(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161729
(43)【公開日】2024-11-20
(54)【発明の名称】止水装置
(51)【国際特許分類】
E06B 5/00 20060101AFI20241113BHJP
E04H 9/14 20060101ALI20241113BHJP
【FI】
E06B5/00 Z
E04H9/14 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076704
(22)【出願日】2023-05-08
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】安西 利樹
【テーマコード(参考)】
2E139
2E239
【Fターム(参考)】
2E139AA10
2E139AC19
2E239AC04
(57)【要約】
【課題】設置した止水板に対して、強風等により屋外側に移動させる力が加わった場合であっても、安定した設置状態を保ち、止水状態を良好に維持することができる止水装置を提供する。
【解決手段】 左右一対の被取付部材20と、前記左右一対の各被取付部材20に支持されるとともに、前記各被取付部材20間に開口する開口部Cを閉鎖可能に設けられる単数又は複数の止水板10と、を備えた止水装置Aであって、前記左右一対の前記各被取付部材20又は前記止水板10のいずれか一方に係止部材30を設けるとともに、前記各被取付部材20又は前記止水板10のいずれか他方に被係止部材22cを設け、前記係止部材30を前記被係止部材22cに係止させることにより、前記止水板10が前記各被取付部材20から離脱する方向に移動することを阻止する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右一対の被取付部材と、
前記左右一対の各被取付部材に支持されるとともに、前記各被取付部材間に開口する開口部を閉鎖可能に設けられる単数又は複数の止水板と、
を備えた止水装置であって、
前記左右一対の前記各被取付部材又は前記止水板のいずれか一方に係止部材を設けるとともに、前記各被取付部材又は前記止水板のいずれか他方に被係止部材を設け、
前記係止部材を前記被係止部材に係止させることにより、前記止水板が前記各被取付部材から離脱する方向に移動することを阻止することを特徴とする止水装置。
【請求項2】
前記係止部材は、手動操作により係止位置と非係止位置との間で移動する移動部材を有し、
前記係止部材の前記移動部材を非係止位置から係止位置に移動させることで、前記移動部材を前記被係止部材に係止させることを特徴とする請求項1に記載の止水装置。
【請求項3】
前記係止部材は、前記止水板の外側面に取り付けられる本体と、該本体にスライド移動可能に支持される前記移動部材としての係止軸を有し、
前記係止軸が、前記本体に対して、非係止位置から係止位置にスライド移動することで、前記係止軸を前記被係止部材に係止させることを特徴とする請求項2に記載の止水装置。
【請求項4】
前記係止部材は、前記止水板の外側面に回動可能に支持される前記移動部材としての回動部材を有し、
前記回動部材が、非係止位置から係止位置に回動移動することで、前記回動部材を前記被係止部材に係止させることを特徴とする請求項2に記載の止水装置。
【請求項5】
前記止水板の外側面から突出し、且つ、前記止水板の長手方向に沿う同一高さ位置に設けられる複数の取手と、
前記複数の各取手に着脱可能に支持される補助係止部材と、を備え、
前記補助係止部材は、当該補助係止部材の一端部が前記被係止部材に係止した状態で前記複数の各取手に支持されることで、前記止水板が前記各被取付部材から離脱する方向に移動することを阻止することを特徴とする請求項1~4いずれか1項に記載の止水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水が流通しないように開口部を閉鎖する止水装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
台風や集中豪雨などによる増水が建物や地下道の開口部に侵入すると、浸水による甚大な被害を及ぼすおそれがある。そこで、このような事態に備えて、止水板を開口部の両側に立設した縦枠部材に固定し、水の侵入を阻むようにした止水装置が従来知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術は、止水板に断面略L字形状の固定部材を設け、この固定部材を床面から立ち上がる縦枠部材に押圧させて止水板を設置するものである。
しかし、設置した止水板に対して、強風等により屋外側に移動させる力(例えば、負圧)が加わった場合、例えば、固定部材による縦枠部材への押圧力(固定力)が不十分であると、止水板が縦枠部材から離脱する方向に移動し、安定した止水状態が維持できなくなるおそれもあり、改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであって、設置した止水板に対して、強風等により屋外側に移動させる力(例えば、負圧)が加わった場合であっても、安定した設置状態を保ち、止水状態を良好に維持することができる止水装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような課題に鑑みて、本発明の一つは、以下の構成を具備するものである。
