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特開2024-161884マルチタイムプログラマブルメモリデバイス及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161884
(43)【公開日】2024-11-20
(54)【発明の名称】マルチタイムプログラマブルメモリデバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
   G11C 11/16 20060101AFI20241113BHJP
   H10B 61/00 20230101ALI20241113BHJP
【FI】
G11C11/16 100Z
G11C11/16 240
H10B61/00
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024001905
(22)【出願日】2024-01-10
(31)【優先権主張番号】63/500,688
(32)【優先日】2023-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/355,359
(32)【優先日】2023-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504056130
【氏名又は名称】ウェスタン デジタル テクノロジーズ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100207837
【弁理士】
【氏名又は名称】小松原 寿美
(72)【発明者】
【氏名】マーク リン
(72)【発明者】
【氏名】ディミトリ フサメディン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ニコラス アルバート トラン
【テーマコード(参考)】
4M119
5B225
【Fターム(参考)】
4M119BB01
4M119CC05
4M119DD17
4M119DD24
4M119DD37
4M119DD42
4M119GG01
5B225BA16
5B225BA17
5B225BA19
(57)【要約】      (修正有)
【課題】セレクタ素子と直列に結合された可逆抵抗性スイッチングメモリ素子を含むメモリセルを含む装置を提供する。
【解決手段】メモリセル222aは、書き換え可能メモリセル又はマルチタイムプログラマブルメモリセルのいずれかとして選択的に構成される。磁気メモリ素子Mxは磁気トンネル接合であり、セレクタ素子Sxは閾値セレクタデバイスである。セレクタ素子Sxは、導電性ブリッジ閾値セレクタデバイスである。磁気メモリ素子Mxは、上部強磁性層230と、下部強磁性層232と、2つの強磁性層の間の絶縁層であるトンネル障壁(TB)234とを含む。下部強磁性層は、切り替えることができる磁化の方向を有する自由層(FL)であり、上部強磁性層は、容易に変化しない磁化方向を有するピン又は固定層(PL)である。
【選択図】図2B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
セレクタ素子と直列に結合された可逆抵抗性スイッチングメモリ素子を備えるメモリセルを備え、
前記メモリセルは、書き換え可能メモリセル又はマルチタイムプログラマブルメモリセルのいずれかとして選択的に構成することができ、
前記セレクタ素子は、第1のスイッチ抵抗及び第2のスイッチ抵抗を備え、
前記抵抗性スイッチングメモリ素子は、第1のメモリ素子抵抗及び第2のメモリ素子抵抗を備え、
前記メモリセルは、前記抵抗性スイッチングメモリ素子が前記第1のメモリ素子抵抗又は前記第2のメモリ素子抵抗を有するかどうかにかかわらず、マルチタイムプログラマブルメモリセルとして機能する、装置。
【請求項2】
前記第1のスイッチ抵抗は、製造時の前記セレクタ素子の抵抗である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記セレクタ素子は、前記セレクタ素子に対して実施される形成動作に応答して、前記第1のスイッチ抵抗から前記第2のスイッチ抵抗に不可逆的に切り替わるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記メモリセルは、第1の電圧を含む1つ以上のパルスを印加することによって1回目にプログラムされるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の電圧は、前記セレクタ素子の形成電圧を含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記メモリセルは、前記第1の電圧よりも大きい第2の電圧を含む1つ以上のパルスを印加することによって2回目にプログラムされるように構成される、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記メモリセルは、前記第2の電圧よりも大きい第3の電圧を含む1つ以上のパルスを印加することによって3回目にプログラムされるように構成される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記メモリセルは、第1の抵抗及び第2の抵抗を有することができるマルチタイムプログラマブルメモリセルとして構成され、
前記第1の抵抗は、前記第1のスイッチ抵抗を備え、前記第2の抵抗は、前記第2のスイッチ抵抗を備える、
請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記第2の抵抗は、前記第1のメモリ素子抵抗又は前記第2のメモリ素子抵抗を更に備える、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記メモリセルは、前記第2のスイッチ抵抗を備える第3の抵抗を有することができるマルチタイムプログラマブルメモリセルとして構成される、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記第3の抵抗は、前記第1のメモリ素子抵抗及び前記第2のメモリ素子抵抗よりも低い第3のメモリ素子抵抗を更に備える、請求項8に記載の装置。
【請求項12】
前記メモリセルは、前記抵抗性スイッチングメモリ素子及び前記セレクタ素子の開放回路抵抗を備える第4の抵抗を有することができるマルチタイムプログラマブルメモリセルとして構成される、請求項8に記載の装置。
【請求項13】
前記可逆抵抗性スイッチングメモリ素子は、磁気トンネル接合メモリ素子を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記セレクタ素子は、オボニック閾値スイッチを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
装置であって、
複数のメモリセルを備えるクロスポイントメモリアレイであって、各メモリセルは、セレクタ素子と直列に結合された磁気トンネル接合メモリ素子を備える、クロスポイントメモリアレイを備え、
前記クロスポイントメモリアレイ内の各メモリセルは、1回目、2回目、及び3回目にプログラムされることができる書き換え可能メモリセル又はマルチタイムプログラマブルメモリセルのいずれかとして選択的に構成されることができる、装置。
【請求項16】
前記セレクタ素子は、オボニック閾値スイッチを備える、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
各セレクタ素子は、第1のスイッチ抵抗及び第2のスイッチ抵抗を備え、
各磁気トンネル接合メモリ素子は、第1のメモリ素子抵抗と第2のメモリ素子抵抗との間で可逆的に切り替わるように構成され、
各メモリセルは、前記磁気トンネル接合メモリ素子が前記第1のメモリ素子抵抗を有するか前記第2のメモリ素子抵抗を有するかにかかわらず機能するマルチタイムプログラマブルメモリセルとして構成される、
請求項15に記載の装置。
【請求項18】
各メモリセルは、第1の電圧を含む1つ以上のパルスを印加することによって1回目にプログラムされるように構成され、
各メモリセルは、前記第1の電圧よりも大きい第2の電圧を含む1つ以上のパルスを印加することによって2回目にプログラムされるように構成され、
各メモリセルは、前記第2の電圧よりも大きい第3の電圧を含む1つ以上のパルスを印加することによって3回目にプログラムされるように構成される、
請求項15に記載の装置。
【請求項19】
方法であって、
同じ製造プロセスを使用して、第1のメモリセル及び第2のメモリセルであって、各第1のメモリセル及び各第2のメモリセルは、オボニック閾値スイッチと直列に結合された磁気トンネル接合メモリ素子を備える同じ構造を備え、前記第1のメモリセルは、第1の抵抗を備える、第1のメモリセル及び第2のメモリセルを形成することと、
第1の電圧の大きさを含む1つ以上のパルスを印加することによって、前記第1のメモリセルを1回目にプログラムすることであって、前記1回目にプログラムされた第1のメモリセルは、前記第1の抵抗よりも低い第2の抵抗を含む、プログラムすることと、
前記第1の電圧の前記大きさよりも大きい第2の電圧の大きさを含む1つ以上のパルスを印加することによって、前記第1のメモリセルを2回目にプログラムすることであって、前記2回目にプログラムされた第1のメモリセルは、前記第2の抵抗よりも低い第3の抵抗を含む、プログラムすることと、
前記第2の電圧の前記大きさよりも大きい第3の電圧の大きさを含む1つ以上のパルスを印加することによって、前記第1のメモリセルを3回目にプログラムすることであって、前記3回目にプログラムされた第1のメモリセルは、前記第1の抵抗よりも大きい第4の抵抗を含む、プログラムすることと、を含み、
前記第1のメモリセルは、マルチタイムプログラマブルメモリセルを備え、前記第2のメモリセルは、書き換え可能メモリセルを備える、方法。
【請求項20】
前記第1のメモリセル及び前記第2のメモリセルは、クロスポイントメモリアレイを備える、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本出願は、2023年5月8日に出願された「MULTI-TIME PROGRAMMABLE MEMORY DEVICES AND METHODS」と題する米国仮特許出願第63/500,688号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
