(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161742
(43)【公開日】2024-11-20
(54)【発明の名称】建物
(51)【国際特許分類】
E04B 1/76 20060101AFI20241113BHJP
E04H 1/04 20060101ALI20241113BHJP
F24D 11/00 20220101ALI20241113BHJP
F03D 9/35 20160101ALI20241113BHJP
【FI】
E04B1/76 200A
E04H1/04 C
E04H1/04 Z
E04B1/76 200Z
F24D11/00
F03D9/35
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076724
(22)【出願日】2023-05-08
(71)【出願人】
【識別番号】000174943
【氏名又は名称】三井住友建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 隆一
(72)【発明者】
【氏名】松崎 真豊
【テーマコード(参考)】
2E001
3H178
3L071
【Fターム(参考)】
2E001DD15
2E001DD17
2E001DD18
2E001FA24
2E001FA35
2E001NA07
2E001ND01
3H178AA03
3H178AA22
3H178AA43
3H178BB31
3H178CC01
3H178CC21
3H178DD26Z
3H178DD67Z
3H178DD70X
3L071CC04
3L071CE04
(57)【要約】
【課題】新たな手段によって創エネルギー化を進めることが可能な建物を提供する。
【解決手段】建物1は、ダクト部11と、ダクト部11に設けられた風力発電装置21と、を有している。ダクト部11は建物1と一体化されている。ダクト部11は、上下方向に延びる縦シャフト部12と、縦シャフト部12の下部と連通する給気部14と、縦シャフト部12の頂部に設けられた排気部15と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダクト部と、前記ダクト部に設けられた風力発電装置と、を有する建物であって、
前記ダクト部は前記建物と一体化され、
前記ダクト部は、上下方向に延びる縦シャフト部と、前記縦シャフト部の下部と連通する給気部と、前記縦シャフト部の頂部に設けられた排気部と、を有する建物。
【請求項2】
前記ダクト部の下部に熱を供給する熱源を有する、請求項1に記載の建物。
【請求項3】
前記熱源は、前記建物の外壁を構成する透光パネルと前記建物の躯体とで囲まれる集熱空間を含み、前記集熱空間は前記給気部を有する、請求項2に記載の建物。
【請求項4】
前記集熱空間を前記縦シャフト部に接続する横シャフト部を有する、請求項3に記載の建物。
【請求項5】
前記集熱空間は蓄熱材を収容している、請求項3に記載の建物。
【請求項6】
前記熱源は蓄熱材を含む、請求項2に記載の建物。
【請求項7】
前記熱源は空調機の室外機を含み、前記室外機は前記建物の内部の前記ダクト部と連通した空間に設置されている、請求項2に記載の建物。
【請求項8】
前記熱源は前記建物の外部に設置された集熱パネルを含み、
前記集熱パネルに接続され、前記集熱パネルで加温された媒体が循環する循環配管を有し、前記循環配管は前記ダクト部の下部を通る、請求項2に記載の建物。
【請求項9】
前記熱源は汚水槽を含み、
前記汚水槽と熱交換し前記ダクト部の下部を通る循環配管を有する、請求項2に記載の建物。
【請求項10】
前記熱源は汚水槽を含み、前記汚水槽は前記建物の内部の前記ダクト部と連通した空間に設置されている、請求項2に記載の建物。
【請求項11】
前記熱源は汚水槽に汚水を供給する汚水配管を含み、
前記汚水配管と熱交換し前記ダクト部の下部を通る循環配管を有する、請求項2に記載の建物。
【請求項12】
