IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社小松製作所の特許一覧

特開2024-161822作業機械、作業機械の通信システム、及び作業機械の通信方法
<>
  • 特開-作業機械、作業機械の通信システム、及び作業機械の通信方法 図1
  • 特開-作業機械、作業機械の通信システム、及び作業機械の通信方法 図2
  • 特開-作業機械、作業機械の通信システム、及び作業機械の通信方法 図3
  • 特開-作業機械、作業機械の通信システム、及び作業機械の通信方法 図4
  • 特開-作業機械、作業機械の通信システム、及び作業機械の通信方法 図5
  • 特開-作業機械、作業機械の通信システム、及び作業機械の通信方法 図6
  • 特開-作業機械、作業機械の通信システム、及び作業機械の通信方法 図7
  • 特開-作業機械、作業機械の通信システム、及び作業機械の通信方法 図8
  • 特開-作業機械、作業機械の通信システム、及び作業機械の通信方法 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161822
(43)【公開日】2024-11-20
(54)【発明の名称】作業機械、作業機械の通信システム、及び作業機械の通信方法
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/00 20060101AFI20241113BHJP
   E02F 9/20 20060101ALI20241113BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20241113BHJP
【FI】
E02F9/00 Z
E02F9/20 Z
H04M11/00 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076885
(22)【出願日】2023-05-08
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】冨樫 良一
【テーマコード(参考)】
2D003
5K201
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003BA04
2D003CA02
2D003CA10
2D003DB07
5K201BA01
5K201EA05
5K201EC06
5K201EC08
5K201ED09
(57)【要約】
【課題】作業現場の通信環境を良化すること。
【解決手段】作業機械は、車体と、車体に連結される作業機と、車体に設けられる基地局と、を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体と、
前記車体に連結される作業機と、
前記車体に設けられる基地局と、を備える、
作業機械。
【請求項2】
前記車体から上方に延びるポールを備え、
前記基地局は、前記ポールの上端部に配置される、
請求項1に記載の作業機械。
【請求項3】
前記ポールは、上下方向に伸縮し、
前記ポールは、前記基地局が前記車体の内部に格納される状態と前記車体の上方に配置される状態とに変化するように、伸縮する、
請求項2に記載の作業機械。
【請求項4】
走行体を備え、
前記車体は、前記走行体に旋回可能に支持される旋回体であり、
前記ポールの中心軸と前記旋回体の旋回軸とは、一致する、
請求項2に記載の作業機械。
【請求項5】
前記基地局は、常時利用可能であり、
前記基地局を利用可能な通信機器は、前記基地局を利用して常時通信する、
請求項1に記載の作業機械。
【請求項6】
前記ポールに取り付けられるカメラを備える、
請求項2に記載の作業機械。
【請求項7】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、前記カメラにより撮像された前記車体の周辺の画像データをサーバに送信する、
請求項6に記載の作業機械。
【請求項8】
前記カメラは、前記車体の周辺の移動体を自動追尾する、
請求項6に記載の作業機械。
【請求項9】
前記カメラの近傍に取り付けられるライトを備える、
請求項6に記載の作業機械。
【請求項10】
車体と、
前記車体に連結される作業機と、
前記車体から上方に延びるポールと、
前記ポールに取り付けられるカメラと、
前記カメラにより撮像された前記車体の周辺の画像データをサーバに送信するプロセッサと、を備える、
作業機械。
【請求項11】
前記カメラは、前記車体の周辺の移動体を自動追尾する、
請求項10に記載の作業機械。
【請求項12】
