(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161445
(43)【公開日】2024-11-19
(54)【発明の名称】抗体-薬物コンジュゲートとキナーゼ阻害剤の組み合わせ
(51)【国際特許分類】
A61K 31/4745 20060101AFI20241112BHJP
A61K 47/68 20170101ALI20241112BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20241112BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20241112BHJP
A61K 31/506 20060101ALI20241112BHJP
A61K 31/436 20060101ALI20241112BHJP
A61K 31/553 20060101ALI20241112BHJP
A61K 31/44 20060101ALI20241112BHJP
A61K 31/497 20060101ALI20241112BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20241112BHJP
A61K 31/517 20060101ALI20241112BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20241112BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20241112BHJP
A61P 15/14 20060101ALI20241112BHJP
A61P 1/00 20060101ALI20241112BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20241112BHJP
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A61P 13/12 20060101ALI20241112BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20241112BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20241112BHJP
C12N 9/99 20060101ALN20241112BHJP
C07K 16/28 20060101ALN20241112BHJP
【FI】
A61K31/4745
A61K47/68 ZNA
A61K45/00
A61P43/00 121
A61K31/506
A61K31/436
A61K31/553
A61K31/44
A61K31/497
A61K31/5377
A61K31/517
A61P35/00
A61P35/02
A61P15/14
A61P1/00
A61P11/00
A61P1/18
A61P13/12
A61P15/00
A61K39/395 E
A61K39/395 T
A61K47/68
A61K31/4745 ZNA
C12N9/99
C07K16/28
【審査請求】有
【請求項の数】38
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024134653
(22)【出願日】2024-08-09
(62)【分割の表示】P 2020561537の分割
【原出願日】2019-12-20
(31)【優先権主張番号】P 2018240049
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019085338
(32)【優先日】2019-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】307010166
【氏名又は名称】第一三共株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100119183
【弁理士】
【氏名又は名称】松任谷 優子
(74)【代理人】
【識別番号】100149076
【弁理士】
【氏名又は名称】梅田 慎介
(74)【代理人】
【識別番号】100162503
【弁理士】
【氏名又は名称】今野 智介
(74)【代理人】
【識別番号】100144794
【弁理士】
【氏名又は名称】大木 信人
(74)【代理人】
【識別番号】100204582
【弁理士】
【氏名又は名称】大栗 由美
(72)【発明者】
【氏名】石井 千晶
(72)【発明者】
【氏名】鎌井 泰樹
(72)【発明者】
【氏名】杉原 潔
(72)【発明者】
【氏名】岡嶌 大祐
(72)【発明者】
【氏名】橋本 悠里
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 宏和
(57)【要約】 (修正有)
【課題】特定の抗体-薬物コンジュゲートとキナーゼ阻害剤が組み合わされて投与されることを特徴とする、医薬組成物および治療方法を提供する。
【解決手段】下式で示される薬物リンカーと抗体とがチオエーテル結合によって結合した抗体-薬物コンジュゲートと、キナーゼ阻害剤(CDK4/6阻害剤、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、AKT阻害剤、ERK阻害剤、MEK阻害剤、RAF阻害剤、CDK1阻害剤、CDK2阻害剤、CHK1阻害剤など)が組み合わされて個体に投与されることを特徴とする治療方法。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗体-薬物コンジュゲートと、キナーゼ阻害剤が、組み合わされて投与されることを特徴とする医薬組成物であって、
該抗体-薬物コンジュゲートは、式
【化1】
(式中、Aは抗体との結合位置を示す)
で示される薬物リンカーと、抗体とがチオエーテル結合によって結合した抗体-薬物コンジュゲートであり、
該キナーゼ阻害剤は、CDK4/6阻害剤、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、AKT阻害剤、ERK阻害剤、MEK阻害剤、RAF阻害剤、CDK1阻害剤、CDK2阻害剤、CHK1阻害剤、WEE1阻害剤、PLK1阻害剤、オーロラキナーゼ阻害剤、Bcr-Abl阻害剤、Src阻害剤、EPH阻害剤、VEGFR阻害剤、KIT阻害剤、RET阻害剤、PDGFR阻害剤、FGFR阻害剤、BTK阻害剤、FLT3阻害剤、ALK阻害剤、JAK阻害剤、MET阻害剤、CSF-1R阻害剤、NTRK阻害剤、EGFR阻害剤、及びHER2阻害剤からなる群より選択される少なくとも一つである、医薬組成物。
【請求項2】
キナーゼ阻害剤が、CDK4/6阻害剤、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、RAF阻害剤、VEGFR阻害剤、KIT阻害剤、RET阻害剤、PDGFR阻害剤、FGFR阻害剤、FLT3阻害剤、ALK阻害剤、CSF-1R阻害剤、EGFR阻害剤、及びHER2阻害剤からなる群より選択される少なくとも一つである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
キナーゼ阻害剤が、CDK4/6阻害剤である、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
CDK4/6阻害剤が、アベマシクリブ、パルボシクリブ、リボシクリブ、トリラシクリブ、G1T38、PF-06873600、TP-1287、FN-1501、若しくはKRX-0601、又はそれらの薬理上許容される塩である、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
キナーゼ阻害剤が、mTOR阻害剤である、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項6】
mTOR阻害剤が、エベロリムス、シロリムス、テムシロリムス、TAK-228、CC-223、AZD8055、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、若しくはPQR309、又はそれらの薬理上許容される塩である、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項7】
キナーゼ阻害剤が、PI3K阻害剤である、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項8】
PI3K阻害剤が、タセリシブ、アルペリシブ、TAK-117、GSK2636771、AZD8186、IPI-549、イデラリシブ、デュベリシブ、AMG319、ブパルリシブ、ピクチリシブ、ピララリシブ、コパンリシブ、ソノリシブ、CH5132799、ZSTK474、GDC-0077、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、PQR309、KRX-0601、若しくはリゴセルチブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
キナーゼ阻害剤が、RAF阻害剤である、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項10】
RAF阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エンコラフェニブ、RAF265、GDC-5573、LY3009120、若しくはRO5126766、又はそれらの薬理上許容される塩である、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
キナーゼ阻害剤が、VEGFR阻害剤である、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項12】
VEGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、バンデタニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、カボザンチニブ、チボザニブ、ブリバニブ、リニファニブ、ルシタニブ、イロラセルチブ、若しくはENMD-2076、又はそれらの薬理上許容される塩である、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
キナーゼ阻害剤が、KIT阻害剤である、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項14】
KIT阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、イマチニブ、イロラセルチブ、スニチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、若しくはダサチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項15】
キナーゼ阻害剤が、RET阻害剤である、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項16】
RET阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、バンデタニブ、レンバチニブ、若しくはスニチニブ又はそれらの薬理上許容される塩である、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
キナーゼ阻害剤が、PDGFR阻害剤である、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項18】
PDGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、イロラセルチブ、イマチニブ、ニロチニブ、若しくはダサチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項19】
キナーゼ阻害剤が、FGFR阻害剤である、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項20】
FGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、アキシチニブ、若しくはパゾパニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項21】
キナーゼ阻害剤が、FLT3阻害剤である、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項22】
FLT3阻害剤が、ギルテリチニブ、キザルチニブ、ミドスタウリン、ソラフェニブ、イロラセルチブ、ENMD-2076、若しくはスニチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項23】
キナーゼ阻害剤が、ALK阻害剤である、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項24】
ALK阻害剤が、ブリガチニブ、クリゾチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、若しくはロルラチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、請求項23に記載の医薬組成物。
【請求項25】
キナーゼ阻害剤が、CSF-1R阻害剤である、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項26】
CSF-1R阻害剤が、ペキシダルチニブ、BLZ-945、JNJ-40346527、JNJ-28312141、イロラセルチブ、イマチニブ、スニチニブ、若しくはアキシチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、請求項25に記載の医薬組成物。
【請求項27】
キナーゼ阻害剤が、EGFR阻害剤である、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項28】
EGFR阻害剤が、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ダコミチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、ピロチニブ、若しくはポジオチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、請求項27に記載の医薬組成物。
【請求項29】
キナーゼ阻害剤が、HER2阻害剤である、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項30】
HER2阻害剤が、ツカチニブ、ネラチニブ、ムブリチニブ、ラパチニブ、ピロチニブ、若しくはポジオチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、請求項29に記載の医薬組成物。
【請求項31】
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER2抗体、抗HER3抗体、抗TROP2抗体、抗B7-H3抗体、又は抗CDH6抗体である、請求項1から30のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項32】
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER2抗体である、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項33】
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号26乃至33に記載のアミノ酸配列からなるCDRH1、配列番号1においてアミノ酸番号51乃至58に記載のアミノ酸配列からなるCDRH2、及び配列番号1においてアミノ酸番号97乃至109に記載のアミノ酸配列からなるCDRH3を含む重鎖、並びに、配列番号2においてアミノ酸番号27乃至32に記載のアミノ酸配列からなるCDRL1、配列番号2においてアミノ酸番号50乃至52に記載のアミノ酸配列からなるCDRL2、及び配列番号2においてアミノ酸番号89乃至97に記載のアミノ酸配列からなるCDRL3を含む軽鎖、を含んでなる抗体である、請求項32に記載の医薬組成物。
【請求項34】
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号1乃至120に記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域を含む重鎖、及び配列番号2においてアミノ酸番号1乃至107に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域を含む軽鎖、を含んでなる抗体である、請求項32に記載の医薬組成物。
【請求項35】
抗HER2抗体が、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、請求項32に記載の医薬組成物。
【請求項36】
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号1乃至449に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号2においてアミノ酸番号1乃至214に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、請求項32に記載の医薬組成物。
【請求項37】
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、請求項32から36のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項38】
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER3抗体である、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項39】
抗HER3抗体が、配列番号3に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号4に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、請求項38に記載の医薬組成物。
【請求項40】
抗HER3抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、請求項39に記載の医薬組成物。
【請求項41】
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、請求項38から40のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項42】
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗TROP2抗体である、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項43】
抗TROP2抗体が、配列番号5においてアミノ酸番号20乃至470に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号6においてアミノ酸番号21乃至234に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、請求項42に記載の医薬組成物。
【請求項44】
抗TROP2抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、請求項43に記載の医薬組成物。
【請求項45】
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が3.5から4.5個の範囲である、請求項42から44のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項46】
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗B7-H3抗体である、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項47】
抗B7-H3抗体が、配列番号7においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号8においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、請求項46に記載の医薬組成物。
【請求項48】
抗B7-H3抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、請求項47に記載の医薬組成物。
【請求項49】
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が3.5から4.5個の範囲である、請求項46から48のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項50】
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗CDH6抗体である、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項51】
抗CDH6抗体が、配列番号9においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号10においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、請求項50に記載の医薬組成物。
【請求項52】
抗CDH6抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、請求項51に記載の医薬組成物。
【請求項53】
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、請求項50から52のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項54】
抗体-薬物コンジュゲートと、キナーゼ阻害剤が、それぞれ別異の製剤に有効成分として含有され、同時に又は異なる時間に投与されることを特徴とする、請求項1から53のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項55】
乳がん、胃がん、大腸がん、肺がん、食道がん、頭頚部がん、胃食道接合部腺がん、胆道がん、ページェット病、膵臓がん、卵巣がん、子宮がん肉腫、尿路上皮がん、前立腺がん、膀胱がん、胃腸間質腫瘍、消化管間質腫瘍、子宮頸がん、扁平上皮がん、腹膜がん、肝臓がん、肝細胞がん、子宮体がん、腎臓がん、外陰部がん、甲状腺がん、陰茎がん、白血病、悪性リンパ腫、形質細胞腫、骨髄腫、多型神経膠芽腫、骨肉腫、肉腫、及びメラノーマからなる群より選択される少なくとも一つの治療のための、請求項1から54のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項56】
乳がんの治療のための、請求項55に記載の医薬組成物。
【請求項57】
大腸がんの治療のための、請求項55に記載の医薬組成物。
【請求項58】
胃がんの治療のための、請求項55に記載の医薬組成物。
【請求項59】
肺がんの治療のための、請求項55に記載の医薬組成物。
【請求項60】
膵臓がんの治療のための、請求項55に記載の医薬組成物。
【請求項61】
腎臓がんの治療のための、請求項55に記載の医薬組成物。
【請求項62】
卵巣がんの治療のための、請求項55に記載の医薬組成物。
【請求項63】
抗体-薬物コンジュゲートと、キナーゼ阻害剤が、組み合わされて投与されることを特徴とする医薬組成物であって、
該抗体-薬物コンジュゲートは、式
【化2】
(式中、薬物リンカーは抗体とチオエーテル結合によって結合しており、nは1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数を示す)
で示される抗体-薬物コンジュゲートであり、
該キナーゼ阻害剤は、CDK4/6阻害剤、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、AKT阻害剤、ERK阻害剤、MEK阻害剤、RAF阻害剤、CDK1阻害剤、CDK2阻害剤、CHK1阻害剤、WEE1阻害剤、PLK1阻害剤、オーロラキナーゼ阻害剤、Bcr-Abl阻害剤、Src阻害剤、EPH阻害剤、VEGFR阻害剤、KIT阻害剤、RET阻害剤、PDGFR阻害剤、FGFR阻害剤、BTK阻害剤、FLT3阻害剤、ALK阻害剤、JAK阻害剤、MET阻害剤、CSF-1R阻害剤、NTRK阻害剤、EGFR阻害剤、及びHER2阻害剤からなる群より選択される少なくとも一つである、医薬組成物。
【請求項64】
キナーゼ阻害剤が、CDK4/6阻害剤、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、RAF阻害剤、VEGFR阻害剤、KIT阻害剤、RET阻害剤、PDGFR阻害剤、FGFR阻害剤、FLT3阻害剤、ALK阻害剤、CSF-1R阻害剤、EGFR阻害剤、及びHER2阻害剤からなる群より選択される少なくとも一つである、請求項63に記載の医薬組成物。
【請求項65】
キナーゼ阻害剤が、CDK4/6阻害剤である、請求項64に記載の医薬組成物。
【請求項66】
CDK4/6阻害剤が、アベマシクリブ、パルボシクリブ、リボシクリブ、トリラシクリブ、G1T38、PF-06873600、TP-1287、FN-1501、若しくはKRX-0601、又はそれらの薬理上許容される塩である、請求項65に記載の医薬組成物。
【請求項67】
キナーゼ阻害剤が、mTOR阻害剤である、請求項64に記載の医薬組成物。
【請求項68】
mTOR阻害剤が、エベロリムス、シロリムス、テムシロリムス、TAK-228、CC-223、AZD8055、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、若しくはPQR309、又はそれらの薬理上許容される塩である、請求項67に記載の医薬組成物。
【請求項69】
キナーゼ阻害剤が、PI3K阻害剤である、請求項64に記載の医薬組成物。
【請求項70】
PI3K阻害剤が、タセリシブ、アルペリシブ、TAK-117、GSK2636771、AZD8186、IPI-549、イデラリシブ、デュベリシブ、AMG319、ブパルリシブ、ピクチリシブ、ピララリシブ、コパンリシブ、ソノリシブ、CH5132799、ZSTK474、GDC-0077、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、PQR309、KRX-0601、若しくはリゴセルチブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、請求項69に記載の医薬組成物。
【請求項71】
キナーゼ阻害剤が、RAF阻害剤である、請求項64に記載の医薬組成物。
【請求項72】
RAF阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エンコラフェニブ、RAF265、GDC-5573、LY3009120、若しくはRO5126766、又はそれらの薬理上許容される塩である、請求項71に記載の医薬組成物。
【請求項73】
キナーゼ阻害剤が、VEGFR阻害剤である、請求項64に記載の医薬組成物。
【請求項74】
VEGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、バンデタニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、カボザンチニブ、チボザニブ、ブリバニブ、リニファニブ、ルシタニブ、イロラセルチブ、若しくはENMD-2076、又はそれらの薬理上許容される塩である、請求項73に記載の医薬組成物。
【請求項75】
キナーゼ阻害剤が、KIT阻害剤である、請求項64に記載の医薬組成物。
【請求項76】
KIT阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、イマチニブ、イロラセルチブ、スニチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、若しくはダサチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、請求項75に記載の医薬組成物。
【請求項77】
キナーゼ阻害剤が、RET阻害剤である、請求項64に記載の医薬組成物。
【請求項78】
RET阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、バンデタニブ、レンバチニブ、若しくはスニチニブ又はそれらの薬理上許容される塩である、請求項77に記載の医薬組成物。
【請求項79】
キナーゼ阻害剤が、PDGFR阻害剤である、請求項64に記載の医薬組成物。
【請求項80】
PDGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、イロラセルチブ、イマチニブ、ニロチニブ、若しくはダサチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、請求項79に記載の医薬組成物。
【請求項81】
キナーゼ阻害剤が、FGFR阻害剤である、請求項64に記載の医薬組成物。
【請求項82】
FGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、アキシチニブ、若しくはパゾパニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、請求項81に記載の医薬組成物。
【請求項83】
キナーゼ阻害剤が、FLT3阻害剤である、請求項64に記載の医薬組成物。
【請求項84】
FLT3阻害剤が、ギルテリチニブ、キザルチニブ、ミドスタウリン、ソラフェニブ、イロラセルチブ、ENMD-2076、若しくはスニチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、請求項83に記載の医薬組成物。
【請求項85】
キナーゼ阻害剤が、ALK阻害剤である、請求項64に記載の医薬組成物。
【請求項86】
ALK阻害剤が、ブリガチニブ、クリゾチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、若しくはロルラチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、請求項85に記載の医薬組成物。
【請求項87】
キナーゼ阻害剤が、CSF-1R阻害剤である、請求項64に記載の医薬組成物。
【請求項88】
CSF-1R阻害剤が、ペキシダルチニブ、BLZ-945、JNJ-40346527、JNJ-28312141、イロラセルチブ、イマチニブ、スニチニブ、若しくはアキシチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、請求項87に記載の医薬組成物。
【請求項89】
キナーゼ阻害剤が、EGFR阻害剤である、請求項64に記載の医薬組成物。
【請求項90】
EGFR阻害剤が、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ダコミチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、ピロチニブ、若しくはポジオチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、請求項89に記載の医薬組成物。
【請求項91】
キナーゼ阻害剤が、HER2阻害剤である、請求項64に記載の医薬組成物。
【請求項92】
HER2阻害剤が、ツカチニブ、ネラチニブ、ムブリチニブ、ラパチニブ、ピロチニブ、若しくはポジオチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、請求項91に記載の医薬組成物。
【請求項93】
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER2抗体、抗HER3抗体、抗TROP2抗体、抗B7-H3抗体、又は抗CDH6抗体である、請求項63から92のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項94】
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER2抗体である、請求項93に記載の医薬組成物。
【請求項95】
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号26乃至33に記載のアミノ酸配列からなるCDRH1、配列番号1においてアミノ酸番号51乃至58に記載のアミノ酸配列からなるCDRH2、及び配列番号1においてアミノ酸番号97乃至109に記載のアミノ酸配列からなるCDRH3を含む重鎖、並びに、配列番号2においてアミノ酸番号27乃至32に記載のアミノ酸配列からなるCDRL1、配列番号2においてアミノ酸番号50乃至52に記載のアミノ酸配列からなるCDRL2、及び配列番号2においてアミノ酸番号89乃至97に記載のアミノ酸配列からなるCDRL3を含む軽鎖、を含んでなる抗体である、請求項94に記載の医薬組成物。
【請求項96】
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号1乃至120に記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域を含む重鎖、及び配列番号2においてアミノ酸番号1乃至107に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域を含む軽鎖、を含んでなる抗体である、請求項94に記載の医薬組成物。
【請求項97】
抗HER2抗体が、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、請求項94に記載の医薬組成物。
【請求項98】
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号1乃至449に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号2においてアミノ酸番号1乃至214に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、請求項94に記載の医薬組成物。
【請求項99】
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、請求項94から98のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項100】
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER3抗体である、請求項93に記載の医薬組成物。
【請求項101】
抗HER3抗体が、配列番号3に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号4に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、請求項100に記載の医薬組成物。
【請求項102】
抗HER3抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、請求項101に記載の医薬組成物。
【請求項103】
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、請求項100から102のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項104】
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗TROP2抗体である、請求項93に記載の医薬組成物。
【請求項105】
抗TROP2抗体が、配列番号5においてアミノ酸番号20乃至470に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号6においてアミノ酸番号21乃至234に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、請求項104に記載の医薬組成物。
【請求項106】
抗TROP2抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、請求項105に記載の医薬組成物。
【請求項107】
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が3.5から4.5個の範囲である、請求項104から106のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項108】
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗B7-H3抗体である、請求項93に記載の医薬組成物。
【請求項109】
抗B7-H3抗体が、配列番号7においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号8においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、請求項108に記載の医薬組成物。
【請求項110】
抗B7-H3抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、請求項109に記載の医薬組成物。
【請求項111】
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が3.5から4.5個の範囲である、請求項108から110のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項112】
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗CDH6抗体である、請求項93に記載の医薬組成物。
【請求項113】
抗CDH6抗体が、配列番号9においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号10においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、請求項112に記載の医薬組成物。
【請求項114】
抗CDH6抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、請求項113に記載の医薬組成物。
【請求項115】
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、請求項112から114のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項116】
抗体-薬物コンジュゲートと、キナーゼ阻害剤が、それぞれ別異の製剤に有効成分として含有され、同時に又は異なる時間に投与されることを特徴とする、請求項63から115のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項117】
乳がん、胃がん、大腸がん、肺がん、食道がん、頭頚部がん、胃食道接合部腺がん、胆道がん、ページェット病、膵臓がん、卵巣がん、子宮がん肉腫、尿路上皮がん、前立腺がん、膀胱がん、胃腸間質腫瘍、消化管間質腫瘍、子宮頸がん、扁平上皮がん、腹膜がん、肝臓がん、肝細胞がん、子宮体がん、腎臓がん、外陰部がん、甲状腺がん、陰茎がん、白血病、悪性リンパ腫、形質細胞腫、骨髄腫、多型神経膠芽腫、骨肉腫、肉腫、及びメラノーマからなる群より選択される少なくとも一つの治療のための、請求項63から116のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項118】
乳がんの治療のための、請求項117に記載の医薬組成物。
【請求項119】
大腸がんの治療のための、請求項117に記載の医薬組成物。
【請求項120】
胃がんの治療のための、請求項117に記載の医薬組成物。
【請求項121】
肺がんの治療のための、請求項117に記載の医薬組成物。
【請求項122】
膵臓がんの治療のための、請求項117に記載の医薬組成物。
【請求項123】
腎臓がんの治療のための、請求項117に記載の医薬組成物。
【請求項124】
卵巣がんの治療のための、請求項117に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の抗体-薬物コンジュゲートとキナーゼ阻害剤が、組み合わされて投与されることを特徴とする医薬組成物、及び/又は、特定の抗体-薬物コンジュゲートとキナーゼ阻害剤が組み合わされて個体に投与されることを特徴とする治療方法に関する。
【背景技術】
【0002】
がん細胞の増殖や腫瘍血管新生には、細胞内シグナル伝達の異常な活性化が関係している。キナーゼ阻害剤は、異常に活性化された細胞内シグナル伝達に関与しているキナーゼを阻害することにより、抗腫瘍効果を発揮する薬剤である。このようなキナーゼ阻害剤としては、CDK4/6阻害剤、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、AKT阻害剤、ERK阻害剤、MEK阻害剤、RAF阻害剤、CDK1阻害剤、CDK2阻害剤、CHK1阻害剤、WEE1阻害剤、PLK1阻害剤、オーロラキナーゼ阻害剤、Bcr-Abl阻害剤、Src阻害剤、EPH阻害剤、VEGFR阻害剤、KIT阻害剤、RET阻害剤、PDGFR阻害剤、FGFR阻害剤、BTK阻害剤、FLT3阻害剤、ALK阻害剤、JAK阻害剤、MET阻害剤、CSF-1R阻害剤、及びNTRK阻害剤を挙げることができる(非特許文献1~11)。
【0003】
がん細胞表面に発現し、かつ細胞に内在化できる抗原に結合する抗体に、細胞毒性を有する薬物を結合させた抗体-薬物コンジュゲート(Antibody-Drug Conjugate; ADC)は、がん細胞に選択的に薬物を送達できることによって、がん細胞内に薬物を蓄積させ、がん細胞を死滅させることが期待できる(非特許文献12~16)。
【0004】
抗体-薬物コンジュゲートの一つとして、抗体とトポイソメラーゼI阻害剤であるエキサテカンの誘導体を構成要素とする抗体-薬物コンジュゲートが知られている(特許文献1~8、非特許文献17~21)。
【0005】
特許文献1~8には、上記の抗体-薬物コンジュゲートを種々のがん治療剤と共に投与できることが記載されている。
【0006】
しかし、上記の抗体-薬物コンジュゲートと上記のキナーゼ阻害剤を併用した場合に、優れた併用効果を示した試験結果や、その試験結果を示唆するような科学的根拠が記載された文献は知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2014/057687号
【特許文献2】国際公開第2014/061277号
【特許文献3】国際公開第2015/098099号
【特許文献4】国際公開第2015/115091号
【特許文献5】国際公開第2015/146132号
【特許文献6】国際公開第2015/155976号
【特許文献7】国際公開第2015/155998号
【特許文献8】国際公開第2018/212136号
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Otto T., et al., Nat. Rev. Cancer (2017) 17(2): 93-115.
【非特許文献2】Zhang YJ., et al., Drug Discov. Today (2011) 16(7-8): 325-331.
【非特許文献3】Zaytseva YY., et al., Cancer Lett. (2012) 319(1): 1-7.
【非特許文献4】Janku F., et al., Nat. Rev. Clin. Oncol. (2018) 15(5): 273-291.
【非特許文献5】Bergholz JS., et al., J. Clin. Oncol. (2018) 36(13): 1339-1342
【非特許文献6】Zhao Y., et al., Nat. Rev. Clin. Oncol. (2014) 11(7): 385-400.
【非特許文献7】Caunt CJ., et al., Nat. Rev. Cancer (2015) 15(10): 577-592.
【非特許文献8】Ryan MB., et al., Nat. Rev. Clin. Oncol. (2018) 15(11): 709-720.
【非特許文献9】Ferquson FM., et al., Nat. Rev. Drug Discov. (2018) 17(5): 353-377.
【非特許文献10】Konig H., et al., Current Cancer Drug Targets (2015) 15, 803-821.
【非特許文献11】Kheder ES., et al., Clinical Cancer Research (2018) 24(23), 5807-5814.
【非特許文献12】Ducry, L., et al., Bioconjugate Chem. (2010) 21, 5-13.
【非特許文献13】Alley, S. C., et al., Current Opinion in Chemical Biology (2010) 14, 529-537.
【非特許文献14】Damle N. K. Expert Opin. Biol. Ther. (2004) 4, 1445-1452.
【非特許文献15】Senter P. D., et al., Nature Biotechnology (2012) 30, 631-637.
【非特許文献16】Burris HA., et al., J. Clin. Oncol. (2011) 29(4): 398-405.
【非特許文献17】Ogitani Y. et al., Clinical Cancer Research (2016) 22(20), 5097-5108.
【非特許文献18】Ogitani Y. et al., Cancer Science (2016) 107, 1039-1046.
【非特許文献19】Doi T, et al., Lancet Oncol. (2017) 18, 1512-22.
【非特許文献20】Takegawa N, et al., Int. J. Cancer (2017) 141, 1682-1689.
【非特許文献21】Yonesaka K, et al., Int. Oncogene (2018) 141, 1682-1689 (2017).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明で使用される抗体-薬物コンジュゲート(エキサテカンの誘導体を構成要素とする抗体-薬物コンジュゲート)は、単剤でも優れた抗腫瘍効果を示すことが確認されている。しかし、作用メカニズムの異なる他の抗がん剤と組み合わせて使用することにより、がん細胞の増殖を複合的に抑制し、より優れた抗腫瘍効果を発揮し得る治療法の獲得が望まれる。
【0010】
本発明は、特定の抗体-薬物コンジュゲートとキナーゼ阻害剤が、組み合わされて投与されることを特徴とする医薬組成物、及び/又は、特定の抗体-薬物コンジュゲートとキナーゼ阻害剤が組み合わされて個体に投与されることを特徴とする治療方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行ったところ、特定の抗体-薬物コンジュゲートとキナーゼ阻害剤が組み合わされて投与されることにより、優れた併用効果を示すことを見出し、本発明を完成した。
【0012】
すなわち、本発明は、以下の[1]~[1072]を提供する。
[1]
抗体-薬物コンジュゲートと、キナーゼ阻害剤が、組み合わされて投与されることを特徴とする医薬組成物であって、
該抗体-薬物コンジュゲートは、式
【0013】
【0014】
(式中、Aは抗体との結合位置を示す)
で示される薬物リンカーと、抗体とがチオエーテル結合によって結合した抗体-薬物コンジュゲートであり、
該キナーゼ阻害剤は、CDK4/6阻害剤、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、AKT阻害剤、ERK阻害剤、MEK阻害剤、RAF阻害剤、CDK1阻害剤、CDK2阻害剤、CHK1阻害剤、WEE1阻害剤、PLK1阻害剤、オーロラキナーゼ阻害剤、Bcr-Abl阻害剤、Src阻害剤、EPH阻害剤、VEGFR阻害剤、KIT阻害剤、RET阻害剤、PDGFR阻害剤、FGFR阻害剤、BTK阻害剤、FLT3阻害剤、ALK阻害剤、JAK阻害剤、MET阻害剤、CSF-1R阻害剤、NTRK阻害剤、EGFR阻害剤、及びHER2阻害剤からなる群より選択される少なくとも一つである、医薬組成物。
[2]
キナーゼ阻害剤が、CDK4/6阻害剤、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、RAF阻害剤、VEGFR阻害剤、KIT阻害剤、RET阻害剤、PDGFR阻害剤、FGFR阻害剤、FLT3阻害剤、ALK阻害剤、CSF-1R阻害剤、EGFR阻害剤、及びHER2阻害剤からなる群より選択される少なくとも一つである、[1]に記載の医薬組成物。
[3]
キナーゼ阻害剤が、CDK4/6阻害剤である、[2]に記載の医薬組成物。
[4]
CDK4/6阻害剤が、アベマシクリブ、パルボシクリブ、リボシクリブ、トリラシクリブ、G1T38、PF-06873600、TP-1287、FN-1501、若しくはKRX-0601、又はそれらの薬理上許容される塩である、[3]に記載の医薬組成物。
[5]
キナーゼ阻害剤が、mTOR阻害剤である、[2]に記載の医薬組成物。
[6]
mTOR阻害剤が、エベロリムス、シロリムス、テムシロリムス、TAK-228、CC-223、AZD8055、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、若しくはPQR309、又はそれらの薬理上許容される塩である、[5]に記載の医薬組成物。
[7]
キナーゼ阻害剤が、PI3K阻害剤である、[2]に記載の医薬組成物。
[8]
PI3K阻害剤が、タセリシブ、アルペリシブ、TAK-117、GSK2636771、AZD8186、IPI-549、イデラリシブ、デュベリシブ、AMG319、ブパルリシブ、ピクチリシブ、ピララリシブ、コパンリシブ、ソノリシブ、CH5132799、ZSTK474、GDC-0077、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、PQR309、KRX-0601、若しくはリゴセルチブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[7]に記載の医薬組成物。
[9]
キナーゼ阻害剤が、RAF阻害剤である、[2]に記載の医薬組成物。
[10]
RAF阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エンコラフェニブ、RAF265、GDC-5573、LY3009120、若しくはRO5126766、又はそれらの薬理上許容される塩である、[9]に記載の医薬組成物。
【0015】
[11]
キナーゼ阻害剤が、VEGFR阻害剤である、[2]に記載の医薬組成物。
[12]
VEGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、バンデタニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、カボザンチニブ、チボザニブ、ブリバニブ、リニファニブ、ルシタニブ、イロラセルチブ、若しくはENMD-2076、又はそれらの薬理上許容される塩である、[11]に記載の医薬組成物。
[13]
キナーゼ阻害剤が、KIT阻害剤である、[2]に記載の医薬組成物。
[14]
KIT阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、イマチニブ、イロラセルチブ、スニチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、若しくはダサチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[13]に記載の医薬組成物。
[15]
キナーゼ阻害剤が、RET阻害剤である、[2]に記載の医薬組成物。
[16]
RET阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、バンデタニブ、レンバチニブ、若しくはスニチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[15]に記載の医薬組成物。
[17]
キナーゼ阻害剤が、PDGFR阻害剤である、[2]に記載の医薬組成物。
[18]
PDGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、イロラセルチブ、イマチニブ、ニロチニブ、若しくはダサチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[17]に記載の医薬組成物。
[19]
キナーゼ阻害剤が、FGFR阻害剤である、[2]に記載の医薬組成物。
[20]
FGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、アキシチニブ、若しくはパゾパニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[19]に記載の医薬組成物。
【0016】
[21]
キナーゼ阻害剤が、FLT3阻害剤である、[2]に記載の医薬組成物。
[22]
FLT3阻害剤が、ギルテリチニブ、キザルチニブ、ミドスタウリン、ソラフェニブ、イロラセルチブ、ENMD-2076、若しくはスニチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[21]に記載の医薬組成物。
[23]
キナーゼ阻害剤が、ALK阻害剤である、[2]に記載の医薬組成物。
[24]
ALK阻害剤が、ブリガチニブ、クリゾチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、若しくはロルラチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[23]に記載の医薬組成物。
[25]
キナーゼ阻害剤が、CSF-1R阻害剤である、[2]に記載の医薬組成物。
[26]
CSF-1R阻害剤が、ペキシダルチニブ、BLZ-945、JNJ-40346527、JNJ-28312141、イロラセルチブ、イマチニブ、スニチニブ、若しくはアキシチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[25]に記載の医薬組成物。
[27]
キナーゼ阻害剤が、EGFR阻害剤である、[2]に記載の医薬組成物。
[28]
EGFR阻害剤が、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ダコミチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、ピロチニブ、若しくはポジオチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[27]に記載の医薬組成物。
[29]
キナーゼ阻害剤が、HER2阻害剤である、[2]に記載の医薬組成物。
[30]
HER2阻害剤が、ツカチニブ、ネラチニブ、ムブリチニブ、ラパチニブ、ピロチニブ、若しくはポジオチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[29]に記載の医薬組成物。
【0017】
[31]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER2抗体、抗HER3抗体、抗TROP2抗体、抗B7-H3抗体、又は抗CDH6抗体である、[1]から[30]のいずれか1項に記載の医薬組成物。
[32]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER2抗体である、[31]に記載の医薬組成物。
[33]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号26乃至33に記載のアミノ酸配列からなるCDRH1、配列番号1においてアミノ酸番号51乃至58に記載のアミノ酸配列からなるCDRH2、及び配列番号1においてアミノ酸番号97乃至109に記載のアミノ酸配列からなるCDRH3を含む重鎖、並びに、配列番号2においてアミノ酸番号27乃至32に記載のアミノ酸配列からなるCDRL1、配列番号2においてアミノ酸番号50乃至52に記載のアミノ酸配列からなるCDRL2、及び配列番号2においてアミノ酸番号89乃至97に記載のアミノ酸配列からなるCDRL3を含む軽鎖、を含んでなる抗体である、[32]に記載の医薬組成物。
[34]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号1乃至120に記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域を含む重鎖、及び配列番号2においてアミノ酸番号1乃至107に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域を含む軽鎖、を含んでなる抗体である、[32]に記載の医薬組成物。
[35]
抗HER2抗体が、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[32]に記載の医薬組成物。
[36]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号1乃至449に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号2においてアミノ酸番号1乃至214に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[32]に記載の医薬組成物。
[37]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[32]から[36]のいずれか1項に記載の医薬組成物。
[38]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER3抗体である、[31]に記載の医薬組成物。
[39]
抗HER3抗体が、配列番号3に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号4に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[38]に記載の医薬組成物。
[40]
抗HER3抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[39]に記載の医薬組成物。
【0018】
[41]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[38]から[40]のいずれか1項に記載の医薬組成物。
[42]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗TROP2抗体である、[31]に記載の医薬組成物。
[43]
抗TROP2抗体が、配列番号5においてアミノ酸番号20乃至470に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号6においてアミノ酸番号21乃至234に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[42]に記載の医薬組成物。
[44]
抗TROP2抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[43]に記載の医薬組成物。
[45]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が3.5から4.5個の範囲である、[42]から[44]のいずれか1項に記載の医薬組成物。
[46]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗B7-H3抗体である、[31]に記載の医薬組成物。
[47]
抗B7-H3抗体が、配列番号7においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号8においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[46]に記載の医薬組成物。
[48]
抗B7-H3抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[47]に記載の医薬組成物。
[49]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が3.5から4.5個の範囲である、[46]から[48]のいずれか1項に記載の医薬組成物。
[50]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗CDH6抗体である、[31]に記載の医薬組成物。
【0019】
[51]
抗CDH6抗体が、配列番号9においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号10においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[50]に記載の医薬組成物。
[52]
抗CDH6抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[51]に記載の医薬組成物。
