(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161881
(43)【公開日】2024-11-20
(54)【発明の名称】下肢用マッサージ機
(51)【国際特許分類】
A61H 7/00 20060101AFI20241113BHJP
A61H 23/02 20060101ALI20241113BHJP
【FI】
A61H7/00 323E
A61H23/02 344
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023211016
(22)【出願日】2023-12-14
(31)【優先権主張番号】P 2023076692
(32)【優先日】2023-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】592009214
【氏名又は名称】大東電機工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】沼田 康一
(72)【発明者】
【氏名】清水 新策
【テーマコード(参考)】
4C074
4C100
【Fターム(参考)】
4C074AA03
4C074CC01
4C074DD02
4C074GG08
4C074HH02
4C100AD12
4C100AD16
4C100AD22
4C100BC03
4C100CA09
4C100DA10
4C100DA11
4C100EA09
(57)【要約】
【課題】1個の駆動モータで、下肢に対して揉みマッサージを行うとともに足裏全体に対して振動マッサージを行うことができ、その足裏全体に振動マッサージを行う平板状の部材を配備することができる広さの空間を備えている下肢用マッサージ機を提供する。
【解決手段】本発明は、使用者の施療部である脹脛Cから足先までの下肢Lに対して揉みマッサージ動作を付与する揉みマッサージ部と、使用者の施療部である足裏Uに対してマッサージ動作を付与する足裏マッサージ部と、揉みマッサージ部と足裏マッサージ部を駆動する駆動モータ4を一つ備えている駆動部5と、を有し、揉みマッサージ部は、駆動モータの駆動4で、下肢Lに対して挟み込む揉みマッサージ機構2を備え、足裏マッサージ部は、駆動モータ4の駆動で足裏Uに対して振動マッサージ動作を付与する振動マッサージ機構3を備えている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の施療部である脹脛から足先までの下肢に対して揉みマッサージ動作を付与する揉みマッサージ部と、
前記使用者の施療部である足裏に対してマッサージ動作を付与する足裏マッサージ部と、
前記揉みマッサージ部と前記足裏マッサージ部を駆動する駆動モータを一つ備えている駆動部と、を有する
ことを特徴とする下肢用マッサージ機。
【請求項2】
前記揉みマッサージ部は、前記駆動モータの駆動で、前記下肢に対して挟み込む揉みマッサージ機構を備え、
前記足裏マッサージ部は、前記駆動モータの駆動で、前記足裏に対して振動マッサージ動作を付与する振動マッサージ機構を備えている
ことを特徴とする請求項1に記載の下肢用マッサージ機。
【請求項3】
前記揉みマッサージ機構は、
前記駆動モータから出力された回転駆動力で回転する揉み回転軸と、
前記揉み回転軸の回転駆動力を前記揉みマッサージ動作に変換する揉み変換部と、
前記下肢に対して挟み込むことで前記揉みマッサージ動作を付与する左右一対の揉みマッサージ部材と、を有し、
前記振動マッサージ機構は、
前記駆動モータから出力された回転駆動力を前記振動マッサージ動作に変換する振動発生機構と、
前記足裏に対して前記振動マッサージ動作を付与する平板状の振動マッサージ部材と、を有する
ことを特徴とする請求項2に記載の下肢用マッサージ機。
【請求項4】
前記揉み回転軸は、前記揉みマッサージ機構を収容するケース体の底部から上方に所定の高さに配備されていて、
前記ケース体の底部側であって、前記揉み回転軸の下方には、所定の広さおよび高さの空間が形成されている
ことを特徴とする請求項3に記載の下肢用マッサージ機。
【請求項5】
前記駆動モータは、前記ケース体の底部から上方に所定の高さに配備されていて、
前記空間は、前記駆動モータと前記揉み回転軸の下方に形成されている
ことを特徴とする請求項4に記載の下肢用マッサージ機。
【請求項6】
前記空間には、左右の前記足裏の全面に対して振動マッサージが可能な前記振動マッサージ部材が配備されている
ことを特徴とする請求項4または5に記載の下肢用マッサージ機。
【請求項7】
前記駆動モータは、一つ配備され且つ、前記揉みマッサージ動作に用いられる回転駆動力と、前記振動マッサージ動作に用いられる回転駆動力と、を出力する
ことを特徴とする請求項3に記載の下肢用マッサージ機。
【請求項8】
前記駆動モータは、出力軸が上方向を向く第1の出力軸と、下方向を向く第2の出力軸を備えた2軸とされ、
前記第1の出力軸は、前記揉み回転軸の回転駆動力を出力し、
前記第2の出力軸は、前記振動発生機構による振動に用いられる回転駆動力を出力する
ことを特徴とする請求項7に記載の下肢用マッサージ機。
【請求項9】
前記駆動部は、前記駆動モータから出力された回転駆動力を前記揉み回転軸に伝達する伝達軸を有し、
前記伝達軸は軸心が水平で且つ前後方向を向くように配備され且つ、前記揉み駆動軸は軸心が水平で且つ左右方向を向くように配備されていて、
前記伝達軸は、前部が第1のギアケースを介して前記第1の出力軸と直交方向に接続されるとともに、後部は第2のギアケースを介して前記揉み駆動軸と直交方向に接続されていて、前記第1の出力軸から出力された回転駆動力を前記揉み回転軸に伝達する
ことを特徴とする請求項8に記載の下肢用マッサージ機。
【請求項10】
前記振動発生機構は、前記第2の出力軸より出力された回転駆動力を振動運動に変換する機構であり、前記第2の出力軸が取り付けられるボス部材と、前記ボス部材に偏心して設けられた軸体と、を有する
ことを特徴とする請求項8に記載の下肢用マッサージ機。
【請求項11】
偏心した前記軸体を備えた前記ボス部材が、前記第2の出力軸より出力された回転駆動力を偏心回転に変換することにより、前記振動マッサージ部材が振動し、前記押圧突起が前記足裏に対して前記振動マッサージ動作を付与する
ことを特徴とする請求項10に記載の下肢用マッサージ機。
【請求項12】
前記振動マッサージ機構は、前記駆動モータから出力された回転駆動力を振動マッサージ動作に変換する振動発生機構と、足裏に対して前記振動マッサージ動作を付与する足裏マッサージ部材と、を有し、
前記足裏マッサージ部材は上方に張り出す膨出部を備え、前記膨出部は左右方向に開放状の空間部を備え、前記空間部を前記揉み回転軸が貫通状に通っている
ことを特徴とする請求項3に記載の下肢用マッサージ機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の下肢、特に、脹脛から足部に対して揉みマッサージ動作を付与するとともに、足裏に対して振動マッサージ動作を付与する下肢用マッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、足先から踵(かかと)までの足部から、踝(くるぶし)と膝との間に位置する脹脛へとつながる下肢の施療部に対して揉みマッサージ動作を付与する揉みマッサージ機構と、足裏に対して振動マッサージ動作を付与する振動マッサージ機構と、を収容した下肢用マッサージ機がある(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の下肢用マッサージ機は、揉みマッサージと振動マッサージをともに付与することができるものであり、効果的なマッサージを行うことができる。この特許文献1の下肢用マッサージ機は、左右一対のマッサージ部材(揉み板)が上下に二つに分かれているため、揉み駆動モータで上下の揉み板を揺動させている。それに加えて、特許文献1の下肢用マッサージ機は、足裏への振動マッサージ機構が備えられているため、その振動マッサージ用の駆動モータが配備されている。
