IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 鈴木合金株式会社の特許一覧

特開2024-161693災害時、緊急時、等の雨水利用システム
<>
  • 特開-災害時、緊急時、等の雨水利用システム 図1
  • 特開-災害時、緊急時、等の雨水利用システム 図2-1
  • 特開-災害時、緊急時、等の雨水利用システム 図2-2
  • 特開-災害時、緊急時、等の雨水利用システム 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161693
(43)【公開日】2024-11-20
(54)【発明の名称】災害時、緊急時、等の雨水利用システム
(51)【国際特許分類】
   E03F 1/00 20060101AFI20241113BHJP
   E03F 5/10 20060101ALI20241113BHJP
   E03B 11/00 20060101ALI20241113BHJP
   C02F 1/28 20230101ALI20241113BHJP
   C02F 1/50 20230101ALI20241113BHJP
   B65D 90/00 20060101ALI20241113BHJP
【FI】
E03F1/00 A
E03F5/10 Z
E03B11/00 Z
C02F1/28 D
C02F1/50 510A
C02F1/50 520B
C02F1/50 560B
C02F1/50 550H
B65D90/00 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076601
(22)【出願日】2023-05-08
(71)【出願人】
【識別番号】593066988
【氏名又は名称】鈴木合金株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【弁理士】
【氏名又は名称】榊原 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100200621
【弁理士】
【氏名又は名称】堀部 峰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100083068
【弁理士】
【氏名又は名称】竹中 一宣
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 建志
【テーマコード(参考)】
2D063
3E170
4D624
【Fターム(参考)】
2D063AA17
2D063DA07
3E170AA02
3E170AB02
4D624AA01
4D624BC01
4D624DB18
(57)【要約】
【課題】 従来、雨水有効利用した雨水利用システムに関する、簡易な発電システムとして、空中都市の構想がある。特許発明は、災害時に防波堤を乗り越えた津波の水を地下タンクに貯留し、河川に排水時に、発電機を稼働し、発電するシステムを提供する。所謂、水の有効である。極めて合理的であって、災害時の復興に少しでも、役立てようとする考えがある。
【解決手段】 本発明は、雨水貯留用のタンクと、ソーラーパネルによる発電、又は蓄電部に蓄電した電気で働く、雨水貯留用のタンクの配管に備えたポンプと、雨水貯留用のタンク内に設けた活性炭、殺菌材、薬品と、タンク内の雨水を利用する風呂、トイレ、洗濯機、台所の生活エリアと、生活エリアとタンクを繋ぐ個別配管に個別配管と個別発電機を配備し、発電した電力を蓄電することで、災害時、緊急時において、タンクに溜めた雨水を生活用水として利用可能とした、災害時、緊急時等の雨水利用システムである。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
雨水貯留用のタンクと、
ソーラーパネルにより発電した電力、及び/又は蓄電部に蓄電した電力で働く、前記タンクに設けた雨水用配管に備えたポンプと、
前記タンク内に設けた活性炭、殺菌材、薬品と、
前記タンク内の雨水を利用する風呂、トイレ、洗濯機、台所の生活エリアと、
前記タンクと前記生活エリアを繋ぐ個別導入管と、
前記生活エリアで使用後の雨水排水用の個別配管と、
前記個別導入管、及び前記個別配管に設備した個別発電機と、
でなる災害時、緊急時等の雨水利用システムにおいて、
前記個別導入管、及び前記個別配管にそれぞれ前記個別発電機を付設し、この個別発電機からの個別発電量を、前記蓄電部に、それぞれ蓄電可能とし、
前記個別導入管への雨水供給停止、供給開始を制御する第1制御部、及び前記ソーラーパネル、及び/又は前記個別発電機及び前記蓄電部の動作を制御する第2制御部を介して、