前記建物の地上高は60m以上である、請求項1から11のいずれか1項に記載の建物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建物に関する。
【背景技術】
【0002】
集合住宅などの建物では、近年省エネルギー化を推進するための様々な取り組みが行われている。特許文献1には、複数の住戸が界壁によって区切られ、界壁の断熱性能が建物の外皮の断熱性能よりも低い集合住宅が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されたように、建物の躯体の断熱性能を適切に設定することにより建物の省エネルギー化を進める方法は一般的に行われている。一方、今後は省エネルギーのみならず創エネルギーの取り組みが望まれている。現状では創エネルギーの大半は太陽光発電によって行われているが、建物の特性を生かした創エネルギーが可能であれば未利用エネルギーのさらなる利用につながる。
【0005】
本発明は、新たな手段によって創エネルギー化を進めることが可能な建物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の建物は、ダクト部と、ダクト部に設けられた風力発電装置と、を有している。ダクト部は建物と一体化されている。ダクト部は、上下方向に延びる縦シャフト部と、縦シャフト部の下部と連通する給気部と、縦シャフト部の頂部に設けられた排気部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、新たな手段によって創エネルギー化を進めることが可能な建物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る集合住宅の概念的な断面図である。
【
図2】
図1に示す集合住宅の概念的な平面図である。
【
図3】他の実施形態に係る集合住宅の概念的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面を参照して本発明の建物の実施形態について説明する。本実施形態の建物は集合住宅であるが、建物の用途は限定されず、オフィスビル、ホテル、病院等であってもよい。
図1は本発明の一実施形態に係る集合住宅の概念的な断面図である。
図2(a)と
図2(b)はそれぞれ、
図1のA-A線とB-B線における集合住宅の概念的な平面図である。以下の実施形態の説明では、集合住宅と建物を同じ意味で用いる。
【0010】
集合住宅1はセンターコア2を有する高層集合住宅である。センターコア2には階段3やエレベータ4などが設置されている。センターコア2の周囲に共用廊下5が設けられ、共用廊下5と建物外壁7との間は住戸スペース6となっている。センターコア2の大きさによっては、センターコア2の一部をタワーパーキング設備として用いることもできる。集合住宅1は集合住宅1と一体化されたダクト部11を有している。ダクト部11は住戸スペース6、共用廊下5、エレベータホール(図示せず)、エントランスホール(図示せず)など人が通常出入りする空間から壁によって隔離されている。ダクト部11は建物の鉄筋コンクリートの躯体で構成されているため、ダクト部11を形成するための部材を設ける必要は無い。但し、ダクト部11を鋼板などで形成することも可能であり、この場合圧力損失の低下により、ダクト部11の内部の気流の流速を高めることができる。また、ダクト部11は軽量気泡コンクリート(ALC)、押出成形セメント板(ESP)等で形成することもできる。
【0011】
ダクト部11は、センターコア2を上下方向に延びる縦シャフト部12と、縦シャフト部12に接続された横シャフト部13と、を有している。横シャフト部13は縦シャフト部12の底部に接続されている。縦シャフト部12は集合住宅1の地上部のほぼ全高に渡って延びている。縦シャフト部12は建物の屋根16まで延びて、屋根16に建物の外部と連通する上部開口15を有している。すなわち、上部開口15は縦シャフト部12の頂部に設けられている。縦シャフト部12は全体として上下に延びていればよく、一部で屈曲していてもよい。
【0012】
