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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161839
(43)【公開日】2024-11-20
(54)【発明の名称】画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20241113BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20241113BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20241113BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20241113BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20241113BHJP
   H04W 4/80 20180101ALI20241113BHJP
   H04W 12/06 20210101ALI20241113BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20241113BHJP
   H04M 1/72412 20210101ALI20241113BHJP
   H04L 67/53 20220101ALI20241113BHJP
   H04L 67/306 20220101ALI20241113BHJP
【FI】
G06F3/12 338
G06F3/12 303
G06F3/12 336
G06F3/12 392
G06F3/12 387
B41J29/00 E
B41J29/38 203
H04N1/00 127B
H04W84/10 110
H04W4/80
H04W12/06
H04M1/00 V
H04M1/72412
H04L67/53
H04L67/306
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076929
(22)【出願日】2023-05-08
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003443
【氏名又は名称】弁理士法人TNKアジア国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ディノ マーティン・モンテクラロ
(72)【発明者】
【氏名】デニス・アリオラ
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
5K067
5K127
【Fターム(参考)】
2C061CG02
2C061CG15
2C061HJ07
2C061HJ08
2C061HK11
2C061HN04
2C061HN05
2C061HN08
2C061HN15
2C061HP00
2C061HQ06
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA12
5C062AA37
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB42
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC34
5C062AE15
5K067DD17
5K067EE02
5K067EE35
5K067HH22
5K127AA12
5K127BA02
5K127BB22
5K127BB33
5K127CB02
5K127CB12
5K127DA13
5K127GA14
5K127GD10
5K127GE03
5K127HA08
(57)【要約】
【課題】NFCを使ってクラウドストレージへのログインを簡単に行う画像形成システムを提供する。
【解決手段】
携帯端末と画像形成装置の間で近距離無線通信が開始すると、携帯端末はログイン可能なクラウドストレージの認証情報を近距離無線通信で画像形成装置へ出力し、画像形成装置はクラウドストレージのリストを表示する。ユーザーは印刷したいファイルを保存しているクラウドストレージを選択し、画像形成装置はそのクラウドストレージに対してログインを行う。クラウドストレージはログイン認証を行い、保存中のファイルリストを画像形成装置へ送信する。画像形成装置はユーザーにより選択されたファイル名をクラウドストレージへ送信し、クラウドストレージはそのファイルデータを画像形成装置へ送信する。画像形成装置はそのファイルデータに基づいて印刷を実行する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いにネットワークを介してアクセス可能な画像形成装置及び携帯端末を備え、当該画像形成装置と当該携帯端末は近距離無線通信によってデータの送受信が可能な画像形成システムであって、
前記携帯端末は、
近距離無線通信を行う端末側近距離無線通信部と、
ユーザーからの操作入力を受け付ける端末側入力受付部と、を備え、
