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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161883
(43)【公開日】2024-11-20
(54)【発明の名称】前捌き装置およびPOSターミナル
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20241113BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20241113BHJP
   G06Q 20/20 20120101ALI20241113BHJP
【FI】
G07G1/12 321K
G07G1/00 301D
G07G1/00 311D
G07G1/12 301E
G06Q20/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024001540
(22)【出願日】2024-01-09
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2023/17342
(32)【優先日】2023-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】WO
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】506359288
【氏名又は名称】株式会社アスタリスク
(74)【代理人】
【識別番号】100191189
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100199761
【弁理士】
【氏名又は名称】福屋 好泰
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 規之
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142CA12
3E142CA17
3E142DA04
3E142DA07
3E142EA04
3E142FA42
3E142GA02
3E142GA03
3E142GA04
3E142GA16
3E142JA01
(57)【要約】
【課題】商品コードの読取遅延に起因するレジ待ちを低減する。
【解決手段】前捌き装置300は、レジ待ち状態にある各商品Gbに付された商品コードを読み取り、読み取った商品コードをメモリ304に記憶させておく。レジが空いた際に、前捌き装置300は、メモリ304に記憶させておいた商品コードを抽出し、抽出した商品コードをQRコード(登録商標)に変換し、そのQRコードをタッチパネルディスプレイ301に表示させる。タッチパネルディスプレイ301に表示させたQRコードをPOSターミナル200のスキャナ212で読み取らせることで、商品Gbの商品コードをPOSターミナル200に入力する。
【選択図】図4

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1商品の識別情報を読み取るPOSターミナルと、
第2商品の識別情報を読み取る第1読取部と、
第3商品の識別情報を読み取る第2読取部と、
前記第1読取部によって読み取られた識別情報及び/又は前記第2読取部によって読み取られた識別情報を前記POSターミナルに受け渡す受渡部と、
を備え、
前記POSターミナルは、読み取った第1商品の識別情報および受け渡された識別情報に基づいて会計処理を実行することを特徴とする、会計システム。
【請求項2】
前記受渡部は、
前記第1読取部によって読み取られた識別情報を前記POSターミナルに受け渡す第1受渡部と、
前記第2読取部によって読み取られた識別情報を前記POSターミナルに受け渡す第2受渡部と、
を含み、
前記第1読取部および前記第1受渡部を有する第1読取装置と、
前記第2読取部および前記第2受渡部を有する第2読取装置と、
を備える、請求項1に記載の会計システム。
【請求項3】
前記受渡部は、前記第1読取部によって読み取られた識別情報及び/又は前記第2読取部によって読み取られた識別情報を、前記POSターミナルが読取可能な形式で紙面に印刷する印刷部を含むことを特徴とする、請求項1に記載の会計システム。
【請求項4】
前記印刷部は、
前記第1読取部によって読み取られた識別情報を紙面に印刷する第1印刷部と、
前記第2読取部によって読み取られた識別情報を紙面に印刷する第2印刷部と、
を含む、請求項3に記載の会計システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前捌き装置およびPOSターミナルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
食料品や日用品を販売するスーパーマーケットなどの小売店におけるレジ待ちを解消するために、従来より様々な対策が講じられてきた。例えば、レジカウンターの混雑状況に応じてレジカウンターの稼働数を増やすことで、レジ待ちの顧客を分散させる対策や、レジカウンターに配置するスタッフを増員することで会計における作業効率を向上させる対策などが講じられてきた。近年では、複数のセミセルフレジを導入することで、支払の遅延に起因するレジ待ちを低減させる対策が採られている。また、複数のセルフレジを導入することで、支払遅延だけでなく、商品から商品コードの読取遅延に起因するレジ待ちを低減させる対策が採られている。
【0003】
