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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161795
(43)【公開日】2024-11-20
(54)【発明の名称】掘削作業完了判定システム
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/26 20060101AFI20241113BHJP
【FI】
E02F9/26 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076824
(22)【出願日】2023-05-08
(71)【出願人】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】川本 真大
(72)【発明者】
【氏名】南條 孝夫
(72)【発明者】
【氏名】島津 泰彦
(72)【発明者】
【氏名】岸 啓
(72)【発明者】
【氏名】坂本 郁弥
【テーマコード(参考)】
2D015
【Fターム(参考)】
2D015HA03
2D015HB01
(57)【要約】
【課題】目標面での掘削作業が完了したか否かを判定する。
【解決手段】掘削作業完了判定システム1は、アタッチメント15と、荷重センサ23と、コントローラ50と、を備える。アタッチメント15は、作業機械10に設けられ、掘削対象物Oを掘削する掘削作業を行う。荷重センサ23は、アタッチメント15に作用する荷重を検出する。コントローラ50は、掘削対象物Oの目標面Sを設定する。コントローラ50は、目標面Sに沿ってアタッチメント15が移動したときに荷重センサ23に検出された荷重(L)と、コントローラ50に設定された荷重閾値Lthと、の比較に基づいて、目標面Sでの掘削作業が完了したか否かを判定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械に設けられ、掘削対象物を掘削する掘削作業を行うアタッチメントと、
前記アタッチメントに作用する荷重を検出する荷重センサと、
コントローラと、
を備え、
前記コントローラは、
前記掘削対象物の目標面を設定し、
前記目標面に沿って前記アタッチメントが移動したときに前記荷重センサに検出された荷重と、前記コントローラに設定された荷重閾値と、の比較に基づいて、前記目標面での前記掘削作業が完了したか否かを判定する、
掘削作業完了判定システム。
【請求項2】
請求項1に記載の掘削作業完了判定システムであって、
前記掘削作業が完了したか否かの判定結果の情報を作業者に通知する出力装置を備える、
掘削作業完了判定システム。
【請求項3】
請求項2に記載の掘削作業完了判定システムであって、
前記出力装置は、前記掘削作業が完了したと判定された領域を表示する、
掘削作業完了判定システム。
【請求項4】
請求項3に記載の掘削作業完了判定システムであって、
前記出力装置は、前記掘削作業が完了したと判定された領域と、前記掘削作業が完了していないと判定された領域と、を区別可能に表示する、
掘削作業完了判定システム。
【請求項5】
請求項2に記載の掘削作業完了判定システムであって、
前記出力装置は、前記アタッチメントが前記目標面に沿って移動したときの前記アタッチメントの軌跡を表示する、
掘削作業完了判定システム。
【請求項6】
請求項1に記載の掘削作業完了判定システムであって、
前記コントローラは、前記作業機械の作動を制御可能に構成され、前記掘削作業が完了したと判定した領域への前記アタッチメントの進入を制限する、
掘削作業完了判定システム。
【請求項7】
請求項6に記載の掘削作業完了判定システムであって、
前記コントローラは、前記作業機械を自動運転可能に構成され、前記掘削作業が完了していないと判定した領域で、前記アタッチメントに前記掘削作業を自動的に行わせる、
掘削作業完了判定システム。
【請求項8】
請求項1に記載の掘削作業完了判定システムであって、
前記コントローラは、複数段階の前記目標面を設定し、複数段階の前記目標面ごとに、前記目標面での前記掘削作業が完了したか否かを判定する、
掘削作業完了判定システム。
【請求項9】
請求項1に記載の掘削作業完了判定システムであって、
前記コントローラは、前記掘削作業が完了したか否かの判定結果に基づいて、前記掘削作業の進捗度を算出する、
掘削作業完了判定システム。
【請求項10】
請求項1に記載の掘削作業完了判定システムであって、
前記コントローラは、前記掘削作業が完了したか否かの判定結果を含む情報を、前記作業機械の外部に設けられる外部装置に送信する、
掘削作業完了判定システム。
【請求項11】
請求項1に記載の掘削作業完了判定システムであって、
前記コントローラは、
前記掘削作業が完了したか否かの判定結果に基づいて、前記掘削作業の進捗度を算出し、
前記進捗度の情報を、前記作業機械の外部に設けられる外部装置に送信する、
掘削作業完了判定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掘削作業が完了したか否かを判定する掘削作業完了判定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に、作業を行うアタッチメント(同文献ではバケットの爪先)の軌跡線を表示する発明が記載されている(特許文献1の要約を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-186210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
同文献に記載の技術では、アタッチメントの軌跡線が表示されるが、アタッチメントが通った位置の掘削対象物が実際に掘削されたか否かを判定することはできない。
【0005】
そこで、本発明は、目標面での掘削作業が完了したか否かの判定を行うことができる、掘削作業完了判定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
掘削作業完了判定システムは、アタッチメントと、荷重センサと、コントローラと、を備える。前記アタッチメントは、作業機械に設けられ、掘削対象物を掘削する掘削作業を行う。前記荷重センサは、前記アタッチメントに作用する荷重を検出する。前記コントローラは、前記掘削対象物の目標面を設定する。前記コントローラは、前記目標面に沿って前記アタッチメントが移動したときに前記荷重センサに検出された荷重と、前記コントローラに設定された荷重閾値と、の比較に基づいて、前記目標面での前記掘削作業が完了したか否かを判定する。
【発明の効果】
【0007】
上記の掘削作業完了判定システムにより、目標面での掘削作業が完了したか否かの判定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】掘削作業完了判定システム1の作業機械10を横から見た図である。
図2図1に示す作業機械10を上から見た図である。
図3図1に示す掘削作業完了判定システム1のブロック図である。
図4図3に示すコントローラ50の処理のフローチャートである。
図5図3に示すコントローラ50による掘削作業完了判定の具体例を示す説明図である。
図6図3に示す出力装置60による、掘削作業完了領域Aaおよび非掘削作業完了領域Abの表示を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1図6を参照して、掘削作業完了判定システム1について説明する。
