IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 深▲セン▼市▲華▼星光▲電▼半▲導▼体▲顕▼示技▲術▼有限公司の特許一覧

<>
  • 特開-ゲート駆動回路及び表示パネル 図1
  • 特開-ゲート駆動回路及び表示パネル 図2
  • 特開-ゲート駆動回路及び表示パネル 図3
  • 特開-ゲート駆動回路及び表示パネル 図4
  • 特開-ゲート駆動回路及び表示パネル 図5
  • 特開-ゲート駆動回路及び表示パネル 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161878
(43)【公開日】2024-11-20
(54)【発明の名称】ゲート駆動回路及び表示パネル
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/20 20060101AFI20241113BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20241113BHJP
【FI】
G09G3/20 622A
G09G3/20 621J
G09G3/20 670H
G09G3/20 670A
G09G3/20 622G
G09G3/20 622Z
G09G3/20 621M
G09F9/30 338
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023201998
(22)【出願日】2023-11-29
(31)【優先権主張番号】202310516335.8
(32)【優先日】2023-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】519182202
【氏名又は名称】深▲セン▼市▲華▼星光▲電▼半▲導▼体▲顕▼示技▲術▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100118256
【弁理士】
【氏名又は名称】小野寺 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100166338
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 正夫
(72)【発明者】
【氏名】チャオ チェンヤン
(72)【発明者】
【氏名】チャン リウチー
(72)【発明者】
【氏名】ハン バイシャン
【テーマコード(参考)】
5C080
5C094
【Fターム(参考)】
5C080DD14
5C080JJ02
5C080JJ04
5C094AA41
5C094BA03
5C094DA13
5C094DB01
5C094EA10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】パッチ線を設けることにより、パルス信号を正常に出力できるようにし、ゲート駆動回路の歩留まりを向上させる。
【解決手段】ゲート駆動回路100は、多ステージゲート駆動ユニットと、少なくとも1本のパッチ線12と、を含み、ここで、第nステージのゲート駆動ユニット10は少なくとも第1制御信号線11に接続され、前記第1制御信号線11は第nステージの走査信号G1(n)にアクセスし、前記第nステージのゲート駆動ユニット10は前記第nステージの走査信号G1(n)の制御下で第nステージのパルス信号G3(n)を出力するために用いられ、前記パッチ線12は前記第1制御信号線11と交差して異層に設けられ、前記パッチ線12は第mステージの走査信号G1(m)を伝送するために用いられ、n及びmはいずれも0よりも大きい正の整数であり、且つnはmよりも大きいか又は小さい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲート駆動回路であって、
多ステージゲート駆動ユニットであって、前記多ステージゲート駆動ユニットにおける第nステージのゲート駆動ユニットは第1制御信号線に少なくとも接続され、前記第1制御信号線は第nステージの走査信号にアクセスし、前記第nステージのゲート駆動ユニットは前記第nステージの走査信号の制御下で第nステージのパルス信号を出力するために用いられる多ステージゲート駆動ユニットと、
少なくとも1本のパッチ線であって、前記パッチ線は前記第1制御信号線と交差して異層に設けられ、前記パッチ線は第mステージの走査信号を伝送するために用いられ、n及びmはいずれも0よりも大きい正の整数であり、且つnはmよりも大きいか又は小さい少なくとも1本のパッチ線と、を含むことを特徴とするゲート駆動回路。
【請求項2】
前記ゲート駆動回路は信号伝送線をさらに含み、前記信号伝送線は前記第nステージの走査信号を伝送するために用いられ、前記信号伝送線は前記第1制御信号線と交差して異層に設けられ、前記信号伝送線はビアを介して前記第1制御信号線に接続されることを特徴とする請求項1に記載のゲート駆動回路。
【請求項3】
前記ゲート駆動回路はk本の前記パッチ線を含み、各前記パッチ線は対応する第mステージの走査信号にアクセスし、kは1よりも大きい正の整数であり、mはnよりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のゲート駆動回路。
【請求項4】
前記ゲート駆動回路はk本の前記パッチ線を含み、各前記パッチ線は対応する第mステージの走査信号にアクセスし、kは1よりも大きい正の整数であり、mはnよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のゲート駆動回路。
【請求項5】
前記パッチ線は、少なくとも1本の第1パッチ線と、少なくとも1本の第2パッチ線と、を含み、
前記第1パッチ線は前記第mステージの走査信号にアクセスし、mはnよりも小さく、前記第2パッチ線は前記第mステージの走査信号にアクセスし、mはnよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のゲート駆動回路。
【請求項6】
前記第1パッチ線及び前記第2パッチ線はそれぞれ前記第1制御信号線の両側に位置することを特徴とする請求項5に記載のゲート駆動回路。
【請求項7】
前記パッチ線に修復マークが設けられ、前記パッチ線と前記第1制御信号線との交点が前記修復マークに対応することを特徴とする請求項1に記載のゲート駆動回路。
【請求項8】
前記第nステージのゲート駆動ユニットは、
高電位配線、第1低電位配線、前記第1制御信号線、第2制御信号線及びプルアップノードに接続され、前記プルアップノードの電位を制御するために用いられるプルアップ制御モジュールと、
前記高電位配線、前記プルアップノード及び信号出力端に接続され、前記プルアップノードの電位の制御下で前記第nステージのパルス信号を前記信号出力端で出力するために用いられるプルアップ出力モジュールと、
前記高電位配線、前記第2制御信号線、ステージ伝送配線、前記プルアップノード、前記第1低電位配線及びプルダウンノードに接続され、前記プルダウンノードの電位を制御するために用いられるプルダウン制御モジュールと、
第2低電位配線、前記信号出力端及び前記プルダウンノードに接続され、前記プルダウンノードの電位の制御下で前記信号出力端の電位をプルダウンするために用いられるプルダウンモジュールと、を含むことを特徴とする請求項1に記載のゲート駆動回路。