左右一対の被取付部材と、前記左右一対の各被取付部材に支持されるとともに、前記各被取付部材間に開口する開口部を閉鎖可能に設けられる単数又は複数の止水板と、を備えた止水装置であって、前記左右一対の前記各被取付部材又は前記止水板のいずれか一方に係止部材を設けるとともに、前記各被取付部材又は前記止水板のいずれか他方に被係止部材を設け、前記係止部材を前記被係止部材に係止させることにより、前記止水板が前記各被取付部材から離脱する方向に移動することを阻止することを特徴とする止水装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、以上説明したように構成されているので、設置した止水板に対して、強風等により屋外側に移動させる力(例えば、負圧)が加わった場合であっても、安定した設置状態を保ち、止水状態を良好に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係る止水装置の一例を屋外側から見た概略斜視図である。
【
図2】同止水装置を分離して示す概略斜視図(要部拡大図を含む)である。
【
図3】同止水装置における係止部材の係止状態を示す概略斜視図である。
【
図4】
図4(a)は、同止水装置における係止部材の非係止状態を上側から見た概略断面図であり、
図4(b)は、同止水装置における係止部材の係止状態を上側から見た概略断面図である。
【
図5】本発明に係る止水装置の他の例を屋外側から見た概略斜視図である。
【
図6】本発明に係る止水装置の他の例を屋外側から見た要部概略斜視図である。
【
図7】本発明に係る止水装置の他の例を屋外側から見た要部概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明に係る実施形態について説明する。
以下の説明において、上流側とは、想定される水の流れ方向の上流側を意味し、図示例によれば、止水装置の設置対象となる構築物の屋外側が上流側であり、同構築物の屋内側が下流側である。
また、以下の説明において、「止水板の横幅方向」とは、止水板の長手方向(
図4の左右方向)を意味し、「開口部の幅方向」と同方向を意味する。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係る止水装置の一例を屋外側から見た概略斜視図であり、
図2は、同止水装置を分解して示す概略斜視図(要部拡大図を含む)である。また、
図3は、同止水装置における係止部材の係止状態を示す概略斜視図であり、
図4(a)は、同止水装置における係止部材の非係止状態を上側から見た概略断面図であり、
図4(b)は、同止水装置における係止部材の係止状態を上側から見た概略断面図である。
止水装置Aは、
図1に示すように、止水板10の横幅方向(長手方向)に間隔を置いて立設される左右の被取付部材としての支柱20間に、単数又は複数(図示例によれば上下3つ)の止水板10を係止状態に設置して、左右の支柱20間を通過しようとする水の流れを止水板10によって阻むものである。以下、止水装置Aの具体的な構成について説明する。
なお、被取付部材は、支柱20に限定されない。被取付部材として、例えば、建物や地下道の開口部を構成する枠体、壁材等も例示できる。
【0011】
(止水板)
止水板10は、
図1及び
図2に示すように、左右の被取付部材としての支柱20間に開口する開口部Cの幅方向に沿って設置可能な横長の板形状の構造体であり、その長手方向の長さが開口部Cの幅方向の長さよりも長く設定されている。
なお、開口部Cの幅方向の長さとは、左右の支柱20を構成する各支柱本体21の対向する側壁21b1,21b1(
図4参照)間の長さを意味し、止水板10の長手方向の長さとは、止水板10の左右の側端面10c,10c(
図4参照)間の長さを意味する。
【0012】
止水板10は、設置時の外側面10aで受け止めた雨水の水圧に耐えうる強度を有し、かつ、利用者が単独で持ち運びできる程度の重量であることが好ましく、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金、ステンレスなど、軽量で強度の高い材料で構成されている。
なお、止水板10は、外形を規定するフレームを金属で形成し、フレームの内部を遮水性の材料で塞ぐような形態でもよい。遮水性の材料として、例えば、発泡材やシートを用いることができる。この場合、止水板10の軽量化に寄与できる。
【0013】
また、止水板10には、利用者が運搬作業や設置作業を容易にできるように、例えば、外側面10aに把持用の屋外側に突出する第一の取手15及び第二の取手16が左右方向に複数設けられている。
【0014】
