(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161706
(43)【公開日】2024-11-20
(54)【発明の名称】生産性評価システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/04 20120101AFI20241113BHJP
【FI】
G06Q50/04
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076633
(22)【出願日】2023-05-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】514163169
【氏名又は名称】株式会社P.O.イノベーション
(74)【代理人】
【識別番号】100161355
【弁理士】
【氏名又は名称】野崎 俊剛
(72)【発明者】
【氏名】見木 太郎
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC04
5L050CC04
(57)【要約】
【課題】少量多種の商品を複数の担当者で製造する場合でも、各担当者の生産性を適切に評価することができる生産性評価システムを提供すること。
【解決手段】生産性評価システムは、商品の製造作業を行う担当者の生産性を評価するものである。生産性評価システムは、ネットワークに接続され商品の製造工程及び担当者について所定項目の管理情報を記録する管理端末と、ネットワークに接続され担当者が製造工程の作業が完了したときに管理情報に含まれる完了済み情報を入力するとともに送信する入力端末とを備えている。管理情報は、担当者情報38と、製造工程情報42と、ポイント情報44と、標準作業時間情報45と、完了済み情報39とを含み、管理端末は、担当者が作業を行った製造工程のポイントを集計して担当者のポイントの合計を生成する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の製造作業を行う担当者の生産性を評価する生産性評価システムであって、
ネットワークに接続され前記商品の製造工程及び前記担当者について所定項目の管理情報を記録する管理端末と、前記ネットワークに接続され前記担当者が製造工程の作業が完了したときに前記管理情報に含まれる完了済み情報を入力するとともに送信する入力端末とを備え、
前記管理情報は、前記担当者を示す担当者情報と、前記商品の製造工程に関する製造工程情報と、製造工程毎に定めたポイントを示すポイント情報と、製造工程毎の標準的な作業時間を示す標準作業時間情報と、製造工程の作業が完了したことを示す前記完了済み情報とを含み、
前記管理端末は、前記担当者が作業を行った製造工程のポイントを集計して前記担当者のポイントの合計を生成することを特徴とする生産性評価システム。
【請求項2】
請求項1記載の生産性評価システムであって、
前記管理端末は、全ての前記商品の前記製造工程情報、前記ポイント情報及び前記標準作業時間情報が記録される商品マスター部と、
前記商品の製造工程毎に、前記担当者情報、前記ポイント情報、標準作業時間情報が記録される製造プロセスチェック部と、
前記担当者が作業を行った製造工程のポイントが集計される担当者別ポイント集計部と、を備えていることを特徴とする生産性評価システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の生産性評価システムであって、
前記管理情報は、全ての製造工程が完了済みとなった前記商品に対して品質確認をして合格となったときに入力される前記商品の完成日を示す完成日情報を含み、
前記製造プロセスチェック部には前記完成日情報が記録され、
前記管理端末は、前記完成日情報が入力された前記商品のみについて、前記担当者が作業を行った製造工程のポイントを集計して前記担当者のポイントの合計を生成することを特徴とする生産性評価システム。
【請求項4】
請求項1又は請求項2記載の生産性評価システムであって、
前記管理端末は、指定した期間における前記担当者が作業を行った製造工程と、その製造工程のポイントと、このポイントを合計した前記担当者の合計ポイントとが表示された担当者別プロファイルを出力可能であることを特徴とする生産性評価システム。
【請求項5】