前記端末側入力受付部が受け付けたユーザーからの送信指示に従って、前記端末側近距離無線通信部は、前記携帯端末からログイン可能なクラウドストレージを示すストレージ情報及び前記クラウドストレージにログインするための認証情報を送信し、
前記画像形成装置は、
近距離無線通信を行う装置側近距離無線通信部と、
ユーザーからの操作入力を受け付ける装置側入力受付部と、
画像を形成する画像形成部と、
前記ネットワークと接続する装置側通信部と、
前記画像形成部を制御する装置側制御部とを備え、
前記装置側制御部は、
前記装置側入力受付部にユーザーからのアクセス指示が受け付けられたときに、前記装置側近距離無線通信部が前記端末側近距離無線通信部から受信した前記ストレージ情報及び前記認証情報に基づいて、前記装置側通信部により、前記ネットワークを介して前記クラウドストレージにログインして、ログインした前記クラウドストレージからファイルデータを取得し、
前記画像形成部により当該ファイルデータに基づいた画像形成を行わせる画像形成システム。
【請求項2】
表示部を更に備え、
前記装置側制御部は、
前記装置側近距離無線通信部が前記端末側近距離無線通信部から受信した前記ストレージ情報及び前記認証情報に基づいて前記画像形成装置からアクセス可能なクラウドストレージを示す画像を前記表示部に表示させ、
前記表示部に表示されている前記クラウドストレージの中からログインする前記クラウドストレージを選択する指示と、前記アクセス指示とが前記装置側入力受付部に受け付けたときに、前記装置側通信部により、前記ネットワークを介して前記クラウドストレージにログインして、ログインした前記クラウドストレージからファイルデータを取得する、請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記携帯端末は、前記ネットワークと接続する端末側通信制御部を更に備え、
前記端末側入力受付部が受け付けたユーザーからのアクセス指示に従って、前記端末側通信制御部は前記ネットワークを介して前記クラウドストレージにログインしてファイルデータを取得し、前記端末側近距離無線通信部は当該取得したファイルデータを前記装置側近距離無線通信部へ出力し、
前記画像形成装置の前記装置側近距離無線通信部が前記端末側近距離無線通信部から前記ファイルデータを受信し、前記画像形成部は前記ファイルデータに基づいた印刷を行う請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記端末側近距離無線通信部及び前記装置側近距離無線通信部は、NFCを前記近距離無線通信として通信する請求項1に記載の画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、近距離無線通信が可能な携帯端末と画像形成装置で構成された画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近距離無線通信(NFC(Near Field Communication))は一般的に広く使用されている技術である。特許文献1には近距離無線通信を用いたスマート腕時計による多要素認証、ログインシステム及びその方法について記載されている。また特許文献2には、自動生成された認証情報を使った近距離無線通信によるログインについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】US9301139B2
【特許文献2】US9520918B2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
クラウドストレージに保存されたファイルを複合機(画像形成装置)で印刷する際、従来では複合機のパネルからそのクラウドストレージへのログイン操作を行い、クラウドストレージから複合機にファイルをダウンロードして印刷を行っていた。複合機のパネルからクラウドストレージへのログイン操作を行うためにはユーザーIDやパスワード等の認証情報を全て入力する必要があるため手間がかかっていた。例えば、複合機が学校等の公共施設や店舗にあって次の利用者が順番待ちをしている状況だと慌てて操作してしまい、ログインエラー等が発生しがちとなる。
【0005】
上記の特許文献1及び特許文献2には、NFCを使ったログイン方法について記載されているが、クラウドストレージに記憶されているデータを画像形成装置において画像形成する際における当該画像形成装置から当該クラウドストレージへのログインに必要な作業を簡単にする技術ではない。
【0006】
