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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161768
(43)【公開日】2024-11-20
(54)【発明の名称】端子ユニット
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/52 20060101AFI20241113BHJP
【FI】
H01R13/52 301B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076780
(22)【出願日】2023-05-08
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(72)【発明者】
【氏名】田中 泰弘
(72)【発明者】
【氏名】蔦川 友佑
(72)【発明者】
【氏名】▲徳▼本 光希
(72)【発明者】
【氏名】中野 克哉
(72)【発明者】
【氏名】久保 考広
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087EE06
5E087FF02
5E087GG02
5E087LL04
5E087LL13
5E087MM09
5E087MM12
5E087QQ04
5E087RR12
(57)【要約】
【課題】シール部材が脱落してしまうことを抑制しつつ、小型化を図ることが可能な端子ユニットを提供する。
【解決手段】端子ユニット20は、ハウジング40とバスバ50とシール部材60とを備えている。ここで、ハウジング40のハウジング本体41は、相手側ハウジング11に形成された位置決め凹部112に挿入され得る位置決めピン412と、シール部材60を係止する係止部4122と、を備えている。また、シール部材60は、相手側嵌合部11aの周囲111をシールすることが可能な本体部61と、本体部61に連設されて、係止部4122に係止される被係止部62と、を備えている。そして、位置決めピン412の根元側に係止部4122が形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手側端子ユニットが備える相手側ハウジングに形成された相手側嵌合部に一部を嵌合させた状態で、前記相手側ハウジングに取り付けることが可能な端子ユニットであって、
前記相手側ハウジングに取り付けられるハウジングと、
前記ハウジングに保持されるバスバと、
前記ハウジングに取り付けられて、前記ハウジングと前記相手側ハウジングとの間をシールするシール部材と、
を備え、
前記ハウジングは、
前記相手側ハウジングに取り付けられるハウジング本体と、
前記ハウジング本体に連設されて、前記バスバを収容した状態で前記相手側嵌合部に嵌合され得るバスバ収納部と、
を備え、
前記ハウジング本体は、
前記相手側ハウジングに形成された位置決め凹部に挿入され得る位置決めピンと、
前記シール部材を係止する係止部と、
を備え、
前記シール部材は、
前記相手側嵌合部の周囲をシールすることが可能な本体部と、
前記本体部に連設されて、前記係止部に係止される被係止部と、
を備え、
前記位置決めピンの根元側に前記係止部が形成されている、
端子ユニット。
【請求項2】
前記被係止部は、前記位置決めピンに先端から挿入されて前記係止部に係止される係止孔であり、
前記係止孔の内径が前記係止部の外径よりも小径である、
請求項1に記載の端子ユニット。
【請求項3】
前記ハウジング本体は、一対の前記位置決めピンと、一対の前記位置決めピンのそれぞれの根元側に形成された一対の前記係止部と、を備え、
前記シール部材は、一対の前記係止部にそれぞれ係止される一対の前記被係止部を備えている、
請求項1または請求項2に記載の端子ユニット。
【請求項4】
一対の前記係止部及び一対の前記被係止部は、前記ハウジング及び前記シール部材を前記位置決めピンが突出する方向を軸にして180度回転させた際に同じ位置となるように形成されている、
請求項1または請求項2に記載の端子ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来の端子ユニットとしては、特許文献1に開示されたものが提案されている。この特許文献1には、自動車に搭載される機器ボックスの壁部に取り付けられるハウジングを備える端子台(端子ユニット)が開示されており、このハウジングには位置決めピンが設けられている。そして、ハウジングを機器ボックスの壁部に取り付ける際に、機器ボックスの壁部に形成された位置決め凹部に位置決めピンが挿入されるようにしている。こうすることで、ハウジングを機器ボックスの壁部に取り付ける際に、ハウジングが位置ずれしてしまうことを抑制できるようにしている。
