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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161817
(43)【公開日】2024-11-20
(54)【発明の名称】配電装置
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/16 20060101AFI20241113BHJP
   B60K 1/04 20190101ALI20241113BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20241113BHJP
   H01M 50/269 20210101ALI20241113BHJP
【FI】
H02G3/16
B60K1/04 Z
H01M50/249
H01M50/269
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076877
(22)【出願日】2023-05-08
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001966
【氏名又は名称】弁理士法人笠井中根国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100147717
【弁理士】
【氏名又は名称】中根 美枝
(74)【代理人】
【識別番号】100103252
【弁理士】
【氏名又は名称】笠井 美孝
(72)【発明者】
【氏名】伊佐治 優介
(72)【発明者】
【氏名】竹田 仁司
【テーマコード(参考)】
3D235
5G361
5H040
【Fターム(参考)】
3D235AA01
3D235BB19
3D235CC14
3D235EE63
3D235FF43
3D235HH02
5G361BA02
5G361BA03
5G361BB01
5G361BC01
5G361BC02
5H040AA03
5H040AS07
5H040AT06
5H040AY08
(57)【要約】
【課題】搭載される電池パックの数量に応じた変更が容易な汎用性の高い配電装置を開示する。
【解決手段】配電装置10が、リレー14と電流センサ16とリレー14と電流センサ16が接続された基本回路18とを含み、基本回路18が、電池パック12の端子部22に接続される入力部24と第1出力部26と第2出力部28とを有している基本回路ユニット20と、基本回路ユニット20の第1出力部26および第2出力部28の少なくとも1つに接続される分岐入力部30と、分岐入力部30に対してそれぞれヒューズ32を介して接続された複数の分岐出力部34を有する分岐回路ユニット36とを備え、基本回路ユニット20は、搭載される電池パック12の数に対応した数で配置され、隣接配置された複数の基本回路ユニット20の一方の第1出力部26が複数の基本回路ユニット20の他方の第2出力部28に連結されて、複数の電池パック12が導通接続されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リレーと、電流センサと、前記リレーと前記電流センサが接続された基本回路と、を含み、前記基本回路が、電池パックの端子部に接続される入力部と、第1出力部と、第2出力部とを有している、基本回路ユニットと、
前記基本回路ユニットの前記第1出力部および前記第2出力部の少なくとも1つに接続される分岐入力部と、前記分岐入力部に対してそれぞれヒューズを介して接続された複数の分岐出力部を有する、分岐回路ユニットと、を備え、
前記基本回路ユニットは、車両に搭載される前記電池パックの数に対応した数で配置され、複数の前記電池パックに対応して複数の前記基本回路ユニットが採用される場合には、隣接配置された複数の前記基本回路ユニットの一方の前記第1出力部が複数の前記基本回路ユニットの他方の前記第2出力部に連結されて、複数の前記電池パックが導通接続されている、配電装置。
【請求項2】
前記基本回路ユニットが、絶縁性の回路支持体を含み、
前記回路支持体の一端側に設けられた電流センサ装着部に前記電流センサが装着され、前記回路支持体の他端側に設けられたリレー装着部に前記リレーが装着されており、
前記基本回路が、前記入力部と、前記第1出力部と、前記第2出力部をそれぞれ端部に備えた複数のバスバーを含んで構成されて、前記回路支持体に組み付けられている、請求項1に記載の配電装置。
【請求項3】
前記基本回路ユニットと前記分岐回路ユニットを収容する金属製の筐体を有し、
前記リレーに接続された前記バスバーが、前記筐体に絶縁部材を介して熱的に接触する放熱用接触部を有している、請求項2に記載の配電装置。
【請求項4】
隣接配置された複数の前記基本回路ユニットの前記回路支持体の間に配置された絶縁性の端子台を備え、
前記端子台において、一方の前記基本回路ユニットと他方の前記基本回路ユニットが保持されて相互に連結されている、請求項2または請求項3に記載の配電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電池パックに接続される配電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両に搭載される電池パックの筐体内に、配電装置としてのジャンクションボックスを収納した構造が示されており、配電装置を介して電池パックの電力が、車載負荷に分配されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-243449号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両に必要な電池容量は車種によって異なり、車両に搭載される電池パックの数量は、車種によって増減することから、電池パックに接続される配電装置を電池パックの数に応じて専用に設計する必要があった。その結果、車両毎に異なる配電装置が必要となり、コストアップが避けられないという問題を内在していた。
【0005】
そこで、搭載される電池パックの数量に応じた変更が容易な汎用性の高い配電装置を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の配電装置は、リレーと、電流センサと、前記リレーと前記電流センサが接続された基本回路と、を含み、前記基本回路が、電池パックの端子部に接続される入力部と、第1出力部と、第2出力部とを有している、基本回路ユニットと、前記基本回路ユニットの前記第1出力部および前記第2出力部の少なくとも1つに接続される分岐入力部と、前記分岐入力部に対してそれぞれヒューズを介して接続された複数の分岐出力部を有する、分岐回路ユニットと、を備え、前記基本回路ユニットは、車両に搭載される前記電池パックの数に対応した数で配置され、複数の前記電池パックに対応して複数の前記基本回路ユニットが採用される場合には、隣接配置された複数の前記基本回路ユニットの一方の前記第1出力部が複数の前記基本回路ユニットの他方の前記第2出力部に連結されて、複数の前記電池パックが導通接続されている、ものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、搭載される電池パックの数量に応じた変更が容易な汎用性の高い配電装置を、提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態1に係る配電装置を、4つの電池パックが取り付けられた状態で示す斜視図である。
図2図2は、図1に示された配電装置を、カバーを取り外した状態で示す斜視図である。
図3図3は、図2に示された配電装置における平面図である。
図4図4は、図2に示された配電装置において主な構成部材を抜き出した状態で示す斜視図である。
図5図5は、図2に示された配電装置において電気回路を構成する部材を抜き出した状態で示す斜視図である。
図6図6は、図2に示された配電装置において電気回路を支持する部材を抜き出した状態で示す斜視図である。
図7図7は、図2に示された配電装置を構成する基本回路ユニットの1つである第1基本回路ユニットを示す斜視図である。
図8図8は、図2に示された配電装置を構成する別の基本回路ユニットである第2基本回路ユニットを示す斜視図である。
図9図9は、図2に示された配電装置における基本回路ユニットを構成する回路支持体を、電流センサおよびリレーの装着状態で示す斜視図である。
図10図10は、図9に示された回路支持体を、電流センサおよびリレーの未装着状態で示す正面図である。
図11図11は、図2に示された配電装置を構成する分岐回路ユニットを示す平面側からの斜視図である。
図12図12は、図11に示された分岐回路ユニットにおける底面側からの斜視図である。
図13図13は、図2に示された配電装置における電気的構成を説明するための回路図である。
図14図14は、実施形態1に係る配電装置を、2つの電池パックが取り付けられた状態で示す斜視図である。
図15図15は、図14に示された配電装置を、カバーを取り外した状態で示す斜視図である。
図16図16は、図15に示された配電装置における平面図である。
図17図17は、図15に示された配電装置において主な構成部材を抜き出した状態で示す斜視図である。
図18図18は、図15に示された配電装置において電気回路を構成する部材を抜き出した状態で示す斜視図である。
図19図19は、図15に示された配電装置において電気回路を支持する部材を抜き出した状態で示す斜視図である。
図20図20は、図15に示された配電装置における電気的構成を説明するための回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<本開示の実施形態の説明>
最初に、本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の配電装置は、
(1)リレーと、電流センサと、前記リレーと前記電流センサが接続された基本回路と、を含み、前記基本回路が、電池パックの端子部に接続される入力部と、第1出力部と、第2出力部とを有している、基本回路ユニットと、前記基本回路ユニットの前記第1出力部および前記第2出力部の少なくとも1つに接続される分岐入力部と、前記分岐入力部に対してそれぞれヒューズを介して接続された複数の分岐出力部を有する、分岐回路ユニットと、を備え、前記基本回路ユニットは、車両に搭載される前記電池パックの数に対応した数で配置され、複数の前記電池パックに対応して複数の前記基本回路ユニットが採用される場合には、隣接配置された複数の前記基本回路ユニットの一方の前記第1出力部が複数の前記基本回路ユニットの他方の前記第2出力部に連結されて、複数の前記電池パックが導通接続されている、ものである。
【0010】
