(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161879
(43)【公開日】2024-11-20
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
H04N 23/63 20230101AFI20241113BHJP
G03B 17/20 20210101ALI20241113BHJP
【FI】
H04N23/63 110
G03B17/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2023204780
(22)【出願日】2023-12-04
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100199314
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 寛
(72)【発明者】
【氏名】大塚 浩一
【テーマコード(参考)】
2H102
5C122
【Fターム(参考)】
2H102BA12
5C122DA04
5C122EA42
5C122EA61
5C122FA07
5C122FA11
5C122FG15
5C122FH02
5C122FK24
5C122FK29
5C122FK37
5C122FK38
5C122FK40
5C122FK41
5C122FL05
5C122FL08
5C122GA23
5C122HB01
5C122HB03
5C122HB05
5C122HB09
(57)【要約】
【課題】ユーザの趣向に応じて画像に対する色変換データの適用を行いやすくすることができる撮像装置を提供する。
【解決手段】撮像装置(100)は、被写体像を撮像して、画像データを生成する撮像部(115)と、画像中の色情報を変換する前後の対応関係をそれぞれ規定する複数の色変換データを記憶する記憶部(145)と、画像データに基づいて第1のライブビュー画面を表示する表示部(130)と、第1の操作部材(156)を含む操作部(150)と、操作部におけるユーザの操作に応じて、表示部を制御する制御部(135)とを備える。制御部は、第1のライブビュー画面が表示部に表示された状態において、第1の操作部材に対する第1の操作が入力されると、第1のライブビュー画面から色変換データの選択画面に表示部を遷移させる。色変換データの選択画面は、操作部におけるユーザの選択に応じて複数の色変換データから選択中の色変換データを表示する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体像を撮像して、画像データを生成する撮像部と、
画像中の色情報を変換する前後の対応関係をそれぞれ規定する複数の色変換データを記憶する記憶部と、
前記画像データに基づいて第1のライブビュー画面を表示する表示部と、
第1の操作部材を含む操作部と、
前記操作部におけるユーザの操作に応じて、前記表示部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記第1のライブビュー画面が前記表示部に表示された状態において、前記第1の操作部材に対する第1の操作が入力されると、前記第1のライブビュー画面から前記色変換データの選択画面に前記表示部を遷移させ、
前記色変換データの選択画面は、前記操作部におけるユーザの選択に応じて前記複数の色変換データから選択中の色変換データを表示する
撮像装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記色変換データの選択画面が前記表示部に表示された状態において前記選択中の色変換データを決定する指示が前記操作部に入力されると、前記色変換データの選択画面から、第2のライブビュー画面に前記表示部を遷移させ、
前記第2のライブビュー画面は、前記決定された色変換データを適用する画像処理が前記画像データに行われたライブビュー画像を表示する
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第2のライブビュー画面が前記表示部に表示された状態において、前記第1の操作部材に前記第1の操作が入力されると、前記第2のライブビュー画面から前記色変換データの選択画面に前記表示部を遷移させる
請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記制御部は、所定の撮影モードを含む複数の撮影モードを有し、
前記所定の撮影モードは、前記色変換データの選択画面及び前記第2のライブビュー画面において前記色変換データを適用し、
前記第1のライブビュー画面は、前記複数の撮影モードのうちの前記所定の撮影モードとは異なる撮影モードにおけるライブビュー画像を表示する
請求項2に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記操作部は、前記第1の操作部材とは異なる第2の操作部材をさらに含み、
前記制御部は、
前記複数の撮影モードのうちの前記所定の撮影モードとは異なる撮影モードにおいて、前記第1の操作部材に前記第1の操作が入力されると、前記色変換データの選択画面に前記表示部を遷移させることで前記所定の撮影モードに移行し、
前記色変換データの選択画面が前記表示部に表示された状態において前記第2の操作部材に対する第2の操作が入力されると、前記所定の撮影モードに移行する前の撮影モードにおいて前記第1のライブビュー画面を前記表示部に表示させる
請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記色変換データの選択画面が前記表示部に表示された状態において前記第2の操作とは異なる第3の操作が前記操作部に入力されると、前記第1及び第2のライブビュー画面のうちの、前記色変換データの選択画面に遷移する前のライブビュー画面に前記表示部を遷移させる
請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記表示部が前記第1のライブビュー画面から前記色変換データの選択画面に遷移した場合、前記表示部に、前記第2の操作を促す操作情報を表示させ、
前記表示部が所定のメニュー画面から前記色変換データの選択画面に遷移した場合、前記表示部に、前記第2の操作についての前記操作情報を表示させない
請求項5に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記色変換データの選択画面は、前記画像データに前記選択中の色変換データを適用する画像処理が行われたライブビュー画像を含む
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記画像データに対して、前記色変換データを適用する画像処理を行う画像処理部をさらに備える
請求項1に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、LUT(ルックアップデーブル)といった色変換データを用いる撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、LUTを用いた画像処理を行う撮像装置を開示する。この撮像装置は、LUTとは別のフォトスタイルに対応する複数の第1パラメータセットのうちの1つと、LUTに対応する少なくとも1つの第2パラメータセットのうちの1つとの組合せを指定するユーザ操作を受け付ける操作部を備える。特許文献1は、この撮像装置におけるLUTの選択画面には、設定メニュー画面からマイフォトスタイルの設定画面およびLUTの設定画面を経由して、ユーザが画面毎の操作を行うことによって到達できることを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、ユーザの趣向に応じて画像に対する色変換データの適用を行いやすくすることができる撮像装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示における撮像装置は、被写体像を撮像して、画像データを生成する撮像部と、画像中の色情報を変換する前後の対応関係をそれぞれ規定する複数の色変換データを記憶する記憶部と、画像データに基づいて第1のライブビュー画面を表示する表示部と、第1の操作部材を含む操作部と、操作部におけるユーザの操作に応じて、表示部を制御する制御部とを備える。制御部は、第1のライブビュー画面が表示部に表示された状態において、第1の操作部材に対する第1の操作が入力されると、第1のライブビュー画面から色変換データの選択画面に表示部を遷移させる。色変換データの選択画面は、操作部におけるユーザの選択に応じて複数の色変換データから選択中の色変換データを表示する。
