(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016193
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】活性剤の送達のための乾燥剤を含む経口製剤
(51)【国際特許分類】
A61K 45/00 20060101AFI20240130BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240130BHJP
A61K 9/28 20060101ALI20240130BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20240130BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20240130BHJP
A61K 47/14 20170101ALI20240130BHJP
A61K 47/18 20170101ALI20240130BHJP
A61K 47/22 20060101ALI20240130BHJP
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A61K 47/28 20060101ALI20240130BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20240130BHJP
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A61K 47/36 20060101ALI20240130BHJP
A61K 47/04 20060101ALI20240130BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20240130BHJP
A61K 38/08 20190101ALI20240130BHJP
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A61K 38/29 20060101ALI20240130BHJP
A61K 38/23 20060101ALI20240130BHJP
A61K 38/22 20060101ALI20240130BHJP
A61P 5/02 20060101ALI20240130BHJP
A61P 5/18 20060101ALI20240130BHJP
A61P 5/00 20060101ALI20240130BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20240130BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
A61K45/00
A61P43/00 111
A61K9/28
A61K9/48
A61K47/12
A61K47/14
A61K47/18
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A61K47/32
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A61K47/04
A61K47/02
A61K38/08
A61K38/12
A61K38/31
A61K38/29
A61K38/23
A61K38/22
A61P5/02
A61P5/18
A61P5/00
A61K47/10
A61K47/26
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023190527
(22)【出願日】2023-11-08
(62)【分割の表示】P 2021098775の分割
【原出願日】2017-02-03
(31)【優先権主張番号】62/291,812
(32)【優先日】2016-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/382,362
(32)【優先日】2016-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514318172
【氏名又は名称】エントレガ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 康
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・ボナー
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ジャンツ
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・トラン
(72)【発明者】
【氏名】レイチェル・シャピロ
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス・ピラ
(72)【発明者】
【氏名】ジュールズ・ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】ブレイデン・クオ
(72)【発明者】
【氏名】コリン・ロバート・ガードナー
(72)【発明者】
【氏名】パドマジャ・シバナンド
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブ・バーロウ
(72)【発明者】
【氏名】リサ・ビアナ・フェレイラ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】経口で投与でき、活性剤が過度の分解を受けずに腸管組織により容易に吸収されることを可能とする形態で該活性剤を消化管に提供する改善された製剤形態を提供する。
【解決手段】腸管部位に薬剤を送達するための薬学的に許容される経口製剤は、腸管部位に送達すべき活性剤を有する1以上の活性剤領域、腸管部位周辺の領域を乾燥できる少なくとも1つの乾燥剤をその中に有する1以上の乾燥剤領域であって、1以上の活性剤領域と分離されている1以上の乾燥剤領域および該製剤の表面を少なくとも部分的に被覆する保護コーティングを有する。製剤は、製剤液体取込アッセイにより液体媒質に浸漬したとき、製剤全体に対して測定して製剤あたり少なくとも約20g液体の液体取込能を有する。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
腸管部位に薬剤を送達するための薬学的に許容される経口製剤であって、
腸管部位に送達すべき活性剤を含む1以上の活性剤領域;
腸管部位周辺の領域を乾燥できる少なくとも1つの乾燥剤を含む1以上の乾燥剤領域であって、1以上の活性剤領域と分離されている1以上の乾燥剤領域;および
該製剤の表面を少なくとも部分的に被覆する保護コーティングを含み、
ここで、液体媒質に浸漬したとき、製剤液体取込アッセイにより製剤全体で測定して、製剤あたり少なくとも約20g液体の液体取込能を有する、製剤。
【請求項2】
液体媒質に浸漬したとき、製剤液体取込アッセイにより製剤全体で測定して、製剤あたり少なくとも約40g液体の液体取込能を有する、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
液体媒質に浸漬したとき、製剤液体取込アッセイにより製剤全体で測定して、製剤あたり少なくとも約60g液体の液体取込能を有する、請求項1または2に記載の製剤。
【請求項4】
製剤をpH7.4の液体媒質に浸漬したとき、pHでの製剤液体取込時間アッセイにより決定して、該液体取込能に到達する液体取込時間が2時間を超えない、請求項1~3の何れかに記載の製剤。
【請求項5】
製剤をpH7.4の液体媒質に浸漬したとき、pHでの製剤液体取込時間アッセイにより決定して、該液体取込能に到達する液体取込時間が30分を超えない、請求項4に記載の製剤。
【請求項6】
製剤をpH7.4の液体媒質に浸漬したとき、pHでの製剤液体取込時間アッセイにより決定して、該液体取込能に到達する液体取込時間が5分を超えない、請求項4または5に記載の製剤。
【請求項7】
取込相についての製剤液体取込時間アッセイにより決定して、製剤の総液体取込(MUD)を50%増加させるための液体取込時間が2時間を超えない、請求項1~6の何れかに記載の製剤。
【請求項8】
取込相についての製剤液体取込時間アッセイにより決定して、製剤の総液体取込(MUD)を50%増加させるための液体取込時間が30分を超えない、請求項7に記載の製剤。
【請求項9】
取込相についての製剤液体取込時間アッセイにより決定して、製剤の総液体取込(MUD)を50%増加させるための液体取込時間が5分を超えない、請求項8に記載の製剤。
【請求項10】
製剤崩壊時製剤液体取込時間アッセイにより決定して、内部含有物が液体媒質に曝される場合、製剤についての該液体取込能に到達する液体取込時間が2時間を超えない、請求項1~9の何れかに記載の製剤。
【請求項11】
製剤崩壊時製剤液体取込時間アッセイにより決定して、内部含有物が液体媒質に曝される場合、製剤についての該液体取込能に到達する液体取込時間が30分を超えない、請求項10に記載の製剤。
【請求項12】
製剤崩壊時製剤液体取込時間アッセイにより決定して、内部含有物が液体媒質に曝される場合、製剤についての該液体取込能に到達する液体取込時間が5分を超えない、請求項11に記載の製剤。
【請求項13】
少なくとも1つの乾燥剤が、薬剤液体取込アッセイにより液体媒質に浸漬されたとき少なくとも約20(液体媒質mg/mg乾燥剤)の液体取込能を有し、少なくとも1つの薬剤液体取込アッセイにおける少なくとも1つの製剤の液体取込能を決定するために使用される媒体取込比(MUR)が、次の式
MUR=(F0-Fr)/P;
(式中、F0-Frは薬剤液体取込アッセイにおいて少なくとも1つの乾燥剤により吸収される液体の質量であり、Pは薬剤液体取込アッセイにおいて液体媒質に浸漬される前の少なくとも1つの乾燥剤の初期質量である)
を使用して決定される、請求項1~12の何れかに記載の製剤。
【請求項14】
少なくとも1つの乾燥剤が、液体媒質に浸漬したとき、薬剤液体取込アッセイにより少なくとも約40の液体取込能を有する、請求項13に記載の製剤。
【請求項15】
少なくとも1つの乾燥剤が、液体媒質に浸漬したとき、薬剤液体取込アッセイにより少なくとも約60の液体取込能を有する、請求項13または14に記載の製剤。
【請求項16】
少なくとも1つの乾燥剤が、少なくとも1つの乾燥剤を液体媒質に浸漬したとき、薬剤液体取込時間アッセイにより決定して、30分を超えないその液体取込能に到達する液体取込時間を有する、請求項1~15の何れかに記載の製剤。
【請求項17】
少なくとも1つの乾燥剤が、少なくとも1つの乾燥剤を液体媒質に浸漬したとき、薬剤液体取込時間アッセイにより決定して、15分を超えないその液体取込能に到達する液体取込時間を有する、請求項16に記載の製剤。
【請求項18】
少なくとも1つの乾燥剤が、少なくとも1つの乾燥剤を液体媒質に浸漬したとき、薬剤液体取込時間アッセイにより決定して、1分を超えないその液体取込能に到達する液体取込時間を有する、請求項16または17に記載の製剤。
【請求項19】
1以上の活性剤領域および1以上の乾燥剤領域がその間に分離した境界を含む、請求項1~18の何れかに記載の製剤。
【請求項20】
1以上の活性剤領域が30wt%未満の少なくとも1つの乾燥剤を含み、1以上の乾燥剤領域が20wt%未満の少なくとも1つの活性剤を含む、請求項1~19の何れかに記載の製剤。
【請求項21】
1以上の乾燥剤領域が少なくとも1つの乾燥剤をその中に有する1以上の要素を含む、請求項1~20の何れかに記載の製剤。
【請求項22】
1以上の乾燥剤領域が層、錠剤、粒子、顆粒、ビーズ、バルクポリマーマトリクスおよびこれらの組み合わせの1以上を含む、請求項1~21の何れかに記載の製剤。
【請求項23】
1以上の活性剤領域がその中に少なくとも1つの活性剤を有する1以上の要素を含む、請求項1~22の何れかに記載の製剤。
【請求項24】
1以上の活性剤領域が層、錠剤、粒子、顆粒、ビーズ、親油性媒体、エマルジョン、懸濁液、溶液、半固体、液体およびこれらの組み合わせの1以上を含む、請求項1~23の何れかに記載の製剤。
【請求項25】
1以上の要素が各々単位的構造を含む、請求項21~24の何れかに記載の製剤。
【請求項26】
製剤が所望によりその中に1以上の要素を含むカプセルの形態である、請求項21~25の何れかに記載の製剤。
【請求項27】
要素の1以上が、少なくとも約5000psiでありかつ約18000psiを超えない圧力の適用により圧縮されたカプセル内の錠剤の形態である、請求項26に記載の製剤。
【請求項28】
1以上の錠剤が約12000psiを超えない圧力の適用により圧縮されている、請求項27に記載の製剤。
【請求項29】
錠剤の密度(mg錠剤/容積錠剤)が少なくとも約0.7mg/mm3でありかつ約1.05mg/mm3を超えない、請求項27または請求項28に記載の製剤。
【請求項30】
錠剤の密度(mg乾燥剤/容積錠剤)が約0.90mg/mm3を超えない、請求項29に記載の製剤。
【請求項31】
製剤が分離された1以上の活性剤領域および1以上の乾燥剤領域を有する形態である、請求項1~20の何れかに記載の製剤。
【請求項32】
製剤が少なくとも約5000psiでありかつ約18000psiを超えない圧力の適用により圧縮されている、請求項31に記載の製剤。
【請求項33】
製剤が約10000psiを超えない圧縮力で圧縮されている、請求項32に記載の製剤。
【請求項34】
製剤の容積あたりの製剤のmgでの製剤の密度が少なくとも約0.7mg/mm3でありかつ約1.05mg/mm3を超えない、請求項32または33に記載の製剤。
【請求項35】
製剤の容積あたりの製剤のmgでの製剤の密度が約0.90mg/mm3を超えない、請求項34に記載の製剤。
【請求項36】
製剤が1以上の活性剤領域および1以上の乾燥剤領域に対応する別々の層を有する圧縮錠剤を含む、請求項1~20および31~35の何れかに記載の製剤。
【請求項37】
製剤が層間にバリア層を含む、請求項36に記載の製剤。
【請求項38】
バリア層が製剤あたり40mg~400mgの範囲の重量で製剤に提供される、請求項37に記載の製剤。
【請求項39】
バリア層が製剤あたり50mg~150mgの範囲の重量で製剤に提供される、請求項38に記載の製剤。
【請求項40】
別々の層が上層および下層ならびに同心層の1以上を含む、請求項36または37に記載の製剤。
【請求項41】
製剤が、その中に活性剤を有する親油性媒体を含む1以上の活性剤領域を有するカプセル形態を含む、請求項1~30の何れかに記載の製剤。
【請求項42】
1以上の活性剤領域がその中に溶解または懸濁した少なくとも1つの活性剤を有する親油性液体を含む、請求項41に記載の製剤。
【請求項43】
1以上の活性剤領域が蝋、油、ゲル、半固体およびペーストの少なくとも1つを含む親油性媒体を含む、請求項41または42に記載の製剤。
【請求項44】
1以上の活性剤領域が、室温で固形であり、生理学的温度で少なくとも部分的に液体形態である親油性媒体を含む、請求項41~43の何れかに記載の製剤。
【請求項45】
少なくとも1つの活性剤をその中に有する親油性媒体が内部カプセルに封入されている、請求項41~44の何れかに記載の製剤。
【請求項46】
1以上の活性剤領域における親油性媒体が約2wt%未満の水を含む、請求項41~45の何れかに記載の製剤。
【請求項47】
製剤の末端に位置する少なくとも1つの活性剤領域を含む、請求項1~46の何れかに記載の製剤。
【請求項48】
製剤の末端に位置する少なくとも1つの乾燥剤領域を含む、請求項1~47の何れかに記載の製剤。
【請求項49】
製剤の第一末端に少なくとも1つの活性剤領域および製剤の第二末端に少なくとも1つの乾燥剤領域を含む、請求項1~48の何れかに記載の製剤。
【請求項50】
製剤の対向する末端に位置する活性剤領域を含み、活性剤領域の間に少なくとも1つの乾燥剤領域を含む、請求項1~49の何れかに記載の製剤。
【請求項51】
製剤の対向する末端に位置する乾燥剤領域を含み、乾燥剤領域の間に少なくとも1つの活性剤領域を含む、請求項1~50の何れかに記載の製剤。
【請求項52】
製剤が、製剤の縦軸に添って交互である、複数の交互の活性剤領域および乾燥剤領域を含む、請求項1~51の何れかに記載の製剤。
【請求項53】
1以上の活性剤領域が浸透増加剤を含む、請求項1~52の何れかに記載の製剤。
【請求項54】
脂肪酸、中鎖グリセリド、界面活性剤、非ステロイド系界面活性剤、アシルカルニチン、ラウロイルカルニチン、パルミトイルカルニチン、アルカノイルカルニチン、N-アセチル化アミノ酸、エステル、塩、胆汁酸塩、ナトリウム塩、含窒素環ならびにこれらの誘導体および組み合わせの1以上である浸透増加剤を含む、請求項1~53の何れかに記載の製剤。
【請求項55】
浸透増加剤がカプリン酸ナトリウム、ラウロイルカルニチン、パルミトイルカルニチンおよび3-(N,N-ジメチルパルミチルアンモニオ)プロパンスルフェート(PPS)からなる群から選択される、請求項54に記載の製剤。
【請求項56】
製剤あたり少なくとも5mgでありかつ800mgを超えない含量を有する浸透増加剤を含む、請求項1~55の何れかに記載の製剤。
【請求項57】
浸透増加剤が製剤あたり少なくとも5mgでありかつ50mgを超えない含量で提供される、請求項56に記載の製剤。
【請求項58】
浸透増加剤が製剤あたり少なくとも50mgでありかつ200mgを超えない含量で提供される、請求項56に記載の製剤。
【請求項59】
1以上の乾燥剤領域対1以上の活性剤領域の容積による比が10:1~0.1:1の範囲である、請求項1~58の何れかに記載の製剤。
【請求項60】
該製剤が製剤乾燥能アッセイにより製剤全体について測定して少なくとも約20g液体/経口製剤の乾燥能を有する、請求項1~59の何れかに記載の製剤。
【請求項61】
該製剤が製剤乾燥能アッセイにより製剤全体について測定して少なくとも約40g液体/経口製剤の乾燥能を有する、請求項60に記載の製剤。
【請求項62】
少なくとも1つの乾燥剤が薬剤乾燥能アッセイにより少なくとも約20mg液体/乾燥剤mgの乾燥能を有する、請求項1~61の何れかに記載の製剤。
【請求項63】
少なくとも1つの乾燥剤が薬剤乾燥能アッセイにより少なくとも約40mg液体/乾燥剤mgの乾燥能を有する、請求項62に記載の製剤。
【請求項64】
少なくとも1つの乾燥剤が薬剤乾燥時間アッセイにより測定して1800秒未満の乾燥時間を有する、請求項1~63の何れかに記載の製剤。
【請求項65】
少なくとも1つの乾燥剤が薬剤乾燥時間アッセイにより測定して900秒未満の乾燥時間を有する、請求項64に記載の製剤。
【請求項66】
少なくとも1つの乾燥剤が崩壊剤、超崩壊剤、防湿剤、超吸水性ポリマー、膨潤性ポリマーおよび超多孔質ヒドロゲルなどからなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項1~65の何れかに記載の製剤。
【請求項67】
少なくとも1つの乾燥剤が修飾セルロース/架橋セルロースおよびこれらの誘導体、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポビドン、架橋ポリビニルピロリドン、デンプンおよび/または修飾デンプン、架橋デンプン、架橋アルギン酸、ポリアクリル酸ナトリウム、架橋ポリアクリル酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ダイズ多糖、ゲランガム、キサンタンガム、二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム・マグネシウム、ケイ酸カルシウムおよびイオン交換樹脂からなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項66に記載の製剤。
【請求項68】
少なくとも1つの乾燥剤がナトリウムカルボキシメチルデンプン、クロスカルメロース、架橋ポリアクリル酸ナトリウム、クロスポビドンおよびデンプングリコール酸ナトリウムからなる群から選択される、請求項67に記載の製剤。
【請求項69】
少なくとも1つの乾燥剤がポリカルボン酸と架橋された親水性ポリマーを有するポリマーヒドロゲルを含む、請求項1~68の何れかに記載の製剤。
【請求項70】
製剤が少なくとも約10重量%の総乾燥剤含量を有する、請求項1~69の何れかに記載の製剤。
【請求項71】
製剤が少なくとも約15重量%の総乾燥剤含量を有する、請求項1~70の何れかに記載の製剤。
【請求項72】
製剤が少なくとも約30重量%の総乾燥剤含量を有する、請求項1~71の何れかに記載の製剤。
【請求項73】
製剤が少なくとも約50重量%の総乾燥剤含量を有する、請求項1~72の何れかに記載の製剤。
【請求項74】
製剤が少なくとも約75重量%の総乾燥剤含量を有する、請求項1~73の何れかに記載の製剤。
【請求項75】
活性剤がペプチド、酵素分解に抵抗するように構造的に設計されたペプチド、抗体、ホルモン、酵素、増殖因子、有機分子、無機分子、リガンド、医薬品、栄養補助食品、生物製剤、金属、金属酸化物、タンパク質、タンパク質複合体、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、抗体フラグメント、多糖、炭水化物、ナノ粒子、ワクチン、核酸、細胞および細胞療法剤、DNA、RNA、siRNA、血液因子、遺伝子療法剤、血栓溶解剤、増殖因子、インターフェロン、インターロイキンベースの分子、融合タンパク質、組み換えタンパク質、治療用酵素、薬物複合体および代謝物からなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項1~74の何れかに記載の製剤。
【請求項76】
活性剤がオクトレオチド、カルシトニン、副甲状腺ホルモン(PTH)、テリパラチド、インスリン、エキセナチド、リラグルチド、リキシセナチド、アルビグルチドおよびデュラグルチドからなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項75に記載の製剤。
【請求項77】
活性剤が少なくとも約450Daでありかつ約10000Da未満である分子量を含む、請求項75または76に記載の製剤。
【請求項78】
活性剤が約1000Da~約5000Daの範囲の分子量を含む、請求項75~77の何れかに記載の製剤。
【請求項79】
保護コーティングが、腸管部位で液体に曝されたとき少なくとも部分的に透過性となることができ、腸管部位で液体に曝されたとき、保護コーティングの表面積の少なくとも35%が透過性となる、請求項1~78の何れかに記載の製剤。
【請求項80】
液体に曝されたとき少なくとも部分的に透過性となる保護コーティングの部分が乾燥剤領域の少なくとも35%を被覆する、請求項1~79の何れかに記載の製剤。
【請求項81】
乾燥剤領域を被覆する保護コーティングの表面の実質的に全体が腸管部位で液体に曝されたとき少なくとも部分的に透過性となる、請求項79または80に記載の製剤。
【請求項82】
保護コーティングが、5.5~7.5の範囲のpHで少なくとも部分的に透過性となるおよび/または溶解する腸溶性コーティングを含む、請求項1~81の何れかに記載の製剤。
【請求項83】
腸溶性コーティングが少なくとも5.5のpHで少なくとも部分的に透過性となるおよび/または溶解する、請求項1~82の何れかに記載の製剤。
【請求項84】
腸溶性コーティングが少なくとも6.5のpHで少なくとも部分的に透過性となるおよび/または溶解する、請求項83に記載の製剤。
【請求項85】
腸溶性コーティングが少なくとも7.4のpHで少なくとも部分的に透過性となるおよび/または溶解する、請求項84に記載の製剤。
【請求項86】
製剤が装置1およびpH7.5の150mM リン酸緩衝化食塩水の溶解媒体の、USP溶解アッセイ711で決定して、30分以内に活性剤の少なくとも90%の放出速度を提供する、請求項1~85の何れかに記載の製剤。
【請求項87】
製剤が装置1およびpH7.5の150mM リン酸緩衝化食塩水の溶解媒体の、USP溶解アッセイ711で決定して、10分以内に活性剤の少なくとも90%の放出速度を提供する、請求項1~86の何れかに記載の製剤。
【請求項88】
製剤が装置1およびpH7.5の150mM リン酸緩衝化食塩水の溶解媒体の、USP溶解アッセイ711で決定して、1分以内に活性剤の少なくとも90%の放出速度を提供する、請求項1~87の何れかに記載の製剤。
【請求項89】
対象に活性剤を送達する方法であって、
請求項1~88の何れかに記載の薬学的に許容される製剤を対象に投与することを含み、
ここで、該製剤が活性剤の送達のための腸管部位周辺に乾燥効果を提供する、方法。
【請求項90】
腸管部位に薬剤を送達するための薬学的に許容される経口製剤であって、
腸管部位に送達すべき活性剤;
腸管部位周辺の領域を乾燥できる少なくとも1つの乾燥剤;
腸管部位での活性剤の吸収を増加するための少なくとも1つの浸透増加剤;および
該製剤の表面を少なくとも部分的に被覆する保護コーティングを含み、
ここで、液体媒質に浸漬したとき、製剤液体取込アッセイにより製剤全体で測定して、製剤あたり少なくとも約20g液体の液体取込能を有する、製剤。
【請求項91】
製剤における総浸透増加剤含量が製剤あたり少なくとも5mgから製剤あたり800mgを超えない範囲である、請求項90に記載の製剤。
【請求項92】
製剤における総浸透増加剤含量が製剤あたり少なくとも5mgから50mgを超えない範囲である、請求項91に記載の製剤。
【請求項93】
製剤における総浸透増加剤含量が製剤あたり少なくとも50mgでありかつ200mgを超えない、請求項91に記載の製剤。
【請求項94】
浸透増加剤が脂肪酸、中鎖グリセリド、界面活性剤、非ステロイド系界面活性剤、アシルカルニチン、ラウロイルカルニチン、パルミトイルカルニチンアルカノイルカルニチン、N-アセチル化アミノ酸、エステル、塩、胆汁酸塩、ナトリウム塩、含窒素環ならびにこれらの誘導体および組み合わせの1以上である、請求項90~93の何れかに記載の製剤。
【請求項95】
浸透増加剤がカプリン酸ナトリウム、ラウロイルカルニチン、パルミトイルカルニチンおよび3-(N,N-ジメチルパルミチルアンモニオ)プロパンスルフェート(PPS)からなる群から選択される、請求項94に記載の製剤。
【請求項96】
浸透増加剤が親水性浸透増加剤である、請求項90~95の何れかに記載の製剤。
【請求項97】
浸透増加剤が疎水性浸透増加剤である、請求項90~95の何れかに記載の製剤。
【請求項98】
浸透増加剤が少なくとも2のlogPを有する、請求項90~97の何れかに記載の製剤。
【請求項99】
浸透増加剤が4未満のlogPを有する、請求項90~97の何れかに記載の製剤。
【請求項100】
浸透増加剤がカプリン酸ナトリウムを含み、製剤あたり少なくとも10mgでありかつ50mgを超えない量で提供される、請求項90~99の何れかに記載の製剤。
【請求項101】
プリン酸ナトリウムが製剤あたり35mg未満の量で提供される、請求項100に記載の製剤。
【請求項102】
浸透増加剤がPPSを含み、製剤あたり少なくとも10mgでありかつ50mgを超えない量で提供される、請求項90~99の何れかに記載の製剤。
【請求項103】
PPSが製剤あたり35mg未満の量で提供される、請求項102に記載の製剤。
【請求項104】
少なくとも1つの浸透増加剤が、その中に活性剤を含む該製剤の1以上の活性剤領域であり、少なくとも1つの乾燥剤が該製剤の1以上の乾燥剤領域であり、1以上の活性剤領域が1以上の乾燥剤領域と分離されている、請求項90~103の何れかに記載の製剤。
【請求項105】
30wt%未満の少なくとも1つの乾燥剤をその中に含む1以上の活性剤領域および20wt%未満の少なくとも1つの活性剤をその中に含む1以上の乾燥剤領域を含む、請求項90~104の何れかに記載の製剤。
【請求項106】
さらに製剤からの活性剤および浸透増加剤の1以上の放出を延長させるための持続放出剤を含む、請求項90~105の何れかに記載の製剤。
【請求項107】
持続放出剤がペクチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アクリル酸ポリマーおよびコポリマー、アカシア、アルギン酸、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、トラガカント、メチルセルロース、ポロクサマー、カルボキシメチルセルロースおよびエチルセルロースからなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項106に記載の製剤。
【請求項108】
層、錠剤、顆粒、粉末、ビーズ、バルクポリマー物質およびこれらの組み合わせからなる群から選択される1以上を含む1以上の乾燥剤領域を含む、請求項90~107の何れかに記載の製剤。
【請求項109】
層、錠剤、顆粒、粉末、ビーズ、親油性媒体、エマルジョン、懸濁液、溶液、半固体、液体およびこれらの組み合わせからなる群から選択される1以上を含む1以上の活性剤領域を含む、請求項90~108の何れかに記載の製剤。
【請求項110】
製剤が少なくとも1つの乾燥剤をその中に有する1以上の錠剤を含む1以上の乾燥剤領域を有するカプセル形態を含む、請求項90~109の何れかに記載の製剤。
【請求項111】
製剤が少なくとも1つの活性剤および浸透増加剤をその中に有する1以上の錠剤を含む1以上の活性剤領域を有するカプセル形態を含む、請求項90~110の何れかに記載の製剤。
【請求項112】
製剤が少なくとも1つの活性剤および浸透増加剤をその中に有する親油性媒体を含む1以上の活性剤領域を有するカプセル形態を含む、請求項90~111の何れかに記載の製剤。
【請求項113】
製剤が粉末、顆粒およびビーズの少なくとも1つの形態で活性剤、乾燥剤および浸透増加剤の少なくとも1つを有するカプセル形態を含む、請求項90~112の何れかに記載の製剤。
【請求項114】
製剤が少なくとも1つの乾燥剤、少なくとも1つの活性剤および少なくとも1つの浸透増加剤をその中に有する錠剤を含む、請求項90~113の何れかに記載の製剤。
【請求項115】
浸透増加剤が製剤の末端の領域に位置する、請求項90~114の何れかに記載の製剤。
【請求項116】
浸透増加剤が製剤の内部領域に位置する、請求項90~115の何れかに記載の製剤。
【請求項117】
少なくとも1つの浸透増加剤の少なくとも一部が製剤の第一末端に位置し、少なくとも1つの乾燥剤の少なくとも一部が製剤の第二末端に位置し、第一および第二端が互いに対向する、請求項90~116の何れかに記載の製剤。
【請求項118】
浸透増加剤が製剤の内部の領域に位置し、内部領域が少なくとも1つの乾燥剤を含む外部領域の間にある、請求項90~117の何れかに記載の製剤。
【請求項119】
浸透増加剤および少なくとも1つの乾燥剤が、該製剤の縦軸に添って交互である領域に提供される、請求項90~118の何れかに記載の製剤。
【請求項120】
液体媒質に浸漬したとき、製剤液体取込アッセイにより製剤全体について測定した液体取込能が製剤あたり少なくとも約40g液体である、請求項90~119の何れかに記載の製剤。
【請求項121】
液体媒質に浸漬したとき、製剤液体取込アッセイにより製剤全体について測定した液体取込能が製剤あたり少なくとも約60g液体である、請求項120に記載の製剤。
【請求項122】
対象に活性剤を送達する方法であって、
対象に請求項90~121の何れかの何れかに記載の薬学的に許容される製剤を投与することを含み、
ここで、該製剤が腸管部位周辺に乾燥効果を提供し、腸管部位での活性剤の吸収を増加するものである、方法。
【請求項123】
腸管部位に薬剤を送達するための薬学的に許容される経口製剤であって、
腸管部位に送達すべき少なくとも1つの活性剤、
少なくとも10wt%の重量パーセントで提供される少なくとも1つの乾燥剤;および
該製剤の表面を被覆する保護コーティング
を含み、
製剤が少なくとも5000psiの圧力で圧縮されており、
製剤が、製剤液体取込アッセイにより液体媒質に浸漬したとき、製剤全体について測定して製剤あたり少なくとも約20g液体の液体取込能を有する、製剤。
【請求項124】
製剤が約18000psiを超えない圧力で圧縮されている、請求項123に記載の製剤。
【請求項125】
製剤が約10000psiを超えない圧縮力で圧縮されている、請求項124に記載の製剤。
【請求項126】
製剤が、製剤の容積あたり製剤のmgで、少なくとも約0.7mg/mm3から約1.05mg/mm3を超えない範囲の密度を有する、請求項123~125の何れかに記載の製剤。
【請求項127】
製剤が約0.90mg/mm3を超えない密度を有する、請求項126に記載の製剤。
【請求項128】
液体媒質に浸漬したとき、製剤液体取込アッセイにより製剤全体について測定した液体取込能が製剤あたり少なくとも約40g液体である、請求項123~127の何れかに記載の製剤。
【請求項129】
液体媒質に浸漬したとき、製剤液体取込アッセイにより製剤全体について測定した液体取込能が製剤あたり少なくとも約60g液体である、請求項128に記載の製剤。
【請求項130】
経口製剤が錠剤およびカプレットの少なくとも1つの形態である、請求項123~129の何れかに記載の製剤。
【請求項131】
少なくとも1つの活性剤を有する第一圧縮領域および少なくとも1つの乾燥剤を有する第二圧縮領域を含む、請求項123~130の何れかに記載の製剤。
【請求項132】
第一および第二圧縮領域が第一および第二圧縮層にある、請求項131に記載の製剤。
【請求項133】
第一および第二圧縮領域が、第一および第二圧縮領域間の接触を阻止するバリア層により分離されている、請求項131または132に記載の製剤。
【請求項134】
第一および第二圧縮領域が、インビボで製剤の溶解中、他の圧縮領域による第一および第二圧縮領域の1以上の浸透を少なくとも部分的に阻止するバリア層により分離されている、請求項131~133の何れかに記載の製剤。
【請求項135】
第二圧縮領域が修飾セルロース/架橋セルロースおよびこれらの誘導体、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポビドン、架橋ポリビニルピロリドン、デンプンおよび/または修飾デンプン、架橋デンプン、架橋アルギン酸、ポリアクリル酸ナトリウム、架橋ポリアクリル酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ダイズ多糖、ゲランガム、キサンタンガム、二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム・マグネシウム、ケイ酸カルシウムおよびイオン交換樹脂からなる群から選択される少なくとも1つである乾燥剤を含む、請求項131~134の何れかに記載の製剤。
【請求項136】
少なくとも1つの乾燥剤がナトリウムカルボキシメチルデンプン、クロスカルメロース、架橋ポリアクリル酸ナトリウム、クロスポビドンおよびデンプングリコール酸ナトリウムからなる群から選択される、請求項135に記載の製剤。
【請求項137】
少なくとも1つの乾燥剤がポリカルボン酸と架橋された親水性ポリマーを有するポリマーヒドロゲルを含む、請求項131~135の何れかに記載の製剤。
【請求項138】
第二圧縮領域が第二圧縮領域の10wt%~99wt%の含量で少なくとも1つの乾燥剤を含む、請求項131~135の何れかに記載の製剤。
【請求項139】
第二圧縮領域が第二圧縮領域の50wt%~95wt%の含量で少なくとも1つの乾燥剤を含む、請求項131~138の何れかに記載の製剤。
【請求項140】
第二圧縮領域が20重量%未満の少なくとも1つの活性剤を含み、第一圧縮領域が30重量%未満の少なくとも1つの乾燥剤を含む、請求項131~139の何れかに記載の製剤。
【請求項141】
第一および第二圧縮領域の少なくとも1つが第一および第二圧縮領域の1以上の内容物の放出を達成するためにインビボで保護コーティングの少なくとも部分的な溶解を促進する保護コーティング透過性促進剤を含む、請求項131~140の何れかに記載の製剤。
【請求項142】
保護コーティング透過性促進剤が保護コーティング周辺のpHを上げる化合物を含む、請求項141に記載の製剤。
【請求項143】
保護コーティング透過性促進剤が粉末形態の少なくとも1つの塩基を含む、請求項141または142に記載の製剤。
【請求項144】
保護コーティングが5.5~7.5の範囲のpHで少なくとも部分的に透過性となるおよび/または少なくとも部分的に溶解する腸溶性コーティングである、請求項123~143の何れかに記載の製剤。
【請求項145】
保護コーティングが少なくとも5.5のpHで少なくとも部分的に透過性となるおよび/または少なくとも部分的に溶解する腸溶性コーティングである、請求項123~144の何れかに記載の製剤。
【請求項146】
保護コーティングが少なくとも6.5のpHで少なくとも部分的に透過性となるおよび/または少なくとも部分的に溶解する腸溶性コーティングである、請求項123~145の何れかに記載の製剤。
【請求項147】
保護コーティングが少なくとも7.4のpHで少なくとも部分的に透過性となるおよび/または少なくとも部分的に溶解する腸溶性コーティングである、請求項123~146の何れかに記載の製剤。
【請求項148】
製剤が腸管部位で活性剤の吸収を増加させる少なくとも1つの浸透増加剤を含む、請求項123~147の何れかに記載の製剤。
【請求項149】
浸透増加剤が脂肪酸、中鎖グリセリド、界面活性剤、非ステロイド系界面活性剤、アシルカルニチン、ラウロイルカルニチン、パルミトイルカルニチン、アルカノイルカルニチン、N-アセチル化アミノ酸、エステル、塩、胆汁酸塩、ナトリウム塩、含窒素環ならびにこれらの誘導体および組み合わせの1以上である、請求項148に記載の製剤。
【請求項150】
浸透増加剤がカプリン酸ナトリウム、ラウリルカルニチン、パルミトイルカルニチンおよび3-(N,N-ジメチルパルミチルアンモニオ)プロパンスルフェート(PPS)からなる群から選択される、請求項148または149に記載の製剤。
【請求項151】
浸透増加剤が第一圧縮領域の重量のパーセンテージとして5wt%~95wt%の量で提供される、請求項148~150の何れかに記載の製剤。
【請求項152】
第二圧縮領域が第二圧縮領域の1wt%~10wt%のパーセント含量で結合剤物質を含む、請求項148~150の何れかに記載の製剤。
【請求項153】
第二圧縮領域がポリビニルピロリドン、HPMCおよびペクチンからなる群から選択される結合剤物質を含む、請求項131~152の何れかに記載の製剤。
【請求項154】
圧縮製剤が少なくとも1つの乾燥剤および少なくとも1つの活性剤の実質的に均一な混合物を含む、請求項123~130の何れかに記載の製剤。
【請求項155】
製剤が少なくとも1つの活性剤を含む第一層および少なくとも1つの乾燥剤を含む第二層を含み、第二層における活性剤の含量が第二層の20重量%未満であり、第一層における乾燥剤の含量が第一層の30重量%未満である、請求項123~153の何れかに記載の製剤。
【請求項156】
第一および第二層が1以上の積層および同心層を含む、請求項121~155の何れかに記載の製剤。
【請求項157】
腸管部位に薬剤を送達するための薬学的に許容される経口製剤であって、
腸管部位に送達すべき少なくとも1つの活性剤;
腸管部位周辺の領域を乾燥できる少なくとも1つの乾燥剤;および
該製剤の表面を被覆する保護コーティング
を含み、
ここで、少なくとも1つの活性剤および少なくとも1つの乾燥剤が表面に保護コーティングを有するカプセルに含まれ、そして
製剤が、液体媒質に浸漬したとき、製剤液体取込アッセイにより製剤全体で測定して製剤あたり少なくとも約20g液体の液体取込能を有する、製剤。
【請求項158】
少なくとも1つの活性剤および少なくとも1つの乾燥剤の1以上が少なくとも5000psiでありかつ18000psiを超えない圧力の適用により圧縮されている圧縮要素に含まれている、請求項157に記載の製剤。
【請求項159】
圧縮要素が12000psiを超えない圧力の適用により圧縮されている、請求項158に記載の製剤。
【請求項160】
圧縮要素の容積あたりの圧縮要素mgでの圧縮要素の密度が約0.7mg/mm3~約1.05mg/mm3の範囲である、請求項158または159に記載の製剤。
【請求項161】
圧縮要素の密度が約0.90mg/mm3を超えない、請求項160に記載の製剤。
【請求項162】
製剤が少なくとも1つの活性剤を有する1以上の活性剤領域および少なくとも1つの乾燥剤を有する1以上の乾燥剤領域を含む、請求項151~156の何れかに記載の製剤。
【請求項163】
少なくとも1つの乾燥剤が乾燥剤領域の少なくとも20重量%の含量で提供される、請求項157に記載の製剤。
【請求項164】
少なくとも1つの乾燥剤が乾燥剤領域の少なくとも50重量%の含量で提供される、請求項163に記載の製剤。
【請求項165】
(原文に記載なし)
【請求項166】
少なくとも1つの乾燥剤が乾燥剤領域の少なくとも90重量%の含量で提供される、請求項165に記載の製剤。
(請求項166)
1以上の乾燥剤領域がその中に乾燥剤を含む1以上の圧縮要素を含む、請求項157~166の何れかに記載の製剤。
【請求項167】
1以上の活性剤領域がその中に活性剤を含む1以上の圧縮要素を含む、請求項157~166の何れかに記載の製剤。
【請求項168】
1以上の活性剤領域が親油性媒体、エマルジョン、溶液、半固体、粉末、粒およびビーズの少なくとも1つを含む、請求項157~167の何れかに記載の製剤。
【請求項169】
1以上の活性剤領域がその中に活性剤を有する親油性媒体を含む、請求項157~168の何れかに記載の製剤。
【請求項170】
1以上の乾燥剤領域が1以上の活性剤領域から分離されており、1以上の乾燥剤領域が20wt%未満の活性剤を含み、1以上の活性剤領域が30wt%未満の乾燥剤を含む、請求項157~169の何れかに記載の製剤。
【請求項171】
製剤が2~10圧縮要素をその中に有するカプセルを含む、請求項157~170の何れかに記載の製剤。
【請求項172】
製剤が3~6圧縮要素をその中に有するカプセルを含む、請求項171に記載の製剤。
【請求項173】
形が該製剤の内部部分に少なくとも1つの活性剤を有する少なくとも1つの圧縮要素を含み、該製剤の外部部分に少なくとも1つの乾燥剤を有する少なくとも1つの圧縮要素を含む、請求項157~172の何れかに記載の製剤。
(請求項173)
製剤が該製剤の内部部分に少なくとも1つの乾燥剤を有する少なくとも1つの圧縮要素を含み、該製剤の外部部分に少なくとも1つの活性剤を有する少なくとも1つの圧縮要素を含む、請求項157~172の何れかに記載の製剤。
【請求項174】
少なくとも1つの乾燥剤を有する圧縮要素と少なくとも1つの活性剤を有する圧縮要素が製剤の軸に沿って交互配置で提供される、請求項157~173の何れかに記載の製剤。
【請求項175】
少なくとも1つの活性剤領域が腸管部位での活性剤の吸収を増加できる浸透増加剤を含む、請求項157~174の何れかに記載の製剤。
【請求項176】
製剤が少なくとも1つの活性剤および少なくとも1つの浸透増加剤を有する少なくとも1つの圧縮要素を含む、請求項157~175の何れかに記載の製剤。
【請求項177】
少なくとも1つの活性剤および少なくとも1つの浸透増加剤をその中に含む1以上の圧縮要素を含み、浸透増加剤が少なくとも1つの圧縮要素の少なくとも80wt%を構成する、請求項157~176の何れかに記載の製剤。
【請求項178】
液体媒質に浸漬したとき、製剤液体取込アッセイにより製剤全体について測定した液体取込能が製剤あたり少なくとも約40g液体である、請求項157~177の何れかに記載の製剤。
【請求項179】
液体媒質に浸漬したとき、製剤液体取込アッセイにより製剤全体について測定した液体取込能が製剤あたり少なくとも約60g液体である、請求項178に記載の製剤。
【請求項180】
製剤が、各々少なくとも1つの活性剤および少なくとも1つの乾燥剤の実質的に均一な混合物を有する複数の圧縮要素を含む、請求項157~179の何れかに記載の製剤。
【請求項181】
製剤が複数の圧縮要素ならびに顆粒、ビーズおよび粉末の少なくとも1つを含む、請求項157~180の何れかに記載の製剤。
【請求項182】
複数の圧縮要素が少なくとも1つの乾燥剤を含み、顆粒、ビーズおよび粉末の少なくとも1つが少なくとも1つの活性剤を含む、請求項181に記載の製剤。
(請求項182)
複数の圧縮要素が製剤の対向する端にあり、製剤の内部領域に顆粒、ビーズおよび粉末の少なくとも1つを有する、請求項181または182に記載の製剤。
【請求項183】
製剤が複数の圧縮要素および親油性媒体を含む、請求項157~182の何れかに記載の製剤。
(請求項183)
複数の圧縮要素が少なくとも1つの乾燥剤を含み、親油性媒体が少なくとも1つの活性剤を含む、請求項183に記載の製剤。
【請求項184】
複数の圧縮要素が製剤の第一端にあり、親油性媒体が製剤の第二の対向する端にある、請求項183に記載の製剤。
【請求項185】
製剤が少なくとも1つの乾燥剤を含む複数の第一圧縮要素および少なくとも1つの活性剤を含む少なくとも1つの第二圧縮要素を含む、請求項157~184の何れかに記載の製剤。
