IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッドの特許一覧

特開2024-161906カテーテルデバイス用の電気コネクタ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161906
(43)【公開日】2024-11-20
(54)【発明の名称】カテーテルデバイス用の電気コネクタ
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/12 20060101AFI20241113BHJP
【FI】
A61B18/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024075144
(22)【出願日】2024-05-07
(31)【優先権主張番号】18/313,708
(32)【優先日】2023-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】フアン・ロドリゲス・ソト
(72)【発明者】
【氏名】ババク・エブラヒミ
(72)【発明者】
【氏名】ムハンマド・アッバス
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・エメリウス・バン・ニーキルク
(72)【発明者】
【氏名】シュバユ・バス
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK04
4C160KK06
4C160KK16
(57)【要約】
【課題】カテーテルデバイス用の電気コネクタを提供すること。
【解決手段】本開示の技術は、カテーテルデバイス用の電気コネクタであって、長手方向軸に沿って近位部分から遠位部分まで延在する本体であって、近位部分が、チューブ状シャフトに取り付けられるように構成されており、遠位部分が、エンドエフェクタに取り付けられるように構成されている、本体を備える、電気コネクタを含む。電気コネクタは、本体の近位部分に配設された複数の近位電気パッドであって、複数のチューブ状シャフト電気パッドと電気通信するように構成された複数の近位電気パッドを備えることができる。電気コネクタは、本体の遠位部分に配設された複数の遠位電気パッドであって、複数のエンドエフェクタ電気パッドと電気通信するように構成された複数の遠位電気パッドを備えることができる。電気コネクタは、複数の電気トレースを備えることができる。各電気トレースは、それぞれの近位電気パッドをそれぞれの遠位電気パッドに接続し得る。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルデバイス用の電気コネクタであって、
長手方向軸に沿って近位部分から遠位部分まで延在する本体であって、前記近位部分が、チューブ状シャフトに取り付けられるように構成されており、前記遠位部分が、エンドエフェクタに取り付けられるように構成されている、本体と、
前記本体の前記近位部分に配設された複数の近位電気パッドであって、複数のチューブ状シャフト電気パッドと電気通信するように構成されている、複数の近位電気パッドと、
前記本体の前記遠位部分に配設された複数の遠位電気パッドであって、複数のエンドエフェクタ電気パッドと電気通信するように構成されている、複数の遠位電気パッドと、
複数の電気トレースであって、各電気トレースが、それぞれの近位電気パッドをそれぞれの遠位電気パッドに接続する、複数の電気トレースと、を備える、電気コネクタ。
【請求項2】
前記複数の近位電気パッドが、前記本体の外面に沿って長手方向及び半径方向に離間している、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項3】
前記複数の遠位電気パッドが、前記本体の前記外面に沿って長手方向及び半径方向に離間している、請求項2に記載の電気コネクタ。
【請求項4】
前記本体が、前記本体を通って延在する管腔を画定する、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項5】
前記複数の近位電気パッドが、前記本体の内面に沿って長手方向及び半径方向に離間している、請求項4に記載の電気コネクタ。
【請求項6】
前記複数の遠位電気パッドが、前記本体の前記内面に沿って長手方向及び半径方向に離間している、請求項5に記載の電気コネクタ。
【請求項7】
前記本体が、前記長手方向軸に沿って、前記近位部分に向かって略テーパ状である、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項8】
前記本体が、前記長手方向軸に沿って、前記遠位部分に向かって略テーパ状である、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項9】
前記本体が、近位コネクタを更に備え、前記近位コネクタが、前記本体を前記チューブ状シャフトに機械的に取り付けるように構成されている、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項10】
前記近位コネクタが、バヨネットマウントを備える、請求項9に記載の電気コネクタ。
【請求項11】
前記本体が、前記チューブ状シャフト上の対応する整列部材と整列するように構成された近位整列部材を更に備える、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項12】
前記本体が、遠位コネクタを更に備え、前記遠位コネクタが、前記本体を前記エンドエフェクタに機械的に取り付けるように構成されている、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項13】
前記遠位コネクタが、バヨネットマウントを備える、請求項12に記載の電気コネクタ。
【請求項14】
前記本体が、前記エンドエフェクタ上の対応する整列部材と整列するように構成された遠位整列部材を更に備える、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項15】
前記電気コネクタが、前記近位部分においてチューブ状シャフトに、及び前記遠位部分においてエンドエフェクタに接続されるとき、それぞれのチューブ状シャフト電気パッドが、前記電気コネクタを介して対応するエンドエフェクタ電気パッドと電気通信し、チューブ状シャフト電気パッドと電気通信していない対応する近位電気パッドが、エンドエフェクタ電気パッドと電気通信していない遠位電気パッドと整列される、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項16】
医療用プローブであって、
前記医療用プローブの長手方向軸に沿って延在する、チューブ状シャフトと、
複数の電極を備えるエンドエフェクタと、
前記チューブ状シャフトと前記エンドエフェクタとの間に配設された電気コネクタであって、
前記長手方向軸に沿って近位部分から遠位部分まで延在する本体と、
前記本体の前記近位部分に配設された複数の近位電気パッドであって、前記チューブ状シャフト上に配設された複数のチューブ状シャフト電気パッドと整列し、電気的に接続するように構成されている、複数の近位電気パッドと、
前記本体の前記遠位部分に配設された複数の遠位電気パッドであって、前記エンドエフェクタ上に配設された複数のエンドエフェクタ電気パッドと整列し、電気的に接続するように構成されている、複数の遠位電気パッドと、
複数の電気トレースであって、各電気トレースが、それぞれの近位電気パッドをそれぞれの遠位電気パッドに接続する、複数の電気トレースと、を備える、電気コネクタと、を備える、医療用プローブ。
【請求項17】
前記電気コネクタが、
前記本体を前記チューブ状シャフトに機械的に取り付けるように構成された近位コネクタと、
前記本体を前記エンドエフェクタに機械的に取り付けるように構成された遠位コネクタと、を更に備える、請求項16に記載の医療用プローブ。
【請求項18】
前記チューブ状シャフトが、前記電気コネクタを少なくとも部分的に受容するように構成された凹部を更に備える、請求項17に記載の医療用プローブ。
【請求項19】
前記チューブ状シャフト電気パッドが、前記凹部内に配設されている、請求項18に記載の医療用プローブ。
【請求項20】
