(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161914
(43)【公開日】2024-11-20
(54)【発明の名称】試験測定装置及び接触チェック方法
(51)【国際特許分類】
G01R 31/28 20060101AFI20241113BHJP
G01R 31/319 20060101ALI20241113BHJP
【FI】
G01R31/28 K
G01R31/28 H
G01R31/319
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024075922
(22)【出願日】2024-05-08
(31)【優先権主張番号】63/464,816
(32)【優先日】2023-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/648,130
(32)【優先日】2024-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】505436014
【氏名又は名称】ケースレー・インスツルメンツ・エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Keithley Instruments,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(72)【発明者】
【氏名】マーティン・ジェイ・ライス
【テーマコード(参考)】
2G132
【Fターム(参考)】
2G132AF01
2G132AF02
2G132AF18
2G132AG09
2G132AL03
2G132AL11
(57)【要約】
【課題】接触チェックを正確に行う。
【解決手段】試験測定装置102には、試験測定装置中の電源Vsup、Vref等から電気的にアイソレーションされた第1接触チェック電流源CS1を有する第1接触チェック回路CC1がある。第1接触チェック電流源CS1は、フォースHiノードFHI及びセンスHiノードSHIと、被試験デバイスDUT-1の第1接触ノードCN1との間の第1電気接続経路ECP1中に存在する第1接触抵抗CR1に第1接触チェック電流ICC1を供給する。フォースHiノードHFI及びセンスHiノードSHI間に結合された第1電圧検出回路116は、第1接触チェック電流ICC1に応答して第1接触抵抗CR1で生じる第1接触チェック電圧VC1を検出するが、その電圧は、第1電気接続経路ECP1に接触不良の有無を示す。同様に第2接触チェック回路CC2は、第2電気接続経路ECP2の接触不良の検出に使用される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1接触チェック回路を具える試験測定装置であって、
上記第1接触チェック回路が、
上記試験測定装置中の1つ以上の電源からアイソレーションされ、上記試験測定装置の第1フォース・ノード及び第1センス・ノードの間に結合され、第1制御信号に応じて、上記第1フォース・ノード及び上記第1センス・ノード間の第1接触抵抗に第1接触チェック電流を供給するように構成された第1接触チェック電流源と、
上記第1フォース・ノード及び上記第1センス・ノードに結合され、上記第1接触チェック電流に応じて上記第1接触抵抗で生じる第1接触チェック電圧を検出するように構成される第1電圧検出回路と
を有し、
上記第1接触抵抗は、上記第1フォース・ノード及び上記第1センス・ノードの夫々と、被試験デバイス(DUT)の第1接触ノードとの間の第1電気接続経路中に存在し、上記第1接触チェック電圧は、上記第1電気的接続経路に接触不良が存在するか否かを示す値を有する試験測定装置。
【請求項2】
上記第1接触チェック電流源は、上記試験測定装置の1つ以上の電源から光学的にアイソレーションされた光学的アイソレーション電流源又は絶縁トランスから構成される請求項1の試験測定装置。
【請求項3】
上記第1電圧検出回路が、上記第1フォース・ノード及び上記第1センス・ノードに夫々結合された第1及び第2入力端子を有するとともに上記第1接触チェック電圧を出力端子に生成するように構成されたプログラマブル増幅器を有し、該プログラマブル増幅器の利得が、第2制御信号に応答して調整可能である請求項1の試験測定装置。
【請求項4】
第2接触チェック回路を更に具え、
該第2接触チェック回路が、
上記試験測定装置中の上記1つ以上の電源からアイソレーションされ、上記試験測定装置の第2フォース・ノード及び第2センス・ノードの間に結合され、上記第1制御信号に応じて、上記第2フォース・ノード及び上記第2センス・ノード間の第2接触抵抗に第2接触チェック電流を供給するように構成された第2接触チェック電流源と、
上記第2フォース・ノード及び上記第2センス・ノードに結合され、上記第2接触チェック電流に応じて上記第2接触抵抗で生じる第2接触チェック電圧を検出するように構成される第2電圧検出回路と
を有し、上記第2接触抵抗は、上記第2フォース・ノード及び上記第2センス・ノードの夫々と、上記DUTの第2接触ノードとの間の第2電気接続経路中に存在し、上記第2接触チェック電圧は、上記第2電気的接続経路に接触不良が存在するか否かを示す値を有する請求項1の試験測定装置。
【請求項5】
上記第1及び第2接触チェック回路に結合されたコントローラを更に具え、
該コントローラが、
上記第1及び第2接触チェック電流源に上記第1及び第2接触チェック電流を供給させるように上記第1制御信号を印加する処理と、
上記第1及び第2接触チェック電流と、上記第1及び第2接触チェック電圧に基づいて、上記第1及び第2接触抵抗の値を求める処理と、
上記第1及び第2接触抵抗の求めた値に基づいて、上記第1及び第2電気接続経路における障害を検出する処理と
を行うよう構成される請求項4の試験測定装置。
【請求項6】
試験測定装置の1つ以上の電源から電気的にアイソレーションされた第1ガルバニック・アイソレーション電流を、第1電気的接続経路を通して、試験測定装置の第1フォース・ノードから、被試験デバイス(DUT)の第1接触ノードを介して、試験測定装置の第1センス・ノードへと上記試験測定装置によって供給する処理と、
上記第1ガルバニック・アイソレーション電流に応答して上記第1フォース・ノード及び上記第1センス・ノード間に生じる第1接触チェック電圧を検出する処理と、
上記第1接触チェック電圧に基づいて上記第1電気接続経路における第1接触不良を検出する処理と
を具える接触チェック方法。
【請求項7】
上記第1接触不良を検出する処理が、
上記第1接触チェック電圧及び上記第1ガルバニック・アイソレーション電流に基づいて上記第1電気接続経路の第1接触抵抗を決定する処理と、
決定された上記第1接触抵抗を閾値と比較する処理と、
決定された上記第1接触抵抗が上記閾値を超えたときに、上記第1接触不良が存在すると判断する処理と
を更に有する請求項6の接触チェック方法。
【請求項8】
上記第1接触チェック電圧の最大値を制限する処理を更に具える請求項6の接触チェック方法。
【請求項9】
第2ガルバニック・アイソレーション電流を、第2電気的接続経路を通して、上記試験測定装置の第2フォース・ノードから、上記DUTの第2接触ノードを介して、上記試験測定装置の第2センス・ノードへと上記試験測定装置によって供給する処理と、
上記第2ガルバニック・アイソレーション電流に応答して上記第2フォース・ノード及び上記第2センス・ノード間に生じる第2接触チェック電圧を検出する処理と、
上記第2接触チェック電圧に基づいて上記第2電気接続経路における第2接触不良を検出する処理と
を更に具える請求項6の接触チェック方法。
【請求項10】
試験測定装置であって、
上記試験測定装置の第1フォース・ノード及び第1センス・ノードの間に結合され、上記試験測定装置中の1つ以上の電源からアイソレーションされた第1接触チェック電流源と、
上記第1フォース・ノード及び上記第1センス・ノード間の第1接触チェック電圧を検出するように構成される第1電圧検出回路と
を有する第1接触チェック回路と、
上記試験測定装置の第2フォース・ノード及び第2センス・ノードの間に結合され、上記試験測定装置中の上記1つ以上の電源からアイソレーションされた第2接触チェック電流源と、
上記第2フォース・ノード及び上記第2センス・ノード間の第2接触チェック電圧を検出するように構成される第2電圧検出回路と
を有する第2接触チェック回路と、
