(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161869
(43)【公開日】2024-11-20
(54)【発明の名称】端子ユニット
(51)【国際特許分類】
H01R 13/52 20060101AFI20241113BHJP
H01R 9/22 20060101ALI20241113BHJP
【FI】
H01R13/52 301A
H01R9/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023131359
(22)【出願日】2023-08-10
(31)【優先権主張番号】P 2023076786
(32)【優先日】2023-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(72)【発明者】
【氏名】田中 泰弘
(72)【発明者】
【氏名】蔦川 友佑
(72)【発明者】
【氏名】▲徳▼本 光希
(72)【発明者】
【氏名】中野 克哉
(72)【発明者】
【氏名】久保 考広
(72)【発明者】
【氏名】毛利 行潤
【テーマコード(参考)】
5E086
5E087
【Fターム(参考)】
5E086DD05
5E086DD49
5E086JJ03
5E086LL06
5E086LL12
5E087EE06
5E087FF02
5E087LL02
5E087LL04
5E087LL12
5E087MM08
5E087MM12
5E087QQ04
5E087RR12
5E087RR29
(57)【要約】
【課題】部品点数を削減しつつ、シール部材のバスバからの抜けを抑制することが可能な端子ユニットを提供する。
【解決手段】端子ユニット20は、ハウジング40とバスバ50とシール部材70とを備えている。ここで、バスバ50は、シール部材70を保持する保持部5311と、保持部5311よりもバスバ50の先端側に形成されて、シール部材70がバスバ50の先端側に移動してしまうことを抑制する押さえ部533と、を備えている。さらに、バスバ50は、押さえ部533よりもバスバ50の先端側に形成されて、シール部材70を保持部5311へと導入する導入部532を備えている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手側端子ユニットが備える相手側ハウジングに形成された相手側嵌合部に一部を嵌合させた状態で、前記相手側ハウジングに取り付けることが可能な端子ユニットであって、
前記相手側ハウジングに取り付けられるハウジングと、
前記ハウジングに保持されるバスバと、
前記バスバに先端から挿入保持されて、前記バスバと前記ハウジングとの間をシールするシール部材と、
を備え、
前記バスバは、
前記シール部材を保持する保持部と、
前記保持部よりも前記バスバの先端側に形成されて、前記シール部材が前記バスバの先端側に移動してしまうことを抑制する押さえ部と、
前記押さえ部よりも前記バスバの先端側に形成されて、前記シール部材を前記保持部へと導入する導入部と、
を備える、
端子ユニット。
【請求項2】
前記バスバの外面は、板厚方向が上下方向となるように前記バスバを配置した状態で上方に位置する上面と、下方に位置する下面と、前記上面及び前記下面に連設される一対の側面と、を備えており、
前記上面、前記下面及び一対の前記側面のうち少なくともいずれか1つの面に前記押さえ部が形成されている、
請求項1に記載の端子ユニット。
【請求項3】
前記上面、前記下面及び一対の前記側面のそれぞれに前記押さえ部が形成されている、
請求項2に記載の端子ユニット。
【請求項4】
前記導入部は、前記バスバの外面に連設されて、前記保持部側に向かうにつれて外側に位置するように傾斜した傾斜面を有している、
請求項1~3のうちいずれか1項に記載の端子ユニット。
【請求項5】
前記押さえ部は、前記導入部及び前記バスバの外面に連設された押さえ面を有しており、
前記押さえ面は、前記傾斜面よりも傾斜角度が大きくなっている、
請求項4に記載の端子ユニット。
【請求項6】
前記外面が側面であり、
前記側面には段差部が形成されており、
前記導入部及び前記押さえ部は、前記段差部の内側に収まるように形成されている、
請求項4に記載の端子ユニット。
【請求項7】
前記ハウジングに前記バスバを保持することでバスバ付ハウジングが形成されており、
前記バスバ付ハウジングがインサート成形品である、
請求項6に記載の端子ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来の端子ユニットとしては、特許文献1に開示されたものが提案されている。この特許文献1には、自動車に搭載される機器ボックスの壁部に取り付けられるハウジングと、ハウジングに保持されるバスバと、を備える端子台(端子ユニット)が開示されている。
【0003】
また、特許文献1に開示の端子台は、バスバとハウジングとの間をシールするシール部材としてのOリングを備えており、このOリングをバスバに取り付けることで、バスバとハウジングとの間がこのOリングによってシールされるようにしている。さらに、特許文献1に開示の端子台は、ホルダを備えており、このホルダによってバスバに取り付けられたOリングのバスバからの抜けが抑制されるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、シール部材のバスバからの抜けを抑制することが可能な端子ユニットにおいては、部品点数を削減できるようにするのが好ましい。
【0006】
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、部品点数を削減しつつ、シール部材のバスバからの抜けを抑制することが可能な端子ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様に係る端子ユニットは、相手側端子ユニットが備える相手側ハウジングに形成された相手側嵌合部に一部を嵌合させた状態で、前記相手側ハウジングに取り付けることが可能な端子ユニットであって、前記相手側ハウジングに取り付けられるハウジングと、前記ハウジングに保持されるバスバと、前記バスバに先端から挿入保持されて、前記バスバと前記ハウジングとの間をシールするシール部材と、を備え、前記バスバは、前記シール部材を保持する保持部と、前記保持部よりも前記バスバの先端側に形成されて、前記シール部材が前記バスバの先端側に移動してしまうことを抑制する押さえ部と、前記押さえ部よりも前記バスバの先端側で前記押さえ部に連設されて、前記シール部材を前記保持部へと導入する導入部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、部品点数を削減しつつ、シール部材のバスバからの抜けを抑制することが可能な端子ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態に係る端子ユニットの一例と相手側端子ユニットの一例を示す斜視図である。