【0005】
すなわち、特許文献1の下肢用マッサージ機は、揉みマッサージと振動マッサージを共に付与可能にするため、左右一対のマッサージ部材(揉み板)を揺動させるための駆動モータとは別に、振動を発生させるための駆動モータが配備されている。
【0006】
このように、上記の下肢用マッサージ機は、駆動モータが2個配備されているため、構成する部品点数が多くなる。駆動モータは重いものなので、下肢用マッサージ機の全体重量も重くなり、さらに製造コストも嵩むこととなる。
【0007】
また、近年では、様々な要望があり、例えば脹脛から足部の下肢に対する揉みマッサージに加えて、足裏全体に対して振動マッサージを行うことができる装置の要望がある。ところが、特許文献1の下肢用マッサージ機では、揉み回転軸が下ケース体の底部に配備されているため、足裏マッサージ部材41a,bが土踏まずに対して振動マッサージを行えない。すなわち、右足の足裏全面と左足の足裏全面に対して振動マッサージを付与することができないものである。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、1個の駆動モータで、下肢に対して揉みマッサージを行うとともに足裏全体乃至は足裏の一部に対して振動マッサージを行うことができ、その足裏全体乃至は足裏の一部に振動マッサージを行う平板状の部材を配備することができる広さの空間を備えている下肢用マッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
【0010】
本発明にかかる下肢用マッサージ機は、使用者の施療部である脹脛から足先までの下肢に対して揉みマッサージ動作を付与する揉みマッサージ部と、前記使用者の施療部である足裏に対してマッサージ動作を付与する足裏マッサージ部と、前記揉みマッサージ部と前記足裏マッサージ部を駆動する駆動モータを一つ備えている駆動部と、を有することを特徴とする。
【0011】
好ましくは、前記揉みマッサージ部は、前記駆動モータの駆動で、前記下肢に対して挟み込む揉みマッサージ機構を備え、前記足裏マッサージ部は、前記駆動モータの駆動で、前記足裏に対して振動マッサージ動作を付与する振動マッサージ機構を備えているとよい。
【0012】
好ましくは、前記揉みマッサージ機構は、前記駆動モータから出力された回転駆動力で回転する揉み回転軸と、前記揉み回転軸の回転駆動力を前記揉みマッサージ動作に変換す
る揉み変換部と、前記下肢に対して挟み込むことで前記揉みマッサージ動作を付与する左右一対の揉みマッサージ部材と、を有し、前記振動マッサージ機構は、前記駆動モータから出力された回転駆動力を前記振動マッサージ動作に変換する振動発生機構と、前記足裏に対して前記振動マッサージ動作を付与する平板状の振動マッサージ部材と、を有するとよい。
【0013】
好ましくは、前記揉み回転軸は、前記揉みマッサージ機構を収容するケース体の底部から上方に所定の高さに配備されていて、前記ケース体の底部側であって、前記揉み回転軸の下方には、所定の広さおよび高さの空間が形成されているとよい。
【0014】
好ましくは、前記駆動モータは、前記ケース体の底部から上方に所定の高さに配備されていて、前記空間は、前記駆動モータと前記揉み回転軸の下方に形成されているとよい。
【0015】
好ましくは、前記空間には、左右の前記足裏の全面に対して振動マッサージが可能な前記振動マッサージ部材が配備されているとよい。
【0016】
好ましくは、前記駆動モータは、一つ配備され且つ、前記揉みマッサージ動作に用いられる回転駆動力と、前記振動マッサージ動作に用いられる回転駆動力と、を出力するとよい。
【0017】
好ましくは、前記駆動モータは、出力軸が上方向を向く第1の出力軸と、下方向を向く第2の出力軸を備えた2軸とされ、前記第1の出力軸は、前記揉み回転軸の回転駆動力を出力し、前記第2の出力軸は、前記振動発生機構による振動に用いられる回転駆動力を出力するとよい。
【0018】
好ましくは、前記駆動部は、前記駆動モータから出力された回転駆動力を前記揉み回転軸に伝達する伝達軸を有し、前記伝達軸は軸心が水平で且つ前後方向を向くように配備され且つ、前記揉み駆動軸は軸心が水平で且つ左右方向を向くように配備されていて、前記伝達軸は、前部が第1のギアケースを介して前記第1の出力軸と直交方向に接続されるとともに、後部は第2のギアケースを介して前記揉み駆動軸と直交方向に接続されていて、前記第1の出力軸から出力された回転駆動力を前記揉み回転軸に伝達するとよい。
【0019】
好ましくは、前記振動発生機構は、前記第2の出力軸より出力された回転駆動力を振動運動に変換する機構であり、前記第2の出力軸が取り付けられるボス部材と、前記ボス部材に偏心して設けられた軸体と、を有するとよい。
【0020】
好ましくは偏心した前記軸体を備えた前記ボス部材が、前記第2の出力軸より出力された回転駆動力により偏心回転することにより、前記振動マッサージ部材が振動し、前記押圧突起が前記足裏に対して前記振動マッサージ動作を付与するとよい。
【0021】
好ましくは、前記振動マッサージ機構は、前記駆動モータから出力された回転駆動力を振動マッサージ動作に変換する振動発生機構と、足裏に対して振動マッサージ動作を付与する足裏マッサージ部材と、を有し、前記足裏マッサージ部材は上方に張り出す膨出部を備え、前記膨出部は左右方向に開放状の空間部を備え、前記空間部を前記揉み回転軸が貫通状に通っているとよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明の下肢用マッサージ機によれば、1個の駆動モータで、下肢に対して揉みマッサージを行うとともに足裏全体乃至は足裏の一部に対して振動マッサージを行うことができ、その足裏全体乃至は足裏の一部に振動マッサージを行う平板状の部材を配備することができる広さの空間を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の第1実施形態にかかる下肢用マッサージ機の使用態様の一例を模式的に示した前方斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施形態にかかる下肢用マッサージ機の内部構造の概略を示した前方斜視図である。
【
図3】本発明の第1実施形態にかかる下肢用マッサージ機の内部構造の概略を示した前方斜視図であり、振動マッサージ機構及び振動発生機構などの分解図である。
【
図4】第1実施形態の振動マッサージ機構及び振動発生機構などを分解した箇所の拡大図である。
【
図5】本発明の第1実施形態にかかる下肢用マッサージ機の内部構造の概略を示した側面図である。
【
図6】本発明の第2実施形態にかかる下肢用マッサージ機の内部構造を示した前方斜視図である。
【
図7】本発明の第2実施形態にかかる下肢用マッサージ機の内部構造を示した前方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[第1実施形態]
以下、本発明にかかる下肢用マッサージ機の第1実施形態を、図を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を具体化した一例であって、その具体例をもって本発明の構成を限定するものではない。また、図面に関して、見やすくするため、構成部品の一部を省略したり、仮想線などを用いて描いている。
