(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161821
(43)【公開日】2024-11-20
(54)【発明の名称】作業機械の管理システム及び作業機械の管理方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20241113BHJP
E02F 9/00 20060101ALI20241113BHJP
H02J 3/32 20060101ALI20241113BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20241113BHJP
H02J 7/02 20160101ALI20241113BHJP
G06Q 10/06 20230101ALI20241113BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20241113BHJP
B60L 53/14 20190101ALI20241113BHJP
B60L 53/51 20190101ALI20241113BHJP
B60L 53/52 20190101ALI20241113BHJP
B60L 58/12 20190101ALI20241113BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20241113BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20241113BHJP
G16Y 20/30 20200101ALI20241113BHJP
【FI】
H02J7/00 303A
E02F9/00 C
H02J7/00 X
H02J3/32
H02J3/38 120
H02J7/02 A
G06Q10/06
B60L50/60
B60L53/14
B60L53/51
B60L53/52
B60L58/12
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y20/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076884
(22)【出願日】2023-05-08
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】冨樫 良一
【テーマコード(参考)】
5G066
5G503
5H125
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5G066AA09
5G066HB02
5G066HB06
5G066HB09
5G066JB03
5G066LA02
5G503AA01
5G503AA06
5G503AA07
5G503BA02
5G503BB02
5G503CA01
5G503CA11
5G503CC02
5G503EA05
5G503FA06
5G503GB03
5G503GB06
5G503GD03
5G503GD06
5H125AA12
5H125AC12
5H125AC24
5H125BC12
5H125BE01
5H125EE27
5H125FF14
5L010AA06
5L049AA06
(57)【要約】
【課題】大容量バッテリを有する作業機械を利用することにより温室効果ガスがどの程度排出されているか否かを把握すること。
【解決手段】作業機械の管理システムは、プロセッサを備える。プロセッサは、作業機械のバッテリの充電に使用される電力の使用量を算出し、使用量を記憶装置に記憶させる。電力は、単位量の電力を生成するために第1量の二酸化炭素を排出する第1電力と、単位量の電力を生成するために第1量よりも少ない第2量の二酸化炭素を排出する第2電力との一方又は両方を含む。使用量は、バッテリの充電に使用された第1電力の使用量を示す第1使用量と、バッテリの充電に使用された第2電力の使用量を示す第2使用量と、を含む。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
作業機械のバッテリの充電に使用される電力の使用量を算出し、
前記使用量を記憶装置に記憶させ、
前記電力は、単位量の電力を生成するために第1量の二酸化炭素を排出する第1電力と、前記単位量の電力を生成するために前記第1量よりも少ない第2量の二酸化炭素を排出する第2電力との一方又は両方を含み、
前記使用量は、前記バッテリの充電に使用された前記第1電力の使用量を示す第1使用量と、前記バッテリの充電に使用された前記第2電力の使用量を示す第2使用量と、を含む、
作業機械の管理システム。
【請求項2】
前記第1電力は、枯渇性エネルギーを利用して発電され、
前記第2電力は、再生可能エネルギーを利用して発電される、
