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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161746
(43)【公開日】2024-11-20
(54)【発明の名称】電動弁および冷凍サイクルシステム
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/04 20060101AFI20241113BHJP
   F16K 27/00 20060101ALI20241113BHJP
   F16K 27/02 20060101ALI20241113BHJP
【FI】
F16K31/04 Z
F16K27/00 A
F16K27/02
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076731
(22)【出願日】2023-05-08
(71)【出願人】
【識別番号】000143949
【氏名又は名称】株式会社鷺宮製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】中川 大樹
【テーマコード(参考)】
3H051
3H062
【Fターム(参考)】
3H051AA01
3H051BB02
3H051BB05
3H051CC02
3H051CC13
3H051DD07
3H051EE01
3H051FF08
3H062AA02
3H062BB01
3H062BB31
3H062CC02
3H062DD01
3H062EE06
3H062FF38
3H062GG04
3H062HH04
3H062HH08
(57)【要約】
【課題】本発明は、弁体の振動を抑制することができる電動弁および冷凍サイクルシステムを提供することを目的とする。
【解決手段】電動弁1は、弁室11を備える弁本体10と、弁室11内に固定される流路部材50と、流路部材50の内部を軸線L方向に移動する弁体40と、を備える。流路部材50は、接続部51と、接続部51に連続する延長部52と、延長部52を軸線L方向に貫通するガイド孔55と、延長部52の側面を貫通する連通孔54と、を備える。弁体40は、ガイド孔55に挿通されるストレート部41と、ニードル部42と、ストレート部41とニードル部42との境界となる連接部43と、を備える。弁体40の外周面とガイド孔55の内周面との間に絞り部Sが形成され、連接部43が連通孔54に重なる状態で弁体40が軸線L方向に移動することで絞り部Sの開口サイズが可変となる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に弁室を有し前記弁室の底面に開口したBポートを備える弁本体と、前記弁室内に固定される流路部材と、前記流路部材の内部にて軸線方向に移動自在に設けられる弁体と、を備えた電動弁であって、
前記流路部材は、前記Bポートに連通するとともに前記弁本体に固定される接続部と、前記接続部に連続して前記Bポートと反対に延びる延長部と、前記延長部を前記軸線方向に貫通して径寸法が一定なガイド孔と、前記延長部の側面を貫通して前記弁室と前記ガイド孔とを連通する連通孔と、を備え、
前記弁体は、前記ガイド孔に挿通されて径寸法が一定なストレート部と、前記ストレート部の先端側に連続して径寸法が先細となるニードル部と、前記ストレート部と前記ニードル部との境界となる境界部と、を備え、
前記弁体の外周面と前記ガイド孔の内周面との間に絞り部が形成され、前記境界部が前記連通孔に重なる状態で前記弁体が前記軸線方向に移動することで前記絞り部の開口サイズが可変となることを特徴とする電動弁。
【請求項2】
前記ガイド孔の内周面には樹脂製の樹脂面部が、少なくとも前記連通孔を前記軸線方向に跨ぐ範囲に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電動弁。
【請求項3】
前記流路部材は、樹脂製の一体成形部品であることを特徴とする請求項2に記載の電動弁。
【請求項4】
前記弁体における少なくとも前記ストレート部の外周面には、樹脂製の樹脂面部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電動弁。
【請求項5】
前記弁体に接続される駆動軸を有する駆動部と、前記弁本体に固定されるとともに前記駆動軸を挿通する挿通孔を有する支持部材と、をさらに備え、
前記駆動部および前記支持部材の一方に設けられる雄ねじ部と他方に設けられる雌ねじ部とでねじ送り機構が構成され、
前記ガイド孔と前記挿通孔とが同軸で連続し、前記流路部材が前記支持部材に固定されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の電動弁。
【請求項6】
前記支持部材と、前記流路部材とは、一体に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の電動弁。
【請求項7】
前記流路部材の前記接続部は、円筒状に形成されて前記Bポートに挿入固定されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の電動弁。
【請求項8】
前記流路部材の前記接続部の先端と、前記Bポートに接続される配管の端面と、の間には、空間が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の電動弁。
【請求項9】
前記弁本体は、前記弁室の側面に開口したAポートを備え、
前記Aポートから前記弁室に流入した流体は、前記連通孔から前記絞り部を通過した後に前記Bポートへ流れ、
前記連通孔は、前記Aポートに対して対向しない位置である非対向位置に設けられていることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の電動弁。
【請求項10】
前記連通孔は、貫通方向から見て円形に形成され、内部を流れる流体の流れ方向に直交する方向で切断した場合の開口面積である流路断面積が一様に設けられ、前記弁室側の開口から前記ガイド孔側の開口までの長さは、内径の大きさ以上であることを特徴とする請求項9に記載の電動弁。
【請求項11】
圧縮機と、凝縮器と、膨張弁と、蒸発器と、を含む冷凍サイクルシステムであって、請求項1に記載の電動弁が、前記膨張弁として用いられていることを特徴とする冷凍サイクルシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動弁および冷凍サイクルシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
内部に弁室を形成する弁本体と、弁本体に設けられて弁ポートを形成する弁座部と、弁ポートの開度を変更する弁体(ニードル弁)と、弁体を軸線方向に進退駆動する駆動部と、駆動部の駆動軸と共にねじ送り機構を構成する支持部材と、を備えた電動弁であって、弁本体には、その側部に接続されて弁室に流体を流入させる一次継手管と、弁本体の底部に接続されて弁ポートからの流体を流出させる二次継手管と、が設けられている(特許文献1参照)。特許文献1に記載の加減膨張弁の弁プレナム(弁室)内部には、ニードル弁としての針弁ユニットを軸線方向に案内する筒状の定位カバーが弁口台(弁座部)に連続して設けられている。定位カバーには、周壁を貫通する冷却剤口が形成されており、冷却剤口を通して定位カバー内部に流入した流体は、針弁ユニットの先端(ニードル部)と弁口(弁ポート)の開口内周縁との隙間で流量を少なくしながら導出チューブ(二次継手管)に流出する。このように従来の電動弁は、ニードル部と弁ポートの隙間によって流体を絞る絞り部が構成された膨張弁として利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実登3193049号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記加減膨張弁のような構成では、冷却剤口から定位カバー内部に流入した流体が針弁ユニットの側面に衝突することから、針弁ユニットが振動して騒音発生の原因となることがある。