【請求項186】
複数の第一圧縮要素が製剤の対向する端にあり、少なくとも1つの第二圧縮要素ガ製剤の内部領域にある、請求項185に記載の製剤。
【請求項187】
少なくとも1つの第二圧縮要素が浸透増加剤ならびに製剤からの少なくとも1つの活性剤および浸透増加剤の1以上の放出を延長させる少なくとも1つの放出延長剤を含む、請求項185または186に記載の製剤。
【請求項188】
少なくとも1つの第二圧縮要素が複数の第一圧縮要素の何れか1つより厚い、請求項186または187に記載の製剤。
【請求項189】
製剤が複数の圧縮要素を含み、圧縮要素の少なくとも1つが少なくとも2層を有する、請求項157~188の何れかに記載の製剤。
【請求項190】
複数の圧縮要素が少なくとも1つの乾燥剤を含む第一層および少なくとも1つの活性剤を含む第二層を有する少なくとも1つの圧縮要素を含む、請求項189に記載の製剤。
【請求項191】
複数の圧縮要素の1以上が圧縮要素の表面に第二保護コーティングを含む、請求項189または190に記載の製剤。
【請求項192】
製剤が少なくとも1つの活性剤を含む第一粒子および少なくとも1つの乾燥剤を含む第二粒子を含む、請求項157~159の何れかに記載の製剤。
【請求項193】
粒子が粉末、ビーズ、顆粒またはこれらの組み合わせの少なくとも1つを含む、請求項192に記載の製剤。
【請求項194】
製剤が第一および第二粒子の実質的に均質な混合物を含む、請求項192または193に記載の製剤。
【請求項195】
5wt%~70wt%の第一粒子および20wt%~95wt%の第二粒子を含む、請求項193または194に記載の製剤。
【請求項196】
製剤が約100ミクロン~約400ミクロンの範囲の平均粒子径を有する少なくとも1つの乾燥剤を含む粒子を含む、請求項157~195の何れかに記載の製剤。
【請求項197】
腸管部位に薬剤を送達するための薬学的に許容される経口製剤であって、
腸管部位に送達すべき活性剤;
腸管部位周辺の領域を乾燥できる少なくとも1つの乾燥剤;および
該製剤の表面を被覆する保護コーティング
を含み、
ここで、製剤が少なくとも約15重量%の総乾燥剤含量を有する、製剤。
【請求項198】
製剤が少なくとも約30重量%の総乾燥剤含量を有する、請求項197に記載の製剤。
【請求項199】
製剤が少なくとも約50重量%の総乾燥剤含量を有する、請求項198に記載の製剤。
【請求項200】
製剤が少なくとも約75重量%の総乾燥剤含量を有する、請求項199に記載の製剤。
【請求項201】
乾燥剤が薬剤乾燥能アッセイにより少なくとも約3mg液体/乾燥剤mgの乾燥能を有する、請求項198~200の何れかに記載の製剤。
【請求項202】
乾燥剤が薬剤乾燥能アッセイにより少なくとも約5mg液体/乾燥剤mgの乾燥能を有する、請求項201に記載の製剤。
【請求項203】
乾燥剤が薬剤乾燥能アッセイにより少なくとも約7mg液体/乾燥剤mgの乾燥能を有する、請求項202に記載の製剤。
【請求項204】
乾燥剤が薬剤乾燥時間アッセイにより約15分を超えない乾燥時間を有する、請求項198~203の何れかに記載の製剤。
【請求項205】
乾燥剤が薬剤乾燥時間アッセイにより約5分を超えない乾燥時間を有する、請求項205に記載の製剤。
【請求項206】
乾燥剤が薬剤乾燥時間アッセイにより約60秒を超えない乾燥時間を有する、請求項205に記載の製剤。
【請求項207】
製剤が少なくとも1つの乾燥剤を有する乾燥組成物を含み、該乾燥組成物の乾燥能が乾燥剤乾燥能アッセイにより少なくとも約3mg液体/乾燥組成物mgである、請求項197~206の何れかに記載の製剤。
【請求項208】
製剤が製剤乾燥能アッセイにより製剤全体について測定して少なくとも約3g液体/経口製剤の乾燥能を有する、請求項207に記載の製剤。
【請求項209】
乾燥剤が、標準温度および圧力で5mgの乾燥剤/水mLを含む水の溶液の液体部分の粘性が5cP未満であるように水における溶解度を有する、請求項197~208の何れかに記載の製剤。
【請求項210】
少なくとも1つの乾燥剤がクロスカルメロース、ポリアクリル酸ナトリウム、クロスポビドンおよびデンプングリコール酸ナトリウムの少なくとも1つを含む、請求項196~209の何れかに記載の製剤。
【請求項211】
腸管環境に曝されたときゲルを形成できるゲル化剤をさらに含む、請求項196~210の何れかに記載の製剤。
【請求項212】
ゲル化剤がペクチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびアクリル酸ポリマー/コポリマーの少なくとも1つを含む、請求項211に記載の製剤。
【請求項213】
製剤におけるゲル化剤の含量が約1wt%~約50wt%である、請求項212に記載の製剤。
【請求項214】
乾燥剤が製剤の第一領域に提供され、活性剤が製剤の第二領域に提供される、請求項197~213の何れかに記載の製剤。
【請求項215】
第一および第二領域が二層錠剤の第一および第二層を構成する、請求項214に記載の製剤。
【請求項216】
第一および第二領域が三層錠剤の第一および第二層を構成し、三層錠剤が第一および第二層の1以上と同一および/または異なる第三組成物を有する第三層をさらに含む、請求項215に記載の製剤。
【請求項217】
第一および第二領域がコアおよび該コアを少なくとも部分的に囲む圧縮コーティングを有する圧縮被覆錠剤の領域である、請求項214に記載の製剤。
【請求項218】
コアが乾燥剤を有する第一領域を含み、圧縮コーティングが活性剤を有する第二領域を含む、請求項217に記載の製剤。
【請求項219】
コアが活性剤を有する第二領域を含み、圧縮コーティングが乾燥剤を有する第一領域を含む、請求項218に記載の製剤。
【請求項220】
ゲル化剤が少なくとも1つの乾燥剤を含む第一領域および活性剤を含む第二領域の少なくとも1つに含まれている、請求項214に記載の製剤。
【請求項221】
製剤が単層錠剤を含む、請求項197~220の何れかに記載の製剤。
【請求項222】
乾燥剤および活性剤の少なくとも1つが粒子形態で提供される、請求項197~221の何れかに記載の製剤。
【請求項223】
製剤がカプセル形態を含む、請求項197~222の何れかに記載の製剤。
【請求項224】
活性剤および少なくとも1つの乾燥剤の少なくとも1つがカプセル中の粉末化形態で提供される、請求項223に記載の製剤。
【請求項225】
活性剤および少なくとも1つの乾燥剤の少なくとも1つがカプセル中の粒子の形態で提供される、請求項224に記載の製剤。
【請求項226】
粒子が球体および錠剤の少なくとも1つを含む、請求項225に記載の製剤。
【請求項227】
カプセルが活性剤を有する複数の錠剤を含み、ここで、乾燥剤が該錠剤を少なくとも部分的に囲む、請求項226に記載の製剤。
【請求項228】
保護コーティングがpH依存的腸溶性コーティングおよび時限的放出コーティングの少なくとも1つを含む、請求項197~227の何れかに記載の製剤。
【請求項229】
保護コーティングが該製剤から約5.5~約7.5のpHで活性剤を放出できる腸溶性コーティングである、請求項228に記載の製剤。
【請求項230】
腸溶性コーティングがポリ(メタクリル酸-コ-メチルメタクリレート)およびメタクリル酸エチルアクリル酸コポリマーの少なくとも1つを含む、請求項229に記載の製剤。
【請求項231】
活性剤がオクトレオチド、カルシトニン、副甲状腺ホルモン、テリパラチド、インスリン、エキセナチド、リラグルチド、リキシセナチド、アルビグルチドおよびデュラグルチドの少なくとも1つを含む、請求項197~230の何れかに記載の製剤。
【請求項232】
製剤における活性剤の含量が約0.0001wt%~約50wt%である、請求項197~231の何れかに記載の製剤。
【請求項233】
製剤が内視鏡的バイオアベイラビリティアッセイにより測定して少なくとも約0.25%の活性剤のバイオアベイラビリティを提供する、請求項197~232の何れかに記載の製剤。
【請求項234】
オスマジェントを約1wt%~約60wt%の含量でさらに含む、請求項197~233の何れかに記載の製剤。
【請求項235】
オスマジェントがスクロース、マンニトール、フルクトースおよびポリエチレングリコールの少なくとも1つを含む、請求項234に記載の製剤。
【請求項236】
約0.1wt%~約20wt%の含量で浸透増加剤をさらに含む、請求項197~236の何れかに記載の製剤。
【請求項237】
浸透増加剤がEDTA、パルミトイルカルニチン、ジメチルパルミトイルアンモニオプロパンスルホネートおよびカプリン酸ナトリウムの少なくとも1つを含む、請求項236に記載の製剤。
【請求項238】
対象に活性剤を送達する方法であって、
活性剤、少なくとも1つの乾燥剤および保護コーティングを含む薬学的に許容される経口製剤を投与することを含み、
ここで、製剤が少なくとも約15重量%の総乾燥剤含量を有し、
保護コーティングが腸管部位で活性剤および少なくとも1つの乾燥剤を放出するように製剤化されており、そして
該製剤が腸管部位周辺の領域に乾燥効果を提供するものである、方法。
【請求項239】
少なくとも1つの乾燥剤が薬剤乾燥能アッセイで少なくとも約3mg液体/乾燥剤mgの乾燥能を有する、請求項238に記載の方法。
【請求項240】
乾燥剤が薬剤乾燥時間アッセイにより少なくとも約60秒の乾燥時間を有する、請求項238または239に記載の方法。
【請求項241】
該製剤が製剤乾燥能アッセイにより形態全体に対して測定して少なくとも約3g液体/経口製剤の乾燥能を有する、請求項238~240の何れかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
活性剤の経口投与は、投与の容易さおよび高い患者コンプライアンスを含む多くの理由により、魅力的である。しかしながら、吸収されにくい、感受性(すなわち、pH感受性、酵素感受性など)のおよび/または高分子量の活性剤などのいくつかの活性剤については、経口投与は、他の投与戦略と比較して、活性剤の十分な血中濃度を達成する上で効果が低いかまたは無効であり得る。例えば、タンパク質および他の高分子などの活性剤は、消化管で酵素分解され得るおよび/または腸管上皮を通過する輸送が制限され得る。
【0002】
消化管の厳しい環境を避ける1つの可能性のある戦略は、プロテアーゼ阻害剤の使用による環境の変更および/または酵素分解を阻止するためのポリエチレングリコールによる誘導体化である。他の可能性のある戦略は、薬剤の吸収が増進されるように、消化管における組織の透過性を向上させることである。薬剤は、例えば、薬剤を腸管上皮を通過させるために腸管組織の緻密構造を弛緩させ得る添加物と共に製剤化され得る。消化管における薬剤の送達を改善するさらなる試みは、薬剤が胃での厳しいpH条件に曝されず、吸収がより容易に起こる小腸で直接放出されるように、該薬剤に腸溶性コーティングを適用することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
消化管への活性剤の送達のための製剤形態の開発ではかなりの進歩が達成されてきたが、経口で投与でき、活性剤が過度の分解を受けずに腸管組織により容易に吸収されることを可能とする形態で該活性剤を消化管に提供する改善された製剤形態に対する必要性がまだ残っている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の1つの態様は、薬剤の腸管部位への送達のための薬学的に許容される経口製剤である。経口製剤は、腸管部位に送達すべき活性剤、腸管部位周辺の領域を乾燥させ得る少なくとも1つの乾燥剤および該製剤の表面を被覆する保護コーティングを含む。製剤は、少なくとも約15重量%の総乾燥剤含量を有する。経口製剤は、活性剤が送達されるべき腸管部位周辺の領域に乾燥効果を提供し、それにより活性剤のバイオアベイラビリティを向上させ得る。このような経口製剤を用いて活性剤を投与する方法および該経口製剤を製造する方法も提供される。
【0005】
本発明の他の態様は、腸管部位への薬剤の送達のための薬学的に許容される経口製剤であって、腸管部位に送達すべき活性剤を有する1以上の活性剤、腸管部位周辺の領域を乾燥できる少なくとも1つの乾燥剤をその中に有する1以上の乾燥剤類であって、1以上の活性剤と分離されている1以上の乾燥剤および該製剤の表面を少なくとも部分的に被覆する保護コーティングを有する、経口製剤である。製剤は、液体媒質に浸漬したとき、製剤液体取込アッセイにより製剤全体で測定して、製剤あたり少なくとも約20gの液体の液体取込能を有する。
【0006】
本発明の他の態様、特性および実施態様は、一部は、記載され、一部は、次の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】
図1Aは、本発明の態様による乾燥剤を有する二層錠剤を構成する、経口製剤の一実施態様を示す。
【0008】
【
図1B】
図1Bは、本発明の態様による乾燥剤を有する三層錠剤を構成する、経口製剤の一実施態様を示す。
【0009】
【
図1C】
図1Cは、本発明の態様による乾燥剤およびバリア層を有する二層錠剤を構成する、経口製剤の一実施態様を示す。
【0010】
【
図1D】
図1Dは、同心円層を備え、本発明の態様による乾燥剤を有する錠剤を構成する、経口製剤の一実施態様を示す。
【0011】
【
図2】
図2は、本発明の態様による乾燥剤を有するカプセル剤を構成する、経口製剤の一実施態様を示す。
【0012】
【
図3A】
図3Aは、本発明の態様による乾燥剤を有するカプセル剤を構成する、経口製剤のさらなる実施態様を示す。
【0013】
【
図3B】
図3Bは、本発明の態様による乾燥剤を有するカプセル剤を構成する、経口製剤のさらなる実施態様を示す。
【0014】
【
図3C】
図3Cは、本発明の態様による乾燥剤を有するカプセル剤を構成する、経口製剤のさらなる実施態様を示す。
【0015】
【
図3D】
図3Dは、本発明の態様による乾燥剤を有するカプセル剤を構成する、経口製剤のさらなる実施態様を示す。
【0016】
【
図3E】
図3Eは、本発明の態様による乾燥剤を有するカプセル剤を構成する、経口製剤のさらなる実施態様を示す。
【0017】
【
図4】
図4は、本発明の態様による経口製剤について実施した外科的バイオアベイラビリティアッセイの結果を示す。
【0018】
【
図5】
図5は、本発明の態様による経口製剤について実施した内視鏡的バイオアベイラビリティアッセイの結果を示す。
【0019】
【
図6】
図6は、本発明の態様による乾燥剤を有するカプセル剤を構成する、経口製剤の他の実施態様を示す。
【0020】
【
図7】
図7A~7Fは、本発明の態様による乾燥剤を含む、経口製剤のさらなる実施態様を示す。
【0021】
【
図8】
図8は、経口製剤について実施したポートバイオアベイラビリティアッセイの結果を示し、これは、経口製剤における乾燥剤と浸透促進剤の組み合わせの相乗作用を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の他の態様、実施態様および特性は、添付の図面と共に考慮したとき、下記詳細な記載から明らかとなる。添付する図面は模式的であり、縮尺どおりの記載は意図していない。明確とする目的で、全ての要素または成分を全ての図においてラベルしておらず、当業者が本発明を理解するのに説明が不要であるとき、本発明の各実施態様の全ての要素または成分を示すこともしていない。
【0023】
定義
ここで使用する“活性剤”は、特に断らない限り、医薬品、薬物、小分子薬物、薬物複合体、プロドラッグ、抗体または抗体フラグメント、核酸、タンパク質、ペプチド、多糖、小無機分子、小有機分子(例えば、約500Daの分子量を有する)、代謝により活性化される薬物(例えば、代謝物)、栄養素、サプリメントなどを含むが、これらに限定されない、疾患および/または状態の処置および/または予防のために患者に投与され得るあらゆる処置剤をいう。
【0024】
ここで使用する“薬剤乾燥能アッセイ”(Agent Drying Capacity Assay)は、吸収される液体mg/乾燥剤mgで乾燥剤の乾燥能を決定するために使用するアッセイをいう。薬剤乾燥能アッセイによれば、乾燥剤の乾燥能は、25℃の温度および1気圧の圧力で測定して、所定の質量の乾燥剤により吸収される液体の相対的質量により決定される。特に、乾燥剤の乾燥能を評価するために、25℃で所定の質量の乾燥剤により吸収される1×リン酸緩衝化溶液(PBS)の相対的質量が測定される。乾燥能アッセイでは、空の50mL遠心管を秤量し、初期質量を風袋重量とする。2gの乾燥剤を添加し、該管と乾燥剤の総質量を、水和前質量としてとる。40mLのPBSを該管に加え、管を密閉する。該管を10秒間ボルテックス処理して、乾燥剤をPBSに完全に分散させる。乾燥剤を、PBSに15分間浸漬させる。該管を2000RPMで15分遠心分離して、乾燥剤を未吸収PBSから分離する。得られた上清を傾捨し、該管中の浸漬乾燥剤の質量を計量する。乾燥剤により吸収される液体の質量を、浸漬後質量から浸漬前質量を減算することにより決定する。この値を、乾燥剤の初期質量(例えば、2g)で除して、液体mg/乾燥剤mgで乾燥剤の質量あたり吸収される液体の質量を決定する。
【0025】
ここで使用する“薬剤液体取込アッセイ”(Agent Fluid Uptake Assay)は、乾燥剤のサンプルにより取り込まれる液体mg/乾燥剤サンプルmgで決定される、特定の乾燥剤により吸収され得る液体の量(液体取込能)の決定に使用されるアッセイをいう。薬剤液体取込アッセイによると、乾燥剤のpH6.0リン酸緩衝化食塩水溶液の液体取込を、25℃の温度および1気圧の圧力で測定する。特に、pH6.0リン酸緩衝化食塩水(PBS)媒体を、脱イオン水/10×濃縮PBS(25.6g Na2HPO4・7H2O+80g NaCl+2g KH2PO4、H2Oで1Lとする)/1N 塩酸で、容積比で100/10/0.675で調製する。40mLのPBS媒体を量り取り、質量を記録する。500gの乾燥剤を乾燥剤サンプルとして量り取り、質量を記録する。次いで、乾燥剤サンプルを2時間PBS媒体に浸漬させる。乾燥剤サンプルを含むPBS媒体を10秒間ポリエステルメッシュディスクフィルター(86×86メッシュ、4-9/16”直径、0.0056”開口)に注ぎ、フィルターをさらに60秒間排水させる。フィルターを通って排水された液体の質量を量る。媒体取込比を、次の式を使用して計算する。
【0026】
MUR=F0-Fr/P
【0027】
式中、MURは液体取込mg/乾燥剤mgでの媒体取込比であり、F0は乾燥剤サンプル添加前のmgでの液体の初期質量であり、Frは乾燥剤サンプルから排水された液体の質量であり、Pは乾燥剤サンプルの初期質量である。薬剤液体取込アッセイにより測定した乾燥剤の液体取込能は、それ故に、この2時間浸漬時間について決定されたMURである。
【0028】
ここで使用する“薬剤乾燥時間アッセイ”(Agent Drying Time Assay)は、乾燥剤により所定の乾燥加減が提供される時間を決定するために使用されるアッセイをいう。薬剤乾燥時間アッセイでは、一定範囲の設定時間に所定の質量の乾燥剤により吸収される液体の相対的質量が25℃および1気圧の環境で測定される。特に、乾燥剤の乾燥時間を評価するために、複数設定時間にわたる25℃で一定質量の乾燥剤により吸収される1×リン酸緩衝化溶液(PBS)の相対的質量を決定する。薬剤乾燥時間アッセイによると、空の50mL遠心管を秤量し、初期質量を風袋重量としてとる。2gの乾燥剤を添加し、該管と乾燥剤の総質量を、水和前質量としてとる。40mL PBSを該管に加え、管を密閉する。該管を10秒間ボルテックス処理して、乾燥剤をPBSに完全に分散させる。乾燥剤を、30秒間PBSに浸漬させる。該管を2000RPMで5分遠心分離して、乾燥剤を未吸収PBSから分離させる。得られた上清を除去し、該管中の浸漬乾燥剤の質量を量る。乾燥剤により吸収される液体の質量を、浸漬後質量から浸漬前質量を減算することにより決定する。この値を、液体mg/乾燥剤mgで乾燥剤の質量あたりの吸収される液体の質量を決定するために、乾燥剤の初期質量(例えば2g)で除す。この過程を、乾燥剤をPBSに浸漬させる時間を1分、5分、10分および15分で変えて、繰り返す。全ての時点からの吸収される液体mg/乾燥剤mgを比較し、乾燥時間を、同一乾燥剤について薬剤乾燥能アッセイにより決定された乾燥能の少なくとも90%を達成する最も早い時点を選択することにより決定する。
【0029】
ここで使用する“薬剤液体取込時間アッセイ”(Agent Fluid Uptake Time Assay)は、乾燥剤による液体の所定の取込が提供される時間を決定するために使用されるアッセイをいう。薬剤液体取込時間アッセイにおいて、上記薬剤液体取込アッセイを、種々の時点での媒体取込比(MUR)の決定のために実施する。例えば、乾燥剤サンプルを、10秒間~2時間の範囲の時間、例えば、1分、5分、10分、20分、30分、40分、1時間および2時間などの多くの異なる時間PBS媒体に浸漬させ得る。全時点からのMURを比較し、薬剤液体取込時間アッセイによる液体取込のための時間を、薬剤液体取込アッセイにより該乾燥剤により吸収され得る液体の量(液体取込能)として確立されたMURの90%を達成する最も早い時点の選択により決定する。評価時点の何れも液体取込能の90%を達成しないとき、すなわちこれら評価時点が液体取込能の90%の下または上であるMURを示すならば、乾燥剤がその液体取込能の90%を示す時点が同定されるまで、これら評価時点の前または後である新しい時点を選択し、その新たに選択した時点でのMURを決定する過程を繰り返す。
【0030】
ここで使用する“生分解性”は、個体、患者または対象の体内に挿入されたとき、細胞機構または化学過程(例えば、加水分解)により、顕著な毒性効果なく体が再使用または処理できる成分(“分解生成物”)に分解される物質をいう。いくつかの例において、分解生成物は、生体適合性でもあり得る。
【0031】
ここで使用する“製剤乾燥能アッセイ”(Dosage Form Drying Capacitgy Assey)は、25℃および1気圧の圧力で測定して、吸収される液体mg/経口製剤での経口製剤の乾燥能の決定に使用されるアッセイをいう。乾燥能アッセイにおいて、経口製剤を、1mmを超えないサイズの粒子となるよう製剤を粉砕および/または圧縮する。空の50mL遠心管を秤量し、初期質量を風袋重量としてとる。粉砕/圧縮製剤を添加し、該管と経口製剤の総質量を水和前質量としてとる。25℃で40mLのPBSを該管に加え、管を密閉する。該管を10秒間ボルテックス処理して、経口製剤をPBSに完全に分散させる。経口製剤を、PBSに15分間浸漬させる。該管を2000RPMで15分遠心分離して、経口製剤を未吸収PBSから分離する。得られた上清を傾捨し、該管中の浸漬経口製剤の質量を量る。経口製剤により吸収される液体の質量を、浸漬後質量から浸漬前質量を減ずることにより決定する。この値が、液体mg/経口製剤での経口製剤あたりの吸収される液体の質量としての乾燥能である。
【0032】
ここで使用する“製剤液体取込アッセイ”(Dosage Form Fluid Uptake Assay)は、製剤により取り込まれる液体mg/製剤mgで測定する、特定の製剤により吸収され得る液体の量(液体取込能)を決定するために使用するアッセイである。製剤液体取込アッセイによると、製剤についてのpH6.0リン酸緩衝化食塩水溶液の液体取込を、25℃の温度および1気圧の圧力で測定する。特に、pH6.0リン酸緩衝化食塩水(PBS)媒体を、脱イオン水/10×濃縮PBS(25.6g Na2HPO4・7H2O+80g NaCl+2g KH2PO4、H2Oで1Lとする)/1N 塩酸で、容積比で100/10/0.675で調製する。100mLのPBS媒体を量り取り、質量を記録する。経口製剤を、1mmを超えないサイズの粒子となるよう粉砕および/または圧縮する(例えば、1gの物質)。次いで、製剤粒子を2時間PBS媒体に浸漬させる。製剤粒子を含むPBS媒体を10秒間ポリエステルメッシュディスクフィルター(86×86メッシュ、4-9/16”直径、0.0056”開口)に注ぎ、フィルターをさらに60秒間排水させる。フィルターを通って排水された液体の質量を量る。製剤総媒体取込を、次の式を使用して計算する。
【0033】
MUD=F0-Fr
【0034】
式中、MUDは製剤あたりの液体取込mgでの製剤総媒体取込であり、F0は製剤粒子添加前のmgでの液体の初期質量であり、Frは製剤粒子から排水された液体の質量である。製剤液体取込アッセイにより測定された製剤の液体取込能は、それ故に、この2時間浸漬時間で決定されたMUDである。
【0035】
ここで使用する“pHでの製剤液体取込時間アッセイ”(Dosage Form Fluid Uptake Assay at pH)は、製剤が、製剤周囲の保護コーティングが溶解するおよび/または透過性となるpHに曝されたとき、製剤全体による液体の所定の取込が提供される時間を決定するために使用されるアッセイをいう。pHでの製剤液体取込時間アッセイにおいて、腸溶性コーティングなどのpH依存的コーティングを有する製剤を、25℃および1気圧の圧力でリン酸緩衝化溶液(PBS)に浸漬し、溶液のpHを、少なくとも7.4のpHなどの該pH依存的コーティングが溶解するおよび/または透過性となる所定のpHに調節する(浸漬時点で既にそのpHではないならば)。一定範囲の設定時間にわたる製剤により吸収される液体の相対的質量が所定のpHで25℃および1気圧の圧力で測定される。特に、製剤の乾燥時間を評価するために、所定のpHでの25℃で複数設定時間における製剤全体により吸収されるリン酸緩衝化溶液(PBS)の相対的質量を決定する。例えば、液体取込が評価される時間は、10秒間~2時間の範囲の時間、例えば、1分、5分、10分、20分、30分、40分、1時間および2時間の時間であり得る。pHでの製剤液体取込時間アッセイによると、pH6.0リン酸緩衝化食塩水(PBS)媒体を、脱イオン水/10×濃縮PBS(25.6g Na2HPO4・7H2O+80g NaCl+2g KH2PO4、H2Oで1Lとする)/1N 塩酸で、容積比で100/10/0.675で調製する。150mLのPBS媒体を量り取り、質量を記録する。次いで、製剤をPBS媒体に浸漬させ、腸溶性コーティングを少なくとも部分的に溶解させるおよび/または透過性とするために、pHをpH7.4に調節する。製剤を、所定の時間PBS媒体に浸漬させ、その後製剤を含むPBS媒体をポリエステルメッシュディスクフィルター(86×86メッシュ、4-9/16”直径、0.0056”開口)に10秒間注ぎ、フィルターをさらに60秒間排水させる。フィルターを通って排水された液体の質量を量る。製剤全体についての総媒体取込MUDを、製剤あたり吸収される液体mgで測定して、ある時点での製剤全体の液体取込の程度を決定するために、上記製剤液体取込アッセイにおけるとおり、計算する。特に、MUDは、次の式に従い決定される。
【0036】
MUD=F0-Fr
【0037】
式中、MUDは製剤あたり液体取込mgでの製剤についての総媒体取込であり、F0は製剤添加前のmgでの液体の初期質量であり、Frは製剤から排水された液体の質量である。この過程を、製剤をPBSに浸漬する時間を変えて繰り返す。全時点からの吸収される液体mg/製剤を比較し、液体取込時間を、同一製剤について製剤液体取込アッセイにより決定された製剤液体取込能の90%を達成する最も早い時点を選択することにより決定する。製剤について評価時点の何れも液体取込能の90%を達成しないとき、すなわちこれら評価時点が該製剤の液体取込能の90%の下または上であるMUDを示すならば、製剤がその液体取込能の90%を示す時点が同定されるまで、これら評価時点の前または後である新しい時点を選択し、その新たに選択した時点でのMUDを決定する過程を繰り返す。
【0038】
ここで使用する“取込相についての製剤液体取込時間アッセイ(取込相)”(Dosage Form Fluid Uptake Time Assay for Uptake Phase)は、製剤液体取込アッセイにより測定される、製剤による液体取込の相が起こるのに必要な時間を決定するために使用するアッセイをいい、液体取込相は、製剤がその液体取込能の最初のパーセンテージからその液体取込能の第二のパーセンテージに行く所定の時間の間に起こる。例えば、液体取込相は、液体の吸収により達成される製剤の液体取込のパーセンテージが少なくとも50%増加する時間に対応し得て、例えば、製剤がその可能な総液体取込能の0%からその液体取込能の50%を吸収するのに必要な時間および/または製剤がその液体取込能の1%から51%を吸収するのに必要な時間および/または製剤がその液体取込能の5%から55%を吸収するのに必要な時間および/または製剤がその液体取込能の10%から60%を吸収するのに必要な時間および/または製剤がその液体取込能の25%から75%を吸収するのに必要な時間および/または製剤がその液体取込能の50%から100%を吸収するのに必要な時間である。製剤液体取込時間(乾燥相)において、製剤を、25℃および1気圧の圧力でリン酸緩衝化溶液(PBS)に浸漬する。所定の乾燥相において製剤が一定量の液体を吸収するのにかかる時間を決定するために、一定範囲の設定時間での製剤により吸収される液体の相対的質量が25℃および1気圧の圧力で測定される。製剤液体取込時間アッセイ(取込相)によって、pH6.0リン酸緩衝化食塩水(PBS)媒体を、脱イオン水/10×濃縮PBS(25.6g Na2HPO4・7H2O+80g NaCl+2g KH2PO4、H2Oで1Lとする)/1N 塩酸で、容積比で100/10/0.675で調製する。150mLのPBS媒体を量り取り、質量を記録する。次いで、製剤をPBS媒体に浸漬させ、製剤が媒体に少なくとも部分的に溶解し始めるまで、少なくとも浸漬させる。例えば、製剤が液体媒質において溶解し始めるまでの時間は、製剤の組成によって、10秒間~8時間または24時間またはそれより長い範囲であり得る。製剤が液体媒質に少なくとも部分的に溶解し始めたら、液体媒質における製剤の浸漬を所定の時間続ける。例えば、製剤が少なくとも部分的に溶解し始めた後の所定の時間は、10秒間~2時間の範囲の時間、例えば、1分、5分、10分、20分、30分、40分、1時間および2時間の時間であり得る。所定の時間経過後、製剤を含むPBS媒体をポリエステルメッシュディスクフィルター(86×86メッシュ、4-9/16”直径、0.0056”開口)に10秒間注ぎ、フィルターをさらに60秒間排水させる。フィルターを通って排水された液体の質量を量る。製剤全体についての総媒体取込MUD吸収される液体mg/製剤mgで測定して、ある時点での製剤全体についての液体取込の程度を決定するために、上記製剤液体取込アッセイと同様に計算する。特に、MUDは、次の式に従い決定される。
【0039】
MUD=F0-Fr
【0040】
式中、MUDは製剤あたり液体取込mgでの総媒体取込であり、F0は製剤添加前のmgでの液体の初期質量であり、Frは製剤から排水された液体の質量である。この過程を、製剤をPBS液体に浸漬する時間を変えて、繰り返す。全時点からの吸収される液体mg/製剤mgを、製剤により吸収される液体の量の少なくとも50%増加が達成される1以上の液体取込相(例えば、液体取込量の変化が25%から75%である相)を決定するために、比較する。吸収される液体の量の少なくとも50%を達成する相(例えば、25%の液体取込量から75%の液体取込量)などの1以上の液体取込相についての液体取込時間を、次いで、該相の終点を表す時点の間の差異をとることにより決定する。例えば、液体取込時間は、25%の液体取込能が達成される時点と75%の液体取込能が達成される時点で異なり得て、液体取込能は、同一製剤についての製剤液体取込アッセイにより決定される。従って、製剤が液体取込を少なくとも50%増加させる液体取込相に必要な時間が決定され得る。
【0041】
ここで使用する“製剤崩壊時液体取込時間アッセイ”(Dosage Form Fluid Uptake Time Assay at Breakthrough)は、常態では保護コーティングにより被覆されている製剤の全内容物が液体に曝され得るように、粉砕および/または圧縮によって粒子化し、製剤全体による、所定程度の液体取込が行われる時間を決定するために使用するアッセイをいう。製剤崩壊時液体取込時間アッセイにおいて、製剤の粉砕および/または圧縮は、1mmを超えないサイズの粒子となるように実施する。製剤崩壊時液体取込時間アッセイでは、製剤粒子を、25℃および1気圧の圧力でリン酸緩衝化溶液(PBS)に浸漬する。製剤粒子が一定量の液体を吸収するのにかかる時間を決定するために、一定範囲の設定時間にわたる製剤粒子により吸収される液体の相対的質量が25℃および1気圧の圧力で測定される。例えば、液体取込が評価される時間は、10秒間~2時間の範囲の時間、例えば、1分、5分、10分、20分、30分、40分、1時間および2時間の時間であり得る。製剤崩壊時液体取込時間アッセイによると、pH6.0リン酸緩衝化食塩水(PBS)媒体を、脱イオン水/10×濃縮PBS(25.6g Na2HPO4・7H2O+80g NaCl+2g KH2PO4、H2Oで1Lとする)/1N 塩酸で、容積比で100/10/0.675で調製する。150mLのPBS媒体を量り取り、質量を記録する。次いで、製剤粒子をPBS媒体に浸漬させる。製剤粒子を所定の時間PBS媒体に浸漬させ、その後製剤粒子を含むPBS媒体を10秒間でポリエステルメッシュディスクフィルター(86×86メッシュ、4-9/16”直径、0.0056”開口)に注ぎ、フィルターをさらに60秒間排水させる。フィルターを通って排水された液体の質量を量る。製剤全体についての媒体取込比MUDを、吸収される液体mg/製剤で測定して、ある時点での製剤粒子についての液体取込の程度を決定するために、上記製剤液体取込アッセイにおけるとおり計算する。特に、MUDは、次の式に従い決定される。
【0042】
MUD=F0-Fr
【0043】
式中、MUDは製剤あたり液体取込mgでの製剤についての総媒体取込であり、F0は製剤粒子添加前のmgでの液体の初期質量であり、Frは分離された製剤から排水された液体の質量である。この過程を、製剤粒子がPBSに浸漬される時間を変えて繰り返す。全時点からの吸収される液体mg/製剤を比較し、液体取込時間を、同一製剤について製剤液体取込アッセイにより決定された製剤液体取込能の90%を達成する最も早い時点を選択することにより決定する。製剤について評価時点の何れも液体取込能の90%を達成しないとき、すなわちこれら評価時点が該製剤の液体取込能の90%の下または上であるMUDを示すならば、製剤がその液体取込能の90%を示す時点が決定されるまで、これら評価時点の前または後である新しい時点を選択し、その新たに選択した時点でのMUDを決定する過程を繰り返す。
【0044】
ここで使用する“内視鏡的バイオアベイラビリティアッセイ”(Endoscopic Bioavailability Assay)は、内視鏡的試験法を使用して活性剤のバイオアベイラビリティを決定するために使用するアッセイをいう。内視鏡的バイオアベイラビリティアッセイにおいては、ブタモデルが使用され、ここで、経口製剤が内視鏡を使用して動物口内に入れられ、該経口製剤が目的の放出腸管領域、たとえば、十二指腸または回腸などへ進められる。血液サンプルが経口製剤の配置後に採取され、曲線下面積(AUC)が計算される。同じ動物に治療量を皮下注射により与え、血液サンプルを同じ時間間隔で採取し、曲線下面積(AUC)を計算する。パーセントバイオアベイラビリティは、皮下注射のAUCで除した経口製剤のAUCの用量標準化した比として計算される。
【0045】
ここで使用する“個体”、“患者”または“対象”は相互交換可能に使用され、哺乳動物、好ましくはマウス、ラット、モルモットおよび他の齧歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、トリ、爬虫類またはヒトなどの霊長類を含むあらゆる動物をいう。
【0046】
ここで使用する“粘膜付着剤”は、粘膜表面に結合する能力を有する組成物をいう。
【0047】
ここで使用する“薬学的に許容される担体”または“薬学的に許容される添加物”は、生体適合性でありかつ他の点で個体への投与に適する任意かつ全ての溶媒、分散媒体、コーティング、等張剤および吸収遅延剤などをいう。
【0048】
ここで使用する“医薬組成物”は、1以上の薬学的に許容される担体および/または添加物と共に製剤化された、ここに開示する少なくとも一剤を含む組成物をいう。
【0049】
ここで使用する“薬学的にまたは薬理学的に許容される”は、例えば、過度の有害性、アレルギー性または他の不都合な反応を生じない、動物またはヒトへの投与に適切であるとして許容される分子および組成物をいう。
【0050】
ここで使用する“ポートバイオアベイラビリティアッセイ”(Port Bioavailability Assay)は、ポート試験法を使用して、活性剤のバイオアベイラビリティを決定するために使用されるアッセイをいう。ポートバイオアベイラビリティアッセイにおいては、ユカタン系ミニブタが使用され、十二指腸そして、回腸でも到達する、医療グレード空腸チューブが、開腹手術により小腸に配置される。静脈アクセスポートが採血用に設置される。製剤によりもたらされるバイオアベイラビリティを試験するために、製剤を、鉗子を使用して、該チューブから小腸に入れる。所望により、製剤と腸管環境の相互作用を、該ポートからの内視鏡検査により観察してよい。動物を、製剤挿入前16時間絶食させる。バイオアベイラビリティを評価するための採血は7回の採血を含み、1回は製剤挿入前、その後の採血は製剤挿入後30分、60分、1.5時間、2時間、3時間、4時間、5時間および6時間に行う。経口製剤により提供される活性剤のパーセントバイオアベイラビリティを、これらの血液サンプルにおいて検出された活性剤レベルを基に決定する。
【0051】
ここで使用する“外科的バイオアベイラビリティアッセイ”(Surgical Bioavailability Assay)は、外科的試験法を使用する、活性剤のバイオアベイラビリティを決定するために使用するアッセイをいう。外科的バイオアベイラビリティアッセイにおいては、ブタモデルをまた使用し、試験される経口製剤が、空腸および回腸などの目的の腸管の領域に配置され得るように、動物に直視下手術をする。麻酔投与後、動物の腹腔に到達するために、正中腹側切開創を作る。空腸および回腸を露出させ、試験される経口製剤を手動で配置するために切開創を作る。経口製剤の配置が完了したら、腸管切開創を閉じ、正中切開も一時的に閉じてよい。また、頸動脈または頸静脈からの採血のためにアクセスを作り得る。動物を、経口製剤配置後、5分、15分、30分、60分、90分および2時間など、最大4時間まで採血のために麻酔下に維持し得る。血液サンプルを、外科手技前に採取してもよい。経口製剤により提供される活性剤のパーセントバイオアベイラビリティを、これらの血液サンプルにおいて検出された活性剤レベルを基に決定する。
【0052】
ここで使用する“処置”は、状態、疾患、障害などの改善をもたらす、何らかの効果、例えば、軽減、低減または調節をいう。
【0053】
ここで使用する単数表現は、文脈から明らかに他の解釈が必要でない限り、複数の参照対象を含む。
【0054】
用語“含み”、“含む”および“包含する”は、言及されている要素、成分または工程が、明示的に言及していない他の要素、成分または工程と共に存在する、利用するまたは組み合わせられ得ると理解すべきである。
【0055】
詳細な記載
本発明の態様は、活性剤の経口、経腸および/または経粘膜送達のための製剤、系および方法に関する。特に、本発明の態様は、製剤中に1以上の乾燥剤を伴う乾燥組成物を有する経口製剤に関し、これは共に送達される活性剤のバイオアベイラビリティを増加させる。ある実施態様によって、本経口製剤により与えられる増加されたバイオアベイラビリティは、医療的状態の処置のための活性剤の送達を改善し、それにより処置の全体的有効性を増加し得る。特に、経口製剤は、ある実施態様において、他の方法では消化管における吸収が悪いポリペプチドおよび他の高分子量小分子のバイオアベイラビリティの増加が可能であり得る。この増加は、経口投与を、そうでなければ皮下注射でコンプライアンスが悪かった一部個体において、可能とし得る。他の実施態様において、経口製剤で達成されるバイオアベイラビリティ増加は、治療処置効果を達成するために経口製剤に包含されることが必要である活性剤の量を減らし得る。本発明の態様は、さらに、該経口製剤を使用する活性剤の送達のための方法および系ならびにここに記載する経口製剤を製造する方法に関する。
【0056】
ある特定の理論に拘束されることを意図しないが、ある実施態様において、活性剤のバイオアベイラビリティ増加は、活性剤の送達が起こる腸管組織の部位で乾燥効果を付与する乾燥組成物の一部として少なくとも1つの乾燥剤および/または複数乾燥剤の組み合わせを有する経口製剤を提供することにより達成されると考えられる。特に、ある実施態様において、経口製剤は、経口製剤からの乾燥組成物の放出が、活性剤が送達され始める腸管部位周辺の領域に局所的乾燥効果を提供する場所である、腸管組織部位に活性剤を乾燥組成物と組み合わせて送達することを可能とする。腸管部位周辺の領域における局所的乾燥効果は、経口製剤の一部として乾燥組成物と共に包含されている活性剤のバイオアベイラビリティの著しい増加をもたらし得る。何らかの特定の理論に拘束されることを意図しないが、腸管送達部位周辺領域の局所的乾燥が活性剤のバイオアベイラビリティを増加させる1つの機構は、腸管壁を通って活性剤を輸送するためのより大きな推進力を提供する、活性剤の有効局所濃度の増加であり得ると考えられる。同様に、特定の理論に限定されることを意図しないが、局所的乾燥効果と組み合わせて示されるバイオアベイラビリティ増加の機構は、乾燥剤および活性剤の水和のための腸管壁からの液体流入により駆動される、腸管組織の透過性の増加の結果としてであり得る。局所的乾燥効果がバイオアベイラビリティを増加させるものでありかつ未知である、他の機構も存在し得る。
【0057】
ある実施態様において、活性剤の腸管への送達の部位での乾燥効果は、活性剤のバイオアベイラビリティを改善するために腸管組織部位周辺の局所領域を乾燥させる量、組成および/または構成で、少なくとも1つの乾燥剤を有する乾燥組成物と製剤化される、経口製剤により達成され得る。例えば、ある実施態様において、乾燥組成物は、腸管組織の送達部位での乾燥効果を達成するために十分に高い重量パーセントで提供される、乾燥剤を含み得る。他の実施態様において、乾燥組成物は、乾燥能アッセイおよび/または液体取込アッセイにより測定して、高吸収能を示す乾燥剤を含む。ある実施態様において経口製剤の構成はまた、例えば経口製剤の異なる層または構成の提供により、乾燥効果が経口製剤からの活性剤の放出前および/または同時に達成されるようにも考案され得る。さらに、例えばゲル化剤、透過増加剤、オスマジェント(osmagent)の少なくとも1つなどの活性剤の腸管上皮へのおよび/または通過する送達を増加させ得る付加的乾燥剤も経口製剤の一部として提供でき、粘膜付着剤でさえ経口製剤の一部として包含させ得る。活性剤吸収およびバイオアベイラビリティを増加するための局所乾燥効果を付与できる経口製剤の実施態様の詳細な記載は、下に提供する。
【0058】
標的組織
ある実施態様において、経口製剤は、例えば上部消化管または下部消化管(すなわち、小腸または大腸)などの消化管内の標的組織に活性剤および/または乾燥組成物の送達を提供するために設計される。例えば、ある実施態様において、活性剤の送達の部位は、小腸(例えば、十二指腸、空腸または回腸)および/または大腸(例えば、上行結腸、右結腸曲、横行結腸、横行結腸間膜、左結腸曲、下行結腸、S状結腸および直腸)の粘膜であり得る。ある実施態様において、経口製剤は、小腸の回腸における組織への活性剤および乾燥組成物の送達を提供するように設計される。
【0059】
ある実施態様によって、小腸のある部位などの消化管の特定の領域への送達は、経口製剤の構成および組成の選択により達成され得る。例えば、製剤を、下部消化管における所定の位置に到達するまで、胃および/または上部消化管の他の領域の通過中、少なくとも部分的に遮蔽する腸溶性コーティングなどの保護コーティングが提供され得る。消化管の所定の位置に活性剤を送達できる保護コーティングおよび/または腸溶性コーティングされた製剤および/または他の形態の実施態様のさらなる記載を下にさらに詳細に提供する。
【0060】
ある実施態様において、腸管の回腸を標的とする経口製剤の提供により、バイオアベイラビリティの増加が提供され得る。回腸を標的とすることは、ある実施態様において、製剤が消化管を移動して回腸に到達したら、経口製剤からの活性剤の放出を提供するように特に設計される、保護的および/または腸溶性コーティングの提供により達成され得る。腸管は、十二指腸から空腸を経て回腸に移動するに連れ一般に乾燥すると理解されているが、それにもかかわらず、腸管のこれらの領域に溶液の形態で注入されたある活性剤は、空腸または十二指腸よりも回腸で悪い取込を示す。すなわち、溶液形態で注入されたある活性剤は、空腸または十二指腸のような乾燥度が低い腸管領域で高い取込を示す。それ故に、本発明の態様により、経口製剤の乾燥効果により提供され得るバイオアベイラビリティ増加は、腸管の乾燥度が高い領域に注入された溶液形態の活性剤により示される取込減少に照らして常識に反する。