メモリは、携帯電話、デジタルカメラ、携帯情報端末、医用電子機器、モバイルコンピューティングデバイス、非モバイルコンピューティングデバイス、及びデータサーバなどの種々の電子デバイスにおいて広く使用されている。メモリは、非揮発性メモリ又は揮発性メモリであり得る。不揮発性メモリにより、不揮発性メモリが電源(例えば、電池)に接続されていないときでも、情報を記憶及び保持することが可能になる。
【0003】
非揮発性メモリの一例は、電荷を使用してデータを記憶するいくつかの他のメモリ技術とは対照的に、記憶されたデータを表すために磁気を使用する磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(MRAM)である。概して、MRAMは、半導体基板上に形成された多数の磁気メモリセルを含み、各メモリセルは1ビットのデータを表す。データのビットは、メモリセル内の磁気素子の磁化方向を変化させることによって、メモリセルに書き込まれ、ビットは、メモリセルの抵抗を測定することによって読み出される(低抵抗は、典型的には「0」ビットを表し、高抵抗は、典型的には「1」ビットを表す)。本明細書で使用されるように、磁化の方向は、磁気モーメントの配向の方向である。いくつかのメモリセルは、オボニック閾値スイッチ又は他のセレクタデバイスなどのセレクタデバイスを含み得る。
【0004】
MRAMは有望な技術であるが、多くの設計及びプロセスの課題が残っている。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1A】メモリシステムの種々の実施形態を示す。
図1B】メモリシステムの種々の実施形態を示す。
図1C】メモリシステムの種々の実施形態を示す。
図1D】メモリシステムの種々の実施形態を示す。
図1E】メモリシステムの種々の実施形態を示す。
図1F】メモリシステムの種々の実施形態を示す。
図1G】メモリシステムの種々の実施形態を示す。
図1H】メモリシステムの種々の実施形態を示す。
図2A】3次元メモリアレイの一実施形態を示す。
図2B図2Aの3次元メモリアレイのメモリセルの一実施形態を示す図である。
図2C図2Bの閾値セレクタデバイスの例示的な電流-電圧特性を示す。
図3A】クロスポイントメモリアレイの一実施形態を示す。
図3B】クロスポイントメモリアレイの一実施形態を示す。
図4A図1Aのメモリコアの一実施形態の簡略図である。
図4B図1Aのメモリコアの別の実施形態の簡略図である。
図5】マルチタイムプログラマブルメモリセル及び書き換え可能メモリセルを動作させるために使用される種々の例示的な電圧の図を示す。
図6A1】1回目のプログラミング後のマルチタイムプログラマブルメモリセルの例示的な抵抗値を示す。
図6A2】2回目のプログラミング後のマルチタイムプログラマブルメモリセルの例示的な抵抗値を示す。
図6A3】3回目のプログラミング後のマルチタイムプログラマブルメモリセルの例示的な抵抗値を示す。
図7】マルチタイムプログラマブルメモリセル及び書き換え可能メモリセルを形成し、マルチタイムプログラマブルメモリセルをプログラミングするための方法の一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
マルチタイムプログラマブルメモリセル又は書き換え可能メモリセルのいずれかとして使用され得るメモリセルを提供するための技術が説明される。本明細書で使用される場合、マルチタイムプログラマブルメモリセルは、有限回数(例えば、1回、2回、又は3回など)プログラムされ得るメモリセルである。本明細書で使用される場合、書き換え可能メモリセルは、(理論的に)無制限の回数、プログラム、消去、及び再プログラムされ得るメモリセルである。
【0007】
マルチタイムプログラマブルメモリセル又は書き換え可能メモリセルのいずれかとして使用され得、同じ構造を有し、同じ材料及び同じ処理ステップを使用する同じ製造プロセスを使用して製造されるメモリセルを提供するための技術が説明される。メモリセルは、メモリセルの単一のメモリアレイとして形成されてもよく、又は、マルチタイムプログラマブルメモリセル及び書き換え可能メモリセルの別個のアレイとして形成されてもよい。
【0008】
一実施形態では、メモリセルは、セレクタデバイスと直列に結合されたメモリ素子を含む。一実施形態では、メモリ素子は磁気メモリ素子である。一実施形態において、メモリ素子は、磁気トンネル接合メモリ素子である。一実施形態では、セレクタデバイスはオボニック閾値スイッチである。一実施形態において、メモリセルは、マルチタイムプログラマブルメモリセルとして使用することができる。
【0009】
一実施形態において、メモリアレイ内のメモリセルは、可逆抵抗性スイッチング素子を含む非揮発性メモリセルを含み得る。可逆抵抗性スイッチング要素は、2つ以上の状態の間で可逆的に切り替えられ得る抵抗率を有する可逆抵抗性スイッチング材料を含み得る。
【0010】
一実施形態では、可逆抵抗性スイッチング材料は、金属酸化物、固体電解質、相変化材料、磁性材料、又は他の同様の抵抗率スイッチング材料を含み得る。遷移金属酸化物などの種々の金属酸化物を使用することができる。金属酸化物の例としては、NiO、Nb、TiO、HfO、Al、MgO、CrO、VO、BN、TaO、Ta、及びAlNが挙げられるが、これらに限定されない。
【0011】
一実施形態において、メモリアレイ内の非揮発性メモリセルは、マルチタイムプログラマブルメモリセルを含む。一実施形態では、メモリアレイ内の非揮発性メモリセルは、書き換え可能メモリセルを含む。
【0012】
一実施形態では、メモリアレイ内の非揮発性メモリセルは、マルチタイムプログラマブルメモリセル又は書き換え可能メモリセルとして構成され得るメモリセルを含む。
【0013】
一実施形態では、メモリアレイ内の非揮発性メモリセルは、同じ構造を有するメモリセルを含み、マルチタイムプログラマブルメモリセル又は書き換え可能メモリセルとして構成され得る。
【0014】
一実施形態では、メモリアレイ内の非揮発性メモリセルは、同じ製造プロセスを使用して製造されたメモリセルを含み、マルチタイムプログラマブルメモリセル又は書き換え可能メモリセルとして構成され得る。
【0015】
図1Aは、メモリシステム100及びホスト102の一実施形態を示している。メモリシステム100は、ホスト102(例えば、モバイルコンピューティングデバイス又はサーバ)とインターフェース接続する不揮発性ストレージシステムを含み得る。場合によっては、メモリシステム100は、ホスト102内に埋め込まれてもよい。例として、メモリシステム100は、メモリカード、高密度MLC SSD(例えば、2ビット/セル又は3ビット/セル)若しくは高性能SLC SSDなどのソリッドステートドライブ(SSD)、又はハイブリッドHDD/SSDドライブであってもよい。
【0016】
図示のように、メモリシステム100は、メモリチップコントローラ104及びメモリチップ106を含む。メモリチップ106は、揮発性メモリ及び/又は非揮発性メモリを含み得る。単一のメモリチップが示されているが、メモリシステム100は、2つ以上のメモリチップを含んでもよい。メモリチップコントローラ104は、ホスト102からデータ及びコマンドを受信し、メモリチップデータをホスト102に提供することができる。
【0017】
メモリチップコントローラ104は、メモリチップ106の動作を制御するために、制御回路、状態機械、ページレジスタ、SRAM、デコーダ、センス増幅器、読み出し/書き込み回路、及び/又はコントローラ、又はそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上を含み得る。メモリチップの動作を制御するための1つ以上の制御回路、状態機械、ページレジスタ、SRAM、デコーダ、センス増幅器、読み出し/書き込み回路、及び/又はコントローラは、管理回路又は制御回路と称されてもよい。管理回路又は制御回路は、形成動作、消去動作、プログラミング動作、又は読み出し動作を含む1つ以上のメモリアレイ動作を容易にすることができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、1つ以上のメモリアレイ動作を促進するための管理回路又は制御回路(又は管理回路又は制御回路の一部)は、メモリチップ106内に統合されてもよい。メモリチップコントローラ104及びメモリチップ106は、単一の集積回路上に配置されてもよく、又は単一のダイ上に配置されてもよい。他の実施形態では、メモリチップコントローラ104及びメモリチップ106は、異なる集積回路上に配置されてもよい。場合によっては、メモリチップコントローラ104及びメモリチップ106は、システムボード、回路論理ボード、又はPCB上に統合されてもよい。
【0019】
メモリチップ106は、メモリコア制御回路108及びメモリコア110を含む。メモリコア制御回路108は、メモリコア110内のメモリブロック(又はアレイ)の選択を制御し、特定のメモリアレイを読み出し状態又は書き込み状態にバイアスするための電圧基準の生成を制御し、行アドレス及び列アドレスを生成するための論理を含み得る。
【0020】
メモリコア110は、メモリセルの1つ以上の2次元アレイ及び/又はメモリセルの1つ以上の3次元アレイを含み得る。一実施形態では、メモリコアは、書き換え可能メモリセル、ワンタイムプログラマブルメモリセル、及び/又はマルチタイムプログラマブルメモリセル、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0021】
一実施形態において、メモリコア制御回路108及びメモリコア110は、単一の集積回路上に配置され得る。他の実施形態では、メモリコア制御回路108(又はメモリコア制御回路108の一部)及びメモリコア110は、異なる集積回路上に配置され得る。
【0022】
メモリ動作は、ホスト102がメモリシステム100からデータを読み出すこと又はメモリシステム100にデータを書き込むことを望むことを示す命令をホスト102がメモリチップコントローラ104に送信するときに開始され得る。書き込み(又はプログラミング)動作の場合、ホスト102は、書き込みコマンドと書き込まれるデータの両方をメモリチップコントローラ104に送信することができる。
