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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161765
(43)【公開日】2024-11-20
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20241113BHJP
【FI】
A63F5/04 620
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076772
(22)【出願日】2023-05-08
(71)【出願人】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】100135666
【弁理士】
【氏名又は名称】原 弘晃
(74)【代理人】
【識別番号】100131680
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 健一
(72)【発明者】
【氏名】菅野 翔太
(72)【発明者】
【氏名】望月 海渡
【テーマコード(参考)】
2C518
【Fターム(参考)】
2C518AA02
2C518AC02
2C518AC12
2C518CA03
2C518CA08
2C518DA03
2C518EA12
(57)【要約】
【課題】遊技性能を変化せることができる遊技機を提供する。
【解決手段】有利区間におけるメダルの差枚数をカウントする第2クリアカウンタの値が特定値(例えば、36000)以下でかつ第1AT状態が終了するまでの遊技回数をカウントする第1ATゲーム数カウンタの値が特定値(例えば、500)以上であることを所定の調整条件として、第1AT状態において第2AT抽選を実行する際に、調整条件を満たさない場合には第2AT抽選テーブルAを参照し、調整条件を満たす場合には第2AT抽選テーブルAよりも遊技者にとって不利な第2AT抽選テーブルBを参照する。
【選択図】図27
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常遊技および有利遊技の区別なく変動する第1変数と、
前記有利遊技中に変動する第2変数と、
前記有利遊技を制御する有利遊技制御手段と、を備えた遊技機であって、
前記有利遊技制御手段が、
前記第1変数および前記第2変数を参照して前記有利遊技に関する所定処理を行うことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1において、
前記有利遊技制御手段が、
前記所定処理を行う際に前記第1変数と前記第2変数とが所定関係を満たしている場合に、前記有利遊技の有利度合いを抑制するように調整することを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から外周面に図柄が配列された複数のリールを備えた遊技機(回胴式遊技機、スロットマシン)が知られている。この種の遊技機は、メダルやパチンコ玉などの遊技媒体に対して一定の遊技価値を付与し、このような遊技媒体を獲得するための遊技を行うものである。また、この種の遊技機は、遊技者が所定の投入口に遊技媒体を投入して規定投入数の遊技媒体がベットされると、遊技開始操作が可能となり、遊技者の回転開始操作を契機として、内部抽選を行うとともに複数のリールの回転を開始させ、遊技者の停止操作を契機として、内部抽選の結果に応じた態様で複数のリールを停止させる制御を行っている。そして、遊技の結果は、複数のリールが停止した状態における有効ライン上に表示された図柄組合せによって判定され、遊技の結果に応じてメダル等の払い出しなどが行われる。
【0003】
近年では、正解小役の入賞を補助する入賞補助演出を所定条件下で実行することによって、正解小役の入賞確率を変動させ、入賞補助演出が実行可能なAT状態においてメダル等の遊技媒体を獲得しやすくするアシストタイム遊技を行うことができる遊技機が好評を博している(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-179055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この種の遊技機では、遊技の公平性を担保するためにアシストタイム遊技の遊技性能を変化させることができる仕様が望まれている。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技性能を変化せることができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明は、通常遊技および有利遊技の区別なく変動する第1変数と、前記有利遊技中に変動する第2変数と、前記有利遊技を制御する有利遊技制御手段と、を備えた遊技機であって、前記有利遊技制御手段が、前記第1変数および前記第2変数を参照して前記有利遊技に関する所定処理を行う遊技機に関するものである。
【0008】
本発明では、第1変数および第2変数を参照して有利遊技に関する所定処理を行うため、通常遊技および有利遊技の挙動に応じて以降の有利遊技の遊技性能を変化させることができる。
【0009】
(2)本発明の遊技機では、前記有利遊技制御手段が、前記所定処理を行う際に前記第1変数と前記第2変数とが所定関係を満たしている場合に、前記有利遊技の有利度合いを抑制するように調整するようにしてもよい。
【0010】
このようにすれば、第1変数と第2変数とが所定関係を満たすと、有利遊技の有利度合いを抑制するように調整するため、有利遊技の遊技性能を変化させることができる。
【0011】
(3)本発明の遊技機では、複数段階の設定値の間で設定値を変更可能な設定変更手段を備え、前記有利遊技制御手段が、前記複数段階の設定値のうち最低値と最高値とで前記有利度合いの調整量を異ならせるようにしてもよい。
【0012】
このようにすれば、設定値に応じて有利度合いの調整量を変化せることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態の遊技機の外観構成を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態の遊技機の機能ブロックを説明する図である。
図3】本発明の実施形態の遊技機における内部抽選テーブルを説明する図である。
図4】本発明の実施形態の遊技機における小役の当選態様を説明する図である。
図5】本発明の実施形態の遊技機における小役およびリプレイの当選態様を説明する図である。
図6】本発明の実施形態の遊技機におけるリールの図柄配列を説明する図である。
図7】本発明の実施形態に係る遊技機におけるストップボタンの押下順序と入賞役との関係を説明する図である。
図8】本発明の実施形態に係る遊技機におけるストップボタンの押下順序と入賞役との関係を説明する図である。
図9】本発明の実施形態に係る遊技機におけるリールの停止態様を説明する図である。
図10】本発明の実施形態に係る遊技機におけるリールの停止態様を説明する図である。
図11】本発明の実施形態の遊技機における入賞役と図柄組合せとの関係を説明する図である。
図12】本発明の実施形態の遊技機における入賞役と図柄組合せとの関係を説明する図である。
図13】本発明の実施形態の遊技機における入賞役と図柄組合せとの関係を説明する図である。
図14】本発明の実施形態の遊技機における入賞役と図柄組合せとの関係を説明する図である。
図15】本発明の実施形態の遊技機における入賞役と図柄組合せとの関係を説明する図である。
図16】本発明の実施形態の遊技機における遊技状態の遷移図である。
図17】本発明の実施形態の遊技機における演出状態の遷移図である。
図18】本発明の実施形態の遊技機における遊技区間の遷移図である。
図19】本発明の実施形態の遊技機におけるメニュー演出において表示される画像を示す図である。
図20】本発明の実施形態の遊技機におけるメニュー演出において表示される画像を示す図である。
図21】本発明の実施形態の遊技機における精算ボタンとブロッカーとの関係を説明する図である。
図22】本発明の実施形態の遊技機における精算ボタンとブロッカーとの関係を説明する図である。
図23】本発明の実施形態の遊技機における各遊技状態でのメダルの獲得性能を比較した模式図である。
図24】本発明の実施形態の遊技機における1枚小役の当選態様を説明するための図である。
図25】本発明の実施形態の遊技機における1枚小役の当選態様を説明するための図である。
図26】本発明の実施形態の遊技機における特定演出の例を示す図である。
図27】本発明の実施形態の遊技機における強チェリーの当選時に参照される第2AT抽選テーブルを示す図である。
図28】本発明の実施形態の遊技機における第2特定抽選テーブルおよび第3特定抽選テーブルを示す図である。
図29】本発明の実施形態の変形例の遊技機における第2AT抽選テーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0015】
1.構成
図1は、本発明の実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。
【0016】
本実施形態の遊技機は、いわゆるスロットマシンあるいは回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体(遊技価値)として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
【0017】
本実施形態の遊技機は、収納箱BX(遊技機本体の一例)、上部前面扉UD(前面扉の一例)、および下部前面扉(前面扉の一例)DDからなる箱形の筐体内に第1リールR1~第3リールR3(複数のリール)からなるリールユニット310が収められている。また筐体内のリールユニット310の下部には、電源装置を内蔵し、電源スイッチ、設定変更キーシリンダ、設定変更ボタン等の各種スイッチが備えられた電源ユニット(図示省略)およびメダルの払出装置としてのホッパーユニット320が収められている。また本実施形態の遊技機の筐体内には、CPU(演算手段の一例)、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM(一時記憶手段の一例)等を搭載し、遊技機の動作を制御する制御基板も収められている。なお本実施形態では、制御基板として遊技の進行を制御するメイン基板と、メイン基板から送信される信号を受けて遊技の進行状況に合わせた遊技演出を実行するための制御を行うサブ基板とを含む複数種類の電子回路基板が設けられている。
【0018】
図1に示す第1リールR1~第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で20の領域(各領域を「コマ」と称する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また第1リールR1~第3リールR3は、ステッピングモータ(リール駆動手段:図示省略)に軸支されており、それぞれステッピングモータの軸周りに回転駆動され、ステッピングモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。すなわち本実施形態の遊技機では、ステッピングモータが制御基板から供給された駆動パルスに応じて第1リールR1~第3リールR3を回転駆動し、制御基板から全相励磁の駆動パルスが供給されると、ステッピングモータの回転が停止することに伴って第1リールR1~第3リールR3が停止する。
【0019】
収納箱BXの正面(前面の一例)を開閉可能に閉塞する上部前面扉UDおよび下部前面扉DDは個別に開閉可能に設けられており、上部前面扉UDには第1リールR1~第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1~第3リールR3の停止状態では、第1リールR1~第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)を遊技機の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
【0020】
また本実施形態の遊技機では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによって有効ラインが設定される。なお本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数が3枚に設定され、規定投入数に相当するメダルが投入(ベット)されると、第1リールR1の上段、第2リールR2の中段、および第3リールR3の下段によって構成される有効ラインL1が有効化される。
【0021】
そして遊技結果は表示窓DW内の有効ライン上に停止表示された図柄組合せによって判断され、有効ライン上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合には、その役が入賞したものとしてホッパーユニット320からメダルの払い出し等が行われる。
【0022】
また上部前面扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数(メダルの払出数と投入数との差)、ボーナス遊技でのメダルの払出数の合計あるいは獲得数の合計等の各種遊技情報が表示される。
【0023】
また上部前面扉UDには、遊技演出を行うための液晶ディスプレイLCDや台枠ランプALが設けられている。この液晶ディスプレイLCDには、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像(または画像)が表示され、台枠ランプALでは、遊技を盛り上げたりするための点灯動作や点滅動作が行われる。
【0024】
また本実施形態の遊技機では、上部前面扉UDや下部前面扉DDに対して、遊技演出を行うためのスピーカ(図示省略)が複数設けられている。このスピーカからは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
【0025】
また下部前面扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット(内部貯留)されたメダルを投入する操作を行うためのベットボタン(投入操作手段、遊技用操作手段)B0、第1リールR1~第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる操作を行うためのスタートレバー(遊技開始操作手段、遊技用操作手段)SL、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1~第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる操作を行うためのストップボタン(停止操作手段、遊技用操作手段)B1~B3、クレジット(内部貯留)されたメダルを精算する操作を行うための精算ボタン(所定の操作手段、精算操作手段、遊技用操作手段)B4、遊技機で行われる演出を変化させる契機となる操作を行うための演出ボタン(演出用操作手段)B5、メニュー画面の表示を開始または終了させる操作(遊技画面の表示とメニュー画面の表示との移行に関する操作)を行うためのメニューボタン(第1演出用操作手段)B6、および遊技機で行われる演出の設定を変更する操作(所定の変更操作)や遊技履歴を確認する操作や音量もしくは光量の設定を変更する操作(所定の変更操作)を行うための十字キー(第2演出用操作手段)B7などが設けられている。十字キーB7は、上ボタンB7A、下ボタンB7B、左ボタンB7C、および右ボタンB7Dによって構成されている。
【0026】
本実施形態の遊技機では、遊技者がメダルをメダル投入口MIに投入するか、ベットボタンB0を押下する操作を行うことで、第1リールR1~第3リールR3の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされ、スタートレバーの押下操作が許可(有効化)される。そして、遊技者がスタートレバーSLを押下すると、制御基板において第1リールR1~第3リールR3をステッピングモータの駆動により回転開始させるとともに、乱数値を用いた内部抽選が行われ、第1リールR1~第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇したことを条件に、ストップボタンB1~B3の押下操作が許可(有効化)される。
【0027】
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1~B3を押下していくと、ストップボタンB1~B3のそれぞれに内蔵されているストップスイッチ(停止信号出力手段:例えば、フォトセンサ、導通センサ、圧力センサなど)がオン動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオフ状態からオン状態へ変化させる。
【0028】
また遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1~B3を解放すると、ストップボタンB1~B3それぞれに対応するストップスイッチがオフ動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオン状態からオフ状態に変化させる。
【0029】
そして制御基板は、ストップボタンB1~B3の押下タイミング及び解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のオフ状態からオン状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1~第3リールR3を停止させる。
【0030】
また下部前面扉DDの下部には、メダル払い出し口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払い出し口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。なお遊技の結果に応じてメダルが払い出される場合に、メダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、払出数の一部あるいは全部に相当するメダルを、クレジット上限枚数(本実施形態では50枚)を限度としてクレジットし、メダルのクレジット数の変化に伴って遊技情報表示部DSの7セグメント表示器からなるクレジット表示器の表示値を変化させる動作を行う。このように本実施形態の遊技機では、遊技の進行状況に応じて所定の操作手段に対する操作を有効化し、操作手段に対する有効な操作に基づいて遊技を進行させる。
【0031】
また本実施形態の遊技機では、上部前面扉UDの開閉状態を検出するドアセンサ(検出手段)260と、下部前面扉DDの開閉状態を検出するドアセンサ(検出手段)260とが設けられており、ドアセンサ260から制御基板(メイン基板)に入力される入力信号(検出信号)に基づいて、上部前面扉UDおよび下部前面扉DDのそれぞれの開閉を検知可能に構成されている。
【0032】
図2は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。
【0033】
本実施形態の遊技機は、メイン基板10およびサブ基板20を含む制御基板によって制御される。メイン基板10は、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240、精算スイッチ250、ドアセンサ260、設定変更許可スイッチ262、設定変更スイッチ264、通過検知センサ356、投入検知センサ357等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット310、ホッパーユニット320等の出力手段の動作制御を行う。またサブ基板20は、演出ボタンスイッチ270、メニューボタンスイッチ280、上ボタンスイッチ290A、下ボタンスイッチ290B、左ボタンスイッチ290C、右ボタンスイッチ290D等の入力手段からの入力信号やメイン基板10から送られてくる信号を受けて、遊技の進行状況に合わせた演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて演出表示装置330、音響装置340、リールバックライトBL等の出力手段の動作制御を行う。またメイン基板10やサブ基板20等の各基板の機能は各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0034】
そしてメイン基板10は、設定変更手段103、投入受付手段105(受付制御手段)、乱数発生手段110、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態制御手段170、AT制御手段175(補助遊技制御手段、有利遊技制御手段の一例)、通信制御手段179、メインメモリ190Mを含んで構成されている。
【0035】
設定変更手段103は、メインメモリ190Mの設定値記憶手段205に記憶されている設定値を変更する制御を行う。本実施形態では、電源投入時の設定変更許可スイッチ262の状態に応じて遊技モードで起動される場合と設定変更モードで起動される場合とが切り替えられるようになっており、設定変更キーシリンダに設定キーが挿入されて初期位置から時計回りに設定キーが回されると設定変更許可スイッチ262の信号状態がオン状態となり、この状態で電源スイッチが作動することにより電源ユニットから電力が供給されると、設定変更手段103が、遊技機を設定変更モードで起動する。そして本実施形態では、設定1~設定6までの6段階の設定値の中から設定値を選択することができるようになっており、設定1から順に設定6に向かって出玉率の期待値が高くなるように内部抽選の当選確率が変動するようになっている。なお本実施形態では、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順で設定値の高低を表現する。
【0036】
また設定変更手段103は、設定変更モードにおいて設定変更ボタンを押下することにより設定変更スイッチ264が作動すると、設定変更スイッチ264からの入力信号を受け付ける毎に、設定値を設定1→設定2→・・・設定6→設定1→・・・の順序で設定値を変更し、スタートレバーSLの押下により作動するスタートスイッチ230からの遊技スタート信号に基づいて設定値を確定させて、確定された設定値を設定値記憶領域205に記憶させる制御を行う。そして本実施形態では、設定変更キーシリンダに挿入された設定キーを初期位置に戻すことによって設定変更許可スイッチ262の信号状態をオフ状態に変更し設定変更モードから遊技モードへ移行させることができるようになっている。
【0037】
また本実施形態では、設定変更キーシリンダが初期位置にある状態で電源が投入されると、設定変更許可スイッチ262の信号状態がオフ状態であることに基づいて遊技モードで遊技機を起動する。そして本実施形態では、遊技モードでは遊技を行うことができるが、設定値の変更を行うことはできず、設定変更モードでは設定値の変更を行うことはできるが、遊技を行うことはできないようになっている。
【0038】
また設定変更手段103は、設定変更モードにおいて、メインメモリ190Mの所定の記憶領域に記憶されている情報を初期化する初期化処理を行う。本実施の形態では、第1ATゲーム数カウンタ193、天井カウンタ194、第1クリアカウンタ195、第2クリアカウンタ196、第2ATゲーム数カウンタ197、抽選フラグ記憶手段200、および状態記憶手段201に記憶されている情報を設定変更モードにおける初期化処理によって初期化する。このためクレジット記憶手段191、ベット数記憶手段192、メインテーブル記憶手段198、および設定値記憶手段205に記憶されている情報は、設定変更モードにおける初期化処理によっては初期化されずに保持される。
【0039】
また本実施形態では、設定値の変更に伴う初期化処理が行われると、遊技状態が通常状態に初期化され、演出状態が初期演出状態に初期化され、遊技区間が通常区間に初期化されるようになっている。
【0040】
投入受付手段105は、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数(3枚)に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバーSL(遊技開始操作手段)に対する遊技開始操作を有効化する制御を行う。なお本実施形態の遊技機では、規定投入数に相当するメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバーSLの最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、第1リールR1~第3リールR3の回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。またスタートレバーSLに対する遊技開始操作が有効化された状態において、スタートレバーSLに対する操作が行われると、スタートレバーSLに対する操作を無効化する。
【0041】
また本実施形態の遊技機では、メダル投入口MI(所定の投入口)にメダルが投入されると、図2に示すメダルセレクタ350内の通過検知センサ356が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数(所定数の範囲)を限度として、投入されたメダルを投入状態(ベット状態)に設定するメダル投入処理を行う。本実施形態では、投入状態に設定されているメダル数(メダルのベット数)を示す情報は、メインメモリ190Mのベット数記憶手段192(遊技価値記憶手段)に設けられたベット数記憶領域に格納される。このようにベット数記憶手段192は、受け付けたメダルを、規定投入数を限度として記憶するものとなっている。