【0010】
掘削作業完了判定システム1は、掘削作業(施工)が完了したか否かを判定するシステムである。図1に示すように、掘削作業完了判定システム1は、作業機械10と、入力装置31(図3参照)と、コントローラ50と、出力装置60(図3参照)と、外部装置70と、を備える。
【0011】
作業機械10は、作業を行う機械であり、掘削作業(後述)を行う機械である。作業機械10は、例えば建設作業を行う建設機械であり、例えばショベルである。作業機械10は、運転室13a(後述)内の作業者(操作者)により操作されてもよく、作業機械10の外部(遠隔操作装置)から作業者に遠隔操作されてもよく、自動運転されてもよい(詳細は後述)。作業機械10は、機械本体10aと、アタッチメント15と、図3に示すように、アクチュエータ17と、駆動制御部19と、姿勢センサ21と、荷重センサ23と、を備える。
【0012】
機械本体10aは、図1に示すように、作業機械10の本体部分である。機械本体10aは、下部走行体11と、上部旋回体13と、を備える。下部走行体11は、走行面(地面など)を走行可能である。下部走行体11は、クローラを備えてもよく、ホイールを備えてもよい。上部旋回体13は、下部走行体11に旋回可能に搭載される。上部旋回体13は、運転室13aを備える。運転室13aは、作業者(オペレータ)が作業機械10を操作することが可能な部分である。
【0013】
(方向)
下部走行体11に対する上部旋回体13の旋回の回転軸が延びる方向を、「上下方向」とする。上部旋回体13に対してアタッチメント15が突出する側を、前後方向Xの奥側X1とし、奥側X1とは反対側を前後方向Xの手前側X2とする。下部走行体11に対する上部旋回体13の旋回の方向を「旋回方向」とする。
【0014】
アタッチメント15は、作業を行う部分であり、例えば、ブーム15aと、アーム15bと、バケット15cと、を備える。ブーム15aは、上部旋回体13に起伏可能(上下方向に回転可能)に取り付けられる。アーム15bは、ブーム15aに回転可能(前後方向Xおよび上下方向に回転可能)に取り付けられる。バケット15cは、アタッチメント15の先端部に設けられる先端アタッチメントである。バケット15cは、アーム15bに回転可能(前後方向Xおよび上下方向に回転可能)に取り付けられる。バケット15cは、掘削対象物Oを掘削可能である。バケット15cは、掘削対象物Oをすくうことが可能な容器状である。掘削対象物Oは、土状、粒状、チップ状、粉状などである。具体的には例えば、掘削対象物Oは、土砂である。バケット15cの先端部を、バケット先端部15ctとする。バケット先端部15ctは、バケット15cの、アーム15bに取り付けられている側の端部(基端部)とは反対側の端部である。
【0015】
アクチュエータ17(図3参照)は、作業機械10を駆動させる(動かす)装置である。アクチュエータ17は、油圧により駆動してもよく(油圧式でもよく)、電力により駆動してもよい(電動式でもよい)。アクチュエータ17は、モータを備えてもよく、伸縮可能なシリンダを備えてもよい。具体的には、アクチュエータ17は、下部走行体11を走行させる走行モータ(図示なし)と、下部走行体11に対して上部旋回体13を旋回させる旋回モータ(図示なし)と、を備える。また、アクチュエータ17は、アタッチメント15の各部(ブーム15a、アーム15b、およびバケット15c)を駆動するシリンダ(図示なし)を備える。
【0016】
駆動制御部19(図3参照)は、アクチュエータ17(図3参照)を制御する。駆動制御部19は、油圧式のアクチュエータ17を制御する油圧回路を備えてもよい。この油圧回路は、例えば、電磁バルブユニットなどを備えてもよい。駆動制御部19は、電動式のアクチュエータ17を制御する電気回路を備えてもよい。
【0017】
姿勢センサ21(図3参照)は、作業機械10の姿勢を検出する。姿勢センサ21は、作業機械10が作業を行う作業現場に対する作業機械10の位置および向きを検出する。この場合、姿勢センサ21は、光や電波を用いた測位システムにより検出を行ってもよい。例えば、測位システムは、衛星測位システムでもよく、例えばGNSS(global navigation satellite system)でもよく、衛星を用いない(地上の)発信機と受信機とを用いたシステムでもよい。例えば、測位システムは、トータルステーションを用いたものでもよい。姿勢センサ21は、水平面に対する作業機械10の傾きを検出する。姿勢センサ21は、下部走行体11に対する上部旋回体13の旋回角度を検出する。姿勢センサ21は、上部旋回体13に対するブーム15aの角度を検出する。姿勢センサ21は、アタッチメント15の姿勢を検出する。さらに詳しくは、姿勢センサ21は、ブーム15aに対するアーム15bの角度を検出する。姿勢センサ21は、アーム15bに対するバケット15cの角度を検出する。姿勢センサ21は、角度を検出するセンサ(例えばロータリエンコーダなど)を備えてもよく、水平方向に対する傾斜を検出するセンサを備えてもよい。姿勢センサ21は、光(例えばレーザ光など)を用いて角度や位置を検出するセンサを備えてもよい。姿勢センサ21は、アタッチメント15を駆動するシリンダ(アクチュエータ17(図3参照)の一例)のストロークを検出するセンサを備えてもよい。姿勢センサ21の少なくとも一部は、作業機械10の外部に設けられてもよい。例えば、作業機械10が浚渫船に載せられる場合、浚渫船の位置および向きを検出するセンサは、姿勢センサ21に含まれてもよい。この場合、浚渫船の位置および向きに基づいて、作業機械10の位置および向きが算出されてもよい。
【0018】
荷重センサ23(図3参照)は、アタッチメント15に作用する荷重(負荷)を検出する。荷重センサ23は、バケット15cに作用する荷重を検出する。荷重センサ23は、アクチュエータ17(具体的にはシリンダ)に作用する荷重に基づいて、アタッチメント15に作用する荷重を検出してもよい。荷重センサ23は、アタッチメント15の歪み(変形)、または、シリンダの歪みなどに基づいて、アタッチメント15に作用する荷重を検出してもよい。荷重センサ23は、バケット15c内の掘削対象物Oの質量を検出する機能(ペイロード機能)を利用したものでもよい。
【0019】
入力装置31(図3参照)は、作業者が情報を入力するための装置である。入力装置31は、作業者の操作に基づいて、コントローラ50に指示を行う。入力装置31が作業機械10に設けられる場合は、入力装置31は、例えば運転室13a内に設けられる装置(例えばクラスタゲージなど)でもよい(出力装置60(図3参照)も同様)。入力装置31は、タブレットでもよく、スマートフォンでもよく、パーソナルコンピュータでもよい(出力装置60も同様)。入力装置31は、作業機械10の外部の装置(例えば、外部装置70など)に設けられてもよい(出力装置60も同様)。
【0020】
コントローラ50は、信号の入出力、演算(処理)、情報の記憶などを行うコンピュータである。例えば、コントローラ50の機能は、コントローラ50の記憶部に記憶されたプログラムが演算部で実行されることにより実現される。コントローラ50と他の機器とは、無線通信により接続されてもよく、有線通信により接続されてもよい。例えば、図3に示すように、コントローラ50には、姿勢センサ21、荷重センサ23、および入力装置31から信号が入力される。例えば、コントローラ50は、掘削作業が完了したか否かの判定などの演算を行う。例えば、コントローラ50は、作業機械10を作動させるための指令を駆動制御部19に出力する。例えば、コントローラ50は、出力装置60および外部装置70に信号を出力する。例えば、コントローラ50は、作業範囲設定部51と、目標面設定部52と、掘削作業完了判定部53と、指令部54と、進捗度算出部55と、送信部56と、を備える。
