(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161627
(43)【公開日】2024-11-20
(54)【発明の名称】粘着性保持治具の製造方法
(51)【国際特許分類】
B29C 39/24 20060101AFI20241113BHJP
B29C 39/26 20060101ALI20241113BHJP
B29C 39/10 20060101ALI20241113BHJP
【FI】
B29C39/24
B29C39/26
B29C39/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021124331
(22)【出願日】2021-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000190116
【氏名又は名称】信越ポリマー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】保泉 聡
(72)【発明者】
【氏名】初見 俊明
【テーマコード(参考)】
4F202
4F204
【Fターム(参考)】
4F202AA36
4F202AA45
4F202AD04
4F202AD08
4F202AD34
4F202AF01
4F202AG05
4F202AH81
4F202CA01
4F202CA30
4F202CB01
4F202CB12
4F202CD12
4F204AA36
4F204AA45
4F204AD04
4F204AD08
4F204AF01
4F204AG05
4F204AH33
4F204EA03
4F204EB01
4F204EB12
4F204EB29
4F204EF01
4F204EF27
4F204EK13
4F204EK17
(57)【要約】
【課題】作業効率が良い粘着性保持治具の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、支持基材11と、支持基材11上に設けられ、表面12aに凹凸パターン13を有する粘着剤層12とを備える粘着性保持治具10の製造方法であって、上金型21及び下金型22を有する金型20の上金型21に、凹凸パターン13を形成するためのパターン31を有するナノインプリント金型30を装着し、下金型22のキャビティ底部22aに、支持基材11を配置する第1工程と、支持基材11上に、液状熱硬化性粘着材料24を配置する第2工程と、金型20を型締めし、金型20を加熱することにより、支持基材11と液状熱硬化性粘着材料24を一体的に接着成型する第3工程と、金型20を開放して、成型された粘着性保持治具10を取り出す第4工程と、を含む粘着性保持治具の製造方法である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持基材と、前記支持基材上に設けられ、表面に凹凸パターンを有する粘着剤層とを備える粘着性保持治具の製造方法であって、
上金型及び下金型を有する金型の前記上金型に、前記凹凸パターンを形成するためのパターンを有するナノインプリント金型を装着し、前記下金型のキャビティ底部に、前記支持基材を配置する第1工程と、
前記支持基材上に、液状熱硬化性粘着材料を配置する第2工程と、
前記金型を型締めし、前記金型を加熱することにより、前記支持基材と前記液状熱硬化性粘着材料とを一体的に接着成型する第3工程と、
前記金型を開放して、成型された前記粘着性保持治具を取り出す第4工程と、
を含む粘着性保持治具の製造方法。
【請求項2】
前記ナノインプリント金型が、ニッケル製電鋳金型である請求項1記載の粘着性保持治具の製造方法。
【請求項3】
前記液状熱硬化性粘着材料が、未加硫のシリコーンゴムを含有する請求項1又は2記載の粘着性保持治具の製造方法。
【請求項4】
前記支持基材が、ガラス基材である請求項1から3いずれか1項記載の粘着性保持治具の製造方法。
【請求項5】
前記ガラス基材の少なくとも前記粘着剤層が形成される表面にプライマー処理が施されている請求項4記載の粘着性保持治具の製造方法。
【請求項6】