【
図2】第1実施形態に係る端子ユニットの一例を示す分解斜視図である。
【
図3】第1実施形態に係る端子ユニットが備えるバスバの一例を示す斜視図である。
【
図4】第1実施形態に係る端子ユニットの一例を示す図であって、第2のシール部材を取り付けている途中の状態を示す斜視図である。
【
図5】第1実施形態に係る端子ユニットの一例を示す図であって、第2のシール部材をバスバに取り付けている途中の状態を示す鉛直断面図である。
【
図6】第1実施形態に係る端子ユニットの一例を示す図であって、第2のシール部材をバスバに取り付けた状態を示す鉛直断面図である。
【
図7】第2実施形態に係る端子ユニットの一例と相手側端子ユニットの一例を示す斜視図である。
【
図8】第2実施形態に係る端子ユニットの一例を一部分解して示す斜視図である。
【
図9】第2実施形態に係る端子ユニットが備えるバスバの一例を示す平面図である。
【
図10】第2実施形態に係る端子ユニットの一例を示す図であって、第2のシール部材を取り付けている途中の状態を示す斜視図である。
【
図11】第2実施形態に係る端子ユニットの一例を示す図であって、第2のシール部材をバスバに取り付けている途中の状態を示す水平断面図である。
【
図12】第2実施形態に係る端子ユニットの一例を示す図であって、第2のシール部材をバスバに取り付けた状態を示す水平断面図である。
【
図13】第2実施形態に係るバスバ付ハウジングの形成方法の一例を説明する図である。
【
図14】第3実施形態に係る端子ユニットの一例と相手側端子ユニットの一例を示す斜視図である。
【
図15】第3実施形態に係る端子ユニットの一例を一部分解して示す斜視図である。
【
図16】第3実施形態に係る端子ユニットが備えるバスバの一例を示す斜視図である。
【
図17】第3実施形態に係る端子ユニットが備えるバスバの一例を示す平面図である。
【
図18】第3実施形態に係る端子ユニットの一例を示す図であって、第2のシール部材を取り付けている途中の状態を示す斜視図である。
【
図19】第3実施形態に係る端子ユニットの一例を示す図であって、第2のシール部材をバスバに取り付けている途中の状態を示す鉛直断面図である。
【
図20】第3実施形態に係る端子ユニットの一例を示す図であって、第2のシール部材をバスバに取り付けた状態を示す鉛直断面図である。
【
図21】第3実施形態に係る端子ユニットの一例を示す図であって、第2のシール部材をバスバに取り付けている途中の状態を示す水平断面図である。
【
図22】第3実施形態に係る端子ユニットの一例を示す図であって、第2のシール部材をバスバに取り付けた状態を示す水平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて本実施形態に係る端子ユニットについて詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。
【0011】
以下では、端子ユニットとして、機器本体が収容される機器ボックスの壁部に取り付けられる端子台を例示する。この端子台は、車載機器の一部を構成しており、ワイヤハーネス等の外部接続端子を機器本体に電気的に接続する際に用いられるものである。
【0012】
また、以下の複数の実施形態では、バスバを板厚方向が上下方向となるように配置した状態で各部材の上下方向を規定して説明する。
【0013】
また、以下の複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
【0014】
(第1実施形態)
本実施形態に係る端子台(端子ユニット)20は、機器ボックス(相手側端子ユニット)10が備える壁部(相手側ハウジング)11に取り付けることができるように構成されている。具体的には、端子台(端子ユニット)20は、端子台(端子ユニット)20の一部を壁部(相手側ハウジング)11に形成された挿通孔(相手側嵌合部)11aに嵌合させた状態で、壁部(相手側ハウジング)11に取り付けられるように構成されている。
【0015】
本実施形態では、機器ボックス10は、
図1に示すように、端子台20を固定する壁部11と、端子台20を組み付けるための挿通孔11aと、端子台20が備える位置決めピン412が挿入される位置決め凹部112と、を備えている。
【0016】
一方、端子台20は、壁部11に取り付けられる樹脂製のハウジング40と、ハウジング40に保持されるバスバ50と、ハウジング40に取り付けられて、ハウジング40と壁部11との間をシールする第1のOリング60と、を備えている。
【0017】
そして、ハウジング40にバスバ50を保持することでバスバ付ハウジング30が形成されるようにしている。本実施形態では、ハウジング40にバスバ50を挿入することで、バスバ付ハウジング30を形成している。このとき、ハウジング40及びバスバ50に互いに係合する係合部及び被係合部を設け、バスバ50がハウジング40から抜け落ちてしまわないようにするのが好ましい。
【0018】
また、端子台20は、
図2に示すように、楕円形のドーナツ形状を有する第1のOリング60と、楕円形のドーナツ形状を有し、第1のOリング60よりも小さく設定した第2のOリング(シール部材)70と、を備えている。ここで、第1のOリング60及び第2のOリング70は、ゴムなどの弾性材料を用いて形成されている。そして、第1のOリング60は、ハウジング40に取り付けられており、ハウジング40を壁部11に取り付けた際に、ハウジング40と壁部11との間に形成される隙間をシールするシール部材としての機能を有している。一方、第2のOリング70は、バスバ50に取り付けられており、ハウジング40とバスバ50との間に形成される空間S1をシールするシール部材としての機能を有している。
【0019】
ハウジング40は、壁部11に固定されるハウジング本体41と、ハウジング本体41に一体成形されて挿通孔11a内に挿通嵌合されるバスバ収納部42と、を備えている。
【0020】