【発明の効果】
【0006】
本開示における撮像装置によると、ユーザの趣向に応じて画像に対する色変換データの適用を行いやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態1に係るデジタルカメラの構成例を示すブロック図
【
図5】実施形態1に係るデジタルカメラのフラッシュメモリに格納されるデータ構造の一例を示す図
【
図6】実施形態1に係るデジタルカメラにおけるベースフォトスタイルの設定方法の一例を説明するためのフローチャート
【
図7】デジタルカメラにおけるLUT適用モードのメニュー設定の表示例を示す図
【
図8】デジタルカメラにおけるLUTボタンを用いた動作の表示例を示す図
【
図9】デジタルカメラにおけるLUTボタンを用いた動作を例示するフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、適宜図面を参照しながら、実施形態を説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。なお、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面及び以下の説明が提供されるのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図しない。
【0009】
(実施形態1)
1.構成
1-1.ハードウェア構成
図1は、本開示の実施形態1に係るデジタルカメラ100の構成例を示すブロック図である。デジタルカメラ100は、被写体像を撮像して画像データを生成する。デジタルカメラ100によって生成される画像データは、動画像データ及び静止画像データを含む。
【0010】
デジタルカメラ100は、光学系110を介して形成された被写体像をイメージセンサ115で撮像して元画像データ(RAWデータ)を生成する。画像処理部120は、イメージセンサ115により生成されたRAWデータに対して各種処理を施して画像データを生成する。コントローラ135は、画像処理部120にて生成された画像データを、フラッシュメモリ145又はカードスロット141に装着されたメモリカード142に記録する。また、コントローラ135は、フラッシュメモリ145又はメモリカード142に記録された画像データを、ユーザによる操作部150の操作に従いディスプレイ130上に表示させること(再生)ができる。
【0011】
光学系110は、フォーカスレンズ、ズームレンズ、光学式手ぶれ補正レンズ(OIS)、絞り、シャッタ等を含む。光学系110に含まれる各種レンズは、何枚から構成されてもよいし、何群から構成されてもよい。
【0012】
イメージセンサ115は、光学系110を介して形成された被写体像を撮像してRAWデータを生成する。イメージセンサ115は、所定のフレームレート(例えば、30フレーム/秒)で新しいフレームの画像データを生成する。イメージセンサ115における、RAWデータの生成タイミング及び電子シャッタ動作は、コントローラ135によって制御される。なお、イメージセンサ115は、CMOSイメージセンサ、CCDイメージセンサ、又はNMOSイメージセンサなど、種々のイメージセンサを用いてもよい。イメージセンサ115は、本実施形態における撮像部の一例である。
【0013】
画像処理部120は、イメージセンサ115から出力されたRAWデータに対して各種の処理を施して画像データを生成する。また、画像処理部120は、メモリカード142から読み出した画像データに各種の処理を施して、ディスプレイ130に表示するための画像を生成する。各種の処理としては、ホワイトバランス補正、ガンマ補正、YC変換処理、電子ズーム処理、圧縮処理、伸張処理、ルックアップテーブル(LUT)を用いた画像処理等が挙げられるが、これらに限定されない。画像処理部120は、ハードワイヤードな電子回路で構成されてもよいし、プログラムを用いたマイクロコンピュータ等で構成されてもよい。
【0014】
ディスプレイ130は、情報を表示することができる液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示装置である。例えば、ディスプレイ130は、画像処理部120にて処理された画像データに基づく画像を表示する。また、ディスプレイ130は、ユーザがデジタルカメラ100の設定を確認するためのメニュー画面を表示する。
【0015】
コントローラ135は、デジタルカメラ100全体の動作を統括制御する。コントローラ135は、プログラムを実行することで所定の機能を実現するように構成されたプロセッサを含んでもよい。例えば、コントローラ135は、CPU、MPU、GPU、DSU、FPGA、ASIC等の種々のプロセッサで実現できる。コントローラ135は、1つ又は複数のプロセッサで構成されてもよい。また、コントローラ135は、画像処理部120等と共に1つの半導体チップで構成されてもよい。図示していないが、コントローラ135はROMを内蔵する。ROMには、コントローラ135により実行されるオートフォーカス制御(AF制御)のような、様々なプログラムが記憶されている。また、コントローラ135はCPUの作業領域として機能するRAM(図示せず)を内蔵している。
【0016】
バッファメモリ125は、画像処理部120やコントローラ135のワークメモリとして機能する記録媒体である。バッファメモリ125は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等により実現される。
【0017】
カードスロット141には、メモリカード142が着脱可能に挿入される。カードスロット141は、メモリカード142を電気的及び機械的に接続可能である。メモリカード142は、内部にフラッシュメモリ等の記録素子を備えた外部メモリである。メモリカード142は、LUT及び画像処理部120で生成される画像データ等のデータを格納できる。
【0018】
通信モジュール143は、既存の有線通信規格又は無線通信規格に従ってデータ通信を行う。例えば、デジタルカメラ100は、通信モジュール143を介して、インターネット等の通信ネットワーク、及び/又はWi-Fiモジュールを搭載した他の機器等と通信することができる。デジタルカメラ100は、通信モジュール143を介して、他の機器と直接通信を行ってもよいし、アクセスポイント経由で通信を行ってもよい。
【0019】
フラッシュメモリ145は不揮発性の記録媒体である。フラッシュメモリ145は、後述のLUT、フォトスタイル設定情報10、LUT設定情報11、画像データ等の種々のデータを記憶することができる。
【0020】
操作部150は、デジタルカメラ100のハードキー、ソフトウェアキー等のユーザインタフェースの総称であり、ユーザによる操作を受け付ける。操作部150は、例えば、ボタン、モードダイヤル、タッチパネル、スイッチを含む。操作部150はユーザによる操作を受け付けると、ユーザ操作に対応した操作信号をコントローラ135に送信する。
【0021】
図2では、操作部150の例として、レリーズボタン151、カーソルボタン152、決定ボタン153、タッチパネル155、および複数のファンクションボタン(Fnボタン)156,157,158が示されている。
【0022】
レリーズボタン151は、二段押下式のボタンである。レリーズボタン151がユーザにより半押し操作されると、コントローラ135はオートフォーカス制御(AF制御)やオート露出制御(AE制御)などを実行する。また、レリーズボタン151がユーザにより全押し操作されると、コントローラ135は、押下操作の撮影指示を受けて撮像された画像データを記録画像としてメモリカード142等に記録する。
【0023】
カーソルボタン152は、上下左右のそれぞれに対応する押下式ボタンを含み、ユーザによって押下された場合に、ディスプレイ130に表示される選択領域、カーソル等を移動させることができる。決定ボタン153は、押下式ボタンである。デジタルカメラ100が撮影モードあるいは再生モードにあるときに、決定ボタン153がユーザにより押下されると、コントローラ135はディスプレイ130にメニュー画面を表示してもよい。メニュー画面は、撮影/再生のための各種条件を設定するための画面である。
【0024】