【0042】
また本実施形態の遊技機では、メインメモリ190Mのクレジット記憶手段191(遊技価値記憶手段)に設けられたクレジット記憶領域にクレジット上限枚数(所定数の範囲:本実施形態では50枚)を限度としてメダルをクレジット記憶(貯留記憶)することが可能となっており、規定投入数のメダルが投入状態に設定された状態でメダル投入口MIにメダルが投入されると、通過検知センサ356が作動することに伴って、投入されたメダルをクレジット記憶するクレジット加算処理を行う。このようにクレジット記憶手段191は、受け付けたメダルを、クレジット上限枚数を限度として記憶するものとなっている。
【0043】
また本実施形態の遊技機では、メダル投入口MIから投入されたメダルは、図2に示すメダルセレクタ350を通過してホッパーユニット320に送られる。ただし、遊技を開始した後など所定条件下ではメダルセレクタ350に内蔵されているブロッカー355(投入規制手段)によってホッパーユニット320へ向かう流路が閉塞状態に制御され、投入されたメダルがメダル払い出し口MOから返却されるようにメダルの流路が切り替えられる。ブロッカー355は、メダルの投入を受け付け可能とする許可位置(投入許可位置)とメダルの投入を受け付けないようにする不許可位置(投入不許可位置)との間で変位する。
【0044】
またメダルセレクタ350には、図2に示すように、投入検知センサ357と、通過検知センサ356とが設けられており、投入検知センサ357は、メダル投入口MIの近傍であってブロッカー355よりも上流側に設けられ、メダルの投入を検知すると、検知信号をメイン基板10に出力し、投入検知センサ357のオン状態が一定時間(例えば、0.6秒)以上継続すると、メダル詰まりや異物挿入などの可能性があるため、メイン基板10においてエラー処理が行われる。また通過検知センサ356は、ブロッカー355よりも下流側に設けられ、メダルの投入を検知すると、検知信号をメイン基板10に出力し、メイン基板10では、通過検知センサ356からの検知信号に基づいて、メダルが投入されたと判定してメダル投入処理やクレジット加算処理を行う。そして本実施形態では、メダル投入口MIから投入されたメダルは、ブロッカー355が許可位置にあると、ブロッカー355により通過検知センサ356に導かれてメダルの投入が検出されるが、ブロッカー355が不許可位置にあると、ブロッカー355によりメダル払い出し口MOに導かれる。このとき投入されたメダルは、通過検知センサ356を通過しないため、通過検知センサ356によってメダルの投入が検知されることなくメダル払い出し口MOから返却される。
【0045】
また投入受付手段105は、1回の遊技に関する処理が全て終了すると、遊技機にメダルがクレジット記憶されていることを条件として、ベットボタンB0に対する操作を有効化する制御を行い、ベットボタンB0に対する操作が有効化された状態においてベットボタンB0が押下されると、ベットスイッチ220が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度して、クレジット記憶領域にクレジット記憶されたメダルを投入状態に設定する処理(メダル投入処理およびクレジット減算処理)を行う。また遊技機にクレジット記憶されたメダル数が0枚となるかスタートレバーSLに対する遊技開始操作が行われると、ベットボタンB0に対する操作を無効化する。
【0046】
また投入受付手段105は、1回の遊技に関する処理が全て終了すると、メダルの受け付けを開始する制御(メダルの受け付けを許可する制御)、具体的にはメダルセレクタ350のブロッカー355を許可位置に位置させる制御および通過検知センサ356によるメダルの検出を許可(有効化)する制御を行い、遊技機にクレジット記憶されたメダル数がクレジット上限枚数に達するかスタートレバーSLに対する遊技開始操作が行われると、メダルの受け付けを終了する制御(メダルの受け付けを許可しない制御)、具体的にはブロッカー355を不許可位置に位置させる制御および通過検知センサ356によるメダルの検出を許可しない(無効化する)制御を行う。メダルを受け付けていない状態でメダル投入口MIからメダルが投入されると、投入されたメダルは受け付けられることなくメダル払い出し口MOから返却される。また通過検知センサ356がメダルの投入を検知しても通過検知センサ356が無効化されている状態では、メダル投入処理やクレジット加算処理は行われない。
【0047】
また投入受付手段105は、1回の遊技に関する処理が全て終了すると、遊技機にメダルがクレジット記憶されていることを条件として、精算ボタンB4に対する操作を有効化する制御を行い、精算ボタンB4に対する有効な操作が行われると、精算スイッチ250が作動することに伴って、払出制御手段150(精算手段)によってクレジット記憶領域にクレジット記憶されたメダルおよび投入状態に設定されたメダルを払い出す処理(メダルを精算する精算処理)が行われ、クレジット記憶されたメダルおよび投入状態に設定されたメダルを全て払い出すと、投入状態に設定されたメダル数を0枚に初期化するとともに精算ボタンB4に対する操作を無効化する。またスタートレバーSLに対する遊技開始操作が行われた場合にも精算ボタンB4に対する操作を無効化する。
【0048】
また本実施形態では、投入受付手段105は、メダルがクレジット記憶またはベット(投入状態に設定)されていることによって精算ボタンB4に対する操作が有効化されている精算操作有効状態(精算許可状態)で精算ボタンB4に対する操作が行われた場合に、当該精算ボタンB4に対する操作が、押下状態を予め定められた基準時間(例えば、0.5秒)継続させる(維持する)操作である長押し操作であった場合(精算スイッチ250のオン状態が基準時間(例えば、0.5秒)継続した場合)に、メダルの精算に関して有効な操作と判定し、精算ボタンB4に対する操作が長押し操作よりも短い操作時間の操作である短押し操作であった場合(精算スイッチ250のオン状態が基準時間(例えば、0.5秒)未満であった場合)には、メダルの精算に関して無効な操作と判定する。このため精算ボタンB4に対する操作が有効化されている精算操作有効状態であっても精算ボタンB4に対する操作が短押し操作であった場合には無効な操作となり精算処理は行われず、精算ボタンB4に対する操作が長押し操作であっても精算ボタンB4に対する操作が無効化されている場合には無効な操作となり精算処理は行われない。
【0049】
なお本実施形態では、精算ボタンB4に対する操作が行われると、メダルの投入を受け付けないようにする制御を行うため、「無効な操作」とは、本来の機能(例えば、メダルの精算)が実行されないことを意味し、「無効な操作」であっても本来の機能とは別の処理(例えば、メダルの投入を受け付けないようにする制御)が行われることはあり得る。
【0050】
乱数発生手段110は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0051】
内部抽選手段120は、スタートレバーSLに対する遊技開始操作(有効化されたスタートレバーSLへの最初の押下操作)により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理などを行う。
【0052】
抽選テーブル選択処理では、メインメモリ190Mのメインテーブル記憶手段198に設けられた内部抽選テーブル記憶領域に格納されている複数の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。本実施形態の遊技機では、内部抽選テーブル記憶領域に、図3に示すような3種類の内部抽選テーブル(内部抽選テーブル1~内部抽選テーブル3)が記憶されている。そして各内部抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0~65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役、およびボーナスなどの各種の役やハズレ(不当選)が対応づけられている。なお本実施形態では、6段階の設定値に対して、設定値毎に3種類の内部抽選テーブルが用意されており、設定値に応じて内部抽選で一部の当選態様が得られる確率が異なっており、設定値が高くなるほど出玉率の期待値が高くなるように役と乱数値との対応関係が設定されている。
【0053】
なお本実施形態の遊技機では、小役として、小役1~小役45が用意され、小役の当選態様として、図4および図5に示すように、打順ベルA1~打順ベルA8、打順ベルC1~打順ベルC8、打順ベルD1~打順ベルD4、スイカ、弱チェリー、強チェリー、共通1枚A、共通1枚B、1枚役1~1枚役4、およびJAC1~JAC3が設定されている。
【0054】
また本実施形態の遊技機では、リプレイとして、リプレイ1~リプレイ4が用意され、リプレイの当選態様として、図5に示すように、通常リプレイ1および通常リプレイ2が設定されている。
【0055】
また本実施形態の遊技機では、内部抽選テーブル1および内部抽選テーブル2において小役の当選確率および当選態様が同一であって、内部抽選テーブル2では内部抽選テーブル1よりもリプレイの当選確率が高くなっており、内部抽選テーブル3ではリプレイが抽選対象となっておらず、また内部抽選テーブル3では内部抽選テーブル1および内部抽選テーブル2とは小役の抽選態様が異なっているともに、内部抽選テーブル1および内部抽選テーブル2よりも小役の当選確率が高くなっている。
【0056】
また本実施形態の遊技機では、ボーナスとして、ビッグボーナス(BB)が用意され、ビッグボーナス(BB)は、内部抽選テーブル1において抽選対象となっている。内部抽選テーブル1では、ビッグボーナス(BB)は、共通1枚A、共通1枚B、および1枚役1~1枚役4のそれぞれと重複して当選する場合と、単独当選する場合とが存在するように抽選態様が設定されている。
【0057】
また本実施形態の遊技機では、遊技状態として、通常状態、BB成立状態、およびBB状態が設定可能とされ、抽選テーブル選択処理では、遊技状態に応じて内部抽選テーブル1~内部抽選テーブル3のいずれか1つを内部抽選で使用する内部抽選テーブルとして選択する。
【0058】
そして本実施形態では、ボーナスやリプレイの当選態様については、設定値によっては当選確率が変動しないようになっているが、小役については設定値に応じて一部の当選態様の当選確率が変動し、設定値が高くなるほどJAC1、JAC2、およびJAC3の当選確率が高くなっている。
【0059】
乱数判定処理では、スタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、遊技毎に乱数発生手段110から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について内部抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
【0060】
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。本実施形態の遊技機では、2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。なお抽選フラグの設定情報は、メインメモリ190Mの抽選フラグ記憶手段200に格納される。
【0061】
また本実施形態の遊技機では、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されている。前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、ビッグボーナス(BB)があり、小役およびリプレイは後者の持越不可フラグに対応づけられている。抽選フラグ設定処理では、例えば、内部抽選でビッグボーナス(BB)に当選すると、ビッグボーナス(BB)の抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナス(BB)が入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき内部抽選手段120は、ビッグボーナス(BB)の抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、持越可能フラグに対応づけられているボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
【0062】
リール制御手段130は、スタートレバーSLに対する遊技開始操作により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、ステッピングモータにより第1リールR1~第3リールR3の回転駆動を開始し、第1リールR1~第3リールR3が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)で定常回転しているリールに対応するストップボタンB1~B3(停止操作手段)を押下することによる停止操作を有効化する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1~第3リールR3を抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じた態様で停止させる制御を行う。
【0063】
そしてリール制御手段130は、ストップボタンB1~B3に対する停止操作が有効化された状態において、遊技者がストップボタンB1~B3を押下することによりストップスイッチ240が作動すると、操作されたストップボタンに対する操作を無効化するとともに、ストップスイッチ240からのリール停止信号に基づいて、リールユニット310のステッピングモータへ全相励磁の駆動パルスを供給することにより、第1リールR1~第3リールR3の各リールを停止させる制御を行う。
【0064】
すなわちリール制御手段130は、ストップボタンB1~B3の各ボタンが押下される毎に、第1リールR1~第3リールR3のうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。なお本実施形態の遊技機では、ストップボタンB1を押下することが第1リールR1を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB2を押下することが第2リールR2を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB3を押下することが第3リールR3を停止させるための操作に対応する。すなわち本実施形態の遊技機では、ストップボタンB1~B3の押下順序が変化すると、第1リールR1~第3リールR3の停止順序が変化する。本実施形態では、第1リールR1~第3リールR3のうち、最初に停止するリールに対応する停止操作を第1停止操作、2番目に停止するリールに対応する停止操作を第2停止操作、最後に停止するリールに対応する停止操作を第3停止操作と称し、第1停止操作に対応するリールの停止を第1停止、第2停止操作に対応するリールの停止を第2停止、第3停止操作に対応するリールの停止を第3停止と称する場合がある。また本実施形態では、第1リールR1(特定リールの一例)を最初に停止させる停止操作の操作順序を推奨打順(特定操作順序の一例)とし、第2リールR2または第3リールR3を最初に停止させる停止操作の操作順序を変則打順(非特定操作順序の一例)と称する場合がある。
【0065】
また本実施形態の遊技機では、第1リールR1~第3リールR3について、ストップボタンB1~B3が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールが停止するようになっている。そしてストップボタンの押下時点から190ms以内に回転中のリールを停止させる場合には、回転している各リールの停止位置は、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに要するコマ数が0コマ~4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で決定される。そして、リール制御手段130は、ストップボタンB1~B3のうち押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールの外周面上において、内部抽選で当選した役に対応する図柄が、ストップボタンに対する押下操作が行われた時点で有効ライン上の表示位置に対して0コマ~4コマの範囲内に位置する場合に、抽選フラグが当選状態に設定されている役に対応する図柄が有効ライン上の表示位置に表示されるように、押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御を行っている。
【0066】
そして本実施形態では、図6に示すように、リールユニット310を構成する第1リールR1~第3リールR3の外周面に対して、赤7図柄「赤7」、BAR図柄1「BAR1」、BAR図柄2「BAR2」、リプレイ図柄「RP」、ベル図柄a「BLa」、ベル図柄b「BLb」、スイカ図柄「WM」、チェリー図柄「CH」、ダミー図柄1「DUM1」、およびダミー図柄2「DUM2」が配列されており、押下検出位置から4コマ以内に存在する図柄を有効ライン上に引き込む場合には、各リールの外周面において4コマ以内の間隔で配列されている図柄について、ストップスイッチ240の作動時点(ストップボタンの押下が検出された時点)のリールの位置である押下検出位置に関わらずに、有効ライン上に表示させることができるようになっている。なお本実施形態において押下検出位置は各リールの上段の表示位置となっている。
【0067】
また本実施形態の遊技機では、リールユニット310がフォトセンサからなるリールインデックスを備えており、リール制御手段130は、リールが1回転する毎にリールインデックスで検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックス315によって検出されるコマ)からの回転角度(ステッピングモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。すなわちリール制御手段130は、ストップスイッチ240の作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
【0068】
またリール制御手段130は、メインメモリ190Mのメインテーブル記憶手段198に設けられた停止制御テーブル記憶領域に記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中のリールの停止位置を決定する。
【0069】
ここで停止制御テーブルでは、抽選フラグの設定状態に応じて、ストップスイッチ240の作動時点(ストップボタンの押下が検出された時点)におけるリールの位置である押下検出位置と実際の停止位置との対応関係が設定されている。なお停止制御テーブルでは、抽選フラグの設定状態に応じて、押下検出位置と、押下検出位置から実際の停止位置までの回転量を示す滑りコマ数との対応関係が設定されていてもよい。
【0070】
また本実施形態の遊技機では、小役、リプレイ、およびボーナスに関して、「リプレイ>ボーナス」かつ「小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められており、各役に対応付けられた優先順位に従って、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置が選択されるように停止制御テーブルが設定されている。
【0071】
また本実施形態の遊技機では、内部抽選で複数種類の小役に係る抽選フラグが当選状態に設定された場合に参照される停止制御テーブルでは、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの個数に応じて停止位置が設定されている場合(個数優先制御:第1制御の一例)と、小役について予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて停止位置が設定されている場合(払出数優先制御:第2制御の一例)とが存在し、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの個数に応じて停止位置が設定されている場合には、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの個数が多くなる停止位置ほど優先されるように押下検出位置に対する停止位置が設定されており、メダルの払出数に応じて停止位置が設定されている場合には、有効ライン上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置(配当が多い小役を入賞させることができる停止位置)ほど優先されるように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。ただし、メダルの払出数に応じて停止位置が設定されている場合に、メダルの払出数が同一となる複数の停止位置については、それぞれの停止位置の優先度合いは同一として扱われて押下検出位置に対する停止位置が設定され、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの個数に応じて停止位置が設定されている場合に、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの個数が同数となる複数の停止位置については、それぞれの停止位置の優先度合いは同一として扱われて押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
【0072】
また本実施形態では、例えば、配当が15枚の小役(小役1~小役8、小役13~小役16)を15枚小役と称し、配当が3枚の小役(小役9~小役12、小役39)を3枚小役と称し、配当が10枚の小役(小役17~小役20)を10枚小役と称し、配当が1枚の小役(小役21~小役38、小役40、小役41、小役43、小役45)を1枚小役と称し、配当が8枚の小役(小役42、小役44)を8枚小役と称する等、説明の便宜上、小役を配当によって分類して総称することがある。
【0073】
そして内部抽選でいずれかの打順ベルが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、図7および図8に示すように、それぞれの打順ベルに対して正解打順が設定されており、正解打順と異なる操作順序は不正解打順として扱われる。なお本実施形態では、必要に応じて、15枚小役または10枚小役を入賞可能とする停止操作の態様を正解操作態様と称し、正解操作態様と異なる停止操作の態様を失敗操作態様と称することがある。
【0074】
まず打順ベルA1~打順ベルA8のいずれかが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、図7に示すように、正解打順でストップボタンB1~B3が押下されると、15枚小役(正解小役)または3枚小役(不正解小役)が入賞するように、押下検出位置に対する停止位置が設定されており、不正解打順でストップボタンB1~B3が押下されると、3枚小役(不正解小役)または1枚小役(不正解小役)が入賞するように(打順3~打順6が不正解打順である際には取りこぼしの場合あり)、押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
【0075】
なお図7および図8における「1枚小役(1/4)」とは1枚小役のみが入賞可能な状況において1/4の確率で1枚小役が入賞し、3/4の確率でいずれの役も入賞しない取りこぼしが発生することを意味する。
【0076】
また本実施形態では、打順ベルA1~打順ベルA8のいずれかの当選時において正解打順で停止操作が行われた場合に、正解打順における第1停止操作の押下検出位置によって15枚小役が入賞するか否かが決定され、第1停止操作の押下検出位置が図6に示す第1押下位置または第2押下位置のいずれであるかによって15枚小役が入賞するか否かが決定される。本実施形態では、打順ベルA1~打順ベルA8について15枚小役を入賞可能とする第1停止操作の押下検出位置を正解位置とする。そして、図7に示すように、打順ベルA1~打順ベルA4については、正解打順であって第1停止操作が第1押下位置である場合に15枚小役が入賞し、正解打順であっても第1停止操作が第2押下位置である場合には15枚小役が入賞せず3枚小役が入賞し、打順ベルA5~打順ベルA8については、正解打順であって第1停止操作が第2押下位置である場合に15枚小役が入賞し、正解打順であっても第1停止操作が第1押下位置である場合には15枚小役が入賞せず3枚小役が入賞する。
【0077】
また内部抽選で打順ベルC1~打順ベルC8のいずれかが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、図8に示すように、正解打順でストップボタンB1~B3が押下されると、10枚小役(正解小役)が入賞するように、押下検出位置に対する停止位置が設定されており、不正解打順でストップボタンB1~B3が押下されると、1枚小役が入賞するように(打順3~打順6が不正解打順である際には取りこぼしの場合あり)、押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
