(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016175
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】呼吸回路用の区域加熱
(51)【国際特許分類】
A61M 16/08 20060101AFI20240130BHJP
A61M 16/16 20060101ALN20240130BHJP
【FI】
A61M16/08 300Z
A61M16/16 A
【審査請求】有
【請求項の数】26
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023189417
(22)【出願日】2023-11-06
(62)【分割の表示】P 2021115304の分割
【原出願日】2013-11-14
(31)【優先権主張番号】61/726,532
(32)【優先日】2012-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/786,141
(32)【優先日】2013-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/877,736
(32)【優先日】2013-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/877,784
(32)【優先日】2013-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/877,622
(32)【優先日】2013-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/877,566
(32)【優先日】2013-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PYTHON
(71)【出願人】
【識別番号】504298349
【氏名又は名称】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100096921
【弁理士】
【氏名又は名称】吉元 弘
(72)【発明者】
【氏名】ポール、ジェームズ、トンキン
(72)【発明者】
【氏名】マシュー、リアム、バスウェル
(72)【発明者】
【氏名】ヘレン、カディ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス、ジェームズ、エドワーズ
(72)【発明者】
【氏名】ギャビン、ウォルシュ、ミラー
(72)【発明者】
【氏名】ヘルガード、ウェストフイゼン
(72)【発明者】
【氏名】アンドレ、バン、シャルクウィク
(72)【発明者】
【氏名】イアン、リー、ワイ、クワン
(72)【発明者】
【氏名】ピン、シ
(72)【発明者】
【氏名】シナー、アルナシ
(72)【発明者】
【氏名】キアラン、マイケル、オーチャード
(72)【発明者】
【氏名】イブラヒム、アル-ティアイ
(72)【発明者】
【氏名】エルモ、ベンソン、ストークス
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ、クリストファー、ノース
(72)【発明者】
【氏名】マシュー、ロバート、ウィルソン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】加湿システムと共に使用される呼吸回路内のガスの加熱に関する。
【解決手段】幾つかの実施形態は、第1の加熱器ワイヤ回路を備える第1の区分202aと、第2の加熱器ワイヤ回路を備える第2の区分202bとを含む呼吸回路用の吸気肢202を提供する。この吸気肢は、中間コネクタ214を含み、中間コネクタは、接続回路を含み、接続回路は、第1の加熱器ワイヤ回路206aを第2の加熱器ワイヤ回路206bに電気的に結合する。吸気肢は、2つのモードで動作するように構成することができ、第1のモードでは、第1の加熱器ワイヤ回路に電力を提供し、第2の加熱器ワイヤ回路には電力を提供しないように電力が第1の電気接続線を通って進み、第2のモードでは、第1の加熱器ワイヤ回路と第2の加熱器ワイヤ回路との両方に電力を提供するように電力が第1の電気接続線を通って進む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用管の第1の区分を備える医療用管であって、前記第1の区分が、
加湿ガスを輸送するように構成された管路を形成する第1の構造と、
第1の加熱器ワイヤ回路を備え、
前記医療用管がさらに、医療用管の第2の区分を備え、前記第2の区分が、
前記加湿ガスを輸送するように構成された管路を形成する第2の構造と、
第2の加熱器ワイヤ回路を備え、
前記医療用管がさらに、前記第1の加熱器ワイヤ回路を前記第2の加熱器ワイヤ回路に電気的に結合する接続回路を備える中間コネクタを備え、前記中間コネクタが、前記医療用管の前記第1の区分の患者端部と、前記医療用管の前記第2の区分のチャンバ端部とに結合されて、前記加湿ガスのための単一の管路を形成し、
前記中間コネクタが前記医療用管の内部にあるように、前記中間コネクタの少なくとも一部が、前記医療用管の前記第1の区分の一部分および/または前記医療用管の前記第2の区分の一部分によって覆われ、
第1のモードでは、前記第1の加熱器ワイヤ回路に電力を提供し、前記第2の加熱器ワイヤ回路には電力を提供しないように電力が前記接続回路を通過し、第2のモードでは、前記第1の加熱器ワイヤ回路と前記第2の加熱器ワイヤ回路との両方に電力を提供するように電力が前記接続回路を通過する
医療用管。
【請求項2】
前記接続回路がダイオードを備える請求項1に記載の医療用管。
【請求項3】
前記第1の区分の前記患者端部に位置決めされた第1のセンサをさらに備える請求項1に記載の医療用管。
【請求項4】
前記第1のセンサが、温度センサまたは湿度センサの1つである請求項3に記載の医療用管。
【請求項5】
前記医療用管の前記第2の区分の患者端部に位置決めされた第2のセンサをさらに備える請求項1に記載の医療用管。
【請求項6】
前記第2のセンサが、温度センサまたは湿度センサの1つである請求項5に記載の医療用管。
【請求項7】
前記第1の構造が細長い管を備え、前記細長い管が、
長手方向軸を有する前記管路を少なくとも一部形成するように螺旋状に巻かれた中空体と、前記長手方向軸に沿って延びる内腔と、前記内腔を取り囲む中空壁とを備える第1の細長い部材と、
前記第1の細長い部材の隣接する一巻き同士の間に螺旋状に巻かれて接合された第2の細長い部材であって、前記細長い管の前記内腔の少なくとも一部分を形成する第2の細長い部材と
を備える請求項1に記載の医療用管。
【請求項8】
前記第1の細長い部材が、長手方向断面で、偏平な表面を有する複数の気泡体を前記内腔に形成する請求項7に記載の医療用管。
【請求項9】
隣接する気泡体が、前記第2の細長い部材の上方の隙間によって離隔される請求項8に記載の医療用管。
【請求項10】
隣接する気泡体が互いに直接は接続されない請求項8に記載の医療用管。
【請求項11】
前記複数の気泡体が穿孔を有する請求項8に記載の医療用管。
【請求項12】
第1の加熱器ワイヤ回路を有する吸気肢の第1の区分と、第2の加熱器ワイヤ回路を有する吸気肢の第2の区分と、前記第1の加熱器ワイヤ回路を前記第2の加熱器ワイヤ回路に電気的に結合するように構成されたコネクタ回路を有する中間コネクタと、前記第1の区分の患者端部に位置決めされた第1のセンサと、前記第2の区分の患者端部に位置決めされた第2のセンサとを備える吸気肢と、
制御装置と
を備える呼吸用加湿システムであって、
前記制御装置が、第1のモードと第2のモードとを選択的に切り換えるように適合され、前記第1のモードでは、前記制御装置が、前記コネクタ回路を通して前記第1の加熱器ワイヤ回路に電力を提供し、前記第2のモードでは、前記制御装置が、前記第1および第2の加熱器ワイヤ回路に電力を提供する
呼吸用加湿システム。
【請求項13】
前記切換えが、一方または両方のセンサからの入力に基づいて行われる請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
一方または両方のセンサからの前記入力が、温度、流量、湿度、および電力の1つまたは複数を含む請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1および第2のモードが、電源によって提供される電流の方向によって定義される請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記制御装置が、第1のセンサ読取りモードと第2のセンサ読取りモードとを選択的に切り換えるように適合され、前記第1のセンサ読取りモードでは、前記制御装置が、前記第2のセンサからの信号を読み取り、前記第2のセンサ読取りモードでは、前記制御装置が、前記第1のセンサと前記第2のセンサとの両方からの信号を読み取る請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1のセンサおよび前記第2のセンサが温度センサである請求項12に記載のシステム。
【請求項18】
第1の加熱器ワイヤ回路を有する吸気肢の第1の区分と、第2の加熱器ワイヤ回路を有する吸気肢の第2の区分と、前記第1の加熱器ワイヤ回路を前記第2の加熱器ワイヤ回路に電気的に結合するように構成されたコネクタ回路を有する中間コネクタと、前記1の区分の患者端部に位置決めされた第1のセンサと、前記第2の区分の患者端部に位置決めされた第2のセンサとを備える吸気肢と、
呼気肢と、
前記吸気肢および前記呼気肢に接続されたインターフェースと、
制御装置と
を備える二重肢回路であって、
前記制御装置が、第1のモードと第2のモードとを選択的に切り換えるように適合され、前記第1のモードでは、前記制御装置が、前記コネクタ回路を通して前記第1の加熱器ワイヤ回路に電力を提供し、前記第2のモードでは、前記制御装置が、前記第1および第2の加熱器ワイヤ回路に電力を提供する
二重肢回路。
【請求項19】
前記呼気肢が呼気加熱器ワイヤ回路を備える請求項18に記載の二重肢回路。
【請求項20】
前記呼気肢が、前記呼気加熱器ワイヤ回路を使用して加熱される請求項19に記載の二重肢回路。
【請求項21】
前記呼気加熱器ワイヤ回路が、前記吸気肢の前記第1の区分内の前記第1の加熱器ワイヤ回路と並列に電力供給される請求項19に記載の二重肢回路。
【請求項22】
前記呼気加熱器ワイヤ回路を、前記第1のモードのみで、前記第2のモードのみで、または前記第1のモードと前記第2のモードとの両方で電力供給されるように構成することができる請求項21に記載の二重肢回路。
【請求項23】
前記インターフェースがYピースを介して接続される請求項18に記載の二重肢回路。
【請求項24】
少なくとも2つの区分に沿って加熱されるように構成された区分化された吸気肢であって、前記吸気肢の各区分が、
長手方向軸を有する細長い管を少なくとも一部形成するように螺旋状に巻かれた中空体と、前記長手方向軸に沿って延びる内腔と、前記内腔を取り囲む中空壁とを備える第1の細長い部材と、
前記第1の細長い部材の隣接する一巻き同士の間に螺旋状に巻かれて接合された第2の細長い部材であって、前記細長い管の前記内腔の少なくとも一部分を形成する第2の細長い部材と
を備える区分化された吸気肢。
【請求項25】
2つの区分を備える医療用管であって、各区分が、
長手方向軸を有する細長い管と、前記長手方向軸に沿って延びる内腔と、前記内腔を取り囲む中空壁とを形成するように螺旋状に巻かれた細長い中空体であって、横方向断面で、中空体の少なくとも一部分を画定する壁を有する細長い中空体と、
前記細長い中空体の隣接する一巻き同士の間に螺旋状に位置決めされた、前記細長い中空体の長さに沿って延びる補強部分であって、前記細長い管の前記内腔の一部分を形成する補強部分と、
前記補強部分の内部に埋め込まれた、またはカプセル化された1つまたは複数の導電性フィラメントと
を備え、
前記補強部分が、前記細長い中空体の前記壁よりも比較的厚く、または堅く、
前記医療用管がさらに、前記第1の区分に取り付けられた区分コネクタを備え、前記区分コネクタが、
前記第1の区分が前記第2の区分に物理的に結合されるときに、前記第1の区分からの前記導電性フィラメントを前記第2の区分からの前記導電性フィラメントに電気的に結合させるように構成された接続パッドと、
前記第1の区分の前記導電性フィラメントに電気的に結合されたパワーダイオードとを備え、
前記パワーダイオードが、第1の極性の電気信号を提供されるときに、前記第1の区分の前記導電性フィラメントに電力が送られるようにし、前記第2の区分の前記導電性フィラメントに電力が送られないようにし、
前記パワーダイオードが、第2の極性の電気信号を提供されるときに、前記第1の区分の前記導電性フィラメントおよび前記第2の区分の前記導電性フィラメントに電力が提供されるようにする
医療用管。
【請求項26】
第1の入力加熱器ワイヤに電気的に結合されるように構成された第1の加熱器ワイヤ入力接続線と、
第2の入力加熱器ワイヤに電気的に結合されるように構成された第2の加熱器ワイヤ入力接続線と、
第1の出力加熱器ワイヤに電気的に結合され、前記第1の加熱器ワイヤ入力接続線に電気的に結合されるように構成された第1の加熱器ワイヤ出力接続線と、
第2の出力加熱器ワイヤに電気的に結合され、前記第2の加熱器ワイヤ入力接続線に電気的に結合されるように構成された第2の加熱器ワイヤ出力接続線と、
第1の入力信号ワイヤに電気的に結合されるように構成された第1の信号ワイヤ入力接続線と、
第2の入力信号ワイヤに電気的に結合されるように構成された第2の信号ワイヤ入力接続線と、
第1の出力信号ワイヤに電気的に結合され、前記第1の信号ワイヤ入力接続線に電気的に結合されるように構成された第1の信号ワイヤ出力接続線と、
第2の入力信号ワイヤに電気的に結合され、前記第2の信号ワイヤ入力接続線に電気的に結合されるように構成された第2の信号ワイヤ出力接続線と、
前記第1の加熱器ワイヤ入力接続線および前記第2の加熱器ワイヤ入力接続線に電気的に結合されたパワーダイオードであって、前記第2の入力加熱器ワイヤから前記第1の入力加熱器ワイヤに電流が流れるようにし、前記第1の入力加熱器ワイヤから前記第2の入力加熱器ワイヤに電流が流れないようにするように構成されたパワーダイオードと、
前記第1の信号ワイヤ入力接続線に電気的に結合されたセンサと、
前記センサおよび前記第2の信号ワイヤ入力接続線に電気的に結合された信号ダイオードであって、前記第2の入力信号ワイヤから前記センサを通して前記第1の入力信号ワイヤに電流が流れるようにし、前記第1の入力信号ワイヤから前記センサを通して前記第2の入力信号ワイヤに電流が流れないように構成する信号ダイオードと
を備えるコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
参照による援用
本出願は、米国2012年11月14日出願の「ZONE HEATING FOR RESPIRATORY CIRCUITS」という名称の米国仮特許出願第61/726,532号明細書;2013年3月14日出願の「ZONE HEATING FOR RESPIRATORY CIRCUITS」という名称の米国仮特許出願第61/786,141号明細書;2013年9月13日出願の「ZONE HEATING FOR RESPIRATORY CIRCUITS」という名称の米国仮特許出願第61/877,736号明細書;2013年9月13日出願の「CONNECTIONS FOR HUMIDICATION SYSTEM」という名称の米国仮特許出願第61/877,784号明細書;2013年9月13日出願の「MEDICAL TUBES AND METHODS OF MANUFACTURE」という名称の米国仮特許出願第61/877,622号明細書;および2013年9月13日出願のという名称の「HUMIDIFICATION SYSTEM」米国仮特許出願第61/877,566号明細書に対する米国特許法第119条(e)の下での優先権の利益を主張するものである。上記の各特許出願の全体を参照により本明細書に援用する。
【0002】
さらに、2012年5月30日出願の「MEDICALTUBESANDMETHODSOFMANUFACTURE」という名称のPCT出願PCT/IB2012/001786号明細書も、その全体を参照により本明細書に援用する。
【0003】
本開示は、一般に、加湿ガスを使用者に提供するための加湿システムに関し、より詳細には、加湿システムと共に使用される呼吸回路内のガスの加熱に関する。
【背景技術】
【0004】
多くのガス加湿システムは、呼吸治療や腹腔鏡などを含めた様々な医療処置用の加熱および加湿されたガスを送給する。これらのシステムは、センサからのフィードバックを使用して、温度、湿度、および流量を制御するように構成することができる。使用者への送給時に望ましい特性を維持するために、呼吸回路は、ガス管路に関連付けられた加熱器を有することができ、ここで、加熱器は、ガスが使用者へおよび/または使用者から流れるときにガスに熱を提供する。管路加熱器は、ガスが温度および/または湿度など望ましい特性を有して使用者に到達するように、ガスに熱を提供するように制御することができる。加湿システムは、温度センサを含むことができ、加湿制御装置へのフィードバックを提供し、加湿制御装置は、管路加熱器に送られる電力を調節および/または変更して、関連の管路に沿った位置で目標温度を実現することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書で述べるシステム、方法、およびデバイスは、革新性のある態様を有し、それらの態様のどれも、必須のものではなく、それらの望ましい属性のみを受け持つものではない。特許請求の範囲を限定することなく、有利な特徴の幾つかを以下にまとめる。
【0006】
幾つかの実施形態は、呼吸回路用の吸気肢を提供する。本明細書で述べる吸気肢は、加熱および加湿されたガスが2つの異なる環境を通過しなければならない状況で特に有用である。これは、例えば、乳児保育器で問題となり得る。乳児保育器内では、周囲の環境よりも温度がかなり高く、または患者にガスを送給する管路の一部分がブランケットの下にある。しかし、本明細書で開示される実施形態は、加熱および/または加湿されたガスが患者に送給される任意の環境で使用することができ、吸気肢が2つの異なる環境を通過する用途に限定されない。
【0007】
吸気肢は、加湿ガスを輸送するように構成された管路を形成する第1の構造を備える吸気肢の第1の区分を含むことができ、吸気肢の第1の区分は、第1の加熱器ワイヤ回路を含む。吸気肢は、加湿ガスを輸送するように構成された管路を形成する第2の構造を備える吸気肢の第2の区分を含むことができ、第2の構造は、第1の区分の第1の構造に機械的に結合して、加湿ガスのための延長された管路を形成するように構成され、吸気肢の第2の区分は、第2の加熱器ワイヤ回路を含む。吸気肢は、第1の加熱器ワイヤ回路を第2の加熱器ワイヤ回路に電気的に結合する接続回路を含む中間コネクタを含むことができ、中間コネクタを、吸気肢の第1の区分の患者端部および吸気肢の第2の区分のチャンバ端部に結合させて、加湿ガス用の単一の管路を形成することができる。中間コネクタは、吸気肢の内部にあるように、吸気肢の第1の区分の一部分、吸気肢の第2の区分の一部分、または吸気肢の第1の区分と第2の区分の両方の一部分によって覆うことができる。
【0008】
吸気肢は、2つの加熱モードで動作するように構成することができる。第1の加熱モードでは、電力は、中間コネクタを通過して第1の加熱器ワイヤ回路に電力を提供し、第2の加熱器ワイヤ回路には電力を提供しない。第2の加熱モードでは、電力は、中間コネクタを通過して第1の加熱器ワイヤ回路と第2の加熱器ワイヤ回路の両方に電力を提供する。例えば、中間コネクタは、電流の方向および/または電圧の極性の少なくとも一部に基づいて、異なる経路に沿って電力を送るように構成された電気構成要素を含むことができる。中間コネクタは、導電性トラックを含むことができ、導電性トラックは、第1の加熱器ワイヤ回路内の1つまたは複数のワイヤと、第2の加熱器ワイヤ回路内の1つまたは複数のワイヤとの間の短絡(例えば、介在する電気構成要素のない直接の電気接続)を提供することができる。中間コネクタは、導電性トラックを含むことができ、導電性トラックは、第1の加熱器ワイヤ回路内の1つまたは複数のワイヤを、第2の加熱器ワイヤ回路内の1つまたは複数のワイヤに電気的に結合し、ここで、導電性トラックは、例えば、限定はしないが、ダイオード、トランジスタ、コンデンサ、抵抗、論理ゲート、集積回路などの電気構成要素を含む。特定の実施形態では、中間コネクタは、第1の加熱器ワイヤ回路と第2の加熱器ワイヤ回路との両方に電気的に結合されたダイオードを含む。特定の実施形態では、吸気肢は、中間コネクタに位置決めされた第1のセンサを有する第1のセンサ回路をさらに備えることができる。特定の実施形態では、吸気肢は、患者端部コネクタに位置決めされた第2のセンサを有する第2のセンサ回路をさらに備え、患者端部コネクタは、吸気肢の第2の区分の患者端部に位置決めされる。吸気肢は、2つの感知モードで動作するように構成することができる。第1の感知モードでは、第1のセンサからの信号が受信され、第2のセンサからの信号は受信されない。第2の感知モードでは、第2のセンサからの信号が受信され、第1のセンサからの信号は受信されない。幾つかの実施形態では、感知は、第1のセンサと第2のセンサとの両方から並列で信号を受信することを含む。そのような実施形態では、アルゴリズムは、第1のセンサと第2のセンサとの両方から並列して受信された信号に少なくとも一部基づいて、第1のセンサによって測定されたパラメータを決定することができる。特定の実施形態では、中間コネクタは、第1のセンサ回路と第2のセンサ回路との両方に電気的に結合されたダイオードを含む。患者端部コネクタは、第2のセンサ回路用の電気接続を提供するように構成することができる。同様に、患者端部コネクタは、第2の加熱器ワイヤ回路用の電気接続を提供するように構成することもできる。センサは、温度センサ、湿度センサ、流量センサなどでよい。第1および第2のセンサは、温度、湿度、流量、酸素含有率など1つまたは複数のパラメータを測定するように構成されたセンサでよい。幾つかの実施形態では、第1および第2のセンサは、少なくとも1つの同様のパラメータ(例えば温度、湿度、流量など)を測定するように構成される。幾つかの実施形態では、3つ以上のセンサを含むことができ、中間コネクタおよび/または患者端部コネクタに位置決めすることができる。
