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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161804
(43)【公開日】2024-11-20
(54)【発明の名称】保持器及びころ軸受
(51)【国際特許分類】
   F16C 33/46 20060101AFI20241113BHJP
   F16C 19/26 20060101ALI20241113BHJP
【FI】
F16C33/46
F16C19/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076850
(22)【出願日】2023-05-08
(71)【出願人】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安田 浩隆
(72)【発明者】
【氏名】百谷 泰正
【テーマコード(参考)】
3J701
【Fターム(参考)】
3J701AA13
3J701AA24
3J701AA32
3J701AA42
3J701AA52
3J701AA62
3J701BA34
3J701BA44
3J701BA50
3J701EA31
3J701FA38
(57)【要約】
【課題】ころ案内の保持器において、軸受の回転抵抗が高くなることを抑える。
【解決手段】保持器10は、第一円環部21と、第二円環部22と、第一円環部21と第二円環部22とを連結する複数の柱23と、を有する。個々の柱23は、ポケット24で保持されるころ13の外周面に径方向外側及び径方向内側の少なくとも一方から接触可能である突出部を有する。個々の柱23は、周方向第一側の第一側面27に設けられている第一の突出部と、周方向第二側の第二側面28に設けられている第二の突出部と、を有する。個々の柱23において、第一の突出部の少なくとも一部は、第二の突出部と、軸方向について異なる位置に存在する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向第一側の第一円環部と、軸方向第二側の第二円環部と、前記第一円環部と前記第二円環部とを連結する複数の柱と、を有し、前記第一円環部と前記第二円環部との間であって、周方向で隣り合う二つの前記柱の間が、ころを保持するポケットである保持器であって、
個々の前記柱は、
前記ポケットで保持されるころの外周面に径方向外側及び径方向内側の少なくとも一方から接触可能である突出部を有し、
個々の前記柱は、
周方向第一側の第一側面に設けられている第一の前記突出部と、
周方向第二側の第二側面に設けられている第二の前記突出部と、を有し、
個々の前記柱において、第一の前記突出部の少なくとも一部は、第二の前記突出部と、軸方向について異なる位置に存在する、
保持器。
【請求項2】
個々の前記柱は、前記突出部として、
前記ポケットで保持されるころの外周面に径方向内側から接触可能である内側突出部を有し、
個々の前記柱は、
周方向第一側の第一側面に設けられている第一の前記内側突出部と、
周方向第二側の第二側面に設けられている第二の前記内側突出部と、を有する、
請求項1に記載の保持器。
【請求項3】
第一の前記内側突出部及び第二の前記内側突出部は、前記柱の径方向内側面よりも径方向外側に、前記ころとの接触位置を有する、
請求項2に記載の保持器。
【請求項4】
個々の前記柱において、
第一の前記内側突出部は、第二の前記内側突出部と、第一の前記内側突出部の全長にわたって、軸方向について異なる位置に存在する、
請求項2に記載の保持器。
【請求項5】
個々の前記柱において、
第一の前記内側突出部の端部と、第二の前記内側突出部の端部とは、軸方向について同じ位置に存在し、
第一の前記内側突出部の前記端部以外の部分と、第二の前記内側突出部の前記端部以外の部分とは、軸方向について異なる位置に存在する、
請求項2に記載の保持器。
【請求項6】
個々の前記柱は、前記突出部として、
前記ポケットで保持されるころの外周面に径方向外側から接触可能である外側突出部を有し、
個々の前記柱は、
周方向第一側の第一側面に設けられている第一の前記外側突出部と、
周方向第二側の第二側面に設けられている第二の前記外側突出部と、を有し、
個々の前記柱において、第一の前記外側突出部の少なくとも一部は、第二の前記外側突出部と、軸方向について異なる位置に存在する、
請求項1又は請求項2に記載の保持器。
【請求項7】
個々の前記柱は、前記突出部として、
前記ポケットで保持されるころの外周面に径方向内側から接触可能である内側突出部と、
前記ポケットで保持されるころの外周面に径方向外側から接触可能である外側突出部と、
を有し、
前記柱の前記第一側面において、
第一の前記内側突出部は、軸方向の第一側に位置し、
第一の前記外側突出部は、軸方向の第二側に位置し、
前記柱の前記第二側面において、
第二の前記内側突出部は、軸方向の第二側に位置し、