【0023】
メモリチップコントローラ104は、書き込まれるデータをバッファすることができ、書き込まれるデータに対応する誤り訂正符号(ECC)データを生成することができる。送信又は記憶中に発生するデータエラーを検出及び/又は訂正することを可能にするECCデータは、メモリコア110に書き込まれるか、又は揮発性メモリコントローラ104内に非メモリチップで記憶され得る。一実施形態では、メモリチップコントローラ104内の回路によって、ECCデータが生成され、データエラーが訂正される。
【0024】
メモリチップコントローラ104は、メモリチップ106の動作を制御することができる。一例では、メモリチップ106に書き込み動作を発行する前に、メモリチップコントローラ104は、ステータスレジスタをチェックして、メモリチップ106が書き込まれるデータを受け入れることができることを確認することができる。
【0025】
別の例では、メモリチップ106に読み出し動作を発行する前に、メモリチップコントローラ104は、読み出されるデータに関連するオーバーヘッド情報を事前に読み出すことができる。オーバーヘッド情報は、読み出されるデータに関連付けられたECCデータ、又は要求されたデータを読み出すメモリチップ106内の新しいメモリロケーションへのリダイレクションポインタを含み得る。
【0026】
メモリチップコントローラ104が読み出し又は書き込み動作を開始すると、メモリコア制御回路108は、メモリコア110内のワード線及びビット線のための適切なバイアス電圧を生成するとともに、適切なメモリブロック、行、及び列アドレスを生成することができる。
【0027】
図1Bは、メモリコア制御回路108の一実施形態を示している。一実施形態では、メモリコア制御回路108は、アドレスデコーダ120と、選択された制御線用の電圧発生器122と、非選択制御線用の電圧発生器124とを含む。制御線は、ワード線、ビット線、又はワード線とビット線との組み合わせを含んでもよい。選択された制御線は、選択されたワード線又は選択されたビット線を含んでもよく、それらは、選択された状態にメモリセルを配置するために使用される。非選択制御線は、非選択ワード線又は非選択ビット線を含んでもよく、それらは、非選択状態にメモリセルを配置するために使用される。
【0028】
選択された制御線用の電圧発生器(又は電圧調整器)122は、選択された制御線電圧を発生させるための1つ以上の電圧発生器を含み得る。非選択制御線用の電圧発生器124は、非選択制御線電圧を生成するための1つ以上の電圧発生器を含み得る。アドレスデコーダ120は、メモリブロックアドレス、並びに特定のメモリブロックのための行アドレス及び列アドレスを生成することができる。
【0029】
図1C図1Fは、複数のメモリベイを有するメモリコア110を含むメモリコア組織の一実施形態を示し、各メモリベイは複数のメモリブロックを有する。メモリベイがメモリブロックを含み、メモリブロックがメモリセルの群を含むメモリコア組織が開示されるが、他の組織又は群化もまた、本明細書に説明される技術とともに使用されることができる。
【0030】
図1Cは、図1Aのメモリコア110の一実施形態を示している。図示のように、メモリコア110は、メモリベイ130及びメモリベイ132を含む。いくつかの実施形態では、メモリコア当たりのメモリバスの数は、異なる実装形態のために異なっていてもよい。例えば、メモリコアは、単一のメモリベイのみ、又は複数のメモリベイ(例えば、16個のメモリベイ、256個のメモリベイなど)を含んでもよい。
【0031】
図1Dは、図1Cのメモリベイ130の一実施形態を示している。図示のように、メモリベイ130は、メモリブロック140~144と、読み出し/書き込み回路150とを含む。いくつかの実施形態では、メモリベイ当たりのメモリブロックの数は、異なる実装形態のために異なっていてもよい。例えば、メモリベイは、1つ以上のメモリブロック(例えば、メモリベイごとに32個のメモリブロック)を含んでもよい。
【0032】
読み出し/書き込み回路150は、メモリブロック140~144内のメモリセルを読み出し及び書き込むための回路を含む。図示されるように、読み出し/書き込み回路150は、メモリベイ内の複数のメモリブロックにわたって共有され得る。これにより、読み出し/書き込み回路150の単一の群を使用して複数のメモリブロックをサポートすることができるため、チップエリアを低減することができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、信号の競合を回避するために、特定の時間に単一のメモリブロックのみが読み出し/書き込み回路150に電気的に結合されてもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、読み出し/書き込み回路150は、データの1つ以上のページをメモリブロック140~144に(又はメモリブロックのサブセットに)書き込むために使用され得る。メモリブロック140~144内のメモリセルは、ページの直接上書きを可能にすることができる(すなわち、データを書き込む前にメモリセルに対して消去又はリセット動作を実施する必要なく、ページ又はページの一部を表すデータをメモリブロック140~144に書き込むことができる)。
【0034】
一例では、図1Aのメモリシステム100は、ターゲットアドレスと、ターゲットアドレスに書き込まれるデータのセットとを含む書き込みコマンドを受信し得る。メモリシステム100は、ターゲットアドレスにデータのセットを書き込むための書き込み動作を実施する前に、ターゲットアドレスに現在記憶されているデータを読み出すために、書き込み前読み出し(RBW)動作を実施することができる。次いで、メモリシステム100は、特定のメモリセルがその現在の状態に留まり得る(すなわち、メモリセルが既に正しい状態にある)か、「0」状態に設定される必要があるか、又は「1」状態にリセットされる必要があるかを判定することができる。
【0035】
次いで、メモリシステム100は、メモリセルの第1のサブセットを「0」状態に書き込み、次いで、メモリセルの第2のサブセットを「1」状態に書き込むことができる。既に正しい状態にあるメモリセルをスキップすることができ、それにより、プログラミング速度を改善し、かつ非選択メモリセルに印加される累積電圧応力を低減することができる。
【0036】
特定のメモリセルは、第1の極性(例えば、+1.5V)の特定のメモリセルにわたって第1の電圧差を印加することによって、”1”状態に設定され得る。特定のメモリセルは、第1の極性(例えば、-1.5V)のそれとは反対の第2の極性の特定のメモリセルにわたって第2の電圧差を印加することによって、”0”状態にリセットされ得る。
【0037】
場合によっては、読み出し/書き込み回路150は、3つ以上のデータ/抵抗状態のうちの1つになるように特定のメモリセルをプログラムするために使用されてもよい(すなわち、特定のメモリセルは、マルチレベルメモリセルを含んでもよい)。一例では、読み出し/書き込み回路150は、特定のメモリセルを3つ以上のデータ/抵抗状態のうちの第1の状態にプログラムするために、特定のメモリセルにわたって第1の電圧差(例えば、2V)を印加してもよく、又は、特定のメモリセルを3つ以上のデータ/抵抗状態のうちの第2の状態にプログラムするために、第1の電圧差よりも小さい特定のメモリセルにわたって第2の電圧差(例えば、1V)を印加してもよい。
【0038】
特定のメモリセルにわたってより小さい電圧差を印加することにより、より大きな電圧差を印加するときよりもより遅い速度で、特定のメモリセルを部分的にプログラム又はプログラムすることができる。別の例では、読み出し/書き込み回路150は、特定のメモリセルを3つ以上のデータ/抵抗状態のうちの第1の状態にプログラムするために、第1の期間(例えば、150ns)の間、特定のメモリセルの両端に第1の電圧差を印加してもよく、又は、第1の期間よりも短い第2の期間(例えば、50ns)の間、特定のメモリセルの両端に第1の電圧差を印加することができる。メモリセル検証フェーズに続く1つ以上のプログラミングパルスを使用して、特定のメモリセルを正しい状態にプログラムすることができる。
【0039】
図1Eは、図1Dのメモリブロック140の一実施形態を示している。図示されるように、メモリブロック140は、メモリアレイ160、行デコーダ162、及び列デコーダ164を含む。メモリアレイ160は、連続したワード線及びビット線を有するメモリセルの連続した群を含み得る。メモリアレイ160は、メモリセルの1つ以上の層を含むことができ、2次元メモリアレイ及び/又は3次元メモリアレイを含み得る。
【0040】
行デコーダ162は、行アドレスを復号化し、適切な場合(例えば、メモリアレイ160内のメモリセルを読み出すか、又は書き込む場合)、メモリアレイ160内の特定のワード線を選択する。列デコーダ164は、列アドレスを復号化し、メモリアレイ160内のビット線の特定の群を選択して、図1Dの読み出し/書き込み回路150などの読み出し/書き込み回路に電気的に結合される。一実施形態では、ワード線の数はメモリ層当たり4Kであり、ビット線の数はメモリ層当たり1Kであり、メモリ層の数は4であり、16M個のメモリセルを含むメモリアレイ160を提供する。層当たりのワード線、層当たりのビット線の他の数、及び層の数が使用されてもよい。
【0041】
図1Fは、メモリベイ170の一実施形態を示している。メモリベイ170は、図1Dのメモリベイ130の代替的な実装形態の一例である。いくつかの実施形態では、行デコーダ、列デコーダ、及び読み出し/書き込み回路は、メモリアレイ間で分割又は共有されてもよい。図示されるように、行デコーダ172は、メモリアレイ174と176との間で共有される。なぜなら、行デコーダ172は、メモリアレイ174及び176の両方におけるワード線を制御するからである(すなわち、行デコーダ172によって駆動されるワード線は共有される)。
【0042】
行デコーダ178及び172は、メモリアレイ174内の偶数ワード線が行デコーダ178によって駆動され、メモリアレイ174内の奇数ワード線が行デコーダ172によって駆動されるように分割することができる。列デコーダ180及び182は、メモリアレイ174内の偶数ビット線が列デコーダ182によって制御され、メモリアレイ174内の奇数ビット線が列デコーダ180によって駆動されるように分割することができる。
