(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161716
(43)【公開日】2024-11-20
(54)【発明の名称】スイッチ装置
(51)【国際特許分類】
H03K 17/00 20060101AFI20241113BHJP
B60H 1/22 20060101ALI20241113BHJP
H05B 3/00 20060101ALI20241113BHJP
B60H 1/03 20060101ALI20241113BHJP
【FI】
H03K17/00 C
B60H1/22 611Z
H05B3/00 310B
B60H1/03 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076665
(22)【出願日】2023-05-08
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】金澤 昭義
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 永吾
(72)【発明者】
【氏名】加藤 博照
【テーマコード(参考)】
3K058
3L211
5J055
【Fターム(参考)】
3K058AA81
3K058BA01
3K058CB02
3K058CC05
3K058CC09
3L211AA11
3L211BA02
3L211BA32
3L211DA46
3L211EA56
3L211GA45
5J055AX12
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5J055DX61
5J055EY21
5J055FX06
5J055GX01
5J055GX02
(57)【要約】
【課題】ヒータによる電力消費量を抑制する。
【解決手段】第1のスイッチング素子130と、第1のスイッチング素子130よりオン抵抗の値が低い第2のスイッチング素子140と、を入力端子110と出力端子120との間に並列に接続し、低温期であるならば、第1のスイッチング素子130を、オンオフ制御し、第2のスイッチング素子140を、オフに制御し、高温期であるならば、第1のスイッチング素子130を、オフに制御し、第2のスイッチング素子140を、オンオフ制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力端子と、
出力端子と、
第1のスイッチング素子と、
前記第1のスイッチング素子よりオン抵抗の値が低い第2のスイッチング素子と、
前記第1のスイッチング素子および前記第2のスイッチングを制御する制御部と、を有し、
前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子は、前記入力端子と前記出力端子との間に並列に接続されており、
前記制御部は、
低温期であるならば、
前記第1のスイッチング素子を、オンオフ制御し、
前記第2のスイッチング素子を、オフに制御し、
高温期であるならば、
前記第1のスイッチング素子を、オフに制御し、
前記第2のスイッチング素子を、オンオフ制御する、スイッチ装置。
【請求項2】
前記高温期は、前記低温期以外のすべての期間である、請求項1の記載のスイッチ装置。
【請求項3】
前記高温期は、前記低温期以外の一部の期間であり、
前記制御部は、前記低温期でなく、かつ前記高温期でないならば、
特定の周期のうちの第1の時間の間、
前記第1のスイッチング素子を、オンオフ制御し、
前記第2のスイッチング素子を、オフに制御し、
前記特定の周期のうちの前記第1の時間以外の間、
記第1のスイッチング素子を、オフに制御し、
前記第2のスイッチング素子を、オンオフ制御する、請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項4】
第1のスイッチング素子は、直列した2以上のスイッチング素子により構成される、請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項5】
第2のスイッチング素子は、直列した2以上のスイッチング素子により構成される、請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項6】
入力端子と、
出力端子と、
第1のスイッチング素子と、
第3のスイッチング素子と、
第4のスイッチング素子と、
制御信号に基づいて、前記第第1のスイッチング素子、前記第3のスイッチング、および前記第4のスイッチング素子を制御する制御部と、を有し、
前記第1のスイッチング素子、前記第3のスイッチング素子、および前記第4のスイッチング素子は、前記入力端子と前記出力端子との間に並列に接続されており、
前記制御部は、
低温期であるならば、
前記第1のスイッチング素子を、オンオフ制御し、
前記第3のスイッチング素子および前記第4のスイッチング素子を、オフに制御し、
高温期であるならば、前記第1のスイッチング素子、前記第3のスイッチング、および前記第4のスイッチング素子のすべてを、オンオフ制御し、
前記低温期でなく、かつ前記高温期でないならば、
前記第1のスイッチング素子および前記第3のスイッチング素子を、オンオフ制御し、
前記第4のスイッチング素子を、オフに制御する、スイッチ装置。