第二の前記外側突出部は、軸方向の第一側に位置する、
請求項1又は請求項2に記載の保持器。
【請求項8】
外輪と、内輪と、前記外輪と前記内輪との間に設けられている複数のころと、前記ころを保持する保持器と、を有し、
前記保持器は、請求項1又は請求項2に記載の保持器である、
ころ軸受。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保持器及びころ軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、円すいころを転動体として有するころ軸受を開示する。ころ軸受は、複数の転動体を周方向に間隔をあけて保持する環状の保持器を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-112269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図17は、ころ99と従来の保持器90との説明図である。保持器90の案内方式として、軸受の周方向に並ぶ複数のころ99によって、保持器90は径方向について位置決めされる「ころ案内」が知られている。ころ案内の保持器90とするために、柱91は、ころ99の外周面に径方向外側から接触可能である外側突出部96と、ころ99の外周面に径方向内側から接触可能である内側突出部97とを有する。保持器90が有する個々の柱91は、第一側面92に設けられている第一の内側突出部97aと、第二側面93に設けられている第二の内側突出部97bとを有する。
【0005】
ころ軸受が回転し、保持器90の温度が上昇した場合、保持器90は熱によって径方向に拡大する。すると、特に内側突出部97a(97b)と、ころ99の外周面との間の隙間は小さくなる。つまり、ころ99と柱91との間に設定されているポケット隙間は小さくなる。この場合、一つの柱91の両側に位置する二つのころ99が、その柱91を挟むような状態となる場合がある。
【0006】
図18は、従来の保持器90を内周側から見た図である。従来の保持器90の場合、各柱91において、第一の内側突出部97aと第二の内側突出部97bとは、全体として、軸方向について同じ位置に存在している。このため、柱91が、その両側から二つのころ99によって挟まれると、柱91は弾性変形して逃げることができない。このため、ころ99と柱91(内側突出部97a、97b)との接触摩擦抵抗が大きくなり、軸受の回転抵抗が大きくなる。
【0007】
そこで、ころ案内の保持器において、軸受の回転抵抗が高くなることを抑えることが可能となる保持器、及び、その保持器を有するころ軸受を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明は、軸方向第一側の第一円環部と、軸方向第二側の第二円環部と、前記第一円環部と前記第二円環部とを連結する複数の柱と、を有し、前記第一円環部と前記第二円環部との間であって、周方向で隣り合う二つの前記柱の間が、ころを保持するポケットである保持器であって、
個々の前記柱は、前記ポケットで保持されるころの外周面に径方向外側及び径方向内側の少なくとも一方から接触可能である突出部を有し、個々の前記柱は、周方向第一側の第一側面に設けられている第一の前記突出部と、周方向第二側の第二側面に設けられている第二の前記突出部と、を有し、個々の前記柱において、第一の前記突出部の少なくとも一部は、第二の前記突出部と、軸方向について異なる位置に存在する。
【0009】
前記構成を有する保持器によれば、柱は、その両側から二つのころによって挟まれても、その柱は部分的に弾性変形して逃げることが可能となる。このため、ころと柱(突出部)との接触摩擦抵抗が大きくなることを防ぐことが可能となる。
【0010】
(2)個々の前記柱は、前記突出部として、前記ポケットで保持されるころの外周面に径方向内側から接触可能である内側突出部を有し、個々の前記柱は、周方向第一側の第一側面に設けられている第一の前記内側突出部と、周方向第二側の第二側面に設けられている第二の前記内側突出部と、を有する。
この場合、柱は、その両側から二つのころによって挟まれても、その柱は部分的に弾性変形して逃げることが可能となる。このため、ころと柱(内側突出部)との接触摩擦抵抗が大きくなることを防ぐことが可能となる。
【0011】
(3)好ましくは、第一の前記内側突出部及び第二の前記内側突出部は、前記柱の径方向内側面よりも径方向外側に、前記ころとの接触位置を有する。
この場合、内側突出部は、ころに押されると、単独で弾性変形し難い構成となる。内側突出部は弾性変形し難くても、前記のとおり、柱は部分的に弾性変形することが可能となるため、ころと柱(内側突出部)との接触摩擦抵抗が大きくなることを防ぐことが可能となる。
【0012】
(4)前記(2)に記載の保持器において、好ましくは、個々の前記柱において、第一の前記内側突出部は、第二の前記内側突出部と、第一の前記内側突出部の全長にわたって、軸方向について異なる位置に存在する。
