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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161960
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】鞍乗型車両及びヘッドランプユニット
(51)【国際特許分類】
   B62J 6/024 20200101AFI20241114BHJP
   B60Q 1/28 20060101ALI20241114BHJP
   B60Q 1/00 20060101ALI20241114BHJP
   B60Q 1/04 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
B62J6/024
B60Q1/28
B60Q1/00 E
B60Q1/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077055
(22)【出願日】2023-05-09
(71)【出願人】
【識別番号】521431099
【氏名又は名称】カワサキモータース株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100117662
【弁理士】
【氏名又は名称】竹下 明男
(74)【代理人】
【識別番号】100156177
【弁理士】
【氏名又は名称】池見 智治
(72)【発明者】
【氏名】俵 和史
(72)【発明者】
【氏名】小▲柳▼ 樹一
(72)【発明者】
【氏名】下村 直矢
(72)【発明者】
【氏名】榑林 徹
【テーマコード(参考)】
3K339
【Fターム(参考)】
3K339AA02
3K339AA32
3K339BA01
3K339BA04
3K339BA08
3K339BA16
3K339BA28
3K339CA01
3K339CA22
3K339CA24
3K339DA01
3K339FA02
3K339GA01
3K339GB01
3K339GC01
3K339GC02
3K339GC04
3K339HA01
3K339LA01
3K339LA06
(57)【要約】
【課題】要求される配光特性を満たしつつ、ヘッドランプユニットの小型化を可能にする技術を提供することを目的とする。
【解決手段】鞍乗型車両は、鞍乗型の車体と、前記車体に支持されたヘッドランプユニット30と、を備える。前記ヘッドランプユニット30は、前方に進むにつれて前後方向に垂直な断面形状が小さくなるランプハウジング50と、前記ランプハウジング50に収容されて、第1LED光源35を有するプロジェクタ型ランプ34と、前記ランプハウジング50に収容されて、第2LED光源41を有するリフレクタ型ランプ40と、を含む。前記プロジェクタ型ランプ34がロービーム用ランプであり、前記リフレクタ型ランプ40がハイビーム用ランプである。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鞍乗型の車体と、
前記車体に支持されたヘッドランプユニットと、
を備え、
前記ヘッドランプユニットは、
前方に進むにつれて前後方向に垂直な断面形状が小さくなるランプハウジングと、
前記ランプハウジングに収容されて、第1LED光源を有するプロジェクタ型ランプと、
前記ランプハウジングに収容されて、第2LED光源を有するリフレクタ型ランプと、
を含み、
前記プロジェクタ型ランプがロービーム用ランプであり、前記リフレクタ型ランプがハイビーム用ランプである、鞍乗型車両。
【請求項2】
請求項1に記載の鞍乗型車両であって、
前記ヘッドランプユニットは、それぞれが前記プロジェクタ型ランプと前記リフレクタ型ランプとを有する左側ランプ部と右側ランプ部とを含み、
前記ランプハウジングは、前記左側ランプ部を保持する左側ハウジングと、前記右側ランプ部を保持する右側ハウジングと、前記左側ハウジングと前記右側ハウジングとを車幅方向に間隔をあけて保持するアウタケースとを有する、鞍乗型車両。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の鞍乗型車両であって、
前記リフレクタ型ランプが前記プロジェクタ型ランプよりも車幅方向外側に位置する、鞍乗型車両。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の鞍乗型車両であって、
前記プロジェクタ型ランプの屈折レンズが前記リフレクタ型ランプの反射面よりも前方に位置する、鞍乗型車両。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載の鞍乗型車両であって、
前記リフレクタ型ランプの反射面が、前記ランプハウジングの収容空間のうち下側に位置する、鞍乗型車両。
【請求項6】
請求項1又は請求項2に記載の鞍乗型車両であって、
前記ヘッドランプユニットにおいて、前記リフレクタ型ランプの反射面の上方に、前記リフレクタ型ランプとは別のランプが位置する、鞍乗型車両。
【請求項7】
請求項1又は請求項2に記載の鞍乗型車両であって、
前記ヘッドランプユニットにおいて、前記リフレクタ型ランプとは別のランプであって前記リフレクタ型ランプと隣接するランプが、前記リフレクタ型ランプの反射面の前側に位置する、鞍乗型車両。
【請求項8】
請求項1又は請求項2に記載の鞍乗型車両であって、
前記ヘッドランプユニットは、前記ランプハウジングに収容されたポジションランプを含み、
前記リフレクタ型ランプ及び前記ポジションランプが前記プロジェクタ型ランプよりも車幅方向外側に位置し、前記ポジションランプが前記リフレクタ型ランプよりも上側に位置する、鞍乗型車両。
【請求項9】
請求項1又は請求項2に記載の鞍乗型車両であって、
前記ヘッドランプユニットは、前記ランプハウジングに収容されたポジションランプと、前記プロジェクタ型ランプ、前記リフレクタ型ランプ及び前記ポジションランプの前側に位置するアウタレンズとを含み、
前記アウタレンズのうち前記リフレクタ型ランプの前側を覆う部分が、前記プロジェクタ型ランプの前側を覆う部分及び前記ポジションランプの前側を覆う部分よりも後ろに位置する、鞍乗型車両。
【請求項10】
請求項1又は請求項2に記載の鞍乗型車両であって、
前記車体は、前記ヘッドランプユニットの周囲を覆うカウルを含み、
前記ヘッドランプユニットは、前記カウルに接続されるカウル取付部を含み、
前記カウル取付部は、前記プロジェクタ型ランプと前記リフレクタ型ランプとの間に位置する、鞍乗型車両。
【請求項11】
鞍乗型車両用のヘッドランプユニットであって、
ランプからの出射光が進行する方向に進むにつれて前記方向に垂直な断面形状が小さくなるランプハウジングと、
前記ランプハウジングに収容されて、第1LED光源を有するプロジェクタ型ランプと、
前記ランプハウジングに収容されて、第2LED光源を有するリフレクタ型ランプと、
を含み、
前記プロジェクタ型ランプがロービーム用ランプであり、前記リフレクタ型ランプがハイビーム用ランプである、ヘッドランプユニット。
【請求項12】
鞍乗型車両用のヘッドランプユニットであって、
ランプからの出射光が進行する方向に進むにつれて前記方向に垂直な断面形状が小さくなるランプハウジングと、
前記ランプハウジングに収容されて、第1LED光源を有するプロジェクタ型ランプと、
前記ランプハウジングに収容されて、第2LED光源を有するリフレクタ型ランプと、