請求項1又は請求項2記載の生産性評価システムであって、
前記管理情報は、前記商品の納品先を示す納品先情報と、前記納品先への連絡を担当する営業担当者情報と、製作を担当する製作の前記担当者情報とを含み、
前記管理端末は、前記納品先情報、前記営業担当者情報及び製作の前記担当者情報が記録される担当者一覧部を備えていることを特徴とする生産性評価システム。
【請求項6】
請求項1又は請求項2記載の生産性評価システムであって、
前記管理情報は、前記商品が完成した後に修正を必要とする場合に修正期限を示す修正期限情報を含み、
前記製造プロセスチェック部には前記完成日情報が記録されることを特徴とする生産性評価システム。
【請求項7】
請求項1又は請求項2記載の生産性評価システムであって、
前記管理情報は、製造工程毎に前記標準作業時間情報の標準作業時間に対して乗ずる係数を有し、
各製造工程のポイントは、各製造工程の前記標準作業時間に前記係数を乗じた値であることを特徴とする生産性評価システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品の製造作業を行う担当者の生産性を評価する生産性評価システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、製造ラインなどで量産される商品の製造作業を行う担当者の生産性を評価する方法として、その担当者が担当する製造設備の稼働率を評価することがある。このような、製造設備の稼働率を評価する生産性評価システムとして、特許文献1に示す技術が知られている。
【0003】
特許文献1の生産性評価システムは、製造現場を撮影するために設置されたカメラと、カメラにより撮影された画像の中から、人の位置を特定する位置特定部と、位置特定部により特定された人の位置に基づいて、製造現場に設置された製造設備の稼働率を評価するための評価値を生成する評価部とを有する。詳細には、カメラにより撮影された画像の中から、人の特徴画像を抽出する人抽出部をさらに有し、位置特定部は、人抽出部により抽出された人の特徴画像の位置を特定し、評価部は、製造設備の設置位置及び設置方向の少なくとも一方を基準として設定された領域に、人の特徴画像が存在するか否かを判定し、設定された領域に存在する人の数に基づいて、評価値を生成するものである。
【0004】
しかし、特許文献1の生産性評価システムは、量産品を機械により製造する場合に向いている手段であるが、少量多種の商品を主に手動で製造する場合には、各担当者が製造する商品(部品)が異なり、商品(部品)より製造にかかる時間や難易度が異なり単純に製造設備の稼働率をみるだけでは担当者各々の生産性の評価が難しい。
【0005】
また、別の生産性評価システムに関連する技術として、特許文献2の労務管理方法及び労務管理支援装置が開示されている。
【0006】
特許文献2の技術では、労務管理支援装置の生産性評価部は、実績生産性算出部と、標準生産性設定部と、生産性比較データ生成部とを有する。実績生産性算出部は実績労働時間(延べ労働時間)と売上実績から売上高別の実績生産性を算出し、標準生産性設定部は過去の実績に基づいて売上高別の生産性を標準生産性として設定し、生産性比較データ生成部は実績生産性と標準生産性とを売上高の関数として比較評価するための表示又は印刷データを生成する。
【0007】
しかし、特許文献2の労務管理方法及び労務管理支援装置は、売上高と労働時間による生産性であり、主に店舗販売(小売り)の生産性評価に向いている手段であるが、少量多種の商品を主に手動で製造する場合には、やはり担当者各々の生産性の評価が難しい。
【0008】
一般的な従来技術では、生産したものの個数等で生産性を測っており、同じ物を作る場合の各担当者の生産性評価に向いているが、少量多種のような異なる物を作る場合には単純に生産した個数で生産性を評価することができず、少量多種の商品を複数の担当者で製造する場合の生産性評価には不向きであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2020-95651号公報
【特許文献2】特開2000-322661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、以上の点に鑑み、少量多種の商品を複数の担当者で製造する場合でも、各担当者の生産性を適切に評価することができる生産性評価システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の実施例によれば、商品の製造作業を行う担当者の生産性を評価する生産性評価システムであって、
