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特開2024-16180生理学的データを用いたストレス評価のためのデバイスおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016180
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】生理学的データを用いたストレス評価のためのデバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/16 20060101AFI20240130BHJP
【FI】
A61B5/16 110
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023189722
(22)【出願日】2023-11-07
(62)【分割の表示】P 2020545679の分割
【原出願日】2019-02-28
(31)【優先権主張番号】10201801851S
(32)【優先日】2018-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SG
(71)【出願人】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】タウィープランスリポン, ヴィジット
(72)【発明者】
【氏名】トリペッチ, ショウコ
(72)【発明者】
【氏名】キトウォンガッタナ, アモーンスリ
(72)【発明者】
【氏名】ポーンパンヴァッタナ, アンヤマニー
(72)【発明者】
【氏名】チャイタナブーン, アナンヤ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ユーザのストレス評価のための測定デバイスおよび方法を提供する。
【解決手段】所定のストレス基準と比較するために、各々のデータセットについてのストレスパラメータを決定するステップと、現在の時間期間についての第1のストレスパラメータを識別するステップと、少なくとも第1のストレスパラメータに基づいて、所定のストレス条件が満たされたと判断されたときに、ストレスアラートを生成するステップと、ストレスアラートに対応する視覚的情報であって、ストレス状態の緩和を助ける視覚的情報を表示するステップとを含み、ストレス条件は、第1のストレスパラメータが所定のストレス基準に対するユーザのストレス状態を示している場合に満たされる。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザのストレス評価のための測定デバイスであって、
各々が別個の時間期間の間に測定されるいくつかの生理学的データセットを、前記ユーザから測定するためのフォトプレスチモグラフィ(PPG)センサを備えているセンサモジ
ュールと、
前記生理学的データを格納するためのデータベースと、
前記生理学的データに基づく前記ストレス評価からの視覚的情報を表示するための一式のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)部分を備えているディスプレイモジュー
ルと、
プロセッサと
を備えており、
前記プロセッサは、
所定のストレス基準と比較するために、各々の生理学的データセットについてのストレスパラメータを決定し、
現在の時間期間についての第1のストレスパラメータを識別し、
少なくとも前記第1のストレスパラメータに基づいて、所定のストレス条件が満たされ
たと判断されたときに、ストレスアラートを生成し、
前記ストレスアラートに対応する視覚的情報であって、ストレス状態の緩和において前記ユーザの助けとなる視覚的情報を、前記GUI部分のうちの少なくとも1つに表示するために、前記ストレスアラートを前記ディスプレイモジュールへと通信する
ように構成され、
前記ストレス条件は、前記第1のストレスパラメータが前記所定のストレス基準に対す
る前記ユーザのストレス状態を示している場合に満たされる、デバイス。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記現在の時間期間に先行する第2の時間期間についての第2のストレスパラメータを識別するようにさらに構成され、
前記ストレス条件は、さらに前記第2のストレスパラメータが前記所定のストレス基準
に対する前記ユーザのストレス状態を示している場合に満たされる、請求項1に記載のデ
バイス。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記現在の時間期間の前のより早い時間期間についての前記ストレスパラメータに基づいて、前記ユーザの最近のストレス状態を識別するようにさらに構成され、
前記最近のストレス状態は、前記より早い時間期間のうちの最も早い時間期間についての最近のストレスパラメータによって示され、
前記ストレス条件は、さらに前記最近のストレスパラメータが前記ユーザの最近のストレス状態を示しており、前記より早い時間期間のうちの残りの時間期間についての前記ストレスパラメータのいずれも前記ユーザの正常状態を示していない場合に満たされる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記現在の時間期間に先行する第2の時間期間についての第2のストレスパラメータを識別し、前記第2の時間期間に先行する第3の時間期間についての第3の
ストレスパラメータを識別するようにさらに構成され、
前記ストレス条件は、さらに前記第2および第3の両方のストレスパラメータが前記所定のストレス基準に対する前記ユーザのストレス状態を示している場合に満たされる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記現在の時間期間の前のより早い時間期間についての前記ストレスパラメータに基づいて、前記ユーザの2つの最近のストレス状態を識別するようにさら
に構成され、
前記最近のストレス状態は、前記より早い時間期間のうちの2つの最近の時間期間のそ
れぞれについての2つの最近のストレスパラメータによって示され、前記2つの最近の時間期間のうちの一方は、前記より早い時間期間のうちの最も早い時間期間であり、
前記ストレス条件は、さらに前記最近のストレスパラメータの両方が前記ユーザの最近のストレス状態を示しており、前記より早い時間期間のうちの残りの時間期間についての前記ストレスパラメータのいずれも前記ユーザの正常状態を示していない場合に満たされる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記現在の時間期間の前のより早い時間期間についての前記ストレスパラメータに基づいて、前記ユーザの複数の最近のストレス状態を識別するようにさらに構成され、
前記最近のストレス状態は、前記より早い時間期間のうちの複数の最近の時間期間についての複数の最近のストレスパラメータによって示され、前記複数の最近のストレスパラメータは、前記より早い時間期間のうちの最も早い時間期間についての最も早いストレスパラメータを含み、
前記ストレス条件は、さらに前記複数の最近のストレスパラメータのすべてが前記ユーザの最近のストレス状態を示しており、前記より早い時間期間のうちの残りの時間期間についての前記ストレスパラメータのいずれも前記ユーザの正常状態を示していない場合に満たされる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記現在の時間期間の前のすべての時間期間についてのストレスパラメータが、前記第1のストレスパラメータが前記ユーザの正常状態を示す場合に、前記ストレス条件に関し
て無視される、請求項1~6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記ストレス評価からの前記視覚的情報は、カラーインジケータを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記カラーインジケータは、紫色、緑色、およびモノクロを含む、請求項8に記載のデ
バイス。
【請求項10】
前記ストレスアラートに対応する前記視覚的情報の前記カラーインジケータは、前記ストレス状態を緩和するための紫色である、請求項8または9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記ストレスアラートに対応する触覚フィードバックを生成するための触覚モジュールをさらに備える、請求項1~10のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記プロセッサは、各々の生理学的データセットについての測定条件を決定するようにさらに構成される、請求項1~11のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
前記プロセッサは、生理学的データセットを、該生理学的データセットについての前記測定条件が不充分であると判断される場合に、破棄するようにさらに構成される、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記所定のストレス基準および/または所定のストレス条件は、前記ユーザによる調整が可能である、請求項1~13のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項15】
前記PPGセンサは、照明要素と、少なくとも2つのフォトディテクタとを備えるパルス酸素濃度計センサである、請求項1~14のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項16】
前記プロセッサは、前記生理学的データセットを、電子デバイスおよび/またはリモートサーバへと、該電子デバイスおよび/または該リモートサーバのそれぞれによる処理のために通信するようにさらに構成される、請求項1~15のいずれか一項に記載のデバイス
【請求項17】
ユーザのストレス評価のためのコンピュータ化された方法であって、
測定デバイスによって実行され、
前記ユーザから測定されたいくつかの生理学的データセットであって、各々の生理学的データセットは別個の時間期間の間に測定されているいくつかの生理学的データセットを、前記測定デバイスのデータベースから取り出すステップと、
所定のストレス基準と比較するために、各々の生理学的データセットについてのストレスパラメータを決定するステップと、
現在の時間期間についての第1のストレスパラメータを識別するステップと、
少なくとも前記第1のストレスパラメータに基づいて、所定のストレス条件が満たされ
たと判断されたときに、ストレスアラートを生成するステップと、
前記ストレスアラートに対応する視覚的情報であって、ストレス状態の緩和において前記ユーザの助けとなる視覚的情報を、少なくとも1つのグラフィカルユーザインターフェ
ース(GUI)部分に表示するステップと
を含んでおり、
前記ストレス条件は、前記第1のストレスパラメータが前記所定のストレス基準に対す
る前記ユーザのストレス状態を示している場合に満たされる、方法。
【請求項18】
前記現在の時間期間に先行する第2の時間期間についての第2のストレスパラメータを識別するステップをさらに含み、
前記ストレス条件は、さらに前記第2のストレスパラメータが前記所定のストレス基準
に対する前記ユーザのストレス状態を示している場合に満たされる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記現在の時間期間の前のより早い時間期間についての前記ストレスパラメータに基づいて、前記ユーザの最近のストレス状態を識別するステップをさらに含み、
前記最近のストレス状態は、前記より早い時間期間のうちの最も早い時間期間についての最近のストレスパラメータによって示され、
前記ストレス条件は、さらに前記最近のストレスパラメータが前記ユーザの最近のストレス状態を示しており、前記より早い時間期間のうちの残りの時間期間についての前記ストレスパラメータのいずれも前記ユーザの正常状態を示していない場合に満たされる、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記現在の時間期間に先行する第2の時間期間についての第2のストレスパラメータを識別するステップと、
