(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161900
(43)【公開日】2024-11-20
(54)【発明の名称】バッテリ製造プロセスのための統合品質監視ビュー
(51)【国際特許分類】
G01N 21/892 20060101AFI20241113BHJP
B65H 23/18 20060101ALI20241113BHJP
H01M 4/139 20100101ALN20241113BHJP
【FI】
G01N21/892 B
B65H23/18
H01M4/139
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024074769
(22)【出願日】2024-05-02
(31)【優先権主張番号】18/144,657
(32)【優先日】2023-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100138759
【弁理士】
【氏名又は名称】大房 直樹
(72)【発明者】
【氏名】アンジャリ チャンドラン
(72)【発明者】
【氏名】フリシケシュ タクレ
(72)【発明者】
【氏名】センティルクマール ジャヤラマン
(72)【発明者】
【氏名】アジェイクマール バングル
(72)【発明者】
【氏名】アジェイ クリシュナ
(72)【発明者】
【氏名】バラス クマール エム ジー
【テーマコード(参考)】
2G051
3F105
5H050
【Fターム(参考)】
2G051AA37
2G051AB07
2G051CA04
2G051CA08
2G051FA03
3F105AA08
3F105DA55
3F105DA61
3F105DB11
3F105DC09
3F105DC17
5H050AA19
5H050BA17
5H050CA02
5H050CA07
5H050CB08
5H050GA28
5H050GA29
(57)【要約】 (修正有)
【課題】プラントオペレータが複数のセンサから得られたデータを同時に見て分析することを可能にする。
【解決手段】シートロールの品質を推定する装置及び方法は、(a)視覚欠陥追跡システムからのシートロールの表面欠陥、(b)視覚測定システムからのシートロールの測定欠陥、及び(c)品質管理システムからのシートロールの品質及び欠陥データを含む新しいデータを連続的に監視し、同時に新しいデータを履歴の古いデータと統合する。データ接続アプリケーションプログラミングインターフェースは、分析のための履歴、現在、及びアラームデータを、報告及び分析のためにアグリゲータノードに供給することができる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートロールの品質を推測する方法であって、
視覚欠陥追跡システムからの前記シートロールの表面欠陥と、
視覚測定システムからの前記シートロールの測定欠陥と、
品質管理システムからの前記シートロールの品質及び欠陥データと、
を含む新しいデータを連続的に監視することと、
同時に前記新しいデータを履歴内の古いデータと統合することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記監視は連続的である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
機械方向(MD)に動く連続材料シートの形成を監視する方法であって、
(a)前記連続材料シートのシート特性を測定することと、
(b)測定されたシート特性に対応するシート情報をディスプレイデバイス上に表示することとを含み、
前記シート情報は、前記連続材料シートを表し、選択されたシート測定特性のMD位置を識別する画像を含む、方法。
【請求項4】
機械方向(MD)に移動する連続シートの製造を監視するシステムであって、
前記シートの1つ以上の特性を測定する複数のセンサからシート情報信号を受信するように構成されたコンピュータデバイスと、
前記複数のセンサのうち2つ以上からのシート情報に応答する統合画像を表示画面に生成するように構成されたディスプレイデバイスと、
を備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、連続シート材料の品質管理に関し、より詳細には、リチウムイオンバッテリで使用される電極などのシート材料を監視するための欠陥測定値を得るために複数のセンサを使用し、統合された視覚化が容易な方法で結果を表示することに関する。様々な測定データを組み合わせた高性能欠陥マップは、オペレータが欠陥マップを1つの画面で見ることを可能にする。
【背景技術】
【0002】
オンライン測定は、製造中にシート材料の特性を検出して、シート作製プロセスの促進制御を可能にし、ひいては、生産される規格外のシート材料の量を低減しながらシート品質を保証するために使用される。例えば、リチウムイオンバッテリ用の電極の製作において、金属ロールからの金属箔は、活性材料の混合物で連続的にコーティングされる。切断機械は、完成したコーティングされた金属箔を、セル及びバッテリに組み立てられる電極シートに切断する。電極の連続的なロールツーロール生産の品質を達成及び維持するために、バッテリ性能に強くリンクされる品質係数の一定のオンライン測定が必要である。上流の欠陥が検出されず、修正又は除去されない場合、欠陥のあるバッテリが生産される。例えば、視覚システム(カメラ)及び品質管理システム(Quality Control System、QCS)走査システムを含む、リチウムイオンバッテリ生産で使用される複数の個別欠陥監視システムがある。
【0003】