ここで、本願は、レジ待ちが生じる要因の一つである購入商品の読取遅延に着目したものである。購入商品から商品コードを読み取る作業においては、購入商品の商品コードが一つずつスキャンされるので、購入商品の数に比例して読取遅延が増大し、その結果、レジ待ちが生じたり、レジ待ち時間が増大することとなる。このような読取遅延に起因するレジ待ちを改善するために、前捌きに関する技術が開発されている。前捌きとは、レジ待ち状態にある購入商品の商品コードを読み取っておくことであり、前捌きによって取得した商品コードを用いて会計を実施することで、その後のレジ待ちが緩和される。このような前捌きに関する技術が、例えば特許文献に記載されている。
【0004】
特許文献に記載のセルフ登録システムは、顧客によって操作される携帯端末と、会計処理を実行する会計装置と、ネットワークを介して携帯端末および会計装置と通信可能なクラウドサーバと、を備える。顧客は、商品を陳列棚からピックアップした時点で、携帯端末を用いて当該商品の商品コードを読み取る。携帯端末は読み取った商品コードをクラウドサーバに送信し、クラウドサーバは、携帯端末から商品コードを受信する度に、当該商品コードに対応する商品情報(価格や商品名)をデータベースに登録する。データベースでは、顧客の購入商品群を管理するためのバスケット情報が付与され、当該バスケット情報に対応づけて商品コード及び商品情報が管理される。
【0005】
このように、特許文献では、会計に先立って購入商品の商品コードが携帯端末によって読み取られ、当該商品コードに対応する商品情報がクラウドサーバにおいて管理されるので、会計装置における商品コードの読取作業が不要となる。よって、会計時の読取遅延に起因するレジ待ちが解消される。なお、当該特許文献では、商品の会計時に、携帯端末からクラウドサーバに対して2次元コードの発行がリクエストされる。当該2次元コードはサーバにおいて管理されているバスケット情報がコード化されたものであって、携帯端末に表示させた2次元コードを会計装置が読み取ることで、会計装置は取引対象となる商品の商品情報をクラウドサーバから受信して会計処理を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-107122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献に記載のセルフ登録システムは、レジカウンターに至る前に、顧客自ら購入商品から商品コードを読み取っておくため、レジカウンターにおけるスタッフによる読取作業を省き、読取作業に起因するレジ待ちを解消しようとするものである。
【0008】
ここで、従来から用いられているPOSターミナル(商品から商品コードを読み取るスキャナと、スキャナから取得した商品コードに基づいて会計処理や金銭出納の記録を行う端末本体と、を備えたPOSターミナル)を使用している小売店は依然として多く、従来のPOSターミナルに代えて特許文献に記載のセルフ登録システムを導入するためには、システムを大きく変更する必要がある。このため、小売店においては、これまでのPOSシステムを利用しつつ、読取遅延に起因するレジ待ちを低減することが望まれている。なお、上記セミセルフレジやセルフレジにおいても、会計時に、全ての購入商品の商品コードをスキャンする必要があるため、セミセルフレジやセルフレジを導入している小売店においても読取遅延に起因するレジ待ちの低減が望まれている。
【0009】
そこで、本発明は、商品コードの読取遅延に起因するレジ待ちを低減することができる前捌き装置およびPOSターミナルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は、商品に付与された商品コードを読み取るPOSターミナルと共に利用する前捌き装置であって、前記商品の商品コードを読み取る読取部と、前記読み取った商品コードまたは当該商品コードに対応する前記商品の管理情報を前記POSターミナルに受け渡す受渡部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、前記読取部は、前記POSターミナルのレジ待ち状態にある前記商品の商品コードを読み取り、前記受渡部は、前記商品のレジ待ちが解消された場合に前記商品コードまたは前記管理情報を当該POSターミナルに受け渡す、ことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の前捌き装置は、前記読み取った商品コードを記憶する記憶部を備え、前記受渡部が、前記記憶部に記憶された商品コードまたは当該商品コードに対応する前記商品の管理情報を前記POSターミナルに受け渡す、ことを特徴とする。
【0013】
また、前記受渡部は、前記商品コードまたは前記管理情報に区切情報を付加した状態で、当該商品コードまたは当該管理情報を前記POSターミナルに受け渡す、ことを特徴とする。
【0014】
また、前記受渡部は、前記商品コードまたは前記管理情報を前記POSターミナルによって読取可能なシンボルに変換する変換処理部と、前記変換したシンボルを表示する表示部と、を備えることを特徴とする。
【0015】
また、前記受渡部は、前記商品コードまたは前記管理情報を前記POSターミナルによって受信可能な無線信号で、当該POSターミナルに対して送信する送信部を備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明のPOSターミナルは、前記前捌き装置から前記読み取った商品コード又は前記管理情報を受け渡されるとともに、前記商品以外の商品の商品コードを読み取る、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の前捌き装置は、商品コードの読取遅延に起因するレジ待ちを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1実施形態に係る会計システムのシステム構成を示す図