上記第1フォース・ノード及び被試験デバイスの第1接触ノードとの間の第1電気接続部及び上記第1センス・ノード及び上記第1接触ノードとの間の第2電気接続部とを有する第1電気接続経路と、
上記第2フォース・ノード及び上記被試験デバイスの第2接触ノードとの間の第1電気接続部及び上記第2センス・ノード及び上記第2接触ノードとの間の第2電気接続部とを有する第2電気接続経路と、
上記第1及び第2接触チェック回路に結合されたコントローラと
を具え、
該コントローラが、上記第1及び第2接触チェック電流源を制御して、上記第1及び第2接触チェック電流を上記第1及び第2電気接続経路に供給させる処理と、上記第1及び第2接触チェック電流と、上記第1及び第2電圧検出回路によって検出される第1及び第2接触チェック電圧とに基づいて、上記第1及び第2電気接続経路の第1及び第2接触抵抗を決定する処理と、決定された上記第1及び第2接触抵抗に基づいて上記第1及び第2電気接続経路における不良を検出する処理とを行うように構成される試験測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、試験測定装置に関し、より詳細には、試験測定装置と被試験デバイス(DUT)との間の電気的接続をチェックする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
被試験デバイス(DUT)が試験のために試験測定装置に電気的に接続されている場合は、常に、試験測定装置とDUT間の適切な電気的接続を検証する必要がある。DUTの試験では、試験測定装置をDUTに電気的に接続して電圧又は電流信号を供給し、供給された電圧又は電流信号に応答してDUTの両端間に生じた信号を測定又は検出する。試験測定装置とDUTとの間の適切な電気的接続を検証すること、本願では「接触チェック」又は「接触チェックの実行」と呼ぶ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5886530号明細書
【特許文献2】米国特許第5999002号明細書
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「ケースレーのソース・メジャー・ユニット」、テクトロニクス/ケースレー、[オンライン]、[2024年5月1日検索]、インターネット<https://www.tek.com/ja/products/keithley/source-measure-units>
【非特許文献2】「Source measure unit」の記事、Wikipedia(英語版)、[オンライン]、[2024年5月1日検索]、インターネット<https://en.wikipedia.org/wiki/Source_measure_unit>
【非特許文献3】「Galvanic isolation」の記事、Wikipedia(英語版)、[オンライン]、[2024年5月1日検索]、インターネット<https://en.wikipedia.org/wiki/Galvanic_isolation>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電気的接続が不適切な場合、試験測定装置による誤った測定につながるだけでなく、DUTの損傷につながる可能性もある。DUTの両端間に生じた信号のフィードバックは、供給する電圧又は電流信号を制御するために試験測定装置が利用するが、電気的接続が不適切な場合、不適切なフィードバックが生じ、その結果、試験測定装置がDUTを損傷する信号を供給することがあるので、DUTに損傷が発生する可能性がある。
【0006】
接触チェックを実行するためのいくつかの手法では、電気的接続を試験するための接触チェック信号を試験測定装置が供給するために、試験測定装置とDUTの間に電気的リターン・パスが設けられることがある。しかし、この電気的リターン・パスが存在するために、これら手法では、エラーが発生しやすくなり、接触チェックを行う際に、試験測定装置による誤った測定につながる可能性がある。更に、電気的接続が不適切な場合、DUTに損傷を与える大きさを持つ電圧又は電流を接触チェック信号として試験測定装置がDUTに供給する可能性がある。従って、試験測定装置とDUT間の接触チェックを実行するための改善された技術が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示技術の実施形態は、試験測定装置と被試験デバイス(DUT)との間の電気的接続の接触チェックを行う方法と、本開示のいくつかの実施形態に従って、これらの方法を実施するためのシステムに関する。いくつかの実施形態によれば、試験測定装置は、試験測定装置内の1つ以上の電源から電気的にアイソレーション(ガルバニック・アイソレーション)された第1接触チェック電流源を含む第1接触チェック回路を含む。この場合のガルバニック・アイソレーションとは、第1接触チェック電流源が、試験測定装置の1つ以上の電源から電気的にアイソレーション(分離)されており、そのため、第1接触チェック電流源によって生成された第1接触チェック電流が1つ以上の電源へと流れる電気的又は直接的な導通経路がないことを意味する。試験測定装置の1つ以上の電源から電気的にアイソレーションされた電流源としては、発光ダイオード(LED)と、フォト・ダイオードや太陽電池とを組み合わせた光結合ユニットを利用しても良い。ガルバニック・アイソレーションにより、DUTへの接続又は接触をチェックするために試験測定装置が供給する接触チェック電流についての意図しない潜在的な電流リターン・パスが排除される。これら意図しない電流リターン・パスは、DUTの接触チェックが不正確になったり、DUTに損傷を与えたりする可能性がある。
【0008】
第1接触チェック電流源は、試験測定装置の第1フォース・ノードと第1センス・ノードとの間に結合される。この試験測定装置は、いくつかの実施形態では、ソース・メジャー・ユニット(SMU)であっても良い。第1接触チェック電流源は、第1フォース・ノードと第1センス・ノードとの間の第1接触抵抗に第1接触チェック電流を供給する。このとき、この第1接触抵抗は、第1フォース・ノードとDUTの第1接触ノードとの間の第1電気接続部と、第1センス・ノードと第1接触ノードとの間の第2電気接続部を含む第1電気的接続経路内に存在するか又は第1電気的接続経路から生じる。第1電圧検出回路は、第1接触チェック電流に応答して、第1接触チェック電圧を第1接触抵抗の両端間で検出する。第1接触チェック電圧は、第1電気的接続経路に接触不良が存在するか否かを示す値を有する。
【0009】
いくつかの実施形態では、第1接触チェック回路は、第1フォース・ノード及び第1センス・ノード間に生じる可能性のある電圧を制限するために、第1フォース・ノード及び第1センス・ノードの間に結合された制限抵抗を含む。このようにして、制限抵抗も、DUTの第1接触ノードで発生する可能性のある最大電圧を制限し、第1接触ノードの過大な電圧から生じる可能性のある損傷からDUTを保護する。第1接触チェック回路は、第1接触抵抗の値が大きく変動しても良いアプリケーションでも使用できなければならず、これは、少なくとも部分的には、第1電気接続経路を形成する際に使用されるコンポーネントに依存している。その結果、検出される第1接触チェック電圧の値は、大きく変動する可能性があり、第1接触抵抗が非常に小さい値である場合には、非常に小さくなる可能性がある。従って、いくつかの実施形態では、第1電圧検出回路は、プログラム可能な利得を有する可変利得増幅器又は他の適切な回路であり、これは、第1電気的接続経路に障害(接触不良)が存在するか否かを判定するための後続の処理のために、検出された第1接触チェック電圧の値を増加させるように調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による試験測定装置とDUTとの間の電気的接続における障害を検出するための接触チェック回路を含む試験測定装置を含む試験測定システムを示す。
【
図2】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による、試験測定装置とDUTとの間の電気的接続中の接触不良を検出するための接触チェック回路を含むソース・メジャー・ユニット(SMU)を含む試験測定システムを示す。
【
