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2024-161644システム、管理サーバ、それらの制御方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161644
(43)【公開日】2024-11-20
(54)【発明の名称】システム、管理サーバ、それらの制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20241113BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20241113BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20241113BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20241113BHJP
【FI】
G06Q30/06
G06F3/12 310
G06F3/12 335
B41J29/38 204
B41J29/38 301
B41J29/38 350
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076459
(22)【出願日】2023-05-08
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002767
【氏名又は名称】弁理士法人ひのき国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 佑弥
【テーマコード(参考)】
2C061
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AR01
2C061CF05
2C061CG02
2C061HH03
2C061HJ01
2C061HJ10
2C061HK11
2C061HR00
2C061HV02
2C061HV14
2C061HV19
2C061HV34
2C061HV35
2C061KK03
5L030BB21
5L049BB21
(57)【要約】
【課題】プリントヘッドと一体型のインクカートリッジにおいて、インクの残量が閾値以下になる前にプリントヘッドが故障してしまうと、交換品の発注が行われなかった。
【解決手段】プリンタ103は、インクステータス情報をプリンタ管理サーバ101に送信し(S401)、インクカートリッジのヘッドエラーが発生した際にエラーステータス情報をプリンタ管理サーバ101に通知する(S402)。プリンタ管理サーバ101は、インクステータス情報を受信した際に、プリンタ識別子とインクカートリッジ識別子とインクカートリッジ種別情報とを紐づけて記憶しておき、エラーステータス情報の通知を受信した場合、該通知のヘッドエラーが発生したインクカートリッジが、所定の契約対象、かつ、プリントヘッド一体型インクカートリッジであれば、該カートリッジの交換品の配送ための処理を実行する(S404~S406)。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリントヘッド一体型インクカートリッジが装着されるプリンタと、プリンタ管理サーバとを含むシステムであって、
前記プリンタは、
装着されたインクカートリッジの識別子とインクカートリッジ種別とを含むステータス情報を、前記プリンタ管理サーバに送信する送信手段と、
装着されたインクカートリッジのヘッドエラーが発生した際に、インクカートリッジ識別子を含むヘッドエラーの通知を、前記プリンタ管理サーバに行う通知手段と、を有し、
前記プリンタ管理サーバは、
前記プリンタから前記ステータス情報を受信した際に、プリンタ識別子と、インクカートリッジ識別子と、インクカートリッジ種別情報と、を紐づけて記憶する記憶手段と、
プリンタからヘッドエラーの通知を受信した場合、該通知に含まれるインクカートリッジ識別子と、前記記憶手段を基にインクカートリッジ種別を判断する判断手段と、
ヘッドエラーが発生したインクカートリッジが、所定の契約対象、かつ、プリントヘッド一体型インクカートリッジであれば、該カートリッジの交換品の配送ための処理を実行する実行手段と、を有する、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記実行手段は、ヘッドエラーが発生したインクカートリッジが、契約対象、かつ、プリントヘッド一体型インクカートリッジであれば、インク残量に依らず、該カートリッジの交換品の配送ための処理を実行することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記システムは、プリントヘッドが含まれないインクカートリッジが装着される第2プリンタを含み、
前記プリンタ管理サーバは、前記第2プリンタからヘッドエラーの通知を受信した場合には、インクカートリッジの交換品の配送ための処理を実行しないことを特徴とする請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記所定の契約は、契約対象のインクカートリッジにおけるインクの残量が閾値以下になったことに応じて、契約対象のインクカートリッジが自動で配送される契約であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
プリントヘッド一体型インクカートリッジが装着されるプリンタと、プリンタ管理サーバとを含むシステムの制御方法であって、
前記プリンタが実行する、
装着されたインクカートリッジの識別子とインクカートリッジ種別とを含むステータス情報を、前記プリンタ管理サーバに送信する送信工程と、
装着されたインクカートリッジのヘッドエラーが発生した際に、インクカートリッジ識別子を含むヘッドエラーの通知を、前記プリンタ管理サーバに行う通知工程と、を有し、
前記プリンタ管理サーバが実行する、
前記プリンタから前記ステータス情報を受信した際に、プリンタ識別子と、インクカートリッジ識別子と、インクカートリッジ種別情報と、を紐づけて記憶手段に登録する登録工程と、