前記カメラの近傍に取り付けられるライトを備える、
請求項10に記載の作業機械。
【請求項13】
第1作業機械に設けられる基地局と、
第2作業機械に設けられ、前記基地局を介して前記第2作業機械の稼働データをサーバに送信する車載コントローラと、を備える、
作業機械の通信システム。
【請求項14】
車載コントローラは、前記基地局を介して受信した遠隔操作指令に基づいて、前記第2作業機械を動作させる制御指令を出力する、
請求項13に記載の作業機械の通信システム。
【請求項15】
前記第2作業機械の稼働データを受信する携帯端末を備え、
前記携帯端末は、前記第2作業機械の稼働データをサーバに送信する、
請求項13に記載の作業機械の通信システム。
【請求項16】
第1作業機械に設けられる基地局を介して、第2作業機械が遠隔操作指令を受信することと、
前記基地局を介して、前記第2作業機械の稼働データをサーバに送信することと、を含む、
作業機械の通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業機械、作業機械の通信システム、及び作業機械の通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
作業機械に係る技術分野において、特許文献1に開示されているような作業機が知られている。特許文献1において、コンバインは、スマートフォンとの間で近距離通信を行い、スマートフォンは、外部のサーバとの間で遠距離通信を行う。スマートフォンからサーバにコンバインの作業情報が送信される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-216992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
作業機械は、例えば山間部のような通信環境が悪い作業現場で稼働する可能性がある。
【0005】
本開示は、作業現場の通信環境を良化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従えば、車体と、車体に連結される作業機と、車体に設けられる基地局と、を備える、作業機械が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、作業現場の通信環境が良化される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る作業機械の管理システムを示す図である。
図2図2は、実施形態に係るショベルを左前方からの斜視図である。
図3図3は、実施形態に係るショベルの制御システムを示す図である。
図4図4は、実施形態に係る車載コントローラを示すブロック図である。
図5図5は、実施形態に係るショベルの一部を左方から見た図である。
図6図6は、実施形態に係るショベルの動作を説明するための図である。
図7図7は、実施形態に係るショベルの動作を説明するための図である。
図8図8は、実施形態に係るカメラ及びライトを示す図である。
図9図9は、実施形態に係る通信システムによる通信方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
[管理システムの概要]
図1は、実施形態に係る作業機械2の管理システム1を示す図である。管理システム1は、作業現場3で稼動する作業機械2を管理する。実施形態において、作業機械2は、バッテリ及び電動モータを動力源とする電動式の作業機械である。作業現場3に複数の作業機械2が存在する。図1に示す例において、作業現場3に存在する作業機械2は、ショベル2Aと、ブルドーザ2Bと、ダンプトラック2Cとを含む。
【0011】
実施形態において、作業機械2に操作者は搭乗しない。作業機械2は、遠隔操作される。作業機械2の外部に遠隔操作室4が設置される。遠隔操作室4は、作業現場3の遠隔地に設置される。作業機械2を遠隔操作するための情報端末5及び遠隔操作装置6のそれぞれが遠隔操作室4に配置される。情報端末5及び遠隔操作装置6のそれぞれは、作業機械2の外部に存在する。情報端末5は、遠隔操作室4に配置されるコンピュータシステムを含む。
【0012】
遠隔操作装置6は、遠隔操作室4において操作者に操作される。遠隔操作装置6は、操作者に操作されることにより、作業機械2を遠隔操作する操作信号を生成する。遠隔操作装置6において生成された操作信号は、情報端末5に入力される。情報端末5は、遠隔操作装置6からの操作信号に基づいて、遠隔操作指令を生成する。情報端末5は、通信システム7を介して遠隔操作指令を作業機械2に送信する。
【0013】