Fnボタン156~158は、それぞれデジタルカメラ100おける特定の機能が割り当てられた押下式ボタンである。本実施形態では、Fnボタン156に、後述するLUT選択画面を呼び出す機能が割り当てられた場合について説明する。以下、Fnボタン156を「LUTボタン156」ともいう。
【0025】
操作部150において、以上のような種々のボタンによる操作は、物理的なボタンだけでなく、例えばディスプレイ130に仮想的なボタンを表示してタッチパネル155によってタッチ操作を受け付けることにより実行可能なように構成されてもよい。
【0026】
1-2.フォトスタイルとLUT
デジタルカメラ100は、ユーザの好みの色調及び画質で画像を簡単に撮影可能なように、予め用意された複数の撮影モードを有している。以下、この撮影モードを「フォトスタイル」という。さらに、本実施形態のデジタルカメラ100では、各フォトスタイルに対して、例えばユーザが好みに合わせて外部から取り込んだ、カラーグレーディングのためのLUTを適用できるようになっている。
【0027】
1-2-1.フォトスタイル
デジタルカメラ100において、あるフォトスタイルが選択されると、そのフォトスタイルが示す効果を有する画像が生成されるように種々のパラメータが設定される。具体的には、フォトスタイル毎に、そのフォトスタイルが示す効果が得られるように、コントラスト、ハイライト、シャドウ、彩度、色調、色相、フィルタ効果、粒状、シャープネス、ノイズリダクション等の各パラメータの値が設定される。このように、各フォトスタイルは、RAWデータが示す画像を調整する画像調整パラメータセットとして構成される。
【0028】
デジタルカメラ100には、
図3に例示するように、「スタンダード」、「ヴィヴィッド」、「ナチュラル」、「フラット」、「モノクローム」、「Log」等のフォトスタイルが用意されている。「スタンダード」は標準的な設定であり、「ヴィヴィッド」は、彩度及びコントラストが高めで鮮やかな効果が得られるモードである。「ナチュラル」は、コントラストが低めで柔らかな効果が得られるモードである。「モノクローム」は、色味がない単色の効果を得るモードである。フォトスタイルが後述する「リアルタイムLUT」である場合、上記の画像調整パラメータセットは、LUTの適用に関する濃度を含んでもよい。
【0029】
「Log」は、撮像素子によるダイナミックレンジを広く活用するための、対数曲線的なガンマ曲線を用いた画像(以下「Log画像」)の撮影を行うモードであり、Logガンマとも呼ばれる。「フラット」は、Logガンマの代わりに平坦なガンマ曲線を用いるモードであり、他のフォトスタイルと比較して誇張を抑えたような効果が得られる。
【0030】
1-2-2.LUT
例えば、LUTは、情報処理装置によってサーバからダウンロードされ、デジタルカメラ100のフラッシュメモリ145内に予め格納される。
【0031】
LUTは、入力画像中の画素毎の色情報を変換する前後の対応関係を規定する配列(パラメータセット)である。LUTは、例えば、RGBの3色の組合せからなる入出力色データ間の関係を示す3次元ルックアップテーブルである。画像処理部120は、LUTを参照することで、入力画像データの色を出力画像データの色に変換する画像処理を行う。
【0032】
デジタルカメラ100において、LUTには、例えば
図3に示すように、出力画像データの色味、テーマ、作成者の意図等に応じて、「ヴィンテージ」、「ローズ」、「ファッション」等の名称が設定可能である。
【0033】
ユーザが独自のLUTを作成しようとした場合、彩度及びコントラストが低いLog画像の色味からの色補正を試みるより、スタンダードなどの方がLUTを作成し易く、肉眼で被写体を見たときに人が感じる色に近い色味からの色補正を試みる方が色補正の効果がわかりやすい。したがって、独自のLUTがデジタルカメラ100において利用可能であることにより、ユーザは、好みに合うLUTを作成して使用しやすい。
【0034】
1-2-3.LUTが適用されるフォトスタイルの選択
昨今流通しているLUTは、一般的に、Log画像に適用することを想定して作成されている。ユーザは、Log画像用のLUTを、例えばインターネットにおいて無償で取得したり、画像処理の専門家等の販売者から購入したりして、デジタルカメラ100に取り込むことができる。
【0035】
本実施形態のデジタルカメラ100は、画像データに対して適用可能なLUTがLog画像用でなければならないという固定観念に囚われないようにするべく、
図3に示すように、ユーザがLUTを好みのフォトスタイルに組み合わせる選択肢を提供する。
【0036】
例えば、ユーザは、「スタンダード」、「ヴィヴィッド」、「ナチュラル」、「フラット」、「モノクローム」等の中で所望のフォトスタイルを前提としてLUTを作成し、メモリカード142等を介してフラッシュメモリ145内に格納することができる。これにより、例えばフォトスタイル「スタンダード」が示す効果を有する画像には、Log画像用のLUTではなく、スタンダード画像用のLUTを適用することができる。
【0037】
意図した画質の画像に意図したLUTを適用するためには、LUTの適用時に、LUTが適用されるベースとなる画像が、ユーザが意図した画質を有する画像に設定されている必要がある。例えば、ユーザが、フォトスタイル「スタンダード」が示す効果を有する画像にスタンダード画像用のLUTを適用したい場合、LUTの適用時には、LUT適用のベースとなるフォトスタイル(以下、「ベースフォトスタイル」という。)として「スタンダード」が予め選択されている必要がある。
【0038】
LUT適用前にベースフォトスタイルを選択する手段として、適用対象のLUTに対応する適切なベースフォトスタイルをユーザが手動で選択することが考えられる。しかしながら、このような手段を実現するには、ユーザが各LUTのベースフォトスタイルを記憶し、かつ、LUT適用前にベースフォトスタイルの設定操作を行う必要がある。ユーザがベースフォトスタイルを記憶していない場合、又はベースフォトスタイルの設定操作を怠った場合には、ユーザが意図した画像が得られないことがある。
【0039】
本実施形態のデジタルカメラ100は、ユーザ操作によって選択されたLUTに応じて、ベースフォトスタイルを自動的に選択し、画像データに対して選択されたLUTとベースフォトスタイルとを適用する。これにより、デジタルカメラ100は、ユーザがベースフォトスタイルを記憶していない場合やベースフォトスタイルの設定操作を怠った場合であっても、ユーザが意図した画像を得やすくすることができる。
【0040】
このようなベースフォトスタイルの選択を可能とするために、本実施形態では、LUTを記述するcubeファイルなどのLUTファイルであるLUT設定情報11は、ベースフォトスタイルを指定する指定情報を含む。
図4は、LUT設定情報11の一例を示す図である。
図4のLUT設定情報11には、ベースフォトスタイルを指定する指定情報の一例として、タグTが記述されている。タグTの詳細については後述する。
【0041】
1-2-4.データ構造
図5は、本実施形態に係るデジタルカメラ100のフラッシュメモリ145に格納されるデータ構造の一例を示す図である。フラッシュメモリ145において、フォトスタイル及びLUTに関する設定情報は、それぞれフォトスタイル設定情報10及びLUT設定情報11として管理されている。
【0042】
図5において、フォトスタイル設定情報10は、1つ以上(n個)のフォトスタイルに関する設定情報を含む。LUT設定情報11は、1つ以上(m個)のLUTに関する設定情報を含む。
【0043】
図5に示すように、LUT設定情報11内の各LUTに関する設定情報には、ベースフォトスタイルを指定する指定情報の一例であるベースフォトスタイル情報が含まれる。ベースフォトスタイル情報は、LUT設定情報11を記述するテキストファイル内に、
図4に例示したタグTとして記述される。
【0044】
図4にタグTとして示した「#PHOTOSTYLE STD」は、フォトスタイル「スタンダード」に対応する。LUT設定情報11を記述するテキストファイル内に、タグTとして
図4のように「#PHOTOSTYLE STD」と記述されている場合、ベースフォトスタイル情報は、ベースフォトスタイルとして「スタンダード」を指定する。
【0045】
他のタグTとして、例えば、「#PHOTOSTYLE VIVD」はフォトスタイル「ヴィヴィッド」に対応し、「#PHOTOSTYLE NAT」はフォトスタイル「ナチュラル」に対応し、「#PHOTOSTYLE FLAT」はフォトスタイル「フラット」に対応し、「#PHOTOSTYLE MONO」はフォトスタイル「モノクローム」に対応する。こうしたタグTは一例であり、種々の文字列、数値および記号などにより検索タグが構成されてもよい。