前記第2の時間期間に先行する第3の時間期間についての第3のストレスパラメータを識
別するステップと
をさらに含み、
前記ストレス条件は、さらに前記第2および第3の両方のストレスパラメータが前記所定のストレス基準に対する前記ユーザのストレス状態を示している場合に満たされる、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記現在の時間期間の前のより早い時間期間についての前記ストレスパラメータに基づいて、前記ユーザの2つの最近のストレス状態を識別するステップをさらに含み、
前記最近のストレス状態は、前記より早い時間期間のうちの2つの最近の時間期間のそ
れぞれについての2つの最近のストレスパラメータによって示され、前記2つの最近の時間
期間のうちの一方は、前記より早い時間期間のうちの最も早い時間期間であり、
前記ストレス条件は、さらに前記最近のストレスパラメータの両方が前記ユーザの最近のストレス状態を示しており、前記より早い時間期間のうちの残りの時間期間についての前記ストレスパラメータのいずれも前記ユーザの正常状態を示していない場合に満たされる、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記現在の時間期間の前のより早い時間期間についての前記ストレスパラメータに基づいて、前記ユーザの複数の最近のストレス状態を識別するステップをさらに含み、
前記最近のストレス状態は、前記より早い時間期間のうちの複数の最近の時間期間についての複数の最近のストレスパラメータによって示され、前記複数の最近のストレスパラメータは、前記より早い時間期間のうちの最も早い時間期間についての最も早いストレスパラメータを含み、
前記ストレス条件は、さらに前記複数の最近のストレスパラメータのすべてが前記ユーザの最近のストレス状態を示しており、前記より早い時間期間のうちの残りの時間期間についての前記ストレスパラメータのいずれも前記ユーザの正常状態を示していない場合に満たされる、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記現在の時間期間の前のすべての時間期間についてのストレスパラメータが、前記第1のストレスパラメータが前記ユーザの正常状態を示す場合に、前記ストレス条件に関し
て無視される、請求項17~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記ストレスアラートに対応する前記視覚的情報は、前記ストレス状態を緩和するための紫色のカラーインジケータを含む、請求項17~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記ストレスアラートに対応する触覚フィードバックを生成するステップをさらに含む、請求項17~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
各々の生理学的データセットについての測定条件を決定するステップをさらに含む、請求項17~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
生理学的データセットを、該生理学的データセットについての前記測定条件が不充分であると判断される場合に、破棄するステップをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記所定のストレス基準および/または所定のストレス条件は、前記ユーザによる調整が可能である、請求項17~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記生理学的データセットを、電子デバイスおよび/またはリモートサーバへと、該電子デバイスおよび/または該リモートサーバのそれぞれによる処理のために通信するステップをさらに含む、請求項17~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
実行されたときに前記測定デバイスのプロセッサに請求項17~29のいずれか一項に記載の方法を実行させる命令を格納した非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項31】
ユーザのストレス評価のためのコンピュータ化された方法であって、
電子デバイスによって実行され、
前記ユーザから測定されたいくつかの生理学的データセットを含んでいる測定データセットであって、各々の生理学的データセットは別個の時間期間の間に測定されている測定データセットを、測定デバイスから受信するステップと、
前記測定データセットを、前記電子デバイスのデータベースに格納するステップと、
所定のストレス基準と比較するために、各々の生理学的データセットについてのストレ
スパラメータを決定するステップと、
現在の時間期間についての第1のストレスパラメータを識別するステップと、
少なくとも前記第1のストレスパラメータに基づいて、所定のストレス条件が満たされ
たと判断されたときに、ストレスアラートを生成するステップと、
前記ストレスアラートに対応する視覚的情報であって、ストレス状態の緩和において前記ユーザの助けとなる視覚的情報を、少なくとも1つのグラフィカルユーザインターフェ
ース(GUI)部分に表示するステップと
を含んでおり、
前記ストレス条件は、前記第2のストレスパラメータが前記所定のストレス基準に対す
る前記ユーザのストレス状態を示している場合に満たされる、方法。
【請求項32】
前記現在の時間期間に先行する第2の時間期間についての第2のストレスパラメータを識別するステップをさらに含み、
前記ストレス条件は、さらに前記第2のストレスパラメータが前記所定のストレス基準
に対する前記ユーザのストレス状態を示している場合に満たされる、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記現在の時間期間の前のより早い時間期間についての前記ストレスパラメータに基づいて、前記ユーザの最近のストレス状態を識別するステップをさらに含み、
前記最近のストレス状態は、前記より早い時間期間のうちの最も早い時間期間についての最近のストレスパラメータによって示され、
前記ストレス条件は、さらに前記最近のストレスパラメータが前記ユーザの最近のストレス状態を示しており、前記より早い時間期間のうちの残りの時間期間についての前記ストレスパラメータのいずれも前記ユーザの正常状態を示していない場合に満たされる、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記現在の時間期間に先行する第2の時間期間についての第2のストレスパラメータを識別するステップと、
前記第2の時間期間に先行する第3の時間期間についての第3のストレスパラメータを識
別するステップと
をさらに含み、
前記ストレス条件は、さらに前記第2および第3の両方のストレスパラメータが前記所定のストレス基準に対する前記ユーザのストレス状態を示している場合に満たされる、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記現在の時間期間の前のより早い時間期間についての前記ストレスパラメータに基づいて、前記ユーザの2つの最近のストレス状態を識別するステップをさらに含み、
前記最近のストレス状態は、前記より早い時間期間のうちの2つの最近の時間期間のそ
れぞれについての2つの最近のストレスパラメータによって示され、前記2つの最近の時間期間のうちの一方は、前記より早い時間期間のうちの最も早い時間期間であり、
前記ストレス条件は、さらに前記最近のストレスパラメータの両方が前記ユーザの最近のストレス状態を示しており、前記より早い時間期間のうちの残りの時間期間についての前記ストレスパラメータのいずれも前記ユーザの正常状態を示していない場合に満たされる、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
前記現在の時間期間の前のより早い時間期間についての前記ストレスパラメータに基づいて、前記ユーザの複数の最近のストレス状態を識別するステップをさらに含み、
前記最近のストレス状態は、前記より早い時間期間のうちの複数の最近の時間期間についての複数の最近のストレスパラメータによって示され、前記複数の最近のストレスパラメータは、前記より早い時間期間のうちの最も早い時間期間についての最も早いストレス
パラメータを含み、
前記ストレス条件は、さらに前記複数の最近のストレスパラメータのすべてが前記ユーザの最近のストレス状態を示しており、前記より早い時間期間のうちの残りの時間期間についての前記ストレスパラメータのいずれも前記ユーザの正常状態を示していない場合に満たされる、請求項31に記載の方法。
【請求項37】
前記現在の時間期間の前のすべての時間期間についてのストレスパラメータが、前記第1のストレスパラメータが前記ユーザの正常状態を示す場合に、前記ストレス条件に関し
て無視される、請求項31~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記ストレスアラートに対応する前記視覚的情報は、前記ストレス状態を緩和するための紫色のカラーを含む、請求項31~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記ストレスアラートに対応する触覚フィードバックを生成するステップをさらに含む、請求項31~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記所定のストレス基準および/または所定のストレス条件は、前記ユーザによる調整が可能である、請求項31~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記ストレスアラートを、対応する視覚的情報を前記測定デバイス上に表示するために、前記測定デバイスへと通信するステップをさらに含む、請求項31~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記測定データセットを、リモートサーバへと、該リモートサーバによる処理のために通信するステップをさらに含む、請求項31~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記リモートサーバから、前記ユーザの慢性ストレス状態を緩和するための推奨コンテンツを受信するステップをさらに含み、
前記推奨コンテンツの生成および前記慢性ストレス状態の判断は、基準データセットに対する前記測定データセットおよび前記ユーザの履歴測定データセットに基づいて、前記リモートサーバによって行われる、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
実行されたときに前記電子デバイスのプロセッサに請求項41~43のいずれか一項に記載の方法を実行させる命令を格納した非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本開示は、2018年3月2日に出願されたシンガポール特許出願番号10201801851Sの利益を主張し、このシンガポール特許出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、広くには、ストレス評価のためのデバイスおよび方法に関する。より具体的には、本開示は、ユーザまたは人間についてユーザから測定された生理学的データを使用してストレス評価を行うためのデバイスおよび方法の種々の実施形態を説明する。
【背景技術】
【0003】
人々の身体からの生理学的データを測定することによって、人々の健康状態の自己監視を手助けするために、さまざまな種類の測定または検出デバイスが登場している。生理学的データとして、血圧、心拍数、および心拍変動が挙げられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これらのデバイスは、例えばストレス評価などに関して、充分に正確な健康状態の自己監視をもたらすことができない。さらに、多くの測定または検出デバイスは、人々に自身のストレスの管理に関する有用なフィードバックを提供しない。
【0005】
したがって、上述の問題および/または欠点のうちの少なくとも1つに対処し、あるい
は上述の問題および/または欠点のうちの少なくとも1つを軽減するために、ストレス評