プリンタからヘッドエラーの通知を受信した場合、該通知に含まれるインクカートリッジ識別子と、前記記憶手段を基にインクカートリッジ種別を判断する判断工程と、
ヘッドエラーが発生したインクカートリッジが、所定の契約対象、かつ、プリントヘッド一体型インクカートリッジであれば、該カートリッジの交換品の配送ための処理を実行する実行工程と、を有する、
ことを特徴とするシステムの制御方法。
【請求項6】
プリントヘッド一体型インクカートリッジが装着されるプリンタと通信可能な管理サーバであって、
前記プリンタから、該プリンタに装着されたインクカートリッジの識別子とインクカートリッジ種別とを含むステータス情報を受信した際に、プリンタ識別子と、インクカートリッジ識別子と、インクカートリッジ種別情報と、を紐づけて記憶する記憶手段と、
前記プリンタから、ヘッドエラーが発生したインクカートリッジのインクカートリッジ識別子を含むヘッドエラーの通知を受信した場合、該通知に含まれるインクカートリッジ識別子と、前記記憶手段を基にインクカートリッジ種別を判断する判断手段と、
ヘッドエラーが発生したインクカートリッジが、所定の契約対象、かつ、プリントヘッド一体型インクカートリッジであれば、該カートリッジの交換品の配送ための処理を実行する実行手段と、
を有することを特徴とする管理サーバ。
【請求項7】
前記実行手段は、ヘッドエラーが発生したインクカートリッジが、契約対象、かつ、プリントヘッド一体型インクカートリッジであれば、インク残量に依らず、該カートリッジの交換品の配送ための処理を実行することを特徴とする請求項6に記載の管理サーバ。
【請求項8】
前記管理サーバは、プリントヘッドが含まれないインクカートリッジが装着される第2プリンタと通信可能であり、
前記第2プリンタからヘッドエラーの通知を受信した場合には、インクカートリッジの交換品の配送ための処理を実行しないことを特徴とする請求項6又は7に記載の管理サーバ。
【請求項9】
前記所定の契約は、契約対象のインクカートリッジにおけるインクの残量が閾値以下になったことに応じて、契約対象のインクカートリッジが自動で配送される契約であることを特徴とする請求項6~8のいずれか1項に記載の管理サーバ。
【請求項10】
プリントヘッド一体型インクカートリッジが装着されるプリンタと通信可能な管理サーバの制御方法であって、
前記プリンタから、該プリンタに装着されたインクカートリッジの識別子とインクカートリッジ種別とを含むステータス情報を受信した際に、プリンタ識別子と、インクカートリッジ識別子と、インクカートリッジ種別情報と、を紐づけて記憶手段に登録する登録工程と、
前記プリンタから、ヘッドエラーが発生したインクカートリッジのインクカートリッジ識別子を含むヘッドエラーの通知を受信した場合、該通知に含まれるインクカートリッジ識別子と、前記記憶手段を基にインクカートリッジ種別を判断する判断工程と、
ヘッドエラーが発生したインクカートリッジが、所定の契約対象、かつ、プリントヘッド一体型インクカートリッジであれば、該カートリッジの交換品の配送ための処理を実行する実行工程と、
を有することを特徴とする管理サーバの制御方法。
【請求項11】
コンピュータに、請求項10に記載の制御方法を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム、管理サーバ、それらの制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像形成装置を利用するユーザに対して定額印刷サービスが広く提供されている。定額印刷サービスは、サブスクリプションサービスとも呼ばれ、画像形成装置ごとに加入できるサービスである。一般に、定額印刷サービスの利用にあたっては、契約が締結された画像形成装置において、定額印刷サービス専用の消耗品を定期的に発注することが多い。
【0003】
特許文献1には、特定の種類のカートリッジに充填されている記録剤の残量に応じて、当該特定の種類のカートリッジをユーザへ発送する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6651744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のように記録剤の残量に応じてカートリッジを発送する技術では、プリントヘッドと一体型のインクカートリッジにおいて、インクの残量が閾値以下になる前にプリントヘッドが故障してしまうと、交換品の発注が行われないといった課題があった。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものである。本発明は、インクカートリッジのインク残量が閾値以下になる前に、インクカートリッジと一体のプリントヘッドが故障した場合にも、交換品を発注することが可能となる仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、プリントヘッド一体型インクカートリッジが装着されるプリンタと、プリンタ管理サーバとを含むシステムであって、前記プリンタは、装着されたインクカートリッジの識別子とインクカートリッジ種別とを含むステータス情報を、前記プリンタ管理サーバに送信する送信手段と、装着されたインクカートリッジのヘッドエラーが発生した際に、インクカートリッジ識別子を含むヘッドエラーの通知を、前記プリンタ管理サーバに行う通知手段と、を有し、前記プリンタ管理サーバは、前記プリンタから前記ステータス情報を受信した際に、プリンタ識別子と、インクカートリッジ識別子と、インクカートリッジ種別情報と、を紐づけて記憶する記憶手段と、プリンタからヘッドエラーの通知を受信した場合、該通知に含まれるインクカートリッジ識別子と、前記記憶手段を基にインクカートリッジ種別を判断する判断手段と、ヘッドエラーが発生したインクカートリッジが、所定の契約対象、かつ、プリントヘッド一体型インクカートリッジであれば、該カートリッジの交換品の配送ための処理を実行する実行手段と、を有する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、インクカートリッジのインク残量が閾値以下になる前に、インクカートリッジと一体のプリントヘッドが故障した場合にも、交換品を発注することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態を示す消耗品発注システムの構成の一例を示す図。
