(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161820
(43)【公開日】2024-11-20
(54)【発明の名称】作業機械及びバッテリの充電方法
(51)【国際特許分類】
E02F 9/00 20060101AFI20241113BHJP
B60L 8/00 20060101ALI20241113BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20241113BHJP
B60L 53/14 20190101ALI20241113BHJP
B60L 58/12 20190101ALI20241113BHJP
【FI】
E02F9/00 C
B60L8/00
B60L50/60
B60L53/14
B60L58/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076883
(22)【出願日】2023-05-08
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】冨樫 良一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 泰之
【テーマコード(参考)】
5H125
【Fターム(参考)】
5H125AA12
5H125AC09
5H125AC12
5H125AC24
5H125BC21
5H125BE02
5H125CC04
5H125DD02
5H125EE27
5H125EE41
5H125EE48
5H125EE61
5H125FF07
5H125FF11
(57)【要約】
【課題】作業機械のバッテリを充電すること。
【解決手段】作業機械は、車体と、車体に連結される作業機と、車体に配置されるバッテリと、車体の内部に格納され、バッテリを充電するために車体の外部に展開される太陽光パネルと、を備える。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体と、
前記車体に連結される作業機と、
前記車体に配置されるバッテリと、
前記車体の内部に格納され、前記バッテリを充電するために前記車体の外部に展開される太陽光パネルと、を備える、
作業機械。
【請求項2】
前記太陽光パネルは、前記車体よりも大きく展開される、
請求項1に記載の作業機械。
【請求項3】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、前記バッテリの残容量を算出し、前記残容量が第1の閾値以下であると判定した場合、前記太陽光パネルを展開する、
請求項1に記載の作業機械。
【請求項4】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
前記バッテリを含む電源がオフ時において、前記太陽光パネルを展開する、
請求項1に記載の作業機械。
【請求項5】
プロセッサと、
太陽光を検出する太陽光センサと、を備え、
前記プロセッサは、前記太陽光センサの検出値が第2の閾値を超えると判定した場合、前記太陽光パネルを展開する、
請求項1に記載の作業機械。
【請求項6】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、予め定められている時間に前記太陽光パネルを展開する、
請求項1に記載の作業機械。
【請求項7】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、気象データを受信し、前記気象データに基づいて、前記太陽光パネルを展開する、
請求項1に記載の作業機械。
【請求項8】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、操作装置からの操作指令を受信し、前記操作指令に基づいて、前記太陽光パネルを展開する、
請求項1に記載の作業機械。
【請求項9】
前記操作装置は、前記車体に設けられる、
請求項8に記載の作業機械。
【請求項10】
前記操作装置は、前記車体の外部に配置される遠隔操作装置である、
請求項8に記載の作業機械。
【請求項11】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、管理サーバから送信された制御指令を受信し、前記制御指令に基づいて、前記太陽光パネルを展開する、
請求項1に記載の作業機械。
【請求項12】
前記管理サーバは、操作装置からの操作指令に基づいて、制御指令を送信する、
請求項11に記載の作業機械。
【請求項13】
プロセッサと、
前記車体の周辺を検出する外界センサと、を備え、