【0078】
また内部抽選で打順ベルD1~打順ベルD4のいずれかが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、図8に示すように、正解打順でストップボタンB1~B3が押下されると、15枚小役が入賞するように、押下検出位置に対する停止位置が設定されており、不正解打順でストップボタンB1~B3が押下されると、1枚小役が入賞する場合といずれの役も入賞しない場合(役の取りこぼし)とが存在するように、押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
【0079】
なお打順ベルC1~打順ベルC8については、通常状態では全ての停止操作の順序が不正解打順として扱われ、BB成立状態である場合に限って正解打順として扱われる停止操作の順序と不正解打順として扱われる停止操作の順序とが存在するようになっている。すなわち打順ベルC1~打順ベルC8については、通常状態において当選した場合、如何なる操作態様も失敗操作態様となる。このため通常状態では、BB成立状態で10枚小役を入賞可能な操作態様で停止操作が行われても1枚小役が入賞する。なお打順ベルA1~打順ベルA8および打順ベルD1~打順ベルD4については、通常状態およびBB成立状態のいずれにおいても図7および図8に示す態様で停止制御が行われ、通常状態およびBB成立状態のいずれであっても正解操作態様で停止操作が行われれば15枚小役が入賞する。
【0080】
また各打順ベルの当選時であって、正解操作態様で停止操作が行われている場合には払出数優先制御によって15枚小役や10枚小役の入賞形態を構成する図柄が優先的に有効ライン上に表示され、失敗操作態様で停止操作が行われている場合には個数優先制御によって3枚小役や1枚小役の入賞形態を構成する図柄が優先的に有効ライン上に表示されるように、各停止制御テーブルにおいて押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
【0081】
また本実施形態では、各打順ベルの当選時に15枚小役(小役1~小役8、小役13~小役16)、10枚小役(小役17~小役20)または3枚小役(小役9~小役12)が入賞する場合に、ベル揃いの図柄組合せ(特定図柄組合せ)が有効ラインL1または無効ライン(入賞判定に用いられないライン)上に表示される。ここでベル揃いの図柄組合せとは、ベル図柄a「BLa」およびベル図柄b「BLb」のうち少なくとも1種類の図柄によって構成される図柄組合せを意味する。そして本実施形態のベル図柄a「BLa」とベル図柄b「BLb」とは互いに類似する図柄となっているため、小役1~小役20の入賞時には、互いに類似するベル揃いの図柄組合せが表示される。
【0082】
例えば、小役1~小役4の入賞時には、図9(A)~図9(D)に示すように、各リールの中段からなる中段無効ライン上にベル揃いの図柄組合せが表示される。小役1は打順ベルA1に含まれ、小役2は打順ベルA5に含まれ、小役3は打順ベルA2に含まれ、小役4は打順ベルA6に含まれ、これら4種類の打順ベルには互いに異なる正解操作態様が設定されているが、正解操作態様で停止操作が行われると、互いに類似するベル揃いの組み合わせが同一ライン上に表示される。
【0083】
また小役5~小役8の入賞時には、図9(E)~図9(H)に示すように、ベル揃いの図柄組合せが有効ラインL1上に表示される。小役5は打順ベルA3に含まれ、小役6は打順ベルA7に含まれ、小役7は打順ベルA4に含まれ、小役8は打順ベルA8に含まれ、これら4種類の打順ベルには互いに異なる正解操作態様が設定されているが、正解操作態様で停止操作が行われると、互いに類似するベル揃いの組み合わせが同一ライン上に表示される。
【0084】
また小役9~小役10の入賞時には、図9(I)~図9(J)に示すように、第1リールR1の下段、第2リールR2の中段、第3リールR3上段からなる右上り無効ライン上にベル揃いの図柄組合せが表示される。小役9は打順ベルA1および打順ベルA2に含まれ、小役10は打順ベルA5および打順ベルA6に含まれ、これら4種類の打順ベルには互いに異なる正解操作態様が設定されているが、第1停止操作が正解打順と同一である失敗操作態様で停止操作が行われると、互いに類似するベル揃いの組み合わせが同一ライン上に表示される。
【0085】
また小役11~小役12の入賞時には、図10(A)~図10(B)に示すように、各リールの下段からなる下段無効ライン上にベル揃いの図柄組合せが表示される。小役11は打順ベルA3および打順ベルA4に含まれ、小役12は打順ベルA7および打順ベルA8に含まれ、これら4種類の打順ベルには互いに異なる正解操作態様が設定されているが、第1停止操作が正解打順と同一である失敗操作態様で停止操作が行われると、互いに類似するベル揃いの組み合わせが同一ライン上に表示される。
【0086】
また小役13~小役16の入賞時には、図10(C)~図10(F)に示すように、各リールの上段からなる上段無効ライン上にベル揃いの図柄組合せが表示される。小役13は打順ベルD1に含まれ、小役14は打順ベルD2に含まれ、小役15は打順ベルD3に含まれ、小役16は打順ベルD4に含まれ、これら4種類の打順ベルには同一の正解操作態様が設定されており、正解操作態様で停止操作が行われると、互いに類似するベル揃いの組み合わせが同一ライン上に表示される。
【0087】
また小役17~小役18の入賞時には、図10(G)~図10(H)に示すように、ベル揃いの図柄組合せが右上り無効ライン上に表示される。小役17は打順ベルC1および打順ベルC6に含まれ、小役18は打順ベルC2および打順ベルC5に含まれ、打順ベルC1および打順ベルC5には同一の正解操作態様が設定され、打順ベルC2および打順ベルC6にも同一の正解操作態様が設定されており、正解操作態様で停止操作が行われると、互いに類似するベル揃いの組み合わせが同一ライン上に表示される。
【0088】
また小役19~小役20の入賞時には、図10(I)~図10(J)に示すように、ベル揃いの図柄組合せが下段無効ライン上に表示される。小役19は打順ベルC3および打順ベルC8に含まれ、小役20は打順ベルC4および打順ベルC7に含まれ、打順ベルC3および打順ベルC7には同一の正解操作態様が設定され、打順ベルC4および打順ベルC8にも同一の正解操作態様が設定されており、正解操作態様で停止操作が行われると、互いに類似するベル揃いの組み合わせが同一ライン上に表示される。
【0089】
また小役9、小役10、小役17、および小役18の入賞時には、図9(I)、図9(J)、図10(G)、および図10(H)に示すように、ベル揃いの図柄組合せが同一ライン(右上り無効ライン)上に表示され、小役11、小役12、小役19、および小役20の入賞時には、図10(A)、図10(B)、図10(I)、および図10(J)に示すように、ベル揃いの図柄組合せが同一ライン(下段無効ライン)上に表示される。
【0090】
このよう本実施形態では、打順ベルA1(第1当選態様の一例)または打順ベルC1(第2当選態様の一例)が当選した場合に、打順3かつ第1停止操作が第2押下位置である第1特定操作態様(特定操作態様の一例)では、異なる小役(小役9、小役17)が入賞する一方で、図9(I)および図10(G)に示すように、互いに類似するベル揃いの組み合わせが同一ライン(右上り無効ライン)上に表示される。そして第1特定操作態様では、打順ベルA1の当選時は3枚小役(小役9)が必ず入賞し、打順ベルC1の当選時は10枚小役(小役17)が必ず入賞するため、打順ベルA1と打順ベルC1とでは、第1特定操作態様におけるメダルの獲得期待値が異なっている。
【0091】
また打順ベルA2(第1当選態様の一例)または打順ベルC2(第2当選態様の一例)が当選した場合に、打順4かつ第1停止操作が第2押下位置である第2特定操作態様(特定操作態様の一例)では、異なる小役(小役9、小役18)が入賞する一方で、図9(I)および図10(H)に示すように、互いに類似するベル揃いの組み合わせが同一ライン(右上り無効ライン)上に表示される。そして第2特定操作態様では、打順ベルA2の当選時は3枚小役(小役9)が必ず入賞し、打順ベルC2の当選時は10枚小役(小役18)が必ず入賞するため、打順ベルA2と打順ベルC2とでは、第2特定操作態様におけるメダルの獲得期待値が異なっている。
【0092】
また打順ベルA5(第1当選態様の一例)または打順ベルC5(第2当選態様の一例)が当選した場合に、打順3かつ第1停止操作が第1押下位置である第3特定操作態様(特定操作態様の一例)では、異なる小役(小役10、小役18)が入賞する一方で、図9(J)および図10(H)に示すように、互いに類似するベル揃いの組み合わせが同一ライン(右上り無効ライン)上に表示される。そして第3特定操作態様では、打順ベルA5の当選時は3枚小役(小役10)が必ず入賞し、打順ベルC5の当選時は10枚小役(小役18)が必ず入賞するため、打順ベルA5と打順ベルC5とでは、第3特定操作態様におけるメダルの獲得期待値が異なっている。
【0093】
また打順ベルA6(第1当選態様の一例)または打順ベルC6(第2当選態様の一例)が当選した場合に、打順4かつ第1停止操作が第1押下位置である第4特定操作態様(特定操作態様の一例)では、異なる小役(小役10、小役17)が入賞する一方で、図9(J)および図10(G)に示すように、互いに類似するベル揃いの組み合わせが同一ライン(右上り無効ライン)上に表示される。そして第4特定操作態様では、打順ベルA6の当選時は3枚小役(小役10)が必ず入賞し、打順ベルC6の当選時は10枚小役(小役17)が必ず入賞するため、打順ベルA6と打順ベルC6とでは、第4特定操作態様におけるメダルの獲得期待値が異なっている。
【0094】
また内部抽選で1枚役1~1枚役4のいずれかが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、図8に示すように、ストップボタンB1を最初に押下する操作順序(打順1~打順2)では、1枚小役が入賞するように、押下検出位置に対する停止位置が設定されており、ストップボタンB2またはストップボタンB3を最初に押下する操作順序(打順3~打順6)では、1枚小役が入賞する場合といずれの役も入賞しない場合(役の取りこぼし)とが存在するように、押下検出位置に対する停止位置が設定されている。打順3~打順6では、1/4の確率で1枚小役が入賞し、3/4の確率で役の取りこぼしが発生する。
【0095】
また内部抽選でスイカが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、8枚小役が入賞する場合といずれの役も入賞しない場合(役の取りこぼし)とが存在するように、押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
【0096】
また内部抽選で弱チェリーが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、3枚小役が入賞するように、押下検出位置に対する停止位置が設定されており、内部抽選で強チェリーが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、1枚小役が入賞するように、押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
【0097】
また内部抽選で共通1枚Aが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、第1リールR1を最初に停止させる操作順序(打順1~打順2)でストップボタンB1~B3が押下されると、小役41(小役1枚)が入賞するように、押下検出位置に対する停止位置が設定されており、第2リールR2または第3リールR3を最初に停止させる操作順序(打順3~打順6)でストップボタンB1~B3が押下されると、小役41の入賞を回避して小役37(小役1枚)または小役45(小役1枚)が入賞するように、押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
【0098】
また本実施形態では、共通1枚Aの当選時に小役41が入賞する場合に、赤7図柄「赤7」によって構成される赤7揃いの図柄組合せ(特定図柄組合せ)を中段無効ライン上に表示可能となっており、赤7揃いの図柄組合せを優先的に表示させる。
【0099】
また内部抽選で共通1枚Bが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、1枚小役が入賞するように、押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
【0100】
また内部抽選でJAC1が当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、15枚小役が入賞するように、押下検出位置に対する停止位置が設定されており、内部抽選でJAC2が当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、3枚小役が入賞するように、押下検出位置に対する停止位置が設定されており、内部抽選でJAC3が当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、1枚小役が入賞するように、押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
【0101】
また内部抽選で通常リプレイ1または通常リプレイ2が当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、いずれかのリプレイが入賞するように、押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
【0102】
またビッグボーナス(BB)については、通常状態においてビッグボーナス(BB)が単独で当選した場合のみ入賞可能であって、BB成立状態ではハズレが存在せず、必ずビッグボーナス(BB)よりも優先度の高い小役またはリプレイが重複して当選している関係でビッグボーナス(BB)が入賞しないように、停止制御テーブルにて押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
【0103】
入賞判定手段140は、第1リールR1~第3リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する入賞判定処理を行う。具体的には、メインメモリ190Mのメインテーブル記憶手段198に設けられた入賞判定テーブル記憶領域に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リールR1~第3リールR3の全てが停止した時点で有効ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かなどを判定する。そして、各リールが停止した状態における有効ライン上に表示された図柄組合せによって、図11図15に示すように、ビッグボーナス(BB)、リプレイ1~リプレイ4、および小役1~小役45の入賞の有無が判定できるように入賞判定テーブルが用意されている。なお入賞判定手段140は、各リールの停止態様(各リールの実際の停止位置の情報)に基づいて入賞判定処理を行うものに限られず、例えば、リール制御手段130によって決定された各リールの停止位置(各リールの停止操作時の停止予想位置)に基づいて入賞判定処理を行うようにしてもよいし、既に停止しているリールの実際の停止位置と第3停止操作に対するリールの停止予想位置(停止予定位置)とに基づいて入賞判定処理を行うようにしてもよい。この例では、全てのリールが停止する前に(第3停止操作に対応するリールの停止位置が決定された時点で)入賞判定処理を行うことができる。そして役毎に予め定められた入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると役が入賞する。
【0104】
そして本実施形態の遊技機では、入賞判定手段140の判定結果に基づいて、役が入賞した場合に入賞時処理が実行される。入賞時処理としては、例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段150によってメダルの払出処理が行われ、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理手段160によってリプレイ処理が行われ、ボーナスが入賞した場合には遊技状態制御手段170によって遊技状態を移行させる遊技状態移行処理が行われる。
【0105】
払出制御手段150は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパーユニット320(払出装置)に払い出させる制御を行う。
【0106】
ホッパーユニット320は、払出制御手段150によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。ホッパーユニット320には、メダルを1枚払い出す毎に作動する払出メダル検出スイッチ325が備えられており、払出制御手段150は、払出メダル検出スイッチ325からの入力信号に基づいてホッパーユニット320から実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。
【0107】
なおメダルのクレジット記憶(貯留記憶)が許可されている場合には、ホッパーユニット320によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、メインメモリ190Mのクレジット記憶領域に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算する(付与する)クレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
【0108】
また払出制御手段150(精算手段)は、精算ボタンB4に対する有効な操作が行われると、クレジット記憶領域にクレジット記憶されているメダルおよび投入状態に設定されているメダルをホッパーユニット320(払出装置)に払い出させる制御(メダルの精算に関する制御)を行う。具体的には、精算ボタンB4に対する操作が有効化された状態において精算ボタンB4に対する操作が行われた場合に、クレジット記憶領域にクレジット記憶されているメダルおよび投入状態に設定されているメダルに基づいて精算するメダル数を決定し、決定された数に相当するメダルを、ホッパーユニット320(払出装置)に払い出させる制御を行う。
【0109】
リプレイ処理手段160は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち本実施形態の遊技機では、リプレイが入賞した場合には、前回の遊技と同じ枚数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、規定投入数に対応する有効ラインを設定した状態で次回のスタートレバーSLに対する遊技開始操作を待機する。
【0110】
遊技状態制御手段170は、図16に示すように、通常状態、BB成立状態、およびBB状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行処理を行う。本実施形態では、滞在している遊技状態を示す情報は、メインメモリ190Mの状態記憶手段201に設けられた遊技状態記憶領域に格納される。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
【0111】
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはBB成立状態またはBB状態への移行が可能となっている。具体的には、通常状態においてビッグボーナス(BB)が当選したが、ビッグボーナス(BB)が入賞しなかった場合にBB成立状態へ移行し、通常状態においてビッグボーナス(BB)が当選し、かつビッグボーナス(BB)が入賞した場合にBB状態へ移行する。また通常状態では、図3に示す内部抽選テーブル1~内部抽選テーブル3のうち、リプレイの当選確率が約1/7.3以上に設定され、かつビッグボーナス(BB)が抽選対象として設定されている内部抽選テーブル1を参照して内部抽選が行われる。
【0112】
BB成立状態は、通常状態において内部抽選でビッグボーナス(BB)が当選したが、ビッグボーナス(BB)が入賞しなかったことを契機として移行する遊技状態で、図3に示す内部抽選テーブル1~内部抽選テーブル3のうち、リプレイの当選確率が内部抽選テーブル1よりも高くなることでハズレ(不当選)が発生せず、ビッグボーナス(BB)が抽選対象から除外された内部抽選テーブル2を参照した内部抽選が行われる。
【0113】
またBB成立状態では、ビッグボーナス(BB)が入賞するまでビッグボーナス(BB)に対応する抽選フラグが当選状態に維持され、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態制御手段170は、遊技状態をBB成立状態からBB状態へ移行させる。
【0114】
BB状態は、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態であり、図3に示す内部抽選テーブル1~内部抽選テーブル3のうち、内部抽選テーブル1および内部抽選テーブル2とは小役の抽選態様が異なる内部抽選テーブル3を参照した内部抽選が行われる。
【0115】
またBB状態では、BB状態での遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた所定枚数(例えば、18枚)を超えるメダルが払い出されたと判断されると、遊技状態制御手段170は、BB状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる制御を行う。なお本実施形態では、BB状態における払出数についてのカウント情報は遊技状態記憶領域に記憶される。
【0116】
また本実施形態の遊技機では、通常状態(ボーナスの非作動中の一例)およびBB成立状態(ボーナスの非作動中の一例)では、複数種類の15枚小役(正解小役の一例:小役1~小役8および小役13~小役16)が互いに重複せずに当選する複数種類の特定当選態様(打順ベルA1~打順ベルA8および打順ベルD1~打順ベルD4)が存在するように内部抽選を行い、BB状態(ボーナスの作動中の一例)では、複数種類の15枚小役(小役1~小役8および小役13~小役16)が重複して当選する他の当選態様(JAC1)が存在し、BB状態において内部抽選で他の当選態様となる確率が、通常状態およびBB成立状態において内部抽選で複数種類の特定当選態様のいずれかとなる確率よりも低く、それぞれの小役の当選確率が通常状態およびBB成立状態における当選確率以上でかつ小役全体の当選確率が通常状態およびBB成立状態よりも高くなるように内部抽選を行っている。すなわち本実施形態のBB状態では、少なくともいずれか1種類の小役の当選確率が通常状態やBB成立状態よりも上昇し、かつ小役全体の当選確率も通常状態やBB成立状態よりも上昇しているが、規定投入数(3枚)より配当の高い小役1~小役8および小役13~小役16を含む第2当選態様(JAC1)が得られる確率が通常状態やBB成立状態において小役1~小役8および小役13~小役16のいずれかを含む特定当選態様のいずれかが得られる確率よりも低くなっているため、BB状態でのメダルの獲得率(払出数/投入数)の期待値を100%未満とすることができるようになっている。
【0117】
AT制御手段175は、図17に示すように、初期演出状態(通常遊技の一例)、通常演出状態(通常遊技の一例)、第1AT状態(特別演出状態、補助遊技、有利遊技、特典遊技の一例)、および第2AT状態(特別演出状態、補助遊技、有利遊技、特典遊技の一例)を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を変化させており、所定条件下で演出状態を第1AT状態に設定し、メインメモリ190Mの第1ATゲーム数カウンタ193の値に基づいて第1AT状態の終了条件(補助遊技の終了条件)の成否を判定して、第1AT状態の終了条件の成立に伴い第1AT状態を終了させる制御(有利遊技の制御)を行う。本実施形態では、滞在している演出状態を示す情報は、メインメモリ190Mの状態記憶手段201に設けられた演出状態記憶領域に格納される。また本実施形態では、第1AT状態や第2AT状態に滞在している場合に、演出制御手段180によって役の入賞を補助する入賞補助演出が行われ、初期演出状態や通常演出状態に滞在している遊技(通常遊技の一例)よりもメダルが獲得しやすいアシストタイム遊技(補助遊技、有利遊技、特典遊技の一例)を行うことができるようになっている。本実施形態では、有利区間においてアシストタイム遊技を実行する機能を指示機能とし、アシストタイム遊技の実行に影響する処理が指示機能に係る処理となる。
【0118】
またAT制御手段175は、図18に示すように、通常区間(非有利区間)および有利区間を設定可能とし、通常区間では演出状態を初期状態である初期演出状態に固定して有利区間移行抽選を行い、有利区間移行抽選に当選したことによって有利区間を開始して有利区間であることを条件に演出状態をAT状態(第1AT状態および第2AT状態)に設定可能としている。
【0119】
そしてAT制御手段175は、通常区間において通常状態またはBB成立状態である場合に有利区間移行抽選を行う。通常状態では、内部抽選で通常リプレイ1以外の当選態様が当選した場合に有利区間移行抽選を行い、BB成立状態では、共通1枚A、共通1枚B、1枚役1~1枚役4、および通常リプレイ1以外の当選態様が当選した場合に有利区間移行抽選を行う。