[53]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[50]から[52]のいずれか1項に記載の医薬組成物。
[54]
抗体-薬物コンジュゲートと、キナーゼ阻害剤が、それぞれ別異の製剤に有効成分として含有され、同時に又は異なる時間に投与されることを特徴とする、[1]から[53]のいずれか1項に記載の医薬組成物。
[55]
乳がん、胃がん、大腸がん、肺がん、食道がん、頭頚部がん、胃食道接合部腺がん、胆道がん、ページェット病、膵臓がん、卵巣がん、子宮がん肉腫、尿路上皮がん、前立腺がん、膀胱がん、消化管間質腫瘍、子宮頸がん、扁平上皮がん、腹膜がん、肝臓がん、肝細胞がん、子宮体がん、腎臓がん、外陰部がん、甲状腺がん、陰茎がん、白血病、悪性リンパ腫、形質細胞腫、骨髄腫、多型神経膠芽腫、骨肉腫、肉腫、及びメラノーマからなる群より選択される少なくとも一つの治療のための、[1]から[54]のいずれか1項に記載の医薬組成物。
[56]
乳がんの治療のための、[55]に記載の医薬組成物。
[57]
大腸がんの治療のための、[55]に記載の医薬組成物。
[58]
胃がんの治療のための、[55]に記載の医薬組成物。
[59]
肺がんの治療のための、[55]に記載の医薬組成物。
[60]
膵臓がんの治療のための、[55]に記載の医薬組成物。
[61]
腎臓がんの治療のための、[55]に記載の医薬組成物。
[62]
卵巣がんの治療のための、[55]に記載の医薬組成物。
[63]
抗体-薬物コンジュゲートと、キナーゼ阻害剤が、組み合わされて投与されることを特徴とする医薬組成物であって、
該抗体-薬物コンジュゲートは、式
【0020】
【0021】
(式中、薬物リンカーは抗体とチオエーテル結合によって結合しており、nは1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数を示す)
で示される抗体-薬物コンジュゲートであり、
該キナーゼ阻害剤は、CDK4/6阻害剤、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、AKT阻害剤、ERK阻害剤、MEK阻害剤、RAF阻害剤、CDK1阻害剤、CDK2阻害剤、CHK1阻害剤、WEE1阻害剤、PLK1阻害剤、オーロラキナーゼ阻害剤、Bcr-Abl阻害剤、Src阻害剤、EPH阻害剤、VEGFR阻害剤、KIT阻害剤、RET阻害剤、PDGFR阻害剤、FGFR阻害剤、BTK阻害剤、FLT3阻害剤、ALK阻害剤、JAK阻害剤、MET阻害剤、CSF-1R阻害剤、NTRK阻害剤、EGFR阻害剤、及びHER2阻害剤からなる群より選択される少なくとも一つである、医薬組成物。
[64]
キナーゼ阻害剤が、CDK4/6阻害剤、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、RAF阻害剤、VEGFR阻害剤、KIT阻害剤、RET阻害剤、PDGFR阻害剤、FGFR阻害剤、FLT3阻害剤、ALK阻害剤、CSF-1R阻害剤、EGFR阻害剤、及びHER2阻害剤からなる群より選択される少なくとも一つである、[63]に記載の医薬組成物。
[65]
キナーゼ阻害剤が、CDK4/6阻害剤である、[64]に記載の医薬組成物。
【0022】
[66]
CDK4/6阻害剤が、アベマシクリブ、パルボシクリブ、リボシクリブ、トリラシクリブ、G1T38、PF-06873600、TP-1287、FN-1501、若しくはKRX-0601、又はそれらの薬理上許容される塩である、[65]に記載の医薬組成物。
[67]
キナーゼ阻害剤が、mTOR阻害剤である、[64]に記載の医薬組成物。
[68]
mTOR阻害剤が、エベロリムス、シロリムス、テムシロリムス、TAK-228、CC-223、AZD8055、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、若しくはPQR309、又はそれらの薬理上許容される塩である、[67]に記載の医薬組成物。
[69]
キナーゼ阻害剤が、PI3K阻害剤である、[64]に記載の医薬組成物。
[70]
PI3K阻害剤が、タセリシブ、アルペリシブ、TAK-117、GSK2636771、AZD8186、IPI-549、イデラリシブ、デュベリシブ、AMG319、ブパルリシブ、ピクチリシブ、ピララリシブ、コパンリシブ、ソノリシブ、CH5132799、ZSTK474、GDC-0077、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、PQR309、KRX-0601、若しくはリゴセルチブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[69]に記載の医薬組成物。
[71]
キナーゼ阻害剤が、RAF阻害剤である、[64]に記載の医薬組成物。
[72]
RAF阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エンコラフェニブ、RAF265、GDC-5573、LY3009120、若しくはRO5126766、又はそれらの薬理上許容される塩である、[71]に記載の医薬組成物。
[73]
キナーゼ阻害剤が、VEGFR阻害剤である、[64]に記載の医薬組成物。
[74]
VEGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、バンデタニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、カボザンチニブ、チボザニブ、ブリバニブ、リニファニブ、ルシタニブ、イロラセルチブ、若しくはENMD-2076、又はそれらの薬理上許容される塩である、[73]に記載の医薬組成物。
[75]
キナーゼ阻害剤が、KIT阻害剤である、[64]に記載の医薬組成物。
【0023】
[76]
KIT阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、イマチニブ、イロラセルチブ、スニチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、若しくはダサチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[75]に記載の医薬組成物。
[77]
キナーゼ阻害剤が、RET阻害剤である、[64]に記載の医薬組成物。
[78]
RET阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、バンデタニブ、レンバチニブ、若しくはスニチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[77]に記載の医薬組成物。
[79]
キナーゼ阻害剤が、PDGFR阻害剤である、[64]に記載の医薬組成物。
[80]
PDGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、イロラセルチブ、イマチニブ、ニロチニブ、若しくはダサチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[79]に記載の医薬組成物。
[81]
キナーゼ阻害剤が、FGFR阻害剤である、[64]に記載の医薬組成物。
[82]
FGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、アキシチニブ、若しくはパゾパニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[81]に記載の医薬組成物。
[83]
キナーゼ阻害剤が、FLT3阻害剤である、[64]に記載の医薬組成物。
[84]
FLT3阻害剤が、ギルテリチニブ、キザルチニブ、ミドスタウリン、ソラフェニブ、イロラセルチブ、ENMD-2076、若しくはスニチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[83]に記載の医薬組成物。
[85]
キナーゼ阻害剤が、ALK阻害剤である、[64]に記載の医薬組成物。
【0024】
[86]
ALK阻害剤が、ブリガチニブ、クリゾチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、若しくはロルラチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[85]に記載の医薬組成物。
[87]
キナーゼ阻害剤が、CSF-1R阻害剤である、[64]に記載の医薬組成物。
[88]
CSF-1R阻害剤が、ペキシダルチニブ、BLZ-945、JNJ-40346527、JNJ-28312141、イロラセルチブ、イマチニブ、スニチニブ、若しくはアキシチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[87]に記載の医薬組成物。
[89]
キナーゼ阻害剤が、EGFR阻害剤である、[64]に記載の医薬組成物。
[90]
EGFR阻害剤が、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ダコミチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、ピロチニブ、若しくはポジオチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[89]に記載の医薬組成物。
【0025】
[91]
キナーゼ阻害剤が、HER2阻害剤である、[64]に記載の医薬組成物。
[92]
HER2阻害剤が、ツカチニブ、ネラチニブ、ムブリチニブ、ラパチニブ、ピロチニブ、若しくはポジオチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[91]に記載の医薬組成物。
[93]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER2抗体、抗HER3抗体、抗TROP2抗体、抗B7-H3抗体、又は抗CDH6抗体である、[63]から[92]のいずれか1項に記載の医薬組成物。
[94]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER2抗体である、[93]に記載の医薬組成物。
[95]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号26乃至33に記載のアミノ酸配列からなるCDRH1、配列番号1においてアミノ酸番号51乃至58に記載のアミノ酸配列からなるCDRH2、及び配列番号1においてアミノ酸番号97乃至109に記載のアミノ酸配列からなるCDRH3を含む重鎖、並びに、配列番号2においてアミノ酸番号27乃至32に記載のアミノ酸配列からなるCDRL1、配列番号2においてアミノ酸番号50乃至52に記載のアミノ酸配列からなるCDRL2、及び配列番号2においてアミノ酸番号89乃至97に記載のアミノ酸配列からなるCDRL3を含む軽鎖、を含んでなる抗体である、[94]に記載の医薬組成物。
[96]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号1乃至120に記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域を含む重鎖、及び配列番号2においてアミノ酸番号1乃至107に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域を含む軽鎖、を含んでなる抗体である、[94]に記載の医薬組成物。
[97]
抗HER2抗体が、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[94]に記載の医薬組成物。
[98]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号1乃至449に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号2においてアミノ酸番号1乃至214に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[94]に記載の医薬組成物。
[99]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[94]から[98]のいずれか1項に記載の医薬組成物。
[100]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER3抗体である、[93]に記載の医薬組成物。
【0026】
[101]
抗HER3抗体が、配列番号3に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号4に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[100]に記載の医薬組成物。
[102]
抗HER3抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[101]に記載の医薬組成物。
[103]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[100]から[102]のいずれか1項に記載の医薬組成物。
[104]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗TROP2抗体である、[93]に記載の医薬組成物。
[105]
抗TROP2抗体が、配列番号5においてアミノ酸番号20乃至470に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号6においてアミノ酸番号21乃至234に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[104]に記載の医薬組成物。
[106]
抗TROP2抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[105]に記載の医薬組成物。
[107]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が3.5から4.5個の範囲である、[104]から[106]のいずれか1項に記載の医薬組成物。
[108]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗B7-H3抗体である、[93]に記載の医薬組成物。
[109]
抗B7-H3抗体が、配列番号7においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号8においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[108]に記載の医薬組成物。
[110]
抗B7-H3抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[109]に記載の医薬組成物。
【0027】
[111]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が3.5から4.5個の範囲である、[108]から[110]のいずれか1項に記載の医薬組成物。
[112]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗CDH6抗体である、[93]に記載の医薬組成物。
[113]
抗CDH6抗体が、配列番号9においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号10においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[112]に記載の医薬組成物。
[114]
抗CDH6抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[113]に記載の医薬組成物。
[115]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[112]から[114]のいずれか1項に記載の医薬組成物。
[116]
抗体-薬物コンジュゲートと、キナーゼ阻害剤が、それぞれ別異の製剤に有効成分として含有され、同時に又は異なる時間に投与されることを特徴とする、[63]から[115]のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【0028】
[117]
乳がん、胃がん、大腸がん、肺がん、食道がん、頭頚部がん、胃食道接合部腺がん、胆道がん、ページェット病、膵臓がん、卵巣がん、子宮がん肉腫、尿路上皮がん、前立腺がん、膀胱がん、消化管間質腫瘍、子宮頸がん、扁平上皮がん、腹膜がん、肝臓がん、肝細胞がん、子宮体がん、腎臓がん、外陰部がん、甲状腺がん、陰茎がん、白血病、悪性リンパ腫、形質細胞腫、骨髄腫、多型神経膠芽腫、骨肉腫、肉腫、及びメラノーマからなる群より選択される少なくとも一つの治療のための、[63]から[116]のいずれか1項に記載の医薬組成物。
[118]
乳がんの治療のための、[117]に記載の医薬組成物。
[119]
大腸がんの治療のための、[117]に記載の医薬組成物。
[120]
胃がんの治療のための、[117]に記載の医薬組成物。
[121]
肺がんの治療のための、[117]に記載の医薬組成物。
[122]
膵臓がんの治療のための、[117]に記載の医薬組成物。
[123]
腎臓がんの治療のための、[117]に記載の医薬組成物。
[124]
卵巣がんの治療のための、[117]に記載の医薬組成物。
[125]
抗体-薬物コンジュゲートと、キナーゼ阻害剤が、組み合わされて治療を必要とする個体に投与されることを特徴とする治療方法であって、
該抗体-薬物コンジュゲートは、式
【0029】
【0030】
(式中、Aは抗体との結合位置を示す)
で示される薬物リンカーと、抗体とがチオエーテル結合によって結合した抗体-薬物コンジュゲートであり、
該キナーゼ阻害剤は、CDK4/6阻害剤、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、AKT阻害剤、ERK阻害剤、MEK阻害剤、RAF阻害剤、CDK1阻害剤、CDK2阻害剤、CHK1阻害剤、WEE1阻害剤、PLK1阻害剤、オーロラキナーゼ阻害剤、Bcr-Abl阻害剤、Src阻害剤、EPH阻害剤、VEGFR阻害剤、KIT阻害剤、RET阻害剤、PDGFR阻害剤、FGFR阻害剤、BTK阻害剤、FLT3阻害剤、ALK阻害剤、JAK阻害剤、MET阻害剤、CSF-1R阻害剤、NTRK阻害剤、EGFR阻害剤、及びHER2阻害剤からなる群より選択される少なくとも一つである、である、治療方法。
[126]
キナーゼ阻害剤が、CDK4/6阻害剤、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、RAF阻害剤、VEGFR阻害剤、KIT阻害剤、RET阻害剤、PDGFR阻害剤、FGFR阻害剤、FLT3阻害剤、ALK阻害剤、CSF-1R阻害剤、EGFR阻害剤、及びHER2阻害剤からなる群より選択される少なくとも一つである、[125]に記載の治療方法。
[127]
キナーゼ阻害剤が、CDK4/6阻害剤である、[126]に記載の治療方法。
[128]
CDK4/6阻害剤が、アベマシクリブ、パルボシクリブ、リボシクリブ、トリラシクリブ、G1T38、PF-06873600、TP-1287、FN-1501、若しくはKRX-0601、又はそれらの薬理上許容される塩である、[127]に記載の治療方法。
[129]
キナーゼ阻害剤が、mTOR阻害剤である、[126]に記載の治療方法。
[130]
mTOR阻害剤が、エベロリムス、シロリムス、テムシロリムス、TAK-228、CC-223、AZD8055、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、若しくはPQR309、又はそれらの薬理上許容される塩である、[129]に記載の治療方法。
【0031】
[131]
キナーゼ阻害剤が、PI3K阻害剤である、[126]に記載の治療方法。
[132]
PI3K阻害剤が、タセリシブ、アルペリシブ、TAK-117、GSK2636771、AZD8186、IPI-549、イデラリシブ、デュベリシブ、AMG319、ブパルリシブ、ピクチリシブ、ピララリシブ、コパンリシブ、ソノリシブ、CH5132799、ZSTK474、GDC-0077、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、PQR309、KRX-0601、若しくはリゴセルチブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[131]に記載の治療方法。
[133]
キナーゼ阻害剤が、RAF阻害剤である、[126]に記載の治療方法。
[134]
RAF阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エンコラフェニブ、RAF265、GDC-5573、LY3009120、若しくはRO5126766、又はそれらの薬理上許容される塩である、[133]に記載の治療方法。
[135]
キナーゼ阻害剤が、VEGFR阻害剤である、[126]に記載の治療方法。
[136]
VEGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、バンデタニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、カボザンチニブ、チボザニブ、ブリバニブ、リニファニブ、ルシタニブ、イロラセルチブ、若しくはENMD-2076、又はそれらの薬理上許容される塩である、[135]に記載の治療方法。
[137]
キナーゼ阻害剤が、KIT阻害剤である、[126]に記載の治療方法。
[138]
KIT阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、イマチニブ、イロラセルチブ、スニチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、若しくはダサチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[137]に記載の治療方法。
[139]
キナーゼ阻害剤が、RET阻害剤である、[126]に記載の治療方法。
[140]
RET阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、バンデタニブ、レンバチニブ、若しくはスニチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[139]に記載の治療方法。
【0032】
[141]
キナーゼ阻害剤が、PDGFR阻害剤である、[126]に記載の治療方法。
[142]
PDGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、イロラセルチブ、イマチニブ、ニロチニブ、若しくはダサチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[141]に記載の治療方法。
[143]
キナーゼ阻害剤が、FGFR阻害剤である、[126]に記載の治療方法。
[144]
FGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、アキシチニブ、若しくはパゾパニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[143]に記載の治療方法。
[145]
キナーゼ阻害剤が、FLT3阻害剤である、[126]に記載の治療方法。
[146]
FLT3阻害剤が、ギルテリチニブ、キザルチニブ、ミドスタウリン、ソラフェニブ、イロラセルチブ、ENMD-2076、若しくはスニチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[145]に記載の治療方法。
[147]
キナーゼ阻害剤が、ALK阻害剤である、[126]に記載の治療方法。
[148]
ALK阻害剤が、ブリガチニブ、クリゾチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、若しくはロルラチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[147]に記載の治療方法。
[149]
キナーゼ阻害剤が、CSF-1R阻害剤である、[126]に記載の治療方法。
[150]
CSF-1R阻害剤が、ペキシダルチニブ、BLZ-945、JNJ-40346527、JNJ-28312141、イロラセルチブ、イマチニブ、スニチニブ、若しくはアキシチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[149]に記載の治療方法。
【0033】
[151]
キナーゼ阻害剤が、EGFR阻害剤である、[126]に記載の治療方法。
[152]
EGFR阻害剤が、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ダコミチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、ピロチニブ、若しくはポジオチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[151]に記載の治療方法。
[153]
キナーゼ阻害剤が、HER2阻害剤である、[126]に記載の治療方法。
[154]
HER2阻害剤が、ツカチニブ、ネラチニブ、ムブリチニブ、ラパチニブ、ピロチニブ、若しくはポジオチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[153]に記載の治療方法。
[155]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER2抗体、抗HER3抗体、抗TROP2抗体、抗B7-H3抗体、又は抗CDH6抗体である、[125]から[154]のいずれか1項に記載の治療方法。
[156]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER2抗体である、[155]に記載の治療方法。
[157]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号26乃至33に記載のアミノ酸配列からなるCDRH1、配列番号1においてアミノ酸番号51乃至58に記載のアミノ酸配列からなるCDRH2、及び配列番号1においてアミノ酸番号97乃至109に記載のアミノ酸配列からなるCDRH3を含む重鎖、並びに、配列番号2においてアミノ酸番号27乃至32に記載のアミノ酸配列からなるCDRL1、配列番号2においてアミノ酸番号50乃至52に記載のアミノ酸配列からなるCDRL2、及び配列番号2においてアミノ酸番号89乃至97に記載のアミノ酸配列からなるCDRL3を含む軽鎖、を含んでなる抗体である、[156]に記載の治療方法。
[158]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号1乃至120に記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域を含む重鎖、及び配列番号2においてアミノ酸番号1乃至107に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域を含む軽鎖、を含んでなる抗体である、[156]に記載の治療方法。
[159]
抗HER2抗体が、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[156]に記載の治療方法。
[160]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号1乃至449に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号2においてアミノ酸番号1乃至214に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[156]に記載の治療方法。
【0034】
[161]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[156]から[160]のいずれか1項に記載の治療方法。
[162]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER3抗体である、[155]に記載の治療方法。
[163]
抗HER3抗体が、配列番号3に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号4に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[162]に記載の治療方法。
[164]
抗HER3抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[163]に記載の治療方法。
[165]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[162]から[164]のいずれか1項に記載の治療方法。
[166]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗TROP2抗体である、[155]に記載の治療方法。
[167]
抗TROP2抗体が、配列番号5においてアミノ酸番号20乃至470に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号6においてアミノ酸番号21乃至234に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[166]に記載の治療方法。
[168]
抗TROP2抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[167]に記載の治療方法。
[169]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が3.5から4.5個の範囲である、[166]から[168]のいずれか1項に記載の治療方法。
[170]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗B7-H3抗体である、[155]に記載の治療方法。
【0035】
[171]
抗B7-H3抗体が、配列番号7においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号8においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[170]に記載の治療方法。
[172]
抗B7-H3抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[171]に記載の治療方法。
[173]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が3.5から4.5個の範囲である、[170]から[172]のいずれか1項に記載の治療方法。
[174]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗CDH6抗体である、[155]に記載の治療方法。
[175]
抗CDH6抗体が、配列番号9においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号10においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[174]に記載の治療方法。
[176]
抗CDH6抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[175]に記載の治療方法。
[177]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[174]から[176]のいずれか1項に記載の治療方法。
[178]
抗体-薬物コンジュゲートと、キナーゼ阻害剤が、それぞれ別異の製剤に有効成分として含有され、同時に又は異なる時間に投与されることを特徴とする、[125]から[177]のいずれか1項に記載の治療方法。
[179]
乳がん、胃がん、大腸がん、肺がん、食道がん、頭頚部がん、胃食道接合部腺がん、胆道がん、ページェット病、膵臓がん、卵巣がん、子宮がん肉腫、尿路上皮がん、前立腺がん、膀胱がん、消化管間質腫瘍、子宮頸がん、扁平上皮がん、腹膜がん、肝臓がん、肝細胞がん、子宮体がん、腎臓がん、外陰部がん、甲状腺がん、陰茎がん、白血病、悪性リンパ腫、形質細胞腫、骨髄腫、多型神経膠芽腫、骨肉腫、肉腫、及びメラノーマからなる群より選択される少なくとも一つの治療のための、[125]から[178]のいずれか1項に記載の治療方法。
[180]
乳がんの治療のための、[179]に記載の治療方法。
【0036】
[181]
大腸がんの治療のための、[179]に記載の治療方法。
[182]
胃がんの治療のための、[179]に記載の治療方法。
[183]
肺がんの治療のための、[179]に記載の治療方法。
[184]
膵臓がんの治療のための、[179]に記載の治療方法。
[185]
腎臓がんの治療のための、[179]に記載の治療方法。
[186]
卵巣がんの治療のための、[179]に記載の治療方法。
[187]
抗体-薬物コンジュゲートと、キナーゼ阻害剤が、組み合わされて治療を必要とする個体に投与されることを特徴とする治療方法であって、
該抗体-薬物コンジュゲートは、式
【0037】
【0038】
(式中、薬物リンカーは抗体とチオエーテル結合によって結合しており、nは1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数を示す)
で示される抗体-薬物コンジュゲートであり、
該キナーゼ阻害剤は、CDK4/6阻害剤、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、AKT阻害剤、ERK阻害剤、MEK阻害剤、RAF阻害剤、CDK1阻害剤、CDK2阻害剤、CHK1阻害剤、WEE1阻害剤、PLK1阻害剤、オーロラキナーゼ阻害剤、Bcr-Abl阻害剤、Src阻害剤、EPH阻害剤、VEGFR阻害剤、KIT阻害剤、RET阻害剤、PDGFR阻害剤、FGFR阻害剤、BTK阻害剤、FLT3阻害剤、ALK阻害剤、JAK阻害剤、MET阻害剤、CSF-1R阻害剤、NTRK阻害剤、EGFR阻害剤、及びHER2阻害剤からなる群より選択される少なくとも一つである、治療方法。
[188]
キナーゼ阻害剤が、CDK4/6阻害剤、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、RAF阻害剤、VEGFR阻害剤、KIT阻害剤、RET阻害剤、PDGFR阻害剤、FGFR阻害剤、FLT3阻害剤、ALK阻害剤、CSF-1R阻害剤、EGFR阻害剤、及びHER2阻害剤からなる群より選択される少なくとも一つである、[187]に記載の治療方法。
[189]
キナーゼ阻害剤が、CDK4/6阻害剤である、[188]に記載の治療方法。
[190]
CDK4/6阻害剤が、アベマシクリブ、パルボシクリブ、リボシクリブ、トリラシクリブ、G1T38、PF-06873600、TP-1287、FN-1501、若しくはKRX-0601、又はそれらの薬理上許容される塩である、[189]に記載の治療方法。
【0039】
[191]
キナーゼ阻害剤が、mTOR阻害剤である、[188]に記載の治療方法。
[192]
mTOR阻害剤が、エベロリムス、シロリムス、テムシロリムス、TAK-228、CC-223、AZD8055、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、若しくはPQR309、又はそれらの薬理上許容される塩である、[191]に記載の治療方法。
[193]
キナーゼ阻害剤が、PI3K阻害剤である、[188]に記載の治療方法。
[194]
PI3K阻害剤が、タセリシブ、アルペリシブ、TAK-117、GSK2636771、AZD8186、IPI-549、イデラリシブ、デュベリシブ、AMG319、ブパルリシブ、ピクチリシブ、ピララリシブ、コパンリシブ、ソノリシブ、CH5132799、ZSTK474、GDC-0077、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、PQR309、KRX-0601、若しくはリゴセルチブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[193]に記載の治療方法。
[195]
キナーゼ阻害剤が、RAF阻害剤である、[188]に記載の治療方法。
[196]
RAF阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エンコラフェニブ、RAF265、GDC-5573、LY3009120、若しくはRO5126766、又はそれらの薬理上許容される塩である、[195]に記載の治療方法。
[197]
キナーゼ阻害剤が、VEGFR阻害剤である、[188]に記載の治療方法。
[198]
VEGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、バンデタニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、カボザンチニブ、チボザニブ、ブリバニブ、リニファニブ、ルシタニブ、イロラセルチブ、若しくはENMD-2076、又はそれらの薬理上許容される塩である、[197]に記載の治療方法。
[199]
キナーゼ阻害剤が、KIT阻害剤である、[188]に記載の治療方法。
[200]
KIT阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、イマチニブ、イロラセルチブ、スニチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、若しくはダサチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[199]に記載の治療方法。
【0040】
[201]
キナーゼ阻害剤が、RET阻害剤である、[188]に記載の治療方法。
[202]
RET阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、バンデタニブ、レンバチニブ、若しくはスニチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[201]に記載の治療方法。
[203]
キナーゼ阻害剤が、PDGFR阻害剤である、[188]に記載の治療方法。
[204]
PDGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、イロラセルチブ、イマチニブ、ニロチニブ、若しくはダサチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[203]に記載の治療方法。
[205]
キナーゼ阻害剤が、FGFR阻害剤である、[188]に記載の治療方法。
[206]
FGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、アキシチニブ、若しくはパゾパニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[205]に記載の治療方法。
[207]
キナーゼ阻害剤が、FLT3阻害剤である、[188]に記載の治療方法。
[208]
FLT3阻害剤が、ギルテリチニブ、キザルチニブ、ミドスタウリン、ソラフェニブ、イロラセルチブ、ENMD-2076、若しくはスニチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[207]に記載の治療方法。
[209]
キナーゼ阻害剤が、ALK阻害剤である、[188]に記載の治療方法。
[210]
ALK阻害剤が、ブリガチニブ、クリゾチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、若しくはロルラチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[209]に記載の治療方法。
【0041】
[211]
キナーゼ阻害剤が、CSF-1R阻害剤である、[188]に記載の治療方法。
[212]
CSF-1R阻害剤が、ペキシダルチニブ、BLZ-945、JNJ-40346527、JNJ-28312141、イロラセルチブ、イマチニブ、スニチニブ、若しくはアキシチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[211]に記載の治療方法。
[213]
キナーゼ阻害剤が、EGFR阻害剤である、[188]に記載の治療方法。
[214]
EGFR阻害剤が、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ダコミチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、ピロチニブ、若しくはポジオチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[213]に記載の治療方法。
[215]
キナーゼ阻害剤が、HER2阻害剤である、[188]に記載の治療方法。
[216]
HER2阻害剤が、ツカチニブ、ネラチニブ、ムブリチニブ、ラパチニブ、ピロチニブ、若しくはポジオチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[215]に記載の治療方法。
[217]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER2抗体、抗HER3抗体、抗TROP2抗体、抗B7-H3抗体、又は抗CDH6抗体である、[187]から[216]のいずれか1項に記載の治療方法。
[218]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER2抗体である、[217]に記載の治療方法。
[219]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号26乃至33に記載のアミノ酸配列からなるCDRH1、配列番号1においてアミノ酸番号51乃至58に記載のアミノ酸配列からなるCDRH2、及び配列番号1においてアミノ酸番号97乃至109に記載のアミノ酸配列からなるCDRH3を含む重鎖、並びに、配列番号2においてアミノ酸番号27乃至32に記載のアミノ酸配列からなるCDRL1、配列番号2においてアミノ酸番号50乃至52に記載のアミノ酸配列からなるCDRL2、及び配列番号2においてアミノ酸番号89乃至97に記載のアミノ酸配列からなるCDRL3を含む軽鎖、を含んでなる抗体である、[218]に記載の治療方法。
[220]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号1乃至120に記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域を含む重鎖、及び配列番号2においてアミノ酸番号1乃至107に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域を含む軽鎖、を含んでなる抗体である、[218]に記載の治療方法。
【0042】
[221]
抗HER2抗体が、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[218]に記載の治療方法。
[222]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号1乃至449に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号2においてアミノ酸番号1乃至214に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[218]に記載の治療方法。
[223]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[218]から[222]のいずれか1項に記載の治療方法。
[224]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER3抗体である、[217]に記載の治療方法。
[225]
抗HER3抗体が、配列番号3に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号4に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[224]に記載の治療方法。
[226]
抗HER3抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[225]に記載の治療方法。
[227]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[224]から[226]のいずれか1項に記載の治療方法。
[228]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗TROP2抗体である、[217]に記載の治療方法。
[229]
抗TROP2抗体が、配列番号5においてアミノ酸番号20乃至470に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号6においてアミノ酸番号21乃至234に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[228]に記載の治療方法。
[230]
抗TROP2抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[229]に記載の治療方法。
【0043】
[231]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が3.5から4.5個の範囲である、[228]から[230]のいずれか1項に記載の治療方法。
[232]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗B7-H3抗体である、[217]に記載の治療方法。
[233]
抗B7-H3抗体が、配列番号7においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号8においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[232]に記載の治療方法。
[234]
抗B7-H3抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[233]に記載の治療方法。
[235]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が3.5から4.5個の範囲である、[232]から[234]のいずれか1項に記載の治療方法。
[236]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗CDH6抗体である、[217]に記載の治療方法。
[237]
抗CDH6抗体が、配列番号9においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号10においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[236]に記載の治療方法。
[238]
抗CDH6抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[237]に記載の治療方法。
[239]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[236]から[238]のいずれか1項に記載の治療方法。
[240]
抗体-薬物コンジュゲートと、キナーゼ阻害剤が、それぞれ別異の製剤に有効成分として含有され、同時に又は異なる時間に投与されることを特徴とする、[187]から[231]のいずれか1項に記載の治療方法。
【0044】
[241]
乳がん、胃がん、大腸がん、肺がん、食道がん、頭頚部がん、胃食道接合部腺がん、胆道がん、ページェット病、膵臓がん、卵巣がん、子宮がん肉腫、尿路上皮がん、前立腺がん、膀胱がん、消化管間質腫瘍、子宮頸がん、扁平上皮がん、腹膜がん、肝臓がん、肝細胞がん、子宮体がん、腎臓がん、外陰部がん、甲状腺がん、陰茎がん、白血病、悪性リンパ腫、形質細胞腫、骨髄腫、多型神経膠芽腫、骨肉腫、肉腫、及びメラノーマからなる群より選択される少なくとも一つの治療のための、[187]から[240]のいずれか1項に記載の治療方法。
[242]
乳がんの治療のための、[241]に記載の治療方法。
[243]
大腸がんの治療のための、[241]に記載の治療方法。
[244]
胃がんの治療のための、[241]に記載の治療方法。
[245]
肺がんの治療のための、[241]に記載の治療方法。
[246]
膵臓がんの治療のための、[241]に記載の治療方法。
[247]
腎臓がんの治療のための、[241]に記載の治療方法。
[248]
卵巣がんの治療のための、[241]に記載の治療方法。
[249]
キナーゼ阻害剤と、組み合わされて投与されることにより、疾患を治療するための、式
【0045】
【0046】
(式中、Aは抗体との結合位置を示す)
で示される薬物リンカーと、抗体とがチオエーテル結合によって結合した抗体-薬物コンジュゲートであって、
該キナーゼ阻害剤は、CDK4/6阻害剤、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、AKT阻害剤、ERK阻害剤、MEK阻害剤、RAF阻害剤、CDK1阻害剤、CDK2阻害剤、CHK1阻害剤、WEE1阻害剤、PLK1阻害剤、オーロラキナーゼ阻害剤、Bcr-Abl阻害剤、Src阻害剤、EPH阻害剤、VEGFR阻害剤、KIT阻害剤、RET阻害剤、PDGFR阻害剤、FGFR阻害剤、BTK阻害剤、FLT3阻害剤、ALK阻害剤、JAK阻害剤、MET阻害剤、CSF-1R阻害剤、NTRK阻害剤、EGFR阻害剤、及びHER2阻害剤からなる群より選択される少なくとも一つである、抗体-薬物コンジュゲート。
[250]
キナーゼ阻害剤が、CDK4/6阻害剤、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、RAF阻害剤、VEGFR阻害剤、KIT阻害剤、RET阻害剤、PDGFR阻害剤、FGFR阻害剤、FLT3阻害剤、ALK阻害剤、CSF-1R阻害剤、EGFR阻害剤、及びHER2阻害剤からなる群より選択される少なくとも一つである、[249]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
【0047】
[251]
キナーゼ阻害剤が、CDK4/6阻害剤である、[250]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[252]
CDK4/6阻害剤が、アベマシクリブ、パルボシクリブ、リボシクリブ、トリラシクリブ、G1T38、PF-06873600、TP-1287、FN-1501、若しくはKRX-0601、又はそれらの薬理上許容される塩である、[251]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[253]
キナーゼ阻害剤が、mTOR阻害剤である、[250]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[254]
mTOR阻害剤が、エベロリムス、シロリムス、テムシロリムス、TAK-228、CC-223、AZD8055、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、若しくはPQR309、又はそれらの薬理上許容される塩である、[253]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[255]
キナーゼ阻害剤が、PI3K阻害剤である、[250]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[256]
PI3K阻害剤が、タセリシブ、アルペリシブ、TAK-117、GSK2636771、AZD8186、IPI-549、イデラリシブ、デュベリシブ、AMG319、ブパルリシブ、ピクチリシブ、ピララリシブ、コパンリシブ、ソノリシブ、CH5132799、ZSTK474、GDC-0077、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、PQR309、KRX-0601、若しくはリゴセルチブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[255]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[257]
キナーゼ阻害剤が、RAF阻害剤である、[250]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[258]
RAF阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エンコラフェニブ、RAF265、GDC-5573、LY3009120、若しくはRO5126766、又はそれらの薬理上許容される塩である、[257]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[259]
キナーゼ阻害剤が、VEGFR阻害剤である、[250]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[260]
VEGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、バンデタニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、カボザンチニブ、チボザニブ、ブリバニブ、リニファニブ、ルシタニブ、イロラセルチブ、若しくはENMD-2076、又はそれらの薬理上許容される塩である、[259]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
【0048】
[261]
キナーゼ阻害剤が、KIT阻害剤である、[250]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[262]
KIT阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、イマチニブ、イロラセルチブ、スニチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、若しくはダサチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[261]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[263]
キナーゼ阻害剤が、RET阻害剤である、[250]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[264]
RET阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、バンデタニブ、レンバチニブ、若しくはスニチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[263]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[265]
キナーゼ阻害剤が、PDGFR阻害剤である、[250]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[266]
PDGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、イロラセルチブ、イマチニブ、ニロチニブ、若しくはダサチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[265]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[267]
キナーゼ阻害剤が、FGFR阻害剤である、[250]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[268]
FGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、アキシチニブ、若しくはパゾパニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[267]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[269]
キナーゼ阻害剤が、FLT3阻害剤である、[250]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[270]
FLT3阻害剤が、ギルテリチニブ、キザルチニブ、ミドスタウリン、ソラフェニブ、イロラセルチブ、ENMD-2076、若しくはスニチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[269]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
【0049】
[271]
キナーゼ阻害剤が、ALK阻害剤である、[250]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[272]
ALK阻害剤が、ブリガチニブ、クリゾチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、若しくはロルラチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[271]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[273]
キナーゼ阻害剤が、CSF-1R阻害剤である、[250]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[274]
CSF-1R阻害剤が、ペキシダルチニブ、BLZ-945、JNJ-40346527、JNJ-28312141、イロラセルチブ、イマチニブ、スニチニブ、若しくはアキシチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[273]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[275]
キナーゼ阻害剤が、EGFR阻害剤である、[250]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[276]
EGFR阻害剤が、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ダコミチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、ピロチニブ、若しくはポジオチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[275]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[277]
キナーゼ阻害剤が、HER2阻害剤である、[250]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[278]
HER2阻害剤が、ツカチニブ、ネラチニブ、ムブリチニブ、ラパチニブ、ピロチニブ、若しくはポジオチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[277]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[279]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER2抗体、抗HER3抗体、抗TROP2抗体、抗B7-H3抗体、又は抗CDH6抗体である、[249]から[278]のいずれか1項に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[280]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER2抗体である、[279]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
【0050】
[281]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号26乃至33に記載のアミノ酸配列からなるCDRH1、配列番号1においてアミノ酸番号51乃至58に記載のアミノ酸配列からなるCDRH2、及び配列番号1においてアミノ酸番号97乃至109に記載のアミノ酸配列からなるCDRH3を含む重鎖、並びに、配列番号2においてアミノ酸番号27乃至32に記載のアミノ酸配列からなるCDRL1、配列番号2においてアミノ酸番号50乃至52に記載のアミノ酸配列からなるCDRL2、及び配列番号2においてアミノ酸番号89乃至97に記載のアミノ酸配列からなるCDRL3を含む軽鎖、を含んでなる抗体である、[280]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[282]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号1乃至120に記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域を含む重鎖、及び配列番号2においてアミノ酸番号1乃至107に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域を含む軽鎖、を含んでなる抗体である、[280]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[283]
