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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161636
(43)【公開日】2024-11-20
(54)【発明の名称】投影装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/20 20180101AFI20241113BHJP
   B60Q 1/24 20060101ALI20241113BHJP
   B60Q 1/50 20060101ALI20241113BHJP
   F21S 41/143 20180101ALI20241113BHJP
   F21W 103/20 20180101ALN20241113BHJP
   F21W 103/55 20180101ALN20241113BHJP
   F21W 103/10 20180101ALN20241113BHJP
   F21W 103/60 20180101ALN20241113BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20241113BHJP
【FI】
F21S43/20
B60Q1/24 E
B60Q1/50
F21S41/143
F21W103:20
F21W103:55
F21W103:10
F21W103:60
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076429
(22)【出願日】2023-05-08
(71)【出願人】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100081433
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 章夫
(72)【発明者】
【氏名】谷 健太郎
【テーマコード(参考)】
3K339
【Fターム(参考)】
3K339AA25
3K339AA43
3K339BA02
3K339BA03
3K339BA05
3K339BA21
3K339BA23
3K339BA28
3K339CA06
3K339CA12
3K339CA30
3K339DA01
3K339EA02
3K339EA05
3K339GB01
3K339KA37
(57)【要約】
【課題】ターンシグナルランプの照射光に対するグレアを防止するとともに、投影する光パターンの明るさの低下を抑制した投影装置を提供する。
【解決手段】車両に搭載され、周囲の路面の相対的に遠距離の位置に所定の遠距離側光パターンを投影する遠距離側投影ユニット2と、相対的に近距離の位置に所定の近距離側光パターンを投影する近距離側投影ユニット3がハウジング100内に配設される。遠距離側投影ユニット2と近距離側投影ユニット3はそれぞれ光パターンを投影するための投影レンズ24,34を備えており、少なくとも遠距離側投影ユニット2の投影レンズ24は、近距離側投影ユニッ3トの投影レンズ34よりも投影方向に対して後退された位置に配置される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、周囲の路面に光パターンを投影する投影装置であって、前記投影装置は、相対的に遠距離の位置に所定の遠距離側光パターンを投影する遠距離側投影ユニットと、相対的に近距離の位置に所定の近距離側光パターンを投影する近距離側投影ユニットがハウジング内に配設されており、前記遠距離側投影ユニットと前記近距離側投影ユニットはそれぞれ光パターンを投影するための投影レンズを備え、少なくとも前記遠距離側投影ユニットの投影レンズは、前記近距離側投影ユニットの投影レンズよりも投影方向に対して後退された位置に配置されていることを特徴とする投影装置。
【請求項2】
車両に搭載され、周囲の路面に光パターンを投影する投影装置であって、前記投影装置は、相対的に遠距離の位置に所定の遠距離側光パターンを投影する遠距離側投影ユニットと、相対的に近距離の位置に所定の近距離側光パターンを投影する近距離側投影ユニットがハウジング内に配設されており、前記遠距離側投影ユニットと前記近距離側投影ユニットはそれぞれ光パターンを投影するための投影レンズを備え、前記遠距離側投影ユニットの投影レンズは、前記近距離側投影ユニットの投影レンズよりもレンズ面の面積が小さくされていることを特徴とする投影装置。
【請求項3】
前記遠距離側投影ユニットの投影レンズは、所要の球面若しくは非球面を有する円形のレンズの少なくとも一辺部が切除された構成である請求項2に記載の投影装置。
【請求項4】
前記遠距離側投影ユニットと前記近距離側投影ユニットは、それぞれ光を出射する発光素子を備える光源部と、光源部から出射された光を集光させるプライマリレンズと、集光された光を所定のビーム形状にするシェード開口を備えるシェードと、前記シェード開口を透過された光を路面に投影する投影レンズを備える請求項1ないし3のいずれかに記載の投影装置。
【請求項5】
前記投影装置は、前記車両に搭載されて所定の光を照射するランプの下方位置に配設され、当該ランプの光照射と同期して光パターンを投影する請求項4に記載の投影装置。
