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  • 特開-帽子 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161708
(43)【公開日】2024-11-20
(54)【発明の名称】帽子
(51)【国際特許分類】
   A42B 1/08 20060101AFI20241113BHJP
   A42B 1/002 20210101ALI20241113BHJP
   A42B 1/019 20210101ALI20241113BHJP
【FI】
A42B1/08 Z
A42B1/002
A42B1/019 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076646
(22)【出願日】2023-05-08
(71)【出願人】
【識別番号】593094729
【氏名又は名称】セダージャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【弁理士】
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【弁理士】
【氏名又は名称】境澤 正夫
(72)【発明者】
【氏名】一杉 喜重
(57)【要約】
【課題】 ファッション性を損なうことなく、必要に応じて頭部保護機能を付加することを可能にした帽子を提供する。
【解決手段】 本発明の帽子は、頭部を覆うクラウン部11と、クラウン部11の周囲に設けられたひさし部12と、クラウン部11の下縁に沿って環状に設けられていてクラウン部11の内側に折り返されるすべり部13とを有する帽子本体10と、クラウン部11の内側に挿入されるカップ形状の保護材20とを備え、保護材20がクラウン部11の内側に挿入された状態ですべり部13により係止される。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部を覆うクラウン部と、該クラウン部の周囲に設けられたひさし部と、前記クラウン部の下縁に沿って環状に設けられていて該クラウン部の内側に折り返されるすべり部とを有する帽子本体と、前記クラウン部の内側に挿入されるカップ形状の保護材とを備え、前記保護材が前記クラウン部の内側に挿入された状態で前記すべり部により係止されることを特徴とする帽子。
【請求項2】
前記保護材が合成樹脂の成形体であることを特徴とする請求項1に記載の帽子。
【請求項3】
前記保護材の前記すべり部と重なる部位の厚さが0.5mm~3.0mmの範囲にあることを特徴とする請求項2に記載の帽子。
【請求項4】
前記保護材と前記すべり部との間に緩衝材を備えることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の帽子。
【請求項5】
前記帽子本体が前記クラウン部又は前記ひさし部に連結された顎紐を有することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の帽子。
【請求項6】
前記顎紐が前記クラウン部又は前記ひさし部に対して着脱自在であることを特徴とする請求項5に記載の帽子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クラウン部とひさし部とすべり部とを有する帽子に関し、更に詳しくは、ファッション性を損なうことなく、必要に応じて頭部保護機能を付加することを可能にした帽子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、頭部を覆うクラウン部と、クラウン部の周囲に設けられたひさし部と、クラウン部の下縁に沿って環状に設けられたすべり部とを有する帽子が広く普及している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような帽子は、ひさし部によって強い日差しから顔面や首筋を保護する機能を有するだけでなく、ファッション性を高めるアイテムとしても活用されている。しかしながら、帽子は織物や編物で構成されているため、強い衝撃に対して頭部を保護する効果が必ずしも十分ではない。これに対して、頭部への衝撃を緩和するために、クラウン部に厚手の緩衝材を埋設することが考えられるが、その場合、帽子自体が必要以上に大きくなり、ファッション性を損なうことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-146620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ファッション性を損なうことなく、必要に応じて頭部保護機能を付加することを可能にした帽子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明の帽子は、頭部を覆うクラウン部と、該クラウン部の周囲に設けられたひさし部と、前記クラウン部の下縁に沿って環状に設けられていて該クラウン部の内側に折り返されるすべり部とを有する帽子本体と、前記クラウン部の内側に挿入されるカップ形状の保護材とを備え、前記保護材が前記クラウン部の内側に挿入された状態で前記すべり部により係止されることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の帽子は、クラウン部とひさし部とすべり部とを有する帽子本体に加えて、クラウン部の内側に挿入されるカップ形状の保護材を備え、保護材がクラウン部の内側に挿入された状態ですべり部により係止されるので、帽子本体が有するファッション性を損なうことなく、保護材に基づく頭部保護機能を付加することができる。また、本発明の帽子は、頭部保護効果を必要としない場合、保護材をクラウン部から外した状態で使用することも可能である。
【0008】
本発明において、保護材は合成樹脂の成形体であることが好ましい。合成樹脂の成形体からなる保護材は、軽量かつ高強度であり、薄肉に成形した場合、クラウン部の外観に影響を与えることなくクラウン部の内側に挿入可能である。特に、保護材のすべり部と重なる部位の厚さは0.5mm~3.0mmの範囲にあることが好ましい。これにより、保護材の挿入状態と非挿入状態における帽子内周長の変化を最小限に抑制することができる。
【0009】
保護材とすべり部との間には緩衝材を備えることが好ましい。これにより、クラウン部の内側に挿入された保護材による違和感を緩和することができる。
【0010】