前記構成の場合、柱は、その両側から二つのころによって挟まれても、部分的に、より弾性変形し易い構成となる。
【0013】
(5)前記(2)に記載の保持器において、好ましくは、個々の前記柱において、第一の前記内側突出部の端部と、第二の前記内側突出部の端部とは、軸方向について同じ位置に存在し、第一の前記内側突出部の前記端部以外の部分と、第二の前記内側突出部の前記端部以外の部分とは、軸方向について異なる位置に存在する。
前記構成の場合、個々の柱において、第一の内側突出部の長手方向(軸方向)の中央部は、第二の内側突出部の長手方向(軸方向)の中央部と、軸方向について異なる位置に存在する。このため、柱が、その両側から二つのころによって挟まれても、その柱は部分的に弾性変形することが可能となる。
【0014】
(6)前記(1)から(5)のいずれか一つの保持器において、好ましくは、個々の前記柱は、前記突出部として、前記ポケットで保持されるころの外周面に径方向外側から接触可能である外側突出部を有し、個々の前記柱は、周方向第一側の第一側面に設けられている第一の前記外側突出部と、周方向第二側の第二側面に設けられている第二の前記外側突出部と、を有し、個々の前記柱において、第一の前記外側突出部の少なくとも一部は、第二の前記外側突出部と、軸方向について異なる位置に存在する。
前記構成によれば、ポケット隙間が径方向外側において小さくなって、柱の径方向外側の部分が、その両側から二つのころによって挟まれても、径方向内側の部分である内側突出部の場合と同様に、その柱は部分的に弾性変形して逃げることが可能となる。
【0015】
(7)前記(1)から(6)のいずれか一つの保持器において、好ましくは、個々の前記柱は、前記突出部として、前記ポケットで保持されるころの外周面に径方向内側から接触可能である内側突出部と、前記ポケットで保持されるころの外周面に径方向外側から接触可能である外側突出部と、を有し、前記柱の前記第一側面において、第一の前記内側突出部は、軸方向の第一側に位置し、第一の前記外側突出部は、軸方向の第二側に位置し、前記柱の前記第二側面において、第二の前記内側突出部は、軸方向の第二側に位置し、第二の前記外側突出部は、軸方向の第一側に位置する。
前記構成によれば、保持器の径方向内側及び径方向外側のどちらでポケット隙間が小さくなっても、柱は部分的に弾性変形し易い構成が得られる。
【0016】
(8)本発明のころ軸受は、外輪と、内輪と、前記外輪と前記内輪との間に設けられている複数のころと、前記ころを保持する前記(1)から(6)のいずれかの保持器と、を有する。
前記構成を有するころ軸受によれば、保持器が有する柱は、その両側から二つのころによって挟まれても、その柱は部分的に弾性変形して逃げることが可能となる。このため、ころと柱(内側突出部)との接触摩擦抵抗が大きくなることを防ぐことが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ころ案内の保持器において、軸受の回転抵抗が高くなることを抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明の保持器を有するころ軸受の実施の一形態を示す断面図である。
図2図2は、保持器の斜視図である。
図3図3は、図2に示す保持器の一部を、内周側から見た場合の説明図である。
図4図4は、図3におけるIV矢視の断面図である。
図5図5は、図3におけるV矢視の断面図である。
図6図6は、第二の形態に係る保持器の斜視図である。
図7図7は、図6に示す保持器の一部を、内周側から見た場合の説明図である。
図8図8は、第三の形態に係る保持器の斜視図である。
図9図9は、図8に示す保持器の一部を、内周側から見た場合の説明図である。
図10図10は、第四の形態に係る保持器の断面図である。
図11図11は、図10に示す保持器の一部を、外周側から見た場合の説明図である。
図12図12は、第四の形態に係る保持器の変形例を示す断面図である。
図13図13は、第五の形態に係る保持器の断面図である。
図14図14は、図13に示す保持器の一部を、外周側から見た場合の説明図である。
図15図15は、第六の形態に係る保持器の斜視図である。
図16図16は、図15に示す保持器を有するころ軸受である。
図17図17は、ころと従来の保持器との説明図である。
図18図18は、従来の保持器を内周側から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明の保持器を有するころ軸受の実施の一形態を示す断面図である。図1に示すころ軸受10は、外輪11と、内輪12と、外輪11と内輪12との間に設けられている複数のころ13と、複数のころ13を保持する環状の保持器14とを有する。図1に示すころ13は円筒ころであり、ころ軸受10は円筒ころ軸受である。外輪11と内輪12とは、同軸状であり、これらの中心軸は、ころ軸受10の中心軸Cである。図1は、保持器14の中心軸は、ころ軸受10の中心軸Cと一致している状態を示しており、以下、この状態の場合について、保持器14等の構成を説明する。