【0046】
2.動作
2-1.LUT及びベースフォトスタイルの設定動作
デジタルカメラ100において、以上のようなLUTの設定及び選択は、ディスプレイ130及び操作部150を用いてユーザが容易に行えるように構成されている。また、デジタルカメラ100において、選択されたLUTのベースであるベースフォトスタイルの選択は、コントローラ135によって自動的に行われる。
図6を用いて、デジタルカメラ100におけるLUT及びベースフォトスタイルの設定方法の一例を説明する。
【0047】
図6は、本実施形態に係るデジタルカメラ100における、ベースフォトスタイルの設定方法の一例を説明するためのフローチャートである。
図6のフローチャートに示す各処理は、コントローラ135によって実行される。
【0048】
ユーザは、操作部150を用いて所望のLUTを選択することにより、LUT設定情報11を設定することができる。コントローラ135は、ユーザ操作によって設定されたLUT設定情報11を取得する(S1)。
【0049】
コントローラ135は、取得したLUT設定情報11にベースフォトスタイル情報が含まれているか否かを判定する(S2)。
【0050】
LUT設定情報11にベースフォトスタイル情報が含まれている場合(S2でYes)、コントローラ135は、フォトスタイルを、ベースフォトスタイル情報に対応するフォトスタイルに設定する(S3)。例えば、
図4のようにLUT設定情報11にタグTとして「#PHOTOSTYLE STD」が含まれている場合、コントローラ135は、フォトスタイルを「スタンダード」に設定する。
【0051】
LUT設定情報11にベースフォトスタイル情報が含まれていない場合(S2でNo)、コントローラ135は、フォトスタイルを、デフォルトのフォトスタイルに設定する(S4)。デフォルトのフォトスタイルは、例えば「Log」であるが、これに限定されず、任意のフォトスタイルに設定可能であってもよい。ステップS2は上記に限らず、例えば当該デジタルカメラ100には実装されていないフォトスタイルなど、コントローラ135がベースフォトスタイルを認識できない場合もNoに進む。
【0052】
2-1-1.LUT適用モードのメニュー設定
本実施形態において、デジタルカメラ100は、例えばリアルタイムの撮像画像にLUTを適用可能なモード(即ちLUT適用モード)を、ユーザが選択可能な複数のフォトスタイルのうちの1つとして提供する。デジタルカメラ100におけるLUT適用モードのメニュー設定について、
図7(A)~(D)を用いて説明する。
【0053】
図7(A)は、デジタルカメラ100における設定メニュー画面を例示する。
図7(A)~(D)は、
図6のステップS1におけるLUT設定情報11の設定の際にデジタルカメラ100のディスプレイ130に一連の流れで表示される表示画面の一例を示す。
【0054】
例えば、ユーザは、デジタルカメラ100における各種設定を変更するために、
図7(A)に例示するような設定メニューを利用できる。本例において、デジタルカメラ100は、ディスプレイ130において「フォトスタイル」などの種々の設定項目を表示して、操作部150において各種設定項目を選択するユーザ操作を受け付ける。
図7(A)において設定項目「フォトスタイル」が選択された場合に遷移する設定画面を
図7(B)に例示する。
【0055】
図7(B),(C)は、フォトスタイル設定画面を例示している。
図7(B)では、事前に設定されたフォトスタイルが「ナチュラル」である場合を例示する。
図7(B)の設定画面には、フォトスタイルを選択するためのフォトスタイル選択メニュー21、フォトスタイル表示23、パラメータ表示24等が表示されている。
【0056】
フォトスタイル選択メニュー21には、選択候補であるフォトスタイルに対応するテキスト又は図が表示される。例えば、フォトスタイル選択メニュー21には、「スタンダード」、「ヴィヴィッド」等の選択候補のフォトスタイルを示すテキストが表示される。
図7(A)の設定メニュー画面から遷移した直後のフォトスタイル設定画面には、
図7(B)に示すように、設定中のフォトスタイルが表示される。
【0057】
図7(C)は、
図7(B)からユーザ操作によりフォトスタイルが変更された状態のフォトスタイル設定画面を例示する。例えば、デジタルカメラ100は、ユーザが左右方向のカーソルボタン152を押下することにより選択候補のフォトスタイルを変更し、決定ボタン153を押下することにより適用するフォトスタイルを決定する。
図7(C)の設定画面には、上述した
図7(B)の設定画面における各種表示21,23,24に加えて、更にLUT切替メニュー22及びLUT選択ボタン25が表示されている。
【0058】
図7(C)の例では、フォトスタイル選択メニュー21には、「リアルタイムLUT」と表示されている。「リアルタイムLUT」は、ユーザが所望のLUTを適用可能となるフォトスタイルの一種としてLUT適用モードをユーザに提供する際のフォトスタイル名である。本フォトスタイルでは、
図7(C)に示すように、LUT適用モードのONとOFFとを切り替えるLUT切替メニュー22が表示される。LUT切替メニュー22には、LUTを特定するLUTファイル名(
図7(C)では「LUT1」)と、LUTが現在ONであるかOFFであるかを示す状態表示とが表示されている。ユーザは、例えば左右方向のカーソルボタン152を押下することにより、LUT適用モードのONとOFFとを切り替えることができる。
【0059】
フォトスタイル表示23には、撮像画像に適用されるフォトスタイル(
図7(C)では「スタンダード」)を示すテキスト又は図が表示される。本実施形態では、LUTが適用される(LUT切替メニュー22で「ON」である)場合、ベースフォトスタイルの選択は、コントローラ135によって自動的に行われる。
【0060】
この場合、ベースフォトスタイルの選択が自動的に行われるため、デジタルカメラ100は、ユーザによるフォトスタイルの変更を不可としてもよい。この場合、コントローラ135は、ユーザがフォトスタイルを変更できないことを示すために、フォトスタイル表示23をグレーアウトさせてもよい。
図7(C)では、フォトスタイル表示23はグレーアウトされている。
【0061】
パラメータ表示24は、例えば上述したフォトスタイルの各種パラメータの値を含む。例えば、ユーザは、所望の調整可能なパラメータを選択して左右方向のカーソルボタン152を押下することにより、コントラスト、ハイライト、シャドウ、彩度、粒状、シャープネス、ノイズリダクション、濃度等のパラメータの値を変更する操作を入力できる。ベースフォトスタイルが「スタンダード」、「ヴィヴィッド」、「ナチュラル」、「フラット」、「モノクローム」等のフォトスタイルである場合の他、「Log」である場合であっても、ユーザは、各パラメータの値を調整することができる。変更後のパラメータは、表示画面に表示される画像にリアルタイムで反映されるため、ユーザは、効果を確認しながらパラメータを変更することができる。こうしたユーザ操作に応じて、コントローラ135は、ユーザ操作により変更されたパラメータを示すパラメータ変更情報を取得する。
【0062】
ユーザがLUT選択ボタン25を押下すると、コントローラ135は、
図7(D)に示すLUT選択画面に表示画面を遷移させる。
【0063】
図7(D)のLUT選択画面には、LUT選択メニュー26が表示されている。ユーザは、例えば左右方向のカーソルボタン152を押下することにより、LUTを選択することができる。LUT選択メニュー26においては、例えば予めデジタルカメラ100のフラッシュメモリ145に格納されたLUT設定情報11(
図5)における複数のLUT1~LUTm(以下「LUTライブラリ」ともいう)の中から、ユーザ操作により所望のLUTを選択できる。
【0064】
以上のようにメニュー設定において適用するLUTを選択したい場合、ユーザは、まず
図7(A)の設定メニュー画面から
図7(B)の選択画面に移る操作を行って、次にフォトスタイルを「リアルタイムLUT」に変更する操作を行う。さらに、ユーザは、
図7(C)の設定画面から
図7(D)のLUT選択画面に移って操作を行う必要があり、一連のユーザ操作による手間が掛かる。
【0065】
そこで、本実施形態のデジタルカメラ100は、上記のような手間を省き、ユーザが適用したいLUTを即時に利用可能にするLUTボタン156を備える。
【0066】
2-2.LUTボタンを用いた動作