請求項1に記載の作業機械の管理システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記枯渇性エネルギーを利用して発電された発電量の実績値を時区間ごとに表す第1発電実績データと、前記再生可能エネルギーを利用して発電された発電量の実績値を時区間ごとに表す第2発電実績データと、を含む発電実績データを取得し、
前記発電実績データに基づいて、前記第1使用量及び前記第2使用量を算出する、
請求項2に記載の作業機械の管理システム。
【請求項4】
前記プロセッサは、
指定された二酸化炭素排出量の算出方法と、前記第1使用量及び前記第2使用量とに基づいて、前記バッテリの充電による二酸化炭素の排出量を算出し、
前記二酸化炭素の排出量を前記記憶装置に記憶させる、
請求項3に記載の作業機械の管理システム。
【請求項5】
作業機械のバッテリの充電に使用される電力の使用量を算出することと、
前記使用量を記録することと、を含み、
前記電力は、単位量の電力を生成するために第1量の二酸化炭素を排出する第1電力と、前記単位量の電力を生成するために前記第1量よりも少ない第2量の二酸化炭素を排出する第2電力との一方又は両方を含み、
前記使用量は、前記バッテリの充電に使用された前記第1電力の使用量を示す第1使用量と、前記バッテリの充電に使用された前記第2電力の使用量を示す第2使用量と、を含む、
作業機械の管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業機械の管理システム及び作業機械の管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両のバッテリを充電する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
地球温暖化防止の観点から温室効果ガスの排出を抑制することが要望される。地球温暖化防止のために、作業機械に係る技術分野において、大容量バッテリを有する作業機械が発案されている。作業機械が使用する電力が化石燃料エネルギーを利用して発電される場合、大容量バッテリを有する作業機械を利用しても結果的に温室効果ガスを排出することにつながる可能性がある。大容量バッテリを有する作業機械を利用することにより温室効果ガスがどの程度排出されているか否かを把握する必要がある。
【0005】
本開示は、大容量バッテリを有する作業機械を利用することにより温室効果ガスがどの程度排出されているか否かを把握することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従えば、作業機械の管理システムが提供される。作業機械の管理システムは、プロセッサを備える。プロセッサは、作業機械のバッテリの充電に使用される電力の使用量を算出し、使用量を記憶装置に記憶させる。バッテリの充電に使用される電力は、単位量の電力を生成するために第1量の二酸化炭素を排出する第1電力と、単位量の電力を生成するために第1量よりも少ない第2量の二酸化炭素を排出する第2電力との一方又は両方を含む。電力の使用量は、バッテリの充電に使用された第1電力の使用量を示す第1使用量と、バッテリの充電に使用された第2電力の使用量を示す第2使用量と、を含む。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、大容量バッテリを有する作業機械を利用することにより温室効果ガスがどの程度排出されているか否かが把握される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る作業機械の管理システムを示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るショベルを示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るショベルの制御システムを示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る発電所と充電ステーションとの関係を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る発電実績データの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る車載コントローラを示すブロック図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係るバッテリの充電による二酸化炭素の排出量を算出する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
[管理システムの概要]