【0020】
ころ軸受10の各方向について説明する。中心軸Cに沿った方向及び中心軸Cに平行な方向は「軸方向」と定義される。中心軸Cに直交する方向は「径方向」と定義される。中心軸Cを中心とする円に沿った方向は「周方向」と定義される。保持器14の各方向は、ころ軸受の各方向と同じとして定義される。
【0021】
外輪11は、その内周に、ころ13が転がり接触する外軌道面16と、外軌道面16の軸方向両側に設けられている鍔部17とを有する。鍔部17は、外軌道面16よりも径方向内側に突出する部分である。
内輪12は、その外周に、ころ13が転がり接触する内軌道面18を有する。
ころ13は、円筒状の外周面19と、ころ13の軸方向について両側の端面20とを有し、全体として円柱形状を有する。
【0022】
〔保持器14の第一の形態〕
図2は、保持器14の斜視図である。図3は、図2に示す保持器14の一部を、内周側から見た場合の説明図である。図4は、保持器14の中心軸に直交する面に沿った断面図であり、図3におけるIV矢視の断面図である。図5は、保持器14の中心軸に直交する別の面に沿った断面図であり、図3におけるV矢視の断面図である。図2図3図4、及び図5において、ころ13を二点鎖線で示す。
【0023】
保持器14は、軸方向第一側の第一円環部21と、軸方向第二側の第二円環部22と、第一円環部21と第二円環部22とを連結する複数の柱23とを有する。第一円環部21と第二円環部22との間であって、周方向で隣り合う二つの柱23の間が、ころ13を保持するポケット24である。一つのころ13は、一つのポケット24に収容される。
【0024】
個々の柱23は、外側突出部25と、内側突出部26とを有する。図4及び図5に示すように、外側突出部25は、ポケット24で保持されるころ13の外周面19に、径方向外側から接触可能である。内側突出部26は、ポケット24で保持されるころ13の外周面19に、径方向内側から接触可能である。
【0025】
図3に示すように、個々の柱23は、内側突出部26として、一つの第一の内側突出部26aと、一つの第二の内側突出部26bとを有する。第一の内側突出部26aは、周方向第一側の第一側面27に設けられている。第二の内側突出部26bは、周方向第二側の第二側面28に設けられている。
個々の柱23において、第一の内側突出部26aは、軸方向第一側に偏って設けられており、第二の内側突出部26bは、第一の内側突出部26aよりも、軸方向第二側に偏って設けられている。図3に示す形態の場合、個々の柱23において、第一の内側突出部26aは、第二の内側突出部26bと、第一の内側突出部26aの全長にわたって、保持器14の軸方向について異なる位置に存在する。
【0026】
図4及び図5に示すように、内側突出部26(第一の内側突出部26a及び第二の内側突出部26b)は、柱23の径方向内側面29よりも径方向外側に、ころ13との接触位置P1を有する。内側突出部26の全体は、柱23の径方向内側面29よりも径方向外側に設けられている。
【0027】
内側突出部26は、柱23の側面(27,28)から突出する形状である。内側突出部26は、柱23の径方向内側面29から、径方向外側に向かうにしたがってポケット24の中央側に寄る第一斜面41と、第一斜面41から、径方向外側に向かうにしたがってポケット24の中央から離れる第二斜面42とを有する。ポケット24のころ13は、第二斜面42に接触することで、径方向内側へ脱落することが防止される。
【0028】
外側突出部25は、柱23の側面(27,28)から突出しており、更に、柱23の径方向外側面39から突出する形状である。外側突出部25は、径方向外側に向かうにしたがってポケット24の中央に寄る第三斜面43を有する。ポケット24のころ13は、第三斜面43に接触することで、径方向外側へ脱落することが防止される。
【0029】
個々の柱23は、保持器14の周方向第一側の外側突出部25と周方向第二側の外側突出部25との間に設けられている溝40を有する。外側突出部25は、柱23の径方向外側面39から突出する形状であること、及び、柱23に溝30が形成されていることにより、外側突出部25は、ころ13に押された場合、単独で弾性変形し易い構成を有する。
【0030】
以上のように、前記構成を有する保持器14によれば、柱23は、その両側から二つのころ13によって挟まれても、その柱23は部分的に弾性変形して逃げることが可能となる。本実施形態の保持器14は、弾性変形が可能である樹脂製である。
【0031】
例えば、図3において中央に示す柱23が、その両側の二つのころ13によって挟まれる場合について説明する。その柱23の第一側面27側であって軸方向第一側に、第一の内側突出部26aは存在する。これに対して、その柱23の第二側面28側であって軸方向第一側に、内側突出部26は存在しない。