【0061】
活性剤
本発明の実施態様による経口製剤は、広範な領域のあらゆる活性剤の組織部位への送達に適用される。それ故に、例えば、経口製剤は、単一活性剤または複数活性剤(例えば、連続的にまたは同時に、2、3またはそれ以上の活性剤)を組織部位に送達するのに適用され得る。さらに、活性剤は、薬学的に許容される塩形態、遊離酸形態、遊離塩基形態および水和物などの広範な代替形態の何れでもよい。
【0062】
一般に、活性剤は、粒子、液体またはゲル形態であってよく、生物学的関連性を有するあらゆる範囲の物質、例えば、金属、金属酸化物、ペプチド、酵素分解に抵抗するように構造的に操作されたペプチド、抗体、ホルモン、酵素、増殖因子、小有機分子、リガンドまたは他の医薬品、栄養補助食品または生物製剤のすべてを含み得る。ある実施態様において、薬剤は、薬剤として1以上の大分子(例えば、タンパク質および/またはタンパク質複合体)および/または1以上の小分子(例えば、有機または無機の小分子および/または小ペプチド)を含み得る。ある例示的実施態様において、活性剤は、治療処置効果を有する少なくとも1つのポリペプチドおよび/または小分子を含む。本経口製剤により送達され得る活性剤の例は、オクトレオチド、カルシトニン(サケカルシトニンを含む)、副甲状腺ホルモン(PTH)、テリパラチド(PTHの組み換え形態)、インスリン、エキセナチド、リラグルチド、リキシセナチド、アルビグルチドおよび/またはデュラグルチドなどのGLP-1のペプチドアゴニスト、GLP-1/GIPコアゴニスト、GLP-2アゴニストおよびペプチドGPCRアゴニストの少なくとも1つを含み得る。
【0063】
さらに他の実施態様において、活性剤は、例えば抗体(モノクローナルおよびポリクローナル)または抗体フラグメント、多糖、炭水化物、ナノ粒子、ワクチン、生物製剤、核酸、細胞および細胞療法剤、DNA、RNA、siRNA、血液因子、遺伝子療法剤、血栓溶解剤(組織プラスミノーゲン活性化因子)、増殖因子(エリスロポエチン)、インターフェロン、インターロイキンベースの分子、融合タンパク質、組み換えタンパク質、治療用酵素およびその他の何れか1以上のような、上に特に列挙したもの以外の大分子および/または他の構造物も含み得る。活性剤は、小分子薬物、薬物複合体、プロドラッグ、小無機分子、小有機分子(例えば、約500Daの分子量を有する)、代謝により活性化される活性剤(例えば、代謝物)、栄養素、サプリメントなどの少なくとも1つをさらにまたは別途含んでもよい。
【0064】
ある実施態様によって、本経口製剤は、この方法以外では腸管で吸収されにくいであろう活性剤の送達において、良好なバイオアベイラビリティを提供できる。例えば、乾燥組成物を有する経口製剤は、比較的高分子量を有するポリペプチドおよび/または他の小分子について驚くほど良好なバイオアベイラビリティを提供でき、これらの活性剤は、こうしなければ、その比較的大きなサイズのために、効果的に投与するのが困難であり得る。このような活性剤の例は、少なくとも約450Daのサイズを有するポリペプチドおよび/または小分子を含み得る。しかしながら、ある実施態様によって、活性剤の分子量は、腸管における活性剤の良好な送達/吸収を可能とするために、さらに約200,000Da未満であり得る。一例によると、ある実施態様において、活性剤は少なくとも約2,000Daの分子量を有する。さらなる例として、ある実施態様において、活性剤は少なくとも約5000Daの分子量を有する。なおさらなる例として、ある実施態様において、活性剤は、少なくとも約10,000Daの分子量を有する。活性剤は、ある実施態様によって、上記のとおり、一般に、約600,000Da以下の分子量を有するが、分子量はまた、一例において、約200,000Da以下、例えば、約100,000Da以下であり得る。例えば、経口製剤の一部として提供される活性剤は、ある実施態様において、約450Da~約500,000Daの範囲、例えば、約450Da~約25,000Da、さらに450Da~10,000Da、例えば、約450Da~約6,000Daの範囲の分子量を有し得る。例えば、ある実施態様において、活性剤は、約1,000Da~約25,000Da、さらに約1,000Da~約10,000Da、例えば、約1,000Da~5,000Daの範囲の分子量を有し得る。先述のとおり、経口製剤は、ここに記載する範囲内の分子量を有する分子から独立して選択される、2以上の活性剤を含み得る。
【0065】
経口製剤は、少なくとも1つの活性剤を、該活性剤の送達に適当な量または濃度で含む。例えば、ある実施態様において、製剤中の活性剤の総含量は、経口製剤の重量の少なくとも約0.0001%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、活性剤の総含量は、経口製剤の重量の少なくとも約0.001%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、活性剤の総含量は、経口製剤の重量の少なくとも約0.01%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、活性剤は、経口製剤の重量の少なくとも約0.1%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、活性剤は、経口製剤の重量の少なくとも約1%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、活性剤は、経口製剤の重量の少なくとも約10%。さらなる例として、ある実施態様において、活性剤は、経口製剤の重量の少なくとも約20%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、活性剤は、経口製剤の重量の少なくとも約50%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、活性剤は、経口製剤の約90重量%未満である。さらなる例として、ある実施態様において、活性剤は経口製剤の約25重量%未満である。さらなる例として、ある実施態様において、活性剤は、経口製剤の約10重量%未満である。さらなる例として、ある実施態様において、活性剤は、経口製剤の約5重量%未満である。ある実施態様において、活性剤は、経口製剤の重量の約0.0001%~約90%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、活性剤は、経口製剤の重量の約0.01%~約25%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、活性剤は、経口製剤の重量の約1%~約25%であり得る。
【0066】
経口製剤における活性剤の含量は、提供される活性剤の意図される用量ならびに活性剤の活性により選択され得る。例えば、ある実施態様において、オクトレオチドに対応する活性剤は、経口製剤の重量の少なくとも約0.3%の含量で提供され得る。さらなる例として、ある実施態様において、オクトレオチドは、経口製剤の重量の少なくとも約2.5%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、オクトレオチドは、経口製剤の重量の少なくとも約5%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、オクトレオチドは、経口製剤の重量の少なくとも約10%であり得る。ある実施態様において、オクトレオチドは、経口製剤の重量の約50%未満の量で提供される。さらなる例として、ある実施態様において、オクトレオチドは、経口製剤の約25重量%未満である。さらなる例として、ある実施態様において、オクトレオチドは、経口製剤の約10重量%未満である。さらなる例として、ある実施態様において、オクトレオチドは、経口製剤の約5重量%未満である。ある実施態様において、オクトレオチドは、経口製剤の重量の約0.5%~約50%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、オクトレオチドは、経口製剤の重量の約2.5%~約25%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、オクトレオチドは、経口製剤の重量の約2.5%~約10%であり得る。
【0067】
さらに他の実施態様において、カルシトニンに対応する活性剤は、経口製剤の少なくとも約0.3重量%の含量で提供され得る。さらなる例として、ある実施態様において、カルシトニンは、経口製剤の重量の少なくとも約2.5%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、カルシトニンは、経口製剤の重量の少なくとも約5%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、カルシトニンは、経口製剤の重量の少なくとも約10%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、カルシトニンは、経口製剤の重量の約50%未満である。さらなる例として、ある実施態様において、カルシトニンは、経口製剤の約25重量%未満である。さらなる例として、ある実施態様において、カルシトニンは、経口製剤の約10重量%未満である。さらなる例として、ある実施態様において、カルシトニンは、経口製剤の約5重量%未満である。ある実施態様において、カルシトニンは、経口製剤の重量の約0.5%~約50%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、カルシトニンは、経口製剤の重量の約2.5%~約25%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、カルシトニンは、経口製剤の重量の約2.5%~約10%であり得る。
【0068】
他の実施態様において、テリパラチドに対応する活性剤は、経口製剤の少なくとも約0.3重量%の含量で提供され得る。さらなる例として、ある実施態様において、テリパラチドは、経口製剤の重量の少なくとも約2.5%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、テリパラチドは、経口製剤の重量の少なくとも約5%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、テリパラチドは、経口製剤の重量の少なくとも約10%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、テリパラチドは、経口製剤の重量の約50%未満である。さらなる例として、ある実施態様において、テリパラチドは、経口製剤の約25重量%未満である。さらなる例として、ある実施態様において、テリパラチドは、経口製剤の約10重量%未満である。さらなる例として、ある実施態様において、テリパラチドは、経口製剤の約5重量%未満である。ある実施態様において、テリパラチドは、経口製剤の重量の約0.5%~約50%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、テリパラチドは、経口製剤の重量の約2.5%~約25%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、テリパラチドは、経口製剤の重量の約2.5%~約10%であり得る。
【0069】
他の実施態様において、エキセナチドに対応する活性剤は、経口製剤の少なくとも約0.001重量%の含量で提供され得る。さらなる例として、ある実施態様において、エキセナチドは、経口製剤の重量の少なくとも約0.01%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、エキセナチドは、経口製剤の重量の少なくとも約0.1%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、エキセナチドは、経口製剤の重量の少なくとも約1%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、エキセナチドは、経口製剤の約10重量%未満である。さらなる例として、ある実施態様において、エキセナチドは、経口製剤の約1重量%未満である。さらなる例として、ある実施態様において、エキセナチドは、経口製剤の約0.1重量%未満である。さらなる例として、ある実施態様において、エキセナチドは、経口製剤の約0.01重量%未満である。ある実施態様において、エキセナチドは、経口製剤の重量の約0.001%~約10%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、エキセナチドは、経口製剤の重量の約0.01%~約1%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、エキセナチドは、経口製剤の重量の約0.01%~約0.1%であり得る。
【0070】
さらに他の実施態様において、リラグルチドに対応する活性剤は、経口製剤の少なくとも約0.3重量%の含量で提供され得る。さらなる例として、ある実施態様において、リラグルチドは、経口製剤の重量の少なくとも約2.5%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、リラグルチドは、経口製剤の重量の少なくとも約5%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、リラグルチドは、経口製剤の重量の少なくとも約10%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、リラグルチドは、経口製剤の重量の約50%未満である。さらなる例として、ある実施態様において、リラグルチドは、経口製剤の約25重量%未満である。さらなる例として、ある実施態様において、リラグルチドは、経口製剤の約10重量%未満である。さらなる例として、ある実施態様において、リラグルチドは、経口製剤の約5重量%未満である。ある実施態様において、リラグルチドは、経口製剤の重量の約0.5%~約50%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、リラグルチドは、経口製剤の重量の約2.5%~約25%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、リラグルチドは、経口製剤の重量の約2.5%~約10%であり得る。
【0071】
乾燥剤
上記のとおり、ある実施態様において、経口製剤は、腸管の領域における局所的乾燥効果を提供できる少なくとも1つの乾燥剤を有する乾燥組成物を含む。例えば、乾燥組成物は、下記実施態様においてさらに詳述するとおり、活性剤のバイオアベイラビリティを増加するために、活性剤が送達される場所である腸管の部位で乾燥効果を与える1以上の乾燥剤の含量、構成および/または量を提供し得る。
【0072】
ある実施態様によって、乾燥組成物は、経口製剤全体の質量に対して比較的高い、重量パーセントとしての含量で提供される、少なくとも1つの乾燥剤を含む。例えば、ある実施態様において、乾燥組成物は、経口製剤の少なくとも約15重量%の含量で少なくとも1つの乾燥剤を含む。さらなる例として、ある実施態様において、乾燥組成物は、経口製剤の少なくとも約20重量%の含量で少なくとも1つの乾燥剤を含む。さらなる例として、ある実施態様において、乾燥組成物は、経口製剤の少なくとも約30重量%の含量で少なくとも1つの乾燥剤を含む。さらなる例として、ある実施態様において、乾燥組成物は、経口製剤の少なくとも約35重量%の含量で少なくとも1つの乾燥剤を含む。さらなる例として、ある実施態様において、乾燥組成物は、経口製剤の少なくとも約50重量%の含量で少なくとも1つの乾燥剤を含む。さらなる例として、ある実施態様において、乾燥組成物は、経口製剤の少なくとも約65重量%の含量で少なくとも1つの乾燥剤を含む。なおさらなる例として、ある実施態様において、乾燥組成物は、経口製剤の少なくとも約75重量%の含量で少なくとも1つの乾燥剤を含む。なおさらなる例として、ある実施態様において、乾燥組成物は、経口製剤の少なくとも約85重量%の含量で少なくとも1つの乾燥剤を含む。なおさらなる例として、ある実施態様において、乾燥組成物は、経口製剤の少なくとも約95重量%の含量で少なくとも1つの乾燥剤を含む。乾燥組成物は、ある実施態様によって、一般に、組成物の約99重量%未満の少なくとも1つの乾燥剤含量を有するが、乾燥組成物は、約75重量%未満、例えば、約50重量%未満、さらに約35重量%未満の少なくとも1つの乾燥剤の含量も有し得る。例えば、乾燥組成物は、ある実施態様において、少なくとも1つの乾燥剤を、経口製剤の約15重量%~約60重量%、例えば、経口製剤の約20重量%~約40重量%の含量で含み得る。
【0073】
さらに、ある実施態様において、ここでいう少なくとも1つの乾燥剤の重量パーセントは、製剤における全乾燥剤の総重量パーセントに相当し得る。例えば、一乾燥剤のみを含む製剤について、該製剤における少なくとも1つの乾燥剤の重量パーセントは、すなわち該製剤における一乾燥剤の重量パーセントである(すなわち、一乾燥剤の重量パーセントが総乾燥剤含量である)。他の例として、2以上の乾燥剤を含む製剤について、少なくとも1つの乾燥剤の重量パーセントは、該製剤に提供される全乾燥剤の総重量パーセントである(すなわち、2以上の乾燥剤の合算した重量パーセントが総乾燥剤含量である)。すなわち、ある実施態様において、製剤は、少なくとも約15重量%の総乾燥剤含量を有する。さらなる例として、ある実施態様において、製剤は、少なくとも約20重量%の総乾燥剤含量を有する。さらなる例として、製剤は、少なくとも約30重量%の総乾燥剤含量を有する。さらなる例として、ある実施態様において、製剤は、少なくとも約35重量%の総乾燥剤含量を有する。さらなる例として、ある実施態様において、製剤は、少なくとも約50重量%の総乾燥剤含量を有する。さらなる例として、製剤は、製剤の少なくとも約65重量%の総乾燥剤含量を有する。なおさらなる例として、ある実施態様において、製剤は、少なくとも約75重量%の総乾燥剤含量を有する。なおさらなる例として、製剤は、少なくとも約85重量%の総乾燥剤含量を有する。なおさらなる例として、ある実施態様において、製剤は、少なくとも約95重量%の総乾燥剤含量を有する。製剤は、ある実施態様によって、一般に約99重量%未満の総乾燥剤含量を有するが、総乾燥剤含量はまた約75重量%未満、例えば約50重量%未満、さらに約35重量%未満であってもよい。例えば、総乾燥剤含量は、ある実施態様において、製剤の約15重量%~約60重量%、例えば、製剤の約20重量%~約40重量%であり得る。
【0074】
ある実施態様において、少なくとも1つの乾燥剤は、ここに記載する薬剤乾燥能アッセイなどのアッセイにより決定され得る薬剤の乾燥能により選択される。薬剤乾燥能アッセイにおいて、所定の質量の乾燥剤により吸収される液体の相対的質量が25℃および1気圧の圧力で測定される。特に、所定の質量の乾燥剤により吸収される25℃での1×リン酸緩衝化溶液(PBS)の相対的質量が、乾燥剤の乾燥能の評価のために決定される。乾燥能アッセイによると、空の50mL遠心管を秤量し、初期質量を風袋重量としてとる。2gの乾燥剤を添加し、該管と乾燥剤の総質量を、水和前質量としてとる。40mLのPBSを該管に加え、管を密閉する。該管を10秒間ボルテックス処理して、乾燥剤をPBSに完全に分散させる。乾燥剤を、PBSに15分間浸漬させる。該管を2000RPMで15分遠心分離して、乾燥剤を未吸収PBSから分離する。得られた上清を傾捨し、該管中の浸漬乾燥剤の質量を量る。乾燥剤により吸収される液体の質量を、浸漬後質量から浸漬前質量を減算することにより決定する。この値を、乾燥剤の初期質量(例えば、2g)で除して、液体mg/乾燥剤mgで乾燥剤の質量あたり吸収される液体の質量を決定する。ある実施態様によって、薬剤乾燥能アッセイにおいて、乾燥剤mgあたり吸収されるPBS液体mgとして測定される乾燥能は、少なくとも約1mg液体/乾燥剤mgである。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤乾燥能アッセイにより測定される乾燥剤の乾燥能は、少なくとも約3mg液体/乾燥剤mgである。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤乾燥能アッセイにより測定される乾燥剤の乾燥能は、少なくとも約4mg液体/乾燥剤mgである。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤乾燥能アッセイにより測定される乾燥剤の乾燥能は、少なくとも約5mg液体/乾燥剤mgである。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤乾燥能アッセイにより測定される乾燥剤の乾燥能は、少なくとも約6mg液体/乾燥剤mgである。なおさらなる例として、ある実施態様において、薬剤乾燥能アッセイにより測定される乾燥剤の乾燥能は、少なくとも約7mg液体/乾燥剤mgである。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤乾燥能アッセイにより測定される乾燥剤の乾燥能は、少なくとも約10mg液体/乾燥剤mgである。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤乾燥能アッセイにより測定される乾燥剤の乾燥能は、少なくとも約20mg液体/乾燥剤mgである。一般に、薬剤乾燥能アッセイにより測定される乾燥剤の乾燥能は約40mg液体/乾燥剤mg未満であり、約15mg液体/乾燥剤mg未満でさえあり得る。ある実施態様において、薬剤乾燥能アッセイにより測定される乾燥剤の乾燥能は、約1mg液体/乾燥剤mg~約20mg液体/乾燥剤mg、例えば、約3mg液体/乾燥剤mg~約20mg液体/乾燥剤mg、さらに約5mg液体/乾燥剤mg~約20mg液体/乾燥剤mgである。
【0075】
ある実施態様において、少なくとも1つの乾燥剤は、ここに記載する薬剤乾燥時間アッセイにより決定される乾燥時間により選択される。薬剤乾燥時間アッセイにおいて、一定範囲の設定時間にわたる所定の質量の乾燥剤により吸収される液体の相対的質量が25℃および1気圧の圧力で測定される。特に、乾燥剤の乾燥時間を評価するために、複数設定時間にわたる25℃で一定質量の乾燥剤により吸収される1×リン酸緩衝化溶液(PBS)の相対的質量を決定する。薬剤乾燥時間アッセイによると、空の50mL遠心管を秤量し、初期質量を風袋重量としてとる。2gの乾燥剤を添加し、該管と乾燥剤の総質量を、水和前質量としてとる。40mL PBSを該管に加え、管を密閉する。該管を10秒間ボルテックス処理して、乾燥剤をPBSに完全に分散させる。乾燥剤を、30秒間PBSに浸漬させる。該管を2000RPMで5分遠心分離して、乾燥剤を未吸収PBSから分離させる。得られた上清を除去し、該管中の浸漬乾燥剤の質量を量る。乾燥剤により吸収される液体の質量を、浸漬後質量から浸漬前質量を減算することにより決定する。この値を、液体mg/乾燥剤mgで乾燥剤の質量あたりの吸収される液体の質量を決定するために、乾燥剤の初期質量(例えば2g)で除す。この過程を、乾燥剤をPBSに浸漬させる時間を1分、5分、10分および15分で変えて、繰り返す。全ての時点からの吸収される液体mg/乾燥剤mgを比較し、秒での乾燥時間を、同一乾燥剤について薬剤乾燥能アッセイにより決定された乾燥能の少なくとも90%を達成する最も早い時点を選択することにより決定する。ある実施態様によって、薬剤乾燥時間アッセイにおいてにおいて秒で測定される乾燥時間は、約5秒を超えない。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤乾燥時間アッセイにより測定される乾燥剤の乾燥時間は、約30秒を超えない。なおさらなる例として、ある実施態様において、薬剤乾燥時間アッセイにより測定される乾燥剤の乾燥時間は、約60秒を超えない。なおさらなる例として、ある実施態様において、薬剤乾燥時間アッセイにより測定される乾燥剤の乾燥時間は、約300秒を超えない。なおさらなる例として、ある実施態様において、薬剤乾燥時間アッセイにより測定される乾燥剤の乾燥時間は、約600秒を超えない。なおさらなる例として、ある実施態様において、薬剤乾燥時間アッセイにより測定される乾燥剤の乾燥時間は、約900秒を超えない。一般に、薬剤乾燥時間アッセイにより測定される乾燥剤の乾燥時間は約1800秒未満である。ある実施態様において、薬剤乾燥時間アッセイにより測定される乾燥剤の乾燥時間は、約5秒~約1800秒、例えば約30秒~約900秒、さらに約300秒~約600秒である。
【0076】
ある実施態様において、経口製剤の乾燥組成物の組成および含量を、製剤乾燥能アッセイにより決定して、適当な乾燥効果を提供する経口製剤全体に対する乾燥能を提供するために選択する。例えば、乾燥組成物は、異なる乾燥能を有する1以上の乾燥剤を含んでよく、これらは、乾燥効果を達成するのに適当な重量による含量で提供される。ある実施態様において、乾燥組成物は、薬剤乾燥能アッセイにより決定して比較的高い乾燥能を有する少なくとも1つの乾燥剤を含み、これは、乾燥効果を与えるのに適当な量で提供され得る。しかしながら、乾燥組成物は、ある実施態様において薬剤乾燥能アッセイにより決定して比較的低い乾燥能を有する少なくとも1つの乾燥剤も含んでよいが、これは、適当な乾燥効果を提供するために経口製剤の重量パーセントとして比較的大含量で提供される。同様に、乾燥組成物は、異なる乾燥能および/または乾燥時間を有する2以上の異なる乾燥剤を含んでよく、これら乾燥剤の組み合わせは適当な乾燥効果を与える。従って、ある実施態様において、経口製剤は、製剤乾燥能アッセイにより測定して、所定の範囲内である経口製剤全体に対する乾燥能を有する。経口製剤全体に対する乾燥能は、経口製剤のサンプルを、一乾燥剤のみの代わりに測定に使用する以外、一乾燥剤について上記したのと同一および/または類似する方法で製剤乾燥能アッセイにより25℃および1気圧の圧力で測定できる。製剤乾燥能アッセイにおける製剤全体の乾燥能は、それ故に1mmを超えないサイズの粒子を提供するために少なくとも1つの乾燥剤を有する経口製剤の粉砕および/または圧縮により決定される。空の50mL遠心管を秤量し、初期質量を風袋重量としてとる。粉砕/圧縮製剤を添加し、該管と経口製剤の総質量を水和前質量としてとる。25℃で40mLのPBSを該管に加え、管を密閉する。該管を10秒間ボルテックス処理して、経口製剤をPBSに完全に分散させる。経口製剤を、PBSに15分間浸漬させる。該管を2000RPMで15分遠心分離して、経口製剤を未吸収PBSから分離する。得られた上清を傾捨し、該管中の浸漬経口製剤の質量を量る。経口製剤により吸収される液体の質量を、浸漬後質量から浸漬前質量を減ずることにより決定する。この値は、mg液体/経口製剤での、経口製剤あたりの吸収される液体の質量である。ある実施態様において、製剤乾燥能アッセイにより決定される少なくとも1つの乾燥剤を有する経口製剤の乾燥能は、経口製剤あたり吸収される液体少なくとも約1gであり得る。なおさらなる例として、ある実施態様において、製剤乾燥能アッセイにより決定される少なくとも1つの乾燥剤を有する経口製剤の乾燥能は、少なくとも約3g液体/経口製剤であり得る。なおさらなる例として、ある実施態様において、製剤乾燥能アッセイにより決定される少なくとも1つの乾燥剤を有する経口製剤の乾燥能は、少なくとも約5g液体/経口製剤であり得る。なおさらなる例として、ある実施態様において、製剤乾燥能アッセイにより決定される少なくとも1つの乾燥剤を有する経口製剤の乾燥能は、少なくとも約7g液体/経口製剤であり得る。なおさらなる例として、ある実施態様において、製剤乾燥能アッセイにより決定される少なくとも1つの乾燥剤を有する経口製剤の乾燥能は、少なくとも約9g液体/経口製剤であり得る。なおさらなる例として、ある実施態様において、製剤乾燥能アッセイにより決定される少なくとも1つの乾燥剤を有する経口製剤の乾燥能は、少なくとも約12g液体/経口製剤であり得る。なおさらなる例として、ある実施態様において、製剤乾燥能アッセイにより決定される少なくとも1つの乾燥剤を有する経口製剤の乾燥能は、少なくとも約16g液体/経口製剤であり得る。なおさらなる例として、ある実施態様において、製剤乾燥能アッセイにより決定される少なくとも1つの乾燥剤を有する経口製剤の乾燥能は、少なくとも約20g液体/経口製剤であり得る。一般に、製剤乾燥能アッセイにより測定する経口製剤の乾燥能は、ある実施態様によって、約40g液体/経口製剤未満である。例えば、乾燥剤を有する経口製剤の乾燥能は、製剤乾燥能アッセイにより測定して、約1g液体/経口製剤~約40g液体/経口製剤、例えば約3g液体/経口製剤~約10g液体/経口製剤、さらに約5g液体/経口製剤~約10g液体/経口製剤であり得る。
【0077】
ある実施態様において、少なくとも1つの乾燥剤は、薬剤液体取込アッセイにより決定される、乾燥剤の液体取込能により選択される。薬剤液体取込アッセイにおいて、特定の乾燥剤により吸収され得る液体の程度(液体取込能)は、乾燥剤のサンプルにより取り込まれる液体mg/乾燥剤サンプルmgとして測定される。薬剤液体取込アッセイによると、乾燥剤のpH6.0リン酸緩衝化食塩水溶液の液体取込を、25℃の温度および1気圧の圧力で測定する。特に、pH6.0リン酸緩衝化食塩水(PBS)媒体を、脱イオン水/10×濃縮PBS(25.6g Na2HPO4・7H2O+80g NaCl+2g KH2PO4、H2Oで1Lとする)/1N 塩酸で、容積比で100/10/0.675で調製する。40mLのPBS媒体を量り取り、質量を記録する。500gの乾燥剤を乾燥剤サンプルとして量り取り、質量を記録する。次いで、乾燥剤サンプルを2時間PBS媒体に浸漬させる。乾燥剤サンプルを含むPBS媒体を10秒間ポリエステルメッシュディスクフィルター(86×86メッシュ、4-9/16”直径、0.0056”開口)に注ぎ、フィルターをさらに60秒間排水させる。フィルターを通って排水された液体の質量を量る。媒体取込比を、次の式を使用して計算する。
【0078】
MUR=F0-Fr/P
【0079】
式中、MURは液体取込mg/乾燥剤mgでの媒体取込比であり、F0は乾燥剤サンプル添加前のmgでの液体の初期質量であり、Frは乾燥剤サンプルから排水された液体の質量であり、Pは乾燥剤サンプルの初期質量である。薬剤液体取込アッセイにより測定した乾燥剤の液体取込能は、それ故に、この2時間浸漬時間について決定されたMURである。
【0080】
ある実施態様によって、薬剤液体取込アッセイにおいて乾燥剤mgあたり吸収されるPBS媒体mgで測定される液体取込能は、少なくとも約1mg液体/乾燥剤mgである。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤液体取込アッセイにより測定される乾燥剤の液体取込能は、少なくとも約3mg液体/乾燥剤mgである。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤液体取込アッセイにより測定される乾燥剤の液体取込能は、少なくとも約4mg液体/乾燥剤mgである。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤液体取込アッセイにより測定される乾燥剤の液体取込能は、少なくとも約5mg液体/乾燥剤mgである。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤液体取込アッセイにより測定される乾燥剤の液体取込能は、少なくとも約6mg液体/乾燥剤mgである。なおさらなる例として、ある実施態様において、薬剤液体取込アッセイにより測定される乾燥剤の液体取込能は、少なくとも約7mg液体/乾燥剤mgである。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤液体取込アッセイにより測定される乾燥剤の液体取込能は、少なくとも約10mg液体/乾燥剤mgである。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤液体取込アッセイにより測定される乾燥剤の液体取込能は、少なくとも約20mg液体/乾燥剤mgである。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤液体取込アッセイにより測定される乾燥剤の液体取込能は、少なくとも約40mg液体/乾燥剤mgである。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤液体取込アッセイにより測定される乾燥剤の液体取込能は、少なくとも約60mg液体/乾燥剤mgである。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤液体取込アッセイにより測定される乾燥剤の液体取込能は、少なくとも約80mg液体/乾燥剤mgである。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤液体取込アッセイにより測定される乾燥剤の液体取込能は、少なくとも約100mg液体/乾燥剤mgである。ある実施態様において、薬剤液体取込アッセイにより測定される乾燥剤の液体取込能は約200mg液体/乾燥剤mg未満であり、約150mg液体/乾燥剤mgより低くてもよい。ある実施態様において、薬剤液体取込アッセイにより測定される乾燥剤の液体取込能は約5mg液体/乾燥剤mg~約200mg液体/乾燥剤mg、例えば約10mg液体/乾燥剤mg~約150mg液体/乾燥剤mg、さらに約20mg液体/乾燥剤mg~約100mg液体/乾燥剤mgである。
【0081】
ある実施態様において、少なくとも1つの乾燥剤は、ここに記載する薬剤液体取込時間アッセイにより決定して、液体取込時間により選択される。薬剤液体取込時間アッセイにおいて、上記薬剤液体取込アッセイを、種々の時点での媒体取込比(MUR)の決定のために実施する。例えば、乾燥剤サンプルを、10秒間~2時間の範囲の時間、例えば、1分、5分、10分、20分、30分、40分、1時間および2時間の時間などの多数の異なる時間PBS媒体に浸漬させ得る。全時点からのMURを比較し、薬剤液体取込時間アッセイによる液体取込のための時間を、薬剤液体取込アッセイにより該乾燥剤により吸収され得る液体の量(液体取込能)として確立されたMURの90%を達成する最も早い時点の選択により決定する。評価時点の何れも液体取込能の90%を達成しないとき、すなわちこれら評価時点が液体取込能の90%の下または上であるMURを示すならば、乾燥剤がその液体取込能の90%を示す時点が同定されるまで、これら評価時点の前または後である新しい時点を選択し、その新たに選択した時点でのMURを決定する過程を繰り返す。
【0082】
ある実施態様によって、薬剤液体取込時間アッセイにおいて秒で測定される液体取込時間は、約5秒を超えない。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤液体取込時間アッセイにより測定される乾燥剤の液体取込時間は、約30秒を超えない。なおさらなる例として、ある実施態様において、薬剤液体取込時間アッセイにより測定される乾燥剤の液体取込時間は、約60秒を超えない。なおさらなる例として、ある実施態様において、薬剤液体取込時間アッセイにより測定される乾燥剤の液体取込時間は、約300秒(5分)を超えない。なおさらなる例として、ある実施態様において、薬剤液体取込時間アッセイにより測定される乾燥剤の液体取込時間は、約600秒(10分)を超えない。なおさらなる例として、ある実施態様において、薬剤液体取込時間アッセイにより測定される乾燥剤の液体取込時間は、約900秒(15分)を超えない。一般に、薬剤液体取込時間アッセイにより測定される乾燥剤の液体取込時間は約1800秒(30分)未満である。なおさらなる例として、ある実施態様において、薬剤液体取込時間アッセイにより測定される乾燥剤の液体取込時間は、約1時間を超えない。なおさらなる例として、ある実施態様において、薬剤液体取込時間アッセイにより測定される乾燥剤の液体取込時間は約1.5時間を超えない。なおさらなる例として、ある実施態様において、薬剤液体取込時間アッセイにより測定される乾燥剤の液体取込時間は、約2時間を超えない。ある実施態様において、薬剤液体取込時間アッセイにより測定される乾燥剤の液体取込時間は、約3時間を超えない。ある実施態様において、液体取込時間は、少なくとも1秒である。ある実施態様において、薬剤液体取込時間アッセイにより測定される乾燥剤の液体取込時間は約5秒~約3時間、例えば約10分秒~約2時間、さらに約20分秒~約1.5時間である。
【0083】
ある実施態様において、経口製剤の乾燥組成物の組成および含量は、製剤液体取込アッセイにより決定して、適当な乾燥効果を提供する経口製剤全体に対する液体取込能を提供するように選択される。例えば、乾燥組成物は、異なる液体取込能を有する1以上の乾燥剤を含んでよく、これらは、乾燥効果を達成するのに適当な重量による含量で提供される。ある実施態様において、乾燥組成物は、薬剤液体取込アッセイにより決定して比較的高い液体取込能を有する少なくとも1つの乾燥剤を含み、これは、乾燥効果を与えるのに適当な量で提供され得る。しかしながら、乾燥組成物は、ある実施態様において、薬剤液体取込アッセイにより決定して比較的低い液体取込能を有する少なくとも1つの乾燥剤も含んでよいが、これは、適当な乾燥効果を提供するために経口製剤の重量パーセントとして比較的大含量で提供される。同様に、乾燥組成物は異なる液体取込能および/または乾燥時間を有する2以上の異なる乾燥剤を含んでよく、これら乾燥剤の組み合わせは適当な乾燥効果を与える。従って、ある実施態様において、経口製剤は、所定の範囲内である、製剤液体取込アッセイにより測定される経口製剤全体に対する液体取込能を有する。
【0084】
製剤液体取込アッセイにおいて、特定の製剤により吸収され得る液体の程度(液体取込能)を、製剤により取り込まれる液体mgとして測定して、決定する。製剤液体取込アッセイによると、製剤についてのpH6.0リン酸緩衝化食塩水溶液の液体取込を、25℃の温度および1気圧の圧力で測定する。特に、pH6.0リン酸緩衝化食塩水(PBS)媒体を、脱イオン水/10×濃縮PBS(25.6g Na2HPO4・7H2O+80g NaCl+2g KH2PO4、H2Oで1Lとする)/1N 塩酸で、容積比で100/10/0.675で調製する。150mLのPBS媒体を量り取り、質量を記録する。経口製剤を、1mmを超えないサイズの粒子となるよう粉砕および/または圧縮する。次いで、製剤粒子を2時間PBS媒体に浸漬させる。製剤粒子を含むPBS媒体を10秒間ポリエステルメッシュディスクフィルター(86×86メッシュ、4-9/16”直径、0.0056”開口)に注ぎ、フィルターをさらに60秒間排水させる。フィルターを通って排水された液体の質量を量る。総製剤媒体取込MUDを、次の式を使用して計算する。
【0085】
MUD=F0-Fr
【0086】
式中、MUDは製剤あたり液体取込mgでの製剤についての総媒体取込であり、F0は製剤粒子添加前のmgでの液体の初期質量であり、Frは製剤粒子から排水された液体の質量である。製剤液体取込アッセイにより測定された製剤の液体取込能は、それ故に、この2時間浸漬時間について決定されたMUDである。
【0087】
ある実施態様において、製剤液体取込アッセイにより決定される少なくとも1つの乾燥剤を有する経口製剤の液体取込能は、経口製剤あたり吸収される液体少なくとも約1gであり得る。なおさらなる例として、ある実施態様において、製剤液体取込アッセイにより決定される少なくとも1つの乾燥剤を有する経口製剤の液体取込能は、少なくとも約3g液体/経口製剤であり得る。なおさらなる例として、ある実施態様において、製剤液体取込アッセイにより決定される少なくとも1つの乾燥剤を有する経口製剤の液体取込能は、少なくとも約5g液体/経口製剤であり得る。なおさらなる例として、ある実施態様において、製剤液体取込アッセイにより決定される少なくとも1つの乾燥剤を有する経口製剤の液体取込能は、少なくとも約7g液体/経口製剤であり得る。なおさらなる例として、ある実施態様において、製剤液体取込アッセイにより決定される少なくとも1つの乾燥剤を有する経口製剤の液体取込能は、少なくとも約9g液体/経口製剤であり得る。なおさらなる例として、ある実施態様において、製剤液体取込アッセイにより決定される少なくとも1つの乾燥剤を有する経口製剤の液体取込能は、少なくとも約12g液体/経口製剤であり得る。なおさらなる例として、ある実施態様において、製剤液体取込アッセイにより決定される少なくとも1つの乾燥剤を有する経口製剤の液体取込能は、少なくとも約16g液体/経口製剤であり得る。なおさらなる例として、ある実施態様において、製剤液体取込アッセイにより決定される少なくとも1つの乾燥剤を有する経口製剤の液体取込能は、少なくとも約20g液体/経口製剤であり得る。なおさらなる例として、ある実施態様において、製剤液体取込アッセイにより決定される少なくとも1つの乾燥剤を有する経口製剤の液体取込能は、少なくとも約40g液体/経口製剤であり得る。なおさらなる例として、ある実施態様において、製剤液体取込アッセイにより決定される少なくとも1つの乾燥剤を有する経口製剤の液体取込能は、少なくとも約60g液体/経口製剤であり得る。なおさらなる例として、ある実施態様において、製剤液体取込アッセイにより決定される少なくとも1つの乾燥剤を有する経口製剤の液体取込能は、少なくとも約80g液体/経口製剤であり得る。なおさらなる例として、ある実施態様において、製剤液体取込アッセイにより決定される少なくとも1つの乾燥剤を有する経口製剤の液体取込能は、少なくとも約100g液体/経口製剤であり得る。一般に、製剤液体取込アッセイにより測定される経口製剤の液体取込能は、ある実施態様によって、約200g液体/経口製剤未満である。例えば、乾燥剤を有する経口製剤の液体取込能は、製剤液体取込アッセイにより測定して、約1g液体/経口製剤~約100g液体/経口製剤、例えば約3g液体/経口製剤~約80g液体/経口製剤、さらに約5g液体/経口製剤~約60g液体/経口製剤であり得る。
【0088】
ある実施態様において、少なくとも1つの乾燥剤は、ここに記載するpHでの製剤液体取込時間アッセイにより決定して、あるpHでの、少なくとも1つの乾燥剤を有する製剤の液体取込時間により選択される。pHでの製剤液体取込時間アッセイにおいて、腸溶性コーティングなどのpH依存的コーティングを有する製剤を、25℃および1気圧の圧力でリン酸緩衝化溶液(PBS)に浸漬し、溶液のpHを、少なくとも7.4のpHなどの該pH依存的コーティングが溶解するおよび/または透過性となる所定のpHに調節する(浸漬時点で既にそのpHでないならば)。一定範囲の設定時間にわたる製剤により吸収される液体の相対的質量が所定のpHで25℃および1気圧の圧力で測定される。特に、製剤の乾燥時間を評価するために、所定のpHでの25℃で複数設定時間にわたる製剤全体により吸収されるリン酸緩衝化溶液(PBS)の相対的質量を決定する。例えば、液体取込が評価される時間は、10秒間~2時間の範囲の時間、例えば、1分、5分、10分、20分、30分、40分、1時間および2時間の時間であり得る。PHでの製剤液体取込時間アッセイによると、pH6.0リン酸緩衝化食塩水(PBS)媒体を、脱イオン水/10×濃縮PBS(25.6g Na2HPO4・7H2O+80g NaCl+2g KH2PO4、H2Oで1Lとする)/1N 塩酸で、容積比で100/10/0.675で調製する。150mLのPBS媒体を量り取り、質量を記録する。次いで、製剤をPBS媒体に浸漬させ、腸溶性コーティングを少なくとも部分的に溶解させるおよび/または透過性とするために、pHをpH7.4に調節する。製剤を、所定の時間PBS媒体に浸漬させ、その後製剤を含むPBS媒体をポリエステルメッシュディスクフィルター(86×86メッシュ、4-9/16”直径、0.0056”開口)に10秒間注ぎ、フィルターをさらに60秒間排水させる。フィルターを通って排水された液体の質量を量る。製剤全体についての総媒体取込MUDを、製剤あたり吸収される液体mgで測定して、ある時点での製剤全体の液体取込の程度を決定するために、上記製剤液体取込アッセイにおけるとおり、計算する。特に、MUDは、次の式に従い決定される。
【0089】
MUD=F0-Fr
【0090】
ここで、MUDは製剤あたり液体取込mgでの製剤に対する総媒体取込比であり、F0は製剤添加前のmgでの液体の初期質量であり、Frは製剤から排水された液体の質量である。この過程を、製剤をPBSに浸漬する時間を変えて繰り返す。全時点からの吸収される液体mg/製剤を比較し、液体取込時間を、同一製剤について製剤液体取込アッセイにより決定された製剤液体取込能の90%を達成する最も早い時点を選択することにより決定する。製剤について評価時点の何れも液体取込能の90%を達成しないとき、すなわちこれら評価時点が該製剤の液体取込能の90%の下または上であるMUDを示すならば、製剤がその液体取込能の90%を示す時点が同定されるまで、これら評価時点の前または後である新しい時点を選択し、その新たに選択した時点でのMUDを決定する過程を繰り返す。