【請求項6】
前記ランプは車両のターンシグナルランプを含む補助ランプである請求項5に記載の投影装置。
【請求項7】
前記近距離側投影ユニットの投影レンズは、前記遠距離側投影ユニットの投影レンズよりも鉛直方向における前傾角度が大きい状態で配設されている請求項4に記載の投影装置。
【請求項8】
前記近距離側投影ユニットは、前記近距離側光パターンとして、車両に近い路面に投影される近傍光パターンと、それよりも遠い路面に投影される中央光パターンを投影する構成である請求項4に記載の投影装置。
【請求項9】
前記遠距離側投影ユニットは、第1光パターンを投影する第1の投影ユニットと、第2光パターンを投影する第2の投影ユニットを備え、これら第1光パターンと第2光パターンを合成して前記所定の遠距離側光パターンを投影する請求項4に記載の投影装置。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両に搭載されて道路の路面に所要の光パターンを投影描画するのに好適な投影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車の走行に伴う交通安全を図る目的で、自動車の周囲の路面に光パターンを投影し、他車両や歩行者に対して注意喚起力を高めようとする技術が提案されている。このような光パターンを投影する投影装置として、例えば、特許文献1には、光源としての発光素子の前側に所要の形状をしたシェード開口を配置し、このシェード開口で構成される光パターンを投影レンズにより投影する技術が提案されている。また、この特許文献1には、複数の光源と複数のシェード開口を配置することにより、1つの投影装置により複数の光パターンを投影する技術も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2023-028932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の投影装置は、図1に例示するように、自動車CARのフロントランプFLよりも下側の位置に配設されることが多い。この例では、投影装置1は自動車CARのフロントバンパーの近傍位置に配設され、自動車の前方の路面に光パターンOPを投影するように構成される。自動車CARの前方の路面に走行方向を示す光パターンOPを投影することにより、自動車CARの前方ないし前側に存在する他車両や歩行者等に対して自動車の走行方向を報知し、交通安全に寄与することになる。例えば、フロントランプFLの一部を構成している補助ランプSLをターンシグナルランプとして点灯(点滅)する際に、これと同期して光パターンOPを投影することで、ターンシグナルランプの光照射と、投影装置1による光パターンOPとで自動車の走行方向を表示することができ交通の安全性を高めることができるようになる。
【0005】
このようにランプと同期して光パターンを投影する場合において、投影装置から出射される光の一部がランプの光照射領域に進入し、この進入した光がグレア光としてランプの正常な光照射に悪影響を与えることがある。詳細については後述するが、図1の例では、投影装置1から投射された光のうち上方に向けられた一部の光が、上側に配置されているフロントランプFL(補助ランプSL)の光照射領域にグレア光として進入される。
【0006】
このようなグレア光を防止するために、投影装置には、投影レンズから投射される光のうち、光パターンの投影に寄与することがない光(非パターン光)、特にフロントランプFLが配置されている上方への光を遮光するためのフードやシェード等の遮光手段を投影レンズの前側に付設することが考えられる。しかし、この遮光手段によって投影装置を構成するための独立した部品が増えることになり、構造が複雑になるとともにコスト高の要因になる。また、この遮光手段によって光パターンを構成する光の一部も遮光されることがあり、投影される光パターンの光量が低減され、光パターンの明るさが低下する要因になる。
【0007】
本発明の目的は、ランプの照射光に対するグレアを防止するとともに、投影する光パターンの明るさの低下を抑制した投影装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の発明の投影装置は、車両に搭載され、周囲の路面に光パターンを投影する投影装置であって、相対的に遠距離の位置に所定の遠距離側光パターンを投影する遠距離側投影ユニットと、相対的に近距離の位置に所定の近距離側光パターンを投影する近距離側投影ユニットがハウジング内に配設されている。遠距離側投影ユニットと近距離側投影ユニットはそれぞれ光パターンを投影するための投影レンズを備えており、少なくとも遠距離側投影ユニットの投影レンズは、近距離側投影ユニットの投影レンズよりも投影方向に対して後退された位置に配置されている。
【0009】
本発明の第2の発明の投影装置は、車両に搭載され、周囲の路面に光パターンを投影する投影装置であって、投影装置は、相対的に遠距離の位置に所定の遠距離側光パターンを投影する遠距離側投影ユニットと、相対的に近距離の位置に所定の近距離側光パターンを投影する近距離側投影ユニットがハウジング内に配設されている。遠距離側投影ユニットと近距離側投影ユニットはそれぞれ光パターンを投影するための投影レンズを備えており、遠距離側投影ユニットの投影レンズは近距離側投影ユニットの投影レンズよりもレンズ面の面積が小さくされている。例えば、遠距離側投影ユニットの投影レンズは、所要の球面若しくは非球面を有する円形のレンズの少なくとも一辺部が切除された構成である。