【0003】
さらに、特許文献1に開示の端子台は、端子台と機器ボックスの壁部との間をシールするシール部材としてのOリングを備えており、このOリングが端子台の樹脂ハウジングに保持されるようにしている。このとき、Oリングに形成された被係止部が樹脂ハウジングに形成されたOリング係止部に係止されるようにしている。こうすることで、Oリングがハウジングから脱落してしまうことを抑制できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-178696号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、シール部材が脱落してしまうことを抑制することが可能な端子ユニットにおいては、より小型化を図れるようにするのが好ましい。
【0006】
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、シール部材が脱落してしまうことを抑制しつつ、小型化を図ることが可能な端子ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様に係る端子ユニットは、相手側端子ユニットが備える相手側ハウジングに形成された相手側嵌合部に一部を嵌合させた状態で、前記相手側ハウジングに取り付けることが可能な端子ユニットであって、前記相手側ハウジングに取り付けられるハウジングと、前記ハウジングに保持されるバスバと、前記ハウジングに取り付けられて、前記ハウジングと前記相手側ハウジングとの間をシールするシール部材と、を備え、前記ハウジングは、前記相手側ハウジングに取り付けられるハウジング本体と、前記ハウジング本体に連設されて、前記バスバを収容した状態で前記相手側嵌合部に嵌合され得るバスバ収納部と、を備え、前記ハウジング本体は、前記相手側ハウジングに形成された位置決め凹部に挿入され得る位置決めピンと、前記シール部材を係止する係止部と、を備え、前記シール部材は、前記相手側嵌合部の周囲をシールすることが可能な本体部と、前記本体部に連設されて、前記係止部に係止される被係止部と、を備え、前記位置決めピンの根元側に前記係止部が形成されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、シール部材が脱落してしまうことを抑制しつつ、小型化を図ることが可能な端子ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係る端子ユニットの一例と相手側端子ユニットの一例を示す斜視図である。
図2】一実施形態に係る端子ユニットの一例を示す分解斜視図である。
図3】一実施形態に係る端子ユニットの一例を示す図であって、第1のシール部材を取り付ける前の状態を示す斜視図である。
図4】一実施形態に係る樹脂ハウジングの係止部を拡大して示す斜視図である。
図5】一実施形態に係る樹脂ハウジングの係止部に第1のシール部材を取り付けた状態を拡大して示す正面図である。
図6】一実施形態に係る樹脂ハウジングの係止部および第1のシール部材の形状を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて本実施形態に係る端子ユニットについて詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。
【0011】
以下では、端子ユニットとして、機器本体が収容される機器ボックスの壁部に取り付けられる端子台を例示する。この端子台は、車載機器の一部を構成しており、ワイヤハーネス等の外部接続端子を機器本体に電気的に接続する際に用いられるものである。
【0012】
本実施形態に係る端子台(端子ユニット)20は、機器ボックス(相手側端子ユニット)10が備える壁部(相手側ハウジング)11に取り付けることができるように構成されている。具体的には、端子台(端子ユニット)20は、端子台(端子ユニット)20の一部を壁部(相手側ハウジング)11に形成された挿通孔(相手側嵌合部)11aに嵌合させた状態で、壁部(相手側ハウジング)11に取り付けられるように構成されている。
【0013】