シート作製中のオンライン測定を行う際の主な問題のうちの1つは、シート材料の物理的特性が、通常、機械方向(Machine Direction、MD)及び横方向(Cross Direction、CD)において変化することである。機械方向とは、製造中のシート材料の移動方向を指し、「横方向」という用語は、MDに垂直なシートの表面を横切る方向を指す。
【0004】
シート材料のばらつきを検出するために、各走査に沿った坪量又はキャリパなどの選択されたシート特性の値を検出しながら、CDにシート作製機械を横切って周期的に前後に横断する走査センサが用いられる。通常、生産されているシートは、各走査中に縁から縁まで横断する。
【0005】
実際には、走査センサによって提供された測定情報は、通常、各走査の後に組み立てられて、CDで検出されたシート特性のプロファイルを提供する。言い換えれば、各プロファイルは、横方向の隣接する場所での一連のシート測定値で構成される。プロファイルの目的は、シート特性の横方向のばらつきを容易に検出することを可能にすることである。検出されたシート特性における検出された横方向のばらつきに基づいて、CD及びMD両方のプロファイルのばらつきを低減することを目的として、適切な制御調整をシート作製機械に行うことができる。
【0006】
一定の速度でシートを周期的に横断する走査センサは、シートの長手方向縁部に正確に垂直に整列される場所で選択されたシート特性を測定することができない。シート速度のために、走査センサは、実際にシート表面を横切って斜めに移動し、結果として、連続する走査経路は、シートの長手方向縁に垂直な方向に対してジグザグパターンを有する。明らかなように、走査センサは、斜めのジグザグパターンに沿ったシートの小さい部分のみを測定する。実際には、各走査にわたるプロファイル測定の平均を計算することが典型的である。そのような平均は、各走査が完了した後に計算されるため、「最後の」平均と呼ばれることが多い。
【0007】
ほとんどの製造プラントは、シート上で検出されたばらつきを示すカラーマップの形態でリアルタイム測定データを表示するモニタを使用する。
図17に示すように、センサからのMDデータは、6つの垂直列に示されている。列は、コーティング上の異なるストリップを示す。例えば、6つのストリップコーティングセクションの場合、視覚化によっても6つのストリップが示される。したがって、すべての列が同時に取得される。左側の列は最近のデータを表し、右側の最後の列は以前のデータを表す。左列の上部は、リアルタイムの現在のデータである。左側の色凡例は、特定の色相(図示せず)を特定の測定量に相関させるスケールである。6つの列又はマップの各々について、列の幅は、監視されているシートのCDに対応する。マップは、いくつかの根本的な欠陥を示すことができるデータ変化のパターンを監視する。異なる値は特定の色を与えられ、マップ上にプロットされる。値が変化するにつれて、オペレータは対応する色のばらつきを観察することができ、オペレータはこれを観察することによって閾値からのばらつきを推測することができる。
【0008】
カラーマップは、オペレータが各カラー及びパターン変化が何を意味するかを心に留めておく必要があるので、読み取るのが困難である。オペレータは、パターンの変化が欠陥であると仮定することができるだけであるが、欠陥が存在するという明確な表示がない場合がある。リチウムイオンバッテリでは、表面に影響を与え得る様々なタイプの欠陥、例えば、脱炭、バブリング、気泡、穴、クレーター、及び暗点が存在する。カラーマッピングでは、どのタイプの欠陥が検出されたかを識別することは不可能である。
【0009】
更に、ジグザグパターンに沿った偏差を取得するためにシート幅を横切って移動する走査センサでは、走査経路はシートを横切る対角線となる。位置は、カラーマップ上の単一のCD位置として表される。対角線は、カラー列又はマップ上の単一の水平線によって表される。これは、オペレータの視界を歪め、また、走査経路内にない領域に入る欠陥を示さない。
【0010】
プラントではまた、シート上のばらつき及び欠陥を監視するためにプロファイルビューで測定データを表示する。
図18の上のプロットは、シートの(測定された)坪量(g/m
2)対ビンを示す。2つの(破線の)閾値線のいずれかと交差することは、坪量に関してシートのその領域に欠陥があることを意味する。
図18の下のプロットは、スキャナ速度(mm/秒)対ビンを示す。オペレータは、閾値線の違反について、坪量対ビンのプロファイルのビューを監視することができる。
【0011】
現在の製造技術では、走査システムと固定監視システムの両方が、MDに沿った異なる戦略的位置に配置される。プロセスの初期に配置されるモニタシステムもあれば、更に下流に配置されるモニタシステムもある。このようにして、製造プロセスの異なる上流段階が監視され、データがプラントオペレータに利用可能である。したがって、処理された材料のシートのMDに沿った任意の特定の点(又はセクション)は、例えば、異なるプロトコルに異なる時間に供され得る。しかしながら、欠陥検出及び監視システムは独立型であり、プラントオペレータ及びエンジニアが様々なシステムからのデータを監視及び分析することを困難にしている。特に、オペレータ/エンジニアは、質の高い製造に関する重要な決定を行うために、材料シートの同じセクションにおける複数のシステム分析を手動で相関させなければならない。これらのあまりユーザフレンドリでないシステムによって制約されて、オペレータは、リアルタイムで効果的な分析及び決定を行うことができない。その結果、廃棄しなければならない欠陥バッテリの割合が高くなる。
【発明の概要】
【0012】