【0010】
本発明の投影装置の好ましい形態として、遠距離側投影ユニットと近距離側投影ユニットは、それぞれ光を出射する発光素子を備える光源部と、光源部から出射された光を集光させるプライマリレンズと、集光された光を所定のビーム形状にするシェード開口を備えるシェードと、シェード開口を透過された光を路面に投影する投影レンズを備える。
【0011】
また、本発明において、投影装置は、車両に搭載されて所定の光を照射するランプの下方位置に配設され、当該ランプの光照射と同期して光パターンを投影する投影装置として適用されることが好ましい。例えば、ランプは車両のターンシグナルランプを含む補助ランプである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、少なくとも遠距離側投影ユニットの投影レンズを近距離側投影ユニットの投影レンズよりもハウジング内の奥まった位置に配設し、あるいは遠距離側投影ユニットの投影レンズのレンズ面の面積を近距離側投影ユニットの投影レンズよりも小さくすることにより、特に遠距離側投影ユニットの投影レンズからランプに向けて非パターン光が出射することが抑制され、ランプの照射光に対するグレアを防止することができるとともに、投影する光パターンの明るさの低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態の投影装置を装備した自動車の概略部分斜視図。
図2】(a)は投影装置の作用を説明する模式平面図、(b)はその模式側面図。
図3】実施形態1の投影装置の概略の斜視図。
図4】実施形態1の投影装置の概略の平面図。
図5】実施形態1の投影装置の作用を説明する図であり、(a)は遠方投影ユニットの光路を示す模式側面図、(b)は近傍・中央投影ユニットの光路を示す模式側面図。
図6】実施形態1の作用効果を説明する模式側面図。
図7】実施形態2の投影装置の概略の斜視図。
図8】実施形態2の投影装置の概略の平面図。
図9】実施形態2の遠方投影ユニットの作用を説明する模式図。
図10】実施形態2の作用効果を説明する模式側面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。この実施形態では、図1に示したように、自動車CARの車体前部に配設されるフロントランプFLの下方位置に投影装置1が配設されている。図1には自動車CARの前部のみを図示しているが、フロントランプFLは自動車CARの左右に配設されており、これに対応して投影装置1も自動車CARの左右に配設されている。フロントランプFLは、ヘッドランプHLと補助ランプSLが一体に構成された複合型のランプとして構成されている。この補助ランプSLは、ここではクリアランスランプとターンシグナルランプとして兼用されるが、デイタイムランニングランプとして兼用されてもよい。
【0015】
左右の各投影装置1は自動車CARの左右同じ側のフロントランプFLの補助ランプSlの点灯に同期して所要の光パターンを投影するように構成されている。ここでは左右のいずれかの補助ランプSLがターンシグナルランプとして点滅状態に点灯されたときに、これに対応する側の投影装置1が同期して自動車CARの前方の路面に逆V字型の光パターンOPを投影するように構成されている。
【0016】
すなわち、図2(a)の模式平面図と、図2(b)の模式側面図に示すように、左右の各投影装置1は、自動車CARの直進方向に対して幾分車幅方向の外側斜め前方に向けて延びる仮想直線(破線)に沿って逆V字型の光パターンOPを投影する構成とされている。この例では、左右の各投影装置1は、仮想直線に沿って自動車の直前の近傍位置と、これよりも幾分遠い中央位置と、自動車CARから最も遠い遠方位置にそれぞれ逆V字型の光パターンとして近傍光パターンNOP、中央光パターンCOP、遠方光パターンFOPを投影する。自動車CARから近傍光パターンNOP、中央光パターンCOP、遠方光パターンFOPまでの各距離は適宜に設定されるが、例えば、遠方光パターンFOPまでの距離は4m程度とされる。
【0017】
(実施形態1)
図3は実施形態1の投影装置1の概略構成を示す斜視図であり、図4はその概略平面図である。左右の投影装置1は左右が対称の構成であり、同図は図1に示した自動車CARの車体左前部に配設された左側の投影装置1を示している。投影装置1は、ヒートシンクを兼ねるボディと、このボディの前面開口に取り付けられる透光性の前面カバーを備えた水平方向に横長のハウジング100を備えており、このハウジング100内に2つの投影ユニット2,3が車幅方向に並んで一体的に組み込まれている。なお、実施形態1及び後述する実施形態2においては、ハウジング100の詳細な構成と、このハウジング100内に配設される投影ユニット2,3の具体的な支持構造についての図示及びその説明は省略している。
【0018】