抗HER2抗体が、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[280]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[284]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号1乃至449に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号2においてアミノ酸番号1乃至214に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[280]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[285]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[280]から[284]のいずれか1項に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[286]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER3抗体である、[279]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[287]
抗HER3抗体が、配列番号3に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号4に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[286]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[288]
抗HER3抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[287]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[289]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[286]から[288]のいずれか1項に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[290]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗TROP2抗体である、[279]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
【0051】
[291]
抗TROP2抗体が、配列番号5においてアミノ酸番号20乃至470に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号6においてアミノ酸番号21乃至234に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[290]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[292]
抗TROP2抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[291]1に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[293]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が3.5から4.5個の範囲である、[290]から[292]のいずれか1項に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[294]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗B7-H3抗体である、[279]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[295]
抗B7-H3抗体が、配列番号7においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号8においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[294]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[296]
抗B7-H3抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[295]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[297]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が3.5から4.5個の範囲である、[294]から[296]のいずれか1項に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[298]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗CDH6抗体である、[279]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[299]
抗CDH6抗体が、配列番号9においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号10においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[298]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[300]
抗CDH6抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[299]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
【0052】
[301]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[298]から[300]のいずれか1項に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[302]
抗体-薬物コンジュゲートと、キナーゼ阻害剤が、それぞれ別異の製剤に有効成分として含有され、同時に又は異なる時間に投与されることを特徴とする、[249]から[301]のいずれか1項に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[303]
乳がん、胃がん、大腸がん、肺がん、食道がん、頭頚部がん、胃食道接合部腺がん、胆道がん、ページェット病、膵臓がん、卵巣がん、子宮がん肉腫、尿路上皮がん、前立腺がん、膀胱がん、消化管間質腫瘍、子宮頸がん、扁平上皮がん、腹膜がん、肝臓がん、肝細胞がん、子宮体がん、腎臓がん、外陰部がん、甲状腺がん、陰茎がん、白血病、悪性リンパ腫、形質細胞腫、骨髄腫、多型神経膠芽腫、骨肉腫、肉腫、及びメラノーマからなる群より選択される少なくとも一つの治療のための、[249]から[302]のいずれか1項に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[304]
乳がんの治療のための、[303]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[305]
大腸がんの治療のための、[303]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[306]
胃がんの治療のための、[303]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[307]
肺がんの治療のための、[303]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[308]
膵臓がんの治療のための、[303]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[309]
腎臓がんの治療のための、[303]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[310]
卵巣がんの治療のための、[303]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[311]
キナーゼ阻害剤と、組み合わされて投与されることにより、疾患を治療するための、式
【0053】
【0054】
(式中、薬物リンカーは抗体とチオエーテル結合によって結合しており、nは1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数を示す)
で示される抗体-薬物コンジュゲートであって、
該キナーゼ阻害剤は、CDK4/6阻害剤、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、AKT阻害剤、ERK阻害剤、MEK阻害剤、RAF阻害剤、CDK1阻害剤、CDK2阻害剤、CHK1阻害剤、WEE1阻害剤、PLK1阻害剤、オーロラキナーゼ阻害剤、Bcr-Abl阻害剤、Src阻害剤、EPH阻害剤、VEGFR阻害剤、KIT阻害剤、RET阻害剤、PDGFR阻害剤、FGFR阻害剤、BTK阻害剤、FLT3阻害剤、ALK阻害剤、JAK阻害剤、MET阻害剤、CSF-1R阻害剤、NTRK阻害剤、EGFR阻害剤、及びHER2阻害剤からなる群より選択される少なくとも一つである、抗体-薬物コンジュゲート。
[312]
キナーゼ阻害剤が、CDK4/6阻害剤、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、RAF阻害剤、VEGFR阻害剤、KIT阻害剤、RET阻害剤、PDGFR阻害剤、FGFR阻害剤、FLT3阻害剤、ALK阻害剤、CSF-1R阻害剤、EGFR阻害剤、及びHER2阻害剤からなる群より選択される少なくとも一つである、[311]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[313]
キナーゼ阻害剤が、CDK4/6阻害剤である、[312]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[314]
CDK4/6阻害剤が、アベマシクリブ、パルボシクリブ、リボシクリブ、トリラシクリブ、G1T38、PF-06873600、TP-1287、FN-1501、若しくはKRX-0601、又はそれらの薬理上許容される塩である、[313]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[315]
キナーゼ阻害剤が、mTOR阻害剤である、[312]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
【0055】
[316]
mTOR阻害剤が、エベロリムス、シロリムス、テムシロリムス、TAK-228、CC-223、AZD8055、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、若しくはPQR309、又はそれらの薬理上許容される塩である、[315]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[317]
キナーゼ阻害剤が、PI3K阻害剤である、[312]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[318]
PI3K阻害剤が、タセリシブ、アルペリシブ、TAK-117、GSK2636771、AZD8186、IPI-549、イデラリシブ、デュベリシブ、AMG319、ブパルリシブ、ピクチリシブ、ピララリシブ、コパンリシブ、ソノリシブ、CH5132799、ZSTK474、GDC-0077、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、PQR309、KRX-0601、若しくはリゴセルチブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[317]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[319]
キナーゼ阻害剤が、RAF阻害剤である、[312]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[320]
RAF阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エンコラフェニブ、RAF265、GDC-5573、LY3009120、若しくはRO5126766、又はそれらの薬理上許容される塩である、[319]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
【0056】
[321]
キナーゼ阻害剤が、VEGFR阻害剤である、[312]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[322]
VEGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、バンデタニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、カボザンチニブ、チボザニブ、ブリバニブ、リニファニブ、ルシタニブ、イロラセルチブ、若しくはENMD-2076、又はそれらの薬理上許容される塩である、[321]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[323]
キナーゼ阻害剤が、KIT阻害剤である、[312]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[324]
KIT阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、イマチニブ、イロラセルチブ、スニチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、若しくはダサチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[323]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[325]
キナーゼ阻害剤が、RET阻害剤である、[312]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[326]
RET阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、バンデタニブ、レンバチニブ、若しくはスニチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[325]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[327]
キナーゼ阻害剤が、PDGFR阻害剤である、[312]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[328]
PDGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、イロラセルチブ、イマチニブ、ニロチニブ、若しくはダサチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[327]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[329]
キナーゼ阻害剤が、FGFR阻害剤である、[312]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[330]
FGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、アキシチニブ、若しくはパゾパニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[329]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
【0057】
[331]
キナーゼ阻害剤が、FLT3阻害剤である、[312]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[332]
FLT3阻害剤が、ギルテリチニブ、キザルチニブ、ミドスタウリン、ソラフェニブ、イロラセルチブ、ENMD-2076、若しくはスニチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[331]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[333]
キナーゼ阻害剤が、ALK阻害剤である、[312]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[334]
ALK阻害剤が、ブリガチニブ、クリゾチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、若しくはロルラチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[333]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[335]
キナーゼ阻害剤が、CSF-1R阻害剤である、[312]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[336]
CSF-1R阻害剤が、ペキシダルチニブ、BLZ-945、JNJ-40346527、JNJ-28312141、イロラセルチブ、イマチニブ、スニチニブ、若しくはアキシチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[335]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[337]
キナーゼ阻害剤が、EGFR阻害剤である、[312]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[338]
EGFR阻害剤が、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ダコミチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、ピロチニブ、若しくはポジオチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[337]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[339]
キナーゼ阻害剤が、HER2阻害剤である、[312]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[340]
HER2阻害剤が、ツカチニブ、ネラチニブ、ムブリチニブ、ラパチニブ、ピロチニブ、若しくはポジオチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[339]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
【0058】
[341]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER2抗体、抗HER3抗体、抗TROP2抗体、抗B7-H3抗体、又は抗CDH6抗体である、[311]から[340]のいずれか1項に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[342]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER2抗体である、[341]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[343]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号26乃至33に記載のアミノ酸配列からなるCDRH1、配列番号1においてアミノ酸番号51乃至58に記載のアミノ酸配列からなるCDRH2、及び配列番号1においてアミノ酸番号97乃至109に記載のアミノ酸配列からなるCDRH3を含む重鎖、並びに、配列番号2においてアミノ酸番号27乃至32に記載のアミノ酸配列からなるCDRL1、配列番号2においてアミノ酸番号50乃至52に記載のアミノ酸配列からなるCDRL2、及び配列番号2においてアミノ酸番号89乃至97に記載のアミノ酸配列からなるCDRL3を含む軽鎖、を含んでなる抗体である、[342]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[344]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号1乃至120に記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域を含む重鎖、及び配列番号2においてアミノ酸番号1乃至107に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域を含む軽鎖、を含んでなる抗体である、[342]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[345]
抗HER2抗体が、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[342]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
【0059】
[346]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号1乃至449に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号2においてアミノ酸番号1乃至214に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[342]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[347]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[342]から[346]のいずれか1項に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[348]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER3抗体である、[341]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[349]
抗HER3抗体が、配列番号3に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号4に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[348]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[350]
抗HER3抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[349]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
【0060】
[351]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[348]から[350]のいずれか1項に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[352]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗TROP2抗体である、[341]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[353]
抗TROP2抗体が、配列番号5においてアミノ酸番号20乃至470に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号6においてアミノ酸番号21乃至234に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[352]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[354]
抗TROP2抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[353]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[355]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が3.5から4.5個の範囲である、[352]から[354]のいずれか1項に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[356]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗B7-H3抗体である、[341]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[357]
抗B7-H3抗体が、配列番号7においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号8においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[356]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[358]
抗B7-H3抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[357]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[359]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が3.5から4.5個の範囲である、[356]から[358]のいずれか1項に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[360]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗CDH6抗体である、[341]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
【0061】
[361]
抗CDH6抗体が、配列番号9においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号10においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[360]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[362]
抗CDH6抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[361]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[363]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[360]から[362]のいずれか1項に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[364]
抗体-薬物コンジュゲートと、キナーゼ阻害剤が、それぞれ別異の製剤に有効成分として含有され、同時に又は異なる時間に投与されることを特徴とする、[311]から[363]のいずれか1項に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[365]
乳がん、胃がん、大腸がん、肺がん、食道がん、頭頚部がん、胃食道接合部腺がん、胆道がん、ページェット病、膵臓がん、卵巣がん、子宮がん肉腫、尿路上皮がん、前立腺がん、膀胱がん、消化管間質腫瘍、子宮頸がん、扁平上皮がん、腹膜がん、肝臓がん、肝細胞がん、子宮体がん、腎臓がん、外陰部がん、甲状腺がん、陰茎がん、白血病、悪性リンパ腫、形質細胞腫、骨髄腫、多型神経膠芽腫、骨肉腫、肉腫、及びメラノーマからなる群より選択される少なくとも一つの治療のための、[311]から[364]のいずれか1項に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[366]
乳がんの治療のための、[365]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[367]
大腸がんの治療のための、[365]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[368]
胃がんの治療のための、[365]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[369]
肺がんの治療のための、[365]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[370]
膵臓がんの治療のための、[365]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[371]
腎臓がんの治療のための、[365]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[372]
卵巣がんの治療のための、[365]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[373]
キナーゼ阻害剤と、組み合わされて投与されることにより、疾患を治療するための医薬の製造のための
式
【0062】
【0063】
(式中、Aは抗体との結合位置を示す)
で示される薬物リンカーと、抗体とがチオエーテル結合によって結合した抗体-薬物コンジュゲートの使用であって、
該キナーゼ阻害剤は、CDK4/6阻害剤、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、AKT阻害剤、ERK阻害剤、MEK阻害剤、RAF阻害剤、CDK1阻害剤、CDK2阻害剤、CHK1阻害剤、WEE1阻害剤、PLK1阻害剤、オーロラキナーゼ阻害剤、Bcr-Abl阻害剤、Src阻害剤、EPH阻害剤、VEGFR阻害剤、KIT阻害剤、RET阻害剤、PDGFR阻害剤、FGFR阻害剤、BTK阻害剤、FLT3阻害剤、ALK阻害剤、JAK阻害剤、MET阻害剤、CSF-1R阻害剤、NTRK阻害剤、EGFR阻害剤、及びHER2阻害剤からなる群より選択される少なくとも一つである、使用。
[374]
キナーゼ阻害剤が、CDK4/6阻害剤、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、RAF阻害剤、VEGFR阻害剤、KIT阻害剤、RET阻害剤、PDGFR阻害剤、FGFR阻害剤、FLT3阻害剤、ALK阻害剤、CSF-1R阻害剤、EGFR阻害剤、及びHER2阻害剤からなる群より選択される少なくとも一つである、[373]に記載の使用。
[375]
キナーゼ阻害剤が、CDK4/6阻害剤である、[374]に記載の使用。
【0064】
[376]
CDK4/6阻害剤が、アベマシクリブ、パルボシクリブ、リボシクリブ、トリラシクリブ、G1T38、PF-06873600、TP-1287、FN-1501、若しくはKRX-0601、又はそれらの薬理上許容される塩である、[375]に記載の使用。
[377]
キナーゼ阻害剤が、mTOR阻害剤である、[374]に記載の使用。
[378]
mTOR阻害剤が、エベロリムス、シロリムス、テムシロリムス、TAK-228、CC-223、AZD8055、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、若しくはPQR309、又はそれらの薬理上許容される塩である、[377]に記載の使用。
[379]
キナーゼ阻害剤が、PI3K阻害剤である、[374]に記載の使用。
[380]
PI3K阻害剤が、タセリシブ、アルペリシブ、TAK-117、GSK2636771、AZD8186、IPI-549、イデラリシブ、デュベリシブ、AMG319、ブパルリシブ、ピクチリシブ、ピララリシブ、コパンリシブ、ソノリシブ、CH5132799、ZSTK474、GDC-0077、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、PQR309、KRX-0601、若しくはリゴセルチブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[379]に記載の使用。
[381]
キナーゼ阻害剤が、RAF阻害剤である、[374]に記載の使用。
[382]
RAF阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エンコラフェニブ、RAF265、GDC-5573、LY3009120、若しくはRO5126766、又はそれらの薬理上許容される塩である、[381]に記載の使用。
[383]
キナーゼ阻害剤が、VEGFR阻害剤である、[374]に記載の使用。
[384]
VEGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、バンデタニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、カボザンチニブ、チボザニブ、ブリバニブ、リニファニブ、ルシタニブ、イロラセルチブ、若しくはENMD-2076、又はそれらの薬理上許容される塩である、[383]に記載の使用。
[385]
キナーゼ阻害剤が、KIT阻害剤である、[374]に記載の使用。
【0065】
[386]
KIT阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、イマチニブ、イロラセルチブ、スニチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、若しくはダサチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[385]に記載の使用。
[387]
キナーゼ阻害剤が、RET阻害剤である、[374]に記載の使用。
[388]
RET阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、バンデタニブ、レンバチニブ、若しくはスニチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[387]に記載の使用。
[389]
キナーゼ阻害剤が、PDGFR阻害剤である、[374]に記載の使用。
[390]
PDGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、イロラセルチブ、イマチニブ、ニロチニブ、若しくはダサチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[389]に記載の使用。
[391]
キナーゼ阻害剤が、FGFR阻害剤である、[374]に記載の使用。
[392]
FGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、アキシチニブ、若しくはパゾパニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[391]に記載の使用。
[393]
キナーゼ阻害剤が、FLT3阻害剤である、[374]に記載の使用。
[394]
FLT3阻害剤が、ギルテリチニブ、キザルチニブ、ミドスタウリン、ソラフェニブ、イロラセルチブ、ENMD-2076、若しくはスニチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[393]に記載の使用。
[395]
キナーゼ阻害剤が、ALK阻害剤である、[374]に記載の使用。
【0066】
[396]
ALK阻害剤が、ブリガチニブ、クリゾチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、若しくはロルラチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[395]に記載の使用。
[397]
キナーゼ阻害剤が、CSF-1R阻害剤である、[374]に記載の使用。
[398]
CSF-1R阻害剤が、ペキシダルチニブ、BLZ-945、JNJ-40346527、JNJ-28312141、イロラセルチブ、イマチニブ、スニチニブ、若しくはアキシチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[397]に記載の使用。
[399]
キナーゼ阻害剤が、EGFR阻害剤である、[374]に記載の使用。
[400]
EGFR阻害剤が、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ダコミチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、ピロチニブ、若しくはポジオチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[399]に記載の使用。
【0067】
[401]
キナーゼ阻害剤が、HER2阻害剤である、[374]に記載の使用。
[402]
HER2阻害剤が、ツカチニブ、ネラチニブ、ムブリチニブ、ラパチニブ、ピロチニブ、若しくはポジオチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[401]に記載の使用。
[403]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER2抗体、抗HER3抗体、抗TROP2抗体、抗B7-H3抗体、又は抗CDH6抗体である、[373]から[402]のいずれか1項に記載の使用。
[404]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER2抗体である、[403]に記載の使用。
[405]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号26乃至33に記載のアミノ酸配列からなるCDRH1、配列番号1においてアミノ酸番号51乃至58に記載のアミノ酸配列からなるCDRH2、及び配列番号1においてアミノ酸番号97乃至109に記載のアミノ酸配列からなるCDRH3を含む重鎖、並びに、配列番号2においてアミノ酸番号27乃至32に記載のアミノ酸配列からなるCDRL1、配列番号2においてアミノ酸番号50乃至52に記載のアミノ酸配列からなるCDRL2、及び配列番号2においてアミノ酸番号89乃至97に記載のアミノ酸配列からなるCDRL3を含む軽鎖、を含んでなる抗体である、[404]に記載の使用。
[406]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号1乃至120に記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域を含む重鎖、及び配列番号2においてアミノ酸番号1乃至107に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域を含む軽鎖、を含んでなる抗体である、[404]に記載の使用。
[407]
抗HER2抗体が、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[404]に記載の使用。
[408]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号1乃至449に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号2においてアミノ酸番号1乃至214に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[404]に記載の使用。
[409]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[404]から[408]のいずれか1項に記載の使用。
[410]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER3抗体である、[403]に記載の使用。
【0068】
[411]
抗HER3抗体が、配列番号3に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号4に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[410]に記載の使用。
[412]
抗HER3抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[411]に記載の使用。
[413]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[410]から[412]のいずれか1項に記載の使用。
[414]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗TROP2抗体である、[403]に記載の使用。
[415]
抗TROP2抗体が、配列番号5においてアミノ酸番号20乃至470に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号6においてアミノ酸番号21乃至234に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[414]に記載の使用。
[416]
抗TROP2抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[415]に記載の使用。
[417]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が3.5から4.5個の範囲である、[414]から[416]のいずれか1項に記載の使用。
[418]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗B7-H3抗体である、[403]に記載の使用。
[419]
抗B7-H3抗体が、配列番号7においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号8においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[418]に記載の使用。
[420]
抗B7-H3抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[419]に記載の使用。
【0069】
[421]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が3.5から4.5個の範囲である、[418]から[420]のいずれか1項に記載の使用。
[422]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗CDH6抗体である、[403]に記載の使用。
[423]
抗CDH6抗体が、配列番号9においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号10においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[422]に記載の使用。
[424]
抗CDH6抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[423]に記載の使用。
[425]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[422]から[424]のいずれか1項に記載の使用。
[426]
抗体-薬物コンジュゲートと、キナーゼ阻害剤が、それぞれ別異の製剤に有効成分として含有され、同時に又は異なる時間に投与されることを特徴とする、[373]から[425]のいずれか1項に記載の使用。
[427]
乳がん、胃がん、大腸がん、肺がん、食道がん、頭頚部がん、胃食道接合部腺がん、胆道がん、ページェット病、膵臓がん、卵巣がん、子宮がん肉腫、尿路上皮がん、前立腺がん、膀胱がん、消化管間質腫瘍、子宮頸がん、扁平上皮がん、腹膜がん、肝臓がん、肝細胞がん、子宮体がん、腎臓がん、外陰部がん、甲状腺がん、陰茎がん、白血病、悪性リンパ腫、形質細胞腫、骨髄腫、多型神経膠芽腫、骨肉腫、肉腫、及びメラノーマからなる群より選択される少なくとも一つの治療のための、[373]から[426]のいずれか1項に記載の使用。
[428]
乳がんの治療のための、[427]に記載の使用。
[429]
大腸がんの治療のための、[427]に記載の使用。
[430]
胃がんの治療のための、[427]に記載の使用。
【0070】
[431]
肺がんの治療のための、[427]に記載の使用。
[432]
膵臓がんの治療のための、[427]に記載の使用。
[433]
腎臓がんの治療のための、[427]に記載の使用。
[434]
卵巣がんの治療のための、[427]に記載の使用。
[435]
キナーゼ阻害剤と、組み合わされて投与されることにより、疾患を治療するための医薬の製造のための、式
【0071】
【0072】
(式中、薬物リンカーは抗体とチオエーテル結合によって結合しており、nは1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数を示す)
で示される抗体-薬物コンジュゲートの使用であって、
該キナーゼ阻害剤は、CDK4/6阻害剤、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、AKT阻害剤、ERK阻害剤、MEK阻害剤、RAF阻害剤、CDK1阻害剤、CDK2阻害剤、CHK1阻害剤、WEE1阻害剤、PLK1阻害剤、オーロラキナーゼ阻害剤、Bcr-Abl阻害剤、Src阻害剤、EPH阻害剤、VEGFR阻害剤、KIT阻害剤、RET阻害剤、PDGFR阻害剤、FGFR阻害剤、BTK阻害剤、FLT3阻害剤、ALK阻害剤、JAK阻害剤、MET阻害剤、CSF-1R阻害剤、NTRK阻害剤、EGFR阻害剤、及びHER2阻害剤からなる群より選択される少なくとも一つである、使用。
[436]
キナーゼ阻害剤が、CDK4/6阻害剤、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、RAF阻害剤、VEGFR阻害剤、KIT阻害剤、RET阻害剤、PDGFR阻害剤、FGFR阻害剤、FLT3阻害剤、ALK阻害剤、CSF-1R阻害剤、EGFR阻害剤、及びHER2阻害剤からなる群より選択される少なくとも一つである、[435]に記載の使用。
[437]
キナーゼ阻害剤が、CDK4/6阻害剤である、[436]に記載の使用。
[438]
CDK4/6阻害剤が、アベマシクリブ、パルボシクリブ、リボシクリブ、トリラシクリブ、G1T38、PF-06873600、TP-1287、FN-1501、若しくはKRX-0601、又はそれらの薬理上許容される塩である、[437]に記載の使用。
[439]
キナーゼ阻害剤が、mTOR阻害剤である、[436]に記載の使用。
[440]
mTOR阻害剤が、エベロリムス、シロリムス、テムシロリムス、TAK-228、CC-223、AZD8055、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、若しくはPQR309、又はそれらの薬理上許容される塩である、[439]に記載の使用。
【0073】
[441]
キナーゼ阻害剤が、PI3K阻害剤である、[436]に記載の使用。
[442]
PI3K阻害剤が、タセリシブ、アルペリシブ、TAK-117、GSK2636771、AZD8186、IPI-549、イデラリシブ、デュベリシブ、AMG319、ブパルリシブ、ピクチリシブ、ピララリシブ、コパンリシブ、ソノリシブ、CH5132799、ZSTK474、GDC-0077、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、PQR309、KRX-0601、若しくはリゴセルチブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[441]に記載の使用。
[443]
キナーゼ阻害剤が、RAF阻害剤である、[436]に記載の使用。
[444]
RAF阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エンコラフェニブ、RAF265、GDC-5573、LY3009120、若しくはRO5126766、又はそれらの薬理上許容される塩である、[443]に記載の使用。
[445]
キナーゼ阻害剤が、VEGFR阻害剤である、[436]に記載の使用。
[446]
VEGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、バンデタニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、カボザンチニブ、チボザニブ、ブリバニブ、リニファニブ、ルシタニブ、イロラセルチブ、若しくはENMD-2076、又はそれらの薬理上許容される塩である、[445]に記載の使用。
[447]
キナーゼ阻害剤が、KIT阻害剤である、[436]に記載の使用。
[448]
KIT阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、イマチニブ、イロラセルチブ、スニチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、若しくはダサチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[447]に記載の使用。
[449]
キナーゼ阻害剤が、RET阻害剤である、[436]に記載の使用。
[450]
RET阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、バンデタニブ、レンバチニブ、若しくはスニチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[449]に記載の使用。
【0074】
[451]
キナーゼ阻害剤が、PDGFR阻害剤である、[436]に記載の使用。
[452]
PDGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、イロラセルチブ、イマチニブ、ニロチニブ、若しくはダサチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[451]に記載の使用。
[453]
キナーゼ阻害剤が、FGFR阻害剤である、[436]に記載の使用。
[454]
FGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、アキシチニブ、若しくはパゾパニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[453]に記載の使用。
[455]
キナーゼ阻害剤が、FLT3阻害剤である、[436]に記載の使用。
[456]
FLT3阻害剤が、ギルテリチニブ、キザルチニブ、ミドスタウリン、ソラフェニブ、イロラセルチブ、ENMD-2076、若しくはスニチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[455]に記載の使用。
[457]
キナーゼ阻害剤が、ALK阻害剤である、[436]に記載の使用。
[458]
ALK阻害剤が、ブリガチニブ、クリゾチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、若しくはロルラチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[457]に記載の使用。
[459]
キナーゼ阻害剤が、CSF-1R阻害剤である、[436]に記載の使用。
[460]
CSF-1R阻害剤が、ペキシダルチニブ、BLZ-945、JNJ-40346527、JNJ-28312141、イロラセルチブ、イマチニブ、スニチニブ、若しくはアキシチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[459]に記載の使用。
【0075】
[461]
キナーゼ阻害剤が、EGFR阻害剤である、[436]に記載の使用。
[462]
EGFR阻害剤が、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ダコミチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、ピロチニブ、若しくはポジオチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[461]に記載の使用。
[463]
キナーゼ阻害剤が、HER2阻害剤である、[436]に記載の使用。
[464]
HER2阻害剤が、ツカチニブ、ネラチニブ、ムブリチニブ、ラパチニブ、ピロチニブ、若しくはポジオチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[463]に記載の使用。
[465]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER2抗体、抗HER3抗体、抗TROP2抗体、抗B7-H3抗体、又は抗CDH6抗体である、[435]から[464]のいずれか1項に記載の使用。
[466]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER2抗体である、[465]に記載の使用。
[467]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号26乃至33に記載のアミノ酸配列からなるCDRH1、配列番号1においてアミノ酸番号51乃至58に記載のアミノ酸配列からなるCDRH2、及び配列番号1においてアミノ酸番号97乃至109に記載のアミノ酸配列からなるCDRH3を含む重鎖、並びに、配列番号2においてアミノ酸番号27乃至32に記載のアミノ酸配列からなるCDRL1、配列番号2においてアミノ酸番号50乃至52に記載のアミノ酸配列からなるCDRL2、及び配列番号2においてアミノ酸番号89乃至97に記載のアミノ酸配列からなるCDRL3を含む軽鎖、を含んでなる抗体である、[466]に記載の医薬組成物。
[468]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号1乃至120に記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域を含む重鎖、及び配列番号2においてアミノ酸番号1乃至107に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域を含む軽鎖、を含んでなる抗体である、[466]に記載の医薬組成物。
[469]
抗HER2抗体が、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[466]に記載の医薬組成物。
[470]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号1乃至449に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号2においてアミノ酸番号1乃至214に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[466]に記載の使用。
【0076】
[471]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[466]から[470]のいずれか1項に記載の使用。
[472]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER3抗体である、[465]に記載の使用。
[473]
抗HER3抗体が、配列番号3に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号4に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[472]に記載の使用。
[474]
抗HER3抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[473]に記載の使用。
[475]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[472]から[474]のいずれか1項に記載の使用。
[476]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗TROP2抗体である、[465]に記載の使用。
[477]
抗TROP2抗体が、配列番号5においてアミノ酸番号20乃至470に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号6においてアミノ酸番号21乃至234に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[476]に記載の使用。
[478]
抗TROP2抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[477]に記載の使用。
[479]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が3.5から4.5個の範囲である、[476]から[478]のいずれか1項に記載の使用。
[480]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗B7-H3抗体である、[465]に記載の使用。
【0077】
[481]
抗B7-H3抗体が、配列番号7においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号8においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[480]に記載の使用。
[482]
抗B7-H3抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[481]に記載の使用。
[483]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が3.5から4.5個の範囲である、[480]から[482]のいずれか1項に記載の使用。
[484]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗CDH6抗体である、[465]に記載の使用。
[485]
抗CDH6抗体が、配列番号9においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号10においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[484]に記載の使用。
[486]
抗CDH6抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[485]に記載の使用。
[487]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[484]から[486]のいずれか1項に記載の使用。
[488]
抗体-薬物コンジュゲートと、キナーゼ阻害剤が、それぞれ別異の製剤に有効成分として含有され、同時に又は異なる時間に投与されることを特徴とする、[435]から[487]のいずれか1項に記載の使用。
[489]
乳がん、胃がん、大腸がん、肺がん、食道がん、頭頚部がん、胃食道接合部腺がん、胆道がん、ページェット病、膵臓がん、卵巣がん、子宮がん肉腫、尿路上皮がん、前立腺がん、膀胱がん、消化管間質腫瘍、子宮頸がん、扁平上皮がん、腹膜がん、肝臓がん、肝細胞がん、子宮体がん、腎臓がん、外陰部がん、甲状腺がん、陰茎がん、白血病、悪性リンパ腫、形質細胞腫、骨髄腫、多型神経膠芽腫、骨肉腫、肉腫、及びメラノーマからなる群より選択される少なくとも一つの治療のための、[435]から[488]のいずれか1項に記載の使用。
[490]
乳がんの治療のための、[489]に記載の使用。
【0078】
[491]
大腸がんの治療のための、[489]に記載の使用。
[492]
胃がんの治療のための、[489]に記載の使用。
[493]
肺がんの治療のための、[489]に記載の使用。
[494]
膵臓がんの治療のための、[489]に記載の使用。
[495]
腎臓がんの治療のための、[489]に記載の使用。
[496]
卵巣がんの治療のための、[489]に記載の使用。
[497]
抗体-薬物コンジュゲートと、キナーゼ阻害剤が、組み合わされて投与されることを特徴とする医薬組成物であって、
該抗体-薬物コンジュゲートは、式
【0079】
【0080】
(式中、Aは抗体との結合位置を示す)
で示される薬物リンカーと、抗体とがチオエーテル結合によって結合した抗体-薬物コンジュゲートであり、
