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特開2024-161750情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161750
(43)【公開日】2024-11-20
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241113BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076737
(22)【出願日】2023-05-08
(71)【出願人】
【識別番号】521256908
【氏名又は名称】KEYes株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野寄 朋彦
(72)【発明者】
【氏名】柄澤 博人
(72)【発明者】
【氏名】藤懸 英昭
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】電子錠を用いた管理の利便性を向上させる。
【解決手段】本願に係る情報処理システムは、ネットワークを介してサーバと直接通信する機能を有する携帯可能な電子錠を含む情報処理システムであって、前記電子錠は、前記電子錠の遠隔からの解錠の実行するための条件を満たした際に前記サーバが送信する解錠を指示する解錠指示情報を受信した場合、前記解錠指示情報に基づいて前記電子錠の解錠処理を実行する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介してサーバと直接通信する機能を有する携帯可能な電子錠を含む情報処理システムであって、
前記電子錠は、
前記電子錠の遠隔からの解錠の実行するための条件を満たした際に前記サーバが送信する解錠を指示する解錠指示情報を受信した場合、前記解錠指示情報に基づいて前記電子錠の解錠処理を実行する
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記サーバは、
前記条件を満たした状態で前記電子錠からの要求を受信した場合に、前記要求に応じて前記解錠指示情報を送信し、
前記電子錠は、
所定のタイミングで前記サーバに前記要求を行い、前記解錠指示情報を受信した場合、前記解錠処理を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記電子錠は、
複数のモードを切り替え可能であって、外部と通信不可能な第1モードから所定のタイミングで、外部と通信可能な第2モードに遷移し、前記サーバに前記要求を行い、前記解錠指示情報を受信した場合、前記解錠処理を実行する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記電子錠は、
前記第1モードの状態で所定の時間経過した場合、前記第2モードに遷移し、前記サーバに前記要求を行う
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記電子錠は、
ユーザによる操作を受け付けるボタンを有し、前記第1モードの状態で前記ボタンに対する前記ユーザの操作を受け付けた場合、前記第2モードに遷移し、前記サーバに前記要求を行う
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記サーバは、
前記条件を満たす間、前記解錠指示情報の送信を継続し、
前記電子錠は、
外部と通信不可能な第1モード及び外部と通信可能な第2モードを含む複数のモードを切り替え可能であって、前記第2モードにおいて、前記解錠指示情報を受信した場合、前記解錠処理を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記電子錠は、
ユーザが携帯する携帯端末との近距離無線通信により施解錠可能であり、前記携帯端末からの指示に応じた施解錠処理を実行する
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1つに記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記電子錠は、
前記携帯端末による即時解錠が困難な状況を示す前記条件を満たした際に前記サーバが送信する前記解錠指示情報を受信した場合、前記解錠処理を実行する
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
ネットワークを介してサーバと直接通信する機能を有する携帯可能な電子錠が、前記電子錠の遠隔からの解錠の実行するための条件を満たした際に前記サーバが送信する解錠を指示する解錠指示情報を受信した場合、前記解錠指示情報に基づいて前記電子錠の解錠処理を実行する工程
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
ネットワークを介してサーバと直接通信する機能を有する携帯可能な電子錠が、前記電子錠の遠隔からの解錠の実行するための条件を満たした際に前記サーバが送信する解錠を指示する解錠指示情報を受信した場合、前記解錠指示情報に基づいて前記電子錠の解錠処理を実行する手順
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、近距離無線通信等の通信機能により施解錠可能な電子錠が知られている。例えば、電子錠の近傍に位置するユーザ端末との間の近距離無線通信により施解錠が行われる電子錠に関する技術が提供されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6971002号公報