【0120】
有利区間移行抽選に当選すると、有利区間移行抽選に当選したことに基づいて有利区間移行処理を行い、有利区間移行抽選に当選した遊技の次回の遊技から有利区間を開始させ、演出状態を通常演出状態に設定する。本実施形態では、通常演出状態におけるAT抽選の抽選モードとして、通常モードおよびチャンスモードが設定可能であり、通常演出状態である場合には、いずれかの抽選モードに滞在し、有利区間移行抽選に当選した遊技の次回の遊技または第1AT状態が終了しかつ有利区間が継続した遊技において抽選モードを決定する。有利区間移行抽選に当選した遊技の次回の遊技では、例えば、スタートレバーSLに対する遊技開始操作を契機として抽選モードが決定され、この場合にはチャンスモードに設定される。このため例えば、第1AT状態の終了とともに有利区間が終了して通常区間を経由して再び有利区間に移行すると(有利区間がリセットされると)、チャンスモードに設定される。一方、第1AT状態が終了しかつ有利区間が継続した遊技では、演出状態を通常演出状態に復帰させる処理の一部として抽選モードが決定される。この場合には、チャンスモード抽選を行い、チャンスモード抽選に当選すると、チャンスモードに設定され、チャンスモード抽選の結果がハズレ(不当選)であった場合には、通常モードに設定される。なお本実施形態のチャンスモード抽選では、当選する確率よりもハズレ(不当選)となる確率の方が高く設定されており、例えば、当選確率は5%に設定されている。
【0121】
またAT制御手段175は、有利区間において演出状態が通常演出状態である場合に、内部抽選で特定当選態様(例えば、スイカ、弱チェリー、強チェリー、共通1枚Aなどのレアリティの高い当選態様など)が当選したことに基づいて、AT抽選(指示機能に係る処理の一例)を行う。AT抽選では、AT抽選の抽選モードに応じてAT当選が得られる確率が異なっており、「通常モード<チャンスモード」の順にAT当選が得られる確率が高く設定されている。またAT抽選では、「弱チェリー<スイカ<強チェリー<共通1枚A」の順にAT当選が得られる確率が高く設定されている。
【0122】
またAT制御手段175は、有利区間において演出状態が通常演出状態である場合に、内部抽選で共通1枚Aが当選したことに基づいて、第1特定抽選を行う。第1特定抽選は、共通1枚AをAT抽選の抽選対象役(特定当選態様)として扱うか否かを決定するものであり、第1特定抽選に当選すると、共通1枚AをAT抽選の抽選対象役(特定当選態様)として扱ってAT抽選を行う一方で、第1特定抽選の結果がハズレ(不当選)となった場合には、共通1枚AをAT抽選の抽選対象役(特定当選態様)として扱わないことでAT抽選を行わない。なお第1特定抽選の当選時には、AT当選が必ず得られるようにAT抽選が行われる。
【0123】
またAT制御手段175は、有利区間においてAT抽選の抽選モードを決定すると、天井遊技回数を設定する。本実施形態では、抽選モードに基づいて天井遊技回数が設定され、抽選モードが通常モードに決定された場合にはメインメモリ190Mの天井カウンタ194に500回分の遊技回数に相当する値「500」を設定し、抽選モードがチャンスモードに決定された場合には天井カウンタ194に100回分の遊技回数に相当する値「100」を設定し、通常演出状態において1回の遊技が行われる毎に遊技1回分に相当する一定値「1」を天井カウンタ194の値から減算する処理(指示機能に係る処理の一例)を行う。なお通常演出状態において変則打順で停止操作が行われた場合には天井カウンタ194の値から一定値「1」を減算する処理を行わない。すなわち第1リールR1を最初に停止させる推奨打順は、第2リールR2または第3リールR3を最初に停止させる変則打順よりも天井カウンタ1924の更新に関して有利に取り扱われる。
【0124】
そしてAT制御手段175は、通常演出状態において、AT抽選の結果がAT当選であったことまたは天井カウンタ194の値が初期値「0」に達したことに基づいて、演出状態を第1AT状態に移行させる制御を行う。またAT制御手段175は、演出状態を第1AT状態に移行させる際に、第1AT状態でのアシストタイム遊技の初期遊技回数である50回に相当する値「50」を第1ATゲーム数カウンタ193に設定する。
【0125】
そしてAT制御手段175は、演出状態が第1AT状態であることに基づいてアシストタイム遊技を行わせ、アシストタイム遊技において1回の遊技が行われる毎に遊技1回分に相当する一定値「1」を第1ATゲーム数カウンタ193の値から減算し、第1ATゲーム数カウンタ193の値が初期値「0」に達すると、第1AT状態の終了条件が成立したと判断し、演出状態を通常演出状態に復帰させる。
【0126】
またAT制御手段175は、第1AT状態において、内部抽選で特定当選態様(例えば、スイカ、弱チェリー、強チェリー、共通1枚Aなどのレアリティの高い当選態様など)が当選したことに基づいて、上乗せ抽選(指示機能に係る処理の一例)を行い、上乗せ抽選に当選すると、第1ATゲーム数カウンタ193に所与の値を加算する。上乗せ抽選では、「弱チェリー<スイカ<強チェリー<共通1枚A」の順に当選確率が高く設定されている。また加算値は、内部抽選の結果に応じて決定され、「弱チェリー<スイカ<強チェリー<共通1枚A」の順に加算値の期待値が高く設定されている。
【0127】
またAT制御手段175は、有利区間において演出状態が第1AT状態である場合に、内部抽選で特定当選態様(例えば、スイカ、弱チェリー、強チェリー、共通1枚Aなどのレアリティの高い当選態様など)が当選したことに基づいて、第2AT抽選(指示機能に係る処理、有利遊技に関する所定処理、有利遊技に関する所定の抽選処理の一例)を行う。第2AT抽選では、「弱チェリー<スイカ<強チェリー<共通1枚A」の順に当選確率が高く設定されている。
【0128】
第2AT抽選に当選すると、第1AT状態を中断して演出状態を第2AT状態に移行させる。このとき第1ATゲーム数カウンタ193の値を保持するとともに、第2AT状態でのアシストタイム遊技の初期遊技回数である10回に相当する値「10」を第2ATゲーム数カウンタ197に設定する。
【0129】
またAT制御手段175は、第1AT状態において、内部抽選で共通1枚Aが当選した場合に上乗せ抽選および第2AT抽選を行う前に、第2特定抽選(指示機能に係る処理、有利遊技に関する所定処理、有利遊技に関する所定の抽選処理の一例)を行う。第2特定抽選は、共通1枚Aを上乗せ抽選および第2AT抽選の抽選対象役(特定当選態様)として扱うか否かを決定するものであり、第2特定抽選に当選すると、共通1枚Aを上乗せ抽選および第2AT抽選の抽選対象役(特定当選態様)として扱って上乗せ抽選および第2AT抽選を行う一方で、第2特定抽選の結果がハズレ(不当選)となった場合には、共通1枚Aを上乗せ抽選および第2AT抽選の抽選対象役(特定当選態様)として扱わないことで上乗せ抽選および第2AT抽選を行わない。
【0130】
またAT制御手段175は、演出状態が第2AT状態であることに基づいてアシストタイム遊技を行わせ、第2AT状態でのアシストタイム遊技において1回の遊技が行われる毎に遊技1回分に相当する一定値「1」を第2ATゲーム数カウンタ197の値から減算し、第2ATゲーム数カウンタ197の値が初期値「0」に達すると、第2AT状態の終了条件が成立したと判断し、演出状態を第1AT状態に復帰させる。
【0131】
またAT制御手段175は、第2AT状態において遊技が行われる毎に強上乗せ抽選(指示機能に係る処理の一例)を行い、強上乗せ抽選に当選すると、第1ATゲーム数カウンタ193に所与の値を加算する。強上乗せ抽選では、必ず当選するように抽選が行われるため、第1AT状態において行われる上乗せ抽選よりも遊技者にとって有利な抽選となっており、第2AT状態では、遊技が行われる毎に第1AT状態の遊技回数が必ず上乗せされる。なお加算値は、内部抽選の結果に応じて決定され、「ハズレ=JAC1~JAC3<共通1枚B=打順ベルA1~A8=打順ベルC1~C8=打順ベルD1~打順ベルD4<通常リプレイ1~2<弱チェリー<スイカ<強チェリー<共通1枚A」の順に加算値の期待値が高く設定されている。
【0132】
またAT制御手段175は、第2AT状態において、内部抽選で共通1枚Aが当選した場合に強上乗せ抽選を行う前に、第3特定抽選(指示機能に係る処理、有利遊技に関する所定処理、有利遊技に関する所定の抽選処理の一例)を行う。第3特定抽選は、共通1枚Aを共通1枚Bとして扱うか共通1枚Aとして扱うかを決定するものであり、第3特定抽選に当選すると、共通1枚Aを共通1枚Aとして扱って加算値を決定する一方で、第3特定抽選の結果がハズレ(不当選)となった場合には、共通1枚Aを共通1枚Bとして扱って加算値を決定する。
【0133】
また本実施形態では、AT制御手段175は、有利区間移行処理においてメインメモリ190Mの第1クリアカウンタ195の値を所定値「1」に設定して、有利区間では、1回の遊技が行われる毎に第1クリアカウンタ195の値に1回分の遊技に相当する一定値(例えば、1)を加算するインクリメント更新を行い、第1クリアカウンタ195の値がしきい値(例えば、4000)を超えた場合(第1クリアカウンタ195の値が「4001」に達した場合)に有利区間の終了条件が成立したと判断する。本実施形態において第1クリアカウンタ195の更新は各遊技における回転中のリールが全て停止した後に行われるようになっているが、各遊技において予め定まっていれば、いずれの契機で第1クリアカウンタ195の更新を行うようにしてもよく、例えば、スタートレバーSLに対する遊技開始操作を更新契機とするようにしてもよい。
【0134】
またAT制御手段175は、有利区間移行処理においてメインメモリ190Mの第2クリアカウンタ196の値を初期値(例えば、40000)に設定して、有利区間では、第2クリアカウンタ196の値を各遊技でのメダルの差枚数によって更新し、メダルの払出数に相当する値(例えば、10枚のメダルの払い出しがあった場合には「10」とし、いずれの役も入賞せずに払い出しがなかった場合には「0」とする)から遊技に使用されたメダルの投入数(3枚)に相当する値「3」を減算して当該遊技における差枚数の演算結果を求めて、この演算結果を第2クリアカウンタ196の値に加算する更新処理を行い、第2クリアカウンタ196の値がしきい値(例えば、42400:所定数)を超えた場合に有利区間の終了条件が成立したと判断する。なお第2クリアカウンタ196によってカウントされる有利区間の差枚数については、有利区間が開始となる時(有利区間移行処理後)を0枚の基点としてカウントを開始し、第2クリアカウンタ196の値が初期値(例えば、40000)を下回っても差枚数のカウントを継続してマイナス分についてもそのままカウントする。このため本実施の形態では、一の有利区間において差枚数の最下点から2400枚を所定量超えて獲得することができるようになっており、例えば、最下点が-600枚である場合に3000枚(=600枚+2400枚)+α(差枚数が+2400枚に到達した遊技の次遊技で例えば10枚小役が入賞した場合に8枚(=10枚-3枚)獲得など)のメダルを獲得することができるようになっている。また遊技においてリプレイの入賞があった場合には、リプレイの入賞した遊技で当該遊技の規定投入数に相当するメダルの払い出しがあったものとして取り扱って差枚数を求め、リプレイの入賞によって無償で提供される次回の遊技については実際のメダルの投入は行われていなくても当該遊技の規定投入数に相当するメダルの投入が行われたものとして取り扱って差枚数を求めるようになっている。
【0135】
またAT制御手段175は、第1AT状態の終了時、言い換えれば第1ATゲーム数カウンタ193の値が初期値「0」になった遊技の終了時において、有利区間の任意終了条件が成立した場合にも有利区間の終了条件が成立したと判断する。本実施形態では、通常演出状態においてAT抽選の結果がAT当選となった遊技または天井カウンタ194の値が初期値「0」に達した遊技の遊技回数が、有利区間を開始してから所定回数(例えば、2001回)以上の遊技回数であった場合に任意終了条件が成立したと判断する。具体的には、通常演出状態においてAT抽選の結果がAT当選となった場合または天井カウンタ194の値が初期値「0」に達した場合に第1クリアカウンタ195の値をチェックし、第1クリアカウンタ195の値が所定の値(例えば、2001)以上であった場合にメインメモリ190Mの有利区間リセットフラグをオン状態に設定し、第1クリアカウンタ195の値が所定の値(例えば、2001)未満であった場合には有利区間リセットフラグをオフ状態に設定する。そして本実施形態では、第1AT状態の終了時に有利区間リセットフラグがオン状態に設定されている場合に、有利区間の任意終了条件が成立したと判断する。
【0136】
また有利区間においては、有利区間の終了条件に該当しない限りは、遊技状態や演出状態の移行が発生しても第1クリアカウンタ195および第2クリアカウンタ196の更新が行われる。
【0137】
またAT制御手段175は、有利区間の終了に基づいてメインメモリ190Mの所定の記憶領域に記憶されている情報を初期化する初期化処理を行う。具体的には、第1ATゲーム数カウンタ193、天井カウンタ194、第1クリアカウンタ195、第2クリアカウンタ196、第2ATゲーム数カウンタ197、演出状態、および有利区間リセットフラグ等のATに関連する情報を有利区間の終了に伴う初期化処理によって初期化する。なお有利区間の終了に伴う初期化処理によってはクレジット記憶手段191、ベット数記憶手段192、メインテーブル記憶手段198、抽選フラグ記憶手段200、状態記憶手段201の遊技状態記憶領域、および設定値記憶手段205に記憶されている情報は初期化されない。
【0138】
そして有利区間の終了に伴う初期化処理が行われると、演出状態が初期演出状態に初期化されて通常区間に復帰する。このため第1AT状態の終了時に、有利区間リセットフラグがオフ状態に設定されている場合には演出状態が通常演出状態に移行して有利区間が継続する一方で、有利区間リセットフラグがオン状態に設定されている場合には有利区間が終了して演出状態が初期演出状態に移行する。
【0139】
また本実施形態では、有利区間の終了に伴って初期化処理が実行されて通常区間に復帰するため、第1AT状態に滞在している状況において第1クリアカウンタ195または第2クリアカウンタ196の値がしきい値を超えた場合には、有利区間の終了に伴う初期化処理によって第1AT状態が強制終了して演出状態が初期演出状態に初期化される。またその他の演出状態に滞在している状況において第1クリアカウンタ195または第2クリアカウンタ196の値がしきい値を超えた場合にも、有利区間の終了に伴う初期化処理によって現在滞在している演出状態が強制終了して演出状態が初期演出状態に初期化される。
【0140】
通信制御手段179は、サブ基板20に対して信号を送信する制御を行う。なお本実施形態の遊技機では、メイン基板10とサブ基板20との間では、メイン基板10からサブ基板20への単方向通信のみが可能となっており、サブ基板20からはメイン基板10へ信号を送信することができないように通信接続されている。
【0141】
そして通信制御手段179は、投入受付手段105がメダルを投入状態に設定すると、1枚のメダルを投入状態に設定する毎にサブ基板20にメダルを投入状態に設定したことを通知する信号を出力し、投入受付手段105または払出制御手段150がメダルをクレジット記憶すると、1枚のメダルをクレジット記憶する毎にサブ基板20にメダルをクレジット記憶したことを通知する信号を出力し、内部抽選手段120が内部抽選を行うと、サブ基板20に内部抽選の結果を通知する信号を出力し、入賞判定手段140が入賞判定処理を行うと、サブ基板20に入賞判定の結果を通知する信号を出力する。また通信制御手段179は、小役の入賞に伴いホッパーユニット320がメダルを払い出す動作を行うと、払い出しの開始を通知する信号を出力し、1枚のメダルが払い出される毎にサブ基板20にメダルを払い出したことを通知する信号を出力し、ホッパーユニット320が払出制御手段150によって指示された払出数のメダルを払い出すと(払い出しが終了すると)、サブ基板20に払い出しの終了を通知する信号を出力する。また通信制御手段179は、精算ボタンB4に対する操作(長押し操作)が行われたことに伴いホッパーユニット320がメダルを払い出す動作を行うと、払い出し(精算処理)の開始を通知する信号を出力し、1枚のメダルが払い出される毎にサブ基板20にメダルを払い出したことを通知する信号を出力し、ホッパーユニット320が払出制御手段150によって指示された払出数のメダルを払い出すと(精算が終了すると)、サブ基板20に払い出し(精算処理)の終了を通知する信号を出力する。また1回の遊技に関する処理が全て終了すると、サブ基板20に1回の遊技の終了を通知する信号を出力する。
【0142】
また通信制御手段179は、メダル投入口MIにメダルが投入されたり、メダルを投入するためにベットボタンB0が押下されたり、押下状態のベットボタンB0が解放されたり、スタートレバーSLが押下されたり、押下状態のスタートレバーSLが解放されたり、ストップボタンB1~B3が押下されたり、押下状態のストップボタンB1~B3が解放されたりすると、サブ基板20にメダル投入口MIにメダルが投入されたことや、ベットボタンB0が押下されたことや、押下状態のベットボタンB0が解放されたことや、スタートレバーSLが押下されたことや、押下状態のスタートレバーSLが解放されたことや、押下されたストップボタンの種類や、解放されたストップボタンの種類など遊技者の行った操作を通知する信号を出力する。また通信制御手段179は、上部前面扉UDまたは下部前面扉DDが開放されたり、開放状態の上部前面扉UDまたは下部前面扉DDが閉じられたりすると、上部前面扉UDが開放されたことや、下部前面扉DDが開放されたことや、開放状態の上部前面扉UDが閉じられたことや、開放状態の下部前面扉DDが閉じられたことなど上部前面扉UDまたは下部前面扉DDの開閉を通知する信号を出力する。
【0143】
このように本実施形態の遊技機では、メイン基板10からの各種の通知に基づいて、サブ基板20の演出制御手段180が内部抽選の結果、入賞判定の結果、遊技者が行った操作、上部前面扉UDまたは下部前面扉DDの開閉などに応じた演出を演出表示装置330や音響装置340などに実行させることができるようになっている。なお本実施形態では、スタートレバーSL、ベットボタンB0、ストップボタンB1~B3に関しては、有効な操作が行われた場合に限りサブ基板20に押下されたことを通知する信号および押下状態が解放されたことを通知する信号を出力し、無効な操作が行われた場合にはサブ基板20に信号を出力しないようになっている。また精算ボタンB4に関しては、有効な操作(長押し操作)が行われた場合に限りサブ基板20に操作が行われたことを通知する信号を出力し、例えば、有効な操作と判定されたタイミングでサブ基板20に操作が行われたことを通知する信号を出力し、無効な操作が行われた場合にはサブ基板20に信号を出力しないようになっている。またメダルの投入に関しても、メダルを受け付けている状態において通過検知センサ356がメダルの投入を検知した場合に限りサブ基板20にメダルが投入されたことを通知する信号を出力し、メダルを受け付けていない状態ではサブ基板20に信号を出力しないようになっている。
【0144】
続いて、サブ基板20について説明する。サブ基板20は、演出制御手段180と、サブメモリ190Sとを含んで構成されている。
【0145】
演出制御手段180は、メイン基板10からの信号に応答して遊技の進行状況に応じた演出を演出装置に実行させる制御を行う。具体的には、サブメモリ190Sの演出データ記憶手段202に設けられた演出データ記憶領域に記憶されている演出データに基づいて、台枠ランプAL(演出表示装置330、演出装置)を点灯あるいは点滅させたり、リールバックライトBLを点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイLCD(演出表示装置330、演出装置)に演出画像を表示させたりする表示演出やスピーカ(演出装置、音響装置340)から演出音を出力させたりする音響演出などに関する制御を行う。例えば、メダルの投入やベットボタンB0、スタートレバーSL、ストップボタンB1~B3に対する操作、遊技状態の変動などの遊技イベントの発生に応じて台枠ランプALやリールバックライトBLを点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイLCDの表示内容を変化させたり、スピーカから音を出力させたりすることにより、遊技の進行状況に応じて、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出の実行制御を行う。遊技において実行される演出の内容は、サブメモリ190Sのサブテーブル記憶手段203に設けられた演出抽選テーブル記憶領域に記憶されている演出抽選テーブルを、遊技状態、演出状態、内部抽選、AT抽選、第2AT抽選、上乗せ抽選、強上乗せ抽選、第1特定抽選、第2特定抽選、第3特定抽選などの抽選結果等に応じて参照して決定される。
【0146】
そして演出制御手段180は、内部抽選で特定当選態様(例えば、スイカ、弱チェリー、強チェリーなどのレアリティの高い当選態様など)が当選した場合に、演出ボタンB5に対する操作を有効化する制御を行うとともに、演出ボタンB5に対する操作を指示するまたは促すボタン画像を液晶ディスプレイLCDに表示させる。そして演出ボタンB5に対する操作が有効化された状態において、遊技者が演出ボタンB5を押下することにより演出ボタンスイッチ270が作動すると、演出ボタンB5に対する操作を無効化する制御を行うとともに、特定当選態様の当選を示唆するチャンス演出を演出装置に実行させる。チャンス演出では、特定当選態様の当選を示唆するチャンス画像を液晶ディスプレイLCDに表示させる。
【0147】
また演出制御手段180は、所定状況下で所定時間(例えば、60秒)にわたって遊技が継続して行われなかった場合に、待機演出(デモ演出)を演出表示装置330や音響装置340に実行させる。本実施形態では、遊技が継続して行われていない時間をサブメモリ190Sの監視タイマー199(計時手段)によって計測しており、演出制御手段180は、遊技機の電源が投入されている間は監視タイマー199を常に作動させ、メイン基板10からの信号、演出ボタンスイッチ270、またはメニューボタンスイッチ280からの信号が入力される毎に、作動中の監視タイマー199の計測値を初期値「0」に初期化(リセット)して計時を再開する。そして監視タイマー199が所定時間(例えば、60秒)を計時した場合に、所定時間(例えば、60秒)にわたって遊技が継続して行われなかったと判断する。なお演出ボタンB5およびメニューボタンB6に関しては、有効な操作が行われた場合に限り監視タイマー199の計測値を初期化し、無効な操作が行われた場合には監視タイマー199の計測値を初期化しないようになっている。また十字キーB7に関しては有効な操作が行われた場合であっても無効な操作が行われた場合であっても監視タイマー199の計測値を初期化しないようになっている。このようの本実施形態では、メダルの投入を受け付けている状態においてメダルが投入されたり、各種の操作手段に対する有効な操作が行われた場合に監視タイマー199による計時をリセットし、メダルの投入を受け付けていない状態においてメダルが投入されたり、各種の操作手段に対する無効な操作が行われた場合には監視タイマー199による計時をリセットしないようになっている。
【0148】
また待機演出では、デモ画像(デモンストレーション映像、デモ画面)を液晶ディスプレイLCDに表示させ、デモ演出パターンで台枠ランプALを点灯または点滅させ、スピーカの音量を消音に制御する。
【0149】
また演出制御手段180は、監視タイマー199が所定時間(例えば、60秒)を計時すると、演出ボタンB5に対する操作を有効化する制御を行い、待機演出が終了すると、演出ボタンB5に対する操作を無効化する制御を行う。
【0150】
また演出制御手段180は、待機演出の実行中において各種の操作手段に対する有効な操作が行われた場合に、待機演出を終了して遊技演出に復帰させる。ただし待機演出の実行中においてメニューボタンB6または十字キーB7に対する操作が行われた場合には、待機演出を終了して後述するメニュー表示を行うメニュー演出に移行させる。このように本実施形態では、メダルの投入やベットボタンB0に対する操作やスタートレバーSLに対する操作などの遊技を進行させるための操作のみならず、遊技進行に関わらない演出ボタンB5やメニューボタンB6や十字キーB7に対する操作によっても待機演出を終了させることができるようになっている。なお本実施形態では、上部前面扉UDまたは下部前面扉DDの開閉によっても待機演出は終了する。
【0151】
また本実施形態では、演出制御手段180は、メイン基板10からの1回の遊技の終了を通知する信号に基づいて、メニューボタンB6および十字キーB7に対する操作を有効化し、スタートレバーSLに対する遊技開始操作が行われると、メニューボタンB6および十字キーB7に対する操作を無効化し、メニューボタンB6または十字キーB7に対する有効な操作が行われると、図19に示すように、メニュー画面400(所定のメニュー画面)を液晶ディスプレイLCDに表示させるメニュー表示を行う。メニュー画面400に移行すると、それまで表示していた画像は非表示となる。
【0152】