図3】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による
図1の接触チェック回路のより詳細な概略図である。
【
図4】
図4は、試験測定装置とDUTの第1接触ノードとの間の第1電気的接続経路における接触不良を検出する処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本開示のいくつかの実施形態に従って、試験測定装置102と第1被試験デバイスDUT-1との間の第1及び第2電気接続経路ECP1、ECP2の接触チェックを行うための接触チェック回路104を有する試験測定装置102を含む試験測定システム100を示す。電流源CS1及びCS2は、後述のように、発光ダイオード(LED)と、フォト・ダイオード又は太陽電池とを組み合わせたユニットであっても良く、試験測定装置の1つ以上の電源からガルバニック・アイソレーション(電気的にアイソレーション)された電流を供給する。動作中、接触チェック回路104のコントローラ106は、第1及び第2接触チェック回路CC1、CC2を制御して、第1及び第2電気接続経路ECP1、ECP2にガルバニック・アイソレーションされた接触チェック電流ICC1、ICC2を供給させ、次いで、ガルバニック・アイソレーションされた接触チェック電流ICC1、ICC2に応答して第1及び第2電気経路ECP1及びECP2の夫々を横断して発生する第1及び第2接触チェック電圧VC1、VC2を測定する。次に、コントローラ106は、以下でより詳細に説明するように、測定された第1及び第2接触チェック電圧VC1、VC2に基づいて、試験測定装置102とDUT-1との間の第1及び第2電気接続経路ECP1、ECP2のいずれかに接触不良(障害)又は不適切な接続があるか否かを判定する。接触チェック回路104は、試験測定装置102がDUT-1の接触チェックを行うことを可能にし、試験測定装置が試験のためにDUT-1に実際の試験信号を印加する前に、DUT-1が試験測定装置102に正しく接続されていることを確認する。上述したように、第1及び第2電気接続経路ECP1、ECP2のいずれかにおける接触不良は、試験測定装置102が受ける試験結果に誤りをもたらすだけでなく、実際の試験信号がDUT-1に印加されるときに、DUT-1に損傷を与える可能性がある。
【0012】
試験測定装置102には、更に、1つ以上のメインプロセッサ108があり、これは、メイン・メモリ110からの命令を実行するように構成されても良く、そのような命令によって示される任意の方法や関連するステップを実行しても良い。ユーザ・インタフェース112は、1つ以上のプロセッサ108に結合され、ユーザが試験測定装置102をインタラクティブに操作するために利用可能な、例えば、キーボード、マウス、タッチスクリーン、出力ディスプレイ、ファイル・ストレージや他の任意の操作装置を有していても良い。いくつかの実施形態では、ユーザ・インタフェース112は、リモート・インタフェース(図示せず)に接続されるか又はリモート・インタフェースによって制御されても良く、ユーザは、試験測定装置から物理的に離れた遠隔地で試験測定装置102の動作を制御しても良い。ユーザ・インタフェース112の表示部分は、波形、測定値及び他のデータをユーザに表示するための、液晶ディスプレイ(LCD)などのデジタル・スクリーン又は他の任意のモニタであっても良い。いくつかの実施形態では、ユーザ・インタフェース112のメイン出力ディスプレイは、試験測定装置102から離れた場所に配置されても良い。
【0013】
1つ以上の測定ユニット114は、試験測定装置102によって測定され、試験されるDUTからの信号のパラメータ及び他の品質を測定する機能を実行する。一般的な測定には、時間領域での入力信号の電圧、電流、電力の測定及び周波数領域での信号の特徴の測定が含まれる。測定ユニット114は、試験測定装置上で典型的に行われる任意の測定を表し、接触チェック回路104又はコントローラ106のようなその任意の構成要素は、そのような測定ユニット114内に統合又は結合されても良い。
【0014】
図1の接触チェック回路104において、第1接触チェック回路CC1は、試験測定装置102内の1つ以上の電源Vsup、Vrefからガルバニック・アイソレーションされた第1接触チェック電流源CS1を含む。試験測定装置102の第1接触チェック電流源CS1と電源Vsup、Vrefとの間のガルバニック・アイソレーションについては、
図3を参照して以下でより詳細に説明される。1つ以上の電源Vsup、Vrefは、試験測定装置102内の全ての構成要素に対する電源を表すが、
図1を単純化するためにコントローラ106にのみ結合されたものとして示されている。
【0015】
第1接触チェック電流源CS1は、試験測定装置102のフォースHi(Force High)ノードFHIとセンスHi(Sense High)ノードSHIとの間に結合される。第1接触チェック電流源CS1は、コントローラ106から第1接触チェック回路CC1に印加される第1制御信号C1に応答して、フォースHiノードFHIとセンスHiノードSHIとの間に結合された第1接触抵抗CR1に第1接触チェック電流ICC1を供給する。第1接触チェック回路CC1は、第1接触チェック電流ICC1に応答して第1接触抵抗CR1の両端間に発生する第1接触チェック電圧VC1を検出するために、フォースHiノードFHIとセンスHiノードSHIの両端間に結合された第1電圧検出回路116を更に有する。
【0016】
第1接触抵抗CR1は、以下でより詳細に説明するように、フォースHiノードFHIとセンスHiノードSHIとの間に存在する第1電気接続経路ECP1の総抵抗に対応する。第1接触チェック電圧VC1は、第1電気接続経路ECP1の接触電位を示す値であって、これは、第1接触抵抗CR1の両端間の電位に相当する。いくつかの実施形態では、第1電圧検出回路116によって測定又は検出された第1接触チェック電圧VC1は、コントローラ106に供給される。コントローラ106は、第1接触チェック電圧VC1から、第1接触抵抗CR1を求めるが、これは、第1接触チェック電圧VC1を第1接触チェック電流源CS1から供給される第1接触チェック電流ICC1で割った値で与えられる。次に、求めた第1接触抵抗CR1から、ユーザは、接触不良が第1電気的接続経路ECP1に存在するか否かを判定しても良い。
【0017】
第2接触チェック回路CC2は、試験測定装置102内の1つ以上の電源Vsup、Vrefからガルバニック・アイソレーションされた第2接触チェック電流源CS2を含む。試験測定装置102の第1接触チェック電流源CS2と電源Vsup、Vrefとの間のガルバニック・アイソレーションについては、
図3を参照して以下でより詳細に説明する。第2接触チェック電流源CS2は、試験測定装置102のフォースLo(Force Low)ノードFLOとセンスLo(Sense Low)ノードSLOとの間に結合される。第2接触チェック電流源CS2は、コントローラ106から第2接触チェック回路CC2に供給される第1制御信号C1に応答して、フォースLoノードFLOとセンスLoノードSLOとの間に結合された第2接触抵抗CR2に、第2接触チェック電流ICC2を供給する。
【0018】
第2接触チェック回路CC2は、第2接触チェック電流ICC2に応答して第2接触抵抗CR2の両端間に発生する第2接触チェック電圧VC2を検出するために、フォースLoノードFLOとセンスLoノードSLOとの間に結合された第2電圧検出回路118を更に含む。第2接触チェック電圧VC2は、第2電気接続経路ECP2に接触不要が存在するか否かを示す。第2接触抵抗CR2の値についても、第1接触抵抗CR1に関して上述したことと同じことが言える。いくつかの実施形態では、第2接触チェック電圧VC2がコントローラ106に供給され、第2接触チェック電圧から、コントローラ106は第2接触抵抗CR2を求める。第1接触抵抗CR1について上述したように、第2接触抵抗CR2は、第2接触チェック電圧VC2を第2接触チェック電流源CS2から供給される第2接触チェック電流ICC2で割った値で与えられる。次いで、ユーザは、求めた第2接触抵抗CR2から、接触不良が第2電気接続経路ECP2に存在するか否かを判定しても良い。
【0019】