また、ハウジング本体41の一端側(壁部11と対向する側)には、第1のOリング60が収容されるシール部材収容溝411と、バスバ50の先端側(壁部11側)に向けて突出する一対の位置決めピン412と、が形成されている。さらに、ハウジング本体41には、端子台20を機器ボックス10に取り付けるためのボルトが挿入固定されるボルト固定孔413が形成されている。このように、一対の位置決めピン412を設けるようにすれば、ハウジング本体41を壁部11に取り付ける際に、ハウジング本体41が回転してしまうことを抑制することができるようになる。
【0021】
バスバ収納部42は、ハウジング本体41におけるシール部材収容溝411の内側からバスバ50の先端側(壁部11側)に向けて突出するように形成されており、略筒状をしている。そして、バスバ付ハウジング30を形成した際に、バスバ50の一部がこのバスバ収納部42内に収容されるようにしている。本実施形態では、バスバ50の一端側(先端側)及び他端側(根元側)を露出させた状態で、バスバ50の中央部がバスバ収納部42内に収容されるようにしている。そして、このようなバスバ付ハウジング30を形成し、バスバ収納部42を先端側から挿通孔11aに挿通嵌合させることで、バスバ50の一端側が機器ボックス10内に挿入されるようにしている。こうすることで、機器ボックス10内の図示省略した接続部材に電気的に接続させることができるようにしている。
【0022】
バスバ50は、金属等の導電性を有する材料を用いて形成されており、略板状をしている。本実施形態では、バスバ50は、
図3に示すように、一端側(先端側)に形成されて、機器ボックス10内の図示省略した接続部材に電気的に接続することが可能な第1の端子接続部51を備えている。また、第1の端子接続部51には、バスバ50の板厚方向に貫通する挿通孔51aが形成されている。そして、図示せぬボルトをこの挿通孔51aに挿通することで、第1の端子接続部51と機器ボックス10内の接続部材とが電気的に接続されるようにしている。
【0023】
また、バスバ50は、他端側(根元側)に形成されて、外部接続端子に電気的に接続することが可能な第2の端子接続部52を備えており、この第2の端子接続部52には、バスバ50の板厚方向に貫通する挿通孔52aが形成されている。そして、図示せぬボルトをこの挿通孔52aに挿通することで、第2の端子接続部52と外部接続端子とが電気的に接続されるようにしている。
【0024】
さらに、本実施形態では、バスバ50は、第1の端子接続部51と第2の端子接続部52とを連結する連結部53を備えており、バスバ付ハウジング30を形成した際に、この連結部53がバスバ収納部42内に収容されるようにしている。
【0025】
この連結部53の幅方向の両側の側面50bには、幅方向の内側に凹むように段差部531が形成されており、バスバ50の段差部531が形成された部位に第2のOリング(シール部材)70を保持する保持部5311が形成されている。そして、バスバ付ハウジング30を形成しつつ、第2のOリング(シール部材)70を保持部5311で保持することで、バスバ収納部42とバスバ50との間に形成される空間S1が第2のOリング(シール部材)70によってシールされるようにしている。
【0026】
ここで、本実施形態では、ホルダを用いずに、第2のOリング(シール部材)70のバスバ50からの抜けを抑制できるようにしている。すなわち、部品点数を削減しつつ、第2のOリング(シール部材)70のバスバ50からの抜けを抑制できるようにしている。
【0027】
具体的には、バスバ50が、保持部5311よりもバスバ50の先端側に形成されて、第2のOリング(シール部材)70がバスバ50の先端側に移動してしまうことを抑制する押さえ部533を備えるようにしている。こうすることで、保持部5311に保持された第2のOリング(シール部材)70が押さえ部533によって押さえられ、先端側に移動してしまう(バスバ50から外れてしまう)ことを抑制できるようにしている。
【0028】
このように、本実施形態では、第2のOリング(シール部材)70のバスバ50からの抜けを抑制する押さえ部533をバスバ50に形成している。こうすれば、第2のOリング(シール部材)70のバスバ50からの抜けを抑制するためのホルダを別途設ける必要がなくなるため、部品点数を削減しつつ、第2のOリング(シール部材)70のバスバ50からの抜けを抑制することが可能になる。
【0029】
さらに、バスバ50が、押さえ部533よりもバスバ50の先端側に形成されて、第2のOリング(シール部材)70を保持部5311へと導入する導入部532を備えるようにしている。本実施形態では、この導入部532は、バスバ50の上面(外面)50aに形成されており、押さえ部533よりもバスバ50の先端側で押さえ部533に連設されている。すなわち、本実施形態では、上面50a、下面50c及び一対の側面50bのうち少なくともいずれか1つの面に押さえ部533が形成されている。こうすることで、第2のOリング(シール部材)70をバスバ50の先端側から挿入して保持部5311に保持させる際に、第2のOリング(シール部材)70が導入部532を通過して押さえ部533よりも他端側(根元側)に導入されるようにしている。こうすれば、バスバ50に先端から挿入した第2のOリング(シール部材)70を、よりスムーズに保持部5311まで移動させることが可能になる。
【0030】
なお、第2のOリング(シール部材)70を保持部5311まで移動させる作業は、
図4に示す状態で行われる。すなわち、バスバ付ハウジング30を形成した状態で、バスバ50の先端側から挿入した第2のOリング(シール部材)70を他端側(根元側)に押し込むことで、第2のOリング(シール部材)70を保持部5311まで移動させている。このとき、第2のOリング(シール部材)70が導入部532や押さえ部533に干渉して破損してしまわないようにするのが好ましい。
【0031】
そこで、本実施形態では、導入部532が、バスバ50の上面(外面)50aに連設されて、保持部5311側に向かうにつれて外側に位置するように傾斜した傾斜面5321を有するようにしている。具体的には、
図5及び
図6に示すように、導入部532が、バスバ50の上面(外面)50aに連設されて、保持部5311側に向かうにつれて上方に位置するように傾斜した傾斜面5321を有するようにしている。
【0032】