価のための改善されたデバイスおよび方法を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様によれば、ユーザのストレス評価のための測定デバイスが存在する
。この測定デバイスは、各々が別個の時間期間の間に測定されるいくつかの生理学的データセットを、ユーザから測定するためのフォトプレスチモグラフィ(PPG)センサを備え
ているセンサモジュールと、前記生理学的データを格納するためのデータベースと、前記生理学的データに基づくストレス評価からの視覚的情報を表示するための一式のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)部分を備えているディスプレイモジュールと、プロ
セッサとを備える。前記プロセッサは、所定のストレス基準と比較するために、各々の生理学的データセットについてのストレスパラメータを決定し、現在の時間期間についての第1のストレスパラメータを識別し、少なくとも前記第1のストレスパラメータに基づいて、所定のストレス条件が満たされたと判断されたときに、ストレスアラートを生成し、前記ストレスアラートに対応する視覚的情報であって、ストレス状態の緩和においてユーザの助けとなる視覚的情報を、前記GUI部分のうちの少なくとも1つに表示するために、前記ストレスアラートを前記ディスプレイモジュールへと通信するように構成され、前記ストレス条件は、前記第1のストレスパラメータが前記所定のストレス基準と比べてユーザの
ストレス状態を示している場合に満たされる。
【0007】
本開示の第2の態様によれば、ユーザのストレス評価のために測定デバイスによって実
行されるコンピュータ化された方法と、実行時にこの方法を測定デバイスのプロセッサに実行させる命令を格納した非一時的コンピュータ可読記憶媒体とが存在する。この方法は、ユーザから測定されたいくつかの生理学的データセットであって、各々の生理学的データセットは別個の時間期間の間に測定されているいくつかの生理学的データセットを、前記測定デバイスのデータベースから取り出すステップと、所定のストレス基準と比較する
ために、各々の生理学的データセットについてのストレスパラメータを決定するステップと、現在の時間期間についての第1のストレスパラメータを識別するステップと、少なく
とも前記第1のストレスパラメータに基づいて、所定のストレス条件が満たされたと判断
されたときに、ストレスアラートを生成するステップと、前記ストレスアラートに対応する視覚的情報であって、ストレス状態の緩和においてユーザの助けとなる視覚的情報を、少なくとも1つのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)部分に表示するステップとを含み、前記ストレス条件は、前記第1のストレスパラメータが前記所定のストレス基準
と比べてユーザのストレス状態を示している場合に満たされる。
【0008】
本開示の第3の態様によれば、ユーザのストレス評価のために電子デバイスによって実
行されるコンピュータ化された方法と、実行時にこの方法を電子デバイスのプロセッサに実行させる命令を格納した非一時的コンピュータ可読記憶媒体とが存在する。この方法は、ユーザから測定されたいくつかの生理学的データセットを含んでいる測定データセットであって、各々の生理学的データセットは別個の時間期間の間に測定されている測定データセットを、測定デバイスから受信するステップと、前記測定データセットを、前記電子デバイスのデータベースに格納するステップと、所定のストレス基準と比較するために、各々の生理学的データセットについてのストレスパラメータを決定するステップと、現在の時間期間についての第1のストレスパラメータを識別するステップと、少なくとも前記
第1のストレスパラメータに基づいて、所定のストレス条件が満たされたと判断されたと
きに、ストレスアラートを生成するステップと、前記ストレスアラートに対応する視覚的情報であって、ストレス状態の緩和においてユーザの助けとなる視覚的情報を、少なくとも1つのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)部分に表示するステップとを含み、前記ストレス条件は、前記第1のストレスパラメータが前記所定のストレス基準と比べて
ユーザのストレス状態を示している場合に満たされる。
【0009】
したがって、本開示によるストレス評価のためのデバイスおよび方法が、本明細書で開示される。本開示のさまざまな特徴、態様、および利点が、本開示の実施形態の以下の詳細な説明から、あくまでも非限定的な例として、添付の図面と併せて、さらに明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】本開示の実施形態によるユーザのストレス評価のための測定デバイス、電子デバイス、およびリモートサーバを含むシステムの概略図である。
図1B】本開示の実施形態による測定デバイスの概略図である。
図1C】本開示の実施形態による電子デバイスの概略図である。
図2】本開示の実施形態によるユーザのストレス評価のための測定デバイスによって実行されるコンピュータ化された方法のフローチャートである。
図3】本開示の実施形態によるユーザのストレス評価のための電子デバイスによって実行されるコンピュータ化された方法のフローチャートである。
図4A】本開示の実施形態による視覚的情報のための測定デバイス/電子デバイス上に表示されたグラフィック/画面の図である。
図4B】本開示の実施形態による視覚的情報のための測定デバイス/電子デバイス上に表示されたグラフィック/画面の図である。
図4C】本開示の実施形態による視覚的情報のための測定デバイス/電子デバイス上に表示されたグラフィック/画面の図である。
図5A】本開示の実施形態によるストレスアラートを生成するためにストレスパラメータを決定するための複数の連続する離散した時間期間を有する時間空間の図である。
図5B】本開示の実施形態によるストレスアラートを生成するためにストレスパラメータを決定するための複数の連続する離散した時間期間を有する時間空間の図である。
図5C】本開示の実施形態によるストレスアラートを生成するためにストレスパラメータを決定するための複数の連続する離散した時間期間を有する時間空間の図である。
図6】本開示の実施形態によるストレスアラートを生成するためにストレスパラメータを決定するための一般的な時間空間の図である。
図7A】本開示の実施形態によるユーザの累積ストレスパターンを視覚化するために電子デバイス上に表示されたヒストグラムグラフィック/画面の図である。
図7B】本開示の実施形態によるユーザの累積ストレスパターンを視覚化するために電子デバイス上に表示されたヒストグラムグラフィック/画面の図である。
図8】本開示の実施形態によるコンピュータの技術的アーキテクチャのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
簡潔かつ明瞭にするために、本開示の実施形態の説明は、図面に従って、コンピュータ間のデータ通信を安全にするためのシステムおよび方法に関する。本開示の態様が、本明細書に提示の実施形態に関連して説明されるが、それらが、本開示をこれらの実施形態に限定することを意図していないことを、理解できるであろう。むしろ、本開示は、添付の特許請求の範囲によって定められる本開示の範囲に含まれる本明細書に記載の実施形態の代替物、修正物、および均等物を包含するように意図される。さらに、以下の詳細な説明においては、本開示の完全な理解をもたらすために、特定の詳細が説明される。しかしながら、特定の詳細によらず、さらには/あるいは特定の実施形態の態様の組み合わせから生じる多数の詳細によって本開示を実施できることを、この技術分野において通常の技能を有する個人、すなわち当業者であれば、理解できるであろう。いくつかの場合において、周知のシステム、方法、手順、およびコンポーネントは、本開示の実施形態の態様を不必要に不明瞭にしてしまうことがないよう、詳細には説明されていない。
【0012】
本開示の実施形態において、特定の図または対応する説明資料でのその図への言及における所与の要素または考慮事項の描写あるいは特定の要素番号の使用は、別の図またはそれに関連する説明資料において識別される同一、同等、または類似の要素または要素番号を包含することができる。
【0013】
「実施形態/例」、「別の実施形態/例」、「いくつかの実施形態/例」、「いくつかの他の実施形態/例」、などへの言及は、そのように説明された実施形態/例が、特定の特徴、構造、特性、属性、要素、または制限を含んでよいが、必ずしもすべての実施形態/例が、その特定の特徴、構造、特性、属性、要素、または制限を含むわけではないことを意味する。さらに、「実施形態/例において」または「別の実施形態/例において」という言葉が繰り返し使用されるとき、それらは必ずしも同じ実施形態/例を指すとは限らない。
【0014】
「・・・を備える」、「・・・を含む」、「・・・を有する」、などの用語は、実施形態において列挙された特徴/要素/ステップ以外の他の特徴/要素/ステップの存在を排除するものではない。特定の特徴/要素/ステップが互いに異なる実施形態において述べられたとしても、それは、或る実施形態においてこれらの特徴/要素/ステップを組み合わせて使用することができないという意味ではない。
【0015】
本明細書において使用されるとき、用語「a」および「an」は、1つまたは2つ以上と定
義される。図または関連の文章における「/」の使用は、別段の指定がない限り、「および/または」を意味すると理解される。用語「セット」は、既知の数学的定義に従い、少なくとも1の濃度を数学的に示す要素の空でない有限の組織と定義される(例えば、本明
細書で定義されるセットは、ユニット、シングレット、または単一要素のセット、あるいは複数要素のセットに対応できる)。本明細書における特定の数値または数値範囲の記載は、近似の数値または数値範囲を含み、あるいは近似の数値または数値範囲の記載である
と理解される。
【0016】
本明細書において使用されるとき、用語「コンポーネント」、「モジュール」、「システム」、「インターフェース」、などは、一般に、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ、ソフトウェア、または実行中のソフトウェアのいずれかのコンピュータ関連のエンティティを指すように意図される。例えば、コンポーネントまたはモジュールは、プロセッサ上で実行中のプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、プログラム、および/またはコンピュータであってよいが、これらに限られるわけではない。例として、コントローラ上で動作中のアプリケーションおよびコントローラのどちらも、コンポーネント/モジュールであり得る。1つ以上のコンポー
ネント/モジュールが、プロセスおよび/または実行スレッド内に存在し得る。コンポーネント/モジュールは、1台のコンピュータに集中していても、さらには/あるいは複数
のコンピュータに分散してもよい。
【0017】
本開示の代表的または典型的な実施形態においては、図1Aに示されるように、通信ネットワーク170を介して通信可能に接続される測定または検出デバイス110、電子デバイス130、およびリモートサーバ150を備えるシステム100が存在する。測定デバイス110は、ユーザからの生理学的データを測定し、生理学的データに基づいてユーザのストレス評価を行うように構成される。電子デバイス130は、測定デバイス110から通信ネットワーク170を
介して受信した生理学的データに基づいて、ユーザのストレス評価を行うように構成される。リモートサーバ150は、測定デバイス110および/または電子デバイス130から受信し
た生理学的データ、ならびにユーザの履歴生理学的データに基づいて、ユーザのストレスを評価し、とくには長期または慢性のストレス状態を評価するように構成される。
【0018】
測定デバイス110は、測定デバイス110のその場に存在する第1のデータベース112を備える。電子デバイス130は、電子デバイス130のその場に存在する第2のデータベース132を備える。リモートサーバ150は、リモートサーバ150のその場に存在する第3のデータベース152を備える。データベース112、132、および152は、生理学的データを保存するためのデ