図2】本実施形態のプリンタ管理サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図。
図3】本実施形態のプリンタのハードウェア構成の一例を示すブロック図。
図4】本実施形態のインクカートリッジの交換品配送までの処理に関するシーケンス図。
図5】本実施形態のステータス情報の送信処理の一例を示すフローチャート。
図6】本実施形態のステータス情報の一例を示す図。
図7】本実施形態のプリンタ管理サーバのデータベースに記憶される各テーブルを示す図。
図8】第2実施形態の消耗品の発注指示送信処理の一例を示すフローチャート。
図9】第2実施形態の発注管理テーブルを示す図。
図10】本実施形態の販売店サーバのデータベースに記憶されるユーザ管理テーブルを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳しく説明する。なお、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0011】
〔第1実施形態〕
<情報処理システムの構成>
図1は、本発明の一実施形態を示す消耗品発注システムの構成の一例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態における消耗品発注システムは、プリンタ管理サーバ101、販売店サーバ102、および画像形成装置(記録装置)であるプリンタ103(103a、103b)を有する。以下、本実施形態における消耗品発注システムの構成について、図1を用いて説明する。
【0012】
プリンタ103には、プリントヘッド一体型インクカートリッジが装着されるプリンタ103aと、プリントヘッドが含まれないインクカートリッジ(独立型インクカートリッジ)が装着されるプリンタ103bとがある。単にプリンタ103と記載する場合、いずれであってもよい。
【0013】
プリンタ103は、ユーザがサービス提供者と契約を締結せずに使用する場合、及びユーザがサービス提供者と契約を締結して使用する場合の両方の場合で使用可能なプリンタである。以下では、ユーザがサービス提供者と契約を締結せずに使用する状態を「通常使用状態」と記載し、ユーザがサービス提供者と契約を締結して使用する状態を「契約使用状態」と記載して説明する。一例として、サービスとは「定額印刷サービス」であることとする。
【0014】
定額印刷サービスとは、契約条件が示す利用期間および印刷の上限枚数の範囲内であれば、契約条件が示す定額の利用料金で、契約印刷の一例である「定額印刷」を実行できるサービスである。例えば、定額印刷サービスは、前述の利用期間および上限枚数を超えない範囲であれば、定額印刷に使用する消耗品および/または交換品を定額でユーザに提供するものとする。すなわち、定額印刷サービスの契約が締結されているプリンタに装着されている専用カートリッジにおける記録剤の残量が閾値以下になったことに応じて、該契約の専用カートリッジが自動で配送される。また、プリントヘッドと一体型の専用カートリッジの場合、該カートリッジのヘッドにエラーが発生したことに応じて、該契約の専用カートリッジが自動で配送される。
【0015】
プリンタ管理サーバ101および販売店サーバ102は、それぞれインターネット100に接続されている。プリンタ103は、ルーター104を介しインターネットに接続可能である。
プリンタ管理サーバ101は、プリンタ103から送信される情報を管理し、プリンタ103が契約使用状態であればプリンタ103から送信された情報を、インターネット100を介して販売店サーバ102に提供することが可能である。
各通信については、HTTPまたはXMPP等を通した制御が行われる。なお、プロトコルはこれらに限られず、他のプロトコルを用いてもよい。
【0016】
<サーバの構成>
図2は、プリンタ管理サーバ101のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。以下、本実施形態におけるプリンタ管理サーバ101の構成について、図2を用いて説明する。
【0017】
プリンタ管理サーバ101は、CPU201、RAM202、ROM203、記憶装置204、操作部205、表示部206、ネットワーク通信部207、およびネットワーク接続部208を有する。
【0018】
CPU201は、プリンタ管理サーバ101の各部を制御するための中央演算装置である。RAM202は、CPU201でプログラムを実行する際に必要とされる作業メモリの役割を果たす。ROM203は、システム起動に必要なブートプログラムを記憶するための読み出し専用メモリである。記憶装置204は、CPU201で実行するプログラム、データベース209、または各種情報を記憶するための装置であり、例えば磁気ディスクまたはフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶装置である。
【0019】
操作部205は、ユーザが各種の入力操作を行うためのキーボード、マウス等から成る。表示部206は、例えばLCDで構成され、各種情報が表示され、ユーザに提示される。ネットワーク通信部207は、ネットワーク接続部208を介してインターネット100等のネットワークと接続され、各種の通信を行う。
上述の各部は、バス210で相互に接続され、データを相互に送受信することが可能である。
【0020】
なお、販売店サーバ102は、プリンタ管理サーバ101と同一のハードウェア構成を持つものとし、説明を省略する。ただし、販売店サーバ102がプリンタ管理サーバ101と異なるハードウェア構成を有していても構わない。
【0021】