図2】上記会計システムが設置されたレジカウンターをスタッフ側から見た側面図
図3】(a)上記会計システムが備えるPOSターミナルのブロック図、(b)上記会計システムが備える前捌き装置のブロック図
図4】上記前捌き装置が実行する処理のフロー図
図5】(a)上記前捌き装置の読取処理における画面の表示態様を示す図、(b)上記前捌き装置の受渡処理における画面の表示態様を示す図
図6】本発明の第3実施形態に係る会計システムのシステム構成を示す図
図7】上記第3実施形態におけるレジカウンターをスタッフ側から見た側面図
図8】本発明の第4実施形態に係る会計システムのシステム構成を示す図
図9】本発明の第5実施形態に係る会計システムのシステム構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1実施形態]
以下、図面に基づいて、本発明の第1実施形態に係る会計システムを説明する。
【0020】
図1に示す本実施形態の会計システム1は、食料品や日用品を販売するスーパーマーケットなどの小売店において用いられる会計システムであって、店舗に設置された公知のストアコンピュータ100と通信可能に設けられた複数のPOSターミナル200と、を備えている。
【0021】
ストアコンピュータ100は、POSシステムにおいてPOSターミナル200の上位となる制御装置であり、主にPLU(price look up)などの共通ファイルの制御を行う。
【0022】
図2および図3に示すように、POSターミナル200は、商品の商品コードに基づいて会計処理を行う装置であり、店舗に設けられたレジカウンターCの各々に設置されている。当該POSターミナル200は、レジカウンターC上において購入商品Gaの商品コードを読み取るスキャナユニット210と、スキャナユニット210が接続された電子レジスタ230と、を備えている。
【0023】
スキャナユニット210は、レジカウンターC上に立設された筐体211と、筐体211に組み込まれレジカウンターCの内側に向かって配置されたスキャナ212と、筐体211上部に配置された表示器213と、表示器213の側方に配置されたキーボード214と、を備えている。スキャナ212は、商品に表示されたJANコードや店舗において運用されているCODE128などを用いたインストアコード(シンボル)から当該商品の識別情報である商品コードを読み取る装置である。なお、スキャナ212は、JANコードに代表されるバーコードだけでなく、QRコード(登録商標)に代表される2次元コード(シンボル)からも商品コードを読み取ることが可能である。すなわち、スキャナ212は、バーコードや2次元コードなどの光学的に読取可能なシンボルから商品コードを読み取るものである。
【0024】
電子レジスタ230は、いわゆるPOSレジの本体であり、電子レジスタ本体231と、表示器232と、キャッシュドロワー233と、を備えている。電子レジスタ本体231は、上記スキャナ212やキーボード214からの入力内容に基づいて取引の記録、演算、金銭管理を行うとともに、上記スキャナユニット210の表示器213および電子レジスタ230の表示器に対して入力内容や合計金額を表示させる。また、電子レジスタ本体231は、現金、小切手、商品券などを収容するキャッシュドロワーの開閉制御を行う。
【0025】
上記POSターミナル200において、スキャナ212は商品の商品コードを読み取る読取部として機能する。また、キーボード214は、商品の金額、数量、及び商品コード、並びに、小計、乗算、不可算、訂正などの各種処理内容を入力する入力部として機能する。また、表示器213,232は、スキャナ212によって読み取られた商品コードや合計金額を表示する表示部として機能する。また、電子レジスタ231は、スキャナ212およびキーボード214からの入力内容に基づいて、取引の記録、演算(商品金額の積算)、及び金銭管理などの処理を行う処理部として機能する。
【0026】
ここで、図1および図2に示すように、本実施形態では、各POSターミナル200に対応するよう、各レジカウンターCに設けられた複数の前捌き装置300を備えている。なお、前捌き装置300の台数は、POSターミナル200の台数と同数である必要はなく、POSターミナル200よりも少ない台数であってもよいし、POSターミナル200よりも多い台数であっても構わない。また、POSターミナル200のレジ待ち状況に応じて増減させるようにしても構わない。
【0027】
前捌き装置300は、レジ待ちの顧客が有する購入商品Gbから商品コードを読み取る読取装置として機能するものであって、本実施形態では、スマートフォンやタブレット端末などのハンディタイプのスマートデバイスが用いられている。当該スマートデバイスは、その前面に設けられたタッチパネルディスプレイ301、その背面に設けられたカメラ302、CPU303、及びメモリ304を備えている。タッチパネルディスプレイ301、カメラ302、及びメモリ304はCPU303と電気的に接続されている。タッチパネルディスプレイ301は、CPU303に生成された画像(図5)を表示する表示部として機能し、また、ユーザによるタッチ操作を検出した場合にタッチ位置の座標をCPU303に入力する座標入力部として機能する。カメラ302は、CPU303からの撮像指示に基づいてその画角内を撮像し、生成した画像をCPU303へと入力する撮像部として機能する。メモリ304は、予め、前捌きプログラムを記憶する記憶部として機能するものである。CPU303は、当該前捌きプログラムを実行することにより、図4に示す前捌き処理を実行する処理部として機能する。以下、前捌き処理を説明する。
【0028】