該キナーゼ阻害剤は、アベマシクリブ、パルボシクリブ、リボシクリブ、トリラシクリブ、G1T38、PF-06873600、TP-1287、FN-1501、KRX-0601、エベロリムス、シロリムス、テムシロリムス、TAK-228、CC-223、AZD8055、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、PQR309、タセリシブ、アルペリシブ、TAK-117、GSK2636771、AZD8186、IPI-549、イデラリシブ、デュベリシブ、AMG319、ブパルリシブ、ピクチリシブ、ピララリシブ、コパンリシブ、ソノリシブ、CH5132799、ZSTK474、GDC-0077、リゴセルチブ、イパタセルチブ、ユプロセルチブ、MK-2206、BAY1125976、AZD5363、TAS-117、ONC201、BVD-523、CC-90003、GDC-0994、LY3214996、MK-8353、トラメチニブ、ビニメチニブ、セルメチニブ、レファメチニブ、ピマセルチブ、コビメチニブ、E6201、PD-0325901、RO5126766、GDC-0623、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エンコラフェニブ、RAF265、GDC-5573、LY3009120、ディナシクリブ、ミルシクリブ、セリシクリブ、アルボシジブ、ロニシクリブ、ボルシクリブ、AT7519、PHA-793887、CYC-065、MK-8776、LY2606368、LY2603618、CBP501、GDC-0425、CCT245737、AZD1775、ボラセルチブ、アリセルチブ、イロラセルチブ、ENMD-2076、AMG900、イマチニブ、ダサチニブ、ボスチニブ、ニロチニブ、ポナチニブ、バンデタニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、カボザンチニブ、チボザニブ、ブリバニブ、リニファニブ、ルシタニブ、イブルチニブ、アカラブルチニブ、チラブルチニブ、ギルテリチニブ、キザルチニブ、ミドスタウリン、ブリガチニブ、クリゾチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、ロルラチニブ、ルキソリチニブ、トファシチニブ、バリシチニブ、パクリチニブ、カプマチニブ、テポチニブ、ペキシダルチニブ、BLZ-945、JNJ-40346527、JNJ-28312141、エントレクチニブ、GR-389988、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ダコミチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、ピロチニブ、ポジオチニブ、ツカチニブ、及びムブリチニブ、並びにそれらの薬理上許容される塩からなる群より選択される少なくとも一つである、医薬組成物。
[498]
キナーゼ阻害剤が、アベマシクリブ又はその薬理上許容される塩である、[497]に記載の医薬組成物。
[499]
キナーゼ阻害剤が、パルボシクリブ又はその薬理上許容される塩である、[497]に記載の医薬組成物。
[500]
キナーゼ阻害剤が、エベロリムス又はその薬理上許容される塩である、[497]に記載の医薬組成物。
【0081】
[501]
キナーゼ阻害剤が、タセリシブ又はその薬理上許容される塩である、[497]に記載の医薬組成物。
[502]
キナーゼ阻害剤が、アルペリシブ又はその薬理上許容される塩である、[497]に記載の医薬組成物。
[503]
キナーゼ阻害剤が、レゴラフェニブ又はその薬理上許容される塩である、[497]に記載の医薬組成物。
[504]
キナーゼ阻害剤が、カボザンチニブ又はその薬理上許容される塩である、[497]に記載の医薬組成物。
[505]
キナーゼ阻害剤が、スニチニブ又はその薬理上許容される塩である、[497]に記載の医薬組成物。
[506]
キナーゼ阻害剤が、ニンテダニブ又はその薬理上許容される塩である、[497]に記載の医薬組成物。
[507]
キナーゼ阻害剤が、ブリガチニブ又はその薬理上許容される塩である、[497]に記載の医薬組成物。
[508]
キナーゼ阻害剤が、エルロチニブ又はその薬理上許容される塩である、[497]に記載の医薬組成物。
[509]
キナーゼ阻害剤が、ネラチニブ又はその薬理上許容される塩である、[497]に記載の医薬組成物。
[510]
キナーゼ阻害剤が、ポジオチニブ又はその薬理上許容される塩である、[497]に記載の医薬組成物。
【0082】
[511]
キナーゼ阻害剤が、ツカチニブ又はその薬理上許容される塩である、[497]に記載の医薬組成物。
[512]
キナーゼ阻害剤が、ムブリチニブ又はその薬理上許容される塩である、[497]に記載の医薬組成物。
[513]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER2抗体、抗HER3抗体、抗TROP2抗体、抗B7-H3抗体、又は抗CDH6抗体である、[497]から[512]のいずれか1項に記載の医薬組成物。
[514]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER2抗体である、[513]に記載の医薬組成物。
[515]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号26乃至33に記載のアミノ酸配列からなるCDRH1、配列番号1においてアミノ酸番号51乃至58に記載のアミノ酸配列からなるCDRH2、及び配列番号1においてアミノ酸番号97乃至109に記載のアミノ酸配列からなるCDRH3を含む重鎖、並びに、配列番号2においてアミノ酸番号27乃至32に記載のアミノ酸配列からなるCDRL1、配列番号2においてアミノ酸番号50乃至52に記載のアミノ酸配列からなるCDRL2、及び配列番号2においてアミノ酸番号89乃至97に記載のアミノ酸配列からなるCDRL3を含む軽鎖、を含んでなる抗体である、[514]に記載の医薬組成物。
[516]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号1乃至120に記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域を含む重鎖、及び配列番号2においてアミノ酸番号1乃至107に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域を含む軽鎖、を含んでなる抗体である、[514]に記載の医薬組成物。
[517]
抗HER2抗体が、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[514]に記載の医薬組成物。
[518]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号1乃至449に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号2においてアミノ酸番号1乃至214に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[514]に記載の医薬組成物。
[519]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[514]から[518]のいずれか1項に記載の医薬組成物。
[520]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER3抗体である、[513]に記載の医薬組成物。
【0083】
[521]
抗HER3抗体が、配列番号3に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号4に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[520]に記載の医薬組成物。
[522]
抗HER3抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[521]に記載の医薬組成物。
[523]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[520]から[522]のいずれか1項に記載の医薬組成物。
[524]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗TROP2抗体である、[513]に記載の医薬組成物。
[525]
抗TROP2抗体が、配列番号5においてアミノ酸番号20乃至470に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号6においてアミノ酸番号21乃至234に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[524]に記載の医薬組成物。
[526]
抗TROP2抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[525]に記載の医薬組成物。
[527]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が3.5から4.5個の範囲である、[524]から[526]のいずれか1項に記載の医薬組成物。
[528]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗B7-H3抗体である、[513]に記載の医薬組成物。
[529]
抗B7-H3抗体が、配列番号7においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号8においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[528]に記載の医薬組成物。
[530]
抗B7-H3抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[529]に記載の医薬組成物。
【0084】
[531]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が3.5から4.5個の範囲である、[528]から[530]のいずれか1項に記載の医薬組成物。
[532]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗CDH6抗体である、[513]に記載の医薬組成物。
[533]
抗CDH6抗体が、配列番号9においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号10においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[532]に記載の医薬組成物。
[534]
抗CDH6抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[533]に記載の医薬組成物。
[535]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[532]から[534]のいずれか1項に記載の医薬組成物。
[536]
抗体-薬物コンジュゲートと、キナーゼ阻害剤が、それぞれ別異の製剤に有効成分として含有され、同時に又は異なる時間に投与されることを特徴とする、[497]から[535]のいずれか1項に記載の医薬組成物。
[537]
乳がん、胃がん、大腸がん、肺がん、食道がん、頭頚部がん、胃食道接合部腺がん、胆道がん、ページェット病、膵臓がん、卵巣がん、子宮がん肉腫、尿路上皮がん、前立腺がん、膀胱がん、消化管間質腫瘍、子宮頸がん、扁平上皮がん、腹膜がん、肝臓がん、肝細胞がん、子宮体がん、腎臓がん、外陰部がん、甲状腺がん、陰茎がん、白血病、悪性リンパ腫、形質細胞腫、骨髄腫、多型神経膠芽腫、骨肉腫、肉腫、及びメラノーマからなる群より選択される少なくとも一つの治療のための、[497]から[536]のいずれか1項に記載の医薬組成物。
[538]
乳がんの治療のための、[537]に記載の医薬組成物。
[539]
大腸がんの治療のための、[537]に記載の医薬組成物。
[540]
胃がんの治療のための、[537]に記載の医薬組成物。
【0085】
[541]
肺がんの治療のための、[537]に記載の医薬組成物。
[542]
膵臓がんの治療のための、[537]に記載の医薬組成物。
[543]
腎臓がんの治療のための、[537]に記載の医薬組成物。
[544]
卵巣がんの治療のための、[537]に記載の医薬組成物。
[545]
抗体-薬物コンジュゲートと、キナーゼ阻害剤が、組み合わされて投与されることを特徴とする医薬組成物であって、
該抗体-薬物コンジュゲートは、式
【0086】
【0087】
(式中、薬物リンカーは抗体とチオエーテル結合によって結合しており、nは1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数を示す)
で示される抗体-薬物コンジュゲートであり、
該キナーゼ阻害剤は、アベマシクリブ、パルボシクリブ、リボシクリブ、トリラシクリブ、G1T38、PF-06873600、TP-1287、FN-1501、KRX-0601、エベロリムス、シロリムス、テムシロリムス、TAK-228、CC-223、AZD8055、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、PQR309、タセリシブ、アルペリシブ、TAK-117、GSK2636771、AZD8186、IPI-549、イデラリシブ、デュベリシブ、AMG319、ブパルリシブ、ピクチリシブ、ピララリシブ、コパンリシブ、ソノリシブ、CH5132799、ZSTK474、GDC-0077、リゴセルチブ、イパタセルチブ、ユプロセルチブ、MK-2206、BAY1125976、AZD5363、TAS-117、ONC201、BVD-523、CC-90003、GDC-0994、LY3214996、MK-8353、トラメチニブ、ビニメチニブ、セルメチニブ、レファメチニブ、ピマセルチブ、コビメチニブ、E6201、PD-0325901、RO5126766、GDC-0623、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エンコラフェニブ、RAF265、GDC-5573、LY3009120、ディナシクリブ、ミルシクリブ、セリシクリブ、アルボシジブ、ロニシクリブ、ボルシクリブ、AT7519、PHA-793887、CYC-065、MK-8776、LY2606368、LY2603618、CBP501、GDC-0425、CCT245737、AZD1775、ボラセルチブ、アリセルチブ、イロラセルチブ、ENMD-2076、AMG900、イマチニブ、ダサチニブ、ボスチニブ、ニロチニブ、ポナチニブ、バンデタニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、カボザンチニブ、チボザニブ、ブリバニブ、リニファニブ、ルシタニブ、イブルチニブ、アカラブルチニブ、チラブルチニブ、ギルテリチニブ、キザルチニブ、ミドスタウリン、ブリガチニブ、クリゾチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、ロルラチニブ、ルキソリチニブ、トファシチニブ、バリシチニブ、パクリチニブ、カプマチニブ、テポチニブ、ペキシダルチニブ、BLZ-945、JNJ-40346527、JNJ-28312141、エントレクチニブ、GR-389988、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ダコミチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、ピロチニブ、ポジオチニブ、ツカチニブ、及びムブリチニブ、並びにそれらの薬理上許容される塩からなる群より選択される少なくとも一つである、医薬組成物。
【0088】
[546]
キナーゼ阻害剤が、アベマシクリブ又はその薬理上許容される塩である、[545]に記載の医薬組成物。
[547]
キナーゼ阻害剤が、パルボシクリブ又はその薬理上許容される塩である、[545]に記載の医薬組成物。
[548]
キナーゼ阻害剤が、エベロリムス又はその薬理上許容される塩である、[545]に記載の医薬組成物。
[549]
キナーゼ阻害剤が、タセリシブ又はその薬理上許容される塩である、[545]に記載の医薬組成物。
[550]
キナーゼ阻害剤が、アルペリシブ又はその薬理上許容される塩である、[545]に記載の医薬組成物。
[551]
キナーゼ阻害剤が、レゴラフェニブ又はその薬理上許容される塩である、[545]に記載の医薬組成物。
[552]
キナーゼ阻害剤が、カボザンチニブ又はその薬理上許容される塩である、[545]に記載の医薬組成物。
[553]
キナーゼ阻害剤が、スニチニブ又はその薬理上許容される塩である、[545]に記載の医薬組成物。
[554]
キナーゼ阻害剤が、ニンテダニブ又はその薬理上許容される塩である、[545]に記載の医薬組成物。
[555]
キナーゼ阻害剤が、ブリガチニブ又はその薬理上許容される塩である、[545]に記載の医薬組成物。
【0089】
[556]
キナーゼ阻害剤が、エルロチニブ又はその薬理上許容される塩である、[545]に記載の医薬組成物。
[557]
キナーゼ阻害剤が、ネラチニブ又はその薬理上許容される塩である、[545]に記載の医薬組成物。
[558]
キナーゼ阻害剤が、ポジオチニブ又はその薬理上許容される塩である、[545]に記載の医薬組成物。
[559]
キナーゼ阻害剤が、ツカチニブ又はその薬理上許容される塩である、[545]に記載の医薬組成物。
[560]
キナーゼ阻害剤が、ムブリチニブ又はその薬理上許容される塩である、[545]に記載の医薬組成物。
[561]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER2抗体、抗HER3抗体、抗TROP2抗体、抗B7-H3抗体、又は抗CDH6抗体である、[545]から[560]のいずれか1項に記載の医薬組成物。
[562]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER2抗体である、[561]に記載の医薬組成物。
[563]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号26乃至33に記載のアミノ酸配列からなるCDRH1、配列番号1においてアミノ酸番号51乃至58に記載のアミノ酸配列からなるCDRH2、及び配列番号1においてアミノ酸番号97乃至109に記載のアミノ酸配列からなるCDRH3を含む重鎖、並びに、配列番号2においてアミノ酸番号27乃至32に記載のアミノ酸配列からなるCDRL1、配列番号2においてアミノ酸番号50乃至52に記載のアミノ酸配列からなるCDRL2、及び配列番号2においてアミノ酸番号89乃至97に記載のアミノ酸配列からなるCDRL3を含む軽鎖、を含んでなる抗体である、[562]に記載の医薬組成物。
[564]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号1乃至120に記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域を含む重鎖、及び配列番号2においてアミノ酸番号1乃至107に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域を含む軽鎖、を含んでなる抗体である、[562]に記載の医薬組成物。
[565]
抗HER2抗体が、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[562]に記載の医薬組成物。
【0090】
[566]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号1乃至449に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号2においてアミノ酸番号1乃至214に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[562]に記載の医薬組成物。
[567]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[562]から[566]のいずれか1項に記載の医薬組成物。
[568]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER3抗体である、[561]に記載の医薬組成物。
[569]
抗HER3抗体が、配列番号3に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号4に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[568]に記載の医薬組成物。
[570]
抗HER3抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[569]に記載の医薬組成物。
[571]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[568]から[570]のいずれか1項に記載の医薬組成物。
[572]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗TROP2抗体である、[561]に記載の医薬組成物。
[573]
抗TROP2抗体が、配列番号5においてアミノ酸番号20乃至470に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号6においてアミノ酸番号21乃至234に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[572]に記載の医薬組成物。
[574]
抗TROP2抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[573]に記載の医薬組成物。
[575]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が3.5から4.5個の範囲である、[572]から[574]のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【0091】
[576]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗B7-H3抗体である、[561]に記載の医薬組成物。
[577]
抗B7-H3抗体が、配列番号7においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号8においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[576]に記載の医薬組成物。
[578]
抗B7-H3抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[577]に記載の医薬組成物。
[579]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が3.5から4.5個の範囲である、[576]から[578]のいずれか1項に記載の医薬組成物。
[580]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗CDH6抗体である、[561]に記載の医薬組成物。
[581]
抗CDH6抗体が、配列番号9においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号10においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[580]に記載の医薬組成物。
[582]
抗CDH6抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[581]に記載の医薬組成物。
[583]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[580]から[582]のいずれか1項に記載の医薬組成物。
[584]
抗体-薬物コンジュゲートと、キナーゼ阻害剤が、それぞれ別異の製剤に有効成分として含有され、同時に又は異なる時間に投与されることを特徴とする、[545]から[583]のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【0092】
[585]
乳がん、胃がん、大腸がん、肺がん、食道がん、頭頚部がん、胃食道接合部腺がん、胆道がん、ページェット病、膵臓がん、卵巣がん、子宮がん肉腫、尿路上皮がん、前立腺がん、膀胱がん、消化管間質腫瘍、子宮頸がん、扁平上皮がん、腹膜がん、肝臓がん、肝細胞がん、子宮体がん、腎臓がん、外陰部がん、甲状腺がん、陰茎がん、白血病、悪性リンパ腫、形質細胞腫、骨髄腫、多型神経膠芽腫、骨肉腫、肉腫、及びメラノーマからなる群より選択される少なくとも一つの治療のための、[545]から[584]のいずれか1項に記載の医薬組成物。
[586]
乳がんの治療のための、[585]に記載の医薬組成物。
[587]
大腸がんの治療のための、[585]に記載の医薬組成物。
[588]
胃がんの治療のための、[585]に記載の医薬組成物。
[589]
肺がんの治療のための、[585]に記載の医薬組成物。
[590]
膵臓がんの治療のための、[585]に記載の医薬組成物。
[591]
腎臓がんの治療のための、[585]に記載の医薬組成物。
[592]
卵巣がんの治療のための、[585]に記載の医薬組成物。
[593]
抗体-薬物コンジュゲートと、キナーゼ阻害剤が、組み合わされて治療を必要とする個体に投与されることを特徴とする治療方法であって、
該抗体-薬物コンジュゲートは、式
【0093】
【0094】
(式中、Aは抗体との結合位置を示す)
で示される薬物リンカーと、抗体とがチオエーテル結合によって結合した抗体-薬物コンジュゲートであり、
該キナーゼ阻害剤は、アベマシクリブ、パルボシクリブ、リボシクリブ、トリラシクリブ、G1T38、PF-06873600、TP-1287、FN-1501、KRX-0601、エベロリムス、シロリムス、テムシロリムス、TAK-228、CC-223、AZD8055、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、PQR309、タセリシブ、アルペリシブ、TAK-117、GSK2636771、AZD8186、IPI-549、イデラリシブ、デュベリシブ、AMG319、ブパルリシブ、ピクチリシブ、ピララリシブ、コパンリシブ、ソノリシブ、CH5132799、ZSTK474、GDC-0077、リゴセルチブ、イパタセルチブ、ユプロセルチブ、MK-2206、BAY1125976、AZD5363、TAS-117、ONC201、BVD-523、CC-90003、GDC-0994、LY3214996、MK-8353、トラメチニブ、ビニメチニブ、セルメチニブ、レファメチニブ、ピマセルチブ、コビメチニブ、E6201、PD-0325901、RO5126766、GDC-0623、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エンコラフェニブ、RAF265、GDC-5573、LY3009120、ディナシクリブ、ミルシクリブ、セリシクリブ、アルボシジブ、ロニシクリブ、ボルシクリブ、AT7519、PHA-793887、CYC-065、MK-8776、LY2606368、LY2603618、CBP501、GDC-0425、CCT245737、AZD1775、ボラセルチブ、アリセルチブ、イロラセルチブ、ENMD-2076、AMG900、イマチニブ、ダサチニブ、ボスチニブ、ニロチニブ、ポナチニブ、バンデタニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、カボザンチニブ、チボザニブ、ブリバニブ、リニファニブ、ルシタニブ、イブルチニブ、アカラブルチニブ、チラブルチニブ、ギルテリチニブ、キザルチニブ、ミドスタウリン、ブリガチニブ、クリゾチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、ロルラチニブ、ルキソリチニブ、トファシチニブ、バリシチニブ、パクリチニブ、カプマチニブ、テポチニブ、ペキシダルチニブ、BLZ-945、JNJ-40346527、JNJ-28312141、エントレクチニブ、GR-389988、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ダコミチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、ピロチニブ、ポジオチニブ、ツカチニブ、及びムブリチニブ、並びにそれらの薬理上許容される塩からなる群より選択される少なくとも一つである、治療方法。
【0095】
[594]
キナーゼ阻害剤が、アベマシクリブ又はその薬理上許容される塩である、[593]に記載の治療方法。
[595]
キナーゼ阻害剤が、パルボシクリブ又はその薬理上許容される塩である、[593]に記載の治療方法。
[596]
キナーゼ阻害剤が、エベロリムス又はその薬理上許容される塩である、[593]に記載の治療方法。
[597]
キナーゼ阻害剤が、タセリシブ又はその薬理上許容される塩である、[593]に記載の治療方法。
[598]
キナーゼ阻害剤が、アルペリシブ又はその薬理上許容される塩である、[593]に記載の治療方法。
[599]
キナーゼ阻害剤が、レゴラフェニブ又はその薬理上許容される塩である、[593]に記載の治療方法。
[600]
キナーゼ阻害剤が、カボザンチニブ又はその薬理上許容される塩である、[593]に記載の治療方法。
【0096】
[601]
キナーゼ阻害剤が、スニチニブ又はその薬理上許容される塩である、[593]に記載の治療方法。
[602]
キナーゼ阻害剤が、ニンテダニブ又はその薬理上許容される塩である、[593]に記載の治療方法。
[603]
キナーゼ阻害剤が、ブリガチニブ又はその薬理上許容される塩である、[593]に記載の治療方法。
[604]
キナーゼ阻害剤が、エルロチニブ又はその薬理上許容される塩である、[593]に記載の治療方法。
[605]
キナーゼ阻害剤が、ネラチニブ又はその薬理上許容される塩である、[593]に記載の治療方法。
[606]
キナーゼ阻害剤が、ポジオチニブ又はその薬理上許容される塩である、[593]に記載の治療方法。
[607]
キナーゼ阻害剤が、ツカチニブ又はその薬理上許容される塩である、[593]に記載の治療方法。
[608]
キナーゼ阻害剤が、ムブリチニブ又はその薬理上許容される塩である、[593]に記載の治療方法。
[609]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER2抗体、抗HER3抗体、抗TROP2抗体、抗B7-H3抗体、又は抗CDH6抗体である、[593]から[608]のいずれか1項に記載の治療方法。
[610]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER2抗体である、[609]に記載の治療方法。
【0097】
[611]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号26乃至33に記載のアミノ酸配列からなるCDRH1、配列番号1においてアミノ酸番号51乃至58に記載のアミノ酸配列からなるCDRH2、及び配列番号1においてアミノ酸番号97乃至109に記載のアミノ酸配列からなるCDRH3を含む重鎖、並びに、配列番号2においてアミノ酸番号27乃至32に記載のアミノ酸配列からなるCDRL1、配列番号2においてアミノ酸番号50乃至52に記載のアミノ酸配列からなるCDRL2、及び配列番号2においてアミノ酸番号89乃至97に記載のアミノ酸配列からなるCDRL3を含む軽鎖、を含んでなる抗体である、[610]に記載の治療方法。
[612]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号1乃至120に記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域を含む重鎖、及び配列番号2においてアミノ酸番号1乃至107に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域を含む軽鎖、を含んでなる抗体である、[610]に記載の治療方法。
[613]
抗HER2抗体が、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[610]に記載の治療方法。
[614]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号1乃至449に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号2においてアミノ酸番号1乃至214に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[610]に記載の治療方法。
[615]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[610]から[614]のいずれか1項に記載の治療方法。
[616]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER3抗体である、[609]に記載の治療方法。
[617]
抗HER3抗体が、配列番号3に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号4に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[616]に記載の治療方法。
[618]
抗HER3抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[617]に記載の治療方法。
[619]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[616]から[618]のいずれか1項に記載の治療方法。
[620]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗TROP2抗体である、[609]に記載の治療方法。
【0098】
[621]
抗TROP2抗体が、配列番号5においてアミノ酸番号20乃至470に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号6においてアミノ酸番号21乃至234に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[620]に記載の治療方法。
[622]
抗TROP2抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[621]に記載の治療方法。
[623]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が3.5から4.5個の範囲である、[620]から[622]のいずれか1項に記載の治療方法。
[624]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗B7-H3抗体である、[609]に記載の治療方法。
[625]
抗B7-H3抗体が、配列番号7においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号8においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[624]に記載の治療方法。
[626]
抗B7-H3抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[625]に記載の治療方法。
[627]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が3.5から4.5個の範囲である、[624]から[626]のいずれか1項に記載の治療方法。
[628]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗CDH6抗体である、[609]に記載の治療方法。
[629]
抗CDH6抗体が、配列番号9においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号10においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[628]に記載の治療方法。
[630]
抗CDH6抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[629]に記載の治療方法。
【0099】
[631]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[628]から[630]のいずれか1項に記載の治療方法。
[632]
抗体-薬物コンジュゲートと、キナーゼ阻害剤が、それぞれ別異の製剤に有効成分として含有され、同時に又は異なる時間に投与されることを特徴とする、[593]から[631]のいずれか1項に記載の治療方法。
[633]
乳がん、胃がん、大腸がん、肺がん、食道がん、頭頚部がん、胃食道接合部腺がん、胆道がん、ページェット病、膵臓がん、卵巣がん、子宮がん肉腫、尿路上皮がん、前立腺がん、膀胱がん、消化管間質腫瘍、子宮頸がん、扁平上皮がん、腹膜がん、肝臓がん、肝細胞がん、子宮体がん、腎臓がん、外陰部がん、甲状腺がん、陰茎がん、白血病、悪性リンパ腫、形質細胞腫、骨髄腫、多型神経膠芽腫、骨肉腫、肉腫、及びメラノーマからなる群より選択される少なくとも一つの治療のための、[593]から[632]のいずれか1項に記載の治療方法。
[634]
乳がんの治療のための、[633]に記載の治療方法。
[635]
大腸がんの治療のための、[633]に記載の治療方法。
[636]
胃がんの治療のための、[633]に記載の治療方法。
[637]
肺がんの治療のための、[633]に記載の治療方法。
[638]
膵臓がんの治療のための、[633]に記載の治療方法。
[639]
腎臓がんの治療のための、[633]に記載の治療方法。
[640]
卵巣がんの治療のための、[633]に記載の治療方法。
[641]
抗体-薬物コンジュゲートと、キナーゼ阻害剤が、組み合わされて治療を必要とする個体に投与されることを特徴とする治療方法であって、
該抗体-薬物コンジュゲートは、式
【0100】
【0101】
(式中、薬物リンカーは抗体とチオエーテル結合によって結合しており、nは1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数を示す)
で示される抗体-薬物コンジュゲートであり、
該キナーゼ阻害剤は、アベマシクリブ、パルボシクリブ、リボシクリブ、トリラシクリブ、G1T38、PF-06873600、TP-1287、FN-1501、KRX-0601、エベロリムス、シロリムス、テムシロリムス、TAK-228、CC-223、AZD8055、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、PQR309、タセリシブ、アルペリシブ、TAK-117、GSK2636771、AZD8186、IPI-549、イデラリシブ、デュベリシブ、AMG319、ブパルリシブ、ピクチリシブ、ピララリシブ、コパンリシブ、ソノリシブ、CH5132799、ZSTK474、GDC-0077、リゴセルチブ、イパタセルチブ、ユプロセルチブ、MK-2206、BAY1125976、AZD5363、TAS-117、ONC201、BVD-523、CC-90003、GDC-0994、LY3214996、MK-8353、トラメチニブ、ビニメチニブ、セルメチニブ、レファメチニブ、ピマセルチブ、コビメチニブ、E6201、PD-0325901、RO5126766、GDC-0623、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エンコラフェニブ、RAF265、GDC-5573、LY3009120、ディナシクリブ、ミルシクリブ、セリシクリブ、アルボシジブ、ロニシクリブ、ボルシクリブ、AT7519、PHA-793887、CYC-065、MK-8776、LY2606368、LY2603618、CBP501、GDC-0425、CCT245737、AZD1775、ボラセルチブ、アリセルチブ、イロラセルチブ、ENMD-2076、AMG900、イマチニブ、ダサチニブ、ボスチニブ、ニロチニブ、ポナチニブ、バンデタニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、カボザンチニブ、チボザニブ、ブリバニブ、リニファニブ、ルシタニブ、イブルチニブ、アカラブルチニブ、チラブルチニブ、ギルテリチニブ、キザルチニブ、ミドスタウリン、ブリガチニブ、クリゾチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、ロルラチニブ、ルキソリチニブ、トファシチニブ、バリシチニブ、パクリチニブ、カプマチニブ、テポチニブ、ペキシダルチニブ、BLZ-945、JNJ-40346527、JNJ-28312141、エントレクチニブ、GR-389988、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ダコミチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、ピロチニブ、ポジオチニブ、ツカチニブ、及びムブリチニブ、並びにそれらの薬理上許容される塩からなる群より選択される少なくとも一つである、治療方法。
【0102】
[642]
キナーゼ阻害剤が、アベマシクリブ又はその薬理上許容される塩である、[641]に記載の治療方法。
[643]
キナーゼ阻害剤が、パルボシクリブ又はその薬理上許容される塩である、[641]に記載の治療方法。
[644]
キナーゼ阻害剤が、エベロリムス又はその薬理上許容される塩である、[641]に記載の治療方法。
[645]
キナーゼ阻害剤が、タセリシブ又はその薬理上許容される塩である、[641]に記載の治療方法。
[646]
キナーゼ阻害剤が、アルペリシブ又はその薬理上許容される塩である、[641]に記載の治療方法。
[647]
キナーゼ阻害剤が、レゴラフェニブ又はその薬理上許容される塩である、[641]に記載の治療方法。
[648]
キナーゼ阻害剤が、カボザンチニブ又はその薬理上許容される塩である、[641]に記載の治療方法。
[649]
キナーゼ阻害剤が、スニチニブ又はその薬理上許容される塩である、[641]に記載の治療方法。
[650]
キナーゼ阻害剤が、ニンテダニブ又はその薬理上許容される塩である、[641]に記載の治療方法。
【0103】
[651]
キナーゼ阻害剤が、ブリガチニブ又はその薬理上許容される塩である、[641]に記載の治療方法。
[652]
キナーゼ阻害剤が、エルロチニブ又はその薬理上許容される塩である、[641]に記載の治療方法。
[653]
キナーゼ阻害剤が、ネラチニブ又はその薬理上許容される塩である、[641]に記載の治療方法。
[654]
キナーゼ阻害剤が、ポジオチニブ又はその薬理上許容される塩である、[641]に記載の治療方法。
[655]
キナーゼ阻害剤が、ツカチニブ又はその薬理上許容される塩である、[641]に記載の治療方法。
[656]
キナーゼ阻害剤が、ムブリチニブ又はその薬理上許容される塩である、[641]に記載の治療方法。
[657]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER2抗体、抗HER3抗体、抗TROP2抗体、抗B7-H3抗体、又は抗CDH6抗体である、[641]から[656]のいずれか1項に記載の治療方法。
[658]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER2抗体である、[657]に記載の治療方法。
[659]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号26乃至33に記載のアミノ酸配列からなるCDRH1、配列番号1においてアミノ酸番号51乃至58に記載のアミノ酸配列からなるCDRH2、及び配列番号1においてアミノ酸番号97乃至109に記載のアミノ酸配列からなるCDRH3を含む重鎖、並びに、配列番号2においてアミノ酸番号27乃至32に記載のアミノ酸配列からなるCDRL1、配列番号2においてアミノ酸番号50乃至52に記載のアミノ酸配列からなるCDRL2、及び配列番号2においてアミノ酸番号89乃至97に記載のアミノ酸配列からなるCDRL3を含む軽鎖、を含んでなる抗体である、[658]に記載の治療方法。
【0104】
[660]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号1乃至120に記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域を含む重鎖、及び配列番号2においてアミノ酸番号1乃至107に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域を含む軽鎖、を含んでなる抗体である、[658]に記載の治療方法。
[661]
抗HER2抗体が、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[658]に記載の治療方法。
[662]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号1乃至449に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号2においてアミノ酸番号1乃至214に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[658]に記載の治療方法。
[663]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[658]から[662]のいずれか1項に記載の治療方法。
[664]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER3抗体である、[657]に記載の治療方法。
[665]
抗HER3抗体が、配列番号3に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号4に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[664]に記載の治療方法。
[666]
抗HER3抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[665]に記載の治療方法。
[667]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[664]から[666]のいずれか1項に記載の治療方法。
[668]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗TROP2抗体である、[657]に記載の治療方法。
[669]
抗TROP2抗体が、配列番号5においてアミノ酸番号20乃至470に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号6においてアミノ酸番号21乃至234に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[668]に記載の治療方法。
[670]
抗TROP2抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[669]に記載の治療方法。
【0105】
[671]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が3.5から4.5個の範囲である、[668]から[670]のいずれか1項に記載の治療方法。
[672]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗B7-H3抗体である、[657]に記載の治療方法。
[673]
抗B7-H3抗体が、配列番号7においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号8においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[672]に記載の治療方法。
[674]
抗B7-H3抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[673]に記載の治療方法。
[675]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が3.5から4.5個の範囲である、[672]から[674]のいずれか1項に記載の治療方法。
[676]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗CDH6抗体である、[657]に記載の治療方法。
[677]
抗CDH6抗体が、配列番号9においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号10においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[676]に記載の治療方法。
[678]
抗CDH6抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[677]に記載の治療方法。
[679]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[676]から[678]のいずれか1項に記載の治療方法。
[680]
抗体-薬物コンジュゲートと、キナーゼ阻害剤が、それぞれ別異の製剤に有効成分として含有され、同時に又は異なる時間に投与されることを特徴とする、[641]から[679]のいずれか1項に記載の治療方法。
【0106】
[681]
乳がん、胃がん、大腸がん、肺がん、食道がん、頭頚部がん、胃食道接合部腺がん、胆道がん、ページェット病、膵臓がん、卵巣がん、子宮がん肉腫、尿路上皮がん、前立腺がん、膀胱がん、消化管間質腫瘍、子宮頸がん、扁平上皮がん、腹膜がん、肝臓がん、肝細胞がん、子宮体がん、腎臓がん、外陰部がん、甲状腺がん、陰茎がん、白血病、悪性リンパ腫、形質細胞腫、骨髄腫、多型神経膠芽腫、骨肉腫、肉腫、及びメラノーマからなる群より選択される少なくとも一つの治療のための、[641]から[680]のいずれか1項に記載の治療方法。
[682]
乳がんの治療のための、[681]に記載の治療方法。
[683]
大腸がんの治療のための、[681]に記載の治療方法。
[684]
胃がんの治療のための、[681]に記載の治療方法。
[685]
肺がんの治療のための、[681]に記載の治療方法。
[686]
膵臓がんの治療のための、[681]に記載の治療方法。
[687]
腎臓がんの治療のための、[681]に記載の治療方法。
[688]
卵巣がんの治療のための、[681]に記載の治療方法。
[689]
キナーゼ阻害剤と、組み合わされて投与されることにより、疾患を治療するための、式
【0107】
【0108】
(式中、Aは抗体との結合位置を示す)
で示される薬物リンカーと、抗体とがチオエーテル結合によって結合した抗体-薬物コンジュゲートであって、
該キナーゼ阻害剤は、アベマシクリブ、パルボシクリブ、リボシクリブ、トリラシクリブ、G1T38、PF-06873600、TP-1287、FN-1501、KRX-0601、エベロリムス、シロリムス、テムシロリムス、TAK-228、CC-223、AZD8055、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、PQR309、タセリシブ、アルペリシブ、TAK-117、GSK2636771、AZD8186、IPI-549、イデラリシブ、デュベリシブ、AMG319、ブパルリシブ、ピクチリシブ、ピララリシブ、コパンリシブ、ソノリシブ、CH5132799、ZSTK474、GDC-0077、リゴセルチブ、イパタセルチブ、ユプロセルチブ、MK-2206、BAY1125976、AZD5363、TAS-117、ONC201、BVD-523、CC-90003、GDC-0994、LY3214996、MK-8353、トラメチニブ、ビニメチニブ、セルメチニブ、レファメチニブ、ピマセルチブ、コビメチニブ、E6201、PD-0325901、RO5126766、GDC-0623、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エンコラフェニブ、RAF265、GDC-5573、LY3009120、ディナシクリブ、ミルシクリブ、セリシクリブ、アルボシジブ、ロニシクリブ、ボルシクリブ、AT7519、PHA-793887、CYC-065、MK-8776、LY2606368、LY2603618、CBP501、GDC-0425、CCT245737、AZD1775、ボラセルチブ、アリセルチブ、イロラセルチブ、ENMD-2076、AMG900、イマチニブ、ダサチニブ、ボスチニブ、ニロチニブ、ポナチニブ、バンデタニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、カボザンチニブ、チボザニブ、ブリバニブ、リニファニブ、ルシタニブ、イブルチニブ、アカラブルチニブ、チラブルチニブ、ギルテリチニブ、キザルチニブ、ミドスタウリン、ブリガチニブ、クリゾチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、ロルラチニブ、ルキソリチニブ、トファシチニブ、バリシチニブ、パクリチニブ、カプマチニブ、テポチニブ、ペキシダルチニブ、BLZ-945、JNJ-40346527、JNJ-28312141、エントレクチニブ、GR-389988、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ダコミチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、ピロチニブ、ポジオチニブ、ツカチニブ、及びムブリチニブ、並びにそれらの薬理上許容される塩からなる群より選択される少なくとも一つである、抗体-薬物コンジュゲート。
【0109】
[690]
キナーゼ阻害剤が、アベマシクリブ又はその薬理上許容される塩である、[689]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[691]
キナーゼ阻害剤が、パルボシクリブ又はその薬理上許容される塩である、[689]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[692]
キナーゼ阻害剤が、エベロリムス又はその薬理上許容される塩である、[689]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[693]
キナーゼ阻害剤が、タセリシブ又はその薬理上許容される塩である、[689]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[694]
キナーゼ阻害剤が、アルペリシブ又はその薬理上許容される塩である、[689]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[695]
キナーゼ阻害剤が、レゴラフェニブ又はその薬理上許容される塩である、[689]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[696]
キナーゼ阻害剤が、カボザンチニブ又はその薬理上許容される塩である、[689]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[697]
キナーゼ阻害剤が、スニチニブ又はその薬理上許容される塩である、[689]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[698]
キナーゼ阻害剤が、ニンテダニブ又はその薬理上許容される塩である、[689]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[699]
キナーゼ阻害剤が、ブリガチニブ又はその薬理上許容される塩である、[689]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[700]
キナーゼ阻害剤が、エルロチニブ又はその薬理上許容される塩である、[689]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
【0110】
[701]
キナーゼ阻害剤が、ネラチニブ又はその薬理上許容される塩である、[689]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[702]
キナーゼ阻害剤が、ポジオチニブ又はその薬理上許容される塩である、[689]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[703]
キナーゼ阻害剤が、ツカチニブ又はその薬理上許容される塩である、[689]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[704]
キナーゼ阻害剤が、ムブリチニブ又はその薬理上許容される塩である、[689]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[705]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER2抗体、抗HER3抗体、抗TROP2抗体、抗B7-H3抗体、又は抗CDH6抗体である、[689]から[704]のいずれか1項に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[706]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER2抗体である、[705]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[707]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号26乃至33に記載のアミノ酸配列からなるCDRH1、配列番号1においてアミノ酸番号51乃至58に記載のアミノ酸配列からなるCDRH2、及び配列番号1においてアミノ酸番号97乃至109に記載のアミノ酸配列からなるCDRH3を含む重鎖、並びに、配列番号2においてアミノ酸番号27乃至32に記載のアミノ酸配列からなるCDRL1、配列番号2においてアミノ酸番号50乃至52に記載のアミノ酸配列からなるCDRL2、及び配列番号2においてアミノ酸番号89乃至97に記載のアミノ酸配列からなるCDRL3を含む軽鎖、を含んでなる抗体である、[706]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[708]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号1乃至120に記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域を含む重鎖、及び配列番号2においてアミノ酸番号1乃至107に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域を含む軽鎖、を含んでなる抗体である、[706]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[709]
抗HER2抗体が、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[706]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
【0111】
[710]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号1乃至449に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号2においてアミノ酸番号1乃至214に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[706]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[711]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[706]から[710]のいずれか1項に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[712]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER3抗体である、[705]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[713]
抗HER3抗体が、配列番号3に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号4に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[712]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[714]
抗HER3抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[713]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[715]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[712]から[714]のいずれか1項に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[716]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗TROP2抗体である、[705]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[717]