1つの動作状態において、前記電気コネクタが、前記近位部分において前記チューブ状シャフトに、及び前記遠位部分においてエンドエフェクタに接続されるとき、それぞれのチューブ状シャフト電気パッドが、前記電気コネクタを介して対応するエンドエフェクタ電気パッドと電気通信し、チューブ状シャフト電気パッドと電気通信していない対応する近位電気パッドが、エンドエフェクタ電気パッドと電気通信していない遠位電気パッドと整列される、請求項19に記載の医療用プローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、電極を伴うエンドエフェクタを備える医療用デバイスに関し、更に、排他的ではないが、そのような医療用デバイスのための電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
心房細動(atrial fibrillation、AF)などの心臓不整脈は、心臓組織の領域が隣接組織に電気信号を異常に伝導するときに生じる。これは、正常な心周期を混乱させ、非同期的な律動を引き起こす。不整脈を治療するための存在するある特定の処置としては、不整脈の原因となる信号の発生源を外科的に破壊すること、及びそのような信号の伝導経路を破壊することが挙げられる。カテーテルを介してエネルギーを印加して心臓組織を選択的にアブレーションすることによって、心臓の一部分から別の部分への望ましくない電気信号の伝播を停止又は変更することが時折可能である。
【0003】
心臓組織の領域は、異常な電気信号を識別するために医療用プローブによってマッピングすることができる。同じ又は異なる医療用プローブを使用してアブレーションを実行することができる。いくつかの例示的なプローブは、その上に電極が位置付けられた多数のスパインを含む。電極は、概して、スパインに取り付けられ、スパインは、シースから展開されると、外向きに延在するように構成されている。次いで、電極は、組織のマッピング又はアブレーションのために組織と接触させられる。
【0004】
心臓内の多くの異なる場所における心臓組織のマッピング又はアブレーションを達成するために、様々な異なるカテーテル設計が存在する。例えば、いくつかのカテーテルは、平面アレイに配置されたスパインを有するエンドエフェクタを含むが、他のエンドエフェクタは、シースから展開されたときに半径方向外向きに曲がるように構成されたスパインを有するように設計される。更に、各異なるエンドエフェクタ設計は、1つの電極から数百の電極までの範囲の電極数を有する異なる数の電極を有することができる。理解されるように、所与のエンドエフェクタについて電極の数が増加するにつれて、各エンドエフェクタに接続されなければならない電気ワイヤ又はトレースの数も増加する。従来、カテーテルは、各エンドエフェクタまで延在する個々のワイヤを用いて作製され、これらの個々のワイヤは、カテーテルシャフトを通ってハンドルまでずっと延在しており、カテーテルの製造を困難かつ時間のかかるものにしている。したがって、必要とされるのは、エンドエフェクタ上に配設された異なる数の電極を有する医療用プローブを製造する複雑さ、時間、及び関連するコストを低減するためのデバイス及び方法である。これら及び他の問題は、本明細書に開示された技術によって対処することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の技術によれば、カテーテルデバイス用の電気コネクタが提供される。電気コネクタは、長手方向軸に沿って近位部分から遠位部分まで延在する本体を備えることができる。近位部分は、チューブ状シャフトに取り付けられるように構成することができ、遠位部分は、エンドエフェクタに取り付けられるように構成することができる。電気コネクタは、本体の近位部分に配設された複数の近位電気パッドを備えることができる。近位電気パッドは、複数のチューブ状シャフト電気パッドと電気通信するように構成することができる。電気コネクタは、本体の遠位部分に配設された複数の遠位電気パッドを備えることができる。遠位電気パッドは、複数のエンドエフェクタ電気パッドと電気通信するように構成することができる。電気コネクタは、複数の電気トレースを備えることができる。各電気トレースは、それぞれの近位電気パッドをそれぞれの遠位電気パッドに接続し得る。
【0006】
本開示の技術は、医療用プローブの長手方向軸に沿って延在するチューブ状シャフトと、複数の電極を備えるエンドエフェクタと、チューブ状シャフトとエンドエフェクタとの間に配設された電気コネクタと、を備える、医療用プローブを含むことができる。
【0007】
電気コネクタは、長手方向軸に沿って近位部分から遠位部分まで延在する本体と、本体の近位部分に配設された複数の近位電気パッドと、本体の遠位部分に配設された複数の遠位電気パッドと、複数の電気トレースと、を備えることができる。近位電気パッドは、チューブ状シャフト上に配設された複数のチューブ状シャフト電気パッドと整列し、電気的に接続するように構成することができる。遠位電気パッドは、エンドエフェクタ上に配設された複数のエンドエフェクタ電気パッドと整列し、電気的に接続するように構成することができる。各電気トレースは、それぞれの近位電気パッドをそれぞれの遠位電気パッドに接続し得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示は、以下の本開示の実施例の詳細な説明を図面と併せて読むことで、より完全に理解されるであろう。
図1】本開示の技術による、電極を備える遠位端部を有する医療用プローブを含む医療用システムの概略描画例解図である。
図2】本開示の技術による、エンドエフェクタ、電気コネクタアセンブリ、及びハンドルの概略描画例解図である。
図3】本開示の技術による、チューブ状シャフト、電気コネクタ、及びエンドエフェクタの分解図である。
図4A】本開示の技術による、チューブ状シャフト、電気コネクタ、及びエンドエフェクタの分解断面図である。
図4B】本開示の技術による、チューブ状シャフト、電気コネクタ、及びエンドエフェクタの部分組み立て図の断面図である。
図5A】本開示の技術による、エンドエフェクタの近位部分の斜視図である。
図5B】本開示の技術による、エンドエフェクタの近位部分の上面図である。
図6A】本開示の技術による、電気コネクタの斜視図である。
図6B】本開示の技術による、電気コネクタの第1の側面図である。
図6C】本開示の技術による、電気コネクタの第2の側面図である。
図7A】本開示の技術による、カテーテルシャフトの遠位端部の斜視図である。
図7B】本開示の技術による、カテーテルシャフトの遠位端部の上面図である。
図8】本開示の技術による、別の例示的なチューブ状シャフト、電気コネクタ、及びエンドエフェクタの分解斜視図である。
図9A】本開示の技術による、電気ワイヤ及び接続パッドの斜視図である。
図9B】本開示の技術による、電気コネクタに接続された電気ワイヤの斜視図である。
図10A】本開示の技術による、例示的な平面エンドエフェクタである。
図10B】本開示の技術による、円形エンドエフェクタの実施例である。
図10C】本開示の技術による、例示的なバスケットカテーテルエンドエフェクタである。
図10D】本開示の技術による、複数のアームを有する例示的なエンドエフェクタである。
図11】本開示の技術による、電気コネクタアセンブリの別の実施例の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の技術は、複数の異なるエンドエフェクタ及びカテーテルシャフトとともに使用することができる電気コネクタに関する。電気コネクタは、カテーテルシャフト及びエンドエフェクタ上の対応する電気接続点と整列するように構成することができる、近位側及び遠位側上の電気接続点を含む。このようにして、電気コネクタは、複数の異なるエンドエフェクタが同じカテーテルシャフトとともに使用されることを可能にすることができる。例えば、所与のカテーテルシャフトは、複数のエンドエフェクタとともに使用されるように構成することができ、各エンドエフェクタは、異なる数の電極、異なる構成のスパイン、及び又は異なる最終用途(例えば、マッピング又はアブレーション)を有する。電気コネクタは、選択されたエンドエフェクタとカテーテルシャフトとの間に位置付けられ得、エンドエフェクタをカテーテルシャフトと整列させ、電気的に接続するように構成することができる。このようにして、電気コネクタは、各カテーテルシャフトが各エンドエフェクタのために具体的に作製される必要性を排除することによって、製造プロセスを大幅に簡略化することができる。
【0010】
以下の詳細な説明は、図面を参照しながら読まれるべきものであり、異なる図面における同様の要素には同一の番号が付けられている。図面は、必ずしも縮尺どおりとは限らず、選択された実施形態を描示しており、また本発明の範囲を限定することを意図していない。詳細な説明は、限定としてではなく、例として、本発明の原理を例解する。この説明は、当業者が本発明を作製及び使用することを明らかに可能にし、また本発明を実施するための最良の態様であると現在考えられているものを含めて、本発明のいくつかの実施形態、適応例、変形例、代替物、及び使用を説明する。