作業機械2は、作業機械2の外部に存在する情報端末5から送信される遠隔操作指令に基づいて動作する。作業機械2及び作業現場3の少なくとも一方に、作業現場3の画像データを取得するカメラが設けられる。作業現場3の画像データは、通信システム7を介して情報端末5に送信され、情報端末5の表示装置に表示される。操作者は、作業現場3の画像データを確認しながら、遠隔操作装置6を操作することができる。
【0014】
通信システム7は、携帯電話通信網を含む。なお、通信システム7は、衛星通信網を含んでもよい。通信システム7は、公衆通信回線を含んでもよいし特定通信回線を含んでもよい。なお、通信システム7は、インターネット(internet)を含んでもよいし、ローカルエリアネットワーク(Local Area Network)を含んでもよい。
【0015】
管理システム1は、管理サーバ8を有する。管理サーバ8は、コンピュータシステムを含む。管理サーバ8は、通信システム7を介して作業機械2と通信することができる。管理サーバ8は、作業機械2の稼働データを収集する。管理サーバ8は、作業機械2に制御指令を出力する。
【0016】
[作業機械]
図2は、実施形態に係るショベル2Aを示す左前方からの斜視図である。ショベル2Aは、旋回体9と、走行体10と、作業機11と、作業機シリンダ12とを有する。
【0017】
旋回体9は、ショベル2Aの車体である。走行体10は、ショベル2Aの走行装置である。走行体10は、旋回体9を支持する。旋回体9は、走行体10に旋回可能に支持される。旋回体9は、走行体10よりも上方に配置される。走行体10は、旋回体9を支持して走行する。走行体10は、一対の履帯10Aを有する。履帯10Aが回転することにより、ショベル2Aが走行する。
【0018】
作業機11は、旋回体9の前部に連結される。作業機11は、旋回体9の前部に連結されるブーム11Aと、ブーム11Aに連結されるアーム11Bと、アーム11Bに連結されるバケット11Cとを含む。作業機シリンダ12は、ブーム11Aを動作させるブームシリンダ12Aと、アーム11Bを動作させるアームシリンダ12Bと、バケット11Cを動作させるバケットシリンダ12Cとを含む。
【0019】
[制御システム]
図3は、実施形態に係るショベル2Aの制御システム30を示す図である。ショベル2Aは、制御システム30を有する。制御システム30は、バッテリ31と、充電装置32と、DC/DCコンバータ33と、インバータ34と、電動モータ35と、油圧ポンプ36と、メインバルブ37と、油圧アクチュエータ38と、基地局73と、カメラ74と、ライト75と、車載コントローラ40と、通信機43とを有する。
【0020】
バッテリ31は、ショベル2Aに搭載される内蔵バッテリである。バッテリ31は、二次電池を含む。実施形態において、バッテリ31は、リチウムイオンバッテリ(LiB:Lithium ion Battery)を含む。
【0021】
充電装置32は、ショベル2Aの外部に設けられた外部電源23に接続される。外部電源23は、商用電源を含む。商用電源は、充電ステーションを含む。充電装置32は、AC/DCコンバータを含む。充電装置32は、外部電源23から供給された電力によりバッテリ31を充電する。
【0022】
DC/DCコンバータ33は、バッテリ31からの電圧を昇圧する。DC/DCコンバータ33は、バッテリ31からの直流電流をインバータ34に供給する。
【0023】
インバータ34は、DC/DCコンバータ33からの直流電流を三相交流電流に変換して電動モータ35に供給する。電動モータ35は、インバータ34から供給された三相交流電流に基づいて駆動される。
【0024】
電動モータ35は、ショベル2Aの動力源である。電動モータ35は、バッテリ31からの電力に基づいて駆動する。
【0025】
油圧ポンプ36は、電動モータ35により駆動される。油圧ポンプ36は、作動油を吐出する。油圧ポンプ36から吐出された作動油は、メインバルブ37を介して、油圧アクチュエータ38に供給される。ショベル2Aの油圧アクチュエータ38は、作業機シリンダ12を含む。
【0026】
なお、油圧ポンプ36及び油圧アクチュエータ38の代わりに電動アクチュエータがショベル2Aに設けられてもよい。作業機シリンダ12が電動シリンダでもよい。油圧アクチュエータ38の代わりに電動アクチュエータがショベル2Aに設けられる場合、油圧ポンプ36及びメインバルブ37は省略される。
【0027】