本実施形態では、機器ボックス10は、図1に示すように、端子台20を固定する壁部11と、端子台20を組み付けるための挿通孔11aと、端子台20が備える位置決めピン412が挿入される位置決め凹部112と、を備えている。
【0014】
一方、端子台20は、壁部11に取り付けられる樹脂製のハウジング40と、ハウジング40に保持されるバスバ50と、ハウジング40に取り付けられて、ハウジング40と壁部11との間をシールする第1のOリング(シール部材)60と、を備えている。
【0015】
そして、ハウジング40にバスバ50を保持することでバスバ付ハウジング30が形成されるようにしている。本実施形態では、ハウジング40とバスバ50とをインサート成形することで、バスバ付ハウジング30を形成している。このように、本実施形態では、バスバ付ハウジング30は、インサート成形品となっている。
【0016】
また、端子台20は、図2に示すように、楕円形のドーナツ形状を有する第1のOリング(シール部材)60と、楕円形のドーナツ形状を有し、第1のOリング60よりも小さく設定した第2のOリング70と、を備えている。ここで、第1のOリング60及び第2のOリング70は、ゴムなどの弾性材料を用いて形成されている。そして、第1のOリング60は、ハウジング40に取り付けられており、ハウジング40を壁部11に取り付けた際に、ハウジング40と壁部11との間に形成される隙間をシールするシール部材としての機能を有している。一方、第2のOリング70は、バスバ50に取り付けられており、ハウジング40とバスバ50との間に形成される空間S1をシールするシール部材としての機能を有している。
【0017】
また、端子台20は、バスバ50の先端(一端)に取り付けられる樹脂製のホルダ80を備えており、このホルダ80によって、第2のOリング70のバスバ50からの抜けが抑制されるようにしている。
【0018】
ハウジング40は、壁部11に固定されるハウジング本体41と、ハウジング本体41に一体成形されて挿通孔11a内に挿通嵌合されるバスバ収納部42と、を備えている。
【0019】
また、ハウジング本体41の一端側(壁部11と対向する側)には、第1のOリング60が収容されるシール部材収容溝411と、バスバ50の先端側(壁部11側)に向けて突出する一対の位置決めピン412と、が形成されている。さらに、ハウジング本体41には、端子台20を機器ボックス10に取り付けるためのボルトが挿入固定されるボルト固定孔413が形成されている。このように、一対の位置決めピン412を設けるようにすれば、ハウジング本体41を壁部11に取り付ける際に、ハウジング本体41が回転してしまうことを抑制することができるようになる。
【0020】
バスバ収納部42は、ハウジング本体41におけるシール部材収容溝411の内側からバスバ50の先端側(壁部11側)に向けて突出するように形成されており、略筒状をしている。そして、バスバ付ハウジング30を形成した際に、バスバ50の一部がこのバスバ収納部42内に収容されるようにしている。本実施形態では、バスバ50の一端側(先端側)及び他端側(根元側)を露出させた状態で、バスバ50の中央部がバスバ収納部42内に収容されるようにしている。そして、このようなバスバ付ハウジング30を形成し、バスバ収納部42を先端側から挿通孔11aに挿通嵌合させることで、バスバ50の一端側が機器ボックス10内に挿入されるようにしている。こうすることで、機器ボックス10内の図示省略した接続部材に電気的に接続させることができるようにしている。
【0021】
なお、バスバ収納部42には、ホルダ80の係止突起82が係止される係止孔421と、ホルダ80の係合突起83が係合される係合凹部422とが形成されている。そして、係止突起82を係止孔421に係止しつつ、係合突起83を係合凹部422に係合させることで、ホルダ80がバスバ収納部42に取り付けられるようにしている。
【0022】
バスバ50は、金属等の導電性を有する材料を用いて形成されており、略板状をしている。本実施形態では、バスバ50は、図3に示すように、一端側(先端側)に形成されて、機器ボックス10内の図示省略した接続部材に電気的に接続することが可能な第1の端子接続部51を備えている。また、第1の端子接続部51には、バスバ50の板厚方向に貫通する挿通孔51aが形成されている。そして、図示せぬボルトをこの挿通孔51aに挿通することで、第1の端子接続部51と機器ボックス10内の接続部材とが電気的に接続されるようにしている。
【0023】