を含み、
前記プロジェクタ型ランプと前記リフレクタ型ランプとのうち一方がロービーム用ランプであり、他方がハイビーム用ランプである、ヘッドランプユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、鞍乗型車両及びヘッドランプユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、リフレクタ型ランプを含むヘッドランプユニットを備える鞍乗型車両を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2020/085491号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
鞍乗型車両用のヘッドランプとして、鞍乗型車両として要求される配光特性を満しつつ、更なる小型化が望まれる。
【0005】
そこで、本開示は、要求される配光特性を満たしつつ、ヘッドランプユニットの小型化を可能にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、鞍乗型車両は、鞍乗型の車体と、前記車体に支持されたヘッドランプユニットと、を備え、前記ヘッドランプユニットは、前方に進むにつれて前後方向に垂直な断面形状が小さくなるランプハウジングと、前記ランプハウジングに収容されて、第1LED光源を有するプロジェクタ型ランプと、前記ランプハウジングに収容されて、第2LED光源を有するリフレクタ型ランプと、を含み、前記プロジェクタ型ランプがロービーム用ランプであり、前記リフレクタ型ランプがハイビーム用ランプである、鞍乗型車両である。
【発明の効果】
【0007】
この鞍乗型車両によると、要求される配光特性を満たしつつ、ヘッドランプユニットを小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】自動二輪車の全体構成を示す側面図である。
図2】ヘッドランプユニットを示す正面図である。
図3】アウタケースが外された状態のヘッドランプユニットを示す正面図である。
図4】ヘッドランプユニットを示す平面図である。
図5】左側のサブユニットのうちエクステンションカバーより前側の部分を示す斜視図である。
図6】右側のサブユニットのうちエクステンションカバーより前側の部分を示す側面図である。
図7図3のVII-VII線で切断した端面図である。
図8図3のVIII-VIII線で切断した端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態に係る鞍乗型車両及びヘッドランプユニットについて説明する。鞍乗型車両は、運転者がシートに跨った状態で運転する車両である。以下の実施形態では、鞍乗型車両が自動二輪車である例で説明する。鞍乗型車両は、自動二輪車の他、自動三輪車や四輪バギー等であってもよい。
【0010】
図1は自動二輪車10の全体構成を示す側面図である。なお、以下の説明において、上下、前後及び左右について言及する場合、各方向は、次のように定義される。まず、自動二輪車10の前輪18及び後輪20が路面に接地する側が下であり、その反対側が上である。また、自動二輪車10が走行する際の走行方向が前であり、その反対側が後ろである。さらに、運転者として自動二輪車10に搭乗した状態で、当該運転者を基準とする左右が自動二輪車10の左右である。幅方向という場合、左右の車幅方向である。自動二輪車10の進行方向を前方と称し、進行方向と反対側を後方と称する。
【0011】
自動二輪車10は、車体フレーム11、走行用駆動ユニット12、燃料タンク13、シート14、ステアリングシャフト15、スイングアーム16、一対のフロントフォーク17、前輪18、ハンドル19、後輪20、カウル21、及び、ヘッドランプユニット30を備える。
【0012】
車体フレーム11は、前後方向に延びている。走行用駆動ユニット12は、一例としてエンジンであり、車体フレーム11に支持されている。燃料タンク13は、走行用駆動ユニット12の上方で、車体フレーム11に支持されている。シート14は、燃料タンク13の後方で、車体フレーム11に支持されている。ステアリングシャフト15は、上下方向に延び、車体フレーム11の前部に軸支されている。スイングアーム16の前端部は、車体フレーム11に軸支されている。これによりスイングアーム16は、上下に揺動する。なお走行用駆動ユニット12は、走行用電動モータでもよいし、内燃機関を備えるエンジン及び走行用電動モータの両方でもよい。
【0013】
一対のフロントフォーク17は、ステアリングシャフト15に接続されている。前輪18は、一対のフロントフォーク17の下端部に軸支されている。ハンドル19は、ステアリングシャフト15の上端部に接続されている。後輪20は、スイングアーム16の後端部に軸支されている。カウル21は、車体の前部を覆うように車体フレーム11に取り付けられている。カウル21は、フロントカウル部22とサイドカウル部23とを有する。フロントカウル部22は、一対のフロントフォーク17の上端部を覆っている。サイドカウル部23は、フロントカウル部22の後方で、走行用駆動ユニット12の前部と左右側部とを覆っている。ヘッドランプユニット30は、車体の前部フレームに支持されている。ヘッドランプユニット30は、フロントカウル部22に部分的に覆われている。本実施形態では、図1に示すように、ヘッドランプユニット30は、光源から光を出射させるために透光性を有する光出射領域を除いてフロントカウル部22に覆われる。
【0014】
<ヘッドランプユニット30の全体構成>
図2は、ヘッドランプユニット30を示す正面図である。図3は、アウタケース70が外された状態のヘッドランプユニット30を示す正面図である。なお、図3の左側ランプ群においては、エクステンションカバー60も外されている。図4は、ヘッドランプユニット30を示す平面図である。図5は、左側のサブユニットLUのうちエクステンションカバー60より前側の部分を示す斜視図である。図6は右側のサブユニットLUのうちエクステンションカバー60より前側の部分を示す側面図である。図7は、図3のVII-VII線で切断した端面図である。図8は、図3のVIII-VIII線で切断した端面図である。なお、図7及び図8において、ブラケット52は、省略されている。
【0015】
ヘッドランプユニット30は、ロービーム用ランプ34とハイビーム用ランプ40とポジションランプ45とランプハウジング50とを含む。ロービーム用ランプ34は、プロジェクタ型ランプで実現される。プロジェクタ型ランプは、光源からの出射光を拡散させるのに、主として屈折レンズを用いて屈折させて拡散させるランプである。屈折レンズは、たとえば空気とは密度の異なる透明材料、具体的にはPES(ポリエーテルスルホン)樹脂が用いられてもよい。屈折レンズは、略半球状に形成される。屈折レンズは、ヘッドライトの照射光として必要とする照射方向や照射量などの配光特性に合わせて曲率や向きなどが設計される。プロジェクタ型ランプは、屈折レンズの後方に光源が配置される。出射光は、光源から前方に進んで屈折レンズに入射する。出射光は、屈折レンズを透過することで屈折して前方に進むと共にヘッドランプとして要求される向きで拡散して広がる。
【0016】
