(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161757
(43)【公開日】2024-11-20
(54)【発明の名称】作業機械及びバッテリパックの交換方法
(51)【国際特許分類】
E02F 9/00 20060101AFI20241113BHJP
E02F 9/08 20060101ALI20241113BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20241113BHJP
H01M 50/244 20210101ALI20241113BHJP
B60R 16/04 20060101ALI20241113BHJP
【FI】
E02F9/00 C
E02F9/08 Z
H01M50/249
H01M50/244 Z
H01M50/244 A
B60R16/04 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076746
(22)【出願日】2023-05-08
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】冨樫 良一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 泰之
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA36
5H040AS06
5H040AY08
5H040CC57
5H040GG21
(57)【要約】
【課題】作業機械のバッテリパックを交換すること。
【解決手段】作業機械は、車体と、車体の前部に連結される作業機と、車体の内部に配置されるバッテリコネクタと、車体から張り出して、バッテリコネクタに装着されるバッテリパックを交換する交換装置と、を備える。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体と、
前記車体の前部に連結される作業機と、
前記車体の内部に配置されるバッテリコネクタと、
前記車体から張り出して、前記バッテリコネクタに装着されるバッテリパックを交換する交換装置と、を備える、
作業機械。
【請求項2】
前記交換装置は、前記車体から後方に張り出す、
請求項1に記載の作業機械。
【請求項3】
前記交換装置は、前記車体から張り出した状態で、前記車体の外部に配置されているバッテリパックを前記車体の内部に搬入する、
請求項1に記載の作業機械。
【請求項4】
前記交換装置は、前記車体から張り出した状態で、前記バッテリコネクタから外された前記バッテリパックを前記車体の外部に搬出する、
請求項1に記載の作業機械。
【請求項5】
前記交換装置は、前記バッテリパックを搬送する搬送アームを有する、
請求項1に記載の作業機械。
【請求項6】
前記搬送アームは、前記車体の外部に配置されているバッテリパックを前記車体の内部に搬入する、
請求項5に記載の作業機械。
【請求項7】
前記搬送アームは、前記車体の外部に配置されているバッテリパックを拾い上げる、
請求項6に記載の作業機械。
【請求項8】
前記搬送アームは、前記バッテリコネクタから外されたバッテリパックを前記車体の外部に搬出する、
請求項7に記載の作業機械。
【請求項9】
前記搬送アームは、前記バッテリパックを前記車体の外部に降ろす、
請求項8に記載の作業機械。
【請求項10】
前記交換装置は、前記搬送アームに移動可能に支持され、前記バッテリパックの外面に設けられた凹部に挿抜される支持アームを有する、
請求項5に記載の作業機械。
【請求項11】
前記交換装置は、前記搬送アームを支持した状態で、前記車体から張り出すベース部材を有する、
請求項5に記載の作業機械。
【請求項12】
前記ベース部材が前記車体から張り出した後、前記搬送アームが移動する、
請求項11に記載の作業機械。
【請求項13】
前記車体は、前記作業機が連結される車体フレームと、前記車体フレームの後部に配置されるリヤカバーと、を含み、
前記リヤカバーは、前記ベース部材の後部に固定される、
請求項12に記載の作業機械。
【請求項14】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
前記バッテリコネクタに装着されているバッテリパックの残容量を取得し、
前記バッテリパックの残容量が閾値以下であると判定した場合、前記バッテリコネクタから前記バッテリパックが外され、前記車体の外部に配置されているバッテリパックが前記バッテリコネクタに装着されるように、前記交換装置を制御する交換指令を出力する、
請求項1に記載の作業機械。
【請求項15】
前記車体を支持する走行装置と、
前記車体の位置を検出する位置センサと、を備え、
前記プロセッサは、
前記車体の位置を取得し、
前記車体の外部に配置されている前記バッテリパックの位置を取得し、
前記車体の位置と前記バッテリパックの位置とに基づいて、前記車体が前記バッテリパックの位置に移動するように、前記走行装置を制御する走行指令を出力する、
請求項14に記載の作業機械。
【請求項16】
前記プロセッサは、
前記車体の外部に配置されている複数のバッテリパックのそれぞれの残容量を取得し、
残容量が最も多いバッテリパックが前記バッテリコネクタに装着されるように、前記交換指令を出力する、
請求項14に記載の作業機械。
【請求項17】
車体及び前記車体の前部に連結される作業機を備える作業機械において前記車体の内部に配置されているバッテリパックの交換装置を前記車体から張り出すことと、