【0043】
列デコーダ180によって制御される選択されたビット線は、読み出し/書き込み回路184に電気的に結合され得る。列デコーダ182によって制御される選択されたビット線は、読み出し/書き込み回路186に電気的に結合され得る。列デコーダが分割されるときに読み出し/書き込み回路を読み出し/書き込み回路184及び186に分割することは、メモリベイのより効率的なレイアウトを可能にし得る。
【0044】
行デコーダ188及び172は、メモリアレイ176内の偶数ワード線が行デコーダ188によって駆動され、メモリアレイ176内の奇数ワード線が行デコーダ172によって駆動されるように分割することができる。列デコーダ190及び192は、メモリアレイ176内の偶数ビット線が列デコーダ192によって制御され、メモリアレイ176内の奇数ビット線が列デコーダ190によって駆動されるように分割することができる。
【0045】
列デコーダ190によって制御される選択されたビット線は、読み出し/書き込み回路184に電気的に結合され得る。列デコーダ192によって制御される選択されたビット線は、読み出し/書き込み回路186に電気的に結合され得る。列デコーダが分割されるときに読み出し/書き込み回路を読み出し/書き込み回路184及び186に分割することは、メモリベイのより効率的なレイアウトを可能にし得る。
【0046】
図1Gは、図1Fのメモリベイ170に対応する概略図(ワード線及びビット線を含む)の一実施形態を示している。図示のように、ワード線WL1、WL3、及びWL5は、メモリアレイ174と176との間で共有され、図1Fの行デコーダ172によって制御される。ワード線WL0、WL2、WL4、及びWL6は、メモリアレイ174の左側から駆動され、図1Fの行デコーダ178によって制御される。ワード線WL14、WL16、WL18、及びWL20は、メモリアレイ176の右側から駆動され、図1Fの行デコーダ188によって制御される。
【0047】
ビット線BL0、BL2、BL4、及びBL6は、メモリアレイ174の底部から駆動され、図1Fの列デコーダ182によって制御される。ビット線BL1、BL3、及びBL5は、メモリアレイ174の上部から駆動され、図1Fの列デコーダ180によって制御される。ビット線BL7、BL9、BL11、及びBL13は、メモリアレイ176の底部から駆動され、図1Fの列デコーダ192によって制御される。ビット線BL8、BL10、及びBL12は、メモリアレイ176の上部から駆動され、図1Fの列デコーダ190によって制御される。
【0048】
一実施形態では、メモリアレイ174及び176は、支持基板に対して水平な平面内に配向されたメモリ層を含み得る。別の実施形態では、メモリアレイ174及び176は、支持基板に対して垂直な平面内に配向されたメモリ層を含むことができる(すなわち、垂直面は、支持基板に対して実質的に垂直である)。この場合、メモリアレイのビット線は、実質的に垂直なビット線を含み得る。
【0049】
図1Hは、ワード線及びビット線がメモリブロックにわたって共有され、行デコーダ及び列デコーダの両方が分割されたメモリベイ構成に対応する概略図(ワード線及びビット線を含む)の一実施形態を示している。ワード線及び/又はビット線を共有することは、単一の行デコーダ及び/又は列デコーダが2つのメモリアレイをサポートするために使用され得るため、レイアウト面積を低減するのに役立つ。
【0050】
図示されるように、ワード線WL1、WL3、及びWL5は、メモリアレイ200と202との間で共有される。ビット線BL1、BL3、及びBL5は、メモリアレイ200と204との間で共有される。ワード線WL8、WL10、及びWL12は、メモリアレイ204と206との間で共有される。ビット線BL8、BL10及びBL12は、メモリアレイ202と206との間で共有される。
【0051】
行デコーダは、ワード線WL0、WL2、WL4、及びWL6がメモリアレイ200の左側から駆動され、ワード線WL1、WL3、及びWL5がメモリアレイ200の右側から駆動されるように分割される。同様に、ワード線WL7、WL9、WL11、及びWL13は、メモリアレイ204の左側から駆動され、ワード線WL8、WL10、及びWL12は、メモリアレイ204の右側から駆動される。
【0052】
列デコーダは、ビット線BL0、BL2、BL4、及びBL6がメモリアレイ200の底部から駆動され、ビット線BL1、BL3、及びBL5がメモリアレイ200の上部から駆動されるように分割される。同様に、ビット線BL7、BL9、BL11、及びBL13は、メモリアレイ202の底部から駆動され、ビット線BL8、BL10、及びBL12は、メモリアレイ202の上部から駆動される。行及び/又は列デコーダを分割することはまた、レイアウト制約を緩和するのに役立つ(例えば、分割された列デコーダは、ビット線ごとではなく1つおきのビット線を駆動するだけでよいため、列デコーダピッチは2倍だけ緩和され得る)。
【0053】
図2Aは、第1のメモリレベル212と、第1のメモリレベル212の上に配置された第2のメモリレベル214とを含むモノリシック3次元メモリアレイ210のいくつかの一実施形態を示している。メモリアレイ210は、図1Eのメモリアレイ160の実装形態の一例である。ワード線216、218は第1の方向に配置され、ビット線220は第1の方向と直交する第2の方向に配置される。図示のように、第1のメモリレベル212の上部導体は、第2のメモリレベル214の下部導体として使用することができる。メモリセルの追加層を有するメモリアレイでは、ビット線及びワード線の対応する追加層が存在する。
【0054】
メモリアレイ210は、複数のメモリセル222を含む。実施形態において、メモリセル222は、書き換え可能メモリセル、ワンタイムプログラマブルメモリセル、及びマルチタイムプログラマブルメモリセルを含み得る。一実施形態では、メモリセル222の各々は、垂直に配向される。メモリセル222は、非揮発性メモリセル又は揮発性メモリセルを含み得る。第1のメモリレベル212に関して、メモリセル222の第1の部分は、ワード線216とビット線220との間にあり、それらに接続される。第2のメモリレベル214に関して、メモリセル222の第2の部分は、ワード線218とビット線220との間にあり、それらに接続される。
【0055】
一実施形態では、各メモリセル222は、抵抗性スイッチングメモリ素子と直列に結合されたセレクタ素子を含み、各メモリセル222は、1ビットのデータを表す。一実施形態では、抵抗性スイッチングメモリ素子は、磁気メモリ素子、ReRAMメモリ素子、相変化メモリ素子、5ボルト未満の電圧で破壊され得る薄いバリア層を含むメモリ素子、又は他のタイプの抵抗性スイッチングメモリ素子であってもよい。
【0056】
一実施形態では、各メモリセル222は、磁気メモリ素子と直列に結合されたセレクタ素子を含み、各メモリセル222は、1ビットのデータを表す。図2Bは、図2Aのメモリセル222の1つの例示的な実装形態であるメモリセル222aの簡略化された概略図である。
【0057】
一実施形態では、メモリセル222aは、セレクタ素子Sと直列に結合された磁気メモリ素子Mを含み、両方とも第1の端子T1と第2の端子T2との間に結合される。一実施形態において、メモリセル222aは、垂直に配向される。図2Bの実施形態では、磁気メモリ素子Mは、セレクタ素子Sの上に配設される。他の実施形態では、セレクタ素子Sが磁気メモリ素子Mの上に配設されてもよい。
【0058】
一実施形態では、磁気メモリ素子Mは磁気トンネル接合であり、セレクタ素子Sは閾値セレクタデバイスである。一実施形態では、セレクタ素子Sは、導電性ブリッジ閾値セレクタデバイスである。他の実施形態では、セレクタ素子Sは、オボニック閾値スイッチ(例えば、二元AsTeSi、CTe、BTe、AlTeなど、又は三元タイプのSiTe、AsTeGe、若しくはAsTeGeSiNなど)、相遷移材料タイプの金属絶縁体転移(MIT)(例えば、VO、NbOなど)、又は他の類似閾値セレクタデバイスである。
【0059】
一実施形態では、磁気メモリ素子Mは、上部強磁性層230と、下部強磁性層232と、2つの強磁性層の間の絶縁層であるトンネル障壁(TB)234とを含む。この例では、下部強磁性層232は、切り替えることができる磁化の方向を有する自由層(FL)である。上部強磁性層230は、容易に変化しない磁化方向を有するピン(又は固定)層(PL)である。
【0060】
他の実施形態では、磁気メモリ素子Mは、図2Bに示す層よりも少ない層、追加の層、又は異なる層を含み得る。他の実施形態では、下部強磁性層232はピン層(PL)であり、上部強磁性層230は自由層(FL)である。
【0061】
自由層232の磁化の方向がピン層230の磁化の方向と平行であるとき、メモリ素子Mは、比較的低い抵抗RP(本明細書では「平行抵抗RP」と称する)を有する。自由層232の磁化の方向がピン層230の磁化の方向に対して反平行であるとき、メモリ素子Mは、比較的高い抵抗RAP(本明細書では「逆並列抵抗RAP」と称する)を有する。
【0062】
一実施形態では、磁気メモリ素子Mのデータ状態(「0」又は「1」)は、磁気メモリ素子Mの抵抗を測定することによって読み出される。設計によって、平行及び反平行構成の両方は、静止状態及び/又は(十分に低い読み出し電流での)読み出し動作中に安定したままである。
【0063】
一実施形態では、セレクタ素子Sは、第1の領域236を含み、任意選択で、第1の領域236の上に配設された第2の領域238を含むオボニック閾値スイッチである。一実施形態では、第1の領域236はSiTe合金であり、任意選択の第2の領域238は窒化炭素である。第1の領域236及び任意選択の第2の領域238に他の材料を使用することができる。他の実施形態では、セレクタ素子Sは、導電性ブリッジ閾値セレクタ素子である。一実施形態では、第1の領域236は固体電解質領域であり、第2の領域238はイオン源領域である。
【0064】
図2Cは、閾値セレクタデバイスSの例示的な電流-電圧(I-V)特性を示す図である。各閾値セレクタデバイスSは、最初は高抵抗(オフ)状態にある。閾値セレクタデバイスSを閾値スイッチとして動作させるためには、閾値セレクタデバイスSが、スイッチングが起こり得る電流範囲で動作するように、初期形成動作が必要であり得る。