基地局73は、携帯電話通信網の基地局である。基地局73は、第4世代移動通信システム(4G)の基地局でもよいし、第5世代移動通信システム(5G)の基地局でもよいし、第6世代移動通信システム(6G)の基地局でもよい。通信システム7は、基地局73を含む。基地局73は、無線通信端末と他の基地局又は交換局との通信を中継する。基地局73は、旋回体9に設けられる。基地局73は、車載型基地局である。基地局73を有するショベル2Aは、移動基地局として機能する。
【0028】
カメラ74は、ショベル2Aの周辺を撮像する。カメラ74は、4K解像度で撮像可能な4Kカメラでもよいし、赤外線カメラでもよい。カメラ74により撮像される画像は、静止画でもよいし、動画(ビデオ画像)でもよい。カメラ74は、ショベル2Aの周辺の移動体を自動追尾しながら撮像してもよい。例えば移動体が人物であり、ショベル2Aの少なくとも一部に人感センサ(赤外線センサ)が設けられる場合、カメラ74は、人感センサの検出データに基づいて、ショベル2Aの周辺の人物を自動追尾しながら撮像してもよい。
【0029】
ライト75は、カメラ74に取り付けられる。ライト75は、ショベル2Aの周辺を照明光で照明する。ライト75は、ショベル2Aの周辺の移動体を自動追尾しながら照明してもよい。例えば移動体が人物であり、ショベル2Aの少なくとも一部に人感センサ(赤外線センサ)が設けられる場合、ライト75は、人感センサの検出データに基づいて、ショベル2Aの周辺の人物を自動追尾しながら照明してもよい。
【0030】
車載コントローラ40は、コンピュータシステムを含む。通信機43は、車載コントローラ40に接続される。通信機43は、管理サーバ8と無線通信する。
【0031】
[車載コントローラ]
図4は、実施形態に係る車載コントローラ40を示すブロック図である。管理サーバ8及び車載コントローラ40のそれぞれは、コンピュータシステムを含む。車載コントローラ40は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ48と、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含むメインメモリ49と、ストレージ50と、入出力回路を含むインターフェース51とを有する。車載コントローラ40の機能は、コンピュータプログラムとしてストレージ50に記憶されている。プロセッサ48は、コンピュータプログラムをストレージ50から読み出してメインメモリ49に展開し、コンピュータプログラムに従って処理を実行する。なお、コンピュータプログラムは、ネットワークを介して管理サーバ8に配信されてもよい。
【0032】
同様に、管理サーバ8は、プロセッサと、メインメモリと、ストレージと、インターフェースとを有する。
【0033】
プロセッサ48は、操作指令受信部48Aと、制御指令出力部48Bと、稼働データ処理部48Cと、画像データ処理部48Dと、ライト制御部48Eとを有する。
【0034】
操作指令受信部48Aは、情報端末5から送信された遠隔操作指令を受信する。制御指令出力部48Bは、操作指令受信部48Aにより受信された遠隔操作指令に基づいて、ショベル2Aを制御する制御指令を出力する。制御指令出力部48Bは、操作指令受信部48Aにより受信された遠隔操作指令に基づいて、旋回体9、走行体10、及び作業機11の少なくとも一つを動作させるための制御指令を出力する。
【0035】
稼働データ処理部48Cは、ショベル2Aの稼働データを収集する。稼働データ処理部48Cにより収集された稼働データは、ストレージ50に記憶される。稼働データ処理部48Cは、ストレージ50に記憶されているショベル2Aの稼働データを管理サーバ8に送信する。
【0036】
ショベル2Aの稼働データは、ショベル2Aの稼働時間及びショベル2Aの稼働位置を含む。ショベル2Aの稼働時間は、ショベル2Aの電動モータ35の稼働時間を含む。ショベル2Aの稼働データは、電動モータ35の電力消費量を含む。ショベル2Aの稼働データは、ショベル2Aの異常データを含む。ショベル2Aの異常データは、ショベル2Aの異常内容、異常箇所、及び異常発生時刻を含む。ショベル2Aには、稼働データを検出する複数のセンサが設けられる。センサとして、電動モータ35の稼働時間を検出するモータセンサ、及びショベル2Aの稼働位置を検出する位置センサが例示される。位置センサは、全球測位衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)を利用してショベル2Aの絶対位置を検出するGNSS受信機を含んでもよい。稼働データ処理部48Cは、センサの検出データを取得することにより、ショベル2Aの稼働データを収集することができる。
【0037】
