(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161427
(43)【公開日】2024-11-19
(54)【発明の名称】管腔内イメージングシステム、脈管内イメージングシステム、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 8/12 20060101AFI20241112BHJP
【FI】
A61B8/12
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024129707
(22)【出願日】2024-08-06
(62)【分割の表示】P 2021547899の分割
【原出願日】2019-10-24
(31)【優先権主張番号】62/750,983
(32)【優先日】2018-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FIREWIRE
2.BLUETOOTH
3.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(71)【出願人】
【識別番号】515122402
【氏名又は名称】フィリップス イメージ ガイディッド セラピー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】チャオ ペイ‐イン
(72)【発明者】
【氏名】ラジュル ニヒル シュリーダール
(72)【発明者】
【氏名】ルシア ロビン
(72)【発明者】
【氏名】ナイア アヌジャ
(72)【発明者】
【氏名】ディ トゥッリオ アレッサンドラ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】正確な測定及びラベル付けが可能な管腔内超音波ナビゲーションガイダンス、並びに、関連するデバイス、システム、及び方法を提供する。
【解決手段】管腔内超音波イメージングカテーテルと通信し、患者の体管腔内におけるイメージングカテーテルから管腔内超音波画像を受信するように構成されるプロセッサ回路であって、体管腔が複数のセグメントを備える、当該プロセッサ回路を備える、管腔内超音波イメージングシステムが開示されている。プロセッサ回路は、複数のセグメントのうちの、画像が取得されたときにイメージングカテーテルが位置していたセグメントを識別し、複数のセグメントを含む体管腔の定型的な図と、画像が取得されたときにイメージングカテーテルが位置していた、定型的な図におけるセグメントを識別するインジケーターとをディスプレイに出力するように構成されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管腔内超音波イメージングカテーテルとの通信のためのプロセッサ回路を備える管腔内超音波イメージングシステムであって、前記プロセッサ回路は、
前記管腔内超音波イメージングカテーテルが、複数のセグメントを備える患者の体管腔内に位置している間に、前記管腔内超音波イメージングカテーテルにより取得された管腔内超音波画像を受信し、
前記複数のセグメントのうちの、前記管腔内超音波画像が取得されたときに前記管腔内超音波イメージングカテーテルが位置していたセグメントを識別し、
前記複数のセグメントを含む前記体管腔の定型的な図と、前記管腔内超音波画像が取得されたときに前記管腔内超音波イメージングカテーテルが位置していた前記定型的な図におけるセグメントを識別するインジケーターとを含むスクリーン表示を、前記プロセッサ回路と通信するディスプレイに出力する、
管腔内超音波イメージングシステム。
【請求項2】
前記スクリーン表示が、前記定型的な図における前記複数のセグメントのうちの1つ又は複数のセグメントの近位境界と遠位境界とを示すマーカーを更に含む、
請求項1に記載の管腔内超音波イメージングシステム。
【請求項3】
前記スクリーン表示が、前記定型的な図における関心位置を示すマーカーを更に含む、
請求項1に記載の管腔内超音波イメージングシステム。
【請求項4】
前記スクリーン表示が、前記定型的な図における1つ又は複数のセグメントをそれぞれ識別する1つ又は複数のラベルを更に含む、
請求項1に記載の管腔内超音波イメージングシステム。
【請求項5】
前記スクリーン表示が、前記管腔内超音波画像が取得されたときに前記管腔内超音波イメージングカテーテルが位置していた、前記定型的な図におけるセグメント内の位置を示す位置インジケーターを更に含む、
請求項1に記載の管腔内超音波イメージングシステム。
【請求項6】
前記プロセッサ回路は、前記管腔内超音波イメージングカテーテルが前記複数のセグメントを通って動くときに、前記定型的な図における前記複数のセグメントを連続して識別する、
請求項1に記載の管腔内超音波イメージングシステム。
【請求項7】
前記プロセッサ回路が、前記定型的な図における連続して識別された前記複数のセグメントに自動的にラベル付けする、
請求項6に記載の管腔内超音波イメージングシステム。
【請求項8】
前記プロセッサ回路が、対応するセグメントに関連した統計的に代表的な基準値により、連続して識別された前記複数のセグメントに、前記定型的な図において自動的に注釈付けする、
請求項6に記載の管腔内超音波イメージングシステム。
【請求項9】
前記プロセッサ回路が、対応するセグメントに関連した自動的に測定された、又は計算された値により、連続して識別された前記複数のセグメントを、前記定型的な図において自動的に注釈付けする、
請求項8に記載の管腔内超音波イメージングシステム。
【請求項10】
前記プロセッサ回路が、前記統計的に代表的な基準値に対する前記自動的に測定された、又は計算された値の比に基づいて、連続して識別された前記複数のセグメントに色付けする、
請求項9に記載の管腔内超音波イメージングシステム。
【請求項11】
前記プロセッサ回路は、前記管腔内超音波画像が取得されたときに前記管腔内超音波イメージングカテーテルが位置していた場所を表すユーザー入力を受信する、
請求項1に記載の管腔内超音波イメージングシステム。
【請求項12】
前記プロセッサ回路は、前記管腔内超音波画像が取得されたときに前記管腔内超音波イメージングカテーテルが位置していた場所を、前記管腔内超音波画像に基づいて、自動的に決定する、
請求項1に記載の管腔内超音波イメージングシステム。
【請求項13】
前記スクリーン表示が、前記体管腔の長手方向表示、前記管腔内超音波イメージングカテーテルの動きに関連した速度インジケーター、又は、ユーザーに対する指示のうちの少なくとも1つを更に含む、
請求項1に記載の管腔内超音波イメージングシステム。
【請求項14】
前記管腔内超音波イメージングカテーテルを更に備える、
請求項1に記載の管腔内超音波イメージングシステム。
【請求項15】
管腔内超音波イメージングカテーテルが患者の体管腔内に位置している間に前記管腔内超音波イメージングカテーテルにより取得された管腔内超音波画像を、前記管腔内超音波イメージングカテーテルと通信するプロセッサ回路において受信するステップであって、前記体管腔が、複数のセグメントを備える、受信するステップと、
前記複数のセグメントのうちの、前記管腔内超音波画像が取得されたときに前記管腔内超音波イメージングカテーテルが位置していたセグメントを、前記プロセッサ回路を使用して識別するステップと、
前記プロセッサ回路と通信するディスプレイにスクリーン表示を出力するステップと、
を有し、
前記スクリーン表示が、
前記複数のセグメントを含む前記体管腔の定型的な図と、
前記管腔内超音波画像が取得されたときに前記管腔内超音波イメージングカテーテルが位置していた前記定型的な図におけるセグメントを識別するインジケーターと、
を含む、
管腔内超音波イメージング方法。
【請求項16】
末梢脈管構造における使用のための脈管内超音波イメージングシステムであって、前記脈管内超音波イメージングシステムが、
脈管内超音波イメージングカテーテルが患者の末梢血管内に位置している間に脈管内超音波画像を取得する前記脈管内超音波イメージングカテーテルであって、前記末梢血管が、複数のセグメントを備える、脈管内超音波イメージングカテーテルと、
前記脈管内超音波イメージングカテーテルとの通信のためのプロセッサ回路と、
を備え、前記プロセッサ回路が、
前記脈管内超音波イメージングカテーテルにより取得された前記脈管内超音波画像を受信し、
前記複数のセグメントのうちの、前記脈管内超音波画像が取得されたときに前記脈管内超音波イメージングカテーテルが位置していたセグメントを識別し、
スクリーン表示を前記プロセッサ回路と通信するディスプレイに出力することであって、前記スクリーン表示が、
前記複数のセグメントを含む前記末梢血管の定型的な図と、
前記脈管内超音波画像が取得されたときに前記脈管内超音波イメージングカテーテルが位置していた、前記定型的な図におけるセグメントを識別するインジケーターと、
を含む、
出力することを行う、
脈管内超音波イメージングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2018年10月26日に出願された米国仮特許出願第62/750,983号の優先権及び利益を主張し、同出願の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本明細書において説明されている主題は、医療イメージングのためのシステムに関する。特に、本開示は、末梢脈管内超音波又はIVUS画像の獲得、表示、識別、及び注釈付け、及び、画像獲得中における臨床医に対するナビゲーション補助に関連した態様について説明する。このシステムは、脈管疾患の診断及び処置のための特別だが排他的ではない有用性をもつ。
【背景技術】
【0003】
[0003] 様々なタイプの管腔内イメージングシステムが疾患を診断及び処置することに使用される。例えば、脈管内超音波(IVUS)イメージングは、患者の体内における脈管を可視化するための診断ツールとして使用される。これは、人体内における、例えば動脈又は静脈といった罹患した、又は圧縮された脈管を評価すること、処置の必要性を判定すること、処置を最適化すること、及び/又は、処置の有効性を評価することに役立つ。
【0004】
[0004] 異なる疾患又は医療工程は、異なる寸法、構造、密度、含水量、及びイメージングセンサーに対するアクセスのしやすさを伴う物理的特徴をもたらす。例えば、深部静脈血栓(DVT)が血液細胞の血栓を生成するのに対し、血栓後症候群(PTS)は脈管壁自体と同様の組成をもつ脈管におけるウェブ形成又は他の残留した構造的影響をもたらし、ひいては、脈管壁と区別することが困難となる。ステントは、特定の直径まで開いた状態に脈管又は管腔を保持するための、脈管又は管腔内に位置する高密度の(例えば金属の)物体である。幾つかの例において、管腔内イメージングは、1つ又は複数の超音波トランスデューサーを含むIVUSデバイスを使用して実行される。IVUSデバイスは脈管内に通され、及びイメージングされるエリアに案内される。トランスデューサーは超音波エネルギーを出射し、及び脈管で反射された超音波エコーを受信する。超音波エコーは関心のある脈管の画像を生成するように処理される。関心のある脈管の画像は、脈管内の1つ又は複数の病巣又は閉塞を含む。ステントはこれらの閉塞を処置するために脈管内に位置し、及び、脈管内におけるステントの配置を見るために管腔内イメージングが実行される。他のタイプの処置は、血栓除去、アブレーション、脈管形成、薬剤などを包含する。
【0005】
[0005] 末梢脈管(PV)疾患を処置するためにIVUSを使用する場合、脈管執刀医が、除菌していないスタッフメンバーにIVUSコンソールを操作するように指示しながら、IVUSカテーテルをハンドリングすることが一般的である。工程(例えば引き戻し工程)中、脈管執刀医は、典型的には、IVUS後引き戻し分析のために、除菌していないオペレーターに重要な解剖学的標識をブックマークするように指示する。
【発明の概要】
【0006】
[0006] IVUS後引き戻し分析は、すべてのセグメント及びセグメント内の重要なフレームに対して正確にラベル付けする、及び測定する除菌していない(及び典型的にはIVUS専門家ではない)スタッフにとって退屈な作業である。しかし、検査のために、償還のために、記録管理するために、及び最適な処置計画のために、正確な測定及びラベル付けが重要である。
【0007】
[0007] 本明細書において引用されている任意の参照及びその任意の説明又は議論を含む本明細書のこの背景技術欄に含まれる情報は、技術的な参照のみを目的として含まれているのであり、本開示の範囲を制限する主題とみなされるのではない。
【0008】
[0008] 脈管構造内における各IVUSフレームの位置の正確な知識情報を必要とするIVUS引き戻し又は他の管腔内工程中における脈管内イメージングプローブの位置を演算するための、表示するための、及びマーキングするためのシステムが開示されている。特に、本開示の少なくとも1つの実施形態によると、脈管構造内において捕捉されたライブIVUS画像に関連した患者の脈管構造のセグメントを識別するための、表示するための、及び記録するためのシステムが提供される。これは、イメージングプローブの位置の詳細な知識情報が所望される手動で制御される脈管内処置中に特に有用である。このシステムは、IVUSフレームと解剖学的構造との間の相関を理解しやすくすることに役立ち、及び、注意を必要とする動脈又は脈管におけるセグメントを視覚的に強調表示することにより位置ナビゲーション情報を提供する。システムは、IVUS引き戻し仮想静脈造影システムと呼ばれ得る。本明細書において開示されているIVUS引き戻し仮想静脈造影システムは、管腔内超音波イメージング工程に対して特別だが排他的ではない有用性をもつ。
【0009】
[0009] IVUS引き戻し仮想静脈造影システムは、管腔内超音波イメージングカテーテルとの通信のために構成されるプロセッサ回路であって、プロセッサ回路が、管腔内超音波イメージングカテーテルが患者の体管腔内に位置している間に管腔内超音波イメージングカテーテルにより取得された管腔内超音波画像を受信することであって、体管腔が、複数のセグメントを含む、受信することと、複数のセグメントのうちの、管腔内超音波画像が取得されたときに管腔内超音波イメージングカテーテルが位置していたセグメントを識別することと、複数のセグメントを含む体管腔の定型的な図と、管腔内超音波画像が取得されたときに管腔内超音波イメージングカテーテルが位置していた定型的な図におけるセグメントを識別するインジケーターとを含むスクリーン表示を、プロセッサ回路と通信するディスプレイに出力することとをするように構成される、プロセッサ回路を含む、管腔内超音波イメージングシステムを含む。
【0010】