また、バスバ50は、他端側(根元側)に形成されて、外部接続端子に電気的に接続することが可能な第2の端子接続部52を備えており、この第2の端子接続部52には、バスバ50の板厚方向に貫通する挿通孔52aが形成されている。そして、図示せぬボルトをこの挿通孔52aに挿通することで、第2の端子接続部52と外部接続端子とが電気的に接続されるようにしている。
【0024】
さらに、本実施形態では、バスバ50は、第1の端子接続部51と第2の端子接続部52とを連結する連結部53を備えており、バスバ付ハウジング30を形成した際に、この連結部53がバスバ収納部42内に収容されるようにしている。
【0025】
この連結部53の幅方向の両側の側面50bには、幅方向の内側に凹むように段差部531が形成されており、バスバ50の段差部531が形成された部位に第2のOリング(シール部材)70を保持する保持部5311が形成されている。そして、バスバ付ハウジング30を形成しつつ、第2のOリング(シール部材)70を保持部5311で保持することで、バスバ収納部42とバスバ50との間に形成される空間S1が第2のOリング(シール部材)70によってシールされるようにしている。
【0026】
ここで、本実施形態では、ハウジング本体41に第1のOリング(シール部材)60を保持することが可能な係止部4122を設け、第1のOリング(シール部材)60に係止部4122に係止される被係止部62を設けるようにしている。こうすることで、第1のOリング(シール部材)60が、ハウジング本体41から外れてしまうことを抑制できるようにしている。
【0027】
具体的には、第1のOリング(シール部材)60が、楕円形のドーナツ形状を有する本体部61と、本体部61に連設されて係止部4122に係止される被係止部62と、を備えるようにしている。そして、ハウジング40を壁部11に取り付けた際に、本体部61が壁部11の外側(端子台20側)における挿通孔11aの周囲111に圧縮された状態で当接するようにしている。このとき、挿通孔11aの全周を囲うようにした状態で本体部61を壁部11に当接させるようにしている。こうすることで、ハウジング本体41と壁部11との間の隙間から挿通孔11a内に水等の液体が浸入しないようにしている。
【0028】
このように、本実施形態では、ハウジング本体41と壁部11との間が本体部61によってシールされるようにしている。
【0029】
さらに、本実施形態では、図4及び図5に示すように、位置決めピン412の根元側に係止部4122が形成されるようにしている。すなわち、位置決めピン412が、先端側に形成された位置決め部4121と、位置決め部4121の根元側に形成された係止部4122と、を備えるようにしている。
【0030】
このように、本実施形態では、位置決めピン412としての機能を有する位置決め部4121と、第1のOリング(シール部材)60の被係止部62が係止される係止部4122とが、同軸上に位置するようにしている。こうすることで、ハウジング本体41における位置決めピン412が形成された部位とは異なる場所に、第1のOリング(シール部材)60の被係止部62が係止される係止部を設ける必要がなくなるようにしている。そして、ハウジング本体41が大型化してしまうことを抑制できるようにしている。
【0031】
このように、本実施形態では、位置決め部4121と係止部4122とを同軸上に位置させることで、第1のOリング(シール部材)60のハウジング本体41からの脱落を抑制しつつ、ハウジング本体41の小型化を図ることができるようにしている。
【0032】
さらに、本実施形態では、一対の位置決めピン412のそれぞれの根元側に係止部4122を形成している。そして、第1のOリング(シール部材)60の本体部61に連設された一対の被係止部62が、各位置決めピン412に形成された係止部4122に係止されるようにしている。こうすることで、一対の被係止部62によって、第1のOリング(シール部材)60がハウジング本体41に取り付けられるようにし、第1のOリング(シール部材)60がハウジング本体41に対して回転してしまうことを抑制できるようにしている。
【0033】
また、本実施形態では、一対の係止部4122が位置決め部4121よりも大径の円柱状をしており、一対の被係止部62が略円環状の係止孔621となっている。そして、自然状態における係止孔621の内径D2が、係止部4122の外径D1よりも小径となるようにしている。こうすることで、係止孔621を拡径させた状態で被係止部62が係止部4122に係止されるようにしている。こうすれば、被係止部62の弾性復元力によって被係止部62を係止部4122に係止させることができるため、係止孔621を係止部4122に、より強固に係止させることができるようになる。その結果、第1のOリング(シール部材)60がハウジング本体41から外れてしまうことを、より確実に抑制することができるようになる。