ータストレージデバイス、フラッシュストレージメモリ、ハードドライブ、などを有することができる。
【0019】
測定デバイス110は、ユーザの生理学的データを測定および収集するためにユーザへと
接続され、あるいは接続可能である生理学的監視装置である。その後に、生理学的データは、ユーザのストレス評価に使用される。生理学的データは、測定デバイス110が取り付
けられた領域における血管内の血流の変動から生じる容積変化などのユーザの血管活動に関連し、あるいはそのような血管活動から由来する。測定デバイス110は、指先、手首、
腕の任意の部分、または首の任意の部分などにおいてユーザに装着され、あるいは取り付けられるウェアラブルデバイスの形態であってよい。例えば、測定デバイス110は、ユー
ザの手首に装着できる腕時計の形態である。測定デバイス110を、バッテリの電力が充分
である場合に限って生理学的データを測定するように構成することができる。
【0020】
生理学的データは、これらに限られるわけではないが、例えば心拍数、心拍変動、血圧、パルス形状変動、およびこれらの任意の組み合わせなど、血管活動から測定可能なユーザのバイタルサインに関するデータを含む。パルス形状変動を、入力生理学的信号(例えば、PPG信号)のパルス形状から導出されたバイタルサイン特徴の標準偏差と称すること
ができ、例えばパルスの時間間隔情報、歪度、大きさ、積分および微分情報、周波数成分、あるいはそれらの派生物に基づいて計算可能である。
【0021】
測定デバイス110は、生理学的データを測定するためのセンサモジュールを備える。具
体的には、センサモジュールは、いくつかの生理学的データセット(すなわち、少なくと
も1つの生理学的データセット)をユーザから測定するためのフォトプレチスモグラフィ
(PPG)センサを含み、各々の生理学的データセットは、別個の時間期間において測定さ
れる。例えば、生理学的データセットを、1分~5分の範囲の時間期間において測定することができるが、他の時間期間も可能である。いくつかの実施形態において、PPGセンサは
、例えば発光ダイオード(LED)などの照明要素と、ユーザの血管活動からもたらされる
生理学的データを測定するための少なくとも2つのフォトディテクタ/フォトダイオード
とを有するパルス酸素濃度計センサである。照明要素は、2つのフォトディテクタの間に
配置されてよく、あるいは2つのフォトディテクタに隣接して配置されてよい。
【0022】
各々の心周期において、心臓は、圧力パルスを通じて体の末梢(例えば、手首および指)へと血液を送り出す。圧力パルスは、身体の皮膚内の皮下組織において血管を拡張させるのに充分であり、したがって身体の皮膚内の皮下組織の血液量が変化する。パルス酸素濃度計センサは、体内の血液循環からもたらされる血管活動を測定する。具体的には、パルス酸素濃度計センサは、血液中のヘモグロビンの酸素飽和レベル(SO2)を明らかにす
ることによって、血液中の酸素の量を間接的に測定するとともに、身体の皮膚内の血液量の変化も測定する。圧力パルスによって引き起こされる体積の変化は、パルス酸素濃度計センサの照明要素で皮膚を照明し、フォトディテクタ/フォトダイオードへと透過または反射した光の量を測定することによって、検出可能である。測定デバイス110は、PPGまたはパルス酸素濃度計センサが皮膚を照らし、光吸収の変化を検出することによって生理学的データを測定できるように、ユーザの身体の皮膚の近くに装着され、あるいは取り付けられる。生理学的データは、少なくとも1組のデータ信号または波形、すなわち一連の生
理学的データを有するフォトプレチスモグラムとして測定される。
【0023】
電子デバイス130は、ユーザによって操作されるコンピュータまたはコンピューティン
グデバイスである。電子デバイス130のいくつかの例として、これらに限られるわけでは
ないが、デスクトップデバイス、モバイルデバイス、携帯情報端末(PDA)、携帯電話機
、タブレット、ファブレット、ラップトップコンピュータ、ならびにプロセッサ、マイクロプロセッサ、中央処理装置、またはコントローラを有することができる任意の他の電子通信が挙げられる。電子デバイス130は、例えば生理学的データを共有するために、通信
ネットワーク170を介して測定デバイス110およびリモートサーバ150と通信可能である。
【0024】
リモートサーバ150は、電子デバイス130から遠く離れて位置し、すなわち電子デバイス130の同じローカルネットワークを共有しないコンピュータサーバである。リモートサー
バ150は、サーバプログラムを実行する物理的なデータ処理システムまたはクラウドデー
タ処理システムである。サーバを、ハードウェアまたはソフトウェア、あるいはそれらの組み合わせにて実装することができる。サーバは、コンピュータ、ラップトップ、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、機械可読コードを実行できる任意の非一時的かつ有形のマシン、クラウドベースのサーバ、分散サーバネットワーク、およびコンピュータシステムのネットワークを含む。
【0025】
通信ネットワーク170は、測定デバイス110、電子デバイス130、およびリモートサーバ150を含む種々のエンティティの間でコンテンツ、通知、および/またはメッセージを通信するための媒体または環境である。通信ネットワーク170のいくつかの例として、これら
に限られるわけではないが、仮想プライベートネットワーク(VPN)、ワイヤレスフィデ
リティ(Wi-Fi)ネットワーク、ライトフィデリティ(Li-Fi)ネットワーク、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、衛星ネットワーク、インターネット、光ファイバーネットワーク、
同軸ケーブルネットワーク、赤外線(IR)ネットワーク、無線周波数(RF)ネットワーク、およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。通信ネットワーク170への接続は、伝
送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)、ユーザデータグラムプロトコ
ル(UDP)、第2~第5世代(2G~5G)、ロングタームエボリューション(LTE)、ロングレンジ(LoRa)、およびこれらの任意の組み合わせなどのさまざまな有線および無線通信プロトコルによることができる。測定デバイス110、電子デバイス130、およびリモートサーバ150の各々は、通信ネットワーク170を介したデータの通信および送信/受信のためのデータ通信またはトランシーバモジュールを備える。トランシーバモジュールのいくつかの例として、これらに限られるわけではないが、アンテナモジュール、無線周波数トランシーバモジュール、ワイヤレストランシーバモジュール、ブルートゥース(登録商標)トランシーバモジュール、イーサネットポート、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、
またはこれらの任意の組み合わせが挙げられる。さらに、通信ネットワーク170を介した
通信を、当業者であれば容易に理解できるとおり、ハイパーテキスト転送プロトコルセキュア(HTTPS)などのプロトコルによって安全にすることができ、さらには/あるいはコ
ンピューティングファイアウォールなどのネットワークセキュリティシステムで実装することができる。
【0026】
いくつかの実施形態において、測定デバイス110は、ブルートゥース(登録商標)、Wi-Fi、および近距離無線通信(NFC)通信プロトコルなどの無線/非接触通信プロトコルを
介して電子デバイス130と通信可能である。例えば、測定デバイス110および電子デバイス130は、同じWi-Fiネットワークを共有することができ、データをそれらの間で通信することができる。さらに、測定デバイス110は、USBなどの有線通信を介して電子デバイス130
と通信可能であってもよい。電子デバイス130は、インターネットなどを介してリモート
サーバ150と通信可能である。したがって、電子デバイス130は、測定デバイス110が電子
デバイス130を介してリモートサーバ150と通信できるように、測定デバイス110とリモー
トサーバ150との間の中継デバイスとして機能する。例えば、測定デバイス110は、生理学的データを測定し、生理学的データを第1のデータベース112に格納する。測定デバイス110は、自動的に、生理学的データを電子デバイス130に通信することにより、リモートサーバ150に通信することができる。あるいは、測定デバイス110は、最初に第2のデータベー
ス132に格納するために生理学的データを電子デバイス130に通信でき、その後に電子デバイス130が、第3のデータベース152に格納するために、後の時点で生理学的データをリモ
ートサーバ150に通信する。これは、ユーザが測定デバイス110によって測定されていて、ネットワーク接続がゼロまたは制限されている場合に、発生する可能性がある。いくつかの他の実施形態において、測定デバイス110は、生理学的データを直接共有するために、
例えばインターネットを介してリモートサーバ150と直接通信可能である。
【0027】
図1Bを参照すると、測定デバイス110は、装置本体114および表示モジュール116を含む
。表示モジュール116は、生理学的データに基づくユーザのストレス評価からの視覚的情
報を表示するための一式のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)部分120を有するグラフィカルユーザインターフェース(GUI)118を含む。視覚的情報は、生理学的データの処理から導出され、1つ以上のGUI部分120またはGUI118全体に表示されてよい。いくつ
かの実施形態において、GUI118は、第1のGUI部分120a、第2のGUI部分120b、および第3のGUI部分120cを含む。GUI部分120a~cの各々を、GUI118の任意の場所に再配置できることを、理解できるであろう。
【0028】
図1Cを参照すると、電子デバイス130は、デバイス本体134およびディスプレイモジュール136を含む。ディスプレイモジュール136は、生理学的データに基づくユーザのストレス評価からの視覚的情報を表示するための一式のGUI部分140を有するGUI138を含む。視覚的情報は、生理学的データの処理から導出され、1つ以上のGUI部分140またはGUI138全体に
表示されてよい。いくつかの実施形態において、GUI138は、第1のGUI部分140a、第2のGUI部分140b、および第3のGUI部分140cを含む。GUI部分140a~cの各々を、GUI138の任意の場所に再配置できることを、理解できるであろう。
【0029】
一実施形態において、ユーザは、例えばモバイルアプリなどのソフトウェアアプリケーションをダウンロードし、例えば携帯電話機などの電子デバイス130にインストールする
。別の実施形態において、ソフトウェアアプリケーションは、電子デバイス130上で実行
されるブラウザを使用してアクセス可能なウェブアプリケーションまたはウェブベースのアプリケーションである。ウェブアプリケーションまたはウェブベースのアプリケーションは、複数の電子デバイス130を使用して複数のユーザがアクセスできるように、リモー
トサーバ150上にホストされてもよい。ソフトウェアアプリケーションは、ユーザがソフ
トウェアアプリケーションによって利用されるストレス評価機能を使用するためにサブスクリプション料金の支払いを求められるように、サブスクリプションベースで動作してよい。
【0030】
ソフトウェアアプリケーションは、ユーザのストレス評価を実行するために電子デバイス130上で実行可能である。ユーザに、ソフトウェアアプリケーションを初めて使用する
場合に、自身のプロファイルを設定するように求めることができる。この設定または登録手順において、ユーザは、性別、生年月日、体重、身長、職種、および健康事情などの一式の生理学的情報を含む関連の一式の個人情報を入力する。個人情報および生理学的情報は、例えば参照用の正常な状態/非ストレス状態など、ユーザのストレス評価のための基準状態を決定するために使用される。
【0031】
登録手順の後に、ユーザは、例えばブルートゥース(登録商標)ペアリングによって測定デバイス110を電子デバイス130に関連付けるように設定する。測定デバイス110と電子
