、または
最大20重量パーセントまでの量で存在することができる。この層はまた、第1の層につ
いて記載された量の添加剤を第1の層について述べたように含むことができる。これは、
フィルムの外部層であり得る。この層はシーラント層にすることができる。外部層または
シーラント層としてのその使用において、層は、特定の実施形態において有利には、抗ブ
ロック剤を含み得る。例えば、抗ブロック剤は、特定の実施形態において、少なくとも1
000ppm、または少なくとも1500ppmから、最大5000ppmの量で存在し
得る。さらに、その使用において、滑り止め剤(例えば、エルカミド)が有用である可能
性がある。例えば、滑り止め剤は、100ppmまたは200ppmから、1000pp
mまたは800ppmまでの量で存在し得る。添加剤の合計量は、この層(例えば、外部
層またはシーラント層)の総重量に基づいて、10重量パーセント未満または5重量パー
セント未満であり得る。
【0016】
ポリエチレンフィルムは、キャストフィルムまたは押出フィルムにすることができる
。フィルムは配向させることができる。フィルムは、(配向に寄与する可能性がある)ブ
ローフィルムにすることができる。フィルムは一軸配向することができる。フィルムは二
軸配向することができる。フィルムは、共押出し、例えば、共押出しブロー配向フィルム
にすることができる。フィルムは、金属化される表面で処理することができる。処理の例
としては、火炎処理、コロナ処理、およびプラズマ処理が挙げられる。例えば、ブローフ
ィルムは、外部層でコロナ処理され、次にサイドスリッターを使用して分割され得る。金
属化の前の、金属化される表面上のフィルムの表面エネルギーは、少なくとも42ダイン
/cm、または少なくとも46ダイン/cmであり得る。
【0017】
金属化前のフィルムは、ASTM D882に準拠した引張機(例えば、Type5
943、INSTRON)によって測定した、少なくとも300または少なくとも350
MPaの機械方向引張係数を有することができる。フィルムが硬いほど、金属化が容易に
なる。
【0018】
金属化と金属化フィルム
ポリエチレンフィルムは、ポリエチレンフィルムを金属化するための任意の既知の方
法によって金属化することができる。例えば、金属層を、真空金属化を使用して塗布する
ことができる。これには、金属源を提供し、それを真空環境で蒸発させて、フィルムの表
面に凝縮させることが含まれる場合がある。
【0019】
適切な金属としては、Al、Zn、Au、Ag、Cu、Ni、Cr、Ge、Se、T
i、Sn、またはそれらの酸化物が挙げられる。金属層は、アルミニウムまたは酸化アル
ミニウム(Al)から形成することができる。
【0020】
特定の実施形態による金属層の厚さは、少なくとも10ナノメートル、少なくとも2
0ナノメートル、または少なくとも30ナノメートルであり得、100ナノメートル以下
、90ナノメートル以下、80ナノメートル以下、70ナノメートル以下、または60ナ
ノメートル以下であり得る。
【0021】
金属化後、金属化フィルムは、ロール状に保管することができ、便利である。このプ
ロセスでは、金属化された表面層がフィルムの反対側のポリエチレン層と接触している。
フィルムの保管は、20から25°Cの範囲の温度、および10から20%の相対湿度で
行うことができる。
【0022】
金属化フィルムの全体の厚さは、少なくとも10ミクロン、少なくとも20ミクロン
、または少なくとも30ミクロンであり得る。特定の実施形態による金属化フィルムの全
体の厚さは、100ミクロン以下、80ミクロン以下、60ミクロン以下、または40ミ
クロン以下である。
【0023】
金属化フィルムは、少なくとも2、少なくとも2.1、少なくとも2.2、または少
なくとも2.3、および2.7以下、2.6以下、または2.5以下の光学密度(OD)
を有することができる。いくつかの実施形態では、ODは2.4である。金属化フィルム
(例えば、その上に金属層が堆積したポリエチレンフィルムを備える多層構造体)の光学
密度は、光学密度計(Shenzhen Linshang Technology製の
モデル番号LS177)を使用して測定することができる。
【0024】