前記プロセッサは、前記外界センサが前記車体の周辺の障害物を検出しない場合、前記太陽光パネルを展開する、
請求項1に記載の作業機械。
【請求項14】
前記太陽光パネルは、前記車体の外部に展開された後、傾斜する、
請求項1に記載の作業機械。
【請求項15】
前記車体は、旋回体であり、
前記旋回体は、太陽と前記太陽光パネルとの相対位置を調整するために旋回する、
請求項1に記載の作業機械。
【請求項16】
作業機が連結される作業機械の車体の内部に格納されている太陽光パネルを前記車体の外部に展開することと、
前記太陽光パネルにおいて発電された電力で前記車体に配置されているバッテリを充電することと、を含む、
バッテリの充電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業機械及びバッテリの充電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、太陽光パネルを備える車両が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電動式の作業機械に搭載されているバッテリを充電できる技術が要望される。
【0005】
本開示は、作業機械のバッテリを充電することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従えば、車体と、車体に連結される作業機と、車体に配置されるバッテリと、車体の内部に格納され、バッテリを充電するために車体の外部に展開される太陽光パネルと、を備える、作業機械が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、作業機械のバッテリが充電される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る作業機械の管理システムを示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るショベルを示す左前方からの図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るショベルの制御システムを示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る車載コントローラを示すブロック図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係るショベルの一部を後方から見た図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る太陽光パネルの動作を説明するための図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る太陽光パネルの動作を説明するための図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る太陽光パネルの動作を説明するための図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係るバッテリの充電方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
[管理システムの概要]
図1は、実施形態に係るショベル2Aの管理システム1を示す図である。管理システム1は、作業現場3で稼動するショベル2Aを管理する。実施形態において、ショベル2Aは、バッテリ及び電動モータを動力源とする電動式の作業機械である。作業現場3に複数のショベル2Aが存在する。
図1に示す例において、作業現場3に存在するショベル2Aは、ショベル2Aと、ブルドーザ2Bと、ダンプトラック2Cとを含む。
【0011】
実施形態において、ショベル2Aに操作者は搭乗しない。ショベル2Aは、遠隔操作される。ショベル2Aの外部に遠隔操作室4が設置される。遠隔操作室4は、作業現場3の遠隔地に設置される。ショベル2Aを遠隔操作するための情報端末5及び遠隔操作装置6のそれぞれが遠隔操作室4に配置される。情報端末5及び遠隔操作装置6のそれぞれは、ショベル2Aの外部に存在する。情報端末5は、遠隔操作室4に配置されるコンピュータシステムを含む。
【0012】
遠隔操作装置6は、遠隔操作室4において操作者に操作される。遠隔操作装置6は、操作者に操作されることにより、ショベル2Aを遠隔操作する操作信号を生成する。遠隔操作装置6において生成された操作信号は、情報端末5に入力される。情報端末5は、遠隔操作装置6からの操作信号に基づいて、遠隔操作指令を生成する。情報端末5は、通信システム7を介して遠隔操作指令をショベル2Aに送信する。