帽子本体はクラウン部又はひさし部に連結された顎紐を有することが好ましい。これにより、クラウン部の内側に保護材が挿入された状態であっても、顎紐により帽子を頭部上に安定的に保持することができる。このような顎紐はクラウン部又はひさし部に対して着脱自在であることが好ましい。保護材の非挿入状態においては、帽子本体から顎紐を取り外すことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態からなる帽子を示す斜視図である。
図2図1の帽子を示す縦断面図である。
図3図2のA部を拡大して示す縦断面図である。
図4】保護材を示す平面図である。
図5】保護材を示す側面図である。
図6】保護材を示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1図3は本発明の実施形態からなる帽子を示し、図4図6はその保護材を示すものである。
【0013】
本実施形態に係る帽子は、図1図6に示すように、帽子本体10と、カップ形状に成形された保護材20とから構成されている。帽子本体10は、人の頭部を覆うカップ形状のクラウン部11と、該クラウン部11の周囲に放射状に設けられたひさし部12と、クラウン部11の下縁に沿って環状に設けられた帯状のすべり部13とを備えている。これらクラウン部11、ひさし部12及びすべり部13は互いに縫合されているが、必要に応じて、接着されていても良い。また、クラウン部11、ひさし部12及びすべり部13を含む帽子本体は、合成繊維又は天然繊維を用いた織物又は編物から構成されている。すべり部13は、クラウン部11の下縁に連結されているが、クラウン部11の内側に折り返された構造を有している。そして、カップ形状を有する保護材20は、クラウン部11の内側に挿入された状態ですべり部13により係止されている。
【0014】
図4図6に示すように、保護材20は、カップ形状を有する本体部21と、本体部21の内面に対して複数の留め具22により固定された網状緩衝体23とから構成されている。本体部21は、頭頂部から下縁に向かって放射状に延びる隆起部24と、頭頂部の周囲に形成された複数の通気孔25と、下縁から頭頂部に向かって延びる切り欠き部26とを有している。隆起部24は、保護材20の剛性を高める機能を有している。通気孔25は、保護材20の通気性を高める機能を有している。切り欠き部26は、保護材20の柔軟性を高める機能を有している。網状緩衝体23は、本体部21よりも軟らかい材料で構成されていて、頭部に当接した際に柔軟に変形するようになっている。保護材20の本体部21及び網状緩衝体23はいずれも合成樹脂の成形体であることが好ましいが、金属製の成形体であっても良い。保護材20を構成する合成樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ナイロン等が挙げられる。なお、網状緩衝体23は必ずしも必要ではない。
【0015】
上述のように構成される帽子は、クラウン部11とひさし部12とすべり部13とを有する帽子本体10に加えて、クラウン部11の内側に挿入されるカップ形状の保護材20を備え、保護材20がクラウン部11の内側に挿入された状態ですべり部13により係止されるので、帽子本体10が有するファッション性を損なうことなく、保護材20に基づく頭部保護機能を付加することができる。また、上述の帽子は、頭部保護効果を必要としない場合、保護材20をクラウン部11から外した状態で使用することも可能である。しかも、保護材20の着脱はすべり部13の折り返しにより簡単に行うことができる。
【0016】
上述の帽子において、保護材20(特に、本体部21)は合成樹脂の成形体であると良い。合成樹脂の成形体からなる保護材20は、軽量かつ高強度であり、薄肉に成形した場合、クラウン部11の外観に影響を与えることなくクラウン部11の内側に挿入可能である。特に、保護材20のすべり部13と重なる部位の厚さTは0.5mm~3.0mmの範囲、より好ましくは、1.0mm~2.5mmの範囲にあると良い。これにより、保護材20の挿入状態と非挿入状態における帽子内周長の変化を最小限に抑制することができる。ここで、保護材20のすべり部13と重なる部位の厚さTが0.5mmよりも小さいと頭部保護機能が低下し、逆に3.0mmよりも厚いと保護材20の挿入状態と非挿入状態における帽子内周長の変化が過大になる。
【0017】
図3に示すように、保護材20(本体部21)とすべり部13との間には緩衝材14が挿入されている。緩衝材14としては、例えば、ポリウレタン、不織布、布帛等が挙げられる。このような緩衝材14を設けることにより、クラウン部11の内側に挿入された保護材20による違和感を緩和することができる。緩衝材14は、すべり部13に対して接合又は縫合されているか、すべり部13に対して面ファスナーにより着脱自在に構成されていても良く、或いは、保護材20に対して接合されているか、保護材20に対して面ファスナーにより着脱自在に構成されていても良い。
【0018】
図2に示すように、帽子本体10はクラウン部11又はひさし部12に連結された顎紐15を有している。より具体的には、クラウン部11又はひさし部12には、帽子周上の2箇所に掛け留め部16が設けられており、これら掛け留め部16の各々に顎紐15が着脱自在に連結されている。このような顎紐15を設けることにより、クラウン部11の内側に保護材20が挿入された状態であっても、顎紐15により帽子を頭部上に安定的に保持することができる。また、顎紐15はクラウン部11又はひさし部12に対して着脱自在であるので、保護材20の非挿入状態においては、帽子本体10から顎紐15を取り外すことが可能である。この場合、帽子本体10は通常の帽子と同様に取り扱うことができる。
【0019】
上述した帽子において、帽子本体10及び保護材20の寸法は互いに一致するように構成されている。例えば、帽子本体10のサイズがS(内周長:56cm),M(内周長:57.5cm),L(内周長:59cm)であるとき、保護材20は帽子本体10に対応する寸法に設定される。このような寸法要件を満たす限りにおいて、デザインや色彩が異なる複数種類の帽子本体10を共通の保護材10に組み合わせて使用することが可能である。
【0020】
上述した帽子は、頭部保護機能が求められる使用環境において有効であるが、その使用環境が特に限定されるものではない。例えば、散歩、ハイキング、登山、自転乗車時において使用することが可能である。
【符号の説明】
【0021】
10 帽子本体
11 クラウン部
12 ひさし部
13 すべり部
14 緩衝材
15 顎紐
16 掛け留め部
20 保護材
21 本体部
22 留め具
23 網状緩衝体
24 隆起部
25 通気孔
26 切り欠き部
図1
図2
図3
図4
図5
図6