本開示の配電装置によれば、リレーと電流センサと基本回路(電池パックに接続される入力部、第1/第2出力部を有する)を含む基本回路ユニットが構成されている。この基本回路ユニットは、車両に搭載される電池パックの数に対応した数だけ配置され、各電池パックの端子部に各基本回路ユニットの入力部が接続される。そして、複数の電池パックが車両に搭載される場合には、隣接配置された一方の基本回路ユニットの第1出力部を、他方の基本回路ユニットの第2出力部に連結することで、複数の電池パックを導通接続することができる。さらに、基本回路ユニットの第1出力部および第2出力部の少なくとも1つには、分岐回路ユニットが接続されており、1つまたは連結された複数の電池パックの電力を分岐回路ユニットの複数の分岐出力部側に分配することができる。このような構造の配電装置によれば、車両に搭載される電池パックの数に対応して基本回路ユニットの数を増減させればよく、複数の基本回路ユニットを採用する場合には、それらの出力部同士を連結するだけで、搭載される電池パックの数量に対応して基本回路ユニットの数が変更された配電装置を構成することができる。これにより、搭載される電池パックの数量に応じた変更が容易な汎用性の高い配電装置を提供することができる。
【0011】
(2)上記(1)において、前記基本回路ユニットが、絶縁性の回路支持体を含み、前記回路支持体の一端側に設けられた電流センサ装着部に前記電流センサが装着され、前記回路支持体の他端側に設けられたリレー装着部に前記リレーが装着されており、前記基本回路が、前記入力部と、前記第1出力部と、前記第2出力部をそれぞれ端部に備えた複数のバスバーを含んで構成されて、前記回路支持体に組み付けられている、ことが好ましい。
【0012】
基本回路ユニットを構成する、リレー、電流センサ、基本回路を構成する複数のバスバーが、絶縁性の回路支持体に保持されていることから、基本回路ユニットの取扱性・保持性を向上させることができ、基本回路ユニット同士の連結作業性の向上も図ることができる。また、基本回路が、入力部と、第1出力部と、第2出力部をそれぞれ端部に備えた複数のバスバーを含んで構成されていることから、電池パックの接続構成(直列/並列)に対応した形状にバスバーを適宜変更することで、汎用性の更なる向上を図ることもできる。
【0013】
(3)上記(2)において、前記基本回路ユニットと前記分岐回路ユニットを収容する金属製の筐体を有し、前記リレーに接続された前記バスバーが、前記筐体に絶縁部材を介して熱的に接触する放熱用接触部を有している、ことが好ましい。基本回路を構成する複数のバスバーのうち、発熱部品であるリレーに接続されたバスバーが放熱用接触部を有しており、基本回路ユニットと分岐回路ユニットを収容する金属製の筐体に対して、放熱用接触部が熱的に接触されている。これにより、リレーの熱を金属製の筐体に速やかに伝熱させることができ、スペース効率よくリレーの放熱性の向上を図ることができる。
【0014】
(4)上記(2)または(3)において、隣接配置された複数の前記基本回路ユニットの前記回路支持体の間に配置された絶縁性の端子台を備え、前記端子台において、一方の前記基本回路ユニットと他方の前記基本回路ユニットが保持されて相互に連結されている、ことが好ましい。隣接配置された複数の基本回路ユニットの間に端子台を配置することで、複数の電池パックへの接続を可能にするための基本回路ユニットの位置調整を有利に行うことができる。さらに、端子台において、相互に連結される基本回路ユニットを保持することで、それらの連結を安定して作業性良く行うことができる。さらに、端子台のスペースを利用して、バスバーの各出力部の向きを連結可能に変更することも可能となり、バスバーの設計自由度の向上や組付作業性の向上も図ることができる。
【0015】
<本開示の実施形態の詳細>
本開示の配電装置の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0016】
<実施形態1>
以下、本開示の実施形態1の配電装置10,10’について、図1から図20を用いて説明する。実施形態1の配電装置10,10’は、例えば電気自動車やハイブリッド車に搭載されるものであり、複数の電池パック12に接続されて、各電池パック12からの電力を複数の負荷(例えば補機等であり、後述する第1~第4負荷66a~66d)に分配するものである。なお、配電装置10,10’は任意の向きで配置することができるが、以下、上下方向、左右方向、前後方向の各方向は、それぞれ図中に示される上下方向、左右方向、前後方向として説明する。また、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材については符号を省略する場合がある。
【0017】
<配電装置10,10’>
配電装置10,10’は、リレー14(後述する第1~第4リレー14a~14d)と、電流センサ16(第1~第4電流センサ16a~16d)と、リレー14と電流センサ16が接続された基本回路18とを含む基本回路ユニット20または後述する基本回路ユニット150を備えている。基本回路18は、電池パック12の端子部22に接続される入力部24と、第1出力部26と、第2出力部28とを有している。また、配電装置10,10’は、基本回路ユニット20の第1出力部26および第2出力部28の少なくとも1つに接続される分岐入力部30と、分岐入力部30に対してそれぞれヒューズ32を介して接続された複数の分岐出力部34とを有する分岐回路ユニット36を備えている。
【0018】
本開示の配電装置10,10’では、電池パック12の数に応じて基本回路ユニット20の数を変更することが可能である。図1から図13では、配電装置10に対して4つの電池パック12(第1電池パック12a~第4電池パック12d)が接続されている例が示されているとともに、図14から図20では、配電装置10’に対して2つの電池パック12(第1および第2電池パック12a,12b)が接続されている例が示されている。なお、図1に示されるように、配電装置10に接続される各電池パック12として、右後方の電池パック12を第1電池パック12a、左後方の電池パック12を第2電池パック12b、右前方の電池パック12を第3電池パック12c、左前方の電池パック12を第4電池パック12dとする。また、図14に示されるように、配電装置10’に接続される各電池パック12として、右側の電池パック12を第1電池パック12a、左側の電池パック12を第2電池パック12bとする。なお、各電池パック12は公知のものが採用されることから、内部構造の説明を省略する。
【0019】
すなわち、図1等に示される配電装置10では、各電池パック12a~12dが、配電装置10を挟んで左右両側に設けられているとともに、前後方向で所定の距離だけ離隔して設けられている。これら配電装置10および各電池パック12a~12dは、略矩形平板状の支持プレート38上に載置されており、例えばボルト等により固定されている。同様に、図14等に示される配電装置10’では、各電池パック12a,12bが、配電装置10’を挟んで左右両側に設けられている。これら配電装置10’および各電池パック12a,12bは、略矩形平板状の支持プレート38’上に載置されており、例えばボルト等により固定されている。
【0020】
そして、配電装置10では、4つの電池パック12(第1~第4電池パック12a~12d)に対応して、4つの基本回路ユニット20(第1~第4基本回路ユニット20a~20d)が設けられている。便宜上、配電装置10に設けられる各基本回路ユニット20として、前方から順に、第4基本回路ユニット20d、第3基本回路ユニット20c、第1基本回路ユニット20a、第2基本回路ユニット20bとする。なお、各基本回路ユニット20a~20dにおいて設けられる各リレー14(第1~第4リレー14a~14d)および各電流センサ16a(第1~第4電流センサ16a~16b)は、必ずしも対応する各電池パック12(第1~第4電池パック12a~12d)に接続されるものではない。
【0021】
<配電装置10の電気的構成>
先ず、配電装置10の電気的な構成について、図4,5および図13等を示して説明する。配電装置10は、第1電池パック12aの正極側が接続される第1正極側入力部40aと、第1電池パック12bの負極側が接続される第1負極側入力部40bとを備えている。同様に、配電装置10は、第2~第4電池パック12b~12dの正極側が接続される第2~第4正極側入力部42a,44a,46aと、第2~第4電池パック12b~12dの負極側が接続される第2~第4負極側入力部42b,44b,46bとを備えている。これら第1正極側および負極側入力部40a,40bにより第1入力部47aが構成されて、同様に第2正極側および負極側入力部42a,42bにより第2入力部47bが、第3正極側および負極側入力部44a,44bにより第3入力部47cが、第4正極側および負極側入力部46a,46bにより第4入力部47dが構成される。
【0022】
上述のように、配電装置10は、4つの基本回路ユニット20(第1~第4基本回路ユニット20a~20d)を備えていることから、4つのリレー14(第1~第4リレー14a~14d)と4つの電流センサ16(第1~第4電流センサ16a~16d)を有している。そして、各正極側入力部40a,42a,44a,46aからはそれぞれ第1~第4正極側ライン48a~48dが延びており、これら各正極側ライン48a~48dにおいて、それぞれ第1~第4リレー14a~14dが接続されている。また、各正極側ライン48a~48dにおいて、各リレー14a~14dよりも下流側は、正極側接続ライン52aに対して並列的に接続されている。この正極側接続ライン52aの下流は4つに分かれており、それぞれ前述のヒューズ32を介して第1~第4正極側分岐出力部54a,56a,58a,60aが構成されている。
【0023】
同様に、各負極側入力部40b,42b,44b,46bからはそれぞれ第1~第4負極側ライン62a~62dが延びている。第1負極側ライン62aには、第2基本回路ユニット20bにおける第2電流センサ16bが接続されているとともに、第2負極側ライン62bには、第1基本回路ユニット20aにおける第1電流センサ16aが接続されている。第3負極側ライン62cには、第4基本回路ユニット62dにおける第4電流センサ16dが接続されているとともに、第4負極側ライン62dには、第3基本回路ユニット62cにおける第3電流センサ16cが接続されている。また、各負極側ライン62a~62dにおいて、各電流センサ16a~16dよりも下流側は、負極側接続ライン52bに対して並列的に接続されている。この負極側接続ライン52bの下流は4つに分かれており、それぞれ第1~第4負極側分岐出力部54b,56b,58b,60bが構成されている。
【0024】
そして、第1正極側および負極側分岐出力部54a,54bにより第1負荷側分岐出力部64aが構成されて、図13において二点鎖線で示されるように、第1負荷側分岐出力部64aに対して第1負荷66aが接続されるようになっている。同様に、第2正極側および負極側分岐出力部56a,56bにより第2負荷側分岐出力部64bが構成されて第2負荷66bが接続され、第3正極側および負極側分岐出力部58a,58bにより第3負荷側分岐出力部64cが構成されて第3負荷66cが接続され、第4正極側および負極側分岐出力部60a,60bにより第4負荷側分岐出力部64dが構成されて第4負荷66dが接続されるようになっている。このような電気的な回路構成によって、図1等に示される配電装置10では、4つの各電池パック12a~12dが並列的に接続されており、各電池パック12a~12dから得られる電力が、第1~第4負荷66a~66dに分配される。
【0025】