本発明は、プラントオペレータが複数のセンサから得られたデータを同時に見て分析することを可能にする統合品質監視技術に関する。リチウムイオンバッテリ製造の場合、オペレータは、カレンダ処理セクション内にあるアノードセクション又はカソードセクションからの欠陥などの上流品質問題を見ることができる。オペレータは、複数のセンサ及びカメラシステムからリアルタイムでシートコーティングの効果的な分析を行うことができる。連続材料シート内の欠陥が検出され、次いで欠陥の位置及び発生源が識別された場合、オペレータは、問題を解決するために適切な是正措置を迅速に開始することができる。
【0013】
本発明の様々な実施形態は、視覚欠陥追跡システムからのシートロールの表面欠陥、視覚測定システムからのシートロールの測定欠陥、並びに品質管理システムからのシートロールの品質及び欠陥データを含む新しいデータを連続的に監視することと、同時に新しいデータを履歴の古いデータと統合することとを含む、シートロールの品質を推測する装置及び方法を含む。
【0014】
一態様では、本発明は、機械方向(MD)に動く連続材料シートの形成を監視する方法であって、(a)連続材料シートのシート特性を測定することと、(b)測定されたシート特性に対応するシート情報をディスプレイデバイス上に表示することとを含み、シート情報は、連続材料シートを表し、選択されたシート測定特性のMD位置を識別する画像を含む方法に関する。
【0015】
別の態様において、本発明は、機械方向(MD)に移動する連続シートの製造を監視するシステムであって、シートの1つ以上の特性を測定する複数のセンサからシート情報信号を受信するように構成されたコンピュータデバイスと、複数のセンサのうち2つ以上からのシート情報に応答する統合画像を表示画面に生成するように構成されたディスプレイデバイスと、を備える。
【0016】
本発明の統合品質測定ビューは、監視ビュー、分析ビュー、及び報告ビューによって例示される。監視ビューは、上述の異なるシステムから集約されたすべての欠陥の組み合わされたビューを見るために使用することができ、又は各システムの統合されていないビューを個々に見るために使用することもできる。これらはまた、オペレータがアルゴリズムによる自動フラグ付けを無効にするか又は補完することを望む場合、オペレータによって手動で領域にフラグを付けるために使用することもできる。分析ビューを使用して、データを掘り下げ、欠陥パターン、タイプに基づく欠陥の件数、欠陥発生のインスタンス、傾向分析を分析し、いくつかの他の定量的及び定性的分析を実行することができる。オペレータは、分析のための集約ビュー、又は分析のための欠陥データの分解ビューのいずれかを選択することができる。報告ビューは、システム内でサポートされる異なるフィルタを使用して選択することができる様々な詳細で欠陥情報を報告するために使用される。ユーザは、各システムからのレポートを個別に見ることができる。
【0017】
統合品質監視は、プラントオペレータが、(1)QCS及び視覚システムからのカテゴリ、重大度、及び密度による欠陥、(2)欠陥の正確なサイズ及び位置、並びに(3)欠陥のリアルタイム位置を見ることを可能にする。周期的な欠陥表示は、機械パラメータの偏差を識別する。オペレータは、後で分析される必要がある領域にフラグを付けることができ、システムは、即時の注意を必要とする問題を有する領域に自動的にフラグを付けることができる。オペレータは、フラグフィルタを適用して、システムによって自動的にフラグが付けられたすべての領域を見ることができる。この特徴は、将来の分析において、欠陥領域を迅速に識別するのに役立つ。更に、手動フラグ付けパターンに基づいて、システムは、可能性のある重要な領域の予測を開始することができる。
【0018】
システムは、複数のカメラ及びスキャナを使用する。これは、様々なプロセスからの欠陥間の相関を可能にする。例えば、コーティングプロセスに由来する穴欠陥は、乾燥プロセス後に閉じたものとして見ることができる。欠陥の寿命は、柔軟なマルチ選択ビューを使用して容易に監視することができる。オペレータは、プロセス(乾燥、コーティングなど)又は資産(カメラ1、スキャナ1など)によってビューを選択することもできる。欠陥マップをカラーマップと比較することによって、オペレータは、実際の欠陥が現れる前に特定の偏差がどのように形成されているかを知ることができる。
【0019】
本発明は、リチウムイオンバッテリ生産において実施されるものとして例示されているが、本発明は、例えば紙、ゴムシート、プラスチックフィルム、金属箔などの製造における、他の連続シート作製プロセスに適用可能であることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1A】アノード材料又はカソード材料で金属基材を連続的にコーティングするためのロールツーロールシート生産システムを示す図である。
【
図2A】連続的に動くシート上に基準マークを付与するためのシステムを示す平面図である。
【
図2B】連続的に動くシート上の基準マークを読み取り、マークを使用して測定を調整することによって測定のトレーサビリティを確立するために、基準マーカを用いる電極製作を示す平面図である。
【
図2C】データ及びロジックの流れを示す図である。
【
図4】様々な測定データを組み合わせた欠陥マップであり、シートのロールの欠陥監視、分析、及び診断/報告という3つの主要な特徴を示している。
【
図5】ロールの基本的な詳細を表示する欠陥マップである。
【
図6】様々なフィルタオプションを表示する欠陥マップである。
【
図7】様々なフィルタオプションを表示する欠陥マップである。
【
図8】特定の個々の欠陥の詳細を表示する欠陥マップである。
【
図9】選択された領域を有する欠陥の詳細を表示する欠陥マップである。
【
図10】選択された領域のカラーマップを表示する欠陥マップである。
【
図11】WIS表面欠陥を表示する欠陥マップである。