このため、柱23の右側のころ13が、第一の内側突出部26aに接触し、更に、その第一の内側突出部26aを押しても、その柱23の軸方向第一側の部分36は、左側のころ13との間に充分な隙間が存在しており、前記部分36は、図3において左側に弾性変形可能である。
【0032】
そして、前記中央の柱23の第二側面28側であって軸方向第二側に、第二の内側突出部26bは存在する。これに対して、その柱23の第一側面27側であって軸方向第二側に、内側突出部26は存在しない。
このため、柱23の左側のころ13が、第二の内側突出部26bに接触し、更に、その第二の内側突出部26bを押しても、その柱23の軸方向第二側の部分37は、右側のころ13との間に充分な隙間が存在しており、前記部分37は、図3において右側に弾性変形可能である。
【0033】
以上より、柱23が、その両側から二つのころ13によって挟まれても、その柱23は部分的に弾性変形して逃げ、ころ13と柱23(内側突出部26)との接触摩擦抵抗が大きくなることを防ぐことが可能となる。よって、ころ軸受10の回転抵抗が大きくなることを抑制できる。
【0034】
前記のとおり(図3参照)、個々の柱23において、第一の内側突出部26aは、第二の内側突出部26bと、第一の内側突出部26aの全長にわたって、保持器14の軸方向について異なる位置に存在する。このため、柱23は、その両側から二つのころ13によって挟まれても、部分的に、より弾性変形し易い構成となる。
【0035】
前記のとおり(図4及び図5)、内側突出部26(第一の内側突出部26a及び第二の内側突出部26b)は、柱23の径方向内側面29よりも径方向外側に、ころ13との接触位置P1を有する。この場合、内側突出部26は、ころ13に押されると、単独で弾性変形し難い構成となる。しかし、前記のとおり、柱23は部分的に弾性変形することが可能となるため、ころ13と柱23(内側突出部26)との接触摩擦抵抗が大きくなることを防ぐことが可能となる。
【0036】
一つのポケット24に着目した場合、図3に示すように、第一の内側突出部26aは、軸方向第一側に偏って位置し、第二の内側突出部26bは、軸方向第二側に偏って位置している。図示しないが、一つのポケット24において、第一の内側突出部26aは、軸方向第二側に偏って位置し、第二の内側突出部26bも、軸方向第一側に偏って位置していてもよい。
【0037】
〔保持器14の第二の形態〕
図6は、第二の形態に係る保持器14の斜視図である。図7は、図6に示す保持器14の一部を、内周側から見た場合の説明図である。保持器14の全体形状は、前記第一の形態と同じであり、保持器14は、軸方向第一側の第一円環部21と、軸方向第二側の第二円環部22と、第一円環部21と第二円環部22とを連結する複数の柱23とを有する。
【0038】
個々の柱23は、外側突出部25と、内側突出部26とを有する。外側突出部25は、ポケット24で保持されるころ13の外周面に、径方向外側から接触可能である。内側突出部26は、ポケット24で保持されるころ13の外周面に、径方向内側から接触可能である。
【0039】
個々の柱23は、内側突出部26として、一つの第一の内側突出部26aと、一つの第二の内側突出部26bとを有する。第一の内側突出部26aは、周方向第一側の第一側面27に設けられている。第二の内側突出部26bは、周方向第二側の第二側面28に設けられている。
以上の点について、第二の形態は、第一の形態と同じである。
【0040】
第二の形態は、第一の形態と比較して、内側突出部26の配置が異なる。第二の形態の場合、個々の柱23において、第一の内側突出部26aの端部31と、第二の内側突出部26bの端部32とは、保持器14の軸方向について同じ位置に存在する。つまり、個々の柱23において、第一の内側突出部26aの端部31の周方向について反対側に、第二の内側突出部26bの端部32が存在する。そして、個々の柱23において、第一の内側突出部26aの端部31以外の部分と、第二の内側突出部26bの端部32以外の部分とは、軸方向について異なる位置に存在する。
【0041】
第二の形態の場合、個々の柱23において、第一の内側突出部26aの長手方向(軸方向)の中央部33は、第二の内側突出部26bの長手方向(軸方向)の中央部34と、軸方向について異なる位置に存在する。つまり、個々の柱23において、第一の内側突出部26aの少なくとも一部は、第二の内側突出部26bと、保持器14の軸方向について異なる位置に存在する。
【0042】
このため、第一の形態と同様、柱23は、その両側から二つのころ13によって挟まれても、その柱23は部分的に弾性変形することが可能となる。ころ13と柱23(内側突出部26)との接触摩擦抵抗が大きくなることを防ぐことが可能となり、ころ軸受10の回転抵抗が大きくなることを抑制できる。
【0043】
第二の形態において、軸方向に沿って見た場合、第一の内側突出部26a及び第二の内側突出部26bの形状は、第一の形態(図4及び図5参照)と同じである。外側突出部25の形状は、第一の形態(図4及び図5参照)と同じである。