本発明は、クラウドストレージに記憶されているデータを画像形成装置において画像形成する際における当該画像形成装置から当該クラウドストレージへのログインに必要な作業を簡単にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像形成システムは、互いにネットワークを介してアクセス可能な画像形成装置及び携帯端末を備え、当該画像形成装置と当該携帯端末は近距離無線通信によってデータの送受信が可能な画像形成システムであって、前記携帯端末は、近距離無線通信を行う端末側近距離無線通信部と、ユーザーからの操作入力を受け付ける端末側入力受付部と、を備え、前記端末側入力受付部が受け付けたユーザーからの送信指示に従って、前記端末側近距離無線通信部は、前記携帯端末からログイン可能な前記クラウドストレージを示すストレージ情報及び前記クラウドストレージにログインするための認証情報を送信し、前記画像形成装置は、近距離無線通信を行う装置側近距離無線通信部と、ユーザーからの操作入力を受け付ける装置側入力受付部と、画像を形成する画像形成部と、前記ネットワークと接続する装置側通信部と、前記画像形成部を制御する装置側制御部とを備え、前記装置側制御部は、前記装置側入力受付部にユーザーからのアクセス指示が受け付けられたときに、前記装置側近距離無線通信部が前記端末側近距離無線通信部から受信した前記ストレージ情報及び前記認証情報に基づいて、前記装置側通信部により、前記ネットワークを介して前記クラウドストレージにログインして、ログインした前記クラウドストレージからファイルデータを取得し、前記画像形成部により当該ファイルデータに基づいた画像形成を行わせる。
【発明の効果】
【0008】
画像形成装置からクラウドストレージへログイン操作をするには、画像形成装置の操作パネルからユーザーIDやパスワード等の認証情報を入力する必要があった。例えば画像形成装置が学校等の公共施設や店舗等にあり、次の利用者が順番待ちをしている状況だと慌てて操作してしまってログインエラー等が発生しがちだった。
【0009】
本発明によれば、携帯端末から画像形成装置へ近距離無線通信を使ってクラウドストレージに関する情報(携帯端末からログイン可能なクラウドストレージを示すストレージ情報及び当該クラウドストレージにログインするための認証情報)を送信し、その情報を用いて画像形成装置がクラウドストレージへログインするため、ユーザーが画像形成装置の操作パネルに認証情報を入力する手間がなくなる。このため、クラウドストレージに記憶されているデータを画像形成装置において画像形成する際における、当該画像形成装置から当該クラウドストレージへのログインに必要な作業が簡単になり、クラウドストレージからユーザー所望のファイルを画像形成装置で簡単に印刷することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】画像形成システムの構成を示す図である。
図2】クラウドストレージの電気的構成の一例を示した図である。
図3】画像形成装置の電気的構成の一例を示した図である。
図4】携帯端末の電気的構成の一例を示した図である。
図5】印刷処理の流れを示したフローチャートである。
図6】携帯端末の表示部の表示内容の一例を示した図である。
図7】携帯端末の表示部の表示内容の一例を示した図である。
図8】携帯端末の表示部の表示内容の一例を示した図である。
図9】画像形成装置の表示部の表示内容の一例を示した図である。
図10】画像形成装置の表示部の表示内容の一例を示した図である。
図11】変形例の印刷処理の流れを示したフローチャートである。
図12】携帯端末の表示部の表示内容の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態に係る画像形成システムについて図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成システムの構成を示した概略図である。画像形成システム100は、クラウドストレージ1、画像形成装置2、携帯端末3及びインターネット等のネットワークNを備える。画像形成装置2と携帯端末3はNFCを使ったデータ送受信が可能である。
【0012】
クラウドストレージ1は、ネットワークNを使って、共有ストレージに画像やファイル等を保存可能なサービスを提供している。画像形成装置2は、例えば、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能及びファクシミリ機能のような複数の機能を兼ね備えた複合機であってもよいし、単にプリンター等であってもよい。携帯端末3は、スマートフォンやタブレット端末等であり、持ち運び可能な電子端末である。
【0013】
図2はクラウドストレージ1の電気的構成の一例を示した図である。クラウドストレージ1は、制御ユニット11、記憶部12及び通信部13を有する。制御ユニット11は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等から構成され、プロセッサーがROM等に記憶された制御プログラムを実行することにより、制御部111、認証部112として機能する。なお、制御ユニット11の上記各部は、制御プログラムに基づく動作によらず、それぞれハード回路により構成されてもよい。
【0014】
制御部111は、クラウドストレージ1の全体的な動作制御を司る。認証部112は、ユーザーの識別情報(ユーザーID等)やパスワードに基づいてクラウドストレージ1へのアクセスが許可されたユーザーか否かを識別する。
【0015】
記憶部22は、ネットワークNに接続されている外部装置から送信されたファイルを記憶する。通信部13は、通信モジュール等から構成され、ネットワークNを介して外部装置とデータの送受信を行う。
【0016】