金属化フィルムは、金属化から少なくとも1週間または少なくとも2週間、少なくと
も38ダイン/cm、少なくとも40ダイン/cm、または少なくとも42ダイン/cm
の金属化表面の表面エネルギーを保持することができる。
【0025】
上記のような金属化フィルムは、別のフィルムなどの基材上に印刷および/または積
層することができる。この別のフィルムは、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフ
タレート、すなわちPET)などの別のポリマー材料であり得る。本金属化フィルムの優
れた保持表面エネルギーは、金属化ポリエチレンへの積層または印刷で以前に見られた問
題を回避する。
【0026】
金属化フィルム(別のフィルムへの積層の有無にかかわらず)は、包装などの物品を
形成するために使用できる。本発明の多層構造体から形成することができる包装の例には
、可撓性包装、パウチ、自立型パウチ、および既製の包装またはパウチが含まれ得る。本
発明の多層フィルムは、食品パッケージに使用することができる。かかる包装に含まれ得
る食品の例には、肉、チーズ、シリアル、ナッツ、ジュース、ソース、などが挙げられる
。かかる包装は、本明細書の教示に基づいて、かつ包装の特定の用途(例えば、食品の種
類、食品の量など)に基づいて、当業者に既知である技術を使用して形成することができ
る。
【0027】
試験方法と定義
相反する記載がなく、文脈から暗示されておらず、または当該技術分野で慣例的でな
い限り、全ての部およびパーセントは、重量を基準とするものであり、全ての温度は℃で
あり、全ての試験方法は、本開示の出願日の時点において最新のものである。
【0028】
本明細書で使用される場合、「組成物」という用語は、組成物を含む材料の混合物、
ならびに組成物の材料から形成された反応生成物および分解生成物を指す。
【0029】
「ポリマー」は、同じタイプかまたは異なるタイプにかかわらず、モノマーを重合さ
せることによって調製されたポリマー化合物を意味する。したがって、ポリマーという一
般的な用語は、ホモポリマーという用語(微量の不純物がポリマー構造に組み込まれ得る
という理解の下に、1種類のみのモノマーから調製されたポリマーを指すために用いられ
る)、および本明細書において以下に定義されるインターポリマーという用語を包含する
。微量の不純物(例えば、触媒残渣)が、ポリマー中および/またはポリマー内に組み込
まれていてもよい。ポリマーは、単一のポリマー、ポリマーブレンド、または重合中にそ
の場で形成されるポリマーの混合物を含むポリマー混合物であり得る。
【0030】
本明細書で使用される場合、「インターポリマー」という用語は、少なくとも2つの
異なる種類のモノマーの重合により調製されるポリマーを指す。したがって、インターポ
リマーという総称は、(2つの異なる種類のモノマーから調製されるポリマーを指すため
に用いられる)コポリマー、および3つ以上の異なる種類のモノマーから調製されるポリ
マーを含む。
【0031】
「付着接触」という用語および同様の用語は、1つの層が両方の層の層間表面(すな
わち、接触する表面)を損傷することなく、他の層から除去できないように、1つの層の
1つの表面および別の層の1つの表面が接触してお互いに結合することを意味する。
【0032】
「~を含む(comprising)」、「~を含む(including)」、「
~を有する(having)」という用語、およびそれらの派生語は、それらが具体的に
開示されているか否かにかかわらず、任意の追加の成分、ステップ、または手順の存在を
除外することを意図するものではない。いかなる疑念も避けるために、「含む(comp
rising)」という用語の使用を通して特許請求される全ての組成物は、別段矛盾す
る記述がない限り、ポリマー性かまたは別のものであるかにかかわらず、いかなる追加の
添加剤、アジュバント、または化合物を含んでもよい。対照的に、「から本質的になる」
という用語は、操作性に必須ではないものを除き、任意の以降の記述の範囲から任意の他
の構成要素、ステップ、または手順を除外する。「からなる」という用語は、具体的に規
定または列挙されていないいかなる構成要素、ステップ、または手順も除外する。
【0033】