【0009】
幾つかの実施形態は、吸気肢と、制御装置とを備える呼吸用加湿システムを提供する。吸気肢は、第1の加熱器ワイヤ回路を有する第1のセグメントと、第2の加熱器ワイヤ回路を有する第2のセグメントと、第1の加熱器ワイヤ回路を第2の加熱器ワイヤ回路に電気的に結合するように構成されたコネクタ回路を有する中間コネクタと、第1の区分の患者端部に位置決めされた第1のセンサと、第2の区分の患者端部に位置決めされた第2のセンサとを含むことができる。制御装置は、第1のモードと第2のモードとを選択的に切り換えるように適合させることができ、第1のモードでは、制御装置は、コネクタ回路を通して第1の加熱器ワイヤ回路に電力を提供し、第2のモードでは、制御装置は、第1および第2の加熱器ワイヤ回路に電力を提供する。特定の実施形態では、呼吸用加湿システムは、一方または両方のセンサからの入力に少なくとも一部基づいてモードを切り換える。特定の実施形態では、切換えは、温度、流量、湿度、電力、またはこれらの任意の組合せの1つまたは複数を含むパラメータに少なくとも一部基づいて行われる。パラメータは、第1のセンサ、第2のセンサ、または両方のセンサの組合せから直接導出または取得することができる。特定の実施形態では、第1および第2のモードは、電源によって提供される電流の方向または電圧の極性によって定義される。幾つかの実施形態では、呼吸用加湿システムは、3つ以上のセンサを含むことができ、これらのセンサが、吸気肢の加熱を制御するために使用される入力を提供する。
【0010】
幾つかの実施形態は、吸気肢を含むことができる二重肢回路を提供する。そのような吸気肢は、第1の加熱器ワイヤ回路を有する第1のセグメントと、第2の加熱器ワイヤ回路を有する吸気肢の第2のセグメントと、第1の加熱器ワイヤ回路を第2の加熱器ワイヤ回路に電気的に結合するように構成されたコネクタ回路を有する中間コネクタと、第1の区分の患者端部に位置決めされた第1のセンサと、第2の区分の患者端部に位置決めされた第2のセンサとを含むことができる。また、二重肢回路は、呼気加熱器ワイヤ回路を備える呼気肢を含むこともできる。二重肢システムは、吸気肢と呼気肢とに接続されたインターフェースをさらに含むことができる。二重肢システムは、第1のモードと第2のモードとを選択的に切り換えるように適合された制御装置をさらに含むことができ、第1のモードでは、制御装置は、コネクタ回路を通して第1の加熱器ワイヤ回路に電力を提供し、第2のモードでは、制御装置は、第1および第2の加熱器ワイヤ回路に電力を提供する。特定の実施形態では、呼気肢の加熱は、第1および第2の加熱器ワイヤ回路を使用する吸気肢の加熱とは別個に、呼気加熱器ワイヤ回路を使用して行われる。特定の実施形態では、呼気肢は、吸気肢の第1の区分内の第1の加熱器ワイヤ回路と並列に、および/または第1および第2の加熱器ワイヤ回路と並列に電力供給される。特定の実施形態では、呼気肢は、第1のモードのみで、第2のモードのみで、または第1のモードと第2のモードとの両方で電力供給されるように設計することができる。特定の実施形態では、インターフェースは、Yピースによって接続される。任意の適切な患者インターフェースを組み込むことができる。患者インターフェースは、広範な用語であり、当業者にとってのその通常的および慣例的な意味合いで解釈されるべきであり(すなわち、特殊な、または特化された意味合いに限定すべきではなく)、限定はしないが、マスク(気管マスク、フェースマスク、および鼻マスクなど)、カニューレ、および鼻枕を含む。
【0011】
幾つかの実施形態では、区分化された吸気肢が提供され、区分の構造は、細長い管を備える。細長い管は、長手方向軸を有する管路を少なくとも一部形成するように螺旋状に巻かれた中空体と、長手方向軸に沿って延びる内腔と、内腔を取り囲む中空壁とを備える第1の細長い部材を含むことができる。細長い管は、第1の細長い部材の隣接する一巻き同士の間に螺旋状に巻かれて接合された第2の細長い部材を含むことができ、第2の細長い部材は、細長い管の内腔の少なくとも一部分を形成する。特定の実装形態では、第1の細長い部材は、長手方向断面で、偏平な表面を有する複数の気泡体を内腔に形成する。特定の実装形態では、隣接する気泡体は、第2の細長い部材の上方の隙間によって分離される。特定の実装形態では、隣接する気泡体は、互いに直接は接続されない。特定の実装形態では、複数の気泡体が穿孔を有する。
【0012】
図面を通じて、参照要素間の全般的な対応関係を示すために、参照番号を繰返し使用することがある。図面は、本明細書で述べる例示的実施形態を示すために提供され、本開示の範囲を限定することは意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】加湿ガスを使用者に送給するための例示的な呼吸用加湿システムを示す図であって、呼吸用加湿システムが呼吸回路を有し、呼吸回路が、各区分内にセンサを有する区分化された吸気肢を含む図である。
【
図2】加湿システムと共に使用するための区分化された吸気肢であって、2つの区分内の加熱器ワイヤおよびセンサを結合するように構成された中間コネクタを有する区分化された吸気肢を示す図である。
【
図3A】呼吸回路の区分化された吸気肢内の加熱器ワイヤに電力を提供するための能動整流電源を含む例示的な回路図であって、回路が、第1のモードでは、吸気肢の第1の区分内の加熱器ワイヤに電力供給し、第2のモードでは、両方の区分内の加熱器ワイヤに電力供給するように構成された回路図である。
【
図3B】呼吸回路の区分化された吸気肢内の加熱器ワイヤに電力を提供するための能動整流電源を含む例示的な回路図であって、回路が、第1のモードでは、吸気肢の第1の区分内の加熱器ワイヤに電力供給し、第2のモードでは、両方の区分内の加熱器ワイヤに電力供給するように構成された回路図である。
【
図4A】吸気肢と呼気肢を有する例示的な加湿システムを示す図であって、加湿システムが、両方の肢での加熱器ワイヤを制御するように構成された図である。
【
図4B】吸気肢と呼気肢を有する例示的な加湿システムを示す図であって、加湿システムが、両方の肢での加熱器ワイヤを制御するように構成された図である。
【
図4C】吸気肢と呼気肢を有する例示的な加湿システムを示す図であって、加湿システムが、両方の肢での加熱器ワイヤを制御するように構成された図である。
【
図4D】吸気肢と呼気肢を有する例示的な加湿システムを示す図であって、加湿システムが、両方の肢での加熱器ワイヤを制御するように構成された図である。
【
図5】吸気肢の延長部の存在を検出し、吸気肢、吸気肢の延長部、および呼気肢内の加熱器ワイヤに電力を提供するように構成された例示的システムのブロック図である。
【
図6A】加湿システム内の例示的な回路図であって、回路が、2つのセンサからのデータを読み取るために構成されている図である。
【
図6B】加湿システム内の例示的な回路図であって、回路が、2つのセンサからのデータを読み取るために構成されている図である。
【
図7】加湿システム内の例示的な回路図であって、回路が、2つのトランジスタを使用して温度データを読み取るように構成された回路図である。
【
図8A】吸気肢と呼気肢を備える呼吸回路用のハードウェア構成の例示図であって、吸気肢が第1の区分と第2の区分とを有する図である。
【
図8B】吸気肢と呼気肢を備える呼吸回路用のハードウェア構成の例示図であって、吸気肢が第1の区分と第2の区分とを有する図である。
【
図9】中間コネクタにあるマイクロコントローラを利用して、加熱を制御するためのデータを測定し、吸気肢でのセンサ値を読み取る呼吸用加湿システムの例示的実施形態を示す図である。
【
図10】吸気肢用の中間コネクタのブロック図であって、中間コネクタがマイクロコントローラを使用するブロック図である。
【
図11】
図10に示される中間コネクタに含まれる例示的なパワーモジュールおよびデータライン変換器に関する回路図である。
【
図12】回路板上で制御側とAC側との間での双方向データ通信を提供するために、
図10に示される中間コネクタと共に使用される例示的なデュアルオプトカプラ回路の回路図である。
【
図13】少なくとも2つの区分を備える吸気肢を有する呼吸回路と共に使用するためのデジタル温度センサを組み込む例示的な加湿システムの回路図である。
【
図14A】中間コネクタの例示的な印刷回路板(「PCB」)を示す図である。
【
図14B】中間コネクタの例示的な印刷回路板(「PCB」)を示す図である。
【
図14C】中間コネクタの例示的実施形態を示す図である。
【
図14D】中間コネクタの例示的実施形態を示す図である。
【
図15A】患者端部コネクタ用の例示的なPCBを示す図である。
【
図15B】患者端部コネクタの例示的実施形態を示す図である。
【
図15C】患者端部コネクタの例示的実施形態を示す図である。
【
図15D】患者端部コネクタの例示的実施形態を示す図である。
【
図15E】患者端部コネクタの例示的実施形態を示す図である。
【
図16A】区分化された吸気肢用の配置リミッタの例示的実施形態を示す図である。
【
図16B】区分化された吸気肢用の配置リミッタの例示的実施形態を示す図である。
【
図16C】区分化された吸気肢用の配置リミッタの例示的実施形態を示す図である。
【
図16D】区分化された吸気肢用の配置リミッタの例示的実施形態を示す図である。
【
図16E】区分化された吸気肢用の配置リミッタの例示的実施形態を示す図である。
【
図17A】例示的な複合管の一区間の側面図である。
【
図17C】複合管内の第1の細長い部材を示す別の長手方向断面図である。
【
図18A】複合管内の第2の細長い部材の横方向断面図である。
【
図18B】第2の細長い部材の別の横方向断面図である。
【
図18C】別の例示的な第2の細長い部材を示す図である。
【
図18D】別の例示的な第2の細長い部材を示す図である。
【
図18E】別の例示的な第2の細長い部材を示す図である。
【
図18F】別の例示的な第2の細長い部材を示す図である。
【
図18G】別の例示的な第2の細長い部材を示す図である。
【
図19A】熱的効率を改良するように構成された第1の細長い部材の形状の例を示す図である。
【
図19B】熱的効率を改良するように構成された第1の細長い部材の形状の例を示す図である。
【
図19C】熱的効率を改良するように構成された第1の細長い部材の形状の例を示す図である。
【
図19D】熱的効率を改良するように構成されたフィラメント構成の例を示す図である。
【
図19E】熱的効率を改良するように構成されたフィラメント構成の例を示す図である。
【
図19F】熱的効率を改良するように構成されたフィラメント構成の例を示す図である。
【
図20A】第1の細長い部材の積層の例を示す図である。
【
図20B】第1の細長い部材の積層の例を示す図である。
【
図20C】第1の細長い部材の積層の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書では、区分化された吸気肢と多区域加熱との特定の実施形態および実施例を述べる。本開示は、具体的に開示される実施形態および/または使用法、ならびにそれらの自明な修正形態および均等形態も包含することを当業者は理解されよう。したがって、本明細書で開示される本開示の範囲は、本明細書で述べる任意の特定の実施形態によっては限定されないものと意図される。
【0015】
本明細書では、呼吸用加湿システムの呼吸回路内の区分化された吸気肢に熱を提供するためのシステムおよび方法を述べる。本明細書における説明のほとんどは、呼吸回路内の区分化された吸気肢の文脈であるが、本開示の1つまたは複数の特徴を、例えば呼吸、手術、または他の用途において区分化されたガス送給用管路内で相違のある加熱を提供することが望ましい他のシナリオで実施することもできることを理解されたい。
【0016】
本開示は、管路に熱を提供する文脈で、加熱器ワイヤ、加熱要素、および/または加熱器に言及する。例えば、加熱器ワイヤは、広範な用語であり、当業者にとってのその通常的および慣例的な意味合いで解釈されるべきであり(すなわち、特殊な、または特化された意味合いに限定すべきではなく)、限定はしないが、電力が提供されるときに熱を生成する加熱器ストリップおよび/または伝熱要素を含む。そのような加熱要素の例としては、導電性金属(例えば銅)、導電性ポリマー、管路の表面上に印刷された導電性インク、管路にトラックを作成するために使用される導電性材料などから形成されたワイヤを挙げられる。さらに、本開示は、ガス送給の文脈で、管路、肢、および医療用管に言及する。例えば、管は、広範な用語であり、当業者にとってのその通常的および慣例的な意味合いで解釈されるべきであり、限定はしないが、円筒形および非円筒形の経路など様々な断面を有する経路を含む。特定の実施形態は、複合管を組み込むことがあり、複合管は、一般に、以下により詳細に述べるように2つ以上の部分または特に幾つかの実施形態では2つ以上の構成要素を備える管と定義することができる。開示される医療用管を備える区分化された肢はまた、連続、可変、またはバイレベル気道陽圧(bi-level positive airway pressure, PAP)システムなどの呼吸回路内、または他の形態の呼吸療法で使用することもできる。用語「管路」および「肢」は、管と同様のものとして解釈すべきである。
【0017】
加熱され加湿された呼吸管が、保育器(または、やけど患者のために使用される放射加温器の周りや、患者によって使用されるブランケットの下など、温度変化がある任意の領域)のために使用されるとき、呼吸管は、少なくとも2つの異なる区域を通過する。すなわち、低温区域(保育器の外部の区域など)と、高温区域(保育器の内部の区域など)とである。管がその全長に沿って加熱される場合、どの区域が感知されるか(例えばどの区域が温度センサを含むか)に応じて、区域の1つは、望ましくない、適切でない、または最適でない温度になる傾向がある。加熱器ワイヤが保育器の内部のセンサ(患者端部温度センサなど)に制御される場合、保育器の外部の区間は、温度が低くなりすぎる傾向があり、これは凝結をもたらすことがある。逆に、加熱器ワイヤが保育器の外部のセンサに制御される場合、保育器の内部の区間は、温度が高くなりすぎることがあり、これにより、熱すぎるガスが患者に供給されることがある。したがって、本開示では、区分化された呼吸管内の熱の制御を可能にするシステムおよび方法を述べる。ここで、各区分は、制御モジュールにフィードバックを提供する関連のセンサを有する。本明細書では、2つの区域に関して幾つかの実施形態を述べるが、そのようなシステムは、さらなる区域、区分、または領域を用いた用途に適合するように拡張することもできる。例えば、3つの温度区域を備える一実施形態では、呼吸管の区分は、区域内の3つの異なる温度センサに少なくとも一部基づいて加熱され得る。さらに、本明細書で開示される実施形態は、管に沿った中間点にあるセンサの1つまたは複数を迂回または無視して、患者端部でのパラメータに基づいて、呼吸管に送給される熱を制御することができる。さらに、本明細書で開示される実施形態は、例えば、限定はしないが、温度センサ、湿度センサ、流量センサ、酸素センサなどを含むセンサによって提供されるパラメータを使用して、呼吸管に送給される熱を制御することができる。
【0018】
制御モジュールは、複数の区域または区間での加熱温度を監視および制御することができる。制御モジュールは、本明細書で述べるコネクタアセンブリの幾つかの実施形態を使用して、第1のモードでは呼吸管の第1の区間に熱を提供し、第2のモードでは呼吸管全体に熱を供給するように構成することができる。本明細書で述べる幾つかの実施形態は、フライングリード、露出されたコネクタ、および/または患者端部の電気接続線を用いずに使用することができる。用語「フライングリード」は、本明細書で使用するとき、呼吸管の外部に延びる電気接続線、呼吸管を通って内部に延びる電気接続線、および、呼吸管の一部として組み込まれた、成形された、または他の方法で形成もしくは包含された電気接続線を含む。制御モジュールは、加湿器の内部または加湿器の外部に位置させることができる。幾つかの実施形態では、制御装置は、加湿器の内部に位置されて、吸気肢の第1の区分と、吸気肢の第2の区分と、呼気肢とに関連付けられた加熱器ワイヤを制御し、また、吸気肢の第1および第2の区分および/または呼気肢に関連付けられたセンサからパラメータを読み取る。
【0019】
制御モジュールは、区分に関する温度を適応変化させることもできる。例えば、制御モジュールは、1つまたは複数の区分に関連付けられた温度センサを監視することができる。監視は、連続的でも、定期的でも、割込みもしくはイベントベースでの監視など他の方式でもよい。例えば、温度センサの監視は、アナログ/デジタル変換器からの値の読取り、電圧または電流の決定、論理条件の感知、サーモスタットデバイスの読取り、サーミスタ値の測定、抵抗温度検出器の測定、熱電対の電圧の測定、または温度を感知するための他の方法、例えば、限定はしないが、半導体接合センサ、赤外もしくは熱放射センサ、温度計、インジケータなどの使用に基づくものでよい。幾つかの実施形態では、温度センサは、サーミスタである。
【0020】
幾つかの実施形態では、吸気肢の第1の区分と吸気肢の第2の区分に送られる電力の比は、各区分に関連付けられたセンサからのフィードバックに少なくとも一部基づいて、使用中に変えることができる。例えば、電力の比は、各区分が凝結を減少または防止する温度に加熱されるように変えることができる。さらなる一例として、電力の比は、熱すぎるガスが患者に提供されないように変えることができる。幾つかの実施形態では、電力の比は、センサ(例えば温度センサ、湿度センサ、酸素センサ、流量センサなど)からのフィードバックに基づいて連続的に変えることができる。電力の比は、様々な方法で変えることができる。例えば、電力の比は、電力信号の振幅(限定はしないが、電圧および/または電流を含む)、電力信号の持続時間、もしくは電力信号のデューティサイクルを変更することによって、または電力信号に対する他の適切な変更によって変えることができる。一実施形態では、電力の比は、提供される電流の大きさを変えることによって変えられる。
【0021】
幾つかの実施形態は、ガス経路の内部にあるのではなく、加熱器ワイヤをガス経路から分離すると共に外部環境から断熱する材料の内部に含まれる加熱器ワイヤを備える吸気肢を提供する。幾つかの実施形態では、区分内の加熱器ワイヤに電力を提供するためおよびセンサを読み取るために使用される回路は、外部環境に露出されないように吸気肢の内部にある。幾つかの実施形態では、加熱器ワイヤは、吸気管または呼気管内に成形されて、管の相補的な区分内の加熱器ワイヤの端部が中間コネクタに接触し、したがって加熱器ワイヤが中間コネクタに電気的に結合し、ここで、中間コネクタは、加熱器ワイヤ制御および/またはセンサ読取りのための回路を提供するように構成することができる。幾つかの実施形態では、加熱器ワイヤに印加される電源のデューティサイクルは、関連の区分に沿ってガスが流れるときにガスに送給される熱の量を変えるために修正または変更することができる。
【0022】
本明細書で述べる幾つかの実施形態は、患者または他の使用者に暖かい湿ったガスを送給するように構成された呼吸用加湿システムを提供する。ガスは、加熱器プレートを使用して加熱される液体(例えば水)を満たされた液体チャンバを通される。液体は、チャンバ内で蒸発し、その上を流れるガスと混合し、それによりガスを加熱および/または加湿する。加湿ガスは、関連付けられた1つまたは複数の加熱器ワイヤを有する吸気肢に送ることができる。加湿ガスに、所定の、望みの、適当な、または選択された熱量を提供するように、加熱器ワイヤに選択的に電力供給することができる。幾つかの実施形態では、呼吸用加湿システムは、保育器または放射加温器と共に使用することができる。吸気肢は、第1の区分が保育器の外部にあり、第2の区分が保育器の内部にあるように区分化することができる。さらに、第1の加熱器ワイヤセットを第1の区分に関連付けることができ、第2の加熱器ワイヤセットを第2の区分に関連付けることができる。加湿システムは、第1のモードでは第1の加熱器ワイヤセットに電力を供給し、第2のモードでは第2の加熱器ワイヤセットに電力を提供するように構成することができる。幾つかの実施形態では、加湿システムは、第1のモードでは第1の加熱器ワイヤセットに電力を供給し、第2のモードでは第2の加熱器ワイヤセットに電力を提供するように構成することができる。吸気肢は、各区分の端部にセンサを含み、加湿システムにフィードバックを提供することができ、このフィードバックは、区分内の加熱器ワイヤセットに送給するための電力を選択する際に使用される。幾つかの実施形態では、加湿システムは、同様に加湿システムによって選択的に制御される関連の加熱器ワイヤを有する呼気肢を含むことができる。本出願では、区分化された肢を、吸気肢を参照して述べる。しかし、説明する特徴を呼気肢にも適用することができる。
【0023】
呼吸用加湿システム
図1は、加湿ガスを使用者に送給するための例示的な呼吸用加湿システム100を示し、呼吸用加湿システム100は呼吸回路200を有し、呼吸回路200は、各区分内にセンサ204a、204bを有する区分化された吸気肢202を含む。区分化された吸気肢202は、図示されるように保育器208と共に使用することができ、または、吸気肢202の様々な区分に沿って異なる温度が存在する別のシステム、例えば放射加温器と共に使用することもできる。区分化された吸気肢202は、吸気肢の様々な区分202a、202bに異なるレベルの熱を提供するために使用することができ、凝結を減少または防止し、および/または使用者に送給されるガスの温度を制御する。
【0024】
図示される呼吸用加湿システム100は、加圧ガス源102を備える。幾つかの実装形態では、加圧ガス源102は、ファンや送風器などを備える。幾つかの実装形態では、加圧ガス源102は、換気装置または他の陽圧発生デバイスを備える。加圧ガス源102は、入口104と出口106を備える。