デバイス130との間の関連付けは、測定デバイス110が測定された生理学的データを電子デバイス130へと通信することを可能にする。個人情報および生理学的情報は、基準状態と
併せて、電子デバイス130から測定デバイス110へと通信されてもよい。
【0032】
図2を参照すると、ユーザのストレス評価のためのコンピュータによって実施される方
法またはコンピュータ化された方法200が示されている。方法200は、プログラム命令を実行するためのプロセッサなど、方法200のさまざまなステップを実行するための種々のモ
ジュール/コンポーネントを備える測定デバイス110上に実装され、あるいはそのような
測定デバイス110によって実行される。
【0033】
方法200は、ユーザから測定されたいくつかの生理学的データセット(すなわち、少な
くとも1つの生理学的データセット)を第1のデータベース112から取り出すステップ202を含み、各々の生理学的データセットは、別個の時間期間において測定される。方法200は
、所定のストレス基準と比較するために、各々の生理学的データセットのストレスパラメータを決定するステップ204を含む。方法200は、現在の時間期間についての第1のストレ
スパラメータを識別するステップ206を含む。方法200は、少なくとも第1のストレスパラ
メータに基づいて所定のストレス条件が満たされていると判断されるときに、ストレスアラートを生成するステップ208を含む。具体的には、第1のストレスパラメータが所定のストレス基準に対するユーザのストレス状態を示している場合に、ストレス条件は満たされる。方法200は、ストレスアラートに対応する視覚的情報であって、ストレス状態の緩和
においてユーザの助けとなる視覚的情報を、測定デバイス110の少なくとも1つのGUI部分120に表示するステップ210を含む。
【0034】
いくつかの実施形態において、測定デバイス110は、電子デバイス130がユーザのストレス評価を実行するように、生理学的データを電子デバイス130と共有する。一実施形態に
おいて、生理学的データは、例えばユーザによる要求により、生理学的データを電子デバイス130へと通信する前に測定されて第1のデータベース112に格納される。別の実施形態
においては、生理学的データが測定の直後または短時間後に電子デバイス130と自動的に
共有されるように、測定デバイス110と電子デバイス130との間にアクティブな通信リンク
が存在する。同様に、生理学的データがリモートサーバ150と自動的に共有されるように
、電子デバイス130とリモートサーバ150との間にアクティブな通信リンクが存在してもよい。
【0035】
図3を参照すると、ユーザのストレス評価のためのコンピュータによって実行される方
法またはコンピュータ化された方法300が示されている。方法300は、プログラム命令を実行するためのプロセッサなど、方法300のさまざまなステップを実行するための種々のモ
ジュール/コンポーネントを備える電子デバイス130上に実装され、あるいはそのような
電子デバイス130によって実行される。
【0036】
方法300は、ユーザから測定されたいくつかの生理学的データセット(すなわち、少な
くとも1つの生理学的データセット)を含む測定データセットを測定デバイス110から受信するステップ302を含み、各々の生理学的データセットは、別個の時間期間において測定
される。方法300は、第2のデータベース132上に測定データセットを格納するステップ304を含む。方法300は、所定のストレス基準と比較するために、各々の生理学的データセッ
トのストレスパラメータを決定するステップ306を含む。方法300は、現在の時間期間についての第1のストレスパラメータを識別するステップ308を含む。方法300は、少なくとも
第1のストレスパラメータに基づいて所定のストレス条件が満たされていると判断される
ときに、ストレスアラートを生成するステップ310を含む。具体的には、第1のストレスパラメータが所定のストレス基準に対するユーザのストレス状態を示している場合に、ストレス条件は満たされる。方法300は、ストレスアラートに対応する視覚的情報であって、
ストレス状態の緩和においてユーザの助けとなる視覚的情報を、電子デバイス130の少な
くとも1つのGUI部分140に表示するステップ312を含む。
【0037】
ステップ202および302において、生理学的データセットは、ストレスパラメータの決定前に、測定デバイス110を使用してユーザから測定される。各々の生理学的データセット
は、1分~5分の範囲であってよい個別の時間期間において測定されるが、10分、30分、1
時間、などの他の時間期間も可能である。個別の時間期間の継続時間は、電子デバイス130上のソフトウェアアプリケーションを使用し、あるいは測定デバイス110を使用することによって、ユーザによって調整可能であってよい。生理学的データセットが集まって、一連の生理学的データを形成する。例えば、一連の生理学的データは、12個の生理学的データセットを含み、各セットは、5分の個別の時間期間において測定され、したがって一連
の生理学的データは1時間の時間空間において測定される。一連の生理学的データにおけ
る生理学的データセットの個別の時間期間および数が、生理学的データの測定をユーザの好みに合わせてカスタマイズするために調整可能であることを、理解できるであろう。
【0038】
ステップ204および306において、ストレスパラメータが、所定のストレス基準との比較のために、それぞれの時間期間における各々の生理学的データセットについて決定される。ストレスパラメータは、心拍数、心拍変動、血圧、パルス形状変動、などの生理学的データ、およびそれらの任意の組み合わせに適用される所定のアルゴリズムを使用して計算されるストレススコアまたはインデックスを含むことができる。所定のストレス基準は、登録手順の際に決定されたユーザの基準状態から導き出された基準ストレススコアまたはインデックスであってよい。加えて、ユーザのストレス基準を、全国平均のストレスパターンならびに/あるいはユーザ集団からのストレスパラメータおよびストレス基準に基づいてさらに定めることができる。
【0039】
ステップ206および308は、現在の時間期間についての第1のストレスパラメータを識別
する。第1のストレスパラメータは、所定のストレス基準に対するユーザのストレス状態
を示すことができる。例えば、第1のストレスパラメータがストレス基準以上である場合
、ユーザはストレス状態にあるかもしれない。反対に、第1のストレスパラメータがスト
レス基準よりも低い場合、ユーザは通常の状態/非ストレス状態であるかもしれない。
【0040】
所定のストレス基準は、ストレス状態表示の感度を変えるために、ユーザによって調整可能であってよい。例えば、ユーザは、ストレスパラメータがストレス状態を示す可能性が低くなるように、ストレス基準を高くすることができる。ソフトウェアアプリケーションは、ユーザによる選択のために、所定のストレス基準のいくつかのレベルを提示することができる。
【0041】
方法200/300のいくつかの実施形態において、所定のストレス条件は、第1のストレス
パラメータおよび第2のストレスパラメータに基づいて満たされる。一実施形態において
、方法200/300は、随意により、現在の時間期間に先行する第2の時間期間の第2のストレスパラメータを識別するステップを含む。したがって、現在の時間期間は、第2の時間期
間に連続する。第2のストレスパラメータも所定のストレス基準に対するユーザのストレ
ス状態を示している場合に、ストレス条件は満たされる。
【0042】
別の実施形態において、方法200/300は、随意により、現在の時間期間の前のより早い時間期間についてのストレスパラメータに基づいてユーザの最近のストレス状態を識別するステップを含み、最近のストレス状態は、より早い時間期間のうちの最も早い時間期間についての第2のストレスパラメータによって示される。第2のストレスパラメータがストレス状態を示す最も早い時間期間は、現在の時間期間の直前またはそれ以前であってよい。さらに、第2のストレスパラメータがユーザの最近のストレス状態を示し、他のより早
い時間期間のストレスパラメータのいずれもユーザの正常な状態を示さない場合、ストレス条件は満たされる。
【0043】
方法200/300のいくつかの実施形態において、所定のストレス条件は、第1のストレス
パラメータ、第2のストレスパラメータ、および第3のストレスパラメータに基づいて満たされる。一実施形態において、方法200/300は、随意により、現在の時間期間に先行する第2の時間期間の第2のストレスパラメータを識別し、第2の時間期間に先行する第3の時間期間の第3のストレスパラメータを識別するステップを含む。したがって、現在の時間期
間、第2の時間期間、および第3の時間期間は、連続した時間期間である。第2および第3の両方のストレスパラメータも所定のストレス基準に対するユーザのストレス状態を示している場合に、ストレス条件は満たされる。
【0044】
別の実施形態において、方法200/300は、随意により、現在の時間期間の前のより早い時間期間についてのストレスパラメータに基づいてユーザの2つの最近のストレス状態を
識別するステップを含み、最近のストレス状態は、より早い時間期間のうちの第2および
第3のそれぞれの時間期間についての第2および第3のストレスパラメータによって示され
、第3の時間期間が、より早い時間期間のうちの最も早い時間期間である。さらに、第2および第3の両方のストレスパラメータがユーザの最近のストレス状態を示し、他のより早
い時間期間のストレスパラメータのいずれもユーザの正常な状態を示さない場合、ストレス条件は満たされる。
【0045】
方法200/300のいくつかの実施形態において、所定のストレス条件は、第1のストレス
パラメータおよび複数の最近のストレスパラメータに基づいて満たされる。方法200/300は、随意により、現在の時間期間の前のより早い時間期間についてのストレスパラメータに基づいてユーザの複数の最近のストレス状態を識別することを含み、最近のストレス状態は、より早い時間期間のうちの複数の最近の時間期間についての複数の最近のストレスパラメータによって示され、複数の最近のストレスパラメータは、より早い時間期間のうちの最も早い時間期間についての最も早いストレスパラメータを含む。さらに、複数の最近のストレスパラメータのすべてがユーザの最近のストレス状態を示し、他のより早い時
間期間のストレスパラメータのいずれもユーザの正常な状態を示さない場合、ストレス条件は満たされる。
【0046】
例えば連続する時間期間などの2つ以上の個別の時間期間のストレス状態を示す2つ以上のストレスパラメータを照合することで、ユーザがストレス状態にあるかどうかの判断において精度を向上させるストレスパターンを確立させることができる。しかしながら、ストレスパラメータのこのチェーンは、ストレスパラメータのうちの1つがユーザの正常な
状態を示す場合に破壊され、より早いストレスパラメータは無視されると考えられる。例えば、現在の時間期間より前のすべての時間期間のストレスパラメータは、最初のストレスパラメータがユーザの正常な状態を示している場合に、ストレス条件に関して無視される。
【0047】
測定デバイス110は、各々の生理学的データセットの測定条件を決定することができる
。測定条件は、測定される生理学的データの精度に影響する可能性がある。登録手順の際に決定されたユーザの基準条件を満たさない場合や、すべての測定デバイス110について
適用可能な何らかの他の一式の共通基準条件を満たさない場合など、測定条件が不充分であると判定された場合に、これらの不充分な測定条件のもとで測定された生理学的データセットは、破棄される。一実施形態において、生理学的データの破棄は、生理学的データを恒久的に削除することを意味し得る。別の実施形態においては、生理学的データが、電子デバイス130およびリモートサーバ150への後の通信のために依然として第1のデータベ
ース112に格納されてよいが、ストレス評価に関して考慮されることはない。この時間期
間についての生理学的データは破棄されるため、この時間期間についてのストレスパラメータを決定することはできない。これは、ユーザがストレス状態にあるか、あるいは正常な状態にあるかを判別できないため、無効またはヌル状態を示すと考えられる。或る時間期間について生理学的データが存在しないと、結果もヌル状態になると考えられる。
【0048】