【0013】
ショベル2Aは、ショベル2Aの外部に存在する情報端末5から送信される遠隔操作指令に基づいて動作する。ショベル2A及び作業現場3の少なくとも一方に、作業現場3の画像データを取得するカメラが設けられる。作業現場3の画像データは、通信システム7を介して情報端末5に送信され、情報端末5の表示装置に表示される。操作者は、作業現場3の画像データを確認しながら、遠隔操作装置6を操作することができる。
【0014】
通信システム7は、公衆通信回線を含んでもよいし特定通信回線を含んでもよい。通信システム7として、携帯電話通信網又は衛星通信網が例示される。なお、通信システム7は、インターネット(internet)を含んでもよいし、ローカルエリアネットワーク(Local Area Network)を含んでもよい。
【0015】
管理システム1は、管理サーバ8を有する。管理サーバ8は、コンピュータシステムを含む。管理サーバ8は、通信システム7を介してショベル2Aと通信することができる。管理サーバ8は、ショベル2Aの稼働データを収集する。管理サーバ8は、ショベル2Aに制御指令を出力する。
【0016】
[作業機械]
図2は、実施形態に係るショベル2Aを示す左前方からの図である。ショベル2Aは、旋回体9と、走行体10と、作業機11と、作業機シリンダ12とを有する。
【0017】
旋回体9は、ショベル2Aの車体である。走行体10は、ショベル2Aの走行装置である。走行体10は、旋回体9を支持する。旋回体9は、走行体10に旋回可能に支持される。旋回体9は、走行体10よりも上方に配置される。走行体10は、旋回体9を支持して走行する。走行体10は、一対の履帯10Aを有する。履帯10Aが回転することにより、ショベル2Aが走行する。
【0018】
作業機11は、旋回体9の前部に連結される。作業機11は、旋回体9の前部に連結されるブーム11Aと、ブーム11Aに連結されるアーム11Bと、アーム11Bに連結されるバケット11Cとを含む。作業機シリンダ12は、ブーム11Aを動作させるブームシリンダ12Aと、アーム11Bを動作させるアームシリンダ12Bと、バケット11Cを動作させるバケットシリンダ12Cとを含む。
【0019】
[制御システム]
図3は、実施形態に係るショベル2Aの制御システム30を示す図である。ショベル2Aは、制御システム30を有する。制御システム30は、バッテリ31と、太陽光パネル70と、充電装置32と、DC/DCコンバータ33と、インバータ34と、電動モータ35と、油圧ポンプ36と、メインバルブ37と、油圧アクチュエータ38と、車載コントローラ40と、バッテリセンサ41と、太陽光センサ71と、外界センサ72と、通信機43とを有する。
【0020】
バッテリ31は、ショベル2Aの電源である。バッテリ31は、ショベル2Aに搭載される内蔵バッテリである。バッテリ31は、旋回体9の内部に配置される。バッテリ31は、二次電池を含む。実施形態において、バッテリ31は、リチウムイオンバッテリ(LiB:Lithium ion Battery)を含む。
【0021】
太陽光パネル70は、太陽光の照射により発電する。太陽光パネル70は、複数の太陽電池を含む。太陽光パネル70は、旋回体9に設けられる。太陽光パネル70は、バッテリ31を充電するための電力を発電する。
【0022】
充電装置32は、太陽光パネル70に接続される。充電装置32は、太陽光パネル70から供給された電力によりバッテリ31を充電する。
【0023】
DC/DCコンバータ33は、バッテリ31からの電圧を昇圧する。DC/DCコンバータ33は、バッテリ31からの直流電流をインバータ34に供給する。
【0024】
インバータ34は、DC/DCコンバータ33からの直流電流を三相交流電流に変換して電動モータ35に供給する。電動モータ35は、インバータ34から供給された三相交流電流に基づいて駆動される。
【0025】
電動モータ35は、ショベル2Aの動力源である。電動モータ35は、バッテリ31から供給される電力により駆動する。
【0026】
油圧ポンプ36は、電動モータ35により駆動される。油圧ポンプ36は、作動油を吐出する。油圧ポンプ36から吐出された作動油は、メインバルブ37を介して、油圧アクチュエータ38に供給される。ショベル2Aの油圧アクチュエータ38は、作業機シリンダ12を含む。
【0027】
なお、油圧アクチュエータ38の代わりに電動アクチュエータがショベル2Aに設けられてもよい。作業機シリンダ12が電動シリンダでもよい。油圧アクチュエータ38の代わりに電動アクチュエータがショベル2Aに設けられる場合、油圧ポンプ36及びメインバルブ37は省略される。
【0028】
