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特開2024-161912船舶液化水素タンク用冷却及び加熱複合システム
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  • 特開-船舶液化水素タンク用冷却及び加熱複合システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161912
(43)【公開日】2024-11-20
(54)【発明の名称】船舶液化水素タンク用冷却及び加熱複合システム
(51)【国際特許分類】
   F25B 30/06 20060101AFI20241113BHJP
   F25B 41/26 20210101ALI20241113BHJP
   H01M 8/04007 20160101ALI20241113BHJP
   H01M 8/0606 20160101ALI20241113BHJP
   B63H 21/38 20060101ALI20241113BHJP
【FI】
F25B30/06 Z
F25B41/26 A
H01M8/04007
H01M8/0606
B63H21/38 Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024075650
(22)【出願日】2024-05-08
(31)【優先権主張番号】10-2023-0059263
(32)【優先日】2023-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】513107735
【氏名又は名称】コリア インスティチュート オブ オーシャン サイエンス アンド テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アン、チ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ソ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】シム、ヒョン ウォン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ソ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ユン ホ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒョン ソク
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジョン ヒョン
【テーマコード(参考)】
5H127
【Fターム(参考)】
5H127AB04
5H127AC04
5H127AC15
5H127BA02
5H127BA22
(57)【要約】
【課題】船舶液化水素タンク用冷却及び加熱複合システムを提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る船舶液化水素タンク用冷却及び加熱複合システムは、海水を供給する水熱源と、前記水熱源から供給される海水との熱交換が行われる第1熱交換器と、前記第1熱交換器に連結され、冷媒の温度を下げる膨張弁と、前記膨張弁に連結され、冷媒が移動して熱交換が行われる第2熱交換器と、前記第2熱交換器に連結されて加熱又は冷却される熱交換対象ユニットと、前記第1熱交換器と前記第2熱交換器との間に連結されており、冷媒の移動方向が選択可能な四方弁に連結されて冷媒を圧縮して供給する圧縮機と、前記圧縮機と前記四方弁の作動を制御して冷媒の移動方向を制御可能な制御器と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液化水素タンクが搭載されて燃料電池によって電力の供給を受ける船舶の船舶液化水素タンク用冷却及び加熱複合システムであって、
海水を供給する水熱源と、
前記水熱源から供給される海水との熱交換が行われる第1熱交換器と、
前記第1熱交換器に連結され、冷媒の温度を下げる膨張弁と、
前記膨張弁に連結され、冷媒が移動して熱交換が行われる第2熱交換器と、
前記第2熱交換器に連結されて加熱又は冷却される熱交換対象ユニットと、
前記第1熱交換器と前記第2熱交換器との間に連結されており、冷媒の移動方向が選択可能な四方弁に連結されて冷媒を圧縮して供給する圧縮機と、
前記圧縮機と前記四方弁の作動を制御して冷媒の移動方向を制御可能な制御器と、を含み、