「ポリエチレン」または「エチレン系ポリマー」は、過半量(>50mol%)のエ
チレンモノマーに由来する単位を含むポリマーを意味するものとする。これは、ポリエチ
レンホモポリマーまたはコポリマー(2つ以上のコモノマーに由来する単位を意味する)
を含む。当該技術分野において既知であるポリエチレンの一般的な形態には、低密度ポリ
エチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレ
ン(ULDPE)、極低密度ポリエチレン(VLDPE)、直鎖状および実質的に直鎖状
の低密度樹脂の両方を含むシングルサイト触媒直鎖状低密度ポリエチレン(m-LLDP
E)、中密度ポリエチレン(MDPE)、ならびに高密度ポリエチレン(HDPE)が含
まれる。これらのポリエチレン材料は、当該技術分野において一般に既知であるが、以下
の説明は、これらの異なるポリエチレン樹脂のうちのいくつかの差異を理解する上で役立
つ可能性がある。
【0034】
「LDPE」という用語はまた、「高圧エチレンポリマー」、または「高分岐ポリエ
チレン」とも称され得、ポリマーが、過酸化物(例えば、参照により組み込まれる、US
4,599,392を参照されたい)などの、フリーラジカル開始剤を使用して、14,
500psi(100MPa)を上回る圧力で、オートクレーブまたは管状反応器中で、
部分的または完全に、ホモ重合または共重合されることを意味するように定義される。L
DPE樹脂は、典型的には、0.916~0.935g/cmの範囲内の密度を有する
【0035】
「LLDPE」という用語は、伝統的なチーグラー・ナッタ触媒系およびクロム系触
媒、ならびにビス-メタロセン触媒(「m-LLDPE」と称されることもある)および
拘束幾何触媒を含むが、これらに限定されないシングルサイト触媒を使用して作製される
樹脂の両方を含み、かつ直鎖状、実質的に直鎖状、または不均質なポリエチレンコポリマ
ーまたはホモポリマーを含む。LLDPEは、LDPEよりも少ない長鎖分岐を含有し、
米国特許第5,272,236号、同第5,278,272号、同第5,582,923
号、および同第5,733,155号にさらに定義されている、実質的に直鎖状のエチレ
ンポリマー、米国特許第3,645,992号に記載されるものなどの均質に分岐した直
鎖状エチレンポリマー組成物、米国特許第4,076,698号に開示されるプロセスに
従って調製されるものなどの不均一に分岐したエチレンポリマー、ならびに/またはそれ
らのブレンド(例えば、US3,914,342、またはUS5,854,045に開示
されているもの)を含む。LLDPEは、当該技術分野において既知である任意の種類の
反応器または反応器構成を使用して、気相、液相、もしくはスラリー重合、またはそれら
の任意の組み合わせにより作製され得る。
【0036】
「MDPE」という用語は、0.926~0.935g/cmの密度を有するポリ
エチレンを指す。「MDPE」は、典型的には、クロムもしくはチーグラー・ナッタ触媒
を使用して、またはビス-メタロセン触媒および拘束幾何触媒を含むがこれらに限定され
ないシングルサイト触媒を使用して作製され、典型的には、2.5を超える分子量分布(
「MWD」)を有する。
【0037】
「HDPE」という用語は、一般にチーグラー・ナッタ触媒、クロム触媒、またはビ
ス-メタロセン触媒および拘束幾何触媒を含むが、これらに限定されないシングルサイト
触媒を用いて調製される、約0.935g/cm超~約0.970g/cmの密度を
有するポリエチレンを指す。
【0038】
「ULDPE」という用語は、一般に、チーグラー・ナッタ触媒、クロム触媒、また
はビス-メタロセン触媒および拘束幾何触媒を含むが、これらに限定されないシングルサ
イト触媒で調製される、0.880~0.912g/cmの密度を有するポリエチレン
を指す。
【0039】
一般的に、組成物、方法、および物品は、本明細書に開示される任意の材料、ステッ
プ、または構成要素を代替的に含むか、これらからなるか、またはこれらから本質的にな
ることができる。組成物、方法、および物品は、追加的または代替的に、本願請求項の機
能または目的を達成するために必要ではない任意の材料、ステップ、または成分を含まな