ハイビーム用ランプ40は、リフレクタ型ランプで実現される。リフレクタ型ランプは、光源からの出射光を拡散させるのに、主として反射板であるリフレクタを用いて反射させて拡散させるランプである。リフレクタは、たとえばアルミ蒸着によって樹脂素材の表面に反射膜が形成されてもよい。反射膜が形成される樹脂素材は、ヘッドランプの照射光として必要とする配光特性に合わせて曲率や向きなどが設計される。リフレクタ型ランプは、反射膜に対向する位置に光源が配置される。本実施形態では、光源は、反射膜の上方に配置される。出射光は、光源から下方に進んで反射膜で反射して前方に進む。出射光は、反射膜で反射することで前方に進むと共にヘッドランプとして要求される向きで拡散して広がる。
【0017】
ロービーム用ランプ34は、すれ違い用前照灯などとも呼ばれる。ロービーム用ランプ34は、車体前方の比較的近距離の障害物や走行路面を照らす。ハイビーム用ランプ40は、走行用前照灯などとも呼ばれる。ハイビーム用ランプ40は、ロービーム用ランプ34よりも遠距離の障害物や走行路面を照らす。言い換えると、ハイビーム用ランプ40で路面に照らされる光の最高光度点が、ロービーム用ランプ34で路面に照らされる光の最高光度点よりも前方に位置する。またハイビーム用ランプ40は、ロービーム用ランプ34よりも左右方向に拡散する拡散角度が小さく設定される。すなわちハイビーム用ランプ40は、ロービーム用ランプ34に比べて左右方向の照射範囲が小さく設定される。
【0018】
ポジションランプ45は、車幅灯などとも呼ばれる。ポジションランプ45は、周囲に対して、車両の幅を大まかに伝える。たとえばポジションランプ45は、夜間、雨天、濃霧などの周囲視界が悪いときに、対向車や歩行者などに車幅や位置を把握させる目的で用いられる。ポジションランプ45は、ロービーム用ランプ34よりも光量が小さく設定される。
【0019】
ロービーム用ランプ34及びポジションランプ45は、運転者による始動操作が行われることで点灯する。たとえば、駆動源の始動の前に、鞍乗型車両に設けられる電装部品への電力供給を開始する操作が行われることで、ロービーム用ランプ34及びポジションランプ45が点灯する。またロービーム用ランプ34及びポジションランプ45は、運転者による終了操作が行われることで消灯する。たとえば、鞍乗型車両に設けられる電装部品への電力供給を終了する操作が行われることで、ロービーム用ランプ34及びポジションランプ45が消灯する。ハイビーム用ランプ40は、予め定められる条件を満足すると点灯する。たとえば、ハイビーム用ランプ40は、運転者による点灯操作が与えられることで点灯し、運転者による消灯操作が与えられることで消灯する。なお、ハイビーム用ランプ40が点灯している状態では、ロービーム用ランプ34の点灯も継続する。
【0020】
ランプハウジング50は、ベース24と、アウタケース70と、アウタレンズ80とを含む。ランプハウジング50は、各ランプ34、40、45を収容する収容空間を規定する。ランプハウジング50は、前方に進むにつれて前後方向に垂直な断面形状が小さくなる。ベース24は、ランプハウジング50のうちで後部に位置して、前後方向に垂直に延びる蓋状に形成される。アウタケース70は、前方に向けて突出すると共に後端が開放するカップ状に形成される。アウタケース70とベース24とが固定された状態では、ベース24は、アウタケース70の後端に形成される開口を塞ぐ。またアウタケース70は、前方に光を照射するための前方開口が形成される。アウタケース70とアウタレンズ80とが固定された状態では、アウタレンズ80が、アウタケース70の前方開口を塞ぐ。このようにして、アウタケース70、ベース24及びアウタレンズ80が互いに接続されることで、各ランプ34、40、45を収容するための密閉された収容空間が規定される。
【0021】
ヘッドランプユニット30は、左右対称に設けられる。ロービーム用ランプ34、ハイビーム用ランプ40、ポジションランプ45は、それぞれ左右一対設けられる。従って、ヘッドランプユニット30は、6つのランプを備える。以下の説明では、ヘッドランプユニット30は左右対称であるので、一方の構造を説明して他方の説明を省略することがある。
【0022】
左側に配置される各ランプ34、40、45は、左側ランプ群をなしている。同様に右側に配置される各ランプ34、40、45は、右側ランプ群をなしている。図3に示すように、ヘッドランプユニット30は、左右一対のブラケット52を備える。左側のブラケット52が左側の各ランプ34,40,45を一つに接続する。同様に右側のブラケット52が右側の各ランプ34,40,45を一つに接続する。ブラケット52によって一体に構成された各ランプ群は、アウタケース70の収容空間にそれぞれ収容される。また左右のランプ群は、対応するブラケット52を介して、ベース24に取付けられる。左右それぞれの収容空間は、前方に進むにつれて前後方向に垂直な断面形状が小さくなる。また左右それぞれの収容空間は、車幅方向内側が車幅方向外側よりも前方に突出する。言い換えると収容空間は、車幅方向内側端に前端が位置する。
【0023】
ランプハウジング50は、左右一対のエクステンションカバー60を備える。図3には、右側のエクステンションカバー60が図示され、左側のエクステンションカバー60が省略されている。エクステンションカバー60は、対応するランプ群の前側にそれぞれ位置し、ブラケット52にそれぞれ取付けられる。エクステンションカバー60は、ランプ群のうちで光が照射される領域以外を前方から覆うことで、配線やボルトなどを隠して美観を向上する意匠パーツとして機能する。
【0024】
左側ランプ群、左側のブラケット52及び左側のエクステンションカバー60は、一体化されて左側のサブユニットLUをなしている。同様に右側ランプ群、右側のブラケット52及び右側のエクステンションカバー60は、一体化されて右側のサブユニットLUをなしている。
【0025】
左右のサブユニットLUは、車幅方向に間隔をあけて取り付けられる。サブユニットLUは、ヘッドランプユニット30として組み立てられた状態で、アウタケース70に対して上下方向及び左右方向に隙間をあけて配置される。サブユニットLUは、ブラケット52がベース24に対して相対変位することで、ブラケット52と共にアウタケース70内で相対変位する。これによってランプ群の光軸を調整することができる。左右のサブユニットLUごとに独立して、アウタケース70に対して相対変位することができる。
【0026】
図2、4に示すように、アウタケース70は、前側に開口する一対のサブユニット収容部71と一対のサブユニット収容部71を連結する連結部72とを有する。一対のサブユニット収容部71のうち一方に左側のサブユニットLUが収容され、他方に右側のサブユニットLUが収容される。アウタレンズ80は、アウタケース70の前側に取付けられる。アウタレンズ80は、アウタケース70のサブユニット収容部71の開口を閉じる。ベース24と、アウタケース70と、アウタレンズ80とで規定される収容空間は、防水空間であってもよい。
【0027】
ヘッドランプユニット30は、配線を含む。配線は、複数の電源線を有する。複数の電源線が、複数のランプ34、40、45にそれぞれ接続されて、各ランプ34、40、45に電力を供給する。ヘッドランプユニット30は、各ランプ34、40、45を制御するための制御回路基板を有していてもよい。左側のサブユニットLUの制御回路基板と、右側のサブユニットLU用の制御回路基板とが、別々に設けられていてもよい。制御回路基板は、収容空間内であって、ベース24とブラケット52との間に配置してもよい。配線は、制御回路基板に接続される信号線を有していてもよい。