また、図2では、プリンタ管理サーバ101は、1台のサーバ(情報処理装置)から構成されている例を説明するが、複数台のサーバから構成されていてもよい。つまり、複数台のサーバが連携して動作することにより各機能を実行してもよい。クラウドコンピューティングの技術を用いて実現される構成でもよい。販売店サーバ102も同様に複数台のサーバから構成されてもよい。本実施形態では、1つのサーバもしくは複数のサーバからなる構成をサーバシステムと呼ぶ。
【0022】
<プリンタのハードウェア構成>
図3は、プリンタ103のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。以下、本実施形態におけるプリンタ103の構成について、図3を用いて説明する。
プリンタ103は、プリンタ部301、スキャナ部302、メモリカード装着部303、メモリカード304、およびインクタンク部315を有する。また、プリンタ103は、CPU305、プログラムメモリ306、ワークメモリ307、表示部308、操作部309、ネットワーク通信部310、ネットワーク接続部311、およびフラッシュメモリ312を有する。
【0023】
なお、本実施形態では、記録装置の一例として、複合機であるプリンタ103を例に挙げて説明するが、本実施形態を適用可能な記録装置は複合機でなくてもよい。複写機またはファクシミリ等の画像記録装置を用いてよいし、スキャナ機能が搭載されていないプリンタを用いてもよい。また、本実施形態の記録装置は、インクを用いて記録を行うプリンタを例に挙げて説明するが、トナー等の記録剤を使用する装置に適用されてもよい。
【0024】
プリンタ103において、印刷機能はプリンタ部301で実現される。また、スキャナ機能はスキャナ部302で実現され、ストレージ機能はメモリカード装着部303及びメモリカード304で実現される。プリンタ部301は、外部から受信した画像データ、またはメモリカード304に格納されている画像データ等に基づいて、インクジェット方式によって印刷用紙等の記録媒体に画像を記録(つまり印刷)する。さらに、プリンタ部301は、インク残量情報および、積載用紙の枚数情報を含む用紙情報も管理している。
【0025】
スキャナ部302は、原稿台(不図示)にセットされた原稿を光学的に読み取って電子データに変換し、更に指定されたファイル形式に変換した画像データを、ネットワーク経由で外部装置に送信したりHDD等の記憶領域(不図示)に記憶したりする。また、コピー機能は、原稿台に置かれた原稿をスキャナ部302で読み取ることによって生成した画像データをプリンタ部301へ転送し、プリンタ部301がその画像データに基づいて、記録媒体に画像を記録することで実現される。メモリカード装着部303に装着されたメモリカード304には、各種ファイルデータが記憶される。このファイルデータは、ネットワークを介して外部装置から読み出して編集することができる。また、外部装置からの指示に応じて、メモリカード304にファイルデータを記憶することも可能である。
【0026】
CPU305は、プリンタ103内の各部を制御するための中央演算装置である。
プログラムメモリ306は、ROM等で構成され、プログラムメモリ306には、各種のプログラムコード、及び、プリンタ管理サーバ101と通信するためのアプリケーション314が記憶されている。アプリケーション314のモジュールは、後述するプリンタステータス情報を生成する機能を有する。
【0027】
ワークメモリ307は、RAM等で構成される。ワークメモリ307には、各サービス実行時に画像データ等が一時的に記憶されたり、ワークメモリ307を用いてバッファリングが行われたりする。
【0028】
表示部308は、例えばLCDで構成され、各種の情報が表示される。操作部309は、ユーザが各種の入力操作を行うためのスイッチ等から成る。
ネットワーク通信部310は、ネットワーク接続部311を介してルーター104と接続する。即ち、ネットワーク通信部310は、ネットワーク接続部311を介してインターネット100等のネットワークに接続して、各種の通信を行う。各種の通信では、HTTPまたはXMPP等を通した制御が行われる。なお、プロトコルはこれらに限られず、他のプロトコルを用いてよい。
【0029】
フラッシュメモリ312は、ネットワーク通信部310が受信した画像データ等を記憶するための不揮発性のメモリである。
上述した各部は、バス313で相互に接続され、データを相互に送受信することが可能である。
【0030】
インクタンク部315は、プリンタ部301で用いられるインクを収容するインクタンクを含むインクカートリッジを搭載する。なお、記録剤としてトナーを用いる場合には、トナーカートリッジを搭載してもよい。インクタンク部315に搭載されているインクカートリッジは、収容しているインクが無くなった、または、残量が極めて少なくなった場合、ユーザによって、別のインクカートリッジに交換される。また、インクタンク部315に搭載されているインクカートリッジが、プリントヘッド一体型のカートリッジであった場合、プリントヘッドが故障して印字できなくなった場合にも、ユーザによって、別のインクカートリッジに交換される。つまり、本実施形態のインクタンク部315に搭載されているインクカートリッジは、インクが無くなった場合、もしくはプリントヘッドが故障した場合に交換用のインクカートリッジに交換される、消耗品の一種である。
【0031】
<インクカートリッジの交換品配送までの処理>
図4は、インクカートリッジの交換品配送までの処理に関するシーケンスの一例を示す図である。以下、本実施形態における、インクカートリッジの交換品配送までの処理について、図4等を用いて説明する。また、図4のシーケンスで示される一連の処理は、プリンタ103、プリンタ管理サーバ101および販売店サーバ102の各CPUが、ディスク装置などに記憶されているプログラムコードをRAMに展開し実行することにより行われる。あるいはまた、図4におけるステップの一部または全部の機能をASICまたは電子回路等のハードウェアで実現してもよい。なお、各処理の説明における記号「S」は、当該シーケンス図におけるステップであることを意味する。以下、各処理における主体は、プリンタ103、プリンタ管理サーバ101、および販売店サーバ102が備えるCPUである。