2つの投影ユニット2,3はハウジング100内において車幅方向に並んで配設されており、車幅方向の外側(図3の右側)に配置されて遠方光パターンFOPを投影する遠方投影ユニット2と、車幅方向の内側(図3の左側)に配置されて近傍光パターンNOP及び中央光パターンCOPを同時に投影する近傍・中央投影ユニット3として構成されている。
【0019】
各投影ユニット2,3は基本的には同じ構成であり、遠方投影ユニット2は、光を発光する発光素子を有する光源部21と、光源部21で発光された光を一旦集光するプライマリレンズ22と、このプライマリレンズ22で集光された光をパターン形成するためのシェード開口を有するシェード23と、パターン形成された光を路面に光パターンとして投影する投影レンズ24を備えて構成されている。同様に、近傍・中央投影ユニット3は、光源部31とプライマリレンズ32とシェード33と投影レンズ34を備えて構成されている。
【0020】
これらの光源部21,31、プライマリレンズ22,32、シェード23,33及び投影レンズ24,34はそれぞれ図示を省略した支持構造によりハウジング100に支持されている。なお、重量が嵩むプライマリレンズ22,32と投影レンズ24,34は、軽量化を図るために円形レンズの四周辺を円弧状に切除した略矩形のレンズに形成されており、図示は省略するが、各レンズに設けられたフランジ部においてハウジング100に支持されることが好ましい。これにより、自動車の走行等に伴う振動や衝撃に対する支持強度が高められる。あるいは、図示は省略するが、各投影ユニット2,3はそれぞれ個別に設けたユニットベースに光源部を含む各部が一体的に支持され、ユニット化された各投影ユニット2,3がハウジング100に支持されるようにしてもよい。
【0021】
遠方投影ユニット2において、光源部21は所要の電気回路が構成された光源基板210を有しており、この光源基板210の前面に1つないし複数(ここでは3つ)の発光素子211が水平方向に並んで搭載されている。3つの発光素子211は所要の色光、例えばアンバー色光を発光するLED(発光ダイオード)LEDで構成され、各LED211の矩形をした発光面は前方に向けられている。図示は省略するが、これらのLED211は光源基板210に構成されている電気回路を介して点灯制御部に電気接続され、補助ランプSLがターンシグナルランプとして点灯されたときに発光される。
【0022】
プライマリレンズ22は、固有の焦点を有する3つのレンズ部220が左右方向に並んで一体に配列された複合型の両凸レンズとして構成されている。各レンズ部220は、それぞれ3つのLED211に対向配置され、各LED211からそれぞれ発散状態で出射されたアンバー色光は各レンズ部220において収束され、後述するようにシェード23の面上に集光される。
【0023】
シェード23は一部にシェード開口231が開けられている。このシェード開口231は、プライマリレンズ22で集光されるアンバー色光の集光位置に配置され、当該集光されたアンバー色光を透過させる。すなわち、プライマリレンズ22は集光位置においてLED211の疑似光源を結像することになり、シェード開口231の開口形状にパターン形成された光を出射することになる。シェード開口231は、投影する遠方光パターンFOPの形状、すなわちV字型の開口として構成されており、シェード開口231を透過されるアンバー色光は、逆V字型をしたビーム形状(光束形状)の光ビームに形成される。
【0024】
投影レンズ24は球面若しくは非球面の片凸レンズで構成されているが、両凸レンズあるいはメニスカス凸レンズで構成されてもよく、その焦点位置がシェード23の面上、すなわちシェード開口231の近傍に位置するように配置されている。これにより、シェード開口231を透過され、シェード開口231によりV字形状とされたアンバー色光は、投影レンズ24によりほぼ平行な光ビームとして投射される。
【0025】
ここで、図5(a)の模式側面図に示すように、シェード23は投影レンズ24の主面と平行に向けられており、その上で投影レンズ24の主面は所要の角度θ2で下方に向けて前傾されている。すなわち、光源部21とプライマリレンズ22の中心を結ぶ軸線Ax2に対して投影レンズ24の光軸Lx2は所要の角度θ2で交差されている。これらの軸線Ax2と光軸Lx2はシェード23の面上位置において交差される構成とされている。これにより、シェード開口231を透過されたアンバー色光は、前傾された投影レンズ24の光軸Lx2に略沿った方向、すなわち自動車の遠前方の路面に向けて投射され、当該路面に遠方光パターンFOPが投影される。
【0026】
一方、近傍・中央投影ユニット3において、光源部31は、光源基板310の前面に発光素子としてアンバー色光を発光する2つのLED311,312が搭載されている。各LED311,312は発光面が前方に向けられた状態で、下側のLED311と上側のLED312とが上下に並んで配置されている。各LED311,312は、図示を省略するが、光源基板310に構成されている電気回路を介して点灯制御部に電気接続され、補助ランプSLがターンシグナルランプとして点灯されたときに発光される。
【0027】