本実施形態のデジタルカメラ100においてLUTボタン156を用いた動作の概要を、
図8(A)~(C)を用いて説明する。
【0067】
図8(A)は、デジタルカメラ100においてLUT適用モードの使用前のフォトスタイルのライブビュー画面を例示する。
図8(B)は、本実施形態のデジタルカメラ100におけるLUTボタン156の操作によるLUT選択画面を例示する。
図8(C)は、LUT適用モードの使用中のライブビュー画面を例示する。
【0068】
図8(A)では、デジタルカメラ100のユーザが使用中のフォトスタイルは「リアルタイムLUT」とは異なる場合の撮影待機状態を例示する。
図8(A)の例において、ディスプレイ130は、特にLUTを適用せずに、使用中のフォトスタイルにおいてライブビュー画像30を表示している。本例において、使用中のフォトルタイルは「ナチュラル」である。
【0069】
本実施形態のデジタルカメラ100によると、ユーザは、例えば
図8(A)に示すようにLUT適用モードでない状態から、LUTボタン156の操作により即座に、
図8(B)に例示するようにLUT選択画面に到ることができる。
【0070】
本実施形態において、LUTボタン156の操作によるLUT選択画面は、
図8(B)に例示するように、LUT選択欄50と、LUT変更ボタン51と、ライブビュー画像40とを含む。LUT選択欄50は、選択中のLUTのファイル名を表示する。LUT変更ボタン51は、例えばタッチ操作により選択中のLUTを変更するユーザ操作を受け付ける。本実施形態のLUT選択画面では、LUT選択欄50において選択中のLUTが、ライブビュー画像40に適用される。さらに、本例のLUT選択画面は、Qボタン52と、決定ボタン53と、戻るボタン54とを含む(詳細は後述)。
【0071】
図8(C)では、ユーザにとって使用中のフォトスタイルが「リアルタイムLUT」である場合の撮影待機状態を例示する。
図8(C)の例において、ディスプレイ130は、ユーザの選択結果として決定されたLUTを適用したライブビュー画像40を表示している。本実施形態のデジタルカメラ100によると、
図8(C)に例示するようにLUT適用モードの状態からも、ユーザはLUTボタン156の操作により即座に、
図8(B)のLUT選択画面に到ることができる。
【0072】
本実施形態のデジタルカメラ100によると、以上のようにLUTボタン156によって特にフォトスタイルの設定を経由せずにLUT適用モードへの即時移行を可能とし、種々の撮影待機状態(
図8(A),(C))からLUTの選択変更を行い易くできる。又、本実施形態のデジタルカメラ100は、LUTボタン156と共にLUT選択画面(
図8(B))で種々のユーザ操作を受け付けることにより、ユーザにとってLUT適用モード及びフォトスタイルを利用し易くすることができる。こうした本実施形態のデジタルカメラ100の動作の詳細を、以下説明する。
【0073】
2-2-1.動作の詳細
本実施形態のデジタルカメラ100におけるLUTボタン156を用いた動作の詳細を、
図8~
図9を用いて説明する。
【0074】
図9は、本実施形態のデジタルカメラ100におけるLUTボタン156を用いた動作を例示するフローチャートである。
図9のフローチャートに示す処理は、例えばデジタルカメラ100において「リアルタイムLUT」とは異なるフォトスタイルが使用された状態において開始する。又、例えばデジタルカメラ100のフラッシュメモリ145に、複数のLUTを含むLUTライブラリが、本フローの開始前に予め格納されている。
【0075】
まず、デジタルカメラ100のコントローラ135は、
図8(A)に示すように、特にLUTを適用せずにライブビュー画面をディスプレイ130に表示させる(S11)。例えば、コントローラ135は、フォトスタイル設定情報10(
図5)に基づき、イメージセンサ115の撮像結果に対して使用中のフォトスタイルを適用する画像処理を画像処理部120に行わせる。こうして、当該フォトスタイルの画質設定におけるライブビュー画像30が生成される。
【0076】
例えば上記のようにLUT適用モードでないライブビュー画面(
図8(A))が表示された状態において(S11)、コントローラ135は、LUTボタン156(
図2)を押下するユーザ操作を受け付ける(S12)。例えば、ステップS12でYESに進むと、デジタルカメラ100のコントローラ135は、LUT適用モードに移行する。コントローラ135は、例えばLUTボタン156の操作時(S12でYES)のフォトスタイルを示す管理情報を、フラッシュメモリ145に格納する。
【0077】
ステップS12において、コントローラ135は、操作部150においてLUTボタン156以外のユーザ操作を受け付けてもよい。例えば、フォトスタイルを変更する操作が入力されると(S12でNO)、コントローラ135は、変更されたフォトスタイルに応じてライブビュー画面の表示を更新する(S11)。ステップS12では、画像撮影の指示が入力されてもよく、例えばコントローラ135は、使用中のフォトスタイルの画像データを撮影結果としてカードスロット141を介してメモリカード142等に出力してもよい。
【0078】
LUTボタン156の操作が入力されると(S12でYES)、コントローラ135は、例えば
図8(A)のライブビュー画面から特に他の画面表示を介さず直接、
図8(B)に示すようにLUT選択画面に、ディスプレイ130を遷移させる(S13)。
【0079】
LUT選択画面の表示(S13)においては、デジタルカメラ100のLUTライブラリにおける何れかのLUTが選択的に適用される。例えば、初回のステップS13において、LUTライブラリにおける所定の位置(例えば冒頭)にあるLUTが使用される。また、デジタルカメラ100において過去に使用されたLUTがある場合、使用された最後のLUTを示す管理情報をフラッシュメモリ145に格納しておき、その後のステップS13においてコントローラ135が当該LUTを使用するようにしてもよい。
【0080】
例えばステップS13において、コントローラ135は、適用するLUTのファイル名をLUT選択欄50に表示して、当該LUTをライブビュー画像40に適用するように、画像処理部120を制御する。画像処理部120は、当該LUTのベースフォトスタイル情報(
図5)を参照して、イメージセンサ115からの画像データに対してベースフォトスタイルの画像処理を行って、更にベースフォトスタイルの画像に対して当該LUTを適用する画像処理を行う。画像処理部120は、こうして得られるLUT適用済みのライブビュー画像40にLUT選択欄50等を重畳して映像信号をディスプレイ130に出力する。
【0081】
LUT選択画面が表示された状態において(S13)、コントローラ135は、操作部150においてLUT選択画面に対する種々のユーザ操作を受け付ける(S14)。ステップS14の対象とするユーザ操作は、(i)LUT選択操作と、(ii)LUT決定操作と、(iii)戻る操作と、(iv)Qボタン操作とを含む。
【0082】
(i)LUT選択操作は、LUT選択欄50において選択中のLUTを変更するためのユーザ操作である。本ユーザ操作は、例えばLUT変更ボタン51のタッチ操作、或いは左右方向のカーソルボタン152の押下操作などに設定される。
【0083】
(ii)LUT決定操作は、LUT選択画面からLUTの決定を指示するためのユーザ操作である。本ユーザ操作は、例えば決定ボタン53のタッチ操作、或いは物理的な決定ボタン153の押下操作などに設定される。LUT決定操作は、レリーズボタン151の半押し操作であってもよい。
【0084】
(iii)戻る操作は、LUT選択画面への遷移前の状態にディスプレイ130の表示画面を戻すためのユーザ操作である。本ユーザ操作は、例えば戻るボタン54のタッチ操作、或いは対応するFnボタン158の押下操作などに設定される。
【0085】
(iv)Qボタン操作は、LUT適用モードを終える際に、LUT適用モードに移行する前のフォトスタイルといった撮影モードを再現するためのユーザ操作である。本ユーザ操作は、例えばQボタン52のタッチ操作、或いは対応するFnボタン157の押下操作などに設定される。
【0086】
なお、本実施形態のステップS14において、LUTボタン156の操作は無効に設定される(S24も同様)。すなわち、LUT選択画面の表示中に、ユーザがLUTボタン156を操作しても、コントローラ135は、特にLUT選択画面(
図8(B))からディスプレイ130を遷移させずに維持する。
【0087】