【0032】
S401において、プリンタ103は、インクカートリッジの情報を含むプリンタステータス情報(以下「インクステータス情報」という)をプリンタ管理サーバ101に送信する。本実施形態において、インクステータス情報は、プリンタ103の搭載可能なカートリッジ形状、現在搭載されている各インクカートリッジのID(識別情報)、色情報、カートリッジの種別、およびインク残量情報等を含んでいる情報であり、インクの使用状況によりデータの内容が更新される。ここで、プリンタ103がプリンタ管理サーバ101にインクステータス情報を送信する流れについて、図5を参照して説明する。
【0033】
図5は、インクカートリッジの情報が含まれるインクステータス情報をプリンタ103がプリンタ管理サーバ101に送信する処理の流れを例示するフローチャートである。図5のフローチャートで示される一連の処理は、プリンタ103のCPU305が、プログラムメモリ306や他のディスク装置等に記憶されているプログラムコードをRAMに展開し実行することにより行われる。なお、図5のフローチャートで示される一連の処理が開始される前、プリンタ103は電源オフの状態にあるものとする。プリンタ103の電源ボタンの押下を検出した場合に本フローチャートの処理が開始する。
【0034】
S501において、CPU305は、プリンタ103を、電源オフの状態から電源オンの状態にする。
S502において、CPU305は、プリンタ103の状況を示すプリンタステータス情報として、インクステータス情報600を、プリンタ管理サーバ101に送信する。ここで、プリンタステータス情報について、図6を参照して説明する。
【0035】
図6は、プリンタ103がプリンタ管理サーバ101に送信する各プリンタステータス情報の一例を示す図である。
まず図6(a)を用いて、インクステータス情報600について説明する。
インクステータス情報600には、プリンタのシリアルナンバー601、モデル名602、インクカートリッジの形状を示すインク形状603、インクカートリッジの数だけインクカートリッジ毎の情報604~608が含まれる。インクカートリッジ毎の情報には、色604、型番605、インク残量606、インクカートリッジを特定する固有のID(以下「インクカートリッジID」という)607、および、インクカートリッジの種別情報608が含まれる。
【0036】
以下、各情報について詳細に説明する。
インク形状603には、プリントヘッドがインクカートリッジと一体になっているタイプ「ヘッド一体型」、と、ヘッドとインクカートリッジが離れておりプリンタ本体側にヘッドがある「独立型」の少なくとも2種類が存在する。例えば、ヘッド一体型を「A」とし、独立型を「B」とする。
【0037】
インクカートリッジID607は、収容されているインクの色に関わらず、カートリッジに固有のIDである。例えば、「CRG00001」が付与されているインクカートリッジは、この消耗品発注システムにおいては、一意に特定されることになる。
【0038】
インクカートリッジの種別情報608には、少なくとも「専用」および「市販」の2種類が設定される。例えば、専用を「002」とし、市販を「001」とする。種別「専用」とは、定額印刷サービス専用のインクカートリッジである。以下、種別「専用」のインクカートリッジを、専用インクカートリッジ(定額サービス専用消耗品)と称する。プリンタ103は、契約使用状態で専用インクカートリッジを装着している間、定額印刷を実行することができる。専用インクカートリッジは、サービス提供者から、プリンタ103についての契約を結んだユーザに対して供給される。種別「市販」とは、家電量販店または通販サイトなどから購入可能な市販のインクカートリッジである。以下、種別「市販」のインクカートリッジを、市販インクカートリッジと称する。プリンタ103は、通常使用状態、契約使用状態のどちらでも、市販カートリッジを装着して印刷を実行することができる。
【0039】
次に図6(b)を用いて、エラーステータス情報610について説明する。
エラーステータス情報610には、プリンタのシリアルナンバー601、モデル名602の他に、プリンタ103に発生しているエラーを示すエラーコード611、エラーステータス612、エラーの付随情報613が含まれる。例えば、ヘッド一体型の消耗品においてプリントヘッドが故障した場合(以下「プリントヘッドエラー」という)のエラーコード611を「xxx001」、エラーステータス612を「head error」とする。また、エラーの付随情報613には、例えば、プリントヘッドエラー発生時は、エラーになったインクのインクカートリッジIDが含まれる。
【0040】
以下、図5のフローチャートの説明に戻る。
S503において、CPU305は、イベントが発生したか判定する。イベントとは例えば、印刷またはコピーが行われること、またはプリンタ103のカバーがオープンになること等、プリンタ103に対する何らかの操作が行われることである。イベントが発生した場合(S503でYesの場合)、CPU305は、S504に処理を進める。
S504において、CPU305は、インクステータス情報600をプリンタ管理サーバ101に送信し、S505に処理を進める。
【0041】
一方、イベントが発生していない場合(S503でNoの場合)、CPU305は、S505に処理を進める。
【0042】
S505において、CPU305は、プリンタ103の電源がオフにされたか判定する。プリンタ103の電源がオフにされていない場合(S505でNoの場合)、CPU305は、S503に処理を戻し、S503からの処理を繰り返す。
一方、プリンタ103の電源がオフにされた場合(S505でYesの場合)、CPU305は、本フローチャートの処理を終了する。
【0043】
以上説明したように、本実施形態では、電源を入れたタイミングと、印刷またはコピーを行った等のイベント発生のタイミングなどで、プリンタ103のCPU305は、インクステータス情報600をプリンタ管理サーバ101に送信する。なお、CPU305は、プリンタ103にエラーが発生した際には、エラーステータス情報610をプリンタ管理サーバ101に送信する。