プライマリレンズ32は固有の焦点を有する2つのレンズ部320が上下方向に並んで一体に配列された複合型の両凸レンズとして構成されている。各レンズ部320は、それぞれ2つのLED311,312に対向配置され、各LED311からそれぞれ発散状態で出射されたアンバー色光は各レンズ部320において収束され、後述するようにシェード33の面上に集光されるように構成されている。
【0028】
シェード33は上下に並んで、下側のシェード開口331と上側のシェード開口332が開けられている。これらのシェード開口331,332は、それぞれプライマリレンズ22の各レンズ部320で集光されるアンバー色光の集光位置に配置され、かつ集光されたアンバー色光を透過させる。すなわち、プライマリレンズ32は集光位置においてLED311,312の疑似光源を結像することになり、シェード開口331,332の開口形状にパターン形成された光を出射することになる。シェード開口331,332は、投影する近傍光パターンNOP及び中央光パターンCOPの形状、すなわちV字型の開口として構成されている。これにより、シェード開口331,332を透過される各アンバー色光は、それぞれ逆V字型をしたビーム形状の光ビームに形成される。
【0029】
投影レンズ34は球面若しくは非球面の片凸レンズで構成されているが、両凸レンズあるいはメニスカス凸レンズで構成されてもよく、その焦点位置がシェード33の面上、特にシェード開口331,332の上下中間位置の近傍に位置するように配置されている。これにより、2つのシェード開口331,332を透過されたアンバー色光の光ビームはほぼ平行な光ビームとして投射される。
【0030】
ここで、遠方投影ユニット2と同様に、図5(b)の模式側面図に示すように、シェード33は投影レンズ34の主面と平行に向けられており、その上で投影レンズ34の主面は所要の角度θ3で下方に向けて前傾されている。すなわち、光源部31とプライマリレンズ32の中心を結ぶ軸線Ax3に対して投影レンズ34の光軸Lx3は所要の角度θ3で交差されており、これらの軸線Ax3と光軸Lx3はシェード33の面上位置において交差される構成とされている。
【0031】
また、この投影レンズ34の前傾角度θ3は、遠方投影ユニット2の投影レンズ24の前傾角度θ2よりも大きな角度とされている。これにより、シェード開口331,332を透過された各アンバー色光は、前傾された投影レンズ34の光軸Lx3に沿って自動車の前方の路面に投影される。すなわち、前記した遠方光パターンFOPよりも近い路面に中央光パターンCOPが投影され、これよりも近い路面に近傍光パターンNOPが投影される。
【0032】
以上の構成の遠方投影ユニット2と近傍・中央投影ユニット3は、前記したようにハウジング100内に配設されているが、実施形態1では、遠方投影ユニット2は近傍・中央投影ユニット3に対して自動車CARの後方に後退された位置に配設されている。すなわち、遠方投影ユニット2は近傍・中央投影ユニット3よりもハウジング100内の奥まった位置に配置されている。したがって、遠方投影ユニット2の投影レンズ24は、近傍・中央投影ユニット3の投影レンズ34よりもハウジング100の前縁から後退された奥まった位置に配置されている。
【0033】
以上の構成の実施形態1の投影装置1によれば、例えば自動車CARの走行方向が変更されるときに、補助ランプSLがターンシグナルランプとして点灯(点滅)されると、これと同時に投影装置1による光パターンの投影が行われる。以下、投影装置1が投影を行う際の光路について図4ないし図6を参照して説明するが、これらの図における光路は説明のために簡略に示したものであり、実際の光路を詳細に示すものではない。
【0034】
図4図5に示すように、遠方投影ユニット2においては、光源部21の3つのLED211が同時に発光され、各LED211のアンバー色光はプライマリレンズ22によりシェード開口231に集光され、かつこれらの光が合成された状態でシェード開口231を透過される。その際にアンバー色光はシェード開口231の形状、すなわちV字型ビーム形状の光ビームとされて、投影レンズ24により自動車の遠前方の路面に投射される。これにより、図2に示したように、路面に逆V字型をした光パターンからなる遠方光パターンFOPが投影される。
【0035】
近傍・中央投影ユニット3においては、光源部31の2つのLED311,312が同時に発光される。LED311,312の各アンバー色光はプライマリレンズ32の各レンズ部320によりそれぞれ2つのシェード開口331,332に集光され、さらにこのシェード開口331,332を透過されてV字型ビーム形状をした2つの光ビームとされる。そして、これらの光ビームは投影レンズ34により自動車の近傍及び中央の各路面に投射されることにより、図2に示したように、路面にそれぞれ逆V字型をした光パターンからなる近傍光パターンNOPと中央光パターンCOPが投影される。
【0036】
このように、ターンシグナルランプの点灯(点滅)と同期して光パターンOPを投影することで、ターンシグナルランプの光照射と、投影装置1による光パターンOPとで自動車の走行方向を表示することができ、他車両や歩行者に注意を喚起して交通の安全性を高めることができるようになる。特に、遠方光パターンFOPが自動車CARの遠前方に投影されることにより、遠前方に存在する他車両や歩行者に対しても確実に注意を喚起することができ、安全性を高めることができる。