抗TROP2抗体が、配列番号5においてアミノ酸番号20乃至470に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号6においてアミノ酸番号21乃至234に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[716]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[718]
抗TROP2抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[717]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[719]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が3.5から4.5個の範囲である、[716]から[718]のいずれか1項に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[720]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗B7-H3抗体である、[705]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
【0112】
[721]
抗B7-H3抗体が、配列番号7においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号8においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[720]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[722]
抗B7-H3抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[721]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[723]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が3.5から4.5個の範囲である、[720]から[722]のいずれか1項に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[724]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗CDH6抗体である、[705]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[725]
抗CDH6抗体が、配列番号9においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号10においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[724]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[726]
抗CDH6抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[725]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[727]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[724]から[726]のいずれか1項に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[728]
抗体-薬物コンジュゲートと、キナーゼ阻害剤が、それぞれ別異の製剤に有効成分として含有され、同時に又は異なる時間に投与されることを特徴とする、[689]から[727]のいずれか1項に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[729]
乳がん、胃がん、大腸がん、肺がん、食道がん、頭頚部がん、胃食道接合部腺がん、胆道がん、ページェット病、膵臓がん、卵巣がん、子宮がん肉腫、尿路上皮がん、前立腺がん、膀胱がん、消化管間質腫瘍、子宮頸がん、扁平上皮がん、腹膜がん、肝臓がん、肝細胞がん、子宮体がん、腎臓がん、外陰部がん、甲状腺がん、陰茎がん、白血病、悪性リンパ腫、形質細胞腫、骨髄腫、多型神経膠芽腫、骨肉腫、肉腫、及びメラノーマからなる群より選択される少なくとも一つの治療のための、[689]から[728]のいずれか1項に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
【0113】
[730]
乳がんの治療のための、[729]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[731]
大腸がんの治療のための、[729]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[732]
胃がんの治療のための、[729]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[733]
肺がんの治療のための、[729]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[734]
膵臓がんの治療のための、[729]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[735]
腎臓がんの治療のための、[729]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[736]
卵巣がんの治療のための、[729]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[737]
キナーゼ阻害剤と、組み合わされて投与されることにより、疾患を治療するための、式
【0114】
【0115】
(式中、薬物リンカーは抗体とチオエーテル結合によって結合しており、nは1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数を示す)
で示される抗体-薬物コンジュゲートであって、
該キナーゼ阻害剤は、アベマシクリブ、パルボシクリブ、リボシクリブ、トリラシクリブ、G1T38、PF-06873600、TP-1287、FN-1501、KRX-0601、エベロリムス、シロリムス、テムシロリムス、TAK-228、CC-223、AZD8055、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、PQR309、タセリシブ、アルペリシブ、TAK-117、GSK2636771、AZD8186、IPI-549、イデラリシブ、デュベリシブ、AMG319、ブパルリシブ、ピクチリシブ、ピララリシブ、コパンリシブ、ソノリシブ、CH5132799、ZSTK474、GDC-0077、リゴセルチブ、イパタセルチブ、ユプロセルチブ、MK-2206、BAY1125976、AZD5363、TAS-117、ONC201、BVD-523、CC-90003、GDC-0994、LY3214996、MK-8353、トラメチニブ、ビニメチニブ、セルメチニブ、レファメチニブ、ピマセルチブ、コビメチニブ、E6201、PD-0325901、RO5126766、GDC-0623、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エンコラフェニブ、RAF265、GDC-5573、LY3009120、ディナシクリブ、ミルシクリブ、セリシクリブ、アルボシジブ、ロニシクリブ、ボルシクリブ、AT7519、PHA-793887、CYC-065、MK-8776、LY2606368、LY2603618、CBP501、GDC-0425、CCT245737、AZD1775、ボラセルチブ、アリセルチブ、イロラセルチブ、ENMD-2076、AMG900、イマチニブ、ダサチニブ、ボスチニブ、ニロチニブ、ポナチニブ、バンデタニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、カボザンチニブ、チボザニブ、ブリバニブ、リニファニブ、ルシタニブ、イブルチニブ、アカラブルチニブ、チラブルチニブ、ギルテリチニブ、キザルチニブ、ミドスタウリン、ブリガチニブ、クリゾチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、ロルラチニブ、ルキソリチニブ、トファシチニブ、バリシチニブ、パクリチニブ、カプマチニブ、テポチニブ、ペキシダルチニブ、BLZ-945、JNJ-40346527、JNJ-28312141、エントレクチニブ、GR-389988、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ダコミチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、ピロチニブ、ポジオチニブ、ツカチニブ、及びムブリチニブ、並びにその薬理上許容される塩からなる群より選択される少なくとも一つである、抗体-薬物コンジュゲート。
【0116】
[738]
キナーゼ阻害剤が、アベマシクリブ又はその薬理上許容される塩である、[737]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[739]
キナーゼ阻害剤が、パルボシクリブ又はその薬理上許容される塩である、[737]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[740]
キナーゼ阻害剤が、エベロリムス又はその薬理上許容される塩である、[737]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[741]
キナーゼ阻害剤が、タセリシブ又はその薬理上許容される塩である、[737]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[742]
キナーゼ阻害剤が、アルペリシブ又はその薬理上許容される塩である、[737]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[743]
キナーゼ阻害剤が、レゴラフェニブ又はその薬理上許容される塩である、[737]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[744]
キナーゼ阻害剤が、カボザンチニブ又はその薬理上許容される塩である、[737]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[745]
キナーゼ阻害剤が、スニチニブ又はその薬理上許容される塩である、[737]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[746]
キナーゼ阻害剤が、ニンテダニブ又はその薬理上許容される塩である、[737]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[747]
キナーゼ阻害剤が、ブリガチニブ又はその薬理上許容される塩である、[737]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[748]
キナーゼ阻害剤が、エルロチニブ又はその薬理上許容される塩である、[737]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[749]
キナーゼ阻害剤が、ネラチニブ又はその薬理上許容される塩である、[737]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[750]
キナーゼ阻害剤が、ポジオチニブ又はその薬理上許容される塩である、[737]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
【0117】
[751]
キナーゼ阻害剤が、ツカチニブ又はその薬理上許容される塩である、[737]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[752]
キナーゼ阻害剤が、ムブリチニブ又はその薬理上許容される塩である、[737]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[753]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER2抗体、抗HER3抗体、抗TROP2抗体、抗B7-H3抗体、又は抗CDH6抗体である、[737]から[752]のいずれか1項に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[754]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER2抗体である、[753]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[755]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号26乃至33に記載のアミノ酸配列からなるCDRH1、配列番号1においてアミノ酸番号51乃至58に記載のアミノ酸配列からなるCDRH2、及び配列番号1においてアミノ酸番号97乃至109に記載のアミノ酸配列からなるCDRH3を含む重鎖、並びに、配列番号2においてアミノ酸番号27乃至32に記載のアミノ酸配列からなるCDRL1、配列番号2においてアミノ酸番号50乃至52に記載のアミノ酸配列からなるCDRL2、及び配列番号2においてアミノ酸番号89乃至97に記載のアミノ酸配列からなるCDRL3を含む軽鎖、を含んでなる抗体である、[754]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[756]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号1乃至120に記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域を含む重鎖、及び配列番号2においてアミノ酸番号1乃至107に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域を含む軽鎖、を含んでなる抗体である、[754]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[757]
抗HER2抗体が、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[754]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[758]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号1乃至449に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号2においてアミノ酸番号1乃至214に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[754]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[759]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[754]から[758]のいずれか1項に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[760]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER3抗体である、[753]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
【0118】
[761]
抗HER3抗体が、配列番号3に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号4に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[760]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[762]
抗HER3抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[761]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[763]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[760]から[762]のいずれか1項に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[764]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗TROP2抗体である、[753]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[765]
抗TROP2抗体が、配列番号5においてアミノ酸番号20乃至470に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号6においてアミノ酸番号21乃至234に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[764]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[766]
抗TROP2抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[765]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[767]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が3.5から4.5個の範囲である、[764]から[766]のいずれか1項に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[768]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗B7-H3抗体である、[753]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[769]
抗B7-H3抗体が、配列番号7においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号8においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[768]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[770]
抗B7-H3抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[769]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
【0119】
[771]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が3.5から4.5個の範囲である、[768]から[770]のいずれか1項に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[772]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗CDH6抗体である、[753]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[773]
抗CDH6抗体が、配列番号9においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号10においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[772]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[774]
抗CDH6抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[773]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[775]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[772]から[774]のいずれか1項に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[776]
抗体-薬物コンジュゲートと、キナーゼ阻害剤が、それぞれ別異の製剤に有効成分として含有され、同時に又は異なる時間に投与されることを特徴とする、[737]から[775]のいずれか1項に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[777]
乳がん、胃がん、大腸がん、肺がん、食道がん、頭頚部がん、胃食道接合部腺がん、胆道がん、ページェット病、膵臓がん、卵巣がん、子宮がん肉腫、尿路上皮がん、前立腺がん、膀胱がん、消化管間質腫瘍、子宮頸がん、扁平上皮がん、腹膜がん、肝臓がん、肝細胞がん、子宮体がん、腎臓がん、外陰部がん、甲状腺がん、陰茎がん、白血病、悪性リンパ腫、形質細胞腫、骨髄腫、多型神経膠芽腫、骨肉腫、肉腫、及びメラノーマからなる群より選択される少なくとも一つの治療のための、[737]から[776]のいずれか1項に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[778]
乳がんの治療のための、[777]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[779]
大腸がんの治療のための、[777]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[780]
胃がんの治療のための、[777]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
【0120】
[781]
肺がんの治療のための、[777]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[782]
膵臓がんの治療のための、[777]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[783]
腎臓がんの治療のための、[777]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[784]
卵巣がんの治療のための、[777]に記載の抗体-薬物コンジュゲート。
[785]
キナーゼ阻害剤と、組み合わされて投与されることにより、疾患を治療するための医薬の製造のための、式
【0121】
【0122】
(式中、Aは抗体との結合位置を示す)
で示される薬物リンカーと、抗体とがチオエーテル結合によって結合した抗体-薬物コンジュゲートの使用であって、
該キナーゼ阻害剤は、アベマシクリブ、パルボシクリブ、リボシクリブ、トリラシクリブ、G1T38、PF-06873600、TP-1287、FN-1501、KRX-0601、エベロリムス、シロリムス、テムシロリムス、TAK-228、CC-223、AZD8055、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、PQR309、タセリシブ、アルペリシブ、TAK-117、GSK2636771、AZD8186、IPI-549、イデラリシブ、デュベリシブ、AMG319、ブパルリシブ、ピクチリシブ、ピララリシブ、コパンリシブ、ソノリシブ、CH5132799、ZSTK474、GDC-0077、リゴセルチブ、イパタセルチブ、ユプロセルチブ、MK-2206、BAY1125976、AZD5363、TAS-117、ONC201、BVD-523、CC-90003、GDC-0994、LY3214996、MK-8353、トラメチニブ、ビニメチニブ、セルメチニブ、レファメチニブ、ピマセルチブ、コビメチニブ、E6201、PD-0325901、RO5126766、GDC-0623、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エンコラフェニブ、RAF265、GDC-5573、LY3009120、ディナシクリブ、ミルシクリブ、セリシクリブ、アルボシジブ、ロニシクリブ、ボルシクリブ、AT7519、PHA-793887、CYC-065、MK-8776、LY2606368、LY2603618、CBP501、GDC-0425、CCT245737、AZD1775、ボラセルチブ、アリセルチブ、イロラセルチブ、ENMD-2076、AMG900、イマチニブ、ダサチニブ、ボスチニブ、ニロチニブ、ポナチニブ、バンデタニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、カボザンチニブ、チボザニブ、ブリバニブ、リニファニブ、ルシタニブ、イブルチニブ、アカラブルチニブ、チラブルチニブ、ギルテリチニブ、キザルチニブ、ミドスタウリン、ブリガチニブ、クリゾチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、ロルラチニブ、ルキソリチニブ、トファシチニブ、バリシチニブ、パクリチニブ、カプマチニブ、テポチニブ、ペキシダルチニブ、BLZ-945、JNJ-40346527、JNJ-28312141、エントレクチニブ、GR-389988、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ダコミチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、ピロチニブ、ポジオチニブ、ツカチニブ、及びムブリチニブ、並びにその薬理上許容される塩からなる群より選択される少なくとも一つである、使用。
[786]
キナーゼ阻害剤が、アベマシクリブ又はその薬理上許容される塩である、[785]に記載の使用。
[787]
キナーゼ阻害剤が、パルボシクリブ又はその薬理上許容される塩である、[785]に記載の使用。
[788]
キナーゼ阻害剤が、エベロリムス又はその薬理上許容される塩である、[785]に記載の使用。
[789]
キナーゼ阻害剤が、タセリシブ又はその薬理上許容される塩である、[785]に記載の使用。
[790]
キナーゼ阻害剤が、アルペリシブ又はその薬理上許容される塩である、[785]に記載の使用。
【0123】
[791]
キナーゼ阻害剤が、レゴラフェニブ又はその薬理上許容される塩である、[785]に記載の使用。
[792]
キナーゼ阻害剤が、カボザンチニブ又はその薬理上許容される塩である、[785]に記載の使用。
[793]
キナーゼ阻害剤が、スニチニブ又はその薬理上許容される塩である、[785]に記載の使用。
[794]
キナーゼ阻害剤が、ニンテダニブ又はその薬理上許容される塩である、[785]に記載の使用。
[795]
キナーゼ阻害剤が、ブリガチニブ又はその薬理上許容される塩である、[785]に記載の使用。
[796]
キナーゼ阻害剤が、エルロチニブ又はその薬理上許容される塩である、[785]に記載の使用。
[797]
キナーゼ阻害剤が、ネラチニブ又はその薬理上許容される塩である、[785]に記載の使用。
[798]
キナーゼ阻害剤が、ポジオチニブ又はその薬理上許容される塩である、[785]に記載の使用。
[799]
キナーゼ阻害剤が、ツカチニブ又はその薬理上許容される塩である、[785]に記載の使用。
[800]
キナーゼ阻害剤が、ムブリチニブ又はその薬理上許容される塩である、[785]に記載の使用。
【0124】
[801]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER2抗体、抗HER3抗体、抗TROP2抗体、抗B7-H3抗体、又は抗CDH6抗体である、[785]から[800]のいずれか1項に記載の使用。
[802]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER2抗体である、[801]に記載の使用。
[803]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号26乃至33に記載のアミノ酸配列からなるCDRH1、配列番号1においてアミノ酸番号51乃至58に記載のアミノ酸配列からなるCDRH2、及び配列番号1においてアミノ酸番号97乃至109に記載のアミノ酸配列からなるCDRH3を含む重鎖、並びに、配列番号2においてアミノ酸番号27乃至32に記載のアミノ酸配列からなるCDRL1、配列番号2においてアミノ酸番号50乃至52に記載のアミノ酸配列からなるCDRL2、及び配列番号2においてアミノ酸番号89乃至97に記載のアミノ酸配列からなるCDRL3を含む軽鎖、を含んでなる抗体である、[802]に記載の使用。
[804]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号1乃至120に記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域を含む重鎖、及び配列番号2においてアミノ酸番号1乃至107に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域を含む軽鎖、を含んでなる抗体である、[802]に記載の使用。
[805]
抗HER2抗体が、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[802]に記載の使用。
[806]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号1乃至449に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号2においてアミノ酸番号1乃至214に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[802]に記載の使用。
[807]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[802]から[806]のいずれか1項に記載の使用。
[808]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER3抗体である、[801]に記載の使用。
[809]
抗HER3抗体が、配列番号3に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号4に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[808]に記載の使用。
[810]
抗HER3抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[809]に記載の使用。
【0125】
[811]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[808]から[810]のいずれか1項に記載の使用。
[812]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗TROP2抗体である、[801]に記載の使用。
[813]
抗TROP2抗体が、配列番号5においてアミノ酸番号20乃至470に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号6においてアミノ酸番号21乃至234に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[812]に記載の使用。
[814]
抗TROP2抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[813]に記載の使用。
[815]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が3.5から4.5個の範囲である、[812]から[814]のいずれか1項に記載の使用。
[816]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗B7-H3抗体である、[801]に記載の使用。
[817]
抗B7-H3抗体が、配列番号7においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号8においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[816]に記載の使用。
[818]
抗B7-H3抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[817]に記載の使用。
[819]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が3.5から4.5個の範囲である、[816]から[818]のいずれか1項に記載の使用。
[820]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗CDH6抗体である、[801]に記載の使用。
【0126】
[821]
抗CDH6抗体が、配列番号9においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号10においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[820]に記載の使用。
[822]
抗CDH6抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[821]に記載の使用。
[823]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[820]から[822]のいずれか1項に記載の使用。
[824]
抗体-薬物コンジュゲートと、キナーゼ阻害剤が、それぞれ別異の製剤に有効成分として含有され、同時に又は異なる時間に投与されることを特徴とする、[785]から[823]のいずれか1項に記載の使用。
[825]
乳がん、胃がん、大腸がん、肺がん、食道がん、頭頚部がん、胃食道接合部腺がん、胆道がん、ページェット病、膵臓がん、卵巣がん、子宮がん肉腫、尿路上皮がん、前立腺がん、膀胱がん、消化管間質腫瘍、子宮頸がん、扁平上皮がん、腹膜がん、肝臓がん、肝細胞がん、子宮体がん、腎臓がん、外陰部がん、甲状腺がん、陰茎がん、白血病、悪性リンパ腫、形質細胞腫、骨髄腫、多型神経膠芽腫、骨肉腫、肉腫、及びメラノーマからなる群より選択される少なくとも一つの治療のための、[785]から[824]のいずれか1項に記載の使用。
[826]
乳がんの治療のための、[825]に記載の使用。
[827]
大腸がんの治療のための、[825]に記載の使用。
[828]
胃がんの治療のための、[825]に記載の使用。
[829]
肺がんの治療のための、[825]に記載の使用。
[830]
膵臓がんの治療のための、[825]に記載の使用。
[831]
腎臓がんの治療のための、[825]に記載の使用。
[832]
卵巣がんの治療のための、[825]に記載の使用。
[833]
キナーゼ阻害剤と、組み合わされて投与されることにより、疾患を治療するための医薬の製造のための、式
【0127】
【0128】
(式中、薬物リンカーは抗体とチオエーテル結合によって結合しており、nは1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数を示す)
で示される抗体-薬物コンジュゲートの使用であって、
該キナーゼ阻害剤は、アベマシクリブ、パルボシクリブ、リボシクリブ、トリラシクリブ、G1T38、PF-06873600、TP-1287、FN-1501、KRX-0601、エベロリムス、シロリムス、テムシロリムス、TAK-228、CC-223、AZD8055、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、PQR309、タセリシブ、アルペリシブ、TAK-117、GSK2636771、AZD8186、IPI-549、イデラリシブ、デュベリシブ、AMG319、ブパルリシブ、ピクチリシブ、ピララリシブ、コパンリシブ、ソノリシブ、CH5132799、ZSTK474、GDC-0077、リゴセルチブ、イパタセルチブ、ユプロセルチブ、MK-2206、BAY1125976、AZD5363、TAS-117、ONC201、BVD-523、CC-90003、GDC-0994、LY3214996、MK-8353、トラメチニブ、ビニメチニブ、セルメチニブ、レファメチニブ、ピマセルチブ、コビメチニブ、E6201、PD-0325901、RO5126766、GDC-0623、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エンコラフェニブ、RAF265、GDC-5573、LY3009120、ディナシクリブ、ミルシクリブ、セリシクリブ、アルボシジブ、ロニシクリブ、ボルシクリブ、AT7519、PHA-793887、CYC-065、MK-8776、LY2606368、LY2603618、CBP501、GDC-0425、CCT245737、AZD1775、ボラセルチブ、アリセルチブ、イロラセルチブ、ENMD-2076、AMG900、イマチニブ、ダサチニブ、ボスチニブ、ニロチニブ、ポナチニブ、バンデタニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、カボザンチニブ、チボザニブ、ブリバニブ、リニファニブ、ルシタニブ、イブルチニブ、アカラブルチニブ、チラブルチニブ、ギルテリチニブ、キザルチニブ、ミドスタウリン、ブリガチニブ、クリゾチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、ロルラチニブ、ルキソリチニブ、トファシチニブ、バリシチニブ、パクリチニブ、カプマチニブ、テポチニブ、ペキシダルチニブ、BLZ-945、JNJ-40346527、JNJ-28312141、エントレクチニブ、GR-389988、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ダコミチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、ピロチニブ、ポジオチニブ、ツカチニブ、及びムブリチニブ、並びにその薬理上許容される塩からなる群より選択される少なくとも一つである、使用。
【0129】
[834]
キナーゼ阻害剤が、アベマシクリブ又はその薬理上許容される塩である、[833]に記載の使用。
[835]
キナーゼ阻害剤が、パルボシクリブ又はその薬理上許容される塩である、[833]に記載の使用。
[836]
キナーゼ阻害剤が、エベロリムス又はその薬理上許容される塩である、[833]に記載の使用。
[837]
キナーゼ阻害剤が、タセリシブ又はその薬理上許容される塩である、[833]に記載の使用。
[838]
キナーゼ阻害剤が、アルペリシブ又はその薬理上許容される塩である、[833]に記載の使用。
[839]
キナーゼ阻害剤が、レゴラフェニブ又はその薬理上許容される塩である、[833]に記載の使用。
[840]
キナーゼ阻害剤が、カボザンチニブ又はその薬理上許容される塩である、[833]に記載の使用。
【0130】
[841]
キナーゼ阻害剤が、スニチニブ又はその薬理上許容される塩である、[833]に記載の使用。
[842]
キナーゼ阻害剤が、ニンテダニブ又はその薬理上許容される塩である、[833]に記載の使用。
[843]
キナーゼ阻害剤が、ブリガチニブ又はその薬理上許容される塩である、[833]に記載の使用。
[844]
キナーゼ阻害剤が、エルロチニブ又はその薬理上許容される塩である、[833]に記載の使用。
[845]
キナーゼ阻害剤が、ネラチニブ又はその薬理上許容される塩である、[833]に記載の使用。
[846]
キナーゼ阻害剤が、ポジオチニブ又はその薬理上許容される塩である、[833]に記載の使用。
[847]
キナーゼ阻害剤が、ツカチニブ又はその薬理上許容される塩である、[833]に記載の使用。
[848]
キナーゼ阻害剤が、ムブリチニブ又はその薬理上許容される塩である、[833]に記載の使用。
[849]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER2抗体、抗HER3抗体、抗TROP2抗体、抗B7-H3抗体、又は抗CDH6抗体である、[833]から[848]のいずれか1項に記載の使用。
[850]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER2抗体である、[849]に記載の使用。
【0131】
[851]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号26乃至33に記載のアミノ酸配列からなるCDRH1、配列番号1においてアミノ酸番号51乃至58に記載のアミノ酸配列からなるCDRH2、及び配列番号1においてアミノ酸番号97乃至109に記載のアミノ酸配列からなるCDRH3を含む重鎖、並びに、配列番号2においてアミノ酸番号27乃至32に記載のアミノ酸配列からなるCDRL1、配列番号2においてアミノ酸番号50乃至52に記載のアミノ酸配列からなるCDRL2、及び配列番号2においてアミノ酸番号89乃至97に記載のアミノ酸配列からなるCDRL3を含む軽鎖、を含んでなる抗体である、[850]に記載の使用。
[852]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号1乃至120に記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域を含む重鎖、及び配列番号2においてアミノ酸番号1乃至107に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域を含む軽鎖、を含んでなる抗体である、[850]に記載の使用。
[853]
抗HER2抗体が、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[850]に記載の使用。
[854]
抗HER2抗体が、配列番号1においてアミノ酸番号1乃至449に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号2においてアミノ酸番号1乃至214に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[850]に記載の使用。
[855]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[850]から[854]のいずれか1項に記載の使用。
[856]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗HER3抗体である、[849]に記載の使用。
[857]
抗HER3抗体が、配列番号3に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号4に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[856]に記載の使用。
[858]
抗HER3抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[857]に記載の使用。
[859]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[856]から[858]のいずれか1項に記載の使用。
[860]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗TROP2抗体である、[849]に記載の使用。
【0132】
[861]
抗TROP2抗体が、配列番号5においてアミノ酸番号20乃至470に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号6においてアミノ酸番号21乃至234に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[860]に記載の使用。
[862]
抗TROP2抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[861]に記載の使用。
[863]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が3.5から4.5個の範囲である、[860]から[862]のいずれか1項に記載の使用。
[864]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗B7-H3抗体である、[849]に記載の使用。
[865]
抗B7-H3抗体が、配列番号7においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号8においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[864]に記載の使用。
[866]
抗B7-H3抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[865]に記載の使用。
[867]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が3.5から4.5個の範囲である、[864]から[866]のいずれか1項に記載の使用。
[868]
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、抗CDH6抗体である、[849]に記載の使用。
[869]
抗CDH6抗体が、配列番号9においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号10においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である、[868]に記載の使用。
[870]
抗CDH6抗体の、重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している、[869]に記載の使用。
【0133】
[871]
抗体-薬物コンジュゲートにおける1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数が7から8個の範囲である、[868]から[870]のいずれか1項に記載の使用。
[872]
抗体-薬物コンジュゲートと、キナーゼ阻害剤が、それぞれ別異の製剤に有効成分として含有され、同時に又は異なる時間に投与されることを特徴とする、[833]から[871]のいずれか1項に記載の使用。
[873]
乳がん、胃がん、大腸がん、肺がん、食道がん、頭頚部がん、胃食道接合部腺がん、胆道がん、ページェット病、膵臓がん、卵巣がん、子宮がん肉腫、尿路上皮がん、前立腺がん、膀胱がん、消化管間質腫瘍、子宮頸がん、扁平上皮がん、腹膜がん、肝臓がん、肝細胞がん、子宮体がん、腎臓がん、外陰部がん、甲状腺がん、陰茎がん、白血病、悪性リンパ腫、形質細胞腫、骨髄腫、多型神経膠芽腫、骨肉腫、肉腫、及びメラノーマからなる群より選択される少なくとも一つの治療のための、[833]から[872]のいずれか1項に記載の使用。
[874]
乳がんの治療のための、[873]に記載の使用。
[875]
大腸がんの治療のための、[873]に記載の使用。
[876]
胃がんの治療のための、[873]に記載の使用。
[877]
肺がんの治療のための、[873]に記載の使用。
[878]
膵臓がんの治療のための、[873]に記載の使用。
[879]
腎臓がんの治療のための、[873]に記載の使用。
[880]
卵巣がんの治療のための、[873]に記載の使用。
[881]
式
【0134】
【0135】
で示される薬物を腫瘍内で遊離することを特徴とする抗がん剤と、キナーゼ阻害剤が、組み合わされて投与されることを特徴とする医薬組成物であって、
該キナーゼ阻害剤は、CDK4/6阻害剤、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、AKT阻害剤、ERK阻害剤、MEK阻害剤、RAF阻害剤、CDK1阻害剤、CDK2阻害剤、CHK1阻害剤、WEE1阻害剤、PLK1阻害剤、オーロラキナーゼ阻害剤、Bcr-Abl阻害剤、Src阻害剤、EPH阻害剤、VEGFR阻害剤、KIT阻害剤、RET阻害剤、PDGFR阻害剤、FGFR阻害剤、BTK阻害剤、FLT3阻害剤、ALK阻害剤、JAK阻害剤、MET阻害剤、CSF-1R阻害剤、NTRK阻害剤、EGFR阻害剤、及びHER2阻害剤からなる群より選択される少なくとも一つである、医薬組成物。
【0136】
[882]
キナーゼ阻害剤が、CDK4/6阻害剤、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、RAF阻害剤、VEGFR阻害剤、KIT阻害剤、RET阻害剤、PDGFR阻害剤、FGFR阻害剤、FLT3阻害剤、ALK阻害剤、CSF-1R阻害剤、EGFR阻害剤、及びHER2阻害剤からなる群より選択される少なくとも一つである、[881]に記載の医薬組成物。
[883]
キナーゼ阻害剤が、CDK4/6阻害剤である、[882]に記載の医薬組成物。
[884]
CDK4/6阻害剤が、アベマシクリブ、パルボシクリブ、リボシクリブ、トリラシクリブ、G1T38、PF-06873600、TP-1287、FN-1501、若しくはKRX-0601、又はそれらの薬理上許容される塩である、[883]に記載の医薬組成物。
[885]
キナーゼ阻害剤が、mTOR阻害剤である、[882]に記載の医薬組成物。
[886]
mTOR阻害剤が、エベロリムス、シロリムス、テムシロリムス、TAK-228、CC-223、AZD8055、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、若しくはPQR309、又はそれらの薬理上許容される塩である、[885]に記載の医薬組成物。
[887]
キナーゼ阻害剤が、PI3K阻害剤である、[882]に記載の医薬組成物。
[888]
PI3K阻害剤が、タセリシブ、アルペリシブ、TAK-117、GSK2636771、AZD8186、IPI-549、イデラリシブ、デュベリシブ、AMG319、ブパルリシブ、ピクチリシブ、ピララリシブ、コパンリシブ、ソノリシブ、CH5132799、ZSTK474、GDC-0077、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、PQR309、KRX-0601、若しくはリゴセルチブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[887]に記載の医薬組成物。
【0137】
[889]
キナーゼ阻害剤が、RAF阻害剤である、[882]に記載の医薬組成物。
[890]
RAF阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エンコラフェニブ、RAF265、GDC-5573、LY3009120、若しくはRO5126766、又はそれらの薬理上許容される塩である、[889]に記載の医薬組成物。
[891]
キナーゼ阻害剤が、VEGFR阻害剤である、[882]に記載の医薬組成物。
[892]
VEGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、バンデタニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、カボザンチニブ、チボザニブ、ブリバニブ、リニファニブ、ルシタニブ、イロラセルチブ、若しくはENMD-2076、又はそれらの薬理上許容される塩である、[891]に記載の医薬組成物。
[893]
キナーゼ阻害剤が、KIT阻害剤である、[882]に記載の医薬組成物。
[894]
KIT阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、イマチニブ、イロラセルチブ、スニチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、若しくはダサチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[893]に記載の医薬組成物。
[895]
キナーゼ阻害剤が、RET阻害剤である、[882]に記載の医薬組成物。
[896]
RET阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、バンデタニブ、レンバチニブ、若しくはスニチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[895]に記載の医薬組成物。
[897]
キナーゼ阻害剤が、PDGFR阻害剤である、[882]に記載の医薬組成物。
[898]
PDGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、イロラセルチブ、イマチニブ、ニロチニブ、若しくはダサチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[897]に記載の医薬組成物。
[899]
キナーゼ阻害剤が、FGFR阻害剤である、[882]に記載の医薬組成物。
[900]
FGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、アキシチニブ、若しくはパゾパニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[897]に記載の医薬組成物。
【0138】
[901]
キナーゼ阻害剤が、FLT3阻害剤である、[882]に記載の医薬組成物。
[902]
FLT3阻害剤が、ギルテリチニブ、キザルチニブ、ミドスタウリン、ソラフェニブ、イロラセルチブ、ENMD-2076、若しくはスニチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[901]に記載の医薬組成物。
[903]
キナーゼ阻害剤が、ALK阻害剤である、[882]に記載の医薬組成物。
[904]
ALK阻害剤が、ブリガチニブ、クリゾチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、若しくはロルラチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[903]に記載の医薬組成物。
[905]
キナーゼ阻害剤が、CSF-1R阻害剤である、[882]に記載の医薬組成物。
[906]
CSF-1R阻害剤が、ペキシダルチニブ、BLZ-945、JNJ-40346527、JNJ-28312141、イロラセルチブ、イマチニブ、スニチニブ、若しくはアキシチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[905]に記載の医薬組成物。
[907]
キナーゼ阻害剤が、EGFR阻害剤である、[882]に記載の医薬組成物。
[908]
EGFR阻害剤が、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ダコミチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、ピロチニブ、若しくはポジオチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[907]に記載の医薬組成物。
[909]
キナーゼ阻害剤が、HER2阻害剤である、[882]に記載の医薬組成物。
[910]
HER2阻害剤が、ツカチニブ、ネラチニブ、ムブリチニブ、ラパチニブ、ピロチニブ、若しくはポジオチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[909]に記載の医薬組成物。
【0139】
[911]
乳がん、胃がん、大腸がん、肺がん、食道がん、頭頚部がん、胃食道接合部腺がん、胆道がん、ページェット病、膵臓がん、卵巣がん、子宮がん肉腫、尿路上皮がん、前立腺がん、膀胱がん、消化管間質腫瘍、子宮頸がん、扁平上皮がん、腹膜がん、肝臓がん、肝細胞がん、子宮体がん、腎臓がん、外陰部がん、甲状腺がん、陰茎がん、白血病、悪性リンパ腫、形質細胞腫、骨髄腫、多型神経膠芽腫、骨肉腫、肉腫、及びメラノーマからなる群より選択される少なくとも一つの治療のための、[881]から[910]のいずれか1項に記載の医薬組成物。
[912]
式
【0140】
【0141】
で示される薬物を腫瘍内で遊離することを特徴とする抗がん剤と、キナーゼ阻害剤が、組み合わされて治療を必要とする個体に投与されることを特徴とする治療方法であって、
該キナーゼ阻害剤は、CDK4/6阻害剤、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、AKT阻害剤、ERK阻害剤、MEK阻害剤、RAF阻害剤、CDK1阻害剤、CDK2阻害剤、CHK1阻害剤、WEE1阻害剤、PLK1阻害剤、オーロラキナーゼ阻害剤、Bcr-Abl阻害剤、Src阻害剤、EPH阻害剤、VEGFR阻害剤、KIT阻害剤、RET阻害剤、PDGFR阻害剤、FGFR阻害剤、BTK阻害剤、FLT3阻害剤、ALK阻害剤、JAK阻害剤、MET阻害剤、CSF-1R阻害剤、NTRK阻害剤、EGFR阻害剤、及びHER2阻害剤からなる群より選択される少なくとも一つである、治療方法。
[913]
キナーゼ阻害剤が、CDK4/6阻害剤、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、RAF阻害剤、VEGFR阻害剤、KIT阻害剤、RET阻害剤、PDGFR阻害剤、FGFR阻害剤、FLT3阻害剤、ALK阻害剤、CSF-1R阻害剤、EGFR阻害剤、及びHER2阻害剤からなる群より選択される少なくとも一つである、[912]に記載の治療方法。
[914]
キナーゼ阻害剤が、CDK4/6阻害剤である、[913]に記載の治療方法。
[915]
CDK4/6阻害剤が、アベマシクリブ、パルボシクリブ、リボシクリブ、トリラシクリブ、G1T38、PF-06873600、TP-1287、FN-1501、若しくはKRX-0601、又はそれらの薬理上許容される塩である、[914]に記載の治療方法。
[916]
キナーゼ阻害剤が、mTOR阻害剤である、[913]に記載の治療方法。
[917]
mTOR阻害剤が、エベロリムス、シロリムス、テムシロリムス、TAK-228、CC-223、AZD8055、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、若しくはPQR309、又はそれらの薬理上許容される塩である、[916]に記載の治療方法。
[918]
キナーゼ阻害剤が、PI3K阻害剤である、[913]に記載の治療方法。
[919]
PI3K阻害剤が、タセリシブ、アルペリシブ、TAK-117、GSK2636771、AZD8186、IPI-549、イデラリシブ、デュベリシブ、AMG319、ブパルリシブ、ピクチリシブ、ピララリシブ、コパンリシブ、ソノリシブ、CH5132799、ZSTK474、GDC-0077、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、PQR309、KRX-0601、若しくはリゴセルチブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[918]に記載の治療方法。
[920]
キナーゼ阻害剤が、RAF阻害剤である、[913]に記載の治療方法。
【0142】
[921]
RAF阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エンコラフェニブ、RAF265、GDC-5573、LY3009120、若しくはRO5126766、又はそれらの薬理上許容される塩である、[920]に記載の治療方法。
[922]
キナーゼ阻害剤が、VEGFR阻害剤である、[913]に記載の治療方法。
[923]
VEGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、バンデタニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、カボザンチニブ、チボザニブ、ブリバニブ、リニファニブ、ルシタニブ、イロラセルチブ、若しくはENMD-2076、又はそれらの薬理上許容される塩である、[922]に記載の治療方法。
[924]
キナーゼ阻害剤が、KIT阻害剤である、[913]に記載の治療方法。
[925]
KIT阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、イマチニブ、イロラセルチブ、スニチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、若しくはダサチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[924]に記載の治療方法。
[926]
キナーゼ阻害剤が、RET阻害剤である、[913]に記載の治療方法。
[927]
RET阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、バンデタニブ、レンバチニブ、若しくはスニチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[926]に記載の治療方法。
[928]
キナーゼ阻害剤が、PDGFR阻害剤である、[913]に記載の治療方法。
[929]
PDGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、イロラセルチブ、イマチニブ、ニロチニブ、若しくはダサチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[928]に記載の治療方法。