測定デバイス110および電子デバイス130の各々は、ユーザからの生理学的データの測定の最中および/またはストレス評価のための生理学的データの処理の最中に、それぞれのGUI118および138上にさまざまなグラフィックス/画面を表示するように構成される。図4Aから図4Cを参照すると、GUI118および138上に表示可能な第1のグラフィック400、第2の
グラフィック420、および第3のグラフィック440が存在する。グラフィック400/420/440は、ストレス評価に関連する視覚的情報をユーザに表示する。測定デバイス110においては
、グラフィック400/420/440を、GUI部分120のいずれかに表示することができる。同様
に、電子デバイス130においては、グラフィック400/420/440を、GUI部分140のいずれかに表示することができる。
【0049】
ストレス評価からの視覚的情報を、GUI118/138上でユーザに提示することができる。視覚的情報は、モノクロ(白黒)、グレースケール、および/またはカラーパレットのカラーインジケータを含むことができる。各々の時間期間における生理学的データの測定中に、視覚的情報を、第1のグラフィック400および/または第2のグラフィック420の形態でユーザに提示することができる。第1のグラフィック400を、モノクロまたはグレースケールのパレットで提示することができる。図4Aに示されるような第1のグラフィック400は、正常/非ストレス状態を表す正常アイコン402、ストレス状態を表すストレスアイコン404、およびヌル状態を表すヌルアイコン406を含む。第2のグラフィック420を、モノクロ、グ
レースケール、またはカラーパレットで提示することができる。図4Bに示されるような第2のグラフィック420は、ストレスアラートが生成されないときの正常/非ストレス状態を表す正常アイコン422、ストレスアラートが生成されるときのストレス状態を表すストレ
スアイコン424、およびヌル状態を表すヌルアイコン426を含む。各々の時間期間の正常、ストレス、またはヌル状態は、上述のような生理学的データの処理から決定される。
【0050】
図5Aが、ストレスパラメータが決定された複数の連続する別個の時間期間を有する時間空間510の例を示している。時間空間510における一連のストレスパラメータを、測定デバイス110上に表示することができる。とりわけ、最初から最後までの時間期間が、右から
左へと配置され、最初の時間期間は現在の時間期間を指す。各々のストレスパラメータが、正常アイコン402、ストレスアイコン404、またはヌルアイコン406で表される。ストレ
スアラート500が、少なくとも第1のストレスパラメータまたは現在のストレスパラメータに基づいて所定のストレス条件が満たされていると判定されると生成される。具体的には、任意の現在の時間期間についてであってよい第1のストレスパラメータがストレス状態
を示す場合、ストレス条件が満たされる。第1のストレスパラメータが正常またはヌル状
態を示す場合、ストレスアラート500は生成されない。
【0051】
図5Bが、ストレスパラメータが決定された複数の連続する別個の時間期間を有する時間空間520の別の例を示している。時間空間520における一連のストレスパラメータを、測定デバイス110上に表示することができる。時間空間520においては、ストレスアラート500
が生成されるために、例えば2つの連続する時間期間にストレス状態が存在する場合など
、ストレス状態を示す2つのストレスパラメータが一般に必要である。時間空間520内の第1および第2の時間期間の第1のグループ522においては、第1および第2の両方のストレスパラメータが、ストレス状態を示している。ストレス条件が満たされ、ストレスアラート500が生成される。
【0052】
第2のグループ524においては、第1の時間期間についての第1のストレスパラメータが、ストレス状態を示しているが、第2の時間期間についての第2のストレスパラメータは、ヌル状態を示している。したがって、ユーザの最近のストレス状態が、第1の時間期間の前
のより早い時間期間のストレスパラメータに基づいて識別される。最近のストレス状態は、より早い時間期間のうちの最も早い時間期間の最近のストレスパラメータによって示される。第2のグループ524において、最近のストレスパラメータは、第3の時間期間の第3のストレスパラメータであり、第3のストレスパラメータはストレス状態を示している。他
のより早い時間期間のストレスパラメータ(すなわち、第2の時間期間の第2のストレスパラメータ)のいずれも、正常な状態を示していない。ストレス条件が満たされ、ストレスアラート500が生成される。とりわけ、最初と最後のストレスパラメータがストレス状態
を示しており、介在するストレスパラメータが正常な状態を示していない(ヌル状態を示していてもよい)場合、ストレス条件が満たされ、ストレスアラート500が生成される。
【0053】
いずれかの時間期間において正常状態が示されると、その時間期間までのすべてのより早い時間期間のストレスパラメータのチェーンは「破壊」され、すべてのより早い時間期間のストレスパラメータは無視される。例示の例として、第3のグループ526においては、第1および第3のストレスパラメータがストレス状態を示し、第2のストレスパラメータが
正常状態を示している。ストレス状態を示す2つのストレスパラメータが存在するが、正
常状態を示す第2のストレスパラメータが、ストレスパラメータのチェーンを「破壊」す
る。したがって、第3のストレスパラメータは、より早いストレスパラメータと同様に、
ストレス条件が満たされているかどうかの判断において無視される。第1のストレスパラ
メータだけがストレス状態を示しているため、ストレスアラート500は生成されず、すな
わち非アラート500’であると考えられる。次の時間期間についての次のストレスパラメ
ータがストレス状態を示す場合、ストレスアラート500は、後に次の期間において生成さ
れる。
【0054】
図5Cが、ストレスパラメータが決定された複数の連続する別個の時間期間を有する時間空間530の別の例を示している。時間空間530における一連のストレスパラメータを、測定デバイス110上に表示することができる。時間空間530においては、ストレスアラート500
が生成されるために、例えば3つの連続する時間期間にストレス状態が存在する場合など
、ストレス状態を示す3つのストレスパラメータが一般に必要である。時間空間530内の第1~第3の時間期間の第1のグループ532においては、第1~第3のすべてのストレスパラメータが、ストレス状態を示している。ストレス条件が満たされ、ストレスアラート500が生
成される。
【0055】
第2のグループ534においては、第1および第2の時間期間についての第1および第2のストレスパラメータが、ストレス状態を示しているが、第3の時間期間についての第3のストレスパラメータは、ヌル状態を示している。したがって、ユーザの2つの最近のストレス状
態が、第1の時間期間の前のより早い時間期間のストレスパラメータに基づいて識別され
る。最近のストレス状態は、より早い時間期間内の2つの最近の時間期間の2つの最近のストレスパラメータによって示され、2つの最近の時間期間の一方は、より早い時間期間の
うちの最も早い時間期間である。第2のグループ534において、2つの最近のストレスパラ
メータは、第2および第4の時間期間についての第2および第4のストレスパラメータであり、第2および第4のどちらのストレスパラメータもストレス状態を示している。第4の時間
期間は、より早い時間期間のうちの最も早い時間期間である2つの最近の時間期間のうち
の前記一方とも呼ばれる。他のより早い時間期間についてのストレスパラメータ(すなわち、第3の時間期間についての第3のストレスパラメータ)はいずれも、正常状態を示していない。ストレス条件が満たされ、ストレスアラート500が生成される。とりわけ、最初
と最後のストレスパラメータがストレス状態を示しており、介在するストレスパラメータが、ストレス状態を示すストレスパラメータを含み、かつ正常状態を示すストレスパラメータを含まない(ヌル状態を示していてもよい)場合、ストレス条件が満たされ、ストレスアラート500が生成される。
【0056】
図5Bの時間空間520と同様に、いずれかの時間期間において正常状態が示されると、そ
の時間期間までのすべてのより早い時間期間のストレスパラメータのチェーンは破壊され、すべてのより早い時間期間のストレスパラメータは無視される。例示の例として、第3
のグループ536においては、第1、第3、および第4のストレスパラメータがストレス状態を示し、第2のストレスパラメータが正常状態を示している。ストレス状態を示す3つのストレスパラメータが存在するが、正常状態を示す第2のストレスパラメータが、ストレスパ
ラメータのチェーンを破壊する。したがって、第3および第4のストレスパラメータ、ならびにより早いストレスパラメータは、ストレス条件が満たされているかどうかの判断において無視される。第1のストレスパラメータだけがストレス状態を示しているため、スト
レスアラート500は生成されず、すなわち非アラート500’であると考えられる。2つの次
の時間期間についての2つの次のストレスパラメータがストレス状態を示す場合、ストレ
スアラート500は、後に第2の次の時間期間において生成されると考えられる。
【0057】
ユーザが、ストレスアラート500が種々の時間期間についての種々のストレスパラメー
タのさまざまな組み合わせ/順列に基づいて生成されるように、所定のストレス条件を設定/調整できることを、理解できるであろう。これが一般的な例であることを説明するために、ストレスパラメータが決定された複数の連続する別個の時間期間を有する一般的な時間空間が存在する。この一般的な時間空間においては、ストレスアラート500が生成さ
れるために、例えば複数の連続する時間期間にストレス状態が存在する場合など、ストレス状態を示す複数のストレスパラメータが一般に必要である。ストレス状態の連続性がなく、第1のストレスパラメータがストレス状態を示している場合、ユーザの複数の最近の
ストレス状態が、第1の時間期間の前のより早い時間期間についてのストレスパラメータ
に基づいて識別される。最近のストレス状態は、より早い時間期間内の複数の最近の時間期間についての複数の最近のストレスパラメータによって示される。複数の最近のストレスパラメータは、より早い時間期間のうちの最も早い時間期間についての最も早いストレスパラメータを含む。正常状態がストレスパラメータのチェーンを破壊するため、第1の
ストレスパラメータおよび複数の最近のストレスパラメータのすべてがユーザの最近のス
トレス状態を示し、かつ他のより早い時間期間についてのストレスパラメータのいずれもユーザの正常な状態を示さない場合、ストレス条件は満たされる。
【0058】
例示の例としての図6の一般的な時間空間600を参照すると、ストレス条件を満たしてストレスアラート500を生成するために、ストレス状態を示す合計3つのストレスパラメータ(現在の時間期間についての第1のストレスパラメータを含む)が必要とされる場合、ス
トレスアラート500は、現在の時間期間602、604、および606において生成される。ストレス状態を示す合計4つのストレスパラメータが必要とされる場合、ストレスアラート500は、現在の時間期間604および606において生成される。ストレス状態を示す合計5つのスト
レスパラメータが必要とされる場合、ストレスアラート500は、時間空間600のいかなる時間期間においても生成されない。とりわけ、時間期間608についてのストレスパラメータ
(正常状態を示している)が、ストレスパラメータのチェーンを破壊し、時間期間602(
ストレス状態を示している)についてのストレスパラメータを無視する。しかしながら、時間期間608についてのストレスパラメータがストレス状態またはヌル状態を示す場合、
ストレスアラート500が現在の時間期間606において生成される。
【0059】
時間空間内の複数の時間期間についてのストレスパラメータを考慮することは、ユーザのストレスパターンまたは気分パターンを確立させ、ユーザにユーザの全体としてのストレス状態をより正確に知らせる役に立つ。追加の先行する時間期間についての追加のストレスパラメータを、後の時間期間についてのストレスパラメータと一緒に集合的に考慮して、ユーザの長期または慢性のストレスパターンを確立できることを、理解できるであろう。
【0060】