【0065】
例えば、形成動作は、各々が形成電圧V以上の大きさを有する1つ以上のパルスを閾値セレクタデバイスSに印加することを含み得る。あるいは、形成動作は、形成電圧-V以上の(すなわち、より負の)大きさをそれぞれ有する1つ以上のパルスを閾値セレクタデバイスSに印加することを含み得る。形成動作に続いて、閾値セレクタデバイスSをオン及びオフに切り替えることができ、単極又は双極閾値セレクタデバイスのいずれかとして使用することができる。したがって、閾値セレクタデバイスSは、バイポーラ閾値セレクタデバイスと称され得る。一実施形態では、形成動作は不可逆的である。すなわち、形成動作に続いて、閾値セレクタデバイスSを「形成解除」することはできない。
【0066】
図2Cの例示的なI-V特性では、正の印加電圧に対して、閾値セレクタデバイスSは、デバイスにかかる電圧が第1の閾値電圧VTPを満たすか又は超える(すなわち、より正である)まで、高抵抗状態(HRS)(例えば、オフ)のままであり、その時点で、閾値セレクタデバイスSは、低抵抗状態(LRS)(例えば、オン)に切り替わる。閾値セレクタデバイスSは、デバイスの両端の電圧が第1の保持電圧VHP以下に低下するまでオンにされたままであり、その時点で閾値セレクタデバイス224はオフになる。
【0067】
負の印加電圧に対して、閾値セレクタデバイスSは、デバイスの両端の電圧が第2の閾値電圧VTNを満たすか又は超える(すなわち、より負である)までHRS(例えば、オフ)のままであり、その時点で、閾値セレクタデバイス304はLRS(例えば、オン)に切り替わる。閾値セレクタデバイスSは、デバイスの両端間の電圧が第2の保持電圧VHNに増加するか又はそれを超える(すなわち、それよりも負でない)までオンにされたままであり、その時点で、閾値セレクタデバイスSはオフになる。
【0068】
再び図2Bを参照すると、一実施形態において、磁気メモリ素子Mは、スピントランスファートルク(STT)スイッチングを使用する。磁気メモリ素子Mのビット値を「設定する」(すなわち、自由層の磁化の方向を選択する)ために、第1の端子T1から第2の端子T2に書き込み電流が印加される。ピン層230は強磁性金属であるため、書き込み電流内の電子は、ピン層230を通過する際にスピン偏極される。
【0069】
強磁性体内の伝導電子の実質的に大部分は、磁化の方向に平行なスピン配向を有し、正味のスピン偏極電流を生じる。(電子スピンは、電子の磁気モーメントに正比例するが、その方向に反平行である角運動量を指すが、この方向の区別は、議論を容易にするために今後使用されない)。
【0070】
スピン偏極された電子がTB234を横切ってトンネルするとき、角運動量の保存は、自由層232及びピン層230の両方にトルクを与える結果となり得るが、このトルクは、ピン層230の磁化の方向に影響を及ぼすには(設計上)不十分である。対照的に、このトルクは、自由層232の磁化の初期方向がピン層230に対して反平行であった場合、自由層232の磁化の方向をピン層230の磁化の方向に対して平行になるように切り替えるのに(設計によって)十分である。その場合、平行磁化は、かかる書き込み電流がオフにされる前後で安定したままである。
【0071】
対照的に、自由層232及びピン層230の磁化が最初に平行である場合、自由層232の磁化の方向は、前述の場合とは反対方向の書き込み電流を印加することによって、ピン層230の磁化の方向に対して反平行になるようにSTTスイッチされ得る。したがって、同じSTT物理学によって、自由層232の磁化の方向は、書き込み電流方向(極性)の賢明な選択によって2つの安定した配向のいずれかに決定論的に設定され得る。
【0072】
上述の例では、スピントランスファートルク(STT)スイッチングを使用して、磁気メモリ素子Mのビット値を「設定」する。他の実施形態では、磁場誘起スイッチング、スピン軌道トルク(SOT)スイッチング、VCMA(磁電)スイッチング、又は他のスイッチング技術が用いられてもよい。
【0073】
図3A図3Bは、第1のメモリレベル300aと、第1のメモリレベル300aの上に配置された第2のメモリレベル300bとを含む例示的なクロスポイントメモリアレイ300の簡略化された概略図である。クロスポイントメモリアレイ300は、図1Eのメモリアレイ160の実装形態の一例である。クロスポイントメモリアレイ300は、3つ以上のメモリレベルを含んでもよい。
【0074】
クロスポイントメモリアレイ300は、ワード線WL1a、WL2a、WL3a、WL1b、WL2b、及びWL3bと、ビット線BL1、BL2、及びBL3とを含む。第1のメモリレベル300aは、ワード線WL1a、WL2a、WL3a並びにビット線BL1、BL2、及びBL3に結合されたメモリセル30211a、30212a、...、30233aを含み、第2のメモリレベル300bは、ワード線WL1b、WL2b、WL3b並びにビット線BL1、BL2、及びBL3に結合されたメモリセル30211b、30212b、...、30233bを含む。一実施形態では、メモリセル30211a、30212a、...、30233aの各々は、垂直に配向される。一実施形態では、メモリセル30211b、30212b、...、30233bの各々は、垂直に配向される。
【0075】
第1のメモリレベル300aは、図2Bのモノリシック3次元メモリアレイ210の第1のメモリレベル212の実装形態の一例であり、第2のメモリレベル300bは、図2Bのモノリシック3次元メモリアレイ210の第2のメモリレベル214の実装形態の一例である。一実施形態では、メモリセル30211a、30212a、...、30233a、30211b、30212b、...、30233bの各々は、図2Bのメモリセル222aの実装形態である。
【0076】
当業者であれば、クロスポイントメモリアレイ300は、6本よりも多い又は少ないワード線、3本よりも多い又は少ないビット線、及び18個よりも多い又は少ないメモリセル30211a、30212a、...、30233a、30211b、30212b、...、30233bを含み得ることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、クロスポイントメモリアレイ300は、1000×1000のメモリセルを含んでもよいが、他のアレイサイズが使用されてもよい。
【0077】
各メモリセル30211a、30212a、...、30233a、30211b、30212b、...、30233bは、ワード線のうちの1つ及びビット線のうちの1つに結合され、対応する磁気メモリ素子M11a、M12a、...、M33a、M11b、M12b、...、M33bをそれぞれ含み、対応するセレクタ素子S11a、S12a、...、S33a、S11b、S12b、...、S33bとそれぞれ直列に結合される。一実施形態では、磁気メモリ素子M11a、M12a、...、M33a、M11b、M12b、...、M33bの各々は、図2Bの磁気メモリ素子Mの実装形態であり、セレクタ素子S11a、S12a、...、S33a、S11b、S12b、...、S33bの各々は、図2Bのセレクタ素子Sの実装形態である。
【0078】
各メモリセル30211a、30212a、...、30233aは、ビット線BL1、BL2、BL3のうちの1つに結合された第1の端子と、ワード線WL1a、WL2a、WL3aのうちの1つに結合された第2の端子とを有し、各メモリセル30211b、30212b、...、30233bは、ビット線BL1、BL2、BL3のうちの1つに結合された第1の端子と、ワード線WL1b、WL2b、WL3bのうちの1つに結合された第2の端子とを有する。例えば、メモリセル30213aは、セレクタ素子S13aと直列に結合された磁気メモリ素子M13aを含み、ビット線BL3に結合された第1の端子と、ワード線WL1aに結合された第2の端子とを含む。
【0079】
同様に、メモリセル30222bは、セレクタ素子S22bと直列に結合された磁気メモリ素子M22bを含み、ビット線BL2に結合された第1の端子と、ワード線WL2bに結合された第2の端子とを含む。同様に、メモリセル30233aは、セレクタ素子S33aと直列に結合された磁気メモリ素子M33aを含み、ビット線BL3に結合された第1の端子と、ワード線WL3aに結合された第2の端子とを含む。
【0080】
磁気メモリ素子M11a、M12a、...、M33aは、対応するセレクタ素子S11a、S12a、...、S33aの上方又は下方にそれぞれ配設し得、磁気メモリ素子M11b、M12b、...、M33bは、対応するセレクタ素子S11b、S12b、...、S33bの上方又は下方にそれぞれ配設し得る。
【0081】
一実施形態では、第1のメモリレベル300aのメモリセル30211a、30212a、...、30233aの配向は、第2のメモリレベル300bのメモリセル30211b、30212b、...、30233bの配向と同じである。
【0082】
別の実施形態では、第1のメモリレベル300aのメモリセル30211a、30212a、...、30233aの配向は、第2のメモリレベル300bのメモリセル30211b、30212b、...、30233bの配向と反対である。
【0083】
再び図1Aを参照すると、一実施形態において、メモリコア110は、メモリセルの1つ以上の2次元アレイ及び/又はメモリセルの1つ以上の3次元アレイを含み得る。一実施形態では、メモリコア110は、書き換え可能メモリセル及び/又はマルチタイムプログラマブルメモリセル、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0084】
実際に、図1Aのメモリシステム100などのメモリシステムは、多くの場合、コンテンツ管理ビット、トリムビット、製造者データ、フォーマットデータ、及び他の同様のデータなどの、メモリデバイスの動作パラメータに関連するデータを記憶するためのワンタイムプログラマブルメモリを含み得る。メモリシステム100内のかかるワンタイムプログラマブルメモリインを含むための1つの技術は、ワンタイムプログラマブルメモリセルをメモリコア110内の書き換え可能メモリセルとともに含むことである。
【0085】