図1は、実施形態に係る作業機械2の管理システム1を示す図である。管理システム1は、作業現場3で稼動する作業機械2を管理する。実施形態において、作業機械2は、バッテリパック及び電動モータを動力源とする電動式の作業機械である。作業現場3に複数の作業機械2が存在する。
図1に示す例において、作業現場3に存在する作業機械2は、ショベル2Aと、ブルドーザ2Bと、ダンプトラック2Cとを含む。
【0011】
実施形態において、作業機械2に操作者は搭乗しない。作業機械2は、遠隔操作される。作業機械2の外部に遠隔操作室4が設置される。遠隔操作室4は、作業現場3の遠隔地に設置される。作業機械2を遠隔操作するための情報端末5及び遠隔操作装置6のそれぞれが遠隔操作室4に配置される。情報端末5及び遠隔操作装置6のそれぞれは、作業機械2の外部に存在する。情報端末5は、遠隔操作室4に配置されるコンピュータシステムを含む。
【0012】
遠隔操作装置6は、遠隔操作室4において操作者に操作される。遠隔操作装置6は、操作者に操作されることにより、作業機械2を遠隔操作する操作信号を生成する。遠隔操作装置6において生成された操作信号は、情報端末5に入力される。情報端末5は、遠隔操作装置6からの操作信号に基づいて、遠隔操作指令を生成する。情報端末5は、通信システム7を介して遠隔操作指令を作業機械2に送信する。
【0013】
作業機械2は、作業機械2の外部に存在する情報端末5から送信される遠隔操作指令に基づいて動作する。作業機械2及び作業現場3の少なくとも一方に、作業現場3の画像データを取得するカメラが設けられる。作業現場3の画像データは、通信システム7を介して情報端末5に送信され、情報端末5の表示装置に表示される。操作者は、作業現場3の画像データを確認しながら、遠隔操作装置6を操作することができる。
【0014】
通信システム7は、公衆通信回線を含んでもよいし特定通信回線を含んでもよい。通信システム7として、携帯電話通信網又は衛星通信網が例示される。なお、通信システム7は、インターネット(internet)を含んでもよいし、ローカルエリアネットワーク(Local Area Network)を含んでもよい。
【0015】
管理システム1は、管理サーバ8を有する。管理サーバ8は、コンピュータシステムを含む。管理サーバ8は、通信システム7を介して作業機械2と通信することができる。管理サーバ8は、作業機械2の稼働データを収集する。管理サーバ8は、作業機械2に制御指令を出力する。
【0016】
[作業機械]
図2は、実施形態に係るショベル2Aを示す左前方からの図である。ショベル2Aは、旋回体9と、走行体10と、作業機11と、作業機シリンダ12とを有する。
【0017】
旋回体9は、ショベル2Aの車体である。走行体10は、ショベル2Aの走行装置である。走行体10は、旋回体9を支持する。旋回体9は、走行体10に旋回可能に支持される。旋回体9は、走行体10よりも上方に配置される。走行体10は、旋回体9を支持して走行する。走行体10は、一対の履帯10Aを有する。履帯10Aが回転することにより、ショベル2Aが走行する。
【0018】
作業機11は、旋回体9の前部に連結される。作業機11は、旋回体9の前部に連結されるブーム11Aと、ブーム11Aに連結されるアーム11Bと、アーム11Bに連結されるバケット11Cとを含む。作業機シリンダ12は、ブーム11Aを動作させるブームシリンダ12Aと、アーム11Bを動作させるアームシリンダ12Bと、バケット11Cを動作させるバケットシリンダ12Cとを含む。
【0019】
[制御システム]
図3は、実施形態に係るショベル2Aの制御システム30を示す図である。ショベル2Aは、制御システム30を有する。制御システム30は、バッテリ31と、充電装置32と、DC/DCコンバータ33と、インバータ34と、電動モータ35と、油圧ポンプ36と、メインバルブ37と、油圧アクチュエータ38と、車載コントローラ40と、通信機43とを有する。
【0020】
バッテリ31は、作業機械2に搭載される内蔵バッテリである。バッテリ31は、二次電池を含む。実施形態において、バッテリ31は、リチウムイオンバッテリ(LiB:Lithium ion Battery)を含む。
【0021】
充電装置32は、作業機械2の外部に設けられた充電ステーション23に接続される。充電ステーション23は、商用電源を利用してバッテリ31を充電する。充電装置32は、AC/DCコンバータを含む。充電装置32は、充電ステーション23から供給された電力によりバッテリ31を充電する。
【0022】
DC/DCコンバータ33は、バッテリ31からの電圧を昇圧する。DC/DCコンバータ33は、バッテリ31からの直流電流をインバータ34に供給する。
【0023】
インバータ34は、DC/DCコンバータ33からの直流電流を三相交流電流に変換して電動モータ35に供給する。電動モータ35は、インバータ34から供給された三相交流電流に基づいて駆動される。