画像データ処理部48Dは、カメラ74により撮像された旋回体9の周辺の画像データを取得する。画像データ処理部48Dにより取得された画像データは、ストレージ50に記憶される。画像データ処理部48Dは、ストレージ50に記憶されているショベル2Aの周辺の画像データを管理サーバ8に送信する。
【0038】
ライト制御部48Eは、ライト75を制御する。ライト制御部48Eは、ライト75の照明開始時点、照明時間、及び照明終了時点を含むライト75の照明条件を決定する。ライト制御部48Eは、決定した照明条件に基づいてライト75を制御する。また、ショベル2Aの周辺の移動体が人物であり、ショベル2Aの少なくとも一部に人感センサ(赤外線センサ)が設けられる場合、ライト制御部48Eは、人感センサの検出データに基づいて、ショベル2Aの周辺の人物が自動追尾ライティングされるように、ライト75を制御する。
【0039】
[基地局]
図5は、実施形態に係るショベル2Aの一部を左方から見た図である。図5に示すように、旋回体9は、車体フレーム9Aと、車体フレーム9Aの上部に配置されるトップカバー9Bとを含む。車体フレーム9Aの前部に作業機11が連結される。トップカバー9Bは、車体フレーム9Aの上部に設けられている開口を覆うように配置される。トップカバー9Bは、アクチュエータの作動により開閉する。
【0040】
図6及び図7のそれぞれは、実施形態に係るショベル2Aの動作を説明するための図である。基地局73を使用しない場合、基地局73は、旋回体9の内部に格納される。基地局73が旋回体9の内部に格納される状態において、トップカバー9Bが閉じられる。図6に示すように、基地局73を使用する場合、制御指令出力部48Bは、トップカバー9Bを開ける。制御指令出力部48Bは、トップカバー9Bを開けた後、基地局73を旋回体9の外部に移動させる。制御指令出力部48Bは、基地局73を旋回体9の上方に配置する。
【0041】
すなわち、実施形態において、基地局73(基地局73のアンテナ)は、旋回体9の内部に格納される状態と旋回体9の上方に配置される状態とに変化する。
【0042】
ショベル2Aは、旋回体9から上方に延びるポール76を備える。基地局73(基地局73のアンテナ)は、ポール76の上端部に配置される。ポール76は、上下方向に伸縮する。ポール76は、テレスコピック構造であり、伸縮可能である。ポール76は、基地局73が旋回体9の内部に格納される状態と旋回体9の上方に配置される状態とに変化するように、伸縮する。図7に示すように、基地局73を使用する場合、制御指令出力部48Bは、ポール76を最も伸ばす。
【0043】
実施形態において、ポール76の中心軸と旋回体9の旋回軸とは、一致する。ポール76の中心軸は、上下方向に延びる。旋回体9は、旋回軸を中心に旋回する。旋回体9の旋回軸は、上下方向に延びる。ポール76の中心軸と旋回体9の旋回軸とが一致するので、ポール76が伸びた状態で、ショベル2Aは、作業を円滑に実施することができる。実施形態において、ショベル2Aは、基地局73が使用可能な状態で、作業機11を用いる作業を実施することができる。
【0044】
[防犯システム]
図8は、実施形態に係るカメラ74及びライト75を示す図である。図8に示すように、カメラ74は、ポール76に取り付けられてもよい。図8に示す例において、カメラ74は、基地局73よりも下方において、ポール76に取り付けられる。図8に示すように、カメラ74は、ポール76に複数取り付けられてもよい。図8に示すように、ライト75は、カメラ74に取り付けられてもよい。なお、ライト75は、カメラ74の近傍に取り付けられてもよい。ライト75は、例えばカメラ74の近傍のポール76に取り付けられてもよい。
【0045】
カメラ74及びライト75は、作業現場3の防犯システムとして機能する。カメラ74は、防犯カメラとして機能する。ライト75は、防犯ライトとして機能する。ショベル2Aは、作業現場3の作業が実施されない期間において、作業現場3に保管される。作業現場3の作業が実施されない期間として、夜間又は休日が例示される。作業現場3の作業が実施されない期間において、作業現場3に作業者及び作業機械2のオペレータは存在しない。
【0046】
作業現場3の作業が実施されない期間において、カメラ74は、ショベル2Aの周辺を撮像する。例えばショベル2Aの周辺に不審者が存在した場合、カメラ74は、不審者を自動追尾しながら撮像する。カメラ74により撮像されたショベル2Aの周辺の画像データは、管理サーバ8に送信される。ショベル2Aの周辺の画像データは、管理サーバ8に接続されたディスプレイに表示される。ディスプレイに表示された画像データが例えば警備員により確認される。ショベル2Aの周辺に不審者が存在した場合、警備員は、不審者の存在を確認することができる。これにより、作業現場3を防犯することができる。
