(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161968
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】地金保護ケース
(51)【国際特許分類】
B65D 77/00 20060101AFI20241114BHJP
【FI】
B65D77/00 C
B65D77/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077073
(22)【出願日】2023-05-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】521568203
【氏名又は名称】株式会社エスアールシー
(74)【代理人】
【識別番号】100151208
【弁理士】
【氏名又は名称】植田 吉伸
(72)【発明者】
【氏名】新崎 哲雄
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AA14
3E067AB99
3E067AC01
3E067BA10A
3E067BB14A
3E067BC02A
3E067CA30
3E067EC07
3E067ED01
3E067EE09
3E067FA01
3E067FC03
(57)【要約】
【課題】本発明の目的は、地金の鑑賞を楽しみつつ傷つくことを防ぐことを可能とする地金保護ケースを提供することである。
【解決手段】地金保護ケース10は、所定の厚みを有する地金8を保護するケースであって、地金8の表面及び裏面を視認するための開口部14を有し、地金8の端部を覆うための環状形状を有する保護枠部12を備え、地金8の表面は、複数の凸部がn×mの行列を構成するように整列配置された板チョコ部を有し、地金8の裏面は、地金8に関する情報が刻印される平坦部を有し、保護枠部12の表面は、地金8の端部に位置する複数の凸部の外形に沿った表面側カバー部12Tを有することを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の厚みを有する地金を保護する地金保護ケースであって、
前記地金の表面及び裏面を視認するための開口部を有し、前記地金の端部を覆うための環状形状を有する保護枠部を備えることを特徴とする地金保護ケース。
【請求項2】
請求項1に記載の地金保護ケースであって、
前記地金の前記表面は、複数の凸部がn×mの行列を構成するように整列配置された板チョコ部を有し、
前記地金の前記裏面は、前記地金に関する情報が刻印される平坦部を有し、
前記保護枠部の表面は、前記地金の端部に位置する前記複数の凸部の外形に沿った表面側カバー部を有することを特徴とする地金保護ケース。
【請求項3】
請求項2に記載の地金保護ケースであって、
前記保護枠部の裏面は、前記地金の端辺からの距離が前記表面側カバー部に比べて短い長さで前記地金の端部を覆う裏面側カバー部を有することを特徴とする地金保護ケース。
【請求項4】
請求項1に記載の地金保護ケースであって、
前記保護枠部は、柔軟性を有する材質で構成されていることを特徴とする地金保護ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地金保護ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金や銀などの金属を貯蔵しやすいように固めた地金が販売されている。本発明に関連する技術として、例えば、特許文献1には、平版印刷版の製造過程で発生する端材又は/及び使用済み平版印刷版を1%以上含有する再生地金において、矩形の底面と、前記底面から上方に向けて広がるように傾斜する4側面と、前記底面と対向する上面と、前記上面に形成された刻印と、を備えることを特徴とする再生地金が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
地金は資産の1つとして保有するということもあるが、金や銀等の輝きなどを楽しむことも出来る。しかしながら、金や銀は傷などへの耐久性が弱いことから、地金に傷がついてしまうことがある。
【0005】
本発明の目的は、地金の鑑賞を楽しみつつ傷つくことを防ぐことを可能とする地金保護ケースを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る地金保護ケースは、所定の厚みを有する地金を保護する地金保護ケースであって、前記地金の表面及び裏面を視認するための開口部を有し、前記地金の端部を覆うための環状形状を有する保護枠部を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る地金保護ケースであって、前記地金の前記表面は、複数の凸部がn×mの行列を構成するように整列配置された板チョコ部を有し、前記地金の前記裏面は、前記地金に関する情報が刻印される平坦部を有し、前記保護枠部の表面は、前記地金の端部に位置する前記複数の凸部の外形に沿った表面側カバー部を有することが好ましい。