【0025】
また、下肢用マッサージ機1の前後左右の方向については、図面に示す通りである。これは下肢用マッサージ機1に下肢Lを挿入して、椅子などに着座した使用者から見た方向と一致する。以降の説明においては、図面において示す方向を、本発明の下肢用マッサージ機1を説明する際の方向とする。
【0026】
図1~
図5は、本発明にかかる下肢用マッサージ機1の実施形態を示している。また、第1実施形態においては、
図1に示すように、使用者の脹脛C(下腿部)から足部Fにかけての部位を下肢Lとし、揉みマッサージの施療部となる。また、土踏まずなど足部Fの裏側全体を足裏Uとし、振動マッサージの施療部となる。
【0027】
図1~
図5などに示すように、本発明の下肢用マッサージ機1は、使用者の左右両方の下肢Lを揉みマッサージの対象(施療部)として、その下肢Lを構成する足部Fと脹脛C(下腿部)との両方に対して挟み込んで揉む揉みマッサージと、足裏Uに対して振動動作を付与する振動マッサージを同時に行えるように構成されている。
【0028】
すなわち、本発明の下肢用マッサージ機1は、揉みマッサージの挟み込みで足部Fが下方に押し付けられるときに、振動動作により足裏Uに対して指圧するような押圧マッサージを受けることができるものである。
【0029】
図1、
図2などに示すように、第1実施形態の下肢用マッサージ機1は、使用者の施療部である脹脛Cから足部F(足先)までの下肢Lに対して揉みマッサージ動作を付与する揉みマッサージ機構2と、使用者の施療部である足裏Uに対して振動マッサージ動作を付与する振動マッサージ機構3と、揉みマッサージ機構2と振動マッサージ機構3を駆動する駆動部5と、揉みマッサージ機構2と振動マッサージ機構3と駆動部5を内蔵するケース体6と、を有する。
【0030】
図1に示すように、第1実施形態のケース体6は、略立方体形状の筐体である。なお、ケース体6は、例えば、横長又は縦長の長方形の直方体形状の筐体であってもよいし、側面視で略ブーツ型の筐体であってもよく、特に限定はしない。ケース体6には、左施療凹部7Lと右施療凹部7Rとが、一定の間隔で並設されている。
【0031】
左施療凹部7Lは、左側の下肢Lを嵌め入れ可能な部位であり、ケース体6の左側前面において、上方から前方にかけて開放状に設けられている。略同様に、右施療凹部7Rは、右側の下肢Lを嵌め入れ可能な部位であり、ケース体6の右側前面において、上方から前方にかけて開放状に設けられている。これら左右の施療凹部7L,7R内部には、図示はしないが、肌触りの良い滑らかな内張材が設けられている。
【0032】
なお、第1実施形態では、ケース体6の頂部には、使用者が操作可能な操作部6aが設けられている。ケース体6の左右側壁面には、使用者が把持可能な把持部6bが設けられている。また、ケース体6の底部には、ケース体6を支持する脚部6cが4つ設けられている。また、ケース体6の底部には、駆動部5に電源を供給する電源コードが接続される電源部6dが設けられている。
【0033】
図2~
図4などに示すように、駆動部5は、ケース体6内の上下方向中途部で且つ、左内側の揉みマッサージ部材14bと右内側の揉みマッサージ部材14cとの間(ケース体6内の略中央)に配備されている。
【0034】
駆動部5は、回転駆動力を発生する駆動モータ4と、回転駆動力を所定の速度に減速して、伝達軸10に伝達する第1のギアケース9と、駆動モータ4から出力された回転駆動力を揉み回転軸13に伝達する伝達軸10と、回転駆動力を所定の速度に減速して、揉み回転軸13に伝達する第2のギアケース11と、を有している。駆動部5は、駆動モータ4を一つ備えている。この駆動部5は、ケース体6の底部から立設された支持部材12aにより支持されている。
【0035】
第1実施形態の駆動モータ4は、一つ配備され且つ、揉みマッサージ動作に用いられる回転駆動力と、振動マッサージ動作に用いられる回転駆動力と、を出力するものとされている。
【0036】
すなわち、第1実施形態では、一つの駆動モータ4で、揉みマッサージ機構2の揉みマッサージ部材14(揉み板)の揺動と、振動マッサージ機構3の振動マッサージ部材24(振動板24)の振動が可能となっている。
【0037】
第1実施形態の駆動モータ4は、出力軸8が2軸(両軸)備えているものを用いていて、その出力軸8の軸心が上下方向を向くように配備されている。つまり、駆動モータ4は、上方向を向く第1の出力軸8aと、下方向を向く第2の出力軸8bを備えた2軸のモータとされている。この駆動モータ4は、本体部が縦方向となるように配備され、ケース体6の底部から立設された支持部材12bにより支持されている。
【0038】
すなわち、駆動モータ4は、ケース体6内の下部前側において、長方形の平板状の支持板4aを介してネジ止めで固定されることで、支持部材12bにより下方から支持されている。駆動モータ4は、支持部材12bの高さ分だけ浮いた状態となっている。
【0039】
第1の出力軸8aは、軸心が上方向を向くように配置され、ウォームギアが取り付けられている。第1の出力軸8aは、揉み回転軸13の回転駆動力を出力する。第1の出力軸8aは、第1のギアケース9にて、伝達軸10に接続されている。
【0040】
第2の出力軸8bは、軸心が下方向を向くように配置され、振動発生機構23による振動に用いられる回転駆動力を出力する。第2の出力軸4bは、振動発生機構23に接続されている。
【0041】
駆動モータ4の上方には、第1のギアケース9(前部ギアケース9)が配備されている。第1のギアケース9は、複数のギアが格納されるものである。この第1のギアケースには、軸心が上方向を向く第1の出力軸8aが挿入され、軸心が前後方向を向く伝達軸10が挿入されている。
【0042】
詳しくは、第1のギアケース9の底部には、上下方向に貫通した孔部が形成されている。その孔部から第1の出力軸8aが挿入されている。また、第1のギアケース9の後壁面には、前後方向に貫通した孔部が形成されている。その孔部から伝達軸10が挿入されている。第1のギアケース9は、ベアリングを介して伝達軸10を回転自在に支持する支持部材となっている。
【0043】
この第1のギアケース9内において、第1の出力軸8aと伝達軸10が直交方向に接続されている。また、第1の出力軸8aに設けられたウォームギアと伝達軸10の前部に設けられたウォームホイールとが噛み合っている。
【0044】
伝達軸10は、第1のギアケース9の後方で且つ、軸心が水平で且つ前後方向を向くように配備されている。伝達軸10は、前部が第1のギアケース9に挿入され、後部が第2のギアケース11に挿入されている。
【0045】
伝達軸10は、ベアリングを介して、第1のギアケース9と第2のギアケース11により回転自在に支持されている。つまり、伝達軸10は、第1のギアケース9(前部ギアケース9)と第2のギアケース11の間で架け渡すように配備されている。
【0046】
伝達軸10は、前部が第1のギアケース9を介して第1の出力軸8aと直交方向(前後と上下の直交方向)に接続されるとともに、後部は第2のギアケース11を介して揉み回転軸13と直交方向(前後と左右の直交方向)に接続されていて、第1の出力軸8aから出力された回転駆動力を揉み回転軸13に伝達する。
【0047】
伝達軸10の後方には、第2のギアケース11(後部ギアケース11)が配備されている。第2のギアケース11は、複数のギアが格納されるものである。この第2のギアケー
ス11には、伝達軸10が挿入され、揉み回転軸13が左右方向に貫通して備えられている。
【0048】