試験測定システム100において、第1電気的接続経路ECP1には、フォースHiノードFHIとDUT-1の第1接触ノードCN1との間の第1電気的接続と、センスHiノードSHIとDUT-1の第1接触ノードCN1との間の第2電気的接続とがある。第1電気的接続は、試験測定装置102のフォースHiノードFHIと試験されるDUT-1の第1接触ノードCN1とを相互接続する、適当なケーブル、プローブ及び他の構成要素などの全ての構成要素の抵抗に対応する接触抵抗RC1として表される。同様に、第1電気接続経路ECP1の第2電気的接続は、試験測定装置102のセンスHiノードSHIとDUT-1の第1接触ノードCN1とを相互接続する全ての構成要素の抵抗に対応する接触抵抗RC2として表される。第1接触抵抗CR1は、(RC1+RC2)と等しくなる。
【0020】
第2電気的接続経路ECP2には、同様に、センスLoノードSLOとDUT-1の第2接触ノードCN2との間の第1電気的接続があり、また、フォースLoノードFLOとDUT-1の第2接触ノードCN2との間の第2電気的接続がある。第2電気接続経路ECP2の第1電気的接続は、試験測定装置102のセンスLoノードSLOと試験されるDUT-1の第2接触ノードCN2とを相互接続する全ての構成要素の抵抗に対応する接触抵抗RC3として表される。同様に、第2電気接続経路ECP2の第2電気的接続は、試験測定装置102のフォースLoノードFLOとDUT-1の第2接触ノードCN2とを相互接続する全ての構成要素の抵抗に対応する接触抵抗RC4として表される。第2接触抵抗CR2は、(RC3+RC4)に等しい。
【0021】
なお、接触チェック回路CC1及び第1電気的接続経路ECP1に関連づけられたフォースHiノードFHI及びセンスHiノードSHIを、本説明では第1ペアのチェック・ノード<FHI、SHI>と呼ぶことがある。同様に、接触チェック回路CC2及び第2電気的接続経路ECP2に関連付けられたフォースLoノードFLO及びセンスLoノードSLOは、チェック・ノード<FLO、SLO>の第2ペアとして言及することがある。フォースHiノードFHI及びフォースLoノードFLOは、それぞれ第1及び第2フォース・ノードと呼ぶことがあり、センスHiノードSHI及びセンスLoノードSLOは、第1及び第2センス・ノードと呼ぶことがある。
【0022】
図1に見られるように、チェック・ノード<FHI、SHI>及び<FLO、SLO>の各ペアも、1つ以上の測定ユニット114に直接結合される。一旦、接触チェック回路104が試験測定装置102に結合されたDUT-1の接触チェックの実行を完了すると、接触チェック回路104は、チェック・ノード<FHI、SHI>及び<FLO、SLO>のペアから接触チェック回路104をアイソレーション(分離)するために、オフ又は非アクティブ化される。この機能は、
図1では明示的に図示されていないが、
図3を参照して以下でより詳細に説明される。試験測定装置102の通常動作の間、接触チェック回路104は、チェック・ノード<FHI、SHI>及び<FLO、SLO>のペアから分離(アイソレーション)され、1つ以上の測定ユニット114は、チェック・ノード<FHI、SHI>及び<FLO、SLO>に信号を印加し、検出して、これらのノードに結合されたDUTを試験する。
【0023】
本開示のいくつかの実施形態では、試験測定装置102は、SMU又は電源装置である。また、試験測定装置102は、他のタイプの装置でも同様によい。試験測定装置がSMUである試験測定システムの実施形態については、
図2を参照して、以下でより詳細に説明する。
【0024】
図1の実施形態では、電圧検出回路116、118の各々は、それぞれ対応する一対のチェック・ノード<FHI、SHI>及び<FLO、SLO>の間に結合された2つの入力端子を有する差動増幅器A1、A2である。差動増幅器A1及びA2の夫々は、接触チェック電圧VC1,VC2を増幅して対応する接触抵抗電圧VCR1及びVCR2を生成し、これをコントローラ106に供給する。各接触抵抗電圧VCR1、VCR2は、関連する一対のチェック・ノード<FHI、SHI>、<FLO、SLO>間の接触抵抗CR1、CR2に依存するか又はその関数である。
【0025】
各プログラマブル差動増幅器A1及びA2の利得は、プログラム可能であって、利得の値は、コントローラ106によって提供される第2制御信号C2に応答して調整可能である。いくつかの実施形態では、各増幅器A1、A2のプログラム可能な利得は、第2制御信号C2によって、1倍、10倍、100倍及び1000倍のうちの1つに設定される。このようにして、コントローラ106は、増幅される接触チェック電圧VC1、VC2に対して広いダイナミック・レンジを提供するために、各増幅器A1、A2のプログラマブルな利得の値を制御する第2制御信号C2を生成しても良い。接触チェック回路104のいくつかの用途では、接触抵抗CR1、CR2の測定値は、1オーム以下と低いことが望ましい。このため、各増幅器A1及びA2について、1000倍という高い利得により、増幅器は、対応する接触抵抗CR1及びCR2の両端間に発生する非常に小さな電圧の接触チェック電圧VC1及びVC2を、生成される接触抵抗電圧VCR1及びVCR2に関して、測定可能なレベルまで増幅することができる。いくつかの実施形態では、第2制御信号C2は、2つの独立した利得信号を含み、2つの内の1つの利得信号が、プログラム可能な増幅器A1、A2の夫々に印加される。このようにして、コントローラ106は、プログラマブル増幅器A1及びA2の利得を異なる値にプログラムするために、これら2つの利得信号の値を独立して調整しても良い。
【0026】
接触チェック回路CC1、CC2の一実施形態では、接触チェック電流源CS1、CS2の各々は、30マイクロ・アンペア(μA)の接触チェック電流ICC1、ICC2を供給し、その結果、接触抵抗CR1、CR2の1オームの変動に対して、わずか30マイクロ・ボルト(μV)しか変化しない接触チェック電圧VC1、VC2が生じる。この状況において、コントローラ106は、第2制御信号C2を供給して、増幅器A1、A2の利得を1000倍に設定し、その結果、増幅器は、接触抵抗CR1、CR2の1オームの変動に対して30mVの割合で変化する接触抵抗電圧VCR1、VCR2を生成する。ケーブル接続やプローブ接点の形態におけるリード線抵抗が大きいなど、接触抵抗CR1、CR2が大きい場合、結果として生じる接触チェック電圧VC1、VC2は大きくなる。この状況において、コントローラ106は、増幅器A1、A2の利得を減少させる第2制御信号C2を生成する。増幅器A1、A2の利得におけるこの変動により、本開示のいくつかの実施形態において、接触チェック回路104は、0.1オームの分解能で、およそ0オームから37キロ・オームまで、接触抵抗CR1、CR2を検出するのに利用可能なレンジが得られる。
【0027】
接触チェック回路CC1、CC2の実施形態において、説明している30μAという小さな値を有する接触チェック電流ICC1、ICC2を利用すると、試験中の損傷からDUT-1を保護するという利点がある。接触チェック電流ICC1、ICC2に関するこの低レベルの30μAの電流は、試験測定装置102とDUT-1との間に、誤配線又は不適切な接続がある場合にも、DUT-1に供給できる電流を制限する。例えば、試験測定装置102のフォースHiノードFHIとフォースLoノードFLOの接続が逆になり、DUT-1が接触チェック電流源CS1、CS2の1つと直列に配置されても、接触チェック電流ICC1、ICC2についての低レベルの30μAの電流がDUT-1を流れるだけである。
【0028】
一実施形態では、コントローラ106は、更に校正プロセスを実行して、特定のDUT-1の試験中に利用されるべき所望の利得を設定する。校正プロセスは、試験測定装置102のチェック・ノード<FHI、SHI>、<FLO、SLO>のペアの各々の間に、1つ以上の既知の負荷抵抗を結合することを含む。既知の負荷抵抗のそれぞれについて、コントローラ106は、電流源CS1、CS2を作動させるために第1制御信号C1を印加し、次いで、増幅器A1、A2の様々な利得値について増幅器A1、A2によって生成された対応する接触抵抗電圧VCR1、VCR2を測定するが、このとき、コントローラ106は、第2制御信号C2によって利得を制御する。次に、コントローラ106は、コントローラ106が第1及び第2電気的接続経路ECP1、ECP2の接触チェックを行う際の後続の処理に適切なレベルを有する接触抵抗電圧VCR1、VCR2を提供する利得値を選択する。次に、各増幅器A1、A2に所望の利得を与える第2制御信号C2の値は、コントローラ106によって、コントローラ106内の不揮発性メモリ又は試験測定装置102のメイン・メモリ110に格納されても良い。