前記制御器は、前記冷媒の流れ方向を制御することにより、前記熱交換対象ユニットの熱及び前記海水の熱を利用して、前記第1熱交換器と前記第2熱交換器によって前記熱交換対象ユニットを加熱又は冷却することを特徴とする、船舶液化水素タンク用冷却及び加熱複合システム。
【請求項2】
前記制御器は、前記熱交換対象ユニットを加熱するために、前記四方弁を制御して、冷媒が前記第1熱交換器から前記圧縮機に移動し圧縮されて前記第2熱交換器へ移動するようにすることを特徴とする、請求項1に記載の船舶液化水素タンク用冷却及び加熱複合システム。
【請求項3】
前記制御器は、前記熱交換対象ユニットを冷却するために、前記四方弁を制御して、冷媒が前記第2熱交換器から前記圧縮機に移動し圧縮されて前記第1熱交換器へ移動するようにすることを特徴とする、請求項1に記載の船舶液化水素タンク用冷却及び加熱複合システム。
【請求項4】
前記四方弁には、冷媒の移動方向を選択可能にするソレノイド装置が備えられていることを特徴とする、請求項1に記載の船舶液化水素タンク用冷却及び加熱複合システム。
【請求項5】
前記熱交換対象ユニットは、
前記船舶によって輸送される前記液化水素タンクと、
前記船舶に電力を供給する燃料電池と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の船舶液化水素タンク用冷却及び加熱複合システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶液化水素タンク用冷却及び加熱複合システムに係り、より詳細には、船舶に搭載される液化水素タンクと燃料電池を含むシステムに海水との熱交換を利用し、この熱を活用することができる船舶液化水素タンク用冷却及び加熱複合システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題による化石燃料の使用制限と炭素中立のための再生電力や再生熱などの環境にやさしい代替エネルギーに対する需要が増加している。特に、臨海地域では、エネルギー転換のための新再生エネルギーに対する需要が増加しているだけでなく、無限の潜在量を持つ海洋エネルギーを介してこれを解決しようとする要求が増加している。
【0003】
海水温度差の発電は、深海の冷たい海水と表層の暑い海水との温度差を利用して電気エネルギーを発生させるものであり、通常深さ1000mの深層水の温度が約5℃、熱帯地方の表層水の温度が約30℃程度であって、25℃の温度差を利用している。
【0004】
韓国登録特許公報第10-0765356号には、海水熱を利用した熱交換システムが開示されている。
【0005】
従来技術は、オートストレーナ、海水ポンプ及びフィルタを必要とせずに熱交換パイプをモジュール式に拡張することができるように構成されている。
【0006】
しかし、従来技術は、熱交換器を水中に設置することが主眼点であり、熱交換のための連携システムがなく、各熱交換対象ユニットを単一的に冷却及び加熱するので、熱交換効率が低いという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国登録特許公報第10-0765356号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一実施形態は、上述した従来技術の問題点を克服するために、船舶に搭載される液化水素タンクと燃料電池を含むシステムに海水との熱交換を利用して冷却及び加熱に活用することができる船舶液化水素タンク用冷却及び加熱複合システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、液化水素タンクが搭載され、燃料電池によって電力の供給を受ける船舶の船舶液化水素タンク用冷却及び加熱複合システムにおいて、海水を供給する水熱源と、前記水熱源から供給される海水との熱交換が行われる第1熱交換器と、前記第1熱交換器に連結され、冷媒の温度を下げる膨張弁と、前記膨張弁に連結され、冷媒が移動して熱交換が行われる第2熱交換器と、前記第2熱交換器に連結されて加熱又は冷却される熱交換対象ユニットと、前記第1熱交換器と前記第2熱交換器との間に連結されており、冷媒の移動方向が選択可能な四方弁に連結されて冷媒を圧縮して供給する圧縮機と、前記圧縮機と前記四方弁の作動を制御して冷媒の移動方向を制御可能な制御器と、を含み、前記制御器は、前記冷媒の流れ方向を制御することにより、前記熱交換対象ユニットの熱及び前記海水の熱を利用して、前記第1熱交換器と前記第2熱交換器によって前記熱交換対象ユニットを加熱又は冷却する。