【0021】
作業範囲設定部51は、作業範囲A(図2参照)(施工エリア)を設定する。作業範囲設定部51の機能の詳細は後述する(コントローラ50の他の機能についても同様)。目標面設定部52は、掘削対象物Oの目標面S(図1参照)を設定する。掘削作業完了判定部53は、目標面Sでの掘削作業が完了したか否かを判定する(掘削作業完了判定を行う)。進捗度算出部55は、掘削作業の進捗度を算出する。指令部54は、作業機械10(図1参照)の作動を指令(制御)する。指令部54は、作業機械10の自動運転の制御を行うことが可能でもよい。送信部56は、コントローラ50の外部に情報を送信する。
【0022】
出力装置60は、情報を出力する装置である。出力装置60は、コントローラ50から出力された信号に基づいて、情報を出力する。出力装置60は、掘削作業完了判定の判定結果など(詳細は後述)を出力する。出力装置60は、掘削作業完了判定以外の情報を出力する装置と兼用されてもよく、兼用されなくてもよい。例えば、上記「掘削作業完了判定以外の情報を出力する装置」は、バケット15c(図1参照)に作用する荷重を表示するバケット荷重表示モニタでもよい。出力装置60は、作業者に対して情報を出力する。出力装置60は、光(表示など)を出力してもよく、音声を出力してもよい。出力装置60は、例えば運転室13a(図1参照)内に設けられる表示器などでもよい。出力装置60が光を出力する場合、出力装置60は、映像および画像の少なくともいずれかを表示する装置(モニタ)でもよい。出力装置60は、地面などの物体に投影を行う投影装置でもよい。出力装置60は、VR(Virtual Reality;仮想現実)やAR(Augmented Reality;拡張現実)の技術を利用した装置でもよい。
【0023】
外部装置70は、図1に示すように、作業機械10の外部に設けられる装置である。外部装置70は、例えば、サーバでもよく、タブレットでもよく、スマートフォンでもよく、パーソナルコンピュータでもよい。具体的には例えば、外部装置70は、作業機械10の作業(掘削作業を含む作業)を管理する管理システムでもよい。この場合、外部装置70は、1台の作業機械10の作業を管理してもよく、複数台の作業機械10の作業を管理してもよく、作業機械10が作業を行う作業現場全体での作業を管理してもよい。
【0024】
(作動)
掘削作業完了判定システム1は、以下のように作動するように構成される。以下では、作業機械10については主に図1を参照し、コントローラ50については主に図3を参照して説明する。
【0025】
(作業機械10の作動)
上記のように、図1に示す作業機械10は、運転室13a内の作業者により操作されてもよく、作業機械10の外部(遠隔操作装置)から作業者に遠隔操作されてもよく、自動運転されてもよい。
【0026】
作業機械10は、ICT(Information and Communication Technology)を利用したもの(例えばICT建機)でもよい。例えば、作業機械10は、マシンコントロール(MC;Machine Control system)により作動してもよい。具体的には、作業機械10が行う作業の目標を示す情報(作業計画)が、コントローラ50に設定される。そして、作業者は、アタッチメント15の一部の要素のみ(例えばアーム15bのみなど)を操作する。このとき、コントローラ50(指令部54(図3参照))は、作業計画に従って作業機械10が作業するように、作業者に操作されていない要素(例えば、ブーム15a、バケット15c)を自動的に制御する。このとき、コントローラ50は、姿勢センサ21(図3参照)の検出値に基づいて、作業機械10の作動を制御する(自動運転の場合も同様)。また、コントローラ50は、駆動制御部19(図3参照)に指令を出力することで、作業機械10の作動を制御する(自動運転の場合も同様)。また、例えば、作業機械10は、自動運転により作動してもよい。この場合、コントローラ50(指令部54)は、作業計画に従って作業機械10が自動的に作業するように、作業機械10の作動を制御する。
【0027】
(作業機械10による掘削作業)
作業機械10は、掘削作業を行う。掘削作業は、掘削対象物Oを掘削する作業である。掘削作業は、アタッチメント15により行われ、さらに詳しくは、バケット15cにより行われる。掘削作業は、陸上の掘削対象物Oを掘削する作業でもよく、水底の掘削対象物Oを掘削する作業(浚渫作業)でもよい。
【0028】
(コントローラ50などの作動)
図4に示すフローチャートを参照して、図3に示すコントローラ50による制御(制御方法、制御フロー)などについて説明する。なお、以下の各処理(各ステップ)の手順は一例であり、各処理の手順は様々に変更されてもよい。以下では、各ステップについては、図4を参照して説明する。
【0029】
(掘削作業の設定)
ステップS11では、コントローラ50(作業範囲設定部51)は、作業範囲A(図2参照)を設定する。作業範囲Aは、作業機械10が掘削作業を行う範囲であって目標とする範囲である。作業範囲Aは、アタッチメント15が掘削作業を行う範囲であって目標とする範囲(アタッチメント作業範囲)である。例えば、作業範囲Aは、作業機械10(図2参照)がアイドリング中である時などに設定される。
【0030】
[作業範囲Aの設定方法の例1]コントローラ50は、作業者による入力装置31の手動操作に基づいて、作業範囲A(図2参照)を設定してもよい。この場合、作業者は、入力装置31の、キー操作またはタッチ操作などの操作により、作業範囲Aを設定してもよい。また、例えば、作業者は、ティーチングにより作業範囲Aを設定してもよい。ティーチングは、次のように行われる。作業者が作業機械10に搭乗して、または遠隔操作により、作業機械10を操作する。作業者は、作業機械10を操作することで、作業範囲Aとして設定したい範囲の特定の位置(例えば作業範囲Aの外周や角となる位置など)に、アタッチメント15の特定部位を配置する。アタッチメント15の特定部位は、例えば、図1に示すバケット先端部15ctなどである。図3に示すコントローラ50は、姿勢センサ21の検出結果に基づいて、特定部位が配置された位置を算出する。そして、コントローラ50は、特定部位が配置された位置に基づいて、作業範囲A(図2参照)を設定する。[作業範囲Aの設定方法の例2]なお、コントローラ50は、何らかの条件に応じて、作業範囲A(図2参照)を自動的に設定してもよい。例えば、コントローラ50は、図1に示す作業機械10の周囲の掘削対象物Oの状況などに応じて、作業範囲A(図2参照)を自動的に設定してもよい。
【0031】
ステップS12では、図3に示すコントローラ50(目標面設定部52)は、図1に示す目標面Sを設定する。目標面Sは、掘削作業における目標とする面であって、掘削対象物Oの目標とする面である。目標面Sは、掘削対象物Oの目標とする深さ(掘削目標深さ)の面である。目標面Sは、掘削作業が完了したか否かを判定するための基準となる面(基準面)である。
【0032】