【0044】
図7に示す左側の一つのポケット24に着目した場合、第一の内側突出部26a及び第二の内側突出部26bは、軸方向第一側に偏って位置しており、その一つのポケット24の両側に位置する柱23の軸方向第二側に、内側突出部26は存在しない。
図7に示す右側の一つのポケット24に着目した場合、第一の内側突出部26a及び第二の内側突出部26bは、軸方向第二側に偏って位置しており、柱23の軸方向第一側に、内側突出部26は存在しない。
なお、第一の形態(図3参照)のように、一つのポケット24に着目した場合に、第一の内側突出部26aは、軸方向第一側に偏って位置し、第二の内側突出部26bは、軸方向第二側に偏って位置している構成であってもよい。
【0045】
ただし、これらの場合であっても、個々の柱23において、第一の内側突出部26aの端部31以外の部分と、第二の内側突出部26bの端部32以外の部分とは、軸方向について異なる位置に存在する。
【0046】
〔保持器14の第三の形態〕
図8は、第三の形態に係る保持器14の斜視図である。図9は、図8に示す保持器14の一部を、内周側から見た場合の説明図である。保持器14の全体形状は、前記第一の形態と同じであり、保持器14は、軸方向第一側の第一円環部21と、軸方向第二側の第二円環部22と、第一円環部21と第二円環部22とを連結する複数の柱23とを有する。
【0047】
個々の柱23は、外側突出部25と、内側突出部26とを有する。外側突出部25は、ポケット24で保持されるころ13の外周面に、径方向外側から接触可能である。内側突出部26は、ポケット24で保持されるころ13の外周面に、径方向内側から接触可能である。この点について、第三の形態は、第一の形態(図4及び図5)と同じである。
【0048】
第三の形態は、第一の形態と比較して、内側突出部26の数及び配置が異なる。第三の形態の場合、個々の柱23は、内側突出部26として、二つの第一の内側突出部26aと、一つの第二の内側突出部26bとを有する。第一の内側突出部26aは、周方向第一側の第一側面27に設けられている。第二の内側突出部26bは、周方向第二側の第二側面28に設けられている。第一側面27に設けられている二つの第一の内側突出部26aのうち、一方は、軸方向第一側に偏って設けられており、他方は、軸方向第二側に偏って設けられている。第二側面28に設けられている第二の内側突出部26bは、軸方向中央に設けられている。
【0049】
このように、個々の柱23において、第一の内側突出部26aは、第二の内側突出部26bと、保持器14の軸方向について異なる位置に存在する。このため、第一の形態と同様、柱23は、その両側から二つのころ13によって挟まれても、その柱23は部分的に弾性変形することが可能となる。ころ13と柱23(内側突出部26)との接触摩擦抵抗が大きくなることを防ぐことが可能となり、ころ軸受10の回転抵抗が大きくなることを抑制できる。
【0050】
第一の内側突出部26a及び第二の内側突出部26bの形状は、軸方向に沿って見た場合、第一の形態(図4及び図5参照)と同じである。外側突出部25の形状は、第一の形態(図4及び図5参照)と同じである。
図9に示す形態の場合、個々の柱23において、二つの第一の内側突出部26aそれぞれは、第二の内側突出部26bと、第一の内側突出部26aの全長にわたって、保持器14の軸方向について異なる位置に存在する。なお、図示しないが、第二の形態(図7参照)のように、内側突出部26の端部のみが、軸方向について同じ位置に存在していてもよい。
【0051】
〔保持器14の第四の形態〕
図10は、第四の形態に係る保持器14の断面図であり、保持器14の中心軸を含む面における断面を示す。図11は、図10に示す保持器14の一部を、外周側から見た場合の説明図である。保持器14の全体形状は、前記第一の形態と同じであり、保持器14は、軸方向第一側の第一円環部21と、軸方向第二側の第二円環部22と、第一円環部21と第二円環部22とを連結する複数の柱23とを有する。
【0052】
個々の柱23は、外側突出部25と、内側突出部26とを有する。外側突出部25は、ポケット24で保持されるころ13の外周面に、径方向外側から接触可能である。内側突出部26は、ポケット24で保持されるころ13の外周面に、径方向内側から接触可能である。この点について、第四の形態は、前記第一の形態と同じである。
【0053】
第四の形態は、第一の形態と比較して、外側突出部25の形状及び配置が異なる。なお、第四の形態に係る内側突出部26の形状(特に軸方向に沿って見た場合の形状)は、図4及び図5に示す第一の形態と同様である。
第四の形態に係る外側突出部25は、内側突出部26と同様の形状である(ただし径方向について反対向き)。外側突出部25の全体は、柱23の径方向外側面39よりも径方向内側に設けられている。
【0054】