配電装置10に接続される各電池パック12a~12dの電圧の大きさは限定されるものではないが、各電池パック12a~12dは、例えば公知の48Vバッテリとされ得る。また、各リレー14a~14dは、それぞれ公知の機械的なリレーとされ得る。前述のように、配電装置10においては前方から順に第4基本回路ユニット20d、第3基本回路ユニット20c、第1基本回路ユニット20a、第2基本回路ユニット20bが設けられていることから、配電装置10に設けられる各リレー14a~14dは、前方から順に、第4リレー14d、第3リレー14c、第1リレー14a、第2リレー14bである。
【0026】
<バスバー68>
ここで、配電装置10内における上記電気回路において、第1~第4正極側ライン48a~48d、第1~第4負極側ライン62a~62d、正極側および負極側接続ライン52a,52b等は導電部材により構成されればよい。これらは、例えば電線等により構成されてもよいが、実施形態1では複数のバスバー68(以下のバスバー68a~68j)により構成されている。各バスバー68同士、各バスバー68と各リレー14a~14d、各バスバー68と各電流センサ16a~16dとの接続は、例えば各バスバー68の端部に設けられたボルト挿通孔に図示しないボルトを挿通して締結することでなされ得る。
【0027】
配電装置10は、図3図5にも示されるように、第1電池パック12aに接続される第1正極側入力部40aを有し、且つ第1リレー14aに電気的に接続されるバスバー68aを備えている。換言すれば、バスバー68aの一方の端部により第1正極側入力部40aが構成されているとともに、バスバー68aの他方の端部により第1リレー14aへの接続部が構成されている。図7に示されるように、基本回路ユニット20の1つである第1基本回路ユニット20aがバスバー68aを備えており、バスバー68aの一方の端部により、第1電池パック12aの端子部22に接続される入力部24としての第1正極側入力部40aが構成されている。バスバー68aの一方の端部(第1正極側入力部40a)は、第1基本回路ユニット20aにおいて、第1リレー14a側となる右方に突出している。バスバー68aの他方の端部は、第1リレー14aの本体部69から突出する端子部70に対して重ね合わされてボルト締結されることで、第1リレー14aに対して電気的に接続されるようになっている。
【0028】
また、第1リレー14aの下流側には、バスバー68bが接続されている。すなわち、バスバー68bは第1基本回路ユニット20aに設けられており、正極側接続ライン52aを構成するか、正極側接続ライン52aに接続されるバスバーである。バスバー68bの一方の端部(前端部)は、第1基本回路ユニット20aにおける第1出力部26(プラス側第1出力部26a)を構成するとともに、バスバー68bの他方の端部(後端部)は、第1基本回路ユニット20aにおける第2出力部28(プラス側第2出力部28a)を構成している。バスバー68bの他方の端部(プラス側第2出力部28a)は、第1リレー14aの本体部69から突出する端子部70に重ね合わされている。バスバー68bは、第1基本回路ユニット20aの下方において全体として前後方向に延びており、バスバー68bの一方の端部(プラス側第1出力部26a)が前方に突出しているとともに、バスバー68bの他方の端部(プラス側第2出力部26b)が第1基本回路ユニット20aの後方部分において外部(右方)に露出している。
【0029】
さらに、配電装置10は、図3図5にも示されるように、第2電池パック12bに接続される第2正極側入力部42aを有し、且つ第2リレー14bに電気的に接続されるバスバー68cを備えている。換言すれば、バスバー68cの一方の端部により第2正極側入力部42aが構成されているとともに、バスバー68cの他方の端部により第2リレー14bへの接続部が構成されている。図8に示されるように、基本回路ユニット20の別の1つである第2基本回路ユニット20bがバスバー68cを備えており、バスバー68cの一方の端部により、第2電池パック12bの端子部22に接続される入力部24としての第2正極側入力部42aが構成されている。バスバー68cの一方の端部(第2正極側入力部42a)は、第2基本回路ユニット20bにおいて、第2リレー14b側となる左方に突出している。バスバー68cの他方の端部は、第2リレー14bの本体部69から突出する端子部70に対して重ね合わされてボルト締結されることで、第2リレー14bに対して電気的に接続されるようになっている。
【0030】
そして、第2リレー14bの下流側には、バスバー68dが接続されている。すなわち、バスバー68dは第2基本回路ユニット20bに設けられており、正極側接続ライン52aを構成するか、正極側接続ライン52aに接続されるバスバーである。バスバー68dの一方の端部(前端部)は、第2基本回路ユニット20bにおける第1出力部26(プラス側第1出力部26a)を構成するとともに、バスバー68dの他方の端部(後端部)には、バスバー68eの一方の端部が接続されている。バスバー68eにおける他方の端部により、第2基本回路ユニット20bにおける第2出力部28(プラス側第2出力部28a)が構成されている。バスバー68dの他方の端部およびバスバー68eの一方の端部は、第2リレー14bの本体部69から突出する端子部70に重ね合わされており、ボルト締結により電気的に接続され得る。
【0031】
バスバー68dは第2基本回路ユニット20bの下方において、全体として前後方向に延びており、バスバー68dの一方の端部(プラス側第1出力部26a)が前方に突出している。バスバー68eは全体として上下方向に延びており、バスバー68eの他方の端部(上端部)によりプラス側第2出力部28aが構成されている。バスバー68eにおいてプラス側第2出力部28aには、2つのボルト挿通孔71,71が相互に離隔して設けられている。
【0032】
また、配電装置10は、図3図5にも示されるように、第1電池パック12aに接続される第1負極側入力部40bを有し、且つ第2電流センサ16bに電気的に接続されるバスバー68fを備えている。換言すれば、バスバー68fの一方の端部により第1負極側入力部40bが構成されているとともに、バスバー68fの他方の端部により第2電流センサ16bへの接続部が構成されている。図8に示されるように、第2基本回路ユニット20bがバスバー68fを備えており、バスバー68fの一方の端部により、第1電池パック12aの端子部22に接続される入力部24としての第1負極側入力部40bが構成されている。バスバー68fの一方の端部(第1負極側入力部40b)は、第2基本回路ユニット20bにおいて、第1リレー14a側となる右方に突出している。バスバー68fの他方の端部は、第2電流センサ16bの本体部72から突出する端子部73に対して重ね合わされてボルト締結されることで、第2電流センサ16bに対して電気的に接続されるようになっている。
【0033】
第2電流センサ16bの下流側には、バスバー68gが接続されている。すなわち、バスバー68gは第2基本回路ユニット20bに設けられており、負極側接続ライン52bを構成するか、負極側接続ライン52bに接続されるバスバーである。バスバー68gの一方の端部(前端部)は、第2基本回路ユニット20bにおける第1出力部26(マイナス側第1出力部26b)を構成するとともに、バスバー68gの他方の端部(後端部)は、第2基本回路ユニット20bにおける第2出力部28(マイナス側第2出力部28b)を構成している。バスバー68gの一方の端部(マイナス側第1出力部26b)は、第2電流センサ16bの本体部72から突出する端子部73に重ね合わされている。
【0034】
バスバー68gは、第2基本回路ユニット20bの左面において、全体として前後方向に延びており、バスバー68gの一方の端部(マイナス側第1出力部26b)が第2基本回路ユニット20bの前方部分において外部(右方)に露出しているとともに、バスバー68gの他方の端部(マイナス側第2出力部28b)が後方に突出している。バスバー68gにおいてマイナス側第2出力部28bには、2つのボルト挿通孔74,74が相互に離隔して設けられている。
【0035】
さらに、配電装置10は、図3図5にも示されるように、第2電池パック12bに接続される第2負極側入力部42bを有し、且つ第1電流センサ16aに電気的に接続されるバスバー68hを備えている。換言すれば、バスバー68hの一方の端部により第2負極側入力部42bが構成されているとともに、バスバー68hの他方の端部により第1電流センサ16aへの接続部が構成されている。図7に示されるように、第1基本回路ユニット20aがバスバー68hを備えており、バスバー68hの一方の端部により、第2電池パック12bの端子部22に接続される入力部24としての第2負極側入力部42bが構成されている。バスバー68hの一方の端部(第2負極側入力部42b)は、第1基本回路ユニット20aにおいて、第2リレー14b側となる左方に突出している。バスバー68hの他方の端部は、第1電流センサ16aの本体部72から突出する端子部73に対して重ね合わされてボルト締結されることで、第1電流センサ16aに対して電気的に接続されるようになっている。バスバー68hは、第1基本回路ユニット20aの左面において、全体として前後方向に延びている。
【0036】
そして、第1電流センサ16aの下流側には、バスバー68iが接続されている。すなわち、バスバー68iは第1基本回路ユニット20aに設けられており、負極側接続ライン52bを構成するか、負極側接続ライン52bに接続されるバスバーである。バスバー68iの一方の端部(前端部)には、バスバー68jの他方の端部が接続されている。このバスバー68jの一方の端部により、第1基本回路ユニット20aにおける第1出力部26(マイナス側第1出力部26b)が構成されている。また、バスバー68iの他方の端部により、第1基本回路ユニット20aにおける第2出力部28(マイナス側第2出力部28b)が構成されている。バスバー68iの一方の端部およびバスバー68jの他方の端部は、第1電流センサ16aの本体部72から突出する端子部73に重ね合わされている。
【0037】
バスバー68iは、第1基本回路ユニット20aにおいて、全体として前後方向に延びており、バスバー68iの他方の端部(マイナス側第2出力部28b)が後方に突出している。バスバー68jは全体として前後方向に延びており、バスバー68jの一方の端部(マイナス側第1出力部26a)が前方に突出している。
【0038】
<基本回路ユニット20(第1~第4基本回路ユニット20a~20d)>
以上のことから、図7に示されるように、第1基本回路ユニット20aは、第1リレー14aおよび第1電流センサ16aと、第1リレー14aに接続されるバスバー68a,68bと、第1電流センサ16aに接続されるバスバー68h,68i,68jとを備えている。また、図8に示されるように、第2基本回路ユニット20bは、第2リレー14bおよび第2電流センサ16bと、第2リレー14bに接続されるバスバー68c,68d,68eと、第2電流センサ16bに接続されるバスバー68f,68gとを備えている。
【0039】