【0034】
なお、本実施形態では、一対の位置決め部4121のうちの一方の位置決め部4121の形状が楕円柱状をしており、他方の位置決め部4121の形状が円柱状をしている。このように、一対の位置決め部4121の形状を異ならせるようにすることで、位置決め部4121の位置決め凹部112への誤挿入が防止されるようにしている。
【0035】
また、本実施形態では、一対の係止部4122及び一対の被係止部62は、左右で高さが異なるように(左右非対称の形状となるように)形成されている。
【0036】
そして、一対の係止部4122及び一対の被係止部62が、ハウジング40及び第1のOリング(シール部材)60を位置決めピン412が突出する方向を軸にして180度回転させた際に同じ位置となるようにしている。すなわち、図6に示すように、ハウジング40を位置決めピン412が突出する方向を軸にして180度回転させた際に、回転前の一方の係止部4122の位置に、他方の係止部4122が位置するようにしている。そして、回転前の他方の係止部4122の位置に、一方の係止部4122が位置するようにしている。同様に、第1のOリング(シール部材)60を位置決めピン412が突出する方向を軸にして180度回転させた際に、回転前の一方の被係止部62の位置に、他方の被係止部62が位置するようにしている。そして、回転前の他方の被係止部62の位置に、一方の被係止部62が位置するようにしている。
【0037】
こうすることで、左右非対称となるように一対の係止部4122及び一対の被係止部62を形成した場合であっても、左右を反転させた2つの向きで第1のOリング(シール部材)60をハウジング本体41に取り付けることができるようにしている。こうすれば、第1のOリング(シール部材)60のハウジング本体41への取り付けを、より容易に行うことができるようになる。
【0038】
また、ホルダ80は、バスバ収納部42の開口を塞ぐように取り付けられるホルダ本体81と、係止孔421に係止される係止突起82と、係合凹部422に係合される係合突起83と、を備えている。また、ホルダ本体81には、バスバ50の先端部が挿通される挿通孔811が形成されており、この挿通孔811にバスバ50の先端部を挿通させた状態で、ホルダ本体81がバスバ収納部42の先端に取り付けられるようになっている。
【0039】
[作用・効果]
以下では、上記実施形態で示した端子ユニットの特徴的構成及びそれにより得られる効果を説明する。
【0040】
上記実施形態で示した端子台(端子ユニット)20は、機器ボックス(相手側端子ユニット)10が備える壁部(相手側ハウジング)11に取り付けることが可能なものである。このとき、端子台(端子ユニット)20は、端子台(端子ユニット)20の一部を壁部(相手側ハウジング)11に形成された挿通孔(相手側嵌合部)11aに嵌合させた状態で、壁部(相手側ハウジング)11に取り付けられるように構成されている。
【0041】
この端子台(端子ユニット)20は、壁部(相手側ハウジング)11に取り付けられるハウジング40と、ハウジング40に保持されるバスバ50と、を備えている。また、端子台(端子ユニット)20は、ハウジング40に取り付けられて、ハウジング40と壁部(相手側ハウジング)11との間をシールする第1のOリング(シール部材)60を備えている。
【0042】
また、ハウジング40は、壁部(相手側ハウジング)11に取り付けられるハウジング本体41と、ハウジング本体41に連設されて、バスバ50を収容した状態で挿通孔(相手側嵌合部)11aに嵌合され得るバスバ収納部42と、を備えている。
【0043】
ここで、ハウジング本体41は、壁部(相手側ハウジング)11に形成された位置決め凹部112に挿入され得る位置決めピン412と、第1のOリング(シール部材)60を係止する係止部4122と、を備えている。
【0044】
一方、第1のOリング(シール部材)60は、挿通孔(相手側嵌合部)11aの周囲111をシールすることが可能な本体部61と、本体部61に連設されて、係止部4122に係止される被係止部62と、を備えている。
【0045】
そして、位置決めピン412の根元側に係止部4122が形成されている。
【0046】