【0037】
ところで、このような光パターンの投影に際し、各投影ユニット2,3において、投影レンズ24,34から光パターンの投影に寄与しない光(以下、非パターン光と称する)が出射されることがある。そして、この非パターン光が投影レンズ24,34から所要の角度以上の上方領域に出射されると、図2(b)に点描しているように、この非パターン光は、投影装置1の上方位置に配設されている補助ランプSL、すなわちターンシグナルランプの照射光領域に進入するグレア光LGになる。
【0038】
この投影装置1においては、近傍・中央投影ユニット3は、投影レンズ34の光軸Lx3に対する前傾角度θ3が、遠方投影ユニット2の前傾角度θ2よりも大きく設定されている。したがって、近傍・中央投影ユニット3の投影レンズ34から上方に出射される非パターン光は、その上方に向ける角度が抑制され、補助ランプSLの照射光に対してグレア光LGになることは少ない。
【0039】
一方、遠方投影ユニット2は、投影レンズ24の光軸Lx2に対する前傾角度θ2が近傍・中央投影ユニット3の投影レンズ34の前傾角度θ3よりも小さいため、投影レンズ24から出射される非パターン光が上方領域に向けて出射され易くなり、補助ランプSLの照射光に対するグレア光LGになり易い。
【0040】
しかし、この実施形態1では、遠方投影ユニット2はハウジング100内の奥まった位置に配置されており、その投影レンズ24は、図6に示すように、ハウジング100の前縁部よりも後退された位置にある。したがって、投影レンズ24から出射される非パターン光(太矢印実線)Lは、ハウジング100の前縁部において遮光され、上方に向けて投射されることが防止ないし抑制される。すなわち、遠方投影ユニット2において、非パターン光が補助ランプSLの照射光に対してグレア光LGになることが防止される。因みに、図6に太矢印破線で示すように、投影レンズ24がハウジング100内の奥に後退されていないと、投影レンズ24から上方に向けて非パターン光が投射され、グレア光LGとなる。
【0041】
また、実施形態1においては、遠方投影ユニット2は3つのLED211の光を合成して遠方光パターンFOPを投影しているので、遠方投影ユニット2における光量が増加される。したがって、遠方投影ユニット2がハウジング100内の奥まった位置に配置されて投影する遠方光パターンFOPまでの投影距離が、近傍光パターンNOPや中央光パターンCOPの投影距離よりも長くても、遠方光パターンFOPの明るさが相対的に暗くなることが防止できる。むしろ、3つのLED211を備えることにより、遠方光パターンFOPの明るさは近傍光パターンNOPや中央光パターンCOPよりも明るくなり、遠方に存在する他車両や歩行者に対する注意喚起力が高められる。
【0042】
以上のように、実施形態1の投影装置1によれば、グレア光となる非パターン光を投射するおそれがある遠方投影ユニット2をハウジング100内の奥まった位置に配置することにより、遠方投影ユニット2から投射される非パターン光の広がりを抑制することができ、投影装置1の上方位置に配置されている補助ランプSLの照射光に対するグレアを防止することができる。その一方で、グレア光の投射を防止するための独立したフードやシェードが不要となり、投影装置1の部品点数が増大することが防止でき、また投影装置の構造が複雑になることが防止できる。
【0043】
実施形態1の投影装置は、少なくとも遠方投影ユニット2の投影レンズ24が、近傍・中央投影ユニット3の投影レンズ34よりもハウジング100内の奥まった位置に配設されていればよい。したがって、光源部、プライマリレンズ、シェードの配設位置については特に制限されるものではない。
【0044】
例えば、実施形態1では近傍・中央投影ユニット3が1つの投影ユニットとして構成されているが、近傍投影ユニットと中央投影ユニットがそれぞれ独立した投影ユニットとして構成されてもよい。この場合には、投影レンズの前傾角度が大きい順、すなわち近傍投影ユニット、中央投影ユニット、遠方投影ユニットの順に、各投影ユニットの配設位置がハウジングの奥方向に向けた位置に設定されるようにすればよい。
【0045】
また、遠方投影ユニット2は複数の遠方投影ユニットが組み合わされた構成とされてもよい。この場合には、複数の遠方投影ユニットはそれぞれハウジング内の奥方向の同じ位置に配設されてもよく、あるいは適宜に奥方向の異なる位置に配設されてもよい。
【0046】
(実施形態2)
図7は実施形態2の投影装置1Aの概略構成を示す斜視図であり、図8はその概略平面図である。この投影装置1Aは、図1に示したように、自動車CARの車体左前部に配設された投影装置を示していることは実施形態1と同じである。また、投影装置1Aは、透光性の前面カバーを備えた水平方向に横長のハウジング100内に遠方投影ユニット2と近傍・中央投影ユニット3が車幅方向に並んで一体的に組み込まれていることも実施形態1と同じである。したがって、以降の説明において、実施形態1と等価な部分には同一符号を付している。
【0047】