前捌き処理は、商品から商品コードを読み取る読取処理s10、及び、読み取った商品コードをPOSターミナル200へと受け渡す受渡処理s20を含む。
【0029】
読取処理s10は、画像取得処理s11、第1表示処理s12、解析処理s13、第2表示処理s15、及び記憶処理s16をこの順に実行する。
(1)画像取得処理s11は、カメラ302によって生成された画像を取得する処理である。具体的には、CPU303は、カメラ302に対して撮像指示を入力する。撮像指示が入力されたカメラ302は、所定のフレームレートで撮像を行い、画像を生成し、画像をCPU303に入力する。この際、カメラ302の画角内に商品のJANコードが含まれると、当該JANコードが撮像され、JANコードを含む画像がCPU303へと入力される。そして、CPU303はカメラ302から画像を取得する。
(2)第1表示処理s12は、画像取得処理s11において取得した画像をタッチパネルディスプレイ301に表示させる処理であり、例えば図5(a)に示す画像表示エリアA1に画像を表示させる。当該第1表示処理s12を実行することにより、前捌き装置300のユーザ(前捌きを実施するスタッフ)は、撮像対象となる購入商品GbのJANコードに対する画角の位置合わせを行うことができる。
(3)解析処理s13は、上記画像取得処理s11において取得した画像を解析して、画像に含まれるJANコードを検出し、検出したJANコードから商品コードを取得する処理である。なお、画像の解析アルゴリズムは特に限定されず、公知のJANコード解析アルゴリズムを用いることができる。
(4)上記解析処理s13において商品コードを取得した場合(s14:Yes)には、第2表示処理s15が実行される。第2表示処理s15は、取得した商品コードをタッチパネルディスプレイ301に表示させる処理であり、例えば図5(a)に示すように、商品コード表示エリアA2に商品コードを表示させる。また、図5(a)に示すように、読取済みの商品の数を表示しても構わない。
(5)記憶処理s16は、上記解析処理s13において検出された商品コードをメモリ304に記憶させる処理である。ここで、本実施形態では、商品コードと、当該商品コードの末尾に付加した改行コードをメモリ304に記憶させている。当該改行コードは、記憶する商品コードと、後に記憶される商品コードと区切るための情報として機能するものである。
このように、撮像部として機能するカメラ302および画像を解析して商品コードを取得するCPU303は、JANコードを撮像して、当該JANコードの商品コードを読み取る読取部として機能する。また、メモリ304は、取得した商品コードを記憶する記憶部として機能する。
【0030】
上記記憶処理s16が実行された後又は上記解析処理s13において商品コードが取得できなかった場合(s14:No)には、確認処理s17が実行される。確認処理s17は、上記読み取った商品データをPOSターミナル200に受け渡すか否かを確認する処理であって、例えば、図5(a)に示すように、タッチパネルディスプレイ301に表示された受渡開始GUI(b1)がタップされたか否かを確認する。受渡開始GUI(b1)がタップされていない場合には読取処理s10が継続される。このように読取処理s10が継続されることで、複数の購入商品Bbの商品コードを取得することができる。なお、複数の商品コードが読み取られた場合には、商品コードの各々を区切るための改行コードが各商品コードの間に介在することとなる。
【0031】
一方、受渡開始GUI(b1)がタップされた場合には、受渡処理s20を実行する。受渡処理s20では、抽出処理、変換処理、第3表示処理がこの順に実行される。
(1)抽出処理は、メモリ304に記憶されている情報(以下、「受渡情報」という。)を抽出する処理である。
(2)変換処理は、抽出した受渡情報をQRコードへと変換する処理である。当該変換アルゴリズムは、特に限定されず、公知の変換アルゴリズムを用いることができる。また、受渡情報の変換はQRコードに限定されず、POSターミナル200が備えるスキャナ212が読取可能なシンボルであればよい。
(3)第3表示処理は、図5(b)に示すように、変換処理において生成されたQRコードをタッチパネルディスプレイ301に表示させる処理である。このようにタッチパネルディスプレイ301に表示されたQRコードをPOSターミナル200のスキャナ212に読み取らせることで、QRコードに変換された受渡情報、すなわち、商品コードがPOSターミナル200に入力されることとなる。
(4)POSターミナル200に商品コードが入力されたことを確認した後に、前捌き装置300に表示されている受渡終了GUIがタップされると、メモリ304内に記憶されている受渡情報がクリアされ、上記読取処理s10が実行される。
このようにCPU303は、メモリ304から受渡情報を抽出する抽出部、受渡情報をQRコードへと変換する変換部として機能する。また、当該抽出部および変換部として機能するCPU303、及び、変換されたQRコードをPOSターミナル200に対して表示するデタッチパネルディスプレイ301は、読み取った商品コードをPOSターミナル200へと受け渡す受渡部として機能する。
【0032】
本実施形態の会計システム1によれば、前捌き装置300を用いて、レジ待ち状態にある商品の商品コードを読み取り、読み取った商品コードを一時的に前捌き装置300のメモリ304に記憶させておくことができる。その後、レジが空いた場合に、メモリ304に記憶させておいた商品コードをQRコードに変換し、当該QRコードをタッチパネルディスプレイ301に表示させ、当該QRコードをPOSターミナル200に読み取らせることで、メモリ304に記憶させておいた商品コードを一括してPOSターミナル200に入力することができる。ここで、前捌き装置300で読み取っていない商品が残っている場合には、通常通り、POSターミナル200のスキャナ212にて読取作業を行うことで、全ての購入対象商品の商品コードがPOSターミナル200に入力されることとなる。このように、前捌き装置300を用いてレジ待ち時に予め商品コードを読み取っておくことで、POSターミナル200のスキャナ212を用いて読み取る商品数を少なくすることができるので、POSターミナル200の読取作業に起因するレジ待ち状態を低減することが可能となる。