こうすることで、バスバ50に先端から挿入した第2のOリング(シール部材)70を、より一層スムーズに保持部5311まで移動させることができるようにしている。そして、第2のOリング(シール部材)70を保持部5311まで挿入する際に、第2のOリング(シール部材)70が破損してしまうことを、より一層確実に抑制できるようにしている。
【0033】
さらに、本実施形態では、
図5及び
図6に示すように、導入部532が、傾斜面5321の他端(根元側の端部)に連設されて水平に延在する平坦面5322を備えるようにしている。そして、この平坦面5322の他端(根元側の端部)に押さえ部533が連設されるようにしている。
【0034】
また、本実施形態では、押さえ部533が、導入部532及びバスバ50の上面(外面)50aに連設された押さえ面5331を有するようにしている。そして、この押さえ面5331が傾斜面5321よりも傾斜角度が大きくなるようにしている。こうすることで、第2のOリング(シール部材)70のバスバ50からの抜けをより確実に抑制することができるようにしている。
【0035】
このように、本実施形態では、導入部532と押さえ部533とで、一端側(先端側)が緩やかに傾斜する突部がバスバ50に形成されるようにしている。そして、このような導入部532及び押さえ部533をバスバ50に形成することで、第2のOリング(シール部材)70の破損を抑制しつつ、第2のOリング(シール部材)70のバスバ50からの抜けを抑制できるようにしている。
【0036】
こうすれば、押さえ部533をバスバ50に形成した場合であっても、第2のOリング(シール部材)70を保持部5311まで挿入する際に、第2のOリング(シール部材)70が破損してしまうことを、より確実に抑制することが可能になる。その結果、第2のOリング(シール部材)70によるシール性能が低下してしまうことを、より確実に抑制することができるようになる。
【0037】
また、本実施形態では、ハウジング本体41に第1のOリング60を保持することが可能な係止部4122を設け、第1のOリング60に係止部4122に係止される被係止部62を設けるようにしている。こうすることで、第1のOリング60が、ハウジング本体41から外れてしまうことを抑制できるようにしている。
【0038】
具体的には、第1のOリング60が、楕円形のドーナツ形状を有する本体部61と、本体部61に連設されて係止部4122に係止される被係止部62と、を備えるようにしている。そして、ハウジング40を壁部11に取り付けた際に、本体部61が壁部11の外側(端子台20側)における挿通孔11aの周囲111に圧縮された状態で当接するようにしている。このとき、挿通孔11aの全周を囲うようにした状態で本体部61を壁部11に当接させるようにしている。こうすることで、ハウジング本体41と壁部11との間の隙間から挿通孔11a内に水等の液体が浸入しないようにしている。
【0039】
このように、本実施形態では、ハウジング本体41と壁部11との間が本体部61によってシールされるようにしている。
【0040】
さらに、本実施形態では、位置決めピン412の根元側に係止部4122が形成されるようにしている。すなわち、位置決めピン412が、先端側に形成された位置決め部4121と、位置決め部4121の根元側に形成された係止部4122と、を備えるようにしている。
【0041】
このように、本実施形態では、位置決めピン412としての機能を有する位置決め部4121と、第1のOリング60の被係止部62が係止される係止部4122とが、同軸上に位置するようにしている。こうすることで、ハウジング本体41における位置決めピン412が形成された部位とは異なる場所に、第1のOリング60の被係止部62が係止される係止部を設ける必要がなくなるようにしている。そして、ハウジング本体41が大型化してしまうことを抑制できるようにしている。
【0042】
このように、本実施形態では、位置決め部4121と係止部4122とを同軸上に位置させることで、第1のOリング60のハウジング本体41からの脱落を抑制しつつ、ハウジング本体41の小型化を図ることができるようにしている。
【0043】
さらに、本実施形態では、一対の位置決めピン412のそれぞれの根元側に係止部4122を形成している。そして、第1のOリング60の本体部61に連設された一対の被係止部62が、各位置決めピン412に形成された係止部4122に係止されるようにしている。こうすることで、一対の被係止部62によって、第1のOリング60がハウジング本体41に取り付けられるようにし、第1のOリング60がハウジング本体41に対して回転してしまうことを抑制できるようにしている。
【0044】
また、本実施形態では、一対の係止部4122が位置決め部4121よりも大径の円柱状をしており、一対の被係止部62が略円環状の係止孔621となっている。そして、自然状態における係止孔621の内径が、係止部4122の外径よりも小径となるようにしている。こうすることで、係止孔621を拡径させた状態で被係止部62が係止部4122に係止されるようにしている。こうすれば、被係止部62の弾性復元力によって被係止部62を係止部4122に係止させることができるようになるため、係止孔621を係止部4122に、より強固に係止させることができるようになる。その結果、第1のOリング60がハウジング本体41から外れてしまうことを、より確実に抑制することができるようになる。
【0045】
なお、本実施形態では、一対の位置決め部4121のうちの一方の位置決め部4121の形状が楕円柱状をしており、他方の位置決め部4121の形状が円柱状をしている。このように、一対の位置決め部4121の形状を異ならせるようにすることで、位置決め部4121の位置決め凹部112への誤挿入が防止されるようにしている。
【0046】
また、本実施形態では、一対の係止部4122及び一対の被係止部62は、左右で高さが異なるように(左右非対称の形状となるように)形成されている。
【0047】
そして、一対の係止部4122及び一対の被係止部62が、ハウジング40及び第1のOリング60を位置決めピン412が突出する方向を軸にして180度回転させた際に同じ位置となるようにしている。すなわち、ハウジング40を位置決めピン412が突出する方向を軸にして180度回転させた際に、回転前の一方の係止部4122の位置に、他方の係止部4122が位置するようにしている。そして、回転前の他方の係止部4122の位置に、一方の係止部4122が位置するようにしている。同様に、第1のOリング(シール部材)60を位置決めピン412が突出する方向を軸にして180度回転させた際に、回転前の一方の被係止部62の位置に、他方の被係止部62が位置するようにしている。そして、回転前の他方の被係止部62の位置に、一方の被係止部62が位置するようにしている。