目標面Sは、掘削作業が開始される前の掘削対象物Oの高さ以下の位置に設定される。[目標面Sの高さの例1]掘削作業完了後の掘削対象物Oの上面が、目標面Sと同じ高さ、または、目標面Sよりも下になることが、掘削作業の目標とされてもよい。例えば、目標面Sは、掘削対象物Oの目標とする面の深さの最小値でもよい。[目標面Sの高さの例2]掘削作業完了後の掘削対象物Oの上面が、目標面Sと同じ高さになることが、掘削作業の目標とされてもよい。例えば、目標面Sは、掘削対象物Oの目標とする深さ(高さ)(施工設計面、施工計画面)でもよい。
【0033】
目標面Sは、例えば平面状でもよい。目標面Sは、例えば水平面でもよい。この場合、目標面Sの情報は、深さの情報(目標深さ)のみを有してもよい。目標面Sは、水平面に対して傾いた平面でもよい。目標面Sは、平面状でなくてもよい。目標面Sは、曲面を有してもよく、段差を有してもよく、凹凸を有してもよい。
【0034】
目標面Sは、1段階(1面)のみ設定されてもよく、複数段階(複数面)設定されてもよい。目標面Sが複数段階設定される場合、掘削作業の途中段階での目標面S(例えば作業途中目標深さ)と、掘削作業の最終段階での目標面S(最終目標面)(例えば最終目標深さ)と、が設定される。掘削作業の途中段階での目標面Sは、1段階のみ設定されてもよく、複数段階設定されてもよい。
【0035】
[目標面Sの設定方法の例1]図3に示すコントローラ50は、作業者による入力装置31の手動操作に基づいて、目標面S(図1参照)を設定してもよい。この場合、作業者は、入力装置31のキー操作またはタッチ操作などにより、目標面Sを設定してもよい。具体的には例えば、作業者は、入力装置31で、目標面Sの深さの値を設定してもよい。[目標面Sの設定方法の例2]コントローラ50は、何らかの条件に基づいて自動的に目標面Sを設定してもよい。[目標面Sの設定方法の例2a]例えば、コントローラ50は、掘削作業の作業計画に基づいて、目標面Sを設定してもよい。[目標面Sの設定方法の例2b]目標面Sが複数段階設定される場合、コントローラ50は、次のように目標面Sを設定してもよい。例えば、コントローラ50は、ある段階の目標面Sで掘削作業が完了したと判定したときに、掘削作業が完了した段階の目標面Sよりも1段階だけ深い面(例えば目標面Sの候補となる面)を、新たな目標面Sとして設定してもよい。この場合、コントローラ50は、最終段階の目標面Sに近づけるように、目標面Sを自動的に段階的に設定する。[目標面Sの設定方法の例2c]例えば、コントローラ50は、掘削作業が開始される前の掘削対象物Oの表面の位置(高さ)などに基づいて、目標面Sを自動的に設定してもよい。
【0036】
作業範囲A(図2参照)および目標面S(図1参照)の設定の後、コントローラ50は、掘削作業が開始される条件が満たされたか否かを判定する(例えば、ステップS21およびステップS22)。
【0037】
ステップS21では、図3に示すコントローラ50は、掘削作業を開始することが、入力装置31により作業者に指示されたか否かを判定する。例えば、コントローラ50は、掘削作業開始スイッチ(入力装置31の一例)がONか否かを判定する。掘削作業の開始が作業者に指示された場合(ステップS21でYESの場合)、コントローラ50の処理のフローは、ステップS22に進む。掘削作業の開始が作業者に指示されていない場合(ステップS21でNOの場合)、コントローラ50は、掘削作業の開始が作業者に指示されるまで待機する(フローはステップS21に戻る)。
【0038】
ステップS22では、コントローラ50は、掘削作業に必要な設定が完了したか否かを判定する。具体的には、コントローラ50は、作業範囲A(図2参照)および目標面S(図1参照)の設定が完了したか否かを判定する。掘削作業に必要な設定が完了した場合(ステップS22でYESの場合)、フローはステップS31に進む。
【0039】
掘削作業に必要な設定が完了していない場合(ステップS22でNOの場合)、フローはステップS23に進む。この場合、出力装置60は、掘削作業に必要な設定が完了していないこと(エラー)を作業者に通知する。具体的には例えば、出力装置60は、未設定の項目があることを通知してもよく、どの項目が未設定であるかを通知してもよい。この場合、コントローラ50は、今回の処理を終了し(フローは「リターン」に進み)、次回の処理を開始する(フローは「スタート」に戻る)。そして、次回の処理において、未設定の項目を設定する処理(ステップS11またはステップS12)が行われる。
【0040】
なお、掘削作業が開始される条件が満たされたか否かの判定(例えばステップS21およびステップS22)は、様々に行うことが可能である。例えば、作業機械10(図1参照)が自動運転する場合などに、コントローラ50が自動的に(作業者が操作することなく)、掘削作業の開始を決定してもよい。
【0041】
掘削作業が開始される条件が満たされた場合、図1に示す作業機械10は、手動操作または自動運転により、掘削作業を行う。掘削作業では、アタッチメント15(さらに詳しくは、バケット15c)は、掘削対象物Oを掘削する。具体的には、1サイクルの掘削動作において、バケット15cが奥側X1から手前側X2に移動しながら、バケット15cが掘削対象物Oを掘削する。掘削作業では、掘削動作が1サイクルのみ行われてもよく、複数サイクル行われてもよい。例えば、掘削作業では、目標面Sよりも上の位置(高い位置、浅い位置)で、1または複数サイクルの掘削動作が行われた後、目標面Sと同じ高さまたは目標面Sよりも下の位置(低い位置、深い位置)で、1または複数サイクルの掘削動作が行われてもよい。
【0042】
ステップS31では、図3に示すコントローラ50は、掘削作業または判定動作(後述)が行われた位置を記憶する。具体的には、コントローラ50は、掘削作業または判定動作において、図1に示すアタッチメント15が通った経路(すなわち軌跡T)を記憶する。さらに詳しくは、コントローラ50は、バケット先端部15ct(作業部位、特定部位)の軌跡T(バケット爪先軌跡履歴情報)を記憶する。このとき、コントローラ50は、姿勢センサ21(図3参照)の検出結果に基づいて、バケット先端部15ctの位置を算出し、バケット先端部15ctの軌跡Tを記憶する。
【0043】
ステップS32では、コントローラ50は、アタッチメント15(バケット15c)に作用する荷重を取得する。具体的には、コントローラ50は、図3に示す荷重センサ23の検出結果を取得する。
【0044】
ステップS33では、コントローラ50は、掘削作業が行われた位置が、目標面S(図1参照)に達したか否かを判定する。例えば、コントローラ50は、掘削作業が行われた位置が、目標面Sと同じ高さ以下の高さであるか否かを判定する。掘削作業が行われた位置が目標面Sに達した場合(ステップS33でYESの場合)、フローはステップS41に進む。
【0045】
上記「掘削作業が行われた位置」は、例えば、掘削作業においてバケット先端部15ctが通った位置(軌跡Tの位置)である。「掘削作業が行われた位置」は、実際にバケット先端部15ctが通った位置でもよい。具体的には例えば、「掘削作業が行われた位置」は、姿勢センサ21の検出結果に基づいてコントローラ50が算出した、バケット先端部15ctの位置でもよい。また、作業計画に従って作業機械10が作動する場合、作業計画として設定された情報におけるバケット先端部15ctの目標位置が、掘削作業の進行に伴って変えられていく。このとき、「掘削作業が行われた位置」は、作業計画として設定された情報におけるバケット先端部15ctの目標位置でもよい。