【0025】
加圧ガス源102は、加湿ユニット108に流体(例えば、酸素、麻酔ガス、空気など)の流れを提供する。流体の流れは、加圧ガス源102の出口106から、加湿ユニット108の入口110に進む。例示される構成では、加湿ユニット108は、加圧ガス源102から独立して図示されており、加湿ユニット108の入口110が、管路112によって加圧ガス源102の出口106に接続されている。幾つかの実装形態では、加圧ガス源102と加湿ユニット108を単一のハウジングに一体化することができる。
【0026】
他のタイプの加湿ユニットを使用して、本開示で述べる特定の特徴、態様、および利点を得ることもできるが、図示される加湿ユニット108は、加湿チャンバ114と、加湿チャンバ114への入口110とを備えるパスオーバー型(pass-over)加湿器である。幾つかの実装形態では、加湿チャンバ114は本体116を備え、本体116にはベース118が取り付けられている。加湿チャンバ116内部に区室を画定することができ、区室は、ベース118を通って伝達または提供される熱によって加熱することができる液体体積を保持するように適合される。幾つかの実装形態では、ベース118は、加熱器プレート120に接触するように適合される。加熱器プレート120は、制御装置122または他の適切な構成要素によって制御することができ、それにより、液体中へ伝達される熱を変更および制御することができる。
【0027】
加湿ユニット108の制御装置122は、呼吸用加湿システム100の様々な構成要素の動作を制御することができる。図示されるシステムは、単一の制御装置122を使用するものとして示されているが、他の構成では複数の制御装置を使用することもできる。複数の制御装置は通信することができ、または個別の機能を提供することができ、したがって制御装置が通信する必要はない。幾つかの実装形態では、制御装置122は、コンピュータプログラム用のソフトウェアコードを含む関連のメモリまたは記憶媒体を備えるマイクロプロセッサ、処理装置、または論理回路を備えることがある。そのような実装形態では、制御装置122は、例えばコンピュータプログラムに含まれる命令に従って、およびまた内部もしくは外部入力に応答して、呼吸用加湿システム100の動作を制御することができる。制御装置122、または複数の制御装置の少なくとも1つを呼吸回路と共に位置させることができ、呼吸回路に取り付けられるか、または呼吸回路の一部として組み込まれる。
【0028】
加湿チャンバ114の本体116は、加湿チャンバ114の入口110を画定するポート124と、出口128を画定するポート126とを備える。加湿チャンバ114の内部に含まれる液体が加熱されるとき、液体蒸気が、入口ポート124を通して加湿チャンバ114内に導入されるガスと混合される。ガスと蒸気の混合物は、出口ポート126を通って加湿チャンバ114から出る。
【0029】
呼吸用加湿システム100は、加湿ユニット108の出口ポート126を画定する出口128に接続された吸気肢202を備える呼吸回路200を含む。吸気肢202は、加湿チャンバ114から出たガスと水蒸気の混合物を使用者に向けて搬送する。吸気肢202は、吸気肢202に沿って位置決めされた加熱要素206を含むことができ、加熱要素206は、吸気肢202に沿った凝結を減少するように構成されて、使用者に達するガスの温度の制御、ガスの湿度の維持、またはこれらの任意の組合せを行う。加熱要素206は、吸気肢202によって搬送されるガスと水蒸気の混合物の温度を上昇または維持することができる。幾つかの実装形態では、加熱要素206は、抵抗加熱器を画定するワイヤでよい。加湿チャンバ114から出たガスと水蒸気の混合物の温度を上昇または維持することによって、混合物から水蒸気が凝結されにくくなる。
【0030】
呼吸用加湿システム100は、保育器208と共に使用することができる。保育器208は、使用者のための望みの環境、例えば選択された、所定の、または望みの温度を保育器208の内部で維持するように構成することができる。したがって、保育器208の内部で、内部周囲温度は、保育器208の外部の温度とは異なることがある。したがって、保育器208は、吸気肢202に沿って異なる温度の区域を生成、画定、作成、または維持し、ここで、内部温度は、典型的には外部温度よりも高い。吸気肢202に沿って少なくとも2つの異なる温度区域を有することは、使用者へのガスの送給中に、吸気肢202に沿った凝結、高すぎる温度のガスの送給、またはそれら両方など、問題を生じることがある。
【0031】
呼吸用加湿システム100は、関連の加熱要素212を有する呼気肢210を含むことができる。幾つかの実施形態では、呼気肢210と吸気肢202は、適切な取付具(例えばYピース)を使用して接続することができる。幾つかの実施形態では、呼吸用加湿システム100は、放射加温器と共に使用することもでき、ブランケットの下で使用することもでき、または2つ以上の温度区域を形成する他のシステムもしくは状況で使用することもできる。本明細書で述べるシステムおよび方法は、そのようなシステムと共に使用することができ、保育器を組み込む実装形態に限定されない。
【0032】
吸気肢202は、区分202aと202bに分割することができ、ここで、第1の区分202aは、保育器208の外部にある吸気肢202の一部でよく、第2の区分202b(例えば保育器延長部)は、保育器208の内部にある吸気肢202の一部分でよい。第1の区分202aと第2の区分202bは、異なる長さでも同じ長さでもよい。幾つかの実施形態では、第2の区分202bは、第1の区分202aよりも短くてよく、特定の実装形態では、第2の区分202bは、第1の区分202aの約半分の長さでよい。第1の区分202aは、例えば、少なくとも約0.5mおよび/または約2m以下、少なくとも約0.7mおよび/または約1.8m以下、少なくとも約0.9mおよび/または約1.5m以下、または少なくとも約1mおよび/または1.2m以下の長さを有することができる。第2の区分202bは、例えば、少なくとも約0.2mおよび/または約1.5m以下、少なくとも約0.3mおよび/または約1m以下、少なくとも約0.4mおよび/または約0.8m以下、または少なくとも約0.5mおよび/または約0.7m以下の長さを有することができる。
【0033】
吸気肢の区分202a、202bは、互いに結合されて、単一のガス送給用管路を形成することができる。幾つかの実施形態では、第1の区分202aは、1つまたは複数の第1の加熱器ワイヤ206aと、1つまたは複数の第1のセンサ204aとを含むことができ、第2の区分202bなしで使用することもできる。制御装置122は、第2の区分202bが第1の区分202aに結合されていなくても、第1の加熱器ワイヤ206aを制御し、第1のセンサ204aを読み取るように構成することができる。さらに、第2の区分202bが第1の区分202aに結合されるとき、制御装置122は、それぞれの区分内の第1および第2の加熱器ワイヤ206a、206bを制御し、第1および第2のセンサ204a、204bを読み取るように構成することができる。幾つかの実施形態では、制御装置122は、第2の区分202bが取り付けられるとき、それぞれの第1および第2の加熱器ワイヤ206a、206bを制御し、それぞれの第1および第2のセンサ204a、204bを読み取るように構成することができる。また、第2の区分202bが取り付けられないときには、第1の加熱器ワイヤ206aを制御し、第1のセンサ204aを読み取るように構成することができ、制御装置122または加湿ユニット108の変更は必要ない。したがって、吸気肢202が第1の区分202aと第2の区分202bとの両方を含むか、第1の区分202aのみを含むかに関係なく、同じ制御装置122および/または加湿ユニット108を使用することができる。幾つかの実施形態では、制御装置122はさらに、制御装置122または加湿ユニット108を変更することなく、呼気肢210内の加熱器ワイヤ212を制御するように構成することができる。したがって、呼吸用加湿システム100は、第2の区分202bを取り付けた状態でも取り付けない状態でも、および/または呼気肢210を取り付けた状態でも取り付けない状態でも動作可能である。
【0034】
幾つかの実施形態では、第1の区分202aと第2の区分202bは、互いに永久的に接合されて、単一のガス送給用管路を形成する。本明細書で使用する際、「永久的に接合」は、区分202a、202bが、それらの区分を分離するのが難しいように、例えば接着剤、摩擦嵌め、オーバーモールド、機械的コネクタなどを使用することによって互いに接合されることを意味する。幾つかの実施形態では、第1の区分202aと第2の区分202bは、解放可能に結合されるように構成される。例えば、第1の区分202aは、第2の区分202bなしでガス送給のために使用することができ、または第1の区分202aと第2の区分202bを互いに結合させて、単一のガス送給用管路を形成することもできる。幾つかの実施形態では、第1の区分202aと第2の区分202bは、唯一の構成形態で互いに結合されるように構成することができる。例えば、第1の区分202aは、所定のチャンバ端部(例えば、患者への加湿ガスの流れの方向に沿ってチャンバ114または加湿ユニット108に最も近い端部)と、所定の患者端部(例えば、患者への加湿ガスの流れの方向に沿って患者に最も近い端部)とを有することができ、チャンバ端部は、チャンバ114および/または加湿ユニット108での構成要素に結合するように構成される。第2の区分202bは、所定のチャンバ端部と、所定の患者端部とを有することができ、ここで、チャンバ端部は、第1の区分202aの患者端部にのみ結合するように構成される。第1の区分202aのチャンバ端部は、第2の区分202bのいずれかの端部とは結合しないように構成することができる。同様に、第1の区分202aの患者端部は、第2の区分202bの患者端部とは結合しないように構成することができる。同様に、第2の区分202bの患者端部は、第1の区分202aのいずれかの端部とは結合しないように構成することができる。したがって、第1の区分202aと第2の区分202bは、一方向のみで結合して単一のガス送給用管路を形成するように構成することができる。幾つかの実施形態では、第1の区分202aと第2の区分202bは、様々な構成形態で結合されるように構成することができる。例えば、第1の区分202aと第2の区分202bは、所定の患者端部および/または所定のチャンバ端部を含まないように構成することができる。別の例として、第1の区分202aと第2の区分202bは、第1の区分202aの患者端部および/またはチャンバ端部が第2の区分202bのチャンバ端部または患者端部に結合することができるように構成することができる。同様に、第1の区分202aと第2の区分202bは、第2の区分202aのチャンバ端部および/または患者端部が第2の区分202bの患者端部またはチャンバ端部に結合することができるように構成することができる。
【0035】
呼吸用加湿システム100は中間コネクタ214を含み、中間コネクタ214は、吸気肢202の第1の区分202aと第2の区分202bとの要素を電気的に結合するように構成することができる。中間コネクタ214は、第1の区分202aの加熱器ワイヤ206aを第2の区分202bの加熱器ワイヤ206bに電気的に結合して、制御装置122を用いた加熱器ワイヤ206a、206bの制御を可能にするように構成することができる。中間コネクタ214は、第2の区分202bの第2のセンサ204bを第1の区分の第1のセンサ204aに電気的に結合して、制御装置122がセンサのそれぞれの出力を取得することができるように構成することができる。中間コネクタ214は、加熱器ワイヤ206a、206bの選択的制御、および/またはセンサ204a、204bの選択的読取りを可能にする電気構成要素を含むことができる。例えば、中間コネクタ214は、第1のモードでは第1の加熱器ワイヤ206aを通して電力を送り、第2のモードでは第1および第2の加熱器ワイヤ206a、206bを通して電力を送る電気構成要素を含むことができる。中間コネクタ214に含まれる電気構成要素としては、例えば、限定はしないが、抵抗、ダイオード、トランジスタ、リレー、整流器、スイッチ、コンデンサ、インダクタ、集積回路、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、RFIDチップ、ワイヤレス通信センサなどを挙げることができる。幾つかの実施形態では、中間コネクタ214は、外部要素から実質的に遮蔽される(例えば、吸気肢202の外部の環境からの水、微粒子、汚染物質などの1%未満しか中間コネクタ214に接触しない)ように、吸気肢202の内部に構成することができる。幾つかの実施形態では、中間コネクタ214にある電気構成要素の幾つかは、湿気への露出により生じ得る損壊を減少または防止するために、吸気肢202内部の加湿ガスから物理的に隔離されるように構成することができる。幾つかの実施形態では、中間コネクタ214は、コストを減少させるためおよび/または信頼性を高めるために、比較的安価な受動電気構成要素を含むことができる。
【0036】
吸気肢202は、吸気肢のそれぞれの区分202a、202b内にセンサ204a、204bを含むことができる。第1のセンサ204aは、保育器208の近くで、第1の区分202aの端部付近に位置決めすることができ、それにより、第1のセンサ204aから導出されるパラメータは、第2の区分202bに入る加湿ガスのパラメータに対応する。第2のセンサ204bは、第2の区分202bの端部付近に位置決めすることができ、それにより、第2のセンサ204bから導出されるパラメータは、患者または使用者に送給される加湿ガスのパラメータに対応する。センサ204a、204bの出力は、吸気肢の区分202a、202bの加熱要素206a、206bに送られる電力を制御する際に使用するためのフィードバックとして制御装置122に送信することができる。幾つかの実施形態では、センサ204a、204bの一方または両方は、温度センサ、湿度センサ、酸素センサ、流量センサなどでよい。温度センサは、例えば、限定はしないが、サーミスタ、熱電対、デジタル温度センサ、トランジスタなどを含めた任意の適切なタイプの温度センサでよい。センサによって提供される、またはセンサから導出されるパラメータは、例えば、限定はしないが、温度、湿度、酸素含有量、流量、またはこれらの任意の組合せなどを含むことができる。
【0037】
制御装置122は、加熱器ワイヤ206aおよび206bの制御、センサ204aおよび204bからのフィードバックの受信、加熱器ワイヤ206aおよび206bへの電力を制御するための論理の提供、センサ204aおよび204bからの読取値に応じた加熱器ワイヤ206aおよび206bの制御の調節、吸気肢202の第2の区分202bの存在の検出、センサ204aおよび204bからの読取値からのパラメータの導出などを行うように構成することができる。幾つかの実施形態では、制御装置122は、加熱器ワイヤに電力を送るように構成された電源を含む。電源は、交流電源でも直流電源でもよい。幾つかの実施形態では、制御装置122は、加熱器プレートセンサ130からの入力を受信することができる。加熱器プレートセンサ130は、加熱器プレート120の温度および/または電力使用量に関する情報を制御装置122に提供することができる。幾つかの実施形態では、制御装置122は、流量センサ132からの入力を受信することができる。任意の適切な流量センサ132を使用することができ、流量センサ132は、周囲空気と加湿チャンバ114との間、または加圧ガス源102と加湿チャンバ114との間に位置決めすることができる。図示されるシステムでは、流量センサ132は、加湿チャンバ114の入口ポート124に位置決めされる。
【0038】
区分化された吸気肢
図2は、呼吸用加湿システム100と共に使用するための区分化された吸気肢202の一部を示し、区分化された吸気肢202は、第1の区分202aと第2の区分202bを備え、中間コネクタ214を有し、中間コネクタ214は、それぞれ区分202aおよび202b内にある第1の加熱器ワイヤ206aを第2の加熱器ワイヤ206bに結合し、第1のセンサ204aを第2のセンサ204bに結合するように構成される。2つの区分202aと202bの結合は、加湿ガスを使用者に送給することができる単一の管路を形成するように区分を機械的に結合することを含むことができ、ここで、区分202aと202bの機械的な結合により、それぞれの加熱器ワイヤ206a、206bとそれぞれのセンサ204a、204bとを中間コネクタ214によって電気的に結合させることができる。
【0039】
区分化された吸気肢202は、加湿ガスが通ることができる内腔を形成する構造216を備えることができる。構造216は、加熱器ワイヤ206aまたは206bを収容するように構成された構造216の壁に形成された経路を含むことができ、それにより、加熱器ワイヤ206aまたは206bは、内腔を通って進む加湿ガスから遮蔽され、および/または露出されないように構造216の外面によって覆われる。例えば、構造216は、螺旋気泡管でよく、加熱器ワイヤ経路は、管内に成形されたコイルである。構造216は、任意のタイプの適切な材料を備えることができ、断熱材料および/または可撓性材料を含むことができる。幾つかの実施形態では、構造216および中間コネクタ214は、第1の区分202aと第2の区分202bが機械的に結合されるときに、加熱器ワイヤ206aおよび206bが中間コネクタ214に電気的に結合されるように中間コネクタ214の周りに巻き付くように構成することができる。幾つかの実施形態では、第1の区分202aおよび/または中間コネクタ214は、第2の区分202bに接続するためのフライングリードをなくすこともでき、それにより、第1の区分202aへの第2の区分202bの接続を容易にする。
【0040】
第1の区分202aと第2の区分202bの相補的端部での構造216は、中間コネクタ214を収容するように構成することができる。したがって、中間コネクタ214は、吸気肢202の内部にあってよい。幾つかの実施形態では、第1の区分202aと第2の区分202bの相補的端部は、吸気肢202を通って進む加湿ガスから中間コネクタ214を遮蔽するように構成することができる。幾つかの実施形態では、中間コネクタ214は、吸気肢202の内部にあり、かつ管路内の加湿ガスから遮蔽され、それにより、中間コネクタ214での電気接続線の露出を減少または防止する。
【0041】
幾つかの実施形態では、第1の加熱器ワイヤ206aは、2つのワイヤ218と220を備えることができ、第2の加熱器ワイヤ206bは、2つのワイヤ222と224を備えることができる。第1の区分202aの2つのワイヤ218と220は、電気構成要素228を介して互いに電気的に結合させることができ、電気的結合は、ワイヤ218と、電気構成要素228の少なくとも一部分と、ワイヤ220とを通る電気経路を作成する。同様に、第2の区分202bの2つのワイヤ222と224は、電気構成要素228を介して互いに電気的に結合させることができ、および/または、例えば
図3A、
図3B、
図8A、
図8B、
図9、および
図13を参照して本明細書でより詳細に述べる患者端部コネクタ(図示せず)を介して、中間コネクタ202bと反対側の区分202bの端部で互いに電気的に短絡させることができる。第2の区分202bのワイヤ222と224を中間コネクタ214で結合させることによって、吸気肢202の患者端部での電気接続線が減少または省略され、これは、コスト、システムの複雑さ、および/または患者への危険を減少させることができる。
【0042】
中間コネクタ214は、単一の制御装置が加熱器ワイヤ206a、206bへの電力を制御できるように構成することができ、制御装置は、
図1を参照して本明細書で述べた加湿器制御装置122でよい。幾つかの実施形態では、加湿器制御装置122は、中間コネクタ214に位置される追加の制御機能なしで加熱器ワイヤを制御する。例えば、中間コネクタ214は、論理回路を有さない受動構成要素を含むことができ、受動構成要素は、制御装置122によって選択される加熱器ワイヤ206aおよび/または206bに電力を送る。これは、比較的安価な構成要素を使用して中間コネクタ214を設計できるようにし、設計の複雑さを減少させることができる。
【0043】
幾つかの実施形態では、区分202aおよび202bの加熱は、各区分202a、202b内で最大4本のワイヤを使用して達成することができる。例えば、第1の区分202aでは、4本のワイヤは、第1の加熱器ワイヤ218、第2の加熱器ワイヤ220、信号センサワイヤ228、および帰還センサワイヤ230を含むことができる。第2の区分202bでは、4本のワイヤは、第1の加熱器ワイヤ222、第2の加熱器ワイヤ224、信号センサワイヤ232、および帰還センサワイヤ234を含むことができる。第2の加熱器ワイヤ222、224を第1の加熱器ワイヤ218、220に接続点226で結合させることによって、および第2のセンサワイヤ232、234を第1のセンサワイヤ228、230に接続点226で結合させることによって、区分202aまたは202b内に5本以上のワイヤを含まずに、制御装置は、第1の加熱器ワイヤ206aと第2の加熱器ワイヤ206bに個別に電力を提供し、センサ204aと204bから個別にセンサデータを読み取るように構成することができる。幾つかの実施形態では、加熱器ワイヤ206aおよび206bの制御、ならびにセンサ204aおよび204bの読取りは、各区分内で3本以下のワイヤを使用して(例えば、3本のワイヤを使用して、または2本のワイヤを使用して)達成することもでき、または各区分内で5本以上のワイヤを使用して(例えば、5本のワイヤを使用して、6本のワイヤを使用して、7本のワイヤを使用して、8本のワイヤを使用して、または9本以上のワイヤを使用して)達成することもできる。
【0044】