ネットワークに接続され前記商品の製造工程及び前記担当者について所定項目の管理情報を記録する管理端末と、前記ネットワークに接続され前記担当者が製造工程の作業が完了したときに前記管理情報に含まれる完了済み情報を入力するとともに送信する入力端末とを備え、
前記管理情報は、前記担当者を示す担当者情報と、前記商品の製造工程に関する製造工程情報と、製造工程毎に定めたポイントを示すポイント情報と、製造工程毎の標準的な作業時間を示す標準作業時間情報と、製造工程の作業が完了したことを示す前記完了済み情報とを含み、
前記管理端末は、前記担当者が作業を行った製造工程のポイントを集計して前記担当者のポイントの合計を生成することを特徴とする。
【0012】
かかる構成によれば、ネットワークに接続され商品の製造工程及び担当者について所定項目の管理情報を記録する管理端末と、ネットワークに接続され担当者が製造工程の作業が完了したときに管理情報に含まれる完了済み情報を入力するとともに送信する入力端末とを備えている。管理情報は、担当者を示す担当者情報と、商品の製造工程に関する製造工程情報と、製造工程毎に定めたポイントを示すポイント情報と、製造工程毎の標準的な作業時間を示す標準作業時間情報と、製造工程の作業が完了したことを示す完了済み情報とを含んでいるので、異なる種類の商品であっても各製造工程に応じた標準作業時間と難易度をポイントで可視化することができる。管理端末は、担当者が作業を行った製造工程の時間の積み上げと関連させたポイントを集計して担当者のポイントの合計を生成するので、少量多種の商品を複数の担当者で製造する場合でも、各担当者の生産性を適切に評価することができる。
【0013】
好ましくは、前記管理端末は、全ての前記商品の前記製造工程情報、前記ポイント情報及び前記標準作業時間情報が記録される商品マスター部と、
前記商品の製造工程毎に、前記担当者情報、前記ポイント情報、標準作業時間情報が記録される製造プロセスチェック部と、
前記担当者が作業を行った製造工程のポイントが集計される担当者別ポイント集計部と、を備えている。
【0014】
かかる構成によれば、管理端末は、全ての商品の製造工程情報、ポイント情報及び標準作業時間情報が記録される商品マスター部を備えているので、全ての商品の製造工程のポイントと標準作業時間を一元管理して作業時間や難易度を考慮した公平でバランスのよいポイントを配分することできる。さらに、商品の製造工程毎に、担当者情報、ポイント情報、標準作業時間情報が記録される製造プロセスチェック部を備えているので、商品の製造工程毎にどの担当者を担当させるか計画でき、商品の一連の製造工程の中で難易度の高い工程にスキルの高い担当者を配置するなどして商品自体の生産性を高めることができる。さらに、担当者が作業を行った製造工程のポイントが集計される担当者別ポイント集計部を備えているので、担当者同士を比較して相対的な生産性を評価することができるとともに、各担当者の業務の負荷を把握して負荷が軽い担当者に業務を追加し、担当者間の業務負荷のバランスもとることができる。
【0015】
好ましくは、前記管理情報は、全ての製造工程が完了済みとなった前記商品に対して品質確認をして合格となったときに入力される前記商品の完成日を示す完成日情報を含み、
前記製造プロセスチェック部には前記完成日情報が記録され、
前記管理端末は、前記完成日情報が入力された前記商品のみについて、前記担当者が作業を行った製造工程のポイントを集計して前記担当者のポイントの合計を生成する。
【0016】
かかる構成によれば、管理情報は、全ての製造工程が完了済みとなった商品に対して品質確認をして合格となったときに入力される商品の完成日を示す完成日情報を含む。管理端末は、完成日情報が入力された商品のみについて、担当者が作業を行った製造工程のポイントを集計して担当者のポイントの合計を生成するので、製造した商品の合格品質も確保したうえで担当者の生産性を評価することができる。
【0017】
好ましくは、前記管理端末は、指定した期間における前記担当者が作業を行った製造工程と、その製造工程のポイントと、このポイントを合計した前記担当者の合計ポイントとが表示された担当者別プロファイルを出力可能である。