【0091】
ある実施態様によって、pHでの製剤液体取込時間アッセイにより秒で測定する製剤の液体取込時間は、約5秒を超えない。さらなる例として、ある実施態様において、pHでの製剤液体取込時間アッセイにより測定した製剤の液体取込時間は、約30秒を超えない。なおさらなる例として、ある実施態様において、pHでの製剤液体取込時間アッセイにより測定した製剤の液体取込時間は、約60秒を超えない。なおさらなる例として、ある実施態様において、pHでの製剤液体取込時間アッセイにより測定した製剤の液体取込時間は、約300秒(5分)を超えない。なおさらなる例として、ある実施態様において、pHでの製剤液体取込時間アッセイにより測定した製剤の液体取込時間は、約600秒(10分)を超えない。なおさらなる例として、ある実施態様において、pHでの製剤液体取込時間アッセイにより測定した製剤の液体取込時間は、約900秒(15分)を超えない。一般に、pHでの製剤液体取込時間アッセイにより測定した製剤の液体取込時間は、約1800秒(30分)未満である。なおさらなる例として、ある実施態様において、pHでの製剤液体取込時間アッセイにより測定した製剤の液体取込時間は、約1時間を超えない。なおさらなる例として、ある実施態様において、pHでの製剤液体取込時間アッセイにより測定した製剤の液体取込時間は、約1.5時間を超えない。なおさらなる例として、ある実施態様において、pHでの製剤液体取込時間アッセイにより測定した製剤の液体取込時間は、約2時間を超えない。ある実施態様において、pHでの製剤液体取込時間アッセイにより測定した製剤の液体取込時間は、約3時間を超えない。ある実施態様において、pHでの製剤液体取込時間アッセイにより測定した製剤の液体取込時間は、少なくとも1秒である。ある実施態様において、pHでの製剤液体取込時間アッセイにより測定した製剤の液体取込時間は、約5秒~約3時間、例えば約10分秒~約2時間、さらに約20分秒~約1.5時間である。
【0092】
ある実施態様において、少なくとも1つの乾燥剤は、ここに記載する取込相での製剤液体取込時間アッセイにより決定する、液体取込のある相での、少なくとも1つの乾燥剤を有する製剤の液体取込時間により決定される。取込相についての製剤液体取込時間アッセイにおいて、製剤により液体取込の相が生じるのに必要な時間を決定し、液体取込相は製剤がその液体取込能の最初のパーセンテージからその液体取込能の第二のパーセンテージに行く所定の時間の間に生じ、製剤液体取込アッセイにより測定される。例えば、液体取込相は、液体の吸収により達成される製剤の液体取込のパーセンテージが少なくとも50%増加する時間、例えば、製剤がその可能な総液体取込能の0%からその液体取込能の50%を吸収するのに必要な時間および/または製剤がその液体取込能の5%から55%を吸収するのに必要な時間および/または製剤がその液体取込能の10%から60%を吸収するのに必要な時間および/または製剤がその液体取込能の25%から75%を吸収するのに必要な時間および/または製剤がその液体取込能の50%から100%を吸収するのに必要な時間に対応し得る。
【0093】
乾燥相についての製剤液体取込時間において、製剤を、25℃および1気圧の圧力でリン酸緩衝化溶液(PBS)に浸漬する。所定の乾燥相において製剤が一定量の液体を吸収するのにかかる時間を決定するために、一定範囲の設定時間にわたる製剤により吸収される液体の相対的質量が25℃および1気圧の圧力で測定される。取込相についての製剤液体取込時間アッセイによって、pH6.0リン酸緩衝化食塩水(PBS)媒体を、脱イオン水/10×濃縮PBS(25.6g Na2HPO4・7H2O+80g NaCl+2g KH2PO4、H2Oで1Lとする)/1N 塩酸で、容積比で100/10/0.675で調製する。150mLのPBS媒体を量り取り、質量を記録する。次いで、製剤をPBS媒体に浸漬させ、製剤が媒体に少なくとも部分的に溶解し始めるまで、少なくとも浸漬させる。例えば、製剤が液体媒質において溶解し始めるまでの時間は、製剤の組成によって、10秒間~8時間または24時間またはそれより長い範囲であり得る。製剤が液体媒質に少なくとも部分的に溶解し始めたら、液体媒質における製剤の浸漬を所定の時間続ける。例えば、製剤が少なくとも部分的に溶解し始めた後の所定の時間は、10秒間~2時間の範囲の時間、例えば、1分、5分、10分、20分、30分、40分、1時間および2時間の時間であり得る。所定の時間経過後、製剤を含むPBS媒体をポリエステルメッシュディスクフィルター(86×86メッシュ、4-9/16”直径、0.0056”開口)に10秒間注ぎ、フィルターをさらに60秒間排水させる。フィルターを通って排水された液体の質量を量る。製剤全体についての総媒体取込MUDを、製剤あたり吸収される液体mgで測定して、ある時点での製剤全体の液体取込の程度を決定するために、上記製剤液体取込アッセイにおけるとおり、計算する。特に、MUDは、次の式に従い決定される。
【0094】
MUD=F0-Fr
【0095】
式中、MUDは製剤あたり液体取込mgでの総媒体取込であり、F0は製剤添加前のmgでの液体の初期質量であり、Frは製剤から排水された液体の質量である。この過程を、製剤をPBS液体に浸漬する時間を変えて、繰り返す。全時点からの吸収される液体mg/製剤を、製剤により吸収される液体の量の少なくとも50%増加が達成される1以上の液体取込相(例えば、液体取込量の変化が25%から75%である相)を決定するために、比較する。吸収される液体の量の少なくとも50%を達成する相(例えば、25%の液体取込量から75%の液体取込量)などの1以上の液体取込相についての液体取込時間を、次いで、該相の終点を表す時点の間の差異をとることにより決定する。例えば、液体取込時間は、25%の液体取込能が達成される時点と75%の液体取込能が達成される時点で異なり得て、液体取込能は、同一製剤についての製剤液体取込アッセイにより決定される。従って、製剤が液体取込を少なくとも50%増加させる液体取込相に必要な時間が決定され得る。
【0096】
ある実施態様において、製剤は、吸収される液体の量の少なくとも50%に対応する相である少なくとも1つの液体取込相に対する取込相についての製剤液体取込時間アッセイにより測定して、約5秒を超えない、液体取込時間を有する。さらなる例として、ある実施態様において、製剤は、吸収される液体の量の少なくとも50%に対応する相である少なくとも1つの液体取込相に対する取込相についての製剤液体取込時間アッセイにより測定して、約30秒を超えない、液体取込時間を有する。なおさらなる例として、ある実施態様において、ある実施態様において、製剤は、吸収される液体の量の少なくとも50%に対応する相である少なくとも1つの液体取込相に対する取込相についての製剤液体取込時間アッセイにより測定して、約60秒を超えない、液体取込時間を有する。なおさらなる例として、ある実施態様において、製剤は、吸収される液体の量の少なくとも50%に対応する相である少なくとも1つの液体取込相に対する取込相についての製剤液体取込時間アッセイにより測定して、約300秒(5分)を超えない、液体取込時間を有する。なおさらなる例として、ある実施態様において、製剤は、吸収される液体の量の少なくとも50%に対応する相である少なくとも1つの液体取込相に対する取込相についての製剤液体取込時間アッセイにより測定して、約600秒(10分)を超えない、液体取込時間を有する。なおさらなる例として、ある実施態様において、製剤は、吸収される液体の量の少なくとも50%に対応する相である少なくとも1つの液体取込相に対する取込相についての製剤液体取込時間アッセイにより測定して、約900秒(15分)を超えない、液体取込時間を有する。ある実施態様において、製剤は、吸収される液体の量の少なくとも50%に対応する相である少なくとも1つの液体取込相に対する取込相についての製剤液体取込時間アッセイにより測定して、約1800秒(30分)を超えない、液体取込時間を有する。なおさらなる例として、ある実施態様において、製剤は、吸収される液体の量の少なくとも50%に対応する相である少なくとも1つの液体取込相に対する取込相についての製剤液体取込時間アッセイにより測定して、約1時間を超えない、液体取込時間を有する。なおさらなる例として、ある実施態様において、製剤は、吸収される液体の量の少なくとも50%に対応する相である少なくとも1つの液体取込相に対する取込相についての製剤液体取込時間アッセイにより測定して、約1.5時間を超えない、液体取込時間を有する。なおさらなる例として、ある実施態様において、製剤は、吸収される液体の量の少なくとも50%に対応する相である少なくとも1つの液体取込相に対する取込相についての製剤液体取込時間アッセイにより測定して、約2時間を超えない、液体取込時間を有する。ある実施態様において、製剤は、吸収される液体の量の少なくとも50%に対応する相である少なくとも1つの液体取込相に対する取込相についての製剤液体取込時間アッセイにより測定して、約3時間を超えない、液体取込時間を有する。ある実施態様において、ある実施態様において、製剤は、吸収される液体の量の少なくとも50%に対応する相である少なくとも1つの液体取込相に対する取込相についての製剤液体取込時間アッセイにより測定して、少なくとも1秒である、液体取込時間を有する。ある実施態様において、製剤は、吸収される液体の量の少なくとも50%に対応する相である少なくとも1つの液体取込相に対する取込相についての製剤液体取込時間アッセイにより測定して、約5秒~約3時間、例えば約10分秒~約2時間、さらに約20分秒~約1.5時間である、液体取込時間を有する。
【0097】
ある実施態様において、少なくとも1つの乾燥剤は、ここに記載する製剤崩壊時液体取込時間アッセイにより決定して、少なくとも1つの乾燥剤を有する製剤の液体取込時間により選択される。製剤崩壊時液体取込時間アッセイにおいて、他では保護コーティングにより被覆されている製剤の内容物が液体に曝され得るように、製剤が粒子に粉砕および/または圧縮されたとき、製剤全体により所定の液体取込の程度が提供される時間(液体取込能)が決定される。製剤崩壊時液体取込時間アッセイにおいて、製剤を、1mmを超えないサイズの粒子となるよう粉砕および/または圧縮する。製剤粒子を、25℃および1気圧の圧力でリン酸緩衝化溶液(PBS)に浸漬する。製剤粒子が一定量の液体を吸収するのにかかる時間を決定するために、一定範囲の設定時間にわたる製剤粒子により吸収される液体の相対的質量が25℃および1気圧の圧力で測定される。例えば、液体取込が評価される時間は、10秒間~2時間の範囲の時間、例えば、1分、5分、10分、20分、30分、40分、1時間および2時間の時間であり得る。製剤崩壊時液体取込時間アッセイによると、pH6.0リン酸緩衝化食塩水(PBS)媒体を、脱イオン水/10×濃縮PBS(25.6g Na2HPO4・7H2O+80g NaCl+2g KH2PO4、H2Oで1Lとする)/1N 塩酸で、容積比で100/10/0.675で調製する。150mLのPBS媒体を量り取り、質量を記録する。次いで、製剤粒子をPBS媒体に浸漬させる。製剤粒子を所定の時間PBS媒体に浸漬させ、その後製剤粒子を含むPBS媒体を10秒間ポリエステルメッシュディスクフィルター(86×86メッシュ、4-9/16”直径、0.0056”開口)に注ぎ、フィルターをさらに60秒間排水させる。フィルターを通って排水された液体の質量を量る。製剤全体についての総媒体取込MUDが、製剤液体取込アッセイにおいて上記のとおり計算され、製剤あたり吸収される液体mgで測定して、ある時点での製剤粒子についての液体取込の程度が決定される。特に、MUDは、次の式に従い決定される。
【0098】
MUD=F0-Fr
【0099】
式中、MUDは製剤あたり液体取込mgでの製剤についての総媒体取込であり、F0は製剤粒子添加前のmgでの液体の初期質量であり、Frは分離された製剤から排水された液体の質量である。この過程を、製剤粒子がPBSに浸漬される時間を変えて繰り返す。全時点からの吸収される液体mg/製剤を比較し、液体取込時間を、同一製剤について製剤液体取込アッセイにより決定された製剤液体取込能の90%を達成する最も早い時点を選択することにより決定する。製剤について評価時点の何れも液体取込能の90%を達成しないとき、すなわちこれら評価時点が該製剤の液体取込能の90%の下または上であるMUDを示すならば、製剤がその液体取込能の90%を示す時点が同定されるまで、これら評価時点の前または後である新しい時点を選択し、その新たに選択した時点でのMUDを決定する過程を繰り返す。
【0100】
ある実施態様によって、製剤崩壊時液体取込時間アッセイにおいて秒で測定される液体取込時間は、約5秒を超えない。さらなる例として、ある実施態様において、製剤崩壊時液体取込時間アッセイにより測定される製剤の液体取込時間は、約30秒を超えない。なおさらなる例として、ある実施態様において、製剤崩壊時液体取込時間アッセイにより測定される製剤の液体取込時間は、約60秒を超えない。なおさらなる例として、ある実施態様において、製剤崩壊時液体取込時間アッセイにより測定される製剤の液体取込時間は、約300秒(5分)を超えない。なおさらなる例として、ある実施態様において、製剤崩壊時液体取込時間アッセイにより測定される製剤の液体取込時間は、約600秒(10分)を超えない。なおさらなる例として、ある実施態様において、製剤崩壊液体取込時間アッセイにより測定される製剤の液体取込時間は、約900秒(15分)を超えない。一般に、製剤崩壊時液体取込時間アッセイにより測定される製剤の液体取込時間は、約1800秒(30分)未満である。なおさらなる例として、ある実施態様において、製剤崩壊時液体取込時間アッセイにより測定される製剤の液体取込時間は、約1時間を超えない。なおさらなる例として、ある実施態様において、製剤崩壊時液体取込時間アッセイにより測定される製剤の液体取込時間は約1.5時間を超えない。なおさらなる例として、ある実施態様において、製剤崩壊時液体取込時間アッセイにより測定される製剤の液体取込時間は、約2時間を超えない。ある実施態様において、製剤崩壊時液体取込時間アッセイにより測定される製剤の液体取込時間は、約3時間を超えない。ある実施態様において、製剤崩壊時液体取込時間アッセイにより測定される製剤の液体取込時間は、少なくとも1秒である。ある実施態様において、製剤崩壊時液体取込時間アッセイにより測定される製剤の液体取込時間は、約5秒~約3時間、例えば約10分秒~約2時間、さらに約20分秒~約1.5時間である。
【0101】
これに加えておよび/またはこれとは別に、ある実施態様において、1以上の乾燥剤をその中に有する乾燥組成物を含む経口製剤の部分についての乾燥能および/または液体取込能を、薬剤乾燥能アッセイおよび/または薬剤液体取込アッセイにより測定して所定の範囲内であるように選択し得る。乾燥組成物についての乾燥能および/または液体取込能は、乾燥組成物のサンプル(例えば、場合により、1以上の乾燥剤徒共に、結合剤、ゲル化剤および他の成分を含む)を、一乾燥剤のみの代わりに使用し、経口製剤において使用する乾燥組成物全体に対する吸収される液体の量を決定する以外、一乾燥剤について上記したのと同じ方法で、薬剤乾燥能アッセイおよび/または薬剤液体取込能を決定し得る。ある実施態様において、薬剤乾燥能アッセイおよび/または薬剤液体取込アッセイにより決定して、少なくとも1つの乾燥剤を有する乾燥組成物の乾燥能および/または液体取込能は、少なくとも約1mg液体/乾燥組成物mgである。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤乾燥能アッセイおよび/または薬剤液体取込アッセイにより決定して、少なくとも1つの乾燥剤を有する乾燥組成物の乾燥能および/または液体取込能は、少なくとも約4mg液体/乾燥組成物mgであり得る。なおさらなる例として、ある実施態様において、薬剤乾燥能アッセイおよび/または薬剤液体取込アッセイにより決定して、少なくとも1つの乾燥剤を有する乾燥組成物の乾燥能および/または液体取込能は、少なくとも約7mg液体/乾燥組成物mgであり得る。なおさらなる例として、ある実施態様において、薬剤乾燥能アッセイおよび/または薬剤液体取込アッセイにより決定して、少なくとも1つの乾燥剤を有する乾燥組成物の乾燥能および/または液体取込能は、少なくとも約10mg液体/乾燥組成物mgであり得る。なおさらなる例として、ある実施態様において、薬剤乾燥能アッセイおよび/または薬剤液体取込アッセイにより決定して、少なくとも1つの乾燥剤を有する乾燥組成物の乾燥能および/または液体取込能は、少なくとも約20mg液体/乾燥組成物mgであり得る。なおさらなる例として、ある実施態様において、薬剤乾燥能アッセイおよび/または薬剤液体取込アッセイにより決定して、少なくとも1つの乾燥剤を有する乾燥組成物の乾燥能および/または液体取込能は、少なくとも約40mg液体/乾燥組成物mgであり得る。なおさらなる例として、ある実施態様において、薬剤乾燥能アッセイおよび/または薬剤液体取込アッセイにより決定して、少なくとも1つの乾燥剤を有する乾燥組成物の乾燥能および/または液体取込能は、少なくとも約60mg液体/乾燥組成物mgであり得る。なおさらなる例として、ある実施態様において、薬剤乾燥能アッセイおよび/または薬剤液体取込アッセイにより決定して、少なくとも1つの乾燥剤を有する乾燥組成物の乾燥能および/または液体取込能は、少なくとも約80mg液体/乾燥組成物mgであり得る。なおさらなる例として、ある実施態様において、薬剤乾燥能アッセイおよび/または薬剤液体取込アッセイにより決定して、少なくとも1つの乾燥剤を有する乾燥組成物の乾燥能および/または液体取込能は、少なくとも約100mg液体/乾燥組成物mgであり得る。一般に、薬剤乾燥能アッセイおよび/または薬剤液体取込アッセイにより測定して、乾燥組成物の乾燥能および/または液体取込能は、ある実施態様によって、約100mg液体/乾燥組成物mg未満である。例えば、乾燥剤を有する経口製剤の乾燥組成物部分の乾燥能および/または液体取込能は、薬剤乾燥能アッセイおよび/または薬剤液体取込アッセイにより測定して、約1mg液体/乾燥組成物mg~約100mg液体/乾燥組成物、さらに約1mg液体/乾燥組成物mg~約40mg液体/乾燥組成物mg、例えば約5mg液体/乾燥組成物mg~約80mg液体/乾燥組成物mg、例えば約5mg液体/乾燥組成物mg~約20mg液体/乾燥組成物mg、さらに約10mg液体/乾燥組成物mg~約60mg液体/乾燥組成物mg、例えば約10mg液体/乾燥組成物mg~約20mg液体/乾燥組成物mgであり得る。
【0102】
ある実施態様において、少なくとも1つの乾燥剤は、水溶液に比較的低い溶解度である薬剤を含む。何らかの1つの理論に拘束されないが、比較的低い溶解度乾燥剤は、そうでなければ水溶液に容易に溶解するおよび/またはゲルを形成する薬剤と比較して、腸管部位で経口製剤から放出後、その乾燥能を良好に維持し得ると考えられる。例えば、ある実施態様によって、乾燥剤は、それが過度にゲルでないおよび/または乾燥剤のすぐ近くの水性液体の粘性を増加させないように、十分に不溶性であり得る。ある実施態様によって、乾燥剤による水溶液の粘性の増加は、標準温度および圧力での、5mgの乾燥剤/水mLを含む、水溶液の液体部分の粘性が1cP未満であるように十分低い。さらなる例として、ある実施態様において、標準温度および圧力での、5mgの乾燥剤/水mLを含む、水の溶液の液体部分の粘性は、10cP未満である。さらなる例として、ある実施態様において、標準温度および圧力での、5mgの乾燥剤/水mLを含む、水溶液の液体部分の粘性は、50cP未満である。さらなる例として、ある実施態様において、標準温度および圧力での、5mgの乾燥剤/水mLを含む、水溶液の液体部分の粘性は、100cP未満である。さらなる例として、ある実施態様において、標準温度および圧力での、5mgの乾燥剤/水mLを含む、水溶液の液体部分の粘性は、500cP未満である。さらなる例として、ある実施態様において、標準温度および圧力での、5mgの乾燥剤/水mLを含む、水溶液の液体部分の粘性は、1000cP未満である。さらなる例として、ある実施態様において、標準温度および圧力での、5mgの乾燥剤/水mLを含む、水溶液の液体部分の粘性は、10,000cP未満である。
【0103】
ある実施態様において、乾燥組成物および/または少なくとも1つの乾燥剤は、粒子の形態で提供される。製剤において提供される粒子は、肉眼で見える錠剤に圧縮されても、その間に境界および/または表面を有する。例えば、乾燥組成物および/または少なくとも1つの乾燥剤は、少なくとも0.02ミクロンの重量平均乾燥粒子径、Pavgを有する粒子の集団の形態で提供され得る。例えば、あるこのような実施態様において、集団は、少なくとも0.5ミクロンの重量平均乾燥粒子径、Pavgを有する。さらなる例として、あるこのような実施態様において、集団は、少なくとも5ミクロンの重量平均乾燥粒子径、Pavgを有する。さらなる例として、あるこのような実施態様において、集団は、少なくとも20ミクロンの重量平均乾燥粒子径、Pavgを有する。さらなる例として、あるこのような実施態様において、集団は、少なくとも100ミクロンの重量平均乾燥粒子径、Pavgを有する。さらなる例として、あるこのような実施態様において、集団は、少なくとも500ミクロンの重量平均乾燥粒子径、Pavgを有する。さらなる例として、あるこのような実施態様において、集団は、少なくとも1000ミクロンの重量平均乾燥粒子径、Pavgを有する。一般に、しかしながら、任意のこのような集団は、2000ミクロン未満の重量平均乾燥粒子径、Pavgを有する。さらなる例として、あるこのような実施態様において、集団は、1000ミクロン未満の重量平均乾燥粒子径、Pavgを有する。さらなる例として、あるこのような実施態様において、集団は、400ミクロン未満の重量平均乾燥粒子径、Pavgを有する。さらなる例として、あるこのような実施態様において、集団は、200ミクロン未満の重量平均乾燥粒子径、Pavgを有する。例えば、集団は、ある実施態様において、約0.01ミクロン~約1000ミクロン、例えば約1ミクロン~約500ミクロンの重量平均乾燥粒子径、Pavgを有する。ある実施態様において、集団は、約100ミクロン~約400ミクロン、さらに約20ミクロン~約200ミクロンを含む、約10ミクロン~約1000ミクロン、例えば約50ミクロン~約500ミクロンの重量平均乾燥粒子径、Pavgを有する。粒子径は、ある実施態様において、ISO 13320:2009スタンダードに記載のもののような、レーザー回折方法により測定され得る。ある実施態様において、小さい粒子径を有する粒子は、比較的大きな粒子より速い速度で液体を吸収し得る。例えば、ある実施態様によって、500ミクロン未満、さらに400ミクロン未満の重量平均乾燥粒子径、Pavgを有する粒子は、大きな重量平均乾燥粒子径を有する粒子と比較して、上記アッセイの何れかにより測定して、速い乾燥時間および/または液体取込時間を有する。
【0104】
何らかの特定の理論に限定されないが、粒子形態(例えば、圧縮錠剤またはミニ錠剤の形態または他の緩い粒子形態)で乾燥剤を提供することにより、乾燥剤は、過度に大きいまたは嵩高い製剤を必要とすることなく、乾燥効果を効果的に与えることができると考えら得る。これは、投与が困難であり、全例で所望の効果を提供し得ない、“塊”または他の非粒子形態で提供される乾燥剤と対象的であり得る。さらに他の態様によって、粒子形態の乾燥剤は、所望の乾燥効果を提供するだけでなく、また、乾燥剤粒子が適当な速度(例えば、GI管における過度の保持時間なく)で処理され、消化管から除去され得るように、標的腸管部位で比較的速く分散できる。粒子形態の乾燥剤を提供するなおさらなる利点は、ある実施態様によって、他の形態と比較して、乾燥剤粒子を含む製剤の製造が比較的容易であることであり得る。例えば、“塊”形態(非粒子形態)のある乾燥剤を含む製剤の合成および製造は、生産規模で商業的に成り立たないほど十分に困難であり得る。塊形態の結果として、例えば、引用により本明細書にその全体を包含させる、2010年3月25日公開の、Hans E. Junginger et al.のWO2009/125432号に記載のとおり、容易に嚥下できず、それにより患者コンプライアンスを低減させ得るほどに法外に大きいものであり得る。
【0105】
ある実施態様において、経口製剤に対して乾燥組成物の一部として提供され得る適当な乾燥剤は、崩壊剤、超崩壊剤、防湿剤、超吸水性ポリマー、膨潤性ポリマー、超多孔質ヒドロゲルなどの少なくとも1つを含み得る。例えば、ある実施態様において、少なくとも1つの乾燥剤は、修飾セルロース/架橋セルロースおよびこれらの誘導体、例えば、Ac-Si-Sol SD-711 NFを含むクロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポビドン、架橋ポリビニルピロリドン(例えば、クロスポビドン)、デンプンおよび/または修飾デンプン、架橋デンプン、架橋アルギン酸、ポリアクリル酸ナトリウム、架橋ポリアクリル酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ダイズ多糖、ゲランガム、キサンタンガム、二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム・マグネシウム(例えば、ノイシリン)、ケイ酸カルシウムおよびイオン交換樹脂の1以上を含む。具体的に、本組成物に適し得る超崩壊剤は、デンプングリコール酸ナトリウムを含むナトリウムカルボキシメチルデンプンなどの修飾デンプン、クロスポビドン(例えば、コリドンおよびポリプラスドン)などの架橋ポリビニルピロリドンおよびクロスカルメロースナトリウムなどの修飾セルロースを含み得る。ある実施態様において、乾燥剤は、クロスカルメロース(例えばAc-Di-Sol)、ポリアクリル酸ナトリウムおよびデンプングリコール酸ナトリウム(例えば、Primojel)の少なくとも1つを含み得る。先述のとおり、経口製剤は、乾燥組成物の一部として2以上の乾燥剤を含み得る。乾燥剤は、その乾燥性質だけでなく、それが提供し得る活性剤の送達における他の増加にも基づいて選択され得る。乾燥組成物はまた所望により活性剤の送達を増加する他の添加剤および/または薬剤を含み得る。
【0106】
ある実施態様において、乾燥剤は、超多孔質ヒドロゲルなどのヒドロゲルポリマーを含む。ポリマーヒドロゲルは、大量の水を吸収できる架橋親水性ポリマーである。超多孔質ヒドロゲル(SPH)は、乾燥重量の10倍を超える量の水を吸収できるポリマーヒドロゲルを含み得る。特に、超多孔質ヒドロゲルは、多数の相互接続され、開かれた孔を含む3次元的架橋ネットワークを有し得て、それにより短時間で相当量の水の吸収が可能となり得る。超多孔質ヒドロゲルは、ポリ(アクリル酸-コ-アクリルアミド)(ポリ(AA-コ-AM))、ポリ(エチレングリコール-b-テトラメチレンオキシドで被覆されたもしくはポリ(エチレングリコール)がグラフトされたまたはキトサンもしくはポリエチレンイミンが半分もしくは完全に相互貫入したポリ(AA-コ-AM)またはアルギン酸ナトリウム、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(アクリル酸)、グリコールキトサン、多糖、デンプンなどの1以上の種々の親水性ポリマーから形成され得る。ある実施態様において、超多孔質ヒドロゲルは、架橋剤としてポリカルボン酸を使用する親水性ポリマーの架橋により形成されたポリマーを含む。例えば、親水性ポリマーは、セルロースまたはセルロース誘導体、例えば、アルキルセルロース(例えばメチルセルロース、エチルセルロースおよびn-プロピルセルロース)、置換アルキル-セルロース(例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース)、ヒドロキシセルロース、デンプンまたはデンプン誘導体、デキストラン、グリコサミノグリカン、ポリウロン酸などなどの多糖を含み得る。ポリカルボン酸は、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、リンゴ酸、コハク酸などのジカルボン酸およびクエン酸、イソクエン酸、アコニット酸、フタル酸などのトリカルボン酸などの、2以上のカルボン酸官能基を有する有機酸を含み得る。ある実施態様において、超多孔質ヒドロゲルは、例えば、米国特許8,658,147号、米国特許9,353,191号および米国登録前公開2014/0296507号(これら全ては引用により全体として本明細書に包含させる)に記載のような、クエン酸により架橋したカルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロースを含む、クエン酸と架橋したおよび/または親水性ポリマーと組み合わせたカルボキシメチルセルロースに対応する親水性ポリマーを含み得る。
【0107】
ある実施態様において、少なくとも1つの乾燥剤は、薬剤液体取込アッセイにより測定して、少なくとも20mg液体/乾燥剤mg、例えば少なくとも30mg液体/乾燥剤mg、さらに少なくとも35mg液体/乾燥剤mgでありかつ80mg液体/乾燥剤mg未満であり得る液体取込能を有する、ポリアクリル酸ナトリウムポリマーを含む。薬剤液体取込時間アッセイにより測定して、ポリアクリル酸ナトリウムポリマーでの液体取込時間は、1分未満、例えば40秒未満、さらに35秒未満、例えば、30秒を超えないものであり得る。
【0108】
浸透増加剤
さらに他の実施態様において、経口製剤は、活性剤の腸管組織を通る浸透を増加するために、少なくとも1つの浸透増加剤を含む。ある実施態様において、浸透増加剤は、細胞(例えば、腸管細胞または上皮性細胞)間の密着結合の開口能を有し得る。浸透増加剤は、いくつかの例において、上皮性細胞への薬剤の取込を促進し得る。透過増加剤の代表的な種類は、脂肪酸、中鎖グリセリド、界面活性剤、ステロイド系界面活性剤、アシルカルニチン、ラウロイルカルニチン、パルミトイルカルニチン、アルカノイルコリン、N-アセチル化アミノ酸、エステル、塩、胆汁酸塩、ナトリウム塩、含窒素環、これらの誘導体およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。浸透増加剤は、アニオン性、カチオン性、双性イオン性または非イオン性であり得る。アニオン性透過増加剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、デシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、N-ラウリルサルコシネートおよびカプリン酸ナトリウムを含むが、これらに限定されない。カチオン性透過増加剤は、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド、デシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルジメチルドデシルアンモニウムクロライド、ミリスチルトリメチルアンモニウムクロライドおよびドデシルピリジニウムクロライドを含むが、これらに限定されない。双性イオン性透過増加剤は、N-ドデシル-N,N-ジメチル-3-アンモニオ-1-プロパンスルホネート、3-(N,N-ジメチルパルミチルアンモニオ)プロパンスルホネートを含むが、これらに限定されない。脂肪酸は、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、オレイン酸、リノール酸およびリノレン酸、これらの塩、これらの誘導体およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。ある実施態様において、脂肪酸は、エステル、例えば、グリセリド、モノグリセリド、ジグリセリドまたはトリグリセリドとして修飾され得る。抱合または非抱合胆汁酸透過増加剤を含む胆汁酸または塩は、コール酸、デオキシコール酸、タウロ-コール酸、グリココール酸、タウロデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸、タウロウルソデオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、これらの誘導体、これらの塩およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。ある実施態様において、透過増加剤は、金属キレート剤、例えばEDTAまたはEGTA、界面活性剤、例えばドデシル硫酸ナトリウム、ポリエチレンエーテルまたはエステル、ポリエチレングリコール-12ラウリルエーテル、サリチレートポリソルベート80、ノニルフェノキシポリオキシエチレン、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、サポニン、パルミトイルカルニチン、ラウロイル-l-カルニチン、ドデシルマルトシド、アシルカルニチン、アルカノイルコリンおよびこれらの組み合わせを含む。他の透過増加剤は、3-ニトロベンゾエート、閉鎖帯毒素、乳酸塩の脂肪酸エステル、グリチルリチン酸塩、ヒドロキシルベータ-シクロデキストリン、N-アセチル化アミノ酸、例えばナトリウムN-[8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ]カプリレートおよびキトサン、ミセル形成剤、通路形成剤、ミセル形成剤を修飾する薬剤、通路形成剤を修飾する薬剤、これらの塩、これらの誘導体およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。ある実施態様において、ミセル形成剤は胆汁酸塩を含む。ある実施態様において、通路形成剤は抗菌ペプチドを含む。ある実施態様において、ミセル形成剤を修飾する乾燥剤は、ミセル形成剤の臨界ミセル濃度を変える薬剤を含む。浸透増加剤の例は、1重量%3-(N,N-ジメチルパルミチルアンモニオ)プロパンスルホネートである。透過増加剤はまた特許出願公開US2013/0274352号に記載され、その内容を、全体として引用により本明細書に包含させる。ある実施態様において、透過増加剤は、EDTA、パルミトイルカルニチン、ラウロイルカルニチン、ジメチルパルミトイルアンモニオプロパンスルホネート(PPS)およびカプリン酸ナトリウムの少なくとも1つを含み得る。
【0109】
ある実施態様において、経口製剤のために選択される透過増加剤は、浸透増加剤の優勢な浸透機構および親水性および/または疎水性の1以上に基づき選択され得る。例えば、引用により全体を本明細書に包含させる、Pharmaceutical Research, Vol. 25, No. 6, June 2008, pages 1412-1419の“Mechanistic Analysis of Chemical Permeation Enhancers for Oral Drug Delivery”と題するWhitehead and Mitragotriの論文に記載のように、例えば、脂肪エステルおよび/または含窒素環を有する透過増加剤である透過増加剤は、より傍細胞輸送活性を示し得て、一方、カチオン性および双性イオン性透過増加剤は、より経細胞活性を示し得る。さらに、経細胞機構を有する透過増加剤について、浸透増加剤の疎水性増加がこの機構を増加し得て、一方、より傍細胞輸送活性を有する透過増加剤について、より親水性である透過増加剤で大きな増加が見られ得る(例えば密着結合の親水性成分との相互作用により)。ある実施態様において、増加剤の相対的疎水性/親水性は、そのログP値により決定でき、Pは該化合物のオクタノール/水分配係数である。例えば、ある実施態様において、経細胞輸送を増加するために、浸透増加剤は、少なくとも2、例えば少なくとも4、さらに少なくとも6のlogP値を有し得る。逆に、傍細胞輸送を増加するために、浸透増加剤は、ある実施態様において、約4未満、例えば2未満、さらに0未満のlogPを有し得る。
【0110】
経口製剤における浸透増加剤の含量は、ある実施態様において、少なくとも約0.01重量%、例えば少なくとも約0.1重量%であり、約80重量%を超えず、約30重量%未満でさえあり得る。例えば、ある実施態様において、経口製剤における浸透増加剤の含量は、少なくとも約0.01重量%、例えば、少なくとも約1重量%、例えば少なくとも約5重量%、さらに少なくとも約10重量%、例えば少なくとも約30重量%またはさらに少なくとも約50重量%、例えば少なくとも約70重量%を含む、少なくとも約0.1重量%であり得る。例えば、ある実施態様において、浸透増加剤の含量は、0.1重量%~70重量%、例えば約0.1重量%~約20重量%、さらに約1重量%~約10重量%の範囲であり得る。
【0111】
何らかの特定の理論に限定されないが、ある態様によって、少なくとも1つの乾燥剤および/または乾燥組成物により提供される“乾燥効果”は、浸透増加剤と組み合わせて提供されたとき、バイオアベイラビリティ増加の点で、相乗効果を与えると考えられる。すなわち、乾燥剤と浸透増加剤の組み合わせは、ある実施態様において、乾燥剤のみ(浸透増加剤不含)または浸透増加剤のみ(乾燥剤不含)を有する製剤と比較して、乾燥剤と活性剤の組み合わせを有する製剤により送達される活性剤のバイオアベイラビリティの増加に対して、相加を超える効果を提供する。相乗効果は、特定の活性剤の全体的バイオアベイラビリティを有利に増加させるだけでなく、そうでなければ乾燥剤非存在下で必要であるであろう使用すべき浸透増加剤の用量の低減も可能にし得て、これは、特に浸透増加剤が比較的高い毒性を有する場合、有利であり得る。ある実施態様において、浸透増加剤は、製剤あたり0.1mg~800mg、例えば、総製剤あたり0.1mg~600mgの範囲、例えば、1mg~200mgの範囲の投与量、さらに総製剤あたり10mg~40mgの範囲の投与量である、総投与量で提供され得る。ある実施態様において、浸透増加剤は、製剤あたり少なくとも5mgであり、50mgを超えない、例えば製剤あたり少なくとも15mgであり、35mgを超えない範囲で提供される。他の実施態様において、浸透増加剤は投与量あたり少なくとも50mgであり、200mgを超えない、例えば製剤あたり少なくとも75mgであり、100mgを超えない範囲で提供される。例えば、製剤は、製剤あたり少なくとも0.1mg、例えば製剤あたり少なくとも1mg、さらに製剤あたり少なくとも10mg、例えば製剤あたり少なくとも30mg、製剤あたり少なくとも50mg、さらに大きな値、例えば製剤あたり少なくとも100mg、製剤あたり少なくとも200mg、製剤あたり少なくとも400mgおよび製剤あたり少なくとも600mgの含量で浸透増加剤を有し得る。ある実施態様において、浸透増加剤の投与量は製剤に対して600mgを超えず、さらに400mg未満、例えば200mg未満、さらに100mg未満、例えば50mg未満、さらに30mg未満であり得る。例えば、他の透過増加剤と比較して毒性が高い可能性がある浸透増加剤について、適当な投与量は、総製剤あたり0.1mg~50mg、例えば1mg~50mg、さらに10mg~30mgの範囲であり得る。対照的に、他の透過増加剤と比較して毒性が比較的低いおよび/または平均的である浸透について、適当な投与量は、上記した高投与量の1つであり得る。ある実施態様において、カプリン酸ナトリウムを含む浸透増加剤は、製剤あたり少なくとも10mgおよび50mgを超えない量で提供される。他の実施態様において、PPSを含む浸透増加剤は、製剤あたり少なくとも10mgでありかつ50mgを超えない量で提供される。
【0112】
ゲル化剤
ある実施態様によって、経口製剤は、腸管環境に曝されたとき、ゲルを形成できるゲル化剤を含む。特に、ある実施態様において、ゲル化剤は、保護コーティングまたは他の外層の溶解により腸液に曝され、それによりゲル化剤を濃化させ、粘性ゲル物質を形成する。何らかの特定の理論に拘束されることを意図しないが、経口製剤へのゲル化剤の包含は、腸管環境に曝されたとき、活性剤および/または乾燥剤と濃化された半整合塊を形成することにより、活性剤の送達を改善し得ると考えられる。ゲル化剤は、それ故に、ある実施態様において、乾燥剤の送達と組み合わせて活性剤の送達を改善し、同様に活性剤および/または乾燥剤隣接腸管組織の保持を改善することができる。
【0113】
ゲル化剤は、ある実施態様によって、腸液などの液体にゲル化および/または濃厚化効果を提供することができる薬剤を含む。適当なゲル化剤は、ペクチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カーボポールポリマー(例えばカーボポール934P)を含むアクリル酸ポリマーおよびコポリマー、アカシア、アルギン酸、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、トラガカント、メチルセルロース、ポロクサマー、カルボキシメチルセルロースおよびエチルセルロースの少なくとも1つを含み得る。ある実施態様において、ゲル化剤は、ペクチン、HPMCおよびカーボポールポリマー(例えば、カーボポール934P)の少なくとも1つを含む。さらに、ある実施態様において、ゲル化剤と協調して作用する成分を、ゲル形成を促進するためにゲル化剤と共に提供し得る。例えば、ペクチンをゲル化剤として使用する場合、スクロースも、ペクチンゲル化剤のゲル形成を増加するために提供してよい。例えばスクロース、マンニトールおよびフルクトースの少なくとも1つなどのゲル形成を助ける他の成分も、ゲル形成を提供するためにペクチンまたは他のゲル化剤と組み合わせて提供し得る。
【0114】
経口製剤におけるゲル化剤の含量は、ある実施態様において、提供すべきゲル化および/または肥厚の程度、ならびに経口製剤の構造および構成により選択され得る。ある実施態様において、経口製剤は、少なくとも約1重量%のゲル化剤を有する。さらなる例として、ある実施態様において、経口製剤は、少なくとも約5重量%のゲル化剤を有する。さらなる例として、ある実施態様において、経口製剤は、少なくとも約10重量%のゲル化剤を有する。さらなる例として、ある実施態様において、経口製剤は、少なくとも約30重量%のゲル化剤を有する。一般に、経口製剤におけるゲル化剤の含量は、約50重量%未満である。さらなる例として、ある実施態様において、経口製剤は、30重量%未満のゲル化剤含量を有する。さらなる例として、ある実施態様において、経口製剤は、10重量%未満のゲル化剤含量を有する。例えば、経口製剤におけるゲル化剤の含量は、約1重量%~約50重量%、例えば約5重量%~約25重量%、さらに約10重量%~約20重量%であり得る。さらに、ある実施態様において、経口製剤は、あらゆるゲル化剤を実質的に含まず、それ故に組成物に0ゲル化剤など、約1重量%未満であるゲル化剤の量を有し得る。
【0115】
ゲル化剤は、腸管環境に曝されたとき、経口製剤の成分のゲル化を提供するように選択された構成で経口製剤に提供され得る。例えば、ある実施態様において、ゲル化剤は、活性剤と混合されるかまたは他に隣接して提供され得る。他の実施態様において、ゲル化剤は、乾燥剤と混合されるかまたは他に隣接して提供され得る。ある実施態様において、ゲル化剤は、少なくとも1つの乾燥剤をその中に有する領域の周辺の領域に提供される。ある実施態様において、少なくとも1つの乾燥剤は、ゲル化剤をその中に有する領域の周辺の領域に提供される。ある実施態様において、ゲル化剤は、活性剤および乾燥剤の少なくとも一方と同じ層に提供されおよび/またはゲル化剤は活性剤および乾燥剤の少なくとも一方を含む層に直ぐ隣接する層に提供され得る。ゲル化剤はまた経口投与製剤における均質層および/または相を形成するために、活性剤および/または乾燥剤の少なくとも一方とも混合してよく、またはゲル化剤が粒子形態で提供される場合、ゲル化剤粒子を、経口製剤に適する混合物を形成するように活性剤および/または乾燥剤の少なくとも一方の粒子と合わせてよい。さらに、活性剤および/または乾燥剤と異なる層または他の組み合わせなどの経口製剤におけるゲル化剤の他の構成も提供され得る。
【0116】
他の添加剤