車載コントローラ40は、コンピュータシステムを含む。車載コントローラ40は、少なくとも太陽光パネル70を制御する。
【0029】
バッテリセンサ41は、バッテリ31の電圧を検出する電圧センサを含む。太陽光センサ71は、太陽光を検出する。外界センサ72は、旋回体9の周辺を検出する。外界センサ72は、旋回体9の周辺の障害物を非接触で検出する。外界センサ72として、レーザ光を射出することにより障害物を検出するレーザセンサ(LIDAR:Light Detection and Ranging)が例示される。なお、外界センサ72は、電波を射出することにより障害物を検出するレーダセンサ(RADAR:Radio Detection and Ranging)でもよいし、赤外光を射出することにより障害物を検出する赤外線センサでもよいし、カメラでもよい。通信機43は、管理サーバ8と無線通信する。
【0030】
制御システム30は、バッテリ31を含むショベル2Aの電源がオフの状態とオンの状態とに切り換えられる。ショベル2Aの電源がオフの状態とは、バッテリ31から電動モータ35に電力が供給されない状態をいう。実施形態において、ショベル2Aの電源がオフの状態でも、太陽光パネル70によるバッテリ31の充電のために作動を要するショベル2Aの電気機器には電力が供給される。実施形態において、バッテリ31の充電のために作動を要する電気機器は、太陽光パネル70、充電装置32、車載コントローラ40、バッテリセンサ41、通信機43、太陽光センサ71、及び外界センサ72の少なくとも一つを含む。ショベル2Aの電源がオンの状態とは、バッテリ31から電動モータ35に電力が供給される状態をいう。
【0031】
[車載コントローラ]
図4は、実施形態に係る車載コントローラ40を示すブロック図である。管理サーバ8及び車載コントローラ40のそれぞれは、コンピュータシステムを含む。車載コントローラ40は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ48と、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含むメインメモリ49と、ストレージ50と、入出力回路を含むインターフェース51とを有する。車載コントローラ40の機能は、コンピュータプログラムとしてストレージ50に記憶されている。プロセッサ48は、コンピュータプログラムをストレージ50から読み出してメインメモリ49に展開し、コンピュータプログラムに従って処理を実行する。なお、コンピュータプログラムは、ネットワークを介して管理サーバ8に配信されてもよい。
【0032】
同様に、管理サーバ8は、プロセッサと、メインメモリと、ストレージと、インターフェースとを有する。
【0033】
プロセッサ48は、残容量算出部48Aと、判定部48Bと、パネル制御部48Cとを有する。
【0034】
残容量算出部48Aは、バッテリセンサ41の検出データに基づいて、バッテリ31の残容量を算出する。バッテリ31の残容量は、バッテリ31の充電率(SOC:State Of Charge)とみなされてもよい。バッテリ31の充電率とは、満充電容量に対する残容量の比率をいう。バッテリセンサ41は、バッテリ31の電圧を検出する。残容量算出部48Aは、バッテリセンサ41の検出データに基づいて、バッテリ31の残容量を算出することができる。
【0035】
判定部48Bは、太陽光パネル70でバッテリ31を充電するか否かを判定する。判定部48Bは、バッテリ31の残容量に基づいて、バッテリ31を充電するか否かを判定する。判定部48Bは、残容量算出部48Aにより算出されたバッテリ31の残容量が予め定められている第1の閾値以下である場合、バッテリ31を充電すると判定する。
【0036】
判定部48Bは、ショベル2Aが非稼働時である場合、バッテリ31を充電すると判定する。ショベル2Aが非稼働時は、バッテリ31を含むショベル2Aの電源がオフ時であることを含む。判定部48Bは、ショベル2Aの電源がオフ時である場合、バッテリ31を充電すると判定する。
【0037】
判定部48Bは、太陽光センサ71の検出値に基づいて、バッテリ31を充電するか否かを判定する。太陽光センサ71の検出値は、太陽光の強度(照度)を示す。太陽光センサ71の検出値が高い場合、太陽光センサ71が受光した太陽光の強度が高い。太陽光センサ71の検出値が低い場合、太陽光センサ71が受光した太陽光の強度が低い。判定部48Bは、太陽光センサ71の検出値が予め定められている第2の閾値を超える場合、バッテリ31を充電すると判定する。
【0038】
判定部48Bは、外界センサ72が障害物を検出した場合、バッテリ31を充電しないと判定する。