【0028】
<ヘッドランプユニット30の各部構成>
図5に示すように、ロービーム用ランプ34は、プロジェクタ型ランプで実現される。ロービーム用ランプ34は、第1LED(Light Emitting Diode)光源35と、第1回路基板36と、屈折レンズ38とを有する。第1回路基板36は、第1LED光源35が搭載される。第1回路基板36は、ヘッドランプユニット30が自動二輪車10に搭載された搭載状態で、鉛直に近い姿勢で支持される。第1LED光源35は、第1回路基板36の前面に実装されている。屈折レンズ38は、第1LED光源35の前方に位置する。ロービーム用ランプ34において、第1LED光源35の光を拡散する機能は、主として屈折レンズ38が担っている。屈折レンズ38は、第1LED光源35の光をロービームとして用いることができるように配光している。
【0029】
図3に示すように、ハイビーム用ランプ40は、リフレクタ型ランプで実現される。ハイビーム用ランプ40は、第2LED光源41と、第2回路基板42と、ハイビーム用リフレクタ43とを有する。第2回路基板42は、第2LED光源41が搭載される。第2回路基板42は、ヘッドランプユニット30が自動二輪車10に搭載された搭載状態で、ハイビーム用リフレクタ43の上方に水平に近い姿勢で支持される。第2LED光源41は、第2回路基板42の下面に実装されている。ハイビーム用ランプ40は、専用の屈折レンズを有しておらず、ハイビーム用リフレクタ43が第2LED光源41の光を主として拡散する機能を有する。ハイビーム用リフレクタ43は、リフレクタにカットが形成されて複数の小さい反射面に分割されると共に、光源からの光を適切な範囲に照射できるように複数の反射面それぞれの向きが設定されたいわゆるマルチリフレクタである。ハイビーム用リフレクタ43は、第2LED光源41の光をハイビームとして用いることができるように配光している。
【0030】
ポジションランプ45は、リフレクタ型ランプで実現される。ポジションランプ45は、第3LED光源46と、第3回路基板47と、ポジション用リフレクタ48とを有する。第3回路基板47は、第3LED光源46が搭載される。第3回路基板47は、ヘッドランプユニット30が自動二輪車10に搭載された搭載状態で、ポジション用リフレクタ48の上方に水平に近い姿勢で支持される。第3LED光源46は、第3回路基板47の下面に実装されている。ハイビーム用ランプ40と同様に、ポジションランプ45は、専用の屈折レンズを有していない。ポジション用リフレクタ48が第3LED光源46を主として拡散する機能を有する。ポジション用リフレクタ48は、いわゆるマルチリフレクタである。ポジション用リフレクタ48は、第3LED光源46の光をポジション用ビームとして用いることができるように配光している。
【0031】
上述したように、鞍乗型車両10の走行時において、ポジションランプ45は常時点灯するように構成されてもよい。また、鞍乗型車両10の走行時において、ハイビーム用ランプ40の選択時にもロービーム用ランプ34は点灯するように構成されてもよい。従って、鞍乗型車両10の走行時において、ロービーム用ランプ34を点灯し、ハイビーム用ランプ40がハイビームとロービームとの切り替えに応じてオン/オフされるように構成されてもよい。
【0032】
ここではロービーム用ランプ34、ハイビーム用ランプ40及びポジションランプ45は、それぞれ締結部材によってブラケット52に締結されている。締結部材は、ボルトやビスによって実現される。具体的には、屈折レンズ38、第1回路基板36、各リフレクタ43、48は、後方からブラケット52に支持され、前方から締結部材によって締結されている。また第2回路基板42、第3回路基板47は、下方からブラケット52に支持され、上方から締結部材によって締結されている。
【0033】
エクステンションカバー60は、締結部材や、ブラケット52のボス部分を前方から覆う。より詳細には、エクステンションカバー60は、各ランプ34、40、45から光が出射する出射領域を除く非出射領域を覆う。非出射領域には、上述する締結部材や、ランプの支持構造が配置される。
【0034】
言い換えると、エクステンションカバー60は、ブラケット52の前方においてロービーム用ランプ34、ハイビーム用ランプ40及びポジションランプ45のそれぞれの出射領域を仕切る。図3に示すように、エクステンションカバー60には、3つの貫通孔が形成されている。3つの貫通孔は、各ランプ34、40、45の前方の位置にして、出射領域に対向してそれぞれ形成されている。
【0035】
エクステンションカバー60において、3つの貫通孔の周縁部は各ランプ34、40、45の出射領域を囲う枠部となっている。枠部は、上枠部63と中枠部64と下枠部65とを有する。上枠部63は、ロービーム用ランプ34及びポジションランプ45の上方に位置する。上枠部63は、車幅方向に沿ってロービーム用ランプ34よりも車幅方向内側からポジションランプ45よりも外側まで連続する。中枠部64は、ロービーム用ランプ34及びポジションランプ45の車幅方向外側方及び下方に位置する。中枠部64は、ハイビーム用ランプ40の外周部の一部を覆う。下枠部65はハイビーム用ランプ40の外周部のうち中枠部64に覆われる部分以外を覆う。図8に示すように、車幅方向に垂直な平面に沿ってエクステンションカバー60を切断したときに、中枠部64が下枠部65よりも前方に位置し、上枠部63が中枠部64よりも前方に位置する。図6に示すように、上枠部63と中枠部64と下枠部65とは、階段状の構造になっていてもよい。フランジ部66は、各ランプ34、40、45及びブラケット52のうち、カバー本体62では前方から隠せない部分(例えば、車幅方向外側のハウジング取付部44など)を前方から隠す。
【0036】
左右一対のサブユニットLUにおいて、ロービーム用ランプ34、ハイビーム用ランプ40及びポジションランプ45の位置関係は、以下のように設定されている。
【0037】
各ランプ34、40、45の車幅方向の位置関係について、図3及び図5を参照して説明する。ハイビーム用ランプ40及びポジションランプ45のそれぞれの車幅方向外側端が、ロービーム用ランプ34の車幅方向外側端よりも車幅方向外側に位置する。第2LED光源41及び第3LED光源46が、第1LED光源35よりも車幅方向外側に位置する。ハイビーム用ランプ40及びポジションランプ45が、車幅方向においてほぼ同じ位置に位置する。第2LED光源41及び第3LED光源46は、車幅方向においてほぼ同じ位置に位置する。なお、屈折レンズ38の車幅方向外側の縁部は、ハイビーム用リフレクタ43の車幅方向内側の縁部よりも車幅方向外側に位置する。ポジション用リフレクタ48の車幅方向内側の縁部は、屈折レンズ38の車幅方向外側の縁部よりも車幅方向外側に位置する。車幅方向において、ハイビーム用リフレクタ43の反射面43Aは、ポジション用リフレクタ48の反射面よりも大きい。
【0038】
各ランプ34、40、45の上下方向の位置関係について、図3図6及び図7を参照して説明する。ポジションランプ45は、ハイビーム用ランプ40よりも上側に位置する。また、ハイビーム用リフレクタ43の反射面43Aは、ランプハウジング50の収容空間のうち下側に位置する。また、当該反射面43Aの上方に、ハイビーム用ランプ40とは別のランプ(ここではポジションランプ45)が位置する。また、屈折レンズ38の上縁は、ハイビーム用リフレクタ43の上縁よりも上に位置する。屈折レンズ38の下縁は、ハイビーム用リフレクタ43の上縁よりも下に位置する。第1LED光源35はハイビーム用リフレクタ43とポジション用リフレクタ48との間に位置する。