[0010] 実施態様は、以下の特徴のうちの1つ又は複数を含んでもよい。上記システムにおいて、スクリーン表示が、定型的な図における複数のセグメントのうちの1つ又は複数のセグメントの近位境界と遠位境界とを示すマーカーを更に含む。上記システムにおいて、スクリーン表示が、定型的な図における関心位置を示すマーカーを更に含む。上記システムにおいて、スクリーン表示が、定型的な図における1つ又は複数のセグメントをそれぞれ識別する1つ又は複数のラベルを更に含む。上記システムにおいて、スクリーン表示が、管腔内画像が取得されたときに管腔内超音波イメージングカテーテルが位置していた定型的な図におけるセグメント内の位置を示す位置インジケーターを更に含む。上記システムにおいて、プロセッサ回路が、管腔内超音波イメージングカテーテルが複数のセグメントを通って動くときに定型的な図における複数のセグメントを連続して識別するように構成される。上記システムにおいて、プロセッサ回路が、定型的な図における連続して識別された複数のセグメントに自動的にラベル付けするように構成される。上記システムにおいて、プロセッサ回路が、対応するセグメントに関連した統計的に代表的な基準値により、連続して識別された複数のセグメントに、定型的な図において自動的に注釈付けするように構成される。上記システムにおいて、プロセッサ回路が、対応するセグメントに関連した自動的に測定された、又は計算された値により、連続して識別された複数のセグメントに、定型的な図において自動的に注釈付けするように構成される。上記システムにおいて、プロセッサ回路が、統計的に代表的な基準値に対する自動的に測定された、又は計算された値の比に基づいて、連続して識別された複数のセグメントに色付けするように構成される。上記システムにおいて、プロセッサ回路が、管腔内超音波画像が取得されたときに管腔内超音波イメージングカテーテルが位置していた場所を表すユーザー入力を受信するように構成される。上記システムにおいて、プロセッサ回路が、管腔内超音波画像が取得されたときに管腔内超音波イメージングカテーテルが位置していた場所を、管腔内超音波画像に基づいて自動的に決定するように構成される。上記システムにおいて、スクリーン表示が、体管腔の長手方向表示、管腔内超音波イメージングカテーテルの動きに関連した速度インジケーター、又はユーザーに対する指示のうちの少なくとも1つを更に含む。上記システムは、更に管腔内超音波イメージングカテーテルを含む。説明されている技術の実施態様は、ハードウェア、方法又は処理、又はコンピュータによりアクセス可能な媒体におけるコンピュータソフトウェアを含む。
【0011】
[0011] 1つの概括的な態様は、管腔内超音波イメージングカテーテルが患者の体管腔内に位置している間に管腔内超音波イメージングカテーテルにより取得された管腔内超音波画像を、管腔内超音波イメージングカテーテルと通信するプロセッサ回路において、受信するステップであって、体管腔が、複数のセグメントを含む、受信するステップと、複数のセグメントのうちの、管腔内超音波画像が取得されたときに管腔内超音波イメージングカテーテルが位置していたセグメントを、プロセッサ回路を使用して、識別するステップと、複数のセグメントを含む体管腔の定型的な図と、管腔内超音波画像が取得されたときに管腔内超音波イメージングカテーテルが位置していた定型的な図におけるセグメントを識別するインジケーターとを含むスクリーン表示を、プロセッサ回路と通信するディスプレイに、出力するステップとを有する、管腔内超音波イメージング方法を含む。この態様の他の実施形態は、本方法のアクションを実施するように各々が構成される、対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ又は複数のコンピュータストレージデバイスに記録されたコンピュータプログラムを含む。
【0012】
[0012] 1つの概括的な態様は、末梢脈管構造における使用のための脈管内超音波イメージングシステムを含み、システムは、脈管内超音波イメージングカテーテルが患者の末梢血管内に位置している間に脈管内超音波画像を取得するように構成された脈管内超音波イメージングカテーテルであって、末梢血管が、複数のセグメントを含む、脈管内超音波イメージングカテーテルと、脈管内超音波イメージングカテーテルとの通信のために構成されるプロセッサ回路とを含み、プロセッサ回路が、脈管内超音波イメージングカテーテルにより取得された脈管内超音波画像を受信し、複数のセグメントのうちの、脈管内超音波画像が取得されたときに脈管内超音波イメージングカテーテルが位置していたセグメントを識別し、複数のセグメントを含む末梢血管の定型的な図と、脈管内超音波画像が取得されたときに脈管内超音波イメージングカテーテルが位置していた、定型的な図におけるセグメントを識別するインジケーターとを含むスクリーン表示を、プロセッサ回路と通信するディスプレイに、出力するように構成される。この態様の他の実施形態は、本方法のアクションを実施するように各々が構成される、対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ又は複数のコンピュータストレージデバイスに記録されたコンピュータプログラムを含む。
【0013】
[0013] この概要は、発明を実施するための形態において以下で更に詳しく説明される概念の選択肢を簡略化された形態により提示するために提供される。この概要は、請求項に記載された主題の重要な特徴又は本質的な特徴を決定することを意図したものではなく、この概要は、請求項に記載された主題の範囲を限定することを意図したものでもない。請求項において規定されているIVUS引き戻し仮想静脈造影システムの特徴、詳細事項、有用性、及び利点のより広範囲にわたる説明は、本開示の様々な実施形態の以下に記述された説明において提供されており、及び添付図面に示されている。
【0014】
[0014] 本開示の例示的な実施形態が添付図面を参照しながら説明される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】[0015] 本開示の態様による管腔内イメージングシステムの図式的な概略図である。
【
図2】[0016] 人体内の血管(例えば動脈及び静脈)を示す図である。
【
図3】[0017] 血栓を含む血管を示す図である。
【
図4】[0018] 血栓を含む血管と、流れを回復するために血管内において拡張したステントとを示す図である。
【
図5】[0019] 本開示の少なくとも1つの実施形態による、下大静脈又は腹部大静脈におけるイメージングカテーテルの引き戻し工程の開始時における、例示的な漫画的なロードマップ又は仮想静脈造影図のスクリーン表示を示す図である。
【
図6】[0020] 本開示の少なくとも1つの実施形態による、下大静脈におけるイメージングカテーテルの引き戻し工程中における、例示的な漫画的なロードマップ又は仮想静脈造影図のスクリーン表示を示す図である。
【
図7】[0021] 本開示の少なくとも1つの実施形態による、カテーテルの端部におけるトランスデューサーアレイが左総腸骨静脈内に動かされた後の、例示的な仮想静脈造影図のスクリーン表示を示す図である。
【
図8】[0022] 本開示の少なくとも1つの実施形態による、カテーテルの端部におけるトランスデューサーアレイが左外腸骨静脈内に動かされた後の、例示的な漫画的なロードマップ又は仮想静脈造影図のスクリーン表示を示す図である。
【
図9】[0023] 本開示の少なくとも1つの実施形態による、カテーテルの端部におけるトランスデューサーアレイが左総大腿静脈内に動かされた後の、例示的な仮想静脈造影図のスクリーン表示を示す図である。
【
図10】[0024] 本開示の少なくとも1つの実施形態による、仮想静脈造影図を組み込んだ例示的なIVUSシステムのスクリーンショットの図である。
【
図11A】[0025] 本開示の少なくとも1つの実施形態による、引き戻し工程の開始時における仮想静脈造影図のスクリーン表示を示す図である。
【
図11B】[0026] 本開示の少なくとも1つの実施形態による、引き戻し工程中におけるライブビューのスクリーン表示を示す図である。
【
図12】[0027] 本開示の少なくとも1つの実施形態による、引き戻し中における、例えばIVUSデータの記録中における、スクリーン表示を示す図である。
【
図13】[0028] 引き戻し中に取得されたIVUS画像のレビュー中におけるスクリーン表示を示す図である。
【
図14】[0029] 本開示の少なくとも1つの実施形態による、IVUS画像データのレビューのためのスクリーン表示を示す図である。
【
図15】[0030] 本開示の少なくとも1つの実施形態による、IVUS画像データのレビューのためのスクリーン表示を示す図である。
【
図16】[0031] 本開示の少なくとも1つの実施形態による、IVUS画像データのレビューのためのスクリーン表示を示す図である。
【
図17】[0032] 本開示の少なくとも1つの実施形態による、引き戻し中における、例えばIVUSデータの記録中における、スクリーン表示を示す図である。
【
図18】[0033] 本開示の少なくとも1つの実施形態による、IVUS引き戻しの後段中における、例示的なスクリーン表示を示す図である。
【
図19】[0034] 本開示の少なくとも1つの実施形態による、IVUS引き戻しの終了時における、又はIVUS引き戻しの終了時付近における例示的なスクリーン表示を示す図である。
【
図20】[0035] 本開示の少なくとも1つの実施形態による、IVUSアクセスポイント選択スクリーンのスクリーンショットの図である。
【
図21】[0036] 本開示の少なくとも1つの実施形態による、ユーザーガイダンススクリーン表示のスクリーンショットの図である。
【
図22】[0037] 本開示の少なくとも1つの実施形態による、引き戻しナビゲーション及びマーキング表示のスクリーンショットの図である。
【
図23】[0038] 本開示の少なくとも1つの実施形態による、引き戻しナビゲーション及びマーキング表示のスクリーンショットの図である。
【
図24】[0039] 本開示の態様による、例示的な管腔内方向ガイダンス方法のフロー図である。
【
図25】[0040] 本開示の実施形態による、プロセッサ回路の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[0041] 本開示は、概して、管腔内イメージングデバイスを使用した患者の体管腔に関連したイメージングを包含する、医療イメージングに関する。例えば、本開示は、患者の脈管構造内における脈管内イメージングプローブの位置を決定及びマーキングするためのシステム、デバイス、及び方法について説明している。本開示の少なくとも1つの実施形態によると、脈管構造内において捕捉されたライブIVUS画像に関連した患者の脈管構造のセグメントを識別、表示、及び記録するためのシステムが提供される。これは、イマジンプローブの位置の詳細な知識情報が所望される手動で制御される脈管内処置中に特に有用である。このシステムは、以下IVUS引き戻し仮想静脈造影システムと呼ばれ、IVUSフレームと解剖学的構造との間の相関を理解しやすくすることに役立ち、及び、注意を必要とする動脈又は脈管におけるセグメントを識別すること、及び視覚的に強調表示することにより、位置ナビゲーション情報を提供する。
【0017】
[0042] 本明細書において説明されているデバイス、システム、及び方法は、2018年10月26日に出願された米国仮特許出願第62/750,983号(代理人書類整理番号2018PF01112-44755.2000PV01)、2018年10月26日に出願された米国仮特許出願第62/751,268号(代理人書類整理番号2018PF01160-44755.1997PV01)、2018年10月26日に出願された米国仮特許出願第62/751,289号(代理人書類整理番号2018PF01159-44755.1998PV01)、2018年10月26日に出願された米国仮特許出願第62/750,996号(代理人書類整理番号2018PF01145-44755.1999PV01)、2018年10月26日に出願された米国仮特許出願第62/751,167号(代理人書類整理番号2018PF01115-44755.2000PV01)、及び、2018年10月26日に出願された米国仮特許出願第62/751,185号(代理人書類整理番号2018PF01116-44755.2001PV01)において説明されている1つ又は複数の特徴を含み得、各出願の全体が本明細書に完全に記載されているのと同等に参照により本明細書に組み込まれる。
【0018】
[0043] 本明細書において説明されているデバイス、システム、及び方法は、2018年3月14日に出願された米国仮特許出願第62/642,847号(代理人書類整理番号2017PF02103)(及び同出願に基づいて米国特許出願第16/351175号として2019年3月12日に出願された非仮特許出願)、2018年7月30日に出願された米国仮特許出願第62/712,009号(代理人書類整理番号2017PF02296)、2018年7月30日に出願された米国仮特許出願第62/711,927号(代理人書類整理番号2017PF02101)、及び2018年3月15日に出願された米国仮特許出願第62/643,366号(代理人書類整理番号2017PF02365)(及び同出願に基づいて米国特許出願第16/354970号として2019年3月15日に出願された非仮特許出願)において説明されている1つ又は複数の特徴を更に含み得、各出願の全体が本明細書に完全に記載されているのと同等に参照により本明細書に組み込まれる。
【0019】
[0044] 本開示は管腔内医療イメージング工程中に静脈造影図タイプのロードマップを提供することにより、患者の脈管又は管腔内において脈管内イメージングプローブ又は管腔内イメージングプローブを配向すること、ナビゲートすること、及び案内することにおいて臨床医を実質的に補助する。静脈造影図タイプのロードマップは、指向性インジケーター、自動測定ツール、ステップごとのナビゲーション又は操作指示、及び患者の解剖学的構造内におけるプローブの位置を示すコレジストレーションされた脈管マップとともに、定型的な統計的に代表的なヒトの解剖学的構造を含んでもよい。医療イメージングセンサー(例えば管腔内超音波センサー)と通信する医療イメージングコンソール(例えば管腔内イメージングコンソール)において実現されていることから、本明細書において開示されているIVUS引き戻し仮想静脈造影システムは、時間の節約と捕捉された画像の位置の確実さの改善との両方を提供する。この改善されたイメージングワークフローは、生のイメージングデータを、注釈付けされたロードマップ、解剖学的測定結果、及び所与の工程を実施する臨床医に対するステップごとの指示に変換する。これは、臨床画像の解剖学的位置及び配向を決定するために臨床画像を手動で解釈するために通常ルーチン化される必要性を伴わずに行われる。この型破りなアプローチは、より効率的なワークフロー及びより有用な臨床的なアウトプットを可能にすることにより、医療イメージングコンソール及びセンサーの機能を改善する。コレジストレーションの態様は、例えば米国特許第7,930,014号及び米国特許第8,298,147号において説明されており、これらの特許の全体が全体として参照により本明細書に組み込まれる。定型的な図は、(例えばすべての患者に共通した、又はすべての患者を代表した)メモリに記憶された、及びメモリから入手された、又は、1つ又は複数のIVUS画像から取得されたデータから生成された、及び、イメージングデバイス(例えばx線又はIVUS)により取得された実際の画像と異なる、図、概略図、図面、又はグラフィックを含み得る。