【0039】
パネル制御部48Cは、太陽光パネル70を制御する。太陽光パネル70は、旋回体9の内部に格納される格納状態と、旋回体9の外部に展開する展開状態とに変化する。パネル制御部48Cは、判定部48Bが太陽光パネル70でバッテリ31を充電しないと判定した場合、太陽光パネル70を旋回体9の内部に格納する。パネル制御部48Cは、判定部48Bが太陽光パネル70でバッテリ31を充電すると判定した場合、バッテリ31を充電するために太陽光パネル70を旋回体9の外部に展開する。
【0040】
[太陽光パネル]
図5は、実施形態に係るショベル2Aの一部を後方から見た図である。
図5に示すように、旋回体9は、車体フレーム9Aと、車体フレーム9Aの上部に配置されるトップカバー9Bとを含む。車体フレーム9Aの前部に作業機11が連結される。トップカバー9Bは、車体フレーム9Aの上部に設けられている開口を覆うように配置される。開口は、車体フレーム9Aの上部の左側及び右側のそれぞれに設けられる。トップカバー9Bは、左側の開口を覆う左側のトップカバー9BLと、右側の開口を覆う右側のトップカバー9BRとを含む。トップカバー9Bは、アクチュエータの作動により開閉する。
【0041】
太陽光パネル70で発電しない場合、太陽光パネル70は、旋回体9の内部に格納される。太陽光パネル70で発電しないことは、太陽光パネル70でバッテリ31を充電しないことを含む。バッテリ31を充電しない場合、太陽光パネル70は、旋回体9の内部に格納される。太陽光パネル70が格納状態において、トップカバー9Bは閉じる。
【0042】
図6、
図7、及び
図8のそれぞれは、実施形態に係る太陽光パネル70の動作を説明するための図である。太陽光パネル70で発電する場合、太陽光パネル70は、旋回体9の外部に展開される。太陽光パネル70で発電することは、太陽光パネル70でバッテリ31を充電することを含む。バッテリ31を充電する場合、太陽光パネル70は、旋回体9の外部に展開される。太陽光パネル70は、バッテリ31を充電するために旋回体9の外部に展開される。
図6に示すように、太陽光パネル70でバッテリ31を充電する場合、パネル制御部48Cは、トップカバー9Bを開ける。パネル制御部48Cは、トップカバー9Bを開けた後、太陽光パネル70の展開を開始する。
【0043】
太陽光パネル70は、左側の開口から展開する左側の太陽光パネル70Lと、右側の開口から展開する右側の太陽光パネル70Rとを含む。左側の太陽光パネル70Lは、第1パネル70Aと、第1パネル70Aに連結される第2パネル70Bと、第2パネル70Bに連結される第3パネル70Cとを含む。右側の太陽光パネル70Rは、第4パネル70Dと、第4パネル70Dに連結される第5パネル70Eと、第5パネル70Eに連結される第6パネル70Fとを含む。太陽光パネル70は、折り畳まれた状態で、旋回体9の内部に格納される。
【0044】
図7に示すように、トップカバー9Bが開いた状態で、太陽光パネル70は、展開される。
図8に示すように、左側の太陽光パネル70Lの展開が終了した展開状態において、第1パネル70Aの上面(受光面)と第2パネル70Bの上面(受光面)と第3パネル70Cの上面(受光面)とは、同一平面内に配置される。右側の太陽光パネル70Rの展開が終了した展開状態において、第4パネル70Dの上面(受光面)と第5パネル70Eの上面(受光面)と第6パネル70Fの上面(受光面)とは、同一平面内に配置される。太陽光パネル70は、展開状態において太陽光を受光することにより発電する。
【0045】
図8に示すように、太陽光パネル70は、旋回体9よりも大きく展開される。太陽光パネル70が旋回体9よりも大きく展開することは、太陽光パネル70の端部が車体フレーム9Aからオーバーハングすることを意味する。実施形態において、太陽光パネル70は、旋回体9の車幅方向の寸法よりも大きく展開される。太陽光パネル70が展開状態において、車幅方向における太陽光パネル70の寸法は、旋回体9の寸法よりも大きい。第3パネル70Cは、車体フレーム9Aの左端部から左方に張り出す。第6パネル70Fは、車体フレーム9Aの右端部から右方に張り出す。なお、太陽光パネル70は、旋回体9の前後方向の寸法よりも大きく展開されてもよい。
【0046】
上述のように、バッテリ31の残容量は、残容量算出部48Aにより算出される。パネル制御部48Cは、バッテリ31の残容量が第1の閾値以下であると判定部48Bにより判定された場合、太陽光パネル70を展開する。
【0047】