災害時、緊急時において、前記タンクに溜めた雨水を生活用水として利用可能とした、災害時、緊急時等の雨水利用システム。
【請求項2】
前記タンクと前記生活エリアと、前記個別導入管、及び前記個別配管と、前記個別発電機は、移動可能としたことを特徴とする、請求項1に記載の災害時、緊急時等の雨水利用システム。
【請求項3】
前記タンクは、建物の基礎に設けられたタンクであることを特徴とする、請求項1に記載の災害時、緊急時等の雨水利用システム。
【請求項4】
前記ソーラーパネルで発電した電力、及び/又は前記個別発電機で発電した電力は、前記蓄電部に蓄電可能とし、この電力を前記第2制御部によって制御し、かつ、前記第1制御部によって、雨水の送水を制御する構成とした請求項1に記載の災害時、緊急時等の雨水利用システム。
【請求項5】
前記タンク内の雨水を、前記タンク内に設けた前記活性炭、前記殺菌材、前記薬品により清澄化し、生活用水として利用する構成とした請求項1に記載の災害時、緊急時等の雨水利用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害時、緊急時、津波、又は崖崩れ等の災害時、緊急時における雨水利用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
雨水を有効利用した雨水利用システムに関しては、簡易な発電システムとして、特許第6683417号の公報「文献(1)」の空中都市の構想がある。この特許発明は、災害時に防波堤を乗り越えた津波の水を地下タンクに貯留し、河川に排水時に、発電機を稼働し、発電するシステムを提供する。所謂、水の有効である。極めて合理的であって、災害時の復興に少しでも、役立てようとする発明である。
【0003】
そして、特開2009―090243号公報の「文献(2)」の水循環利用システムは、一般的な汚水を浄化した水の再使用を促進し、給湯設備による温水の利用範囲の拡大に関する水循環利用システムであって、貯留した汚水を浄化処理する合併浄化槽と、浄化槽で浄化された水を濾過して供給する水再生利用装置を備えており、水再生利用装置から供給される水を加熱して湯をつくる給湯器と、給湯器から供給される湯を用いて床暖房する暖房装置、暖房装置で使用された水を汚物排出用として使用する排水利用装置の一例の水洗トイレ、及び浄化槽に送る水を再利用できる。
【0004】
更に、特開2016-108861号公報の「文献(3)」の雨水利用装置は、効率的に雨水を利用できる雨水利用装置の提供であって、雨水貯留用の第1タンクと、第1タンクの雨水を送水する第1配管系、及び第2配管系と、第2配管系に設けられ雨水を清浄化するフィルタを備えてなり、環境意識の高まりと、雨水を積極的に再利用し、また、降水量(雨水量)の少ない地域においては、雨水の有効な活用化が図れる特徴がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6683417号公報
【特許文献2】特開2009―090243号公報
【特許文献3】特開2016-108861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記文献(1)-(3)は、雨水の有効利用と、災害時の緊急用水の確保を意図するが、本発明が意図する、例えば、雨水の清澄化を図り、併せて、再利用に適する水質確保に関するシステムとは言い難いと考えられる。また、前記文献(1)-(3)に於いては、実用に供する構成とか、システムとしての確立がなく、前述の目的達成と、市井の生活の活性化等を意図するまでには達していない状況と思われる。この雨水の有効利用の一環として、電力の生成を介して、動力源の一環と市井の生活一助とすることを意図する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本出願人は、前述した目的達成と、市井の生活の活性化等を意図することを鑑み、請求項1-5を提案し、かつ市場に提供することで、雨水の有効利用の一環を図り、かつ電力の生成を介して、動力源の一環とし活用し、市井の生活一助とすることを意図する。
【0008】
また、今後、電力状況の逼迫が考えられることから、その一の手段と考えられる雨水利用システムを提供することを意図する。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明は、
雨水貯留用のタンクと、
ソーラーパネルにより発電した電力、及び/又は蓄電部に蓄電した電力で働く、前記タンクに設けた雨水用配管に備えたポンプと、
前記タンク内に設けた活性炭、殺菌材、薬品と、
前記タンク内の雨水を利用する風呂、トイレ、洗濯機、台所の生活エリアと、