[930]
キナーゼ阻害剤が、FGFR阻害剤である、[913]に記載の治療方法。
【0143】
[931]
FGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、アキシチニブ、若しくはパゾパニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[930]に記載の治療方法。
[932]
キナーゼ阻害剤が、FLT3阻害剤である、[913]に記載の治療方法。
[933]
FLT3阻害剤が、ギルテリチニブ、キザルチニブ、ミドスタウリン、ソラフェニブ、イロラセルチブ、ENMD-2076、若しくはスニチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[932]に記載の治療方法。
[934]
キナーゼ阻害剤が、ALK阻害剤である、[913]に記載の治療方法。
[935]
ALK阻害剤が、ブリガチニブ、クリゾチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、若しくはロルラチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[934]に記載の治療方法。
[936]
キナーゼ阻害剤が、CSF-1R阻害剤である、[913]に記載の治療方法。
[937]
CSF-1R阻害剤が、ペキシダルチニブ、BLZ-945、JNJ-40346527、JNJ-28312141、イロラセルチブ、イマチニブ、スニチニブ、若しくはアキシチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[936]に記載の治療方法。
[938]
キナーゼ阻害剤が、EGFR阻害剤である、[913]に記載の治療方法。
[939]
EGFR阻害剤が、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ダコミチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、ピロチニブ、若しくはポジオチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[938]に記載の治療方法。
[940]
キナーゼ阻害剤が、HER2阻害剤である、[913]に記載の治療方法。
【0144】
[941]
HER2阻害剤が、ツカチニブ、ネラチニブ、ムブリチニブ、ラパチニブ、ピロチニブ、若しくはポジオチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[940]に記載の治療方法。
[942]
乳がん、胃がん、大腸がん、肺がん、食道がん、頭頚部がん、胃食道接合部腺がん、胆道がん、ページェット病、膵臓がん、卵巣がん、子宮がん肉腫、尿路上皮がん、前立腺がん、膀胱がん、消化管間質腫瘍、子宮頸がん、扁平上皮がん、腹膜がん、肝臓がん、肝細胞がん、子宮体がん、腎臓がん、外陰部がん、甲状腺がん、陰茎がん、白血病、悪性リンパ腫、形質細胞腫、骨髄腫、多型神経膠芽腫、骨肉腫、肉腫、及びメラノーマからなる群より選択される少なくとも一つの治療のための、[912]から[941]のいずれか1項に記載の治療方法。
[943]
キナーゼ阻害剤と、組み合わされて投与されることにより、疾患を治療するための、式
【0145】
【0146】
で示される薬物を腫瘍内で遊離することを特徴とする抗がん剤であって、
該キナーゼ阻害剤は、CDK4/6阻害剤、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、AKT阻害剤、ERK阻害剤、MEK阻害剤、RAF阻害剤、CDK1阻害剤、CDK2阻害剤、CHK1阻害剤、WEE1阻害剤、PLK1阻害剤、オーロラキナーゼ阻害剤、Bcr-Abl阻害剤、Src阻害剤、EPH阻害剤、VEGFR阻害剤、KIT阻害剤、RET阻害剤、PDGFR阻害剤、FGFR阻害剤、BTK阻害剤、FLT3阻害剤、ALK阻害剤、JAK阻害剤、MET阻害剤、CSF-1R阻害剤、NTRK阻害剤、EGFR阻害剤、及びHER2阻害剤からなる群より選択される少なくとも一つである、抗がん剤。
[944]
キナーゼ阻害剤が、CDK4/6阻害剤、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、RAF阻害剤、VEGFR阻害剤、KIT阻害剤、RET阻害剤、PDGFR阻害剤、FGFR阻害剤、FLT3阻害剤、ALK阻害剤、CSF-1R阻害剤、EGFR阻害剤、及びHER2阻害剤からなる群より選択される少なくとも一つである、[943]に記載の抗がん剤。
【0147】
[945]
キナーゼ阻害剤が、CDK4/6阻害剤である、[944]に記載の抗がん剤。
[946]
CDK4/6阻害剤が、アベマシクリブ、パルボシクリブ、リボシクリブ、トリラシクリブ、G1T38、PF-06873600、TP-1287、FN-1501、若しくはKRX-0601、又はそれらの薬理上許容される塩である、[945]に記載の抗がん剤。
[947]
キナーゼ阻害剤が、mTOR阻害剤である、[944]に記載の抗がん剤。
[948]
mTOR阻害剤が、エベロリムス、シロリムス、テムシロリムス、TAK-228、CC-223、AZD8055、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、若しくはPQR309、又はそれらの薬理上許容される塩である、[947]に記載の抗がん剤。
[949]
キナーゼ阻害剤が、PI3K阻害剤である、[944]に記載の抗がん剤。
[950]
PI3K阻害剤が、タセリシブ、アルペリシブ、TAK-117、GSK2636771、AZD8186、IPI-549、イデラリシブ、デュベリシブ、AMG319、ブパルリシブ、ピクチリシブ、ピララリシブ、コパンリシブ、ソノリシブ、CH5132799、ZSTK474、GDC-0077、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、PQR309、KRX-0601、若しくはリゴセルチブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[949]に記載の抗がん剤。
[951]
キナーゼ阻害剤が、RAF阻害剤である、[944]に記載の抗がん剤。
[952]
RAF阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エンコラフェニブ、RAF265、GDC-5573、LY3009120、若しくはRO5126766、又はそれらの薬理上許容される塩である、[951]に記載の抗がん剤。
[953]
キナーゼ阻害剤が、VEGFR阻害剤である、[944]に記載の抗がん剤。
[954]
VEGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、バンデタニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、カボザンチニブ、チボザニブ、ブリバニブ、リニファニブ、ルシタニブ、イロラセルチブ、若しくはENMD-2076、又はそれらの薬理上許容される塩である、[953]に記載の抗がん剤。
[955]
キナーゼ阻害剤が、KIT阻害剤である、[944]に記載の抗がん剤。
[956]
KIT阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、イマチニブ、イロラセルチブ、スニチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、若しくはダサチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[955]に記載の抗がん剤。
[957]
キナーゼ阻害剤が、RET阻害剤である、[944]に記載の抗がん剤。
[958]
RET阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、バンデタニブ、レンバチニブ、若しくはスニチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[957]に記載の抗がん剤。
[959]
キナーゼ阻害剤が、PDGFR阻害剤である、[944]に記載の抗がん剤。
[960]
PDGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、イロラセルチブ、イマチニブ、ニロチニブ、若しくはダサチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[959]に記載の抗がん剤。
【0148】
[961]
キナーゼ阻害剤が、FGFR阻害剤である、[944]に記載の抗がん剤。
[962]
FGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、アキシチニブ、若しくはパゾパニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[961]に記載の抗がん剤。
[963]
キナーゼ阻害剤が、FLT3阻害剤である、[944]に記載の抗がん剤。
[964]
FLT3阻害剤が、ギルテリチニブ、キザルチニブ、ミドスタウリン、ソラフェニブ、イロラセルチブ、ENMD-2076、若しくはスニチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[963]に記載の抗がん剤。
[965]
キナーゼ阻害剤が、ALK阻害剤である、[944]に記載の抗がん剤。
[966]
ALK阻害剤が、ブリガチニブ、クリゾチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、若しくはロルラチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[965]に記載の抗がん剤。
[967]
キナーゼ阻害剤が、CSF-1R阻害剤である、[944]に記載の抗がん剤。
[968]
CSF-1R阻害剤が、ペキシダルチニブ、BLZ-945、JNJ-40346527、JNJ-28312141、イロラセルチブ、イマチニブ、スニチニブ、若しくはアキシチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[967]に記載の抗がん剤。
[969]
キナーゼ阻害剤が、EGFR阻害剤である、[944]に記載の抗がん剤。
[970]
EGFR阻害剤が、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ダコミチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、ピロチニブ、若しくはポジオチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[969]に記載の抗がん剤。
【0149】
[971]
キナーゼ阻害剤が、HER2阻害剤である、[944]に記載の抗がん剤。
[972]
HER2阻害剤が、ツカチニブ、ネラチニブ、ムブリチニブ、ラパチニブ、ピロチニブ、若しくはポジオチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[971]に記載の抗がん剤。
[973]
乳がん、胃がん、大腸がん、肺がん、食道がん、頭頚部がん、胃食道接合部腺がん、胆道がん、ページェット病、膵臓がん、卵巣がん、子宮がん肉腫、尿路上皮がん、前立腺がん、膀胱がん、消化管間質腫瘍、子宮頸がん、扁平上皮がん、腹膜がん、肝臓がん、肝細胞がん、子宮体がん、腎臓がん、外陰部がん、甲状腺がん、陰茎がん、白血病、悪性リンパ腫、形質細胞腫、骨髄腫、多型神経膠芽腫、骨肉腫、肉腫、及びメラノーマからなる群より選択される少なくとも一つの治療のための、[943]から[972]のいずれか1項に記載の抗がん剤。
[974]
キナーゼ阻害剤と、組み合わされて投与されることにより、疾患を治療するための医薬の製造のための、式
【0150】
【0151】
で示される薬物を腫瘍内で遊離することを特徴とする抗がん剤の使用であって、
該キナーゼ阻害剤は、CDK4/6阻害剤、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、AKT阻害剤、ERK阻害剤、MEK阻害剤、RAF阻害剤、CDK1阻害剤、CDK2阻害剤、CHK1阻害剤、WEE1阻害剤、PLK1阻害剤、オーロラキナーゼ阻害剤、Bcr-Abl阻害剤、Src阻害剤、EPH阻害剤、VEGFR阻害剤、KIT阻害剤、RET阻害剤、PDGFR阻害剤、FGFR阻害剤、BTK阻害剤、FLT3阻害剤、ALK阻害剤、JAK阻害剤、MET阻害剤、CSF-1R阻害剤、NTRK阻害剤、EGFR阻害剤、及びHER2阻害剤からなる群より選択される少なくとも一つである、使用。
[975]
キナーゼ阻害剤が、CDK4/6阻害剤、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、RAF阻害剤、VEGFR阻害剤、KIT阻害剤、RET阻害剤、PDGFR阻害剤、FGFR阻害剤、FLT3阻害剤、ALK阻害剤、CSF-1R阻害剤、EGFR阻害剤、及びHER2阻害剤からなる群より選択される少なくとも一つである、[974]に記載の使用。
[976]
キナーゼ阻害剤が、CDK4/6阻害剤である、[975]に記載の使用。
[977]
CDK4/6阻害剤が、アベマシクリブ、パルボシクリブ、リボシクリブ、トリラシクリブ、G1T38、PF-06873600、TP-1287、FN-1501、若しくはKRX-0601、又はそれらの薬理上許容される塩である、[976]に記載の使用。
[978]
キナーゼ阻害剤が、mTOR阻害剤である、[975]に記載の使用。
[979]
mTOR阻害剤が、エベロリムス、シロリムス、テムシロリムス、TAK-228、CC-223、AZD8055、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、若しくはPQR309、又はそれらの薬理上許容される塩である、[978]に記載の使用。
[980]
キナーゼ阻害剤が、PI3K阻害剤である、[975]に記載の使用。
【0152】
[981]
PI3K阻害剤が、タセリシブ、アルペリシブ、TAK-117、GSK2636771、AZD8186、IPI-549、イデラリシブ、デュベリシブ、AMG319、ブパルリシブ、ピクチリシブ、ピララリシブ、コパンリシブ、ソノリシブ、CH5132799、ZSTK474、GDC-0077、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、PQR309、KRX-0601、若しくはリゴセルチブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[980]に記載の使用。
[982]
キナーゼ阻害剤が、RAF阻害剤である、[975]に記載の使用。
[983]
RAF阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エンコラフェニブ、RAF265、GDC-5573、LY3009120、若しくはRO5126766、又はそれらの薬理上許容される塩である、[982]に記載の使用。
[984]
キナーゼ阻害剤が、VEGFR阻害剤である、[975]に記載の使用。
【0153】
[985]
VEGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、バンデタニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、カボザンチニブ、チボザニブ、ブリバニブ、リニファニブ、ルシタニブ、イロラセルチブ、若しくはENMD-2076、又はそれらの薬理上許容される塩である、[984]に記載の使用。
[986]
キナーゼ阻害剤が、KIT阻害剤である、[975]に記載の使用。
[987]
KIT阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、イマチニブ、イロラセルチブ、スニチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、若しくはダサチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[986]に記載の使用。
[988]
キナーゼ阻害剤が、RET阻害剤である、[975]に記載の使用。
[989]
RET阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、バンデタニブ、レンバチニブ、若しくはスニチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[988]に記載の使用。
[990]
キナーゼ阻害剤が、PDGFR阻害剤である、[975]に記載の使用。
[991]
PDGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、イロラセルチブ、イマチニブ、ニロチニブ、若しくはダサチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[990]に記載の使用。
[992]
キナーゼ阻害剤が、FGFR阻害剤である、[975]に記載の使用。
[993]
FGFR阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、アキシチニブ、若しくはパゾパニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[992]に記載の使用。
[994]
キナーゼ阻害剤が、FLT3阻害剤である、[975]に記載の使用。
[995]
FLT3阻害剤が、ギルテリチニブ、キザルチニブ、ミドスタウリン、ソラフェニブ、イロラセルチブ、ENMD-2076、若しくはスニチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[994]に記載の使用。
[996]
キナーゼ阻害剤が、ALK阻害剤である、[975]に記載の使用。
[997]
ALK阻害剤が、ブリガチニブ、クリゾチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、若しくはロルラチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[996]に記載の使用。
[998]
キナーゼ阻害剤が、CSF-1R阻害剤である、[975]に記載の使用。
[999]
CSF-1R阻害剤が、ペキシダルチニブ、BLZ-945、JNJ-40346527、JNJ-28312141、イロラセルチブ、イマチニブ、スニチニブ、若しくはアキシチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[998]に記載の使用。
[1000]
キナーゼ阻害剤が、EGFR阻害剤である、[975]に記載の使用。
【0154】
[1001]
EGFR阻害剤が、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ダコミチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、ピロチニブ、若しくはポジオチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[1000]に記載の使用。
[1002]
キナーゼ阻害剤が、HER2阻害剤である、[975]に記載の使用。
[1003]
HER2阻害剤が、ツカチニブ、ネラチニブ、ムブリチニブ、ラパチニブ、ピロチニブ、若しくはポジオチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩である、[1002]に記載の使用。
[1004]
乳がん、胃がん、大腸がん、肺がん、食道がん、頭頚部がん、胃食道接合部腺がん、胆道がん、ページェット病、膵臓がん、卵巣がん、子宮がん肉腫、尿路上皮がん、前立腺がん、膀胱がん、消化管間質腫瘍、子宮頸がん、扁平上皮がん、腹膜がん、肝臓がん、肝細胞がん、子宮体がん、腎臓がん、外陰部がん、甲状腺がん、陰茎がん、白血病、悪性リンパ腫、形質細胞腫、骨髄腫、多型神経膠芽腫、骨肉腫、肉腫、及びメラノーマからなる群より選択される少なくとも一つの治療のための、[974]から[1003]のいずれか1項に記載の使用。
[1005]
式
【0155】
【0156】
で示される薬物を腫瘍内で遊離することを特徴とする抗がん剤と、キナーゼ阻害剤が、組み合わされて投与されることを特徴とする医薬組成物であって、
該キナーゼ阻害剤は、アベマシクリブ、パルボシクリブ、リボシクリブ、トリラシクリブ、G1T38、PF-06873600、TP-1287、FN-1501、KRX-0601、エベロリムス、シロリムス、テムシロリムス、TAK-228、CC-223、AZD8055、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、PQR309、タセリシブ、アルペリシブ、TAK-117、GSK2636771、AZD8186、IPI-549、イデラリシブ、デュベリシブ、AMG319、ブパルリシブ、ピクチリシブ、ピララリシブ、コパンリシブ、ソノリシブ、CH5132799、ZSTK474、GDC-0077、リゴセルチブ、イパタセルチブ、ユプロセルチブ、MK-2206、BAY1125976、AZD5363、TAS-117、ONC201、BVD-523、CC-90003、GDC-0994、LY3214996、MK-8353、トラメチニブ、ビニメチニブ、セルメチニブ、レファメチニブ、ピマセルチブ、コビメチニブ、E6201、PD-0325901、RO5126766、GDC-0623、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エンコラフェニブ、RAF265、GDC-5573、LY3009120、ディナシクリブ、ミルシクリブ、セリシクリブ、アルボシジブ、ロニシクリブ、ボルシクリブ、AT7519、PHA-793887、CYC-065、MK-8776、LY2606368、LY2603618、CBP501、GDC-0425、CCT245737、AZD1775、ボラセルチブ、アリセルチブ、イロラセルチブ、ENMD-2076、AMG900、イマチニブ、ダサチニブ、ボスチニブ、ニロチニブ、ポナチニブ、バンデタニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、カボザンチニブ、チボザニブ、ブリバニブ、リニファニブ、ルシタニブ、イブルチニブ、アカラブルチニブ、チラブルチニブ、ギルテリチニブ、キザルチニブ、ミドスタウリン、ブリガチニブ、クリゾチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、ロルラチニブ、ルキソリチニブ、トファシチニブ、バリシチニブ、パクリチニブ、カプマチニブ、テポチニブ、ペキシダルチニブ、BLZ-945、JNJ-40346527、JNJ-28312141、エントレクチニブ、GR-389988、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ダコミチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、ピロチニブ、ポジオチニブ、ツカチニブ、及びムブリチニブ、並びにその薬理上許容される塩からなる群より選択される少なくとも一つである、医薬組成物。
[1006]
キナーゼ阻害剤が、アベマシクリブ又はその薬理上許容される塩である、[1005]に記載の医薬組成物。
[1007]
キナーゼ阻害剤が、パルボシクリブ又はその薬理上許容される塩である、[1005]に記載の医薬組成物。
[1008]
キナーゼ阻害剤が、エベロリムス又はその薬理上許容される塩である、[1005]に記載の医薬組成物。
[1009]
キナーゼ阻害剤が、タセリシブ又はその薬理上許容される塩である、[1005]に記載の医薬組成物。
[1010]
キナーゼ阻害剤が、アルペリシブ又はその薬理上許容される塩である、[1005]に記載の医薬組成物。
[1011]
キナーゼ阻害剤が、レゴラフェニブ又はその薬理上許容される塩である、[1005]に記載の医薬組成物。
[1012]
キナーゼ阻害剤が、カボザンチニブ又はその薬理上許容される塩である、[1005]に記載の医薬組成物。
[1013]
キナーゼ阻害剤が、スニチニブ又はその薬理上許容される塩である、[1005]に記載の医薬組成物。
[1014]
キナーゼ阻害剤が、ニンテダニブ又はその薬理上許容される塩である、[1005]に記載の医薬組成物。
[1015]
キナーゼ阻害剤が、ブリガチニブ又はその薬理上許容される塩である、[1005]に記載の医薬組成物。
[1016]
キナーゼ阻害剤が、エルロチニブ又はその薬理上許容される塩である、[1005]に記載の医薬組成物。
[1017]
キナーゼ阻害剤が、ネラチニブ又はその薬理上許容される塩である、[1005]に記載の医薬組成物。
[1018]
キナーゼ阻害剤が、ポジオチニブ又はその薬理上許容される塩である、[1005]に記載の医薬組成物。
[1019]
キナーゼ阻害剤が、ツカチニブ又はその薬理上許容される塩である、[1005]に記載の医薬組成物。
[1020]
キナーゼ阻害剤が、ムブリチニブ又はその薬理上許容される塩である、[1005]に記載の医薬組成物。
【0157】
[1021]
乳がん、胃がん、大腸がん、肺がん、食道がん、頭頚部がん、胃食道接合部腺がん、胆道がん、ページェット病、膵臓がん、卵巣がん、子宮がん肉腫、尿路上皮がん、前立腺がん、膀胱がん、消化管間質腫瘍、子宮頸がん、扁平上皮がん、腹膜がん、肝臓がん、肝細胞がん、子宮体がん、腎臓がん、外陰部がん、甲状腺がん、陰茎がん、白血病、悪性リンパ腫、形質細胞腫、骨髄腫、多型神経膠芽腫、骨肉腫、肉腫、及びメラノーマからなる群より選択される少なくとも一つの治療のための、[1005]から[1020]のいずれか1項に記載の医薬組成物。
[1022]
式
【0158】
【0159】
で示される薬物を腫瘍内で遊離することを特徴とする抗がん剤と、キナーゼ阻害剤が、組み合わされて治療を必要とする個体に投与されることを特徴とする治療方法であって、
該キナーゼ阻害剤は、アベマシクリブ、パルボシクリブ、リボシクリブ、トリラシクリブ、G1T38、PF-06873600、TP-1287、FN-1501、KRX-0601、エベロリムス、シロリムス、テムシロリムス、TAK-228、CC-223、AZD8055、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、PQR309、タセリシブ、アルペリシブ、TAK-117、GSK2636771、AZD8186、IPI-549、イデラリシブ、デュベリシブ、AMG319、ブパルリシブ、ピクチリシブ、ピララリシブ、コパンリシブ、ソノリシブ、CH5132799、ZSTK474、GDC-0077、リゴセルチブ、イパタセルチブ、ユプロセルチブ、MK-2206、BAY1125976、AZD5363、TAS-117、ONC201、BVD-523、CC-90003、GDC-0994、LY3214996、MK-8353、トラメチニブ、ビニメチニブ、セルメチニブ、レファメチニブ、ピマセルチブ、コビメチニブ、E6201、PD-0325901、RO5126766、GDC-0623、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エンコラフェニブ、RAF265、GDC-5573、LY3009120、ディナシクリブ、ミルシクリブ、セリシクリブ、アルボシジブ、ロニシクリブ、ボルシクリブ、AT7519、PHA-793887、CYC-065、MK-8776、LY2606368、LY2603618、CBP501、GDC-0425、CCT245737、AZD1775、ボラセルチブ、アリセルチブ、イロラセルチブ、ENMD-2076、AMG900、イマチニブ、ダサチニブ、ボスチニブ、ニロチニブ、ポナチニブ、バンデタニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、カボザンチニブ、チボザニブ、ブリバニブ、リニファニブ、ルシタニブ、イブルチニブ、アカラブルチニブ、チラブルチニブ、ギルテリチニブ、キザルチニブ、ミドスタウリン、ブリガチニブ、クリゾチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、ロルラチニブ、ルキソリチニブ、トファシチニブ、バリシチニブ、パクリチニブ、カプマチニブ、テポチニブ、ペキシダルチニブ、BLZ-945、JNJ-40346527、JNJ-28312141、エントレクチニブ、GR-389988、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ダコミチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、ピロチニブ、ポジオチニブ、ツカチニブ、及びムブリチニブ、並びにその薬理上許容される塩からなる群より選択される少なくとも一つである、治療方法。
[1023]
キナーゼ阻害剤が、アベマシクリブ又はその薬理上許容される塩である、[1022]に記載の治療方法。
[1024]
キナーゼ阻害剤が、パルボシクリブ又はその薬理上許容される塩である、[1022]に記載の治療方法。
[1025]
キナーゼ阻害剤が、エベロリムス又はその薬理上許容される塩である、[1022]に記載の治療方法。
[1026]
キナーゼ阻害剤が、タセリシブ又はその薬理上許容される塩である、[1022]に記載の治療方法。
[1027]
キナーゼ阻害剤が、アルペリシブ又はその薬理上許容される塩である、[1022]に記載の治療方法。
[1028]
キナーゼ阻害剤が、レゴラフェニブ又はその薬理上許容される塩である、[1022]に記載の治療方法。
[1029]
キナーゼ阻害剤が、カボザンチニブ又はその薬理上許容される塩である、[1022]に記載の治療方法。
[1030]
キナーゼ阻害剤が、スニチニブ又はその薬理上許容される塩である、[1022]に記載の治療方法。
[1031]
キナーゼ阻害剤が、ニンテダニブ又はその薬理上許容される塩である、[1022]に記載の治療方法。
[1032]
キナーゼ阻害剤が、ブリガチニブ又はその薬理上許容される塩である、[1022]に記載の治療方法。
[1033]
キナーゼ阻害剤が、エルロチニブ又はその薬理上許容される塩である、[1022]に記載の治療方法。
[1034]
キナーゼ阻害剤が、ネラチニブ又はその薬理上許容される塩である、[1022]に記載の治療方法。
[1035]
キナーゼ阻害剤が、ポジオチニブ又はその薬理上許容される塩である、[1022]に記載の治療方法。
[1036]
キナーゼ阻害剤が、ツカチニブ又はその薬理上許容される塩である、[1022]に記載の治療方法。
[1037]
キナーゼ阻害剤が、ムブリチニブ又はその薬理上許容される塩である、[1022]に記載の治療方法。
[1038]
乳がん、胃がん、大腸がん、肺がん、食道がん、頭頚部がん、胃食道接合部腺がん、胆道がん、ページェット病、膵臓がん、卵巣がん、子宮がん肉腫、尿路上皮がん、前立腺がん、膀胱がん、消化管間質腫瘍、子宮頸がん、扁平上皮がん、腹膜がん、肝臓がん、肝細胞がん、子宮体がん、腎臓がん、外陰部がん、甲状腺がん、陰茎がん、白血病、悪性リンパ腫、形質細胞腫、骨髄腫、多型神経膠芽腫、骨肉腫、肉腫、及びメラノーマからなる群より選択される少なくとも一つの治療のための、[1022]から[1037]のいずれか1項に記載の治療方法。
[1039]
キナーゼ阻害剤と、組み合わされて投与されることにより、疾患を治療するための、式
【0160】
【0161】
で示される薬物を腫瘍内で遊離することを特徴とする抗がん剤であって、
該キナーゼ阻害剤は、アベマシクリブ、パルボシクリブ、リボシクリブ、トリラシクリブ、G1T38、PF-06873600、TP-1287、FN-1501、KRX-0601、エベロリムス、シロリムス、テムシロリムス、TAK-228、CC-223、AZD8055、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、PQR309、タセリシブ、アルペリシブ、TAK-117、GSK2636771、AZD8186、IPI-549、イデラリシブ、デュベリシブ、AMG319、ブパルリシブ、ピクチリシブ、ピララリシブ、コパンリシブ、ソノリシブ、CH5132799、ZSTK474、GDC-0077、リゴセルチブ、イパタセルチブ、ユプロセルチブ、MK-2206、BAY1125976、AZD5363、TAS-117、ONC201、BVD-523、CC-90003、GDC-0994、LY3214996、MK-8353、トラメチニブ、ビニメチニブ、セルメチニブ、レファメチニブ、ピマセルチブ、コビメチニブ、E6201、PD-0325901、RO5126766、GDC-0623、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エンコラフェニブ、RAF265、GDC-5573、LY3009120、ディナシクリブ、ミルシクリブ、セリシクリブ、アルボシジブ、ロニシクリブ、ボルシクリブ、AT7519、PHA-793887、CYC-065、MK-8776、LY2606368、LY2603618、CBP501、GDC-0425、CCT245737、AZD1775、ボラセルチブ、アリセルチブ、イロラセルチブ、ENMD-2076、AMG900、イマチニブ、ダサチニブ、ボスチニブ、ニロチニブ、ポナチニブ、バンデタニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、カボザンチニブ、チボザニブ、ブリバニブ、リニファニブ、ルシタニブ、イブルチニブ、アカラブルチニブ、チラブルチニブ、ギルテリチニブ、キザルチニブ、ミドスタウリン、ブリガチニブ、クリゾチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、ロルラチニブ、ルキソリチニブ、トファシチニブ、バリシチニブ、パクリチニブ、カプマチニブ、テポチニブ、ペキシダルチニブ、BLZ-945、JNJ-40346527、JNJ-28312141、エントレクチニブ、GR-389988、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ダコミチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、ピロチニブ、ポジオチニブ、ツカチニブ、及びムブリチニブ、並びにその薬理上許容される塩からなる群より選択される少なくとも一つである、抗がん剤。
[1040]
キナーゼ阻害剤が、アベマシクリブ又はその薬理上許容される塩である、[1039]に記載の抗がん剤。
[1041]
キナーゼ阻害剤が、パルボシクリブ又はその薬理上許容される塩である、[1039]に記載の抗がん剤。
[1042]
キナーゼ阻害剤が、エベロリムス又はその薬理上許容される塩である、[1039]に記載の抗がん剤。
[1043]
キナーゼ阻害剤が、タセリシブ又はその薬理上許容される塩である、[1039]に記載の抗がん剤。
[1044]
キナーゼ阻害剤が、アルペリシブ又はその薬理上許容される塩である、[1039]に記載の抗がん剤。
[1045]
キナーゼ阻害剤が、レゴラフェニブ又はその薬理上許容される塩である、[1039]に記載の抗がん剤。
[1046]
キナーゼ阻害剤が、カボザンチニブ又はその薬理上許容される塩である、[1039]に記載の抗がん剤。
[1047]
キナーゼ阻害剤が、スニチニブ又はその薬理上許容される塩である、[1039]に記載の抗がん剤。
[1048]
キナーゼ阻害剤が、ニンテダニブ又はその薬理上許容される塩である、[1039]に記載の抗がん剤。
[1049]
キナーゼ阻害剤が、ブリガチニブ又はその薬理上許容される塩である、[1039]に記載の抗がん剤。
[1050]
キナーゼ阻害剤が、エルロチニブ又はその薬理上許容される塩である、[1039]に記載の抗がん剤。
【0162】
[1051]
キナーゼ阻害剤が、ネラチニブ又はその薬理上許容される塩である、[1039]に記載の抗がん剤。
[1052]
キナーゼ阻害剤が、ポジオチニブ又はその薬理上許容される塩である、[1039]に記載の抗がん剤。
[1053]
キナーゼ阻害剤が、ツカチニブ又はその薬理上許容される塩である、[1039]に記載の抗がん剤。
[1054]
キナーゼ阻害剤が、ムブリチニブ又はその薬理上許容される塩である、[1039]に記載の抗がん剤。
[1055]
乳がん、胃がん、大腸がん、肺がん、食道がん、頭頚部がん、胃食道接合部腺がん、胆道がん、ページェット病、膵臓がん、卵巣がん、子宮がん肉腫、尿路上皮がん、前立腺がん、膀胱がん、消化管間質腫瘍、子宮頸がん、扁平上皮がん、腹膜がん、肝臓がん、肝細胞がん、子宮体がん、腎臓がん、外陰部がん、甲状腺がん、陰茎がん、白血病、悪性リンパ腫、形質細胞腫、骨髄腫、多型神経膠芽腫、骨肉腫、及びメラノーマからなる群より選択される少なくとも一つの治療のための、[1039]から[1054]のいずれか1項に記載の抗がん剤。
[1056]
キナーゼ阻害剤と、組み合わされて投与されることにより、疾患を治療するための医薬の製造のための、式
【0163】
【0164】
で示される薬物を腫瘍内で遊離することを特徴とする抗がん剤の使用であって、
該キナーゼ阻害剤は、アベマシクリブ、パルボシクリブ、リボシクリブ、トリラシクリブ、G1T38、PF-06873600、TP-1287、FN-1501、KRX-0601、エベロリムス、シロリムス、テムシロリムス、TAK-228、CC-223、AZD8055、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、PQR309、タセリシブ、アルペリシブ、TAK-117、GSK2636771、AZD8186、IPI-549、イデラリシブ、デュベリシブ、AMG319、ブパルリシブ、ピクチリシブ、ピララリシブ、コパンリシブ、ソノリシブ、CH5132799、ZSTK474、GDC-0077、リゴセルチブ、イパタセルチブ、ユプロセルチブ、MK-2206、BAY1125976、AZD5363、TAS-117、ONC201、BVD-523、CC-90003、GDC-0994、LY3214996、MK-8353、トラメチニブ、ビニメチニブ、セルメチニブ、レファメチニブ、ピマセルチブ、コビメチニブ、E6201、PD-0325901、RO5126766、GDC-0623、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エンコラフェニブ、RAF265、GDC-5573、LY3009120、ディナシクリブ、ミルシクリブ、セリシクリブ、アルボシジブ、ロニシクリブ、ボルシクリブ、AT7519、PHA-793887、CYC-065、MK-8776、LY2606368、LY2603618、CBP501、GDC-0425、CCT245737、AZD1775、ボラセルチブ、アリセルチブ、イロラセルチブ、ENMD-2076、AMG900、イマチニブ、ダサチニブ、ボスチニブ、ニロチニブ、ポナチニブ、バンデタニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、カボザンチニブ、チボザニブ、ブリバニブ、リニファニブ、ルシタニブ、イブルチニブ、アカラブルチニブ、チラブルチニブ、ギルテリチニブ、キザルチニブ、ミドスタウリン、ブリガチニブ、クリゾチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、ロルラチニブ、ルキソリチニブ、トファシチニブ、バリシチニブ、パクリチニブ、カプマチニブ、テポチニブ、ペキシダルチニブ、BLZ-945、JNJ-40346527、JNJ-28312141、エントレクチニブ、GR-389988、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ダコミチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、ピロチニブ、ポジオチニブ、ツカチニブ、及びムブリチニブ、並びにその薬理上許容される塩からなる群より選択される少なくとも一つである、使用。
[1057]
キナーゼ阻害剤が、アベマシクリブ又はその薬理上許容される塩である、[1056]に記載の使用。
[1058]
キナーゼ阻害剤が、パルボシクリブ又はその薬理上許容される塩である、[1056]に記載の使用。
[1059]
キナーゼ阻害剤が、エベロリムス又はその薬理上許容される塩である、[1056]に記載の使用。
[1060]
キナーゼ阻害剤が、タセリシブ又はその薬理上許容される塩である、[1056]に記載の使用。
[1061]
キナーゼ阻害剤が、アルペリシブ又はその薬理上許容される塩である、[1056]に記載の使用。
[1062]
キナーゼ阻害剤が、レゴラフェニブ又はその薬理上許容される塩である、[1056]に記載の使用。
[1063]
キナーゼ阻害剤が、カボザンチニブ又はその薬理上許容される塩である、[1056]に記載の使用。
[1064]
キナーゼ阻害剤が、スニチニブ又はその薬理上許容される塩である、[1056]に記載の使用。
[1065]
キナーゼ阻害剤が、ニンテダニブ又はその薬理上許容される塩である、[1056]に記載の使用。
[1066]
キナーゼ阻害剤が、ブリガチニブ又はその薬理上許容される塩である、[1056]に記載の使用。
[1067]
キナーゼ阻害剤が、エルロチニブ又はその薬理上許容される塩である、[1056]に記載の使用。
[1068]
キナーゼ阻害剤が、ネラチニブ又はその薬理上許容される塩である、[1056]に記載の使用。
[1069]
キナーゼ阻害剤が、ポジオチニブ又はその薬理上許容される塩である、[1056]に記載の使用。
[1070]
キナーゼ阻害剤が、ツカチニブ又はその薬理上許容される塩である、[1056]に記載の使用。
【0165】
[1071]
キナーゼ阻害剤が、ムブリチニブ又はその薬理上許容される塩である、[1056]に記載の使用。
[1072]
乳がん、胃がん、大腸がん、肺がん、食道がん、頭頚部がん、胃食道接合部腺がん、胆道がん、ページェット病、膵臓がん、卵巣がん、子宮がん肉腫、尿路上皮がん、前立腺がん、膀胱がん、消化管間質腫瘍、子宮頸がん、扁平上皮がん、腹膜がん、肝臓がん、肝細胞がん、子宮体がん、腎臓がん、外陰部がん、甲状腺がん、陰茎がん、白血病、悪性リンパ腫、形質細胞腫、骨髄腫、多型神経膠芽腫、骨肉腫、肉腫、及びメラノーマからなる群より選択される少なくとも一つの治療のための、[1056]から[1071]のいずれか1項に記載の使用。
【発明の効果】
【0166】
本発明により、特定の抗体-薬物コンジュゲートとキナーゼ阻害剤が、組み合わされて投与されることを特徴とする医薬組成物、及び/又は、特定の抗体-薬物コンジュゲートとキナーゼ阻害剤が組み合わされて個体に投与されることを特徴とする治療方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0167】
【
図1】抗HER2抗体重鎖のアミノ酸配列(配列番号1)を示した図である。
【
図2】抗HER2抗体軽鎖のアミノ酸配列(配列番号2)を示した図である。
【
図3】抗HER3抗体重鎖のアミノ酸配列(配列番号3)を示した図である。
【
図4】抗HER3抗体軽鎖のアミノ酸配列(配列番号4)を示した図である。
【
図5】抗TROP2抗体重鎖のアミノ酸配列(配列番号5)を示した図である。
【
図6】抗TROP2抗体軽鎖のアミノ酸配列(配列番号6)を示した図である。
【
図7】抗B7-H3抗体重鎖のアミノ酸配列(配列番号7)を示した図である。
【
図8】抗B7-H3抗体軽鎖のアミノ酸配列(配列番号8)を示した図である。
【
図9】抗CDH6抗体重鎖のアミノ酸配列(配列番号9)を示した図である。
【
図10】抗CDH6抗体軽鎖のアミノ酸配列(配列番号10)を示した図である。
【
図11】MDA-MB-453細胞を皮下移植したマウスにおける抗体-薬物コンジュゲート(1)、及びエベロリムスそれぞれの単剤投与群、並びに、抗体-薬物コンジュゲート(1)とエベロリムスの併用投与群の腫瘍増殖抑制効果を示した図である。
【
図12】MDA-MB-453細胞を皮下移植したマウスにおける抗体-薬物コンジュゲート(1)、及びタセリシブそれぞれの単剤投与群、並びに、抗体-薬物コンジュゲート(1)とタセリシブの併用投与群の腫瘍増殖抑制効果を示した図である。
【
図13】MDA-MB-453細胞を皮下移植したマウスにおける抗体-薬物コンジュゲート(1)、及びアベマシクリブそれぞれの単剤投与群、並びに、抗体-薬物コンジュゲート(1)とアベマシクリブの併用投与群の腫瘍増殖抑制効果を示した図である。
【
図14】JIMT-1細胞を皮下移植したマウスにおける抗体-薬物コンジュゲート(1)、及びエベロリムスそれぞれの単剤投与群、並びに、抗体-薬物コンジュゲート(1)とエベロリムスの併用投与群の腫瘍増殖抑制効果を示した図である。
【
図15】COLO201細胞を皮下移植したマウスにおける抗体-薬物コンジュゲート(1)、及びレゴラフェニブそれぞれの単剤投与群、並びに、抗体-薬物コンジュゲート(1)とレゴラフェニブの併用投与群の腫瘍増殖抑制効果を示した図である。
【
図16】KPL-4細胞を皮下移植したマウスにおける抗体-薬物コンジュゲート(1)、及びツカチニブそれぞれの単剤投与群、並びに、抗体-薬物コンジュゲート(1)とツカチニブの併用投与群の腫瘍増殖抑制効果を示した図である。
【
図17】MDA-MB-453細胞を皮下移植したマウスにおける抗体-薬物コンジュゲート(1)、及びツカチニブそれぞれの単剤投与群、並びに、抗体-薬物コンジュゲート(1)とツカチニブの併用投与群の腫瘍増殖抑制効果を示した図である。
【
図18】NCI-N87細胞を皮下移植したマウスにおける抗体-薬物コンジュゲート(1)、及びツカチニブそれぞれの単剤投与群、並びに、抗体-薬物コンジュゲート(1)とツカチニブの併用投与群の腫瘍増殖抑制効果を示した図である。
【
図19】KPL-4細胞を皮下移植したマウスにおける抗体-薬物コンジュゲート(2)、及びネラチニブそれぞれの単剤投与群、並びに、抗体-薬物コンジュゲート(2)とネラチニブの併用投与群の腫瘍増殖抑制効果を示した図である。
【
図20】786-O細胞を皮下移植したマウスにおける抗体-薬物コンジュゲート(3)、及びカボザンチニブそれぞれの単剤投与群、並びに、抗体-薬物コンジュゲート(3)とカボザンチニブの併用投与群の腫瘍増殖抑制効果を示した図である。
【
図21】MDA-MB-453細胞を皮下移植したマウスにおける抗体-薬物コンジュゲート(2)、及びパルボシクリブそれぞれの単剤投与群、並びに、抗体-薬物コンジュゲート(2)とパルボシクリブの併用投与群の腫瘍増殖抑制効果を示した図である。
【
図22】MDA-MB-453細胞を皮下移植したマウスにおける抗体-薬物コンジュゲート(2)、及びアルペリシブそれぞれの単剤投与群、並びに、抗体-薬物コンジュゲート(2)とアルペリシブの併用投与群の腫瘍増殖抑制効果を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0168】
以下、本発明を実施するための好適な形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これによって本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
【0169】
1.抗体-薬物コンジュゲート
本発明において使用される抗体-薬物コンジュゲートは、式
【0170】
【0171】
(式中、Aは抗体との結合位置を示す)
で示される薬物リンカーと、抗体とがチオエーテル結合によって結合した抗体-薬物コンジュゲートである。
【0172】
本発明においては、抗体-薬物コンジュゲートのうち、リンカー及び薬物からなる部分構造を「薬物リンカー」と称する。この薬物リンカーは抗体の鎖間のジスルフィド結合部位(2箇所の重鎖-重鎖間、及び2箇所の重鎖-軽鎖間)において生じたチオール基(言い換えれば、システイン残基の硫黄原子)に結合している。
【0173】
本発明の薬物リンカーは、トポイソメラーゼI阻害剤であるエキサテカン(IUPAC名:(1S,9S)-1-アミノ-9-エチル-5-フルオロ-1,2,3,9,12,15-ヘキサヒドロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10H,13H-ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13-ジオン、(化学名:(1S,9S)-1-アミノ-9-エチル-5-フルオロ-2,3-ジヒドロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオンとして表すこともできる))を構成要素としている。エキサテカンは、式
【0174】
【0175】
で示される、抗腫瘍効果を有するカンプトテシン誘導体である。
【0176】
本発明において使用される抗体-薬物コンジュゲートは、次式で示すこともできる。
【0177】
【0178】
ここで、薬物リンカーは抗体とチオエーテル結合によって結合している。また、nはいわゆる平均薬物結合数(DAR; Drug-to-Antibody Ratio)と同義であり、1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数を示す。
本発明で使用される抗体-薬物コンジュゲートは、がん細胞内に移行した後にリンカー部分が切断され、
式
【0179】
【0180】
で表される化合物を遊離する。
【0181】
上記化合物は、本発明で使用される抗体-薬物コンジュゲートの抗腫瘍活性の本体であると考えられ、トポイソメラーゼI阻害作用を有することが確認されている(Ogitani Y. et al., Clinical Cancer Research, 2016, Oct 15;22(20):5097-5108, Epub 2016 Mar 29)。
【0182】
なお、本発明で使用される抗体-薬物コンジュゲートは、バイスタンダー効果を有することも知られている(Ogitani Y. et al., Cancer Science (2016) 107, 1039-1046)。
【0183】
このバイスタンダー効果は、本発明で使用される抗体-薬物コンジュゲートが、標的発現がん細胞に内在化した後、上記化合物が遊離され、標的を発現していない近傍のがん細胞に対しても抗腫瘍効果を及ぼすことにより発揮される。
【0184】
このバイスタンダー効果は、本発明にかかる抗体-薬物コンジュゲートと、キナーゼ阻害剤とが組み合わせて使用される場合においても、優れた抗腫瘍効果として発揮される。
【0185】
2.抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体
本発明で使用される抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体は、いずれの種に由来してもよいが、好適には、ヒト、ラット、マウス、及びウサギに由来する抗体である。抗体がヒト以外の種に由来する場合は、周知の技術を用いて、キメラ化又はヒト化することが好ましい。本発明の抗体は、ポリクローナル抗体であっても、モノクローナル抗体であってもよいが、モノクローナル抗体が好ましい。
【0186】
本発明で使用される抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体は、好適にはがん細胞を標的にできる性質を有するものであり、がん細胞を認識できる特性、がん細胞に結合できる特性、がん細胞内に取り込まれて内在化する特性、及び/又はがん細胞に対する殺細胞活性等を備えているものが好ましい。
【0187】
抗体のがん細胞への結合性は、フローサイトメトリーを用いて確認できる。がん細胞内への抗体の取り込みは、(1)治療抗体に結合する二次抗体(蛍光標識)を用いて細胞内に取り込まれた抗体を蛍光顕微鏡で可視化するアッセイ(Cell Death and Differentiation (2008) 15, 751-761)、(2)治療抗体に結合する二次抗体(蛍光標識)を用いて細胞内に取り込まれた蛍光量を測定するアッセイ(Molecular Biology of the Cell Vol. 15, 5268-5282, December 2004)、又は(3)治療抗体に結合するイムノトキシンを用いて、細胞内に取り込まれると毒素が放出されて細胞増殖が抑制されるというMab-ZAPアッセイ(Bio Techniques 28:162-165, January 2000)を用いて確認できる。イムノトキシンとしては、ジフテリア毒素の触媒領域とプロテインGとのリコンビナント複合蛋白質も使用可能である。
【0188】
抗体の抗腫瘍活性は、in vitroでは、細胞の増殖の抑制活性を測定することで確認できる。例えば、抗体の標的蛋白質を過剰発現しているがん細胞株を培養し、培養系に種々の濃度で抗体を添加し、フォーカス形成、コロニー形成及びスフェロイド増殖に対する抑制活性を測定することができる。in vivoでは、例えば、標的蛋白質を高発現しているがん細胞株を移植したヌードマウスに抗体を投与し、がん細胞の変化を測定することによって、抗腫瘍活性を確認できる。
【0189】
抗体自体が抗腫瘍効果を有することは、好ましいが、抗体-薬物コンジュゲートは抗腫瘍効果を発揮する化合物を結合させてあるので、抗体自体の抗腫瘍効果は必須ではない。抗腫瘍性化合物の細胞障害性をがん細胞において特異的・選択的に発揮させる目的からは、抗体が内在化してがん細胞内に移行する性質のあることが重要であり、好ましい。
【0190】
本発明で使用される抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体は、公知の手段によって取得することができる。例えば、この分野で通常実施される方法を用いて、抗原となるポリペプチドを動物に免疫し、生体内に産生される抗体を採取、精製することによって得ることができる。抗原の由来はヒトに限定されず、マウス、ラット等のヒト以外の動物に由来する抗原を動物に免疫することもできる。この場合には、取得された異種抗原に結合する抗体とヒト抗原との交差性を試験することによって、ヒトの疾患に適用可能な抗体を選別できる。
【0191】
また、公知の方法(例えば、Kohler and Milstein, Nature (1975) 256, p.495-497;Kennet, R. ed., Monoclonal Antibodies, p.365-367, Plenum Press, N.Y.(1980))に従って、抗原に対する抗体を産生する抗体産生細胞とミエローマ細胞とを融合させることによってハイブリドーマを樹立し、モノクローナル抗体を得ることもできる。
【0192】
なお、抗原は抗原蛋白質をコードする遺伝子を遺伝子操作によって宿主細胞に産生させることによって得ることができる。具体的には、抗原遺伝子を発現可能なベクターを作製し、これを宿主細胞に導入して該遺伝子を発現させ、発現した抗原を精製すればよい。上記の遺伝子操作による抗原発現細胞、或は抗原を発現している細胞株、を動物に免疫する方法を用いることによっても抗体を取得できる。
【0193】
本発明で使用される抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体は、ヒトに対する異種抗原性を低下させること等を目的として人為的に改変した遺伝子組換え型抗体、例えば、キメラ(Chimeric)抗体、ヒト化(Humanized)抗体であることが好ましく、又はヒト由来の抗体の遺伝子配列のみを有する抗体、すなわちヒト抗体であることが好ましい。これらの抗体は、既知の方法を用いて製造することができる。
【0194】
キメラ抗体としては、抗体の可変領域と定常領域が互いに異種である抗体、例えばマウス又はラット由来抗体の可変領域をヒト由来の定常領域に接合したキメラ抗体を挙げることができる(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 81, 6851-6855,(1984))。
【0195】
ヒト化抗体としては、異種抗体の相補性決定領域(CDR;complementarity determining region)のみをヒト由来の抗体に組み込んだ抗体(Nature(1986) 321, p.522-525)、CDR移植法によって、異種抗体のCDRの配列に加えて、異種抗体の一部のフレームワークのアミノ酸残基もヒト抗体に移植した抗体(国際公開第90/07861号)、遺伝子変換突然変異誘発(gene conversion mutagenesis)ストラテジーを用いてヒト化した抗体(米国特許第5821337号)を挙げることができる。
【0196】
ヒト抗体としては、ヒト抗体の重鎖と軽鎖の遺伝子を含むヒト染色体断片を有するヒト抗体産生マウスを用いて作成した抗体(Tomizuka, K. et al., Nature Genetics(1997) 16, p.133-143;Kuroiwa, Y. et. al., Nucl. Acids Res.(1998) 26, p.3447-3448;Yoshida, H. et. al., Animal Cell Technology:Basic and Applied Aspects vol.10, p.69-73(Kitagawa, Y., Matsuda, T. and Iijima, S. eds.), Kluwer Academic Publishers, 1999;Tomizuka, K. et. al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA(2000) 97, p.722-727等を参照。)を挙げることができる。或いは、ヒト抗体ライブラリーより選別したファージディスプレイにより取得した抗体(Wormstone, I. M. et. al, Investigative Ophthalmology & Visual Science. (2002)43 (7), p.2301-2308;Carmen, S. et. al., Briefings in Functional Genomics and Proteomics(2002), 1(2), p.189-203;Siriwardena, D. et. al., Ophthalmology(2002) 109(3), p.427-431等参照。)も挙げることができる。
【0197】
本発明で使用される抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体には、抗体の修飾体も含まれる。当該修飾体とは、本発明に係る抗体に化学的又は生物学的な修飾が施されてなるものを意味する。化学的な修飾体には、アミノ酸骨格への化学部分の結合、N-結合又はO-結合炭水化物鎖への化学部分の結合を有する化学修飾体等が含まれる。生物学的な修飾体には、翻訳後修飾(例えば、N-結合又はO-結合型糖鎖の付加、N末端又はC末端のプロセッシング、脱アミド化、アスパラギン酸の異性化、メチオニンの酸化等)されたもの、原核生物宿主細胞を用いて発現させることによってN末端にメチオニン残基が付加されたもの等が含まれる。また、本発明に係る抗体又は抗原の検出又は単離を可能にするために標識されたもの、例えば、酵素標識体、蛍光標識体、アフィニティ標識体もかかる修飾体の意味に含まれる。この様な本発明に係る抗体の修飾体は、抗体の安定性及び血中滞留性の改善、抗原性の低減、抗体又は抗原の検出又は単離等に有用である。
【0198】
また、本発明に係る抗体に結合している糖鎖修飾を調節すること(グリコシル化、脱フコース化等)によって、抗体依存性細胞傷害活性を増強することが可能である。抗体の糖鎖修飾の調節技術としては、国際公開第99/54342号、国際公開第00/61739号、国際公開第02/31140号、国際公開第2007/133855号、国際公開第2013/120066号等が知られているが、これらに限定されるものではない。本発明に係る抗体には当該糖鎖修飾が調節された抗体も含まれる。
【0199】
なお、哺乳類培養細胞で生産される抗体では、その重鎖のカルボキシル末端のリシン残基が欠失することが知られており(Journal of Chromatography A, 705: 129-134(1995))、また、同じく重鎖カルボキシル末端のグリシン、リシンの2アミノ酸残基が欠失し、新たにカルボキシル末端に位置するプロリン残基がアミド化されることが知られている(Analytical Biochemistry, 360: 75-83(2007))。しかし、これらの重鎖配列の欠失及び修飾は、抗体の抗原結合能及びエフェクター機能(補体の活性化や抗体依存性細胞障害作用等)には影響を及ぼさない。したがって、本発明に係る抗体には、当該修飾を受けた抗体及び当該抗体の機能性断片も含まれ、重鎖カルボキシル末端において1又は2のアミノ酸が欠失した欠失体、及びアミド化された当該欠失体(例えば、カルボキシル末端部位のプロリン残基がアミド化された重鎖)等も包含される。但し、抗原結合能及びエフェクター機能が保たれている限り、本発明に係る抗体の重鎖のカルボキシル末端の欠失体は上記の種類に限定されない。本発明に係る抗体を構成する2本の重鎖は、完全長及び上記の欠失体からなる群から選択される重鎖のいずれか一種であってもよいし、いずれか二種を組み合わせたものであってもよい。各欠失体の量比は本発明に係る抗体を産生する哺乳類培養細胞の種類及び培養条件に影響を受け得るが、本発明に係る抗体は、好ましくは2本の重鎖の双方でカルボキシル末端のひとつのアミノ酸残基が欠失しているものを挙げることができる。
【0200】
本発明に係る抗体のアイソタイプとしては、例えばIgG(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)等を挙げることができるが、好ましくはIgG1又はIgG2を挙げることができる。
【0201】
本発明で使用される抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体は、特に制限はないが、例えば、抗HER2抗体、抗HER3抗体、抗TROP2抗体、抗B7-H3抗体、抗CDH6抗体、抗CD3抗体、抗CD30抗体、抗CD33抗体、抗CD37抗体、抗CD56抗体、抗CD98抗体、抗DR5抗体、抗EGFR抗体、抗EPHA2抗体、抗FGFR2抗体、抗FGFR4抗体、抗FOLR1抗体、抗VEGF抗体、抗CD20抗体、抗CD22抗体、抗CD70抗体、抗PSMA抗体、抗CEA抗体、抗Mesothelin抗体、抗A33抗体、抗CanAg抗体、抗Cripto抗体、抗G250抗体、抗MUC1抗体、抗GPNMB抗体、抗Integrin抗体、抗Tenascin-C抗体、及び抗SLC44A4抗体を挙げることができ、好適には、抗HER2抗体、抗HER3抗体、抗TROP2抗体、抗B7-H3抗体、及び抗CDH6抗体を挙げることができる。