パネル制御部48Cは、ショベル2Aの稼働時において、太陽光パネル70を格納する。ショベル2Aが稼働時であることは、ショベル2Aの電源がオン時であることを含む。パネル制御部48Cは、ショベル2Aの非稼働時において、太陽光パネル70を展開する。ショベル2Aが非稼働時であることは、ショベル2Aの電源がオフ時であることを含む。パネル制御部48Cは、電源がオフ時において、太陽光パネル70を展開する。
【0048】
なお、上述のように、実施形態においては、ショベル2Aの電源がオフの状態でも、太陽光パネル70によるバッテリ31の充電のために作動を要するショベル2Aの電気機器には電力が供給される。ショベル2Aの電源がオフの状態でも、太陽光パネル70は、展開することができる。ショベル2Aの電源がオフの状態でも、バッテリ31は、太陽光パネル70が発電された電力により充電される。
【0049】
パネル制御部48Cは、太陽光センサ71の検出値が第2の閾値以下であると判定部48Bにより判定された場合、太陽光パネル70を格納する。パネル制御部48Cは、太陽光センサ71の検出値が第2の閾値を超えると判定部48Bにより判定された場合、太陽光パネル70を展開する。
【0050】
パネル制御部48Cは、外界センサ72が旋回体9の周辺の障害物を検出した場合、太陽光パネル70を格納する。パネル制御部48Cは、外界センサ72が旋回体9の周辺の障害物を検出しない場合、太陽光パネル70を展開する。
【0051】
[バッテリの充電方法]
図9は、実施形態に係るバッテリ31の充電方法を示すフローチャートである。バッテリ31の残容量が第1の閾値以下になった場合、判定部48Bは、ショベル2Aが非稼働か否かを判定する。実施形態において、判定部48Bは、ショベル2Aの電源がオフであるか否かを判定する(ステップS1)。
【0052】
判定部48Bは、電源がオンである場合、ショベル2Aが稼働であると判定する。判定部48Bは、電源がオフである場合、ショベル2Aが非稼働であると判定する。
【0053】
ステップS1において、ショベル2Aが非稼働であると判定した場合(ステップS1:Yes)、判定部48Bは、太陽光パネル70を展開できるか否かを判定する(ステップS2)。
【0054】
判定部48Bは、外界センサ72の検出データに基づいて、太陽光パネル70を展開できるか否かを判定する。判定部48Bは、外界センサ72が旋回体9の周辺の障害物を検出した場合、太陽光パネル70を展開できないと判定する。判定部48Bは、外界センサ72が旋回体9の周辺の障害物を検出しない場合、太陽光パネル70を展開できると判定する。
【0055】
ステップS2において、太陽光パネル70を展開できると判定した場合(ステップS2:Yes)、判定部48Bは、太陽光センサ71の検出値が第2の閾値を超えているか否かを判定する(ステップS3)。
【0056】
ステップS3において、太陽光センサ71の検出値が第2の閾値を超えていると判定された場合(ステップS3:Yes)、パネル制御部48Cは、太陽光パネル70を展開する。
図8に示したように、太陽光パネル70が展開され、太陽光パネル70の上面(受光面)に太陽光が照射されることにより、太陽光パネル70が発電する。太陽光パネル70が発電した電力は、バッテリ31の充電に使用される。
【0057】
判定部48Bは、太陽光パネル70による発電を終了するか否かを判定する(ステップS5)。例えば、バッテリ31が満充電になった場合、判定部48Bは、太陽光パネル70による発電を終了すると判定する。
【0058】
ステップS5において、太陽光パネル70による発電を終了しないと判定された場合(ステップS5:No)、太陽光パネル70による発電が継続される。ステップS5において、太陽光パネル70による発電を終了すると判定された場合(ステップS5:Yes)、太陽光パネル70が格納され、太陽光パネル70によるバッテリ31の充電が終了する。
【0059】
ステップS1において、ショベル2Aが非稼働ではないと判定された場合(ステップS1:No)、ステップS2において、太陽光パネル70を展開できないと判定された場合(ステップS2:No)、ステップS3において、太陽光センサ71の検出値が第2の閾値以下であると判定された場合(ステップS3:No)、太陽光パネル70は展開されず、太陽光パネル70は発電しない。太陽光パネル70によるバッテリ31の充電は実施されない。
【0060】
[効果]
以上説明したように、実施形態によれば、ショベル2Aは、バッテリ31を充電するための太陽光パネル70を備える。太陽光パネル70は、バッテリ31を充電しない場合、旋回体9の内部に格納される。太陽光パネル70は、バッテリ31を充電するために旋回体9の外部に展開される。ショベル2Aのバッテリ31は、太陽光パネル70が発電した電力により充電される。
【0061】