【請求項7】
前記低温期は、1年のうちの第1の期間である、請求項1から6のいずれか一項に記載のスイッチ装置。
【請求項8】
前記第1の期間は、前記スイッチ装置が使用される地域の月の平均最高気温または平均気温に基づいて決定される、請求項7に記載のスイッチ装置。
【請求項9】
前記低温期は、気温が第1の温度以下である期間である、請求項1から6のいずれか一項に記載のスイッチ装置。
【請求項10】
請求項1から6のいずれか一項に記載のスイッチ装置を有する電力分配装置と、
前記電力分配装置が発する熱を回収する熱回収装置と、
前記熱回収装置により回収された熱を用いる空調装置と、を有する車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジン自動車では、暖房の際に、エンジンの廃熱を利用することで、空調装置のヒータによる電力消費量を抑制していた(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、エンジンを搭載しない電気自動車が普及してきている。電気自動車では、暖房の際に、エンジンの廃熱により、空調装置のヒータの電力消費量を抑制することができない。
【0005】
そこで、本発明は、ヒータによる電力消費量を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の一実施形態に係るスイッチ装置は、入力端子と、出力端子と、第1のスイッチング素子と、前記第1のスイッチング素子よりオン抵抗の値が低い第2のスイッチング素子と、前記第1のスイッチング素子および前記第2のスイッチングを制御する制御部と、を有し、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子は、前記入力端子と前記出力端子との間に並列に接続されており、前記制御部は、低温期であるならば、前記第1のスイッチング素子を、オンオフ制御し、前記第2のスイッチング素子を、オフに制御し、高温期であるならば、前記第1のスイッチング素子を、オフに制御し、前記第2のスイッチング素子を、オンオフ制御する。
【0007】
本発明の一実施形態に係る車両は、前記スイッチ装置を有する電力分配装置と、前記電力分配装置が発する熱を回収する熱回収装置と、前記熱回収装置により回収された熱を用いる空調装置と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ヒータによる電力消費量を抑制することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係るスイッチ装置100を示す図である。
【
図2】第1のスイッチング素子130の別例を示す図である。
【
図3】第1のスイッチング素子130の別例を示す図である。
【
図4】第2のスイッチング素子140の別例を示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る車両Mを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<スイッチ装置100>
図1は、本発明の一実施形態に係るスイッチ装置100を示す図である。スイッチ装置100は、入力端子110と、出力端子120と、第1のスイッチング素子130と、第2のスイッチング素子140と、制御部150と、を有する。
【0011】
入力端子110は、電力が入力される端子であり、出力端子120は、電力が出力される端子である。
【0012】
入力端子110は、例えば、電力を供給する電源に接続される。出力端子120は、例えば、電力を消費する負荷に接続される。スイッチ装置100は、例えば、入力端子110に接続された電源から出力端子120に接続された負荷に、電力が供給される状態と電力が供給されない状態との間で切り替えるための装置である。つまり、スイッチ装置100は、例えば、出力端子120に接続された負荷のオンオフ制御するための装置である。
【0013】
第1のスイッチング素子130は、制御信号により制御可能なスイッチング素子であり、例えば、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)である。第1のスイッチング素子130は、例えば、
図1に示すように、1つのMOSFETにより構成され、この1つのMOSFETは、例えば、
図1に示すように、出力端子120から入力端子110への方向がMOSFETのボディダイオードの順方向になるように接続される。
【0014】
第2のスイッチング素子140は、制御信号により制御可能なスイッチング素子であり、例えば、MOSFETである。第2のスイッチング素子140は、例えば、
図1に示すように、1つのMOSFETにより構成され、この1つのMOSFETは、例えば、
図1に示すように、出力端子120から入力端子110への方向がMOSFETのボディダイオードの順方向になるように接続される。
【0015】
第1のスイッチング素子130のオン抵抗の値は、第1の抵抗値R1である。第2のスイッチング素子140のオン抵抗の値は、第1の抵抗値R1より小さい第2の抵抗値R2である。
【0016】