【0024】
電動モータ35は、作業機械2の動力源である。電動モータ35は、バッテリ31からの電力に基づいて駆動する。
【0025】
油圧ポンプ36は、電動モータ35により駆動される。油圧ポンプ36は、作動油を吐出する。油圧ポンプ36から吐出された作動油は、メインバルブ37を介して、油圧アクチュエータ38に供給される。ショベル2Aの油圧アクチュエータ38は、作業機シリンダ12を含む。
【0026】
なお、油圧アクチュエータ38の代わりに電動アクチュエータがショベル2Aに設けられてもよい。作業機シリンダ12が電動シリンダでもよい。油圧アクチュエータ38の代わりに電動アクチュエータがショベル2Aに設けられる場合、油圧ポンプ36及びメインバルブ37は省略される。
【0027】
車載コントローラ40は、コンピュータシステムを含む。通信機43は、車載コントローラ40に接続される。通信機43は、管理サーバ8と無線通信する。
【0028】
[発電実績データ]
図4は、実施形態に係る発電所20と充電ステーション23との関係を示す図である。発電所20において発電された電力が送電設備24を介して充電ステーション23に供給される。送電設備24は、充電ステーション23が存在する電力供給地域25に電力を供給する。発電所20は、複数存在する。電力供給地域25は、複数存在する。
図4に示す例において、発電所20は、第1発電所21と、第2発電所22とを含む。電力供給地域25は、第1地域25Aと、第2地域25Bとを含む。電力供給地域25が日本に存在する場合、第1地域25Aは例えば関東地方であり、第2地域25Bは例えば東北地方である。
【0029】
充電ステーション23は、商用電源の電力を用いてバッテリ31を充電する。充電ステーション23は、第1地域25A及び第2地域25Bのそれぞれに存在する。第1地域25A及び第2地域25Bのそれぞれに作業現場3が存在する。充電ステーション23は、作業現場3に存在してもよいし、作業現場3の外側に存在してもよい。作業機械2は、発電所20において発電された電力を消費することにより稼働する。
【0030】
実施形態において、発電所20において発電された電力を作業機械2が消費することは、発電所20において発電された電力により充電されたバッテリ31の電力を消費することを含む。なお、発電所20において発電された電力がバッテリ31の充電に使用されずに、作業機械2にダイレクトに消費されてもよい。
【0031】
実施形態において、作業機械2に消費される電力は、第1電力及び第2電力の一方又は両方を含む。第1電力は、単位量の電力を生成するために第1量の二酸化炭素を排出する電力である。第2電力は、単位量の電力を生成するために第1量よりも少ない第2量の二酸化炭素を排出する電力である。単位量は予め定められた量である。すなわち、第2電力の発電において排出される二酸化炭素の量は、第1電力の発電において排出される二酸化炭素の量よりも少ない。
【0032】
第1電力は、枯渇性エネルギーを利用して発電された電力である。枯渇性エネルギーは、埋蔵量が有限である資源により発生するエネルギーである。枯渇性エネルギーは、石油、石炭、天然ガスなどの化石燃料エネルギーを含む。枯渇性エネルギーを利用して第1電力を発電する場合、二酸化炭素が排出される。
【0033】
第2電力は、再生可能エネルギーを利用して発電された電力である。再生可能エネルギーは、自然界に常に存在するエネルギーである。再生可能エネルギーは、太陽光、風力、及び水力などの自然界エネルギーを含む。再生可能エネルギーを利用して第2電力を発電する場合、二酸化炭素が排出されない。
【0034】
図4に示す例において、第1電力は、第1発電所21において発電される。第2電力は、第2発電所22において発電される。送電設備24は、第1発電所21からの第1電力及び第2発電所22からの第2電力の一方又は両方を充電ステーション23に供給する。充電ステーション23には、第1発電所21において発電された第1電力と第2発電所において発電された第2電力との両方が供給される場合がある。すなわち、充電ステーション23には、第1比率(A%)の第1電力が供給され、第2比率(B%)の第2電力が供給される。A及びBのそれぞれは、0以上100以下の実数である。AとBとの合計値は、100である。バッテリ31の充電に使用される電力は、A%の第1電力とB%の第2電力とにより構成される。地球温暖化防止の観点から、バッテリ31の充電に使用される電力は、第1電力よりも第2電力の方が好ましい。地球温暖化防止の観点から、作業機械2が消費する電力は、第1電力よりも第2電力の方が好ましい。
【0035】