経口製剤は、活性剤および少なくとも1つの乾燥剤に加えてまたはゲル化剤の代わりにまたはそれに加えて、活性剤の送達をさらに増加する、さらなる添加剤を含み得る。例えば、ある実施態様において、経口製剤は、活性剤の送達を助けるオスマジェントを含む。ある1つの理論に拘束されないが、オスマジェントは、水を吸収し、活性剤を経口製剤から押し出すことにより経口製剤からの活性剤の排出を助けることができおよび/または水を腸管から吸引することにより腸管組織内の密着構造の弛緩を助けることができると考えられる。ある実施態様において、水和され得るオスマジェントは、水溶性塩、炭水化物、小分子、アミノ酸、水溶性ヒドロゲル形成ポリマーおよびこれらの組み合わせを含み得る。水溶性塩の例は、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、コハク酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウムなどおよびこれらの組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。炭水化物の例は、アラビノース、リボース、キシロース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、スクロース、マルトース、ラクトース、ラフィノースなどおよびこれらの組み合わせなどの糖を含み得る。アミノ酸の例は、グリシン、ロイシン、アラニン、メチオニンなどおよびこれらの組み合わせを含み得る。水溶性ヒドロゲル形成ポリマーの例は、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、架橋PVP、ポリエチレンオキシド、カーボポール、ポリアクリルアミドなどおよびこれらの組み合わせを含み得る。ある実施態様において、経口製剤に提供されるオスマジェントは、スクロース、マンニトール、フルクトースおよびポリエチレングリコールの少なくとも1つを含む。経口製剤におけるオスマジェントの含量は、ある実施態様において、少なくとも約1重量%および約60重量%未満、例えば約10重量%~約50重量%、さらに約20重量%~約40重量%であり得る。
【0117】
ある実施態様において、経口製剤は、製剤からの活性剤の徐放のために、液体に曝されたとき、活性剤周辺にマトリクスを形成できる、一般にポリマー物質の形態の、1以上の制御放出/持続放出剤を含み得る。例えば、製剤は、制御放出/持続放出剤として1以上の上記ゲル化剤を含み得る。例えば、制御放出/持続放出剤は、ペクチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カーボポールポリマー(例えばカーボポール934P)を含むアクリル酸ポリマーおよびコポリマー、アカシア、アルギン酸、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、トラガカント、メチルセルロース、ポロクサマー、カルボキシメチルセルロースおよびエチルセルロースの1以上を含み得る。ある実施態様において、制御放出/持続放出剤は、制御放出/持続放出剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む。制御放出/持続放出剤は、例えば錠剤またはカプセル剤何れかの形態などの少なくとも1つの活性剤を含む製剤の、1以上の活性剤領域105に取り込まれ得る。
【0118】
経口製剤の一部として提供され得る他の添加剤および/または添加物は、安定化剤、流動促進剤、充填剤、抗付着剤、粘膜付着剤、結合剤、吸着剤、防腐剤、抗凍結剤、水和剤、酵素阻害剤、粘液修飾剤(例えば、粘液乾燥剤など)、pH修飾剤、可溶化剤、可塑剤、結晶化阻害剤、バルク充填剤、バイオアベイラビリティ増加剤およびこれらの組み合わせの1以上を含み得る。ある実施態様において、添加剤および/または添加物は、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、湿潤剤、植物油、中鎖モノ、ジおよびトリグリセリド、レシチン、蝋、水素化植物油、コロイド状二酸化ケイ素、ポリビニルピロリドン(PVP)(“ポビドン”)、セルロース、カーボポール(登録商標)ポリマー(Lubrizol Advanced Materials, Inc.)(すなわち、架橋アクリル酸ベースのポリマー)、アクリル酸ポリマー、ペクチン、糖、硫酸マグネシウムまたは他のヒドロゲル形成ポリマーを含み得る。
【0119】
保護コーティング
経口製剤は、ある実施態様によって、腸管の領域に活性剤を送達するために、経口製剤を胃の酸性環境から少なくとも部分的に保護する保護コーティングをさらに含む。保護コーティングは、ある実施態様において、経口製剤内側の活性剤および/または乾燥剤または他の剤を保護する、経口製剤の外部コーティングを形成し得る。ある実施態様において、保護コーティングは経口製剤の外部表面を完全に被覆するが、保護コーティングは、所望により経口製剤の外部表面の一部のみを被覆するようにも考案され得る。保護コーティングはまた単一コーティング層を含んでもよくまたは複数コーティング層として設計されてもよい。
【0120】
ある実施態様によって、保護コーティングは、胃の酸性環境で実質的に不溶性であるが、高いpHである腸液で溶解度が増加するポリマーである、腸溶性材料を有するpH依存的コーティングである腸溶性コーティングであり得る。すなわち、腸溶性コーティングは、胃におけるのとは逆に腸管で優先的に溶解するおよび/または少なくとも部分的に透過性となり得る。例えば、腸溶性コーティングは、胃の酸性環境におけるような約5より低いpHで実質的に不溶性であるが、十二指腸の少なくとも約5.5のpH、空腸の少なくとも約6.5のpHおよび少なくとも約7.0のpH、例えば回腸の少なくとも約7.5(十二指腸、空腸および回腸は小腸の一部である)などの高いpHで可溶性となる腸溶性材料からなり得る。すなわち、腸溶性コーティングは、腸溶性コーティングが、腸溶性コーティングの材料が可溶性であるpHを有する消化器系の環境に到達したら、溶解しおよび/または少なくとも部分的に透過性となり、経口製剤の内容物を放出することができるように、低pHで不溶性であるが、高pHで可溶性であるように選択され得る。従って、腸溶性コーティングを形成するための適当な腸溶性材料は、ある実施態様において、少なくとも約5.5のpH、例えば、少なくとも約6.0のpHに到達するまで可溶性ではないものである。ある実施態様において、腸溶性コーティングを形成するための適当な腸溶性材料は、ある実施態様において、少なくとも約6.5のpH、例えば少なくとも約7.0のpH、さらに少なくとも約7.5のpHに到達するまで可溶性ではないものである。腸溶性材料の例は、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCP)、ポリビニルアセタートフタレート(PVAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、セルロースアセテートトリメリテート、ヒドロキシプロピルメチルセルローススクシネート、セルロースアセテートスクシネート、セルロースアセテートヘキサヒドロフタレート、セルロースプロピオネートフタレート、セルロースアセテートマレアート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、メチルメタクリル酸とメチルメタクリレートのコポリマー、メチルアクリレート、メチルメタクリレートおよびメタクリル酸のコポリマー、メチルビニルエーテルとマレイン無水物のコポリマー(Gantrez ES series)、エチルメタクリレート-メチルメタクリレート-クロロトリメチルアンモニウムエチルアクリル酸コポリマー、ポリ(ビニルアルコール)、ゼイン、シェラックおよびcopal collophoriumなどの天然樹脂およびいくつかの市販の腸溶性分散系(例えば、Eudragit L30D55、Eudragit FS30D、Eudragit L100、Eudragit S100、Kollicoat EMM30D、Estacryl 30D、Coateric、Kollicoat MAE 100PおよびAquateric)を含む。例えば、ある実施態様において、腸溶性コーティング形成に使用される腸溶性材料は、Eudragit S100(ポリ(メタクリル酸-コ-メチルメタクリレート)1:2)、Eudragit L100(ポリ(メタクリル酸-コ-メチルメタクリレート)1:1)およびKollicoat MAE 100P(メタクリル酸エチルアクリル酸コポリマー1:1)の少なくとも1つを含み得る。上記材料の各々の特定のpHでの溶解度は知られているかまたはインビトロで容易に決定できる。例えば、以上は可能な材料の一覧であるが、本発明により利益を受ける当業者は、以上の一覧は包括的ではなく、使用し得る他の腸溶性材料があることを認識する。さらに他の実施態様において、保護コーティングは、pHと無関係な環境の変化により溶解するおよび/または部分的に透過性となるものであり得る。さらに、他の実施態様において、保護および/または腸溶性コーティングは、腸管の所定の領域での活性剤の制御されたおよび/または時限的放出を提供するために、消化器系を通過するに連れて、所定の割合で溶解するおよび/または部分的に透過性となるものであり得る。
【0121】
ある実施態様において、保護コーティングは、少なくともその一部に、所定のpH(例えば、腸管の標的部位でのpH)または所定の時間液体に曝された後(例えば、投与後所定の時点での制御放出)などの、所定の条件下、透過性および/または溶解するものを含む。ある実施態様において、保護コーティングは、実質的に全部、所定の条件下、透過性となるおよび/または溶解する材料のコーティングを含む。さらに他の実施態様によって、保護コーティングは、所定の条件下透過性となるおよび/または溶解する第一コーティング領域ならびに所定の条件下で実質的に透過性とならないおよび/または溶解しないおよび/または第一コーティング領域より低い程度で透過性となるおよび/または溶解する第二コーティング領域を含み得る。このような第一および第二コーティング領域は、例えば、製剤の異なる領域が、異なる時点でおよび/または異なる速度で放出される実施態様において提供され得る。例えば、第一コーティング領域は、製剤の活性剤または乾燥剤の一方を含む部分を少なくとも部分的に被覆するために提供でき、一方、第二コーティング領域は、製剤の活性剤または乾燥剤の他方を含む部分を少なくとも部分的に被覆するために提供でき、これら薬剤の異なる放出速度を提供する。さらに他の実施態様において、保護コーティングは、保護コーティングの主要部として、所定の条件下透過性となるおよび/または溶解する第一コーティング領域を含む。例えば、第一コーティング領域は、製剤表面少なくとも25%、さらに少なくとも35%、例えば製剤表面の少なくとも40%、さらに少なくとも50%、例えば少なくとも60%、さらに75%、例えば少なくとも90%を被覆するように、保護コーティングの一部として提供され得る。さらに他の実施態様において、所定の条件下少なくとも部分的に透過性および/または溶解する第一コーティング領域は、乾燥剤を含む経口製剤の領域の表面の少なくとも25%、さらに少なくとも35%、例えば、領域表面の少なくとも60%、さらに少なくとも75%、例えば少なくとも90%を含む、少なくとも40%、さらに少なくとも50%を被覆し得る。例えば、製剤が、例えば
図1Aに示すとおり、少なくとも1つの乾燥剤をその中に含む層104を有する錠剤の形態である場合、保護コーティング103は、製剤の表面113の実質的に全体の周辺で、所定の条件で透過性となるおよび/または溶解する材料を実質的に全体的に含んでよくおよび/または乾燥剤を含む領域101の表面に対応する製剤の少なくとも表面113周辺で、定の条件で透過性となるおよび/または溶解する材料を含み得る。ある実施態様において、製剤表面の大部分を囲む部分に透過性および/または溶解部分を有する保護コーティングを提供することにより、製剤の内容物が、製剤内部に不必要に内容物を保持することなく、効果的かつ多方向的方式で放出され得る。さらに、さらに他の実施態様において、乾燥剤を含む製剤の少なくとも表面領域の大部分の周辺に透過性および/または溶解部分を提供することにより、製剤の比較的大きな表面領域からの乾燥剤の良好な放出が提供され得る。
【0122】
保護コーティングは、適当な方法で経口製剤の表面に形成される。ある実施態様において、保護コーティングは、所定の範囲内の厚さを有するコーティング画形成されるまで、腸溶性材料などの材料を経口製剤に噴霧コーティングすることにより形成される。保護材料は、ある実施態様において、経口製剤の表面に均一の厚さを有する保護コーティングを提供するように、経口製剤に比較的均一に噴霧され得る。保護コーティングはまた、他の実施態様において、経口製剤の構成および所望の放出特性により、不均一に噴霧され得る。さらに他の実施態様において、保護コーティングは、腸溶性コーティング材料などの保護コーティング材料を含む液体に、経口製剤の表面を浸すかまたは他の方法で沈め、表面に保護材料のコーティングを形成させる、浸漬被覆方法により経口製剤の表面に形成させ得る。ある実施態様において、経口製剤の表面に形成される保護コーティングの厚さは、非被覆形態と比較した被覆経口製剤の重量増加パーセントと相関し、それ故に、所定の範囲内の保護コーティングの厚さを、所定の範囲内である重量増加パーセントが得られるまで保護コーティング材料でコーティングすることにより達成され得る。例えば、ある実施態様において、保護コーティングは、少なくとも約2mgコーティング/錠剤表面cm2を有するコーティングを提供するように表面に形成され得る。他の実施態様において、保護コーティングは、少なくとも約4mgコーティング/錠剤表面cm2を有するコーティングを提供するように表面に形成され得る。他の実施態様において、保護コーティングは、少なくとも約8mgコーティング/錠剤表面cm2を有するコーティングを提供するように表面に形成され得る。他の実施態様において、保護コーティングは、少なくとも約12mgコーティング/錠剤表面cm2を有するコーティングを提供するように表面に形成され得る。他の実施態様において、保護コーティングは、少なくとも約20mgコーティング/錠剤表面cm2を有するコーティングを提供するように表面に形成され得る。一般に、保護コーティングは約80mgコーティング/錠剤表面cm2未満である。一例として、保護コーティングの形成によりもたらされる重量増加は、約2mgコーティング/錠剤表面cm2~約80mgコーティング/錠剤表面cm2、例えば約4mgコーティング/錠剤表面cm2~約20mgコーティング/錠剤表面cm2、さらに約6mgコーティング/錠剤表面cm2~約16mgコーティング/錠剤表面cm2の範囲であり得る。
【0123】
ある実施態様において、経口製剤は、例えば所定のpHおよび/またはpH範囲での制御放出を提供する腸溶性コーティングに対応する保護コーティングの提供により、腸管における領域で活性剤を制御放出するように設計され得る。これに加えておよび/またはこれとは別に、他の成分および/または添加物を、活性剤および/または乾燥剤の制御放出を提供するように経口製剤に提供し得る。保護コーティングに加えて、例えば活性剤領域に対する乾燥剤領域の構造および配置、製剤の圧縮レベル(圧縮するならば)および製剤の成分の組成などの製剤の全体構造もまた製剤からの活性剤の所定の放出を達成するように選択され得る。
【0124】
例えば、ある実施態様において、薬剤の放出速度は、装置1およびpH5.0の150mM リン酸緩衝化食塩水の溶解媒体を用いるUSP溶解アッセイ711により決定して、1分以内に少なくとも約90%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤の放出速度は、装置1およびpH5.5の150mM リン酸緩衝化食塩水の溶解媒体を用いるUSP溶解アッセイ711により決定して、1分以内に少なくとも約90%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤の放出速度は、装置1およびpH6.0の150mM リン酸緩衝化食塩水の溶解媒体を用いるUSP溶解アッセイ711により決定して、1分以内に少なくとも約90%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤の放出速度は、装置1およびpH6.5の150mM リン酸緩衝化食塩水の溶解媒体を用いるUSP溶解アッセイ711により決定して、1分以内に少なくとも約90%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤の放出速度は、装置1およびpH7.0の150mM リン酸緩衝化食塩水の溶解媒体を用いるUSP溶解アッセイ711により決定して、1分以内に少なくとも約90%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤の放出速度は、装置1およびpH7.5の150mM リン酸緩衝化食塩水の溶解媒体を用いるUSP溶解アッセイ711により決定して、1分以内に少なくとも約90%であり得る。
【0125】
例えば、ある実施態様において、薬剤の放出速度は、装置1およびpH5.0の150mM リン酸緩衝化食塩水の溶解媒体を用いるUSP溶解アッセイ711により決定して、10分以内に少なくとも約90%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤の放出速度は、装置1およびpH5.5の150mM リン酸緩衝化食塩水の溶解媒体を用いるUSP溶解アッセイ711により決定して、10分以内に少なくとも約90%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤の放出速度は、装置1およびpH6.0の150mM リン酸緩衝化食塩水の溶解媒体を用いるUSP溶解アッセイ711により決定して、10分以内に少なくとも約90%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤の放出速度は、装置1およびpH6.5の150mM リン酸緩衝化食塩水の溶解媒体を用いるUSP溶解アッセイ711により決定して、10分以内に少なくとも約90%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤の放出速度は、装置1およびpH7.0の150mM リン酸緩衝化食塩水の溶解媒体を用いるUSP溶解アッセイ711により決定して、10分以内に少なくとも約90%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤の放出速度は、装置1およびpH7.5の150mM リン酸緩衝化食塩水の溶解媒体を用いるUSP溶解アッセイ711により決定して、10分以内に少なくとも約90%であり得る。
【0126】
例えば、ある実施態様において、薬剤の放出速度は、装置1およびpH5.0の150mM リン酸緩衝化食塩水の溶解媒体を用いるUSP溶解アッセイ711により決定して、5分以内に少なくとも約90%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤の放出速度は、装置1およびpH5.5の150mM リン酸緩衝化食塩水の溶解媒体を用いるUSP溶解アッセイ711により決定して、5分以内に少なくとも約90%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤の放出速度は、装置1およびpH6.0の150mM リン酸緩衝化食塩水の溶解媒体を用いるUSP溶解アッセイ711により決定して、5分以内に少なくとも約90%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤の放出速度は、装置1およびpH6.5の150mM リン酸緩衝化食塩水の溶解媒体を用いるUSP溶解アッセイ711により決定して、5分以内に少なくとも約90%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤の放出速度は、装置1およびpH7.0の150mM リン酸緩衝化食塩水の溶解媒体を用いるUSP溶解アッセイ711により決定して、5分以内に少なくとも約90%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤の放出速度は、装置1およびpH7.5の150mM リン酸緩衝化食塩水の溶解媒体を用いるUSP溶解アッセイ711により決定して、5分以内に少なくとも約90%であり得る。さらに他の実施態様において、薬剤の放出速度は、装置1およびpH5.0の150mM リン酸緩衝化食塩水の溶解媒体を用いるUSP溶解アッセイ711により決定して、30分以内に少なくとも約90%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤の放出速度は、装置1およびpH5.5の150mM リン酸緩衝化食塩水の溶解媒体を用いるUSP溶解アッセイ711により決定して、30分以内に少なくとも約90%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤の放出速度は、装置1およびpH6.0の150mM リン酸緩衝化食塩水の溶解媒体を用いるUSP溶解アッセイ711により決定して、30分以内に少なくとも約90%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤の放出速度は、装置1およびpH6.5の150mM リン酸緩衝化食塩水の溶解媒体を用いるUSP溶解アッセイ711により決定して、30分以内に少なくとも約90%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤の放出速度は、装置1およびpH7.0の150mM リン酸緩衝化食塩水の溶解媒体を用いるUSP溶解アッセイ711により決定して、30分以内に少なくとも約90%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤の放出速度は、装置1およびpH7.5の150mM リン酸緩衝化食塩水の溶解媒体を用いるUSP溶解アッセイ711により決定して、30分以内に少なくとも約90%であり得る。さらに他の実施態様において、薬剤の放出速度は、装置1およびpH5.0の150mM リン酸緩衝化食塩水の溶解媒体を用いるUSP溶解アッセイ711により決定して、2時間以内に少なくとも約90%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤の放出速度は、装置1およびpH5.5の150mM リン酸緩衝化食塩水の溶解媒体を用いるUSP溶解アッセイ711により決定して、2時間以内に少なくとも約90%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤の放出速度は、装置1およびpH6.0の150mM リン酸緩衝化食塩水の溶解媒体を用いるUSP溶解アッセイ711により決定して、2時間以内に少なくとも約90%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤の放出速度は、装置1およびpH6.5の150mM リン酸緩衝化食塩水の溶解媒体を用いるUSP溶解アッセイ711により決定して、2時間以内に少なくとも約90%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤の放出速度は、装置1およびpH7.0の150mM リン酸緩衝化食塩水の溶解媒体を用いるUSP溶解アッセイ711により決定して、2時間以内に少なくとも約90%であり得る。さらなる例として、ある実施態様において、薬剤の放出速度は、装置1およびpH7.5の150mM リン酸緩衝化食塩水の溶解媒体を用いるUSP溶解アッセイ711により決定して、2時間以内に少なくとも約90%であり得る。
【0127】
経口製剤はまた経口製剤からの活性剤および/または乾燥剤の異なる放出速度を提供する、活性剤、乾燥剤および/または他の添加物をその中に有する異なる層または構造を提供するように設計され得る。例えば、ある実施態様において、経口製剤は、経口製剤(例えば、経口製剤の第一層または部分)の第一部分からの活性剤および乾燥剤の少なくとも一方の第一放出速度を有し、経口製剤(例えば、経口製剤の第二層または部分)の第二部分からの活性剤および乾燥剤の少なくとも一方の第一放出速度と異なる第二放出速度を有し得る。
【0128】
経口製剤
活性剤および少なくとも1つの乾燥剤を有する経口製剤は、錠剤形態、カプセル形態、カプレット形態およびこれらの組み合わせを含む、種々の適当な製剤で提供され得る。活性剤、少なくとも1つの乾燥剤および所望により他の薬学的に許容される添加物を異なる層および形態、例えば粒子形態で合わせて、腸管の領域への活性剤の送達および送達された活性剤の増加されたバイオアベイラビリティを提供し得る。
【0129】
ある実施態様によって、経口製剤100は、少なくとも1つの乾燥剤を含む第一領域101および少なくとも1つの活性剤を含む第二領域105を含む。例えば、
図1Aの実施態様に示すとおり、経口製剤100は、腸管部位周辺の領域を乾燥できる1以上の乾燥剤領域101および腸管部位に送達すべき活性剤を含む1以上の活性剤領域105を含み得る。1以上の乾燥剤領域101は、例えば、該製剤からの活性剤の放出を過度に阻止することなく、腸管部位周辺の領域で乾燥剤が乾燥させることを可能とするために、1以上の活性剤領域から物理的に分離され得る。すなわち、何らかの特定の理論によって制限されないが、ある乾燥剤は、液体の取込により少なくとも部分的に粘性塊を形成する傾向にあり、この塊が、続いて、例えば活性剤を乾燥剤のこの塊に吸収するかまたは活性剤がそれがなければ腸管組織部位に接近することを妨げる物理的障壁を形成することにより、活性剤の腸管組織部位への接近を阻止し得る。従って、経口製剤100の別々の領域101、105で乾燥剤を活性剤から物理的に隔離することは、乾燥効果により提供されるバイオアベイラビリティの増加を促進し得る。
図1Aに示す実施態様において、第一および第二領域101および105は、錠剤の別々の層104、106を構成する。しかしながら、例えば、経口製剤に含まれる別々のミニ錠剤またはミニウェハーおよび/または物質の別々の区画または別々の相、さらにカプセル形態のビーズおよび/または粒子の別々の領域などの別々の要素の形態の第一および第二領域などの、第一および第二領域101、105の他の構成もまた提供できる。活性剤および乾燥剤のための別々の領域が提供される他の構成もまた提供され得る。さらに、
図1Aに示す実施態様は一活性剤領域105および一乾燥剤領域101(すなわち、錠剤層104、106に対応)しか示していないが、ある実施態様はまた経口製剤100の乾燥および/または活性剤送達の送達の必要性に応じて、領域101、105の各々複数を含み得る。
【0130】
ある実施態様において、経口製剤は、1以上の乾燥剤領域101と活性剤領域105の間に分離境界109を含む。例えば、
図1Aに示す実施態様において、層104、106は、第一層104の組成物と第二層106の組成物を分ける分離境界109を、その間に有する。ある実施態様において、分離境界109は、単に異なる組成を有する領域101、105間の界面であり得る。しかしながら、さらに他の実施態様において、分離境界109は、領域101、105を分けるバリア層111または他のバリア要素を含み得る。例えば、バリア層111は、各領域101、105の組成物の互いの拡散を阻止および防止さえでき、腸管での製剤100の溶解により領域内容物の拡散を少なくとも部分的に阻害し、阻止するように働き得る。適当なバリア層111は、例えばポリマー物質および/または高密度ポリエチレン、蝋(例えば蜜蝋)およびゴムからなる群から選択される物質などの、活性剤および乾燥剤領域内容物の拡散に少なくとも部分的に不透過性である物質から形成され得る。バリア物質の例は、例えば、論文“A Review on Controlled Porosity Osmotic Pump Tablets and Its Evaluation” by Sahoo et al, Bulletin of Faculty of Pharmacy, Cairo University, Volume 53, Issue 2, pages 195-205, December 2015に記載され、これは、引用によりその全体を本明細書に包含させる。バリア層111は、活性剤および/または乾燥剤領域内容物がそれを通過する拡散を阻止するのに適当な厚さを含んでよく、厚さは、製剤に層を形成するために提供されるバリア層材料の質量と相関する。例えば、製剤にバリア層を形成するために提供されるバリア層材料の総重量は、少なくとも30mg、例えば少なくとも100mg、さらに少なくとも200mgであり得る。ある実施態様において、製剤あたりのバリア層材料重量は、約400mg未満であり得る。例えば、バリア層は、製剤あたり40mg~400mg、例えば、製剤あたり50mg~150mgの範囲で提供され得る。ある態様によって、バリア層111の提供は、活性剤と乾燥剤領域の相互作用を低減することにより、製剤からの活性剤の速い放出を提供するためにも働き得る。
【0131】
ある実施態様において、製剤は、腸管部位に送達すべき少なくとも1つの活性剤を有する第一領域105および第二領域の少なくとも10wt%の総乾燥剤重量パーセントで少なくとも1つの乾燥剤を有する第二領域101を含み得る。例えば、少なくとも1つの乾燥剤は、少なくとも20wt%、さらに少なくとも25wt%、例えば少なくとも30wt%、さらに少なくとも35wt%である、第二領域101の総パーセント含量で提供され得る。ある実施態様において、少なくとも1つの乾燥剤は、少なくとも50wt%、さらに少なくとも75wt%、例えば少なくとも80wt%、さらに、少なくとも95wt%、例えば少なくとも99wt%を含む、少なくとも90wt%である、第二領域の総パーセント含量で提供され得る。例えば、ある実施態様において、少なくとも1つの乾燥剤は、80wt%~99wt%の範囲を含む、50wt%~99wt%の範囲である、第二領域の総パーセント含量で提供され得る。
【0132】
ある実施態様によって、別々の領域101、105は、活性剤が活性剤領域105の実質的に全体に提供され、乾燥剤が乾燥剤領域101の実質的に全体に提供されるように、活性剤および/または乾燥剤の別々の送達を提供する。例えば、ある実施態様において、1以上の活性剤領域105は、30wt%未満の乾燥剤、さらに20wt%未満の乾燥剤、例えば、5wt%未満の乾燥剤、さらに1wt%未満の乾燥剤をその中に含む。例えば、乾燥剤領域101における乾燥剤の総含量対活性剤領域105における乾燥剤の総含量の重量比は、少なくとも20:1、例えば少なくとも100:1、さらに少なくとも1,000:1であり得る。他の例として、1以上の乾燥剤領域101は、20未満wt%、例えば、1wt%未満の活性剤、さらに0.1wt%未満の活性剤を含む、5wt%未満の活性剤をその中に含み得る。例えば、活性剤領域105における活性剤の総含量対乾燥剤領域101における活性剤の総含量の重量比は、少なくとも20:1、例えば少なくとも100:1、さらに少なくとも1,000であり得る。さらに、経口製剤100の実施態様は、別々の領域101、105を有するとして記載しているが、実施態様が、別々の領域101および105と組み合わせて、活性剤および/または乾燥剤が、均一または勾配混合物で、一緒に混合される少なくとも1領域を有する経口製剤または乾燥剤を活性剤と別々の領域に実質的に分離していない製剤も含み得ることが理解される。
【0133】
図1Aに示す実施態様において、活性剤領域105および乾燥剤領域101は、錠剤を構成する経口製剤100の別々の層、例えば、別々の層104、106を含む。しかしながら、別々の領域101および105もまた、上記のとおり、異なる形態で提供され得る。ある実施態様において、乾燥剤領域101および活性剤領域105は、経口製剤における別々の構造要素120に提供される。例えば、経口製剤100は、少なくとも1つの乾燥剤をその中に有する1以上の要素120を含む乾燥剤領域101を含み得る。他の例として、経口製剤100は、少なくとも1つの活性剤をその中に有する1以上の要素120を含む活性剤領域105を含み得る。1以上の要素は、活性剤および/または乾燥の送達に適当な、種々の外形および形態を構成できる。例えば、1以上の要素120は、錠剤(例えば、ミニ錠剤)、ウェハー、粒子、顆粒、バルクポリマー物質およびビーズ、ならびにこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つを構成し得る。乾燥剤領域はまた層錠剤、粒子、顆粒、ビーズ、バルクポリマー物質およびこれらの組み合わせの1以上も含み得る。活性剤領域はまた単層錠剤、粒子、顆粒、ビーズ、親油性媒体、エマルジョン、懸濁液、溶液、半固体、液体およびこれらの組み合わせの1以上も構成し得る。
図3A~3Cは、カプセルボディに封入されたミニ錠剤の形態の複数の要素120を有するカプセル剤の実施態様を記載する。ある態様によって、1以上の要素120は、活性剤および/または乾燥剤をその中に有する単位構造を構成する。これとは別におよび/またはこれに加えて、製剤は、下にさらに詳述するとおり、液体または非固体相でさえある非単位構造を有する領域と組み合わされた、単位構造を有する1以上の要素の混合物を含み得る。さらに他の実施態様において、経口製剤は、活性剤および乾燥剤両方の混合物(所望により浸透増加剤などの他の成分と共に)をその中に有する1以上の要素120を含み得る。
【0134】
さらに他の実施態様によって、1以上の乾燥剤領域101および1以上の活性剤領域105の位置は、標的腸管部位周辺に乾燥効果も提供しながら、活性剤を同時に送達することにより、活性剤の送達の増加を提供するように選択され得る。例えば、ある実施態様によって、少なくとも1つの活性剤領域105は、経口製剤100の外周123に位置する領域に提供され、一方少なくとも1つの乾燥剤領域101は、経口製剤の内部領域124に提供される。あるいは、他の実施態様において、少なくとも1つの乾燥剤領域101は、経口製剤の外周123に位置する領域に提供され、少なくとも1つの活性剤領域105は、経口製剤100の内部領域に提供される。さらに他の実施態様によって、経口製剤は、少なくとも1つの乾燥剤領域101および少なくとも1つの活性剤領域105の両方を、経口製剤の対向する端または対向する面などの経口製剤の外周123に含み得る。さらに他の実施態様において、経口製剤100は、少なくとも1つの乾燥剤領域101および少なくとも1つの活性剤領域105の両方を、経口製剤100の内部領域124に含み得る。なおさらなる実施態様において、活性剤領域105および乾燥剤領域101の少なくとも1つは、経口製剤の外周123から経口製剤100の内部領域124にまで延びていてよい。例えば、領域101、105の一方は、製剤の少なくとも1つの末端に位置してよく、一方、他の領域は、経口製剤の対向する末端から内部領域124まで延びていてよい。
【0135】
ある実施態様によって、
図1Aに示すとおり、少なくとも1つの活性剤領域105および少なくとも1つの乾燥剤領域101は、錠剤製剤の別々の層104、106の提供によるなど、経口製剤の対向する側に提供され、層104、106は、互いに対向する側にある。さらに他の態様によって、
図3Aおよび3C~3Dに示すとおり、少なくとも1つの活性剤領域105が、製剤の末端121に提供される。例えば、
図3Aおよび3Cに示す実施態様において、活性剤を含むミニ錠剤の形態の要素120が製剤100の少なくとも1つの末端121(
図3C~3D)、さらに対向する両末端121(
図3A)に提供される。さらに他の例において、
図3Bおよび3C~3Dに示すとおり、少なくとも1つの乾燥剤領域101は、製剤100の末端121に提供され得る。例えば、
図3C~3Dに示す実施態様において、乾燥剤を含むミニ錠剤の形態の要素120が、製剤の末端121に提供される。
図3Bに示す実施態様において、ミニ錠剤の形態の要素120が、製剤の対向する末端121に提供され、活性剤領域101は末梢乾燥剤領域の間に配置される。活性剤および乾燥剤領域は、例えば、
図1Bに示す実施態様におけるように交互の層104、106、108を提供することによりおよび/または例えば活性剤または乾燥剤含有要素120を、製剤の縦軸122に添って交互にすることにより、交互の形態でも提供し得る。ある実施態様において、活性剤領域105は、製剤の対向する末端121に位置し、少なくとも1つの乾燥剤領域101は活性剤領域105の間に提供される。さらに他の実施態様において、乾燥剤領域101が、製剤の対向する末端121に提供され、少なくとも1つの活性剤領域105が乾燥剤領域101の間に提供される。さらに他の実施態様において、乾燥剤領域101により占められる製剤100の容積は、適当な効果を提供するように、活性剤領域105により占められる製剤の容積に対して選択され得る。例えば、ある実施態様において、乾燥剤領域の容積対活性剤領域の容積の比は、10:1~0.1、例えば8:1~1:1、さらに4:1~2:1の範囲であり得る。
【0136】
さらに他の実施態様において、乾燥剤領域101および活性剤領域105の少なくとも1つは、例えば浸透増加剤および/またはゲル化剤の少なくとも1つなどさらなるテナ剤を含む。ある実施態様において、浸透増加剤は、腸管部位における活性剤の浸透を増加するために、活性剤領域105の一部として提供される。浸透増加剤は、上記した量の何れかで提供され得て、上記透過増加剤の何れを含んでもよい。製剤に提供される浸透増加剤の総量は、例えば、提供される浸透増加剤のタイプにより選択でき、製剤に適当であり得る上記量の何れかであり得る。あるさらなる実施態様において、少なくとも1つの乾燥剤を有する乾燥剤領域101は、例えば乾燥効果が透増加剤の効果を実質的に阻止することなく提供され得るように、その中に浸透増加剤をほとんど含まずまたは実質的に含まない。
【0137】
さらに他の実施態様によって、製剤100は、経口製剤100からの少なくとも1つの乾燥剤の良好な水和および放出も提供しながら、対象への該製剤の経口投与のために成分を結合させるのに十分な程度圧縮されている、錠剤またはミニ錠剤形態などの圧縮形態を含む。特に、比較的低い密度を有する圧縮形態を生じるように、比較的低い圧縮力および/または低い圧縮圧の適用による圧縮が、製剤からの活性剤の良好な放出も提供しながら、液体が該製剤をより容易に浸透して、少なくとも1つの乾燥剤を水和させることを可能とし得ることが発見された。例えば、ある実施態様において、圧縮形態(例えば、錠剤またはミニ錠剤)を、4800lbf未満、例えば3500lbf未満、さらに3000lbf未満、例えば約2500lbf未満、さらに約2000lbf未満の力の適用により、打錠機で圧縮し得る。カプセル剤の構造要素として提供されるミニ錠剤は、さらに下に記載するとおり、さらに低い圧縮力で圧縮し得る。ある実施態様において、圧縮形態は、18,000psiを超えない圧力、例えば、15000psiを超えない、さらに11000psiを超えない、例えば10,000psiを超えない、さらに9,000psiを超えない圧力の適用により、圧縮し得る。ある実施態様において、圧縮形態は、少なくとも5000psi、さらに少なくとも6600psi、例えば少なくとも8000psiの圧力の適用により圧縮される。例えば、錠剤を含む製剤について、製剤は、少なくとも5000psiでありかつ18,000psiを超えない圧力、例えば少なくとも6000psiでありかつ15000psiを超えない圧力、さらに少なくとも8000psiでありかつ11000psiを超えない圧力の適用により圧縮され得る。さらなる実施態様において、圧縮形態を、製剤の容積あたり製剤mgで測定して比較的低い密度を有する圧縮形態を提供する圧縮力および/または圧縮圧力で圧縮し得る。例えば、圧縮形態(例えば、錠剤またはミニ錠剤)は、1.11mg/mm3を超えない密度、例えば1.05mg/mm3を超えない密度、さらに1.00mg/mm3を超えない密度、例えば0.95mg/mm3を超えない密度、さらに0.85mg/mm3を超えない密度および0.80mg/mm3を超えない密度、例えば0.75mg/mm3を超えない密度、さらに0.70mg/mm3を超えない密度を含む、0.90mg/mm3を超えない密度を有し得る。カプセル剤の構造要素として提供されるミニ錠剤は、さらに下に記載するとおり、同等または低くさえある密度を有し得る。ある実施態様において、圧縮形態は、少なくとも0.50mg/mm3の密度、例えば少なくとも0.70mg/mm3の密度、さらに少なくとも0.85mg/mm3の密度を有する。例えば、圧縮形態の密度は、0.50mg/mm3
~1.11mg/mm3の範囲、例えば0.70mg/mm3~1.05mg/mm3の範囲、さらに0.80mg/mm3~0.95mg/mm3の範囲であり得る。
【0138】
腸管部位への活性剤の送達のための少なくとも1つの乾燥剤を含む製剤のさらなる実施態様は、下にさらに詳述する。
【0139】
錠剤
ある実施態様において、例えば
図1Aに示すとおり、活性剤および/または乾燥剤ならびに最終経口製剤を得るために圧縮される粉末および/または粒子形態で提供される製剤に含まれる任意の他の薬学的に許容される添加物を有する、経口製剤100が錠剤形態(および/またはカプレット形態)で提供される。保護コーティング102は、経口製剤100の表面103上に形成される。ある実施態様によって、経口製剤100を形成する粉末および/または粒子は、圧縮された後でも、例えば粒子レベルで、境界および/または表面を保持するが、圧縮は、それでもなお比較的小型の形態を提供する。ある実施態様において、経口製剤100は、例えば、活性剤、少なくとも1つの乾燥剤および/または他の薬学的に許容される薬剤を有する、圧縮した材料の単一均一体を含み得て、成分は、錠剤全体にわたって比較的均一に分散されている。
図1Aに例を示すさらに他の実施態様において、錠剤は、第一組成物を有する第一層104および第一組成物と異なる第二組成物を有する第二層106などの、異なる組成物を有する第一および第二領域101、105を含む。例えば、第一層104は、少なくとも1つの乾燥剤を含む乾燥組成物を含み、一方第二層106は活性剤を含み、所望により浸透増加剤および/またはゲル化剤などの他の成分も含む組成物を含む。
【0140】
ある実施態様において、乾燥組成物および活性剤を含む組成物について別々の層104を提供することにより、乾燥効果が、乾燥剤のバルク送達により達成でき、同時に乾燥剤を含む層104に活性剤および/またはゲル化剤などの他の薬剤を包含させることにより生じる希釈効果を抑制できる。さらに、ゲル化剤が第二層106に活性剤と共に提供される場合、ゲル化剤は、活性剤と、その送達のためにゲル様塊を形成でき、同時に乾燥組成物からの干渉が低い。浸透増加剤が第二層106において活性剤と共に提供されるさらに他の場合において、浸透増加剤は、腸管組織を通る活性剤の送達を増加できる。すなわち、組成物を2層104および106に分けることにより、各層の組成物は、他の層からの同程度の干渉なく、意図する機能を良好に発揮することが可能であり得る。これに加えておよび/またはこれとは別に、ある実施態様において、浸透増加剤などの他の成分が乾燥剤を含む第一層104および活性剤を含む第二層106の両方に提供されおよび/または、他の実施態様において、浸透増加剤は、乾燥剤を含む第一層104にのみ提供され得る。さらに他の実施態様において、ゲル化剤などの他の成分は乾燥剤を含む第一層104および活性剤を含む第二層106の両方に提供されおよび/または他の実施態様において、ゲル化剤は、乾燥剤を含む第一層104にのみ提供され得る。
【0141】
さらに他の実施態様において、
図1Bに示すとおり、経口製剤100は、第一、第二および第三層104、106および108を有する錠剤の形態である。第一、第二および第三層104、106および108は互いに異なる第一、第二および第三組成物を有してよく、あるいはこれら層の少なくとも2つが、第三と異なる同じ組成物を共有してよい。第一、第二および第三層の構成は、経口製剤100の成分の送達の増加を提供するようにも選択され得る。例えば、第二および第三層106および108は外部層であってよく、一方第一層104は内部層であってよく、または逆でよい。層は互いに実質的に平面表面を有してよく、または層は、各層が他の層に対して外周のある内側であるコアシェル型構造を形成し得る。例えば、
図1Dに示す実施態様において、第一層104は、外周のある内部層および/またはコア層であり、第二層106は、少なくとも部分的に内部層を囲むおよび/または内部層周辺にシェルを形成する。あるいは、第一層104は、少なくとも部分的に同心円状に第二層106を囲むおよび/または錠剤形態は複数の同心層を含み得る。他の層構成も考案され得る。例えば、
図1Bに示すある実施態様において、第二および第三層106、108は錠剤の外部層を形成し、第一層104は第二と第三層106、108の間の内部層である。ある実施態様によって、第一層104は乾燥組成物を含み、一方第二および第三層106、108は活性剤を含む組成物を含み、所望によりゲル化剤も含む。層の組成物は逆でもよく乾燥組成物を含む第二および第三外部層106、108および活性剤および所望によりゲル化剤を含む第二内部層および他の構成も提供され得る。
【0142】
ある実施態様において、活性剤の増加されたバイオアベイラビリティを与える、少なくとも1つの乾燥剤および/または活性剤の放出を提供するための錠剤製剤が考案される。例えば、ある態様によって、錠剤は、腸管部位に送達すべき少なくとも1つの活性剤を有する第一圧縮領域105および第二圧縮領域の少なくとも10wt%の総乾燥剤重量パーセントで少なくとも1つの乾燥剤を有する第二圧縮領域101を含み得る。例えば、少なくとも1つの乾燥剤は、少なくとも20wt%、さらに少なくとも25wt%、例えば少なくとも30wt%、さらに少なくとも35wt%である、第二圧縮領域101の総パーセント含量で提供され得る。ある実施態様において、少なくとも1つの乾燥剤は、少なくとも50wt%、さらに少なくとも75wt%、例えば少なくとも80wt%、さらに少なくとも95wt%、例えば少なくとも99wt%を含む、少なくとも90wt%である、第二圧縮領域の総パーセント含量で提供され得る。例えば、ある実施態様において、少なくとも1つの乾燥剤は、80wt%~99wt%の範囲を含む、50wt%~99wt%の範囲である、第二圧縮領域の総パーセント含量で提供され得る。ある実施態様において、第一および第二圧縮領域101、105は、錠剤製剤の第一および第二層104、106に対応する。