前記車体の内部に配置されている第1のバッテリパックを前記交換装置で前記車体の外部に搬出することと、
前記車体の外部に配置されている第2のバッテリパックを前記交換装置で前記車体の内部に搬入することと、を含む、
バッテリパックの交換方法。
【請求項18】
第1のバッテリパックを前記車体の外部の第1の交換位置に搬出した後、第2のバッテリパックが配置されている第2の交換位置に前記作業機械が移動する、
請求項17に記載のバッテリパックの交換方法。
【請求項19】
第1のバッテリパックを前記車体の外部の第1の交換位置に搬出した後、第1の交換位置とは異なる第2の交換位置に配置されている第2のバッテリパックを前記車体の内部に搬入する、
請求項17に記載のバッテリパックの交換方法。
【請求項20】
第1のバッテリパックを前記車体の外部の第1の交換位置に搬出した後、前記作業機械が移動することなく、第1の交換位置とは異なる第2の交換位置に配置されている第2のバッテリパックを前記車体の内部に搬入する、
請求項17に記載のバッテリパックの交換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業機械及びバッテリパックの交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
作業機械に係る技術分野において、特許文献1に開示されているような電動建設機械が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電動式の作業機械にバッテリパックが搭載される場合、バッテリパックを交換できる技術が要望される。
【0005】
本開示は、作業機械のバッテリパックを交換することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従えば、車体と、車体の前部に連結される作業機と、車体の内部に配置されるバッテリコネクタと、車体から張り出して、バッテリコネクタに装着されるバッテリパックを交換する交換装置と、を備える、作業機械が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、作業機械のバッテリパックが交換される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る作業機械の管理システムを示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るショベルを示す左前方からの図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るショベルを上方から見た図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るショベルの制御システムを示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る車載コントローラを示すブロック図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係るバッテリパック31の交換動作を説明するための図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る交換装置の動作を説明するための図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る交換装置の動作を説明するための図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る交換装置の動作を説明するための図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係るバッテリパックの交換方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
[管理システムの概要]
図1は、実施形態に係る作業機械2の管理システム1を示す図である。管理システム1は、作業現場3で稼動する作業機械2を管理する。実施形態において、作業機械2は、バッテリパック及び電動モータを動力源とする電動式の作業機械である。作業現場3に複数の作業機械2が存在する。
図1に示す例において、作業現場3に存在する作業機械2は、ショベル2Aと、ブルドーザ2Bと、ダンプトラック2Cとを含む。
【0011】
実施形態において、作業機械2に操作者は搭乗しない。作業機械2は、遠隔操作される。作業機械2の外部に遠隔操作室4が設置される。遠隔操作室4は、作業現場3の遠隔地に設置される。作業機械2を遠隔操作するための情報端末5及び遠隔操作装置6のそれぞれが遠隔操作室4に配置される。情報端末5及び遠隔操作装置6のそれぞれは、作業機械2の外部に存在する。情報端末5は、遠隔操作室4に配置されるコンピュータシステムを含む。
【0012】
遠隔操作装置6は、遠隔操作室4において操作者に操作される。遠隔操作装置6は、操作者に操作されることにより、作業機械2を遠隔操作する操作信号を生成する。遠隔操作装置6において生成された操作信号は、情報端末5に入力される。情報端末5は、遠隔操作装置6からの操作信号に基づいて、遠隔操作指令を生成する。情報端末5は、通信システム7を介して遠隔操作指令を作業機械2に送信する。
【0013】
作業機械2は、作業機械2の外部に存在する情報端末5から送信される遠隔操作指令に基づいて動作する。作業機械2及び作業現場3の少なくとも一方に、作業現場3の画像データを取得するカメラが設けられる。作業現場3の画像データは、通信システム7を介して情報端末5に送信され、情報端末5の表示装置に表示される。操作者は、作業現場3の画像データを確認しながら、遠隔操作装置6を操作することができる。