中間コネクタ214は、制御装置122が加熱器ワイヤ206a、206bを選択的に制御できるように構成された電気構成要素228を含むことができる。制御装置122は、2つのモードを使用して吸気肢202の加熱を制御するように構成することができ、第1の制御モードは、第1の区分内の加熱器ワイヤ206aに電力を提供することを含み、第2の制御モードは、第1および第2の区分202aおよび202b内の加熱器ワイヤ206aおよび206bに電力を提供することを含む。したがって、制御装置122は、加熱器ワイヤ区間を個別に制御するように構成することができる。この機能により、制御装置122は、第2の区分202bが存在しないときには、第1の制御モードに従って吸気肢の加熱のみを制御することによって吸気肢202の加熱を制御できるようになり、それにより、制御装置122または加湿ユニット108を変更することなく様々な状況で呼吸用加湿システム100を使用できるようにする。幾つかの実施形態では、制御モードは、第2の区分202b内の加熱器ワイヤ206bのみに電力が送られるモードを含むことができる。幾つかの実施形態では、制御装置122は、電流を提供する電源を含む。第1および第2の制御モードは、電源によって供給される電圧に少なくとも一部基づくことがあり、正の電圧または正の電流が第1の制御モードをトリガすることができ、負の電圧または負の電流が第2の制御モードをトリガすることができる。幾つかの実施形態では、電源は、整流されたACまたはDC電力を加熱器ワイヤ206a、206bに提供し、整流または極性の変化が、制御モードの変更をトリガする。制御モードを切り換えることによって、出力信号の極性を切り換えることができる任意の電源を用いて呼吸回路200内の加熱の制御を達成することができる。幾つかの実施形態では、加熱器ワイヤ206a、206bに印加される電力のデューティサイクルを調節することによって、加熱器ワイヤ206a、206bに提供される電力の量を調節することができる。例えば、パルス幅変調(PWM)を使用して加熱器ワイヤ206a、206bに電力供給することができ、送られる電力を制御するためにPWMのデューティサイクルを調節することができる。別の例では、電力信号の振幅を制御することによって、加熱器ワイヤ206a、206bに提供される電力の量を調節することができる。
【0045】
中間コネクタ214は、制御装置122がセンサ204a、204bを選択的に読み取ることができるように構成された電気構成要素230を含むことができる。
図6A、
図6B、および
図7を参照して本明細書で述べるように、選択的読取りは、電流源の使用によって達成することができ、ワイヤ228~230にわたって正の電流を印加することにより、制御装置122が第1のセンサ204aからの信号を測定し、ワイヤ228および230にわたって負の電流を印加することにより、制御装置122が第2のセンサ204bから、または第1のセンサ204aと第2のセンサ204bの両方からの信号を測定する。制御装置122は、センサ204a、204bからの読取値を使用して、例えばパルス幅変調を使用して加熱器ワイヤ206a、206bへの電力を調節することができる。第1のセンサ204aは、第1の区分202aと第2の区分202bとの接続点または交差点付近に位置決めすることができ、第2の区分202bに入る(これは、異なる周囲温度を有する保育器または他のそのような領域に入ることに相当することがある)ガスのパラメータを制御装置122に提供する。第2のセンサ204bは、第2の区分202bの患者端部に位置決めすることができ、患者に送給されるガスのパラメータ、またはYピースなど患者の上流の最終部片の前でのガスのパラメータを制御装置122に提供する。制御装置122は、これらの読取値を使用して、加熱器ワイヤ206a、206bへの電力を調節し、吸気肢202の患者端部でのガスの温度を目標温度または適切な温度で保つことができる。目標温度または適切な温度は、少なくとも一部は、使用される用途および環境に応じて異なることがあり、約37℃、約40℃、少なくとも約37℃および/または約38℃以下、少なくとも約36.5℃および/または約38.5℃以下、少なくとも約36℃および/または約39℃以下、少なくとも約35℃および/または約40℃以下、少なくとも約37℃および/または約41℃以下、または少なくとも約39.5℃および/または約40.5℃以下でよい。幾つかの実施形態では、第2のセンサ204bは、保育器の内部に位置決めすることができるが、呼吸回路には取り付けられない。例えば、保育器内部のパラメータを測定することによって、第2の区分202bの温度を計算することができる。
【0046】
制御装置122は、本明細書で述べるように、第1および第2の制御モードで送られる電力の量を独立して制御することができる。センサ204aおよび/または204bからのフィードバックに少なくとも一部基づいて、制御装置122は、第1および第2の制御モードで送られる電力を独立して調節し、それにより第1の区分202aと第2の区分202bとの加熱器電力の比を変えることができる。
【0047】
幾つかの実施形態では、第1のセンサ204aは、吸気肢202内部のガスの流れの中に位置決めされる。幾つかの実施形態では、中間コネクタ214または第1の区分202aは、第1の温度センサ204aを横切るガスの流れの乱流を減少させる機械構成要素を含むことができ、これは、センサ204aの読取値の精度を高めることができる。例えば、機械的コネクタは、空気力学的断面を有することができ、その幾つかの例を、
図15B~
図15Eを参照して患者端部コネクタについて述べる。幾つかの実施形態では、乱流を減少させる機械的構成要素(例えば吸気管路内部のクロスメンバ部材)はまた、ガスの流れの中でセンサ204aを固定する。幾つかの実施形態では、中間コネクタ214および機械的構成要素は、中間コネクタ214にある電気構成要素からセンサ204aを断熱するように構成され、これは、例えばセンサ204aが温度センサである場合に有利となり得る。
【0048】
幾つかの実施形態では、中間コネクタ214は、
図2に示される接続点26に加えて、追加の接続点を含む。追加の接続点を使用して、呼吸回路にさらなる機能を組み込むことができ、例えば、メモリデバイス(PROM)、マイクロコントローラ、追加の回路などを組み込むことができる。
【0049】
中間コネクタ回路
図3Aは、例示的な中間コネクタ214の回路図を示し、中間コネクタ214は、呼吸回路の区分化された吸気肢内の加熱器ワイヤに電力を提供するための能動整流電源を含み、回路は、第1のモードでは、吸気肢の第1の区分内の加熱器ワイヤR1およびR2に電力供給し、第2のモードでは、両方の区分内の加熱器ワイヤR1、R2、R3、R4に電力供給するように構成されている。代替として、中間コネクタ214にあるダイオードD1およびD2と、スイッチS1およびS2とを提供することによって、加熱器ワイヤR1およびR2(ここでは抵抗が加熱器ワイヤである)を通して、または加熱器ワイヤR1、R2、R3、およびR4を通して電力を印加することができる。
【0050】
電源は、符号VPおよびVNを用いて図中に示されており、これらの符号は、電源の端子に対応する。一実施形態では、電圧供給源は、交流(AC)電源である。代替として、電源は、直流(DC)電源でもよい。この実施形態ではダイオードとして述べるが、D1およびD2は、例えば、限定はしないが、整流器、トランジスタ、リレー、スイッチ、トライアック、MOSFET、サイリスタ(SCR)、サーモスタットなど、複数の異なるタイプの流量制御デバイスの任意のものを含むことができる。
【0051】
スイッチS1およびS2は、電源のVP端子とVN端子の間での切換えを行う。一実施形態では、スイッチS1およびS2は、AC電力サイクルの半サイクルごとに切り換えられ、それにより、各半サイクル中にほぼ等しい電流が電源から引き出される。
図3Aに示される回路を使用して、加熱器R1、R2、R3、およびR4を2つの制御モードで制御することができ、第1の制御モードは、R1およびR2のみへの電力の提供に対応し、第2の制御モードは、R1、R2、R3、およびR4への電力の提供に対応する。第1の区分202a内の加熱器R1およびR2のみに電力を提供する(これは第1の制御モードに対応する)ために、電源からの正サイクル中には、スイッチS1はVPに接続し、スイッチS2はVNに接続し、電源からの負サイクル中には、スイッチS1はVNに接続し、スイッチS2はVPに接続する。第1の制御モードでは、電流は、R1、R2、およびD1を通って流れ、D2は、R3およびR4を通って電流が流れないようにする。第1および第2の区分202a、202b内の加熱器R1、R2、R3、およびR4に電力を提供する(これは第2の制御モードに対応する)ために、電源からの正サイクル中に、スイッチS1はVNに接続し、スイッチS2はVPに接続し、電源からの負サイクル中には、スイッチS1はVPに接続し、スイッチS2はVNに接続する。第2の制御モードでは、電流は、R1、R2、R3、R4、およびD2を通って流れ、D1は、電流が加熱器R3およびR4を通らずにワイヤを流れて短絡しないようにする。
図5を参照して本明細書で述べるように、スイッチS1およびS2の切換えは、システムに論理を追加するハードウェアまたはソフトウェアによって達成することができる。幾つかの実施形態では、S1およびS2の切換えは、AC電力回路のゼロ交差で行われる。幾つかの実施形態では、ゼロ交差回路の立ち下りエッジと立ち上りエッジが同じ量だけ遅延されず、ゼロ交差付近では回路がアクティブでない。したがって、スイッチS1およびS2の切換えは、ゼロ交差スイッチング検出および/または論理を用いて、または用いずに行うことができる。
【0052】
ダイオードD1およびD2が、回路内で電力を損失し、したがって熱を発生することがある。幾つかの実施形態では、比較的高温の環境で電力損失を減少させることが望ましい場合には、ショットキーダイオードを使用することができる。ショットキーダイオードは、電力損失を減少または最小化するために最大接合温度付近で動作させることができ、これは、本明細書で述べる呼吸用加湿システムの特定の実装形態で望ましいことがある。幾つかの実施形態では、ダイオードによって発生される熱は、センサ204aの温度読取値に影響を及ぼすことがある。この影響を減少させるために、ダイオードは、回路の気流経路に熱的に接続させることができる。この影響を減少させ、ダイオードによって発生される熱を放散させるために、周囲環境に熱的に結合されたヒートシンクまたはパッドを中間コネクタ214に含めることができる。この影響、および中間コネクタ214に対する他の構成要素の影響を減少させるために、
図14A~Bおよび
図15を参照して述べるように、センサ204a(例えばサーミスタまたは他の温度センサ)を、それらの構成要素から断熱し、他の構成要素から物理的に比較的離して位置させることができる。
【0053】
図3Bは、例示的な中間コネクタ214の別の回路図を示し、中間コネクタ214は、呼吸回路の区分化された吸気肢内の加熱器ワイヤに電力を提供するための能動整流電源を含み、回路は、第1のモードでは、吸気肢の第1の区分内の加熱器ワイヤR1およびR2に電力供給し、第2のモードでは、両方の区分内の加熱器ワイヤR1、R2、R3、R4に電力供給するように構成されている。
図3Bに示されるように、ダイオードD1のみを提供することができ、それでも、加熱器ワイヤR1およびR2を通る、または加熱器ワイヤR1~R4を通る電力の経路は、
図3Aに関して前述したのと同様に制御することができる。
図3Aの回路に示したダイオードD2は省かれている。ただ1つのダイオードD1を有する
図3Bに示される回路により、回路によって発生される熱を減少させ、部品コストを低減し、回路板をより小さくすることができる。
図3Bに示される回路の残りの部分は、
図3Aの説明と同様の様式で動作する。
図3Bに示されるようにD2を備えない実施形態では、電流のほとんどがR1、R2、およびD1を通って流れ、残余電流のみがR3およびR4を通って流れる。R3およびR4を通る残余電流は無視することができ、したがって加湿システムの性能に影響を及ぼさない。
【0054】
図3Aおよび
図3Bに関して述べたAC操作に加えて、同様の回路を、DC電源を用いて動作させることもできる。スイッチS1およびS2は、例えば、時間、電源の出力電流、センサからのフィードバック、または他の制御入力に少なくとも一部基づいて切り換えることができる。また、そのような実施形態では、
図3Aまたは
図3Bに示される回路を使用して、2つの制御モードで加熱器R1、R2、R3、およびR4を制御することができ、ここで、第1の制御モードは、R1およびR2のみへの電力の提供に対応し、第2の制御モードは、R1~R4への電力の提供に対応する。第1の区分202a内の加熱器R1およびR2のみに電力を提供する(これは第1の制御モードに対応する)ために、スイッチS1はVPに接続し、スイッチS2はVNに接続する。第1の制御モードでは、電流は、R1、R2、およびD1を通って流れる。D2は、
図3Aに示される回路内でR3およびR4を通って電流が流れないようにする。しかし、
図3Bに示されるように、D2は任意選択の構成要素である。第1および第2の区分202a、202b内の加熱器R1、R2、R3、およびR4に電力を提供する(これは第2の制御モードに対応する)ために、スイッチS1はVNに接続し、スイッチS2はVPに接続する。第2の制御モードでは、電流は、R1、R2、R3、R4を通って流れ、D1は、電流が加熱器R3およびR4を通らずにワイヤを流れて短絡しないようにする。前述したように、
図5を参照して本明細書で述べるように、システムに論理を追加するハードウェアまたはソフトウェアによってスイッチングを達成することができる。
【0055】
吸気肢および呼気肢加熱器の制御
さらに、
図1は、吸気肢202と呼気肢210を有する例示的な呼吸用加湿システム100を示し、加湿システム100は、両方の肢での加熱器ワイヤ206、212を制御するように構成される。幾つかの実施形態では、呼気肢210内の加熱器ワイヤ212は、加湿ユニット108および制御装置122の外部の吸気加熱器ワイヤ206に電気的に結合させることができ、それにより、呼気加熱器ワイヤ212の制御は、他の制御モードに影響を及ぼさずに、かつ追加のスイッチングトランジスタを用いずに実施することができる。同様に、呼気加熱器ワイヤ212は、加湿ユニット108の内部の吸気加熱器ワイヤ206に電気的に結合させることもできる。吸気加熱器ワイヤ206への呼気加熱器ワイヤ212の接続は、加湿システム108内、中間コネクタ214上、加湿システム108でのセンサカートリッジ内などで行うことができる。したがって、制御装置122は、患者端部での追加の電気接続線なしで呼気加熱器ワイヤ212を制御することができる。そのような電気接続線の存在は、危険、システムの複雑さ、およびコストを高めることがある。加湿ユニット108の内部での呼気加熱器ワイヤ212と吸気加熱器ワイヤ206との電気的結合の例が、
図4A~
図4D、
図8A、および
図8Bに示されている。
【0056】
図4Aを参照すると、加湿ユニット108は、スイッチまたはリレーS3およびS4を組み込んで、吸気加熱器ワイヤと呼気加熱器ワイヤの独立制御と従属制御の間で選択を行うことができる。幾つかの実施形態では、スイッチまたはリレーは、例えば加湿ユニット108によって識別抵抗器を検出および/または測定することによって、適切な識別を有する管(例えば吸気肢または呼気肢)が加湿ユニット108に接続されるときに作動される。例えば、スイッチが作動されていない(例えば両方のスイッチS3、S4が開いている)とき、吸気肢内の加熱器ワイヤおよび/または呼気肢内の加熱器ワイヤは、個別におよび/または独立して制御することができる。
【0057】
適切な管が接続されるとき、または管が適切であるとシステムが判断するとき、吸気肢と呼気肢を同時に制御するためにスイッチS3およびS4を閉じることができる。加湿ユニット108は、吸気電源INSPおよび呼気電源EXPを含むことができ、ここで、システムは、
図3Aおよび
図3Bを参照して本明細書で述べる各電源の切換えを実施することができる。例えば、
図3Aを参照すると、吸気電源は、加熱器R1~R4に正および負サイクルを選択的に送るように構成されたスイッチS1およびS2を有することができる。同様に、
図4Aを参照すると、呼気電源EXPは、加熱器R5およびR6を有する呼気肢に電力を選択的に送るように構成されたスイッチを含むことができる。幾つかの実施形態では、スイッチS3およびS4が閉じられるとき、呼気電源EXP内の両方のスイッチを開くことができ、それにより、吸気電源INSPによって吸気加熱器ワイヤおよび呼気加熱器ワイヤに電力が提供される。幾つかの実施形態では、加湿ユニット108は、呼気電源EXPを含まない。そのような実施形態では、吸気電源INSPを使用して、スイッチS3およびS4が開いているときには吸気加熱器ワイヤに電力を提供し、スイッチS3およびS4が閉じているときには吸気加熱器ワイヤと呼気加熱器ワイヤの両方に電力を提供する。したがって、吸気肢加熱器ワイヤ206は、前述したのと同様に制御することができるが、ここでは、システムは、スイッチS3、S4を使用して、統一された電気回路および/または制御システムを用いて、呼気加熱器ワイヤ212と吸気加熱器ワイヤ206への電力を同時に制御することができる。例えば、加湿ユニット108は、吸気肢202に対して2つのモード(例えば、加湿ユニット108が加熱器R1およびR2に電力を提供する第1のモードと、加熱器R1~R4に電力を提供する第2のモード)で動作し、それと同時に、呼気肢内の加熱器R5およびR6への電力を選択的に制御することができ、したがって、加湿ユニット108は、第1のモードで、第2のモードで、または両方のモードで動作しながら、加熱器R5およびR6に電力を提供することも、加熱器R5およびR6に電力を提供しないことも可能である。前述したように、吸気肢202と呼気肢210の接続は、加湿ユニット108の内部または外部で行うことができる。一実施形態では、接続は、センサカートリッジ内、中間コネクタ214、または別の位置で行われる。
【0058】
幾つかの実施形態では、呼気加熱器ワイヤ212を制御装置122に接続するように構成された呼気回路を、
図1に示される中間コネクタ214に実装することができる。呼気回路は、幾つかの方法の1つまたは複数で接続することができる。例えば、呼気回路は、第1の区分202a内の加熱器ワイヤ206aと平行に、または第2の区分202b内の加熱器ワイヤ206bと平行に接続することができる。幾つかの実施形態では、中間コネクタ214は、中間コネクタ214で呼気回路を利用可能にする内部フライングリードを含むことができる。幾つかの実施形態では、中間コネクタ214を、追加された第3のチャネルに接続させることができ、それにより、吸気回路と呼気回路との間のフライングリードをなくす。そのような実施形態に対処するために、加熱器ワイヤドライバ制御回路を制御装置122に追加することができる。
【0059】
図4Bは、スイッチまたはリレーS1~S6とダイオードD1との組合せによって、吸気加熱器ワイヤR1~R4と呼気加熱器ワイヤR5およびR6との両方に電力を提供するために電源405を組み込む加湿システムの例示的実施形態を示す。例示的実施形態では、加湿システムは、(例えば第1の動作モードで)吸気肢の第1の区分内の吸気加熱器ワイヤR1、R2のみが電力を受け取っているとき、または(例えば第2の動作モードで)両方の区分内の吸気加熱器ワイヤR1~R4が電力を受け取っているときに、呼気加熱器ワイヤに電力を提供するように構成される。電源405は、例えば正弦波、鋸波、方形波、または他の形態での交流を提供する電源を含む任意の適切な電源でよい。幾つかの実施形態では、電源405は、少なくとも約22VAC、少なくとも約5VACまたは約30VAC以下、少なくとも約10VACまたは約25VAC以下、少なくとも約12VACまたは約22VAC以下の電圧で交流信号を提供する変圧器でよい。
【0060】
図4Bを引き続き参照すると、加湿システムは、電源405が負サイクルで電力を提供している間に、第1の動作モードで呼気加熱器ワイヤR5、R6に電力を提供するように構成することができる。それを行うために、スイッチS1、S2、S5、S6を閉じ、スイッチS3、S4を開く。電流は、電源405の負端子からスイッチS2を通って流れ、吸気肢と呼気肢の両方の加熱器ワイヤに電力を提供するように分岐する。吸気肢では、電流は、吸気加熱器ワイヤR2に流れ、次いでD1を通って吸気加熱器ワイヤR1に流れ、次いでスイッチS1を通って電源405の正端子に戻る。呼気肢では、電流は、スイッチS6を通って呼気加熱器ワイヤR5に流れ、次いで呼気加熱器ワイヤR6に流れ、次いでスイッチS5およびS1を通って電源405の正端子に戻る。
【0061】
同様に、
図4Bを引き続き参照すると、加湿システムは、電源405が正サイクルで電力を提供している間に、第1の動作モードで呼気加熱器ワイヤR5、R6に電力を提供するように構成することができる。それを行うために、スイッチS3、S4、S5、S6を閉じ、スイッチS1、S2を開く。電流は、電源405の正端子からスイッチS3を通って流れ、吸気肢と呼気肢の両方の加熱器ワイヤに電力を提供するように分岐する。吸気肢では、電流は、スイッチS6を通って吸気加熱器ワイヤR2に流れ、次いでダイオードD1を通って吸気加熱器ワイヤR1に流れ、次いでスイッチS5およびS4を通って電源405の負端子に戻る。呼気肢では、電流は、呼気加熱器ワイヤR5に流れ、次いで呼気加熱器ワイヤR6に流れ、次いでスイッチS4を通って電源405の負端子に戻る。
【0062】
図4Bを引き続き参照すると、加湿システムは、電源405が正サイクルで電力を提供している間に、第2の動作モードで呼気加熱器ワイヤR5、R6に電力を提供するように構成することができる。それを行うために、スイッチS1、S2、S5、S6を閉じ、スイッチS3、S4を開く。電流は、電源405の正端子からスイッチS1を通って流れ、吸気肢と呼気肢の両方の加熱器ワイヤに電力を提供するように分岐する。吸気肢では、電流は、吸気加熱器ワイヤR1に流れ、次いでダイオードD1を通らずに吸気加熱器ワイヤR3に流れ、次いで吸気加熱器ワイヤR4に流れ、次いで吸気加熱器ワイヤR2に流れ、次いでスイッチS2を通って電源405の負端子に戻る。呼気肢では、電流は、スイッチS5を通って呼気加熱器ワイヤR6に流れ、次いで呼気加熱器ワイヤR5に流れ、次いでスイッチS6およびS2を通って電源405の負端子に戻る。
【0063】
同様に、