実施形態2では、遠方投影ユニット2は、第1と第2の2つの遠方投影ユニット2A,2Bで構成されている。また、これら第1と第2の2つの遠方投影ユニット2A,2Bと、近傍・中央投影ユニット3からなる3つの投影ユニットは、ハウジング100内において自動車の前後方向、すなわちハウジング100の奥行き方向の略同じ位置に配設されている。なお、以降において、第1と第2の遠方投影ユニット2A,2Bを合わせて遠方投影ユニット2と総称することもある。
【0048】
近傍・中央投影ユニット3の構成は、基本的には実施形態1と同じであるので詳細な説明は省略する。すなわち、光源部31は光源基板310の前面に上下2つのLED311,312が搭載され、シェード33には上下に配置された2つのシェード開口331,332が設けられている。そして、上下にレンズ部320を有するプライマリレンズ32と、投影レンズ34を備えており、これらにより近傍光パターンNOPと中央光パターンCOPを投影する構成とされている。
【0049】
遠方投影ユニット2を構成している第1遠方ユニット2Aと第2遠方投影ユニット2Bは、基本的な構成は同じであり、光源部21、プライマリレンズ22、シェード23、投影レンズ24を備えている。その一方で、第1遠方投影ユニット2Aは、光源部21に1つのLED212を備え、第2遠方投影ユニット2Bは左右に並んだ2つのLED213を備えている。また、第1遠方投影ユニット2Aはシェード23に1つの菱形の第1シェード開口232が形成され、第2遠方投影ユニット2Bは、シェード23に水平方向に配置された2つの菱形の第2シェード開口233が形成されている。
【0050】
そして、第1遠方投影ユニット2Aは第1プライマリレンズ221を備え、この第1プライマリレンズ221はLED212のアンバー色光をシェード開口232に集光する構成とされている。第2遠方投影ユニット2Bは第2プライマリレンズ222を備え、この第2プライマリレンズ222は2つのLED213のアンバー色光を2つのシェード開口233にそれぞれ集光する2つのレンズ部220が左右に配置された構成とされている。また、第1遠方投影ユニット2Aの第1投影レンズ241と、第2遠方投影ユニット2Bの投影レンズ242は基本的には同じ構成とされており、それぞれシェード開口232,233を透過したアンバー色光を路面に投影する構成とされている。
【0051】
遠方投影ユニット2と近傍・中央投影ユニット3のいずれにおいても、投影レンズ24(241,242),34とシェード23,33は実施形態1と同様に平行に配置される。また、これらはそれぞれ所要の角度、すなわち遠方投影ユニット2の投影レンズ24は角度θ2で、近傍・中央投影ユニット3の投影レンズ34はそれよりも大きな角度θ3で下方に向けて前傾されていることも実施形態1と同じである。
【0052】
ここで、図7に示したように、遠方投影ユニット2の投影レンズ24、すなわち第1と第2の各投影レンズ241,242は、近傍・中央投影ユニット3の投影レンズ34に比較してレンズ面の面積が小さくされている。ここでは、投影レンズ24は、光軸に交差する方向の寸法、ここでは上下方向の寸法が短くされており、遠方投影ユニット2の投影レンズ24の上縁の高さ位置は近傍・中央投影ユニット3の投影レンズ34よりも低い位置となるように構成されている。例えば、実施形態1と同様に構成されている投影レンズ24の上辺の円弧状部分を所要の寸法で切除した構成とされている。換言すれば、投影レンズ24のレンズ面を構成している球面ないし非球面のうち、接平面(球面に接する仮想平面)の水平方向に対する傾斜角が他の面よりも相対的に小さい部位である上辺部が切除されている。
【0053】
なお、実施形態2においては、遠方投影ユニット2A,2Bと近傍・中央投影ユニット3はハウジング100内に並列状態に配設されているので、各投影ユニットの光源部21,31、プライマリレンズ22,32、シェード23,33、及び投影レンズ24,34はそれぞれ一体な部品として構成されている。特に、光源部21,31は共通の光源基板にそれぞれLED212,213,311,312が搭載されている。あるいは、遠方投影ユニット2と近傍・中央投影ユニット3を構成している各部の少なくとも一つ、すなわち光源部、プライマリレンズ、シェード、及び投影レンズの少なくとも一つは、実施形態1と同様にそれぞれ独立した部品として構成されてもよい。
【0054】
実施形態2の投影装置1Aは、実施形態1の投影装置1と同様に、自動車の走行方向が変更される際に補助ランプSLがターンシグナルランプとして点灯(点滅)されると、これと同時に光パターンの投影が行われる。近傍・中央投影ユニット3においては、2つのLED311,312が同時に発光され、各LED311,312の光はプライマリレンズ32のレンズ部320によりそれぞれ2つのシェード開口331,332に集光され、透過する際にV字型ビーム形状をした2つの光ビームとされる。これらの光ビームは投影レンズ34により自動車の近傍及び中央の各路面に投射されることにより、当該路面にそれぞれ逆V字型をした光パターンからなる近傍光パターンNOPと中央光パターンCOPが投影される。
【0055】
遠方投影ユニット2においては、図9に模式的に示すように、第1遠方投影ユニット2Aでは、1つのLED212が発光されることにより、第1シェード開口232による1つの菱形の第1光パターンP1が投影レンズ241により路面に投影される。また、第2遠方投影ユニット2Bでは、2つのLED213が発光されることにより、2つの第2シェード開口233による2つの菱形の第2光パターンP2が投影レンズ242により路面に投影される。これら3つの光パターンP1,P2は合成され、全体として逆V字型の遠方光パターンFOPが形成される。