い、または実質的に含まないように、製剤化、実施、または製造することができる。本明
細書に開示されるフィルムおよび物品は、本明細書で説明される実施形態の組み合わせを
含む。
【0040】
本明細書に開示される全ての範囲は、端点を含み、端点は互いに独立して組み合わせ
可能である(例えば、「最大25重量%、より具体的には、5重量%~20重量%」は、
「5重量%~25重量%」の範囲の端点および全ての中間値が含まれる、など)。さらに
、記載される上限および下限を組み合わせて範囲を形成することができる(例えば、「少
なくとも1または少なくとも2重量パーセント」および「最大10または5重量パーセン
ト」は、「1~10重量パーセント」、または「1~5重量パーセント」、または「2~
10重量パーセント」、または「2~5重量パーセント」の範囲として組み合わせること
ができる)。
【実施例0041】
フィルムおよび金属化フィルムの表面エネルギーは、テスト流体の濡れ性を通じて、
テストされた基材の濡れ張力をテストすることにより、ASTM Std.D2578に
従って時間とともに監視されている。
実施例
使用した材料を表1に示す。
【表1】
【0042】
フィルムは、単層または3層のブローフィルムに適合したフィーダーを備えた市販の
7層ブローフィルムラインで作られている。フィルム幅は400mmである。インライン
コロナ処理により、フィルムの表面エネルギーが50ダイン/cmを超える。単層の例で
は、ブローフィルムの条件を同じに保ち、厚さを50um、ブローアップ率(BUR)を
2.3にする。3層の例では、ブローフィルムの条件は例と同じに保たれ、合計の厚さは
30um、層の比率は1:3:1(外側:コア:内側)、BURは2.3になる。いくつ
かの例では、表2に記載されているように、市販の樹脂の一部として提供されるものに加
えて、追加の添加剤が導入される。これらの添加剤は、それぞれ前もって配合されたLD
PEマスターバッチを介して配合物に混合されている。フィルムはインラインコロナ処理
されており、フィルムの表面エネルギーが50ダイン/cmを超える。
【0043】
フィルムは、金属化の前にもう一度外部層で表面処理され、金属化の前にフィルムの
表面エネルギーが46ダイン/cmよりも高くなるようにする。PE膜の金属化は、実験
室規模の真空蒸着室(Shenyang Vacuum Technology Ins
titute製)で行われ、基材ホルダーが外部層を外側に向けてPE膜を固定する。抵
抗ヒーター(加熱ボート)の容器にAl線(純度99.9999%)を挿入する。真空準
位が3×10-3Paに達すると、加熱ボートがオンになり、Alが溶融して蒸発する。
電流は、40A/sで堆積速度を誘発するように調整されている。紡糸部品は、より均一
な堆積を容易にするために、基材の一定速度のスピンを駆動する。厚さモニター(水晶振
動子微量天秤(QCM))は、その場での厚さと堆積速度を監視するために使用されてい
る。真空蒸着室を換気した後、金属化したサンプルを取り出する。
【0044】
金属化フィルムの光学密度(OD)は、可視光設定下で分光光度計を使用して測定さ
れる。透過率(T、%)は、光学密度値を導出するために使用されている。
【0045】
次に、金属化フィルムをそれぞれのPEフィルムの内側に積み重ね、0.2N/cm
の制御された負荷で研磨ガラスプレートと洗浄ガラスプレートの間に周囲条件(23℃
および15%RH)で保管し、フレキシブルフィルム間の確実な接触を確保する。
【0046】
事前に設定された時間間隔で、各金属化PEフィルムのAlコーティングされた外面
の表面エネルギーがASTM Std. D2578に従ってテストされる。この値は、
5つのサンプルの平均から表2に報告されている。
【0047】
ステアリン酸カルシウム含有量は、ICP-OES(誘導結合プラズマ発光分析)で
Ca含有量を分析することによって求められる。カルシウム元素は、マススペクトルの特
定の波長によって求められる。標準液が、Ca元素の適切な濃度範囲で作成される。
【0048】
ステアリン酸含有量は、CHClを使用してフィルムから添加剤を抽出し、続い
てろ過し、LC-MS(液体クロマトグラフィー質量分析)で分析することによって分析
される。標準液が、ステアリン酸の適切な濃度範囲で作成される。