充電ステーション23に供給される電力に係る発電実績データが公表機関26から公表される。公表機関26として、発電所20を管理する送電会社が例示される。なお、公表機関26は、行政機関でもよい。公表機関26は、発電所20から電力供給地域25に供給される第1電力の発電量及び第2電力の発電量を公表する。
【0036】
図5は、実施形態に係る発電実績データの一例を示す図である。発電実績データは、第1電力の発電実績を示す第1発電実績データと、第2電力の発電実績を示す第2発電実績データとを含む。第1発電実績データは、枯渇性エネルギーを利用して発電された発電量の実績値を過去の時区間ごとに表す。第2発電実績データは、再生可能エネルギーを利用して発電された発電量の実績値を過去の時区間ごとに表す。また、第1発電実績データは、第1電力の第1比率(A%)を表し、第2発電実績データは、第2電力の第2比率(B%)を表す。
【0037】
図5に示すように、発電量の実績値は、時区間ごとに変動する可能性がある。第1比率及び第2比率は、時区間ごとに変動する可能性がある。
【0038】
[車載コントローラ]
図6は、実施形態に係る車載コントローラ40を示すブロック図である。管理サーバ8及び車載コントローラ40のそれぞれは、コンピュータシステムを含む。車載コントローラ40は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ48と、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含むメインメモリ49と、ストレージ50と、入出力回路を含むインターフェース51とを有する。車載コントローラ40の機能は、コンピュータプログラムとしてストレージ50に記憶されている。プロセッサ48は、コンピュータプログラムをストレージ50から読み出してメインメモリ49に展開し、コンピュータプログラムに従って処理を実行する。なお、コンピュータプログラムは、ネットワークを介して管理サーバ8に配信されてもよい。
【0039】
同様に、管理サーバ8は、プロセッサと、メインメモリと、ストレージと、インターフェースとを有する。
【0040】
プロセッサ48は、発電実績データ取得部48Aと、使用量算出部48Bと、排出量算出部48Cとを有する。
【0041】
発電実績データ取得部48Aは、公表機関26から公表された発電実績データを取得する。公表機関26は、発電実績データを配信する配信サーバを有する。発電実績データ取得部48Aは、通信システム7を介して、公表機関26から公表された発電実績データを取得する。
【0042】
使用量算出部48Bは、作業機械2のバッテリ31の充電に使用される電力の使用量を算出する。バッテリ31の充電に使用される電力の使用量は、バッテリ31の充電に使用された第1電力の使用量を示す第1使用量と、バッテリ31の充電に使用された第2電力の使用量を示す第2使用量と、を含む。使用量算出部48Bは、作業機械2のバッテリ31の充電に使用された第1電力の使用量を示す第1使用量と、バッテリ31の充電に使用された第2電力の使用量を示す第2使用量とを算出する。
【0043】
使用量算出部48Bは、発電実績データに基づいて、第1使用量及び第2使用量を算出する。使用量算出部48Bは、第1電力の発電量の実績値及び第1比率を含む第1発電実績データと、充電ステーション23を用いるバッテリ31の充電時刻及び充電時間とに基づいて、バッテリ31の充電に使用された第1電力の使用量を示す第1使用量を算出することができる。使用量算出部48Bは、第2電力の発電量の実績値及び第2比率を含む第2発電実績データと、充電ステーション23を用いるバッテリ31の充電時刻及び充電時間とに基づいて、バッテリ31の充電に使用された第2電力の使用量を示す第2使用量を算出することができる。
【0044】
使用量算出部48Bは、算出した第1使用量及び第2使用量を記録する。実施形態において、使用量算出部48Bは、算出した第1使用量及び第2使用量をストレージ50の使用量記憶部50Aに記憶させる。また、使用量算出部48Bは、算出した第1使用量及び第2使用量を管理サーバ8に送信する。
【0045】
排出量算出部48Cは、指定された二酸化炭素排出量の算出方法と、第1使用量及び第2使用量とに基づいて、バッテリ31の充電による二酸化炭素の排出量を算出する。二酸化炭素の排出量は、温室効果ガスの二酸化炭素換算排出量を含む。二酸化炭素の排出量は、活動量と排出係数と地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential)とに基づいて算出される。活動量は、バッテリ31の充電に使用された電力の使用量(第1使用量及び第2使用量)を含む。排出係数とは、活動量当たりの二酸化炭素排出量をいう。
【0046】
二酸化炭素排出量の算出方法として、Scope1(直接排出量)を算出する方法、Scope2(間接排出量)を算出する方法、及びScope3(その他の排出量)を算出する方法が例示される。