【特許文献2】特開2019-053526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の従来技術は、近距離無線通信等の通信機能により電子錠を施解錠可能であるが、電子錠を通信機能により解錠を行う点については改善の余地がある。例えば、上記の従来技術では、ユーザ端末を所有するユーザ等、電子錠を施解錠可能なユーザが電子錠の近傍に位置する必要があり、ユーザが電子錠の近傍にいない場合等において電子錠を施解錠する点については改善の余地がある。そのため、ユーザが電子錠の近傍にいない場合においても電子錠を解錠可能にし、電子錠を用いた管理の利便性を向上させることが望まれている。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、電子錠を用いた管理の利便性を向上させる情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理システムは、ネットワークを介してサーバと直接通信する機能を有する携帯可能な電子錠を含む情報処理システムであって、前記電子錠は、前記電子錠の遠隔からの解錠の実行するための条件を満たした際に前記サーバが送信する解錠を指示する解錠指示情報を受信した場合、前記解錠指示情報に基づいて前記電子錠の解錠処理を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、電子錠を用いた管理の利便性を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理システムの処理の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る電子錠の構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る第1の処理の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る第2の処理の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、図面において、同一または類似の要素には同一または類似の参照符号及び名称が付され、各実施形態の説明において同一または類似の要素に関する重複する説明は省略することがある。また、各実施形態で示される特徴は、互いに矛盾しない限り他の実施形態にも適用可能である。
【0010】
<1.実施形態>
まず、実施形態に係る情報処理システム1の構成について説明した後、情報処理システム1が実行する処理の例について説明する。
【0011】
<1-1.情報処理システムの構成>
実施形態に係る情報処理システム1の構成について、図1を参照して説明する。図1は、実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。具体的には、図1は、携帯可能な電子錠の一例である携帯型電子錠300がネットワークNWを介して遠隔に位置するサーバ100と直接通信可能な機能を有する情報処理システム1を示すブロック構成図である。情報処理システム1は、サーバ100と、ユーザ端末200、携帯型電子錠300A、300Bとで構成される。以下、携帯型電子錠300A、300B等を区別せずに説明する場合、「携帯型電子錠300」を記載する。
【0012】
なお、図1に示す情報処理システム1の装置構成は一例に過ぎず、情報処理システム1には、3つ以上の携帯型電子錠300が含まれてもよい。また、情報処理システム1に含まれる携帯型電子錠300は、1つであってもよい。また、図1に示した情報処理システム1には、複数のサーバ100や、複数のユーザ端末200が含まれてもよい。
【0013】
サーバ100は、ユーザ端末200及び携帯型電子錠300と、ネットワークNWを介して接続される。ネットワークNWは、インターネット、イントラネット、等により構成される。例えば、サーバ100は、ユーザ端末200及び携帯型電子錠300等の外部装置と通信し、取得した情報を基に携帯型電子錠300の施解錠に関する処理を実行する情報処理装置(コンピュータ)である。サーバ100は、ネットワークNWを介して遠隔から携帯型電子錠300に対して携帯型電子錠300の施解錠を指示し、携帯型電子錠300に施解錠に関する処理を実行させる。
【0014】
サーバ100は、例えば、ワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。本実施形態においては、説明の便宜上サーバ端末として1台を例示しているが、これに限定されず、複数台であってもよい。
【0015】
ユーザ端末200は、例えば、パーソナルコンピュータやタブレット端末、スマートフォンや携帯電話等の情報処理装置であり得る。ユーザ端末200は、Bluetooth(登録商標)、BLE(Bluetooth Low Energy)、赤外線等の近距離無線通信の機能を有し、携帯型電子錠300とネットワークNWを介さずに通信する機能を有する。例えば、ユーザ端末200は、携帯型電子錠300の施解錠を管理するユーザ(「錠管理者」ともいう)が所有し、錠管理者の操作に応じて施錠または解錠を指示する情報を、近距離に位置する携帯型電子錠300に送信する。
【0016】
また、ユーザ端末200は、GPS(Global Positioning System)等、位置を検知するセンサ(位置センサ)を有し、自装置の位置情報を取得可能であってもよい。また、ユーザ端末200は、WiFi(登録商標)(Wireless Fidelity)やビーコン等の情報を用いて自装置の位置情報を取得してもよい。
【0017】