【0011】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は範囲に対する「約」又は「ほぼ」という用語は、構成要素の一部又は集合が本明細書に説明される意図された目的のために機能することを可能にする好適な寸法公差を示す。より具体的には、「約」又は「ほぼ」は、列挙された値の±20%の値の範囲を指し得、例えば、「約90%」は、71%~110%の値の範囲を指し得る。
【0012】
加えて、本明細書で使用される場合、「患者」、「宿主」、「ユーザ」、及び「対象」という用語は、任意のヒト又は動物対象を指し、ヒト患者における本発明の使用が好ましい実施形態を表すが、システム又は方法をヒトの使用に限定することを意図するものではない。同様に、「近位」という用語は、作業者又は医師により近い方の位置を示す一方、「遠位」は、作業者又は医師からより遠い位置を示す。
【0013】
本明細書で考察されるように、「患者」、「宿主」、「ユーザ」、及び「対象」の血管系は、ヒト又は任意の動物の血管系であり得る。動物は、哺乳類、獣医学的動物、家畜動物、又はペット類の動物などを含むが、これらに限定されない、様々な任意の適用可能なタイプのものであり得ることを理解するべきである。一例として、動物は、ヒトに類似したある特定の性質を有するように具体的に選択された実験動物(例えば、ラット、イヌ、ブタ、サルなど)であり得る。対象は、例えば、任意の適用可能なヒト患者であり得ることを理解するべきである。
【0014】
本明細書で考察されるように、「医師」は、医師、外科医、技術者、科学者、作業者、又は対象への薬物難治性心房細動の治療のための多電極カテーテルの送達に関連する任意の他の個人若しくは送達器具を含むことができる。
【0015】
本明細書で考察されるように、「アブレーションする」又は「アブレーション」という用語は、本開示のデバイス及び対応するシステムに関する場合、本開示全体を通して、パルス電界(pulsed electric field、PEF)及びパルス場アブレーション(pulsed field ablation、PFA)と互換的に称される、不可逆的エレクトロポレーション(irreversible electroporation、IRE)などの非熱エネルギーを利用することによって、細胞内の不規則心臓信号の生成を低減又は防止するように構成されている、構成要素及び構造的特徴を指す。本開示のデバイス及び対応するシステムに関する場合、アブレーションすること又はアブレーションは、不整脈、心房粗動アブレーション、肺静脈隔離、上室頻脈アブレーション、及び心室性頻脈アブレーションを含むが、これらに限定されない、特定の状態の心臓組織の非熱アブレーションを参照して、本開示全体を通して使用される。「アブレーションする」又は「アブレーション」という用語はまた、当業者によって理解されるように、様々な形態の身体組織アブレーションを達成するための既知の方法、デバイス、及びシステムを含む。
【0016】
本明細書で考察されるように、「双極」及び「単極」という用語は、アブレーションスキームを指すために使用される場合、電流経路及び電界分布に関して異なるアブレーションスキームを説明する。「双極」とは、両方とも治療部位に位置付けされた2つの電極間の電流経路を利用するアブレーションスキームを指す。電流密度及び電束密度は、典型的には、2つの電極の各々でほぼ等しい。「単極」とは、2つの電極間の電流経路を利用するアブレーションスキームを指し、ここで、高電流密度及び高電束密度を有する1つの電極が治療部位に位置付けられ、比較的低い電流密度及びより低い電束密度を有する第2の電極が、治療部位から遠隔に位置付けられる。
【0017】
本明細書で考察されるように、「二相性パルス」及び「単相性パルス」という用語は、それぞれの電気信号を指す。「二相性パルス」とは、正電圧相パルス(本明細書では「正相」と称される)及び負電圧相パルス(本明細書では「負相」と称される)を有する電気信号を指す。「単相性パルス」は、正相のみ又は負相のみを有する電気信号を指す。好ましくは、二相性パルスを提供するシステムは、直流電圧(direct current voltage、DC)の患者への印加を防止するように構成されている。例えば、二相性パルスの平均電圧は、地面又は他の共通基準電圧に対してゼロボルトであり得る。追加的又は代替的に、システムは、コンデンサ又は他の保護構成要素を含むことができる。二相性パルス及び/又は単相性パルスの電圧振幅が本明細書に説明されている場合、発現された電圧振幅は、正電圧相及び/又は負電圧相の各々の近似ピーク振幅の絶対値であることが理解される。二相性パルス及び単相性パルスの各相は、好ましくは、相持続時間の大部分中に本質的に一定の電圧振幅を有する正方形形状を有する。二相性パルスの相は、相間遅延によって時間的に分離される。相間遅延持続時間は、好ましくは、二相性パルスの相の持続時間未満であるか、又はその持続時間にほぼ等しい。相間遅延持続時間は、より好ましくは、二相性パルスの相の持続時間の約25%である。
【0018】
本明細書で考察されるように、「チューブ状」及び「チューブ」という用語は、広義に解釈されるものとし、直円柱構造、若しくは断面が厳密に円形である構造、又はその長さ全体にわたって均一な断面である構造に限定されるものではない。例えば、チューブ状構造は、概して、実質的な直円柱構造として例解される。しかしながら、チューブ状構造は、本開示の範囲から逸脱することなく、テーパ状又は湾曲した外面を有し得る。
【0019】
本開示は、心臓不整脈を治療するための心臓組織のIREアブレーションのために使用することができるシステム、方法、又は使用及びデバイスに関する。アブレーションエネルギーは、通常、アブレーションするべき組織に沿ってアブレーションエネルギーを送達することができるカテーテルの先端部分によって心臓組織に供給される。いくつかの例示的カテーテルは、先端部分に三次元構造を含み、三次元構造上に位置付けられた様々な電極からアブレーションエネルギーを管理するように構成されている。このような例示的なカテーテルを組み込むアブレーション処置は、X線透視法を使用して可視化することができる。
【0020】
機能不全の心臓を改善するために、高周波(radio frequency、RF)エネルギー及び冷凍アブレーションなどの熱的技術を適用する心臓組織のアブレーションは、周知の処置である。典型的には、熱的技術を使用して首尾よくアブレーションするために、心筋の様々な位置で心電位を測定する必要がある。加えて、アブレーション中の温度測定により、アブレーションの有効性を可能にするデータを提供する。通常、熱的技術を使用したアブレーション処置では、実際のアブレーション前、アブレーション中、及びアブレーション後に、電極電位及び温度が測定される。RFアプローチは、組織の炭化、燃焼、スチームポップ、横隔神経麻痺、肺静脈狭窄、及び食道瘻につながり得るリスクを有し得る。冷凍アブレーションは、RFアブレーションと関連するいくらかの熱リスクを低減することができるRFアブレーションへの代替アプローチである。しかしながら、冷凍アブレーションデバイスを操作し、冷凍アブレーションを選択的に適用することは、一般に、RFアブレーションと比較してより困難である。したがって、冷凍アブレーションは、電気アブレーションデバイスによって到達され得る特定の解剖学的幾何形状では実行可能ではない。
【0021】
本開示は、RFアブレーション、冷凍アブレーション、及び/又は不可逆的エレクトロポレーション(IRE)のために構成された電極を含むことができる。IREは、本開示全体を通して、パルス電界(PEF)アブレーション及びパルスフィールドアブレーション(PFA)と交換可能に称され得る。本開示で考察されるIREは、心房性不整脈のアブレーションに使用することができる非熱的細胞死技術である。IRE/PEFを使用してアブレーションするために、二相性電圧パルスを印加して心筋の細胞構造を破壊する。二相性パルスは、非正弦波形であり、細胞の電気生理学に基づいて標的細胞に調整することができる。対照的に、RFを使用してアブレーションするために、正弦波電圧波形が適用されて、治療エリアにおいて熱を生成し、治療エリア内の全ての細胞を無差別に加熱する。したがって、IREは、アブレーションモダリティ又は隔離モダリティで既知である起こり得る合併症の低減において有益であろう、隣接する感熱性構造又は組織を救う能力を有する。追加的又は代替的に、単相性パルスを利用することができる。
【0022】