【請求項9】
前記プルアップ制御モジュールは、第1トランジスタ、第2トランジスタ、第3トランジスタ及び第4トランジスタを含み、
前記第1トランジスタのゲート及び前記第2トランジスタのゲートはいずれも前記第1制御信号線に接続され、前記第1トランジスタのソースは前記高電位配線に接続され、前記第1トランジスタのドレインは前記第2トランジスタのソースに接続され、前記第2トランジスタのドレインは前記プルアップノードに接続され、前記第3トランジスタのゲート及び前記第4トランジスタのゲートはいずれも前記第2制御信号線に接続され、前記第3トランジスタのソースは前記第1低電位配線に接続され、前記第3トランジスタのドレイン及び前記第4トランジスタのソースは第1ノードに接続され、前記第4トランジスタのドレインは前記プルアップノードに接続されることを特徴とする請求項8に記載のゲート駆動回路。
【請求項10】
前記プルアップ制御モジュールは第5トランジスタ、第6トランジスタ、第7トランジスタ及び第1キャパシタをさらに含み、
前記第5トランジスタのゲート、前記第6トランジスタのドレイン及び前記第1キャパシタの一端はいずれも前記プルアップノードに接続され、前記第5トランジスタのソースは前記高電位配線に接続され、前記第5トランジスタのドレイン、前記第6トランジスタのソース及び前記第7トランジスタのドレインはいずれも前記第1ノードに接続され、前記第6トランジスタのゲート及び前記第7トランジスタのゲートはいずれも前記プルダウンノードに接続され、前記第7トランジスタのソースは前記第1低電位配線に接続され、前記第1キャパシタの他端は前記信号出力端に接続されることを特徴とする請求項9に記載のゲート駆動回路。
【請求項11】
前記プルダウン制御モジュールは第8トランジスタ、第9トランジスタ及び第2キャパシタを含み、
前記第8トランジスタのゲートは前記ステージ伝送配線に接続され、前記第8トランジスタのソースは前記第2制御信号線に接続され、前記第8トランジスタのドレイン、前記第2キャパシタの一端及び前記第9トランジスタのゲートは接続され、前記第2キャパシタの他端及び前記第9トランジスタのソースはいずれも前記高電位配線に接続され、前記第9トランジスタのドレインは前記プルダウンノードに接続されることを特徴とする請求項8に記載のゲート駆動回路。
【請求項12】
前記プルダウン制御モジュールは第10トランジスタ、第11トランジスタ、第12トランジスタ、第13トランジスタ及び第14トランジスタをさらに含み、
前記第10トランジスタのゲート及び前記第11トランジスタのゲートはいずれも前記プルアップノードに接続され、前記第10トランジスタのドレイン、前記第12トランジスタのドレイン及び前記第14トランジスタのゲートはいずれも前記プルダウンノードに接続され、前記第10トランジスタのソース、前記第11トランジスタのドレイン、前記第12トランジスタのソース、前記第13トランジスタのドレイン及び前記第14トランジスタのドレインはいずれも第2ノードに接続され、前記第11トランジスタのソース及び前記第13トランジスタのソースはいずれも前記第1低電位配線に接続され、前記第12トランジスタのゲート及び前記第13トランジスタのゲートはいずれも前記第1制御信号線に接続され、前記第14トランジスタのソースは前記高電位配線に接続されることを特徴とする請求項11に記載のゲート駆動回路。
【請求項13】
表示パネルであって、前記表示パネルは表示領域及び前記表示領域に接続された非表示領域を含み、前記表示パネルは請求項1~12のいずれか一項に記載のゲート駆動回路を含み、前記ゲート駆動回路は前記非表示領域に位置することを特徴とする表示パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、表示技術分野に関し、具体的にはゲート駆動回路及び表示パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
アレイ基板行駆動技術(Gate Driver On Array、GOA)は、ゲート駆動回路を表示パネルのアレイ基板上に集積し、プログレッシブ走査を実現する駆動方式である。この駆動技術は、ゲートICチップを省くことができ、生産コストの低減とパネルの狭額縁設計を実現する利点を有し、多くのディスプレイに用いられる。
【0003】
一般に画素の内部補償回路では、表示パネルの輝度等の補償や調整の目的を達成するために、ゲート駆動回路が幅調整可能なパルス信号を出力する必要がある。一方、内部補償回路は通常、複数組のゲート駆動回路が出力する複数組の走査信号を必要とし、表示パネルの狭額縁化に不利である。複数組の走査信号を必要とする画素回路のゲート駆動回路設計を簡略化するために、ワイドパルスゲート駆動回路の制御信号は他のゲート駆動回路が出力する走査信号によって提供される。しかし、他のゲート駆動回路が故障すると、ワイドパルスゲート駆動回路も故障してしまい、所定幅のパルス信号を出力できなくなり歩留まりが低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、従来技術において、走査信号を提供する他のゲート駆動回路が故障すると、パルス信号を出力するゲート駆動回路が所定幅のパルス信号を出力できなくなるという技術的問題を解決するためのゲート駆動回路及び表示パネルを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願は、ゲート駆動回路を提供し、
第nステージのゲート駆動ユニットは第1制御信号線に少なくとも接続され、前記第1制御信号線は第nステージの走査信号にアクセスし、前記第nステージのゲート駆動ユニットは前記第nステージの走査信号の制御下で第nステージのパルス信号を出力するために用いられる多ステージゲート駆動ユニットと、
少なくとも1本のパッチ線であって、前記パッチ線は前記第1制御信号線と交差して異層に設けられ、前記パッチ線は第mステージの走査信号を伝送するために用いられ、n及びmはいずれも0よりも大きい正の整数であり、且つnはmよりも大きいか又は小さい少なくとも1本のパッチ線と、を含む。
【0006】
好ましくは、本願のいくつかの実施例において、前記ゲート駆動回路は信号伝送線をさらに含み、前記信号伝送線は前記第nステージの走査信号を伝送するために用いられ、前記信号伝送線は前記第1制御信号線と交差して異層に設けられ、前記信号伝送線はビアを介して前記第1制御信号線に接続される。
【0007】
好ましくは、本願のいくつかの実施例において、前記ゲート駆動回路はk本の前記パッチ線を含み、各前記パッチ線は対応する第mステージの走査信号にアクセスし、kは1よりも大きい正の整数であり、mはnよりも小さい。
【0008】
好ましくは、本願のいくつかの実施例において、前記ゲート駆動回路はk本の前記パッチ線を含み、各前記パッチ線は対応する第mステージの走査信号にアクセスし、kは1よりも大きい正の整数であり、mはnよりも大きい。
【0009】
好ましくは、本願のいくつかの実施例において、前記パッチ線は、少なくとも1本の第1パッチ線と、少なくとも1本の第2パッチ線と、を含み、
前記第1パッチ線は前記第mステージの走査信号にアクセスし、mはnよりも小さく、前記第2パッチ線は前記第mステージの走査信号にアクセスし、mはnよりも大きい。
【0010】