携帯型電子錠300は、携帯可能な電子錠であり、例えば電子南京錠である。携帯型電子錠300は、施錠に利用可能前において錠管理者等の人が容易に任意の場所へ移動させることが可能であり、任意の場所での施錠に利用可能な電子錠である。例えば、携帯型電子錠300は、電気的な信号に応じて施錠状態と解錠状態とを切り替える。なお、携帯型電子錠300は、電子南京錠に限らず、携帯可能な電子錠であれば任意の電子錠であってもよい。例えば、携帯型電子錠300は、ワイヤ型やチェーン型等の電子錠であってもよい。
【0018】
例えば、携帯型電子錠300は、ユーザが携帯(持ち運び)可能であり、管理する空間(「管理空間」ともいう)への不法侵入、管理する対象物(「管理物」ともいう)の持ち去り、窃盗、不正使用等を抑制するために用いられる電子錠である。すなわち、携帯型電子錠300は、管理空間及び管理物等の管理する対象(「管理対象」ともいう)を保護するために用いられる電子錠である。例えば、携帯型電子錠300が管理空間の保護に用いられる場合、携帯型電子錠300は、管理空間の入口等に設けられた扉の掛け金(の挿通孔)やチェーン等に挿通された状態で施錠状態になることにより、管理空間への不法侵入を抑制する。なお、携帯型電子錠300の使用態様は、物理キー等を用いる通常の南京錠の使用態様と同様であるため詳細な説明は省略する。
【0019】
携帯型電子錠300は、無線LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等を備えてネットワークNWを介してサーバ100と直接通信する機能を有する。例えば、携帯型電子錠300は、SIM(Subscriber Identity Module)カードまたはeSIM(embedded SIM)等(「SIM」と総称する場合がある)を内蔵し、LTE(Long Term Evolution)等の通信規格に対応する無線通信により、ネットワークNWを介してサーバ100と直接通信する。
【0020】
なお、携帯型電子錠300は、ネットワークNWを介してサーバ100と直接通信する機能を有すれば、任意の態様(通信規格、装置構成等)が採用可能である。例えば、携帯型電子錠300は、LTEに限らず、4G(4th Generation)、5G(5th Generation:第5世代移動通信システム)等の無線通信によりサーバ100と直接通信してもよい。また、携帯型電子錠300は、ネットワークNWを介してサーバ100と直接通信可能であれば、SIMを有しなくてもよい。
【0021】
携帯型電子錠300は、ネットワークNWを介してサーバ100と直接通信する機能を利用した施解錠の指示を受け付ける。例えば、携帯型電子錠300は、サーバ100と直接通信する機能を利用して、遠隔に位置するサーバ100から解錠の指示する情報(解錠情報)を受信する。なお、携帯型電子錠300は、遠隔に位置するサーバ100から施錠を指示する情報(施錠情報)を受信してもよい。携帯型電子錠300は、サーバ100からの情報の受信に応じて、受信した情報の応じた処理を実行する。携帯型電子錠300は、サーバ100からの解錠情報を受信した場合、自身の状態を解錠状態にする処理(解錠処理)を実行する。
【0022】
また、携帯型電子錠300は、近距離無線通信の機能を利用した施解錠の指示を受け付ける。例えば、携帯型電子錠300の施解錠操作は、例えば近距離無線通信が可能な位置、すなわち近距離に位置するユーザ端末200により実行されてもよい。より具体的には、例えばユーザ端末200上で実行されるアプリケーションにおいて解錠要求操作が実行された場合に、ユーザ端末200の近距離無線通信インターフェースにより携帯型電子錠300へ解錠要求を送信するようにしてもよい。なお、アプリケーションにおいて解錠要求操作機能のみを備える場合には、携帯型電子錠300は施錠操作を従来の錠前と同様に物理な施錠構成により手動で非電気的に実行する(例えば図2中のシャックル32を本体31に挿入するとロックがかかる等)ようにしてもよい。この時、必要に応じて物理的な施錠構成に対してセンサを設けるなどして施錠検知信号を生成してユーザ端末200やサーバ100へ送信するようにして施錠操作を認識してもよい。また、当該解錠要求操作機能に加えて、施錠要求操作機能を備えていてもよく、例えば施解錠ごとにアプリケーション上から要求操作を実行して、解錠要求操作の際と同様に携帯型電子錠300へ施錠要求を送信してもよい。
【0023】
また、携帯型電子錠300の施解錠操作は、例えば携帯型電子錠300に設けられた任意のボタン(図2中のボタン33等)と生体認証の組み合わせにより実行されてもよい。この場合、携帯型電子錠300は、生体認証により施解錠操作を実行したユーザのユーザ情報を特定し、特定したユーザ情報及び操作結果をサーバ100へ送信可能としてもよい。なお、携帯型電子錠300に設けられるボタンは、複数あってもよく、例えば解除を指示するボタン(解錠ボタン)や施錠を指示するボタン(施錠ボタン)等、操作内容に対応するボタンが含まれてもよい。
【0024】
<1-2.情報処理システムの処理例>
ここから、情報処理システム1による処理の概要を説明する。図2は、実施形態に係る情報処理システムの処理の一例を示す図である。具体的には、図2は、情報処理システム1での処理例を模式的に示す図の一例である。図2では、携帯型電子錠300が施錠状態である場合を示す。また、図2に示すユーザは、携帯型電子錠300を施解錠するためのアプリケーションがインストールされたユーザ端末200を所有し、例えば携帯型電子錠300の施解錠を管理する錠管理者である。
【0025】
図2では、携帯型電子錠300の遠隔からの解錠の実行するための条件(「遠隔解錠条件」ともいう)を満たした場合の一例として、錠管理者がユーザ端末200を用いて携帯型電子錠300の解錠を行えないことが想定される状況を示す。すなわち、図2では、例えばユーザ端末200を所有するユーザが近距離無線通信の機能を利用して携帯型電子錠300の施解錠が実行できない状況を示す。なお、図2に示す状況は一例に過ぎず、情報処理システム1は、ユーザ端末200による携帯型電子錠300の施解錠が実行可能な状況であっても、遠隔解錠条件を満たせば遠隔からの携帯型電子錠300の施解錠を実行してもよい。