【0029】
利得に加えて、校正プロセスは、接触チェック回路CC1、CC2に存在する可能性のある任意のオフセットを補償するための校正処理も有していても良い。例えば、ゼロ電圧がチェック・ノード<FHI、SHI>、<FLO、SLO>のペアの間に存在する場合、増幅器A1、A2の各々は、理想的には、接触抵抗電圧VCR1、VCR2に関してゼロ・レベルを出力するが、その代わりに、増幅器のオフセットのために、ゼロでないレベルを出力することがある。いくつかの実施形態では、コントローラ106は、また、校正プロセス中にそのようなオフセットを補償し、また、コントローラ106又は試験測定装置102のメイン・メモリ110内の不揮発性メモリに所望の利得とともに、各増幅器A1、A2のオフセット値を格納する。コントローラ106は、試験測定装置102の適切な校正を維持するために、校正プロセスを定期的に実行するように動作しても良い。
【0030】
接触チェック回路104は、
図1の実施形態では2つの接触チェック回路CC1、CC2があるが、いくつかの実施形態では、接触チェック回路104が、DUTの単一の接触ノードへの接続を試験するために、単一の接触チェック回路のみがあってもよい。接触チェック回路104のこのシングル・エンド構成は、DUT-1の一方の接触ノードが試験測定装置102の基準電圧(例えば、グランド)に接続され、他方の接触ノードが電気的接続経路を介して、単一の接触チェック回路の対応するチェック・ノードに接続されるDUT-1のシングル・エンド試験構成に有用なことがある。
図1の接触チェック回路104は、このようなシングル・エンド試験構成においても利用されて良く、2つの接触チェック回路CC1、CC2のうちの1つだけを、DUT-1の接触ノードのうちの1つへの電気的接続経路を試験するために利用するとしても良い。
【0031】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による、SMU202と第2被試験デバイスDUT-2との間の第1及び第2電気接続経路ECP1、ECP2の接触チェックを実行するための接触チェック回路204を有するソース・メジャー・ユニット(SMU)202を含む試験測定システム200を示す。試験測定システム200では、接触チェック回路204は、
図1の接触チェック回路104に対応しており、従って、接触チェック回路104の上記の開示は、接触チェック回路204に適用される。SMU202は、接触チェック回路204を介してSMUのチェック・ノード<FHI、SHI>、<FLO、SLO>のペアに結合されるSMU回路206を含む。SMU202は、
図1の対応するコンポーネント108から114と同じ方法又は類似の方法で動作する1つ以上のメイン・プロセッサ208、メイン・メモリ210、ユーザ・インタフェース212及び1つ以上の測定ユニット214を含み、よって、コンポーネント108から114の上記の開示は、
図2のコンポーネント208から214に適用される。
【0032】
SMU回路206は、フォース・ノードFHI及びFLOに流れる電流又はフォース・ノードFHI及びFLO間の電圧を供給するとともに、接触チェック回路204が接触チェックを実行した後のSMU202の通常動作中にDUT-2の接触ノードCN1及びCN2の間の電圧を検知又は測定する回路を含む。動作中、SMU回路206は、ローカル・センス・モード又はリモート・センス・モードのいずれかで動作する。ローカル・センス・モードで動作する場合、SMU回路206内の2つのスイッチ216A、216Bは、
図2に示す位置に設定され、フォース・ノードFHI及びFLOをフィードバック増幅器218A及び218Bの入力に結合する。2つのソース・ノード、つまり、フォース・ノードFHI及びFLOのみを使用して、フォース・ノードFHI及びFLOにおいてSMU回路206からの信号を駆動し、フォース・ノードFHI及びFLOにおいて、この信号を検知する。従って、ローカル・センス・モードでは、フォース・ノードFHI及びFLOの間で、SMU回路206によって駆動又は供給されている信号の検知も、SMU202のフォース・ノードFHI及びFLOにおいて直接検知される。
【0033】
ローカル・センス・モードでは、フィードバック増幅器218A及び218Bは、フォース・ノードFHI及びFLO間の電圧を示す出力を電圧検出回路220に提供し、電圧検出回路220は、この電圧を示すフィードバック電圧信号VFを生成する。フィードバック電圧信号VFは、加算回路224の第1入力に供給され、加算回路224は、フィードバック電圧信号VFの所望の値又はレベルを示すプログラマブル・レベル信号PLを受信する。加算回路224は、VF信号とPL信号との差を示すエラー信号Eを生成し、このエラー信号Eは、フォース・ノードFHI、FLOの間に結合されたプログラマブル電圧源228に供給されて、その供給する電圧を調整又は制御する。このようにして、SMU回路206は、プログラマブル・レベル信号PLによって示されるように、フォース・ノードFHI及びFLO間の所望の電圧を、試験されるDUT-2に供給する。先の動作は、SMU回路206の第1電圧動作モードを説明しており、SMU回路206は、スイッチ222の位置が
図2に示すようなとき、この第1モードで動作する。
【0034】
SMU回路206は、試験対象のDUT-2に所望の電流を供給するために、プログラマブル電圧源228とフォースHiノードFHIとの間に結合された電流センサ230を更に含む。電流センサ230は、プログラマブル電圧源228によって供給されている電流を検知し、スイッチ222を通して供給されている電流を示すフィードバック電流信号CFを加算回路224の第1入力に供給する。スイッチ222は、この第2動作モードにおいて
図2に示されているものとは反対の位置にあり、電流センサ230の出力を加算回路224の第1入力に結合する。この第2動作モードでは、プログラマブル・レベル信号PLは、フィードバック電流信号CFの所望のレベルを示し、加算回路224がエラー信号Eを生成して、プログラマブル電圧源228の値を調整するので、電流センサ230によって検知されることで、所望の電流が、SMU回路206によって試験対象のDUT-2に供給される。
【0035】
リモート・センス・モードで動作する場合、SMU回路206中の2つのスイッチ216A及び216Bは、
図2に示される位置の反対、即ち、フィードバック増幅器218A及び218Bの入力にセンス・ノードSHI、SLOを結合する。このようにして、DUT-2の接触ノードCN1及びCN2間の電圧は、フィードバック増幅器218A及び218Bによって電圧検出回路220に供給され、この電圧検出回路220は、このリモートで検知(センス)された接触ノードCN1及びCN2間の電圧を示すフィードバック電圧信号VFを生成する。リモート・センス・モードでは、フィードバック電圧信号VFが、SMU202のフォース・ノードFHI及びFLOで検知される代わりに、DUT-2の接触ノードCN1及びCN2において直接検知される点を除いて、SMU回路206は、ローカル・センス・モードについて説明したのと同じ方法で動作する。リモート・センス・モードの間、SMU回路206は、SMU回路206がチェック・ノード<FHI、SHI>、<FLO、SLO>のペアから効果的にアイソレーションされる状態にSMU回路206を設定し、接触チェック回路204がDUT-2の接触チェックを行うときに、SMU回路206がチェック・ノード<FHI、SHI>、<FLO、SLO>で発生する電圧に影響を与えないようにする。
【0036】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による接触チェック回路300のより詳細な概略図である。接触チェック回路300は、
図1の接触チェック回路CC1の一実施形態に相当する。接触チェック回路CC2は、
図1の接触チェック回路104のいくつかの実施形態において、接触チェック回路300と同じ構造を有することができる。接触チェック回路300は、コントローラ106(
図1)から第1制御信号C1を受信し、第1制御信号C1に応答して第1ガルバニック・アイソレーション接触チェック電流ICC1を生成する光起電性デバイス302(