【0048】
こうすることで、左右非対称となるように一対の係止部4122及び一対の被係止部62を形成した場合であっても、左右を反転させた2つの向きで第1のOリング60をハウジング本体41に取り付けることができるようにしている。こうすれば、第1のOリング60のハウジング本体41への取り付けを、より容易に行うことができるようになる。
【0049】
(第2実施形態)
本実施形態に係る端子台(端子ユニット)20は、基本的に上記第1実施形態で示した端子台(端子ユニット)20とほぼ同様の構成をしている。すなわち、本実施形態に係る端子台(端子ユニット)20も、
図7に示すように、機器ボックス(相手側端子ユニット)10が備える壁部(相手側ハウジング)11に取り付けることができるように構成されている。具体的には、端子台(端子ユニット)20は、端子台(端子ユニット)20の一部を壁部(相手側ハウジング)11に形成された挿通孔(相手側嵌合部)11aに嵌合させた状態で、壁部(相手側ハウジング)11に取り付けられるように構成されている。
【0050】
本実施形態においても、端子台(端子ユニット)20は、
図8に示すように、壁部(相手側ハウジング)11に取り付けられるハウジング40と、ハウジング40に保持されるバスバ50と、を備えている。また、端子台(端子ユニット)20は、バスバ50に先端から挿入保持されて、バスバ50とハウジング40との間をシールする第2のOリング(シール部材)70を備えている。
【0051】
さらに、バスバ50は、第2のOリング(シール部材)70を保持する保持部5311を備えている。また、バスバ50は、保持部5311よりもバスバ50の先端側に形成されて、第2のOリング(シール部材)70がバスバ50の先端側に移動してしまうことを抑制する押さえ部533を備えている。そして、バスバ50は、押さえ部533よりもバスバ50の先端側に形成されて、第2のOリング(シール部材)70を保持部5311へと導入する導入部532を備えている。
【0052】
このように、本実施形態で示す端子ユニット20においても、第2のOリング(シール部材)70のバスバ50からの抜けを抑制する押さえ部533をバスバ50に形成している。こうすることで、第2のOリング(シール部材)70のバスバ50からの抜けを抑制するためのホルダを別途設ける必要をなくし、部品点数を削減しつつ、第2のOリング(シール部材)70のバスバ50からの抜けを抑制することができるようにしている。
【0053】
ここで、本実施形態では、ハウジング40とバスバ50とをインサート成形することで、バスバ付ハウジング30を形成している。このように、本実施形態では、バスバ付ハウジング30は、インサート成形品となっている。
【0054】
また、本実施形態では、
図9に示すように、導入部532と押さえ部533とで、一端側(先端側)が緩やかに傾斜して、幅方向の外側に突出する突部が、バスバ50に形成されるようにしている。こうすることで、バスバ50に先端から挿入した第2のOリング(シール部材)70を、より一層スムーズに保持部5311まで移動させることができるようにしている。そして、第2のOリング(シール部材)70を保持部5311まで挿入する際に、第2のOリング(シール部材)70が破損してしまうことを、より一層確実に抑制できるようにしている。
【0055】
なお、本実施形態では、第2のOリング(シール部材)70を保持部5311まで移動させる作業は、
図10及び
図11に示す状態で行われる。すなわち、バスバ付ハウジング30を形成した状態で、バスバ50の先端側から挿入した第2のOリング(シール部材)70を他端側(根元側)に押し込むことで、第2のOリング(シール部材)70を保持部5311まで移動させている。このとき、第2のOリング(シール部材)70が導入部532や押さえ部533に干渉して破損してしまわないようにするのが好ましい。
【0056】
そのため、本実施形態では、外面としての側面50bに段差部531を形成し、この段差部531の内側に収まるように導入部532及び押さえ部533を形成している。こうすることで、第2のOリング(シール部材)70の拡径量が小さくなるようにし、バスバ50に先端から挿入した第2のOリング(シール部材)70を、より一層スムーズに保持部5311まで移動させることができるようにしている。このように、本実施形態においても、上面50a、下面50c及び一対の側面50bのうち少なくともいずれか1つの面に押さえ部533が形成されている。
【0057】
また、インサート成形によりバスバ付ハウジング30を形成する場合、段差部531の内側に収まるように導入部532及び押さえ部533を形成するようにすれば、バスバ50の先端側から金型80を抜くことでバスバ付ハウジング30を形成することができる。すなわち、導入部532及び押さえ部533が段差部531の内側に収まるようにしつつ、インサート成形によりバスバ付ハウジング30を形成するようにすれば、バスバ50の先端側から金型80を抜くことでバスバ付ハウジング30を形成できるようになる。
【0058】
例えば、
図13に示すように、インサート成形時にバスバ50の先端側から金型80を抜く構成とした場合に、導入部532及び押さえ部533に邪魔されることなく、段差部531を金型80で塞ぐことができるようになる。こうすれば、インサート成形時に、段差部531内に樹脂が侵入してしまうことが抑制される上、バスバ50の根元側(先端側とは反対側)の形状が金型80により制限されてしまうことを抑制することができるようになる。すなわち、バスバ50の根元側の形状自由度を向上させつつ、ホルダを用いることなく第2のOリング(シール部材)70のバスバ50からの抜けをより確実に抑制することが可能なバスバ付ハウジング30を、インサート成形によって形成することが可能になる。
【0059】
このように、導入部532及び押さえ部533が段差部531の内側に収まるようにすれば、バスバ50への押さえ部533の形成と、インサート成形によるバスバ付ハウジング30の形成との両立を図ることが可能になる。その結果、コストの増大や品質の低下を抑制しつつ、組み立て加工費を削減することが可能になる。
【0060】
(第3実施形態)
本実施形態に係る端子台(端子ユニット)20は、基本的に上記第1実施形態及び第2実施形態で示した端子台(端子ユニット)20とほぼ同様の構成をしている。すなわち、本実施形態に係る端子台(端子ユニット)20も、