【
図12】WIS測定欠陥を表示する欠陥マップである。
【
図17】シート特性のばらつきを表示する従来技術のマップである。
【
図18】シート特性及び欠陥のばらつきを表示する従来技術のプロファイルビューである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1Aは、リチウムイオン電気化学セル及びバッテリ用の電極を製作する際に使用される金属ウェブ又はシートをコーティングするためのプロセスを示す。アノードを作製するために、電極コーティングは、黒鉛などのアノード活性材料を含み、カソードを作製するために、電極コーティングは、リチウム金属酸化物などのカソード活性材料を含む。電極は、カーボンブラック、バインダー、及び溶媒も含み得る電極スラリーでホイルの両側上にコーティングされる電流コレクタ金属箔を含む。電極スラリーを箔の側面上に塗布した後、湿式コーティングされた箔を乾燥機で加熱して溶媒を抽出して、金属箔に付着する電極材料の固体層を残す。銅箔は、好ましいアノード電流コレクタ材料であり、アルミニウム箔は、好ましいカソード電流コレクタ材料である。
【0022】
図1Aに示すように、ロール2は、巻き取り機によって巻き戻され、コータ6によって上面が電極スラリーの層でコーティングされる連続した金属ウェブ又はシート30を供給する。ロール2からの金属ウェブ又はシート30の坪量、厚さ、及び他の特徴は、通常知られている。電極スラリーがコータ6によって塗布される前後の坪量及び/又は厚さを測定するために、走査ベータゲージ4及び8がそれぞれ用いられる。
【0023】
テープキャスティングコータなどのコータ6は、シート30上に押し出されるスラリーの量を調整するためにスロットダイ/ドクターブレードを制御するアクチュエータを含む。乾燥機10は、過剰な溶媒を除去し、動くコーティングされたシート32上にあるスラリーを硬化させて、シート上に電極層を形成する。撮像デバイス58及び78は、乾燥機10の前後でコーティングされたシート32の表面画像を取得する。各撮像デバイスは、通常、カメラと、コーティングされたシート32の表面を照明する光源とを含む。撮像デバイスは、固定式又は走査型であってもよい。固定デバイスの場合、カメラは、コーティングされたシート32の表面のデジタル画像を全幅にわたって撮影する。カメラは、コーティングされたシート32全体の連続した画像を形成するために重ね合わせることができる一連の画像を生成する。
【0024】
走査ベータゲージ12は、カレンダ54の後で乾燥機10を出る動くコーティングされたシート32の坪量及び/又は厚さを測定する。その後、圧延支持体34、36は、コーティングされていない側が上にあるように、動くシート38の配向を逆転させ、その後、コータ14は、動くシート38の上部のコーティングされていない上面に電極スラリーの層を塗布する。両面コーティングされたシート40の坪量及び/又は厚さは、乾燥機18に入る前に走査ベータゲージ16で測定される。撮像デバイス70及び72は、乾燥機18の前のシートの上面及び下面の画像を取得し、撮像デバイス74及び76は、乾燥機18を出た後のシートの上面及び下面の画像を取得する。
【0025】
更に下流では、走査デバイス24内の赤外線温度センサと共に収納されるベータゲージは、走査デバイス24が両面コーティングされたシート42を横切って前後に動くときに、両面コーティングされたシート42の坪量及び/又は厚さ並びに温度を測定する。巻き取り機は、両面コーティングされたシート42をロール44に取り込む。トップ及びボトムコーティング上の表面欠陥は、撮像デバイス26、28によって監視される。
【0026】
図1Bは、ロール62からの両面コーティングされた電極層がカレンダ54を通過して、仕上げ及びスムージングされるカレンダ処理プロセスを示す。次に、両面コーティングされたシートの坪量及び/又は厚さが、走査ベータゲージ56で測定され、撮像デバイス22及び20が、ロール80に収集される前に上面及び下面の画像を取得する。スキャナ及びカメラは、品質管理システム(QCS)の一部である。
【0027】
本発明で両面コーティングされたシート42を監視するために、コーティングされたシート42のサーモグラフィック画像データがコーティングされたシート42のオンライン坪量及び/又は厚さの測定値と相関され、補正されて、その横方向(CD)全体に沿ってコーティングされた電流コレクタにわたってより正確な坪量及び/又は厚さの計算が生成される。
【0028】
図1A及び
図1Bに示されるような製造中、連続シート30は、MDに沿ったその位置を識別するためにマーキングされ得る。例えば、基準マーク又はマーキング及び関連付けられた追跡コード(集合的に「基準マーカ」と呼ばれる)は、MDに沿った基準点として機能する。
図2Aは、基準マーク又はマーキング及び関連する追跡コードを含む一連の基準マーカを、動く材料シート80上に適用するためのシステムを示す。静止マーカデバイス82は、動くシートの一方の縁部に沿って一連の基準マーカ86を付与するためにシート上方に配置され、静止マーカデバイス84は、動くシートの反対側の縁部に沿って別の一連の基準マーカ88を付与するためにシート上方に配置される。各一連の基準マーカは、MDに沿って整列される。シートがMDに沿って切断される場合、一連の基準マーカの各々を別々に用いてもよい。参照マーク又はマーキングは、MDに垂直な水平線及びMDに平行な垂直線として構成される。参照マークの好ましい構成は、十字形又はプラス「+」記号である。参照マークの連続する水平要素又は構成要素は、距離Dだけ隔てられてもよい。参照マークの垂直要素又は構成要素は、隣接するシート縁部から特定の既知の距離に形成されてもよい。追跡コードは、各関連する参照マーク82、84を一意に識別する。シート80はローラ94によって支持及び搬送され、その速度はエンコーダ98によって監視される。マーカデバイスは、金属基材及び/又はコーティング上に十分に永久的なマークを生成する任意の好適なデバイスであってもよい。例えば、レーザを用いて金属にマーキングしてもよく、インクジェットプリンタを用いて紙、プラスチック、及び布にマーキングしてもよい。