好ましくは、本願のいくつかの実施例において、前記第1パッチ線及び前記第2パッチ線はそれぞれ前記第1制御信号線の両側に位置する。
【0011】
好ましくは、本願のいくつかの実施例において、前記パッチ線に修復マークが設けられ、前記パッチ線と前記第1制御信号線との交点が前記修復マークに対応する。
【0012】
好ましくは、本願のいくつかの実施例において、前記第nステージのゲート駆動ユニットは、
高電位配線、第1低電位配線、前記第1制御信号線、第2制御信号線及びプルアップノードに接続され、前記プルアップノードの電位を制御するために用いられるプルアップ制御モジュールと、
前記高電位配線、前記プルアップノード及び信号出力端に接続され、前記プルアップノードの電位の制御下で前記第nステージのパルス信号を前記信号出力端で出力するために用いられるプルアップ出力モジュールと、
前記高電位配線、前記第2制御信号線、ステージ伝送配線、前記プルアップノード、前記第1低電位配線及びプルダウンノードに接続され、前記プルダウンノードの電位を制御するために用いられるプルダウン制御モジュールと、
第2低電位配線、前記信号出力端及び前記プルダウンノードに接続され、前記プルダウンノードの電位の制御下で前記信号出力端の電位をプルダウンするために用いられるプルダウンモジュールと、を含む。
【0013】
好ましくは、本願のいくつかの実施例において、前記プルアップ制御モジュールは、第1トランジスタ、第2トランジスタ、第3トランジスタ及び第4トランジスタを含み、
前記第1トランジスタのゲート及び前記第2トランジスタのゲートはいずれも前記第1制御信号線に接続され、前記第1トランジスタのソースは前記高電位配線に接続され、前記第1トランジスタのドレインは前記第2トランジスタのソースに接続され、前記第2トランジスタのドレインは前記プルアップノードに接続され、前記第3トランジスタのゲート及び前記第4トランジスタのゲートはいずれも前記第2制御信号線に接続され、前記第3トランジスタのソースは前記第1低電位配線に接続され、前記第3トランジスタのドレイン及び前記第4トランジスタのソースは第1ノードに接続され、前記第4トランジスタのドレインは前記プルアップノードに接続される。
【0014】
好ましくは、本願のいくつかの実施例において、前記プルアップ制御モジュールは第5トランジスタ、第6トランジスタ、第7トランジスタ及び第1キャパシタをさらに含み、
前記第5トランジスタのゲート、前記第6トランジスタのドレイン及び前記第1キャパシタの一端はいずれも前記プルアップノードに接続され、前記第5トランジスタのソースは前記高電位配線に接続され、前記第5トランジスタのドレイン、前記第6トランジスタのソース及び前記第7トランジスタのドレインはいずれも前記第1ノードに接続され、前記第6トランジスタのゲート及び前記第7トランジスタのゲートはいずれも前記プルダウンノードに接続され、前記第7トランジスタのソースは前記第1低電位配線に接続され、前記第1キャパシタの他端は前記信号出力端に接続される。
【0015】
好ましくは、本願のいくつかの実施例において、前記プルダウン制御モジュールは第8トランジスタ、第9トランジスタ及び第2キャパシタを含み、
前記第8トランジスタのゲートは前記ステージ伝送配線に接続され、前記第8トランジスタのソースは前記第2制御信号線に接続され、前記第8トランジスタのドレイン、前記第2キャパシタの一端及び前記第9トランジスタのゲートは接続され、前記第2キャパシタの他端及び前記第9トランジスタのソースはいずれも前記高電位配線に接続され、前記第9トランジスタのドレインは前記プルダウンノードに接続される。
【0016】
好ましくは、本願のいくつかの実施例において、前記プルダウン制御モジュールは第10トランジスタ、第11トランジスタ、第12トランジスタ、第13トランジスタ及び第14トランジスタをさらに含み、
前記第10トランジスタのゲート及び前記第11トランジスタのゲートはいずれも前記プルアップノードに接続され、前記第10トランジスタのドレイン、前記第12トランジスタのドレイン及び前記第14トランジスタのゲートはいずれも前記プルダウンノードに接続され、前記第10トランジスタのソース、前記第11トランジスタのドレイン、前記第12トランジスタのソース、前記第13トランジスタのドレイン及び前記第14トランジスタのドレインはいずれも第2ノードに接続され、前記第11トランジスタのソース及び前記第13トランジスタのソースはいずれも前記第1低電位配線に接続され、前記第12トランジスタのゲート及び前記第13トランジスタのゲートはいずれも前記第1制御信号線に接続され、前記第14トランジスタのソースは前記高電位配線に接続される。
【0017】
相応して、本願は、表示パネルをさらに提供し、前記表示パネルは表示領域及び前記表示領域に接続された非表示領域を含み、前記表示パネルは上述したいずれか一項に記載のゲート駆動回路を含み、前記ゲート駆動回路は前記非表示領域に位置する。
【発明の効果】
【0018】
本願は、ゲート駆動回路及び表示パネルを提供する。ゲート駆動回路は、多ステージゲート駆動ユニットと、少なくとも1本のパッチ線と、を含む。ここで、第nステージのゲート駆動ユニットは少なくとも第1制御信号線に接続され、第1制御信号線は第nステージの走査信号にアクセスし、第nステージのゲート駆動ユニットは第nステージの走査信号の制御下で第nステージのパルス信号を出力するために用いられ、パッチ線は第1制御信号線と交差して異層に設けられ、パッチ線は第mステージの走査信号を伝送するために用いられ、n及びmはいずれも0よりも大きい正の整数であり、且つnはmよりも大きいか又は小さい。本願の実施例はパッチ線を追加することにより、第nステージの走査信号が故障した場合に、パッチ線を介して第mステージの走査信号を提供して第nステージの走査信号を置き換えることができ、第nステージのパルス信号を正常に出力できるようにし、それによってゲート駆動回路の歩留まりを向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本願にて提供されるゲート駆動回路の第1概略構造図である。
図2】本願にて提供されるゲート駆動回路の第2概略構造図である。
図3】本願にて提供されるゲート駆動回路の第3概略構造図である。
図4】本願にて提供される第nステージのゲート駆動ユニットの回路概略図である。
図5】本願にて提供される第nステージのゲート駆動ユニットの信号タイミング図である。
図6】本願にて提供される表示パネルの概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本願の実施例における技術案を、本願の実施例における図面を参照して、明確且つ完全に説明する。明らかなように、説明された実施例は、本願の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本願における実施例に基づいて、創造的な労働をせずに当業者が得た他の全ての実施例が、本願の保護範囲に属する。
【0021】
また、本願の明細書及び特許請求の範囲における「第1」、「第2」等の用語は、異なる対象物を区別するために用いられるものであり、特定の順序を説明するために用いられるものではない。「含む」及び「有する」という用語並びにそれらのあらゆる変形は、非排他的包含をカバーすることが意図される。
【0022】