【0039】
屈折レンズ38の車幅方向外側端よりも、ハイビーム用リフレクタ43の車幅方向内側端が、車幅方向内側に位置する。言い換えると、図3に示すように、屈折レンズ38の車幅方向外側部分の下側に、ハイビーム用リフレクタ43の車幅方向内側部分が位置して、上下方向に重なる。
【0040】
屈折レンズ38の車幅方向外側端よりも、ポジション用リフレクタ48の車幅方向内側端が、車幅方向外側に位置する。屈折レンズ38の上面と、ポジション用リフレクタ48の上面とが、同じ仮想線に沿って延びる。この仮想線は、車幅方向外側に進むにつれて上方に傾斜する。
【0041】
各ランプ34、40、45の前後方向の位置関係について、図5及び図6を参照して説明する。ロービーム用ランプ34の屈折レンズ38が、ハイビーム用ランプ40の反射面よりも、車幅方向内方でかつ前方に位置する。また、ハイビーム用ランプ40とは別のランプであってハイビーム用ランプ40と隣接するランプ(ここではロービーム用ランプ34及びポジションランプ45)が、ハイビーム用ランプ40の反射面43Aの前側に位置する。エクステンションカバー60において、ロービーム用の貫通孔は、ハイビーム用の貫通孔及びポジションランプ用の貫通孔よりも前に位置する。ポジション用リフレクタ48の反射面の一部は、ハイビーム用リフレクタ43の反射面よりも前に位置する。
【0042】
屈折レンズ38の前端が、ハイビーム用リフレクタ43、ポジション用リフレクタ48よりも前方に配置される。ポジション用リフレクタ48の前端が、ハイビーム用リフレクタ43よりも前方に配置される。ハイビーム用リフレクタ43に対して、エクステンションカバー60の中枠部64が前方に突出する。上方からの光が、ハイビーム用リフレクタ43に中枠部64によって入射することが防がれる。ポジション用リフレクタ48に対して、エクステンションカバー60の上面が上方を覆う。上方からの光が、ポジション用リフレクタ48に入射することが防がれる。ハイビーム用リフレクタ43の前端は、屈折レンズ38の前端に対して、後方に間隔をあけて配置される。
【0043】
図3に示すように、アウタケース70は、左側のサブユニットLUと右側のサブユニットLUとを車幅方向に間隔をあけて保持する。図2に示すように連結部72は、サブユニット収容部71よりも上下方向における寸法が小さくされている。連結部72の上方及び下方には凹部が形成されている。また、図4に示すように、連結部72の後部は、サブユニット収容部71よりも前側に凹んでいる。
【0044】
アウタケース70の前側には、アウタレンズ80が取付けられている。アウタレンズ80は、透明樹脂製である。この場合、光は、アウタレンズ80を透過可能である。アウタレンズ80における光の拡散性能は、屈折レンズ38、ハイビーム用リフレクタ43及びポジション用リフレクタ48それぞれの光の拡散性能よりも低くてもよい。
【0045】
アウタレンズ80は、車幅方向に間隔をあけて一対設けられる。左側のアウタレンズ80は左側ランプ群をまとめて覆う。右側のアウタレンズ80は右側ランプ群をまとめて覆う。図2に示すように、アウタレンズ80は、レンズ面と周壁部とを有する。レンズ面は、各ランプ34、40、45の前側を覆う部分である。周壁部は、レンズ面の外縁から後方に延びる部分である。ヘッドランプユニット30の周囲は、フロントカウル部22によって覆われる。フロントカウル部22には、レンズ面を前方に露出させる開口が形成される。図2には、二点鎖線で当該開口22Hが示されている。当該開口22Hの周縁部が周壁部の周囲に沿って延びる。
【0046】
図2に示すように、アウタレンズ80のレンズ面は、上端であって、エクステンションカバー60の庇の前を覆う部分が、最も前側に突出する頂部となっている。レンズ面の上端となる頂部は、車幅方向内側端から車幅方向外側に進むにつれて後方に延びる仮想線に沿って延びる。当該頂部の下方に各リフレクタ43、48を前方から覆う面が連なる。また当該頂部の上方に上側の周壁部が連なる。レンズ面のうちで、屈折レンズ38を覆う第1領域の下方に、ハイビーム用リフレクタ43を覆う第2領域が連なる。第1領域は、レンズ面の頂部から下方に進むにつれて後方に傾斜している。レンズ面の第2領域は、車幅方向内側から外側に進むにつれて後方に傾斜している。レンズ面の第2領域の傾斜は、第1領域の傾斜よりも緩やかである。第1領域と第2領域とを接続する屈曲領域に、エクステンションカバー60の中枠部64が対向して配置される。
【0047】
レンズ面のうち、ポジションランプ45に対向する第3領域は、前方に向く面と車幅方向外側に向く面が形成される。第3領域のうちで、前方に向く面は、第1領域の延長面として、第1領域に連なる。第3領域のうちで、車幅方向外側に向く面は、前方に向く面から屈曲して車幅方向外側に延びる。これによって、ポジションランプ45の光を前方や車幅方向外側に向けて出射させることができる。
【0048】
レンズ面のうち下縁部分は、屈折レンズ38に沿って延びる部分と、ハイビーム用リフレクタ43に沿って延びる部分とが形成される。屈折レンズ38とハイビーム用リフレクタ43とのそれぞれの下縁が上下にずれて配置されるので、レンズ面のうちの下縁部分は、上方に屈曲する屈曲部分が形成される。
【0049】
サブユニット収容空間をなすアウタレンズ80の外縁部であって、車幅方向左側の外縁部と右側の外縁部との間隔は、図2に示すように、前方に進むにつれて小さくなる。言い換えると、アウタレンズ80の車幅方向左側の外縁部と右側の外縁部とは、前方に進むにつれて車幅方向内側に向かう。アウタレンズ80の外縁部であって、上下方向上側の外縁部と下側の外縁部との間隔も、同様に、前方に進むにつれて小さくなる。本実施形態では、アウタレンズ80の外縁部であって、下側の外縁部は、前方に進むにつれて上方に向かう。このため、前後方向に垂直なランプハウジング50の断面形状は、前方に進むにつれて小さくなる。つまり、ランプハウジング50は前方かつ車体搭載状態における車幅方向中央に向けて先細りの形状となっている。
【0050】
図2に示すように、ヘッドランプユニット30は、カウル21に接続されるカウル取付部85を含む。ヘッドランプユニット30は、カウル取付部85以外の車体取付部を含んでもよい。車体取付部の数及び位置は任意である。車体取付部として、取付相手が互いに異なる複数種類の車体取付部が設けられていてもよい。カウル取付部85は、ヘッドランプユニット30の外周部に設けられる。カウル取付部85は、アウタケース70に設けられている。カウル取付部85は、レンズ80に設けられていてもよい。カウル取付部85は、車幅方向においてロービーム用ランプ34とハイビーム用ランプ40との間となるレンズ面の下縁の屈曲部分に隣接して位置する。車幅方向においてロービーム用ランプ34とハイビーム用ランプ40との間とは、ロービーム用ランプ34の車幅方向内側の縁と、ハイビーム用ランプ40の車幅方向外側の縁との間であればよい。ここではカウル取付部85は、車幅方向においてロービーム用ランプ34とハイビーム用ランプ40とが重なっている部分の下側に位置する。
【0051】