制御部150は、第1のスイッチング素子130および第2のスイッチング素子140を制御する。本実施形態に係る制御部150は、低温期と高温期とでオンオフ制御に用いるスイッチング素子を変える。
【0017】
低温期であるならば、制御部150は、第1のスイッチング素子130のみをオンオフ制御に用いる。つまり、制御部150は、低温期であるならば、第2のスイッチング素子140を常にオフに制御し、第1のスイッチング素子130のみを、オンオフ制御する。
【0018】
一方、高温期であるならば、制御部150は、第2のスイッチング素子140のみをオンオフ制御に用いる。つまり、制御部150は、高温期であるならば、第1のスイッチング素子130を、常にオフに制御し、第2のスイッチング素子140のみを、オンオフ制御する。
【0019】
このように、本実施形態では、低温期には、オン抵抗の値が小さい第2のスイッチング素子でなく、オン抵抗の値が大きい第1のスイッチング素子に電流が流れる。このため、本実施形態では、低温期におけるスイッチ装置の発熱量は、高温期におけるスイッチ装置の発熱量より大きくなる。よって、本実施形態に係るスイッチ装置を車両に使用することで、低温期に、当該スイッチ装置が発する熱を暖房に用いることが可能になる。結果、本実施形態に係るスイッチ装置を用いることで、車両の暖房の際に、空調装置のヒータによる電力消費量を抑制することが可能になる。
【0020】
低温期は、例えば、1年のうちの所定の期間(第1の期間)とすると良い。第1の期間は、例えば、1年のうちで暖房が使用される期間(例えば、11月から4月までの期間)である。第1の期間は、例えば、スイッチ装置100が使用される地域における月の平均最高気温(または平均気温)に基づいて決定されるようにすると良い。このとき、第1の期間は、例えば、スイッチ装置100が使用される地域における月の平均最高気温(または平均気温)が所定の気温以下である期間であるようにすると良い。例えば、所定の気温が18度であり、11月から4月までの各月の平均最高気温が18度以下であり、5月から10月までの平均最高気温が18度より高い場合、第1の期間は、11月から4月までの期間になる。
【0021】
また、低温期は、気温が第1の温度以下である期間であるようにすると良い。このとき、気温が第1の温度以下であるならば、第1の期間であるので、制御部150は、気温が第1の温度以下であるならば、第1のスイッチング素子130のみをオンオフ制御に用いることになる。つまり、このようにすることで、気温が低いときに、第1のスイッチング素子130がオンオフ制御に用いられることになる。
【0022】
高温期は、低温期以外の期間のすべての期間であるようにすると良い。このとき、低温期が1年のうちの第1の期間であるならば、高温期は、1年のうちの第1の期間以外のすべての期間である。例えば、低温期(第1の期間)が11月から4月までの期間であるならば、高温期は5月から10月までの期間である。また、低温期が気温が第1の温度以下である期間であるならば、高温期は、気温が第1の気温より大きい期間である。
【0023】
第1のスイッチング素子130は、直列接続された2つ以上のスイッチング素子(例えば、MOSFET)により構成されるようにしても良い。
【0024】
図2は、第1のスイッチング素子130が、直列接続された2つのスイッチング素子131、132により構成された例を示している。
図2に示した例において、スイッチング素子131のボディダイオードとスイッチング素子132のボディダイオードの順方向は、同方向であり、出力端子120から入力端子110への方向である。
【0025】
図3は、第1のスイッチング素子130が、直列接続された2つのスイッチング素子131、133により構成された別例を示している。
図3に示した例では、スイッチング素子131のボディダイオードとスイッチング素子133のボディダイオードの順方向は、互い対して逆方向であり、スイッチング素子131のボディダイオードの順方向は、出力端子120から入力端子110への方向であり、スイッチング素子133のボディダイオードの順方向は、入力端子110から出力端子110への方向である。
【0026】
スイッチング素子131のボディダイオードとスイッチング素子133のボディダイオードの順方向が互いに対して逆方向である場合、制御部150は、スイッチング素子131およびスイッチング素子133の一方を、常にオンに制御し、低温期であるならば、スイッチング素子131およびスイッチング素子133の他方のみをオンオフ制御するようにしても良い。つまり、スイッチング素子131のボディダイオードとスイッチング素子133のボディダイオードの順方向が互いに対して逆である場合、制御部150は、すべての期間において、第1のスイッチング素子130のスイッチング素子131およびスイッチング素子133の一方を、常にオンに制御し、低温期であるならば、第1のスイッチング素子130のスイッチング素子131およびスイッチング素子133の他方を、オンオフ制御し、第2のスイッチング素子140を、常にオフに制御し、高温期であるならば、第2のスイッチング素子140を、オンオフ制御し、第1のスイッチング素子130のスイッチング素子131およびスイッチング素子133の他方を、常にオフに制御するようにしても良い。
【0027】
第2のスイッチング素子140は、直列接続された2つ以上のスイッチング素子(例えば、MOSFET)により構成されるようにしても良い。