【0020】
[0045] IVUS引き戻し仮想静脈造影システムは、出力がディスプレイにおいて視認可能な、及び、キーボード、マウス、又はタッチスクリーンインターフェースからのユーザー入力を受け入れる、及び1つ又は複数の医療イメージングセンサー(例えば管腔内超音波センサー)と通信するプロセッサにおいて実行される制御プロセスにより演算される、論理的分岐及び数学的演算の集合として実現される。その点について、制御プロセスは、イメージング工程の開始時にユーザーにより行われた異なる入力又は選択に応答して特定の具体的な演算を実施し、及び、工程中にユーザーにより行われた入力に応答してもよい。プロセッサ、ディスプレイ、センサー、及びユーザー入力システムの特定の構造、機能、及び動作は当技術分野において知られており、他の事項が詳細事項を伴って本開示の新規な特徴又は態様を可能にするように本明細書に記載されている。
【0021】
[0046] 様々なタイプの管腔内イメージングシステムが疾患を診断及び処置することに使用される。例えば、脈管内超音波(IVUS)イメージングが患者の体内における脈管を可視化するための診断ツールとして使用される。これは、(例えば処置前及び処置後における脈管のイメージングを通して)処置の必要性を判定するために、処置を最適化するために、及び/又は、処置の有効性を評価するために、人体内における、例えば動脈又は静脈といった罹患した、又は圧縮された脈管を評価することに役立つ。
【0022】
[0047] 幾つかの例において、管腔内イメージングは、1つ又は複数の超音波トランスデューサーを含むIVUSデバイスを使用して実行される。IVUSデバイスは、脈管内に通され、及びイメージングされるエリアに案内される。トランスデューサーは、超音波エネルギーを出射し、脈管で反射された超音波エコーを受信する。超音波エコーは、関心のある脈管の画像を生成するように処理される。関心のある脈管の画像は、脈管内の1つ又は複数の病巣又は閉塞及び/又は圧縮による狭窄の部位を含む。ステントは、これらの閉塞又は狭窄を処置するために脈管内に位置し、及び脈管内におけるステントの配置を見るために管腔内イメージングが実行される。他のタイプの処置は、血栓除去、アブレーション、脈管形成、薬剤などを包含する。
【0023】
[0048] 特に、医師は、医師が基準とし得る解剖学的基準(骨の標識)を一切伴わずに、専用のIVUSスクリーンにおいて断面IVUS画像及び再構成された長手方向ビュー(画像長手方向表示又はILD)のみを見るので、特定のIVUSフレームがどの動脈又は脈管セグメントに属するかを理解することは、困難であり時間のかかることであり得る。患者の解剖学的構造に関連してIVUSプローブの位置を理解するために、医師は、現在、別のスクリーンに位置した、引き戻し中の蛍光透視画像を見る。更に、末梢脈管介入中、セグメントの境界に対する解剖学的基準は、引き戻しをしている間に、及びライブモード時にIVUSにおいて医師及び他のユーザーが認識する、及び、医師及び他のユーザーが心の中に記憶しなければならない他の脈管との合流及び分岐である。臨床医は、更に、低熟練者である臨床医の補助者に対し関心領域を要求する。IVUS引き戻し仮想静脈造影システムは、基準標識の欠如を克服し、IVUSフレームの相対位置を表示し、IVUS画像の解釈をより簡単にする。IVUS引き戻し仮想静脈造影システムは、1つの単純な定型的な解剖学的可視化結果にこの情報を描写し、このことが、引き戻しの完了後における画像解釈に役立ち、ブックマークされたフレームのコンテキスト上の可視化結果を提供する。IVUS引き戻し仮想静脈造影システムは、脈管執刀医のスタッフへの依存度を減らす。引き戻しの完了時に、IVUS測定結果が解釈しやすい手法によりIVUS引き戻し仮想静脈造影システムにおいて自動的にプロットされる。
【0024】
[0049] 引き戻し中に、合流、健康なフレーム、及び最も閉塞したフレームをマーキングすることは、現在、典型的には除菌していないスタッフにより行われる。一般的なシナリオにおいて、これらの人員は、医師の指示に応じてIVUSスクリーンにおいてブックマークする。しかし、多くの場合、2つのアクション間に時間遅延が存在し、シフトされたブックマークされたフレームをもたらす。加えて、ブックマーク中にラベル付けが可能ではない場合があり、したがって、ブックマークがILDビューにおいて区別されないことから、(事例後における)報告のタスクをより長く煩わしいものになる。フレーム及びセグメントが自動的に明確にラベル付けされるので、IVUS引き戻し仮想静脈造影システムは、脈管執刀医と及び脈管執刀医のスタッフとの間の連絡を簡単にする。IVUS引き戻し仮想静脈造影システムは、除菌していないオペレーターの多くの時間を節約し、医療記録をより完全なものにし、及び、脈管執刀医に対して事例の指示をはるかに簡単にする。IVUS引き戻し仮想静脈造影システムは、(例えば外腸骨静脈(EIV)、EIV基準、EIV事前対象物などの)関心のある重要なフレームが捕捉された脈管セグメントにより、関心のある重要なフレームを自動ラベル付けする。
【0025】
[0050] IVUS引き戻し仮想静脈造影システムは、位置ナビゲーション補助、脈管及び動脈セグメント分け、関心のある、又は注意を要する強調表示されたセグメント、IVUSフレーム位置の強調表示、及び自動ラベル付け及びプロンプトとともに、静脈造影図のグラフィカル表示を含む。
【0026】
[0051] これらの説明は、例示のみを目的として提供され、IVUS引き戻し仮想静脈造影システムの範囲を限定するように考慮されてはならない。特定の特徴が、請求項に記載された主題の趣旨から逸脱することなく追加され、除去され、又は修正されてもよい。
【0027】
[0052] 本開示の原理の理解を深めることを目的として、以下で、図面に描かれた実施形態が参照され、その実施形態について説明するために特定の表現が使用される。それにもかかわらず、本開示の範囲を限定することは意図されていないことが理解される。説明されているデバイス、システム、及び方法に対する任意の代替例及び更なる変形例、及び、本開示の原理の任意の更なる用途が、本開示に関連した当業者が通常想起するように十分に想定され、及び本開示に含まれる。特に、一実施形態に関連して説明されている特徴、コンポーネント、及び/又はステップが、本開示の他の実施形態に関連して説明されている特徴、コンポーネント、及び/又はステップと組み合わされてもよいことが十分に想定される。しかし、簡潔であるように、これらの組み合わせに関する多くの繰り返しとなる事項は個々に説明されない。
【0028】
[0053]
図1は、本開示の態様による、IVUS引き戻し仮想静脈造影システムを組み込んだ管腔内イメージングシステムの図式的な概略図である。幾つかの実施形態において、管腔内イメージングシステム100は、脈管内超音波(IVUS)イメージングシステムであり得る。管腔内イメージングシステム100は、管腔内デバイス102と、患者インターフェースモジュール(PIM)104と、コンソール又は処理システム106と、モニター108と、脈管造影、超音波、X線、コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴イメージング(MRI)、又は他のイメージング技術、機器、及び方法を含む外部イメージングシステム132とを含む。管腔内デバイス102は、患者の体管腔内に配置されるように寸法決めされ、形作られ、及び/又は別様に構造的に構成される。例えば、管腔内デバイス102は、様々な実施形態において、カテーテル、ガイドワイヤ、案内カテーテル、圧力ワイヤ、及び/又はフローワイヤである。幾つかの状況において、システム100は、更なる要素を含み、及び/又は、
図1に示される要素のうちの1つ又は複数を含まずに実現される。例えば、システム100は、外部イメージングシステム132を省略される。
【0029】
[0054] 管腔内イメージングシステム100(又は脈管内イメージングシステム)は、患者の管腔又は脈管構造における使用に適した任意のタイプのイメージングシステムであり得る。幾つかの実施形態において、管腔内イメージングシステム100は管腔内超音波(IVUS)イメージングシステムである。他の実施形態において、管腔内イメージングシステム100は、フォワードルッキング管腔内超音波(FL-IVUS)イメージング、管腔内光音響(IVPA)イメージング、心腔内エコー検査(ICE)、経食道心エコー検査(TEE)、及び/又は他の適切なイメージングモダリティのために構成されたシステムを含む。
【0030】
[0055] システム100及び/又はデバイス102は、任意の適切な管腔内イメージングデータを取得するように構成され得ることが理解される。幾つかの実施形態において、デバイス102は、例えば光学イメージング、光コヒーレンス断層撮影(OCT)などの任意の適切なイメージングモダリティのイメージングコンポーネントを含んでもよい。幾つかの実施形態において、デバイス102は、圧力センサー、流量センサー、温度センサー、光ファイバー、反射体、ミラー、プリズム、アブレーション要素、ラジオ周波(RF)電極、伝導体、又はそれらの組み合わせを包含する任意の適切な非イメージングコンポーネントを含む。概して、デバイス102は、管腔120に関連した管腔内イメージングデータを取得するためのイメージング要素を含み得る。デバイス102は、患者の脈管又は管腔120内への挿入のために寸法決めされ、形作られ(及び/又は構成され)る。
【0031】
[0056] システム100は、制御室を含むカテーテル検査室に配備される。処理システム106は制御室内に位置される。任意選択的に、処理システム106は、別の場所に、例えばカテーテル検査室自体に位置される。カテーテル検査室が除菌場を含むとともに、その関連する制御室は実施される工程に、及び/又はヘルスケア施設に応じて除菌されたものであってもよく、又は除菌されていないものであってもよい。カテーテル検査室及び制御室は、例えば、脈管造影、蛍光透視法、CT、IVUS、仮想組織構造(VH)、フォワードルッキングIVUS(FL-IVUS)、管腔内光音響(IVPA)イメージング、冠血流予備量比(FFR)特定、冠血流予備能(CFR)特定、光コヒーレンス断層撮影(OCT)、コンピュータ断層撮影、心腔内エコー検査(ICE)、フォワードルッキングICE(FLICE)、管腔内パルポグラフィー、経食道超音波、蛍光透視法、及び他の医療イメージングモダリティ、又はそれらの組み合わせといった、任意の数の医療イメージング工程を実施するために使用される。幾つかの実施形態において、デバイス102は、例えば制御室といった離れた位置から制御され、したがって、オペレーターが患者の非常に近くにいることが必要とされない。
【0032】
[0057] 管腔内デバイス102、PIM104、モニター108、及び外部イメージングシステム132は、処理システム106に直接的に、又は間接的に通信可能に結合される。これらの要素は、有線接続、例えば、標準的な銅リンク又は光ファイバーリンクを介して、及び/又は、IEEE 802.11 Wi-Fi規格、超広帯域(UWB)規格、無線FireWire、無線USB、又は別の高速無線ネットワーキング規格を使用した無線接続を介して医療処理システム106に通信可能に結合される。処理システム106は、例えばTCP/IPベースのローカルエリアネットワーク(LAN)といった1つ又は複数のデータネットワークに通信可能に結合される。他の実施形態において、例えば同期光ネットワーキング(SONET)といった異なるプロトコルが使用される。幾つかの例において、処理システム106は、広域ネットワーク(WAN)に通信可能に結合される。処理システム106は、様々なリソースにアクセスするためにネットワーク接続機能を使用する。例えば、処理システム106は、ネットワーク接続を介して医用デジタルイメージング及び通信(DICOM)システム、画像保管通信システム(PACS)、及び/又は、病院情報システムと通信される。
【0033】
[0058] ハイレベルにおいて、超音波イメージング管腔内デバイス102が、管腔内デバイス102の遠位端付近に搭載されたスキャナ組立体110に含まれるトランスデューサーアレイ124から超音波エネルギーを出射する。超音波エネルギーは、スキャナ組立体110の周辺における媒体内の組織構造(例えば管腔120)により反射され、超音波エコー信号がトランスデューサーアレイ124により受信される。スキャナ組立体110は超音波エコーを表す電気信号を生成する。スキャナ組立体110は、1つ又は複数の単一超音波トランスデューサー、及び/又は、例えば、平面アレイ、湾曲したアレイ、円周アレイ、環状アレイなどの任意の適切な構成をとるトランスデューサーアレイ124を含み得る。例えば、スキャナ組立体110は、幾つかの場合において、一次元アレイ又は二次元アレイであり得る。幾つかの場合において、スキャナ組立体110は、回転式超音波デバイスであり得る。スキャナ組立体110の有効エリアは、1つ又は複数のトランスデューサー部材、及び/又は、一様に、又は独立して制御され得る、及び有効化され得る超音波要素(例えば1つ又は複数の行、1つ又は複数の列、及び/又は1つ又は複数の配向)の1つ又は複数のセグメントを含み得る。スキャナ組立体110の有効エリアは、様々な基本的な、又は複雑な形状にパターン形成され、又は構造化され得る。スキャナ組立体110は、サイドルッキング配向(例えば、超音波エネルギーが管腔内デバイス102の長軸に垂直に、及び/又は直交して出射される)、及び/又は、フォワードルッキング配向(例えば超音波エネルギーが長軸に平行に、及び/又は長軸に沿って出射される)で位置し得る。幾つかの場合において、スキャナ組立体110は、近位方向に、又は遠位方向に、長軸に対して傾いた角度で超音波エネルギーを出射及び/又は受信するように構造的に配置される。幾つかの実施形態において、超音波エネルギーの出射は、スキャナ組立体110の1つ又は複数のトランスデューサー要素の選択的なトリガーにより電子的に操縦され得る。