これら第1基本回路ユニット20aと第2基本回路ユニット20bとは、図3から図5にも示されるように、前後方向で接続されている。すなわち、第1基本回路ユニット20aの後方部分に対して、第2基本回路ユニット20bの前方部分が接続されている。具体的には、第1基本回路ユニット20aの後方部分において外部(右方)に露出するプラス側第2出力部28aに対して、第2基本回路ユニット20bの前方部分において前方に突出するプラス側第1出力部26aが重ね合わされて、ボルト締結により電気的に接続される。同様に、第1基本回路ユニット20aの後方部分において後方に突出するマイナス側第2出力部28bに対して、第2基本回路ユニット20bの前方部分において外部(右方)に露出するマイナス側第1出力部26bが重ね合わされて、ボルト締結により電気的に接続される。要するに、第1基本回路ユニット20aの後方部分においてプラス側およびマイナス側第2出力部28a,28bから構成される第2出力部28と、第2基本回路ユニット20bの前方部分においてプラス側およびマイナス側第1出力部26a,26bから構成される第1出力部26とが、相互に接続されるようになっている。
【0040】
また、第3および第4基本回路ユニット20c,20dは、それぞれ第1および第2基本回路ユニット20a,20bと同様の構成を有している。具体的には、第3基本回路ユニット20cは、第1基本回路ユニット20aを上下方向に延びる中心軸回りで180°回転させたような形状である。すなわち、第3基本回路ユニット20cは、第3リレー14cおよび第3電流センサ16cと、第3リレー14cに接続されるバスバー68a,68bと、第3電流センサ16cに接続されるバスバー68h,68i,68jとを備えている。また、第4基本回路ユニット20dは、第2基本回路ユニット20bを上下方向に延びる中心軸回りで180°回転させたような形状である。すなわち、第4基本回路ユニット20dは、第4リレー14dおよび第4電流センサ16dと、第4リレー14dに接続されるバスバー68c,68d,68eと、第4電流センサ16dに接続されるバスバー68f,68gとを備えている。
【0041】
なお、これら第3および第4基本回路ユニット20c,20dにおいても、前方に位置する出力部が第1出力部26であるとともに、後方に位置する出力部が第2出力部28である。要するに、第1基本回路ユニット20aにおける第1出力部26の構成をもって第3基本回路ユニット20cにおける第2出力部28が構成されているとともに、第1基本回路ユニット20aにおける第2出力部28の構成をもって第3基本回路ユニット20aにおける第1出力部26が構成されている。同様に、第2基本回路ユニット20bにおける第1出力部26の構成をもって第4基本回路ユニット20dにおける第2出力部28が構成されているとともに、第2基本回路ユニット20bにおける第2出力部28の構成をもって第4基本回路ユニット20dにおける第1出力部26が構成されている。
【0042】
これら第3基本回路ユニット20cと第4基本回路ユニット20dとは、図3から図5にも示されるように、前後方向で接続されている。すなわち、第4基本ユニット20dの後方部分(すなわち、第2基本ユニット20bの前方部分)に対して、第3基本回路ユニット20cの前方部分(すなわち、第1基本ユニット20aの後方部分)が接続されている。第3基本回路ユニット20cと第4基本回路ユニット20dとの接続態様は、第1基本回路ユニット20aと第2基本回路ユニット20bとの接続態様と同様であることから、説明を省略する。そして、第3基本回路ユニット20cの後方部分と第1基本回路ユニット20aの前方部分とが接続されており、要するに、形状としては第1基本回路ユニット20aの前方部分同士が相互に接続されている。
【0043】
具体的には、第3基本回路ユニット20cから後方に突出するプラス側第2出力部28aと第1基本回路ユニット20aから前方に突出するプラス側第1出力部26aとが相互に重ね合わされて接続されている。また、第3基本回路ユニット20cから後方に突出するマイナス側第2出力部28bと第1基本回路ユニット20aから前方に突出するマイナス側第1出力部26bとが相互に重ね合わされて接続されている。要するに、第3基本回路ユニット20cにおける第2出力部28と、第1基本回路ユニット20aにおける第1出力部26とが相互に接続されている。これにより、第1~第4基本回路ユニット20a~20dのいずれにおいても、第1出力部26と第2出力部28とが相互に接続されている。なお、第3基本回路ユニット20cにおいて第2出力部28を構成するバスバー68b,68jの端部形状と、第1基本回路ユニット20aにおいて第1出力部26を構成するバスバー68b,68jの端部形状とは、それぞれを重ね合わせ易いように形状が相互に異ならされている。
【0044】
<端子台76>
実施形態1では、図3,4や図6にも示されるように、第3基本回路ユニット20cにおける第2出力部28と、第1基本回路ユニット20aにおける第1出力部26とが、それぞれ端子台76上に保持されて連結されている。すなわち、配電装置10は端子台76を備えており、端子台76は、第3基本回路ユニット20cと第1基本回路ユニット20aとの前後方向間に配置されている。この端子台76は、例えば合成樹脂により形成されて絶縁性を有している。
【0045】
そして、端子台76は、第3基本回路ユニット20cから後方に突出するバスバー68b,68jの端部(それぞれプラス側第2出力部28aおよびマイナス側第2出力部28b)が挿し入れられる一対の前方開口部78,78を有している。また、端子台76は、第1基本回路ユニット20aから前方に突出するバスバー68b,68jの端部(それぞれプラス側第1出力部26aおよびマイナス側第1出力部26b)が挿し入れられる一対の後方開口部80,80を有している。これら前方および後方開口部78,80から挿し入れられたプラス側第1および第2出力部26a,28a、およびマイナス側第1および第2出力部26b,28bは、端子台76の前後方向中央部分において重ね合わされてボルトにより端子台76に固定されるようになっている。これにより、第3基本回路ユニット20c(および第4基本回路ユニット20d)と、第1基本回路ユニット20a(および第2基本回路ユニット20b)とが電気的に接続され得る。
【0046】
<回路支持体82>
各基本回路ユニット20a~20dは、それぞれ絶縁性の回路支持体82を含んでいる。各基本回路ユニット20a~20dを構成する各回路支持体は、少なくとも1つの形状が他の回路支持体に対して異ならされてもよいが、実施形態1では、各基本回路ユニット20a~20dを構成する各回路支持体82がそれぞれ同じ形状とされている。図9,10において回路支持体82が示されており、特に、図9では、回路支持体82に対してリレー14および電流センサ16が装着された状態が示されている。
【0047】
すなわち、回路支持体82は、一端側(図10中の左端側)に電流センサ装着部84を有しているとともに、他端側(図10中の右端側)にリレー装着部86を有しており、電流センサ装着部84に電流センサ16が装着されるとともに、リレー装着部86にリレー14が装着されるようになっている。
【0048】
具体的には、回路支持体82は全体として略矩形板状であり、例えば合成樹脂により形成される。回路支持体82において上記電流センサ装着部84およびリレー装着部86は、回路支持体82における厚さ方向一方の面(図10中の紙面手前側の面)において、長さ方向(図10中の左右方向)の両側に設けられている。電流センサ装着部84は、電流センサ16の本体部72が配置される矩形の本体部配置領域88と、本体部配置領域88を挟んだ両側(図10中の上下両側)に設けられて各端子部73が配置される端子部配置領域90,90とを含んで構成されている。また、リレー装着部86は、リレー14の本体部69が配置される矩形の本体部配置領域92と、本体部配置領域92を挟んだ両側(図10中の左右両側)に設けられて各端子部70が配置される端子部配置領域94とを含んで構成されている。これら各端子部配置領域90,94には、それぞれナット96が埋設されている。
【0049】
ここで、回路支持体82の外周縁部には複数の開口部98が設けられており、各開口部98を通じて、電流センサ装着部84を構成する各端子部配置領域90およびリレー装着部86を構成する各端子部配置領域94の各内部空間が外部空間と連通している。すなわち、各開口部98を通じて各バスバー68の端部を回路支持体82に挿し入れ、電流センサ16の端子部73やリレー14の端子部70と各バスバー68の端部とを重ね合わせてボルト締結することにより、電流センサ16やリレー14と各バスバー68とを電気的に接続することができる。
【0050】
具体的には、回路支持体82には、図10中の上方に開口する開口部98が2つ設けられており、1つの開口部98が図10中上方の端子部配置領域90に連通しているとともに、もう1つの開口部98が図10中左方の端子部配置領域94に連通している。また、回路支持体82には、図10中の左方、下方、右方に開口する開口部98が1つずつ設けられており、図10中の左方に開口する開口部98が図10中下方の端子部配置領域90に連通している。また、図10中の下方および右方に開口する開口部98は、それぞれ図10中右方の端子部配置領域94に連通している。
【0051】
このような各開口部98への各バスバー68の挿入の態様によって各回路支持体82を含んで構成される基本回路ユニット20の形状が異ならされている。実施形態1では、各開口部98への各バスバー68の挿入の態様が異ならされることで、第1~第4基本回路ユニット20a~20dが構成されている。なお、第1基本回路ユニット20aと第3基本回路ユニット20c、第2基本回路ユニット20bと第4基本回路ユニット20dはそれぞれ略同形状であることから、実質的には第1基本回路ユニット20aと第2基本回路ユニット20bの2種類が構成されている。
【0052】
要するに、図7に示されるように、第1基本回路ユニット20a(および第3基本回路ユニット20c)では、上方の開口部98から、端部に入力部24(第1正極側入力部40a)を有するバスバー68aが挿し入れられて第1リレー14aにおける前方の端子部70に重ね合わされている。また、両端部に第1出力部26(プラス側第1出力部26a)および第2出力部28(プラス側第2出力部28a)を有するバスバー68bが回路支持体82の下方に配置されて、上方に突出するプラス側第2出力部28aが、下方の開口部98を通じて第1リレー14aにおける後方の端子部70に重ね合わされている。さらに、一方の端部に入力部24(第2負極側入力部42b)を有するバスバー68hが回路支持体82の左方に配置されて、下方に突出する他方の端部が、上方の開口部98を通じて第1電流センサ16における上方の端子部73に重ね合わされている。そして、他方の端部に第2出力部28(マイナス側第2出力部28b)を有するバスバー68iが回路支持体82の左方に配置されて、右方へと折り返された一方の端部が、前方の開口部98を通じて第1電流センサ16における下方の端子部73に重ね合わされている。特に、このバスバー68iの一方の端部は、バスバー68jの他方の端部と重ね合わされて、これらバスバー68i,68jの各端部が前方の開口部98を通じて第1電流センサ16における下方の端子部73に重ね合わされている。
【0053】