【0046】
掘削作業が行われた位置が目標面S(図1参照)に達していない場合(ステップS33でNOの場合)、掘削作業は、掘削作業完了判定(ステップS41)を行う段階まで進んでいない。この場合、コントローラ50は、掘削作業が行われた位置が目標面Sに達していない領域を、掘削作業完了判定(ステップS41)の判定対象外としてもよい(図5参照)。この場合、フローは「リターン」に戻り、「スタート」に戻る。この場合、作業範囲A(図2参照)の設定(ステップS11)および目標面S(図1参照)の設定(ステップS12)は完了しており、掘削作業が開始される条件が満たされている(ステップS21およびステップS22でYESとなる)ことが想定される。よって、コントローラ50は、ステップS31、ステップS32、およびステップS33の処理を継続して行う。
【0047】
(掘削作業完了判定を行う理由)
ここで、図1に示す掘削作業が行われた位置(具体的には軌跡T)が、目標面Sに達しても、目標面Sの掘削対象物Oが無くなっているとは限らない。例えば、掘削作業中にバケット15cから掘削対象物Oがこぼれた場合などに、目標面Sに掘削対象物Oが残る場合がある。また、例えば、掘削作業が行われた位置の周囲の掘削対象物Oが、自重によって崩れた場合などに、目標面Sに掘削対象物Oが残る場合がある。また、掘削作業が行われた位置の周囲の掘削対象物Oが、周囲からの影響(例えば水流や風など)を受けて崩れた場合などに、目標面Sに掘削対象物Oが残る場合がある。
【0048】
目標面Sの掘削対象物Oが無くなっているか否かを、作業者などが確認することが不可能または困難となる場合がある。例えば、運転室13a内の作業者が、目標面Sの掘削対象物Oを直接目視することが不可能または困難な場合がある。具体的には、運転室13a内の作業者から見たときに、目標面Sの掘削対象物Oが、物体(例えば、地形、水、作業機械10の一部など)に遮られる場合などがある。具体的には例えば、掘削作業が浚渫である場合などには、運転室13a内の作業者から見たときに、目標面Sの掘削対象物Oが、地形または水に遮られる場合がある。また、例えば、作業機械10が遠隔操作される場合は、作業機械10に取り付けられたカメラが撮像した映像が、遠隔操作装置のモニタに表示される。このカメラから見たときに、目標面Sの掘削対象物Oが、物体に遮られる場合などがある。また、作業機械10が自動運転される場合は、作業機械10の周囲の状況(地形など)を周囲センサ(例えば距離センサ)が検出する。この周囲センサから見たときに、目標面Sの掘削対象物Oが、物体に遮られる場合などがある。このように、目標面Sの掘削対象物Oが無くなっているか否かを、作業者などが確認することが不可能または困難となる場合がある。
【0049】
そこで、ステップS41では、図3に示すコントローラ50(掘削作業完了判定部53)は、目標面S(図1参照)での掘削作業が完了したか否かを判定する。この判定を、掘削作業完了判定ともいう。コントローラ50は、下記の検出荷重L(図5参照)と荷重閾値Lth(図5参照)との比較に基づいて、掘削作業完了判定を行う。掘削作業完了判定の詳細は、以下の通りである。
【0050】
(判定動作)
例えば、作業機械10は、目標面Sと同じ高さまたは目標面Sよりも下の位置で掘削作業を行い、その後、手動操作または自動運転により判定動作を行う。判定動作は、アタッチメント15が目標面Sに沿って移動する動作である。具体的には、判定動作は、バケット15cが目標面Sに沿って移動する動作であり、さらに詳しくは、バケット先端部15ctが目標面Sに沿って移動する動作である。以下では、判定動作において、バケット先端部15ctが目標面Sに沿って移動する場合について説明する。判定動作では、バケット先端部15ctは、目標面Sと一致するように移動してもよく(図1参照)、目標面Sと略一致するように目標面Sの近傍を移動してもよい(図5参照)。判定動作では、バケット先端部15ctは、この判定動作が行われる位置で行われた掘削作業(1サイクルの掘削動作)と同様または略同様に移動する。具体的には、判定動作では、バケット先端部15ctは、奥側X1から手前側X2に移動する。
【0051】
(検出荷重Lと荷重閾値Lthとの比較)
コントローラ50は、図5に示すように、検出荷重Lと荷重閾値Lthとの比較に基づいて、掘削作業完了判定を行う。検出荷重Lは、目標面Sに沿ってアタッチメント15が移動したときに(具体的には判定動作のときに)、荷重センサ23(図3参照)に検出された荷重である。荷重閾値Lthは、予め(掘削作業完了判定よりも前に)コントローラ50(図3参照)に設定された閾値である。掘削作業が完了したとコントローラ50に判定された範囲(位置の範囲)を、掘削作業完了領域Aaとする。掘削作業が完了していないとコントローラ50に判定された範囲(位置の範囲)を、非掘削作業完了領域Abとする。具体的には、コントローラ50は、検出荷重Lが荷重閾値Lth以下か否かを判定することで、掘削作業完了判定を行う。
【0052】
(掘削作業が完了したと判定される例)
検出荷重Lが荷重閾値Lth以下である場合(ステップS41でYESの場合)、コントローラ50(掘削作業完了判定部53)(図3参照)は、掘削作業が完了したと判定する(ステップS42)。掘削作業が完了したと判定される状況の具体例は、次の通りである。判定動作において、バケット先端部15ctが、目標面Sに沿ったある位置(「判定位置」という)を移動する。このときに、判定位置に掘削対象物Oが無い(または略無い)場合は、バケット15cは、掘削対象物Oに接触(掘削)することなく(またはほとんど接触することなく)、判定位置を通過する。この場合、バケット15cが掘削対象物Oを掘削する場合に比べ、アタッチメント15は軽い力で動き、アタッチメント15にかかる反力は小さくなる。このような場合に、検出荷重Lは、荷重閾値Lth以下となる(ステップS41でYESとなる)。このとき、コントローラ50(図3参照)は、この判定位置での掘削作業が完了したと判定する(ステップS42)。コントローラ50は、この判定位置を、掘削作業完了領域Aaと判定する。この場合、フローはステップS51に進む。
【0053】
(掘削作業が完了していないと判定される例)
検出荷重Lが荷重閾値Lthよりも大きい場合(ステップS41でNOの場合)、コントローラ50(掘削作業完了判定部53)(図3参照)は、掘削作業が完了していないと判定する。掘削作業が完了していないと判定される状況の具体例は、次の通りである。判定動作において、バケット先端部15ctが、目標面Sに沿ったある位置(判定位置)を移動する。このときに判定位置に掘削対象物Oが有る場合は、バケット15cは、掘削対象物Oに接触し、掘削対象物Oを掘削する。この場合、アタッチメント15が掘削対象物Oを掘削しない場合に比べ、アタッチメント15を動かすのに必要な力は大きくなり、アタッチメント15にかかる反力は大きくなる。このような場合に、検出荷重Lは、荷重閾値Lthよりも大きくなる(ステップS41でNOとなる)。この場合、コントローラ50は、この判定位置での掘削作業が完了していないと判定する。コントローラ50は、この判定位置を、非掘削作業完了領域Abと判定する。この場合、フローは「リターン」に戻り、「スタート」に戻る。この場合、掘削作業が続行され、コントローラ50は、ステップS31、ステップS32、およびステップS33の処理を継続して行う。
【0054】