前記凹凸パターンの凸部の頂上部以外の領域に、非粘着領域を形成する第5工程を含む請求項1から5いずれか1項記載の粘着保持治具の製造方法。
【請求項7】
前記粘着性保持治具が、マイクロLEDの製造工程用である請求項1から6いずれか1項記載の粘着性保持治具の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着性保持治具の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
セラミックコンデンサ、チップ抵抗、コイル、半導体ウェハ等の電子部品を回路が設けられた基板に実装するために、電子部品を粘着保持して、基板まで搬送し、離脱させる実装装置が知られている。例えば、特許文献1には、移送部が、規定温度によって粘着力が喪失又は低下する粘着シートを有し、素子に粘着シートを押し付けて粘着シートに貼り付けることで、素子をピックアップし、次に、移送する基板上に素子を接触させ、規定温度以上に加熱することによって、ピックアップした素子を粘着シートから剥離して、一括して素子を移送する素子実装装置が開示されている。
【0003】
近年、高画質、高エネルギー効率の観点から、マイクロLEDが回路基板に実装されたマイクロLEDディスプレイが注目されている。マイクロLEDディスプレイの製造工程においても、RGBの各色のLEDを粘着させて基板まで移送するために粘着性基材が用いられている。その際、RGB各色のLEDの配置に対応した粘着領域と被粘着領域のパターンを有する粘着性基板を形成する必要がある。そして、そのようなパターンは、例えば、粘着剤層の表面にレーザー光を照射することにより、粘着力を変化させることで形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、レーザー光照射によるパターンの形成では、同一製品を多数製造する場合には、時間がかかり、作業効率が低いという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、作業効率が良い粘着性保持治具の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、支持基材と、支持基材上に設けられ、表面に凹凸パターンを有する粘着剤層とを備える粘着性保持治具の製造方法であって、上金型及び下金型を有する金型の上金型に、凹凸パターンを形成するためのパターンを有するナノインプリント金型を装着し、下金型のキャビティ底部に、支持基材を配置する第1工程と、支持基材上に、液状熱硬化性粘着材料を配置する第2工程と、金型を型締めし、金型を加熱することにより、支持基材と液状熱硬化性粘着材料とを一体的に接着成型する第3工程と、金型を開放して、成型された粘着性保持治具を取り出す第4工程と、を含む粘着性保持治具の製造方法である。
【0007】
ナノインプリント金型は、ニッケル製電鋳金型であることが好ましい。
【0008】
液状熱硬化性粘着材料は、未加硫のシリコーンゴムを含有することが好ましい。
【0009】
支持基材は、ガラス基材であることが好ましい。
【0010】
ガラス基材の少なくとも粘着剤層が形成される表面にプライマー処理が施されていることが好ましい。
【0011】
凹凸パターンの凸部の頂上部以外の領域に、非粘着領域を形成する第5工程を含むことが好ましい。
【0012】
粘着性保持治具は、マイクロLEDの製造工程用であることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、作業効率良く粘着性保持治具を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の粘着性保持治具の製造方法によって製造される粘着性保持治具の一実施形態を示す概略断面図である。
【
図2】本発明の粘着性保持治具の製造方法の一実施形態を説明する概略断面図である。
【
図3】本発明の粘着性保持治具の製造方法の追加の工程を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の粘着性保持治具の製造方法の一実施形態を、図を参照しながら説明する。
【0016】