図2に示すように、アウタレンズ80には、リブ84が設けられている。リブ84は、車幅方向に沿ってレンズ面の外側に位置する。ここではアウタレンズ80の第2領域の外縁部のうち車幅方向外側を上下方向に延びる部分に、車幅方向内側に凹む凹部が形成されている。リブ84は、車幅方向に沿って、当該凹部の外側に設けられている。ここではリブ84は、アウタレンズ80の外縁形状に沿うような略L字状に形成されている。リブ84とリブ84に対向するアウタレンズ80の第2領域との間にフロントカウル部22の縁が嵌ることによって、アウタレンズ80とフロントカウル部22との隙間を小さくできる。フロントカウルのうち後方を向く面(内向き面)には、リブ84が嵌る嵌合凹部が形成されていてもよい。リブ84は、アウタレンズ80ではなく、アウタケース70に形成されていてもよい。フロントカウル部22と、ヘッドランプユニット30とにおいて、凹凸が逆でもよい。つまり、フロントカウル側にリブ84に代わる凸部が形成され、当該凸部が嵌る凹部がヘッドランプユニット30側に形成されていてもよい。
【0052】
ヘッドランプユニット30は光軸調整可能とされている。例えば、左側ランプ群が固定された左側のブラケット52がアウタケース70に揺動可能に軸支される。同様に右側ランプ群が固定された右側のブラケット52がアウタケース70に揺動可能に軸支される。これらより、左右それぞれのサブユニットLUの単位で、光軸調整可能とされてもよい。アウタケース70の間の収容空間は、各サブユニットLUが光軸調整時に揺動できるように、各サブユニットLUよりも大きく設定されている。
【0053】
<効果等>
以上のように構成されたヘッドランプユニット30及びこれを備える自動二輪車10によると、ランプハウジング50が前方に進むにつれて先細りに形成されることで、自動二輪車10に搭載した際に自動二輪車10全体を小型化しやすい。また反射(リフレクタ)と屈折(プロジェクタ)という拡散方法の異なる2つのランプ34、40をそれぞれ用いることで、要求される配光特性が異なるハイ/ロービームランプを実現しやすい。例えば2つのランプ34、40の拡散方法が異なるので、ランプハウジング50内における収容位置をずらしやすく、小型化されたランプハウジング50内にも2つのランプ34、40を収容しやすい。また、通常、プロジェクタ型ランプでは第1LED光源35がランプ照射方向に沿う向き(ここでは前向き)に取り付けられ、リフレクタ型ランプでは第2LED光源41がランプ照射方向と交差する方向に沿う向き(ここでは下向き)に取付けられることが多い。このため、配光要件の照度を満たすために、プロジェクタ型ランプの方が、リフレクタ型ランプよりも有利となる。ヘッドランプユニット30の小型化が図られることで、例えば、自動二輪車10の空気抵抗の低減やデザインの選択自由度向上を実現できる。
【0054】
鞍乗型車両10に要求される配光特性は、鞍乗型車両10が公道を走るために必要な配光特性である。係る配光特性として、鞍乗型車両10に搭載される複数のランプそれぞれについて個別に定められたものがある。本開示のヘッドランプユニット30はハイビーム及びロービームを備える。当該ヘッドランプユニット30を備える鞍乗型車両10は、予め定められたハイビームについての配光特性及びロービームについての配光特性を満たす。
【0055】
また、一般的に、リフレクタ型ランプでは、屈折レンズ38を有するプロジェクタ型ランプと比べて、屈折レンズ38を省略できる分、製造コストを低く抑えやすい。リフレクタ型ランプを備えることで、ハイビーム用ランプ40及びロービーム用ランプ34がいずれもプロジェクタ型ランプである場合と比べて、ヘッドランプユニット30の製造コスト上昇を抑制しやすい。また、ロービーム用ランプ34及びハイビーム用ランプ40の光源がいずれもLED光源35、41であることによって、光源がハロゲンランプなどである場合と比べて、ヘッドランプユニット30を小型化しやすい。また、一般的にLED光源はハロゲンランプなどよりも長寿命であるため、光源を簡易に交換するための構造を省略できる場合がある。この場合、光源を簡易に交換するための構造がない分、ヘッドランプユニット30を小型化しやすくなると共に、製造コスト上昇を抑制しやすくなる。
【0056】
また、左側ランプ部と右側ランプ部とによって左右の照射を分担することで、それぞれのヘッドランプの照射面の大きさを小型化しやすい。また左右のサブユニットLUが車幅方向に間隔をあけて配置されることで、ランプによる拡散性を抑えやすく、照射面の大型化を抑えやすい。これにより、ヘッドランプユニット30が2灯式である場合でも、小型化できる。また、ハイビーム用ランプが2灯、かつ、ロービーム用ランプが2灯であることで、ハイビームが一灯、かつ、ロービームが一灯である場合よりも光源1つあたりの光量を抑えることができる。
【0057】
また、リフレクタ型ランプがプロジェクタ型ランプよりも車幅方向外側に位置する。ここで、前方に先細りの形状を有するランプハウジング50において、車幅方向外側は車幅方向内側よりも収容空間を広げやすい。これにより、リフレクタ型ランプの照射面を確保しつつ、ランプハウジング50が大きくなることを抑制できる。
【0058】
また、屈折レンズ38が反射面43Aよりも前方に位置する。屈折用のレンズを、ランプハウジング50の収容空間のうちで車体前方側に配置することができる。これによってロービーム用ランプ34が後方に位置する場合に比べて、ロービーム用ランプ34の灯火時における自動二輪車10の視認範囲を広げることができる。
【0059】
また、ハイビーム用ランプ40の反射面が、ランプハウジング50の収容空間のうち下側に位置する。これにより、反射面への太陽光の入射を防ぐことができ、ハイビーム用ランプ40の消灯時に目立つことを防いでヘッドランプユニット30を小型に見せやすい。
【0060】
また、ヘッドランプユニット30において、ハイビーム用ランプ40の反射面43Aの上方に、ハイビーム用ランプ40とは別のランプ45が位置する。これにより、ハイビーム用ランプ40の反射面43Aへの太陽光の入射を別のランプ45によって防ぐことができ、ハイビーム用ランプ40の消灯時に目立つことを防いでヘッドランプユニット30を小型に見せやすい。
【0061】
また、ヘッドランプユニット30において、ハイビーム用ランプ40とは別のランプであってハイビーム用ランプ40と隣接するランプ34、45が、ハイビーム用ランプ40の反射面43Aの前側に位置する。これにより、ハイビーム用ランプ40の反射面43Aへの太陽光の入射を別のランプ34、45によって防ぐことができ、ハイビーム用ランプ40の消灯時に目立つことを防いでヘッドランプユニット30を小型に見せやすい。
【0062】
また、ロービーム用ランプ34と、ポジションランプ45とを車幅方向に並べることができることによって、自動二輪車10の被視認性を向上させやすい。また、ハイビーム用ランプ40及びポジションランプ45がロービーム用ランプ34よりも車幅方向外側に位置することにより、ハイビーム用ランプ40及びポジションランプ45の照射面を確保しつつ、ヘッドランプユニット30が大きくなることを抑制できる。また、ポジションランプ45がロービーム用ランプ34よりも車幅方向外側に位置することによって、ポジションランプ45が車両の側方にも照射されやすい。また、ポジションランプ45がハイビーム用ランプ40よりも上側に位置することによって、ハイビーム用ランプ40の反射面43Aへの太陽光の入射をポジションランプ45によって防ぐことができ、ハイビーム用タランプの消灯時に目立つことを防いでヘッドランプユニット30を小型に見せやすい。また、ロービーム用ランプ34の外側でハイビーム用ランプ40とポジションランプ45とが上下に並ぶことによって、ヘッドランプユニット30が左右方向に大きくなることを抑制できる。