【0034】
[0059] スキャナ組立体110の超音波トランスデューサーは、圧電微細加工超音波トランスデューサー(PMUT)、容量性微細加工超音波トランスデューサー(CMUT)、単結晶、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、PZT複合材料、他の適切なトランスデューサータイプ、及び/又はそれらの組み合わせであり得る。一実施形態において、超音波トランスデューサーアレイ124は、例えば2つの音響要素、4つの音響要素、36個の音響要素、64個の音響要素、128個の音響要素、500個の音響要素、812個の音響要素、及び/又はより大きい他の値及びより小さい他の値といった値を包含する、1つの音響要素から1000個の音響要素の間の、任意の適切な数の個々のトランスデューサー要素又は音響要素を含み得る。
【0035】
[0060] PIM104は、受信されたエコー信号を、(流量情報を含む)超音波画像が再構成され、及びモニター108に表示される処理システム106に伝達する。コンソール又は処理システム106は、プロセッサとメモリとを含み得る。処理システム106は、本明細書において説明されている管腔内イメージングシステム100の機能を円滑化するように動作可能である。例えば、プロセッサは、非一時的な有形なコンピュータ可読媒体に記憶されたコンピュータ可読命令を実行し得る。
【0036】
[0061] PIM104は、管腔内デバイス102に含まれる処理システム106とスキャナ組立体110との間における信号の通信を円滑化する。この通信は、管腔内デバイス102内における集積回路制御装置チップにコマンドを提供することと、送信及び受信のために使用されるトランスデューサーアレイ124における特定の要素を選択することと、選択されたトランスデューサーアレイ要素を励起するために電気パルスを生成するために送信器回路を有効化するために集積回路制御装置チップに送信トリガー信号を提供することと、及び/又は、集積回路制御装置チップに含まれる増幅器を介して選択されたトランスデューサーアレイ要素から受信された増幅されたエコー信号を受け入れることとを有する。幾つかの実施形態において、PIM104は、処理システム106にデータを中継する前にエコーデータの予備的処理を実施する。このような実施形態の例において、PIM104は、データの増幅、フィルタ処理、及び/又は収集を実施する。一実施形態において、PIM104は、スキャナ組立体110内の回路を含む管腔内デバイス102の動作をサポートするために高電圧及び低電圧DC電力を更に供給する。
【0037】
[0062] 処理システム106は、PIM104を経由してスキャナ組立体110からエコーデータを受信し、スキャナ組立体110の周辺における媒体内における組織構造の画像を再構成するためにデータを処理する。概して、デバイス102は、任意の適切な解剖学的構造及び/又は患者の体管腔内において使用され得る。脈管又は管腔120の画像、例えば管腔120の断面IVUS画像がモニター108に表示されるように、処理システム106が画像データを出力する。管腔120は、流体により充填された、又は流体に囲まれた構造物、すなわち自然なものと人工的なものとの両方を表す。管腔120は患者の体内に存在する。管腔120は、心臓脈管構造、末梢脈管構造、神経脈管構造、腎臓脈管構造及び/又は、体内における任意の他の適切な管腔を包含する、患者の脈管系の動脈又は静脈などの血管である。例えば、デバイス102は、限定されないが、肝臓、心臓、腎臓、胆嚢、膵臓、肺を包含する臓器;管;腸;脳、硬膜嚢、脊髄及び末梢神経を包含する神経系構造物;尿路;及び、心臓の血液、心腔、又は他の部分、及び/又は、体の他の系内における弁を包含する任意の数の解剖学的位置及び組織タイプを検査するために使用される。自然な構造物に加えて、デバイス102は、例えば、限定されないが、心臓弁、ステント、シャント、フィルタ、及び他のデバイスといった人工の構造物を検査するために使用される。
【0038】
[0063] 制御装置又は処理システム106は、メモリ及び/又は他の適切な有形のコンピュータ可読記憶媒体と通信する1つ又は複数のプロセッサを含む処理回路を含む。制御装置又は処理システム106は、本開示の1つ又は複数の態様を実行するように構成される。幾つかの実施形態において、処理システム106及びモニター108は独立したコンポーネントである。他の実施形態において、処理システム106及びモニター108は1つのコンポーネントに統合される。例えば、システム100は、タッチスクリーンディスプレイを含むハウジングとプロセッサとを含むタッチスクリーンデバイスを含み得る。システム100は、ユーザーがモニター108に示される選択肢を選択するための、例えば、タッチ感応式パッド又はタッチスクリーンディスプレイ、キーボード/マウス、ジョイスティック、ボタンなどの任意の適切な入力デバイスを含み得る。処理システム106、モニター108、入力デバイス、及び/又はそれらの組み合わせが、システム100の制御装置と呼ばれ得る。制御装置は、デバイス102、PIM104、処理システム106、モニター108、入力デバイス、及び/又は、システム100の他のコンポーネントと通信し得る。
【0039】
[0064] 幾つかの実施形態において、管腔内デバイス102は、従来のソリッドステートIVUSカテーテル、例えばPhilipsから入手可能なEagleEye(登録商標)カテーテル及び、全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,846,101号に開示されているものと同様の幾つかの特徴を含む。例えば、管腔内デバイス102は、管腔内デバイス102の遠位端付近におけるスキャナ組立体110と、管腔内デバイス102の長手本体に沿って延びた伝送線束112とを含む。ケーブル又は伝送線束112は1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、又はそれらより多い伝導体といった、複数の伝導体を含み得る。
【0040】
[0065] 伝送線束112は、管腔内デバイス102の近位端におけるPIMコネクタ114において終端している。PIMコネクタ114は、伝送線束112をPIM104に電気的に結合し、管腔内デバイス102をPIM104に物理的に結合する。一実施形態において、管腔内デバイス102は、ガイドワイヤ出口ポート116を更に含む。したがって、幾つかの場合において、管腔内デバイス102は迅速交換型カテーテルである。ガイドワイヤ出口ポート116は、管腔120を通して管腔内デバイス102を方向付けするために、ガイドワイヤ118が遠位端に向けて挿入されることを可能にする。
【0041】
[0066] モニター108は、例えばコンピュータモニター又は他のタイプのスクリーンといったディスプレイデバイスである。モニター108は、ユーザーに選択可能なプロンプト、指示、及びイメージングデータの可視化結果を表示するために使用される。幾つかの実施形態において、モニター108は、管腔内イメージング工程を遂行するために工程特有のワークフローをユーザーに提供するために使用される。このワークフローは、管腔の状態及びステントの可能性を決定するためのプレ・ステント計画と、管腔内に配置されたステントのステータスを決定するためのポスト・ステント検査とを実施することを有する。ワークフローは、
図5~
図7に示される表示又は可視化結果のうちの任意のものとしてユーザーに提示される。
【0042】
[0067] 外部イメージングシステム132は、x線、放射線撮影、(例えば造影剤を使用した)脈管造影/静脈造影、及び/又は、(血管120を含む)患者の体の(例えば造影剤を使用しない)蛍光透視画像を取得するように構成され得る。外部イメージングシステム132は、(血管120を含む)患者の体のコンピュータ断層撮影画像を取得するように構成される。外部イメージングシステム132は、体の外部に位置しながら(血管120を含む)患者の体の超音波画像を取得するように構成された外部超音波プローブを含む。幾つかの実施形態において、システム100は、(血管120を含む)患者の体の画像を取得するための他のイメージングモダリティシステム(例えばMRI)を含む。処理システム106は、管腔内デバイス102により取得された管腔内画像と組み合わせて患者の体の画像を使用し得る。
【0043】
[0068]
図2は、人体内の血管(例えば動脈及び静脈)を示す。例えば、人体の静脈がラベル付けされる。本開示の態様は、例えば胴又は脚における静脈といった末梢脈管構造に関連し得る。
【0044】
[0069] 閉塞は、動脈又は静脈において発生し得る。閉塞は、概して、例えば患者の健康に有害な手法により管腔(例えば動脈又は静脈)を通る流体の流れに対する制限をもたらす任意の閉塞又は他の構造的構成を表し得る。例えば、閉塞は、管腔の断面積及び/又は流体が管腔を通って流れるための利用可能な空間が小さくなるように、管腔を狭くする。解剖学的構造が血管である場合、閉塞は、限定されないが、プラーク成分、例えば、繊維質、線維脂質(線維脂肪)、壊死性コア、石灰化(高密度カルシウム)、血液、及び/又は、異なる段階(急性、亜急性、慢性など)の血栓を包含する(例えば外部の脈管からの)圧縮プラーク蓄積に起因した狭窄の結果である。幾つかの場合において、閉塞は、血栓、狭窄、及び/又は病変と呼ばれ得る。概して、閉塞の組成は、評価される解剖学的構造のタイプに依存する。解剖学的構造のより健康な部分は、一様な、又は対称な形状(例えば円形の断面形状をもつ円筒形状)をもつものである。閉塞は、一様な、又は対称な形状をもたないものである。したがって、閉塞を含む解剖学的構造の罹患した、又は圧縮された部分は、非対称な、及び/又は別様に異常な形状をもつ。解剖学的構造は、1つの閉塞又は複数の閉塞を含み得る。
【0045】
[0070] (例えば、血栓、深部静脈血栓、又はDVT、慢性完全閉塞、又はCTOなどの)閉塞の構築は、末梢脈管構造(例えば、胴、腹部、鼠径部、脚)における静脈の断面積が小さくされる1つの状況である。静脈に接触する他の解剖学的構造は、静脈の断面積を更に小さくし得、以て、静脈を通る血流を制限する。例えば、胴、腹部、鼠径部、又は脚における動脈又は靭帯は静脈を押し得、このことが、静脈の形状を変え、静脈の断面積を小さくする。他の解剖学的構造との接触によりもたらされる断面積のこのような低減は、静脈の壁が動脈又は靭帯との接触の結果として圧縮されるという点で圧縮と呼ばれ得る。
【0046】
[0071]
図3は、血栓330を含む血管300を示す。血栓は脈管壁310間において発生し、血流320を制限する。血栓には、亜急性血栓、急性血栓、及び慢性血栓を包含する多くのタイプがある。
【0047】
[0072]
図4は、血栓330を含んだ、及び、流れを回復させるために血管300内において拡張したステント440を伴う血管300を示す。ステント440は血栓330を圧縮及び拘束し、血管300を開き、血栓330が血管300を通って移動することを防ぐ。ステント440は、更に脈管壁310を外向きに押し、したがって、血液320に対する流れの制限を減らす。閉塞を軽減するための他の処置の選択肢は、血栓除去、アブレーション、脈管形成、及び薬剤品を包含してもよいが、これらに限定されない。しかし、大多数の場合において処置前に、処置中に、又は処置後における影響を受けたエリアの位置の正確な、及び詳細な知識情報とともに、影響を受けたエリアの正確な、及び適時の脈管内画像を取得することが非常に望ましい。IVUS画像に対する不正確な、又は曖昧な位置情報は、例えば、処置中に、罹患した、又は圧縮された組織の代わりに、健康な組織のアブレーション又はステント留置のリスクを伴う。
【0048】
[0073]
図5~
図23は、例示的なスクリーン表示又はグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を示す。スクリーン表示は、プロセッサ106において生成され、例えば、コンソール、カート、ベッドわきの制御装置、モバイルデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、携帯情報端末、又はPDA)、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータなどのディスプレイといった、システム100のディスプレイ又はモニター108において示され(例えば表示され)得る。ディスプレイ108は、タッチスクリーンディスプレイであり得る。ディスプレイ108は、処理回路(例えば1つ又は複数のプロセッサ及びメモリ)を含むコンピュータ又は処理システム106と通信し得る。処理回路は、ディスプレイ108が
図5~
図23のスクリーン表示を示すことをもたらすための、表示データを生成及び出力し得る。コンピュータ、処理回路、及び/又はプロセッサ106は、更に、ユーザーが入力を提供するユーザーインターフェースと通信し得る。入力は、スクリーン表示における項目の選択であり得る。ユーザーインターフェースは、幾つかの場合において、タッチスクリーンディスプレイであり得る。ユーザーインターフェースは、ボタン、ジョイスティックなどを含むキーボード、マウス、制御装置であり得る。
【0049】
[0074]
図5~
図9は、末梢脈管構造におけるIVUS引き戻し中に臨床医にガイダンスを提供するスクリーン表示を示す。スクリーン表示は、有益には、深部静脈疾患の様相をより明確に可視化するために、更なる明確さをユーザーに提供する。スクリーン表示は、脈管構造のセグメントを強調表示すること、セグメントをラベル付けすること、及び、カラーコーディングすること、又は、セグメント及び/又は近接した解剖学的構造を別様に強調表示/区別することを包含する幾つかの機能を実施する。スクリーン表示は、更に、セグメントの各々内における基準及び圧縮尺度(例えば、管腔断面積、直径など)を自動的に提供する。特定の基準(例えば、基準と圧縮尺度との間の50%以上の差)を満たすセグメントは、臨床的に関心のある、又は懸念されるセグメントを示すために、色付けされ、強調表示され、太くされ、又は異なる形態によりマーキングされる(例えば赤色に色付けされる)。更に、スクリーン表示は、引き戻し速度に関するユーザーに対するリアルタイムフィードバックを提供する。GUIは、コントラスト、ゲイン、フォーカス、及び/又は他の画像設定を調節する機能を提供することにより、画像品質の改善を更に提供し得る。画像品質は更に、十分な量の高品質IVUSデータを取得するために正しい引き戻し速度に到達するために、ユーザーにフィードバックを提供することに基づいて改善され得る。スクリーン表示は、直接的な解剖学的構造へのマップ、即時のライブ値(基準、圧縮測定結果)、カラーコーディングされたセグメント強調表示、引き戻し速度ゲージ(ガイダンス)を提供する。