LUT選択画面の表示中に、LUT選択操作が入力されると(S14で(i))、コントローラ135は、入力されたLUT選択操作に応じて、LUT選択画面に適用するLUTを変更して(S15)、変更したLUTについてステップS13以降の処理を再び行う。こうして、その後のステップS13において表示されるLUT選択画面において、ユーザは、新たに選択したLUTの効果などを、当該LUTが適用されたライブビュー画像40で視覚的に確認できる。
【0088】
LUT決定操作が入力されると(S14で(ii))、コントローラ135は、例えば
図8(B)のLUT選択画面から、
図8(C)に示すようにリアルタイムLUTのライブビュー画面に、ディスプレイ130を遷移させる(S21)。
【0089】
ステップS21において、コントローラ135は、LUT決定操作時のLUT選択画面と同じLUTをライブビュー画像40に適用するように、画像処理部120を制御する。画像処理部120は、例えばベースフォトスタイル及びLUTの画像処理をステップS13と同様に行って、LUT適用モードのライブビュー画面(
図8(C))の映像信号をディスプレイ130に出力する。
【0090】
また、ステップS13のLUT選択画面の表示中に戻る操作が入力されると(S14で(iii))、コントローラ135は、例えばフラッシュメモリ145に格納されたフォトスタイルの管理情報を参照して、ステップS11の処理を再び行う。こうして、例えば
図8(B),(A)に示すように、ディスプレイ130は、ステップS12のLUTボタン156の操作による遷移前のフォトスタイルのライブビュー画面を再び表示する(S11)。
【0091】
また、コントローラ135は、LUT選択画面の表示中にQボタン操作が入力された場合(S14で(iv))、上記の戻る操作の場合(S14で(iii))と同様に、ステップS11の処理に戻る。こうした元のフォトスタイルのライブビュー表示(S11)は、デジタルカメラ100において、例えばLUT適用モードへの移行時(S12のYES)のフォトスタイルの管理情報を記憶しておくことにより行える。
【0092】
また、コントローラ135は、例えば上記のようにLUT適用モードのライブビュー画面(
図8(C))が表示された状態においても(S21)、ステップS12と同様に、LUTボタン156のユーザ操作を受け付ける(S22)。例えば、ユーザは、LUT適用モードすなわちフォトスタイル「リアルタイムLUT」の利用中に、適用するLUTを変更したいとき、或いは当該モードの利用を終えたいときに、LUTボタン156を操作する(S22でYES)。コントローラ135は、例えばLUTボタン156の操作時(S22でYES)のLUTを示す管理情報を、フラッシュメモリ145に格納する。
【0093】
ステップS22において、コントローラ135は、ステップS22と同様にLUTボタン156以外のユーザ操作を操作部150で受け付けてもよい。例えば、レリーズボタン151の操作により画像撮影の指示が入力されると(S22でNO)、コントローラ135は、イメージセンサ115の撮像結果に、選択中のLUTを適用した画像データを画像処理部120に生成させる。こうした撮影結果は、例えばカードスロット141を介してメモリカード142に出力される。例えばこうした画像撮影時に、ディスプレイ130は、LUT適用モードのライブビュー画面(
図8(C))を表示する(S21)。
【0094】
LUTボタン156の操作が入力されると(S22でYES)、コントローラ135は、例えば
図8(C)のライブビュー画面から特に他の画面表示を介さず直接、
図8(B)に示すようにLUT選択画面に、ディスプレイ130を遷移させる(S23)。ステップS23の処理は、例えば初回はLUTボタン156の操作時(S12でYES)のLUTを使用して、ステップS13と同様に行われる。
【0095】
こうしてLUT適用モード中にLUT選択画面が再び表示された状態において(S23)、コントローラ135は、ステップS14と同様に、操作部150においてLUT選択画面に対する各種ユーザ操作((i)~(iv))を受け付ける(S24)。
【0096】
例えば、LUT選択操作が入力されると(S24で(i))、コントローラ135は、ステップS15と同様に選択中のLUTを変更して(S25)、変更結果に応じてLUT選択画面の表示を更新する(S23)。
【0097】
また、LUT決定操作が入力されると(S24で(ii))、コントローラ135は、ステップS14で(ii)の場合と同様(
図8(B),(C)参照)、当該操作時に選択中のLUTを適用したライブビュー画面をディスプレイ130に表示させる(S21)。
【0098】
一方、ステップS23のLUT選択画面の表示中に戻る操作が入力されると(S24で(iii))、コントローラ135は、例えばフラッシュメモリ145に格納されたLUTの管理情報を参照して、適用するLUTを戻す(S26)。こうして、コントローラ135は、ステップS22のLUTボタン156の操作前のLUTに戻したLUT適用モードのライブビュー画面に、ディスプレイ130を遷移させる(S21)。
【0099】
また、コントローラ135は、上記のようにLUT選択画面の表示中にQボタン操作が入力されると(S24で(iv))、例えばフラッシュメモリ145に格納されたフォトスタイルの管理情報を参照して、ステップS11の処理に戻る。こうして、ディスプレイ130の画面遷移は、LUT選択画面(
図8(B))から、LUT適用モードに移行する前のフォトスタイルのライブビュー画面(
図8(A))に戻る。
【0100】
以上の処理によると、本実施形態のデジタルカメラ100は、例えばフォトスタイル「リアルタイムLUT」として提供されるLUT適用モードを、ユーザにとって利用し易くできる。例えば、ユーザは、デジタルカメラ100の撮影待機状態のフォトスタイルに拘わらず、LUTボタン156の操作により、LUT適用モードのLUT選択画面に即時に到ることができる(S11~S13,S21~S23)。
【0101】
又、ユーザは、例えば
図8(B)に示すように、LUT選択画面において様々なLUTを選択して(S14,S24の(i))、即時にその効果をライブビュー画像40で視認することができる(S13,S23)。例えば、ユーザは、撮影シーンに応じて、撮影現場においてライブビュー画像40上でLUTによる色変換の効果を確認でき、所望の効果のLUTを選択し易くできる。
【0102】
以上のように、本実施形態のデジタルカメラ100によると、例えばフォトスタイル「リアルタイムLUT」において、様々なLUTを撮影シーンに応じて切り替えながら画像撮影を行うといったユーザ体験を実現し易くできる。又、こうしたLUT適用モードの動作時に、本実施形態のデジタルカメラ100は、選択されるLUTに応じて画像データのベースフォトスタイルを適時、変更して(S15,S25)、LUTの効果を想定どおりに得やすくできる。
【0103】
また、本実施形態のデジタルカメラ100において、LUT選択画面の表示中にLUTボタン156は無効に設定される(S14,S24)。これにより、例えばLUT選択画面の表示中にユーザが誤ってLUTボタン156を操作しても、コントローラ135は、ディスプレイ130におけるLUT選択画面の表示を維持し、操作性を安定的にすることができる。
【0104】
また、LUTボタン156によると、フォトスタイルの設定を経由せずにLUT適用モードに移行することから、ユーザが、LUT適用モードに移行する前の元のフォトスタイルへの戻り方を把握していない事態が想定される。そこで、本実施形態のデジタルカメラ100は、LUTボタン156でLUT適用モードに移行した場合のLUT選択画面においてQボタン操作(S14,S24の(iv))により、元のフォトスタイルに戻すことができるようにしている。これにより、ユーザがLUT適用モードの利用を終える際に元のフォトスタイルを再現し易くでき、ユーザにとってLUT適用モードを利用し易くできる。
【0105】
一方で、ユーザが
図7(A)~(D)に示したように設定メニューからLUT適用モードを利用する場合、フォトスタイルの設定を経由しており、ユーザは元のフォトスタイルの戻し方を把握できると考えられる。そこで、本実施形態のデジタルカメラ100は、設定メニューからLUT選択画面に遷移した場合、
図7(D)に示すように、特にQボタン52を表示せず、上述した元のフォトスタイルに戻すためのQボタン操作を受け付けない。こうして、デジタルカメラ100の表示構成の簡単化等を行え、ユーザにとってフォトスタイル「リアルタイムLUT」を利用し易くできる。
【0106】