本願は、ゲート駆動回路及び表示パネルを提供し、以下で詳細に説明する。なお、以下の実施例の説明順序は、本願の実施例の好ましい順序を限定するものではない。
【0023】
図1を参照すると、図1は、本願にて提供されるゲート駆動回路の第1概略構造図である。ゲート駆動回路100は、多ステージゲート駆動ユニットと、少なくとも1本のパッチ線12と、を含む。ここで、第nステージのゲート駆動ユニット10は少なくとも第1制御信号線11に接続される。第1制御信号線11は第nステージの走査信号G1(n)にアクセスする。第nステージのゲート駆動ユニット10は第nステージの走査信号G1(n)の制御下で第nステージのパルス信号G3(n)を出力するために用いられる。パッチ線12は第1制御信号線11と交差して異層に設けられる。パッチ線12は第mステージの走査信号G1(m)を伝送するために用いられ、n及びmはいずれも0よりも大きい正の整数であり、且つnはmよりも大きいか又はそれに等しい。
【0024】
本願の実施例において、ゲート駆動回路100に含まれる多ステージゲート駆動ユニット自体はステージ伝送を行わず、別の組のGOA回路から出力される多ステージ走査信号によってゲート駆動回路100を制御し、それによってゲート駆動回路100のプログレッシブオンを実現し、それによって複数組のパルス信号の出力を実現する。ここで、別の組のGOA回路とは表示パネルに含まれるゲート駆動回路100とは異なる他のGOA回路であり、内部補償回路に必要な複数組の走査信号を提供するために用いられる。
【0025】
なお、説明の便宜上、本願の以下の各実施例において、mがnよりも大きい場合、第n+kステージの走査信号G1(n+k)で第mステージの走査信号G1(m)を表す。mがnよりも小さい場合、第n-kステージの走査信号G1(n-k)で第mステージの走査信号G1(m)を表す。ここで、kは1よりも大きいか又はそれに等しい整数である。
【0026】
ここで、第nステージの走査信号G1(n)、第n+kステージの走査信号G1(n+k)及び第n-kステージの走査信号G1(n-k)は、同一GOA回路から出力される走査信号であってもよい。パッチ線12は、第n+kステージの走査信号G1(n+k)及び第n-kステージの走査信号G1(n-k)にアクセスするために、当該GOA回路の出力端に接続されてもよい。
【0027】
第n+kステージの走査信号G1(n+k)及び第n-kステージの走査信号G1(n-k)におけるkは、画素回路の駆動要求に応じて調整することができる。例えば、nが3である場合、kは、1、2等であってもよく、nが5である場合、kは1、2、3等であってもよく、ここでは一々列挙しない。
【0028】
理解されるように、ゲート駆動回路100が画素回路に適用される場合、画素回路は、第nステージのパルス信号G3(n)の位相が一定の範囲内で変動することを許容することができるので、画素回路のシミュレーション結果に応じてk値を設定することができる。例えば、第nステージの走査信号G1(n)が故障した場合に、第n-kステージの走査信号G1(n-k)を用いて修復すると、第nステージのパルス信号G3(n)の位相がk段だけ進んで、画素回路の駆動信号が変動し、画素回路の補償や表示効果に応じて、許容可能な変動範囲を決定する必要がある。
【0029】
本願の実施例は、パッチ線12を追加することにより、第nステージの走査信号G1(n)が故障した場合に、レーザー又は他の修復方式でパッチ線12を第1制御信号線11に接続することができ、パッチ線12を介して第n-kステージの走査信号G1(n-k)又は第n+kステージの走査信号G1(n+k)、例えば、第n-1ステージの走査信号G1(n-1)、第n+1ステージの走査信号G1(n+1)などを提供し、第nステージのパルス信号G3(n)を正常に出力できるようにし、それによってゲート駆動回路100の独立性を向上させ、ゲート駆動回路100の歩留まりを向上させる。
【0030】
本願の実施例において、ゲート駆動回路100は、信号伝送線13をさらに含む。信号伝送線13は、第nステージの走査信号G1(n)を伝送するために用いられる。信号伝送線13は、第1制御信号線11と交差して異層に設けられる。信号伝送線13は、ビア130を介して第1制御信号線11に接続される。
【0031】
いくつかの実施例において、信号伝送線13は、パッチ線12に同層に設けられてもよく、それによって膜層構造を簡略化する。
【0032】
もちろん、他の実施例において、信号伝送線13は、第1制御信号線11に同層に設けられてもよく、ビア130の接続方式による信号伝送不良を回避する。
【0033】
いくつかの実施例において、第nステージの走査信号G1(n)が故障し、且つパッチ線12を第1制御信号線11に接続した場合に、信号伝送線13と第1制御信号線11との接続を切断することができる。これにより、故障した第nステージの走査信号G1(n)が第nステージのゲート駆動ユニット10の正常動作に影響を与えることを回避する。
【0034】
本願の実施例において、第nステージのゲート駆動ユニット10に対応して1本のパッチ線12のみを設けてもよい。このように、第nステージの走査信号G1(n)が故障した場合に、レーザー又は他の修復方式でパッチ線12を第1制御信号線11に接続することができ、パッチ線12を介して第n-kステージの走査信号G1(n-k)又は第n+kステージの走査信号G1(n+k)を提供し、第nステージのパルス信号G3(n)を正常に出力できるようにする。同時に配線の数が少なく、狭額縁化の実現が容易になる。
【0035】
本願の実施例において、第nステージのゲート駆動ユニット10に対応して複数本のパッチ線12を設けてもよい。なお、第nステージの走査信号G1(n)が故障した場合に、レーザー又は他の修復方式でそのうちの1本のパッチ線12を選択して第1制御信号線11に接続するだけである。複数本のパッチ線12を設けるのは修復の歩留まりを向上させるためである。
【0036】
図1に示すように、パッチ線12は、少なくとも1本の第1パッチ線121と、少なくとも1本の第2パッチ線122と、を含む。第1パッチ線121は、第n-kステージの走査信号G1(n-k)にアクセスする。第2パッチ線122は、第n+kステージの走査信号G1(n+k)にアクセスする。
【0037】
例えば、パッチ線12は、k本の第1パッチ線121と、k本の第2パッチ線122と、を含む。1本目の第1パッチ線121は、第n-1ステージの走査信号G1(n-1)にアクセスする。2本目の第1パッチ線121は、第n-2ステージの走査信号G1(n-2)にアクセスする。k本目の第1パッチ線121は、第n-kステージの走査信号G1(n-k)にアクセスする。1本目の第2パッチ線122は、第n+1ステージの走査信号G1(n+1)にアクセスする。2本目の第2パッチ線122は、第n+2ステージの走査信号G1(n+2)にアクセスする。k本目の第1パッチ線121は、第n+kステージの走査信号G1(n+k)にアクセスする。このように類推し、ここでは繰り返し説明しない。つまり、第1パッチ線121又は第2パッチ線122の本数は、kである。
【0038】
もちろん、いくつかの実施例において、第1パッチ線121又は第2パッチ線122の本数は、kでなくてもよい。つまり、適切な第n-kステージの走査信号G1(n-k)を選択して対応する第1パッチ線121にアクセスし、及び適切な第n+kステージの走査信号G1(n+k)を選択して対応する第2パッチ線122にアクセスすればよく、本願ではこれについて特に限定しない。