図3は、画像形成装置2の電気的構成の一例を示した図である。画像形成装置2は、制御ユニット21、入力受付部22(装置側入力受付部)、画像読取部23、画像形成部24、NFCリーダーライター25(装置側近距離無線通信部)、記憶部26及び通信部27(装置側通信制御部)等を備えて構成されている。
【0017】
入力受付部22は、各種動作及び設定を受け付けるための決定キー、スタートキー等のハードキーと、表示部221を備えている。表示部221は、LCD(liquid crystal display)等からなり、操作画面やメッセージ等を表示し、タッチパネルと一体的に構成されている。
【0018】
画像読取部23は、スキャナー等を備え、原稿をスキャンして原稿画像を取得する。画像形成部24は、電子写真方式の画像機構を備え、画像読取部23が読み取った原稿画像や記憶部26が記憶するデータ等を用紙に印刷する。NFCリーダーライター25は、携帯端末3のNFCタグ33との間で近距離無線通信を使ってNFC方式によりデータの送受信を行う。
【0019】
記憶部26は、画像データ、各種のプログラム、データテーブルなどを記憶するSSD又はHDDからなる大容量の記憶装置である。通信部27は、通信モジュール等から構成され、ネットワークNを介して外部装置と種々のデータの送受信を行う。
【0020】
制御ユニット21は、プロセッサー、RAM及びROM等から構成され、プロセッサーがROM等に記憶された制御プログラムを実行することにより、制御部211及び一時記憶部212として機能する。なお、制御ユニット21の上記各部は、制御プログラムに基づく動作によらず、それぞれハード回路により構成されてもよい。
【0021】
制御部211は、画像形成装置2の全体的な動作制御を司る。一時記憶部212は、携帯端末3からNFCリーダーライター25を介して取得した、クラウドストレージ1を示すストレージ情報と、クラウドストレージ1へログインするための認証情報(クレデンシャル情報)とを記憶する。また、画像形成装置2の電源オフに伴って、一時記憶部212は記憶内容を消去する。
【0022】
図4は、携帯端末3の電気的構成の一例を示した図である。携帯端末3は、制御ユニット31、入力受付部32(端末側入力受付部)、NFCタグ33(端末側近距離無線通信部)、記憶部34及び通信部35(端末側通信制御部)等を備えて構成されている。
【0023】
入力受付部32は表示部321を有する。表示部321は、LCD(liquid crystal display)等からなり、操作画面やメッセージ等を表示し、タッチパネルと一体的に構成されている。NFCタグ33は、画像形成装置2側のNFCリーダーライター25との間で近距離無線通信を使ってNFC方式によりデータの送受信を行う。
【0024】
記憶部34は、後述するクラウド印刷管理アプリを含む各種のプログラムやデータ等を記憶するSSD又はHDDからなる大容量の記憶装置である。通信部35は、通信モジュール等から構成され、ネットワークNを介して外部装置と種々のデータの送受信を行う。また、記憶部34は、携帯端末3からログイン可能なクラウドストレージ1を示すストレージ情報と、当該ログイン可能なクラウドストレージ1にアクセスするためのユーザーID及びパスワード等の認証情報(ログイン情報)も記憶する。
【0025】
制御ユニット31は、プロセッサー、RAM及びROM等から構成され、プロセッサーがROM等に記憶された制御プログラムを実行することにより、制御部311として機能する。なお、制御ユニット31の上記各部は、制御プログラムに基づく動作によらず、それぞれハード回路により構成されてもよい。制御部311は、携帯端末3の全体的な動作制御を司る。また、制御部311は、クラウド印刷管理アプリに従った動作も行う。なお、制御部311は、上記ストレージ情報及び認証情報をNFCタグ33にも書き込む。
【0026】
図5は、本実施の形態における印刷処理の流れを示したフローチャートである。図6から図8は携帯端末3の表示部321が表示する画面例、図9及び図10は画像形成装置2の表示部221を示した図である。
【0027】
ユーサーが携帯端末3の入力受付部32に起動指示を入力する操作を行って、起動指示が入力受付部32に入力されると、制御部311は、クラウド印刷管理アプリを起動させる。以下は、携帯端末3におけるクラウド印刷管理アプリが起動した後に、制御部311がクラウド印刷管理アプリに従って行われる処理である。図6は、携帯端末3にインストールされたクラウド印刷管理アプリを起動したときの表示部321の画面例である。クラウド印刷管理アプリとは、携帯端末3のユーザーがアカウントを所有しているクラウドストレージ1との連携、またはクラウドストレージ1の認証情報や各種データを携帯端末3からNFCを使って画像形成装置2へ送信する処理等を行うためのアプリケーションである。
【0028】
ボタン321aが選択されてタッチパネルにリスト表示指示が入力されたとき、携帯端末3の制御部311は、クラウド印刷管理アプリに従った動作の一環として、自機のユーザーがアカウントを所有しており携帯端末3からログイン可能なクラウドストレージ1のリストを表示部321に表示させる。図7はこのときの画面例を示した図である。NFCタグ33は、ログイン可能な各クラウドストレージ1を示すストレージ情報、及び各クラウドストレージ1にログインするための認証情報を記憶している。