【0143】
ある実施態様によって、第一および第二圧縮領域は、18,000psiを超えない圧力、例えば、15000psiを超えない、さらに11000psiを超えない、例えば、10,000psiを超えない、さらに9,000psiを超えない圧力の適用により、圧縮される。ある実施態様において、第一および第二圧縮領域は、少なくとも5000psi、さらに少なくとも6600psi、例えば少なくとも8000psiの圧力の適用により圧縮される。例えば、第一および第二圧縮領域は、少なくとも5000psiでありかつ18,000psiを超えない圧力、例えば少なくとも6000psiでありかつ15000psiの圧力、さらに少なくとも8000psiでありかつ11000psiを超えない圧力の適用により圧縮され得る。さらなる実施態様において、第一および第二圧縮領域は、製剤の容積あたり製剤mgで測定して、比較的低い密度を有する圧縮形態を提供するような圧縮力および/または圧縮圧力で圧縮され得る。例えば、第一および第二圧縮領域(例えば、錠剤またはミニ錠剤)は、1.11mg/mm
3を超えない密度、例えば1.05mg/mm
3を超えない密度、さらに1.00mg/mm
3を超えない密度、例えば0.95mg/mm
3を超えない密度、さらに0.85mg/mm
3を超えない密度および0.80mg/mm
3を超えない密度、例えば0.75mg/mm
3を超えない密度、さらに0.70mg/mm
3を超えない密度を含む、0.90mg/mm
3を超えない密度を有し得る。ある実施態様において、第一および第二圧縮領域は、少なくとも0.50mg/mm
3の密度、例えば少なくとも0.70mg/mm
3の密度、さらに少なくとも0.85mg/mm
3の密度を有する。例えば、第一および第二圧縮領域の密度は0.50mg/mm
3~1.11mg/mm
3の範囲、例えば0.70mg/mm
3~1.05mg/mm
3の範囲、さらに0.80mg/mm
3~0.95mg/mm
3の範囲であり得る。さらに他の実施態様によって、第一および第二圧縮領域101、105は、上記のようなバリア層111により分離されてよく、バリア層111は第一および第二圧縮領域101、105の組成物間の接触を阻止する。すなわち、バリア層111は、インビボでの製剤溶解中、他の圧縮領域による、第一および第二圧縮領域101、105の1以上の浸透を少なくとも部分的に阻止できる。さらに、ここでは、第一および第二圧縮領域101、105と称しているが、実施態様は、
図1Bに示す複数層104、106および108を有する錠剤などの、複数の第一および第二圧縮領域を有する経口製剤をさらに含み得ることは理解されるべきである。
【0144】
さらに他の実施態様によって、経口製剤からの乾燥剤および/または活性剤の放出を促進するために、第一および第二圧縮領域の少なくとも1つは、第一および第二圧縮領域の1以上の内容物の放出を達成するために、インビボで保護コーティングの少なくとも部分的溶解を促進する、保護コーティング透過性促進剤を含み得る。例えば、ある実施態様において、保護コーティング透過性促進剤は、腸溶性コーティングなどの保護コーティングの少なくとも部分的溶解を促進するために、保護コーティング周辺領域のpHを上げることができる化合物を含み得る。保護コーティング透過性促進剤は、例えば、重炭酸ナトリウムなどの粉末形態で提供される塩基性物質を含み得る。ある実施態様において、保護コーティング透過性促進剤は、製剤からの乾燥剤の放出の促進のために、少なくとも1つの乾燥剤を有する圧縮領域101に実質的に全体に提供される。他の実施態様において、保護コーティング透過性促進剤は、製剤からの活性剤の放出の促進のために、少なくとも1つの活性剤を有する圧縮領域105に実質的に全体に提供される。保護コーティング透過性促進剤はまた経口製剤100からの内容物の放出の促進のために、第一および第二圧縮領域101、105両方に包含されてもよい。保護コーティング透過性促進剤は、第一および第二圧縮領域の内容物との均質混合物で提供され得ておよび/または保護コーティング透過性促進剤はまた、ある実施態様において、保護コーティングに直接作用するように、保護コーティング102直下の内部コーティングとして提供されてもよい。さらに、第一および第二圧縮領域の1以上の周辺の保護コーティングの溶解を促進するために保護コーティング透過性促進剤を提供することにより、促進剤は、ある実施態様において、製剤からの第一および第二圧縮領域の1以上の内容物の放出速度を亢進させ得る。
【0145】
さらに他の実施態様によって、少なくとも1つの乾燥剤を有する第二圧縮領域101は、さらに圧縮形態中の第二圧縮領域の内容物の互いの付着を促進するために、少なくとも1つの結合剤物質を含んでよい。例えば、ある実施態様において、第二圧縮領域101は、ポリビニルピロリドン、HPMCおよびペクチン、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される結合剤物質を含み得る。ある態様によって、結合剤物質は、第二圧縮領域101の、少なくとも1wt%、さらに少なくとも2wt%、例えば少なくとも5wt%、さらに少なくとも8wt%、例えば少なくとも10wt%であるパーセント含量で提供され得る。例えば、結合剤物質は、1wt%~10wt%、例えば2wt%~8wt%の範囲である第二圧縮領域のパーセント含量で提供され得る。
【0146】
ある実施態様において、第一および第二圧縮領域105、101を有する経口製剤は、腸管部位で活性剤の吸収を増加する少なくとも1つの浸透増加剤を含む。例えば、浸透増加剤は、上記透過増加剤の何れかであり得る。浸透増加剤は、一圧縮領域に提供されてよくあるいは少なくとも1つの乾燥剤および少なくとも1つの活性剤を含む、複数圧縮領域、例えば第一および第二圧縮領域の1以上に提供されてよい。ある実施態様において、浸透増加剤は、少なくとも1つの活性剤を有する第一圧縮領域に提供される。例えば、ある実施態様によって、第一圧縮領域における浸透増加剤の総含量は、少なくとも5wt%、例えば少なくとも20wt%、さらに少なくとも50wt%、例えば、少なくとも90wt%、さらに少なくとも95wt%を含む、少なくとも75wt%の量で提供され得る。例えば、ある実施態様において、浸透増加剤は、第一圧縮領域の5wt%~95wt%の含量で、例えば第一圧縮領域の20wt%~90wt%の量、さらに第一圧縮領域の50wt%~90wt%の量で、第一圧縮領域に提供され得る。製剤に提供される浸透増加剤の総量は、例えば、提供される浸透増加剤のタイプにより選択でき、製剤に適し得る上記量の何れかであり得る。あるさらなる実施態様において、少なくとも1つの乾燥剤を有する第二圧縮領域101は、例えば乾燥効果が透増加剤の効果を実質的に阻止することなく提供され得るように、その中に浸透増加剤をほとんど含まずまたは実質的に含まない。
【0147】
さらに、錠剤製剤は、乾燥組成物を有する第一層104および活性剤を有する第二層106などの異なる組成物を有する層の観点で上に記載しているが、ある実施態様において、これら層はまた同一および/または類似成分を、所望により異なる重量でのパーセント含量でも含み得る。例えば、乾燥組成物を有する第一層104は少なくとも1つの乾燥剤だけでなく、所望により浸透増加剤および/またはゲル化剤も含み得る。同様に、活性剤を有する第二層106は、浸透増加剤などの他の成分および/またはゲル化剤を含んでよく、また一定量の乾燥剤も含み得る。従って、錠剤の第一、第二および所望により第三層の組成はここに具体的に記載したものに限定されず、ここに記載する2~3層以外の複数層を有する錠剤ならびに錠剤の層の異なる外形または構成もまた提供され得る。さらに、重層錠剤の代わりにまたはそれに加えて、ある実施態様において、錠剤は異なる組成物を有する異なる部分を、例えば第二組成物を有する外部部分に囲まれた第一組成物を有する内部部分を含み得る。錠剤はまた、均一に混合された組成物でまたは単層の異なる領域の異なる組成物で、活性剤、乾燥剤および/または浸透増加剤および/またはゲル化剤などの他の成分をその中に有する単層錠剤でもあってよい。
【0148】
さらに他の実施態様によって、
図7B(および下記実施例1の実施態様)に示すとおり、活性剤および乾燥剤の均質混合物をその中に有する錠剤が提供される。すなわち、経口製剤100は、例えば上記錠剤製剤の何れかについて記載した量および含量で少なくとも1つの活性剤および少なくとも1つの乾燥剤および所望により透過増加剤、充填剤および/またはゲル化剤などの任意の他の成分を合わせることにより製造される、圧縮錠剤形態を含み得る。例えば所定のpHで溶解するおよび/または透過性となる腸溶性コーティングなどの保護コーティング103がカプセル114の周辺に提供され得る。錠剤製剤は、それ故に上記二層錠剤(例えば、
図1Aに示す実施態様)、およびバリア層111を有する二層錠剤(例えば、
図1Cに示す実施態様)に提供される乾燥剤および活性剤の別々の層104、106とは逆に、活性剤および乾燥剤の実質的に均質な混合物を含む。二層錠剤製剤(例えば、
図1Aおよび1Cにおけるようにバリア層111を有しても有していなくても)と、均質錠剤製剤(例えば、
図7Bのとおり)を比較すると、二層錠剤構造は、二層錠剤が、乾燥剤層104と活性剤層106の間の過度の干渉なく(例えば、乾燥剤層104が乾燥剤のマトリクスに大量の活性剤を過度に吸収することなく)、乾燥剤層104から乾燥剤が放出される場所の周辺領域に隣接して作られる、低液体領域で溶解し、比較的高い薬物濃度で送達できるとの利点を有し得ることが理解され得る。例えば、特にバリア層111が乾燥剤層104と活性剤層106の間に提供されるとき、これら層は、乾燥剤による腸管組織部位への活性剤の通過を過度に阻止することなく、互いに非依存的に、乾燥させるためおよび活性剤を送達するために作用できる。すなわち、活性剤は、バリア層111により乾燥剤層104に“取り込まれ”かつ吸収されることが阻止され、それにより活性剤が腸管組織部位に接触するために放出される。しかしながら、実施態様が
図7Bに示される、均質錠剤構造は、構成が、活性剤が、カプセル剤から放出されたら、すぐ近くで比較的乾燥した環境を経験する可能性が高まるように、活性剤と乾燥剤を可能な限り最接近させ得るとの利点も有する。均質錠剤構造は、乾燥剤が別々の領域に隔離されないため、比較的高い用量の乾燥剤の提供も可能とし得る。しかしながら、本発明はまた具体的に記載する以外の実施態様および利点を有し、またここに記載する利点は他の実施態様においては提供されないかもしれないことは理解されるべきである。
【0149】
経口製剤(カプセルおよび錠剤製剤を含む)に関してここに記載する利点は、実施態様をさらに説明するためにのみ提供し、当該開示は、構成がある利点または欠点を生じるかまたはそれについての何らかの理論などの、ここに示す如何なる理論にも拘束されることを意図しないことも理解されるべきである。
【0150】
カプセル剤
経口製剤100のさらに他の実施態様は、
図2および
図3A~3Eに示すカプセル剤実施態様に例示される。ある実施態様によるカプセル形態の経口製剤100は、少なくとも1つの活性剤および少なくとも1つの乾燥剤を含む、粒子および/または粉末および/または他の要素または相などの物質が満たされたカプセル114(例えば、HPMCカプセル)を含み、保護コーティング102がHPMCカプセルの表面103に提供される。
【0151】
ある実施態様において、カプセルを含む経口製剤は、少なくとも1つの活性剤領域105および少なくとも1つの乾燥剤領域101を有し、活性剤領域105および乾燥剤領域の1以上が、例えばミニ錠剤、ウェハーまたは他の構造要素の1以上のような、1以上の要素120の形態である。ある態様によって、活性剤領域105は、1以上の要素120、例えば1以上のミニ錠剤の形態で提供され、一方乾燥剤領域は、粉末形態などの異なる形態で提供される。さらに他の態様によって、乾燥剤領域101は、1以上のミニ錠剤などの1以上の要素120の形態で提供され、一方活性剤領域105は、粉末形態または油ベースの送達系などの異なる形態で提供される。さらに他の実施態様によって、活性剤領域105および乾燥剤領域101の両方は、要素120の形態で提供され、および/または製剤は、活性剤領域105および乾燥剤領域101の両方を要素120の形態で、所望により他の形態のさらなる活性剤領域105および/または乾燥剤領域101と共に含み得る。
【0152】
ある態様によって、活性剤領域105および乾燥剤領域101の1以上の少なくとも一部を形成する要素120は、乾燥剤および/または活性剤の良好な放出を可能としながら、ミニ錠剤の物質を互いに結合させるのに十分な圧力で圧縮されている、ミニ錠剤の形態(すなわち、ミニ錠剤)である。例えば、ミニ錠剤は、ある実施態様において、18,000psiを超えない圧力、例えば15000psiを超えない圧力、さらに12000psiを超えない圧力、例えば11000psiを超えない、例えば10,000psiを超えない、さらに9,000psiを超えない圧力の適用により、圧縮され得る。ある実施態様において、ミニ錠剤は、少なくとも5000psi、さらに少なくとも6600psi、例えば少なくとも8000psiの圧力の適用により、圧縮され得る。例えば、ミニ錠剤は、少なくとも5000psiでありかつ18,000psiを超えない圧力、例えば少なくとも6000psiでありかつ15000psiを超えない圧力、さらに少なくとも8000psiでありかつ11000psiを超えないの圧力の適用により、圧縮され得る。さらなる実施態様において、ミニ錠剤は、製剤の容積あたり製剤mgで測定して、比較的低い密度を有する圧縮形態を提供するような圧縮力および/または圧縮圧力で圧縮され得る。例えば、ミニ錠剤は、1.11mg/mm3未満の密度、例えば1.05mg/mm3未満の密度、さらに1.00mg/mm3未満の密度、例えば0.95mg/mm3未満の密度、さらに、0.85mg/mm3未満の密度および0.80mg/mm3未満の密度、例えば0.75mg/mm3未満の密度、さらに0.70mg/mm3未満の密度を含む、0.90mg/mm3未満の密度を有し得る。ある実施態様において、ミニ錠剤は、少なくとも0.50mg/mm3の密度、例えば少なくとも0.70mg/mm3の密度、さらに少なくとも0.85mg/mm3、例えば少なくとも0.87mg/mm3の密度を有し得る。例えば、ミニ錠剤の密度は、0.50mg/mm3~1.11mg/mm3の範囲、例えば0.70mg/mm3~1.05mg/mm3の範囲、さらに0.80mg/mm3~0.95mg/mm3の範囲であり得る。
【0153】
カプセル剤に提供されるミニ錠剤に対応する構造要素120は、実質的に同じサイズおよび/または寸法であってよくおよび/または異なるサイズのミニ錠剤または構造要素が提供され得る。例えば、
図3Aに示す実施態様において、ミニ錠剤に対応する構造要素120は、活性剤ミニ錠剤および乾燥剤ミニ錠剤の両方について、実質的に類似するサイズである。
図3Bに示す実施態様において、活性剤領域105を構成するミニ錠剤に対応する構造要素は、乾燥剤送達のためのミニ錠剤に対応する乾燥剤領域101の構造要素120より厚い。すなわち、ある実施態様において、活性剤領域105を構成する活性剤を含む構造要素120は、乾燥剤領域101を構成する乾燥剤を含む構造要素120と異なるサイズであり得る。例えば、活性剤を含む要素120は大型であってよくおよび/または乾燥剤を含む要素より大きな容積を含んでよく、例えば、活性剤を含む要素は、縦軸122に添って、乾燥剤を含む要素より厚くてよい。
【0154】
図3A~3Eに関して、活性剤領域105および乾燥剤領域101は、一般に、組成物が、例えば、活性剤または乾燥剤を含む1以上の構造要素120の一部として提供される、カプセル剤の領域に対応すると理解され得る。例えば、
図3Aに示す実施態様において、カプセル剤は、カプセルの外周123の対向する端でのミニ錠剤の形態の構造要素120に対応する2つの活性剤領域105およびカプセルの内部124での複数のミニ錠剤の形態の構造要素120に対応する中央乾燥剤領域101を含む。さらに他の実施態様において、
図3Bに示すとおり、カプセル剤は、カプセルの内部124に向かって位置する1活性剤領域105と、各々カプセルの各末端で2つのミニ錠剤の形態の構造要素120を含む2つの乾燥剤領域を含む。
【0155】
ある実施態様において、少なくとも1つの活性剤を含む構造要素120は、構造要素の重量パーセントとして、相当量の乾燥剤を含み得る。例えば、ある態様によって、ミニ錠剤などの構造要素は、構造要素の少なくとも50wt%である乾燥剤の総含量、例えば構造要素120の重量パーセントとして乾燥剤の総含量の少なくとも75wt%、さらに少なくとも90wt%を含み得る。ある実施態様において、構造要素における乾燥剤の総含量は、少なくとも99wt%、例えば少なくとも99.9wt%である。カプセル剤において乾燥剤領域101を構成する構造要素および/または他の形態の数および組成は、製剤における乾燥剤の総含量が、製剤における上記の総含量と同程度になるようなものであり得る。さらに、ある態様によって、ミニ錠剤などの構造要素は、構造要素の少なくとも0.01重量%、例えば構造要素120の重量パーセントとして活性剤の総含量の少なくとも0.1wt%、さらに少なくとも1wt%である、活性剤の総含量を含み得る。例えば、ある実施態様において、構造要素における活性剤の総含量は、少なくとも10wt%、例えば少なくとも30wt%、さらに少なくとも50wt%であり得る。カプセル剤における活性剤領域105を構成する構造要素および/または他の形態の数および組成は、製剤における活性剤の総含量が、製剤における上記の総含量と同程度になるようなものであり得る。
【0156】
ある実施態様において、カプセル剤は、活性剤および乾燥剤領域105、101の1以上に対応する複数の構造要素120を含む。例えば、カプセル剤に対応する製剤は、その中に1~15要素(例えば、ミニ錠剤)、例えば2~10要素、さらに3~6要素を含み得る。活性剤および乾燥剤各々について提供される構造要素の数は、同一でも異なってもよい。例えば、乾燥剤を含む構造要素の数は、活性剤を含む構造要素の数を超えてよくまたは逆でもよい。
図3A~3Bに示す実施態様において、乾燥剤を含む構造要素の数は、活性剤を含む構造要素の数を、少なくとも2:1で超える(
図3Aで6:1および
図3Bで4:1)。さらに、要素の構成は、製剤からの乾燥剤および/または活性剤の所定の放出を提供するように、選択され得る。ある実施態様において、
図3A、3Cおよび3Eに示すとおり、カプセル剤は、カプセルの末端123に(すなわち、内部部分に対してカプセルの外部部分に)、例えば
図3Aにおけるとおり、一末端123のみ、または
図3Cおよび3Eにおけるとおり、両末端123に活性剤を有する構造要素120を含む。さらに他の実施態様において、
図3Bおよび3Eに示すとおり、活性剤を含む構造要素120は、カプセルの内部領域124に提供される。さらに、
図3Eに示すバージョンでは、構造活性剤を含む要素は、末端123および内部領域124両方に提供される。さらなる実施態様において、
図3B、3Cおよび3Dに示すとおり、カプセル剤は、乾燥剤を有する構造要素120を、
図3Cおよび3Dにおけるとおり、一末端123のみ、または
図3Bにおけるとおり、両末端123などのカプセルの末端123に含む。さらに他の実施態様において、
図3A、3Cおよび3Eに示すとおり、乾燥剤を含む少なくとも1つの構造要素120は、カプセルの内部領域124に提供される。具体的に示されていないが、乾燥剤を含む構造要素120も、末端123および内部領域124の両方に提供され得る。活性剤および/または乾燥剤を含む構造要素の組み合わせも、例えば
図3A~3Eに示すものの何れかのような、適当な構成で提供され得る。例えば、1以上の活性剤を含む構造要素120は、少なくとも一方または両方の末端123に提供され、1以上の乾燥剤を含む構造要素120は、内部領域124に提供される。他の例として、1以上の乾燥剤を含む構造要素120は、少なくとも一方または両方の末端123に提供され、1以上の活性剤を含む構造要素120は、内部領域124に提供される。さらに、例えば
図3C~3Dに示すとおり、他の実施態様において、乾燥剤を含む構造要素120は一末端に提供され、一方活性剤を含む構造要素120は、対向する末端に提供され得る。活性剤または乾燥剤を含む構造要素120はまた、例えば
図3Eに示すとおり、カプセルの縦軸121に添って、交互の配置で提供され得る。さらに他の実施態様によって、複数の活性剤または乾燥剤を含む構造要素120は、例えば
図3Bおよび3Dに示すとおり、カプセルの末端123から始まり、カプセルの縦軸に添ってカプセルの内部領域124に延びる、カプセルの領域に提供される。
【0157】
図3B~3Eに記載する実施態様のさらなる説明をここに提供する。特に、
図3Aに記載する実施態様は、ミニ錠剤の形態の6個の構造要素120を含む乾燥剤領域101および各々一個のみのミニ錠剤の形態の構造要素120を含む2個の活性剤領域105を示す。活性剤含有ミニ錠剤を含む活性剤領域105は、カプセルの対向する第一および第二末端123に提供される。乾燥剤領域101は、カプセルの内部領域124における活性剤領域の間に配置されたミニ錠剤の形の構造要素を含み、ミニ錠剤は、カプセルの縦軸121に添って互いに隣接して重ねられる。何らかの特定の理論に拘束されることを意図しないが、カプセルの末端123の1以上の活性剤領域105の提供は、バイオアベイラビリティを増加するために、腸管組織部位への活性剤の接近を改善し得ると考えられる。
【0158】
図3Bに記載する実施態様は、ミニ錠剤の形態の各2個の構造要素120を含む2個の乾燥剤領域101および一個のみのミニ錠剤の形態の構造要素120を含む活性剤領域105を示す(活性剤ミニ錠剤は、個々の乾燥剤ミニ錠剤の何れよりも厚い)。活性剤含有ミニ錠剤を含む活性剤領域105は、カプセルの内部領域124に提供される。ミニ錠剤の形の構造要素を含む乾燥剤領域101は、カプセルの対向する末端123の両方に提供され、各端に2個のミニ錠剤がある。何らかの特定の理論に拘束されることを意図しないが、カプセルの末端123に1以上の乾燥剤領域101を提供することは、乾燥剤が腸管部位で乾燥効果を発揮する能力の一貫性を提供し得ると考えられる。
【0159】
図3Cに記載する実施態様は、ミニ錠剤の形態の6個の構造要素120を含む乾燥剤領域101および一個のみのミニ錠剤の形態の構造要素120を含む活性剤領域105を示す。活性剤含有ミニ錠剤を含む活性剤領域105は、カプセルの第一末端123に提供される。乾燥剤領域101は、カプセルの対向する末端123にミニ錠剤の形態の構造要素を含み、残りのミニ錠剤は、縦軸に添って連続的に整列され、カプセルの内部領域124に延びる。
図3Dに記載する実施態様において、乾燥剤領域101は、ミニ錠剤の形態の3個の構造要素120および同様にミニ錠剤の形態の3個の構造要素120を含む活性剤領域105を示す。乾燥剤領域101および活性剤領域105の各々は、カプセルの対向する末端123に構造要素を有し、残りの構造要素120は、カプセルの縦軸121に添って配置され、互いに隣接して直線をなし、内部領域に延びる。
図3Eに示す実施態様において、複数の乾燥剤領域101および活性剤領域105が提供されるように、ミニ錠剤に対応する構造要素120の交互の配置が提供される。特に、示す実施態様において、カプセル剤は、各々、活性剤をその中に含む一構造要素120を有する4個の活性剤領域105および、各々、乾燥剤をその中に含む一構造要素120を有する3個の乾燥剤領域101を含む。構造要素120は、縦軸121に添って交互であり、活性剤を含む要素120が末端123であり、乾燥剤を含む要素120が、活性剤を含む要素120の間に配置される。
【0160】
ある実施態様において、カプセル製剤は、少なくとも1つの活性剤をその中に有する親油性媒体を含む、少なくとも1つの活性剤領域105を含む。例えば、親油性媒体は、その中に活性剤が溶解または懸濁された、油、ゲル、ペースト、半固体、蝋または他の類似物質の1以上を含み得る。ある特定の理論に拘束されることを意図しないが、少なくとも1つの活性剤の担体として親油性媒体を提供することは、標的部位での腸管組織への活性剤の接近を改善し得ると考えられる。ある実施態様において、親油性媒体は、蝋などの、室温で固形であるが、生理学的温度で少なくとも部分的に液体形態である物質を含み得る。例えば、親油性媒体は、室温(25℃)で固形であるが、37℃などの生理学的温度で少なくとも部分的に液体形態または全体に液体形態である物質を含み得る。ある態様によって、親油性媒体は、例えば、1wt%未満の水、さらに0.1wt%未満の水、例えば0.01wt%未満の水を含む、無水であり得る。さらに、活性剤を含む親油性媒体は、種々の異なる構成でカプセル剤に提供され得る。
図6に示す実施態様において、活性剤領域105は、外部カプセル109内に内部カプセル107を有し、内部カプセル107がその中に親油性媒体を含む。この実施態様において、構造要素120(例えば、ミニ錠剤)を含む乾燥剤領域101は、カプセルの対向する末端23に提供され、内部カプセル107がその間に配置される。あるいは、実施態様は、親油性媒体をその中に含む異なる部分を有するカプセルを含んでよくおよび/または親油性媒体はカプセルの末端23の1以上に提供されてよく、内部領域に1以上の乾燥剤領域101を伴う。さらに、活性剤を含む親油性媒体は、乾燥剤領域101と別々の形態である活性剤領域105として上に記載しているが(
図6における実施態様のとおり)、親油性媒体はまた少なくとも一部または全てその中に乾燥剤を含んで、例えば溶解または懸濁されていてもよい。また、親油性媒体は、少なくとも部分的に、さらに全体に乾燥剤領域101の1以上を囲むようにカプセルに提供され得る。例えば、親油性媒体は、乾燥剤領域101に対応する構造要素120が、親油性媒体に少なくとも部分的に浸漬されているおよび/または囲まれているように、カプセルに少なくとも部分的に充填され得る。ある実施態様において、親油性物質の適当な物質は、ヒマシ油、ポリオキシアルキル化ソルビトールエステル(例えばTWEEN 80、ポリエチレンソルビトールエステル)、トリカプリル酸グリセリルおよびモノカプリル酸グリセリル、鉱油、パラフィン、脂肪酸、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、エーテルおよびエステル、オリーブ油、トウモロコシ油、ココナツ油、ピーナツ油、ダイズ油、綿実油、ゴマ油、キャノーラ油を含むC
6~C
22飽和および不飽和脂肪酸のモノ、ジおよびトリグリセリドならびにこれらの組み合わせの1以上を含み得る。
【0161】
さらに、ある実施態様において、カプセルを含む経口製剤は、腸管部位で活性剤の吸収を増加する少なくとも1つの浸透増加剤をさらに含む。例えば、浸透増加剤は、上記透過増加剤の何れでもよい。浸透増加剤は、活性剤領域105または乾燥剤領域101の1以上に提供されてよくまたは、例えばカプセル剤が活性剤および乾燥剤の実質的に均質な混合物を含む場合、カプセル全体に提供されてよい(この実施態様は以下にさらに詳述する)。ある実施態様において、浸透増加剤は、例えばミニ錠剤に対応する構造要素120に含まれるまたは親油性媒体を含む活性剤領域105に含まれるとしてなど、少なくとも1つの活性剤領域105に提供される。活性剤領域105に提供される浸透増加剤の量は、製剤全体に対して適当な投与量を提供するために適当な含量であり、上記のとおり、提供される特定の浸透増加剤により選択され得る。例えば、浸透増加剤がミニ錠剤などの構造要素120の一部として提供されるとき、構造要素における浸透増加剤の総含量は、少なくとも0.1wt%、例えば少なくとも1wt%、さらに少なくとも10wt%、例えば少なくとも30wt%であり得る。例えば、構造要素における浸透増加剤の総含量は、構造要素の0.1wt%~30wt%の範囲、例えば、構造要素の1wt%~10wt%の量であり得る。浸透増加剤が活性剤領域105に包含される親油性媒体の一部として提供されるとき、浸透増加剤は、少なくとも0.1wt%、例えば少なくとも1wt%、さらに少なくとも10wt%、例えば少なくとも30wt%の量で提供され得る。例えば、ある実施態様において、浸透増加剤は、親油性媒体に少なくとも50wt%、例えば少なくとも70wt%、さらに少なくとも90wt%の含量で提供され得る。例えば、浸透増加剤は、親油性媒体に、親油性媒体の0.1wt%~90wt%の範囲、例えば親油性媒体の1wt%~70wt%の量、さらに親油性媒体の10wt%~50wt%の量で提供され得る。あるさらなる実施態様において、少なくとも1つの乾燥剤を有する乾燥剤領域101は、例えば乾燥効果が透増加剤の効果を実質的に阻止することなく提供され得るように、その中に浸透増加剤をほとんど含まずまたは実質的に含まない。例えば、ある実施態様において、活性剤領域105における総浸透増加剤含量の重量パーセント対乾燥剤領域101における総浸透増加剤含量の重量パーセントの比は、少なくとも0.1:1、例えば少なくとも1:1、さらに少なくとも10:1、例えば少なくとも30:1であり得る。
【0162】
ある実施態様において、カプセル剤は、少なくとも1つの乾燥剤などの乾燥組成物を含む第一粒子を含む粒子および/または粉末110および少なくとも1つの活性剤を含む第二粒子および/または粉末112の比較的均一な混合物を含む。他の薬学的に許容される乾燥剤はまたカプセルに包含されるための粒子形態にも製剤化できおよび/または乾燥剤および活性剤の少なくとも1つと共に粒子形態に製剤化できる。他の実施態様において、第一および第二粒子および/または粉末110および112は、例えば第一粒子および/または粉末110がカプセルの一端および第二粒子および/または粉末112がカプセルの対向する端および/または第一および第二粒子および/または粉末110、112の一方が、第一および第二粒子および/または粉末110、112の他方を含む内部領域を囲み、外部であるように、カプセルの別々の領域(例えば、乾燥剤領域101および活性剤領域105)に提供され得る。さらに他の実施態様において、第一および第二粒子および/または粉末110、112は、実質的に均一(すなわち、均質)な混合物で提供され得る。ある実施態様において、カプセル剤は、粉末形態で混合された、活性剤および少なくとも1つの乾燥剤を含む。他の実施態様において、活性剤および少なくとも1つの乾燥剤の少なくとも1つは粉末形態で提供され、活性剤および少なくとも1つの乾燥剤の他方は粒子の形態で提供される。例えば、活性剤は粒子形態で提供され、一方乾燥剤は粉末形態で提供されておよくおよび/または活性剤は粉末形態で提供され、一方乾燥剤は粒子形態で提供されてよい。粒子は、例えば、球面形状粒子、例えば噴霧乾燥粒子球体であってよくおよび/またはミニ錠剤またはミニウェハーも含み得る。粒子および/または粉末は、粒子、粉末、ビーズ、顆粒およびこれらの組み合わせの1以上も含み得る。ある実施態様において、乾燥剤は第一粒子径で提供され、一方活性剤は、第一粒子径と異なる第二粒子径で提供されることができる。例えば、ある実施態様において、少なくとも1つの乾燥剤を含む乾燥組成物は、約0.05ミクロン~約500ミクロン、例えば約5ミクロン~約150ミクロン、さらに約40ミクロン~約60ミクロンの重量平均粒子径、Pavgを有する粒子の集団の形態で提供される。活性剤を有する組成物は、約5ミクロン~約3000ミクロン、例えば約150ミクロン~約1000ミクロン、さらに約200ミクロン~約800ミクロンの重量平均粒子径、Pavgを有する粒子の集団の形態で提供され得る。少なくとも1つの乾燥剤を含む粒子の総含量は、カプセル組成物の総重量の少なくとも20wt%の含量、例えばカプセル組成物の総重量の少なくとも40wt%の含量、さらに少なくとも60wt%、例えば少なくとも80wt%で提供され得る。例えば、ある実施態様において、少なくとも1つの乾燥剤を含む粒子の総含量は、カプセル組成物の総重量の少なくとも90wt%、例えば少なくとも95%であり得る。ある実施態様において、少なくとも1つの乾燥剤を含む粒子の総含量は、カプセル組成物の総重量の20wt%~95wt%の範囲、例えば40wt%~90wt%の範囲、さらに60wt%~80wt%の範囲で提供される。少なくとも1つの活性剤を含む粒子の総含量は、カプセル組成物の総重量の少なくとも5wt%、例えば少なくとも10wt%、さらに少なくとも20wt%、例えば少なくとも30wt%の範囲で提供され得る。例えば、ある実施態様において、少なくとも1つの活性剤を含む粒子の総含量は、カプセル組成物の総重量の少なくとも50wt%、さらに少なくとも70wt%であり得る。ある実施態様において、少なくとも1つの活性剤を含む粒子の総含量は、カプセル組成物の総重量の5wt%~70wt%の範囲、例えば10wt%~50wt%の範囲、さらに20wt%~50wt%の範囲である。カプセルに提供される粒子は、粒子レベルでその間に境界および/または表面を保持する。さらに、ある実施態様において、カプセル剤は、活性剤および所望によりゲル化剤などの他の成分を含む複数のミニウェハーまたはミニ錠剤を含んでよく、ミニ錠剤またはミニウェハーは、粒子および/または粉末形態の少なくとも1つで提供される乾燥剤で囲まれる。さらに他の実施態様において、カプセル剤は、粒子および/または粉末の1以上と混合されてまたはカプセルの別々の領域に提供される、浸透増加剤を含み得る。
【0163】
カプセル製剤および/または構造のさらなる実施態様は
図7Aおよび7C~7Fに記載され、この構造はさらに下記実施例1に詳述する。
図7Aに示すカプセル製剤において、経口製剤100は、ミニ錠剤125に対応する複数の構造要素120をその中に含む、カプセル114を含む。この実施態様によるミニ錠剤125は、乾燥剤および活性剤(および所望によりさらなる成分、例えば浸透増加剤)の実質的に均質な混合物である圧縮組成物を含む。乾燥剤および活性剤の均質混合物は、製剤100が、活性剤が乾燥剤により提供される乾燥効果をより直接的に経験し得るように、活性剤と乾燥剤の密接な接触を提供する利点を提供し得る。示す実施態様において、製剤は、乾燥剤および活性剤の実質的に均質な混合物を有する6個のミニ錠剤を含む。しかしながら、異なる数のミニ錠剤も提供でき、種々の厚さであり、乾燥剤と活性剤の均質混合物を含むミニ錠剤を、本発明の態様により、実質的に他の成分を有しない、乾燥剤のみまたは活性剤のみを有するミニ錠剤と組み合わせてもよい。
【0164】
図7Cに示すカプセル製剤において、経口製剤100は、製剤100の末端121の何れかにミニ錠剤125に対応する複数の構造要素120および製剤100の内部領域124に顆粒を含む、カプセル114を含む。示す実施態様において、ミニ錠剤125は、少なくとも1つの乾燥剤を含む乾燥剤領域101を含み、顆粒は少なくとも1つの活性剤(および所望により他の成分、例えば浸透増加剤)を含む活性剤領域105に対応する。示す製剤は、浸透増加剤が活性剤領域105の一部として提供されるとき、浸透増加剤が乾燥剤水和を顕著に減速させ、活性剤および任意の浸透増加剤が活性剤近辺の乾燥を確実にするために、複数の乾燥剤ミニ錠剤間で溶解され得るとの利点を提供し得る。示す実施態様は、カプセルの内部領域124に活性剤を含む顆粒を記載しているが、顆粒はさらにおよび/または代替的にカプセルの末端121または他の領域にまたはミニ錠剤と交互の配置でも提供され得る。さらに、他の実施態様において、少なくとも1つの乾燥剤は、乾燥剤顆粒の代わりにまたはそれに加えて顆粒の形態で提供でき、少なくとも1つの活性剤を含むミニ錠剤は、単独でまたは少なくとも1つの乾燥剤を含むミニ錠剤と組み合わせて低コ油され得る。
【0165】
図7Dに示すカプセル製剤において、経口製剤100は、製剤100の末端121にミニ錠剤125に対応する複数の構造要素120および製剤100の対向する末端121に活性剤を含む親油性媒体を含む、カプセル114を含む。示す実施態様において、ミニ錠剤125は、少なくとも1つの乾燥剤を含む乾燥剤領域101を含み、活性剤領域を有する親油性媒体は、少なくとも1つの活性剤 (および所望により他の成分、例えば浸透増加剤)を含む活性剤領域105に対応する。ある実施態様において、親油性媒体を含む活性剤領域105は、カプセルの領域内に親油性媒体を含むコンテナ127により結合される。例えば、コンテナ127は、カプセル114および親油性媒体をカプセルの他の領域と分けるカプセル114の内部への分離壁129を含む。示す製剤100は、疎水性親油性媒体が、腸管組織部位での活性剤のより直接的な接近を提供するために、乾燥剤への活性剤の遅い取込を提供し得るとの利点を有する。示す実施態様は、カプセルの末端121に活性剤を含む親油性媒体を記載しているが、親油性媒体はさらにおよび/または代替的に内部領域124にまたは少なくとも1つの活性剤を有するミニ錠剤と交互の配置でも提供され得る。さらに、他の実施態様において、少なくとも1つの乾燥剤は、顆粒の形態でまたは顆粒とミニ錠剤の組み合わせで提供され得て、親油性媒体はまた乾燥剤領域および/または乾燥剤自体が親油性媒体に浸漬されるおよび/または隣接するように、特定の領域に結合することなく提供され得る。例えば、乾燥剤の粒子は、親油性媒体に分散できおよび/または親油性媒体は、乾燥剤を含むミニ錠剤を少なくとも部分的に囲み得る。
【0166】
図7Eに示すカプセル製剤において、経口製剤100は、カプセル全体のミニ錠剤125に対応する複数の構造要素120を含むカプセル114を含み、ミニ錠剤は乾燥剤を含み、カプセルの対向する端に提供される乾燥剤領域101に対応し、1以上のミニ錠剤は活性剤(および所望により他の成分、例えば浸透増加剤)を含み、カプセルの内部領域124の活性剤領域に対応する。実施例1に下記のとおり、活性剤領域105は、カプセル剤からの活性剤の放出を延長および遅延させる持続放出物質、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースをさらに含んでよく、浸透増加剤も所望により活性剤領域の一部として提供され得る。持続放出製剤は、
図7Eに示すカプセル製剤として提供できまたはあるいは下の実施例11に記載するとおり錠剤製剤として提供され得る。示す製剤100は、活性剤(および活性剤領域105に包含されているならば、所望により浸透増加剤)が、薬物取込の長い時間に対して、長い放出を有し得るとの利点を提供し得る。示す実施態様は、カプセルの対向する端121にミニ錠剤を含む乾燥剤領域101を示しているが、乾燥剤領域はさらにおよび/または代替的にカプセルの内部領域124にまたは少なくとも1つの活性剤を有するミニ錠剤と交互の配置でも提供され得る。さらに、他の実施態様において、少なくとも1つの乾燥剤は、顆粒の形態または顆粒とミニ錠剤の組み合わせでも提供され得る。また、活性剤を有するミニ錠剤の厚さは、乾燥剤を有するミニ錠剤より厚く記載しているが、ミニ錠剤厚は同一または小さくてよく、異なる数およびサイズのミニ錠剤もまた提供され得る。
【0167】
図7Fに示すカプセル製剤において、経口製剤100は、カプセル全体の二層ミニ錠剤125に対応する複数の構造要素120を含むカプセル114を含み、二層ミニ錠剤は、少なくとも1つの活性剤 (所望により浸透増加剤と共に)を有する活性剤領域105に対応する活性剤層129および少なくとも1つの乾燥剤を有する乾燥剤領域101に対応する乾燥剤層131である。ミニ錠剤の1以上はまた所望により活性剤と乾燥剤層129、131の間にバリア層111を含む。さらに、ミニ錠剤の1以上はまたそれ自体の保護層133、例えば腸溶性コーティングで被覆され得る。示す製剤100は、均質混合物と同様に活性剤と乾燥剤の間の密接な接触を提供する利点を提供し得て、さらに、浸透増加剤が提供される場合、混合浸透増加剤とで生じる乾燥剤水和の何らかの遅延を軽減し得る。示す実施態様は二層錠剤を記載するが、三層または他のミニ錠剤製剤も提供され得ることは理迂回される。また、二層錠剤を、乾燥剤または活性剤の一方のみ有する単層錠剤と混合する。さらに、錠剤は、顆粒または活性剤および/または乾燥剤または活性剤および乾燥剤の1以上を含む親油性媒体との混合物て提供される。
【0168】
さらに、経口製剤100は、提供される活性剤送達によって、上記の配置の何れかで、上記の構造要素120、顆粒、親油性媒体の任意の組み合わせを含み得る。
【0169】
さらに、上に具体的に記載した以外の経口投与製剤の他の製剤および/または実施態様もまた提供され得る。例えば、カプセル製剤はまた、ある実施態様において、粉末および/または特定の製剤に加えてまたはその代わりに、乾燥組成物および活性剤の少なくとも一方または両方を含むミニ錠剤も含み得る。錠剤製剤はまた、ある実施態様において、錠剤中錠剤製剤を含んでよく、第一内部領域は活性剤を含み、乾燥組成物を含む第二外部領域に囲まれるおよび/または第一内部領域は乾燥組成物を含み、活性剤を含む第二外部領域に囲まれる。ある実施態様によって、このような錠剤中錠剤製剤は、錠剤中錠剤構造を形成するために、内部錠剤に対応する第一組成物を伴う内部コアおよび内部コアを囲む第二組成物での圧縮コーティングを有する、圧縮被覆錠剤を含み得る。さらなる他の実施態様として、活性剤および乾燥組成物の少なくとも1つは、錠剤内の分離された球体に対応する領域に提供され得る。
【0170】
ある実施態様によって、経口製剤は、腸管を過度に閉塞または遮断することなく、腸管に良好な活性剤の送達を提供する、サイズで提供される。例えば、経口製剤の最長寸法は、約3cm未満、例えば約2cm未満、さらに約1.5cm未満であり得る。一般に、経口製剤の最長寸法は、約0.5cm~約3cm、例えば約1cm~約3cm、さらに約1cm~約2cmの範囲であり得る。適当なカプセル剤サイズは、例えば、サイズ1、0、00および000であり、これらのサイズの何れかの“EL”バージョンを含む。
【0171】
ある実施態様によって、経口製剤は、内視鏡的バイオアベイラビリティアッセイにより、少なくとも約0.25%のバイオアベイラビリティ、例えば少なくとも約5%、さらに少なくとも約20%のバイオアベイラビリティを提供するこが可能であり得る。特に、ある実施態様において、約450Da~約1500Daの範囲の分子量を有するポリペプチドについて、経口製剤は、内視鏡的バイオアベイラビリティアッセイにより決定して、少なくとも約2%、例えば少なくとも約5%、さらに少なくとも約15%のバイオアベイラビリティを提供するこが可能であり得る。さらに他の実施態様において、約450Da~約3000Da、例えば約500Da~5000Daの範囲の分子量を有するポリペプチドについて、経口製剤は、内視鏡的バイオアベイラビリティアッセイにより決定して、少なくとも約1%、例えば少なくとも約5%、さらに少なくとも約10%のバイオアベイラビリティを提供するこが可能であり得る。例えば、ある実施態様において、経口製剤は、オクトレオチドについて、内視鏡的バイオアベイラビリティアッセイにより測定して、少なくとも約1%、例えば少なくとも約5%、さらに少なくとも約10%のバイオアベイラビリティを提供する。
【0172】
製造方法
経口製剤は、任意の適当な方法により製造され得る。ある実施態様において、経口製剤は、無菌条件下で製造され得る。他の実施態様において、経口製剤は、経口製剤の包装前に滅菌され得る。ある実施態様において、経口製剤は、対象への投与前に滅菌され得る。ある実施態様において、経口製剤は、塩浸出、溶媒成形(solvent casting)、モールディング、噴霧コーティング、噴霧乾燥、パンコーティング、ディップコーティング、ウオーターフォールコーティング、スピンコーティングおよび/または圧縮を含む方法を使用して、製造し得る。他の方法は、当業者に知られる。
【0173】
ある実施態様によって、経口製剤の錠剤製剤を、乾燥組成物および/または少なくとも1つの活性剤、所望によりまた他の薬学的に許容される添加物を伴う、粉末の提供により製造する。粉末ブレンドを、成形型(die)に負荷し、これを圧縮して、圧縮錠剤を成形する。複数層錠剤を製造する場合、各層に対応する粉末ブレンドを、成形型に別々に負荷し、多層を形成するように段階的圧縮し得る。あるいは、錠剤組成物のための他の製剤も上記のとおり提供され、錠剤組成物に圧縮され得る。次いで、錠剤製剤を、本発明の実施態様により、腸溶性コーティングなどで錠剤表面を保護的にコーティングし得る。錠剤カプセルの保護コーティングは、保護コーティングのディップコーティングまたは噴霧コーティングなどの任意の許容される方法により行い得る。
【0174】