また、図8に示されるように、第2基本回路ユニット20b(および第4基本回路ユニット20d)では、上方の開口部98から、端部に入力部24(第2正極側入力部42a)を有するバスバー68cが挿し入れられて、第2リレー14bにおける前方の端子部70に重ね合わされている。また、一方の端部に第1出力部26(プラス側第1出力部26a)を有するバスバー68dが回路支持体82の下方に配置されて、上方に突出する他方の端部が、下方の開口部98を通じて第2リレー14bにおける後方の端子部70に重ね合わされている。このバスバー68dの他方の端部には、他方の端部にプラス側第2出力部28aを有するバスバー68eの一方の端部が重ね合わされている。さらに、上方の開口部98から、端部に入力部24(第1負極側入力部40b)を有するバスバー68fが挿し入れられて、第2電流センサ16bにおける上方の端子部73に重ね合わされている。そして、両端部に第1出力部26(マイナス側第1出力部26b)および第2出力部28(マイナス側第2出力部28b)を有するバスバー68gが回路支持体82の左方に配置されて、右方へと折り返された一方の端部(マイナス側第1出力部26b)が、前方の開口部98を通じて第2電流センサ16bにおける下方の端子部73に重ね合わされている。
【0054】
したがって、実施形態1では、基本回路18(第1~第4基本回路18a~18d)のそれぞれが、入力部24と、第1出力部26と、第2出力部28のいずれか1つを端部に備えた複数のバスバー68を含んで構成されている。そして、これら第1~第4基本回路18a~18dのそれぞれが同一の形状とされた回路支持体82に組み付けられることで、第1~第4基本回路ユニット20a~20dが構成されている。
【0055】
そして、第1基本回路ユニット20aと第2基本回路ユニット20bとが接続される際には、図4にも示されるように、第1基本回路ユニット20aにおいて後方に突出するマイナス側第2出力部28bが、第2基本回路ユニット20bにおいて前方に開口する開口部98に挿し入れられて、第2基本回路ユニット20bにおけるマイナス側第1出力部26bと共に第2電流センサ16bにおける下方の端子部73に重ね合わされるようになっている。これにより、第1基本回路ユニット20aにおけるバスバー68iと第2基本回路ユニット20bにおけるバスバー68gとが接続されて、また第1基本回路ユニット20aにおけるバスバー68iと第3基本回路ユニット20cにおけるバスバー68iとがそれぞれのバスバー68jを介して接続される。これにより、第1基本回路ユニット20aから第4基本回路ユニット20dの長さ方向の略全長にわたって電気的に接続された負極側接続ライン52bが、各バスバー68g,68i,68jにより構成されている。
【0056】
また、第2基本回路ユニット20bにおいて前方に突出するとともに上方に屈曲するプラス側第1出力部26aが、第1基本回路ユニット20aにおいて下方に開口する開口部98に挿し入れられて、第1基本回路ユニット20aにおけるプラス側第2出力部28aと共に第1リレー14aにおける後方の端子部70に重ね合わされるようになっている。これにより、第1基本回路ユニット20aにおけるバスバー68bと第2基本回路ユニット20bにおけるバスバー68dとが接続されて、また第1基本回路ユニット20aにおけるバスバー68bと第3基本回路ユニット20cにおけるバスバー68bとが接続される。これにより、第1基本回路ユニット20aから第4基本回路ユニット20dの長さ方向全長にわたって電気的に接続された正極側接続ライン52aが、各バスバー68b,68dにより構成されている。
【0057】
実施形態1では、図9等にも示されるように、回路支持体82に、厚さ方向外方に突出する脚部100が設けられている。この脚部100は、各回路支持体82において複数設けられており、実施形態1では、回路支持体82の厚さ方向両側に突出する脚部100,100が、回路支持体82において前後方向で所定の距離を隔てて設けられており、回路支持体82において4つの脚部100が設けられている。各脚部100にはボルト挿通孔102が形成されており、各ボルト挿通孔102に挿通される図示しないボルトにより、各基本回路ユニット20a~20dが後述する筐体130に固定されるようになっている。
【0058】
また、回路支持体82における長さ方向一方の端部(図10中の右方端部)における上端部には、基本回路ユニット20に組み付けられる分岐回路ユニット36を位置決めするための位置決め凹部104と、分岐回路ユニット36を基本回路ユニット20にボルト固定するための図示しないボルトが締結されるナット106が設けられている。実施形態1では、位置決め凹部104が上方に開口する有底の凹部とされているとともに、位置決め凹部104の近傍にナット106が埋設されている。
【0059】
さらに、回路支持体82において、長さ方向一方の端面(図10中の右方の端面)には、長さ方向外方に突出する押圧突部108が設けられている。この押圧突部108は、回路支持体82の厚さ方向全長にわたって設けられており、上下方向の複数箇所(実施形態1では3箇所)に形成されている。各押圧突部108の突出端面は湾曲面により構成されている。これら各押圧突部108は、例えば第1基本回路ユニット20aと第2基本回路ユニット20bとの接続時において各回路支持体82の対向面間に設けられることとなる。そして、各押圧突部108と対向する回路支持体82の壁面とが当接して各押圧突部108や対向する回路支持体82の壁面が弾性変形することで、第1基本回路ユニット20aと第2基本回路ユニット20bにおける公差を吸収したり、第1基本回路ユニット20aと第2基本回路ユニット20bとの組付状態の保持力を向上することができるようになっている。
【0060】
<分岐回路ユニット36>
分岐回路ユニット36は、図3,4等にも示されるように、第1~第4基本回路ユニット20a~20dが接続された際に長さ方向(前後方向)両端部となる第2および第4基本回路ユニット20b,20dに接続されるようになっている。第2および第4基本回路ユニット20b,20dに接続される各分岐回路ユニット36は相互に同形状であり、上下方向に延びる中心軸回りで180°回転した状態で配置されている。
【0061】
分岐回路ユニット36は、前述のようにヒューズ32を備えており、実施形態1では、一対のヒューズ32,32がヒューズホルダ110上に支持されている。各ヒューズ32は、第1~第4基本回路ユニット20a~20dの長さ方向(前後方向)と同方向に延びており、各ヒューズ32は、それぞれ本体部112と、本体部112から前後方向両側に突出する一対の端子部114,114とを備えている。各端子部114にはボルト挿通孔116が形成されているとともに、ヒューズホルダ110において、各ボルト挿通孔116と対応する位置にはナット118が埋設されている。
【0062】
また、図11中において前方側に位置する各ナット118の左右方向間には、ヒューズホルダ110を上下方向で貫通するボルト挿通孔120が形成されている。分岐回路ユニット36は、ボルト挿通孔120に挿通される図示しないボルトが第2および第4基本回路ユニット20b,20dにおける各回路支持体82のナット106に締結されることで、第2および第4基本回路ユニット20b,20dに取り付けられ得る。さらに、ヒューズホルダ110の下面において、ボルト挿通孔120よりも図12中の後方には、位置決め凹部104に嵌合する位置決め凸部122が設けられている。ヒューズホルダ110の下面において、位置決め凸部122よりも図12中の後方には、一対のナット124,124が埋設状態で設けられている。
【0063】
そして、ヒューズホルダ110上に各ヒューズ32が載置された状態において、ヒューズホルダ110の上面と各ヒューズ32における各端子部114との上下方向間には隙間が形成されている。図11中の前方部分において、ヒューズホルダ110の上面と各端子部114との上下方向間の隙間には、第2基本回路ユニット20bにおけるバスバー68eの他方の端部により構成されるプラス側第2出力部28a(第4基本回路ユニット20dにおいてはプラス側第1出力部26a)が挿し入れられるようになっている。これら各端子部114におけるボルト挿通孔116およびプラス側第2出力部28a(またはプラス側第1出力部26a)における各ボルト挿通孔71に図示しないボルトが挿通されて各ナット118に締結されることで、プラス側第2出力部28a(またはプラス側第1出力部26a)と各ヒューズ32とが電気的に接続される。また、図11中の後方部分において、ヒューズホルダ110の上面と各端子部114との上下方向間の隙間には、一対のプラス側端部バスバー126,126の一方の端部が挿し入れられるようになっている。これら各端子部114と各プラス側端部バスバー126とが図示しないボルトにより固定されることで、各ヒューズ32と各プラス側端部バスバー126とが電気的に接続される。
【0064】
これにより、実施形態1では、各ヒューズ32の端子部114により、第2出力部28(プラス側第2出力部28a)または第1出力部26(プラス側第1出力部26a)に接続される分岐入力部30(プラス側分岐入力部30a)が構成されている。また、分岐回路ユニット36が第2基本回路ユニット20bに接続される場合、一方(図11中の右方)のプラス側端部バスバー126の他方の端部により、第1正極側分岐出力部54aが構成されるとともに、他方(図11中の左方)のプラス側端部バスバー126の他方の端部により、第2正極側分岐出力部56aが構成される。分岐回路ユニット36が第4基本回路ユニット20bに接続される場合、一方のプラス側端部バスバー126の他方の端部により、第3正極側分岐出力部58aが構成されるとともに、他方のプラス側端部バスバー126の他方の端部により、第4正極側分岐出力部60aが構成される。それゆえ、実施形態1では、各プラス側端部バスバー126における他方の端部により、分岐出力部34におけるプラス側分岐出力部34aが構成されている。
【0065】
さらに、ヒューズホルダ110の下面に対しては、図12中に示される左方から第2基本回路ユニット20bにおけるバスバー68gの他方の端部により構成されるマイナス側第2出力部28b(第4基本回路ユニット20dにおいてはマイナス側第1出力部26b)が挿し入れられて重ね合わされる。このマイナス側第2出力部28b(またはマイナス側第1出力部26b)に対して、一対のマイナス側端部バスバー128,128の一方の端部が重ね合わされて図示しないボルトにより固定されることで、マイナス側第2出力部28b(またはマイナス側第1出力部26b)と各マイナス側端部バスバー128とが電気的に接続される。
【0066】
これにより、実施形態1では、各マイナス側端部バスバー128の一方の端部により、第2出力部28(マイナス側第2出力部28b)または第1出力部26(マイナス側第1出力部26b)に接続される分岐入力部30(マイナス側分岐入力部30b)が構成されている。また、分岐回路ユニット36が第2基本回路ユニット20bに接続される場合、一方(図11中の右方)のマイナス側端部バスバー128の他方の端部により、第1負極側分岐出力部54bが構成されるとともに、他方(図11中の左方)のマイナス側端部バスバー128の他方の端部により、第2負極側分岐出力部56bが構成される。分岐回路ユニット36が第4基本回路ユニット20dに接続される場合、一方のマイナス側端部バスバー128の他方の端部により、第3負極側分岐出力部58bが構成されるとともに、他方のマイナス側端部バスバー128の他方の端部により、第4負極側分岐出力部60bが構成される。それゆえ、実施形態1では、各マイナス側端部バスバー128における他方の端部により、分岐出力部34におけるマイナス側分岐出力部34bが構成されている。