前記タンクと前記生活エリアを繋ぐ個別導入管と、
前記生活エリアで使用後の雨水排水用の個別配管と、
前記個別導入管、及び前記個別配管に設備した個別発電機と、
でなる災害時、緊急時等の雨水利用システムにおいて、
前記個別導入管、及び前記個別配管にそれぞれ前記個別発電機を付設し、この個別発電機からの個別発電量を、前記蓄電部に、それぞれ蓄電可能とし、
前記個別導入管への雨水供給停止、供給開始を制御する第1制御部、及び前記ソーラーパネル、及び/又は前記個別発電機及び前記蓄電部の動作を制御する第2制御部を介して、
災害時、緊急時において、前記タンクに溜めた雨水を生活用水として利用可能とした、災害時、緊急時等の雨水利用システムである。
【0010】
これにより、請求項1に於いては、雨水の有効利用の一環とし、緊急時の生活用水としての利用と、併せて、電力の生成を介して、動力源の一環とし、市井の緊急時の生活一助としての利用を意図する。
【0011】
請求項2の発明は
前記タンクと前記生活エリアと、前記個別導入管、及び前記個別配管と、前記個別発電機は、移動可能としたことを特徴とする、災害時、緊急時等の雨水利用システムである。
【0012】
これにより、請求項2に於いては、請求項1の目的達成に有益な手段を提供できる。
【0013】
請求項3の発明では、
前記タンクは、建物の基礎に設けられたタンクであることを特徴とする、災害時、緊急時等の雨水利用システムである。
【0014】
これにより、請求項3に於いては、請求項1の目的達成と、活用に有益な手段を提供できる。
【0015】
請求項4の発明では、
前記ソーラーパネルで発電した電力、及び/又は前記個別発電機で発電した電力は、前記蓄電部に蓄電可能とし、この電力を前記第2制御部によって制御し、かつ、前記第1制御部によって、雨水の送水を制御する構成とした災害時、緊急時等の雨水利用システムである。
【0016】
これにより、請求項4に於いては、請求項1の目的達成に有益な手段を提供できる。
【0017】
請求項5の発明では、
前記タンク内の雨水を、前記タンク内に設けた前記活性炭、前記殺菌材、前記薬品により清澄化し、生活用水として利用する構成とした災害時、緊急時等の雨水利用システムである。
【0018】
これにより、請求項5に於いては、請求項1の目的達成と活用に有益な手段を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】災害時、緊急時における、移動可能な雨水利用システムの一例を示す模式図
図2-1】建屋の地下を利用した雨水利用システムの模式図で、マンションに適用した場合の模式図
図2-2】建屋の地下を利用した雨水利用システムの模式図で、一戸建てに適用した場合の模式図
図3】雨水の流れと、制御を示したフローチャート図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の各実施例を説明する。各実施例は、好ましい一例であり、各実施例の説明、及び/又は、図面に限定されない。従って、発明の趣旨の範囲において構成の一部を変更する構造、又は同じ特徴と効果を達成できる構造、等は、本発明の範疇である。
【0021】
図1において、1はタンクで、方形状が取扱いと安定性に優れ、かつ設置状況の決定とか、設置場所の決定とかに有効であり、かつ容易性と簡便性に優れている。元論、形状とか設置場所の決定等は、限定されない。このタンク1には、雨水Aが貯留されるとともに、雨水Aは、活性炭、殺菌材、薬品等を介して、清澄化される。また、タンク1内には、ポンプ2が設けられており、移動可能な形態で、かつ寸法を備え、かつ容積を有し、また、取手、滑車等(図示しない)を備える。開口部100、開閉窓101、導入管102等を備える。そして、このポンプ2は、自然エネルギーである太陽光を利用したソーラーパネル11による発電で、災害時、緊急時のような無電源時にも、作動させることを意図する。
【0022】
尚、タンク1には、自動停止・排水装置・水位検出器等の安全装置とか、複数タンク(図示せず)を装備し、全ての災害、緊急時に対応可能とし、生活や生命維持を可能とする。
【0023】
図1中の3は、活性炭、殺菌材、薬品、純粋化システム材等の清澄化手段3を示しており、雨水に有効である。
【0024】
タンク1は、図1の小型、かつ移動用、利便性等を考えた形態から、図2の如く、マンションや家の地下基礎部に設置した、大型設置形、固定形態としたタンク1a、1bも可能である。
【0025】
タンク1の雨水Aは、配管6、個別導入管60a~60nを介して、生活エリア12の各所(例えば、風呂12a、トイレ12b、洗濯機12c)に個別に送水される。また、生活エリア12で使用後の雨水Aの排水時には、個別配管6a~6nを設ける。