図1に示すコントローラ50は、作業機械10が判定動作を行うのと同時に(リアルタイムで)、掘削作業完了判定を行うことが好ましい。なお、コントローラ50は、判定動作と同時に掘削作業完了判定を行わなくてもよい。例えば、コントローラ50は、1サイクルの判定動作が終わった後などに、この判定動作が行われた位置での掘削作業完了判定を行ってもよい。
【0055】
コントローラ50が掘削作業完了判定を行う位置の範囲(判定対象範囲)は、様々に設定可能である。
【0056】
[判定対象範囲の例1]コントローラ50は、作業ポイントごとに、掘削作業完了判定を行ってもよい(判定対象範囲は作業ポイントでもよい)。作業ポイントは、作業機械10が判定動作を行うときの、バケット先端部15ctの経路に沿って連続する各位置である。
【0057】
[判定対象範囲の例2]コントローラ50は、1サイクル作業範囲A1(図2参照)ごとに、掘削作業完了判定を行ってもよい(判定対象範囲は、1サイクル作業範囲A1でもよい)。1サイクル作業範囲A1は、次のような範囲である。上部旋回体13がある旋回方向を向き、バケット15cが奥側X1から手前側X2に1回移動することで、1サイクルの掘削動作が行われる。このバケット15cの1サイクルの掘削動作での、掘削作業が行われた位置(範囲)が、1サイクル作業範囲A1である。例えば、コントローラ50は、1サイクル作業範囲A1の全体で(1サイクル作業範囲A1内の全ての作業ポイントで)掘削作業が完了したか否かを判定してもよい。具体的には、コントローラ50は、1サイクル作業範囲A1の全体で、検出荷重Lが荷重閾値Lthよりも大きい場合に、「1サイクル作業範囲A1での掘削作業が完了した」と判定してもよい。この場合、掘削作業が完了したと判定された1サイクル作業範囲A1の全体が、掘削作業完了領域Aaとされてもよい。
【0058】
[判定対象範囲の例3]コントローラ50は、図2に示す作業範囲Aの全体で、掘削作業完了判定を行ってもよい(判定対象範囲は作業範囲Aの全体でもよい)。作業範囲Aは、ステップS11で設定された範囲である。作業範囲Aは、例えば、次のような範囲に設定される。例えば、この例では、上部旋回体13が旋回方向を変えながら、上記「1サイクル作業範囲A1」での掘削作業が繰り返される。このとき、上部旋回体13が各旋回方向を向いたときの「1サイクル作業範囲A1」を重ね合わせた範囲(またはこの範囲に近い範囲)が、作業範囲Aとして設定される。例えば、コントローラ50は、作業範囲Aの全体で(作業範囲A内の全ての作業ポイントで)、検出荷重Lが荷重閾値Lthよりも大きい場合に、「作業範囲Aの全体での掘削作業が完了した」と判定してもよい。
【0059】
なお、上記の判定対象範囲の各例が組み合わされてもよい。例えば、コントローラ50は、1サイクル作業範囲A1内の各作業ポイントで掘削作業が完了したか否かを判定し(図5参照)、さらに、1サイクル作業範囲A1内の全体での掘削作業が完了したか否かを判定してもよい。また、例えば、コントローラ50は、作業範囲A内の各作業ポイントで掘削作業が完了したか否かを判定し(図6参照)、さらに、作業範囲Aの全体での掘削作業が完了したか否かを判定してもよい。
【0060】
(複数段階の目標面S)
上記のように、図1に示す目標面Sは、複数段階設定されてもよい。この場合、コントローラ50は、複数段階の目標面Sごとに、目標面Sでの掘削作業が完了したか否かを判定する。具体的には例えば、ある段階の目標面Sを目標として、作業機械10が(アタッチメント15が、バケット15cが)掘削作業を行う。コントローラ50は、この段階の目標面Sで掘削作業完了判定を行う。この段階の目標面Sでの掘削作業が完了したとコントローラ50が判定した場合、コントローラ50(目標面設定部52(図3参照))は、掘削作業が完了した段階の目標面Sよりも1段階だけ深い目標面Sの候補を、新たな目標面Sとして設定する。そして、コントローラ50は、新たな目標面Sで掘削作業完了判定を行う。
【0061】
(進捗度の算出)
コントローラ50(進捗度算出部55(図3参照))は、掘削作業が完了したか否かの判定結果に基づいて、掘削作業の進捗度を算出する。
【0062】
進捗度は、数値でもよく、出力装置60(図3参照)での表示に関する情報などでもよい。具体的には例えば、進捗度は、掘削作業が行われるべき範囲(判定対象範囲)に対する、掘削作業完了領域Aa(図5図6参照)などの割合(比率)でもよい。進捗度は、掘削作業が行われるべき範囲(判定対象範囲)に対する、掘削作業完了領域Aaなどの割合を視覚的に示す表示(図6参照)に関する情報でもよい。
【0063】
コントローラ50は、1サイクル作業範囲A1(図2参照)に対する、掘削作業完了領域Aa(図6参照)の割合などを、進捗度として算出してもよい。コントローラ50は、作業範囲A(図2参照)全体に対する、掘削作業完了領域Aa(図6参照)の割合などを、進捗度として算出してもよい。コントローラ50は、作業範囲A全体に対する、掘削作業が完了した1サイクル作業範囲A1の割合などを、進捗度として算出してもよい。目標面Sが複数段階設定される場合、コントローラ50は、目標面Sの全段階の段階数に対する、掘削作業が完了した段階数の割合などを、進捗度として算出してもよい。
【0064】
作業範囲A(図6参照)は、複数設定されてもよい。作業範囲Aが複数設定される場合、コントローラ50は、複数の作業範囲A全体に対する、掘削作業完了領域Aa(図6参照)の割合を、進捗度として算出してもよい。作業機械10が複数台ある場合、コントローラ50は、複数台の作業機械10が作業する作業範囲Aの全体に対する、掘削作業完了領域Aaの割合を、進捗度として算出してもよい。コントローラ50は、作業機械10が作業を行う作業現場全体に対する、掘削作業完了領域Aaの割合を、進捗度として算出してもよい。
【0065】
(判定結果の出力)
ステップS51では、図3に示すコントローラ50(送信部56)は、出力装置60に出力を行わせる。出力装置60は、掘削作業が完了したか否かの(掘削作業完了判定の)判定結果の情報を作業者に通知する。出力装置60は、判定結果そのもの(すなわち掘削作業が完了したか否か)を出力してもよい。出力装置60は、判定結果に基づいて算出された情報(例えば進捗度など)を出力してもよい。判定結果に基づいて算出された情報は、上記「掘削作業が完了したか否かの判定結果の情報」に含まれる。出力装置60が、掘削作業が完了したか否かの判定結果の情報を作業者に通知するので、掘削作業が完了したか否かの判断を作業者が行う必要性が抑制される。また、掘削作業が完了したか否かを作業者が誤判断することが防止される。その結果、作業者の負担および作業効率が改善される。
【0066】
出力装置60による通知の具体例は、次の通りである。上記のように、出力装置60による通知は、光(表示を含む)による通知でも、音声による通知でもよい。以下では、出力装置60が表示による通知を行う場合について説明する。この場合、出力装置60は、例えばモニタなどである。
【0067】
出力装置60は、図6に示すように、掘削作業完了領域Aaを表示してもよい。この場合、作業者は、掘削作業完了領域Aaでの掘削作業を省くことが可能であることを把握できる。その結果、作業者が作業機械10を手動操作する場合に、作業者は、掘削作業完了領域Aaで掘削作業を行わないように作業機械10を操作することができる。
【0068】
出力装置60は、非掘削作業完了領域Abを表示してもよい。この場合、作業者が作業機械10を手動操作する場合に、作業者は、非掘削作業完了領域Abで掘削作業を行うように作業機械10を操作することができる。