他の本発明の実施態様によって、経口製剤のカプセル製剤が、乾燥組成物および/または少なくとも1つの活性剤の粉末を提供し、薬学的に許容されるカプセルに充填することにより、製造され得る。薬学的に許容されるカプセルは、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースベースのカプセル(HPMCカプセル)、ゼラチンカプセルおよび/またはプルランカプセルを含み得る。カプセルを、乾燥組成物および/または少なくとも1つの活性剤の均質分散体を提供するように充填し、または充填を、上記のとおり、カプセルの異なる領域の成分の異なる濃度を提供するために選択的に行い得る。さらに、例えば少なくとも1つの乾燥剤および/または乾燥剤組成物ならびに少なくとも1つの活性剤などの異なる粒子径の成分の異なる粒子径も、活性剤の送達の促進のために提供し得る。カプセル剤はまた、上記のとおり、ミニ錠剤または油含有相などの構成要素によっても提供され得る。カプセルに組成物を封入した後、本発明の実施態様により、カプセルを、その表面を、腸溶性コーティングなどで保護的にコーティングする。カプセル剤の保護コーティングは、保護コーティングのディップコーティングまたは噴霧コーティングなどの任意の許容される方法により実施され得る。
【0175】
医薬組成物のための他の添加剤
ある実施態様において、経口製剤は、単位用量として製剤化され得る。経口製剤は、このような経口投与に適する薬学的に許容される担体または他の添加物を含み得る。さらに、ある実施態様において、薬剤は、疾患の過程または状態に所望の効果を生じる、十分な量で経口製剤に包含され得る。
【0176】
錠剤などの固形製剤製造のために、経口製剤は、医薬担体、例えば、トウモロコシデンプン、ラクトース、スクロース、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウムまたはガム類および所望により他の医薬希釈剤などの慣用の打錠成分を含み得る。経口投与のための固形製剤(例えば、カプセル剤、錠剤、丸剤、糖衣錠剤、散剤、顆粒剤など)において、経口製剤は、薬学的に許容される担体、例えばクエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムおよび/または次の1以上を含み得る:(1)充填剤またはエクステンダー、例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよび/またはケイ酸;(2)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよび/またはアカシアなどの結合剤、;(3)湿潤剤、例えばグリセロール;(4)崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のケイ酸および炭酸ナトリウム;(5)溶解遅延剤、例えばパラフィン;(6)吸収加速剤、例えば四級アンモニウム化合物;(7)湿潤剤、例えば、アセチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロール;(8)吸収剤、例えばカオリンおよびベントナイトクレイ;(9)滑沢剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムおよびこれらの混合物;および(10)着色剤。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、組成物はまた緩衝剤も含み得る。類似タイプの固形組成物は、ラクトースまたは乳糖、ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの添加物を使用して、軟および硬充填ゼラチンカプセルへの充填物としても用い得る。
【0177】
錠剤は、所望により1以上のアクセサリー成分と共に、圧縮またはモールディングにより製造され得る。圧縮錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性希釈剤、防腐剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウムまたは架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース)、表面活性化または分散剤を使用して製造され得る。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた製剤の混合物の適当な機械でのモールディングにより製造され得る。錠剤および他の固形製剤、例えば糖衣錠、カプセル、丸剤および顆粒は、所望により割線を入れてよくまたはコーティングおよび殻、例えば腸溶性コーティングおよび他の医薬製剤分野で周知のコーティングを付してよい。
【0178】
処置方法
ある実施態様において、経口製剤を、個体、患者または対象に投与し得る。ある場合、経口製剤を単一投与量として投与し得る。他の実施態様において、複数の経口製剤を、長期の複数投与量を提供するために投与し得る。あるいは、ここに記載する経口製剤を、それを必要とする対象に、食餌を伴わずまたは絶食条件下投与し得る。例えば、経口製剤を、対象が食餌を消費した後、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、少なくとも約3時間、少なくとも約4時間、少なくとも約5時間、少なくとも約6時間、少なくとも約7時間、少なくとも約8時間、少なくとも約9時間、少なくとも約10時間、少なくとも約11時間、少なくとも約12時間、約3時間~約12時間、約4時間~約12時間、約4時間~約10時間、約4時間~約8時間または約4時間~約6時間後に投与し得る。
【0179】
あるいは、ここに記載する経口製剤を、それを必要とする対象に、液体制限条件下投与し得る。この制限は、記載する時間にわたり、対象が16オンス未満の液体、8オンス未満の液体、4オンス未満の液体、2オンス未満の液体または1オンス未満の液体を消費し得ることを意味する。例えば、対象は、経口製剤投与前少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、少なくとも約3時間、少なくとも約4時間、少なくとも約5時間、少なくとも約8時間、約1時間~約2時間、約1時間~約4時間、液体消費が制限され得る。さらに、対象は、経口製剤投与後、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、少なくとも約3時間、少なくとも約4時間、少なくとも約5時間、少なくとも約8時間、約1時間~約2時間、約1時間~約4時間液体消費が制限され得る。
【0180】
処置は、所望により、助期間または短期間継続し得る。経口製剤を、例えば、1日あたり1~4回またはそれ以上のレジメンで投与し得る。適当な処置期間は、例えば、少なくとも約1週間、少なくとも約2週間、少なくとも約1ヶ月、少なくとも約6ヶ月、少なくとも約1年または無期限であり得る。処置期間は、所望の結果が達成されたとき、終了し得る。処置レジメンは、例えば、症状の軽減に十分な用量が投与される調整相を含み、軽減された症状の維持に十分な低用量が投与される、維持相がこれに続き得る。適当な維持用量は、ここに提供する用量範囲の低用量部分に見られる可能性が高いが、調整および維持用量は、本開示に基づき、過度の実験を行うことなく当業者により個々の対象について容易に確立され得る。
【0181】
ある実施態様において、経口製剤を、それを必要とする対象に活性剤(例えば、オクトレオチド)を送達するために使用し得る。ある実施態様において、経口製剤は、インスリンを、糖尿病を有する人などのそれを必要とする患者に送達することができる。ある実施態様において、経口製剤は、それを必要とする対象に活性剤(例えば、カルシトニン)を送達するために使用し得る。例えば、経口製剤を、高カルシウム血症の処置に使用し得る。他の例において、経口製剤を、骨疾患、例えば骨粗鬆症の処置に使用し得る。さらに他の実施態様において、経口製剤を、精神障害、例えば双極性障害または躁病の処置に使用し得る。さらに他の実施態様において、経口製剤は、GLP-1アゴニストなどの活性剤を、それを必要とする患者におけるII型糖尿病および/または肥満などの障害を処置するために、送達し得る。さらに他の実施態様において、経口製剤は、酵素抵抗性ペプチドなどの活性剤を、それを必要とする患者における代謝障害などの障害を処置するために送達し得る。
【0182】
ここに記載する経口製剤を、最適医薬効能を提供する投与量で、このような処置を必要とする患者(例えば、動物および/またはヒト)に投与するために使用し得る。何らかの特定の適用に使用するために必要な経口製剤の数および/またはタイプは、患者毎に、選択した特定の薬剤によってだけでなく、経口製剤における薬剤濃度、処置する状態の性質、患者の年齢および状態、患者が従うべき併用剤または特別食および当業者が認識する他の因子によっても変わり、適切な投与量は、最終的に処置医の判断による。
【0183】
従って、ある実施態様において、患者に活性剤を送達する方法は、ここに記載する経口製剤を経口投与することを含み、ここで、経口製剤は、少なくとも15重量%で乾燥剤を含む乾燥組成物を有し、経口製剤は、上記経口製剤についての範囲におけるレベルに合う、乾燥剤の少なくとも1つについての薬剤乾燥能アッセイおよび/または経口投与製剤全体に対する製剤乾燥能により規定された、乾燥能を有する。
【実施例0184】
実施例1
本実施例は、経口製剤組成物の実施態様の例を提供する。
二層錠剤またはカプセル製剤
【表1】
【0185】
上記のものに加えてまたはその変わりの経口製剤に製剤化するための他の成分は、次のとおりであり得る。
活性剤:エキセナチド、サケカルシトニン、PTH(1wt%、10wt%)
ゲル化剤:ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カーボポール934P(20wt%、40wt%)
オスマジェント:マンニトール、フルクトース、PEG(8000)(10wt%、60wt%)
透過増加剤:EDTA、パルミトイルカルニチン、PPS、カプリン酸ナトリウム(5wt%、20wt%)
乾燥剤:ポリアクリル酸ナトリウム(20wt%、80wt%)
保護コーティング:Eudragit S100、Kollicoat MAE 100P(3wt%、15wt%)
【0186】
さらに、上の表1に記載する経口製剤は、カプセル形態または錠剤形態で提供され得る。カプセル形態において、組成物は粉末、顆粒またはミニ錠剤の形態で提供され得て、カプセルはHPMC、ゼラチンおよび/またはプルラン製である。カプセルサイズは、1、0、00またはこれらのサイズの“EL”(例えば、1EL、0ELまたは00EL)であり得る。錠剤形態において、組成物は、二層錠剤を形成できるかまたは単層錠剤、錠剤中錠剤形態(活性剤領域の周囲が乾燥剤で囲まれている)を形成できまたは錠剤内に球体相を有する。保護コーティングは、噴霧または浸漬方法により形成され得る。腸溶性コーティングである保護コーティングは、トリエチルシトレートなどの可塑剤を1wt%の量でおよび/またはプロピレングリコールを約0.3wt%または0.1wt%の量で含み得る。腸溶性コーティングはまた所望により造孔剤を含み得る。
【0187】
さらなる錠剤および/またはカプセル製剤およびその特定の構造は、下にさらに詳述する。特定の製剤が提供されるが、製剤は、上記成分の何れかをさらに/または別に含んでよく、上記のカプセルサイズまたは他の特定の形態の何れで提供されてもよい。
【0188】
さらなる錠剤およびカプセル製剤
【表2-1】
【表2-2】
*PVP-12は、BASFコリドン-12として市販されているポリビニルピロリドンポリマーである
*Tween 80は、ポリソルベート80、ポリエチレンソルビトールエステルの商品名であり、Sigma-Aldrichから市販されている。
*HPMCはヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
表2の投与製剤は、下の実施例3により詳述する。
【0189】
表2に挙げる錠剤およびカプセル製剤の実施態様を、
図1C(バリア二層錠剤)、ならびに
図7A(均質ミニ錠剤のカプセル剤)、
図7B(均質錠剤)、
図7C(活性剤顆粒/乾燥剤ミニ錠剤のカプセル剤)、
図7D(油性部分に活性剤を有するカプセル剤)、
図7E(増加剤持続放出カプセル剤)および
図7F(複数層ミニ錠剤のカプセル剤)に模式的に示す。経口製剤の製造方法の実施態様の例を、下記実施例6~12に説明する。
【0190】
さらに、上の表2に挙げるような経口製剤の様々な構造は、活性剤の送達にある種の利点を提供し得る。ここでの経口製剤の機能に係る如何なる理論にも拘束されないが、多くの利点が表2に示す各々の構造と関連し得る。例えば、バリア二層錠剤は、ある実施態様において、乾燥剤層と活性剤層をごく接近して提供し、乾燥剤層に隣接する低流動領域に活性剤を高濃度で送達することを可能にし得る。さらに他の例として、均質ミニ錠剤のカプセル剤は、ある実施態様において、ミニ錠剤の比較的速い溶解を可能としながら、活性剤と乾燥剤の密接な接触を提供し得る。さらに他の例として、均質錠剤は、ある実施態様において、活性剤と浸透増加剤の密接な接触を提供しながら、比較的高い乾燥剤含量を可能にする。さらに他の例として、活性剤顆粒(内層)/乾燥剤ミニ錠剤を有するカプセル剤は、ある実施態様において、浸透増加剤(提供するなら)による乾燥剤水和阻止を妨げ、活性剤 (および所望により浸透増加剤)が複数乾燥剤マトリクス間に溶解し得る。さらに他の例として、油性部分に活性剤を有するカプセル剤は、ある実施態様において、乾燥剤領域への活性剤の取込を減少させる疎水性油性マトリクスを提供し得る。さらに他の例として、増加剤持続放出を伴うカプセル剤は、ある実施態様において、長期の活性剤取込が提供されるように、浸透増加剤の長い放出時間を提供し得る。なおさらなる例として、複数層ミニ錠剤のカプセル剤は、ある実施態様において、活性剤と乾燥剤の密接な接触および乾燥剤水和阻止を妨げ、高浸透増加剤(提供されるならば)の作用を加速し得る。
【0191】
実施例2
本実施例は、ここに記載する経口製剤の実施態様で使用する乾燥剤の例示的実施態様を提供する。
【表3】
比較として、Avicel PH 101 NF(微結晶セルロース)として知られるポリマー組成物は、2.63(PBS mg/Avicel mg)の値を有する。
【0192】
実施例3
本実施例は、ここに記載する経口製剤の実施態様で使用する、乾燥剤の実施態様の例を提供する。15分、30分、60分および120分の時点での媒体取込比(MUR)を、各時点でのサンプルの質量あたり、各乾燥剤サンプルについて吸収される液体を得るために、上記薬剤液体取込アッセイを実施することにより、乾燥剤の各サンプルについて決定した。各乾燥剤の120分(2時間)のMURは、乾燥剤各々の液体取込能に対応する。
【表4】
上の表4に見られるとおり、ポリアクリル酸ナトリウムは、最高MURを示し、2時間液体に曝した後、78mg/mgの値であった。
【0193】
実施例3
本実施例は、経口投与製剤の二層錠剤製剤を製造する方法の実施態様の例を提供する。
1部ペクチンに対し9部のスクロースを含むSAP粉末ブレンドを提供し、材料を共粉砕する。活性剤を、さらに本材料に取り込む。2部ペクチンに対して8部のAc-Di-Solも含むADSP粉末ブレンドもまた提供する。
1:1二層錠剤を形成するために、1部のSAPブレンドを1部のADSP粉末と層積し、組成物を、水圧プレスで圧縮して、錠剤を形成する。3:1二層錠剤を形成するために、1部のSAPブレンドを3部のADSP粉末を層積し、組成物を水圧プレスで圧縮して、錠剤を形成する。
【0194】
実施例4
本実施例は、経口投与製剤の三層錠剤製剤を製造する方法の実施態様の例を提供する。
1部ペクチンに対し9部のスクロースを含むSAP粉末ブレンドを提供し、材料を機械式シェーカーで60秒共粉砕した。活性剤を、さらに本材料に取り込む。2部ペクチンあたり8部のAc-Di-Solを含むADSP粉末ブレンドも提供する。
3:1三層錠剤を形成するために、1部のSAPブレンドに3部のADSP粉末を層積し、1部のSAPブレンドの最終層を、ADSP層積粉末上に提供する。三層組成物を水圧プレスで圧縮して、錠剤を形成する。
1:1三層錠剤を形成するために、1部のADSPブレンドを2部のSAP粉末と層積し、1部ADSPの最終層をSAP層積粉末上に提供する。三層組成物を水圧プレスで圧縮して、錠剤を形成する。
【0195】
実施例5
本実施例は、経口投与製剤のカプセル製剤を製造する方法の実施態様の例を提供する。
81.0mgスクロース、9.0mgペクチンおよび活性剤として10.0mgオクトレオチドを含むSAP粉末ブレンドを提供する。Ac-Di-Solを、60wt%の量で乾燥剤として添加する。HPMCカプセル(サイズ1、0または00)およびSAP/活性剤粉末ならびに乾燥剤粉末を提供し、カプセルのボディ部分に充填する。充填済みカプセルをキャップで閉じ、カプセルを、腸溶性製剤で噴霧コーティングする。
【0196】
実施例6
本実施例は、バリア二層錠剤製剤を製造する方法の実施態様の例を提供し、その組成は、上の実施例の表2に記載する。
本実施例において、1400mgカプリン酸ナトリウム、280mgPVP-12および70mgオクトレオチドを、Scologexローラーミキサーを使用して20mLシンチレーションバイアル中で混合する。別に、5400mgのポリアクリル酸ナトリウム、450mgの重炭酸ナトリウムおよび150mgのPVP-12を、Scologexローラーミキサーを使用して20mLシンチレーションバイアル中で混合する。オクトレオチド含有ブレンドの500mgを取り、別に100mgの蜜蝋を取り、さらに500mgのポリアクリル酸ナトリウム含有ブレンドを計り取る。オクトレオチド含有ブレンドの500mgを水圧錠剤圧縮機の型に注加し、100mgの蜜蝋をオクトレオチドブレンドの上に加え、最後に500mg量のポリアクリル酸ナトリウム含有ブレンドを蝋の上に加える。次いで、製剤をカーバー・プレスを使用して4800lbfの圧力で圧縮する。次いで得られた錠剤を圧縮機から取り出し、Caleva Mini-Coaterを使用してEudragit L-100ポリマーで7wt%増までコーティングする。
【0197】
実施例7
本実施例は、均質ミニ錠剤を有するカプセル製剤を製造する方法の実施態様の例を提供し、その組成は、上の実施例の表2に記載する。
本実施例において、1400mgのカプリン酸ナトリウムおよび70mgのオクトレオチドを、Scologexローラーミキサーを使用して20mLシンチレーションバイアル中で混合する。各約500mgのブレンド3アリコットを計り取り、各アリコットをカーバー・プレスを使用して4800lbfで圧縮する。次いで圧縮錠剤を乳棒と乳鉢で軽く一定サイズまで粉砕し、各420mgの顆粒3アリコットを計り取る。各420mgの顆粒3アリコットを別々のガラスバイアルで480mgのポリアクリル酸ナトリウムと混合する。各バイアルを、150mg2アリコットおよび100mg6アリコットに分ける。150mgのアリコットを、カーバー・プレスを用いて700lbfで半球体に圧縮する。100mgアリコットを、カーバー・プレスを用いて700lbfで円盤状に圧縮する。各セットの錠剤をタイプ00 EL HPMCカプセルに入れ、半球体錠剤をカプセルの両端に位置させる。カプセルを、Caleva Mini-Coater中Eudragit L-100で7wt%増までコーティングする。
【0198】
実施例8
本実施例は、活性剤および乾燥剤を有する均質混合物を有する均質錠剤製剤を製造する方法の実施態様の例を提供し、その組成は、上の実施例の表2に記載する。
本実施例において、2362mgのポリアクリル酸ナトリウム、1400mgのカプリン酸ナトリウム、346mgのPVP-12、197mgの重炭酸ナトリウムおよび70mgのオクトレオチドを、Scilogexローラーミキサーで20mLシンチレーションバイアル中混合する。1250mgの量のブレンドを量り取り、カーバー・プレスで4800lbfで圧縮する。錠剤を、Caleva Mini-Coaterを使用してEudragit L-100コーティングで7wt%増までコーティングする。
【0199】
実施例9
本実施例は、顆粒の形の活性剤および乾燥剤ミニ錠剤の形態のカプセル製剤を製造する方法の実施態様の例を提供し、その組成は、上の実施例の表2に記載する。
本実施例において、1400mgのカプリン酸ナトリウムおよび70mgのオクトレオチドを、Scilogexローラーミキサーを使用して20mLシンチレーションバイアルで混合する。3つの約500mg量のブレンドを量り取り、各々をカーバー・プレスを使用して4800lbfで圧縮する。錠剤を、一定顆粒サイズまで乳棒と乳鉢で軽く粉砕する。3つの420mgの顆粒を量り取る。別に、6つの150mgのポリアクリル酸ナトリウムを量り取り、さらに6つの100mgのポリアクリル酸ナトリウムも量り取る。150mg量のポリアクリル酸ナトリウムを、カーバー・プレスを使用して700lbfで半球形錠剤に圧縮し、100mg量のポリアクリル酸ナトリウムを、カーバー・プレスを使用して700lbfで円盤状錠剤に圧縮する。3つのタイプ00 EL HPMCカプセルの一端に半球形錠剤を置き、続いて円盤状錠剤を充填する。各カプセルに420mg量の顆粒および円盤状錠剤を充填し、続いて半球形錠剤を顆粒の上に置き、カプセルを閉じる。カプセルを、Caleva Mini-Coaterを使用してEudragit L-100コーティングで7wt%増までコーティングする。
【0200】
実施例10
本実施例は、油状部分(親油性部分)に活性剤およびミニ錠剤の形態の乾燥剤を有するカプセル製剤を製造する方法の実施態様の例を提供し、その組成は、上の実施例の表2に記載する。
本実施例において、75wt%カプリン酸ナトリウム、15wt%PVP-12および10wt%オクトレオチドのブレンドを、800mgの総重量で提供する。ブレンドをカーバー・プレスを用いて4800lbfで圧縮し、乳棒と乳鉢で粉砕する。290μL Tween 80、4.37mLのヒマシ油、6.59mLのトリカプリル酸グリセリルおよび605μLのモノカプリル酸グリセリルの混合物を形成する。活性剤ブレンドを、油ブレンドに200g:300μL比で添加し、活性剤/油懸濁液を形成する。プランジャーシリンジを使用して、300μLの活性剤/油懸濁液をタイプ00 HPMCカプセルの一端に入れる。小型タイプ0 HPMCカプセルのボトム・キャップを、大型タイプ00 HPMCカプセル内の活性剤/油懸濁液の上に置き、カプセルの一端に薬剤/油懸濁液を封入する。ポリアクリル酸ナトリウムを、カーバー・プレスで700lbfで3個の100mg円盤状錠剤および1個の150mg半球形錠剤に圧縮する。ポリアクリル酸ナトリウムの錠剤を、タイプ00 HPMCカプセルの薬剤/油懸濁液に対向する端に半球形錠剤としてに入れ、カプセルを閉じる。カプセルをCaleva Mini-Coaterを使用してEudragit L-100コーティングで7wt%増まで被覆し、活性剤/油懸濁液端をEudragit S-100コーティングでさらに浸漬コーティングする。
【0201】
実施例11
本実施例は、増加剤による持続放出の錠剤製剤を製造する方法の実施態様の例を提供し、その組成は、上の実施例の表2に記載する。
本実施例において、70mgHPMC、70mgオクトレオチドおよび1400mgカプリン酸ナトリウムを、Scilogexローラーミキサーを使用して20mLシンチレーションバイアルで混合する。別に、5400mgポリアクリル酸ナトリウム、450mg重炭酸ナトリウムおよび150mgPVP-12を、Scilogexローラーミキサーを使用して20mLシンチレーションバイアルで混合する。440mgのカプリン酸ナトリウムブレンドを計り取り、100mgの蜜蝋を計り取り、500mgのポリアクリル酸ナトリウムブレンドを計り取る。カプリン酸ナトリウムブレンド、続いて蜜蝋および最後にポリアクリル酸ナトリウムブレンドの順で、カーバー・プレス錠剤圧縮機の型に注ぐ。層積した組成物を4800lbfで圧縮して、錠剤を形成する。錠剤を、Caleva Mini-Coaterを用いて7wt%増までEudragit L-100でコーティングする。
【0202】
実施例12
本実施例は、複数二層錠剤を有するカプセル製剤を製造する方法の実施態様の例を提供し、その組成は、上の実施例の表2に記載する。
本実施例において、1400mgのカプリン酸ナトリウムおよび70mgのオクトレオチドを、Scilogexローラーミキサーを使用して20mLシンチレーションバイアルで混合し、4アリコットの各110mgのカプリン酸ナトリウムブレンドを計り取る。別に、5400mgポリアクリル酸ナトリウム、450mg重炭酸ナトリウムおよび150mgPVP-12を、Scilogexローラーミキサーを使用して20mLシンチレーションバイアルで混合し、4アリコットの各100mgのポリアクリル酸ナトリウムブレンドを計り取る。カプリン酸ナトリウムブレンドおよびポリアクリル酸ナトリウムブレンドを円形平板圧縮型に注ぎ、カーバー・プレスで700lbfで一緒に圧縮して、二層ミニ錠剤を形成する。全てのミニ錠剤を、Caleva Mini-CoaterでEudragit L-100コーティングを使用して7wt%増までコーティングする。4個のミニ錠剤をタイプ00 EL HPMCカプセル1個に入れ、カプセルをCaleva Mini-CoaterでEudragit L-100ベースのコーティングを使用して7wt%増までコーティングする。
【0203】
実施例13
本実施例は、本発明による経口製剤ならびに比較経口製剤に対応する組成物の%バイオアベイラビリティを示す。
バイオアベイラビリティを決定するために、本発明の態様による経口製剤ならびに比較経口製剤を、内視鏡的モデル(内視鏡的バイオアベイラビリティアッセイ)、ポートモデル(ポートバイオアベイラビリティアッセイ)および外科的モデル(外科的バイオアベイラビリティアッセイ)を含むモデルにより試験する。
【0204】
内視鏡的バイオアベイラビリティアッセイ。内視鏡的バイオアベイラビリティアッセイにおいて、ブタモデルを使用し、経口製剤を内視鏡により動物の口腔(麻酔投与後)に挿入し、十二指腸または回腸などの目的の腸管領域に進める。胃をまず内視鏡で試験する。次いで試験する経口製剤を、経口製剤が配置される腸管領域に到達するまで、動物の消化器系を通って進める。製剤を腸管の領域で放し、内視鏡を後退させる。経口製剤配置前ならびに経口製剤配置後の両方に動物から採血し、血中の活性剤のレベルを決定する。例えば、血液を、経口製剤配置後30分および60分ならびに経口製剤が配置されてから2時間、3時間、4時間、6時間および8時間またはそれ以上後に採取し得る。血液サンプルが経口製剤の配置後に採取され、曲線下面積(AUC)が計算される。同じ動物に治療量を皮下注射により与え、血液サンプルを同じ時間間隔で採取し、曲線下面積(AUC)を計算する。パーセントバイオアベイラビリティは、皮下注射のAUCで除した経口製剤のAUCの用量標準化比として計算される。
【0205】
外科的バイオアベイラビリティアッセイ。外科的バイオアベイラビリティアッセイにおいて、ブタモデルをまた使用する。試験される経口製剤が、空腸および回腸などの目的の腸管の領域に配置され得るように、動物に直視下手術をする。麻酔投与後、動物の腹腔に到達するために、正中腹側切開創を作る。空腸および回腸を露出させ、切開創を試験される経口製剤を手作業で配置するために作る。経口製剤の配置が完了したら、腸管切開創を閉じ、正中切開も一時的に閉じてよい。また、頸動脈または頸静脈からの採血のためにアクセスを作り得る。動物を、経口製剤配置後、5分、15分、30分、60分、90分および2時間など、最大4時間まで採血のために麻酔下に維持し得る。血液サンプルを、外科手技前に採取してもよい。経口製剤により提供される活性剤のパーセントバイオアベイラビリティを、これらの血液サンプルにおいて検出された活性剤レベルを基に決定する。
【0206】
ポートバイオアベイラビリティアッセイ。ポートバイオアベイラビリティアッセイにおいて、ユカタン系ミニブタを使用する。十二指腸そして回腸にまで到達する医療グレード空腸チューブが、開腹手術により小腸に配置される。静脈アクセスポートが採血用に提供される。製剤によりもたらされるバイオアベイラビリティを試験するために、製剤を、鉗子を使用して、該チューブから小腸に入れる。所望により、製剤と腸管環境の相互作用を、該ポートからの内視鏡検査により観察できる。動物を、製剤挿入前16時間絶食食事制限させる。バイオアベイラビリティを評価するための採血は7回の採血を含み、1回は製剤挿入前、その後の採血は製剤挿入後30分、60分、1.5時間、2時間、3時間、4時間、5時間および6時間に行う。経口製剤により提供される活性剤のパーセントバイオアベイラビリティを、これらの血液サンプルにおいて検出された活性剤レベルを基に決定する。
【0207】
図4~5および8は、本発明の態様による経口製剤ならびに比較形態で示されるバイオアベイラビリティ結果を示す。
【0208】
図4は、オクトレオチドおよびカルシトニン投与についての外科的バイオアベイラビリティアッセイの結果を示す。四角は、活性剤原末の投与結果を示し、一方丸は対照経口製剤の投与の結果を示す。
図4は、外科的切開による乾燥粉末形態での原薬物の導入が、対照経口製剤と比較して、良好なバイオアベイラビリティを提供することを示す。薬物原末の良好なバイオアベイラビリティは、少なくとも一部、外科的に設置した部位での原末の乾燥効果ならびに外科的に設置した部位で観察される最適に低液体レベルによると考えられる。従って、本発明の態様は、経口投与可能形態のこの乾燥効果を発揮する製剤を提供することを探索する。
【0209】
図5は、腸溶性コーティングのために噴霧および浸漬の両方のコーティングをした、比較経口製剤と比較した、本発明の態様による経口製剤を使用する内視鏡的バイオアベイラビリティアッセイの結果を示す。試験した経口製剤は、何ら乾燥剤を伴わない、20mgオクトレオチドおよびpH7コーティング(噴霧コーティングおよび浸漬コーティング)のカプセル剤の組成を有する比較経口製剤(Oct Cap S-100と表示)を含む。試験した経口製剤は、何ら乾燥剤を伴わない、20mgオクトレオチドおよびpH7コーティング(噴霧コーティングおよび浸漬コーティング)のカプセル剤の組成を有する比較経口製剤(C2 Cap S-100と表示)を含む。試験した経口製剤は、20mgオクトレオチドおよびpH7コーティング(浸漬コーティング)および180/20/200 SAP/オクトレオチド/Ac-Di-Sol+ペクチンの組成を有する二層錠剤の組成物を有する、本発明の態様による経口製剤(C2 Tab S-100と表示)を含む。試験した経口製剤は、20mgオクトレオチドおよびpH6コーティング(浸漬コーティング)および180/20/200 SAP/オクトレオチド/Ac-Di-Sol+ペクチンの組成を有する二層錠剤の組成物を有する、本発明の態様による経口製剤(C2 Tab L-100と表示)を含む。試験した経口製剤はまた、20mgオクトレオチドおよびpH7コーティング(浸漬コーティング)および180/20/200 SAP/オクトレオチド/Ac-Di-Sol+ペクチンの組成の二層錠剤の組成物を有する、本発明の態様による経口製剤(C2 Tab L-100薄コートと表示)を含む。結果は、本発明の態様による乾燥剤を有する経口製剤で良好なバイオアベイラビリティが達成され得ることを示す。
【0210】
図8は、本発明の態様により製造した経口製剤を使用するポートバイオアベイラビリティアッセイの結果を示し、投与製剤の浸透増加剤と乾燥剤の組み合わせの予想外の良好な相乗的結果を示す。この実施例によって、製剤は、乾燥剤単独(浸透増加剤不含)、浸透増加剤単独(乾燥剤不含)または乾燥剤と浸透増加剤の両方の組み合わせを有して製造された。
図8に見られるとおり、乾燥剤と浸透増加剤の組み合わせは、乾燥剤または浸透増加剤何れか単独の効果の和より大きい活性剤のバイオアベイラビリティ増加を予想外にもたらした。すなわち、乾燥剤および浸透増加剤は、組み合わせて、活性剤の標的部位へのおよび/または腸管組織を通る輸送の改善に、予想外の方法で相互作用していると推測できる。
【0211】
特に、バイオアベイラビリティ結果を
図8に記載する、乾燥剤を有する製剤(増加剤不含)に対応する製剤は、浸透増加剤を含まない、ポリアクリル酸ナトリウムに対応する乾燥剤およびオクトレオチドに対応する活性剤を有するカプセル製剤であった。この製剤を製造するために、スクロース対ペクチンの9:1混合物を製造し、Scilogexローラーミキサーを使用して、20%オクトレオチドと20mLシンチレーションバイアルで混合した。100mgの混合物をカーバー・プレスで1300lbfで圧縮し、オクトレオチド活性剤を含むミニ錠剤を形成した。6アリコットの100mgのポリアクリル酸ナトリウムを計り取り、各々カーバー・プレスで1300lbfで圧縮して、ポリアクリル酸ナトリウム乾燥剤を含むミニ錠剤を形成した。6アルコットのポリアクリル酸ナトリウムミニ錠剤をサイズ00カプセルの一端に挿入し、オクトレオチド含有ミニ錠剤をサイズ00カプセルの他の端に挿入し、カプセル剤を密閉した。得られた製剤は、20mgのオクトレオチド、80mgの9:1ペクチン:スクロースブレンドおよび600mgのポリアクリル酸ナトリウムを含んだ。
【0212】
バイオアベイラビリティ結果を
図8に記載する、増加剤単独を有する製剤に対応する製剤は、オクトレオチドに対応する活性剤を、浸透増加剤として提供されたカプリン酸ナトリウムと共に有する錠剤製剤であった。この製剤を製造するために、(1)9:1スクロース:ペクチン;(2)カプリン酸ナトリウム;および(3)オクトレオチドの5:3:2混合物を製造し、Scilogexローラーミキサーを使用して20mLシンチレーションバイアルで混合した。100mgの混合物を、カーバー・プレスで1300lbfで圧縮して、オクトレオチド活性剤および浸透増加剤を含む錠剤を形成した。錠剤をEudragit L-100を含む腸溶性コーティングで、Caleva Mini-Coaterを使用して、7wt%増までコーティングした。得られた製剤は、20mgのオクトレオチド、70mgの9:1ペクチン:スクロースブレンドおよび30mgのカプリン酸ナトリウムを含んだ。
【0213】
バイオアベイラビリティ結果を
図8に記載する、増加剤および乾燥剤を有する製剤に対応する製剤は、ポリアクリル酸ナトリウムに対応する乾燥剤、オクトレオチドに対応する活性剤およびカプリン酸ナトリウムに対応する浸透増加剤を有するカプセル製剤であった。この製剤を製造するために、(1)スクロース対ペクチンの9:1混合物;(2)カプリン酸ナトリウム;および(3)オクトレオチドの5:3:2混合物を製造し、Scilogexローラーミキサーを使用して20mLシンチレーションバイアルで混合した。100mgの混合物を、カーバー・プレスで1300lbfで圧縮して、オクトレオチド活性剤を含むミニ錠剤を形成した。6アリコットの100mgのポリアクリル酸ナトリウムを計り取り、各々をカーバー・プレスで1300lbfで圧縮し、ポリアクリル酸ナトリウム乾燥剤を含むミニ錠剤を形成した。6個のポリアクリル酸ナトリウムミニ錠剤をサイズ00カプセルの一端に挿入し、オクトレオチドおよび浸透増加剤含有ミニ錠剤をサイズ00カプセルの他の端に挿入し、カプセル剤を密閉した。カプセルをEudragit L-100を含む腸溶性コーティングで、Caleva Mini-Coaterを使用して、7wt%増までコーティングした。得られた製剤は、20mgのオクトレオチド、50mgの9:1ペクチン:スクロースブレンド、30mgのカプリン酸ナトリウムおよび600mgのポリアクリル酸ナトリウムを含んだ。
【0214】
従って、少なくとも1つの乾燥剤と浸透増加剤の組み合わせを提供することにより、経口製剤は、乾燥剤のみまたは浸透増加剤単独を有する製剤より、製剤により送達される活性剤のバイオアベイラビリティ改善の観点で、相乗効果を示し得る。
【0215】
下記表5は、ポートバイオアベイラビリティアッセイにより決定した、実施例1の表2に示す組成物についてのバイオアベイラビリティ結果の改善を示す。表から見られるとおり、使用した構造の差異は達成されるバイオアベイラビリティレベルならびにバイオアベイラビリティレベルの一貫性に変動を提供し得る。例えば、均質ミニ錠剤のカプセル剤は、活性剤顆粒/乾燥剤ミニ錠剤のカプセル剤と比較して示す3試験で達成された%バイオアベイラビリティで大きな標準偏差を示すが、均質ミニ錠剤のカプセル剤はまた試験で、活性剤顆粒/乾燥剤ミニ錠剤のカプセル剤の試験(すなわち、平均2.2+標準偏差0.7=2.9、最高データ点約3%)よりも高いバイオアベイラビリティ(すなわち平均1.8+標準偏差2.0=3.8、最高データ点約4%)を達成できた。同様に、バリア二層錠剤は、試験した全製剤で最高バイオアベイラビリティデータ点(平均は2.9)を提供し、約7%バイオアベイラビリティの試験さえ含む。しかしながら、達成されるレベルのいくぶんかの不一致も見られ(例えば、標準偏差1.9)、これは、如何なる理論にも拘束されないが、少なくとも一部、錠剤の配向効果によるものであり得る。均質ミニ錠剤のカプセル剤は、少なくとも1つの試験で4%を超えるバイオアベイラビリティを提供し、増加剤持続放出錠剤を有するカプセル剤は、1つの試験でわずかに4未満%を下回るバイオアベイラビリティ結果を提供する。良好な全体的バイオアベイラビリティレベルは他の製剤でも見られる。複数層ミニ錠剤を有するカプセル剤は、活性剤顆粒/乾燥剤ミニ錠剤のカプセル剤(標準偏差0.7)と同様、最も一貫したバイオアベイラビリティ結果(標準偏差0.5)のいくつかを提供する。
【0216】
【0217】
下記1~241と番号付けされたさらなる実施態様において、本発明の態様は次のものを含む。
【0218】
実施態様1. 腸管部位に薬剤を送達するための薬学的に許容される経口製剤であって、
腸管部位に送達すべき活性剤を含む1以上の活性剤領域;
腸管部位周辺の領域を乾燥できる少なくとも1つの乾燥剤を含む1以上の乾燥剤領域であって、1以上の活性剤領域と分離されている1以上の乾燥剤領域;および
該製剤の表面を少なくとも部分的に被覆する保護コーティングを含み、
ここで、液体媒質に浸漬したとき、製剤液体取込アッセイにより製剤全体で測定して、製剤あたり少なくとも約20g液体の液体取込能を有する、製剤。
【0219】
実施態様2. 液体媒質に浸漬したとき、製剤液体取込アッセイにより製剤全体で測定して、製剤あたり少なくとも約40g液体の液体取込能を有する、実施態様1に記載の製剤。
【0220】
実施態様3. 液体媒質に浸漬したとき、製剤液体取込アッセイにより製剤全体で測定して、製剤あたり少なくとも約60g液体の液体取込能を有する、実施態様1または2に記載の製剤。
【0221】
実施態様4. 製剤をpH7.4の液体媒質に浸漬したとき、pHでの製剤液体取込時間アッセイにより決定して、該液体取込能に到達する液体取込時間が2時間を超えない、先の実施態様の何れかに記載の製剤。
【0222】
実施態様5. 製剤をpH7.4の液体媒質に浸漬したとき、pHでの製剤液体取込時間アッセイにより決定して、該液体取込能に到達する液体取込時間が30分を超えない、実施態様4に記載の製剤。
【0223】
実施態様6. 製剤をpH7.4の液体媒質に浸漬したとき、pHでの製剤液体取込時間アッセイにより決定して、該液体取込能に到達する液体取込時間が5分を超えない、実施態様4または5に記載の製剤。
【0224】
実施態様7. 取込相についての製剤液体取込時間アッセイにより決定して、製剤の総液体取込(MUD)を50%増加させるための液体取込時間が2時間を超えない、先の実施態様の何れかに記載の製剤。
【0225】
実施態様8. 取込相についての製剤液体取込時間アッセイにより決定して、製剤の総液体取込(MUD)を50%増加させるための液体取込時間が30分を超えない、実施態様7に記載の製剤。
【0226】
実施態様9. 取込相についての製剤液体取込時間アッセイにより決定して、製剤の総液体取込(MUD)を50%増加させるための液体取込時間が5分を超えない、実施態様8に記載の製剤。
【0227】
実施態様10. 製剤崩壊時製剤液体取込時間アッセイにより決定して、内部含有物が液体媒質に曝される場合、製剤についての該液体取込能に到達する液体取込時間が2時間を超えない、先の実施態様の何れかに記載の製剤。
【0228】
実施態様11. 製剤崩壊時製剤液体取込時間アッセイにより決定して、内部含有物が液体媒質に曝される場合、製剤についての該液体取込能に到達する液体取込時間が30分を超えない、実施態様10に記載の製剤。
【0229】
実施態様12. 製剤崩壊時製剤液体取込時間アッセイにより決定して、内部含有物が液体媒質に曝される場合、製剤についての該液体取込能に到達する液体取込時間が5分を超えない、実施態様11に記載の製剤。
【0230】
実施態様13. 少なくとも1つの乾燥剤が、薬剤液体取込アッセイにより液体媒質に浸漬されたとき少なくとも約20(液体媒質mg/mg乾燥剤)の液体取込能を有し、少なくとも1つの薬剤液体取込アッセイにおける少なくとも1つの製剤の液体取込能を決定するために使用される媒体取込比(MUR)が、次の式
MUR=(F0-Fr)/P;
(式中、F0-Frは薬剤液体取込アッセイにおいて少なくとも1つの乾燥剤により吸収される液体の質量であり、Pは薬剤液体取込アッセイにおいて液体媒質に浸漬される前の少なくとも1つの乾燥剤の初期質量である)
を使用して決定される、先の実施態様の何れかに記載の製剤。
【0231】
実施態様14. 少なくとも1つの乾燥剤が、液体媒質に浸漬したとき、薬剤液体取込アッセイにより少なくとも約40の液体取込能を有する、実施態様13に記載の製剤。
【0232】
実施態様15. 少なくとも1つの乾燥剤が、液体媒質に浸漬したとき、薬剤液体取込アッセイにより少なくとも約60の液体取込能を有する、実施態様13または14に記載の製剤。
【0233】
実施態様16. 少なくとも1つの乾燥剤が、当該少なくとも1つの乾燥剤を液体媒質に浸漬したとき、薬剤液体取込時間アッセイにより決定して、30分を超えないその液体取込能に到達する液体取込時間を有する、先の実施態様の何れかに記載の製剤。
【0234】
実施態様17. 少なくとも1つの乾燥剤が、当該少なくとも1つの乾燥剤を液体媒質に浸漬したとき、薬剤液体取込時間アッセイにより決定して、15分を超えないその液体取込能に到達する液体取込時間を有する、実施態様16に記載の製剤。
【0235】
実施態様18. 少なくとも1つの乾燥剤が、当該少なくとも1つの乾燥剤を液体媒質に浸漬したとき、薬剤液体取込時間アッセイにより決定して、1分を超えないその液体取込能に到達する液体取込時間を有する、実施態様16または17に記載の製剤。
【0236】
実施態様19. 1以上の活性剤領域および1以上の乾燥剤領域がそれらの間両者を分離する境界を含む、先の実施態様の何れかに記載の製剤。
【0237】
実施態様20. 1以上の活性剤領域が30wt%未満の少なくとも1つの乾燥剤を含み、1以上の乾燥剤領域が20wt%未満の少なくとも1つの活性剤を含む、先の実施態様の何れかに記載の製剤。
【0238】
実施態様21. 1以上の乾燥剤領域が少なくとも1つの乾燥剤をその中に有する1以上の要素を含む、先の実施態様の何れかに記載の製剤。
【0239】
実施態様22. 1以上の乾燥剤領域が層、錠剤、粒子、顆粒、ビーズ、バルクポリマーマトリクスおよびこれらの組み合わせの1以上を含む、先の実施態様の何れかに記載の製剤。
【0240】
実施態様23. 1以上の活性剤領域がその中に少なくとも1つの活性剤を有する1以上の要素を含む、先の実施態様の何れかに記載の製剤。
【0241】
実施態様24. 1以上の活性剤領域が層、錠剤、粒子、顆粒、ビーズ、親油性媒体、エマルジョン、懸濁液、溶液、半固体、液体およびこれらの組み合わせの1以上を含む、先の実施態様の何れかに記載の製剤。
【0242】
実施態様25. 1以上の要素が各々単位構造を含む、実施態様21~24の何れかに記載の製剤。
【0243】
実施態様26. 製剤が所望によりその中に1以上の要素を含むカプセルの形態である、実施態様21~25の何れかに記載の製剤。
【0244】
実施態様27. 要素の1以上が、少なくとも約5000psiでありかつ約18000psiを超えない圧力の適用により圧縮されたカプセル内の錠剤の形態である、実施態様26に記載の製剤。
【0245】
実施態様28. 1以上の錠剤が約12000psiを超えない圧力の適用により圧縮されている、実施態様27に記載の製剤。
【0246】
実施態様29. 錠剤の密度(mg錠剤/容積錠剤)が少なくとも約0.7mg/mm3でありかつ約1.05mg/mm3を超えない、実施態様27または実施態様28に記載の製剤。
【0247】
実施態様30. 錠剤の密度(mg乾燥剤/容積錠剤)が約0.90mg/mm3を超えない、実施態様29に記載の製剤。
【0248】
実施態様31. 製剤が分離された1以上の活性剤領域および1以上の乾燥剤領域を有する形態である、実施態様1~20の何れかに記載の製剤。
【0249】
実施態様32. 製剤が少なくとも約5000psiでありかつ約18000psiを超えない圧力の適用により圧縮されている、実施態様31に記載の製剤。
【0250】
実施態様33. 製剤が約10000psiを超えない圧縮力で圧縮されている、実施態様32に記載の製剤。
【0251】