ステップ210および312において、ストレスアラート500に対応する視覚的情報が、少な
くとも1つのGUI部分120/140に表示される。視覚的情報を、第3のグラフィック440の形態でユーザに提示することができる。第3のグラフィック440を、カラーパレットで提示することができる。第3のグラフィック440は、一式の照明要素(例えば、LED)442を含む。図4Cに示されるような第3のグラフィック440は、一列に配置された3つのLED442を含み、LED442は、カラーインジケータを照明するように構成される。ストレスアラート500が生じていない場合、カラーインジケータは、ユーザが正常な状態または気分であることを示す緑色である。反対に、ストレスアラート500が生じている場合、ストレスアラート500に対応する視覚的情報のカラーインジケータは、紫色である。驚くべきことに、紫色のカラーインジケータは、ユーザの気分を落ち着ける役に立つ。したがって、ユーザがストレス状態にあるがゆえにストレスアラート500が生じる場合、ストレスアラート500に対応する視覚的情報は、ユーザのストレス状態の緩和に役立つと考えられる。
【0061】
第3のグラフィック440および/またはストレスアラート500に対応する視覚的情報を含
む別のグラフィックを、ユーザの注意を引くように、GUI118/138上に視覚的なポップア
ップ通知として出現させることができる。いくつかの実施形態において、測定デバイス110は、ストレスアラート500に対応する触覚フィードバックを生成するための触覚モジュールを備える。触覚フィードバックは、測定デバイス110を装着しているユーザが感じるこ
とができる振動の形態であってよく、したがってユーザにストレス状態を警告することができる。ソフトウェアアプリケーションは、視覚的外観および振動強度など、視覚的なポップアップ通知および触覚フィードバックを設定するための機能をユーザに利用させることができる。
【0062】
視覚的情報は、生理学的データのライブ測定に基づいてリアルタイムでユーザに提示される。ストレス状態は絶えず変化する可能性があり、ユーザの生理学的反応に依存するため、視覚的情報を素早く表示して、ストレスとの闘いおよびストレスへの対処においてユーザを支援することができる。ストレスアラート500から生じる視覚的情報および随意に
よる触覚フィードバックは、ユーザが自身のストレス状態を認識することを助け、ユーザが自身のストレス状態を軽減するための行動をとることを促進する。
【0063】
上述のように、図5A図5Cに示した時間空間510/520/530などの時間空間は、複数の
連続した個別の時間期間を有する。各々の時間期間は、1分~5分の範囲で同じであるが、他の範囲も可能である。さまざまな個別の時間期間は、同一の継続時間を有することができるが、代案においては互いに異なってもよい。一連の生理学的データが、時間空間の最中に測定され、一連の生理学的データが、ユーザのストレス状態の判断において集合的に考慮される。単一の時間空間の最中の測定デバイス110による一連の生理学的データの測
定は、スポットストレス測定として知られているかもしれない。
【0064】
測定デバイス110が新たなスポットストレス測定を実行すると、新たな生理学的データ
が、第1のデータベース112に第1の一連の生理学的データとして格納される。第1の一連の生理学的データを、さらなる処理のために電子デバイス130および/またはリモートサー
バ150と共有することができる。例えば、第1の一連の生理学的データは、第1のデータベ
ース112が2つ以上の一連の生理学的データを格納することができないため、アーカイブなどのさらなる処理のために電子デバイス130へと通信される。次いで、第1の一連の生理学的データを、第2のデータベース132に格納することができる。第2のデータベース132は、第2および第3の一連の生理学的データなど、以前に測定された先行の一連の生理学的データをすでに有しているかもしれない。複数の一連の生理学的データを電子デバイス130に
よって集合的に処理し、中間ストレス測定値および累積ストレスパターンを決定することができる。
【0065】
図7Aに示されるような一実施形態において、電子デバイス130は、ユーザの累積ストレ
スパターン702を視覚化するために、GUI138上にヒストグラムグラフィック/画面700を表示することができる。累積ストレスパターン702は、いくつかの時間空間から形成される
。各々の時間空間は、その時間空間において測定された一連の生理学的データから決定される累積ストレスパラメータに関連付けられる。時間空間の累積ストレスパラメータを、その時間空間内の時間期間についてのストレスパラメータの平均または中央値に基づいて決定することができる。したがって、ヒストグラムグラフィック700に示されるような累
積ストレスパターン702は、累積ストレスパラメータから決定され、ユーザの中間ストレ
ス測定値の視覚的情報またはフィードバックをユーザに提供する。ヒストグラムグラフィック700は、ユーザが自身の気分およびストレスパターンをさらに認識する役に立つ。
【0066】
図7Aにおいて、ヒストグラムグラフィック700は、12時間の時間空間に関する累積スト
レスパターン702を示している。累積ストレスパターン702の各々のバーまたは区間704は
、1時間の時間空間を表し、あるいは1時間の時間空間にまたがる。図7Bに示されるような別の実施形態において、電子デバイス130は、ユーザの累積ストレスパターン712を視覚化するために、GUI138上に代案のヒストグラムグラフィック/画面710を表示することがで
きる。ヒストグラムグラフィック700のバー704の代わりに、ヒストグラムグラフィック710は、12時間の時間空間を表すコラムを横切るチャートライン714を示している。
【0067】
累積ストレスパターン702/712を、1時間~24時間の間またはそれ以上の任意の継続時
間について表示できることを、理解できるであろう。累積ストレスパターン702/712を、新たな時間空間についての累積ストレスパラメータで更新することができる。その場合、最も左または最も右の時間空間が見えなくなり(すなわち、GUI138の外に移動し)、新たな時間空間が追加されて、累積ストレスパターン702/712が更新される。例えば、累積ストレスパターン702は、0600から1800時までの12時間の時間空間について表示される。次
の1時間についての一連の生理学的データが受信されると、累積ストレスパラメータが決
定され、累積ストレスパターン702/712へと更新される。具体的には、累積ストレスパタ
ーン702/712が移動し、0700から1900時までの12時間の時間空間が表示される。したがっ
て、累積ストレスパターン702/712およびヒストグラムグラフィック700/710を1時間ご
とに(または、任意の他の時間間隔で)更新することができる。
【0068】
ユーザは、累積ストレスパターン702/712を設定して、12時間よりも短い時間空間また
は12時間を超える時間空間を表示することができる。例えば、累積ストレスパターン702
/712を、1週間または168時間の時間空間について表示することができる。累積ストレス
パターン702の各々のバーまたは区間704、あるいはチャートライン714の各カラムは、1時間の時間空間を表すことができ、あるいは1時間の時間空間にまたがることができる。ユ
ーザは、例えば累積ストレスパターン702の各々のバーまたは区間704あるいはチャートライン714の各カラムを調整することによって、ヒストグラムグラフィック700/710上の累
積ストレスパターン702/712の視覚化を調整することができる。例えば、各々のバーまたは区間704あるいは各カラムは、1時間ではなく12~14時間にまたがってもよい。さらに、ユーザは、例えば毎日または毎週、あらかじめ定められた日数、あるいは毎日の終わりなどのあらかじめ定められた時間など、任意の所与の時間/間隔で、中間ストレス測定値および累積ストレスパターン702/712をリセットすることができる。
【0069】
いくつかの実施形態において、ユーザは、第1のデータベース112がさらなる生理学的データを格納することができない可能性があるため、例えば毎日または毎週リセットするように測定デバイス110を設定することができる。測定された生理学的データを、さらなる
処理のため、および第2のデータベース132および/または第3のデータベース152にそれぞれ格納/アーカイブするために、電子デバイス130および/またはリモートサーバ150に転送することができる。とくには、リモートサーバ150は、例えば長期または慢性のストレ
スパターンを明らかにするために、長期のストレス測定を実行すべく第3のデータベース152にユーザの履歴生理学的データを格納することができる。
【0070】
一実施形態において、リモートサーバ150は、測定デバイス110または電子デバイス130
から測定データセットを受信する。測定データセットは、ユーザから測定された複数の生理学的データセットを含む。測定データセットは、以前に取得されたユーザの履歴測定データセットとともに、第3のデータベース152に格納される。ユーザの測定データセットを、ユーザのさまざまな情報を導出するために集合的に使用することができる。例えば、リモートサーバ150は、アルゴリズムを測定データセットに適用して、ユーザの活動、ユー
ザの睡眠活動、ユーザのストレスパラメータ、などを計算することができる。長期測定の全期間、すなわちすべての測定データセットからのすべての時間空間の総期間は、ユーザが調整できるように、数日から数年の範囲であってよい。すべての測定データセットに基づく長期のストレス測定を実行するために、さまざまなアルゴリズムおよび統計的手法を実装することができる。ユーザは、例えば毎日、毎週、または毎月の形式の測定データセットおよび長期ストレスパターンの定期的な要約を要求することができる。定期的な要約を、測定デバイス110/電子デバイス130に通信し、それぞれのGUI 118/138上に表示することができる。
【0071】
いくつかの実施形態において、リモートサーバ150は、長期のストレス測定から、基準
データセットに対する、ユーザの長期または慢性ストレス状態を決定する。基準データセットを、ユーザ、全国平均、および/またはユーザ集団の基準条件から導出することができる。さらに、リモートサーバ150は、ユーザの慢性的なストレス状態を緩和するための
推奨コンテンツを生成する。推奨コンテンツは、サードパーティのサービスプロバイダによって提供され、リモートサーバ150と共有されてよい。特定のユーザの測定データセッ
トに基づいて、リモートサーバ150は、キュレーションされた推奨コンテンツを生成し、
ユーザへと配布する。推奨コンテンツのいくつかの例として、これらに限られるわけではないが、リラクゼーション法(例えば、呼吸法およびマインドフルネストレーニング)、
ストレス解消画像/ビデオ/オーディオ、インタラクティブ情報、エクササイズ/フィットネス情報(例えば、ヨガまたはピラティス)、ならびにストレス緩和に関して推奨される食品/サプリメントが挙げられる。推奨コンテンツを、測定デバイス110/電子デバイ
ス130に通信し、それぞれのGUI 118/138上に表示することができる。
【0072】
いくつかの実施形態においては、測定デバイス110、電子デバイス130、およびリモートサーバ150の間に、通信ネットワーク170を介したアクティブな通信リンクが存在する。アクティブな通信リンクは、測定デバイス110による測定の直後または短時間後の生理学的
データの自動的な共有を容易にする。このようにして、生理学的データに基づくユーザのストレス評価が、測定デバイス110、電子デバイス130、およびリモートサーバ150によっ
てリアルタイムで実行される。同様に、ユーザは、ストレス評価から視覚的情報をリアルタイムで得ることができる。
【0073】
一実施形態においては、臨床医がリモートサーバ150と通信して、例えば以前に臨床医
によって慢性的なストレスのリスクがあると評価された特定のユーザのストレス評価にアクセスすることができる。リモートサーバ150によって実行される長期のストレス測定は
、臨床医にユーザのより正確かつ洞察に満ちた長期ストレスパターンを提供する。長期ストレスパターンは、臨床医によるユーザの精神状態のチェックを助け、時間につれてのユーザのストレスパターンの検討を臨床医にとって可能にする。臨床医は、ユーザに対して適切なストレス緩和の運動を施し、きわめて深刻な状況においては薬剤を投与することができる。さらに、臨床医は、高血圧および睡眠関連の状態などのユーザの他の健康状態を評価するときに、長期ストレスパターンを考慮に入れることができる。