【0010】
前記制御器は、前記熱交換対象ユニットを加熱するために、前記四方弁を制御して、冷媒が前記第1熱交換器から前記圧縮機に移動し圧縮されて前記第2熱交換器へ移動するようにする。
【0011】
前記制御器は、前記熱交換対象ユニットを冷却するために、前記四方弁を制御して、冷媒が前記第2熱交換器から前記圧縮機に移動し圧縮されて前記第1熱交換器へ移動するようにする。
【0012】
前記四方弁には、冷媒の移動方向を選択可能にするソレノイド装置が備えられている。
【0013】
前記熱交換対象ユニットは、前記船舶によって輸送される前記液化水素タンクと、前記船舶に電力を供給する燃料電池と、を含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る船舶液化水素タンク用冷却及び加熱複合システムは、次の効果がある。
【0015】
第一に、海水を用いるので、環境にやさしく利用することができ、多量の熱源を容易に確保することができる。
【0016】
第二に、各ユニットの熱エネルギーを冷媒を介して活用することができるため、熱交換対象ユニットの冷却又は加熱に役立てることができる。
【0017】
第三に、複数の熱交換器によって海水と冷媒を用いて液化水素タンク及び燃料電池を効果的に冷却又は加熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る船舶液化水素タンク用冷却及び加熱複合システムを概略的に示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態に係る船舶液化水素タンク用冷却及び加熱複合システムを概略的に示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係る船舶液化水素タンク用冷却及び加熱複合システムにおける熱交換対象ユニットに対する加熱及び冷却過程を示す模式図である。
図4】熱交換対象ユニットに対する温度制御例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に説明する実施形態は、本発明の技術的思想を当業者が容易に理解することができるように提供されるものであり、本発明を限定するものではない。また、添付図面に示された事項は、本発明の実施形態を容易に説明するために図式化された図面であって、実際に具現される形態とは異なることがある。
【0020】
ある構成要素が他の構成要素に連結又は接続されていると記載される場合には、ある構成要素が他の構成要素に直接連結又は接続されていてもよく、それらの間に別の構成要素が介在していてもよいと理解されるべきである。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態に係る船舶液化水素タンク用冷却及び加熱複合システムを概略的に示す模式図であり、図2は、本発明の一実施形態に係る船舶液化水素タンク用冷却及び加熱複合システムを概略的に示すブロック図、及び四方弁における冷媒の移動方向を示す。
【0022】
図1及び図2を参照すると、本発明の一実施形態に係る船舶液化水素タンク用冷却及び加熱複合システムは、液化水素タンクが搭載されて燃料電池によって電力の供給を受ける船舶に備えられるが、水熱源110、第1熱交換器120、膨張弁130、第2熱交換器140、熱交換対象ユニット150、圧縮機160、及び制御器170を含む。
【0023】
本発明によれば、前記水熱源110は、船舶に海水が流入して通過又は貯留される海水貯留部と、前記海水貯留部と前記第1熱交換器120との間に海水が供給及び回収される中空の配管をなす原水管路と、海水を吸引して前記海水貯留部と前記原水管路へ流動させる海水ポンプと、をさらに含むことができる。
【0024】
第1熱交換器120は、前記水熱源110から供給される海水との熱交換を行う。また、第1熱交換器120は、海水との熱交換が行われた冷媒が熱交換対象ユニット150を加熱又は冷却するために膨張弁130又は圧縮機160へ移動する。
【0025】
膨張弁130は、第1熱交換器120と第2熱交換器140との間に連結されている。
【0026】
膨張弁130は、第1熱交換器120又は第2熱交換器140で熱交換が行われた冷媒が流入し膨張して冷媒の圧力及び温度を下げる。
【0027】
第2熱交換器140は、前記膨張弁130、熱交換対象ユニット150及び圧縮機160に連結されて熱交換が行われるようにする。