【0008】
また、本発明に係る地金保護ケースであって、前記保護枠部の裏面は、前記地金の端辺からの距離が前記表面側カバー部に比べて短い長さで前記地金の端部を覆う裏面側カバー部を有することが好ましい。
【0009】
また、本発明に係る地金保護ケースであって、前記保護枠部は、柔軟性を有する材質で構成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、地金の鑑賞を楽しみつつ傷つくことを防ぐことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明に係る実施形態の地金保護ケースを示す図である。
【
図2】本発明に係る実施形態の地金保護ケースを地金に装着した様子を示す図である。
【
図3】本発明に係る実施形態の地金保護ケースを地金に装着した試作品の写真を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0013】
図1は、本発明に係る実施形態の地金保護ケース10を示す図である。
図1(a)は、地金保護ケース10の正面図であり、
図1(b)は、地金保護ケース10の平面図であり、
図1(c)は、地金保護ケース10の底面図である。
図1(d)は、地金保護ケース10の右側面図であり、
図1(e)は、地金保護ケース10の背面図であり、
図1(f)は、地金保護ケース10の斜視図である。
【0014】
図2は、本発明に係る実施形態の地金保護ケース10を地金8に装着した様子を示す図である。
図2(a)は、地金8を装着した地金保護ケース10を正面側から見た斜視図であり、
図2(b)は、地金8を装着した地金保護ケース10を背面側から見た斜視図である。
図2(c)は、地金8を装着した地金保護ケース10の正面図であり、
図2(d)は、地金8を装着した地金保護ケース10の底面図であり、
図2(e)は、地金8を装着した地金保護ケース10の背面図である。
【0015】
図3は、本発明に係る実施形態の地金保護ケース10を地金8に装着した試作品の写真を示す図である。
【0016】
地金保護ケース10は、金や銀などの地金8を鑑賞しつつ傷つくことを防止するためのケースである。地金保護ケース10は、保護枠部12を含んで構成される。
【0017】
ここで、地金8は、金や銀などの金属を貯蔵しやすいように形成したものであり、ここでは、板チョコのような形状を有している。
【0018】
地金8は、
図2に示されるように、5行×7列の粒(凸部)が整列配置されたものとして説明するが、この行列に限定されることはなく、例えば、
図3に示されるように4行×5列の凸部でも良い。
【0019】
5行×7列の各凸部は、略四角錘台形状を有しており、隣り合う各部との間には、溝部が形成されており、板チョコを模した形状となっている。
図3に示されるように、四角錘台形状は、側面が傾斜しているため、地金8に当たる光が反射して地金8の輝きが増すような構成となっている。
【0020】
図2に示される5行×7列の凸部の板チョコ状の地金8のサイズは、長手方向の長さが156.5mmで、短手方向の長さが67.7mmである。
【0021】
そして、各凸部の大きさは、上面の長手方向の長さが15.7mmであり、上面の短手方向の長さが8.8mmであり、下面の長手方向の長さが20.5mmであり、下面の短手方向の長さが12.8mmである。
【0022】
なお、
図3に示される4行×5列の凸部の板チョコのサイズは、長手方向の長さが111.6mmで、短手方向の長さが54.3mmである。
【0023】
そして、
図3に示される各凸部の大きさは、上面の長手方向の長さが15.4mmであり、上面の短手方向の長さが8.3mmであり、下面の長手方向の長さが22.4mmであり、下面の短手方向の長さが13.0mmである。
【0024】
また、各凸部の略四角錘台の傾斜面の角度は、約57°~約63°に設定することができるが、もちろん、これらの数値も適宜変更可能であり、例えば、光の反射などを考慮して設定することが出来る。
【0025】
地金8は、所定の厚みを有する板チョコ形状であるものとして説明したが、この形に限定されず、例えば、チロルチョコ型などの形状を有するものであってもよい。
【0026】
地金8の表面は、上記のように板チョコ形状を有しているが、地金8の裏面は、地金8に関する情報が刻印される略平坦面を有する。地金8に関する情報として、商品の標章や図形などの他、地金8の純度、製造番号などに関するものが含まれている。
【0027】
保護枠部12は、地金8の表面及び裏面を視認するための開口部14を有し、地金8の端部を覆うための環状形状を有する枠部材である。保護枠部12は、柔軟性を有する材質で構成されており、例えば、シリコン樹脂を用いて構成することが出来る。
【0028】
開口部14は、