[粘着性保持治具]
まず、本発明の粘着性保持治具の製造方法の一実施形態によって製造される粘着性保持治具について
図1を参照しながら説明する。
図1に示すように、粘着性保持治具10は、支持基材11と、支持基材11上に設けられ、表面12aに凹凸パターン13を有する粘着剤層12とを備える。
粘着性保持治具10の凹凸パターン13は、凹凸表面は全て同じ粘着力であるが、凹凸パターン13の凸部13aの頂上部で選択的に被粘着物を粘着させることができる。
【0017】
(ゴム硬度)
粘着剤層12のゴム硬度は、被粘着物への粘着性及び取り外しを容易にする観点から、デューロメータA硬度で、10度以上80度以下が好ましく、20度以上60度以下がより好ましい。硬度が、上記範囲であることにより、十分な粘着力が得られやすく、被粘着物の取り外しを容易に行うことができる。
なお、ゴム硬度は、JIS K 6253に従って測定した値である。
【0018】
(粘着力)
粘着剤層12の粘着力(単位:N/25mm幅)は、JIS Z0237の粘着テープ・粘着シート試験方法の90度引きはがし粘着力の測定方法に準拠して測定される。
具体的には、粘着力の測定方法は、JIS Z0237を参考に以下の方法で行われる。まず、測定する粘着面を水平に固定し、測定環境を23±1℃、湿度50±5%に設定する。次に、厚さ25μmのポリイミドフィルムを幅25mmにカットした後、粘着面に2kgのゴムローラを用いて貼り付ける。その後、1分以内に剥離5mm/秒で90度剥離試験を実施する。
剥離試験は、引張試験機にポリイミドフィルムをチャック後、速度5±0.2mm/秒で運転する。結果はニュートン毎25mm(N/25mm)に換算する。
上記粘着力の測定においては、株式会社IMADA製のデジタルフォースゲージ、電動スタンド、90度剥離試験冶具の組み合わせを用いて行い、ポリイミドフィルムは東レ・デュポン株式会社製のカプトン(登録商標)フィルムを使用する。
【0019】
このようにして測定される粘着力は、0.1(N/25mm)以上1.5(N/25mm)以下であることが好ましく、0.3(N/25mm)以上0.7(N/25mm)以下であることがより好ましい。
粘着力が、上記範囲であることにより、例えば、部品のピックアップミス及び搬送時のチップ脱落を防止でき、さらに、基板上の所定位置でのハンダによる固定時に、チップの取り外しが容易となる。
【0020】
(凸部の高さ)
凸部13aの高さh(
図1参照)は、10μm以上50μm以下であることが好ましい。凸部13aの高さhが、10μm以上であることにより、被粘着物を凸部13aに粘着させた後、他の粘着性基板へ転写する場合、仮に、凹部13bに被粘着物が落下したとしても、被粘着物が他の粘着性基板へ接触するのを防止することができるので、意図しない箇所への転写を防止することができる。また、凸部13aの高さhが、50μm以下であることにより、凸部13aが、保持対象物に押し付けられたときに屈曲することなく、確実に保持対象物を粘着保持することができる。
なお、凸部13aの高さhの測定方法は、後述の実施例で示す方法である。
【0021】
粘着性保持治具10は、高い粘着性を有し、かつ低硬度である。また、粘着剤層12の表面12aにごみ、埃等が付着して粘着性が低下しても、アルコールで洗浄することにより、容易に元の粘着性を有するため、繰り返し使用可能である。
さらに、粘着剤層12がシリコーンゴムからなる場合は、耐熱性を有するため、被粘着物を粘着させた状態で耐熱試験を行うことも可能である。
【0022】
[粘着性保持治具の製造方法]
次に、本発明の粘着性保持治具の製造方法について説明する。
(第1工程)
第1工程は、
図2(a)に示すように、上金型21及び下金型22を有する金型20の上金型21に、ナノインプリント金型30を装着し、下金型22のキャビティ底部22aに、支持基材11を配置する工程である。
【0023】
金型20を構成する上金型21及び下金型22は、SUS(ステンレス鋼)、又は、S45C、SKD11等の鋼材で形成されることが好ましい。
【0024】