詳しくは、第2のギアケース11の前壁面には、前後方向に貫通した孔部が形成されている。その孔部から伝達軸10が挿入されている。また、第2のギアケース11の左右それぞれの側壁面には、左右方向に貫通した孔部が形成されている。その孔部から揉み回転軸13が貫通状態で挿入されている。第2のギアケース11は、ベアリングを介して伝達軸10と揉み回転軸13を回転自在に支持する支持部材となっている。
【0049】
この第2のギアケース11内において、伝達軸10と揉み回転軸13が直交方向に接続されている。また、伝達軸10の後部に設けられたウォームギアと揉み回転軸13の長手方向中途部に設けられたウォームホイールとが噛み合っている。
【0050】
ここで、駆動モータ4から揉みマッサージ機構2側への回転駆動力の伝達経路(駆動部5の配置)について詳細に説明する。
【0051】
図2~
図4などに示すように、駆動モータ4は、第1の出力軸8aの軸心が上方向を向くように配備されるとともに、第2の出力軸8bの軸心が下方向を向くように配備される。第1の出力軸8aは、第1のギアケース9に挿入されている。また、第1のギアケース9には、軸心が前後方向を向く伝達軸10の前部が挿入されている。
【0052】
第1のギアケース9では、第1の出力軸8aと伝達軸10が直交方向に接続され、その第1の出力軸8aのウォームギアと伝達軸10の前部のウォームホイールとが噛み合っている。
【0053】
伝達軸10は、後部が第2のギアケース11に挿入されている。また、第2のギアケース11には、軸心が水平で且つ左右方向を向く揉み駆動軸13が貫通状態で配備されている。
【0054】
第2のギアケース11では、伝達軸10と揉み駆動軸13が直交方向に接続され、その伝達軸10の後部に設けられたウォームギアと揉み回転軸13の長手方向中途部に設けられたウォームホイールとが噛み合っている。
【0055】
つまり、駆動モータ4の回転駆動力は、第1の出力軸8aから上方の第1のギアケース9に入力されて伝達軸10に伝達され、その伝達軸10から後方の第2のギアケース11に入力され、その第2のギアケース11で所定の速度に減速されて、揉み回転軸13に伝達されることとなる。
【0056】
駆動部5は、駆動モータ4の第1の出力軸8aの回転により、揉み回転軸13を回転駆動させて、揉み変換部15で揉み回転軸13の回転駆動力を揉みマッサージ動作に変換し、水平マッサージ部16と垂直マッサージ部17からなる揉みマッサージ部材14を左右方向に揺動させる揉みマッサージ動作をさせることで、揉みマッサージ部の揉みマッサージ機構2を駆動させる。
【0057】
駆動部5は、上記の揉みマッサージ機構2の駆動と同時に、駆動モータ4の第2の出力軸8bの回転により、振動発生機構23で偏心した軸体27を備えるボス部材25を偏心回転させることで、その偏心回転が振動マッサージ部材24に伝達され、振動マッサージ部材24が前後左右に振動させることで、足裏マッサージ部の振動マッサージ機構3を動作させる。
【0058】
図2~
図4などに示すように、揉みマッサージ部は、左下肢Lに対して揉みマッサージ動作を付与する左揉みマッサージ部(左施療凹部7L)と、右下肢Lに対して揉みマッサージ動作を付与する右揉みマッサージ部(右施療凹部7R)が左右に離間して配備され、一つの駆動モータ4の駆動で、左右の下肢Lに対して挟み込むことで揉む、揉みマッサージ機構2を備えている。
【0059】
揉みマッサージ機構2は、駆動モータ4から出力された回転駆動力で回転する揉み回転軸13と、下肢Lに対して挟み込むことで揉みマッサージ動作を付与する左右一対の揉みマッサージ部材14と、揉み回転軸13の回転駆動力を揉みマッサージ動作に変換する揉み変換部15と、を有する。
【0060】
揉み回転軸13(揉みマッサージをするための回転駆動軸)は、長尺の軸部材であって、ケース体6の後側に1本配備されている。揉み回転軸13は、軸心が水平で且つ左右方向を向くように、ケース体6の幅方向に亘って配備されている。
【0061】
この揉み回転軸13は、揉みマッサージ部材14の基端側(水平マッサージ部16と垂直マッサージ部17との間)を左右方向に亘って貫通するように設けられている。この揉み回転軸13は、使用者が下肢Lを施療凹部7に挿入したとき、左右一対の揉みマッサージ部材14に挟まれた足部Fの踵上側と脹脛Cとの間の後方に位置している。
【0062】
揉み回転軸13は、両端部がケース体6の底部から立設された支持部材12cにより支持され、長手方向中途部が支持部材12aにより支持されている。つまり、揉み回転軸13は、ベアリングを介して、3つの支持部材12a,12cにより支持されている。揉み回転軸13は、左右一対の揉みマッサージ部材14の基端側を左右方向に亘って、貫通するように設けられている。
【0063】
第1実施形態においては、揉みマッサージ部材14(揉み板)は、脹脛Cから足部Fへとつながる下肢Lに沿うように、側面視でブーツ形状(略L字形状)に形成されたものである。
【0064】
揉みマッサージ部材14については、左揉みマッサージ部(左施療凹部7L)において、左下肢Lを挟み込むように左右に離間して配備され、その左下肢Lに対して揉みマッサージ動作を付与する一対の揉みマッサージ部材14a,14bが配備されている。具体的には、左外側の揉みマッサージ部材14aは左側方から左下肢Lを覆い、左内側の揉みマッサージ部材14bは右側方から左下肢Lを覆う。
【0065】
また、右揉みマッサージ部(右施療凹部7R)において、右下肢Lを挟み込むように左右に離間して配備され、その右下肢Lに対して揉みマッサージ動作を付与する一対の揉みマッサージ部材14c、14dが配備されている。具体的には、右内側の揉みマッサージ部材14cは左側方から右下肢Lを覆い、右外側の揉みマッサージ部材14dは右側方から右下肢Lを覆う。
【0066】
すなわち、左下肢L用の揉みマッサージ部材14a,14bを備えた左揉みマッサージ部(左施療凹部7L)と、右下肢L用の揉みマッサージ部材14c、14dを備えた右揉みマッサージ部(右施療凹部7R)が、一定の間隔(およそ肩幅程度)をあけて左右一対配備されている。
【0067】
この揉みマッサージ部材14は、水平で且つ前方向に突出状に設けられ、足部Fを覆う水平マッサージ部16と、水平マッサージ部16の後部から上方向に突出状に設けられ、脹脛Cを覆う垂直マッサージ部17と、を有している。
【0068】
水平マッサージ部16は、ケース体6内において略水平方向で且つ前方向へ突出するように配備されている。この水平マッサージ部16は、足部F(足先から踵まで)を側方から覆う形状とされている。
【0069】
水平マッサージ部16は、施療凹部7内の下側に、施療部である足部Fを挟み込むように左右一対配備されている。水平マッサージ部16は、施療凹部7内に挿入された足部Fに対して、外側から押圧するように挟み込んで揉みほぐす、揉みマッサージ動作を付与するものである。
【0070】
さらに具体的には、左外側の揉みマッサージ部材14aの水平マッサージ部16は、左側方から左足部Fを覆い、左内側の揉みマッサージ部材14bの水平マッサージ部16は、右側方から左足部Fを覆う。
【0071】
また、右内側の揉みマッサージ部材14cの水平マッサージ部16は、左側方から右足部Fを覆い、右外側の揉みマッサージ部材14dの水平マッサージ部16は、右側方から右足部Fを覆う。
【0072】
垂直マッサージ部17は、ケース体6内において略鉛直方向で且つ上方向へ突出するように配備されている。つまり、垂直マッサージ部17は、水平マッサージ部16の後部から上方へ立ち上がるように設けられている。
【0073】