図1の接触チェック電流源CS1に相当)を備えている。光起電性デバイス302は、光学的なアイソレーションによって、接触チェック電流ICC1にガルバニック・アイソレーションを提供する。
【0037】
発光ダイオード(LED)304は、第1制御信号C1を受信し、第1制御信号に応答して発光する。光起電性デバイス302に直列に接続されたフォト・ダイオード306A、306Bは、LED304からの光に応答して接触チェック電流ICC1を生成する。このようにして、LED304とフォト・ダイオード306A、306Bとの間の光結合は、接触チェック回路300を含む試験測定装置(例えば、
図1の試験測定装置102)内の電源(例えば、
図1のVsup、Vref)と、光起電性デバイス302によって生成される接触チェック電流ICC1との間にガルバニック・アイソレーションを提供する。上述したように、このガルバニック・アイソレーションは、接触チェック回路300が結合されるフォースHiノードFHI及びセンスHiノードSHIに結合されたDUT(
図3に示されていない)の接触ノードに関する誤った接触チェックをもたらす可能性のある接触チェック電流ICC1の起こりえるリターン・パスを排除する。
【0038】
制限抵抗RLは、直列に接続されたフォト・ダイオード306A、306Bの両端間に結合されて、フォト・ダイオードの両端間に発生する可能性のある最大電圧を制限するもので、このようにして、チェック・ノード<FHI、SHI>間の最大電圧を制限する。フォト・ダイオード306Aのアノードは、第1アイソレーション・スイッチ307Aを介してフォースHiノードFHIに結合され、フォト・ダイオード306Bのカソードは、第2アイソレーション・スイッチ307Bを介してセンスHiノードSHIに結合される。アイソレーション・スイッチ307A、307Bの各々は、
図1のコントローラ106が提供する第3制御信号C3を受信して、一対のチェック・ノード<FHI、SHI>について、接触チェック回路300を選択的に結合又は分離する。接触チェック回路300を含む試験測定装置に結合されたDUTに対して接触チェックが行われているとき、第3制御信号C3が印加されて、スイッチ307A、307Bを
図3に示す位置に配置し、接触チェック回路300をチェック・ノード<FHI、SHI>に結合する。接触チェックが完了して、接触チェック回路300を含む試験測定装置の通常動作中に、第3制御信号C3が印加されると、スイッチ307A、307Bは、
図3に示すように位置の反対に配置され、接触チェック回路300は、チェック・ノード<FHI、SHI>から分離(アイソレーション)される。接触チェック回路300の一例では、制限抵抗RLが50kΩの値を有し、接触チェック電流ICC1は30μAであって、その結果、一対のチェック・ノード<FHI、SHI>間の最大電圧は1.5ボルトとなる。
【0039】
接触チェック回路300は、フォト・ダイオード306A及び306Bの両端間に結合された2つの入力を有する増幅器308を更に有し、これは、一対のチェック・ノード<FHI、SHI>の間に結合された接触抵抗の両端間の電圧を示す接触抵抗電圧VCRを生成する。接触抵抗電圧VCRは、チェック・ノード<FHI、SHI>間の電圧に対応している。アナログ・デジタル・コンバータ(ADC)310は、増幅器308から接触抵抗電圧VCRを受信し、対応するデジタル接触抵抗電圧DVCRを生成し、これはコントローラ106(
図1)に供給されて、一対のチェック・ノード<FHI、SHI>間に結合された接触抵抗CR1(
図3には示されていない)の値を求めることができる。この求めた値に基づいて、一対のチェック・ノード<FHI、SHI>間に結合された電気的接続経路(図示せず)に接触故障が存在するか否かを判定する。ADC310は、
図3の実施形態では接触チェック回路300の一部として示されているが、ADC310は、本開示のいくつかの実施形態では、コントローラ106の一部であっても良い。
【0040】
接触チェック電流ICC1の所望のガルバニック・アイソレーションを提供するための接触チェック回路300の具体的な構造は、本開示の異なる実施形態において、変形させても良い。例えば、光起電性デバイス302の構造は、変更しても良く、LED304が複数個あっても良いし、また、フォト・ダイオード306A及び306Bがもっと多くてももっと少なくても良い。いくつかの実施形態では、所望のガルバニック・アイソレーションを提供するために、光起電性デバイス302の代わりに異なるタイプのデバイスを利用しても良い。例えば、接触チェック回路300のいくつかの実施形態において、光起電性デバイス302の代わりに、適当な変圧器が利用されても良い。
【0041】
図4は、DUTの第1試験測定装置と第1接触ノードとの間の第1電気的接続経路における接触不良を検出するプロセス400のフローチャートである。プロセス400には、試験測定装置が、第1ガルバニック・アイソレーション電流を、第1電気接続経路を通して、試験測定装置の第1フォース・ノードから、DUTの第1接触ノードを介して、試験測定装置の第1センス・ノードへ供給する処理を有する工程402がある。第1ガルバニック・アイソレーション電流は、試験測定装置の1つ以上の電源からガルバニック・アイソレーション(電気的にアイソレーション)されている。プロセス400は、工程402から工程404へ進み、工程404は、第1ガルバニック・アイソレーション電流に応答して、第1フォース・ノード及び第1センス・ノード間に生じる第1接触チェック電圧を検出する処理を含む。プロセス400は、工程404から工程406へ進み、工程406は、第1接触チェック電圧に基づいて、第1電気接続経路における第1接触不良を検出する処理を含む。
【0042】
プロセス400の実施形態では、第1接触不良を検出する工程406は、第1接触チェック電圧及び第1ガルバニック・アイソレーション電流に基づいて第1電気接続経路の第1接触抵抗を決定し、決定された第1接触抵抗を閾値と比較し、決定された第1接触抵抗が閾値を超えたときに第1接触不良が存在すると判定する処理を含む。いくつかの実施形態では、工程404は、第1接触チェック電圧の最大値を制限することを更に含む。第1接触チェック電圧の最大値を制限することは、いくつかの実施形態では、第1フォース・ノードと第1センス・ノードとの間に抵抗を結合することを含む。いくつかの実施形態では、工程404は、プログラム可能な利得によって第1接触チェック電圧を増幅することを含み、ここで、プログラム可能な利得は、いくつかの実施形態では1倍、10倍、100倍及び1000倍からなるグループの中から選択された値を有する。
【0043】
いくつかの実施形態では、プロセス400は、試験測定装置と、DUTの第2接触ノードとの間の第2電気的接続経路における接触不良の検出を含む。この実施形態では、工程402が、試験測定装置によって第2ガルバニック・アイソレーション電流を、第2電気接続経路を通して、試験測定装置の第2フォース・ノードから、DUTの第2接触ノードを介して、試験測定装置の第2センス・ノードに供給する処理を更に含む。この実施形態では、工程404は、第2ガルバニック・アイソレーション電流に応答して、第2フォース・ノード及び第2センス・ノード間に生じる第2接触チェック電圧を検出することを含み、工程406は、第2接触チェック電圧に基づいて、第2電気的接続経路における第2接触不良を検出することを含む。
【0044】
試験測定装置とDUTの間の適切な接続を検証する必要性は、DUTが試験のために試験測定装置に電気的に接続されているときには常に生じる。例えば、半導体製造中のウェハ試験などのアプリケーションでは、ウェハ・プローブは、非常に多数のプローブ・コンタクトを含むことがあり、これらプローブ・コンタクト間のピッチは非常に小さい。プローブ・コンタクトには、チップがあり、これらチップは、試験対象のDUTを含むウェハの平面上の対応するコンタクト・パッドの夫々と接触するために、理想的には、平面内で位置合わせされている。プローブ・コンタクトのいずれかのチップの平面上のミスアライメントは、プローブ・コンタクトがウェハ上の対応するコンタクト・パッドと適切な物理的及び電気的接触を行わない結果となる可能性がある。こうした場合の接触/接続の確認にも、本願のシステムは応用できよう。
【0045】