【0014】
通信システム7は、公衆通信回線を含んでもよいし特定通信回線を含んでもよい。通信システム7として、携帯電話通信網又は衛星通信網が例示される。なお、通信システム7は、インターネット(internet)を含んでもよいし、ローカルエリアネットワーク(Local Area Network)を含んでもよい。
【0015】
管理システム1は、管理サーバ8を有する。管理サーバ8は、コンピュータシステムを含む。管理サーバ8は、通信システム7を介して作業機械2と通信することができる。管理サーバ8は、作業機械2の稼働データを収集する。管理サーバ8は、作業機械2に制御指令を出力する。
【0016】
[作業機械]
図2は、実施形態に係るショベル2Aを示す左前方からの図である。ショベル2Aは、旋回体9と、走行体10と、作業機11と、作業機シリンダ12とを有する。
【0017】
旋回体9は、ショベル2Aの車体である。走行体10は、ショベル2Aの走行装置である。走行体10は、旋回体9を支持する。旋回体9は、走行体10に旋回可能に支持される。旋回体9は、走行体10よりも上方に配置される。走行体10は、旋回体9を支持して走行する。走行体10は、一対の履帯10Aを有する。履帯10Aが回転することにより、ショベル2Aが走行する。
【0018】
作業機11は、旋回体9の前部に連結される。作業機11は、旋回体9の前部に連結されるブーム11Aと、ブーム11Aに連結されるアーム11Bと、アーム11Bに連結されるバケット11Cとを含む。作業機シリンダ12は、ブーム11Aを動作させるブームシリンダ12Aと、アーム11Bを動作させるアームシリンダ12Bと、バケット11Cを動作させるバケットシリンダ12Cとを含む。
【0019】
図3は、実施形態に係るショベル2Aを上方から見た図である。
図3は、ショベル2Aの一部を破断した図である。ショベル2Aは、旋回体9の内部に配置されるバッテリコネクタ65を備える。バッテリコネクタ65にバッテリパック31が装着される。バッテリパック31は、ショベル2Aの電源である。バッテリパック31は、複数のセルバッテリを含む。セルバッテリは、二次電池を含む。実施形態において、セルバッテリは、リチウムイオンバッテリ(LiB:Lithium ion Battery)を含む。
【0020】
バッテリパック31は、バッテリコネクタ65に着脱される。複数のバッテリパック31がバッテリコネクタ65に装着される。実施形態において、バッテリコネクタ65は、旋回体9の車幅方向(左右方向)に長い。実施形態において、2つのバッテリパック31がバッテリコネクタ65に装着される。2つのバッテリパック31は、車幅方向に配置される。なお、バッテリコネクタ65に装着されるバッテリパック31は、1つでもよいし、3つ以上の任意の複数でもよい。
【0021】
ショベル2Aは、バッテリコネクタ65に装着されるバッテリパック31を交換する交換装置66を備える。交換装置66は、旋回体9から張り出して、バッテリコネクタ65に装着されるバッテリパック31を交換する。
【0022】
[制御システム]
図4は、実施形態に係るショベル2Aの制御システム30を示す図である。ショベル2Aは、制御システム30を有する。制御システム30は、バッテリパック31と、バッテリコネクタ65と、交換装置66と、DC/DCコンバータ33と、インバータ34と、電動モータ35と、油圧ポンプ36と、メインバルブ37と、油圧アクチュエータ38と、車載コントローラ40と、バッテリセンサ41と、位置センサ42と、通信機43とを有する。
【0023】
バッテリパック31は、バッテリコネクタ65に着脱される。バッテリパック31は、給電端子を有する。バッテリコネクタ65は、受電端子を有する。バッテリパック31がバッテリコネクタ65に装着され、バッテリパック31の給電端子とバッテリコネクタ65の受電端子とが接続されることにより、バッテリパック31からバッテリコネクタ65に電力が供給される。
【0024】
交換装置66は、バッテリコネクタ65に装着されるバッテリパック31を交換する。交換装置66は、バッテリコネクタ65からバッテリパック31を外すことができる。交換装置66は、バッテリコネクタ65から外されたバッテリパック31を旋回体9の外部に搬出することができる。交換装置66は、バッテリパック31をバッテリコネクタ65に装着することができる。交換装置66は、バッテリコネクタ65に装着されたバッテリパック31を旋回体9の内部に搬入することができる。
【0025】
DC/DCコンバータ33は、バッテリパック31からの電圧を昇圧する。DC/DCコンバータ33は、バッテリパック31からの直流電流をインバータ34に供給する。
【0026】
インバータ34は、DC/DCコンバータ33からの直流電流を三相交流電流に変換して電動モータ35に供給する。電動モータ35は、インバータ34から供給された三相交流電流に基づいて駆動される。
【0027】
電動モータ35は、ショベル2Aの動力源である。電動モータ35は、バッテリパック31からの電力に基づいて駆動する。
【0028】
油圧ポンプ36は、電動モータ35により駆動される。油圧ポンプ36は、作動油を吐出する。油圧ポンプ36から吐出された作動油は、メインバルブ37を介して、油圧アクチュエータ38に供給される。ショベル2Aの油圧アクチュエータ38は、作業機シリンダ12を含む。
【0029】