【0039】
本願の実施例は、少なくとも1本の第1パッチ線121と少なくとも1本の第2パッチ線122を設けることにより、第n-kステージの走査信号G1(n-k)及び第n+kステージの走査信号G1(n+k)をいずれも修復信号とすることで、実用上、画素回路の要求に応じて適切な信号を選択して第nステージの走査信号G1(n)を修復し、第nステージのゲート駆動ユニット10の歩留まりをさらに向上させることができる。
【0040】
本願のいくつかの実施例において、第1パッチ線121及び第2パッチ線122は、それぞれ第1制御信号線11の両側に位置する。一方では、第nステージのゲート駆動ユニット10の周囲の配線スペースを十分に利用することができる。他方では、第1パッチ線121及び第2パッチ線122の位置を明確に区別することができ、実際の要求に応じて第n-kステージの走査信号G1(n-k)又は第n+kステージの走査信号G1(n+k)を修復信号として選択することが容易になる。
【0041】
本願のいくつかの実施例において、パッチ線12に修復マーク120が設けられる。パッチ線12と第1制御信号線11との交点Aが修復マーク120に対応する。具体的には、交点Aは修復マーク120と少なくとも部分的に重なるように設けられる。
【0042】
理解されるように、レーザーの方式を利用してパッチ線12を第1制御信号線11に接続することができる。レーザーのエネルギーは非常に高く、他の膜層を損傷することを回避するために、本願はパッチ線12に修復マーク120を設け、且つ第1制御信号線11とパッチ線12との交点Aを修復マーク120に対応させることにより、レーザーの精度を向上させることができる。パッチ線12と第1制御信号線11との接続歩留まりを向上させるとともに、レーザーによる他の膜層の損傷を回避する。
【0043】
また、修復マーク120は、パッチ線12に設けられた突起又は溝であってもよい。修復マーク120は、パッチ線12に設けられた「-」、「+」、「×」等の図形マークであってもよい。本願ではこれについて特に限定しない。
【0044】
図2を参照すると、図2は、本願にて提供されるゲート駆動回路の第2概略構造図である。図1に示すゲート駆動回路100と異なる点は、本願の実施例において、ゲート駆動回路100がk本のパッチ線12を含み、1本目のパッチ線12が第n+1ステージの走査信号G(n+1)にアクセスし、k本目のパッチ線12が第n+kステージの走査信号G1(n+k)にアクセスすることである。
【0045】
理解されるように、kは第nステージの走査信号G(n)と第nステージのパルス信号との位相関係を決定する。第nステージの走査信号G(n)と第nステージのパルス信号の位相の立ち上がりが切り揃えられ、第nステージの走査信号G(n)が故障した場合に、第n+kステージの走査信号G1(n+k)を採用して修復すると、第nステージのパルス信号G3(n)の位相がk段だけ後にシフトする。本願の実施例は、パッチ線12の数を減らし、且つリペア後の第nステージのパルス信号G3(n)の位相をいずれもk段だけ後にシフトさせることで、リペアの均一性を向上させる。
【0046】
また、k本のパッチ線12は、第1制御信号線11の同じ側に設けられてもよいし、第1制御信号線11の両側に設けられてもよく、具体的にはゲート駆動回路100の配線スペースに応じて設計することができる。
【0047】
図3を参照すると、図3は、本願にて提供されるゲート駆動回路の第3概略構造図である。図1に示すゲート駆動回路100と異なる点は、本願の実施例において、ゲート駆動回路100がk本のパッチ線12を含むことである。1本目のパッチ線12は第n-1ステージの走査信号G(n-1)にアクセスする。k本目のパッチ線12は第n-kステージの走査信号G1(n-k)にアクセスする。
【0048】
同様に、kは第nステージの走査信号G(n)と第nステージのパルス信号との位相関係を決定する。第nステージの走査信号G(n)と第nステージのパルス信号の位相の立ち上がりが切り揃えられ、第nステージの走査信号G(n)が故障した場合に、第n-kステージの走査信号G1(n-k)を採用して修復すると、第nステージのパルス信号G3(n)の位相がk段だけ進む。本願の実施例は、パッチ線12の数を減らし、且つリペア後の第nステージのパルス信号G3(n)の位相をいずれもk段だけ進ませることで、リペアの均一性を向上させる。
【0049】
なお、第nステージのゲート駆動ユニット10において、他のGOA回路が出力する複数組の走査信号が必要となる場合がある。したがって、各組の走査信号に対して、上記実施例に記載の技術案を適用することができる。つまり、第nステージのゲート駆動ユニット10は1本の第1制御信号線11に接続されることに限定されず、又は第1制御信号線11は第nステージの走査信号G(n)にアクセスすることに限定されない。
【0050】
具体的には、本願の以下の実施例は、具体的なゲート駆動回路100を例に説明するが、本願を限定するものとして理解されるべきではない。
【0051】
図1及び図4を参照すると、図4は、本願にて提供される第nステージのゲート駆動ユニットの回路概略図である。本願の実施例において、第nステージのゲート駆動ユニット10は、プルアップ制御モジュール101、プルアップ出力モジュール102、プルダウン制御モジュール103及びプルダウンモジュール104を含む。
【0052】
プルアップ制御モジュール101は、高電位配線14、第1低電位配線15、第1制御信号線11、第2制御信号線16及びプルアップノードQに接続される。プルアップ制御モジュール101は、プルアップノードQの電位を制御するために用いられる。
【0053】
ここで、高電位配線14は、高電位信号VGHを伝送するために用いられる。第1低電位配線15は、第1低電位信号VGL1を伝送するために用いられる。第2制御信号線16は、第2走査信号G2(n)を伝送するために用いられる。プルアップ制御モジュール101は、第nステージの走査信号G1(n)、高電位信号VGH、第1低電位信号VGL1及び第2走査信号G2(n)の制御下でプルアップノードQの電位をプルアップするか又はプルアップノードQの電位をプルダウンするために用いられる。
【0054】
プルアップ出力モジュール102は、高電位配線14、プルアップノードQ及び信号出力端Pに接続される。プルアップ出力モジュール102は、プルアップノードQの電位の制御下で第nステージのパルス信号G3(n)を信号出力端Pで出力するために用いられる。
【0055】
プルダウン制御モジュール103は、高電位配線14、第2制御信号線16、ステージ伝送配線17、プルアップノードQ、第1低電位配線15及びプルダウンノードQBに接続される。プルダウン制御モジュール103は、プルダウンノードQBの電位を制御するために用いられる。
【0056】
ここで、ステージ伝送配線17は、ステージ伝送信号Coutを伝送するために用いられる。プルダウン制御モジュール103は、高電位信号VGH、ステージ伝送信号Cout及び第2走査信号G2(n)の制御下でプルダウンノードQBの電位をプルアップするか又はプルダウンノードQBの電位をプルダウンするために用いられる。
【0057】
プルダウンモジュール104は、第2低電位配線18、信号出力端P及びプルダウンノードQBに接続される。プルダウンモジュール104は、プルダウンノードQBの電位の制御下で信号出力端Pの電位をプルダウンするために用いられる。