【0005】
本発明は、弁体の振動を抑制することができる電動弁および冷凍サイクルシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明の電動弁は、内部に弁室を有し前記弁室の底面に開口したBポートを備える弁本体と、前記弁室内に固定される流路部材と、前記流路部材の内部にて軸線方向に移動自在に設けられる弁体と、を備えた電動弁であって、前記流路部材は、前記Bポートに連通するとともに前記弁本体に固定される接続部と、前記接続部に連続して前記Bポートと反対に延びる延長部と、前記延長部を前記軸線方向に貫通して径寸法が一定なガイド孔と、前記延長部の側面を貫通して前記弁室と前記ガイド孔とを連通する連通孔と、を備え、前記弁体は、前記ガイド孔に挿通されて径寸法が一定なストレート部と、前記ストレート部の先端側に連続して径寸法が先細となるニードル部と、前記ストレート部と前記ニードル部との境界となる境界部と、を備え、前記弁体の外周面と前記ガイド孔の内周面との間に絞り部が形成され、前記境界部が前記連通孔に重なる状態で前記弁体が前記軸線方向に移動することで前記絞り部の開口サイズが可変となることを特徴とする。
【0007】
このような本発明によれば、ガイド孔に弁体のストレート部を挿通させ、ストレート部とニードル部との境界となる境界部を連通孔に重なる状態で軸線方向に移動することで、弁体におけるニードル部の反対側の部分からニードル部の直近までの部分を、ガイド孔の内周面によってガイドすることができる。これにより、弁体の外周面とガイド孔の内周面との間の絞り部を流体が通過する際に、弁体の絞り部との距離が近くなっている部分がガイド孔にガイドされることとなるので、このガイド孔によって弁体の振動を抑制することができる。したがって、弁体の振動を抑制することができる電動弁を得ることができる。
【0008】
また、この際、前記ガイド孔の内周面には樹脂製の樹脂面部が、少なくとも前記連通孔を前記軸線方向に跨ぐ範囲に設けられていることが好ましい。本発明では、弁室内(弁本体)に流路部材が固定されているため、ガイド孔による弁体のガイドが安定して行われる一方、流路部材が弁本体に固定されていることで、ガイド孔の内周面と弁体の外周面との摺動抵抗は大きくなり易い。このため、ガイド孔の内周面と弁体の外周面との摺動によって摩耗が起きる場合がある。この摩耗により摩耗紛が発生し、電動弁の耐久性が低下することがある。また、上記摩耗によって弁体の外周面とガイド孔の内周面との間の絞り部の寸法変化が起こり、絞り部を通過する流体の流量が安定しなくなる場合がある。しかしながら、本構成によれば、ガイド孔の内周面における少なくとも連通孔を軸線方向に跨ぐ範囲を樹脂面部としたことで、特に連通孔付近の弁体の摺動性を向上することができる。このため、上記摩耗を抑制することができ、電動弁の耐久性を向上させることができる。また、弁体とガイド孔の間で摩耗が起き難くなることで絞り部の寸法変化が抑制され、絞り部を通過する流体の流量を安定させることができる。
【0009】
また、前記流路部材は、樹脂製の一体成形部品であることが好ましい。このような構成によれば、接続部と延長部とを備える流路部材を一体成形することができるので、電動弁の部品を簡素化し、電動弁を容易に組み立てることができる。
【0010】
また、前記弁体における少なくとも前記ストレート部の外周面には、樹脂製の樹脂面部が設けられていることが好ましい。このような構成によれば、弁体においてガイド孔の内周面と摺動する部分が樹脂で構成されることとなるので、弁体の摺動性をさらに向上することができ、上記摩耗を抑制し、電動弁の耐久性を向上させることができる。また、弁体とガイド孔の間で摩耗が起き難くなることで、弁体の外周面とガイド孔の内周面との間の絞り部の寸法変化が抑制され、絞り部を通過する流体の流量をさらに安定させることができる。
【0011】
また、前記弁体に接続される駆動軸を有する駆動部と、前記弁本体に固定されるとともに前記駆動軸を挿通する挿通孔を有する支持部材と、をさらに備え、前記駆動部および前記支持部材の一方に設けられる雄ねじ部と他方に設けられる雌ねじ部とでねじ送り機構が構成され、前記ガイド孔と前記挿通孔とが同軸で連続し、前記流路部材が前記支持部材に固定されていることが好ましい。このような構成によれば、流路部材は、支持部材を介して弁本体に固定することができるので、ガイド孔内で弁体が振動しようとした場合にも、当該振動を抑制した状態を安定して維持することができる。このため、ガイド孔による弁体のガイドを安定して行うことができる。
【0012】
また、前記支持部材と、前記流路部材とは、一体に形成されていることが好ましい。このような構成によれば、流路部材と支持部材とを一体に形成することができるので、電動弁の部品を簡素化し、電動弁の組み立てを容易にすることができる。また、この構成によれば、流路部材と支持部材との位置が互いにずれることがなくなるため、流路部材のガイド孔と支持部材の挿通孔とを確実に同軸にすることができ、これによって弁体の外周面とガイド孔の内周面との間の摺動抵抗を小さくすることができる。
【0013】
また、前記流路部材の前記接続部は、円筒状に形成されて前記Bポートに挿入固定されていることが好ましい。このような構成によれば、流路部材の接続部をBポートに挿入固定することで流路部材を弁本体に固定することができるので、流路部材の固定を容易に行うことができる。
【0014】
また、前記流路部材の前記接続部の先端と、前記Bポートに接続される配管の端面と、の間には、空間が形成されていることが好ましい。電動弁においては、Bポートに流体の流れる配管を設置することがある。この配管は、その端部がBポートに対して挿入されてろう付け等で固定される。この際、Bポート内周面と配管の端面とで形成される隅部には、ろう材のフィレットが形成されるため、フィレット部分が邪魔になることで流路部材の接続部をBポートに設置し難くなることや、接続部が意図せず傾いて固定されることなどがある。しかしながら、本構成によれば、流路部材の接続部の先端と配管の端面との間に空間を形成したことで上記フィレットを空間に収めることができ、フィレットの影響を受けずに流路部材を安定して弁室内に固定することができる。
【0015】
また、前記弁本体は、前記弁室の側面に開口したAポートを備え、前記Aポートから前記弁室に流入した流体は、前記連通孔から前記絞り部を通過した後に前記Bポートへ流れ、前記連通孔は、前記Aポートに対して対向しない位置である非対向位置に設けられていることが好ましい。このような構成によれば、Aポートから弁室に流入した流体が、流入した際の流れ方向に向かって直線的に連通孔に進み、そのまま弁体に衝突することを防ぐことができる。すなわち、連通孔から流入した流体を先ず流路部材の外面部に衝突させ衝撃を緩和させてから連通孔に侵入させることができる。このため、弁体に加わる力を低減し、弁体の振動を抑制することができる。