【0050】
[0075] 示されるように、
図5~
図9のスクリーン表示は、管腔内超音波デバイス(例えばIVUSカテーテル)が中に位置している末梢脈管構造(例えば、下大静脈、腹部大静脈、腎静脈、左総腸骨静脈及び右総腸骨静脈、左総大腿静脈及び右総大腿静脈など)のグラフィカル表示を含む。グラフィカル表示は、脈管構造の図又は漫画的表示、(例えば、仮想又は非医療画像静脈造影図)及び/又はx線/CT/MRI画像であり得る。例えば、グラフィカル表示は、ロードマップ画像であり得る。グラフィカル表示は、取得されたIVUS画像から形成され得る。グラフィカル表示は、脈管構造の長手方向の広がりを示し、長手方向表示又は画像長手方向表示(ILD)と呼ばれ得る。
【0051】
[0076] 幾つかの実施形態において、脈管構造内に位置する可撓性長尺部材と可撓性長尺部材の遠位部におけるトランスデューサーアレイとを含むIVUSカテーテルのグラフィカル表示が更に表示される。脈管構造内におけるIVUSカテーテルの位置は、イメージング引き戻し中に
図5から
図9まで変化する。
図5に示されるように、IVUSカテーテルは、下大静脈又は腹部大静脈内に位置するトランスデューサーアレイから始まる。引き戻し中に、トランスデューサーアレイは、脈管構造内を長手方向に、左腸骨静脈(例えば
図7)を通って左大腿静脈(例えば
図9)まで移動する。
【0052】
[0077] 幾つかの実施形態において、イメージングカテーテルが引き戻し記録中に重要な解剖学的標識を通り抜ける、又は重要な解剖学的標識のそばを通るとき、ユーザーは、例えば、CIV、EIV及びCFVといった重要な解剖学的標識をマーキングする必要がある。他の実施形態において、システムは、画像分析に基づいてこれらの標識を自動的に検出し得る。幾つかの実施形態において、ユーザーが引き戻しを開始する前にシステムに入口点(大腿部、頸静脈、左脚/右脚)を示すステップを導入することにより、自動分析の正確さが更に高められる。幾つかの実施形態において、システムは更に、イメージングが進行していく間に近接した関心エリアを検出し、及び強調表示し得る。
【0053】
[0078]
図5は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、下大静脈又は腹部大静脈530におけるイメージングカテーテル510の引き戻し工程の開始時における例示的な漫画的なロードマップ又は仮想静脈造影
図500のスクリーン表示を示す。速度インジケーター520は、引き戻し速度に関するガイダンスを提供するために提供される。引き戻し速度は、脈管構造の長さ方向に沿った位置において収集されるイメージングデータの量に影響を与え、したがって、それらの位置におけるIVUS画像の画像品質に影響を与える。速度インジケーター520内における異なる色、シェーディング、テキスト、数値などが、引き戻し中に加速する(より速く進む)か、減速する(より遅く進む)か、及び/又は速度を維持するかに関してユーザーに警報を出し得る。例えば、数値を伴う速度ゲージが
図5~
図9に示される。速度ゲージのすべて又は一部は、ユーザーを導くように色付けされ得る。例えば、
図5、
図6、及び
図7において、速度ゲージにおける色付けされた(例えば緑色の)強調表示は、ユーザーの引き戻し速度が適切であり、維持されなければならないことを示す。
【0054】
[0079] 左総腸骨静脈及び右総腸骨静脈(CIV)540、左外腸骨静脈及び右外腸骨静脈(EIV)550、左総大腿静脈及び右総大腿静脈(CFV)560、及び、左大腿静脈及び右大腿静脈(F)570がこの例において更に視認可能である。他の例において、
図5に示されるものに代えて、又は加えて、他の脈管構造が可視化されてもよい。
【0055】
[0080]
図6は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、下大静脈におけるイメージングカテーテル510の引き戻し工程中における、例示的な漫画的なロードマップ又は仮想静脈造影
図500のスクリーン表示を示す。この例において、仮想静脈造影
図500は、ここでは、仮想静脈造影
図500の強調表示されたセグメントに対応した、カテーテル510により現在占有されている脈管構造のセグメントとして、下大静脈530を識別するために脈管構造に近接したテキストラベル634(「IVC」)を含む。例えば、ラベルは、対応する脈管構造セグメントの名称の略語又は完全形であり得る。
【0056】
[0081] スクリーン表示は、脈管構造セグメント530に近接した脈管構造セグメント530に関連した統計的に代表的な基準値636を更に自動的に提供する。基準値は、例えば文献に基づく健康な脈管に対する期待値である。基準値は、特定の患者に対する健康な脈管に対する値である。例えば、基準値は管腔断面積の数値である。
図6に示されている数値は例示にすぎず、特定の解剖学的構造に関連した値を反映しているとは限らない。この例において、下大静脈又は腹部大静脈530が、例えば第1の色(例えば青色)により、仮想静脈造影
図500において色付けされ、シェーディングされ、及び/又は強調表示されている。IVCセグメントに対する色は、IVCセグメントが引き戻しの開始部であることを示すために、他の脈管構造セグメントに関連した色と異なり得る。セグメントの色は、取得されたIVUSデータから圧縮尺度が決定されていないこと、又は、圧縮尺度が基準尺度に等しい、又はおおむね等しいことを更に示し得る。
【0057】
[0082]
図7は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、カテーテル510の端部におけるトランスデューサーアレイ124が左総腸骨静脈540内に動かされた後の、例示的な仮想静脈造影
図500のスクリーン表示を示す。トランスデューサーアレイにより占有されたセグメントを、左総腸骨静脈540として識別するために、脈管構造に近接してテキストラベル744(「CIV」)が提供される。この例の場合のようにカテーテルが左脚にあるのではなく患者の右脚内にあると仮定した場合、仮想静脈造影
図500の左半分におけるCIV540がラベル付けされ、仮想静脈造影
図500の右半分におけるCIV540は空白とされることになる。
【0058】
[0083] この例において、トランスデューサーアレイ124が脈管構造内において動くとき、CIVセグメント540に関連した基準値746及び圧縮値748がスクリーン表示に自動的に提供される。例えば、圧縮値748は、特定の患者に対する管腔断面積の数値又は%圧縮値である。その点について、圧縮値は、取得されたIVUSデータに基づいて自動的に計算され、次に、仮想静脈造影
図500に近接したスクリーン表示に出力される。この例において、CIVセグメント540は、基準値と圧縮値との間の比較に基づいて色付けされる。例えば、比較は、圧縮値748と基準値746との比(例えば圧縮値を基準値で割ったもの)であり得る。この例において、CIVセグメント540はIVCセグメント540とは異なる形態により色付けされる。例えば、圧縮値748が基準値746の50%未満である場合、圧縮量が患者に有害な可能性があることを示すために、セグメントが第2の色(例えば緑色)により色付けされ得る。基準値746と圧縮値748との比較のために、異なるカラーリング、シェーディング、強調表示(例えば、50%より大きい、50%未満の、0%から25%の間の、25%から50%の間の、50%から75%の間の、75%から100%の間のものに対して異なる色)が使用され得る。
【0059】
[0084] CIVセグメント540の境界をマーキングする2つの位置インジケーター710及び720が更に視認可能である。引き戻しが続き、カテーテル510が脈管構造を通して下方に(すなわち、この例では遠位に、又は患者の足に向けて)引き抜かれるとき、トランスデューサーアレイ124が最終的に位置インジケーター720を横断し、トランスデューサーアレイ124はもはやCIVセグメント540にないこととなる。
【0060】
[0085]
図8は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、カテーテル510の端部におけるトランスデューサーアレイ124が左外腸骨静脈550内に動かされた後の、例示的な漫画的なロードマップ又は仮想静脈造影
図500のスクリーン表示を示す。トランスデューサーアレイ124により占有されたセグメントを、外腸骨静脈として識別するために、脈管構造に近接してテキストラベル854(「EIV」)が提供される。EIVセグメントに関連した基準値856及び圧縮値858が自動的に提供され、及び/又は計算される。EIVセグメント550は、基準値856と圧縮値858との間の比較に基づいて、IVCセグメント530及びCIVセグメント540とは異なる形態により色付けされる。例えば、圧縮値が基準値の50%以上である場合、EIVセグメントは、圧縮量が患者に有害な可能性があることを示すために、第3の色(例えば赤色)により色付けされ得る。
【0061】
[0086]
図8は、引き戻し速度が過度に高いことを示す速度ゲージ520を更に示す。その点について、より高い引き戻し速度を示すために、(例えば
図5~
図7に比べて)速度ゲージのより大きい割合が色付けされている。この例において、引き戻し速度が減速されなければならないというリアルタイムフィードバックをユーザーに提供するために、速度ゲージ520が(例えば赤色に)色付けされる。ここではEIVセグメント550の近位境界及び遠位境界をマーキングする位置マーカー710及び720が更に視認可能である。
【0062】
[0087]
図9は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、カテーテル510の端部におけるトランスデューサーアレイ124が左総大腿静脈560内に動かされた後の、例示的な仮想静脈造影
図500のスクリーン表示を示す。トランスデューサーアレイが脈管構造セグメントを通るときに、脈管構造セグメントが仮想静脈造影
図500において連続して強調表示されている。カテーテル510のトランスデューサーアレイ124により占有されたセグメントを、総大腿静脈560として識別するために、脈管構造に近接してテキストラベル964(「CFV」)が提供される。CFVセグメント560に関連した基準値966及び圧縮値968は、自動的に提供され、及び/又は計算される。CFVセグメント560は、基準値と圧縮値との間の比較に基づいてIVC、CIV、及びEIVセグメントとは異なる形態により色付けされる。例えば、圧縮値が基準値の50%より大きい場合、セグメント560は、圧縮又は閉塞量が患者に有害ではないことを示すために、第4の色(例えば黄色)により色付けされ得る。
【0063】
[0088] ここでは右CFVセグメント560の近位境界及び遠位境界をマーキングする位置インジケーター710及び720が更に視認可能である。この例において、左大腿静脈570もラベル付けされる(「F」)が、トランスデューサーアレイ515が右Fセグメント570内にまだ引き戻されていないので、基準値、圧縮値、又は色は表示されない。
【0064】
[0089]
図10は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、仮想静脈造影
図500を組み込んだ例示的なIVUSシステムのスクリーンショット1000である。スクリーンショット1000は、断層撮影IVUS画像1010とIVUS画像長手方向表示(ILD)1020とを更に含む。この例において、仮想静脈造影
図500の左側1040は、体の左側が検査対象ではないことを示すために、非常に不鮮明な色(例えば黒色の背景に対して暗いグレー)により表示されている。下大静脈530、総腸骨静脈540、及び総大腿静脈560が現在の引き戻し工程の経路に沿っていることを示すために、下大静脈530、総腸骨静脈540、及び総大腿静脈560がより見やすい色(例えばより明るいグレー)により表示され、(例えば、外腸骨静脈550が血栓、圧縮、又は他の制限を含むセグメントであるので)外腸骨静脈550が強調のための色(例えば青色)により強調表示される。
【0065】
[0090] (例えば)後のレビューのためにIVUS画像がブックマークされる関心位置をマーキングするように、位置マーカー1030が仮想静脈造影
図500とILD1020との両方内に表示される。位置マーカー1030a及び1030bが右総腸骨静脈540に位置するのに対し、位置マーカー1030c及び1030dは右外腸骨静脈550に位置し、位置マーカー1030e及び1030fは右総大腿静脈560に位置する。
【0066】
[0091]
図11~
図12は、末梢脈管構造におけるIVUS引き戻し中、及びIVUS引き戻し後におけるユーザーガイダンスを提供するスクリーン表示を示す。スクリーン表示は、解剖学的標識情報(例えば動脈分岐)に基づく自動ラベル、画像分析に基づく自動ラベル、側部のブックマークサムネイル、ロードマップビュー(例えば、仮想静脈造影図又は実際の静脈造影図。実際の静脈造影図は断層撮影画像データとコレジストレーションされてもよい)、セグメントマッピング、長手方向及び圧縮インジケーター、すべての関連部分における自動ラベル、ユーザー選択されたアクセスポイント、画像調節、及び引き戻し速度インジケーターを提供する。
【0067】
[0092]
図11Aは、本開示の少なくとも1つの実施形態による、引き戻し工程の開始時における仮想静脈造影図のスクリーン表示1100を示す。開始インジケーター1110により示されるように、仮想静脈造影
図500に表示された脈管構造のグラフィカルビューにおいて、解剖学的構造においてユーザーが引き戻しを開始する場所をユーザーが示す。この情報は、IVUSトランスデューサーアレイ124が異なる静脈セグメント530、540、550、560、及び570を通るときに、異なる静脈セグメント530、540、550、560、及び570を自動的に識別することを補助するために、IVUS引き戻し仮想静脈造影システムに対する入力として機能する。
【0068】
[0093]
図11Bは、本開示の少なくとも1つの実施形態による、引き戻し工程中におけるライブビューのスクリーン表示1100を示す。ライブビュー1100におけるロードマップとして機能する仮想静脈造影
図500は、体内においてトランスデューサーアレイ124が位置する場所を自動的に示す。幾つかの実施形態において、コレジストレーションされたX線、CATスキャン、又は蛍光透視画像は、仮想静脈造影