【0033】
[第2実施形態]
【0034】
第2実施形態に係る前捌き装置は、RFIDリーダ(不図示)を備える点で上記第1実施形態と異なるが、その他の構成は第1実施形態と共通している。以下、第1実施形態と異なる構成や処理を中心に説明することとし、第1実施形態と共通する構成や処理についての説明は適宜省略する。
【0035】
本実施形態の前捌き装置が備えるRFIDリーダは、レジ待ち状態の商品に付されたRFタグから情報を読み取る読取部として機能するものであって、スマートデバイスと有線通信または無線通信するものである。RFタグには商品コードが記憶されており、RFIDリーダは、読み取った商品コードをスマートデバイスに送信し、スマートデバイスのCPU303はRFIDリーダから送られた商品コードを受信する。
【0036】
本実施形態の読取処理s10では、上記画像取得処理s11、第1表示処理s12、及び解析処理s13は実行されず、代わりに商品コード取得処理が実行される。商品コード取得処理は、RFIDリーダから商品コードを取得する取得である。取得した商品コードは、第2表示処理s15においてタッチパネルディスプレイ301に表示され、記憶処理s16においてメモリ304に記憶される。その後の受渡処理s20は第1実施形態と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0037】
本実施形態の前捌き装置によれば、レジ待ち状態の商品に付されたRFタグから商品コードを読み取り、読み取った商品コードを一時的にメモリ304に記憶させておくことができる。その後、レジが空いた場合(レジ待ちが解消された場合)に、メモリ304に記憶させておいた商品コードをQRコードに変換し、当該QRコードをタッチパネルディスプレイ301に表示させる。そして、当該QRコードをPOSターミナル200のスキャナ212に読み取らせることで、メモリ304に記憶させておいた商品コードを一括してPOSターミナル200に入力することができる。
【0038】
[第3実施形態]
【0039】
図6に示すように、第3実施形態に係る会計システム1bは、ストアコンピュータ100と、POSターミナル200と、前捌き装置300と、を備えている点で第1実施形態と共通している。しかし、POSターミナル200の各々に対して複数の前捌き装置300が用いられており、各POSターミナル200は、自己が読み取った商品コードおよび複数の前捌き装置300が読み取った商品コードに基づいて会計処理を行う点で第1実施形態と異なっている。なお、図6では、一のPOSターミナル200に対して2つの前捌き装置300が用いられているが、一のPOSターミナル200に対して3つ以上の前捌き装置300が用いられても構わない。以下、第3実施形態において第1実施形態と共通している構成や共通している前捌き装置300の処理については説明を適宜省略し、第1実施形態と異なる構成を中心に説明する。
【0040】
図7に示すように、店舗内の会計カウンターCの各々には、一のPOSターミナル200、第1前捌き装置300a、及び第2前捌き装置300bが配置されている。
【0041】
一のPOSターミナル200は第1スタッフによって操作される。当該第1スタッフの操作により、一のPOSターミナル200のスキャナ212は、近傍に置かれた第1買物カゴSB1に収容されている一又は複数の購入商品(第1商品)の商品コードを読み取る。商品コードが読み取られた購入商品は、第1の読取済みカゴRB1に入れられる。
【0042】
第1前捌き装置300aは第2スタッフによって操作される。当該第2スタッフの操作により、第1前捌き装置300aは、第2買物カゴSB2に収容されている一又は複数の購入商品(第2商品)の商品コードを読み取る。商品コードが読み取られた購入商品は、第2の読取済みカゴRB2に入れられる。
【0043】
第2前捌き装置300bは第3スタッフによって操作される。当該第3スタッフの操作により、第2前捌き装置300bは、第3買物カゴSB3に収容されている一又は複数の購入商品(第3商品)の商品コードを読み取る。商品コードが読み取られた購入商品は、第3の読取済みカゴRB3に入れられる。
【0044】
ここで、例えば、第1顧客の購入商品が第1買物カゴSB1に収容され、第2顧客の購入商品が第2買物カゴSB2に収容され、第3顧客の購入商品が第3買物カSB3ゴに収容されている場合には、次のように会計処理が行われる。
第1顧客の購入商品はPOSターミナル200のスキャナ212によって商品コードが読み取られ、当該読み取った商品コードに基づいて会計処理が行われる。
第2顧客の購入商品は第1前捌き装置300aによって商品コードが読み取られる。なお、第2顧客の購入商品の読取作業と第1顧客の購入商品の読取作業は並行して行われる。第1前捌き装置300aは、読み取った全ての商品コードを一のQRコードに変換し、タッチパネルディスプレイ301に表示させる。そして、上記第1顧客の会計処理が終了した後に、当該QRコードをPOSターミナル200のスキャナ212に読み取らせることで、POSターミナル200に第2顧客の購入商品の商品コードを受け渡す。POSターミナル200は、第1前捌き装置300aから取得した商品コードに基づいて第2顧客の会計処理を行う。