第一の取手15及び第二の取手16は、止水板10を上流側から支柱20に装着する際に握られるように構成されており、上下方向へ延設された棒状の握り部15a,16aと、この握り部15a,16aの上下両端からそれぞれ水平方向に延びる上部水平部15b,16bと、下部水平部15c,16cとからなり、側面視略コ字状に一体的に形成されている。
なお、上部水平部15b,16bの端部と、下部水平部15c,16cの端部は、例えば、ネジ等の固定具により止水板10の外側面10aに取り付け固定される。
【0015】
第一の取手15は、一方の手(右手又は左手)で握られるように、止水板10の左端寄りと右端寄りにそれぞれ設けられ、第二の取手16は、他方の手(左手又は右手)によって握られるように止水板10の中央寄りにおいて横方向に並んでいる。
【0016】
なお、取手15,16は、止水板10の内側面10bに設けてもよい。また、取手15,16は、突出する構成に代えて、止水板10の外側面10aから内側面10b側に凹む凹み部として、あるいは、止水板10の内側面10bから外側面10a側に凹む凹み部として構成してもよい。
【0017】
止水板10の内側面10bの両端部には、
図4(a)(b)に示すように、左右の支柱20の各支柱本体21の外面21b2と水密に接触する上下方向に延びる一対の帯状の第1止水部材11が取付金具12を用いて取り付けられている。
また、止水板10の下端面10eには、不動面G、あるいは、下方側に隣接して配置される止水板10の上端面10dと水密に接触する長手方向に延びる帯状の第2止水部材(不図示)が取り付けられている。
【0018】
第1止水部材11および第2止水部材(不図示)は、例えば弾性部材であり、ゴム材(発泡ゴムを含む)、エラストマー、柔軟性樹脂等で形成することができる。
第1止水部材11は、止水板10が開口部Cに設置された場合に、支柱本体21の外面21b2に対して止水性を維持するように機能する。また、第2止水部材(不図示)は、止水板10が開口部Cに設置された場合に、不動面Gや下方側に隣接して配置される止水板10の上端面10dに対して止水性を維持するように機能する。
【0019】
また、止水板10の左右の側端面10c,10cには、それぞれ、複数の転動部材としてのローラ13,14が設けられおり、本例においては、上下方向に離隔して、上側に位置する上部ローラ13と、下側に位置する下部ローラ14が、軸部13a,14aを介して回転可能に設けられている。
上部ローラ13と下部ローラ14は、後述する支柱20の止水板支持支柱22に支持される。
【0020】
(支柱)
次に、止水装置Aを構成する左右一対の被取付部材の一例としての支柱20について説明する。各支柱20は、支柱本体21と、この支柱本体21に取付け固定される止水板支持支柱22とを含み構成されている。各支柱20は、例えば、建物の開口部や、地下施設の出入口等に設置される。
【0021】
<支柱本体>
左右一対の支柱本体21は、例えば、金属等の硬質材料からなる長尺状の部材である。各支柱本体21は、
図4に示しように、例えば、上下方向へ連続する横断面コ字状の第1部材21aと、この第1部材に取り付け固定される上下方向へ連続する横断面C字状(Cチャンネル状)の第2部材21bとから構成される。
【0022】
第1部材21aは、建物の開口部や、地下施設の出入口等にして、例えばワンサイドボルトやドリルネジ等の固定具により取り付け固定される。
また、第2部材21bは、第2部材21bの開口部が第1部材21aの左右の側壁21a1に嵌り合う状態でネジやボルト等の固定具により取り付け固定される。
【0023】
なお、支柱本体21の構成はこの例に限定されない。例えば、支柱本体21を、不動面Gに立設し、前後左右に移動しないように固定してもよい。この場合、支柱本体21の下端部を不動面Gに対し止着すればよい。
【0024】
<止水板支持支柱>
左右一対の止水板支持支柱22は、
図4に示すように、見込み方向に配されるとともに上端から下端にまで上下方向に連続的に延びる長尺材からなる止水板支持部22aと、止水板支持部22aの後縁に設けられるとともに支柱本体21の外面21b2に取り付け固定される部位をなす複数の取付け片部22bと、止水板支持部22aの前縁に設けられるとともに見付け方向に配される複数の見付け片部22cと、を備えて構成されている。
【0025】
止水板支持部22aと、取付け片部22bと、見付け片部22cとは、横断面略コ字状をなし、例えば、金属等の硬質材料から一体的に構成される。止水板支持部22aと、取付け片部22bと、見付け片部22cとは、金属製の板材を折り曲げ加工して構成してもよいし、あるいは、各部22a~22c同士をネジ等の固定具や溶接により接合して構成してもよい。
【0026】
なお、取付け片部22b及び見付け片部22cは、それぞれ、止水板支持部22aの後縁及び前縁において上下方向の所要箇所に設けられる。
また、本実施形態において、止水板支持支柱22の見付け片部22c(本例では3つ)は、後述する係止部材30(第1の係止部材)の係止軸32(移動部材)と係合(当接)する被係止部材として機能する。
【0027】
[取付け片部]
取付け片部22bは、支柱本体21の外面21b2に沿って上下方向に延びる板状に形成されている。この取付け片部22bは、ネジやボルト等の固定手段により支柱本体21における側部寄りの外面21b2に取り付け固定される。