そしてメニュー画面400では、図19に示すように、「音量」、「光量」、「演出カスタマイズ」、「遊技履歴」、および「終了」の項目が選択肢として表示され、十字キーB7の操作によりカーソルを移動させていずれかの項目を選択し、メニューボタンB6を押下操作して決定すると、選択された項目に対応する画面に移行する。
【0153】
メニュー画面400において「音量」が選択決定されると、図20(A)に示すように、スピーカから出力する音の音量を設定するための音量設定画面410に移行し、メニュー画面400において「光量」が選択決定されると、図20(B)に示すように、外周ランプALや液晶ディスプレイLCDの光量を設定するための光量設定画面430に移行し、メニュー画面400において「演出カスタマイズ」が選択決定されると、演出態様を設定するための演出カスタマイズ画面(図示省略)に移行し、メニュー画面400において「遊技履歴」が選択決定されると、ボーナスの当選回数などの遊技履歴を確認するための遊技履歴画面(図示省略)に移行する。本実施の形態では、「1」~「5」の5段階で音量を設定可能となっており、音量設定画面410では、図20(A)に示すように、5段階の音量に対応した音量バー画像420を表示させ、左ボタンB7Cまたは右ボタンB7Dの操作により音量バーの目盛りを増減させることによって音量を変更し、メニューボタンB6の操作により音量を決定する。光量についても「1」~「5」の5段階で光量を設定可能となっており、光量設定画面430では、図20(B)に示すように、5段階の光量に対応した光量バー画像440を表示させ、左ボタンB7Cまたは右ボタンB7Dの操作により光量バーの目盛りを増減させることによって光量を変更し、メニューボタンB6の操作により光量を決定する。また演出カスタマイズ画面では、特定キャラクターに対応した演出態様などを選択することができるようになっている。
【0154】
音量設定画面410、光量設定画面430、演出カスタマイズ画面、または遊技履歴画面においてメニューボタンB6が操作されると、メニュー画面400に戻り、メニュー画面400において「終了」が選択決定されると、メニュー画面400を終了して遊技演出(遊技画面)に復帰する(メニュー表示を終了する)。
【0155】
またメニュー画面400、音量設定画面410、光量設定画面430、演出カスタマイズ画面、または遊技履歴画面において、メダル投入口MIからメダルが投入されたり、ベットボタンB0に対する有効な操作が行われたり、精算ボタンB4に対する有効な操作が行われたり、スタートレバーSLに対する遊技開始操作が行われると、これらの表示を終了して遊技演出に復帰する。
【0156】
また演出制御手段180は、第1AT状態または第2AT状態において打順ベルA1~打順ベルA8のいずれかが当選した場合に、打順ベルの種類に応じた正解打順と第1停止操作に係る押下位置とを報知して15枚小役の入賞を補助する入賞補助演出を演出表示装置330や音響装置340に実行させる制御を行う。
【0157】
また演出制御手段180は、第1AT状態または第2AT状態において打順ベルC1~打順ベルC8のいずれかが当選した場合に、打順ベルの種類に応じた正解打順を報知して10枚小役の入賞を補助する入賞補助演出を演出表示装置330や音響装置340に実行させる制御を行う。
【0158】
また演出制御手段180は、第1AT状態または第2AT状態において打順ベルD1~打順ベルD4のいずれかが当選した場合に、打順ベルの種類に応じた正解打順を報知して15枚小役の入賞を補助する入賞補助演出を演出表示装置330や音響装置340に実行させる制御を行う。
【0159】
また演出制御手段180は、第1AT状態または第2AT状態において1枚役1~1枚役4のいずれかが当選した場合に、ストップボタンB1を最初に押下する操作順序(打順1~打順2)を報知して1枚小役の入賞を補助する入賞補助演出を演出表示装置330や音響装置340に実行させる制御を行う。
【0160】
また演出制御手段180は、通常演出状態において共通1枚Aの当選時に第1特定抽選の抽選結果がハズレ(不当選)となった場合に、ストップボタンB2またはストップボタンB3を最初に押下する操作順序(打順4~打順6)を報知して小役37(1枚小役)または小役45(1枚小役)の入賞を補助する入賞補助演出を演出表示装置330や音響装置340に実行させる制御を行う。これにより赤7揃いの図柄組合せ(特定図柄組合せ)の表示を回避する。一方通常演出状態において共通1枚Aの当選時に第1特定抽選で当選した場合には入賞補助演出を実行しないため、赤7揃いの図柄組合せが表示可能となる。
【0161】
また演出制御手段180は、第1AT状態において共通1枚Aの当選時に、第2特定抽選の抽選結果がハズレ(不当選)となった場合または第2特定抽選で当選したが上乗せ抽選および第2AT抽選のいずれも抽選結果がハズレ(不当選)となった場合に、ストップボタンB2またはストップボタンB3を最初に押下する操作順序(打順4~打順6)を報知して小役37(1枚小役)または小役45(1枚小役)の入賞を補助する入賞補助演出を演出表示装置330や音響装置340に実行させる制御を行う。なお第1AT状態において共通1枚Aの当選時に、第2特定抽選で当選しかつ上乗せ抽選および第2AT抽選の少なくとも一方の抽選で当選した場合には入賞補助演出を実行しない。
【0162】
また演出制御手段180は、第2AT状態において共通1枚Aの当選時に第3特定抽選の抽選結果がハズレ(不当選)となった場合に、ストップボタンB2またはストップボタンB3を最初に押下する操作順序(打順4~打順6)を報知して小役37(1枚小役)または小役45(1枚小役)の入賞を補助する入賞補助演出を演出表示装置330や音響装置340に実行させる制御を行う。なお第2AT状態において共通1枚Aの当選時に第3特定抽選で当選した場合には入賞補助演出を実行しない。
【0163】
また演出制御手段180は、第1リールR1を最初に停止させる推奨打順で停止操作を行うべきことを通知する特定演出を実行する制御を行う。特に本実施形態では、演出制御手段180が、通常区間では第2リールR2または第3リールR3を最初に停止させる変則打順で停止操作が行われた場合に特定演出を実行し、有利区間では、通常演出状態に滞在している状況で第2リールR2または第3リールR3を最初に停止させる変則打順で停止操作が行われた場合に特定演出を実行する。特定演出としては、例えば、液晶ディスプレイLCD等の演出表示装置330に「左押し推奨です」とのメッセージを含む警告表示をすることができる。また特定演出は、変則打順での第1停止操作を契機として実行されてもよいし、変則打順での第2停止操作を契機として実行されてもよいし、変則打順での第3停止操作を契機として実行されてもよい。また全てのリールが停止した以降において、変則打順であった場合に特定演出が実行されるようにしてもよい。また停止操作の順序が変則打順であるか否かの判定の契機と特定演出の実行する契機とは異なっていてもよく、例えば、第1停止操作を契機として変則打順であるか否かの判定を行って、変則打順であると判定された場合、第3停止操作を契機として特定演出を実行する等であってもよい。
【0164】
なお本実施形態の機能は、コンピュータシステム(ゲームシステムを含む)によって仮想的に実現することができる。これらのシステムでは、本実施形態のメイン基板10やサブ基板20としてコンピュータを機能させるプログラムを、CD、DVD等の情報記憶媒体あるいはインターネット上のWebサーバからネットワークを介してダウンロードすることによって、その機能を実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等は、キーボードやポインティングデバイス(マウス等)、あるいはコントローラなどの操作手段に対してそれらの機能を仮想的に割り当てることにより実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、リールユニット310、ホッパーユニット320などは必須の構成要件ではなく、これらの装置ユニットは、ディスプレイ(表示装置)に表示出力される画像の制御によってそれらの機能を仮想的に実現することができる。
【0165】
2.本実施形態の手法
以下、図21図22を参照しながら、本実施形態の遊技機で採用されている制御手法について具体的に説明する。図21図22は、本実施の形態の遊技機における精算ボタンとブロッカーとの関係を説明する図である。
【0166】
まず本実施の形態では、投入受付手段105は、メダルの受付について、投入許可状態(第1状態)および投入不許可状態(第2状態)に関する制御を行う。投入許可状態は、メダルの受付を許可することによってメダルを受け付け可能とする状態であり、投入受付手段105は、ブロッカー355を許可位置に位置させ、通過検知センサ356によるメダルの検出を有効化し、遊技機にメダルがクレジット記憶されていることを条件としてベットボタンB0に対する操作を有効化することによって、投入許可状態では、メダルを受け付け可能とする。
【0167】
また投入不許可状態は、メダルの受付を許可しないことによってメダルを受け付けないようにする状態であり、投入受付手段105は、ブロッカー355を不許可位置に位置させ、通過検知センサ356によるメダルの検出を無効化し、ベットボタンB0に対する操作を無効化することによって、投入不許可状態では、メダルを受け付けないようにする。
【0168】
本実施の形態では、メダルを受け付ける期間であるメダル受付期間では、メダルのクレジット数がクレジット上限枚数でかつ規定投入数のメダルがベット(投入状態に設定)されている場合を除き原則として投入許可状態に制御するが、メダル受付期間であっても所定状況下では投入不許可状態に制御する。
【0169】
例えば、図21(A)に示すように、メダルがクレジット記憶またはベットされていることによって精算ボタンB4に対する操作が有効化されている精算操作有効状態(遊技価値記憶手段に遊技価値が記憶されている精算許可状態)かつ投入許可状態において精算ボタンB4に対する短押し操作(例えば、0.25秒)が行われた場合には、短押し操作が行われている間、投入不許可状態に制御し、短押し操作が終了すると、投入許可状態に制御する。具体的には、図21(A)に示すように、精算ボタンB4に対する押下操作が行われると、ブロッカー355を許可位置から不許可位置に変位させ、押下状態にある精算ボタンB4が解放されると、不許可位置から許可位置にブロッカー355を変位させる。この場合に精算ボタンB4に対する短押し操作が行われている間、通過検知センサ356によるメダルの検出、スタートレバーSLに対する操作、およびベットボタンB0に対する操作についてもブロッカー355の挙動に合わせて無効な状態とし、短押し操作が終了すると有効化する。例えば、規定投入数のメダルがベットされていることによってスタートレバーSLに対する操作が有効化されている状態において精算ボタンB4に対する短押し操作(例えば、0.25秒)が行われた場合には、短押し操作が行われている間、スタートレバーSLに対する操作を無効な状態とし、クレジット記憶されているメダルをベット可能であることによってベットボタンB0に対する操作が有効化されている状態において精算ボタンB4に対する短押し操作(例えば、0.25秒)が行われた場合には、短押し操作が行われている間、ベットボタンB0に対する操作を無効な状態とする。なおこの例では、精算ボタンB4に対する操作は有効化されているが短押し操作は無効な操作であるため、精算処理は行われない。
【0170】
また図21(B)に示すように、メダルがクレジット記憶もベットもされていないことによって精算ボタンB4に対する操作が無効化されている精算操作無効状態(遊技価値記憶手段に遊技価値が記憶されていない非精算許可状態)かつ投入許可状態において精算ボタンB4に対する短押し操作(例えば、0.25秒)が行われた場合には、短押し操作が行われている間、投入不許可状態に制御し、短押し操作が終了すると、投入許可状態に制御する。具体的には、図21(B)に示すように、精算ボタンB4に対する短押し操作が行われている間、ブロッカー355を不許可位置に位置させ、短押し操作が終了すると許可位置に変位させ、通過検知センサ356によるメダルの検出についてもブロッカー355の挙動に合わせて無効な状態とし、短押し操作が終了すると有効化する。なおこの例では、メダルがクレジット記憶もベットもされていないことによってスタートレバーSLに対する操作およびベットボタンB0に対する操作は無効化されているため、短押し操作が行われている間も無効な状態は継続し、短押し操作が終了しても無効な状態が維持される。またこの例では、精算ボタンB4に対する操作が無効化されているとともに短押し操作は無効な操作であるため、精算処理は行われない。
【0171】
また図21(C)に示すように、精算操作無効状態かつ投入許可状態において精算ボタンB4に対する長押し操作(例えば、0.5秒)が行われた場合には、長押し操作が行われている間、投入不許可状態に制御し、長押し操作が終了すると、投入許可状態に制御する。具体的には、図21(C)に示すように、精算ボタンB4に対する長押し操作が行われている間、ブロッカー355を不許可位置に位置させ、長押し操作が終了すると許可位置に変位させ、通過検知センサ356によるメダルの検出についてもブロッカー355の挙動に合わせて無効な状態とし、長押し操作が終了すると有効化する。なおこの例では、メダルがクレジット記憶もベットもされていないことによってスタートレバーSLに対する操作およびベットボタンB0に対する操作は無効化されているため、長押し操作が行われている間も無効な状態は継続し、長押し操作が終了しても無効な状態が維持される。またこの例では、精算ボタンB4に対する操作は無効化されているため、長押し操作が行われた場合であっても精算処理は行われない。
【0172】
また図22(A)に示すように、精算操作有効状態かつ投入許可状態において精算ボタンB4に対する長押し操作(例えば、0.5秒)が行われた場合には、長押し操作が開始されてから精算処理の終了後所定時間(例えば、0.5秒)が経過するまでの間、投入不許可状態に制御し、精算処理の終了後所定時間(例えば、0.5秒)が経過すると、投入許可状態に制御する。具体的には、図22(A)に示すように、精算ボタンB4に対する押下操作が行われると、ブロッカー355を許可位置から不許可位置に変位させ、精算ボタンB4の押下時間(操作時間)が基準時間(例えば、0.5秒)に達すると有効な操作であると判定して精算処理が開始され、精算処理の実行中もブロッカー355を不許可位置に維持し、精算処理が終了してから所定時間(例えば、0.5秒)が経過すると、不許可位置から許可位置にブロッカー355を変位させる。この場合にブロッカー355が不許可位置に変位している間、通過検知センサ356によるメダルの検出、スタートレバーSLに対する操作、およびベットボタンB0に対する操作についてもブロッカー355の挙動に合わせて無効な状態とし、精算処理が終了してから所定時間(例えば、0.5秒)が経過すると過検知センサ356によるメダルの検出ついて有効化し、スタートレバーSLに対する操作およびベットボタンB0に対する操作については、精算処理によってメダルを全て精算したため、無効な状態を維持する。例えば、規定投入数のメダルがベットされていることによってスタートレバーSLに対する操作が有効化されている状態において精算ボタンB4に対する長押し操作(例えば、0.5秒)が行われた場合には、ブロッカー355が不許可位置に変位している間、スタートレバーSLに対する操作を無効な状態とし、ブロッカー355が不許可位置から許可位置に変位してもスタートレバーSLに対する操作の無効化を維持し、クレジット記憶されているメダルをベット可能であることによってベットボタンB0に対する操作が有効化されている状態において精算ボタンB4に対する長押し操作(例えば、0.5秒)が行われた場合には、ブロッカー355が不許可位置に変位している間、ベットボタンB0に対する操作を無効な状態とし、ブロッカー355が不許可位置から許可位置に変位してもベットボタンB0に対する操作の無効な状態を維持する。このように図22(A)に示す例では、長押し操作が開始されてから少なくとも精算処理が終了するまでの間、投入不許可状態に制御し、精算処理が終了すると、投入許可状態に制御する。
【0173】
また図22(B)に示すように、精算操作有効状態かつ投入許可状態において精算ボタンB4に対して、押下状態を基準時間(例えば、0.5秒)よりも長い時間(例えば、5秒)継続させる操作である特定長押し操作(特定操作)が行われた場合には、特定長押し操作が開始されてから精算処理の終了後所定時間(例えば、0.5秒)が経過するまでの間、投入不許可状態に制御し、精算処理の終了後所定時間(例えば、0.5秒)が経過すると、投入許可状態に制御する。具体的には、図22(B)に示すように、精算ボタンB4に対する押下操作が行われると、ブロッカー355を許可位置から不許可位置に変位させ、精算ボタンB4の押下時間(操作時間)が基準時間(例えば、0.5秒)に達すると有効な操作であると判定して精算処理が開始され、精算処理の実行中もブロッカー355を不許可位置に維持し、精算処理が終了してから所定時間(例えば、0.5秒)が経過すると、精算ボタンB4が押下状態であっても不許可位置から許可位置にブロッカー355を変位させる。この場合に図22(A)に示す例と同様に、ブロッカー355が不許可位置に変位している間、通過検知センサ356によるメダルの検出、スタートレバーSLに対する操作、およびベットボタンB0に対する操作についてもブロッカー355の挙動に合わせて無効な状態とし、精算処理が終了してから所定時間(例えば、0.5秒)が経過すると過検知センサ356によるメダルの検出ついて有効化し、スタートレバーSLに対する操作およびベットボタンB0に対する操作については、精算処理によってメダルを全て精算したため、無効な状態を維持する。このように図22(B)に示す例では、特定長押し操作が開始されてから少なくとも精算処理が終了するまでの間、投入不許可状態に制御し、精算処理が終了すると、精算ボタンB4が押下状態であっても投入許可状態に制御する。
【0174】
また図22(C)に示すように、精算操作無効状態かつ投入許可状態において精算ボタンB4に対する特定長押し操作(例えば、5秒)が行われた場合には、特定長押し操作が開始されてから精算ボタンB4の押下時間(操作時間)が所定時間(例えば、0.5秒)経過するまでの間、投入不許可状態に制御し、精算ボタンB4の押下時間(操作時間)が所定時間(例えば、0.5秒)経過すると、投入許可状態に制御する。具体的には、図22(C)に示すように、特定長押し操作が開始されてから精算ボタンB4の押下時間(操作時間)が所定時間(例えば、0.5秒)経過するまでの間、ブロッカー355を不許可位置に位置させ、所定時間(例えば、0.5秒)が経過すると、精算ボタンB4が押下状態であっても不許可位置から許可位置にブロッカー355を変位させる。この場合の所定時間(例えば、0.5秒)は、精算ボタンB4に対する操作が有効であると判定されるまでの基準時間(遊技価値の精算を開始するための基準時間:例えば、0.5秒)となっている。またこの場合にブロッカー355が不許可位置に変位している間、通過検知センサ356によるメダルの検出についてもブロッカー355の挙動に合わせて無効な状態とし、特定長押し操作が開始されてから所定時間(例えば、0.5秒)が経過すると有効化する。なおこの例では、メダルがクレジット記憶もベットもされていないことによってスタートレバーSLに対する操作およびベットボタンB0に対する操作は無効化されているため、特定長押し操作が開始されてから所定時間(例えば、0.5秒)が経過するまでの間も無効な状態は継続し、所定時間(例えば、0.5秒)が経過しても無効な状態が維持される。またこの例では、精算ボタンB4に対する操作は無効化されているため、特定長押し操作が行われた場合であっても精算処理は行われない。
【0175】
以上に述べたように本実施の形態では、図21(A)~図21(C)および図22(A)~図22(C)に示すように、精算ボタンB4に対する操作が開始されると、投入不許可状態に制御することによってメダルの投入に関する不正行為を防止するようにしている。
【0176】
また本実施の形態では、図21(A)および図21(B)に示すように、精算操作有効状態または精算操作無効状態であって投入許可状態である状態において精算ボタンB4に対して短押し操作が行われた場合に、短押し操作が行われている間、投入不許可状態に制御することによってメダルの投入に関する不正行為を防止しつつ、精算ボタンB4に対する短押し操作が終了すると(精算ボタンB4に対する操作が開始されてからメダルの精算を開始するための基準時間が経過する前に精算ボタンB4に対する操作が終了すると)、投入許可状態に制御するため、必要最低限の時間だけメダルの投入を受け付けないようにして速やかにメダルの投入を可能とすることができ、メダルの投入に関する操作性の向上を図ることができる。
【0177】
また本実施の形態では、図21(C)に示すように、精算操作無効状態かつ投入許可状態において精算ボタンB4に対して長押し操作(例えば、0.5秒)が行われた場合に、長押し操作が行われている間、投入不許可状態に制御することによってメダルの投入に関する不正行為を防止しつつ、精算ボタンB4に対する長押し操作が終了すると、投入許可状態に制御するため、必要最低限の時間だけメダルの投入を受け付けないようにして速やかにメダルの投入を可能とすることができ、メダルの投入に関する操作性の向上を図ることができる。
【0178】
また本実施の形態では、図22(A)に示すように、精算操作有効状態かつ投入許可状態において精算ボタンB4に対して長押し操作(例えば、0.5秒)が行われた場合に、長押し操作が開始されてから精算処理の終了後所定時間(例えば、0.5秒)が経過するまでの間、投入不許可状態に制御することによってメダルの投入に関する不正行為を防止しつつ、精算処理の終了後所定時間(例えば、0.5秒)が経過すると(メダルの精算が終了すると)、投入許可状態に制御するため、速やかにメダルの投入を可能とすることができ、メダルの投入に関する操作性の向上を図ることができる。
【0179】
また本実施の形態では、図22(B)に示すように、精算操作有効状態かつ投入許可状態において精算ボタンB4に対して特定長押し操作(例えば、5秒)が行われた場合には、特定長押し操作が開始されてから精算処理の終了後所定時間(例えば、0.5秒)が経過するまでの間、投入不許可状態に制御することによってメダルの投入に関する不正行為を防止しつつ、精算処理が終了してから所定時間(例えば、0.5秒)が経過すると(メダルの精算が終了すると)、精算ボタンB4が押下状態(精算ボタンB4に対する操作を実行中)であっても投入許可状態に制御するため、押下状態にある精算ボタンB4を解放する前であってもメダルの投入を可能とすることができ、メダルの投入に関する操作性の向上を図ることができる。
【0180】
また本実施の形態では、図22(C)に示すように、精算操作無効状態かつ投入許可状態において精算ボタンB4に対して特定長押し操作(例えば、5秒)が行われた場合には、特定操作が開始されてからメダルの精算を開始するための基準時間(例えば、0.5秒)が経過するまでの間、投入不許可状態に制御することによってメダルの投入に関する不正行為を防止しつつ、基準時間が経過すると、精算ボタンB4が押下状態(精算ボタンB4に対する操作を実行中)であっても投入許可状態に制御するため、押下状態にある精算ボタンB4を解放する前であってもメダルの投入を可能とすることができ、メダルの投入に関する操作性の向上を図ることができる。これらによりできだけ早く遊技を開始することができるようになる。
【0181】
また本実施の形態では、図22(A)および図22(B)に示す例では、精算処理の終了後所定時間が経過したタイミングで投入許可状態に制御するところ、精算処理に要する時間は精算するメダルの数によって変動するため、投入不許可状態から投入許可状態に移行するタイミングを遊技者がコントロールできないようにすることができ、メダルの投入に関する不正行為をできるだけ防止することができる。
【0182】
また本実施の形態では、図21(A)および図21(B)に示す例では、同じタイミング(押下状態にある精算ボタンB4の解放時)で投入許可状態に制御するため、メダルの受付制御に関して処理の共通化を図ることができ、設計効率の向上を図ることができる。
【0183】
また本実施の形態では、図22(A)および図22(B)に示す例では、精算処理の終了後所定時間が経過した時に精算ボタンB4に対する操作を実行している場合も実行していない場合も投入許可状態に制御するため、メダルの受付制御に関して処理の共通化を図ることができ、設計効率の向上を図ることができる。
【0184】
また本実施の形態では、図21(A)、図21(B)、図21(C)、および図22(C)に示す例では、精算ボタンB4に対する操作は無効な操作であるため、精算ボタンB4に対する押下操作および押下状態の解放操作によっては監視タイマー199の計測値が初期値「0」に初期化(リセット)されることはないが、図22(A)および図22(B)に示す例では、精算ボタンB4に対する有効な操作が行われたタイミング(有効と判定されたタイミングであって精算処理が開始したタイミング)および精算処理が終了したタイミングで、監視タイマー199の計測値を初期値「0」に初期化(リセット)する。なお図22(A)および図22(B)に示す例では、精算ボタンB4に対する有効な操作が行われたタイミングおよび精算処理が終了したタイミングのうち一方でのみ監視タイマー199を初期化(リセット)するようにしてもよい。
【0185】