【0044】
以下、図4のシーケンスの説明に戻す。
S402において、プリンタ管理サーバ101のCPU201は、インクステータス情報600を受信すると、該受信したインクステータス情報600をデータベース209のプリンタ管理テーブル701、インクカートリッジテーブル702に記憶する。ここで、データベース209について、図7を参照して説明する。
【0045】
図7は、プリンタ管理サーバ101のデータベース209に記憶される各種テーブルの一例を示す図である。
図7(a)は、プリンタ管理テーブル701を示す。
また、図7(b)は、インクカートリッジテーブル702を示す。
【0046】
プリンタ管理テーブル701は、プリンタを管理するテーブルであり、図7(a)のように、プリンタのシリアルナンバー、契約情報、および、インク形状を記憶する。
プリンタ管理テーブル701には、プリンタ103の定額サービス登録時に、データが登録される。
【0047】
インクカートリッジテーブル702は、インクカートリッジを管理するテーブルであり、図7(b)のように、インクカートリッジID、カートリッジ種別、インクカートリッジの型番情報を記憶する。
【0048】
以下、図4のシーケンスの説明に戻る。
プリンタ103のCPU305は、搭載されたインクカートリッジでプリントヘッドに関するエラー発生すると、S403において、プリントヘッドエラー情報を含むエラーステータス情報610を、プリンタ管理サーバ101に送信する。
【0049】
S404において、プリンタ管理サーバ101のCPU201は、エラーステータス情報610を受信すると、プリンタ管理テーブル701に登録されているデータから、該受信したエラーステータス情報610に含まれるプリンタのシリアルナンバーと一致するものを検索する。該当したデータが存在した場合、CPU201は、該当したデータのインク形状が「一体型」であるか判定する。「一体型」と判定された場合(S404でYesの場合)、CPU201は、S405に処理を進める。
一方、インク形状が「一体型」以外もしくは、該当したデータが存在しない場合(S404でNoの場合)、CPU201は、処理を終了する。
【0050】
S405において、CPU201は、インクカートリッジテーブル702に登録されているデータから、受信したエラーステータス情報610に含まれるインクカートリッジIDと一致するものを検索する。該当したデータが存在した場合、CPU201は、該当したデータのインクカートリッジ種別が専用インクカートリッジか判定する。専用インクカートリッジと判定された場合(S405でYesの場合)、CPU201は、色情報を確認し、S406に処理を進める。
一方、専用インクカートリッジ以外、もしくは、該当したデータが存在しない場合(S405でNoの場合)、CPU201は、処理を終了する。
【0051】
S406において、CPU201は、プリンタ103のシリアルナンバーと、プリントヘッドエラーが発生しているカートリッジの色情報(図7の例ではABC-<CL>、ABC-<BK>などの型番情報)を含む交換品発注指示を、販売店サーバ102に送信する。
【0052】
販売店サーバ102は、プリンタ管理サーバ101から交換品発注指示を受信すると、S407において、該受信した交換品発注指示に対応する発注対象のインクカートリッジの型番とプリンタのシリアルナンバーを基に、発注処理を行う。
販売店サーバ102は、後述するユーザ管理テーブル1001から、受信したプリンタのシリアルナンバーに紐づくユーザの住所を取得し、交換品のインクカートリッジの発注処理を行う。ここで、本実施形態における、販売店サーバ102のデータベース209に記憶されるユーザ管理テーブル1001について、図10を参照して説明する。
【0053】
<ユーザ管理テーブル>
図10は、ユーザ管理テーブル1001の一例を示す図である。
ユーザ管理テーブル1001には、ユーザがプリンタ103を購入後、プリンタ管理サーバ101によるインクの管理等を行うためのサービスの契約に伴い、必要な情報が記憶される。具体的には、契約対象のプリンタの識別子であるシリアルナンバーと、契約者のユーザID、住所、およびメールアドレスが関連付けて、ユーザ管理テーブル1001に記憶される。
【0054】
<本実施形態の効果等>
本実施形態によれば、消耗品故障時にも、交換品を発注できる。即ち、プリントヘッドの故障時にも自動発注することが可能となる。これにより、インクカートリッジのインク残量が閾値以下になる前に、プリントヘッドが故障して印字不可能になってしまっても、交換品の発注を行うことが可能となる。
【0055】
また、前述の例では、プリンタ管理サーバ101においてインクカートリッジの交換品の発注指示処理を行ったが、本実施形態は、このような形態に限定されない。例えば、プリンタ103においてインクカートリッジの交換品発注判定処理を行い、販売店サーバ102に発注指示を送信する形態であってもよい。また、プリンタ管理サーバ101は、プリンタ管理テーブル701と、インクカートリッジテーブル702を自身が保持する例を本実施形態で説明したが、これに限らず、外部の装置に保持されているテーブルを読み出したり、更新したりして、外部のテーブルを管理してもよい。
また、本実施形態では、発注の対象をインクとしているが、消耗品であるカートリッジに収容される記録剤であればインクに限らず、例えばトナーであってもよい。
【0056】
〔第2実施形態〕
第2実施形態では、プリンタ管理サーバ101がプリントヘッドエラー発生時の交換品の発注指示の可否判断を行う形態について説明する。なお、本実施形態では、第1の実施形態と共通する内容の説明は適宜省略し、第1の実施形態と異なる点について主に説明する。
【0057】
図9は、プリンタ管理サーバ101のデータベース209に記憶されるインクカートリッジ発注管理テーブル900の一例を示す図である。