【表2】
【0049】
全ての金属化フィルムは、製造されたばかり(0日目)の表面エネルギーが46ダイ
ン/cmを超えていた。比較例1は、触媒中和剤としてステアリン酸カルシウムを含むD
owlex 2045Gから作製された単層フィルムである。比較例2は、Elite
5960GおよびDowlex 2038.68Gの両方において触媒中和剤としてステ
アリン酸カルシウムを使用したポリエチレンで作られた高密度PEコア層を有する。この
ステアリン酸カルシウム添加剤とそのステアリン酸副産物は、触媒中和を形成し、表面エ
ネルギー低下の原因であると考えられている。移動性組成物であるステアリン酸およびス
テアリン酸塩は、低密度の内側層および外側層を通って金属表面に至り、高速の表面エネ
ルギー低下を牽引する。比較例3および4は、実施例4のコア層が高密度ポリエチレンの
みであることを除いて同一である。例1から5は、ステアリン酸カルシウムが存在しない
限り、表面エネルギーが2週間にわたり許容レベルで保持されたことを示している。特に
、実施例5では、実施例2の中間層にDHT4V(ステアリン酸カルシウム以外の触媒中
和剤)が添加されている。ステアリン酸塩が配合物に含まれていない限り、表面エネルギ
ーは保持されている。
【0050】
この開示は、以下の態様をさらに包含する。
【0051】
態様1
ポリエチレンを含む少なくとも1つの層と、金属層と、を備えるフィルムであって、
前記フィルムは、前記フィルムの総重量に基づいて、300ppm以下、好ましくは未満
のステアリン酸金属および50ppm以下、好ましくは未満のステアリン酸を有する、フ
ィルム。
【0052】
態様2
前記フィルムは多層フィルムであり、第1の層が線状低密度ポリエチレンを含む、態
様1に記載のフィルム。
【0053】
態様3
前記第1の層は、さらに最大40重量パーセントまでの低密度ポリエチレンを含む、
態様2に記載のフィルム。
【0054】
態様4
前記第1の層は、酸化防止剤、抗ブロック剤、または加工助剤のうちの1つまたは複
数をさらに含む、態様2または3に記載のフィルム。
【0055】
態様5
前記第1の層における前記金属層とは反対側で、前記第1の層に隣接するコア層をさ
らに含む、態様2から4のいずれか1つに記載のフィルム。
【0056】
態様6
前記コア層は、密度が0.935から0.970g/cmまたはそれらの組み合わ
せを有するポリエチレンと、0から40重量パーセントの低密度ポリエチレンを含む、態
様5に記載のフィルム。
【0057】
態様7
前記コア層は、酸化防止剤および非ステアリン酸触媒中和剤のうちの1つまたは複数
をさらに含む、態様6に記載のフィルム。
【0058】
態様8
前記フィルムにおける前記金属層とは反対側にあり、前記フィルムの外面であるシー
ラント層をさらに含む、態様2から7のいずれか1つに記載のフィルム。
【0059】
態様9
前記シーラント層は、線状低密度ポリエチレンおよび0から40重量パーセントの低
密度ポリエチレンを含む、態様8に記載のフィルム。
【0060】
態様10
前記少なくとも1つの層は、金属化の前に表面処理されて前記金属層を形成する、態
様1から9のいずれか1つに記載のフィルム。
【0061】
態様11
前記少なくとも1つの層は、キャストフィルム、共押出しされたブローフィルム、配
向フィルム(例えば、一軸配向フィルムまたは二軸配向フィルム)である、態様1から1
0のいずれか1つに記載のフィルム。
【0062】
態様12
10から100ミクロンの厚さ、2.0から2.8の光学密度を有する、態様1から
11のいずれか1つに記載のフィルム。
【0063】
態様13
ポリエチレンを含む前記少なくとも1つの層は、少なくとも300MPaの機械方向
の係数を有する、態様1から12のいずれか1つに記載のフィルム。
【0064】
態様15
金属化の1週間後に少なくとも38ダイン/cmの前記金属層の表面の表面エネルギ
ーを有する、態様1から13のいずれか1つに記載のフィルム。
【0065】
態様16
前記フィルムは、金属化後1週間ロール状に保管されている、態様15に記載のフィ
ルム。
【0066】
態様17
前記フィルムは、20から25℃の範囲の温度および10から20%の相対湿度で保
管されている、態様15または16に記載のフィルム。