しかしながら、かかる以前の技術は、しばしば、ワンタイムプログラマブルメモリセル及び書き換え可能メモリセルのための異なるタイプのメモリセル構造を必要としてきた。実際、いくつかの以前の技術では、ワンタイムプログラマブルメモリセルの製造は、書き換え可能メモリセルを製造するために使用される材料及び/又は処理ステップとは異なる材料及び/又は追加の処理ステップを必要とする。結果として、異なる材料及び/又は追加の処理ステップの必要性は、ワンタイムプログラマブルメモリセル及びメモリコア110内の書き換え可能メモリセルを提供するための以前の技術のコスト、複雑さ、及び/又は故障率を増加させた。
【0086】
加えて、図1Aのメモリシステム100などのメモリシステムは、時折の修正を必要とし得るメモリデバイスの動作パラメータを有することがある。例えば、動作パラメータの初期セットが決定され得るが、更なる分析及び使用の後、動作パラメータは1回以上変更され得る。かかる動作パラメータがワンタイムプログラマブルメモリセルに記憶される場合、動作パラメータは変更されないことがあり、したがって、動作パラメータに対する変更が行われると、メモリデバイスは無用であると見なされることがある。
【0087】
動作パラメータが「最終」である(例えば、更なる変更が不要である)と判定されるまで、メモリデバイスが使用され続けることができるように、マルチタイムプログラマブルメモリセル(例えば、有限回数(例えば、1回、2回、3回など)プログラムされ得るメモリセル)に動作パラメータを記憶することが有用であろう。
【0088】
マルチタイムプログラマブルメモリセル又は書き換え可能メモリセルとして使用され得るメモリセルを提供するための技術が説明される。メモリセルは、同じ構造を有し、同じ材料及び同じ処理ステップを使用する同じ製造プロセスを使用して製造される。メモリセルは、メモリセルの単一のメモリアレイとして形成されてもよく、又はワンタイム/マルチタイムプログラマブルメモリセル及び書き換え可能メモリセルの別個のアレイとして形成されてもよい。
【0089】
図4Aは、図1Aのメモリコア400aの一実施形態であるメモリコア110の簡略図である。メモリコア400aは、メモリアレイ402aなどの1つ以上のメモリアレイを含む。一実施形態では、メモリアレイ402aは、マルチタイムプログラマブルメモリセル404aの第1のアレイと、書き換え可能メモリセル404bの第2のアレイとを含む。
【0090】
当業者は、メモリアレイ402aが、代替的に、マルチタイムプログラマブルメモリセル404aの2つ以上の第1のアレイと、書き換え可能メモリセル404bの2つ以上の第2のアレイとを含み得ることを理解するであろう。例えば、図4Bは、図1Aのメモリコア400bの一実施形態であるメモリコア110の簡略図である。メモリコア400bは、メモリアレイ402bなどの1つ以上のメモリアレイを含む。
【0091】
一実施形態では、メモリアレイ402bは、マルチタイムプログラマブルメモリセル404a1の第1のサブアレイ及びマルチタイムプログラマブルメモリセル404a2の第2のサブアレイを含むマルチタイムプログラマブルメモリセル404aの第1のアレイと、書き換え可能メモリセル404b1の第1のサブアレイ及び書き換え可能メモリセル404b2の第2のサブアレイを含む書き換え可能メモリセル404bの第2のアレイとを含む。
【0092】
再び図4Aを参照すると、一実施形態では、マルチタイムプログラマブルメモリセル404aの第1のアレイは、メモリシステム100(図1A)の動作パラメータ、又は経時的に変化しないか、若しくは数回のみ変化する他のデータを記憶するために使用され得る。当業者は、他のタイプのデータがマルチタイムプログラマブルメモリセル404aの第1のアレイに記憶されてもよいことを理解するであろう。
【0093】
一実施形態では、書き換え可能メモリセル404bの第2のアレイは、対照的に、複数回書き込まれ、消去され、書き換えられ得、時間とともに頻繁に変化し得るユーザデータを記憶するために使用され得る。当業者は、他のタイプのデータが書き換え可能メモリセル404bの第2のアレイに記憶されてもよいことを理解するであろう。
【0094】
一実施形態では、マルチタイムプログラマブルメモリセル404aの第1のアレイ及び書き換え可能メモリセル404bの第2のアレイはそれぞれ、同じタイプのメモリセルを含む。一実施形態では、マルチタイムプログラマブルメモリセル404aの第1のアレイ及び書き換え可能メモリセル404bの第2のアレイはそれぞれ、抵抗性スイッチングメモリ素子(磁気メモリ素子、ReRAMメモリ素子、相変化メモリ素子、又は他のタイプの抵抗性スイッチングメモリ素子など)と直列に結合された閾値セレクタデバイス(オボニック閾値スイッチなど)を含むメモリセルを含む。
【0095】
簡単にするために、残りの本文では、磁気トンネル接合と直列に結合されたオボニック閾値スイッチを含むメモリセルについて説明する。例えば、マルチタイムプログラマブルメモリセル404aの第1のアレイ及び書き換え可能メモリセル404bの第2のアレイ内の各メモリセルは、図2Bの例示的なメモリセル222aであってもよい。当業者は、他のタイプの閾値セレクタデバイス及び他のタイプのメモリ素子を含むメモリセルが使用されてもよいことを理解するであろう。
【0096】
一実施形態では、マルチタイムプログラマブルメモリセル404aの第1のアレイ及び書き換え可能メモリセル404bの第2のアレイは、メモリセルの単一のアレイの部分である。例えば、メモリアレイ402は、M行のメモリセル(例えば、行0、1、2、...、M-1)を含んでもよい。メモリアレイ402aの最初のJ行(例えば、行0、1、2、...、J-1)は、マルチタイムプログラマブルメモリセル404aの第1のアレイを構成することができ、メモリアレイ402aの残りの(M-J)行(例えば、行J、J+1、...、M-1)は、書き換え可能メモリセル404bの第2のアレイを構成することができる。
【0097】
他の実施形態では、マルチタイムプログラマブルメモリセル404aの第1のアレイ及び書き換え可能メモリセル404bの第2のアレイは、別個のメモリアレイである。一実施形態では、マルチタイムプログラマブルメモリセル404aの第1のアレイ及び書き換え可能メモリセル404bの第2のアレイは、同じプロセス(例えば、同じ半導体製造プロセス)を使用して製造される。一実施形態では、マルチタイムプログラマブルメモリセル404aの第1のアレイは、書き換え可能メモリセル404bの第2のアレイと同じ材料及び同じ製造処理ステップを使用して製造される。
【0098】
一実施形態では、マルチタイムプログラマブルメモリセル404aの第1のアレイ内のメモリセルと、書き換え可能メモリセル404bの第2のアレイ内のメモリセルとは、同じ構造を有する。一実施形態では、マルチタイムプログラマブルメモリセル404aの第1のアレイ及び書き換え可能メモリセル404bの第2のアレイはそれぞれ、クロスポイントメモリアレイを含み、クロスポイントメモリアレイ内の各メモリセルは、磁気メモリ素子(磁気トンネル接合など)と直列に結合された閾値セレクタデバイス(オボニック閾値スイッチなど)を含む。
【0099】
上述のように、一実施形態では、マルチタイムプログラマブルメモリセル404aの第1のアレイ及び書き換え可能メモリセル404bの第2のアレイ内の各メモリセルは、図2Bの例示的なメモリセル222aである。特に、一実施形態では、マルチタイムプログラマブルメモリセル404aの第1のアレイ及び書き換え可能メモリセル404bの第2のアレイ内の各メモリセルは、オボニック閾値スイッチSと直列に結合された磁気トンネル接合メモリ素子Mを含む。
【0100】
混乱を避けるために、マルチタイムプログラマブルメモリセル404aの第1のアレイ内のメモリセルは、残りの説明ではマルチタイムプログラマブルメモリセル222mと称され、書き換え可能メモリセル404bの第2のアレイ内のメモリセルは、残りの説明では書き換え可能メモリセル222rと称される。当業者は、一実施形態において、各マルチタイムプログラマブルメモリセル222m及び各書き換え可能メモリセル222rが、図2Bの例示的なメモリセル222aのインスタンスであることを理解するであろう。
【0101】
一実施形態では、書き換え可能メモリセル404bの第2のアレイ内の各書き換え可能メモリセル222rは、オボニック閾値スイッチSを選択的にオン及びオフに切り替えることができるように形成動作を受ける。形成動作に続いて、書き換え可能メモリセルの404bの第2のアレイ内の各書き換え可能メモリセル222rの磁気トンネル接合メモリ素子Mを使用して、メモリセルのデータ状態を記憶することができ、書き換え可能メモリセル404bの第2のアレイ内の各書き換え可能メモリセル222rは書き換え可能である。
【0102】
図5は、マルチタイムプログラマブルメモリセル222m及び書き換え可能メモリセル222rを動作させるために使用される種々の例示的な電圧の図を示している。図5は、全ての電圧が正の値を有するものとして示しているが、以下に説明する技術は、負の値を有する電圧とともに使用することもできることに注意されたい。書き換え可能メモリセル404bの第2のアレイ内の書き換え可能メモリセル222rに関して、形成動作は、形成(第1の)電圧V以上の大きさをそれぞれ有する1つ以上のパルスを閾値セレクタデバイスSに印加することを含み得る。
【0103】
一実施形態では、形成動作の前に、マルチタイムプログラマブルメモリセル222m及び書き換え可能メモリセル222r内の閾値セレクタデバイスSは、第1のスイッチ抵抗ROTS(UF)を有する。例えば、第1のスイッチ抵抗ROTS(UF)は、約1M?又は何らかの他の値であり得る。
【0104】
一実施形態では、形成動作後、マルチタイムプログラマブルメモリセル222m及び書き換え可能メモリセル222r内の閾値セレクタデバイスSは、第2のスイッチ抵抗ROTS(F)を有する。例えば、第2のスイッチ抵抗ROTS(F)は、約1K?又は何らかの他の値とすることができる。一実施形態では、形成動作は不可逆的である。すなわち、形成された閾値セレクタデバイスSの抵抗は、第2のスイッチ抵抗ROTS(F)から第1のスイッチ抵抗ROTS(UF)に切り戻すことができない。
【0105】