図14に示すように、機器ボックス(相手側端子ユニット)10が備える壁部(相手側ハウジング)11に取り付けることができるように構成されている。具体的には、端子台(端子ユニット)20は、端子台(端子ユニット)20の一部を壁部(相手側ハウジング)11に形成された挿通孔(相手側嵌合部)11aに嵌合させた状態で、壁部(相手側ハウジング)11に取り付けられるように構成されている。
【0061】
本実施形態においても、端子台(端子ユニット)20は、
図15に示すように、壁部(相手側ハウジング)11に取り付けられるハウジング40と、ハウジング40に保持されるバスバ50と、を備えている。また、端子台(端子ユニット)20は、バスバ50に先端から挿入保持されて、バスバ50とハウジング40との間をシールする第2のOリング(シール部材)70を備えている。
【0062】
さらに、バスバ50は、第2のOリング(シール部材)70を保持する保持部5311を備えている。また、バスバ50は、保持部5311よりもバスバ50の先端側に形成されて、第2のOリング(シール部材)70がバスバ50の先端側に移動してしまうことを抑制する押さえ部533を備えている。そして、バスバ50は、押さえ部533よりもバスバ50の先端側の外面に形成されて、第2のOリング(シール部材)70を保持部5311へと導入する導入部532を備えている。
【0063】
このように、本実施形態で示す端子ユニット20においても、第2のOリング(シール部材)70のバスバ50からの抜けを抑制する押さえ部533をバスバ50に形成している。こうすることで、第2のOリング(シール部材)70のバスバ50からの抜けを抑制するためのホルダを別途設ける必要をなくし、部品点数を削減しつつ、第2のOリング(シール部材)70のバスバ50からの抜けを抑制することができるようにしている。
【0064】
また、本実施形態においても、上面50a、下面50c及び一対の側面50bのうち少なくともいずれか1つの面に押さえ部533が形成されている。
【0065】
ここで、本実施形態では、
図16及び
図17に示すように、上面50a、下面50c及び一対の側面50bのそれぞれに押さえ部533が形成されるようにしている。
【0066】
具体的には、バスバ50の上面(外面)50aに1つの押さえ部533が形成されており、この押さえ部533よりもバスバ50の先端側に、導入部532が押さえ部533に連設されるように形成されている。
【0067】
同様に、バスバ50の下面(外面)50cに1つの押さえ部533が形成されており、この押さえ部533よりもバスバ50の先端側に、導入部532が押さえ部533に連設されるように形成されている。
【0068】
さらに、本実施形態では、板厚方向に沿ってバスバ50を見た状態で、上面(外面)50aに形成される導入部532及び押さえ部533と、下面(外面)50cに形成される導入部532及び押さえ部533とが幅方向に並ぶように形成されている。すなわち、上面(外面)50aに形成される導入部532と、下面(外面)50cに形成される導入部532とは、バスバ50の長手方向の位置が同じ位置となるように形成されている。同様に、上面(外面)50aに形成される押さえ部533と、下面(外面)50cに形成される押さえ部533とは、バスバ50の長手方向の位置が同じ位置となるように形成されている。
【0069】
また、バスバ50の両側面(外面)50bにも、それぞれ1つの押さえ部533が形成されており、各押さえ部533よりもバスバ50の先端側に、導入部532が押さえ部533に連設されるように形成されている。
【0070】
なお、第2のOリング(シール部材)70を保持部5311まで移動させる作業は、
図18に示す状態で行われる。すなわち、バスバ付ハウジング30を形成した状態で、バスバ50の先端側から挿入した第2のOリング(シール部材)70を他端側(根元側)に押し込むことで、第2のOリング(シール部材)70を保持部5311まで移動させている。このとき、第2のOリング(シール部材)70が導入部532や押さえ部533に干渉して破損してしまわないようにするのが好ましい。
【0071】
そのため、本実施形態では、バスバ50の上面(外面)50aに形成される導入部532が、バスバ50の上面(外面)50aに連設されて、保持部5311側に向かうにつれて外側に位置するように傾斜した傾斜面5321を有するようにしている。具体的には、
図16及び
図17に示すように、導入部532が、バスバ50の上面(外面)50aに連設されて、保持部5311側に向かうにつれて上方に位置するように傾斜した傾斜面5321を有するようにしている。また、導入部532が、傾斜面5321の他端(根元側の端部)に連設されて水平に延在する平坦面5322を備えるようにしている。そして、この平坦面5322の他端(根元側の端部)に押さえ部533が連設されるようにしている。また、本実施形態では、押さえ部533が、導入部532及びバスバ50の上面(外面)50aに連設された押さえ面5331を有するようにしている。そして、この押さえ面5331が傾斜面5321よりも傾斜角度が大きくなるようにしている。
【0072】
また、バスバ50の下面(外面)50cに形成される導入部532が、バスバ50の下面(外面)50cに連設されて、保持部5311側に向かうにつれて外側に位置するように傾斜した傾斜面5321を有するようにしている。具体的には、
図16及び
図17に示すように、導入部532が、バスバ50の下面(外面)50cに連設されて、保持部5311側に向かうにつれて下方に位置するように傾斜した傾斜面5321を有するようにしている。また、導入部532が、傾斜面5321の他端(根元側の端部)に連設されて水平に延在する平坦面5322を備えるようにしている。そして、この平坦面5322の他端(根元側の端部)に押さえ部533が連設されるようにしている。また、本実施形態では、押さえ部533が、導入部532及びバスバ50の下面(外面)50cに連設された押さえ面5331を有するようにしている。そして、この押さえ面5331が傾斜面5321よりも傾斜角度が大きくなるようにしている。
【0073】
また、
図17に示すように、バスバ50の側面(外面)50bに形成される導入部532と押さえ部533とで、一端側(先端側)が緩やかに傾斜して、幅方向の外側に突出する突部が、バスバ50に形成されるようにしている。
【0074】