第3顧客の購入商品は第2前捌き装置300bによって商品コードが読み取られる。なお、第3顧客の購入商品の読取作業と第1顧客の購入商品の読取作業は並行して行われる。第2前捌き装置300bは、読み取った全ての商品コードを一のQRコードに変換し、タッチパネルディスプレイ301に表示させる。そして、上記第2顧客の会計処理が終了した後に、当該QRコードをPOSターミナル200のスキャナ212に読み取らせることで、POSターミナル200に第3顧客の購入商品の商品コードを受け渡す。POSターミナル200は、第2前捌き装置300bから取得した商品コードに基づいて第3顧客の会計処理を行う。
【0045】
また、例えば、第1顧客の購入商品が第1買物カゴSB1および第2買物カゴSB2に収容され、第2顧客の購入商品が第3買物カゴSB3に収容されている場合には、次のように会計処理が行われる。
第1顧客の購入商品は、第1買物カゴSB1内の購入商品がPOSターミナル200のスキャナ212によって商品コードが読み取られ、第2買物カゴSB2内の購入商品が第1前捌き装置300aによって商品コードが読み取られる。ここで、第2買物カゴSB2の購入商品の読取作業が先に終了した場合には、第1前捌き装置300aは、読み取った全ての商品コードを一のQRコードに変換し、タッチパネルディスプレイ301に表示させ、当該QRコードを上記スキャナ212に読み取らせる。これにより、第2買物カゴSB2の購入商品の商品コードがPOSターミナル200に受け渡される。そして、第2の読取済みカゴRB2は先の方へと運ばれる。一方、第1買物カゴSB1の購入商品の読取作業が先に終了した場合には、第1前捌き装置300aによる第2買物カゴSB2の読取作業が中断される。第1前捌き装置300aは、中断するまでに読み取った購入商品の商品コードを一のQRコードへと変換し、タッチパネルディスプレイ301に表示させる。POSターミナル200のスキャナ212は、当該QRコードを読み取った後に、第2買物カゴSB2内の残りの購入商品の商品コードを読み取る。このようにして、POSターミナル200は、自己が読み取った商品コードおよび第1前捌き装置300aから取得した商品コードに基づいて第1顧客の会計処理を行う。
第2顧客の購入商品(第3買物カゴSB3内の商品)は、第2前捌き装置300bによって商品コードが読み取られる。第2前捌き装置300bは、読み取った全ての商品コードを一のQRコードに変換し、タッチパネルディスプレイ301に表示させる。そして、上記第1顧客の会計処理が終了した後に、当該QRコードをPOSターミナル200のスキャナ212に読み取らせることで、POSターミナル200に第2顧客の購入商品の商品コードを受け渡す。POSターミナル200は、取得した商品コードに基づいて第2顧客の会計処理を行う。
【0046】
また、例えば、第1顧客の購入商品が第1買物カゴSB1乃至第3買物カゴSB3に収容されている場合には、次のように会計処理が行われる。
第1買物カゴSB1内の購入商品はPOSターミナル200のスキャナ212によって商品コードが読み取られる。第2買物カゴSB2内の購入商品は、第1前捌き装置300aによって商品コードが読み取られる。第3買物カゴSB3内の購入商品は、第2前捌き装置300bによって商品コードが読み取られる。これらの読取作業は並行して行われる。第1前捌き装置300aおよび第2前捌き装置300bの各々は、読み取った全ての商品コードを一のQRコードに変換し、それぞれのタッチパネルディスプレイ301に表示させる。POSターミナル200は、第1買物カゴSB1内の購入商品の読取作業が終了した後に、第1前捌き装置300aおよび第2前捌き装置300bに表示されたQRコードを読み取る。これにより、第2買物カゴSB2内の購入商品の商品コード、及び第3買物カゴSB3内の購入商品の商品コードがPOSターミナル200に受け渡される。POSターミナル200は、自己が読み取った商品コード、第1前捌き装置300aから取得した商品コード、及び第2前捌き装置300bから取得した商品コードに基づいて第1顧客の会計処理を行う。
【0047】
本実施形態の会計システム1bによれば、レジカウンターC上に置かれた3つの買物カゴSB1,SB2,SB3内の購入商品の商品コードを、POSターミナル200のスキャナ212、第1前捌き装置300a、及び第2前捌き装置300bで分担して読み取ることができるので、会計効率を向上させることができる。
【0048】
[第4実施形態]
【0049】
図8に示すように、第4実施形態に係る会計システム1cは、第1実施形態乃至第3実施形態と同様に、ストアコンピュータ100と、POSターミナル200と、前捌き装置300と、を備えている。しかし、第4実施形態に係る会計システム1cは、会計カウンターCの各々に印刷装置400を備えている点で第1実施形態乃至第3実施形態と異なっている。以下、第4実施形態において、上記第1実施形態等と共通する構成や共通している前捌き装置300の処理については説明を適宜省略し、第1実施形態等と異なる構成等を中心に説明する。
【0050】
印刷装置400は、紙面にQRコードSが印刷された紙片Pを出力する装置である。当該QRコードSは、第1実施形態乃至第3実施形態と同様に、前捌き装置300によって読み取られた一又は複数の商品コードがコード化されたものである。当該印刷装置400は、通信モジュール(不図示)と、プリンタモジュール(不図示)と、を備えている。通信モジュールは、前捌き装置300から印刷データ(後述)を受信する受信部として機能するモジュールであり、例えば、近距離無線通信モジュールであるBluetoothモジュールや赤外線通信モジュールである。なお、当該通信モジュールは、有線通信を行うモジュールであっても構わない。プリンタモジュールは、印刷データを印刷する印刷部として機能するものである。当該印刷データは、QRコードを含む画像データであり、通信モジュールを介して前捌き装置300から受信したデータである。