一実施形態では、形成動作に続いて、それぞれが(スイッチング)電圧V0に等しい大きさを有する1つ以上のパルスを印加して、メモリセルのデータ状態(「0」又は「1」)を設定するために、書き換え可能メモリセル404bの第2のアレイ内の書き換え可能メモリセル222rの磁気トンネル接合メモリ素子Mの抵抗を変化させることができる。一実施形態では、スイッチング電圧V0は、形成(第1の)電圧V1未満である。
【0106】
マルチタイムプログラマブルメモリセル404aの第1のアレイ内のマルチタイムプログラマブルメモリセル222mに関して、一実施形態では、かかるメモリセルは、異なる大きさの電圧パルスをメモリセルに選択的に印加することによって複数回プログラムされ得る。
【0107】
一実施形態では、マルチタイムプログラマブルメモリセル404aの第1のアレイ内のマルチタイムプログラマブルメモリセル222mは、3つの電圧のうちの1つの大きさを有する電圧パルスを選択的に印加することによって複数回プログラムされ得る。以下でより詳細に説明するように、かかるマルチタイムプログラミングは、閾値セレクタデバイスS及び磁気トンネル接合メモリ素子Mの一方又は両方の抵抗を不可逆的に(又は破壊的に)変化させることを含む。
【0108】
一実施形態では、マルチタイムプログラマブルメモリセル404aの第1のアレイ内のマルチタイムプログラマブルメモリセル222mは、第1の電圧V1の大きさを有する1つ以上の電圧パルスをメモリセルに選択的に印加することによって、1回目にプログラムすることができる。
【0109】
一実施形態では、マルチタイムプログラマブルメモリセル404aの第1のアレイ内のマルチタイムプログラマブルメモリセル222mは、第1の電圧V1よりも大きい第2の電圧V2の大きさを有する電圧パルスをメモリセルに選択的に印加することによって、2回目にプログラムすることができる。
【0110】
一実施形態では、マルチタイムプログラマブルメモリセル404aの第1のアレイ内のマルチタイムプログラマブルメモリセル222mは、第2の電圧V2よりも大きい第3の電圧V3の大きさを有する電圧パルスをメモリセルに選択的に印加することによって、3回目にプログラムすることができる。
【0111】
一実施形態では、第1の電圧V1は、マルチタイムプログラマブルメモリセル222mのオボニック閾値スイッチSの形成電圧である。一実施形態では、第1の電圧V1を印加する前に、各マルチタイムプログラマブルメモリセル222mは第1の抵抗R1を有する。一実施形態では、第1の抵抗R1は、マルチタイムプログラマブルメモリセル222mの未形成オボニック閾値スイッチSの第1のスイッチ抵抗ROTS(UF)に実質的に等しい。例えば、第1の抵抗R1は、約1M?又は何らかの他の値であり得る。
【0112】
一実施形態では、第1の電圧V1の大きさを有する1つ以上のパルスを印加した後、マルチタイムプログラマブルメモリセル222mは第2の抵抗R2を有する。
【0113】
R2=ROTS(F)+RMTJ(P/AP)
一実施形態では、第2の抵抗R2は、形成されたオボニック閾値スイッチSの第2のスイッチ抵抗ROTS(F)に、マルチタイムプログラマブルメモリセル222mの磁気トンネル接合メモリ素子Mの抵抗RMTJ(P/AP)を加えたものに実質的に等しい。
【0114】
上述のように、形成動作は不可逆的であり、形成された閾値セレクタデバイスSの抵抗は、第2のスイッチ抵抗ROTS(F)から第1のスイッチ抵抗ROTS(UF)に切り戻すことができない。この点に関して、第1の電圧V1の大きさを有する電圧パルスを印加することによってマルチタイムプログラマブルメモリセル222mを1回目にプログラミングすると、マルチタイムプログラマブルメモリセル222mの閾値セレクタデバイスSの抵抗が不可逆的に(又は破壊的に)変化する。
【0115】
一実施形態では、抵抗RMTJ(P/AP)は、磁気トンネル接合メモリ素子Mのデータ状態に依存する第1のメモリ素子抵抗(例えば、並列抵抗RP)又は第2のメモリ素子抵抗(例えば、逆並列抵抗RAP)のいずれかである。
【0116】
例えば、第2のスイッチ抵抗ROTS(F)は約1K?であり得、第1のメモリ素子(並列)抵抗RPは約1.5K?であり得、第2のメモリ素子(逆並列)抵抗RAPは約3K?であり得、したがって、第2の抵抗R2は約2.5K?と約4K?との間、又は何らかの他の値であり得る。
【0117】
一実施形態では、第2の電圧V2は、マルチタイムプログラマブルメモリセル222mの磁気トンネル接合メモリ素子Mの降伏電圧である。一実施形態では、第2の電圧V2を印加すると、磁気トンネル接合メモリ素子Mが短絡する。一実施形態では、第2の電圧V2の大きさを有する1つ以上のパルスを印加した後、磁気トンネル接合メモリ素子Mは、第3のメモリ素子抵抗RMTJ(BD)を有する。例えば、第3のメモリ素子抵抗RMTJ(BD)は、約100?又は何らかの他の値であり得る。
【0118】
一実施形態では、第2の電圧V2を印加することは、磁気トンネル接合メモリ素子Mの短絡を引き起こし、これは不可逆的である。この点に関して、第2の電圧V2の大きさを有する電圧パルスを印加することによってマルチタイムプログラマブルメモリセル222mを2回目にプログラミングすることは、マルチタイムプログラマブルメモリセル222mの磁気トンネル接合メモリ素子Mの抵抗を不可逆的に(又は破壊的に)変化させる。
【0119】
一実施形態では、第2の電圧V2の大きさを有する1つ以上のパルスを印加した後、マルチタイムプログラマブルメモリセル222mは第3の抵抗R3を有する。
R3=ROTS(F)+RMTJ(BD)
すなわち、第3の抵抗は、第2のスイッチ抵抗ROTS(F)と第3のメモリ素子抵抗RMTJ(BD)との和に実質的に等しい。例えば、抵抗ROTS(F)は、約1K?であってもよく、破壊抵抗RMTJ(BD)は、約100?であってもよく、したがって、第3の抵抗R3は、約1.1K?又はある他の値であってもよい。
【0120】
実施形態において、第3の電圧V3は、マルチタイムプログラマブルメモリセル222mのオボニック閾値スイッチS及び磁気トンネル接合メモリ素子Mの開放回路電圧である。一実施形態では、第3の電圧V3を印加することにより、オボニック閾値スイッチS及び磁気トンネル接合メモリ素子Mの開放回路が生じ、これは不可逆的である。この点に関して、第3の電圧V3の大きさを有する電圧パルスを印加することによってマルチタイムプログラマブルメモリセル222mを3回目にプログラミングすることは、マルチタイムプログラマブルメモリセル222mの閾値セレクタデバイスS及び磁気トンネル接合メモリ素子Mの抵抗を不可逆的に(又は破壊的に)変化させる。
【0121】
一実施形態において、第3の電圧V3の大きさを有する1つ以上のパルスを印加した後、マルチタイムプログラマブルメモリセル222mは、第4の抵抗R4を有する。例えば、第4の抵抗R4は、約10M?又は何らかの他の値であり得る。
【0122】
したがって、一実施形態では、第2の抵抗R2は第1の抵抗R1よりも小さく、第3の抵抗R3は第2の抵抗R2よりも小さく、第4の抵抗R4は第1の抵抗R1よりも大きい。
R3<R2<R1<R4
一実施形態では、1回目のプログラミングの後、マルチタイムプログラマブルメモリセル404aの第1のアレイ内の各マルチタイムプログラマブルメモリセル222mは、第1の抵抗R1(例えば、高抵抗状態又は「1」データ状態)又は第2の抵抗R2(例えば、低抵抗状態又は「0」データ状態)を有する。
【0123】
図6A1は、1回目のプログラミング後のマルチタイムプログラマブルメモリセル222mの例示的な抵抗値を示している。一実施形態では、第1の基準Ref1を使用して、低抵抗状態(又は「0」データ状態)を有するマルチタイムプログラマブルメモリセル222mと、高抵抗状態(又は「1」データ状態)を有するマルチタイムプログラマブルメモリセル222mとを区別することができる。
【0124】
第1の基準Ref1は抵抗値として示されているが、当業者であれば、基準電流を使用して、低抵抗状態(又は「0」データ状態)と高抵抗状態(又は「1」データ状態)マルチタイムプログラマブルメモリセル222mとを区別することができることを理解するであろう。
【0125】
一実施形態では、2回目のプログラミングの後、マルチタイムプログラマブルメモリセル404aの第1のアレイ内の各マルチタイムプログラマブルメモリセル222mは、第1の抵抗R1、第2の抵抗R2、又は第3の抵抗R3を有する。一実施形態では、第1の抵抗R1又は第2の抵抗R2を有するマルチタイムプログラマブルメモリセル222mは、高抵抗状態(例えば、「1」データ状態)にあると見なされ、第3の抵抗R3を有するマルチタイムプログラマブルメモリセル222mは、低抵抗状態(例えば、「0」データ状態)にあると見なされる。
【0126】
図6A2は、2回目のプログラミング後のマルチタイムプログラマブルメモリセル222mの例示的な抵抗値を示している。一実施形態では、第2の基準Ref2を使用して、低抵抗状態(又は「0」データ状態)を有するマルチタイムプログラマブルメモリセル222mと、高抵抗状態(又は「1」データ状態)を有するマルチタイムプログラマブルメモリセル222mとを区別することができる。
【0127】
第2の基準Ref2は抵抗値として示されているが、当業者であれば、基準電流を使用して、低抵抗状態(又は「0」データ状態)と高抵抗状態(又は「1」データ状態)マルチタイムプログラマブルメモリセル222mとを区別することができることを理解するであろう。
【0128】
一実施形態では、3回目のプログラミングの後、マルチタイムプログラマブルメモリセル404aの第1のアレイ内の各マルチタイムプログラマブルメモリセル222mは、第2の抵抗R2、第3の抵抗R3、又は第4の抵抗R4を有する。かかる一実施形態では、増加したマージンのために、マルチタイムプログラマブルメモリセル404aの第1のアレイ内の全ての形成されていないマルチタイムプログラマブルメモリセル222mが形成される。一実施形態において、第4の抵抗R4を有するマルチタイムプログラマブルメモリセル222mは、高抵抗状態(例えば、「1」データ状態)にあると見なされ、第2の抵抗R2又は第3の抵抗R3を有するマルチタイムプログラマブルメモリセル222mは、低抵抗状態(例えば、「0」データ状態)にあると見なされる。
【0129】