【0018】
かかる構成によれば、管理端末は、指定した期間における担当者が作業を行った製造工程と、その製造工程のポイントと、このポイントを合計した担当者の合計ポイントとが表示された担当者別プロファイルを出力可能であるので、担当者の任意の期間に応じた生産性を評価し、担当した製造工程の得意工程や苦手工程などを分析することができる。
【0019】
好ましくは、前記管理情報は、前記商品の納品先を示す納品先情報と、前記納品先への連絡を担当する営業担当者情報と、製作を担当する製作の前記担当者情報とを含み、
前記管理端末は、前記納品先情報、前記営業担当者情報及び製作の前記担当者情報が記録される担当者一覧部を備えている。
【0020】
かかる構成によれば、管理情報は、納品先情報と、営業担当者情報と、製作の担当者情報とを含み、管理端末は、納品先情報、営業担当者情報及び製作の担当者情報が記録される担当者一覧部を備えているので、製作の担当者の評価だけでなく、納品先の納品数を分析することで納品先の評価や、商品を納品する営業担当者の評価も行うことができる。
【0021】
好ましくは、前記管理情報は、前記商品が完成した後に修正を必要とする場合に修正期限を示す修正期限情報を含み、
前記製造プロセスチェック部には前記完成日情報が記録される。
【0022】
かかる構成によれば、管理情報は商品が完成した後に修正を必要とする場合に修正期限を示す修正期限情報を含み、製造プロセスチェック部には完成日情報が記録されるので、修正が必要になった商品も把握でき商品の品質評価に繋げることができる。
【0023】
好ましくは、前記管理情報は、製造工程毎に前記標準作業時間情報の標準作業時間に対して乗ずる係数を有し、
各製造工程のポイントは、各製造工程の前記標準作業時間に前記係数を乗じた値であることを特徴とする。
【0024】
かかる構成によれば、管理情報は、製造工程毎に標準作業時間情報の標準作業時間に対して乗ずる係数を有する。各製造工程のポイントは、各製造工程の標準作業時間に係数を乗じた値であるので、力を入れて取り組みたい商品の重要な製造工程に、例えば1.1の係数を乗じることでポイントを増加させることができる。すなわち、製造工程の標準作業時間は同じままにして、係数でポイントを増減させることができる。これにより担当者のモチベーションをアップさせたり、重要な商品の増量生産などにつなげたりすることができる。
【発明の効果】
【0025】
少量多種の商品を複数の担当者で製造する場合でも、各担当者の生産性を適切に評価することができる生産性評価システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明に係る生産性評価システムの説明図である。
【
図2】本発明に係る製造プロセスチェック部の説明図である。
【
図3】本発明に係る商品マスター部の説明図である。
【
図4】本発明に係る担当者別ポイント集計部の説明図である。
【
図6】本発明に係る担当者別プロファイルの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、生産性評価システムの説明図は構成の一例を概念的(模式的)に示すものとする。
【実施例0028】
図1に示されるように、生産性評価システム10は、商品41aの製造作業を行う担当者の生産性を評価するシステムである。商品41aは、複数の製造工程(工程1、工程2、工程3、・・・、工程n)により製造されるものである。ここでは商品41aの例として、医療用装具を示している。
【0029】
生産性評価システム10は、ネットワーク11に接続され商品41aの製造工程(工程1、工程2、工程3、・・・、工程n)及び担当者(担当者1、担当者2、・・・)について所定項目の管理情報を記録する管理端末20と、ネットワーク11に接続され担当者が製造工程の作業が完了したときに管理情報に含まれる完了済み情報等を入力するとともに送信する入力端末21とを備えている。
【0030】
なお、実施例では入力端末21をいわゆるノートパソコンとしたが、これに限定されず、各製造工程において携帯端末21a、21b、21c、・・・、21nを使用してもよい。また、実施例では管理端末20と入力端末21を別体にしたが、これに限定されず、管理端末20と入力端末21を同じものとしてもよい。