【0202】
本発明において、「抗HER2抗体」とは、HER2(Human Epidermal Growth Factor Receptor Type 2; ErbB-2)に特異的に結合し、好ましくは、HER2と結合することによってHER2発現細胞に内在化する活性を有する抗体を示す。
【0203】
抗HER2抗体としては、例えば、トラスツズマブ(Trastuzumab)(米国特許第5821337号)、ペルツズマブ(Pertuzumab)(国際公開第01/00245号)を挙げることができ、好適にはトラスツズマブを挙げることができる。
【0204】
本発明において、「抗HER3抗体」とは、HER3(Human Epidermal Growth Factor Receptor Type 3; ErbB-3)に特異的に結合し、好ましくは、HER3と結合することによってHER3発現細胞に内在化する活性を有する抗体を示す。
【0205】
抗HER3抗体としては、例えば、パトリツマブ(Patritumab; U3-1287)、U1-59(国際公開第2007/077028号)、MM-121(Seribantumab)、国際公開2008/100624号記載の抗ERBB3抗体、RG-7116(Lumretuzumab)、及びLJM-716(Elgemtumab)を挙げることができ、好適には、パトリツマブ、及びU1-59を挙げることができる。
【0206】
本発明において、「抗TROP2抗体」とは、TROP2(TACSTD2:Tumor-associated calcium signal transducer 2; EGP-1)に特異的に結合し、好ましくは、TROP2と結合することによってTROP2発現細胞に内在化する活性を有する抗体を示す。
【0207】
抗TROP2抗体としては、例えば、hTINA1-H1L1(国際公開第2015/098099号)を挙げることができる。
【0208】
本発明において、「抗B7-H3抗体」とは、B7-H3(B cell antigen #7 homolog 3; PD-L3; CD276)に特異的に結合し、好ましくは、B7-H3と結合することによってB7-H3発現細胞に内在化する活性を有する抗体を示す。
【0209】
抗B7-H3抗体としては、例えば、M30-H1-L4(国際公開第2014/057687号)を挙げることができる。
【0210】
本発明において、「抗CDH6抗体」とは、CDH6(Cadherin-6)に特異的に結合し、好ましくは、CDH6と結合することによってCDH6発現細胞に内在化する活性を有する抗体を示す。
【0211】
抗CDH6抗体としては、例えば、H01L02(国際公開第2018/212136号)を挙げることができる。
【0212】
3.抗体-薬物コンジュゲートの製造
本発明に係る抗体-薬物コンジュゲートの製造に使用される薬物リンカー中間体は、次式で示される。
【0213】
【0214】
上記の薬物リンカー中間体は、N-[6-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ヘキサノイル]グリシルグリシル-L-フェニルアラニル-N-[(2-{[(1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル]アミノ}-2-オキソエトキシ)メチル]グリシンアミド、という化学名で表すことができ、国際公開第2014/057687号、国際公開第2015/098099号、国際公開第2015/115091号、国際公開第2015/155998号、及び国際公開第2019/044947号等の記載を参考に製造することができる。
【0215】
本発明で使用される抗体-薬物コンジュゲートは、前述の薬物リンカー中間体と、チオール基(又はスルフヒドリル基とも言う)を有する抗体を反応させることによって製造することができる。
【0216】
スルフヒドリル基を有する抗体は、当業者周知の方法で得ることができる(Hermanson, G. T, Bioconjugate Techniques, pp.56-136, pp.456-493, Academic Press(1996))。例えば、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(TCEP)等の還元剤を、抗体内鎖間ジスルフィド1個当たりに対して0.3乃至3モル当量用い、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)等のキレート剤を含む緩衝液中で、抗体と反応させることで、抗体内鎖間ジスルフィドが部分的若しくは完全に還元されたスルフヒドリル基を有する抗体を得ることができる。
【0217】
さらに、スルフヒドリル基を有する抗体1個あたり、2乃至20モル当量の薬物リンカー中間体を使用して、抗体1個当たり2個乃至8個の薬物が結合した抗体―薬物コンジュゲートを製造することができる。
【0218】
製造した抗体-薬物コンジュゲートの抗体一分子あたりの平均薬物結合数の算出は、例えば、280nm及び370nmの二波長における抗体-薬物コンジュゲートとそのコンジュゲーション前駆体のUV吸光度を測定することにより算出する方法(UV法)や、抗体-薬物コンジュゲートを還元剤で処理し得られた各フラグメントをHPLC測定により定量し算出する方法(HPLC法)により行うことができる。
【0219】
抗体と薬物リンカー中間体のコンジュゲーション、及び抗体-薬物コンジュゲートの抗体一分子あたりの平均薬物結合数の算出は、国際公開第2014/057687号、国際公開第2015/098099号、国際公開第2015/115091号、国際公開第2015/155998号、国際公開第2017/002776号、及び国際公開第2018/212136号等の記載を参考に実施することができる。
【0220】
本発明において、「抗HER2抗体-薬物コンジュゲート」とは、本発明に係る抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が抗HER2抗体である抗体-薬物コンジュゲートを示す。
【0221】
抗HER2抗体は、好適には、配列番号1においてアミノ酸番号26乃至33に記載のアミノ酸配列からなるCDRH1、配列番号1においてアミノ酸番号51乃至58に記載のアミノ酸配列からなるCDRH2、及び配列番号1においてアミノ酸番号97乃至109に記載のアミノ酸配列からなるCDRH3を含む重鎖、並びに、配列番号2においてアミノ酸番号27乃至32に記載のアミノ酸配列からなるCDRL1、配列番号2においてアミノ酸番号50乃至52に記載のアミノ酸配列からなるCDRL2、及び配列番号2においてアミノ酸番号89乃至97に記載のアミノ酸配列からなるCDRL3を含む軽鎖、を含んでなる抗体であり、
より好適には、配列番号1においてアミノ酸番号1乃至120に記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域を含む重鎖、及び配列番号2においてアミノ酸番号1乃至107に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域を含む軽鎖、を含んでなる抗体であり、
更により好適には、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体、又は、配列番号1においてアミノ酸番号1乃至449に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号2においてアミノ酸番号1乃至214に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体である。
【0222】
抗HER2抗体-薬物コンジュゲートの1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数は、好適には2から8であり、より好適には3から8であり、更により好適には7から8であり、更により好適には7.5から8であり、更により好適には約8である。
【0223】
抗HER2抗体-薬物コンジュゲートは、国際公開第2015/115091号等の記載を参考に製造することができる。
【0224】
本発明において、「抗HER3抗体-薬物コンジュゲート」とは、本発明に係る抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が抗HER3抗体である抗体-薬物コンジュゲートを示す。
【0225】
抗HER3抗体は、好適には、配列番号3においてアミノ酸番号26乃至35に記載のアミノ酸配列からなるCDRH1、配列番号3においてアミノ酸番号50乃至65に記載のアミノ酸配列からなるCDRH2、及び配列番号3においてアミノ酸番号98乃至106に記載のアミノ酸配列からなるCDRH3を含む重鎖、並びに、配列番号4においてアミノ酸番号24乃至39に記載のアミノ酸配列からなるCDRL1、配列番号4においてアミノ酸番号56乃至62に記載のアミノ酸配列からなるCDRL2、及び配列番号4においてアミノ酸番号95乃至103に記載のアミノ酸配列からなるCDRL3を含む軽鎖、を含む抗体であり、
より好適には、配列番号3においてアミノ酸番号1乃至117に記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域を含む重鎖、及び配列番号4においてアミノ酸番号1乃至113に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域を含む軽鎖、を含む抗体であり、
更により好適には、配列番号3に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号4に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体、又は、該抗体の重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している抗体である。
【0226】
抗HER3抗体-薬物コンジュゲートの1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数は、好適には2から8であり、より好適には3から8であり、更により好適には7から8であり、更により好適には7.5から8であり、更により好適には約8である。
【0227】
抗HER3抗体-薬物コンジュゲートは、国際公開第2015/155998号等の記載を参考に製造することができる。
【0228】
本発明において、「抗TROP2抗体-薬物コンジュゲート」とは、本発明に係る抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が抗TROP2抗体である抗体-薬物コンジュゲートを示す。
【0229】
抗TROP2抗体は、好適には、配列番号5においてアミノ酸番号50乃至54に記載のアミノ酸配列からなるCDRH1、配列番号5においてアミノ酸番号69乃至85に記載のアミノ酸配列からなるCDRH2、及び配列番号5においてアミノ酸番号118乃至129に記載のアミノ酸配列からなるCDRH3を含む重鎖、並びに、配列番号6においてアミノ酸番号44乃至54に記載のアミノ酸配列からなるCDRL1、配列番号6においてアミノ酸番号70乃至76に記載のアミノ酸配列からなるCDRL2、及び配列番号6においてアミノ酸番号109乃至117に記載のアミノ酸配列からなるCDRL3を含む軽鎖、を含む抗体であり、
より好適には、配列番号5においてアミノ酸番号20乃至140に記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域を含む重鎖、及び配列番号6においてアミノ酸番号21乃至129に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域を含む軽鎖、を含む抗体であり、
更により好適には、配列番号5においてアミノ酸番号20乃至470に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号6においてアミノ酸番号21乃至234に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体、又は、該抗体の重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している抗体である。
【0230】
抗TROP2抗体-薬物コンジュゲートの1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数は、好適には2から8であり、より好適には3から5であり、更により好適には3.5から4.5であり、更により好適には約4である。
【0231】
抗TROP2抗体-薬物コンジュゲートは、国際公開第2015/098099号、及び国際公開第2017/002776号等の記載を参考に製造することができる。
【0232】
本発明において、「抗B7-H3抗体-薬物コンジュゲート」とは、本発明に係る抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が抗B7-H3抗体である抗体-薬物コンジュゲートを示す。
【0233】
抗B7-H3抗体は、好適には、配列番号7においてアミノ酸番号50乃至54に記載のアミノ酸配列からなるCDRH1、配列番号7においてアミノ酸番号69乃至85に記載のアミノ酸配列からなるCDRH2、及び配列番号7においてアミノ酸番号118乃至130に記載のアミノ酸配列からなるCDRH3を含む重鎖、並びに、配列番号8においてアミノ酸番号44乃至53に記載のアミノ酸配列からなるCDRL1、配列番号8においてアミノ酸番号69乃至75に記載のアミノ酸配列からなるCDRL2、及び配列番号8においてアミノ酸番号108乃至116に記載のアミノ酸配列からなるCDRL3を含む軽鎖、を含む抗体であり、
より好適には、配列番号7においてアミノ酸番号20乃至141に記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域を含む重鎖、及び配列番号8においてアミノ酸番号21乃至128に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域を含む軽鎖、を含む抗体であり、
更により好適には、配列番号7においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号8においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体、又は、該抗体の重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している抗体である。
【0234】
抗B7-H3抗体-薬物コンジュゲートの1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数は、好適には2から8であり、より好適には3から5であり、更により好適には3.5から4.5であり、更により好適には約4である。
【0235】
本発明において使用される抗B7-H3抗体-薬物コンジュゲートは、国際公開第2014/057687号、及び国際公開第2017/002776号等の記載を参考に製造することができる。
【0236】
本発明において、「抗CDH6抗体-薬物コンジュゲート」とは、抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が抗CDH6抗体である抗体-薬物コンジュゲートを示す。
【0237】
抗CDH6抗体は、好適には、配列番号9においてアミノ酸番号45乃至54に記載のアミノ酸配列からなるCDRH1、配列番号9においてアミノ酸番号69乃至78に記載のアミノ酸配列からなるCDRH2、及び配列番号9においてアミノ酸番号118乃至130に記載のアミノ酸配列からなるCDRH3を含む重鎖、並びに、配列番号10においてアミノ酸番号44乃至54に記載のアミノ酸配列からなるCDRL1、配列番号10においてアミノ酸番号70乃至76に記載のアミノ酸配列からなるCDRL2、及び配列番号10においてアミノ酸番号109乃至116に記載のアミノ酸配列からなるCDRL3を含む軽鎖、を含む抗体であり、
より好適には、配列番号9においてアミノ酸番号20乃至141に記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域を含む重鎖、及び配列番号10においてアミノ酸番号21乃至128に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域を含む軽鎖、を含む抗体であり、
更により好適には、配列番号9においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号10においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体、又は、該抗体の重鎖カルボキシル末端のリシン残基が欠失している抗体である。
【0238】
本発明において使用される抗CDH6抗体-薬物コンジュゲートの1抗体あたりの薬物リンカーの平均結合数は、好適には2から8であり、より好適には3から8であり、更により好適には7から8であり、更により好適には7.5から8であり、更により好適には約8である。
【0239】
本発明において使用される抗CDH6抗体-薬物コンジュゲートは、国際公開第2018/212136号等の記載を参考に製造することができる。
【0240】
4.キナーゼ阻害剤
本発明において「キナーゼ阻害剤」とは、がん細胞の増殖や腫瘍血管新生に関係しているキナーゼを阻害する薬剤を示す。本発明におけるキナーゼ阻害剤としては、CDK4/6阻害剤、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、AKT阻害剤、ERK阻害剤、MEK阻害剤、RAF阻害剤、CDK1阻害剤、CDK2阻害剤、CHK1阻害剤、WEE1阻害剤、PLK1阻害剤、オーロラキナーゼ阻害剤、Bcr-Abl阻害剤、Src阻害剤、EPH阻害剤、VEGFR阻害剤、KIT阻害剤、RET阻害剤、PDGFR阻害剤、FGFR阻害剤、BTK阻害剤、FLT3阻害剤、ALK阻害剤、JAK阻害剤、MET阻害剤、CSF-1R阻害剤、NTRK阻害剤、EGFR阻害剤、及びHER2阻害剤からなる群より選択される少なくとも一つを挙げることができる。
【0241】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤の「薬理上許容される塩」は、酸付加塩と塩基付加塩のどちらであってもよい。酸付加塩としては、例えば、カンシル酸塩(カンファースルホン酸塩)、メシル酸塩(メタンスルホン酸塩)、トリフルオロメタンスルホン酸塩、及びエタンスルホン酸塩等の低級アルカンスルホン酸塩;トシル酸塩(p-トルエンスルホン酸塩)、及びベンゼンスルホン酸塩等のアリールスルホン酸塩;リン酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、及び硫酸塩等の無機酸塩;塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、及びフッ化水素酸塩等のハロゲン化水素酸塩;酢酸塩、リンゴ酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、蓚酸塩、及びマレイン酸塩等の有機酸塩;並びにオルニチン酸塩、グルタミン酸塩、及びアスパラギン酸塩等のアミノ酸塩を挙げることができる。塩基付加塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩等の無機塩;ジベンジルアミン塩、モルホリン塩、フェニルグリシンアルキルエステル塩、エチレンジアミン塩、N-メチルグルカミン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、シクロヘキシルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン塩、ジエタノールアミン塩、N-ベンジル-N-(2-フェニルエトキシ)アミン塩、ピペラジン塩、テトラメチルアンモニウム塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩等の有機アミン塩;アルギニン塩等のアミノ酸塩を挙げることができる。
【0242】
また、本発明で使用されるキナーゼ阻害剤及びその薬理上許容される塩は、溶媒和物として存在することもあり、これらの溶媒和物も本発明で使用されるキナーゼ阻害剤及びその薬理上許容される塩に含まれる。
【0243】
本発明において「CDK4/6阻害剤」とは、サイクリン依存性キナーゼ4(Cyclin Dependent Kinase 4;CDK4)を阻害し、且つサイクリン依存性キナーゼ6(Cyclin Dependent Kinase 6;CDK6)を阻害する薬剤を示す。本発明におけるCDK4/6阻害剤は、CDK4/6以外のキナーゼを阻害する作用を有していても良い。本発明におけるCDK4/6阻害剤は、上記の性質を有する薬剤であれば特に制限はされないが、好適には、アベマシクリブ(Abemaciclib)(米国特許第7855211号)、パルボシクリブ(Palbociclib)(米国特許第6936612号)、リボシクリブ(Ribociclib)(米国特許第9193732号)、トリラシクリブ(Trilaciclib)(国際公開第2012/061156号)、G1T38(Oncotarget 2017, 8(26): 42343-42358)、PF-06873600(国際公開第2018/033815号)、TP-1287(国際公開第2016/187316号)、FN-1501(J Med Chem 2018, 61(4): 1499-1518)、及びKRX-0601(国際公開第1989/007105号)、並びにそれらの薬理上許容される塩を挙げることができる。
【0244】
なお、PF-06873600、及びFN-1501、並びにその薬理上許容される塩は、CDK2阻害剤としても知られている。また、TP-1287及びその薬理上許容される塩は、CDK1阻害剤、及びCDK2阻害剤としても知られている。また、KRX-0601及びその薬理上許容される塩は、PI3K阻害剤、CDK1阻害剤、CDK2阻害剤、及びCHK1阻害剤としても知られている。
【0245】
本発明において「mTOR阻害剤」とは、セリン・スレオニンキナーゼの一種であるmTOR(Mammalian target of Rapamycin)を阻害する薬剤を示す。本発明におけるmTOR阻害剤は、mTOR以外のキナーゼを阻害する作用を有していても良い。本発明におけるmTOR阻害剤は、上記の性質を有する薬剤であれば特に制限はされないが、好適には、エベロリムス(Everolimus)(米国特許第5665772号)、シロリムス(Sirolimus)(米国特許第5989591号)、テムシロリムス(Temsirolimus)(米国特許第5362718号)、TAK-228(Cancer Chemother Pharmacol 2017, 80(2): 261 -273)、CC-223(J Med Chem 2015, 58(13): 5323-5333)、AZD8055(Cancer Res 2010, 70(1): 288-98)、ダクトリシブ(Dactolisib)(Invest New Drugs 2015, 33(2): 463-71)、アピトリシブ(Apitolisib)(国際公開第2008/070740号)、ジェダトリシブ(Gedatolisib)(国際公開第2009/143313号)、LY3023414(Mol Cancer Ther 2016, 15(10): 2344-2356)、PF-04691502(Mol Cancer Ther 2011, 10(11): 2189-99)、NVP-BGT226(Ann Oncol 2012, 23(9): 2399-408)、及びPQR309(J Med Chem 2017, 60(17): 7524-7538)、並びにそれらの薬理上許容される塩を挙げることができる。
【0246】
なお、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、及びPQR309、並びにそれらの薬理上許容される塩は、PI3K阻害剤としても知られている。
【0247】
本発明において「PI3K阻害剤」とは、イノシトールリン脂質のイノシトール環3位のヒドロキシル基のリン酸化を行う酵素であるPI3K(Phosphoinositide 3-kinase)を阻害する薬剤を示す。本発明におけるPI3K阻害剤は、PI3K以外のキナーゼを阻害する作用を有していても良い。本発明におけるPI3K阻害剤は、上記の性質を有する薬剤であれば特に制限はされないが、好適には、タセリシブ(Taselisib)(国際公開第2014/140073号)、アルペリシブ(Alpelisib)(国際公開第2010/029082号)、TAK-117(Org Process Res Dev 2017, 21(4): 669-673)、GSK2636771(Clin Cancer Res 2017, 23(19): 5981-92)、AZD8186(J Med Chem 2015, 58(2): 943-962)、IPI-549(ACS Med Chem Lett 2016, 7(9): 862-867)、イデラリシブ(Idelalisib)(米国特許第9469643号)、デュベリシブ(Duvelisib)(米国特許第8193182号)、AMG319(J Med Chem 2015, 58(1): 480-511)、ブパルリシブ(Buparlisib)(国際公開第2007/084786号)、ピクチリシブ(Pictilisib)(国際公開第2007/129161号)、ピララリシブ(Pilaralisib)(国際公開第2007/044729号)、コパンリシブ(Copanlisib)(米国特許第7511041号)、ソノリシブ(Sonolisib)(国際公開第2003/024183号)、CH5132799(Bioorg Med Chem Lett 2011, 21(6): 1767-1772)、ZSTK474(J Natl Cancer Inst 2006, 98(8): 545-56)、GDC-0077(国際公開第2017/001645号)、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、PQR309、KRX-0601、及びリゴセルチブ(Rigosertib)(国際公開第2006/010152号)、並びにそれらの薬理上許容される塩を挙げることができる。
【0248】
なお、リゴセルチブ及びその薬理上許容される塩は、CDK1阻害剤、及びPLK1阻害剤としても知られている。
【0249】
コパンリシブの薬理上許容される塩は、好適には、塩酸塩(Copanlisib Hydrochloride)である。リゴセルチブの薬理上許容される塩は、好適には、ナトリウム塩(Rigosertib Sodium)である。
【0250】
本発明において「AKT阻害剤」とは、セリン・スレオニンキナーゼであるAKT(Protein Kinase Bとも呼ばれる)を阻害する薬剤を示す。本発明におけるAKT阻害剤は、AKT以外のキナーゼを阻害する作用を有していても良い。本発明におけるAKT阻害剤は、上記の性質を有する薬剤であれば特に制限はされないが、好適には、イパタセルチブ(Ipatasertib)(国際公開第2008/006040号)、ユプロセルチブ(Uprosertib)(国際公開第2008/098104号)、MK-2206(Mol Cancer Ther 2010, 9(7): 1956-67)、BAY1125976(Int J Cancer 2017, 140(2): 449-454)、AZD5363(Mol Cancer Ther 2012, 11(4): 873-87)、及びTAS-117(Cancer Res 2014, 74(16): 4458-69)、並びにそれらの薬理上許容される塩を挙げることができる。
【0251】
イパタセルチブの薬理上許容される塩は、好適には、塩酸塩(Ipatasertib Hydrochloride)である。
【0252】
本発明において「ERK阻害剤」とは、細胞外シグナル制御キナーゼ(Extracellular signal-regulated kinase;ERK)を阻害する薬剤を示す。本発明におけるERK阻害剤は、ERK以外のキナーゼを阻害する作用を有していても良い。本発明におけるERK阻害剤は、上記の性質を有する薬剤であれば特に制限はされないが、好適には、ONC201(Oncotarget 2014, 5(24): 12728-37)、BVD-523(Mol Cancer Ther 2017, 16(11): 2351-2363)、CC-90003(国際公開第2014/124230号)、GDC-0994(J Med Chem 2016, 59(12): 5650-5660)、LY3214996(国際公開第2016/106029号)、及びMK-8353(ACS Med Chem Lett 2018, 9(7): 761-767)、並びにそれらの薬理上許容される塩を挙げることができる。
【0253】
本発明において「MEK阻害剤」とは、分裂促進因子活性化細胞外シグナル制御キナーゼ(Mitogen-activated extracellular signal-regulated kinase;MEK)を阻害する薬剤を示す。本発明におけるMEK阻害剤は、MEK以外のキナーゼを阻害する作用を有していても良い。本発明におけるMEK阻害剤は、上記の性質を有する薬剤であれば特に制限はされないが、好適には、トラメチニブ(Trametinib)(米国特許第7378423号)、ビニメチニブ(Binimetinib)(米国特許第7777050号)、セルメチニブ(Selumetinib)(国際公開第2005/023251号)、レファメチニブ(Refametinib)(国際公開第2007/014011号)、ピマセルチブ(Pimasertib)(国際公開第2006/045514号)、コビメチニブ(Cobimetinib)(米国特許第7803839号)、E6201(J Pharmacol Exp Ther 2009, 331(2): 485-95)、PD-0325901(Clin Cancer Res 2010, 16(8): 2450-7)、RO5126766(ACS Med Chem Lett 2014, 5(4): 309-14)、及びGDC-0623(Bioorg Med Chem Lett 2014, 24(19): 4714-4723)、並びにそれらの薬理上許容される塩を挙げることができる。
【0254】
トラメチニブは、好適には、ジメチルスルホキシド付加物(Trametinib Dimethyl sulfoxide)である。
【0255】
本発明において「RAF阻害剤」とは、RAF(好適にはBRAF)のキナーゼ活性を阻害する薬剤を示す。本発明におけるRAF阻害剤は、RAF以外のキナーゼを阻害する作用を有していても良い。本発明におけるRAF阻害剤は、上記の性質を有する薬剤であれば特に制限はされないが、好適には、レゴラフェニブ(Regorafenib)(米国特許第7351834号)、ソラフェニブ(Sorafenib)(米国特許第7235576号)、ベムラフェニブ(Vemurafenib)(米国特許第7504509号)、ダブラフェニブ(Dabrafenib)(米国特許第7994185号)、エンコラフェニブ(Encorafenib)(米国特許第8501758号)、RAF265(ACS Med Chem Lett 2015, 6(9): 961-5)、GDC-5573(国際公開第2013/100632号)、LY3009120(J Med Chem 2015, 58(10): 4165-4179)、及びRO5126766並びにそれらの薬理上許容される塩を挙げることができる。
【0256】
なお、レゴラフェニブ及びその薬理上許容される塩は、VEGFR阻害剤、KIT阻害剤、RET阻害剤、PDGFR阻害剤、及びFGFR阻害剤としても知られている。また、ソラフェニブ及びその薬理上許容される塩は、VEGFR阻害剤、KIT阻害剤、RET阻害剤、PDGFR阻害剤、FGFR阻害剤、及びFLT3阻害剤としても知られている。
【0257】
レゴラフェニブは、好適には、水和物(Regorafenib Hydrate)である。ソラフェニブの薬理上許容される塩は、好適には、トシル酸塩(Sorafenib Tosilate)である。ダブラフェニブの薬理上許容される塩は、好適には、メシル酸塩(Dabrafenib Mesilate)である。
【0258】
本発明において「CDK1阻害剤」とは、サイクリン依存性キナーゼ1(Cyclin Dependent Kinase 1;CDK1)を阻害する薬剤を示す。本発明におけるCDK1阻害剤は、CDK1以外のキナーゼを阻害する作用を有していても良い。本発明におけるCDK1阻害剤は、上記の性質を有する薬剤であれば特に制限はされないが、好適には、ディナシクリブ(Dinaciclib)(国際公開第2005/077954号)、ミルシクリブ(Milciclib)(J Med Chem 2009, 52(16): 5152-63)、セリシクリブ(Seliciclib)(国際公開第1997/020842号)、アルボシジブ(Alvocidib)(国際公開第2001/053293号)、ロニシクリブ(Roniciclib)(国際公開第2005/037800号)、ボルシクリブ(Voruciclib)(国際公開第2007/148158号)、AT7519(J Med Chem 2008, 51(16): 4986-4999)、TP-1287、PHA-793887(Bioorg Chem 2010, 18(5): 1844-53)、KRX-0601、及びリゴセルチブ、並びにそれらの薬理上許容される塩を挙げることができる。
【0259】
なお、ディナシクリブ、セリシクリブ、アルボシジブ、ボルシクリブ、AT7519、及びPHA-793887、並びにその薬理上許容される塩は、CDK2阻害剤としても知られている。また、ミルシクリブ及びその薬理上許容される塩は、CDK2阻害剤、及びWEE1阻害剤としても知られている。また、ロニシクリブ及びその薬理上許容される塩は、CDK2阻害剤、及びオーロラキナーゼ阻害剤としても知られている。
【0260】
本発明において「CDK2阻害剤」とは、サイクリン依存性キナーゼ2(Cyclin Dependent Kinase 2;CDK2)を阻害する薬剤を示す。本発明におけるCDK2阻害剤は、CDK2以外のキナーゼを阻害する作用を有していても良い。本発明におけるCDK2阻害剤は、上記の性質を有する薬剤であれば特に制限はされないが、好適には、CYC-065、PF-06873600、FN-1501、KRX-0601、ディナシクリブ、セリシクリブ、アルボシジブ、ボルシクリブ、AT7519、PHA-793887、及びロニシクリブ、並びにそれらの薬理上許容される塩を挙げることができる。
【0261】
本発明において「CHK1阻害剤」とは、チェックポイントキナーゼ1(Checkpoint Kinase 1;CHK1)を阻害する薬剤を示す。本発明におけるCHK1阻害剤は、CHK1以外のキナーゼを阻害する作用を有していても良い。本発明におけるCHK1阻害剤は、上記の性質を有する薬剤であれば特に制限はされないが、好適には、MK-8776(Bioorg Med Chem Lett 2011, 21(1): 471-4)、LY2606368(Mol Cancer Ther 2015, 14(9): 2004-13)、LY2603618(Invest New Drugs 2013, 31(1): 136-44)、CBP501(Mol Cancer Ther 2007, 6(1): 147-53)、GDC-0425(Org Process Res Dev 2015, 19(6): 661-672)、CCT245737(Oncotarget 2016, 7(3): 2329-42)、及びKRX-0601、並びにそれらの薬理上許容される塩を挙げることができる。
【0262】
本発明において「WEE1阻害剤」とは、Wee1様プロテインキナーゼ(Wee1-like protein kinase)を阻害する薬剤を示す。本発明におけるWEE1阻害剤は、WEE1以外のキナーゼを阻害する作用を有していても良い。本発明におけるWEE1阻害剤は、上記の性質を有する薬剤であれば特に制限はされないが、好適には、ミルシクリブ、及びMK-1775(Mol Cancer Ther 2009, 8(11): 2992-3000)、並びにその薬理上許容される塩を挙げることができる。
【0263】
本発明において「PLK1阻害剤」とは、Polo様キナーゼ1(Polo-like kinase 1;PLK1)を阻害する薬剤を示す。本発明におけるPLK1阻害剤は、PLK1以外のキナーゼを阻害する作用を有していても良い。本発明におけるPLK1阻害剤は、上記の性質を有する薬剤であれば特に制限はされないが、好適には、リゴセルチブ、及びボラセルチブ(Volasertib)(国際公開第2012/049153号)、並びにそれらの薬理上許容される塩を挙げることができる。
【0264】
本発明において「オーロラキナーゼ阻害剤」とは、オーロラキナーゼ(Aurora kinase)を阻害する薬剤を示す。本発明におけるオーロラキナーゼ阻害剤は、オーロラキナーゼ以外のキナーゼを阻害する作用を有していても良い。本発明におけるオーロラキナーゼ阻害剤は、上記の性質を有する薬剤であれば特に制限はされないが、好適には、アリセルチブ(Alisertib)(国際公開第2005/111039号)、イロラセルチブ(Ilorasertib)(国際公開第2010/065825号)、ENMD-2076(Clin Cancer Res 2011, 17(4): 849-60)、AMG900(Cancer Res 2010, 70(23): 9846-54)、及びロニシクリブ、並びにそれらの薬理上許容される塩を挙げることができる。
【0265】
なお、イロラセルチブ及びその薬理上許容される塩は、VEGFR阻害剤、KIT阻害剤、PDGFR阻害剤、FLT3阻害剤、及びCSF-1R阻害剤としても知られている。また、ENMD-2076は、VEGFR阻害剤、及びFLT3阻害剤としても知られている。
【0266】
本発明において「Bcr-Abl阻害剤」とは、チロシンキナーゼであるBcr-Ablを阻害する薬剤を示す。本発明におけるBcr-Abl阻害剤は、Bcr-Abl以外のキナーゼを阻害する作用を有していても良い。本発明におけるBcr-Abl阻害剤は、上記の性質を有する薬剤であれば特に制限はされないが、好適には、イマチニブ(Imatinib)(米国特許第6894051号)、ダサチニブ(Dasatinib)(米国特許第6596746号)、ボスチニブ(Bosutinib)(米国特許第6002008号)、ニロチニブ(Nilotinib)(米国特許第7169791号)、及びポナチニブ(Ponatinib)(米国特許第8114874号)、並びにそれらの薬理上許容される塩を挙げることができる。
【0267】
なお、イマチニブ、及びニロチニブ、並びにその薬理上許容される塩は、KIT阻害剤、及びPDGFR阻害剤としても知られている。また、ダサチニブ及びその薬理上許容される塩は、Src阻害剤、KIT阻害剤、及びPDGFR阻害剤としても知られている。また、ボスチニブ及びその薬理上許容される塩は、Src阻害剤としても知られている。また、ポナチニブ及びその薬理上許容される塩は、EPH阻害剤、VEGFR阻害剤、KIT阻害剤、RET阻害剤、PDGFR阻害剤、FGFR阻害剤、及びFLT3阻害剤としても知られている。
【0268】
イマチニブの薬理上許容される塩は、好適には、メシル酸塩(Imatinib Mesilate)である。ダサチニブは、好適には、水和物(Dasatinib Hydrate)である。ボスチニブは、好適には、水和物(Bosutinib Hydrate)である。ニロチニブの薬理上許容される塩は、好適には、塩酸塩・水和物(Nilotinib Hydrochloride Hydrate)である。ポナチニブの薬理上許容される塩は、好適には、塩酸塩(Ponatinib Hydrochloride)である。
【0269】
本発明において「Src阻害剤」とは、がん原遺伝子チロシンプロテインキナーゼであるSrcを阻害する薬剤を示す。本発明におけるSrc阻害剤は、上記の性質を有する薬剤であれば特に制限はされないが、好適には、ダサチニブ、及びボスチニブ、並びにそれらの薬理上許容される塩を挙げることができる。
【0270】
本発明において「EPH阻害剤」とは、エリスロポエチン産生肝細胞受容体(Erythropoietin-producing hepatocellular receptor;EPH)のチロシンキナーゼを阻害する薬剤を示す。本発明におけるEPH阻害剤は、上記の性質を有する薬剤であれば特に制限はされないが、好適には、ダサチニブ、及びポナチニブ、並びにそれらの薬理上許容される塩を挙げることができる。
【0271】
本発明において「VEGFR阻害剤」とは、血管内皮増殖因子受容体(Vascular Endothelial Growth Factor Receptor; VEGFR)のチロシンキナーゼを阻害する薬剤を示す。本発明におけるVEGFR阻害剤は、VEGFRチロシンキナーゼ以外のキナーゼを阻害する作用を有していても良い。本発明におけるVEGFR阻害剤は、上記の性質を有する薬剤であれば特に制限はされないが、好適には、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、バンデタニブ(Vandetanib)(米国特許第7173038号)、スニチニブ(Sunitinib)(米国特許第6573293号)、アキシチニブ(Axitinib)(米国特許第6534524号)、パゾパニブ(Pazopanib)(米国特許第7105530号)、レンバチニブ(Lenvatinib)(米国特許第7253286号)、ニンテダニブ(Nintedanib)(以下、「BIBF1120」とも言う)(米国特許第6762180号)、カボザンチニブ(Cabozantinib)(米国特許第7579473号)、チボザニブ(Tivozanib)(国際公開第2002/088110号)、ブリバニブ(Brivanib)(国際公開第2004/009784号)、リニファニブ(Linifanib)(国際公開第2014/022975号)、ルシタニブ(Lucitanib)(国際公開第2008/112408号)、イロラセルチブ、及びENMD-2076、並びにそれらの薬理上許容される塩を挙げることができる。
【0272】
なお、バンデタニブ及びその薬理上許容される塩は、RET阻害剤としても知られている。また、スニチニブ及びその薬理上許容される塩は、KIT阻害剤、RET阻害剤、PDGFR阻害剤、FLT3阻害剤、及びCSF-1R阻害剤としても知られている。また、アキシチニブ及びその薬理上許容される塩は、PDGFR阻害剤、FGFR阻害剤、及びCSF-1R阻害剤としても知られている。また、パゾパニブ及びその薬理上許容される塩は、KIT阻害剤、PDGFR阻害剤、及びFGFR阻害剤としても知られている。また、レンバチニブ及びその薬理上許容される塩は、KIT阻害剤、RET阻害剤、PDGFR阻害剤、及びFGFR阻害剤としても知られている。また、ニンテダニブ及びその薬理上許容される塩は、PDGFR阻害剤、及びFGFR阻害剤としても知られている。
【0273】
スニチニブの薬理上許容される塩は、好適には、リンゴ酸塩(Sunitinib Malate)である。パゾパニブの薬理上許容される塩は、好適には、塩酸塩(Pazopanib Hydrochloride)である。レンバチニブの薬理上許容される塩は、好適には、メシル酸塩(Lenvatinib Mesilate)である。ニンテダニブの薬理上許容される塩は、好適には、エタンスルホン酸塩(Nintedanib Ethanesulfonate)である。カボザンチニブの薬理上許容される塩は、好適には、リンゴ酸塩(Cabozantinib Malate)である。チボザニブの薬理上許容される塩は、好適には、塩酸塩・水和物(Tivozanib Hydrochloride Hydrate)である。
【0274】
本発明において「KIT阻害剤」とは、サイトカイン受容体であるKIT(c-kit、又はCD117とも言う)のチロシンキナーゼを阻害する薬剤を示す。本発明におけるKIT阻害剤は、KITチロシンキナーゼ以外のキナーゼを阻害する作用を有していても良い。本発明におけるKIT阻害剤は、上記の性質を有する薬剤であれば特に制限はされないが、好適には、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、イマチニブ、イロラセルチブ、スニチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、及びダサチニブ、並びにそれらの薬理上許容される塩を挙げることができる。
【0275】
本発明において「RET阻害剤」とは、RET(Rearranged during transfenction)チロシンキナーゼを阻害する薬剤を示す。本発明におけるRET阻害剤は、RETチロシンキナーゼ以外のキナーゼを阻害する作用を有していても良い。本発明におけるRET阻害剤は、上記の性質を有する薬剤であれば特に制限はされないが、好適には、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、バンデタニブ、レンバチニブ、及びスニチニブ、並びにそれらの薬理上許容される塩を挙げることができる。
【0276】
本発明において「PDGFR阻害剤」とは、血小板由来成長因子受容体(Platelet-derived growth factor receptor;PDGFR)のチロシンキナーゼを阻害する薬剤を示す。本発明におけるPDGFR阻害剤は、PDGFRチロシンキナーゼ以外のキナーゼを阻害する作用を有していても良い。本発明におけるPDGFR阻害剤は、上記の性質を有する薬剤であれば特に制限はされないが、好適には、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、イロラセルチブ、イマチニブ、ニロチニブ、及びダサチニブ、並びにそれらの薬理上許容される塩を挙げることができる。
【0277】
本発明において「FGFR阻害剤」とは、線維芽細胞成長因子受容体(Fibroblast growth factor receptor;FGFR)のチロシンキナーゼを阻害する薬剤を示す。本発明におけるFGFR阻害剤は、FGFRチロシンキナーゼ以外のキナーゼを阻害する作用を有していても良い。本発明におけるFGFR阻害剤は、上記の性質を有する薬剤であれば特に制限はされないが、好適には、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、アキシチニブ、及びパゾパニブ、並びにそれらの薬理上許容される塩を挙げることができる。
【0278】
本発明において「BTK阻害剤」とは、ブルトン型チロシンキナーゼ(Bruton’s tyrosine kinase;BTK)を阻害する薬剤を示す。本発明におけるBTK阻害剤は、BTK以外のキナーゼを阻害する作用を有していても良い。本発明におけるBTK阻害剤は、上記の性質を有する薬剤であれば特に制限はされないが、好適には、イブルチニブ(Ibrutinib)(米国特許第7514444号)、アカラブルチニブ(Acalabrutinib)(米国特許第9290504号)、及びチラブルチニブ(Tirabrutinib)(国際公開第2011/152351号)、並びにそれらの薬理上許容される塩を挙げることができる。
【0279】
本発明において「FLT3阻害剤」とは、FMS様チロシンキナーゼ3(FMS-like tyrosine kinase 3;FLT3)を阻害する薬剤を示す。本発明におけるFLT3阻害剤は、FLT3以外のキナーゼを阻害する作用を有していても良い。本発明におけるFLT3阻害剤は、上記の性質を有する薬剤であれば特に制限はされないが、好適には、ギルテリチニブ(Gilteritinib)(米国特許第7514444号)、キザルチニブ(Quizartinib)(J Med Chem 2009, 52(23): 7808-7816)、ミドスタウリン(Midostaurin)(国際公開第2003/037347号)、ソラフェニブ、イロラセルチブ、ENMD-2076、及びスニチニブ、並びにそれらの薬理上許容される塩を挙げることができる。
【0280】
ギルテリチニブの薬理上許容される塩は、好適には、フマル酸塩(Gilteritinib Fumarate)である。
【0281】
本発明において「ALK阻害剤」とは、未分化リンパ腫キナーゼ(Anaplastic lymphoma kinase;ALK)を阻害する薬剤を示す。本発明におけるALK阻害剤は、ALK以外のキナーゼを阻害する作用を有していても良い。本発明におけるALK阻害剤は、上記の性質を有する薬剤であれば特に制限はされないが、好適には、ブリガチニブ(Brigatinib)(米国特許第9012462号)、クリゾチニブ(Crizotinib)(米国特許第7858643号)、セリチニブ(Ceritinib)(米国特許第7153964号)、アレクチニブ(Alectinib)(米国特許第9126931号)、及びロルラチニブ(Lorlatinib)(米国特許第8680111号)、並びにそれらの薬理上許容される塩を挙げることができる。
【0282】
アレクチニブの薬理上許容される塩は、好適には、塩酸塩(Alectinib Hydrochloride)である。
【0283】
本発明において「JAK阻害剤」とは、Janusキナーゼ(Janus kinase;JAK)を阻害する薬剤を示す。本発明におけるJAK阻害剤は、JAK以外のキナーゼを阻害する作用を有していても良い。本発明におけるJAK阻害剤は、上記の性質を有する薬剤であれば特に制限はされないが、好適には、ルキソリチニブ(Ruxolitinib)(米国特許第7598257号)、トファシチニブ(Tofacitinib)(米国特許第7265221号)、バリシチニブ(Baricitinib)(米国特許第8158616号)、及びパクリチニブ(Pacritinib)(国際公開第2007/058627号)、並びにそれらの薬理上許容される塩を挙げることができる。
【0284】
ルキソリチニブの薬理上許容される塩は、好適には、リン酸塩(Ruxolitinib Phosphate)である。トファシチニブの薬理上許容される塩は、好適には、クエン酸塩(Tofacitinib Citrate)である。
【0285】
本発明において「MET阻害剤」とは、肝細胞増殖因子(Hepatocyte growth factor;HGF)をリガンドとする受容体型チロシンキナーゼであるMET(「c-Met」とも言う)を阻害する薬剤を示す。本発明におけるMET阻害剤は、MET以外のキナーゼを阻害する作用を有していても良い。本発明におけるMET阻害剤は、上記の性質を有する薬剤であれば特に制限はされないが、好適には、カプマチニブ(Capmatinib)(国際公開第2008/064157号)、及びテポチニブ(Tepotinib)(国際公開第2009/006959号)、並びにそれらの薬理上許容される塩を挙げることができる。
【0286】
本発明において「CSF-1R阻害剤」とは、コロニー刺激因子1受容体(Colony-Stimulating Factor-1 Receptor;CSF-1R)のチロシンキナーゼを阻害する薬剤を示す。本発明におけるCSF-1R阻害剤は、CSF-1Rのチロシンキナーゼ以外のキナーゼを阻害する作用を有していても良い。本発明におけるCSF-1R阻害剤は、上記の性質を有する薬剤であれば特に制限はされないが、好適には、ペキシダルチニブ(Pexidartinib)(Clin Cancer Res 2014, 20(12): 3146-58)、BLZ-945(国際公開第2007/121484号)、JNJ-40346527(国際公開第2009/052237号)、JNJ-28312141(J Med Chem 2011, 54(22): 7860-7883)、イロラセルチブ、イマチニブ、スニチニブ、及びアキシチニブ、並びにそれらの薬理上許容される塩を挙げることができる。
【0287】
ペキシダルチニブの薬理上許容される塩は、好適には、塩酸塩(Pexidartinib Hydrochloride)である。
【0288】
本発明において「NTRK阻害剤」とは、神経栄養因子トロポミオシン受容体キナーゼ(Neurotrophic tropomyosin receptor kinase;TRK)を阻害する薬剤を示す。本発明におけるNTRK阻害剤は、TRK以外のキナーゼを阻害する作用を有していても良い。本発明におけるNTRK阻害剤は、上記の性質を有する薬剤であれば特に制限はされないが、好適には、エントレクチニブ(Entrectinib)(国際公開第2009/013126号)、及びGR-389988(国際公開第2015/089139号)、並びにそれらの薬理上許容される塩を挙げることができる。
【0289】
本発明において「EGFR阻害剤」とは、上皮成長因子受容体(Epidermal Growth Factor Receptor;EGFR)のチロシンキナーゼを阻害する薬剤を示す。本発明におけるEGFR阻害剤は、EGFRのチロシンキナーゼ以外のキナーゼを阻害する作用を有していても良い。本発明におけるEGFR阻害剤は、上記の性質を有する薬剤であれば特に制限はされないが、好適には、ゲフィチニブ(Gefitinib)(国際公開第1996/033980号)、エルロチニブ(Erlotinib)(国際公開第1996/030347号)、アファチニブ(Afatinib)(国際公開第2002/050043号)、オシメルチニブ(Osimertinib)(国際公開第2013/014448号)、ダコミチニブ(Dacomitinib)(米国特許第7772243号)、ラパチニブ(Lapatinib)(米国特許第713485号)、ネラチニブ(Neratinib)(J Med Chem 2005, 48(4): 1107-1131)、ピロチニブ(Pyrotinib)(国際公開第2011/029265号)、及びポジオチニブ(Poziotinib)(国際公開第2014/116070号)、並びにそれらの薬理上許容される塩を挙げることができる。
【0290】
本発明において「HER2阻害剤」とは、HER2(Human Epidermal Growth Factor Receptor Type 2;ErbB-2)のチロシンキナーゼを阻害する薬剤を示す。本発明におけるHER2阻害剤は、HER2のチロシンキナーゼ以外のキナーゼを阻害する作用を有していても良い。本発明におけるHER2阻害剤は、上記の性質を有する薬剤であれば特に制限はされないが、好適には、ツカチニブ(Tucatinib)(国際公開第2013/056183号)、ネラチニブ、ムブリチニブ(Mubritinib)(国際公開第2001/077107)、ラパチニブ、ピロチニブ、及びポジオチニブ、並びにそれらの薬理上許容される塩を挙げることができる。
【0291】
5.医薬
以下、本発明に係る抗体-薬物コンジュゲートとキナーゼ阻害剤が組み合わされて投与されることを特徴とする医薬組成物及び治療方法について説明する。
【0292】
本発明の医薬組成物及び治療方法は、抗体-薬物コンジュゲートと、キナーゼ阻害剤が、それぞれ別異の製剤に有効成分として含有され、同時に又は異なる時間に投与されることを特徴とするものであってもよいし、抗体-薬物コンジュゲートと、キナーゼ阻害剤が、単一の製剤に有効成分として含有され、投与されることを特徴とするものであってもよい。
【0293】
また、本発明の医薬組成物及び治療方法は、本発明で使用されるキナーゼ阻害剤のうち、2種類以上が組み合わされて投与されることもできる。
【0294】
本発明の医薬組成物及び治療方法は、がんの治療のために使用することができ、好適には、乳がん(トリプルネガティブ乳がん、及びルミナール乳がんを含む)、胃がん(胃腺がんと呼ぶこともある)、大腸がん(結腸直腸がんと呼ぶこともあり、結腸がん及び直腸がんを含む)、肺がん(小細胞肺がん及び非小細胞肺がんを含む)、食道がん、頭頚部がん(唾液腺がん及び咽頭がんを含む)、胃食道接合部腺がん、胆道がん(胆管がんを含む)、ページェット病、膵臓がん、卵巣がん、子宮がん肉腫、尿路上皮がん、前立腺がん、膀胱がん、消化管間質腫瘍、子宮頸がん、扁平上皮がん、腹膜がん、肝臓がん、肝細胞がん、子宮体がん、腎臓がん、外陰部がん、甲状腺がん、陰茎がん、白血病、悪性リンパ腫、形質細胞腫、骨髄腫、多型神経膠芽腫、骨肉腫、肉腫、及びメラノーマからなる群より選択される少なくとも一つの治療のために使用することができ、より好適には、乳がん、胃がん、大腸がん、肺がん、膵臓がん、腎臓がん、及び卵巣がんからなる群より選択される少なくとも一つのがんの治療のために使用することができる。
【0295】
本発明で使用される抗体-薬物コンジュゲートのうち、特にどのような抗体を有する抗体-薬物コンジュゲートが好適であるかは、がんの種類や、腫瘍マーカーを検査することにより、決定することができる。例えば、がんにHER2の発現が確認された場合は、抗HER2抗体-薬物コンジュゲートを好適に使用することができ、がんにHER3の発現が確認された場合は、抗HER3抗体-薬物コンジュゲートを好適に使用することができ、がんにTROP2の発現が確認された場合は、抗TROP2抗体-薬物コンジュゲートを好適に使用することができ、がんにB7-H3の発現が確認された場合は、抗B7-H3抗体-薬物コンジュゲートを好適に使用することができ、がんにCDH6の発現が確認された場合は、抗CDH6抗体-薬物コンジュゲートを好適に使用することができる。
【0296】
HER2、HER3、TROP2、B7-H3、及びCDH6並びにその他の腫瘍マーカーの有無は、例えば、がん患者から腫瘍組織を採取し、ホルマリン固定パラフィン包埋された検体(FFPE)を、免疫組織化学(IHC)法や、フローサイトメーター、western blot法等による遺伝子産物(蛋白質)レベルでの検査、又は、in situ ハイブリダイゼーション法(ISH)や定量的PCR法(q-PCR)、マイクロアレイ解析等による遺伝子の転写レベルでの検査により確認することができ、あるいは、がん患者から無細胞血中循環腫瘍DNA(ctDNA)を採取し、次世代シークエンス(NGS)等の方法を用いた検査により確認することもできる。
【0297】
本発明の医薬組成物及び治療方法は、哺乳動物に対して好適に使用することができるが、より好適にはヒトに対して使用することができる。
【0298】
本発明の医薬組成物及び治療方法の抗腫瘍効果は、例えば、がん細胞を被検動物に移植したモデルを作成し、本発明の医薬組成物及び治療方法を施すことによる腫瘍体積の減少や延命効果を測定することにより確認することができる。そして、本発明で使用される抗体-薬物コンジュゲート及びキナーゼ阻害剤それぞれの単独投与での抗腫瘍効果と比較することにより、本発明で使用される抗体-薬物コンジュゲート及びキナーゼ阻害剤の併用効果を確認することができる。
【0299】
また、本発明の医薬組成物及び治療方法の抗腫瘍効果は、臨床試験において、Response Evaluation Criteria in Solid Tumors(RECIST)評価法、WHO評価法、Macdonald評価法、体重測定、及びその他の手法により確認することができ、完全奏効(Complete response;CR)、部分奏効(Partial response;PR)、進行(Progressive disease;PD)、奏効率(Objective Response Rate;ORR)、奏効期間(Duration of response;DoR)、無憎悪生存期間(Progression-Free Survival;PFS)、全生存期間(Overall Survival;OS)等の指標により判定することができる。
【0300】
上述の方法により、本発明の医薬組成物及び治療方法の抗腫瘍効果について、既存のがん治療用医薬組成物及び治療方法に対する優位性を確認することができる。
【0301】
本発明の医薬組成物及び治療方法は、がん細胞の成長を遅らせ、増殖を抑え、さらにはがん細胞を破壊することができる。これらの作用によって、がん患者において、がんによる症状からの解放や、QOLの改善を達成でき、がん患者の生命を保って治療効果が達成される。がん細胞の破壊には至らない場合であっても、がん細胞の増殖の抑制やコントロールによってがん患者においてより高いQOLを達成しつつより長期の生存を達成させることができる。
【0302】
本発明の医薬組成物は、患者に対しては全身療法として適用する他、がん組織に局所的に適用して治療効果を期待することができる。
【0303】
本発明の医薬組成物は、1種以上の薬学的に適合性の成分を含み投与され得る。薬学的に適合性の成分は、本発明で使用される抗体-薬物コンジュゲート及びキナーゼ阻害剤の投与量や投与濃度等に応じて、この分野において通常使用される製剤添加物その他から適宜選択して適用することができる。例えば、本発明で使用される抗体-薬物コンジュゲートは、ヒスチジン緩衝剤等の緩衝剤、スクロース又はトレハロース等の賦形剤、並びにポリソルベート80又は20等の界面活性剤を含む医薬組成物として投与され得る。本発明で使用される抗体-薬物コンジュゲートを含む医薬組成物は、好適には、注射剤として使用することができ、より好適には、水性注射剤又は凍結乾燥注射剤として使用することができ、更により好適には、凍結乾燥注射剤として使用することができる。
【0304】
本発明で使用される抗体-薬物コンジュゲートを含む医薬組成物が水性注射剤である場合、好適には、適切な希釈液で希釈した後、静脈内に点滴投与することができる。希釈液としては、ブドウ糖溶液や、生理食塩液、等を挙げることができ、好適には、ブドウ糖溶液を挙げることができ、より好適には5%ブドウ糖溶液を挙げることができる。
【0305】
本発明で使用される抗体-薬物コンジュゲートを含む医薬組成物が凍結乾燥注射剤である場合、好適には、注射用水により溶解した後、必要量を適切な希釈液で希釈した後、静脈内に点滴投与することができる。希釈液としては、ブドウ糖溶液や、生理食塩液、等を挙げることができ、好適には、ブドウ糖溶液を挙げることができ、より好適には5%ブドウ糖溶液を挙げることができる。
【0306】