【0063】
また、アウタレンズ80のうちハイビーム用ランプ40の前側を覆う部分が、ロービーム用ランプ34の前側を覆う部分及びポジションランプ45の前側を覆う部分よりも後ろに位置する。これにより、アウタレンズ80のうちハイビーム用ランプ40の前側を覆う部分への太陽光の入射をロービーム用ランプ34の前側を覆う部分及びポジションランプ45の前側を覆う部分によって抑制でき、ハイビーム用ランプ40の消灯時に目立つことを防いでヘッドランプユニット30を小型に見せやすい。
【0064】
また、カウル取付部85は、ロービーム用ランプ34とハイビーム用ランプ40との間に位置する。これにより、2種類の拡散形式のランプを採用することで生じるロー/ハイそれぞれのランプの照射面の間近くにカウル21を接続することができる。ヘッドランプユニット30におけるランプ34、40間に位置する部分とカウル21との間の隙間を小さくすることによって、自動二輪車10の美観低下を防ぐことができる。
【0065】
<変形例>
上記実施形態において、プロジェクタ型ランプがロービーム用ランプ34であり、リフレクタ型ランプがハイビーム用ランプ40であるものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。プロジェクタ型ランプがハイビーム用ランプであり、リフレクタ型ランプがロービーム用ランプであってもよい。つまり、ヘッドランプユニットにおいて、プロジェクタ型ランプとリフレクタ型ランプとのうち一方がロービーム用ランプであり、他方がハイビーム用ランプであるように構成されてもよい。この場合でも、ランプハウジング50が前方に進むにつれて先細りに形成されることで、車両に搭載した際に車両全体を小型化しやすい。また反射(リフレクタ)と屈折(プロジェクタ)という拡散方法の異なる2つのランプをそれぞれ用いることで、要求される配光特性が異なるハイ/ロービームランプを実現しやすい。たとえば拡散方法が異なるので、ランプハウジング50内における収容位置をずらしやすく、小型化されたランプハウジング50内にも2つのランプを収容しやすい。また、1つのランプをプロジェクタ型ランプで実現することで、ハイ/ローそれぞれをリフレクタ型で形成するよりも、ヘッドランプの照射面を小型化しやすい。たとえばハイ/ローそれぞれをプロジェクタ型で形成する場合と同等程度のヘッドランプの照射面の大きさとしやすい。
【0066】
また、上記実施形態において、ヘッドランプユニット30がロービーム用ランプ34及びハイビーム用ランプ40をそれぞれ一対含む2灯式であるものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。ロービーム用ランプ34及びハイビーム用ランプ40のうち一方又は両方が、1灯式であってもよい。
【0067】
また、上記実施形態において、ヘッドランプユニット30がポジションランプ45を含むものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。ポジションランプ45は、ヘッドランプユニットとは別に自動二輪車に設けられてもよい。
【0068】
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。
【0069】
本明細書及び図面は、下記の各態様を開示する。
【0070】
第1の態様に係る鞍乗型車両は、鞍乗型の車体と、前記車体に支持されたヘッドランプユニットと、を備え、前記ヘッドランプユニットは、前方に進むにつれて前後方向に垂直な断面形状が小さくなるランプハウジングと、前記ランプハウジングに収容されて、第1LED光源を有するプロジェクタ型ランプと、前記ランプハウジングに収容されて、第2LED光源を有するリフレクタ型ランプと、を含み、前記プロジェクタ型ランプがロービーム用ランプであり、前記リフレクタ型ランプがハイビーム用ランプである、鞍乗型車両である。
【0071】
第1の態様によると、ランプハウジングが前方に進むにつれて先細りに形成されることで、車両に搭載した際に車両全体を小型化しやすい。また反射(リフレクタ)と屈折(プロジェクタ)という拡散方法の異なる2つのランプをそれぞれ用いることで、要求される配光特性が異なるハイ/ロービームランプを実現しやすい。たとえば拡散方法が異なるので、ハウジング内における収容位置をずらしやすく、小型化されたハウジング内にも2つのランプを収容しやすい。また、通常、プロジェクタ型ランプではLED光源がランプ照射方向に沿う向きに取り付けられ、リフレクタ型ランプではLED光源がランプ照射方向と交差する方向に沿う向きに取付けられることが多い。このため、配光要件の照度を満たすために、プロジェクタ型ランプの方が、リフレクタ型ランプよりも有利となる。
【0072】
第2の態様は、第1の態様に係る鞍乗型車両であって、前記ヘッドランプユニットは、それぞれが前記プロジェクタ型ランプと前記リフレクタ型ランプとを有する左側ランプ部と右側ランプ部とを含み、前記ランプハウジングは、前記左側ランプ部を保持する左側ハウジングと、前記右側ランプ部を保持する右側ハウジングと、前記左側ハウジングと前記右側ハウジングとを車幅方向に間隔をあけて保持するアウタケースとを有する。左側ランプ部と右側ランプ部とによって左右の照射を分担することで、それぞれのヘッドランプの照射面の大きさを小型化しやすい。また左右のハウジングが車幅方向に間隔をあけて配置されることで、拡散効果を抑えやすく、照射面の大型化を抑えやすい。これにより、ヘッドランプユニットが2灯式である場合でも、小型化できる。
【0073】
第3の態様は、第1又は第2の態様に係る鞍乗型車両であって、前記リフレクタ型ランプが前記プロジェクタ型ランプよりも車幅方向外側に位置する。前方に先細りの形状を有するランプハウジングにおいて、車幅方向外側は車幅方向内側よりも収容空間を広げやすい。これにより、リフレクタ型ランプの照射面を確保しつつ、ランプハウジングが大きくなることを抑制できる。
【0074】
第4の態様は、第1から第3のいずれか1つの態様に係る鞍乗型車両であって、前記プロジェクタ型ランプの屈折レンズが前記リフレクタ型ランプの反射面よりも前方に位置する。屈折用のレンズを、ランプハウジングの収容空間のうちで車体前方側に配置することができる。これによってプロジェクタ型ランプが後方に位置する場合に比べて、プロジェクタ型ランプ灯火時における車両の視認範囲を広げることができる。
【0075】
第5の態様は、第1から第4のいずれか1つの態様に係る鞍乗型車両であって、前記リフレクタ型ランプの反射面が、前記ランプハウジングの収容空間のうち下側に位置する。これにより、反射面への太陽光の入射を防ぐことができる。従ってリフレクタ型ランプの消灯時に反射面が目立つことを防いでヘッドランプユニットを小型に見せやすい。
【0076】
第6の態様は、第1から第5のいずれか1つの態様に係る鞍乗型車両であって、前記ヘッドランプユニットにおいて、前記リフレクタ型ランプの反射面の上方に、前記リフレクタ型ランプとは別のランプが位置する。これにより、リフレクタ型ランプの反射面への太陽光の入射を別のランプによって防ぐことができる。従ってリフレクタランプの消灯時に反射面が目立つことを防いでヘッドランプユニットを小型に見せやすい。
【0077】