図500に代えて、又は加えてロードマップとして使用される。スクリーン表示1100は、ライブ断層撮影IVUS画像1010を更に含む。加えて、スクリーン表示1100は、画像設定制御部1120(例えば、ゲイン、視野など)を含む。
【0069】
[0094]
図12は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、引き戻し中における、例えばIVUSデータの記録中における、スクリーン表示1100を示す。現在フレームインジケーター1215は、脈管構造の漫画的なロードマップ又は仮想静脈造影
図500において、カテーテル510のトランスデューサーアレイ124が現在位置する場所を示す。ラベルプリセット1220(例えば、脈管構造セグメントの略語、例えば、CIV、EIV、CFVなど)が更に提供される。IVUSフレームは画像分析に基づいて自動的にラベル付けされる。この例において、トランスデューサーアレイの現在位置は外腸骨静脈550として識別されており、したがって、EIVラベルプリセット1220は強調表示され、又は明るくされる。引き戻し速度インジケーター1230は、安定した引き戻し速度のために臨床医又は他のユーザーにガイダンスを提供する。引き戻し速度インジケーター1230は、速度に基づいて塗られた一連のブロックであり得る(例えば、より多くのブロックはより速い速度を示し、より少ないブロックはより遅い速度を示す)。断層撮影IVUS画像1010は現在のフレームを示し、自動ラベル1240は、例えば脈管構造セグメントの略語により、現在フレームインジケーター1215に関連して説明されるラベルプリセットを使用して、画像分析を使用して生成され得る。ユーザーがブックマーク選択肢及び/又はラベルプリセット選択肢を押したときに、ブックマークサムネイル1250が現れる。例えばトランスデューサーアレイの配向又は移動方向を示す方向インジケーター1260が更に含まれる。前(A)、後(P)、中央(M)、横(L)、及び/又は他の適切な方向ラベルが使用され得る。方向インジケーターは、移動方向に基づいて動くコンパス矢印を含み得る。IVUS画像1010内における関心のある解剖学的構造1270(例えば血栓)は、色付けされ、シェーディングされ、及び/又は強調表示され得る。
【0070】
[0095]
図13は、引き戻し中に取得されたIVUS画像のレビュー中におけるスクリーン表示を示す。脈管構造のロードマップ、長手方向画像、又は仮想静脈造影
図500は、ブックマークされたフレーム及びラベル1310(例えば、脈管構造セグメントの略語、対象フレーム、基準フレーム、罹患した、又は圧縮された脈管構造を表すフレーム、処置を必要とする脈管構造を表すフレーム、健康な脈管構造を表すフレームなど)のすべてを示す。処理システム106は、取得されたIVUS画像データの自動画像分析を実施し、1つ又は複数の尺度(例えば、管腔断面積、直径、圧縮、プラーク負荷など)を計算する。自動的に計算された尺度のグラフィカル表示1320が、例えば脈管構造に近接して、脈管構造のロードマップ画像に示される。例えば、グラフィカル表示は、(例えば棒グラフにおける)棒、又は、脈管構造の近接した部分に対応した値を表すヒストグラムであり得る。幾つかの実施形態において、2つ以上の尺度が(例えば異なる色により)表示され得る。1つ又は複数の尺度のグラフィカル表示の代替的なビュー1330が更に示される。例えば、グラフィカル表示は、ロードマップ画像において脈管構造に近接しているのではなく、スクリーン表示に沿って長さに関連して延びている。任意の適切なグラフィカル表示、例えば、線グラフ、棒グラフ、シンボルが、ロードマップ画像における尺度1320、又は、尺度の代替的なビュー1330を表すために使用され得る。断層撮影IVUS画像1010は、ラベルプリセット(例えば、脈管構造セグメント名、基準フレーム、対象フレームなど)を使用して、画像分析を使用してラベル1240を自動的に割り当てられ得る。断層撮影IVUS画像フレーム1010は、その画像フレームに対する1つ又は複数の計算された尺度(例えば管腔断面積、直径の数値)の視覚表現1340を更に含み得る。ブックマークビデオサムネイル1250が、例えば断層撮影IVUS画像1010に近接してスクリーン表示1100において提供される。ユーザーは、複数のIVUS画像フレーム1010を含む対応するビデオを再生するために、サムネイル1250をクリックすることができる。ユーザーは、サムネイルとしてのビデオクリップから代表的なIVUS画像フレーム1010を選択し得る。サムネイルは、ラベル(例えば脈管構造セグメント名)を含む。
【0071】
[0096]
図14~
図16は、末梢脈管構造における引き戻し中に取得されたIVUS画像データのユーザーレビューを提供するスクリーン表示を示す。スクリーン表示は、自動的に示される関連する尺度、必要な場合の他の要素の自動検出、及び縦ILDを提供する。
【0072】
[0097]
図14は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、IVUS画像データのレビューのためのスクリーン表示1400を示す。スクリーン表示の左側に、2つのIVUS画像フレーム(例えば、基準フレーム1410及び病変フレーム1420)が表示される。引き戻しの完了時に、処理システム106が、脈管構造セグメントにおける圧縮のパーセンテージ1430を、画像分析を使用して自動的に計算し、及び表示する。病変の長さ1440が画像分析を使用して更に計算され、及び表示される。他の尺度1450、例えば2フレームに対応した管腔断面積及び/又は直径が、更に自動的に計算され、及び表示される。幾つかの場合において、平均値が計算され、及び表示される。スクリーン表示の右側に、表示されたIVUS画像フレーム1410及び1420を含む脈管構造セグメントを示すコレジストレーションされた静脈造影図又は仮想静脈造影
図500が示される。マーカー1460及び1470は、基準IVUS画像フレーム1410及び病変IVUS画像フレーム1420の位置を示すために静脈造影
図500に提供される。スクリーン表示の右側は、脈管構造セグメントの縦ILD1020を更に含む。他の例又は実施形態において、縦ILD1020は、スクリーン表示1400における別の場所に位置してもよいことが理解されなければならない。縦ILD1020は、引き戻し中に取得されたIVUS画像フレーム1010から作られ得る。ラベル(例えば脈管構造セグメントの略語、例えばCIV)が更に示される。基準IVUS画像フレーム及び病変IVUS画像フレームの位置を示すために、マーカーが縦ILDに更に提供される。
【0073】
[0098]
図15は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、IVUS画像データのレビューのためのスクリーン表示1400を示す。ユーザーは、断層撮影IVUS画像フレーム1410又は1420を拡大するために、
図14の断層撮影IVUS画像フレーム1410又は1420をクリックし得る。例えば、
図14の病変フレーム1420は
図15において拡大されて示される。ユーザーは、拡大されたIVUS画像フレームにおいて(例えば、管腔の周囲におけるドットを使用して管腔の境界を選択すること、又は、管腔の周囲に線を描くこと、直径線の配向により)測定結果を編集し得る。方向ラベル1510(例えばA、P、M、L)はIVUS画像1420の周囲に提供される。選択されたフレーム1420の位置を示すマーカー1470が、スクリーン表示の右側における静脈造影
図500及び縦ILD1020に提供される。
【0074】
[0099]
図16は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、IVUS画像データのレビューのためのスクリーン表示1400を示す。ユーザーは、処理システム106が断層撮影IVUS画像1420において要素を自動セグメント分けすること、及び/又は、要素にラベル付けすることをもたらすヘルプ選択肢1610を選択し得る。例えば、自動セグメント分けは、脈管構造セグメント1620(下大静脈又はIVC)の管腔の境界、及び断層撮影画像1420における影1630を識別し、及びラベル付けする。
【0075】
[00100]
図17~
図19は、末梢脈管構造におけるIVUS引き戻し中にユーザーガイダンスを提供するスクリーン表示を示す。スクリーン表示は、引き戻しのための速度インジケーター、速度ゲージ、引き戻し中に構築された脈管構造のマップ(例えば、進行中にマップを埋める)、方向ラベルの表示(例えば前部)、及び/又は、矢印を提供する。概して、脈管構造のマップ又は画像は、2D又は3Dグラフィカル表示である。
【0076】
[00101]
図17は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、引き戻し中における、例えばIVUSデータの記録中におけるスクリーン表示1700を示す。スクリーン表示の左側に、ロードマップ画像、コレジストレーションされた外部画像、又は脈管構造の仮想静脈造影
図500が示される。IVUSデータが既に収集された脈管構造1720の部分1710が強調表示され、色付けされ、及び/又はシェーディングされる。例えば、引き戻しが既に行われた領域1710における脈管の境界が太くされるのに対し、脈管1720の他のエリアはより淡く示される。中実の太線1710が脈管の境界に対して使用され得るのに対し、破線の太線1124は分岐した脈管を横断するときに使用され得る。引き戻しが進行するにつれて、ますます多くの脈管1720視覚的に強調される1710。その点について、脈管構造1720のマップ500が引き戻し中に構築される。トランスデューサーアレイ124が前部1730から後部1740に長手方向に動かされる状態において、引き戻しが行われることにともなって、脈管構造の前部(ANT)1730及び後部(POST)1740がロードマップ画像500においてラベル付けされる。ディスプレイの底部に沿った、横ILD1020が示される。他の例又は実施形態において、横ILD1020がスクリーン表示1700内の別の場所に位置してもよいことが理解されなければならない。ILD1020は、引き戻し中にIVUSデータから形成される。示されるように、引き戻しが進行するにつれて、ますます多くのIVUS画像フレーム1010がILD1020に追加されながら、ILD1020が引き戻し中に更に構築される。脈管構造1720の前部(ANT)1730及び後部(POST)1740がロードマップ画像500においてラベル付けされる。コンパス1260がスクリーン表示1700の中央に提供されているが、コンパス1260はスクリーン表示1700における他の場合に位置してもよい。例えば、前方(ANT)は、常に上部(例えば12時の位置)に位置し得る。コンパス矢印1260は、引き戻し中の脈管構造1720内におけるトランスデューサーアレイの配向又は移動方向に基づいて方向を変え得る。引き戻し速度インジケーター520は、スクリーン表示の右上に提供される。引き戻し速度インジケーター520は、数値を伴って手動引き戻しの速度を表示し得る。インジケーターは、速度が過度に速いか、過度に遅いか、又は正しいかのグラフィカル表示(例えばシンボル)を更に含み得る。例えば、チェックマークは、引き戻し速度が正しいことを示し得る。
【0077】
[00102]
図18は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、IVUS引き戻しの後段中における例示的なスクリーン表示1700を示す。スクリーン表示1700の左側の仮想静脈造影
図500に示されるように、脈管構造1720のより長い長さからIVUSデータが取得されたことを示すように、
図17と比べて脈管構造1720のより長い長さが強調表示されている(1710、1124)。同様に、ILD1020のより長い長さが取得されたIVUS画像フレーム1010により埋められている。コンピュータ又はプロセッサが、トランスデューサーアレイ124が脈管構造内において動いている、又は配向している方向について不確かである場合、又は、方向/配向が再計算されている場合、コンパス1260の方向ラベル(ANT)又はコンパス1260の矢印が点滅し得る。
【0078】
[00103]
図19は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、IVUS引き戻しの終了時における、又はIVUS引き戻しの終了時付近における例示的なスクリーン表示1700を示す。スクリーン表示1700の左側における仮想静脈造影
図500に示されるように、IVUSデータ1010がほぼ全長から取得されたことを示すように、調査対象である脈管構造1720の長さのすべて、又はほぼすべてが強調表示(1710、1124)されている。同様に、ILD1020の長さのすべて、又はほぼすべてが取得されたIVUS画像フレーム1010により埋められている。スクリーン表示1700の右上における引き戻し速度インジケーター520は、引き戻し速度が過度に高いことを示す。例えば、シンボル(例えばエクスクラメーションマーク)、及び/又は、数値による速度値の着色(例えば赤色)が、引き戻し速度が減速されなければならないことをユーザーに示すために使用され得る。
【0079】
[00104]
図20は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、IVUSアクセスポイント選択スクリーン2000のスクリーンショットである。IVUS引き戻し仮想静脈造影システムは、概して、異なる人間部分母集団に対する統計的に代表的な管腔の解剖学的構造のアプリオリデータ集合又は知識情報集合に対してIVUS画像を照合するために、機械学習アルゴリズム又は他の訓練ベースのAIアルゴリズムを使用することにより、患者の循環系の異なる領域を自動的に識別することが可能である。しかし、IVUS引き戻し仮想静脈造影システムがイメージングカテーテル510の超音波トランスデューサー124の開始点及び移動方向に関する正確な、及び具体的な情報に基づいて始まる場合、脈管の識別の正確さが改善される。したがって、この例において、スクリーン表示2000は、臨床医又は他のユーザーが大腿部アクセスと頸静脈アクセスとの間で選択することを可能にするアクセスポイント選択部2010を含む。スクリーン表示2000は、臨床医又は他のユーザーがIVUS引き戻しの位置として患者の右脚と左脚との間で選択することを可能にする対象肢選択部2020を更に含む。これらの例は例示にすぎず、他のアクセスポイント及び対象肢又は対象領域も可能であり、工程タイプ、疾患タイプ、及び関心のある解剖学的特徴の位置に応じて代替的に、又は追加的に使用されてもよい。
【0080】
[00105] 終了ボタン2030及び開始ボタン2040が更に視認可能である。ヘルプボタン、工程タイプ選択部、疾患タイプ選択部、及び解剖学的構造タイプ選択部を包含するがこれらに限定されない他の制御部が提供されてもよい。