【0047】
なお、画像データ処理部48Dは、例えば人工知能(AI:Artificial Intelligence)等を用いる画像認識技術により、カメラ74により撮像された画像から不審者を識別してもよい。なお、画像データ処理部48Dは、不審者を検知した場合にのみ、画像データを管理サーバ8に送信してもよい。画像データ処理部48Dは、不審者を検知した場合、即座に管理サーバ8に注意メッセージを送信してもよい。画像データ処理部48Dは、不審者を検知した場合、警察などの行政機関に注意メッセージを送信してもよい。なお、カメラ74により撮像される画像が動画(ビデオ画像)である場合、不審者が写り込んでいる静止画と動画との両方を管理サーバ8又は行政機関に送信してもよい。
【0048】
作業現場3の作業が実施されない期間において、ライト75は、ショベル2Aの周辺を照明光で照明する。例えばショベル2Aの周辺に不審者が存在した場合、ライト75は、不審者を自動追尾しながら照明する。これにより、作業現場3を防犯することができる。
【0049】
[通信方法]
図9は、実施形態に係る通信システム7による通信方法を説明するための図である。通信システム7は、固定基地局77と、第1ショベル201に設けられる基地局73(移動基地局)とを有する。
【0050】
第2ショベル202及び第3ショベル203が例えば山間部のような通信環境が悪い作業現場3で稼働する可能性がある。第2ショベル202及び第3ショベル203のそれぞれは、基地局73を有しない。第2ショベル202及び第3ショベル203が固定基地局77の通信圏外で稼働する場合、第2ショベル202及び第3ショベル203のそれぞれは、稼働データを管理サーバ8に送信することができない。情報端末5は、遠隔操作指令を第2ショベル202及び第3ショベル203のそれぞれに送信することができない。
【0051】
実施形態において、基地局73を有する第1ショベル201は、管理サーバ8と第2ショベル202及び第3ショベル203のそれぞれとの通信を確立できる位置に配置される。基地局73を有する第1ショベル201は、情報端末5と第2ショベル202及び第3ショベル203のそれぞれとの通信を確立できる位置に配置される。基地局73を有する第1ショベル201は、例えば第2ショベル202と固定基地局77との通信を中継可能な位置に配置されてもよい。第1ショベル201は、第2ショベル202が作業を実施している作業現場3に配置されてもよい。第1ショベル201は、第2ショベル202が作業を実施している作業現場3において、第2ショベル202と一緒に作業を実施してもよい。
【0052】
基地局73を有する第1ショベル201が第2ショベル202及び管理サーバ8のそれぞれと通信可能な位置に配置されることにより、第2ショベル202の稼働データ処理部48Cは、第1ショベル201に設けられている基地局73を介して、第2ショベル202の稼働データを管理サーバ8に送信することができる。第2ショベル202の操作指令受信部48Aは、第1ショベル201に設けられている基地局73を介して、情報端末5から遠隔操指令を受信することができる。第2ショベル202の制御指令出力部48Bは、遠隔操作指令に基づいて、第2ショベル202を動作させる制御指令を出力することができる。
【0053】
同様に、基地局73を有する第1ショベル201が第3ショベル203及び管理サーバ8のそれぞれと通信可能な位置に配置されることにより、第3ショベル203の車載コントローラ40は、基地局73を介して第3ショベル203の稼働データを管理サーバ8に送信することができる。第3ショベル203の車載コントローラ40は、基地局73を介して受信した遠隔操作指令に基づいて、第3ショベル203を動作させる制御指令を出力することができる。
【0054】
また、作業現場3に存在する作業者又はショベル2A(202,203)のオペレータが携帯端末78を所持する場合、基地局73を有する第1ショベル201が携帯端末78と通信可能な位置に配置されることにより、作業者又はオペレータは、携帯端末78を利用することができる。基地局73を備える第1ショベル201が携帯端末78及び管理サーバ8のそれぞれと通信可能な位置に配置されることにより、携帯端末78は、基地局73を介して、管理サーバ8と通信することができる。
【0055】