図4Bを引き続き参照すると、加湿システムは、電源405が負サイクルで電力を提供している間に、第2の動作モードで呼気加熱器ワイヤR5、R6に電力を提供するように構成することができる。それを行うために、スイッチS3、S4、S5、S6を閉じ、スイッチS1、S2を開く。電流は、電源405の負端子からスイッチS4を通って流れ、吸気肢と呼気肢の両方の加熱器ワイヤに電力を提供するように分岐する。吸気肢では、電流は、スイッチS5を通って吸気加熱器ワイヤR1に流れ、次いでダイオードD1を通らずに吸気加熱器ワイヤR3に流れ、次いで吸気加熱器ワイヤR4に流れ、次いで吸気加熱器ワイヤR2に流れ、次いでスイッチS6およびS3を通って電源405の正端子に戻る。呼気肢では、電流は、呼気加熱器ワイヤR6に流れ、次いで呼気加熱器ワイヤR5に流れ、次いでスイッチS3を通って電源405の正端子に戻る。
【0064】
図4Cは、スイッチまたはリレーS1~S6とダイオードD1、D2との組合せによって、吸気加熱器ワイヤR1~R4と呼気加熱器ワイヤR5およびR6との両方に電力を提供するために電源405を組み込む加湿システムの例示的実施形態を示す。例示的実施形態では、加湿システムは、(例えば第1の動作モードで)吸気肢の第1の区分内の吸気加熱器ワイヤR1、R2のみが電力を受け取っているとき、呼気加熱器ワイヤに電力を提供するように構成される。
【0065】
図4Cを引き続き参照すると、加湿システムは、電源405が負サイクルで電力を提供している間に、第1の動作モードで呼気加熱器ワイヤR5、R6に電力を提供するように構成することができる。それを行うために、スイッチS1、S2、S5、S6を閉じ、スイッチS3、S4を開く。電流は、電源405の負端子からスイッチS2を通って流れ、吸気肢と呼気肢の両方の加熱器ワイヤに電力を提供するように分岐する。吸気肢では、電流は、吸気加熱器ワイヤR2に流れ、次いでD1を通って吸気加熱器ワイヤR1に流れ、次いでスイッチS1を通って電源405の正端子に戻る。呼気肢では、電流は、スイッチS6およびダイオードD2を通って呼気加熱器ワイヤR5に流れ、次いで呼気加熱器ワイヤR6に流れ、次いでスイッチS5およびS1を通って電源405の正端子に戻る。
【0066】
同様に、
図4Cを引き続き参照すると、加湿システムは、電源405が正サイクルで電力を提供している間に、第1の動作モードで呼気加熱器ワイヤR5、R6に電力を提供するように構成することができる。それを行うために、スイッチS3、S4、S5、S6を閉じ、スイッチS1、S2を開く。電流は、電源405の正端子からスイッチS3を通って流れ、吸気肢と呼気肢の両方の加熱器ワイヤに電力を提供するように分岐する。吸気肢では、電流は、スイッチS6を通って吸気加熱器ワイヤR2に流れ、次いでダイオードD1を通って吸気加熱器ワイヤR1に流れ、次いでスイッチS5およびS4を通って電源405の負端子に戻る。呼気肢では、電流は、ダイオードD2を通って呼気加熱器ワイヤR5に流れ、次いで呼気加熱器ワイヤR6に流れ、次いでスイッチS4を通って電源405の負端子に戻る。
【0067】
図4Cを引き続き参照すると、加湿システムは、電源405が正サイクルで電力を提供している間に、第2の動作モードで吸気加熱器ワイヤR1~R4のみに電力を提供する(呼気加熱器ワイヤR5、R6には電力を提供しない)ように構成することができる。それを行うために、スイッチS1、S2、S5、S6を閉じ、スイッチS3、S4を開く。電流は、電源405の正端子からスイッチS1を通って吸気加熱器ワイヤR1に流れ、次いでダイオードD1を通らずに吸気加熱器ワイヤR3、吸気加熱器ワイヤR4、吸気加熱器ワイヤR2に流れ、スイッチS2を通って電源405の負端子に戻る。電流は、ダイオードD2により、呼気加熱器ワイヤを通っては流れない。ダイオードD2は、正サイクルでは、上述したように構成されたスイッチと共に、その回路を通る電流の流れを遮断する。
【0068】
図4Cを引き続き参照すると、加湿システムは、電源405が負サイクルで電力を提供している間に、第2の動作モードで吸気加熱器ワイヤR1~R4のみに電力を提供する(呼気加熱器ワイヤR5、R6には電力を提供しない)ように構成することができる。それを行うために、スイッチS3、S4、S5、S6を閉じ、スイッチS1、S2を開く。電流は、電源405の正端子からスイッチS4およびS5を通って吸気加熱器ワイヤR1に流れ、次いでダイオードD1を通らずに吸気加熱器ワイヤR3、吸気加熱器ワイヤR4、吸気加熱器ワイヤR2に流れ、スイッチS6およびS3を通って電源405の負端子に戻る。電流は、ダイオードD2により、呼気加熱器ワイヤを通っては流れない。ダイオードD2は、負サイクルでは、上述したように構成されたスイッチと共に、その回路を通る電流の流れを遮断する。
【0069】
図4Dは、電源405を組み込む加湿システムの例示的実施形態を示し、スイッチまたはリレーS1~S6とダイオードD1との組合せによって、吸気加熱器ワイヤR1~R4と呼気加熱器ワイヤR5およびR6との両方に電力を提供し、呼気加熱器ワイヤR5、R6は、吸気肢の第1の区分内の加熱器ワイヤの患者端部で吸気加熱器ワイヤR1~R4に電気的に結合され、これは、本明細書で述べる中間コネクタの任意のものなど中間コネクタを生じることができる。
図4Dを参照して述べるように、呼気加熱器ワイヤR5、R6は、吸気加熱器ワイヤR1~R4に中間コネクタで結合されるが、吸気肢と呼気肢の加熱器ワイヤを結合するために、第1の区分内の吸気加熱器ワイヤの後の任意の適切な位置を使用することができる。例示的実施形態では、加湿システムは、吸気肢の両方の区分内の吸気加熱器ワイヤR1~R4が電力を受け取っているときにのみ(例えば第2の動作モードでのみ)、呼気加熱器ワイヤに電力を提供するように構成される。
【0070】
図4Dを引き続き参照すると、加湿システムは、電源405が正サイクルで電力を提供している間に、第2の動作モードで吸気加熱器ワイヤR1~R4および呼気加熱器ワイヤR5、R6に電力を提供するように構成することができる。それを行うために、スイッチS1、S2、S5、S6を閉じ、スイッチS3、S4を開く。電流は、電源405の正端子からスイッチS1を通って吸気加熱器ワイヤR1に流れ、次いでダイオードD1を通らずに、吸気肢の第2の区分と呼気肢との両方の加熱器ワイヤに電力を提供するように分岐する。吸気肢の第2の区分では、電流は、吸気加熱器ワイヤR3に流れ、次いで吸気加熱器ワイヤR4に流れ、中間コネクタに戻る。呼気肢では、電流は、R5に流れ、次いでR6に流れ、中間コネクタに戻る。電流は、次いで吸気加熱器ワイヤR2を通って流れ、次いでスイッチS2を通って電源405の負端子に戻る。
【0071】
同様に、
図4Dを引き続き参照すると、加湿システムは、電源405が負サイクルで電力を提供している間に、第2の動作モードで呼気加熱器ワイヤR5、R6に電力を提供するように構成することができる。それを行うために、スイッチS3、S4、S5、S6を閉じ、スイッチS1、S2を開く。電流は、電源405の負端子からスイッチS4およびS5を通って吸気加熱器ワイヤR1に流れ、次いでダイオードD1を通らずに、吸気肢の第2の区分と呼気肢との両方の加熱器ワイヤに電力を提供するように分岐する。吸気肢の第2の区分では、電流は、吸気加熱器ワイヤR3に流れ、次いで吸気加熱器ワイヤR4に流れ、中間コネクタに戻る。呼気肢では、電流は、R5に流れ、次いでR6に流れ、中間コネクタに戻る。電流は、次いで吸気加熱器ワイヤR2を通って流れ、次いでスイッチS6およびS3を通って電源405の正端子に戻る。
【0072】
図4Dを引き続き参照すると、加湿システムは、電源405が負サイクルで電力を提供している間に、第1の動作モードで吸気肢の第1の区分内の吸気加熱器ワイヤR1およびR2のみに電力を提供する(呼気加熱器ワイヤR5、R6には電力を提供しない)ように構成することができる。それを行うために、スイッチS1、S2、S5、S6を閉じ、スイッチS3、S4を開く。電流は、電源405の負端子からスイッチS2を通って吸気加熱器ワイヤR2に流れ、次いでダイオードD1を通って吸気加熱器ワイヤR1に流れ、次いでスイッチS1を通って電源405の正端子に戻る。
【0073】
同様に、
図4Dを引き続き参照すると、加湿システムは、電源405が正サイクルで電力を提供している間に、第1の動作モードで吸気肢の第1の区分内の吸気加熱器ワイヤR1およびR2のみに電力を提供する(呼気加熱器ワイヤR5、R6には電力を提供しない)ように構成することができる。それを行うために、スイッチS3、S4、S5、S6を閉じ、スイッチS1、S2を開く。電流は、電源405の正端子からスイッチS3およびS6を通って吸気加熱器ワイヤR2に流れ、次いでダイオードD1を通って吸気加熱器ワイヤR1に流れ、スイッチS5およびS4を通って電源405の負端子に戻る。
【0074】
吸気肢の連接延長部の検出
図5は、延長部検出モジュール502を使用して吸気肢の延長部の存在を検出し、吸気肢(例えば吸気肢の第1の区分)、吸気肢の延長部(例えば吸気肢の第2の区分)、および/または呼気肢内の加熱器ワイヤに電力を提供するように構成された例示的システム500のブロック図を示す。例えば
図3A、
図3B、
図4、
図8A、および
図8Bを参照して述べるように、論理モジュール504(ハードウェア、ソフトウェア、または両方の何らかの組合せを備えることができる)は、様々な制御モードに関して述べた切換えを可能にする論理を提供するように構成することができる。論理モジュール504は、呼吸用加湿システム100の一部である集積回路506から信号を受信することができる。幾つかの実施形態では、論理モジュール504は、全体または一部を集積回路506に埋め込まれたソフトウェアであり、集積回路506からの信号を変換する。論理モジュール504と集積回路506の組合せは、ゼロレベル交差、すなわち正から負へまたはその逆に電圧または電流が遷移する点を検出し、制御モジュールに従ってスイッチの状態を変えるように構成することができる。論理モジュール504は、望みの、選択された、または所定の電力出力に従ってPWM信号508a、508bを出力することができ、ここで、PWM信号は、吸気加熱器ワイヤ(INSP HW)、呼気加熱器ワイヤ(EXP HW)、またはその両方に送給される。
【0075】
幾つかの実施形態では、システム500は、第2の区分202bが呼吸回路200に接続されているかどうかを検出するように構成された延長部検出モジュール502を含むことができる。延長部検出モジュール502は、第2の区分202bが接続されている場合には、「イネーブル信号」を生成することができる。論理モジュール504は、「イネーブル信号」を受信し、それに従って切換えを調節することができる。幾つかの実施形態では、「イネーブル信号」は、システム500が吸気回路と呼気回路とを独立して、かつ同時には制御しないことを論理モジュール504に示す。
【0076】
幾つかの実施形態では、延長部検出モジュール502は、吸気回路と呼気回路との両方をオンに切り換え、ハードウェア過電流イベントが検出されるかどうかを検出することによって、第2の区分202bの存在を検出するように構成することができる。それぞれ個別にオンに切り換えられているときには過電流イベントが検出されないが、両方とも同時にオンに切り換えられているときには過電流イベントが検出されるとき、延長部検出モジュール502は、第2の区分202bが接続されていることを示す「イネーブル信号」を生成することができる。幾つかの実施形態では、延長部検出モジュール502は、電流測定を使用して各区間内の識別抵抗器または加熱器ワイヤの抵抗を検出することによって、第2の区分202bの存在を検出することができる。様々な区間の電流測定値に少なくとも一部基づいて、延長部検出モジュール502は、
図3A、
図3B、
図4、
図8A、および
図8Bを参照して上述したように様々な制御モードが実施される様々なサイクルに関する電流測定値が異なる場合に、「イネーブル信号」を生成することができる。
【0077】
センサ回路
図6Aおよび
図6Bは、呼吸用加湿システム100内の例示的な回路図を示し、ここで、回路600は、2つのセンサR1およびR2からのデータを読み取るように構成される。
図6Aおよび
図6Bを参照すると、センサR1およびR2は抵抗を使用して表されているが、例えば、限定はしないが、温度センサ、湿度センサ、流量センサ、酸素センサなど任意の適切なタイプのセンサを使用することができる。幾つかの実施形態では、センサは、サーミスタなどの温度センサでよい。そのような実施形態では、センサR1とR2はそれぞれ、中間コネクタ214での第1のサーミスタと、呼吸回路200の患者端部(例えば患者端部コネクタ)での第2のサーミスタとを表す。2つのサーミスタR1およびR2は、加湿器制御装置122内の電流または電圧源およびスイッチと共に回路600を使用して、呼吸回路200内での2本のワイヤを使用して測定することができる。
図6Aおよび
図6Bを参照するこの説明はサーミスタに関するものであるが、関連付けられる回路に提供される電圧および/または電流に影響を及ぼす他の適切なセンサも適用可能である。
【0078】
センサR1およびR2を選択的に読み取るために、電流は、ライン602および604を介していずれかの極性で供給される。患者端部センサR2を測定するために、加湿器制御装置122は、上部電流供給源を接地するようにスイッチをセットする。次いで、電流は、底部電流供給源からR2を通って流れ、スイッチを通って接地に流れる。ダイオードD1によって、電流はR1を通るのを妨げられる。加湿器制御装置122は、底部電流供給源から接地への電圧降下を測定し、供給される電流および測定された電圧に少なくとも一部基づいてセンサR2の抵抗を導出するように構成することができる。中間コネクタ214に位置決めされたセンサR1を測定するために、加湿器制御装置122は、患者端部センサR2を読み取り、結果を記録することができる。次いで、加湿器制御装置122は、底部電流源を接地するようにスイッチをセットすることができる。次いで、電流は、上部電流供給源からR1およびR2を通って、スイッチを通って接地に流れる。加湿器制御装置122は、上部電流供給源から接地への電圧降下を測定し、供給される電流と、測定された電圧と、R2の抵抗の測定からの記録された結果とに少なくとも一部基づいてセンサR1の抵抗を導出するように構成することができる。幾つかの実施形態では、R1の抵抗の導出時に、D1にわたる電圧降下が考慮に入れられる。
図6Aに示される実施形態では、D1をR1の近くに配置することによって、ダイオードD1の温度を計算することができ、この温度は、D1にわたる電圧降下の計算に使用することができる。
図6Aに示される構成の1つの生じ得る利点は、
図6Bの実施形態に例示されるようにダイオードを通過することなく測定が行われるので、患者端部でのセンサR2の測定がより正確となり得ることである。ダイオードの通過は、不確かさまたは誤差をもたらすことがある。
【0079】
幾つかの実施形態では、
図6Bに示されるように、追加のダイオードD2を中間コネクタ214に追加することができる。そのような実施形態では、加湿器制御装置122は、
図6Aに示し上述した実施形態と同様にセンサR1およびR2を測定するように構成することができる。相違点は、センサR1を測定するときに、R2を通る電流の流れをダイオードD2が妨げるので、電流がR1およびD1を通って流れ、R2を通っては流れないことである。このようにすると、センサR1の測定を、センサR2の測定とは実質的に隔離または分離することができる。センサR1の抵抗の導出と同様に、センサR2の抵抗の導出時には、ダイオードD2にわたる電圧降下を考慮に入れることができる。D1およびD2をR1の近くに配置することによって、ダイオードの温度を計算することができ、この温度は、それぞれD1およびD2にわたる電圧降下の計算時に使用することができる。
【0080】
特定の実施形態では、センサR1、R2の測定は、
図6Aまたは
図6Bの回路に接続された制御装置で実行されるソフトウェアで行われる。回路に供給される電流の方向および量は、そのようなソフトウェアによって制御することができる。センサR1、R2の抵抗の正確な測定は、例えばアナログ/デジタル変換器を使用して電圧を測定することによって得ることができる。ダイオードD1および/またはD2によって引き起こされる変化の影響を最小化または防止するために、ソフトウェアは、同じ方向で2つの異なる電流(I1およびI2)を供給することができる。これにより、2つの異なる電流(I1およびI2)に対応する2つの異なる電圧読取値(V1およびV2)が得られる。これら2つの電圧および電流を使用して、ソフトウェアは、ダイオードD1、D2の電圧降下、およびセンサR1、R2に関する抵抗を求めることができる。センサR1に関して、例えば、電圧降下は、以下の式で求めることができる:Vdrop=((V1*I2-V2*I1)/((V1-V2)/R2+I2-I1))。センサR1の抵抗は、以下の式を使用して計算することができる:R1=(V2-Vdrop)/(I2-V2/R2)。一実施形態では、計算されたVdropは、測定されたVdropから一定の誤差を有し、この誤差は、ソフトウェアで補正される。一実施形態では、Vdropは、誤差補償として約15%だけ増加される。
【0081】
図7は、呼吸用加湿システム100内の例示的な回路図を示し、ここで、回路700は、温度センサとして作用する2つのトランジスタQ1およびQ2を使用して温度データを読み取るように構成される。温度測定は、トランジスタのベースおよびエミッタ端子のpn接合の温度効果に少なくとも一部基づいていてよい。加湿器制御装置122での電流の切換えは、
図6Aおよび
図6Bを参照して述べた回路に関するものと同じでよく、または図示されるように交互構成でもよい。例えば、図示される切換え構成は、2つの電源および2つの接地と共に2つのスイッチを使用して、電力をワイヤに選択的に提供する。第1の構成では、上部スイッチが、上部電源をワイヤ702に電気的に接続し、底部スイッチが、接地をワイヤ704に電気的に接続する。第2の構成では、上部スイッチが、接地をワイヤ702に電気的に接続し、底部スイッチが、底部電源をワイヤ704に電気的に接続する。トランジスタQ1およびQ2を温度センサとして使用することによって、トランジスタが温度センサおよびダイオードの機能を提供するので、ダイオードを省くことができる。
【0082】
呼吸回路ハードウェア構成
図8Aは、吸気肢の第1の区分202aと、吸気肢の第2の区分202bと、呼気肢210とを有する呼吸回路200に関するハードウェア構成800の例示図を示す。ハードウェア構成800は、スイッチまたはリレーS3およびS4を介して加熱器ワイヤHW1とHW2の配線を結合するように、また、センサ204a、204のための配線を結合するように構成された加湿器108を含むことができる。幾つかの実施形態では、加熱器ワイヤHW1、HW2の配線およびセンサ204a、204のための配線を結合するようにセンサカートリッジ802を構成することができる。
図4B~
図4Dを参照して述べたのと同様の機能により、
図4Aを参照して述べたように、スイッチS3、S4を使用して、呼気肢210の加熱器ワイヤHW2への電力を選択的に制御することができる。幾つかの実施形態では、スイッチS3とS4はどちらも、デフォルトで開位置であり、適切な管(例えば適切な識別抵抗器を有する吸気肢または呼気肢)が加湿器108に接続されたときに閉じられる。このようにすると、ハードウェア構成800を使用して、加熱器ワイヤHW1および/または加熱器ワイヤHW2に電力を提供することができる。加熱器ワイヤHW2が電力を受け取っているかどうかに関わらず、加熱器ワイヤHW1を2つのモードで制御することができる。第1のモードでは、第1の加熱器ワイヤ206aが電力を受け取り、第2の加熱器ワイヤ206bは受け取らない。第2のモードでは、第1および第2の加熱器ワイヤ206a、206bが電力を受け取る。図示される実施形態では、加熱器ワイヤHW2は、加熱器ワイヤHW1が第1または第2のモードのいずれかで制御されているときに電力供給することができる。呼気肢の加熱器ワイヤHW2を選択的に制御することができ、吸気肢の加熱器ワイヤHW1は単一のモードであることを理解されたい。例えば、吸気肢の加熱器ワイヤHW1が第1のモード(または第2のモード)で制御されているとき、呼気肢の加熱器ワイヤHW2は、加熱器ワイヤHW1の制御モードを変更せずに、スイッチS3およびS4の動作に少なくとも一部基づいて、電力を受け取る状態と、受け取らない状態を交互に取ることができる。同様に、吸気肢の加熱器ワイヤHW1が第1のモードと第2のモードとの間で変更される一方で、呼気肢の加熱器ワイヤHW2は、電力を受け取る状態のままにすることもできる。
【0083】
ハードウェア構成800は、2つのダイオードを含む中間印刷回路板(PCB)214を含むことができ、一方のダイオードはパワーダイオードD1であり、他方のダイオードは信号ダイオードD3である。中間PCB214は、ヒートパッドを含み、ダイオードD1、D3によって発生される熱を放散させ、センサ204aに対する影響を減少させることができる。ハードウェア構成800は、2つの加熱器ワイヤおよび1つのセンサ204bを有する患者端部PCB804を含むことができ、加熱器ワイヤ206bは電気的に直接結合される。第1の動作モードでは、加熱器ワイヤ206aおよびダイオードD1を通って電流が流れ、一方、加熱器ワイヤ206bを通っては実質的に電流が流れない(例えば、加熱器ワイヤ206aを通る電流の1%未満しか加熱器ワイヤ206bを通って流れない)ようにHW1に電力を提供することができる。第2の動作モードでは、加熱器ワイヤ206aおよび206bを通って電流が流れるようにHW1に電力を提供することができる。第1および第2の動作モードは、加熱器ワイヤHW1を通る電流の方向によって少なくとも一部制御することができる。
【0084】
特定の実施形態では、
図8Bに示されるように、ハードウェア構成800にダイオードD2およびD4を追加することができる。そのような実施形態では、感知回路用のソフトウェアは、熱の増加を考慮に入れるように変更することができる。幾つかの実施形態では、信号ダイオードD3、D4は互いに近接して位置決めされ、それにより、同一または同様の周囲条件を受けて、異なる周囲温度によって引き起こされる影響の相違を減少させる。その他の点では、回路200は、
図8Aに示される回路と同様に動作する。