また本実施の形態では、メニューボタンB6に対する有効な操作が行われると、監視タイマー199の計測値を初期値「0」に初期化(リセット)するため、例えば、メニュー表示に移行(メニュー表示を開始)させるために遊技演出または待機演出の実行中にメニューボタンB6に対する有効な操作が行われたり、遊技演出に復帰(メニュー表示を終了)させるためにメニュー表示中にメニューボタンB6に対する有効な操作が行われると、監視タイマー199の計測値を初期値「0」に初期化(リセット)する。
【0186】
また例えば、音量設定画面410において音量を決定するためにメニューボタンB6に対する有効な操作が行われたり、光量設定画面430において音量を決定するためにメニューボタンB6に対する有効な操作が行われたり、演出カスタマイズ画面において演出態様を決定するためにメニューボタンB6に対する有効な操作が行われたり、音量設定画面410、光量設定画面430、演出カスタマイズ画面、または遊技履歴画面においてメニュー画面400に戻るためにメニューボタンB6に対する有効な操作が行われると、監視タイマー199の計測値を初期値「0」に初期化(リセット)する。なおこれらの場合には監視タイマー199の計測値を初期値「0」に初期化(リセット)しないようにしてもよい。
【0187】
また本実施の形態では、十字キーB7に対する有効な操作によっては監視タイマー199の計測値を初期値「0」に初期化(リセット)しない。このため例えば、メニュー画面400において「音量」などの選択肢を選択するために十字キーB7に対する有効な操作(所定の変更操作)が行われたり、音量設定画面410において音量を変更するために十字キーB7に対する有効な操作(所定の変更操作)が行われたり、光量設定画面430において光量を変更するために十字キーB7に対する有効な操作(所定の変更操作)が行われたり、演出カスタマイズ画面において演出態様を変更するために十字キーB7に対する有効な操作(所定の変更操作)が行われても、監視タイマー199の計測値を初期値「0」に初期化(リセット)しない。
【0188】
以上に述べたように本実施の形態によれば、図21(A)、図21(B)、図21(C)、および図22(C)に示す例のように精算ボタンB4に対する無効な操作によっては監視タイマー199の計測値が初期値「0」に初期化(リセット)しないため、デモ画面を見たい遊技者に対して無駄な待ち時間を与えないようにすることができる。
【0189】
また本実施の形態では、遊技演出に復帰させるためにメニュー表示中にメニューボタンB6に対する有効な操作が行われると、監視タイマー199の計測値を初期値「0」に初期化(リセット)して監視タイマー199による計時をやり直すため、メニュー表示を終了して遊技を開始しようとする遊技者に対してデモ画面を無駄に見せないようにすることができ、遊技意欲をできるだけ損なわないようにすることができる。
【0190】
また本実施の形態では、メニュー表示中に監視タイマー199が所定時間(例えば、60秒)を計時すると、メニュー表示からデモ画面に移行し、十字キーB7に対する有効な操作によっては監視タイマー199の計測値を初期値「0」に初期化(リセット)しない(やり直さない)ため、デモ画面を見たい遊技者に対して無駄な待ち時間を与えないようにすることができ、遊技意欲をできるだけ損なわないようにすることができる。
【0191】
また本実施の形態では、投入許可状態においてメダルが投入されたり、ベットボタンB0、スタートレバーSL、精算ボタンB4などの操作手段に対する有効な操作が行われた場合に監視タイマー199による計時をリセットし、投入不許可状態においてメダルが投入されたり、ベットボタンB0、スタートレバーSL、精算ボタンB4などの操作手段に対する無効な操作が行われた場合には監視タイマー199による計時をリセットしないため、遊技が継続して行われていない時間を適切に計時することができる。
【0192】
また本実施の形態の発明は、所定の操作手段に対する操作に基づいて、遊技価値の精算に関する制御を行う精算手段と、所定のメニュー画面の表示を終了させる操作を行うための第1演出用操作手段と、所定の変更操作を行うための第2演出用操作手段と、遊技が継続して行われていない時間を計時する計時手段と、前記計時手段が所定時間を計時した場合に待機演出を実行する制御を行う演出制御手段と、を備えた遊技機であって、前記演出制御手段が、前記第1演出用操作手段に対する操作が行われた場合に前記計時手段による計時をやり直し、前記第2演出用操作手段に対する操作が行われた場合には前記計時手段による計時をやり直さない遊技機に関するものである。
【0193】
また本実施の形態では、小役の種類の増加を抑制しつつ打順小役(打順ベル)の種類を増やすことができる手法を採用している。以下、本実施の形態の手法について図23図24を用いて説明する。図23は、本実施の形態における各遊技状態でのメダルの獲得性能(ここでは出玉率の期待値)を比較した模式図であり、図24は、本実施の形態における1枚小役の当選態様を説明するための図である。
【0194】
まず本実施の形態では、打順ベルD1~打順ベルD4の全体の当選確率よりも打順ベルA1~打順ベルA8の全体の当選確率の方が高く設定されていることによって第1リールR1(特定リールの一例)を最初に停止させる推奨打順(第1の場合の一例)よりも第2リールR2または第3リールR3を最初に停止させる変則打順(第2の場合の一例)で遊技を行う方が15枚小役の獲得期待値が高くなっている。これによってメダルの獲得性能(メダルの獲得期待値の一例)は、図23に示すように、通常状態(第1遊技状態の一例)では、打順1,2<打順3~6の関係となっており、BB成立状態(第1遊技状態の一例)でも、打順1,2<打順3~6の関係となっている。すなわち通常状態およびBB成立状態では、第1リールR1を最初に停止させる推奨打順よりも第2リールR2または第3リールR3を最初に停止させる変則打順の方が出玉率の期待値の面からみると有利となっている。なおBB状態(第2遊技状態の一例)については、停止操作の順序による出玉率の期待値の偏りはない。
【0195】
また図23に示すように、遊技状態間での出玉率の期待値の違いを比較すると、打順3~6に関しては、通常状態<BB状態<BB成立状態となっており、第2リールR2または第3リールR3を最初に停止させる遊技方法では、BB状態は通常状態よりも出玉率の期待値が高く、さらにBB成立状態はBB状態よりも出玉率の期待値が高いという関係になっていることが判る。
【0196】
本実施の形態のように、打順1,2(第1リールR1を最初に停止させる遊技方法)よりも打順3~6(第2リールR2または第3リールR3を最初に停止させる遊技方法)の方がメダルの獲得性能が高くなるような仕様では、規則で定められた出玉率の範囲の下限を下回らないように、打順3~6での出玉率の期待値を高い水準で設計する必要がある。
【0197】
そして本実施の形態では、BB状態の出玉率の期待値を低めに設計することでBB成立状態の出玉率の期待値を上昇させても規則で定められた出玉率の範囲の上限を超えないようにするものであり、BB状態の出玉率の期待値を下げた分だけ設計自由度を確保することができる。そしてBB状態に関しては、BB状態でのメダルの獲得性能が通常状態でのメダルの獲得性能を上回っていることが要求されていることから、BB状態の出玉率の期待値を下げるためには、通常状態の出玉率の期待値を低く設計する必要が生じる。
【0198】
しかしながら、通常状態とBB状態とのメダルの獲得性能の比較は、通常状態で出玉率の期待値が最も高い遊技方法との比較となることから、出玉率の期待値が高い打順3~6での比較となり、BB状態のメダルの獲得性能を低く設計することの障害となる。
【0199】
そこでBB状態のメダルの獲得性能を設計する上での指標となる通常状態のメダルの獲得性能を下げるべく、通常状態ではBB成立状態と打順ベルの当選時における停止制御の制御則を異ならせることで、配当の高い小役の入賞を制限することで所望する効果を得ることができる。ただし本実施の形態のように有利区間において通常演出状態で遊技を行っている状況で第1リールR1を最初に停止させる遊技方法が推奨される仕様では、第2リールR2または第3リールR3を最初に停止させる遊技方法を不利に取り扱うために、通常状態とBB成立状態とにおいて停止操作の順序のそれぞれにおける出玉率の期待値の大小関係を維持することが要求される場合がある。
【0200】
このため本実施の形態では、通常状態とBB成立状態とにおいて制御則が異なる打順小役として打順ベルC1~打順ベルC8を設け、通常状態およびBB成立状態において制御則が共通の打順小役として打順ベルA1~打順ベルA8および打順ベルD1~打順ベルD4を設け、打順ベルC1~打順ベルC8については通常状態において10枚小役を入賞不可能とすることで、停止操作の順序の間に関する出玉率の期待値の大小関係を保ったまま、通常状態での出玉率の期待値を下げ、その結果として、BB状態の出玉率の期待値の下げ幅を確保する効果を得ることができる。
【0201】
このような仕様では、打順小役(打順ベル)の種類を増やす必要があるため、打順小役を構成する不正解小役(失敗操作態様において入賞可能となる小役:本実施の形態では1枚小役)の種類が増加することが懸念される。
【0202】
そこで本実施の形態では、図24に示すように、打順ベルA1(第1当選態様の一例)と打順ベルC1(第2当選態様の一例)とにおいて失敗操作態様のうち第1リールR1または第3リールR3を最初に停止させる操作順序(特定操作態様とは異なる操作態様の一例:打順1~2、5~6)で入賞可能な1枚小役(特定小役の一例:小役25および小役38)を共通にし、打順ベルA2(第1当選態様の一例)と打順ベルC2(第2当選態様の一例)とにおいて失敗操作態様のうち第1リールR1または第3リールR3を最初に停止させる操作順序(特定操作態様とは異なる操作態様の一例:打順1~2、5~6)で入賞可能な1枚小役(特定小役の一例:小役26および小役38)を共通にし、打順ベルA5(第1当選態様の一例)と打順ベルC5(第2当選態様の一例)とにおいて失敗操作態様のうち第1リールR1または第3リールR3を最初に停止させる操作順序(特定操作態様とは異なる操作態様の一例:打順1~2、5~6)で入賞可能な1枚小役(特定小役の一例:小役27および小役38)を共通にし、打順ベルA6(第1当選態様の一例)と打順ベルC6(第2当選態様の一例)とにおいて失敗操作態様のうち第1リールR1または第3リールR3を最初に停止させる操作順序(特定操作態様とは異なる操作態様の一例:打順1~2、5~6)で入賞可能な1枚小役(特定小役の一例:小役28および小役38)を共通にしている。これにより本実施の形態によれば、打順1~2用の不正解小役(小役38)および打順5~6用の不正解小役(小役25~小役28)を共通にすることで打順小役(打順ベル)の種類を増やす際に1枚小役の種類の増加を抑制することができる。
【0203】
また本実施の形態では、打順ベルA1と打順ベルC1とでは、打順1~2において小役38が共通して入賞し、打順5~6において小役25が共通して入賞するため、打順1~2、5~6の各操作順序における第1停止操作時、第2停止操作時、および第3停止操作時のそれぞれにおいて共通の停止態様を表示させることができ、内部抽選の結果を判別しづらくすることができる。同様に打順ベルA2と打順ベルC2とでは、打順1~2において小役38が共通して入賞し、打順5~6において小役26が共通して入賞し、打順ベルA5と打順ベルC5とでは、打順1~2において小役38が共通して入賞し、打順5~6において小役27が共通して入賞し、打順ベルA6と打順ベルC6とでは、打順1~2において小役38が共通して入賞し、打順5~6において小役27が共通して入賞するため、打順1~2、5~6の各操作順序における第1停止操作時、第2停止操作時、および第3停止操作時のそれぞれにおいて共通の停止態様を表示させることができ、内部抽選の結果を判別しづらくすることができる。
【0204】
また本実施の形態では、1枚小役の種類の増加を抑制することができる手法を採用している。以下、本実施の形態の手法について図25を用いて説明する。図25は、本実施の形態における1枚小役の当選態様を説明するための図である。
【0205】
まず本実施の形態では、打順ベルA1~打順ベルA8および打順ベルC1~打順ベルC8のいずれかが当選した時に第1リールR1を最初に停止させる操作順序(打順1,2)で停止操作を行うと必ず1枚小役を入賞させることができるが、いわゆる短時間試験における出玉率の範囲の下限はメダルの投入数に対してメダルの払出数が「1/3を超える」であるため、第1リールR1を最初に停止させる操作順序(打順1,2)で停止操作を行う遊技方法において、リプレイが当選した場合を除きほぼ毎遊技1枚の払い出しがあることが望ましい。
【0206】
そこで本実施の形態では、ビッグボーナス(BB)と重複当選する小役の当選態様として1枚小役1~1枚小役4を設けてハズレ(不当選)が発生しないようにすることで、第1リールR1を最初に停止させる操作順序(打順1,2)で停止操作を行う遊技方法において、リプレイが当選した場合を除きほぼ毎遊技1枚の払い出しが発生するようにすることができ、出玉率の期待値の底上げを図ることができる。
【0207】
具体的には、打順ベルD1~打順ベルD4の当選時に第1リールR1を最初に停止させる推奨打順では15枚小役(小役13~小役16)が必ず入賞するため、推奨打順におけるメダルの獲得期待値は15枚となっており、1枚役1~1枚役4の当選時に第1リールR1を最初に停止させる推奨打順では1枚小役(小役37)が必ず入賞するため、推奨打順におけるメダルの獲得期待値は1枚となっている。このため打順ベルD1~打順ベルD4は、第1リールR1を最初に停止させる推奨打順におけるメダルの獲得期待値が1枚役1~1枚役4よりも高くなっている。そして本実施の形態では、1枚役1~1枚役4と、1枚役1~1枚役4よりもメダルの獲得期待値が高い打順ベルD1~打順ベルD4とを設けることによって、いわゆる短時間試験における出玉率の範囲の下限を上回る設計を可能としている。
【0208】
このような仕様では、1枚小役の種類が増加することが懸念される。
【0209】
そこで本実施の形態では、図25に示すように、打順ベルD1(第1の当選態様の一例)と1枚小役1(第2の当選態様の一例)とにおいて第2リールR2または第3リールR3を最初に停止させる操作順序(打順3~6)で入賞可能な1枚小役(特定の小役の一例:小役21および小役25)を共通にし、打順ベルD2(第1の当選態様の一例)と1枚小役2(第2の当選態様の一例)とにおいて第2リールR2または第3リールR3を最初に停止させる操作順序(打順3~6)で入賞可能な1枚小役(特定の小役の一例:小役22および小役26)を共通にし、打順ベルD3(第1の当選態様の一例)と1枚小役3(第2の当選態様の一例)とにおいて第2リールR2または第3リールR3を最初に停止させる操作順序(打順3~6)で入賞可能な1枚小役(特定の小役の一例:小役23および小役27)を共通にし、打順ベルD4(第1の当選態様の一例)と1枚小役4(第2の当選態様の一例)とにおいて第2リールR2または第3リールR3を最初に停止させる操作順序で入賞可能な1枚小役(特定の小役の一例:小役24および小役28)を共通にしている。これにより本実施の形態によれば、打順3~4用の1枚小役(小役21~小役24)および打順5~6用の1枚小役(小役25~小役28)を共通にすることで1枚小役の種類の増加を抑制することができる。
【0210】
また本実施の形態では、打順ベルD1と1枚小役1とでは、打順3~4において小役21が共通して入賞し、打順5~6において小役25が共通して入賞するため、打順3~6の各操作順序における第1停止操作時、第2停止操作時、および第3停止操作時のそれぞれにおいて共通の停止態様を表示させることができ、内部抽選の結果を判別しづらくすることができる。同様に打順ベルD2と1枚小役2とでは、打順3~4において小役22が共通して入賞し、打順5~6において小役26が共通して入賞し、打順ベルD3と1枚小役3とでは、打順3~4において小役23が共通して入賞し、打順5~6において小役27が共通して入賞し、打順ベルD4と1枚小役4とでは、打順3~4において小役24が共通して入賞し、打順5~6において小役28が共通して入賞するため、打順3~6の各操作順序における第1停止操作時、第2停止操作時、および第3停止操作時のそれぞれにおいて共通の停止態様を表示させることができ、内部抽選の結果を判別しづらくすることができる。
【0211】
また本実施の形態では、打順ベルA1~打順ベルA8、打順ベルC1~打順ベルC8、および打順ベルD1~打順ベルD4に関して、失敗操作態様において1枚小役が入賞しない場合があるように停止制御を行う構成となっているが、これは高純増仕様を設計する上で、正解打順を第2リールR2または第3リールR3を最初に停止させる打順3~打順6に偏らせていることから、これらの操作順序におけるAT状態ではない遊技(以下、非AT中遊技)の出玉率の上昇を抑えるためである。特に本実施の形態では、通常演出状態において打順ベルの当選時に打順3~打順6に沿って停止操作を行っても、次遊技以降に不利益が及ぶことがないため、打順1,2と打順3~打順6との間で非AT中遊技の出玉率の乖離が大きいと、天井カウンタ1924の値が更新されないことを考慮しても打順3~打順6で遊技を行った方が良いという攻略要素を排除することが難しくなる。このため、第1停止操作が第2リールR2または第3リールR3を停止させるものであって失敗操作態様である場合に、1枚小役の入賞率を1/4にまで低くして、打順3~打順6の非AT中遊技の出玉率の上昇を抑えることができる。
【0212】
1枚小役1~1枚小役4についても同様に、打順3~打順6において1枚小役の入賞率を1/4にまで低くすることで、打順3~打順6の非AT中遊技の出玉率の上昇を抑えることができる。
【0213】
また打順ベルA1~打順ベルA8についても同様に、第1停止操作が第2リールR2または第3リールR3を停止させるものであって正解打順である場合に、15枚小役の入賞率を1/2にまで低くすることによって、打順3~打順6の非AT中遊技の出玉率の上昇を抑えることができる。
【0214】
また本実施の形態では、打順ベルA1~打順ベルA8および打順ベルD1~打順ベルD4に含まれる正解小役(正解打順において入賞可能となる小役:本実施の形態では15枚小役)を12種類(小役1~小役8および小役13~小役16)設けて、各打順ベルにおいては小役1~小役8および小役13~小役16が重複して当選せず、BB状態では小役1~小役8および小役13~小役16をJAC1において重複して当選させることで、BB成立状態よりもBB状態の方が正解小役の入賞の機会を減らすことでBB状態の出玉率の期待値を下げるという手法を採用している。そして本実施の形態のようなBB状態の出玉率の期待値を下げる手法を採用する場合、通常状態やBB成立状態において重複せずに当選する正解小役の種類を増やすことで出玉率の期待値を下げる効果をさらに得ることができる。
【0215】
また本実施の形態では、打順ベルA1~打順ベルA8、打順ベルC1~打順ベルC8、共通1枚A、共通1枚B、および1枚役1~1枚役4のいずれかが当選した場合に、第1リールR1を最初に停止させる推奨打順では小役37または小役38が入賞し、打順ベルD1~打順ベルD4のいずれかが当選した場合に、第1リールR1を最初に停止させる推奨打順では小役13~小役16のいずれかが入賞する。そして本実施の形態では、小役13~小役16、小役37、および小役38では、入賞形態を構成する第1リールR1の図柄に同一の図柄(ベル図柄a「BLa」)が割り当てられているため、推奨打順における第1停止操作時において共通の停止態様を表示させることができ、内部抽選の結果を判別しづらくすることができる。
【0216】
また本実施の形態では、通常区間において有利区間移行抽選が行われる場合には、必ず当選の抽選結果を得て有利区間に移行することが好ましい。このようにすれば、通常区間から有利区間への移行率が高くなることによって通常区間の滞在期間を少なくすることができる。本実施の形態では、BB成立状態において第1リールR1を最初に停止させる場合と第2リールR2または第3リールR3を最初に停止させる場合とでは、第2リールR2または第3リールR3を最初に停止させる場合の方がメダルの獲得期待値が高くなり、通常区間において有利区間への移行等に関する処理は内部抽選の結果に紐付いて実行されて、いずれのリールを最初に停止させても有利度合いに違いがない。このため、通常区間に長期に亘って滞在すると第2リールR2または第3リールR3を最初に停止させる遊技方法が有利となってしまうという攻略要素が発生する。そこで、有利区間移行確率を極めて高くすることによって、第2リールR2または第3リールR3を最初に停止させることが有利となる状況をなるべく少なくすることができる。
【0217】
また本実施の形態では、BB成立状態において有利区間に滞在している場合には、その有利区間が終了するまでの間に必ず1回はAT状態に移行するように天井機能を搭載している。これにより一連の有利区間中においてAT状態へ移行せずに有利区間の終了条件を迎えてアシストタイム遊技が行われずに有利区間が終了することを回避することができる。このように一連の有利区間中に最低限として1回はAT状態へ移行するようにすることで、いわゆる新中期試験(1600G)での出玉率の範囲の下限を下回る可能性をできるだけ減らすことができる。
【0218】
また本実施の形態では、少なくとも非AT中遊技において打順ベルの当選情報がサブ基板側に通知されないようにすることが好ましい。なおAT中遊技においては、打順ベルの当選情報をサブ基板側に通知するようにしてもよいし、非AT中遊技であるか、AT中遊技であるかに関わらず打順ベルの当選情報はサブ基板側に一切通知しないようにしてもよい。また打順ベルの当選情報がサブ基板側に通知されない仕様であっても、正解操作態様に対応する指示情報をサブ基板側に通知すればサブ基板側で入賞補助演出は実行可能であり、打順ベルの当選情報そのものを通知しなくても滞りなくアシストタイム遊技を行うことは可能である。このように、少なくとも非AT中遊技については打順ベルの当選情報をサブ基板側に通知しないようにすれば、サブ基板を改造して非AT中遊技において打順ベルの当選を不正に把握して非AT中遊技におけるメダルの消費を抑えるという不正行為を未然に防ぐことができる。
【0219】
また本実施の形態では、既述のように、第1リールR1を最初に停止させる推奨打順と、第2リールR2または第3リールR3を最初に停止させる変則打順との間でメダルの獲得期待値に差があり、変則打順の方が推奨打順よりもメダルの獲得期待値が高いことから、通常区間と有利区間との違いが遊技者に容易に把握できてしまうと、指示機能に係る処理の有利度合いに影響がない通常区間において変則打順で停止操作を行ってメダルの消費を抑える遊技方法を抑止することが難しい。そして本実施の形態では、有利区間において通常演出状態に滞在している場合に、変則打順で遊技を行うと天井カウンタ1924の値が更新されない(指示機能に係る処理が不利になる)ため、遊技者に注意喚起のために推奨打順で遊技を行うべきことを通知することが望ましい。
【0220】
そこで本実施の形態では、図26に示すように、変則打順で遊技が行われた場合、液晶ディスプレイLCDにおいて「左押し推奨です」とのメッセージを含む警告表示によって推奨打順で停止操作を行うことを促す特定演出を実行するようにした。
【0221】
ところで本実施の形態では、変則打順で遊技を行って不利を被るのは有利区間かつ通常演出状態に滞在している時であるため、有利区間のみ特定演出を実行可能とすると、特定演出の発生の有無によって通常区間の判別ができてしまうという不都合が生じる。例えば、有利区間においてAT状態の終了後に意図的に変則打順で遊技を行い、特定演出の発生の有無によって有利区間が継続しているのか通常区間に復帰しているのかを判別する、または、遊技者の入れ替わりが起きた場合に、新たに遊技を開始する遊技者が、とりあえず変則打順で遊技を行って特定演出の発生の有無によって通常区間または有利区間のいずれであるかを判別する等である。
【0222】
このため本実施の形態では、通常区間および有利区間の双方において特定演出を実行可能とし、通常区間では変則打順で停止操作が行われたことに基づいて特定演出を実行し、有利区間では通常演出状態に滞在している状況において変則打順で停止操作が行われたことに基づいて特定演出を実行するようにして、変則打順での遊技に対する特定演出の発生状況によって通常区間と有利区間との判別をできないようにした。
【0223】
このように本実施の形態では、推奨打順でのメダルの獲得期待値が変則打順よりも低いため、通常区間において変則打順で停止操作を行うことでメダルの消費を抑えることができる攻略要素を内在するが、特定演出の発生の有無によっては通常区間または有利区間のいずれであるかを判別できないため、攻略要素を利用した遊技方法を抑止して遊技の公平性を担保することができる。
【0224】
なお本実施の形態では、特定演出として液晶ディスプレイLCDに警告表示をする場合について説明をしたが、特定演出において警告音を出力するようにしてもよい。また特定演出では、メッセージ等の表示を行わず、液晶ディスプレイLCDに表示されている演出画像が暗転するものであってもよく、変則打順で遊技が行われたことによる演出の変化が遊技者に伝達できるものであればよい。
【0225】
また本実施の形態では、アシストタイム遊技の遊技性能を変化させることができる手法を採用している。以下、本実施の形態の手法について図27図28を用いて説明する。図27は、本実施の形態における強チェリーの当選時に参照される第2AT抽選テーブルを示す図であり、図28は、本実施の形態における第2特定抽選テーブルおよび第3特定抽選テーブルを示す図である。