実施形態において、太陽光パネル70は、ショベル2Aの非稼働時に旋回体9の外部に展開される。太陽光パネル70は、ショベル2Aの稼働時に旋回体9の内部に格納されるので、太陽光パネル70に汚れが付着したり太陽光パネル70が破損したりすることが抑制される。
【0062】
太陽光パネル70は、旋回体9よりもよりも大きく展開される。これにより、太陽光パネル70の受光面の受光面積が大きくなるので、太陽光パネル70は十分に発電することができる。
【0063】
太陽光パネル70は、バッテリ31の残容量が第1の閾値以下である場合に展開される。これにより、バッテリ31の充電が必要なときに太陽光パネル70が発電する。
【0064】
太陽光パネル70は、ショベル2Aの電源がオフ時において展開される。これにより、ショベル2Aが非稼働である期間が太陽光パネル70によるバッテリ31の充電に利用される。
【0065】
太陽光パネル70は、太陽光センサ71の検出値が第2の閾値を超える場合に展開される。これにより、太陽光パネル70は、太陽光の強度が高いときに効率良く発電することができる。
【0066】
[その他の実施形態]
なお、パネル制御部48Cは、予め定められている時間に太陽光パネル70を展開してもよい。車載コントローラ40は、時計機能を有する。パネル制御部48Cは、ショベル2Aが非稼働、且つ、予め定められている時間に、太陽光パネル70を展開してもよい。例えば、作業現場3の作業が休止される週末において、パネル制御部48Cは、作業現場3においてショベル2Aの太陽光パネル70を展開してもよい。パネル制御部48Cは、例えば午前6時から午後7時まで太陽光パネル70を展開してもよい。パネル制御部48Cは、例えば作業現場3の昼休憩において太陽光パネル70を展開してもよい。
【0067】
上述の実施形態において、パネル制御部48Cは、管理サーバ8から送信された制御指令に基づいて、太陽光パネル70を展開してもよい。パネル制御部48Cは、通信機43を介して、管理サーバ8から送信された制御指令を受信することができる。また、管理サーバ8に操作装置が接続されている場合、管理サーバ8に接続されている操作装置が操作者により操作されてもよい。操作装置は、操作者に操作されることにより、太陽光パネル70を展開させるための操作指令を生成する。管理サーバ8は、操作装置からの操作指令に基づいて、太陽光パネル70を展開させるための制御指令をショベル2Aに送信してもよい。
【0068】
上述の実施形態において、パネル制御部48Cは、気象機関が公開する気象データに基づいて、太陽光パネル70を展開してもよい。パネル制御部48Cは、通信機43を介して、気象データを受信することができる。例えば、管理サーバ8は、気象機関が公開する気象データに基づいて、太陽光パネル70を展開させる制御指令を車載コントローラ40に送信してもよい。管理サーバ8は、気象機関が公開する気象データに基づいて、作業現場3の気象が晴天であると判定した場合、太陽光パネル70を展開させる制御指令を車載コントローラ40に送信してもよい。管理サーバ8は、作業現場3の作業が休止される週末において、作業現場3の気象が晴天であると判定した場合、太陽光パネル70を展開させる制御指令を車載コントローラ40に送信してもよい。なお、パネル制御部48Cは、管理サーバ8を介さずに、気象機関が公開する気象データを受信し、受信した気象データに基づいて、太陽光パネル70を展開してもよい。
【0069】
パネル制御部48Cは、情報端末5から送信された遠隔操作指令に基づいて、太陽光パネル70を展開してもよい。ショベル2Aの外部に配置される遠隔操作装置6が操作者により操作されることにより、情報端末5は、遠隔操作装置6からの操作信号に基づいて、遠隔操作指令を車載コントローラ40に送信する。パネル制御部48Cは、遠隔操作装置6が操作者に操作されることにより生成された遠隔操作指令に基づいて、太陽光パネル70を展開してもよい。
【0070】
上述の実施形態において、ショベル2Aは、遠隔操作装置6により遠隔操作されることとした。ショベル2Aを操作するための操作装置が旋回体9に設けられ、ショベル2Aに搭乗した操作者が操作装置を操作して、太陽光パネル70を展開してもよい。すなわち、パネル制御部48Cは、旋回体9に設けられている操作装置から操作指令を受信し、受信した操作指令に基づいて、太陽光パネル70を展開してもよい。
【0071】
パネル制御部48Cは、太陽光パネル70を展開するための複数の条件が満たされた場合に、太陽光パネル70を展開してもよい。例えば、パネル制御部48Cは、ショベル2Aの電源がオフであり、且つ、太陽光センサ71の検出値が第2の閾値を超える場合、太陽光パネル70を展開してもよい。パネル制御部48Cは、ショベル2Aの電源がオフであり、且つ、予め定められている時刻になった場合(例えば日曜日の朝6時になった場合)、太陽光パネル70を展開してもよい。太陽光パネル70を展開するための条件の数は、2つでもよいし、3つでもよいし、4つ以上の任意の数でもよい。