さらに、本実施形態では、外面としての側面50bに段差部531を形成し、この段差部531の内側に収まるように導入部532及び押さえ部533を形成している。こうすることで、バスバ50への挿入時における第2のOリング(シール部材)70の幅方向の拡径量が小さくなるようにしている。
【0075】
なお、本実施形態では、側面(外面)50bに形成される導入部532が、上面(外面)50a及び下面(外面)50cに形成される導入部532よりも、バスバ50の根元側に位置するようにしている。一方、側面(外面)50bに形成される押さえ部533と、上面(外面)50a及び下面(外面)50cに形成される押さえ部533とが、バスバ50の長手方向の位置が同じ位置となるように形成されている。
【0076】
そして、このような構成とすることで、第2のOリング70をバスバ50の先端側から挿入して保持部5311に保持させる際に、第2のOリング70が各導入部532を通過して押さえ部533よりも他端側(根元側)に導入されるようにしている。
【0077】
このとき、第2のOリング(シール部材)70は、まず初めに、上面(外面)50a及び下面(外面)50cに形成される各傾斜面5321に沿って、上下方向のみに拡径されながら他端側(根元側)に導入されることになる。その後、側面(外面)50bに形成される導入部532によって幅方向にも拡径されながら他端側(根元側)に導入されることになる。そして、幅方向に拡径されながら他端側(根元側)に導入される状態の途中で、第2のOリング(シール部材)70が平坦面5322に乗り上げることになる。そのため、第2のOリング(シール部材)70は、平坦面5322に乗り上げた後は、幅方向のみに拡径されながら他端側(根元側)に導入されることになる。そして、各面に形成された押さえ部533よりも他端側(根元側)に第2のOリング(シール部材)70が押し込まれることで、第2のOリング(シール部材)70が保持部5311に保持されることになる。
【0078】
このように、本実施形態では、バスバ50に先端から挿入した第2のOリング(シール部材)70を少しずつ拡径させながら他端側(根元側)に移動させるようにしている。こうすることで、より一層スムーズに保持部5311まで移動させることができるようにしている。そして、第2のOリング(シール部材)70を保持部5311まで挿入する際に、第2のOリング(シール部材)70が破損してしまうことを、より一層確実に抑制できるようにしている。さらに、第2のOリング(シール部材)70のバスバ50からの抜けをより確実に抑制することができるようにしている。
【0079】
そして、第2のOリング(シール部材)70が保持部5311に保持されるようにした状態で、バスバ50の各面に形成された押さえ部533によって、第2のOリング(シール部材)70の上下左右の4か所が押さえられるようにしている。こうすることで、第2のOリング(シール部材)70の一部(押さえ部533によって押さえられていない部分)が先端側または根元側に移動してしまうことをより確実に抑制することができるようにしている。すなわち、第2のOリング(シール部材)70がバスバ50に斜めに配置されてしまうことをより確実に抑制することができるようにしている。
【0080】
このように、第2のOリング(シール部材)70がバスバ50に斜めに配置されてしまうことを抑制できるようにすれば、第2のOリング(シール部材)70がバスバ50に対して斜めに配置されることによる防水性能の低下が抑制されることになる。そのため、第2のOリング(シール部材)70によるシール性能が低下してしまうことを、より確実に抑制することができるようになる。
【0081】
[作用・効果]
以下では、上記各実施形態で示した端子ユニットの特徴的構成及びそれにより得られる効果を説明する。
【0082】
上記各実施形態で示した端子ユニット20は、機器ボックス(相手側端子ユニット)10が備える壁部(相手側ハウジング)11に取り付けることが可能なものである。このとき、端子台(端子ユニット)20は、端子台(端子ユニット)20の一部を壁部(相手側ハウジング)11に形成された挿通孔(相手側嵌合部)11aに嵌合させた状態で、壁部(相手側ハウジング)11に取り付けられるように構成されている。
【0083】
この端子台(端子ユニット)20は、壁部(相手側ハウジング)11に取り付けられるハウジング40と、ハウジング40に保持されるバスバ50と、を備えている。また、端子台(端子ユニット)20は、バスバ50に先端から挿入保持されて、バスバ50とハウジング40との間をシールする第2のOリング(シール部材)70を備えている。
【0084】
ここで、バスバ50は、第2のOリング(シール部材)70を保持する保持部5311を備えている。また、バスバ50は、保持部5311よりもバスバ50の先端側に形成されて、第2のOリング(シール部材)70がバスバ50の先端側に移動してしまうことを抑制する押さえ部533を備えている。さらに、バスバ50は、押さえ部533よりもバスバ50の先端側に形成されて、第2のOリング(シール部材)70を保持部5311へと導入する導入部532を備えている。
【0085】
このように、上記各実施形態で示した端子ユニット20では、第2のOリング(シール部材)70のバスバ50からの抜けを抑制する押さえ部533をバスバ50に形成している。こうすれば、第2のOリング(シール部材)70のバスバ50からの抜けを抑制するためのホルダを別途設ける必要がなくなるため、部品点数を削減しつつ、第2のOリング(シール部材)70のバスバ50からの抜けを抑制することが可能になる。
【0086】
このように、上記各実施形態で示した端子ユニット20とすれば、部品点数を削減しつつ、第2のOリング(シール部材)70のバスバ50からの抜けを抑制することができるようになる。
【0087】
また、上記各実施形態で示した端子ユニット20では、押さえ部533よりもバスバ50の先端側で押さえ部533に連設されて、第2のOリング(シール部材)70を保持部5311へと導入する導入部532をバスバ50に形成している。こうすれば、バスバ50に先端から挿入した第2のOリング(シール部材)70を、よりスムーズに保持部5311まで移動させることが可能になる。その結果、押さえ部533をバスバ50に形成した場合であっても、第2のOリング(シール部材)70を保持部5311まで挿入する際に、第2のOリング(シール部材)70が破損してしまうことを、より確実に抑制することが可能になる。このように、第2のOリング(シール部材)70を破損させることなく保持部5311まで挿入できるようにすれば、第2のOリング(シール部材)70によるシール性能が低下してしまうことを、より確実に抑制することができるようになる。