この垂直マッサージ部17は、脹脛C(膝下から踝まで)を側方から覆う形状とされていて、施療凹部7内の後側に、脹脛Cを挟み込むように左右一対配備されている。垂直マッサージ部17は、施療凹部7内に挿入された脹脛Cに対して、外側から押圧するように挟み込んで揉みほぐす、揉みマッサージ動作を付与するものである。
【0074】
さらに具体的には、左外側の揉みマッサージ部材14aの垂直マッサージ部17は、左側方から左脹脛Cを覆い、左内側の揉みマッサージ部材14bの垂直マッサージ部17は、右側方から左脹脛Cを覆う。
【0075】
また、右内側の揉みマッサージ部材14cの垂直マッサージ部17は、左側方から右脹脛Cを覆い、右外側の揉みマッサージ部材14dの垂直マッサージ部17は、右側方から右脹脛Cを覆う。
【0076】
すなわち、揉みマッサージ部材14は、側面視で略L字形状となるように、水平マッサージ部16の後部と垂直マッサージ部17の下部が接続されている。その水平マッサージ部16と垂直マッサージ部17との接続部位が、揉みマッサージ部材14の基端とされている。
【0077】
つまり、揉みマッサージ部材14の基端は、垂直マッサージ部17の下部で且つ水平マッサージ部16の後部の位置である。その揉みマッサージ部材14の基端には、揉み回転軸13の回転駆動力を揉みマッサージ動作に変換する揉み変換部15が設けられている。
【0078】
言い換えれば、垂直マッサージ部17と水平マッサージ部16は、揉み変換部15を間に介して連結されているといえる。その揉み変換部15を左右方向に亘って揉み回転軸13が貫通状態で配備されている。
【0079】
第1実施形態においては、揉み変換部15は、ブーツ形状(略L字形状)とされている揉みマッサージ部材14の屈曲部位である基端に設けられている。つまり、揉み変換部15は、水平マッサージ部16の後部上方に設けられている。揉み変換部15は、揉み回転軸13の回転駆動力を、一対の水平マッサージ部16および垂直マッサージ部17の近接離反動作(揉みマッサージ部材14の揉みマッサージ動作)に変換する。
【0080】
この揉み変換部15に、揉み駆動軸13が貫通状態で配備されている。なお、揉み変換部15(揉み回転軸13)は、揉みマッサージ部材14の基端(水平マッサージ部16の後部と垂直マッサージ部17の下部)より、後方に位置するように設けられている。
【0081】
つまり、揉み変換部15は、使用者が下肢Lを施療凹部7に挿入したとき、左右一対の揉みマッサージ部材14に挟まれた足部Fの踵上側と脹脛Cとの間の後方に位置するように、揉みマッサージ部材14の基端に設けられている。
【0082】
揉み変換部15は、揉み回転軸13に回転自在に取り付けられていて、その揉み回転軸13と一体回転する傾斜ボス部材18と、揉みマッサージ部材14の基端に設けられ、傾斜ボス部材18に外嵌する環状嵌合部19と、揉みマッサージ部材14が揉み回転軸13との同伴回転することを規制する規制部20と、を有している。
【0083】
傾斜ボス部材18は、中心に貫通した孔部が形成されており、その孔部に揉み回転軸13が貫通している。傾斜ボス部材18は、揉み回転軸13の軸心に対して傾斜状のカム面を外周面に有している。傾斜ボス部材18(カム面)の傾きは、一対の揉みマッサージ部材14において、相対逆向き(例えば、正面視でV字状)に、互いに傾斜している。
【0084】
環状嵌合部19は、揉みマッサージ部材14の基端に形成されていて、傾斜ボス部材18を回転自在な状態で外嵌する。この環状嵌合部19に外嵌される傾斜ボス部材18が、揉み回転軸13の軸心に対して傾斜回転することで、一対の水平マッサージ部16が近接すると一対の垂直マッサージ部17が離反し、その水平マッサージ部16が離反すると垂直マッサージ部17が近接する揺動運動を行う。
【0085】
規制部20は、環状嵌合部19の下方に配備されていて、その環状嵌合部19が傾斜ボス部材18に対して供回りすることを規制する。規制部20は、環状嵌合部19の下方に設けられた規制ピン21と、ケース体6内に設けられ、規制ピン21が摺動自在に嵌り込む規制溝22と、を有している。規制ピン21が規制溝22内において、略水平方向で左右に揺動することで、揉みマッサージ部材14の供回りすることを規制する。
【0086】
さて、上で詳説した、揉みマッサージ機構2と駆動部5(駆動モータ4)は、支持部材12a,12b,12cの4点支持により、ケース体6内において底部から浮いたような状態で配備されている。また、揉み回転軸13は、揉み変換部15に貫通した状態で、水平マッサージ部16の後部上方に設けられている。
【0087】
図5に示すように、第1実施形態においては、ケース体6内の底部には、「空間S」が
形成されている。空間Sは、ケース体6内の支持部材12aの前側であって、ケース体6内の底面から水平マッサージ部16までの高さで且つ、揉みマッサージ機構2の幅の領域に設けられている。
【0088】
従来、揉み駆動軸13はケース体6内の底部であって、水平マッサージ部16に配備されていた。すなわち、揉み駆動軸13は揉み変換部15を貫通して配備されているため、揉みマッサージ部材14は揉み変換部15の高さ分だけ高い位置に配置されていた。
【0089】
また、揉み駆動軸13がケース体6内の底部に配置されているので、振動マッサージ機構3の振動マッサージ部材24(詳細は後述)は、揉み駆動軸13を跨ぐようにして設けられていた。そのため、振動マッサージ部材24の厚み(高さ)は大きいものとなっており、それに連動して空間Sの高さも高くして確保する必要があった。
【0090】
本発明では、揉み回転軸13を、揉みマッサージ機構2を収容するケース体6の底部から上方に所定の高さに配備している。すなわち、揉み回転軸13は、振動マッサージ部材24より上方に配備されている。第1実施形態では、揉み回転軸13を高い位置(水平マッサージ部16の後部上方、ケース体6内の高さ方向で中間あたり)に備えている。
【0091】
このように、ケース体6内の底部に揉み回転軸13を配置しない構造としているため、ケース体6内の底部に空間Sが設けられ、その空間Sの高さを低くすることができる。それに伴って、空間Sに配備される振動マッサージ部材24の厚みも薄くすることができるようになる。
【0092】
また、駆動モータ4もケース体6の底部から上方に所定の高さに配備している。第1実施形態では、揉み回転軸13(揉み変換部15)を揉みマッサージ部材14の後部上方に設けるとともに、駆動モータ4を揉みマッサージ部材14の前部上方に設けているので、水平マッサージ部16の高さ方向の配置も低くすることができる。
【0093】
このように、揉み回転軸13などをケース体6の底部から上側に離れた位置に配置することで、空間Sおよび振動マッサージ部材24の高さをできる限り低くすることができるという効果が発現する。したがって、下肢用マッサージ機1全体の高さも低くすることができる。
【0094】
詳しくは、駆動モータ4は、ケース体6内の前側で且つ、底部から上方に所定の高さ(およそ支持部材12bの高さだけ上方)に配備されている。揉み回転軸13は、揉みマッサージ部材14の後側で且つ、ケース体6の底部から上方に所定の高さ(およそ支持部材12aの高さだけ(水平マッサージ部16より)上方)に配備されている。揉みマッサージ部材14の水平マッサージ部16は、ケース体6の底部から上方に所定の高さ(駆動モータ4の位置と略同じ高さ)に配備されている。
【0095】
すなわち、空間Sの高さについては、ケース体6の底部から、駆動モータ4、揉み回転軸13、水平マッサージ部16までの離れた距離分だけ、大きく確保されたスペースである。また、空間Sの幅(前後方向の長さ)については、水平マッサージ部16の長さ以上に大きく確保されたスペースである。また、空間Sの幅(左右方向の長さ)については、左外側の揉みマッサージ部材14aから右外側の揉みマッサージ部材14dまでの距離以上に大きく確保されたスペースである。