外側突出部25の配置について、図10及び図11により説明する。第四の形態の場合、個々の柱23は、外側突出部25として、周方向第一側の第一側面27に設けられている第一の外側突出部25aと、周方向第二側の第二側面28に設けられている第二の外側突出部25bとを有する。そして、個々の柱23において、第一の外側突出部25aの少なくとも一部は、第二の外側突出部25bと、軸方向について異なる位置に存在する。
【0055】
図11に示す形態の場合、個々の柱23において、第一の外側突出部25aは、第二の外側突出部25bと、第一の外側突出部25aの全長にわたって、保持器14の軸方向について異なる位置に存在する。
なお、第二の形態(図7参照)における内側突出部26の場合と同様に、個々の柱23において、第一の外側突出部25aの端部のみが、第二の外側突出部25bの端部と、軸方向について同じ位置に存在していてもよい。
【0056】
第四の形態の場合、例えば保持器14がころ軸受10の中心軸Cに対して偏心し、ポケット隙間が径方向外側において小さくなって、柱23の径方向外側の部分が、その両側から二つのころ13によって挟まれても、径方向内側の部分である内側突出部26の場合と同様に、その柱23は部分的に弾性変形して逃げることが可能となる。
【0057】
図10に示すように、個々の柱23の第一側面27において、第一の内側突出部26aは、軸方向第一側に位置し、第一の外側突出部25aは、軸方向第二側に位置する。その柱23の第二側面28において、第二の内側突出部26bは、軸方向の第二側に位置し、第二の外側突出部25bは、軸方向の第一側に位置する。保持器14の径方向内側及び径方向外側のどちらでポケット隙間が小さくなっても、柱23は部分的に弾性変形し易い構成が得られる。
【0058】
なお、個々の柱23において、内側突出部26と外側突出部25との軸方向についての位置が、図10に示す形態と、反対であってもよい。つまり、図12に示すように、柱23の第一側面27において、第一の内側突出部26aは、軸方向第二側に位置し、第一の外側突出部25aは、軸方向第一側に位置していてもよい。柱23の第二側面28において、第二の内側突出部26bは、軸方向の第一側に位置し、第二の外側突出部25bは、軸方向の第二側に位置していてもよい。
図10及び図12に示す第四の形態に係る外側突出部25の形状及び配置は、前記の第一の形態から第三の形態それぞれに適用可能である。
【0059】
〔保持器14の第五の形態〕
図13は、第五の形態に係る保持器14の断面図であり、保持器14の中心軸を含む面における断面を示す。図14は、図13に示す保持器14の一部を、外周側から見た場合の説明図である。保持器14の全体形状は、前記第一の形態と同じであり、保持器14は、軸方向第一側の第一円環部21と、軸方向第二側の第二円環部22と、第一円環部21と第二円環部22とを連結する複数の柱23とを有する。
【0060】
個々の柱23は、外側突出部25と、内側突出部26とを有する。外側突出部25は、ポケット24で保持されるころ13の外周面に、径方向外側から接触可能である。内側突出部26は、ポケット24で保持されるころ13の外周面に、径方向内側から接触可能である。この点について、第五の形態は、第一の形態と同じである。
【0061】
第五の形態の場合、内側突出部26の形状及び配置は、第三の形態(図8及び図9参照)と同じである。つまり、個々の柱23は、内側突出部26として、二つの第一の内側突出部26aと、一つの第二の内側突出部26bとを有する。第一の内側突出部26aは、周方向第一側の第一側面27に設けられている。第二の内側突出部26bは、周方向第二側の第二側面28に設けられている。
【0062】
第一側面27に設けられている二つの第一の内側突出部26aのうち、一方は、軸方向第一側に偏って設けられており、他方は、軸方向第二側に偏って設けられている。第二側面28に設けられている第二の内側突出部26bは、軸方向中央に設けられている。個々の柱23において、第一の内側突出部26aは、第二の内側突出部26bと、保持器14の軸方向について異なる位置に存在する。
【0063】
第五の形態に係る外側突出部25の形状及び配置は、第三の形態(図8参照)と異なる。
第五の形態に係る外側突出部25は、内側突出部26と同様の形状である(ただし径方向について反対向き)。外側突出部25の全体は、柱23の径方向外側面39よりも径方向内側に設けられている。
【0064】
図13及び図14により、外側突出部25の配置について説明する。第五の形態の場合、個々の柱23は、外側突出部25として、周方向第一側の第一側面27に設けられている一つの第一の外側突出部25aと、周方向第二側の第二側面28に設けられている二つの第二の外側突出部25bとを有する。そして、個々の柱23において、一つの第一の外側突出部25aの少なくとも一部は、二つの第二の外側突出部25bそれぞれと、軸方向について異なる位置に存在する。
【0065】