【0074】
上述のように、或る時間期間について生理学的データが存在しないと、ヌル状態になると考えられる。一実施形態において、ヌル状態は、測定デバイス110から電子デバイス130/リモートサーバ150へのヌル信号の通信を生じさせる。ヌル信号は、その時間期間につ
いて利用できる生理学的データが存在しない状態であることを臨床医に警告する。リモートサーバ150は、生理学的データの測定をリアルタイムで追跡でき、特定の時間期間につ
いて生理学的データが受信されない場合に、臨床医はユーザについて不都合な状態を推測することができる。例えば、一部のユーザは極端なストレス状態に直面する可能性があるため、臨床医は、ユーザが自暴自棄の状態や、自傷行為または他者を傷つける行為を引き起こす状況など、苦悩の状態にあると推測することができる。より具体的な例においては、ユーザが(腕時計の形態の)測定デバイス110を手首に装着していることでき、測定デ
バイス110は生理学的データを継続的に測定している。しかしながら、次の時間期間にお
いてヌル信号がもたらされ、これは、ユーザが自身の手首を切り、手首からのおびただしい出血が生じ、測定が突然終了するなどの生理学的データの測定の変化が生じたことを意味する可能性がある。ヌル信号は、ユーザが苦悩の状態にあるかどうかを評価し、速やかな救済措置が必要であるかどうかを判断するうえで、臨床医の役に立つ。
【0075】
図8は、本開示の実施形態によるコンピュータ800の技術的アーキテクチャを示すブロック図である。コンピュータ800のいくつかの非限定的な例は、測定デバイス110、電子デバイス130、およびリモートサーバ150である。コンピュータ800は、プロセッサ/中央処理
装置(CPU)802、メモリデバイス804、データベース806、データ通信モジュール808、お
よび生理学的データモジュール810を含む。
【0076】
プロセッサ802は、メモリデバイス804から命令、コード、コンピュータプログラム、および/またはスクリプトにアクセスし、これらを実行する。プロセッサ802は、そのよう
な動作または工程を実行するための適切な論理、回路、および/またはインターフェースを含む。プロセッサ802のいくつかの例として、これらに限られるわけではないが、特定
用途向け集積回路(ASIC)プロセッサ、縮小命令セット演算(RISC)プロセッサ、複合命
令セット演算(CISC)プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、などが挙げられる。プロセッサ802が1つだけ示されているが、複数のプロセッサ802が存在
してもよい。したがって、命令は、プロセッサ802によって実行されるものとして論じら
れるかもしれないが、命令は、(例えば、マルチコア構成の)1つ以上のプロセッサ802によって同時に実行されても、順次に実行されても、あるいは他のやり方で実行されてもよい。
【0077】
メモリデバイス804は、ストレージデバイス(フラッシュメモリ、ディスクドライブ、
またはメモリカード、など)、読み出し専用メモリ(ROM)、およびランダムアクセスメ
モリ(RAM)を備えることができる。メモリデバイス804は、本開示のさまざまな実施形態による方法200/300のさまざまな動作または工程を実行するようにプロセッサ802によっ
て動作する非一時的な命令を格納する。メモリデバイス804を、コンピュータ可読記憶媒
体および/または非一時的コンピュータ可読媒体と呼ぶこともできる。非一時的コンピュータ可読媒体は、すべてのコンピュータ可読媒体を含むが、唯一の例外は、一時的な伝播信号自体である。
【0078】
データベース806は、データの格納および/または取り出しに適した任意のコンピュー
タ動作のハードウェアである。データベース806のいくつかの例は、これらに限られるわ
けではないが、データベース112、132、および152である。データベース806は、ハードディスクおよび/またはソリッドステートディスクなどの複数のストレージユニットを、独立ディスクの冗長アレイ(RAID)構成にて含むことができる。データベース806は、これ
らに限られるわけではないが、ストレージエリアネットワーク(SAN)および/またはネ
ットワークアタッチドストレージ(NAS)システムを含むことができる。データ通信モジ
ュール808は、他のコンピュータ800と通信するように構成される。
【0079】
生理学的データモジュール810は、生理学的データを処理し、生理学的データに基づい
てストレス評価を実行するように構成される。生理学的データの前記処理および前記ストレス評価を実行するために、生理学的データモジュール810にさまざまなアルゴリズムを
実装することができる。
【0080】
以上の詳細な説明においては、ストレス評価のためのデバイスおよび方法に関する本開示の実施形態が、添付の図面を参照して説明されている。本明細書における種々の実施形態の説明は、本開示の具体的な表現または特定の表現を呼び出すことも、本開示の具体的な表現または特定の表現のみへの限定も意図しておらず、単に本開示の非限定的な例を示すことを意図している。本開示は、先行技術に関連する上述の課題および問題のうちの少なくとも1つへの対処に役立つ。本開示のいくつかの実施形態のみを本明細書において開
示したが、この開示に照らして、開示された実施形態について、本開示の範囲から逸脱することなくさまざまな変更および/または修正が可能であることは、当業者にとって明らかであろう。したがって、本開示の範囲および以下の特許請求の範囲の範囲は、本明細書に記載の実施形態に限定されない。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6
図7A
図7B
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-11-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザのストレス評価のためのウェアラブル測定デバイスであって、
各々が別個の時間期間の間に測定されるいくつかの生理学的データセットを、前記ユーザから測定するためのフォトプレスチモグラフィ(PPG)センサを備えているセンサモジュールと、
前記生理学的データを格納するためのデータベースと、
前記生理学的データに基づく前記ストレス評価からの視覚的情報を表示するための一式のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)部分を備えているディスプレイモジュールと、
プロセッサと
を備えており、
前記プロセッサは、
所定のストレス基準と比較するために、各々の生理学的データセットから時間空間におけるストレスパラメータを決定し、
複数のストレスパラメータに基づいて、累積ストレスパターンを生成し、
前記累積ストレスパターンを備える視覚的情報を、少なくとも1つの前記グラフィカルユーザインターフェース(GUI)部分の前記ディスプレイモジュールへと表示するように構成され、デバイス。
【請求項2】
前記累積ストレスパターンは一連の生理学的データから決定される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記累積ストレスパターンはいくつかの時間空間から形成される、請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記累積ストレスパターンは累積ストレスパラメータから決定され、請求項1~3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記累積ストレスパターンは前記ユーザの中間ストレス測定値を提供する、請求項1~4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記累積ストレスパターンは前記ストレスパラメータの平均または中央値に基づいて決定される、請求項1~5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記累積ストレスパターンは1時間~24時間の間、または、それ以上の間、表示される、請求項1~6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記累積ストレスパターンはヒストグラムとして表示される、請求項1~7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
ユーザのストレス評価のためのコンピュータ化された方法であって、
電子デバイスによって実行され、
前記ユーザから測定された、いくつかの生理学的データセットを含んでいる測定データセットであって、各々の生理学的データセットが別個の時間期間の間に測定された測定データセットウェアラブル測定デバイスから受信するステップと、
前記電子デバイスのデータベースに測定データセットを格納するステップと、
所定のストレス基準と比較するために、各々の生理学的データセットから時間空間におけるストレスパラメータを決定するステップと、
複数のストレスパラメータに基づいて、累積ストレスパターンを生成するステップと、
前記累積ストレスパターンを備える視覚的情報を、少なくとも1つのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)部分に表示するステップと、
を含、方法。
【請求項10】
前記累積ストレスパターンは一連の生理学的データから決定される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記累積ストレスパターンはいくつかの時間空間から形成される、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記累積ストレスパターンは累積ストレスパラメータから決定され、請求項9~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記累積ストレスパターンは前記ユーザの中間ストレス測定値を提供する、請求項9~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記累積ストレスパターンは前記ストレスパラメータの平均または中央値に基づいて決定される、請求項9~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記累積ストレスパターンは1時間~24時間の間、または、それ以上の間、表示される、請求項914のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記累積ストレスパターンはヒストグラムとして表示される、請求項915のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
ユーザのストレス評価のためのコンピュータ化された方法であって、
ウェアラブル測定デバイスによって実行され、
前記ユーザから測定された、いくつかの生理学的データセットであって、各々の生理学的データセット別個の時間期間の間に測定されている当該生理学的データセットを、前記ウェアラブル測定デバイスのデータベースから取り出すステップと、
所定のストレス基準と比較するために、各々の生理学的データセットからストレスパラメータを決定するステップと、
複数のストレスパラメータに基づいて、累積ストレスパターンを生成するステップと、
前記累積ストレスパターンを備える視覚的情報を、少なくとも1つのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)部分に表示するステップと
を含、方法。
【請求項18】
前記累積ストレスパターンは一連の生理学的データから決定される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記累積ストレスパターンは前記ユーザの中間ストレス測定値を提供する、請求項17又は18に記載の方法。
【請求項20】
前記累積ストレスパターンは前記ストレスパラメータの平均または中央値に基づいて決定される、請求項17~19のいずれか一項に記載の方法。
【外国語明細書】