【0031】
図1~
図6に示されるように、管理端末20は、
図2に示す製造プロセスチェック部(製造プロセスチェックシート)30と、
図3に示す商品マスター部(商品マスターシート)40と、
図4に示す担当者別ポイント集計部(担当者別ポイント集計シート、従業員別ポイント集計シート)50と、
図5に示す担当者一覧部(担当者一覧シート)60と、
図6に示す担当者別プロファイル70とを備えている。
【0032】
また、製造プロセスチェックシート30、商品マスターシート40、従業員別ポイント集計シート50、及び担当者一覧シート60は、ソフトウェア上でタグ31により切り替え可能に表示するようにしてもよい。
【0033】
次に製造プロセスチェック部(製造プロセスチェックシート)30について説明する。
図2に示されるように、管理情報は、商品41aの種類を示す商品情報41と、商品41aが現在どのステータスにあるかを着手や完成などの表記で示すステータス情報32と、商品41aの納品先を示す納品先情報33と、納品先の担当となるお客様情報34と、全ての製造工程42a、42b、42cが完了済みとなった商品41aに対して品質確認をして合格となったときに入力される商品の完成日を示す完成日情報35と、商品41aが完成した後に修正を必要とする場合に修正期限を示す修正期限情報36と、納品先への連絡を担当する営業担当者情報37と、を含んでいる。
【0034】
また、管理情報は、商品41aの各製造工程42a、42b、42cに関する製造工程情報42と、製作を担当する担当者を示す担当者情報38と、各製造工程42a、42b、42cの工程名を示す工程名情報43と、製造工程42a、42b、42c毎に定めたポイントを示すポイント情報44と、製造工程42a、42b、42c毎の標準的な作業時間を示す標準作業時間情報45と、製造工程42a、42b、42cの作業が完了したことを示す完了済み情報39と、を含んでいる。
【0035】
このように、製造プロセスチェック部(製造プロセスチェックシート)30は、商品毎に、商品情報41、ステータス情報32、納品先情報33、お客様情報34、完成日情報35、修正期限情報36、営業担当者情報37、製造工程情報42(製造工程42a、42b、42c、・・・)が入力され、商品41aの製造工程42a、42b、42c(製造工程情報42)毎に、担当者情報、38、工程名情報43、ポイント情報44、標準作業時間情報45、及び完了済み情報39が入力されるとともに記録される。
【0036】
次に商品マスター部(商品マスターシート)40について説明する。
図3に示されるように、管理情報は、全ての商品41a、41b、41c、・・・の商品名となる商品情報41と、商品41a、41b、41c毎の各製造工程42a、42b、42c、42dに関する製造工程情報42と、各製造工程42a、42b、42c、42dの工程名を示す工程名情報43と、製造工程42a、42b、42c、42d毎に定めたポイントを示すポイント情報44と、製造工程42a、42b、42c、42d毎の標準的な作業時間を示す標準作業時間情報45と、を含んでいる。
【0037】
このように、商品マスター部(商品マスターシート)40は、全ての商品41a、41b、41c、・・・の商品情報41、製造工程情報42(製造工程42a、42b、42c、42d、・・・)、工程名情報43、ポイント情報44、及び標準作業時間情報45が入力されるとともに記録される。なお、製造工程の数は、商品によって6工程、7工程、8工程などのように決まりはなく、いずれの数であってもよい。
【0038】
次に担当者別ポイント集計部(担当者別ポイント集計シート)50について説明する。
図4に示されるように、管理情報は、集計する年月を示す集計年月情報51と、製造を担当する担当者38a、38b、38c、38dの担当者情報38と、担当者38a、38b、38c、38d毎のポイントの合計を演算したポイント合計情報52と、担当者38a、38b、38c、38d毎の対応した商品(商品情報41)及び製造工程(製造工程情報42)を集計した工程集計情報53と、各製造工程42a、42b、42cのポイントを示すポイント情報44と、を含んでいる。
【0039】