横シャフト部13は建物の低層階を水平に延びて、後述する集熱空間31に接続されている。横シャフト部13は建物外壁7と直交する向きで直線状に延びているが、水平面内で屈曲していてもよい。集熱空間31は建物外壁7に沿って設けられている。集熱空間31は建物の外部と連通する下部開口14を有している。後述するように集熱空間31の設置は任意であり、横シャフト部13に下部開口14を設置することもできる。
図2(a)に示すように、共用廊下5が横シャフト部13で分断されるため、横シャフト部13が設けられるフロアは共用設備エリア8とすることが好ましい。
【0013】
ダクト部11はセンターコア2を有していない集合住宅1にも設置することができる。
図3は板状の集合住宅1の平面図であり、
図2(a)と同じ高さレベルの平面図を示している。縦シャフト部12は建物の角部に配置されているが、縦シャフト部12の位置は何ら限定されない。板状の集合住宅1では、
図3のように集熱空間31と縦シャフト部12を隣接配置することで横シャフト部13を省略することができ、横シャフト部13を設ける場合でも小規模のものでよい。すなわち、下部開口14が縦シャフト部12の下部、好ましくは底部と連通している限り、横シャフト部13は集合住宅1の基本構造やレイアウトに応じて任意に設置可能である。
【0014】
上部開口15は建物の屋根16に設けられているため、縦シャフト部12の内部の空気は上空の気流による吸い込み効果(上部開口15の近傍が縦シャフト部12の内部に対して負圧となる効果)によって、上部開口15から吸い出される。空気は下部開口14から集熱空間31に導入され、横シャフト部13を通って縦シャフト部12に入り、縦シャフト部12を上方に流れて、上部開口15から排出される。こうして、縦シャフト部12には
図1に示すように上昇気流A1が発生し、横シャフト部13には縦シャフト部12に向かう水平気流A2が発生する。下部開口14はダクト部11の給気部として機能し、上部開口15はダクト部11の排気部として機能する。以下の説明では、下部開口14を給気部14といい、上部開口15を排気部15という。
【0015】
ダクト部11に風力発電装置21が設けられている。風力発電装置21は風車22と、風車22に同軸で連結された発電機23と、を有し、ダクト部11を流れる気流から電気エネルギーを発生する。風力発電装置21は横シャフト部13に設けられているが、縦シャフト部12に設けることもできる。電気エネルギーは集合住宅1の共用部の照明や空調、エレベータ4の動力などに用いられる。余剰の電力は集合住宅1の住戸で使用してもよいし、外部への売電に用いることもできる。図示は省略するが、発電した電力を貯蔵するためのバッテリーを設けてもよい。
【0016】
本実施形態では、ダクト部11の下部に熱を供給する様々な熱源30が設けられている。これらの熱源30は適宜組み合わせて用いることができ、以下に説明する様々な熱源30の一部だけを採用することも可能である。ダクト部11の下部に熱を供給することで、ダクト部11の下部にある空気が加温され、いわゆる煙突効果によって縦シャフト部12の上昇気流が促進される。熱源30は必須ではないものの、熱源30を用いることでダクト部11の内部の気流の流速が増加し、発電量の増加が可能となる。
【0017】
図4は煙突効果を説明するための模式図である。煙突効果は以下の式で表すことができる。
ΔP=Po-Pi=C・h(1/To-1/Ti) (式1)
ここで、
ΔP:給気部14の高さにおける煙突内外の圧力差
Po:給気部14の高さにおける煙突外の圧力
Pi:給気部14の高さにおける煙突内の圧力
C:定数
h:煙突100の高さ(給気部14と排気部15の高低差)
To:外気温度(絶対温度)
Ti: 煙突内平均温度(絶対温度)
但し、Po>Pi、Ti>To
ΔPは煙突内に導入される空気の駆動力であり、ΔPが大きいほど煙突内の流速が増加する。発電量を増やすためにはΔPを増やすことが有効である。ΔPを大きくするためにはh及び/またはTiを増やすことが有効である。
【0018】