【0085】
幾つかの実施形態では、
図8Aと
図8Bを比較すると、ダイオードD4を省くことが、患者端部での感知信頼性を改良する。例えば、ダイオードは、開位置で故障することがある。ダイオードD4が開いた状態で故障した場合、患者端部温度の読取りが可能でなくなることがある。
図8Aに示される回路では、ダイオードD3が故障した場合でも、依然として患者端部センサ204bを読み取ることができる。ダイオードD2を省くことでも同様の利点を有することができる。
【0086】
幾つかの実施形態では、センサカートリッジ802は、加湿システム100の内部またはシステムの外部に位置させることができる。
【0087】
マイクロコントローラを有するコネクタを備える例示的な区分化された吸気肢
図9は、呼吸用加湿システム100の例示的実施形態を示し、この呼吸用加湿システム100は、中間コネクタ214にあるマイクロコントローラを利用して、加熱を制御するためのデータを測定し、吸気肢202でのセンサ値を読み取る。幾つかの実施形態では、1つまたは複数のマイクロコントローラを、センサカートリッジ、加湿器、中間コネクタ214、またはこれらの任意の組合せに組み込むことができる。マイクロコントローラは、例えばセンサカートリッジに組み込まれるときに、本明細書で述べたのと同様の機能を提供する。図示される例示的実施形態は、VNに接続された1つの加熱器ワイヤを共通の基準として使用し、2つの加熱器ワイヤHW1、HW2およびセンサワイヤを共通の基準に接続する。また、例示的実施形態は、両方のセンサ204a、204bの読取値を信号中間コネクタ214でデジタル信号に変換して、加湿器制御装置122に送信する。これは、センサ204a、204の基準として共通の基準点を設け、デジタルパラメータ読取値を送信することによって、隔離の問題を減少または防止することができる。読取値は、制御装置122にあるオプトカプラを通過させることができ、これは、
図12を参照して本明細書で述べるように、信号を隔離する。この例示的実施形態の使用により、2つの独立した制御チャネルが、第1の区間202aのみ、または吸気肢の第1および第2の区間202a、202bを加熱して、望みの、選択された、または所定の加熱制御を提供することができるようになる。
【0088】
図10は、吸気肢202用の中間コネクタ214のブロック図を示し、ここで、中間コネクタ214は、マイクロコントローラを使用する。マイクロコントローラを使用して、サーミスタ204aおよび204bからアナログ信号を測定し、アナログ/デジタル変換器(ADC)を使用してアナログ信号をデジタル信号に変換することができる。変換されたデジタル信号は、単一のデータライン上で加湿器制御装置122に送信することができる。温度データを提供するために、データラインを使用してマイクロコントローラと加湿器制御装置122との間の通信を可能にすることができる。データが送信されていないときに加湿器制御装置122においてデータラインをハイに引き上げることによって、データラインを使用してマイクロコントローラに電力を提供することができる。パワーモジュールおよびデータライン変換器は、コンデンサおよびダイオードを含むことができ、したがって、コンデンサは、データラインがハイであるときに充電される。データラインが通信に使用されているとき、充電されたコンデンサを使用してマイクロコントローラに電力供給することができる。例示的なパワーモジュールおよびデータライン変換器に関する回路図が
図11に示されている。
【0089】
この構成を使用する温度感知は、中間コネクタ214にある電流源または電圧源を使用してサーミスタを駆動させて達成することができ、それにより、マイクロコントローラによって読み取ることができる。これは、例えばトランジスタまたはオペアンプを使用して行うことができる。データライン通信は、タイムスロットベース手法を使用して達成することができ、ここで、所定のタイムスロット内で各論理レベルを送信し、読み取ることができる。このようにして、1つのワイヤを使用して、加湿器制御装置122とマイクロコントローラとの間の双方向通信を可能にすることができる。
【0090】
加湿器制御装置122は、VNを基準として取ったDC電源を含むことができる。コンデンサを含めることができ、コンデンサは、加熱器ワイヤがオンであるときには充電することができ、加熱器ワイヤがオフに切り換えられている間はマイクロコントローラに電力を提供することができる。加湿器制御装置122は、
図12に示されるように、デュアルオプトカプラ回路1200を含むことができる。デュアルオプトカプラ回路を使用して、信号を隔離し、制御装置122と電源との間の双方向データ通信を行うことができる。
【0091】
幾つかの実施形態では、マイクロコントローラに較正データを記憶することができ、この較正データは、呼吸回路が接続されたときに読み出すことができる。幾つかの実施形態では、接続された回路の製造元を特定するために、部品識別番号またはシリアル番号を記憶することができる。
【0092】
デジタル温度センサを備える区分化された吸気肢
図13は、例示的な呼吸用加湿システム100の回路図を示し、この呼吸用加湿システム100は、呼吸回路200と共に使用するためのデジタル温度センサ204a、204bを組み込み、呼吸回路200は、吸気肢202を形成するために、第1の区分202aと、第2の区分202bを結合する中間コネクタ214とを有する。
図9を参照して述べた設計と同様に、デジタル温度センサ204a、204bは、通信と電力供給のために単一のラインを利用することができ、回路設計を簡略化し、システム100で使用されるワイヤの量を減少させる。
図13に示される設計は、温度センサおよびデータ通信を、回路素子の組合せではなく単一のチップとして実装することができ、これは望ましいことがある。
【0093】
中間コネクタボード
図14Aおよび
図14Bは、中間コネクタ214の例示的な中間PCB250を示し、各図が、中間PCB250の2つの面それぞれを示す。中間PCB250は、加熱器ワイヤおよびセンサ接続線用の接続パッド252、254を含む。接続パッド252、254は、中間PCB250の両面に構成されて、吸気肢の周りに螺旋状に巻かれた加熱器ワイヤとの接続を容易にする。
【0094】
中間PCB250は、サーミスタもしくは他の温度測定構成要素、または湿度センサ、または流量センサなどのセンサ用のセンサ接続パッド256を含む。センサは、中間PCB250にある信号接続パッド258を介して、ダイオード(例えば
図8Bを参照して述べたダイオードD3)に結合させることができる。図示されるように、中間PCB250は、他の電気構成要素およびトラックからセンサを断熱するように構成された隙間262を含む。幾つかの実施形態では、センサ接続パッド256に接続されたセンサをさらに断熱するために、隙間262に断熱材を充填することができる。さらに、中間PCB250は、例えば突出部257などによって、センサを他の能動および/または受動電気構成要素から離して位置決めするように構成することができる。
【0095】
中間PCB250は、中間PCB250上の電気トラックを介して加熱器ワイヤに電気的に結合されたダイオード用の電力接続パッド260を含む。ダイオードは、
図3B、
図6B、または
図8Bを参照して述べたダイオードD1でよい。電力接続パッド260は、ヒートシンク264に電気的および熱的に結合させることができ、熱を放散させる助けとなり、センサ接続パッド256に結合されたセンサのパラメータ読取りの精度に対する影響を減少または最小化する。
【0096】
図14Cおよび
図14Dは、中間PCB250および中間接続要素263を備える中間コネクタ214の例示的実施形態を示す。中間接続要素263は、吸気肢を通って流れる加湿ガスの一部を、中間接続要素263によって形成された管路を通して送るように構成することができる。次いで、中間PCB250上のセンサが、中間接続要素263を通って流れるガスのパラメータに対応する信号を提供することができ、このパラメータは、その時点での吸気肢内の加湿ガスの少なくとも1つの特性(例えば温度、湿度、流量、酸素含有率など)を表す。幾つかの実施形態では、中間接続要素263は、吸気肢内部で中間PCB250を位置決めするために中間PCB250用の機械的支持を提供するように構成される。幾つかの実施形態では、中間接続要素263は、中間コネクタ214またはその付近で吸気肢の2つの区分を接合するための機械的支持を提供するように構成される。
【0097】
中間コネクタ214は、中間PCB250の第1の面にある第1の接続パッド252と、中間PCB250の第2の面(中間PCB250の逆側の面)にある第2の接続パッド254とを含む。本明細書で述べるように、第1および第2の接続パッド252、254はそれぞれ、区分化された吸気肢の第1および第2の区分内の加熱器ワイヤのための電気接点を提供するように構成することができる。幾つかの実施形態では、吸気肢の区分内の加熱器ワイヤは、螺旋状に巻かれる。中間PCB250は、第1の区分内の螺旋状に巻かれた加熱器ワイヤおよび/または信号ワイヤ(例えば温度センサワイヤ)を第2の区分内の螺旋状に巻かれた加熱器ワイヤおよび/または信号ワイヤに電気的に結合するように構成される。
【0098】
幾つかの実施形態では、中間PCB250は、直径またはコードラインに沿って中間接続要素263によって形成された内腔を横切って延在する第1の部分を含み、それにより、中間PCB250の一部は、一般に、ガスの流路の少なくとも一部を横切る。中間PCB250の第1の部分は、オーバーモールド組成物によってオーバーモールドすることができる。中間PCB250は、第1の部分に隣接する第2の部分251を含むことができ、第2の部分251は、中間接続要素263の外側から、内腔から離れる方向へ外方向に突出する。中間PCB250の第2の部分251は、吸気肢の第1の区分から1本または複数本のワイヤを受け取るように構成された1つまたは複数の接続パッド252を含む。中間PCB250は、第1の部分に隣接する第3の部分253を含むことができ、第3の部分253は、中間接続要素263の外側から、内腔から離れる方向かつ第2の部分251とは反対の方向へ外方向に突出する。第3の部分253は、吸気肢の第2の区分から1本または複数本のワイヤを受け取るように構成された中間PCB250にある1つまたは複数の接続パッド254を含むことができる。中間PCB250は、1つまたは複数の導電性トラックを含み、導電性トラックは、第2の部分251の1つまたは複数の接続パッド252を第3の部分253の1つまたは複数の接続パッド254に電気的に結合させるように構成され、また、吸気肢の第1の区分内のワイヤと第2の区分内のワイヤとの間の電気的接続を提供するように構成される。
【0099】
患者端部コネクタボード
図15Aは、患者端部コネクタ804の例示的な患者端部PCB270を示す。患者端部PCB270は、加熱器ワイヤおよびセンサ接続線用の接続パッド272を含む。接続パッド272は、患者端部PCB270の片面のみにあるように構成されて、吸気肢からの螺旋状に巻かれた加熱器ワイヤおよび信号ワイヤに接続する。接続パッド272のうちの2つを、電気通路として互いに電気的に直接結合させることができる。加熱器ワイヤは、電気的に直接結合された接続パッド272に結合させることができる。残りの2つの接続パッド272は、センサ接続パッド274に電気的に結合させることができる。センサ接続パッド274への、およびそこからの電気トラック278は、トレースの幅を減少または最小化にし、トラックの長さを増加または最大化して、センサ接続パッド274に接続されたセンサを断熱するように構成することができる。患者端部PCB270は、
図14Aおよび
図14Bに示したPCB250を参照して述べたのと同様の突出部276を含むことができる。突出部276は、患者端部PCB270での電流および構成要素の影響からセンサをさらに断熱するように構成することができる。
【0100】
図15B~
図15Eは、患者端部コネクタ804の例示的実施形態を示す。
図15Bおよび
図15Dは、吸気肢202の一部としてオーバーモールドされた患者端部PCB270の例示的実施形態を示す。
図15Cおよび
図15Eにそれぞれ示される患者端部PCB270の断面は、患者に送給されるガスの乱流を減少または最小化するように空気力学的に構成することができる。
【0101】
区分化された吸気肢配置リミッタ
図16A~
図16Eは、区分化された吸気肢202用の配置リミッタ280の例示的実施形態を示す。
図16Aは、例示的な配置リミッタ280を示し、これは、より大きいチャンバ端部282(例えばガス供給源により近い端部)と、より小さい患者端部284と、溝288を有する鋭利な隅286とを有するように構成され、溝288内にグロメット294を配置することができる。配置リミッタ280は、中間コネクタまたは吸気肢202の区分接続点(例えば中間PCB250が位置される場所)が開口292を通って保育器290に入る可能性を防止または減少するように構成することができる。より小さい端部284は、保育器290に入るように構成することができ、一方、より大きい端部282は、グロメット294と接触することによって、保育器開口292を通る進入を防止または阻止するように構成することができる。幾つかの実施形態では、配置リミッタ280は、保育器からの目標距離内または所望の距離内で、または異なる温度環境を定義する他のそのような点で、中間PCB250の位置を実質的に固定するように構成される。目標距離または所望の距離は、約20cm以下、約10cm以下、約5cm以下、または約0cmでよい。
図16Bは、気泡管202と共に使用される例示的な配置リミッタ280を示し、ここで、配置リミッタは、保育器290への入口292から距離d1に位置される。
【0102】
図16Cは、衣服、ブランケット、または患者とは別の他の物体などの物体にクリップ留めまたは固定されるように構成された配置リミッタ280の例示的実施形態を示す。配置リミッタ280は、吸気肢202に固定され、吸気肢202の配置を調節するために吸気肢202に沿って移動することが可能であるように構成される。
図16Dは、保育器290内への中間PCBコネクタ250の進入を阻止または防止するために保育器290と共に使用時の配置リミッタ280を備える吸気肢202を示す。
図16Eは、患者と共に使用時の配置リミッタ280を備える吸気肢202を示し、ここで、配置リミッタ280は、患者および/またはブランケットに対する吸気肢202の移動を阻止または防止するように患者のブランケットに固定される。配置リミッタ280は、ガス送給システムに関連して使用される呼気肢または他の医療用管と共に使用することもできる。
【0103】
呼吸用加湿システムと共に使用するための区分化された医療用配管
図17Aは、
図1を参照して述べた呼吸用加湿システム100と共に使用することができる例示的な複合管1201の一区間の側面図を示す。複合管1201は、吸気肢202として使用することができ、本明細書で述べるように、管に沿ったガスの凝結を防止する助けとなる熱的に有益な特性を提供するように構成することができる。複合管1201は、経路を形成するように巻かれて接合された複数の細長い部材を含み、ここで、複数の細長い部材は、本明細書で述べる加熱器ワイヤの1本または複数本を含むことができる。加熱器ワイヤが複合管1201の壁に埋め込まれることに少なくとも一部基づいて、吸気肢202としての複合管1201の使用は、凝結およびレインアウトを減少させ、吸気肢202の長さに沿ったより望ましいまたは目標の温度プロファイルを維持することができる。複合管の壁は、より大きい熱質量を提供することができ、これは、温度変化に強く、肢202の外部の周囲温度に対する壁の断熱効果を高める。その結果、任意の数の異なる温度環境を含む肢202の長さに沿った温度をより正確に制御することができ、患者に送給されるガスの温度を制御する際に損失される電力またはエネルギーをより少なくすることができる。幾つかの実施形態では、複合管1201を呼気肢210として使用することもできる。
【0104】
一般に、複合管1201は、第1の細長い部材1203と第2の細長い部材1205とを備える。部材は、広範な用語であり、当業者にとってのその通常的および慣例的な意味合いで解釈されるべきであり(すなわち、特殊な、または特化された意味合いに限定すべきではなく)、限定はしないが、一体部分、一体構成要素、および異なる構成要素を含む。したがって、
図17Aは、2つの異なる構成要素から形成された実施形態を示すが、他の実施形態では、第1の細長い部材1203と第2の細長い部材1205は、単一の材料から形成された管内の領域を表すこともできることを理解されたい。したがって、第1の細長い部材1203は、管の中空部分とすることができ、第2の細長い部材1205は、中空部分に構造的支持を追加する管の構造的支持または補強部分となる。本明細書で述べるように、中空部分および構造的支持部分は、螺旋構成を有することができる。複合管1201を使用して、本明細書で述べる吸気肢202および/または呼気肢210、以下に述べる同軸管、または本開示の他の箇所で述べる任意の他の管を形成することができる。
【0105】
この例では、第1の細長い部材1203は、螺旋状に巻かれた中空体を備えて、長手方向軸LA-LAを有する細長い管を少なくとも一部形成し、また、長手方向軸LA-LAに沿って延びる内腔1207を備える。少なくとも1つの実施形態では、第1の細長い部材1203は管である。好ましくは、第1の細長い部材1203は可撓性を有する。さらに、第1の細長い部材1203は、好ましくは透明であり、または少なくとも半透明または半不透明である。ある程度の透光性により、介護者または使用者が、閉塞または汚染物質に関して内腔1207を検査できる、または湿気の存在を確認できるようにする。医療グレードプラスチックを含めた様々なプラスチックが、第1の細長い部材1203の本体に適している。適切な材料の例としては、ポリオレフィンエラストマー、ポリエーテルブロックアミド、熱可塑性コポリマーエラストマー、EPDM-ポリプロピレン混合物、および熱可塑性ポリウレタンが挙げられる。
【0106】
第1の細長い部材1203の中空体構造は、複合管1201に対する断熱特性に寄与する。本明細書で説明するように熱損失を防止または減少するので、断熱管1201が望ましい。これにより、管1201は、より少ないまたは最小限のエネルギー損失でガスの調整状態を実質的に維持しながら、加熱器-加湿器から患者にガスを送給することが可能になる。
【0107】
少なくとも1つの実施形態では、第1の細長い部材1203の中空部分は、ガスで満たされる。ガスは空気でよく、空気は、その低い熱伝導率(300Kで2.62×10-2W/m・K)および非常に低いコストにより望ましい。また、有利には、空気よりも粘性の高いガスを使用することができる。これは、より高い粘性が、対流伝熱を減少させるからである。したがって、アルゴン(300Kで17.72×10-3W/m・K)、クリプトン(300Kで9.43×10-3W/m・K)、およびキセノン(300Kで5.65×10-3W/m・K)などのガスが、断熱性能を高めることができる。これらのガスはそれぞれ無毒性であり、化学的に不活性であり、難燃性であり、市販されている。第1の細長い部材1203の中空部分は、管の両端で封止することができ、内部のガスを実質的に停滞させる。代替として、中空部分は、管の患者端部から制御装置に圧力フィードバックを伝送するための圧力サンプルラインなど、二次空気圧接続ラインでよい。第1の細長い部材1203は、任意選択で穿孔することができる。例えば、第1の細長い部材1203の表面は、内腔1207とは反対の外向きの表面に穿孔されることがある。別の実施形態では、第1の細長い部材1203の中空部分は、液体で満たされる。液体の例としては、水、または高い熱容量を有する他の生体適合性の液体を挙げることができる。例えば、ナノ流体を使用することができる。適切な熱容量を有する例示的なナノ流体は、水と、アルミニウムなどの物質のナノ粒子とを含む。
【0108】
第2の細長い部材1205も螺旋状に巻かれて、第1の細長い部材1203の隣接する一巻き同士の間で、第1の細長い部材1203に接合される。第2の細長い部材1205は、細長い管の内腔1207の少なくとも一部を形成する。第2の細長い部材1205は、第1の細長い部材1203のための構造的支持として働く。
【0109】
少なくとも1つの実施形態では、第2の細長い部材1205は、(内腔1207の近位にある)基部でより広く、上部でより狭い。例えば、第2の細長い部材は、概して三角形状、概してT字形状、または概してY形状でよい。しかし、対応する第1の細長い部材1203の輪郭に合った任意の形状が適している。
【0110】
好ましくは、第2の細長い部材1205は可撓性を有し、管の湾曲を容易にする。望ましくは、第2の細長い部材1205は、第1の細長い部材1203よりも可撓性が小さい。これは、第2の細長い部材1205が第1の細長い部材1203を構造的に支持することができる機能を改良する。例えば、第2の細長い部材1205の弾性率は、好ましくは、30~50MPa(または約30~50MPa)である。第1の細長い部材1203の弾性率は、第2の細長い部材1205の弾性率よりも小さい。第2の細長い部材1205は、中実またはほぼ中実でよい。さらに、第2の細長い部材1205は、導電性材料、例えばフィラメント、特に加熱フィラメント、またはセンサ(図示せず)をカプセル化または収容することができる。加熱フィラメントは、湿気を含む空気からの凝結が生じ得る低温の表面を最小化することができる。また、加熱フィラメントを使用して、複合管1201の内腔1207内のガスの温度プロファイルを変えることもできる。医療グレードプラスチックを含めた様々なポリマーおよびプラスチックが、第2の細長い部材1205の本体に適している。適切な材料の例としては、ポリオレフィンエラストマー、ポリエーテルブロックアミド、熱可塑性コポリマーエラストマー、EPDM-ポリプロピレン混合物、および熱可塑性ポリウレタンが挙げられる。特定の実施形態では、第1の細長い部材1203と第2の細長い部材1205が同じ材料から形成されることもある。また、第2の細長い部材1205は、第1の細長い部材1203とは異なる色の材料から形成されてもよく、透明、半透明、または不透明でよい。例えば、一実施形態では、第1の細長い部材1203は、透明なプラスチックから形成されることがあり、第2の細長い部材1205は、不透明の青色(または他の色)のプラスチックから形成されることがある。