このように、上記実施形態で示した端子台(端子ユニット)20では、ハウジング本体41が係止部4122を備えるようにしつつ、第1のOリング(シール部材)60が、係止部4122に係止される被係止部62を備えるようにしている。こうすれば、第1のOリング(シール部材)60がハウジング本体41から脱落してしまうことをより確実に抑制することができるようになる。
【0047】
さらに、上記実施形態で示した端子台(端子ユニット)20では、位置決めピン412と、第1のOリング(シール部材)60の被係止部62が係止される係止部4122とが、同軸上に位置するようにしている。
【0048】
こうすれば、ハウジング本体41における位置決めピン412が形成された部位とは異なる場所に、第1のOリング(シール部材)60の被係止部62が係止される係止部を設ける必要がなくなる。その結果、ハウジング本体41が大型化してしまうことを抑制することが可能になる。
【0049】
したがって、上記実施形態で示した端子ユニット20とすれば、第1のOリング(シール部材)60がハウジング本体41から脱落してしまうことを抑制しつつ、ハウジング本体41の小型化を図ることができるようになる。
【0050】
また、被係止部62が、位置決めピン412に先端から挿入されて係止部4122に係止される係止孔621であってもよい。そして、係止孔621の内径D2が係止部4122の外径D1よりも小径であってもよい。
【0051】
こうすれば、係止孔621を係止部4122に、より強固に係止させることができるようになるため、第1のOリング(シール部材)60がハウジング本体41から外れてしまうことを、より確実に抑制することができるようになる。また、係止孔621が位置決めピン412に先端から挿入されて係止部4122に係止される構成とすれば、位置決めピン412の形状に影響されることなく係止部4122の形状を自由に設定する(例えば、半円形や四角形状等とする)ことができるようになる。
【0052】
また、ハウジング本体41が、一対の位置決めピン412と、一対の位置決めピン412のそれぞれの根元側に形成された一対の係止部4122と、を備えるようにしてもよい。そして、第1のOリング(シール部材)60が、一対の係止部4122にそれぞれ係止される一対の被係止部62を備えていてもよい。
【0053】
こうすれば、ハウジング本体41を壁部(相手側ハウジング)11に取り付ける際に、ハウジング本体41が回転してしまうことを抑制することができるようになる。また、一対の被係止部62によって、第1のOリング(シール部材)60がハウジング本体41に取り付けられるようにしているため、第1のOリング(シール部材)60がハウジング本体41に対して回転してしまうことを抑制することも可能になる。
【0054】
また、一対の係止部4122及び一対の被係止部62が、ハウジング40及び第1のOリング(シール部材)60を位置決めピン412が突出する方向を軸にして180度回転させた際に同じ位置となるように形成されていてもよい。
【0055】
こうすれば、左右非対称となるように一対の係止部4122及び一対の被係止部62を形成した場合であっても、左右を反転させた2つの向きで第1のOリング(シール部材)60をハウジング本体41に取り付けることができるようになる。そのため、第1のOリング(シール部材)60のハウジング本体41への取り付けを、より容易に行うことができるようになる。
【0056】
[その他]
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
【0057】
例えば、上記実施形態では、端子ユニットとして端子台20を例示したが、相手側コネクタの嵌合部に一部を嵌合させた状態で相手側コネクタのハウジングに取り付けられるコネクタに本発明を適用することも可能である。
【0058】
また、バスバやハウジング、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)を適宜に変更することが可能である。
【符号の説明】
【0059】
10 機器ボックス(相手側端子ユニット)
11 壁部(相手側ハウジング)
11a 挿通孔(相手側嵌合部)
111 周囲
112 位置決め凹部
20 端子台(端子ユニット)
40 樹脂ハウジング
41 ハウジング本体
412 位置決めピン
4122 係止部
42 バスバ収納部
50 バスバ
60 第1のOリング(シール部材)
61 本体部
62 被係止部
621 係止孔
D1 係止部の外径
D2 被係止部の内径
図1
図2
図3
図4
図5
図6