【0026】
サーバ100は、遠隔解錠条件を示す情報を記憶部に記憶し、携帯型電子錠300の状況が遠隔解錠条件を満たすか否かを判定する。サーバ100は、遠隔解錠条件を満たすと判定した場合に、携帯型電子錠300の解錠を指示する解錠指示情報を携帯型電子錠300へ送信する。例えば、サーバ100は、錠管理者がユーザ端末200を用いて携帯型電子錠300の解錠を行えないことが想定される状況を示す情報を取得した場合、遠隔解錠条件を満たすと判定する。
【0027】
図2では、災害発生を隔解錠条件として、サーバ100は、災害発生を示す情報を取得した場合、遠隔解錠条件を満たすと判定する。この場合、サーバ100は、例えば行政機関等が管理する災害情報報等のデータを提供する外部装置から災害発生を示す情報を受信してもよい。なお、上記は一例に過ぎず、災害発生に限らず、任意の条件を遠隔解錠条件としてもよい。また、サーバ100は、取得した情報を基に災害発生の有無を判定してもよい。
【0028】
サーバ100は、災害発生が発生した際に、携帯型電子錠300の遠隔からの解錠の実行するための隔解錠条件を満たすとして、携帯型電子錠300の解錠を指示する解錠指示情報を携帯型電子錠300へ送信する。携帯型電子錠300は、解錠指示情報を受信した場合、携帯型電子錠300の解錠処理を実行する。例えば、携帯型電子錠300は、施錠状態において、解錠指示情報を受信した場合、状態を解錠状態に変更する。例えば、施錠状態は、シャックル32の位置が本体31に近づいた位置(施錠位置)にある状態(図4の携帯型電子錠300-1の状態に対応)に対応する。例えば、解錠状態は、シャックル32の位置が本体31から離れた位置(解錠位置)にある状態(図4の携帯型電子錠300-2の状態に対応)に対応する。
【0029】
また、サーバ100は、災害発生に限らず、例えば携帯型電子錠300の解錠を行う必要が生じた際に、ユーザ端末200が携帯型電子錠300から所定の範囲内にない場合、遠隔解錠条件を満たすと判定してもよい。この場合、サーバ100は、携帯型電子錠300の配置位置を示す位置情報と、ユーザ端末200の位置情報とを比較し、携帯型電子錠300とユーザ端末200との間の距離が所定の閾値以上である場合、遠隔解錠条件を満たすと判定してもよい。例えば、位置情報は、緯度経度座標系または任意の直交座標系で表現される位置を示す情報である。
【0030】
この場合、サーバ100は、ユーザ端末200からユーザ端末200の位置を示す位置情報を取得してもよい。サーバ100は、携帯型電子錠300の配置位置を示す位置情報を記憶部に記憶し、記憶部から取得してもよい。また、サーバ100は、携帯型電子錠300が自装置の位置を検知する機能を有する場合、携帯型電子錠300から携帯型電子錠300の位置を示す位置情報を取得してもよい。
【0031】
そして、サーバ100は、取得した位置情報を基に、携帯型電子錠300がユーザ端末200により即時解錠可能であるかを判定してもよい。このように、サーバ100は、携帯型電子錠300の解錠を行う必要が生じた際にユーザ端末200による即時解錠が困難な状況を示す遠隔解錠条件を満たすか否かを判定してもよい。携帯型電子錠300は、携帯型電子錠300の解錠を行う必要が生じた際にユーザ端末200による即時解錠が困難な状況である場合、サーバ100から解錠指示情報を受信し解錠処理を実行する。
【0032】
例えば、携帯型電子錠300は、外部と通信不可能なモード(「第1モード」ともいう)とは異なるモードであり、外部と通信可能なモード(「第2モード」ともいう)である場合に、解錠指示情報を受信する。このように、携帯型電子錠300は、第1モードと第2モードとを切り替え可能である。例えば、第1モードは、スリープ状態に対応するモードであってもよく、第2モードは、後述するボタン33が操作されることに応じて起動した状態に対応するモードであってもよい。なお、携帯型電子錠300が解錠指示情報を受信するまでの処理の流れの詳細については後述する。
【0033】
<1-3.電子錠の構成>
ここから、実施形態に係る携帯型電子錠300の構成について説明する。まず、図2に示す携帯型電子錠300の外観を基に、携帯型電子錠300の構造的な構成を説明する。携帯可能な電子錠の一例である携帯型電子錠300は、例えば図2に示すようなハードウェア構成を有する。なお、以下の構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。
【0034】
図2に示す携帯型電子錠300は、本体31と、シャックル32と、ボタン33とを有し、例えば本体31内に蓄電池(バッテリー)、電気機器及び電気制御機構等の各種要素を備えた電子南京錠である。なお、携帯型電子錠300の内部構造(本体31内の構造)は、施解錠等の所望の処理を実現可能であれば、任意の構成が採用可能であり、詳細な説明は省略する。
【0035】
本体31の一端部には、シャックル32が機構上開閉自在に取り付けられている。例えば、携帯型電子錠300のサイズ、従来の南京錠のサイズと同程度のサイズである。また、上述したように、携帯型電子錠300がワイヤ型やチェーン型である場合、携帯型電子錠300は、シャックル32に代えて、ワイヤやチェーンを有してもよい。
【0036】
また、本体31の一面には、ユーザの操作を受け付けるボタン33が設けられる。ボタン33は、ユーザによる押す操作等の接触操作を、携帯型電子錠300のモードを切り替える操作として受け付ける。例えば、ボタン33は、ユーザによる第1モードから第2モードにモードを切り替える操作を受け付ける。このように、ボタン33は、ユーザによる物理的な接触操作を受け付けるボタンである。