【0226】
まず本実施の形態では、第2AT抽選において参照される抽選テーブルとして、第2AT抽選テーブルAおよび第2AT抽選テーブルBの2種類のテーブルが用意されており、各テーブルには、第2AT抽選の抽選契機となる当選態様(弱チェリー、スイカ、強チェリー、および共通1枚A)ごとに第2AT抽選の当選確率が規定されている。またこれら2種類の第2AT抽選テーブルは、設定値ごとに用意されている。
【0227】
また本実施の形態では、同一の設定値における第2AT抽選テーブルAと第2AT抽選テーブルBとでは、第2AT抽選テーブルAの方が第2AT抽選テーブルBよりも当選確率が高く設定されており、例えば、設定値が設定6である場合の強チェリー当選時の第2AT抽選の当選確率は、図27に示すように、第2AT抽選テーブルAでは、10000/32768の当選確率に設定され、第2AT抽選テーブルBでは、9901/32768の当選確率に設定されている。このように同一の設定値かつ同一当選態様の当選時の第2AT抽選の当選確率は、第2AT抽選テーブルBよりも第2AT抽選テーブルAの方が高く設定されている。なお図27に示す第2AT抽選の当選確率は一例であり、これに限られるものではない。
【0228】
また第2AT抽選テーブルAと第2AT抽選テーブルBとでは、それぞれのテーブルにおいて「弱チェリー<スイカ<強チェリー<共通1枚A」の順に当選確率が高く設定されている。
【0229】
そして本実施の形態では、第2AT抽選の抽選テーブルを切り替えることによって第2AT抽選の当選確率を変化させる。これにより第2AT状態への移行確率を変化させることができる。
【0230】
また本実施の形態では、第2特定抽選において参照される抽選テーブルとして、第2特定抽選テーブルAおよび第2特定抽選テーブルBの2種類のテーブルが用意されており、各テーブルには、第2特定抽選の当選確率が規定されている。またこれら2種類の第2特定抽選テーブルは、設定値ごとに用意されている。
【0231】
また本実施の形態では、同一の設定値における第2特定抽選テーブルAと第2特定抽選テーブルBとでは、第2特定抽選テーブルAの方が第2特定抽選テーブルBよりも当選確率が高く設定されており、例えば、設定値が設定6である場合の第2特定抽選の当選確率は、図28(A)に示すように、第2特定抽選テーブルAでは、5000/32768の当選確率に設定され、第2特定抽選テーブルBでは、4970/32768の当選確率に設定されている。なお図28(A)に示す第2特定抽選の当選確率は一例であり、これに限られるものではない。
【0232】
そして本実施の形態では、第2特定抽選の抽選テーブルを切り替えることによって第2特定抽選の当選確率を変化させる。これにより第1AT状態における上乗せ抽選および第2AT抽選の抽選機会を変化させることができる。
【0233】
また本実施の形態では、第3特定抽選において参照される抽選テーブルとして、第3特定抽選テーブルAおよび第3特定抽選テーブルBの2種類のテーブルが用意されており、各テーブルには、第3特定抽選の当選確率が規定されている。またこれら2種類の第3特定抽選テーブルは、設定値ごとに用意されている。
【0234】
また本実施の形態では、同一の設定値における第3特定抽選テーブルAと第3特定抽選テーブルBとでは、第3特定抽選テーブルAの方が第3特定抽選テーブルBよりも当選確率が高く設定されており、例えば、設定値が設定6である場合の第3特定抽選の当選確率は、図28(B)に示すように、第3特定抽選テーブルAでは、3276/32768の当選確率に設定され、第3特定抽選テーブルBでは、3251/32768の当選確率に設定されている。なお図28(B)に示す第3特定抽選の当選確率は一例であり、これに限られるものではない。
【0235】
そして本実施の形態では、第3特定抽選の抽選テーブルを切り替えることによって第3特定抽選の当選確率を変化させる。これにより第2AT状態における強上乗せ抽選の加算値の期待値を変化させることができる。
【0236】
このように本実施の形態では、第2AT抽選、第2特定抽選、および第3特定抽選の当選確率を低下させることによって第1AT状態または第2AT状態でのアシストタイム遊技の上乗せ性能(遊技性能)を低下させることができ、第2AT抽選、第2特定抽選、および第3特定抽選の当選確率を低下させることによってアシストタイム遊技の有利度合いを抑制するように調整することができる。
【0237】
また本実施の形態では、有利区間において第2クリアカウンタ196の値が小さければ小さいほど、第2クリアカウンタ196の値がしきい値(例えば、42400:所定数)に達するまでにより多くのメダルを獲得することができるため、第1AT状態または第2AT状態において遊技回数を大量上乗せした場合に、第2クリアカウンタ196の値が小さいほど、メダルの大量獲得に期待することができる。
【0238】
また本実施の形態では、設定値を変更すると第2クリアカウンタ196が初期化されるため、設定値が低い場合(例えば、設定値が設定1の場合)、設定値を変更した場合と設定値を変更せずに据え置いた場合とでは、設定変更した場合よりも設定を据え置いた場合の方が、第2クリアカウンタ196の値が小さくなり易い。このため何も処理を行わないと低設定(例えば、設定1)では、第2クリアカウンタ196が初期化される設定変更よりも、第2クリアカウンタ196の値が小さくなり易い設定据え置きの方がメダルの獲得期待値が高くなり易い。
【0239】
そこで本実施の形態では、設定変更した場合と設定を据え置いた場合とにおけるメダルの獲得期待値を合わせる(略同一とする)ために、アシストタイム遊技の遊技性能を状況に応じて変化させる。
【0240】
具体的には、第2クリアカウンタ196の値が特定値(例えば、有利区間のメダルの差枚数が-4000枚に相当する値「36000」)以下でかつ第1ATゲーム数カウンタ193の値が特定値(例えば、500回分の遊技回数に相当する値「500」)以上であることを所定の調整条件として、第1AT状態において第2AT抽選を実行する際に、調整条件を満たさない場合には第2AT抽選テーブルAを参照し、調整条件を満たす場合には第2AT抽選テーブルBを参照して、第2AT抽選を行う。
【0241】
同様に第1AT状態において第2特定抽選を実行する際に、調整条件を満たさない場合には第2特定抽選テーブルAを参照し、調整条件を満たす場合には第2特定抽選テーブルBを参照して、第2特定抽選を行う。また第2AT状態において第3特定抽選を実行する際に、調整条件を満たさない場合には第3特定抽選テーブルAを参照し、調整条件を満たす場合には第3特定抽選テーブルBを参照して、第3特定抽選を行う。
【0242】
なお本実施の形態では、第2クリアカウンタ196の値が特定値以下であっても第1ATゲーム数カウンタ193の値が特定値未満である場合には調整条件を満たさず、第1ATゲーム数カウンタ193の値が特定値以上であっても第2クリアカウンタ196の値が特定値より大きい値である場合にも調整条件を満たさない。また調整条件に係る第2クリアカウンタ196の特定値は、-4000枚に相当する値「36000」に限られるものではなく任意に定めることができ、調整条件に係る第1ATゲーム数カウンタ193の特定値も、500回分の遊技回数に相当する値「500」に限られるものではなく、任意に定めることができる。
【0243】
このように本実施の形態では、第1AT状態または第2AT状態において調整条件を満たすと、第2AT抽選、第2特定抽選、および第3特定抽選の当選確率を低下させることによってアシストタイム遊技の上乗せ性能を低下させるため、設定変更した場合と設定を据え置いた場合とにおけるメダルの獲得期待値を合わせることができる。これにより遊技店の開店時などにおいて打ち始め難さを緩和することができ、遊技の公平性を担保することができる。
【0244】
また本実施の形態では、第2クリアカウンタ196の値は、第1AT状態または第2AT状態でのアシストタイム遊技(有利遊技の一例)および通常演出状態での通常遊技の区別なく変動する変数(第1変数の一例)であり、第1ATゲーム数カウンタ193の値は、第1AT状態または第2AT状態でのアシストタイム遊技中に変動する変数(第2変数の一例)となっている。そして本実施の形態では、これらの変数(第1変数および第2変数)を参照して第2AT抽選、第2特定抽選、および第3特定抽選における抽選テーブルの選択(有利遊技に関する所定処理、有利遊技に関する所定の抽選処理の一例)を行うため、通常遊技およびアシストタイム遊技の挙動に応じて以降のアシストタイム遊技の遊技性能を変化させることができる。
【0245】
また本実施の形態では、第1AT状態または第2AT状態において、調整条件を満たすと(第1変数と第2変数とが所定関係を満たすと)、第2AT抽選、第2特定抽選、および第3特定抽選の当選確率を低下させることによってアシストタイム遊技の有利度合いを抑制するように調整するため、アシストタイム遊技の遊技性能を変化させることができる。
【0246】
また本実施の形態では、設定値が低い場合は(例えば、設定値が設定1の場合)、設定変更した場合よりも設定を据え置いた場合の方が第2クリアカウンタ196の値が小さくなり易いが、設定値が高い場合(例えば、設定値が設定6の場合)にはその限りではない。そこで本実施の形態では、設定値が高くなるほど、アシストタイム遊技の有利度合いの調整量を小さくする。
【0247】
具体的には、図27に示すように、第2AT抽選テーブルAと第2AT抽選テーブルBとの間では、設定値が高くなるほど当選確率の差が小さくなるように設定されており、例えば、設定1(最低値の一例)では、当選確率の差が1700/32768であるのに対して、設定6(最高値の一例)では、99/32768となっている。
【0248】
同様に第2特定抽選テーブルAと第2特定抽選テーブルBとの間では、図28(A)に示すように、設定値が高くなるほど当選確率の差が小さくなるように設定されており、例えば、設定1では、当選確率の差が150/32768であるのに対して、設定6では、30/32768となっている。また第3特定抽選テーブルAと第3特定抽選テーブルBとの間では、図28(B)に示すように、設定値が高くなるほど当選確率の差が小さくなるように設定されており、例えば、設定1では、当選確率の差が150/32768であるのに対して、設定6では、25/32768となっている。
【0249】
このように本実施の形態では、設定値が高くなるほど、アシストタイム遊技の有利度合いの調整量を小さくするため、設定値に応じてアシストタイム遊技の有利度合いの調整量を変化させることができる。
【0250】
3.変形例
本発明は、上記の実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能であり、以下に変形例を紹介する。なお、上記実施形態や、以下において変形例として説明する各種の手法は、本発明を実現する制御手法として適宜組み合わせて採用することができる。
【0251】
上記実施形態では、調整条件を満たすと第2AT抽選、第2特定抽選、および第3特定抽選の当選確率を低下させる場合を例に取り説明したが、第2AT抽選、第2特定抽選、および第3特定抽選の全ての抽選の当選確率を低下させなくてもよく、少なくともいずれか1種類の抽選の当選確率を低下させればよく残りの抽選の当選確率は変化させなくてもよい。また第1AT状態において調整条件を満たすと上乗せ抽選の当選確率を低下させるようにしてもよい。また調整条件を満たすと第2AT抽選、第2特定抽選、第3特定抽選、および上乗せ抽選のうち少なくとも1種類以上の抽選を行わないことでアシストタイム遊技の有利度合いを抑制するように調整するようにしてもよい。
【0252】
また上記実施形態では、調整条件を満たすと、設定変更した場合と設定を据え置いた場合とでメダルの獲得期待値が合うように、第2AT抽選、第2特定抽選、および第3特定抽選の当選確率を低下させる場合を例に取り説明したが、少なくともアシストタイム遊技の有利度合い(上乗せ性能)が低下すればよく、必ずしも、設定変更した場合と設定を据え置いた場合とでメダルの獲得期待値が合うようにしなくてもよい。
【0253】
また上記実施形態では、設定値に応じてアシストタイム遊技の有利度合いの調整量を変化させる場合を例に取り説明したが、設定値に関わらずにアシストタイム遊技の有利度合いの調整量を同一としてもよいし、図29(A)に示すように、アシストタイム遊技の有利度合いの調整量が同一の設定値(設定5と設定6)と異なる設定値(設定1~設定4)とがあってもよい。またアシストタイム遊技の有利度合いを調整する設定値(例えば、設定1~設定5)と調整しない設定値(例えば、設定6)とがあってもよい。
【0254】
また上記実施形態では、第2AT抽選において参照される第2AT抽選テーブルAおよび第2AT抽選テーブルBでは、設定値に応じて当選確率が異なる場合を例に取り説明したが、図29(B)および図29(C)に示すように、第2AT抽選テーブルAおよび第2AT抽選テーブルBのうちいずれか一方は設定値に関わらずに当選確率を同一に設定してもよい。第2特定抽選および第3特定抽選についても同様に、2種類の抽選テーブルのうちいずれか一方は設定値に関わらずに当選確率を同一に設定してもよい。
【0255】
また上記実施形態では、設定値に関わらずに調整条件を同一にした場合を例に取り説明したが、設定値によって調整条件を異ならせるようにしてもよいし、調整条件が同一の設定値と異なる設定値とがあってもよい。例えば、設定1と設定6とで、調整条件に係る第2クリアカウンタ196の特定値および第1ATゲーム数カウンタ193の特定値のうち一方または双方が異なるようにしてもよい。
【0256】
また上記実施形態では、第2クリアカウンタ196の値(第1変数)および第1ATゲーム数カウンタ193の値(第2変数)を参照して第2AT抽選、第2特定抽選、または第3特定抽選の抽選テーブルを選択する場合を例に取り説明したが、抽選テーブルを選択する際に参照する変数はこれらに限られるものではなく、第1クリアカウンタ195の値、天井カウンタ194の値、第2ATゲーム数カウンタ197の値、クレジット数、ベット数、演出状態、または遊技状態などの変数を参照して抽選テーブルを選択してもよく、第2クリアカウンタ196の値および第1ATゲーム数カウンタ193の値を含むこれらの変数のうち2種類以上の変数を参照して抽選テーブルを選択してもよい。
【0257】
また上記実施形態では、第2AT抽選において参照される第2AT抽選テーブルBでは、図27に示すように、所定設定値(例えば、設定5)における当選確率が、第2AT抽選テーブルAにおける所定設定値よりも一つ低い設定値(例えば、設定4)の当選確率よりも低い場合が存在する場合を例に取り説明したが、第2AT抽選テーブルBでは、所定設定値(例えば、設定5)における当選確率を、第2AT抽選テーブルAにおける所定設定値よりも一つ低い設定値(例えば、設定4)の当選確率より高く設定するようにしてもよい。第2特定抽選および第3特定抽選についても同様に設定することができる。
【0258】
また上記実施形態では、調整条件を満たすとアシストタイム遊技の有利度合いを抑制するように調整する場合を例に取り説明したが、アシストタイム遊技の有利度合いを高めるように調整してもよく、例えば、第2クリアカウンタ196の値が特定値(例えば、有利区間のメダルの差枚数が2000枚に相当する値「42000」)以上でかつ第1ATゲーム数カウンタ193の値が特定値(例えば、10回分の遊技回数に相当する値「10」)以下であることを所定の調整条件として、所定の調整条件を満たすと第2AT抽選、第2特定抽選、第3特定抽選、および上乗せ抽選のうち少なくともいずれか1種類の抽選の当選確率を上昇させることによってアシストタイム遊技の有利度合いを高めるように調整してもよい。このようにしても有利区間の終了によってメダルの大量獲得を抑制することができるため、遊技の公平性を担保することができる。またこの例では、当選確率を上昇させる場合のみならず、第2AT抽選、第2特定抽選、第3特定抽選、および上乗せ抽選のうち少なくともいずれか1種類の抽選を1回の抽選契機で複数回行う(例えば、強チェリーの当選時に第2AT抽選を2回や3回行う)ことによってアシストタイム遊技の有利度合いを高めるように調整してもよい。
【0259】
また上記実施形態では、打順ベルA1と打順ベルC1とにおいて第1リールR1または第3リールR3を最初に停止させる操作順序において入賞可能となる1枚小役(小役25、小役38)を共通にした場合を例の取り説明したが、少なくとも1種類(小役25または小役38)の1枚小役を共通にすればよく、残りの1枚小役については共通でなくてもよい。すなわち打順1~2、5~6の4通りの操作順序のうち少なくとも1通りの操作順序において入賞可能となる1枚小役を共通にすればよく、残りの操作順序において入賞可能となる1枚小役については共通でなくてもよい。例えば、打順1~2、5~6の4通りの操作順序のそれぞれにおいて異なる1枚小役が入賞するように構成した場合には、打順1~2、5~6の4通りの操作順序のうち少なくとも1通りの操作順序において入賞可能となる1枚小役を共通にすればよく、残りの操作順序において入賞可能となる1枚小役については共通でなくてもよい。また打順ベルA1と打順ベルC1とにおいて共通する役と異なる役とでは、共通する役の方が異なる役よりも多いまたは少なくてもよいし、同一であってもよい。打順ベルA2と打順ベルC2、打順ベルA5と打順ベルC5、および打順ベルA6と打順ベルC6についても同様に、少なくとも1種類の1枚小役を共通にすればよく、残りの1枚小役については共通でなくてもよい。
【0260】
また上記実施形態では、打順ベルA1と打順ベルC1とにおいて打順4では異なる小役が入賞する場合を例に取り説明したが、打順4において入賞可能な小役(3枚小役または1枚小役)を共通にしてもよい。打順ベルA5と打順ベルC5についても同様に打順4において入賞可能な小役(3枚小役または1枚小役)を共通にしてもよいし、打順ベルA2と打順ベルC2および打順ベルA6と打順ベルC6についても、打順3において入賞可能な小役(3枚小役または1枚小役)を共通にしてもよい。
【0261】
また上記実施形態では、小役1~小役20の入賞時に互いに類似するベル揃いの図柄組合せが表示される場合を例に取り説明したが、同一のベル揃いの図柄組合せが表示され得るようにしてもよく、例えば、小役9(3枚小役)および小役17(10枚小役)の入賞時に同一のベル揃いの図柄組合せが同一ライン上に表示され得るようにしてもよい。また小役9(3枚小役)および小役17(10枚小役)の入賞時に同一または類似するベル揃いの図柄組合せが異なるライン上に表示され得るようにしてもよい。
【0262】
また上記実施形態では、打順ベルA1~打順ベルA8の当選時に第1停止操作が正解打順と同一である失敗操作態様では、3枚小役が入賞する場合を例に取り説明したが、第1停止操作が正解打順と同一である失敗操作態様において入賞可能な小役は、配当が2枚以上の役であればよく、正解操作態様において入賞可能な正解小役よりも配当の高い役であってもよい。
【0263】
また上記実施形態では、打順ベルD1と1枚役1とにおいて第2リールR2または第3リールR3を最初に停止させる変則打順において入賞可能となる1枚小役(小役21、小役25)を共通にした場合を例の取り説明したが、少なくとも1種類(小役21または小役25)の1枚小役を共通にすればよく、残りの1枚小役については共通でなくてもよい。すなわち打順3~打順6の4通りの変則打順のうち少なくとも1通りの変則打順において入賞可能となる1枚小役を共通にすればよく、残りの変則打順において入賞可能となる1枚小役については共通でなくてもよい。例えば、打順3~打順6の4通りの変則打順のそれぞれにおいて異なる1枚小役が入賞するように構成した場合には、打順3~打順6の4通りの変則打順のうち少なくとも1通りの変則打順において入賞可能となる1枚小役を共通にすればよく、残りの変則打順において入賞可能となる1枚小役については共通でなくてもよい。また打順ベルD1と1枚役1とにおいて共通する役と異なる役とでは、共通する役の方が異なる役よりも多いまたは少なくてもよいし、同一であってもよい。打順ベルD2と1枚役2、打順ベルD3と1枚役3、および打順ベルD4と1枚役4についても同様に、少なくとも1種類の1枚小役を共通にすればよく、残りの1枚小役については共通でなくてもよい。
【0264】
また上記実施形態では、打順ベルD1~打順ベルD4の当選時に正解操作態様では15枚小役が入賞する場合を例に取り説明したが、正解操作態様において入賞可能な小役は、配当が2枚以上の役であればよい。
【0265】
また上記実施形態では、第1リールR1以外のリールを最初に停止させる遊技方法については、通常状態およびBB成立状態のそれぞれにおいて出玉率の期待値が同一となるように設計した場合を例にとり説明をしたが、微差にすぎない程度の違いであれば、完全に同一でなくてもよい。
【0266】
また上記実施形態では、通常状態とBB成立状態とにおいて制御則が異なる打順小役として打順ベルC1~打順ベルC8を設け、通常状態およびBB成立状態において制御則が共通の打順小役として打順ベルA1~打順ベルA8および打順ベルD1~打順ベルD4を設けた場合を例に取り説明したが、打順ベルA1~打順ベルA8および打順ベルD1~打順ベルD4を通常状態とBB成立状態とにおいて停止制御の制御則を異ならせ、通常状態では、BB成立状態で15枚小役を入賞可能な操作態様で停止操作が行われても1枚小役が入賞する、または1/4の確率で1枚小役が入賞し、打順ベルC1~打順ベルC8を通常状態およびBB成立状態において停止制御の制御則を共通にするようにしてもよい。このようにしても停止操作の順序の間に関する出玉率の期待値の大小関係を保ったまま、通常状態での出玉率の期待値を下げ、その結果として、BB状態の出玉率の期待値の下げ幅を確保する効果を得ることができる。
【0267】
また上記実施形態では、打順ベルA1~打順ベルA8の当選時において、停止操作の順序が正解打順であって第1停止操作が正解位置で行われた場合に15枚小役を入賞させる場合を例に取り説明したが、停止操作の順序が正解打順であって第2停止操作または第3停止操作が正解位置で行われた場合に15枚小役が入賞する仕様であってもよい。この場合、正解位置で停止操作を行うことが要求されるのは、第1停止操作、第2停止操作、および第3停止操作の少なくとも1つ以上であればよく、正解位置での停止操作を要求されるのが、第1停止操作のみ、第2停止操作のみ、または第3停止操作のみ等の停止操作の順序に依存するものであってもよいし、第1リールR1~第3リールR3のうち所定のリール(所定のリールは1つであってもよいし、2つ以上であってもよい)のみに関して正解位置での停止操作が要求されるものであってもよい。そして上記実施形態においては、正解操作態様において15枚小役が入賞可能であることは、正解打順であっても15枚小役が入賞する場合と15枚小役が入賞しない場合とが存在していてもよいことを意味する。また上記実施形態において、正解操作態様には、停止操作の順序に指定があるが押下検出位置の指定がない操作態様、停止操作の順序および押下検出位置のいずれにも指定がある操作態様が含まれる。
【0268】
また上記実施形態では、いずれかの打順ベルの当選時にいずれの役も入賞しない場合が存在する失敗操作態様では、同一の確率(1/4の確率)で1枚小役が入賞する場合を例に取り説明したが、打順ベルA1~打順ベルA8と打順ベルC1~打順ベルC8と打順ベルD1~打順ベルD4とで異なる確率で1枚役が入賞するようにしてもよく、例えば、打順ベルA1~打順ベルA8および打順ベルD1~打順ベルD4では1/4の確率で1枚小役が入賞し、打順ベルC1~打順ベルC8では1/2の確率で1枚小役が入賞するようにしてもよいし、打順ベルA1~打順ベルA8では1/4の確率で1枚小役が入賞し、打順ベルC1~打順ベルC8では1/2の確率で1枚小役が入賞し、打順ベルD1~打順ベルD4では3/4の確率で1枚小役が入賞するようにしてもよい。
【0269】
1枚役1~1枚役4についても同様にいずれの役も入賞しない場合が存在する操作順序では、打順ベルとは異なる確率で1枚小役が入賞するようにしてもよく、例えば、1枚役1~1枚役4では1/2の確率で1枚小役が入賞するようにしてもよい。
【0270】
また上記実施形態では、打順ベルA1~打順ベルA8および打順ベルC1~打順ベルC8のいずれかの当選時に第1リールR1を最初に停止させる推奨打順では1枚小役が必ず入賞する場合を例の取り説明したが、一部または全ての打順ベルの当選時に1枚小役が入賞する場合といずれの役も入賞しない場合とが存在するようにしてもよく、例えば、打順ベルA1~打順ベルA8では1/2の確率で1枚小役が入賞し、打順ベルC1~打順ベルC8では1枚小役が必ず入賞するようにしてもよいし、打順ベルA1~打順ベルA8および打順ベルC1~打順ベルC8では1/2の確率で1枚小役が入賞するようにしてもよいし、打順ベルA1~打順ベルA8では1/2の確率で1枚小役が入賞し、打順ベルC1~打順ベルC8では1/4の確率で1枚小役が入賞するようにしてもよい。この場合に、推奨打順では、変則打順よりも高い確率または低い確率で1枚小役が入賞するようにしてもよいし、変則打順と同一の確率で1枚小役が入賞するようにしてもよい。
【0271】
1枚役1~1枚役4についても同様に第1リールR1を最初に停止させる推奨打順では1枚小役が入賞する場合といずれの役も入賞しない場合とが存在するようにしてもよい。この場合に1枚役1~1枚役4では打順ベルよりも高い確率または低い確率で1枚小役が入賞するようにしてもよいし、打順ベルと同一の確率で1枚小役が入賞するようにしてもよい。この場合に、推奨打順では、変則打順よりも高い確率または低い確率で1枚小役が入賞するようにしてもよいし、変則打順と同一の確率で1枚小役が入賞するようにしてもよい。