また、以上の処理によると、LUTを適用する画像処理が、デジタルカメラ100の内部のフラッシュメモリ145に格納されたLUTファイルを用いて行われる。これにより、例えばデジタルカメラ100の外部からLUTを読み出して上記画像処理を行う場合よりも処理速度を高速化でき、LUTを適用したライブビュー画像40をリアルタイムに得やすくできる。
【0107】
3.効果等
以上のように、本実施形態における撮像装置の一例のデジタルカメラ100は、撮像部の一例のイメージセンサ115と、記憶部の一例のフラッシュメモリ145と、表示部の
一例のディスプレイ130と、操作部150と、制御部の一例のコントローラ135とを備える。イメージセンサ115は、被写体像を撮像して、画像データを生成する。フラッシュメモリ145は、画像中の色情報を変換する前後の対応関係をそれぞれ規定する複数のLUTの一例として複数のLUTを記憶する。ディスプレイ130は、画像データに基づいて第1のライブビュー画面を表示する。操作部150は、第1の操作部材の一例のLUTボタン156を含む。コントローラ135は、操作部150におけるユーザの操作に応じて、ディスプレイ130を制御する。コントローラ135は、第1のライブビュー画面がディスプレイ130に表示された状態において、LUTボタン156に対するユーザ操作(第1の操作の一例)が入力されると、第1のライブビュー画面から、LUTの選択画面の一例のLUT選択画面にディスプレイ130を遷移させる(
図8参照)。LUT選択画面は、例えば
図8(B)に示すように、操作部150におけるユーザの選択に応じて複数のLUTから選択中のLUTを表示する(S14,S24の(i))。
【0108】
以上のデジタルカメラ100によると、ユーザはLUTボタン156の操作によりライブビュー画面からLUT選択画面に到ることができ、ユーザの趣向に応じて画像に対するLUTの適用を行いやすくすることができる。
【0109】
本実施形態のデジタルカメラ100において、コントローラ135は、LUT選択画面がディスプレイ130に表示された状態において選択中のLUTを決定する指示が操作部150に入力されると(S14,S24の(ii))、LUT選択画面から、第2のライブビュー画面にディスプレイ130を遷移させる。第2のライブビュー画面は、例えば
図8(C)に示すように、決定されたLUTを適用する画像処理が画像データに行われたライブビュー画像40を表示する。
【0110】
以上のデジタルカメラ100によると、ユーザはLUT選択画面で所望のLUTを選択して決定することにより、所望のLUTが適用されたライブビュー画面に移れて、ユーザの趣向に応じて画像に対するLUTの適用を行いやすくすることができる。LUTを決定する指示の一例は、上述したLUT決定操作であり、又、レリーズボタン151の操作による撮影指示であってもよい。
【0111】
本実施形態のデジタルカメラ100において、コントローラ135は、第2のライブビュー画面がディスプレイ130に表示された状態において、LUTボタン156のユーザ操作が入力されると(S22でYES)、第2のライブビュー画面からLUT選択画面にディスプレイ130を遷移させる(S23)。こうして第1のライブビュー画面からも第2のライブビュー画面からもLUTボタン156によりLUT選択画面を呼び出せ、ユーザにとってLUTの適用を行い易くすることができる。
【0112】
本実施形態のデジタルカメラ100において、コントローラ135は、所定の撮影モードの一例のLUT適用モードを含む複数の撮影モードを有する。LUT適用モードは、LUT選択画面及び第2のライブビュー画面においてLUTを適用する(
図8(B),(C)参照)。第1のライブビュー画面は、複数の撮影モードのうちの所定の撮影モードとは異なる撮影モードの一例の各種フォトスタイルにおけるライブビュー画像30を表示する(
図8(A)参照)。本実施形態のデジタルカメラ100によると、こうしたLUT適用モードを、フォトスタイルといった他の撮影モードと共に提供し、ユーザにとってLUT適用モードを利用し易くすることができる。
【0113】
本実施形態のデジタルカメラ100において、操作部150は、LUTボタン156とは異なる第2の操作部材の一例としてQボタン52又は対応するFnボタン157をさらに含む。コントローラ135は、複数のフォトスタイルのうちのLUT適用モードとは異なるフォトスタイルにおいて、LUTボタン156の操作が入力されると(S12でYES)、LUT選択画面にディスプレイ130を遷移させることでLUT適用モードに移行する(S13)。LUT選択画面がディスプレイ130に表示された状態において、第2の操作部材に対する第2の操作の一例のQボタン操作が入力されると(S14,S24の(iv))、LUT適用モードに移行する前のフォトスタイルにおいて第1のライブビュー画面をディスプレイ130に表示させる(S11)。これにより、ユーザがLUT適用モードを利用してから、その利用を終える際に、LUT適用モードの利用前のフォトスタイルを再現でき、ユーザにとってLUT適用モードを、他のフォトスタイルと共に利用し易くすることができる。
【0114】
本実施形態のデジタルカメラ100において、コントローラ135は、LUT選択画面がディスプレイ130に表示された状態において第2の操作とは異なる第3の操作の一例の戻る操作が操作部150に入力されると(S14,S24の(iii))、第1及び第2のライブビュー画面のうちの、LUT選択画面に遷移する前のライブビュー画面にディスプレイ130を遷移させる(S11,S21)。これにより、ユーザがLUT選択画面に移ってから一画面前に戻りたい場合に、こうした画面遷移も実現でき、ユーザにとってLUT選択画面等を使用し易くすることができる。
【0115】
本実施形態のデジタルカメラ100において、コントローラ135は、ディスプレイ130が第1のライブビュー画面からLUT選択画面に遷移した場合、ディスプレイ130に、第2の操作を促す操作情報の一例としてQボタン52を表示させる(
図8(B)参照)。コントローラ135は、ディスプレイ130が所定のメニュー画面からLUT選択画面に遷移した場合、ディスプレイ130に、第2の操作についての操作情報を表示させない(
図7(D)参照)。こうして、ユーザにとってLUT選択画面を分かり易くすることができる。メニュー画面は、例えば複数のフォトスタイルの一種としてLUT適用モードを管理するように構成される(
図7(A)~(D)参照)。
【0116】
本実施形態のデジタルカメラ100において、LUT選択画面は、例えば
図8(B)に示すように、画像データに選択中のLUTを適用する画像処理が行われたライブビュー画像40を含む。これにより、ユーザはLUTを選択する際に選択中のLUTの効果をライブビュー画像40上で視覚的に確認でき、ユーザにとってLUTの適用を利用し易くすることができる。
【0117】
本実施形態において、デジタルカメラ100は、画像データに対してLUTを適用する画像処理を行う画像処理部120をさらに備える。これにより、デジタルカメラ100においてLUTの画像処理を行ったライブビュー画像40をリアルタイムに得やすくでき、ユーザにとってLUTを利用し易くすることができる。
【0118】
本実施形態のデジタルカメラ100において、コントローラ135は、LUT選択画面がディスプレイ130に表示された状態においてLUTボタン156のユーザ操作が入力されると、例えばLUT選択画面からディスプレイ130を遷移させない(S14,S24)。こうしてLUT選択画面の表示中はLUTボタン156を無効化することにより、ユーザにとってLUT適用モードを利用し易くすることができる。
【0119】
(他の実施形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置換、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施形態1で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。そこで、以下、他の実施形態を例示する。
【0120】
上記の実施形態1では、デジタルカメラ100が設定メニューからLUT選択画面に遷移した場合にQボタン52を表示しない動作例を説明した。本実施形態において、デジタルカメラ100は、設定メニューからLUT選択画面に遷移した場合においても、LUTボタン156から遷移した場合と同様にQボタン52を表示して、元のフォトスタイルに戻すためのQボタン操作を受け付けてもよい。
【0121】