【0028】
[止水板支持部]
各止水板支持部22aは、複数の止水板10(本例では3つ)を支持する支持部をなす。この各止水板支持部22aは、
図2に示すように、止水板10の下部ローラ13を支持(係合)する下部ローラ支持部材23と、止水板10の上部ローラ14を支持(係合)する上部ローラ支持部材24が設けられている。
以下、下部ローラ支持部材23と上部ローラ支持部材24の構成について説明する。
【0029】
[止水板支持部(下部ローラ支持部材23)]
下部ローラ支持部材23は、
図2に示すように、上流側端部寄りで上方へ突出する突部23aと、この突部23aよりも下流側で下部ローラ13を下流側斜め下方へ導く傾斜底面部23bと、この傾斜底面部23bよりもさらに下流側で下部ローラ13の外周面に部分的に嵌り合う凹曲面部23cと、この凹曲面部23cよりもさらに下流側で略水平に連続する平坦状の底面部23dとが設けられている。
【0030】
突部23aは、下部ローラ13が下部ローラ支持部材23から上流側へ外れるのを阻む抜け止め突起として機能する。
【0031】
傾斜底面部23bは、下部ローラ13を下流側斜め下方へ導き移動させることで、止水板10の内側面10bと支柱本体21の外面21b2の間で第1止水部材11が圧縮されるとともに、止水板10の下端面10eと不動面Gとの間で第2止水部材(不図示)が圧縮されるようにしている。この傾斜底面部23bの下流側には、凹曲面部23cが設けられている。
【0032】
凹曲面部23cは、下部ローラ13の外周面と略同等の曲率の凹曲状に形成される。この凹曲面部23cは、下部ローラ13と上部ローラ14がそれぞれ下部ローラ支持部材23と上部ローラ支持部材24に導入された際、下部ローラ13外周面の下側に部分的に嵌り合って下部ローラ13を位置決めする。
【0033】
この凹曲面部23cの下流側には、略水平状の底面部23dが設けられている。
【0034】
下部ローラ13が凹曲面部23cに嵌り合った状態で、止水板10が水圧を受けた場合、止水板10には、水圧による下流方向の力が加わる。このため、止水板10は、下部ローラ13を凹曲面部23cよりも下流側の底面部23dに沿わせて下流側へ略水平に移動する。
したがって、第1止水部材11が圧縮されて水密性が増す。また、止水板10が下方へ沈み込みすぎて、第2止水部材(不図示)がへたったり損傷したりするのを防ぐことができる。
下部ローラ支持部材23は、例えば、金属材料や、硬質の合成樹脂材料から一体的に形成される。
【0035】
[止水板支持部(上部ローラ支持部材24)]
上部ローラ支持部材24は、
図2に示すように、その上側に、上部ローラ14を下流側斜め下方へ導く傾斜天面部24aと、この傾斜天面部24aよりもさらに下流側へ移動した場合の上部ローラ14の上端に接する係止天面部24bを有する。
【0036】
傾斜天面部24aは、止水板10が下流側へ移動した際に、止水板10の内側面10bと支柱本体21の外面21b2の間で第1止水部材11が圧縮されるとともに、止水板10の下端面10eと不動面Gとの間で第2止水部材(不図示)が圧縮されるようにしている。
【0037】
係止天面部24bは、止水板10がさらに下流側へ移動した際に、上部ローラ14の上端に接して、第2止水部材(不図示)の圧縮状態を保持することができる。この係止天面部24bは、下流側へ略水平状に延設されている。
【0038】
また、上部ローラ支持部材24は、傾斜天面部24a及び係止天面部24bよりも下側に、底側突部24c及び底面部24dを有する。また、係止天面部24bの下流側の端部と、底面部24dの下流側の端部とは、壁部24eにより連結されている。
【0039】
底側突部24cは、止水板支持支柱22の上流側に位置して形成されており、装着後の止水板10が自重や、その上側に位置する止水板10からの負荷(荷重等)等により、さらに下方に移動した場合に、止水板10が上流側に移動するのを抑制する移動抑制部として機能する。
【0040】
底面部24dは、底側突部24cに連接し、支柱本体21の取付け片部22b側に水平に延びるように形成されている。この底面部24dは、装着後の止水板10が自重や、その上側に位置する止水板10からの負荷(荷重等)により、さらに下方に移動した場合に、止水板10の上部ローラ13を下側から支持する支持面をなす。つまり、係止天面部24bに係止(当接)した状態の上部ローラ14が、さらに下方に移動した場合には、この底面部24dで支持されることになる。
したがって、装着後の止水板10がさらに下方に移動しても、止水板10の上部ローラ13が底面部24dに支持されることになるから、止水板10の下端面10eに設けられた第2止水部材(不図示)を不動面Gに対して、適切な押圧力により圧接することで水密性を維持することができる。
【0041】
壁部24eは、係止天面部24bの下流側の端部と、底面部24dの下流側の端部とを連結するように上下方向に立ち上がって形成されている。この壁部24eは、上部ローラ14が係止天面部24bあるいは底面部24dに沿って下流側へ移動した場合に、この上部ローラ14を受けて、その移動を規制する規制部材として機能する。