【0088】
また、バスバ50の外面が、板厚方向が上下方向となるようにバスバ50を配置した状態で上方に位置する上面50aと、下方に位置する下面50cと、上面50a及び下面50cに連設される一対の側面50bと、を備えていてもよい。そして、上面50a、下面50c及び一対の側面50bのうち少なくともいずれか1つの面に押さえ部533が形成されていてもよい。
【0089】
こうすれば、バスバ50の形状を複雑化させることなく押さえ部533を形成することが可能になるため、より構成の簡素化を図りつつ、第2のOリング(シール部材)70のバスバ50からの抜けを押さえ部533によって抑制することができるようになる。
【0090】
また、上面50a、下面50c及び一対の側面50bのそれぞれに押さえ部533が形成されていてもよい。
【0091】
こうすれば、第2のOリング(シール部材)70の上下左右が押さえ部533によって押さえられることになる。その結果、第2のOリング(シール部材)70の一部(押さえ部533によって押さえられていない部分)が先端側または根元側に移動してしまうことをより確実に抑制することができるようになる。すなわち、第2のOリング(シール部材)70がバスバ50に斜めに配置されてしまうことをより確実に抑制することができるようになる。こうすれば、第2のOリング(シール部材)70がバスバ50に対して斜めに配置されることによる防水性能の低下が抑制されるため、第2のOリング(シール部材)70によるシール性能が低下してしまうことを、より確実に抑制することができるようになる。
【0092】
また、導入部532が、バスバ50の外面(上面50a,側面50b,下面50c)に連設されて、保持部5311側に向かうにつれて外側に位置するように傾斜した傾斜面5321を有していてもよい。
【0093】
こうすれば、バスバ50に先端から挿入した第2のOリング(シール部材)70を、より一層スムーズに保持部5311まで移動させることが可能になる。その結果、第2のOリング(シール部材)70を保持部5311まで挿入する際に、第2のOリング(シール部材)70が破損してしまうことを、より一層確実に抑制することが可能になる。
【0094】
また、押さえ部533が、導入部532及びバスバ50の外面(上面50a,側面50b,下面50c)に連設された押さえ面5331を有しており、押さえ面5331が傾斜面5321よりも傾斜角度が大きくなっていてもよい。
【0095】
こうすれば、第2のOリング(シール部材)70のバスバ50からの抜けをより確実に抑制することができるようになる。
【0096】
また、外面が側面50bであり、側面50bには段差部531が形成されていてもよい。そして、導入部532及び押さえ部533が段差部531の内側に収まるように形成されていてもよい。
【0097】
こうすれば、バスバ50に先端から挿入した第2のOリング(シール部材)70を、より一層スムーズに保持部5311まで移動させることが可能になる。
【0098】
また、ハウジング40にバスバ50を保持することでバスバ付ハウジング30が形成されており、バスバ付ハウジング30がインサート成形品であってもよい。
【0099】
このとき、導入部532及び押さえ部533が段差部531の内側に収まるようにしつつ、インサート成形によりバスバ付ハウジング30を形成するようにすれば、バスバ50の先端側から金型80を抜くことでバスバ付ハウジング30を形成することができる。具体的には、インサート成形によりバスバ付ハウジング30を形成する際に、バスバ50の先端側から金型80を抜く構成とした場合に、導入部532及び押さえ部533に邪魔されることなく、段差部531を金型80で塞ぐことができるようになる。こうすれば、インサート成形時に、段差部531内に樹脂が侵入してしまうことが抑制される上、バスバ50の根元側(先端側とは反対側)の形状が金型80により制限されてしまうことを抑制することができるようになる。そのため、バスバ50の根元側の形状自由度を向上させつつ、インサート成形によって、ホルダを用いることなく第2のOリング(シール部材)70のバスバ50からの抜けを抑制することが可能なバスバ付ハウジング30を形成することができるようになる。
【0100】
このように、導入部532及び押さえ部533が段差部531の内側に収まるようにすれば、バスバ50への押さえ部533の形成と、インサート成形によるバスバ付ハウジング30の形成との両立を図ることが可能になる。その結果、コストの増大や品質の低下を抑制しつつ、組み立て加工費を削減することが可能になる。
【0101】
[その他]
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
【0102】
例えば、上記各実施形態で示した構成を適宜組み合わせることが可能である。
【0103】
また、上記各実施形態では、端子ユニットとして端子台20を例示したが、相手側コネクタの嵌合部に一部を嵌合させた状態で相手側コネクタのハウジングに取り付けられるコネクタに本発明を適用することも可能である。
【0104】
また、上記各実施形態では、平板状のバスバ50を例示したが、このような構成に限られるものではなく、例えば、第2の端子接続部52が連結部53に対して略直角に折り曲げられたバスバとすることも可能である。
【0105】
また、上記第3実施形態では、両側面にも導入部532が形成されたバスバ50を例示したが、両側面に押さえ部533は形成されているが導入部532は形成されていないバスバとすることも可能である。このような形状は、例えば、押さえ部533よりも一端側(先端側)には段差部を形成せずに、押さえ部533よりも他端側(根元側)のみに段差部531を形成することで得ることが可能である。
【0106】
また、バスバやハウジング、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)を適宜に変更することが可能である。
【符号の説明】
【0107】
10 機器ボックス(相手側端子ユニット)
11 壁部(相手側ハウジング)
11a 挿通孔(相手側嵌合部)
20 端子台(端子ユニット)
30 バスバ付ハウジング
40 ハウジング
50 バスバ
50a 上面(外面)
50b 側面(外面)
50c 下面
531 段差部
5311 保持部
532 導入部
5321 傾斜面
533 押さえ部
5331 押さえ面
70 第2のOリング(シール部材)