【0028】
第2熱交換器140は、加熱又は冷却される熱交換対象ユニット150に冷媒からの熱を放出するか、或いは熱を吸収して熱交換対象ユニット150の温度を調節する。
【0029】
第1熱交換器120と第2熱交換器140を用いて熱交換対象ユニット150を加熱又は冷却する。
【0030】
熱交換対象ユニット150は、液化水素を貯留する液化水素タンク152と、船舶に燃料を供給する燃料電池154とを含んで構成されている。
【0031】
液化水素タンク152と燃料電池154は、第2熱交換器140と個別に連結され、液化水素タンク152及び燃料電池154のいずれか一方又は両方が共に加熱又は冷却されることができる。
【0032】
液化水素タンク152は、第2熱交換器140での熱交換のために熱交換が行われた空気又は空気の流れる管と接触するが、液化水素タンク152の壁(wall)が物理的に常温に連結されているタンクネック(neck wall)、液化水素タンク152を支持する支持台(support)、液化水素タンク152に貯留されている極低温液体を排出するための排出管(pipe line)、及び液化水素タンク152に連結されて圧力又は温度を感知するセンサーのセンサー連結部が冷媒によって加熱又は冷却されるように連結されることが好ましい。
【0033】
船舶液化水素タンク用冷却及び加熱複合システムは、液化水素タンク152の燃料供給時に連結部分を一時的に加熱するために海水又は燃料電池の熱を気化熱として使用するか、或いは温度差により発生する表面の霜を減らすための除霜運転に用いられることができる。また、燃料電池154の設定温度を維持して冷媒の冷却効率が増加するようにするか、或いは高出力時に燃料電池154のスタック温度過上昇を低減することに用いられることができる。
【0034】
このシステムは、燃料電池と液化水素タンクが利点を同時に有することができる。一例として、図4に示すように、10℃の冷媒の流入時に、燃料電池の立場では冷却の効果を得る。液化水素タンクは、表面に活用すると、常温対比冷却効果を得ることができ、極低温液体排出管(pipe line)には相対的に加熱の効果を得ることができる。このとき、液化水素タンクパイプラインの冷気が冷媒に冷却効果を与えて間接的に燃料電池の冷却に役立てることができる。
【0035】
圧縮機160は、第1熱交換器120と第2熱交換器140で四方弁162によって連結されている。圧縮機160は、冷媒を圧縮して低温の冷媒を高温に上昇させて供給する。
【0036】
四方弁162は、第1熱交換器120、第2熱交換器140及び圧縮機160の間に連結され、冷媒の移動方向が選択可能である。四方弁162は、制御器170の加熱又は冷却制御に応じて冷媒の移動方向が変更できる。
【0037】
四方弁162は、4つの弁流路162-1、162-2、162-3、162-4を含んで構成されており、四方弁162は、ソレノイド装置164によって作動して弁流路162-1、162-2、162-3、162-4が開閉されるように構成されている。ソレノイド装置164は、四方弁162内でスライド移動して第2及び第3弁流路162-2、162-3が連通するか、或いは第3及び第4弁流路162-3、162-4が連通するようにする。ここで、四方弁162には、ソレノイド装置164を作動させるための補助電源が含まれることができる。
【0038】
これにより、制御器170は、四方弁162のソレノイド装置164を移動させて、圧縮機160によって圧縮された高温の冷媒が第1弁流路162-1から第4弁流路162-4を介して移動するようにするか、或いは第1弁流路162-1から第2弁流路162-2を介して移動するようにすることができる。
【0039】
制御器170は、前記圧縮機160と前記四方弁162の作動を制御して冷媒の移動方向を制御可能である。また、前記制御器170は、水熱源110、第1熱交換器120、第2熱交換器140及び熱交換対象ユニット150の作動を制御することができるように電気的に接続され、熱交換効率を高めることができる。
【0040】
本発明に係る制御器170は、船舶運航の全体作動を制御する制御装置によって制御できる。
【0041】
図3の(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る海水温度差を利用した加熱及び冷却過程を示す模式図である。
【0042】