エレクトロポレーションは、細胞膜内の細孔の可逆的(reversable)(一時的)又は不可逆的(永久的)生成を引き起こすために、生物学的細胞にパルス電界を印加することによって誘発することができる。細胞は、パルス電界の印加時に静止電位を超えて増加する膜貫通静電位を有する。膜貫通静電位は閾値電位未満のままであるが、エレクトロポレーションは可逆的であり、これは、印加されたパルス電界が除去されると、細孔は閉じることができ、細胞は自己修復して生存することができることを意味する。膜貫通静電位が閾値電位を超えて増加する場合、エレクトロポレーションは不可逆的であり、細胞は永久的に透過性になる。結果として、細胞は、ホメオスタシスの喪失に起因して死滅し、典型的にはアポトーシスによって死亡する。一般に、異なるタイプの細胞は、異なる閾値電位を有する。例えば、心臓細胞は、ほぼ500V/cmの閾値電位を有するが、骨は、3000V/cmの閾値電位を有する。閾値電位のこれらの差は、IREが閾値電位に基づいて組織を選択的に標的とすることを可能にする。
【0023】
本開示の解決策は、心筋組織の近傍に位置付けられたカテーテル電極から電気信号を印加し、心筋組織にアブレーションするための焼灼エネルギーを生成するためのシステム及び方法を含む。いくつかの例では、システム及び方法は、不可逆的エレクトロポレーションを誘導することによって標的組織をアブレーションするのに有効であり得る。いくつかの例では、本システム及び方法は、診断処置の一部として可逆的エレクトロポレーションを誘発するのに有効であり得る。可逆的電気穿孔は、細胞が修復することを可能にする、電極で印加された電気が標的組織の電界閾値を下回るときに行われる。可逆的エレクトロポレーションは細胞を死滅させないが、医師が、標的位置の近傍で電気活性化信号に対する可逆的エレクトロポレーションの効果を見ることを可能にする。可逆的エレクトロポレーションのための例示的なシステム及び方法は、米国特許出願公開第2021/0162210号に開示されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0024】
パルス電界、並びに可逆的エレクトロポレーション及び/又は不可逆的エレクトロポレーションを誘発するパルス電界の有効性は、システムの物理パラメータ及び電気信号の二相性パルスパラメータによって影響を受け得る。物理的パラメータは、電極接触面積、電極間隔、電極形状などを含むことができる。本明細書に提示される実施例は、概して、可逆的及び/又は不可逆的エレクトロポレーションを効果的に誘発するように適合された物理的パラメータを含む。電気信号の二相性パルスパラメータは、電圧振幅、パルス持続時間、パルス相間遅延、パルス間遅延、総印加時間、送達エネルギーなどを含み得る。いくつかの例では、電気信号のパラメータは、同じ物理パラメータが与えられると、可逆的エレクトロポレーション及び不可逆的エレクトロポレーションの両方を誘発するように調整することができる。IREを含むアブレーションの様々なシステム及び方法の例は、米国特許出願公開第2021/0169550(A1)号、同第2021/0169567(A1)号、同第2021/0169568(A1)号、同第2021/0161592(A1)号、同第2021/0196372(A1)号、同第2021/0177503(A1)号、及び同第2021/0186604(A1)号に提示されており、これらの各々の全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0025】
例示的なカテーテルベースの電気生理学マッピング及びアブレーションシステム10を示す図1を参照する。システム10は、患者23の血管系を通って、心臓12の腔又は血管構造内に医師24によって経皮的に挿入される複数のカテーテルを含む。典型的には、送達シースカテーテルは、心臓12の所望の位置の近くの左心房又は右心房内に挿入される。その後、複数のカテーテルを送達シースカテーテルに挿入して、所望の位置に到達させることができる。複数のカテーテルは、心内電位図(Intracardiac Electrogram、IEGM)信号の感知専用のカテーテル、アブレーション専用のカテーテル、及び/又は感知及びアブレーションの両方に専用のカテーテルを含み得る。感知及びアブレーションのために構成された例示的なカテーテル14が本明細書に例解されている。医師24は、心臓12の標的部位を感知するために、カテーテル14の遠位先端部28(本明細書ではエンドエフェクタ28と称される場合もある)を心臓壁と接触させる。アブレーションのために、医師24は、同様に、アブレーションカテーテルの遠位端部をアブレーションのための標的部位に運ぶ。
【0026】
カテーテル14は、遠位先端部28において複数のスパイン22にわたって任意選択的に分布し、IEGM信号を感知し、かつ/又は組織をアブレーションするように構成された1つ、好ましくは複数の電極26を含む例示的なカテーテルである。カテーテル14は、遠位先端部28の位置及び配向を追跡するために、遠位先端部28内又はその近くに埋め込まれた位置センサ29を追加的に含み得る。任意選択的にかつ好ましくは、位置センサ29は、三次元(three-dimensional、3D)位置及び配向を感知するための3つの磁気コイルを含む磁気ベースの位置センサである。
【0027】
磁気ベースの位置センサ29は、所定の作業体積内に磁場を生成するように構成された複数の磁気コイル32を含む位置パッド25とともに動作し得る。カテーテル14の遠位先端部28のリアルタイム位置は、位置パッド25によって生成され、磁気ベースの位置センサ29によって感知される磁場に基づいて追跡され得る。磁気ベースの位置感知技術の詳細は、米国特許第5,391,199号、同第5,443,489号、同第5,558,091号、同第6,172,499号、同第6,239,724号、同第6,332,089号、同第6,484,118号、同第6,618,612号、同第6,690,963号、同第6,788,967号、同第6,892,091号において説明され、これらの各々の全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0028】
システム10は、位置パッド25の位置基準及び電極26のインピーダンスベースの追跡を確立するために、患者23上の皮膚接触のために位置付けられた1つ又は2つ以上の電極パッチ38を含む。インピーダンスベースの追跡のために、電流が電極26に方向付けられ、電極皮膚パッチ38において感知され、それにより、各電極の位置を、電極パッチ38を介して三角測量することができる。インピーダンスベースの位置追跡技術の詳細は、米国特許第7,536,218号、同第7,756,576号、同第7,848,787号、同第7,869,865号、及び同第8,456,182号において説明され、これらの各々の全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0029】
レコーダ11は、体表面ECG電極18で捕捉された電位図21と、カテーテル14の電極26で捕捉された心内電位図(IEGM)と、を表示する。レコーダ11は、心臓の律動をペーシングするためのペーシング能力を含み得、及び/又は独立型ペーサに電気的に接続され得る。
【0030】
システム10は、アブレーションするように構成されたカテーテルの遠位先端部にある電極のうちの1つ又は2つ以上にアブレーションエネルギーを伝達するように適合されたアブレーションエネルギー生成器50を含み得る。アブレーションエネルギー生成器50によって生成されるエネルギーは、不可逆的エレクトロポレーション(IRE)をもたらすために使用され得るような単極性若しくは双極性高電圧直流パルスを含む、高周波(RF)エネルギー若しくはパルス場アブレーション(PFA)エネルギー、又はそれらの組み合わせを含み得るが、それらに限定されない。
【0031】
患者インターフェースユニット(patient interface unit、PIU)30は、カテーテルと、電気生理学的機器と、電源と、システム10の動作を制御するワークステーション55との間の電気通信を確立するように構成されたインターフェースである。システム10の電気生理学的機器は、例えば、複数のカテーテル、位置パッド25、体表面ECG電極18、電極パッチ38、アブレーションエネルギー生成器50、及びレコーダ11を含み得る。任意選択的に、かつ好ましくは、PIU30は、カテーテルの位置のリアルタイム計算を実装し、ECG計算を実行するための処理能力を追加的に含む。
【0032】