【0069】
出力装置60は、掘削作業完了領域Aaと非掘削作業完了領域Abとを同時に表示してもよい。この場合、出力装置60は、掘削作業完了領域Aaと非掘削作業完了領域Abとを区別可能(作業者が区別可能)に表示することが好ましい。具体的には例えば、出力装置60は、掘削作業完了領域Aaと非掘削作業完了領域Abとで表示の態様(色など)を異ならせる。
【0070】
(判定結果以外の出力)
出力装置60は、掘削作業が完了したか否かの(掘削作業完了判定の)判定結果とは異なる情報を出力してもよい。例えば、出力装置60は、掘削作業に関する位置(範囲)を表示してもよい。例えば、出力装置60は、作業機械10に対する1サイクル作業範囲A1(図2参照)の相対位置を示す表示をしてもよく、作業機械10に対する作業範囲Aの相対位置を示す表示を表示してもよい。
【0071】
(掘削作業完了判定を行った位置などの表示)
出力装置60は、コントローラ50が掘削作業完了判定を行った位置(例えば判定対象範囲)を表示してもよい。具体的には、出力装置60は、図1に示すようにバケット15cの先端部が目標面Sに沿って移動したとき(判定動作のとき)の、バケット先端部15ctの軌跡Tを表示してもよい。この表示は、図1に示すような、作業範囲Aを横から見た表示でもよく、図6に示すような、作業範囲Aを上から見た表示でもよく、作業範囲Aを斜め上などから見た表示でもよい(図示なし)。出力装置60は、軌跡Tの表示の視点を切り替えて表示可能でもよい。
【0072】
出力装置60は、掘削作業完了判定が行われた位置と、掘削作業完了判定が行われていない位置と、を区別可能に表示することが好ましい。なお、図5に示す例では、軌跡Tが、目標面Sと同じ高さ以下の高さとなる範囲(前後方向Xにおける位置の範囲)が、掘削作業完了判定が行われた位置である。また、軌跡Tが、目標面Sよりも高い範囲が、掘削作業完了判定が行われていない位置である。また、図6に示す例では、作業範囲Aの範囲内が、掘削作業完了判定が行われた位置であり、作業範囲Aの範囲外が、掘削作業完了判定が行われていない位置である。
【0073】
(進捗度の出力)
出力装置60は、コントローラ50(進捗度算出部55)(図3参照)に算出された進捗度の情報を出力してもよい。例えば、出力装置60は、進捗度を示す数値(割合など)を通知してもよい。例えば図6に示すような、ある範囲(例えば作業範囲Aなど)に対する、掘削作業完了領域Aaなどの割合を視覚的に示す表示は、出力装置60による進捗度の出力に含まれる。
【0074】
(外部装置70への情報の送信)
図3に示すコントローラ50(送信部56)は、情報を外部装置70に送信する。例えば、コントローラ50は、掘削作業が完了したか否かの(掘削作業完了判定の)判定結果を含む情報を、外部装置70に送信する。外部装置70に送信される情報の具体例は、出力装置60が出力する情報の具体例と同様である。例えば、外部装置70に送信される情報は、掘削作業完了判定の判定結果そのものでもよく、判定結果に基づいて算出された情報(例えば進捗度など)でもよい。例えば、進捗度が外部装置70に送信された場合は、作業機械10(図1参照)の外部の作業者が、作業機械10の作業の進捗度を確認でき、掘削作業の進捗管理を容易に行える。
【0075】
(判定結果に応じたアタッチメント15の進入制限など)
図1に示すコントローラ50は、掘削作業完了判定の判定結果に基づいて、作業機械10の動き(例えばアタッチメント15の動き)を制御してもよい。この制限を、「アタッチメント15の進入制限」という。例えば、コントローラ50は、掘削作業完了領域Aa(図6参照)への、アタッチメント15の進入を制限してもよい。なお、この掘削作業完了領域Aaは、例えば、上記の作業ポイントでも、1サイクル作業範囲A1でもよい。
【0076】
例えば、アタッチメント15の進入制限は、上から見た掘削作業完了領域Aaの内側への、バケット15cの(例えばバケット先端部15ct(図1参照)の)進入を制限することなどである。アタッチメント15の進入制限が行われることで、掘削作業完了領域Aa(図6参照)での掘削作業(無駄な作業)が抑制される。よって、掘削作業の作業効率が向上し、掘削作業の作業時間が短縮される。アタッチメント15の進入制限は、作業機械10が手動操作される場合に行われてもよく、作業機械10が自動運転される場合に行われてもよい。
【0077】
アタッチメント15の進入制限は、例えば次のように行われる。図2に示す1サイクル作業範囲A1の奥側X1部分で掘削作業が完了し、手前側X2部分で掘削作業が完了していないとする。この場合、コントローラ50は、1サイクル作業範囲A1の奥側X1部分にバケット15cが進入しない(または略進入しない)ように、アタッチメント15の動きを制限する。また、ある1サイクル作業範囲A1の全体で掘削作業が完了し、他の作業範囲Aで掘削作業が完了していないとする。この場合、コントローラ50は、掘削作業が完了した1サイクル作業範囲A1にバケット15cが進入しない(または略進入しない)ように、アタッチメント15の動き(さらに詳しくは上部旋回体13の旋回)を制限する。
【0078】
アタッチメント15の進入制限では、掘削作業完了領域Aaへのアタッチメント15(さらに詳しくはバケット15c)の進入が「制限」されればよい。アタッチメント15の進入制限では、掘削作業完了領域Aaへのアタッチメント15(さらに詳しくはバケット15c)の進入が厳格に禁止される必要はない。例えば、アタッチメント15の進入制限が行われる場合に、条件によっては、掘削作業完了領域Aa(図6参照)へのアタッチメント15の(さらに詳しくはバケット15cの)進入が許可される場合があってもよい。具体的には例えば、2か所の非掘削作業完了領域Abの前後方向Xにおける間に、掘削作業完了領域Aaがある場合などに、この掘削作業完了領域Aaへのバケット15cの進入が許可されてもよい。
【0079】
図1に示す作業機械10が自動運転される場合、コントローラ50は、掘削作業が完了していないと判定された領域(非掘削作業完了領域Ab(図6参照))で、アタッチメント15に掘削作業を自動的に行わせる。
【0080】
(第1の発明の効果)
図1に示す掘削作業完了判定システム1による効果は、次の通りである。掘削作業完了判定システム1は、アタッチメント15と、荷重センサ23(図3参照)と、コントローラ50と、を備える。アタッチメント15は、作業機械10に設けられ、掘削対象物Oを掘削する掘削作業を行う。荷重センサ23(図3参照)は、アタッチメント15に作用する荷重を検出する。コントローラ50は、掘削対象物Oの目標面Sを設定する。
【0081】
[構成1]コントローラ50は、目標面Sに沿ってアタッチメント15が移動したときに荷重センサ23に検出された荷重(検出荷重L)と、コントローラ50に設定された荷重閾値Lthと、の比較に基づいて、目標面Sでの掘削作業が完了したか否かを判定する。
【0082】
上記[構成1]により、掘削作業完了判定システム1は、目標面Sでの掘削作業が完了したか否かの判定(掘削完了判定)を行うことができる。この判定はコントローラ50により(自動的に)行われる。よって、目標面Sでの掘削作業が完了したか否かの判断を、作業者が行う必要性を抑制することができる。
【0083】
その結果、次の効果が得られてもよい。掘削作業が行われる位置を作業者が目視不可能または目視困難な状況でも、目標面Sでの掘削作業が完了したか否かを、コントローラ50が判定することができる。また、掘削作業が行われる位置をセンサ(例えば、カメラ、周囲センサ)が検出不可能または検出困難な状況でも、目標面Sでの掘削作業が完了したか否かを、コントローラ50が判定することができる。