なお、油圧アクチュエータ38の代わりに電動アクチュエータがショベル2Aに設けられてもよい。作業機シリンダ12が電動シリンダでもよい。油圧アクチュエータ38の代わりに電動アクチュエータがショベル2Aに設けられる場合、油圧ポンプ36及びメインバルブ37は省略される。
【0030】
車載コントローラ40は、コンピュータシステムを含む。車載コントローラ40は、少なくとも交換装置66を制御する。
【0031】
バッテリセンサ41は、バッテリパック31の電圧を検出する電圧センサを含む。位置センサ42は、ショベル2Aの位置を検出する。ショベル2Aの位置は、全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)を利用して検出される。全地球航法衛星システムは、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)を含む。全地球航法衛星システムは、緯度、経度、及び高度の座標データで規定されるグローバル座標系の位置を検出する。グローバル座標系とは、地球に固定された座標系をいう。位置センサ42は、旋回体9に配置されたGNSS受信機を含む。位置センサ42は、グローバル座標系における旋回体9の位置を検出する。通信機43は、管理サーバ8と無線通信する。
【0032】
[車載コントローラ]
図5は、実施形態に係る車載コントローラ40を示すブロック図である。管理サーバ8及び車載コントローラ40のそれぞれは、コンピュータシステムを含む。車載コントローラ40は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ48と、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含むメインメモリ49と、ストレージ50と、入出力回路を含むインターフェース51とを有する。車載コントローラ40の機能は、コンピュータプログラムとしてストレージ50に記憶されている。プロセッサ48は、コンピュータプログラムをストレージ50から読み出してメインメモリ49に展開し、コンピュータプログラムに従って処理を実行する。なお、コンピュータプログラムは、ネットワークを介して管理サーバ8に配信されてもよい。
【0033】
同様に、管理サーバ8は、プロセッサと、メインメモリと、ストレージと、インターフェースとを有する。
【0034】
プロセッサ48は、残容量算出部48Aと、バッテリデータ取得部48Bと、位置データ取得部48Cと、走行制御部48Dと、交換制御部48Eとを有する。
【0035】
残容量算出部48Aは、バッテリセンサ41の検出データに基づいて、バッテリコネクタ65に装着されているバッテリパック31の残容量を算出する。バッテリパック31の残容量は、バッテリパック31の充電率(SOC:State Of Charge)とみなされてもよい。バッテリパック31の充電率とは、満充電容量に対する残容量の比率をいう。バッテリセンサ41は、バッテリコネクタ65に装着されているバッテリパック31の電圧を検出する。残容量算出部48Aは、バッテリセンサ41の検出データに基づいて、バッテリコネクタ65に装着されているバッテリパック31の残容量を算出することができる。
【0036】
旋回体9の外部に配置されているバッテリパック31に係るバッテリデータが管理サーバ8に記憶されている。バッテリデータは、旋回体9の外部に配置されているバッテリパック31の位置、及び旋回体9の外部に配置されているバッテリパック31の残容量を含む。バッテリデータ取得部48Bは、バッテリデータを、通信システム7を介して管理サーバ8から受信する。
【0037】
なお、バッテリデータは、バッテリパック31に保持されていてもよい。バッテリデータ取得部48Bは、バッテリパック31と直接的に無線通信して、バッテリパック31からバッテリデータを取得してもよい。
【0038】
位置データ取得部48Cは、位置センサ42の検出データを取得する。位置センサ42の検出データは、旋回体9の位置を示す。
【0039】
走行制御部48Dは、ショベル2Aの走行を制御する。走行制御部48Dは、走行体10を制御する走行指令を出力する。
【0040】
交換制御部48Eは、交換装置66を制御する。交換制御部48Eは、バッテリコネクタ65に装着されるバッテリパック31を交換する交換指令を出力する。
【0041】
[バッテリパックの交換]
実施形態においては、作業現場3において、バッテリコネクタ65に装着されるバッテリパック31が交換される。バッテリコネクタ65に装着されているバッテリパック31の残容量が少ない場合、バッテリコネクタ65に装着されるバッテリパック31は、旋回体9の外部に配置されている残容量が多いバッテリパック31と交換される。
【0042】
図6は、実施形態に係るバッテリパック31の交換動作を説明するための図である。作業現場3の交換エリアに残容量が多いバッテリパック31が保管される。交換エリアは、予め規定されており、管理サーバ8に記憶される。交換エリアは、バッテリパック31の交換位置を含む。
【0043】
交換位置は、旋回体9よりも下方に規定される。実施形態において、交換位置は、走行体10が走行する作業現場3の地面の所定の位置である。作業現場3の地面に残容量が多いバッテリパック31が保管される。交換エリアには、1つのバッテリパック31が保管されてもよいし、複数のバッテリパック31が保管されてもよい。作業現場3の複数の交換エリアが規定されてもよい。相互に異なる複数の交換エリアのそれぞれにバッテリパック31が保管されてもよい。
【0044】