【0016】
また、前記連通孔は、貫通方向から見て円形に形成され、内部を流れる流体の流れ方向に直交する方向で切断した場合の開口面積である流路断面積が一様に設けられ、前記弁室側の開口から前記ガイド孔側の開口までの長さは、内径の大きさ以上であることが好ましい。このような構成によれば、内径の大きさ以上の貫通方向の長さで、流路断面積が一様の連通孔を流れる流体は、流量が一定となり、圧力が一定となることから、弁室から絞り部に向かう流体の流れを安定させることができる。すなわち、連通孔によって、流体の整流効果を奏することができる。
【0017】
また、本発明の冷凍サイクルシステムは、圧縮機と、凝縮器と、膨張弁と、蒸発器と、を含む冷凍サイクルシステムであって、請求項1に記載の電動弁が、前記膨張弁として用いられていることを特徴とする。このような構成によれば、弁体の振動を抑制することができる電動弁を膨張弁として用いて、冷凍サイクルシステムを構成することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、弁体の振動を抑制することができる電動弁および冷凍サイクルシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1実施形態に係る電動弁の軸線方向に沿った断面図。
図2】電動弁の軸線方向に沿った拡大断面図。
図3】弁体が最下端位置に位置する電動弁の軸線方向に沿った部分拡大断面図。
図4図3に示す状態から弁体が上昇した状態を示す電動弁の軸線方向に沿った部分拡大断面図。
図5図4に示す状態から弁体が上昇した状態を示す電動弁の軸線方向に沿った部分拡大断面図。
図6】(A)及び(B)は、電動弁を構成する流路部材の構造のバリエーションを示す図。
図7】(A)~(C)は、流路部材の連通孔の配置のバリエーションを示す図。
図8】流路部材の連通孔の配置のバリエーションを示す図。
図9】流路部材の連通孔の配置のバリエーションを示す図。
図10】第1実施形態の第1変形例に係る流路部材の軸線方向に沿った断面図。
図11】第1実施形態の第2変形例に係る流路部材の軸線方向に沿った断面図。
図12】第2実施形態に係る電動弁の軸線方向に沿った断面図。
図13】本発明に係る冷凍サイクルシステムの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の第1実施形態を図1~9に基づいて説明する。なお、以降の説明における「上下」の概念は、図1における上下に対応するが、これはあくまでも説明の便宜のためであり、必ずしも電動弁1の実際の使用状態における上下と一致するとは限らず、電動弁1の実際の使用状態における各方向を限定するものではない。図1に示すように、電動弁1は、弁本体10と、支持部材20と、駆動部30と、弁体40と、流路部材50と、を備えている。
【0021】
弁本体10は、例えば黄銅、ステンレス等の金属材料を用いて略円筒状に形成され、内部に弁室11を備えている。弁本体10の側壁12(側面)には、径方向に貫通するAポート13が形成され、Aポート13には、冷媒(流体)の配管としての第1継手管14が挿通している。第1継手管14は、ろう付け等によって弁本体10に固定され、その内部が弁室11に連通している。側壁12の下端部には、径方向内側に延びる底壁15(底面)が形成され、底壁15の中央には、下方に突出し弁本体10の軸線L方向に開口する小径部16が形成されている。
【0022】
小径部16の開口内部は、弁室11に連通し、Bポート17を形成している。すなわち、弁本体10は、底壁15に開口したBポート17を備えている。Bポート17には、冷媒の配管としての第2継手管18が挿入されている。第2継手管18は、ろう付け等によって弁本体10に固定され、その内部が弁室11に連通している。側壁12の上端部には、有底筒状に形成されたケース19が、その開口端縁を溶接等によって固定することで気密に固定されている。ケース19の底部中央(図1では、電動弁1の上端部内側の面に当たる部分)には、軸線Lに沿って下方に突出し下方に開口する筒状の支持部19aが形成されている。支持部19aには、後述する駆動軸34の上側部34aが挿入されている。
【0023】
支持部材20は、弁室11内で駆動軸34を支持する部材であり、弁本体10の上端開口に圧入される圧入部21と、圧入部21の上方に配置されるホルダ部22と、圧入部21及びホルダ部22の中心を貫通する挿通孔23と、インサート成形により圧入部21と一体に設けられるフランジ部24と、を備えている。圧入部21は樹脂製の材料で円柱状に形成されている。圧入部21の下面には、軸線L方向に凹む取付凹部25が形成され、取付凹部25には、流路部材50の上端部が固定されている。ホルダ部22は、樹脂製の材料で圧入部21と一体に成形されている。ホルダ部22は、圧入部21よりも小径に形成され圧入部21の中心から軸線Lに沿って上方に延びている。
【0024】
挿通孔23は、駆動軸34が挿通する孔であり、ホルダ部22の中心部に形成される大径の第1挿通孔23aと、第1挿通孔23aに連通し、圧入部21の中心部に形成される小径の第2挿通孔23bと、で構成されている。第1挿通孔23aの内周面には、後述する雄ねじ部35と螺合する雌ねじ部26が形成されている。第2挿通孔23bには、後述する弁体40におけるストレート部41の上端側が挿通している。フランジ部24は、金属製の材料で環状に形成され、圧入部21から径方向外側に突出し、弁本体10の側壁12上端部に溶接により固定されている。
【0025】
駆動部30は、ステッピングモータ31と、ステッピングモータ31の回転を規制するストッパ機構32と、を備えている。ステッピングモータ31は、ケース19内に配置されるマグネットロータ33と、ケース19の外部に設置されマグネットロータ33を周方向に覆う不図示のステータコイルと、マグネットロータ33の中心部に設置されたブッシュを介してマグネットロータ33に取り付けられる駆動軸34と、その他、図示しないヨークや外装部材等により構成されている。マグネットロータ33は、下方に延びてホルダ部22を覆う下筒部33aと、上方に延びて支持部19aを覆う上筒部33bと、を備え、軸線L回りに回転可能かつ軸線L方向に移動自在に設けられている。駆動軸34は、マグネットロータ33から軸線Lに沿って上方に延び、支持部19a内に挿入される上側部34aと、マグネットロータ33から軸線Lに沿って下方に延び第1挿通孔23a内まで延びる下側部34bと、を備えている。
【0026】
下側部34bにおける第1挿通孔23a内に位置する部分には、ホルダ部22に形成された雌ねじ部26と螺合する雄ねじ部35が形成されている。この螺合により、駆動軸34は弁室11内で支持部材20に支持されている。本実施形態では、マグネットロータ33が軸線L回りに回転すると、雄ねじ部35がねじ送りされることでマグネットロータ33及び駆動軸34が軸線L方向に移動する。すなわち、支持部材20および駆動部30の一方に設けられる雄ねじ部35と、他方に設けられる雌ねじ部26とでねじ送り機構Aが構成されている。
【0027】