【0072】
上述の実施形態において、
図8を参照して説明したように、太陽光パネル70の展開状態は、第1,第2,第3パネル70A,70B,70Cの上面が同一平面内に配置され、第4,第5,第6パネル70D,70E,70Fの上面が同一平面内に配置されることとした。旋回体9の外部に展開された後の第1,第2,第3パネル70A,70B,70Cの上面は、水平面と平行でもよいし、水平面に対して傾斜してもよい。同様に、旋回体9の外部に展開された後の第4,第5,第6パネル70D,70E,70Fの上面は、水平面と平行でもよいし、水平面に対して傾斜してもよい。
【0073】
上述の実施形態において、太陽光パネル70は、旋回体9の外部に展開された後、傾斜してもよい。太陽光パネル70が旋回体9の外部に展開された後、水平面に対する太陽光パネル70の角度が変化してもよい。パネル制御部48Cは、太陽光センサ71の検出値に基づいて、太陽と太陽光パネル70との相対位置を調整するために太陽光パネル70を傾斜させてもよい。パネル制御部48Cは、太陽光センサ71の検出値が大きくなるように、太陽光パネル70を傾斜させてもよい。すなわち、パネル制御部48Cは、太陽光パネル70に照射される太陽光の照度が大きくなるように、太陽光パネル70を傾斜させてもよい。パネル制御部48Cは、太陽光パネル70が太陽に正対するように、太陽光パネル70を傾斜させてもよい。
【0074】
上述の実施形態において、太陽光パネル70が旋回体9の外部に展開された後、旋回体9が旋回してもよい。パネル制御部48Cは、太陽光センサ71の検出値に基づいて、太陽と太陽光パネル70との相対位置を調整するために旋回体9を旋回させてもよい。パネル制御部48Cは、太陽光センサ71の検出値が大きくなるように、旋回体9を旋回させてもよい。すなわち、パネル制御部48Cは、太陽光パネル70に照射される太陽光の照度が大きくなるように、旋回体9を旋回させてもよい。パネル制御部48Cは、太陽光パネル70が太陽に正対するように、旋回体9を旋回させてもよい。
【0075】
すなわち、パネル制御部48Cは、太陽光センサ71の検出値が大きくなるように、太陽光パネル70の向きを調整してもよい。パネル制御部48Cは、太陽光パネル70が太陽に正対するように、太陽光パネル70の向きを調整してもよい。パネル制御部48Cは、太陽光パネル70による発電量又は太陽光パネル70に照射される太陽光の照射量が大きくなるように、太陽光パネル70の向きを調整してもよい。パネル制御部48Cは、緯度、経度、標高、及び日時等に基づいて太陽の位置を予測して、太陽光パネル70の向きを調整してもよい。
【0076】
上述の実施形態において、ショベル2Aは遠隔操作されることとした。ショベル2Aは、操作者の操作によらずに、車載コントローラ40により自律制御されてもよい。ショベル2Aは、無人作業機械でもよい。
【0077】
上述の実施形態において、太陽光パネル70は、ブルドーザ2Bに設けられてもよい。太陽光パネル70は、電動式のホイールローダに設けられてもよい。太陽光パネル70が設けられるショベル2Aは、作業機11を有しなくてもよい。太陽光パネル70は、ダンプトラック2Cに設けられてもよい。
【符号の説明】
【0078】
1…管理システム、2A…ショベル、2B…ブルドーザ、2C…ダンプトラック、3…作業現場、4…遠隔操作室、5…情報端末、6…遠隔操作装置、7…通信システム、8…管理サーバ、9…旋回体、9A…車体フレーム、9B…トップカバー、10…走行体、10A…履帯、11…作業機、11A…ブーム、11B…アーム、11C…バケット、12…作業機シリンダ、12A…ブームシリンダ、12B…アームシリンダ、12C…バケットシリンダ、30…制御システム、31…バッテリ、32…充電装置、33…DC/DCコンバータ、34…インバータ、35…電動モータ、36…油圧ポンプ、37…メインバルブ、38…油圧アクチュエータ、40…車載コントローラ、41…バッテリセンサ、43…通信機、48…プロセッサ、48A…残容量算出部、48B…判定部、48C…パネル制御部、49…メインメモリ、50…ストレージ、51…インターフェース、70…太陽光パネル、70A…第1パネル、70B…第2パネル、70C…第3パネル、70D…第4パネル、70E…第5パネル、70F…第6パネル、70L…太陽光パネル、70R…太陽光パネル、71…太陽光センサ、72…外界センサ。