【0067】
<筐体130>
図1から図3にも示されるように、配電装置10は、各基本回路ユニット20a~20dと各分岐回路ユニット36を収容する金属製の筐体130を有している。筐体130は、上方に開口する略箱状の筐体本体132と、筐体本体132の上方開口部を覆う略板状のカバー134とを含んで構成されており、筐体本体132の上方開口部がカバー134で覆われた後、筐体本体132とカバー134とは、例えばボルトにより固定され得る。筐体本体132は、平面視において前後方向に長い略矩形状の底壁部136と、底壁部136の外周縁部から上方に突出する周壁部138とを有している。
【0068】
前述のように、配電装置10に対して左右両側に各電池パック12a~12dが設けられて、各基本回路ユニット20a~20dにおける各入力部24に接続されることから、筐体本体132における周壁部138において各入力部24と対応する位置には、第1~第4貫通孔140a~140dが形成されている。各貫通孔140a~140dを通じて各電池パック12a~12dにおける各端子部22が筐体本体132の内部に挿通されて、各端子部22と各入力部24とがボルト固定されることで、各基本回路ユニット20a~20dと各電池パック12a~12dとが電気的に接続されるようになっている。
【0069】
また、周壁部138において各分岐出力部34と対応する位置には、コネクタ142が設けられている。各コネクタ142は、第1負荷側分岐出力部64a(第1正極側および負極側分岐出力部54a,54b)、第2負荷側分岐出力部64b(第2正極側および負極側分岐出力部56a,56b)、第3負荷側分岐出力部64c(第3正極側および負極側分岐出力部58a,58b)、第4負荷側分岐出力部64d(第4正極側および負極側分岐出力部60a,60b)に対して電気的に接続されている。そして、各コネクタ142に対して、各負荷66a~66d側のコネクタ144が接続されることで、各分岐出力部34に対して各負荷66a~66dが電気的に接続されるようになっている。
【0070】
さらに、各リレー14a~14dに接続された各バスバー68b,68dは、それぞれ絶縁部材としての熱伝導シート146を介して筐体130に対して熱的に接触する放熱用接触部148を有している。具体的には、図4,5にも示されるように、各基本回路ユニット20a~20dの下方には、各基本回路ユニット20a~20dの長さ方向(前後方向)の略全長にわたって各リレー14a~14dに接続された各バスバー68b,68dが延びており、これら各バスバー68b,68dが、熱伝導シート146を介して筐体130における底壁部136に熱的に接触している。熱伝導シート146は、絶縁性と熱伝導性を有していれば限定されるものではなく、公知の熱伝導シートが採用され得る。熱伝導シート146は、例えば各バスバー68b,68dよりも大きな幅方向寸法(左右方向寸法)を有する矩形シート状とされる。各バスバー68b,68dにおいて前後方向両端部は上方に屈曲してプラス側第1および第2出力部26a,28aを構成していることから、各バスバー68b,68dにおける前後方向中間部分により、熱伝導シート146を介して底壁部136に熱的に接触する放熱用接触部148が構成されている。
【0071】
<配電装置10の組立方法>
以下、配電装置10の組立方法の具体的な一例を説明する。なお、配電装置10の組立方法は、以下の記載に限定されるものではない。
【0072】
先ず、回路支持体82におけるリレー装着部86および電流センサ装着部84に対してリレー14および電流センサ16を載置する。また、回路支持体82における複数の開口部98からバスバー68a,68b,68h,68i,68jを挿し入れて、リレー14および電流センサ16の各端子部70,73に各バスバー68a,68b,68h、68i,68jの端部を重ね合わせる。その後、図示しないボルトにより、これらリレー14、電流センサ16、各バスバー68a,68b,68h,68i,68jを回路支持体82に固定する。これにより、第1基本回路ユニット20aおよび第3基本回路ユニット20cを得る。
【0073】
同様に、回路支持体82におけるリレー装着部86および電流センサ装着部84に対してリレー14および電流センサ16を載置する。また、回路支持体82における複数の開口部98からバスバー68c,68d,68f,68gを挿し入れて、リレー14および電流センサ16の各端子部70,73に各バスバー68c,68d,68f,68gの端部を重ね合わせる。さらに、バスバー68dに対してバスバー68eを重ね合わせる。その後、図示しないボルトにより、これらリレー14、電流センサ16、各バスバー68c,68d,68e,68f,68gを回路支持体82に固定する。これにより、第2基本回路ユニット20bおよび第4基本回路ユニット20dを得る。
【0074】
その後、上記第1基本回路ユニット20aと第2基本回路ユニット20bとを連結する。具体的には、前述のように、第1基本回路ユニット20aにおけるバスバー68iの端部(マイナス側第2出力部28b)を第2基本回路ユニット20bにおけるバスバー68gの端部(マイナス側第1出力部26b)に重ね合わせる。また、第2基本回路ユニット20bにおけるバスバー68dの端部(プラス側第1出力部26a)を第1基本回路ユニット20aにおけるバスバー68bの端部(プラス側第2出力部28a)に重ね合わせる。これら重ね合わされたバスバー68iとバスバー68g、バスバー68dとバスバー68bとをボルト締結することにより、第1基本回路ユニット20aと第2基本回路ユニット20bとが連結される。同様に、第3基本回路ユニット20cと第4基本回路ユニット20dとを連結する。
【0075】
続いて、第1基本回路ユニット20aと第3基本回路ユニット20cとを連結する。具体的には、前述のように、第1基本回路ユニット20aおよび第3基本回路ユニット20cにおけるそれぞれのバスバー68bの端部(プラス側第1出力部26aおよびプラス側第2出力部28a)を端子台76上で重ね合わせて、図示しないボルトにより各バスバー68bの端部を端子台76に固定する。同様に、第1基本回路ユニット20aおよび第3基本回路ユニット20cにおけるそれぞれのバスバー68jの端部(マイナス側第1出力部26bおよびマイナス側第2出力部28b)を端子台76上で重ね合わせて、図示しないボルトにより各バスバー68jの端部を端子台76に固定する。これにより、第1基本回路ユニット20aと第3基本回路ユニット20cとが連結されて、第1~第4基本回路ユニット20a~20dが連結される。これら第1~第4基本回路ユニット20a~20dにおいて、下方を前後方向に延びる各バスバー68b,68dに対して熱伝導シート146を固着(例えば、接着)する。
【0076】
その後、第2および第4基本回路ユニット20b,20dの長さ方向(前後方向)外方の端部に対して分岐回路ユニット36を固定する。具体的には、ヒューズホルダ110に対して、第2基本回路ユニット20bにおけるバスバー68eの端部(プラス側第2出力部28a)、各ヒューズ32および各プラス側端部バスバー126を重ね合わせて、図示しないボルトにより固定する。また、ヒューズホルダ110に対して、第2基本回路ユニット20bにおけるバスバー68gの端部(マイナス側第2出力部28b)および各マイナス側端部バスバー128を重ね合わせて、図示しないボルトにより固定する。これにより、第2基本回路ユニット20bに対して分岐回路ユニット36が連結される。同様に、第4基本回路ユニット20dに対して分岐回路ユニット36が連結される。
【0077】
次に、これら連結された各基本回路ユニット20a~20dおよび各分岐回路ユニット36を筐体本体132内に配置して、熱伝導シート146を筐体本体132における底壁部136に重ね合わせた状態で、各基本回路ユニット20a~20dにおける各回路支持体82の脚部100を底壁部136にボルト固定する。また、各分岐回路ユニット36において各プラス側およびマイナス側端部バスバー126,128により構成される第1~第4負荷側分岐出力部64a~64dを、各筐体本体132に設けられていた各コネクタ142に対してボルト締結する。これにより、図2図3に示されるようなカバー134が取り外された状態の配電装置10が完成する。
【0078】
このようにして組み立てられた配電装置10に対しては、左右両側に第1~第4電池パック12a~12dが配置されて、筐体本体132に設けられた各貫通孔140a~140dを通じて各電池パック12a~12dの各端子部22が挿し入れられる。その後、各基本回路ユニット20a~20dにおける各入力部24(第1~第4入力部47a~47d)に対して各端子部22がボルト締結されることで、配電装置10と各電池パック12a~12dとが電気的に接続される。そして、筐体本体132に対してカバー134が取り付けられて筐体本体132の上方開口部が覆蓋されるとともに、配電装置10および各電池パック12a~12dが支持プレート38上にボルト固定される。この支持プレート38が車両の適切な箇所に配置されて例えばボルトにより固定され、各コネクタ142に対して、各負荷66a~66d側の各コネクタ144が接続されることで、各電池パック12a~12dの電力が各負荷66a~66dへと分配される。
【0079】
<配電装置10’の電気的構成>
次に、配電装置10’の電気的な構成について、図17から図20等を示して説明する。前述のように、図14等に示される配電装置10’では、2つの電池パック12(第1および第2電池パック12a,12b)が接続されるようになっており、2つの電池パック12a,12bに対応して、2つの基本回路ユニット150(第1および第2基本回路ユニット150a,150b)が設けられている。配電装置10’に設けられる各基本回路ユニット150として、前方を第1基本回路ユニット150aとするとともに、後方を第2基本回路ユニット150bとする。
【0080】
配電装置10’も、第1電池パック12aの正極側が接続される第1正極側入力部40aと、第1電池パック12bの負極側が接続される第1負極側入力部40bとを備えている。同様に、配電装置10’は、第2電池パック12bの正極側が接続される第2正極側入力部42aと、第2電池パック12bの負極側が接続される第2負極側入力部42bとを備えている。第1正極側および負極側入力部40a,40bにより第1入力部47aが構成されるとともに、第2正極側および負極側入力部42a,42bにより第2入力部47bが構成される。
【0081】
第1および第2正極側入力部40a,42aからそれぞれ延びる第1および第2正極側ライン48a,48bは正極側接続ライン52aに並列的に接続されており、当該正極側接続ライン52aの下流は4つに分岐して、ヒューズ32を介して第1~第4正極側分岐出力部54a,56a,58a,60aが構成されている。これら第1および第2正極側ライン48a,48bにはそれぞれ、第1リレー14aおよび第2リレー14bが接続されている。
【0082】
同様に、第1および第2負極側入力部40b,42bからそれぞれ延びる第1および第2負極側ライン62a,62bは負極側接続ライン52bに並列的に接続されており、当該負極側接続ライン52bの下流は4つに分岐して、第1~第4負極側分岐出力部54b,56b,58b,60bが構成されている。これら第1および第2負極側ライン62a,62bにはそれぞれ、第1電流センサ16aおよび第2電流センサ16bが接続されている。