【0111】
可撓性の中空体と、一体支持部とを備えるこの螺旋状に巻かれた構造は、圧縮抵抗を提供することができ、その一方で、管の壁が、座屈、閉塞、または崩壊することなく短い半径の曲げを可能にするのに十分な可撓性を有するようにする。好ましくは、ISO5367:2000(E)による曲げに伴う流れ抵抗の増加に関する試験において定義されるように、管は、座屈、閉塞、または崩壊することなく、直径25mmの金属円柱体の周りで曲げることができる。また、この構造は、滑らかな内腔1207の表面(管孔)を提供することができ、これは、管に堆積物が生じないようにする助けとなり、ガスの流れを改良する。中空体は、管を軽量に保ちながら管の断熱特性を改良することが判明している。
【0112】
上で説明したように、複合管1201は、呼吸回路内の呼気管および/または吸気管として、または呼吸回路の一部として使用することができる。好ましくは、複合管1201は、少なくとも吸気管として使用される。
【0113】
図17Bは、
図17Aの例示的な複合管1201の上部の長手方向断面を示す。
図17Bは、
図17Aと同じ向きを有する。この例は、第1の細長い部材1203の中空体形状をさらに示す。この例で見られるように、第1の細長い部材1203は、長手方向断面で、複数の中空気泡体を形成する。第1の細長い部材1203の部分1209は、第2の細長い部材1205の隣接する巻きに重なる。第1の細長い部材1203の部分1211は、内腔の壁(管孔)を形成する。
【0114】
第1の細長い部材1203の隣接する一巻き同士の間、すなわち隣接する気泡体の間に隙間1213を有することが、意外にも、複合管1201の全体の断熱特性を改良することが発見された。したがって、特定の実施形態では、隣接する気泡体は、隙間1213によって分離される。さらに、特定の実施形態は、隣接する気泡体間に隙間1213を提供することで、伝熱抵抗(R値)を増加し、したがって複合管1201の熱伝導率を減少させることの実現を含む。また、この隙間構成は、より短い半径の曲げを可能にすることによって、複合管1201の可撓性を改良することも判明した。
図17Bに示されるように、T字形の第2の細長い部材1205は、隣接する気泡体間で隙間1213を保つ助けとなり得る。それにも関わらず、特定の実施形態では、隣接する気泡体は接触している。例えば、隣接する気泡体を一体に結合させることもできる。
【0115】
ガスの流れを加熱または感知するために、1つまたは複数の導電性材料を第2の細長い部材1205内に配設することができる。この例では、2つの加熱フィラメント1215が、第2の細長い部材1205内にカプセル化され、それぞれ「T」字形の垂直部分の各側にある。加熱フィラメント1215は、アルミニウム(Al)および/または銅(Cu)の合金や導電性ポリマーなどの導電性材料を含む。好ましくは、第2の細長い部材1205を形成する材料は、加熱フィラメント1215がそれらの動作温度に達したときに加熱フィラメント1215中の金属と反応しないように選択される。フィラメント1215は、内腔1207に露出されないように内腔1207から離して配置されることがある。複合管の一端で、数対のフィラメントが、連接ループとして形成されてもよい。
【0116】
少なくとも1つの実施形態では、複数のフィラメントが、第2の細長い部材1205内に配設される。フィラメントは、互いに電気的に接続させることができ、共通のレールを共有する。例えば、加熱フィラメントなど第1のフィラメントを、第2の細長い部材1205の第1の側に配設することができる。感知フィラメントなど第2のフィラメントを、第2の細長い部材1205の第2の側に配設することができる。接地フィラメントなど第3のフィラメントを、第1のフィラメントと第2のフィラメントの間に配設することができる。第1、第2、および/または第3のフィラメントは、第2の細長い部材1205の一端で互いに接続させることができる。
【0117】
図17Cは、
図17Bでの気泡体の長手方向断面を示す。図示されるように、第2の細長い部材1205の隣接する巻きに重なる第1の細長い部材1203の部分1209は、ある程度の結合領域1217によって特徴付けられる。より大きい結合領域は、第1の細長い部材と第2の細長い部材の界面での層剥離に対する管の耐性を改良する。追加または代替として、ビードおよび/または気泡体の形状は、結合領域1217を増加するように適合させることができる。例えば、
図17Dは、左側に比較的小さい結合域を示す。また、
図19Bは、より小さい結合領域を示す。対照的に、
図17Eは、ビードのサイズおよび形状により、
図17Dに示されるものよりもはるかに大きい結合領域を有する。
図19Aおよび
図19Cも、より大きい結合領域を示す。これらの図をそれぞれ以下でより詳細に論じる。特定の実施形態では
図17E、
図19A、および
図19Cでの構成が好ましいことがあるが、他の実施形態では、望みであれば、
図17Dの構成、
図19Bの構成、および他の変形形態を含めた他の構成を利用することもできることを理解されたい。
【0118】
図17Dは、別の複合管の上部の長手方向断面を示す。
図17Dは、
図17Bと同じ向きを有する。この例は、第1の細長い部材1203の中空体形状をさらに示し、また第1の細長い部材1203が長手方向断面で複数の中空気泡体を形成する様子を示す。この例では、気泡体は、隙間1213によって互いに完全に分離されている。概して三角形の第2の細長い部材1205が、第1の細長い部材1203を支持する。
【0119】
図17Eは、別の複合管の上部の長手方向断面を示す。
図17Eは、
図17Bと同じ向きを有する。
図17Eの例では、加熱フィラメント1215は、
図17Bでのフィラメント1215よりも互いに離して配置されている。加熱フィラメント間の空間を増加させることで加熱効率を改良することができることが発見された。特定の実施形態は、この実現を含む。加熱効率は、管に入る熱の量と、管から出るまたは回収可能なエネルギーの量との比を表す。一般に、管から放散されるエネルギー(または熱)が大きいほど、加熱効率は低い。加熱性能の改良のために、加熱フィラメント1215は、管の孔に沿って均等に(またはほぼ均等に)配置することができる。代替として、フィラメント1215は、第2の細長い部材1205の末端に位置決めすることができ、これは、より単純な製造を可能にすることがある。
【0120】
次に、第2の細長い部材1205に関する例示的な構成を示す
図18A~
図18Gを参照する。
図18Aは、
図17Bに示されるT字形と同様の形状を有する第2の細長い部材1205の断面を示す。この例示的実施形態では、第2の細長い部材1205は、加熱フィラメントを有さない。以下で述べるようなT字形状の変形形態、および三角形状を含めた、第2の細長い部材1205の他の形状を利用することもできる。
【0121】
図18Bは、T字形断面を有する別の例示的な第2の細長い部材1205を示す。この例では、加熱フィラメント1215は、「T」字形の垂直部分の各側にある第2の細長い部材1205の切欠き1301内に埋め込まれる。幾つかの実施形態では、切欠き1301は、押出成形中に第2の細長い部材1205に形成することができる。代替として、切欠き1301は、押出成形後に第2の細長い部材1205に形成することもできる。例えば、切断ツールが、第2の細長い部材1205に切欠きを形成することができる。好ましくは、切欠きは、押出成形直後、第2の細長い部材1205が比較的軟性である間に、加熱フィラメント1215が第2の細長い部材1205に押し込まれるまたは引き入れられる(機械的に固定される)ときに加熱フィラメント1215によって形成される。代替として、1つまたは複数の加熱フィラメントを、細長い部材の底部に取り付ける(例えば、接着する、結合する、または部分的に埋め込む)ことができ、それにより、フィラメントは管の内腔に露出される。そのような実施形態では、酸素など可燃性ガスが管の内腔に通される際の発火の危険を減少させるために、断熱してフィラメントを含むことが望ましいことがある。
【0122】
図18Cは、さらに別の例示的な第2の細長い部材1205を断面で示す。第2の細長い部材1205は、概して三角形状を有する。この例では、加熱フィラメント1215は、三角形の両側に埋め込まれている。
【0123】
図18Dは、さらに別の例示的な第2の細長い部材1205を断面で示す。第2の細長い部材1205は、4つの溝1303を備える。溝1303は、断面形状内の窪みまたは凹みである。幾つかの実施形態では、溝1303は、フィラメント(図示せず)を埋め込むための切欠き(図示せず)の形成を容易にすることができる。幾つかの実施形態では、溝1303は、フィラメント(図示せず)の位置決めを容易にし、フィラメントは、第2の細長い部材1205に押し込まれまたは引き入れられ、それにより埋め込まれる。この例では、4つの開始溝1303が、最大4本のフィラメント、例えば、4本の加熱フィラメント、4本の感知フィラメント、2本の加熱フィラメントと2本の感知フィラメント、3本の加熱フィラメントと1本の感知フィラメント、または1本の加熱フィラメントと3本の感知フィラメントの配置を容易にする。幾つかの実施形態では、加熱フィラメントは、第2の細長い部材1205の外側に位置させることができる。感知フィラメントは、内側に位置させることができる。
【0124】
図18Eは、さらに別の例示的な第2の細長い部材1205を断面で示す。第2の細長い部材1205は、T字形の断面形状と、加熱フィラメントを配置するための複数の溝1303とを有する。
【0125】
図18Fは、さらに別の例示的な第2の細長い部材1205を断面で示す。4本のフィラメント1215が第2の細長い部材1205内にカプセル化され、「T」字形の垂直部分の各側に2本ずつある。以下により詳細に説明するように、第2の細長い部材1205がフィラメントの周りで押出成形されたので、フィラメントは、第2の細長い部材1205内にカプセル化される。加熱フィラメント1215を埋め込むために切欠きは形成されなかった。この例では、第2の細長い部材1205は、複数の溝1303も備える。加熱フィラメント1215は第2の細長い部材1205内にカプセル化されるので、溝1303は、加熱フィラメントを埋め込むための切欠きの形成を容易にする目的では使用されない。この例では、溝1303は、埋め込まれた加熱フィラメントの分離を容易にすることができ、これは、例えば加熱フィラメントを成端するときに個々のコアの剥離を容易にする。
【0126】
図18Gは、さらに別の例示的な第2の細長い部材1205を断面で示す。第2の細長い部材1205は、概して三角形状を有する。この例では、第2の細長い部材1205の形状は
図18Cのものと同様であるが、4本のフィラメント1215が第2の細長い部材1205内にカプセル化され、それら全てが、第2の細長い部材1205の下部3分の1で中央にあり、概して水平な軸に沿って配設される。
【0127】
上で説明したように、加熱効率を改良するために、フィラメント間の距離を増加することが望ましいことがある。しかし、幾つかの実施形態では、加熱フィラメント1215が複合管1201内に組み込まれるとき、フィラメント1215を第2の細長い部材1205の比較的中央に位置決めすることができる。中央に寄せた位置は、再使用に対する複合材配管の頑強性を提供する。これは、一部には、そのような位置が、複合管1201の繰返しの湾曲の際にフィラメントが破断する可能性を減少させるからである。また、フィラメント1215を中央に寄せることで、フィラメント1215が断熱層でコーティングされ、ガス経路から離されるので、発火事故の危険を減少させることもできる。
【0128】
上で説明したように、上記の例の幾つかは、第2の細長い部材1205内でのフィラメント1215の適切な配置を示す。複数のフィラメント1215を備える前述の例では、フィラメント1215は、概して水平軸に沿って位置合わせされる。代替の構成も適している。例えば、2本のフィラメントを、垂直軸に沿って、または対角軸に沿って位置合わせすることもできる。4本のフィラメントを、垂直軸に沿って、または対角軸に沿って位置合わせすることもできる。4本のフィラメントを十字形の構成で位置合わせすることもでき、1本のフィラメントが第2の細長い部材の上部に配設され、1本のフィラメントが第2の細長い部材の底部(管の内腔の近く)に配設され、2本のフィラメントが、「T」字形や「Y」字形の左右の棒部分、または三角形の底辺の両端に配設される。
【0129】
表1Aおよび表1Bは、本明細書で述べる医療用管の幾つかの好ましい寸法と、これらの寸法に関する幾つかの好ましい範囲とを示す。寸法は、管の横方向断面を表す。これらの表では、内腔直径は、管の内径を表す。ピッチは、管に沿って軸方向で測定された2つの反復点の間の距離を表し、すなわち、第2の細長い部材の隣接する「T」字形の垂直部分の先端間の距離を表す。気泡体幅は、気泡体の幅(最大外径)を表す。気泡体高さは、管の内腔からの気泡体の高さを表す。ビード高さは、管の内腔からの第2の細長い部材の最大高さ(例えば、「T」字形の垂直部分の高さ)を表す。ビード幅は、第2の細長い部材の最大幅(例えば、「T」字形の水平部分の幅)を表す。気泡体厚さは、気泡体壁の厚さを表す。
【0130】
【0131】
【0132】
表2Aおよび表2Bは、それぞれ表1Aおよび表1Bで述べた管に関する管形状の寸法間の例示的な比を提供する。
【0133】
【0134】
【0135】
以下の表は、本明細書で述べる、第2の細長い部材の内部に組み込まれた加熱フィラメントを有する複合管(「A」で表される)の幾つかの例示的な特性を示す。比較のために、管の孔内に螺旋状に巻かれた加熱フィラメントを有するFisher&PaykelmodelRT100使い捨てコルゲート管(「B」で表される)の特性も示す。
【0136】
流れ抵抗(RTF)の測定は、ISO5367:2000(E)の付録Aに従って行った。結果を表3にまとめる。以下で分かるように、複合管に関するRTFは、モデルRT100管に関するRTFよりも小さい。
【0137】
【0138】
管の内部での凝結または「レインアウト」は、20L/minのガス流量で、18℃の室温で1日当たりに収集される凝結物の重量を表す。加湿空気を、チャンバから管を通して連続的に流す。管の重量は、試験の各日の前後に記録する。3回の連続する試験を行い、各試験の合間に管を乾燥させる。結果を表4に示す。これらの結果は、モデルRT100管よりも複合管でレインアウトがかなり低いことを示した。
【0139】
【0140】
電力要件は、凝結試験中に消費される電力を表す。この試験では、周囲空気を18℃に保った。加湿チャンバ(例えば、
図1の加湿チャンバ114を参照のこと)に、MR850加熱器ベースによって電力供給した。DC電源とは別に、管内の加熱フィラメントに電力供給した。様々な流量を設定し、チャンバは、チャンバ出力において37℃で維持した。次いで、回路出力で40℃の温度を生み出すように回路へのDC電圧を変更した。出力温度を保つのに必要な電圧を記録し、生じる電力を計算した。結果を表5に示す。これらの結果は、複合管Aが、管Bよりもかなり多くの電力を使用することを示す。これは、管Bが、ガスを37℃から40℃に加熱するために管孔内で螺旋加熱フィラメントを使用するからである。複合管は、加熱フィラメントが管の壁内にある(第2の細長い部材に埋め込まれている)ので、ガスを迅速に加熱する傾向はない。むしろ、複合管は、加湿ガスの露点よりも高い温度で管孔を保つことによって、ガス温度を保ち、レインアウトを防止するように設計されている。
【0141】
【0142】
三点曲げ試験を使用して管の可撓性を試験した。管を三点曲げ試験ジグ内に配置し、Instron5560TestSystem機器と共に使用して、負荷および伸びを測定した。各管サンプルを3回試験した。加えた負荷に対する管の伸びを測定し、それぞれの平均の剛性定数を得た。管Aと管Bに関する平均剛性定数を表6に示す。
【0143】
【0144】
上述したように、加熱ワイヤ206を吸気肢202および/または呼気肢210の内部に配置して、管壁温度を露点温度よりも高く保つことによって、管内でのレインアウトの危険を減少させることができる。
【0145】
熱的特性
加熱フィラメント1215を組み込む複合管1201の実施形態では、第1の細長い部材1203の壁を通して熱が失われて、一様でない加熱をもたらすことがある。上で説明したように、これらの熱損失を補償するための1つの方法は、第1の細長い部材1203の壁で外部加熱源を適用することであり、これは、温度を調整し、熱損失を防ぐ助けとなる。しかし、熱的特性を最適化するための他の方法を使用することもできる。
【0146】
次に、
図19A~
図19Cを参照する。これらの図は、熱的特性を改良するための気泡体高さ(すなわち、内腔に面する表面から最大外径を成す表面まで測定した第1の細長い部材1203の断面高さ)に関する例示的な構成を示す。
【0147】
複合管1201からの熱損失を減少させるために、気泡体の寸法を選択することができる。一般に、気泡体の高さを増加させると、管1201の実効熱抵抗も増加する。なぜなら、より大きい気泡体高さは、第1の細長い部材1203がより多くの断熱空気を保持できるようにするからである。しかし、ある気泡体高さで、空気密度の変化が管1201内部で対流を引き起こし、それにより熱損失を増加させることが発見された。また、ある気泡体高さで、表面を通って失われる熱が気泡体のより大きい高さの利益を超えるほど表面積が大きくなる。特定の実施形態は、これらの実現を含む。
【0148】
気泡体の曲率半径および曲率が、望ましい気泡体高さを決定するのに有用であり得る。物体の曲率は、その物体の曲率半径の逆数と定義される。したがって、物体が有する曲率半径が大きいほど、物体はあまり湾曲していない。例えば、平坦な表面は、無限の曲率半径を有し、したがって曲率は0である。
【0149】
図19Aは、複合管の上部の長手方向断面を示す。
図19Aは、複合管1201の一実施形態を示し、ここでは、気泡体は大きな高さを有する。この例では、気泡体は、比較的小さい曲率半径を有し、したがって大きな曲率を有する。また、気泡体は、第2の細長い部材1205の高さの約3~4倍の高さである。
【0150】
図19Bは、別の複合管の上部の長手方向断面を示す。
図19Bは、複合管1201の一実施形態を示し、ここでは、気泡体は上部を偏平にされている。この例では、気泡体は、非常に大きい曲率半径、および小さい曲率を有する。また、気泡体は、第2の細長い部材1205とほぼ同じ高さである。
【0151】
図19Cは、別の複合管の上部の長手方向断面を示す。
図19Cは、複合管1201の一実施形態を示し、ここでは、気泡体の幅が気泡体の高さよりも大きい。この例では、気泡体は、
図19Aの曲率半径および曲率と
図19Bの曲率半径および曲率との間の曲率半径および曲率を有し、(
図19Aとの比較において)気泡体の上部に関する半径の中心が気泡体の外側である。気泡体の左右側の変曲点は、(
図19Aのように気泡体の下部にあるのに対して)気泡体の(高さ方向で)ほぼ中央である。また、気泡体の高さは、第2の細長い部材1205のほぼ2倍であり、
図19Aの高さと
図19Bの高さとの間の気泡体高さとなっている。
【0152】
図19Aの構成は、管からの熱損失が最小であった。
図19Bの構成は、管からの熱損失が最大であった。
図19Cの構成は、
図19Aと19Bの構成の間の中間の熱損失を有していた。しかし、
図19Aの構成での大きな外側表面積および対流伝熱は、非効率的な加熱を生じた。したがって、
図19A~
図19Cの3つの気泡体構成のうち、
図19Cが、最良の全体的な熱的特性を有すると判断された。3つの管に同じ熱エネルギーを入力したとき、
図19Cの構成は、管の長さに沿って最大の温度上昇を生じた。
図19Cの気泡体は、断熱空気体積を増加するのに十分に大きいが、対流による大きな熱損失を引き起こすほど大きくはない。
図19Bの構成は、最も悪い熱的特性を有すると判断された。すなわち、
図19Bの構成は、管の長さに沿って最小の温度上昇しか生じなかった。
図19Aの構成は、中間の熱的特性を有し、
図19Cの構成よりも低い温度上昇を生じた。
【0153】
特定の実施形態では
図19Cの構成が好ましいことがあるが、他の実施形態では、望みであれば、
図19Aの構成、
図19Bの構成、および他の変形形態を含めた他の構成を利用することもできることを理解されたい。
【0154】
【0155】
【0156】
次に、
図19C~
図19Fを参照する。これらの図は、熱的特性を改良するための、同様の気泡体形状における加熱要素1215の例示的な位置決めを示す。加熱要素1215の位置が、複合管1201の内部の熱的特性を変えることがある。
【0157】
図19Cは、別の複合管の上部の長手方向断面を示す。
図19Cは、加熱要素1215が第2の細長い部材1205内で中央に位置されている複合管1201の一実施形態を示す。この例は、互いに近いが、気泡体壁には近くない加熱要素1215を示す。
【0158】
図19Dは、別の複合管の上部の長手方向断面を示す。
図19Dは、加熱要素1215が第2の細長い部材1205内で
図19Cよりも離して配置されている複合管1201の一実施形態を示す。これらの加熱要素は、気泡体壁により近く、複合管1201内部の熱のより良い調整を可能にする。
【0159】
図19Eは、別の複合管の上部の長手方向断面を示す。
図19Eは、加熱要素1215が第2の細長い部材1205の垂直軸に上下に離隔配置されている複合管1201の一実施形態を示す。この例では、加熱要素1215は、各気泡体壁に対して同様に近い。
【0160】
図19Fは、別の複合管の上部の長手方向断面を示す。
図19Fは、加熱要素1215が第2の細長い部材1205の両端に離隔配置されている複合管201の一実施形態を示す。特に
図19C~
図19Eと比べて、加熱要素1215が気泡体壁に近い。
【0161】
図19C~
図19Fの4本のフィラメント構成のうち、
図19Fが最良の熱的特性を有すると判断された。全ての構成が、それらの同様の気泡体形状により、管からの同様の熱損失を生じていた。しかし、同じ熱エネルギーが管に入力されたとき、