本開示技術の態様は、特別に作成されたハードウェア、ファームウェア、デジタル・シグナル・プロセッサ又はプログラムされた命令に従って動作するプロセッサを含む特別にプログラムされた汎用コンピュータ上で動作できる。本願における「コントローラ」又は「プロセッサ」という用語は、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、ASIC及び専用ハードウェア・コントローラ等を意図する。本開示技術の態様は、1つ又は複数のコンピュータ(モニタリング・モジュールを含む)その他のデバイスによって実行される、1つ又は複数のプログラム・モジュールなどのコンピュータ利用可能なデータ及びコンピュータ実行可能な命令で実現できる。概して、プログラム・モジュールとしては、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含み、これらは、コンピュータその他のデバイス内のプロセッサによって実行されると、特定のタスクを実行するか、又は、特定の抽象データ形式を実現する。コンピュータ実行可能命令は、ハードディスク、光ディスク、リムーバブル記憶媒体、ソリッド・ステート・メモリ、RAMなどのコンピュータ可読記憶媒体に記憶しても良い。当業者には理解されるように、プログラム・モジュールの機能は、様々な実施例において必要に応じて組み合わせられるか又は分散されても良い。更に、こうした機能は、集積回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などのようなファームウェア又はハードウェア同等物において全体又は一部を具体化できる。特定のデータ構造を使用して、本開示技術の1つ以上の態様をより効果的に実施することができ、そのようなデータ構造は、本願に記載されたコンピュータ実行可能命令及びコンピュータ使用可能データの範囲内と考えられる。
【0046】
開示された態様は、場合によっては、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はこれらの任意の組み合わせで実現されても良い。開示された態様は、1つ以上のプロセッサによって読み取られ、実行され得る1つ又は複数のコンピュータ可読媒体によって運搬されるか又は記憶される命令として実現されても良い。そのような命令は、コンピュータ・プログラム・プロダクトと呼ぶことができる。本願で説明するコンピュータ可読媒体は、コンピューティング装置によってアクセス可能な任意の媒体を意味する。限定するものではないが、一例としては、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体及び通信媒体を含んでいても良い。
【0047】
コンピュータ記憶媒体とは、コンピュータ読み取り可能な情報を記憶するために使用することができる任意の媒体を意味する。限定するものではないが、例としては、コンピュータ記憶媒体としては、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電気消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリやその他のメモリ技術、コンパクト・ディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、DVD(Digital Video Disc)やその他の光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置やその他の磁気記憶装置、及び任意の技術で実装された任意の他の揮発性又は不揮発性の取り外し可能又は取り外し不能の媒体を含んでいても良い。コンピュータ記憶媒体としては、信号そのもの及び信号伝送の一時的な形態は除外される。
【0048】
通信媒体とは、コンピュータ可読情報の通信に利用できる任意の媒体を意味する。限定するものではないが、例としては、通信媒体には、電気、光、無線周波数(RF)、赤外線、音又はその他の形式の信号の通信に適した同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル、空気又は任意の他の媒体を含んでも良い。
【0049】
加えて、本願の説明は、特定の特徴に言及している。本明細書における開示には、これらの特定の特徴の全ての可能な組み合わせが含まれると理解すべきである。ある特定の特徴が特定の態様又は実施例に関連して開示される場合、その特徴は、可能である限り、他の態様及び実施例との関連においても利用できる。
【0050】
また、本願において、2つ以上の定義されたステップ又は工程を有する方法に言及する場合、これら定義されたステップ又は工程は、状況的にそれらの可能性を排除しない限り、任意の順序で又は同時に実行しても良い。
実施例
【0051】
以下では、本願で開示される技術の理解に有益な実施例が提示される。この技術の実施形態は、以下で記述する実施例の1つ以上及び任意の組み合わせを含んでいても良い。
【0052】
実施例1は、第1接触チェック回路を具える試験測定装置であって、上記第1接触チェック回路が、
上記試験測定装置中の1つ以上の電源からアイソレーションされ、上記試験測定装置の第1フォース・ノード及び第1センス・ノードの間に結合され、第1制御信号に応じて、上記第1フォース・ノード及び上記第1センス・ノード間の第1接触抵抗に第1接触チェック電流を供給するように構成された第1接触チェック電流源と、
上記第1フォース・ノード及び上記第1センス・ノードに結合され、上記第1接触チェック電流に応じて上記第1接触抵抗で生じる第1接触チェック電圧を検出するように構成される第1電圧検出回路と
を有し、上記第1接触抵抗は、上記第1フォース・ノード及び上記第1センス・ノードの夫々と、被試験デバイス(DUT)の第1接触ノードとの間の第1電気接続経路中に存在し、上記第1接触チェック電圧は、上記第1電気的接続経路に接触不良が存在するか否かを示す値を有する。
【0053】
実施例2は、実施例1の試験測定装置であって、上記第1接触チェック電流源は、上記試験測定装置の1つ以上の電源から光学的にアイソレーションされた光学的アイソレーション電流源から構成される。
【0054】
実施例3は、実施例2の試験測定装置であって、上記光学的アイソレーション電流源は、光起電性アイソレータを有する。
【0055】
実施例4は、実施例1の試験測定装置において、上記第1接触チェック電流源は、絶縁(アイソレーション)トランスから構成される。
【0056】
実施例5は、実施例1の試験測定装置であって、上記第1電圧検出回路が、上記第1フォース・ノード及び上記第1センス・ノードに夫々結合された第1及び第2入力端子を有するとともに上記第1接触チェック電圧を出力端子に生成するように構成されたプログラマブル増幅器を有し、該プログラマブル増幅器の利得が、第2制御信号に応答して調整可能である。
【0057】
実施例6は、実施例1の試験測定装置であって、上記第1フォース・ノード及び上記第1センス・ノードの間に上記第1接触チェック電流源と並列に結合された第1電圧制限抵抗を更に有する。
【0058】
実施例7は、実施例5の試験測定装置であって、上記第1接触チェック回路は、上記第1接触チェック電流源と上記第1電圧検出回路との間に結合された第1スイッチング回路を更に有し、該第1スイッチング回路は、上記第1接触チェック電流源及び第1電圧検出回路を上記第1フォース・ノード及び上記第1センス・ノードに結合するか、又は、上記第1接触チェック電流源及び第1電圧検出回路を上記第1フォース・ノード及び上記第1センス・ノードからアイソレーションするかを選択的に行う。
【0059】
実施例8は、実施例1の試験測定装置であって、上記第1電圧検出回路に結合され、上記第1接触チェック電圧を受けて、対応するデジタル接触チェック電圧を生成するように構成される第1アナログ・デジタル・コンバータを更に具える。
【0060】
実施例9は、実施例1の試験測定装置であって、第2接触チェック回路を更に具え、該第2接触チェック回路が、
上記試験測定装置中の上記1つ以上の電源からアイソレーションされ、上記試験測定装置の第2フォース・ノード及び第2センス・ノードの間に結合され、上記第1制御信号に応じて、上記第2フォース・ノード及び上記第2センス・ノード間の第2接触抵抗に第2接触チェック電流を供給するように構成された第2接触チェック電流源と、
上記第2フォース・ノード及び上記第2センス・ノードに結合され、上記第2接触チェック電流に応じて上記第2接触抵抗で生じる第2接触チェック電圧を検出するように構成される第2電圧検出回路と