【0096】
つまり、ケース体6の底部側であって、駆動モータ4、左外側の揉みマッサージ部材14aから右外側の揉みマッサージ部材14dまでの間、揉み回転軸13の下方は、所定の高さで且つ、前後および左右方向に亘って広い「空間S」が設けられている。
【0097】
その空間Sには、振動マッサージ機構3(足裏マッサージ部)を構成する振動マッサージ部材24が配備されている。また、空間Sに設けられた足裏マッサージ部に向かって、駆動モータ4(振動モータ)の第2の出力軸8bが下方を向くように配備されている。
【0098】
第2の出力軸8bの先端部には、足裏マッサージ部の振動発生機構23が設けられている。そのため、足裏マッサージ部では、第2の出力軸8bの回転駆動力に伴い振動が発生するようになっている。
【0099】
図2~
図5などに示すように、足裏マッサージ部は、施療凹部7に挿入された使用者の足部Fの足裏Uを下方から振動マッサージ動作を付与するものである。足裏マッサージ部は、駆動モータ4の駆動で、使用者の施療部である足裏Uに対して振動マッサージ動作を
付与する振動マッサージ機構3を備えている。
【0100】
振動マッサージ機構3は、駆動モータ4から出力された回転駆動力を振動マッサージ動作に変換する振動発生機構23と、足裏Uに対して振動マッサージ動作を付与する平板状の振動マッサージ部材24と、を有する。
【0101】
振動発生機構23は、第2の出力軸8bより出力された回転駆動力を振動運動に変換する機構であり、第2の出力軸8bが取り付けられるボス部材25と、ボス部材25に偏心して設けられた軸体27と、を有する。
【0102】
ボス部材25は、第2の出力軸8bに取り付けられる部材である。このボス部材25は、フランジ形状に形成された部材であり、上側に円盤部材28を設け、その下側に小径の軸体27を設けた部材である。円盤部材28は、断面視で凹形状とされた部材である。なお、円盤部材28の凹形状の内部片側には、ウェイト部26が設けられている。
【0103】
ボス部材25には、軸体27が設けられている。この軸体27は、ボス部材25に偏心して設けられている。つまり、軸体27は、第2の出力軸8bの軸心に対して、軸心がずれるようにしてボス部材25に設けられている。言い換えれば、軸体27の軸心は、第2の出力軸8bの軸心と同一直線状に無いものとなっている。
【0104】
すなわち、ボス部材25には、第2の出力軸8bが取り付けられている。そのボス部材25に設けられた軸体27は、ベアリング29を介して振動マッサージ部材24に取り付けられている。つまり、第2の出力軸8bは、ボス部材25、軸体27、ベアリング29を介して、振動マッサージ部材24に回動自在に支持されている。これにより、ボス部材25は偏心回転し、その偏心回転はベアリング29を介して振動マッサージ部材24に伝達される。
【0105】
ボス部材25は、駆動モータ4の第2の出力軸8bが取り付けられた回転可能なフランジ形状の部材である。第1実施形態のボス部材25は、円盤部材28の中心から偏心した状態で設けられた軸体27を有する構造で偏りを形成し、円盤部材28の中心から偏心した位置に重心を設けることで偏心回転する。
【0106】
つまり、軸体27が第2の出力軸8bに対して偏心して円盤部材28に設けられていることで、第1実施形態のボス部材25は偏心ボス部材となる。この偏心ボス部材25は、駆動モータ4の第2の出力軸8bより出力された回転駆動力を、振動マッサージ部材24が振動するための偏心回転運動に変換する。
【0107】
このように、第2の出力軸8bに対して偏心した状態で軸体27を設けたボス部材25が、駆動モータ4の第2の出力軸8bより出力された回転駆動力を偏心回転に変換することにより、振動マッサージ部材24が振動し、押圧突起31が足裏Uに対して振動マッサージ動作を付与する。
【0108】
振動マッサージ部材24(振動板24)は、右側の足裏Uの全面と左側の足裏Uの全面に対して振動マッサージが可能な広さを有し、中央に振動発生機構23が備えられる貫通孔30が設けられている。貫通孔30は、ベアリング29を介してボス部材25が挿入されている。すなわち、第2の出力軸8bは、振動マッサージ部材24に回転自在に支持されている。
【0109】
振動マッサージ部材24は、前後左右に広い(特に幅方向に長い)長方形状の平板材であり、側面視で足部Fの踵側が低くなる(足先が上がる)ように、後方傾斜の状態で配備されている。
【0110】
第1実施形態の振動マッサージ部材24は、前後の長さが水平マッサージ部16の長さと略同じで、幅は左外側の揉みマッサージ部材14aから右外側の揉みマッサージ部材14dまでの距離と略同じである。
【0111】
また、振動マッサージ部材24は、足裏Uの土踏まずに対応する上面部位に、凸状に大きく隆起した押圧突起31が設けられている。押圧突起31は、上方に向かって膨出する略半球状の外観を備えた部材である。押圧突起31は、振動マッサージ部材24が振動すると、足裏Uの土踏まず(つぼ)を刺激できるようになっている。
【0112】
また、押圧突起31の前後には、複数の施療子32が設けられている。施療子32は、押圧突起31より低いが凸状に隆起した部材である。施療子32は、上方に向かって膨出
する略半球状に形成された部材である。施療子32は複数設けられているので、右側の足裏Uと左側の足裏Uの全面(土踏まずを除く)に対して振動マッサージが可能とされ、足裏Uを刺激できるようになっている。
【0113】
幅方向に長い長方形状とされた振動マッサージ部材24の下面の略四隅(前側左右の隅と後側左右の隅)には、孔部33が形成されている。孔部33には、円柱状に形成された振動板用支柱34が挿入されている。この孔部33は、振動板用支柱34を嵌め込み可能な内径を備えたものである。
【0114】
振動板用支柱34は、振動マッサージ部材24を下方から支持する。この振動マッサージ部材24は、ベアリング29を介した軸体27(ボス部材25)の回転によって供回りをする動きになるが、振動板用支柱34を設けておくことにより、振動マッサージ部材24の供回りを防止する。
【0115】
また、振動板用支柱34の上下方向中途部には、円柱状に形成された振動部材34aが備えられている。振動部材34aは、弾性材料(ゴム部材)で形成された部材である。振動部材34a(振動板用支柱34)は撓みやすくなっており、ここで振動マッサージ部材24の振動を発生させる。
【0116】
すなわち、振動部材34aでは、ベアリング29を介して伝達されたボス部材25の偏心回転が、振動マッサージ部材24の振動に変換される。振動マッサージ部材24は、振動板用支柱34に振動部材34a(ゴム部材)を設けておくことにより、振動マッサージ部材24の振動が発生するようになる。
【0117】
また、振動部材34aは揺れることで振動を吸収し、ケース体6への伝播を抑制することができるものとなっている。理由として、振動板用支柱34が棒状の部材であると、ケース体6に振動が伝わって全体が大きく振動してしまうので、振動板用支柱34に弾性材料(ゴム部材)で形成された振動部材34aを備えている。つまり、振動部材34aは、振動を減衰する防振ゴムの作用も有するといえる。
【0118】
振動部材34aの上下には、軸体34bが設けられている。その振動板用支柱34の上軸体34bが孔部33に挿入されている。また、振動板用支柱34の下軸体34bはケース体6に設けられた孔部6eに挿入されている。
【0119】