【0037】
次に、実施形態に係る携帯型電子錠300の情報処理に係る構成について図3を用いて説明する。図3は、実施形態に係る電子錠の構成例を示す図である。具体的には、図3は、携帯型電子錠300の情報処理に関する機能ブロック構成図の一例である。携帯型電子錠300は、通信部310と、記憶部320と、制御部330と、入力部340とを有する。
【0038】
第1通信部311は、ユーザ端末200等の外部装置と近距離無線通信を行うための通信インターフェースである。例えば、第1通信部311は、Bluetooth、BLE(Bluetooth Low Energy)、赤外線等のうち、少なくとも1つの近距離無線通信を行うための通信インターフェースである。例えば、第1通信部311は、所定の通信回路等によって実現される。
【0039】
第2通信部312は、サーバ100等の外部装置とネットワークNWを介して通信を行うための通信インターフェースである。例えば、第2通信部312は、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の通信規約に基づきネットワークNWを介してサーバ100と通信を行うための通信インターフェースである。例えば、第2通信部312は、所定の通信回路等によって実現される。
【0040】
記憶部320は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子等の記憶装置によって実現される。記憶部320は、各種制御処理や制御部330内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶する。
【0041】
記憶部320は、処理に用いる各種情報を記憶する。例えば、記憶部320は、自装置のモードに関する情報を記憶する。記憶部320は、例えば、自装置の現時点でのモードを示す情報、第1モードと第2モードとの切り替えるタイミングに関する情報等を記憶する。
【0042】
制御部330は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、携帯型電子錠300内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部330は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0043】
図3に示すように、制御部330は、取得部331と、実行部332と、出力部333とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0044】
取得部331は、各種情報を取得する。取得部331は、記憶部320から各種情報を取得する。取得部331は、入力部340により受け付けられたユーザの操作を示す情報を取得する。取得部331は、サーバ100やユーザ端末200等の外部の情報処理装置から各種情報を受信する。取得部331は、ユーザ端末200から第1通信部311を介して携帯型電子錠300の施解錠に関する指示を受信する。取得部331は、サーバ100から第2通信部312を介して携帯型電子錠300の施解錠に関する指示を受信する。取得部331は、遠隔解錠条件を満たした際にサーバ100が送信する解錠を指示する解錠指示情報を受信する。
【0045】
実行部332は、携帯型電子錠300の施解錠に関する各種処理を実行する。実行部332は、記憶部320に記憶された情報を用いて各種処理を実行する。実行部332は、第1モードと第2モードとを切り替える処理を実行する。実行部332は、入力部340により受け付けられた操作に応じてモードを切り替える。例えば、実行部332は、ユーザがボタン33を押した場合、携帯型電子錠300のモードを第2モードにする。
【0046】
実行部332は、サーバ100からの指示に応じた施解錠処理を実行する。実行部332は、解錠指示情報を受信した場合、解錠指示情報に基づいて解錠処理を実行する。実行部332は、ユーザ端末200からの指示に応じた施解錠処理を実行する。
【0047】
出力部333は、各種情報を出力する。出力部333は、各種情報を外部装置へ送信する。出力部333は、サーバ100に解錠の要否の確認を要求する要求情報を送信する。出力部333は、所定のタイミングでサーバ100に要求を行う。出力部333は、第2モードに遷移したタイミングでサーバ100に要求を行う。
【0048】
入力部340は、ユーザによる各種操作を受け付ける。入力部340は、ボタン33を介してユーザの操作を受け付ける。入力部340は、ユーザによるボタン33を押す(タッチ)操作を受け付ける。入力部340は、ユーザによるボタン33を押す操作を、携帯型電子錠300のモードを切り替える操作として受け付ける。
【0049】
なお、携帯型電子錠300は、上記以外にも様々な要素を有してもよい。携帯型電子錠300は、任意のセンサを有し、自装置が置かれている状況(コンテキスト)を示す情報を取得可能であってもよい。例えば、携帯型電子錠300は、加速度センサを有してもよい。なお、携帯型電子錠300は、加速度センサに限らず、位置センサ、温度センサ、気圧センサ等の種々のセンサを有してもよい。
【0050】
<1-4.処理例>
ここから、上述した前提を基に、実施形態に関する各種処理例について説明する。以下、第1の処理及び第2の処理を、情報処理システム1が実行する処理の一例として示す。
【0051】
<1-4-1.第1の処理>