従って、縦シャフト部12の高さはできるだけ高いことが有利である。集合住宅1の地上高は60m以上あることが好ましく、100m以上あることがより好ましい。縦シャフトは集合住宅1の地上G付近から屋根16まで延びていることが好ましい。給気部14の設置階は限定されないが、本実施形態では給気部14を地上2階に設置している。Tiを増やすためには、ダクト部11の内部の空気を何らかの方法で加温することが有効である。特に、ダクト部11の下部の空気を熱源30で加温することで、ダクト部11の内部の空気の温度が全体的に上昇し、Tiを効果的に増やすことができる。以下、様々な熱源30についてさらに詳細に説明する。
【0019】
熱源30の一つは建物外壁7沿いに設置された集熱空間31である。集熱空間31は、太陽光Rを透過させる透光パネル32と建物の躯体9とで囲まれた空間である。透光パネル32は建物外壁7の一部を構成し、ガラス、アクリルなどで形成することができる。集熱空間31は給気部14を有している。給気部14は建物外壁7に設けられた開口であり、例えばルーバーや外壁に設けた多数の貫通孔で構成することができる。集熱空間31は太陽光Rによって加温される。給気部14から集熱空間31に流入した外気の温度は集熱空間31で上昇し、外気は集熱空間31の内部を上昇し横シャフト部13に導入される。外気の加温効果を高めるため、給気部14は集熱空間31の下部に設けられ、横シャフト部13は集熱空間31の上部と接続されている。これによって、集熱空間31のほぼ全域で上昇気流が発生する。
【0020】
集熱空間31は太陽光の熱エネルギーを集めるための空間であるので、南向きに設置することが好ましく、透光パネル32の下部が上部より外側に張り出すように斜め上向きに設置してもよい。集熱効果は若干低下するが、透光パネル32と対向する建物の躯体9を透光パネル32と同様の透明な材料で形成することもできる。この場合、集熱空間31は一種の二重窓のような構成となるため、集熱空間31越しに外部を見ることができる。このため、集熱空間31に面した空間の開放性が高められる。
【0021】
集熱空間31は蓄熱材33を収容している。蓄熱材33の例として、物質が相変化する際の潜熱を利用した潜熱蓄熱材が挙げられる。潜熱蓄熱材は常温付近で相変化する化学物質を外装材に充填したもので、周囲温度が高いときは周囲の熱を吸収して融解し、周囲温度が低いときは凝固して周囲に熱(潜熱)を放出する。シート状に形成した蓄熱材33を例えば、建物内部の透光パネル32と対向する躯体9に取り付けることで、太陽エネルギーを効率的に蓄熱することができる。日中に蓄熱された熱エネルギーが夜間に放出されるので、集熱空間31は一日を通して熱源30として機能することが可能となる。
【0022】
熱源30の他の例は空調機34の室外機36である。室外機36は建物の共用部(エントランスホール等)の空調に用いられる空調機34の一部であり、空調機34の本体(室内機35)は室外機36から隔離されたエリアに設置されている。室外機36はダクト部11と連通した室外機設置空間17に設置されている。室外機36から排出される排気は室外機設置空間17とダクト部11を結ぶ連絡ダクト18を通ってダクト部11に供給される。室外機設置空間17には建物外壁7に設けられた空気導入口43を通って外気が導入される。排気は空調機34を冷房として使用する際は周囲の大気よりも加温されているため、熱源30として利用できる。これに対して、排気は空調機34を暖房として利用する際は周囲の大気より低温であるため、熱源30として利用するのが困難な場合がある。このように室外機36の排気は、熱源30としての利用価値が季節によって大きく変動し、場合によっては縦シャフト部12の煙突効果に負の影響をもたらすこともある。このため、連絡ダクト18にダンパ37を設置し、季節によって開閉することが好ましい。空調機34の冷房運転時または除湿運転時にダンパ37を開き、暖房運転時にダンパ37を閉じるよう自動制御することもできる。
【0023】
熱源30の他の例は集熱パネル38である。集熱パネル38は建物の外部、例えば屋上(屋根16)に設置されるが、建物外壁7に設置することもできる。集熱パネル38は水などの媒体が流通するパイプ(図示せず)を内蔵しており、太陽光によってパイプの内部の媒体が加温される。集熱パネル38の一例は温水パネルである。