ナノインプリント金型30は、粘着剤層12の凹凸パターン13を形成するためのパターン31を有する。ナノインプリント金型30のパターン31は、フォトリソグラフィーで形成されることが好ましい。粘着剤層12に粘着させる部品等の配列パターンに応じて異なるパターン31を有するナノインプリント金型30を形成しておけば、上金型21に装着するナノインプリント金型30を変更することによって、異なる凹凸パターン13を有する粘着剤層12を効率良く多数形成することができる。
ナノインプリント金型30は、電着の容易さ、機械的強度の観点からニッケル電鋳金型、銅電鋳金型であることが好ましく、ニッケル電鋳金型であることがより好ましい。
【0025】
下金型22のキャビティ底部22aの大きさは、支持基材11と同等となるように形成されている。
【0026】
支持基材11は、耐熱性及び熱膨張の観点から、ガラス基材、シリコンウエハー、低熱膨張金属であることが好ましく、ガラス基材がより好ましい。
支持基材11がガラス基材である場合、ガラス基材の少なくとも粘着剤層12が形成される表面にプライマー処置が施されていることが好ましい。プライマー処理が施されていることにより、ガラス基材に粘着剤層12の材料である後述する液状熱硬化性粘着材料24が密着しやすく、強固に一体成形される。
【0027】
本実施形態では、上金型21と下金型22との間であって、ガラス基材の周囲に、スペーサ23を配置している。スペーサ23の厚さTによって、粘着剤層12の厚さを調整することができる。スペーサ23を使用しない場合は、下金型22のキャビティ深さとナノインプリント金型30の厚さ又は形状を調整することによって、粘着剤層12の厚さを調整することができる。
【0028】
(第2工程)
第2工程は、
図2(b)に示すように、支持基材11上に、液状熱硬化性粘着材料24を配置する工程である。
液状熱硬化性粘着材料24を配置する方法は、精密ディスペンサーで行うことが好ましい。
液状熱硬化性粘着材料24の粘度は、配合と攪拌混錬の容易さ、及び精密な計量と吐出の観点から、50Pa・s以上1600Pa・s以下であることが好ましく、200Pa・s以上600Pa・s以下であることが好ましい。本発明における粘度は、JIS K 7117-1:1999に準じて測定した値とする。
【0029】
液状熱硬化性粘着材料24としては、シリコーンゴムが好ましい。
シリコーンゴムを主成分とする液状熱硬化性粘着材料24は、例えば、以下のシリコーンゴム組成物を用いることができる。
【0030】
(シリコーンゴム組成物)
以下にシリコーンゴム組成物の詳細を説明する。
シリコーンゴム組成物は、未加硫のシリコーンゴム、及び粘着剤を含有する。
【0031】
-(A)未加硫のシリコーンゴム-
本発明で使用する(A)未加硫のシリコーンゴムは、一般的な付加反応型の液状シリコーンゴムである。付加反応型の液状シリコーンゴムは以下の成分からなる。
付加反応型の液状シリコーンゴムは、主成分としてビニル基を含んだオルガノポリシロキサン、補強目的としてのシリカ等の充填材、触媒として白金系触媒を含み、必要に応じて、特性を付与する目的でオルガノハイドロジェンポリシロキサン、反応制御材、シリコーンオイル、添加剤等が配合されて調製される。
【0032】
-(B)粘着剤-
(B)粘着材としては、シリコーンゴムに添加され、同時に成形を行うことから耐熱性を有するシリコーンレジンが好ましい。シリコーンレジンは、M単位(R3SiO1/2)とQ単位(SiO4/2)を含むオルガノポリシロキサンである。Rは、水素原子、水酸基または有機基を表し、有機溶剤に溶解しやすい観点から、メチル基であることが好ましい。また、オルガノポリシロキサンは、OH基、ビニル基、又はフェニル基を含有するものであってもよい。市販品として、例えば、信越化学工業株式会社製のKR3701、KR3700、東レ・ダウコーニング社製のSD4580、SD4584等が挙げられる。
【0033】
-その他の成分-
シリコーンゴム組成物は、触媒、希釈剤、顔料や染料等の着色剤、レベリング剤、帯電防止剤等の添加物が含有されていてもよい。
【0034】
(第3工程)
第3工程は、
図2(c)に示すように、金型20を型締めし、金型20を加熱手段(不図示)によって加熱することにより、支持基材11と液状熱硬化性粘着材料24を一体的に接着成型する工程である。