ストッパ機構32は、上述した支持部19aの外周面を周方向に覆う筒部36と、筒部36の外周面に螺旋状の溝を形成するガイド部37と、ガイド部37に螺合するコイル状のスライダ38と、を備えている。スライダ38は、径方向外側に突出する爪部39を備えている。爪部39は、マグネットロータ33の上筒部33bの径方向内側の縁部に対して、軸線Lまわりに当接可能となっている。これにより、マグネットロータ33が回転すると、その回転に追従してスライダ38が回転し、スライダ38はガイド部37に案内されて上方または下方に移動する。スライダ38がガイド部37の上端部または下端部に当接すると、それ以上回転できなくなることで、マグネットロータ33の回転が強制的に停止する。
【0028】
弁体40は、駆動軸34の下側部34bの下端に連続し、軸線Lに沿って延び、第2挿通孔23bに挿通し、支持部材20から下方に突出して設けられ、流路部材50の内部にて軸線L回りに回転可能かつ軸線L方向に移動自在となっている。弁体40は、駆動軸34の下側部34bの下端に連続するストレート部41と、ストレート部41の下端(先端)に連続するニードル部42と、を備えている。ストレート部41は、後述する流路部材50のガイド孔55に挿通される部分であり、ガイド孔55の内径寸法と略同じ直径寸法(径寸法)を有し、その直径寸法が軸線L方向に一定となって形成されている。
【0029】
ニードル部42は、ストレート部41の下端に連接する最大径部42aと、最大径部42aに連接する第1ニードル部42bと、第1ニードル部42bに連接する第2ニードル部42cと、第2ニードル部42cに連接する第3ニードル部42dと、を備えている。最大径部42aの直径寸法は、ストレート部41の下端の直径寸法と同じに設定されており、これはニードル部42の直径寸法の中で最も大きい寸法となっている。第1ニードル部42bは、最大径部42aから下方に向かうに従って徐々に直径寸法が小さくなって形成されている。第2ニードル部42cは、第1ニードル部42bから下方に向かうに従って徐々に直径寸法が小さくなって形成されている。
【0030】
第3ニードル部42dは、第2ニードル部42cから下方に向かうに従って徐々に直径寸法が小さくなって形成されている。このように、ニードル部42は、ストレート部41の下端(先端側)に連続して直径寸法(径寸法)が先細となるように形成されている。そして、直径寸法が同じに形成されたストレート部41の下端とニードル部42の最大径部42aとの連接部分は、ストレート部41とニードル部42との境界となる連接部43(境界部)を構成している。また、第1ニードル部42bと第2ニードル部42cとの連接部分は、第2連接部44を構成し、第2ニードル部42cと第3ニードル部42dとの連接部分は、第3連接部45を構成している。
【0031】
流路部材50は、Aポート13とBポート17間を流れる冷媒の流路を構成する部材であり、例えば樹脂製の一体成形部品等で筒状に構成され、弁室11内に固定されている。流路部材50は、Bポート17に連通するとともに弁本体10に固定される接続部51と、接続部51に連続して軸線Lに沿って上方(Bポート17と反対側)に延びる延長部52と、接続部51および延長部52の中心を軸線L方向に貫通する貫通孔53と、を備えている。接続部51は、円筒状に形成されてBポート17に挿入固定され、その下端(先端)が第2継手管18の上端面に当接している。接続部51の固定方法としては、例えば、Bポート17への圧入を用いてもよいし、溶着、溶接等、適宜選択することができる。
【0032】
延長部52は、円筒状に形成され、接続部51の上端から軸線Lに沿って上方に延び、その上端が支持部材20の取付凹部25に固定されている。延長部52には、延長部52の側面から後述するガイド孔55の内周面まで貫通して軸線L方向と直交する方向に延びる連通孔54が形成されている。連通孔54は、弁室11と、ガイド孔55と、を連通している。なお、本実施形態では、連通孔54は、貫通方向から見て円形に形成され、内径寸法が一定に設定されるが、連通孔54の形状はこれに限られず、例えば、貫通方向から見て楕円形や長円形状に形成してもよいし、貫通方向一方側と他方側とで内径寸法が異なるテーパ状としてもよい。また、連通孔54は、軸線L方向に開口する切り欠きであってもよい。なお、本実施形態のように、連通孔54が貫通方向から見て円形に形成され、内径寸法が一定に設定される場合(すなわち、連通孔54において内部を流れる流体の流れ方向に直交する方向で切断した場合の開口面積である流路断面積が一様となる場合)、弁室11から流路部材50内に流れる流体の流れを安定させる観点から、連通孔54は、弁室11側の開口端縁(開口)からガイド孔55側の開口端縁(開口)までの長さ(すなわち貫通方向の長さ)を、内径の大きさ以上とするとより好適である。
【0033】
貫通孔53は、支持部材20の挿通孔23と中心軸が同軸となる位置に形成され、挿通孔23に連通し軸線L方向に延びるガイド孔55と、ガイド孔55に連通し軸線L方向に延びてBポート17に連通する接続孔56と、を備えている。図2、3に示すように、ガイド孔55は、貫通孔53のうち内径が最小となるように形成されるとともに、上端に開口する上端開口部55aと下端に開口する下端開口部55bの開口面積、および上端開口部55aから下端開口部55bに亘る部分の開口面積が一定となるように形成されている。すなわち、ガイド孔55は、延長部52を軸線L方向に貫通して径寸法が一定に形成されている。
【0034】
ガイド孔55の内周面には、弁体40のストレート部41の外周面が当接可能になっており、これによって、ガイド孔55の内周面は、ストレート部41の軸線L方向への移動をガイドするガイド部を構成している。なお、ストレート部41を好適にガイドしつつ、ストレート部41の軸線L方向に交差する方向への変位を抑制する観点から、ストレート部41の外周面とガイド孔55の内周面とのクリアランスD(図3にのみ図示、ガイド孔55の内径寸法-ストレート部41の外径寸法)は、0.005~1mm程度に設定することが好ましい。なお、図3~5においては、説明の便宜のため、ストレート部41の外周面とガイド孔55の内周面とのクリアランスDを実際よりも大きく記載しているが、実際のクリアランスDは、上述のとおりの設定範囲内に収まっている。接続孔56は、軸線L方向に延び、上端がガイド孔55の下端開口部55bに連通し、下端がBポート17に連通して形成されている。接続孔56は、その内径寸法がガイド孔55の内径寸法よりも大きく設定されている。このような構成により、弁室11とBポート17とが、弁室11、連通孔54及び貫通孔53を介して連通することとなり、Aポート13から弁室11に流入した流体は、連通孔54から貫通孔53を通過してBポート17へ流れることとなる。
【0035】
このように構成された電動弁1では、ステッピングモータ31を駆動させると、マグネットロータ33が軸線L回りに回転し、ねじ送り機構Aによって雄ねじ部35がねじ送りされることでマグネットロータ33および駆動軸34が、ストッパ機構32に変位を規制された範囲内で軸線L方向に進退移動する。この際、図3~5に示すように、弁体40のストレート部41が、流路部材50のガイド孔55の内周面にガイドされながら、軸線L方向に移動する。そして、Aポート13から弁室11、連通孔54、貫通孔53(ガイド孔55、接続孔56)、Bポート17に流れる冷媒は、図3に示すように、ガイド孔55のうち、連通孔54のガイド孔55側の開口端縁の下端54aから下端開口部55bまでの間で流量が小さくなる。すなわち、弁体40の外周面とガイド孔55の内周面との間には、連通孔54からBポート17に向かう冷媒の流量を小さくする絞り部Sが形成されている。