ワークステーション55は、メモリと、適切なオペレーティングソフトウェアがロードされたメモリ又は記憶装置を有するプロセッサユニットと、ユーザインターフェース機能と、を含む。ワークステーション55は、任意選択的に、(1)心内膜解剖学的構造を三次元(3D)でモデルリングし、モデル又は解剖学的マップ20をディスプレイデバイス27上に表示するためにレンダリングすることと、(2)記録された電位図21からコンパイルされた活性化シーケンス(又は他のデータ)を、レンダリングされた解剖学的マップ20上に重ね合わされた代表的な視覚的指標又は画像でディスプレイデバイス27上に表示することと、(3)心腔内の複数のカテーテルのリアルタイム位置及び配向を表示することと、(4)アブレーションエネルギーが印加された場所などの関心部位をディスプレイデバイス27上に表示することと、を含む、複数の機能を提供し得る。システム10の要素を具現化する1つの市販製品は、Biosense Webster,Inc.,31 Technology Drive,Suite 200,Irvine,CA 92618,USAから市販されている、CARTO(商標)3システムとして入手可能である。
【0033】
図2は、本開示の技術による、エンドエフェクタ28、電気コネクタアセンブリ200、及びハンドル110の概略描画例解図である。図2に示される構成要素は、一定の縮尺で描画されておらず、代わりに、示される様々な構成要素に重点が置かれている。図2に示されるように、カテーテル14は、ハンドル110、チューブ状シャフト112、電気コネクタ200、及びエンドエフェクタ28を含むことができる。非限定的な例として、エンドエフェクタ28は、送達シースを通して挿入されることによって、患者の心臓12に挿入することができる。カテーテル14は、エンドエフェクタ28が、ハンドル110のマニピュレーションによって、かつ/又はハンドル110上に配設されたアクチュエータ111によって操縦することができるように構成することができる。ハンドル110は、灌注供給ライン120及び電気接続点130を更に含むことができる。灌注供給ライン120は、灌注供給部に接続することができ、灌注流体をエンドエフェクタ28に送達するように構成することができる。電気接続点130は、カテーテル14がPIU30に接続されて、エンドエフェクタ28上の電極26に対して電気信号を受信及び/若しくは送信することを可能にする電気プラグ若しくは他の構成要素であるか、又はそれを含むことができる。
【0034】
図2に示されるエンドエフェクタ28は、長手方向軸86から半径方向外向きに曲がる複数のスパイン22を有するバスケットカテーテルを例解する。複数の電極26をスパイン22に取り付けることができ、電極26は、電気生理学的信号を検出し、かつ/又はアブレーションエネルギーを組織に送達するように構成されている。しかしながら、図2に示されるエンドエフェクタ28は、例解目的のために提供され、かつ、本開示を通して明らかになるように、様々な他のタイプのエンドエフェクタ28を、図2に示されるバスケットカテーテルの代わりに使用することができる。
【0035】
電気コネクタ200は、チューブ状シャフト112とエンドエフェクタ28との間に配設することができる。電気コネクタ200は、電極26をチューブ状シャフト112及び電気接続点130に電気的に接続し、最終的にはPIU30と電気的に接続して、電極26との間で電気信号を送受信するように構成することができる。本明細書でより詳細に説明するように、電気コネクタ200は、複数の異なるタイプのエンドエフェクタ28及びチューブ状シャフト112とともに使用されるように構成することができる。いくつかの例では、チューブ状シャフト112は、チューブ状シャフト112を通って延在する複数のワイヤ又は電気トレースを有し、電気コネクタ200に接続するために遠位端部に配設された電気パッドを有するユニバーサルチューブ状シャフト112であり得る。チューブ状シャフト112は、複数の異なるタイプのエンドエフェクタ28とともに使用することができるように構成することができ、電気コネクタ200は、チューブ状シャフト112と複数の異なるタイプのエンドエフェクタ28との間のアダプタとして機能することができる。
【0036】
図3は、本開示の技術による、チューブ状シャフト112の遠位端部及びエンドエフェクタ28の近位端部を有する電気コネクタ200を示す分解図である。簡略化のために、チューブ状シャフト112及びエンドエフェクタ28の一部分のみが示されている。図示のように、電気コネクタ200は、チューブ状シャフト112の遠位端部とエンドエフェクタ28の近位端部との間に配設することができる。エンドエフェクタ28は、電気コネクタ200に物理的かつ電気的に接続するように構成されたエンドエフェクタ電気接続アセンブリ210を有することができる。同様に、図4Aに示され、本明細書でより詳細に説明されるように、チューブ状シャフト112の遠位端部は、電気コネクタ200に物理的かつ電気的に接続するように構成されたチューブ状シャフト接続アセンブリ230を有することができる。図3は、チューブ状シャフト112を通って延在し、ハンドル110と電気的に接続するように構成することができる終端点242を含むことができる電気トレース240を更に例解する。
【0037】
電気コネクタ200は、図面全体を通して概ね円筒形であるとして示されているが、電気コネクタ200は、示されているもの以外の様々な他の形状を備えることができることが理解されるであろう。例えば、電気コネクタ200は、直角プリズム、五角プリズム、六角プリズムであり得、星形断面形状などを備えることができる。更に、電気コネクタ200は、一端から他端に向かってテーパ状(例えば、近位端部から遠位端部に向かってテーパ状、及びその逆)、両端に向かってテーパ状などに構成することができる。したがって、本開示の技術は、図面に示されるように、円筒形に限定されると解釈されるべきではない。
【0038】
図4Aは、本開示の技術による、チューブ状シャフト112、電気コネクタ200、及びエンドエフェクタ28の分解断面図であり、一方、図4Bは、同じ構成要素の部分組み立て図である。示されるように、電気コネクタ200は、チューブ状シャフト112の近位端部に嵌合し、チューブ状シャフト接続アセンブリ230と電気通信するように構成することができる。同様に、図示されていないが、エンドエフェクタ電気接続アセンブリ210は、チューブ状シャフト112の近位端部に嵌合し、電気コネクタ200と電気通信するように構成することができる。完全に組み立てられたとき、電気コネクタ200は、チューブ状シャフト接続アセンブリ230とエンドエフェクタ電気接続アセンブリ210との間の電気接続を容易にすることができる。
【0039】
図5Aは、本開示の技術による、エンドエフェクタ28の近位部分の斜視図である。簡略化のために、エンドエフェクタ28の一部分のみが示されている。当業者によって理解されるように、図5Aに示されるエンドエフェクタ28は、複数のスパイン22及び複数の電極を有するバスケットアセンブリの近位部分を表すことができる。図5Aに示されるように、エンドエフェクタ28は、複数の第1のエンドエフェクタ電気パッド214及び複数の第2のエンドエフェクタ電気パッド216を有する近位ハブ212を含むことができる。第1のエンドエフェクタ電気パッド214及び第2のエンドエフェクタ電気パッド216は各々、スパイン22上に配設されたそれぞれの電極26に電気的に接続することができる。代替的に、又は加えて、第1のエンドエフェクタ電気パッド214又は第2のエンドエフェクタ電気パッド216のうちの少なくともいくつかは、位置センサ、温度センサなどのエンドエフェクタ28上に配設された他のセンサ又はデバイスと電気通信することができる。いくつかの例では、第1のエンドエフェクタ電気パッド214は、複数のマッピング電極に電気的に接続することができ、第2のエンドエフェクタ電気パッド216は、複数のアブレーション電極に電気的に接続することができ、又はその逆も可能である。理解されるように、第1のエンドエフェクタ電気パッド214及び第2のエンドエフェクタ電気パッド216は、エンドエフェクタ28の特定の用途に従って配置及び構成することができる。したがって、エンドエフェクタ28は、バスケットカテーテルとして示されているが、他のタイプのエンドエフェクタを、示されているバスケットカテーテルの代わりに使用することができることが理解される。
【0040】
図5Bは、本開示の技術による、図5Aのエンドエフェクタ28の近位部分の上面図である。示されるように、近位ハブ212は、近位ハブ212を通って延在する管腔218を有することができる。いくつかの例では、エンドエフェクタ28は、管腔218を通って延在する灌注ハブ、プッシュロッド、又はエンドエフェクタ28の様々な他の構成要素を有することができる。
【0041】