実施態様34. 製剤の容積あたりの製剤のmgでの製剤の密度が少なくとも約0.7mg/mm3でありかつ約1.05mg/mm3を超えない、実施態様32または33に記載の製剤。
【0252】
実施態様35. 製剤の容積あたりの製剤のmgである製剤の密度が約0.90mg/mm3を超えない、実施態様34に記載の製剤。
【0253】
実施態様36. 製剤が1以上の活性剤領域および1以上の乾燥剤領域に対応する分離された層を有する圧縮錠剤を含む、実施態様1~20および31~35の何れかに記載の製剤。
【0254】
実施態様37. 製剤が層間にバリア層を含む、実施態様36に記載の製剤。
【0255】
実施態様38. バリア層が製剤あたり40mg~400mgの範囲の重量で製剤に提供される、実施態様37に記載の製剤。
【0256】
実施態様39. バリア層が製剤あたり50mg~150mgの範囲の重量で製剤に提供される、実施態様38に記載の製剤。
【0257】
実施態様40. 分離層が上層、下層および同心層の1以上を含む、実施態様36または37に記載の製剤。
【0258】
実施態様41. 製剤が、その中に活性剤を有する親油性媒体を含む1以上の活性剤領域を有するカプセル形態を含む、実施態様1~30の何れかに記載の製剤。
【0259】
実施態様42. 1以上の活性剤領域がその中に溶解または懸濁した少なくとも1つの活性剤を有する親油性液体を含む、実施態様41に記載の製剤。
【0260】
実施態様43. 1以上の活性剤領域が蝋、油、ゲル、半固体およびペーストの少なくとも1つを含む親油性媒体を含む、実施態様41または42に記載の製剤。
【0261】
実施態様44. 1以上の活性剤領域が、室温で固形であり、生理学的温度で少なくとも部分的に液体形態である親油性媒体を含む、実施態様41~43の何れかに記載の製剤。
【0262】
実施態様45. 少なくとも1つの活性剤をその中に有する親油性媒体が内部カプセルに封入されている、実施態様41~44の何れかに記載の製剤。
【0263】
実施態様46. 1以上の活性剤領域における親油性媒体が約2wt%未満の水を含む、実施態様41~45の何れかに記載の製剤。
【0264】
実施態様47. 製剤の末端に位置する少なくとも1つの活性剤領域を含む、先の実施態様の何れかに記載の製剤。
【0265】
実施態様48. 製剤の末端に位置する少なくとも1つの乾燥剤領域を含む、先の実施態様の何れかに記載の製剤。
【0266】
実施態様49. 製剤の第一末端に少なくとも1つの活性剤領域を、そして製剤の第二末端に少なくとも1つの乾燥剤領域を含む、先の実施態様の何れかに記載の製剤。
【0267】
実施態様50. 製剤の対向する末端に位置する活性剤領域を含み、活性剤領域の間に少なくとも1つの乾燥剤領域を含む、先の実施態様の何れかに記載の製剤。
【0268】
実施態様51. 製剤の対向する末端に位置する乾燥剤領域を含み、乾燥剤領域の間に少なくとも1つの活性剤領域を含む、先の実施態様の何れかに記載の製剤。
【0269】
実施態様52. 製剤が、製剤の縦軸に添って交互である、複数の交互の活性剤領域および乾燥剤領域を含む、先の実施態様の何れかに記載の製剤。
【0270】
実施態様53. 1以上の活性剤領域が浸透増加剤を含む、先の実施態様の何れかに記載の製剤。
【0271】
実施態様54. 脂肪酸、中鎖グリセリド、界面活性剤、非ステロイド系界面活性剤、アシルカルニチン、ラウロイルカルニチン、パルミトイルカルニチン、アルカノイルカルニチン、N-アセチル化アミノ酸、エステル、塩、胆汁酸塩、ナトリウム塩、含窒素環ならびにこれらの誘導体および組み合わせの1以上である浸透増加剤を含む、先の実施態様の何れかに記載の製剤。
【0272】
実施態様55. 浸透増加剤がカプリン酸ナトリウム、ラウロイルカルニチン、パルミトイルカルニチンおよび3-(N,N-ジメチルパルミチルアンモニオ)プロパンスルフェート(PPS)からなる群から選択される、実施態様54に記載の製剤。
【0273】
実施態様56. 製剤あたり少なくとも5mgでありかつ製剤あたり800mgを超えない含量を有する浸透増加剤を含む、先の実施態様の何れかに記載の製剤。
【0274】
実施態様57. 浸透増加剤が製剤あたり少なくとも5mgでありかつ製剤あたり50mgを超えない含量で提供される、実施態様56に記載の製剤。
【0275】
実施態様58. 浸透増加剤が製剤あたり少なくとも50mgでありかつ200mgを超えない含量で提供される、実施態様56に記載の製剤。
【0276】
実施態様59. 1以上の領域に対する1以上の乾燥剤領域対1以上の活性剤領域の容積比が10:1~0.1:1の範囲である、先の実施態様の何れかに記載の製剤。
【0277】
実施態様60. 該製剤が製剤乾燥能アッセイにより製剤全体について測定して少なくとも約20gの液体/経口製剤の乾燥能を有する、先の実施態様の何れかに記載の製剤。
【0278】
実施態様61. 該製剤が製剤乾燥能アッセイにより製剤全体について測定して少なくとも約40g液体/経口製剤の乾燥能を有する、実施態様60に記載の製剤。
【0279】
実施態様62. 少なくとも1つの乾燥剤が薬剤乾燥能アッセイにより少なくとも約20mg液体/乾燥剤mgの乾燥能を有する、先の実施態様の何れかに記載の製剤。
【0280】
実施態様63. 少なくとも1つの乾燥剤が薬剤乾燥能アッセイにより少なくとも約40mg液体/乾燥剤mgの乾燥能を有する、実施態様62に記載の製剤。
【0281】
実施態様64. 少なくとも1つの乾燥剤が薬剤乾燥時間アッセイにより測定して1800秒未満の乾燥時間を有する、先の実施態様の何れかに記載の製剤。
【0282】
実施態様65. 少なくとも1つの乾燥剤が薬剤乾燥時間アッセイにより測定して900秒未満の乾燥時間を有する、実施態様64に記載の製剤。
【0283】
実施態様66. 少なくとも1つの乾燥剤が崩壊剤、超崩壊剤、防湿剤、超吸水性ポリマー、膨潤性ポリマーおよび超多孔質ヒドロゲルなどからなる群から選択される少なくとも1つを含む、先の実施態様の何れかに記載の製剤。
【0284】
実施態様67. 少なくとも1つの乾燥剤が修飾セルロース/架橋セルロースおよびこれらの誘導体、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポビドン、架橋ポリビニルピロリドン、デンプンおよび/または修飾デンプン、架橋デンプン、架橋アルギン酸、ポリアクリル酸ナトリウム、架橋ポリアクリル酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ダイズ多糖、ゲランガム、キサンタンガム、二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム・マグネシウム、ケイ酸カルシウムおよびイオン交換樹脂からなる群から選択される少なくとも1つを含む、実施態様66に記載の製剤。
【0285】
実施態様68. 少なくとも1つの乾燥剤がナトリウムカルボキシメチルデンプン、クロスカルメロース、架橋ポリアクリル酸ナトリウム、クロスポビドンおよびデンプングリコール酸ナトリウムからなる群から選択される、実施態様67に記載の製剤。
【0286】
実施態様69. 少なくとも1つの乾燥剤がポリカルボン酸と架橋された親水性ポリマーを有するポリマーヒドロゲルを含む、実施態様1~68の何れかに記載の製剤。
【0287】
実施態様70. 製剤が少なくとも約10重量%の総乾燥剤含量を有する、先の実施態様の何れかに記載の製剤。
【0288】
実施態様71. 製剤が少なくとも約15重量%の総乾燥剤含量を有する、先の実施態様の何れかに記載の製剤。
【0289】
実施態様72. 製剤が少なくとも約30重量%の総乾燥剤含量を有する、先の実施態様の何れかに記載の製剤。
【0290】
実施態様73. 製剤が少なくとも約50重量%の総乾燥剤含量を有する、先の実施態様の何れかに記載の製剤。
【0291】
実施態様74. 製剤が少なくとも約75重量%の総乾燥剤含量を有する、先の実施態様の何れかに記載の製剤。
【0292】
実施態様75. 活性剤がペプチド、酵素分解に抵抗するように構造的に操作されたペプチド、抗体、ホルモン、酵素、増殖因子、有機分子、無機分子、リガンド、医薬品、栄養補助食品、生物製剤、金属、金属酸化物、タンパク質、タンパク質複合体、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、抗体フラグメント、多糖、炭水化物、ナノ粒子、ワクチン、核酸、細胞および細胞療法剤、DNA、RNA、siRNA、血液因子、遺伝子療法剤、血栓溶解剤、増殖因子、インターフェロン、インターロイキンベースの分子、融合タンパク質、組み換えタンパク質、治療用酵素、薬物複合体および代謝物からなる群から選択される少なくとも1つを含む、先の実施態様の何れかに記載の製剤。
【0293】
実施態様76. 活性剤がオクトレオチド、カルシトニン、副甲状腺ホルモン(PTH)、テリパラチド、インスリン、エキセナチド、リラグルチド、リキシセナチド、アルビグルチドおよびデュラグルチドからなる群から選択される少なくとも1つを含む、実施態様75に記載の製剤。
【0294】
実施態様77. 活性剤が少なくとも約450Daでありかつ約10000Da未満である分子量を含む、実施態様75または76に記載の製剤。
【0295】
実施態様78. 活性剤が約1000Da~約5000Daの範囲の分子量を含む、実施態様75~77の何れかに記載の製剤。
【0296】
実施態様79. 保護コーティングが、腸管部位で液体に曝されたとき少なくとも部分的に透過性となることができ、腸管部位で液体に曝されたとき、保護コーティングの表面積の少なくとも35%が透過性となる、先の実施態様の何れかに記載の製剤。
【0297】
実施態様80. 液体に曝されたとき少なくとも部分的に透過性となる保護コーティングの部分が乾燥剤領域の少なくとも35%を被覆する、先の実施態様の何れかに記載の製剤。
【0298】
実施態様81. 乾燥剤領域を被覆する保護コーティングの表面の実質的に全体が腸管部位で液体に曝されたとき少なくとも部分的に透過性となる、実施態様79または80に記載の製剤。
【0299】
実施態様82. 保護コーティングが、5.5~7.5の範囲のpHで少なくとも部分的に透過性となるおよび/または溶解する腸溶性コーティングを含む、先の実施態様の何れかに記載の製剤。
【0300】
実施態様83. 腸溶性コーティングが少なくとも5.5のpHで少なくとも部分的に透過性となるおよび/または溶解する、先の実施態様の何れかに記載の製剤。
【0301】
実施態様84. 腸溶性コーティングが少なくとも6.5のpHで少なくとも部分的に透過性となるおよび/または溶解する、実施態様83に記載の製剤。
【0302】
実施態様85. 腸溶性コーティングが少なくとも7.4のpHで少なくとも部分的に透過性となるおよび/または溶解する、実施態様84に記載の製剤。
【0303】
実施態様86. 製剤が装置1およびpH7.5の150mM リン酸緩衝化食塩水の溶解媒体の、USP溶解アッセイ711で決定して、30分以内に活性剤の少なくとも90%の放出速度を提供する、先の実施態様の何れかに記載の製剤。
【0304】
実施態様87. 製剤が装置1およびpH7.5の150mM リン酸緩衝化食塩水の溶解媒体の、USP溶解アッセイ711で決定して、10分以内に活性剤の少なくとも90%の放出速度を提供する、先の実施態様の何れかに記載の製剤。
【0305】
実施態様88. 製剤が装置1およびpH7.5の150mM リン酸緩衝化食塩水の溶解媒体の、USP溶解アッセイ711で測定して、1分以内に活性剤の少なくとも90%を放出する放出速度を提供する、先の実施態様の何れかに記載の製剤。
【0306】
実施態様89. 対象に活性剤を送達する方法であって、
実施態様1~88の何れかに記載の薬学的に許容される製剤を対象に投与することを含み、
ここで、該製剤が活性剤の送達のための腸管部位周辺に乾燥効果を提供する、方法。
【0307】
実施態様90. 腸管部位に乾燥剤を送達するための薬学的に許容される経口製剤であって、
腸管部位に送達すべき活性剤;
腸管部位周辺の領域を乾燥できる少なくとも1つの乾燥剤;
腸管部位での活性剤の吸収を増大させるための少なくとも1つの浸透増加剤;および
該製剤の表面を少なくとも部分的に被覆する保護コーティングを含み、
ここで、液体媒質に浸漬したとき、製剤液体取込アッセイにより製剤全体で測定して、製剤あたり少なくとも約20gの液体取込能を有する、製剤。
【0308】
実施態様91. 製剤における総浸透増加剤含量が製剤あたり少なくとも5mgから製剤あたり800mgを超えない範囲である、実施態様90に記載の製剤。
【0309】
実施態様92. 製剤における総浸透増加剤含量が製剤あたり少なくとも5mgから50mgを超えない範囲である、実施態様91に記載の製剤。
【0310】
実施態様93. 製剤における総浸透増加剤含量が製剤あたり少なくとも50mgでありかつ200mgを超えない、実施態様91に記載の製剤。
【0311】
実施態様94. 浸透増加剤が脂肪酸、中鎖グリセリド、界面活性剤、非ステロイド系界面活性剤、アシルカルニチン、ラウロイルカルニチン、パルミトイルカルニチンアルカノイルカルニチン、N-アセチル化アミノ酸、エステル、塩、胆汁酸塩、ナトリウム塩、含窒素環ならびにこれらの誘導体および組み合わせの1以上である、実施態様90~93の何れかに記載の製剤。
【0312】
実施態様95. 浸透増加剤がカプリン酸ナトリウム、ラウロイルカルニチン、パルミトイルカルニチンおよび3-(N,N-ジメチルパルミチルアンモニオ)プロパンスルフェート(PPS)からなる群から選択される、実施態様94に記載の製剤。
【0313】
実施態様96. 浸透増加剤が親水性浸透増加剤である、実施態様90~95の何れかに記載の製剤。
【0314】
実施態様97. 浸透増加剤が疎水性浸透増加剤である、実施態様90~95の何れかに記載の製剤。
【0315】
実施態様98. 浸透増加剤が少なくとも2のlogPを有する、実施態様90~97の何れかに記載の製剤。
【0316】
実施態様99. 浸透増加剤が4未満のlogPを有する、実施態様90~97の何れかに記載の製剤。
【0317】
実施態様100. 浸透増加剤がカプリン酸ナトリウムを含み、製剤あたり少なくとも10mgでありかつ50mgを超えない量で提供される、実施態様90~99の何れかに記載の製剤。
【0318】
実施態様101. カプリン酸ナトリウムが製剤あたり35mg未満の量で提供される、実施態様100に記載の製剤。
【0319】
実施態様102. 浸透増加剤がPPSを含み、製剤あたり少なくとも10mgでありかつ50mgを超えない量で提供される、実施態様90~99の何れかに記載の製剤。
【0320】
実施態様103. PPSが製剤あたり35mg未満の量で提供される、実施態様102に記載の製剤。
【0321】
実施態様104. 少なくとも1つの浸透増加剤が、その中に活性剤を含む該製剤の1以上の活性剤領域であり、少なくとも1つの乾燥剤が該製剤の1以上の乾燥剤領域であり、1以上の活性剤領域が1以上の乾燥剤領域と分離されている、実施態様90~103の何れかに記載の製剤。
【0322】
実施態様105. 30wt%未満の少なくとも1つの乾燥剤をその中に含む1以上の活性剤領域および20wt%未満の少なくとも1つの活性剤をその中に含む1以上の乾燥剤領域を含む、実施態様90~104の何れかに記載の製剤。
【0323】
実施態様106. さらに製剤からの活性剤および浸透増加剤の1以上の放出を延長させるための持続放出剤を含む、実施態様90~105の何れかに記載の製剤。
【0324】
実施態様107. 持続放出剤がペクチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アクリル酸ポリマーおよびコポリマー、アカシア、アルギン酸、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、トラガカント、メチルセルロース、ポロクサマー、カルボキシメチルセルロースおよびエチルセルロースからなる群から選択される少なくとも1つを含む、実施態様106に記載の製剤。
【0325】
実施態様108. 層、錠剤、顆粒、粉末、ビーズ、バルクポリマー物質およびこれらの組み合わせからなる群から選択される1以上を含む1以上の乾燥剤領域を含む、実施態様90~107の何れかに記載の製剤。
【0326】
実施態様109. 層、錠剤、顆粒、粉末、ビーズ、親油性媒体、エマルジョン、懸濁液、溶液、半固体、液体およびこれらの組み合わせからなる群から選択される1以上を含む1以上の活性剤領域を含む、実施態様90~108の何れかに記載の製剤。
【0327】
実施態様110. 製剤が少なくとも1つの乾燥剤をその中に有する1以上の錠剤を含む1以上の乾燥剤領域を有するカプセル形態を含む、実施態様90~109の何れかに記載の製剤。
【0328】
実施態様111. 製剤が少なくとも1つの活性剤および浸透増加剤をその中に有する1以上の錠剤を含む1以上の活性剤領域を有するカプセル形態を含む、実施態様90~110の何れかに記載の製剤。
【0329】
実施態様112. 製剤が少なくとも1つの活性剤および浸透増加剤をその中に有する親油性媒体を含む1以上の活性剤領域を有するカプセル形態を含む、実施態様90~111の何れかに記載の製剤。
【0330】
実施態様113. 製剤が粉末、顆粒およびビーズの少なくとも1つの形態で活性剤、乾燥剤および浸透増加剤の少なくとも1つを有するカプセル形態を含む、実施態様90~112の何れかに記載の製剤。
【0331】
実施態様114. 製剤が少なくとも1つの乾燥剤、少なくとも1つの活性剤および少なくとも1つの浸透増加剤をその中に有する錠剤を含む、実施態様90~113の何れかに記載の製剤。
【0332】
実施態様115. 浸透増加剤が製剤の末端の領域に位置する、実施態様90~114の何れかに記載の製剤。
【0333】
実施態様116. 浸透増加剤が製剤の内部領域に位置する、実施態様90~115の何れかに記載の製剤。
【0334】
実施態様117. 少なくとも1つの浸透増加剤の少なくとも一部が製剤の第一末端に位置し、少なくとも1つの乾燥剤の少なくとも一部が製剤の第二末端に位置し、第一および第二末端が互いに対向する、実施態様90~116の何れかに記載の製剤。
【0335】
実施態様118. 浸透増加剤が製剤の内部の領域に位置し、内部領域が少なくとも1つの乾燥剤を含む外部領域の間にある、実施態様90~117の何れかに記載の製剤。
【0336】
実施態様119. 浸透増加剤および少なくとも1つの乾燥剤が、該製剤の縦軸に添って交互である領域に提供される、実施態様90~118の何れかに記載の製剤。
【0337】
実施態様120. 液体媒質に浸漬したとき、製剤液体取込アッセイにより製剤全体について測定した液体取込能が製剤あたり少なくとも約40g液体である、実施態様90~119の何れかに記載の製剤。
【0338】
実施態様121. 液体媒質に浸漬したとき、製剤液体取込アッセイにより製剤全体について測定した液体取込能が製剤あたり少なくとも約60g液体である、実施態様120に記載の製剤。
【0339】
実施態様122. 対象に活性剤を送達する方法であって、
対象に実施態様90~121の何れかに記載の薬学的に許容される製剤を投与することを含み、
ここで、該製剤が腸管部位周辺に乾燥効果を提供し、腸管部位での活性剤の吸収を増加するものである、方法。
【0340】
実施態様123. 腸管部位に乾燥剤を送達するための薬学的に許容される経口製剤であって、
腸管部位に送達すべき少なくとも1つの活性剤、
少なくとも10wt%の重量パーセントで提供される少なくとも1つの乾燥剤;および
該製剤の表面を被覆する保護コーティング
を含み、
製剤が少なくとも5000psiの圧力で圧縮されており、
製剤が、製剤液体取込アッセイにより液体媒質に浸漬したとき、製剤全体について測定して製剤あたり少なくとも約20gの液体取込能を有する、製剤。
【0341】
実施態様124. 製剤が約18000psiを超えない圧力で圧縮されている、実施態様123に記載の製剤。
【0342】
実施態様125. 製剤が約10000psiを超えない圧縮力で圧縮されている、実施態様124に記載の製剤。
【0343】
実施態様126. 製剤が、製剤の容積あたりのmg重量で、少なくとも約0.7mg/mm3でありかつ約1.05mg/mm3を超えない範囲の密度を有する、実施態様123~125の何れかに記載の製剤。
【0344】
実施態様127. 製剤が約0.90mg/mm3を超えない密度を有する、実施態様126に記載の製剤。
【0345】
実施態様128. 液体媒質に浸漬したとき、製剤液体取込アッセイにより製剤全体について測定した液体取込能が製剤あたり少なくとも約40g液体である、実施態様123~127の何れかに記載の製剤。
【0346】
実施態様129. 液体媒質に浸漬したとき、製剤液体取込アッセイにより製剤全体について測定した液体取込能が製剤あたり少なくとも約60g液体である、実施態様128に記載の製剤。
【0347】
実施態様130. 経口製剤が錠剤およびカプレットの少なくとも1つの形態である、実施態様123~129の何れかに記載の製剤。
【0348】
実施態様131. 少なくとも1つの活性剤を有する第一圧縮領域および少なくとも1つの乾燥剤を有する第二圧縮領域を含む、実施態様123~130の何れかに記載の製剤。
【0349】
実施態様132. 第一および第二圧縮領域が第一および第二圧縮層にある、実施態様131に記載の製剤。
【0350】
実施態様133. 第一および第二圧縮領域が、第一および第二圧縮領域間の接触を阻止するバリア層により分離されている、実施態様131または132に記載の製剤。
【0351】
実施態様134. 第一および第二圧縮領域が、インビボで製剤の溶解中、他の圧縮領域による第一および第二圧縮領域の1以上の浸透を少なくとも部分的に阻止するバリア層により分離されている、実施態様131~133の何れかに記載の製剤。
【0352】
実施態様135. 第二圧縮領域が修飾セルロース/架橋セルロースおよびこれらの誘導体、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポビドン、架橋ポリビニルピロリドン、デンプンおよび/または修飾デンプン、架橋デンプン、架橋アルギン酸、ポリアクリル酸ナトリウム、架橋ポリアクリル酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ダイズ多糖、ゲランガム、キサンタンガム、二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム・マグネシウム、ケイ酸カルシウムおよびイオン交換樹脂からなる群から選択される少なくとも1つである乾燥剤を含む、実施態様131~134の何れかに記載の製剤。
【0353】
実施態様136. 少なくとも1つの乾燥剤がナトリウムカルボキシメチルデンプン、クロスカルメロース、架橋ポリアクリル酸ナトリウム、クロスポビドンおよびデンプングリコール酸ナトリウムからなる群から選択される、実施態様135に記載の製剤。
【0354】
実施態様137. 少なくとも1つの乾燥剤がポリカルボン酸と架橋された親水性ポリマーを有するポリマーヒドロゲルを含む、実施態様131~135の何れかに記載の製剤。
【0355】
実施態様138. 第二圧縮領域が第二圧縮領域の10wt%~99wt%の含量で少なくとも1つの乾燥剤を含む、実施態様131~135の何れかに記載の製剤。
【0356】
実施態様139. 第二圧縮領域が第二圧縮領域の50wt%~95wt%の含量で少なくとも1つの乾燥剤を含む、実施態様131~138の何れかに記載の製剤。
【0357】
実施態様140. 第二圧縮領域が20重量%未満の少なくとも1つの活性剤を含み、第一圧縮領域が30重量%未満の少なくとも1つの乾燥剤を含む、実施態様131~139の何れかに記載の製剤。
【0358】
実施態様141. 第一および第二圧縮領域の少なくとも1つが第一および第二圧縮領域の1以上の内容物の放出を達成するためにインビボで保護コーティングの少なくとも部分的な溶解を促進する保護コーティング透過性促進剤を含む、実施態様131~140の何れかに記載の製剤。
【0359】
実施態様142. 保護コーティング透過性促進剤が保護コーティング周辺のpHを上げる化合物を含む、実施態様141に記載の製剤。
【0360】
実施態様143. 保護コーティング透過性促進剤が粉末形態の少なくとも1つの塩基を含む、実施態様141または142に記載の製剤。
【0361】
実施態様144. 保護コーティングが5.5~7.5の範囲のpHで少なくとも部分的に透過性となるおよび/または少なくとも部分的に溶解する腸溶性コーティングである、実施態様123~143の何れかに記載の製剤。
【0362】
実施態様145. 保護コーティングが少なくとも5.5のpHで少なくとも部分的に透過性となるおよび/または少なくとも部分的に溶解する腸溶性コーティングである、実施態様123~144の何れかに記載の製剤。
【0363】
実施態様146. 保護コーティングが少なくとも6.5のpHで少なくとも部分的に透過性となるおよび/または少なくとも部分的に溶解する腸溶性コーティングである、実施態様123~145の何れかに記載の製剤。
【0364】
実施態様147. 保護コーティングが少なくとも7.4のpHで少なくとも部分的に透過性となるおよび/または少なくとも部分的に溶解する腸溶性コーティングである、実施態様123~146の何れかに記載の製剤。
【0365】
実施態様148. 製剤が腸管部位で活性剤の吸収を増加させる少なくとも1つの浸透増加剤を含む、実施態様123~147の何れかに記載の製剤。
【0366】
実施態様149. 浸透増加剤が脂肪酸、中鎖グリセリド、界面活性剤、非ステロイド系界面活性剤、アシルカルニチン、ラウロイルカルニチン、パルミトイルカルニチン、アルカノイルカルニチン、N-アセチル化アミノ酸、エステル、塩、胆汁酸塩、ナトリウム塩、含窒素環ならびにこれらの誘導体および組み合わせの1以上である、実施態様148に記載の製剤。
【0367】
実施態様150. 浸透増加剤がカプリン酸ナトリウム、ラウリルカルニチン、パルミトイルカルニチンおよび3-(N,N-ジメチルパルミチルアンモニオ)プロパンスルフェート(PPS)からなる群から選択される、実施態様148または149に記載の製剤。
【0368】
実施態様151. 浸透増加剤が第一圧縮領域の重量のパーセンテージとして5wt%~95wt%の量で提供される、実施態様148~150の何れかに記載の製剤。
【0369】
実施態様152. 第二圧縮領域が第二圧縮領域の1wt%~10wt%のパーセント含量で結合剤物質を含む、実施態様148~150の何れかに記載の製剤。
【0370】
実施態様153. 第二圧縮領域がポリビニルピロリドン、HPMCおよびペクチンからなる群から選択される結合剤物質を含む、実施態様131~152の何れかに記載の製剤。
【0371】
実施態様154. 圧縮製剤が少なくとも1つの乾燥剤および少なくとも1つの活性剤の実質的に均一な混合物を含む、実施態様123~130の何れかに記載の製剤。
【0372】
実施態様155. 製剤が少なくとも1つの活性剤を含む第一層および少なくとも1つの乾燥剤を含む第二層を含み、第二層における活性剤の含量が第二層の20重量%未満であり、第一層における乾燥剤の含量が第一層の30重量%未満である、実施態様123~153の何れかに記載の製剤。
【0373】
実施態様156. 第一および第二層が1以上の積層および同心層を含む、実施態様121~155の何れかに記載の製剤。
【0374】
実施態様157. 腸管部位に乾燥剤を送達するための薬学的に許容される経口製剤であって、
腸管部位に送達すべき少なくとも1つの活性剤;
腸管部位周辺の領域を乾燥できる少なくとも1つの乾燥剤;および
該製剤の表面を被覆する保護コーティング
を含み、
ここで、少なくとも1つの活性剤および少なくとも1つの乾燥剤が表面に保護コーティングを有するカプセルに含まれ、そして
製剤が、液体媒質に浸漬したとき、製剤液体取込アッセイにより製剤全体で測定して製剤あたり少なくとも約20g液体の液体取込能を有する、製剤。
【0375】
実施態様158. 少なくとも1つの活性剤および少なくとも1つの乾燥剤の1以上が少なくとも5000psiでありかつ18000psiを超えない圧力の適用により圧縮されている圧縮要素に含まれている、実施態様157に記載の製剤。
【0376】
実施態様159. 圧縮要素が12000psiを超えない圧力の適用により圧縮されている、実施態様158に記載の製剤。
【0377】
実施態様160. 圧縮要素の容積あたりの圧縮要素mgでの圧縮要素の密度が約0.7mg/mm3~約1.05mg/mm3の範囲である、実施態様158または159に記載の製剤。
【0378】
実施態様161. 圧縮要素の密度が約0.90mg/mm3を超えない、実施態様160に記載の製剤。
【0379】
実施態様162. 製剤が少なくとも1つの活性剤を有する1以上の活性剤領域および少なくとも1つの乾燥剤を有する1以上の乾燥剤領域を含む、実施態様151または156に記載の製剤。
【0380】
実施態様163. 少なくとも1つの乾燥剤が乾燥剤領域の少なくとも20重量%の含量で提供される、実施態様157に記載の製剤。
【0381】
実施態様164. 少なくとも1つの乾燥剤が乾燥剤領域の少なくとも50重量%の含量で提供される、実施態様163に記載の製剤。
【0382】
実施態様166. 少なくとも1つの乾燥剤が乾燥剤領域の少なくとも90重量%の含量で提供される、実施態様165に記載の製剤。
【0383】
実施態様166. 1以上の乾燥剤領域がその中に乾燥剤を含む1以上の圧縮要素を含む、実施態様157~166の何れかに記載の製剤。
【0384】
実施態様167. 1以上の活性剤領域がその中に活性剤を含む1以上の圧縮要素を含む、実施態様157~166の何れかに記載の製剤。
【0385】
実施態様168. 1以上の活性剤領域が親油性媒体、エマルジョン、溶液、半固体、粉末、粒およびビーズの少なくとも1つを含む、実施態様157~167の何れかに記載の製剤。
【0386】
実施態様169. 1以上の活性剤領域がその中に活性剤を有する親油性媒体を含む、実施態様157~168の何れかに記載の製剤。
【0387】
実施態様170. 1以上の乾燥剤領域が1以上の活性剤領域から分離されており、1以上の乾燥剤領域が20wt%未満の活性剤を含み、1以上の活性剤領域が30wt%未満の乾燥剤を含む、実施態様157~169の何れかに記載の製剤。
【0388】
実施態様171. 製剤が2~10圧縮要素をその中に有するカプセルを含む、実施態様157~170の何れかに記載の製剤。
【0389】
実施態様172. 製剤が3~6圧縮要素をその中に有するカプセルを含む、実施態様171に記載の製剤。
【0390】
実施態様173. 製剤が該製剤の内部部分に少なくとも1つの活性剤を有する少なくとも1つの圧縮要素を含み、該製剤の外部部分に少なくとも1つの乾燥剤を有する少なくとも1つの圧縮要素を含む、実施態様157~172の何れかに記載の製剤。
【0391】
実施態様173. 製剤が該製剤の内部部分に少なくとも1つの乾燥剤を有する少なくとも1つの圧縮要素を含み、該製剤の外部部分に少なくとも1つの活性剤を有する少なくとも1つの圧縮要素を含む、実施態様157~172の何れかに記載の製剤。
【0392】
実施態様174. 少なくとも1つの乾燥剤を有する圧縮要素と少なくとも1つの活性剤を有する圧縮要素が製剤の軸に沿って交互配置で提供される、実施態様157~173の何れかに記載の製剤。
【0393】
実施態様175. 少なくとも1つの活性剤領域が腸管部位での活性剤の吸収を増加できる浸透増加剤を含む、実施態様157~174の何れかに記載の製剤。
【0394】
実施態様176. 製剤が少なくとも1つの活性剤および少なくとも1つの浸透増加剤を有する少なくとも1つの圧縮要素を含む、実施態様157~175の何れかに記載の製剤。
【0395】
実施態様177. 少なくとも1つの活性剤および少なくとも1つの浸透増加剤をその中に含む1以上の圧縮要素を含み、浸透増加剤が少なくとも1つの圧縮要素の少なくとも80wt%を構成する、実施態様157~176の何れかに記載の製剤。
【0396】
実施態様178. 液体媒質に浸漬したとき、製剤液体取込アッセイにより製剤全体について測定した液体取込能が製剤あたり少なくとも約40g液体である、実施態様157~177の何れかに記載の製剤。
【0397】
実施態様179. 液体媒質に浸漬したとき、製剤液体取込アッセイにより製剤全体について測定した液体取込能が製剤あたり少なくとも約60g液体である、実施態様178に記載の製剤。
【0398】
実施態様180. 製剤が、各々少なくとも1つの活性剤および少なくとも1つの乾燥剤の実質的に均一な混合物を有する複数の圧縮要素を含む、実施態様157~179の何れかに記載の製剤。
【0399】
実施態様181. 製剤が複数の圧縮要素ならびに顆粒、ビーズおよび粉末の少なくとも1つを含む、実施態様157~180の何れかに記載の製剤。
【0400】
実施態様182. 複数の圧縮要素が少なくとも1つの乾燥剤を含み、顆粒、ビーズおよび粉末の少なくとも1つが少なくとも1つの活性剤を含む、実施態様181に記載の製剤。
【0401】
実施態様182. 複数の圧縮要素が製剤の対向する端にあり、製剤の内部領域に顆粒、ビーズおよび粉末の少なくとも1つを有する、実施態様181または182に記載の製剤。
【0402】
実施態様183. 製剤が複数の圧縮要素および親油性媒体を含む、実施態様157~182の何れかに記載の製剤。
【0403】
実施態様183. 複数の圧縮要素が少なくとも1つの乾燥剤を含み、親油性媒体が少なくとも1つの活性剤を含む、実施態様183に記載の製剤。
【0404】
実施態様184. 複数の圧縮要素が製剤の第一端にあり、親油性媒体が製剤の第二の対向する端にある、実施態様183に記載の製剤。
【0405】
実施態様185. 製剤が少なくとも1つの乾燥剤を含む複数の第一圧縮要素および少なくとも1つの活性剤を含む少なくとも1つの第二圧縮要素を含む、実施態様157~184の何れかに記載の製剤。
【0406】
実施態様186. 複数の第一圧縮要素が製剤の対向する端にあり、少なくとも1つの第二圧縮要素ガ製剤の内部領域にある、実施態様185に記載の製剤。
【0407】
実施態様187. 少なくとも1つの第二圧縮要素が浸透増加剤ならびに製剤からの少なくとも1つの活性剤および浸透増加剤の1以上の放出を延長させる少なくとも1つの放出延長剤を含む、実施態様185または186に記載の製剤。
【0408】
実施態様188. 少なくとも1つの第二圧縮要素が複数の第一圧縮要素の何れか1つより厚い、実施態様186または187に記載の製剤。
【0409】
実施態様189. 製剤が複数の圧縮要素を含み、圧縮要素の少なくとも1つが少なくとも2層を有する、実施態様157~188の何れかに記載の製剤。
【0410】
実施態様190. 複数の圧縮要素が少なくとも1つの乾燥剤を含む第一層および少なくとも1つの活性剤を含む第二層を有する少なくとも1つの圧縮要素を含む、実施態様189に記載の製剤。
【0411】
実施態様191. 複数の圧縮要素の1以上が圧縮要素の表面に第二保護コーティングを含む、実施態様189または190に記載の製剤。
【0412】
実施態様192. 製剤が少なくとも1つの活性剤を含む第一粒子および少なくとも1つの乾燥剤を含む第二粒子を含む、実施態様157~159の何れかに記載の製剤。
【0413】
実施態様193. 粒子が粉末、ビーズ、顆粒またはこれらの組み合わせの少なくとも1つを含む、実施態様192に記載の製剤。
【0414】
実施態様194. 製剤が第一および第二粒子の実質的に均質な混合物を含む、実施態様192または193に記載の製剤。
【0415】
実施態様195. 5wt%~70wt%の第一粒子および20wt%~95wt%の第二粒子を含む、実施態様193または194に記載の製剤。
【0416】
実施態様196. 製剤が約100ミクロン~約400ミクロンの範囲の平均粒子径を有する少なくとも1つの乾燥剤を含む粒子を含む、実施態様157~195の何れかに記載の製剤。
【0417】
実施態様197. 腸管部位に乾燥剤を送達するための薬学的に許容される経口製剤であって、
腸管部位に送達すべき活性剤;
腸管部位周辺の領域を乾燥できる少なくとも1つの乾燥剤;および
該製剤の表面を被覆する保護コーティング
を含み、
ここで、製剤が少なくとも約15重量%の総乾燥剤含量を有する、製剤。
【0418】
実施態様198. 製剤が少なくとも約30重量%の総乾燥剤含量を有する、実施態様197に記載の製剤。
【0419】
実施態様199. 製剤が少なくとも約50重量%の総乾燥剤含量を有する、実施態様198に記載の製剤。
【0420】
実施態様200. 製剤が少なくとも約75重量%の総乾燥剤含量を有する、実施態様199に記載の製剤。
【0421】
実施態様201. 乾燥剤が乾燥剤乾燥能アッセイにより少なくとも約3mg液体/乾燥剤mgの乾燥能を有する、実施態様198~200の何れかに記載の製剤。
【0422】
実施態様202. 乾燥剤が乾燥剤乾燥能アッセイにより少なくとも約5mg液体/乾燥剤mgの乾燥能を有する、実施態様201に記載の製剤。
【0423】
実施態様203. 乾燥剤が乾燥剤乾燥能アッセイにより少なくとも約7mg液体/乾燥剤mgの乾燥能を有する、実施態様202に記載の製剤。
【0424】
実施態様204. 乾燥剤が乾燥剤乾燥時間アッセイにより約15分を超えない乾燥時間を有する、実施態様198~203の何れかに記載の製剤。
【0425】
実施態様205. 乾燥剤が乾燥剤乾燥時間アッセイにより約5分を超えない乾燥時間を有する、実施態様205に記載の製剤。
【0426】
実施態様206. 乾燥剤が乾燥剤乾燥時間アッセイにより約60秒を超えない乾燥時間を有する、実施態様205に記載の製剤。
【0427】
実施態様207. 製剤が少なくとも1つの乾燥剤を有する乾燥組成物を含み、該乾燥組成物の乾燥能が乾燥剤乾燥能アッセイにより少なくとも約3mg液体/乾燥組成物mgである、実施態様197~206の何れかに記載の製剤。
【0428】
実施態様208. 製剤が製剤乾燥能アッセイにより製剤全体について測定して少なくとも約3g液体/経口製剤の乾燥能を有する、実施態様207に記載の製剤。
【0429】
実施態様209. 乾燥剤が、標準温度および圧力で5mgの乾燥剤/水mLを含む水の溶液の液体部分の粘性が5cP未満であるように水における溶解度を有する、実施態様197~208の何れかに記載の製剤。
【0430】
実施態様210. 少なくとも1つの乾燥剤がクロスカルメロース、ポリアクリル酸ナトリウム、クロスポビドンおよびデンプングリコール酸ナトリウムの少なくとも1つを含む、実施態様196~209の何れかに記載の製剤。
【0431】
実施態様211. 腸管環境に曝されたときゲルを形成できるゲル化剤をさらに含む、実施態様196~210の何れかに記載の製剤。
【0432】
実施態様212. ゲル化剤がペクチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびアクリル酸ポリマー/コポリマーの少なくとも1つを含む、実施態様211に記載の製剤。
【0433】
実施態様213. 製剤におけるゲル化剤の含量が約1wt%~約50wt%である、実施態様212に記載の製剤。
【0434】
実施態様214. 乾燥剤が製剤の第一領域に提供され、活性剤が製剤の第二領域に提供される、実施態様197~213の何れかに記載の製剤。
【0435】
実施態様215. 第一および第二領域が二層錠剤の第一および第二層を構成する、実施態様214に記載の製剤。
【0436】
実施態様216. 第一および第二領域が三層錠剤の第一および第二層を構成し、三層錠剤が第一および第二層の1以上と同一および/または異なる第三組成物を有する第三層をさらに含む、実施態様215に記載の製剤。
【0437】
実施態様217. 第一および第二領域がコアおよび該コアを少なくとも部分的に囲む圧縮コーティングを有する圧縮被覆錠剤の領域である、実施態様214に記載の製剤。
【0438】
実施態様218. コアが乾燥剤を有する第一領域を含み、圧縮コーティングが活性剤を有する第二領域を含む、実施態様217に記載の製剤。
【0439】
実施態様219. コアが活性剤を有する第二領域を含み、圧縮コーティングが乾燥剤を有する第一領域を含む、実施態様218に記載の製剤。
【0440】
実施態様220. ゲル化剤が少なくとも1つの乾燥剤を含む第一領域および活性剤を含む第二領域の少なくとも1つに含まれている、実施態様214に記載の製剤。
【0441】
実施態様221. 製剤が単層錠剤を含む、実施態様197~220の何れかに記載の製剤。
【0442】
実施態様222. 乾燥剤および活性剤の少なくとも1つが粒子形態で提供される、実施態様197~221の何れかに記載の製剤。
【0443】
実施態様223. 製剤がカプセル形態を含む、実施態様197~222の何れかに記載の製剤。
【0444】
実施態様224. 活性剤および少なくとも1つの乾燥剤の少なくとも1つがカプセル中の粉末化形態で提供される、実施態様223に記載の製剤。
【0445】
実施態様225. 活性剤および少なくとも1つの乾燥剤の少なくとも1つがカプセル中の粒子の形態で提供される、実施態様224に記載の製剤。
【0446】
実施態様226. 粒子が球体および錠剤の少なくとも1つを含む、実施態様225に記載の製剤。
【0447】
実施態様227. カプセルが活性剤を有する複数の錠剤を含み、ここで、乾燥剤が該錠剤を少なくとも部分的に囲む、実施態様226に記載の製剤。
【0448】
実施態様228. 保護コーティングがpH依存的腸溶性コーティングおよび時限的放出コーティングの少なくとも1つを含む、実施態様197~227の何れかに記載の製剤。
【0449】
実施態様229. 保護コーティングが該製剤から約5.5~約7.5のpHで活性剤を放出できる腸溶性コーティングである、実施態様228に記載の製剤。
【0450】
実施態様230. 腸溶性コーティングがポリ(メタクリル酸-コ-メチルメタクリレート)およびメタクリル酸エチルアクリル酸コポリマーの少なくとも1つを含む、実施態様229に記載の製剤。
【0451】
実施態様231. 活性剤がオクトレオチド、カルシトニン、副甲状腺ホルモン、テリパラチド、インスリン、エキセナチド、リラグルチド、リキシセナチド、アルビグルチドおよびデュラグルチドの少なくとも1つを含む、実施態様197~230の何れかに記載の製剤。
【0452】
実施態様232. 製剤における活性剤の含量が約0.0001wt%~約50wt%である、実施態様197~231の何れかに記載の製剤。
【0453】
実施態様233. 製剤が内視鏡的バイオアベイラビリティアッセイにより測定して少なくとも約0.25%の活性剤のバイオアベイラビリティを提供する、実施態様197~232の何れかに記載の製剤。
【0454】
実施態様234. オスマジェントを約1wt%~約60wt%の含量でさらに含む、実施態様197~233の何れかに記載の製剤。
【0455】
実施態様235. オスマジェントがスクロース、マンニトール、フルクトースおよびポリエチレングリコールの少なくとも1つを含む、実施態様234に記載の製剤。
【0456】
実施態様236. 約0.1wt%~約20wt%の含量で浸透増加剤をさらに含む、実施態様197~236の何れかに記載の製剤。
【0457】
実施態様237. 浸透増加剤がEDTA、パルミトイルカルニチン、ジメチルパルミトイルアンモニオプロパンスルホネートおよびカプリン酸ナトリウムの少なくとも1つを含む、実施態様236に記載の製剤。
【0458】
実施態様238. 対象に活性剤を送達する方法であって、
活性剤、少なくとも1つの乾燥剤および保護コーティングを含む薬学的に許容される経口製剤を投与することを含み、
ここで、製剤が少なくとも約15重量%の総乾燥剤含量を有し、
保護コーティングが腸管部位で活性剤および少なくとも1つの乾燥剤を放出するように製剤化されており、そして
該製剤が腸管部位周辺の領域に乾燥効果を提供するものである、方法
【0459】
実施態様239. 少なくとも1つの乾燥剤が薬剤乾燥能アッセイで少なくとも約3mg液体/乾燥剤mgの乾燥能を有する、実施態様238に記載の方法。
【0460】
実施態様240. 乾燥剤が薬剤乾燥時間アッセイにより少なくとも約60秒の乾燥時間を有する、実施態様238または239に記載の方法。
【0461】
実施態様241. 該製剤が製剤乾燥能アッセイにより形態全体に対して測定して少なくとも約3g液体/経口製剤の乾燥能を有する、実施態様238~240の何れかに記載の方法。
【0462】
引用による取り込み
ここに記載する全ての特許および特許出願公開は、引用により、個々の特許および/または特許出願公開が具体的かつ個々に引用により包含されるのと同程度に、その全体を、全ての目的のために、本明細書に包含させる。矛盾がある場合、本願明細書が、その中のあらゆる定義を含み、支配する。
【0463】
均等物
特定の実施態様が記載されているが、上の明細書は説明であり、限定ではない。多くの改変が、本明細書の精査により当業者に明らかとなる。実施態様の完全な範囲は、特許請求の範囲を、均等物の完全な範囲と共に、そして、明細書を、このような改変と共に参照して決定されるべきである。