インクカートリッジ発注管理テーブル900は、インクカートリッジの発注状態を管理するテーブルである。インクカートリッジ発注管理テーブル900には、交換品の葉中を行ったインクカートリッジのインクカートリッジID、インクカートリッジの型番、インク残量、プリントヘッドエラー発生情報、交換品発注情報が関連付けて記憶される。プリントヘッドエラー発生情報は、プリントヘッドエラーの発生状態を示す。例えば、プリントヘッドエラー発生情報が「-」の場合にはプリントヘッドエラーが発生していないことを示し、「発生」の場合にはプリントヘッドエラーが発生していることを示す。なお、プリントヘッドが含まれないインクカートリッジ(独立型インクカートリッジ)の場合、プリントヘッドエラー発生情報は「-」となる。
【0058】
図8は、本実施形態のプリンタ管理サーバ101が販売店サーバ102に対して交換品のインクカートリッジの発注指示を行うまでの処理の流れを示すフローチャートである。なお、図8の各ステップにおける処理は、プリンタ管理サーバ101のCPU201が、ROM203または記憶装置204に記憶されているプログラムコードをRAM202に展開し実行することにより行われる。また、プリンタ管理サーバ101がプリンタからデータを受信した場合に本フローチャートの処理が開始する。
【0059】
S801において、CPU201は、プリンタ103から受信したデータがインクステータス情報600か判定する。インクステータス情報600の場合(S801でYesの場合)、CPU201は、S802に処理を進める。
【0060】
S802において、CPU201は、上記S801にて受信したインクステータス情報600に含まれるインク残量が所定の閾値以下か判定する。所定の閾値とは、例えば、インク残量の割合を示す0、10、20などの任意の値である。
ここで、インク残量が所定の閾値以下ではない場合(S802でNoの場合)、CPU201は、本フローチャートの処理を終了する。
【0061】
一方、インク残量が所定の閾値以下の場合(S802でYesの場合)、CPU201は、インクカートリッジ発注管理テーブル900に登録されているデータから、受信したインクステータス情報600に含まれるインクカートリッジIDと一致するものを検索する。さらに、CPU201は、該当したデータが存在した場合、インクカートリッジ発注管理テーブル900のインク残量情報を更新する。該当したデータが存在しない場合には、インクカートリッジ発注管理テーブル900に、インクカートリッジID、インクカートリッジ型番、インク残量情報を関連付けて登録する。この際、プリントヘッドエラー発生情報は「-」、交換品配送は「未」と登録される。その後、CPU201は、S804に処理を進める。
【0062】
また、S801において、プリンタ103から受信したデータがインクステータス情報600でない場合(S801でNoの場合)、CPU201は、S803に処理を進める。
【0063】
S803において、CPU201は、プリンタ103から受信したデータが、プリントヘッドエラー情報を含むエラーステータス情報610か判定する。プリントヘッドエラー情報を含むエラーステータス情報610でない場合(S803でNoの場合)、CPU201は、本フローチャートの処理を終了する。
【0064】
一方、受信したデータがプリントヘッドエラー情報を含むエラーステータス情報610の場合(S803でYesの場合)、CPU201は、インクカートリッジ発注管理テーブル900に登録されているデータから、受信したエラーステータス情報610に含まれるインクカートリッジIDと一致するものを検索する。該当したデータが存在した場合、CPU201は、インクカートリッジ発注管理テーブル900のプリントヘッドエラー発生情報を「発生」と更新する。一方、該当したデータが存在しない場合には、CPU201は、インクカートリッジ発注管理テーブル900に、インクカートリッジIDとプリントヘッドエラー発生情報を登録する。この際、インク残量情報は「-」、交換品配送は「未」と登録される。その後、CPU201は、S804に処理を進める。
【0065】
S804において、CPU201は、インクカートリッジ発注管理テーブル900に登録されているデータから、上記S802でインク残量が閾値以下と判定したインクカートリッジID、もしくは、上記S803でプリントヘッドエラーが発生したインクカートリッジIDと一致するものを検索する。一致したインクカートリッジIDの交換品発注情報を確認し、交換品未発注であるか判定する。ここで、インクカートリッジ発注管理テーブル900の交換品配送が「未」であれば、交換品未発注と判定し(S804でYes)、CPU201は、S805に処理を進める。S805の処理は、図4のS407と同様のため、説明を省略する。
一方、インクカートリッジ発注管理テーブル900の交換品配送が「済」であれば、交換品発注済みと判定し(S804でNo)、CPU201は、本フローチャートの処理を終了する。
【0066】
なお、図8のフローチャートには示していないが、ヘッドエラーを受信した場合であっても、該ヘッドエラーの送信元のプリンタが、プリントヘッドが含まれないインクカートリッジ(すなわち独立型インクカートリッジ)を装着するプリンタである場合、インクカートリッジの交換品の配送ための処理を実行しない。
【0067】
<本実施形態の効果>
本実施形態によれば、プリントヘッドエラー発生時より前に、既に交換品が発注済であれば発注しないようにすることができる。これにより、ユーザに余計な在庫を抱えさせることを防止することができる。
【0068】
以上、各実施形態によれば、消耗品(インクカートリッジ)の残量が閾値以下になる前にインクカートリッジと一体のプリントヘッドが故障した場合にも、交換品を発注することが可能となる。
【0069】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
また、上記各実施形態を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0070】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。即ち、上述した各実施形態及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0071】