このように、担当者別ポイント集計部(担当者別ポイント集計シート)50は、集計年月情報51、担当者情報38、ポイント合計情報52、工程集計情報53、商品情報41、製造工程情報42、及びポイント情報44が出力される。なお、図では担当者別ポイント集計シート50を従業員別ポイント集計シートとして示す。
【0040】
なお、管理情報は、製造工程毎に標準作業時間情報の標準作業時間に対して乗ずる係数を有し、各製造工程のポイントは、各製造工程の標準作業時間に係数を乗じた値としてもよい。これにより、各製造工程のポイントは、各製造工程の標準作業時間に係数を乗じた値であるので、力を入れて取り組みたい商品の重要な製造工程に、例えば1.1の係数を乗じることでポイントを増加させることができる。すなわち、製造工程の標準作業時間は同じままにして、係数でポイントを増減させることができる。これにより担当者のモチベーションをアップさせたり、重要な商品の増量生産などにつなげたりすることができる。
【0041】
次に担当者一覧部(担当者一覧シート)60について説明する。
図5に示されるように、管理情報は、商品41a、・・・の納品先を示す納品先情報33と、納品先への連絡を担当する営業担当者情報37と、製造の担当者を示す担当者情報38と、を含んでいる。
【0042】
このように、管理端末20において、担当者一覧部(担当者一覧シート)60は、納品先情報33、営業担当者情報37、及び担当者情報38が出力される。
【0043】
次に担当者別プロファイル70について説明する。
図6に示されるように、管理情報は、製造を担当した担当者情報38と、商品名を示す商品情報41と、行った製造工程を示す工程名情報43(製造工程情報42)と、各製造工程のポイントを示すポイント情報44と、ポイントを集計したその月の指定日を示す集計指定日情報71と、担当者情報38で指定した担当者の指定日までの指定日合計ポイント情報72と、を含んでいる。
【0044】
このように、担当者別プロファイル70は、商品情報41、工程名情報43(製造工程情報42)、ポイント情報44、集計指定日情報71、及び指定日合計ポイント情報72が出力される。
【0045】
次に入力手順、作用の一例について説明する。
図1~
図6に示されるように、STEP1で商品マスター部(商品マスターシート)40に、全ての商品41a、41b、41c、・・・の商品情報41、製造工程情報42(製造工程42a、42b、42c、42d、・・・)、工程名情報43、ポイント情報44、及び標準作業時間情報45を入力する。各製造工程におけるポイント情報44と標準作業時間情報45は、実際の製造作業の負荷を考慮して適宜見直し、値を調整して修正することができる。
【0046】
STEP2で商品マスター部(商品マスターシート)40に、製造する商品41a、41b、41c、・・・の商品情報41を入力する。このとき、商品情報41を入力する部分を選択すると、商品マスター部(商品マスターシート)40で入力した商品が自動的に列挙表示(いわゆるプルダウン表示)され、その中から商品を選択することができる。なお、商品マスター部(商品マスターシート)40への書品情報41の入力は直接文字を入力するようにしてもよい。
【0047】
商品マスター部(商品マスターシート)40に、製造する商品41a、41b、41c、・・・の商品情報41を入力すると、その商品情報41に応じた製造工程情報42(製造工程42a、42b、42c、42d、・・・)、工程名情報43、ポイント情報44、及び標準作業時間情報45がシートに自動入力される。
【0048】
STEP3で商品マスター部(商品マスターシート)40の各製造工程42a、42b、42c、42d、・・・(製造工程情報42)に製造担当者を割り振り、担当者情報38を入力する。
【0049】
STEP4で商品マスター部(商品マスターシート)40に、納品先情報33、お客様情報34、営業担当者情報37、ステータス情報32を入力する。なお、お客様情報34を入力することで、担当者一覧部(担当者一覧シート)60情報から残りの営業担当者情報、商品完成後に確認する製作担当者となる担当者情報37が自動転記されるようにしてもよい。
【0050】
STEP5で各製造工程42a、42b、42c、42d、・・・の完了後、商品マスター部(商品マスターシート)40の各製造工程42a、42b、42c、42d、・・・(製造工程情報42)に、完了済み情報39を入力する(マスにチェックを入れる)。
【0051】