図1の右側に示す集熱パネル38には、集熱パネル38で加温された媒体が循環する第1の循環配管L1が接続されている。第1の循環配管L1には媒体を循環させるための循環ポンプP1が設置されている。第1の循環配管L1はコアスペース2を上下方向に延び、下端部がダクト部11を通る。すなわち、第1の循環配管L1の一部はダクト部11の内部に露出しており、ダクト部11の内部の露出した部分にはフィンなどの放熱部39が設けられている。媒体の温度は季節や時間帯によって変動するため、ポンプ動力を節約するため、特定の季節や特定の時間帯だけポンプP1を稼働するようにしてもよい。なお、
図1におけるポンプP1の位置は便宜上のものである。
【0024】
蓄熱材33は必ずしも集熱空間31と組み合わせる必要はない。例えば、蓄熱材33と集熱パネル38を組わせることができる。
図1の左側に示す集熱パネル38に接続された第1の循環配管L1は蓄熱材33の周りに巻き付けられており、第1の循環配管L1を流通する媒体の熱は蓄熱材33を加熱し、蓄熱材33に蓄熱される。日中に蓄熱された熱エネルギーが夜間に放出されるので、集熱パネル38も集熱空間31と同様、一日を通して熱源30として機能することが可能となる。
【0025】
熱源30の他の例は、一般に集合住宅1の地下階に設けられる汚水槽40である。汚水槽40は住戸の浴室やシンクから排出された排水を、汚水配管L4を通して受け入れる。これらの排水は常温より高温となっていることが多いため、熱源30としての利用が可能となる。汚水槽40には第2の循環配管L2が接続され、第2の循環配管L2は熱交換器41を通っている。第2の循環配管L2には汚水を循環させるための循環ポンプP2が設置されている。熱交換器41には第3の循環配管L3が接続されている。第3の循環配管L3には水などの媒体が流通しており、第3の循環配管L3には媒体を循環させるための循環ポンプP3が設置されている。第3の循環配管L3の一部はダクト部11を通る。すなわち、第3の循環配管L3の一部はダクト部11の内部に露出しており、ダクト部11の内部の露出した部分にはフィンなどの放熱部42が設けられている。第3の循環配管L3は熱交換器41を介して汚水槽40の温水と熱交換し汚水槽40の熱エネルギーを回収する。汚水槽40で回収される汚水の量は1日の中で変動する可能性がある。例えば、浴室やキッチンの使用頻度の高い夕方から夜間に掛けてより多くの汚水が回収される可能性がある。このため、ポンプ動力を節約するため、特定の時間帯だけポンプP2,P3を稼働するようにしてもよい。
【0026】
汚水槽40の設置される空間44がダクト部11と連通していてもよい。汚水槽40に供給される排水の熱によって、汚水槽40の表面から熱が放熱される。この熱によって加温された空間44内の空気が、空間44とダクト部11を結ぶ連絡ダクト42を通ってダクト部11に供給される。
【0027】
汚水槽40に汚水を供給する汚水配管L4を熱源30として利用してもよい。第3の循環配管L3から配管L5,L6が分岐し、熱交換器43に接続されている。配管L5には媒体を循環させるための循環ポンプP4が設置されている。汚水配管L4は熱交換器43を通っている。媒体は、汚水配管L4を通る汚水と熱交換器43で熱交換することによって加温され、配管L5,L3を流れ、ダクト部11を加温する。ダクト部11で冷却された媒体の一部は配管L6を通って熱交換器43に戻り、熱交換器43で再び加温される。従って、第3の循環配管L3の一部と配管L5,L6は、汚水配管L4と熱交換しダクト部11の下部を通る循環配管を形成する。図示は省略するが、配管L5,L6のみでダクト部11の下部を通る循環配管を形成してもよい。
【符号の説明】
【0028】
1 集合住宅(建物)
11 ダクト部
12 縦シャフト部
13 横シャフト部
14 給気部
15 排気部
17 室外機設置空間
21 風力発電装置
30 熱源
31 集熱空間
32 透光パネル
33 蓄熱材
36 室外機
38 集熱パネル
40 汚水槽
L1~L4 第1~第4の循環配管