【0081】
[00106]
図21は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、ユーザーガイダンススクリーン表示2100のスクリーンショットである。断層撮影IVUS画像1010及びガイダンスペイン2110が視認可能である。この例において、ガイダンスペイン2110は、イメージングカテーテル510とIVUS引き戻し仮想静脈造影システムとの両方の動作について、ユーザーに対する特定の指示2115を表示する。これらの指示2115は、所与のシステムの仕様について精通する必要性を減らすことにより、臨床医又は他のユーザーに対する訓練及び記憶の負担を減らす。
【0082】
[00107]
図22は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、引き戻しナビゲーション及びマーキング表示2200のスクリーンショットである。スクリーン表示2200は、ライブ断層撮影IVUS画像1010、画像長手方向表示(ILD)1020、仮想静脈造影
図500、引き戻し速度インジケーター520、ユーザー指示2210、及びラベル付けボタン2220を含む。この例において、超音波トランスデューサーアレイ124の引き戻しが総腸骨静脈の開始点に到達したとき、ユーザー指示2210がユーザーにラベル付けボタン2220をクリックするように指示する。幾つかの実施形態において、IVUS引き戻し仮想静脈造影システムは異なる脈管構造セグメントの開始部及び終了部を自動的に識別するので、この選択は任意選択的である。他の実施形態において、IVUS引き戻し仮想静脈造影システムは、除菌していないスタッフメンバーがキーボード、マウス、ジョイスティック、又は他の除菌していない入力デバイスを操作することを必要とされないように、臨床医又は他のユーザーが声、ジェスチャー、又は他の非接触式の指示を通して脈管構造セグメントの開始部又は終了部のマーキングを選択することを可能にする。
【0083】
[00108] この例において、IVUS画像1010は、分岐した動脈2230及び分岐した静脈2240を示す。これらの分岐部のサイズ及び位置は、患者の体内における異なる脈管構造セグメントの開始部及び終了部を識別するために、画像認識アルゴリズムに対して重要な場合がある。
【0084】
[00109]
図23は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、引き戻しナビゲーション及びマーキング表示2200のスクリーンショットである。ライブ断層撮影IVUS画像1010、画像長手方向表示(ILD)1020、仮想静脈造影
図500、引き戻し速度インジケーター520、1行ユーザー指示2210、ラベル付けボタン2220、(もはや分岐していないが、この場合には1つの管腔に連結された)動脈2230、及び分岐した静脈2240が視認可能である。この例において、総腸骨静脈(CIV)540が超音波イメージングアレイ124により現時点で占有されている患者の脈管構造のセグメントであることを示すように、総腸骨静脈(CIV)540が仮想静脈造影図においてマーキングされており、及び強調表示されている。この例において、右外腸骨静脈(EIV)550が、イメージングアレイ124が入る次のセグメントであることを示すように、右外腸骨静脈(EIV)550が異なる色(例えば明るいグレー)によりマーキングされている。右脚脈管構造1720の残りの部分が引き戻し工程に現在関与していないことを示すために、右脚脈管構造1720の残りの部分が点線によりマーキングされるのに対し、左脚脈管構造が引き戻し工程にまったく関与していないことを示すために、左脚脈管構造がグレーアウトされる(例えば背景色に近いグレー色により表示される)。
【0085】
[00110]
図24は、本開示の態様による、例示的な管腔内方向ガイダンス方法2400のためのフロー図を示す。方法2400のステップが、
図13に示される順序と異なる順序で実施されてもよいこと、更なるステップがステップ前、ステップ中、及びステップ後に提供され得ること、及び/又は、説明されるステップのうちの幾つかが他の実施形態において置換されるか、又は取り除かれ得ることが理解される。これらのステップは、臨床医又は他のユーザーによる入力に応答して、例えば
図1の処理システム106といったプロセッサにおいて例えばコーディングされた命令として実行され、及び、例えば
図1のモニター108に表示される。
【0086】
[00111] ステップ2410において、ユーザーは、例えば
図20に示されるように工程(例えばIVUS引き戻し工程)の開始時に方向情報を使用して管腔内方向案内システムを初期化する。この情報は、例えば体内への入口点又はアクセスポイント(例えば、頸静脈、橈骨、右大腿部又は左大腿部)、及び、対象解剖学的構造又は移動方向を含む。この情報は、画像認識のための特定のアルゴリズム、データ集合、又は体の領域を選択するために、システムにより使用される。
【0087】
[00112] ステップ2420において、IVUSイメージングシステム100はIVUS画像を捕捉する。このような画像は、工程(例えば引き戻し工程)中に離散的に、又は連続的に捕捉され、及び処理システム106のメモリ内に記憶される。
【0088】
[00113] ステップ2430において、プロセッサ106は、解剖学的標識(例えば特定の静脈、及び静脈間の分岐点)を識別するために、捕捉されたIVUS画像の境界検出、画像処理、画像分析、及びパターン認識を実施する。引き戻し動作が実施されている間に、アルゴリズムは、静脈系形状のアプリオリ情報に基づいてこれらの標識を検出する。このような分析及び認識は、従来技術に依存してもよく、又は、(例えば、機械学習、深層学習、又は他の関連する人工知能を包含する)訓練ベースのもの又は学習ベースのものである。幾つかの実施形態において、患者自体の固有の解剖学的構造が考慮されるように、利用可能な場合に外部画像からの情報が画像認識アルゴリズムに組み込まれる。他の実施形態又は状況において、パターン認識アルゴリズムは、所与の部分母集団に対する統計的に代表的な管腔の解剖学的構造の類似体を検索してもよく、又は、このような統計的に代表的な管腔の解剖学的構造は、1つ又は複数のアルゴリズムを訓練するために使用される。境界検出、画像処理、画像分析、及び/又はパターン認識の例は、D.Geoffrey Vince、Barry D.Kuban、及びAnuja Nairを発明者とする2001年3月13日に発行された「VASCULAR PLAQUE CHARACTERIZATION」を発明の名称とする米国特許第6,200,268号、Jon D.Klingensmith、D.Geoffrey Vince、及びRaj Shekharを発明者とする2002年4月30日に発行された「INTRAVASCULAR ULTRASONIC ANALYSIS USING ACTIVE CONTOUR METHOD AND SYSTEM」を発明の名称とする米国特許第6,381,350号、Anuja Nair、D.Geoffrey Vince、Jon D.Klingensmith、及びBarry D.Kubanを発明者とする2006年7月11日に発行された「SYSTEM AND METHOD OF CHARACTERIZING VASCULAR TISSUE」を発明の名称とする米国特許第7,074,188号、D.Geoffrey Vince、Anuja Nair、及びJon D.Klingensmithを発明者とする、2007年2月13日に発行された「NON-INVASIVE TISSUE CHARACTERIZATION SYSTEM AND METHOD」を発明の名称とする米国特許第7,175,597号、Jon D.Klingensmith、Anuja Nair、Barry D.Kuban、及びD. Geoffrey Vinceを発明者とする2007年5月8日に発行された「SYSTEM AND METHOD FOR VASCULAR BORDER DETECTION」を発明の名称とする米国特許第7,215,802号、Jon D.Klingensmith、D.Geoffrey Vince、Anuja Nair、及びBarry D.Kubanを発明者とする2008年4月15日に発行された「SYSTEM AND METHOD FOR IDENTIFYING A VASCULAR BORDER」を発明の名称とする米国特許第7,359,554号、及び、Jon D.Klingensmith、Anuja Nair、Barry D.Kuban、及びD.Geoffrey Vinceを発明者とする2008年12月9日に発行された「SYSTEM AND METHOD FOR VASCULAR BORDER DETECTION」を発明の名称とする米国特許第7,463,759号を含み、これらの文献の教示がここで参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0089】
[00114] ステップ2440において、プロセッサは、識別された解剖学的標識、又は、画像分析の他の結果、例えば境界、セグメントなどを、例えばモニター108に表示されたライブ画像データに対する注釈又は重ね合わせとしてユーザーに示す。
【0090】
[00115] ステップ2450において、プロセッサ106は、パターン認識アルゴリズムを支援するための情報を含む任意選択的な更なる入力をユーザーから受け入れ可能である。例えば、ステップ2440の識別結果表示が正しくない、不完全である、位置を誤っている、又は別様に修正を必要としているとユーザーが考える場合、ユーザーが処理システム106に通信可能に接続されたキーボード、マウス、ジョイスティック、トラックボール、又は他のユーザー入力デバイスを使用して任意選択的にこの情報を修正してもよい。
【0091】
[00116] ステップ2460において、ステップ2550中にユーザーがこのような修正を入力した場合、処理システム106は、修正を反映するためにアルゴリズム内に位置する情報を更新する。任意選択的に、修正が機械学習アルゴリズムのために新しい訓練集合に組み込まれ、次に他のユーザーに配布され得るように、処理システム106が修正を中央サーバー、クラウドサーバー、又は他のリモートサイトにアップロードしてもよい。
【0092】
[00117] ステップ2470において、処理システムは、例えば
図5~
図10、
図12~
図19、及び
図22~
図23に示されるように、イメージングプローブの現在の位置及び以前の位置を示すために仮想静脈造影
図500を更新する。
【0093】
[00118] ステップ2480において、処理システム106は、利用可能な場合、及び、適切なユーザー入力(例えば
図6に示されるコレジストレーションボタン656)により、コレジストレーションされた画像をディスプレイに表示することが選択された場合、コレジストレーションされた画像をディスプレイに表示する。このようなコレジストレーションされた画像は、例えば、外部イメージングシステム132により捕捉された、及び、例えば脈管内イメージングプローブ102の近傍における脈管構造又は他の解剖学的構造を示す、X線、蛍光透視法、CATスキャン、外部超音波、又は他の画像を包含してもよい。
【0094】
[00119] 幾つかの実施形態において、コレジストレーションされた画像は、利用可能な場合、画像認識アルゴリズムに組み込まれる。
【0095】
[00120] ステップ2490において、適切なユーザー入力が選択された場合、処理システム106は、患者の体内における所望の位置にプローブ102を進行又は後退させるために、又は、所与の脈管セグメントの開始部又は終了部をマーキングするために、又は記録を開始する、又は終了するために必要とされる脈管内イメージングプローブ制御部104の動きに関連したガイダンスを臨床医に提供する。このようなガイダンスは、従来技術(例えばデータベース参照)を通して、又は、学習ベースの技術を通して決定される。
【0096】
[00121] 当業者は、幾つかの実施形態に対して、上述のステップのうちの1つ又は複数が省略され、又は異なるシーケンスにより実施され得ること、及び、他のステップが追加されてもよいことを理解する。例えば、幾つかの実施形態において、システムは、ユーザーからの入力を必要とせず、完全に自律したモードにおいて動作する。幾つかの実施形態において、画像認識及び標識識別アルゴリズムは、外部画像から情報を組み込む。幾つかの実施形態において、システムは、配向情報又は臨床医ロードマップを提供するために外部画像を必要とせず、IVUSが単独で使用されることを可能にする。
【0097】
[00122] 幾つかの実施形態において、システムは、更に、イメージングが進行していく間に、近接した標識(例えば調査対象ではない動脈又は他の脈管)又は他の関心エリア(例えば近接した脈管における狭窄部)を自動的に検出及び強調表示し得る。全体として、上述の特徴は、システムが、患者の脈管構造の特定の名称のセグメントに属するとして、標識間のすべてのIVUSフレームをグループ化する、及びラベル付けすることを可能にする。したがって、システムは、例えば圧縮といったそのセグメントに対する診断のための関連する尺度を自動的に演算し、注意の対象となるエリアを強調表示し、IVUSフレームの相対的解剖学的位置を示す。他の実施形態において、ユーザーは、音声指示により合流、基準点、及び健康なエリアをブックマークし得、したがって、除菌していないスタッフメンバーがタッチスクリーンにおけるボタンを押す必要性をなくす。
【0098】
[00123] 他の実施形態において、仮想静脈造影図は、CT又はMR脈管造影調査のセグメント分けにより取得された実際の患者の脈管の解剖学的構造の3D再構成結果である。このデータは、病院画像保管通信システム(PACS)からIVUSシステムにロードされて、実際の患者の解剖学的構造、ひいては脈管セグメントの正しい位置を考慮する利点を提供し得る。他の実施形態において、更に、IVUSと蛍光透視システムとの間のコレジストレーションが可能にされた場合、セグメントが蛍光透視スクリーンにおいて自動的にラベル付けされる。IVUS引き戻し仮想静脈造影システムのための用途は、IVUS教育、末梢脈管(PV)疾患を処置するためのIVUSシステムの使用、及び、例えばPhilipsの脈管ナビゲーターといった他の脈管ナビゲーション及び可視化システムへのリンクを包含する。
【0099】
[00124]