STEP6で任意の商品41aの全ての製造工程42a、42b、42c、42d、・・・(製造工程情報42)に、完了済み情報39が入力された後、任意の商品41a全体の品質確認を行い、合格の場合はステータス情報32に完成を入力する。すると、完成日情報35が自動入力される。なお、完成日情報35は手動入力としてもよい。
【0052】
STEP7で担当者別ポイント集計部(担当者別ポイント集計シート)50に集計年月情報51を入力し、集計させることで演算処理が行われ、担当者情報38、ポイント合計情報52、工程集計情報53、商品情報41、製造工程情報42、ポイント情報44が出力される。集計年月情報51の集計月を変更させることで異なる月の情報を出力することや、集計月を2、3、4月と複数月入れることでそれらの月の合計情報を出力することもできる。
【0053】
STEP8で担当者別プロファイル70に担当者情報38を入力すると、入力した月の入力日までにおけるその担当者が製造した商品情報41、工程名情報43(製造工程情報42)、ポイント情報44、指定月合計ポイント情報72、集計指定日情報71が演算処理されて出力される。
【0054】
なお、集計指定日情報71の日付を変更することで変更日における前述の指定月合計ポイント情報72等が演算処理されて出力される。また、集計指定日情報71に任意の期間を入力することでその期間置ける前述の指定月合計ポイント情報72等が演算処理されて出力される。さらには、入力した月の入力日までの指定月合計ポイント情報72等や、任意の期間における指定月合計ポイント情報72等をグラフ(棒グラフ、折れ線グラフ、円グラフ等)として演算して出力することができる。
【0055】
このように、管理端末20は、担当者が作業を行った製造工程のポイントを集計して担当者のポイントの合計を生成する。また、管理端末20は、完成日情報35が入力された商品のみについて、担当者が作業を行った製造工程のポイントを集計して担当者のポイントの合計を生成する。また、管理端末20は、指定した期間における担当者が作業を行った製造工程と、その製造工程のポイントと、このポイントを合計した担当者の合計ポイントとが表示された担当者別プロファイル70を出力可能である。
【0056】
次に以上に述べた生産性評価システム10の効果を説明する。
生産性評価システム10は、ネットワーク11に接続され商品の製造工程及び担当者について所定項目の管理情報を記録する管理端末20と、ネットワーク11に接続され担当者が製造工程の作業が完了したときに管理情報に含まれる完了済み情報39を入力するとともに送信する入力端末21とを備えている。管理情報は、担当者を示す担当者情報38と、商品の製造工程に関する製造工程情報42と、製造工程毎に定めたポイントを示すポイント情報44と、製造工程毎の標準的な作業時間を示す標準作業時間情報45と、製造工程の作業が完了したことを示す完了済み情報39とを含んでいるので、異なる種類の商品であっても各製造工程に応じた標準作業時間と難易度をポイントで可視化することができる。管理端末20は、担当者が作業を行った製造工程の時間の積み上げと関連させたポイントを集計して担当者のポイントの合計を生成するので、少量多種の商品を複数の担当者で製造する場合でも、各担当者の生産性を適切に評価することができる。
【0057】
さらに、管理端末20は、全ての商品の製造工程情報42、ポイント情報44及び標準作業時間情報45が記録される商品マスター部40を備えているので、全ての商品の製造工程のポイントと標準作業時間を一元管理して作業時間や難易度を考慮した公平でバランスのよいポイントを配分することできる。さらに、商品の製造工程毎に、担当者情報38、ポイント情報44、標準作業時間情報45が記録される製造プロセスチェック部30を備えているので、商品の製造工程毎にどの担当者を担当させるか計画でき、商品の一連の製造工程の中で難易度の高い工程にスキルの高い担当者を配置するなどして商品自体の生産性を高めることができる。さらに、担当者が作業を行った製造工程のポイントが集計される担当者別ポイント集計部70を備えているので、担当者同士を比較して相対的な生産性を評価することができるとともに、各担当者の業務の負荷を把握して負荷が軽い担当者に業務を追加し、担当者間の業務負荷のバランスもとることができる。
【0058】