【0029】
操作中、コンピュータ100はモータ96を調整してMD速度を制御する。ラップトップコンピュータなどのプロセッサ及びストレージ(メモリ)を含むコンピュータを使用してもよい。マーカ82及び84はそれぞれ、基準マーカを用いてシートの非コーティング又はコーティング領域を周期的にマークし、基準マーカは、エンコーダ98によって生成された時間又はロールエンコーダ測定値まで追跡される。エンコーダ98からのコードは、例えば、エンコーダカウント、ミリ秒時間、又はそのような量に関連付けられる数若しくはコンピュータ可読コードであってもよい。コードはデータベース102に格納される。コードは一意であるので、複製することはできない。本明細書で更に説明するように、光学式文字認識検出器などの読み取り機90、92は、基準マーカ82、84を走査する。基準マーカ82、84は、非コーティング領域及び/又はコーティング領域を含む動くシート80の任意の部分に付与してもよいことが理解される。
【0030】
図2Bは、動くシート上の電極層の異なる測定値を追跡する際の基準マーカ82、84の使用を示す。電極層110は、モータ114によって操作されるローラ112によって支持されてMDに搬送される動く金属基材上にコーティングされる。エンコーダ116はローラ112の速度を監視する。読み取り機118は、動くシートのコーティングされていない面の基準マーカ特徴126を認識する。フレーム120は、コーティングされたシートの坪量及び/又は厚さを測定するゲージを含む走査デバイス122を支持する。走査デバイスは、概して一定の速度で、コーティングされたシート110を周期的に横断する。コーティングされたシート110のスポット又は領域124を測定するゲージが示されている。シート速度のために、走査デバイスは、コーティングされたシート表面を横切って斜めに移動し、結果として、連続する走査経路は、コーティングされたシート110の長手方向縁部に垂直な方向に対してジグザグパターンを有する。そのようなジグザグパターンの例は、走査デバイス122が前後の連続走査中にシートの表面を横断するときにゲージによって追跡される走査経路128である。真のCDに対する走査経路の角度は、走査デバイスの横方向(CD)速度、及び既知のコーティングされたシート110の機械方向(MD)速度に依存する。調査スポットのジグザグパターンは、コーティングされたシート110表面の比較的小さい部分をカバーする。
【0031】
コンピュータ130は、走査デバイス122による測定を調整して、パターン128内の調査スポットの場所が、対応する基準マーカと共にデータベース132に記録されるようにする。このようにして、各電極で行われた測定が既知になる。
【0032】
別の特徴は、後続の測定を前の測定に同期させるために基準マーカを用いてもよいことである。例えば、センサ122によって測定された後の
図2Bのコーティングされたシート110は、乾燥又はカレンダ処理などの更なる処理のために、別のラインに移動させることができる。その後、そのように処理されたコーティングされたシート140が形成され、第2の測定にかけられる。シートの移動はローラ142上で支持され、フレーム150が第2のスキャナデバイス152を固定する。コンピュータ130は、スキャナデバイス152による第2の測定を、スキャナデバイス122によって下流で実行される第1の測定と同期させるように、モータ144、エンコーダ146、及びスキャナデバイス152を制御する。読み取り機148は基準マーカ156を検出し、走査デバイス152は、パターン158内の調査スポットがジグザグパターン128内の調査スポットと一致するように、調査スポット154で測定を開始するようにリセットされ得る。
【0033】
スキャナ122がCDに沿った第1のスキャナ位置にあり、特定の基準マーカを検出するときに、コーティングされたシートの縁部が両方のスキャナ上の同じスキャナビンで測定されるように、スキャナ122及び152が十分に整列されている場合、スキャナ152が同じ特定の基準マーカを検出するとき、スキャナ152もCDに沿った同じ第1のスキャナ位置にあるべきである。しかしながら、実際には、スキャナが良好に整列されている場合であっても、動くコーティングされたシートは、CDにおいて左右にふらつく可能性があり、したがって、縁部検出を使用することによってこの動きを考慮するように操作を調整する必要がある。動くシートの縁部は、特定の基準マーカxxx+エンコーダカウント数で検出されるものとして指定することができる。特に、コンピュータは、基準マーカの1つが読み取られたときに信号を受信することになる。しかしながら、これらは、連続する基準マーカ間のシートを監視するために、エンコーダ信号が使用されることができるように、遠く離れていてもよい。特に、エンコーダは、はるかに高いレートでパルスを送信するので、コンピュータは、パルスを使用して基準マーカ間の位置を補間することができる。同じことが、プロセスにおける次のスキャナにも当てはまる。
【0034】
走査デバイス152による第2の測定が行われると、パターン158内の調査スポットの場所が、対応する基準マーカと共にデータベース132に記録される。したがって、データベースは、本質的に同じ調査スポット上で行われた第1及び第2の測定のライブラリを有する。
【0035】