本実施形態の開示は、以下の構成、方法およびプログラムを含む。
(構成1)
プリントヘッド一体型インクカートリッジが装着されるプリンタと、プリンタ管理サーバとを含むシステムであって、
前記プリンタは、
装着されたインクカートリッジの識別子とインクカートリッジ種別とを含むステータス情報を、前記プリンタ管理サーバに送信する送信手段と、
装着されたインクカートリッジのヘッドエラーが発生した際に、インクカートリッジ識別子を含むヘッドエラーの通知を、前記プリンタ管理サーバに行う通知手段と、を有し、
前記プリンタ管理サーバは、
前記プリンタから前記ステータス情報を受信した際に、プリンタ識別子と、インクカートリッジ識別子と、インクカートリッジ種別情報と、を紐づけて記憶する記憶手段と、
プリンタからヘッドエラーの通知を受信した場合、該通知に含まれるインクカートリッジ識別子と、前記記憶手段を基にインクカートリッジ種別を判断する判断手段と、
ヘッドエラーが発生したインクカートリッジが、所定の契約対象、かつ、プリントヘッド一体型インクカートリッジであれば、該カートリッジの交換品の配送ための処理を実行する実行手段と、を有する、
ことを特徴とするシステム。
(構成2)
前記実行手段は、ヘッドエラーが発生したインクカートリッジが、契約対象、かつ、プリントヘッド一体型インクカートリッジであれば、インク残量に依らず、該カートリッジの交換品の配送ための処理を実行することを特徴とする構成1に記載のシステム。
(構成3)
前記システムは、プリントヘッドが含まれないインクカートリッジが装着される第2プリンタを含み、
前記プリンタ管理サーバは、前記第2プリンタからヘッドエラーの通知を受信した場合には、インクカートリッジの交換品の配送ための処理を実行しないことを特徴とする構成1又は2に記載のシステム。
(構成4)
前記所定の契約は、契約対象のインクカートリッジにおけるインクの残量が閾値以下になったことに応じて、契約対象のインクカートリッジが自動で配送される契約であることを特徴とする構成1~3のいずれか1つに記載のシステム。
(方法1)
プリントヘッド一体型インクカートリッジが装着されるプリンタと、プリンタ管理サーバとを含むシステムの制御方法であって、
前記プリンタが実行する、
装着されたインクカートリッジの識別子とインクカートリッジ種別とを含むステータス情報を、前記プリンタ管理サーバに送信する送信工程と、
装着されたインクカートリッジのヘッドエラーが発生した際に、インクカートリッジ識別子を含むヘッドエラーの通知を、前記プリンタ管理サーバに行う通知工程と、を有し、
前記プリンタ管理サーバが実行する、
前記プリンタから前記ステータス情報を受信した際に、プリンタ識別子と、インクカートリッジ識別子と、インクカートリッジ種別情報と、を紐づけて記憶手段に登録する登録工程と、
プリンタからヘッドエラーの通知を受信した場合、該通知に含まれるインクカートリッジ識別子と、前記記憶手段を基にインクカートリッジ種別を判断する判断工程と、
ヘッドエラーが発生したインクカートリッジが、所定の契約対象、かつ、プリントヘッド一体型インクカートリッジであれば、該カートリッジの交換品の配送ための処理を実行する実行工程と、を有する、
ことを特徴とするシステムの制御方法。
(構成6)
プリントヘッド一体型インクカートリッジが装着されるプリンタと通信可能な管理サーバであって、
前記プリンタから、該プリンタに装着されたインクカートリッジの識別子とインクカートリッジ種別とを含むステータス情報を受信した際に、プリンタ識別子と、インクカートリッジ識別子と、インクカートリッジ種別情報と、を紐づけて記憶する記憶手段と、
前記プリンタから、ヘッドエラーが発生したインクカートリッジのインクカートリッジ識別子を含むヘッドエラーの通知を受信した場合、該通知に含まれるインクカートリッジ識別子と、前記記憶手段を基にインクカートリッジ種別を判断する判断手段と、
ヘッドエラーが発生したインクカートリッジが、所定の契約対象、かつ、プリントヘッド一体型インクカートリッジであれば、該カートリッジの交換品の配送ための処理を実行する実行手段と、
を有することを特徴とする管理サーバ。
(構成7)
前記実行手段は、ヘッドエラーが発生したインクカートリッジが、契約対象、かつ、プリントヘッド一体型インクカートリッジであれば、インク残量に依らず、該カートリッジの交換品の配送ための処理を実行することを特徴とする構成6に記載の管理サーバ。
(構成8)
前記管理サーバは、プリントヘッドが含まれないインクカートリッジが装着される第2プリンタと通信可能であり、
前記第2プリンタからヘッドエラーの通知を受信した場合には、インクカートリッジの交換品の配送ための処理を実行しないことを特徴とする構成6又は7に記載の管理サーバ。
(構成9)
前記所定の契約は、契約対象のインクカートリッジにおけるインクの残量が閾値以下になったことに応じて、契約対象のインクカートリッジが自動で配送される契約であることを特徴とする構成6~8のいずれか1つに記載の管理サーバ。
(方法2)
プリントヘッド一体型インクカートリッジが装着されるプリンタと通信可能な管理サーバの制御方法であって、
前記プリンタから、該プリンタに装着されたインクカートリッジの識別子とインクカートリッジ種別とを含むステータス情報を受信した際に、プリンタ識別子と、インクカートリッジ識別子と、インクカートリッジ種別情報と、を紐づけて記憶手段に登録する登録工程と、
前記プリンタから、ヘッドエラーが発生したインクカートリッジのインクカートリッジ識別子を含むヘッドエラーの通知を受信した場合、該通知に含まれるインクカートリッジ識別子と、前記記憶手段を基にインクカートリッジ種別を判断する判断工程と、
ヘッドエラーが発生したインクカートリッジが、所定の契約対象、かつ、プリントヘッド一体型インクカートリッジであれば、該カートリッジの交換品の配送ための処理を実行する実行工程と、
を有することを特徴とする管理サーバの制御方法。
(プログラム1)
コンピュータに、方法2に記載の制御方法を実行させるためのプログラム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10