【0026】
個別導入管60a~60nへの供給停止、供給開始の制御は、第1制御部C1で行う。第1制御部C1では、例えば、タンク1の雨水貯水量と、設定値(使用者が設定)を比較検討し、どの生活エリアで使用するか、雨水Aの送水量等を制御可能であるが、制御の方法は一例である。また配管6と個別導入管60a~60nの間に切替レバー5を設け、状況に応じて、手動で送水する箇所を切り替えることも可能である。
【0027】
個別導入管60a~60n、及び個別配管6a~6nには、個別発電機10a~10nを設け、発電した電気を蓄電しても良い。地震、台風等の災害時、緊急時等の状況下において、最低限の電力を、ソーラーパネル11及び、この蓄電池の蓄電を活用し、タンク1内の雨水Aを、個別導入管60a等を介して、例えば、トイレ12b等の生活エリア12に送ることで、緊急時においても生活に供することが可能となる。また、ソーラーパネル11で発電することで、順次生活エリア12の電源としても利用することができる。この点は、本発明の雨水利用システムの大きな特徴である。
【0028】
図中10a~10nは個別発電機であり、個別導入管60a~60n、及び個別配管6a~6nにそれぞれ配備する。トイレ12b、風呂12a、洗濯機12cへ、それぞれの個別導入管60a~60nにより雨水を送水する際、及び、生活エリア12からの排水時、個別発電機10a~10nが送水・排水時の水流を利用して発電する。尚、個別発電機10a~10nにより発電した電力を、蓄電部Bに蓄電する。即ち、この個別発電機10a~10nは、送水時の雨水、かつ排水時の雨水の働き(流れ)で、それぞれ発電し、蓄電部Bに蓄電する。
【0029】
本発明において、ソーラーパネル11が設置されている目的は、災害時や緊急時の停電時に、無電源であっても、生活エリア12に電力を供給可能とすること、及び、ポンプ2に電力を供給することで、タンク1内の雨水Aを生活エリア12に送水可能とすることである。
【0030】
次に本発明のシステムの概要を説明する。
【0031】
ソーラーパネル11で発電した電力、及び/又は蓄電部Bに蓄電された電力を利用し、無電源時に、ポンプ2を動かす。例えば、無電源時に、ポンプ2を動かすことで雨水Aを生活エリア12に送水する。ポンプ2を動かし、例えば、風呂12a、トイレ12b、洗濯機12cには、個別導入管60a、60b、60nを介して雨水Aが導入されるとともに、導入時において、個別導入管60a、60b、60nに設けた個別発電機10nが発電し、その電気は蓄電部Bに蓄電される。一方、生活エリア12で利用した排水は、例えば、個別配管6a、6b、6nを経由し排水されるが、この排水時に個別配管6a、6b、6nに設けた個別発電機10a、10b、10nが発電し、その電気は蓄電部Bに蓄電される。
【0032】
図3は、本発明のシステムの雨水Aの流れを説明するフローチャート図である。ここでは、雨水Aの流れの一例(雨水Aの利用システム)を示す。
(ST-1)雨水Aをタンク1に貯水する(常時)。
(ST-2)ソーラーパネル11で発電した電気を蓄電部Bに蓄電する(常時)。これは、災害時、その他の緊急時の、無電源時に、雨水Aを送水するポンプ2を動かすためである。
(ST-3)ポンプ2を作動。
(ST-4)タンク1から配管6を経由して、雨水Aを送水する(第1制御部による自動制御、及び/又は切替レバー5の操作による)。
(ST-5)タンク1内の雨水Aの貯水量を確認する。雨水Aの貯水量と、設定値を比較検討し、貯水量に応じて、生活エリア12を選択する。
(ST-6)雨水Aの貯水量が設定値未満の場合には、トイレ12bに送水する。
(ST-7)雨水Aの貯水量が設定値と同レベルの場合には、洗濯機12cに送水する。
(ST-8)雨水Aの貯水量が設定値より多い場合には、風呂12aに送水する。
【0033】
尚、第2制御部C2の指令で、個別発電機10a~10nに司令を行い、発電、及び/又は蓄電を行う。
【0034】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能である。前述した各実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【符号の説明】
【0035】
1 タンク
1a タンク
1b タンク
100 開口部
101 開閉窓
102 導入管
2 ポンプ
3 清澄化手段
5 切替レバー
6 配管
6a~6n 個別配管
10a~10n 個別発電機
11 ソーラーパネル
12 生活エリア
12a 風呂
12b トイレ
12c 洗濯機
60a~60n 個別導入管
A 雨水
B 蓄電部
C1 第1制御部
C2 第2制御部
図1
図2-1】
図2-2】
図3