本発明は、シート製造プロセスのリアルタイム監視を可能にする。ディスプレイは、PC、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、又は他のポータブル若しくはモバイル若しくはハンドヘルドデバイス上で実行されてもよい。
【0036】
図2Cは、連続電極製造プラントにおけるオンライン測定からプロセス品質データを生成するためのシステムを示す。システムは、様々なスキャナ624及びカメラ618、QCSサーバ614、表面欠陥検出システム及び視覚測定システム600、アグリゲータノード610、並びに符号化パルス発生器及びネットワーク時間プロトコル同期サービス620を含む。
【0037】
識別子がカメラシステムによって取得されるすべてのフレームに存在するように、予め構成された一定の長さ間隔で電極基板表面の縁部に識別子をマーキングするために、レーザエッチャ/マーカが使用される。この識別子を使用して、現在検査されている基板/材料の長さを識別することができる。識別子は、バーコード、QRコード、又はソリューション内の様々なシステムによって理解される任意の他の数字/英数字ID(622)であり得る。
【0038】
様々なシステム(カメラシステム、表面欠陥検出システム、視覚測定システム、及びQCSサーバ)から生成されたすべてのデータは、ユニットレベル(カソード、アノードなど)で製品品質処置を計算するために様々なソースからのデータを組み合わせるデータアグリゲータノードにおける同期のために、エンコーダパルス及びタイムスタンプ(620)でタグ付けされる。
【0039】
コーティングされた基板/材料の画像は、カメラシステム618から表面欠陥検出システム及び重要測定分析システム600にストリーミングされる。表面欠陥検出システムは、画像データを分析して、縁部のボイド、コーティングスポット、及びコーティングボイドなどであるがこれらに限定されない表面欠陥を検出するように構成される。更に、欠陥を所定のカテゴリに分類し、更なる処理のためにデータにメタデータをタグ付けする。構成に基づいて、例外(問題のみを有するデータ)/完全画像データを指定されたネットワーク場所に保存する(616)。
【0040】
重要測定分析システム(視覚測定システム)は、画像データを分析して、基板の縁から縁までのコーティング、並びにコーティング領域幅及び非コーティング領域幅などであるがこれらに限定されない重要な測定問題を検出するように構成される。更に、現在選択されている製品レシピからの設定値、プロセス制限などに対してアルゴリズムを効果的に実行するために、QCSサーバ(614)からの設定値、制限、及び他のメタデータをサブスクライブする。構成に基づいて、例外(問題のみを有するデータ)/完全画像データを指定されたネットワーク場所に保存する。
【0041】
アグリゲータノード(610)は、時間、エンコーダパルスに基づいてデータを順序付け、必要に応じてデータを変換するように構成される。表面欠陥検出システム/視覚測定システム(600)及びQCSサーバ(614)からのデータを組み合わせる。また、データを組み合わせてデータパターンを検出し、周期的欠陥、欠陥のクラスタなどのシナリオを識別し、下流の作業で適切な措置を取るためにオペレータが欠陥材料を容易にマーク/タグ/コメントするためにそれらにフラグを付ける。構成に基づいて、ヒストリアンサーバ(612)への信号を用いて、例外(問題のみを有するデータ)/完全データを履歴化することができる。更に、アグリゲータノード610は、オペレータ有効性のための監視、分析、及び報告のために、入念に設計されたユーザフレンドリなビューでデータを供給し、集約され同期されたデータの分析に基づいて、製品の全体的品質処置を計算する。アプリケーションプログラミングインターフェース(Application Programming Interface、API)は、オープンプロトコルを使用して、集約された欠陥データ及び/又は品質結果を接続されたクライアント(602、604、606、608)に公開する。
【0042】
図3は、レンズ272を装備した撮像デバイス252と、ディスプレイデバイス254と、プロセッサ256と、メモリ258とを含むディスプレイ監視装置250の一実施形態である。リチウムイオンバッテリの製造を監視する場合、金属基板及び電極品質測定情報がメモリ258に記憶される。
【0043】
適切な撮像デバイス252は、フレームごとにビデオを取得するデジタルカメラ及びビデオカメラを含む。装置250は、測距デバイス260からシート及び他の表面までの距離を決定するように構成された測距デバイス260と、システム250の位置を決定するように構成された全地球測位システム受信機(Global Positioning System、GPS)262とを含んでもよい。装置250は、オペレータによる措置を認識するためのセンサ264と、オペレータからの音声コマンド又は入力を取得するためのマイクロフォン266とを含んでもよい。プロセッサ256は、オペレータによる手又は指のジェスチャが装置250を操作するためのユーザコマンドとして識別されるように、音声認識及びジェスチャ検出のために構成されてもよい。
【0044】
最後に、装置250は、製造プラントの品質管理システムからデータを受信するための受信機268と、品質管理システムにデータを送信するための送信機270とを含むことができる。例えば、バッテリ製造中、紙の品質を測定するために様々なスキャナが使用される。測定値は、装置250に送信され、メモリ258に記憶されてもよい。装置250は、修正及びプログラムされ得る、タブレット及びスマートフォン等のカメラを装備するポータブルデバイスであってもよい。
【0045】
本発明の統合品質監視ビューを表示する例示的な欠陥マップが以下の図に示される。欠陥マップは、電極製造プロセスに基づいており、コーティングされた電極は、幅にわたって250のポイント又はビンを有する。各ビンは約5mmの距離を表す。