【0058】
ここで、第2低電位配線18は、第2低電位信号VGL2を伝送するために用いられる。本願の実施例において、第1低電位信号VGL1の電位及び第2低電位信号VGL2の電位は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0059】
本願の実施例において、伝送ステージ伝送信号Cout及び第2走査信号G2(n)は他のGOA回路からのものであってもよい。他の信号、例えば高電位信号VGH、第1低電位信号VGL1等は、いずれも他のGOA回路と共用することで、配線を減らし、狭額縁化を実現することができる。
【0060】
本願の実施例にて提供されるゲート駆動回路100は、第nステージの走査信号G1(n)と第2走査信号G2(n)との位相差を制御することにより、第nステージのパルス信号G3(n)の出力パルス幅の制御を実現し、実用上の要求を満たすことができる。
【0061】
具体的には、本願のいくつかの実施例において、プルアップ制御モジュール101は、第1トランジスタT1、第2トランジスタT2、第3トランジスタT3及び第4トランジスタT4を含む。
【0062】
第1トランジスタT1のゲート及び第2トランジスタT2のゲートはいずれも第1制御信号線11に接続される。第1トランジスタT1のソースは高電位配線14に接続される。第1トランジスタT1のドレインは第2トランジスタT2のソースに接続される。第2トランジスタT2のドレインはプルアップノードQに接続される。第3トランジスタT3のゲート及び第4トランジスタT4のゲートはいずれも第2制御信号線16に接続される。第3トランジスタT3のソースは第1低電位配線15に接続される。第3トランジスタT3のドレイン及び第4トランジスタT4のソースは第1ノードN1に接続される。第4トランジスタT4のドレインはプルアップノードQに接続される。
【0063】
なお、本願の全ての実施例で用いるトランジスタは、薄膜トランジスタや電界効果トランジスタ、その他の特性が同じデバイスであってもよく、ここで用いるトランジスタのソース、ドレインは対称であるため、そのソース、ドレインは入れ替え可能である。本願の実施例において、トランジスタのゲート以外の2つの電極を区別するために、一方の電極をソース、他方の電極をドレインと呼ぶ。スイッチングトランジスタは、図中の形態で、中間端がゲート、信号入力端がソース、出力端がドレインと規定されている。
【0064】
また、本願の実施例で用いられるトランジスタは、P型トランジスタ及び/又はN型トランジスタを含んでいてもよく、ここで、P型トランジスタは、ゲートがローレベルのときにオンとなり、ゲートがハイレベルのときにオフとなり、N型トランジスタは、ゲートがハイレベルのときにオンとなり、ゲートがローレベルのときにオフとなる。本願の以下の実施例におけるトランジスタは、いずれもN型トランジスタを例に説明するが、本願を限定するものと理解されるべきではない。
【0065】
さらに、本願のいくつかの実施例において、プルアップ制御モジュール101は、第5トランジスタT5、第6トランジスタT6、第7トランジスタT7及び第1キャパシタをさらに含む。
【0066】
第5トランジスタT5のゲート、第6トランジスタT6のドレイン及び第1キャパシタC1の一端はいずれもプルアップノードQに接続される。第5トランジスタT5のソースは高電位配線14に接続される。第5トランジスタT5のドレイン、第6トランジスタT6のソース及び第7トランジスタT7のドレインはいずれも第1ノードN1に接続される。第6トランジスタT6のゲート及び第7トランジスタT7のゲートはいずれもプルダウンノードQBに接続される。第7トランジスタT7のソースは第1低電位配線15に接続される。第1キャパシタC1の他端は信号出力端Pに接続される。
【0067】
理解されるように、第5トランジスタT5、第6トランジスタT6、第7トランジスタT7及び第1キャパシタC1は、漏電防止ユニットとして、プルアップノードQの漏電を防止することができる。具体的には、プルアップノードQの電位がプルアップされると、第5トランジスタT5がオンとなり、高電位信号VGHが第1ノードN1に伝送される。第1ノードN1の電位がプルアップされる。このとき第1ノードN1の電位がプルアップノードQの電位よりも低くならないので、プルアップノードQの電荷が第4トランジスタT4を介した漏電経路を緩和し又は途絶し、プルアップノードQの高電位状態をより長く持続させることができる。
【0068】
もちろん、いくつかの実施例において、プルアップ制御モジュール101は、第6トランジスタT6及び第7トランジスタT7を含まなくてもよい。
【0069】
本願のいくつかの実施例において、プルダウン制御モジュール103は、第8トランジスタT8、第9トランジスタT9及び第2キャパシタC2を含む。
【0070】
第8トランジスタT8のゲートはステージ伝送配線17に接続される。第8トランジスタT8のソースは第2制御信号線16に接続される。第8トランジスタT8のドレイン、第2キャパシタC2の一端及び第9トランジスタT9のゲートは接続される。第2キャパシタC2の他端及び第9トランジスタT9のソースはいずれも高電位配線14に接続される。第9トランジスタT9のドレインはプルダウンノードQBに接続される。
【0071】
さらに、本願のいくつかの実施例において、プルダウン制御モジュール103は、第10トランジスタT10、第11トランジスタT11、第12トランジスタT12、第13トランジスタT13及び第14トランジスタT14をさらに含む。
【0072】
第10トランジスタT10のゲート及び第11トランジスタT11のゲートはいずれもプルアップノードQに接続される。第10トランジスタT10のドレイン、第12トランジスタT12のドレイン及び第14トランジスタT14のゲートはいずれもプルダウンノードQBに接続される。第10トランジスタT10のソース、第11トランジスタT11のドレイン、第12トランジスタT12のソース、第13トランジスタT13のドレイン及び第14トランジスタT14のドレインはいずれも第2ノードN2に接続される。第11トランジスタT11のソース及び第13トランジスタT13のソースはいずれも第1低電位配線15に接続される。第12トランジスタT12のゲート及び第13トランジスタT13のゲートはいずれも第1制御信号線11に接続される。第14トランジスタT14のソースは高電位配線14に接続される。
【0073】
ここで、第10トランジスタT10及び第11トランジスタT11は、プルダウンノードQBの低電位を維持することができる。プルアップノードQの電位が高電位にプルアップされると、第10トランジスタT10及び第11トランジスタT11がオンとなり、第1低電位信号VGL1がプルダウンノードQBに伝送され、プルダウンノードQBの低電位を維持することができる。同様に、第12トランジスタT12及び第13トランジスタT13もプルダウンノードQBの低電位を維持することができる。第nステージの走査信号G1(n)が高電位である場合、第12トランジスタT12及び第13トランジスタT13がオンとなり、第1低電位信号VGL1がプルダウンノードQBに伝送され、プルダウンノードQBの低電位を維持することができる。
【0074】