この振動板用支柱34の4点支持により、振動マッサージ部材24はケース体6内において底部から浮いたような状態で配備されている。これにより、振動板用支柱34の振動部材34aが撓むことにより振動マッサージ部材24がより振動しやすくなる。また、振動部材34aが撓むことで振動を吸収することにより、振動マッサージ部材24の振動がケース体6に伝播することを抑制する。
【0120】
また、振動マッサージ部材24の中央には、支持部材12bが貫通する貫通孔35が二つ設けられている。つまり、この貫通孔35は、支持部材12bを回避するための孔部である。なお、貫通孔35の内径は、支持部材12bの外径より大きいものとなっている。
【0121】
このように、駆動モータ4の第2の出力軸8bが回転すると回転駆動力により、第2の出力軸8bに対して偏心した状態で軸体27を設けたボス部材25が偏心回転し、その偏心回転が振動マッサージ部材24に伝達される、すなわち振動発生機構23で偏心回転が振動に変換されることで、振動マッサージ部材24が前後左右に振動し、押圧突起31と施療子32が左右の足裏U全体に振動マッサージを付与する。
[作動態様]
次いで、本発明の下肢用マッサージ機1の作動態様について、
図1~
図5などを基に説明する。
【0122】
図1に示すように、使用者は椅子に着座し、下肢用マッサージ機1の施療凹部7L,7Rに、足部F~脹脛Cにかけての下肢Lを挿入する。操作部6aを操作し、電源をONにし、駆動部5を駆動させる。
【0123】
図2~
図5などに示すように、駆動モータ4は、軸心が上方向を向く第1の出力軸8aから回転駆動力を出力すると同時に、軸心が下方向を向く第2の出力軸8bから回転駆動力を出力する。
【0124】
第1の出力軸8aから出力された回転駆動力は、第1のギアケース9(前部ギアケース
9)に入力される。第1の出力軸8aのウォームギアと伝達軸10の前部のウォームホイールとが噛み合っているため、回転駆動力は第1のギアケース9内で、軸心が前後方向を向く伝達軸10に伝達される。ここで回転駆動力は、第1の出力軸8aと伝達軸10が直交方向に接続されていることにより、出力(伝達)の方向が上方向から後方向に切り替わる。
【0125】
回転駆動力は伝達軸10により、第2のギアケース11(後部ギアケース11)に入力される。伝達軸10の後部に設けられたウォームギアと揉み回転軸13の長手方向中途部に設けられたウォームホイールとが噛み合っているため、回転駆動力は第2のギアケース11内で、軸心が水平で且つ左右方向を向く揉み駆動軸13に伝達される。
【0126】
ここで回転駆動力は、伝達軸10と揉み駆動軸13が直交方向に接続されていることにより、出力(伝達)の方向が後方向から左右方向に切り替わる。揉み駆動軸13は回転駆動力により回転する。
【0127】
つまり、第1の出力軸8aからの回転駆動力は、上方の第1のギアケース9に入力されて伝達軸10に伝達され、その伝達軸10から後方の第2のギアケース11に入力され、その第2のギアケース11で所定の速度に減速されて、揉み回転軸13に伝達されることとなる。
【0128】
揉み回転軸13が回転すると、回転駆動力は揉み変換部15で、揉みマッサージ部材14の揉みマッサージ動作をさせるための揺動運動に変換される。すなわち、揉みマッサージ部材14の環状嵌合部19に外嵌される傾斜ボス部材18が、揉み回転軸13の軸心に対して傾斜回転する。この傾斜ボス部材18の傾斜回転により、一対の水平マッサージ部16が近接すると一対の垂直マッサージ部17が離反し、その水平マッサージ部16が離反すると垂直マッサージ部17が近接する近接離反動作(揺動運動)を行う。
【0129】
このように、一対の水平マッサージ部16の挟み込みにより、足部Fに対して挟み込んで揉む揉みマッサージ動作を付与するとともに、一対の垂直マッサージ部17の挟み込みにより、脹脛Cに対して挟み込んで揉む揉みマッサージ動作を付与する。つまり、揉みマッサージ部材14は、足部Fの足先から脹脛Cにかけて、下から上に向かって押し上げるように揉む揉みマッサージ動作を付与する。
【0130】
一方で、第1の出力軸8aの回転駆動力と同時に出力された、第2の出力軸8bの回転駆動力は、振動発生機構23に伝達される。振動発生機構23では、ボス部材25が第2の出力軸8bの回転駆動力により回転する。ボス部材25には、軸体27が第2の出力軸8bに対して偏心して設けられているので、第2の出力軸8bより出力された回転駆動力は、ボス部材25で偏心回転運動に変換される。
【0131】
第2の出力軸8bがボス部材25を介して振動マッサージ部材24に接続されているため、ボス部材25の偏心回転運動が振動マッサージ部材24に伝達されて、振動マッサージ部材24は前後左右に振動する。このとき、振動板用支柱34の振動部材34aが撓み、振動マッサージ部材24がより振動する。また、振動部材34aの撓みにより、ケース体6への伝播が抑制される。
【0132】
この振動マッサージ部材24は、水平マッサージ部16の挟み込み動作と連動して、足裏Uに対して振動マッサージ動作を付与する。すなわち、足裏Uが水平マッサージ部16の挟み込みで下向きに押えられることで、振動マッサージ部材24の押圧突起31が足裏Uの土踏まずを刺激するように上方に向かって指圧するような押圧マッサージ動作を付与し、複数の施療子32が土踏まずを除く足裏Uの全面に対して刺激するように上方に向かって指圧するような押圧マッサージ動作を付与する。
【0133】
このように、揉みマッサージ部材14の揉みマッサージ動作と同時に、駆動モータ4の第2の出力軸8bより出力された回転駆動力を、第2の出力軸8bに対して偏心した状態で軸体27を設けたボス部材25が偏心回転に変換することにより、振動マッサージ部材24が振動し、押圧突起31と施療子32が足裏Uに対して振動マッサージ動作を付与する。
【0134】
本発明の下肢用マッサージ機1によれば、1個の駆動モータ4で、下肢Lに対して揉みマッサージ機構2で揉みマッサージを行うとともに、足裏U全体に対して振動マッサージ
機構3で振動マッサージを行うことができる。
【0135】
すなわち、本発明の下肢用マッサージ機1は、足部Fから脹脛Cにかけての下肢Lと足裏U全体に対して、揉みマッサージと振動マッサージからなる効果的なマッサージを行うことできる。また、本発明の下肢用マッサージ機1は、足裏U全体に振動マッサージを行う平板状の振動マッサージ部材24を配備することができる広さの空間Sを備えている。[第2実施形態]
本発明にかかる下肢用マッサージ機1の第2実施形態について、以下述べる。
【0136】
第2実施形態は、
図6、
図7に示すようなものであり、以降の説明では、第1実施形態と異なる部分やその構成について詳細に説明を行う。他の構成は第1実施形態と略同一であるため、説明を省略乃至は簡略化する。
【0137】
図6、
図7などに示すように、第2実施形態の下肢用マッサージ機1は、使用者の施療部である脹脛Cから足部Fまでの下肢Lに対して揉みマッサージ動作を付与する揉みマッサージ機構2と、使用者の施療部である足裏Uに対して振動マッサージ動作を付与する振動マッサージ機構3と、揉みマッサージ機構2と振動マッサージ機構3を駆動する駆動部5と、揉みマッサージ機構2と振動マッサージ機構3と駆動部5を内蔵するケース体6とを有する。
【0138】
第2実施形態の下肢用マッサージ機1に関しては、ケース体6の形状や揉みマッサージ機構2などは第1実施形態の構成と略同様であるが、振動マッサージ機構3の構成などが第1実施形態とは異なる。
【0139】
まず、駆動部5は、ケース体6内の上下方向中途部で、且つ左内側の揉みマッサージ部材14bと右内側の揉みマッサージ部材14cとの間(ケース体6内の左右方向略中央)に配備されている。
【0140】