第五の形態の場合においても、図10に示す第四の形態と同様、径方向の外側又は径方向内側において、柱23は、その両側から二つのころ13によって挟まれても、その柱23は部分的に弾性変形することが可能となる。ころ13と柱23との接触摩擦抵抗が大きくなることを防ぐことが可能となり、ころ軸受10の回転抵抗が大きくなることを抑制できる。
【0066】
〔保持器14の第六の形態〕
図15は、第六の形態に係る保持器14の斜視図である。図16は、図15に示す保持器14を有するころ軸受10である。図16に示すころ軸受10は、外輪11と、内輪12と、外輪11と内輪12との間に設けられている複数のころ13と、ころ13を保持する環状の保持器14とを有する。ころ13は、円すいころであり、ころ軸受10は、円すいころ軸受である。
【0067】
保持器14は、軸方向第一側の第一円環部21と、軸方向第二側の第二円環部22と、第一円環部21と第二円環部22とを連結する複数の柱23とを有する。第一円環部21と第二円環部22との間であって、周方向で隣り合う二つの柱23の間が、ころ13を保持するポケット24である。
【0068】
個々の柱23は、内側突出部26を有する。内側突出部26は、ポケット24で保持されるころ13の外周面に、径方向内側から接触可能である。図示しないが、個々の柱23は、前記各形態と同様、ころ13の外周面に、径方向外側から接触可能である外側突出部25を有していてもよい。
【0069】
個々の柱23は、前記各形態と同様、内側突出部26として、第一の内側突出部26aと、第二の内側突出部26bとを有する。第一の内側突出部26aは、周方向第一側の第一側面27に設けられている。第二の内側突出部26bは、周方向第二側の第二側面28に設けられている。
【0070】
個々の柱23において、第一の内側突出部26aは、軸方向第一側に設けられており、第二の内側突出部26bは、第一の内側突出部26aよりも、軸方向第二側に設けられている。前記各形態と同様、個々の柱23において、第一の内側突出部26aの少なくとも一部は、第二の内側突出部26bと、保持器14の軸方向について異なる位置に存在する。
【0071】
円すいころ軸受用の保持器14の場合においても、前記各形態(円筒ころ軸受用の保持器14)と同様、柱23は、その両側から二つのころ13によって挟まれても、その柱23は部分的に弾性変形することが可能となる。ころ13と柱23(内側突出部26)との接触摩擦抵抗が大きくなることを防ぐことが可能となり、ころ軸受10の回転抵抗が大きくなることを抑制できる。
【0072】
図16に示す円すいころ軸受10が有する保持器12に対して、図1から図14に示す各形態の内側突出部26の配置を適用可能であり、外側突出部25の配置を適用可能である。
【0073】
〔前記各形態の保持器14、及び、その保持器14を有するころ軸受10〕
以上のように、前記各形態の保持器14は、第一円環部21と、第二円環部22と、複数の柱23とを有する。第一円環部21と第二円環部22との間であって、周方向で隣り合う二つの柱23の間が、ころ13を保持するポケット24である。
個々の柱23は、ポケット24のころ13の外周面19に、径方向外側から接触可能である外側突出部25と、ポケット24のころ13の外周面19に、径方向内側から接触可能である内側突出部26とを有する。
【0074】
個々の柱23は、周方向第一側の第一側面27に設けられている第一の内側突出部26aと、周方向第二側の第二側面28に設けられている第二の内側突出部26bとを有する。
個々の柱23において、第一の内側突出部26aの少なくとも一部は、第二の内側突出部26bと、保持器14の軸方向について異なる位置に存在する。
【0075】
ころ軸受10が回転し、保持器14の温度が上昇した場合、保持器14は熱によって径方向に拡大する。すると、特に内側突出部26と、ころ13の外周面19との間の隙間は小さくなる。つまり、ころ13と柱23との間に設定されているポケット隙間は小さくなる。
しかし、前記各形態の保持器14によれば、柱23は、その両側から二つのころ13によって挟まれたとしても、その柱23は部分的に弾性変形して逃げることが可能となる。したがって、このような保持器14を有するころ軸受10によれば、ころ13と柱23との接触摩擦抵抗が大きくなることを防ぐことが可能となる。
【0076】
〔その他〕
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0077】
10 ころ軸受
11 外輪
12 内輪
13 ころ
14 保持器
19 外周面
21 第一円環部
22 第二円環部
23 柱
24 ポケット
25 外側突出部
25a 第一の外側突出部
25b 第二の外側突出部
26 内側突出部
26a 第一の内側突出部
26b 第二の内側突出部
27 第一側面
28 第二側面
31 端部
32 端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
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図18