まず、図4を用いて、第1の処理について説明する。図4は、実施形態に係る第1の処理の一例を示す図である。図4では、携帯型電子錠300の状態に応じて、携帯型電子錠300を携帯型電子錠300-1、300-2として説明する。なお、携帯型電子錠300-1、300-2は同一の携帯型電子錠300である。以下では、携帯型電子錠300-1、300-2について、特に区別なく説明する場合には、携帯型電子錠300と記載する。
【0052】
図4では、シャックル32が下りた状態を示す携帯型電子錠300-1は、施錠状態の携帯型電子錠300に対応し、シャックル32が上がった状態を示す携帯型電子錠300-2は、解錠状態の携帯型電子錠300に対応する。図4では、携帯型電子錠300は、管理対象TGにおいて用いられる場合を一例として説明する。例えば、管理対象TGは、携帯型電子錠300を用いたゲート(門扉)の施錠により人の入場が規制される管理空間である。
【0053】
図4に示す第1の処理では、携帯型電子錠300は、所定のタイミングでサーバ100に要求を行い、解錠指示情報を受信した場合、解錠処理を実行する。例えば、携帯型電子錠300は、所定のタイミングでサーバ100に要求を行う。サーバ100は、遠隔解錠条件を満たした状態で携帯型電子錠300からの要求を受信した場合に、要求に応じて解錠指示情報を送信する。以下、第1の処理の流れについて具体的に説明する。
【0054】
情報処理システム1は、携帯型電子錠300が遠隔解錠条件を満たすか否かを判定する(ステップS1)。図4では、サーバ100は、例えば災害発生等により携帯型電子錠300が遠隔解錠条件を満たすと判定する。
【0055】
情報処理システム1は、携帯型電子錠300のモードを第2モードに切り替える(ステップS2)。図4では、携帯型電子錠300は、ユーザがボタン33を押す操作を起動操作として受け付け、モードを第1モードから第2モードに切り替える。これにより、携帯型電子錠300は、外部と通信不可能な第1モードから外部と通信可能な第2モードに遷移する。例えば、携帯型電子錠300は、ボタン33が押され第2モードになると、Bluetooth等、近距離無線通信でスキャン可能な信号を出力してもよい。
【0056】
そして、情報処理システム1は、サーバ100に解錠指示情報の送信を要求する(ステップS3)。図4では、携帯型電子錠300は、第2モードに遷移したタイミングで、サーバ100に解錠指示情報の送信を要求する要求情報をサーバ100に送信する。
【0057】
このように、図4では、携帯型電子錠300は、ユーザによる操作を受け付けるボタンを有し、第1モードの状態でボタンに対するユーザの操作を受け付けた場合、第2モードに遷移し、サーバ100に要求を行う。なお、携帯型電子錠300は、第2モードの状態で情報の受信及びユーザの操作等がなく所定の時間(例えば10分、30分等)経過した場合、第1モードへ遷移してもよい。また、携帯型電子錠300は、任意のタイミングで第1モードから第2モードに遷移してもよい。
【0058】
例えば、携帯型電子錠300は、第1モードの状態で所定の時間(例えば15分、1時間等の任意の時間)経過した場合、第2モードに遷移してもよい。この場合、携帯型電子錠300は、第1モードの状態で所定の時間経過した場合、第2モードに遷移し、サーバ100に要求を行ってもよい。例えば、携帯型電子錠300は、センサによりコンテキストの変化を検知した場合、第1モードから第2モードに遷移してもよい。この場合、携帯型電子錠300は、例えば加速度センサにより所定の閾値以上の加速度の変化を検知した場合、第1モードから第2モードに遷移してもよい。
【0059】
そして、情報処理システム1は、携帯型電子錠300からの要求に応じて、解錠指示情報を携帯型電子錠300へ送信する(ステップS4)。図4では、サーバ100は、遠隔解錠条件を満たした状態で携帯型電子錠300からの要求を受信したため、要求に応じて解錠指示情報を携帯型電子錠300へ送信する。なお、サーバ100は、遠隔解錠条件を満たしていない状態で携帯型電子錠300からの要求を受信した場合、解錠指示情報を携帯型電子錠300へ送信しない。
【0060】
そして、情報処理システム1は、解錠指示情報に基づいて携帯型電子錠300の解錠処理を実行する(ステップS5)。図4では、携帯型電子錠300は、サーバ100から解錠指示情報を受信したため、携帯型電子錠300の解錠処理を実行する。例えば、携帯型電子錠300は、解錠指示情報を受信したタイミングで、施錠状態の携帯型電子錠300-1から解錠状態の携帯型電子錠300-2に状態を変更する。
【0061】
このように、第1の処理では、情報処理システム1は、ユーザによる起動操作が行われたタイミングで、携帯型電子錠300がサーバ100に問い合わせ、その結果受信した情報を基に、解錠操作を実行する。すなわち、第1の処理では、情報処理システム1は、携帯型電子錠300からのリクエスト(要求)を起点(トリガー)として、自動での遠隔解錠処理を実行する。これにより、情報処理システム1は、サーバ100による解錠指示情報の送信を効率的に行うことができる。
【0062】
<1-4-2.第2の処理>
次に、図5を用いて、第2の処理について説明する。図5は、実施形態に係る第2の処理の一例を示す図である。なお、図4等において説明した処理と同様の点についての説明は適宜省略する。
【0063】
図5に示す第2の処理では、サーバ100は、遠隔解錠条件を満たす間、解錠指示情報の送信を継続する。携帯型電子錠300は、第2モードにおいて、解錠指示情報を受信した場合、解錠処理を実行する。以下、第2の処理の流れについて具体的に説明する。
【0064】
情報処理システム1は、携帯型電子錠300が遠隔解錠条件を満たすか否かを判定する(ステップS21)。図5では、サーバ100は、例えば災害発生等により携帯型電子錠300が遠隔解錠条件を満たすと判定する。
【0065】