【0083】
そして、第1正極側および負極側分岐出力部54a,54bにより構成される第1負荷側分岐出力部64aに対して第1負荷66aが接続されるようになっている。同様に、第2正極側および負極側分岐出力部56a,56bにより構成される第2負荷側分岐出力部64bに対して第2負荷66bが接続され、第3正極側および負極側分岐出力部58a,58bにより構成される第3負荷側分岐出力部64cに対して第3負荷66cが接続され、第4正極側および負極側分岐出力部60a,60bにより構成される第4負荷側分岐出力部64dに対して第4負荷66dが接続されるようになっている。このような電気的な回路構成によって、図14等に示される配電装置10’では、2つの各電池パック12a,12bが並列的に接続されており、各電池パック12a,12bから得られる電力が、第1~第4負荷66a~66dに分配される。
【0084】
<バスバー152a~152f>
前述の配電装置10では、第1および第2基本回路ユニット20a,20bと第3および第4基本回路ユニット20c,20dとが略同形状であり、一方が他方に対して上下方向に延びる中心軸回りで180°回転させた形状であったが、配電装置10’では、第1基本回路ユニット150aと第2基本回路ユニット150bとが略同形状であり、一方が他方に対して上下方向に延びる中心軸回りで180°回転させた形状である。したがって、第1基本回路ユニット150aにおける第1出力部26の構成をもって第2基本回路ユニット150bにおける第2出力部28が構成されている。また、第1基本回路ユニット150aにおける第2出力部の構成をもって第2基本回路ユニット150bにおける第1出力部が構成されている。
【0085】
第1基本回路ユニット150aは、図17から図19にも示されるように、第1電池パック12aに接続される第1正極側入力部40aを有し、且つ第1リレー14aに電気的に接続されるバスバー152aを備えている。このバスバー152aの一方の端部により、第1電池パック12aの端子部22に接続される入力部24としての第1正極側入力部40aが構成されている。バスバー152aの一方の端部(第1正極側入力部40a)は、第1基本回路ユニット150aにおいて、第1リレー14a側となる右方に突出している。バスバー152aの他方の端部は、第1リレー14aの本体部69から突出する端子部70に対して重ね合わされてボルト締結されることで、第1リレー14aに対して電気的に接続されるようになっている。同様に、第2基本回路ユニット150bは、第2電池パック12bに接続される第2正極側入力部42aを有し、且つ第2リレー14bに電気的に接続されるバスバー152aを有している。
【0086】
また、第1基本回路ユニット150aは、第1リレー14aの下流側に接続されるバスバー152bを備えている。バスバー152bは全体として上下方向に延びており、バスバー152bの他方の端部(下端部)が第1リレー14aにおける前方の端子部70に重ね合わされているとともに、バスバー152bの一方の端部(上端部)により第1出力部26(プラス側第1出力部26a)が構成されている。このバスバー152bの一方の端部(プラス側第1出力部26a)には配電装置10と同様に2つのボルト挿通孔71,71が設けられており、分岐回路ユニット36において各ヒューズ32の端子部114,114から構成されるプラス側分岐入力部30aが接続されるようになっている。同様に、第2基本回路ユニット150bは、第2リレー14bの下流側に接続されるバスバー152bを備えており、バスバー152bにおける一方の端部(プラス側第1出力部26a)に対して分岐回路ユニット36におけるプラス側分岐入力部30aが接続され得る。
【0087】
そして、第1リレー14aの下流側と第2リレー14bの下流側とは、バスバー152cにより接続されている。すなわち、バスバー152cは、正極側接続ライン52aを構成するバスバーである。バスバー152cは全体として前後方向に延びており、バスバー152cの一方の端部(前端部)は上方に突出して、第1リレー14aにおける前方の端子部70に対してバスバー152bの他方の端部と共に重ね合わされている。また、バスバー152dの他方の端部(後端部)は上方に突出して、第2リレー14bにおける後方の端子部70に対してバスバー152bの他方の端部と共に重ね合わされている。
【0088】
要するに、このバスバー152cは、第1および第2基本回路ユニット150a,150bに共通して設けられており、第1および第2基本回路ユニット150a,150bにおける各回路支持体82の下方に位置している。バスバー152cは、上下方向に延びる中心軸回りで回転対称な形状である。したがって、バスバー152cは、第1基本回路ユニット150aから後方に突出するプラス側第2出力部と、第1基本回路ユニット150aを上下方向に延びる中心軸回りで180°回転させることで得られる第2基本回路ユニット150bにおいて前方に突出するプラス側第1出力部とを一体的に備えるバスバーと把握することができる。これにより、第1基本回路ユニット150aと第2基本回路ユニット150bとは、バスバー152cにより、プラス側第2出力部とプラス側第1出力部が接続される。
【0089】
また、第1基本回路ユニット150aは、第1電池パック12aに接続される第1負極側入力部40bを有し、且つ第1電流センサ16aに電気的に接続されるバスバー152dを備えている。このバスバー152dの一方の端部により、第1電池パック12aの端子部22に接続される入力部24としての第1負極側入力部40bが構成されている。バスバー152dの一方の端部(第1負極側入力部40b)は、第1基本回路ユニット20aにおいて、第1リレー14a側となる右方に突出している。バスバー152dの他方の端部は、第1電流センサ16aの本体部72から突出する端子部73に対して重ね合わされてボルト締結されることで、第1電流センサ16aに対して電気的に接続されるようになっている。同様に、第2基本回路ユニット150bは、第2電池パック12bに接続される第2負極側入力部42bを有し、且つ第2電流センサ16bに電気的に接続されるバスバー152dを有している。
【0090】
そして、第1電流センサ16aの下流側には、バスバー152eが接続されている。すなわち、バスバー152eは第1基本回路ユニット20aに設けられており、負極側接続ライン52bを構成するか、負極側接続ライン52bに接続されるバスバーである。バスバー152eは全体として前後方向に延びており、バスバー152eの他方の端部(後端部)が第1電流センサ16aから下方に突出する端子部73に対して重ね合わされている。また、バスバー152eの一方の端部(前端部)によりマイナス側第1出力部26bが構成されている。このバスバー152eの一方の端部(マイナス側第1出力部26b)には配電装置10と同様に2つのボルト挿通孔74,74が設けられており、分岐回路ユニット36において各マイナス側端部バスバー128における一方の端部から構成されるマイナス側分岐入力部30bが接続されるようになっている。同様に、第2基本回路ユニット150bは、他方の端部が第2電流センサ16bの下流側に接続されるとともに、一方の端部(マイナス側第1出力部26b)が分岐回路ユニット36に接続されるバスバー152eを備えている。
【0091】
ここで、第1および第2基本回路ユニット150a,150bにおける各バスバー152eの他方の端部同士は、バスバー152fにより接続されている。バスバー152fは全体として前後方向に延びており、バスバー152fは上下方向に延びる中心軸回りで回転対称な形状である。そして、バスバー152fの一方の端部(前端部)がバスバー152eの他方の端部と共に第1電流センサ16aにおける端子部73に対して重ね合わされているとともに、バスバー152fの他方の端部(後端部)がバスバー152eの他方の端部と共に第2電流センサ16bにおける端子部73に対して重ね合わされている。
【0092】
要するに、バスバー152fは、第1基本回路ユニット150aから後方に突出するマイナス側第2出力部と、第1基本回路ユニット150aを上下方向に延びる中心軸回りで180°回転させることで得られる第2基本回路ユニット150bにおいて前方に突出するマイナス側第1出力部とを一体的に備えるバスバーと把握することができる。これにより、第1基本回路ユニット150aと第2基本回路ユニット150bとは、バスバー152fにより、マイナス側第2出力部とマイナス側第1出力部が接続される。
【0093】
<基本回路ユニット150(第1および第2基本回路ユニット150a,150b)>
以上のことから、図17から図19に示されるように、第1基本回路ユニット150aは、第1リレー14aおよび第1電流センサ16aと、第1リレー14aに接続されるバスバー152a,152bと、第1電流センサ16aに接続されるバスバー152d,152eとを備えている。上述のように、第2基本回路ユニット150bは、第1基本回路ユニット150aを上下方向に延びる中心軸回りで180°回転させたものであることから、第2リレー14bおよび第2電流センサ16bと、第2リレー14bに接続されるバスバー152a,152bと、第2電流センサ16bに接続されるバスバー152d,152eとを備えている。そして、第1および第2基本回路ユニット150a,150bは共通のバスバーとして、バスバー152c,152fを備えている。
【0094】
これら第1および第2基本回路ユニット150a,150bにおいて、各リレー14a,14b、各電流センサ16a,16bおよび各バスバー152a~152fは、前述の配電装置10と同様に回路支持体82に組み付けられる。回路支持体82への各バスバー152a~152fの組付けは前述のように開口部98を通じてなされ得るし、第1基本回路ユニット150a,150bの接続時において、バスバー152fの両端部は、各バスバー152eにおける他方の端部に対して、開口部98を通じて重ね合わされ得る。
【0095】
また、第1および第2基本回路ユニット150a,150bの長さ方向両端部には、前述の配電装置10と同様に分岐回路ユニット36が接続される。すなわち、各バスバー152bの一方の端部により構成されるプラス側第1出力部26a(またはプラス側第2出力部28a)に対して分岐回路ユニット36におけるプラス側分岐入力部30aが重ね合わされて接続されるとともに、各バスバー152eの一方の端部により構成されるマイナス側第1出力部26b(またはマイナス側第2出力部28b)に対してマイナス側分岐入力部30bが重ね合わされて接続される。
【0096】
<筐体130’>
配電装置10’における筐体130’の形状は、前述の配電装置10における筐体130と同様の形状である。すなわち、前述の配電装置10における筐体130は、4つの各基本回路ユニット20(第1~第4基本回路ユニット20a~20d)と2つの各分岐回路ユニット36を収容し得る長さ寸法(前後方向寸法)を有していたが、配電装置10’における筐体130’は、2つの基本回路ユニット150(第1および第2基本回路ユニット150a,150b)と2つの各分岐回路ユニット36を収容し得る長さ寸法を有している。筐体130’における周壁部138の左右方向両側には、第1および第2電池パック12a,12bに対応して、それぞれ第1および第2貫通孔140a,140bが形成されている。