【0042】
[見付け片部]
見付け片部22cは、左右の支柱20の各止水板支持支柱22に設けられている。見付け片部22cは、止水板10の長手方向における外側面10aの両端部に設けられた各係止部30と係合(当接)し、止水板支持支柱22に装着された止水板10が支柱20から離脱する方向(下流側から上流側)へ移動しないように係止(位置決め)する被係止部として機能するものである。
本例において、見付け片部22c(被係止部)は、
図4に示すように、止水板支持部22bの前端縁から左右方向に直交するように連接されて一体的に構成されている。
【0043】
(係止部材)
次に、止水板10に設けられる係止部材30について説明する。
図1に示すように、止水板10の外側面10aの両端部には、左右の支柱20の各止水板支持支柱22に設けられた見付け片部22c(被係合部材)と係合(当接)可能に構成された係止部材30が設けられている。
【0044】
係止部材30は、
図3に示すように、止水板10の外側面10aに取り付けられる本体31と、本体31にスライド可能に支持される移動部材としての係止軸32を含み構成されている。
本体31は、例えば、止水板10の長手方向に延びる正面視略矩形の鋼板からなり、その中央部位に係止軸32を軸方向にスライド自在に支持する断面略円弧状に突き出た長手方向に延びる筒状部31aを有する。
【0045】
また、本体31の四隅には、例えば、係止部材30を止水板10に取り付けるためのネジ孔(不図示)が形成されており、このネジ孔に取付ネジ35を挿通させて止水板10に取り付け固定する。なお、この固定手段は、上記の例に限定されず、例えば、接着や溶接等、適宜な固定手段を採用することができる。
【0046】
また、本体31の筒状部31aは、係止軸32の途上から略直交方向に突出する操作突起33を挿通させて係止軸32のスライド移動を規制するガイド孔31bを有する。このガイド孔31bは、操作突起33の軸方向のスライド移動を許容する水平案内部31b1と、水平案内部31b1の両端部に筒状部31aの周方向へ連続して操作突起33の軸周りの回動を許容する第一回動案内部31b2及び第二回動案内部31b3を有する。
【0047】
係止軸32は、
図4(a)に示すように、本体31に対して引き込み側に位置させた状態で、操作突起33が第一回動案内部31b2内に位置することで、軸方向のスライド移動が制限されて非係止位置に保持される。
また、係止軸32は、
図4(b)に示すように、本体31に対して引き出し側に位置させた状態で、操作突起33が第二回動案内部31b3内に位置することで、軸方向の移動が制限されて係止位置に保持される。
【0048】
また、筒状部31aの内部にはコイルばね34が設けられている。具体的には、筒状部31aの閉鎖端部31a1と係止軸32の後端32bとの間に係止軸32を軸方向へ押し出すように付勢するコイルばね34が内蔵されている。
なお、本例において、係止部材30は、係止軸32をコイルばね34により付勢するように構成したが、コイルばね34を省いて構成してもよい。
【0049】
(止水構造Aの設置の態様)
次に、上記構成の止水装置Aについて、止水板10を一対の支柱2(止水板支持支柱22)に装着する手順を説明する。止水板10は、下段の止水板10(101)、中段の止水板10(102)、上段の止水板10(102)の順に止水板支持支柱22に装着される。
【0050】
先ず、作業者等は、一枚目(下段)の止水板10(101)を左右の止水板支持支柱22の最下寄りに設置する。
この際、例えば、二人で作業を行う場合には、一方の作業者は、左端側の取手15と、中央寄り左上側の第二の取手16に手を掛けて、止水板10(101)を持ち上げる。
【0051】
また、他方の作業者は、右手を右端側の第一の取手15に掛け、左手を中央寄り右上側の第二の取手16に手を掛けて止水板10(101)を持ち上げる。
【0052】
また、一人で作業をする場合は、その作業者は、左端の第一の取手15と中央寄り右上側の第二の取手16、又は右端の第一の取手15と中央寄り左上側の第二の取手16、又は、中央寄り右上側及び左上側の第二の取手16,16に手を掛けると、バランスよく持つことができ、作業性が良好である。なお、作業者は、前記以外の二つの取手に手を掛けて作業することも可能である。
【0053】
止水板10(101)を左右の止水板支持支柱22に装着する際は、左右それぞれにおいて、
図2に示す止水板10(101)の下部ローラ13を止水板支持支柱22の最も下方に位置する下部ローラ支持部材23に導入した後に、止水板10(101)の上部ローラ14を止水板支持支柱22の上部ローラ支持部材24に導入する。
具体的には、先ず、止水板10(101)について上部を上流側へ傾けた状態で、下部ローラ13を最下方に位置する下部ローラ支持部材23に近づけ、下部ローラ13を下部ローラ支持部材23に導入する
この後、止水板10全体を下げて、下部ローラ13の下部ローラ13を下部ローラ支持部材23の傾斜底面部23bに接触させる。
【0054】
次に、止水板10の上部を起こすように下流側へ回動させて、上部ローラ14を上部ローラ支持部材24に導入する。