【0051】
本実施形態の前捌き装置300は、第1実施形態乃至第3実施形態の前捌き装置と同様に、顧客の購入商品の商品コードを読み取る読取部、読み取った商品コードをメモリに記憶する記憶部、メモリに記憶させた商品コード(受渡情報)をQRコードに変換する変換部を有する。ここで、本実施形態の前捌き装置300のCPU303は、受渡処理s20の第3表示処理に代えて/共に、印刷データの生成処理および送信処理を実行する。生成処理は、QRコードに基づいて印刷データを生成する処理である。当該印刷データは、QRコードを含む画像データであるが、QRコードに加えて、読み取った商品の点数や読み取り日時を含んでも構わない。このように前捌き装置300のCPU303は印刷データを生成する生成部として機能する。送信処理は、生成した印刷データを印刷装置400に送信する処理である。当該送信処理を実行するために、本実施形態の前捌き装置300は、印刷データを印刷装置400へと送信する送信部として機能する通信モジュールを備えている。当該通信モジュールは、印刷装置400の通信モジュールと同じモジュールが用いられる。
【0052】
本実施形態の会計システム1cでは、前捌き装置の各々から印刷装置400に対して、印刷データが送信される。上記の通り印刷データは、前捌き装置300によって生成されたQRコードを含む画像データである。印刷装置400は、各前捌き装置300から受信した印刷データに基づいて、紙面にQRコードSが印刷された紙片Pを印刷する。POSターミナル200は、当該紙片PのQRコードSを読み取ることで、各前捌き装置300が読み取った商品コードを取得する。このように、QRコードを含む印刷データを生成する前捌き装置300のCPU303、及び当該印刷データに基づいてQRコードを紙面に印刷する印刷装置400のプリンターモジュール(印刷部)は、各前捌き装置300が読み取った商品コードをPOSターミナル200が読取可能な形式で紙面に印刷する受渡部として機能する。
【0053】
[第5実施形態]
【0054】
図9に示す第5実施形態に係る会計システム1dは、第4実施形態と同様に、ストアコンピュータ100と、POSターミナル200、印刷装置400、及び前捌き装置300を備えている。しかし、第5実施形態では、複数のPOSターミナル200のみが会計エリアのレジカウンターCに設けられており、印刷装置400および前捌き装置300は商品陳列エリアに設けられている点で第4実施形態と異なっている。商品陳列エリアとは、店舗内において商品が陳列されているエリアである。本実施形態では、一の商品群が陳列されている第1商品陳列エリアに第1カウンターT1が設けられており、当該第1カウンターT1に第1前捌き装置300aおよび第1印刷装置400が設置されている。また、他の商品群が陳列されている第2商品陳列エリアに第2カウンターT2が設けられており、当該第2カウンターT2に第2前捌き装置300bおよび第2印刷装置400が設置されている。そして、各商品陳列エリアのカウンターT1,T2には、店舗のスタッフが配置されており、当該スタッフによって前捌き装置300および印刷装置400が操作される。
【0055】
本実施形態では、顧客は、第1商品陳列エリアにおいて選んだ一又は複数の購入商品を第1カウンターT1まで持って行く。第1カウンターT1では、店舗スタッフによって操作される第1前捌き装置300aによって、一又は複数の購入商品の商品コードが読み取られる。第1前捌き装置300aは、読み取った一または複数の商品コードに基づいてQRコード(印刷データ)を生成し、生成した印刷データを第1印刷装置400に送信する。第1印刷装置400の印刷部(第1印刷部)は、第1前捌き装置300aから受信した印刷データに基づいて、QRコードが印刷された紙片Pを出力する。
【0056】
また、顧客は、第2商品陳列エリアにおいて選んだ一又は複数の購入商品を第2カウンターT2まで持って行く。第2カウンターT2では、店舗スタッフによって操作される第2前捌き装置300bによって、一又は複数の購入商品の商品コードが読み取られる。第2前捌き装置300bは、読み取った一又は複数の商品コードに基づいてQRコード(印刷データ)を生成し、生成した印刷データを第2印刷装置400に送信する。第2印刷装置400の印刷部(第2印刷部)は、第2前捌き装置300bから受信した印刷データに基づいて、QRコードが印刷された紙片Pを出力する。
【0057】
そして、顧客は、会計エリアのレジカウンターCに移動し、第1商品陳列エリア及び/又は第2商品陳列エリアにおいて出力された紙片Pを、当該レジカウンターCに配置された店舗スタッフに提示する。POSターミナル200は、そのスキャナ212によって紙片P1のQRコードを読み取ることで、第1商品陳列エリアにおいて選ばれた購入商品の商品コード及び/又は第2商品陳列エリアにおいて選ばれた購入商品の商品コードを取得する。このように、購入商品に対する商品コードの読取作業を各陳列エリアで行うことによって読取作業を分散させることができ、会計エリアのレジカウンターCにおける読取作業を省力化することができる。
【0058】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の前捌き装置は、例えば、下記のような変形態様であっても構わない。
【0059】
<変形例1>
上記実施形態では、読み取った商品コードと、当該商品コードの末尾に付加した区切情報と、をメモリ304に記憶させているが、商品コードのみをメモリ304に記憶させても構わない。このような態様においては、抽出処理においてメモリ304から商品コードを抽出する際に、抽出した商品コードの末尾に区切情報が付加される。