また、上記の各実施形態では、デジタルカメラ100においてLUTボタン操作によるLUT選択画面(
図8(B))に対するユーザ操作((i)~(iv))を例示した。本実施形態のデジタルカメラ100において、LUT選択画面に対するユーザ操作は上記に限らず、例えば
図7(C)のLUT切替メニュー22と同様に、操作部150が、LUT適用モードをオフしてベースフォトスタイルに移行するためのユーザ操作を受け付けるようにしてもよい。
【0122】
また、上記の各実施形態では、デジタルカメラ100がLUT選択画面の表示中にLUTボタン156を無効に設定する動作例を説明した。本実施形態のデジタルカメラ100において、LUT選択画面の表示中にLUTボタン156は無効に設定されなくてもよく、例えばLUTボタン156が(i)LUT選択操作と(ii)LUT決定操作と(iii)戻る操作とのうちの何れかを受け付けるようにしてもよい。
【0123】
また、上記の各実施形態では、第1の操作部材の一例としてLUTボタン156といったFnボタンを例示した。本実施形態のデジタルカメラ100において、第1の操作部材はLUTボタン156に限らず、操作部150における各種の操作部材であってもよい。例えば、第1の操作部材は、物理的なボタン、ダイヤル、レバー、又はジョイスティック等であってもよいし、例えばタッチパネル155によりタッチ操作を受け付ける仮想的なボタン等であってもよい。又、本実施形態において、第2の操作部材も、Qボタン52又は対応するFnボタン157に限らず、上述した第1の操作部材と同様に、操作部150における各種の操作部材であってもよい。
【0124】
また、上記の各実施形態では、デジタルカメラ100においてLUTライブラリがフラッシュメモリ145に格納される例を説明した。本実施形態において、複数のLUTファイルはメモリカード142等の外部の記録媒体に格納しておき、デジタルカメラ100においてはLUTのファイル名のリストなどを格納するようにしてもよい。或いは、スマートフォン等の情報処理装置からデジタルカメラ100にLUTをダウンロードするようにしてもよい。本実施形態において、デジタルカメラ100においてLUTを記憶する記憶部の一例はフラッシュメモリ145に限らず、バッファメモリ125であってもよい。例えば、デジタルカメラ100は、外部に格納されたLUTから、適用するLUTを逐次、バッファメモリ125に保持してもよい。この場合、バッファメモリ125は、複数のLUTを同時に保持しなくてもよく、例えば保持および消去を順次行うことによって複数のLUTの記憶を実現してもよい。
【0125】
また、上記の各実施形態では、LUTの画像処理を行う画像処理部120を備えデジタルカメラ100を説明した。本実施形態において、デジタルカメラ100は、必ずしもLUTを適用する画像処理を行う画像処理部120を備えなくてもよく、例えば当該画像処理は外部サーバで行われるようにしてもよい。本実施形態のデジタルカメラ100は、例えば通信モジュール143を介して、外部サーバに画像データと選択中のLUTの情報を送信し、その応答として外部サーバがLUTを適用する我僧処理を行った結果の画像データを受信してもよい。
【0126】
また、上記の各実施形態では、表示部の一例としてディスプレイ130を例示した。本実施形態のデジタルカメラ100において、表示部は、ディスプレイ130に限らず、例えばEVF(電子ビューファインダ)や、HDMI(登録商標)規格などで映像信号を出力する出力モジュール等であってもよい。
【0127】
また、上記の各実施形態では、光学系110を備えるデジタルカメラ100を例示した。本実施形態の撮像装置は、光学系110を備えなくてもよく、例えば交換レンズ式のカメラであってもよい。
【0128】
また、上記の各実施形態では、撮像装置の例としてデジタルカメラを説明したが、これに限定されない。本開示の撮像装置は、画像撮影機能を有する電子機器(例えば、ビデオカメラ、スマートフォン、タブレット端末等)であればよい。
【0129】
(態様例)
本開示に係る態様を以下に例示する。
【0130】
本開示に係る第1の態様は、被写体像を撮像して、画像データを生成する撮像部と、画像中の色情報を変換する前後の対応関係をそれぞれ規定する複数の色変換データを記憶する記憶部と、画像データに基づいて第1のライブビュー画面を表示する表示部と、第1の操作部材を含む操作部と、操作部におけるユーザの操作に応じて、表示部を制御する制御部とを備える撮像装置である。制御部は、第1のライブビュー画面が表示部に表示された状態において、第1の操作部材に対する第1の操作が入力されると、第1のライブビュー画面から色変換データの選択画面に表示部を遷移させる。色変換データの選択画面は、操作部におけるユーザの選択に応じて複数の色変換データから選択中の色変換データを表示する。
【0131】
第2の態様は、第1の態様に記載の撮像装置において、制御部は、色変換データの選択画面が表示部に表示された状態において選択中の色変換データを決定する指示が操作部に入力されると、色変換データの選択画面から、第2のライブビュー画面に表示部を遷移させる。第2のライブビュー画面は、決定された色変換データを適用する画像処理が画像データに行われたライブビュー画像を表示する。
【0132】
第3の態様は、第2の態様に記載の撮像装置において、制御部は、第2のライブビュー画面が表示部に表示された状態において、第1の操作部材に第1の操作が入力されると、第2のライブビュー画面から色変換データの選択画面に表示部を遷移させる。
【0133】
第4の態様は、第2又は第3の態様に記載の撮像装置において、制御部は、所定の撮影モードを含む複数の撮影モードを有する。所定の撮影モードは、色変換データの選択画面及び第2のライブビュー画面において色変換データを適用する。第1のライブビュー画面は、複数の撮影モードのうちの所定の撮影モードとは異なる撮影モードにおけるライブビュー画像を表示する。
【0134】
第5の態様は、第4の態様に記載の撮像装置において、操作部は、第1の操作部材とは異なる第2の操作部材をさらに含む。制御部は、複数の撮影モードのうちの所定の撮影モードとは異なる撮影モードにおいて、第1の操作部材に第1の操作が入力されると、色変換データの選択画面に表示部を遷移させることで所定の撮影モードに移行する。色変換データの選択画面が表示部に表示された状態において第2の操作部材に対する第2の操作が入力されると、所定の撮影モードに移行する前の撮影モードにおいて第1のライブビュー画面を表示部に表示させる。
【0135】
第6の態様は、第2~第5の態様の何れかに記載の撮像装置において、制御部は、色変換データの選択画面が表示部に表示された状態において第2の操作とは異なる第3の操作が操作部に入力されると、第1及び第2のライブビュー画面のうちの、色変換データの選択画面に遷移する前のライブビュー画面に表示部を遷移させる。
【0136】
第7の態様は、第5又は第6の態様に記載の撮像装置において、制御部は、表示部が第1のライブビュー画面から色変換データの選択画面に遷移した場合、表示部に、第2の操作を促す操作情報を表示させる。制御部は、表示部が所定のメニュー画面から色変換データの選択画面に遷移した場合、表示部に、第2の操作についての操作情報を表示させない。
【0137】
第8の態様は、第1~第7の態様の何れかに記載の撮像装置において、色変換データの選択画面は、画像データに選択中の色変換データを適用する画像処理が行われたライブビュー画像を含む。
【0138】
第9の態様は、第1~第8の態様の何れかに記載の撮像装置が、画像データに対して、色変換データを適用する画像処理を行う画像処理部をさらに備える。
【0139】
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
【0140】
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0141】
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置換、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0142】
本開示は、LUTといった色変換データを用いる撮像装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0143】
100 デジタルカメラ
115 イメージセンサ
120 画像処理部
125 バッファメモリ
130 ディスプレイ
135 コントローラ
145 フラッシュメモリ
150 操作部
156,158 Fnボタン