例えば、第2ショベル202の車載コントローラ40が基地局73と通信できない場合、携帯端末78は、第2ショベル202の車載コントローラ40から第2ショベル202の稼働データを受信してもよい。携帯端末78は、携帯電話通信網の基地局73の通信方式とは異なる通信方式で第2ショベル202の車載コントローラ40から第2ショベル202の稼働データを受信することができる。携帯端末78は、例えば無線LAN(Local Area Network)又は無線PAN(Personal Area Network)により、第2ショベル202の車載コントローラ40から第2ショベル202の稼働データを受信してもよい。無線LANとして、Wifi(登録商標)が例示される。無線PANとして、Bluetooth(登録商標)が例示される。携帯端末78は、第2ショベル202の稼働データを受信した後、基地局73を介して第2ショベル202の稼働データを管理サーバ8に送信してもよい。第3ショベル203についても同様である。
【0056】
[効果]
以上説明したように、実施形態によれば、ショベル2Aに基地局73が設けられ、ショベル2Aが移動基地局として機能するので、作業現場3の通信環境が良化される。図9を参照して説明したように、第2ショベル202が稼働する作業現場3が固定基地局77の通信圏外でも、基地局73を備える第1ショベル201が第2ショベル202の作業現場3に配置されることにより、第2ショベル202の車載コントローラ40は、基地局73を介して第2ショベル202の稼働データを管理サーバ8に送信することができる。
【0057】
実施形態において、カメラ74及びライト75の少なくとも一方を含む防犯システムがショベル2Aに搭載される。これにより、作業現場3の作業が実施されていない期間において、作業現場3に保管されているショベル2Aの防犯システムがショベル2Aの周辺を監視することにより、作業現場3を防犯することができる。
【0058】
[その他の実施形態]
上述の実施形態において、基地局73のデータ通信量のような基地局73に係るデータが、ストレージ50に記憶されてもよい。基地局73に係るデータが第1ショベル201の車載コントローラ40から管理サーバ8に送信されてもよい。基地局73に係るデータが第1ショベル201の車載コントローラ40からインターネットサービスのような通信サービスプロバイダに送信されてもよい。
【0059】
上述の実施形態において、ポール76が伸縮可能であり、基地局73を使用する場合、基地局73のアンテナが旋回体9の上方に配置されるように、ポール76が伸びることとした。基地局73のアンテナが旋回体9の内部に格納されている状態で、基地局73が使用されてもよい。
【0060】
上述の実施形態において、ポール76は伸縮しなくてもよい。基地局73のアンテナが旋回体9の上方に常時配置されるように、ポール76は伸びた状態でもよい。伸縮しないポール76が旋回体9に固定され、そのポール76の上端部が旋回体9の上方に配置され、そのポール76の上端部に基地局73のアンテナが配置されることにより、基地局73のアンテナが旋回体9の上方に常時配置されてもよい。基地局73は、常時利用可能でもよい。基地局73を利用可能な通信機器が基地局73を利用して常時通信可能でもよい。例えば、上述の第2ショベル202、第3ショベル203、及び携帯端末78のそれぞれが、基地局73を利用して管理サーバ8又は情報端末5と常時通信可能でもよい。
【0061】
上述の実施形態において、基地局73が設けられる作業機械2は、ブルドーザ2Bでもよいし、ダンプトラック2Cでもよい。
【符号の説明】
【0062】
1…管理システム、2…作業機械、2A…ショベル、2B…ブルドーザ、2C…ダンプトラック、3…作業現場、4…遠隔操作室、5…情報端末、6…遠隔操作装置、7…通信システム、8…管理サーバ、9…旋回体、9A…車体フレーム、9B…トップカバー、10…走行体、10A…履帯、11…作業機、11A…ブーム、11B…アーム、11C…バケット、12…作業機シリンダ、12A…ブームシリンダ、12B…アームシリンダ、12C…バケットシリンダ、23…外部電源、30…制御システム、31…バッテリ、32…充電装置、33…DC/DCコンバータ、34…インバータ、35…電動モータ、36…油圧ポンプ、37…メインバルブ、38…油圧アクチュエータ、40…車載コントローラ、43…通信機、48…プロセッサ、48A…操作指令受信部、48B…制御指令出力部、48C…稼働データ処理部、48D…画像データ処理部、48E…ライト制御部、49…メインメモリ、50…ストレージ、51…インターフェース、73…基地局、74…カメラ、75…ライト、76…ポール、77…固定基地局、78…携帯端末、201…第1ショベル、202…第2ショベル、203…第3ショベル。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9