【0036】
絞り部Sは、その開口サイズが、図3に示すように、流路部材50を連通孔54のガイド孔55側の開口端縁の下端54a部分で軸線Lに直交する方向に切断したA-A線断面におけるガイド孔55の内径と弁体40の外径の間の環状の部分の断面積で規定される。ここで、図3に示す電動弁1では、弁体40が最下端位置に位置している。この状態では、弁体40における連接部43が連通孔54の下端54aよりも下方に位置しており、ストレート部41がガイド孔55にガイドされた状態で連通孔54の下端54aとストレート部41との間に絞り部Sが形成されている。この状態では、絞り部Sの開口サイズが最も小さい、第1開口サイズS1となっている。この状態から、弁体40が上昇すると、図4に示すように、連通孔54の下端54aと第1ニードル部42bとの間に絞り部Sが形成されている。第1ニードル部42bは、上述のとおり、連接部43から下方に向かうに従って直径寸法が小さくなっていることから、この状態では、絞り部Sの開口サイズが第1開口サイズS1よりも大きい第2開口サイズS2となっている。
【0037】
そして、この状態から弁体40が上昇すると、図5に示すように、連通孔54の下端54aと第2ニードル部42cとの間に絞り部Sが形成されている。第2ニードル部42cは、上述のとおり、第1ニードル部42bから下方に向かうに従って直径寸法が小さくなっていることから、この状態では、絞り部Sの開口サイズが第2開口サイズS2よりも大きい第3開口サイズS3となっている。すなわち、連接部43が連通孔54の下端54aよりも下方にある状態では、絞り部Sの開口サイズが第1開口サイズS1となって一定となり、連接部43が連通孔54に重なる状態で弁体40が軸線L方向に移動することで、その弁体40のリフト量に対して所定の開口サイズとなるよう、絞り部Sの開口サイズが多段階に可変となる。このような構成により、Aポート13から弁室11に流入した流体は、連通孔54から開口サイズが可変の絞り部Sを通過した後にBポート17へ流れることとなる。
【0038】
なお、本実施形態での絞り部Sの開口サイズ(第1開口サイズS1、第2開口サイズS2、第3開口サイズS3)は、あくまでも例示であり、ニードル部42の形状等を変更することで任意の数で多段階に変化させることができる。また、ストレート部41とガイド孔55とのクリアランスをほぼ0にした場合は、絞り部Sの開口サイズをほぼ0に近づけることができる。すなわち絞り部Sの開口サイズは、0以上で多段階に可変とすることができる。また、仮に弁体40を最下端位置の反対の最上端位置に変位させた際、ニードル部42下端が連通孔54に対して連通孔54の貫通方向に重ならないようにすることもできるが、その場合には、連通孔54からBポート17に向かう流体の流量を少なくする観点から、ガイド孔55の開口面積は、連通孔54の開口面積よりも小さく設定することが好ましい。
【0039】
次に、本発明の冷凍サイクルシステムを図13に基づいて説明する。図13は、本発明の冷凍サイクルシステムの一例を示す図である。図13において、符号1は上記電動弁1を用いた膨張弁であり、200は室外ユニットに搭載された室外熱交換器、300は、室内ユニットに搭載された室内熱交換器、400は四方弁を構成する流路切換弁、500は圧縮機である。電動弁1(膨張弁)、室外熱交換器200、室内熱交換器300、流路切換弁400、および圧縮機500は、それぞれ導管によって図示のように接続され、ヒートポンプ式の冷凍サイクルを構成している。なお、アキュムレータ、圧力センサ、温度センサ等は図示を省略してある。
【0040】
冷凍サイクルの流路は、流路切換弁400により冷房運転時の流路と暖房運転時の流路の2通りに切換えられる。冷房運転時には、図13に実線の矢印で示すように、圧縮機500で圧縮された冷媒は流路切換弁400から室外熱交換器200に流入され、この室外熱交換器200は凝縮器として機能し、室外熱交換器200から流出された液冷媒は膨張弁としての電動弁1を介して室内熱交換器300に流入され、この室内熱交換器300は蒸発器として機能する。一方、暖房運転時には、図13に破線の矢印で示すように、圧縮機500で圧縮された冷媒は、流路切換弁400から室内熱交換器300、膨張弁としての電動弁1、室外熱交換器200、そして、圧縮機500の順に循環し、室内熱交換器300が凝縮器として機能し、室外熱交換器200が蒸発器として機能する。
【0041】
以上、上述した実施形態によれば、ガイド孔55に弁体40のストレート部41を挿通させ、ストレート部41とニードル部42との境界となる連接部43(境界部)を連通孔54に重なる状態で軸線L方向に移動することで、弁体40におけるニードル部42の反対側の部分(ストレート部41の上側部分)からニードル部42の直近までの部分を、ガイド孔55の内周面によってガイドすることができる。これにより、弁体40の外周面とガイド孔55の内周面との間の絞り部Sを流体が通過する際に、弁体40において絞り部Sとの距離が近くなっている部分がガイド孔55にガイドされることとなるので、このガイド孔55によって弁体40の振動を抑制することができる。したがって、弁体40の振動を抑制することができる電動弁1を得ることができる。また、このように弁体40の振動を抑制することができる電動弁1を膨張弁として用いて、冷凍サイクルシステムを構成することができる。
【0042】
また、流路部材50は、樹脂製の一体成形部品としたので、接続部51と延長部52とを備える流路部材50を一体に成形することができ、電動弁1の部品を簡素化し、電動弁1を容易に組み立てることができる。
【0043】
また、上記第1実施形態では、流路部材50は、延長部52の上端部を支持部材20の取付凹部25に固定され、ガイド孔55と挿通孔23とが同軸で連続するように構成されていた。このような構成によれば、流路部材50は、支持部材20を介して弁本体10に固定されることとなるので、ガイド孔55内で弁体40が振動しようとした場合にも、当該振動を抑制した状態を安定して維持することができる。このため、ガイド孔55による弁体40のガイドを安定して行うことができる。
【0044】
また、流路部材50の接続部51は円筒状に形成され、Bポート17に挿入固定されることとした。このような構成によれば、流路部材50の接続部51をBポート17に挿入固定することで流路部材50を弁本体10に固定することができるので、流路部材50の固定を容易に行うことができる。また、これにより、流路部材50は、接続部51の部分で弁本体10に直接固定されるとともに、延長部52の部分で支持部材20を介して弁本体10に固定される、というように軸線L方向の一方側と他方側とが弁本体10に固定されることとなる。これにより、弁体40の振動を抑制した状態をより一層安定して維持することができる。
【0045】
また、連通孔54は、特に貫通方向から見て円形に形成した場合、内部を流れる流体の流れ方向に直交する方向で切断した場合の開口面積である流路断面積を一様とし、貫通方向の長さを、内径の大きさ以上にすることで、内部を流れる流体の流量を一定とし、当該流体の圧力を一定にすることができる。このため、弁室11から絞り部Sに向かう流体の流れを安定させることができる。すなわち、連通孔54によって、流体の整流効果を奏することができる。
【0046】
以上、電動弁1の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0047】