さらに、管理情報は、全ての製造工程が完了済みとなった商品に対して品質確認をして合格となったときに入力される商品の完成日を示す完成日情報35を含む。管理端末20は、完成日情報35が入力された商品のみについて、担当者が作業を行った製造工程のポイントを集計して担当者のポイントの合計を生成するので、製造した商品の合格品質も確保したうえで担当者の生産性を評価することができる。
【0059】
さらに、管理端末20は、指定した期間における担当者が作業を行った製造工程と、その製造工程のポイントと、このポイントを合計した担当者の合計ポイントとが表示された担当者別プロファイル70を出力可能であるので、担当者の任意の期間に応じた生産性を評価し、担当した製造工程の得意工程や苦手工程などを分析することができる。
【0060】
さらに、管理情報は、納品先情報33と、営業担当者情報37と、製作の担当者情報37とを含み、管理端末20は、納品先情報33、営業担当者情報37及び製作の担当者情報38が記録される担当者一覧部60を備えているので、製作の担当者の評価だけでなく、納品先の納品数を分析することで納品先の評価や、商品を納品する営業担当者の評価も行うことができる。
【0061】
さらに、管理情報は商品が完成した後に修正を必要とする場合に修正期限を示す修正期限情報36を含み、製造プロセスチェック部には完成日情報35が記録されるので、修正が必要になった商品も把握でき商品の品質評価に繋げることができる。
【0062】
さらに、各製造工程のポイントは、各製造工程の標準作業時間に係数を乗じた値であるので、力を入れて取り組みたい商品の重要な製造工程に、例えば1.1の係数を乗じることでポイントを増加させることができる。すなわち、製造工程の標準作業時間は同じままにして、係数でポイントを増減させることができる。これにより担当者のモチベーションをアップさせたり、重要な商品の増量生産などにつなげたりすることができる。
【0063】
尚、実施例では、管理端末20及び入力端末21(21a、21b、21c、・・・、21n)は、デスクトップ型パソコン、タブレット、スマートフォンなどでもよく、入力、閲覧、データ保存、演算処理等ができる端末であれば種類は問わない。また、実施例では、管理端末20及び入力端末21(21a、21b、21c、・・・、21n)をネットワーク11に有線で接続しているが、これに限定されず、無線で接続しても差し支えない。
【0064】
また、管理端末20及び入力端末21は、IDとパスワード等でシステムにログインして入力する形でもよい。また、実施例では、管理情報の入力において、予め入力された選択肢を選択する形式とした項目もあるが、これに限定されず、文字入力の形式としてもよい。また、商品41a、41b、41c・・・は、完成した商品だけでなく、修理作業(メンテナンス作業)等を商品として定義して入力してもよい。
【0065】
また、管理情報は、データベースに記録し、データベースから製造プロセスチェックシート30等の各シートにデータを取得する形式としてもよい。また、標準作業時間に対して乗ずる係数は、担当者がその製造工程の作業に取りかかってから完了済み情報を入力するまでの時間が、管理端末20の時間計測機能と比較して、所定の時間以上要していた場合に、自動的に係数が大きくなるように修正する機能を有してもよい。
【0066】
即ち、本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、本発明は、実施例に限定されるものではない。
10…生産性評価システム、11…ネットワーク、20…管理端末、21、21a、21b、21c、21n…入力端末、30…製造プロセスチェック部(製造プロセスチェックシート)、32…ステータス情報、33…納品先情報、34…お客様情報、35…完成日情報、36…修正期限情報、37…営業担当者情報、38…製造の担当者情報、39…完了済み情報、40…商品マスター部(商品マスターシート)、41…商品情報、41a、41b、41c…商品、42…製造工程情報、42a、42b、42c、42d…製造工程、…43…工程名情報、44…ポイント情報、45…標準作業時間情報、50…担当者別ポイント集計部(担当者別ポイント集計シート、従業員別ポイント集計シート)、51…集計年月情報、52…ポイント合計情報、53…工程集計情報、60…担当者一覧部(担当者一覧シート)、70…担当者別プロファイル、71…集計指定日情報、72…指定日合計ポイント情報。