【0029】
ボタン321bは、携帯端末3でログイン可能なクラウドストレージ1に保存されているファイルを画像形成装置2で印刷する際に使用するボタンである。ボタン321bが選択されてタッチパネルに印刷指示が入力されたとき、携帯端末3の制御部311は、図8に例を示すように、携帯端末3のNFCタグ33を、印刷を実行させたい画像形成装置2のNFCリーダーライター25にかざすように促すメッセージ画面を表示部321に表示させる。この状態で、ユーザーが携帯端末3を画像形成装置2のNFCリーダーライター25にかざすと、画像形成装置2の制御部211、携帯端末3の制御部311が図5に示す一連の印刷処理を開始する。
【0030】
以下、図5のフローチャートに従って本実施の形態における印刷処理の説明を行う。
【0031】
画像形成装置2の制御部211は、ユーザーが携帯端末3を画像形成装置2のNFCリーダーライター25にかざすことにより、携帯端末3側のNFCタグ33とNFCリーダーライター25との間で、すなわち、携帯端末3と画像形成装置2の間で、NFCを使った近距離無線通信が開始する(S11)。
携帯端末3のNFCタグ33は、携帯端末3からログイン可能な各クラウドストレージ1を示すストレージ情報とログインに必要なそれぞれの認証情報をNFCリーダーライター25に向けて出力する(S12)。
画像形成装置2のNFCリーダーライター25が、携帯端末3からクラウドストレージ1に関するストレージ情報と認証情報を取得すると、画像形成装置2の制御部211は、このストレージ情報及び認証情報を一時記憶部212に記憶すると共に、ログイン可能なクラウドストレージ1に関するストレージ情報を表示部221に表示させる(S21)。図9はこのときの表示部221の画面例を示した図である。
【0032】
そしてユーザーは、画像形成装置2の表示部221に表示されているクラウドストレージ1のリストから印刷したいファイルを保存しているクラウドストレージ1を選択する操作を行う。例えば、ユーザーが「クラウドB」を示す枠221aを選択してOKボタン51を操作したときは、OKボタン51の操作により「クラウドB」へのアクセス指示がタッチパネルに入力され、当該アクセス指示に従って、画像形成装置2の制御部211は、携帯端末3から取得した認証情報のうち、ユーザーにより選択された「クラウドB」のログインに必要な認証情報を、通信部27を介してストレージ情報が示すクラウドストレージ1としての「クラウドB」へ送信し、「クラウドB」に対してログイン処理を行う(S22)。
【0033】
クラウドストレージ1の認証部112は、画像形成装置2から受信した認証情報を用いてログイン認証を行い(S31)、ログインを承認する場合は、クラウドストレージ1の制御部111は、当該認証情報に対応するユーザーに対応付けて保存中のファイルリストを、通信部13を介して画像形成装置2へ送信する(S32)。
【0034】
画像形成装置2の制御部211は、クラウドストレージ1から通信部27を介して取得したファイルリストを表示部221に表示させる(S23)。図10はこのときの画面例を示した図である。ユーザーはこのファイルリストから印刷したいファイルを選択する操作を行う。例えば、ユーザーが「document01」を選択し、印刷ボタン52を操作したときは、印刷ボタン52の操作により「document01」の取得指示がタッチパネルに入力され、当該取得指示に従って、画像形成装置2の制御部211は、当該取得指示が示す、選択されたファイル名(ここでは、「document01」)を、通信部27を介してクラウドストレージ1へ送信する(S24)。
【0035】
クラウドストレージ1の制御部111は、画像形成装置2から受信したファイル名の示すファイルデータを、通信部13を介して画像形成装置2へ送信する(S33)。画像形成装置2の制御部211は、クラウドストレージ1から取得したファイルデータに基づいて画像形成部24に画像形成を実行させる(S25)。
【0036】
印刷後、画像形成装置2の制御部211は、ログイン中のクラウドストレージ1に対してログアウトリクエストを行い(S26)、当該クラウドストレージ1はログアウトを実行する(S34)。なお、画像形成装置2の制御部211は、クラウドストレージ1からのログアウトはユーザーからの指示に応じて行うようにしてもよい。
【0037】
従来、画像形成装置2からクラウドストレージ1へログイン操作をするには、画像形成装置2の入力受付部22からユーザーIDやパスワード等の認証情報を入力する必要があった。例えば画像形成装置2が学校等の公共施設や店舗にあり、次の利用者が順番待ちをしている状況だと慌てて操作してしまってログインエラー等が発生しがちだった。
【0038】
しかし、上記で説明したように、携帯端末3から画像形成装置2へ近距離無線通信を使ってクラウドストレージ1の認証情報を送信し、その認証情報を使って画像形成装置2がクラウドストレージ1へログインすることで、ユーザーが認証情報を画像形成装置2に入力する手間が省けるため、クラウドストレージ1へのログイン操作が簡単になる。更にクラウドストレージ1からユーザー所望のファイルを画像形成装置2で簡単に印刷することができる。