【0055】
そして、下部ローラ13を傾斜底面部23bに沿わせるとともに、上部ローラ14を傾斜天面部24aに沿わせるようにして、止水板10(101)全体を下流側斜め下方へ移動する。この移動中、止水板10(101)の第1止水部材11は、支柱本体21の外面21b2に圧接されて収縮し、止水板10(101)の第2止水部材(不図示)は、不動面Gに圧接されて収縮する。
【0056】
下部ローラ13が、下部ローラ支持部材23の凹曲面部23cに重なり合うことで位置決めされたら、止水板10(101)の上部をさらに起こすようにして回動させ、上部ローラ14を係止天面部24bに当接させて係止する。この回動中、止水板10(101)の第1止水部材11は、支柱本体21の外面21b2に対しさらに圧接されて収縮する
【0057】
これらの経過を経て、止水板10(101)は、下部ローラ13が下部ローラ支持部材23で支持(係止)されとともに、上部ローラ14が上部ローラ支持部材24で支持(係止)され、略直立した状態で、第1止水部材11及び第2止水部材(不図示)による水密性能を発揮する。
【0058】
そして、この略直立した状態において、係止部材30(第1の係止部材)が手動操作されて、止水板支持支柱22に設けられた見付け片部22c(被係合部材)と係合(当接)する。
具体的には、係止部材30の第一回動案内部31b2に保持された操作突起33(
図4(a)参照)を回動操作するとともに、水平案内部31b1に沿って水平移動(スライド移動)させる。係止部材30の係止軸32は、コイルばね34によって軸方向へ押し出されるように移動する。
【0059】
係止部材30の係止軸32(移動部材)は、本体31に対して引き出し側に位置することで止水板支持支柱22の見付け片部22c(被係止部)と係合(当接)した状態となる。その後、操作突起33を回動操作し、第二回動案内部31b3内に位置させて係止軸32の軸方向の移動を制限して係止位置に保持させる(
図4(b)参照)。
【0060】
この状態で、止水板10は、支柱20に対し離脱する方向(下流側から上流側)へ移動しないように係止(位置決め)されている。したがって、止水板10(101)に対して、下流側から上流側に向けて強風等により屋外側に移動させる力(
図4(b)に示す二点鎖線の矢印方向の力)が生じても、止水板10(101)は上流側に移動することなく、安定して止水状態を維持することができる。
【0061】
次に、一つ目(下段)の止水板10(101)の上側に、二つ目(中段)の止水板10(102)を重ね合わせる。この二つ目の止水板10(102)も、一つ目の止水板10(101)と同様にして、支柱20に装着される。
二つ目の止水板10(102)の内側面10bに設けられた第1止水部材11は、支柱本体21の外面21b2と水密に接触(圧接)した状態となり、また、止水板10(102)の下端面10eに設けられた第2止水部材(不図示)は、一つ目(下段)の止水板10(101)の上端面10dと水密に接触(圧接)した状態となる。
【0062】
さらに、三つ目(上段)の止水板10(103)も同様にして、支柱20に装着される。
三つ目の止水板10(103)の内側面10bに設けられた第1止水部材11は、支柱本体21の外面21b2と水密に接触(圧接)した状態となり、また、止水板10(103)の下端面10eに設けられた第2止水部材(不図示)は、二つ目(中段)の止水板10(102)の上端面10dと水密に接触(圧接)した状態となる。
【0063】
以上説明したように、本発明に係る止水装置Aによれば、下流側から上流側に向けて強風等により屋外側に移動させる力が生じても、止水板10は上流側に移動することなく、安定して止水状態を維持することができる。したがって、止水板10を左右一対の支柱20に安定して設置することができ、設置後の止水性能が優れるものである。
【0064】
次に、本発明に係る止水装置の他の実施形態について説明する。なお、以下に説明する他の実施形態は、上述した止水装置Aに対して、一部の構成を追加あるいは変更したものであるため、主にその追加あるいは変更した構成について説明し、上述した止水装置Aと同一となる構成には同一の符号を付けて重複する説明を省略する。
【0065】
(第2の実施形態)
図5は、本発明に係る止水装置の他の例(第2の実施形態)を屋外側から見た概略斜視図である。この第2の実施形態の止水装置Aaは、上述した止水装置A(第1の実施形態)の第二の取手16を第二の取手17として変更(配置位置を変更)するとともに、これら第一の取手15と第二の取手17とを、補助係止部材40を支持する支持部として機能させて構成したものであり、その他の構成については上述した止水装置Aの構成と同様である。
【0066】
具体的には、第二の取手17の高さ位置を、第一の取手15の高さ位置と略同一の高さに設定して配設し、これら第一の取手15と第二の取手17を、例えば、横長の板状体からなる補助係止部材40を支持する支持部として機能させ、この補助係止部材40の端部を止水板支持支柱22の見付け片部22c(被係合部材)に係合(当接)可能に構成したものである。
【0067】