図6(A)及び(B)は、電動弁1を構成する流路部材50の構造のバリエーションを示す図である。図6(A)に示す流路部材50の貫通孔53における接続孔56には、筒状の内筒部60が内装されている。内筒部60は、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)やPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等の樹脂材料を用いて形成されている。内筒部60の外径寸法は、接続孔56の内径寸法と同じに設定され、これによって内筒部60が接続孔56内に嵌合している。内筒部60には、連通孔54に連通する第2連通孔61と、ガイド孔55に連通する第2ガイド孔62と、が形成されている。第2連通孔61は、内筒部60側壁に貫通形成され、貫通方向一方側の開口部が連通孔54に連通し、貫通方向他方側の開口部が第2ガイド孔62に連通している。第2連通孔61における第2ガイド孔62側の開口端縁の下端61aは、上記第1実施形態の連通孔54の開口端縁の下端54aと同様の機能を備え、当該下端54aに相当する。第2ガイド孔62は、ガイド孔55と同じ内径寸法かつ同軸で軸線L方向に貫通しており、その内周面は、ガイド孔55と同様に弁体40のガイド部を構成している。第2ガイド孔62は、ガイド孔55と同様の機能を備え、第2ガイド孔62の下端開口部62aは、上記第1実施形態の下端開口部55bに相当する。
【0048】
図6(B)に示す流路部材50の貫通孔53には、上端の開口部から下方に向かって軸線L方向に延びる樹脂製筒状の長軸内筒部70が内装されている。長軸内筒部70は、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)やPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等の樹脂材料を用いて形成されている。長軸内筒部70には、連通孔54に連通する第3連通孔71と、軸線L方向に貫通する第3ガイド孔72と、が形成されている。第3連通孔71は、上述した連通孔54および第2連通孔61と同様の機能を備え、第3ガイド孔72側の開口端縁の下端71aは、連通孔54の下端54aおよび第2連通孔61の下端61aに相当する。第3ガイド孔72は、上記第1実施形態等と異なり、単独でガイド孔(ガイド部)を構成している。第3ガイド孔72の上端開口部72aは、第1実施形態の上端開口部55aに相当し、下端開口部72bは、第1実施形態の下端開口部55bに相当する。これにより、ガイド孔の内周面(第2ガイド孔62または第3ガイド孔72の内周面)における連通孔54を軸線L方向に跨ぐ範囲が、樹脂面部で構成されることとなる。
【0049】
このような構成によれば、ガイド孔の内周面(第2ガイド孔62または第3ガイド孔72の内周面)における連通孔54を軸線L方向に跨ぐ範囲を、樹脂面部としたことで、弁体40の摺動性を向上することができる。電動弁1では、弁室11内(弁本体10)に流路部材50が固定されていることで、ガイド孔55による弁体40のガイドが安定して行われる一方、流路部材50が弁室11内に固定されていることで、ガイド孔55の内周面と弁体40の外周面との摺動抵抗は、大きくなり易く、ガイド孔55の内周面と弁体40の外周面との摺動によって摩耗が起きる場合がある。このため、摩耗紛が発生し、電動弁1の耐久性が低下することがある。
【0050】
また、上記摩耗によって弁体40の外周面とガイド孔55の内周面との間の絞り部Sの寸法変化が起こり、絞り部Sを通過する流体の流量が安定しなくなる場合がある。しかしながら、本構成によれば、ガイド孔の内周面(第2ガイド孔62または第3ガイド孔72の内周面)における連通孔54を軸線L方向に跨ぐ範囲を、樹脂面部としたことで、弁体40の摺動性を向上することができるため、上述した摩耗を抑制することができる。これにより、電動弁1の耐久性を向上させることができる。また、弁体40とガイド孔(第2ガイド孔62または第3ガイド孔72)の間で摩耗が起き難くなることで絞り部Sの寸法変化が抑制され、絞り部Sを通過する流体の流量を安定させることができる。
【0051】
なお、この際、内筒部60および長軸内筒部70を成形する際の樹脂材料には、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)やカーボン、黒鉛等の材料を、充填材として含有させてもよい。このようにすることにより、内筒部60や長軸内筒部70の耐久性をさらに向上させ、ひいては電動弁1の耐久性を向上させることができる。また、この際、ガイド孔の内周面(第2ガイド孔62または第3ガイド孔72の内周面)を構成する樹脂面部と同様の樹脂面部を、弁体40における少なくともストレート部41の外周面に設けてもよい。これによれば、弁体40においてガイド孔55の内周面と摺動する部分が樹脂で構成されることとなるので、弁体40の摺動性をさらに向上することができ、上述した摩耗を抑制し、電動弁1の耐久性をさらに向上させることができる。
【0052】
また、この樹脂面部を用いた構成は、内筒部60や長軸内筒部70を備えない第1実施形態の流路部材50においても採用することができ、流路部材50の全体を、PPS(ポリフェニレンサルファイド)やPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等の樹脂材料を用いて成形した樹脂製の一体成形部品としてもよい。
【0053】
図7~9は、流路部材50の連通孔54の配置のバリエーションを示す図である。図7(A)に示す流路部材50は、上述した内筒部60を備える流路部材50である。この流路部材50では、連通孔54が、Aポート13と対向する方向と反対方向に開口している。これに対し、図7(B)、(C)に示す流路部材50には、連通孔54が複数形成されている。なお、図示はしないが、図7(B)、(C)、および図8に示す流路部材50の隣にも図7(A)に示すAポート13が同じ向きで配置されているものとする。図7(B)に示す流路部材50では、Aポート13と対向する方向と反対方向に開口する連通孔54以外に、軸線Lに直交する方向の断面視でAポート13の貫通方向に直交する直交方向に2個の連通孔54が更に形成されている。図7(C)に示す流路部材50では、Aポート13と対向する方向と反対方向に開口する連通孔54以外に、軸線Lに直交する方向の断面視でAポート13の貫通方向に対して交差する交差方向に2個の連通孔54が更に形成されている。
【0054】
図8に示す流路部材50では、Aポート13と対向する方向と反対方向に開口する連通孔54を形成する代わりに、全て交差方向に開口する連通孔54が合計4個形成されている。そして、図9に示す流路部材50では、連通孔54が、第1継手管14における軸線L方向上端から下端までの口径範囲14a(実質、Aポート13の口径範囲)に含まれない位置に形成されている。具体的には、連通孔54は、口径範囲14aよりも上側で、Aポート13が形成される側壁12の内面と対向して開口している。このように、図7図9に示す連通孔54は、Aポート13に対して対向しない位置である非対向位置に設けられている。なお、非対向位置とは、図7~9に示したように、Aポート13と対向する方向の反対方向を向く位置や、上記直交方向および交差方向を向く位置、第1継手管14の口径範囲14a(Aポート13の口径範囲)に含まれない位置、およびこれらを組み合わせた位置を含むものとする。また、これらに加え、図9に示す軸線L方向に沿った断面視で、Aポート13の貫通方向に対して、連通孔54が傾くように開口する位置も含むものとする。