駆動部5は、回転駆動力を発生する駆動モータ4と、駆動モータ4にて発生した回転駆動力を揉み回転軸13に伝達するギア機構43を有している。駆動モータ4は、出力軸8を上下2本(両軸)有しており、上方向を向く第1の出力軸8aと、下方向を向く第2の出力軸8bを備えている。第1の出力軸8aの回転駆動力を揉み回転軸13に伝達するギア機構43は、駆動モータの出力軸に形成されたウォームギア44と、それに螺合するウォームホイール45、及び減速のための平ギア46から構成される。このギア機構43を介して、駆動モータ4の回転駆動力は、ケース体6の内部に左右方向を向くように配備された揉み回転軸13へと伝達される。揉み回転軸13に伝達された回転駆動力は、揉み変換部15により、左右一対の揉みマッサージ部材14a,14b及び14c,14dによる揺動運動へと変換される。
【0141】
一方、振動マッサージ機構3は、駆動モータ4から出力された回転駆動力を振動マッサージ動作に変換する振動発生機構23と、足裏Uに対して振動マッサージ動作を付与する平板状の振動基板40と、を有する。
【0142】
振動発生機構23は、下方突出状とされた第2の出力軸8bに取り付けられた円盤部材28を有し、この円盤部材28の内部片側には、ウェイト部26が設けられている。そのため、第2の出力軸8bによる回転駆動力は、円盤部材28により振動基板40の水平面内の振動へと変換され、振動基板40が振動するようになる。
【0143】
振動基板40は、前後の長さが水平マッサージ部16の長さと略同じで、幅は左外側の揉みマッサージ部材14aから右外側の揉みマッサージ部材14dまでの距離と略同じである。振動基板40は、第1実施形態と略同様な振動板用支柱34により、ケース体の底部内面に対して振動板用支柱34を介して浮いた状態で支持される。
【0144】
振動基板40の上面であって、左右の足の足裏Uの土踏まずに対応する部位には、足裏マッサージ部材41aが設けられている。この足裏マッサージ部材41aは、左右一対の揉みマッサージ部材14a,14bの間であって、揉みマッサージ部材14a,14bの下端に対応する位置に設けられている。左右一対の揉みマッサージ部材14c,14dの間にも、足裏マッサージ部材41bが設けられている。足裏マッサージ部材41aと足裏マッサージ部材41bとは略同様の形状を有している。それ故、以降は、足裏マッサージ部材41aについての説明を行う。
【0145】
足裏マッサージ部材41aは前後方向に細長く、平面視で略長方形状を呈しており、前後方向中央部が上方に円弧状に張り出している。この円弧状に張り出している膨出部42の下方は左右方向に開放状の空間部(トンネル部)となっており、揉み回転軸13が左右方向に貫通状に配備されている。すなわち、膨出部42は、揉み回転軸13を跨ぐように形成されていて、足裏マッサージ部材41aと振動基板40との上下間を揉み回転軸13が貫通するように配設されている。
【0146】
足裏マッサージ部材41aの下面であって前端部及び後端部には、当該足裏マッサージ部材41aを振動基板40の上面に取り付けるための柱部48が設けられている。すなわち、柱部48により、足裏マッサージ部材41aは振動基板40から浮いた状態で取り付けられている。足裏マッサージ部材41aの前後方向中央部は、前述のごとく半円形の膨出部42となっており、足裏マッサージの上面から膨張するように張り出している。この膨出部42は、第1実施形態の押圧突起31と同様な作用効果を奏する。押圧突起31は、振動基板40が振動すると、足裏Uの土踏まずを刺激できるようになっている。
【0147】
足裏マッサージ部材41aの上面前側部及び上面後側部、言い換えれば、膨出部42の前後には、複数の押し施療子47が設けられている。押し施療子47は、凸状に隆起した棒部材であり先端は半球状(非鋭利形状)となっている。第2実施形態の場合、膨出部42の前側に5本配備されており、その高さは膨出部42より低いものとされている。また、円弧状部の後側には3本の押し施療子47は配備されており、後側の押し施療子47の高さは膨出部42と略同じものとされている。押し施療子47の水平面内での配置は、使用者の好みに合わせて適宜変更可能であるが、本実施形態の場合、膨出部42の前側の押し施療子47は、前後に2つずつ左右方向に配備され、それらの間に1本の押し施療子47が配備される。膨出部42の後側の押し施療子47は、左右に並ぶように3つ配備されている。
【0148】
膨出部42と押し施療子47により、右側の足裏Uと左側の足裏Uの全面(土踏まず、踵部、足先部など)に対して振動マッサージが可能とされ、足裏Uを刺激できるようになっている。
【0149】
略長方形状とされた振動基板40の下面の四隅は、振動板用支柱34によりケース体6の底壁内側に取り付けられている。振動板用支柱34の上下方向中途部は弾性材料で形成されており、ここで振動マッサージ部材24の振動がケース体6側へ伝播することを防ぐものとなっている。
【0150】
以上説明した第2実施形態の足裏マッサージ機構によれば、駆動モータ4の第2の出力軸8bが回転すると回転駆動力が偏心回転へと変換され、その偏心回転が振動基板40に伝達される。ひいては足裏マッサージ部材41a,bが振動し、足裏マッサージ部材41a,bに設けられた膨出部42と押し施療子47が左右の足裏U全体に振動マッサージを付与する。
【0151】
以上、第2実施形態においても、揉み回転軸13を揉みマッサージ機構2を収容するケース体6の底部から上方に所定の高さに配備している。すなわち、揉み回転軸13を高い位置(水平マッサージ部16の後部上方)に備えている。それ故、ケース体6内の底部に揉み回転軸13を配置しない構造にでき、ケース体6内の底部に空間Sが設けられ、その空間Sの高さを低くすることができる。それに伴って、下肢用マッサージ機1全体の高さも低くすることができる。
【0152】
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
【0153】
特に、今回開示された実施形態において、明示されていない事項、例えば、作動条件や操作条件、構成物の寸法、重量などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な事項を採用している。
【0154】
例えば、揉みマッサージ機構2に備えられている揉みマッサージ部材14の形状や、揉みマッサージ部材14(傾斜ボス部材18)の揉み回転軸13に対する傾斜角度、左右にある揉みマッサージ部材14aと14b、および、揉みマッサージ部材14cと14dの離間距離などは、施療範囲を鑑み適宜変更可能である。また、本発明の下肢用マッサージ
機1は、椅子型マッサージ機に設けられたフットレスト部に搭載されていてもよい。
【符号の説明】
【0155】
1 下肢用マッサージ機
2 揉みマッサージ機構
3 振動マッサージ機構
4 駆動モータ
5 駆動部
6 ケース体
7L 左施療凹部
7R 右施療凹部
8 出力軸
8a 第1の出力軸
8b 第2の出力軸
9 第1のギアケース
10 伝達軸
11 第2のギアケース
13 揉み回転軸
14 揉みマッサージ部材
15 揉み変換部
16 水平マッサージ部
17 垂直マッサージ部
23 振動発生機構
24 振動マッサージ部材
25 ボス部材
26 ウェイト部
27 軸体
28 円盤部材
29 ベアリング
30 貫通孔
31 押圧突起
32 施療子
33 孔部
34 振動板用支柱
34a 振動部材
34b 軸体
35 貫通孔
40 振動基板
41a 足裏マッサージ部材
41b 足裏マッサージ部材
42 膨出部
43 ギア機構
44 ウォームギア
45 ウォームホイール
46 平ギア
47 押し施療子
48 柱部
S 空間
L 下肢
C 脹脛
F 足部
U 足裏