残容量算出部48Aは、バッテリセンサ41の検出データに基づいて、バッテリコネクタ65に装着されているバッテリパック31の残容量を算出する。交換制御部48Eは、残容量算出部48Aにより算出されたバッテリパック31の残容量を取得する。交換制御部48Eは、バッテリコネクタ65に装着されているバッテリパック31の残容量が予め定められている閾値以下であるか否かを判定する。バッテリコネクタ65に装着されているバッテリパック31の残容量が閾値以下であると判定した場合、交換制御部48Eは、バッテリコネクタ65からバッテリパック31が外され、旋回体9の外部の交換エリアに配置されているバッテリパック31がバッテリコネクタ65に装着されるように、交換指令を出力する。
【0045】
交換指令が出力された場合、走行制御部48Dは、ショベル2Aが交換エリアに移動するように、走行体10を制御する走行指令を出力する。位置データ取得部48Cは、位置センサ42から旋回体9の位置を取得する。バッテリデータ取得部48Bは、管理サーバ8からバッテリデータを取得する。バッテリデータは、旋回体9の外部に配置されているバッテリパック31の位置を含む。すなわち、バッテリデータは、交換エリアの位置を含む。走行制御部48Dは、旋回体9の位置と、旋回体9の外部のバッテリパック31の位置である交換エリアの位置とに基づいて、旋回体9が交換エリアに移動するように、走行体10を制御する走行指令を出力する。走行制御部48Dは、旋回体9が交換エリアに移動するように、作業現場3において走行体10を走行させる。
【0046】
なお、作業現場3に複数の交換エリアが規定されている場合、走行制御部48Dは、ショベル2Aの現在の位置から最も近い交換エリアに旋回体9を移動してもよい。作業現場3に複数の交換エリアが規定されている場合、走行制御部48Dは、残容量が最も多いバッテリパック31が保管されている交換エリアに旋回体9を移動してもよい。バッテリデータ取得部48Bが取得するバッテリデータは、旋回体9の外部に配置されているバッテリパック31の複数の交換エリアの位置、及び旋回体9の外部の複数の交換エリアのそれぞれに保管されているバッテリパック31の残容量を含む。走行制御部48Dは、バッテリデータに基づいて、ショベル2Aの現在の位置から最も近い交換エリアに旋回体9を移動することができる。走行制御部48Dは、バッテリデータに基づいて、残容量が最も多いバッテリパック31が保管されている交換エリアに旋回体9を移動することができる。
【0047】
図7、
図8、及び
図9のそれぞれは、実施形態に係る交換装置66の動作を説明するための図である。
図7に示すように、旋回体9は、車体フレーム9Aと、車体フレーム9Aの後部に配置されるリヤカバー9Bとを含む。車体フレーム9Aの前部に作業機11が連結される。バッテリコネクタ65は、車体フレーム9Aの内部に配置される。リヤカバー9Bは、車体フレーム9Aの後部に設けられている開口を覆うように配置される。リヤカバー9Bは、車体フレーム9Aから後方に移動可能である。
【0048】
交換装置66は、旋回体9から張り出して、バッテリコネクタ65に装着されるバッテリパック31を交換する。実施形態において、交換装置66は、旋回体9から後方に張り出す。
図8に示すように、交換装置66は、旋回体9から後方に張り出した状態で、バッテリコネクタ65から外されたバッテリパック31を旋回体9の外部に搬出する。上述のように、実施形態において、交換位置は、旋回体9よりも下方に規定される。交換装置66は、旋回体9から後方に張り出した状態で、バッテリコネクタ65から外されたバッテリパック31を旋回体9の外部に降ろす。交換装置66は、バッテリコネクタ65から外されたバッテリパック31を作業現場3の地面に降ろす。
【0049】
交換装置66は、ベース部材67と、搬送アーム68とを有する。ベース部材67は、交換装置66が有する第1アクチュエータの作動により、前後方向に移動する。ベース部材67は、車体フレーム9Aと相対移動する。バッテリパック31の交換において、交換制御部48Eは、ベース部材67を車体フレーム9Aから後方に張り出す。バッテリパック31の交換において、ベース部材67は、車体フレーム9Aの外側に配置される。実施形態において、ベース部材67は、前後方向に延びるプレート状の部材である。リヤカバー9Bは、ベース部材67の後部に固定される。リヤカバー9Bは、ベース部材67と一緒に前後方向に移動する。ベース部材67が車体フレーム9Aよりも後方に移動した場合、リヤカバー9Bは、ベース部材67と一緒に後方に移動する。
【0050】
ベース部材67の前部は、バッテリコネクタ65に固定される。ベース部材67の前部は、バッテリコネクタ65の車幅方向の中央部に接続される。実施形態において、バッテリコネクタ65は、ベース部材67と一緒に前後方向に移動する。ベース部材67が車体フレーム9Aよりも後方に移動した場合、バッテリコネクタ65は、ベース部材67と一緒に後方に移動する。第1のバッテリパック31は、ベース部材67よりも左方においてバッテリコネクタ65に着脱される。第2のバッテリパック31は、ベース部材67よりも右方においてバッテリコネクタ65に着脱される。
【0051】
ベース部材67は、搬送アーム68を支持した状態で、旋回体9から後方に張り出す。バッテリパック31の交換において、ベース部材67及び搬送アーム68は、車体フレーム9Aの外側に配置される。
【0052】
搬送アーム68は、バッテリパック31を搬送する。実施形態において、搬送アーム68は、バッテリパック31を昇降する。搬送アーム68は、交換装置66が有する第2アクチュエータの作動により、上下方向に移動する。2つの搬送アーム68が1つのバッテリパック31を昇降する。2つの搬送アーム68は、前後方向に間隔をあけて配置される。交換制御部48Eは、ベース部材67を車体フレーム9Aから後方から張り出した後、搬送アーム68を昇降させる。