【0097】
また、配電装置10’においても、図17に示されるように、各リレー14a,14bに接続されたバスバー152cには絶縁部材としての熱伝導シート146’が固着(例えば、接着)されており、バスバー152cにおける放熱用接触部154が熱伝導シート146’を介して筐体130’における底壁部136に対して熱的に接触している。バスバー152cの前後方向両端部は上方に屈曲して第1および第2リレー14a,14bにおける各端子部70に重ね合わされることから、バスバー152cの前後方向中間部分により放熱用接触部154が構成されている。
【0098】
<配電装置10’の組立方法>
配電装置10’は、前述の配電装置10の組立方法と同様の方法により組み立てられ得る。
【0099】
すなわち、回路支持体82に対してリレー14、電流センサ16、バスバー152a,152b,152d,152eを組み付けたものを2つ準備して、一方を他方に対して上下方向に延びる中心軸回りで180°回転させ、それぞれをバスバー152c,152fで接続する。これにより、第1基本回路ユニット150aと第2基本回路ユニット150bとが前後方向で接続される。
【0100】
また、これら第1基本回路ユニット150aと第2基本回路ユニット150bの前後方向両端部にそれぞれ分岐回路ユニット36を接続するとともに、バスバー152cの下面に熱伝導シート146’を固着(例えば、接着)する。その後、これら第1および第2基本回路ユニット150a,150bと各分岐回路ユニット36を筐体130’に収容して固定することで、図15,16に示されるように、カバー134が設けられていない状態の配電装置10’が完成する。
【0101】
この配電装置10’には、前述の配電装置10と同様に、2つの電池パック12(第1および第2電池パック12a,12b)および4つの各負荷(第1~第4負荷66a~66d)側の各コネクタ144が接続され得る。これにより、各電池パック12a,12bの電力が各負荷66a~66へと分配される。
【0102】
以上のような構造とされた実施形態1の配電装置10,10’によれば、例えば4つの電池パック12a~12dが使用される場合には、4つの各基本回路ユニット20a~20dが連結された配電装置10を採用して、2つの電池パック12a,12bが使用される場合には、2つの各基本回路ユニット150a,150bが連結された配電装置10’を採用することができる。このように、本開示の構造を採用することで、要求される電池パック12の数の増減に対して、基本回路ユニットの数を増減させることで対応することが可能であり、例えば電池パック12が2つ、4つ、6つ・・・と増える場合、基本回路ユニットを2つ、4つ、6つ・・・と増やすことで対応することができる。そして、それら基本回路ユニットの両端部において、分岐回路ユニットを接続することで、各電池パック12における電力を複数の負荷に分配することができる。
【0103】
特に、図1等に示される配電装置10では、第1および第2基本回路ユニット20a,20bと第3および第4基本回路ユニット20c,20dとが、上下方向に延びる中心軸回りで略回転対称な形状とされているとともに、図14等に示される配電装置10’では、第1基本回路ユニット150aと第2基本回路ユニット150bとが、上下方向に延びる中心軸回りで略回転対称な形状とされている。これにより、配電装置10,10’のいずれを組み立てる場合においても、部品の種類数が多くなり過ぎることが回避されて、組立効率の向上が図られる。さらに、両端部に設けられる各分岐回路ユニット36も相互に同形状のものが採用されることから、組立効率の更なる向上が図られる。
【0104】
そして、これら基本回路ユニット20a~20d,150a,150bがいずれも同一の形状とされた回路支持体82を含んで構成されている。すなわち、電池パック12の数に拘らず同一の形状の回路支持体82を採用することができて、回路支持体82への各バスバーの配索態様によって、例えば第1基本回路ユニット20a,150aや第2基本回路ユニット20b等、所望の基本回路ユニットを選択的に製造することができる。これにより、部品の種類数の増加がより抑制されて、製造効率の更なる向上が図られる。
【0105】
配電装置10は各基本回路ユニット20a~20dおよび各分岐回路ユニット36を収容する筐体130を有しているとともに、配電装置10’は各基本回路ユニット150a,150bおよび各分岐回路ユニット36を収容する筐体130’を有している。これらの筐体130,130’においても基本的な構造は同じであり、基本回路ユニットの数に応じて長さ寸法が異ならされるものであるから、筐体130,130’だけでなく配電装置10,10’において大きな形状の変更を伴うことなく、配電装置10,10’を製造することが可能となる。特に、例えば配電装置10では、各リレー14a,14bに接続するバスバー68b,68dをいずれも各基本回路ユニット20a~20dの下方に位置させて、1枚の熱伝導シート146を介して筐体130の底壁部136に対して熱的に接触させる構成とした。これにより、各リレー14a,14bにおける発熱をより簡易な構造をもって放熱させることができる。そして、基本回路ユニットの数の増減に対しても、いずれの配電装置にも同様の放熱構造を採用することができることから、例えば基本回路ユニットの数の増加により放熱構造が複雑化すること等も回避され得る。
【0106】
配電装置10では、第1基本回路ユニット20aと第3基本回路ユニット20cとが端子台76により接続されている。これにより、相互に同形状とされた第1および第2基本回路ユニット20a,20bと第3および第4基本回路ユニット20c,20dとを連結することができる。このような端子台を採用することで、電池パックの数に応じて、基本回路ユニットの数を容易に増加させることができる。
【0107】
<変形例>
以上、本開示の具体例として、実施形態1について詳述したが、本開示はこの具体的な記載によって限定されない。本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本開示に含まれるものである。例えば次のような実施形態の変形例も本開示の技術的範囲に含まれる。
【0108】
(1)前記実施形態では、電池パック12および基本回路ユニット20,150の数が2つまたは4つの例が示されていたが、電池パックおよび基本回路ユニットの数は限定されるものではない。例えば、6つの電池パックが採用される場合、配電装置10のような4つの電池パック用の回路と配電装置10’のような2つの電池パック用の回路とを並列して連結してもよいし、配電装置10’のような2つの電池パック用の回路を3つ並列して連結してもよい。すなわち、4つの電池パックが設けられる場合でも、バスバーの配索態様は前記実施形態における配電装置10のものに限定されず、配電装置10’における回路を2つ並列的に設けてもよい。そのような回路の連結に際しては、前記実施形態に記載の端子台76が採用されてもよい。なお、電池パックの数と基本回路ユニットの数とは必ずしも一致する必要はなく、基本回路ユニットは電池パックの数に対応した数で配置されればよく、例えば電池パックの数と基本回路ユニットの数とは比例関係にあってもよい。
【0109】
(2)前記実施形態では、配電装置10,10’においてそれぞれ4つの負荷66a~66dが接続可能なように4つの負荷側分岐出力部(第1~第4負荷側分岐出力部64a~64d)が設けられていたが、接続される側の負荷の数、すなわち負荷側分岐出力部の数は、複数であれば限定されるものではない。
【0110】
(3)前記実施形態では、第1~第4電池パック12a~12dが並列的に接続されていたが、基本回路ユニットにおけるバスバーの配索態様を変更させることにより複数の電池パックが直列的に接続されるようになっていてもよい。
【0111】
(4)前記実施形態では、例えば第1基本回路ユニット20a,150aと第2基本回路ユニット20b,150bとの接続は、第1基本回路ユニット20a,150aにおける第2出力部28と第2基本回路ユニット20b,150bにおける第1出力部26が接続されることで実現されていた。なお、第1および第2基本回路ユニットにおける各回路支持体において相互に対向する部分に凹凸を設けて、これらが凹凸嵌合することにより、第1および第2基本回路ユニットの接続時において、これらが相互に仮固定されるようになっていてもよい。
【0112】
(5)各電池パックの電圧の大きさは48Vに限定されるものではなく、任意の電圧の大きさの電池パックが採用され得る。
【符号の説明】
【0113】
10,10’ 配電装置
12 電池パック
12a~12d 第1~第4電池パック
14 リレー
14a~14d 第1~第4リレー
16 電流センサ
16a~16d 第1~第4電流センサ
18 基本回路
18a~18d 第1~第4基本回路
20 基本回路ユニット
20a~20d 第1~第4基本回路ユニット
22 端子部
24 入力部
26 第1出力部
26a プラス側第1出力部
26b マイナス側第1出力部
28 第2出力部
28a プラス側第1出力部
28b マイナス側第1出力部
30 分岐入力部
30a プラス側分岐入力部
30b マイナス側分岐入力部
32 ヒューズ
34 分岐出力部
34a プラス側分岐出力部
34b マイナス側分岐出力部
36 分岐回路ユニット
38,38’ 支持プレート
40a,42a,44a,46a 第1~第4正極側入力部
40b,42b,44b,46b 第1~第4負極側入力部
47a~47d 第1~第4入力部
48a~48d 第1~第4正極側ライン
52a 正極側接続ライン
52b 負極側接続ライン
54a,56a,58a,60a 第1~第4正極側分岐出力部
54b,56b,58b,60b 第1~第4負極側分岐出力部
62a~62d 第1~第4負極側ライン
64a~64d 第1~第4負荷側分岐出力部
66a~66d 第1~第4負荷
68,68a~68j バスバー
69 本体部
70 端子部
71 ボルト挿通孔
72 本体部
73 端子部
74 ボルト挿通孔
76 端子台
78 前方開口部
80 後方開口部
82 回路支持体
84 電流センサ装着部
86 リレー装着部
88 本体部配置領域
90 端子部配置領域
92 本体部配置領域
94 端子部配置領域
96 ナット
98 開口部
100 脚部
102 ボルト挿通孔
104 位置決め凹部
106 ナット
108 押圧突部
110 ヒューズホルダ
112 本体部
114 端子部
116 ボルト挿通孔
118 ナット
120 ボルト挿通孔
122 位置決め凸部
124 ナット
126 プラス側端部バスバー
128 マイナス側端部バスバー
130,130’ 筐体
132 筐体本体
134 カバー
136 底壁部
138 周壁部
140a~140d 第1~第4貫通孔
142,144 コネクタ
146,146’ 熱伝導シート(絶縁部材)
148 放熱用接触部
150 基本回路ユニット
150a 第1基本回路ユニット
150b 第2基本回路ユニット
152a~152f バスバー
154 放熱用接触部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20