【0028】
図4は、第2のスイッチング素子140を、直列接続された2つのスイッチング素子141、142により構成された例を示している。
図4に示した例では、スイッチング素子141のボディダイオードとスイッチング素子142のボディダイオードの順方向は、互いに対して逆方向であり、スイッチング素子141のボディダイオードの順方向は、出力端子120から入力端子110への方向であり、スイッチング素子142のボディダイオードの順方向は、入力端子110から出力端子110への方向である。
【0029】
スイッチング素子141のボディダイオードとスイッチング素子142のボディダイオードの順方向が互いに対して逆方向である場合、制御部150は、スイッチング素子141およびスイッチング素子142の一方を、常にオンに制御し、低温期であるならば、スイッチング素子141およびスイッチング素子142の他方のみをオンオフ制御するようにしても良い。つまり、スイッチング素子141のボディダイオードとスイッチング素子142のボディダイオードの順方向が互いに対して逆方向である場合、制御部150は、すべての期間において、第2のスイッチング素子140のスイッチング素子141およびスイッチング素子142の一方を、常にオンに制御し、低温期であるならば、第1のスイッチング素子130を、オンオフ制御し、第2のスイッチング素子140のスイッチング素子141およびスイッチング素子142の他方を、常にオフに制御し、高温期であるならば、第2のスイッチング素子140のスイッチング素子141およびスイッチング素子142の他方を、オンオフ制御し、第1のスイッチング素子130を、常にオフに制御するようにしても良い。
【0030】
<低温期と高温期との間の中間期>
低温期と高温期との間に中間期をあるようにしても良い。つまり、高温期は、低温期以外の一部の期間であるようにしても良い。
【0031】
そして、制御部150は、中間期であるならば、つまり、低温期でなく、かつ高温期でないならば、第1のスイッチング素子130と第2のスイッチング素子140を交互にオンオフ制御に用いるようにすると良い。例えば、制御部150は、低温期でなく、かつ高温期でないならば、特定の周期のうちの第1の時間の間、第1のスイッチング素子130を、オンオフ制御し、第2のスイッチング素子140を、常にオフに制御し、特定の周期のうちの第1の時間以外の間、第1のスイッチング素子130を、常にオフに制御し、第2のスイッチング素子140を、オンオフ制御するようにすると良い。
【0032】
低温期が1年のうちの第1の期間である場合、高温期は、1年のうちの第2の期間(1年のうちの第1の期間以外の期間の一部)とし、中間期は、1年のうちの第3の期間(1年のうちの第1の期間でなく、第2の期間でもない期間)とすると良い。
【0033】
第2の期間は、例えば、1年のうちで冷房が使用される期間(例えば、6月から9月)である。第2の期間は、例えば、スイッチ装置100が使用される地域における月の平均最高気温(平均気温)に基づいて決定されるようにすると良い。このとき、第2の期間は、例えば、スイッチ装置100が使用される地域における月の平均最高気温(または平均気温)が所定の気温以上である期間であるようにすると良い。例えば、所定の気温が25度であり、6月から9月までの各月の平均最高気温が25度以上であり、5月から10月までの平均最高気温が25度未満である場合、第2の期間は、6月から9月までの期間になる。よって、例えば、第1の期間が11月から4月の期間であり、第2の期間が6月から9月の期間である場合、第3の期間(中間期)は、5月と10月である。
【0034】
また、低温期が気温が第1の温度以下である期間である場合、高温期は、気温が第2の気温以上である期間とすると良い。このとき、中間期は、気温が第1の温度より大きく、第2の気温より小さい期間である。このとき、上記の中間期の制御に用いる第1の時間は、気温と第1の温度とに基づいて決定するようにすると良い。例えば、特定の周期がTであり、気温がtであり、第1の温度がt1であり、第2の温度がt2である場合、第1の時間は、((t2-t)/(t2-t1))・Tとすると良い。このようにすることで、気温が第1の気温に近いほど、第1の時間が長くなり、第1のスイッチング素子130が用いられる時間が長くなる。そして、気温が第2の気温に近いほど、第1の時間が短くなり(第1の時間以外の時間が長くなり)、第1のスイッチング素子130が用いられる時間が短くなる(第2のスイッチング素子140が用いられる時間が長くなる)。このため、このようにすることで、気温が第1の気温に近付くほど、スイッチ装置100の発熱量を大きくし、気温が第2の気温に近付くほど、スイッチ装置100の発熱量を小さくすることが可能になる。
【0035】
<3つの並列接続したスイッチング素子>
スイッチ装置100は、
図5に示すように、第2のスイッチング素子140の代わりに、第3のスイッチング素子160と、第4のスイッチング素子170と、を有し、制御部150は、第1のスイッチング素子130、第3のスイッチング素子160、および第4のスイッチング素子170を制御するようにしても良い。
【0036】
第1のスイッチング素子130、第3のスイッチング素子160、および第4のスイッチング素子170は、