【0046】
本発明の欠陥マップ308を示すモニタ画面502を
図4に示す。プログラムのメインナビゲーションは、(1)リアルタイムで行われ、オペレータが進行中のシートコーティングを連続的に監視することができる監視302、(2)オペレータが欠陥の洞察を確認することができる分析304、及び(3)診断/報告306、の3つの機能を有する。この例では、画面は監視302機能を示す。オペレータは、欠陥マップ308に対する様々な監視システム、すなわち、(1)欠陥マップビューが重ね合わされたすべての欠陥データを示す、全欠陥、(2)ウェブ検査システム(Web Inspection System、WIS)表面欠陥、(3)WIS測定欠陥、及び(4)品質管理システム(QCS)欠陥を切り替えることができる。この例では、全欠陥が選択された。画面の領域310に示されるように、製造される電極のトップコートは、3つの特性、すなわち、(1)WIS表面、(2)WIS測定、及び(3)QCS欠陥について監視された。更に、4番目の記号は重複した欠陥を示す。欠陥タイプアイコン図の凡例は、各欠陥が特定の記号又はアイコンによって表されることを示す。オペレータは、欠陥マップに現れる欠陥のタイプを容易に識別することができる。
【0047】
欠陥マップ312は、監視されている電極シートの異なる部分を表す12の列又はストリップを含む。左側の第1列は、最近製造されたコーティングシートを表し、垂直長さはシートの機械方向(MD)に対応し、幅は横方向(CD)に対応する。欠陥は列にわたってマッピングされる。この例では、列2は、3つのタイプすべての欠陥のかなりの数の欠陥を示している。各欠陥の位置は、MD及びCD位置によって識別することができる。明らかなように、欠陥の多くはシートの縁部に現れる。列4は、いくつかの重複した欠陥を示している。
【0048】
オペレータが特定のアイコン上にカーソルを合わせると、プログラムは、欠陥のMD及びCD位置、特定の欠陥タイプ、及び欠陥を検出したスキャナ又はカメラからなる情報314を提供する。この例では、モニタ画面の領域316は、6台のカメラ及び6台のスキャナの状態を示す。この場合、カメラ3及びスキャナ3は非アクティブである。本発明のプログラムは、次のような画面上の種々の措置を特徴とする。(1)一時停止318ボタンは、主要な問題の場合にオペレータが製造を停止し、即時に措置を取ることを可能にし、(2)ズーム320機能は、領域のビューを拡大し、(3)履歴詳細表示322機能、(4)詳細表示324機能、(5)フィルタ表示326機能がある。
【0049】
図5は、詳細表示324オプションが選択されたときのモニタ画面504を示す。ロールの基本的な詳細、すなわち、(1)総欠陥数、(2)コーティング側の欠陥数、(3)ロール詳細、及び(4)閾値を含むサイドパネルが開かれている。
【0050】
図6は、フィルタ326オプションが選択されたときのモニタ画面506を示す。基本的なフィルタと、より高度なフィルタオプションを含むサイドパネルが開かれている。オペレータは、複数のスキャナ及び/又はカメラを選択することができる。これは
図7に示されている。欠陥カテゴリで、オペレータは、発生頻度、周期的か非周期的かによって欠陥をフィルタすることができ、欠陥にフラグを付けることもできる。オペレータが手動で領域にフラグを付けることができるか、又はシステムが欠陥密度に基づいて自動的に領域にフラグを付ける。
図6の欠陥マップは、上部スキャナ及び上部カメラのみがパネル内で選択された結果のみを示す。
【0051】
図7は、フィルタ326オプションが選択されたときのモニタ画面508を示す。オペレータは、電極上のボトムコートに面するスキャナ及びカメラを含む異なる角度のカメラ及びスキャナを選択することによって、複数のビューを選択している。その結果、オペレータがボトムコートに面するスキャナ及びカメラを選択したときに、ボトムコート欠陥が追加される。凡例は、ボトムコートに関連するアイコンを示す。欠陥マップに示されるように、ここでは、トップコートの電極と同じ電極上に重ね合わされたボトムコート欠陥を含む。
【0052】
図8は、オペレータが1つの特定の欠陥に関する詳細をレビューしようとするときのモニタ画面510を示す。プログラムは、オペレータが欠陥又は欠陥の領域をクリックして、欠陥/欠陥のクラスタに関する詳細を確認することを可能にする。この例では、オペレータは、ストリップ番号7に位置する個々の欠陥330をクリックした。選択された欠陥に関する最初のレベルの詳細を含むサイドパネルが開かれる。このパネルは、(1)欠陥画像、(2)カラーマップ、及び(3)フラグ詳細の3つのセクションに分割されている。
図9に示すように、欠陥画像の第1のタブをアクティブ化すると、欠陥の正確な位置、サイズ、外れ値、及び他の詳細が生成される。また、欠陥の実際の画像を表示する。第2のタブは、QCSカラーマップにアクセスするためのものであり(これは
図11で更に説明される)、オペレータが欠陥マップをカラーマップと比較して、どのようにばらつきが生じたかの情報を得ることを可能にする。第3のタブは、欠陥のフラグオプションをアクティブにし、これにより、オペレータは、分析フェーズ中に後でレビューするために個々の欠陥又は関心領域に迅速にフラグを付けることができる。本発明では、自動及び手動の警報又はフラグを実装することができる。重大な欠陥がシート上に存在する場合、システムは、問題を自動的に識別し、領域にフラグを付けるように構成することができる。
【0053】