【0055】
このような構成によれば、Aポート13から弁室11に流入した流体が、流入した際の流れ方向に向かって直線的に連通孔54に進んでそのまま弁体40に衝突することを防ぐことができる。すなわち、Aポート13から流入した流体を先ず流路部材50の外面部に衝突させ衝撃を緩和させてから、連通孔54に侵入させることができる。このため、弁体40に加わる力を低減し、弁体40の振動を抑制することができる。なお、このように、非対向位置に連通孔54を設ける構成では、Aポート13から弁室11に流入した流体が、一旦流路部材50の外周面に衝突するため、流体の流れが一方向ではなくなり、流体の流れが乱れる。特に、連通孔54の場所が、図7(A)に示すようにAポート13の反対の位置の場合、流路部材50の外周面に衝突した流体は、流路部材50の外周面を2手に分かれ、連通孔54にて合流するため、流体の流れがより乱れやすい。
【0056】
また、図7(B)~図8に示すように、連通孔54が軸線Lに直交する方向の断面視で、放射状に複数本設けられている場合、最初に流路部材50の外周面に衝突した位置から各連通孔54までの距離がそれぞれ異なるため、各連通孔54に侵入する際の流体の圧力が各連通孔54で異なり、流体の流れが乱れる。しかしながら、上述したように、連通孔54は、流路断面積を一様とし、貫通方向の長さを、内径の大きさ以上にすることで、整流効果を奏することができるので、このような流体の流れが乱れる場合に特に、流体を整流してから絞り部Sに流すことができ、弁体40の振動をより抑えることが可能となる。
【0057】
次に、第1実施形態の第1変形例について説明する。図10は、第1実施形態の第1変形例に係る流路部材50’の軸線L方向に沿った断面図である。第1変形例では、上述した流路部材50と支持部材20とが有する機能をまとめて有するガイド部材80が設けられている。ガイド部材80は、支持部材20’と流路部材50’とを備えている。すなわち、電動弁1には、支持部材20’と流路部材50’とが一体に設けられている。ガイド部材80の支持部材20’には上述した取付凹部25が形成されておらず、支持部材20’の下面に連続して流路部材50’が設けられている点が異なっている。また、支持部材20’の第2挿通孔23bと、流路部材50’のガイド孔55とが、境界なく連続している。なお、支持部材20’の各構造は上述した支持部材20の各構造と略同じであり、流路部材50’の各構造は上述した流路部材50の各構造と略同じであるので、同様の構成には同じ符号を付してその説明を省略又は簡略する。
【0058】
このような構成によれば、上述した第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。また、流路部材50’と支持部材20’とを一体に形成することができるので、電動弁1の部品を簡素化し、電動弁1の組み立てを容易にすることができる。また、この構成によれば、流路部材50’と支持部材20’との位置が、製造時または使用時において、互いにずれることがなくなるため、流路部材50’のガイド孔55と、支持部材20’の挿通孔23と、を確実に同軸とすることができ、これによって弁体40とガイド孔55の内周面との間の摺動抵抗を小さくすることができる。このため、上述した摩耗を抑制し、電動弁1の耐久性を向上させるとともに、絞り部Sの寸法変化を抑制し、絞り部Sを通過する流体の流量を安定させることができる。
【0059】
次に、第1実施形態の第2変形例について説明する。図11は、第1実施形態の第2変形例に係る流路部材50’の軸線L方向に沿った断面図である。第2変形例においてもガイド部材80が設けられている。第2変形例では、支持部材20’外周面を囲むように接続部材27が設けられ、この接続部材27は弁本体10の上端開口に圧入されている。また、ケース19の開口端縁は、弁本体10の側壁12の上端部ではなく、支持部材20’のフランジ部24に溶接等により固定されている。また、支持部材20’の第2挿通孔23bは、流路部材50’のガイド孔55よりも内径寸法が大きく形成されている。また、流路部材50’の延長部52の外径寸法が、接続部51の外径寸法よりも大きく設定されている。そして、接続部51の下端(先端)は、Bポート17に挿入固定された状態で、第2継手管18の上端面に当接していない。これにより、接続部51と第2継手管18の上端面との間には、空間Bが形成されている。
【0060】
上述のとおり第2継手管18は、Bポート17に対して挿入されてろう付け等で固定される。この際、Bポート17内周面と第2継手管18の端面とで形成される隅部18a(図11にのみ図示)には、ろう材のフィレットが形成されるため、フィレット部分が邪魔になることで流路部材50の接続部51をBポート17に設置し難くなることや、接続部51が意図せず傾いて固定されることなどがある。しかしながら、本構成によれば、流路部材50の接続部51の先端と、第2継手管18の上端面との間に空間Bを形成したことで上記フィレットを空間に収めることができ、フィレットの影響を受けずに流路部材50を安定して弁室11内に固定することができる。
【0061】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図12は第2実施形態に係る電動弁100の軸線L方向に沿った断面図である。電動弁100は、弁本体110と、支持部材120と、駆動部130と、弁体140と、流路部材150と、を備えている。弁本体110は、例えば黄銅、ステンレス等の金属材料を用いて略円筒箱状に形成され、内部に弁室111を備えている。弁本体110の側壁(側面)には、径方向に貫通するAポート112が形成されている。Aポート112は、弁室111側の小径部分と小径部分に連続する大径部分とで段状に形成され、その大径部分には、冷媒(流体)の配管としての第1継手管113が挿入されている。第1継手管113は、ろう付け等によって弁本体110に固定され、その内部が弁室111に連通している。
【0062】
弁本体110の底壁の中央には、弁本体110の軸線L方向に貫通するBポート114が形成されている。Bポート114は、弁室111側の小径部分と小径部分に連続する大径部分とで段状に形成され、その大径部分には、冷媒の配管としての第2継手管115が挿入されている。第2継手管115は、ろう付け等によって弁本体110に固定され、その内部が弁室111に連通している。弁本体110の上壁の中央には、軸線L方向に貫通する開口が形成されその開口縁部には、上方に立ち上がる円筒状の取付部116が形成されている。弁本体110の上壁の上面には、取付部116を周方向に囲む蓋117が設置されている。蓋117の上面には、有底筒状に形成されたケース118が、その開口端縁を溶接等によって固定することで気密に固定されている。
【0063】