また、プルダウンノードQBの電位がプルアップされると、第14トランジスタT14がオンとなり、高電位信号VGHが第2ノードN2に伝送される。第2ノードN2の電位がプルアップされる。このとき第2ノードN2の電位がプルダウンノードQBの電位よりも低くならないので、プルダウンノードQBの電荷が第11トランジスタT11又は第13トランジスタT13を介して放電される漏電経路を緩和し又は途絶し、プルダウンノードQBの高電位状態をより長く持続させることができる。
【0075】
もちろん、いくつかの実施例において、プルダウン制御モジュール103は、第10トランジスタT10及び第11トランジスタT11を含まなくてもよく、又は第12トランジスタT12及び第13トランジスタT13を含まなくてもよい。
【0076】
本願のいくつかの実施例において、プルアップ出力モジュール102は、第15トランジスタT15を含む。第15トランジスタT15のゲートはプルアップノードQに接続される。第15トランジスタT15のソースは高電位配線14に接続される。第15トランジスタT15のドレインは信号出力端Pに接続される。
【0077】
本願のいくつかの実施例において、プルダウンモジュール104は、第16トランジスタT16を含む。第16トランジスタT16のゲートはプルダウンノードQBに接続される。第16トランジスタT16のソースは第2低電位配線18に接続される。第16トランジスタT16のドレインは信号出力端Pに接続される。
【0078】
図4及び図5を同時に参照すると、図5は、本願にて提供される第nステージのゲート駆動ユニットの信号タイミング図である。本願の実施例において、第nステージのゲート駆動ユニット10の動作タイミングは、パルス出力段階t1と、リセット段階t2と、を含む。
【0079】
パルス出力段階t1:第nステージの走査信号G1(n)がハイレベルであるとき、第1トランジスタT1、第2トランジスタT2がオンとなり、プルアップノードQがハイレベルに充電される。第15トランジスタT15、第5トランジスタT5、第10トランジスタT10、第11トランジスタT11、第12トランジスタT12及び第13トランジスタT13はいずれもオンとなる。これと同時に、ステージ伝送信号Coutがハイレベルであり、第2走査信号G2(n)がローレベルである。第3トランジスタT3及び第4トランジスタT4はいずれもオフとなる。オンした第8トランジスタT8は第9トランジスタT9のゲートをローレベルに放電し、プルダウンノードQBは第10トランジスタT10、第11トランジスタT11、第12トランジスタT12及び第13トランジスタT13により十分にローレベルに放電される。第16トランジスタT16はオフとなり、第Nステージのパルス信号G3(n)はハイレベルを出力し始める。
【0080】
リセット段階t2:第2走査信号G2(n)がハイレベルであるとき、第3トランジスタT3及び第4トランジスタT4がオンとなり、プルアップノードQがローレベルに放電され、さらに第15トランジスタT15、第10トランジスタT10、第11トランジスタT11、第12トランジスタT12及び第13トランジスタT13がオフとなる。これと同時に、ステージ伝送信号Coutがハイレベルに切り換えられ、第8トランジスタT8がオンとなり、オン状態の第8トランジスタT8が第9トランジスタT9のゲートをハイレベルに充電し、プルダウンノードQBが第9トランジスタT9によりハイレベルに充電される。第16トランジスタT16はオンとなり、第Nステージのパルス信号G3(n)はローレベルを出力する。
【0081】
上記のタイミングから明らかなように、第nステージの走査信号G1(n)がハイレベル、第2走査信号G2(n)がローレベルである場合、プルアップノードQの電位がプルアップされ、第15トランジスタT15を介してハイレベルの第Nステージのパルス信号G3(n)を出力する。第nステージの走査信号G1(n))がローレベルであり、第2走査信号G2(n)がハイレベルである場合、プルダウンノードQBの電位がプルアップされ、第16トランジスタT16によって第Nステージのパルス信号G3(n)をプルダウンする。したがって、第nステージの走査信号G1(n)と第2走査信号G2(n)との位相差を制御することによって、第Nステージのパルス信号G3(n)のパルス幅を調整することができる。例えば、図5に示すように、パッチ線を介して第n+1ステージの走査信号G1(n+1)を提供して第nステージの走査信号G1(n)を置き換えるとき、修復後の第Nステージのパルス信号の波形はG3(n)_repair1に示す。パッチ線を介して第n+2ステージの走査信号G1(n+2)を提供して第nステージの走査信号G1(n)を置き換えるとき、修復後の第Nステージのパルス信号の波形はG3(n)_repair2に示す。
【0082】
相応して、図6を参照すると、本願の実施例は、表示パネル1000をさらに提供する。表示パネル1000は表示領域AA及び表示領域AAに接続された非表示領域NAを含む。表示パネル1000は上述したいずれか一項に記載のゲート駆動回路100を含み、ゲート駆動回路100は非表示領域NAに位置する。
【0083】
表示パネル1000は他のGOA回路(図示せず)をさらに含み、ゲート駆動回路100に必要な複数組の走査信号、例えば第nステージの走査信号、第2走査信号等を提供する。
【0084】
本願の実施例にて提供される表示パネル1000において、ゲート駆動回路100は、多ステージゲート駆動ユニットと、少なくとも1本のパッチ線と、を含む。本願の実施例はパッチ線を追加することにより、第nステージのゲート駆動ユニットがアクセスした第nステージの走査信号が故障した場合に、パッチ線を介して第mステージの走査信号を提供することができ、第nステージのパルス信号を正常に出力できるようにし、それによってゲート駆動回路100の歩留まりを向上させ、表示パネル1000の品質を向上させる。
【0085】
以上、本願の実施例について詳細に紹介した。本明細書では、具体的な例を適用して本願の原理及び実施形態を説明したが、上記実施例の説明は、本願の方法及びその核心思想の理解を助けるためのものであり、これによって本願の特許範囲が限定されるものではない。本願の明細書及び図面の内容に対する等価な構造又は等価な流れの変換を利用したり、他の関連技術分野で直接的又は間接的に適用したりしても、本願の特許請求の範囲に含まれることは明らかである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-09-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲート駆動回路であって、
多ステージゲート駆動ユニットであって、前記多ステージゲート駆動ユニットにおける第nステージのゲート駆動ユニットは第1制御信号線に少なくとも接続され、前記第1制御信号線は前記ゲート駆動回路と異なる他のゲート駆動回路の第nステージから出力された走査信号にアクセスし、前記第nステージのゲート駆動ユニットは前記他のゲート駆動回路の前記第nステージから出力された走査信号の制御下で第nステージのパルス信号を出力するために用いられる多ステージゲート駆動ユニットと、