図19Fのフィラメント構成は、管の長さに沿って最大の温度上昇を生じた。
図19Dの構成は、2番目に良い熱的特性を有すると判断され、管の長さに沿って2番目に大きい温度上昇を生じた。
図19Cの構成は、その次に良い結果を生じた。
図19Eの構成は、最も悪い性能を有し、同じ熱量が入力されたときに、管の長さに沿って最小の温度上昇しか生じなかった。
【0162】
特定の実施形態では
図19Fの構成が好ましいことがあるが、他の実施形態では、望みであれば、
図19C、
図19D、
図19Eの構成、および他の変形形態を含めた他の構成を利用することもできることを理解されたい。
【0163】
次に、第1の細長い部材1203の積層に関する例示的な構成を示す
図20A~
図20Cを参照する。特定の実施形態では、複数の気泡体を積層することによって熱分散を改良することができることが発見された。これらの実施形態は、内部加熱フィラメント1215を使用するとき、より有益となり得る。
図20Aは、別の複合管の上部の長手方向断面を示す。
図20Aは、積層なしの複合管1201の断面を示す。
【0164】
図20Bは、別の複合管の上部の長手方向断面を示す。
図20Bは、積層された気泡体を有する別の例示的な複合管1201を示す。この例では、2つの気泡体が、第1の細長い部材1203を形成するために互いに上下に積層されている。
図20Aと比較すると、全体の気泡体高さは変わらないが、気泡体のピッチは、
図20Aの半分である。また、
図20Bにおける実施形態は、空気体積がわずかにだけ減少している。気泡体の積層は、気泡体1213間の隙間内での自然対流および伝熱を減少させ、全体の熱抵抗を低下させる。積層された気泡体内で熱流路が増加し、熱が複合管1201を通ってより容易に分散できるようにする。
【0165】
図20Cは、別の複合管の上部の長手方向断面を示す。
図20Cは、積層された気泡体を有する複合管1201の別の例を示す。この例では、3つの気泡体が、第1の細長い部材1203を形成するために互いに上下に積層されている。
図20Aと比較すると、全体の気泡体高さは変わらないが、気泡体のピッチは、
図20Aの3分の1である。また、
図20Bにおける実施形態は、空気体積がわずかにだけ減少している。気泡体の積層は、気泡体1213間の隙間内での自然対流および伝熱を減少させる。
【0166】
例示的実施形態
以下は、本開示の範囲内にある例示的実施形態の番号付きのリストである。列挙される例示的実施形態は、実施形態の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。列挙される例示的実施形態の様々な特徴を除去、追加、または複合して、さらなる実施形態を成すこともでき、そのような実施形態も本開示の一部である。
1.医療用管の第1の区分を備える医療用管であって、第1の区分が、
加湿ガスを輸送するように構成された管路を形成する第1の構造と、
第1の加熱器ワイヤ回路を備え、
医療用管がさらに、医療用管の第2の区分を備え、第2の区分が、
加湿ガスを輸送するように構成された管路を形成する第2の構造と、
第2の加熱器ワイヤ回路を備え、
医療用管がさらに、第1の加熱器ワイヤ回路を第2の加熱器ワイヤ回路に電気的に結合する接続回路を備える中間コネクタを備え、中間コネクタが、医療用管の第1の区分の患者端部と、医療用管の第2の区分のチャンバ端部とに結合されて、加湿ガスのための単一の管路を形成し、
中間コネクタが医療用管の内部にあるように、中間コネクタの少なくとも一部が、医療用管の第1の区分の一部分および/または医療用管の第2の区分の一部分によって覆われ、
第1のモードでは、第1の加熱器ワイヤ回路に電力を提供し、第2の加熱器ワイヤ回路には電力を提供しないように電力が接続回路を通過し、第2のモードでは、第1の加熱器ワイヤ回路と第2の加熱器ワイヤ回路との両方に電力を提供するように電力が接続回路を通過する
医療用管。
2.接続回路がダイオードを備える実施形態1における医療用管。
3.第1の区分の患者端部に位置決めされた第1のセンサをさらに備える実施形態1または2における医療用管。
4.第1のセンサが、温度センサまたは湿度センサの1つである実施形態3における医療用管。
5.医療用管の第2の区分の患者端部に位置決めされた第2のセンサをさらに備える実施形態1~4のいずれか1つにおける医療用管。
6.第2のセンサが、温度センサまたは湿度センサの1つである実施形態5における医療用管。
7.第1の構造が細長い管を備え、細長い管が、
長手方向軸を有する管路を少なくとも一部形成するように螺旋状に巻かれた中空体と、長手方向軸に沿って延びる内腔と、内腔を取り囲む中空壁とを備える第1の細長い部材と、
第1の細長い部材の隣接する一巻き同士の間に螺旋状に巻かれて接合された第2の細長い部材であって、細長い管の内腔の少なくとも一部分を形成する第2の細長い部材と
を備える実施形態1~6のいずれかに1つにおける医療用管。
8.第1の細長い部材が、長手方向断面で、偏平な表面を有する複数の気泡体を内腔に形成する実施形態7における医療用管。
9.隣接する気泡体が、第2の細長い部材の上方の隙間によって離隔される実施形態8における医療用管。
10.隣接する気泡体が互いに直接は接続されない実施形態8における医療用管。
11.複数の気泡体が穿孔を有する実施形態8における医療用管。
12.第1の加熱器ワイヤ回路を有する吸気肢の第1の区分と、第2の加熱器ワイヤ回路を有する吸気肢の第2の区分と、第1の加熱器ワイヤ回路を第2の加熱器ワイヤ回路に電気的に結合するように構成されたコネクタ回路を有する中間コネクタと、第1の区分の患者端部に位置決めされた第1のセンサと、第2の区分の患者端部に位置決めされた第2のセンサとを備える吸気肢と、
制御装置と
を備える呼吸用加湿システムであって、
制御装置が、第1のモードと第2のモードとを選択的に切り換えるように適合され、第1のモードでは、制御装置が、コネクタ回路を通して第1の加熱器ワイヤ回路に電力を提供し、第2のモードでは、制御装置が、第1および第2の加熱器ワイヤ回路に電力を提供する
呼吸用加湿システム。
13.切換えが、一方または両方のセンサからの入力に基づいて行われる実施形態12におけるシステム。
14.一方または両方のセンサからの入力が、温度、流量、湿度、および電力の1つまたは複数を含む実施形態13におけるシステム。
15.第1および第2のモードが、電源によって提供される電流の方向によって定義される実施形態12~14のいずれか1つにおけるシステム。
16.制御装置が、第1のセンサ読取りモードと第2のセンサ読取りモードとを選択的に切り換えるように適合され、第1のセンサ読取りモードでは、制御装置が、第2のセンサからの信号を読み取り、第2のセンサ読取りモードでは、制御装置が、第1のセンサと第2のセンサとの両方からの信号を読み取る実施形態12~15のいずれか1つにおけるシステム。
17.第1のセンサおよび第2のセンサが温度センサである実施形態12~16のいずれか1つにおけるシステム。
18.第1の加熱器ワイヤ回路を有する吸気肢の第1の区分と、第2の加熱器ワイヤ回路を有する吸気肢の第2の区分と、第1の加熱器ワイヤ回路を第2の加熱器ワイヤ回路に電気的に結合するように構成されたコネクタ回路を有する中間コネクタと、第1の区分の患者端部に位置決めされた第1のセンサと、第2の区分の患者端部に位置決めされた第2のセンサとを備える吸気肢と、
呼気肢と、
吸気肢および呼気肢に接続されたインターフェースと、
制御装置と
を備える二重肢回路であって、
制御装置が、第1のモードと第2のモードとを選択的に切り換えるように適合され、第1のモードでは、制御装置が、コネクタ回路を通して第1の加熱器ワイヤ回路に電力を提供し、第2のモードでは、制御装置が、第1および第2の加熱器ワイヤ回路に電力を提供する
二重肢回路。
19.呼気肢が呼気加熱器ワイヤ回路を備える実施形態18における二重肢回路。
20.呼気肢が、呼気加熱器ワイヤ回路を使用して加熱される実施形態19における二重肢回路。
21.呼気加熱器ワイヤ回路が、吸気肢の第1の区分内の第1の加熱器ワイヤ回路と並列に電力供給される実施形態19における二重肢回路。
22.呼気加熱器ワイヤ回路を、第1のモードのみで、第2のモードのみで、または第1のモードと第2のモードとの両方で電力供給されるように構成することができる実施形態21における二重肢回路。
23.インターフェースがYピースを介して接続される実施形態18~22のいずれか1つにおける二重肢回路。
24.少なくとも2つの区分に沿って加熱されるように構成された区分化された吸気肢であって、吸気肢の各区分が、
長手方向軸を有する細長い管を少なくとも一部形成するように螺旋状に巻かれた中空体と、長手方向軸に沿って延びる内腔と、内腔を取り囲む中空壁とを備える第1の細長い部材と、
第1の細長い部材の隣接する一巻き同士の間に螺旋状に巻かれて接合された第2の細長い部材であって、細長い管の内腔の少なくとも一部分を形成する第2の細長い部材と
を備える区分化された吸気肢。
25.2つの区分を備える医療用管であって、各区分が、
長手方向軸を有する細長い管と、長手方向軸に沿って延びる内腔と、内腔を取り囲む中空壁とを形成するように螺旋状に巻かれた細長い中空体であって、横方向断面で、中空体の少なくとも一部分を画定する壁を有する細長い中空体と、
細長い中空体の隣接する一巻き同士の間に螺旋状に位置決めされた、細長い中空体の長さに沿って延びる補強部分であって、細長い管の内腔の一部分を形成する補強部分と、 補強部分の内部に埋め込まれた、またはカプセル化された1つまたは複数の導電性フィラメントと
を備え、
補強部分が、細長い中空体の壁よりも比較的厚く、または堅く、
医療用管がさらに、第1の区分に取り付けられた区分コネクタを備え、区分コネクタが、
第1の区分が第2の区分に物理的に結合されるときに、第1の区分からの導電性フィラメントを第2の区分からの導電性フィラメントに電気的に結合させるように構成された接続パッドと、
第1の区分の導電性フィラメントに電気的に結合されたパワーダイオードと
を備え、
パワーダイオードが、第1の極性の電気信号を提供されるときに、第1の区分の導電性フィラメントに電力が送られるようにし、第2の区分の導電性フィラメントに電力が送られないようにし、
パワーダイオードが、第2の極性の電気信号を提供されるときに、第1の区分の導電性フィラメントおよび第2の区分の導電性フィラメントに電力が提供されるようにする
医療用管。
26.第1の入力加熱器ワイヤに電気的に結合されるように構成された第1の加熱器ワイヤ入力接続線と、
第2の入力加熱器ワイヤに電気的に結合されるように構成された第2の加熱器ワイヤ入力接続線と、
第1の出力加熱器ワイヤに電気的に結合され、第1の加熱器ワイヤ入力接続線に電気的に結合されるように構成された第1の加熱器ワイヤ出力接続線と、
第2の出力加熱器ワイヤに電気的に結合され、第2の加熱器ワイヤ入力接続線に電気的に結合されるように構成された第2の加熱器ワイヤ出力接続線と、
第1の入力信号ワイヤに電気的に結合されるように構成された第1の信号ワイヤ入力接続線と、
第2の入力信号ワイヤに電気的に結合されるように構成された第2の信号ワイヤ入力接続線と、
第1の出力信号ワイヤに電気的に結合され、第1の信号ワイヤ入力接続線に電気的に結合されるように構成された第1の信号ワイヤ出力接続線と、
第2の入力信号ワイヤに電気的に結合され、第2の信号ワイヤ入力接続線に電気的に結合されるように構成された第2の信号ワイヤ出力接続線と、
第1の加熱器ワイヤ入力接続線および第2の加熱器ワイヤ入力接続線に電気的に結合されたパワーダイオードであって、第2の入力加熱器ワイヤから第1の入力加熱器ワイヤに電流が流れるようにし、第1の入力加熱器ワイヤから第2の入力加熱器ワイヤに電流が流れないようにするように構成されたパワーダイオードと、
第1の信号ワイヤ入力接続線に電気的に結合されたセンサと、
センサおよび第2の信号ワイヤ入力接続線に電気的に結合された信号ダイオードであって、第2の入力信号ワイヤからセンサを通して第1の入力信号ワイヤに電流が流れるようにし、第1の入力信号ワイヤからセンサを通して第2の入力信号ワイヤに電流が流れないようにする信号ダイオードと
を備えるコネクタ。
【0167】
結論
二区域加熱制御および関連の構成要素を備える呼吸用加湿システムならびに方法の幾つかの例を、図を参照しながら説明してきた。これらの図は、様々なシステムおよびモジュール、ならびにそれらの間の接続を示す。様々なモジュールおよびシステムは、様々な構成で組み合わせることができ、様々なモジュールおよびシステム間の接続は、物理的または論理的リンクを表すことができる。これらの図における表現は、二区域加熱制御の提供に関連する原理を明瞭に示すように提示されている。モジュールまたはシステムの分割に関する詳細は、個々の物理的実施形態を定めることを試みたものではなく、説明を容易にするために提供されている。例および図は、本明細書で述べる発明の範囲を例示することを意図されており、限定することは意図されていない。例えば、本明細書における原理は、呼吸用加湿器、ならびに手術用加湿器を含めた他のタイプの加湿システムに適用することができる。本明細書における原理は、呼吸用途で適用することができ、また、異なる周囲温度にさらされる複数の区分に沿ってガスの温度が制御される他のシナリオにも適用することができる。
【0168】
本明細書で使用する際、用語「処理装置」は、広範に、命令を実行するための任意の適切なデバイス、論理ブロック、モジュール、回路、または素子の組合せを表す。例えば、制御装置122は、Pentium(登録商標)プロセッサ、MIPS(登録商標)プロセッサ、PowerPC(登録商標)プロセッサ、AMD(登録商標)プロセッサ、ARM(登録商標)プロセッサ、またはALPHA(登録商標)プロセッサなど、任意の従来の汎用シングルチップまたはマルチチップマイクロプロセッサを含むことができる。さらに、制御装置122は、デジタル信号処理装置やマイクロコントローラなど、任意の従来の専用マイクロプロセッサを含むことができる。本明細書で開示する実施形態に関連して述べる様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、本明細書で述べる機能を実施するように設計された、汎用処理装置、デジタル信号処理装置(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートもしくはトランジスタ論理、ディスクリートハードウェアコンポーネント、またはそれらの任意の組合せを用いて実装または実施することができ、あるいはメインプロセッサ内の純粋なソフトウェアでもよい。例えば、論理モジュール504は、追加のおよび/または特殊なハードウェア要素を利用しないソフトウェア実装機能ブロックでよい。制御装置122は、計算デバイスの組合せ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、マイクロコントローラとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに関連する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装することができる。
【0169】
データ記憶装置は、処理装置がデータを記憶および検索できるようにする電子回路を表すことができる。データ記憶装置は、外部デバイスまたはシステム、例えばディスクドライブまたはソリッドステートドライブを表すことができる。データ記憶装置はまた、高速半導体記憶装置(チップ)、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)または様々な形態の読み出し専用メモリ(ROM)を表すこともでき、これらは、通信バスまたは制御装置122に直接接続される。他のタイプのデータ記憶装置は、バブルメモリおよびコアメモリを含む。データ記憶装置は、非一時的な媒体にデータを記憶するように構成された物理的ハードウェアでよい。
【0170】
本明細書では特定の実施形態および実施例を開示するが、本発明の主題は、特に開示した実施形態を超えて、他の代替実施形態および/または用途、ならびにそれらの修正形態および均等形態にまで及ぶ。したがって、本明細書に添付する特許請求の範囲または実施形態の範囲は、本明細書で述べる特定の実施形態のいずれによっても限定されない。例えば、本明細書で開示する任意の方法またはプロセスにおいて、方法またはプロセスの作用または操作は、任意の適切な順序で行うことができ、任意の特定の開示される順序に必ずしも限定されない。特定の実施形態を理解する助けとなり得るように、様々な操作を、複数の個別の操作として順に記述することがある。しかし、説明の順序は、これらの操作が順序を定められていることを示唆するものと解釈すべきではない。さらに、本明細書で述べる構造は、一体化された構成要素として、または個別の構成要素として具現化することができる。様々な実施形態を比較するために、これらの実施形態の特定の態様および利点を述べる。任意の特定の実施形態によって、そのような態様または利点が必ずしも全て実現されるわけではない。したがって、例えば、本明細書で教示される1つの利点または利点の組合せを実現または最適化し、本明細書でやはり教示または示唆されていることがある他の態様または利点を必ずしも実現はしないように、様々な実施形態を実施することができる。
【0171】
本明細書で使用する仮言的な表現、例えばとりわけ「できる」、「ことがある」、「例えば」などは、特に明記しない限り、または使用される文脈で矛盾しない限り、一般に、特定の特徴、要素、および/または状態を特定の実施形態が含み、他の実施形態は含まないことを表すものと意図される。したがって、そのような仮言的な表現は、一般に、特徴、要素、および/または状態が1つまたは複数の実施形態に必須であることを示唆するものとは意図されない。本明細書で使用する際、用語「備える」、「含む」、「有する」、またはそれらの任意の他の活用形は、非排他的な包含を網羅するものと意図される。例えば、要素の列挙を含むプロセス、方法、物品、または装置は、必ずしもそれらの要素のみに限定されず、明示的には列挙されていない他の要素、またはそのようなプロセス、方法、物品、もしくは装置に固有の他の要素を含むこともある。また、用語「または」は、(その排他的な意味ではなく)その包含的な意味で使用され、したがって、例えば要素の列挙をつなぐために使用されるとき、用語「または」は、その列挙内の要素の1つ、幾つか、または全てを意味する。語句「X、Y、およびZの少なくとも1つ」などの選言的な表現は、特に明記しない限り、または使用される文脈で矛盾しない限り、一般に、要素や用語などがX、Y、またはZでよいことを表す。したがって、そのような選言的な表現は、特定の実施形態において、Xの少なくとも1つ、Yの少なくとも1つ、およびZの少なくとも1つがそれぞれ存在する必要があることを示唆するものとは意図されていない。本明細書で使用する際、語「約」または「ほぼ」は、ある値が、指定される値の±10%以内、±5%以内、または±1%以内であることを意味することができる。
【0172】
本明細書で述べる方法およびプロセスは、1つまたは複数の汎用および/または専用コンピュータによって実行されるソフトウェアコードモジュール内で具現化され、そのようなソフトウェアコードモジュールによって一部または完全に自動化されることがある。語「モジュール」は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアで具現化された論理を表し、または、例えば、CまたはC++などのプログラミング言語で書かれた、エントリポイントとエグジットポイントを有することもあるソフトウェア命令の集合を表す。ソフトウェアモジュールは、動的にリンクされたライブラリにインストールされた実行可能なプログラムにコンパイルしてリンクさせることができ、または、例えば、BASIC、Perl、もしくはPythonなどの解釈プログラミング言語で書くことができる。ソフトウェアモジュールは、他のモジュールまたはそれら自体から呼出し可能であることがあり、および/または検出されたイベントまたは中断に応答して呼び出されることもあることを理解されたい。ソフトウェア命令は、消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)などのファームウェアに埋め込まれることがある。ハードウェアモジュールは、ゲートおよびフリップフロップなど接続された論理ユニットを含むことがあり、および/または、プログラマブルユニット、例えばプログラマブルゲートアレイ、特定用途向け集積回路、および/または処理装置を含むことがある。本明細書で述べるモジュールは、ソフトウェアモジュールとして実装することができるが、ハードウェアおよび/またはファームウェアで表すこともできる。さらに、幾つかの実施形態では、モジュールを個別にコンパイルすることができるが、他の実施形態では、モジュールは、個別にコンパイルされたプログラムの命令のサブセットを表すこともあり、他の論理プログラムユニットに利用可能なインターフェースを有さないこともある。
【0173】
特定の実施形態では、コードモジュールは、任意のタイプのコンピュータ可読媒体または他のコンピュータ記憶デバイスに実装および/または記憶することができる。幾つかのシステムでは、システムに入力されるデータ(および/またはメタデータ)、システムによって生成されるデータ、および/またはシステムによって使用されるデータを、リレーショナルデータベースおよび/またはフラットファイルシステムなど任意のタイプのコンピュータデータリポジトリに記憶することができる。本明細書で述べるシステム、方法、およびプロセスの任意のものが、使用者、オペレータ、他のシステム、コンポーネント、プログラムなどとの対話を可能にするように構成されたインターフェースを含むことがある。
【0174】
本明細書で述べる実施形態に多くの変更および修正を施すことができ、それらの要素は、他の許容できる実施例に含まれるものと理解すべきであることを強調しておく。そのような修正形態および変形形態は全て、本開示の範囲内に含まれ、添付の特許請求の範囲によって保護されるものと意図される。さらに、上記の開示はどれも、任意の特定の構成要素、特徴、またはプロセスステップが必須または本質的であることを示唆するものとは意図されていない。