そして、情報処理システム1は、遠隔解錠条件を満たす間、解錠指示情報の送信を継続する(ステップS22)。図5では、サーバ100は、遠隔解錠条件を満たす間、解錠指示情報の送信を継続する。例えば、サーバ100は、条件を満たした遠隔解錠条件に対応する携帯型電子錠300に対して、遠隔解錠条件を満たす間、解錠指示情報の送信を継続する。
【0066】
情報処理システム1は、携帯型電子錠300のモードを第2モードに切り替える(ステップS23)。図5では、携帯型電子錠300は、ユーザがボタン33を押す操作を起動操作として受け付け、モードを第1モードから第2モードに切り替える。これにより、携帯型電子錠300は、外部と通信不可能な第1モードから外部と通信可能な第2モードに遷移する。
【0067】
そして、情報処理システム1は、遠隔解錠条件を満たす間、解錠指示情報の送信を継続することで、解錠指示情報を携帯型電子錠300へ送信する(ステップS24)。図5では、携帯型電子錠300は、外部と通信可能な第2モードになったため、サーバ100からの解錠指示情報を受信することができる。
【0068】
そして、情報処理システム1は、解錠指示情報に基づいて携帯型電子錠300の解錠処理を実行する(ステップS25)。図5では、携帯型電子錠300は、サーバ100から解錠指示情報を受信したため、携帯型電子錠300の解錠処理を実行する。例えば、携帯型電子錠300は、解錠指示情報を受信したタイミングで、施錠状態の携帯型電子錠300-1から解錠状態の携帯型電子錠300-2に状態を変更する。
【0069】
このように、第2の処理では、情報処理システム1は、遠隔解錠条件を満たす間解錠指示情報の送信を継続し、ユーザによる起動操作が行われたタイミングで携帯型電子錠300がサーバ100からの解錠指示情報を受信し、解錠操作を実行する。すなわち、第2の処理では、情報処理システム1は、サーバ100からの送信(要求)を起点(トリガー)として、各携帯型電子錠300が受信可能となったタイミングで、各携帯型電子錠300が自動での遠隔解錠処理を実行する。そのため、情報処理システム1は、遠隔解錠対象となる携帯型電子錠300が複数ある場合であっても、複数の携帯型電子錠300に対して一括送信を行い、解錠指示情報を受信可能となった携帯型電子錠300から順次解錠を行うことができる。
【0070】
例えば、図2において条件を満たした遠隔解錠条件に対応する携帯型電子錠300が複数ある場合、サーバ100は、遠隔解錠条件に対応する複数の携帯型電子錠300に対して、遠隔解錠条件を満たす間、解錠指示情報の送信を継続する。この場合、サーバ100は、各遠隔解錠条件に、その遠隔解錠条件の対象となる携帯型電子錠300を識別する情報(錠ID等)を対応付けて記憶部320に記憶し、記憶部320を参照して送信先となる携帯型電子錠300を特定してもよい。
【0071】
なお、上述した第1の処理及び第2の処理は一例に過ぎず、情報処理システム1は、第1の処理及び第2の処理に限らず任意の処理を実行してもよい。また、情報処理システム1は、第1の処理及び第2の処理を組み合わせて処理を実行してもよい。例えば、情報処理システム1は、条件を満たした際の緊急度に応じて、第1の処理及び第2の処理を切り替えてもよい。例えば、情報処理システム1は、錠管理者からの要求、災害発生等、緊急度が高い場合、第2の処理を実行してもよい。また、例えば、情報処理システム1は、携帯型電子錠300の動作チェック等、緊急度が低い場合、第1の処理を実行してもよい。なお、上記は一例に過ぎず、情報処理システム1は、任意の態様により、第1の処理及び第2の処理を組み合わせて処理を実行してもよい。
【0072】
<1-5.情報処理のフロー>
次に、図6を用いて、実施形態に係る情報処理システム1による情報処理の手順について説明する。図6は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
【0073】
図6では、情報処理システム1は、電子錠の遠隔からの解錠の実行するための条件を満たすか否かを判定する(ステップS101)。例えば、サーバ100は、携帯型電子錠300の遠隔からの解錠の実行するための条件を満たすか否かを判定する。
【0074】
情報処理システム1は、電子錠の遠隔からの解錠の実行するための条件を満たさない場合(ステップS101:No)、ステップS101の処理を繰り返す。例えば、サーバ100は、携帯型電子錠300の遠隔からの解錠の実行するための条件を満たさないと判定した場合、ステップS101の処理を繰り返す。
【0075】
情報処理システム1は、電子錠の遠隔からの解錠の実行するための条件を満たす場合(ステップS101:Yes)、サーバ100が解錠を指示する解錠指示情報を送信する(ステップS102)。例えば、サーバ100は、携帯型電子錠300の遠隔からの解錠の実行するための条件を満たすと判定した場合、解錠を指示する解錠指示情報を携帯型電子錠300へ送信する。
【0076】
そして、情報処理システム1は、電子錠が解錠指示情報を受信する(ステップS103)。例えば、携帯型電子錠300は、サーバ100から解錠指示情報を受信する。そして、情報処理システム1は、電子錠が解錠指示情報に基づいて電子錠の解錠処理を実行する(ステップS104)。例えば、携帯型電子錠300は、サーバ100から受信した解錠指示情報に基づいて携帯型電子錠300の解錠処理を実行する。
【0077】
<2.適用例>
上述した情報処理システム1の具体的な適用例を記載する。なお、以下に示す情報処理システム1が適用されるサービスは一例に過ぎず、情報処理システム1は、その処理が適用可能な任意のサービスに適用されてもよい。
【0078】