図6Aは、本開示の技術による、電気コネクタ200の斜視図である。電気コネクタ200は、本体222の近位端部に配設された複数の近位電気パッド228を有する本体222を含むことができ、組み立てられたときに、(図7A及び図7Bに示されるように)チューブ状シャフト電気パッド236に接触してそれと電気通信するように構成されている。電気コネクタ200は、本体222の遠位端部に配設され、第1及び第2のエンドエフェクタ電気パッド214、216と接触して電気通信するように構成されている、複数の第1の遠位電気パッド224及び複数の第2の遠位電気パッド226を更に含むことができる。近位電気パッド228は各々、複数の電気トレース229(又はワイヤ)を介して、第1の遠位電気パッド224又は第2の遠位電気パッド226に電気的に接続することができる。複数の第1の遠位電気パッド224、複数の第2の遠位電気パッド226、及び複数の近位電気パッド228は、電気コネクタ200の周りに半径方向及び長手方向に配設することができる。
【0042】
近位電気パッド228、第1の遠位電気パッド224、及び第2の遠位電気パッド226は各々、本体222の内向き表面又は外向き表面に配設することができる。代替的に、近位電気パッド228、第1の遠位電気パッド224、又は第2の遠位電気パッド226のうちのいくつかのみを、本体222の内向き表面上に配設することができ、残りを、本体222の外向き表面上に配設することができる。近位電気パッド228、第1の遠位電気パッド224、及び第2の遠位電気パッド226は、エンドエフェクタ電気接続アセンブリ210及びチューブ状シャフト接続アセンブリ230の構成の配置に対応するようにいずれかの表面上に位置付けられ得ることが、当業者によって理解されるであろう。例えば、エンドエフェクタ電気接続アセンブリ210が、エンドエフェクタ電気接続アセンブリ210の内向き表面上に第1及び第2のエンドエフェクタ電気パッド214、216を備える場合、対応する第1及び第2の遠位電気パッド224、226は、本体222の外向き表面上に配設することができ、逆もまた同様である。
【0043】
図6Bは、本開示の技術による、電気コネクタ200の第1の側面図であり、図6Cは、第2の側面図である。電気コネクタ200がチューブ状シャフト112及びエンドエフェクタ28と適切に整列されることを確実にするのを助けるために、本体222は、エンドエフェクタ28及び/又はチューブ状シャフト112(図示せず)上に配設された対応する整列部材と整列し、それと適合するように構成することができる整列部材223を含むことができる。整列部材223は、示されるようにノッチであり得るか、又は整列部材223は、エンドエフェクタ28及び/又はチューブ状シャフト112を1つの配向のみで電気コネクタ200と整列させることができる突起又は他の同様の部材であり得る。このようにして、電気コネクタ200は、エンドエフェクタ28及びチューブ状シャフト112が電気コネクタ200と正確に整列され(又は「クロッキング」され)、電気パッドが全て適切に整列されることを確実にするように構成することができる。電気コネクタ200は、組み立てられたときに、電気コネクタ200がエンドエフェクタ28及びチューブ状シャフト112と適切に整列されることを確実にする色、マーキング、又は他の特徴を更に含むことができる。
【0044】
図6Cは、電気コネクタ200内に形成することができるギャップ225を更に示す。ギャップ225は、例えば、電気コネクタ200が最初に平面シートとして形成され、次いで図示の円筒形に形成された結果であり得る。更に、ギャップ225は、本体222が屈曲することを可能にし、エンドエフェクタ28及びチューブ状シャフト112とのより容易な組み立てを可能にすることができる。
【0045】
当業者によって理解されるように、図6A図6Cに示される電気コネクタ200の近位電気パッド228、第1の遠位電気パッド224、及び第2の遠位電気パッド226の特定の配置は、例解目的のために提供され、様々な他の配置が想定され、本開示の範囲内に含まれる。したがって、本開示の範囲は、本明細書に図示及び説明される構成要素の特定の配置に限定されるべきではない。
【0046】
いくつかの例では、電気コネクタ200は、選択された遠位電気パッド224、226が、対応する第1及び第2のエンドエフェクタ電気パッド214、216と電気通信しているとき、対応する近位電気パッド228が、同様に、第1及び第2のエンドエフェクタ電気パッド214、216に対応するチューブ状シャフト電気パッド236と電気通信することができるように構成することができる。すなわち、エンドエフェクタ28が、電気コネクタ上にある電気パッドほど多くの電気パッドを有していない場合、電気コネクタは、実際に使用される電気パッドが、対応するチューブ状シャフト電気パッドと整列され、かつ/又は電気的に接続されるように構成することができる。すなわち、1つの動作状態において、電気コネクタ200が、近位部分においてチューブ状シャフト112に、並びにエンドエフェクタ28及び遠位部分に接続されるとき、それぞれのチューブ状シャフト電気パッド236は、電気コネクタ200を介して対応するエンドエフェクタ電気パッド(214、216)と電気通信し、チューブ状シャフト電気パッド236と電気通信していない対応する近位電気パッド228は、エンドエフェクタ電気パッド(214、216)と電気通信していない遠位電気パッド(224、226)と整列される。
【0047】
図7Aは、本開示の技術による、チューブ状シャフト112の遠位端部の斜視図であり、図7Bは、その上面図である。示されるように、チューブ状シャフト112は、電気コネクタ200及びエンドエフェクタ28の少なくとも一部を受容するように構成することができるシャフト本体232の遠位端部内に形成された凹部234を備えるシャフト本体232を備えることができる。凹部は、チューブ状シャフト112が電気コネクタ200及び/又はエンドエフェクタ28と摩擦嵌めを形成するような大きさにすることができる。チューブ状シャフト112はまた、内部を通って延在する管腔238を更に含むことができる。いくつかの例では、管腔238は、プッシュロッド、灌注チューブ、又は管腔238を通って延在するエンドエフェクタ28の様々な他の構成要素を受容するような大きさにすることができる。
【0048】
図7Bにおいて最もよく分かるように、チューブ状シャフト112の遠位端部は、チューブ状シャフト112の周りに半径方向に配設することができる複数のチューブ状シャフト電気パッド236を更に含むことができる。チューブ状シャフト電気パッド236は、チューブ状シャフト電気パッド236が近位電気パッド228と接触して電気通信するように構成されているように配置することができる。
【0049】
図8は、本開示の技術による、チューブ状シャフト112、電気コネクタ200、及びエンドエフェクタ28を含む、別の例示的な医療用プローブ800の分解斜視図である。医療用プローブ800は、医療用プローブ800が先で説明される凹部234及びチューブ状シャフト電気パッド236の代わりに、複数のワイヤコネクタ840を含むことができることを除いて、先で説明されるカテーテル14と同じ特徴の全てを備えることができる。
【0050】
ワイヤコネクタ840は、図9A及び図9Bに更に示されるように、ワイヤ842及びワイヤ842の遠位端部に配設されたワイヤ電気パッド844を含むことができる。ワイヤ842の近位端部は、ハンドル110上の電気接続点130に接続することができる。ワイヤ電気パッド844は、図9A及び図9Bに更に示されるように、電気コネクタ200の近位電気パッド228に接続されるように構成することができる。ワイヤ電気パッド844は、電気コネクタ200がチューブ状シャフト112内に(又はその周りに)挿入されるときに、近位電気パッド228がワイヤ電気パッド844と整列されて接触することができるように、ワイヤ電気パッド844を適所に保持するように構成されたハーネス又は他の装置によって、チューブ状シャフト112内に固定することができる。
【0051】
先で説明されるように、電気コネクタ200は、複数の異なるタイプのエンドエフェクタに取り付けられるように構成することができる。図10A図10Dは、電気コネクタ200に取り付けることができる様々な異なるタイプのエンドエフェクタを例解する。例えば、電気コネクタは、平面アレイカテーテル1000A(図10A)、螺旋若しくは円形カテーテル1000B(図10B)、バスケットカテーテル1000C(図10C)、又は図10Dに示されるスパインカテーテル1000Dなどの外向きに延在するスパインを有するカテーテルに取り付けられることができる。当業者によって理解されるように、図10A図10Dに図示及び説明される様々なエンドエフェクタは、それに取り付けられる電極の種々の数、タイプ、及び配置を含むことができる。更に、電気コネクタ200は、様々な他のタイプのエンドエフェクタをチューブ状シャフト112に電気的に接続するように構成することができるので、図10A図10Dに図示及び説明される様々なエンドエフェクタは、限定することを意図するものではなく、単に例解目的で提供される。電気コネクタ200は、これらのカテーテルの各々、及び図示されていない様々な他のカテーテルが、容易かつ効率的な様式でチューブ状シャフト112に取り付けられることを可能にすることができる。