図1に示されるように矩形形状を有しており、長手方向の長さが約110mmであり、短手方向の長さが約40mmであるものとして説明するが、もちろん、適宜変更可能である。
【0029】
保護枠部12の表面は、地金8の端部に位置する複数の凸部の外形に沿った表面側カバー部12Tを有する。例えば、地金8の5行×7列の凸部の板チョコの場合、最も外側に位置する周方向に並んだ凸部に嵌合するような形状を有している。
【0030】
保護枠部12の裏面は、地金8の端辺からの距離が表面側カバー部12に比べて短い長さで地金8の端部を覆う裏面側カバー部12Bを有する。裏面側カバー部12Bは、例えば、5mmであるものとして説明するが、もちろん、適宜変更可能である。このため、保護枠部12の背面側から見たときに、
図2に示されるように凸部の裏面が視認できる状態となっている。
【0031】
なお、保護枠部12は、地金8の端部を保護するように挟み込んだ状態となるため、地金8の厚み方向に切断した際の断面図は、略凹形状を有する。なお、保護枠部12の厚みは2mm~3mmに設定することが好ましいが、適宜変更可能である。
【0032】
続いて、上記構成の地金保護ケース10の作用について説明する。従来、資産の形成手段の1つとして、例えば、金の地金8などが所有されている。金の地金8は、資産価値が高く、金庫などに保管されていることが多い。
【0033】
本発明の出願人は、地金8を鑑賞用の商品として楽しむためにデザイン性を高め、付加価値を加えて販売している。例えば、
図2,3の地金8に示されるように板チョコを模したインゴットを製造して販売している。この地金8は、表面側にはチョコの粒を模した凸部が行列配置されており、裏面側には標章や金の純度、製造ロット番号などが刻印されている。
【0034】
ここで、金や銀は、傷への耐久性が小さいため、地金8を手に取った後、机に置いたりしている間に傷がついてしまう虞がある。このような課題に対し、本発明の実施形態に係る地金保護ケース10は顕著な効果を発揮する。
【0035】
最初に板チョコ形状の地金8の端部に地金保護ケース10を装着する。具体的には、地金8の表面の凸部に地金保護ケース10の表面側カバー部12Tを装着し、地金8の裏面に裏面側カバー部12Bを装着する。地金保護ケース10は、柔軟性を有する材質で形成されているため、伸ばしながら装着を行うことが出来る。
【0036】
地金8に地金保護ケース10を装着し終えると、
図2,3に示されるようになる。表面側は、
図3に示されるように、最も外側の凸部は、表面側カバー部12Tがぴったりと装着されて板チョコの形状が保たれているとともに、中央部の開口から地金8が視認できるため、地金8の鑑賞を楽しむことが出来る。
【0037】
裏面側は、
図2に示されるように、地金8の裏面も開口から視認できる状態であるため、標章などの刻印を見ることができる。そして、表面側カバー部12Tと裏面側カバー部12Bは所定の厚みを有しているため、例えば、机の上に置いた場合であっても、地金8が直接触れることはなく、傷などから守ることが出来るという顕著な効果を奏する。すなわち、地金保護ケース10によれば、地金8を傷から保護しつつ鑑賞を楽しむことが出来るという利点がある。
【符号の説明】
【0038】
8 地金、10 地金保護ケース、12 保護枠部、12B 裏面側カバー部、12T表面側カバー部、14 開口部。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の厚みを有する地金を保護する地金保護ケースであって、
前記地金の表面及び裏面を視認するための開口部を有し、前記地金の端部を覆うための環状形状を有する保護枠部を備え、
前記地金の前記表面は、複数の凸部がn×mの行列を構成するように整列配置された板チョコ部を有し、
前記地金の前記裏面は、前記地金に関する情報が刻印される平坦部を有し、
前記保護枠部の表面は、前記地金の端部に位置する前記複数の凸部の外形に沿った表面側カバー部を有することを特徴とする地金保護ケース。
【請求項2】
請求項1に記載の地金保護ケースであって、
前記保護枠部の裏面は、前記地金の端辺からの距離が前記表面側カバー部に比べて短い長さで前記地金の端部を覆う裏面側カバー部を有することを特徴とする地金保護ケース。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明に地金保護ケースは、所定の厚みを有する地金を保護する地金保護ケースであって、前記地金の表面及び裏面を視認するための開口部を有し、前記地金の端部を覆うための環状形状を有する保護枠部を備え、前記地金の前記表面は、複数の凸部がn×mの行列を構成するように整列配置された板チョコ部を有し、前記地金の前記裏面は、前記地金に関する情報が刻印される平坦部を有し、前記保護枠部の表面は、前記地金の端部に位置する前記複数の凸部の外形に沿った表面側カバー部を有することを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】削除
【補正の内容】