【0272】
また上記実施形態では、打順ベルD1~打順ベルD4のいずれかの当選時に第1リールR1を最初に停止させる推奨打順では15枚小役が必ず入賞する場合を例の取り説明したが、第1停止操作が正解位置で行われた場合に15枚小役が入賞し、正解位置とは異なる位置では15枚小役の入賞を回避することによって1/2の確率で15枚小役が入賞するようにしてもよい。この場合に、正解位置とは異なる位置では3枚小役が入賞するようにしてもよいし、1枚小役が入賞するようにしてもよいし、1枚小役が入賞する場合といずれの役も入賞しない場合とが存在するようにしてもよい。
【0273】
また上記実施形態では、有利区間においてAT状態では入賞補助演出を実行可能とし、通常演出状態では入賞補助演出を実行しない場合を例に取り説明したが、通常演出状態でも入賞補助演出を実行する場合があってもよい。また有利区間において設定可能な演出状態は、通常演出状態とAT状態とに限られない。例えば、通常演出状態においてAT状態への移行権利が確定してからAT状態に移行するまでの間に滞在する前兆状態(第1状態の一例)を設けた構成、通常演出状態とは異なる条件でAT状態への移行権利を付与し、通常演出状態よりもAT状態への移行権利を得やすいCZ状態(第1状態の一例)を設けた構成、AT状態の終了条件を満たした場合に終了待機状態(第1状態の一例)に滞在し、終了待機状態においてAT状態への復帰条件を満たした場合にはAT状態へ復帰し、AT状態への復帰条件を満たさなかった場合には通常演出状態に移行する構成、AT状態の終了後に終了待機状態において有利区間の任意の終了条件の成否を判定し、終了待機状態から通常演出状態に移行して有利区間が継続する場合と終了待機状態において有利区間が終了して通常区間に移行する場合とがある構成など種々の構成を採用することができる。
【0274】
また本実施の形態では、有利区間において通常演出状態である場合に、推奨打順で停止操作が行われると当該遊技に関して変則打順で停止操作が行われた場合よりも指示機能に係る各種の処理において有利に扱われるようになっていたが、次のような態様を採用することもできる。
【0275】
例えば、有利区間かつ通常演出状態に滞在している状況において推奨打順で停止操作が行われる場合に、第1停止操作に基づいて特定遊技を1回付与し、その旨を特定遊技カウンタに記録する。具体的には、特定遊技カウンタの値の初期値を0として、第1停止操作がストップボタンB1に対する操作であった場合に、特定遊技カウンタの値に1を加算する。特定遊技カウンタの値は、有利区間かつ通常演出状態に滞在している遊技の遊技開始操作が行われた場合に減算され、AT抽選等の指示機能に係る処理が行われてから特定遊技カウンタの値から1を減算する。すなわち特定遊技カウンタの値の減算前に特定遊技カウンタの値を参照して指示機能に係る処理の少なくとも1つ以上を実行する。特定遊技カウンタの値が1である場合には特定遊技カウンタの値が0である場合よりも有利な処理を行う。例えば、特定遊技カウンタの値が1である場合には特定遊技カウンタの値が0である場合よりも高確率で当選するようにAT抽選を実行することができる。また例えば、特定遊技カウンタの値が1である場合にはAT抽選の実行を許容し、特定遊技カウンタの値が0である場合にはAT抽選の実行を許容しないこともできる。これらの例によれば、有利区間かつ通常演出状態での遊技において、変則打順で停止操作が行われた場合、当該遊技の次回の遊技において有利度合いの調整を行うことができる。このため、上記実施形態の手法と組み合わせることによって、変則打順で停止操作を行われた遊技では、変則打順で停止操作が行われたことによるペナルティとして指示機能に係る処理において不利に扱われ、次回の遊技では、特定カウンタの値が0であることによるペナルティとして指示機能に係る処理において不利に扱われる仕様を実現することができる。すなわち推奨打順で停止操作が行われたことを記録した情報を次回の遊技に持ち越して次回の遊技において当該情報を参照して有利な処理を行うことで複数の遊技に有利度合いの調整の影響を発生させることができる。なお特定遊技カウンタの値を加算するか否かを判断する遊技は、打順ベルなどの一部の当選態様を得た遊技だけであってもよいし、打順ベルを含む全ての当選態様を得た遊技であってもよい。
【0276】
また有利区間において通常演出状態に滞在している状況において、打順ベルが当選した遊技にて変則打順で停止操作が行われた場合に、次回以降の遊技において所定の解除条件が成立するまで、特定の演出が出現しにくくなる制御、または特定の演出を出現させない制御を行うようにしてもよい。
【0277】
特定の演出としては、例えば、内部抽選の結果を示唆する演出などが挙げられる。具体的には、スイカ、弱チェリー、強チェリーなどのレアリティの高い当選態様を得た場合に、液晶ディスプレイLCDに、レアリティの高い当選態様が当選したことを示唆する画像を表示したり、台枠ランプALをレアリティの高い当選態様に対応する色で点灯させたりする演出が相当する。また特定の演出が出現しにくくなる制御や特定の演出を出現させない制御としては、演出を選択するためのテーブルを変更するなどして実現することができる。また解除条件としては、遊技回数、所定の内部抽選の結果を得ること、解除抽選を行って解除抽選に当選すること、など任意に設定することができる。
【0278】
ここで、有利区間において内部抽選でレアリティの高い当選態様を得た場合に、指示機能に係る処理において有利に扱われる仕様において、レアリティの高い当選態様を得た場合に、その旨を把握できる特定の演出が、遊技開始操作の検出から第1停止操作の検出までの間に実行される場合を想定する。この場合、特定の演出が発生しない場合には、レアリティの高い当選態様である可能性が低いためメダルの獲得期待値が高い変則打順で停止操作を行い、特定の演出が発生した場合には、レアリティの高い当選態様である可能性が高いため推奨打順で停止操作を行うという攻略要素が存在してしまう。
【0279】
これに対して、メダルの獲得期待値が高い変則打順で停止操作が行われた場合に所定の解除条件を満たすまで特定の演出の出現が制限される制御(出現頻度が下がる制御、または出現しない制御)を採用することによって、攻略性の高い遊技手順を抑止することができる。なお特定の演出の出現を制限する制御を行うか否かの判断は、打順ベルの当選時にだけ行ってもよいし、打順ベルおよび打順ベル以外の当選時において行うようにしてもよい。すなわち変則打順で停止操作が行われると指示機能に係る処理に関して有利度合いの調整が行われる当選態様を得た場合にだけ特定の演出の実行を制限する制御を行うか否かの判断を行ってもよいし、変則打順で停止操作を行っても指示機能に係る処理に関する有利度合いに影響がない当選態様を得た場合にも特定の演出の実行を制限する制御を行うか否かの判断を行うようにしてもよい。
【0280】
また上記実施形態では、上部前面扉UDまたは下部前面扉DD(前扉の一例)と、外周面に複数種類の図柄が配列された第1リールR1~第3リールR3(複数のリールの一例)と、遊技を開始させる操作に用いられるスタートレバーSLと、設定変更キーシリンダ(設定値に係る操作手段の一例)と、遊技の進行を制御するメイン基板10(制御手段の一例)と、を備え、メイン基板10は、スタートレバーSLの操作に基づき役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段(遊技制御手段の一例)と、複数の設定値の間で設定値を変更する設定変更処理を実行可能な設定変更手段と、を備え、遊技の開始に必要な規定数のメダル(遊技価値)が投入された状態、または内部抽選の結果リプレイに当選したことに基づきメダルが自動投入された状態を特定状態とすると、特定状態において、上部前面扉UDまたは下部前面扉DDが開放され、スタートレバーSLが操作されておらず、かつ設定変更キーシリンダがOFFとなっている状態(設定変更許可スイッチの信号状態がオフ状態)で、スタートレバーSLが操作された場合(第1の場合)には、遊技が開始され(遊技が進行し)、特定状態において、上部前面扉UDまたは下部前面扉DDが開放され、スタートレバーSLが操作されていない状態で、設定変更キーシリンダがOFFからON(設定変更許可スイッチの信号状態がオフ状態からオン状態)とされ、設定変更キーシリンダがONとなっている状態で、スタートレバーSLが操作され、スタートレバーSLが操作されている状態で設定変更キーシリンダOFFとされた場合(第2の場合)には、遊技が開始されない(遊技が進行しない)ようにしてもよい。
【0281】
この例では、第1の場合は、設定変更キーシリンダがOFFの状態でスタートレバーSLが操作されていることから、当該スタートレバーSLの操作が、遊技の開始を意図しない操作(誤操作)である可能性が低いが、第2の場合は、設定変更キーシリンダをONとしている状態でスタートレバーSLの操作が開始され、そのスタートレバーが操作された状態で、設定変更キーシリンダがOFFとされることから(すなわち遊技モードへ移行させる前にスタートレバーSLの操作が開始されていることから)、当該スタートレバーSLの操作が、遊技の開始を意図しない操作(誤操作)である可能性が高い。そして第1の場合は遊技を開始させる一方で、第2の場合は遊技を開始させないため、意図しない操作や誤った操作に基づき遊技が開始されてしまうのを抑制する(防ぐ)ことができる。これにより、遊技機の商品性を高めることができる。仮に意図しない操作に基づき開始された遊技において内部抽選の結果が不当選であった場合、所定数のメダルが消費されてしまうこととなるが、この例によれば、かかるメダルが消費されてしまうリスクを低減できる。
【0282】
また上記実施形態では、図22(A)および図22(B)に示す例において精算ボタンB4に対する操作が開始されてから精算処理の終了後所定時間(例えば、0.5秒)が経過するまでの間、投入不許可状態に制御する場合を例に取り説明したが、精算ボタンB4に対する操作が開始されてから少なくとも精算処理が終了するまでの間、投入不許可状態に制御すればよく、精算処理が終了すると即座に投入許可状態に制御するようにしてもよい。
【0283】
また上記実施形態では、図21(A)に示す例において精算ボタンB4に対する短押し操作が行われている間、スタートレバーSLに対する操作およびベットボタンB0に対する操作についてもブロッカー355の挙動に合わせて無効化する場合を例に取り説明したが、必ずしも無効化しなくてもよく一方または両方の操作について有効化してもよい。
【0284】
また上記実施形態では、精算ボタンB4に対する無効な操作が行われた場合には精算処理を行わない場合を例に取り説明したが、0枚のメダルを精算する精算処理を行うようにしてもよい。この場合には、精算操作無効状態において精算ボタンB4に対する長押し操作または特定長押し操作が行われた場合に、当該操作をメダルの精算に関して有効な操作と判定し、0枚のメダルを精算する精算処理を行うようにしてもよい。
【0285】
また上記実施形態では、投入許可状態では、遊技機にメダルがクレジット記憶されていることを条件としてベットボタンB0に対する操作を有効な状態とする場合を例に取り説明したが、投入許可状態では、メダルがクレジット記憶されているか否かに関わらずにベットボタンB0に対する操作を有効な状態とするようにしてもよい。この場合には、投入許可状態においてメダルがクレジット記憶されていない状態でベットボタンB0に対する操作が行われた場合には、メダルがクレジット記憶されていないことに基づいて当該操作を無効な操作として扱うようにしてもよいし、有効な操作として扱ってクレジット記憶されている0枚のメダルを投入状態に設定する処理(メダル投入処理およびクレジット減算処理)を行うようにしてもよい。
【0286】
また上記実施形態では、精算操作無効状態かつ投入許可状態において精算ボタンB4に対する操作が開始されると投入不許可状態に制御する場合を例に取り説明したが、精算操作無効状態かつ投入許可状態において精算ボタンB4に対する操作が開始されても投入不許可状態に制御しないようにしてもよい(投入許可状態を維持する制御を行うようにしてもよい)。すなわち精算操作有効状態(精算許可状態)では、精算ボタンB4に対する操作が開始されると投入不許可状態(第2状態)に制御し、メダルの精算が終了すると精算ボタンB4が押下状態(精算ボタンB4に対する操作を実行中)であっても投入許可状態(第1状態)し、精算操作無効状態(非精算許可状態)では、精算ボタンB4に対する操作が開始されても投入不許可状態に制御しないようにしてもよい。
【0287】
このようにしても上記実施形態と同様の作用効果を有し、精算操作無効状態では精算ボタンB4に対する操作が開始されても投入不許可状態に制御しないため、メダルの投入を可能とすることができ、メダルの投入に関する操作性の向上を図ることができる。
【0288】
また上記実施形態では、図22(A)および図22(B)に示す例において精算処理の開始および終了のタイミングで監視タイマー199の計測値を初期値「0」に初期化(リセット)する場合を例に取り説明したが、ブロッカー355が不許可位置から許可位置に変位したタイミングで監視タイマー199の計測値を初期値「0」に初期化(リセット)するようにしてもよい。この場合には、精算処理の開始および終了のうち一方または両方のタイミングでも監視タイマー199の計測値を初期値「0」に初期化するようにしてもよいし初期化しないようにしてもよい。またこの場合には、ブロッカー355が許可位置から不許可位置に変位したことを通知する信号やブロッカー355が不許可位置から許可位置に変位したことを通知する信号をメイン基板10からサブ基板20に出力し、当該信号に基づいて監視タイマー199を初期化するようにしてもよい。
【0289】
また上記実施形態では、精算処理では、クレジット記憶されているメダルおよび投入状態に設定されているメダルを精算する場合を例に取り説明したが、メダルがクレジット記憶および投入状態に設定されている場合には、精算ボタンB4に対する1回の有効な操作に基づく精算処理では、投入状態に設定されているメダルのみを精算し、投入状態に設定されているメダルがない場合に、クレジット記憶されているメダルを精算するようにしてもよい。この場合にも上記実施形態の発明を適用することができる。
【0290】
また上記実施形態では、非遊技中においてメニューボタンB6および十字キーB7に対する操作を有効化し、遊技中はメニューボタンB6および十字キーB7に対する操作を無効化する場合を例に取り説明したが、遊技中もメニューボタンB6および十字キーB7に対する操作を有効化するようにしてもよい。このようにすれば、遊技中に音量や光量などを変更することができるようになる。またこの例では、音量や光量の変更という頻繁に行われ易い操作(十字キーB7に対する操作)をしただけでは監視タイマー199の計測値を初期値「0」に初期化(リセット)しないため、遊技の途中でデモ画面を見たい遊技者に対して無駄な待ち時間を与えないようにすることができ、遊技意欲をできるだけ損なわないようにすることができる。
【0291】
また上記実施形態では、音量や光量を変更する場合にメニュー画面400から音量設定画面410や光量設定画面430に移行させる場合を例の取り説明したが、メニュー画面400を経由することなく音量や光量を変更可能としてもよい。例えば、遊技中もメニューボタンB6および十字キーB7に対する操作を有効化し、遊技中に上ボタンB7Aまたは下ボタンB7Bに対する操作が行われた場合に音量を変更するとともに音量バー画像420を表示させることによって現在の音量を表示し、遊技中に左ボタンB7Cまたは右ボタンB7Dに対する操作が行われた場合に光量を変更するとともに光量バー画像440を表示させことによって現在の光量を表示するようにしてもよい。同様に、非遊技中における遊技演出(遊技画面)または待機演出(デモ画面)の実行中に上ボタンB7Aまたは下ボタンB7Bに対する操作が行われた場合に音量を変更するとともに音量バー画像420を表示させることによって現在の音量を表示し、非遊技中における遊技演出(遊技画面)または待機演出(デモ画面)の実行中に左ボタンB7Cまたは右ボタンB7Dに対する操作が行われた場合に光量を変更するとともに光量バー画像440を表示させことによって現在の光量を表示するようにしてもよい。
【0292】
また上記実施形態では、所定状況下で所定時間(例えば、60秒)にわたって遊技が継続して行われなかった場合に待機演出に移行させる場合を例に取り説明したが、精算ボタンB4に対する有効な操作が行われた場合にも待機演出(デモ画面)に移行させるようにしてもよいし、精算ボタンB4に対する有効な操作に伴う払出処理(精算処理)が終了した場合に待機演出(デモ画面)に移行させるようにしてもよい。
【0293】
また上記実施形態では、遊技機の電源が投入されている間は監視タイマー199を常に作動させる場合を例に取り説明したが、監視タイマー199による計時を中断させるまたは監視タイマー199を停止させる場合があってもよい。例えば、上部前面扉UDまたは下部前面扉DDが開かれたことをドアセンサ260が検出した場合に監視タイマー199による計時を中断し、開放状態の上部前面扉UDまたは下部前面扉DDが閉じられたことをドアセンサ260が検出した場合に、中断した監視タイマー199による計時を再開するようにしてもよい。すなわち上部前面扉UDまたは下部前面扉DDの開放に伴うドア開放エラー中(エラー状態中)は監視タイマー199による計時を一旦停止するようにしてもよい。このようにすれば、上部前面扉UDまたは下部前面扉DDの開放中に待機演出が開始されることを防ぐことができる。ここで、上部前面扉UDまたは下部前面扉DDの開放中に待機演出が開始されると上部前面扉UDまたは下部前面扉DDの開閉の前後で異なる演出が実行されることとなり違和感を与えるおそれがあるが、本変形例によれば、上部前面扉UDまたは下部前面扉DDの開閉の前後で異なる演出が実行されることによる違和感を与えないようにすることができる。
【0294】
また例えば、1回の遊技に関する処理が全て終了したことを契機として監視タイマー199を作動させ、メダルが投入状態に設定されたことを契機として監視タイマー199を停止させるようにしてもよい。このようにすれば、メダルが投入状態に設定されてない遊技状況において待機演出に移行させ、メダルが投入状態に設定されている遊技状況では待機演出に移行させないようにすることができる。
【0295】
また例えば、メニュー画面に移行させるために遊技演出(遊技画面)または待機演出(デモ画面)の実行中にメニューボタンB6に対する有効な操作が行われると、監視タイマー199の計測値を初期値「0」に初期化(リセット)して監視タイマー199による計時を一旦停止し、遊技演出に復帰させるためにメニュー表示中にメニューボタンB6に対する有効な操作が行われると、初期化(リセット)された監視タイマー199による計時を再開する(やり直す)ようにしてもよい。
【0296】
また上記実施形態では、メイン基板10からの信号が入力される毎に監視タイマー199による計時をリセットする場合を例に取り説明したが、上部前面扉UDまたは下部前面扉DDが開放された場合または開放状態の上部前面扉UDまたは下部前面扉DDが閉じられた場合には監視タイマー199による計時をリセットしないようにしてもよい。
【0297】
また上記実施形態では、演出ボタンB5に対する有効な操作が行われた場合に限り監視タイマー199による計時をリセットし、無効な操作が行われた場合には監視タイマー199による計時をリセットしない場合を例に取り説明したが、演出ボタンB5に対する無効な操作が行われた場合にも監視タイマー199による計時をリセットするようにしてもよい。すなわち演出ボタンスイッチ270からの信号が入力される毎に監視タイマー199による計時をリセットするようにしてもよい。
【0298】
また上記実施形態では、十字キーB7に対する有効な操作が行われた場合も無効な操作が行われた場合も監視タイマー199による計時をリセットしない場合を例に取り説明したが、十字キーB7に対する有効な操作が行われた場合に限り監視タイマー199による計時をリセットし、無効な操作が行われた場合には監視タイマー199による計時をリセットしないようにしてもよい。
【0299】
また上記実施形態では、待機演出に移行すると、演出ボタンB5に対する操作を有効する場合を例に取り説明したが、演出ボタンB5に対する操作を有効化しなくてもよく、有効であるか否かに関わらずに演出ボタンスイッチ270からの信号が入力された場合に待機演出を解除するようにしてもよい。
【0300】
また上記実施形態では、待機演出が終了すると、遊技演出に復帰させる場合を例に取り説明したが、待機演出への移行に伴い実行中の遊技演出を中断し、待機演出から遊技演出に復帰すると、中断した遊技演出を再開するようにしてもよい。
【0301】
また上記実施形態では、いずれかのリールが回転している状況で監視タイマー199が所定時間(例えば、60秒)を計時した場合に、待機演出に替えてリール停止警告演出を実行させるようにしてもよい。この場合には、リール停止警告演出の実行とともに、スピーカの音量を消音に制御したり、スピーカの音量を低下させる制御を行うようにしてもよい。
【0302】
また上記実施形態では、演出ボタンB5を設け、演出ボタンB5に対する操作によって待機演出を終了可能とする場合を例に取り説明したが、演出ボタンB5は必ずしも設けなくてもよい。
【0303】
また上記実施形態の発明は、有体物としてのメダル(遊技価値)を用いて遊技を行うスロットマシンに限られるものではなく、有体物としてのメダルを用いずに電子的情報である電子メダル(遊技価値)を遊技媒体として用いて遊技を行う遊技機であるスマートパチスロ(登録商標)や遊技球(パチンコ玉)を用いて遊技を行う遊技機(弾球遊技機、スマートパチンコ(登録商標))などにも適用することができる。
【0304】
スマートパチスロでは、メイン基板10は、外部ユニットとしてのメダル貸出機(図示省略)と双方向通信可能に接続され、メダル貸出機から貸し出された電子的情報である電子メダルをクレジット記憶手段191のクレジット記憶領域においてクレジット記憶し、クレジット記憶されている電子メダルをベットボタンB0の操作によりベットして遊技を行い、遊技の結果に応じて払い出されるメダルを全てクレジット記憶することによって電子メダルを付与する。このためスマートパチスロでは、メダル投入口MI、メダルセレクタ350(ブロッカー355、通過検知センサ356、および投入検知センサ357)、ホッパーユニットHPなどは必要とされない。またスマートパチスロでは、例えば、16383枚の電子メダルをクレジット記憶可能に設定され、5桁の数字を表示可能な遊技メダル数表示装置が設けられ、電子メダルのクレジット数は遊技メダル数表示装置に表示される。
【0305】
またスマートパチスロでは、精算ボタンB4に対する操作が有効化された状態において精算ボタンB4に対する操作が行われると、精算処理では、リプレイが作動していない場合に、投入状態に設定されている電子メダルを全てクレジットに戻す処理を行う。
【0306】
そしてスマートパチスロでは、ブロッカー355および通過検知センサ356が存在しないため、投入許可状態では、ベットボタンB0に対する操作を有効な状態とし、投入不許可状態では、ベットボタンB0に対する操作を無効な状態とすることができる。
【符号の説明】
【0307】
BX 収納箱、UD 上部前面扉、DD 下部前面扉、DW 表示窓、
L1 有効ライン、DS 遊技情報表示部、LCD 液晶ディスプレイ、
AL 台枠ランプ、R1 第1リール、R2 第2リール、R3 第3リール、
SL スタートレバー、B0 ベットボタン、B1~B3 ストップボタン、
B4 精算ボタン、B5 演出ボタン、B6 メニューボタン、B7十字キー、
B7A 上ボタン、B7B 下ボタン、B7C 左ボタン、B7D 右ボタン、
MI メダル投入口、MO メダル払い出し口、MP メダル受け皿、
10 メイン基板、20 サブ基板、
103 設定変更手段、
105 投入受付手段、110 乱数発生手段、120 内部抽選手段、
130 リール制御手段、140 入賞判定手段、150 払出制御手段、
160 リプレイ処理手段、179 通信制御手段、180 演出制御手段、
190M メインメモリ、190S サブメモリ、
191 クレジット記憶手段、192 ベット数記憶手段、
193 第1ATゲーム数カウンタ、194 天井カウンタ、
195 第1クリアカウンタ、196 第2クリアカウンタ、
197 第2ATゲーム数カウンタ、198 メインテーブル記憶手段、
199 監視タイマー、200 抽選フラグ記憶手段、201 状態記憶手段、
202 演出データ記憶手段、203 サブテーブル記憶手段、
205 設定値記憶手段、
220 ベットスイッチ、230 スタートスイッチ、240 ストップスイッチ、
250 精算スイッチ、260 ドアセンサ、262 設定変更許可スイッチ、
264 設定変更スイッチ、270 演出ボタンスイッチ、
280 メニューボタンスイッチ、
290A 上ボタンスイッチ、290B 下ボタンスイッチ、
290C 左ボタンスイッチ、290D 右ボタンスイッチ、
310 リールユニット、
320 ホッパーユニット、325 払出メダル検出スイッチ、
330 演出表示装置、340 音響装置、
350 メダルセレクタ、355 ブロッカー、
356 通過検知センサ、357 投入検知センサ、
400 メニュー画面、410 音量設定画面、420 音量バー画像、
430 光量設定画面、440 光量バー画像、
BL リールバックライト、
図1
図2
図3
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