【0056】
このように、遠方投影ユニット2においては、投影レンズ24、すなわち第1投影レンズ241と第2投影レンズ242の高さ寸法が低減されてレンズ面の面積が低減されていることにより、各投影レンズ241,242を透過する光の透過量が低減されるが、これら2つの投影レンズ241,242を透過した光を合成して遠方光パターンFOPを形成しているので、実施形態1と同等以上の明るさの遠方光パターンFOPが投影される。
【0057】
一方、第1遠方投影ユニット2の投影レンズ24は近傍・中央投影ユニット3の投影レンズ34よりも高さ寸法が低くされているので、図10に示すように、投影レンズ24から出射される非パターン光(太矢印実線)Lは、その上方に向けられる光の出射が抑制される。すなわち、投影レンズ24の上辺部が切除されることにより、上辺部を透して上方に向けられる非パターン光は屈折されることなくそのまま出射され、ハウジング100の前縁部において遮光される。
【0058】
これにより、遠方投影ユニット2において、非パターン光が補助ランプSLの照射光に対してグレア光LGになることが防止される。また、グレア光の投射を防止するための独立したフードやシェードが不要となり、投影装置1Aの部品点数が増大すること、及び構造が複雑になることが防止できる。因みに、図10に二点鎖線で示すように、投影レンズ24の上辺部が切除されていないと、同図の太矢印破線に示すように、投影レンズ24の上辺部での光の屈折により、非パターン光がハウジング100で遮光されることなく、上方の所要角度方向に向けて投射され、グレア光LGとなる。
【0059】
実施形態2においては、第1遠方投影ユニット2Aと第2遠方投影ユニット2Bで同一の光パターンを投影し、これらの光パターンを重畳して遠方光パターンFOPを形成するようにしてもよい。このようにしても、投影レンズ24の高さ寸法を低減することによる透過光量の低下を解消し、所要の明るさの遠方光パターンを投影することができる。
【0060】
なお、本発明においては、投影装置1,1AはフロントランプFLの側方に配設されてもよい。この場合、実施形態2の投影装置1Aにおいては、遠距離側投影ユニット2A,2Bの少なくとも投影レンズは独立した構成され、その上で各投影レンズの左右方向の寸法を小さくすることになる。例えば、投影レンズのフロントランプが存在する側の一辺部を切除する。
【0061】
以上説明した実施形態1,2においては、遠方光パターン、中央光パターン、近傍光パターンの3つの異なる位置に光パターンを投影する例を示したが、相対的に近距離側と遠距離側の少なくとも2つの位置に光パターンを投影する投影装置に適用できる。すなわち、近距離側に光パターンを投影する近距離側投影ユニットに対して、遠距離側に光パターンを投影する遠距離側投影ユニットを、投影方向に対して後退させた位置に配設する。あるいは、遠距離側投影ユニットの投影レンズを近距離側投影ユニットの投影レンズよりも光軸と交差する方向の寸法を低減する。
【0062】
また、実施形態1においても、実施形態2と同様に、遠距離側投影ユニットと近距離側投影ユニットの光源部、プライマリレンズ、シェード、投影レンズの各部はそれぞれ一体に形成されてもよい。あるいは、両投影ユニットの各部が連結部材等によりサブアッセンブリにより一体化され、一体化されたものがハウジング内に配設されるようにしてもよい。なお、プライマリレンズは、光を集光して疑似光源を形成する機能を備えていれば、リフレクタで構成されてもよい。あるいは指向性のある平行光束の光を出射する発光素子を適用した場合には、プライマリレンズやリフレクタは省略されてもよい。
【0063】
本発明は、実施形態1,2に記載したように車両の前方の路面に光パターンを投影するための投影装置に限られるものではなく、車両の後方あるいは側方に向けて光パターンを投影する投影装置についても本発明が適用される。また、投影装置がランプの側方に配設されている場合においても適用できる。
【符号の説明】
【0064】
1,1A 投影装置
2 遠方投影ユニット(遠距離側投影ユニット)
3 近傍・中央投影ユニット(近距離側投影ユニット)
21,31 光源部
22,32 プライマリレンズ
23,33 シェード
24,34 投影レンズ
210 レンズ部
211,212,213 発光素子(光源部:LED)
241,242 第1及び第2プライマリレンズ
231,232,233 シェード開口
241,242 第1及び第2投影レンズ
311,312 発光素子(光源部:LED)
320 レンズ部
331,332 シェード開口
OP 光パターン
FOP 遠方光パターン(遠距離側光パターン)
COP 中央光パターン(近距離側光パターン)
NOP 近傍光パターン(近距離側光パターン)
P1 第1光パターン
P2 第2光パターン
CAR 自動車(車両)
SL 補助ランプ(ターンシグナルランプ)
L 非パターン光
LG グレア光

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10