【0047】
排出量算出部48Cは、算出した二酸化炭素の排出量を記録する。排出量算出部48Cは、バッテリ31が充電されることにより排出される二酸化炭素の排出量を記録する。排出量算出部48Cは、作業機械2が稼働することにより排出される二酸化炭素の排出量を記録する。実施形態において、排出量算出部48Cは、算出した二酸化炭素の排出量をストレージ50の排出量記憶部50Bに記憶させる。また、排出量算出部48Cは、算出した二酸化炭素の排出量を管理サーバ8に送信する。
【0048】
[管理方法]
図7は、実施形態に係るバッテリ31の充電による二酸化炭素の排出量を算出する方法を示すフローチャートである。発電実績データ取得部48Aは、公表機関26から発電実績データを取得する(ステップSA1)。
【0049】
使用量算出部48Bは、ステップSA1において取得された発電実績データに基づいて、バッテリ31の充電に使用された第1電力の使用量を示す第1使用量、及び第2電力の使用量を示す第2使用量を算出する。使用量算出部48Bは、第1電力の発電量の実績値及び第1比率を含む第1発電実績データと、充電ステーション23を用いるバッテリ31の充電時刻及び充電時間とに基づいて、第1使用量を算出する。使用量算出部48Bは、第2電力の発電量の実績値及び第2比率を含む第2発電実績データと、充電ステーション23を用いるバッテリ31の充電時刻及び充電時間とに基づいて、第2使用量を算出する(ステップSA2)。
【0050】
排出量算出部48Cは、指定された二酸化炭素排出量の算出方法と、ステップSA2において算出された第1使用量及び第2使用量とに基づいて、バッテリ31が充電されることにより排出される二酸化炭素の排出量を算出する(ステップSA3)。
【0051】
ステップSA2において算出された第1使用量及び第2使用量は、使用量記憶部50Aに記憶される。ステップSA3において算出された二酸化炭素の排出量は、排出量記憶部50Bに記憶される。ステップSA2において算出された第1使用量及び第2使用量は、通信システム7を介して車載コントローラ40から管理サーバ8に送信される。ステップSA3において算出された二酸化炭素の排出量は、通信システム7を介して車載コントローラ40から管理サーバ8に送信される(ステップSA4)。
【0052】
管理サーバ8は、第1使用量及び第2使用量と、二酸化炭素の排出量とを記憶する。管理サーバ8に記憶されている二酸化炭素の排出量は、行政機関に報告されてもよい。
【0053】
[効果]
以上説明したように、実施形態によれば、プロセッサ48は、作業機械2のバッテリ31の充電に使用される第1電力の使用量及び第2電力の使用量を算出する。第1電力の発電において二酸化酸素が排出され、第2電力の発電において二酸化炭素が排出されない。バッテリ31の充電に使用される第1電力及び第2電力のそれぞれの使用量、又はバッテリ31の充電に使用される第1電力と第2電力との比率が算出されることにより、バッテリ31を有する作業機械2を利用することにより温室効果ガスがどの程度排出されているか否かが把握される。
【0054】
[その他の実施形態]
上述の実施形態において、ショベル2Aのバッテリ31の充電に使用される第1電力の使用量及び第2電力の使用量が算出されることとした。ブルドーザ2Bのバッテリ31の充電に使用される第1電力の使用量及び第2電力の使用量が算出されてもよい。ダンプトラック2Cのバッテリ31の充電に使用される第1電力の使用量及び第2電力の使用量が算出されてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1…管理システム、2…作業機械、2A…ショベル、2B…ブルドーザ、2C…ダンプトラック、3…作業現場、4…遠隔操作室、5…情報端末、6…遠隔操作装置、7…通信システム、8…管理サーバ、9…旋回体、10…走行体、10A…履帯、11…作業機、11A…ブーム、11B…アーム、11C…バケット、12…作業機シリンダ、12A…ブームシリンダ、12B…アームシリンダ、12C…バケットシリンダ、20…発電所、21…第1発電所、22…第2発電所、23…充電ステーション、24…送電設備、25…電力供給地域、25A…第1地域、25B…第2地域、26…公表機関、30…制御システム、31…バッテリ、32…充電装置、33…DC/DCコンバータ、34…インバータ、35…電動モータ、36…油圧ポンプ、37…メインバルブ、38…油圧アクチュエータ、40…車載コントローラ、43…通信機、48…プロセッサ、48A…発電実績データ取得部、48B…使用量算出部、48C…排出量算出部、49…メインメモリ、50…ストレージ、50A…使用量記憶部、50B…排出量記憶部、51…インターフェース。