例えば、情報処理システム1は、行政機関における鍵の管理の課題を解決するために適用されてもよい。この場合、情報処理システム1は、行政機関が管理する管理対象について携帯型電子錠300が適用され、行政や自治区の担当者がユーザ端末200を用いて、近距離無線通信により携帯型電子錠300の施解錠を行う。
【0079】
従来のように、通常の南京錠や近距離無線通信での施解錠のみが可能な電子錠である場合、行政や自治区の担当者が物理鍵やユーザ端末200を持っているため、錠を開けるまでに時間がかかったり、物理鍵やユーザ端末200を持っている担当者が被災して錠を開けられなかったりする場合が生じ得る。
【0080】
一方で、情報処理システム1が適用された場合、遠隔からの解錠が可能であるため、錠を開けるまでに時間がかかったり、ユーザ端末200を持っている担当者が被災して錠を開けられなかったりする場合が生じることを抑制することができる。
【0081】
また、情報処理システム1は、行政機関に限らず、無人で管理する郊外の施設を対象としてもよい。この場合、情報処理システム1は、無人で管理する郊外の施設に配置される携帯型電子錠300の遠隔解錠の処理を実行してもよい。例えば、情報処理システム1は、解錠条件を満たす場合、管理者が常駐しない郊外の施設の管理対象を施錠している携帯型電子錠300を遠隔解錠する処理を実行する。
【0082】
<3.まとめ(構成等)>
上述した実施形態の内容について以下列記する。例えば、上述してきた各実施形態は、以下のような構成を備える。
(項目1)
ネットワークを介してサーバと直接通信する機能を有する携帯可能な電子錠を含む情報処理システムであって、
前記電子錠は、
前記電子錠の遠隔からの解錠の実行するための条件を満たした際に前記サーバが送信する解錠を指示する解錠指示情報を受信した場合、前記解錠指示情報に基づいて前記電子錠の解錠処理を実行する
ことを特徴とする情報処理システム。
(項目2)
前記サーバは、
前記条件を満たした状態で前記電子錠からの要求を受信した場合に、前記要求に応じて前記解錠指示情報を送信し、
前記電子錠は、
所定のタイミングで前記サーバに前記要求を行い、前記解錠指示情報を受信した場合、前記解錠処理を実行する
ことを特徴とする項目1に記載の情報処理システム。
(項目3)
前記電子錠は、
複数のモードを切り替え可能であって、外部と通信不可能な第1モードから所定のタイミングで、外部と通信可能な第2モードに遷移し、前記サーバに前記要求を行い、前記解錠指示情報を受信した場合、前記解錠処理を実行する
ことを特徴とする項目2に記載の情報処理システム。
(項目4)
前記電子錠は、
前記第1モードの状態で所定の時間経過した場合、前記第2モードに遷移し、前記サーバに前記要求を行う
ことを特徴とする項目3に記載の情報処理システム。
(項目5)
前記電子錠は、
ユーザによる操作を受け付けるボタンを有し、前記第1モードの状態で前記ボタンに対する前記ユーザの操作を受け付けた場合、前記第2モードに遷移し、前記サーバに前記要求を行う
ことを特徴とする項目3または項目4に記載の情報処理システム。
(項目6)
前記サーバは、
前記条件を満たす間、前記解錠指示情報の送信を継続し、
前記電子錠は、
外部と通信不可能な第1モード及び外部と通信可能な第2モードを含む複数のモードを切り替え可能であって、前記第2モードにおいて、前記解錠指示情報を受信した場合、前記解錠処理を実行する
ことを特徴とする項目1に記載の情報処理システム。
(項目7)
前記電子錠は、
ユーザが携帯する携帯端末との近距離無線通信により施解錠可能であり、前記携帯端末からの指示に応じた施解錠処理を実行する
ことを特徴とする項目1~6のいずれか1つに記載の情報処理システム。
(項目8)
前記電子錠は、
前記携帯端末による即時解錠が困難な状況を示す前記条件を満たした際に前記サーバが送信する前記解錠指示情報を受信した場合、前記解錠処理を実行する
ことを特徴とする項目7に記載の情報処理システム。
(項目9)
ネットワークを介してサーバと直接通信する機能を有する携帯可能な電子錠が、前記電子錠の遠隔からの解錠の実行するための条件を満たした際に前記サーバが送信する解錠を指示する解錠指示情報を受信した場合、前記解錠指示情報に基づいて前記電子錠の解錠処理を実行する工程
を含むことを特徴とする情報処理方法。
(項目10)
ネットワークを介してサーバと直接通信する機能を有する携帯可能な電子錠が、前記電子錠の遠隔からの解錠の実行するための条件を満たした際に前記サーバが送信する解錠を指示する解錠指示情報を受信した場合、前記解錠指示情報に基づいて前記電子錠の解錠処理を実行する手順
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【0083】
<4.その他(効果等)>
以上のように、本願に係る情報処理システムによれば、ユーザ端末を所有するユーザ等、電子錠を施解錠可能なユーザが電子錠の近傍にいない場合であっても、例えば緊急に電子錠の解錠が必要な場合は、その電子錠を遠隔から解錠する指示を行うことができる。これにより、本願に係る情報処理システムによれば、ユーザが電子錠の近傍にいない場合においても電子錠を解錠可能にし、電子錠を用いた管理の利便性を向上させることができる。
【0084】
本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、当業者の知識に基づいて変更、改良することができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。
【0085】
また、上述した「部」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0086】
1 情報処理システム
100 サーバ
200 ユーザ端末
300 携帯型電子錠(携帯可能な電子錠)
図1
図2
図3
図4
図5
図6