図3の(a)及び図3(b)を図1及び図2と共に参照して、本発明の一実施形態に係る船舶液化水素タンク用冷却及び加熱複合システムにおける熱交換対象ユニットに対する加熱及び冷却過程を説明すると、熱交換対象機器の熱を活用することに加え、夏場には水温が大気より低く、冬場には水温が大気より高い特性を活用して海水を熱源として加熱又は冷却に活用する。
【0043】
図3の(a)に示すように、熱交換対象ユニット150を加熱するとき、例えば、制御器170は、第1熱交換器120で水熱源110の海水から熱を吸収し、より低い温度の海水を水熱源110に送り、膨張弁130において移動する冷媒に海水から吸収された熱を利用して、より高い温度の冷媒が圧縮機160へ移動するようにする。ここで、第1熱交換器120は、蒸発器として作動する。
【0044】
圧縮機160では、冷媒を圧縮して高温の冷媒を第2熱交換器140へ移動させる。ここで、圧縮機160に連結されている四方弁162では、ソレノイド装置164が四方弁162の内部でスライド移動可能であるが、冷媒が第1熱交換器120から第2弁流路162-2と第3弁流路162-3を介して圧縮機160に流入し、圧縮機160で圧縮された冷媒が、圧縮機160に連結されている四方弁162の第1弁流路162-1と第4弁流路162-4を介して第2熱交換器140へ移動する(図2のA方向)。
【0045】
第2熱交換器140では、熱を放出して空気の熱で熱交換対象ユニット150を加熱し、より低い温度の空気が回収される。ここで、冷媒は、温度が低くなって膨張弁130へ移動する。ここで、第2熱交換器140は、凝縮器として作動する。
【0046】
膨張弁130へ移動した冷媒は、温度がさらに低くなって再び第1熱交換器120へ移動する。
【0047】
これとは異なり、図3の(b)に示すように熱交換対象ユニット150を冷却するとき、図3の(a)に示すように、制御器170は、水熱源110から第1熱交換器120に吸収された海水より高い温度の海水が第1熱交換器120に移動するようにし、第1熱交換器120から熱を放出して水熱源110にさらに高温の海水が移動するようにし、圧縮機160から移動する冷媒が冷却されて温度が低くなった冷媒が膨張弁130へ移動するようにする。ここで、第1熱交換器120は、凝縮器として作動する。
【0048】
次いで、膨張弁130を通過して温度がさらに低くなった冷媒が第2熱交換器140へ移動する。熱交換対象ユニット150には比較的低い温度の空気が供給され、それより高い温度の空気を第2熱交換器140に伝達し、第2熱交換器140では熱を吸収して温度が高くなった冷媒が圧縮機160へ移動する。ここで、第2熱交換器140は、蒸発器として作動する。
【0049】
圧縮機160に連結されている四方弁162では、ソレノイド装置164が四方弁162の内部でスライド移動し、冷媒が第2熱交換器120から第4弁流路162-4と第3弁流路162-3を介して圧縮機160に流入し、圧縮機160で圧縮された冷媒が、圧縮機160と連結されている四方弁162の第1弁流路162-1と第2弁流路162-2を介して第1熱交換器120へ移動する(図2のB方向)。
【0050】
したがって、本発明に係る船舶液化水素タンク用冷却及び加熱複合システムは、海水を用いるので、環境にやさしく利用が可能であり、多量の熱源を容易に確保することができ、各ユニットの熱エネルギーを冷媒を介して活用することができるため、熱交換対象ユニットの冷却又は加熱に役立てることができ、複数の熱交換器によって海水と冷媒を用いて液化水素タンク及び燃料電池を効果的に冷却又は加熱することができる。
【0051】
本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更することなく他の具体的な形態で実施できることが理解できるであろう。したがって、以上で説明した実施形態は、多くの実施可能な例のうち、当業者の理解を助けるために最も好適な実施形態を選定して提示したものに過ぎず、本発明の技術的思想が必ずしも提示された実施形態のみによって限定又は制限されるものではなく、本発明の技術的思想から逸脱することなく様々な変化、付加及び変更が可能であるのはもとより、均等な他の実施形態が可能であることを明かしておく。
【符号の説明】
【0052】
110 水熱源
120 第1熱交換器
130 膨張弁
140 第2熱交換器
150 熱交換対象ユニット
152 液化水素タンク
154 燃料電池
160 圧縮機
162 四方弁
162-1 第1弁流路
162-2 第2弁流路
162-3 第3弁流路
162-4 第4弁流路
164 ソレノイド装置
170 制御器
図1
図2
図3
図4