本のパッチ線であって、前記パッチ線は前記第1制御信号線と交差して異層に設けられ、各前記パッチ線は同層に設けられ、前記パッチ線は前記他のゲート駆動回路の第mステージから出力された走査信号を伝送するために用いられ、前記他のゲート駆動回路の第nステージから出力された走査信号が故障した場合に、1本の前記パッチ線は前記第1制御信号線を電気的に接続して、前記他のゲート駆動回路の第n-kステージから出力された走査信号又は前記他のゲート駆動回路の第n+kステージから出力された走査信号を提供し、前記第nステージのパルス信号を正常に出力できるようにし、n及びmはいずれも0よりも大きい正の整数であり、且つnはmよりも大きいか又は小さく、kは1よりも大きいか又はそれに等しい正の整数であるk本のパッチ線と、を含むことを特徴とするゲート駆動回路。
【請求項2】
前記ゲート駆動回路は信号伝送線をさらに含み、前記信号伝送線は前記他のゲート駆動回路の前記第nステージから出力された走査信号を伝送するために用いられ、前記信号伝送線は前記第1制御信号線と交差して異層に設けられ、前記信号伝送線はビアを介して前記第1制御信号線に接続されることを特徴とする請求項1に記載のゲート駆動回路。
【請求項3】
前記パッチ線は対応する前記他のゲート駆動回路の第mステージから出力された走査信号にアクセスすることを特徴とする請求項1に記載のゲート駆動回路。
【請求項4】
前記パッチ線は対応する前記他のゲート駆動回路の第mステージから出力された走査信号にアクセスすることを特徴とする請求項1に記載のゲート駆動回路。
【請求項5】
前記パッチ線は、少なくとも1本の第1パッチ線と、少なくとも1本の第2パッチ線と、を含み、
前記第1パッチ線は前記他のゲート駆動回路の前記第mステージから出力された走査信号にアクセスし、mはnよりも小さく、前記第2パッチ線は前記他のゲート駆動回路の前記第mステージから出力された走査信号にアクセスし、mはnよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のゲート駆動回路。
【請求項6】
前記第1パッチ線及び前記第2パッチ線はそれぞれ前記第1制御信号線の両側に位置することを特徴とする請求項5に記載のゲート駆動回路。
【請求項7】
前記パッチ線に修復マークが設けられ、前記パッチ線と前記第1制御信号線との交点が前記修復マークに対応することを特徴とする請求項1に記載のゲート駆動回路。
【請求項8】
前記第nステージのゲート駆動ユニットは、
高電位配線、第1低電位配線、前記第1制御信号線、第2制御信号線及びプルアップノードに接続され、前記プルアップノードの電位を制御するために用いられるプルアップ制御モジュールと、
前記高電位配線、前記プルアップノード及び信号出力端に接続され、前記プルアップノードの電位の制御下で前記第nステージのパルス信号を前記信号出力端で出力するために用いられるプルアップ出力モジュールと、
前記高電位配線、前記第2制御信号線、ステージ伝送配線、前記プルアップノード、前記第1低電位配線及びプルダウンノードに接続され、前記プルダウンノードの電位を制御するために用いられるプルダウン制御モジュールと、
第2低電位配線、前記信号出力端及び前記プルダウンノードに接続され、前記プルダウンノードの電位の制御下で前記信号出力端の電位をプルダウンするために用いられるプルダウンモジュールと、を含むことを特徴とする請求項1に記載のゲート駆動回路。
【請求項9】
前記プルアップ制御モジュールは、第1トランジスタ、第2トランジスタ、第3トランジスタ及び第4トランジスタを含み、
前記第1トランジスタのゲート及び前記第2トランジスタのゲートはいずれも前記第1制御信号線に接続され、前記第1トランジスタのソースは前記高電位配線に接続され、前記第1トランジスタのドレインは前記第2トランジスタのソースに接続され、前記第2トランジスタのドレインは前記プルアップノードに接続され、前記第3トランジスタのゲート及び前記第4トランジスタのゲートはいずれも前記第2制御信号線に接続され、前記第3トランジスタのソースは前記第1低電位配線に接続され、前記第3トランジスタのドレイン及び前記第4トランジスタのソースは第1ノードに接続され、前記第4トランジスタのドレインは前記プルアップノードに接続されることを特徴とする請求項8に記載のゲート駆動回路。
【請求項10】
前記プルアップ制御モジュールは第5トランジスタ、第6トランジスタ、第7トランジスタ及び第1キャパシタをさらに含み、
前記第5トランジスタのゲート、前記第6トランジスタのドレイン及び前記第1キャパシタの一端はいずれも前記プルアップノードに接続され、前記第5トランジスタのソースは前記高電位配線に接続され、前記第5トランジスタのドレイン、前記第6トランジスタのソース及び前記第7トランジスタのドレインはいずれも前記第1ノードに接続され、前記第6トランジスタのゲート及び前記第7トランジスタのゲートはいずれも前記プルダウンノードに接続され、前記第7トランジスタのソースは前記第1低電位配線に接続され、前記第1キャパシタの他端は前記信号出力端に接続されることを特徴とする請求項9に記載のゲート駆動回路。
【請求項11】
前記プルダウン制御モジュールは第8トランジスタ、第9トランジスタ及び第2キャパシタを含み、
前記第8トランジスタのゲートは前記ステージ伝送配線に接続され、前記第8トランジスタのソースは前記第2制御信号線に接続され、前記第8トランジスタのドレイン、前記第2キャパシタの一端及び前記第9トランジスタのゲートは接続され、前記第2キャパシタの他端及び前記第9トランジスタのソースはいずれも前記高電位配線に接続され、前記第9トランジスタのドレインは前記プルダウンノードに接続されることを特徴とする請求項8に記載のゲート駆動回路。
【請求項12】
前記プルダウン制御モジュールは第10トランジスタ、第11トランジスタ、第12トランジスタ、第13トランジスタ及び第14トランジスタをさらに含み、
前記第10トランジスタのゲート及び前記第11トランジスタのゲートはいずれも前記プルアップノードに接続され、前記第10トランジスタのドレイン、前記第12トランジスタのドレイン及び前記第14トランジスタのゲートはいずれも前記プルダウンノードに接続され、前記第10トランジスタのソース、前記第11トランジスタのドレイン、前記第12トランジスタのソース、前記第13トランジスタのドレイン及び前記第14トランジスタのドレインはいずれも第2ノードに接続され、前記第11トランジスタのソース及び前記第13トランジスタのソースはいずれも前記第1低電位配線に接続され、前記第12トランジスタのゲート及び前記第13トランジスタのゲートはいずれも前記第1制御信号線に接続され、前記第14トランジスタのソースは前記高電位配線に接続されることを特徴とする請求項11に記載のゲート駆動回路。
【請求項13】
表示パネルであって、前記表示パネルは表示領域及び前記表示領域に接続された非表示領域を含み、前記表示パネルは請求項1~12のいずれか一項に記載のゲート駆動回路と、前記ゲート駆動回路と異なる他のゲート駆動回路とを含み、前記ゲート駆動回路は前記非表示領域に位置することを特徴とする表示パネル。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0002】
アレイ基板行駆動技術(Gate Driver On Array、GOA)は、ゲート駆動回路を表示パネルのアレイ基板上に集積し、プログレッシブ走査を実現する駆動方式である(例えば、中国特許出願公開第115620658号明細書を参照)。この駆動技術は、ゲートICチップを省くことができ、生産コストの低減とパネルの狭額縁設計を実現する利点を有し、多くのディスプレイに用いられる。