支持部材120は、弁室111内で後述する駆動軸132を支持する部材であり、樹脂製の材料で形成されている。支持部材120は、円柱状の圧入部121と、圧入部121の上方から径方向外側に突出するフランジ部122と、フランジ部122の外縁の一部に形成される固定側ストッパ123と、フランジ部122の中央から上方に向かって軸線L方向に延びるホルダ部124と、を備えている。圧入部121は、弁本体110の取付部116の内部に圧入されている。フランジ部122は、その下端面を取付部116の上端面に当接させ、取付部116に支持されている。固定側ストッパ123は、フランジ部122の外縁の一部から上方に立ち上がって形成され、軸線L回りの周方向を向く面が後述するマグネットロータ131の可動側ストッパ136と当接可能となっている。ホルダ部124の外周面には、後述する雌ねじ部135と螺合する雄ねじ部125が形成されている。支持部材120の中央には、上端から下端まで軸線L方向に貫通する挿通孔126が形成されている。挿通孔126は、駆動軸132が挿通する孔であり、支持部材120の上端から下端まで軸線L方向に貫通し、弁室111に連通している。
【0064】
駆動部130は、ステッピングモータで構成されている。駆動部130は、ケース118内に配置されるマグネットロータ131と、ケース118の外部に設置されマグネットロータ131を周方向に覆う不図示のステータコイルと、マグネットロータ131の中心部に取り付けられる駆動軸132と、その他、図示しないヨークや外装部材等により構成されている。マグネットロータ131は、中心部を構成する本体部、本体部の外周に固着されるマグネットで筒状に形成されている。マグネットロータ131の中心には、軸線L方向に貫通する取付孔133と、取付孔133に連通して下方に開口するスライド孔134が形成されている。取付孔133には、駆動軸132の上側部137が挿通している。スライド孔134の内周面には、支持部材120の雄ねじ部125に螺合する雌ねじ部135が形成されている。雌ねじ部135の螺合により、マグネットロータ131は弁室111内で支持部材120に支持されている。
【0065】
マグネットロータ131の下端面の一部には、下方に突出する可動側ストッパ136が形成されている。可動側ストッパ136は、マグネットロータ131の下面の一部から下方に突出して形成され、軸線L回りの周方向を向く面が支持部材120の固定側ストッパ123に当接可能となっている。駆動軸132は、取付孔133に挿通する小径の上側部137と、上側部137に連続する大径の下側部138と、を備え軸線L方向に延びて形成されている。上側部137の上端側の部分は、マグネットロータ131の上部に突出し、環状の固定部材139に圧入されており、固定部材139をマグネットロータ131に溶接等によって固定することでマグネットロータ131と駆動軸132とが一体となっている。下側部138は、支持部材120の挿通孔126に挿通し、挿通孔126にガイドされて軸線L方向に移動可能となっている。
【0066】
第2実施形態では、マグネットロータ131が軸線L回りに回転すると、雌ねじ部135がねじ送りされることでマグネットロータ131及び駆動軸132が軸線L方向に移動するようになっている。すなわち、支持部材120および駆動部130の一方に設けられる雄ねじ部125と、他方に設けられる雌ねじ部135とでねじ送り機構Aが構成されている。なお、本実施形態では、マグネットロータ131の回転は、固定側ストッパ123と可動側ストッパ136との当接により規制されるようになっている。また、マグネットロータ131とケース118の天井面との間には、圧縮された第1ばね160が配置されている。また、マグネットロータ131のスライド孔134内には、マグネットロータ131の下面と下側部138の上面との間に圧縮された第2ばね161が配置されている。これにより、マグネットロータ131及び駆動軸132は、Bポート114側に向かって付勢されている。
【0067】
弁体140は、駆動軸132の下端に連続し、軸線Lに沿って延び流路部材150の内部にて軸線L回りに回転可能かつ軸線L方向に移動自在となっている。弁体140は、駆動軸132の下端に連続するストレート部141と、ストレート部141の下端(先端)に連続するニードル部142と、ストレート部141とニードル部142の境界となる連接部143と、を備えている。弁体140の構造は、上述した第1実施形態の弁体40と同様であるため、ここでは、その詳細な説明を省略する。
【0068】
流路部材150は、Bポート114に連通するとともに弁本体110に固定される接続部151と、接続部151に連続して軸線Lに沿って上方に延びる延長部152と、接続部151および延長部152の中心を軸線L方向に貫通する貫通孔153と、を備えている。接続部151は、延長部152の下端から径方向外側に突出するフランジ状に形成され、Bポート114の上述した小径部分における開口端縁と、Bポート114に挿入された第2継手管115の上端面と、で軸線L方向に挟まれて弁本体110に固定されている。延長部152は円筒状に形成され、その上端部が支持部材120の挿通孔126の下端側に圧入されて支持部材120に固定されている。
【0069】
延長部152の側面には、径方向に貫通する連通孔154が形成されている。これに対し、貫通孔153は、軸線L方向に貫通し、上端部分が支持部材120の挿通孔126に連通するとともに、下端部分がBポート114を介して第2継手管115の内部に連通している。貫通孔153の上側部分はガイド孔155を構成し、貫通孔153の下側部分は、接続孔156を構成している。第2実施形態においても、弁体140の外周面とガイド孔155の内周面との間に開口サイズが可変の絞り部Sが形成され、Aポート112から弁室111に流入した流体は、連通孔154から絞り部Sを通過した後にBポート114へ流れることとなる。
【0070】
このような実施形態によれば、マグネットロータ131が雌ねじ部135を備える駆動方式の電動弁100においても、上述した第1実施形態や変形例と同様の作用、効果を奏することができる。また、本実施形態によれば、流路部材150の接続部151をフランジ状に形成し、Bポート114の小径部分における開口端縁と、Bポート114に挿入された第2継手管115の上端面と、で軸線L方向に挟んで固定するようにしたので、流路部材150の接続された状態をより一層安定して維持することができ、これによって弁体140の振動をより一層抑制することができる。
【0071】
なお、第2実施形態では、貫通孔153の上側部分をガイド孔155とし、下側部分を接続孔156としたが、接続孔156は、省略することも可能である。これは、上述した第1実施形態や各変形例でも同様である。例えば、図1に示す電動弁1の流路部材50において、ガイド孔55を流路部材50の下端まで延長し、第2挿通孔23bに連通する上端からBポート17に連通する下端までを全てガイド孔55としてもよい(この場合、Bポート17に挿入されている部分以外の部分が全て延長部52となる)。すなわち、貫通孔153は、必ずしも内径寸法の小さいガイド孔155と内径寸法の大きい接続孔156とで構成する必要はなく、内径寸法が一定のガイド孔155のみで構成してもよい。また、これとは逆に、貫通孔153は、軸線L方向に内径寸法が異なるように複数の段状に形成してもよい。ただし、この場合、弁体140の外周面とガイド孔155の内周面との間を確実に絞り部Sとする観点から、ガイド孔155となる部分の内径寸法が最小となるようにすることとする。
【符号の説明】
【0072】
L 軸線
S 絞り部
1 電動弁
10 弁本体
11 弁室
12 側壁(側面)
17 Bポート
40 弁体
41 ストレート部
42 ニードル部
43 連接部(境界部)
50 流路部材
51 接続部
52 延長部
54 連通孔
55 ガイド孔
図1
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