図5に示すように、入力端子110と出力端子120との間に並列に接続される。第3のスイッチング素子160のオン抵抗および第4のスイッチング素子170のオン抵抗の値は、例えば、第1のスイッチング素子130のオン抵抗の値と同じ第1の抵抗値R1であっても良いし、第1の抵抗値R1以外の値であっても良い。
【0037】
制御部150は、低温期であるならば、第1のスイッチング素子130を、オンオフ制御し、第3のスイッチング素子160および第4のスイッチング素子170を、常にオフに制御し、高温期であるならば、第1のスイッチング素子130、第3のスイッチング160、および第4のスイッチング素子170のすべてを、オンオフ制御する。
【0038】
第3のスイッチング素子160のオン抵抗の値が第3の抵抗値R3であり、第4のスイッチング素子170のオン抵抗の値が第4の抵抗値R4であるとすると、低温期の入力端子110と出力端子120の間のオン抵抗の値は、R1であるのに対し、高温期の入力端子110と出力端子120の間のオン抵抗の値は、R1・R3・R4/(R1・R3+R3・R4+R4・R1)である。ここで、R1>R1・R3・R4/(R1・R3+R3・R4+R4・R1)(つまり、(低温期の入力端子110と出力端子120の間のオン抵抗の値)>(高温期の入力端子110と出力端子120の間のオン抵抗の値))である。
【0039】
よって、このようにすることでも、低温期におけるスイッチ装置の発熱量を、高温期におけるスイッチ装置の発熱量より大きくすることが可能である。
【0040】
また、低温期と高温期との間に中間期がある場合、制御部150は、中間期であるならば、つまり、低温期でなく、かつ高温期でないならば、第1のスイッチング素子130および第3のスイッチング素子160を、オンオフ制御し、第4のスイッチング素子170を、常にオフに制御するようにすると良い。
【0041】
第3のスイッチング素子160のオン抵抗の値が第3の抵抗値R3であり、第4のスイッチング素子170のオン抵抗の値が第4の抵抗値R4であるとすると、中間期の入力端子110と出力端子120の間のオン抵抗の値は、R1・R3/(R1+R2)である。ここで、R1>R1・R3/(R1+R2)(つまり、(低温期の入力端子110と出力端子120の間のオン抵抗の値)>(中間期の入力端子110と出力端子120の間のオン抵抗の値))であり、R1・R3/(R1+R2)>R1・R3・R4/(R1・R3+R3・R4+R4・R1)(つまり、(中間期の入力端子110と出力端子120の間のオン抵抗の値)>(高温期の入力端子110と出力端子120の間のオン抵抗の値))である。
【0042】
よって、このようにすることでも、中間期におけるスイッチ装置の発熱量を、高温期におけるスイッチ装置の発熱量より大きくし、中間期におけるスイッチ装置の発熱量を、低温期におけるスイッチ装置の発熱量より小さくすることが可能である。
【0043】
第3のスイッチング素子160は、
図5に示すように、1つのスイッチング素子(例えば、MOSFET)により構成されるようにしても良いし、直列接続された2つ以上のスイッチング素子(例えば、MOSFET)により構成されるようにしても良い。また、第4のスイッチング素子170は、
図5に示すように、1つのスイッチング素子(例えば、MOSFET)により構成されるようにしても良いし、直列接続された2つ以上のスイッチング素子(例えば、MOSFET)により構成されるようにしても良い。
【0044】
<スイッチ装置100が発した熱の利用>
スイッチ装置100は、例えば、車両Mの電力分配装置200に使用されるスイッチ装置である。このとき、車両Mは、
図6に示すように、電力分配装置200が発する熱を回収する熱回収装置300と、ヒータが発する熱および熱回収装置300により回収された熱を用いる空調装置400と、を有すると良い。
【0045】
このようにすることで、スイッチ装置100が発する熱を車両の暖房に用いることが可能になる。結果、車両の暖房の際に、空調装置のヒータによる電力消費量を抑制することが可能になる。
【0046】
熱回収装置300は、例えば、電力分配装置200の熱を放熱する放熱体(例えば、ヒートシンク)と、放熱体が放熱する熱を空調装置400のエアダクトに伝達する熱伝達装置(例えば、ヒートパイプ)と、を有するようにすると良い。また、熱回収装置300が熱伝達装置を有する代わりに、熱回収装置300の放熱体を空調装置400のエアダクトの内部に配置するようにしても良い。
【0047】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に記載した本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更が可能である。
【符号の説明】
【0048】
100 スイッチ装置
110 入力端子
120 出力端子
130 第1のスイッチング素子
131 第1のスイッチング素子130のスイッチング素子
132 第1のスイッチング素子130のスイッチング素子
133 第1のスイッチング素子130のスイッチング素子
140 第2のスイッチング素子
150 制御部
160 第3のスイッチング素子
170 第4のスイッチング素子
200 電力分配装置
300 熱回収装置
400 空調装置