図8に示すように、搬送アーム68は、バッテリコネクタ65から外されたバッテリパック31を旋回体9の外部に降ろす。搬送アーム68は、バッテリコネクタ65から外されたバッテリパック31を交換エリアに規定された第1の交換位置に降ろす。
【0053】
図9に示すように、交換装置66は、搬送アーム68に移動可能に支持される支持アーム69を有する。支持アーム69は、搬送アーム68の下端部に接続される。支持アーム69は、交換装置66が有する第3アクチュエータの作動により、旋回体9の車幅方向(左右方向)に移動する。
【0054】
バッテリパック31の外面に凹部31Rが設けられる。凹部31Rは、バッテリパック31の左面及び右面のそれぞれに設けられる。バッテリパック31の左面において、凹部31Rは、前後方向に2つ設けられる。バッテリパック31の右面において、凹部31Rは、前後方向に2つ設けられる。2つの凹部31Rは、バッテリパック31の右面の下部に設けられる。
【0055】
支持アーム69は、バッテリパック31の凹部31Rに挿抜される。上述のように、2つの搬送アーム68が前後方向に配置され、2つの凹部31Rがバッテリパック31の外面において前後方向に設けられる。前側の搬送アーム68に支持されている支持アーム69が前側の凹部31Rに挿抜される。後側の搬送アーム68に支持されている支持アーム69が後側の凹部31Rに挿抜される。
【0056】
バッテリパック31を作業現場3の地面に規定された第1の交換位置に降ろす場合、交換制御部48Eは、支持アーム69がバッテリパック31の凹部31Rに挿入された状態で、搬送アーム68を下降させる。バッテリパック31が第1の交換位置に降ろされた後、交換制御部48Eは、支持アーム69をバッテリパック31の凹部31Rから抜去する。
【0057】
バッテリコネクタ65から外された第1のバッテリパック31が旋回体9の外部の第1の交換位置に降ろされた後、第2のバッテリパック31が配置されている作業現場3の第2の交換位置にショベル2Aが移動する。第1のバッテリパック31は、バッテリコネクタ65から外された残容量が少ないバッテリパック31である。第2のバッテリパック31は、残容量が多いバッテリパック31である。交換装置66は、旋回体9から後方に張り出した状態で、旋回体9の外部の第2の交換位置に配置されているバッテリパック31を拾い上げる。交換装置66は、作業現場3の地面からバッテリパック31を拾い上げる。交換装置66は、交換エリアに規定された第2の交換位置に配置されているバッテリパック31を拾い上げる。
【0058】
なお、1つの交換エリアに複数のバッテリパック31が保管されている場合、交換制御部48Eは、残容量が最も多いバッテリパック31がバッテリコネクタ65に装着されるように、交換指令を出力してもよい。バッテリデータ取得部48Bが取得するバッテリデータは、旋回体9の外部の交換エリアに配置されている複数のバッテリパック31のそれぞれの残容量を含む。交換制御部48Eは、バッテリデータに基づいて、残容量が最も多いバッテリパック31を拾い上げるように、交換指令を出力することができる。
【0059】
バッテリパック31を拾い上げる場合、交換制御部48Eは、搬送アーム68を下降した状態で、支持アーム69をバッテリパック31の凹部31Rに挿入する。支持アーム69がバッテリパック31の凹部31Rに挿入された後、交換制御部48Eは、搬送アーム68を上昇させる。搬送アーム68が上昇することにより、旋回体9の外部に配置されているバッテリパック31が交換装置66に拾い上げられる。搬送アーム68により拾い上げられたバッテリパック31は、バッテリコネクタ65に装着される。バッテリパック31がバッテリコネクタ65に装着された後、交換装置66は、ベース部材67を前方に移動する。ベース部材67が前方に移動することにより、バッテリコネクタ65及びリヤカバー9Bは、ベース部材67と一緒に前方に移動する。ベース部材67が前方に移動することにより、バッテリコネクタ65に装着されたバッテリパック31が旋回体9の内部に配置される。
【0060】
[バッテリパックの交換方法]
図10は、実施形態に係るバッテリパック31の交換方法を示すフローチャートである。なお、実施形態において、ショベル2Aは、遠隔操作装置6により遠隔操作されるものの、バッテリパック31の交換においては車載コントローラ40の自律制御が割り込まれ、ショベル2Aは、バッテリパック31を自律的に交換する。
【0061】
残容量算出部48Aは、バッテリセンサ41の検出データに基づいて、バッテリコネクタ65に装着されているバッテリパック31の残容量を算出する(ステップS1)。
【0062】
交換制御部48Eは、残容量算出部48Aにより算出されたバッテリパック31の残容量を取得する。交換制御部48Eは、バッテリコネクタ65に装着されているバッテリパック31の残容量に基づいて、バッテリコネクタ65に装着されるバッテリパック31の交換が必要か否かを判定する(ステップS2)。実施形態において、交換制御部48Eは、バッテリコネクタ65に装着されているバッテリパック31の残容量が予め定められている閾値以下であると判定した場合、バッテリコネクタ65に装着されるバッテリパック31の交換が必要であると判定する。
【0063】