図6A3は、3回目のプログラミング後のマルチタイムプログラマブルメモリセル222mの例示的な抵抗値を示している。一実施形態では、第3の基準Ref3を使用して、低抵抗状態(又は「0」データ状態)を有するマルチタイムプログラマブルメモリセル222mと、高抵抗状態(又は「1」データ状態)を有するマルチタイムプログラマブルメモリセル222mとを区別することができる。
【0130】
第3の基準Ref3は抵抗値として示されているが、当業者であれば、基準電流を使用して、低抵抗状態(又は「0」データ状態)と高抵抗状態(又は「1」データ状態)マルチタイムプログラマブルメモリセル222mとを区別することもできることを理解するであろう。
【0131】
上述したように、マルチタイムプログラマブルメモリセル222mを1回目、2回目、又は3回目にプログラミングすると、閾値セレクタデバイスS及び磁気トンネル接合メモリ素子Mの一方又は両方の抵抗が不可逆的に(又は破壊的に)変化する。
【0132】
いかなる特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、閾値セレクタデバイスS及び磁気トンネル接合メモリ素子Mの一方又は両方の抵抗を不可逆的に(又は破壊的に)変化させることにより、マルチタイムプログラマブルメモリセル222mにおいて非常に高い保持が達成されると考えられる。
【0133】
図7は、マルチタイムプログラマブルメモリセル及び書き換え可能メモリセルを形成し、マルチタイムプログラマブルメモリセルをプログラミングするための方法700の一実施形態を示す図である。
【0134】
ステップ702において、第1のメモリセル及び第2のメモリセルが、同じ製造プロセスを使用して形成される。一実施形態では、各第1のメモリセル及び各第2のメモリセルは、オボニック閾値スイッチと直列に結合された磁気トンネル接合メモリ素子を含む同じ構造を含む。一実施形態では、第1のメモリセルは第1の抵抗を含む。
【0135】
ステップ704において、第1の電圧V1の大きさを有する1つ以上のパルスを印加することによって、第1のメモリセルが1回目にプログラムされる。1回目にプログラムされた第1のメモリセルは、第1の抵抗よりも低い第2の抵抗を含む。
【0136】
ステップ706において、第1の電圧V1の大きさよりも大きい第2の電圧V2の大きさを有する1つ以上のパルスを印加することによって、第1のメモリセルが2回目にプログラムされる。2回目にプログラムされた第1のメモリセルは、第2の抵抗よりも低い第3の抵抗を含む。
【0137】
ステップ708において、第1のメモリセルは、第2の電圧V2の大きさよりも大きい第3の電圧V3の大きさを有する1つ以上のパルスを印加することによって、3回目にプログラムされる。3回目にプログラムされた第1のメモリセルは、第1の抵抗よりも大きい第4の抵抗を含む。
【0138】
いかなる特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、上述のマルチタイムプログラマブルメモリセル222mに関して、磁気トンネル接合メモリ素子Mの抵抗状態は重要ではなく、上述のマルチタイムプログラマブルメモリセル222mの動作に実質的に影響を及ぼさないと考えられる。
【0139】
実際、図6A1図6A3に示されるように、いかなる特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、1回目のプログラミング、2回目のプログラミング、及び3回目のプログラミングの各々について、マルチタイムプログラマブルメモリセル222mのデータ状態の決定は、メモリセル内の磁気トンネル接合メモリ素子Mのデータ状態(及び抵抗)に依存しないと考えられる。
【0140】
更に、いかなる特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、磁気トンネル接合メモリ素子Mが0状態にあるか1状態にあるかは、上述したマルチタイムプログラマブルメモリセル222mの動作に影響を与えないと考えられる。
【0141】
実際、いかなる特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、マルチタイムプログラマブルメモリセル222mは、磁気トンネル接合メモリ素子Mを形成するために使用されるプロセスに対して非常に弾力性があると考えられる。
【0142】
いかなる特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、マルチタイムプログラマブルメモリセル222mは、磁気トンネル接合メモリ素子Mがオン及びオフすることができるかどうかにかかわらず機能すると考えられる。
【0143】
いかなる特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、上述のマルチタイムプログラマブルメモリセル222mの信頼性は、磁気トンネル接合メモリ素子Mのいかなる状態変化によっても影響されないと考えられる。
【0144】
しかしながら、2回目のプログラミングでは、磁気トンネル接合メモリ素子Mを逆並列抵抗RAPにプログラミングすることにより、第2の抵抗R2を有するマルチタイムプログラマブルメモリセル222mと第3の抵抗R3を有するマルチタイムプログラマブルメモリセル222mとを区別するためのマージンが改善され得ると考えられる。
【0145】
いかなる特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、単一の半導体製造プロセスを使用して、各メモリセルが磁気トンネル接合メモリ素子と直列のオボニック閾値スイッチを含むメモリセルのクロスポイントアレイを形成することができ、クロスポイントアレイ内のメモリセルの第1の部分をマルチタイムプログラマブルメモリセルとして使用することができ、クロスポイントアレイ内のメモリセルの第2の部分を書き換え可能メモリセルとして使用することができると考えられる。
【0146】
開示される技術の一実施形態は、セレクタ素子と直列に結合された可逆抵抗性スイッチングメモリ素子を含むメモリセルを含む。メモリセルは、書き換え可能メモリセル又はマルチタイムプログラマブルメモリセルのいずれかとして選択的に構成され得る。セレクタ素子は、第1のスイッチ抵抗及び第2のスイッチ抵抗を含む。抵抗性スイッチングメモリ素子は、第1のメモリ素子抵抗及び第2のメモリ素子抵抗を含む。メモリセルは、抵抗性スイッチングメモリ素子が第1のメモリ素子抵抗又は第2のメモリ素子抵抗を有するかどうかにかかわらず、マルチタイムプログラマブルメモリセルとして機能する。
【0147】
開示される技術の一実施形態は、複数のメモリセルを含むクロスポイントメモリアレイを含む装置を含み、各メモリセルは、セレクタ素子と直列に結合された磁気トンネル接合メモリ素子を含む。クロスポイントメモリアレイ内の各メモリセルは、1回目、2回目、及び3回目にプログラムされ得る書き換え可能メモリセル又はマルチタイムプログラマブルメモリセルのいずれかとして選択的に構成され得る。
【0148】
開示される技術の一実施形態は、同じ製造プロセスを使用して、第1のメモリセル及び第2のメモリセルであって、各第1のメモリセル及び各第2のメモリセルは、オボニック閾値スイッチと直列に結合された磁気トンネル接合メモリ素子を備える同じ構造を備え、第1のメモリセルは、第1の抵抗を備える、第1のメモリセル及び第2のメモリセルを形成することと、第1の電圧の大きさを含む1つ以上のパルスを印加することによって、第1のメモリセルを1回目にプログラムすることであって、1回目にプログラムされた第1のメモリセルは、第1の抵抗よりも低い第2の抵抗を含む、プログラムすることと、第1の電圧の大きさよりも大きい第2の電圧の大きさを含む1つ以上のパルスを印加することによって、第1のメモリセルを2回目にプログラムすることであって、2回目にプログラムされた第1のメモリセルは、第2の抵抗よりも低い第3の抵抗を含む、プログラムすることと、第2の電圧の大きさよりも大きい第3の電圧の大きさを含む1つ以上のパルスを印加することによって、第1のメモリセルを3回目にプログラムすることであって、3回目にプログラムされた第1のメモリセルは、第1の抵抗よりも大きい第4の抵抗を含む、プログラムすることと、を含む方法を含む。第1のメモリセルはマルチタイムプログラマブルメモリセルを含み、第2のメモリセルは書き換え可能メモリセルを含む。
【0149】
本文書の目的のために、第1の層は、ゼロ、1つ以上の介在層が第1の層と第2の層との間にある場合、第2の層にわたって、又はその上方にあってもよい。
【0150】
本文書の目的のために、図面に示される様々な特徴の寸法は、必ずしも縮尺どおりに描かれていなくてもよいことに留意されたい。
【0151】
本明細書の目的のために、明細書中の「一実施形態」、「一実施形態」、「いくつかの実施形態」又は「別の実施形態」に対する言及は、異なる実施形態を説明するために使用され、必ずしも同じ実施形態を指さなくてもよい。
【0152】
本明細書の目的のために、接続とは、直接的な接続又は間接的な接続(例えば、他の部分を介する)であってもよい。場合によっては、ある要素が別の要素に接続されるか又は結合されると言及される場合、この要素は、他の要素に直接的に接続されてもよく、又は、介在要素を介して他の要素に間接的に接続されてもよい。ある要素が別の要素に直接的に接続されていると言及される場合、この要素と他の要素との間には介在要素は存在しない。
【0153】
本明細書の目的のために、「基づいて」という用語は、「少なくとも部分的に基づいて」と読むことができる。
【0154】
本明細書の目的のために、追加の文脈がない、「第1の」物体、「第2の」物体、及び「第3の」物体などの数値的な用語の使用は、物体の順序を示唆するものではなく、代わりに、異なる物体を識別するための識別目的で使用されることがある。
【0155】
本明細書の目的のために、物体の「組」という用語は、物体のうちの1つ以上の物体の「組」を指すことがある。
【0156】
主題は、構造的特徴及び/又は方法論的行為に特有の言語で記載されているが、添付の特許請求の範囲に定義される主題は、必ずしも上記の特定の特徴又は行為に限定されないことを理解されたい。むしろ、上述の特定の特徴及び行為は、特許請求の範囲を実施する例示的な形態として開示される。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6A1
図6A2
図6A3
図7
【外国語明細書】