【0067】
態様18
a.線状低密度ポリエチレンおよび前記第1の層に基づいて最大40重量パーセント
までの低密度ポリエチレンを含み、任意で酸化防止剤、抗ブロック剤、または加工助剤の
うちの1つまたは複数をさらに含む前記第1の層と、
b.前記第1の層における前記金属層とは反対側で、前記第1の層に隣接するコア層
であって、密度が0.935から0.970g/cmまたはそれらの組み合わせを有す
るポリエチレンと、0から40重量パーセントの低密度ポリエチレンを含み、任意で酸化
防止剤および非ステアリン酸触媒中和剤のうちの1つまたは複数をさらに含む前記コア層
と、
c.前記フィルムにおける前記金属層とは反対側にあり、前記フィルムの外面である
シーラント層であって、線状低密度ポリエチレンおよび0から40重量パーセントの低密
度ポリエチレンを含む前記シーラント層と、を備える、態様1から17のいずれか1つに
記載のフィルム。
【0068】
態様19
前記金属化された表面上に印刷がある、態様1から18のいずれか1つに記載のフィ
ルム。
【0069】
態様20
基材に積層された態様1から19のいずれか1つに記載のフィルムを備える物品。

【手続補正書】
【提出日】2024-08-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエチレンを含む少なくとも1つの層と、金属層と、を備えるフィルムであって、前記フィルムは、前記フィルムの総重量に基づいて、300ppm以下のステアリン酸金属および50ppm以下のステアリン酸を有する、フィルム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0069】
態様20
基材に積層された態様1から19のいずれか1つに記載のフィルムを備える物品。
本願発明には以下の態様が含まれる。
項1.
ポリエチレンを含む少なくとも1つの層と、金属層と、を備えるフィルムであって、前記フィルムは、前記フィルムの総重量に基づいて、300ppm以下のステアリン酸金属および50ppm以下のステアリン酸を有する、フィルム。
項2.
前記フィルムは多層フィルムであり、第1の層が線状低密度ポリエチレンを含む、項1に記載のフィルム。
項3.
前記第1の層は、さらに最大40重量パーセントまでの低密度ポリエチレンを含む、項2に記載のフィルム。
項4.
前記第1の層は、酸化防止剤、抗ブロック剤、または加工助剤のうちの1つまたは複数をさらに含む、項2または3に記載のフィルム。
項5.
前記第1の層における前記金属層とは反対側で、前記第1の層に隣接するコア層をさらに含む、項2から4のいずれか1つに記載のフィルム。
項6.
前記コア層は、密度が0.935から0.970g/cmまたはそれらの組み合わせを有するポリエチレンと、0から40重量パーセントの低密度ポリエチレンを含む、項5に記載のフィルム。
項7.
前記コア層は、酸化防止剤および非ステアリン酸触媒中和剤のうちの1つまたは複数をさらに含む、項6に記載のフィルム。
項8.
前記フィルムにおける前記金属層とは反対側にあり、前記フィルムの外面であるシーラント層をさらに含む、項2から7のいずれか1つに記載のフィルム。
項9.
前記シーラント層は、線状低密度ポリエチレンおよび0から40重量パーセントの低密度ポリエチレンを含む、項8に記載のフィルム。
項10.
前記少なくとも1つの層は、金属化の前に表面処理されて前記金属層を形成する、項1から9のいずれか1つに記載のフィルム。
項11.
前記少なくとも1つの層は、キャストフィルム、共押出しされたブローフィルム、または配向フィルムである、項1から10のいずれか1つに記載のフィルム。
項12.
10から100ミクロンの厚さ、2.0から2.8の光学密度を有する、項1から11のいずれか1つに記載のフィルム。
項13.
ポリエチレンを含む前記少なくとも1つの層は、少なくとも300MPaの機械方向の係数を有する、項1から12のいずれか1つに記載のフィルム。
項14.
金属化の1週間後に少なくとも38ダイン/cmの前記金属層の表面の表面エネルギーを有する、項1から13のいずれか1つに記載のフィルム。
項15.
基材に積層された項1から14のいずれか1つに記載のフィルムを備える物品。
【外国語明細書】