【0039】
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず、次に説明するように種々の変形が可能である。
【0040】
<変形例1>
画像形成装置2の一時記憶部212は、画像形成装置2が電源オフ(シャットダウン)されるまではクラウドストレージ1の認証情報の記憶を保持する。そして、画像形成装置2が電源オフしたときに、一時記憶部212の記憶内容は消去されるようにする。これにより、クラウドストレージ1からログアウトした後、再度ログインするときに、画像形成装置2が電源オフされずに電源オンのままで動作継続している限りは、画像形成装置2へ携帯端末3から再度認証情報を送信しなくても、画像形成装置2の一時記憶部212が記憶する認証情報を用いてクラウドストレージ1へログインすることができる。
【0041】
具体的に説明すると、ユーザーは、画像形成装置2の入力受付部22からログインしたいクラウドストレージ1を選択する操作を行う。この操作に基づいて入力受付部22に受け付けられた選択指示に従って、画像形成装置2の制御部211は、選択されたクラウドストレージ1の認証情報を一時記憶部212から読み出して、当該選択されたクラウドストレージ1に対して通信部27を介してログイン処理を行う。これにより、当該選択されたクラウドストレージ1についてのログインにかかる手間や時間を短縮することができる。
【0042】
<変形例2>
変形例2では、携帯端末3で印刷したいファイルを選択し、そのファイルを近距離無線通信で画像形成装置2へ送信し、印刷する。図11は、本実施の形態の変形例2における印刷処理の流れを示したフローチャートである。
【0043】
携帯端末3の制御部311がクラウド印刷管理アプリを起動し、ユーザーがボタン321c(図6)を操作して、ボタン321cの操作によりリスト表示指示がタッチパネルに入力されたとき、携帯端末3の制御部311は、携帯端末3からログイン可能な各クラウドストレージ1のリストを表示する(S41、図7)。
【0044】
ユーザーがクラウドストレージ1のリストから印刷したいファイルを保存しているクラウドストレージ1を選択する操作を行ってアクセス指示が入力されると、当該アクセス指示に従って、携帯端末3の制御部311は、携帯端末3から取得した認証情報のうち、ユーザーにより選択されたクラウドストレージ1のログインに必要な認証情報を、通信部35を介して、ストレージ情報が示すクラウドストレージ1へ送信し、当該クラウドストレージ1に対してログイン処理を行う(S42)。
【0045】
クラウドストレージ1の認証部112は、携帯端末3から通信部13を介して受信した認証情報を用いてログイン認証を行い(S61)、ログインを承認する場合は、クラウドストレージ1の制御部111は、保存中のファイルリストを、通信部13を介して携帯端末3へ送信する(S62)。
【0046】
携帯端末3の制御部311は、クラウドストレージ1から通信部35を介して取得したファイルリストを、表示部321に表示させる(S43)。図12はこのときの画面例を示した図である。ユーザーはこのファイルリストから印刷したいファイルを選択する。例えば、ユーザーが「document01」を選択し、印刷ボタン53をタップすると、タッチパネルに「document01」を選択する選択指示が入力され、携帯端末3の制御部311は、当該選択指示が示すファイル名を、通信部27を介してクラウドストレージ1へ送信する(S44)。
【0047】
クラウドストレージ1の制御部111は、携帯端末3から通信部13を介して受信したファイル名の示すファイルデータを、通信部13を介して携帯端末3へ送信する(S63)。そして、携帯端末3の制御部311は、図8に例を示すような、携帯端末3のNFCタグ33を画像形成装置2のNFCリーダーライター25にかざすように促すメッセージ画面を表示部321に表示させる。ユーザーが携帯端末3を画像形成装置2のNFCリーダーライター25にかざすと、携帯端末3のNFCタグ33は、近距離無線通信により当該ファイルデータを画像形成装置2に送信する(S46)。画像形成装置2の制御部211は、携帯端末3から受信したファイルデータに基づいて画像形成部24に印刷を実行させる(S51)。
【0048】
このように、ユーザーは画像形成装置2で印刷したいファイルを自身の携帯端末3を操作して選択し、選択したファイルを、近距離無線通信により画像形成装置2に送信することで簡単に印刷することができ、印刷にかかる手間や時間を削減することができる。
【符号の説明】
【0049】
100 画像形成システム
1 クラウドストレージ
111 制御部
112 認証部
2 画像形成装置
211 制御部
212 一時記憶部
22 入力受付部
24 画像形成部
25 NFCリーダーライター
3 携帯端末
311 制御部
32 入力受付部
33 NFCタグ
N ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12