を有し、上記第2接触抵抗は、上記第2フォース・ノード及び上記第2センス・ノードの夫々と、上記DUTの第2接触ノードとの間の第2電気接続経路中に存在し、上記第2接触チェック電圧は、上記第2電気的接続経路に接触不良が存在するか否かを示す値を有する。
【0061】
実施例10は、実施例9の試験測定装置であって、上記第1及び第2接触チェック回路に結合されたコントローラを更に具え、
該コントローラが、
上記第1及び第2接触チェック電流源に上記第1及び第2接触チェック電流を供給させるように上記第1制御信号を印加する処理と、
上記第1及び第2接触チェック電流と、上記第1及び第2接触チェック電圧に基づいて、上記第1及び第2接触抵抗の値を求める処理と、
上記第1及び第2接触抵抗の求めた値に基づいて、上記第1及び第2電気接続経路における障害(接触不良)を検出する処理と
を行うよう構成される。
【0062】
実施例11は、実施例1の試験測定装置であって、上記試験測定装置は、ソース・メジャー・ユニットである。
【0063】
実施例12は、方法であって、試験測定装置の1つ以上の電源から電気的にアイソレーションされた第1ガルバニック・アイソレーション電流を、第1電気的接続経路を通して、試験測定装置の第1フォース・ノードから、被試験デバイス(DUT)の第1接触ノードを介して、試験測定装置の第1センス・ノードへと上記試験測定装置によって供給する処理と、
上記第1ガルバニック・アイソレーション電流に応答して上記第1フォース・ノード及び上記第1センス・ノード間に生じる第1接触チェック電圧を検出する処理と、
上記第1接触チェック電圧に基づいて上記第1電気接続経路における第1接触不良を検出する処理と
を具える。
【0064】
実施例13は、実施例12の方法であって、上記第1接触不良を検出する処理が、上記第1接触チェック電圧及び上記第1ガルバニック・アイソレーション電流に基づいて上記第1電気接続経路の第1接触抵抗を決定する処理と、決定された上記第1接触抵抗を閾値と比較する処理と、決定された上記第1接触抵抗が上記閾値を超えたときに、上記第1接触不良が存在すると判断する処理とを更に有する。
【0065】
実施例14は、実施例12の方法において、上記第1接触チェック電圧の最大値を制限する処理を更に具える。
【0066】
実施例15は、実施例12の方法であって、上記第1接触チェック電圧の最大値を制限する処理が、上記第1フォース・ノード及び上記第1センス・ノードの間に抵抗を結合する処理を有する。
【0067】
実施例16は、実施例12の方法であって、プログラム可能な利得によって上記第1接触チェック電圧を増幅する処理を更に具える。
【0068】
実施例17は、実施例16の方法であって、上記プログラム可能な利得は、1、10、100及び1000からなるグループの中から選択される値を有する。
【0069】
実施例18は、実施例12の方法であって、
第2ガルバニック・アイソレーション電流を、第2電気的接続経路を通して、上記試験測定装置の第2フォース・ノードから、上記DUTの第2接触ノードを介して、上記試験測定装置の第2センス・ノードへと上記試験測定装置によって供給する処理と、
上記第2ガルバニック・アイソレーション電流に応答して上記第2フォース・ノード及び上記第2センス・ノード間に生じる第2接触チェック電圧を検出する処理と、
上記第2接触チェック電圧に基づいて上記第2電気接続経路における第2接触不良を検出する処理と
を更に具える。
【0070】
実施例19は、試験測定装置であって、
上記試験測定装置の第1フォース・ノード及び第1センス・ノードの間に結合され、上記試験測定装置中の1つ以上の電源からアイソレーションされた第1接触チェック電流源と、
上記第1フォース・ノード及び上記第1センス・ノード間の第1接触チェック電圧を検出するように構成される第1電圧検出回路と
を有する第1接触チェック回路と、
上記試験測定装置の第2フォース・ノード及び第2センス・ノードの間に結合され、上記試験測定装置中の上記1つ以上の電源からアイソレーションされた第2接触チェック電流源と、
上記第2フォース・ノード及び上記第2センス・ノード間の第2接触チェック電圧を検出するように構成される第2電圧検出回路と
を有する第2接触チェック回路と、
上記第1フォース・ノード及び被試験デバイスの第1接触ノードとの間の第1電気接続部及び上記第1センス・ノード及び上記第1接触ノードとの間の第2電気接続部とを有する第1電気接続経路と、
上記第2フォース・ノード及び上記被試験デバイスの第2接触ノードとの間の第1電気接続部及び上記第2センス・ノード及び上記第2接触ノードとの間の第2電気接続部とを有する第2電気接続経路と、
上記第1及び第2接触チェック回路に結合されたコントローラと
を具え、
該コントローラが、上記第1及び第2接触チェック電流源を制御して、上記第1及び第2接触チェック電流を上記第1及び第2電気接続経路に供給させる処理と、上記第1及び第2接触チェック電流と、上記第1及び第2電圧検出回路によって検出される第1及び第2接触チェック電圧とに基づいて、上記第1及び第2電気接続経路の第1及び第2接触抵抗を決定する処理と、決定された上記第1及び第2接触抵抗に基づいて上記第1及び第2電気接続経路における不良を検出する処理とを行うように構成される。
【0071】
実施例20は、実施例19の試験測定装置であって、上記試験測定装置は、ソース・メジャー・ユニット(SMU)である。
【0072】
本発明の上述の説明は、単に本発明を説明するために設定されたものであり、限定することを意図するものではない。本発明の本質を組み込んだ開示された実施形態を改変することは、当業者であれば行いうるので、その発明は、本発明の範囲内の全てを含むと解釈されるべきである。
【0073】
開示された本件の上述のバージョンは、記述したか又は当業者には明らかであろう多くの効果を有する。それでも、開示された装置、システム又は方法のすべてのバージョンにおいて、これらの効果又は特徴のすべてが要求されるわけではない。
【0074】
加えて、本願の記述は、特定の特徴に言及している。特許請求の範囲、要約及び図面を含め、本明細書に開示される全ての特徴と、開示される全ての方法又は処理における全ての工程は、互いに少なくとも一部分が排他的でない限り、任意に組み合わせても良い。特許請求の範囲、要約及び図面を含め、本明細書に開示される特徴の夫々は、特に明記されていない限り、同じ、等価又は類似の目的に寄与する代替の特徴で置き換えても良い。
【0075】
説明の都合上、本発明の具体的な実施例を図示し、説明してきたが、本発明の要旨と範囲から離れることなく、種々の変更が可能なことが理解できよう。従って、本発明は、添付の請求項以外では、限定されるべきではない。
【符号の説明】
【0076】
C1 第1制御信号
C2 第2制御信号
C3 第3制御信号
CC1 第1接触チェック回路
CC2 第2接触チェック回路
CS1 第1電流源
CS2 第2電流源
DUT-1 第1被試験デバイス
DUT-2 第2被試験デバイス
ECP1 第1電気接続経路
ECP2 第2電気接続経路
FHI フォースHiノード
FLO フォースLoノード
RC1 接触抵抗
RC2 接触抵抗
RC3 接触抵抗
RC4 接触抵抗
CR1 第1接触抵抗
CR2 第2接触抵抗
SHI センスHiノード
SLO センスLoノード
VC1 第1接触チェック電圧
VC2 第2接触チェック電圧
A1 第1差動増幅器
A2 第2差動増幅器
100 試験測定システム
102 試験測定装置
104 接触チェック回路
106 コントローラ
108 プロセッサ
110 メモリ
112 ユーザ・インタフェース
114 測定ユニット
200 試験測定システム
202 SMU
204 接触チェック回路
206 SMU回路
208 プロセッサ
210 メモリ
212 ユーザ・インタフェース
214 測定ユニット
216A スイッチ
216B スイッチ
218A フィードバック増幅器
218B フィードバック増幅器
220 電圧検出回路
222 スイッチ
224 加算回路
230 電流センサ
228 プログラマブル電圧源
300 接触チェック回路
302 光起電性デバイス
304 発光ダイオード
306A フォト・ダイオード
306B フォト・ダイオード
307A 第1アイソレーション・スイッチ
307B 第2アイソレーション・スイッチ
308 増幅器
310 アナログ・デジタル・コンバータ