補助係止部材40は、例えば、正面視略矩形状をなす横長の板状体から構成される。この補助係止部材40は、例えば、硬質の金属材料や、硬質の合成樹脂材料から形成することができる。
【0068】
また、第二の取手17は、上述した第一の取手15と同様に構成されており、上下方向へ延設された棒状の握り部17aと、この握り部17aの上下両端からそれぞれ水平方向に延びる上部水平部17bと、下部水平部17cとからなり、側面視略コ字状に形成されている。
第一の取手15の握り部15aと、上部水平部15bと、下部水平部15cと、止水板10の外側面10aとが画成する空間S1と、第一の取手15に隣接する第二の取手17の握り部17aと、上部水平部17bと、下部水平部17cと、止水板10の外側面10aとが画成する空間S2に、補助係止部材40を挿通させて支持させる。
【0069】
この場合、補助係止部材40の下端40aを各取手15,17の各下部水平部15c,17cに載置した状態で、補助係止部材40の前後の側面40bが、止水板10の外側面10aと握り部15aの内表面に摺動(当接状態で移動)するように構成するのが好ましい。そのように構成すると、補助係止部材40は、各取手15,17と止水板10の外側面10aとが画成する各空間S1,S2に緊密に支持されるため、補助係止部材40の端部を止水板支持支柱22の見付け片部22cに安定して係合(当接)させることができる。
【0070】
この第2の実施形態によれば、止水板10は、係止部材30に加え、補助係止部材40(補助係止部材)により支柱20に対し離脱する方向(下流側から上流側)へ移動しないように係止(位置決め)されている。
したがって、止水板10に対して、下流側から上流側に向けて強風等により屋外側に移動させる力(例えば、負圧)が生じても、止水板10は上流側に移動することなく、さらに安定して止水状態を維持することができる。
【0071】
なお、上記第2の実施態様によれば、補助係止部材40を、正面視略矩形状をなす横長の板状体から構成したが、他例として、例えば、硬質の金属材料や、硬質の合成樹脂材料から形成される横長の棒状体として構成してもよい。また、補助係止部材40の水平方向の長さは、第一の取手15と止水板10の外側面10aとが画成する空間S1と、第二の取手17とが画成する空間S2に、補助係止部材40を挿通させて支持できる長さに設定すればよい。
また、上述した第2の実施形態は、係止部材30に加え、係止部材30を補助する補助係止部材40を支柱20に係止(位置決め)しているが、係止部材30を省き、補助係止部材40のみで係止するように構成してもよい。
【0072】
(第3の実施形態)
図6は、本発明に係る止水装置の他の例(第3の実施形態)を屋外側から見た要部概略斜視図である。この第3の実施形態の止水装置Abは、上述した止水装置A(第1の実施形態)の係止部材30を、止水板10に対して回動する回動型の係止部材50に変更して構成したものであり、その他の構成については上述した止水装置Aの構成と同様である。
【0073】
係止部材50は、硬質の金属材料や、硬質の合成樹脂材料から形成される横長正面視略矩形状をなし、止水板10の外側面10aの両端部(
図6には、一端部側のみ示されている。)に設けられる。
この係止部材50は、止水板10の外側面10aに、長手方向の一端部が可動軸50aを中心として手動で回動可能に設けられており、係止部材50の他端部(自由端側)が止水板支持支柱22の見付け片部22cに係合(当接)する係止位置(
図6の実線)と、係合(当接)した状態を解除した非係止位置(
図6の一点鎖線)の間で回動(移動)可能に構成したものである。つまり、この係止部材50は、移動部材としても機能するものである。
【0074】
この第3の実施形態によれば、止水板10を止水板支持支柱22に装着後、係止部材50を止水板支持支柱22に設けられた見付け片部22cに係合(当接)する係止位置に手動で回動させることにより、支柱20に対し離脱する方向(下流側から上流側)へ移動しないように係止(位置決め)することができる。
したがって、止水板10に対して、下流側から上流側に向けて強風等により屋外側に移動させる力(例えば、負圧)が生じても、止水板10は上流側に移動することなく、さらに安定して止水状態を維持することができる。
【0075】
(第4の実施形態)
図7は、本発明に係る止水装置の他の例(第3の実施形態)を屋外側から見た要部概略斜視図である。この第4の実施形態の止水装置Acは、上述した止水装置Ab(第3の実施形態)の係止部材50を、止水板支持支柱22側に設けるように変更して構成したものであり、その他の構成については上述した止水装置Abの構成と同様である。
なお、本実施形態において、止水板支持支柱22の見付け片部22c(本例では、上下方向に3つ配置)は、係止部材60を回動可能に取り付ける取付け部位として機能する。また、止水板10の外側面10aは、係止部材60と係止(当接)する被係止部材としても機能する。また、係止部材60は、移動部材としても機能するものである。
【0076】
係止部材60は、硬質の金属材料や、硬質の合成樹脂材料から形成される横長正面視略矩形状をなし、止水板支持支柱22の見付け片部22cに、長手方向の一端部が可動軸60aを中心として手動で回動可能に設けられる。