【0052】
図11は、本開示の技術による、チューブ状シャフト112、電気コネクタ200、及びエンドエフェクタ28の別の例の分解図である。図11に示される例は、エンドエフェクタ28並びにエンドエフェクタ28を電気コネクタ200及び/又はチューブ状シャフト112に取り付け、電気コネクタ200をチューブ状シャフト112に取り付けるように構成することができる機械的コネクタ1102を備える、電気コネクタ200を例解する。機械的コネクタ1102は、電気コネクタ200及びエンドエフェクタ28の近位側にあるとして示されているが、機械的コネクタ1102は、電気コネクタ200及びエンドエフェクタ28の近位側にある代わりに、又はそれに加えて、チューブ状シャフト112及び/又は電気コネクタ200の遠位側に配設することができることが、当業者によって理解されるべきである。
【0053】
機械的コネクタ1102は、チューブ状シャフト112、電気コネクタ200、及び/又はエンドエフェクタ28上の対応する機械的コネクタ(図示せず)と連結するように構成することができる。機械的コネクタ1102は、バヨネットマウント、スナップ嵌め、ねじ付きコネクタ、又は構成要素を一緒に取り付けることができる他の同様の機械的コネクタであるか、又はそれらを含むことができる。機械的コネクタ1102は、先で説明される整列部材の代わりに、又はそれに加えて使用することができる。更に、機械的コネクタ1102の数は、特定の用途に応じて変更することができる。例えば、単一の機械的コネクタ1102が含まれ得るか、又は複数の機械的コネクタ1102が含まれ得る。他の例では、接着剤を使用して、チューブ状シャフト112、電気コネクタ200、及びエンドエフェクタ28を互いに接続することができる。
【0054】
本明細書に説明される本開示の技術は、以下の条項に従って更に理解することができる。
【0055】
条項1:カテーテルデバイス用の電気コネクタであって、長手方向軸に沿って近位部分から遠位部分まで延在する本体であって、近位部分が、チューブ状シャフトに取り付けられるように構成されており、遠位部分が、エンドエフェクタに取り付けられるように構成されている、本体と、本体の近位部分に配設された複数の近位電気パッドであって、複数のチューブ状シャフト電気パッドと電気通信するように構成された複数の近位電気パッドと、本体の遠位部分に配設された複数の遠位電気パッドであって、複数のエンドエフェクタ電気パッドと電気通信するように構成された複数の遠位電気パッドと、複数の電気トレースであって、各電気トレースが、それぞれの近位電気パッドをそれぞれの遠位電気パッドに接続する、複数の電気トレースと、を備える、電気コネクタ。
【0056】
条項2:本体が、略円筒形状を含む、条項1に記載の電気コネクタ。
【0057】
条項3:複数の近位電気パッドが、本体の外面上に配設される、条項1又は2に記載の電気コネクタ。
【0058】
条項4:複数の近位電気パッドが、本体の外面に沿って長手方向及び半径方向に離間している、条項3に記載の電気コネクタ。
【0059】
条項5:本体が、本体を通って延在する管腔を画定する、条項1又は2に記載の電気コネクタ。
【0060】
条項6:複数の近位電気パッドが、管腔内の本体の内面上に配設される、条項5に記載の電気コネクタ。
【0061】
条項7:複数の近位電気パッドが、本体の内面に沿って長手方向及び半径方向に離間している、条項6に記載の電気コネクタ。
【0062】
条項8:複数の遠位電気パッドが、本体の外面上に配設される、条項1~7のいずれか一項に記載の電気コネクタ。
【0063】
条項9:複数の遠位電気パッドが、本体の外面に沿って長手方向及び半径方向に離間している、条項8に記載の電気コネクタ。
【0064】
条項10:複数の近位電気パッドが、管腔内の本体の内面上に配設される、条項5~7のいずれか一項に記載の電気コネクタ。
【0065】
条項11:複数の遠位電気パッドが、本体の内面に沿って長手方向及び半径方向に離間している、条項10に記載の電気コネクタ。
【0066】
条項12:本体が、長手方向軸に沿って近位部分に向かって略テーパ状である、条項1~11のいずれか一項に記載の電気コネクタ。
【0067】
条項13:本体が、長手方向軸に沿って遠位部分に向かって略テーパ状である、条項1~11のいずれか一項に記載の電気コネクタ。
【0068】
条項14:本体が、近位コネクタを更に備え、近位コネクタが、本体をチューブ状シャフトに機械的に取り付けるように構成されている、条項1~13のいずれか一項に記載の電気コネクタ。
【0069】
条項15:近位コネクタが、バヨネットマウントを備える、条項14に記載の電気コネクタ。
【0070】
条項16:近位コネクタが、ねじ付きコネクタを備える、条項14に記載の電気コネクタ。
【0071】
条項17:本体が、チューブ状シャフト上の対応する整列部材と整列するように構成された近位整列部材を更に備える、条項1~16のいずれか一項に記載の電気コネクタ。
【0072】
条項18:本体が、遠位コネクタを更に備え、遠位コネクタが、本体をエンドエフェクタに機械的に取り付けるように構成されている、条項1~17のいずれか一項に記載の電気コネクタ。
【0073】
条項19:遠位コネクタが、バヨネットマウントを備える、条項18に記載の電気コネクタ。
【0074】
条項20:遠位コネクタが、ねじ付きコネクタを備える、条項18に記載の電気コネクタ。
【0075】
条項21:本体が、エンドエフェクタ上の対応する整列部材と整列するように構成された遠位整列部材を更に備える、条項1~20のいずれか一項に記載の電気コネクタ。
【0076】
第22項:電気コネクタが、近位部分においてチューブ状シャフトに、並びにエンドエフェクタ及び遠位部分に接続されるとき、それぞれのチューブ状シャフト電気パッドが、電気コネクタを介して対応するエンドエフェクタ電気パッドと電気通信し、チューブ状シャフト電気パッドと電気通信していない対応する近位電気パッドが、エンドエフェクタ電気パッドと電気通信していない遠位電気パッドと整列される、条項17~21のいずれか一項に記載の電気コネクタ。
【0077】
条項23:医療用プローブであって、医療用プローブの長手方向軸に沿って延在する、チューブ状シャフトと、
複数の電極を備えるエンドエフェクタと、チューブ状シャフトとエンドエフェクタとの間に配設された電気コネクタであって、長手方向軸に沿って近位部分から遠位部分まで延在する本体と、本体の近位部分に配設された複数の近位電気パッドであって、チューブ状シャフト上に配設された複数のチューブ状シャフト電気パッドと整列し、電気的に接続するように構成されている、複数の近位電気パッドと、本体の遠位部分に配設された複数の遠位電気パッドであって、エンドエフェクタ上に配設された複数のエンドエフェクタ電気パッドと整列し、電気的に接続するように構成されている、複数の遠位電気パッドと、複数の電気トレースであって、各電気トレースが、それぞれの近位電気パッドをそれぞれの遠位電気パッドに接続する、複数の電気トレースと、を備える、電気コネクタと、を備える、医療用プローブ。
【0078】
条項24:電気コネクタが、近位コネクタを更に備え、近位コネクタが、本体をチューブ状シャフトに機械的に取り付けるように構成されている、条項23に記載の医療用プローブ。
【0079】
条項25:電気コネクタが、遠位コネクタを更に備え、遠位コネクタが、本体をエンドエフェクタに機械的に取り付けるように構成されている、条項23に記載の医療用プローブ。
【0080】
条項26:チューブ状シャフトが、電気コネクタを少なくとも部分的に受容するように構成された凹部を更に備える、条項23~25のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0081】
条項27:チューブ状シャフト電気パッドが、凹部内に配設される、条項26に記載の医療用プローブ。
【0082】
条項28:電気コネクタが、チューブ状シャフト上の対応する整列部材と整列するように構成された近位整列部材を更に備える、条項23~27のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0083】