【0084】
(第2の発明の効果)
[構成2]掘削作業完了判定システム1は、出力装置60(図3参照)を備える。出力装置60は、掘削作業が完了したか否かの判定結果の情報を作業者に通知する。
【0085】
上記[構成2]により、出力装置60(図3参照)は、掘削作業が完了したか否かの判定結果の情報を、作業者に把握させることができる。
【0086】
(第3の発明の効果)
[構成3]図6に示すように、出力装置60は、掘削作業が完了したと判定された領域(掘削作業完了領域Aa)を表示する。
【0087】
上記[構成3]により、出力装置60は、掘削作業完了領域Aaを作業者に把握させることができる。その結果、作業機械10が作業者に手動操作される場合は、次の効果が得られる。作業者は、掘削作業完了領域Aaでの掘削作業を省くように、作業機械10を操作することができる。その結果、作業者の無駄な操作、および、作業機械10の無駄な動きを抑制することができる。
【0088】
(第4の発明の効果)
[構成4]出力装置60は、掘削作業が完了したと判定された領域(掘削作業完了領域Aa)と、掘削作業が完了していないと判定された領域(非掘削作業完了領域Ab)と、を区別可能に表示する。
【0089】
上記[構成4]により、出力装置60は、作業者に、掘削作業完了領域Aaと非掘削作業完了領域Abとを区別して把握させることができる。その結果、作業機械10が作業者に手動操作される場合は、次の効果が得られる。作業者は、掘削作業完了領域Aaでの掘削作業を省き、非掘削作業完了領域Abでの掘削作業を行うように、作業機械10を操作することができる。その結果、作業者の無駄な操作、および、作業機械10の無駄な動きを抑制することができる。
【0090】
(第5の発明の効果)
[構成5]出力装置60は、アタッチメント15が目標面Sに沿って移動したときのアタッチメント15の軌跡T(図1図2を参照)を表示する。
【0091】
上記[構成5]により、出力装置60は、アタッチメント15が目標面Sに沿って移動したときのアタッチメント15の軌跡T(例えば判定動作での軌跡T)を作業者に把握させることができる。
【0092】
(第6の発明の効果)
[構成6]図1に示すコントローラ50は、作業機械10の作動を制御可能に構成される。コントローラ50は、掘削作業が完了したと判定した領域(掘削作業完了領域Aa(図6参照))へのアタッチメント15の進入を制限する。
【0093】
上記[構成6]により、掘削作業完了判定システム1は、作業機械10が掘削作業完了領域Aa(図6参照)で掘削作業をするという作業機械10の無駄な動きを抑制することができる。なお、掘削作業完了領域Aaへのアタッチメント15の進入の「制限」は、掘削作業完了領域Aaへのアタッチメント15の進入の厳格な禁止である必要はない。
【0094】
(第7の発明の効果)
[構成7]コントローラ50は、作業機械10を自動運転可能に構成される。コントローラ50は、掘削作業が完了していないと判定した領域(非掘削作業完了領域Ab(図6参照))で、アタッチメント15に掘削作業を自動的に行わせる。
【0095】
上記[構成7]により、掘削作業完了判定システム1は、目標面Sでの掘削作業が完了していない領域で、作業機械10に自動的に掘削作業を行わせることができる。
【0096】
(第8の発明の効果)
[構成8]コントローラ50は、複数段階の目標面Sを設定する。コントローラ50は、複数段階の目標面Sごとに、目標面Sでの掘削作業が完了したか否かを判定する。
【0097】
上記[構成8]により、掘削作業完了判定システム1は、掘削対象物Oが最終的な目標面Sに達する前に(作業の途中段階で)、段階的に、掘削作業が完了したか否かを判定することができる。
【0098】
(第9の発明の効果)
[構成9]コントローラ50は、掘削作業が完了したか否かの判定結果に基づいて、掘削作業の進捗度を算出する。
【0099】
上記[構成9]により、掘削作業の進捗度の情報を利用(例えば作業者への通知などに利用)することができる。
【0100】
(第10の発明の効果)
[構成10]コントローラ50は、掘削作業が完了したか否かの判定結果を含む情報を、外部装置70に送信する。外部装置70は、作業機械10の外部に設けられる。
【0101】
上記[構成10]により、掘削作業が完了したか否かの判定結果を含む情報を、作業機械10の外部で利用(例えば作業者への通知などに利用)することができる。
【0102】
(第11の発明の効果)
[構成11]コントローラ50は、掘削作業が完了したか否かの判定結果に基づいて、掘削作業の進捗度を算出する。コントローラ50は、掘削作業が完了したか否かの判定結果を含む情報を、外部装置70に送信する。外部装置70は、作業機械10の外部に設けられる。
【0103】
上記[構成11]により、作業機械10の外部で、掘削作業の進捗度の情報を利用(例えば作業者への通知などに利用)することができる。
【0104】
(変形例)
上記実施形態は様々に変形されてもよい。例えば、上記実施形態の変形例どうしが様々に組み合わされてもよい。例えば、上記実施形態の構成要素(変形例を含む)の数が変更されてもよく、構成要素の一部が設けられなくてもよい。例えば、図3に示す各構成要素の接続は変更されてもよい。例えば、各構成要素の配置は変更されてもよい。例えば、構成要素の包含関係は様々に変更されてもよい。例えば、ある上位の構成要素に含まれる下位の構成要素として説明したものが、この上位の構成要素に含まれなくてもよく、他の構成要素に含まれてもよい。例えば、互いに異なる複数の部材や部分として説明したものが、一つの部材や部分とされてもよい。具体的には例えば、入力装置31、出力装置60、およびコントローラ50の少なくともいずれかは、作業機械10(図1参照)の構成要素でもよい。例えば、一つの部材や部分として説明したものが、互いに異なる複数の部材や部分に分けて設けられてもよい。具体的には例えば、コントローラ50は、複数の部分に分けて設けられてもよい。
【0105】
例えば、図4に示すフローチャートのステップの順序が変更されてもよく、ステップの一部が行われなくてもよい。例えば、各種パラメータ(閾値、範囲など)は、図3に示すコントローラ50に予め設定されてもよく、作業者の手動操作(入力装置31の操作)により直接的に設定されてもよい。各種パラメータは、作業者の手動操作により設定された情報に基づいてコントローラ50に算出されてもよく、センサ(例えば作業機械10(図1参照)の周囲の状況を検出する周囲センサなど)に検出された情報に基づいてコントローラ50に算出されてもよい。例えば、各種パラメータは、変えられなくてもよく、手動操作により変えられてもよく、何らかの条件に応じてコントローラ50が自動的に変えてもよい。例えば、各構成要素は、各特徴(作用機能、配置、形状、作動など)の一部のみを有してもよい。
【符号の説明】
【0106】
1 掘削作業完了判定システム
10 作業機械
15 アタッチメント
23 荷重センサ
50 コントローラ
60 出力装置
70 外部装置
Aa 掘削作業完了領域(掘削作業が完了したと判定された領域)
Ab 非掘削作業完了領域(掘削作業が完了していないと判定された領域)
L 検出荷重(検出された荷重)
Lth 荷重閾値
O 掘削対象物
S 目標面
T 軌跡
図1
図2
図3
図4
図5
図6