この係止部材60は、係止部材60の他端部(自由端側)が止水板10の外側面10a(被係止部材)に係合(当接)する係止位置(
図7の実線)と、係合(当接)した状態を解除した非係止位置(
図7の一点鎖線)の間で回動(移動)可能に構成したものである。
【0077】
本例において、係止部材60は、非係止位置(
図7の一点鎖線)に位置することで見付け片部22cの内側に配置される。したがって、止水板10を装着していない通常時には、この係止部材60を見付け片部22cの内側に配置させることで、上流側から誤って回動操作することを防止することができる。
なお、係止部材60の配置の態様はこの例に限定されない。例えば、係止部材60を、見付け片部22cの外側に配置するように構成してもよい。
【0078】
この第4の実施形態によれば、止水板10を止水板支持支柱22に装着後、係止部材60を止水板10の外側面10a(被係止部材)に係合(当接)する係止位置に回動させることにより、支柱20に対し離脱する方向(下流側から上流側)へ移動しないように係止(位置決め)することができる。
したがって、止水板10に対して、下流側から上流側に向けて強風等により屋外側に移動させる力(例えば、負圧)が生じても、止水板10は上流側に移動することなく、さらに安定して止水状態を維持することができる。
<変形例>
上述した止水装置は、その一部の構成を適宜に変更することが可能である。
【0079】
上記実施形態の止水装置は、止水板10を3つ装着して構成したが、止水板10を単数(1つ)を装着するものとして構成することも、また、3つ以外の複数を装着するものとして構成してもよい。
【0080】
また、上記実施形態の止水装置は、係止部材30を止水板10に設けて構成したが、この係止部材30を止水板支持支柱22に設け、係止部材30の係止軸32(移動部材)を、止水板10の外側面10a(被係止部材)に係合(当接)する係止位置に移動可能に構成してもよい。
【0081】
また、上記実施形態の止水装置は、支柱20を、支柱本体21と、この支柱本体21に取付け固定される止水板支持支柱22とを含み構成しているが、これら支柱本体21と止水板支持支柱22とを一体的に形成した支柱として構成してもよい。
【0082】
また、上記実施形態の止水装置は、下部ローラ13及び上部ローラ14を突端側に回転自在なローラとして構成したが、他例として、これらローラを軸部材として構成することも可能である。
【0083】
また、本発明は上述した具体的構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
【0084】
<総括>
以上のとおり、上記実施形態では以下の発明を開示している。
(1)
左右一対の被取付部材と、前記左右一対の各被取付部材に支持されるとともに、前記各被取付部材間に開口する開口部を閉鎖可能に設けられる単数又は複数の止水板と、を備えた止水装置であって、前記左右一対の前記各被取付部材又は前記止水板のいずれか一方に係止部材を設けるとともに、前記各被取付部材又は前記止水板のいずれか他方に被係止部材を設け、前記係止部材を前記被係止部材に係止させることにより、前記止水板が前記各被取付部材から離脱する方向に移動することを阻止することを特徴とする止水装置(
図1~
図7参照)。
(2)
前記係止部材は、手動操作により係止位置と非係止位置との間で移動する移動部材を有し、前記係止部材の前記移動部材を非係止位置から係止位置に移動させることで、前記移動部材を前記被係止部材に係止させることを特徴とする上記(1)に記載の止水装置(
図3、
図4、
図6及び
図7参照)。
(3)
前記係止部材は、前記止水板の外側面に取り付けられる本体と、該本体にスライド移動可能に支持される前記移動部材としての係止軸を有し、前記係止軸が、前記本体に対して、非係止位置から係止位置にスライド移動することで、前記係止軸を前記被係止部材に係止させることを特徴とする上記(2)に記載の止水装置(
図3及び
図4参照)。
(4)
前記係止部材は、前記止水板の外側面に回動可能に支持される前記移動部材としての回動部材を有し、前記回動部材が、非係止位置から係止位置に回動移動することで、前記回動部材を前記被係止部材に係止させることを特徴とする上記(2)に記載の止水装置(
図6及び
図7参照)。
(5)
前記止水板の外側面から突出し、且つ、前記止水板の長手方向に沿う同一高さ位置に設けられる複数の取手と、前記複数の各取手に着脱可能に支持される補助係止部材と、を備え、前記補助係止部材は、当該補助係止部材の一端部が前記被係止部材に係止した状態で前記複数の各取手に支持されることで、前記止水板が前記各被取付部材から離脱する方向に移動することを阻止することを特徴とする上記(1)~(4)いずれかに記載の止水装置(
図5参照)。
【符号の説明】
【0085】
A,Aa,Ab,Ac:止水装置
10:止水板
15,16,17:取手
20:支柱(被取付部材)
21:支柱本体
22:止水板支持支柱
22c:見付け片部(被係止部材)
30:係止部材
32:係止軸(移動部材)
40:補助係止部材
50,60:係止部材(回動部材)