第7の態様は、第1から第6のいずれか1つの態様に係る鞍乗型車両であって、前記ヘッドランプユニットにおいて、前記リフレクタ型ランプとは別のランプであって前記リフレクタ型ランプと隣接するランプが、前記リフレクタ型ランプの反射面の前側に位置する。これにより、リフレクタ型ランプの反射面への太陽光の入射を別のランプによって防ぐことができ、リフレクタランプの消灯時に目立つことを防いでヘッドランプユニットを小型に見せやすい。
【0078】
第8の態様は、第1から第7のいずれか1つの態様に係る鞍乗型車両であって、前記ヘッドランプユニットは、前記ランプハウジングに収容されたポジションランプを含み、前記リフレクタ型ランプ及び前記ポジションランプが前記プロジェクタ型ランプよりも車幅方向外側に位置し、前記ポジションランプが前記リフレクタ型ランプよりも上側に位置する。プロジェクタ型ランプ及びポジションランプを左右方向に並べることができることによって、鞍乗り型車両の被視認性を向上させやすい。
【0079】
第9の態様は、第1から第8のいずれか1つの態様に係る鞍乗型車両であって、前記ヘッドランプユニットは、前記ランプハウジングに収容されたポジションランプと、前記プロジェクタ型ランプ、前記リフレクタ型ランプ及び前記ポジションランプの前側に位置するアウタレンズとを含み、前記アウタレンズのうち前記リフレクタ型ランプの前側を覆う部分が、前記プロジェクタ型ランプの前側を覆う部分及び前記ポジションランプの前側を覆う部分よりも後ろに位置する。これにより、アウタレンズのうちリフレクタ型ランプの前側を覆う部分への太陽光の入射をプロジェクタ型ランプの前側を覆う部分及びポジションランプの前側を覆う部分によって抑制できる。従ってリフレクタランプの消灯時に反射面が目立つことを防いでヘッドランプユニットを小型に見せやすい。
【0080】
第10の態様は、第1から第9のいずれか1つの態様に係る鞍乗型車両であって、前記車体は、前記ヘッドランプユニットの周囲を覆うカウルを含み、前記ヘッドランプユニットは、前記カウルに接続されるカウル取付部を含み、前記カウル取付部は、前記プロジェクタ型ランプと前記リフレクタ型ランプとの間に位置する。これにより、2種類の拡散形式のランプを採用することで生じるロー/ハイそれぞれのランプの照射面の間近くにカウルを接続することができる。
【0081】
第11の態様は、鞍乗型車両用のヘッドランプユニットであって、ランプからの出射光が進行する方向に進むにつれて前記方向に垂直な断面形状が小さくなるランプハウジングと、前記ランプハウジングに収容されて、第1LED光源を有するプロジェクタ型ランプと、前記ランプハウジングに収容されて、第2LED光源を有するリフレクタ型ランプと、を含み、前記プロジェクタ型ランプがロービーム用ランプであり、前記リフレクタ型ランプがハイビーム用ランプである、ヘッドランプユニットである。
【0082】
第11の態様によると、ハウジングがランプからの出射光が進行する方向に進むにつれて先細に形成されることで、車両に搭載した際に車両全体を小型化しやすい。また反射(リフレクタ)と屈折(プロジェクタ)という拡散方法の異なる2つのランプをそれぞれ用いることで、要求される配光特性が異なるハイ/ロービームランプを実現しやすい。たとえば拡散方法が異なるので、ハウジング内における収容位置をずらしやすく、小型化されたハウジング内にも2つのランプを収容しやすい。また、通常、プロジェクタ型ランプではLED光源がランプ照射方向に沿う向きに取り付けられ、リフレクタ型ランプではLED光源がランプ照射方向と交差する方向に沿う向きに取付けられることが多い。このため、配光要件の照度を満たすために、プロジェクタ型ランプの方が、リフレクタ型ランプよりも有利となる。
【0083】
第12の態様は、鞍乗型車両用のヘッドランプユニットであって、ランプからの出射光が進行する方向に進むにつれて前記方向に垂直な断面形状が小さくなるランプハウジングと、前記ランプハウジングに収容されて、第1LED光源を有するプロジェクタ型ランプと、前記ランプハウジングに収容されて、第2LED光源を有するリフレクタ型ランプと、を含み、前記プロジェクタ型ランプと前記リフレクタ型ランプとのうち一方がロービーム用ランプであり、他方がハイビーム用ランプである、ヘッドランプユニットである。
【0084】
第12の態様によると、ランプハウジングがランプからの出射光が進行する方向に進むにつれて先細に形成されることで、車両に搭載した際に車両全体を小型化しやすい。また反射(リフレクタ)と屈折(プロジェクタ)という拡散方法の異なる2つのランプをそれぞれ用いることで、要求される配光特性が異なるハイ/ロービームランプを実現しやすい。たとえば拡散方法が異なるので、ランプハウジング内における収容位置をずらしやすく、小型化されたランプハウジング内にも2つのランプを収容しやすい。
【0085】
上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【0086】
自動二輪車は、搭乗状態の運転者の足置き部分が車体の左右から突出する構造であってもよい。また自動二輪車は、スクータであってもよい。すなわち自動二輪車の足置き部分は、シートの前方であって車体の車幅方向内側に配置される構造であってもよい。走行駆動ユニットの搭載位置は、任意の位置に配置することができ、シート下に配置されるほか、スイングアームに固定される構造であってもよい。またエンジン駆動車両であってもよいし、モータ駆動車両であってもよいし、エンジンと電動モータとの両方の駆動が可能なハイブリッド車両であってもよい。カウル構造についても、車体全体を覆うフルカウル形状であってもよいし、車体の内部が一部露出する構造であってもよい。またヘッドランプユニットは、車体フレームに固定されるとしたがこれに限らない。すなわちヘッドランプユニットは、ステアリングシャフト15に固定されてもよい。
【0087】
プロジェクタ型ランプは、光が透過する透過物によって配光特性が設定されればよく、半球状以外の形状に形成されてもよい。たとえば複数のレンズを介して配光特性を得てもよく、凸レンズのほかに、フレネルレンズや回折レンズなどの光を透過させて拡散するレンズであってもよい。プロジェクタ型ランプは、光源からの出射光を反射面で反射した後にレンズで拡散する構造であってもよい。
【0088】
本実施形態では、ロービームが常時点灯されるとしたがこれに限らず、日中はデイライトを点灯させ、夜間はロービームを点灯させる構造であってもよい。また運転者による操作によってハイビームを点灯させるようにしてもよいし、車両に搭載する制御装置が前方の対向車の有無を判断して、オートハイビームの点消灯状態を制御してもよい。また車両に搭載する制御装置が前方の対向車の有無を判断して、ハイビームの配光領域を制御するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0089】
10 自動二輪車(鞍乗型車両)
21 カウル
22 フロントカウル部
30 ヘッドランプユニット
34 ロービーム用ランプ
35 第1LED光源
38 屈折レンズ
40 ハイビーム用ランプ
41 第2LED光源
42 第2回路基板
43 ハイビーム用リフレクタ
43A 反射面
45 ポジションランプ
46 第3LED光源
48 ポジション用リフレクタ
50 ランプハウジング
52 ブラケット
60 エクステンションカバー
70 アウタケース
80 アウタレンズ
85 カウル取付部
LU サブユニット
図1
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図8