本発明の医薬組成物を投与するために使用され得る導入経路としては、例えば、静脈内、皮内、皮下、筋肉内、及び腹腔内の経路を挙げることができ、好適には、静脈内の経路を挙げることができる。
【0307】
本発明で使用される抗体-薬物コンジュゲートは、ヒトに対して、1~180日に1回の間隔で投与することができ、好適には、1週、2週、3週、又は4週に1回の間隔で投与することができ、さらにより好適には、3週に1回の間隔で投与することができる。また、本発明で使用される抗体-薬物コンジュゲートは、1回あたり約0.001~100mg/kgの投与量で投与することができ、好適には、1回あたり0.8~12.4mg/kgの投与量で投与することができる。本発明で使用される抗体-薬物コンジュゲートが抗HER2抗体-薬物コンジュゲートである場合、好適には、1回あたり、0.8mg/kg、1.6mg/kg、3.2mg/kg、5.4mg/kg、6.4mg/kg、7.4mg/kg、又は8mg/kgの投与量を3週に1回の間隔で投与することができる。本発明で使用される抗体-薬物コンジュゲートが抗HER3抗体-薬物コンジュゲートである場合、好適には、1回あたり、1.6mg/kg、3.2mg/kg、4.8mg/kg、5.6mg/kg、6.4mg/kg、8.0mg/kg、9.6mg/kg、又は12.8mg/kgの投与量を3週に1回の間隔で投与することができる。本発明で使用される抗体-薬物コンジュゲートが抗TROP2抗体-薬物コンジュゲートである場合、好適には、1回あたり、0.27mg/kg、0.5mg/kg、1.0mg/kg、2.0mg/kg、4.0mg/kg、6.0mg/kg、又は8.0mg/kgの投与量を3週に1回の間隔で投与することができる。
【0308】
本発明に係るキナーゼ阻害剤は、ヒトに対して、1~7日に1~2回の間隔で経口投与することができ、好適には、1日に1回、又は1日に2回の間隔で経口投与することができる。また、本発明で使用されるキナーゼ阻害剤は、1回あたり0.1mg~3000mgの投与量で経口投与することができ、好適には、1回あたり2.5mg~600mgの投与量で経口投与することができる。また、本発明に係るキナーゼ阻害剤は、ヒトに対して、1~180日に1回の間隔で静脈内に点滴投与することができ、好適には、1週、2週、3週、又は4週に1回の間隔で静脈内に点滴投与することができる。また、本発明で使用されるキナーゼ阻害剤は、1回あたり0.1mg~3000mgの投与量で静脈内に点滴投与することができ、好適には、1回あたり10mg~100mgの投与量で静脈内に点滴投与することができる。
【0309】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がアベマシクリブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、50mg、100mg、150mg、又は200mgの投与量を1日に2回の間隔で経口投与することができる。
【0310】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がパルボシクリブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、75mg、100mg、又は125mgの投与量を1日に1回の間隔で経口投与することができる。
【0311】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がリボシクリブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、200mg、400mg、又は600mgの投与量を1日に1回の間隔で経口投与することができる。
【0312】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がエベロリムス又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、2.5mg、5mg、7.5mg、10mg、15mg、又は20mgの投与量を1日に1回の間隔で経口投与することができる。
【0313】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がシロリムス又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、0.5mg、1mg、1.5mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、8mg、10mg、12mg、又は15mgの投与量を1日に1回の間隔で経口投与することができる。
【0314】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がテムシロリムス又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、25mgの投与量を1週に1回の間隔で静脈内に点滴投与することができる。
【0315】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がコパンリシブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、60mgの投与量を1週~3週に1回の間隔で静脈内に点滴投与することができる。
【0316】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がイデラリシブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、100mg、又は150mgの投与量を1日に2回の間隔で経口投与することができる。
【0317】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がデュベリシブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、15mg、又は25mgの投与量を1日に2回の間隔で経口投与することができる。
【0318】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がトラメチニブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、0.5mg、1mg、1.5mg、又は2mgの投与量を1日に1回の間隔で経口投与することができる。
【0319】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がビニメチニブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、15mg、30mg、又は45mgの投与量を1日に2回の間隔で経口投与することができる。
【0320】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がコビメチニブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、20mg、40mg、又は60mgの投与量を1日に1回の間隔で経口投与することができる。
【0321】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がレゴラフェニブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、40mg、80mg、120mg、又は160mgの投与量を1日に1回の間隔で経口投与することができる。
【0322】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がソラフェニブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、200mg、又は400mgの投与量を1日に2回の間隔で経口投与することができる。
【0323】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がベムラフェニブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、240mg、480mg、720mg、又は960mgの投与量を1日に2回の間隔で経口投与することができる。
【0324】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がダブラフェニブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、50mg、75mg、100mg、125mg、又は150mgの投与量を1日に1回の間隔で経口投与することができる。
【0325】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がエンコラフェニブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、又は450mgの投与量を1日に1回の間隔で経口投与することができる。
【0326】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がイマチニブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、若しくは600mgの投与量を1日に1回の間隔で、又は、1回あたり、400mgの投与量を1日に2回の間隔で経口投与することができる。
【0327】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がダサチニブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、20mg、50mg、70mg、80mg、100mg、又は140mgの投与量を1日に1回の間隔で経口投与することができる。
【0328】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がボスチニブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、又は600mgの投与量を1日に1回の間隔で経口投与することができる。
【0329】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がニロチニブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、150mg、200mg、300mg、又は400mgの投与量を1日に2回の間隔で経口投与することができる。
【0330】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がポナチニブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、15mg、30mg、又は45mgの投与量を1日に1回の間隔で経口投与することができる。
【0331】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がバンデタニブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、100mg、200mg、又は300mgの投与量を1日に1回の間隔で経口投与することができる。
【0332】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がアキシチニブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、1mg、2mg、3mg、4mg、又は5mgの投与量を1日に2回の間隔で経口投与することができる。
【0333】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がパゾパニブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、200mg、400mg、600mg、又は800mgの投与量を1日に1回の間隔で経口投与することができる。
【0334】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がレンバチニブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、4mg、8mg、10mg、12mg、14mg、16mg、18mg、20mg、又は24mgの投与量を1日に1回の間隔で経口投与することができる。
【0335】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がニンテダニブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、100mg、又は150mgの投与量を1日に2回の間隔で経口投与することができる。
【0336】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がカボザンチニブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、20mg、40mg、又は60mgの投与量を1日に1回の間隔で経口投与することができる。
【0337】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がイブルチニブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、70mg、140mg、210mg、280mg、350mg、420mg、490mg、又は560mgの投与量を1日に1回の間隔で経口投与することができる。
【0338】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がアカラブルチニブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、100mgの投与量を12時間に1回の間隔で経口投与することができる。
【0339】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がギルテリチニブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、40mg、80mg、又は120mgの投与量を1日に1回の間隔で経口投与することができる。
【0340】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がミドスタウリン又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、25mg、50mg、75mg、又は100mgの投与量を1日に2回の間隔で経口投与することができる。
【0341】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がブリガチニブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、30mg、60mg、90mg、120mg、150mg、又は180mgの投与量を1日に1回の間隔で経口投与することができる。
【0342】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がクリゾチニブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、200mg、又は250mgの投与量を1日に2回の間隔で経口投与することができる。
【0343】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がセリチニブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、150mg、300mg、450mg、600mg、又は750mgの投与量を1日に1回の間隔で経口投与することができる。
【0344】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がアレクチニブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、150mg、300mg、450mg、又は600mgの投与量を1日に2回の間隔で経口投与することができる。
【0345】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がロルラチニブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、25mg、50mg、75mg、又は100mgの投与量を1日に1回の間隔で経口投与することができる。
【0346】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がルキソリチニブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、5mg、10mg、15mg、20mg、又は25mgの投与量を1日に2回の間隔で経口投与することができる。
【0347】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がトファシチニブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、5mg、又は10mgの投与量を1日に2回の間隔で経口投与することができ、徐放製剤として用いる場合は、好適には、1回あたり、11mgの投与量を1日に1回の間隔で投与することができる。
【0348】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がバリシチニブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、2mgの投与量を1日に1回の間隔で経口投与することができる。
【0349】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がゲフィチニブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、250mgの投与量を1日に1回の間隔で経口投与することができる。
【0350】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がエルロチニブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、25mg、50mg、75mg、100mg、125mg、又は150mgの投与量を1日に1回の間隔で経口投与することができる。
【0351】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がアファチニブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、20mg、30mg、又は40mgの投与量を1日に1回の間隔で経口投与することができる。
【0352】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がオシメルチニブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、40mg、又は80mgの投与量を1日に1回の間隔で経口投与することができる。
【0353】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がダコミチニブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、15mg、30mg、又は45mgの投与量を1日に1回の間隔で経口投与することができる。
【0354】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がラパチニブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、250mg、500mg、750mg、1000mg、1250mg、又は1500mgの投与量を1日に1回の間隔で経口投与することができる。
【0355】
本発明で使用されるキナーゼ阻害剤がネラチニブ又はその薬理上許容される塩である場合、好適には、1回あたり、40mg、80mg、120mg、160mg、200mg、又は240mgの投与量を1日に1回の間隔で経口投与することができる。
【0356】
本発明の医薬組成物及び治療方法は、本発明に係る抗体-薬物コンジュゲート及びキナーゼ阻害剤以外のがん治療剤を更に含んでいてもよい。本発明の医薬組成物及び治療方法は、他のがん治療剤と併用して投与することもでき、これによって抗腫瘍効果を増強させることができる。この様な目的で使用される他のがん治療剤は、本発明の医薬組成物と同時に、別々に、或は連続して個体に投与されてもよいし、それぞれの投与間隔を変えて投与されてもよい。この様ながん治療剤としては、抗腫瘍活性を有する薬剤であれば限定されることはないが、例えば、イリノテカン(Irinotecan、CPT-11)、シスプラチン(Cisplatin)、カルボプラチン(Carboplatin)、オキサリプラチン(Oxaliplatin)、フルオロウラシル(Fluorouracil、5-FU)、ゲムシタビン(Gemcitabine)、カペシタビン(Capecitabine)、パクリタキセル(Paclitaxel)、ドセタキセル(Docetaxel)、ドキソルビシン(Doxorubicin)、エピルビシン(Epirubicin)、シクロフォスファミド(Cyclophosphamide)、マイトマイシンC(Mitomycin C)、テガフール(Tegafur)・ギメラシル(Gimeracil)・オテラシル(Oteracil)配合剤、セツキシマブ(Cetuximab)、パニツムマブ(Panitumumab)、ベバシズマブ(Bevacizumab)、ラムシルマブ(Ramucirumab)、トリフルリジン(Trifluridine)・チピラシル(Tipiracil)配合剤、メトトレキサート(Methotrexate)、ペメトレキセド(Pemetrexed)、タモキシフェン(Tamoxifen)、トレミフェン(Toremifene)、フルベストラント(Fulvestrant)、リュープロレリン(Leuprorelin)、ゴセレリン(Goserelin)、レトロゾール(Letrozole)、アナストロゾール(Anastrozole)、プロゲステロン製剤(Progesterone formulation)、トラスツズマブ、及びペルツズマブからなる群より選択される少なくとも一つを挙げることができる。
【0357】
本発明の医薬組成物及び治療方法は、放射線療法と組み合わせて使用することもできる。例えば、がん患者は、本発明の医薬組成物による治療を受ける前及び/又は後、あるいは同時に放射線療法を受ける。
【0358】
本発明の医薬組成物及び治療方法は、外科手術と組み合わせた補助化学療法として使用することもできる。本発明の医薬組成物は外科手術の前に腫瘍の大きさを減じさせる目的で投与されてもよい(術前補助化学療法、又はネオアジュバント療法という)し、外科手術後に、腫瘍の再発を防ぐ目的で投与されてもよい(術後補助化学療法、又はアジュバント療法という)。
【実施例0359】
以下に示す例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、これらはいかなる意味においても限定的に解釈されるものではない。
【0360】
実施例1:抗体-薬物コンジュゲートの製造(1)
国際公開第2015/115091号に記載の製造方法に従って、抗HER2抗体(配列番号1においてアミノ酸番号1乃至449に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号2においてアミノ酸番号1乃至214に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体)を用いて、式
【0361】
【0362】
(式中、Aは抗体との結合位置を示す)
で示される薬物リンカーと、抗HER2抗体とがチオエーテル結合によって結合した抗体-薬物コンジュゲート(以下、「抗体-薬物コンジュゲート(1)」と称する)を製造した。抗体-薬物コンジュゲート(1)のDARは7.7又は7.8である。
【0363】
実施例2:抗腫瘍試験(1)
マウス:5-6週齢の雌BALB/c ヌードマウス(日本チャールス・リバー社)を実験に供した。
【0364】
測定・計算式:全ての研究において、腫瘍の長径及び短径を電子式デジタルキャリパー(CD-15CX,Mitutoyo Corp.)で1週間に2回測定し、腫瘍体積(mm3)を計算した。計算式は以下に示す通り。
腫瘍体積(mm3)=1/2×長径(mm)×[短径(mm)]2
【0365】
抗体-薬物コンジュゲート(1)はABS buffer (10mM酢酸緩衝液 (pH5.5), 5%ソルビトール)で希釈し、10mL/kgの液量を尾静脈内投与した。エベロリムスは30% propylene glycol, 5% Tween80に懸濁し、10mL/kgの液量を経口投与した。タセリシブは0.5% methyl cellulose, 0.2% Tween80に懸濁し、10mL/kgの液量を経口投与した。アベマシクリブは1% hydroxyethyl cellulose, 0.1% antifoam/25mM phosphate buffer, pH2に懸濁し、10mL/kgの液量を経口投与した。
【0366】
ATCC(American Type Culture Collection)から購入したヒト乳がん株であるMDA-MB-453細胞をマトリゲル基底膜マトリックスに懸濁し、1×107cellsを雌ヌードマウスの右体側部に皮下移植し、移植7日後に無作為に群分けを実施した(Day0)。抗体-薬物コンジュゲート(1)はDay0に0.5mg/kgの用量で尾静脈内投与した。エベロリムスは1日1回、週に5回、3週間、5mg/kgの用量で投与した。タセリシブは1日1回、週に5回、3週間、5mg/kgの用量で投与した。アベマシクリブは1日1回、週に5回、2週間、30mg/kgの用量で投与した。それぞれの単剤と併用投与群、およびコントロール群として溶媒投与群を設定した。
【0367】
抗体-薬物コンジュゲート(1)とエベロリムスとの併用結果を
図11に示す。エベロリムス単剤投与の効果判定日における腫瘍増殖抑制率(Tumor Growth Inhibition,TGI)は64%であった。抗体-薬物コンジュゲート(1)の単剤投与によるTGIは75%であった。一方、抗体-薬物コンジュゲート(1)とエベロリムスとの併用投与では、エベロリムスの単剤投与よりも有意に優れた腫瘍増殖抑制効果が認められた(P=0.0059(Dunnett‘s testにより算出。以下同様。)。また、それぞれの単剤投与よりも腫瘍増殖抑制率は高く(TGI,89%)、強い併用効果が認められた。なお、図中、横軸は投与開始後の日数、縦軸は腫瘍体積を示す。また、いずれの単剤および併用投与群において、体重減少等の特に目立った所見は認められなかった。なお、以下の抗腫瘍試験に関する評価例において、特に記載のない場合、本評価例で使用した手法で試験が実施されている。
【0368】
抗体-薬物コンジュゲート(1)とタセリシブとの併用結果を
図12に示す。タセリシブ単剤投与によるTGIは67%であった。抗体-薬物コンジュゲート(1)の単剤投与によるTGIは75%であった。一方、抗体-薬物コンジュゲート(1)とタセリシブとの併用投与では、抗体-薬物コンジュゲート(1)の単剤投与およびタセリシブの単剤投与よりも有意に優れた腫瘍増殖抑制効果が認められた(それぞれP=0.0039およびP=0.0043)。また、それぞれの単剤投与よりも腫瘍増殖抑制率は高く(TGI,92%)、強い併用効果が認められた。いずれの単剤および併用投与群において、体重減少等の特に目立った所見は認められなかった。
【0369】
抗体-薬物コンジュゲート(1)とアベマシクリブとの併用結果を
図13に示す。アベマシクリブ単剤投与によるTGIは68%であった。抗体-薬物コンジュゲート(1)の単剤投与によるTGIは75%であった。一方、抗体-薬物コンジュゲート(1)とアベマシクリブとの併用投与では、アベマシクリブの単剤投与よりも有意に優れた腫瘍増殖抑制効果が認められた(P=0.0429)。また、それぞれの単剤投与よりも腫瘍増殖抑制率は高く(TGI,87%)、強い併用効果が認められた。いずれの単剤および併用投与群において、体重減少等の特に目立った所見は認められなかった。
【0370】
実施例3:抗腫瘍試験(2)
DSMZ(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH)から購入したヒト乳がん株JIMT-1細胞を生理食塩水に懸濁して5×106cellsを雌ヌードマウスの右体側部に皮下移植し、移植15日後に無作為に群分けを実施した(Day0)。抗体-薬物コンジュゲート(1)はDay0に10mg/kgの用量で尾静脈内投与した。エベロリムスは1日1回、週に5日、計7回、5mg/kgの用量で投与した。それぞれの単剤と併用投与群、およびコントロール群として溶媒投与群を設定した。
【0371】
抗体-薬物コンジュゲート(1)とエベロリムスとの併用結果を
図14に示す。エベロリムス単剤投与によるTGIは52%であった。抗体-薬物コンジュゲート(1)の単剤投与によるTGIは53%であった。一方、抗体-薬物コンジュゲート(1)とエベロリムスとの併用投与では、抗体-薬物コンジュゲート(1)の単剤投与およびエベロリムスの単剤投与よりも有意に優れた腫瘍増殖抑制効果が認められた(それぞれP=0.0131およびP=0.0054)。また、それぞれの単剤投与よりも腫瘍増殖抑制率は高く(TGI,93%)、強い併用効果が認められた。いずれの単剤および併用投与群において、体重減少等の特に目立った所見は認められなかった。
【0372】
実施例4:抗腫瘍試験(3)
ATCCから購入したヒト大腸がん株COLO201細胞を50%マトリゲル溶液に懸濁して5×106cellsを雌ヌードマウスの右体側部に皮下移植し、移植7日後に無作為に群分けを実施した(Day0)。抗体-薬物コンジュゲート(1)はDay0に3mg/kgの用量で尾静脈内投与した。レゴラフェニブはクレモフォールEL/95%エタノールに溶解した後、蒸留水で希釈して10mL/kgの液量を経口投与した。1日1回、週に5日、3週間、10mg/kgの用量で投与した。それぞれの単剤と併用投与群、およびコントロール群として溶媒投与群を設定した。
【0373】
抗体-薬物コンジュゲート(1)とレゴラフェニブとの併用結果を
図15に示す。レゴラフェニブ単剤投与によるTGIは81%であった。抗体-薬物コンジュゲート(1)の単剤投与によるTGIは67%であった。一方、抗体-薬物コンジュゲート(1)とレゴラフェニブとの併用投与では、抗体-薬物コンジュゲート(1)の単剤投与よりも有意に優れた腫瘍増殖抑制効果が認められた(P=0.0476)。また、それぞれの単剤投与よりも腫瘍増殖抑制率は高く(TGI,99%)、強い併用効果が認められた。いずれの単剤および併用投与群において、体重減少等の特に目立った所見は認められなかった。
【0374】
実施例5:抗腫瘍試験(4)
川崎医科大学・紅林淳一先生(British Journal of Cancer,(1999)79(5/6).707-717)より入手したヒト乳がん株であるKPL-4細胞を生理食塩水に懸濁し、1.5×107cellsを雌ヌードマウスの右体側部に皮下移植し、移植17日後に無作為に群分けを実施した(Day0)。抗体-薬物コンジュゲート(1)はDay0に7.5mg/kgの用量で尾静脈内投与した。ツカチニブは0.5% methyl celluloseに懸濁し、10mL/kgの液量を経口投与した。1日1回、週に5回、2週間、100mg/kgの用量で投与した。それぞれの単剤と併用投与群、およびコントロール群として溶媒投与群を設定した。
【0375】
抗体-薬物コンジュゲート(1)とツカチニブとの併用結果を
図16に示す。ツカチニブ単剤投与のTGIは78%であった。抗体-薬物コンジュゲート(1)の単剤投与によるTGIは78%であった。一方、抗体-薬物コンジュゲート(1)とツカチニブとの併用投与では、それぞれの単剤投与よりも腫瘍増殖抑制率は高く(TGI,96%)、強い併用効果が認められた。いずれの単剤および併用投与群において、体重減少等の特に目立った所見は認められなかった。
【0376】
実施例6:抗腫瘍試験(5)
ATCC(American Type Culture Collection)から購入したヒト乳がん株であるMDA-MB-453細胞をマトリゲル基底膜マトリックスに懸濁し、1×107cellsを雌ヌードマウスの右体側部に皮下移植し、移植7日後に無作為に群分けを実施した(Day0)。抗体-薬物コンジュゲート(1)はDay0に0.5mg/kgの用量で尾静脈内投与した。ツカチニブは1日1回、週に5回、3週間、100mg/kgの用量で投与した。それぞれの単剤と併用投与群、およびコントロール群として溶媒投与群を設定した。
【0377】
抗体-薬物コンジュゲート(1)とツカチニブとの併用結果を
図17に示す。ツカチニブ単剤投与のTGIは36%であった。抗体-薬物コンジュゲート(1)の単剤投与によるTGIは52%であった。一方、抗体-薬物コンジュゲート(1)とツカチニブとの併用投与では、抗体-薬物コンジュゲート(1)の単剤投与およびツカチニブの単剤投与よりも有意に優れた腫瘍増殖抑制効果が認められた(それぞれP=0.019およびP=0.001)。また、それぞれの単剤投与よりも腫瘍増殖抑制率は高く(TGI,85%)、強い併用効果が認められた。いずれの単剤および併用投与群において、体重減少等の特に目立った所見は認められなかった。
【0378】
実施例7:抗腫瘍試験(6)
ATCC(American Type Culture Collection)から購入したヒト胃がん株NCI-N87細胞を、生理食塩水に懸濁し1×107cellsを雌ヌードマウスの右体側部に皮下移植し、移植6日後に無作為に群分けを実施した(Day0)。抗体-薬物コンジュゲート(1)はDay0に2mg/kgの用量で尾静脈内投与した。ツカチニブは1日1回、週に5回、2週間、100mg/kgの用量で投与した。それぞれの単剤と併用投与群、およびコントロール群として溶媒投与群を設定した。
【0379】
抗体-薬物コンジュゲート(1)とツカチニブとの併用結果を
図18に示す。ツカチニブ単剤投与のTGIは65%であった。抗体-薬物コンジュゲート(1)の単剤投与によるTGIは71%であった。一方、抗体-薬物コンジュゲート(1)とツカチニブとの併用投与では、抗体-薬物コンジュゲート(1)の単剤投与およびツカチニブの単剤投与よりも有意に優れた腫瘍増殖抑制効果が認められた(それぞれP=0.0199およびP=0.0034)。また、それぞれの単剤投与よりも腫瘍増殖抑制率は高く(TGI,92%)、強い併用効果が認められた。いずれの単剤および併用投与群において、体重減少等の特に目立った所見は認められなかった。
【0380】
実施例8:抗体-薬物コンジュゲートの製造(2)
国際公開第2015/155998号に記載の製造方法に従って、抗HER3抗体(配列番号3に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号4に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体)を用いて、式
【0381】
【0382】
(式中、Aは抗HER3抗体との結合位置を示す)
で示される薬物リンカーと、抗HER3抗体とがチオエーテル結合によって結合した抗体-薬物コンジュゲート(以下、「抗体-薬物コンジュゲート(2)」と称する)を製造した。抗体-薬物コンジュゲート(2)のDARは7~8である。
【0383】
実施例9:抗腫瘍試験(7)
川崎医科大学・紅林淳一先生(British Journal of Cancer,(1999)79(5/6).707-717)より入手したヒト乳がん株であるKPL-4細胞を生理食塩水に懸濁し、1.5×107cellsを雌ヌードマウスの右体側部に皮下移植し、移植17日後に無作為に群分けを実施した(Day0)。抗体-薬物コンジュゲート(2)はABS bufferで希釈し、週に1回、3週間(Day0、7、14)、10mg/kgの用量(10mL/kgの液量)で尾静脈内投与した。ネラチニブは0.5% methyl celluloseに懸濁し、Day0より1日1回、週に5回、2週間、20mg/kgの用量(10mL/kgの液量)で経口投与した。それぞれの単剤と併用投与群、およびコントロール群としてABS投与群を設定した。
【0384】
抗体-薬物コンジュゲート(2)とネラチニブとの併用結果を
図19に示す。効果判定日におけるネラチニブ単剤投与のTGIは84%であった。抗体-薬物コンジュゲート(2)の単剤投与によるTGIは67%であった。一方、抗体-薬物コンジュゲート(2)とネラチニブとの併用投与では、抗体-薬物コンジュゲート(2)の単剤投与およびネラチニブの単剤投与よりも有意に優れた腫瘍増殖抑制効果が認められた(それぞれP<0.0001およびP=0.0098)。また、それぞれの単剤投与よりも腫瘍増殖抑制率は高く(TGI,95%)、強い併用効果が認められた。いずれの単剤および併用投与群において、体重減少等の特に目立った所見は認められなかった。
【0385】
実施例10:抗体-薬物コンジュゲートの製造(3)
国際公開第2018/212136号に記載の製造方法に従って、抗CDH6抗体(配列番号9においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号10においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体)を用いて、式
【0386】
【0387】
(式中、Aは抗CDH6抗体との結合位置を示す)
で示される薬物リンカーと、抗CDH6抗体とがチオエーテル結合によって結合した抗体-薬物コンジュゲート(以下、「抗体-薬物コンジュゲート(3)」と称する)を製造した。抗体-薬物コンジュゲート(3)のDARは7~8である。
【0388】
実施例11:抗腫瘍試験(8)
ATCCから購入したヒト腎がん株786-O細胞を100%マトリゲルに懸濁して4×106cellsを雌ヌードマウスの右体側部に皮下移植し、移植19日後に無作為に群分けを実施した(Day0)。抗体-薬物コンジュゲート(3)はDay0に10mg/kgの用量で尾静脈内投与した。カボザンチニブは1日1回、週に5日、計20回、40mg/kgの用量で投与した。それぞれの単剤と併用投与群、およびコントロール群として溶媒投与群を設定した。
【0389】
抗体-薬物コンジュゲート(3)とカボザンチニブとの併用結果を
図20に示す。カボザンチニブ単剤投与によるTGIは67%であった。抗体-薬物コンジュゲート(3)の単剤投与によるTGIは71%であった。一方、抗体-薬物コンジュゲート(3)とカボザンチニブとの併用投与では、抗体-薬物コンジュゲート(3)の単剤投与およびカボザンチニブの単剤投与よりも有意に優れた腫瘍増殖抑制効果が認められた(それぞれP=0.0024およびP=0.0004)。また、それぞれの単剤投与よりも腫瘍増殖抑制率は高く(TGI,90%)、強い併用効果が認められた。いずれの単剤および併用投与群において、体重減少等の特に目立った所見は認められなかった。
【0390】
実施例12:抗体-薬物コンジュゲートの製造(4)
国際公開第2015/098099号及び国際公開第2017/002776号に記載の製造方法に従って、抗TROP2抗体(配列番号5においてアミノ酸番号20乃至470に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号6においてアミノ酸番号21乃至234に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗体)を用いて、式
【0391】
【0392】
(式中、Aは抗TROP2抗体との結合位置を示す)
で示される薬物リンカーと、抗TROP2抗体とがチオエーテル結合によって結合した抗体-薬物コンジュゲート(以下、「抗体-薬物コンジュゲート(4)」と称する)を製造した。抗体-薬物コンジュゲート(4)のDARは3.5~4.5である。
【0393】
実施例13:化合物(1)の製造
国際公開第2014/057687号及び国際公開第2015/115091に記載の製造方法に従って、式
【0394】
【0395】
で示される化合物(以下、「Compound(1)」と称する)を製造した。
【0396】
実施例14:細胞増殖阻害試験(1)
ATCCから購入したヒト胃がん細胞株NCI-N87を評価に使用した。1536ウェル細胞培養用プレートに、Dimethyl sulfoxide(DMSO)で2mM、400μM、80μM、16μM、3.2μM、640nMに調製したエルロチニブ(塩酸塩)、ポジオチニブ、ムブリチニブ、ブリガチニブ、BIBF1120もしくはDMSOをそれぞれ25nL/wellで添加した。さらに10%ウシ胎児血清(GE Healthcare)を含むRPMI1640 Medium(Thermo Fisher Scientific)で60nM、24nM、9.6nM、3.8nM、1.5nM、0.61nMに調製したCompound(1)、もしくは32nM、11nM、3.6nM、1.2nM、0.40nM、0.13nMに調製した抗体-薬物コンジュゲート(4)、もしくは8.0nM、2.7nM、0.89nM、0.30nM、0.10nM、0.033nMに調製した抗体-薬物コンジュゲート(1)を、それぞれ2.5μL/wellで添加した。次に10%ウシ胎児血清を含むRPMI1640 Mediumで4×104cells/mLに懸濁したNCI-N87細胞を、2.5μL/wellで播種し、37℃、5%CO2下で6日間培養した。
【0397】
培養後、CellTiter-Glo 2.0 Assay(Promega)を等量のGlo Lysis buffer, 1×(Promega)で希釈した溶液を2μL/wellで添加し、室温で1時間インキュベーション後に各wellの発光強度を測定した。
【0398】
各条件における細胞増殖阻害率(%)は、以下の計算式を用いて算出した。
細胞増殖阻害率(%)=100×(T-B)/(C-B)-100
T:各検体添加ウェルの平均発光強度
B:DMSO及び培地を添加したウェルの平均発光強度
C:DMSO及び細胞を添加したウェルの平均発光強度
【0399】
また各併用条件における濃度依存的な細胞増殖阻害率の推移について、Genedata Screener Analyzer Version 14(Genedata,以下Screener)を用いてシグモイドフィッティングを実施した。
【0400】
併用効果については、Loeweモデル(Greco WR. et al., Pharmacol. Rev. 1995 Jun;47(2):331-85)による相加効果の推定値とシグモイドフィッティングした細胞増殖阻害率(%)との差を行列化し、その行列成分から文献(Lehar J. et al., Nat Biotechnol. 2009 Jul;27(7):659-66)に示される手法を用いてSynergy scoreを算出した。なお、Synergy Score=0で相加作用、Synergy Score>0で相乗作用、Synergy Score<0で拮抗作用を示す指標となる。
【0401】
各組み合わせにおけるSynergy Scoreを表1に示す。
NCI-N87細胞株に対する細胞増殖阻害試験において、Compound(1)はエルロチニブ(塩酸塩)、ブリガチニブとの組み合わせ、抗体-薬物コンジュゲート(1)はエルロチニブ(塩酸塩)、ポジオチニブ、ブリガチニブ、BIBF1120との組み合わせ、抗体-薬物コンジュゲート(4)はエルロチニブ(塩酸塩)、ポジオチニブ、ムブリチニブ、ブリガチニブ、BIBF1120との組み合わせで相乗作用を示した。
【0402】
【0403】
実施例15:細胞増殖阻害試験(2)
川崎医科大学・紅林淳一先生(British Journal of Cancer,(1999)79(5/6).707-717)より入手したヒト乳がん細胞株KPL-4を評価に使用した。1536ウェル細胞培養用プレートに、DMSOで2mM、400μM、80μM、16μM、3.2μM、640nMに調製したエルロチニブ(塩酸塩)、ポジオチニブ、ムブリチニブ、ブリガチニブ、BIBF1120、もしくはDMSOをそれぞれ25nL/wellで添加した。さらに10%ウシ胎児血清を含むRPMI1640 Mediumで36nM、20nM、11nM、6.2nM、3.4nM、1.9nMに調製したCompound(1)、もしくは40nM、13nM、4.4nM、1.5nM、0.49nM、0.16nMに調製した抗体-薬物コンジュゲート(4)、もしくは3.7nM、1.3nM、0.48nM、0.17nM、0.061nM、0.022nMに調製した抗体-薬物コンジュゲート(1)を、それぞれ2.5μL/wellで添加した。次に10%ウシ胎児血清を含むRPMI1640 Mediumで1×104cells/mLに懸濁したKPL-4細胞を、2.5μL/wellで播種し、37℃、5%CO2下で6日間培養した。培養後、CellTiter-Glo 2.0 Assayを等量のGlo Lysis buffer, 1×で希釈した溶液を2μL/wellで添加し、室温で1時間インキュベーション後に各wellの発光強度を測定した。
【0404】
各条件における細胞増殖阻害率(%)及び併用効果の解析は実施例14と同様に実施した。
【0405】
各組み合わせにおけるSynergy Scoreを表2に示す。
KPL-4細胞株に対する細胞増殖阻害試験において、Compound(1)はエルロチニブ(塩酸塩)、ムブリチニブ、BIBF1120との組み合わせ、抗体-薬物コンジュゲート(1)はエルロチニブ(塩酸塩)、ポジオチニブ、ムブリチニブ、ブリガチニブ、BIBF1120との組み合わせ、抗体-薬物コンジュゲート(4)はエルロチニブ(塩酸塩)、ムブリチニブ、ブリガチニブ、BIBF1120との組み合わせで相乗作用を示した。
【0406】
【0407】
実施例16:細胞増殖阻害試験(3)
ヒューマンサイエンス研究資源バンク(現Japanese Collection of Research Bioresources(JCRB)細胞バンク)より入手したヒト肺がん細胞株EBC-1を評価に使用した。1536ウェル細胞培養用プレートに、DMSOで2mM、400μM、80μM、16μM、3.2μM、640nMに調製したエルロチニブ(塩酸塩)、ポジオチニブ、ムブリチニブ、ブリガチニブ、BIBF1120、もしくはDMSOをそれぞれ25nL/wellで添加した。さらに10%ウシ胎児血清を含むRPMI1640 Mediumで16nM、8.0nM、4.0nM、2.0nM、1.0nM、0.50nMに調製したCompound(1)、もしくは40nM、13nM、4.4nM、1.5nM、0.49nM、0.16nMに調製した抗体-薬物コンジュゲート(4)を、それぞれ2.5μL/wellで添加した。次に10%ウシ胎児血清を含むRPMI1640 Mediumで2×104cells/mLに懸濁したEBC-1細胞を、2.5μL/wellで播種し、37℃、5%CO2下で6日間培養した。培養後、CellTiter-Glo 2.0 Assayを等量のGlo Lysis buffer, 1×で希釈した溶液を2μL/wellで添加し、室温で1時間インキュベーション後に各wellの発光強度を測定した。各条件における細胞増殖阻害率(%)及び併用効果の解析は実施例14と同様に実施した。
【0408】
各組み合わせにおけるSynergy Scoreを表3に示す。
【0409】
EBC-1細胞株に対する細胞増殖阻害試験において、Compound(1)はエルロチニブ(塩酸塩)、ポジオチニブ、ブリガチニブ、BIBF1120との組み合わせ、抗体-薬物コンジュゲート(4)はエルロチニブ(塩酸塩)、ポジオチニブ、ムブリチニブ、ブリガチニブ、BIBF1120との組み合わせで相乗作用を示した。
【0410】
【0411】
実施例17:細胞増殖阻害試験(4)
ATCCより入手したヒト乳がん細胞株HCC70を評価に使用した。1536ウェル細胞培養用プレートに、DMSOで2mM、400μM、80μM、16μM、3.2μM、640nMに調製したエルロチニブ(塩酸塩)、ポジオチニブ、ムブリチニブ、ブリガチニブ、BIBF1120、もしくはDMSOをそれぞれ25nL/wellで添加した。さらに10%ウシ胎児血清を含むRPMI1640 Mediumで800nM、200nM、50nM、13nM、3.1nM、0.78nMに調製したCompound(1)、もしくは5.6nM、2.0nM、0.71nM、0.26nM、0.091nM、0.033nMに調製した抗体-薬物コンジュゲート(4)を、それぞれ2.5μL/wellで添加した。次に10%ウシ胎児血清を含むRPMI1640 Mediumで4×104cells/mLに懸濁したHCC70細胞を、2.5μL/wellで播種し、37℃、5%CO2下で6日間培養した。培養後、CellTiter-Glo 2.0 Assayを等量のGlo Lysis buffer, 1×で希釈した溶液を2μL/wellで添加し、室温で1時間インキュベーション後に各wellの発光強度を測定した。
【0412】
各条件における細胞増殖阻害率(%)及び併用効果の解析は実施例14と同様に実施した。
各組み合わせにおけるSynergy Scoreを表4に示す。
HCC70細胞株に対する細胞増殖阻害試験において、Compound(1)はエルロチニブ(塩酸塩)、ポジオチニブ、ムブリチニブ、ブリガチニブ、BIBF1120との組み合わせ、抗体-薬物コンジュゲート(4)はエルロチニブ(塩酸塩)、ポジオチニブ、ムブリチニブ、ブリガチニブ、BIBF1120との組み合わせで相乗作用を示した。
【0413】
【0414】
実施例18:細胞増殖阻害試験(5)
ATCCより入手したヒト膵臓がん細胞株BxPC-3を評価に使用した。1536ウェル細胞培養用プレートに、DMSOで2mM、400μM、80μM、16μM、3.2μM、640nMに調製したエルロチニブ(塩酸塩)、ポジオチニブ、ムブリチニブ、ブリガチニブ、BIBF1120、もしくはDMSOをそれぞれ25nL/wellで添加した。さらに10%ウシ胎児血清を含むRPMI1640 Mediumで80nM、32nM、13nM、5.1nM、2.0nM、0.82nMに調製したCompound(1)、もしくは16nM、5.3nM、1.8nM、0.59nM、0.20nM、0.066nMに調製した抗体-薬物コンジュゲート(4)を、それぞれ2.5μL/wellで添加した。次に10%ウシ胎児血清を含むRPMI1640 Mediumで4×104cells/mLに懸濁したBxPC-3細胞を、2.5μL/wellで播種し、37℃、5%CO2下で6日間培養した。培養後、CellTiter-Glo 2.0 Assay(Promega)を等量のGlo Lysis buffer, 1×(Promega)で希釈した溶液を2μL/wellで添加し、室温で1時間インキュベーション後に各wellの発光強度を測定した。
【0415】
各条件における細胞増殖阻害率(%)及び併用効果の解析は実施例14と同様に実施した。
各組み合わせにおけるSynergy Scoreを表5に示す。
BxPC-3細胞株に対する細胞増殖阻害試験において、Compound(1)はエルロチニブ(塩酸塩)、ポジオチニブ、ブリガチニブ、BIBF1120との組み合わせ、抗体-薬物コンジュゲート(4)はエルロチニブ(塩酸塩)、ポジオチニブ、ブリガチニブ、BIBF1120との組み合わせで相乗作用を示した。
【0416】
【0417】
実施例19:抗腫瘍試験(9)
ATCCより入手したヒト乳がん株であるMDA-MB-453細胞をマトリゲル基底膜マトリックスに懸濁し、1×107cellsを雌ヌードマウスの右体側部に皮下移植し、移植11日後に無作為に群分けを実施した(Day0)。抗体-薬物コンジュゲート(2)はABS bufferで希釈し、週に1回、3週間(Day0、7、14)、1mg/kgの用量(10mL/kgの液量)で尾静脈内投与した。パルボシクリブは0.5% methyl celluloseに懸濁し、Day0より1日1回、週に5回、3週間、50mg/kgの用量(10mL/kgの液量)で経口投与した。それぞれの単剤と併用投与群、およびコントロール群としてABS投与群を設定した。
【0418】
抗体-薬物コンジュゲート(2)とパルボシクリブとの併用結果を
図21に示す。パルボシクリブ単剤投与のTGIは72%であった。抗体-薬物コンジュゲート(2)の単剤投与によるTGIは54%であった。一方、抗体-薬物コンジュゲート(2)とパルボシクリブとの併用投与では、抗体-薬物コンジュゲート(2)の単剤投与およびパルボシクリブの単剤投与よりも有意に優れた腫瘍増殖抑制効果が認められた(それぞれP<0.0001およびP=0.004)。また、それぞれの単剤投与よりも腫瘍増殖抑制率は高く(TGI,93%)、強い併用効果が認められた。いずれの単剤および併用投与群において、体重減少等の特に目立った所見は認められなかった。
【0419】
実施例20:抗腫瘍試験(10)
ATCCより入手したヒト乳がん株であるMDA-MB-453細胞をマトリゲル基底膜マトリックスに懸濁し、1×107cellsを雌ヌードマウスの右体側部に皮下移植し、移植7日後に無作為に群分けを実施した(Day0)。抗体-薬物コンジュゲート(2)はABS bufferで希釈し、週に1回、3週間(Day0、7、14)、1mg/kgの用量(10mL/kgの液量)で尾静脈内投与した。アルペリシブは0.5% methyl celluloseに懸濁し、Day0より1日1回、週に5回、3週間、25mg/kgの用量(10mL/kgの液量)で経口投与した。それぞれの単剤と併用投与群、およびコントロール群としてABS投与群を設定した。
【0420】
抗体-薬物コンジュゲート(2)とアルペリシブとの併用結果を
図22に示す。アルペリシブ単剤投与のTGIは56%であった。抗体-薬物コンジュゲート(2)の単剤投与によるTGIは68%であった。一方、抗体-薬物コンジュゲート(2)とアルペリシブとの併用投与では、抗体-薬物コンジュゲート(2)の単剤投与およびアルペリシブの単剤投与よりも有意に優れた腫瘍増殖抑制効果が認められた(それぞれP=0.01およびP=0.0001)。また、それぞれの単剤投与よりも腫瘍増殖抑制率は高く(TGI,86%)、強い併用効果が認められた。いずれの単剤および併用投与群において、体重減少等の特に目立った所見は認められなかった。
キナーゼ阻害剤が、CDK4/6阻害剤、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、RAF阻害剤、VEGFR阻害剤、KIT阻害剤、RET阻害剤、PDGFR阻害剤、FGFR阻害剤、FLT3阻害剤、ALK阻害剤、CSF-1R阻害剤、EGFR阻害剤、及びHER2阻害剤からなる群より選択される少なくとも一つである、請求項1に記載の組合せ医薬。
キナーゼ阻害剤が、CDK4/6阻害剤、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、RAF阻害剤、VEGFR阻害剤、KIT阻害剤、RET阻害剤、PDGFR阻害剤、FGFR阻害剤、ALK阻害剤、EGFR阻害剤、及びHER2阻害剤からなる群より選択される少なくとも一つである、請求項1に記載の組合せ医薬。
キナーゼ阻害剤が、アベマシクリブ、パルボシクリブ、リボシクリブ、トリラシクリブ、G1T38、PF-06873600、TP-1287、FN-1501、若しくはKRX-0601、及びそれらの薬理上許容される塩からなる群から選択されるCDK4/6阻害剤である、請求項3に記載の組合せ医薬。
キナーゼ阻害剤が、エベロリムス、シロリムス、テムシロリムス、TAK-228、CC-223、AZD8055、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、若しくはPQR309、及びそれらの薬理上許容される塩からなる群から選択されるmTOR阻害剤である、請求項3に記載の組合せ医薬。
キナーゼ阻害剤が、タセリシブ、アルペリシブ、TAK-117、GSK2636771、AZD8186、IPI-549、イデラリシブ、デュベリシブ、AMG319、ブパルリシブ、ピクチリシブ、ピララリシブ、コパンリシブ、ソノリシブ、CH5132799、ZSTK474、GDC-0077、ダクトリシブ、アピトリシブ、ジェダトリシブ、LY3023414、PF-04691502、NVP-BGT226、PQR309、KRX-0601、若しくはリゴセルチブ、及びそれらの薬理上許容される塩からなる群から選択されるPI3K阻害剤である、請求項3に記載の組合せ医薬。
キナーゼ阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エンコラフェニブ、RAF265、GDC-5573、LY3009120、若しくはRO5126766、及びそれらの薬理上許容される塩からなる群から選択されるRAF阻害剤である、請求項3に記載の組合せ医薬。
キナーゼ阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、バンデタニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、カボザンチニブ、チボザニブ、ブリバニブ、リニファニブ、ルシタニブ、イロラセルチブ、若しくはENMD-2076、及びそれらの薬理上許容される塩からなる群から選択されるVEGFR阻害剤である、請求項3に記載の組合せ医薬。
キナーゼ阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、イマチニブ、イロラセルチブ、スニチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、若しくはダサチニブ、及びそれらの薬理上許容される塩からなる群から選択されるKIT阻害剤である、請求項3に記載の組合せ医薬。
キナーゼ阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、バンデタニブ、レンバチニブ、若しくはスニチニブ、及びそれらの薬理上許容される塩からなる群から選択されるRET阻害剤である、請求項3に記載の組合せ医薬。
キナーゼ阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、イロラセルチブ、イマチニブ、ニロチニブ、若しくはダサチニブ、及びそれらの薬理上許容される塩からなる群から選択されるPDGFR阻害剤である、請求項3に記載の組合せ医薬。
キナーゼ阻害剤が、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、アキシチニブ、若しくはパゾパニブ、及びそれらの薬理上許容される塩からなる群から選択されるFGFR阻害剤である、請求項3に記載の組合せ医薬。
キナーゼ阻害剤が、ギルテリチニブ、キザルチニブ、ミドスタウリン、ソラフェニブ、イロラセルチブ、ENMD-2076、若しくはスニチニブ、及びそれらの薬理上許容される塩からなる群から選択されるFLT3阻害剤である、請求項2に記載の組合せ医薬。
キナーゼ阻害剤が、ブリガチニブ、クリゾチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、若しくはロルラチニブ、及びそれらの薬理上許容される塩からなる群から選択されるALK阻害剤である、請求項3に記載の組合せ医薬。
キナーゼ阻害剤が、ペキシダルチニブ、BLZ-945、JNJ-40346527、JNJ-28312141、イロラセルチブ、イマチニブ、スニチニブ、若しくはアキシチニブ、及びそれらの薬理上許容される塩からなる群から選択されるCSF-1R阻害剤である、請求項2に記載の組合せ医薬。
キナーゼ阻害剤が、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ダコミチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、ピロチニブ、若しくはポジオチニブ、又はそれらの薬理上許容される塩からなる群から選択されるEGFR阻害剤である、請求項3に記載の組合せ医薬。
キナーゼ阻害剤が、ツカチニブ、ネラチニブ、ムブリチニブ、ラパチニブ、ピロチニブ、若しくはポジオチニブ、及びそれらの薬理上許容される塩からなる群から選択されるHER2阻害剤である、請求項3に記載の組合せ医薬。
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、配列番号5においてアミノ酸番号20乃至470に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号6においてアミノ酸番号21乃至234に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗TROP2抗体である、請求項21に記載の組合せ医薬。
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、配列番号7においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号8においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗B7-H3抗体である、請求項23に記載の組合せ医薬。
抗体-薬物コンジュゲートにおける抗体が、配列番号9においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号10においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖を含んでなる抗CDH6抗体である、請求項25に記載の組合せ医薬。
抗体-薬物コンジュゲートと、キナーゼ阻害剤が、それぞれ別異の製剤に有効成分として含有され、同時に又は異なる時間に投与されることを特徴とする、請求項1から28のいずれか1項に記載の組合せ医薬。
乳がん、胃がん、大腸がん、肺がん、食道がん、頭頚部がん、胃食道接合部腺がん、胆道がん、ページェット病、膵臓がん、卵巣がん、子宮がん肉腫、尿路上皮がん、前立腺がん、膀胱がん、消化管間質腫瘍、子宮頸がん、扁平上皮がん、腹膜がん、肝臓がん、肝細胞がん、子宮体がん、腎臓がん、外陰部がん、甲状腺がん、陰茎がん、白血病、悪性リンパ腫、形質細胞腫、骨髄腫、多型神経膠芽腫、骨肉腫、肉腫、及びメラノーマからなる群より選択される少なくとも一つの治療のための、請求項1から30のいずれか1項に記載の組合せ医薬。