図25は、本開示の実施形態による、プロセッサ回路2550の概略図である。プロセッサ回路2550は、本方法を実施するために必要に応じて、超音波イメージングシステム100又は他のデバイス若しくはワークステーション(例えば、サードパーティーワークステーション、ネットワークルーターなど)において、又は、クラウドプロセッサ又は他のリモート処理ユニットにおいて実現される。示されるように、プロセッサ回路2550は、プロセッサ2560、メモリ2564、及び通信モジュール2568を含む。これらの要素は、例えば1つ又は複数のバスを介して互いに直接的に、又は間接的に通信される。
【0100】
[00125] プロセッサ2560は、機械及び量子コンピュータを包含する、中央処理ユニット(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ASIC、制御装置、又は、汎用コンピューティングデバイスの任意の組み合わせ、縮小命令セット演算(RISC)デバイス、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は他の関連する論理デバイスを包含する。プロセッサ2560は、本明細書において説明されている動作を実施するように構成された別のハードウェアデバイス、ファームウェアデバイス、又はそれらの任意の組み合わせを更に備える。プロセッサ2560は、DSPコア、又は任意の他のこのような構成と組み合わされて、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSP及びマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、1つ又は複数のマイクロプロセッサの組み合わせとして実現される。
【0101】
[00126] メモリ2564は、キャッシュメモリ(例えばプロセッサ2560のキャッシュメモリ)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気抵抗RAM(MRAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、プログラム可能読み出し専用メモリ(PROM)、消去可能でプログラム可能な読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能でプログラム可能な読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、ソリッドステートメモリデバイス、ハードディスクドライブ、他の形態の揮発性メモリ及び不揮発性メモリ、又は異なるタイプのメモリの組み合わせを包含する。一実施形態において、メモリ2564は、非一時的なコンピュータ可読媒体を包含する。メモリ2564は、命令2566を記憶する。命令2566は、プロセッサ2560により実行されたとき、本明細書において説明されている動作をプロセッサ2560に実施させる命令を含む。命令2566は、コードとも呼ばれる。「命令」及び「コード」という用語は、任意のタイプのコンピュータ可読ステートメントを包含するように広く解釈されなければならない。例えば、「命令」及び「コード」という用語は、1つ又は複数のプログラム、ルーチン、サブルーチン、機能、工程などを表してもよい。「命令」及び「コード」は、1つのコンピュータ可読ステートメント又は多くのコンピュータ可読ステートメントを包含する。
【0102】
[00127] 通信モジュール2568は、プロセッサ回路2550と他のプロセッサ又はデバイスとの間のデータの直接的な、又は間接的な通信を円滑化するための任意の電子回路及び/又は論理回路を含み得る。その点について、通信モジュール2568は、入力/出力(I/O)デバイスであり得る。幾つかの場合において、通信モジュール2568は、プロセッサ回路2550及び/又は超音波イメージングシステム100の様々な要素間の直接的な、又は間接的な通信を円滑化する。通信モジュール2568は、多くの方法又はプロトコルを通してプロセッサ回路2550内において通信する。シリアル通信プロトコルは、US SPI、I2C、RS-232、RS-485、CAN、Ethernet、ARINC429、MODBUS、MIL-STD-1553、又は任意の他の適切な方法又はプロトコルを包含してもよいがこれらに限定されない。パラレルプロトコルは、ISA、ATA、SCSI、PCI、IEEE-488、IEEE-1284、及び他の適切なプロトコルを包含するがこれらに限定されない。適切な場合は、シリアル通信及びパラレル通信は、UART、USART、又は他の適切なサブシステムにより橋渡しされる。
【0103】
[00128] 外部通信(ソフトウェア更新、ファームウェア更新、プロセッサと中央サーバーとの間のプリセットシェア、又は超音波デバイスからの読み取りを包含するがこれらに限定されない)は、例えば、ケーブルインターフェース、例えば、USB、マイクロUSB、Lightning、又はFireWireインターフェース、Bluetooth、Wi-Fi、ZigBee、Li-Fi、又はセルラーデータ接続、例えば、2G/GSM、3G/UMTS、4G/LTE/WiMAX、又は5Gといった、任意の適切な無線又は有線通信技術を使用して実現される。例えば、Bluetooth Low Energy(BLE)無線機が、データの伝送のために、及びソフトウェアパッチの受信のために、クラウドサービスとのコネクティビティを確立するために使用され得る。制御装置は、リモートサーバー、又はローカルデバイス、例えば、ラップトップ、タブレット、又は手持ち式デバイスと通信するように構成されてもよく、又は、ステータス変数及び他の情報を示すことが可能なディスプレイを含む。情報は、例えば、USBフラッシュドライブ又はメモリスティックといった物理媒体610に載せて移送される。
【0104】
[00129] 上述の例及び実施形態において多くの変形例が考えられる。例えば、IVUS引き戻し仮想静脈造影システムは、説明されているもの以外の体内の解剖学系において使用されてもよく、又は、説明されているもの以外の他の疾患タイプ、物体のタイプ、又は工程タイプをイメージングするために使用される。本明細書において説明されている技術は、現在存在しているか今後開発されるかに関わらず、多様なタイプの管腔内イメージングセンサーに適用される。
【0105】
[00130] したがって、本明細書において説明されている技術の実施形態を実現する論理演算は、動作、ステップ、オブジェクト、要素、コンポーネント、又はモジュールといった様々な形態で呼ばれる。更に、これらは、別様に明示的に請求項に記載されていない限り、及び、特定の順序が請求項の文言により本質的に必要とされていない限り、任意の順序で実施されてよいことが理解されなければならない。例えば、上、下、内、外、上方に、下方に、左、右、横、前、後、上部、底部、上方、下方、縦、水平、時計回り、反時計回り、近位、及び遠位といった方向に関する表現のすべてが、請求項に記載された主題の読み手の理解を助けるために識別目的のために使用されるにすぎず、特にIVUS引き戻し仮想静脈造影システムの位置、配向、又は使用について限定をもたらすものではない。例えば、装着された、結合された、接続された、及び連結されたといった接続の表現は広く解釈され、別段の記載のない限り、一群の要素間の中間部材、及び、要素間の相対的な動きを包含してもよい。したがって、接続の表現は2つの要素が直接接続されていること、及び互いに固定された関係であることを暗示するようには限定されない。「又は」という用語は「排他的論理和」ではなく「及び/又は」を意味するように解釈されることとする。請求項において別段の記載がない限り、記載されている値は例示にすぎないと解釈されることとし、限定するように解釈されないこととする。
【0106】
[00131] 上述の説明、例、及びデータは請求項において規定されているIVUS引き戻し仮想静脈造影システムの例示的な実施形態の構造及び使用の十分な説明を提供する。しかし請求項に記載された主題の様々な実施形態が特定の詳しさで、又は、1つ又は複数の個々の実施形態を参照しながらここまでに説明されているが、当業者は、請求項に記載された主題の趣旨又は範囲から逸脱することなく、開示されている実施形態に対する多くの代替例を作り得る。更に違う他の実施形態が想定される。上述の説明に含まれている、及び添付図面において示されているすべての内容は特定の実施形態の例示にすぎないと解釈されるのであって、限定ではないと解釈されることとすることが意図されている。後述の請求項において規定されている主題の基本的な要素から逸脱することなく、詳細又は構造の変更が行われてもよい。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管腔内イメージングカテーテルとの通信のためのプロセッサ回路を備える管腔内イメージングシステムであって、前記プロセッサ回路は、
前記管腔内イメージングカテーテルが、複数のセグメントを備える患者の体管腔内に位置している間に、前記管腔内イメージングカテーテルにより取得された管腔内画像を受信し、
前記管腔内画像の画像分析に基づいて解剖学的標識を検出し、
前記複数のセグメントのうちの、前記管腔内画像が取得されたときに前記管腔内イメージングカテーテルが位置していたセグメントを前記解剖学的標識に基づいて識別し、
前記複数のセグメントを含む前記体管腔の定型的な図と、前記管腔内画像が取得されたときに前記管腔内イメージングカテーテルが位置していた前記定型的な図におけるセグメントを識別するインジケーターとを含むスクリーン表示を、前記プロセッサ回路と通信するディスプレイに出力する、
管腔内イメージングシステム。
【請求項2】
前記スクリーン表示が、前記定型的な図における前記複数のセグメントのうちの1つ又は複数のセグメントの近位境界と遠位境界とを示すマーカーを更に含む、
請求項1に記載の管腔内イメージングシステム。
【請求項3】
前記スクリーン表示が、前記定型的な図における関心位置を示すマーカーを更に含む、
請求項1に記載の管腔内イメージングシステム。
【請求項4】
前記スクリーン表示が、前記定型的な図における1つ又は複数のセグメントをそれぞれ識別する1つ又は複数のラベルを更に含む、
請求項1に記載の管腔内イメージングシステム。
【請求項5】
前記スクリーン表示が、前記管腔内画像が取得されたときに前記管腔内イメージングカテーテルが位置していた、前記定型的な図におけるセグメント内の位置を示す位置インジケーターを更に含む、
請求項1に記載の管腔内イメージングシステム。
【請求項6】
前記プロセッサ回路は、前記管腔内イメージングカテーテルが前記複数のセグメントを通って動くときに、前記定型的な図における前記複数のセグメントを連続して識別する、
請求項1に記載の管腔内イメージングシステム。
【請求項7】
前記プロセッサ回路が、前記定型的な図における連続して識別された前記複数のセグメントに自動的にラベル付けする、
請求項6に記載の管腔内イメージングシステム。
【請求項8】
前記プロセッサ回路が、対応するセグメントに関連した統計的に代表的な基準値により、連続して識別された前記複数のセグメントに、前記定型的な図において自動的に注釈付けする、
請求項6に記載の管腔内イメージングシステム。
【請求項9】
前記プロセッサ回路が、対応するセグメントに関連した自動的に測定された、又は計算された値により、連続して識別された前記複数のセグメントを、前記定型的な図において自動的に注釈付けする、
請求項8に記載の管腔内イメージングシステム。
【請求項10】
前記プロセッサ回路が、前記統計的に代表的な基準値に対する前記自動的に測定された、又は計算された値の比に基づいて、連続して識別された前記複数のセグメントに色付けする、
請求項9に記載の管腔内イメージングシステム。
【請求項11】
前記プロセッサ回路は、前記管腔内画像が取得されたときに前記管腔内イメージングカテーテルが位置していた場所を表すユーザー入力を受信する、
請求項1に記載の管腔内イメージングシステム。
【請求項12】
前記プロセッサ回路は、前記管腔内画像が取得されたときに前記管腔内イメージングカテーテルが位置していた場所を、前記管腔内画像に基づいて、自動的に決定する、
請求項1に記載の管腔内イメージングシステム。
【請求項13】
前記スクリーン表示が、前記体管腔の長手方向表示、前記管腔内イメージングカテーテルの動きに関連した速度インジケーター、又は、ユーザーに対する指示のうちの少なくとも1つを更に含む、
請求項1に記載の管腔内イメージングシステム。
【請求項14】
前記管腔内イメージングカテーテルを更に備える、
請求項1に記載の管腔内イメージングシステム。
【請求項15】
管腔内イメージングカテーテルとの通信のためのプロセッサ回路を備える管腔内イメージングシステムの前記プロセッサ回路に、
管腔内イメージングカテーテルが患者の体管腔内に位置している間に前記管腔内イメージングカテーテルにより取得された管腔内画像を受信するステップであって、前記体管腔が、複数のセグメントを備える、受信するステップと、
前記管腔内画像の画像分析に基づいて解剖学的標識を検出するステップと、
前記複数のセグメントのうちの、前記管腔内画像が取得されたときに前記管腔内イメージングカテーテルが位置していたセグメントを前記解剖学的標識に基づいて識別するステップと、
前記プロセッサ回路と通信するディスプレイにスクリーン表示を出力するステップと、を実行させるためのコンピュータプログラムであって、
前記スクリーン表示が、
前記複数のセグメントを含む前記体管腔の定型的な図と、
前記管腔内画像が取得されたときに前記管腔内イメージングカテーテルが位置していた前記定型的な図におけるセグメントを識別するインジケーターと、を含む、
コンピュータプログラム。
【請求項16】
末梢脈管構造における使用のための脈管内イメージングシステムであって、前記脈管内イメージングシステムが、
脈管内イメージングカテーテルが患者の末梢血管内に位置している間に脈管内画像を取得する前記脈管内イメージングカテーテルであって、前記末梢血管が、複数のセグメントを備える、脈管内イメージングカテーテルと、
前記脈管内イメージングカテーテルとの通信のためのプロセッサ回路と、
を備え、前記プロセッサ回路が、
前記脈管内イメージングカテーテルにより取得された前記脈管内画像を受信し、
前記脈管内画像の画像分析に基づいて解剖学的標識を検出し、
前記複数のセグメントのうちの、前記脈管内画像が取得されたときに前記脈管内イメージングカテーテルが位置していたセグメントを前記解剖学的標識に基づいて識別し、
スクリーン表示を前記プロセッサ回路と通信するディスプレイに出力することであって、前記スクリーン表示が、
前記複数のセグメントを含む前記末梢血管の定型的な図と、
前記脈管内画像が取得されたときに前記脈管内イメージングカテーテルが位置していた、前記定型的な図におけるセグメントを識別するインジケーターと、
を含む、
出力することを行う、
脈管内イメージングシステム。
【外国語明細書】