ステップS2において、バッテリパック31の交換が必要ではないと判定された場合(ステップS2:No)、ステップS1の処理に戻る。ステップS2において、バッテリパック31の交換が必要であると判定された場合(ステップS2:Yes)、バッテリパック31の交換処理が開始される。バッテリパック31の交換において、ショベル2Aは、車載コントローラ40により自律制御される。
【0064】
バッテリデータ取得部48Bは、管理サーバ8からバッテリデータを受信する(ステップS3)。
【0065】
走行制御部48Dは、ステップS3において受信されたバッテリデータに基づいて、ショベル2Aを交換エリアに移動させる(ステップS4)。
【0066】
バッテリデータは、作業現場3の交換エリアの位置を含む。走行制御部48Dは、位置センサ42により検出された旋回体9の位置と交換エリアの位置とに基づいて、旋回体9が交換エリアに移動するように、走行体10を制御する。
【0067】
ショベル2Aが交換エリアに到着した後、交換制御部48Eは、バッテリパック31の交換を開始する(ステップS5)。
【0068】
交換制御部48Eは、交換装置66を車体フレーム9Aから後方に張り出す。交換制御部48Eは、車体フレーム9Aから後方に張り出した交換装置66がバッテリコネクタ65から外されたバッテリパック31を旋回体9の外部の第1の交換位置に降ろすように、交換装置66を制御する。これにより、旋回体9の内部のバッテリパック31が旋回体9の外部に搬出される。
【0069】
バッテリコネクタ65から外された第1のバッテリパック31が第1の交換位置に降ろされた後、走行制御部48Dは、残容量が多い第2のバッテリパック31が保管されている第2の交換位置にショベル2Aが移動するように、走行体10を制御する。ショベル2Aが第2の交換位置に移動した後、交換制御部48Eは、車体フレーム9Aから後方に張り出した交換装置66が旋回体9の外部の第2の交換位置に保管されているバッテリパック31を拾い上げるように、交換装置66を制御する。
【0070】
第2の交換位置から拾い上げられたバッテリパック31は、バッテリコネクタ65に装着される。バッテリパック31がバッテリコネクタ65に装着された後、交換制御部48Eは、交換装置66を前方に移動させる。交換装置66が前方に移動することにより、バッテリコネクタ65に装着されたバッテリパック31が旋回体9の内部に配置される。これにより、旋回体9の外部のバッテリパック31が旋回体9の内部に搬入される。
【0071】
[効果]
以上説明したように、実施形態によれば、ショベル2Aは、旋回体9と、旋回体9の前部に連結される作業機11と、旋回体9の内部に配置されるバッテリコネクタ65と、旋回体9から張り出して、バッテリコネクタ65に装着されるバッテリパック31を交換する交換装置66と、を備える。
【0072】
実施形態によれば、バッテリパック31の交換において、交換装置66が旋回体9からに張り出すので、バッテリパック31の交換処理が円滑に実施される。交換装置66により、人手を介さずにバッテリパック31が交換される。
【0073】
バッテリパック31の交換において、交換装置66が旋回体9から後方に張り出すので、旋回体9の前部に連結されている作業機11と交換装置66とが干渉したり、作業機11とバッテリパック31とが干渉したりすることが抑制される。そのため、バッテリパック31の交換処理が円滑に実施される。
【0074】
交換装置66は、旋回体9から後方に張り出した状態で、バッテリコネクタ65から外されたバッテリパック31を旋回体9の外部に降ろし、旋回体9の外部に配置されているバッテリパック31を拾い上げる。これにより、バッテリコネクタ65に装着されるバッテリパック31が交換される。
【0075】
実施形態において、作業機11は、旋回体9の前部に連結され、バッテリパック31は、旋回体9の後部に配置される。バッテリパック31が旋回体9のカウンタウエイトとして機能するので、ショベル2Aの作業が安定する。
【0076】
交換制御部48Eは、バッテリコネクタ65に装着されているバッテリパック31の残容量が予め定められている閾値以下であると判定した場合、バッテリパック31を交換する交換指令を出力する。これにより、適切なタイミングでバッテリパック31が交換される。
【0077】
バッテリパック31を交換する場合、ショベル2Aは、交換エリアに自律的に移動する。これにより、バッテリパック31が適正に交換される。
【0078】
旋回体9の外部に複数のバッテリパック31が保管されている場合、残容量が最も多いバッテリパック31がバッテリコネクタ65に装着される。これにより、最適なバッテリパック31がバッテリコネクタ65に装着される。
【0079】
[その他の実施形態]
上述の実施形態において、バッテリコネクタ65に装着されているバッテリパック31の残容量が残容量算出部48Aにより算出され、交換制御部48Eは、残容量算出部48Aにより算出された残容量が閾値以下であると判定した場合、バッテリパック31を交換する交換指令を出力することとした。残容量算出部48Aにより算出された残容量が管理サーバ8に送信されてもよい。管理サーバ8が、バッテリコネクタ65に装着されているバッテリパック31の残容量を管理してもよい。管理サーバ8が、バッテリコネクタ65に装着されているバッテリパック31の残容量に基づいて、ショベル2Aに交換指令を送信してもよい。
【0080】
上述の実施形態において、バッテリパック31の交換においては車載コントローラ40の自律制御が割り込まれ、ショベル2Aは、バッテリパック31を自律的に交換することとした。操作者が遠隔操作装置6を操作してバッテリパック31を交換してもよい。すなわち、情報端末5からの遠隔操作指令に基づいて、交換装置66が作動したり、ショベル2Aが第1の交換位置から第2の交換位置に移動したりしてもよい。