【0060】
<変形例2>
図3に示すように、POSターミナル200は更にNFCモジュール215を備え、前捌き装置300は更にNFCモジュール305を備えても構わない。NFCモジュール215,305は、無線信号を用いて近距離通信を行う無線通信部として機能するものである。当該変形態様では、受渡処理s20において抽出処理および送信処理がこの順に実行される。抽出処理は、上記実施形態と同様にメモリ304から商品コードを抽出する処理である。送信処理は、メモリ304から抽出した商品コードをNFCモジュール305によりPOSターミナル200へと送信する処理である。なお、本変形例では、送信処理が実行された後に、メモリ304における商品コードの記憶エリアがクリアされる。
【0061】
<変形例3>
前捌き装置300は、商品に後付けされたシンボルラベルから当該商品に関する付加情報を読み取るものであっても構わない。当該付加情報は、代表的には、当該商品に関する値引き額や割引率などの値下げ情報であり、POSターミナル200のスキャナ212も同様に当該シンボルラベルから付加情報の読み取りが可能となっている。本変形例では、前捌き装置300は、読取処理s10において、先に商品のJANコードを撮像し、当該JANコードから商品コードを読み取った後で、続けてシンボルラベルを撮像し、当該シンボルラベルから付加情報を取得する。そして、前捌き装置300は、商品コードと付加情報を対応付けてメモリに記憶させる。受渡処理s20において、前捌き装置300は、商品コードの末尾に区切情報を追加し、続けて付加情報の末尾に区切情報を追加した状態で、これらの情報をQRコードへと変換し、当該QRコードをタッチパネルディスプレイ301に表示させる。POSターミナル200は、当該QRコードを読み取ることで、商品コードと付加情報を対応付けて取得することができる。なお、シンボルラベルに含まれる文字や図柄などのキャラクターを画像認識することによって付加情報を読み取っても構わない。また、当該変形例では、JANコードとシンボルラベルが別々に商品に表示されていることを前提に説明したが、例えば、商品コードと付加情報が一つのシンボルとして表示されたシンボルラベルが商品に貼付されている場合には、当該シンボルラベルから商品コードおよび付加情報を一度に読み取っても構わない。
【0062】
<変形例4>
上記実施形態では、前捌き装置300は、商品から読み取った商品コードをPOSターミナル200に受け渡しているが、店舗のPOSシステムにおいて、各商品に対して固有の管理コード(店舗固有の識別情報)を付与して商品を管理している場合には、商品から読み取った商品コードに対応する管理コードをPOSターミナル200に受け渡しても構わない。
【0063】
<変形例5>
上記第1実施形態の前捌き装置300は、スマートデバイスが備えるカメラ302およびCPU303が、商品に表示されたJANコードから商品コードを読み取る読取部として機能しているが当該態様に限られない。例えば、前捌き装置300の読取部は、スマートデバイスの周辺装置として機能するバーコードリーダであって、当該バーコードリーダは、読み取った商品コードを有線通信または無線通信によりスマートデバイスに送信するものであっても構わない。
【0064】
<変形例6>
上記第2実施形態の前捌き装置は、スマートデバイスの周辺装置として機能するRFIDリーダが、商品に付されたRFタグから商品コードを読み取る読取部として機能しているが当該態様に限られない。例えば、スマートデバイスがRFIDリーダモジュールおよびアンテナを内蔵し、当該RFIDリーダモジュールおよびアンテナが読取部として機能しても構わない。
【0065】
<変形例7>
上記実施形態では、前捌き装置300としてスマートデバイスを用いたが、スマートデバイスに限定されない。例えば、商品に付されたJANコードやRFIDタグから商品コードを読み取る読取部と、読み取った商品コードを記憶する記憶部と、読み取った商品コードをPOSターミナルが読取可能なシンボルへと変換処理する処理部と、変換されたシンボルを表示する表示部と、を備える携帯端末であっても構わない。また、当該読取部、記憶部、処理部、並びに、シンボルを含む印刷データを生成する生成部、及び印刷データを印刷装置400に送信する送信部を備える携帯端末であっても構わない。例えば、バーコードやRFタグから情報を読み取るハンディターミナルに、上記の記憶部、処理部、及び表示部を備えるものであっても構わない。
【0066】
<変形例8>
上記第1実施形態の読取部は、商品に付されたJANコードから商品コードを読み取るものであるが、商品に付されたCODE128やその他のシンボル(2次元コードを含む)から商品コードを読み取るものであっても構わない。
【0067】
<変形例9>
上記実施形態の前捌き装置300は、前捌き専用の装置に限定されず、例えば、発注業務や棚卸業務に用いられる装置、又は顧客の求めに応じて商品の在庫を検索するための在庫検索装置など、店舗において他の用途に利用している端末を、会計の混雑状況に応じて前捌き装置として使用したものであっても構わない。
【0068】
<変形例10>
上記実施形態では、受渡情報が、受渡の都度、クリアされているが、当該クリアは必須ではなく、一定期間、前捌き端末のメモリに記憶させても構わない。この際、受渡情報には日時情報が対応付けて記憶されても構わない。
【符号の説明】
【0069】
200 POSターミナル
212 スキャナ
215 NFCモジュール
300 前捌き装置
302 カメラ
303 CPU
304 メモリ
305 NFCモジュール

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9