図9は、オペレータがストリップ上の欠陥の領域をレビューするときのモニタ画面512を示す。この例では、ストリップ7内の領域340が選択される。小さな変更を伴う欠陥のクラスタの場合、同様の詳細が示される。個々の欠陥詳細の代わりに、オペレータは、欠陥の位置及び画像/ビデオリンクを有する欠陥のリストを見ることができる。QCSカラーマップ及びフラグオプションも利用可能である。フラグ付き欠陥特徴が選択されると、y軸上の識別子が表示され、これによりこれらの領域への容易なアクセスが可能になる。更に、オペレータは、フラグ付き欠陥モードのフィルタを選択して、オペレータによって手動で又はシステムによって自動的にフラグを付けられたすべての領域を見ることができる。
【0054】
図10は、オペレータがストリップ7上の領域360内における1つの特定の欠陥に関する詳細を調査しようとするときのモニタ画面514を示す。この例では、カラーマップオプションが選択され、オペレータは、ばらつきの傾向を示すモニタ画面上のカラーマップの+/-10走査を見ることができる。
【0055】
図11は、オペレータが表面欠陥の監視に集中しているときのモニタ画面516を示している。WIS表面欠陥オプションが選択されている。表面欠陥のタイプは、製造されるシート材料に依存する。表面欠陥としては、例えば、穴、クレーター、気泡などが挙げられる。画面の凡例領域370に示されるように、電極製造について、電極のトップコート及びボトムコートの表面欠陥は、コーティングボイド、コーティングスポット、縁部のボイド及び薄いスポットを含む。トップコート及びボトムコートの両方について、これらの欠陥各々についてのアイコンが示されている。更に、別のアイコンが重複した欠陥を識別する。表面欠陥は、欠陥マップ上にプロットされて示されている。
【0056】
図12は、オペレータが測定及び縁部欠陥の監視に集中したいときのモニタ画面518を示す。WIS測定欠陥オプションが選択されている。プログラムは、シートの縁上のばらつきを測定する測定欠陥又は縁部欠陥の詳細なビューを提供する。画面の凡例領域380に示されるように、電極製造について、電極のトップコート及びボトムコートの測定及び縁部欠陥には、開始点偏差、コーティングスポット、縁部のボイド及び薄いスポットが含まれる。トップコート及びボトムコートの両方について、これらの欠陥各々についてのアイコンが示されている。更に、別のアイコンが重複した欠陥を識別する。表面欠陥は、欠陥マップ上にプロットされて示されている。
【0057】
図13は、オペレータがQCS欠陥に集中し、QCS欠陥オプションが選択されたときのモニタ画面520を示す。QCS欠陥のタイプは、製造されるシート材料に依存する。表面欠陥としては、例えば、坪量及び厚さの偏差が挙げられる。画面の凡例領域390に示されるように、電極製造について、電極のトップコート及びボトムコートの監視されるQCS欠陥は、高-高、高、低-低、及び低、のように分類される坪量の偏差を含む。トップコート及びボトムコートの両方について、これらの欠陥各々についてのアイコンが示されている。更に、別のアイコンが重複した欠陥を識別する。坪量欠陥は、欠陥マップ上にプロットされて示されている。
【0058】
図14は、全欠陥400をカバーする分析機能でプログラムが動作しているときのモニタ画面522を示す。オペレータは、シートの履歴データを見ることができる。分析画面は、ユーザがアイテムを容易に選択するために、前述したものと同じナビゲーションオプションを特徴とする。更に、各ストリップの健全性の高次ビューを提供するストリップ単位のフィルタがある。領域400に示されるように、ストリップ単位のフィルタは、各ストリップ番号1~12及び各ストリップ内の欠陥数を示す。この例では、12個のストリップすべてにおいて合計45個の欠陥数が示されている。グラフを拡大するためのズーム412機能がある。棒グラフは、各ビンにおける欠陥の数を示す。オペレータは、選択リスト414を使用して、追加の詳細のためのビンを選択することができる。この例では、オペレータはビン81を選択した。領域410に示すように、ビン81内に合計65個の欠陥数が示されている。右側の詳細なビンのビューは、ビン81の電極の長さにわたる欠陥サイズ分布を示す。欠陥のサイズがx軸にとられている。ストリップ1~12の総欠陥数は45であるが、すべてのビンの総数ははるかに多いことに留意されたい。その理由は、履歴データがストリップ1~12だけでなく、他の古いビンもカバーするからである。
【0059】
図15は、全欠陥をカバーする分析機能でプログラムが動作しているときのモニタ画面524を示す。オペレータは、ある変数が欠陥の数に及ぼす影響に関する情報を受け取ることを選択している。グラフ420は、欠陥数対コーティング速度を示す。グラフ422は、欠陥数対周囲温度を示す。グラフ424は、欠陥数対オーブン温度1を示し、グラフ426は、欠陥数対オーブン温度2を示す。
【0060】
図16は、全欠陥をカバーする報告機能でプログラムが動作しているときのモニタ画面526を示す。ストリップ1~12における件数対6つの異なるタイプの欠陥の内訳を、トップコート対ボトムコートについて示している。周期的欠陥対非周期的欠陥の内訳が示されている。クラスタ化欠陥対非クラスタ化欠陥の内訳が示されている。ストリップ1~12における件数対長さの欠陥密度が、トップコート対ボトムコートについて示されている。
【0061】
上記は、本発明の原理、好ましい実施形態、及び動作モードを説明してきた。しかしながら、本発明は、考察される特定の実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。したがって、上述の実施形態は、限定的ではなく例示的なものとしてみなされるべきであり、以下の特許請求の範囲によって定義されるような本発明の範囲から逸脱することなく、当業者によってそれらの実施形態において変形が行われ得ることを理解されたい。
【外国語明細書】