【0081】
上述の実施形態において、ショベル2Aは、遠隔操作装置6により遠隔操作されることとした。ショベル2Aを操作する操作装置がショベル2Aに設けられ、ショベル2Aに搭乗した操作者が操作装置を操作して、バッテリパック31を交換してもよい。すなわち、ショベル2Aに搭乗した操作者の運転操作により、交換装置66が作動したり、ショベル2Aが第1の交換位置から第2の交換位置に移動したりしてもよい。
【0082】
上述の実施形態において、交換装置66は、旋回体9の後方に張り出すこととした。交換装置66は、旋回体9の側方(左方又は右方)に張り出してもよいし、旋回体9の上方に張り出してもよいし、旋回体9の下方に張り出してもよい。
【0083】
上述の実施形態において、バッテリパック31の交換位置(第1の交換位置及び第2の交換位置)は、旋回体9よりも下方に規定されることとした。また、交換装置66の搬送アーム68は、旋回体9の内部から搬出された第1のバッテリパック31を第1の交換位置に降ろしたり、旋回体9の内部に搬入するための第2のバッテリパック31を第2の交換位置から拾い上げたりすることとした。バッテリパック31の交換位置(第1の交換位置及び第2の交換位置)は、旋回体9の側方(左方又は右方)に規定されてもよいし、旋回体9の上方に規定されてもよいし、旋回体9の後方に規定されてもよい。搬送アーム68を含む交換装置66は、旋回体9と交換位置との間でバッテリパック31を搬送できればよい。交換装置66が旋回体9に対して張り出す方向は、旋回体9に対するバッテリパック31の交換位置(第1の交換位置又は第2の交換位置)の方向と、異なっていてもよいし、同一でもよい。
【0084】
例えば、第1の交換位置が旋回体9の側方又は後方に規定される場合、交換装置66がバッテリパック31を旋回体9の内部から旋回体9の側方又は後方に搬出可能なフォークを有することにより、交換装置66が旋回体9の内部に配置されているバッテリパック31を旋回体9の後方に張り出した後に旋回体9の側方又は後方に規定された第1の交換位置に搬出することができる。また、第2の交換位置が旋回体9の側方又は後方に規定される場合、交換装置66がバッテリパック31を旋回体9の側方又は後方から旋回体9の内部に搬入可能なフォークを有することにより、旋回体9の側方又は後方に配置されているバッテリパック31を張り出された交換装置66に運び入れた後に旋回体9の内部に搬入することができる。
【0085】
例えば、第1の交換位置が旋回体9の上方に規定される場合、交換装置66がバッテリパック31を旋回体9の内部から旋回体9の上方に搬出可能なクレーンを有することにより、旋回体9の内部に配置されているバッテリパック31を上方に張り出した後に、旋回体9の上方に規定された第1の交換位置に搬出することができる。また、第2の交換位置が同じく旋回体9の上方に規定される場合、ショベル2Aを第2の交換位置の近傍まで移動させた後に、交換装置66がクレーンを有することにより、第2の交換位置に配置されたバッテリパック31を張り出された交換装置66に運び入れ、旋回体9の内部に搬入することができる。
【0086】
また、第1の交換位置が旋回体9の下方、側方、後方、及び上方のいずれか一つの方向に規定され、第2の交換位置が第1の交換位置とは異なる方向に規定されてもよい。例えば、第1の交換位置が旋回体9の下方に規定された場合、第2の交換位置が旋回体9の側方、後方、及び上方のいずれか一つの方向に規定されてもよい。例えば、第1のバッテリパック31が旋回体9の内部から後方に張り出した後に旋回体9の下方の第1の交換位置に搬出された後、旋回体9の側方の第2の交換位置に配置されている第2のバッテリパック31が、張り出された交換装置66に運び入れられ、その後旋回体9の内部に搬入されてもよい。この場合、第1のバッテリパック31が旋回体9の外部の第1の交換位置に搬出された後、ショベル2Aを移動させることなく、第2の交換位置に配置されている第2のバッテリパック31が旋回体9の内部に搬入される。
【0087】
上述の実施形態において、交換装置66は、ブルドーザ2Bに設けられてもよい。交換装置66は、電動式のホイールローダに設けられてもよい。交換装置66が設けられる作業機械2は、作業機11を有しなくてもよい。交換装置66は、ダンプトラック2Cに設けられてもよい。
【符号の説明】
【0088】
1…管理システム、2…作業機械、2A…ショベル、2B…ブルドーザ、2C…ダンプトラック、3…作業現場、4…遠隔操作室、5…情報端末、6…遠隔操作装置、7…通信システム、8…管理サーバ、9…旋回体、9A…車体フレーム、9B…リヤカバー、10…走行体、10A…履帯、11…作業機、11A…ブーム、11B…アーム、11C…バケット、12…作業機シリンダ、12A…ブームシリンダ、12B…アームシリンダ、12C…バケットシリンダ、30…制御システム、31…バッテリパック、31R…凹部、33…DC/DCコンバータ、34…インバータ、35…電動モータ、36…油圧ポンプ、37…メインバルブ、38…油圧アクチュエータ、40…車載コントローラ、41…バッテリセンサ、42…位置センサ、43…通信機、48…プロセッサ、48A…残容量算出部、48B…バッテリデータ取得部、48C…位置データ取得部、48D…走行制御部、48E…交換制御部、49…メインメモリ、50…ストレージ、51…インターフェース、65…バッテリコネクタ、66…交換装置、67…ベース部材、68…搬送アーム、69…支持アーム。