条項29:電気コネクタが、エンドエフェクタ上の対応する整列部材と整列するように構成された遠位整列部材を更に備える、条項23項~28のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0084】
条項30:1つの動作状態において、電気コネクタが、近位部分においてチューブ状シャフトに、並びにエンドエフェクタ及び遠位部分に接続されるとき、それぞれのチューブ状シャフト電気パッドが、電気コネクタを介して対応するエンドエフェクタ電気パッドと電気通信し、チューブ状シャフト電気パッドと電気通信していない対応する近位電気パッドが、エンドエフェクタ電気パッドと電気通信していない遠位電気パッドと整列される、条項28又は29に記載の医療用プローブ。
【0085】
条項31:チューブ状シャフトを電気コネクタに接合するように構成された接着剤を更に備える、条項23~30のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0086】
条項32:エンドエフェクタを電気コネクタに接合するように構成された接着剤を更に備える、条項23~31のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0087】
条項33:複数の電極のうちの少なくとも1つが、1つ又は2つ以上の電気生理学的信号を検出するように構成されている、条項23~32のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0088】
条項34:複数の電極のうちの少なくとも1つが、組織のアブレーションのためにエネルギーを発するように構成されている、条項23~32のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0089】
条項35:エンドエフェクタが、バスケットカテーテルを備える、条項23~34のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0090】
条項36:エンドエフェクタが、平面カテーテルを備える、条項23~34のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0091】
条項37:エンドエフェクタが、長手方向軸から半径方向外向きに延在する複数のアームを備える、条項23~34のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0092】
上で説明される実施形態は、例として引用したものであり、本発明は、本明細書にこれまで具体的に図示及び説明されるものに限られるものではない。むしろ、本発明の範囲は、本明細書でこれまでに説明される様々な特徴の組み合わせ及びその部分的組み合わせの両方、並びに上述の説明を読むことで当業者に想到されるであろう、先行技術において開示されていないそれらの変形例及び修正例を含むものである。
【0093】
〔実施の態様〕
(1) カテーテルデバイス用の電気コネクタであって、
長手方向軸に沿って近位部分から遠位部分まで延在する本体であって、前記近位部分が、チューブ状シャフトに取り付けられるように構成されており、前記遠位部分が、エンドエフェクタに取り付けられるように構成されている、本体と、
前記本体の前記近位部分に配設された複数の近位電気パッドであって、複数のチューブ状シャフト電気パッドと電気通信するように構成されている、複数の近位電気パッドと、
前記本体の前記遠位部分に配設された複数の遠位電気パッドであって、複数のエンドエフェクタ電気パッドと電気通信するように構成されている、複数の遠位電気パッドと、
複数の電気トレースであって、各電気トレースが、それぞれの近位電気パッドをそれぞれの遠位電気パッドに接続する、複数の電気トレースと、を備える、電気コネクタ。
(2) 前記複数の近位電気パッドが、前記本体の外面に沿って長手方向及び半径方向に離間している、実施態様1に記載の電気コネクタ。
(3) 前記複数の遠位電気パッドが、前記本体の前記外面に沿って長手方向及び半径方向に離間している、実施態様2に記載の電気コネクタ。
(4) 前記本体が、前記本体を通って延在する管腔を画定する、実施態様1に記載の電気コネクタ。
(5) 前記複数の近位電気パッドが、前記本体の内面に沿って長手方向及び半径方向に離間している、実施態様4に記載の電気コネクタ。
【0094】
(6) 前記複数の遠位電気パッドが、前記本体の前記内面に沿って長手方向及び半径方向に離間している、実施態様5に記載の電気コネクタ。
(7) 前記本体が、前記長手方向軸に沿って、前記近位部分に向かって略テーパ状である、実施態様1に記載の電気コネクタ。
(8) 前記本体が、前記長手方向軸に沿って、前記遠位部分に向かって略テーパ状である、実施態様1に記載の電気コネクタ。
(9) 前記本体が、近位コネクタを更に備え、前記近位コネクタが、前記本体を前記チューブ状シャフトに機械的に取り付けるように構成されている、実施態様1に記載の電気コネクタ。
(10) 前記近位コネクタが、バヨネットマウントを備える、実施態様9に記載の電気コネクタ。
【0095】
(11) 前記本体が、前記チューブ状シャフト上の対応する整列部材と整列するように構成された近位整列部材を更に備える、実施態様1に記載の電気コネクタ。
(12) 前記本体が、遠位コネクタを更に備え、前記遠位コネクタが、前記本体を前記エンドエフェクタに機械的に取り付けるように構成されている、実施態様1に記載の電気コネクタ。
(13) 前記遠位コネクタが、バヨネットマウントを備える、実施態様12に記載の電気コネクタ。
(14) 前記本体が、前記エンドエフェクタ上の対応する整列部材と整列するように構成された遠位整列部材を更に備える、実施態様1に記載の電気コネクタ。
(15) 前記電気コネクタが、前記近位部分においてチューブ状シャフトに、及び前記遠位部分においてエンドエフェクタに接続されるとき、それぞれのチューブ状シャフト電気パッドが、前記電気コネクタを介して対応するエンドエフェクタ電気パッドと電気通信し、チューブ状シャフト電気パッドと電気通信していない対応する近位電気パッドが、エンドエフェクタ電気パッドと電気通信していない遠位電気パッドと整列される、実施態様1に記載の電気コネクタ。
【0096】
(16) 医療用プローブであって、
前記医療用プローブの長手方向軸に沿って延在する、チューブ状シャフトと、
複数の電極を備えるエンドエフェクタと、
前記チューブ状シャフトと前記エンドエフェクタとの間に配設された電気コネクタであって、
前記長手方向軸に沿って近位部分から遠位部分まで延在する本体と、
前記本体の前記近位部分に配設された複数の近位電気パッドであって、前記チューブ状シャフト上に配設された複数のチューブ状シャフト電気パッドと整列し、電気的に接続するように構成されている、複数の近位電気パッドと、
前記本体の前記遠位部分に配設された複数の遠位電気パッドであって、前記エンドエフェクタ上に配設された複数のエンドエフェクタ電気パッドと整列し、電気的に接続するように構成されている、複数の遠位電気パッドと、
複数の電気トレースであって、各電気トレースが、それぞれの近位電気パッドをそれぞれの遠位電気パッドに接続する、複数の電気トレースと、を備える、電気コネクタと、を備える、医療用プローブ。
(17) 前記電気コネクタが、
前記本体を前記チューブ状シャフトに機械的に取り付けるように構成された近位コネクタと、
前記本体を前記エンドエフェクタに機械的に取り付けるように構成された遠位コネクタと、を更に備える、実施態様16に記載の医療用プローブ。
(18) 前記チューブ状シャフトが、前記電気コネクタを少なくとも部分的に受容するように構成された凹部を更に備える、実施態様17に記載の医療用プローブ。
(19) 前記チューブ状シャフト電気パッドが、前記凹部内に配設されている、実施態様18に記載の医療用プローブ。
(20) 1つの動作状態において、前記電気コネクタが、前記近位部分において前記チューブ状シャフトに、及び前記遠位部分においてエンドエフェクタに接続されるとき、それぞれのチューブ状シャフト電気パッドが、前記電気コネクタを介して対応するエンドエフェクタ電気パッドと電気通信し、チューブ状シャフト電気パッドと電気通信していない対応する近位電気パッドが、エンドエフェクタ電気パッドと電気通信していない遠位電気パッドと整列される、実施態様19に記載の医療用プローブ。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図10D
図11
【外国語明細書】