加熱温度は、組成物の材料によって適宜調整すればよく、100℃以上150℃以下が好ましく、100℃以上130℃以下がより好ましい。加熱時間は、支持基材11と液状熱硬化性粘着材料24とを一体的に接着成型する観点から、30秒以上20分以下であることが好ましく、300秒以上10分以下がより好ましい。
支持基材11に予めプライマー処理が施されていると、加熱により、支持基材11と液状硬化性粘着材料とが一体的に接着成型されやすい。
【0035】
(第4工程)
第4工程は、
図2(d)に示すように、型締めをしていた金型20を開放し、スペーサ23を除去して、成型された粘着性保持治具10を取り出す工程である。予め、インプリント金型20に、離型処理をしておくと凸部の破壊又は欠損を防止することができる。
【0036】
本発明の粘着性保持治具は、高い粘着性を有し、かつ被粘着物から取り外しが可能であるので繰り返し使用可能であることから、マイクロLED、セラミックコンデンサ、チップ抵抗、コイル、半導体素子等の微小な部品の製造工程用として用いることができる。
【0037】
(第5工程)
本発明粘着性保持治具の製造方法においては、
図3に示すように、粘着剤層12の凹凸パターンの凸部13aの頂上部以外の領域に、非粘着領域を形成する第5工程を設けてもよい。例えば、非粘着領域は、レーザー光照射(
図3中、符号L)、UV照射、ブラスト加工等の表面処理を施すことにより形成することができる。
【0038】
非粘着領域の粘着力は、0.02(N/25mm)以下であることが好ましく、0.01(N/25mm)以下であることがより好ましい。粘着力が、上記範囲であることにより、被粘着物が粘着するのを防止することができる。
【実施例0039】
以下、実施例によって本発明の一例を詳細に説明する。
実施例では、表1に示す、粘着剤層の凸部の表面の大きさと高さとなるように、この凸部の形状に対応したパターンを有するナノインプリント金型を使用した。
[実施例1]
まず、以下の材料からなるシリコーンゴム組成物を調製した。
-シリコーンゴム組成物-
(A)未加硫のシリコーンゴム
KE-1950-30A(信越化学工業株式会社社製) 50質量部
KE-1950-30B(信越化学工業株式会社社製) 50質量部
(B)粘着剤(KR-3700、信越化学工業株式会社製) 30質量部
【0040】
次に、粘着剤層の凸部の上面の大きさが30μm×30μm、凸部の高さが40μmとなるような、ナノインプリント金型を上金型に装着する。
【0041】
次に、ガラス基材(厚さ0.7mm、40mm×40mm、ホウケイ酸ガラス)を下金型のキャビティ底部に配置し、ガラス基材上に、上記シリコーンゴム組成物を配置し、型締めをして、シリコーンゴム組成物を110℃で10分間加硫した。その後、金型を開放して、成型された粘着性保持治具を取り出した。
【0042】
[実施例2]
粘着剤層の凸部の上面の大きさが50μm×30μm、凸部の高さが50μmとなるような、ナノインプリント金型にしたこと以外は実施例1と同様に粘着性保持具を形成した。
【0043】
[比較例1]
実施例1においてナノインプリント金型の代わりに平坦な金属板を使用して、同様に成形して、凹凸のない粘着保持治具を成形した。
その後、レーザー加工機でシリコーンゴム部を加工して、凹凸のある粘着性保持治具を形成した。
【0044】
[比較例2]
比較例1と同様にレーザー加工機で、実施例2と同様の凹凸形状を形成した。
【0045】
(凸部形状及び凸部高さ)
実施例及び比較例の粘着保持治具の凸部の形状及び凸部の高さを、レーザー顕微鏡(商品名「VK-X1000」、キーエンス社製)で測定した。
【0046】
(ゴム硬度)
ゴム硬度は、JIS K 6253に従って、デューロメータA硬度計(商品名「GS-719N」、テクロック社製)で測定した。
【0047】
表1に、成型方法(ゴム部成形時間、ゴム部加工時間)、凸部の形状、凸部高さ、ゴム硬度を示す。
【0048】
【0049】
表1に示すように、本発明の粘着性保持治具は、レーザー光照射による粘着パターンの形成に比べて、成形時間の短縮が可能となった。